決算委員会 第3号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/03/23
会議録
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。本日は、農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行ないます。 まず、農林省の決算について説明を聴取いたします。久保農林政務次官。
○政府委員(久保勘一君) 農林省所管の昭和三十九年度歳入歳出決算について概略を御説明申し上げます。 まず、歳入につきましては、収納済み歳入額は、一般会計において百六十三億六千七百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において一兆九千八百八十三億五千余万円、国有林野事業特別会計各勘定合計において千百十三億八千百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定合計外七特別会計の総合計において七百四十七億九千四百余万円となっております。 次に、歳出についてでありますが、支出済み歳出額は、一般会計において三千四百四十一億三千六百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において一兆九千八百三十五億八千八百余万円、国有林野事業特別会計各勘定合計において千百四億二千五百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定合計外七特別会計の総合計において六百三十四億八千八百余万円となっております。 これらの経費は、農業生産の選択的拡大、農業の生産性の向上と総生産の増大 農業構造改善と農業の近代化の推進、農産物の流通合理化、加工及び需要の増進並びに輸出振興、農産物の価格安定と農業所得の確保、農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定、農業経営担当者の養成確保と農業従事者の就業促進及び福祉の向上、農業団体の整備強化、林業の振興、水産業の振興、農林漁業金融公庫資金の拡充、その他農業災害補償制度、災害対策公共事業、食糧管理、農業共済再保険、国有林野事業等の諸事業の実施に使用したものであります。 次に、これらの事業のおもなものについて御説明申し上げます。 まず第一に、農業生産の選択的拡大といたしましては、支出済み歳出額は五十五億四千八百余万円でありますが、畜産の生産振興対策といたしましては、畜産経営の基盤となる飼料自給度の向上をはかるため、前年度に引き続き、草地造成を行ないますとともに、飼料作物の生産改善施設等に対し助成等を行ないました。 また、家畜の改良増殖対策、寒冷地等特殊地帯に対する県有家畜貸付事業等の家畜導入事業を実施したほか、家畜衛生対策の推進並びに国立種畜牧場の施設整備等を実施し、畜産農家の振興と生産性の向上に積極的に寄与いたしました。 園芸の振興対策といたしましては、果樹農業の生産振興につきまして果樹園経営の集団化を促進し、果樹農業の生産性の向上をはかるため、農林漁業金融公庫による果樹植栽及び育成資金の金利を引き下げるとともに、融資ワクを四十億円に拡大したほか、新たに適地における果樹園造成の合理化を促進するためのブルドーザーの導入について助成したほか、果樹園経営計画の樹立実施等につき助成いたしました。 野菜の生産振興につきましては、カンラン、トマト及びキュウリについて京浜、京阪神および名古屋地域を対象とする指定産地に対しての生産合理化施設の導入につき助成したほか、加工用トマトの共同育苗圃の設置等について助成いたしました。 甘味資源作物の生産振興につきましては、甘味資源総合対策の一環として、てん菜、サトウキビ及びでん粉原料用カンショ、バレイショにつきまして積極的にその生産振興に力を注いでまいりました。 てん菜につきましては、前年度に引き続き、日本てん菜振興会に対する出資及びてん菜栽培機械施設の設置等につき助成したほか、新たに土壌線虫の緊急防除及び暖地てん菜の輸送費について助成を行ないました。なお、北海道につきましては、てん菜生産振興のための土地改良事業を拡充し、所要の畑地土地改良事業につき助成いたしました。 種子島、屋久島等南西諸島におけるサトウキビにつきましては、引き続き土壌改良のためのトラクターの導入等につき助成するとともに、新たに土壌線虫の緊急防除事業等について助成を行ないましたほか、サトウキビ生産振興のための土地改良事業に助成いたしました。また、でん粉原料用カンショ、バレイショにつきましても、原種事業等を強化するとともに、カンショにつき省力機械化栽培の普及をはかるための栽培合理化実験集落設置について助成を行ないました。 特用作物の生産振興につきましては、引き続き優良種苗の確保、耕種基準圃の設置等につき助成したほか、新たに落花生及び茶の省力機械化のために助成いたしました。 養蚕生産の合理化といたしましては、最近の農村における労働事情の逼迫にかんがみ、蚕の上蔟方法を省力化し生産性の向上をはかるため、新たに自然上蔟指導集落の設置につき助成したほか、軟化病の検出調査に対して前年度に引き続き助成いたしました。 第二に、農業の生産性の向上と総生産の増大といたしましては、支出済み歳出額は八百五十六億六千六百余万円であります。農業基盤の整備といたしましては、生産の選択的拡大の方向に即し計画的に事業を実施いたしました。まず土地改良事業につきましては、堰堤工事、用排水路等の工事を国営かんがい排水事業として百九地区実施いたしましたほか、都道府県営土地改良事業七百九十八地区、団体営土地改良事業千九百八十八地区のかんがい排水、客土、区画整理及び暗渠排水等の事業と、前年度新たに設けられた圃場整備事業を拡充し、二百八十地区の事業について助成しました。 また、愛知用水公団事業につきましては、愛知用水事業の施設管理とあわせて豊川用水事業に助成するとともに、水資源開発公団が行なう群馬用水及び印旛沼開発事業についても助成いたしました。 干拓事業につきましては、農家の経営規模の拡大をはかるとともに、国土の造成及び保全に資するため、干拓堤防、干拓地の道路、水路等の建設工事を国営三十三地区、代行三十四地区について実施いたしましたほか、県営事業五十地区につき助成を行ないました。 農用地開発事業のうち開拓事業につきましては、新振興対策関連の建設工事と開墾作業等の促進を重点に、国営七十六地区、代行三百四十八地区及び農家の経営規模の拡大、成長農産物を主体とする営農の伸長をはかるための開拓。パイロット事業国営十五地区、都道府県営百六地区、団体営四十地区の事業を推進いたしました。 また、農地開発機械公団に対しましては、建設機械の購入、更新等の経費に充てるため、一億円の出資を行ないました。 なお、特定土地改良工事特別会計の事業につきましては、国営かんがい排水事業、直轄及び代行干拓事業等につき、引き続き工事の進捗をはかり、一般会計からの繰り入れ、借り入れ金等を加えて実施し、その支出済み歳出額は、二百五十八億二千余万円でありまして、特に八郎潟干拓事業につきましては中央干拓の干陸を推進し、地区内工事に着手いたしました。 次に、試験研究事業といたしましては、農林水産業近代化の技術的基礎を強化確立するため、前年度に引き続き大型機械化総合組み立て試験等の特別研究を強力に推進するとともに、基礎研究の正慶性及び研究の高度化に伴う研究基盤の充実をはかるため、植物ウイルス研究所を新設いたしましたほか、試験研究機関の運営費の充実、研究用機械及び施設の整備を行ないました。 また、都道府県試験研究機関に対する助成について総合助成方式の拡充実施をはかりましたほか、総合実験農場を増設いたしました。 技術の改良普及といたしましては、まず、農業改良普及事業及び生活改善普及事業につき普及活動担当専門技術員の拡充、生活改良普及員の増員をはかるとともに、機動力の充実、研修施設の設置、生活近代化センターの増設等につき助成を行ないました。 畜産経営技術の指導事業につきましては、国、都道府県を通する畜産技術の研修事業の整備をはかるとともに、従来の畜産経営診断事業を改め、新たに高度の専門的技術を有する畜産コンサルタントの事業に対し助成を行なったほか、畜産新技術開発実験集落の設置及び畜産経営モデル施設の設置に助成等を行ないました。 蚕糸技術の改良普及事業につきましては、蚕業改良指導員及び嘱託蚕業普及員に対する人件費の助成を行なうとともに、新たに蚕業改良指導員に対して普及手当を、嘱託蚕業普及員に対しては活動強化費の助成を行ないました。また、前年度に引き続き低位生産地に対する濃密指導を行なうとともに、主要養蚕県に蚕業研修センターを設置して蚕業技術及び経営の高度化をはかりました。 以上のほか、主要農作物の優良種子の確保、地力保全、植物防疫事業を引き続き実施するとともに、新たに米麦の乾燥調製、保管等を一貫して行なう施設等の実験的設置に対し助成して、米麦の生産流通の合理化をはかりました。 農業改良資金制度につきましては、その貸し付け対象を広げ、従来の技術導入資金のほか、新たに生活改善資金及び農業後継者育成資金を加え、内容を拡充強化いたしました。 第三に、農業構造改善と農業の近代化の推進といたしましては、支出済み歳出額は二百五十八億四千七百余万円であります。 農業横造改善事業につきましては、事業実施の推進体制の強化をはかるとともに、一般事業地区を増加する等事業の一そうの促進をはかりました。 農業機械化の推進につきましては、深耕用、土層改良用、重粘土土層改良用の大型トラクター、収穫作業機械化推進のためのコンバイン、ドライヤー等の導入、ヘリコプターの農林水産業への利用を促進するための利用調整及び乗員養成等につき助成を行ないましたほか、農業機械化研究所へ追加出資をいたしました。 農業近代化資金融通制度につきましては、本年度における農業近代化資金の融資実績は、五百三億円に達し、前年度に比較して十七億円の増加を示しました。 本年度の財政措置といたしましては、融資ワクの拡大とこれが制度の円滑な運営を期すべく、農業近代化助成資金に百億円の追加繰り入れを行ない、従来の繰り入れ額とあわせその資金の運用益をもって都道府県が行なう農業近代化資金利子補給事業に対し、補助金として十四億九千三百余万円の助成を行ないました。また、農業近代化資金の債務保証業務を行なう都道府県農業信用基金協会に対する出資補助金、農業近代化資金取扱事務費補助金及び旧農業改良施設資金利子補給補助金を都道府県に交付しました。 第四に、農産物の流通合理化、加工及び需要の増進並びに輸出振興といたしましては、支出済み歳出額は三十四億四千余万円であります。 まず、家畜及び畜産物の流通改善対策につきましては、食肉について食肉センターの設置、家畜市場の再編整備、食鶏出荷合理化施設の助成等を継続実施して、食肉取引の近代化と小売業者の経営の合理化等をはかりました。生乳につきましては、生乳共販施設の設置、乳業の整備合理化を促進するための乳業施設配置及び集送乳路線の実態等の調査に助成等を行ないましたほか、学校給食用牛乳供給事業に対する助成等を行なうため、畜産振興事業団に二十億円の交付金を交付しました。 青果物の流通改善対策につきましては、自主的な出荷調整を促進するための流通改善協議会を開催したほか、大消費地域への野菜の安定的供給の確保をはかるための指定産地制度については、京浜地域を対象とする産地を追加するとともに、京阪神及び名古屋地域に出荷する産地にこれを拡張したほか、この拡張と相まって、同地域に出荷されるカンランについても生産安定資金制度を確立し、さらに青果物の品質、包装の統一規格の普及促進のための助成等を前年度に引き続き行ないました。 以上のほか、生鮮食料品の流通改善対策の一環として、中央卸売市場の開設整備計画に基づき、その開設及び整備の拡充をはかるため、東京都ほか十三都市について施設の整備につき助成するとともに、食料品等の流通に関する長期的な対策を確立するため、中央卸売市場等の施設整備等に関する調査研究を行ないました。 農産物の加工及び需要の増進といたしましては、農林関係企業の経営の合理化を促進するため、その実態を調査して中小企業近代化計画を策定し、積極的な指導等を行なうとともに、日本農林規格の普及を推進するための指導及び日本農林規格協会の行なうJASに関する宣伝普及事業に対する助成を行ないました。また、このほか農産物加工企業の合理化に資するため企業合理化試験研究費の助成を行ないました。 農産物の輸出振興といたしましては、輸出貿易の健全な発達に寄与するため、輸出農林畜水産物の検査事業を実施しましたほか、海外における生糸の消費宣伝及び調査活動を強化するため、日本絹業南会に対する助成を増額するとともに、輸出生糸の検査事業の充実をはかりました。 第五に、農産物の価格安定と農業所得の確保といたしましては、支出済み歳出額は千八十四億九千三百余万円であります。まず、食糧管理、農産物価格安定、甘味資源対策及び飼料需給安定の各事業につきましては、農家経済と消費者家計の安定とを目的としてその制度を運営している関係からいたしまして、その運営の健全化をはかるために一般会計から食糧管理特別会計に対し、調整資金として千五十億円を繰り入れこの調整資金の取りくずしによって食糧管理勘定に生ずる損失額を処理することといたしました。 さらに、輸入飼料勘定に対し二十七億六千万円の繰り入れを行ないまして輸入飼料の取り扱いにより生ずる損失を補てんすることにいたしました。 国内産大豆及びなたねの保護対策といたしましては、本年度は三十八年産大豆六千トン及び三十九年産なたね四万トンにつき交付金を交付しました。 このほか、砂糖価格の低落に対処し、国内産ブドウ糖の生産の維持及び価格の安定をはかるため、日本ぶどう糖工業協同組合が行なった国内産ブドウ糖の調整保管事業について助成いたしました。 また、畜産振興事業団の行なう価格安定業務の円滑な実施をはかるため、同事業団に四億円の追加出資を行ないましたほか、糸価安定特別会計においても、前年同様に繭糸価格の安定をはかりました。 第六に、農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定といたしましては、支出済み歳出額は二億五千余万円でありまして、肥料及び飼料の品質を保全し、その公正な取引を確保するため、肥飼料検査所において肥料の検査取り締まり及び指定飼料の検査を拡充実施するとともに、肥料の需給及び価格の安定に資するため、硫安の生産費調査及び肥料の卸、小売り市況調査を行ないましたほか、農薬検査所において農薬登録のための検査事業を、動物医薬品検査所におきましては、指定医薬品の国家検定及びその他の医薬品等の収去検査を行ない品質保持につとめました。 また、飼料の流通合理化につきましては、都道府県の飼料検査施設に助成を行ないました。 第七に、農業経営担当者の養成確保と農業従事者の就業促進及び福祉の向上といたしましては、支出済み歳出額は二十五億四千八百余万円であります。農業近代化推進のにない手となる農業経営者の養成につきましては、農業講習所、農村青年研修館、経営伝習農場の整備を促進するとともに、先進地農家研修、ラジオ農業学校、農村教育青年建設班等のほか、新たに自営者冬季学校を開催する等農村青年対策を総合助成いたしますとともに、農村青壮年を海外に派遣しました。 また、新たに農業後継者の育成に必要な資金を農業改良資金の貸し付け対象に加えることといたしました。 農業従事者の就業促進につきましては、就業構造改善対策事業を実施し、農業委員会組織による農業労働力調整協議会の開催等に対して助成をしましたほか、農業移住促進事業に対して助成を行ないました。 農業従事者の福祉の向上としましては、すでに述べましたように生活改善普及事業の充実をはかりましたほか、開拓地の振興対策として、既入植者の営農安定と生活環境の整備を重点に実施し、開拓者資金融通特別会計による融資を三十五億三千五百余万円に増額貸し付けしました。また、開拓営農指導員の待遇改善、開拓者の離農援助等に助成いたしました。 離島振興としましては、離島振興法に基づく離島の振興対策事業として、農業基盤整備事業のほか、治山造林、林道、漁港修築、海岸、離島電気導入の事業に助成しました。 なお、このほか僻地農山漁村電気導入事業及び農山漁村同和対策事業を前年度に引き続き実施いたしました。 第八に、農業団体の整備強化につきましては、支出済み歳出額は二十一億七千五百余万円でありまして、農業委員会等の活動を促進するための指導援助を強化するとともに、農業協同組合の合併を推進したほか、農林漁業団体職員共済の給付内容の改善を行ないました。 また、開拓農業協同組合の事務処理体制の補強をはかるとともに、前年度に引き続き土地改良区の財政再建方策の指導を行ないました。 第九に、林業の振興といたしましては、支出済み歳出額は二百三十一億四千百余万円であります。治山事業につきましては、治山事業長期計画の実施に伴い国有林野事業特別会計の治山勘定に百五億七千八百余万円を繰り入れて実施したほか、林道事業、造林事業、森林計画事業、林業普及指導事業、林業協業促進対策事業、木炭事業合理化対策等についてそれぞれ助成を実施いたしました。 また、新たに林業構造改善対策事業に着手し、九十二地域について計画地域の指定を行ない、さらに保安林整備管理事業については、所要の調査を行ないこれに基づいて保安林整備計画を樹立し、保安林の配備等を計画的に推進することといたしました。 なお、前年度に引き続き林業者等が必要とする運転資金の借り入れについて、その債務保証を行なう林業信用基金に対し、三億五千万円の政府出資を行なうとともに、別途森林開発公団による水源林造成事業のため二十七億円、融資造林の拡充をはかるため農林漁業金融公庫に対し、十五億円の政府出資を行ないました。 第十に、水産業の振興といたしましては、支出済み歳出額は百二十三億七百余万円であります。沿岸漁業等の振興対策につきましては、沿岸漁業構造改善対策事業として経営近代化促進対策事業、漁場改良造成事業及び大型魚礁設置事業を実施し、また従来の漁業共済事業の試験実施を打ち切り、本格的に事業を実施するとともに、新たに漁況海況予報事業を実施いたしました。 水産資源対策につきましては、瀬戸内海栽培漁業センターの設置及び運営、北海道サケ、マスふ化場の事業の拡充強化、内水面重要資源の維持培養等のための助成、海洋漁場の調査を実施いたしました。 水産物の流通対策につきましては、主要生産地における冷蔵庫、冷蔵自動車、水産加工施設の設置等の事業に対し助成を行なうとともに、新たに生鮮魚類容器改善事業、冷凍魚普及宣伝事業について助成を行ないました。 水産研究の強化につきましては、国立水産研究所の整備充実を促進したほか、都道府県水産試験場の試験調査に対する助成、水産業改良普及事業の強化及び漁村青壮年実践活動事業等について助成を行ないました。 漁港の整備につきましては、第三次漁港整備計画に基づき、修築事業を重点的に実施することとし、これに対する助成を行ないましたほか、改修事業及び局部改良事業の助成並びに北海道の直轄修築事業を実施いたしました。 第十一に、農林漁業金融公庫資金の拡充につきましては、前年度に引き続き農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金の融通を促進し、この結果当年度の貸し付け決定の総額は、千十三億余万円となっております。 また、本年度におきましては、特に貸し付け金利の引き下げ、金利体系の整備をはじめとする公庫資金の貸し付け条件等につき大幅な改善簡素化を行ない、公庫資金融通の円滑化をはかった次第であります。 第十二に、農業災害補償制度につきましては、支出済み歳出額は二百十億千七百余万円であります。農業保険費の当初予算額は、百六十億千六百余万円でありましたが、三十九年産麦及び水稲の異常災害発生に伴う再保険金支払い財源の不足補てん等のため、五十億八百余万円の補正追加を行ないました。 第十三に、災害対策公共事業の推進といたしましては、支出済み歳出額は二百八十六億八千三百余万円であります。災害による国土の荒廃を防止するため農地関係におきましては海岸保全事業として、国営三地区を実施しましたほか、県営百四十四地区につき助成しました。 漁港関係におきましては、海岸保全事業として百二十六港の継続工事、七十九港の新規着工の工事につき助成しましたほか、チリ地震津波対策事業につき助成しました。 また、災害復旧事業及び災害関連事業につきましては、農業、林業、漁港関係を含め三十六年災は一〇〇%、三十七年災は八七%から一〇〇%、三十八年災は六七%から一〇〇%まで、三十九年災については、補正予算及び予備費をもってそれぞれ所定の事業進度を達成いたしました。 最後に、農林省所管の主要特別会計の各事業といたしましては、まず食糧管理特別会計の事業の国内米については、当初、買い入れ予定七百万トンに対し、実績は六百八十八万トン、売り渡し予定六百九十二万トンに対し、実績は七百一万トン、国内麦については、買い入れ予定百三十二万トンに対し、実績は百四万トン、売り渡し予定九十四万トンに対し、実績は八十一万トン、輸入食糧については、買い入れ予定外米二十六万トン、外麦二百三十八万トンに対し、実績は外米五十一万トン、外麦二百六十八万トン、売り渡し予定外米二十五万トン、外麦二百二十八万トン、小麦粉十六万トンに対し、実績は外米五十一万トン、外麦二百五十四万トン、小麦粉十六万トン、農産物等については、カンショでん粉及びバレイショでん粉の買い入れ予定七万五千トンに対し、実績は同じく七万五千トン、売り渡し予定四千トンに対し、実績は同じく四千トン、砂糖類については、てん菜糖、甘蔗糖、ブドウ糖及び沖繩甘蔗糖の買い入れ予定十六万七千トンに対し、実績は十七万二千トン、売り渡し予定十二万トンに対し、実績は四万八千トン、輸入飼料については、大麦、小麦及びふすまの買い入れ予定百五十三万四千トンに対し、実績は百二十二万四千トン、売り渡し予定百四十八万九千トンに対し、実績は百四十万二千トンとなっております。 次に、農業共済再保険特別会計の農業勘定につきましては、三十九年産麦及び水稲の異常災害発生に伴う再保険金支払い財源の不足補てん等のため、七十一億二百余万円の補正追加を行ない、また同勘定再保険金支払い財源として、予備費四十億三千八百余万円を使用し、支出済み歳出額は、百八十億四千八百余万円となりました。 なお、一般会計から同勘定へ受け入れた再保険金支払い財源不足補てん金は、本年度受け入れ分十八億八千三百余万円を加え、累計百七十七億九千四百余万円となっております。 また、家畜勘定につきましては、支出済み歳出額は、二十二億千七百余万円であります。 国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定につきましては、立木及び素材の売り払いのほか、林道事業、造林事業、治山事業及び官行造林地の新植等を実施するとともに、民有保安林の買い入れを行ないました。 また、この勘定の特別積立金を取りくずし、林業振興のための財源として一般会計へ五十億円の繰り入れを行ない、林業施策の進展をはかりました。 治山勘定につきましては、民有林地内の山地治山、防災林造成、保安林整備、特別緊急治山及び地すべり防止事業等を実施いたしました。 以上、昭和三十九年度のおもな事業の概要について御説明申し上げましたが、これら事業の執行につきましては、いやしくも不当な支出や非難さるべきことのないよう、常に経理の適正なる運営について極力意を用いてまいりましたが、昭和三十九年度決算検査報告においてなお、不当事項として相当件数の指摘を受けておりますことはまことに遺憾に存じます。 今後とも指導監督を徹底しまして、事業実施の適正化につとめる所存であります。何とぞよろしくご審議のほどをお願いいたします。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。小熊第四局長。
○説明員(小熊孝次君) 昭和三十九年度農林省所管決算検査報告の概要につきまして御説明申し上げます。 三十九年度決算について指摘いたしましたものは、工事関係十三件、三千万余円、物件関係一件、一千九百万余円、保険関係三十二件、三億九百万余円、補助金関係三百十四件、二億五百万余円、計三百六十件、五億六千万余円となっており、また、災害復旧事業に対する早期検査の結果補助金の減額を要するものは十一億二千六百万余円であります。 ただいまから検査報告に記載してございます順序に従いまして簡単に御説明申し上げます。 まず、工事について申し上げます。 二〇九号から二一一号までの案件は、工事の施行にあたり、設計、積算が適切を欠いたため不経済となっていると認められるもの、監督、検査が適切でなかったため、施行が設計と相違していて、出来高が不足しているものなどであります。 次に、物件について申し上げます。二二二号は、自作農創設特別措置特別会計に所属する財産の管理が適切を欠いているものでございます。 次は保険でございますが、二二三号から二四七号までは、農業共済保険事業の運営が適切でないという事態でございます、このような事態につきましては毎年度の検査報告に掲記して、その適正をはかるよう注意してきたところでございます。 それから二四八号から二五四号までは、漁船再保険金を過大に支払っている事態でございます。 次は補助金でございます。二五五号から五三三号までは、いずれも公共事業関係のものでありまして、工事の施行が粗漏となっているもの、出来高が設計に比べ不足しているもの、あるいは事業主体が正当な自己負担をしていないものなど、国庫補助金の経理が不当と認められた事例が多数に上っております。 また、五三四号は、昭和三十九年発生災害復旧工事の査定を了したものに対し、早期検査を行ないました結果のものでありまして、検査の結果、本院の注意に基づきまして当局が査定額を減額是正いたしたものでございます。 このように、公共事業関係の補助工事の施行および災害復旧事業費の査定につきましては、従来毎年度検査報告に掲記してその是正につき注意を喚起してきたところでございますが、依然としてあとを断たない状況にかんがみまして別項記載のとおり改善の意見を表示いたしました。 五三五号から五六八号までは一般補助関係のものでございまして、うち、五三五号から五六五号までは、農業構造改善対策事業におきまして事業の計画が当を得ないため補助の目的を達していなかったり、過大な精算を行なっているものなどの事態でございます。 五六九号はなたね交付金について交付の対象としてはならないものに交付していましたり、あるいはなたね生産者に交付されていなかったという事態でございます。 以上申し上げましたように、公共事業を含めまして、補助金全般の経理につきましては、例年同様適切を欠く事例が多いことにかんがみまして、関係当局におかれましてはその指導監督を一そう強化して同一事態の再発防止につきまして特段の努力が望まれるところであります。 次に、改善の意見表示を行なったものについて申し上げます。 改善の意見を表示したものは四件でございます。 一二四ページの(3)号は、地方拓植基金造成費補助金につきまして、財団法人農業拓植基金協会の保証状況からみまして補助の効果が十分あがっていないと認めましたので改善の意見を表示したものであり、 また、一二六ページの(4)号は、農業改良資金助成補助金を財源とする技術導入資金の貸し付けの多数が適期に行なわれていないと認めましたので、改善の意見を表示いたしたものであります。 次の一二七ページの(5)号は、先ほども触れました公共事業関係の補助工事の施行及び災害復旧事業費の適正な査定につきまして改善の意見を表示いたしたものであり、 次の一二〇ページの(6)号は、食糧庁が行なっている輸入飼料の売り渡しについて、国の財政負担の効果を十分発揮するよう改善の意見を表示いたしたものでございます。 最後に昭和三十九年中改善の意見を表示し、昭和三十八年度決算検査報告に掲記いたしました「農業委員会の特別事業に対する補助金等の経理の適正化」に関するもの、「二年以上にわたり継続施行する国営土地改良工事に対する予算等の措置」に関するもの並びに「林産物検査の取扱い」に関する事項につきましてのその後の是正改善の処置状況は一四五ページ以下に記載してございます。 以上簡単でございますが、三十九年度決算検査報告の概要の説明を終わらせていただきます。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、農林漁業金融公庫の決算について説明を聴取いたします。佐竹副総裁。
○参考人(佐竹浩君) 農林漁業金融公庫の昭和三十九年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。 まず、昭和三十九年度の収入支出決算について御説明いたします。 昭和三十九年度における収入済み額は百八十二億一千百万円余、支出済み額は百七十九億七千三百万円余でありまして、収入が支出を超過すること二億三千七百万円余となっております。 以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたしますと、まず収入の部におきましては、本年度の収入済み額は百八十二億一千百万円余でありまして、これを収入予算額百八十三億二千七百万円余に比較いたしますと、一億一千六百万円余の減少となっております。この減少いたしましたおもな理由は、北海道地方の冷害の影響等により貸し付け金利息の収入が少なかったためであります。 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額百八十四億四千六百万円余に対し、支出済み額は百七十九億七千三百万円余でありまして、差し引き四億七千三百万円余の差額を生じましたが、この差額は金額不用となったものであります。 この不用額を生じましたおもな理由は、借り入れ金利息及び委託金融機関に対する手数料の支払いが予定より減少したためであります。 次に、昭和三十九年度における損益について申し述べますと、本年度の総益金百九十四億一千七百万円余に対し、総損失は百九十億五千二百万円余でありまして、差し引き三億六千四百万円余の償却引き当て金繰り入れ前利益をあげましたが、これを全額滞り貸し償却引き当て金及び固定資産減価償却引き当て金に繰り入れましたため国庫に納付すべき利益はありませんでした。 次に、昭和三十九年度の貸し付けの概要について御説明いたします。 昭和三十九年度中における貸し付け決定総額は 一千十三億六千九百万円余で、前年度に比し百八十七億八千五百万円余の増加となっております。 これを業種別に申し上げますと、農林漁業経営構造改善三百六十億三千七百万円余、農業構造改善(土地基盤整備)三十二億五千二百万円余、土地改良二百五十九億八千万円余、林業七十二億二千四百万円余、漁業六十七億五千八百万円余、共同利用施設、新規用途事業及び乳業五十一億二千四百万円余、自作農維持百三十八億二千七百万円余、その他三十億六千三百万円余となっております。 以上貸し付け決定状況につきまして説明申し上げましたが、これに対しまして、三十九年度の貸し付け回収実績は二百九十三億三千四百万円余(承継、譲り受け債権等一千九百万円余を含む。)で、前年度の回収実績に比較いたしますと、二十一億七千五百万円余の増加となっております。この結果、昭和三十九年度末における貸し付け金残高は三千九百八億八千六百万円余となっております。 次に、昭和三十九年度の貸し付け資金の概要について御説明いたしますと、本年度における貸し付け資金の交付額は九百十九億三百万円余でありまして、これに要した資金は、政府の一般会計からの出資金十五億円及び産業投資特別会計からの出資金二百九十億円、資金運用部資金の借り入れ金三百九十五億円及び簡易生命保険及び郵便年金の積み立て金の借り入れ金二十億円並びに貸し付け回収金等の百九十九億三百万円余をもって充当いたしました。 以上が昭和三十九年度農林漁業金融公庫の業務の概況であります。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。佐藤第五局長。
○説明員(佐藤三郎君) 昭和三十九年度の農林漁業金融公庫の決算の検査につきましては、書面検査を行ないますとともに、本店及び東京ほか七支店につきまして会計実地検査を施行いたしました。その結果、検査報告に掲記する事項はございませんでした。
○委員長(鶴園哲夫君) 午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 —————・————— 午後二時二十九分開会 〔理事大橋和孝君委員長席に着く〕
○理事(大橋和孝君) それでは、ただいまから決算委員会を再開いたします。 委員長所用のため、私が委員長の職務を行ないます。 委員の異動について報告いたします。 本日、柴田栄君が委員を辞任され、その補欠として横井太郎君が選任されました。
○理事(大橋和孝君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 昭和三十九年度決算外二件(農林省の部)の審査のため、本日の委員会に農林中央金庫の関係者の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(大橋和孝君) 御異議ないと認めます。 なお、人選等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(大橋和孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○理事(大橋和孝君) 休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行ないます。 これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○二宮文造君 私は、会計検査院の三十九年度の検査報告に指摘されております農林省の関係分におきまして、漁船の再保険金の支払いにあたり処置当を得ないもの、こういう指摘事項でございますが、この件について若干お伺いしたいと思います。 会計検査院の指摘によりますと、「実地に検査したところ、組合の損害調査が十分でなくてん補額が過大に認定されているものをそのまま認めて再保険金を支払っているもの五十一事項、保険事故でないものに対して再保険金を支払っているもの四事項、保険引き受け以前の事故に対し再保険金を支払っているもの二事項および損害額が誤って過大に計算されているものをそのまま認めて再保険金を支払っているもの一事項計五十八事項、五百六十九万四千十三円」と指摘されております。私、三十六年、七年、八年、九年、四十年と会計検査院の検査報告を見ておりますと、毎度のようにこの漁船再保険金の支払いにあたって処置が当を得ないという指摘が載っておるわけです。会計検査院の指摘はこのままであろうと思いますが、ここで検査院に、三十七年、八年、九年、四十年、これらの年度におきます漁船再保険金のいわゆる指摘の件数と金額、これをこの際お伺いしておきたい。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。三十七年度以降検査報告で指摘いたしました事項数及び金額について申し上げます。 三十七年度は三十一事項、百七十九万六千円、便宜千円以下切り捨てて申し上げます。三十八年度五十七事項、千七百五十七万八千円、三十九年度五十八事項、五百六十九万四千円、四十年度五十三事項、三百八十四万八千円、以上合計で百九十九件の二千八百九十一万六千円でございます。
○二宮文造君 そこで農林省にお伺いしたいと思うのですが、農林省としては、この漁船再保険の性質上、毎年のようにこうやって会計検査院から指摘を受けることについて、それの適切な行政指導というものに鋭意努力をされてきたことはわかるわけですが、まだそのあとが断たれない。私考えてみますのに、こうやって指摘をされました分については、再保険金の返還を求められたりするわけですが、もしも架空の保険金の受け取りをしておっても、指摘をされなければそのまま、のがれてしまうというふうな問題も出てくるんじゃないか。ここで漁船の保険の仕組みについて、一応お伺いして、その仕組みの中に、どうしてこういうふうな毎年のように会計検査院から指摘を受けなければならぬ要因があるかということについて、あわせてお伺いしておきたいのです。
○政府委員(山中義一君) それでは、いま二宮先生から御質問のございましたように、漁船保険の仕組みについて申し上げたいと存じます。 漁船保険は、漁船損害補償法という法律に基づきましてでき上がっておりますが、そのうち保険の種類が、普通保険あるいは特殊保険、満期保険というように分かれております。一番件数も多く、一般に関係ございますのが普通保険でございます。この普通保険ですが、わかりやすく申し上げますと、普通保険がどのようにして個々の漁業者、あるいは漁業協同組合の組合員である漁業者がこの保険へ加盟して、もしも事故が起こった場合にはどのような手順で保険金が支払われるか、あるいはその事故が起こった場合に、その事故の損害に対します査定と申しますか、保険の上での払うべき保険金というものがきまるかというような仕組みについて申し上げたらよろしいかと存じます。 この漁船保険の中で、百トン未満の一般に沿岸で使っております小さい漁船は、これは義務加入と申しまして、協同組合の地域の中の三分の二以上の者が漁船保険に入りたいという意思表示をいたしますと、全部が加盟するという仕組みになっております。したがいまして、中には、自分の船が保険に入りたいという意思表示はいたしますけれども、その個々の詳しい申し込み書その他は一括漁業協同組合で世話をしてくれるというような事態もある場合がございます。まず漁船保険組合と申しますのは、各県に一つずつございまして、そこで、漁業協同組合の組合ごとに一定の様式を備えました申し込み用紙を配付いたしまして、それに漁業協同組合の組合員であって、百トン未満の漁船を持っておる者、あるいは……
○二宮文造君 もう少し簡略に、手続はけっこうですから。
○政府委員(山中義一君) 今度は、それでは事故が起こったといたしますと、事故の船が全然——一番はなはだしい事故になりますれば、これは船が行くえ不明になってしまったとか、あるいは沈没してしまったとか、あるいはひどくこわれてしまって、とても修繕をしたのではたいへんな額がかかって、経済的には全然引き合わない、これは全損と申しておりますが、そのようなものが出た場合に、その査定といいますか、実際の事故発生の認知というようなものは、船主から保険組合あてに事故報告というものが出ることになっております。そういたしましますと、組合はその報告に基づきまして、必要な場合には現地の調査もいたします。それからまた二十トン以上の船になりますと、その船長が所轄の海運局へその海難届を出す義務を持っておりますので、その海運局の認めた証明書をつけまして、それと、自分の漁船登録というのがございますが、その登録は県知事あてにしているわけでございますけれども、これを添えまして、保険組合からさらに保険中央会というところへ、これは中央に一つございますが、書類を上げてくる。この場合、ここで調査することもあるし、大部分は書面で審査いたしまして、それから水産庁がさらにまた必要と認めた場合には、実際の調査をする場合もあるという仕組みになっております。保険組合は、船主から損害申告書を提出されますと、全損以外の場合は、評価委員というもの、これは保険組合の中で委嘱しております漁業関係の船の、ことに明るい人等を含めておるわけでございますけれども、そこの委員の評価及び中央会の損害調査に基づきまして損害額を決定して、政府に対して再保険金の支払い請求書を出すということになっております。したがいまして、この中央会を経由いたしまして、再保険金の支払い請求書が上がってきて、中央会で損害額を一応決定した上で水産庁に上がってきて、それから水産庁のほうでその書面を審査した上で支払いに応ずる、こういう仕組みになっているわけでございます。ただ、もしも船が行くえ不明等、これは台風で流失したりなんかする場合も間々あるわけでございますけれども、あるいは遠くのほうへ出かけていって、遠洋航海に行ってついに行くえ不明というような不幸な場合もあるわけでございますけれども、こういうような場合には、保険組合にその船が保険金を受け取るという権利義務を委付する、まかすということをやりまして、そして行くえ不明の場合は全額保険金を受ける、こういう仕組みになっているわけでございます。一般的には、非常に多いのは小さな損害、船の一部がこわれた、あるいは発動機の故障、これが件数では最も多いわけでありますが、このようなものはそれぞれ専門家が見て、いろいろ技術的な問題がございまして、その点でその査定額に相違が出てくるというような点が、会計検査院から御指摘の不当によけい払ったというような点の問題はそのような点に非常に多く起因することがあるというふうに考えております。私どもといたしましては、できるだけ十分な指導をして誤りのないようにつとめてまいりたいと、このように考えております。
○二宮文造君 いま伺いますと、結局その漁船保険組合のほうで一応評価委員を委嘱してあるから、そこでまずチェックをする、さらに請求書が出て保険中央組合で、まあ主として書面審査だけれども、ここでも審査をするから、ここでもチェックができる、さらに水産庁で再調査をする仕組みになっておる、こういうふうな表向きの流れがそのまままいりますと、毎年こうやって多数の件数を指摘を受けるようなことはない、こう私ども確信するんですが、これだけの指摘を受けるというのは、何かそこに事務手続の上で誤ったところがある、あるいは改善しなければならない点が多々あると、このように感ずるわけですが、まずその評価委員ですが、これは保険組合が委嘱をするとはいいましても、まあ船主の組合というのは大体漁業組合にまかしているというようなお話ですから、やはり漁業組合の所在の、付近に住居する人が評価委員に委嘱されてるんじゃないか、しいていいますと、漁業協同組合の密接な関係者が評価委員になっている。したがって会計検査院から指摘を受けるような原因がもうすでにここで発生している。 さらに第二番目に、保険組合と申しましても、伺ったところによりますと、各県の保険組合というのは事務能力はあまりない、経費の関係で。したがってこれもまた漁業組合から申請を受けたのをそのままうのみにする、要するに保険会社とお得意さんというような関係でもって、ここでされてしまう。また、中央会にしましても、事故によって支払われた再保険金額の何%かを支払いを受けるという仕組みになっておる中央会ですから、あながち再保険の損害金額を厳密に調査しなきゃならないという義務制はない。表向きの流れは非常にスムーズにいくようですけれども、一面こう逆に考えてきますと、至るところに改善をしなければならない点があるんじゃないかと思うのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(山中義一君) たしかに流れその他を、この過程を厳密に見てまいりますれば、それぞれの点において改善を要すべき点がある点は、これはいなめないことであろうというふうに考えております。しかし一方、ただいまも御理解いただいておりますように、保険組合等も、これも経理その他の面から考えまして、きわめて人数の制約もございます。それからまた年々漁船保険の勧誘件数もふえてまいっておりまして、全体で、ただいま四十年度の現状で申し上げますと、船の隻数で十三万五千九百三十八隻入っております。そういたしまして、保険金額にいたしますと、千八百五億六千七百三十三万四千円、それから保険料が四十七億七百十三万八千円、このような額でございます。そういたしますと、一方事故のほうの状況を申し上げますと、事故件数は三万七千四百七十六件、支払い保険金額が三十三億七千六百三十三万一千円、このような額になっております。したがいまして、件数から申し上げましても、いまの三万七千五百件近い件数を、海に面しております各県に一つずつございます保険組合がそれぞれそれを担当いたす関係上、なかなか膨大な件数を処理しなければならないというような点でミスをする、あやまちを犯すというような点も、これもある程度起こり得るのは避けがたいのではないか、もちろんそれはよろしくないことでございますので、できるだけ、そのようなことがないように十分注意するように、また指導につきましても十分注意して、理想としては絶無になるようにつとめてまいりたいというふうに考えております。
○二宮文造君 私、そのところそのところで御答弁いただきたい点をあげて質問をしているわけですが、ただ指導した、注意した、絶滅を期するということで、具体的な、どういう指導をされたか、したがって、その効果がどういうふうにあがって、何年度にはこういうふうに問題はなくなってきたというふうな御答弁がなければ、私が先ほど申しました質問に対する回答にはならないわけです。たとえば評価委員が、その漁業組合に所在する、むしろ漁業組合に密接な関係がある方が評価委員になっている。これは私いい面もあると思うのです。ざっくばらんに相談ができて非常にいい面もある。ところがまた、漁業組合となりますと、寒村僻地の漁業組合もあります。非常に何といいますか、その土地の支配勢力といいますか、それとそれに対するアンチボスですか、そういう勢力がある。そういうふうな個人感情も交わってくる危険性も出てくる。やはりこの評価委員というものについては、その責任なり権限なり義務なりそれをはっきりさせた上で、保険組合が委嘱をするというような形ではなくして、もっと何か権威を持たした、そのかわり義務感もある、責任感もある、そういうふうな評価委員の制度というものはおとりになれないのかどうか。 あるいはまた、第二点としてお伺いしたいのは、概括的に受け取りの保険料が四十七億だ、支払いのほうが三十三億だ、そうすると年間に十四億も保険料収入として黒字が出た、いかにも経営がうまくいっているようです。ならば、こういうふうな会計検査院から指摘を受けないような方面、たとえば人間をふやすなり何らかの方法に考慮されてもよろしいんじゃないか。また、事務費の補助として、農林省で毎年計上されておるようですが、その増額をはかって、事務の処理能力に的確な能力を持たせるように配慮してあげる、これも必要ではないかと思うのです。そういう面について、農林省としては、当局としてはどういう改善方法をとってこられたか、これをお伺いしているわけです。
○政府委員(山中義一君) ただいまの御指摘の指導につきましては、まず第一点といたしまして、なるべく、一番好ましいことは事故をまず起こさないようなことをしなければいけないという点で、発動機の取り扱い、そのほか漁船の取り扱いというような点につきまして、保険中央会のほうに診断の技師というのがございまして、これが発動機の取り扱いその他の指導もいたしております。また、国も一部ではございますけれども助成金を出しまして、講習会等の開催をいたしております。それからなお、いまの途中での事務を十分にするようにという点につきましては、中央会のほうで、いまも御指摘の毎年毎年の国庫に納めてしまったそれ以上のものが一それ以上というのはちょっと間違いでございますが、このほか、次第にその金が何年か積み立てられましてかなりの額になり、それが昨年合計で十二億の額に国庫のほうでなっておりまして、それを一応特別交付金として中央会が交付していただく、ただし、これは分けてしまっては全然問題になりませんので、その元金には全然手をつけない形で、それから生み出します果実をもってその機関の指導、そのほか事務的の体制の整備、そのほか救助に関しての万全というような点につきまして、この金額を生かして使ってまいりたいというふうに指導を進めつつあるわけでございます。
○二宮文造君 評価委員の制度についてはどうですか。
○政府委員(山中義一君) 評価委員といたしましては、現在なかなか適当な人が得られませんので、これは、ただし、この場合、評価委員に対して適当な額を支払うというようなことになりますと、これはなかなか少なからぬ経費というような点もございますので、寄り寄り研究はしてみてはおりますけれども、なかなか簡単には踏み切れない実情にあるのが事実でございます。
○二宮文造君 会計検査院にお伺いしますが、毎年のようにこうやって指摘事項が列記されているわけですが、その間において、当局に対してこういうふうな実地検査をしたところがこういうケースが多いと、この項にわたっては改善したほうがいいじゃないかというふうな具体的な、まあ改善意見としてはまだこの検査報告に出ておりませんが、しかし、内々の項目としてやはり当局に対して種々会計検査院として意見を述べていると思うのですが、それらはどういう点について意見を述べておられるかお伺いしたい。
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。ただいま御質問がございました点でございますが、検査の結果毎年不当事項が出ておりますので、それにつきましては、ただいま水産庁のほうからもお答えがございましたように、相当事故件数が多い、組合の事務能力というような問題もありますし、それから、ただいま御指摘のございました評価委員の問題、これなどもなかなかおいそれとは充実できないというような状況でもございますが、しかし、何と申しましても、やはり元請の段階である保険組合の段階で事実関係の調査を厳正にいたしませんと、もちろん中央会あるいは水産庁におきましてもいろいろ検査し、査定しておられる事実はわれわれとしても十分評価しておるわけでございますが、しかし、何といっても事実関係でございますので、この第一線の保険組合における評価委員なりあるいは事務当局におきまするところの評価というものを十分充実してやっていただきたい、こういうことは、各年度の検査が終わりました際におきまして水産庁当局のほうへいろいろお願いしているわけでございます。その点は、事実上評価委員の充実その他につきましては、やはり金のかかることでございますので、予算その他の関係もあるかと思いますが、できるだけそういう方向で充実していただきたいというふうに検査のつど改善方をお願いしている、こういうふうな実情でございます。
○二宮文造君 会計検査院の御答弁のほうがよほど具体的で、当局のほうよりもはるかに進んでいるような感じがするんですが、これはひとつ、こう毎年検査院の指摘を受けるということはよろしくないことですし、前向きな姿勢で検討していただきたいと思います。 なお、さらに保険組合が弱小な場合、一時的に事故が集中して、国が九割再保険しておりますから、保険組合が負担する部分は一割です。ですが、収入保険料でも、受け取った保険料でもってしてはとうていそれが支払いできないという場合には、国はどういうめんどうをみるのですか。
○政府委員(山中義一君) そのような場合にはできるだけ、その組合だけでは金が出せないという点につきましても中央のほうでやりくりをいたしまして、この保険をかけた人たちには迷惑がかからないように処理してまいりました。たとえば台風等のときには、一時的に、国が再保険をいたしておりますのが御指摘のように九割でございますから、その分だけはとりあえずすぐにでも払ってやっております。
○二宮文造君 さっき非常にうまい話で御答弁があったので、いつ変わったのかと思って私楽しみに聞いておったのですが、中央会でプールするんじゃないんですか。国が九割直ちに払うのはあたりまえです。私が質問いたしましたのは、弱小な保険組合では、一時に事故が集中して保険金を支払わなければならない、保険金額が非常に多額になった、そういう場合には、どう国はめんどうをみるんですかということをお伺いしたわけです。九割国から出ることは、これは承知の上です、再保険九割かけているんですから。その一割の部分については、どういうような仕組みになっているんですか。
○政府委員(山中義一君) 元請組合、その一番末端にございます県ごとの保険組合におきましては、その保険料は国が九、それから元請組合のほうが一の割合で払うわけでございますけれども、保険料といたしましては、それより若干上回る程度で元請組合が徴収しておりますので、一ぺんに殺到した場合、極端な場合は、確かに理論上若干の時間的ズレが生ずるわけでございますけれども、全滅に近いような状態にならない限り、大体損害を受けた被害者に対しましては、元請組合としての払うべき額も出し得るという仕組みでございます。
○二宮文造君 じゃもっと具体的に伺いましょう。保険組合は幾つございますか、五十三ですか。
○政府委員(山中義一君) 五十三でございます。
○二宮文造君 その五十三の保険組合で現在赤字をかかえている組合は何件ありますか。
○政府委員(山中義一君) ただいま正確な数字は手元に持っておりませんので失礼いたしますが、大体瀬戸内海関係の県で小さい船が非常にたくさんありますような県、たとえて申し上げますと広島県でありますとか岡山県でありますとか、そのような県におきましては、加入者は十分ございますけれども赤字組合、事務的には船の数が多ければそれだけ事務としてはたくさんの人手を要することになりまして赤字組合になっておる組合が若干はぐざいます。正確な数字はただいま私、申し上げかねますので、いずれまた先生のほうに詳しく調べた上で御報告申し上げます。
○二宮文造君 その赤字は、事務が繁雑なためにできた赤字ですか、それとも事故が起こって、そしてその事故に保険金を払わなければならない、その保険金を支払ったために出た赤字ですか。先ほどの御答弁によりますと、そういうふうなことはない、十分まかなっている、多少時期がずれるだけだけれどもというようなお話でございますけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(山中義一君) その事務的な詳しい内容は担当のほうからいたさせます。
○説明員(間部詮宣君) 漁船保険組合の赤字は、勘定が保険勘定というのと、それから事務費を扱う分の業務勘定というのがございます。その二つでもって一つの保険組合ができております。保険勘定が結局事故が起きたときの赤字の分、それから事務費のほうの赤字、両方足せば赤字になる組合もございます。また、ある組合におきましては事故のほうは黒字であったけれども事務費のほうが赤字になっている組合もあります。これを足して黒字になったり赤字になったりしているところがあるわけでございます。そのようなことを考えあわせまして、事務費ではもうかった組合でも保険勘定のほうで損している組合もある、保険勘定でもうかった組合でも事務費のほうで赤字になっている組合、こういうような組合が全国に相当ございます。それを足した上で赤字になるか黒字になるかということになってきますと、私の記憶では現在一つぐらいあるのじゃないかと思います。
○二宮文造君 私、お伺いしておりますのは、事故が起こった、せっかく保険をかけている、ですけれども保険組合のほうが弱体なために、あるいは事故が一時に集中したために、当然保険組合が負担すべき一割の部分が支払われない場合があるんじゃないか、こういうことをお伺いしているわけです。この点はいかがですか、先ほどはないとおっしゃったんですが。
○政府委員(山中義一君) 先ほどは私、そういう事例はほとんど少ないのではないかと申し上げたわけでございますけれども、一挙にある時点をもってということであれば、あるいはそういうことも起こり得るということは考えられるわけでございますが、現実の問題としてそういうことで不払いだったというような点は私の記憶では近年はございません。だいぶ以前の、伊勢湾台風などのときにあったかと記憶しております。
○二宮文造君 じゃ、私が心配しておるような事件はもう近年にはない、こういう御記憶でございますね、くどいようですが念のために伺っておきます。
○政府委員(山中義一君) 近年、はっきりした、あったという事例はしっかりつかんでおりませんですが、大体いままでの保険の事態で申し上げますと、そういう事態が起こったのは瀬戸内海の岡山県あるいは広島県で、あるいはあったかという程度でございます。
○理事(大橋和孝君) 明確に答弁してください。
○政府委員(山中義一君) 現在私それのしっかりした資料を持っておりませんので、しっかりした資料に基づいて後刻お答えいたしたいと思います。御了承をいただきたいと思います。
○二宮文造君 保険組合で、そういう場合には国の再保険の九割でしんぼうしてもらいたいという趣旨の、いわゆる保険組合の免責の条項を、規約といいますか、条令といいますか、その中に織り込んでいるのがたいていの漁船組合の規約のように聞いておりますが、その点はどうですか。
○政府委員(山中義一君) その点は、規約といたしましては先生御指摘のとおりの規約をもって一種の組合としての安全弁的な規約をつくっております。
○二宮文造君 といいますことは、近来にないとかいうことではなくて、そういうことが多々あるから、そういう規約が残っているのでしょう。ですから、零細な、ほんとうに零細な漁船の方が万一の事故のことを考えて、しかも、これは義務ですね、義務加入なんです。ですから、たとえばいま伺ってみますと、四十七億の三十三億、まあ大きな計算でいきますと十四億という余剰金といいますか、そういうものも出たような関係なんですから、なかなかむずかしいことではありましょうけれども、漁業保険、漁船保険というような意味を込めてプール計算にしていくような考え方、そういう道を検討してもらえばそういう不安感もなくなってくる。これは一つのなかなかむずかしい問題ですから、そう簡単に割り切れませんけれども、あるいはそういうための準備金を創設するとかいうふうな配慮をしていただければ、零細な漁民が事故が起きたときに、わずか一割ですけれども、なかなか立ち上がるときにはたいへんな金額になります、そういう面のあたたかい配慮ができるのじゃないか、こう私ども思うわけですが、この点はいかがですか。
○政府委員(山中義一君) たしかに御指摘のような制度であれば、あるいはそのような事態が防げるという点につきましては論理的にはそのように考えられると存じます。ただ先生も御指摘になりましたとおり、この保険組合というのは、やはり各県各県とまとまってできてまいりました沿革、相当長い歴史的な自分たちの手で営々と積み上げてきたというような歴史的な沿革もありまして、そう簡単にプールするというような点につきましては踏み切り得ないのが現実でございますけれども、また、この漁船保険のある段階に達しました時点におきましては、そのようなことも検討に値することであるかもしれないというふうに考えております。
○二宮文造君 私は決してむずかしい問題じゃないと思う。現在の中央会の存在が、ただ保険組合から上がってくる書面を水産庁につなぐという、いわばトンネルの機関だけなんです。そして別に、それは指導啓蒙はされている、しかし、指導啓蒙はされておりますけれども、漁船保険組合なり、あるいは末端の漁業組合なりが、あながち中央会がなくても別段差しさわりがないように私も聞いております。まあ屋上屋を重ねたような機構になって、しかもこの中央会には事故で支払われる金額について幾らですか、あるいは一件について何万円ですか、そういうような取りきめで事故船について徴収していると、納入されていくと、こういうふうな制度になっているわけです。その制度をもっと活用していけば、この中央会の存在をもっと有機的に、いま申し上げましたような一割の部面についても、中央会が有効に動けるような措置を考えてもらえば、末端の漁業組合なり、あるいは保険組合なり、意を安んじて保険業務ができるんじゃないか、また加入者にとってもそれが親切な道ではないか、こう私どもは思うわけです。これは問題として提案をしておきます。御検討を願いたいと思います。 それからもう一つは漁業組合、この漁業組合がいわゆる漁村ですか、非常にいままでの支配階級ということばは悪いかもしれませんが、有識者のグループと、それからそれに加入している組合員のグループと、どうしてもものの考え方とか影響力とかというのは変わってまいります。ですからこの保険組合に船主が請求書を出すといっても、それはたいていの場合が漁業組合が保険組合に請求書を出すという形になるわけです。そうしますと、まあアンチ勢力に属する人の場合は、非常にその間漁業組合における査定がきびしいと、また反面そういう人々と非常につながりのある人は、査定に手心が加えられる、こういう矛盾が末端の漁業組合にも起きておるということを私どもはしばしば耳にします。たとえば、極端な話ですけれども、全損だということで事故報告をする。ところが、それは沈没したのでも何でもない。そのままおかへ上げて発動機を取りかえて、そして新しく船体へ発動機をつける。そうしますと発動機の部分あるいはその艤装の部分が生きてくる。で、全損で報告されますから、保険金はまるまる入ってくる、こういうことが行なわれているわけです。ですからこの末端におけるそういう査定という問題を、正直な人が損をしないように、力のない人が損をしないような配慮をしていただくことが、これがまたこういう会計検査院の指摘を受けることを防止する一助にもなるんじゃないか。また、あわせて今度は漁業協同組合の運営の問題ですけれども、漁船の事故の場合にもそういうふうな感情的なもつれがある。それがまた漁業協同組合の運営にもそういう問題が出てくることをしばしば耳にいたします。したがって、そういう面についても当局の適切な指導、また漁業組合の円満な運営、そういうものに配慮していただきたいと思うんですがね、その点について御答弁いただきたい。
○政府委員(山中義一君) ただいまの御指摘の、漁業協同組合の中で比較的発言権のない人たちに対して不利なことにならないようにという点、まことにごもっともな御意見でございますので、まあそのようなことはないとは存じておりますけれども、そのようなことが起こり得るようなことがないように、できるだけ漁業協同組合につきましても県知事を通じまして指導を強化し、漁業協同組合の目的でございます協同組合の組合員の経済的あるいは社会的地位の向上と、それを通じての生産力の発展をもって国民経済に役立てるという目的に沿うように努力してまいりたいというふうに考えております。
○二宮文造君 具体的に名前をあげるのもどうかと思いますが、高知県の端にあります泊浦漁業協同組合、ここには何か組合員の間に非常に感情的なもつれがあるようでございますから、ひとつまたいま申されたような方向で適切な指導をし、組合の円満な運営ができるように配慮をお願いしたい。 最後に、政務次官にお伺いいたしますが、この漁船の再保険という問題は、いま答弁にありましたように、小型漁船を対象にした、いわば損害保険会社が対象にしない漁船を扱う。ですからそれだけに国が九割の再保険を見てその再起の方法を講じておられるということになるわけですが、しかし、いま承っておりますと、問題点が非常に出てまいります。たとえば、さっきの一割の問題にしましても、あるいは評価委員の問題にしましても、さらには保険組合の運営の問題にしましても、中央会の使命の問題にしましても出てまいりますから、そういうことについて総括的にお伺いをして終わりにしたいと思います。
○政府委員(久保勘一君) お答えをいたします。 先ほどからいろいろ漁船保険の問題につきまして質疑をいただいておりまする中で、私もまあ考えておるのでございますが、御指摘にもなられましたように、この漁船保険は事業の実態が海の上のことでございまして、大部分が書類による審査、書類による査定によって業務が運ばれておると、こういう実情ではないかと思うわけであります。したがいまして、そこに書類査定、書類審査でありまするために、やはり審査認定に多少手心が加えられたり、あるいは適切でない査定が行なわれたり、あるいはまた人によってこれが不公平に行なわれたりするような事態が起こりやすいケースではないかと考えるわけでありまして、特にこの県の段階におきまする組合は、県下全体の漁民を対象として総括してその責任を負っておる実態からみまして、なかなか県の一つの組合では査定その他の部面においても十分手が届いておらぬのではないかと思うわけであります。したがいまして、御指摘もございましたように、まず第一はこの査定を公、平にするという立場から考えましても、どうしても事務能率、事務体制を強化する。特にこの保険組合の人の問題については、これはやはり検討をしなきゃならぬ課題ではないかと感ずるわけであります。 なお、組合の中には、財政的に零細な組合もありまして、やはり御指摘のように、そのために漁民に迷惑をかけておるという実態もあると思うのです。そういう点につきましては、中央会、県の組合、漁協、そうして組合員というこの四者の体系についてやはり検討をしてみる課題ではないかと、かように考えます。 総じて申し上げたいと思いますことは、いろいろと問題がたくさんあるように思いますので、ぜひひとつ事務当局と話し合いをしまして検討をさしていただきたい。そうして法の示しておりまする漁業の、漁民の安定という線にこれが運営されていくように格段の努力をいたして御期待に沿いたい、かように存ずるわけでございます。
○理事(大橋和孝君) では続いて大森君。
○大森創造君 共和製糖の問題について、実はいろいろな角度から御質問申し上げたいのでございますけれども、きょうは委員長理事打ち合わせ会の申し合わせによって、時間もないことだし、追い追いこの事件の全貌が明らかになりますから、詳しい質疑応答はあとに譲りたいと思いますが、肝心のところだけこの際お伺いをしておきたいと思います。 片柳新理事長、農中の理事長お忙しいようでございますし、私どもとともどもにというよりも、片柳さんが最高責任者としてこの問題のケリをつけて、共和製糖にからむいろいろな問題についての新しい第一歩を前進させなければならぬということについて、その労を多とするものであるし、お願い申すものでございますが、まずその片柳さんにお伺いしたいと思います。 農林中金の理事長はどのような手続によって選任されるのでありますか、御説明をいただきます。
○参考人(片柳真吉君) お答えをいたします前に一言おわびやらお礼を申し上げたいと存じます。実は共和製糖をめぐる問題につきましては、当委員会の先生方に非常な心配をおかけいたしましてまことに恐縮に存じております。なおまた非常な御熱心な御討議を通じまして、私ども今後金庫の業務運営上非常に反省すべき点もいろいろ御指摘をいただきまして厚く御礼を申し上げます。 ただいまの理事長選任の方法でございまするが、金庫には管理委員会というのが設けてございまして、管理委員会で理事長の候補者をそこで選定させまして、それを総代会に付議して総代会の決議で選出をいたす、こういう手続になっております。ただ正式の就任は、総代会で決議をされましてもまだ発効しないようでございまして、官報に公示をされて初めて正式に就任いたす、こういうことになっておるわけであります。
○大森創造君 そうしますというと、農中の中に管理委員会があって、そこで候補者を見つけて、それから総代会にかけて決議を得て、そして官報に載せて新理事長が選ばれる、こういう手続と承りましたけれども、総代会の内容というものはどういう内容でございますか。どういうメンバーによって構成されておりますか。
○参考人(片柳真吉君) 御承知のように金庫の所属会員は農協、漁協、森林組合あるいは農業共済組合その他の大体農林漁業関係の団体が会員でございます。したがいまして、農協なり漁協等につきましては一定の選出区域がきまっておりまして、選出区域ごとに総代を互選をいたしまして、それが総代会を構成いたすという仕組みになっております。
○大森創造君 総代会のメンバーは何人ですか。
○参考人(片柳真吉君) いま正確な資料を持っておりませんが、百四十六名と記憶をしております。
○大森創造君 その百四十六名のうちでそれぞれの団体から選ばれている人数を仕分けをしてあとから御説明いただきたいと思います。よろしゅうございますか。
○参考人(片柳真吉君) 承知しました。
○大森創造君 次に伺います。それとはちょっと問題はそれますけれども、関連がございますからお尋ねいたしますが、全信連ですね、各県に信連がございますね、信用協同組合連合会、それの中央団体が全信連である。全信連の会長が信連以外の職務を兼務するということは、これはいかがなものでしょうか。私は好ましいことではないと思うが、どうでしょう。今度の共和製糖の問題について事柄をずっと仕分けして考えてみますると、そこらあたりにも問題があるような気がいたします。全信連の会長が政治家を兼任していると、いわゆる不明朗な政治圧力をかけやすい、農中に、また農中も受けやすいと、理論上考えられるのだが、一般論としてこのような制度は制度上の欠陥がありませんか。どうお考えですか。
○参考人(片柳真吉君) 御指摘の信用組合連合会の協会はございます。これと私のほうとは信連の意向を代表するものといたしまして常に密接な連絡をとっているわけであります。 協会の会長が政治家がいいかどうかの判定につきましては、これは私からはちょっと答弁をひとつ差し控えさしていただきたいと思います。これは現に信連会長の皆さん方に相当国会議員その他の議員の方もおいでになりまするので、問題はそこにむしろあると思うのでありまして、現状それが認められておりますれば、協会の会長に国会議員の方がおなりになることもその点からはどうも何とも言えないというような感じを持っておりまするが、これは私としてはあまりはっきりしたお答えは……。
○大森創造君 現職の銀行の頭取やそれから会長が、国会議員とか県会議員を兼務している話は、私は聞いたことないわけです。これは法的にも規制があるはすだと思いますがそうでしょう、銀行の場合は。頭取とか会長はたとえば国会議員だとか県会議員というものの兼職はできないという法的な規制があると思いますが、どなたか知っている方があったらお答えください。
○参考人(佐竹浩君) 私、農林漁業金融公庫の者でございますので、答弁者としての資格にいささか疑義があるのではないかと思いますが、大森先生こちらをごらんになりましたので……。これは先生御存じのように、銀行法上、銀行役員の兼職制限の規定がございます。しかし、これは他の会社の役員と銀行役員を兼務しちゃならぬ。どうしてもやむを得ないときには大蔵大臣の承認が要るという制度がございます。しかしながら、公職選挙法上に定められたところの地位、すなわち国会議員でございますとか、あるいは地方議会議員等の兼職を制限もしくは禁止をしているそういう法的根拠は現在ございません。しかし、まあ法の精神からいって、会社の役員の兼職さえいけないということは、要するにその銀行業務に専念すべきであるということからきておるに違いないのでありまして、ましてや、そういう政治に携わるということは好ましからざる、違法ではないが適当ではないということかと思います。
○大森創造君 佐竹前銀行局長のお答えどおりだと私も思うのです。違法ではないが適当ではないと思うのです。共和製糖の問題の全貌を私はずっとこう、しさいに検討してみまするというと、この、違法ではないが適当ではない、いま言われたような点が非常に微妙に作用しております。これはあと数カ月したらおわかりになるだろうと思いますが、その意味で私は申し上げているのであります。 この、全信連というのは、これは各県の信用協同組合連合会の協会みたいなもんですか、これは。いわば銀行の協会、銀行協会みたいなもんですか。そういうものですか。一言、私知りませんので。
○参考人(片柳真吉君) 社団法人でございまして、大体銀行協会とやや類似した団体ではないか、かように私思います。
○大森創造君 そこのところはこれ以上の問答はいたしません。しかし、政治的に見るというと、事実上そういう点が非常に抜け穴になっておりまするので、あえてこの際問題を提起をしておきます。これ以上の問題は、きょうは時間がありませんから避けておきます。 その次に、このことをお伺いします。 農中は共和の新しい会社、共和製糖株式会社の新発足の第二会社にどのくらいの出資を行ないましたか。これをお答えいただきます。
○参考人(片柳真吉君) 第一糖業という新会社ができましたことは新聞でも発表いたしておるとおりでありますが、現在の資本金は十億でございまして、まだ中金は株式を持っておりません。将来増資をした場合においては、一部株式の引き受けがあり得るということでございまして、現在まだ保有しておりません。
○大森創造君 これは、共和製糖の新発足した新会社の資本金は十億であって、農中のほうは出資をしておりませんか、現実に。
○参考人(片柳真吉君) 現在はしておりません。
○大森創造君 それでは、どういう予定でおりますか、心づもりは。出資をしないわけにはいかぬでしょう。
○参考人(片柳真吉君) 近く五億程度の増資をしていきたいというふうに関係者の意見が一致しておりますので、その増資の際に相当部分を金庫もお引き受けをいたしたいというつもりでおります。
○大森創造君 そうすると、これも佐竹さんにお答えいただきたいと思うのだが、銀行局長おりませんから。農中は、共和製糖の新会社に対して出資をする場合に、たとえば一割以上の出資はまずいということに相なりませんか。それ以上の出資をした場合には、これは独禁法にひっかかりませんか。
○参考人(佐竹浩君) これは、きわめて厳密な法律問題でございますので、答えは正確を期さねばなりません。私はいま銀行行政の責任者でございませんので、これは責任ある当局からの答弁にお願いいたしたいと思います。
○大森創造君 佐竹さんのおっしゃるとおりにいたします。事柄重大でございますから、それでは責任者のほうにあとの機会に譲ることにいたします。 そこで、農中の理事長にかえってきますけれども、さきの国会で前理事長の楠見さんがこういうことをおっしゃいました。共和製糖の砂糖部門への融資は法的にできないと委員会で答えています。そこで、今日あなたの片柳理事長のお話によりますと、最近五億の融資があるという場合には、応分の出資をするということでございますけれども、そうすると、いま申し上げたことによって、違法ではないけれども、この出資は法の精神をじゅうりんすることになりはしませんか。その点の解釈はいかがですか。
○参考人(片柳真吉君) もちろん、前の楠見理事長の答弁のように、金庫といたしましては、直接融資はできないことになりますから、あえていたさないつもりでございます。ただ、この再建のためには、やはり金融機関といたしまして、いろいろ参画することは必要だと考えまして、いま言った五億の増資分の一部は持ってまいりたい。株式の保有の点は、別途に政府筋からお聞きを願いたいと思いますが、私どもは現在のところ支障がないということで、さような解釈をいたしております。
○大森創造君 そうすると、庁柳理事長のお話では、新会社に対する出資は違法ではないし、金額はまだ定めないが、出資をする金額は言えないということですね。まだ検討中であるということですね。
○参考人(片柳真吉君) さようでございます。
○大森創造君 次にお尋ねしますが、それでは、その新会社に対する出資会社のメンバーの中には、すでに十億の出資がなされおりますから、そのメンバーはどういうところでございますか。
○参考人(大月高君) 事務的な話でございますから、私からお答えいたしたいと思います。 十億の出資につきましては、大体五億と五億というように考えておりまして、一つの五億は東食、東棉、台糖というように、砂糖関係の取り引き商社及びメーカーでございます。それから、その他の五億につきましては、主として食品会社で砂糖の事業家と、この会社の保険をとってくれます火災保険会社、それから、生命保険会社、その他の金融機関、それから、新しい会社の工場が宮崎地方にございますので、宮崎県下の主たる企業、たとえば旭化成でございますとか、宮崎交通でございますとか、宮崎銀行でございますとか、その地元にあります鉄工所、そういうように大体分類されております。
○大森創造君 それでは、大口を三つばかり言ってくれませんか。十億の出資のうち、大口の出資者はどことどことどこであるか。
○参考人(大月高君) そう特別大きなところはございませんが、一番大きいところは東食でございまして、これが三億でございます。その他は全部一億未満でございます。
○大森創造君 これは詰めたお話はきょうはいたしませんから、ただ東食が三億ということ、それから東棉はいかがですか。
○参考人(大月高君) 一億出資でございます。
○大森創造君 私は、東棉とか東食とかいうように、非常に利にきとい会社が、なかなかやすやすと出資をしなかっただろうと思うのだが、農中や、それから農林省のほうで相当説得をした結果、出資をするということに相なったんでしょう。なかなかこれは、いまどき共和製糖の新会社に出資するのは容易じゃありませんからね。そのいきさつをお聞かせ下さい。
○参考人(大月高君) この会社の性格についてのお尋ねがございましたのでお答え申し上げますと、この新しい会社は、共和製糖のいわゆる新会社になりますが、旧共和製糖とまず株主を分離したい。それから経営者を全然信用のある人にまかしたい。この二点が特色としての考え方でございます。それではその十億のうちで、何を中核として経営していくかということになりますと、旧共和製糖のおもな砂糖関係の取引商社が、東食と東棉でございまして、東食ににつきましては、大体原糖の大部分と供給のほうの六割方を受け持っております。東棉はその残りの大部分ということでございますので、この旧会社及び新会社における最大の利害関係者、それから台湾製糖は、御存じのように、日本の製糖会社のうちの大手でございまして、現実の技術的な指導を台糖に依存するということで、将来技術的な重役をここから派遣を願うという意味におきまして、東棉、東食及び台糖という一つの砂糖のグループを中核として運営したい、こういうことでございますので、特に無理をして入っていただくというよりも、むしろそういうところが中心になって、われわれはむしろ気持ちの上で応援したいという立場をとっているわけでございます。
○大森創造君 砂糖は、ただでさえキロ十円ぐらい損をするんでしょう、いまの現況は。しかも、共和に、赤字をしょった会社に出資をするということは、相当な勇気を要することだと思うので、当然のつとめとはいいながら、農中が積極的に再建策に乗り出した、農中はお金を持っておりますから、だから東食にしても東棉にしても、いま言われましたようなところは全部農中の融資先ですね。今度はこういう新会社をつくるのだから協力してもらうという裏には、農中の威力と圧力をかけたであろうと思うが、それはどうしても新会社を新しく発足させて、りっぱにやらなければいかぬのだから、再建をさせなければいかぬのですから、農中としては、やはりそこにあっせんの労をとったり、いろいろな仲介の労をとる必要はあるだろうということは認めます。だけれども、私は、砂糖業界の不振の状況からして、製造すればキロあたり十円ぐらい損するはすですから、若干無理はあったのではなかろうかと思いますが、内輪のお話を聞かして下さい。
○参考人(片柳真吉君) ただいまの点はきわめて重大な御質問でございまして、従来どおりの操業度なりでやってまいりましたのでは、御指摘のように、依然として赤字が出るわけでありますから、なかなか再建のむずかしいということは当然でございまするが、しかし、これまでも先生方がいろいろと御承知のように、現在の砂糖業界が現状のままでいきますると、ほとんど全部がつぶれてしまうというような段階にきていまして、これは食糧庁からも別途お聞き願うことだと思いまするが、業界方面でもようやく自主的な再編成に乗り出してきておるということでございまして、私どもも新会社につきましては当然、従来はアウトサイダーとしていろいろ問題はございましたけれども、今後は十分業界の一致体制に入りまして、それで自主的に業界を再編成いたしまして、もっと効率ある操業をして業績をあげてまいりたい、もちろん将来のことはわかりませんけれども、まずまず最新鋭の工場でございまするから、企業整備の場合に残ることは当然でございますので、そういうことをあわせて政府当局にも期待をいたしまして実はやっておるわけでございまして、その辺はどうぞ国会の先生方も十分ひとつ御鞭撻をこの機会にお願いしたいと思います。 もう一つ、先ほど総代の数が間違っておりましたので訂正いたしまするが、総代の総数は百四十一名でございます。農業団体が七十五名、農業共済組合が五名、森林団体が二十三名、水産団体が二十四名、土地改良関係が十四名と合計百四十一名でありますので訂正をいたします。
○大森創造君 このいまの総代の数の問題ですが、七十五名、圧倒的多数が農業団体ということですが、そうしますというと、先ほど質疑いたしましたように、これは信連関係の人がこの中で相当メンバーいると思うんです。そこで、信連の中央の協会、全信連というものの圧力が必然的に加わる危険性があるのです。共和製糖事件を起こした直後であるだけに、その全貌の大半を知っている私としては政治的に見て非常に全信連という存在が、これは法的には差しつかえございませんが、政治的には大きくものをいうのですよ、これは。これは繰り返しはやめます、時間がありませんから。おわかりでしょう片柳先生、これは後ほどにいたしますよ。 そこで、片柳さんのお話によるというと、新会社の発足、これからの運営、これは問題になっただけに確かにむずかしいでしょう、業界の状況からして。だから御苦労のほどはわかりますけれども、これから再建をしてがっちりやっていくためには、やはり現実を解剖しなきゃならぬということです。砂糖はいまの相場ではキロ当たり十円かあるいは十五円ぐらいの、つくればつくるほど損をするということになっておりますね、これはこの現実はお認めにならないわけにはいかない。そうすると宮崎工場の生産量、細島工場の生産量の月額などから換算して一月に操業するとどのくらい損がいくと、現実に損が出るかということはおわかりの方はお答えいただきたいと思います。
○参考人(大月高君) 宮崎工場が新しい会社として運営するにつきまして、これはいろいろな前提がございますから、はっきりどのくらい利益が出る出ないということはただいまのところ申し上げかねるわけでございますけれども、少なくとも現在の糖価がやや上がるというところで黒字が出るという目算を持っております。
○大森創造君 その御説明、よくわからぬのでございますけれども、私は現実に宮崎、細島工場の経営をするというと相当な欠損が出ることになっているだろうと思うんです。そういう現実を踏まえて、そして新しい会社、現在までの出資金が十億でさらに近く五億増資するということで、農中や公庫はある程度責任を持ってこの再建に当たらなければならぬという、その苦衷のほどはわかりますが、これはどうなんですかね、農林省も大蔵省も異例の報告書をこの委員会に出しました、参議院の決算委員会に。これは雨ざらしになったのですね、天下公表の事実なんです。現在においての政治問題でもあるわけです。ですから私の希望としては、この第二会社の存立できる採算の基礎を数字的に、それから同時に政策的にこの委員会にお出しいただきたいと思うんです。これは秘密裏にやるべき性質のものではないと思う。あれだけ農中がかぶり公庫がかぶって、そうして世間に疑惑を抱かせたこの事件の中心である共和製糖の再建は、やっぱり国民への義務としてこの委員会もお手伝いをしてもり立てねばいかぬと思う。そのためにも再建の数字的な基礎、政策的な考え、これをひとつお出しいただきたいと思うんです。農林政務次官いかがですか。
○政府委員(久保勘一君) そういう資料を出せるかというお話でございますが、ここで直ちに出しますということを申し上げることもどうかと思いますので、関係のある部面と協議をいたしまして、できるだけ御要求に沿うように努力をいたしたいと存じます。
○大森創造君 私は、政務次官御存じかどうかわかりませんが、背任横領だとか、私文書偽造行使というふうなことをしきりに申し上げました、いまから何カ月か前の委員会で。いまだから申し上げますが、農林省や大蔵省が責任を持ってこの委員会に出しました報告書をもってしても、私の調べた事実関係は一つも誤りございません、全然誤りございませんからね。むしろ当時の楠見理事長やその他の関係の方々がお答えになったのがむしろその場のがれであるということです。私は決して暴露者ではない。田中彰治とは違うんです。だけれども、どうしても事実に基づいて私は言わざるを得ないからああいうことを申し上げたんです。のらくら答弁で平行線をたどってしまってすれ違いの答弁ばかりしていたのではどうしてもだめだということなので、私は偽造印鑑を取り上げました。偽造印鑑やにせ領収証、これをあなた方の前で、皆さんが見ている前でやる私の勇気、それから努力、それからつらさ、こういうものをむしろ積極的にひとつおくみ取りいただきたいと思うのです。会計検査院だってわからなかったんですからね。そこで、私は提議するんですが、どうぞひとつそういう意味で、単に一つの事件を暴露するということではないんです、建設的にものを考えるためには一回洗いざらいしなければいかぬ。従来の政府の答弁がこっちが弱く出るというとその場のがれの答弁に終わるような、そういう抽象論で終わる国会の論議であってはならないという私の立場からいままで御質問申し上げました。そこで、それに応じて権威のある農林省と大蔵省が分厚い報告書を出されたことについて、今度はその再建についても——再建の方策ですからこれはその数字がぴっちり合うはずはございませんが、どうぞひとつ再建の問題についても、私はスクラップするつもりはございませんので、これはひとつリードのほうをやりたいと思う。そういう意味で政策的に、数字を入れて、砂糖業界の状況などもこれに入れて、そうして今後こういう方針でやるんだという、そういうものを出していただきたいとお願いを申し上げます。やっていただけますね。
○政府委員(久保勘一君) これは直接は第一糖業自体の再建計画というものになるわけでありまして、それを私どもが農林省の立場で、そういうものをここで出しますということを申し上げるわけにいかない、こういうふうに考えますので、御趣旨の点はよくわかりますから、先ほど申し上げましたように関係の向きと相談をして、特に関係向きというのは第一糖業ですから、相談をして御意思に沿うように努力をするということを重ねて申し上げまして、誠意を持っていたしますということを申し上げます。
○大森創造君 それでは次に移ります。 共和に対する東食をクッションとする例の十数億の融資の問題は、だんだんこれも明るみに出てくるでありましょうが、本来東食の責任ではないように聞いております。東食をクッションにして共和のほうに金が流れたというのが事実のようでございます。そこで東食のほうはといえば、決算とそれから総会を前にして、これは何とかしなければならぬということでいろいろ物議をかもしているようであります。早急に農中から直貸しに切りかえてほしい、クッション融資などというややこしいことをやめにして、東食は迷惑だから。しからばというて、東食は強い態度を農中のほうにはとれません。農中のほうから相当な融資をいただいておりますから。だけれども、東食自体とすればクッション融資はいやだというのがすなおな気持ちのようです。ストレートに共和のほうにひとつ切りかえてほしい。そのことについて現在農中のほうと東食のほうが鋭意折衝中であると聞いておりますが、その交渉の過程を御説明いただきたい。
○参考人(大月高君) クッション融資というようなことばが前の国会以来いろいろ御質問でございまして、私は去年の最後の当委員会におきまして、農林中央金庫としての正式の御答弁を申し上げた次第でございます。クッションというような事実は全然ございません。そういう意味におきまして、東食からわれわれに肩がわってくれとかその他の要求はございません。かつてわれわれが就任いたします前にいろいろの折衝があり、いきさつがあったというようなことは、話としては聞いておりますけれども、これはわれわれの業務外のことであり、かつそういう話がどういう段階においてだれとだれとの間に行なわれたかということは、目下検察当局の間でいろいろ御調査中のところであります。公の機関としての農林中央金庫及び公の地位である農林中央金庫理事長及び副理事長、そういう立場においては、この問題に関しては何ら関係がないということを明言申し上げます。
○大森創造君 それではお伺いしますけれども、十数億の金が、去年の一月と六月ですか七月かに二回に分けて東食をクッションにして共和に融資、されたという問題は、豊中としては全然あずかり知らないことなのですか。
○参考人(大月高君) ただいま申し上げましたとおり、公の機関としての農林中金及び代表者としての農林中金理事長、副理事長、その立場においてはあずかり知らない点であります。
○大森創造君 片柳新理事長、やあなた方は知らないけれども、東食をクッションにして共和に融資したという事情は、確かにあなた方はあずかり知らないと思うが、当時の関係者においてはあずかり知っていると思うんだが、その点いかがでしょう。
○参考人(大月高君) 公の立場においてと申しますと、われわれと東食の間、東食と共和の間、そういう問題に関しての法律関係及び融資関係を正確に表現いたしますれば、何ら関係がない。ただ、当時の某々、だれそれがどっかで、だれとどういう話をしたか、こういう関係はわれわれの仕事外の、ことでございますので、それは検察当局においていろいろ御調査中のことでございますので、われわれがまた知っておりましても申し上げることでもないし、また現実に存じ上げないわけでございます。
○大森創造君 いまの段階であなたとすればそういうお答えだろうと思うんです。それはりっぱな答弁ろうと思うんです。官僚答弁だろうと思うんです。だけれども、事実は、形式的に、法律的に農中はあずかり知らぬとは言うけれども、前任者のしかるべき人と東食を仲介にしてクッション融資をするんだという話は、なるほど公式の論議ではなくて裏話はしきりにあったのが事実なんですよね。ここが非常に不明朗なんですよ。やがて検察庁の手によって明らかにされると思うんですが、どうしてもここのところは いまのあなたのお答えは、きょうの段階では了承いたします。しかし、この事件全体の流れの中から見るというと了承できないわけです、私は知っておりますから。これは非公式の話し合いがあって、実質的なクッション融資が行なわれたということは、やがて明らかになる、だろうと私は思うんです。しかし、その点は検察庁が問題にしてくれるかな、くれないかな、その点こそ疑問です。しかし、事実は存在したに違いがないと私はそう思います。あなたはどう想像されますか。
○参考人(大月高君) いまのおことばのとおりでございまして、私は非公式な話し合いというものについて農林中金が責任を負うべきではないと、ただその非公式なる話し合いということ自体もわれわれは想像の段階において明言する段階じゃない、こういうように申し上げたいと思います。
○大森創造君 私はほぼ明言できるんですね。まあこれ以上はあれしません。そのうちに全貌は明らかになるでしょうから。私が言うたことはたいてい当たるんですからね、これは……。 そこで、その次の問題に移ります。共和に対する数十億にのぼる焦げつきをつくった農中内部の責任の所在は一体どうなったのか、その責任の処分はどういうふうにいたしたのか、これは農林大臣に聞きたいところ、だが、農林政務次官なり、あるいは経済局長なり、新理事長の片柳さんでもけっこうですからひとつお答えいただきたいと思います。
○参考人(片柳真吉君) 問題の実態につきましては、ただいま検察当局でお調べ中でございますから、その点につきましては答弁の限りではございませんけれども、ともかくいろいろ、少なくともいろいろ世間をお騒がせいたし、また系統内部にもある程度の動揺を与えたことは事実でございますので、前理事長については、私の就任前のことでございますから、詳しいことは承知をしておりませんが、自発的に退任をされたということであります。私が就任後の事案といたしましては、その融資に直接関係をしておりました二名の理事につきましては、いま言った刑事上の問題はまだ私どもわかりませんわけでございまするけれども、少なくとも、あれだけいろいろ世間をお騒がせいたし、また系統にも動揺を与えているということで、本人からも辞意の表明がございましたので、その辞意を取り上げて辞任を認めた、こういうことでございます。
○大森創造君 ひとつ端的にお伺いしますが、それは大山田理事とそれから渡辺理事でしょう。おやめになった理事はこのお二人ですね。それから楠見前理事長がおやめになった、こういうことですね。楠見前理事長については、退職金だとか、慰労金だとかはどのくらい出しましたか。
○参考人(片柳真吉君) ただいま正式の資料を持っておりませんが、総代会で決議をされまして大体空気としては前例に準じて支出しかるべしというような決議がございましたので、計数ははっきり覚えておりませんが、おそらく一千万をこす程度の金額ではないかと記憶をしているわけでございます。
○大森創造君 その楠見前理事長と、大山田理事と、渡辺理事について、それぞれおやめになったということで、その退職金だとか、慰労金だとかを、そういうようなものを私の手元に出してくれませんか。こういうものはいまさらばたばたいたしませんよ、それはひとつどうか……。
○参考人(片柳真吉君) 私が就任後やめました二名の理事については、全然まだ出しておらないことを、あわせてお答えいたします。
○大森創造君 それでは楠見さんについてだけひとつお聞かせいただきます。いま一千何百万とか、一千万とか、それを正確に、どういう名目でお出しになったのか、これは私の手元にひとつお出しをいただきたい、よろしゅうございますか。 それから、こういう焦げつきの発生を見た制度上の欠陥は一体どこにあったと思いますか、またどのような改善策をとったらいいと思いますか、これはむずかしいと思いますが、何かぴんとくるものがあると思うんです。
○参考人(片柳真吉君) ただいま御質問の点が、私就任後の実は最も大きな問題としましていろいろ勉強もいたし、現在も検討中でございまするけれども、一つには、急激に資金量もふえてまいりまして、関連産業融資等が非常に急増してきたわけでございまするが、それに対応する融資の体制がやや弱いのではないかということが第一点でございます。裏を返して言いますれば、従来融資第一部が農業関係の関連産業融資を担当しておったわけでございますが、一人の部長で数百の会社で何千億の融資をいたしておったことでございまして、どうしてもその間に手が回りかねるという事情もございましたので、まず融資の体制を整備充実すること、それから大体おおむね他の銀行でもとっておる点でございまするが、もっと次元の高い審査部の機能を発揮をいたしまして、審査部の意向と融資部担当との意見が合わぬ限りはこれは融資はいたさないということに今回いたしたわけでございます。従来も審査部はございましたけれども、やや、最終的には拒否権がないのでございまして、一応意見は具申しまするけれども、最終的の拒否権がなかったということも一つの問題だと存じまして、したがいまして、さしあたりの改正におきましても、関係融資部と審査部との意見が完全に一致しない限りは融資はいたさないという二段がまえの慎重な体制をとっておるようなわけであります。言いますれば、融資体制、従来融資第一部で相当ボリュームの多い業務をやっておりましたので、これを今回、部を二つに分けまして、分量を適当に分配をいたしましたことと、いま言った審査部の機能を強化をしてやってまいるということにいたしたわけでありまして、なお引き続き検討はしていきたいと考えております。ただ、私どもは、これはやや精神論になりまして、こういう席で恐縮でございますけれども、口をすっぱくして私どもも部内に言っておる点でございますが、どうも協同組合の本来の原則でございまする農山漁村に奉仕をするという考えは、どうしても単協、信連というその上に乗っかっておるという考えから希薄になるきらいがございますので、要するに、農山漁村の貴重な金をお預かりをしておるという思想をはっきり常に把握をして業務をやっていきたいということは、泣く部内にも私は説いているわけでございまして、そういうような機構の整備ももちろんでございまするが、普通の金融機関と違いまして、一つの協同組合運動の総本山としての目的を持っておるわけでございますから、そういう意識を常に高揚して忘れずにやってまいりたいということのほうがむしろ基本的ではないかと考えます。微力ではございまするが、そういう点と両々相まちまして、今後かような事件の起こらぬように、最善を尽くしていきたいというふうに努力をいたしておるわけでございまして、御了承を願いたいと思います。
○大森創造君 片柳さんのお話はわかりますけれども、私は、政府関係の金融機関の農中や公庫、そういうものは、いままでの共和製糖の問題などをながめてみまするというと、これは共和ばかりではないのですよ。たまたま、共和製糖の問題が火がついて明るみに出ましたけれども、きよう時間がありませんから、くどく申し上げませんが、これは共和製糖の事件もあったということですよ、これは。あと、いままでの融資関係を総洗いしますといろいろあるはずですよ。そこで、いまから再建してきっちりするのはけっこうだ。融資第一部、その融資体制がまずかったというお話や、それと審査部との意向が合致しなかったということ、そういうことのために共和製糖の事件ができたという以外に、共和製糖は、これは一つの例なんですからね。よっぽどずさんな融資が行なわれていたのですよ、片柳さんの前のころはこれは。くどく申し上げません。そのうちに農中のほうでは新理事長を中心にして新体制でしっかりやるでしょうから、私はこまごましたことは申し上げませんが、共和の問題も含めていままでの融資関係が相当思い切ったことをおやりになったということを私は御指摘申し上げたいと思うのです。市中銀行だってやっていない。まして、一番市中銀行の模範たるべき農中ですよ、公庫ですよ、これはしっかりやっていただきたい、鞭撻を申し上げます。 それから最後に片柳さんにお伺いしますが、追加担保の点はどうなりましたかな。
○参考人(片柳真吉君) 担保の不足の点は当委員会でも非常な御検討を願って、大体のこの前の政府報告で担保不足量が出ておりますので、その後、第三者保有に属しましてなかなか担保徴取にはいろいろな困難がございましたけれども、いろいろ努力をいたしまして、山林、不動産その他八件程度について、担保の追徴が済んでおるわけでございまして、もちろん、担保物件の評価のしかたはいろいろございましょうけれども、大体前回御報告いたしました担保不足額は相当程度圧縮されておる。もちろん、評価の見方いかんによりますが、血気に見れば、あるいはとんとんくらいな見方もできるのではないかと思っておりますが、評価の点はきわめてむずかしい問題でございまするし、また、今後の担保処分にもデリケートな問題がございますので、差し控えたいと存じますが、最善の努力をいたしておるようなことでございます。
○大森創造君 それでは、私の仄聞するところによるというと、芦屋の例の土地の一部、あの山の、芦屋の山林の一部と、それから本社屋、これは押えたでしょう。しかし、本社屋はほとんど無価値でしょう、あれは。いわゆる菅貞人氏の邸宅、あれは価値があるようだが、あれは押えましたか。
○参考人(片柳真吉君) 第一順位の担保といたしましては、御指摘の芦屋の山林約九千八百坪、滋賀県の琵琶湖畔にございまする山林五万七千五百三坪、それから宮崎工場の社宅用地六千二百八十四坪、その他神戸、水戸、千葉、東京、新本社ビル等の追徴を終わっておりまするが、当初申し上げました三件以外のものは、相当高順位のものもございますので、その辺の事情も勘案をいたしまして計算をしなければならないと思います。
○大森創造君 それでは、菅貞人氏のあそこのうちは押えませんでしたか、押えましたか。
○参考人(大月高君) あそこの土地建物は農林開発の所有でございますので、土地は農林漁業金融公庫で押えております。それから建物につきましては、まだ未払いの金が残っておりまして、登記が農林開発でできておりませんので、まだわれわれとして処置できない段階でございます。
○大森創造君 それでは、追加担保の問題について、いままで担保を敷いた分、これから敷こうとしているもの、こういうものの明細をひとつ私の手元にお出しいただけますか。よろしゅうございますね。
○参考人(大月高君) ですから、物件の山林については、所在個所、坪数等はお出しをいたします。ただ、評価の点はきわめてデリケートでございますので、これは控えさしていただきます。
○大森創造君 片柳さんはけっこうです。 そこで今度は林野庁のほうにお伺いします。 前段私が申し上げたように、私は決して暴露ではないつもりです。そこで、林野行政と農林省の政策金融にとって共和問題というのはまさに私は頂門の一針だろうと思うのです。水かけ論ではなかった、すれ違いの議論ではなかったと思うのです。そこで林野庁長官にお尋ねいたしますけれども、御承知のように、私どもは過去一年間那須の山の問題、それから熱海の山の問題、高槻の山の問題、数カ所にわたる国有林のいわゆる不明朗な交換や貸し付けなどに関する一連の事件の質疑を行なってきたのは御承知のとおりです。そこで林野庁としては、今回の共和製糖の問題を契機にして、二度とかかる不明朗な事件を惹起せぬように、交換とか払い下げ、貸し付けの規則を大幅に改正して、新聞などで散見しておりますけれども、従来の欠陥が那辺にあったか、また、今回の改正は特にいかなるところに重点を置いたのか、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(若林正武君) お答えいたします。 国有林野の管理、処分のあり方につきましては、最近の経済的あるいは社会的情勢の推移に必ずしも十分に対応し得ないというきらいがあるようにも感ぜられるのでございます。そこで私どもといたしましては、制度の運用につきまして抜本的な検討を加えたいということで、学識経験者七名から成りまする国有林野評価研究会というものを設けまして、特に開発計画等によりまして、宅地、自然休養地等にすでに転用されている場合、または、これから転用される場合の林地の評価基準を主体にいたしまして、改善措置の検討を進めてまいったのでございますが、本年の三月六日にその検討結果が報告書として提出されるに至ったのでございます。この報告書によりますると、まず、この評価上の基本問題につきましては、資料については、評価対象地自身の個別資料のほか、近隣の状況に関する資料、一般的要因に関する資料等、資料収集の整備に一そうの努力をすべきこと、あるいはまた、需給圏について、従来の近傍類似地域または同一市町村を需給圏として考える傾向が強かったが、同一都府県内や、さらには、隣接府県内などで合理的に需給圏の範囲を拡大すべきこと等が指摘されているのでございます。 さらにまた、評定価格決定上の問題につきましては、これは従来から林野庁がやっている方法でございまするが、林地の評価は結局、市場資料比較法によらざるを得ないということが再確認されておるのでございます。 その他細部の事項はいろいろございまするが、これは別といたしまして、この国有林野評価研究会の報告に基づきまして、国有林野の管理、処分事務、とりわけ、この評価事務の運営改善を積極的に行ないまして、新年度から実施することを目途にいたしまして、成案を得るように鋭意現在努力中でございます。 今後改善をしようという改善措置につきましてでございますが、国有林野の管理、処分につきましては、公用、公共用、公益事業用を優先させるように配慮をいたしますとともに、管理、処分の基準というものを明確にいたしたいと考えております。 それから第二点といたしましては、国有林野の貸し付け、使用、売り払い、交換等をいたします場合の相手方の選定につきまして、厳重な審査を行ないたいと考えております。 それから第三点は、交換につきましては、きわめて限定的に行なってまいりたい。しかも、交換をいたします場合におきましても、用途指定等をしまして交換を行なうようにいたしてまいりたいと考えております。 それから四番目は、評価につきましては、さらに改善を加えたいというふうに考えております。 こういった四点を重点といたしまして考えてまいる所存でございまするが、さらにまた、四十二年度におきましては……。
○理事(大橋和孝君) 説明は明確にしてください。
○政府委員(若林正武君) 管理機構の整備強化ということもあわせて行なう予定でございます。 以上でございます。
○大森創造君 時間がないようですから……。私は若林長官だからこういうことができたと思うんです。なぜいままでこれをやらなかったのか。山の交換などというのは盲点です。私は人が悪いほうじゃない。人がいいことでは日本一だと思う、大森創造は。どうしてこういう抜けがけが何十年となくいままで行なわれてきたのか、私はわからない。山の交換というのは、イニシアチブを国がとってやるべきだ。今度の場合は、細島工場の資金集めに山が利用されているのですよ。当時の松野農林大臣がなぜあわてふためいて、いま言われましたような改善策をとらざるを得なかったのか。佐藤総理大臣じゃないが、具体的な政治姿勢においてこういうことを政治家というものは正していかなければならないのに、こういうことを政治家はぬけぬけと利用しているのだ、ひどいものですよ。これはいまさらおこってもしかたがないからなんですが、あなたが林野庁長官になった功績ですよ。インプルーブメントですよ。幾らほかの委員会で質疑応答したって、積極的なあれがない。その意味においては、本委員会の積極的な意義と若林長官の功績だと思うのですよ。どこの委員会において質疑応答を何時間やったって、実のある措置にならない。それがまさしく実を結んだじゃありませんか。したがって、十分や二十分の超過はしかたがないんだ、私の質問は。これは国のためになる議論だ。ほかのことでのらくらしたものとは違うんですよ。若林長官が言われたように、林政史上ないですよ、これほどに大きな改革をなされたということは。いままでひっぱたかなければわからないのだ。荒っぽいことは言いませんけれども、林野庁長官、勇断をもってやっていただきたいと思います、やればできるわけですから。くやしいことこの上なし、五年前にやればよかったものを。いまさら私などに言われて、はいと気がつくような専門家の皆さん方じゃありません。なぜいままでやらなかったのかと思います。 次に、食糧庁長官にお伺いしますが、さきの国会で松野前農林大臣は、食糧庁として農林中金に、共和に対する融資依頼は公文書では行なわれなかったけれども、依頼は行なったと答弁している。また、それを受けて二月二十二日の毎日新聞か何か、新聞は忘れましたけれども、楠見前理事長は召喚を前に、役所の依頼に甘かったと、こう言っている。こういう観点からすると、農中の共和に対するこげつきの責任の一端は食糧庁にもあると思うが、どうお考えですか、これは。
○政府委員(大和田啓気君) 食糧庁長官が参っておりませんので、便宜、経済局長からお答えさせていただきます。
○大森創造君 簡単にお願いいたします、時間がないから。
○政府委員(大和田啓気君) 政府の報告書に書いてございますように、具体的にだれがどういう形で中金に依頼したということは、私どもよくわからないのでございますけれども、当時の情勢からいって、農林省からこの計画の推進について話があったということは、私ども、そのとおりだと思います。
○大森創造君 どうもそういうことが食糧庁で従来、慣例的に行なわれているのではなかろうかということと、さっき申し上げた東食のクッション融資の問題などとくるめて、どうも私どもはさらに吟味を要すると思うが、時間がない。そこで私は端的に申し上げます。もう衆議院の予算委員会でも、民社党の春日一幸さんから、この問題について相当あからさまに質疑がありまして、新聞に出ておりますから、私から申し上げませんが、尾畑専務が私のところに参りましたのが、忘れもしません、私が委員会で質疑を始めたのが、九月一日の山の問題、共和製糖の問題が九月の二十二日です。その前日に尾畑専務が私のところに参りました。そのときの言いぐさはこうですよ。大森さんひとついろいろ御指導くださいと、私どものほうに御指導願っている国会議員はこれだけございますと言って、ずらずらっと数十人の議員の名前を並べたのです。そこで現在、御承知のような非常にデリケートな段階に差しかかっておりますが、きょうは検察庁おりませんし、法務大臣もおりませんからなんですが、片手落ちにやってもらいたくないということです。これは法務大臣や検察の首脳部に対して一いないからなんですが、私はこういう公式の場所で申し上げる。私は全貌相当程度知っている、だから片手落ちにやってもらいたくないということです。数十人の名前が私はちらちらしているのです。しかし、あれから数カ月、肝心なところは焼却されている。そこで、自治省に対する政治資金規正法の届け出によるところの資金のリストだって全部出してみたらどうです。そうすれば、ちゃんとバランスがとれるようになっておりますよ。 そこで、裏金の問題については、私はここでとやかく言うことを差し控えますが、しかし、ここでえらい欠席裁判もしたくないが、だがいまはその検察ファッショとか、あるいは政党検察なんといううわさがございますから、勇断をもってやっていただきたいと同時に、私はこの際は、これ以上のことは言いませんけれども、事態の進展とともに、私としては、断固たる勇気をもってこの問題の処理に当たりたいと思います。 最後に一言申し上げますが、決して私の申し上げたことは、いまだから申し上げますが、物嫌なことを申し上げたことは、建設的な意味で申し上げたのでありますから、誤解のないようにお願いしたいと思います。きょう数点について御質疑申し上げましたけれども、まだまだ尽くされておりませんから、ただ、委員長理事打合会の申し合わせもございますから、いまは、その議論はこれ以上私はいたしません。 以上で私の質問は終わります。
○理事(大橋和孝君) 続いて瓜生君。
○瓜生清君 私のお聞きしたいことは、三分の二くらいすでに大森委員が御質問になりましたので、きょうは深く論議することを避けまして、ごく平面的に、二、三の問題をお聞きしまして終わりたいと思います。 まず第一に、経済局長にお伺いしますが、たしか去年の十一月の二十日前後に、この委員会で経済局長と私と、共和製糖問題は農業政策の失敗ではないか、また、農林省の指導の面で大きな欠陥があったのじゃなかろうかということを追及しましたところ、まあ私にとってはそうでないという意味の消極的な答弁がございましたが、いまでも、この砂糖業界の再編成の問題で業界は紛糾しております。それは、私が申し上げるまでもなしに、経済局長のほうがよく御存じだと思うのですが、今日の段階になっても、なお、この共和製糖問題だけではなしに、砂糖が貿易の自由化という問題に直面して当局のおとりになった措置というものが、いまなお正しいというふうな判断をしておられるのかどうか、その点お伺いをします。
○政府委員(大和田啓気君) 砂糖行政は食糧庁の所管でございますので、経済局長から申し上げるのはいかがかと思いますけれども、私から申し上げますことは、先般も申し上げましたが、農林省なり、あるいは食糧庁の行政が、この数年の砂糖あるいはブドウ糖の行政について完全に正しかったというふうに申し上げてはいないつもりでございます。これは、昨年の十一月に出しました私どもの報告書でも、まあ私から申し上げるのもどうかと思いますけれども、役所の立場としては、あまり例がないほど、非常に現実が動いていたことも確かであるけれども、行政指導が必ずしも的確でなかったということをはっきり申し上げているわけです。ただ、砂糖の情勢が、砂糖の自由化をめぐりまして、きわめて変転をいたしましたということが、この問題に対しまして一つの大きな影響を与えましたことは、たとえば私ども、報告書でも資料として差し上げてございますけれども、三十八年の十月ごろ、国際糖価がポンド十セント五十六でございましたのが、現在といいますか、四十一年の秋ごろになりますと一セント四十三という、十セント五十六のものが一セント四十三というふうに、史上未曽有に高くなったころからわずか二、三年の間に史上最低の価格に落ち込んでまいったという事実がございます。したがいまして、とうとう卸売り価格もキロ当たり三十八年の十月ごろには百六十円二十九銭というようなのでございましたが、昨年の秋ごろには、それが百円を割って九十九円幾らということになっております。したがいまして、行政が、この砂糖自由化前後をめぐる砂糖のきわめて急激な変化に十分追随することができなかった。これは私ども農林省として認めざるを得ないと思いますけれども、通常糖価の変動の程度ではなくて、きわめて、いままで例がないほどの大きな変化であったこと、したがいまして、共和製糖のブドウ糖工場あるいは精糖工場の建設等につきまして、いまの時点からここ数年をさかのぼってみますと、いかにも行政としても、ビジネスとしてもおかしいという感じをお持ちになることは当然だと思いますけれども、当時三十八年の十月前後には、とにかく国際糖価が十セントをこえ、砂糖も百六十円をこえて、そういうことから、かりに二割ぐらい砂糖の値段が下がっても、採算ベースに乗り得るということはあったわけでございますから、私ども行政の責任といいますか、やり方が必ずしも的確でなかったということを逃げる意味では毛頭ございませんが、とにかく、そういう行政として対応できないほど大きな変化があったということだけは申し上げさしていただきたいと思います。
○瓜生清君 ただいま御説明のありました数字につきましては、農林省と大蔵省から出ておる、先般配付された資料に載っておりますから、私も十分承知しておりますが、冒頭に言いましたように、きょうこの問題を深く掘り下げて突き詰めたいということは避けますので、これ以上の答弁を経済局長から求めるのはやめにいたしますけれども、いずれにしても、私は善意でやったものであっても、結果的には、世界の砂糖情勢なり国内の業界の実態というものを十分把握したつもりでも、そうでなかったという、そういうことを招来しておるのじゃないかというふうな気がするわけです。そこで第一糖業という新しい会社が今度発足したわけでありますが、これの再建計画の全貌というものはいつごろでき上がるのです。
○政府委員(大和田啓気君) 先ほど中金の理事長からも概略のお話がございましたが、先般、第一糖業という会社が設立されまして、それが宮崎工場の精糖設備、それから現在共和糖化がブドウ糖をつくっておるわけでございますが、その一部のブドウ糖の工場を賃借りして生産をやる、そうして、共和製糖あるいは共和糖化に借り料を年々払いまして、その賃借り料の中から、共和グループとしては、中金なりあるいは公庫その他の金融機関に長期で支払いをしていくというのが概略の構想でございます。それで、現在、第一糖業というものができましたといいましても、創立総会が今月の六日にありましたばかりで、旧共和グループと賃貸借の契約等について、現在鋭意話し合いを進めておるわけでございます。いつまでというふうに時期を限って申し上げるわけにもまいりませんけれども、そう私ども、おそくない機会にこの賃貸借契約が完了して、第一糖業によって宮崎工場が運転されることになるというように考えております。
○瓜生清君 そうすると、それまでは、政府関係の三金融機関から出ております融資金、それの計画返済条件その他はおおむね、従来とってきた方法をその時期までとり続ける、こういうように解釈してもいいですか、いかがですか。たとえば、農林公庫から、ことし三月末日までに返済期限が来るものについては、それまで猶予するというような一項目がこの報告書の中にもございますね。それは、そういうふうに受け取っていいわけですか、いかがですか。
○政府委員(大和田啓気君) そのとおりでございます。
○瓜生清君 そこで、先ほど言いました将来の青写真というものですが、そう急に、会社の創立総会等が開かれた直後で、いま、早くやれと言っても無理でしょうが、私、先ほど大森委員が言っておられますように、そういうものができたら、やはりその資料を国会に出していただきたい。政務次官も、そうするように努力しましょう、こういうお話であったのですが、私はその理由として、確かに民間企業のことでございますから、そういうふうなものを出すことについては、過去の慣例というような面から見ますと、若干、自由企業のたてまえからいっておかしいと思われる点もあると思うのですけれども、何といっても政府関係の三金融機関から相当ばく大な融資が行なわれておる。しかも、それが必ずしも正常な形ではないというような現状から推しますと、その点に限って申し上げましても、そういったものを出して、そして疑惑を晴らしたり、あるいはまた、これから先の安心感というものを与えるのにいいのじゃないかというふうな気がしますので、この点はひとつ特別の御配慮をわずらわしたいと思います。 そこで、これは最後の質問になりますが、食糧庁長官にお聞きしたほうがいいのじゃないかと思いますけれども、ちょっと重要な問題なんです。それは国内原料をもって精糖工場をつくった、それが将来外国原料をもって砂糖をつくるというような、そういうプランの変更をやって農林省に認可を求めてきた場合に、一体これに対してどういう処置をとるのか、その点ぜひお聞きしたいと思います。もし経済局長として御答弁が不適当であるならば、次回の決算委員会で明確なるお答えを聞きたいと思うのです。といいますことは、政府の開銀融資その他を受けて、当初すべり出しはいわゆる国内原料をもって工場建設をする、それがいつの間にか性格が変わって、これから先いわゆる外国の粗糖をもって生産をするということになりますと、政府資金の悪用というようなそしりを免れないと思うのです。その点に対するはっきりした態度というものをひとつ農林省として示してもらいたい。きょうお答え願えればけっこうでありますが、そうでなければ、次回でもよろしいです。
○政府委員(大和田啓気君) 別の機会に食糧庁長官からお答えいたします。
○瓜生清君 これで私は質問を終わりますが、もっとお聞きしたいんですけれども、大森委員が尋ねちゃったものですから、時間もありませんしやめますが、私、共和製糖の問題を決算委員会が取り上げまして、今後の審議について委員長並びに与野党の理事にひとつお願いしたいことがあるんです。それは非常に膨大な内容を持っておる事件で、行政指導のあり方、砂糖業界の今後の編成のしかた、さらにまた、政治家と官僚の結びつき、営利企業家との関連、そういったものをやっぱり一つ一つえぐり出していく必要がある。ところが、最近の傾向を見ておりますと、たとえば田中彰治議員が逮捕されたとか、あるいは相澤重明議員が起訴されるとか、あるいは幾ら金もらったとか、そういうようないわば何といいますか、事件の本質から若干離れたところに焦点が置かれた論議というものがなされておる。私は率直に言いまして、民主社会党の所属の議員でありますが、そういう問題を激しく追い込んでいって、そうして、どのような犠牲者が出ようとも、これは本人の不徳のいたすところであっていたし方ないと思うんです。また、それなりの処分を受けたらいいと考えます。だから、そういうところに力点を置いた行き方も、あるときには必要でしょうけれども、これからのあり方としては、もっと本質をえぐるような議論というものがこの委員会でなされるような、そういう運営を、少数政党でありまして理事会その他に出席する機会もあまりございませんから、強く要望を申し上げまして、質問を終わります。
○理事(大橋和孝君) それでは、他に御発言もなければ、本日の農林省及び農林漁業金融公庫についての審査は、この程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十七分散会