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55回国会参議院1967/06/29

外務委員会 第15号

発言数
54
登壇者
7
会派数
2
開催日
1967/06/29

会議録

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  国際情勢等に関する調査を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 きのうの衆議院の沖縄特別委員会でいろいろな論議があったようですし、それから、先日沖縄のアンガー高等弁務官も意見を述べたようで、それに対して外相の見解も新聞等で私は知っておりますが、きょうはその内容には一切触れません。  ただ問題は、これはこの問題の日米間の今後の最重要課題になることは当然でありますが、佐藤総理の訪米するまでに一応何らかのめどをつけられるのかどうか。というのは、いろんな報道を聞いているというと、アメリカ側が日本の意見を、日本が一体どういうことを考えておるのか、ある程度固まった意見を聞きたいという情報もかなりありますので、佐藤総理訪米までにめどをつけられるのかどうか。もう一つは、それとともに、もしそれまでに時間的に困難とするならば、一九七 ○年までには何らかの結論なり一応のめどをつけるのかどうか。これもライシャワー前駐日大使が、一九七〇年までに沖縄問題に結論をつける必要があるということを、いまは一民間人でありますけれども、しばしばそういうことを言っておるので、内容には、私、こんな機会でありますから触れませんが、首相訪米の際には一応何らかのめどをつけるのか、もしそれが時間的に無理ならば一九七〇年までには何らかの結論をつけられるのか、その辺をお伺いいたします。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 総理は大体十一月に訪米をいま予定しておるわけですが、これは今後アメリカ側と打ち合わせてみなければなりませんので、これはまだはっきり言える段階ではない。今年中に訪米する予定であります。その場合に、沖縄問題というのは当然に総理の話し合いの議題になることは明らかであります。前回もやはりその問題は話し合いの議題になったわけであります。そこで政府、ことに総務長官の手元でいろんな案を検討を加えておるわけであります。われわれ外務省としても沖縄問題というものを、沖縄の施政権返還という問題を取り上げて今後とも検討を続けていく。しかし、政府のほうでは沖縄問題に対しての審議会をつくろうという考えがあるわけです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 いまの懇談会とは別ですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 懇談会とは別に。懇談会で答申がされますわね、その終わったあとでひとつ沖縄問題の審議会、名前は別として、沖縄問題を、施政権の返還問題も含めて、沖縄の問題の審議会をつくろうという考えがある。したがって、総理の訪米する時期に、おそらく今年中でありますから、何らかの政府の案を持ってそうして話し合うということにはならないかもしれません、そういう審議会もつくろうというわけですから。しかし、あらゆる可能性というものをやはり政府のほうとしても頭に入れておかなければ、ただ施政権の返還ということだけでは問題は前進しませんから、いろんなことを検討を加えて、政府はもうこれでアメリカと話し合いをするんだという固まったものにはならぬかもしれません。しかし、ある程度いろんな可能性というものを検討して、そういうふうなことも頭に入れながら総理が話し合うことになると思います。まあ、われわれの考え方は、これはやはりアメリカと率直な話し合いをしてこの問題を解決することが解決のやり方としては効果的でもあるし、日米関係から見てそうすることが好ましいと考えておりますので、そういう形で総理がジョンソン大統領と話をすることになると思います。そういう形というのは、もうこれだというきまった案を持っていくことにはならぬかもしれませんが、あらゆる可能性を頭に総理が入れて話をすることになると思います。ただ、一九七〇年と羽生さんの言われる——私はどうもこの一九七〇年というものにアクセントをつけるということには私賛成しないんですよ。これは何か、一九七〇年というものがいかにも特別の年のようにアクセントをつけて、沖縄問題の解決も一九七〇年が一つのめどだというふうには私は考えない。それは何も一九七〇年でなくても六九年でもいいだろうし、六八年でもいいし、そういうことで、その点にはまあライシャワー氏の意見に私は同意をいたしません。何かめどをつけて、一九七〇年にこの問題を解決せよという、そういう特別の意味を一九七〇年に見出すことには私は同意いたしかねますが、とにかく、この問題をできるだけ早く解決しようという積極的な努力を政府が必要としていることは、これはもう羽生さんの言われるとおりだと思う、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私も特にそこに、一九七〇年に特別なアクセントを置いているわけじゃないので、たまたまアメリカ側の一人がそこに重点を置いていろいろな談話を発表しているために申し上げた。一九六九年でも六八年でも、早いにこしたことはない、そう思っております。  それから次に、佐藤総理も訪韓されるわけですが、訪韓の機会に、新聞報道によると、第二次五カ年計画の全面的な協力をわが国に要請するのではないか、こう伝えられておるわけであります。これはある程度検討されておりますが、その場合に、そういう要請があった場合に日本側としては、韓国がどういうことを言うかよくわかりませんが、もうある程度政府では内容をキャッチしているかもしれませんけども、できればさきの日韓協定で結ばれた有償無償等の諸協力、それを繰り上げ支出するというのか、あるいはそれとも、それ以外に別途新しい何らかの協力要請をしようとしているのか、その辺の事情、わからぬにしても、かりにそういうふうになった場合に、政府はおよそどういうふうなお考えをお持ちになっているかお聞きしたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 総理の訪韓は、ああいう式典に参列するのでありますから、期間も短期間で、したがって、限られた日程であるので、そういう話し合いというものが十分にできる時間的な余裕はないかもしれませんが、しかし、当然に韓国の政府との間に日本の経済協力の話し合いがついて、話し合いが出ることは私は当然だと思います。そこでやはり韓国政府が一番問題にしているのは第二次五ヵ年計画、これを何とか五ヵ年計画、もっと年限を短縮してでもやり遂げたいという熱意に燃えていることは事実でございます。しかし、日本の政府の経済協力というものは、有償無償のきめられたワク内である。したがって、これにプラス民間の経済協力がございますね。この点については一応大ワクという考え方はあるけれども、これはやはり条約できめられたようなものではございませんから、こういう点については弾力性が私はあると思うのですが、日本の場合は韓国の第二次五ヵ年計画の遂行に協力しようという立場で、しかし、その協力というのは有償無償の日本の経済協力のワク内、それにプラス民間の経済協力ということが大きなワクだと考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、これは先日来二、三回お尋ねをしたわけですが、ASPACに出席される場合、経済問題のみならず、幅広く政治問題を含めて討議なさる。しかし、それについて一定の結論は出されない。それはそれとしてわかりましたが、日本自身としては一体どういう考え方で臨み、何を議論しようというのか。また、会議そのものから一つの結論を出さぬにしても、日本としては特に参加諸国に対してどういう点を中心にアピールというか、日本側の見解を述べようというのか。その辺を少し聞かしていただきたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、特に政治問題を話そうではないかというのは私の意図ではないのです。いろいろのプロジェクトばかりの話に集中するというのではなくて、せっかく寄ったのだから、自由にいろいろ自分の考えていることを話し合って、そうしてASPAC加盟国の理解増進の場にしたらどうか。いろいろな話し合いをしましても、お互いに善意であり、またお互いの関係というものに対して誠意を持って話し合うならば、いろいろなことを話しても、その話というものは友好関係を阻害するようなことにはならないのではないか。そういう意味から、私は日本の考え方——このアジアの平和、アジアの繁栄というものに対しての日本の基本的な考え方というものを述べてみたい。まだアジアには日本に対してのいろいろな猜疑心があるわけですよ。私がアジア・太平洋会合と言ったら、それは大東亜共栄圏のリバイバルでないかと、こういうようなやはりなにもあるくらいですから、実際には今日の戦後の日本、新しい日本は、日本が一体何を考えておるのかというのを率直に話してみたいと思っております。その考え方は、外務委員会で羽生さんなどと私がいろいろ問答しても、羽生さんからおしかりを受けるような内容ではない、こういう点を申し述べてみたいと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 実はこの問題は、なぜ私こういう質問をしたかというと、あとの問題も若干関連をするのですが、それはもうちょっとあとにお尋ねするとして、その前にもう一つ、首相の南ベトナム訪問の際に、このベトナムの休戦が実現した場合に、休戦監視機関に進んで参加するようなことを外務省は検討しておると言われる。これは実はこの前、予算委員会でお尋ねしたときに、そんなことを検討する時期ではないとおっしゃった。私も、やはり当面もしやることがあるとすれば、いかにしてこの休戦を実現するなり戦争を終結するかということが問題であり、そのことは、いまのような監視機関のことは先の話だと思うけれども、しかし、一応そういうことにも触れると新聞報道では言っておりますので、そういう問題にも触れて論議をなさる予定になっておるのですかどうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまは、いかにしてベトナムの戦争を収束するかということが問題ですから、休戦監視委員会というようなところまで話が私は行く段階ではないと思います。しかし、この問題は、日本が世界の平和に寄与するという意味において、これはやはり一つの大きな検討すべき問題点だと私は思っております、私個人の考えは。これは自衛隊の派遣というようなことは私はいけない。そうでなければ、こういう国際的な平和維持機構に対して日本側のシビリアンが参加して世界平和のために寄与することは私はいいことだと思っているのです。先日も岡田委員——良心的な岡田委員は非常にこの問題を取り上げられて、非常にやっぱり日本の問題として悩まれた態度に私は敬意を表しているのですが、これはやはり社会党としてもいろいろ御検討を願いたいと私は願っています。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 その問題のよしあしは、きょうは私ほかにまだお尋ねしたいことがありますので、帰られてからの機会にしまして、次にお尋ねしたいことは、実はきょうの朝日新聞ですが、どっか投書欄に一労働者が投書しておるわけですが、要するに、「私が」——つまり総理のことですね——「「私が乗込んで行って双方を説得するのだ」ぐらいの気構えがあってしかるべきだろう。そして、それでこそ本物の外交であり、同じアジア人としての友好というものだろう。ところが、それにしてはまあ何と薄弱、お粗末な積極中立外交ではあるまいか。肝心の訪問の目的について、首相が再三再四強調しているところは、一に「そこだけ避けて通るのは礼を失するから」であり、二に「和平への道をみつけることができればしあわせだと思う」というのである」、こう言っておる。それではだめだと、一体どういう方途をもって臨むのかと、会談の際に。それを一労働者が投書しておるわけですね。私も同感だと思うのです。特に積極中立で和平の糸口を探求しようというのであるならば、南だけを訪問しているというのはおかしな話だと思う。そこでさきに横山特使を派遣したり、あるいはそれ以外のベトナム通二、三の人といろいろ接触を保たれていることも私は聞いております。そういうことでありますけれども、しかし、さらにもっと積極的に、北との接触をどうするかという問題をお考えいただいたらどうか。かりにもし北ベトナムのハノイから外相に招請があればどうされますか、受諾されますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私、行くつもりです。招待があれば行くつもりです。これはやはり総理だって事情が許せば、ハノイだって事情が許せば検討されると思います。しかし、いま事情が許さないわけですから、だから間接の接触、第三国を通じてよりほかに方法がないわけですから、私は招待を受ければハノイに行く考えであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 どうかそういうことが実現するように努力していただいて——そうでないというと、一労働者まで、こういうように、南側だけの接触で一体どういう会合ができるのかという疑問を持つくらいですから、やはり双方に接触して、そうして行って、双方は何を考えているのか、それを十分ひとつ御探求願いたいと思います。おそらく外相に積極的な意欲があるならば、ハノイだって招請状を出す時期が必らずあるだろうと私は期待しております。  これからあとは、実は私は若干意見になるわけですが、時間もあまりないようでございますから、あまり考えを申し上げるわけにいきませんが、これは質問というよりも全くの意見であります。  それは、このベトナム問題をどうして終結するかという場合、たとえば今度のアメリカにおける米ソ首脳会談を見ましても、あれだけの長い時間をかけて討議したにもかかわらず、ベトナム問題についてはおそらくはとんど合意がなかったんではないかと思われる。それは、北爆を停止すれぱ北がそれに見合う浸透の停止をするとか、そういうこともあったでしょう。それ以外にもいろいろあると思いますけれども、それはなかなか容易なことではないと思うのです。  それから、私は実は昨年ワシントンを訪問した際に、ウィリアム・バンディ国務次官補と会った際、一体この問題をかくも強硬に考え、また、この休戦というか、平和をしぶっている最大の要因は何か、こう尋ねたところが、それはハノイの四条件の第三項である。こう答えている。ところが、その直後、ニューヨークタイムズのソールズベリー記者がファン・バン・ドン北ベトナム首相と会談した際、ファン・バン・ドン北ベトナム首相は、アメリカは第三項をのむまいと、こう言っている。これは言うまでもなく、南ベトナムの内紛問題はベトコンの計画に基づいて処理するという第三項だと思う。そういう非常にむずかしい問題がまず一つあると思います。  それからまた、ユーゴで極東担当外務次官のべロフスキーという人と会った際に、この人は北爆停止よりもっとほかの問題にウエートを置いているわけです。それは、交渉が終われば米軍が完全に撤退することを宣言する。第二番目には、ベトナムの将来についてはベトナム人民自身の自由にゆだねる。第三番目は、この地域の中立化、こういう問題を出しておりましたが、これは北爆停止よりも、むしろいま申し上げた三条件に非常にウエートを置いておったわけです。  それから、フランスでショーベル氏と会った。それから、フランスにはクーブドミュルビル以外にもう一人外務大臣がおりますけれども、この人は、たとえばちょうど私たずねた際にドゴール大統領がプノンペンを訪問して、あそこで声明を発表しました。その中に、ベトナム問題の最大の和平の条件にこの地域の中立化ということを言っております。そこで私は、それはわかるが、この地域の中立化というのは、南ベトナムの中立化を先にやるのか、南北ベトナム統一後の中立化をやるのか、あるいはラオス、カンボジアを含む全地域の中立化をやるのか、それは全地域の中立化だと思いますが、それにしてもその時間的な関係、順序、それはどうなるかという質問をしましたが、ほとんど答えがなくて、全く抽象的な考え方に終始したわけであります。このほかいろいろありますが、たとえばこれはほんの各国を回った場合の一例であります。そうしてみると、これは、首相が訪問し、あるいは外相もいろいろな各国との接触を保たれてベトナム和平を探求される場合でも、単に日本は平和を欲するからお互いに戦争はやめましょうというようなことで簡単に片づくような問題ではないということはもはや明瞭だと思います。あの巨大国たる米ソがあれだけの時間をかけて話し合いをしてもなおかつ合意に達することはほとんど困難だ。また、こういうことは言っていいかどうかわかりませんけれども、フランスのショーベル氏がファン・バン・ドン北ベトナム首相に会った際に、アメリカでは大統領がいいと言えば問題はあってもあるいは解決するかもしれないが、わがほうは必ずしもそう簡単にはいかないという内部事情の複雑さを語っておったようです。これは共産圏国内部におけるいろいろな双方の働きかけの関連もあると思います。ですから、そういうふうに、もう非常に問題が複雑化しておることと思います。したがって、総理がかりにベトナムを訪問されても、これは一般的に和平の探求と言われますけれども、ある程度の目安というものを日本自身が持って、そうしてこういうことはどうだ、これをあなたの国はやらないか、あるいは北に対しても、もし、かりに平和の実現した場合どうするかと、平和といいますか、一応北が停戦に応ずるというようなことになる場合、そのような問題が出てきますね。それに対しても、日本の考え方を述べる。さらにそれだけでなしに、世界的な規模において民族独立闘争、これは重要ではあるけれども、外国が武力でこれには介入をしない。それから第二戦争を行なわないこと、そういうことを世界的な規模で取りつける。私は実はここにおる岡田宗司君等とともに先年ソ連を訪問した際に、これは成田君も一緒に行きましたけれども、もう長時間いろんな論議をしましたが、実にソ連の悩みは、平・和共存と民族独立闘争の関連性が何であるか、これに最大のウエートがかかっておると見受けました。今度のグラスボロの会談だって、おそらく私はその問題だと思います。それから、いまコスイギン首相がキューバを訪問しておるけれども、きょうの新聞報道によれば、カストロ首相訪問もほぼこの問題に尽きておる。平和共存と民族独立闘争との関連だと思います。だから、そういう点では、やはり民族の自主性というものをはっきり認めて、そこにあとから政権がどういうものができてもこれはやむを得ない。長い目で見ていく。しかし、そうしてその後和平が実現できた場合には、外国は武力ではその国の内政には干渉しない。それは共産圏、自由主義圏、両方そうです。そして第二戦争というようなことはもう断じて行なうべきではない。それは国連の場なりあるいは関係国の会議で完全に取りつける。これは一つの問題であります。  これ以外にきょう申し上げたいことは私一ぱいありますけれども、そういう問題を含めて、ほんとうにこのベトナム問題をどうするかというこの問題を探求して、一応の方向を持ってそうして相手国と話し合いをしなければ、いま、この一労働者が投書したように、南ベトナムへ行って何をお言いになるのかという疑問が出てくるのは、これは国民として当然だろうと思います。しかし、私は世界の心ある国々、まあ、大きな国々があらゆる努力を払っても簡単に解決しない問題が、日本が安直に簡単な奇想天外の解決案が出るなんということを毛頭考えているわけではありません。これは、うまずたゆまずあらゆる努力を傾けて最善を追求していく以外に道のないことをよく承知しております。それにしても、単なる訪問ということでなしに、もっと何らか本質的な問題に触れての探求があってしかるべきではないかと思います。先ほど、ハノイの訪問は招請があれば訪問してもよろしいということまで言われた外相ですから、特にハノイの場合ならなおさらそうだと思います。そういう意味でひとつ真剣な考慮というものを、外相はもちろんでありますけれども、佐藤総理の訪問するについては、東南アジア諸国訪問について十分な用意が要るのじゃないか。そうしてこれら諸国も、立場は違っても、案外それぞれの立場においていろいるのことを考えておるのじゃないかと思います。そういう意味で、ひとつ外相が十分な考え方を持って、ソ連との日ソ定期協議もあることですから、それからASPACもすぐ開かれるし、首相の東南アジア訪問も間近ですし、こういう時期を控えて特に私はきょうは非常に意見を多く申し上げましたけれども、意のあるところを了察されて、外相の御見解を承らせていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 羽生さんがこういうベトナムの紛争に対しても、これは何とかならないかということで、羽生さんの立場から、いろいろの角度から問題を具体的に掘り下げて解決の道を探求されるという態度に、私は共感を覚えるのです。これはいままで世界各国の指導者がこの問題に何とか解決できないかとして努力したけれども効果がなかったのですから、そう簡単な問題ではないわけです。人によったら、これはもうアメリカとか、ソ連とか、あるいは中共とか、こういう国々の手によらなければ問題解決できぬのだと言ってしまえば、そういう面もありますよ。しかし、もしそういうことでみなが、これはたいしてわれわれの働く、われわれとして果たす役割りがないのだと言ってあきらめてしまえばやはり世界の平和というものは前進しないのじゃないか。みなが小さいながらも努力を積み重ねていく。その集積の中に平和というものは前進していくのじゃないかと私は思うのです。そういう態度から羽生さんがいろいろの角度から世界を旅され、いろいろの人の意見、そういうものに対して注意深く観測されて、その平和を探求されている態度というものに対しては、非常に共感を覚えると申し上げたいと思います。したがって、日本の場合も、総理が行かれるときには日本としてもまだ多少時間もありますから、いろいろの変化が起こるでしょうから、そういうことで行かれるときには、総理として大体こういうことでベトナムの問題を促進したいというあらかじめ一つの考え方は私は必要だと思います。そういうことで、話をただ和平の早期実現ということだけでなくて、もっと具体的にいろいろのやはり日本の考え方も述べて、向こうの真意もこれを知ろうとする努力ということが必要である。そういうことで、いま御指摘のように、総理が行かれるときにはやはりその時点においてどうすることが和平の実現のために一番いいと考えるということは当然に検討する。そういうことを頭に入れておくことが必要だということはあなたと私は同感でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これはぜひ外相がどうこうされても、あの総理の性格で安直に考えてやられる公算がかなり大きいと思いますから、これは外相中心になって、外務省も本気になってひとつ一応の、日本としてはこういう態度で臨むが、あなたの国はどうだという、これに賛成しないかぐらいの方途を持って臨んでもらいたいと思います。  他に御質問もあるようですから、一応ここでこの問題を打ち切っておきます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 時間もないですから、きのうの衆議院の特別委員会であった話に、石橋君の質問に関連して事情だけを伺っておきたいと思うのは、一つは、この全面返還をするのだということは総理も外務大臣も常におっしゃっている。いろいろ質問が出てくると、全面とは何だということがだんだんむずかしくなってくるので、外務大臣、政府が考えている全面返還とは一体どういうことか、構想ですね、おっしゃる、その全面返還だと主張される構想をお聞かせ願いたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は率直に申し上げたいですが、この極東の情勢からして、安保条約というものに規定する地位協定による基地ですね、これが沖縄からなくなっていくということは、これはちょっとそんなに近い将来に考えていないのです。したがって、沖縄にはやはり安保条約による一つの基地というものの必要性があるという前提に立つわけでございます。したがって、そういう形でこの沖縄の施政権が返還され——それは内地並みということです。内地並み、そういうことならば、これは全面返還ということがこの条約とか法律論ということばかりでなしに、政治的な判断も私の言うことには加えているわけであります。そういうことであれば、これは全面返還ということに私はなる。ということは、基地も何もなくなる沖縄ということを考えているのではない。それは安保条約による基地というものは相当必要性が続くものである。しかし、この沖縄の返還にある一つの基地の自由使用といわれているような一つの日本の政府の政策というものが必ずしもそれが及ばないといいますか、適用されない。たとえば核の基地ということになれば、政府は核の持ち込みをしないと、こう言っているわけですから、そうなれば沖縄の核基地というものが、そういう基地が残ってそれが自由使用されるということになれば、やはり政府の政策というものがその地域には行なわれないということになりますので、これは条約上は沖縄の返還協定を結ぶのでしょうから、それで施政権は返るということには条約上はなるけれども、しかし、何かこう政治的に見ると、日本の政府の政策が及ばない地域があるということは、政治的に何か完全だとは言えないのではないかという私は考え方を石橋君に言ったのです。条約とかあるいはその法理論から言えば、それでも日本が承諾してそういうことをすればこれはもう完全返還であるということは説明はつくと思いますよ、法理的には。しかし、一つの政治的判断としては、何かこう完全とは言えないという率直な気持ちがするということを石橋君に答えたのがきのうの真相でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、返還というのが、黙っていて向こうが日本に返しましょうと言っていま外交問題になっているのではないので、こちらが返してくれという要請をする立場。そうすると、大臣の構想から想像されることは、施政権が返る、この施政権ということばが非常にこまかいことばで、日本の領域になるわけですね、テリトリーになるわけです。主権が顕在化してテリトリーになる。返すとなれば、応諾すれぱ、黙っていて自動的に、いまの安保条約に定めてある日本の領域に関する日米間の取りきめですから、沖縄には、何ら注釈なしに、あらゆる交換公文をはじめ条約本文がそのまま適用されると思うのです。それをアメリカがそれでいいと言うならば、もう問題はないわけですね。そういうふうに了解していっていいのですか。そうすると、今度はアメリカの場合で言えば、あそこは特殊地帯としていま持っている区域、施設、ここはもろと自由にしてもらいたい、事前協議の対象からはずしてもらいたい云々となると、それは大臣の考えている考えからは遠くなるわけですね。日本の政策が及ばないのですから、自由ですから、それは困るというお考えですね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) きのうの石橋君の質問は、石橋君のベースで質問を展開されたわけです。それで私は、その中に引きずられないようにしたわけです。それは、彼はもうかなりやはり基地の自由使用ということを前提にして質問を展開しようとしますから、私は用心深くならざるを得ないわけです。彼のベースですからね。またこれは、彼のベースの中に入り込んじゃって、このときにどうなるという仮定のことで条約上、日米安保条約上いろいろなことを言うことは、そういうことを議論する適当な時期だとは私は思わなかったのですよ。森さん、それで、それには深入りをしなかったわけでありますが、この現在の段階で核基地でもいいのだ、自由使用はあっていいのだ、施政権の返還を望みたいというそれだけの国民的声が成立しているとは思わないのです、これは。そういう重大な問題をひとつ政府がこういう考え方で対米交渉をするという、そういう割り切り方ができる段階だとは見ないのです、私は。だから、いろいろな案を検討するということはいいと思いますよ、いろいろな可能性を。しかし、こういうことを大体こういう考え方で行こうということで対米交渉をするという考え方は持ってない。いろいろなものの考え方の一つの考え方としてはあり得るであろうけれども、政府の政策として対米交渉をするという考えはない。こういったのが私の真相でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 われわれの立場での質問じゃなくて、あなたの構想を、きょうは、これからのために伺っておるのですが、なかなかむつかしくて、混雑して、質問もむつかしいのですが、要するに、こういう形だったら、最もいまの大臣の考えでは好ましいというのは、そのまま返してもらう、すなわち日本の領域になる、アメリカは立法、司法、行政、一切の権利がなくなる、あとは安保条約の自動的な適用区域に、日本領域ですから、安保条約の区域になる、事前協議はしてもらいたい、もし核兵器があるとするならばこれは撤去してもらって、ということならば最も好ましい形とお考えですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森さん、私は、そこが、あなたと違うことは、好ましくない、好ましいという価値評価をしないのですよ、これは。これは、やはり極東情勢というものもありますからね。そこで、これは好ましいのだ、これは好ましくないのだという、そういう意味のこの問題の価値評価は加えない。問題は、それが日本に施政権が返って、そして安保の適用を受けるということが問題をきわめて簡単にする、返還問題を。それが好ましいとか好ましくないとかいう価値評価は、これはやはり加えたくはない。これは両方が話し合ってみて、極東の情勢、あるいはまた武器、いろいろポラリス潜水艦などもできておるのですから、そういうもので、いわゆる核というものに対する戦略の変化だってこれは考えるべき面もあるでしょうし、いろいろな点でこれはやはり日米間でいろいろ話し合うべきであって、そういうことが好ましいとか好ましくないとか言ってそれに何か価値評価のようなものを加えることが適当だと私は思わない。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 あと二点。要するに、返還されれば自動的に安保条約適用区域になりますね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) なります。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで、いま沖縄だけが特に極東情勢のために果たしている役割りはこれは無視することはできないと大臣は重ねておっしゃった。安保条約の説明の場合でも、これは極東情勢に関する限り、日本の安全保障の見地から必要だ。特に沖縄を言わなくても、現安保条約でも役割りを果たしているのですね。特にあれがなければ安保条約もだめになってしまうというものであるのかどうか。同じようで表現が二つ違うのですが、使い方が、それがどういうことかということ。  もう一つは、これは法律論になるから専門家でしょうが、日本の領域になった場合に、かつての施政権者であった国が結んだ条約たくさんありますね、フィリピン、ANZUSなどたくさんあります。ああいうものが依然効力が存続するのですか。きのうの御答弁では、その点は法理論を逃げられたようで、はっきり新聞ではわからないのですが、当然自動的に、これはアメリカが沖縄を中心に話し合った多国間の条約は、日本に関する限りは拘束されないということになるんじゃないか。  もう一つは、よく大臣が、国内の世論、沖縄の島民の意向を調べてということをおっしゃるが、沖縄の島民の意向の探り方、だれかを頼んで世論調査でもやるのか。政府機関あるいは委託してやるのか。日本国内の世論というものはどうやってつかもうとするのか。風船を上げておいて、ただ見ておるだけなのか。沖縄の場合には人数が少ないし、やればやれないこともないでしょう。大学の先生の報告も調査していますから、そういうことはどういう方法で沖縄島民のほんとうの気持ち——核がついていても帰りたいのか、あんなこぶはごめんだ、どかして帰りたいのか。そこらの判断をどうしてつかもうとするのか。この三点、お伺いいたします。これで終わります。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 第一の点は、安保条約との関連というものは、これはやはり日米間で率直に話してみる必要がある。沖縄の基地というものに対しての戦略上における評価、これはやはり日米間で非常に専門的ないろいろな知識も私は要ると思う。これに対して日米間でこれは話し合いすべき問題であると思います。  それから森さん、なかなかこういう問題に詳しいから、二番目は政府委員から。  第三の問題は、私はやはり沖縄の人の考え方というものもこれは一つの重要な要素だと思いますが、沖縄の問題というものは、やはり日本国民の最高のこれは政策決定に属するものだ。だから、森さんの言うように、沖縄の世論調査をしてそれで自動的に政策がきまるというものではなくして、日本の、日本という最高のレベルでいろいろな世論の動向も判断してきめていくべきものであると思います。その間に沖縄の人たちの考え方というものは、これはやはり非常に重要な参考になる点でありますから、それはどういうふうに沖縄の動向を考えるかということは、立法院なども一つの場だと思います、沖縄の立法院。これは代表された人々のいろいろな見解。しかし、それで自動的にどうするという日本の方針というものよりか、もっとやはり最高的な政策決定の課題である。こういうふうに考えています。  第二の点は政府委員のほうから。

東郷文彦外務省北米局長

○政府委員(東郷文彦君) ただいまお話しの極東及び太平洋方面に関するいろいろの相互防衛援助条約に関しまして、たとえばANZUS条約、あるいはアメリカとフィリピンとの条約など、太平洋地域における両締約国の領域のみならず、太平洋地域における合衆国の軍隊とかいう形で相互防衛援助の義務を規定しておる条約があります。それらの条約に関しましては、いま沖縄が現在の日本の領土でありますが、日本の施政権がこれに及ぶようになって、はっきり日本の領土である、こういう形になりました場合には、地域的の条約地域からははずれるとしましても、合衆国の軍隊という形で規定してある条約については、なお相互防衛援助の義務が残っておるわけでございます。その点は、今日日本にある米軍についても同じ内容でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 もう一点大臣に。いま沖縄から来る新聞情報や話を聞くと、あるいは陳情などを見ると、内地ほど核がこわいというのじゃない。少し核アレルギーというのですか、そういう観念は少ないのだ。とにかく、こぶつきでも帰りたいのだ、こういうのが、大臣のおっしゃる立法院をはじめ沖縄の八、九十万の島民の大多数がそういうふうに本土政府に要請をしてきた場合には、これはただ中央の高い見地から、日本全体から考えてということだけで押し切れない場合も出てくるのじゃないか。何と言ったって、現にあそこにいる者みんなが帰りたいというその意向が大多数を占めるということになれば、政府としてもこれはもっと重点を置いて、重さを置いてテーク・ノートするということになるのかならないのか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは沖縄の人たちが考え方を統一されて、そうしてこういう形で返還してくれという沖縄住民の合意が成立したときには、それは政府のいろいろ政策決定をする場合には重要な参考にすべきものである、テーク・ノートすべきであるという森さんのお話、私はそのとおりだと思います。しかし、沖縄問題の解決は、政治のこれは最高級の政策決定に属するものであるということだけは、これは申し上げておきたい。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 つけ加えて。いずれにせよ、政府としては自分の施策、これからある研究の結果、結論に向かうのでしょう。その段階で大いに世論指導して、自分の政策を支持させるように沖縄島民をリードし、暗示を与え、引っぱっていくというような人為的な工作はなさらないのだと思うが、いかがですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 政府がこういうふうな方針で沖縄問題を解決したいという政府の政策決定がいよいよこういう考え方で政策決定をしようという段階には、それはいろいろなやはり政府としては世論を聞き、あるいは世論を啓発し、そういう努力は、森さんの言われるように、することが問題解決を円滑にする道だと私は思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 きょうはただ事情の説明だけを夢聞きしておきます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 先ほど外務大臣は、一九七〇年に特別なアクセントを置きたくないという御答弁でしたが、そのことは、安保条約の自動的延長ということを前提にしてお答えになったのかどうか、その点を御説明願いたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、沖縄問題と安保条約と関係ない、こういう意見です。安保条約と沖縄問題とは直接の関係を持っていない、こういうわけでありますので、一九七〇年にアクセントをつけない。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それから、総理が韓国を訪問されるときに、ハンフリー副大統領ともお話し合いがあるというふうに伝えられておりますが、これはどういう問題を中心にして話し合いをされるのか。ただ単に儀礼的なものなのかどうか。それからもう一つは、国府からも参加があると思いますが、これも会われる予定があるのかどうか、会うとすればどういうことを問題にされるのか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 第一番のハンフリー副大統領、これは私は重要な意味があると思います。先般グラスボロで米ソの首脳会談が行なわれた直後ですから、これはおそらく副大統領としてもこの会談の模様については佐藤総理に話をされるに違いない。これは何といってもいま一番、いろいろな、ベトナム問題にも、中東問題にも、核拡散防止条約にも、核軍縮の問題にも、広範な国際問題に関連を持った会議ですから、その話し合いの結果について総理と話をされるということは非常に私は重要な意義を持った会議だと思っております。それは総理のほうからも進んで会うべきであるというくらいの意義を私は持っておると思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 それから国府は。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) まだきまっていないようですけれども、しかし、それはああいう場面ですから、会いたいというような場合にお断わりするということは、佐多さん、できませんからね、会うようになるかもしれませんが、まだ何もきまっていないので、われわれも国際会議に出ますと、面会を申し込んでくる。それはやはり会わぬという理由はないですからね。やはりそういう場合もあり得る場合もあるかもしれませんが、いまはきまってはいない。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 ハンフリーとの会談が非常に重要なものだというお話ですが、そうだとすると、ただ単に向こうのグラスボロの話し合いを向こうからただ単に聞くとかなんとかということだけでなくて、日本としてもいろいろな積極的なお考えなり主張をされるのだろうと思いますが、それはどういうことを日本としては話す、あるいは主張するという準備があるのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) どうですかね、これは二人が会う前にここで佐藤総理の言う話の内容を私がここで、私は本人でもございませんしね。帰ってきてこういう話があったということが、そのほうが適当じゃないでしょうか。ああいう首脳部の会談の内容を先にべらべらしゃべってしまうということは、ちょっと儀礼的でもありませんしね、帰ってこられてから、こういう話であったという報告のほうが適当だと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 しかし、非常に重要性を置いておられるのですから、重要性を置かれるならば、本人は別としても、少なくとも外務大臣としてはこういうことを主張し、こういうことを話してもらいたいという心がまえがあるからこそ重要にお考えになるのだろうから、その辺の心がまえはどうなりますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはね、佐多さん、この間のやはりコスイギン・ジョンソン会談というものはきわめて国際政治に重要なできごとだと思うのです。だから、どういう話し合いというものか、大体新聞などで承知はしておりますし、あるいは在外公館からも報告がありますけれども、直接アメリカの最高責任者のある一人からいろいろ話を聞くということは、それだけでも重要な意義があるのじゃないでしょうか。あれは、そのときにはその結果がすぐにあらわれなくても尾を引くと思いますよ。あの会談というものは、今後国際政治に相当長期にわたって尾を引いていくのではないか。それに対して、その会談というものに対して、まあ最高責任者の一人からいろいろ聞くということは、そのことだけでもやはり重要な意義があると、こう評価していいのじゃないでしょうか。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 そのことを聞くことも非常に重要な意義があるが、しかし、日本として、特にあなたがさらに非常に重要な意味を付せられる限りは、こちらもただ聞き置くというだけでなくて、何かを説明をし何かを主張をしなければ、そういう重要性を特別に強調されるほどのこともないじゃないか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはいろいろどういう話になりますか、二人の会談ですから、いろいろな話が——その場でこちらが考えておるような話だけに終わるか、どういうふうに話が発展するかわかりませんが、いま問題になっておることは、中東問題にしても、これは日本の立場というものがあるわけです。日本は、単に戦闘が終わるだけではなくして、長続きのする平和を中東に確立せなければならない、そのためにはイスラエルもアラブも長く共存のできる体制をつくらなければならぬというのが基本的な考えですからね。そういう意味で、それをつくる条件というものは従来から申し上げておるようなことがあるわけで、また、ベトナム紛争に対しては、これは早期に和平を実現せなければならぬ。その基本的な考え方は、一九五四年のジュネーブ協定の時期に返るよりほかにはないのではないかというのが基本的な考え方ですわね。そういう、従来の日本の政府の基本的な考え方というものの上に立って、これは二人の話ですからどういう話が進展するかわからぬが、そういうことをいろいろいままで新聞などで報道機関を通じて日本のことは伝わっておるけれども政治の最高責任者から日本の基本的な政策を述べるということは、私は意義を持っておると思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 その中東問題に対する解決の方途ですがね。これまあ、一応簡単に言われましたが、きのう、きようですか、国連の総会で、日本の代表も何か発言をすることになっているやに伝えられております。その場合には日本の代表にはどういう発言をさせられるのですか。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ちょっと関連。  それは報道によると、松井国連大使は、いま佐多君の言われた問題については演説を中止することにきまったと報告されておるのですが、そうなると、その中止される理由ですね、それをもうちょっと詳しくひとつ聞かしていただきたいと思います。

服部五郎外務省国際連合局長

○政府委員(服部五郎君) 松井代表の発言につきましては松井代表に一任するというかっこうでいままでやってまいりました。それで議長が、昨日でしたか、総会で要請しましたのは、非常に発言の国が多いわけでございます。で、できれば今週中にでも発言のほうは終結して、来週中に決議案の表決に持っていきたいというような希望もございましたし、それから、一般的な発言は一応とりやめまして、決議案の投票の際に投票理由の説明をする機会がございますので、そのときに具体的な発言をするようにということになっております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そうすると、私は、まあだいぶん発言国がこみ合っておるからだけかどうか実は疑問に思っておりますが、それはそれとして、決議案のときに、投票の際に何か発言されるようですが、その投票という場合に、日本として決議案の場合にどういう発言をするかということは、まだあらかじめきまっておるわけじゃないのですか。

服部五郎外務省国際連合局長

○政府委員(服部五郎君) 決議案そのものは、ソ連案とアメリカ案とアルバニア案というのがきまっております。それから、けさ非同盟諸国の決議案が出ております。それで、非同盟決議案というものは、まだ公電が入っておりませんのでどういう内容かわかりませんけれども、そういうものがこちらに到着いたしましたら検討したいと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 中東問題に対してソ連あるいはアメリカの案が具体的に出ているし、さらには非同盟国も何か固まった意見を出そうというような状態になっているときに、特に日本はその問題に対して非常に重要視しておられるし、ことに、いずれにも介入しない、厳正な中立の立場から問題を主張をするということになれば、日本がもっとそういう機会には積極的に具体的に主張をし行動をすることが必要なんじゃないかと思うのですが、それにもかかわらず、あるいはもう発言をやめてしまうとかなんとか、いままで少しも発言もしなかったとかいう、そういう非常に消極的な態度、ことにそれは全部向こうに一任をしているというような形で、こちらとの連絡もないというようなのは、あまりに消極的な無関心な態度じゃないかと思うのですが、そこいらはもっと、それこそ絶対中立の立場をとる日本が、最も一効果的に主張できるチャンスであると思うのですが、そういうふうにはお考えにならぬのでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 今度の発言——決議案の場合に日本の立場を詳細に述べるような訓令を出したいと思っております。イニシアティブをとって日本がやったらどうかということでございますが、問題によったら大いにとらなければならない問題もあるし、問題によると、そうでない問題もあると思います。したがって、常に日本が先に立ってということには国際政治の上でならない場合もあり得ますが、この問題に対する日本の態度というものは、これは世界も了解し得る。これは日本の立場と同じような国がたくさんあると思います、国連の中には。そういうことでこういう国々と非公式の会合をやっているようでございますから、自分が決議案を出さなくても、影響力はそういう国連の中に相当与え得る立場でありますので、今後、佐多さんの言われるように、できる限り日本の立場が明らかになるような努力をいたします。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 非同盟諸国が近く提案をするという話ですが、それについては日本は相談にあずかっているのかどうか、それから、それに対してどういう態度をとられるのですか。

服部五郎外務省国際連合局長

○政府委員(服部五郎君) いまおっしゃった非同盟諸国、これはインドとユーゴスラビアが中心になってこの案をまとめたようであります。そうしてイントロジュースしたのはユーゴスラビアでございます。決議案の内容はまだ具体的に、先ほど申し上げましたように、どういう条項を盛るのかわかりませんけれども、大体撤兵は四十九年の線に即時撤兵するということのようでございます。そうして事務総長がこの撤兵を監視しており、報告を総会及び理事会にいたすということが骨子のようでございます。撤兵の問題につきましては、いろいろの実質的な戦後処理の問題もからんできますので、いろいろ検討しなければならないと思っておりますが、事務総長がこの撤兵に介入するという考え方は、これはいいのではないかということで、われわれも同意していることであります。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午前十一時四十七分散会

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