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55回国会参議院1967/06/22

外務委員会 第13号

発言数
68
登壇者
10
会派数
3
開催日
1967/06/22

会議録

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  国際法定計量機関を設立する条約の改正の受諾について承認を求めるの件  並びに、千九百二十九年十月十二日にワルソーで署名された国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件  以上二案件を便宜一括して議題といたします。質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 わが国が一九五六年にヘーグ議定書の署名をしたがきょうまで批准しなかった理由というのはこの間この席上で説明があったわけですが、日本が最近経済水準も高くなってこの負担にたえられるようになったからということですが、それはそれでわかりますけれども、しかし、どうもこれ全体を見まして、運送人のみを厚く保護して、人命のほうがむしろ軽視されておる、そういう感じがしないではないわけです。ですから、航空運送業者の負担が若干重くとも、もっと人命尊重ということに重きを第一義的に置くべきではないのか。これは、原則的にですよ。それは限度額が引き上げられたということはけっこうには違いないけれども、いままでの経過を見るとそういう感を深くするのですが、その点はどうですか。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) 仰せのとおり、ワルソー条約及びワルソー条約を改正しますヘーグ議定書ともに運送人を保護するという趣旨からもともとつくられたものでございまして、そういう観点から、確かに先生のおっしゃるとおり、主要なねらいは運送人の保護という観点にあります関係上、旅客についての保護が重点になっていないという点はあろうかと思います。しかし、このワルソー条約に規定がございますとおり、運送人の責任という点につきまして、運送人が特に過失がなかったということを自分で立証しない限りは過失が推定されるというたてまえになっておりまして、そういう観点から申しますと、旅客についても十分な保護がなされているというふうに考えます。なお現在、ヘーグ議定書によりまして旅客についての六百万円の限度額引き上げの動きがございますが、旅客の保護の観点からさらにこれを引き上げるべきだという動きがございまして、現にモントリオールにございます国際民間航空機関を中心にしまして、具体的にどのような値上げをやるかという点につきまして検討中でございます。これは、早ければ来年中にはそのようなことを目的としました新たな改正のための外交会議が開かれるという段取りになっております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それで、これでは運送人の賠償義務というものが過失責任主義の原則になっておるわけです。それはひいて言うと運送人保護になるが、旅客とかあるいは荷送り人というのですか、これに対する利益保護ということはどういうふうになっておるのか。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) 過失責任と申しましても、過失と推定される責任もございまして、常に過失があるという前提で取り扱われるわけであります。特に運送人の側で過失がなかったという証明をしない限りは、ということになっておりまして、実際に過失がなかったということを実証することは事故が起きたあとでは非常に困難でございまして、実際上はほとんどすべて過失が推定されるという結果になっておりまして、そういう観点から、私は旅客の保護はそういう点でなされているというふうに考える次第でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 今度のこの引き上げで、現在の日本のいろいろな国民生活水準あるいは日本の経済発展の現状等から見て、これ、適当と考えるのかどうか。これはまあ事情は違うけれども、モントリオールの協定なんかは別個のものではあるけれども、たいへんな差があるわけですが、その点は日本のいまの経済発展と総合してどういうふうにお考えになりますか。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) このヘーグ議定書によります事故の場合の旅客に対する運送人の責任の限度額は六百万円ということになっておりまして、これは現在日本におきます一般の自動車事故等の場合の損害賠償限度額——まあ限度額というものはございませんけれども、損害賠償の実績等を勘案いたしまして、現在、もちろん一人につきまして千万円をこえるというような判決の例もございますが、平均いたしまして六百万円という賠償の基準といろものは決して低過ぎるということはない。したがって、大体これが現在日本で行なわれております損害賠償の際の基準として少しもおかしくないんじゃないかという観点から、現状では、このヘーグ議定書では、日本の、何と申しますか、国民所得と比較した場合の一般の損害賠償限度額に比べましておかしくないという観点から、今回批准に踏み切った次第であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 昨年の航空事故の場合の例を見ても、日本人と外人とではたいへんな差があって、国民から見ると、こんなにも日本人の生命というものは安く評価されるのかという感じを深くしたと思うのですが、そういう点から考えて、現在のワルソー条約、ヘーグ議定書あるいはモントリオール協定等いろいろ複雑なので、将来これの統一的な国際協定ができることが望ましいと思いますが、これはなかなか容易ではないとは思いますけれども、これについてどういうふうにお考えになるのか。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) 先ほどお答えしましたとおり、現に現在のワルソー条約機構、それからヘーグ議定書による機構、それから民間航空会社間のモントリオール・アグリーメント、これ三者を全部統合いたします新たな、何と申しますか、航空運送に関する規則をつくろうという動きがございまして、早ければ来年中にはそういうことを目的とした外交会議が開かれるような段取りになっております。現にICAOで検討中の案の中でも、六百万円という限度額が低過ぎるということで、モントリオール・アグリーメントによる五万八千ドル、七万五千ドルというようなことも勘案しまして、賠償限度額を引き上げるという動きもございます。したがいまして、来年あるいは再来年そういう会議が開かれました場合には、いままでのこういう体制が統合整理されるというようなことになろうかと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、一九六一年にメキシコのグアダラハラでワルソー条約、ヘ−グ議定書を補足する新条約が作成されたわけでありますね。これで日本はその条約の作成のときには積極的に協力をしたといわれるのに、署名をしなかった理由は何か。署名し、批准する意思はないのかどうか。それだけ協定作成の過程で協力しながら署名をしないということはどうも理解に苦しむ点があるのですが、その辺はどうなんでありますか。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) メキシコのグアダラハラで行なわれました会議では、ワルソー条約で運送人の定義がございませんで、実際に契約する運送人と実際に旅客ないし貨物を運送する運送人が違う場合が最近徐々にふえてまいりました。特に飛行機を乗員をつけてチャーターいたしまして、実際に契約したのと違う運送人が運送する。その結果、事故の生じた場合に、ワルソー条約では定義がないために、契約運送人が責任を負担するのか、実際の運送人が責任を負担するのかという点につきまして、各国、特に英米法、大陸法の国によりまして取り扱いが違うというようなことから、これを補足する条約が必要だということでできた条約でございます。したがいまして、そういうチャーターによります旅客ないし貨物の運送が非常にひんぱんに行なわれる国あるいはそういう関係国の間では非常に関心が強うございまして、現に十八カ国がこれに入っておりますが、日本ももちろん、先生の御指摘のとおり、メキシコのグアダラハラでは非常に活躍いたしまして、いろいろ意見も申したわけでございますが、一部の条項の点につきまして反対の意見もございましたが、そういう関係から、最終的な議定書に——議定書と申しますと条約を採択した会議の議定書でございますが、これには署名いたしましたが、条約そのものには署名いたしませんで、現在に至りましてもまだ署名も加入もいたしておりません。全体としまして補足条約そのものについて反対だということではございませんが、実際上そのような必要性が日本の航空界にとってはまだ感じられておらないという観点から、積極的にまだ入っておらないというのが実情でございます。したがいまして、将来日本でも、たとえば貨物につきまして、ある契約者が契約いたしましても、実際に貨物を運送する人が全然別の航空会社というようなことが非常にひんぱんに行なわれるような時代になりますれば、当然必要でございますけれども、現在まだそういう実際上の必要性が感じられないということから、実は加入を見送った次第であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 その事例は確かに日本では少ないかもしれませんが、しかし、運送人が責任をのがれる便法にそういうことをやる危険性というか、可能性は十分あるから、これは将来の問題として大いに検討してもらいたいと思います。  それから次に、日本には国内航空法がないわけですね。この議定書を契機に何か国内航空法というものをつくる考えはないのかどうか。これはよその国ではどうなっているか。かなり国内航空法ができているのではないかと思いますが、その辺はどうですか。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) 現在日本では公法の面では航空法というのがございます。それから、航空運送等を取り扱います私法の点では航空法は全然ございません。したがって、一般に民法、商法の規定、あるいは運送約款等を適用いたしましていろいろ解決しているわけでございます。現在、このような航空の私法に関します制度をはっきりとっております国は、たとえばソ連、イギリス、フランス、ドイツ等はこのような国内の航空私法がございます。日本は、したがって、現在そういうものがございませんので、むしろ民法、商法の特別法としてワルソー条約、及び、今回承認いたされますればヘーグ議定書を国内法として取り扱うということになろうかと思います。将来、もちろん、先生の御指摘のとおり、いろいろ運送状の様式とか効力、運送条件、あるいは責任限度額、あるいは免責約款の効力、あるいは強制保険制度の定めを持つ国内法の必要性というものはだんだん感じられます時代になりますので、われわれといたしましても、いますぐではございませんけれども、こういう航空に関する私法の制定につきましては現在真剣に検討中でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、一つ問題点は、運送人というものの概念規定が明確でない。これが一ついろいろな問題を起こす原因にもなっておると思います。したがって、これはこの条約の一つの問題点でもあると思うんですが、運送人の概念規定というものはどうなるのか、その辺をひとつ。これはひいてはいろいろな利害関係に大きな影響を持つと思いますので承っておきます。

高島益郎外務省条約局参事官

○説明員(高島益郎君) 先ほど申しましたとおり、契約運送人と実際の運送人が違うという場合、つまり、飛行機をチャーターして運送するというふうな場合以外では、大体このワルソー条約の規定で十分にカバーされていると私どもは考えております。特に実際にわれわれが外国に旅行します場合に、まず日航に乗って、それからSASに乗って、それからエア・フランスに乗って帰ってくるという旅行の場合、この日航、SAS、エア・フランス、これはそれぞれの運送の範囲内で責任を負うことになっておりまして、それに関する規定もはっきりございます。したがって、たとえば途中の飛行機で、日航で切符を買って契約いたしましても、もし万一SASで事故が起きたという場合には、そのSASが運送人として事故の責任を負うという規定がございますので、その点では何ら誤解はないと思います。ただ、先ほど申し上げましたとおり、チャーターによりまして全然契約運送人と違う運送人が運送するという場合、特に貨物運送に関しましては規定がございませんので、先ほど申しましたような別個の補足条約がある次第でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは、外国ではそういう例がひんぱんにあるためにメキシコにおける協定ができたと思うんですが、日本でも将来必ずそういう問題が起こり得ると思います。  それから、それと関連して、これは日ソ、日韓の共同運航の際の損害賠償の義務者は一体どういうことになるんですか。

林陽一運輸省航空局参事官

○説明員(林陽一君) アエロフロートと日本航空との間の共同運航の場合には、両者共同で損害賠償に当たるように両者の間で取りきめてございます。なお、保険につきましても、両者共同で保険会社と契約を結んでおります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは折半ということなんですか。全損害額を両国で折半、するということですか。

林陽一運輸省航空局参事官

○説明員(林陽一君) そのようにお考えいただいてけっこうだと思います。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 計量のほうのことで少し伺いたいのでございますけれども、この条約に加入している日本の効能と申しますか、特典というようなものは、どういうことがあるのでございますか。

東現通商産業省重工業局計量課長

○説明員(東現君) 御存じのように、わが国では度量衡法——今日では計量法の形になっておりますが、そういう法律を持っております。それから、ほとんどの国がやはり度量衡法、計量法というようなものを持っております。非常に歴史的にそれぞれの国で計量器なり計量のしかたなり、それからその制度なり、そういうふうなものが異なって発展してきておるわけでございます。で、その結果、今日一般的な貿易等におきましても、たとえば石炭というふうな量目の計量のやり方につきまして、いろいろその国で認めている許容誤差などは違うわけでございます。そういうことから、やはり貿易上のクレームが発生したりというようなことがございますし、また、計量器そのものに着眼いたしましても、計量器の貿易といいますか、国際間の流通というようなものが阻害されている面があるわけでございます。そういう点は、やはりそういう弊害を防止するというためには、どうしても国際的に制度そのものを統一する必要もございますし、また、それに基づいて計量器そのものもできるだけ規格を統一していくという必要があるわけでございますが、そういう面で、わが国がこれに加入いたしましてかれこれ六年間たったわけでございますが、各国の制度の内容もわかりますし、それから計量器そのもののいろいろ法律上の制約、そういうふうなものの実情が大体わかってまいりました。その結果、貿易上の問題、それから計量器そのものの貿易上の問題、あるいは一般取引における計量上のクレームの問題等が明らかになってまいりました。ある程度そういったクレームが少なくなってきた、あるいは貿易が伸びてきたというふうなことが言えるかと思います。  それから、そのほか、計量器の技術そのものが世界各国それぞれの分野で進歩した部面もございます。そういうような情報がキャッチできるということは、やはりわが国の計量器の水準を高めるというふうな効果があったと思います。そのほか、国際法定機関で勧告されたものが幾つかありますが、そのうちのはかり等につきましては国際的な許容誤差を採用するということで、計量法に基づく政省令におきましてそれを採択いたしております。以上が、大体今日までに加入によりましてわが国が得たメリットでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 米国はこの協定に、条約に入っていないわけでございますね。そうすると、日本と米国と、入っていない国と貿易をする場合には、その違いはどういうふうにして、それが適正であるということはどういうふうにして決定するのでございますか。

東現通商産業省重工業局計量課長

○説明員(東現君) 米国は各州で計量法というものを持っております関係で、合衆国としてはオブザーバーという形で法定機関の諸会議に参画いたしております。わが国が米国との関係でいろいろ計量上の問題がある際には、米国には合衆国連邦の標準局−NBSというのがあります。そちらのほうで各州の制度その他の情報も得られますから、それをわれわれは大使館等を通じましてキャッチいたしまして、それで関係方面に流しておる。こういうことでおおむね支障がないという形でやっております。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 これは、この条約から少しはずれるかもしれませんが、これは大臣に伺いたいと思いますけれども、この度量衡ですか、計量、こういう尺度、目方、こういうもののはかりでございますけれども、日本では計量法は三十四年一月一日、土地、建物を除いてこれを実施することとなっておる、それから土地、建物は七年間の猶予をもちまして四十一年三月三十一日からメートル法を採用することになったと伺っておりますけれども、つまり、今日は日本は全部メートル法になったわけでございますね。それでこれを盛んに使っておるわけでございますけれども、こういう新しい尺度で教育された世代の人は自然にそれがそれで頭に入るわけでございますけれども、これはまだ非常に日が若いのでございますから、前の古いほうの尺度を教育されそれを日常生活に使っている者は、ほとんど無意識に前のもので考えるようになっていると思います。それでこの新しいものを使って——たとえば新聞の報道にいたしましても、あるいはラジオの報道なんかでも、新しい基準でどんどんニュースなんか報道されましたときに、聞いているほうが、こういうものになれていない者には、何を聞いているのか、その数の観念がはっきりしないんじゃないかと思うわけでございます。それで、そういうようなことは早く新しいものになれなければならないということはわかりますけれども、新しいものになれるような努力というようなものが少しもなされていない。で私は、この土地建物やなんかは新しいものになって、坪という数が全然なくなってしまった。たとえばどこかの土地の広告なんか出たり、マンションか何かの広告が出て、そこに値段が書いてあっても、一体どれくらいの量の広さのものにこれだけの値段をつけておるかわからないし、火事でもって何平方メートル焼けたと言われたって、どのくらいの大火なのか、小さい火事であるか、その瞬間にはわからないわけです。そういうことはもう一度換算しないと、なるほど大きな火事だ、これは小さい火事だというふうに、そのつどそういうことを考えなければならな、これは私は明治の人間ですけれども、大正の方もこれはわからないわけです。こういうふうな不便なことをほうっておいてこのままどんどん進行するということは、日本人は、いつでも何が何ほどとか、このくらいだとかというふうに、数字を非常にぼかす習慣がある。今日はそういったことは許されない。きちっと言わなければならないので、数字に対する訓練というものは、一体で、国民全体でいたさなければならない。そういうことに対して、こういうなれないものをどんどんニュースを流され、そのつどみんながぼやっと聞いている。こういうことをほうっておくというと、これは政府としても考えていただかなくちゃならない。私は、自分が困りますから、すぐNHKに手紙を出して、困りますから、みんながなれるまでは何平方メートル焼けたといっても、それは何坪ですと、そのときにちょっと一言換算してつけてくださると、そのつど聞かなくても、ああなるほどこれはこのくらいだなということで、だんだん頭がなれてきてよくわかるようになりますけれども、これは国民が、数の観念に対して非常にばく然として、もうこれはおそろしい結果になりますから、NHKは手紙を出してもナシのつぶてで、何の回答ももらえませんでしたが、ほんとうにちょっと無責任じゃないかと思います。ですけれども、これはNHKの責任じゃないだろうと思いますから、やはりこれは閣議くらいに出していただいて、いろいろな機会に、しばらくは古いのと並べて出すようにして、だんだんみんながなれるようなくらいの努力をしてくださるように、これは非常に大切なことだと考えますので、この機会に大臣の御意見を伺いたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 加藤さんのお話はごもっともだと思いますが、いつかは踏み切らなければならないのですね、一つの新しいものを採用した場合に、これはメートル法の問題だけではなしに、どの問題でも、やはり過渡期の間にはそういう問題が起こると思いますが、しかし、一緒にいろいろ坪とかなんとか併記しますと、なかなか新しいものに変わらない。ところが、若い人たちは新聞もラジオもみなやはり——加藤さん抗議されたようですが、NHKのほうはなかなか採用しないのだと思いますが、メートルでやりますから、だから、その必要ということからみんながなれるようになりますから、だから、どうしても、これをやはりこういう古いものと一緒に併記する、それは便利は便利ですけれども、まあ、今日の教育受けた人にはかえって混乱が起こるですね、そういうやり方は。したがって、まあ、昔の計量で育った人間がこれ努力するよりしかたがないんじゃないですかね。(笑声)これをいつまでもといったら踏み切る時期がないですから、だからわれわれでも、不便ですから手帳に書いてありますよ、換算を。(笑声)そして、まあ大体そういうことだということで、こちらのほうからその変化に、われわれ合わしていかんならぬ面があるんではないですか。まあ、若い人はもう頭からそういう計量で育っているんですから、やはり昔の計量で育った者が努力せんならぬという面があるんじゃないでしょうかね。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 踏み切らなきゃならないことは私もよくわかります。けれど、併記してみんなに早くならすということの努力が必要だということはわかっていただけるんじゃないかと思うんでございますよ。たとえば、テレビにいま、米価何とかというようなのでお百姓さんがたすきかけて来ますね。それには何キロだとか何トンとか書いてありませんよ。みんな、何升とか何俵とかに対して要求米価幾らというふうに来ているんですから、農家の方なんかだって、決してみんな、お米が何トンなんていうように数えてやしないと思うのでございます。やっぱりしばらくの間併記してくだすったらずいぶん助かるんじゃないかと思いますですね。そのくらいの親切はひとつ考えていただいたほうがいいんじゃないかと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 だから、これは計量機関の条約は条約として、それに加藤さんは反対されておるわけじゃないんだから、もっと国内問題として理解を深めるための努力が一面伴うことが必要だと、こういうことだと思うんです。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 さようでございます。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま法律はどういうふうになっているか、法律的に、坪を併記することが罪にはならないようになっているのか……(笑声)いや、これは問題なんですよ。なぜかというと、計量法に、それに変わらなければだめですから、罰則があるわけですよ。そこで、問題になったわけです、審議のときに。それを使ったらやっぱり罰則の適用受けるという問題が起こってきた。それで、併記するのは罰則の適用受けぬということになっている。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 じゃ、どうぞ併記することのほうこ……。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) なるべく併記をしないでなれてもらいたい。(笑声)坪に変える気はないですから、なれてもらいたい。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 いや、坪だけじゃなくて、全部のメートル法でございます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、二案件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 次に、国際情勢に関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それでは、外務大臣にお伺い申しますが、きょうの問題は、国際情勢ではなくて、外交はだれがやっているか、こういう問題です。外務省がやっているのか、政党なのか、政府がやっているのか、その間が、非常に私はずっと終戦後今日まで見て感ずる点なんです、原則的に。それで、大臣の発言などを見ておると、ちょうど戦前、御承知の軍務局の若手高級課員、中佐くらいがつくったやつで、歴代の大臣はロボットみたいなことを言っておった。それと少しは違います。民主主義だから。違うが、依然として外務省の代弁、外務大臣の場合は。で、あなた個人の見識、見解、あるいは党が目ざすものがどこまで表に出ているのかわからないんですが、ロボットのような感じがあるので、その間を原則的に伺います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは政党政治の一つの問題点だと私は思っています。それは何かといえば、やはり、政党における、政党政治下における行政と政党との関係、これは一つのやはり秩序が要るんだと、それにはやはり政党政治が健全に育っていくためには相当な年限が要ると私は思っています。しかし、たてまえとしては政党内閣ですから、いろいろ、外交なら外交に対する政党の意見、そういうものも政府が吸収をしまして、したがって、その政党内閣の、政党政治の中における政党の見解が政府を通じて吸収をされて、そうして、外交の方針をきめるものは政府である、党ではない。しかし、その党の、政府の方針を決定する前に、やはり政党の外交に対する意見というものが吸収されて、そして政府の判断に基づいて外交は推進される、これがたてまえです。しかし、実際問題として、いろんな問題において、やはり行政府と政党との関係というものは、日本の政党政治がさらに修練を積まなければならぬ必要の面が私は多々あるということを考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いまの大臣のお話を聞くと、まだ事務当局、外務省の場合は外務省の役人、官僚、この力のほうが育ちつつある。政党政治、その政党政治に密着した内閣、これでは弱いような——まだ指揮するまでに至らない。普通ならば、アメリカの場合も、もう御承知のように、ケネディでもジョンソンでも、大統領になれば、いまのジョンソンでも、マクナマラとかロストウとか何人かおりますわな。そして大方針ができる。それを下へおろす。そうすると、下はすぐそれを執行していくというふうになっているようですね。イギリスでも。日本の場合は、どうも、命令しているのかいないのか。国連対策は一体だれが立てているのか。みんな知らないものだから、外交の修練のある人も少ない、経験のある人も少ないために、まかせて、ただ上がってきたものを、これでだいじょうぶか、間違いないかぐらいのところで閣議で通しているんじゃないかという感じがするんです。  そこで、伺いたいのは、下田さんの発言、私は、内容は、時間もありませんし抜くとして、あれは一体、個人の見解というものが許されるのかどうか。上でもって大方針がきまっていれば、大使は日本の国を代表して、信任状を捧呈して、単に日本の意見をもう機械のごとく向こうに正確に伝える、そして政府の意図するところを相手に理解せしめて引っぱっていくというのが大使の任務だと思うのだが、個人の見解は許されないと思うんですが、いかがですか、大使の場合。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) この最初の前段のあなたのお述べになったことに対して、これは反論をしておかないと誤解を生じます。外交は、あくまで政府が大方針をきめて、それに基づいて外務省のスタッフがその方針で動いておる。スタッフが外交の方針をきめられるということは絶対にない。日本の外交のために私は言っておきたい。大方針は——こまい事務的な問題は、外務省の職員、外務事務当局がこまかい問題についてはやりますが、大方針を事務当局で決定さすようなことは絶対にない。全部これは政府の方針に基づいて動いておる。日本の外交のために森さんにこれは強く言っておきたい。  それから、下田君の発言でありますが、まあ一つの——非常にむずかしいのですね、外務次官をしておったときの発言、それから出発したのだが、問題の提起というようなことは、一つの方針ではないわけですから、問題の提起というようなものは、ある場合においては記者会見などにおいてこういう問題点がある、こういう考えもあるということは、それはそういうことをやる自由というものは許されていい場合がある。ただ、政府の方針に触れることは許されない。これはいま言ったように、やはり外交の方針をきめるものは政府ですから。まあ、問題の提起という問題については、解説提起、こういうことは許されて私はいいと思うんですが、下田君の場合も、積極的に発言したというんではなくして、日本の新聞記者諸君はなかなか鋭いですからね、鋭いから、なかなかちょっとしたことでもいろんなこう質問を展開して、そのときにやっぱりつい個人的な持論が出たというもので、積極的にあれは発言しようという意図では私はなかったと思いますが、これはやはりその限界というものは、今後外務事務当局にも私は、ある限界をややもすると越えるがごとき疑惑を起こしてはいけないということで、今後注意をしていきたいと思っております。しかし、いま言ったように、下田次官の——今度駐米大使の発言が、これはもう政府の決定という、政府の政策というものではない。ただ問題の一つの解釈として、まあこういう意見もあり得るということを述べたもので、政府の政策に対して、外交方針の決定に対してこれが一つのそれを代表するような発言では絶対にないということだけは申し添えておきます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 個人的な色彩にしてはあまりに大きな発言だと思うんですね。方針と違っておる。ああいうふうな方針ではないと言うなら、下田君いけないというおしかり、譴責があってしかるべきだ。慎めということがあってしかるべきだと思うんです。問題の解説提起をみんな各国の大公使がやりますか。日本だけですぞ。日本だけ。どこの大使が政府と全く違う大問題、自民党となぐり合いをやるといったような騒ぎの問題は、解説提起、これは譴責に値して、しかも、あなたは執行機関なんだから、よけいなことを言うなと言ってしかるのがほんとうなんです。ひとつそうされるのがほんとうだと思う。限界なんというなまやさしいものではない。  第二点は、なかなか政府はずるいと思うんですよ。ずるいし、また無力だと思う。それが証拠には、核拡散防止の下田君の発言、アメリカが日本を守ってくれるからどうとかこうとかいったら、沖縄は今度は核つき返還でなければ返ってこない。沖縄住民が帰りたいと言うのをうっちゃっておいていいのかどうかというようなことは政府自身も考えていることなんだが、巧みに八百長をやっているような感じを持つ。出させて、世論を指導してどう出るか。まずければしかる、よければにやり。これが、あなたが指導してやっているなら、これはりっぱですよ。そうじゃなくて、公務員は黙ってはいますが、外務省、霞ケ関には厳とした伝統がある。この伝統は、残念ながら高等文官試験の上級試験を秀才で通ってきた人で、世間を見ない、どこか県庁の役人でもやってくるとわかるんですが、農協課長でもやると。何もやらないで国際法、経済学、外交試験、みんな通ってしまって、それでずうっと来たんだから、保守的だから、決して新しい事態に転換する思想はないんですよ、全体的に。それだから沖縄の機能別返還の一だれだったか、前の森さんがその機能別返還を言ったときに、そんなことができるものかと言ったのは外務当局なんだ。いつの間にか引き戻されて、選挙中に総理が選挙のどさくさにまぎれて全面返還に逃げらやった。全面返還というとたいへんいいように聞こえるが、取れないからですね。機能別は取れそうであぶないんです。で、全面返還で逃げる。これは利用されているんですよ。内閣諸公みんな閣僚なんて腹の中でばかにされているんですよ。これはあなた指導しているつもりで指導されているんですよ、大きな流れで。だれさんがというのじゃなくて。サンフランシスコ条約だって、ここに藤崎萬里君だっていますが、これは、西村君以来のサンフランシスコ条約を取り扱った伝統的なものの扱い方、理解のしかたで、これはあなた方頭が悪いし、勉強しないから引っぱり回されているだけで、そんな過去を捨てて、新しい考えで行くところに政党政治のよさがあると思うのですよ。しろうとが考えてみても、どうも何かというと、いつの間にか事務当局に修正されているんですよ。沖縄返還で少し政府は弱くなったと思ったら、今度ああいうふうな方法でやれば返ってくるぞと、こういうふうに指導したようにも思う。もうたまらなくて下田君は言ったと思う。小笠原の返還だって、あなたはむずかしいと言っておるが、外務当局は、断固として返せとか、あるいは海軍基地が最近使いものにならないから要らないとか、事務当局の強い発言を新聞記者に語っているんですね。あなた方、乗せられているんですよ。ただ、これでは、むしろだれに聞いたらいいかわからんというのが、私の質問の趣旨なんです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森さんの発言を聞いても、やはり偏見を持っているんじゃないでしょうか、森さんという人間が。  私は、外務省の中で、この外務省のいまの外交というものは、これは私の指導のもとに外務省は動いている。一切の問題が、事務当局が私に対して外交方針を指導しておると、そんなことは絶対にない。私の方針のもとに現在の外務省は動いておる。だから、外交に対する私は全責任を負いたいと思っておるわけです。それを、何か従来のそういう面の事態もあったでしょうが、そういう何か偏見を持って見ないほうがいい。これはいまの外交を、それならば、どの問題に対して、いわゆるいろいろな意見は言うことはあるでしょう。あったところで、大方針というものが、私の意見を離れて、事務当局が一人歩きをしておることは絶対にない。これだけは断言しておきます。全部一切私の方針のもとで動いておる。そうでなければ、これはここへ私が出てきて、その私に対して皆さんが質問するといったって、意味がないじゃないですか。私は全責任を持っている。これはその偏見は捨てなければならない。捨てなければ、これは外務委員会の権威を傷つけるものです。そうでしょう。また、責任を持たない者にあなたが聞いたってしょうがない。この偏見は捨てなければならない。これはお互いに政党政治を尊重する道ではない。そういうふうな偏見で日本の外交というものを軽視する考え方は政党政治を健全に育てる道ではない。世の中は足りないところがあれば、みなあなた、政党政治を守るためには、森さんも私も同じボートに乗っておるんですよ。そんなに官僚の力というものを過大評価すべきではない。政党はやはり政党が指導していかなければ、そんな官僚政治へ政党政治を持ってきてはならない。これは私の強い信念、これは申し上げておく。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 大臣はそうあってほしいことはそうなんだが、そういっていないのだ。私はあんた一人を外務大臣と言っているんではなくて、歴代をずっと見ていて、私もきのうきょう外交問題を取り扱ったのではなくて、内田外相の昭和八年から裏表ずっと見てきて、人の脈でも全部知っておりますよ。おれが一番知っておるだろう。大きな流れを見ていて、何か押しが足りなくて、わずかに鳩山さんの場合がいわゆる政治家の意見で、日ソ国交を回復すべきだというところで、いろいろな反対があっても敢然として行ったというあれは、私はまあ政治家の一つああいうふうに行きたいというのが、最近ではいい例だと思うのです。何かあなた方が間違っているというか、日米安保体制をこわして進歩的に行きそうなかっこをすると、見えざる力がずうっとトーン・ダウンする場合も感ぜられるのです。ところで、それならば、中東紛争が起きたときに、あなたは朝何時ごろ起きてどうしましたか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私の一日の日程をあなたに言う義務を私は感じてないけれども、外務省は、これは刻々と私には報告を、時間を問わず、中東問題、最近このようになったときには必要な場合だけですけれども、あの事件のときは時間を問わずに私に報告をいたしております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私がこれを伺ったのは、けさの新聞かきのうか、アメリカのことが書いてあったが、ホット・ラインの電話のベルが鳴った、午前三時ごろ、電報は一時五十分だかに入った。そうするとみな飛び起きて、大統領も乗り出して、そうしてあっという間に指令が出ていくというあの姿は、どうも厳正中立という立場もあるんでしょうが、もともと、生きた動きみたいな、緊急に集めて指令が三木さんの命令で、こまかい休戦協定何月何日とかそんなことは要らないけれども、どこまで引くのだ、だからどうだとかという、三カ条なら三カ条がずばりと出ていくような、生きている動きが感じられない。いつそんなことをやったことがあるかというと、私は終戦のころですが、東郷外相の秘書もやりまして、刻々と電報が同盟通信から大臣直通で、ずばりと局長あたり呼んできて、たいへんな騒ぎですよ。こっちはおっとりしているのか、国連対策でもどうも松井さんのほうの話、ニューヨークの電報は出てくるが、肝心の外務大臣が先手を切って大方針三カ条くらいにまとめて、そういうものが強く出ない。何かよそが動いてから事務当局が電報そろえて断を下すから、いかにもあなたが断を下したように見えるが、あなたが先頭になって動くという姿、意気が、熱が感じられないということを申し上げているのですが、どうですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これも森さんの偏見だと思うんです。今度の中東に対する日本の態度というものは、アラビア石油副社長大野君が紛争直後に帰ってきて、サウジアラビア、クウェート政府も、日本の政府の態度というものを了としていて、アラビア石油などに対しても、ストライキに入っておりましたから、やめるようにということで、非常によくいっていると感謝に来られました。森さんはそういうふうに思っているが、日本の態度というものは、外国のやはり政府などは、案外日本の態度というものははっきりしている。たとえばソ連の緊急総会でも、おそらく自由世界でも一番早いんじゃないですか、日本はこれに参加する考えでいるという、ソ連の緊急総会招集に対して、ほかの国々よりも一番早い。中東問題を緊急総会の場で審議するという一応の役割りがあると考えていったわけです。これはおひざ元の有力な外務委員森さんがお認めにならないことは非常に残念で、ほかの政府からは、案外日本の政府というものは今度の中東戦争に対する態度をわりあい早く明らかにしたという評価を受けている。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで、私は最後に締めくくりとして、偏見じゃなくて、自分だけいい気持ちでも、やはりそういう情勢、大きな流れというものを、大臣は、私のきょうの質問を機会に振り返ってごらんになればわかると思う。一日とか一カ月、二年、三年じゃなくて長い間に、外交は外務省が根本的に握っていて、上からしかられれば引っ込むが、また失地回復をする。絶えず、安保体制といいますか、そういう旧来の条約順守、それから逸脱させないように、むしろ実質は事務当局が外交やっているんじゃないか、またそのとおりだと私は思う。偏見ということは、それほど私は目が狭いつもりはない。野党ですから、絶えず勉強もし苦労もしております。それが一つ。  それから、緊急総会に一番早く賛成しているのは日本だと言ったって、国連ができたのは四五年。もう二十二年もたっている。そんなことは早くたって何にもなりませんよ。しかし、御努力は認めます。外交の大きな問題をやるときに、世論をばらばらにされないように、大きな原則を大臣が立てて国民に示して国民の批判を求めるということが、変なごちゃごちゃでなくて、外務委員会で無用な質問が出ないで済む。あれは役人がやったことだ、ほんとうはこっちだという説明も要らない。そんなふうに明快に力ある外交、事務当局は、ただこれ命と信じて実行する、こういう態勢をつくらなくちゃいかぬ、こういうことを申し上げておきます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 あと時間が十五分しかないので簡単に二点だけお伺いしますが、一つは、いま森君もちょっと触れられました中東問題の国連緊急総会、これで米ソ両案が出ております。これに対して、非同盟諸国が中心になって、イスラエル非難の部分を緩和してそうして別の第三の決議案を出そうという動きがあるようです。前の委員会で、私その際、やはりそういう刺激的な部分を削除して、そうして撤兵を中心としての何らかの決議案なり修正案というものを考えられてはどうかという提案をしたことがありますが、今度は、非同盟諸国中心の第三の決議案というものに対しては外務省としてはどういうお考えを持っておいででしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 日本の立場としては、中東に長続きのする平和を打ち立てなければいかぬ、ただ、この問題、どちらかに憎しみを持っているというようなことでは長続きする平和は成り立ちません。だから、この問題を冷静に見ている国々、あまり深く介入してない国々がありますから、そういう国々の間に非公式な日本は会議をしている。そうして、ただ一方的なものでなしに、どうすれば永続性のある平和を打ち立てられるかということで努力しているのですから、いま言ったような、むろん武力による領土拡張は認めないというわれわれの方針ですから、したがって、だからといってソ連の決議案が、そんなに損害賠償を払えとかいう、そういうことになってきますと、これはやはり解決の案になりませんから、もう少し、だれが見ても納得するような、こういう決議案というものが出せれば、これは日本も賛成をしたいという考え方で動いております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この問題、たくさんありますけれども、時間がないために、次はいわゆる穀物協定ですね、この問題でジョンソン・アメリカ大使が佐藤総理を訪問したり外務省を訪問して、協定の中に小麦または現金という新しい申し入れをしたようですが、実はこれは予算の分科会で宮澤長官に、一応は妥結しただろうが、協定文作成の過程で必ず問題が起こるのではないかと私指摘したことがあるのです。だいじょうぶだというお話がありましたが、新しい問題が起こってきたわけです。これにどう対処されるのか。しかも、聞くところによりますと、小麦輸出国のことはとにかくとして、北欧とか西独等の輸入国も全部同じ方針で、全く日本一国だけが孤立しているようにも報ぜられているのですが、どう対処されようとするのか、この辺をひとつ伺わせていただきたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) この穀物協定の策定の段階にあたって日本の留保、日本が食糧援助をしたいという内容について反対が起こってきたことは事実でございます。そこでいまは鶴見経済局長を派遣をいたしまして、青木大使と現地においていま折衝をさしておるわけです。日本は従来、食糧援助というものはするけれども、それを肥料とか農機具とか、その他多少の米とか雑穀というようなものは考えていいというような立場をとったわけであります。しかし、主たるものは、やはり肥料とか農機具とか農薬とかというものであったわけでありますから、いまの立場は、食糧援助をする相手国の意向というものを尊重しながら、その援助の物資について弾力性を持たそうと、こういうことでただいま最後の折衝をいたしておる段階でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 時間がありませんからもう一つだけ。  その際、何か政府、外務当局では弾力的にという回答をしておるようですね、ジョンソン・アメリカ大使に。その弾力的というのは、一体内容的にはどういうことなのか、肥料、農機具等のほかに、穀物も相当含めるという意味も含めておるんではないかと解されるが、その点はどうなのか。  それからもう一つは、二国間協定というようなやり方が貫けるのかどうか。その辺のことをひとつ聞かしていただきたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまでは、弾力性ということは、食糧援助を与える相手国の意向を尊重して、その内容にある程度の弾力性を持たそうという意味であります。  それから、食糧援助は二国間協定でやりたいと、日本はこの方針は最終段階においても変えておりません。それを、やがて生まれるであろう国際機関に報告はいたしますけれども、交渉は二国間でやりたいというこの方針を変えた訓令は出していないのでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それじゃもう一つ。  それですから、弾力的というのは、相手国に対してのこの考え方で、肥料、農機具以外に穀物協定を、ジュネーブの国際協定の場で穀物援助も含めることを認めるという意味ではないのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはどうしても内容を明らかにしなければなりませんから、したがって、日本政府は食糧の援助はやる、この内容についてこういう考えであるということは明らかにする必要が起こってきます。二国間の交渉のときだけに明らかにしますというのではなくして、この協定をつくる最終段階において日本の政府の考え方というものは明らかにせざるを得ない、そういう考え方でございます。これは相手のあることで、何とも非常に苦しい立場であることは申し上げておきたいと思います。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 関連して。さきの総会において、穀物協定については、日本が協定のワク外で、しかも、穀物以外のもので援助をするということに大体各国の了解ができたというふうな報告を受けていたのですが、きのう、きょうの新聞によると、特にアメリカの主張は、いや、それを了承しているのじゃないんだ、したがって、原則に従って日本も対処してほしいというようなことを非常に強調しているように見えますが、総会のときの態度は一体了承されたのですか、されないのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 宮澤長官を政府がジュネーブに派遣をして、そうして、最後の段階に、アメリカ、EEC、イギリス、日本——四カ国の会議があって、そのときに宮澤君から日本の態度を文書によって説明をしたわけですね。そのときには、だれも反対とこう言う人はなかったのです。しかし、賛成と言う人もなかったのですね。しかし、読み上げて、皆が特に反対という発言がなかったものですし、その後ホワイト事務局長が総会において、エッセンシャル・ポインツですか、ビー・セトルドというような報告を、用語は多少違っているかもしらぬが、そういうふうな意味の発言をしたわけですね。したがって、宮澤全権としては、これは日本の主張が承認を受けたものであるという解釈をすることは、私は当然のことであると考えておる次第でございます。ところが、その後は、必ずしも賛成したのではないのだということが、各国——数多くの国々から出されて、そうして、そのためには、内容についてもっと日本の政府の意図というものを説明をし、そうして、話し合いをせんならぬ必要ができた。完全に日本の言うとおり、そんなに各国とも、これでみな穀物協定における日本の立場が承認されたというふうには解釈していない。非常に解釈の食い違いがあるわけです。何も、反対がなかったから日本としてはこれは承認を受けたと考えることは当然のことですが、その後、これは賛成をしたのじゃないということで、この問題が再び提起されておるというのが現状であります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 過日行なわれました中共の核実験について、外務大臣の今後の方針、政府としての方針についてただしておきたいと思うのでありますが、外務省は、たしか十八日に公式見解として発表がございました。ただ、その内容を見ますと、過去四回にわたって行なわれた核実験に対するいわゆる外務省見解なるものの域を一歩も出ていない。それで一体、はたして今後、中共のあるいは心理的、政治的な脅威とか、いろいろそういう見方がなされておりますけれども、何といっても直接的に影響を受けるのは死の灰であろう、こういうことが考えられるわけでありまして、この問題については、外務省として、大臣として今後どうあるべきか、どういう解決の方策をお持ちになっておるのか、基本的な問題についてお伺いしておきたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) この段階で水爆の実験を行なうということに対しては、これは日本でだれ一人としてこういうことに対して遺憾に考えない人はおそらくあるまいと思う。それは何かといえば、そのことが放射能で実害も与えるわけでありますから、日本国民でこれに賛成だと言う人はおそらくあるまい、全部反対であると思う、この段階において。そうして、実際に人間の生命にも影響を与えるような水爆実験を行なうことは、まことに遺憾しごくなことであると思う。そこで、どうするのかということでありますが、われわれとすれば、一日も早く核−原爆とか水爆、こういうものの実験禁止から核兵器をなくしてもらいたいというわれわれの最終の理想でありますが、一ぺんにはそこに参りませんから、やはり中共も軍縮委員会等に参加して、そうして、世界的に核軍縮、全廃という世論があるわけですから、そういうことを、国際的なそういう軍縮委員会の場等において、中共自身もこの世界の世論に従ってもらいたい、こういうことをわれわれは願っておるわけでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 ただいまお話しございました軍縮委員会の問題についてもしばしば論議もされてまいりまして、政府として、中共をして軍縮委員会に臨ませる何らかの積極的ないままでの行動といいますか、手を打たれたことがございますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 中共自身が軍縮委員会に入ってもらいたいということは世界各国とものこれは希望であるわけですが、中共は入らないという頑強な態度を今日まで持しておりますから、御本尊である中共が入らぬというわけでありますから、問題の解決ができない。われわれとしては機会あるごとに、中共が軍縮委員会等の場において世界と協調を保ちながら人類の願いである軍縮への努力をしてもらいたいという希望は、われわれとしても常に持っておるわけであります。あらゆる機会にわれわれも申しておるわけでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 結局、中共の態度いかんによるということはいままでも言われてきたことであります。ここでやはり国連加盟という問題もまた再燃するであろう、代表権問題をめぐりまして、これがやはりあるいは将来の中共の方向を変えさせる一つの問題点ではないだろうか、このように判断できるのでありますけれども、政府としてはやはりアメリカにならって、今後とも中共に対する代表権は認めないという方針で臨まれるおつもりでございましょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 認めないというのでなくして、中共の加盟の問題というものは国連の決議として非常に重要な事項である、単純な事項ではない、非常に国連の構成にも影響をもたらす問題でもあるし、重要事項であるということで、従来、政府は重要事項指定方式というものをとってきたわけでございます。これは中共を国連に入れないとか、入れるとかということの前に、国連の手続としては、これは単純な問題ではない、重要な事項であるということで、重要事項の指定方式をとってきたわけでございます。御承知のように、国連の中では、たいていの問題というものは、みんなやっぱり三分の二ぐらいの議決を要する問題が多いのですね。ですから、単純に過半数の議決というものは、重要な事項になってきたら、ほとんどそういう例はございませんから、そういう例をとってきたので、今後日本がどういうふうな態度をとっていくかということは、むろん今年の国連総会の場においては十分な検討を加えてまいりたいと考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 大臣のいまの結論でございますと、まだ検討の段階でございますか、それとも、もうすでに何回となくこの重要事項指定方式でもって日本としては臨んできた、確かにおっしゃるとおりだと思うのですよ。しかし、もう世界の世論というものは、やはり中共の国連加盟という段階を経て、世界秩序の中に入れるという、これがいま一番望まれなければならぬ問題じゃないか、しかも、今度の水爆実験というのが、期せずして一そう関心を高からしめたであろう、このように推察できるわけでありますけれども、この辺は勇断を持って、むしろ日本政府がイニシアチブをとって積極的に加盟の方向へ持っていこうとする働きかけというものをなさるおつもりはないかどうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国連総会、私も出席をいたす予定になっておりますから、そういう場合に、当然に中共の問題というものも問題になってきまずから、十分な検討を加えたいという現在は段階でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 現在の水爆実験に成功した中共の今後の動向というものが一そう注目されると、おそらく軽量化、小型化というものがぐんぐん進んで、これが実用化される段階は早晩来るであろう、最も近い将来において来るであろう、こう考えられます。かつて毛沢東とネールが会談したときに毛沢東は、しかけられた戦争に対しては、あるいは原爆を使用するようなことがあれば、目には目をというような方針で、たとえ中国人民の三分の二を失ってもやるぞという決意のほどを示したと伝えられておりますが、今日のベトナムを中心として考えてみた場合に、まことに一触即発、絶対使わないという、原爆使用はあり得ないという予想は立たないわけです。また保証もあり得ないということから考えましても、先ほど冒頭に申し上げたように、それのみならず、死の灰という実害から考えても、これは日本として、利害関係の上から考えても最も被害を受ける唯一の国である。そういう観点で、政府としても強力な、中共を中心とする核実験の停止、またその製造の禁止というものを、もっともっと具体的に国連の場においてやっていただきたい。今週予定されておる総会では、大臣が出席されるそうでございますけれども、おそらく決意を持って臨まれるというふうに判断してよろしゅうございますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 中共が現に水爆を持ちましても、行動はきわめて慎重であると私は見ておって、そんなふうに、水爆を持ったから、それで、これは渋谷さん、それをその水爆を使用しない保証はないと言われますけれども、今日の世界情勢のもとで、原爆や水爆というものが簡単に使用できる情勢だとは私は思わない。いろいろ口では中共は言いますけれども、行動の上においては、中共といえども慎重であるに違いない、こう私は思っておるわけでございます。したがって、しかし、これはアジアにおいて非常なやはり核の保有国ができて、そのことが何らかの影響をアジアに与えるということは、これは好ましいことではない。核戦力による影響力というものは、世界政治の上において好ましいことだとは私は思いませんから、したがって、中共がこういう核の問題について世界と歩調を合わして、そして実験もやめる、やがてはそれもなくする、こういう世論に中共が協調するような、国際協調の態度に中共が出られることを私は願っておるわけでございます。国連に対しては、総会でどうする、こうするかということは、まだ時間もございますので、十分な検討を今後加えたいと思っております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 最後に一点。  窮鼠ネコをかむというたとえもございますように、アメリカもベトナムで追い詰められていくと、それは予断を許さないことは十分いままでの戦略的な面から見ましても、過去のいろんな戦史を振り返ってみても、十分考えられる問題なんです。大臣のいまの答弁を伺っておりますと、実に楽観的な、そういうようなお考え方のようにとれますけれども、やはりわれわれとしては、アジアという一角において行なわれておる戦争を考えましても、そういったことを最近は特に感じられるわけです。どちらかと言えば、アメリカに対しても、絶対永久に核の使用というものは行なわないというようなことをつけ加えて、今度、臨まれた場合に、おそらくいろいろな話し合いをされる機会もおありになると思いますので、その点を特に私は大臣に強調申し上げて、訴えておきたい、こう思うわけであります。アメリカに対しても同様である。それに対して最後に答弁を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 何ぴとも核−原爆とか水爆とか、そういうものを使用するということは、これは人類の名においてそれはぜひともしてはならぬということは、渋谷君と同感でございます。どこの国といえども、人類の前に再び原爆や水爆を投じてはならぬ、強くこれはあなたと同じように世界に訴えたいと思っておることでございます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後零時十二分散会

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