予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/04/19
会議録
○野原主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査をつとめることになりましたので、よろしく御協力をお願い申し上げます。 本分科会は、昭和四十二年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、昭和四十二年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管について審査を行なうこととなっております。 審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。 それでは、昭和四十二年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管並びに昭和四十二年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管を議題といたします。 これより順次説明を求めます。 まず、経済企画庁所管について説明を求めます。宮澤経済企画庁長官。
○宮澤国務大臣 昭和四十二年度経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち、当庁関係の予算の総額は三百十七億四千四百七十四万円でありまして、前年度予算額二百六十六億一千一百六十四万円に比較いたしますと、五十一億三千三百十万円の増額となっております。これを予算の主要経費別に区分いたしますと、公共事業関係費以外の経済企画庁一般の経費では二十七億八百三十二万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、四億七千八百七十五万円の増額となっております。これに対しまして、公共事業関係費では二百九十億三千六百四十二万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、四十六億五千四百三十五万円の増額となっております。 まず、経済企画庁一般の経費の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、経済企画庁一般行政及び審議会等に必要な経費では九億六千七百六十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、一億四千五百十八万円の増額となっております。これは、一般事務を処理する経費のほか、経済運営の基本方針の策定、長期経済計画関係業務、国民生活の向上対策、内外の経済動向の調査分析及び水質保全に必要な経費等であります。 この中には、物価安定対策をより強力に推進するため、新たに物価安定推進会議の開催に要する経費及び消費者行政を円滑にし、かつ、実効あるものとするため、消費生活モニターの設置と消費者リーダーの養成等に必要な地方公共団体及び日本消費者協会に対する補助金が含まれております。 第二に、国土総合開発に必要な経費として一億六百四万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、二千三百十万円の増額となっております。これは、国土の均衡ある開発発展をはかるため及び水質源開発に必要な調査費等でありまして、主として、全国総合開発計画の策定、地域開発体制の整備、離島振興事業の助成のための増額でございます。 第三に、国土調査に必要な経費では、十二億六千三十三万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、二億二千七百六十一万円の増額となっております。これは、主として国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査の事業規模が増大したことによるものであります。 第四に、経済研究所に必要な経費では、前年度予算額の二百八十五万円増の一億九千四百三十万円を計上しております。この経費は、経済構造及び経済循環の基礎的な研究調査、並びに国民経済計算の調査、及び分析に要するためのものであります。 第五に、豪雪地帯対策特別事業に必要な経費では一億二千万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、二千万円の増額となっております。この経費は、豪雪地帯において、地方公共団体が雪上車を購入する場合に、その経費の一部を補助するものであります。 第六に、振興山村開発総合特別事業に必要な経費では、新たに六千万円を計上しております。この経費は、豪雪地帯にある振興山村に社会開発のための模範施設として、地方公共団体が豪雪山村開発総合センターを建設する場合、その経費の一部を補助するものであります。 次に、公共事業関係費の内容につきまして、御説明申し上げます。 まず、第一に、国土総合開発の調整及び地域開発計画調査の調整に必要な経費では、両者を合わせて五十九億円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、七億円の増額となっております。 第二は、離島振興関係事業でございます。離島振興事業費、農林漁業用揮発油税財源身替離島農道等整備事業費、揮発油税等財源離島道路整備事業費の三者を合わせまして百三十六億四千五百九十四万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、二十二億三千七百五十七万円の増額となっております。その増加率は、約二〇%で、災害復旧等を除いた全国公共事業費の伸び率約一七%を上回り、離島における交通体系の整備と産業基盤の充実に重点を置いて必要な事業を推進し、これによってできるだけ離島と本土との格差の是正をはかることとしております。 第三に、水資源開発事業等に必要な経費では九十四億九千四十八万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、十七億一千六百七十八万円の増額となっております。この内容は、水資源開発公団が、利根川水系及び淀川水系における既着工継続事業を既定計画どおり実施するほか、新たに筑後川、木曽川及び吉野川の三水系における建設事業を同公団が施行するため必要な経費等であります。 以上、一般会計予算の概要を御説明申し上げましたが、次に、当庁関係の財政投融資計画関係につきまして、簡単に御説明申し上げたいと存じます。 まず、海外経済協力基金につきましては、最近における対外経済協力拡充の要請にこたえるため資金運用規模を前年度の二百二十億円から、四十二年度は七十億円増の二百九十億円を予定しております。これに要する資金源は、資金運用部資金から九十億円の融資を受けるほか、一般会計出資金九十億円を含めた自己資金等二百億円を充てることにいたしております。 次に、東北開発株式会社につきましては、四十二年度におきましても、前年度に引き続き会社の再建をはかることに重点を置くことにいたしております。このため、産業投資特別会計からの出資金十六億円と公募債等二十億五千万円を予定いたしております。 次に、水資源開発公団につきましては、その事業量の増大に伴い、総事業費は、前年度の二百五十四億円から、四十二年度は、四十七億円増の三百一億円を確保することにいたしております。このため、資金運用部資金から七十七億円の融資を受けるとともに、公募債五十一億円のほか、一般会計出資金一億一千万円及び前に申し上げました水資源開発事業費を含めた自己資金等百七十三億一千万円を予定いたしております。 次に、北海道東北開発公庫につきましては、資金運用規模を、前年度の三百八十五億円から、四十二年度は、十五億円増の四百億円を予定しております。これに要する資金源は、産業投資特別会計からの出資金五億円、資金運用部資金等政府資金と公募債で二百三十億円のほか、自己資金等百六十五億円を充てることにいたしております。 以上をもちまして、経済企画庁関係の予算並びに財政投融資計画関係について、その概略を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほど、お願いいたします。 —————————————
○野原主査 次に、通商産業省所管について説明を求めます。菅野通商産業大臣。
○菅野国務大臣 昭和四十二年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画について、御説明申し上げます。 まず、昭和四十二年度の通商産業省所管一般会計予定経費の要求額は、産業構造改善の促進、中小企業対策の画期的拡充強化、技術開発の促進、貿易振興と経済協力の推進、万国博覧会の開催準備等、現在特に強く要請されている諸施策を強力に推進していくため、七百四十七億九千万円を計上いたしております。この額は、前年度の当初予算額八百二億五千万円に比較して五十四億六千万円の減少でございますが、これは従来一般会計に計上されておりました石炭対策関係費が本年度から特別会計に移行することになったためでございまして、石炭対策を含めた経費は一千百二十五億五千万円で、前年度に比べ三百二十三億円の増加となっております。 次に、重点別に内容を御説明申し上げます。 第一に、産業構造改善の促進をはかるため、前年度を九億八千万円上回る二十三億二千万円を計上いたしました。このうち、特に繊維工業につきましては、現在の繊維工業整備促進協会を改組して、その組織及び機能を強化し、もって紡績業及び織布業の抜本的な構造改善策を講ずることとして十三億七千万円を計上しております。そのほか、金属鉱業の体質改善をはかるため、探鉱促進に要する経費について所要の増額を行なっている等が、おもな内容でございます。 第二に、中小企業対策の画期的拡充強化をはかるため、前年度を三十四億九千万円上回る二百四十億四千万円を計上しております。この内容といたしましては、まず、現行の中小企業高度化資金融通特別会計と日本中小企業指導センターを統合して新たに中小企業振興事業団を設立し、中小企業の構造改善事業に対し、啓蒙指導、資金助成等の諸施策を総合的に実施し得る体制を整えるとともに、これに要する経費として百八億円を投入することとしております。また、事業の内容といたしましても、織布対策と公害対策を新たに追加することといたしました。このほか、中小企業に対する指導事業の強化、小規模事業対策の充実等、従来の施策を強力に推進するとともに、中小企業金融の円滑化をはかるため、商工組合中央金庫に対する出資を引き続き行なうことといたしております。 第三に、開放経済体制下において、国際競争力の根幹をなす技術の開発を促進するとともに、技術的最先端産業の振興をはかるため、前年度の百二十九億五千万円に対し、百四十六億円を計上してございます。このうち、特に大型工業技術研究開発費につきましては、予算額を十億三千万円から二十七億四千万円に増額するとともに、新規テーマとしてオレフイン等の新製造法を追加することといたしております。また、国立試験研究機関等における研究を充実し、なかんずく自動車安全、産業公害防止等の技術について特段の措置を講ずるとともに、昨年来国際的な評価を得つつあるYS11の量産対策等を新たに実施することといたしました。なお、特許行政につきましては、出願等の迅速な処理をはかるため、二十億三千万円を計上いたしております。 第四に、貿易の振興と経済協力の推進をはかるため、前年度を四十五億八千万円上回る百三十五億円を計上いたしました。これにより、日本貿易振興会等を通ずる輸出の振興、一次産品対策等の経済協力の推進をはかることとしているほか、新しい時代の国際環境に適応する人材を養成するため、貿易大学校の設立準備を推進することといたしております。また、昭和四十五年度に開催される日本万国博覧会に対しましては、政府といたしましても、これを世界的行事にふさわしい企画と規模で成功させるべく、会場建設事業費の三分の二の補助を行なう等、本年度に必要な経費として五十三億七千万円を計上いたしております。 第五に、産業立地の適正化と立地環境の整備でございますが、これには、国民生活と調和のとれた産業の発展を確保するため、工業立地の適正化の推進、産業公害対策の強化をはかるほか、工業用水道事業の補助率の引き上げをはかる等の経費として六十四億五千万円を計上いたしております。 第六に、総合エネルギー対策といたしましては、六十一億五千万円を計上し、これにより天然ガスの探鉱の拡充、石油対策の推進、鉱山保安監督行政の強化、電気ガス事業の監督等の措置を実施するほか、石炭対策特別会計へ四十六億四千万円を繰り入れることとしております。なお、石炭対策の詳細につきましては、特別会計の説明の際申し上げることといたします。 第七に、流通及び消費者行政の拡充につきましては、主として物価対策の観点を中心として、流通部門の近代化等の施策を推進するとともに、消費者モニター制度の拡充等の消費者保護行政を充実する等のため一億円を計上した次第でございます。 以上の通商産業省所管一般会計のほか、特別会計といたしまして、まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、歳入として七十四億七千万円、歳出六十二億二千万円、専売納付金十二億五千万円をそれぞれ計上してございます。 輸出保険特別会計につきましては、歳入歳出とも二百三十九億円でございます。 機械類賦払信用保険特別会計につきましては、歳入歳出とも十二億一千万円でございますが、歳入のうち、七千万円は一般会計からの繰り入れを予定しております。 中小企業高度化資金融通特別会計につきましては、中小企業振興事業団の創設に伴い廃止される予定でございますが、同事業団の設立までの間、なお継続して事業を行なう必要がございますので、歳入歳出とも十億円を計上し、そのうち、歳入の十億円は全額一般会計からの繰り入れによりまかなうことにしております。 このほか、本年度から新たに設けられる予定の特別会計として、大蔵省、通商産業省、労働省共管の石炭対策特別会計がございます。この特別会計は、石炭鉱業の抜本的安定対策の実施に伴い、その財源を確保することにより、石炭対策に安定性をもたらすとともに、歳入歳出予算を他の会計と明確に区分するために設けるものでございまして、その歳入といたしましては、原重油関税収入より四百七十四億九千万円、一般会計からの繰り入れ四十六億四千万円、その他雑収入五千万円、計五百二十一億八千万円を計上いたしております。 歳出は、歳入と同額の五百二十一億八千万円でございますが、そのうち、当省所管分は四百七十一億円で、これにより石炭企業の生産体制の改善、経営基盤の強化、安定需要の確保、産炭地域の振興、鉱害対策等について特段の措置を講ずることといたしております。 次に、当省関係の財政投融資計画について御説明いたします。 昭和四十二年度の当省関係の財政投融資計画総額は七千三百十五億円でございまして、これを昭和四十一年度当初計画に比べますと、千三百八十四億円の増加となっております。 以下、機関別にその概要を御説明いたします。 まず、日本輸出入銀行でございますが、設備等の輸出の振興をはかるため、貸し出し規模を三千億円に拡大し、このため、出資四百三十億円を含め、千八百五十億円の財政資金を投入する計画でございます。 次に、中小企業関係政府金融機関につきましては、各機関の貸し出し規模を大幅に拡大することとし、このため中小企業金融公庫千四百七十八億円、商工組合中央金庫六十億円、国民金融公庫千四百六十億円の財政融資等を計画しております。 なお、中小企業投資育成会社の業務の充実をはかるため、中小企業金融公庫を通じ、同会社へ二十億円の貸し付けを行なうこととしております。 日本開発銀行につきましては、従来の施策の拡充強化をはかるとともに、新たな施策といたしまして、従来の体制金融の対象業種である乗用車工業、特殊鋼業及び石油化学工業のほか、繊維工業、アンモニア工業、硫酸工業、自動車タイヤ工業、並びに非鉄金属製錬及び同加工業を対象に合併、共同投資等による大型近代化投資、業界全体の過剰設備処理を伴う合理化投資等に重点的に資金を投入するため、百億円の一括ワクを計上し、また、原子力発電機器の国産化、パレット・プール制度の確立等の施策を促進するため、所要の融資を予定いたしております。このため、運用規模を二千二百五十三億円に拡大するとともに、これに必要な財政融資千六百億円を予定しております。 電源開発株式会社につきましては、引き続き石炭火力発電所五基の建設と大水力電源開発の工事を推進することとし、財政融資等百九十三億円を予定しております。 石炭関係の機関につきましては、石炭鉱業合理化事業団整備資金に十五億円、産炭地域振興事業団に四十億円の財政融資を予定しているほか、鉱害基金については、鉱害賠償融資の金利引き下げを行なうとともに、十八億円の財政融資を行なう計画でございます。 金属鉱物探鉱促進事業団につきましては、探鉱融資規模を二十六億円に拡大し、このため、出資一億円を含め、二十一億円の財政投融資を計画しております。 日本航空機製造株式会社につきましては、中型輸送機YS11の量産事業の円滑化をはかるため、財政出資二億円のほか、経済援助資金特別会計出資十億円、政府保証付短期市中借り入れ四十億円を計画しております。 公害防止事業団につきましては、個別企業の公害防止施設に対する融資対象地域の拡大をはかる等その業務を拡充することとし、このため五十億円の財政融資を計画しております。 新たに設立される中小企業振興事業団につきましては、所要資金の一部に充当するため、公募債借り入れ金等により、五十八億円を調達する計画でございます。 また、海外原油開発体制を抜本的に強化するため、現行の石油資源開発株式会社を改組し、海外において原油の探鉱開発事業を営む企業に対する出資等を行なう石油開発公団を設立することとし、これに対し四十億円の財政出資を計画しております なお、紡績業における過剰設備の一括処理を円滑に実施するため、興長銀債の資金運用部引き受けにより、新たに設立される繊維工業構造改善事業協会に対し、興長銀が所要資金四十八億円を融資する予定でございます。 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計及び特別会計の予算案並びに財政投融資計画の御説明を終わります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決されますようお願い申し上げます。 —————————————
○野原主査 次に、農林省所管について説明を求めます。倉石農林大臣。
○倉石国務大臣 昭和四十二年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏づけとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げたいと存じます。 最近の農業の動向を見ますと、食糧需要の動向に対応した農業生産の選択的拡大、機械化による労働生産性の向上、農業経営に意欲を持ち経営規模を拡大しようとする農家の増加等農業の近代化が順調に進んでいる面も見られますが、他方、解決を要する幾つかの重要な問題が生じてきております。 その第一は、農産物需給の問題でありますが、農業基本法制定当時の予想を上回る経済成長により、食糧需要が内容の変化を伴いながら想定以上に増大した一方、農家労働力の流出、兼業農家の増加等により農業生産の一部に停滞の傾向が見られ、今後ますます増加を続けると思われる食糧需要に生産が必ずしも順調に対応し得ないのではないかとの懸念も生ずるに至っていることであります。 第二は、農産物価格の問題であります。最近の農産物需給の引き締まり傾向のほか、労賃の上昇、資本の多投等に伴うコストの上昇要因あるいは流通機構の立ちおくれ等もあって、食糧農産物の消費者価格水準は上昇傾向を続けており、これが国民食糧の安定的供給の確保という農業の使命から考えて、決してゆるがせにできない問題となってきていることであります。 第三は、農業構造の問題であります。想定を上回る経済成長により、農家労働力の流出には激しいものがありますが、それが必ずしも経営規模の拡大に円滑に結びつかず、兼業の増大、農業労働力の老齢化、婦女子化を招き、他方、農地の流動化をはばむ要因が増大すること等もあって、構造改善が所期のテンポでは進んでいないということであります。 このような情勢のもとで、農業の生産性の向上をはかりつつ、需要に即応した農業生産の増大を確保し、農業従事者の所得を向上させるという農政の課題にこたえるには、農業基本法の定める方向に従い、生産、構造、価格に関する各般の施策を総合的に強く推進する必要があると考えておりますが、特にこの際、内外の食糧需給の動向から見て、主要農産物についてその生産を振興すること、生鮮食料品の価格の安定のため、生産体制の整備と流通の改善、合理化を行なうこと、また、農業構造の改善を進めるとともに、優秀な経営担当者の養成と農村の社会、生活環境の整備を行なうこと等に留意してまいる考えであります。 このため、四十二年度においては、(一)農業生産基盤の整備と農業技術の開発、普及の促進、(二)農産物の生産対策の拡充、(三)生鮮食料品をはじめとする農産物価格の安定及び流通改善対策の強化、(四)農業構造改善の促進、(五)農林金融の改善、(六)優秀な経営担当者の確保と農村環境の整備等、農村対策の充実に重点を置いて施策の推進をはかってまいることといたしております。 このほか、林業及び水産業につきましても、それぞれ最近の需要及び資源の動向や従事者の所得の面から考えますと、問題が多々存在しておるのでありまして、これらにつきましても、生産基盤の整備、構造改善の促進、従事者に対する福祉対策の充実等諸施策を強化し、生産性の向上と従事者の所得の増大と生活水準の向上をはかることとしております。 これら施策の的確な推進を期するため、四十二年度予算編成においては、農林水産関係予算の充実をはかることに一段と配慮した次第であります。 まず、昭和四十二年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計額は四千四百五十一億円で、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管経費並びに新設の石炭対策特別会計に振りかえられる鉱害復旧事業費を加えた農林関係予算の合計額は五千十三億円となり、これを昭和四十一年度当初予算四千五百八十五億円に比較しますと、四百二十八億円の増加となります。 以下、この農林関係予算の重点事項について御説明します。 第一に、農林漁業生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。 農業に関しましては、土地改良長期計画に基づき、基幹かんがい排水施設及び圃場条件の整備、農用地の開発、農地防災等の農業基盤整備諸事業を積極的に推進することとし、総額千三百五億九千八百万円を計上しております。 また、これらの事業の円滑な推進をはかるため、都道府県営かんがい排水事業及び各種草地改良事業の採択基準の緩和、団体営諸事業についての農林漁業金融公庫資金の貸し付け金利の引き下げ等、農民負担の軽減をはかることとしております。 なお、農林漁業用揮発油税財源身がわりの農林漁業用道路整備事業につきましては、農林漁業用揮発油税の全額に見合う百十五億円を充当することとし、事業量の大幅な拡充をはかることとしております。 林業に関しましては、林道事業について総額九十二億四千万円を計上し、林道の補助体系を整備してその開設を積極化するとともに、造林事業につきましては、低開発広葉樹地帯における拡大造林の積極的推進をはかるための助成の強化等を行なうこととし、総額六十三億二千万円を計上しております。 また、治山事業につきましては、治山事業五カ年計画に基づき、民有林及び国有林の治山事業を推進することとし、総額二百五十五億六千五百万円を計上しております。 漁業に関しましては、総額百四十九億四千万円を計上し、第三次漁港整備計画による漁港修築事業等を計画的に推進するとともに、漁港関連道整備事業、大型魚礁設置事業及び浅海漁場開発計画調査の拡充強化をはかることとしております。 第二に、農林漁業生産対策に関する予算について申し上げます。 まず、米麦生産対策につきましては、近年における稲作の動向等にかんがみ、稲作の生産性の向上と米生産の維持増大を進めることとし、引き続き稲作総合改善集約指導事業、高度集団栽培促進事業、米麦生産流通合理化モデルプラント設置事業等を推進するとともに、麦についても主産地における作付拡大、品質の改善等を内容とする麦対策を実施することとしております。 このほか、農作物種子対策、地力保全事業、植物防疫事業等を引き続き推進することとしており、以上を合わせ米麦生産対策に要する経費として十七億三千八百万円を計上しております。 次に、畜産生産振興対策について申し上げます。 まず、飼料自給度の向上をはかるため、草地改良事業の推進と並行して新たに既耕地における飼料作物の増産を目途とした飼料作物増産総合対策を実施するとともに、最近における酪農経営及び肉牛資源の動向にかんがみ、従来の各種家畜導入事業を統合整備し、農業協同組合等及び都道府県を通ずる新たな家畜導入制度を確立することとしております。 このほか、乳用牛集団育成事業の拡充、肉用牛繁殖育成センター設置事業の充実、家畜の改良増殖の推進、家畜衛生の強化等の諸施策を推進することとし、以上を合わせ畜産生産振興対策として八十一億三千五百万円を計上しております。 次に、園芸生産振興対策について申し上げます。 まず、野菜対策につきましては、指定野菜の拡大、野菜指定産地の追加指定、生産出荷近代化事業の拡充等、野菜指定産地の計画的育成をはかることとし、果樹対策につきましては、各都道府県の果樹振興計画及び濃密生産団地計画の樹立を行なうとともに、引き続き果樹農業機械化研修施設の開設のための準備を進めることとしております。 また、地域特産農業推進対策につきましては、新たに各地域の実情に応じ農作業の機械化、流通施設の近代化等を内容とする地域特産農業推進事業を実施することとし、甘味資源対策につきましては、省力栽培機械、移植合理化施設等の導入を内容とする生産合理化推進地区の設置事業を行なうこととしております。 以上を合わせ園芸生産振興対策として二十四億七千五百万円を計上しております。 養蚕対策につきましては、新たに壮蚕飼育施設、桑園管理用機械の設置等を内容とする養蚕経営合理化促進施設設置事業を実施することとし、九千九百万円を計上しております。 林業生産対策につきましては、引き続き優良種苗確保事業、森林病害虫等防除事業、素材生産合理化事業等を実施することとし、これらに要する経費五億九千五百万円を計上しております。 漁業生産対策につきましては、中小漁業の振興のための金融改善措置を実施するほか、引き続き内水面における地域振興対策事業等を推進するとともに、保護水面の設定、各種放流事業等を拡充強化することとし、これらに要する経費六億二百万円を計上しております。 第三は、生鮮食料品等の価格安定および流通の改善対策の拡充に関する予算について申し上げます。 まず、畜産物の価格安定及び流通改善対策につきましては、引き続き加工原料乳に対する不足払い制度に必要な交付金等及び学校給食用牛乳供給に必要な交付金を畜産振興事業団に交付するとともに、食肉センターの設置等を推進することとし、これらに要する経費八十八億八千五百万円を計上しております。 次に、野菜の価格安定及び青果物流通改善対策につきましては、青果物の出荷調整対策等を推進するとともに、野菜生産出荷安定資金協会が行なう野菜の価格補てん事業を拡充することとし、これらに要する経費三億二千八百万円を計上しております。 水産物の価格安定及び流通改善対策につきましては、引き続き冷凍多獲性魚の流通調整事業、産地流通加工施設建設事業等を推進するとともに、新たに産地及び消費地における水産物の流通情報の収集及び提供事業を試験的に行なうこととし、これらに要する経費三億六千七百万円を計上しております。 生鮮食料品等の流通施設の整備等につきましては、中央卸売り市場の整備を促進するとともに、新たに集配センターの実験的設置、公設小売り市場の整備等を推進することとしております。このほか、食料品の規格、品質等についての調査を進めるほか、生産者及び消費者向けの市況及び食料品の合理的な利用方法等の放送等を拡充するとともに、生鮮食料品の生産及び流通に関する情報の迅速な収集及び提供を目途として、農林本省及び統計調査事務所にテレタイプ網を整備することとし、これらに要する経費十五億五百万円を計上しております。 第四に、農林漁業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。 まず、農業構造改善事業につきましては、総額二百十四億六千八百万円を計上し、地域の実情に即して事業の円滑な推進をはかることとしており、また、引き続き事業終了地域の経営管理の指導等を推進するほか、農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備について計画の樹立された全地域において事業を実施することとしております。 なお、農業諸情勢の進展に即応して農業構造の抜本的改善をはかるため、経営規模の拡大方策、協業の助長方策、農業自営者の老後の生活の安定や経営の移譲の促進方法等について総合的視野から調査検討を行なうこととし、これに要する経費二千五百万円を計上しております。 林業構造改善事業につきましては、三十五億五千四百万円を計上し、事業の計画的な推進をはかることとしております。 沿岸漁業構造改善事業につきましては、十六億九千四百万円を計上し、経営近代化促進事業及び漁場改良造成事業の計画的な推進をはかるとともに、新たに経営近代化促進事業の補足整備事業を実施することとしております。 第五に、農山漁村対策を拡充するための予算について申し上げます。 まず、農林漁業の後継者対策につきましては、農業後継者育成資金の貸し付けワクの大幅な拡充をはかるほか、研修教育施設の整備、農山漁村青少年集団活動育成対策及び中央青年研修施設の整備を推進することとし、これらに要する経費六億一千九百万円を計上しております。 次に、農山漁村の環境整備につきましては、農林漁業用道路の整備を大幅に拡充実施するとともに、農家生活改善資金の貸し付けワクの大幅拡充、生活改善特別事業の拡充、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の活用、僻地農山漁業電気導入等を引き続き実施することとし、さきに述べましたものを含め、これらに要する経費として総額百三十一億五千百万円を計上しております。 山村振興対策につきましては、振興山村における農道、林道等の整備について特に配慮するとともに、七億二千九百万円を計上して、引き続き振興山村農林漁業特別開発事業を計画的に実施することとしております。 第六に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林金融の拡充に関する予算について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業の経営構造改善及び基盤整備等に必要な資金を拡充するため、新規貸し付けワクを千六百億円に拡充し、この原資として財政投融資一千百四十九億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金五十八億円を交付することとしております。 また、農林漁業基盤整備資金の一部及び中小漁業経営改善資金の貸し付け金利の引き下げ等融資条件の改善を行ない、農林漁業者の負担の軽減をはかることとしております。 次に、農業近代化資金融通制度につきましては、貸し付け資金ワクを九百億円に拡大するとともに、引き続き農業信用基金協会及び農業信用保険協会に対して助成を行なうこととし、これらに要する経費四十億五千六百万円を計上しております。 また、農業改良資金制度につきましては、特に農業後継者育成資金及び農家生活改善資金について、従来の農林漁業用揮発油税財源身替事業の対象外とするとともに、貸し付けワクを倍増し、技術導入資金をも含めた総貸し付けワクを八十二億円に拡大し、これに要する経費二十六億七百万円を計上することとしております。 以上のほか、農林漁業施策の推進のための重要な予算について申し上げます。 まず、農林水産業の試験研究事業につきましては、試験研究費の増額、試験研究体制の整備等により試験研究の拡充強化をはかるとともに、引き続き熱帯農業に関する技術上の試験研究等を推進するほか、新たに大規模草地の利用管理技術の確立に関する試験研究等の拡充を行なうこととし、これに要する経費として総額百十六億一千七百万円を計上しております。 次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、引き続き施設の整備、機動力の強化等を行なうこととし、農業改良普及事業に四十八億一千六百万円、生活改善普及事業に十億三千二百万円、畜産経営技術指導事業に一億三千三百万円、蚕糸技術改良事業に七億六千四百万円、林業普及指導事業に九億三千六百万円、水産業改良普及事業に一億六千五百万円をそれぞれ計上しております。 農業災害補償制度につきましては、掛け金国庫負担金を増額するほか、果樹保険の試験実施の準備、家畜共済損害防止事業の強化、農業共済基金への追加出資等を行なうこととし、これらに要する経費三百二十億三千七百万円を計上しております。 このほか、農業関係につきましては、開拓地の営農振興対策として二十七億七千五百万円、生糸等農産物の輸出振興対策として二十二億二千五百万円、農業資材の価格流通対策として五十五億七千八百万円、農業団体の整備強化措置として二十七億七千四百万円をそれぞれ計上しております。 また、林業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、森林計画制度及び保安林整備について六億五千百万円、入り会い林野の整備促進対策として四千二百万円、森林組合等の育成対策として三千七百万円をそれぞれ計上しております。 水産業関係につきましては、すでに述べましたもののほか、漁業災害補償制度について抜本的改善を加えることとし、漁業共済団体が通常負担しがたい異常災害について政府の特会別計による保険事業を創設し、あわせて漁獲共済の共済限度額率の引き上げ、共済掛け金国庫補助等について所要の改善を行なうこととし、これに要する経費として五億三千九百万円を計上するとともに、漁船損害補償制度の実施に要する経費として十一億九千六百万円、海外漁場の開発、日韓漁業協定の実施等国際漁業対策として九億八千七百万円をそれぞれ計上しております。 また、農林水産関係の災害対策公共事業につきましては、海外事業、農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧事業並びに鉱害復旧事業の推進をはかることとし、総額二百八十九億一千百万円を計上しております。 次に、昭和四十二年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。 第一に、食糧管理特別会計につきましては、本年秋に消費者米価の改定を行なうことを予定し、国内米、国内麦及び輸入食糧の管理制度の適切な運営をはかるとともに、国内産イモでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため、必要な予算を計上するほか、一般会計から調整勘定へ一千二百三十五億円、輸入飼料勘定へ五十二億円を繰り入れることとしております。 第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、農業災害補償制度の運営のため、一般会計から総額二百三十一億五百万円を繰り入れることとしております。 第三に、昭和四十二年度から新たに政府が漁業共済にかかる保険事業を実施することに伴い、従来の漁船再保険特別会計を改組して漁船再保険及び漁業共済保険特別会計とし、この会計において、漁船再保険事業の継続実施と漁業共済保険事業の新規実施を行なうこととしております。 第四に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業及び治山事業の適切な実施のため必要な予算を計上するとともに、新たに肉用牛の生産育成事業の実験的実施を行なうこととしております。 以上のほか、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、特定土地改良工事、糸価安定、森林保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、昭和四十二年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。 財政投融資の計画額としては、農林漁業金融公庫、愛知用水公団ほか三機関及び二特別会計を合わせて総額.一千三百八十一億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和四十二年度の農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
○野原主査 以上をもちまして、全所管についての説明は終わりました。 午後一時から再開することとし、これにて休憩いたします。 午前十一時十一分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○野原主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより各所管について順次質疑を行なうことになっておりますが、この際、分科員の皆さまに申し上げます。 議事進行の円滑をはかるため、質疑を行ないます方は、あらかじめ政府委員等を御要求の上、主査に御通告をお願いいたします。 質疑の持ち時間は、慣例によりまして、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代で分科員となられた方は三十分程度にとどめたいと存じます。 昭和四十二年度一般会計予算及び特別会計予算中、農林省所管について質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)分科員 農林大臣にお伺いしたいのですが、農業の体質改善、構造改善、こういうものと関連をしながら、各地において土地改良事業が進められておるわけでありまして、ことしも前年度対比で約百億の予算面での増額もあるわけであります。今日まで行なった土地改良事業によってどれだけ農家所得が増大をしたとか、あるいはどれだけ新規の農地が造成されたとか、また、排水の関係やあるいは河川改修というような問題ともからんで農地が減少する場合もあるわけでありますが、そういうようなものの、いわば差し引き勘定といいますか、どういうメリットがどういうぐあいに出ているか、こういうような問題について全般的に、また、全般的にお答ができなければ、たとえば、こういうところではこういうメリットが出ましたという明確なものがございますか。
○倉石国務大臣 ただいまのお尋ねの全般のことについての資料を用意してございませんので、後刻申し上げたいと思います。
○広瀬(秀)分科員 政府委員からでもひとつ……。
○和田(正)政府委員 いま大臣からお答えがございましたように、いま御質問のように、全体にわたっての差し引き勘定というのはちょっと手持ちをいたしておりませんので、あとでお手元へ差し上げます。
○広瀬(秀)分科員 それでは、あとでひとつ資料として御提出をいただきたいと思うわけであります。 実は、この土地改良事業、これは大局的に、また、現在の過小経営規模、しかも、非常に未整備の圃場、こういう中で零細な規模でやっている日本の農業の体質を改善するという立場で、土地基盤の整備ということは非常に重要なウエートを占めていることは私どもよくわかるわけであります。したがって、われわれとしては、この問題は、もっともっと国自体が金を出す、土地基盤整備などには国が全額負担すべきであるという主張を年来いたしてきておるところでございます。しかし、これはなかなか現実の問題として実現しない状況にございます。いま私どもの県でも、かなりの個所にわたってこういう土地改良事業が行なわれているわけでありますが、開拓パイロットにいたしましても、あるいは県単の圃場整備等にいたしましても、その工事が着手される段階になりますと、必ず農民の中からかなり強い抵抗がある、こういう例を非常に私ども見受けるし、また私たちのところにも、これは何とかしてやらないでもらいたいというような農民の端的な要求が寄せられる、こういう事例がしばしばあるわけであります。こういう問題について、本来いいことであるならば、末端農家についてもそういう反対が起きるはずはないわけであります。一体こういうような事例が非常に数多い——農林省にもそういう面での陳情もかなりしばしば寄せられる場面があるわけでありますが、そういうことについて、農林当局はどういうお考えでおられますか。
○和田(正)政府委員 土地改良事業の実施をいたしますにつきましても、広瀬先生すでに御承知のように、土地改良法の規定によりまして、原則として地元の申請主義という形をとっておるわけであります。申請がありました上で、農林省として国営、県営あるいは団体営というようなことで、それぞれの区分に応じて対応いたしまして事業を実施いたしてまいるわけでございますが、その申請の段階につきましては、現在の土地改良法で、関係の農家の三分の二以上の同意を前提として申請をしてくる、採択が最終的にきまりました場合には、当然その事業計画の内容を公告をいたしまして、一定期間の異議の申し立てを認め、またこれに対して行政判断を加えて裁決をするという手続をとることにいたしております。多数の関係農家の中には、一部いろいろな面で反対の意見を持つ者もございまして、一〇〇%の同意が得られることが当然望ましいわけではございますが、やはり一種の公共性を持った事業でもございますので、大多数の、三分の二が同意をしております場合には、法制度上は事業がやれるというたてまえになっておりますので、実際問題としての行政指導上、県庁等としましては、事業の効果なり事業の目的なりを当該反対をしております者に話をしまして、行政上の指導につとめるわけでございますが、法律手続としては、三分の二以上の同意があれば事業を実施することは差しつかえないし、また場合によってはやむを得ない場合もあろうかというふうに思います。
○広瀬(秀)分科員 この農民の反対が非常に強く、必ずといっていいほど起こっている。たまにはない場合もあり、満場一致でやる場合もありまするけれども、ほとんどの場合が、かなりあとまで尾を引いた形で、しかも、陰惨な形で、地域における部落の中での非常な対立あるいは部落ごとの対立というような形で尾を引く大きな原因の中には、やはり三つか四つの原因があると思うのです。その一つは、申請に至るまでの段階がきわめて非民主的な運営が土地改良区等においてなされている場合が多いということ、そういう問題が一つ私はあると思うのです。 それから、土地改良をやったあと、何年か必ず減収があるという問題、特になわ延びなどの問題が全部なくなるという問題も含めまして、表土の関係や何かで減収がかなり数年にわたって続くという問題がございます。 そこへ持ってきて、今度は農家の自己負担、こういうものがかなりきびしいものがある。こういうことで非常に反対が起きる。それと減歩という問題ですね。特に河川改修などを中心にして圃場整備をやるというような場合には、特に減歩の問題は、農地に非常に愛着心を持っている農民の立場からすると耐えられない問題になってくる。こういうようなものがあるわけなんです。そういう問題について農林省はどういう対策を——土地改良のスムーズな、しかも、みんな農民が納得していけるような方向において、いま私が四つばかり例示をいたしましたけれども、そういう問題に対してどういう対策を用意されてこれから土地改良事業を進められようとするか、現に問題になっておるところをどういうように指導されるつもりか、こういう点についてお答えをいただきたいと思います。
○和田(正)政府委員 具体的な土地改良事業の実施にあたりまして、関係農家からの反対の原因をいま幾つかおあげになりましたわけですが、第一の、申請の手続がきわめて非民主的であるという御意見でございましたが、広瀬委員御承知のように、土地改良法の規定によりまして、最終的に事業計画が確定をし、設計ができ、また、事業費の総額等についてめどがつきました段階で公告縦覧の手続をいたしまして、その公告縦覧の手続を経て三分の二の同意書がとれたところで申請をし、さらにその申請を受けて、もう一度公告縦覧の手続をとって、異議のある人については異議の申し立てができるという制度になっておりますので、おことばではございますが、私は法律手続としてはきわめて民主的であり、最近のように兼業農家の多くなりました実情のもとでは、このような三分の二以上の同意という手続をとること自体にも、あるいは問題があるかもしれないというふうに考えておりまして、決して法制度論としては非民主的であるというふうには考えておらないのであります。ただ、現実の問題として、一部の地方の有力者等によるいろいろな動きがあるいはあったり、県側の行政事務の処理が適切でないという場合があるいは間々あるかと思いますが、そういう点につきましては、十分法律の趣旨なり精神が生きて、民主的な処理ができますように今後とも指導をしてまいりたいと思います。 それから二番目に、減収云々というお話がございましたが、土地改良事業を実施いたしますならば、必ず減収が起こるというようなことは実際問題としてはないわけでございまして、むしろ減収が起こるようなケースはまれなケースで、たとえば傾斜地等で表土をはがしたあとで事業をやって、さらに表土を埋め戻すというようなことをいたします場合に、傾斜をならす等のために、若干そういうことが工事施行上できないために心土が出てくるというような事情もありますが、一般的には、やはり減収になるのではなくて増収になる、そういう効果をあげて喜ばれておるというふうに私どもは考えております。 農家負担のことにつきましては、なるべく負担を軽減するということは、たてまえとして、原則として私ども広瀬委員と同じ意見を持っておりますので、今後とも機会がありますごとに国の補助率等を引き上げまして、農家負担の軽減につとめてまいりたいと思いますが、四十二年度につきましても、地元負担部分に見合います農林漁業金融公庫の融資の金利を引き下げる等の措置をとりまして、農家の負担軽減につとめておりますし、また、今後も機会あるごとに負担の軽減の方向で努力をいたしてまいりたいと思います。 それから最後に、減歩のことをおあげになりましたわけですが、最近の農業事情に対応いたしまして、農道の拡幅をいたしますとか、あるいは新たに水路を設けますとかいう場合には、やはりある程度減歩ということが出てまいるわけでございますが、最終的には、それを換地処分その他の措置によりまして、関係者全体の平等の負担になりますような方向で検討いたしまして、特定の人が犠牲になることのないように指導をいたしておるわけでございます。しかし、ある程度の減歩は、工事の性質によってはやむを得ない場合もあろうかと思いますが、たとえば、その付近になお開拓をいたす余地のある山林、原野等がございますれば、それをも取り込みまして、農家の経営面積が実質的に減少しないという消極的措置ばかりでなしに、さらに経営規模の拡大がはかれますように、開拓事業も含めた事業を実施していくという配慮も、場所によっては可能であろうかと思います。 いまおあげになりましたような反対意見につきましては、特に農家負担の軽減等につきましては、今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○広瀬(秀)分科員 時間がないので残念なんですけれども、法制的には、なるほど民主性は確保されておると私も思うのでありますが、実際の運用の段階で、その公告をするというような方法、そしてそれがほんとうに農民自身に納得され、よく農民が理解できるかどうかというような実際の問題がございます。さらに、土地改良区における役員なり、あるいは県の役人が行って説明会を持つというようなことなんかもあるわけでありますが、そういう場合に、きわめて不親切な説明、そして実際の姿と違った、ほんとうに軽微な形でやるのだというようなことを言っておいて、そして実施計画ができる段階では、まるきり違ったものになっているというような例が非常に多いという現実があるわけです。これは実態を見ますと、ほとんどがそういう形になっています。説明するときには、負担もたいへんありませんよ、それから河川の問題なんかも、それほどいじるわけでもございませんと、いいことばかり幾つか並べて、減歩の問題なんかは極度に低い減歩率ですというような説明をやっている、こういう事例が非常に多いのです。それで、だまされたというケースが非常に農民の中に多い。だから、こういう面では、本省等においても、県営事業であるからといって県だけにまかせずに、そういう問題は十分監視をし、指導をしてもらう、このことが必要であります。 それから、これはまとめてあとで大臣に答えてもらいたいと思いますが、減歩率等をできるだけ少なくするという問題については、まあ努力をしてもらわなければならないわけでありますが、減収が大体においてないという問題、これは場所によっても違いますけれども、大体土地基盤整備をやったところ、土地改良をやったところへ行くと、もってのほかだというようなことを聞くわけであります。少なくとも一俵や二俵は反当たり減収になっているというようなことをいわれるわけです。この点は、やはり農民の言い分と県あたりの係員の言うことは若干差があります。しかし、そういう例などを実際に直接見聞きしている農民は、やはりそのことを土地改良にあたって非常におそれる、こういうこともありますので、そういう点は十分注意していただかなければならないと思います。 それから、どうしても絶対的にある程度の減歩が起きるという場合が非常に多いわけでありますが、そういうものに対して、減歩補償というような形で国が責任を持つ、国がいわばそういうものを補てんしてやる、こういうようなことについて考えられないかどうか、これが一つであります。これは大臣に答えていただかなければならぬと思います。 それから、特に県営事業としての南金丸の圃場整備の問題、それから西鬼怒の開拓パイロットの問題、こういうことで非常に根強い相当数の反対がいまだにあるわけでありますが、これらについては、いま局長お答えになったような具体的対策を示して、心配のないようにという形で、無理押しをしないように、この点要望をいたしておきたいと思います。
○和田(正)政府委員 いま具体的におあげになりました南金丸の地区あるいは西鬼怒の地区のうち、南金丸の地区は、四十二年度に県庁側から新規の県営事業として採択してほしいという話がございまして、現在事務担当者で検討いたしておる段階で、まだ採択をするかどうかということがきまっていないのでございますが、関係者の中に先生おっしゃるような意味での反対者がございますれば、できるだけ民主的な説得の方法を県庁側からとらせるように、指導をいたしたいと思います。 それから、西鬼怒の開拓パイロットの地区は、鬼怒川の河川改修の建設省の工事との関係がございまして、建設省側が河川改修をまだ着工をいたす段取りになっておりませんので、そのほうの建設省側の河川改修工事が着工になりませんと、農林省側としてもそれを採択することはできませんので、現在は、四十一年度に調査の予算を計上して補助をいたしましたが、四十二年度以降は、しばらく建設省の河川改修事業の出方を待ちまして、調査自体も休止をいたしたいというふうに考えております。 なお、いま二つおあげになりました地区も含めて、一般的に、農家の説得あるいは農家に対する説明のしかた等がきわめておざなりであり、場当たりであるという御指摘がございましたが、そういうことがございませんように、法律上、制度上の手続を踏まえて、民主的によく話が末端まで浸透し、みんなが喜んで仕事を申請してきますように、できるだけ県を指導してまいりたいと思います。 なお、やむを得ない場合の減歩に対する補償措置について、国でめんどうを見るべきではないかという御意見がございましたが、制度のたてまえとして、関係農家の申請主義という形で採択をいたしておりますような関係もございまして、国で減歩の補償を見るということはできないのでございます。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたように、関係地区内に未墾地等がございますれば、それをも取り込んで農地造成をあわせて行ないまして、農家の経営面積が実質的に減少しないような、そういう事業のやり方は、立地条件によっては可能でございますので、そういうことにつきましては、その土地の条件、条件に応じて処理をしていきたいというふうに考えております。
○倉石国務大臣 ただいまお話のございました土地改良等に対して、やはりいま申し上げましたように、地元の計画に基づいて申請してまいるのでありまして、したがって、減歩というようなことについては、なるべくないように指導いたしたいと思いますが、国家がこれについて補償するということは、たてまえ上いかがかと思いますので、いま、そういうことは政府としては考えておりません。
○広瀬(秀)分科員 これは法律のたてまえからいえば、そういうことだ。しかし、これは政策の問題だと思うのですよ。その点を聞いているので、たてまえ上は、申請して、おまえたち幾らかでもよくなるのだから、それはもうという議論もあると思いますが、そうではなくて、日本の農業を振興していく、そのために一番大事な基盤整備をやる、こういうような政策として、これはやはりその程度のことをやって、農業振興をはかっていくという政治的判断はないのか、こういうことを聞いているのであって、事務ベースならば、大臣の答えを聞く必要はないわけであります。 それともう一つは、農家負担を減らす具体的な方法、構想、こういうものを努力しますということを局長言われたのですけれども、その点について、具体的にいま考えているものが、ただばく然と負担を減らすように努力しますというだけでなしに、どういう措置で——補助率を引き上げるのか、あるいは金融面での利子負担を軽減するとか、あるいは自作農創設維持資金を借りた場合の据え置期間は、少なくとも利子ぐらいは免除してやるとか、そのうちのどういうことをいまお考えになっているか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
○和田(正)政府委員 農家負担の軽減につきましては、毎年の予算の編成におきまして、まず国庫の補助率の引き上げということで、大蔵省と話し合いをしてまいりまして、ずっと過去から歴史をさかのぼってみますと、そのときどきの財政事情なり、その他いろいろな理由もございますが、逐時ものに応じて補助率の引き上げをしておりますことが一つ。 それからもう一つは、補助率等の引き上げができません場合にも、地元負担額を、国営等につきましては、工事完了後年賦で償還をさせていくわけでございますが、その償還年限の延長をはかりまして、地元負担の軽減措置をとりましたこともございます。 なお、四十二年度の予算編成にあたりましては、補助率の引き上げということはできませんでしたので、地元が負担をいたします部分につきましては、農林漁業金融公庫から融資をいたすわけでございますが、その融資の金利を一分引き下げをいたしまして、地元負担の軽減をはかったわけでございます。
○広瀬(秀)分科員 具体的に幾らになったのですか、何分になったのですか。
○和田(正)政府委員 六分五厘の現在の金利を五分五厘にしたわけです。来年度以降につきましても、補助率の引き上げあるいは金利の引き下げあるいは償還年限の延長というようなことにつきまして、全体の問題としては、今後もできるだけその三つをかみ合わせながら努力をするということは、先ほども申し上げたとおりでございます。
○広瀬(秀)分科員 努力されていることはけっこうでございます。しかし、いかにもやることがみみっちいわけであって、これは大臣にお聞きしたいのですが、せめて据え置き期間ぐらいは、利子支払いもたな上げしちゃって、これを取らない。そして据え置き期間が経過した後に、元利の支払いを開始する。あとへ送るんじゃなくて、その間は取らないということぐらいまでやる気はないですか。
○倉石国務大臣 一般論としましては、私どもはこういうふうに考える。つまり、わが国の経済を伸ばしていくためには、調和のとれた形であらゆる産業構造が平均して伸びていくことを期待する。しかるに、やはりここ数年来の傾向を見ますというと、非常に片寄った形で、一方の産業は著しい勢いで伸びている。これはやはり若干跛行的な傾向があります。一方において、私どもは食糧自給、農業を維持していかなければならない、こういうたてまえがあるわけであります。そのためにはあらゆる努力をいたしまして、調和のとれた、平均的に上昇していく方向をとらなければならない。そのために政府は、広瀬さんも御存じのように、大体国際的に見て、日本という国は、農業にはわりあいにきめこまかい施策をやっていると思うのです。しかしながら、おくれておる面もあります。そこで、いま申しましたような、たとえば土地改良によって減歩が出たものを国家で補償しないか、そういうことになりますと、ほかに波及する点も多々ありますので、国家としてはそういうことは不可能だと思いますが、いま申し上げましたように、たとえば金融について利下げをしてまいるとか、あるいは採択基準を拡大していくとか、いろいろ現状に即して、やはり農業が他産業におくれないだけの、わりあいに早いテンポで拡大していくことについては、政府としてもその方向で努力をいたすことは当然なことであります。具体的には、またそういう問題がありましたときに、私どもは考慮してまいりたいと思いますが、原則としては、そういう考え方であります。
○広瀬(秀)分科員 時間がないものですから先に移りますが、農業の問題は、これは他産業との均衡した発展という立場で御答弁があったわけですけれども、均衡ある発展ということをはかるならば、自然的、社会的条件に非常に恵まれない農業というものを、また経営の観点からいっても非常に劣悪な条件にある農業、こういうものに対しての制度としては、幾らでも——政府の補助がそれほどなくても、援助がそれほどなくても伸びていくところには、かなり思い切った助成策が、たとえば貿易自由化の段階でも、あるいは資本自由化の段階でも、あるいは産業新編成だ、産業新体制だという中で、そういう大企業等にはかなり思い切った政策が講じられている。しかし、農業に対してはどうもきわめて穏歩漸進であって、ほんとに中途はんぱなものが非常に多いわけであります。そういう点で、他産業との均衡ということを言うならば、ほんとうの均衡のためにはもっと思い切った、ある程度ドラスチックというくらいのものをやっても、やり過ぎだということはないのではないかと私は思うのです。そういう立場で、この問題も十分ひとつ前向きの御検討をいただくように要望をしておきたいと思うのであります。 次に、飼料の問題に移りたいと思います。これもどうも時間がなくなってしまったので、もう少し時間をもらいたいのですが、農業基本法で畜産三倍、果樹二倍という合いことばがあったわけです。そういうことで日本の畜産あるいは家禽なども含めて、大いに生産量をふやしていこう、こういう計画が行なわれたわけでありますが、おそらく、これは先般来牛乳の問題でいろいろ問題がありましたように、ここにきて牛乳の生産の伸びというものは非常に減退をしまして、一種の危機状態にある。その原因は、やはり主としてえさの関係にあるということすら言えるのではないかと思うのです。牛乳の原価構成の中で占める比率などというのも、購入飼料が三分の一ぐらい、あるいは半分に近い数字というものが出ておるわけでありまして、こういう点で、農業基本法で描いたビジョンに対して、えさをめぐる農林行政というものはほとんど野放し状態であって、わずかばかりの政府操作のえさがある。しかも、それはほんのわずか、十何%という程度のものでしかないというようなことで、えさの行政が著しく立ちおくれておると思うのです。畜産三倍という、そういうものに見合ったえさ行政のあり方というものは、一体どういうところにあるのか、どういうことをいま描いているのかということを聞いておきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 私どもも全く同感でございまして、畜産に対する需要というものは逐年増加いたしてまいります。将来の農業政策の中ではやはり畜産、なかんずく飼料の問題というものは非常に大きなウエートを占めてくると思うのです。しかし、まだ現在の状況では、御承知のように、やはりある程度輸入飼料に待たなければなりません。そこで、私どもとしては、草地造成、既耕地における飼料作物の増産、その他ぜひ国内における飼料の増産のことについて全力をあげていきたい。それからまた、濃厚飼料の原料等についても、今後十分検討を加えてまいりたいと思っております。
○野原主査 広瀬君に申し上げます。時間がなくなりましたので、次の西宮君にかわってもらいたいと思います。
○広瀬(秀)分科員 もうちょっと……。
○野原主査 何分ぐらい、二、三分で済みますか。
○広瀬(秀)分科員 五分ぐらい……。
○野原主査 だめですね。初めからの約束です。あまり超過すると、大勢発言者がおりますから……。
○広瀬(秀)分科員 きょうは四人でしょう。
○野原主査 五人です。
○広瀬(秀)分科員 残念ですけれども、それではこれで終わります。
○野原主査 西宮弘君。
○西宮分科員 私は、農林年金について若干お尋ねしたいのでありますが、その前に一言だけ、いわゆる農民年金についてお尋ねしたいと思います。 この間の選挙の最中に、総理大臣は、農民の恩給制度をつくる、こういうことを選挙でいわゆる公約をしておられたのでありますが、これに対してどういう構想を持っておられるか、まず伺いたいと思います。
○倉石国務大臣 恩給ということばは、わかりやすく申したのだと思いますが、農民年金ということを政府は考えております。それはやはり、日本の農業はあくまでも守っていかなければならない、拡大生産をしていきたい、しかしながら、現状のような日本の一般情勢の中で、この農業のあと継ぎに対しては、ある程度の保護的なことを考える必要もあるということで、農民年金という制度を考えております。それで、政府の予算書にも申しておりますように、それと同時に、また若干構造改善等にもお役に立つような方法はないだろうかというようなことを加味して、ただいま政府部内で二千数百万円の調査費をとりまして、どのようにしてわが国情に合うやり方ができるだろうかということについて、政府部内で相談をいたしておる最中であります。
○西宮分科員 私は、実はぜひ本年度、四十二年度から、実施をしてもらいたいというふうに強く期待をしておったのでありますが、本年度は調査費程度に終わってしまったということは、非常に残念であります。その調査費は、いま大臣もちょっと言われたけれども、いわゆる構造政策関係の予算の中に入っておるわけですね。今度の農民年金なるものは、あくまでも構造政策の一環として考えていく、そういうつもりですか。
○倉石国務大臣 いわゆる構造政策という狭義の意味でございませんで、ただいま農林省の中で、全般の農業政策について、われわれは現在の時点で大いに掘り下げて研究しなければならないのではないかということで、役所をあげて努力をしておる最中でありますが、その適当な名前が、まあ構造政策推進会議、こういうわけでございます。それで、御存じのように、後継者育成というふうな問題も、農業構造全体としての政策の中の一環として取り上げるべきだということでございまして、そこでそういう名前の調査費にいたしただけでありますが、必ずしも狭義の意味におけるいわゆる構造改善事業の一つだ、こういうふうにはとっていただかない方がいいと思います。
○西宮分科員 そういう考え方だと、私ども、かなりその内容に期待が持てると思うのでありますが、いわゆる構造政策の一つとして、新旧交代だ、そういうことを強行する、こういうことにだけ利用されるというようなことでは、私ども非常に不安だと思うのであります。そうじゃなしに、ぜひもっと広い視野から検討してもらいたいということを要請したいと思いますが、なお、この問題については、マスコミ関係などにもかなりいろいろ見解があるようであります。そういうことは新聞報道等で見ておるわけでありますが、農民の立場、現在の経済情勢のもとにおける農民の地位というものは、大臣十分御存じのとおりなんでありますから、そういう点で、農民の現在の置かれている立場、その特殊性、そういうものを十分にPRする必要がある。そうでないと、農民だけが何か特別に余分なものを、ぜいたくな要求をしているというふうに見られる懸念があると思うのでありますが、そういう点についてどういうふうにお考えですか。
○倉石国務大臣 まことに御説のとおりでございまして、私どもは、特に農民だけが手厚い国家の保護を受けなければならぬという、そういうことを言っておるのではございませんので、日本の産業構造の中で、農業というものの非常に大事なウエート、これを確保していくためと、もう一つは、あの健全な農村の気風、そして、ああいう自然を相手にする農業というものが日本の国土の中では守られなければならないりっぱな産業である、そういう意味において、農業をいたずらに国際競争の中にさらして、つぶしてしまうということは国策全体として非常にマイナスである、こういう意味で、やはり農業というものについては特段の考え方を持つべきであるということでありまして、特に、経済的に、農民であるがゆえにこれは保護しなければならぬという、そんな小さな考え方ではないのであります。
○西宮分科員 いま私の言ったのは、経済的に、農民であるがゆえに特別に保護しなければならぬ、いわゆる特殊な恩恵だ、そういうつもりで言ったのではないので、少なくとも、いま、たとえば所得の格差が大きく開いているとか、そういう現実があるわけですから、そういう点を十分に認識をさせないと、何か、農民だけが非常にかってなことを、いわば農民のエゴイズムでそういうものを要求している、そういうふうに見られるおそれがあるので、そういう点を十分PRしてもらいたい、こういうことを言ったわけです。その点はおそらく理解してもらえると思うのでありますが、時間がなくなりますから、そういう議論を避けて、最後にもう一つだけ言っておきたいと思うのであります。 それは、たとえば新聞の論調などでも、これによって農業の労働生産性が高まって、それによって農産物の価格が安定する、こういうことになるならば、国民は大いにこれを納得して協力するであろうというような見解を述べている。私は、これは確かに一つの聞くべき見解だと思うのですよ。傾聴に値する議論だと思うのであります。こういう年金制度というものをつくることによって農民の生活を安定さして、それによって農民の労働生産性を大いに高める、よってもって農産物の価格の安定に資する、こういうことはきわめて大事なことだと思うのでありまして、そういうことも十分に配慮をしながら、そういう方向で検討してもらいたいと思うのですが、時間がありませんから、この程度にいたします。もし大臣のほうに何か特別にお考えがあったら、ひとつ伺いたい。
○倉石国務大臣 お説まことに、私どもが考えておりますことと一致しておりますので、大いにそういう方向で検討を進めてまいりたいと思います。
○西宮分科員 それでは、農林年金についてお尋ねをいたしますが、農林年金については、昨年の国会あるいはその前の国会、四十六国会ですな、この国会でこの法案が審議をされた際に、特別に大事な問題についてそれぞれ附帯決議を行なっておるわけです。そういう問題も含めて、この農林年金の改善という点について、農林省として、農林大臣としてどういう点を配意されたか、まずお聞かせください。
○倉石国務大臣 前の国会でおきめいただきました附帯決議、ああいう御趣旨によって、私ども四十二年度予算をいろいろ検討いたしたのでありますけれども、例のスライド制その他、またほかのほうにもいろいろ影響のありますことでございますし、それについてまだ結論を得たわけではございませんが、なるべくあの御趣旨に沿うように努力をいたしたわけでございますけれども、とりあえず四十二年度予算では御承知のような処置で、将来負担が多くなるであろうようなときに活用できる資金として、ああいうものを計上いたすにとどまった、こういうことでございます。
○西宮分科員 将来負担が増高するであろうそのときに備えて若干の予算を計上したという話でありますが、将来の負担が増高するという問題以前に、現在の負担が高い、こういう問題がすでにあるわけですね。そういう点についても、当然附帯決議その他を考えるならば、措置がなされねばならなかったはずだと思うのでありますが、そういう点については何もないのですか。
○倉石国務大臣 御承知のように、農業団体の経営内容と申しますか、それから従業者に対する報酬等、それぞれ当該企業の内容のいかんによっては、だいぶ全国的に格差はございます。そういうことは、ああいう性質の農業団体でありますから、政府がこれについてどのようにするか、もちろんできるだけその経営内容をよくし、従業員の待遇をよくされるように、こちらも希望し、指導するのは当然でありますけれども、結論から申し上げまして、四十二年度予算には御承知のような措置しかとれなかった、こういうふうにひとつ御了解願いたいと思います。
○西宮分科員 つまり私が指摘したいのは、大臣は例の今回計上した四千万の予算ですね、将来負担がふえる、こういうことに備えての準備だというお話に対して、私は、いますでに問題があるんじゃないか。現在の負担なり、あるいは現在の給与内容なり、そういう点に問題があるんじゃないかということを、いま特に指摘をしたかったのですが、これが国会の附帯決議だけでなしに、たとえば総理府に設けられた社会保障制度審議会ですね、ここで昨年農林大臣あてに出された意見の中にも、たとえば、「厚生年金保険の給付に対する国庫負担率は昨年の法改正によって百分の十五から二十に引上げられた。この制度は厚生年金保険制度から分かれたもの」この制度というのは農林年金ですね、「この制度は厚生年金保険制度から分かれたものであるし、この点についても考慮を払う必要がある」それからずっと飛ばしていって、「この組合員の標準給与が極端に低いこと等の理由により、掛金率が他の組合に比して高いにかかわらず、整理資源の確保に欠くるところがある」というようなことを指摘をしているわけですね。もし何なら、局長から答弁をいただいてもけっこうでありますが、とにかく、こういう点について社会保障制度審議会においても指摘をしているということは、たとえば国庫補助率の問題あるいは整理資源の問題、こういう点についてきわめて措置が不十分だということを指摘しておるわけなんだが、そういう点について、もう少し積極的な対策はなかったのですか。
○森本政府委員 社会保障審議会で、いま御指摘がございましたような御意見がありますことも承知をいたしております。それからしばしば御引用になります国会の附帯決議においても同様な趣旨の附帯決議が付されておるということも、私ども承知をいたしております。ただ、掛け金率が形式的な数値でもって他の組合と比較をいたしまして、単にどれだけ高いというふうなことだけ.では、この問題は一がいに実質的な比較としては必ずしも十分ではないというふうな点もございまして、私どもとしては、確かに掛け金率が他の組合に対して高いということは承知をいたしておりますが、それをいかように評価をし、いかような手を打つべきであるかということについては、なお十分実質的な比較等を検討する必要があるというふうなことで、今回の予算折衝においては、一応先ほど大臣から申し上げましたようなことで了承いたしたい、こういう経緯でございます。
○西宮分科員 それでは具体的にお尋ねをいたしますが、たとえばいままでの附帯決議で、昨年もそうだし、その前もそうでありますが、いわゆる旧法期間の者について新法を適用し、完全通算をしろ、こういうことは毎回いの一番にうたわれている問題なんですが、そういう点については今回考えなかったのか。
○森本政府委員 それも国会の附帯決議がございますし、また各組合員からもきわめて強い要望があるということは十分承知をいたしております。ただ御案内のように、昨年度の法律改正によりまして、旧法期間の取り扱いについては、平均標準給与の計算のしかたは大体他の組合と一致した、こういう形になっております。残る問題は、御指摘がありましたように、給付率の問題でございます。それは大体他の組合におきましても、現在の農林年金の制度と同じということになっております。したがいまして、こういうふうな問題を考えます際には、同種の年金についての均衡ということが、制度を検討する際にきわめて大きな考慮要素になるということもございまして、従来から強い御要望でありますことは承知をいたしておりますが、他の同種制度との均衡について、なお十分検討すべき点があるということで、将来引き続き検討していきたい、こういうことでございます。
○西宮分科員 ほかの制度と給付率は同じなんだというお話だけれども、たとえば公共企業体共済ですね、これなどは旧法も新法もともに最終本俸を使っているわけですね。あるいは国家公務員、地方公務員等の場合は、旧法の場合には最終本俸を使っておるわけです。そういう点でたいへんな違いがあると思うのだが、それはどういうわけですか。
○森本政府委員 御指摘のような相違が農林年金と国家公務員あるいは地方公務員の間にございます。ただ、多少細部にわたりますが、国家公務員なり、あるいは地方公務員のほうは最終本俸、農林年金その他は全給与ということになっております。したがいまして、期間は、最終とある一定年限の平均ということで多少劣るような形式になっておりますが、給与の対象としては、農林年金なり、それに同種バランスをとっておる年金においては、広い対象になっておるといったような点も考慮しなければならぬ。それからまた御案内のように、政府からの補給金、補助金、補助金の率といったようなものについても、農林年金のほうは一六%、それから国家公務員なり、地方公務員のほうは一五%といったような点もございます。そういうものを総合的に勘案をして、いかなるバランスというふうに評価をするか、これまたきわめてむずかしい問題でございます。そういう点についても十分今後検討を深めていきたい、こういうふうに考えております。
○西宮分科員 たとえば国家公務員等においては、あるいは公共企業体等でも最終の本俸だ、それから農林年金のほうは給与だという点で内容が違うという話だけれども、全くそのとおりですが、その実態は、給与、つまり本俸以外のすべての諸手当を合算した給与が、国家公務員などの本俸よりもはるかに低いので、これはもういろいろな調査でおわかりだと思うが、どうですか。そういう調査お持ちにならないですか。
○森本政府委員 私が先ほどお答えを申し上げましたのは、給与の水準の比較という意味で申し上げたのではございません。要するに、年金を計算いたします際の給与の対象といいますか、諸手当がありますから、そういう諸手当等も含めた総体の給与であるか、あるいは本俸だけであるかという違いを御説明申し上げたわけであります。他の同種の組合に加入しておる人々との給与水準の比較ということをお尋ねでございますれば、全部はいま手元にございませんけれども、たとえば市町村の共済組合の組合員につきましては、月額にいたしますと約二万九千円といったような形になっております。農林年金のほうは約二万四千五百円というふうなことになっております。一例でございますが、手元の資料ではその程度のことがわかっております。
○西宮分科員 つまり、私の言ったのは、本俸とかあるいは給与とか、そういう違いだけでは議論にならない。もっと実態を究明しなければ意味がないということを言ったので、農林年金の該当者の場合は、いずれも全体を含めた給与そのものが、たとえば公務員の本俸に比べても少ない。こういう実態、そういう現実なので、それに対して十分な制度が設けられなければならぬ、こういうことを言ったので、単に一方が最終年次をとっているけれども、それは本俸なんだ、農林年金のほうは三年平均になっておるけれども、それは給与全体を見ているからいいんじゃないか、そういう考え方では、私ははなはだ納得できないと思うのです。 私は、そういう点で、とにかく少なくとも、いずれにしても旧法期間に新法を適用しろ、こういうのが年来の主張なんですね。そしてまた、これは理論的に言っても当然なことだと思う。せっかく新法のほうには四〇%というのを適用することになったのですから、それが合理的だ。これがたとえばILOの一〇二号の条約であるとか、あるいはマイヤースの勧告であるとか、そういうのを見ても、期せずして同じことを言っているわけですね。だから、それに見合わせて、新法についても四〇%という制度をつくったのでしょうから、それが合理的だというならば、当然同じことが旧法にも適用されてしかるべきだと思うが、これは大臣、こまかい問題のようでありますけれども、この農林年金制度の問題においては、一番大事な問題として常に論議されておる問題なんですよ。ですから、ぜひ大臣もこの点について認識をしてもらいたいと思うので、私は特に申し上げておるのだけれども、どうですか。こういう点についてこれから先、早急に改善する、そういう意図はお持ちになりませんか。
○倉石国務大臣 大事な問題でございますから、将来十分検討したいと思います。
○西宮分科員 それでは、将来大いに検討するということでありますから、われわれ多大の期待を寄せたいと思うのですが、ほんとうは、これは今年度実はやってもらいたいと思ったことなんですよ。去年の法改正で国会で附帯決議をつけて通す際にも、ことばとしては明確になっておりませんが、四十二年度以降においてというようなことで、四十二年、来年やる、そういう気持ちでみんなが附帯決議に賛成をしたと思うのですが、われわれも、とにかくこれは長い間の問題ですから、ぜひ四十二年度、本年度で解決をしてもらいたいという期待を持っておったのです。それが実行されないというのはきわめて残念でありますが、大臣の言うように、重大問題でありますから、ひとつ早急に改善をはかってもらうということを強く要請しておきたいと思います。 なお、それにあわせて、さっき局長との問答の間にも出てきた最終年次の俸給をとるかどうか、あるいは過去何年かの平均をとるかという問題についても、たとえばさっきも言いましたように、国家公務員では旧法の場合は最終をとっている、地方公務員も同様ですね。あるいは公共企業体等では、新法も旧法も最終年次をとっている。こういう情勢でありまするから、農林年金においても同様の措置をしてもらいたい。これはいまのように物価の変動が激しく、したがって、ベースアップというようなものが激しい時代においては、どうしてもそうでなければついていけないんじゃないかと思う。ぜひともその点もあわせて検討してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 それでは、その次のスライド制の問題でありますが、これはこの前、去年の法律改正でいわゆる原則は出たわけですけれども、しかし、非常に抽象的な原則論をうたったにすぎないので、実際に直ちにこれが発動するという体制にないわけですね。どうですか、これを実施に移すという点でもう少し明確化する。それにはいろいろ方法はあり得ると思うのですが、たとえば物価の変動が何%のときにはどうするというようなきめ方もありましょうし、あるいはまた、そういう物価の変動をとらえるために、たとえば審議会等を設けてその判断に待つということもありましょうし、いずれにしても、そういう物価の変動に応じて自動的にこれが改善をされるという措置が講ぜられないと、何の意味もなくなってしまうと思うんだが、その点についていかがですか。
○倉石国務大臣 この問題は非常に大事な問題でございまして、私どもも、ほかの年金受給者等のことにつきましてもいろいろいままで検討いたしまして、そこで、ただいま御指摘のように方向づけは行なわれたようでありますけれども、ほかの、たとえば公務員であるとかあるいは他の共済制度、そういうことにも重大な関連がありますので、これは政府部内で十分に検討して何らかの方向をきめるべきだと思っております。
○西宮分科員 次に、国庫補助の問題でありますが、農林省は、昨年は二〇%の要求をしたのでありますが、ことしは、私の知る限りでは、そういう要求をしなかったと思うんだけれども、もしことしやらなかったとすれば、なぜであったか、これは局長でもけっこうです。
○森本政府委員 先ほどお答えを申し上げましたように、本年度は予算要求の重点といたしましては、昨年度法律改正の際に、特に議員修正で挿入をされました財源調整に関する補助金というのをせっかく法文化されたわけでありますから、その初年度として予算的措置を裏づけするということが、何よりもまして重点であるというふうに感じましたので、予算要求としては、それに重点をしぼるということで要求をし、折衝をいたした次第でございます。
○西宮分科員 その財源調整の問題も、たとえば整理資源の問題等で言うならば、農林省が要求した予算もきわめて少ないと思うのですよ。ことしの予算について一億六千八百万要求をしているように私は承知をしておりますけれども、もし、この整理資源は国が負担する、そういう考え方でやるとすれば、そしてまた、それはいままで何回となく国会の附帯決議等では、整理資源は国が負担すべきであるということをいっておるし、あるいは、さっき申し上げた社会保障制度審議会においても、整理資源の確保に欠けるところがある、こういう点が指摘をされておるので、あくまでも整理資源は国が負担をするというたてまえで考えていくべきだと思うのであります。そういう点から考えると、この間要求された予算の要求そのものがすでにわれわれは少ないと思うのであります。しかも、実際の査定の結果は、さらにそれが四分の一足らずにおさまってしまった。こういう状態で、われわれとしては、これではどうしても問題の解決にはならない。先ほど来大臣あるいは局長の言っているような負担の軽減なり、あるいは給付内容の改善なり、そういうのに役立たない、せっかく国会で修正をしたいわゆる財源調整という、そういう目的にも十分沿っておらない、こういう点が問題だと思うのですが、その点どうですか。まあ、要するに、これで十分だという見解ですか。
○森本政府委員 私どもとしましては、予算要求の段階におきまして、まあ、少ないという御指摘がございましたけれども、一定の計算に従いましてあのような額を要求いたしたわけであります。ただ、財源調整に関する補助ということになりますと、単にその内容としては、整理資源に対する補助ということのみでは必ずしも条文の解釈としてはございませんので、各種の財源調整のために必要な補助も内容として含まれておるというふうにも思われるわけであります。そういう観点からいきまして、四十二年度の予算といたしましては、整理資源に対する補助というふうな狭い意味の内容でもって議論をいたしたわけでもございませんし、あらゆる意味における財源調整のための補助ということで要求をいたしました。また、予算折衝におきましてついた説明でも、やはりそういうことに実はなっておるわけであります。そういうことでございますので、額といたしましては、初年度でございますから、必ずしもあるいは御指摘のように十分ではないかもしれませんが、ともかくも、先ほど来御説明をいたしておりますように、条文ができました初年度でありますから、予算措置をするということが第一の条件であるということで、とりあえず四千万円を四十二年度は計上する、そういうことで予算的な折衝をいたしたわけでございます。まあ、将来そういうこともございますので、毎回の予算折衝の段階におきまして、この額等につきましては十分検討していきたい、こういうふうに思っております。
○西宮分科員 いわゆる財源調整は整理資源そのものではないという考え方は、それでけっこうだと思うのですよ。法律も財源調整ということばを使っておるわけですから、それはそれでけっこうだと思う。それに、その目的のために、少ないながらも予算が組まれたということは、その意味では大いに評価してよろしいと思うのです。私はそれと切り離して、いま一緒に申し上げたのであるいは混同されたかもわかりませんが、その整理資源の問題について、せっかくきょう大蔵省からも来ておられるので見解を聞いておきたいと思いますが、たとえば、整理資源の負担は国がすべきであるということを、国会の決議等では何回も決議をしておるわけです。そしてまた現実にも、たとえば国家公務員については国が負担をしておる、地方公務員は自治体が負担しておる、あるいは公共企業体は、国鉄その他そういう公共企業体が負担しておる、あるいは私学共済の場合には、半額は私学振興会が負担をしておる。しかし、その私学振興会なるものは、国の助成を受ける団体である。こういうことで、実質的には国の負担において全部あるいは相当額の負担をされておる。こういう現実なんでありますが、そういう考え方に立って、整理資源は国が持つ、そういう基本原則を確立できないかということについて聞かしていただきたい。
○嶋崎説明員 私は農林担当の主計官でございます。農民年金ということで、私のほうの関係だろうと思うので実は聞いておりましたのですが、農林年金のほうは厚生省所管の主計官が担当しておりますので、いま呼んでおりますので御了承願いたいと思います。
○西宮分科員 いやいや、質問したのは農民年金じゃない、農林年金ですよ。
○嶋崎説明員 ええ、だから厚生の主計官を呼んでおりますから……。
○西宮分科員 それでは、いまいないようですから、これは保留しておきましょう。 それじゃ、一言だけ、ほんの二、三分です。適用団体を拡張するという問題はどうですか。
○森本政府委員 適用団体の拡大の問題でございますが、一つは、現在厚生年金に入っておる者を農林年金のほうに加入させるという性質のものでございます。何ぶんにも御承知のように、農林年金は強制加入というふうな制度でございます。そういうことから、いろいろな団体について適正な基準を設けて、具体的な団体を選んでいくというふうなことにしなければまずいと思います。ただ、その基準につきましては、なかなか御案内のように何人も了解をするといいますか、満足をするような基準をつくるということは、従来からやっておりますのでいろいろな案がございますが、そう簡単にはできにくいというふうな実情もございます。したがって、まだ現在の段階では成案を得るまでに至っておりません。これはそういう意味からいって、基準をしくのはなかなかむずかしい作業だというふうに思います。しかし、なお将来十分検討していきたいと思います。
○西宮分科員 これは、実は四十一年度一ぱいに結論を出すということを前に答弁しておるんですよ、国会で。ですから、当然にもう結論が出ておらなければならないはずだと思うんですが、出てないとすれば早急にやってもらって、われわれはできるだけ範囲を拡大してもらいたい、こういう線で極力検討してもらうということを要請しておきます。 大臣に、これも問題でありますから、ひとつ記憶にとどめておいてもらいたいと思うのですが、それは、女子職員の問題が非常に不合理あるいは不利な扱いをされておるわけです。これは勤続年数が短いとか、そういう女子職員の勤務の実態からくる違いなんでありますから、これは当然に改善をされなければならぬと思う。ただし、それを改善するために、その負担を男子の職員がかぶるということでは、さなきだに負担の過重されておるこの制度で、とうてい耐えられないと思うんですよ。ですから、そういう考え方でなしに、ぜひ政府が一はだ脱いで、女子職員の給与改善、これは現に厚生年金等ではとられておるのですから、それはぜひやってもらいたい。時間がなくなりましたから答弁はいただかなくてもけっこうですから、十分この点は認識しておいていただきたいと思います。
○野原主査 美濃政市君。
○美濃分科員 私は酪農近代化計画についてお伺いしたいと思います。 まず最初に、今回農林省でつくられました酪農近代化計画というのは、かなり大幅に生乳の生産を拡大しようという計画ですが、これは非常に現在の施策と矛盾が多いので、おそらく現在の施策をもってこの近代化計画を推進しようとしても、絵にかいたもちになるのではないかということを考えておるわけですが、大臣はこの点どのようにお考えになっているか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 御承知のように、最近のわが国の国民の食料に対する嗜好の動向を見ますと、酪農関係、果樹、そういうものの需要が非常に多いわけでありまして、ことに酪農につきましては、特段の力を入れなければならない問題であります。したがって、ただいまお話しのように、農林省といたしましては、酪農の増産について全力をあげてまいりたい、そういうことでございますので、いまいろいろ現状に即して矛盾も多いというお話でございましたが、私どもは、一応あの方針でやっていきたい、こう思っております。
○美濃分科員 それでは次に、まず、その矛盾の解消についてお伺いをいたしたいと思います。まず第一点として、今回の保証価格の中に算定されておりますいわゆる建物費、これは百キロ当たり七十八円であります。この建物費、現在の畜舎、乳牛一頭当たりの設備は、大体、寒地畜舎にいたしますと十五万ないし十八万円であります。これで逆算いたしますと、三十五年償却ということになります。そうすると、一面には、この計画はかなり大幅な頭数増加が見込まれておるわけですが、これだけの頭数が増加すると、必然的に設備増加というのが伴ってまいります。そうすると、最近の多頭飼育農家あるいは共同経営畜舎、これが非常に第一点として苦しんでおることは、借り入れ金の償還、金利、この下積みになっておるわけです。それに恐怖を抱きまして、多頭飼育あるいは共同畜舎というものに対する経営上の恐怖心が起きているわけです。これは、乳価とこれとが合っていないということであります。その恐怖心を抱かせないようにするということであれば、生産者が要求しておる九十二円乳価、こうなります。九十二円乳価は、現在のコストに対する正しい要求であります。 しかし、一面、この乳価の中では、それをやったのではやっぱり消費者価格に波及をしてくる、だから生産対策でやるのだ、こう繰り返し答弁をされたわけです。生産対策でやるということになれば、乳価の中に見積もられておる償却費から逆算をすると、三十五年資金が必要である、こうなるわけですが、そういう制度なしに、これだけ大幅な頭数増加を計画しても、私がさっき言ったように、絵にかいたもちになる。これだけの頭数増加は、四十六年まで四カ年では農民が実行することができないということであります。この点、いかように考えておられるか。
○岡田(覚)政府委員 ただいま御質問の償却費の件でございますが、これにつきましては、保証価格としましては、生産費調査の実績として出てまいりましたものを一応あげておるわけでございます。そこで、全部新築ということになりますと、これは問題があると思いますけれども、現在の実績からしますと、そういうふうなことで計算するのも無理ではなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、御承知のように、現在酪農関係の資金といたしましては、農業近代化資金とそれから畜産経営の拡大資金、北海道の寒冷地畑作営農改善資金というふうなものがあり、金利は、畜産経営の拡大資金と寒冷地の畑作営農の改善資金は五分五厘で、償還期限はそれぞれ十五年、二十五年、こういうことになっております。大体こういうふうな点から考えまして、現在の金利制度がおおむね妥当ではなかろうかというふうに実は考えておるわけでございます。
○美濃分科員 私は、いまの答弁は全く間違いだと思います。借り入れ金のない農家のいわゆる経営実態から見た場合、これは相対的には七十八円という償却が必ずしも不足だとは私も考えておらない。しかし、これだけの頭数を増加するには借り入れ金をもってしなければならぬわけであります。三十五年償却で一応乳価の中に見込まれて、ただいま局長の説明のように十五年ないし二十年資金でそれを払えということになれば、これは農民には資本増加という方法はないわけですから、実際の農業の振興は、やはりその価格に見込まれた償却金額が即支払い条件でなければならぬと思うわけであります。元金の支払い条件でなければ経営の実態が合わないわけです。いまの説明では、これは全然前向きに進んでいかぬわけです。答弁になっていないと私は思うのです。
○岡田(覚)政府委員 金利につきましては……。
○美濃分科員 金利はあとでやりますから、まず最初に償却……。
○岡田(覚)政府委員 償却につきましては、全部新築という形では保証価格の基礎としては取り上げていないわけです。現状を調査しまして、いろいろな形の建物があるわけですから、その現状を基礎にいたしまして、その価格を保証するという形をとっておるわけでございます。
○美濃分科員 だから、私の言っておるのも、この価格に見込んだ償却費が安いと言っておるのではないのですよ。ですから、新しくこの近代化計画を推進する設備投資は三十五年資金でなければ、これだけの計画が、まず、ことしの生産に見込みました、いわゆる乳価をきめましたことしの生産量から見れば、ことしを除いたあと四年間で約倍ですからね、生産増加は。そうすると、これの設備は借り入れ金でなければ——自己資本を造成してからという性格のものでないと思うわけです。たとえば二〇%ぐらいの自己資金は当然としても、八〇%までは借り入れ金、いわゆる制度資金の推進資金を伴わなければこの体制にならないと私は言っておるわけです。新しくつくったものに対して、償却に合う年限の金融制度を必要とする、こう言っておる。ですから、自己資金で達成しておるものは、それで大体いいと私も思うのです。だから、乳価の中に見た償却費が特に安いと言っておるのではなく、これから新しく増設する、借り入れ金をもってこの計画を達成していく過程における資金は三十五年資金でなければ、十五年や二十年の資金では、いわゆる未償還という問題が出てくるわけです。いわゆる償還ができないという問題が出てくるわけです。その点をどう考えておるか。
○岡田(覚)政府委員 新しくつくります場合には、初度対策として相当要るわけでありますけれども、償還の問題といたしましては、要するに経営全体の問題につきまして考えていくわけでありますけれども、金融の問題といたしまして、こういう点につきましてはわれわれとしても今後十分検討してまいりたいというふうには考えております。 〔主査退席、亀岡主査代理着席〕
○美濃分科員 その次に、今度金利の問題でございますが、金利は同じく二百八十一円である。これは多頭飼育を推進していきますと、畜産経営拡大資金と合わせて借り入れ金で導入が行なわれる。先ほど申し上げたように、これだけの計画を達成するということになれば、導入も、一面ある程度借り入れ金に依存せざるを得ないということになります。急速達成であります。そうすると、十五万ないし十八万の畜舎を建てて、十五万ないし十八万の牛を一頭入れると、最低で三十万ということになる。標準は三十三、四万になります。そうすると、それに対して、この百キロ当たり二百八十一円、これも借り入れ金なしに多頭飼育目標をもう達成しておる農家もあるわけですから、乳価の中に見た二百八十一円、これも償却と同じように、特に安いと私は言うんではないのだが、しかし、多頭飼育を推進する過程において、借り入れ金をもってやらなければこれだけの頭数増加にはならないと私は言っておる。借り入れ金をした者に対しては、現在の実勢は、大体一部制度資金、一部農協等の借り入れ金になっておりますから、それを合わせた資金コストは、実勢は七分ないし七分五厘かかっておると思うのです。そうすると、この二百八十一円というのは、三十万で、これも現在の実勢、乳牛一頭四千キロないし四千二、三百キロで逆算をいたしますと、三分五厘ということになります。資本利子四分切れるわけです。そうすると、さっき申し上げた年限は検討すると言うから、これから十分検討してもらいたいと思いますが、利子については三分五厘資金でなければだめだ。これは西欧諸国でもこの種の農業振興、片や農業振興というよりも、ことしのいわゆる乳価という問題からいくと、一面政策によってコストを下げて、そうして農民のコストを下げるという政策ですから、私は一面これは消費者対策だと思うのです。特に農業を守るというのじゃなくて——特に農業を守るというなら、九十二円乳業価格政策一本で守ってやればいいと思うのです。そうすれば、そういう政策は要らぬで、いまの現況で九十二円の乳価が確保できれば、この近代化計画に向かって旺盛な生産意欲が起きてまいります。それはしかし、一面国民の食生活につながるものであるからできないと言うのです。生産対策でやると価格政策の中では言っておるわけでしょう。そうすると、金利は三分五厘金利にして推進する。その三十五年三分五厘資金をつくるということは、何も農民のためでなくて、一面物価対策と消費者対策である、こういえると思うのです。この点に対する考え方……。
○岡田(覚)政府委員 その保証価格の中で算定いたしております金利は、この前も説明いたしたかと思いますが、借り入れ資金としてば七分四厘五毛ということで計算いたしております。 〔亀岡主査代理退席、主査着席〕 それから自己資金につきましては、年五分五厘ということで計算いたしておりますので、すべてが借り入れ資金ということではございませんで、自己資金も相当出されておる。こういうふうな関係から申しますと、私は、現在の金利でいまの保証価格に算定をしてありますものでいいのではないかというふうに実は考えております。
○美濃分科員 どうもこれ、一ぺんずつ答弁と考え方が食い違っていくのですがね。私も繰り返して、いまの局長答弁が食い違いますから言いますけれども、価格に見込んだ利子が安いと言っておるのではないのです。これは自己資金体制でできておるものもありますから。ただ、この近代化計画で、頭数も乳量も倍なんです。これを五年間で進める、こういうのでありますから、この計画を進めるには、いわゆる新しく借り入れ金をもって設備投資をして、この計画に向かって生産開始をしようとする農家には、この乳価の中で見た利子で多頭飼育の設備ができるのですか。導入のできる一致した姿勢でなければ、そんな当庁の調査に基づくなどという、自己資金でコストの安いものとプールしたこの乳価の中で見込んだ金利で、借り入れ金をもってやった場合にどうなりますか、払えないでしょう。実勢金利を払う金利体系は乳価の中にはないわけですから。労賃は労賃で——まあ労賃は参考ですから答弁は要りません。労賃は労賃で、その労賃から払う部分は全然見込まない。まだまだ他産業から見たらずいぶん格差のある安い労賃でことしもしゃにむにきめてしまう。労賃所得の中から払う能力はないわけです。ここを合わしておかなければ、農民は多頭飼育を、借り入れ金をもりて大幅に近代化をやった場合、これは払えないのじゃないですか。支払い財源がどこにもないのだから。だから、これが安いと言っておるのではないのです。それに合わす資金が必要である。
○岡田(覚)政府委員 経営を拡大いたします場合に、全部借り入れ資金に依存するということは、私は必ずしもないと思います。自己資金というものもあると思うわけであります。そういう形で新しい設備がなされ、農家に乳牛が導入されていくということになるわけであります。この償還は、もちろん全体の収益の中から償還されていくわけでありますけれども、私が申し上げましたのは、保証価格に入れております金利につきましては、現在自己資金とそれから借り入れ資金というものを基礎にいたしまして、一定の金利というものを前提にした価格が保証されるという形になると思うわけですから、そういう形で乳価の、要するに収入の中から払われていくというふうに考えますと、現在の金利体系というものはそれほど問題はないのではないかと実は考えております。
○美濃分科員 平行線になる分はいつまで質疑をしておっても平行線で、一応時間の関係もございますから、いまの局長の答弁は実勢を知らないと申し上げておきます。そういうものではない。これだけの計画を進めるというのでありますから、これだけの計画を進めるには、この計画を進めるいわゆる資金量と、ただいま申し上げた年限と、この乳価の中で見込んだ金利、大体利子に近い金利体系の推進資金をつくらなければこの達成は不可能である、絵にかいたもちになる、こう申し上げておきます。これはいずれまた別の機会にでもこの質疑はできることですから……。 次に、この計画を見ますと、かなり高い乳量増加を見込んでおります。いわゆる七百九万六千トンの生乳を確保する過程において、一頭当たりの生乳生産量は約五百キロぐらい増加を見込んでおりますが、一面、これを進める技術対策あるいは草地対策を見ますと、これまた非常にりょうりょうたるものである。そこで、この一頭当たり生乳量を、この計画だけいまの進め方で確保するとするなら、これは濃厚飼料の増加によらなければこれも乳量増加とならない。しかし、わが国の酪農は、現在の実勢そのものが、乳牛という動物のいわゆる穀物飼料の体質許容限度を越えておるわけであります。特に関東あるいは近畿、この方面の酪農は異常といっていいぐらい牛の体質許容限度を越しておるわけですね、濃厚飼料が。そして、そのために一乳期搾乳をすると体調が変質して、結局肉牛に売ってしまうというケースが多い。こういう形態で、ばたしてこの計画頭数に達するかどうか。乳牛の消耗度の非常に高い酪農の形態というものは、これはもう世界的に異例な形態ですね。それに対するいわゆる良質な草地対策というものが、りょうりょうたるものである。たとえば、この計画の中にも、都道府県から出てきたものには、新たに開発する草地の増加として二十二万ヘクタールを見込んである。ところが本年度の予算を見ますと、これはとても四年間でこの態勢に達しない。そうすると、一面、一頭当たりの乳量が増加しないで推移するならば大きな障害は起きないけれども、私はこの計画にあたって、一年ぐらい頭数増加に草地開発が先行しなければだめだと思う。えさのないところへ頭数がふえた場合、それを濃厚飼料に依存するという体系が出た場合、これは非常に牛の体質変調を来たして、結局この計画頭数になるような生産状態に全然なってこないということであります。そういう面の技術検討あるいは予算の裏づけというものができていない。本年度予算で——本年から入っておるわけですから、昭和四十二年から五カ年間でこの計画達成となるのです。少なくとも、ことしの予算の中にそれが出てきて、初めてこの計画は達成されるだろうと思うのです。それがまことにりょうりょうたる不十分な予算の裏づけで、いわゆるその対策というものがこの計画にマッチしたものがないということであります。この点はどうするのか。したがって、私は前段に絵にかいたもちになるということを言っておるわけで、こういう計画だけ出してみたって、昭和四十六年になってみれば多少伸びるかもしれぬけれども、結局鈍化、横ばいでおるという姿勢が出てくる。片や国際的には需要の増加、国際的にも生産の鈍化である。どうしてもこの関係の生産は、すみやかに国内生産を増強しなければならぬという原則に立ってこの計画ができたと私は思うのです。非常にちぐはぐなものであるということを私は考えるわけです。これを実行する政策の裏づけが何もない。それから、先ほど申し上げたように、平行線になりましたから、別の機会に保留しておきましたけれども、局長自体の実勢のつかみ方が全然不十分である、こう言わざるを得ないのですがね。その関係はどういうふうに考えておりますか。
○岡田(覚)政府委員 酪農を振興いたします場合において、草食性動物であります牛につきましては、自給飼料の豊富な供給ということが最も大切なことはお話のとおりであります。したがいまして、御承知のように畜産局といたしましても、自給飼料の増産、草地開発と、それから既耕地における自給飼料の作付の増大ということにつきましては、最大の努力をいたしておるわけでございますが、昭和四十二年の計画におきましても、長期計画に即しましてやるということで進んでいるわけであります。長期計画に即しまして今後もやってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○美濃分科員 長期計画に即応すると言っておるが、ことしの予算そのものが、五カ年間で計算しますと、私は即応できていないと思う。この点はどうですか。
○岡田(覚)政府委員 今回の予算に盛られました計画面積では、大体長期の目標に沿っておるものだというふうに私は考えておるわけであります。
○美濃分科員 これも平行線になりますから、この辺で、別の機会にいたします。 次に、これは大臣にお尋ねしたいのですが、この計画達成にあわせまして、いわゆるこういう大幅な酪農を推進するということになると、育成牧野というものがどうしても必要になる。この育成牧野は乳牛の、育成牛の生産コストを底下し、牛が安くなれば乳牛の償却も安くなる。それから全体的な資金コスト、こういうものの低下をはからなければならぬわけですが、そこで現在の状況から見ますと、いわゆる直轄牧野は北海道地域で五百ヘクタールを標準にすべきだ。千ヘクタールだったものが七百ヘクタールになりました。三百ヘクタール条件緩和をされましたけれども、これでは不十分である。いわゆる国費直轄で行なう牧野開発、これは北海道は五百ヘクタール。内地につきましては、これはやはり北海道よりも地域性が狭いわけでありますから、三百ヘクタールが適当か、あるいは二百五十ヘクタールが適当か、やはり内地と北海道と、面積標準は二分いたしまして、北海道の大規模草地、いわゆる直轄草地開発をするものを五百ヘクタールにして、これを推進すべきだと思うのです。ことしは七百ヘクタールですが、少なくとも、これはできれば本年度規格改定をして前向きの姿勢をとらないと、非常に問題があると思うわけです。いわゆる現在残されております資源と計画とが合っていない。もう少し基準を引き下げてこれをつくるべきである、こう思うわけです。
○倉石国務大臣 御指摘のように、北海道と内地とは面積を変えましたけれども、北海道も基準を下げ、内地も下げてまいりました。これは私どもといたしましては、先ほど来いろいろの御質疑がございましたとおり、どうしても畜産を奨励し、確保しなければなりませんのでして、いまお話しのように、基準を下げてまいりました程度が、いまのところでは妥当な線ではないか、そういうことでやってまいりたいと思っております。
○美濃分科員 時間の関係で、以上で終わりますが、いずれ別の機会に……。これは平行線になった面もございますし、本日はこれでやめますが、どうかひとつ大臣においても、きょう申し上げた点については十分検討して、この施策の実現をはからなければ、前段に申し上げたように、この計画が、計画どおり生産が起きてこない、これを最後に申し上げまして、本日は終わります。
○野原主査 先ほど保留されました西宮弘君の質疑を許します。西宮弘君。
○西宮分科員 大蔵省の当局にさっきお尋ねをしたかったのは、整理資源についてですが、整理資源は国が持つべきであるということを国会はたびたび決議をしておるわけです。したがって、それを実現する意図はないのかという点です。
○辻説明員 いわゆる整理資源の負担をどうするかは、各公的年金制度に共通いたします重要な問題でございまして、いろいろ御議論のあるところでございます。現在、公的年金制度の中心をなしておりますのは厚生年金の制度でございますが、御承知のように、厚生年金の整理資源は、事業主と被保険者と国がそれぞれの負担割合に応じて負担しておるところでございます。それから各種の共済制度におきましても、原則として、このような厚生年金の制度に準じまして整理資源を特別に国庫が負担するというたてまえにはなっておらないのでございます。なお、御承知のように、国家公務員共済なり地方公務員共済、あるいはまた公共企業体職員共済におきまして、整理資源の一部を国なり地方公共団体なり公共企業体が負担いたすことになっておりますが、これは使用主たる立場に基づく負担でございまして、国庫あるいは公経済の主体たる立場においてなされているものではないのでございます。社会保険あるいはまた共済制度の本旨から見まして、このように過去の組合員の費用を現在の組合員が一部負担する、あるいはまた現在の組合員の費用を将来の組合員が一部負担するということは、考え方といたしましても、決して理由のないことではございませんと思っております。そこで、先ほど申し上げましたような、ほかの公的年金制度とのバランス等から見ましても、整理資源の現在の負担割合を変えるということは、いろいろ問題があろう、このように考えております。
○西宮分科員 理論的には、むしろ過去のものを現在の者が負担し、現在のものを将来の者が負担するということは間違いである、そういう前提で、ただし他の制度とのバランス上やむを得ない、そういうふうに解釈するのですか。
○辻説明員 この点は、冒頭に申し上げましたように、公的年金制度に共通する重要な問題でございまして、いろいろ各方面から御議論なり御意見のあることは、十分承知しております。ただ、私どもの立場といたしましては、先ほど申し上げましたように、そういう過去の組合員の負担、現在の組合員の負担、それから現在の組合員の負担と将来の組合員の負担と申しますか、要するに、そういう縦の連帯性というものも、決して理由のないことではない、こういう考え方が一つございます。それから、現在の制度そのものが、繰り返すようでございますけれども、そういうたてまえになっておらないということを申し上げるのでございます。
○西宮分科員 追加の質問ですから長く時間をとりたくないと思うのでありますが、いまの問題については、たとえば国会は、さっき申し上げたようにたびたび決議をしているわけです。さらにそれだけではなしに、総理府に設けられた社会保障制度審議会、ここでも昨年の暮れに出した答申に、農林年金については整理資源の確保に欠くるところがあると、こういうことを指摘しておるので、これは理論的な究明というよりも、むしろ実際問題として、この負担が非常に大きいということが、今日農林年金における組合員の掛け金が非常に過重だということの重大なる要因になっておるわけです。ですから、どうしてもこれは改善をしてもらわなければならぬと思う。たとえばさっき、国あるいは地方団体は使用主の立場で負担をしておるのだ、こういうお話だったのだけれども、たとえば私学共済については、私学振興会が半分持っているわけです。それで、その私学振興会については、国が助成をしている。こういう関係にあって、いわば間接的に国がこの整理資源についての負担をしておる、こういう結果になっておる。こういう事実もあることを認識をされて、ぜひもっとこの整理資源について国が負担していくという方向で解決をしてもらいたいと思うのです。それをひとつ要望として申し上げておきたいと思います。 さらに、そういうものを含めて今度の四千万の予算が計上されたのだと思うのです。つきましては、これは農林大臣並びに大蔵省の当局に申し上げ、かつ御見解を聞いておきたいと思うのですが、これは財源調整という名前で組んだ予算だと思いますけれども、いまの整理資源等が非常に不十分であるというようなことも、おそらくは考慮のうちに入れてこういう予算を計上したのではないかと思うのであります。いずれにしても、この金額は、さっきも私が指摘をしたのでありますが、計上されたのはけっこうだけれども、非常に金額として少ないということを私も言ったので、ぜひこれは今後にわたって大いに拡大をする——名称は財源調整でもけっこうだと思います。いずれにしても、こういう金額が拡大されることによって、組合員の負担の軽減あるいは給付内容の改善ということが将来実施可能になるでありますから、名称は何であってもよろしいと思うのだけれども、ぜひこれを将来拡大していくという将来の展望を明らかにしてもらいたいと思うのです。たとえば補助金の問題も、二〇%去年は要求したが、ことしは農林省も要求をしておらない。まあ、非常に遠慮をしておるわけですが、こういうことも、ぜひとも来年度においては実現をしてもらわなければならぬ重大問題だと思うのであります。そういうものを一切ひっくるめて、この財源調整の額をふやしていく——まあ、一切ひっくるめてという言い方はおかしいかもしれませんが、補助金の二〇%増額というような問題も、当然に措置されなければならぬ重大な問題であります。さらに、この四千万の財源調整は今後大いに拡大をしていく、そいう将来の展望がぜひとも必要だと思うのでありますが、農林大臣と大蔵省からそれを聞かしてただきたいと思います。
○倉石国務大臣 先ほども申し上げましたように、重大な問題でございますから、十分検討したいと思います。
○辻説明員 財源調整のための補助につきましては、他の公的年金制度との均衡でございますとか、あるいは農林共済のいろいろな状況等を勘案いたしまして、毎年度検討してまいりたいと思っております。
○野原主査 角屋堅次郎君。
○角屋分科員 秋は約一時間にわたりまして、重点的に農林水産の諸問題について、若干大臣にお伺いをいたしたいと思います。 倉石さんが、農林大臣に就任をされたというのは、私どもから見ますと異色の人事でありまして、いままで労働行政のベテランという倉石さんが農政に取り組む。これから、率直にいってなかなかむずかしいところに参っておりますし、しかも、ある意味では停滞傾向を払拭しなければならぬ、やはり農村、農民に対する新しいビジョンを与えていかなければならぬ、また、それに対する裏づけもしていかなければならぬという、きわめて重要な段階において農林大臣を引き受けられたわけですが、ことしの予算、五千億を少しこえるところの予算というのは、私ども、かねてから農林省の予算をせめて二十七、八年ごろの、総予算の中で、一般会計で一割五分、あるいは財投の中における農林漁業金融公庫の制度金融等についても、やはりそういう比率というところに押し上げていくことが、予算問題としてはひとつ必要で凝る、私は後ほど若干中身についても触れてまいりますけれども、今度の予算を見てまいりましても、いわゆる一般会計から食管会計への繰り入れ千二百三十五億、あるいは災害等の問題を切り離して考えますと、総予算の中でわずかに七%程度という比率かと思うのです。そういう点で、財政の総ワクの中において、革命的施策とまで、なくなられた池田さんが言われた今日の農林漁業問題の推進のためのこれからの予算に臨む農林省全体の姿勢、これがもっと強力な態勢でなければならぬじゃないかということを、率直にわれわれ農政関係の者は思っておるわけですよ。大臣は、ことしの予算の仕上げは大体まずまずだったと思っているのですか、心及ばざるところ多しと思っているのですか、その辺のところからまず始めたいと思います。
○倉石国務大臣 私は、四十二年度予算は、率直に申しましていわゆる山のない、平たんな予算ではあるが、おしなべて各局を所管しておる専門家たちの要望を一応満たしておる。あとでお話が出るかと思いますが、われわれはただいま、いま御指摘のような非常に大事な時期に際会しておる、農林政策を推進してまいります農林当局の決意というものについて鋭意検討いたしておりますから、それを実現に移す来年度は、ある程度の山と申しますかそういものもあるでしょうが、四十二年度予算はその土台の地ならしをしておる、こういうふうに見て、一般論としては、私はいい予算だと思っております。
○角屋分科員 最初に私は、漁業関係の問題から数点お伺いをいたしたいと思うのです。ことしは、数日前に日ソの漁業交渉がやっと終わったわけでありますし、いま日米の間において、東京でアメリカの専管水域の設定に伴う漁業交渉の問額が始まっておる。懸案事項としては、池田さんの当時から始まっております、伊東さんがアメリカに代表として最初行かれた日米加の漁業条約の改定問題、これがずっと引き続いて懸案事項になっておる。そういうことで、国際漁業の舞台においてもなかなが最近は問題を持ってきておる。御承知のように、アメリカにしても、あるいはソ連にしても、国自身としては国際的にはなるほど力を持った大きな国かもしらぬけれども、事水産という問題になれば、日本は先進国であるし、また漁獲高においてペルーに追い抜かれたといっても、やはりいわゆる一番先端を行く水産業の国であります。最近の国際漁業における諸問題というものを見てみると、これはどこに原因があるかということについてはいろいろ問題があると存じますけれども、じり貧の状況という感じが、率直に言ってしないでもない。 最初に、日ソの漁業交渉の問題について、終わったわけでありますけれども、このことしの日ソ漁業交渉の経過、たとえばサケ・マスにしても、一昨年の豊漁年から見ると、漁獲高では減少したところできめられておる。そういった、国民から見まして必ずしも首尾よくいったと思えない、年々歳々きめてきておる漁獲量を見ましても、減少傾向にきておる。この減少傾向というものは、水産当局から見てもやむを得ざる妥当なものであるというふうに考えるのか、あるいは政治折衝の中でここまで後退せざるを得なかったという見方をとっておられるのか。その辺のところ、私も代表団の一人として出ておればよくわかるのですが、われわれは外から見る立場にあるわけですから、直接衝に当たられたことしの経過から見て、日ソの漁業交渉の締めくくりをどういうふうに見ておられるか、まずお伺いしたい。
○倉石国務大臣 御承知のように、サケ・マスにつきましては、今回の協定は年間十万八千トンでございます、これは一九六五年の豊漁年と同じ数でございます。このことについてはいろいろ批判もあるかもしれませんが、今回の折衝の過程におきまして、先方は四つほど、初めのうちは禁漁区の設定であるとかいろいろなものを持ち出しておりましたが、それはすべて撤回をいたしまして、そうして十万八千トンというところに妥結をいたしたわけでありますから、私どもといたしましては、当初、先方は一対一のそういう希望を述べておりますし、それからまた、今日までの歴史的経過を見まして決して、満足であるとは思いませんけれども、現在の状況では、この辺のところがやむを得なかった。そのかわり、御承知のようにカニの船団及び漁獲のことにつきましては、比較的長期の、四年間にわたる協定を結びました。こういうことは、わりあいに成功ではないか、このように見ているわけでございます。
○角屋分科員 日ソの問題については後ほどまた若干触れたいと思いますが、いま東京で日米の交渉が四月十二日から始まっておるわけです。このいわゆる専管水域十二海里以内における日本の底引きを中心にした漁業の既得権確保という問題の現在の状況と見通しというのは、どういうふうに見ておられるのですか。
○久宗政府委員 いま東京でやっております日米の交渉でございますが、これは、御承知のように、米国の専管水域設定に伴いまして、過去二回お話し合いをしておるわけでありますが、話がつきませんで、第三回をやっておるわけでございます。この問題につきましては、もちろんこの海域において相当数の日本の漁船が操業しております問題でもございますので、政府といたしましては、従来から、この十二海里の問題につきましては、基本的な考え方といたしまして、関係国の間に特別の合意のない限り、確立された国際法上の沿岸国が管轄権を行使する距離、水域と申しますのは、距岸三海里の領海に限られるという基本的な立場に立っておるわけでございます。したがいまして、法律的な立場は双方たな上げにいたしまして、その間におきます現実的な解決の話をしようじゃないかということで、両三回やっておるわけでございます。まだ最終的なお話し合いがきまっておらないわけでございます。さような意味におきまして、私どもといたしましては、法律的な見解の食い違いがあるわけでございますが、そのたな上げの状態におきまして現実的な話し合いをしたい。また、このことが世界じゅうで若干の海域についていろいろすでに問題が出ておりますので、さような問題等のモデルと申しますか、さような意味で非常に重視してこの問題に対処したいと考えております。
○角屋分科員 いまの日米の東京の漁業交渉の態度として、政府並びに水産庁としては、専管水域十二海里以内の漁業実績というものが認められないというような相手側の考え方が続く限りにおいては、あくまでもこれは強硬に主張を粘っていくということの方針で臨まれておるわけですか、今後とも臨まれるわけですか。
○久宗政府委員 若干経緯を申し上げますと、当然、私どもといたしましては、歴史的な実績、伝統的な漁業ということで、わが方の漁業の実績、これを無視して伝統的な漁業の実績というものは考えられないと思います。さような意味におきまして、そのものずばり認めていただきたいという考え方で折衝を続けておるわけであります。専管水域法ができましたにつきましては、御承知のとおり、ソ連が非常に急激に底びきその他で出てきておりますので、その関係で急速にあの法律が通ったというようなこともございまして、その間、事務的に漁業実績をどういう形で認めるかということにつきまして、必ずしも先方におきまして事務的な詰めができておらなかったような印象を第一回で受けたわけでございます。それから第二回の交渉をこの一月から二月にかけていたしたわけでございますが、たまたまソ連と米国の間でこの種の協定ができた直後でもございました。その内容の米国内におきます国内反響といったようなものもあり、かたがた日ソの間のバランス問題といったようなものも介在したように考えられますので、必ずしも第二回目の時期は適当な時期ではなかったという感じも持っております。したがいまして、若干の冷却期間をおきまして、今回第三回の交渉をいたしておるわけでございます。先ほども申しましたように、これのきまり方いかんによりましては、相当方々に波及する問題でございますので、先ほど申しましたような基本的な考え方を堅持して処理に当たりたいと考えております。
○角屋分科員 私は多くの問題について若干触れるわけですから、この問題でさらにこまかく触れるわけにいきませんので、大臣に申し上げたいのは、最近の国際漁業の舞台では、日ソの問題にいたしましても、日米加、あるいは日米、あるいは捕鯨条約にしても、いろいろ国際的に、日本が国際漁業の点であっちこっちに進出を従来からして漁業をやっておりますから、最近の専管水域問題その他問題が出ている、豪州でも出ておるわけでありますが、そういう点で——しかも承りますと、いままで日ソ漁業交渉で代表として非常に尽力してこられた藤田さんが、今度で、場合によっては代表から引かれるかもわからないというようなことも承っておるわけですけれども、何と申しますか、こういう国際漁業に対するバックアップ体制といいますか、しかもまた、国際漁業に対する日本の基本的な考え方、あるいは具体的な問題に対する総合的検討という問題を中心にして、私はかねてからそういうことを言っておるのですけれども、この際、農林大臣の諮問機関でもなんでも、形はけっこうです、国際漁業推進会議とかなんとかいった形のものをつくって、そして、そこで総合的に、あるいは個別的な問題についても十分検討し、基本方針を確立する。それは、もちろん業界とのタイアップもございましょう。そういう点について、もっと従来の姿勢から根本的に検討し直さなければならぬのじゃないか。また、そういう会議の中で、十分認識を持った者の中から代表が選ばれていく。それは絶えずかわるのではなしに——ソ連の日ソ漁業交渉に臨んでくる代表団を見ますと、もうずいぶん長い間同じようなメンバーが向こうとしては出てきておる。ところが、日本側の代表としては、従来から生産部長なんかが代表の一人に加わるわけですけれども、これは役人でございますから、次から次とかわっていく。藤田さんだけがずっと引き続きやってきた。相手側の代表団のメンバー、こちら側の代表団のメンバーという点についても、十分そういう点で即応した体制をとっていくというようなことも考えていかなければならぬと思うのですが、私の言いたいのは、この際、やはりこれからいろいろ各国で出てくるであろう国際規制問題、あるいはそういう中で、日本が国際漁業の中で発展をしていくための施策、これは漁場開発の問題もございましょう、あるいはまた日ソの問題についても、漁業資源の確保のための稚魚その他の養殖、あるいは放流、いろいろな問題も含んでおると思いますけれども、そういう点について、国際漁業推進の権威ある機関というものを真剣に考えられてはどうかというふうに思うのですが、この点、大臣いかがですか。
○倉石国務大臣 ただいまお答えいたします前に、ちょっと訂正いたしておきたいと思いますが、先ほど私が申し上げましたことばの中で誤解を生ずるといけませんので……。一九六五年と同様になりましたと申し上げましたのは、新たに提案した規制措置を撤回いたしましたから、あの豊漁年と同じ状態になると申し上げたので、漁獲高は御承知のように違っております。御了承願いたいと思います。 いまのお話につきましては、もちろんたいへん大切なことで、私どもも平素痛感いたしておることを御指摘になったと思います。政府全体として、日本の政府の姿勢から、私はこういう点について再検討を要することだと思います。いまのような問題につきましては、政府全般としても、農林省としても、とくと研究をいたしてみたいと思います。
○角屋分科員 沿岸漁業関係の問題について、二、三点お尋ねをいたしたいと思います。 中小漁業振興特別措置法の問題が単独立法で出てきておりますし、あるいは漁業災害補償法の改正問題が出てまいっておりますし、あるいは漁業協同組合の合併助成法の問題が出ておりまして、いずれこれらの問題については関係委員会で十分御論議願うわけですけれども、最初に、私が直接法制定の当時に責任を持って手がけた漁災法問題について、法の内容には入りませんけれども、予算に関連して一、二点お伺いをいたしたいと思います。 これは漁業災害補償法が画期的な立法として制定をされた三十九年段階のときに、われわれ社会党のほうからも党独自の立法を提案をいたしました。政府案とすり合わして十分審議したあと、最初私と与党の仮谷さん、最終的には私と当時委員長でありました長谷川さんとの間で修正案を取りまとめて処理をしたという経過がございます。そして幾つかの重要な点について附帯決議をつけました。そのことと関連をいたしまして私がお聞きをしたいのは、例の漁業災害補償法が最初三十九年に発足する段階で、法の一番致命的な欠陥というのは、政府の保険事業というのがスタートから発足し得なかった、そういうこともございましたので、附則の第二条のところで、これらの問題についての注文をつけたという経過がございます。そういう形で、発足をして両三年あるいは一両年という附帯決議の趣旨を政府としても尊重されまして、今度抜本改正の法案を出されたことは、態度として非常にけっこうだと思います。ただ、そういう経過がございましたので、いわゆる再保険事業の実施に踏み切らなかった形で発足をし、今日まで三年近く経過しておる中で、現実に事業の収支に相当な赤字が生じておるわけでございます。これは三十九年の段階で、水産庁からもらった資料によりますと、組合関係で二百万円、連合会関係で五千五百万円、四十年度には組合関係で三千八百万円、連合会関係で二億八千九百万円、これは共済団体のほうの資料と若干数字が変わっておりますが、これに四十一年度のおおむね集計の段階に来ました約一億一千三百万円の赤字というものを加えますと、相当な赤字が現実に出ておるわけでございます。しかも、この法制定のときに特にわれわれが強く主張いたしまして、与党のほうでも認めていただいた第六章の「国の助成」の第百九十五条第三項のところで、特にこれはこちらが強く要請をして加えたのでありますが、「国は、前二項の規定による補助のほか、漁業共済団体が行なう事業の円滑な運営に支障を生じないよう適切な措置を講ずることに努めなければならない。」という第三項を加えましたのは、いわゆる国の再保険事業が発足しない段階の中で、異常災害等に伴う赤字が相当に出てくるということによる漁業共済団体の運営に支障がきて、それが長く尾を引いていくということがあってはならない。したがって、これらの問題については再保険事業実施のときには適切な措置をとっていくという意味を含めて、強く当時修正を認めてもらった経緯がございます。したがって、御承知の漁業共済事業についての試験実施、全水共がやっておる当時の試験実施の赤字については、一億六千万円というものがすでに政府としても措置をしていただいたわけでございます。政府の抜本改正により、いわゆる三本の柱がこれで整うわけでありますが、この段階で、ことしすぐに一般予算で直せといっても、なかなかこれはおいそれとは政府も応じないかもしれませんが、やはりことしの秋の補正の段階は私は必ずあると思うのです。そういう段階において、四億七、八千万ですから、五億近くの赤字については、法制定当時の立法者のわれわれの気持ち、また当然、そういうことばかりでなくても、現実にこれから第二のスタートを切ろうという段階で赤字をかかえておるので、これはやはり処理をしておくということは、非常に重要なことだと思います。しかも、この事業の収支による赤字というように数字があがっておりますけれども、漁業共済基金のほうから借りておる分に対する利子というものは、これは管理部門で出しておる。それが、金額としてはそう大きいとは申しませんけれども、約八百万円近く今日まで累積してきておる。これは実際は事業の収支関係のほうで本来は考えるべきものである。管理部門でそういう利子の問題を考えるというのはいかがかと思うのですが、そういうケースの問題も含めて、秋の補正の段階までに、これらの問題については、今後の共済団体の運営あるいは漁業災害補償法の円滑な運営というものに支障のないような措置を政府も積極的に講じていく必要がある、また講じなければならぬ、こういうふうに私どもは当時の経過から見て思っておるわけです。同時に、今日漁業共済組合の漁獲共済あるいは養殖共済、漁具共済の三共済関係の加入の状況を見てまいりましても、漁獲共済関係の加入状況というのは必ずしも伸展していないという状況にございます。養殖共済関係は、ノリが非常に進んでおりまして、真珠あるいはハマチ等々の養殖の関係は、これからという段階のようでございます。漁具の関係も、加入率としては必ずしもまだ十分進んでおりません。こういった問題は、やはりできるだけ早い機会に加入率を積極的に上昇せしめて、お互いの共済であるという体制に持っていくということが、これからの行政指導のポイントだと思いますけれども、そのスタートとしても、赤字をかかえてこれから新しい第二の門出にいくということは、いかがかと思う。今日までの段階では、真に魅力ある共済の体制になっていないというところに加入が積極的に進まなかった一面の要因があると私は思うのでありまして、大臣にお伺いしたいのは、今日までに生じております約五億円近い赤字というものについては、ことしの秋の補正の段階においてやはり十分これらの問題を処理するかまえでいってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○久宗政府委員 大臣がお答えいたします前に、ちょっと二、三申し上げさせていただきたいと思います。 この発足当時直接御関係なさいまして、私より経過をよく御存じであると思いますが、ただいま御指摘のございました点が、確かに非常に重要な問題でございます。私どもいろいろ吟味してみたわけでございますが、何ぶんにも発足いたしまして二年のことでございまして、その間に四十年度の非常に特殊な災害という問題も出てまいりまして、たてまえといたしまして、やはり長期均衡の問題として考えるのが一応筋だと思うのでございます。当面、もし基金というものがなくて、実際上の共済団体が運営そのものに困るというような事情でございますれば、これは措置が必要だと思うのでございます。一応私どもの考え方といたしましては、やはり今回の料率の改定もありますので、制度そのものにつきましても、御指摘のような一連の宿題を片づけまして、本格的にやりたいと考えておりますが、赤字の要因の分析という問題もあり得るかと思います。したがいまして、この段階で、現在の赤字の問題につきましてただちに措置するということはいかがかと考えまして、もう少しこの問題につきましては長期的に検討さしていただきたいという気持ちでございます。さようなことによりまして、実際の共済事業運営に直接支障があるということであれば、これは考え直さなければならぬと考えますが、必ずしもそういう仕組みではございませんので、いま申しましたようなことで検討させていただきたいと思っております。
○角屋分科員 これは大臣に引き続きお伺いしたいのですが、私としては、これは納得するわけにいきません。いま農地局長をやっておる和田さんが当時漁政部長として水産庁から加わっていただいて、これは私から強く主張して入れてもらった事項であります。今日、数年にして約五億近くの赤字を生じてきておる、そういうことを予想して、いま申しましたように百九十五条の第三項というものを、再保険事業ができるまでに直接これが生じてくる危険性があるということで挿入した問題であります。事務当局としては、対大蔵折衝もあり、ある程度再保険を含めた改正を認めてもらって、なおかつ秋の補正のときには、今度は赤字の処理をというのでは、事務当局段階では足がにぶるのかもしれませんけれども、しかし、そうではなくて、漁業政策論として、あるいはこういう第二の新しい門出にあたって、今後積極的に加入を促進していくという行政指導とのタイアップにおいてやるべきことの一つにこれは考えられてしかるべきである。これはお互いに国の手持ちの中のことだから同じようなものであるとは私は必ずしも言えないと思うので、そういう問題はやはり政治的判断としても、また立法の経過からしても、ぜひ考えてもらいたい、こういうように思うのですが、大臣から御答弁願いたい。
○倉石国務大臣 角屋さんおっしゃること、私どもよく理解できるのでありますけれども、いま水産庁長官が申し上げましたように、長期的に見て、これば何とか処理しなければならないものでございます。角屋さん、わりあいに気やすく補正予算とおっしゃいますけれども、われわれの立場では、補正予算云々というのは、これはいまから申し上げる自由を持っておりませんし、したがって、これがいま国会で御審議を願って、法律としても出てまいるわけでございますが、そういう間においても、ただいまのような、かかえておる赤字についてはどのようにするかということを、さらに私どもは検討は続けますけれども、結論としては、ひとつ長期的にこれは収拾していくべきものである、何らかの処置を講じていかなければならないものである。それで、先ほど加入のことについてお話がございました。政府部内でも、この共済ができますときにも、いろいろな反対的意見もございました。それには、いま御指摘のような加入の状況——しかし、御存じのような状態のああいう保険では、加入しても妙味がございませんからして、そう一生懸命に入らないのは私はあたりまえだと思いますが、今度はいよいよ再保険という形で出てまいりましたからして、加入すれば、それだけの利益がわかっておることでありますから、そういう意味でも加入者はかなりふえてまいります。それから問題になります例のノリ等でも、これに包括いたしておりますから、そういうことで、根本的に体質が改善された共済という制度ができるわけでありまして、私は、今度の問題は一般の漁民にも理解を持たれるし、また、運営についてもかなりりっぱなものができるのではないか、こう思っております。したがって、これまでにかかえておりますロスのものにつきましては、先ほど申し上げましたように、われわれも頭の中に常にあるわけでありますから、長期的にこれをどのように処理するかということについては考えてまいりたい、こう思っております。
○角屋分科員 大臣の答弁についても、私不満です。しかし、いま補正ということを言う点については、大臣としては非常につらい立場だということはわかりますけれども、これを私が言った趣旨というのは、やはり立法の中にも含まれたことでありまして、十分そういうことを考えて、これはどうするかという精神が立法の中に含まれておる。したがって、ことしの秋の補正で全額を処理するのか、あるいは段階的に処理をするのかということについては、政府としては方法論の問題が今後残るかと思いますけれども、この問題は漁業災害補償法案の審議の中でもいずれこれらの問題が出てくると思いますので、ぜひ誠意をもって検討してもらいたい。沿岸漁業の今日の現状の中において、漁災が新しく生まれた、さらに第二の門出をやろうとする、しかも、これからは積極的に漁獲共済を含めて加入を大いに飛躍させようという段階にきておる今後の方針の一つとして、これは真剣に考えてもらいたいということを強く要望しておきます。 それから漁港整備関係の問題について。いま御承知の第三次漁港整備計画というものが国会で承認されて、そして昭和四十五年までだとたしか思いますけれども、修築事業がなされておるわけですが、この現時点における進捗率と、参考までに第一次、第二次漁港整備計画の最終年次における進捗率がどうであったかということを、付帯的にお願いしたいと思います。
○久宗政府委員 御承知のとおり、現行の漁港整備計画では、三十八年から八年間ということでやっておるわけでございます。内容はすでに御存じだと思いますけれども、一応申し上げますと、全国約二千七百八十港のうち、三百八十港を重点的に整備するということで、この関係で、全体計画に必要な事業費が約一千億でございます。 四十一年度末におきます進捗率は、三五・四%でございます。それから四十二年度、いま御審議いただいております予算を実施いたしましたといたしますと、四八・七%ということになりまして、全体的に非常におくれておるわけであります。なおこのほか、御承知のように、いわゆる漁港改修事業あるいは局部改良事業といったものを加えまして、漁港全体で申し上げますと、四十一年度末で三七・四%、それから今度組んでおります予算を実施いたしました場合のめどといたしましては、五一%ということになるわけでございます。たいへんおくれております上に、すでにたびたび御指摘を受けておりますような漁船の大型化が進みまして、トン数にいたしましても、すでに予定いたしておりました最終年のトン数を前年にオーバーしてしまっておるというような事情でございますので、できるだけ進捗をはかりたいと考えております。
○角屋分科員 これは去年でしたか、私どもの党からも、第三次漁港整備計画の八年間というのを繰り上げで積極的にやったらどうだ、これは生産基地の問題でありますから、そういう点で積極的に実施をしたらどうかということをかねてから申し上げておるわけですが、第一次漁港整備計画、第二次漁港整備計画とも、終わった最終年次になってみると、予定どおりやってない、したがって次の年次に持ち越す、こういう経過が多いわけです。それと、いま水産庁長官もお話しのように、最近は漁港整備ということについて、修築事業にいたしましても、あるいは改修事業、あるいは局改事業にいたしましても、例の農林漁業基本問題調査会の水産関係の答申の中でも出ておりました中核漁港構想というのがあるのですけれども、これは最近の漁業協同組合の合併の将来の展望あるいは沿岸漁業の将来の発展の姿というものとも関連すると思いますが、船がなかなか大型化して、私どもの選挙区の状態を見ましても、いまやっておるいわゆる漁港の整備事業というのが、いまでもこれは非常に手狭である。だから、水産庁のみみつちい予算をつけてもらうためにはやらなければならぬけれども、しかし、実際は、今日の現状から見ても、あるいは今後の推移から見ても、もっと漁港整備についての基本的なかまえというものについて積極的な立場というものを第四次漁港整備計画に向けてとっていかなければならぬ、こういう段階にきているのじゃないかと思うのです。しかも、かねてから漁港の問題については、第一種、第二種、第三種、特定第三種、第四種というふうな区分の問題、あるいはそれぞれの補助率の問題、これは北海道、離島等の関係と内地の問題というふうなことも含めて、もっと補助率の引き上げ等についても積極的にやるべきだということを提唱しておったわけでありますけれども、いずれにしても、いま水産庁長官のお話のように、第一次、第二次と同じように、第三次漁港整備計画も必ずしも計画どおり進捗してない、弔ういう現状に置かれておるわけです。大臣としては、先ほども予算はまあまあと言ったのだけれども、私は、こういうことで一つ一つ触れていくと、三時間ぐらいやってもまだきりがつかぬかもしれません。それは別として、漁港整備というものについても、これからの漁港整備の基本的かまえというものはどうなのか。昔から調査なくして発言なしというけれども、農業でも、漁業でも、林業でも、もっと現地のなまの声に立脚した農林省の行政という意味からいうと、まあなきに越したことはないということで、現地側については注文は多いわけですけれども、しかし、実はこういうふうにやってもらいたいという希望がさらに飛躍してあるわけです。そういうところを十分頭に入れた第四次漁港整備計画の展望、それに立った当面の第三次漁港整備計画の積極的推進が必要だと思うのですが、大臣いかがですか。
○倉石国務大臣 御指摘のような事情で、だんだん船も大型化してまいります。したがって、基本計画着手後だんだん事情が変わってきていることも、御指摘のとおりでございます。したがって、政府としては、実は私もびっくりするほど漁港関係の方が陳情に見えまして、ただいまお話しのようなことについて御要望がたくさんございますので、なまの声は十分農林省も聞いておるつもりでございますから、そういう時代に即応したような計画を取り進めてまいりたいと考えております。
○角屋分科員 水産関係の問題、それから農業、林業を含めて、水産関係では沿岸漁業構造改善事業、農業の場合は農業構造改善事業、林業の場合にも林業構造改善事業、農林漁業について三構造改善事業が現実に行なわれておるわけです。そして農林省としては、特に農業の問題についていささか戸惑いを生じました。これから一年間、次官を中心にいたしまして構造改善推進会議の再検討——この重要なときに再検討をやらなければならないという段階に来ておるわけです。また、考えることがあれば再検討けっこうだと思うのですけれども、私は農業、林業、漁業含めて、計画の規模が非常に——農林省というのは、最近は一時の食糧増産はなやかなりし時分の勢いがいまや影もなくなりまして、やっと歯どめする程度の気持ちでこの予算に臨むという気持ちじゃないかと、歯がゆく思うのです。たとえば林業構造改善についていえば、指定地区において大体事業規模が七千万円程度、農業構造改善の場合には数部落一億二千万程度とか、まあ一億二千万が少しふえたりしましたけれども、いずれにしてもそういうことで、漁業構造改善は、これは地域的な予算規模として指定しておるわけですが、これにしても一県に行く漁業構造改善の予算規模としては、実にみみっちい。これは、農林省というのは、これから末長くいかんならぬから、あまり早くやったのでは先細りで困るからという、そういう考えはないだろうと私ば思うけれども、しかし、やはり今日の時代に、第一次産業の構造改善あるいは構造政策をやろうという時代の趨勢に即応した体制をとるというのなら、農林漁業の構造改善事業についても、もっと積極的なかまえというもの、あるいはバックボーンというものが必要だというふうに、率直に言って思っておるわけです。したがって、漁業の場合といえども、すべり出しが非常にみみっちかったものだから、補足事業として、ことしも従来やったところに補足事業をやらなければならぬ。むしろ補足事業的性格ではないと私は思う。私の県あたりでも、指定を受けてやったけれども、どこでやったかわからぬ程度で終わっちゃったというような現状なんですね。だから、農林省の農業政策として、批判はあっても、一つの柱になっておるこの構造改善事業というものについては、もっとやっぱりバックボーンとスケールが必要だというふうに私は思う。大臣は、従来部外におられてこちらに入ってこられたわけですから、少し活を入れるつもりでこういう点についてもやられてはどうかと思うのですね。だから、まずまずの予算ということを言っているのですけれども、私は、まずまずというのは、従来の惰性の中においてはまずまずかもしれぬけれども、今日当面をしておる農林漁業の苦難な現状からすれば、とてもまずまずといったようなことは第一線の生産の方々に対しては言えない。これが実態ではないかと思うのです。だから、そういう点から見れば、農業の場合の農業構造改善事業についての再検討というのは、これはやらなければならぬ段階に来ておるとすればやる。私は、農林省の次官以下の長官や局長あるいは若干の課長を含めた部内だけの検討というのも、ちょっとみみっちいと思うのですね。これは部内だけでとりあえず素材をつくって、幅広くそれぞれの関係者に呼びかけて、そして新年度予算の概算要求までに新しい装いを持とうという、そういう前提としての部内会議ならいいのですけれども、私は過般の予算の総括質問の際に、大臣に対して、農業については積極的に各界の人々を網羅した農業復興会議というものを持って、農政のこれからの体制整備をやったらどうかということを実は聞こうと思っておったけれども、時間の関係でちょっと聞けなかった。今日、やはりそれぐらいの意気込みで農政問題に取り組まなければならぬじゃないか。私は、第一線の農業者にしても、漁業者にしても、実に勤勉だし、まじめだし、苦悩の中でも何とか将来の展望を見出したいという情熱は持っておるので、それに対して、農林省ははたしてこたえておるのかというところに、今日の行政上の問題があると思うのですね。だから、そういう点から見て、この農業、林業、漁業を含めての構造改善事業というものも、いままで実施したところをもう一回見直してみて、現地のなまなましい声を吸い上げてみて、新年度はどういうふうにすべきかという——私が調査なくして発言なしと言ったのは、そういうことも含めてですけれども、霞ヶ関から望遠鏡でのぞいて農林行政をやるという時代は、もう過ぎておると思うのです。実に農業は北海道から九州の果てまでいろいろ事情が違いましょうし、そういう実態というものに即した行政というものの指導をやっていかなければいかぬという立場から見ても、いまの農林省の一つの政策上の柱、特徴になっているこの問題については、もっとバックボーンとスケールが必要だというふうに思うのですが、大臣、いかがですか。
○倉石国務大臣 私がふだんよそに向かって言っているようなことと同じことをおっしゃられまして、全くおなかの中で拍手かっさいしておったわけであります。私は農林大臣に就任いたしまして、各局長、長官等から一週間ほど熱心に話を聞きました。それぞれ非常に勉強努力してやっておりますけれども、どうも私の直感したところでは、それがりっぱな総合的な農林政策というものとして出てきておらない。これはどこかにまとめるべき必要があるのではないかということを考えておったんでありますが、期せずして、やはり昨年の暮れから、先ほどお話のように、省内あげて構造政策推進会議というものを持ちたいということで、私が考えていたことと一致したわけでありますが、これは必ずしも、ああいう名前ではありますけれども、農業だけではありませんで、林業、水産業も同様でございます。したがって、私は、来年度予算までには必ずまとまったものを出して、それによって——いまお話しのような、日本の農業というのは、私はしばしばあらゆる機会に申しておるのでありますけれども、産業構造の中で跛行的に伸びていったんでは、日本の産業というのは成り立たないのでありますから、私どもは、ただ食糧需給といったような小さな見地ではなくて、日本の全体の産業構造の中で、農業部門というものはいまのままではいかぬと考えておる一人であります。したがって、これをどのようにしていくかということが大事なことは、御指摘のとおりでございます。したがって、いま農林省部内では、私どもが気の毒に思うほど非常な時間をかけて鋭意勉強している最中でありますが、この勉強の合い間合い問には、いまお話しのようないろいろな専門家や先輩の意見も徴しております。それで、その農業復興会議というものをつくるかどうかはまだ別問題といたしましても、あらゆる階層の識者の意見も徴し、あとう限りりっぱなものをつくりたい。そういう中においては、いろいろな方の御意見を拝聴して、ぜひ、いま申しましたように、跛行的ならざる、調和のとれた産業構造を保持していくための農業政策となりますと、これは私は、予算面においても、施策の面においても、いまよりはるかに飛躍的なものにならざるを得ないし、またそうすべきである。あなたの選挙区のほうを見ましてもそうでありますが、十数年前に見ましたときとまるで違って、いまはりっぱな水田の中にいろいろな大きなプラントができて、日本の全体としては、はなはだ私はこの狭い国土を利用するにもったいないことをやっておると思う。したがって、いま構造政策推進会議の中でも、土地利用というようなことについていかにあるべきか、これは農林省だけではできませんけれども、政府全体としてそういう計画的なものを持ってまいりたいということで、鋭意努力しておるわけであります。どうぞひとつ御援助のほどをお願いいたします。
○角屋分科員 いまの点に関する限りは、大臣と私とことばの上では同じなんですけれども、最近非常に都市問題ということが出てきています。都市問題一つ考えるにしても、あるいは太平洋四大工業ベルト地帯への人口集中は、これは必至であり、また、それは避けられないという前提に立ったものの考え方、宅地審議会から、一定の地域については農地法の適用除外問題が出たり、いろいろな問題が今日あります。私は、やはり都市問題を考える場合にも、国際的に見て、日本の都市は公園の緑の比率が少ないとかいろんな問題が一方であると同時に、やはり田園都市的要素というものが、当然生鮮食料品その他いろんな問題を含めて必要ですし、また外国の都市あたりに行っても、日曜農業的な、小さな掘っ立て小屋を建てたようなものまで含めて、もっとやはりいまの成り行きまかせの都市問題ではなしに、積極的にビジョンを持った都市問題、その中における農業の位置づけ、平たん部における農業地帯の農業のこれからの構造改善、それから特に、過疎地帯対策ということをいま言っておりますけれども、過疎地帯については、農林省が全部責任を持ちましょうというぐらいの意気込みでやったらどうか。山村振興あるいは林道、構造改善、ばらばらに一つずつなされております。各省に関係ありますけれども、過密化というものを打開していく道は、過疎地帯対策をいかにすべきかということが、対応してなければならぬ。私は、意気込みとしては、過疎対策には農林省がリーダーになって、全責任を持ってやるというくらいの施策とビジョンを持ってやってみたらどうかという、そういう気持ちがするのです。そうなると、やはり農林省の政策の中でも、農業と漁業、あるいは農業と林業というものの複合対策というものが——農業、漁業、林業と分けてなされるのでなしに、沿岸地帯では農業と漁業対策であり、山間部では農業と林業対策である、そういう複合対策として、地域性を持った地域対策というものが考えられていかなければならぬ。もちろん、農業経済圏その他いろいろな問題もありましょう。ありましょうが、霞ケ関の画一的なセクト主義の農業改善事業の失敗というのは、現実に生きておると思うのです。だから、いま構造政策上、農地法の問題も含めて検討するという段階になれば、もっと実態に即した、北海道ではどう、あるいは東北ではどう、関東ではどう——関東だって、各県によってそれぞれそういうところの実態を現実に見きわめてみて、そうして都市近効あるいは平場地帯あるいは山間部、そういうものの複合対策まで含めた構造対策というものが現実に出てこなければならぬというのが、やはり従来からやっておる構造政策に対する批判の問題として私は出てきておると思う。特に望みたいのは、山間部における過疎対策は、農林省が全責任を持ってやるという意気込みを持ってはどうかという感じが、私は率直に言ってするのですが、いかがですか。
○倉石国務大臣 まことにわが意を得たりという御意見でございまして、そういうこともいまの構造政策推進会議では取り上げて、できるだけやりたいと思っております。
○角屋分科員 あまりしゃべっておりましたので時間がきましたが、たくさんまだ問題はあるのですけれども、二、三点にしぼって、米価問題。まあ、食糧管理制度という問題については、食糧管理制度の根幹を維持するということは、池田さん以来佐藤さんも言っておられる。これは、根幹というのは非常に力強いことばのようで、実はよくわからぬ点がわれわれ専門家の間でもあるのです。それは、まあ、この時間の段階になればおくといたしまして、米価問題です。 ことしの米価問題の算定というのは、一体、従来の米価のいろんな経過、私も去年米審をやりましたけれども、去年はわれわれがまじめに議論したのに、政府のほうは指数化方式と積み上げ方式の混合方式と称して、説明のつかぬような数字を出して、しかも、そのほかに農政費五十億ということで、当時の切実な生産者団体の要求にまあこたえたと言っているわけですけれども、米価はやはり米価として筋道を立てて、基本原則をもってきちっと処理するというのが筋道だと思うのです。この米価算定について非常に混迷をされておるのは、むしろ政府の責任だと思うのです。ことしの米価算定については、生産費及び所得補償方式において去年のような混合方式、あるいはそれに農政費五十億円という形ではなしに、やはり本来の姿に返って、きちっとすっきりされるという基本的かまえでいかれるお気持ちが大臣にございますか。
○倉石国務大臣 いまお話しのように、指数化方式とかいろいろありましても、やはり積み上げていく方式には変わりはありません。ただいま政府として考えておりますのは、もちろん米価審議会の御意見も承らなければなりませんが、すっきりしたものでやっていきたいと思います。
○角屋分科員 巷間、きょうでしたか、毎日新聞か何かに、米審からも国会議員を締め出すという記事が出ておったようです。農林省の考え方、特に、最近政府の中で農政問題に対するこの種問題の取り扱い方というのは、私は、そういう点では形式的にやはりものを判断しておるんじゃないかと思うのですけれども、私去年初めて米審をやってみて、去年はああいう答申不能という姿もございましたが、それだけ事態は農村の状況から見て深刻であったという反映だと思います。やはりケース・バイ・ケースということを私代表質問のときにも申しましたけれども、特に農業団体でも、強く国会議員の締め出しという形には反対をしておるわけでありまして、すでに畜産関係とか蚕糸関係とか、いろいろなところから締め出しということをやり、しかも、代表質問のときに倉石さんに聞いたら、臨時行政調査会の答申にもこういう趣旨がございまして、というようなことをたしかお話しされたように思っているのです。都合のいいところだけは、そういう答申を引用されるのですけれども、それは別として、やはり今日の農業問題の中で、これから十五年後、二十年後の将来展望は別としても、価格政策、特に農業所得の中で約半数を占めておる米問題、米価問題というものの農業における当面の重要な比重から見て、これはやはり他のものと同様な形で形式的にこれを処理するということは、断じていけないのではないかというふうに思っておるわけですけれども、大臣の現在の考え方はどういうことですか。
○倉石国務大臣 この問題は、この前もお答え申し上げましたように、臨調の答申を、いままでやっておることは尊重したというだけでございまして、別にほかに他意はございません。できるだけ臨調の趣旨に沿うようにやれ、こういうことでございます。米審はまだ六月まで任期がございますので、ようやく予算委員会も今日ごろ、いまこうやってやっておるようなわけでありまして、まだ米審のほうについては何も考えておりませんです。
○角屋分科員 何も考えていないということを言われると、取りつく島がないんですね。大臣の気持ちというのは、もう大臣になられてからだいぶなるんですから、この問題については、従来どおりやるならやるという考え方をはっきりされていいんじゃないかと思うんですね。長野県も非常に米価の問題については熱心なところでして、大臣もいつもそういう問題では苦労して、いかにして生産者米価問題を解決するかということは努力しておられるのですけれども、これは場所によって、非常に真剣に中央にまで自分の経費を使ってでも出てくるという、そういうところと、代表団におまかせしようというところとあるかと思うんです。全国的に長野県というのは一番最先頭で来られて、われわれもその活動には敬服しているんですけれども、それだけに倉石さんが農林大臣になられて——米審問題は、これは政府決定の前の重要な審議会ですし、これは歴史的経過もある。そういう問題を、ただ単に臨調から、七人委員会から、そういう答申が出たからそれに右へならえという問題とは、この問題は性格的にも違う。したがって私は、この問題については、ケース・バイ・ケースとして考えていかなければならぬということを強く申し上げたのであって、長野県から出ておられる倉石さんにして、いまのところ何も考えておられないというおことばはいかがかと思うのです。考えていないということは、従来どおりやるという意味においてそう言われたことなんですか。
○倉石国務大臣 けさほど新聞の記事に大きく出ておりましたことは、農林省は関知しないのでありまして、あれは行管が何か言っておるようでありますが、私のほうでは、委員さんの任期中に、その方々についてとかくのことを申すのは失礼千万だ、そんなよけいなことに触れるなと、こう部内に申しておるのであります。(角屋分科員「大臣のお気持ちとしてはどうですか」と呼ぶ)私の気持ちと申しましても、いま申し上げましたように、まだそのことについて考えるだけのゆとりがない。この間選挙が済んだばかりでありまして、いままだそこまでいっておりません。
○角屋分科員 われわれの気持ちについては率直に訴えましたから、その点も含めて善処していただきたいと思います。 最後に、ちょっとローカルカラーの問題を申し上げて恐縮でございますが、私どもの地元の鳥羽で、加茂干拓というのを代行干拓でやった。昭和二十八年に計画をいたしまして、工費三億五千万だったと思いますが、それで着工して、ずいぶん長いことかかって五十六ヘクタールの干拓を完成したのです。したがって、スタートした当時から、客観情勢も農業情勢も変わっておるし、また、地域の情勢も変わっておるという点もあって、地元の鳥羽の関係では、公共用地として、そのうちの二十ヘクタールといっておりますが、最終的にどこに決着するかは別として、農林省のほうでも大体このことについては善意をもって御相談に乗っておるように承っております、私も現地の状況から見て、ある程度の面積を公共用地にさくということは考えていかなければならぬ情勢にきておるというふうに見ておるわけです。 そこで、その場合に、これは自治省のほうとも関係があるのですけれども、ここへ公共用地として建てるプランのものは、市民の総合グラウンドとか、市民会館とか、市の消防署とか、あるいは警察病院とかで、そこへ許される面積を得て、そういう公共的なものをつくりたい。あすこは山が迫っておりまして、平場が少なくて、しかも、観光的にも志摩の国立公園を控えて外国客も多いし、いろいろなことでスペースもなかなか少ない。私どもは農林省の出身なものだから、最初、スタートが農林省の干拓でやったのだから、それに一〇〇%という気持ちがありましたけれども、しかし、客観的にいろいろ考えてまいりますとそうもいかぬ。やはり公共用地も考えなければいかぬだろうというふうな気持ちを今日持っておるわけです。問題は、私ども直接農地局長に聞いたわけではございませんけれども、ローカルの新聞を見ますと、農林省としては、それならば一括代金を払え、分割は認めぬということで、非常に強硬であるというふうなことが載っておるわけです。しかし、これは地方自治団体の市のことですから、国と市というのはいわば親子関係ですから、そういう点では、これは自治省にも関連がありますけれども、そういう傾向はやはり現地の事情として認めざるを得ない、あるいは適切であるという場合は、地方自治団体の財政状況というものも十分見ながら、それらの問題を措置していくというのは政治上当然のことだと思うのです。担当の局長からでもけっこうですけれども、お答え願いたい。
○和田(正)政府委員 鳥羽市の加茂干拓は、昨年で建設工事、付帯工事等全工事を完了いたしまして、二つ工区がありますうち、一つの工区はすでに農家に配分を終わったのでございますが、一つの工区につきましては、ただいま角屋分科員からお話がございましたように、鳥羽市のほうで観光用地、病院の用地並びに市営の運動場の用地等に約二十ヘクタール、ちょうど第一工区の造成面積の半分くらいに当たりますが、そういう計画がございまして、まだ正式な申請という形ではございませんが、非公式な打診がありますことは事実でございます。角屋分科員のお話のように、あの市の立地事情その他から考えまして、そういう計画が公共団体としてあるとすれば、やむを得ないものというふうに思っておりますが、ただいまもお話し申し上げましたように、まだ市議会の議決その他の正式な手続を経ておりませんので、市側の態度がきまるのをいま待っておる状況でございます。 一般的に申し上げますと、干拓は農業用地を造成いたしますために国として投資をいたしたわけでございますから、それを農地以外に使います場合には、投下をいたしました国家の資金を回収いたすことをたてまえにいたしておりまして、その場合に、一般の農家に売ります場合には、一応年賦償還というのを認めておりますが、他転につきましては年賦ではなしに、一括支払いを受けて、こちらの会計のほうで収入をあげるというのが一般論でございます。分割をして支払うということは、現在の制度としてはいささか困難かとは思いますが、ただ事業の内容等がいろいろ多岐にわたるようでございます。それを一挙に実施をせずに、年次計画等で市のほうで考えてくれれば、方法はないではないというふうに考えております。
○角屋分科員 自治省のほうに伺います。これは地方財政の問題にも関連するし、市の財政規模は私は申し上げませんけれども、市の手持ち財源にゆとりがないという現状の中で、起債問題あるいは交付税問題、そういう点では、計画の推進に伴って十分善処してもらいたいと思いますが、その点どうですか。
○中村説明員 角屋先生のお尋ねに対しまして自治省として御説明申し上げます。 ただいまお話のありました点につきましては、鳥羽市の財政状況を勘案いたしまして、起債その他の面で、計画の細目に応じまして十分配慮をいたしたいと存じております。
○角屋分科員 時間が参りましたのでこれでやめますが、大臣に最後に申し上げたいのは、一時間でございますから十分なことは申し上げられませんでしたが、やはり倉石さんはバイタリティーがありますし、異色の大臣として就任されたわけですから、私どもの農政に対する期待と、別のタイプから、第一線の農業、林業、漁業者を含めて新しい農政に対する中央の姿勢を示されて、第一線の要望にぜひこたえてもらいたい。そういう点から見れば、予算を見ても、あるいは具体的に出てきておる農業政策上のいろいろなものを見ても、もっと角度を変えて、国際競争にたえる日本の農林漁業の確立、そういう前提に立って、これから何をやるべきかという点をひとつ真剣に考えられて、善処してもらいたいということを強く要望しておきます。
○野原主査 高田富之君。
○高田分科員 私は、蚕糸業の問題につきまして若干の御質問を申し上げたいと思います。 大臣は全国一の養蚕地帯の御出身でございますから、申すまでもなく蚕糸業につきましては非常な御関心と抱負をお持ちのことと思いますので、きょうはひとつ自由奔放に、大いに語っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 その前に、本年度の農林関係予算の一般会計予算全体の中に占めるパーセンテージ、これは一体幾らか、過去数年間の推移を一応御説明願いたい。
○檜垣政府委員 それでは農林予算の国の予算全体に対しますウエートについて経緯を御説明します。 三十五年以降を申し上げますと、昭和三十五年の際は、一般会計の総ワクが一兆五千六百九十六億円でございまして、農林予算は千三百十九億、ウエートは八・四%、三十六年は同じく一般会計総計が当初予算で一兆九千五百二十七億、それに対しまして農林予算千八百七十二億ということで九・六%、三十七年度の当初予算は全体が二兆四千二百六十八億、それに対して農林予算は二千四百五十九億ということで一〇・一%、三十八年が二兆八千五百億に対しまして、農林予算が二千五百三十一億ということで八・九%、三十九年は全体が三兆二千五百五十四億、それに対しまして農林予算三千三百六十億ということで一〇・三%、四十年度は全体が三兆六千五百八十億、それに対して農林予算が三千六百九十九億、ウエートは一〇・一%、四十一年度は全体が四兆三千百四十二億、それに対して農林予算が四千五百八十四億、ウエートは一〇・六%、四十二年度、いま御審議を願っております一般会計の総額は四兆九千五百九億、それに対して農林関係予算は五千十三億ということで、ウエートは一〇・一%ということでございます。
○高田分科員 大臣、いまの数字をごらんになられまして、農業基本法ができてまる五年たつわけでございますが、このわが国の農業の構造も改善しなければならぬ、国際競争力もつけなければならぬ、いろいろな面からいきまして、農業については、故池田首相は革命的施策を講ぜざるを得ない段階に入ったということを本会議で申されました。そして農業基本法が制定され、農業構造改善事業なるものが開始された。まさに革命的施策が行なわれてきたはずなんでありますが、この数字が証明いたしますとおり、ほとんど一〇%程度のところで、少しも農業に対して画期的な施策をやったというあとがないのですが、大臣、この数字をごらんになりまして、こんなことで一体いいか、どうなんだろうということについての大臣の御感想を、まずお伺いしたいと思います。
○倉石国務大臣 先ほど来私が申し上げておりますように、日本の産業構造というのは、現実の姿はやや跛行的になってきておる。一方の他産業のほうが予想外に急速の伸びを示しまして、農業基本法制定当時には、おそらく、今日までのような、五カ年間に鉱工業生産があれほど伸びてまいるとは予想しておらなかったと思います。しかし、たとえばアメリカとかヨーロッパ諸国を見ましても、総予算の一〇%を持っておらない国がかなり一流の国家でございます。予算額の数字は多いほどけっこうでありますが、いま申し上げましたように、農業基本法を制定いたした当時には、おそらく何人も予測し得なかったような経済成長の伸びが行なわれて、それにやや立ちおくれておるというのが現在の農業の状態ではないかと思います。したがって、いまお話の中にありました構造改善等につきましても、やはり当初の計画のように進まなかった一つの理由には、やはり農村から労働力が他産業に流出していくとか、あるいは賃金が上昇してまいりまして、そのために農業方面の発展に支障を来たすとか、その他地価が上昇してまいることの影響とか、いろいろございましょう。そこで、私どもは現状を踏まえて、ひとつ急速にこのおくれを取り戻すということが絶対に必要である、こういうことで、先ほど来角屋さんにも申し上げましたような、構造政策の名前ではありますが、農林政策を、ひとつこの辺で根本的に足らないところを指摘して、それに重点を置いて、このおくれを取り戻すようにしなければいけない、こう思っているわけでございます。
○高田分科員 いままでの数字が示しておりますように、農業基本法制定以前と以後との比重が変わっていないということは、法律はできたけれども金の裏づけがなかった、しかも一方、おっしゃるとおり鉱工業の飛躍的な前進があるわけでございますから、跛行性はますます大きくなる、これを埋めるためには、どうしても農業方面に対しまして格段の国家的な——池田さんのことばで言えば、革命的な変化がなければますます開きは大きくなる一方、こう断定せざるを得ないと思うのです。どうぞその点をよくお考えをいただきまして、次の機会には、農林予算の比重がきわ立って大きくなったということをお示し願いたいと思うのです。抽象的な方針じゃなくて、金の裏づけがなくては問題にならぬと思う。 それでは、農林予算の中に占める蚕糸予算というものの現在及び最近年次における趨勢を御説明願いたい。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 蚕糸関係につきましては、一面におきまして構造改善事業等、農林省全体として推進しております事業を大いに活用いたしますと同時に、蚕糸関係独自の予算をも編成いたしまして、その両方を含めて活用をいたし、施策の推進をはかっておるわけでございます。 まず、四十二年の姿を申し上げますと、ただいま官房長の御説明申し上げました五千十三億の総農林予算の中で、蚕糸局プロパーとして編成されておりますものが二十八億円でございます。これは〇・五六%程度にあたろうかと思います。それで、このほか従来の、これは現実の計画樹立を待たなければならないわけでございますが、構造改善事業の中から蚕糸に投下されますものを一応推定いたしますと、四十二年には約十億に達しようかというふうに考えております。これを加えますと大体〇・七六%程度に相なろうかというふうに思います。従来の蚕糸局プロパーの予算につきましては、従来からの経緯がございます。これと構造改善事業等を含めましたものは、実は計数としてはじき出しておりません。蚕糸局の予算といたしましては、農林省の中で約三%程度の比重を従来占めておった、こういうのが実態でございます。しかしながら、ただいま申し上げましたように、構造改善事業等を活用いたしておりますので、たとえば四十一年におきましても、大体十六億の総予算に対しまして、構造改善事業におきまして約八億円の投資があったというふうに、まだ最終の計数は出ておりませんけれども、私ども考えておる次第であります。
○高田分科員 それでは蚕糸プロパーでも、プラスしたものでもけっこうでございます。過去数年間における蚕糸局の予算のパーセンテージ、農林省全体の中でそれはどうですか。
○石田政府委員 概略申し上げますと、蚕糸関係の予算を一応算定いたしますと、三十八、三十九、四十、おおむね二%になっております。
○高田分科員 それでは、農林省内の各局別の予算の数字を、多い順からずっと言ってください。
○檜垣政府委員 農林省内におきます局別予算額で、多い局から順次申し上げますと、最も多いのが農地局でございます。四十二年度の今回の予算案では千五百六十一億円ということに相なっております。その次に一般会計の関係で大きいのは食糧庁でございまして、食管特別会計の不足の繰り入れを含めまして千二百八十一億円、それからその次に多い局は林野庁が四百九十八億円、その次が農林経済局の四百五十二億円、その次が農政局の三百七十六億、次が水産庁の二百六十六億、次が畜産局の二百十五億、それから園芸局と蚕糸局とは拮抗いたしておりましていずれも二十八億二千万円台でございます。なお、農林水産技術会議は各局、各庁にわたる局でございますが、九十四億四千万円という予算に相なっております。
○高田分科員 いまの二十八億、これは例の——二十八億は間違いないですね。
○石田政府委員 二十八億は間違いございません。
○高田分科員 十億円の事業団出資は、これは別でございますね。
○石田政府委員 これを含めたものでございます。
○高田分科員 そうしますと、あの十億円というのは事業団のほうですね。あれはもともと前からの約束で、繭値が安くて、これは大蔵大臣が約束したので十億円出した。まあ、今度はああいう理由で名目はつきましたけれども、名目をつけて出したので、あれは本来引かなければならないものですから、正味十八億ですよ。蚕糸局というものは、近ごろ廃止したらどうかなんということをしばしば口にされる。大臣は、先ほど申しましたとおり全国一の養蚕県出身の大臣であられるのですけれども、この状態でこれをどうお感じになりますか。これで仕事ができますか、どうでしょう。
○倉石国務大臣 高田さんも養蚕県の御出身で、私と、そういう立場は同じ立場でありますが、これは御承知のように、私から申し上げるまでもなく、繊維産業というのが、ナイロンをはじめとしてだんだん化学繊維が出てきた。そして、そういう傾向のほうが一時流行いたしました。けれども御承知のように、だんだんその傾向の中でも、絹糸に対する特殊な味わいというものが、よその国の婦人たちの嗜好をあおるようになってまいりまして、そこで私どもも、大きな需要国である、たとえばアメリカなどを調べてみましても、品質を改良することと、価格の一定したもので供給してさえくれれば、もっと日本の絹の需要はふえるはずだということをしばしば言われておるわけでありますが、最近の傾向を見ますと、内需がかなりふえてまいりまして、一般論といたしましては、なるほど現在の全体の農産物の中に占める繭の生産額は、いま申したような事情で少なくはなっておりますけれども、これはやはりことしの夏から秋にかけての繭の相場が、新しい目方は知りませんが、一貫目四千円ぐらい、あるいはもっとするでしょう。こういう傾向でありますから、地方によりましては、たとえば長野県などでは、かえって非常に養蚕に関心を持って、その方向に農村の人々が向いてきておる傾向もございますし、かたがた、われわれは、輸入を押え輸出を増進するという意味でも、養蚕業というものは現在の状況で放置することなく、まず労働生産性を向上させることによってコストを引き下げる、同時に、これに一定の保護を加えることによって生産を拡大していくべきではないか、このように思っているわけであります。
○高田分科員 そうしますと、いまの大臣のおことばでは、世にいわゆる蚕糸業斜陽産業論は大臣はとらざるところである、これは斜陽産業ではない、将来性のある産業であるというおことばがいまあった、こういうふうに考えるわけであります。 それではついでですが、いま需給状況についてお話がございましたが、一体、蚕糸業というものを大臣は内需産業として位置づけるのか、それとも、輸出産業でもあるのだというふうに位置づけられますか。
○倉石国務大臣 遺憾ながら、わが国の輸出生糸というものは、ほかの外国のコストに比べて最近著しく高騰してまいっております。したがって、そういうところでは若干の競争は免れないのでありますけれども、しかし、大きなマーケットでありますアメリカなどは、中共糸を輸入いたしておりませんし、かたがた、そういう一般的国際情勢を見ますと、いま申し上げましたように、内需がかなりふえてはおりますけれども、輸出も決しておろそかにはできない、両方並行してやっていったらどうか、このように思っておるわけであります。
○高田分科員 そうしますと、単なる内需産業として位置づけるという意見も、現実に最近台頭しておるわけであります。大臣はこれを否定されまして、同時に輸出産業としても重要であるというふうに位置づけられたわけでございます。しからば、現在の需給状況の実際を見ますと、内需が傾向として年々どのくらいふえつつあるか、そうして生産はどのくらいふえているのか。それから海外の需要というものは、アメリカ、ヨーロッパその他後進国、社会主義国含めまして、どのくらいの勢いで伸びていくものと推定されるのか、また世界的な、日本以外の生産国、たいしてないわけでございますが、中共なり韓国なり、そういうところでの生産というものの動向から見て、世界的な需給の見通しはどうでしょう。国内的並びに国際的な需要供給の見通し……。
○石田政府委員 ただいまお話ございました需給の実勢でございますが、最近におきまして、ただいまお話ございましたように、日本の国内需要というのは非常に堅調に伸びております。五年ばかり前には、日本の国内の純内需というものは、生糸にいたしまして大体二十万俵程度であったわけであります。現在では三十万俵に迫っておるというのが実態でございます。 生産の面でございますが、これにつきましては、生産確保につき種々対策を講じておりますが、ここ数年におきまして、寒冷なる気候その他の気象条件もございますが、遺憾ながら生産は横ばいをいたしておる。必ずしも減少とは申せませんが、向上を見ておらない。総生産としては横ばいをいたしておるというのが実態でございます。そういうところから、現在では、一面におきまして輸出余力の問題、一面におきまして価格の問題、いろいろな関連がございまして輸出は減少いたしておるというのが実態であるわけであります。 これにつきまして国外の、国際的な需要等はいかに相なっておるかという御質問でございますが、国際的にも、日本とは若干事情は異にいたしますが、日本の国内の需要が所得の伸びに応じまして伸びておるように、アメリカなりヨーロッパ等におきましても、おのおのの国のいわゆる可処分所得の増加に伴いまして、やはりここ数年前まで需要の伸びを示しております。ただ、日本の一番大きな輸出相手国であるアメリカにおきましては、一番大きな供給国である日本の輸出の減退ということと関連いたしまして、ここ一、二年は必ずしも消費が伸びておらないわけであります。それまでの需要増大の傾向と所得とのからみ合い、これを考え合わせますと、これはなお伸び得る可能性を蔵しておるというふうに考えてよろしいかと思います。 かつまた、他の諸国の供給はどうかというお話でございますが、現在世界の総生産の五割以上のもの、六割近くのものをわが国が実は生産をいたしておるわけでございまして、その他の諸国は、かなり大きいものもございますけれども、供給力においては、国際的に日本には実ははるかに及ばないわけでございます。この生産の増強を大いに計画し、推進しようとしている国はございますけれども、それらの供給の増をもってしても、このような国際的な需要は実はまかない切れておらないのではないかというふうにも考えられるわけであります。その点で、国際的にも糸価等は若干の値上がりの傾向を示しておるというのが実態であるわけでございます。したがいまして、いま大臣が申し上げましたように、われわれといたしましては、国内需要と海外の市場、この両方を踏まえまして、日本の蚕糸業の将来の道を求めてまいりたいというふうに考えております。
○高田分科員 中共の生糸は現在どのくらい生産されており、どのくらい輸出されておりますか。
○石田政府委員 お答えいたします。 先ほども申しましたが、中共につきましては、必ずしも正確なる数字であるかどうかという点におきまして、実は幾つかの数字が情報によってございます。確かなるあれが把握しにくいという事情がございますけれども、昭和四十年におきまして、世界総生産が約五十五万俵でございます。そのうち三十二万俵を日本で生産し、中共は十二万五千俵を生産いたしておる、こういうような姿に相なっております。それで、その年、四十年の中共の輸出は三万四千俵程度であろうというふうに推定されます。
○高田分科員 いずれにいたしましても、内需の堅調——いまあなた三十万俵くらいということをおっしゃったのですが、いまの価格の堅調ぶりを見ますと、そして輸出余力がなくなっているということを見ますと、需要はもっと多いのではないかということも想像されるわけですが、いずれにしても年々伸びている、生産のほうは横ばい、それから海外においても、需要は生活の高まりに従いまして世界的にふえていく、しかも、日本が世界の生産の主要部分を占めている、こういうときに、わが国の蚕糸業の持つ役割りというものは、国内需要を満たすのみならず、世界的な需要をまかなわなければならぬ非常に重大な使命を持っておると思うのであります。しからば、これにこたえる道は何か。増産以外にないと思うのです。しからば、増産のためにどういう施策を具体的にお考えになっておりますか。
○石田政府委員 ただいまお話ございました先生の御意見、私も基本的な筋として非常に賛成でございまして、この全体的な国内における需要の堅調、かつ国際的にも生糸不足状態ということに関連いたしまして、国内の生産を高めていく、こういうことを考えてまいらなければならないと思います。従来、蚕糸業におきまする生産指導、これは国際競争力を高めるという基本的な線に立ちまして、もっぱら労働生産性を上げる、これによって能率的な生産を行なうという点に重点を傾注してまいっておるわけでございます。この点につきましては、われわれは非常に大きな成果をおさめ得たというふうに考えております。 内容的に申しますと、ここ数年間に労働投下量は大体四割節約をされておるわけでございまして、そういう意味で生産指導、技術推進につきましてはかなりの成果をあげたと考えてよろしいのではないかと考えております。この際必要なことは、このような能率の向上、労働生産性の向上は、相変わらず考えなければならないと考えますが、労働生産性とともに土地生産性を上げていく。そうして、能率的であり、かつ多収を得られるような方向に、技術を大きく推し進めていかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、その線に沿って私ども技術の推進、指導の徹底をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○高田分科員 今年度新たに増産のためにやろうという施策は何で、どれだけの経費を見込んでおりますか。
○石田政府委員 この蚕糸関係の経費は、先ほども申し上げましたように、一つには構造改善事業等の活用の問題、それから蚕業改良普及制度、これを活用して技術の徹底をはかる問題、それと個別技術につきまして指導奨励的な養蚕振興補助金を交付するという問題、あわせて農業改良資金、農業近代化資金を活用してまいる、こういうようなことを考えてまいらなければならないものと存じます。これにつきましては、先ほども申しましたように、構造改善におきまして四十二年には大体十億円程度の投資が予想されると考えます。改良普及事業等におきましては七億六千万の予算を計上いたしておるわけでございます。 新たに今回計上いたしましたものといたしましては、養蚕経営の近代化が最近進んでまいりましたが、従来のいわゆる省力技術といわれておりますものにさらに一歩を進めまして、青年層にもこれを魅力あるものにいたしてまいるためには、蚕を飼う部面及び桑園管理について、さらに機械化、自動化を徹底するということが必要であるというのが一点でございます。 それといま一つは、地力の増進をはかりますために、基本的に土地条件の調査を十分にいたしまして、これによって新たに地力向上の施策を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。さらに、普及指導の推進方策といたしましては、普及事業等々を活用いたしまして有機物の増投、肥料の増投等の推進をはかってまいりたいと考えますが、これにつきましては養蚕に関する農業団体におきましても、あわせてこのような生産増強の運動が展開されておりますので、それと平仄を合わせながらわれわれとしても推進をはかってまいりたいというふうに考えております。
○高田分科員 従来やってこられたものと、今年度新たに取り組もうというものとを区別されまして御説明願いたい。いまの構造改善やなんかは、ずっと従来やってきておるわけですが、特別に本年はこれが倍額に増額したとかなんとかであれば、同じ項目でもけっこうなんですけれども、倍額にしたのだ、三倍にしたのだ、あるいはいままでなかったけれども、今度はこういうことを新たにやるので、これに幾らの予算をとった、こういうふうに御説明を願いたい。
○石田政府委員 ただいま申し上げましたように、構造改善事業、改良普及事業等は従来に引き続きこれを推進いたしておりますが、これは構造改善事業におきましておそらく八%から一割程度の増加が出てまいると思っております。改良普及事業は、これは制度的予算でございますので、三%程度の増に相なっております。さらに、一つの新しい点といたしまして、いま申し上げました養蚕の機械化を推進する、及び地力向上のための土壌調査を行なう、この両方で約一億円のものを新たに計上いたしております。これは金額は必ずしも多くないとも申せるかと思いますけれども、これは拠点に対しましてこの技術推進をはかってまいるということで、全体にあげる効果は大きいのではないかというふうに考えております。
○高田分科員 構造改善で養蚕を主体としたものは、金額にして本年度幾らでございますか。
○石田政府委員 大体全国の構造改善事業のうち、養蚕を主幹作目に取り入れておりますものが、数とすれば二割程度ございます。しかし、養蚕におきましては、従来の技術が、資本集約的でありますよりも、より簡易なる機械等をもちまして効果をあげておるという面が多いわけでございますので、金額といたしましては、四十一年はまだ最終的な集計ができておりませんけれども、八億五千万程度のものは構造改善から出ておるのではないかというふうに考えております。四十二年はこれが十億に近づくのではないかというふうに考えております。
○高田分科員 従来生産が横ばいなんですから、いままでのようなことをやっていたのでは、毎年一割ずつもふえる内需に追いつくはずはないのでございます。ましていわんや、輸出はゼロに近いのですから、輸出をさらにやっていこうとするには、従来やってきた程度のことでは、とてもこれは話にならぬと思うのです。構造改善事業そのものが、これは予算に限りませんけれども、全体としてもうすでに五年間過ぎちゃったのですが、ほんとうのつまみ食いみたいな、全国のあちこち、ぽつりぽつり何かやっているというようなことで、しかも負担ばかり多くて、たいして成果をあげていないというような批判が強いわけです。その中のほんの一部分に養蚕が取り上げられている。ですから、この程度では横ばいなんです。絶対量はふえません。あなたのいまの御説明のように、労働生産性を上げる、これはけっこうです。非常に必要だと思いますが、絶対量がふえないことにはお話にならないと思うのですよ、絶対量の生産です。生産の絶対量をふやすために、今年、いまあなたがおっしゃったのは、金額が一億円ですか、新規事業にたった一億円ですよ、それは土壌何とかの調査と、一部分の養蚕の機械化というようなことの補助ですからね、たった一億円。この新規事業ぐらいで、あと従来やってきたことが継続されるのでは、絶対額を、しかも相当飛躍的に増大させるということは不可能だと私は思うのですが、大臣いかがでしょう。不可能でしょう。いかがですか。
○倉石国務大臣 これはなるほど政府の予算額はいま蚕糸局長が申し上げたとおりでありますけれども、実際には、農協でもそれから農業家自身でも、これは高田さんよく御存じだと思いますが、先ほど申しましたように、夏秋蚕の繭が一貫目四千円というような相場を聞いて——昨年の秋蚕もそうです、四千円を突破しておった。したがって、養蚕家自身が、いままでよりも繭の増産のほうがそろばんに合うということで、養蚕県というのはごくわずかですけれども、その各地における農業家自身が養蚕に力を入れてまいる傾向がふえておるわけでありますから、いまの政府のやってまいりました構造改善、それから地力の増強等に投下しておる国家予算というものは、そう数が多くないかもしれませんけれども、やはりいま申し上げましたように、生産者団体自身が自主的に増強運動を全国的に展開を始めておりますから、私は、ある程度こういうものに政府が協力をする姿勢を示すことによって増産はかなり見られるのではないか、こう思っておるわけです。
○高田分科員 自主的にと申しますけれども、政府の新たな施策が一億円ぐらい、あとは従来のことが若干かさ上げされて行なわれるということでは、絶対額はまずふえないと思うのです。それから民間でやっております運動と申しますけれども、これは一種の精神運動みたいなものですよ。それにたいした大きな期待をかけるわけにはいかない。私は、現在それでも横ばいを保っておるというのは、市場価格が高いからだと思うのですよ。そうでなければ、とっくに減ってしまっておると思うのです。がた減りに減っていやしないかと思う。幸いにして、需給不均衡のために、価格が政府の定めております支持価格よりもはるかに高いところでここ数年推移しております。それが辛うじて現在減産を食いとめておる原因だと私は思うんですよ。ですから、増産させるためには、よほど思い切った施策がなければならない。そこで、私はいろいろ申し上げたいことがたくさんあるのですけれども、時間がだんだん迫ってくるのですが、いままでのまことに微々たる蚕糸局の予算の現状、それから新たなる増産対策費のきわめて微々たる現状、こういうことから考えまして、過去数年来の実績が示しておりますとおり、需給のアンバランスはひどくなる一方である。需要は生活水準の向上とともに年一割ぐらいの割合でふえると見なければならぬ。海外においても同様。これに対しまして生産がうまくいって、需給不均衡のために価格が高いから、そのためにそう落ちずに済むだろうという見通しはつくと思うのです、横ばいぐらい。これは先ほど来大臣もおっしゃいましたように、内需をまかない外需をまかなう、そういう大使命をになう蚕糸業に対しては、力の入れ方があまりにも少な過ぎるのではないか。何とかこの点は、予算措置等においてさらに思い切った桑園面積の新たな開墾、新たな増反、さらにそれをやるための桑苗などの助成でありますとか、機械の助成でありますとか、大々的な施策を講じなければ、この需給のアンバランスを防ぐことはできないと思うのでありますが、大臣、予算措置等について、今後そういう面を反省されて、蚕糸業の将来のために思い切ったやはり拡充措置を講ずるというお考えをはっきりとお述べいただきたいと思います。
○倉石国務大臣 私は、日本の経済界一般についてたいへん不満にも思います点は、先ほど私が申し上げましたように、化学繊維の発達によって天然繭糸というものをもう安直にあきらめて、それで農林省が蚕糸業、養蚕業について力を入れておるようなことは時代おくれだというような考えを安直に持つ者が出てまいりましたことは、きわめて短見者流の考え方だと思う。私が長野県出身だからあえて申すわけではありませんので、これはもう御承知のように、化学繊維と天然繭糸というものの持ち味というものは全然違うのですから、そこで、生活が向上するに従って食生活に変化があるように、やはり衣料についての需給関係というものは急速に伸びることは御指摘のとおりでありますが、私どもは、先ほど四十二年度予算はまあまあであったと申し上げましたけれども、これからは、こういう面で所得の多い農業生産にやはり力を入れるべきだ、そういうことを考えております。
○高田分科員 ともかくも、相当予算的にもさらに充実されまして、そうしてほんとうの増産体制をとってもらいたいと思うのです。これではもう、はっきり断言いたしますが、生産量は横ばい、減らなければいいほうだと思うのです。ただ、需要が非常に旺盛ですから、価格が下がりませんね。それが刺激になって減ることはないだろうと思いますが、一割ずつも需要がふえていくのに追いつくなんということは、とてもできませんよ。これは蚕糸業予算の飛躍的拡大をやらざるを得ないということを特に強調したいと思います。 それから、実は輸出がなくなってしまったんですね。なくなったといっては言い過ぎですけれども、ほとんどないのです。人為的にある程度の工作はしてつなぎはしておりますけれども、第一、輸出する余力がないわけです、内需に足りないから。そこで逆に輸入が始まりまして、近年におきましては三万俵からの輸入がある、こういう憂うべき状態なんですね。生糸が日本に輸入されてくるこの状態を放置し、かつ増産対策がいま申しましたように一億円くらいの新規事業では、このままほっておけばどんどん輸入がふえざるを得ないと思うのです。いま現にふえていますね。そうすると、来年あたりはさらに何万俵かよけいにふえてくる、再来年はさらに何万俵かふえてくる。これは全くいま大臣のおっしゃった、輸出産業であるべきだといいながら、実は逆に輸入になってしまう。生糸を輸入して加工して内需に充てるとか、あるいは加工して、かろうじて幾らか輸出するというふうな、現にもうそれは始まっているわけです。これは大問題なんですが、この輸入に対してこのまま放置してよろしいか。生糸輸入というものを現状において自由放任のまま放置しておいてよろしいものかどうか、この点についてのお考えを聞きたいのです。
○石田政府委員 ただいまお話ございましたが、確かに需給の逼迫の点から輸入がふえておることは、事実でございます。ただ、四十一歴年でとりまして約一万八千九百俵、こういうようなことでありまして、全体の三十万俵に対しましては、まだ比率は非常に小さいということは申せるかと思います。それに対しまして、輸出は生糸、絹織物を合算いたしまして、生糸換算して表示いたしますと、約三万三千俵でございます。したがいまして、全体としては輸出をいたしておるバランスになるわけでございます。しかしながら、私どもは、この程度の輸出ではよろしくない、これをさらに推進し、海外市場を確保いたしていくということをやってまいらなければならないのではないかということを考えておるわけでございます。 輸入についてでございますが、この輸入が今後ともさらに一そう増大するかどうかというのは、現在関係者の間でも非常に議論があるところでございまして、これはあるいは中国の、この春行なわれますいろいろな市場の取引の情勢等を見なければわからないということもいわれておりますが、全体としてこれ以上ふえるかどうかについては、関係者の間でも大いに議論がございます。と申しますのは、先ほど申し上げました日本の非常な需要の増勢は、日本の需要が世界的にもウエートが非常に高いわけでございまして、世界の総需要に対しましても、非常に大きな追加需要をつくり出しております。したがって、各国とも必ずしもそう大きな輸出力を持っておらないのではないかというふうに思われる点がございます。それらの点をあわせまして、今後この輸入が増大するかどうかについては、問題はございますけれども、しかしながら、先ほど来先生もお述べになっておりますように、国内生産を確保いたしまして輸入をできるだけ押えてまいるということは、基本的に考えてまいらなければならぬというふうに考えております。
○高田分科員 わが国が繭、生糸の増産をさらに飛躍的に拡大し、そして輸出をしていく。いま輸出余力がないけれども、それまでのつなぎに、今度の事業団で買い入れをして一定の価格で売っていこう、こういうわけですね。その際ちょっとお伺いしておきますが、事業団の海外に売り出す価格、これは国内の時価というのですか、現価で買い上げますね。この買い上げた値段で売るのですか、それとも国際的な相場で安く売るのですか。どういう関係ですか。
○石田政府委員 これにつきましては、今後事業団法の改正の問題で御議論いただく点であろうかと思います。考えておりますところは、事業団で買い入れ、売り渡します場合の価格を、国内の製造原価の問題、国際糸価、両方考えまして定めてまいる。したがって、そこで買い入れ価格と売り渡し価格の間で、売り渡し価格のほうを下げてまいるというふうな考え方で立てておるわけではないわけであります。
○高田分科員 そうすると、相当の高値なんですか。それで売りさばけますか、どうなんですか。
○石田政府委員 国際的に生糸の輸出が減退しております理由というものは、いろいろな問題があります。価格の面から見ましても、価格水準の問題と価格の変動の問題、両者があるわけでございます。いろいろ海外の生糸関係者、日本の貿易関係者その他関係各方面の意見を聞きましたところでは、最も重要なものは価格の安定である、こういうことでありました。従来から、そういう意味で、できるだけ価格の変動を小幅な範囲内にとどめたいということを考えておったわけであります。現在のように全体の水準が高まってまいりますと、小幅変動ならばやれるといったことでもないのではないか。むしろ、アメリカ等の織物業者は、従来建て値制の合化繊等を使いなれておる。これはある期間は、日本からの生糸というものは一定の価格で動かさない、こういう形へ持っていくべきではなかろうか。そういうふうにしますれば、従来変動があった場合に買い付けます水準よりもある程度高い水準で向こうが買い付いてくるということが多分に考えられるわけでありまして、そういう関係者の意見を総合いたしましてただいま考えておりますのは、輸出については、国内価格に変動があっても、一本価格で売りたい。その価格は、少なくも半年、できれば一年できるだけ動かさないでおくようにして、向こうの買い付け意欲を喚起いたしたい、こういうふうに考えております。
○高田分科員 そうしますと、必ずしも下げて売らなくても、高い水準であっても、安定しておれば売れる可能性があるんだということなんですが、そうしますと、価格支持制度の問題なんですが、この間おきめになりました最低最高価格というものは、実勢価格との開きがあまりにも大き過ぎて、おおむね去年も一昨年もそうでございますが、相当高いところで、ほぼそんなに大きな変動なしに強含みで推移しておるわけであります。繭糸価格安定法に基づく最低価格、最高価格、それと現在の糸価、これはどうですか。
○石田政府委員 現在生糸の価格安定制度は、先生も御承知のように、国の特別会計で操作いたします最高、最低額というのがございます。これは、いわば異常変動の場合の最後のささえでありまして、現実的には、事業団の買い入れ、売り渡し価格のいわゆる中間安定帯というところにできるだけ価格を安定いたさせたい、こういう考え方をとっております。かつまた、事業団で買い入れ、売り渡しをいたしますに際しまして、基準繭価というものを定めておりまして、製糸業者は基準繭価以上で買い入れしておらなければ事業団の買い入れの対象にならない、こういうことにいたしておるわけでございます。したがいまして、現在の糸価安定制度でいわば一番の重要な点は、この基準繭価ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。で、現在定めております価格を申し上げますと、事業団の買い入れ、売り渡しをきめます場合の政府が定めます基準糸価というのがございます。基準糸価を五千五百円に定めております。それで、事業団の買い入れ価格を、生糸キロ当たりでございますが、五千三百円、それから事業団の標準売り渡し価格を六千百円、こういうふうにいたしております。かつまた、基準繭価は、これも繭キロ当たり七百四十八円、こういうふうに定めております。この場合の基準糸価五千五百円、それから基準繭価七百四十八円というのは、繭及び生糸の生産費の水準にほぼ見合ったものでございます。そのようにいたしまして、このような生産費に見合った繭価は、いかに価格が低落してもこれを支持するようにいたしてまいりたいというのが、この場合の安定帯価格の考え方でございます。国の最高、最低価格は、これはいわば異常に変動いたしました場合のささえでございますが、この場合は、最低価格は四千七百円、最高価格は六千三百円、こういうふうに相なっております。 現在の価格の実勢でございますが、かなり大きな変動もございますので、一応去年一年の平均をとってみますと、これはキロ当たり六千二百六十一円といったような価格に相なっておるというのが実態でございます。
○高田分科員 そうしますと、すでにその平均価格でいいましても、事業団の売り渡し価格よりも高いんですね。まして事業団の買い入れ価格五千七百円よりはもっと高いわけですね。こういうところへ価格をきめておきましても、実際には何の役にも立たない。実勢相場のほうがはるかに高くなっております。買い入れ、売り渡し価格というものははるかに低いんですね。これでは私は何にもならぬと思うのです。価格を安定させて増産意欲を持たせる、かつまた、安定した価格で輸出も増進しようというのですから——あなたもいまおっしゃるように、高くても安定すれば売れる、あなたがいまおっしゃるとおりなんです。それならば、実際に有効性のある価格に最高最低をきめて、基準糸価をきめて、そうしてそのワク内で増産意欲も持たし、輸出も増進させるということにして初めて意味があるんじゃないですか。いまのような、ばかほど低いところへ飾りものみたいなものをおこしらえになって、これは一体何の意味があるのでございますか。そして、いまあなたが生産費とおっしゃいますが、生産費は、ほかの繭以外の米、小麦、大麦、裸麦、その他カンショ、バレイショ、いろいろなものがみんな価格支持があるわけでございますが、生産費に対しまして何%というものを最低価格にしているのか。そういう中で一番繭が低いんじゃないですか、いかがですか。
○石田政府委員 ただいまお話ございましたが、実勢がかなり大きく変動しておりますことは、これは事実でございます。ただ、この場合に安定帯をどこに設けるか、これは実勢に単に追随するだけでございますと、下がった場合は、それでは低い安定帯を設けるのか、こういう問題にもなるわけでございまして、この点はやはりあるべき姿を描いておかなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。かつ、基準繭価の支持率でございますが、これはいわば生産費一〇〇%を支持しておるわけでございます。かつ、申し上げますと、昨年のものに対しましては、約一五%の引き上げに相なっておるわけでございます。現実の価格はこれから相当上がっても差しつかえないわけでございまして、もし繭の価格が低落いたしました場合でも、ここまで来ればささえになるという線を生産費一〇〇%という線にもってまいりたいというのが、現在立てました価格の考え方でございます。
○高田分科員 その生産費の計算方法でございますが、生産費につきましては、農林省統計調査部でつくります生産費調査というものがございます。これに対しまして、米以外のものにつきましてはおおむねそれはそのまま採用されて、それに対して最高価格というものがパーセンテージできまってくる、こういうことになっておる。しかも、そのあれが高いわけでございます。繭が一番低いのですが、しかも繭の場合は、これに対していろいろ修正されておりますね。三割以上災害農家を除くとか、府県別加重平均をどうするとか、いろいろの手を加えまして、実際に統計調査部で出しております生産費よりも低い生産費で持ってきている。こういう操作をやっている。これはどういうわけでそういう操作をなさるのですか。
○石田政府委員 いまお話ございましたが、生産費をどのようにはじき出すかという点は、いろいろ議論のあるところでございます。現実には、現在の生糸価格の生産費の出し方は、生糸価格の安定に関しまする振興審議会の中で小委員会をつくっていろいろ御検討いただきまして、その結果によって現在の方式でいたしておるわけでございます。したがいまして、この方式自体についてさらにいろいろ議論であるということはあり得るかと思いますが、生糸価格を定めます場合にどういう方式が妥当なりやということでいろいろ検討いたしまして、現在の方式を出しております。本年もそのような方式によって算出をいたした、こういうことに相なっておるわけでございます。
○高田分科員 しからば、現在の国の最低価格の支持価格でいった場合には、農家の手取りの家族一日当たり収入は幾らになるのですか。
○石田政府委員 大体千円程度になろうかと考えます。
○高田分科員 それはあれでしょう、事業団のあれじゃないですか。政府の最低価格ですか。そうじゃないでしょう。
○石田政府委員 ただいま申し上げましたのは、いまの基準繭価における数字でございます。
○高田分科員 そうでしょう。ですから、政府の支持価格ではずっとそれより低いのですよ。はるかに低いのです。幾らですか。
○石田政府委員 これは現在資料を持っておりませんので、これは別途……。
○高田分科員 じゃ、あとで調べてください。六百円ぐらいじゃないかと思うのですが、あとでお調べ願いたいと思うのです。 いずれにしましても、私が申し上げるのは、いま実勢価格というものは、かなり安定したところで高い実勢価格、これは需給関係で当然そうなろうと思うのですよ。それよりはるかに低いところに最高価格も最低価格もあって、用をなさない。せっかく事業団をつくったって、事業団は昼寝しておる、ただ役人が利息でもって給料をもらっているだけじゃないかという非難があるわけですよ。そうでしょう、あるんですよ。せっかくつくりました事業団が、機能して価格を安定していこうというのには、相当の、つまり実効性のある最高最低価格で、このワク内ならだいじょうぶだぞということを示すことによって生産意欲も増し、輸出も、買うほうも安心して買えるという意味がなければ、最高最低価格をつくった意味がないのですね。だから、その理論は、何も実勢価格で最高最低をつくれと私は言っておりません。無理に最低価格を、生産費を低く計算してまで、そんなばかな数字を出す必要がないじゃないかと言うのですよ。だから、生産費というものが統計調査部でつくったものよりもはるかに低いというのは、そういうふうに低い修正をしているということが一点。それからもう一つは、上位の農家だけを千何百戸の中から。ピックアップして、かなり生産費が低くついているところを基準に持ってきているのですよ。いいですか。違っていたら申してください。時間がないから申し上げます。そういうことをして、いずれにしても生産費というものをわざわざ低くして、そういう低い最低価格、最高価格をこしらえているから、全然実効性がないのですよ。飾りものになっちゃっているのですよ。そこで、その生産費というものについて再検討してごらんなさい。これは相当高くなります。いまの実勢価格というものにかなり遠くない最高最低価格で、実際経済的に作用する価格に私はなると思うのです。無理にするんじゃなくて、自然になると思う。第一、米の価格をきめるときに労賃を一体何で計算しますか。いいですか。お米の値段を米価審議会できめ、そして政府が決定されるときの労働力の評価基準は、都市労働力でしょう。これは、繭の場合は何の労働力できめているのですか。
○石田政府委員 ただいまお話がございましたが、われわれといたしましても、このただいまの価格安定の基準の価格をきめます場合には、生産費等々を考え、また、需給の問題ももちろん考えないわけではございません。かつまた、それは、現在の生産意欲等々に及ぼす影響ということも、私どもは十分考えたつもりでございます。この場合お考えいただきたいのは、ただいま七百四十八円という価格であるというふうに申し上げましたが、現実には七百四十八円という繭価は、従来必ずしもしばしば出ておる価格ではないわけでございます。昨年におきましては、繭価は春からかなり上がっておる。しかしながら、四十年以前をとってみますと、七百四十八円以上の繭価が実現いたしましたときは、三十八年の春繭一回でございまして、それ以外は全然そういう繭価は出ておらない。しかも、その七百四十八円をもっていまの事業団買い入れの場合の製糸の保証をしなければならない価格としてこれを定めたわけでございますので、したがって、これにつきましては、私どもとしてやはりいろいろな側面を考えて、こういうふうな結論に到達したというふうにお考えをいただきたいと思います。
○高田分科員 製糸組合が保証するんだから、あまり高いところではということは、一面の——あなたのおっしゃるのはそういう意味かどうかわかりませんが、しかし、私は実際の価格としまして七百四十八円というものは、現在の実勢からすれば問題にならぬと思うのです。それは、いまおっしゃったのは一昨年ですか、一昨々年ですか知りませんが、その後需給関係はますます逼迫しておりますし、価格は上がる一方でございますから、これは繭ばかりじゃない、諸物価ともそうでございますし、賃金も毎年上げざるを得ない状況なんです。ですから、いまじゃこういうことを言いましても、これでは非常に遠いものになります。それから、いま私が質問しましたのは、原価計算するときの労賃ですよ。農産物の支持価格をきめるときに、労賃を何を基準にきめるかということは、ちっとも統一されていないじゃないですか。米はやはり農産物の中では基準になるべきものだ。米が主要なものですよ。その米のときにきめる都市労働者の賃金というものは、何十人規模というものが問題になりますが、いつも都市労働者を基準にして、しかも、繭の場合は依然農村の日雇い労賃か何かではないのですか。どうですか。
○石田政府委員 ただいまお話がございましたが、現在農林省でやっております生産費調査、これは労賃を算定いたします場合に、近傍の労賃をもってはじき出しております。ただいまの繭の価格の算定におきましても、これを基礎に置いて算定をいたしております。
○高田分科員 ですから、これはやはり大問題だと思うのですよ。いま申しましたように、せっかく価格の安定法がありますけれども、低過ぎちゃって役に立たない。なぜそんなに低いかというと、生産費を基準にしてきめる。これは一つの理屈なんですけれども、その生産費そのものを無理に安くきめておると思うのですよ。そうじゃないと私は思うのですよ。やはり米で一応基準が示されておりますように、都市の労働者の賃金になるべく近づけていくということ、われわれは大体官吏の給料でやったらいいのではないかということで考えたいのでございますが、かりにそこまで一ぺんにいかなくても、あるいは五人程度の従業者を持つところ以上の都市労働者の平均賃金というようなものを持ってくる。米の場合にはいつもそれが論議の的になっておりますが、一応とにかく都市労働者の平均賃金、こういうことでいっているのです。そういうふうにいたしましてやっていく。それから統計調査部でつくりましたものに、低くなるような修正をわざわざ加える必要はないと思うのです。わざわざ上のほうをピックアップしないで、いま足らないときですから、一番最低の条件のところの生産費であっても引き合うようにしてやらなければ、生産がどんどん減る一方です。だから、やはりいまは生産費というものは、最劣等条件下にある生産費のものまでも含めまして、それでやれという意味じゃないですが、含めて平均化して考えるとか、さらには、いま申し上げた労賃の計算を米並みに考えるとか、そういうふうにしてやれば生産費も相当高いわけですね。他の生産物と比較しました農家の手取り収入というものを見ましても、必ずしも繭はそんなにいいわけじゃないですよ。これだけ値がよくたって、大してよくはない。米なんかの米分ばかりです。だから、これは相当程度価格支持についても考え直す必要がある。これは相当抜本的に考え直す必要があるのではないかと私は思うのです。 そこで私は、時間がありませんので、事業団の問題に戻りますが、できました事業団というものをできるだけ活用して、そうして価格を安定させ、それによって増産もはかり、輸出も増進するという目的の一つにしたらどうかと思うのです。それにはまだ足りないと思うのです。いまの資本金では金は足りないと思うのです。借り入れ金やその他はできると思いますけれども、それにしても、もっと資金的に充実することを考えなければなりません。これでは機能するように制度自体がなっていないと思うのです。だから、もう少し借り入れ、今年度もこれだけ買った、これだけ売ったというふうに、価格の調整ができるようにしたらどうか。それから繭糸価格安定法によって定められておりますが、最低最高価格——最低価格のときには買い出動するために、国の資金が何十億円ですか、五十億円ですか、用意されているわけでしょう。また、そのほか借り入れもできるわけですから、ワクとしまして相当の資金が動員できる体制になっておる。だから、私は二重のことをするよりも、事業団というようなものに対しまして、これはもう半ば国家的な事業なんですし、私企業じゃないのですから、これに対して一本化して相当な資金力でもってバックアップして、どんどん買って、どんどん売り飛ばす。それ以下に下がったときには、この場合、しょうがない。国家でやってもワクがきたらお手あげするのですから、どうせお手あげにするなら、飾りものにしないで、使えるようにしたらどうかと私は思うのです。ですから、そういう点についても、事業団はつくったけれども、それは何にもしないであぐらかいている団体だというようなことにしないためにも、価格支持制度そのものについては、抜本的な考え方の変更をする必要があると思います。いいですか。それが一点。これについて御意向をちょっと承りたい。 それから、重ねてもう一つお伺いしておきたいのは、韓国から輸入します生糸——今度事業団で輸出をやるわけですから、そうしますと、韓国から輸入する生糸を、さっきもちょっとお聞きしましたが、野放しにしておいてどんどん輸入さしておくということにしたら、これは増産どころではありません、つぶれてしまいます。だから、生糸の輸入に対しましても、時宜に適した規制措置が加えられるような立法措置というものを考えておく必要があるのではないかということが一つと、事業団に扱わしたらどうか。買ったものは、一たん輸入されてきたものは、事業団が一手に引き受けて、そうして輸出するなり、国内に出すなり、それは需給のバランスを見ながら、価格の動向を見ながら事業団にやらせる。この二つですね。事業団がやるということと、輸入について価格の規制ができるようにするということ、これを考えませんと、このままでやったら、私は、増産はやれないで、もたもたしているうちに輸入ばかりどんどんふえて、たいへんなことになりはせぬかと思う。その点について御見解を承りたい。
○石田政府委員 ただいまお話がございましたが、生糸及び繭の価格安定の制度は、いろいろな経過を経まして、一昨年の末の国会におきまして現在の事業団の法的基礎をつくり上げていただきまして、先ほど御説明いたしましたような事業団における中間安定、国の特別会計による異常変動防止、二段階の制度によってこれを推進しているわけでございます。これにつきまして、さらに前向きにいろいろと検討を加えるべきだという御意見でございました。もちろんわれわれは、現在の制度がいろいろな関係者の検討を経ましてでき上がりましたものでございますから、この制度によりまして価格安定をはかってまいりたいと思います。なお、さらに種々検討を加えよという先生の御意見は、これは先生の御意見といたしまして、われわれも今後さらに蚕糸政策を進める場合に参考にさしていただきまして、十分検討を進めてまいりたいというふうに思います。 かつまた、輸入問題を放置してよろしいかというお話でございますが、韓国からの輸入の生糸につきましては、現在輸入生糸は一五%の関税がかかっております。大体、国内市価と一五%差ぐらいに迫っておりまして、入ってまいりましたものも大体そのような価格に相なっておるわけでございます。かつまた、輸入がかなりふえておりますけれども、国内市価は相変わらず強勢でございまして、輸入の増加はまことに残念でございますけれども、これによって国内生産者に破壊的な影響があるというようなことには、現在はいっておらないというふうに思うわけでございます。さらに、将来をながめまして、先ほども申しましたが、今後の輸入の情勢等々を考えあわせて、どういうふうにさらに検討を進めるか、これは今後の問題であろうかというふうに思っております。
○高田分科員 そろそろ時間でございますのでやめますが、韓国から輸入した生糸については、保税加工をして再輸出をして関税を免除しているというんですが、これは事実ですか。
○石田政府委員 現在、いわゆる保税工場の制度がございまして、生糸を輸入いたしまして保税工場の指定を受けました場合には、これはその保税工場で織物にいたしまして輸出した場合に、輸入税を戻すという制度はございます。しかしながら、保税工場になります場合には、現実の機屋は、生糸なり絹織物も扱えば、ほかのものも扱っておりますので、現実には、保税工場になっておるものは少ないというのが実態でございます。
○高田分科員 現実には幾つぐらいあるのですか。
○石田政府委員 正確な数字は現在手持ちしておりませんが、十幾つと考えております。いずれも小さい工場であります。
○高田分科員 あとで資料としてお調べ願いたいと思います。それからその輸出額ですね。 そこで、これは小さいかもしれませんが、こういう制度の趣旨がちょっとおかしいと思うんですよ。生糸を入れて、それを加工して輸出する、特別にこれを優遇してやる。われわれは、そういうことよりも、何しろ日本の生糸を輸出する、日本の織物を輸出することに一生懸命になってもなかなかやれないというときに、何も外国の生糸を優遇して、織物にして輸出さすようなことを考えてもしょうがないと思うんですよ。一体これはどういう趣旨なんですか。
○石田政府委員 これは現在の制度として保税工場という制度があるわけでございますので、全体といたしまして、生糸及び絹織物の輸出確保の点につきましては、まずアメリカなり輸出対象国において絹需要というものがひとつ大きく喚起されなければならないわけでございます。その意味では、もちろんわが国内においてできました生糸による絹織物が大幅に輸出されるということが基本でございますけれども、かつまた、同じ生糸でございましても、韓国から直ちにアメリカに輸出されてアメリカで消費されますよりも、日本において絹織物に加工されて輸出されるというほうが、日本のレッテルのもとに出てまいるわけでございまして、全体として日本絹製品の需要の喚起に役立つ側面がございますので、それを本筋であると考えるわけにはいかないと思いますけれども、これを否定いたすわけにもまいらないのではないかというふうに考えております。
○高田分科員 しかし、これはそんなことをしていますと、それはメイド・イン・ジャパンなんていうことにはなるかもしれませんが、結局、韓国生糸をもってつくられる製品がアメリカ市場を将来席巻とまでは大げさかもしれませんが、日本品に代替する基礎をつくってやっているようなものですよ。お手伝いするどころの騒ぎじゃない、日本のほうは一本の生糸もよけい売らなければならぬときなんで、私は、ちょっと申し上げたいことは、生糸としての輸出よりも製品としての輸出のほうが、今後将来性もあるし、日本としては力を入れるべきだと思うのです。一貫して日本の場合は、生糸の場合は原料を輸入するでもなし、地場で原料の生糸からつくり上げて、まるまる外貨獲得ということになるし、生糸そのもので出すよりは非常に利益も高いし、また競争力も圧倒的に高いのです。生糸に加工したり、織物にしたり、第二次製品にしたり、独特の染色などをいたしまして、そうして世界の需要をまかなっていくという方向に私は力点を置かなければならぬと思うのです。いままでの趨勢としても、生糸の減り方よりは製品の減り方のほうが少ないでしょう。いま私の申したことについてどういうお考えをお持ちになりますか。
○石田政府委員 同じ製品が輸出されます場合に、国内においてできるだけ高度の加工品になって輸出されるということのほうが、より国内産業のためによろしいということは、そのとおりであろうと思います。われわれも将来、絹織物輸出にさらに一そう重点を置くべきではないかというふうに考えておるわけでございます。いまお話のありましたように、生糸そのものよりも、絹織物の輸出の減退率のほうがより小さいということは事実でございます。しかしながら、他面におきまして、日本の現在の輸出絹織物というのは、非常に簡単な白生地のようなものが多いわけでございまして、したがいまして、それらは実は非常に原料価格の脅威を受けやすいわけでございます。現実には、そういう輸出絹織物業者が一番現在の生糸価格に対して不満を持っておる。これはなかなか耐え得ないじゃないかという意見が出てまいっておるというのが実態でございます。この理由はいろいろあろうかと思いますが、アメリカで実際売られております絹織物が、イタリアもの等々に比べまして、日本ものが糸の量で価格を比較いたしますと、日本側が非常に割り安になっておる。この点、おそらく問題があろうかと思います。それは、現実には、日本から輸出されておりますものが、同じ生地であっても非常に簡単な加工品である。かつまた、イタリア、フランス等が、従来からの、いわばのれんとでもいうべきものを持っておるというような、そういういろいろな要素が関連いたしております。したがいまして、絹織物の輸出を推進いたしますことは非常に重要でございますけれども、これについては、やはり絹織物業界の、体質と申しますか、技術と申しますか、こういう面におきましてさらに一段と推進が必要となるわけでございまして、長い目で見て絹織物の輸出をさらに一そう推進するということを関係者の間で考えてまいらなければならないと思います。
○高田分科員 それじゃ、これで質問を終わりますが、この織物関係、それは業界ももちろんそうですが、業界に大いに指導を与え、政府としても、最終製品でイタリア、フランスその他ヨーロッパ方面にどんどん出すということは、これは可能性はずいぶんあると思う。というのは、日本でつくったものをメイド・イン・アメリカとかメイド・イン・イタリアとかいうことにして、向こうで加工して、そうしてまたドイツのほうに売ったりどっかに売ったりして、ものによっては、もうまるきり日本でつくったものの十倍にもなって売れているものがずいぶんあるというのですね。もう非常にばく大な利益を外国の工業家や商社があげている。ですから、わが国としては、最終製品にして、しかも海外の価格と比べて安いもので売れる方法は相当あると思うのですよ。そういうことを考えれば、前途洋々たるものなんで、最初のお話のとおり、ひとつ大臣、これからそういう意味で大いに力を入れていただきまして、そうして内需並びに外需をまかなうという意味において、予算も、先ほど最初お聞きしたような予算ではどうにもならない。これは世間でいわれますように、蚕糸業斜陽産業論、蚕糸局廃止論、これを裏づけるみたいなものになっているので、はなはだ遺憾だと思うのであります。どうかひとつ、次の予算編成にあたりましては、飛躍的な、革命的な、予算を伴う施策を盛り込まれますように強く要請いたしまして、きょうはこれで終わります。
○野原主査 本日は、この程度にとどめ、次会は明二十日午前十時から開会することとし、農林省所管について質疑を行なうことにいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十分散会