予算委員会 第16号
- 発言数
- 301 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1967/04/28
会議録
○植木委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、締めくくりの総括質疑を行ないます。小平忠君。
○小平(忠)委員 最初に、ベトナム和平について総理大臣からお伺いいたしたいと思うのであります。 和平問題の中身について総理にお伺いする前に、現在、ベトナムを中心とする両陣営の戦力並びに配備の現状について、担当が外務省あるいは防衛庁、場合によりましては政府委員でもけっこうでありますから、両陣営のベトナムを中心とする極東の配備状況についてお伺いいたしたいと思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 私はあまり状況を知りませんから、あるいは外務当局が知っておるかと思いますが、知っておる限り事務当局から答えさせたいと思います。
○島田(豊)政府委員 米軍並びに南ベトナム政府軍、また、米軍以外の連国諸国軍、これらの兵力は、政府側におきまして合計約百八万五千人。これはお断わりしておきますけれども、二月十一日現在でございます。その中で、南ベトナム政府軍が約六十二万人、在ベトナム米軍事援助司令部要員が約四十一万二千人。米軍以外の連合諸国軍――韓国軍、オーストラリア軍、ニュージーランド軍、フィリピン軍、タイ軍、これを含めまして約五万三千名、南ベトナム民族解放戦線及び北ベトナムの正規軍が約二十八万四千人、こういう状況でございます。
○小平(忠)委員 極東における米軍の配備状況はわかりませんか。
○島田(豊)政府委員 極東方面におきます米軍の配備状況は、まず陸軍は、韓国に二個歩兵師団及び一個防空砲兵旅団、日本に管理補給部隊を置いております。沖繩に一個防空砲兵旅団。海軍は御承知のとおりに、極東海域には第七艦隊が配備せられております。第五空軍は、日本韓国、沖繩。第十三空軍がフィリピン、台湾及びタイに、それぞれ部隊を置いております。また、戦略空軍の一部が、B52を主体といたしましてグアムにおります。また、沖繩にKC135という給油部隊がございます。なお、最近B52が一部タイに配備されておるということが言われておるわけでございます。以上でございます。
○小平(忠)委員 さらに、米軍の極東における配備の中で、核の配備状況はわかりませんか。
○島田(豊)政府委員 核の配備状況につきましては、これは軍事機密の事項でございますので、われわれとしては正確な資料は持ち合わせておりませんが、たとえば沖繩におきますところのメースB、これは両用だと言われているわけでございます。それから、ナイキハーキュリーズ、これは防空用兵器でございますけれども、これを沖繩あるいは韓国に配備しております。これも核、非核両用の弾頭の装着が可能であるものでございます。それ以外につきましては、正確なところわかりませんが、推定されますものとしましては、グアムにおきますところのB52、これは現在は、もちろんベトナムにおきましては核兵器は使用しておりませんけれども、これは核保有可能である。また、ポラリス潜水艦が太平洋に配置されておると推定せられますけれども、これも核兵器を発射することができるということでございまして、ただ、それの具体的な状況につきましては、われわれとしては御説明する資料がないのでございます。
○小平(忠)委員 防衛庁長官にお伺いしたほうがいいと思うのですが、中共のいわゆる水爆の実験ですね、大体いつごろ行なわれると推定しておられるのか。さらに、中共が核を実際に兵器として実戦化できるという段階は、いつごろと見込んでおられるのか。外務省の所管になるかと思いますけれども、しかし、わが国の防衛の最高責任者である防衛庁長官にお伺いしたい。
○増田国務大臣 小平君にお答えいたします。 水爆らしきものを実験したという情報はございまするが、まだ水爆そのものを実験したという情報は入っておりません。 それから五回核兵器の実験をいたしております。四回目のときに、たしか地対地ミサイルという核弾頭をつけた演習は行なっておりまするが、どこの地点で、どのくらい飛んだという詳細なことはわかりません。若干の距離にすぎないということらしゅうございます。
○小平(忠)委員 総理大臣、ただいま防衛庁長官をはじめ政府委員から述べられた、ベトナムを中心とするアジアの自由主義陣営並びに共産陣営のこういった配備の状況というものは、推定でなかなか的確な数字はそれは困難でありましょうけれども、やはり一日一日と緊迫の度を加えておることは、現実の問題であります。いま防衛庁長官の言によれば、明確に判断し得ませんけれども、中共が近く水爆の実験、さらにこれを核兵器として実戦化するのも決して遠くはないことであります。さらに、アメリカの極東における核装備の現状も、いろいろ専門家の言を承ってみましても、沖繩にメースB、すなわち中距離弾道弾でありますが、これの基地を持ち、現在三十六基配備されて、この射程距離は全アジアに及ぶことは言うまでもないのであります。さらに第七艦隊の指揮下にあるポラリス型潜水艦も、これはわれわれは今日では七、八隻と承っております。ポラリス型潜水艦は、一基の核弾頭一メガトンと言われておりますから、破壊力にして百万トン。これを十六基積んでおりますから、一隻の破壊力千六百万トン。第二次世界戦争で彼我の全世界が消費した破壊力は、およそ五百万トンといわれておりますから、一隻のポラリス型潜水艦の破壊力がいかに偉大なものであるかということは、いまさら申し上げるまでもございません。このように、日に日に悪化しつつあるベトナム情勢に対処して、わが日本はアジアの一人、アジアの指導国として、放置できない問題であろうと私は思うのであります。さきに、ベトナム和平に関しまするウ・タント提案が、北ベトナム側によって拒否されました。かつまた、アメリカ側の北ベトナム直接交渉が不調に終わりました。北爆が新たな拡大を迎えたいま、何かベトナム和平のチャンスは失われたかのごとき感を呈しておりますが、事態は必ずしもそう断じ切れないものがあると思うのであります。むしろアメリカ側の再三にわたる和平表明、北ベトナム側の微妙な変化、ソ連の動きなどからいたしまして、和平のチャンスは時とともに逆に熟しつつあると判断するのが適当であろうと思うのであります。かような見地から、二、三佐藤総理に所見をただしたいと思います。 これまでベトナム和平に対する政府の動きは、横山特使の派遣、椎名外相の訪ソ、来日各国首脳との会談など、決して皆無ではありませんが、アジアの平和に連帯の責任を負う日本としては、その行動力に大いに欠くるものがあったといわなければならぬと思うのであります。特にイギリス、フランス、カナダ、ソ連、非同盟諸国、それに国連のウ・タント事務総長など、各国並びに国連の首脳がベトナム和平に東奔西走の動きを示した中で、ひとり日本だけが首相級の行動を欠いたことは、日本外交の真価と役割りを低からしめたものというべきであります。かような観点から、ベトナム和平に対しまする今後の決意について、昨日社会党の山本委員からも長時間にわたって本問題について総理の所信をただしたのでありますけれども、本日いよいよ最終段階に入ったこの予算委員会の審議を通じて、私は佐藤総理の所信を伺いたいと思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 小平君、昨日もるる説明をいたしました。あまり変わった話もないことを、ただいま半分は御非難――大体日本の外交、その真価を疑われるんじゃないか、こういうようなお話でございます。しかし、外交というものは一体どういう姿が一番望ましいのか。非常にはでな外交、まあ、口八丁手八丁、そうして効果のあがらないこと、そういうのはどうも外交としてはいい方法じゃないんじゃないかと思います。私は、このベトナム問題の重大性を小平君に負けない立場で評価いたしておりますが、その立場で、一日も早く和平が招来されるように、それを心から念願している。その立場に立つと、必ずしもはでな外交ではございませんけれども、じみちな外交、そういうものが展開されてしかるべきじゃないかと思います。日本の場合は、まさしくそれに当たっておるんじゃないかと思います。したがいまして、あらゆる機会を私どもはとらえるつもりでありますし、また、そういう機会はいつのときもあるものであります。たとえば、当方から出かけた椎名外務大臣の訪ソを高く評価していただいていること、たいへんありがとうございますが、同時に、グロムイコ外相が来たとき、こういう際にも、私どもは日本の立場というよりも、ベトナム、これを主体にして、そうして日本に及ぼす影響など十分話し合って、そうしてソ連の力もかりる。また、ロンドンにソ連首相が出かければ、そういうチャンスを通じまして、いわゆる外交ルートでウィルソン首相との話し合いの経過も正確に把握する。また、その他の会合の場合、たとえば最近は核拡散防止協定――ずいぶんやかましい問題になっておりますが、そういう話をしながらも、やはり協力の機会、そういうものはないだろうかという、そういうさがし方をするし、最近はまた、フランスから見えましたゼネラル・ボーフルとの会議におきましても、やはりボーフル将軍の過去の経験から申しまして、ベトナムには二回も勤務したという、そういうような点からも、どこか和平への道を見出すことはできないだろうか、こういうじみちな努力をいたしておるつもりであります。この問題をめぐりましていろいろ皆さんも気をもんでいらっしゃる、これは結局、ベトナム紛争というものの危険性というか、ベトナム紛争がはらんでおる危険性、これについて十分注意すべきものだから、一日も早く和平を招来するようにどうして各国とも立ち上がらないのか、そういう気持ちのあらわれからだと思います。私は、そういう国際的な常識が醸成されて、そうして紛争当事国そのものが、こういうような無視できない国際動向、こういうものに動かされ、そうして一日も早く平和が招来するように、ただいまはあるべきものだと思います。最近のチャンスといたしまして、国連のウ・タント事務総長が日本を訪問する、こういうことがいままでいわれておりますので、こういう訪日の機会などはいい話し合いの場ではないだろうか、かように私は思うのであります。あらゆる機会をとらえ、あらゆるつてを求めて、そうして和平への努力をこの上ともいたしたい、かように思います。
○小平(忠)委員 ただいま総理がウ・タント事務総長が来日されることに触れられて、その機会に話し合いもしてみたいとおっしゃいましたが、昨日の答弁の中でも、ウ・タント事務総長のベトナム和平に対する提案は賛成であるとおっしゃいました。そのとおりでありますか。
○佐藤内閣総理大臣 ウ・タント事務総長が過去におきましてこの和平への努力をしておられること、これについては心から敬意を表します。また、最近の提案は、これがこういう方向で解決できればたいへん望ましいことだ、かように思って私は歓迎をいたしております。ただいまのお尋ねにありましたように、この提案が北側においていれられなかった、あるいはアメリカ側においても必ずしもそのままの提案の受諾ではない、かようにいわれますが、しかし、とにかくアメリカ側は条件つきにしろ、この提案をのんでおる。とにかくそこに一つの前進がある。私どもはかように考えて、この提案を歓迎しておる次第であります。こののめないような事情、そういう点についても、私どもがさらにメスを入れまして、そして関係両者がのめるような、そういう努力をすべきじゃないか、かように思っております。
○小平(忠)委員 総理がベトナム和平について真剣に取り組み、考えておることは、理解できます。ただ、そう考え、また念願しておるだけでは、やはり日本の外交というものは実際に成果を発揮し得ないのであって、やはり問題は、これを具体的にどう行動に移し、それを実現するかにあると思うのでありますが、かりにウ・タント提案が、目下のところこれはなかなか取り入れられないといたしましても、日本は真にアジアの最高の指導国としてこれを実際に推進する立場を宣明し、さらに一歩前進の行動、前向きの行動をとることが必要ではなかろうか。それは南北ベトナムの対立というだけでなく、その背後には、自由主義陣営と共産主義陣営の世界の二大陣営の対立というものに大きな原因があることは、これは申し上げるまでもないのでありますが、これを克服するために、北にはどうすればよいか、南にはどうすればよいか、また、それの最も重要な当事者となっておるアメリカにはどうすればいいかというようなことについて、かりに総理がウ・タント事務総長の提案を歓迎するというのであるならば、私は、日本は進んで現地に派兵もしていない英国と胸襟を開いて、ジョンソン大統領にすみやかに北爆を停止することを強く働きかける。また、ソ連は同じ考え方に立つフランスと相くみして、北ベトナムに戦闘を停止するような行動を起こしてはいかがかと思うのでありますが、総理、いかがでございましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの外交、これは考えただけじゃだめだ、また、はでなことはやらぬでもいいが、行動性のないところには解決の道はつくれないんだ、こういうお話については、ちょうど本会議における西尾委員長の質問に私が答えたと同じように、ただいまも同じような考え方を実は持っております。しかし、ベトナムの問題がいかにむずかしくても、関係国並びにその周辺の国々のこの将来の平和への努力、それが行動としてあらわれて、そして一度では報いられなくとも、二度、三度失敗をしながらも実を結ぶということ、それは過去の側においてもしばしばあることであります。ただ、日本のやり方は、いわゆるはでなやり方はいたしませんから、何だかもの足らない、行動が鈍っているのではないか、かような御指摘かとも思いますが、しかし、静かなうちにも外交としての十分注意しての機会をつくること、それには努力をしておるつもりであります。ただいま、たとえば英国ともっと話し合って、その実行をアメリカに要求したらどうか、こういう提案ですが、これは英国ばかりではございません。カナダ、これは同じような考え方を持っておるし、ことにジュネーブ協定によるこれは監視委員会の一員国でもあります。そういう意味で実情をよく把握しておりますから、このカナダとの連携については、特に注意をするつもりであります。また、今日もやっております。また、フランスにつきましては、ただいままで私どもはまことにいろいろの話をしておりますが、必ずしも意見は一致しておらない。ことにフランス自身は、ベトナムの旧宗主国というか、そういう立場で、非常に自信が強い、こういう関係もありますが、ベトナムの問題はおれが一番よく知っているんだ、おれらの考え方でないと、これはなかなかおさまらないんだというような気持ちも多分にあるようであります。こういう点について、それならそれでジュネーブ協定問題でも、フランスだけが口を緘するのではなくて、その過去の知識なども十分活用できるようにということも要求しております。過日ボーフル将軍が見えた際にも、そういう点の努力をいろいろ伺ってみますと、ボーフル将軍などは、年に二回はアメリカに出かけて、そして自分の考え方も始終話をしておる、こういうようなことも漏らしてくれております。私は、いまソ連については、先ほど披露いたしましたから、もう多くを申しません。また、モスクワ駐在の日本大使が、外交ルートとして絶えず接触をしておる。これはしばしばソ連から日本の態度について非難がましいことも受けます。あるいは沖繩の問題あるいはその他安保条約等から、日本は間接的に米軍のベトナム行動を支援しているんじゃないか、こういうような意味の非難を受けておりますが、そういう機会に、あらゆる実情を正確に話し合って、また、それならばこそ、ソ連自身も北に対して十分の意見を述べていただいて、そして和平をもたらすように、こういうことをしばしば話をしておるわけであります。私は、ソ連の考え方が、昨年のグロムイコ外相訪日の時分、この際には、はっきりと自分は当時国でないのだ、ただいまのようないろいろな話をされましても、ソ連は当時国ではありませんからどうしようもございません、こういう話に実は徹しておりまして、たいへん悲観したのでありますが、しかし、その後ロンドンに出かけたコスイギン首相の発言などは、必ずしもいわゆる第三者的な立場ではない。やはりこのことを――和平を招来することが世界の平和、繁栄につながるのだ、こういうような点を認識し、はっきり申しておるようでございますから、ここらにもやや変化を来たしつつあるのではないか、いい方向に向かいつつあるのではないか、われわれの過去の努力はむだではないのだ、かように思い、さらに根気強く、ただいまのような態度で和平への努力を続けるつもりであります。いろいろ問題がございますので、必要ならばそれぞれもっと積極的な特使を派遣することも考慮すべきものだろうと思いますが、ただいまどうもその段階ではないのではないか、かように思っております。いずれにいたしましても、ウ・タント事務総長が日本に出てきたその機会に、十分話し合ってみて、そうしてさらに和平への努力をしたいものだ、かように思っております。
○小平(忠)委員 たいへん前向きの御答弁でありまして、私は、ただいまの総理の発言の中身はきわめて重要であろうと思います。私が英国の問題を取り上げましたら、さらに同じ考え方を持つのがカナダである、カナダとも十分に話し合いたいと思うという積極的な御意見であります。新聞では、昨日、韓国への訪問は年内取りやめて、アメリカに参りたいという一部報道もありますが、もしアメリカに行かれたら、その機会にでもカナダまで足を伸ばされまして、そのような問題を積極的にお話しされるお考えですか。
○佐藤内閣総理大臣 私の外国訪問はいろいろ新聞で伝えられておりますが、まだはっきりきまっておりません。いま近い問題で韓国訪問、これをいろいろ計画し、いろいろ韓国政府と話し合っております。私が最初に予定した時期は、どうも不適当だったというような結論になりつつあります。しかし、まだその他の訪問先については、考えが固まっておりません。いま新聞等に報ぜられますもの、これはどういうところからそういう新聞記事が出ましたか、私もなかなかわかりませんが、まだそれらの点ははっきりしておらないのです。また、アメリカに行くという場合にカナダもあわせてという、そういうことが適当かどうか、これなども考えなければなりません。アメリカ行きの十月とかいうようなことが報ぜられた、その記事は私も見ました。見ましたけれども、いま全然まだそこまで進んでおりませんから、御了承いただきます。
○小平(忠)委員 わかりました。 第二の重要な御答弁は、和平について特使を派遣することを考慮してもよろしい、しかし、問題は時期だ、こうおっしゃいました。いま三木さんは、御承知のように東南アジア開発閣僚会議でマニラに出席中でありまして、本日はおりませんが、外務大臣として三木さんも、この和平問題については、内外情勢調査会あたりへ行って演説をしたり、あるいは担当局長をして具体的な和平への指示をしたり、なかなか積極的に動いておるようであります。過日、日経が、具体的な和平について三木外相が示唆していることを報じておりましたが、私は、これについて外務省に正式に伺いましたら、いや、そのような事実はございませんとおっしゃった。しかし、これはそうであるかもしらんし、あるいは、それは日経自体の独自の判断によって記載したか、これはわかりません。しかし、いずれにしろ、外務省当局も和平問題については積極的に考えておられると思うのであります。私は、いまの総理の答弁で、きわめて前向きな、積極的な発言の一、二、特にその中で、和平について特使を派遣することを考慮してもよろしいというようなことは、私は、いまだかつて総理に見られない前向きの発言だと思うのでありますが、ぜひひとつ総理のリーダーシップ、英断を発揮して、大いに積極的に取り組んでもらいたい。なぜならば、劈頭に私は、両陣営の極東における配備の状況などについて伺ったのは、今日アメリカが、一部に報道されておるような戦略核兵器を、すでにベトナムに近い距離、あるいはベトナムの内部に持ち込んでおるかのごとき情報さえ伝えられております。一体、これは局部的といえども、これが何かのはずみに原爆なり核兵器を使わないとだれが保証できましょうか。そういう意味から、私は、最もベトナムに近い地域にある日本としては、ただいまの総理の積極的な和平工作への行動を期待するものであります。もう一ぺん私は確認いたしますが、もしそのような積極的なお考えもあるとするならば、さらに一歩進めて、そういった関係当事国、そういった国々の首脳部を招いて、東京で和平への下相談というか、そういった会談をお持ちになるようなお考えはございませんか。
○佐藤内閣総理大臣 いま、ちょうどお話にもありましたが、三木君がマニラへ出かけております。事柄は別な用向きで参っております。しかし、先ほど申しましたように、あらゆる機会にあらゆる方法、それを考えるのが外交の要諦であります。三木君が帰ってくれば、どういう感じを持ちますか、さらにもっといい話が出てくるかもわかりません。ひとつ三木君が帰って来た上でよく相談してみる。いずれにいたしましても、ただいまのような極東の情勢、これは放置してはおけない状態だと思います。ただ、私かように申しましたからといって、極東に非常な不安を醸成しても困りますが、私は、ベトナムの民族、国民のことを考えると、一日も早く民生を安定さし、そうして平和への道を歩むように協力するのが日本のつとめだと思います。ただいま、日本が積極的に東南アジアに対して経済援助あるいは技術援助をしよう、こういうのも、どこまでも日本の平和、繁栄につながる問題だ、そういう意味で、国民の皆さん方も、日本で金を使わないで外国援助、これも理解していただいておると思います。この立場に立ちまして、そうしてアジアの各国が平和である、そのことはひいては日本の国が安全である、また平和であり、また日本の繁栄に役立つのだという、こういうような援助哲学とでも申しますか、そういう考え方を持っておりますから、ただいまのように、ベトナム問題も、一日も早く平和を招来するようにと念願しておるのであります。 ただ、一部でいわれますように、これが日本の安全を脅かすとか、危殆にさすとか、こういうような意味のものでないことだけは御理解をいただきたいと思いますし、また、そういうようなことはないと私は確信しておりますし、わが国の安全の確保については、万全の方途が講ぜられておりますから、国民も動揺はしないと思いますが、しかし、わが国の問題ではなくて、いまのベトナムそのものがこれはたいへんな状態に置かれておる。これをひとつ早く平静に、また、そういう努力をするのだ、もちろん、御指摘のように、大きな発展の危険性、そういうものが全然ないわけでもない、かように思って心配しておるわけであります。
○小平(忠)委員 ベトナム和平についてはこの辺で質疑を打ち切りたいと思いますが、私は最後に、本日の質疑を通じて、総理はやはり真剣に考え、また行動についても前向きの考え方を表明されました。特に、チャンスを見て和平について特使を派遣することを考慮すべきだというようなことを言明されたということは、きわめて重要であろうと思うのであります。どうかベトナム問題は、私は、表面に出ていない、潜在するきわめて国際紛争の危険性をはらんでおるという見地から、真剣に取り組んでいただきたい、こう思うのであります。 第二は、核拡散防止について総理の所信を承りたいと思うのであります。 先般四月の十五日に外務省から「核拡散防止条約に対するわが国の態度について」という公式見解を表明されましたが、この内容は総理了承されておられましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 それは何ですか、ちょっともう一ぺん。
○小平(忠)委員 もう一ぺん申し上げます。四月の十五日に「核拡散防止条約に対するわが国の態度について」という外務省の公式見解が表明されておりますが、この中身は総理御承知でございますか。
○佐藤内閣総理大臣 もちろん知っております。
○小平(忠)委員 この第四項目に、「核爆発の平和利用が実用化された場合には、適正な国際機構の管理の下にその利益を平等に利用しうる機会がすべての国に対し保障されなければならないと考える。」という一項目がありますが、この考え方は、核爆発の平和利用を認めるものと解してよろしいでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 核爆発の平和利用を認めるものでございます。
○小平(忠)委員 わかりました。 だとするならば、私は、ここにきわめて重要な問題を提起せざるを得ないのであります。実は一九六四年六月十五日に発効を見ておりまする、すなわち部分核停条約であります。この部分核停条約の第一条の趣旨は、これは他の核爆発を禁止するということに触れておりまして、一切の核爆発については、これが平和利用のための核実験であろうと、平和利用のものであろうと、禁止しておるものと解するのでありますが、二の点はいかがでございましょう。
○佐藤内閣総理大臣 その公式見解の中に書いてあるとおり、現状においての核爆発の実験は、平和利用と軍事利用、これが分けられない、同時にまた、放射能も克服されておらない、こういう現状でございますから、現状においての問題と、将来の核爆発が平和利用される場合に、日本のような国が不公平な処置をとられないようにという意味で、将来に対する一つの要求を述べておるのが、先ほどお読みになったものでございます。でありますから、これは別に矛盾はしてない、私はかように考えております。
○小平(忠)委員 それは、総理は将来とおっしゃいますけれども、核爆発の平和利用ということは、もう直ちに起きてくる問題であります。 それでは、これは外務大臣がおりませんから政府委員でもけっこうでありますが、この一九六四年に発効されました部分核停条約の第一条の趣旨は、平和利用についても核爆発を禁止するというように解してよろしゅうございますか。
○藤崎政府委員 地下以外のものにつきましては、仰せのとおりでございます。
○小平(忠)委員 総理、まさに私はそのとおりだと思うのであります。したがって、この部分核停条約の第一条の趣旨というものは、かりに平和利用のための実験であろうと、あるいは平和利用のための爆発であろうと、これは核爆発を禁止している、これにわが国は調印している。しかし、この部分核停条約にフランスと中国は入ってない。私は、ここに大きな問題があると思うのであります。現に、この条約批准当時の外務委員会におきましても、当時の大平外務大臣あるいは藤崎条約局長らが明確に――これは外務委員会の質疑を通じましても明確であります。しかるに、先般の下田元外務次官の発言が話題を呼び、さらに外務省が公式見解を出した。この第四項目に、すなわち「核爆発の平和利用が実用化された場合には、」云々とありますけれども、この、実用化された場合の問題は、遠い将来ではないのであります。われわれの予測では、最も近い将来に起こり得る問題だと思うのです、その場合に、これは「適正な国際機構の管理の下にその利益を平等に利用しうる機会がすべての国に対し保障されなければならないと考える。」確かにこのことは、その核爆発が平和利用か、あるいはそれがいわゆる核兵器というものか、区別しがたい点はありましょうけれども、しかし、国を守る、あるいは国益という見地から見るならば、今回の核拡散防止条約の内容が核保有国と非核保有国の間に差別があってはならないという見地、そういうことから、私はきわめて重要だと思うのであります。したがって、ただいま総理は、将来そのような場合にはと、こうおっしゃったのであるけれども、この問題は、劈頭に総理の答弁を求めましたように、この第四項の趣旨は、核爆発の平和利用を認めたものと解するということに御答弁なさったのでありますが、私は、部分核停条約との間に大きな矛盾があると思う。したがって、今後この核拡散防止問題、あるいはこれを条約の締結に前進する場合に、今後本件のこの矛盾を、部分核停条約とこの核拡散防止条約とのいわゆる相互関係においてどうしますか、重ねてお伺いしたいと思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 これを矛盾だと言われますが、核爆発部分的禁止協定といいますか、われわれ批准したもの、これは御承知のように、地下爆発を除く他の爆発をとにかくやらないという取りきめでございます。ところで、いまの核爆発物資をいろいろこれから解明、開発してまいりますと、やはり何らかの方法で爆発実験をやってみなければならない。ところで、日本はこれに加盟しておりますから、空中爆発、これはできないことになりますね。しかしながら、その他の方法をそれでは日本はやるのかというと、いまの状況ではやらないという、これはしばしば申し上げたとおりであります。放射能物質の克服もできておらないし、また、ただいまの状況においては、平和利用と軍事利用との区別もつかないという状況だから、ただいまはやらない。しかし、そういうものが克服されて、平和利用が楽になり、どこの国でもやるというようなことになれば、これはひとつ国際管理のもとで日本も平和利用のできるようなその地位を確保しようというようなこと、これがただいま読まれたものであります。私は別に矛盾しておるとは思いません。ただ、そういう場合にどういう方法を考えるのかということなんですが、私は、日本自身が爆発実験をやらなくても、これは幾らでも方法はあるだろうと思います。そういう点が国際的に話し合われれば、これはけっこうなことだ。ただいま別に矛盾しておるとは思わないし、ことに、これから先に議論される核拡散防止というこれは、一体幾つの国にいったら核が拡散されたというのか。いままでの第五までは、もうしかたないんだけれども、さらに第六ができれば、これはもう拡散という方向だというので今日禁止しようとしておる。私どもはそれに賛成しておる。これまた一部で言っておるのですが、拡散というのは、二十も三十もというようなときを拡散と言うんだ、五つが六つになるようなのは拡散じゃないんだ、こういうような議論もあるようです。しかし、そうでなくて、行く行くは全部核を持たないことを希望しておるのですから、いままで持ったものはもうしかたがない、そういう意味で、もう第六はつくらないんだ、こういう意味の拡散防止、これが意味があるのだと思うのです。実験をし、また核兵器を持たない国、そういうものが核物質平和利用のチャンスまでそれでは失うのか、これはたいへんじゃないのか、これが外務省の公式見解の書き方でございます。その辺のところは、いろんな議論があると思いますが、もう軍事的に核兵器は持たないし、また、核兵器はこれを開発しない、また、日本のように持ち込みも断わるのだ、こういう国と、他の軍事的に使っている国と、これを比べてみますと、平和利用という場合がなかなかわかりにくい。また、軍事的にこれを使う危険が多分にあるのじゃないか、こういうおそれなきにしもあらず。だからこそ、国際管理というようなことが必要だ、かように私は思っておるのでありまして、別に矛盾してはいない。私どもは、やはり平和的利用、そのチャンスだけはちゃんと確保しておく、こういうのがあの主張でございます。
○小平(忠)委員 わが国は核を持たない、また、核の実験がかりに平和利用ではありましても、空中であろうと地上であろうと、さらに地下であろうとも、いまは考えていない、しかし、将来これが平和利用のために各国が実際に認められるというような場合においては、これは別なんだ、簡単に言いますとこういうことです。そうすると、部分核停条約の第一条の趣旨とは反しますが、その際は部分核停条約から脱退するのでありますか。
○藤崎政府委員 将来、平和目的と軍事目的の区別ができるようになる場合のことでございますが、そういうことになって、しかも、地上で核爆発を起こすことが平和目的に必要であるような場合には、仰せのとおり、いまの部分核停条約のもとではできないことになりますので、理論上からいえば、そのときには部分核停条約をその面においてのみ修正する必要が起こってくるわけでございます。
○小平(忠)委員 別に部分核停条約が永久不変のものでありませんから、ただいまの藤崎条約局長の答弁を私は理解いたします。 そこで、総理に、ただいまの総理の答弁から見ますると、ただいま進められておりまする核拡散防止条約がいよいよ締結をするという段階にまで進んだ場合、その段階において、すなわち、核爆発というものが平和利用であろうと何であろうと、一切これを制約あるいは禁止するというような場合には、わが国は、それはその時点において留保いたしますか。あるいはそのような場合に、将来その権利を留保するというようなことになりますか。
○佐藤内閣総理大臣 この核拡散防止協定、これができ上がること、その趣旨が望ましいこと、好ましいこと、こういうような立場でありますから、各党ともいろいろ話し合って、そしてただいま特使を派遣し、そして特使も帰って来た、こういうような状況でございます。いろいろ検討さるべき問題はございますので、さらに成案を得た上で、その成案がどういうようにでき上がりますか、その上で、さらに最終的な意向をきめるべきが望ましいんではないだろうか。いま仮定の問題で、こういう場合には入らないとか、こういう場合には入るのだと、こう申し上げることはやや困難な状況ではないかと思います。これは、小平君も御承知のように、条約をつくる場合に、あるいは全部が全部気に食わなくとも、総体として望ましい方向、こういう場合もあるだろうと思いますので、いわゆるきまる事項がどういうような形になりますか、その重点が置かれるもの――重点がぼけては困りましょうが、その辺のところのでき上がりをよく見ないと、ただいま申し上げるのは早いような気がします。
○小平(忠)委員 わかりました。人類最大の悲劇をもたらしたこの核については、すでに政府は、外務省が中心となって特使も派遣をして、同じ立場にある非核保有国との連携をとりまして今後に備えているようでありますが、私は、きわめて重要な問題でありますから、慎重に、なおかつ積極的に核問題とは取り組んでいただきたいということを申し上げて、次に移りたいと思うのであります。 次は沖繩問題でありますが、一九六五年、昭和四十年の八月に、佐藤総理が沖繩に行かれました際に残したことばの中で、「沖繩の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって戦後は終わらない」と総理は述べられた。このことは、沖繩百万同胞に非常な感銘を与えただけでなく、今日、一日も早く祖国復帰を念願しておる沖繩住民だけでなく、わが国にとりましてもきわめて重要な問題であります。昨日も、御承知のような沖繩住民の切実な悲願というか、行動に移っておるわけでありますが、私は、この機会に、総理が、沖繩というものに対する評価というか、判断というか、すなわち、沖繩が軍事基地として重要だから、施政権の返還にいろいろ問題があると考えるのか。あるいは敗戦というこの現実の最終的な処理に、経済的な、あるいは法的地位その他いろいろな問題が伏在いたして、この沖繩というものが今日なかなか解決の方向に進まないと判断するのか。ともあれ、私は総理に、この際、沖繩というものに対する基本的な考え、これを承りたいと思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 沖繩は日本の固有の領土である。また、ここに住んでおる人たちはみんな日本人であります。これが不幸にして前戦争の結果、施政権を日本が失い、そうしてアメリカがその施政権を持っておる。そういうことで特殊な状態に置かれておる。その立場でこの沖繩の復帰という問題、これは沖繩に住んでおる人たちばかりでなく、もう日本人全体の実はたいへんな問題であります。いまの復帰は、これは民族の悲願――悲願というと、いかにもできないことを願っておるようでありますが、私は、これはもういくつか実現するものだ、復帰できるものだ、かように思いますから、悲願ということばでなしに、熱願というほうが適当かと思います。とにかく、民族としてのこの不幸な状態、もう一日も早くこれを解消すべきものだ、これがもう基本的な態度でございます。 同時に、沖繩がそれではいまアメリカの施政権下にあってどういう役割りを果たしているか、この役割りについても、これはいま無視できない状況だ。これがただいましばしばいわれるような極東、アジアの平和、この安全につながる問題だ、かように理解しておるのでありまして、最近、松岡行政主席がアメリカへ行って帰りにどういう話をしたか、やはりアジアが、極東地域がブルー・スカイなることが望ましいんだ、ブルー・スカイになれば、もういままでの問題は全部解決できる、こういう言い方をしております。私も、まことに残念ながら、今日の状況では、ただいまのような日本の安全、極東の安全のために沖繩が果たしておるその役割り、これは無視できないという状況でありますので、沖繩の住民、さらにまた日本国民の熱願を考えれば考えるほど、アメリカの理解と協力のもとにおいてこの返還が実現するようにと、これを願っておるような次第であります。 いまの状況下において、右から左にすぐ復帰を実現しろ、かように申しましても、なかなか困難だ。だから、今日におきまして日本政府がなし得ること、これは日本と沖繩の人たちの一体化、この一体化をはかることが、住民のためにも、また日本国民のためにも必要だと、かように思って努力しておるのであります。その一体化の方法として、いま沖繩に行政的に、あるいは経済的に、あるいは自治の面において、また文化の面において非常な格差がございます。この格差を解消さすことにあらゆる努力をしている。そこで、いままでも努力してまいりましたが、できるだけ財政援助をいたしまして、本土と沖繩との間のあらゆる面の格差をなくするようにする、そのことが今日の沖繩住民の福祉の向上に役立つばかりじゃなく、将来、日本に復帰した際に備える必要があるんだ、だから、ただいまやっております援助、これは現状の不満、また不幸といいますか、不公平というか、そういうものを解消するに役立つと同時に、将来日本に帰って来る、そのときに備えて今日のような援助をする必要があると、かように考えております。また、そういう方向で、いましばらく進まざるを得ない、残念ながら、かように考えておるような次第であります。
○小平(忠)委員 総理が、沖繩の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって戦後は終わらないという、その残されたことば、いまもそれはお変わりありませんか。
○佐藤内閣総理大臣 もちろん、私には、この考えに変わりはございません。ただ、ひとり沖繩ばかりじゃございません。小平君のほうに近い北方領土につきましても、同じような考え方をしております。まあ、南と北を同時に話ししますと、いろいろの御批判もあろうかと思いますが、南は百万の人が住んでいる、北はただいまは日本人はいないという、そういう区別はございますが、さきの戦争の傷あと、これは南にも北にも残っておるのでありますから、これを解消して初めて、日本は戦後が終わった、こういう状況になるんじゃないかと、かように思っております。
○小平(忠)委員 さらに、沖繩は、核基地として重要だと判断されるのか、あるいは補給基地として、前線第一線の補給基地として重要だと判断されるのか、あるいは米軍の訓練基地として重要だと判断されるのか、いかがでございましょう。
○増田国務大臣 小平君の御指摘のとおり、ただいまはメースBというものが配置されております。これは核弾頭装着可能なる武器でございまして、MRBMよりもレンジは低いのでございます。すなわち、二千キロ内外、これが配置されておるわけでございます。それからナイキハーキュリーズが配置されておりますが、これは日本のナイキハーキュリーズとは違いまして、核弾頭装着可能なるナイキハーキュリーズが配置されております。これは沖繩自体を防護するにすぎません。すなわち、その行動半経は百五十キロ、多くても百五十キロだからでございます。そういたしてみますと、ただいまのところメースBというものが若干配置されておるようでございますが、これは核弾頭装着可能であって、その距離は二千キロ内外、こういうことでございます。それ以上のものはないようでございます。要するに、あなたの御指摘のポラリスというものが、西南アジアあるいは西太平洋を遊よくしておるのでございまして、これは七隻ないし八隻といわれていることは事実でございます。それらのものの――第七艦隊の補給基地の本部は横須賀でございます。しかしながら、やっぱり沖繩等が補給や修繕の基地になっておるという意味において、相当程度米軍としては重要ではないかと考えておる次第でございます。
○小平(忠)委員 メースBは何基くらい配置されておるのですか。
○増田国務大臣 その数はわかりません。
○小平(忠)委員 私は三十六基と聞いておりますが、いかがでしょうか。
○島田(豊)政府委員 メースBが何基配置されておるかということにつきまして、私たちは資料を持ち合わせておりません。
○小平(忠)委員 もうそのくらいのことはわかっているのです。 そこで、一基の破壊力は一メガトン、百万トンといわれております。現在三十六基と私は聞いておりますから、かりにこれが一メガトンとしてみますと、三十六メガトン、破壊力のトータルが三千六百万トンということでありまして、ポラリスに対比するならば、ポラリス二隻余りと見るのでありますが、いかがでしょうか。
○増田国務大臣 ポラリスの搭載しておるMRBM、これは一メガトン、すなわちTNTにして百万トンというようなことになっておりますが、メースBというのは、核弾頭をつけた場合に、重さが六百四十キロということを聞いております。その威力のほどはわかりませんが、おそらくTNTにしてその千倍くらいではないか。広島が大体TNTの二万トン、長崎は四万トン、こういわれておりますが、メースのほうは、おそらく原始的な、ごく初歩的な核弾頭がつけ得るにすぎないのではないか。あなたのほうの御勉強があったならばお教えを願いたいと思いますが、私どもの知っている範囲はその程度でございます。
○小平(忠)委員 何も、その程度のことは、あらゆる情報なり資料に提示されておるから……。私は、今日の段階では、アメリカが沖繩に設置したメースB基地のために約十億ドルから十二億ドルの予算を投じておると聞くのでありますが、この程度は、今日ベトナムに投じておるアメリカの軍事予算から見るならば、非常に軽微なものであろうと思うのであります。 これはもとに戻りますが、私が政府に伺ったのは、沖繩を核基地として重要だと判断されるのか、そうでなくて、米軍の訓練基地あるいは第一線補給基地として重要だと考えられるのか、それを伺っておるのであります。
○増田国務大臣 詳しいことは米軍にお聞き願いたいと思いますが、私どもが考えておる点では、たとえば、トルコにおきましてMRBMがなくなりまして、ポラリス基地に変わったことは御承知のとおりでございます。そこで、ポラリスというものが非常に威力を持っておりますから、それが相当遊よくしている限り、沖繩の基地の重要性というものは漸減の傾向にあるのではないかと思っております。しかし、ここ当分の間は、やっぱり沖繩は米軍基地として、それから日米安保条約によって日本を守る基地としても重要である、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小平(忠)委員 米軍のことは米軍に聞いたらというようなお話ですが、どうもわが民社党は、東京都知事選挙、京都の選挙で自民党と一緒にやったものですから、何か世論はいろいろ親類づき合い、あるいは友党の社会党さんのごときは第二保守党とか、第二自民党とか言う。きょうのこの予算委員会の質問は、これは野党として政府にただしているのでありますから、あんまり親類づき合いのような安易な答弁をしないでください。 私は、問題は、今日政府が沖繩を核基地として自由主義陣営の極東の安全を維持するために重要だというような考え方に立っている間は、結局いわゆるアメリカの極東戦略、こういった考え方に同調する間は、私は、沖繩の施政権の返還は非常にむずかしいと思うのです。今日沖繩に配備されているメースBですね、これらの核基地問題あるいは第七艦隊に配備されておるいろいろなそういった状況というものは、すでに驚異的な科学の進歩と、核兵器につきましても非常な前進を遂げておる今日の段階においては、沖繩はいまや核基地として重要だなどという考え方は私は放てきすべきだろうと思う。もうすでに沖繩は、米軍の第一線の補給基地あるいは訓練基地と化しておる。メースBの基地のごときは、それはもし攻撃を受けた場合にはひとたまりもないのであります。そのことよりも、むしろやはりポラリス潜水艦のほうが移動性もあるし、固定されてない有力なものであると私は断定をするのであります。したがって、しからば核基地という評価、今日日本政府からこれを払拭して、現実化しておるところのアメリカの第一線訓練基地、補給基地ということに重点を置かれるならば、このようなものは何も沖繩でなくても適当な地域は幾らでもあるのであります。こういう点から真剣に沖繩問題を取り組んで、やはりいつまでも終戦の落とし子のような形において沖繩人民百万の同胞を苦しめるようなことは、すみやかに解消すべきであると私は考えるのであります。したがって、なかなかわが国の置かれている立場、また、いろいろな面からめんどうであるけれども、日本の外交は、私はこういう問題をやはり逐次解決して前進されることが望ましいと思うのであります。そういう見地から、総理にもう一応御所見を承りまして、沖繩問題についての質疑を終わりたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまお話がございましたが、防衛庁長官の話したのも、アメリカの施政権下にある事柄で、なかなか軍事施設まではっきりわかりかねる、しかし、これを米軍自身としてはアジアの平和のために役立たしておるということを話したのだと私は理解しております。いま実際にどうなっているのか、かように言われましても、日米安全保障条約は締結いたしておりますが、施政権下にある沖繩の状態については、私どもも詳しくは知っておりません。また、ただいまは、陸上の基地とあるいは潜水艦等と比較して小平君は結論を出していらっしゃいますが、私は、なかなかそう簡単に結論が出るものじゃないと思います。軍事専門家としてはそれぞれの考え方があって、そして必要な基地を持っておるのでございますので、ただいま言われるように、情勢が変化してもう基地は必要ないのだ、もっと遠方のグアムで十分だ、あるいは米本土でだいじょうぶだ、水上の艦艇だけでも軍は足りるのだ、こういうような状況になれば、何を好んでこの基地を、また沖繩に施政権を持つか、こういうようなことを考えますと、ただいまの状況については私はつまびらかにいたしませんし、また、私自身がどちらがいいのかわかりませんが、ただいまは必要としておるものだ、かように思います。このことは、必ずしも私どもがアメリカの政策を支持しておるとか、こういうような問題ではございません。沖繩に軍基地を持っておることがあるいは間接的にわが国の安全の確保、そういう上に役立ってもいるだろう、これはしばしばいわれますように、日本とは申しませんが、極東の平和、アジアの平和、これに役立っておるという、そういう意味でこの施政権が行使されておる、しばしば申したとおりでありますが、したがいまして、私は冒頭に申しましたように、沖繩住民の気持ちを考え、また、日本民族の感じを率直に申せば、いても立ってもたまらないような、いまの外国の支配下にあるというこの事態を解消さすこと、これには最善の努力をいたしますけれども、ただいま申し上げるように、アメリカの施政権下にあるという沖繩、これが果たしておるアジアにおける平和の役割り、これも無視はできないのだ。でありますからこそ、アメリカの理解と協力のもとにこれを実現しようという、こういう言い方をいたしておるのであります。これが日本全体として、やはり一体化された日本、その国の安全確保にも役立っておるのだということを考えていただきたいと思います。私は、ただいま言われますように、アメリカに必ずしも問題はいたしません。ただいまの日米安全保障条約、これはもう対等の立場でできておるといわれておりますから、いわゆるアメリカに追随する、こういうものではございませんが、わが国の安全確保、またアジアの平和を確保していく、維持していく上に果たしておる役割り、これは無視はできない、かように思っております。
○小平(忠)委員 沖繩が、戦後二十二年たっておるのでありますが、沖繩の現状は、終戦直後の一九四五年から四九年ごろまでを第一期と見るならば、このころの沖繩は、やはりアメリカの日本に対する、俗っぽいことばで言うならば対日監視的な役割りであったと私は思います。それから一九五〇年から五六年ごろの沖繩というものは、例の朝鮮動乱、朝鮮戦争が勃発いたしまして、あそこがB29、B47発進中継基地であったと私は思う。そういうことに沖繩というものが重く評価された。第三期の一九五七年から六〇年ごろは、さらにこれが変わりまして、今度はB47の沖繩基地のほかに、やはり極東の戦術的な役割りを持ってきた。そして一九六一年から現在までを第四期と見るならば、これはもうB52の中継基地、そのほかに戦術的な核基地に発展し、さらにベトナム戦争の拡大によって第一線の補給基地あるいは訓練基地というふうに性格が変わっております。 ただいま総理が答弁されましたように、日米安保条約あるいは極東における日本の安全を保障するという大きな役割りを果たしておる。これは総理、きわめて重要な問題であります。かかる意味合いから、今日の沖繩というものをあまり複雑に考えないで、ほんとうに日本の潜在主権というものが沖繩にあり、すみやかに施政権は、返還してもらう、その場合にデリケートな日米安保条約の具体的な内容については、これは私は十分に話し合ってよいものであると考えるのであります。したがって、この沖繩問題に関連して、私は、総理に日米安保条約についての所見を承りたいと思います。 総理は、しばしばこの安保条約は堅持する、堅持するという強い発言をいつもされておるのでありますが、堅持するとは、従来の安保条約の中身をそのまま踏襲されていくのか、あるいは国際情勢の大きな変動、推移によって、十年前の国際情勢と今日の国際情勢の推移を勘案して、現状に照らして最も適合する中身にこれを改定しようというお考えで、堅持ということをおっしゃっているのか、いかがでございましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 日米安全保障条約、これはいろいろ思い起こすのでありますが、この種の条約を結べば戦争に巻き込まれる、こういうような反対理由もありました。しかし、私どもは、戦争に巻き込まれるようなことは一切なく、たいへん平和なうちに過ごしてまいりました。そればかりではありません。このもとにおいて初めて今日の繁栄をもたらすことができた、私はさような確信をいたしております。また、国民大多数も、日米安全保障条約が果たしておる役割りをよく理解して、やはりこの状態が存続することを望んでおる、私はかような確信を持っております。そういう立場からこの問題を見ていかなければならない。日米安全保障条約の体制を守る、こういうことを私はしばしば申してきたのでございまして、ただいま堅持というのは、日米安全保障条約体制、これを堅持していくということであります。これは先ほど申したように、戦争に巻き込まれるような危険は絶対にない、これは過去が証明をしておる、そればかりではない、わが国の安全は確保され、私どもは非常なすばらしい繁栄の道を歩んできた、また、国民大多数もこの情勢、この体制を支持しておる、かように確信をしておる次第であります。
○小平(忠)委員 安保条約の堅持とは、現在のような安保条約の体制を続けていくのだといま説明されましたが、そうしますと、その趣旨、その体制を堅持するのであって、条約の中身そのものについては、十年前と今日は、やはり国際情勢の推移、変動などによって、これはしかるべく改定も考慮していると考えておるのでありますか。
○佐藤内閣総理大臣 これはなかなかむずかしいことで、そういう問題になりますと、あとまだしばらくありますから、その期間までに十分考えていけばいいと思っております。どういうような条約体制にするのがいいのか、これは今後の問題でございます。私が申し上げたいことは、日米安全保障体制というか、それはやはり持続していかないと日本はたいへんだ、かように思っておる次第であります。
○小平(忠)委員 そうすると、今後まだ二年、三年の一応期限がありますが、中身の改定もあり得ると見てよろしいのでございますか。
○佐藤内閣総理大臣 中身の改定もあり得るというといろいろ誤解を受けると思いますが、主としてただいまのは、長期にわたる方法が好ましい、こういう基本的な考えがありますね、安全保障の体制ですから。だが、それをどういうような形で確保するか、こういうことについて特に頭をひねる、こういうことを私は申しておるのであります。
○小平(忠)委員 長期にわたる安保体制、そういうふうに解釈してよろしいのですか。
○佐藤内閣総理大臣 永続的、続くというか、一年ごとというような短期的なものでないことが望ましい。
○小平(忠)委員 前の外務承の事務次官であった下田さん、今日駐米大使として派遣されておりますが、やはりあと三年後といいましても、きわめてもう短い問題になってきましたが、このような重要な段階において、そういった長期にしろ、あるいは体制の堅持にしろ、アメリカ当局とこういった安保体制について下田駐米大使にいろいろ折衝をさせるようなお考えでございますか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいますぐ折衝を始めるのにはまだ早いと思います。しかし、将来のことではありますが、今日の段階において、私ども考えておることをよく誤解のないように伝えるつもりであります。また、ただいまの改定をするといいますか、一応十年が経過する、それが近くございますけれども、ただいまの体制でそのままそのときを迎えるか、これはまだまだわからないことでございますから、私、それを実は申し上げておるわけではございません。ただいまの情勢、ただい まのもとにおける私どもの考え方、政府の考え方は、よく下田君も向こうに行ったら伝える、かように御理解をいただいてけっこうであります。交渉を始めるというものではございません。
○小平(忠)委員 わかりました。現状についてアメリカ政府と出先の駐米大使が十分話をするということであって、まだ赴任したばかりで、そんな半年や一年で更迭するわけではないでしょうから、やはり一年なり二年たってまいりますと、十年という期間がもう非常に接近してまいるわけであります。よくわかりました。 そこで、ただいま総理は、非常に重要な発言をされたのであります。一応十年という期限は一九七〇年に到来するわけでありますが、その場合に、そのままの体制で、さらにまた十年これを継続するというようなことがあり得るのでありますか。
○佐藤内閣総理大臣 それを先ほど申したのであります。そういうことがもうあるから、一体どういうようにしたら一番いいかということをこれから考えるのですということを申した。だから、さっきの下田君にいたしましても、交渉を始めたわけではございません。私どもの考え方を知らせることは知らせますけれども、外交交渉をこれで始めるのだということを申しますと誤解が生じますから、誤解のないようにお願いしておきます。
○小平(忠)委員 そうすると、下田駐米大使は、そういう意図も含めて今度新たな任務を持って赴任したと解してよろしゅうございますか。
○佐藤内閣総理大臣 新たな任務というか、これは次官から大使になると、仕事は新たな仕事でございます。外交方針そのものは、この際に下田君が出かけて行って急に新しくなった、こういうものではございません。
○小平(忠)委員 時間の都合もありますから、その辺にいたしておきたいと思います。 次は、内政問題について二、三点お尋ねいたしたいと思います。 第一は、航空事業についての問題であります。わが国の航空界も、御承知のように日本航空の世界一周線、この獲得によって、まさに国際航空界に堂々の進出を見せたものであるという見地から、まことに慶賀にたえない問題であります。しかし、世界はいま、現在のジェット旅客機から、さらにジャンボジェット、いわゆる巨人機といいますか、超大型旅客機、さらに音速の二倍から三倍の能力を持つ、すなわちボーイングSST、超音速大型旅客機時代を目前に控えておるのでありますが、これらに対処いたしまして、わが国航空界の展望という点について、政府の所見を伺いたいと思うのであります。
○大橋国務大臣 お説のとおり、航空界におきましては新しい大型機あるいは超音速機の出現が期待されておるのでございますが、わが国の航空界といたしましては、まず飛行場の整備においてこれの受け入れ体制をつくる必要があると考えまして、目下新空港の建設に進みつつあることは御承知のとおりでございます。国内の日本航空がこれらの大型機等を国際航空に使用する時期もおいおい迫りつつあるわけでございます。これに対しましては、政府といたしましても必要なる出資をいたしまして、これらの新しい航空機を取得するように準備を進めさせておる次第でございます。
○小平(忠)委員 すでにアメリカはボーイング社が中心となりましてジャンボ、あるいはSSTの製作に近く取りかかるという。ジャンボはもうすでに取りかかっておるわけであります。さらに英国とフランスが提携いたしましてコンコードの製作に取りかかる、こういう状態でありますが、わが国としては、これらの旅客機の使用についてどのような準備体制にあるのでありますか。
○大橋国務大臣 日本航空といたしましては、ジャンボジェット、これは四十五年までに入手する予定でございます。それからコンコードは四十八年、それからアメリカのSSTは五十一年から日本航空は使用する、こういう準備を進めております。
○小平(忠)委員 大体そのジャンボにいたしましてもSSTにいたしましても、あるいは英国、フランスの共同製作にかかるコンコードにいたしましても、これらの性能、いわゆる大まかなことをちょっとお伺いしたいのであります。それは特に、現在新空航に着手せんといたしておりますわが国にとりましては、国際空航整備という見地からきわめて重要でありますから、お伺いいたしたいと思います。
○大橋国務大臣 新国際空航は、四十六年の春から四千メートルの滑走路を使用可能の状態に置きたいと思っておるのでございます。ところで、わが国にジャンボジェットが入ってまいりまするのは四十五年と予想されておるのでございまして、したがって当初におきましては、ジャンボジェットは羽田の三千メートルの滑走路を利用して日本へ入るということに相なるわけでございます。四十六年以後は新空航の四千メートルの滑走路の利用が可能になります。
○小平(忠)委員 飛行場のほうはあとからお伺いしようと思います。いまの超音速のジェット機やあるいは大型ジェット、いわゆるジャンボの性能ですね。
○大橋国務大臣 政府委員から申し上げます。
○澤政府委員 性能を申し上げます。 ジャンボジェットボーイング747は、速度はマッハ〇二八六、滑走距離は現在のDC8と大体同じでございまして、三千メートルあれば十分でございます。それからアメリカで開発いたしておりますSSTはマッハ二・七、これの滑走距離は、まだこの諸元素は明確になっておりませんが、三千五、六百メートルであろうといわれております、それから英仏で開発いたしておりますコンコード、これはマッハ二・二で滑走距離は三千四、五百メートルといわれております。これも諸元素はまだ明確に発表になっておりません。乗員は、ボーイング747は、これは積み方によって違いますが、これを近距離で使いましたら五百名ぐらい、国際線で一、二等コンビネーションで使いましたら三百五十名ぐらいでございます。SSTのほうは約三百名、コンコードは百十名から百五十名でございます。
○小平(忠)委員 そういたしますと、航空界の画期的な革命というか、世界の距離が非常に近くなるのでありますが、わが国としては、これらの新鋭ジェット機にどのような発注をされておるのでありますか。
○大橋国務大臣 日本航空が自社の国際線に使用いたしまするために発注をいたしておるのでございますが、大体今年、すなわち四十二年にジャンボジェットについての頭金を支払う予定をいたしております。このために政府といたしましては二十六億円を日本航空に出資をいたしまして、その資金に充てさせる予定をいたしております。 なお、コンコード機につきましては、昭和四十八年に日本航空が注文した飛行機を手に入れることができるように準備を進めておりまするし、またアメリカのSST、これは五十一年に手に入れるという予定で準備を進めておる次第でございます。
○小平(忠)委員 そこで、これらのいわゆる新鋭ジェット旅客機、大型化されあるいは超音速化されておりまするこれらの新鋭旅客機をわが国が入手して国際航空界に挑戦をしなければならぬのでありますが、その際問題になるのが、わが国の国際空港の建設であります。私は、航空局からいただいた資料によりますと、この千葉県成田市の新国際空港の建設の見通しについて、四十一年度から四十五年度までの五カ年間として、四十五年度に完成をするというふうにうたっているのでありますが、いま運輸大臣は四十六年度とおっしゃいましたね。一年間もずれましたか。
○大橋国務大臣 四十六年の春に四千メートルの滑走路の供用を開始する、こう申し上げましたので、したがって四十五年度未に一応四千メートルの滑走路が完成をする、こういう予定でございます。
○小平(忠)委員 運輸大臣、完成できますか。
○大橋国務大臣 これは政府といたしまして、あらゆる努力をしても完成しなければならぬ大事な仕事であると心得ております。
○小平(忠)委員 現在、千葉県の国際空港の情勢はどうなっておりますか。
○大橋国務大臣 一時は絶対反対という方々が非常に多かったのでございますが、幸いにいたしまして、最近ではいろいろ関係者の御尽力によりまして、条件つき賛成というふうな態度に変わられた方が相当ございますので、公団といたしましても、この連休明けになりましたならば、急速に用地の調査をいたしまして用地の買収にかかりたい、こういってただいま力を入れておるところでございます。
○小平(忠)委員 これは、いまの状態を見ると、昨年から長期にわたって折衝しているのであるけれども、依然として地元の反対が強くて、いまだに測量にさえも着手できないという、このことは、きわめて私は重要だと思います。さらに、新国際空港が四千メートルの滑走路のほかに、いま計画いたしておりますのは、結局第二期としまして、すなわち三千メートルから二千五百メートル級の滑走路を進めるわけでありますが、一体、今後の航空界の現状を考えますと、そのような体制でいいのか、あるいは成田市の新国際空港の現状は、これらに対処して、現在の滑走路をさらに距離の延長や拡幅ができるのかどうか、その点、見通しいかがでございますか。
○大橋国務大臣 用地の取得につきましては、できるだけゆとりを持って、できるだけの用地を確保するようにしたい、こう考えておる次第でございます。 そこで、成田の新国際空港について、この程度の規模のものではたして将来の日本の空の表玄関として十分かどうかというような点についていろいろ意見も示されておる状況でございますが、ただいま私ども政府といたしましては、現在の計画をもちまして、供用開始後、少なくとも十年間は、これで十分に日本の表玄関としての使命をまかない得るもの、かように考えておる状況でございます。
○小平(忠)委員 一説によりますと、いまのような状態なら二年ぐらい延びると言われておりますよ。二年延びたら四十七年であります。私はきわめて重大だと思います。それに、新国際空港に通ずる道路の建設、この見通しは建設大臣いかがでございますか。
○西村国務大臣 飛行場がやはりきまりますれば、道路につきましては、ただいまの七環から京葉を使う道路はいまもやっておるわけでありますが、それだけでは足りないので、鹿島のほうに行く道路のことについても計画を持っております。これは飛行場ができましても、道路ができなければ利用ができませんので、これに合わせて極力やりたいといって、準備を徐々に進めておるわけでございますが、飛行場の用地獲得が早くできることがやはり第一だろう、かように思っておる次第でございます。
○小平(忠)委員 総理、御存じのように、現在の新空港の建設の進捗状態から見ますと、私はなかなか予定どおりには困難だと思います、これは予定でありますから。しかし、競争は激しいのであります。実際に間に合わない場合においては、羽田の空港を使うということを運輸大臣おっしゃったけれども、今日羽田の国際空港は、もうすでに飽和状態、そういうようなことから考えてみまするならば、私は、現在の成田市における新国際空港の工事の進捗は、政府の責任において大英断をもってやはりやらなければならぬと思う。しかし、それにしても、どうしてもやはり危険な橋は渡るべきでないということから、私は、今日の羽田の国際空港をさらに拡張して滑走路をもう一本増設するとか、あるいは滑走路の距離を延ばすとか、あの国際空港内にあるターミナルの増設とか、こういう問題も真剣に取り組むべき段階にきたんではなかろうかと思うのでありますが、総理、いかがでありましょう。
○佐藤内閣総理大臣 小平君の考え方に私も賛成であります。いろいろ御意見も聞かしてくださいました、確かに成田空港を建設するのは容易な仕事ではございません。政府におきましても、その意味で関係閣僚を督励して連絡会議をつくりまして、そうして積極的に工事を督励する、また、施設の整備等についても安全を期する、こういう体制をすでに整えております。この成果もひとつ見ていただきたいと思いますし、また、何と申しましても、政府だけでなしに、これは国会におきましても、また各党におきましても御協力願わなければならない問題であります。そういう意味で、日本の空港、新しい時代に対応する空港としてこのものが必要だ、これに御賛成願えれば、ぜひとも各方面の御協力を得まして完全に成田空港をつくる、所定の期間中にこれを完成する、同時にまた、羽田の空港につきましても、狭隘だと言いながらも、ただいまたいへんな利用度がございますから、その意味からも、これの滑走路をさらにふやすこと、これも必要でありますし、また延伸すること、延長することも、これまた必要でございますから、それもあわせて政府においてはいろいろ計画しているような次第でございます。
○小平(忠)委員 私は、総理のいまの御答弁で、真剣に、成田の国際空港の建設の進捗ぐあいを見て、羽田の場合のいわゆる空港の強化ということも考えたい、それはまことに適切であると思うのであります。しかし、いまや世界各国の国際空港の現状を見ましても、やはり東京はわが国の首府として、都心への距離等を考えてみるならば、成田は決して近い距離ではないのであります。もし遠いとするならば、これは今日の道路網というもの、いま政府が考えているような道路では、これはふくそうして、そのスピードアップに対応できないと私は思う。そういう見地から、さらにもう一歩前進して、もっと至近な適当な土地がないのか、場所がないのか、場合によっては厚木などは、これは現在考えられている道路計画から見るならば、都心に三十五分から延びても四十分ぐらいで、スピードアップするなら三十分で都心に入れるという状態にあると思う。いかに今日、米軍の唯一の海軍基地として、海軍航空の基地として、使用しておっても、現在のような民間の、平和な文化国家建設、平和で豊かな福祉国家建設という見地から見るならば、私は、いつまでも占領政策の延長であるこの米軍の基地をそのまま黙って見ているようなことではなくて、一ぺん交渉してみてはどうですか。
○佐藤内閣総理大臣 だんだん簡単に賛成できなくなりましたが、先ほど申しましたのは、その成田空港と羽田空港を同時に並行して整備するという考え方があるかというようなお話だから、これには賛成したのです。いま聞いておりますと、だんだん羽田の空港と、それから成田の空港とは別の問題で、成田空港はともかくとして、羽田だけは別に整備しろ、こういうようなお話のようですが、ただいま申し上げるように、これは並行してやることで、別々ではございません。また、米軍基地のほうに変更したらどうか、こういう御意見でございますが、この成田空港に決定をいたします前に、ただいま言われるような軍の飛行場、また霞ケ浦その他等も全部検討いたしまして、そうして最終的に決定したのでありまして、いまさらあらためて検討するような余地は全然ございません。これはもう賢明な小平君は百も御承知でただいまのようなお尋ねを私にまたなさるんだ、かように思っております。したがいまして、ただいまはもう成田空港をきめておる、そうして、成田空港を予定どおり完成することにあらゆる努力をしろという先ほどの御鞭撻をそのまま実行に移す、こういうことで、政府自身も、この成田空港整備のため特別に閣僚懇談会を持っておりますから、そういう意味で、道路等をも含め、鉄道等も含めて、そうしてこの成田空港ができ上がった後の輸送には事欠かないようにするつもりでございます。ただ、成田空港が、これは私は、いま言われるように、遠い場所じゃないと思います。これは他の外国の飛行場等を見ましても、高速道路の整備によっては、ただいまの距離は克服できる距離だと確信をしております。そういう意味で、新しく道路を整備することが必要なのであります。でありますが、成田空港はできましても、やはり成田空港が使えないような場合に代替空港はどこを使うか、こういうことも考えないと、天候その他で成田が使えない、そのために日本には着くところはない、これがあってはならないのであります。そういう意味で、羽田の空港も整備いたしますが、また、他の場所もそういうような四千メートル近いものをやはり考えておく必要がある。これは代替空港といいますか、かわりの空港です。そういうものもやはり頭のうちに置いて、そうして新しい時代に対応する空港の整備をするのであります。問題は、こういう事柄が国家的に必要だということはよくわかっておるのです。しかし、どうもそれぞれの立場において反対する向きもございますから、この国家的な要請、これをよく理解していただいて、その土地の人だけに犠牲を払わすつもりはございません。もちろん、そういう方に対しての報償、補償その他十分の考慮をいたしますから、ぜひ国家的要請のこの事業に協力願いたい。これを先ほども簡単に申したのですが、各党におきましても御協力願って、そしてこの新しい時代に対応する空港を整備する、こういうことに御賛成を願いたいと思います。
○小平(忠)委員 代替空港、いわゆる予備空港ですね。一応どこにお考えでございますか。
○大橋国務大臣 成田新空港に対しまする代替空港といたしましては、羽田の三千メートルの滑走路、これを一応考えております。
○小平(忠)委員 その程度でございますと、私は、厚木の問題をあえて出したことは、それは困難なことも十分わかっております。しかし、それかといって、いま長い間政府が、また関係者とも相談をして、その新国際空港を選定される長いいきさつから見て、もうほかにないんですね。だから、そういうことを考えてみるのに、私は、やはりこの際総理にリーダーシップを発揮してもらいまして、工事の進捗なり道路の建設なり、代替空港の問題も、やはり今日の羽田の空港の現状ではだめなんです。さらに、これが関西なり北海道に第二の国際空港という問題も、最近立ち消えのようであります。こういうことも十分に検討していただきたい。 時間の都合で少し急ぎますが、このような情勢下にあって、ともすれば、災害は、事故は忘れたころにやってくるといわれるのでありますが、非常にこれは重要なことであります。昨年の全日空の相次ぐ事故、まさにわが国航空史上の中でも痛ましい事故でありましたが、それはローカルの空港においても起きている問題でありますから、こういった空港の整備、パイロットの養成、あるいは整備士の養成、訓練、あるいは航空機そのものの整備、こういった面で、私は、事故の防止、安全運航、こういったことについて、政府はその後どのような処置をとられておるか、この際承りたいのであります。
○大橋国務大臣 航空の安全を確保いたしますためには、航空行政全般につきまして強力な施策をすることが必要であることはもちろんでありますが、特に、ただいまのところ政府といたしましては、第一には、空港の整備、第二には、航空保安施設の拡充、第三には、航空機乗員養成の強化、この三つの点に重点を置いてまいりたいと思っております。 そこで、空港の整備につきましては、四十二年度を初年度とする空港整備五カ年計画を策定いたしまして、総事業量を一千百五十億円ということにいたしまして、四十二年度を第一年度として進むつもりでございます。 次に、航空保安施設の整備でございまするが、空港内の保安施設につきましては、ただいま申し上げました空港整備五カ年計画の一環として整備をはかってまいりますが、航空路上のものにつきましても引き続き強化を推進いたしたいと思っております。 それから、第三の航空機の乗員養成につきましては、四十二年度予算におきましては、四十三年度以降、航空大学校の養成人員を現在の三十人から九十人に増加をいたすため、及びその養成方式の改良をはかりますための対策を講ずることといたしております。 なお、これに関連いたしまして、四十二年度におきましては、航空行政組織を強化し、人員の増加をもいたしまして、東京と大阪に地方航空局を置きまして整備をいたしたいと存じております。
○小平(忠)委員 けっこうだと思います。私は、さらにこれはもっと、今日の痛ましい事故が頻発しておる現状から見まして、予算的にも、またそのスピードアップについても真剣に取り組んでいただきたい。 最後に、私はこの航空事業全般について総理に伺いたい。世界の航空界にわが国が大きくいま前進をしつつありますが、やはり日本航空などにつきましても、もう近い機会に世界各国に負けない、すなわちビッグファイブですか、そのぐらいの体制に進出していくというためには、重点的に政府自身が日本航空に対する財政的な、あるいはすべての面についての援助をしなければ、なかなか民間の力だけでは不可能でありますし、現にスカンジナビアのSASのごとき、これは国営として、あるいは英国のBOACのごときも国が相当力を入れているわけであります。そういう見地から、私は、この激動する航空事業の国際競争に負けないように真剣に取り組んでもらいたい。あわせて、この事故防止、安全運航についても、これはウエートを同様に置いて最善の処置をしてもらいたい、こう思うのでありますが、最後に総理の所見を承りまして、次に移りたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 ありがたく御高見を拝承しておきます。
○小平(忠)委員 ありがたく総理が拝聴されたのでありますから、期待いたします。与党の理事が時間を気にされているようであります。もうお昼の時間も過ぎたんですが、しかし、きょうは最後でありますから、二時間を若干五分か十分上回りましても、あと一、二点で責めを果たしたいと思うので、御了解を得たいと思います。 次に、わが国の宇宙開発についての一元化を最近強く叫ばれております。これは本委員会において総理も、あるいは科学技術庁長官も、この点は一元化は全く同感だ、推進すると、こうおっしゃったのであるが、肝心の文部大臣所管下にある東大の宇宙航空研究所が、この体制については過去の審議会のいきさつにおいて少しくこの一元化にブレーキをかけているような点がなきにしもあらず。特に昨年、われわれ予算委員会の理事としては、この宇宙開発に重大な関心と、ばく大な予算を投じておる関係から、鹿児島県の内之浦まで現地調査に出向いたいきさつもあるのであります。そういうことから、私はこの東大のいわゆる大学としての研究段階、実験段階、これはどの程度にして、またどういう考え方で今後対処するのか、文部大臣からお伺いいたしたいと思います。
○剱木国務大臣 お答えいたします。 文部省におきましても、この宇宙開発の一元化については積極的に賛成をいたしておるのでございまして、東大がいま果たしております役割りは、科学研究の宇宙開発審議会の線に沿いまして、ミュー型の開発をもって終わるわけでございます。これははっきりとその線を打ち出しておるのでございまして、これから一元化に向かいましていろいろ案が練られてまいると思いますが、そのときには、積極的に、これに参加してまいるつもりでございます。
○小平(忠)委員 一元化に賛成でありますか。
○剱木国務大臣 いま一元化の問題になっておりますのは、御承知のように実用衛星の問題でございまして、東大がいまやっておりますのは超高空物理現象の研究の段階でございます。これはすでに限界がミュー型の開発、すなわち一・四メートル以内のロケットでございまして、それ以上のものは一切科学技術庁なり、一元化の方向に向かって計画されると思います。ただ、東大なり――東大だけではございませんが、大学として、これは原子力の問題も同じでございますが、研究者の養成ということは大学が分担すべきものでございます。しかし、ロケットの開発ということになりますと、将来に向かって一元化にもちろん賛成でございます。
○小平(忠)委員 私は、今日まで東大が宇宙開発について果たした役割りは高く評価いたします。しかし、これには大学としてのなすべき分野というか、限度があるのでありまして、先般の三回にわたるロケットの打ち上げが失敗に終わったラムダの問題、これは失敗は失敗として、失敗の中からそこに今後成功への前提が生まれてくるのだから、あえて私はこれを責めるものではありません。ただし、ミュー型ロケットからさらにいよいよ人工衛星の打ち上げまでになってまいりますと、これはすみやかにその体制を整備して一元化しなければ、ばく大な国民の血税をこのロケットの開発に、宇宙開発に投じなければならぬのでありますから、文部大臣は特に所管大臣として、この一元化方式に全面的に取り組んで協力していただきたい、こう思うのであります。 時間の都合上、私は最後に二点、米価問題とそれから冬季オリンピック大会の問題を伺います。 これは農林大臣にお伺いしたいのでありますが、いよいよ国会が末期になり、例年のごとく生産者米価問題が、年中行事として、これは大きな政治問題を起こすことは当然だと思うのであります。昨年も、農林大臣、最後のあのような動きの中で、結果的に一石百円という価格の問題を、米の増産奨励費という形で、米価の上置きでもない、あるいは奨励金でもない、そのような形で、今日依然としてこの五十億が宙に浮いたような形で、生産者も農業団体もたいへん迷惑いたしております。このようなことを今年はぜひとらないことを強く要求いたします。同時に、ことしの予算米価を食管特別会計に計上するにあたって、すでに本委員会においても社会党の芳賀委員から強く指摘されたように、十月一日からの消費者米価一四・四%の値上げを計上するならば、これは予算米価ですから、なぜ値上げを予定される生産者米価を放置しておくのか。これは生産者米価は毎年毎年補正するからといえば、消費者米価の問題も同じではありませんか。消費者米価を新年度四月一日から値上げするなら別な問題でありますが、こういうちぐはぐなことを、さらに米審の運用についても、巷間、国会議員を省くとかいろいろなことが伝えられております、ことしは物価の抑制に重要なウエートを持つ消費者米価の植上げというものが、生産者米価の決定をめぐって重大な段階にくることは、これは決定的であります。私はこの際、これらの食糧行政の最高の責任者として倉石農林大臣の所見を承ります。
○倉石国務大臣 生産者米価の決定のしかたにつきまして、昨年のお話がございました。十分そういうことも考慮いたして、食管法の定めるところによって適切な方法で決定をいたしたいと思っております。 食管の運営につきましては、御承知のように、これは農家経済、国民経済全般について重大な関係のある問題でありますから、この食管法のたてまえはくずさないで、さらに合理的な運営につとめたいと思っております。 それから米審につきましては、しばしば申し上げておりますように、まだ任期中でございますので、どのようなことにするか、それぞれ各方面の御意向等も徴して、慎重に決定してまいりたい、こう思っております。
○小平(忠)委員 時間の都合で結論ははしょりますが、米審に国会議員を入れる、入れないの問題は、たくさんある審議会の中で、およそ性質を異にする問題がたくさんあるのであります。私は従来の強い主張でありますが、米価の決定のごときものは、一ぺんの閣議できめるようなことでなくて、鉄道運賃、郵便料金のごとく、やはり米価についても国会できめるというところまでいかなければだめだということを主張している一人であります。そういう見地から、一律に、審議会の運営の実態から見て国会議員を締め出すというようなことを米価審議会までこれを援用することは、私は少し行き過ぎだと思うのであります。終戦直後のあの困難な食糧事情をだれが一体打開してきたのです。私はやはり勤勉な農民の努力の結晶だと思うのです。したがって、今日のようにわが国の食糧事情が緩和されてきたからといって、これを軽視してはならないのであります。やはり米価審議会に、少なくとも従来の方針から国会議員の意見も入れるということは、これは審議会の実態から見て、意見は意見としても、いまのこれを政治的に――ある程度政治米価といわれるのはしかたがない。そういう現状から、私は断じてこの時限においては、国会議員を米価審議会から締め出すなどということはなすべきでないと思う。農林大臣、この機会にそれをひとつ言明してください。
○倉石国務大臣 米価決定に国会議員をわずらわすということと、国会で米価をきめるということとは性格の違う問題だと思います。 後段のほうの、国会において決定するということにつきましては、私どもは、そういうことをいますべきではない。行政府の責任においてこれはやるべきである。しかし、その場合には、いろいろな方面の代表者をもって構成しておる米審の御意見を徴することは必然のことでございます。 それから、国会議員をわずらわすかどうかということにつきましては、国会議員を審議会にわずらわしておるのは、二十五名のうち、学識経験者ということでお願いいたしておるのでありまして、国会議員としてお願いいたしておるわけではないわけでございます。したがって、小平さんの御高見もしんしゃくいたしながらひとつ決定をいたしてまいりたい、こういうふうに思います。
○小平(忠)委員 私は倉石農政に期待を持ちます。いま最も重要なときに、国会議員を学識経験者の中に入れて審議会に加わってもらっておるのであって、国会議員として入っていないことぐらいは承知いたしております、しかし、そこに今日の食糧行政と物価に重要なウエートを持つ政治的な意義があるのでありますから、私のこの意見をしんしゃくするのではなくて、それを受け入れてきめてください。もしそれを締め出すようなことがあったらたいへんでございますよ。このことを強く主張申し上げます。 次に、冬季オリンピックの開催地が札幌に決定いたしました。これはひとり北海道の札幌というだけでなく、東京オリンピックに次ぐきわめて国際的な日本の名誉でもあるし、絶好の機会と思います。ところが、このウインタースポーツは、施設からいって、まだ六年もある、五年もあるというようなゆうちょうなことをしておりますと、冬期間というものは施設の準備に非常にロスがありまして、やはりもう三年後ぐらいに来るのだ。特に選手強化については非常に立ちおくれておりまして、現実にオリンピックの施設を選手が十分に使用できるというのが、いずれの場合も開催地の思典であります。そういう意味から、少なくとも二年ぐらい前に完成をして、選手が十分に使えるということでないと、オリンピックは勝敗は別だ、オリンピックを開くことに意義があるんだといいましても、日本で開いた場合に、やはり日の丸の国旗が上がるということでなければ、日本国民としての誇りというか、そういうことから見て、私は十分にこれを推進していただきたいということから、開発庁長官を長とする各省の事務次官を中心にした事務協議会はできておりますけれども、東京オリンピックと同じように、内閣に閣僚協議会並びに担当大臣の設置をまだ見ておりません。これはいつごろこのような機構を発足されるのか、総理にお伺いいたしたいと思うのであります。
○福永国務大臣 小平さん仰せのごとく、冬季オリンピックはぜひ成功せしめたいものでございます。それにつきましては、世界各国から、いい冬季オリンピックであったと言われるような大会にさせなければならぬし、同時に、後段に仰せのごとく、日本国民が見て、わが日本選手は大いに活躍したという印象を受けるような成果をあげしめることも必要であろう、これも全然同感でございます。さような観点から施設も急がなければならないし、諸般の準備を急速にしなければならぬこと、これも当然でございます。 そこで、さような観点からの、担当大臣をいつごろきめるか、ないしは閣僚協議会はいつごろかというお話でございますが、まださようなものを設置するということについて閣議等で確定はいたしておりませんけれども、東京オリンピックの事例に徴しましても、東京の場合におきましては、開催時よりも二年四カ月ばかり前に担当大臣をきめ、さらに、いまお話しの閣僚協議会も設置することにきめたというようなこと等もございます。このとおりであっていいかどうかは別といたしまして、かような次第で、本日の時点におきましては、まだ札幌の一回前のグルノーブルの大会もこれからもう少しあとであるというような事情に徴しまして、いま直ちにとは考えておりませんが、この問題につきましては、できるだけ早く、適切な機会にさようなことについて内閣として決定しなければならぬ、かように考えております次第でございますので、ただいま直ちにいつからということは申し上げられませんが、いずれにしても先ほど強調なさいましたような趣旨において、いろいろの意味で準備がすみやかに進捗しないということのないように考慮しつつ決定いたしたいと考えております。
○小平(忠)委員 冬季の場合は、夏と違いまして、やはり相当な準備期間を必要とするものでありますから、どうか政府においては、ひとつ総理が所管大臣を督励いたしまして強力に推進をしていただきたい、こう思うのであります。 私は、時間がなくなりましたから、最後に一言。政治資金規制の問題については、すでにこの委員会で政府の所見もただしておりますから、この問題は省略いたしたいと思いますが、ただその中で、従来政治資金規制の重要な対象は、政治家が各団体なり個人からの献金を受ける、いわゆる政治資金の献金を受けることに重点が置かれておりますが、今日それと同様に、政治家たるの立場から、各種団体や個人に寄付金という形で非常に出費が多いことについて、これは与党、野党を問わず、今日重要な問題となっております。したがって、これら国会議員であるために無用なこういった寄付を強要される場合に、これを放置しておいてはたしてりっぱな民主政治を確立することができるかどうかという問題について、私は一言、総理の所見を承りたいと思うのであります。ということは、今日、国会におきましても、院議をもって虚礼廃止の申し合わせをいたしておりますが、今日においては、これはほとんど空文であります。これでいいのかということをわれわれ大いに反省しなければならぬと思うのであります。こういった問題も、私は、この政治資金規制の範疇に入るか入らぬかは別としましても、政治家として、今後国民の先頭に立って民主政治確立のために前進をするときに、この問題も大きな問題であると考えますので、この点について総理の所見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま政界の浄化、これは国民の至上命令、私どもに課せられた問題であります、したがいまして、政党の政治資金、この規制も審議会におきましてりっぱな案を出されております。もちろん、その中にも政治家そのものが自粛すべき点等につきましてもきつい批判を受けております。したがいまして、ただいまお話しになりましたように、入り、同時に出すほうと申しますか、出費につきましても当然今後考えていかなければならない。どこまでも常識的な線が守られるようにいたさなければならない、かように思っております。政治資金規制の案がまだ全部でき上がりませんが、ただいま御指摘になりましたような点にも思いをいたして、十分考えていきたいと思っております。
○植木委員長 これにて小平君の質疑は終了いたしました。 午後は一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時五十六分開議
○植木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十二年度総予算に対する質疑を続行いたします。正木良明君。
○正木委員 最初に核拡散防止条約についてお尋ねをいたしたいと思います。 政府はこの核防条約について特使を派遣されました。その意欲は非常に多とするところでありますが、特使が携行されました政府の修正案に対する反応についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一点に、核保有国の軍縮義務、この点については、わが党からも意見を申し上げておきましたが、この点についての反応はいかがでありましたか、お伺いいたしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 正木君にお答えいたします。 この特使が出かけます前に、各党のたいへんな御協力を得ましたことを、厚くお礼を申し上げます。 たいへん事務当局で相済みませんが、一応特使が参りましての経過を事務当局からお聞き取りいただきたいと思います。
○藤崎政府委員 アメリカとヨーロッパ諸国とに、それぞれ大野、西村両特使を派遣しました趣旨は、米ソが今後話し合いを進める前に、まず日本の意見を十分述べる機会を持ちたい、そういうことでございまして、まだ米ソ案も固まっていない段階でございますから、こちらからこちらの立場を述べるということが主でございまして、それに対してアメリカの意見なりあるいはヨーロッパ諸国の意見なりを求めるという点には主眼はなかったわけでございます。核軍縮の点につきましても、十分わがほうの立場は向こうに述べたわけでございます。核軍縮の点につきましては、どういうふうに条約の上に取り入れるかということについて、まだ結論を出す段階には至っていないわけでございますが、その趣旨が何らかの形で条約の中にうたわれるということは、向こうも了承している、かように了解いたしております。
○正木委員 核軍縮については、向こうのほうは了解したというお話でありますが、しかし、明確にその条約の中に入るかどうかということはさだかではないと思うのでありますが、ここで私どもの主張といたしましては、この問題が非常に重要なポイントとなってまいります。したがいまして、核保有国の核軍縮構想、また、あるいはその確実な保障を条文の上に明確にすべきである。なぜかならば、核大国に対する核軍縮の義務づけが行なわれないと、核拡散が防止されたというだけの状態が恒久化してくる。その結果、米ソのような核ブルジョアがその他の核プロレタリア国に、従来ともにおどし政策が加えられていくというようなことが考えられるわけであります。そういう意味で、今後この問題については、条約の中に明文化されるということについてどのような決意をお持ちになっていらっしゃるか、その点をお伺いしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま藤崎君から御説明をいたしました。私どももこの核の拡散防止と、こういうことでは実は不十分だ。もちろん核兵器そのものがなくなること、これを本来考えてくれなければいかぬ。したがって、核軍縮にたいへん熱意を示す、また、核軍縮ばかりでなく、一般の軍縮、これについてどういうような態度をとられるかという、これに非常な関心があるわけであります。ことに日本のような、平和に徹して、国際紛争は武力によらないという、戦争を放棄した国、その立場に立ってこの問題を見た場合に、しかして、少なくともいまある核保有国、それより以上にふえないようにというその努力は、どうしてもしなければならないものだ、かように思っております。それにしても、いまの持てる国が一体どうするのか。これは強いわれわれの主張でもある。だから、条約の中にそういうものが明文化されることが必要だ、何らかの処置をとるべきだ、こういうことを強く要請してきておるわけであります。これがどんなになりますか、ただいままだ法文ができておるわけじゃございません。したがって、アメリカ等においては、この日本側の核軍縮といいますか、それについての期待意見というか、これは十分了承してくれた、かように帰ってきて報告はいたしております。ただ、いま言われますように、これがどんな形になるのか、それは全然わからないというのが現状でございます。したがって、いま正木君が言われますように、これが法文化されないときに、そういうような条約に加盟するかしないか、こういう問題が次に起こるのですが、これについては、まだもちろんただいまからとやかく言う筋ではない。私ども日本の主張として、ただいまの持てる国の核軍縮、これに多大の軍縮への熱意を示してほしいということを申しますが、同時に、核兵器が拡散される、これを防止するというまあ一般的な考え方には、ただいまのところわれわれは同調しているので、趣旨としては賛成しておりますから、そういう立場でいかなる処置をとるか考えるべきだ、かように考えております。
○正木委員 御趣旨のほどはよくわかったわけでありますが、しかし、私どもは、単に精神だけではなくて、具体的なプランや確実な保障というものが必要である。そこで、この際、わが国の軍縮に対する長期的なプロセスを明らかにする必要があるのではないか。わが国自体が確固たる軍縮政策を持たなければ、わが国の根本的な軍縮に対する姿勢というものは、各国に理解を与えることができないのではないか、このように考えているわけです。スエーデンあたりが相当具体的なプランを持ってこの核防条約に当たっているようであります。そういう点、軍縮問題の専門家を加えて軍縮室が最近設けられたようでありますけれども、これをもっと拡充して整備して強化するというようなお考えはございませんか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの状況でどういうことを御期待なさるかわかりませんが、正木君のお尋ねで、いまの軍縮、基本的に、あるいは自衛隊を廃止せよとか、こういうようなことを期待しておられるとすると、ただいま私どもにはそういう考えはございませんとお答えするのですが、本来わが国の自衛隊、自衛力、これはもう申すまでもなく他国に対して侵略的なあるいは攻撃的な脅威を与えない、これはもうどこまでも自衛の範囲、そういうものでございますから、私はこの程度のものは独立国家として現状においては必要なものだ、かように実は考えておりますので、いま言われますものがどういうことを期待しておられるか、私ちょっとつかみかねております。
○正木委員 もちろん自衛隊の問題も含まれないことはありませんが、私の申し上げているのは、もっと世界的な大きな構想におけるところの軍縮問題を検討し、その基本的な態度を明確にすべきではないか、こういう意味でございます。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの、核軍縮といわず、一般軍縮にもっと積極的に政府が態度をきめるべきではないか、こういうお話、それはもうしごく私どももその考え方に賛成であります。残念ながらただいま日本は、ジュネーブにおける軍縮会議のメンバーではございません。これをぜひとも軍縮会議のメンバーにひとつしてもらって、そうしてその国際の場において日本の主張が述べられるようにぜひいたしたいものだ、かように思っております。
○正木委員 それでは続いて、その平和利用、それから安全保障、それから査察の平等、それから五年後の再検討というような問題がこの修正案に含まれておると思うのでありますが、この点の経過、反応はどうであったか、お示し願いたいと思います。
○服部政府委員 ただいまアメリカとイギリスが最終的な草案を練るために交渉中でございまして、いろいろ手続事項など問題点がございますようです。まだはっきりした結論がどういうふうに出るかわかりませんので、したがって、御質問の安全保障とかレビューあるいは改正という点についても、どういう形で出てくるか、いまのところはっきり申し上げかねます。
○正木委員 それじゃ、一つ一つお尋ねしなければならないことになるわけであります。この平和利用の問題でございますが、この平和利用の問題は、核爆発の平和利用、これの余地は残さなければならぬというふうなお考えであると思いますが、しかし、これは非常に軍事用に転化されやすいし、その点の区別が非常にまぎらわしい、こういう点から、この平和利用については、核軍縮が行なわれた後に核爆発の平和利用というものを許すべきである、このように考えておるわけでありますが、この点は政府のほうはどう考え、また、どんな案で、また、その反応はどうであったか、お聞かせ願いたいと思います。
○服部政府委員 お答えいたします。 核爆発の平和利用というのは、軍事目的と平和目的との区別がつかない。これは相当長い間こういう状態が続くと思います。ただし、それ以前の段階で、おそらく平和利用の核爆発というものは実用化するという段階があると存じます。もしそういう実用化した段階におきましては、やはりわれわれといたしましても、この利益を享受する機会を平等にやはり与えられなければならないというふうに考えておりまして、この点を強く要望いたしてまいっております。
○正木委員 そこで、そのようになってまいりますと、いまもお話がありましたように、片方では平和利用ということについておくれをとるかもしれない。しかし、これは軍事目的に使用されるという点も考えられる。そういう点はどのような調整をなさっていこうとしているのか伺いたい。
○佐藤内閣総理大臣 最近の科学技術の進歩から申しまして、たとえば原子力の利用、開発については、原子力基本法ではっきり日本の場合は制限しておりますね。これは正木君御承知のとおりだと思う。この原子力では平和利用、また公開自由の原則の問題等々がございます。これはもうはっきりしている。ところで、今度は核物質を持つこと、これができるかできないか、こういうことでありますが、いままで私がもう何度も申し上げてきたのは、日本は核兵器は持たない、核兵器の持ち込みも認めない、こういうことで、もうはっきりした態度を明示してきている。ところが、いま核爆発が平和利用できるのじゃないか、そういう問題が将来の問題としてある。現状におきましては、爆発をするならば、日本の場合は、一切そういうものを持たないというのですからはっきりしていますが、外国の場合におきましても、一般的に申しまして、平和爆発と軍事爆発というか軍事的利用の爆発と、その区別がはたしてできるかということですね。だから、この区別が現状においてはできないんだ。将来どんなに発展しますか、これはもう区別ができるようになるかもしれません。しかし、いまのところはそれはできない。また、核が発散する放射能を克服する方法もただいまのところない。だから、日本が核の物質は持たないし、また、持ち込みも許さないというのも、現状においては理解できる。しかし、将来この核爆発のあれだけの巨大なエネルギーというものを平和利用するこができれば、これにこしたことはないんだ。そこに、現在は持っておらないけれども、将来のエネルギー源をいかに使うかということで、日本自身もそういう道を全然ふさがれることは困る。だから、今別の核拡散防止条約、その中には、現在は持たないんだというけれども、将来平和利用というものが日常茶飯事になって、これを軍事的なものとはっきり分けることができるなら、そういう場合には、日本も本来の権利を主張できる、こういうことでありたいというのがいまの主張である。こういうことですね。これは、日本と同じような立場の国が幾つもございますから、この平和利用ということについて、全然道がふさがれ、そうして、持たないからといって差別的な待遇を受ける、こういうことのないようにひとつ気をつけろ、こういう主張をするのはこれは当然であります。その点では、政府は皆さんからも御支援をいただいておるのですが、そういう意味の道をふさぐことのないようにただいま主張しておるわけであります。
○正木委員 したがって、核軍縮が早急に行なわれなければならないということになるわけでありますし、同時にまた、査察の平等につきましても、このことについて徹底したものができ上がっていかなければ、この核軍縮が行なわれないままに、軍事目的にすぐ転化できるような核爆発の平和利用ということが非常に問題になってくるだろうと思うわけであります。そういう点について、先ほどからも、最初に申し上げましたように、核軍縮を早くやっていくということ、促進していくということ、これに対する主導権をやはり日本がとっていかなければならないのではないか。 それともう一つは、潜在核保有国の結束ということでありますが、こういう点について、日本が中心となって呼びかけをしていくというようなお考えはございますか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの核物質あるいは核爆発、これの監視方法、査察方法、これはまだなかなか各国で意見が一致しておらない。たとえばユーラトム、欧州の諸国は、それなら受けるけれども、ウイーンにある国際原子力機関では困るとか、いろんなことを言っております。しかし、いずれにいたしましても、将来こういう問題も解決されて、そうして査察ができ、各国がこういう問題を秘密的というようなことでなしに、公開の方向へいくという、そういうことが望ましいこと、これは御指摘のとおりであります。同時に、そういう方向にいく場合に、フランスや中共、これは一体どうなるのか。やはりこういうのも国際協定に加盟を必要とするだろう。そういう意味であらゆる努力をしなければならない、かように思います。また、きょうの午前中もいろいろ話がありましたが、核拡散-拡散とは一体どういうことなんだ。これは非常な数、保有国が二十、三十になって初めて拡散ということばが適当するのか。現状よりもふえていく、さらに第六の保有国ができる、こういうことがもうすでに拡散に該当するのかどうかというようなこまかな議論もあるわけであります。日本は潜在保有能力がある、潜在保有力がある、そんな言い方をされておる。日本の工業水準をもってすれば、核は持ち得る、開発し得る能力があるのだ、かように言われておりますが、しかし、過去において、この原爆の被爆国として、核の人数に与えるおそるべき破壊力、これはもう身をもって経験をしたのでありますから、核兵器を憎む二と、他のいずれの国よりも日本ほどはっきり切実に考えた国はないと思うのです。そういう立場から、この日本の主張というものは、各国とも意義、同時にその価値を認めてくれておる、日本はそういう意味では大事にしてくれておる、かように自負いたしております。日本が将来中心になるとかいう御議論がございますが、私は、中心になる、ならないは別といたしまして、とにかく唯一の被爆国だ、そういう立場で今回も積極的に欧米に対して特使を派遣をした。そうして、中立各国あるいは非同盟各国、また先進工業国等に対しても、日本の主張を十分理解してもらうように積極的な行動をとりましたこと、これは将来この問題を取り組んでいく一つの姿勢のあらわれだ、かように御理解いただいていいのではないか、かように思っております。
○正木委員 ほかにもたくさん聞きたいことがありますので、まだ西村大使もお帰りになっていないようでありますから、この問題は別の機会に譲ることにして、そこで大事なことは、この特使を派遣なさる前に、超党派外交ということで各党と個別にお会いになって、いろいろ注文も聞かれたし、意見も聞かれた。そこで、この両特使がお帰りになって後に、この問題について各党とその結果をいろいろ話し合われる、そういうおつもりはございますか。
○佐藤内閣総理大臣 西村君がいまちょうど帰ったばかりだと思います。また、私もまだ聞いておりません、三木君が明日帰ってまいります。そういたしますと、適当なときに、出かける前にいろいろ皆さんからも御意見を伺ったのでありますから、この感じもやっぱりお伝えするのが当然だと思います。これはしばしば申し上げておりますが、各党それぞれの主張がございますし、その共通な面だけでも取り上げるようにしないと、こういうことはまとまってまいりません。しかし、やはり何といいましても、政府自身は責任のあるものでございますから、皆さん方の御意見も聞くと同時に、共通のものは共通のものとして強く主張していく。そうして、最終的には政府の責任だろう、かように私は思っております。しかし、せっかく出る前にお尋ねしたのですから、帰ってきての話も全然聞かさない、かようなことは筋でないように思います。どうか今後そういう機会をつくったらよろしくお願いします。
○正木委員 この超党派外交のことにつきましては、総理がこの前もお話がありましたように、世界観の違いがあると、もうどうしようもないが、共通の場があるならば積極的にこれに取り組んでいきたいというお話であった。その総理のお考えには私たちのほうも非常に共感しておったわけです。したがって、この核防条約が最初の問題として取り上げられたわけでありますが、いまもお話がありましたように、この結果についても一応報告もし、話もしようということでありますから、これは絶対やっていただきたいと思いますが、そのほかの外交問題についても、この積極的な総理の姿勢をくずさないで、超党派外交を今後も推進していっていただきたいと思いますが、その点いかがでございましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 これはなかなか全面的に超党派外交を進める、かようにお約束することは、やや現状におきましては無理かと思いますが、御意見はよく記憶にとどめまして、適当な処置をとるようにいたしたいと思います。
○正木委員 では次へまいりますが、きのうの総括質問の中においても、総理は、この政治資金規正法について、政界の浄化というのはいまや国民の至上命令だ、真剣に取り組んでいかなければならぬというお話があったわけであります。その言、はなはだいいのでありますけれども、また同時に、今度の国会は、あの黒い霧解散のあとを受けての出直し国会でありますから、政治姿勢を正す、政界の浄化について積極的に取り組んでいくということについては、これは絶対成果を残さなければならぬと私は思うわけです。その中で、私の考えでは、政治資金規正法の改正が成立するということが、これは唯一の成果ではないか、このように思っておるわけであります。ところが、あの第五次選挙制度審議会から答申が出まして、私どもはその答申には非常に不満であったわけであります。あまりゆる過ぎるという意味で不満であったわけでありますが、しかし、一歩前進という意味で、この点については一応基本的に賛成ということにしたわけであります。それはあの答申が忠実に法文化されるということでなければならないと私は思っておるわけです。昨日の質問に自治大臣がお答えになって、来月の中旬までに法案を提出するというお話でございましたが、この前の第四分科会で、三党がこもごも立って、その政治資金規制の問題について質問いたしましたときに、はっきり五月十二日という日が出てきたわけでありますから、この点どうなのでしょうか。五月十二日の大体政府が法案を出される締め切りまでに絶対間に合わせるということを明言していただけますか。
○藤枝国務大臣 第四分科会のときに、政府の法案の提出期限である十二日までに間に合わすように努力をいたしたいとお答えを申し上げたのでございます。現在でもそれを目途といたして、おります。 ただ、たとえば政治団体の定義などにつきましては、今回はそれについて罰則もつくわけでございますので、はたしていままでのような表現でいいかどうか、この辺は、なおさらに検討を要するものと考えております。それらのことも克服して、できるだけそれに間に合わせたいと考えておりますが、多少のズレはひとつお許しをいただきたいと思います。
○正木委員 これはまあちょっと聞き捨てならぬのでありますが、そのいささかというのが問題でありまして、いささかというのは幾日ぐらいという意味でしょうか。
○藤枝国務大臣 まあ十二日を目途として最善の努力をいたしますが、多少のズレはひとつお許しをいただきたいということでございまして、決してこれをおくらせて御審議に差しつかえがあるようなことはいたしたくないと考えております。
○正木委員 私どもは、この問題については、はっきり言って非常に疑心暗鬼であります。この答申が、五年という期限が、私たちと政府のほうの見解とはなはだ異にいたしておりまして、これが明文化されないということがたびたび政府側から答弁されておりますが、私たちはその五年を明文化しない限りは、これはもうしり抜けの改正案であるとしか考えられないわけであります。そういう点についておまかせするというわけにはいかないわけで、非常にしつこいようでありますが、そういう点、しばらくだとか、大体その日を目途としてだとか、努力をするとか、ということばについては、この問題に限っては私は信頼ができない。会期末ぎりぎりにこの改正案を出されて、そして継続審議にしたり、審議未了にしたり、廃案にしてしまうという意図があるのではいなか、こういうことを私たちは非常に心配するわけですが、その点についての自治大臣の決意をはっきりしていただきたいと思います。
○藤枝国務大臣 国会の御審議は私どものいろいろ口を差しはさむべきことではございませんけれども、私自身といたしましては、ぜひこの改正案をこの国会で成立していただきたいという非常な強い念願を持っております。したがいまして、国会の御審議に差しつかえのあるような、ただいま仰せのような、そんなおそく出すというようなことは絶対にいたさない所存でございます。
○正木委員 したがって、国会のほうの御都合だというふうに仰せになりますが、しかし物理的な時間というものはおのずからあるものでありまして、それは政府が今国会に提案するところの法案は十二日までにという目安をおきめになったのは、そういうことを考慮してなさったのであろうと思うわけです。昨日の御答弁によると、連休も続きますしというようなお話もありましたけれども、この問題については、それは休まれるのはけっこうでございますけれども、そのためにおくれる、それを口実にしておくらせるというようなことがあってはならぬと思うし、また、少々休みを返上してもこれの成文化を急いでいくということが、これは国民に対する私たちの義務でもあろうと思うし、政府の義務でもあろうと思うのでありますが、はっきり五月十二日までに提案するというような言明はできませんか。
○藤枝国務大臣 連休など私どもは考えているわけではないんでございますが、したがいまして、五月の中旬になりますということを申し上げたわけでございます。十二日とはっきり明言をいたさぬかという仰せでございますが、私、その一日、二日おくれることによって食言をいたすようなことはいたしたくないのでございます。中旬――十二日を目途として最善の努力をいたしますが、一、二日のズレは御容赦をいただきたいということを申し上げておるわけでございます。
○正木委員 それでは、その点については御信頼申し上げましょう。 そこで、きのうも――きのうだけではございませんが、いままでにもさんざん論議が繰り返されたのでありますが、どうしてもこの五年の猶予期間を、私たちと考え方を異にしているわけですね。これはあくまでも、いままでの答弁のとおり、これは政党に対する努力目標であって、改正をするための答申の内容ではないと、このように総理はお考えになっていらっしゃいますか。
○佐藤内閣総理大臣 答申の内容ではないことはない。ちゃんと答申されておるんです。だから、もうこれははっきりいたしております。いま、さしあたり審議会がどういうことをすべきだということ、これは五年云々は政党に対しての期待であり、その法文化すべきものは後段だと、こういう読み方を私どもはしております。だから、正木君も、あの答申の中身をよく熟読玩味願えれば、私どもの主張が逃げ腰でかようなことを申しておるのじゃないことは、御理解がいただけるかと思います。どうかそういう意味で御了承いただきたい。
○正木委員 いま私はこの答申を熟読玩味をいたしましたので、そのように考えるわけなのでありますが、まずこの最初から、これはちょっと長くなりますが、申し上げてみますと、この「政党の政治活動の公明化を図り、選挙の公正を確保するためには、」種々のことをやっていかなければならぬ、このように言っているわけですね。そうして、「当審議会は、当面緊急に措置することを要する事項として政治資金の規正および連座制」云々ということばが出てくるわけでありまして、その内容に、「政治資金の規正に関する事項」というものが第一に出てまいりまして、個人献金と党費でまかなえという命題を出しているわけです。しかし、それは混乱を招くおそれがあるから、直ちにそれは実現困難であろう。したがって、五年間を目途として、そうしてさしあたりこれだけの規制をしていこう。こういう一連のことを考えてまいりますと、ここで突然政党に対する努力目標だというふうな取り出し方をしていることは、どうも私たちには納得できないわけです。もしそうであるとするなら、その政府のおっしゃるようであるというなら、わざわざここで五年ということを答申の中に入れる必要はないのではないかというふうに思うわけであります。これは「内閣総理大臣佐藤榮作殿」という総理あてのものでありますから、したがいまして、この点について、政党に対する努力目標をなぜわざわざこの答申の中に入れたのかということが、非常に疑問になってくるわけであります。考え方としては、これは首尾一貫しない、筋が通らないというふうに考えます。したがって、五年間をめどとしている。しかし、さしあたりはこの個人寄付というものじゃあまりえげつないだろうから、ゆるやかにしてあげようというような考え方ではない。やはりこの五年間ということは、これは非常に拘束力を持った答申の内容であろうと私は思うのでありますが、この点いかがでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 いまの正木君の言われるさしあたり云々――さしあたりが法文化すべきことじゃないのか、これが政府の見方であります。しかし、五年という猶予、それがたてばもちろん献金のしかたを変えろという、これは一つの政党に対する目標を示したもので、それを立法化し、法文化するという、そこまで期待を持っておるかどうか、ちょっとそこに疑問があるのでありますが、私は、さしあたり法文化したもの、それだけでもういいと言っているわけじゃない。これは今後の推移を見て、さしあたりのものが五年もたっても何ら変わらないというような状況では、これは審議会の答申の趣旨と違う、こういう議論になるだろうと思います。まあこの際、さしあたり法文化を要求しておる部分と、またしばらくの期間を猶予しておる部分と、これは二つに分けて考うべきじゃないか、かように思っております。
○正木委員 はしなくも総理のおことばの中に、もし五年でできなかったときにはなんというおことばが出てまいりましたが、それをおそれるから、これはすでに個人献金に限るということが、第一次、第二次の選挙制度審議会から答申されているわけですね。しかも、それはそれだけ答申されたのかというと、やはり政界の浄化、そういう点についても触れられているわけです。しかし、その後七年たっておりますけれども、その努力は何らなされていない。そこで、その答申も尊重されなかったし、だから、実現可能というような考え方のもとに、今度はこのような団体寄付を許すような形での答申が行なわれているわけです。しかもこの中で、今度ははっきりと期限を限って五年、これを目標としていけというのでありますから、これはやはりいま総理のおことばの中にあったように、もし五年でできなかったらどうするのかということを考えてくると、本来審議会が望んでおるところの党費と個人献金によって党の運営がまかなわれていかなければならないということからだんだん遠ざかっていく。それが尊重されなくなってくる。そこで、それじゃ総理は、法文化しないならば、この五年をどのような形で限ろうとなさるのかということにもなってくるわけです。その点いかがですか。
○藤枝国務大臣 この点に関して正木さんと所見を異にするのはたいへん残念なんでございますが、私はしばしば申し上げましたように、この答申の中を読みますと、政党はできるだけすみやかに近代化、組織化をせよ、当審議会はさしあたりこれこれの措置をということで、当審議会、すなわち第五次の選挙制度審議会がこういう処置を講ずべきものと考えるというところを法文化することが、この答申にこたえるゆえんであるというふうに考えておる次第でございます。なお、政党の近代化、組織化につきましては、これは各政党――と申し上げると、あるいはおしかりを受けるかもしれませんが、あえて各政党と申し上げれば、各政党がこの答申の趣旨をくんで努力をさるべきものと私は期待をいたしている次第でございます。
○正木委員 いま自治大臣がせっかくお答えくださったわけでありますが、私はそういう法文技術的なことじゃなくて、もし五年後にこのことが実現できないようなことがあったら、どういうふうな処置をとるのかという総理の御決意を聞きたかったわけでありますので、お願いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 私も、この答申はいただいておるのでありますから、それぞれの政党において、一つの決意を持って国民の至上命令にこたえるということが必要だと思います。また昨日――昨日からでもございません、それ以前からもその議論があったと思います。特にどういうようにしたら納得がいくだろうかというので、いろいろ法制局長官とも相談もしてみました。なかなかこれを法文化することは骨の折れることです、政党自身の行き方として、ただいま政党法もございませんし。でありまするから、ただいまの情勢の変化が幾らありましても、事態の推移で政党がまかなうべきものが個人献金あるいは党費、こういうことに限るという、そういうことでやれるかどうか、その一つの問題があります。しかし、長くかかってもこういうことが実現しないとなると、これは政党に対する国民の信頼というものはなくなるでしょう。もう政党自身がこの審議会のような気持ちになって、そうして党の運営をはかっていかなければならぬ、かように実は思っております。私は、今日最小限度の要求すること、それを法文化することにつきましても、いろいろな議論があると思います。もうそれだけでも勇断もって事に当たらないとできないことであります。しかし、それをあえてやろうといま決意いたしておりますし、また党自身の清潔、また政界の浄化をはかる、こういうことと真剣に取り組む決意でございますから、ただいま言われますようなことは、最終的には国民自身が批判するだろう。もしもこういう事柄について党の近代化をおくらし、あるいは党を粛正することができないような政党は、国民の信頼を失うものだ、かように考えております。あえてそういう意味では、法文化の云々の問題ではなしに、政党本来の本質としてまじめに考うべきことだ、かように考えております。
○正木委員 この答申が出される過程において明らかになったことでありますが、自民党を除く各党は、政治資金の規制に関しては個人に限るということに賛成であります、したがいまして、これは即時個人に限って実施するということの答申があっても、それを歓迎するということであったわけであります。したがいまして、これは政党の努力目標というふうに言っておりますけれども、この点については、直ちにそれに応じる用意が自民党を除く各党にあるものである――私のところはもう努力しないでできておりますが、あるものであると、私はこのように考えております。したがって、問題は自民党自体がこの問題にどのように決意するかどうかにかかっているのではないかと私は考えておるわけなのです。そこで、もしこの党の組織化、近代化に対して誠意がなければ、熱意がなければ、おそらく国民から信頼を失うであろう、このようにいま総理がおっしゃった。これはまことにりっぱなおことばだと思います。そこで、事がここへまいりましたので、いわゆる総理としてではなくて、総裁として、もしかりにこの法案がこの国会に出されます、そうしてその審議の結果、これはどうしても明文化できないということになって、入ってまいらないし、またその審議の過程においても非常に困難だ、そこでこの五年後ということを各党が附帯決議のような形で決議したときには、これには自民党は参加なさいますか。
○佐藤内閣総理大臣 衆議院の審議の段階においていろいろ予想されたお話でございますが、ただいま、政府自身が法案を提出する責任があるということで、一生懸命法案をつくることに精を出しております。そうして、これはもう各党とも個人、党費でまかなうことに一致していると言われますが、これは組合というものはやはり会社に、法人に準ずる、こういうような規定もございますから、そういうものの扱い方も、今度法文化する場合にはどうなるのかという問題がございます。私は、宗教団体等におきましても類似のものがあるんじゃないか、かように思いますが、そういうことを考えますと、これはそう簡単にもう全部党費並びに個人だけで資金は獲得するんだ、こう割り切れないのじゃないか、かように思います。正木君はその辺も全部お続みの上でのお話かと思いますが、そういう意味ではよく考えなければならない。 また逆に、これが自民党だけの問題だと言われるようですが、自民党だけの問題なら、あまり内政干渉はしてもらいたくない。それなら、これは各党とも御自由におやりになったらいい。私はさようでないと思う。今後政党のあり方としてこういう事柄はひとつきめようというのが、選挙制度審議会が取り上げたゆえんだと思うのです。自民党だけの問題なら、内政干渉はお断わりいたします。したがいまして、そういうことは私はやや自民党をしいるもの、自民党に対する特別な曲がった考え方をされるんだ、かように思いますから、このことばは返上いたします。 また、審議の過程においてどういうことになりますか、これはこれから審議を尽くされるその段階においてきめられるべきことだ、かように思っております。私、もちろん総理、総裁、こういうことで二つの人格を持っております。したがって、あるいは総裁の立場において統制をとれというような御意見もあろうかと思いますけれども、いま申すように、はっきり理論的に申せば、この種の問題については、これはもう政党、個人、統制をとるべきものじゃないようにも思っております。これは審議は御自由に願うということでありたい、かように思っております。
○正木委員 いまのお話の中にいろいろ出てまいりましたが、社会党は組合等の関係があるということでありますが、これは社会党のことでありますから、詳しいことはわかりません。しかし、社会党があの際に公式に言明した中に、個人献金に限るべきであるということを言明いたしておりますから、団体寄付をもらわなくてもよろしいという用意があると察せられたので、そのように申し上げた。もう一つは、これはわがほうに対してのおことばでありますが、宗教団体等に類似の団体がある、こういう憶測でものを言われては困る。私のところでは、そんなものはありません。個人です。全部個人もしくは党自体の出版収入等の明らかな収入であります。そういう団体等の寄付は受けておりません。これは自治省でちゃんとお調べ願ったらおわかりになるのだし、念のためにこの際冤をすすぐために、自治大臣、その点はっきり言っておいてください。
○藤枝国務大臣 公明党がお出しになっております政治資金規正法による届け出には、出版収入とそれから個人の党費と思われるものでございまして、団体からの直接の寄付はなかったように私記憶をいたしております。
○正木委員 そこで、内政干渉はやめていただきたい――私は内政干渉なんかしようと思っていませんし、そんなことは申し上げておりません。ただ、いろいろの話の中に、これは各政党に対する努力目標だ、このようにおっしゃっておる。だから、これは努力するということが答申を尊重することになる、こうお話もあったわけですね。したがって、その努力を各党が寄り合って努力しようという一つの形ができ上がるということは、私は決して避けるべきものでもないし、これは不当なものでもないと私は思うわけです。これはかりの話でありますが、そういう形の場合に、進んで参加なさるかどうかという御決意を総裁の立場としてお聞きしたわけなんです。その点もお答えになれませんですか。
○佐藤内閣総理大臣 これは私は干渉いたしませんから、十分御審議をいただきたいと思います。ただ、先ほど来私が声を大いにいたしましたのも、自民党だけがこういうことをやっているんだ、こういうことなら、自民党だけのために法律は要らない、かように私はお答えいたしたつもりであります。
○正木委員 それぞれの態度がそのような形であったから、私はそのように申し上げた。その点で見解の相違があるのならば、これはいたし方ないと思います。したがって、この問題について私どもはどうしても法律の中に時限の成文化ということをやってもらわなければならぬというふうに思っておるわけです。この点についても完全に見解が分かれたままで過ぎてしまいましたが、しかし、次善の策として、政党がこのように審議会から答申の中でその決意を促されているというならば、それは何らかの機会にはっきりすべきであろう、これを私は申し上げているのであります。もちろんその形としては、それは決議案という形になるのか、それぞれの政党の代表者がそのことについての決意を披瀝するのか、形はどんな形になるかわかりません。ただ私は一例を申し上げたわけでありますが、そういう意味で、もしそのような機会がありましたらば、その点についての何らかの形での決意を発表なさるというようなおつもりはございますか。
○佐藤内閣総理大臣 先ほど来、政府はこういう問題には干渉しないということを申しました。党と党との間でいろいろな話し合いもございましょう。そういうことは、私どももちろん全然聞かないわけではありません、伺ってもおります。しかし、主体はどこまでも党と党との話し合い、こういうようにいたしておりますので、その辺で御了承いただきたいと思います。
○正木委員 それでは、時間もありませんので、次に移ってまいります。 交通事故の防止対策について少しお尋ねをいたしたいと思います。いままでも交通事故の防止対策についての話がありましたし、また、このような問題は今後ふえても減らない問題でありますから、この際、はっきりとしておいていただきたいものがございますので、それをお尋ねいたしたいと思います。 そこで、総務長官にお尋ねしたいのでありますが、新道路五カ年計画を拝見いたしますと、その計画書の最初に、道路計画としての非常に長期的な展望が載せられております。昭和四十年から昭和六十年、二十年間の長期的な展望を載せられておりますが、この交通事故防止対策につきましても、これぐらいの長い展望に立っての対策というものは必要であろうと思うのでありますしそういう点、長期展望に立った交通事故防止対策というものが用意されておるならば、その点をお示し願いたいと思うわけであります。
○塚原国務大臣 交通安全対策についての御質問でありまするが、道路計画については建設大臣からお聞き取りを願いたいと思いますが、私のほうといたしましては、非常に重要な問題となっておる交通事故対策に対しまして、道路施設等いわゆる交通安全施設の整備、それから交通秩序の確立と申しますか、取り締まりの強化、さらに第三番目といたしましては、交通道徳の教育の徹底という三つの柱を立てまして、交通問題に当たっておるわけでございます、ところが、日本における交通事故のおもなるものは、諸外国に比べて特徴的なものとして、歩行者が非常に多いという立場から、けがをされた方、事故にあわれた方に対する救済措置という一つの柱を入れて、四つの柱を中心にして、基本的な構想を打ち立てていかなければならないという気持ちから、その方針で進めておるわけでございます。 ただいま長期的な展望というおことばがございましたが、実は昭和四十二年度を起点といたしまして三カ年計画の交通事故防止対策を立てていることは、御承知のとおりであろうと思います。そして、最近激増する事故にかんがみまして、少なくともガードレールあるいは安全装置、歩道橋というようなものにつきましては、これを二カ年に繰り上げていま実施中である二とも、御承知のとおりだろうと思うのであります。さらに、四十二年度の交通安全施設の予算措置といたしましても、二百六十九億という前年度に比べまして約八四%の増加を示すような措置をとっておるようなわけでございますけれども、いずれにいたしましても、長期展望計画というものも立てなければならないことでございますので、私のほう、陸上交通安全をつかさどる役所といたしましては、関係各省との間に総合調教をはかりつつ、長期計画について、もちろん先ほどの道路計画等ともにらみ合わせまして、ただいま計画を検討中であります。
○正木委員 この建設省が出しました「道路のビジョンと第五次五カ年計画案の概要」という中には、実は自動車がどれぐらいふえるだろうかということを予想しておりまして、昭和六十年度には、現在九百三十四万台であったのが、三千五百万台になるということを予想しているわけであります。したがいまして、この交通量ということからも勘案されて、この新しい道路計画が立てられたのであろうと思うわけでありますが、これは道路だけの問題ではなくて、それに付随するところの交通安全施設というものも同時に整備されていかなければ、交通安全対策は万全にいかないのではないかというふうに考えていくわけであります。そこで、現在九百三十四万台で、現在日本は一万台当たりの死者が十四・九人ございます。アメリカでは五、五人、フランスでは十人、それからイギリスでは八人というような統計が出ているわけでありますが、少なくとも欧米並みに何年か後にはこの死亡者の率を下げていかなければならない、このように考えているわけです。かりに、昭和六十年度三千五百万台にふえるところの建設省が言っておるこの自動車の台数で、もしかりにイギリス並みの八人になっても、一年間に二万八千人の犠牲者が出るわけであります。これは交通専門家の言によりますと、大体六人か七人ぐらいが一つの大きな壁になっておりまして、これは破ることができないような話でありますが、かりにそれを八人まで下げるとしても、二万八千人の犠牲者が出る。これはたいへんな問題であります。これは死者だけであります。けが人がこれに十数倍するわけでありますが、これらのことを考えると、りつ然とするわけです。そこで、ここで一番大事なことは、三つの柱を立てたと総務長官仰せになりましたが、確かに交通安全対策のためには、三E政策という三つの柱が必要です。しかし、交通の取り締まりや交通安全教育だけで効果をあげられるというのはこれは知れたものであって、やはり交通安全施設の整備というものが根本的に打ち立てられていかなければならぬし、その占める割合は非常に大きいと私は評価しております。ところが、それが長期と称してたった三年しか計画が立てられていないし、その中には、題には緊急と称しておりますから、緊急を要するものだけしか立てられていないということになるわけであります。そこで、どうしてもやはりこういう長期的な展望に立っての交通安全対策ということも同時にぜ考えていかなければならぬと私は思うのです。なかならば、東京はオリンピックで道路がずいぶん整備されましたが、これと並行して交通安全施設が整備されなかったために、犠牲者がウナギ登りに高くなったという現象もございます。したがって、道路が整備されると同時に、並行して交通安全施設というものが整備されていかなければならないということは、これはだれが考えても考えられることであります。もともと昔から馬車の走っておった欧米の道と、昔はかごか人間しか歩かなかった日本の道と、これは本質的に道の構造が違っております。したがって、いま総務長官がおっしゃったように、人間と車との事故が非常に多いわけでありますが、そういう点も考え合わせて、今後の交通対策を進めていっていただきたいと思います。 そこで、まず第一に、道路を整備するということが非常に重要な問題になってくるわけであります。ここで建設大臣にちょっとお聞きしたいのでありますが、第五次五カ年計画案では、七兆三千億、計画としてお組みになりましたね。それが三月二十二日の閣議了解で、六兆六千億に減額されておりますが、これはどのような理由でこのようになったのでしょうか。
○西村国務大臣 その前に、交通安全につきましてちょっと誤解があるようでございますからお話しいたしますが、さいぜん総務長官が申しました交通安全施設等の整備三カ年計画というのは、既設の道路でありまして、いままで保安設備があまりなかったものに対して、とりあえず歩道をつくるとか、あるいは横断橋をつくるとか、あるいはさくをつくるとかいうので、とりあえず既設の道路で不安なところ、不整備なところをやる緊急の計画でございます。今後新設する道路につきましては、新設するたびに、保安設備を兼ね備えまして、完全な道路にしたい、かように考えておるのでございます。 いまお尋ねの道路五カ年計画というものは、いままで第一次からずっとやってまいりましたが、御指摘のとおり、道路の整備よりも自動車の数のふえ方が非常に急速に伸びるものだから、次々に改定をいたしていった次第でございます。したがいまして、第四次計画におきましても、想定したよりは自動車の数が多いものですから、第五次五カ年計画といたしまして、四十二年度から四十六年度までの計画を立てたわけでございます。しかし、その過程におきまして、建設省としては、今後五カ年間に七兆三千億円ということをやりたいと申しておりましたが、いろいろ折衝をいたしました結果、最終的に六兆六千億円に詰まったのでございます。それは結局安全度を落とすとかいうような問題ではございませんので、それだけの分を五カ年でやるものが、多少、五年半に伸びる、あるいは六年に伸びるということでございまして、既設の道路につきましては、十分な安全施設をやりたいのでございます。しかしそのために、六兆六千億のうちで幾らを安全施設にさくのか、こういう内容の問題につきましては、今後決定するつもりでございます。
○正木委員 交通安全の対策のための道路整備ということは、ぜひとも必要なことでありまして、七兆三千億の予算をはじき出すために、非常に綿密な計算のもとに、今後の想定を建設省のほうでは行なっていらっしゃるわけですね。しかも、この五年間整備をしなければならない七兆三千億というのは、決して多過ぎる額ではないわけであります。にもかかわらず、必要緊急を要する道路計画がこのように減額されてきたということに、私は一つの大きな疑問を持ったわけなんです。これはいろいろな都合で、折衝の結果ということでありますから、聞いていると時間がかかりますから、また別な委員会でお聞きしたいと思っております。 そこで、これと対応する交通安全施設というものは、いま建設大臣のお話では、この中に組み込まれているようにおっしゃっておりますが、たとえば歩車道を区別するというようなことは、今度は新設の道路でありますから、当然区別されてはおるのでありましょう。しかし、その他の交通安全施設というのは、この道路計画の中に組み込まれておりますか。
○西村国務大臣 五カ年計画の中に、安全施設は十分考えて組み入れられてやっておるのでございます。
○正木委員 その組み入れられているというのは、いま申し上げたように、現在歩道のない道に歩道をつけるのも、これは交通安全施設としては一歩前進です。しかし、そういうたぐいのものではなくて、交通安全施設といったってたくさんあるわけで、それは全部この中に入っていますか。これはどう入っていますか。
○西村国務大臣 もちろん既設の道路の安全施設をやることも入っていますし、それから新しい道路をつくる場合の、それに対しては安全施設をやらなければいかぬから、それも入っています。それからまた立体交差とかいうようなことをやる場合も、その中に組み入れてやりたい、かように思っておる次第でございまして、とにかく新設のものにつきましては、道路をつくるときにすでに必要ならば、横断歩道はそのときにつくる。あるいは跨道橋もそのときにつくっていく、いままでは道路をつくりましても、ややその辺に手抜かりがあったために、既設の道路に不備なところがありますから、緊急なことを三カ年でやろうといたしたのでございますが、新しい今度の五カ年計画では、それを組み入れてやっていきたい、かように思っておる次第であります。
○正木委員 先ほどの話にまた戻りますが、いま言ったように、欧米並みの事故数――総務長官、聞いていただきたい。欧米並みの事故数にぐっとダウンさせていくためには、相当な交通安全施設をつくらなければならぬわけです。新しい道路計画については、いま建設大臣は全部組み込まれておるというのでありますから、それは完全にやっていただけると思いますが、既設の道路について、この三カ年の緊急計画だけではどうしようもないと思います。この点について今後どのような発展をさせていこうとしていらっしゃるか、お聞かせ願いたいと思います。
○塚原国務大臣 その前に、先ほど四十二年度を起点としてと申し上げましたのは誤まりでございまして、四十一年度を起点としての三カ年計画でございますので、御了承願いたいと存じます。 緊急のためには、この三カ年計画、しかも四十二年度にほとんど繰り上げて行なうことで足りると私は考えておりまするが、不足の点につきましては、先ほども申しましたように、さらに財政当局その他とも折衝し、また長期展望に立った計画に基づいて、検討しなければならないと考えております。
○正木委員 足るように思うとおっしゃっていますが、ちょうど去年の十一月に――衆議院の交通安全対策特別委員会に提出したというので、警察庁から資料をいただいたわけでありますが、それには、交通安全施設整備に昭和四十二年度から昭和四十六年度までの五カ年間で千九百八十億要る、こういうふうにいっておるのです。都道府県公安委員会の分でおおむね二百億円要る、このような報告がなされているようでありますが、これは長官御存じですか。
○塚原国務大臣 私まだ聞いておりません。私の考えでは信号機を含めた額ではなかろうかと考えておりますが、なお調査の上御連絡いたすことにいたしたいと思います。
○正木委員 このように相当多額な要請が交通安全施設としてあると思うのでありますが、その点について、今後ひとつ総務長官のほうで真剣に検討をしていただきたいと思います。これはこのくらいにしておきましょう。 それで次に被害者救済の問題でありますが、これは厚生大臣にお尋ねしたいのであります。いわゆる救急医療センターの設置、また救急病室の設置等の問題についてでございますが、交通事故で事故死の七〇%までが頭部傷害だといわれているわけですね。そのぐらいたいてい頭をやられる。そこで、そういう場合に一番大事なのは、事故発生後三時間ないし四時間の勝負だ、こういうふうにいわれているわけですが、こういう点について非常に大事なのは、そういう脳外科を中心とするところの救急医療センターというものがなければならぬわけです。昔は万一の場合というと、病気で死ぬことだったのですが、このごろ万一の場合というと、交通事故で死ぬことのようにいわれているぐらい交通事故が激しくなっている。しかも、この間も笑い話だったのですが、運不運がこれほど重なるものはない。まず第一に、交通事故にあうか、あわないかは、運不運だ。また当てられた車が金持ちか貧乏人か、これも運不運だ。そしてけがしてしまうか死んでしまうか、これも運不運だ。かつぎ込まれた病院がいい病院か悪い病院か、これも運不運だ。その病院にいる医者が産婦人科の医者ではしょうがないので、脳外科のたんのうな医者であるかどうかも運不運だ。それぐらい運不運が重なるのだ、したがって、この運不運を政治の力で何とかしなければならぬというふうな笑い話になってしまったわけでありますが、これはしかし一笑に付してしまうわけにいかない問題であろうと思います。したがって、救急医療センターについて、また救急の病室と交通事故に対する救急処置について、どのように厚生省のほうでお考えになっていらっしゃるか、お聞かせ願いたいと思うのです。
○坊国務大臣 交通安全対策につきましては、関係各省から、政府において懸命に努力をしておるということを申し上げたのでございますが、それにもかかわらず、交通事故による傷害者が頻発しておるということはいなみがたい事実でございまして、そういったような被害者に対しまして、適正にして迅速なる治療が受けられるというような体制を整えていくということが、私ども厚生行政の中の最も大事な点だと考えております。 〔委員長退席、北澤委員長代理着席〕 そこで厚生省といたしましては、去る昭和三十九年の二月から、救急病院等を定める省令という省令を制定いたしまして、この省令によりまして全国において病院を指定いたしまして、そしてこれはもう救急の用に応じなければならないというようなものを、全国的に今日約三千五百カ所ばかり指定をいたして告示をいたしております。これをさらに整備し、かつまたこれを適正配置をやっていこう、かように考えております。また御指摘のとおり交通事故による傷害者は、頭部の傷害というものが非常に多くて、頭部をはじめ相当な重傷、外傷を受けた人たちが多いのでございまして、そういう人たちに対しましてもこれは迅速適正なる措置をやらなければならないということで、救急治療専門センターでございますね、これを逐次ふやしていくということで、大体いまの計画は、百万に対しましてどうしたって一カ所はつくっていかなければならない、こういうことで、その方針を逐次進めてまいっておる次第でございます。 なおまた、この交通傷害の被害者というものは、後遺症がどうしても残って、多い。そういうものに対しましては、これはリハビリテーションにおける治療をやっていく、そういうためにこのリハビリテーションを進めてまいっておりますが、参考のために、これはもちろん十分ではございませんけれども、四十二年度における予算措置といたしまして、救急医療対策費二億九千二百万円というものを要求をいたしております。これは前年度の二千八百万円に比べまして二億六千四百万円ほどの増加を要求しておる次第でございます。私はこれで十分だとは決して思っておりませんけれども、鋭意この対策を整備いたしていくつもりでございます。
○正木委員 そこで、いわゆる救急指定病院といいますか、それは三千五百カ所とおっしゃいましたが、これに対して補助金等がどれぐらい出されておりますか、一病室当たり。
○坊国務大臣 先ほど申しました二億九千二百万円、約三億円というものは、これはほとんど全部が救急センターに対する補助でございまして、指定病院に対しましては、今日はまだ補助金は出ておりません。
○正木委員 実はこれが問題でございまして、常時何室かの病室をあけておいて、そうして事故が起こったときに、その病室に直ちに収容できるというふうにしておくわけです。二十四時間、交通事故が発生したときの用意のためにあけておく。ところが、これは全然補助金もなければ手当てをしてやっておらないものですから、最近これを返上しようという動きが経営難のためにあるということを聞いておるのですが、ふやしていかなければならないときに減っていくような、逆行するようなかっこうでは、これはたいへんなことになるのであります。そういう点、外科の医者を二十四時間待機させなければならないし、同時にまた、その病室を常にあけておかなければならぬということについて、これは何らかの手当てをしてあげないといけないと思うのでありますが、その点どのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○坊国務大臣 ただいまのところは、先ほど申し上げましたとおり、指定病院には、これは出ておりませんけれども、大体指定病院は、公的医療機関というようなものに重点を置きましてやっておりますけれども、今後はこの制度に対して、さらに何らか政府としても力を入れていかなければならない、私はかように考えております。
○正木委員 それではその点、ひとつ十分に財政援助ができるような状態にしてあげていただきたいと思います。 次に、もう一点お伺いいたしておきたいことは、この前にもちょっとお尋ねいたしたのでありますが、そのときにはまだ決定をいたしておりませんでした。今度新しく道交法の改正が行なわれて、反則金制度が行われますが、反則金の帰属は決定いたしましたですか。
○藤枝国務大臣 目下検討中でございまして、まだ決定をいたしておりませんが、早急に決定をいたしたいと考えております。
○正木委員 法案が提出されるときには、もうすでに決定されて出てくるでしょうが、ただ法案だけが出て、その帰属はあとの問題になるのでしょうか。
○藤枝国務大臣 これは、法案にその帰属を決定いたしませんと、どこへ帰属するかわからないことになりますので、法案にはその帰属を決定をいたしてから提出をいたす所存でございます。
○正木委員 これは検討中の問題で、総理にどうするかということをお聞きするのは無理かもわかりませんが、希望を申し上げておきたいと思います。 非常に地方財政が逼迫をいたしまして、交通安全施設等に対する経費というものも非常に多額にのぼっております。しかも地方自治体が、都会地においては、警察官がふえるというのはたいていは交通警察官、それが交通違反を摘発いたしまして、そうしていままでならば罰金ですな。それが全部、非常に使途が明らかでない形で一般歳入の中へまぎれ込んでしまう、国庫のほうの。それについて、従来から地方団体では、それを何とか地方団体が施行するところの交通安全施設の整備の目的財源にしてほしいという考え方がございます。したがいまして、できれば第一次的には地方団体へ渡してやっていただきたいと思いますし、もしそれが不可能であるならば、その反則金を目的財源として交通安全施設の整備に回す、こういう点をお考え願いたいと思うのでありますが、その点お考え、どうでございましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 正木君のお説はたいへん穏当な説のように考えますので、十分政府におきましても御意見を検討する、こいうことにいたしたいと思います。
○正木委員 いずれにしても、交通安全施設に使用されるものであるというふうに了解しておきます。 もう、いまやかましく時間を言われておるのでありますが、このほかにも、住宅の問題と、それから公害基本法の問題について聞きしたがったのでありますが、時間がございませんので、簡単に……。 きのうも公害対策基本法の問題について、この委員会で質疑がございましたが、非常に産業界が今度の公害対策基本法に対しては難色を示しておる、反対とまでいかなくても難色を示しておるということでありますが、これは総理として、今後どのような推移で実現をしていこうとなさっていらっしゃるか、その決意だけをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 公害防止対策、これはもう基本的にただいま私どもに課せられた重大課題だと、かように思っております。それについて産業界がこれを回避している、あるいはいろいろな批判を出しておる、こういう御指摘でございますが、必ずしもそうではないのじゃないかと私は思います。この種のものについては害毒を発生したもの、そういう原因者の責任というものは、これは大きく何といいましても取り上げなければならない、これがまず第一の問題だ。同時にまた国や地方公共団体、これが全然ほうっておくわけにはいかないものであります。したがいまして、公害防止対策として原因者が負担すべき事柄と、さらにまた国や地方公共団体が負担すべき事柄、こういうものをやっぱり明確に分けて考えないといけないんじゃないかと思います。非常にはっきりしているたとえば特定の工場、事業場が、汚濁あるいは特別な空気汚染あるいは水を汚濁するという、こういうようなものについて、これはその原因発生者がこれを防止する、こういうことは比較的わかりいいのでありますけれども、多数のものが集まって初めて害毒を流すような、たとえば自動車の排気ガスによって空気が汚染される、こういうような場合に、自動車自身が特別な装置をすることはこれから要求するようになりますが、必ずしもそれだけでは万全じゃないのだ、そうなってくると、こまかなものを合わして一つの害が出てくる、そういう場合には、公共団体なり国もやはりこれに責任をとって、その原因者の負担ばかりでなく、国においても対策を立てる、こういうようなことにいたさなければならぬと思います。したがいまして、この三者が適当に組み合わされれば、これから発生する公害というものについて、これは一つの目的を達し得るんじゃないかと思います。またこういうように公害防止がやかましくなれば、現に発生している公害の処理について、これはやっぱりその産業自体が責任をとっていく、こういうことは当然望まなければならない問題だと思います。そういう意味の一つの企画はあるだろうと思います。過去におきましても、大気汚染の問題などでは、それぞれの工場等において特別措置をとっている。せんだっても、私、選挙中でしたが、千葉に出かけた。川崎製鉄がかつて出していた黒煙あるいは黄色い色の煙、もうそういうものは今日流れていない。白煙になっておる。これなどはまず非常な多額の金をかけて、六十億ばかりかけて、そうして公害防止にみずから取り組んだようでありますし、また、最近千葉地域において石油コンビナート等をつくりますが、そういう場合には、発生するであろう公害、そういうものを事前に考慮に入れて立地条件その他もくふうしているようであります。したがいまして、これからはよほど変わってくるだろうと思いますが、そういう点が、原因発生者、さらに国、さらに地方公共団体、そういうようなものが合わして対策を立てるとなると、――産業界だけの責任というわけでもないので、これは当然なすべきことをするようになるので、よほど変わってくるんじゃないか、かように期待しております。一部の産業界でいろんな議論があるだろうと思いますけれども、やはり公共全体の利益のために、この種のことは当然負担すべきものだと、かように思っておりますので、私は一部でいわれておるように、産業界の反対というものをあまり大きくは見ておりません。必ず妥結のできるものだと、かような確信を持っております。
○正木委員 したがって、大体国民の健康を守るということを主題として、今国会でこの基本法を成立させようとするお考えはあるわけでございますね。――じゃ、そのように了解をいたしまして、約束の時間でございますので、私の質問は終わります。
○北澤委員長代理 これにて正木君の質疑は終了いたしました。 〔北澤委員長代理退席、委員長着席〕
○植木委員長 次に、加藤清二君。
○加藤(清)委員 委員長のお許しを得まして、私は、昨日質問はいたしましたけれども、答弁漏れになっておるところに集約をいたしまして、質問を続けたいと存じます。 第一は、きのうは閣議決定が行なわれていなかったがゆえに、答弁ができなかった問題がございます。第一、それは環境法の所管でございます。これは総理の裁決でいかが相なったでございましょうか。
○福永国務大臣 昨日の話に出ておりましたように、所管につきましては、厚生大臣及び大蔵大臣、さように決定をいたしまして、すでに法案も国会に提出をいたした次第でございます。
○加藤(清)委員 それでは私は、きのう総理のお答えで、一致しておるではないか、加藤の質問は違うておるではないか、こう言われたのですが、私が言うておりましたのは、通産大臣が分科会において、三省所管を主張しておられたのでございます。したがいまして、通産大臣はこの席で、二省とおっしゃられました。明らかに食言でございます。一言あってしかるべきでしょう。――私は福永君に聞いておるんじゃない。通産大臣に聞いておるのです。通産大臣に聞いておるんだ。
○福永国務大臣 通産大臣はもとよりお答えしますが、客観的な事実をまず申し上げたいと存じます。 通産大臣は、当初三省による所管ということを、御指摘のように確かに主張いたしておりました。その当時の希望を率直に、いま御指摘のようなところで表明したのかと存ずるのでございます。昨日もお聞きいただいたように、その点につきましては、実は関係大臣が、政府といたしましては、私、内閣官房長官に一任してくれまして、先ほど申し上げましたような結果になりました次第でございまして、この時点におけるいまお話しの通産大臣の心境等は御本人からお聞き取りをいただきたいと存じます。
○菅野国務大臣 分科会におきましては、三省共管がしかるべきではないかと思うので希望しておるという旨を申し上げたのでありますが、きのうの答弁におきましては、厚生大臣、大蔵大臣と共管だということを厚生大臣が言われたので、大体それでよいように思いますというようにお答えをしたような次第であります。
○加藤(清)委員 その理由を承りたい。心境の変化と申しましょうか、君子豹変なさった、その経緯について。
○菅野国務大臣 私どもでは、あくまで三省共管ということを主張したのでありますが、話がまとまらないので、結局、党並びに官房長官に裁決をお願いしたような次第であります。
○加藤(清)委員 あなたはここでもう一言あいさつすべきじゃございませんか。私は、あなたを責めているのではないのです。少なくとも国会において、一国会において、大臣が、この席で言うことと、次の席で言うこととが違うておるというのは、これは座談ならけっこうでございます。すでに、一事不再議の原則があることはよう御存じのはずでございます。したがって、変わったならば変わった理由を明らかにして――それは、変わったことがいけないなどと私は一言も言うておりません。どうぞ理由を説明してください。
○福永国務大臣 これまた客観的事実になりますので、私から少しく補足させていただきたいと存ずるのでございます。 御指摘のごとく、通産大臣は主張するところがございました。しかし、政府全体といたしまして、先刻申し上げましたようなことに決定をいたしましたのでございます。これと関連をいたしまして、通産大臣が主張しておりましたようなことにつきましては、共管ではないけれども、業務運営上、通産大臣の指摘し、希望したような点については、密接なる連絡をいたしまして、心配のないような措置を講ずることを別途措置いたしまして、そのことによって、通産大臣も、まずそれではまあまあこれでよかろうかというような心境にもなっておられるものと私は考えております。客観的にお答えを申し上げたい。
○加藤(清)委員 もとより、景気上昇のおりからといえども、中小企業の倒産は戦後最高を続けておるのでございます。経済のしわが中小企業に、中小企業にと寄っておるのでございます。したがって、全国の中小企業者の大会におきましては、より強大な指導、育成強化のことを願っておるわけでございます。その席におきまして、与党の代表の方も、なお、中小企業庁でなくして中小企業省を設置することを、わが党の議員もなお二百有余名賛成しているという旨の答弁がございました。社会党といえども、あるいは民社党さんといえども、これみな中小企業行政の一元化を願わざるものはございません。しかし、このことによって一元化がこわれていくこと、これを非常におそれるものでございます。この問題について、今後、総理はどのようにお考えでございましょうか。
○佐藤内閣総理大臣 中小企業省をつくれという、これは野党にも、また与党の中にもそういう主張がございます。そのつど私どもが申し上げてきたのは、中小企業というのは業態――これはもう事業の種類ではないのだ、これは業態なんだ、したがいまして、どうもその他の事業と一緒にやっていることが望ましいという、そういう意味で、中小企業だけまとめるといっても、これはなかなかむずかしいでしょう、こういうので、まだ踏み切らないでいたわけでございます。それぞれの役所においてそれぞれ関係がございますので、――まあ、しかしながら、対策がまちまちになっては非常に困るという、これはもう御指摘のとおりだと思いますので、私ども中小企業対策というものは一貫して一つであるべきだ、かように実は思っておるのであります。事業の特殊性というものはあまり考えなくても、中小企業という業態で考えればいいのだというように思っておりました。しかし今回環境衛生の特別な公庫をつくるという、これはもうその業界において特別金融を必要とするのだ、こういうようなことで、このものが発足するわけでございますが、しかしその他のものと非常な差異ができたり、その他のものが取り残されるというようなことでは、これは不適当でございますから、そういう点については十分注意するつもりでございます。
○加藤(清)委員 私の質問と総理の答えが食い違っておるようでございますが、私はもう一度念のため聞きます。 二のことによって中小企業行政の一元化、すなわち中小企業省を設置するということは一歩後退ということになるおそれがあると同時に、その結果、行政面においていろいろ支障が発生することと思われます。そのことについてどう対処なさろうか、こういうことでございます。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま答えたつもりでございますが、第一段は、中小企業省ができることに対しては、これで後退だ、かように言われますが、私は中小企業省をつくるということをまだ申し上げたことはございません。だから、これは後退も前進もないのでございますので、これは全然別なことに、ひとつ預けておいていただきたい。 第二段のほうは、実際問題としてもしもこれが不統一になれば、これはたいへんなことだ、かように思います。この点では、在来からも、それぞれの業種によりまして所管庁は違っていたように思います。したがって私は、今回この種のものができましても、業界を乱すことのないように十分注意していくというのが先ほどのお答えでございます。御指摘のとおり、この問題で、中小企業そのものが幸、不幸がないようにいたしたいものだ、かように念願しております。
○加藤(清)委員 この国会に予算が提出される、その予算がきめられる。この問題については本年は三百億でございます。ばく大な金でございます。そこで、新しく法律ができた場合に、過去のいろいろな法律に及ぼす影響があります場合には、その法律の調整が行なわれなければならぬと存じます。見ますると、たくさん出ておるようでございます。ところが中小企業基本法、中小企業金融公庫法、中小企業信用保険法、商工中金等に至ってはそれがないようでございます。これはどうしたことでございましょうか。
○菅野国務大臣 いままで業種の近代化などで融資をしたときに、二つ以上の金融公庫から融資した場合があるので、複合の融資はいままでやっておるのでありますからして、今度の環衛公庫ができましても、環衛公庫のほうからも融資ができますし、商工中金からもまた融資ができるということになると思います。
○加藤(清)委員 ただいま総理は、不公平にならないようにとおっしゃられました。ところがいまの通産大臣の答弁でございますと、環衛関係の業種ですね、旅館業、理容業、美容業、公衆浴場、映画興行、これは二重融資を受けることができるわけですね。それでよろしゅうございますか。これは明らかにいま総理のおっしゃいました公平の原則を貫くということとうらはらの関係ではございませんか。
○菅野国務大臣 今度の環術公庫は、厚生省、大蔵省の所管になりましたけれども、通産省と協議して業務を執行することになっておりますからして、したがいまして、その間はお互いに相談してやることにいたします。
○加藤(清)委員 総理の御答弁……。
○佐藤内閣総理大臣 いま、実際の取り扱い方を通産大臣がお答えいたしました。実際の運用としては、これで不公平にならないように、また方針を統一する、こういう考え方だと思います。しかし、先ほど御意見を述べられましたように、たてまえ上といいますか、これは二重、あるいはそれぞれのもの――たとえばこれは過去においてもあったと思いますね。中小企業金融公庫とあるいは商工中金、こういうものが二重に、というような議論はあったと思います。
○加藤(清)委員 厚生大臣、これでおしまいにします。代押貸しか直貸しか……。
○坊国務大臣 代理貸しでございます。
○加藤(清)委員 どこに代理貸しさせますか。
○坊国務大臣 国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、その三者を当分のうちは代理貸しにしてもらうことでございます。
○加藤(清)委員 松平行政管理庁長官、お尋ねいたします。 いまお聞き及びになったとおりです。これが直貸しであるというならば、これはもう独立したものでございます。代理貸しで、いままである金庫に仕事はやらせる、こういうことなんです。こんなばかげた重複した行政がどこにあります。長官、これをあなたは賛成したのですか。
○松平国務大臣 昨年環境衛生に対しまして二百億、国民金融公庫を通じて出しました。しかし、御承知のとおりその業態がいろいろございまして、国民金融公庫はやはり一応限られた貸し付けの限度とかあるいは対象がきまっておりますから、その限度を越えるような対象者ができてまいりましたし、また国民金融公庫ではそれをはずしてやると他の対象者に非常に不公平が起きますので、そういったことを勘案いたしまして、三者を代理貸しにしたわけでございます。
○加藤(清)委員 はしなくも限度外貸し出しをおっしゃられました。限度外貨し出しとは、総理、不公平のもとでございますね。片方には限度を設ける、片方には限度を上げる、明らかに不公平でございますね。もう出発から公平の原則を破らなければならぬことになっておる。これはどうなんですか。
○佐藤内閣総理大臣 いずれ御審議はいただくのでございますが、もちろん私は、先ほど来言われるように、中小企業というものがそういう業態であって、特別なものが特に苦しめられる、こういうようなことは、これは避けなければならない。行政の姿としてよくないようにいまだに思っております。ただいま御指摘になりましたように、この環境衛生の場合でも、いわゆる小額のものもございますし、また、もう少し金額を増さなければならない金融の措置もございます。したがいまして、これは中小企業と一口には申しておりますが、その業態に応じたいろいろの金融の措置をとるのでございまして、私は必ずしもいま言われるように、これが非常に不公平だとは実は思っておりません。しかし、その辺のことはよく事情は御存じなのでございますから、よくひとつ御検討いただきたいと思います。
○加藤(清)委員 この問題については、これでやめたいと思いますが、最後に、公平の原則を守って、不公平にわたらないように政府の恩典は与えたいとおっしゃられました総理のことばに私は賛成でございます。敬意を表します。しかし、それが出発の最初から行なえないようなスタイルになっては、それこそ食言にもなりましょうから、厳にこの問題は総理において注意をして、今後の立法なり、貸し出しの原則なり、政令をつくる場合の歯どめにしていただきたい。それをやっていただけますか、いただけませんか。
○佐藤内閣総理大臣 私は先ほど原則論を申しました。大体金融でも一番問題になるのは、金額もさることですが、金利と条件、これがたいへんだと思います。そういうことを特に気をつけるというのが私どもの考え方でございますから、どうかひとつ、詳しいことはいずれ法案を出しますから、そういう際に御検討願いたい。(加藤(清)委員「やるかやらぬか」と呼ぶ)いや、不公平にならないように最善の努力をいたします。
○加藤(清)委員 次に、防衛庁長官にお尋ねします。 きのうお尋ねいたしましたけれども、お答えができませんでした。したがって、本日お尋ねいたしまするが、新しく第三次防におけるところの飛行機の輸入数量、金額――きのう私は長官に、第三次防の実視にあたって行なわれるであろうところの飛行機の機種、能力、それから数量、金額をお尋ねしました。ともに不満足な答えでございましたが、特に数量と金額においては答弁ができなかった。あとで答弁する、書面で答える、こういうことでございましたが、いまだにございません。したがってお尋ねしたわけでございます。
○増田国務大臣 加藤君にお答えいたします。 いずれ書面で詳細にお答え申し上げますと言ったことは事実でございまして、現在資料を作成中でございます。そこで、現在までわかっておる点を申し上げます。 昨日はFXの名称、その製造元、輸入すべき商社等がわかっておるならば答えろということでございました。そこで、昨日答えたうちでほとんど全部お答えいたしておりまするが、F4のファントム、これは製造会社はアメリカのマクダネル社でございます。輸入商社は日商でございます。それからあなたの御指摘のCL1010、これはF104の改装したものでございまするが、これも昨日私が申し上げましたし、あなたも御指摘でございました。これはアメリカのロッキードが製造元でございまして、日本の丸紅飯田が扱っておるようでございます。それからF111、そのうちのAというのはアメリカのゼネラル・ダイナミックスでございまして、Bというのは米国のグラマン社でございます。日本における取り扱い商社というものはいまだ不明でございます。それからあなたの御指摘のビィッゲン、これはドラッケンともいっておりますが、スエーデンのサーブという会社で製造しております。それからミラージュはフランスでございまして、ダッソーという会社で製造中でございます。以上が、われわれは広く、あらゆることにとらわれずに、また、きびしく清く正しいという態度で選びたいと思っておりますということは、大前提として申し上げましたが、いまのところでございますから、FXの候補名というものはこれだけでございまするが、またXが出てくるかもわかりません。 それから予算のことは、あなたにあとで私的に申し上げましたけれども、公的には資料で申し上げますが、三次防の範囲ではFXを二機取得するだけでございます。それからその金額は八十八億円でございます。それから四次防にわたって、四次防のときに予算化される、しこうして三次防では国庫債務負担行為として発注するというのが六百九十二億円でございます。いずれにしても膨大なる金額でございますから、その選択その他は厳正にやるということは昨日申し上げたとおりでございます。
○加藤(清)委員 合わせて約九百億ばかりでございますか。
○増田国務大臣 いま申し上げた額は六百九十二億プラス八十八億でございますから、そこで計算していただきたいと思いまするが、七百八十億ではないかと思っております。
○加藤(清)委員 その数量は。
○増田国務大臣 第三次防の範囲では百機未満でございます。四次防以降のことはまたそのときにあらためて考慮するということになると思います。いずれにいたしましても、三次防におけるFXというものはぽんこつが多いのでございます。でございますから、絶対数量はだいぶ減ってくるわけでございます。御承知のとおり、いまや国防産業におきましてもスクラップ・アンド・ビルドの方式が船舶に適用され、石炭に適用されたように、だんだん国防産業にも適用されつつあるのでございまして、加藤さんの御理解を願いたい次第でございます。
○加藤(清)委員 機数は約百機と仰せられましたが、単価は幾らでございますか。単価のお答えはございません。
○増田国務大臣 これは単価によって実は機数が制約されるわけでございまして、五億ないし高いのは十数億という。でございまするから相当開きがございまして、十数億のものを選んだ場合には今度は機数が制約を受けまするし、それから五億前後のものを選んだ場合には機数が相当ふえるということに相なる次第でございます。まだすべてがXの時代であり、わからないという。これから調査をいたす段階でございます。 それから申し落としましたが、予算化されるのは昭和四十四年ごろでございます。それから国庫債務負担行為というのはやはり四十四年、四十五年、四十六年と、こういうことになるのじゃないかと思っております。
○加藤(清)委員 あなたは大体七百八十億の金額、予算だとおっしゃられましたね。六百九十二億と八十八億ですか、おっしゃられましたですね。そこで、機数は百機だ、こうおっしゃられた。ところが、高いのもあれば安いのもあるという表現でございました。 お尋ねしますが、二兆三千四百億の積算の基礎をお示し願いたい。
○島田(豊)政府委員 三次防におきまして、いわゆるFX用、次期戦闘機用として一応経費を計算いたしておりますのは、ただいま長官から申し上げましたように約七百八十億、これは期間内の歳出と後年度の経費でございます。そこで、これは、実は経費的には、まだ機種も決定いたしておりませんし、機数についてもこれからいろいろな検討を下さなければなりませんので、どういう単価でどういう数量であるということでなくて、全体的に引き当て金的なものでございまして、これらの個々の具体的な数量等につきましては、これから現実にいろいろな調査をいたしまして、その上で具体的には年度予算で決定すべきものでございまして、ただいまの金額もそういう趣旨であるということで御了解いただきたいと思います。
○加藤(清)委員 この問題はいずれその所属の委員会におきまして詳細お尋ねする予定でございます。 次にお尋ねしたいのは、公債四十二年度発行八千億、これの減債制度、償還計画、減債基金、これについてお尋ねいたします。 この問題については、すでにこの公債発行が赤字発行と称されて、四十年度前から何回か繰り返されてきた問題でございます。しかし、いまだに政府は約束を履行しておりません。なぜこの減債基金制度並びにその償還の方法、具体策、これができないのでございましょうか、なぜ提出されないのでございましょうか、大蔵大臣に承りたい。
○水田国務大臣 実は、この問題は二年間にわたっていろいろ国会の論議となったところでございますので、私は、参議院におきます木村委員、衆議院におきます加藤委員、そのほか各位の御質問、また、それに対して、時の大蔵大臣の答弁というものを、私はことごとく一応速記録を通じて排聴いたしまし。したがって、このいきさつは十分存じておりますが、この問題がいつも問題になって解決しないようでは、それこそ問題でございますので、ここらでやはりはっきりとこの問題の解釈を確定する必要がある、いいかげんにできる問題ではないと考えますので、いままでのここまで来た政府の考え方、いままでとってきた態度、そういうものについてまとめてひとつお答えいたしたいと思います。 そこで、財政法四条二項の償還の計画というものは何を意味するかという政府のいままでの解釈でございますが、政府の解釈は、年度別の償還予定額をこれは示すものであって、これによって公債の償還方法が満期償還であるかあるいは年賦償還であるか、またその償還の期限はいつになるかということを明らかにするものであって、この四条の二項は償還の財源を計数的に明示することを求めたものではない。またそういう意味における償還の財源の計画というものは、実際において示すことは不可能である。したがって、そこまで財政法は求めていないというのが私どもの解釈で、従来そうやっておりましたが、これについていろいろの御論議が出てまいりました。そこで、昨年国会で論議された結果、前の福田大蔵大臣がお約束したことが二つあると思います。一つは償還の財源計画というものは示せないが、どういう考え方で今後公債を償還していくかという考え方が問題であると思う、この考え方については、詳しく自分たちの考えを書いて出しましょうというお約束を一つしました。二のお約束にこたえたのが三月二十二日に提出した書類でございまして、「公債償還の考え方及び減債制度について」、これが資料として提出してございますが、これが福田大臣の約束した一つのこと。もう一つは、自分はそういうふうに思うが、しかし、何かこの償還計画というものについて合理化す方法はないか、この問題については一つ研究しよう、財政制度審議会にも検討を願って、私どももいろいろ努力しようということをお約束いたしました。それによりまして、財政制度審議にこの問題をかけまして、法制部会それから審議会の総会、これは何回かやってこの問題の検討を願ったのですが、その結論は、従来考えておった政府の考え方を一応確認したという形になっております。文章を一ぺんお読みいたしますと、財政制度審議会の報告の抜粋でございますが、「財政法第四条第二項の規定によれば、公債を発行し又は借入金をなす場合には、その償還の計画を国会に提出しなければならないこととされている、この償還の計画の解釈については、従来議論のあったところであるが、この規定が公債の発行時にその公債の償還財源調達に関する具体的な計画を示すことを要求していると解することは困難であって、実質的には公債の年度別償還予定額(満期償還の公債にあつては、満期時の償還予定額)を示すもので足りると解すべきである。また、単に公債の満期時の償還予定額を示すだけではさしたる意味がないので、この規定を削除してはどうかという考え方もあるが、他面、予定償還期限を明らかにし、また年賦償還、満期償還の別を明らかにすることは、公債発行に関する審議の参考となる点もあり、この際しいてこの規定を削除するまでの必要はないと考える。なおこれに関連して、全体としての公債の償還についても具体的な財源の裏付けがないという批判があったが、既に述べたような考え方に基づいて減債制度を確立することにより、この批判に応えることができるものと思われる。」これが財政制度審議会の最後の結論でございます。この結論は、従来の政府の一応解釈でよろしい、これが適法だということでございますので、私どももこれによりまして昭和四十二年度に発行を予定する公債の償還計画表というものを予算に添付して国会に提出した次第でございます。やはりいまの解釈に従って償還の計面を出すといたしますというと、今度の四十二年度の発行予定をしておる公債は、年賦返済の借り入れ金等とは違っておりまして、七年満期の公債でございますために、具体的には今度の国会に出したような償還計画表という形になるものであって、これはいま申しましたように、すでにこの解釈は一応確認されておるものでございますので、私どもは財政法の違反ではないというふうに考えています。またこの考え方は今度の国債発行についてあらためて出てきた考え方じゃなくて、政府の公社法の中におきましても、借り入れ金をする場合に、大蔵大臣の認可を得なければならぬというときに、やはり償還の計画という字が使ってございますが、これも従来同じように解釈されてきて、この償還計画表はやはり年度別償還予定額を記しておるだけでございまして、財源問題には触れていない。これが過去からずっと行なわれてきた解釈であり、また実際にそういうふうにされておりますので、私はこの問題はここらで、一応これが財政法の解釈としてやむを得ないんだということを、これはひとつ御承認を願いたい、こういうふうに思う次第でございます。
○加藤(清)委員 私はせっかくの大蔵大臣の御親切な御答弁でございましたが、賛成できるのは最後の一小節だけでございます。ここらあたりでピリオドを打ちたいという、そのことだけでございます。しかし、ピリオドを打つには打ち方があるのでございまして、一方的解釈でもってこれで事足れり、それで七千三百億や八千億が毎年次々とふえていくというようなことでは歯どめになりません。 そこで、あなたも長々と御親切な御答弁でございましたから、私も今度は長々とこれを提出せんければならぬところの理由について申し上げます。 第一の理由は、法的根拠でございます。法律がちゃんとこれを示していることはいまあなたがお示しのとおりでございまして、いわゆる財政法第四条「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」この前提条件をよく読んでいただきたい。第一番は、借り入れ金や公債以外のものと規定しているのでございます。 次に「但し」と、ただし書きがございまして、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と、こうある。だから、ただし書きつきでこれが許されておる。正々堂々これがあたりまえであるという、そういう考え方ではございません。同時に第二項において「前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。」と明記されているのでございます。償還の計画を国会に提出して、特に審議された結果は公債による資金もまたやむなし、これが正当な解釈だと思います。 次に、第六条に至りまして、「各会計年度において歳入歳出の決算上剰余を生じた場合においては、当該剰余金のうち、二分の一を下らない金額は、他の法律によるものの外、これを剰余金を生じた年度の翌翌年度までに、公債又は借入金の償還財源に充てなければならない。」と、ここに償還財源、減債基金をつくらなければならないということが明記されているわけでございます。 第二の要求する根拠は、国民感情でございます。公債に対する戦前の国家の始末、終戦直後における公債に対する国家の始末は、公債は紙くずである、こういう観念を与えたことは大臣もよく御存じのところでございます。その後、経済が立て直りましたけれども、なお、事いわゆる投資信託、この問題につきましては、いまもなお元本割れでございます。したがって、この間の参考公述人もここで言われましたが、「証券よ、さようなら、銀行よ、今日は」ということばがとってかわるようになったわけだ。つまり国民感情としては、この公債に対して懸念があるわけでございます。不安があるわけでございます。これを取り除いて差し上げるということが、公債審議にあたっての一つの重大な責務でなければなりません。 ところで、これが行なわれないがゆえに、どういう結果が生じているか、法律違反の疑いが発生しておるのでございます。いわゆるこの公債は日銀に買わせては相ならぬと法律が明記しております。にもかかわりませず、市中消化という名のもとに、銀行シンジケートによって、いわばある程度命令によって銀行にこれを買わせ、保険にこれを買わせ、それぞれに割り当て消化をさせているのでございます。その結果はどうなる、なぜそういうことにしなければならぬかと言ったら、窓口で市民に、都民に売っても、買ってくれないからなんだ。だから銀行が肩がわりしているわけだ。ところで問題は、それでは銀行が資金に困るので、一年たつやたたずで、これをまた買いオペにするということになっている。それは一年たったら日銀引き受け公債ということなんだ。この信用において返済計画や減債基金はなくてよろしいという、ここから根拠が出てくるわけなんだ。日銀が引き受けてくれる公債だから間違いない。しかしそのことはあやまちである。誤謬から発生しておる。その誤謬はやがて次の誤謬へ移っていく。すなわち中小零細金融は、信用金庫であるとか、信用組合であるとか、ここらあたりは無理やりに買わされた結果はどうなる。どうなります。背任横領が成立する疑いが発生してきておる。なぜかならば、損するところへ投資しちゃいけないのです。それをあえてやらなければならぬことになっている。そこで、去年は、このところを一歩前進させようというので、さすが去年の大蔵大臣は、相互銀行だけは買いオペの場合に直接日銀取引ができるようにしたのでございます。にもかかわりませず、本年は全然前進しない。その結果どうなる。買いオペを日銀がした場合に、直接取引のできる市中銀行、地方銀行、相互銀行は七分の利ざやでも欠損にはなりませんけれども、他の零細金融業はこれを市中銀行にゆだねて、つまり手数料を三%、四%差し上げて、このことをやってもらわなければならぬ。その結果は、七分の利は手取り一体何分になりますか。資金コストよりも安いようなところへ投資すれば、もし株主総会において、それを知っている人が、重役に対して背任横領の疑いがあると言って訴えたらどうなります。私はこんなことは言いたくなかった。だから、こういうことを言わせないように、円満解決をしようとしたのです。ところが、それができないと言う。これを中小企業の信用組合とか信用金庫で片っ端からやったらどういうことになる。この点どう思っておられますか。特にこの点について総理にも答弁を要求します。 次に問題になりまする点は、事務当局の問題でございます。事務当局にも、この計画、基金が確立していない結果は、紛争と申しましょうか、いたずらなる争いを起こしているのでございます。その第一は――これは一問一答でやりたいところでございますけれども、急ぎまするからことばで申し上げます。資金運用部が引き受けておりましたところのもの、というよりは、もう少しことばを変えて言いましょう。同じ大蔵省でも、去年は剰余金が出そうである、そこで、六百億近いところの発行を買い戻すか、あるいは発行を停止するか、既発行のものを買い戻すか、いろいろ論議があったところでございます。ところで、主計局のほうは原則論を主張した。剰余金が出る以上は、その範囲で最大限に公債を減額して、利払い等の政府負担を軽くするのが当然である。これはごもっともな御意見でございます。ところで理財局の考え方はどうであったか。これと全く対立して、調整に難渋なさったことは、あなた自身が経験済みなんだ。どうなった。理財局の考え方は、国債を減額する以上市中消化分を優先させるべきである、こう言った。これもごもっともな意見なんだ。なぜかならば、ということが引き受け金融機関の要望であり、その約束をしてきたことである。引き受け金融機関はありがたがっていない証拠なんです。約束を破ることは、金融機関の今後の市中消化円滑化に問題を残す。剰余金が出ても、全額、国債整理基金に繰り入れれば国債償還財源となるから、不健全財政とはならない。これも一応ごもっともな話だ。片や国費をなるべく削減しようとする。片や公債を買って国費をつくってくれる市中金融、この人の難儀を救おうという。ここで意見が衝突する。喧々、虚々実々で、こうなってまいりますと、これは計画が立っていないからなんです。計画の基本がありさえすれば、すなわちいずれを優先するか、これができておれば、簡単にできるはずなんです。 で、ここでひとつお尋ねします。答えてください。ことしも……。(「結論を出せよ」と呼ぶ者あり)いや、いや、結論にしますから。――わかりました。いや、減債計画です。いま言うておるのは、財政計画じゃないですよ。公債をどこに買わせるかというので論争しておるから、その内わけを申し上げておるわけだ。決してこれはほかの財政計画じゃない。それは財政計画には及ぶには及ぶのですけれども、いま申し上げておることはこれなんです。 そこでお尋ねする。大臣、こちらをよう見ておってください。計画があれば、順序がきまっておるのですから、問題はないわけです。ところが、計画がないから争いが起きる。そこで、お尋ねする。ことし余剰金が出るはずだ。はね返り財源も八千億も想定ができる。しますると、八千億の公債全部発行することがいいとお思いですか。悪いと――いや、それを削るような結果が生じてくるとお考えですか。削るような結果が出た場合に、いずれを優先して削ったらよいという計画でございますか。これなくしては、公債発行なんて軽々にできることではございません。まずそこから……。
○水田国務大臣 お答えします。 まず最初のほうは、国債の信用を得るためというようなことで、あなたのおっしゃられる目的のために、減債制度を今回はっきり確立するということになりました。 それから先ほど日銀との問題でございましたが、信用金庫は信用金庫の連合会を通じて取引を行なっておりますので、その場合連合会は個々の金庫の代理をするという形でやっておりますので、手数料も取らないという形でやっておりますから、事実上信用金庫も対象になっておるということでございます。 それから最後の御質問でございますが、これは順序からいいましたら、市中消化が先であって、国で引き受けるというのが一番あとというのがやはり順序だと思います。そこで、昨年は、三百四億円最後に預金部の引き受けということを考えておって、一番最後に残したのですが、これはやはりやむを得ないことだったと思います。ところが、税収がございましたので、最後に預金部が引き受けないで、国債の発行を打ち切ったというようなことができたために、いろいろ若干あなたのおっしゃられるようなことがございました。で、ことしはもし税収が見込みよりふえるということだったら、やはり私は国債の発行を減らしたいと思います。ただ、減らすというのは、ほんとうは一番最後にいって国の引き受け分を減らすというのが順序だと思いますが、去年こういうことがございましたので、減らす場合に、今度は市中消化だけじゃなくて、一部預金部で引き受けるということも、ことしはやりたいというふうに私は考えております。
○加藤(清)委員 もう一度念のために、最後に、剰余金が出た場合の具体方法だけを念を押しておきます。
○水田国務大臣 これは、今度の減債制度で、はっきり法律でこれは減債基金の中に積み立てるということになっております。
○加藤(清)委員 またことし論争を同じ省内で繰り返さなくてもいいように、ぴちっと計画を立ててもらいたい。それが私が要求する一つの原因である。 ところで、あなたがせっかく田中大蔵大臣あるいは福田大蔵大臣、ここらと約束をされました件につきまして、出したものがこれだとおっしゃられました。わずかわら半紙に二枚書いてある。そこで、ここの中で最後の項だけが減債制度らしきことでございます。それ以前は理由が書いてある。出さぬでもいいという理由が長々と書いてある。その最後のページの制度らしきものは一体何であるか。繰り入れ金のことが(イ)から(ロ)、(ハ)と、こう書いてありますが、これは法律に書いてあるとおりです。最後に「その期間は、約六〇年とする」この一行だけが大体目的に合った提出理由でございます。最後の一行であります。しかし、この六十年といえども、これはおかしな話なんです。普通の減価償却からいったら、六十年もかかって減価償却をするなんというばかげた話はどこにもありません。むちゃくちゃなんです。 さて次に、こういうことであるから、これで逃げよう逃げようとしていらっしゃるが、一体、これで制度である、これが減債基金であるとおっしゃるなら、このページの中のどのことばがそれに相当するかを言うてもらいたい。
○水田国務大臣 一般会計から年々、年度首の国債総額の百分の一・六を積み立てるということ、それから、いまおっしゃられました剰余金の二分の一を下らない額の繰り入れをするということ、それから、さらに必要に応じて予算措置による繰り入れを行なう、この三つによって減債制度を構成するということでございまして、本来なら、いまの日本の公債の量、残高は世界どこに比べても多いものではございませんで、特に日本で減債制度の必要があるかないかということすら論議されたのでございます。しかし、さっき公債の歯どめという問題もございましたが、一般会計から定額繰り入れをするということは、政府自身も縛られることでございまして、これは予算の先取りをするということですから、非常に財政を拘束する。したがって、そう簡単に放漫に公債は出せないということにもなりますので、この制度を置くことが、一面政府が公債についての態度を国民に示すことにもなるだろうということから、日本において特に必要ないという意見があるにかかわらず、先ほど申しましたような意見によって、ここで減債制度というものに踏み切るということにしたわけでございまして、私はこれは非常に画期的なことであると考えております。
○加藤(清)委員 これは、この法律に書かれていることを、ことばをかえてこちらへ持ってきただけのことなんです。これは法文の焼き直しなんだ。ここにどうして制度といえるものがありますか。これがどうして制度です。どうしてこれが減債基金です。こんなものでほおかむりして逃げようたって――あなたのひいきのスコラ哲学者はそれはいいと言うでしょう。御用学者もそう言うでしょう。だれがこんなものでいいと言っているのです。だから私は聞いている。これでいいとあなたがおっしゃるならば、ここに書いてある何という文字がその制度に合う文字でございますか、見せてもらいたい。
○水田国務大臣 これは公債償還についてのりっぱな一つの制度でございまして、これだけの制度ですら外国では持っていないということでございまして、私はりっぱな制度だと考えております。
○加藤(清)委員 では、あなたも先ほどおっしゃられましたが、これは毎年度――これはいままでの大臣もみんなそう答えている。毎年度別ということは、この法律の中にも次から次とうたわれている。ということは、銘柄別ということなんです。銘柄別の何がここにありますか。この中に銘柄別の何が規定してありますか。このことは、参議院において木村禧八郎君にもさきの大臣がちゃんと答えておることなんです。確かにそれは銘柄別に出すべきものでございますと。ここに何の銘柄が書いてありますか。さあ出してもらおうじゃないか。
○水田国務大臣 そういう答弁が参議院にあったかどうか、私存じませんが、銘柄別の償還計画というものは、これは当然できないことでございまして、減債基金は公債全体の管理をするものでございまして、もし銘柄別の償還計面というものがあったら、基金の中でその融通が全くきかぬということになりますし、そういうことは、実際においてこれはできないことでございますので、銘柄別の減債計画というようなものは必要であるという答弁をしたというふうには考えられません。
○加藤(清)委員 冗談言っちゃいかぬ。予算は単年度予算、単年度審議なんです。その単年度予算の中に、足りなくてどうにもならない金があったときに、公債ということになる。その公債は毎年度審議なんです。したがって、その返済計画は毎年度別になければならぬはずなんです。そんなことを、あなたが何と言ってこじつけようと、毎年度別に審議する以上は、毎年度別の計画と毎年度別の考え方がなければならぬはずなんです。そうなれば、これは銘柄別に出すべきであるということなんです。私の言うことが何が間違っておる。私の言うことは法律に従っておるのです。あなたがその法律を曲げて解釈しておるだけじゃないかね。審議は単年度予算ですよ。
○水田国務大臣 ですから、この四条の解釈が年度別の償還計画、財源の計画ではなくて償還予定額を意味するものだというふうに政府は解釈しておるのでございますが、毎年度審議をお願いするたびごとに、いつこれを償還するか、これはどういう種類の公債であるかということを明示するのがいまのこの四条の二項でございます。それに従って年度別の償還予定額を明示するということでございまして、年度別の財源計画というものを意味しないと、さっき言ったように私どもは解釈しておりますので、いま出しているような形のものでいいのじゃないかというふうに考えております。
○加藤(清)委員 総理に承わる。これは憲法九条論と一緒なんです。解釈のしかたによって、持てないものを持つというこのこじつけがここへ来ている。予算はあなたもよう御存じのとおりです。毎年度審議するのです。しかもそれは単年度予算です。その単年度のうちに、どうしても支出が多くて一般財政収入ではまかないきれぬものがある。そのまた支出も限られている。建設とか、あるいは融資の資金とか、限られて公債を発行してもよろしいことになっている。それはまた予算が提出されるごとに、この公債は審議を経、賛成を得て初めて行なわれる問題であります。いわんや、計画は去年もおととしも一括してこれでけっこうでございます、そんなばかな話がどこにありますか。すなわち、四十年においては二千五百億、四十一年においては七千三百億、四十二年においては八千億、(「加藤君、約束は守ってくれなくちゃ」と呼ぶ者あり)約束は守っていますよ。守らぬのは相手ですよ。出すと言ったじゃないか。じゃ、もっと内幕を申しましょうか。あまり内幕を出しては差しさわりがあるから、私は表の法律論で言うておる。 そこで、どうしてもそれが出せない。単年度予算であるから銘柄別に出す、あたりまえの話なんだ。そこで、これが出せないとおっしゃるのですか、あるいはまた、出すように努力するとおっしゃるのですか、それはいずれなんですか。
○水田国務大臣 私どもの解釈による償還の計画というものは、すでに国会に出してあるというふうに私どもは考えております。
○加藤(清)委員 それは明らかに間違いなんだ、そういう言い方であれば。法律で義務づけられた問題を、法律に従わずに、これに反する行為を次から次と重ねていく。これはいま言った再軍備と同じことなんだ。その既成事実が、やがて次の既成事実を生んで、ますます悪事を積み重ねていくということになる。当然のことなんだ。(「放漫財政だ」と呼ぶ者あり)称して、いまあすこにも声が出ていますが、明らかに放漫財政であり、歯どめがないということになる。それではますます国民の公債に対する買い意欲を削減していくということになる。(「国民が支持しているよ」と呼ぶ者あり)国民が支持したらなぜ窓口で買わせない。なぜ強制して金庫に買わせるか。これについて総理大臣の見解を承ります。
○佐藤内閣総理大臣 いま問題になっておる償還計画、これを政府は出せという。これは、先ほど来大蔵大臣からお答えしておるように、政府は政府の考え方でちゃんと出しておる、かようにお答えしておるのであります。 ところで、いろいろの御議論を聞いておりまして、公債発行、これは幾多の弊害を伴うおそれがある、そういう点をいろいろ指摘なすっていらっしゃいます。多くのその御議論のものは、私は運用に関するような問題のように思う。ことに、先ほど、この点は総理にも聞くから注意して聞いておれ、こういうようなお話がございましたが、これは大体運用に関する問題のようであります。いま起きておる基本的な償還計画そのもの、これは一体これ以外のものが出せるかどうか、これは財政制度審議会などもいろいろ議論してみて、やっぱりこれ以外にないんだ、かように実は申しております。これは、たまたま政府の考え方と同一でありますから、ただいま援用するのでありますが、そういう点もひとつお考え願って、ただいまの償還計画、どうも政府が出しておるよりより以上のものはちょっと考えられない。しかし、加藤君が先ほど来御議論なさいましたもの、これは公債自身、発行したら幾多の弊害を生ずるおそれあり、というそれらの点については、御指摘のとおりだと思いますから、こういうような点について、政府はもちろん公債発行に踏み切った今日、十分注意いたしまして、間違いのないようにいたしたいものだと思っております。
○加藤(清)委員 この公債に対する国民の不安、それを取り除いて信用をつけるようにせんければならぬ、信用を増すようにせんければならぬ。そういう努力もやらない、これでけっこうである、たった一行の制度でけっこうである、かようにお考えですか。
○佐藤内閣総理大臣 私は、いまやっておる事柄で国民の公債に対する信用がないと、かようには思っておりません。私は、いま国民からは支持されておる、十分信用を確保しておる、かように思っておる。もしもこれが国民の信頼を得ておらないといったら、これはたいへんな問題です。それこそ政府が皆さま方からおしかりを受けるような放漫政策あるいはインフレ政策、そういう意味の非難を受けるのであります。ただいまとっております公債発行は、非常にその点は厳格に注意をいたしておりますから、私はさように考えておりません。
○加藤(清)委員 あなたが自分で発行するものを自分で信用づけることはあたりまえな話なんです。ところが、よそから見ると、あるいはこれを真に日本の経済を憂え、過去の国民の公債からこうむった、あるいは証券からこうむったところの被害を除去してあげようと思う識者から見れば、これはあまりにもお粗末過ぎる。したがって、総理としては、その信用をますます回復して、国民が、一人々々が、窓口でこれを好んで買うような措置を講ずるのは当然のことじゃないですか。
○佐藤内閣総理大臣 私は、加藤君のおっしゃることは理解しないでもございません。ただ、現在発行しております公債が非常に国民に不安を与えておるとか、信用のないものだ、かように言われますと、政府の立場から、私はさような事態じゃないということをはっきり申し上げます。また、こういう危険があるんだとおっしゃるなら、これは政府もかねてから注意しておるところでありますから、一そう注意をするつもりでございます。ただいま言われますように、いまやっておることはでたらめで全然信用がないんだ、かように言われれば、私は、遺憾ながら加藤君のお説に賛成ができません。しかし、そういう心配がある、こう言って御注意なさることなら、私は謙虚に伺うつもりでございます。
○加藤(清)委員 心配があるから申し上げておるのでしょう。だから、国民の心配を除去して信用度を増さなければ、国民はおのれみずからの意思で窓口へ行っては買わないということを言っておる。したがって、国民みずからが自分の手で一人一人が買うようにする、それが市中販売ということばでしょう、法律のいうところの。だから、法律にうたわれておりまする市中販売、すなわち国民一人一人がこれを喜んで買う、余剰金を、たんすの奥の金を国家へ役立たせる、こういうところへ持っていくのが政治家の任務じゃございませんか。それについてあなたは、これでけっこうだとおっしゃるのですか。
○佐藤内閣総理大臣 私は、ただいまのお話をよく謙虚に伺うつもりでございます。しかし、いま出ているものについてとやかく言われると、私は、先ほど来お答えしたとおり、何度も繰り返して申さざるを得ない、御了承いただきます。
○加藤(清)委員 どうしても返済計画、減債基金制度が出せないと大蔵大臣はおっしゃるのですか。前向きの制度ができないとおっしゃるのですか。
○水田国務大臣 減債基金制度を今度つくるということでございます。で、国会の御審議をいま願っておる最中でございます。一方、毎年の公債発行のときに出す返済計画というものは、いま言ったような償還予定額を示すものであるというふうに解釈をしますので、いま出してあるとおりの形のものになるのはやむを得ません。そこで、いま一枚の紙切れと、きわめて簡単なようでございますが、もし将来公債を出すときに、いろいろな銘柄を出す。たとえば年賦償還の借り入れ金をするとか、期限の違う公債を出すというような、多様化してきました場合には、いまの予定償還計画表というものは相当複雑になってきますので、そうなった場合には、やはり国会審議の参考にはなるんだ、ないよりはあるほうが参考になるんだということで、財政制度審議会も、いまの規定をとらなくてもいいという解釈でございますので、今回のは七年満期一本の公債でございますから、したがって、簡単な償還計画表というのになっただけでございまして、将来これは複雑になる場合もございましょうし、これで私どもの解釈としてはいいんじゃないかと思っております。
○加藤(清)委員 はしなくも、いま大臣がお答えになりました、これはこれだが、毎年度償還計画を出す。その出す場合には、複雑なものもある、こうおつしゃられたですね。それで、その複雑なものが、いま総理のおっしゃる信用度を増すために一そう前向きで、もっと国民に親切で、法律の精神に従ったようなほんとうの制度が出せるとおっしゃるならば、それこそあなたはほんとうの日本の大蔵大臣だ。国民を尊重する、人間を尊重する大臣だ。しかし、そうでない、この一行だけで、これで十分である、こういう考えであって、もし私の言うことが無理である、いけないんだ、できないんだ、こうおっしゃるならば、遺憾ながら私は、次のことばを言わなければならぬ。それでは財政法の第四条から六条にわたるその条項を変更して、法律修正案を出していただきたい。
○水田国務大臣 いま複雑になると言ったのも、複雑になっても同じことで、償還予定額を列記するということになるだろうということを申し上げたのでございます。もし財政法の解釈がそれでいいということでございましたら、私は特にいま財政法を変える必要はないんじゃないかというふうに考えております。
○加藤(清)委員 これだったらならないから、今後よりよき制度をつくり、確実な基金をつくる、こうおっしゃれば、私もきょうはこれで黙って引き下がりましょう。しかし、そうでない。あなたは、この前二十七日に、出せぬものを出せといったって無理じゃないか、こうおつしゃつた。もし出せぬものを出せといっても無理だというならば、出せというておるのは私ではないんだから、法律なんだから、その法律を修正していらっしやい。
○水田国務大臣 「償還の計画」が償還財源の計画だというふうに解釈されるのでしたら、これはむずかしくて事実上できません。これは加藤さん御承知のとおり、今後の経済がどうなるか、財政政策がどうなるか、税収がどうなるか、いろいろからんできまして、この原資で返還するんだということをかりに推定して組み合わせてみても、これは実際のものでございませんので、その計画は意味をなさない、これはもう御承知だと思います。たとえば、さっきお話がございましたが、減債基金の中から、公債が値が下がるというようなときに、これを買いささえをやる、公債の価値を維持するということも国家で必要でございますので、この買い入れ償還をするとかいうことも、随時この基金の中で今後行なわれることがあると思いますが、こういうものを年次別にあらかじめ全部計画して償還の財源を示せということは、これは無理でございますので、結局、財政法の求めるいまの「償還の計画」というものは、償還予定額を明示することでいいんだという解釈にならざるを得ないのだ、そう解釈を願うよりほか私はしかたがない、ほかにやりようがないんじゃないかというふうに考えます。
○加藤(清)委員 値が安うなった場合の値をささえる行為、それもおやりになるんですね。
○水田国務大臣 抽せんによる繰り上げ償還とか、あるいは買い入れ償還というようなものは、これはどこでも、情勢により、資金の余裕によってやられるものでございますので、私どもも今後そういうことはやる場合があるというふうに考えています。
○加藤(清)委員 それをやられますね。もう一度……。
○水田国務大臣 借りかえによって得た金で償還する場合もございましょうし、また逆に、余裕があるときに買い入れ償還をするといういろいろな場合があろうと思います。
○加藤(清)委員 はしなくもいろいろ制度上のお答えがございました、前向きのお答えが。それを制度というのです。それを記入することが減債制度、それを文章にすることが制度なんです。したがって、来年度から出されまする場合には、少なくともいま大蔵大臣が、それぞれについてお答えになった具体策、それを明記してもらいたい、それが制度なんですから。それはおやりになりますか、なれませんか。
○水田国務大臣 それは、考え方という中で、そういうことも今後減債については考えるという考え方を示したものでございますが、これを「償還の計画」という中で明記するということは、事実上できないことだと思います。
○植木委員長 加藤君に申し上げます。 質問者の意見の存するところと、大蔵大臣の答弁の趣旨との間における両者の相違点は、はっきりしたと思います。したがって、この際、きょうは時間がだいぶん迫っておりますから、そろそろ結論にお入り願いたいと思います。
○水田国務大臣 いまそう申しましたが、この「償還の計画」で、あなたのおっしゃられることを、「説明」というところで、ここに今年度も書き込んでございます。
○加藤(清)委員 委員長の仰せでございまするから、私は、本日はこれでやめまするが、最後に、最後に結論を言えとおっしゃいまするから、結論は、ほんとうにあなたが、総理大臣が、人間尊重の哲学に徹して、そうしてそれを政治の上に具現するということにほんとうに徹していらっしゃるならば、当然国民に対してもっと親切に、国民が喜んで窓口で自分の意思で買う、こういう傾向にするよう努力されるべきであると思います。私はそれを強く要望いたします。来年、再来年、一挙にできなければ、何年かかってでも、政府は、この公債は六十年の長きにわたって返済せんければならぬ義務を持っているのですから、あなたは、いまの単年度予算を審議するにあたって、六十年先の子々孫々に税金として納めなければならぬ義務をしょわせることになるわけでございまするから、これは慎重であってしかるべきだと思う。したがって、一年、二年でできぬとおっしゃるならば、もうきょうは、委員長のおことばでございますからやめましょう。しかし、大臣としては、総理としては、この発行を許可するんですから、あなたに責任があるはずです。したがって、国民が安心して、もっと進んで、喜んで、きん然この公債制度に参加するよう、あなたとしては制度を整えるべきだと思う。この点についていかがでございますか。
○佐藤内閣総理大臣 私は、いま加藤君の御議論、こう思って実は聞いていたのです、御要望だろうと。私は公債発行に踏み切りました。この公債発行は、わが国の繁栄のためにこれは絶対に必要だと、かように考えておるのであります。国民もまたこの公債発行を支持してくれると思います。加藤君のお話をしばらくじいっと聞いておりますと、結局、公債を発行してはいかぬという御議論のように落ちるようであります。公債を発行いたしまして、そうして御賛成がいただけるなら、公債は発行してよろしい、さらにその信用を高めるようにしろと、こういうようなお話は、私もいままでも注意しておりますが、この上ともさらに注意するつもりでございますが、どうもお話を聞いておりますと、公債発行をやめろという御議論じゃないかと、かように思っております。
○加藤(清)委員 私はこれでやめようと思ったんですけれども、最後に、おしまいのときに、あと足で砂をけったようなそういう答弁だったら引き下がりません。私は意見等は一つも言ってない。法律に従って発行しなさいと言うておるだけだ。発行なさるのは、あなたのほうの必要で、意思でおやりになるから、さすれば、法律に従って行ないなさい。同時に、それをやがて国民が安心して、きん然参加するようにしなさいと、こう言うている。
○水田国務大臣 財政法に従って私どももやるつもりでございます。
○加藤(清)委員 総理、総理、総理が受け取り違いをしたのですから……。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま大蔵大臣のお答えしたとおりでございます。
○植木委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。 これにて締めくくりの総括質疑は終了いたしました。 以上をもちまして昭和四十二年度総予算に対する質疑は全部終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後五時一分休憩 ――――◇――――― 午後六時三十九分開議
○植木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、加藤清二君外十三名より、昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算及び昭和四十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えすることを求めるの動議が、小平忠君外二名より、昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算及び昭和四十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が、また、伏木和雄君外二名より、昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算及び昭和四十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が、それぞれ提出されております。 ―――――――――――――
○植木委員長 これより、各動議について順次その趣旨弁明を求めます。北山愛郎君。
○北山委員 私は、日本社会党を代表して、政府の昭和四十二年度予算三案に対し、これを撤回し、編成替えを要求する動議について、その趣旨を説明するものであります。 動議の内容については、文書をもって配付されておりますので、その細部はお読みいただくこととし、私はその要点のみを説明したいと存じます。 政府の予算案は、要約すれば、景気過熱のおそれすらある経済の実勢を無視した県気刺激のインフレ予算であり、物価高と重税によって、ますます国民勤労諸階層の生活を圧迫しながら、一方では大企業と資産家階級の利益に奉仕する予算案であります。また第三次防衛力整備計画と兵器の国産化によって、軍国主義復活の危険を増大するものであって、平和と国民生活破壊のインフレ予算であるといわなければなりません。 すでに日本社会党は二月二十四日、四十二年度予算編成についてのわが党独自の諸要求を政府に申し入れ、また、二月二十一日には、民主社会党、公明党と共同して、三党の政策協定に基づき、物価の安定をはじめ、五項目について要求をいたしましたが、政府は、国民多数の要望を代表したわれわれ野党の意見に対しては、何らこれに耳を傾ける姿勢すらとらなかったことは、きわめて遺憾に思うのであります。 いまや予算案の質疑が終結した現在において、われわれは、三たび政府に対して、われわれの要求する経済、財政政策転換の基本方針にのっとり、インフレと物価高を防止し、平和と国民生活、福祉向上の予算に編成替えすることを強く要求するものであります。 以下、私は動議の内容につき、要点を順次説明いたします。 われわれの要求する第一の柱は、国債発行の早期打ち切りと削減であります。二月の鉱工業生産は前年同月に比べ一九・五%の増大となっており、その他経済市況はすべて景気回復を示しておるのであります。また民間設備投資も活発化し、他方輸入の激増によって国際収支の先行き不安を伝えられるとき、昨年を上回る公債、政府保証債の発行によって財政面から景気を刺激することは適当でないことはもちろんでありますが、国債は急速に累積し、その償還額は昭和四十八年度七千四百五十七億円、四十九年度には九千億を突破し、財政を破綻させ、インフレと物価高騰によって国民の負担をたえがたい苦痛に導くことは必至であります。 われわれは、本年度の政府の租税増収の見積もりは過小に失すると思うのでありまして、名目成長率一三・四%、弾性値を一・八とした場合には、さらに三千七百倍億円程度の自然増を見込むことができるのであります。また、今日まで過度の優遇を受けておりました大企業と資産所得者に対する租税特別措置の撤廃、法人の超過利潤への課税、五千七百億円に及ぶ交際費への課税、不動産及び証券譲渡所得の捕捉などを強化すれば、優に六千億ないし七千億円程度の増収を期待することができるのであります。その面から、八千億の国債打ち切りの財源補てんは、決して不可能ではないと考えるのであります。もちろん本年度全額打ち切りはわれわれの基本的な要求目標でありますが、政府はこの趣旨を尊重し、早期に国債を全面削除することを目標として、確実な償還と削減の計画を立て、すみやかにその達成をはかり、財政の健全化とインフレの防止に努力することを強く要求するものであります。 第二は、物価抑制の諸施策であり、毎年の異常な物価の高騰を押えるため、今後二年ぐらいを目途として総合的、かつ根本的物価対策を推進し、その間公共料金など値上げをストップすることであります。そのためには、農林水産物の増産、大企業の管理価格の是正、流通機構の整備、有効な地価抑制対策をとるとともに、内閣に物価安定調査会を設置し、また公取の権限、機構を拡充し、重要工業製品の原価計算調査などを強化すべきであります。また、地価抑制策については、単なる宅地造成の推進は逆に地価のつり上げの結果を招くので、土地騰貴の防止に中心を置き、工場敷地、ゴルフ場など大規模な土地取得を規制し、公有地の開放のほか、譲渡所得の課税、宅地超過利用税等の設定など、税制面の対策をも進める必要があるのであります。 第三の柱は、租税の不公平是正と大衆課税の軽減であります。すなわち、四十二年度以降も延長の予定である利子配当所得分離課税の中止、法人の受け取り配当益金不算入制度の廃止など、大企業と金持ちへの減免税を整理し、他方、生計費には課税せずとの原則のもとに、すみやかに所得税の課税最低限を標準世帯百万円までに引き上げることであります。このような大企業と金持ち階級への優遇を撤廃して、六千億ないし七千億の租税の増収を確保し、勤労所得者、中小商工業者などを重税から解放して、租税公平の原則を回復することが初めてできるのであります。 第四の柱は、住宅、交通、公害対策など国民生活安定と、福祉向上の予算の一そうの充実と、おくれた農業、中小企業などの底上げ対策であります。 一世帯一住宅の目標を達成するためには、政府はまず、自力建設のできない中堅以下の階層に対する低家賃公営住宅に重点を指向すべきであり、公営住宅を五カ年二百七十万戸を目標として政府資金、民間資金を大幅に動員し、かつ利子補給を行なって、その建設を推進することを要求するものであります。 交通対策としては、わが党は近く交通安全基本法並びに関連法案を提案いたしますが、歩道橋、踏切などの整備、航空、海運の安全対策を強化するとともに、都市交通対策については、わが党の都市高速鉄道整備促進法案の趣旨に基づく地下鉄などの建設を急ぎ、国鉄、私鉄、都市交通の公共的一元化の方向に進める二とを提案するものであります。 公害については、公害の原因と結果に対する企業責任を明らかにし、これに国、公共団体の助成を加えて公害の防止と被害の救済の措置を進めるとともに、公害の調査、研究、技術開発などの対策を充実することを要求するものであります。 高度成長政策の犠牲となった農林漁業は、今日重大な危機に逢着しております。農畜産物の生産は停滞し、その自給度は低下し、兼業、出かせぎの増大はその経営の悪化を物語るものであり、政府の自立経営育成政策は完全に失敗をいたしております。われわれは政府の農業基本法を改廃して農政の大転換を要求するものでありますが、本年度予算においては農家を借金と機械化貧乏から解放するために、土地改良など基盤整備の経費を全額国の負担とし、乗用トラクターなど中型、大型機械は都道府県、市町村などの団体保育とし、機械化ステーション、サービスセンターを通ずる賃貸制度を実施するなどによって農業経費を節減するとともに、米と同じく牛乳、畜産物の価格を補償することに重点を置くことを要求いたします。また、思い切った草地造成など、家畜の飼料自給につとめ、飼料価格の上昇を押え、飼料管理法を制定して、輸入流通飼料の国家管理により、安い飼料の確保に着手すべきものであると考えるものであります。 中小企業に対しては、その活動分野を確保するとともに、現在の下請代金支払遅延等防止法を拡大、改正して下請関係調整法とし、下請を親企業の圧迫から守る措置をすみやかに進めなければなりません。また、特に小規模事業を対象とする無担保、無保証の低利融資の限度を二百万円に引き上げ、その利用を円滑にし、さらに低賃金と無権利の状態にある中小企業労働者の社会保険適用の拡大、共同の宿舎、給食施設、学習、娯楽、社交の福祉センターの設置などの建設を助成すべきであります。 第五の柱は、社会保障及び教育についてであります。 生活保護基準、失対賃金、福祉年金、特に老齢年金を大幅に引き上げ、また、政府管掌、健康保険に対する国庫負担は三割とし、被保険者負担の増大を避けるべきであり、特に本年度は、保育所の増設、身体障害者対策、原爆被災者に対する生活保障問題の解決に重点を置くべきであります。 教育については、受験地獄、テスト教育の解決という重要課題がございますが、本年は、当面いよいよ増高する父母の教育費負担の軽減に中心を置き、さらに、幼児教育の充実、私学振興費の増加によって、私立学校の入学金、授業料の値上げ抑制に助力すべきであります。また、科学技術の振興と技術開発によって、外国技術への従属から脱却し、自主的技術の確立をはかることは特に重要であります。政府は、民間企業に依存することなく、国の科学技術研究開発の体制を強化し、その予算を充実すべきであります。 第六には、防衛費の削減であります。 われわれは、憲法に違反し、アメリカに従属して、その安価な地上兵力として利用される危険のある自衛隊は、その全廃を要求してまいったのでありますが、本年度は、まず、二兆三千四百億にのぼる第三次防衛力整備計画を取りやめ、隊員の新規採用の中止、兵器、資材の購入の取りやめなどによって約千七百億円を削減し、他に転用することを要求いたします。なお、自衛隊の施設、輸送などの諸部隊は、積極的に奥地開発、幹線自動車道のごとき平和的な国土建設に挺身することを希望するものであります。 以上の諸点を基本として予算の編成替えを行なう場合、これに対応して地方財政及び財政投融資計画には所要の措置をとらなくてはなりませんが、地方財政については、国税の増減税によって受ける影響を地方交付税率及びその基準の改定によって調整し、特に単独専業債などの起債の自主性を回復すること、補助事業の単価是正、補助率の引き上げなどによって超過負担の軽減をはかるべきであります。また、財政投融資計画は、住宅、生活環境整備、国営及び地方公営事業の経営改善などに重点を置いて計画を変更し、国民の貯蓄を物価、公共料金の抑制、国民生活、福祉の向上に活用すべきであります。 最後に、既定の一般行政費については、不要不急の冗費が相当にあるものとは推測されますが、急激な削減は困難であると思われるので、公安関係、治安関係経費の削減、公共事業の入札制度の改善、事業費の効率的運用などによって約一千億円程度の経費の節減をはかるべきであると思うのであります。 以上が、昭和四十二年度予算三案に対する社会党の編成替えを求める動議の基本方針であります。 現在の段階で予算の編成替えを行なうことは、困難な作業であることは十分了解できるのでありますが、長年累積してきた経済高度成長政策の結果として、国民大衆は物価高と格差の拡大、公害、事故、犯罪など、社会不安に苦しめられているのであり、政府は勇断をもってインフレ、物価高と国民生活不在の政策を転換し、予算案を平和と国民生活、福祉向上のための方向に再編成することが、この際、最も緊要であると確信するものであります。 議員各位の理解ある御賛成を期待して、趣旨説明を終わるものであります。(拍手)
○植木委員長 永末英一君。
○永末委員 私は、民主社会党を代表し、政府提出の昭和四十二年度予算三案について、政府はこれを撤回し、お手元に配付されております民社党の動議によりましてすみやかに組み替えを行ない、再提出するよう要求する動議を提出いたします。 本年度予算案は、佐藤内閣が総選挙の洗礼を受けた後の最初のものとして、佐藤政治の性格を判断する上に、きわめて重要な意味を持つものであります。経済を安定成長の路線に間違いなく乗せたか、社会開発や人間尊重を文字どおり実現しているか、佐藤内閣結成以来繰り返されてまいりましたこれらのスローガンが、予算によって実行され、政府がその責任を果たす二とは、黒い霧の続発によって国民の心の底によどんでいる政治に対する不信感を払拭するためにきわめて重要なことであります。しかし、月余にわたる審議の結果、わが党は、この予算案は、国民の期待に全くこたえ得ないものと断ぜざるを得なかったことを佐藤内閣のために深く惜しむものであります。 私は、わが党が組み替えを要求する理由のうち、重要な諸点について述べたいと存じます。 その第一点は、いまや政府部内でも認めておりますように、民間設備投資競争の再燃、原材料等の輸入急増などの、いわゆる景気過熱の徴候が明らかであるにもかかわらず、政府案は、前年度を上回る国債発行、前年度より一七・八%増の財政投融資計画など、景気過熱に拍車をかけるものとなっている点であります。 第二点は、政府案は、総選挙後に編成された公約履行予算であるべきにもかかわらず、公約した物価高抑制、住宅建設、地価抑制、減税、公害、交通対策、社会保障等々、国民の生活向上に関する対策費は、いずれも国民の期待を裏切る少額にとどまり、国民生活擁護の積極姿勢は全く失われていることであります。 第三点は、政府の公債政策についてであります。 政府は、景気過熱の見通しを回避するために、故意に経済成長率や、租税収入額を低く見積もり、国債発行の増額をみずから不可避としております。しかも、前年度発行の国債がすでに日銀に吸収されている事実からいたしましても、国債の市中消化とは単に発行上の手続にすぎず、政府の 国債発行は、何らの長期的な資金量調節の計画も歯どめも持たぬ日銀券増発に堕していることは明らかであり、政府みずから村政破綻の墓穴を掘るものといわざるを得ません。 第四点は、歳出予算の編成についてであります。 自民党政権連年にわたるその場限りの総づけ予算のため、財政は硬直性を著しく増大し、加えて物価高に伴う既定経費計上に追いまくられ、新規政策を強力に実施すべき弾力性を失い、財政の国 民生活に対する貢献度を弱めました。特に、物価抑制、住宅建設、中小企業対策費等、国民が最も待望する経費の計上がきわめて不十分になり、行政費節約の努力が何ら示されず、さらに第三次防衛計画に基づく防衛予算がばく大な資金量を想定しながら、国民の理解を得る努力を全く放てきしていることは、許し得ないことであります。 第五点は、地方財政の確立についてであります。 近年急速な都市化現象に伴う行政需要の増加に伴い、地方公共団体の地方自治水準が年々低下する反面、地方住民負担が重加しつつあるにもかかわらず、地方自主財源の強化が著しく立ちおくれております。政府の怠慢といわざるを得ません。 以上述べました理由によって、われわれは政府案の組み替え要求動議を提出いたしたのであります。 わが党は、昭和四十二年度予算こそ、物価高の抑制、国民生活基盤の整備、中小企業、農林漁業対策の充実等、わが国経済の体質改善を促進するための長期計画の一環として編成すべきものと考えます。この見地に立って、わが党は、予算編成の前提として、三つの重要施策の実施を政府に要求いたします。 その第一は、重要産業の大企業の設備投資と、これに対する金融について、国がこれを調整することであります。そのための制度として、重要産業基本法を制定し、かつ銀行法等の改正を行なって、金融制度を改めるべきであります。 その第二は、消費者保護行政の一元化と政府の責任体制の確立、消費行の意見尊重の制度化等をはかることであります。そのため、この際、消費者基本法を制定すべきであります。 また第三に、歳出予算のうち、公共事業関係費、出資及び貸し付け金については、年度を超えた長期的支出を認め、その運用を弾力的にするため、他の経常支出的予算とは区別して編成し、その財源として国債及び借り入れ金を認め、これに必要な財政法改正を行なうべきであります。 わが党は、この三つの基本的施策の実施を前提として、政府案の組み替えを提案するものであります。 歳入予算については、景気過熱が予想される現状にあっては、財政面からの景気刺激を排除するために、国債及び財政全体の規模を圧縮し、特に国債発行については、その消化及び償還方法を制度化した上で、七千億円の建設国債の発行を認めようとするものであります。また、税制改正としては、所得税の免税点を標準世帯年収百万円に引き上げることを改正の最大の眼目とし、さらに申告所得税、中小法人税、退職所得課税につき、これに準じた改正を行ない、四十二年度の減税規模は約三千億円といたします。一方、大企業関係の課税については、租税特別措置の改廃で一千億円の増収、交際費課税の改正で八百億円の増収を見込んでおります。さらに四十二年度の実質経済成長率は、今日の経済の実態に即して考えれば、優に四十一年度実績を上回るものと推計されますので、租税の自然増収を約八千四百三十二億円と見込みました。 また、わが党は、政府案の財政措置では必然的に到来する地方財政の絶対的窮乏の打開をはかり、その自主財源を確保するため、専売益金の全額地方移管を目途に、四十二年度はとりあえずその半額八百六億円を地方財政に移譲することにいたしました。 これら組み誓えの結果、四十二年度の歳入予算規模は政府案よりも約一千百二十六億円減額した四兆八千三百八十三億円となります。 歳出予算については、その予算規模を歳入予算と同額とし、その均衡をはかりました。 歳出予算の組み替え減額の面では、予算総額の約九%相当額を人件費を除く行政費用全体より節約し、約四千四百五十億円を減額いたしました。さらに防衛庁費については、核戦略下における自主防衛を基軸にしたわが党の方針を目標としつつ、国を守る最小限の措置費に改変するため、新規増額分の計上並びに人員増加を中止し、四百十億円を減額いたしました。 他方、組み替え増額といたしましては、第一に、本年十月から予定せられている消費者米価の値上げを抑止するため、食管会計への追加繰り入れとして五百億円を計上いたしました。 第二に、健康保険の保険料率と初診料並びに入院料、薬価の一部負担の引き上げを抑止するため、関係保険会計への追加繰り入れとして約四百九十六億円を計上いたしました。 第三に、国民福祉の向上対策費といたしまして、住宅、生活環境、公害、交通安全、教育、社会福祉等の大幅増進をはかるため、政府案より千九百五十億円を増額いたしました。 第四に、中小企業と農林漁業の近代化のための経費として、政府案より六百五十億円増額いたしました。その施策の中心は、中小企業近代化五カ年計画の推進と関連倒産の防止、農林漁業生産基盤の拡充整備などであります。 第五に、不況産業の助成対策費として、繊維産業機械、内航船の運航、地下鉱物資源、産炭地振興などにわたって、過当競争の排除と中小企業の近代化のため九十六億円を増額いたしました。 第六に、万国博覧会及び冬季札幌オリンピックに対する国の補助を四十二億円増額いたしたわけでございます。 なお、財政投融資計画関係につきましては、政府案は戦後第二の増額規模であり、きわめて景気刺激力が強く、しかも原資面より見ると、政府保証の公募債は五千億円台の巨額である点、あるいは国民貯蓄資金が原資の六割強を占めているにもかかわらず、配分面では、依然として大企業向け資金供給が五割近い点などについて、わが党はその是正を政府に強く要求するものであります。 国民が本年度予算に期待したものは、一つには、日本経済の全面的な開放体制移行に伴って顕在化いたしてまいりましたわが国経済の構造的欠陥の抜本的是正のために、財政の所得再分配機能を十二分に働かすことであり、なお一つには、毎年連続して尽きるところを知らぬ物価上昇を食いとめ、国民生活と経済を安定せしめるため、財政の景気調節機能を的確に働かすことでありました。ところが、総選挙中における与党の公約の中で実現されたのは、票田と見られる諸圧力団体の要求ばかりで、声なき大衆の要望はほとんどあと回しにされ、所得再分配機能は停止し、景気調節機能はねじ曲げられました。本予算案は、財政の本来の機能発揮に目をつむり、目先の財源不足を補うための赤字国債依存予算に堕してしまっております。特に世界経済鈍化の傾向のさなかにあって、国民の社会生活の不安の根源となっている物価上昇を食いとめるためには、財政規模の膨張率は経済成長率の範囲内におさめるのが世論であります。これをしも実行できなかったことは無責任というもはなはだしいといわなければなりません。政府は、警戒的中立予算という呪文を唱えるだけで、みずから警戒のひもを解き放ったことはまことに遺憾であります。 以上がわが党の組み替え構想の概要であります。 私は、本予算委員会がわが党の動議に賛成されることを強く期持して、説明を終わります。(拍手)
○植木委員長 浅井美幸君。
○浅井委員 私は、公明党を代表いたしまして、政府提案の昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算及び昭和四十二年度政府関係機関予算を、政府は撤回のうえ経済、財政政策を転換し、編成替えすることを求めるの動議の提案趣旨の説明を申し述べます。 政府予算案は、総選挙の公約を無視し、政府・自民党の特権階級擁護と圧力団体の力に属した総花的なインフレ予算であり、国民不在の政治姿勢を露骨にあらわしたものであるといわざるを得ないのであります。生活と健康を守り、未来に希望を与えるに足る大衆福祉政策は何ら見るべきものはなく、重税と物価高の中に、抑圧された国民大衆の願いを踏みにじり、大企業優先の政策のみ前面に押し出されているのであります。 本来、予算の編成にあたって最も大事なことは、国民経済の調和と健全な発展をはかりながら、大衆福祉を増進することを基本理念として予算を編成、執行していかねばならないのであります。現在の財政政策は、単に国家という一個の経済主体の経済行為だけにとどまるものではなく、国民経済の全体を左右し、また、それが国民生活に直接影響を及ぼすものであります。こうした予算の持つ経済政策的機能に着目するとき、景気の動向を的確に把握して、好況不況によって予算規模のコントロールなどの財政調整を考慮しなければなりません。 予算の規模については、大蔵原案の当初から、四十二年度の好況をあげて、警戒しながら中立型と宣伝した予算でありますが、はたしてそのような措置がとられているかどうかであります。 政府原案によれば、景気過熱予防の姿勢として、一、一般会計の規模を五兆円以下に押えた。二、景気を刺激しやすい公共事業の伸びは、一般会計平均の伸び率以下にした。三、財投計画の伸び率前年二五・一%を半分以下に押えたなどをあげています。しかし、この考え方でどれだけ過熱を防ぐかは疑問としなくてはなりません。すなわち、第一の一般会計規模五兆円以下といっても、一五・九%の伸び率は過去十年間で第四番目に当たる高率なものであり、第二の公共事業の伸び率及び第三の財投の伸び率を前年の半分以下との目標は、復活折衝でたちまち破れ、財投計画において一七・八%とふくれ上がって、しかも、この前年対比は基準とすべきものではありません。なぜならば、前年度は、不況下にあって景気刺激策としての大量国債発行を含めた積極財投であったためであります。これを基準とすれば、景気刺激型と見なくてはなりません。四十二年度の景気、特に後半は十分警戒すべきであります。経済企画庁もこのことを認めており、政治的判断からこの発表が押えられているほどに、景気の先行きは過熱傾向にあります。鉱工業生産は予想以上の上昇ぶりを示しており、設備投資も本格的に動き出してきております。その上、輸出の伸び悩み、輸入の増加と、国際収支の先行きに不安があらわれてきております。 政府が発表した四十二年度の経済見通しによれば、輸出は一一・一%、輸入は一四・八%と見積もられており、すでに一月は二億三千万ドルの大きな赤字となっております。さらに、もしベトナム戦争が年内に終結されるようなことがあれば、輸出減は必至といわざるを得ません。いつベトナム特需がなくなっても国際収支に差しつかえを生じないよう、輸入に関してその点の配慮がなくてはなりません。そのためには、一五・九%も予算が増加することは、どう見ても危険といわざるを得ないのであります。 もう一つは、国債発行額であります。四十二年度の景気好転で、税の増加は予想以上になると見込まれています。すでに当初においても六千億円の自然増加が見込まれているが、不況であった四十一年度の景気刺激策としてとられた七千二百億円をさらに七百億円も上回る八千億円の国債発行を行なうことは、あまりにも無謀であります。少なくとも六千億円の税の増収分及び今後に増収される分については国債発行高を減額すべきであります。 以上の点から、財政規模は大幅に縮小すべきであると思います。赤字国債に財源を依存する政策は、一歩誤れば国民生活を破綻におとしいれます。昨年度の不況突破のため、財界の要望を取り入れた異常な予算措置を基準にして、なおかつ前年度対比で若干下回るなどと言っているが、著しく危険なことであります。 わが党は、次の諸点に重大な欠陥があるので、編成替えを要求するものであります。 第一に、減税においては、昭和四十二年度の規模は一千百億円となっていますが、この中には印紙税、登録税の増税、交際費課税の強化などによる三百億円の増収が含まれており、実質の所得税減税は八百億円にすぎないのであります。一口に三千億減税といわれた四十一年度減税に比べ、きわめて小額であります。この減税額では、年収百万円の夫婦、子供三人の標準家庭で一カ月千円余りの減税にすぎず、この減税では、諸物価の値上がり等を考えると、生活水準は実質的に大幅な低下を意味します。このように、今回の所得税減税は、物価調整減税にも足りないのであります。 第二に、政府は物価対策に重点を置くことを公約しながら、何らなすところが見られないのであります。十月より消費者米価一四・四%の値上げ、健康保険料率〇・七%の値上げを予定しております。また、政府は物価上昇を四・五%に押えると言っておりますが、これではとうてい物価上昇を押えることは不可能であります。経済企画庁の試算によれば、米価が一〇%値上がりをすると物価指数は約〇・五%上昇し、したがって、消費者米価一四・四%の値上げは、全国平均で一世帯一カ月約五百円、さらに外食を含めると年間一世帯一万円以上の支出増加となります。これでは物価抑制策ではなく物価上昇策といわざるを得ません。 第三には、住宅対策においても、政府の五カ年計画は六百七十万戸の建設となっておりますが、このうち政府は四十二年度の予算で三十三万七千戸の政府施策住宅を建てる計画であります。しかし、五カ年計画の年割り戸数は百三十四万戸であるから、約百万戸は民間自力の建設にゆだねており、全体の二五%しか予算措置を構じていない。このことからも政府に住宅問題解決への意欲の欠けていることは明らかであります。公営と民間自力建設の割合は公営によるものを多くすべきであり、今日の住宅難解消は、もはや政府や地方公共団体による強力なる施策による以外はないと思うのであります。 第四には、交通対策について、政府は人命尊重とうたっておりますが、わが国の交通事故による死亡者数は年々増大の一途をたどり、諸外国と比べてみても、自動車一万台当たりの死亡者数は、アメリカ五・二人 イギリス七・八人 フランス一〇・一人、これに対しわが日本は一四・九人と著しく高く、わが国の交通事故対策がいかにおくれているかを如実に物語っているのであります。しかるに、政府は、緊急整備すベき横断歩道橋が千五百カ所もあるにもかかわらず、わずか九百カ所しか建設するにすぎないのであります。このようなことでは悲惨な交通事故から国民を守ることは全くできないのであります。 第五には、中小企業対策においては、昭和四十 一年度において史上最高の倒産を見た弱体な中小企業の現状はまことに悲惨であります。大規模な経済成長は中小企業の犠牲の上に築かれているといっても過言ではありません。ひいては、わが国経済の発展を大きくはばむものであります。国民生活の向上と国民経済の発展のためには、中小企業の健全な保護育成こそ急務なのであります。中小企業対策費は、一般会計三百億円、財政投融資分六千五百億円となっており、金利の支払いを伴う財投資金を多くし、金利のかからない一般会計 の金を出し渋っているのであります。このような政府の中小企業対策のねらいは、協業化対策についていける余裕ある中小企業を対象としたもので あり、それ以下の零細層はほとんど見殺しの状態になっているのであります。 第六に、さらに機業対策を見ると、政府は、昭和三十六年に農業基本法を制定し、わが国農業の選択的拡大と構造改善の推進をうたってきたが、四十二年度農林予算を見ると、構造改善対策費は二百十五億円で、農林予算のわずか四%にすぎないのであります。その他の内容においても、農業従事者に希望を与えるものは何も見られないのであります。 第七には、四十二年度予算が第三次防衛力整備計画の初年度として装備近代化の措置を構じているが、将来のわが国の安全保障について確たる目算も立てぬうちに実質的な防衛力を拡大することはまことに不当であります。少なくとも平和国家として、その将来の目的と矛盾しないことが当然なのであります。自衛隊の現状維持以上の装備の近代化が、やがて核武装の危険を持つものではないか、また核戦争を誘起するものとならないか等の危惧や不安を国民に抱かせるような防衛力強化には反対であります。ゆえに、自民党政府の当予算は、わが公明党の主張する大衆福祉政策にはほど遠いものであり、われわれはこれを承認することはできないのであります。 以上がわが党の組み替え構想の概要でありますが、予算委員各位におかれましては、わが党動議に賛成され、政府案の欠陥是正につとめるよう強く要望いたしまして、私の提案説明を終わります。(拍手)
○植木委員長 以上をもちまして、各動議の趣旨弁明は終わりました。
○植木委員長 これより討論に入ります。 昭和四十二年度総予算三案及びこれに対する編成替えを求めるの動議三件を一括して討論に付します。 討論の通告がありますので、順次これを許します。北澤直吉君。
○北澤委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十二年度予算三案につき、政府提出の原案に賛成し、社会、民社、公明各党提案の組み替え動議にそれぞれ反対する意見を申し述べます。 御承知のとおり、日本経済の動向は、一昨年の暮れ以来、生産は上昇の一途をたどり、企業の収益もようやく増大し、個人の消費支出も堅実な伸びを示しております。昭和四十一年度の経済の実質成長率は九・七%で、前年度の二・七%に比べて著しい上昇であります。かかる経済繁栄をもたらしたゆえんのものは、国民の勤勉な経済努力と並んで、政府の適切な財政金融政策の運営、すなわち、昨年度における本格的な公債発行政策の導入による積極的な景気振興政策に基づくものでありまして、その点、私は政府の努力に対し深甚なる敬意を払うものであります。 さて、昨年を景気回復の年あるいは景気上昇の年とするならば、本年は景気上昇を持続させる年あるいは安定成長を維持する年といっても差しつかえないと思います。 ところで、昨今におきましては、一時、卸売り物価が上昇し、あるいは国際収支面で警戒信号が上げられ、また、民間設備投資の増大から経済の過熱化が云々されるような情勢になっております。このような時期に財政政策をどうするかはなかなかむずかしい問題でありまして、昭和四十二年度予算の編成につきましても、まず予算の規模をどうするか、特にその財源の一部としての公債発行をどの程度見込むのが妥当かという点に関していろいろな論議があることは、けだし当然のことと思います。そこで、私は、まず予算の規模の問題及びそれと関連して公債発行の問題について申し上げたいと思います。 およそ、財政の規模を決定する要因としては三つの点があると思います。まず第一は、そのときの財政需要がどうかという点であります。第二は、そのような需要をまかない得る財源はどうかという点であります。第三は、予算規模の大小が景気にどのような影響を与えるかという、いわば景気との関連づけであります。そこで、以上三つの観点から四十二年度予算を見れば、まず第一が財政需要の面であります。 およそ経済の成長、社会の発展に伴って国の果たすべき役割りがいよいよ増大し、したがって、あらゆる面における財政需要が増大していくということ、これは何人も否定し得ないことであります。特に財政の役割りとして注意せねばならない点は、経済の発展におくれをとっている部門、たとえば生産性の低い農業あるいは中小企業あるいは不況産業などの各分野、また私的投資に比しておくれている社会投資の部門、たとえば治山治水、道路、港湾といったものから、国民生活に密着している住宅や生活環境施設、交通安全施設や公害対策の諸施設など、さらにはまた、一般の生活水準上昇から取り残されている低所得階層に対する援護、こういうような部門に関する財政需要が年々増大していくという事実であります。この点からいいますと、年々財政規模が膨張していくということは当然のことであり、経済、社会の進歩発展という点からいえば、むしろ歓迎すべきことでありまして、私は、財政規模の拡大に積極的な意義を認めるべきであると思うのであります。もちろん、財政支出はただ大きければいいというわけのものではなく、効率的な支出が何よりも必要であることは言うまでもありませんが、世間では、とかく財政の膨張そのものを何か悪いことであるかのような議論が多いのでありまして、まずこの点の認識を正す必要があると思われます。 次に、これをまかなう財源の点であります。四十二年度におきましては、経常財源としては、税の自然増収を約七千三百五十億円と、相当大幅に見込んでおります。しかし、この中から、まず税制改正による初年度分の減収が約八百億円、石炭特別会計に振りかえる分が約四百七十億円、そのほかに、四十二年度においては、専売納付金の一部を地方財源に回したり、蓄積資金の取りくずしが前年度ほどには見込み得なくなったことからして、租税以外の歳入で約四百億円の減少となっております。このような財政事情でありますので、本年度も八千億円程度の公債発行は避け得なかった次第であります。もちろん、予算規模を大幅に圧縮すれば、その分だけ公債発行はしないでも済むかもしれませんが、そのような角をためて牛を殺すような政策は、われわれのとらざるところであります。それに公債発行は、額においては、前年度よりも増加を見込んでおりますが、一般会計の公債依存度は、御承知のとおり前年度より減少しております。公債発行で最も重要な点は、市中消化が可能かどうかという問題でありますが、この点は、民間の資金需要が強まっているとはいえ、金融市場が拡大している現状では、大体この程度の金額は、さして無理なく消化できるものと期待されるのであります。 以上のような観点から、私は四十二年度の予算規模の妥当性を論じたのでありますが、次には、景気との関連でどうかという問題であります。 四十二年度予算が景気に対して中立的であるかどうか、あるいは景気刺激的であって経済の過熱化を促進するかどうか、この点に焦点が向けられているのでありますが、予算の規模は、前年度に比べて一五・九%の伸び率でありますが、この率は、ここ四、五年の伸び率の中では大体中くらいであります。また、国民総生産との比較においても十二・一%で、前年度の実績見込み一二・四%を下回っております。これらの点から見ますと、四十二年度予算の規模は大体において適正であるというべきでありまして、したがって、景気刺激的であるという非難は当たらないと思います。もちろん、経済は生きものでありますから、経済の動きは常に十分に注視しながら、これに呼応して、これに対処して、財政の面では弾力的かつ果敢な運営をしていくという態度は、四十二度の場合、特に必要と思われます。 景気の問題に関連して、次に私は物価の問題に触れておきます。 この予算がインフレを促進し、また物価騰貴に拍車をかけるのだというような議論には、私は賛成できません。この予算が決して景気刺激的でなく、したがって物価を押し上げるような性格のものではないという点は、ただいま申し上げたとおりであります。消費者物価の上昇にはいろいろな要因があり、特に構造的制度的要因による面も大きいのであります。これらの早急な解決は容易ではありませんが、ここ数年来の政府のきめこまかい施策が徐々に効果をあらわし、四十一年度はようやく上昇率も五%以内になりました。また四十二年度は四・五%以内ということが目標とされております。政府は、物価抑制の国民的要請にこたえるため、これまでの施策を一そう強化し、経済、社会発展計画の最終年度には、上昇率を年三%程度にまで引き下げ得るよう期待するものであります。 さて、予算の一々の内容については、ここに詳しく論述することは避けたいと思いますが、特に重要な若干の点について述べます。 まず第一は、昨年度の大幅減税に引き続いての所得税を中心とした減税であります。この減税措置により、給与所得者の課税最低限は、標準世帯で、現在の六十三万円から七十四万円に引き上げられております。しかし、御承知のとおり、国民の減税要求ははなはだ強いものでありますから、政府は、できるだけすみやかに、この課税最低限を百万円にまで引き上げるよう努力することを、あらためて要望しておきます。 第二は、住宅対策費の大幅増額でありまして、これは前年度比三三・三%の増加であります。私は住宅対策についての政府の努力を多とするものでありますが、この住宅に対する国民の要望は非常に強いものがありますから、なお一そう努力をして、一世帯一住宅を実現するよう、特に要望するものであります。 第三が、生活保護費の増額等の社会保障費の増加。第四が、新道路五カ年計画の発足等の社会資本整備のための経費の増大であります。第五が、農林漁業の近代化。第六が、中小企業の近代化であります。 わが国が経済の高度成長を遂げ、約五年後には国民総生産において、米、ソ連に次いで世界第三位となるであろうことは、世界の専門家の大体認めるところであります。しこうして、この日本経済の飛躍的大発展の足を引っぱっている最大のものは、農業、中小企業の近代化がおくれている点であること、またこれがわが国の物価高の基本的原因であることも御承知のとおりであります。私は、政府が農業、中小企業の近代化、その生産性の向上に今後とも格段の努力を払われることを強く要望するものであります。 第七が、貿易の振興と対外経済協力の推進。第八が、産業体制の整備と労働力移動の円滑化であり、第九が文教及び科学技術の振興であります。 国土狭く、資源に恵まれず、また諸外国に比べて時に独自の技術開発のおくれているわが国としては、国際競争に勝ち、前に述べたような経済の高度成長を達成するためには、平和利用を目的とする原子力の研究開発をはじめとする科学技術の研究開発に特段の力を注ぐことがきわめて緊要であり、この点も特に政府に要望するものであります。 さらに第十は、交通安全、公害対策の強化であり、第十一は、物価安定施策の推進であり、第十二は、地方財政の充実であります。 次に、野党各派の組み替え動議に対して反対の意見を申し上げます。 各党の組み替え案の中で触れておられる公債発行、物価の問題については、ただいま意見を述べました。 まず、社会党の組み替え案でありますが、これは例年のとおり、政府案の中から同党にとって好ましくない歳入は全部削り、望ましい歳出はできるだけふやす、しこうして、その結果として起こる歳入歳出のアンバランスなどは、全く意に介しないという案であります。この案では、どう少なく見積もっても一兆五、六千億円の赤字は必至と思われますが、これをどうしようというのでありますか。いずれにせよ、財源のない予算などというものはあり得ないのであります。財源がなければ、組み替えろと申しても組み替えることはできないわけであります。遺憾ながら、私は、こういう無責任な社会党の組み替え案に対しては、賛成することができないのであります。 次に、民社党及び公明党の組み替え案は、それぞれある程度財源調達の方法を示しながら、これを減税や各般の歳出増加に振り向けようとする苦心は認められるのでありますが、ただいま申しましたような理由によりまして、遺憾ながら、この両党の案のどちらにも賛成ができないのであります。 以上をもって私の討論を終わります。(拍手)
○植木委員長 八木昇君。
○八木(昇)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和四十二年度一般会計予算外二案に対し、強く反対の意思を表明すると同時に、社会党の提出いたしております昭和四十二年度政府総予算につき、撤回のうえ編成替えを求める動議に賛成するものであります。なお、民社党、公明党案には賛同いたしかねるものであります。 反対討論を行なうにあたりまして、私は、まず反対の基本的な立場を明らかにいたしたいと存じます。 わが国経済は、いまや景気の回復からさらに上昇、過熱へ向かって進んでおります。この景気上昇は、すでに政府の経済見通しを上回る勢いで進んでおり、政府内部においてすらも、過熱の心配が取りざたされております。政府は、池田高度成長政策の破綻による深刻な不況を迎えて、一昨年、戦後財政史上に汚点をとどめた二千億円の赤字国債発行に踏み切ったのであります。言うまでもなく、これは日本の経済財政政策が、健全財政、平和経済の方向から転換を示した最初の徴候でございました。そして、昨年度七千三百億円の国債発行は、この方向転換を本格的なものとしたのでありますが、これはわれわれが指摘してきたように、事実上の赤字国債政策であり、財政法を侵すものであって、かつ信頼できる償還計画すら示されないというきわめて危険なものであります。しかるに、政府はこれを建設国債であると強弁し、不況克服の万能薬として、いわゆるフィスカルポリシーの名のもとに、インフレ促進の国債政策を推進しているのであります。政府の言い分では、国債は市中消化であり、日銀の直接引き受けではない、だから紙幣の増発にはならない、したがってインフレにはならないと繰り返し主張しておりますが、事実は、発行後一年を経過した国債は、日銀の買いオペの対象となるのであります。日銀総裁にお尋ねしたところでは、すでに四十一年度発行の赤字国債二千億円のうち、市中消化分の六割はすでに買いオペがなされており、そればかりでなく、国債は今後日銀貸し出しの際の担保にもされるそうでありますから、国債が通貨の増発とインフレにつながらないわけがないことは明白であります。そして本年度の国債発行額は昨年より七百億円増の八千億円でありますが、今後も雪だるまのごとくにふくれて累積していくおそれが現実のものとなってまいりました。いまや数年後の国債発行残高は六兆円に達し、利息払いだけで年間数千億円を要すると予想されるのであります。このような国債発行と日銀信用の膨張をてことして景気は立ち直り、大企業の収益は急速に高まり、本年三月の各社の決算は軒並みに黒字を記録しておるのであります。しかるに、一方大企業、大資本の好況の陰では、国民大衆はインフレと物価高に苦しみ、資本の自由化と産業再編成の進行と相まって、中小企業の倒産はいよいよ深刻になっております。加えて、国際収支は、輸入の急激なる増大により、前途は楽観を許さなくなっております。この際、政府は、福田前大蔵大臣が、景気が好転すれば国債発行を控えるとの言明どおり、国債発行をとりやめるか、削減すべきであります。 ところで、多額の国債を含んだ本年度一般会計予算の規模は、四兆九千五百九億円にのぼっており、財政投融資や政府保証債発行の大幅な増大とともに、政府の財政政策は放漫財政のそしりを免れませんが、かかる膨大な国家予算にもかかわらず、野党三党が厳重に政府に要求した五項目の切実なる国民の諸要求が、何らこの予算に反映されていないことは、きわめて遺憾であります。しかるに、一方、財界や一部圧力団体の要求には大いに左右されており、きわめて遺憾な国家予算であります。 さて、以上の立場から、以下数点にわたって、具体的に反対の理由を申し上げます。 その第一は、物価問題であります。政府は、本年十月より消費者米価一四・四%の引き上げを決定したことは、国民生活に重大な脅威を与えるものといわなければなりません。消費者米価は物価の王さまといわれるだけに、他の物価に及ぼす波及効果はきわめて大きいことは申すまでもなく、すでに清酒が値上げされ、さらに最近では牛乳代の値上げが国民のきびしい批判の的とされておることは、周知のとおりでございます。また、政府管掌健康保険料の引き上げ、薬代の一部負担等も、国民に耐えがたい負担をもたらすのであります。このような公共料金の値上げを含んだ本年度予算は、物価値上げ予算というべきであります。個別的物価対策の面においても、昨年度に比べて著しく後退しておることはいなめないのであります。 第二は、減税問題であります。政府は、口ではサラリーマン減税優先を唱えておりまするが、実質減税は八百三億円にすぎず、相次ぐ物価上昇の調整すら行なわれていない実情であります。課税最低限の引き上げは約十万円にとどまり、標準世帯で七十一万二千円、平年度七十三万九千五百円でありますが、すでに昨年の政府統計でも、人口五万人以上の都市の消費支出は、標準世帯で八十万円に達しており、四十二年度では九十万円に達すると推定されるのであります。生計費に課税せずの原則からいって、今回の減税は一向に大衆負担の軽減とはなっておりません。他方、四十二年度三月に期限切れとなった利子配当所得優遇の租税特別措置は、今後三カ年間の延長がはかられ、配当所得者には二百二十六万五千円まで所得税がかからないことになっております。勤労大衆には重く、大資本、金持ちには軽くという不公平な税制改正は、きわめて遺憾であります。 第三は、格差と不公平の拡大の問題であります。すなわち、社会保障費のうち、生活保護基準は一三・五%引き上げられることになっておりますが、厚生省の予算要求は一八%引き上げであったといわれていたことからもわかるとおり、これは生活保護世帯の生活を無視したものであります。また、失対賃金も一三%の引き上げにとどまっており、失業者の人権を無視したものであります。他方、大幅な公共投資により、大企業本位の予算措置がとられているのに対し、中小企業は冷遇され、大企業との格差をますます広げており、またすでに破綻しつつある農業基本法農政のもとで、中小農民は切り捨てられており、国民一般は、増大する住宅難と都市の過密化、史上最高の犠牲者を記録した交通地獄、国民の生命と健康をむしばむ公害などで苦しめられておりまして、これらの格差と不公平の拡大は進行するばかりであり、これらの対策として、予算上政府の措置は、例年以上に何らの進歩を認めることができないのであります。 また、さきの石炭産業の安定に関する答申に基づいて、今回石炭対策特別会計が創設され、同時に石炭鉱業再建整備臨時措置法が提案されましたが、これも、かねてわれわれが指摘してきたとおり、企業救済の色彩のみが強く、石炭産業の長期安定に欠くことのできない雇用の確保と、それを保証する労働条件の改善がなおざりにされておって、きわめて遺憾であります。 最後に、政府は、以上のような国民生活の安定向上に背を向けて、三千八百億円の防衛関係費を計上し、二兆三千四百億円の巨額にのぼる第三次防衛計画の実施に乗り出さんとしておるのでありますが、政府は、いよいよ本格的に兵器国産化と海外輸出計画を進めるとともに、自衛権の拡大解釈を公然と行ない、核武装の準備すら企図していると疑われるのであります。かかる態度は、明らかに国民の意思に反したものといわなくてはなりません。 以上申し述べましたように、政府予算は、国民不在のインフレ予算であり、基本的に重大な欠陥を持つものであります。この予算をこのまま成立せしめることは、国民の期待を裏切り、日本経済と国民生活を破綻に導くものであり、われわれの容認できないところであります。 ところで、社会党組み替え案は、その内容において、国民の緊急なる課題と真剣に取り組み、政治と国民生活との対話を取り戻すための方向と熱意を明らかにしているものでございます。この際各位の御賛同を得たいと思うものであります。 なお、民社党、公明党からも編成替えの動議が提出されておりますが、両案とも相当御苦心のあとは認めるものでありますが、社会党の主張に比べまして、なお隔たりがございます。その意味において賛成いたしかねるのであります。 以上をもって、社会党を代表しての反対討論を終わる次第でございます。(拍手)
○植木委員長 吉田泰造君。
○吉田(泰)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提案の昭和四十二年度予算関係三案並びに社会、公明両党の同予算の編成替えを求めるの動議にそれぞれ反対し、民社党提案の動議に賛成する立場から、討論を行なわんとするものであります。 論ずるまでもなく、国家財政の果たすべき機能と目的は、大きく分けて二つあります。一つは、最近一両年、とみにその役割りが強調されてきております財政の経済安定化機能であります。他の一つは、財政固有の使命である貧富の格差を縮め、社会的平等を推進し、公共サービス需要の充足をはかることであります。 私は、これら三原則は、予算編成にあたって必ず満たすべき必須の条件だと考えます。しかるに、今回の政府提出予算案を見まするならば、全く遺憾なことに、この二原則は踏みにじられ、経済に対しては景気過熱を促進し、国民の公共需要については、さきの選挙公約を完全に無視した高物価促進予算になっているのであります。まず、これが政府の予算案に対して基本的に反対する理由であります。 現下の日本経済は、まことに多事多難であります。一見、景気は回復に向かい、平たんなコースを歩んでいるかのごとくでありますが、もう一歩中身に入って吟味いたしますとき、日本経済の欠陥が数多く山積しております。消費者物価は、昨年五・一%も上昇し、依然としてその後も値上がりを続けており、一方、これまで安定していた卸売り物価は、昨年は実に三・八%も上昇いたしました。また、産業界の設備投資態度も、全く旧態依然として過当競争を続けている現状であり、今年度の設備投資見通しは、開発銀行調査の二七・一%、長期信用銀行の二九・五%、経済企画庁調査でさえ二二・五%と前年度に比較し大幅に増大する傾向があります。これは早晩景気過熱、過剰生産の危機をはらんでいることは言うまでもありません。 ところが、今回の政府予算案は、これらの民間産業界の過当な設備競争を財政面からチェックする有効な方策を何ら持ち合わせていないのであります。それどころか、いたずらに景気を刺激するような大型予算を組んでいることは明らかであります。政府は、一般会計の伸びは一五・九%で、前年度より伸び率は低下していると抗弁しておりますが、政府は、四十一年度予算の伸びが一七・九%と大幅に伸び、かつ、昨年とことしの経済の実態が全く違っていることをもっと深く反省すべきであります。いたずらに景気刺激型の放漫予算を組み、経済の過熱を促進し、ひいてはまた深刻な不況を繰り返さんとするあやまちをおかさんとするのが、今回の政府の予算案であります。われわれが政府予算案に反対する第一の理由であります。 第二点は、財政政策の基本を無視した国債の大幅発行についてであります。一昨年の大不況に直面して、政府は国債の発行に踏み切り、昨年度は六千七百五十億円の国債を発行いたしました。私は、国債発行そのものに反対するのではありません。しかし、国債は両刃の剣であることについてのきびしい認識を、発行当事者である政府はもっと強く持つべきであります。ことしの経済情勢は、昨年の経済に比較し大きく変様し、景気過熱の様相さえ示しているのであります。しかるに政府は、今年度予算において、昨年度を上回る八千億円の国債発行を予定しているのでありまして、これは明らかに財政政策の基本原則を無視したものであります。政府は、今後とも予算に対する国債依存率を低くしていきたいと言明しておりますが、すでにこの約束ですら破られているのであります。昨年度の国債依存率は一五・六%でありますが、今年度はこ和が一六・一%になっております。このように、財政政策を無視した大幅な国債発行は、必然的に買いオペという道を通じて実質上の日銀引き受けとなり、国債は日銀に累積され、日銀券増発はとめどもなく続く危険をはらんでおります。これが物価全体の上昇に拍車をかけていることは疑うことのできない事実であります。 私がこの予算案に反対する第三点は、このたびの政府予算案は、選挙中の諸公約を全く無視した高物価予算であるということであります。わが民社党は、先般の総選挙において、政府に対し、現在最も国民がその解決を望んでいる国民生活上の重要問題について公開質問状を提出し、物価、住宅、減税などについてその予算化を要求すると同時に、選挙後再び四十二年度予算案の編成についても、具体的な申し入れを行なったのであります。しかるに政府は、本年度予算案においてこのわが党の要求を無視したのみならず、政府は選挙中国民に明らかにした公約さえも踏みにじっているのであります。 その第一は、公共料金についてであります。政府は選挙中公共料金はことしじゅうは原則として値上げをしないと公約し、国民に一るの望みを与えていたのであります。しかし、この期待もつかの間、本予算案においては、消費者米価、社会保険料など一連の値上げを決定してしまったのであります。消費者米価は、言うまでもなく、物価の王さまであり、これが値上げが他の物価に波及する効果は非常に大きいのであります。かくのごとく重要な物価である米価を一昨年、昨年と続けて、ことしもまた十月から一四・四%と大幅に値上げすることは、断じて許しがたいことであります。私は、政府の農政の貧困をこのような形で毎年消費者に転嫁しようとする政府の安易きわまりない態度を、この際きびしく批判しておきたいと思います。また、社会保険料の引き上げについても同様であります。抜本的医療制度の改革が早くから叫ばれていたにもかかわらず、それには何ら見るべき手を打たず、医療保険の赤字をただ安易に被保険者に転嫁せんとするがごとき政府の態度は、同じくきびしく批判されなければなりません。このように無定見、無方針のままに公共料金値上げを盛り込んだ今回の予算案に対しましては、断じて反対であります。 その第二は、減税についてであります。いまや国民の減税に対する期待は、ますます大きくなってきております。そして百万円減税の声は、国民の一致した世論にまでなっているといって過言ではありません。この六年間やむことのない物価上昇の重圧の中で、国民が減税に最大の関心を示すこともけだし当然でありましょう。 しかるに、本年度の所得税減税はわずかに八百六億円にとどまり、課税最低限度額も、初年度七十一万円に引き上げられたにすぎません。この予算に対する減税割合はわずかに約二%にしかすぎず、これは戦後最低の減税割合であります。政府の選挙中の大衆減税を中心にした大幅減税の公約は、あとかたもなくけし飛んでいるのであります。しかも、この所得税減税の計算の基礎になる一人一日当たり食料費は、二百五円二十四銭であります。この物価高の中で、どうして二百五円程度で生活ができるのでありましょうか。政府は、減税財源の不足をあげて全く不十分な減税の口実にしておりますが、これは逃げ口上もはなはだしいといわなければなりません。 ことし限りで期限の切れる租税特別措置は、実に三十近くもあるのであります。なかんずく、従来われわれも指摘し、国民もその不公平を糾弾してきた利子、配当の優遇制度は、この三月三十一日で期限が切れるところであります。これは当然に全廃すべきであります。これが全廃によって得た財源を大衆減税に回すべきであります。この国民の一致した要求を無視した本予算案に対しては、断じて賛成するわけにはいかないのであります。 第三は、住宅政策についてであります。確かに住宅対策費は、本年度三三・二%と大きく伸びたことは明らかであります。しかし、住宅対策費の全予算額に占める割合は、わずかに一・三%にしかすぎません。政府の一枚看板である社会開発の中心をなす住宅対策費が全予算の一・三%とは、また何と貧弱きわまりないことでありましょう。また、最も大切な住宅建設戸数数は三十四万戸で、対前年比一二・一%の伸びにとどまっております。住宅費の伸びは、その三分の二が宅地費にとられているのであります。この住宅対策費三三・二%と住宅建設戸数一二・一%の伸び率の差こそ、まさに政府の宅地政策の貧困を端的に露呈しているものであります。これでは一世帯一住宅の国民の夢は、全く道遠いといわなければなりません。このように、国民に夢も希望も与えないのが、今回の政府予算案であります。 最後に、私が今回の予算案に反対する第四の理由は、行政改革の努力の影が全然見られないどころか、反対にますます安易な行政膨張が行なわれている点であります。国債を抱いた新時代の財政に要求されるものは、きびしい行政節度でなければなりません。国債発行以前の予算においては、予算のワクは自然増収の伸びにおのずから制約されていたのでありますが、一たん国債発行の道が開けますと、この制約がなくなってしまったのであります。したがって、予算のとめどもない膨張を押えるものは、きびしい行政節度だけであります。ところが、今回の本予算案編成の態度は、ますます慎重を欠き、各種の圧力団体、なかんずく自民党の予算ぶんどり合戦は毎年激しくなるばかりであります。政府は、この前になすことを知らず、いよいよ予算は細分化、総花化し、その効率はそこなわれるばかりであります。一方、行政機構はいたずらに膨張し、本年度もまた五つの公団、公社がむぞうさに新設されたのであります。われわれは、このような行政努力について何らの考慮も払われていない予算案をそのまま容認することはできないのであります。 以上の理由によりまして、私は、政府予算三案に反対し、また、公債その他に関する基本約見解を異にするため、社会、公明両党の動議に反対し、民社党の組み替え動議に賛成して、私の討論を終わる次第であります。(拍手)
○植木委員長 正木良明君。
○正木委員 私は、公明党を代表いたしまして、公明党提出による昭和四十二年度政府三予算案の編成替えを求める動議対し賛成意見を述べるとともに、政府提案の予算に対し反対し、また、社会、民社両党の提案の予算編成替えを求めるの動議に対しましては、共鳴するところきわめて多いのではございますが、いささか意見を異にする点がございますので、残念ながら反対の意見を申し述べます。 本予算に対するわが党の率直な感想を申し述べます。今回の予算編成に際し、均衡のとれた経済成長をはかり、一方で物価対策に力を入れ、公共料金の抑制につとめると言明されながら、予算規模を五兆円に膨張させ、なお景気過熱防止予算であると自画自賛しておりますけれども、事実は景気刺激予算であり、国民生活を圧迫し、国民から遊離した総花的な票田維持予算であり、まじめな納税者に対する欺瞞予算であるといわざるを得ないのであります。 本来、財政は均衡健全財政でなければならない。本年こそ、公債発行に制約を加えて均衡財政に戻す努力がなければ、健全財政に戻る機会はやってこないと思うのであります。今回の予算は、その意味からも公債発行を永久化するものであります。特に景気の先行き過熱が懸念されている現在、八千億円にのぼる公債の発行は、経済のメカニズムを無視した暴挙であり、当然公債発行を漸減するなり、償還を早めるなりすべきではないかと思います。 次に、予算規模についてでありますが、今回の一般会計予算の伸び率は一五・九%で、過去十年間のうち第四番目の高率を示しております。さらに、この伸び率は四十二年度国民総生産の伸び一三・四%を大きく上回っております。景気の動向と考え合わすとき、これは完全なインフレ予算であると言えると思います。民間に対し設備投資の節度ある活動を期待するといっておりますけれども、放漫膨張財政にあえて目をそらし、民間に節度を要求することは自己矛盾といわねばなりません。 次に、国民が望んでいる生活に密着した諸問題、これは三党政策協定に示されたところであるが、これらに対する政府原案は、重点施策を欠く予算であるといわざるを得ないのであります。 さらに、予算編成の姿勢そのものが、自民党の圧力団体である財界、業界筋の強い要求に屈し、これら特定の圧力団体に奉仕する予算であると考えざるを得ないのであります、表面的には総花的な仮面をつけているが、その裏面には、財界などに奉仕するという重大なごまかしのあることに注意しなければならない。言うまでもなく、予算の経済政策的機能に着目する場合、歳出面をどのように組み立てるかが最も重要でありましょう。歳出の重点をどこに置くかによって国民経済的に保護される範囲あるいは階層が異なってまいります。政策目標を明確に打ち出すとすれば、歳出面こそ重点施策を講じなければならないのであります。こうした前提に立って予算案の歳出面を検討すると、大衆福祉という基本前提に欠けているばかりではなく、その総花的、八方美人的性格のゆえに、大幅な公債発行による超大型予算のわりに、その実効に乏しいといわざるを得ないのであります。 まず、編成方針の一方の柱として消費者物価対策がうたわれているが、物価対策関係費としてはわずか百五十七億円、予算の〇・三%が計上されているにすぎない。この数は大会社の半期の売り上げぐらいである。これできめのこまかい物価対策ができるわけはない。内容は、野菜、食肉、生産物対策、その他の流通対策であるが、消費者物価の上昇は、ことしは約五%も見込まれており、真剣な物価安定策ではないのであります。 次に、住宅対策については、住宅建設五カ年計画による六百七十万戸のうち、政府施策住宅は二百七十万戸となっており、民間自力建設に四百万戸をまかせた無責任な一世帯一住宅には、全く不満であります。すなわち、四十一年度を見ましても、政府施策住宅四十万四千戸にすぎないのであります。このことから見ましても、はたして今後三年間に百九十万戸に及ぶ政府施策の住宅建設ができるかどうかが、はなはだあやぶまれるのであります。 さらに、予算案に、人命を軽視しているがゆえに反対せざるを得ないのであります。佐藤総理は人間尊重ということばを好んで使われるが、現在人間軽視の最たるものは、交通戦争といわれる悲しい交通事故による犠牲者の続出であります。しかるに政府は、人間尊重のための横断歩道橋等の対策よりも、高速道路の建設を優先させているという実情であります。わが党は、予算編成段階で、緊急に整備すべき横断歩道橋千五百カ所の予算化を政府に申し入れたのでありますが、政府は九百カ所を建設するにすぎません。これでは交通事故による悲惨な事故の撲滅は期しがたく、このような人間尊重がことばだけで、中身のない予算に賛成するわけにはまいりません。 さらに、現在大衆課税が強行されており、減税はひとしく大衆の待望するところであります。政府の昭和四十二年度税制改正によれば、夫婦子供三人の標準世帯で課税最低限が、平年で約七十四万円、初年度七十一万円となっています。この減税では、年収百万の標準家庭で一カ月千円ちょっとの減税にすぎないのであります。これでは、米の消費者価格が一四・四%も値上がりすれば、半分以上飛んでしまうことになる。さらに、健康保険料の値上げが加わることを考えると、生活水準の実質的低下を招くことになりかねないのであります。かくのごとく、税制は国民生活を圧迫する以外の何ものでもなく、憲法に保障された文化的な最低生活を営む国民の権利を税制は何ら保障しておらないのであります。したがって、現在の物価高にあっては、文化的な最低生活を営むためにも政府の改正案には反対であり、公明党の主張する標準家庭で百万円まで課税最低限を直ちに引き上げるべきであると主張するものであります。かかる予算には反対であります。 さらに、租税特別措置法に見られる一部特定の者に対する露骨な優遇を考えるとき、大衆の租税負担の過重なることはあまりにも明らかであります。さらに貧弱な中小企業対策について見るとき、大企業優先のそしりもやむを得ないと思うものであります。昭和四十一年度は、中小企業の倒産六千件を突破し、史上最高でありました。この弱体な中小企業の現状は、国民生活の後退を意味し、わが国経済の向上と国民経済発展のためには、中小企業の健全な発展が先決問題であります。昭和四十二年度の予算では、中小企業予算は総予算の一%にも満たない二百三十九億円であり、このうち百十四億円は新設された中小企業振興事業団に振り向けられております。通産省の中小企業予算のねらいは、協業化対策についていける余裕ある中小企業を対象とした中小企業再編成であり、結局零細企業を見殺しにする政府・自民党の冷酷なる政策のあらわれであると断ぜざるを得ないのであります。わが国産業の圧倒的多数を占め、そして輸出振興や国内の生産に大きく寄与している中小企業を無視した四十二年度予算には、賛成することはできないのであります。 以上、本予算案に対し反対要旨を概略申し述べた次第でありますが、いずれにせよ、大衆福祉を無視し、暮らしと生活環境をますます貧困ならしめる国民不在の予算であるがゆえに反対いたすものであります。 なお、先ほど浅井美幸君より提案趣旨の説明がありました公明党提出による昭和四十二年度政府予算案の編成替えを求めるの動議については、いま申し述べました政府案のさまざまの重大な欠陥のうち、さしあたり解決の必要を迫られている、国民の切望している諸問題について、政府の緊急にして適切な措置を求める立場に立って提案されたものであります。すなわち、最小限これだけはぜひ編成替えをなさなければならぬものであり、また、財源の上からも政府にその意思があれば、実現容易な配慮に基づいて提案されたものであります。このゆえに、公明党提案の昭和四十二年度政府予算案の編成替えを求めるの動議について賛成をいたすものであります。 さらに、社会党、民社党よりそれぞれ提案された動議につきましては、過日、わが党、社会党、民社党との間に成立した三党政策協定に原則的には基づいたものではありますがゆえに、深い敬意と共鳴を持つものであります。この三党政策協定には、わが党は高い評価を持っているものでありますが、この政策協定で規定された国民生活に密着した解決が焦眉の急である諸問題を予算上具体化する手続上、いささか意見の食い違いのある点がありますがゆえに、まことに残念ながら反対の意見を申し述べざるを得ないのであります。 以上をもって私の討論といたします。(拍手)
○植木委員長 谷口着太郎君。
○谷口委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出昭和四十二年度予算三案に反対の態度を表明いたします。 すでに本委員会の審議で明らかになりましたように、本予算案は、対米従属のもとでの戦争と軍国主義復活のためのアメリカと日本の独占資本に奉仕するための戦後最大の人民収奪のインフレ予算案にほかなりません。 まず、本予算案は二兆三千億円の巨額をもって第三次防衛力整備計画を発足させ、自衛隊の核武装と核を含む近代的兵器の本格的国産化をはじめ、武器生産の四〇%に及ぶばく大な発注を三菱財閥に与えるなど、経済の軍事化による独占体擁護の予算であります。そしてアメリカの核戦略のもとでの危険な日米共同作戦体制の確立を強行するものであります。しかも、総理は日米安保体制の堅持を強調して、沖繩における米軍基地の侵略的役割りを公然と擁護し、沖繩、小笠原の施政権返還について努力するかのごとき政府のもろもろの発言が、全く国民を欺瞞するためのものであることをみずから暴露いたしました。また、いわゆる発展途上国への経済協力と称する政策に至っては、新版の対外侵略政策にほかなりません。本予算案において特殊対外債務処理費三百三十五億円、経済協力費三百六十五億円、日本輸出入銀行の貸し付け三千億円などを計上しているが、これらの大部分は、アメリカのアジア侵略に経済的に協力すると同時に、日本独占資本の東南アジアヘの帝国主義的侵略を企図したものであります。佐藤内閣は、まさにこのような戦争と侵略の政策によって再び国を誤ろうとしているのであります。 さらに、国家財政の日米独占による私物化をさらに進め、彼らを露骨に擁護し、人民収奪を一段と強化したことも、本予算案の特徴であります。すなわち政府は、資本取引の自由化によって、アメリカ資本によるわが国産業の一そうの支配を許すばかりか、国際競争力の強化と称して、独占資本の新たな集中、合併、合理化のために、金融、財政、税制のすべてにわたる優遇措置を一段と強めました。特に総計約三兆円に及ぶいわゆる公共投資は、その大半が高速道路、港湾、工業用地、工業用水、地域開発、鉄道、電話など、独占資本の生産物の市場と利潤、その産業基盤の強化を保障するものでありまして、この予算三案が独占奉仕の予算であることをむき出しにしたものであります。それゆえにこそ、総理大臣が国民生活の向上、発展とか、人間尊重とかを大言壮語したこととは全くうらはらに、それらの経費は極力押えられました。反対に、人民への収奪とその生活破壊は、一段と進行させられたのであります。すなわち、八千億の公債発行によりインフレはますます進み、物価上昇は不可避であります。消費者米価、健康保険料、酒、牛乳等の値上げはすでに決定していますが、さらに、来年度には電報、電話料、国鉄運賃、大学授業料なども引き上げられます。減税にしても名目だけで、七千三百億円の自然増収と称する大収奪をごまかすためのものでしかありません。石炭、繊維の独占資本には五百億円をこえる財政援助を行ないながら、労働者は石炭だけでも三万五千人の首切りであります。 さらに、本予算案にある農業、中小零細企業及び商品流通部門の近代化とは、独占資本による系列支配の強化であり、大量の経営の取りつぶしであり、そこから生ずる労働力を低賃金労働者として独占資本に供給するのがねらいであります。社会保障制度に至っては、今回の健康保険改悪に示されたように、保険料の大幅引き上げばかりか、受益者負担と称して薬代まで患者に負担させるなど、まさに社会保障制度を根底から破壊するものといわざるを得ないものであります。 このような佐藤内閣のアメリカ帝国主義に従属した戦争と反動の政策、独占擁護と人民収奪の政策に対する国民の怒りは、いまや深刻なものとなっていることは当然であります。本予算案に関していえば、政府はすでに昨年十二月中にその大綱をつくったが、近づいた総選挙での人民の反撃をおそれて、その内容を発表することができず、選挙に臨みました。しかし結果は、ついに国民の過半数の支持を失うという審判を受けました。さらに、本予算案が発表された後の地方選挙では、政府は一そう深刻な国民の怒りに取り巻かれ、京都市長選挙に引き続いて、日本の首都東京で都知事選挙にも惨敗いたしました。まことに当然といわざるを得ません。いまや国民は、自民党と佐藤内閣の反動的正体をますますはっきりと見抜きつつあるのであります。わが党は、このような戦争と反動、日米独占に奉仕する予算には絶対反対であります。 日本共産党は、以上述べた立場に立って、日本経済の自主的、平和的発展のために、中央と地方の財政の民主化を強く主張します。軍事費、警察費、独占資本向けの財政支出などを徹底的に削り、日米独占資本に対する特権内減免税を廃止し、高度累進の税制を貫き、大資本家の脱税を徹底的に取り締まることを主張します。また、年金その他の社会保険の掛け金や、郵便貯金、金融機関の預金の一部等を人民のために役立たせることを主張します。これらを実行するならば、赤字公債を出さなくとも、また財政規模を膨張させなくても、平和で、民主的で、豊かな日本社会の建設は十分可能なのであります。 なお、本予算案に関する自民、社会、民社、公明四党の附帯決議案、これは間もなく出されるようであります。これは不十分なものでありますが、ある程度人民の要求を反映したものとして、わが党もこれに賛成いたします。 また社会、民社、公明三党から、それぞれ本予算案の組み替え動議が出されましたが、これには私どもは反対せざるを得ません。 以上のことをつけ加えて、討論を終わります。(拍手)
○植木委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 まず、加藤清二君外十三名提出の昭和四十二年度総予算につき撤回のうえ編成替えすることを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○植木委員長 起立少数。よって、加藤清二君外十三名提出の動議は否決されました。 次に、小平忠君外二名提出の昭和四十二年度総予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○植木委員長 起立少数。よって、小平忠君外二名提出の動議は否決されました。 次に、伏木和雄君外二名提出の昭和四十二年度総予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○植木委員長 起立少数。よって、伏木和雄君外二名提出の動議は否決されました。 これより昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○植木委員長 起立多数。よって、昭和四十二年度総予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) ―――――――――――――
○植木委員長 この際、ただいま議決いたしました昭和四十二年度総予算三案に対し、小川半次君外八名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党四派の共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されました。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。小川半次君。
○小川(半)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党四派を代表し、昭和四十二年度総予算三案に対する附帯決議について、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算及び昭和四十二年度政府関係機関予算に対する附帯決議(案) 政府は、国民生活の安定福祉の向上を図るため、財政の健全性を確保しつつ諸般の財政需要を総合的に勘案の上、今後次の諸点につき十分なる配慮をすること。 一、所得税の課税最低限の引上げについては標準五人世帯百万円を目標として、可及的速やかにその実現に努めること。 二、消費者物価の安定を図るため、農業、中小企業等低生産性部門の近代化、大企業の管理価格の是正、流通機構の整備等の基本的対策を強力に推進すると共に、公共料金については、政府の財政投融資の活用などによって極力抑制すること。 三、住宅対策については、政府施策住宅特に公営住宅に重点をおき、昭和四十五年度において「一世帯一住宅」の目標を実現するため極力その建設を促進することとし、このための財政資金の確保を図ること。 四、速やかに公害基本法を制定し、公害に対する企業責任を明確にすると共に、国及び地方公共団体の基本施策の確立を図り、これに必要な予算を大巾に増額すること。 五、人命尊重に徹した交通安全施策を強力に推進し、交通安全施設の計画的整備、被害者救済体制の充実、交通秩序の確立を図り、これに必要な財政的、法的措置を講じもって交通災害の徹底的防止に努めること。 右決議する。 以上であります。
○植木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 直ちに採決いたします。 小川半次君外八名提出の附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○植木委員長 起立総員。よって、動議は可決せられました。 ただいまの附帯決議に対し、大蔵大臣より発言を求められております。この際、これを許します。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 予算に対するただいまの附帯決議につきましては、御趣旨に沿いますよう、政府といたしましては財政事情の許す限り努力をいたす所存でございます。 ―――――――――――――
○植木委員長 なお、おはかりいたします。 委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植木委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○植木委員長 これにて昭和四十二年度総予算に対する議事は全部終了いたしました。 ――――◇―――――
○植木委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 去る三月二十日総予算の審査を開始いたしまして以来、慎重審議を尽くし、本日ここに円満に審査を終了するに至りました。 ここに、連日審査に精励されました委員各位の御労苦に対し、深く敬意と謝意を表しまして、ごあいさつといたします。(拍手) 本日は、これにて散会いたします。 午後八時十七分散会