予算委員会 第14号
- 発言数
- 364 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/04/26
会議録
○植木委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 去る十九日から一週間にわたって審査を行なってまいりました分科会の審査は、昨二十五日をもちまして全部終了いたしました。 この際、各分科会主査より、それぞれ分科会における審査の御報告を求めます。 まず、第一分科会主査鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 第一分科会の審査の経過及び結果を御報告いたします。 第一分科会の審査の対象は、昭和四十二年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管並びに他の分科会の所管以外の事項であります。 審査の経過は、四月十九日各省各庁当局よりそれぞれ所管予算の説明を聴取し、次いで各省庁ごとに質疑を行ないました。質疑は終始熱心かつ活発に行なわれましたが、その詳細は会議録でごらんを願うこととし、ここでは二、三の点を報告するにとどめます。 まず国会所管につきましては、国会職員の給与改善の問題、次に会計検査院所管につきましては、実地検査の充実、国有財産払い下げに対する検査等の問題に関する質疑が行なわれました。 次に、裁判所及び法務省所管につきましては、裁判の迅速化と特に選挙違反に対する百日裁判の問題、裁判官の増員と司法修習生制度のあり方、明治百年を迎えての右翼団体の動き等に関して質疑が行なわれましたが、特に、最近の交通戦争の激化に対して裁判の体制をどう適応させていくのか、慰謝料の請求などは被害者や遺族の利益を守るためにも迅速に解決すべきではないかとの質疑がありましたが、これに対しては、交通事件のうち、道路交通法違反で比較的軽微な事件については反則金の支払いでもって解決し、刑事手続に移行しないようにする改正案が準備されている。これは軽微な事件については前科者をつくらないこと、また、事件を迅速に処理することにより本人に利益を与えるものであるが、裁判所の体制としても繁雑さを免がれて非常なプラスになると思う、また、交通事件の裁判では、東京、大阪などには特別の専門部が設けられているの、で、審理期間は非常に短縮されつつある。また、慰謝料請求などが調停にかけられる場合でも、調停委員に自動車に関する知識のある人を依頼するなど、できるだけ早く処理されるようにつとめているとの答弁がありました。 次に、防衛庁の所管につきましては、三次防の年次別予算額の概要、さらに主要装備品の総ワクとその国産化率、国産化に際しての業者選定の基準の明確化、また退職する自衛隊幹部の兵器メーカーへの天下りの是非等に関して質疑がありました。 これに対する答弁は、三次防の総額二兆三千四百億円を年平均すると、四千六百億ないし七百億一円になる、これを一応年次別に割り振ると、四十一二年度は三千八百億円だから、明後四十四年度に四千六、七百億円になり、最終の四十六年度は五千億円以上ということになる、また、三次防の予算のうち、人件費は四割強の約一兆円、他の一兆三千億円余が物件費となるが、そのうち艦船、航空機、地対空ミサイル、戦車などの主要装備品の調達費は約三千三百億円であり、装備品の九割程度は国内調達を考えている、また、国内調達の場合の業者の選定は、特にどれか一つを基準としてあげるわけにはいかないが、技術的能力、製品の価格、資金の充実度あるいは外国技術の導入関係などの諸要素を総合的に判断してきめる、また、退職幹部の兵器メーカーへの就職は、会社の顧問とか嘱託とかいう形のものが多く、役員として入る場合はまれであるが、いろいろな憶測を生むような姿は望ましいことではない、しかし、自衛官が特別職であるからといって、民間への就職が自由に放任されているわけではなく、一般職における人事院の承認に準じて長官の承認を受けることになっている、いずれにしろ、防衛庁出身者が会社にいたとしても、兵器購入の契約に際して不当な圧力が加えられるようなことは毛頭ないとの答弁がありました。 その他、総理府の関係では、科学技術振興の問題、原子力行政のあり方と原子力船開発の意義、在外財産の補償、人事院勧告の取り扱い方等の問題について質疑がありました。 質疑終了後、分科会の討論採決は本委員会に譲ることに決定いたしました。 以上、報告いたします。
○植木委員長 次に、第二分科会主査北澤直吉君。
○北澤委員 第二分科会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。 本分科会は、昭和四十二年度総予算中、外務省、労働省、文部省及び厚生省所管に関するものであります。 審議は四月十九日より開始し昨二十五日まで、日曜を除く六日間、各所管にわたり、各般の問題、か取り上げられ、連日熱心な審議が展開されたのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、若干の問題についてここに御紹介することといたします。 外務省関係については、まず、経済、援助に関する問題として、一、低開発国に対する援助の方針について、二、農業開発基金の融資対象国の範囲について、三、特にインドネシアに対する経済援助について、インドネシアに対し円借款、延べ払い等を含め、すでに一億四千万ドルの援助をうえたが、経済危機を脱し得ず、今回また六千万ドルの新規援助を行なうが、わが国の納税者がはたして納得できる効果があがるかとの質疑に対して、政府より、一、重化学工業国であるわが国が、貧困飢餓にあえぐ東南アジアの諸国に対し、可能な範囲において援助を供与することは当然の責務である。また、援助はこれら諸国の経済安定に符うするものでなければならないが、輸銀を通じて行なわれている援助の条件は、先進国の期限二十五年、利率三分と比較した場合、不十分なものであり、国際的な援助の水準に引き上げるため、本構、金利、期間など根本的な検討を加えたい、二、特別基金の融資は、東南アジア九カ国を対象にしてほしいと考えている、三、インドネシアに対する新規借款の目的は、アジアの政治的安定のためスハルト政権を援助することにあるが、政府は今次の交渉にあたり、過去に見られた賠償、借款の浪費的ないし疑惑のある使用などについては、今後かかる惰性は許すことはできないとの政府の決意を伝え、マリク外相もこれにこたえ、浪費的な使用は一切避け、経済の安定に充てるとの言明もあり、相互の親睦に役立つよう努力するとの答弁がありました。 次に、国際収支の見通し、貿易自由化における米国の対日輸入制限、スクリーンクォータ制度、ケネディラウンドの成否、穀物協定など国際収支に関する質疑が行なわれたのでありますが、このうちで、中国貿易について、四十二年度の国際収支に不安要因が多いので、中国市場に対し飛躍的な発展をはかるため、プラント輸出の積極化と輸銀利用を前向きに利用せよとの質疑に対し、政府より、中国貿易は四十一年度は対前年度三二%も増加している、文化革命は障害要因であるが、一段の努力をしたい、プラントの延べ払い輸出問題は具体的なケースごとに検討し、漸進主義で国民の理解を得ながら取り組む方針に変わりないとの答弁があり、また、モンゴルとの国交回復について、牛場外務次官がさきの記者会見で国交回復を否定した発言が報道されたが、他国の圧力があったか、政府の見解はいかがかとの質疑に対し、政府より、現在直ちに国交回復の意思がないとの政府の考え方を次官が述べたものと思う、もちろん将来の外交的課題として考えているが、いましばらく接触をはかり、先方の真意を確かめたいということである、他国の圧力はないし、あり得ないことだ、前向きに取り組みたいとの答弁がありました。 以上の質疑のほか、文化、スポーツ交流、青少年交流、ユニバーシアード大会の問題、東南アジア閣僚会議、アジア太平洋圏構想、沖繩の船舶旗と返還問題、竹島返還交渉、核拡散防止条約等の問題が取り上げられました。 次に、労働省所管に関する質疑として、定年制の問題につきまして、一、女子労働者の若年定年制の動きが顕著に見られるが、対策いかん、二、定年の延長は何歳を適当と思うかとの質疑に対し、政府より、一、定年制に男女差別を設けることは好ましいことではないので、啓蒙、宣伝及び指導を積極的に行なっているが、期待する効果があらわれなければ、労働基準法の改正を検討する、二、政府は平均余命が伸び、老齢年金の支給開始年齢から五十五歳定年制は改める必要があることをすでに明らかにしているが、その年齢を示さない理由は、定年制延長の障害となっている問題が、一つには、労働需給の逼迫や新陳代謝の困難が大企業にはなく、中小企業の問題であること、いま一つは、年功序列賃金制度と、これにつながる退職金の増高、ひいては企業経営の圧迫にあり、これらの根本的障害を取り除く努力なくして、政府が年齢を示しただけで円滑な実施は望めないからである、政府は各種のデータ、資料を示しながら、経済界、労働界の世論の動向を見て検討を加えたいとの答弁があり、また、底辺の雇用、労働条件の問題として、一、内職従事者の賃金の規制及び家内労働法の制定について、二、身体障害者雇用促進法における雇用義務化の明定と、法定雇用率の引き上げについて、三、出かせぎ労働者の賃金未払いの元請責任の明確化と建設労働法の制定についての質疑に対し、政府より、一、家内労働賃金については、労働基準法の法的拘束力を持つ最低工賃の設定、また、行政指導による標準工賃の設定に努力しており、家内労働法の制定については、家内労働審議会に諮問し、検討が行なわれている、二、身体障害者の雇用促進については、文部、厚生、労働三省の連絡のための専門担当官を置き、緊密な連絡のもとに雇用を促進し、重度身体障害者についても、安定所登録の五万一千名中六千名が雇用されているが、さらに重度の雇用を推進するため、雇用審議会に対し、職種の拡大、雇用法定率の引き上げを諮問している、三、建設労働法の制定については職業安定審議会に諮問し、審議会において労働実態のヒヤリングが行なわれている、建設労働の多くの問題は基本構造から発しているので、行政措置としてはだれに雇われているかを明らかにし、行政監督ができること、さらに元請に責任のある場合、これを追及できるようにすること等に努力し、また問題を生じた業者は、中央、地方、政府、その関係の工事から締め出すことは、賃金未払いを防止する上で大きな効果をあげるだろうとの答弁がありました。 以上のほか、基準監督官の待遇改善、石炭合理化の問題が取り上げられました。 次に、文部省関係の質疑としては、宇宙開発の問題について、ラムダ三号の打ち上げ失敗により、四十二年度東大宇宙研究所の予算執行に障害はないか、ロケット開発の一元化により、東大の位置づけはどうなるかとの質疑に対し、政府より、ラムダ三号は過去に成功した三段目の点火に失敗したもので、整備に原因があったと思われるので、この失敗が開発の時期に影響を与えるとは思われず、予算執行に支障はない、宇宙開発について、各種の実用衛星は一元化の方向で関係各省間で検討が加えられているが、東大はミュー型による基礎研究を進め、また、宇宙開発に必要な研究者の養成源としての役割りがあるとの答弁があり、また、学校教育法の改正については、民族教育を制限し、規制するため、外国人学校の改正を行なうのではないかとの質疑に対し、政府より、学校教育法改正の内容は、各種学校の規定を整備充実するためのもので、外国人学校を除くことは法のたてまえから不合理なので、格づけを確立するため必要な措置である、もちろんその国の言語、歴史、社会などの民族教育を従来どおり行なうことは妨げないし、これに干渉を加える意図はない、また、国益に反しないという最小限度の規定は入れたいが、このことは友好親善の立場で、外国人学校が自主的にきめる問題であろうとの答弁がありました。 このほか、父兄負担軽減、高校生の育英資金の充実、学制の検討、私学振興、急速な開発下の名所史跡の保存、文化財及び無形文化財等の問題が取り上げられました。 次に、厚生省関係の質疑として、児童手当は国の実施を待たず、一部の市で実施されており、また、国民健康保険の中で、老人、乳幼児、妊婦の医療十割給付が始められているなどの動きが見られるが、これらに対する政府の見解はどうかとの質疑に対し、政府より、児童手当は四十三年度より実施できるように努力する、国民健康保険については、七割給付の改善に向かって努力しているので、この措置との関連で、財政負担、住民負担を十分考慮の上、実施することが望ましい、これらの給付改善については、医療の抜本策の中で検討したい、ただし、東北地方で実施されている乳幼児の十割給付は、七割給付を上回る三割分について、県及び市町村が財政負担を行なっているので、財政の基礎も強固であり、乳幼児の死亡率も漸減するなど、その効果は著しく、政府としても高く評価しているとの答弁があり、また、医学部卒業生の大半が国家試験をボイコットしたが、今後の見通しと扱いはどうするか、受験拒否が、インターン制度の廃止を中心に、無権利に置かれている無給医局員の問題、封建的な医学制度の基本的な解決を迫っていると思うが、どう改善するかとの質疑に対し、政府より、この秋には受験が予定されているが、なおボイコットの動きも見られるので、政府はできるだけ多くの卒業生が受験に参加するよう努力する、インターン制度の廃止については、すでに医学問題懇談会の中間答申があり、現在研修制度のあり方、大学院と臨床の研修制度との調整等が検討されており、新しい研修制度は四十三年度から実施したいとの答弁がありました。 以上のほか、医療保険の暫定対策と抜本対策、母子保健対策、歯科医の診療問題、朝鮮人帰国問題、水道料金、環境衛生金融公庫等の問題が取り上げられたのであります。 以上をもって質疑はすべて昨二十五日終了いたしました。 質疑終了後、討論採決は慣例により本委員会に譲ることに決し、審議を終了した次第であります。 この際、分科員各位の連日にわたるきわめて熱心なる審議に敬意を表し、主査に御協力を賜わりましたことに感謝を申し上げて、第二分科会の報告を終わります。
○植木委員長 第三分科会主査代理亀岡高夫君。
○亀岡委員 第三分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本分科会の対象は、昭和四十二年度総予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管であります。 本分科会は、四月十九日、各省庁当局より所管予算の説明を聴取し、その後質疑を行ない、二十五日まで日曜日を除く六日間にわたり、連日熱心かつ慎重に審査いたしました。 質疑応答の内容はきわめて広範多岐にわたりますので、時間の関係上、その詳細につきましては会議録をごらん願うことといたしまして、若干のものにつきまして概要を御報告申し上げます。 まず、経済企画庁所管について申し上げます。 物価対策についてでありますが、政府は牛乳値上げ抑制策として牛乳小売り業者による合理化カルテルの構想を持っているようだが、このカルテルの結成を直ちに指導するつもりか、また、物価問題を総合的な観点に立って監視する機構を考える必要があるのではないかとの、質疑に対しまして、政府の答弁は、合理化カルテルの考え方は、小売り業者が相互に牽制し合って、販売方法の合理化が進めにくい実情にあるので、話し合いが独禁法違反とならないように中小企業団体法による商工組合をつくるということである、ただし、カルテルは両刃の剣であるから悪用される心配があるので、一、二年やってみて、新しい慣行が確立した後はやめるよう期限をつける必要がある、物価監視機構については、公正取引委員会とは別に、物価そのものを監視する機構が必要であると思うので、物価安定推進会議で検討してもらう考えであるというのであります。 以上のほか、経済の見通しと民間設備投資、在庫、東北地方の開発と東北開発株式会社、北海道東北開発公庫、水質保全と河川の汚濁、中小企業対策等の諸問題について質疑が行なわれました。 次に、農林省所管について申し上げます。 農業生産基盤の整備につきまして、現在の土地改良事業は非民主的な運営、土地改良後の減収、農家の自己負担、減歩などの問題があるが、どのような対策を講ずるつもりかとの質疑に対しまして、政府の答弁は、土地改良事業の法律的手続としては民主的であるので、法律の趣旨が徹底するよう十分指導する、減収するケースはまれであり、一般的には増収である、農家負担の軽減のためには、四十二年度において、地元負担部分に見合う農林漁業金融公庫の融資の金利を一分引き下げて五分五厘にする等の措置をとることとしている、減歩については、換地処分、未墾地を取り入れる等、農家の経営面積が実質的に減少しないようにしたいというのであります。 以上のほか、農業基本法の目標と現実との食い違い、農業の生産性と資本投資、農家所得、消費者物価と農業、近代化、農業年金、農林年金、日本農林規格と誇大広告、出かせぎ者と失業保険法の改正、北海道の冷害対策、フジ製糖の工場閉鎖と北東北のてん菜、米価、米の輸送と日本通運、中部圏開発促進計画と水資源開発、愛知用水公団、山村振興と林野対策、果樹生産の振興、日ソ、日米漁業交渉、国際漁業推進会議の設置、酪農近代化計画、食肉行政と畜産振興事業団の買い入れ業務の厳正化、漁業災害補償制度、漁港整備、水産資源保護と工場排水等による被害、蚕糸対策等の諸問題について質疑が行なわれました。 最後に、通商産業省所官について申し上げます。 日本経済の緊急な課題であります資本自由化につきまして、資本自由化に対する基本的な考え方と自由化スケジュールはどうか、自由化対策の立法措置を考えているか、また、資本自由化対策が大蔵省の外資審議会と通産省の産業構造審議会とでばらばらに進められているが、財界や政党代表者も入れた資本自由化対策会議を内閣につくったらどうかとの質疑に対しまして、政府の答弁は、資本、自由化については、政府一体となって前向きに考えており、いま個々の産業に与える影響を調査している、自由化は、可能の業種から漸次認めていくが、今後五年以内に完了したい、立法措置については、商法、特許法、割賦販売法等広い範囲にわたって検討する必要があり、いま研究しているが、法律を改正するところまで煮詰まっていない、資本自由化対策会議の趣旨には同感であり、さらに事務段階で詰めた上、関係閣僚会議を開いて資本自由化問題の最高方針をきめたいというのであります。 以上のほか、日本万国博覧会、武器の製造と輸出、粗鋼生産と鉄鋼の設備調整、石炭対策、天塩炭鉱鉄道株式会社の鉱山閉山対策、再販売価格維持契約、山砂利公害対策、関東ガスのガス料金値下げ、東京瓦斯のガス管破裂とその後の処置、いわゆるLPG法案、環境衛生金融公庫と中小企業金融公庫、大企業の進出と中小企業対策等の諸問題について質疑が行なわれました。 かくて、昨日質疑を終了し、質疑終了後、本分科会の討論、採決は先例により本委員会に譲ることに決定した次第であります。 以上、御報告申し上げます。
○植木委員長 次に、第四分科会主査代理仮谷忠男君。
○仮谷委員 第四分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本分科会の審査の対象は、昭和四十二佃、度総予算中、運輸省、郵政省、建設省及び自治省所管でありまして、去る四月十九日より昨二十五日まで日曜を除き審査を行ないました。 審査は四月十九日午前、各省当局よりそれぞれ所管予算の説明を一括聴取し、午後より質疑を行なったのでありますが、その間、分科員各位の御協力により、終始円滑に審議を行なうことができました。質疑の詳細は会議録に譲ることといたしまして、ここでは若干の点について簡単に申し上げます。 まず郵政省所管について申し上げます。 日本電信電話公社関係につきまして、電電公社は長期計画を策定して電話の普及をはかってきたが、その成果及び今後の計画はどうか、また、市町村合併により同一市町村でありながら市外通話地域が多い、この解決に努力しているかとの質疑がありました。 これに対する政府の答弁は、電電公社は逐次電話需給の改善につとめてきたが、第三次五カ年計画では、最終年度の四十二年度末で五百十万個の一般加入電話の増設を予定している、今後の計画としては、さきの電信電話調査会の答申をもとに四十七年度末までにさらに需給の改善をはかる、市町村合併に伴う同一加入区域の問題は、市町村合併促進法が施行されて以来、その間隔を六キロに拡大するとともに、六キロ以上の場合はできるだけ即時化につとめてきたが、今後も一そう努力していきたいとのことでありました。 以上のほか、あて先人不明郵便物の取り扱い、郵便物の抜き取り及び特定郵便局長の使い込み等の郵政監察問題、郵便業務収入の算定根拠、郵便局舎の整備対策、郵政職員の賃金引き上げ対策、非現業職員の不補充問題、電電公社の資材購入対策等の諸問題についての質疑がありました。 次に、建設省所管について申し上げます。 住宅政策につきまして、政府の一世帯一住宅の公約は達成できるのか、公営住宅の建設よりも持ち家主義、分譲住宅にウエートを置いているが、庶民のために特に第二極住宅の建設に重点を置き、また、地方公共団体の超過負担を解消すべきであるとの質疑がありました。 これに対する政府の答弁は、住宅建設五カ年計画は実施後まだ一年であり、統計等もそろっていないので実績がわからぬが、一世帯一住宅は必ず実現させたい、また、五カ年計画では持ち家は百十七万伊で四三%であり、決して持ち家や分譲住宅に重点を置いていない、第二種住宅は年々増加しており、地方公共団体の超過負担についても、建築単価等の引き上げにより、今後もさらに努力して漸次解消したいとのことでありました。 以上のほか、国土開発幹線自動車道の建設計画、宅地対策、砂利採取規制と河川の利水対策、水利権の設定問題、土地区、画整理事業対策、児童の交通安全対策、沼田ダムの建設計画、市街地再開発問題、旧道一号線の改良対策、第二関門架橋建設計画等の諸問題についての質疑がありました。 次に、時事省所管について申し上げます。 現在問題となっております政治資金規制問題につきまして、政府は政治資金規制に関する答申を尊重するか、改正法律案の提出時期はいつか、答申の前文にある五年後の団体寄付の禁止事項を改正法案に規定すべきであるとの質疑がありました。これに対する政府の答弁は、選挙制度調査会の答申は、文字どおり尊重するたてまえで、目下政治資金規正法改正案の作成作業中である、法制化する上で技術的に難点もあるが、今国会の法律案提出期限である五月十二日までには提出したい、五年後の団体寄付の禁止事項は、政党が近代化、組織化により実行すべき努力目標として君かれたものと考えている、政府としては答申にあるさしあたりの措置を法文化するのが第一の作業であり、したがって、法律で団体寄付の禁止の年限を規定するのは妥当とは思わぬとのことでありました。 以上のほか、国と地方公共団体との人事交流問題、地方公共団体の超過負担の解消対策、戦時中の民間防空従事者の実態調査と補償措置、辺地帯に対する財政援助措置、交通違反の反則金収入の帰属問題、大規模住宅団地の関連公共施設対策、地方公共団体の事務の合理化等の諸問題についての質疑がありました。 最後に、運輸省所管について申し上げます。 一本国有鉄道関係につきましては、国鉄は第三次長期計画速成の自信はあるか、国鉄の経理状態からして、政府出資また公共負担の是正等の財政処置を講ずべきであるとの質疑がありました。 これに対する政府の答弁は、第三次上長期計画は財政上の問題があるが、達成するつもりであり、特に通勤輸送対世は、予算を増額しても計画期間を待たずに完遂したい、また国鉄は、企業体である以上独立採算制がたてまえであるが、今年度は二千百五十億円の財政投融資措置を講じており、政府出資及び公共負担の是正については、明年度予算編成までに関係当局間で慎重に検討することになっているとのことでありました。 以上のほか、民間空港及び山陽新幹線の騒音防止対策、LST乗り組み員問題、漁船の海難救助と事故防止対策、大型タンカーの事故対策、外人観光客の誘致問題国鉄及び私鉄の踏切対策、モノレール建設問題外航コンテナの国内輸送対策等の諸問題について質疑がありました。 かくして、昨二十五日質疑を全部終了し、質疑終了後、本分科会の討論、採決は、先例により本委員会に譲ることに決定した次第であります。 以上簡単でありますが、御報告といたします。
○植木委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。 —————————————
○植木委員長 これより昭和四十二年度総予算に対する一般質疑を続行いたします。淡谷悠藏君。 なお、念のため、この際淡谷君に特に申し上げますが、理事会の申し合わせにより、総理大臣の出席は、これより三十分間でございます。あらかじめ特に御承知おき願います。
○淡谷委員 質問に入るに先立ちまして、総理に御相談申し上げたいのですが、特に御出席願ったので、できるだけ簡潔に質問したいと思います。それで、あとまた関連しまして運輸大臣や防衛庁の長官にお聞きしたいこともありますけれども、これはあと回しにしまして、できるだけ総理から御答弁願いたいことをまとめて最初にやりたいと思っております。総理もそのおつもりで、あとの人に答弁はお命じにならぬように、もしもやることがございましたら保留しておきますから、そのつもりでお願いしたいと思います。 第一に、この間いろいろ問題になっておりました武器輸出の問題ですが、これは総理が決算委員会でわが党の華山委員にお答えがあった当時、すでに党内では問題が起こりまして、あらためてこの問題は聞かなければならないということになっておったのですが、いち早く察知されまして、もう自民党のほうでは質問する前に意思統一をされたように伝えられております。どのようないきさつで意思統一をされましたか。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)いや、だいぶ新聞に出ておりますからね。それならそれでかまいませんが、どういう観点からそういう操作をされたのか、総理からお聞きしたいと思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 率直なお尋ねでございまして、意思統一をしたのはどういうわけかと言われますが、これは私が答弁いたしました際に、通産大臣の答弁とだいぶん食い違っているのではないか、あるいはニュアンスが違うのではないか、こういうような話がございました。この点は、通産大臣の答弁をことばどおりとりますと、やや食い違っているようだ、しかしながら、通産大臣に対する質問の要点と申しますか、その要点は、いわゆる武器輸出することによって、国産兵器のコストダウンをはかっているようなことはないか、コストダウンのために武器を輸出するようなことはないか、こういう点が通産大臣に対する質問の要点だった、かように思います。したがいまして、武器のコストダウンをする、そういう観点から輸出するというようなことはございません、こういう答えをしたように私は理解をいたしたのであります。私に対する華山君のお尋ね、これは一般的、原則的なお話であると、かように思いましたので、その質問者と、それからそれに答えた答弁者のそのときの模様がそれぞれ違っている、かように思いますので、その食い違いを、十分納得のいくようにひとつ意見を交換することが必要ではないか、これが政府部内で問題になったわけであります。一般的、原則的な話とすれば、まず輸出貿易管理令で禁止している場合、これが三点ばかりあるのでございますから、そのとおりを私が答えた。また、通産大臣の考え方も一般的、原則的にはそれで差しつかえないのだ。当該具体的な場合に、国産する、それはコストダウンを必要とする、そうすれば、やはりたくさんつくれば安くなるだろう、こういう点に要点を置かれた、かように考えましたので、その意味の意見の統一、そこには矛盾のないことを再確認したような次第でございます。
○淡谷委員 若干ニュアンスが違うようですが、確かに石橋委員の質問は、国産で、国の中だけでつくっておって、それを国の中だけで使っておればコストが高くなるので、もっと大量にこれを海外に出すとコストダウンもはかれることはわかっているが、そのために、コストダウンをするために、海外に輸出するのも一緒につくるかどうかというような質問だったらしい。それに対して通産大臣は、海外に出す武器はつくらせない方針でおります。というのは、どうもその辺に非常な微妙な点があるので、海外へ輸出するための目的で武器をつくるのが一つと、もともとの目的は海外に出す目的ではないのだけれども、自衛隊用の武器としてつくったものを、コストダウンするための同種のものをたくさんつくって海外に出す、こういう二つの方法があるわけで、この質問によりますと、自衛隊用につくったものを、もっと大量に増産して海外に出すということはしないという答弁らしいのですね。その点はそうじゃないのですか。どっちなんです。
○佐藤内閣総理大臣 私は、もともと海外に輸出する、こういう本来の武器製造はないと思っております。私は、日本の武器製造、これはもともと外国輸出を目的にしての製造ということはあり得ない、実はかように考えております。ただ、お尋ねがそういう筋でなくて価格の問題等から、さらに外国輸出をすれば値段が安くなるのではないのか、こういう言い方だろうと思います。しかし、そういうことを加味しては私ども考えないというのが通産大臣の答えであり、私は、その点では具体的なものとしてさように考えます。しかし、一般的、原則的なものとしては、輸出貿易管理令並びにその運営でこれはきめてまいります。こういう答弁でございます。
○淡谷委員 石橋委員の質問は、いま私から言ったとおりなんですが、通産大臣の答弁は、いま読みました「海外へ出す武器はつくらせないという方針でおります。」という前に、「ただいまお尋ねの件については、私全然聞いておりません。で、いま方針といたしましては、海外へ出す武器はつくらせないという方針でおります。」というんですから、自衛隊用であるまいが自衛隊用であろうが、海外へは武器の輸出はしないというふうにとるのが、これが順当ではないかと思います。そうじゃないですか、これは。
○佐藤内閣総理大臣 いま私もお答えいたしましたように、日本が武器をつくる、これは自衛隊に使うのが本来の目的であります。また、外国へ輸出する、そのために武器をつくる、こういうことはあり得ない、こういうのが通産大臣の言い分であります。しかし、私どものつくっております武器そのものが、輸出貿易管理令の運営上差しつかえない範囲におきましては、それは出してもいいのじゃないか。これはもう過去におきましてもそういう実例がございます。いままで日本でつくっておる——新しいものはつくりませんけれども、たとえば自動小銃あるいはその銃弾等を外国へ輸出した例はございます。だから、したがって、いわゆる武器輸出、それを目的に製造はしない。しかし、自分のほうでつくっておりますもので、その余力をひとつ出してくれと、こういうような場合には、これは輸出貿易管理令、この運営でそれがきまるのであります。だから、二つのものを合わして政府の答弁だと御理解願えればちょうどよろしいのかと思っております。
○淡谷委員 もう少しお聞きしたいんですがね。そうしますと、自衛隊のためにつくった武器じゃない武器で、これは海外の輸出というのはできるんですか。これは総理どうお考えになります。通産大臣はあとで聞きます。さっきの約束がありますから。まず、総理からお聞きします。
○佐藤内閣総理大臣 自衛隊のためにつくったもの、これは輸出貿易管理令の運営で、運用で差しつかえなければ、そういうものを余力があれば出せる、かように御理解いただきます。
○淡谷委員 そうしますと、自衛隊用につくったものは、輸出貿易管理令で差しつかえなければ出せる。自衛隊用じゃないものは、輸出のためにはつくらせない、こういう御趣旨ですか。
○佐藤内閣総理大臣 自衛隊用につくったものは、自衛隊でそのまま使う。しかし、それだけの設備を持っておりますと、これは自衛隊に供給するだけでなくて、余力がある。そういう場合に外注、外からの注文を受けることもあろう、こういうのでございまして、私は、自衛隊が注文を出したもの、自衛隊の用に供するもの、それを途中から用途を変更して外国へ出す、こういうものでないことを申し上げております。ただ、その設備に能力があります。そういう場合に、それが輸出貿易管理令の運営上差しつかえない、こういうときには、それを許すのであります。
○淡谷委員 だいぶどうもデリケートな段階のようですが、自衛隊の使っておる武器で、外から注文があって、管理令で差しつかえなければ、これは出せる。それで、初めから輸出の目的で武器はつくらせない、こう考えてよろしいですか。
○佐藤内閣総理大臣 そのとおりだと思います。私は、最初から輸出の用に武器をつくる、こういうことはさせない。しかし、いま国産を許しておるもの、これは自衛隊で使うのが本来の趣旨でございます。しかし、その設備に余力がある、こういう場合に、生産したものを外国へ送り出す、それが輸出貿易管理令、この運用上差しつかえないものと、こういうように考えております。
○淡谷委員 これはもともとつくるときに、自衛隊用というハンコを押しておくわけでもないでしょうから、どの部分までが自衛隊用で、それから先は外国へ輸出するものというふうな区別はつかぬわけですね。特に弾丸などはそういう形になると思う。 そこでお聞きしたいのは、今度の政府統一見解と、いわゆる伝えられておりますものによりますと、自衛の限度を逸脱しない兵器なら、従来どおり輸出しても何ら差しつかえがないということばがあるんですね。そうしますと、従来ともにこういうふうな輸出が行なわれていたものと思わざるを得ないのですが、この輸出は、全部自衛隊用としてつくったものが、生産能力に余剰があって出したもの、あるいは注文されて出したもの、こういうふうに理解してかまわないですか。
○佐藤内閣総理大臣 いまの統一見解といわれるのはどこでつくったのか、政府にはちょっとそれはないように思います。 それから、先ほどからちょっとことばで問題になりますのは、自衛隊用につくったという、その自衛隊用につくったもの、その品物じゃなくて、自衛隊用の武器をつくるその設備に能力がある場合、こういうことを、実は申しておるので、その自衛隊用というところにちょっと、もう最初からきまっているのが用途変更したのかと、こういうような疑問を持ちますから、そうじゃないのだ。その点は誤解のないように願っておきたい。たとえばはっきり申せば、自衛艦をつくるその造船所が、自衛艦もつくるが一般の商船もつくる。これは自衛艦をつくるための造船所というのじゃないと思っておりますが、ちょうどこの例でおわかりがいくんじゃないか。それだけの能力に余力があります場合に、その外国からのものをそれをつくるんだ、かように御理解いただきます。
○淡谷委員 これは別段、誤解はしていないつもりなんですが、要するに、従来輸出しておりました日本からの武器というものは、自衛隊用ではないんだが、自衛隊の使っておる武器と同じものが出ているわけですな、はっきり言うと。それは別段、この区別はしなくても、そこの設備でつくったものですから、同じものが輸出されておったんだ。ただし、輸出用としてつくった武器はないんだ。この点をひとつはっきり御答弁願いたいと思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 いま淡谷君の言われるとおり、最初から輸出用としてこれはつくったものはない。しかし、いま自衛隊が使っておると同じような武器、そういうものが注文があると、それを輸出貿易管理令、その運用で差しつかえないものをつくり、また送り出した、こういう例があると、かように御理解いただきます。
○淡谷委員 そこで、その注文があった場合に、その武器を輸出するかしないかということを、許可もしくは認可を与える権限はどこにあるのです。これは総理自体にあるのか、通産省にあるのか、防衛庁にあるのか。
○佐藤内閣総理大臣 通産大臣にあります。
○淡谷委員 自衛隊の使っておる武器ですから、国防会議の議長、総理がそれを認定あるいは許可するという必要はないのですか。あくまでも商売のための物品として自衛隊の使っている武器は扱ってよろしいのですか。
○佐藤内閣総理大臣 法律上これは通産大臣、輸出貿易管理令を管理している大臣でございます。そこに権限がある。
○淡谷委員 そうしますと、自衛隊の使っている武器を決定するのは、これは総理だと思いますがね。最終的には国防会議議長だと思うのですが、この武器はあくまでも防御用のはずですね。攻撃用の武器はつくっていないし、また使わしていないのがたてまえじゃないですか。これは伝えられるところによりますというと、総理のお考えは、防御用の武器ならば輸出するがということばも言っていられるようですが、そういうことはございませんか。無差別にこれは出しますか。
○佐藤内閣総理大臣 日本の武器製造、これは御指摘のとおり、自衛隊自身が使うのでありまして、自衛隊自身が外国に対して攻撃的な脅威を与えないもの、これがもう防御的なものだ、こういうことでございます。これはもう自衛隊自身のその立場がはっきりいたしております。これはもう何度も御説明したとおりであります。その自衛隊が使う武器と、かように御理解をいただけばいいのでありまして、私は、そのものと同一のものが、今度は外国の注文で出ていくということが、場合によってあるんだ、それを申し上げております。しかし、政府部内のことでありますから、いまの通産大臣が権能を持つといたしましても、こういう武器輸出というような異例な場合、これにつきましては、利害関係省も多いことでありますから、十分連携を緊密にいたしまして、通産大臣が、これはおれの権限だから独自でやる、かようなことはいたさないつもりでございます。
○淡谷委員 これまでも相当出ているような御答弁でございますが、それについては、総理が大体わかって出されておったか、全然まかされておったか。もしもわかっておりましたら、どれくらいの量がどこに向かって出たのかお答え願いたいと思う。
○佐藤内閣総理大臣 いま私が記憶しておりますのは、タイへ出した例がございます。これも自動小銃五千丁ばかりだ、かように記憶しておりますが、その詳細、これはひとつ通産大臣に答弁させますことをお許しを得たいと思います。
○淡谷委員 これはそれじゃあとで通産大臣からじっくり聞きますけれども、一体防御用の武器と攻撃用の武器の限界点はどこにあるのですか。
○佐藤内閣総理大臣 なかなかむずかしい話になりましたが、しかし、総体的に一構われるのは、自衛のために使っているものは、これはもう防御的な武器だ、こういうように御理解いただくと——これは非常に通俗的でございます。通俗的でございますから、学問的には別な考え方があるかわかりませんが、私はさように理解しております。
○淡谷委員 私は通俗的なことは知っておりますけれども、学問的なことは知らないものですから、これはやはり国防会蔵の議長である佐藤榮作氏に、学問的に防御用と攻撃用の武器の限界をお答え願いたいと思う。私、知らないからお聞きしておるので、どうぞ。
○佐藤内閣総理大臣 私は、いま別に専門家でも学術家でもございませんが、しかし、先ほど来申し上げております逆な言い分をすれば、侵略的な脅威を与えないもの、これでおわかりがいきはしないか。私は、もう自衛隊が使うものはそこに一つの目安を置いて、そうしていろいろ使う兵器等については考え方をまとめております。外国に対して侵略的な脅威を与えない、かように御理解をいただきます。
○淡谷委員 これは総理、非常に私は大事な問題だと思うのです。これは海外に輸出する武器だけじゃなくて、第三次防に関係しまして、日本が自衛のための武器を持つ、日本が自衛のためならば武装してもよろしいという観点に立つので、自衛のための武器と、侵略のための武器というこの限界点が、いま言ったように、また防御用の武器と攻撃用の武器との限界点、これはむずかしいです。同時に、これがちょっとでも拡大解釈されますと、日本の自衛といったこの自衛隊の構想が、一転して侵略軍隊になるおそれが十分あると私は思う。この辺ではっきりけじめをつけておきませんと、ただ武器の輸出だけじゃなくて、日本の国防上の非常に大きな分かれ目になってきますから、これはまじめにひとつ総理としての見解をお聞かせ願いたい。これは武器に限りませんが、自衛と侵略との関係、攻撃と防御の関係、これは本来分かれないのが本筋じゃないのですか。これを無理やり分けようというところに、私は、日本の国防観念の混乱があると思うのですが、これはいかがです。
○佐藤内閣総理大臣 これはたいへんないまの淡谷君のお尋ねであります。私は、本来こういう事柄は明確にすべきものだと思います。その点は同でございます。問題は、やはりこういうものを使う人の心がけといいますか、それによってよほど違ってくるんじゃないだろうか。積極的に他に攻撃を加える場合には、これは非常な弱い武器にいたしましても相手方に攻撃的な脅威を与えるということになると思います。したがいまして、まず第一は心がけの問題で、いまの憲法に忠実であるかどうか、この忠実であるかどうかがまず第一の、まあ尺度ではございませんが、兵器ではなくて、兵器を使う側において憲法の条章を完全に守る、これを忠実に守る、これが必要だと思います。これでない限りにおいては、どんな武器だろうが、いつも攻撃的なものになるんじゃないだろか、私はそれを心配いたします。いま私どもが必要なのは、兵器の発達によりまして、この国の安全を確保する、また秩序を維持する、そのために細大漏らさずわれわれが計画をいたしておりますけれども、しかし積極的な、攻撃的な態度でないこと、これをひとつ御理解いただきまして、そしてその範囲でわれわれが使う、かような武器だ、かように思いますので、いわゆる外国に対して攻撃的、あるいは積極的に脅威を与える、こういうものではないように理解しておるのであります。 日本の場合はそれでわかるが、外国の場合は一体どうだ、こういうお話になってまいりますと、これは外国の事柄でありますから、わが憲法そのものが外国のあり方を規律するものではないと思います。しかし、わが国が武器を輸出して外国自身が非常に侵略的行為をする、それを助けた、こういうようなことになってはたいへんだと思います。淡谷君の御意見もそういうことだろうと思いますが、そういう点では十分注意してまいるつもりであります。
○淡谷委員 一番苦しいときは、心がけにのがれればそれが一番たやすいのですがね。人を殺す気持ちがない者が武器を持ったって、何もあぶなくないということはわかりますけれども、逆にいって、武器を持ったから人を殺したという例もあります。だから、幾ら殺人の意志があっても、さしみぼうちょうや、切り出しを持ったら殺せましょうければも、柾でつくった刀でも預けておけば、これは人を殺せるものじゃない。また、場合によっては珍しい武器を持つと使ってみたくなるのは、これは人情ですから、ちょうど総理のおっしゃることの逆に、武器があるがゆえに戦いたくなるという心理が、これは人間として当然あると思うのです。ですから、いまおっしゃられるようにタイその他に武器が出ている。これはあとで通産大臣から詳しくお聞きしたいと思いますけれども、その場合、その国柄によっては、いままでは自衛のためで持ったとしても、一定の武器量の蓄積ができますと、これが攻撃用に転換しないとは限らないですね。そうしますと、平和を守るはずの日本が、無制限にこういう日本の自衛隊と同種の武器を出すならば、期せずして国防の手段が侵略になるようなおそれを多分に感ずるんですがね。したがって、輸出先の国々に対して、あくまでもこれは平和のための武器あるいは防御のための武器という保障はどこにもないんじゃないですか。同時にまた、伺いますというと、いま戦争をしてない国、動乱のない国には出す、共産圏以外の国には出すという大体の筋書きもできているようでございますが、現在動乱のない国にどんどん武器を送って武器が蓄積されて、一朝事が起こった場合に、直ちにこの輸出は停止する御方針であるかどうか、それもあわせてお聞きしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いまいろいろ淡谷君の武器に対する率直な御意見を披露されました。私は、やや淡谷君と違うのでありまして、とにかく一国の安全を確保する、そういう意味においての自衛隊を持つこと、これは本来、自衛戦争が許されておるというか、あるいはみずからの力で防衛をやり得る、こういうことは一国として承認されておることですが、そのために必要な状態を整備すること、これはその国の当然なし得ることじゃないかと思います。私はいま日本が自衛隊を持っておる、そうしてその自衛隊がだんだん世の中の進歩とともに装備の状況も変わってきている。これはやはり安全を確保するために必要なことなんです。だけど、これを使う際が先ほど来議論になっておりますが、これは憲法を守って、そうして積極的な、攻撃的な用途は一切禁止されている。これを、いわれておるように、国際紛争を武力によって解決しない、こういう事柄がいわれておるし、また侵略国家、拡張政策、膨張政策は放棄する、こういうことで、日本の国の行き方はわかってきておるわけであります。私は、外国の例をとりましても、それは大体同じようなことがいわれるのじゃないだろうか。いわゆる平和を愛好する国といえば、大体そうではないかと思います。しかし、過去の例におきましても、表面、看板は平和を愛好しておる、しかし侵略的な爪牙をみがいていた、そういう国がないわけでもございませんから、そういう点では、私どもが簡単にただいま申し上げるような理論だけでものごとをきめるつもりはございません。また、現に紛争を引き起こしておる、そういう国は非常に明らかでありますが、これから紛争に突入するであろうというような、そういうような場合を、これは各国とも常識的にそれをきめる、やはり過去におきましては、国連あたりでそういうのが多数決、まあ、国連決議というのがそういう意味でなされた。ここらに紛争が起こるような危険がある。したがって、そういうところには各国とも武器の輸出はひとつしないようにしようじゃないか、こういうような決議は、いま言う常識的なものだと、かように私は思います。問題は、外国のあり方よりも、大事なのはわが国のあり方ですし、また、わが国の武器を製造しておる産業界におきましても、世界の平和のために寄与する、そういう立場で協力が願いたいのでありますし、そうめちゃくちゃな武器輸出、かつていわれたような独占資本云々というようなことは、まずないように思いますし、また、だからこそ輸出貿易管理令を設けて、政府も普通の場合には輸出は自由でございますけれども、武器の輸出については輸出貿易管理令、これによって承認、その手続を必要とする、かように厳重にいたしております。しかもまた、その関係するところは通産省だけではなくて、外交の問題になれば外務省、これは非常に関係が深いと思いますので、そういう点の政府部内の緊密さ、これは十分とりまして、誤解を受けないように、またそういうことで世界の紛争に巻き込まれないようにいたしたいものだと、かように私は思っております。
○植木委員長 淡谷君に申し上げますが、総理大臣のお約束の時刻が迫っております。総理に対する質疑は結論をお急ぎ願います。
○淡谷委員 私は、いまの国防の問題あるいは武器の問題、攻撃用、自衛用の問題では、いつか時間のあったとき、総理ともっと徹底的に一ぺんお話を申し上げたいと思うのです。ただ、今回は、通産大臣と総理大臣との武器輸出に関する答弁の食い違いということを明らかにするのが私のきょうの質問のたてまえでございますので、現在のような武器、特に日本が輸出しておるような武器で、ほんとうにこれは戦争の抑止力になるかどうか、また、現在の戦争の状態で、武装に対する武装をもってする抑止力ははたしてあるかどうかという問題も基本的な問題で、一ぺん日本の国防上言っておかなければならないと思っております。 ただ、いままでの御答弁で明らかになった点から申しますと、結局通産大臣、総理大臣ともに、現在輸出されておる武器の種類は、日本の自衛隊が現在使用するか、もしくはかつて使用したことのある武器以外にはないという点は、確認してよろしいでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 新しいものはないと、かように思っております。
○淡谷委員 これは統一された見解じゃないと申しますけれども、政府のこのお話し合いの中できまったのは、あくまでも輸出用の武器はつくらないというのですから、やはり日本の自衛隊かかつて使ったか、それからまた現在使っておる武器以外に種類がないというのは、これは論理上当然の帰結だろうと思うので、これだけは、あとに御相談なさらなくても、総理がそうだと言ってしまっていいじゃないですか。また食い違ったらあとで意思統一したらよろしい。
○植木委員長 総理大臣のお約束の時刻がまいりました。
○佐藤内閣総理大臣 答弁しますからちょっと待ってください。 どうもはっきりしておりません。もう少し取り調べる必要がございますが、私は、淡谷君の言われるとおり、いままで使ったとか、これから使うとか、そういう規格のうちだ、かように考えております。しかし、それよりあるいはもっと類似のもので、いままでの施設でそのままできるというようなものがあるのではないかしらと、かように思いますけれども、どうもこういう産業上の問題ですから、もっと正確に言う必要があるだろう。整備自身に余力があり、そしてそれが使えるもの、そういう場合が何かありはしないか、かように思います。ことに淡谷君のお尋ねが非常に正確を期しておられるようですし、私もまじめにお答えをしておるのでございますから、そういう点で、ややもう少し調査をしてみる必要がある、こう御了承いただきたいと思います。
○淡谷委員 これは非常に困ることですよ。私は、この食い違いをただすために答弁を求めておったのです。だんだん聞いてみますと、武器を輸出することはどだい私は間違いだと思う。平和憲法下に日本の自衛隊と同じような装置を持った軍隊があっちこっちにできて、これが暗に戦争の先導になり、また潜在した原因になるということは、これはわれわれは絶対反対なんです。しかし、答えの食い違いをただすために私立っているのです。その範囲内でも、いままでの御答弁によりますと、あらためて輸出用の武器はつくらないというのでしょう。自衛隊が使っておる武器の製造に余力がある場合、また注文を受けた場合これを出すというのですから、いままでも出されておりますが、その方針ならば、日本の自衛隊がかつて使い、また現在使っておる武器以外には輸出した武器がないというのは、これは当然の話じゃないですか。ただし、総理、申し上げておきますが、あとで通産大臣から聞いてみて、もしくはわれわれ独自に調べまして、このことが明らかにそむかれておって、自衛隊が使っておる武器以外のものが海外に輸出されているとしたならば、これは新しい政治問題としてわれわれは追及しなければならない。その点だけは、ひとつはっきりしていただきたいと思うのです。そうすると、今日の総理の答弁がまた変なことになります。もし無理な答弁を引き出して、あとでまた紛争を招くことがあって困るようでしたら、これは私は質問を保留いたします。総理お急ぎのようですから、保留いたしましょう。
○佐藤内閣総理大臣 いまいろいろ取り調べて意見を聞きましたが、自衛隊が使ったのと違う種類のものは輸出しておらない。
○淡谷委員 輸出していないのですか、いるのですか。
○佐藤内閣総理大臣 いない。 それじゃ失礼いたします。
○淡谷委員 いまの答弁じゃ私満足できないのです。もうあんなに迷うことはないと思う。この問題は重大ですから、この点に関して私は質問を保留します。まだあとの大臣に聞きたいことがありますから。さようお計らい願います。 それじゃ、これ以上の食い違いに対する疑問は留保いたしまして、通産大臣にお聞きいたします。 さっきの総理との間の問答はお聞きだろうと思いますけれども、現在までに輸出しました武器の種類、数量及び発送先はどこになっておりますか。もしできたら書類でお出し願ってもけっこうです。時間がありませんから。
○菅野国務大臣 現在までといっても、ちょっといま資料が見つかりませんが、四十一年度の分だけはっきりしておりますからお答えします。 タイへ小銃を五千丁送っております。しかし、これは警察用に使うということでタイへ輸出しました。それからアメリカへ拳銃を七千四百六十六丁、これは護身用ということで輸出を許可しました。それからスイスへやはり拳銃を七十四丁送っております。それからカンボジアへ拳銃を二丁、それからノルウェーへ拳銃を一丁、それからイギリスへ二丁、これはいずれも拳銃は護身用で送って、合計で六十六万ドルであります。
○淡谷委員 これは拳銃と鉄砲だけのようですが、他の武器はありませんか。武器もしくは軍需品はありませんか。
○高島政府委員 四十年度の武器輸出は、ただいま大臣のお答えございましたとおり、四十年から四十一年にかけましての種類を見てみますと、拳銃と小銃でございます。四十一年度の金額は、お答えのとおり六十六万ドルという非常に小さい額でございますが、あとの年度も、記憶によりますと、これよりもぐっと小さい数字に相なっておるかと思います。
○淡谷委員 小銃もしくはピストル以外にはないんですか。たとえば弾丸とか戦車とか兵員輸送の車だとか飛行機だとか、たくさんあるでしょう。たいていこっちも少しは調べていますからね、あったらはっきり出してくださいよ、手間をかけないで。
○高島政府委員 私の申し上げておりますのは、輸出手続を経て出たルートとしてのことでございます。輸出貿易管理令によりまして輸出承認をとりにまいりますものは、現在のところ、四十年からの実績で種類を追ってみますと、拳銃と小銃に限られております。ただ、過去にさかのぼりまして二十七、八年ごろには、あるいは若干銃弾とかいったものが実績としてあったかと思いますが、いずれも鉄砲とわりあいに縁のある銃弾とかいう範囲のものであったように記憶をいたしております。
○淡谷委員 いまの御答弁はおかしいですな。輸出の手続をしたものはこれこれだというんだから、手続をしないで輸出する方法はあるのですか。輸出のすべては手続を経ていないのですか。
○高島政府委員 ただいまの中で、四十年に銃弾が若干輸出としてございます。 それから御質問のポイントは、輸出以外に国から出ていく方法があるかというところにあるかと思います。この点は、直接私から申し上げますのは、輸出所管で申し上げますのはどうかと思いますが、御承知のように、米軍の特需というものがございます。これは国内取引でございます。したがって、通関の手続はこれは経ません。輸出貿易管理令の適用がございません。米軍と日本の国内の業者との調達の契約ができまして、それによって海外へ出ているという形の分が別にあるわけでございます。私の申し上げましたのは、輸出の統計に載りました計数でございます。
○淡谷委員 それはAPAの在日米軍調達輸出ですか。同じものですか、どうですか。いまのはAPAの在日米軍調達輸出と違いますか。
○高島政府委員 APAの調達が中心であったと思います。
○淡谷委員 それだけではなかったら、その面の、間接的にせよ、外国に行っているものを御説明願いたい。
○高島政府委員 所管の貿易振興局のほうからお答えいたします。
○淡谷委員 あと重大ないろいろな質問がありますから、あとで書類で出していただきましょう。そればひとつあとでお出しを願います。
○原田政府委員 武器につきましては、昭和三十六年以後特需は全然ございません。
○淡谷委員 あとでまた聞きます。 通産大臣、いまお聞きのとおり、直接輸出の手続をしたものはそれだけだといいますが、いろいろな方法で出ているのがありますね。間接的に海外へ出ているのがあります。特に日韓条約以来いろいろ問題になりました韓国の保税工場の現状はどうなっています。保税工場に対する輸出はどうなっています。
○原田政府委員 韓国に対する保税方式をもって出します輸出は、しぼりその他が大部分でございます。しぼり加工でございます。おととしから去年にかけまして、輸出増加率としてはかなり増大をいたしておりますが、日本の輸出及び輸入に対する比率はまだ非常に低いという段階にございます。
○淡谷委員 車両その他の輸出はどうですか。韓国経由もしくは韓国経由でなくてもかまいませんが、車両は加工いかんによっては戦車に変わります。輸送車にも変わります。これはどうです。
○原田政府委員 保税方式をもって車両が輸出されているということは存じておりません。
○淡谷委員 保税形式をとらないのはどうですか。ついでに航空機についてもお話しを願いたい。
○原田政府委員 航空機の輸出はないと了解をいたしております。自動車はかなりたくさん輸出をされておると了解いたしております。韓国に対します輸出が、自動車も二百三十八万七千ドルでございます。
○淡谷委員 それはおもにどこの会社ですか。どこの会社でどういう種類の車です。
○原田政府委員 会社別の資料は追って提出させていただきたいと思いますが、各社の輸出が行なわれていると了解いたしております。
○淡谷委員 どうもはっきりしてないようですから、あとでそれも一括して資料としてお出し願います。これから第三次防へ入りますと、さっきの総理の答弁に従いますと、相当また、自衛隊の使っている武器に余剰があって、あるいは注文があって、出る向きがあると思いますが、これは非常に大きな問題をはらんでおりますので、これはあとでまた保留のときに申し上げますけれども、十分慎重にお扱い願いたいと思う。本来ならば、これはやるべきではありません。 そこで、運輸大臣にお開きしたいのはLSTの問題なんです。この間の質疑応答を聞いておりますと、一つひっかかるのは、LSTの、乗り組み員は従軍者とみなすべきかどうかといったような問題に対して、運輸大臣は、米軍との向後契約による乗り組み員であって、直接軍に従事しているものではないという御答弁でございますが、それならば、今度のような銃撃を受けた場合は、従軍者じゃないならば、直接銃撃をしたほうに外務省からかけ合うべきじゃないですか。本人が戦場へ連れていかれるということを承諾して行ったなら別でしょうけれども、従軍者じゃない者に対して砲撃を加えたならば、当然これは外務省から直接交渉すべきだと思いますが、その点はいかがですか。
○大橋国務大臣 今回のLST乗り組み員の事故につきましては、お説のとおり、わが政府といたしましては、外務省が向こうに当たっておるのでありまして、運輸省といたしましては、外務省を通じて先方と交渉をいたしております。
○淡谷委員 外務省を通じてどこと交渉しているのですか。銃撃を加えたほうですか、それとも雇用したほうですか、どっちです。
○大橋国務大臣 LST乗り組み員の今後の、安全等につきましては、運輸省といたしましては、外務省を通じて駐日米国大使館に交渉をいたしております。
○淡谷委員 これは私、前に社労委員会でこの前の問題のときにいろいろ追及してみたのですが、あのとき、相当これは市大だから今後の、やり方を考えるという御答弁があったのです。第一、LSTに乗り組んでおる人たちに出しておる旅券は、行く先がはっきりしている旅券ですか、それとも外国船に、乗り込むというだけの許可証なんですか。どっちなんです。
○安藤政府委員 お答え申し上げます。 旅券面には、渡航先として、ベトナム、タイ、カンボジア、フィリピン、韓国、台湾、アメリカ及びその他必要経由諸国と記載してございます。
○淡谷委員 これは大臣、あとの国はいろいろ問題がありましょうけれども、ベトナムという国の現状を見た場合に、明らかに戦争をしておるところに行くことになると思うのです。したがって、非常に報酬も高いでしょう。この報酬を高くかけて戦場へ連れていくのですから、従軍じゃないといっても、これは従軍じゃないですかな。ないといっても、やはり従軍です。同時に、日本の人が金をたくさん得たからといって、一体雇い兵みたいにしてよその輸送に従事していいでしょうかな。千何百人から行っているでしょう。形の変わった従軍者であり、傭兵で、むしろ軍夫になっている、じゃないですか。その点はどうですか。
○大橋国務大臣 このLSTにつきましては、LSTに当初日本人の船員その他が乗り組みました沿革等もある次第でございまして、御承知のごとく、終戦直後にアメリカから借り入れましたこれらのLSTに対しまして、日本政府として日本人を乗り込ませて、そして日本政府の使用のもとに、当時外国からの引き揚げ等の業務に従事いたしておったものでございます。その後、これがアメリカに返ることになりまして、そしてアメリカの極東軍のもとに使用されるということになりましたが、もともと日本人が乗り組んでおりましたものでございますから、乗り組み員は、引き続きこれらの船の乗り組みに従事したいという希望者がほとんど全部でございまして、そのために、日本政府の使用しておったこれらの人が、アメリカ政府が運航することになりました後も引き続きそれらの船に乗り組み、そしてアメリカの指揮のもとに動く、こういうことになった沿革があるわけでございます。 それで、仰せのごとく、現在におきましては大部分のLSTはベトナムに行っておりまして、ベトナムのいろいろな食料品であるとか、被服であるとか、ときとしては軍需品の輸送等にも当たっておるわけでございまして、ベトナムの治安の状況その他から見まして、ある程度一般の船の仕事よりも危険度が多いという点もあるのでございましょう、日本の海員組合といたしましては、アメリカの機関との間に相当高額な報酬を約束いたしておる。また、危険の場合の特別なる手当等についての約束もあるようでございます。そういうもとにおいてやっておるのでございますが、幸いにいたしまして、いままでこのLSTが航海中に銃撃あるいは砲撃を受けるということは今日までございませんでした。このたび砲撃されたのが初めてでございました。ただ、今後こういう砲撃がひんぴんと起こるようになるのであるか、それとも、あるいはまた砲撃をそう受けずに済むような状態が回復できるのであるか、これは今後の調べを、また経過を見ませんと明らかでございませんが、私どもといたしましては、非常に状況が変わってきて、そしてこの船に乗ることが非常に生命の安全について危険であるということがはっきりいたしますようでありましたならば、この乗り組み員についての問題は、あらためて日本政府として検討しなければならぬ問題である、こう思っておりますが、現在のところ、外務省におきましても、また運輸省におきましても、特に非常に危険が増加したものである、基本的に非常に条件が変わったというふうにはまだ結論を出しておりません。そういう状況でございます。
○淡谷委員 これは渡航の目的はどうなっているか知りませんが、明らかに戦地の輸送に従事するということは、これは戦争参加と同じような危険を持っているわけなんです。これは乗り組み員がそのことを雇用の場合にはっきり明示されているかどうか、これは調べてみなければわからないのですけれども、常識からいって、明らかに一つの従軍行為従軍行為だと私は思う。特にアメリカの政府を通して抗議すると申しましても、従軍者じゃないということになれば、これは明らかに直接向こうへ抗議もできるわけですね。アメリカを経由してやるところを見ると、やはりアメリカとベトナムとの間の交戦行為は認めておって、そのアメリカの雇用に任じたのだから、あくまでもアメリカ政府の責任、こういうふうにお考えだろうと思うのです。これはしかしこのままで推移するならば、単に武器の輸出だけでなくて、人間の、戦争のための輸出みたいなことになってしまって、はなはだ平和国家としてはおもしろくない、危険きわまる状態になると思う。この点はもう十分ひとつ反省をし、また善後策も考えていただきたいと思うのです。 もう一つLST以外に、職安などを経由してきます労働者が、そのまま船に乗っけられて、これはLSTではないでしょうけれども、そういうふうな危険な仕事に従事しているといううわさを聞いていま調べているわけなんですが、そういう事実はお聞きになりませんか。だいぶ前からあった。
○大橋国務大臣 ちょっと、多少そういった問題があるようでございますが、政府委員から答えさしていただきます。
○河毛政府委員 船員局長でございますが、ただいまの点、事実関係を申し上げます。 ただいま御指摘のような事項はございませんです。 それから、ついででございますが、現在のLST乗り組み員につきましては、政府の職業紹介によらないで、米軍と本人との直接雇用に相なっております。
○淡谷委員 ございませんと言い切っていいですか。もしあったら責任問題になりますよ。私はまだはっきり調査しておりませんから、名前は言いませんが、船名も出ているのですよ。(「おどかし、おどかし」と呼ぶ者あり)おどかしだと思ったら、それでよろしい。
○大橋国務大臣 船員労働紹介といたしましては、昭和四十年以降、さような紹介をいたしておる事実はございません。
○淡谷委員 おわかりにならないのでしょう。それじゃ、私はもう少し調べてから、あらためてこれは質問いたします。 時間もだいぶ経過しましたので、もう一点、これは防衛庁長官にいよいよお尋ねしたいと思うことがあります。これは総理が時間がありましたら総理にお聞きしたいのですが、一体、防衛庁長官、適格者名簿をどの程度まで具体的に的確にわかっていらっしゃるのです。自衛隊の適格者名簿というものがいまつくられているのですが、どういう趣旨で、どんな形でやられているのか、長官からじかにお聞きしたい。
○増田国務大臣 淡谷さんにお答えいたします。 全国市町村の約三分の一が適格者名簿を作成しておるということを聞き及んでおります。
○淡谷委員 一体適格者を何人集めるつもりなんです。防衛庁は。適格者名簿へ載る予定人員は、大体何人だと思っています。
○増田国務大臣 詳細は政府委員をしてお答えさせますが、陸上自衛隊が十八万名に三次防の終わりにはなるわけでございます。それから海上、航空はおのおの約四万名前後でございまして、それが一応は士の階級におきましては二年で除隊するわけでございます。自衛隊から出ていくわけでございまするから、相当数の補充が必要である、こう思うわけでございます。でございまするから、全国四十九の地方連絡部におきましては、なかなか忙しい仕事をしておるのでございまして、府県市町村という自治団体の機関、すなわち首長に、自衛隊法に基づいて、法律に基づいて権限が委任されてございます。それから地方連絡部長と協力いたしまして、自衛隊、自衛官員の募集をいたし、自衛隊のPRをいたしておるわけでございまして、その参考資料として必要であるということを、この前本会議におきまして総理大臣からも、また私からも御答弁申し上げた次第でございます。
○淡谷委員 総理大臣だの長官だのというものは、こうしてみると、正直なものですな。内容はもう少し深刻なものがありますよ。確かに募集している人員はそうでしょう。そのまた募集人員が十分に満たされていないことも、これははっきりしています。そのために、適格君名簿は大体何倍の名簿をつくるのですか、勘定したことがありますか。地方自治体はこれで泣いているのですよ。三十人足らずの自衛隊員が入っていくのに、何万という名簿をつくらなければだめなんですよ。ろくに経費も払っていないじゃないですか。全然経費を払わずに後援会もつくっているじゃないですか。これは明らかに昔の総動員法みたいな、徴兵適齢者名簿みたいな、ねらいがあるとは申しませんが、性格を持っている。もう少し基本的にこの実情をお調べになったらどうです。 特に、きょう私、これは長官にお聞きしたいのですが、この前に私一ぺん内閣委員会でも質問いたしましたが、答弁を求めていて、まだ答弁を得られないのが一つございますから、この機会にお伺いします。特定隊員というのが自衛隊の中にできているらしいですな。特定隊員というのがあります。この「特定隊員とは暴力主義的革命勢力の構成分子であるか、またはその影響下にあると認められる隊員(影響をうけるおそれの濃い隊員を含む)をいう。」これが特定隊員だそうであります。この詳しい内容はこうなっております。符号で呼ばれまして、一つは「暴力主役的革命を目的とする団体の構成員(共)と書いています。その次は「上記団体の秘密構成員と判断された者(秘)」、「上記団体に対する協力者または同調者(同調)」、「不法分子」は「(右)」と書いてあります。「特定隊員の容疑者」は、容疑者の「(容)」と書いてあります。(特)の「特定隊員」がありまして、「(丸特)」となっておりますが、その他隠語は(共)、(社)というのがあります。(創)というのがあります。公明党以前らしいですから、きっと(創)でしょう。(組)というの、かあります。これは労働組合のことらしいのです。こういう特定隊員というものをつくりまして、、これに対して「部隊等の長は、その所属下にある特定隊員をあらゆる角度から調査した結果、容疑を解除するに足る明確な理由があるか、または長期間(少くとも1年以上)を経過した後もなお容疑事実の裏付が全く確認されない場合は前条第2項により解除の上中を行うものとする。」これは「調査業務に関する連一としてはっきり出されているのです。むろん秘密であります。(秘)になっております。こういうことを長官お知りですか。これはかなり、長い間私はぬくめておいたので、いまに答弁があるか、あるかと思って待ってましたけれども、さっぱりない。いまちょっとそこで聞きましたら、これは廃棄していると、こういうのです。廃棄しても、一たんはあったものです。こういう重大なやり方が、ある場合は行なわれ、ある場合は廃棄される。一体これはどういうわけなんです。
○増田国務大臣 一般的なことをお答えいたします。 自衛隊というものは、特に有機体として規律をとうとぶ存在でございます。有機的の結合体として実力を発揮し、そうして日本の国の存立と平和を守る、こういう組織体でございます。でございまするから、そういう見地から各種の調査を隊員にすべきことは、これは当然であると思っております。 それから、あと(共)だの(創)だの(組)ということは、これは私はよく存じません。これは政府委員から補足答弁させます。達しのこともよく存じませんが、前の速記録を読んでみますと、あなたの御質問に対して、いずれ調査をしてお答えしますと書いてございます。その間時間もたっておりますから、調査結果等は政府委員をして答弁させます。 それから(組)というのがもしあるとすれば、これは治安関係、警察関係、消防関係の者は、労働組合をつくることができないという明瞭なる規定がございますから、(組)であってはいけないのじゃないか、こう考える次第でございます。 あとのことは、政府、委員から補足答弁させます。
○島田(豊)政府委員 昨年の十月二十七日付の内閣委員会で御質問がございまして、私そのときに、そういう文書の存在を承知しておりませんでしたので、調査いたしますというふうに御答弁申し上げました。そのときに御指摘になりました件名及び番号の文書は、確かにございまして、航空幕僚長が達しを出しておるわけでございます。しかしながら、その後この通達は廃止になっておりまして、現在はそういう内容のものは運用いたしておらないわけでございます。これを廃止いたしました理由としましては、その後いろいろ運用をやっておりまして、必ずしも実情に合わないというふうな点がございましたので、この文誤そのものは三十七年に廃止いたしておるわけでございます。
○淡谷委員 これは長官にもぜひ聞いていていただきたいのです。いまの御答弁ですが、どういう理由でつくられて、どういう理由で廃止になったのですか。達しだからといって、(社)というのは一体どこをさすかと聞かれたら、あなた方も困るでしょう。私の質問に対して困りませんか。(社)というのは一体どこですか。
○島田(豊)政府委員 御承知のとおりに、自衛隊法の三十八条に欠格事項というのがございまして、この欠格事項に該当いたします者は隊員として採用できない、また、隊員がそれに該当いたします場合には当然失職ということになるわけでございまして、自衛隊としましては、自衛隊の組織を防衛すると申しますか、防護すると申しますか、そういう趣旨で、そういうものに該当する者あるいはおそれがある者につきましては、厳重にこれに該当する者は排除する、おそれのある者につきましては指導いたさなければならないわけでございまして、そういう趣旨で、平素から隊員の言動等におきましてそういうおそれがあるというふうに認められる者につきましては、特別の指導をいたしておるわけで、それに対して特定隊員ということばを使うことはございます。 いまの(社)ということでございますけれども、これは文章の中身の問題でございまして、秘密文書でございますので申し上げかねますけれども、私たちが確認いたしたところでは、(社)というふうなことばが文章に載っておるということはないように存じます。
○淡谷委員 (社)がはっきり載っていますよ。それじゃあ一体(共)はどこですか。(組)はどこです。これをはっきりお答え願いたい。いま長官は、(組)は労働組合で、これは禁止していると言いますが、私は、別に自衛隊なんかに社会党の支部をつくれなんて言った覚えもないですがな。(社)、(共)、(創)は一体どこをさすか。
○島田(豊)政府委員 具体的な文章の内容に関する問題でございますので、その点についての説明は差し控えさせていただきますが、私どもの確認したところでは、(社)というふうなことばはないわけでございます。
○淡谷委員 (自)はあったのですか。(自)と(民)はなかったですか。
○島田(豊)政府委員 (共)ということばも確認いたしておりません。ないと思っております。(「(組)はどうだ」と呼ぶ者あり)(組)もそのとおりでございまして、そういうことばは文章の中にはございません。
○淡谷委員 廃棄処分にした書類の写しが残っておりませんか。私の手元にあるのと参照してみます。これは一つも違いません。一体いつできて、いつ廃止したのですか。
○島田(豊)政府委員 達しの日付は昭和三十四年八月八日でございまして、航空自衛隊達第五六号という文書でございます。そして廃止になりましたのは、昭和三十七年三月三十一日付でございます。
○淡谷委員 これは長官、一つ質問したいのですが、一体自衛隊というのは、特定の政党を支持したりあるいは排撃したりする組織とは私は思いませんが、長官、どうお考えですか。(自)、(民)にはよくて、(社)、(共)はいかぬというのは、おかしいじゃないですか。
○増田国務大臣 自衛隊、警察、消防等は、それぞれの法秩序、社会秩序、平和を守るための存在でございまして、特定の政党を支持し、支持せずということはないはずでございます。
○淡谷委員 長官は〇〇市町村自衛官募集事務処理要領というのをお沈みになったことがありますか、これは長官がいまお答えになっている内容ですが、これはかなり大きいものですよ。これは自衛隊が各県、各町村に配付したことは御承知でしょうな。
○増田国務大臣 お示し願いたいと思います。お示しになってから、私にお答えさせていただきたいと存じます。
○淡谷委員 どうぞごらんください。
○増田国務大臣 いま読みました範囲では、自由民主党を支持せよということばはございません。
○淡谷委員 しかし、この書類が自衛隊から要領として市町村段階まで示されている事実はお認めになるでしょうな。こういうような要領に基づいて適格者名簿をつくっているという事実はお認めになるでしょうな。
○増田国務大臣 その文書は、あなたはなかなか巧妙に入手されましたが、私はそれは必ずしも事実であるかどうかわかりませんけれども、適格者名簿等をつくり、それから自衛官になって、進んで事があるときには命を的にして国家を守り、平和を守り、維持するというようなことで、ぜひ志願者となってください、日本は志願旨制度でございますから、そういうことをしている事実はございます。
○淡谷委員 これは何も巧妙でも何でもないんですよ。これは初めから回った要領で、〇〇市町村自衛官募集事務処理要領というものを出して、そして役場の連中を呼び集めて講義をして、よく説明して、このとおりやらしているだけの話です。ところが、その内容を見ますと、非常に不公平ですよ。重点地区をきめて、その重点地区にはたくさん金をやる、一般の役場のほうにはやらないで、ぴいぴいしながら一生懸命せっかれてやっている。つくらなければ、戸籍簿を持っていって、自衛隊がつくって渡しているのがあるんですよ。こういうことは、長官の耳には入らぬでしょう。特にこの中で注意していただかなければならないのは、後援団体の組織なんです。後援団体をたくさん、名簿をつくるという要領でつくらしてある。たとえば入隊の際に壮行会をやるとか激励会を行なうようにするために、後援会あるいは自衛隊の相談所、隊友会、自衛隊父兄会、こういうものをたくさんつくっている。この金が出せないような団体に対しては、現職の——これは(社)じゃない、(自)なんですがね。名前は私は言いません、こういうところですから。(自)です。これは確かに。現職の衆参議員を会長に充てているんです。そして一切のこの後援をさせることなんかが、その人から費用がまあいろいろ考えられるらしいのですがね。これは好もしいことでしょうかな。自衛隊という、特定政党を支持してはならない、まあ軍隊ですがな、これが特定の政党の現職の議員を会長にして、その金でいろいろ奨励させたり、あるいは援助させたりするという仕組みは、これは長官、どうお考えです。第一、自衛隊が、選挙の場合にどういう候補者についての啓蒙を行なうのですか。あの中で各候補者に演説会させますか。させないでしょう。それじゃ、その候補者のいい悪いを一体どこできめるのですか。隊長が命令しておるわけでもないでしょう。そういう点は、一体この後援会組織とどういう関係がありますか。このごろは非常に自衛隊も数多くなりましたから、ずいぶん方々からねらわれている存在になっているんです。これはまあ一つの例なんです。かね、最近は選挙違反まがいまでおかして自衛隊に接近している人がありますがな。こういうことについて、やはりこの適格者名簿に関連して、長官は十分政党人としてそういう点は理解のある方ですから、ざっくばらんにお考えを聞かしてもらいたいのです。もしこのままで進むならば、やはり各町村、手をあげますよ。志願制度である自衛隊が、志願しても志願しなくても、十八歳から二十三歳までの青年を一律に適格者として登録しなければならない理由がどこにあります。おそらくは何百倍という数でしょう。どうお考えですか。
○増田国務大臣 淡谷君の御質問が多岐にわたっておりまするが、まず隊友会のこと、後援会のこと、協力会のことと、PTAのこと等、御質問のようでございます。それからもう一つ、適格者名簿はいいか悪いか、市町村が悲鳴をあげているという話でございまするが、まず父兄会が自然発生的にできることは、私は長官として歓迎いたしております。 それから隊友会というのは、これは除隊したあとで自衛官たりし者がつくる会でございまして、いまのところ三十数万名の方が除隊いたしておりまするが、隊友会はまだ四万名そこそこでございます。できればやはり二、三十万名、つまり除隊した方は隊友会の会員になっていただきたい、こう思います。 それから後援会と協力会とは同じ意味だと思います。普通はまあ協力会と言っておりまするが、この協力会というものも、やはり盛大につくっていただきまして、そうして自民党の国会議員あるいは県会議員、社会党でももし進んでおやりくださるならば、大歓迎でございます。 それから適格者名簿のことは、市町村、府県という機関委任でございます。すなわち、市長、知事、市町村長に委任したのでございまして、地方公共団体に委任したわけではございません。しかし、委任である以上は相当の費用を払っているわけでございまして、市町村長の部下がおそらく機関委任を受けたものとして事務をとっておると思いまするが、まだ悲鳴を上げているということを聞いたことは、寡聞にしてございません。
○淡谷委員 選挙の際の啓蒙はどうですか。自衛隊の啓蒙もあれでよろしいんですか。
○増田国務大臣 選挙の際等は、自衛隊の門前へ行って盛んに皆さんがスピーカーを活用されているという事実は知っております。
○淡谷委員 どうも長官、もう少し自衛隊の適格者名簿のことは真剣にお考え願いたいんですよ。それは長官があっさり片づけられるような問題じゃありません。自衛隊が志願制度があるならば、志願が第一要件じゃないですか。適格の第一要件は、志願じゃないですか。志願しても志願しなくても十ぱ一からげにこれを適格者として登録することは、明らかに憲法違反じゃないですか。徴兵制度の復帰じゃないですか。私は、やはり適格者というならば、志願を第一にしなければならないと思う。志願してない者を全部片っ端から本人が知らないうちに登録するといった、一体募集方法がありますか。
○増田国務大臣 適格者名簿というものは、私の見たところではきわめて簡単でございまして、何のたれがし、何歳、住所はどこと、これだけのことでございます。ほとんど職業等は書いてございません。その方がそれぞれ役人であるとか銀行員であるとか、そういうような仕事についておって、とうてい自衛官になれないような方であるならば、別に適格者名簿には載せないのでございます。すべて網羅的に、普遍的に載せるということは、いたしておりません。それから適格者名簿に載りましても、志願者制度でございますから、志願するといなとは御自由でございまして、われわれは、適格者名簿に載った方々に自衛官はこういう姿であるといったようなパンフレットを送る。皆さまが選挙のときに、それぞれ名簿をつくって書類をお送りになることがあると思います。その書類を沈もうと沈むまいと、また皆さまを御支持しようとしまいと、選挙民はかってであるということと大体において同様であると私は考えております。
○淡谷委員 さっき私がお目にかけましたね、あの——長官、まじめに聞いてくださいよ。さっきの特定隊員の話と関連があるんですよ。初めからこの特定隊員というものをつくって、(共)、(社)、(創)、(組)を区別するならば、適格者名簿の段階でやるべきじゃないですか、やるならば。十ぱ一からげにやっておいて、中に入ってから特別な待遇をするという手がありますか。一体自衛隊には、政党別によってこれを適格者と見る、適格者と見ないという、政党を主にした差別の方法があるんですか、名簿をつくるときは、みんな無差別にやるという、中に入れば、このとおり特定隊員をつくるという、この矛盾は一体どうなさるつもりですか。
○増田国務大臣 どういう方であろうと、われわれ同胞の国民が自衛官を志してくる場合には、中に入ってから労働組合をつくろうなんていう方はないと思います。でございまするから、一応自衛官の試験というものを行なうわけでございまして、その試験の前に、自衛官にぜひ応募してください、志願者になってくださいという、その材料として一応普遍的に十八歳ないし二十三歳の、その市町村在住の方を書いてある、これが適格者でございまして、必ずしもそれが応募者ということにはならないので、応募者というものはまたその何千分の一ということになるのじゃないかと思います。
○淡谷委員 時間がだいぶ経過しまして、委員長から御注意もあったようですから、最後に一つだけ長官のまじめな御答弁を願っておきます。 この自衛隊の適格者名簿の構想は、明らかにどんなことがあっても、徴兵制度とはつながらないということをはっきり明言できますか、いかなることがあっても。
○増田国務大臣 この際、徴兵制度とは全然関連がないということを、きわめて明確に淡谷さんの御質問に対してお答えをいたしておきます。
○淡谷委員 じゃ、これをもって終わります。
○植木委員長 これにて淡谷君の質疑は終了いたしました。 午後は一時より再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後一時七分開議
○植木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和四十二年度総予算に対する質疑を続行いたします。森本靖君。
○森本委員 私の専門的なことを質問をいたします前に、法務大臣が見えられておりますので、きのうの分科会でもやったそうでありますが、例の法務大臣それから厚生大臣が選挙カーに乗って連呼したということについて伺いたい。その前にちょっと私は国家公安委員長に聞いておきたいと思います。今度の衆議院の選挙、それからいまの県議選挙、いわゆる地方統一選挙で、この連呼行為で検挙した数がどの程度ありますか。
○藤枝国務大臣 事務当局からお答え申し上げます。
○内海政府委員 お答え申し上げます。 私どものほうでそれぞれの数字をいまとっておりませんので、いま直ちに連呼行為でどのくらい検挙したかという数字をお答えいたすことはできません。
○森本委員 この選挙違反について、いろいろの項で検挙あるいは逮捕した候補があると思いますが、その中で連呼行為で検挙した者は皆無であるということはないと思うわけで、一応連呼行為で検挙した者がどの程度あるかというぐらいのことについては、警察庁としてもおよそわかっておるのじゃないですか。
○内海政府委員 お答え申し上げます。 連呼行為による違反検挙は、決してないことではございませんが、ただいま申しましたように、統計をいま手元に持っておりませんし、また、それぞれの都道府県について報告を求めることになりますので、いま直ちに何件あるということをお答えすることができない、かように申し上げたわけであります。
○森本委員 そういたしますと、この連呼行為によって検挙された者があることには間近いない、こういうことです。 そこで、法務大臣が、乗って堂々とこの連呼行為をやったということでありますが、この場合、普通、連呼で一時間ないし二時間程度やったものでも直ちに検挙するという方針をいま警察庁は全国的にとっておると思います。そうであるにもかかわりませず、法務大臣が乗っておるからといって、この選挙カーの前に——前かうしろか知りませんけれども、警察のいわゆるパトカーがついて、それで二日も堂々とこの連呼行為をやった。しかもこれが新聞に載って問題になったから急遽警察が取り調べをするというようなことになるとするならば、一体、今回のこういうふうな問題は、これは小さいように見えまするけれども、公正であるべきところの選挙取り締まりについて、えこひいきをしておるというふうにとられても、これはしかたがないのじゃないかというように私は考えるわけであります。国家公安委員長として、こういうものに対するところの見解をひとつ私は聞いておきたいと思う。
○藤枝国務大臣 連呼行為ももちろん選挙違反でございまして、ものによっては検挙をいたすわけでございます。ただ、普通の場合、第一回に発見したというような場合には警告で、その後を戒めるというような処置を一般的にはとっておるかと承知をいたしております。今回の問題につきましては、警察といたしまして、別段国務大臣が乗っておったから手心を加えたというようなことでございませんので、新聞に出る前から、数回にわたってそういうことをやったという疑いがございますので、目下捜査をいたしておる最中でございます。
○森本委員 これはもう捜査しなくたって、新同にもはっきり載っておるし、それから法務大臣みずからも、申しわけなかったと、こういうふうに言っておるわけで、確かに法務大臣が言っておるように、これは法務大臣みずからが法に触れる行為ではないということは、まあいまの公職選挙法その他から見て明らかでありますが、ただ、こういうふうにいま一回警告を発し、それから二回目に、どうしても聞かない場合には云々というようなことを国家公安委員長としては答弁がありましたけれども、これは新聞の報道するところによりますと、二十二日、二十三日、二日間にわたって堂々とやった。それで二十二日にすでに警告を発しておる、にもかかわらず、二十三日にさらにやったというふうに報道されておるわけであって、それをそのまま野放しにしておいて、そして、こういうように新聞に載って問題になったからあわてて警察がこれを取り調べを行なうというふうになっておるわけでありますが、こういう点について、一体われわれとしては、今度の選挙あるいはこの間の総選挙、そういうものに対するところの取り締まり、あるいは検挙というふうな、公職選挙に関するところの政府の態度というものが非常に公平を欠く点がありはしないかということが、今回のこのはからずも法務大臣の乗っておった選挙カーが連呼行為をしたということによって、その一端が見えるような気がするわけです。これについて、しかもこの選挙カーには、うしろか前か知らぬけれども、警察のパトカーがついておったということは事実ですか。
○藤枝国務大臣 が遊説その他旅行をする場合に、大体、警護のために警備員が自動車でうしろからついていくというのが通例でございます。
○森本委員 そのうしろからついておったパトカーは、この連呼行為に対して注意をしなかったのですか。
○藤枝国務大臣 私の承知している範囲では、姫路署長の指揮を受けて注意をしたと伺っております。
○森本委員 注意をしたら、それでやめなかったら、なぜとめない。まるでこれは警察が連呼行為を保護したようにとれるじゃないか。普通、今度の選挙でも、われわれがちょっと五分か三分やるともうすぐ来て、とめろ、とめなかったら検挙する、こうきておるわけです。それを現実に法務大臣が乗っておる選挙カーが行っている、そのあとヘパトカーがついておる。そのパトカーがまるで連呼行為を容認をして、保護しているみたいなかっこうをしておるじゃないか。それは、注意をして聞かなかった場合にどうやったのですか。
○藤枝国務大臣 この場合は、その警備員が署長の指揮を得て注意をいたしまして、その注意をした後は中止をしておるわけでございます。
○森本委員 中止をしておるとはどういう意味ですか。
○藤枝国務大臣 走行中の連呼行為を中止をいたしておる……。
○森本委員 新聞には中止したとは書いてないのですよ。何回も注意をしたけれども、そのまま行った、こういうふうに新聞には書いてあるのですが一法務大臣乗っておってどうでしたか。
○田中国務大臣 まことに恐縮に存じます。二日目の日に、特にはっきり意識をしておりますのは、たいへん殺気立っておりまして、連呼をやる。そこで、連呼はいけないと私が言いますと、はっとしてすぐにすなおにやめはするのです。やめはするのですが、街頭演説会場から街頭演説会場に、十数カ所の会場をきめて行く途中のできごとでございます。走っておる最中に、手を振ってあいさつをしてくれる人があると、ありがとうございますと言う。これは言うてよろしい、あいさつだ。そうすると、それを言うついでにすぐその名を言うので、これはいかぬ、いかぬ、こう言うとまたやめる、またやる、ということが実は連続いたしまして、そこで、私もそういうことをするのならおりると言えばいいのですが、どうもそれも言いかねて、いけない、いけないを連続しておりました。そうして、私が気づきましたのは、どこかの駅前の会場に着きまして、おりて街頭演説をしておりまして、私が演説を終わって坊大臣が演説をしておるその間に、私がそこに立っておりますと、いま警察から事務所のほうにおしかりがあって、連呼行為はいけないということがありましたと言うから、それみたか、そうじゃないかということで、それ以後はやめたわけでございます。警護の人々からも後に聞いたことでございますが、連呼は困る、連呼はいけないといっておしかりをいただいたということを、そのときに私も同時に聞きました。それ以後は、新聞にも出ておりますように、やめたのでありまして、それではいかぬではないかということで強く申しまして、これはやめたのであります。そういう事情でございますが、何しろ十数回にわたってそういうことが私の記憶の上だけにもあることでありますから、まことに申しわけがない、こう考えております。
○森本委員 法務大臣にちょっと聞きたいのですが、ありがとうございます。御声援ありがとうございますと言うのはいいのですか。
○田中国務大臣 手を振ってくれる場合、ありがとう、御声援ありがとうと言うことは、私は走りながらでもよいものと心得ております。ただし同時に……(森本委員「それは、解釈ははっきりしておいてください」と呼ぶ)私はよいものと解釈をしておるのです。私の誤解であれば、専門家からお話を聞いていただきたい、私はよいものと思っております。
○森本委員 それは、そうすると、その場合、名前を呼ばなかったならば、御声援ありがとうございますということをずっと言っていていいのですか。それは、町では、法務大臣、ずっと連続して——人気のある者はみんな手を振ってくれるから、それに全部あいさつをしておったら、全く名前を言わずにでも通りますよ。
○田中国務大臣 いま申し上げますように、進行中に手を振ってくれる、ありがとうと言って走ること、これは走っておる車中から言うことでありますが、これは私は差しつかえないものと思う。ただし、ありがとう、ありがとう、ということを継続してどんどんやっていく、これは連呼でありますから、そういう連呼は許すべきものではないでしょう。ありがとう、ありがとうばかりを連続して言っていくということはよくないでしょう。
○森本委員 それは法務大臣、あなたはもう当選何回もあって、選挙はかなりくろうとなんだから、常識で考えてもわかるように、市長選挙とかあるいはその他の選挙になってくれば、ひいき客はずっとおりますよ。一軒おきぐらいにおりますよ。これにありがとうと言ってかまわぬのだったら、ずっとありがとうの連続になりますよ。それはいいんですか。
○田中国務大臣 いま申し上げますように、ありがとうを連続していくことは車上においてはまずい。それはいけないことはもちろんでございます。ありがとうということを言うことは一向差しつかえない、連続はいけない、私はこう言っております。
○森本委員 それは、あなたの言っておるような、初めはありがとうございますということを言ってもよろしい、こう言っておるわけで、手を振ってくれた人にありがとうございますということを、言ってよろしいということになるとするならば、連続になるのだ。へ理屈というものだ、あなたのいまの言い方は。手を振ってくれている者に対して、ありがとうございますということを言ってよろしいということなら、自然に連続になるのです。だから、それはいかぬということになるのでしょうが、はっきり言って。
○田中国務大臣 私は、きわめて単純なことを言っておるのですが……。連続して言うことは連呼であるからいけないのだ。文字に書いてあるとおりであります。特に進行中にありがとうと言うことは一向差しつかえないと私は思っておる、こう言うのです。それは、いま先生お話しのように、連続してやれば連呼になりますよ。書いてある文字のとおりです。それはいけないですよ。
○森本委員 それは結果としては連呼になるのじゃないか。ありがとうございますということを言ってよろしいということになれば、手を振る連中がずっとおるわけなんだから、それにありがとうございますと言っておったら、結果として連呼になるでしょうが。
○田中国務大臣 いま言うように、連続してやることは連呼になる。連続せないでありがとうと言うことは連呼にならぬということを言うのです。これは別に無理なことを言っておるのじゃないのですよ。あなたのほうが、ありがとうと言うことを続けてやっちゃいけないじゃないか、続けてやっちゃいけないのであります。一つやればいいじゃないかということなんですね。何も無理なお話をしておるわけじゃないのです。私はそう解釈しておるのです。
○森本委員 あなたの言うのは、向こうで手を振ってくれた人に対してありがとうと言っていいというわけなんだろう。しかし、手を振ってやってくれる者に対してありがとうと言うんだから、自然連呼になるでしょうが、常識で考えて。
○田中国務大臣 それはいけない。
○森本委員 だから、いけないんだったら、初めから、この地方統一選挙の場合には、結局車上からありがとうございますということを、走りながら言うことはいかぬということでしょうが。法務大臣、もうちょっとはっきりしておいてもらいたいね。
○田中国務大臣 それは、はっきり私が申し上げるように、連続になってはいけない。選挙運動といえども有権者が手を振ってくれる。有権者か何かわからぬが手を振ってくれる。手を振ってくれるのに対してありがとうと言うことは一向に差しつかえはない。しかし、先生お説のごとく、連続になればいけない。それはわりあいに区別がついておるのじゃないでしょうか、この話は。
○森本委員 あなたは、いつでもへ理屈ばかり言うが、もとから、副議長時分からよくそういう理屈を言うんだが、自分ではその理屈が通っているように思っているけれども、ほんとうは理屈は通っていないのだ。あなたの言うとおりやれば連呼になるわけだ。そんなことを一々ここでやっておったってしようがないから、私はこれはおくけれども、法務大臣が、それは法律上の問題はないけれども、一応、法務大臣としてまことに軽率であったという点については、今回の場合については一応謝意を表しておるから、私はこれ以上この問題を追及しようとは思わぬけれども、やはり法務大臣という地位にある人は、こういうふうな問題についてはもう少しひとつ慎重にやってもらいたい。しろうとでないのだから、これは代議士でない者が法務大臣をやっておったとするならば、まだある程度、ひょっと手抜かりだったということは言えるかもしらぬけれども、公職選挙法のすみからすみまで知っていなければならぬ法務大臣が、こういうことを軽率にやるということは、われわれからするならば、やはり今回の取り締まりについては、法務省も、あるいはまた警察庁も、相当えこひいきがあるなというふうに一般にとられてもしかたがない。だから、こういう点については、よほど慎重にやってもらいたいということをしかと言っておきたい、こう思うわけです。これは冗談やへ理屈でくぐり抜けたらいいというような問題ではないわけであって、政治道義の問題でありますから、その点ひとつ十分に注意を今後願いたいと思うわけであります。 それでは、私の質問の本筋に入っていきたいと思います。 まず私は、いま当面問題になっておりまする宇宙開発の問題についてお聞きしたいと思います。その前に、昭和四十二年度の予算案におきまするところの宇宙開発に関する各省にまたがっておりまする、公社、公団も加えまして、そういうものの予算の内容を一応お聞きをしたいと思っているわけです。
○水田国務大臣 四十二年度における宇宙開発関係の予算は、一般会計で二十四億七千百万円、国立学校特別会計で三十四億四千六百万円、合計五十九億一千七百万円でございます。 機関別の予算及びその用途を申し上げますと、東京大学宇宙航空研究所につきましては、四十二年度末に科学衛星を打ち上げるほか、観測用ロケットを使用して宇宙空間の科学観測を行なうためということで三十四億四千百万円を計上してございます。それから、科学技術庁につきましては、東京大学の科学衛星を追跡するための施設の整備のほか、将来の実用衛星打ち上げに備えて液体燃料ロケットの開発等、必要な技術の開発を行なうために、種子島ロケット射場の整備をはかるということでございまして、十七億二百万円を計上してございます。それから、郵政省につきましては、人工衛星を利用した通信技術の開発に必要な研究施設の整備ということのために五億一千六百万円を計上してございます。それから、運輸省につきましては、人工衛星を利用した航法の研究、それから気象観測の研究、この二つを行なうために八千七百万円計上してございます。それから、通商産業省におきましては、関連工業技術開発のために一億五千七百万円が計上されてございます。さらに、そのほかに、電電公社に二億三千万円、それから日本放送協会(NHK)に三億円、これは人工衛星による放送通信技術の開発研究費ということになっております。以上が今年度の予算に見られる宇宙開発費の総計でございます。
○森本委員 それから、これは大蔵大臣でありません、郵政大臣にお聞きしますが、株式会社でありますけれども、法律に基づいてでき上がっております国際電信電話株式会社においては、今年度大体どの程度の予算を見ておるわけですか。
○小林国務大臣 国際電信電話会社では約二億円計上しております。
○森本委員 大蔵大臣にお聞きしますが、先ほどの通産省関係の一億五千七百万円というのは、これはどういう何に使うわけですか。
○水田国務大臣 一億五千七百万円、それは宇宙関連工業技術の開発のために機械技術、電子技術の研究に一億二千九百万円、それから一般研究の補助金として二千八百万円、合計一億五千七百万円という内容でございます。
○森本委員 そういたしますと、この予算の中で東大と科学技術庁とそれから通産省のこの三つの経費を除いた以外は、一応これはすべて衛星としてでき上がった場合における宇宙開発の予算であるというふうに解釈をしていいわけですか。これは科学技術庁長官に細く目的にお聞きします。
○二階堂国務大臣 いまの大蔵大臣から説明のありました予算は、全部でき上がるまでの予算ではないのでございまして、いま郵政省その他でやっておりまするものは基礎研究が主でございまして、基礎研究と、それから開発関係の研究に使うための施設に必要な予算でございます。
○森本委員 いや、私は宇宙開発といってばく然とした質問をしていってもなかなかわかりにくいと思って、四十二年度の、本年度の予算、その予算の内容が明らかになったわけでありますので、その予算において、実際問題としてこれを施行していくのに対して、この本体であるところのロケットに関するところの予算と、それから、でき上がったものの衛星を使用する方面の予算と、こういう形に分けていったほうが、ものごとを分離するのにやりやすいのではないかという点から聞いたわけでありますが、これは私の知識でするとするならば、この中で東大と科学技術庁といまの通産省を除いた以外は、でき上がった、打ち上げた上の衛星に関するものである。いまの東大、科学技術庁、それから通産省のものについては、一応ロケットを主体としたところの一つの研究であるというふうに考えていいのではないかと、私は私なりに考えるわけですが、その辺どうですか。
○二階堂国務大臣 おっしゃるとおり、実用衛星を打ち上げるのをみな目的といたしておるのでございまして、それに必要な、各関係省がやっておる必要な研究開発の予算だ、こういうふうに考えております。最終的には実用衛星を目標にしておるわけでございます。
○森本委員 そこで、こういうふうな宇宙開発を進めていくについては、この本体のロケット段階、あるいは打ち上げた衛星を使用する面に対する研究というものも、並行して総合的に研究をしていくということも必要でありますけれども、日本の場合、総体的に見た場合に、このロケット段階の研究が非常におくれて、でき上がったものの衛星を使用する方面の研究段階というものは意外と進んでおるのではないかというふうな気がするわけであります。 そこで、今回の場合、東大が人工衛星の打ち上げに二度にわたって失敗をしておるわけでありますが、これについて一体、政府としては、この失敗の原因はどこにあるのか、それを総合的に研究をしてみて、この失敗を二度と繰り返してはならぬ、次に新しい発展の方向にこれを持っていかなければならぬというところで、政府としては、この東大のいわゆる失敗についてはいろいろ研究せられたと思っておるわけですが、この東大の失敗の一番の原因はどこにあるのですか。
○剱木国務大臣 お答えいたします。 東大で、もちろん人工衛星にいたしますことは、直接的なロケットの研究の目的ではなかったのでございますが、この前のと今度のは、その制御の方法によりまして人工衛星になるということを期待をして実験したわけでございまして、科学衛星そのものに今後本格的にやりますのは、ミュー型に移りましてこれからやるので、その予備実験的な行為でございまして、もちろん成功することを希望と申しますか、持ってやったのでございますが、これは実験的にもちろん失敗することもあることも予想のもとに実験したのでございますから、この最終目的の科学衛星を上げるというその目的自身は、今後ミュー型になりましてから本格的な、実験をやるわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、東大のいわゆるロケットから衛星へという研究は科学衛星で終わりということですか。
○剱木国務大臣 宇宙開発審議会においてこの問題をずっと一応方向をきめられまして、東大で行ないますのは、科学衛星の打ち上げを限界といたしまして、あと実用衛星になりますと科学技術庁のほうの関係になってまいります。
○森本委員 そういたしますと、今後東大はもう科学衛星に置いて、それ以降の衛星の打ち上げその他については、科学技術庁のほうで行なう、こういうことであって、東大の宇宙研の問題としては今後これについてはもう科学技術庁のほうの問題に譲る、科学衛星で終わりと、こういう考え方ですか、東大は。
○剱木国務大臣 東大で行ないますのには一定の限界がございまして、科学衛星を打ち上げるまでで終わります。研究を一応とめまして、実用衛星になれば科学技術庁でやることになります。ただロケットの研究とか、これは学術的な理由が違いますので、科学衛星というのは一つの方法でございまして、垂直に縦の線から申しますと、常に超高層の観測をやりますのは、これはやはり学問研究でございますから、その必要があればロケットはやはり打ち上げるという研究は続けられると思います。
○森本委員 やはりそこに、この宇宙開発の一元というところに大きな一つの問題がありはしないかと思うのです。確かに東大は学問的、理論的な研究ということで将来やっていかなければならぬ。しかしながら、衛星については科学衛星を上げて、そこで一応の研究のめどとしては終わりだ、あとは科学技術庁を本体とするところのいわゆる衛星の打ち上げにまかす、しかし、今後学術研究によるところの必要があれば、衛星の打ち上げその他を行なっていくということになりまするけれども、そういうことになるとするならば、要するに、ばく大な経費を伴うところの衛星を打ち上げるという場合については、一応そういう衛星を打ち上げるという事項については、科学技術庁のほうの統一をせられた方向にこれを移管をし、そうしてその衛星の中における研究その他については、これは別途にできるわけですから、それを衛星の中に装置をすればいい、そういう考え方に立っていったほうが、将来の一元的な問題についていいんじゃないですか。やはり私は、いま宇宙開発の問題について一番大きな問題になるのは、この東大の態度ではないかと思う。東大が、要するに、学術研究というものと、それから、将来広範囲にわたって日本の政府機構というものが、日本という国が宇宙開発を総合的に進めていった場合に、いわゆる現在の東大の研究分野というものはどの位置に位するかということをきめてやらなければ、なかなかこの総合的な一元的な宇宙開発という問題はむずかしいんじゃないか。ただ、文部大臣がいま言ったように、この東大のいわゆる宇宙開発の研究というものが一応科学衛星で終わりである、そこから先は、必要に応じていわゆる学術研究のために衛星を飛ばすことはあり得るということであるとするならば、科学技術庁が統一をしたいわゆる宇宙開発を行なう際に、その中にその衛星を頼んで打ち上げるということはあり得るわけです。しかしながら、その打ち上げるまでのロケット段階における問題をさらに東大が研究をしていかなければならぬということであるとするならば、また初めから、いま発足をしようとしているところの宇宙開発の内容から入っていかなければならぬ。その辺を一体文部省として、東大あたりはどう具体的に考えておるか。
○剱木国務大臣 東大がロケット観測を始めましたのは、国際宇宙観測に昭和三十二年から加わりまして、超高層の物理現象の国際的な研究に参加してやった問題でございまして、この超高層物理現象の観測ということは、これは研究体制としてずっと続いてまいると思います。したがいまして、ロケットそのもので縦の研究と、科学衛星によります横の研究と二つ合わせる意味において、いま科学衛星ということを目ざしてやっておるわけでございますが、しかし東大のやりますものは、あくまで衛星を打ち上げるということが目的ではないのでありまして、したがいまして、衛星になりますと、東大のやりますものはミュー型をやるのを最後といたしまして、あとの実用衛星になりますと、科学技術庁のほうでもっぱらやるということになると思います。
○森本委員 そういたしますと、現在まで東大がやっておりましたものは、要するに宇宙の科学的観測その他について必要だからやっておったので、これに対して、結局ロケットを打ち上げ、さらに最終的には科学衛星を打ち上げるということであってそうすると科学衛星が打ち上がって、これが一つの軌道に乗った場合は、一応東大としての宇宙開発に対するところの一つの分野が終った。あとは国か考えておるところの一つの——これはどういう機構になるか、あとで質問をいたしますが、総合的にやるところの宇宙開発にゆだねる、こういうことになるわけですか。
○剱木国務大臣 この前、今度実験しましたラムダ型につきましては、ミュー型の基礎的な研究として、やっておるのでございまして、かりにラムダが科学衛星に成功いたしましても、ミュー型を打ち上げて、これを科学衛星に本格的にやるまでは東大としていたします。ですから、一回成功したからすぐやめてしまうというのではなしに、本格的なミュー型の科学衛星の打ち上げを最終目的としてやっております。それが済みますと、今後科学技術庁のほうの実用衛星ということに移行してまいるわけでございます。
○森本委員 いまの文部大臣の答弁を聞いておりますと、東大がいま行なっておるところの分野というものと、それから、科学技術庁がこれから行なおうとしているところの分野というものが、大体おぼろげながらも一つの輪郭が出てきたということになるわけであります。 そこで、そうは申しましても、現状の日本の国におきましては、私が先ほど言いましたように、打ち上げた衛星そのものに対するところの一つの研究、あるいはまた、理論的な研究、実施の研究というものが行なわれておるけれども、それを打ち上げる能力というものについてはいまのところ東大しかないのです。けれども、これは将来、科学技術庁がいまやらんとしておるところのものが発展をしてくるならば、これにとってかわる。そこで、東大のいまやっておる問題については、最終的にミュー型の打ち上げが終われば、一応の使命が終わったということになるとするならば、将来は宇宙開発については、いま科学技術庁がやろうとしておるところの一つのものを基礎として、これによって総合的に宇宙開発の問題ができ上がってくる、こういうことになろうと思います。 そこで、そういうことになるとするならば、東大の問題については一応これを除きまして、今後の日本の宇宙開発というものについては、科学技術庁を中心として、具体的に、たとえばいま郵政省、それから運輸省、それから公社、NHK、国際電電、これがそれぞれ研究をしておる。大体、郵政省とNHK、郵政省と電電公社、さらに国際電電、これが研究をしておるものについては、それぞれ同一内容について研究をする。さらに、NHKの放送衛星というものについては、またこれは衛星の内容が違ってきますけれども、これも理論的には同じような衛星になってこよう、こう思うわけであります。ところが、郵政省は郵政省、運輸省は運輸省、ばらばらの形においてこれが開発が行なわれておるというふうに、われわれは横から見ておって見えるわけでありますが、一体こういうものを総合的に、たとえば、これを打ち上げするところのまず基礎的な段階から東大がいままで研究をしてきた。しかし、これは科学技術の学術研究のためにやってきた。それがようやく実施段階になって、今度科学技術庁のほうに移される。移された科学技術庁が一つの衛星を打ち上げる能力についてはまだいまない。しかし、打ち上げる能力があるようにこれからだんだんしていこう。同時に、打ち上げた後における衛星の使用方法その他については、もうすでに研究が始まっておる。これをひとつ総合的な形における政府の施策として、日本の国として明らかにする段階にもう来ておるのではないか。そうしなければ、日本の宇宙開発というものは屋上屋を重ね、またてんでんばらばらにやられるという可能性が非常に強いわけでありますが、そういう点で、科学技術庁を中心として、一体日本の国として、将来この宇宙開発に対する政策的なものはどういう構想を持っておるか、ここで明らかにしてもらいたい、こう思うわけです。
○二階堂国務大臣 宇宙開発の問題につきましては、世界各国非常な努力を払い、ばく大な金をつぎ込んでその研究開発を進めておることは御承知のとおりでございますが、わが国における宇宙開発も、先ほど文部大臣がお述べになりましたとおり、私は、今日まで基礎的な研究、特に空間の物理現象の研究というものは相当な成果をあげてきておると思います。特に燃料関係の研究、あるいは宇宙間における紫外線、赤外線、エックス線、こういったものの物理研究というものは相当進められてきておる。しかも、その頭脳と少ない費用によってここまで持ってきたというのは、私は相当な成果であった、高く評価されるべきだと思っております。これを基礎にいたしまして、今後は、いろいろ考えられております実用衛星、放送衛星、通信衛星、測地衛星、気象衛星、もろもろの計画が進められ、しかもこれが実用の段階に先進諸国では入ってきておる。こういう実用衛星を目ざして、国といたしましては、昭和四十二年度には科学衛星、四十五年度には、私のほうで実用衛星を打ち上げよう、こういう計画を明らかにいたしておるわけであります。 そこで、このような実用衛星を関係各省あるいは民間のほうでばらばらに計画を進め、研究を進めるということでは、少ない頭脳で、しかも財政的に制限もある程度受けなければならないわが国といたしましては、やはり国の長期計画というものをこの際立てて、そして責任体制を明らかにしていくことが何よりも大事だと考えております。そういう意味におきまして、宇宙開発の一元化という問題も、先般来閣議においても私も発言をいたし、総理からもそういうふうにしろという指示がありましたので、その方向で目下検討を進めておる、こういうような現状でございます。
○森本委員 目下検討中というのは、いつでも政府の答弁でありますけれども、現実にいま私が大蔵大臣から答弁を引き出しましたように、約六十億円をこえるような予算が各省にまたがってなされておる。しかも宇宙開発ということは、日本の将来にとっては、原子力以上にきわめて重要な問題である。これがいま各個ばらばらに行なわれておる。これを一つの統一をした形における総合的な政策として進めていくということは、きわめていま必要な段階に来ておる。これは検討されておるといいますけれども、現実に一つの、たとえばこれはアメリカの例としては、例のNASA、航空宇宙局が統一をした形でやっておるわけですが、全部が全部これが見本になるとは考えませんけれども、やはり打ち上げの段階、ロケットの段階、それからその衛星を使用する段階、こういうものを総合的な一つの問題としてとらえてそれを検討し、研究をし、発展をさせていくという一つの機構が必要ではないか、その機構の整備をまず考えそれから予算の単一化というものを考え、さらにそれに対するところの人間、それから組織、そういうものを政府部内においてはもはや真剣に考慮する段階に来ておるのではないか。四十二年に科学衛星を打ち上げる、こういうことを言っておりまするが、四十五年に実用衛星を打ち上げるとするならば、いまの日本の実力で行こうとするならば四十五年まで待たずして、たとえば放送衛星にしても通信衛星にしても、日本でその衛星をつくってこれをアメリカに持っていって打ち上げてもらうという方法もあるわけです。だけれども、そういうことでは衛星そのもののいわゆる技術は進んでも、それを打ち上げる能力が日本にないとするならば、これは一つの片ちんばな科学の発展になる、こういうところから、おそらく総合的な計画をもって進めていかなければならぬというところから、科学技術庁もおいおいとロケット、衛星打ち上げの準備にかかった、こう思うわけであります。それにしてもいまの日本の各個ばらばらの機構では私の考えではどうにもならぬのじゃないかと思う。しかし、宇宙開発庁というようなものをつくるというような意見もいろいろありまするけれども、官庁としてやるという場合には、相当真剣な検討が必要じゃないか。たとえばその人員の待遇とか、あるいは予算の運用とかいうものを考えた場合に、必ずしもこういうような機構というものが官庁にこだわるということには値しない。ただし、最高政策についてはむろん政府が責任を持つわけでありますから、そういう点の宇宙開発に関する最高政策をどう持っていくかというような点については、これは閣議を中心としながら最後にはきめていかなければならぬと思います。しかし、これを実際に実行する、研究し、実施に移すという、そういう機構については、かなり慎重に私は考えていかなければならぬと思いますが、そういう点について政府としては一体どういう考え方を持っておるのか、一応構想でもあればその片りんでも明らかにしてもらいたい、こう思うわけです。
○二階堂国務大臣 お説のとおり、私どももいま具体的にどういう機構で一元化していくかということについて検討を進めておるわけでございまして、この機構の問題は、アメリカのNASA方式もあるでありましょうし、また昭和四十年にも、科学技術庁のほうで一元化に関する案を一応立てたことがございますが、その案の中にも、総合的な企画調整をやる、政策をきめる、長期計画をきめる、そして管理をする、また国際的な協力体制も必要でございますので、そういうような関係部門を設けて、一元的な方向に機構を整備すべきだということを昭和四十年度には一応立てておりました。けれども、その後また大尾さんのほうで、大尾私案なるものも出てきておりますが、宇宙開発審議会においていろいろ議論をされましたが、これがまだ結論を得るに至っておりません。そこで、先ほどから申し上げますように、関係各省の間でいろいろ研究をし、また、それぞれの目的を持った実用衛星を打ち上げようということでは、これは少ない頭脳で、少ない金で、効率的に、効果的な打ち上げがなかなかできないということは明らかでございますので、私どもといたしましては、いま宇宙開発省をつくったらいいじゃないかという意見もあります。また、科学技術庁の中に宇宙開発局をつくって計画を立て、予算を一元的にそこで取る、そして打ち上げたものをどこが、だれがそれを管理するのか、打ち上げるものは一体国家機関でやるのか、それとも特殊法人をつくってやるのかといったような意見も出ております。従来からのこの宇宙開発審議会等の意見あるいはその他民間の方々の意見などから総合いたしますと、私はやはり政府がこの基礎的な研究開発、それから予算の一括計上、長期計画を立てるというようなことなどは、政府機関でやってもいいと思いますが、実際の、打ち上げる機関あるいはそれを打ち上げたものをどこが管理するのかというようなことになりますと、やはりこれは特殊法人などを設けて、そうして民間も学界も、優秀な頭脳がこれに容易に参加できる、また人事の交流ができる、こういうような機構を考えていったほうが最もいいのではないかというふうに私自身としてはいま考えております。しかし、それがそのとおりになるかどうかは今後の検討にまたなければならぬと思っておりまして、私も学界のいろいろな方々の意見をいま聞いて研究を進めておるようなわけでございます。もうすでに実用の段階に入ってきておるときでもございますので、森本先生のおっしゃいますとおり、いつまでもこれをほっておくわけにはまいらぬと思っておりますので、できるだけ本年度中にそういう機構の原案をつくって、最終的な決定をいたし、そうしてそこでいまおっしゃるような国の持つ長期計画を明らかにして責任体制を明確にしたい、こういうふうに考えております。
○森本分科員 これは元来最終的に総理に聞かなければならぬ問題でありますけれども、総理がおりませんので、一応これはいまの科学技術庁長官の言われたように、早急にその機構、それから人間、それから運営、それから予算、それからその研究内容、実施内容というようなものについて、総合的な施策の発表をひとつ急いでもらいたい。これは早急に、そういうことを政府部内として意見を統一して、国会を通じて発表ができるようにぜひお願いしたい。 これは、まだいろいろこの内容について聞きたいことがありますけれども、この程度で終わりたいと思いますが、ただここで一つだけ言っておきたいと思いますことは、これは私の専門になりますけれども、たとえばNHKの放送衛星、それから国際電電の国際通信に関する問題、それから電電公社のいわゆる国内通信に関するところの衛星、それから気象衛星、航行衛星、こういうようなものについてはそれぞれ用途は違うにいたしましても、それを具体的にどう動かし、どういうふうに持っていくかということについては、ほぼ似たような内容であります。これは本来ならば一カ所に置いて、まとめて研究したほうが一番手っとり早い。これは実施段階とそれから研究段階というような問題ではないわけであって、きわめてこれは似通った衛星を使用する方法になるわけです。こういう点について、最小限度いまでもできる問題については、総合的に政府が施策としてお互いに協調し、お互いにまた連絡をし合ってやるという方法をとってもらいたい。それから経費のむだ使いをやめて、効率的に使うという点からも、いま言ったようなこの問題については、相当これは統一をしてやれる可能性のある問題でありますが、特にこれは郵政大臣の所管事項でありますが、郵政大臣、どうですか。
○小林国務大臣 通信手段としての衛星の問題でありますが、これは郵政省が、通信衛星開発のためにことしは五億円の予算が認められることになっておる。こういうことでありまするし、お話のように郵政省、国際電信電話株式会社、放送協会、また日本電信電話公社というふうになっておりますが、このおのおの仕事が分化しておりまして、国際電電は通信衛星に対する地上の送受信施設を主として所管し、施設をし研究をする、こういうことになっておりますし、放送協会は放送衛星を研究しよう、また電電公社は通信衛星から受けた送受信の関係の地上施設、その必要とする部面にこれを伝達するためのマイクロウエーブその他の有線その他の施設をする、こういうふうに仕事がたまたま分かれておる、こういうことであります。郵政省においては、もう御承知と思いますが、通信衛星開発に関する連絡協議会というものができて、すでに二、三回協議をいたしております。それで、いまの地上施設、それから通信衛星また地上の伝達手段、こういうものについての連絡を緊密にしなければならぬということで、この二十八日にもまたこれらの連絡協議会を開いて、郵政省が中心で、少なくとも通信に関する問題に ついては、ひとつ十分な統合調整をさせたい、こういうことで進んでおりますので、さようなことについての御期待には沿えるかと思います。ただ、先ほどからのお話しのように、衛星ができてもロケットができなければこれは問題になりません。したがって、どうしてもこのロケットと衛星とは並行して開発をしなければならぬ。私どもの郵政省の計画は、昭和四十五年にはぜひその通信衛星というものを完成したい。したがって、これまでにひとつそのロケットがその役に立つようにしてもらいたい、こういう関係もありますので、これらについては、いまお話しのように、どうしても一緒に進めるという意味において、一つの一元的な機構が必要であると考えて、私どもも所管なんということにとらわれないで、どうしてもこれを一元的に開発するための機構を政府部内でつくるべきである、こういう主張をしておりますので、やがてそういう機構が公にされる、かように考えております。
○森本委員 この衛星については、打ち上げたあとの衛星の管理、これを使用する、それから使用目的、こういう問題によって今後非常にこの問題が複雑になってくると思う。たとえば、このままでいくとするならば、放送衛星はNHKが開発したからNHKだ、あるいはまた郵政省が開発した通信衛星というものは郵政省だ、あるいは国際電電公社、それぞれ別々の衛星を打ち上げるということは、これはあり得ないのであって、そうしてまたこれを使用するところは、たとえば運輸省の航行衛星にしたところで、気象衛星にしたところで、同じような形の使い方をするわけです。実際には、使う内容そのものについては違うけれども、使用方法そのものについては似通ったような内容です。そうすると、将来この打ち上げた衛星——われわれは衛星を打ち上げるだけか目的でないわけであって、打ち上げた衛星をいかようにして使うかということが最終的な目的になるわけです。その衛星をいかようにして使うかという使い方については、やはり相当研究をする必要がある。たとえば、放送衛星だからといって、これを放送局に管理をさすという手はない、あるいは国際通信だからといって、これを国際電電に管理をさす方法はない。それから国内通信に使うというところの通信衛星だからといって、これを電電公社に管理をさす——いまのままでいくとするならばそういうことになりかねない。しかし、通信に使うところの衛星そのものを管理する一つの機構というものがあって、国際電電、あるいは電電公社、あるいは気象庁、あるいはまた運輸省の航海に関する問題、こういうものは衛星そのものを利用するだけであって、衛星そのものを管理し、運行さすものは、また別個にこれを総合的に定めていく、こういう考え方であっても私はいいと思うのですが、その辺ひとつ政府の——これは大体郵政大臣か運輸省かさっぱりわからぬですよ、まだはっきりした機構がないから。そういう点も、政府としてはいま少し突き詰めた研究をしていかなければならぬのじゃないかというように私は考えるわけでありますが、そういう点についても、研究というか、非常におくれておるのじゃないか。いまのままいくとするならば、各個ばらばらにいって、最終的にはそれぞれ別個になるような形になる。それを途中で、でき上がったものを一元的にしていくということは、なかなか困難だ。最初からこういう方向でこういうようにやるんだという方針を示しておいたほうが、やりやすいのじゃないかというように私は考えるわけであって、そういう点についても十分にひとつ、そういうことが複雑になって、最終的にやりにくいというような段階にならぬように、いまから郵政省としても、あるいは運輸省としても、十分にこの外郭団体の公社、公団とも、あるいはNHKあたりとも連絡をとって、その基本的な問題をまずきめてからやっていかなければならぬじゃないかというように私は考えるわけであって、政府としてもそういう点をひとつ今後十分に検討して、早急に具体的な結論を出してもらいたい。 それからもう一点は、四十五年に実用衛星を実際に打ち上げてから使用する段階に入る、こういうことでありますが、そうすると、ここではっきり聞いておきたいと思いますることは、日本政府としては、衛星を外国に頼んで打ち上げてもらって、とりあえずこの実用通信を行なうというような考え方については、政府としてはありませんか。これは郵政大臣じゃない、だれか政府として、ひとつ統一ある答弁を願いたいと思う。これは必ずしも通信衛星だけの問題ではないわけであって、たとえば気象衛星の問題にしても、あるいは航海衛星の問題もあろうと思いますが、いずれにしても、四十五年までにわが国が打ち上げる能力を持たなければ、それまでわが国としては衛星というものを打ち上げることはやらない、こういう考え方であるのか、あるいは四十五年にかりに打ち上げる能力ができるといたしましても、それまでに、衛星そのものはいまの日本の技術能力でもできるわけでありまするから、それを外国に頼んで打ち上げて、一応の実用段階でやってみるという考え方は全くないのか、その点をひとつ明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○二階堂国務大臣 あくまでも国産技術を中心として実用衛星を打ち上げる、こういう考え方でござます。
○森本委員 そういたしますと、いまいろいろ言われておりまするように、外国に頼んで打ち上げるということはやらない、こういうことになるわけでありますが、しかし、考えようによっては、いま言った機構そのものがちゃんと整備されて、将来はこういう形において発展をさしていくということになるとするならば、いまの電電公社なり、あるいはNHKなり、あるいは国際電電、そういうものが研究しておる内容については、たとえ外国に打ち上げてもらっても、その技術的な進歩については早くなるということは明らかですわね。だから四十五年に確実にこれが打ち上げるという能力ができるということであるとするならば、これは四十五年までということになりまするけれども、かりにこれが何かのことによって延びるということになれば、いま日本で研究しておる問題については、単に机上の研究だけであって、それを実行段階、実用段階に移すことにはならぬわけです。それを実行段階に移すことにするとするならば、いまの日本の能力においても、外国に頼んで打ち上げてもらっても、現実にはそれだけ技術の進歩はできる。ただし、その場合には、一方に宇宙開発の総合的な計画をするところの一つの内容が政府の中になければならぬ、こういうことになるわけです。いずれにしても、この問題は政府の施策というものが非常に他の施策と比べておくれておる。しかも、政府の人たちが、あまりにもこういう問題にどうも戸惑っておるんじゃないか、妙にわかりにくい問題で、まあとにかく専門家の言うことをそのまま聞いておいたらということじゃないかと思うのですが、私はやはり、政治家というものはこれは技術屋じゃありません。技術屋じゃありませんけれども、やはり総合的な一つの科学技術分野の発展というものになってくると、これは一つの政治の部に入ってくると思う。だから、技術部面がいろいろあったにいたしましても、それをひとつめんどうくさがらずに、どういうふうにすれば日本の宇宙開発というものが各国に劣らずに進んでいくかということについては、もう少し政府が積極的に手をつけるべきである。こういう問題に手をつけるのが少しおくれておりはせぬかというような気がするわけであって、この予算委員会を通じて私は大いにこれを督励をしておきたいと、こう思うわけです。これは私の意見にもなりますけれども、ひとっこれは、いずれ機会を見て総理にも直接この問題を言っておきたいと私は思っておるわけでありますが、特に科学技術庁長官あたりは、いまの私の質問に対しまして、ひとつ誠意をもって今後とも政府部内としては十分に早急に検討し、実行段階に移すようにお願いをしたい、こう思うわけであって、最後に、科学技術庁長官の答えをもう一ぺん聞いておきたいと思うわけです。
○二階堂国務大臣 科学技術の進歩発達は目ざましいものがありまして、私は単に宇宙開発だけではなく、原子力の分野におきましても、おくれを取り戻さなければならぬ部面が相当多いと思っております。そういう面から考えますと、国の研究開発に関する投資なども、今後うんと予算をふやして、宇宙開発の問題等には真剣に取り組んでまいらなければならぬと思っております。できるだけ政府部内、関係各省との意見を調整いたしまして、できるだけ早い機会に一元化できるような機構を整備して、計画を立てて、強力に宇宙開発にも取り組んでいきたい、真剣に取り組んでいきたいという考えでございます。
○森本委員 それから電波関係でちょっと聞いておきたいと思いますことは、まず、自治大臣に聞きたいと思いますが、いまの公職選挙法についてはいろいろ言われておりますが、いまマスコミの機関としてはテレビが一番手っとり早いわけでありますけれども、選挙放送のテレビ放送をやりたいという気は自治大臣にはないのですか。
○藤枝国務大臣 現在のテレビの普及度等から考えまして、ぜひ選挙運動にテレビを利用することをやりたいと考えておりまして、現在の選挙制度審議会の選挙運動に関する小委員会にもこの問題を御審議いただきたいと考えております。
○森本委員 そこで、これは郵政大臣にお聞きしたいと思いますが、郵政大臣は過日の徳島におけるNHKのUHFの教育テレビジョン実験局の視察をしたあとにおいて、今後U、Vの混在の放送体制を考えていかなければならぬということを発表しておるわけであります。この内容についていろいろ私はお聞きをしたいと思いますけれども、時間の関係で特に私が聞いておきたいと思いますことは、いま言いましたところの選挙放送について、郵政大臣は今回このU、V混在ということを発表いたしておりますが、この関係から見て、この選挙放送のテレビ放送ということを、具体的にどういうふうに実行しようと考えておられるのか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○小林国務大臣 これは私の所管外でありますが、私もテレビは選挙放送に活用すべきだ、こういうふうに思っておりますが、最近調べまして、もしたとえば一人の候補者に十分間許す、認める、こういうことにすると、東京関係だけでも約三十八時間、こういうふうなことになりますので、相当いまの時間をさくのについては困難性がある、かように考えられます。たとえばそれを五分にすれば、十分選挙運動期間中にそれが入る、こういうふうなことが言われておりますが、やはりやるならある程度の時間を認めざるを得まい、こういうふうに思っております。 それで、いまのVの放送局の範囲においては、時間を少し長くするということは非常に困難性がある。したがって、もし少しでも、たとえば十分あるいは十五分、こういうふうな時間になれば、またもう少し放送局等の波についても考えざるを得ないのじゃないか、こういうことを考えております。いずれにいたしましても、今後は新しい免許というものはUによらざるを得ないであろう、こういうふうにわれわれは考えております。
○森本委員 いま郵政大臣の答弁がありましたように、いまのVのいわゆるテレビ放送網からいくとすれば、たとえばこれは関東では、大臣が言われたように、いまの候補者からいくとするならば、一回分十分で三十八時間かかる。三十八時間かかったのではいまの放送ではとうていでき得ない。だから私が聞きたいのは、具体的に今度のU、V混在の放送体制をしがなければならぬと言っておるところの郵政大臣の談話からして、これを実現する場合には、この選挙放送のテレビ放送を行なうには一つのいいチャンスである。そういう場合に、具体的な構想として郵政大臣としては、いわゆるこのU、V混在における放送体制の新しい分野にわたった場合に、具体的にこの選挙放送というものをどういうふうに置局方針に盛っていくつもりであるか、それをいま聞いておるわけです。
○小林国務大臣 これはテレビを用いるとなると、どれだけの時間、こういう問題が必ず出てくるわけでありまして、これらについては選挙当局のほうからどれだけということをおきめになって、そしてまたわれわれにも御相談がある、われわれとしてはできるだけテレビが活用されるようにくふうをしなければならぬ、こういうふうに考えておりまして、今後の問題としてこれは検討したいと思います。
○森本委員 これは今後の問題として検討しておったのではもう間に合わぬのであって、いままでに相当検討していなければならぬわけである。結局これをはっきり言えば、いまの行政区域によるところの県域放送というものを、たとえば関東、近畿等においても許すかどうかという問題になってくるわけです。要するに、いまの関東あるいは近畿においては、広域放送圏を持っておるわけでありますが、このいわゆる広域放送圏というものに、行政区域によるところの県域放送というものを許していくかどうか、これをまず聞きたいわけです。これがたまたまU、V混在ということになるとするならば、Uのチャンネルが三十六チャンネルから五十チャンネルまでとれるとすれば、今回が一番よい機会になってくるわけです。この機会をはずしたならば、県域放送というものはなし得ない、こういうことになってくるわけであって、その根本的な考え方というものを、今回のU、V混在という問題については、その県域放送の親局を許すかどうかということを聞きたいわけです。
○小林国務大臣 いまの広域放送に対して、狭域の放送の親局を認めるかどうか、こういうことについてはまだ考え方が熟しておらぬ、こういうふうに申し上げて、これからの検討に待たなければならぬと思います。
○森本委員 これから検討しておったのでは、自治大臣がテレビの放送をやりたいということを言っておっても、現実にこの問題が解決つかない限りは、選挙放送はやれない、こういうことになるのでしょう。いまの関東の広域圏放送においては、テレビの選挙放送についてはやろうにもやれぬでしょうが。
○小林国務大臣 いま私が申し上げたように、五分か十分ならやれないこともないが、それ以上の時間になれば、いろいろまた対策を考えなければならぬ、こういうことでございます。
○森本委員 五分にしてもこれは十九時間になるわけであって、三日に分けてもこれは現実になかなかやれませんよ。かりに十分で三十八時間として五分で十九時間、しかもそれが同じ候補者に対して同じようなゴールデンの時間をうえようとするならば、いまの広域圏放送では、テレビの政見放送というものはできぬということですよ。一分のテレビ放送なんというものはないので、最低五分間はやらなければテレビ選挙放送はできないわけですから。そうすると、これは関東と近畿を除けば別でありますが、いまの関東の広域周放送では、現実には選挙放送のテレビ放送というものはできない。だから、これをやろうとするならば、私が言っておるように、いわゆる行政区域内における県域放送というものを認めざるを得ないのではないか、こういうことを言っておるわけです。それは検討中だということになると、検討しておるということと、やりたいということと、——これはもうだいぶ昔から、選挙放送についてはテレビ放送を使いたいということを言っておるわけですから、この理屈は専門家ならよくわかっておるわけで、いまごろになって検討しておるということは、おそいといえばはっきりおそいですよ。大体、大臣が徳島で得々と談話を発表したときに、そのくらいのことは頭の中に入っていなければ、この談話は本来ならば発表できないはずです。しかし、しいて、内容はまだ検討中だといえば、これ以上追及してもしょうがないのですが、ただ郵政大臣としては、選挙放送のテレビ放送についてもやりたいということについては、自治大臣と変わりがない、それは間違いないですね。
○小林国務大臣 これはいまの国会のお考えもあろうし、政府の考えもある。そういうところでもって、ぜひやりたいと言えば、一つの国策でありますから、国策を実現するために、テレビのほうでもできるだけ協力をしなければならぬ。したがって、それに対する体制をまた考える、こういうことになります。
○森本委員 徳島の談話については、他の大臣にも影響するところが多いわけでありますが、時間が来たようでありますので、あと一つだけ、農林大臣がおられますのでちょっと聞いておきたいと思います。 これは前から郵政省と農林省、自治省の間で意見がちょっと食い違っていますし、またその背後勢力においても、若干意見が違っておる問題を簡単に聞いておきたいと思います。 実は例の有線放送電話の問題でありますが、これについてはこの前の法律改正によっていま有線放送電話審議会というものがせっかく郵政省の中にできておるわけであります。そこで鋭意審議をしておるわけでありますけれども、現実の問題としては、いま有線放送電話というものをつくっておる人は、何とかしてこの機構を残しておきたいという意向が、農協関係あるいは市町村役場のほうにおいて強いということは事実であります。しかしこれを、われわれが言うようにいまの電電公社がやっておりまする農集というものに電話を振りかえ、そしてこの放送網についてはこの農集に転化維持していくとするならば、この通話をするという農民の要望、それから町村民の要望、さらに放送というものを享受するという点からいっても、いまの価格からいたしましても、たとえば一般の有線放送電話を自動化する場合には三万三千円から三万五千円程度かかる。ところがいまの農集についてこれをやろうとすれば一万三千円程度でできる。さらにその上に放送設備を添加いたしましても、大体二万円程度でできる。一方の有線放送電話については確かに三万三千円かないし三万五千円程度かかる。初めから一万円程度の差がある。しかもこれがいわゆる災害あるいはまたその他の風水害があった場合には、一方の有放電話については、これはそのまま自分たちの力で直さなければならぬ。ところが農集の場合については、これは公社が全部費用を見て直すというようなことで、ここで明らかに利害損得というものが出てきておるわけです。この辺について、有線放送電話審議会は審議会として審議していくということについてはこれはけっこうでありますけれども、政府としてもこの問題について特に関係の深い農林大臣、郵政大臣、自治大臣、三者あたりが協議をして、一体政府としてはどちらを保護育成をしていくべきかという点について、私はここらあたりで政府の考え方を明らかにしていく段階ではないか、こういうように考えるわけであります。これはひとつ農林大臣にちょっと聞いておきたいと思うのですが……。
○倉石国務大臣 有線放送につきましては、放送とそれから各戸連絡という両機能を備えておりますし、それから農業の生産流通等の情報を交換するというようなこと、それから農協活動を円滑に推進してまいる等のことで、農山村の振興にも大いにいままでも力があったわけであります。また将来はますます有線放送に期待するところも大きい次第でありますからして、いまいわゆる一元化というようなことにつきましても、われわれは慎重に検討いたしたい。ただ、ただいまお話のございましたように、農集その他の新しい計画等も加えて特別委員会でいろいろ御検討の模様でございますので、農業の人々といたしましては、自分たちが一ぺん便宜を与えられ、それを活用するいい味を覚えますと、やはりそれを守っていきたいという考えを持つのも当然なことでございますので、そういう委員会の御研究の結果が出てまいりますれば、政府部内においてもわれわれの目的が阻害されない限りはひとつ御協力をしてまいるようにいたすべきではないか、こう思っております。
○森本委員 それでは最後に、いま農林大臣が言われましたけれども、こういう問題について、まだ農林大臣としてはちょっと奥深くまで検討しておられぬような答弁もあるわけでありますので、ひとつこの点については郵政大臣あたりとよく内容について、一度とことんまで話をして、納得がいった形においてやってもらう、要は農民のためになるほうがいいわけでありますから、どちらにしても。これは農林省だ、郵政省だといって、所管争いをするということよりも、ほんとうに農民のためになる放送設備、通話設備がどうしたらできるかということを真剣に検討してもらいたいということを要望しておいて、時間でありますから終わります。
○植木委員長 これにて森本君の質疑は終了いたしました。 次に、山崎始男君。
○山崎(始)委員 最初に建設大臣にお尋ねをいたします。建設大臣、あなたにお聞きするのです。私はきょうは、本州と四国の架橋の問題を中心にお尋ねをいたします。 まず最初に、建設大臣にお尋ねしたいことは、建設省のほうは、昭和三十年から調査費を上されまして、十数年間御調査された。いまから七年ほど前に土木学会へ建設省と運輸省が委託をされまして、今日までざっと四十二億余りの調査費を計上されてまいったことは御承知のとおりだと思うのであります。それで土木学会が技術調査をいよいよ打ち切って、来月、五月の十九日に最終の答申を政府に向かってするということを聞いておりますが、そのとおりでございますか。
○西村国務大臣 大体五月の十九日に最終的にまとめたいということを聞いております。予定でございましょうが、そういうことになっておるようでございます。
○山崎(始)委員 そうすると、運輸省のほうからも委託されておるのですが、いまの建設大臣の御答弁と同一に解釈してよろしゅうございますか。
○大橋国務大臣 土木学会に対する調査の委託は、運輸省関係の鉄道建設公団と建設省と共同でやっておりまするので、同一でございます。
○山崎(始)委員 大体五月の十九日には最終答申が出る、こういう解釈ができるわけなんですが、そこで私は、これは実は総理大臣に主としてお尋ねしたかったのでありますけれども、総理大臣がお差しつかえがありますので、代理として稲永官房長官に御出席願ったのであります。そこで私がお尋ねをいたしたいことは、いまお話しのように、四国本州の連絡橋の技術調査委員会縮小委員会が、去る三月の中旬、それから下旬にかけて専門部会が開かれ、それが新聞に発表されましてからにわかに国民の関心を高めた。私は、今後のこの土木学会の結論、それが出ますと、引き続いて政府はルートの決定をやらなきゃならない。技術的に、経済的に、そうして地域の発展はもちろんでありますが、日本の国土開発の将来の方向にこの問題は重大なる影響を及ぼす問題であるだけに、国民は非常な関心を持っております。私は現段階において、基本的な問題についてまずお尋ねをしたいのでありますが、昭和三十七年に河野国務大臣は、日本の将来の産業開発の拠点は瀬戸内海時代が来る、こう言っているのですね。また、昭和三十九年の二月には、現在ではもう本州と四国の間に橋をかける、かけぬなんという問題ではなくて、その完成をする時期はいつであるかという、時期の問題になってきている、こういうふうな発言をされておられるのです。これは建設委員会でやっていらっしゃるのですが、あなたは日本列島の再開発といいますか、国土の総合開発と日本産業発展の立場から見て、まず瀬戸内海というものが、いわゆる瀬戸閥というものが持つ役割りというものに対してどういうふうな御認識を持っていらっしゃいますか。この点はあなたと同時に宮津経済企画庁長官にお尋ねをしたいのでありますが、福永長官房長官は将来総理大臣になられる器だろうと思うのでありますので、きょうはひとつ総理の代理として、総理大臣の立場で私は御答弁願いたい。
○福永国務大臣 瀬戸内海地域の、日本全体の中で、いま山崎さんが指摘されたような意味における重要性というものは、特に大きなものがあると私は考えておる次第であります。国土の狭いわが日本が、先ほどからもお触れになるような意味においてきわめて効果的に再開発をしていくことはぜひ必要であろう、さような観点から、四国と本州との間にすみやかに橋などもかけるべきであるということは当然に政府が考えなければならぬことであることを、私は強く感じておる次第でございます。
○宮澤国務大臣 御承知のように、東京湾あるいは伊勢湾等の先進工業地帯と並んで、瀬戸内海が急速に工業地帯としての体制を整えつつあるわけであります。申し上げるまでもないことでございますけれども、水島、福山あるいは岩国、徳山、この辺に石油化学工業あるいは鉄鋼業等のいわゆる装置産業がすでにかなり進んでおりまして、それとの関連で水島、広島、姫路等に機械工業が発展しつつある、そういう資本の集積かできつつあるわけでございます。こういう資本の集積の波及効果が四国、ことに南四国、それから山陰等々にも波及していくことを、これから私ども願っておるわけでございます。海のほうが少しずつ手狭になりつつあるという心配はございますので、来島海峡であるとか備讃の瀬戸であるとかいうものの開さくが必要になりつつあります。また、公害等についても考えなければならないと思いますが、そういう瀬戸内海を中心とした一円のかなり大きな資本の集積ができつつある、こういうふうに認識をしております。
○山崎(始)委員 官房長官にお尋ねするのですが、いずれにしましても、先ほどの御答弁のように、五月の十九日には一応最終で答申が出てくるということなんでありますが、答申が出てきますと、次にはルートの決定を政府はやらなければならないという段階はあたりまえのことだと思うのであります。このルートの決定をどこにするかという問題、現在では三カ所あることは御承知だと思いますが、何といたしましても、ばく大な国民の税金を使ってかけるのでありますから、非常な関心を持つと同時に、どこの場所にするかということは万人が納得するものでなくてはならないことは、これまた申し上げるまでもないことだと思います。そこで、ルートの決定をする場合に、一体政府はどういうふうなものさしを持っていらっしゃるかということなのであります。ものさしといいますか、基準といいますか、どういうふうな基本的な基準のもとにルートはどこにきめるか、その基準はどういうものかということをお書ね申し上げたいのであります。
○福永国務大臣 ルートを決定すると申しましても、ずっと将来まで一つだけかけただけで、あとはかけないかどうかというようなこと等も多少関連して考えなければならぬと思います。なかなかむずかしいが、比較的ここがよかろうというような観点から、まずどこかにかける、そしてまた、あれだけの地域でございますから、必ずしも一つだというような考えにとらわれる必要もないこと等もあるいは考えていいのではないかということもございましょう。そこで、いずれにいたしましても、経済効果、それから幾らかかってもいいとまでは言えないので、したがって、これにどういう程度の費用がかかるかとか、安全性の問題とか、いろいろございましょう。私は専門家ではございませんが、先ほどから答弁申し上げておりまする建設大臣や運輸大臣その他関係者とこれはよく検討いたしまして、いまお話のごとく国民の税金を多額に使ってかけるのでございますから、なるほどというところにかけなければならぬと存じまするし、同時にまた、なるほどということの探索のためにいつまでもかかっておって、一向にきまらぬということもこれまたいけないと思います。さような点を総合的に判断いたしまして結論を出すべきである、かように考えております。
○山崎(始)委員 私は、ルート決定には大体基本的な大きな要素としては四点あると見ております。まず第一点は、あくまで国土の総合開発の立場、これがまず第一点ではないか。第二点は、やはり人間尊重の立場から、いわゆる安全性の問題、言いかえますと、まだ世界でも例のないような長大橋、しかもある場所によりますと日本の技術ではいまだかつてやったことのないような、千五百メートルのスパンとかいうような問題が当然控えておる。したがって、人間尊重の立場から、安全性がその次にくるのではないか。三番目といたしましては、やはり経済効果の問題、言いかえますと、四国という低開発をいかにレベルアップするかというような問題、そういうふうな問題もある。その値いろいろな幅の広い経済効果の問題も私はあると思うのでありますが、単なる道路公団に道路をつくらせて何十年でペイをするとか、自動車の交通量が何ぼかというような表面的な経済効果だけではないと思うので、非常に幅の広い経済効果の問題を考えなければならないのじゃないか。それから四番目に私が考えるのに、以上言いました三点、総合開発なり、あるいは安全性の問題なり、あるいは経済効果なりという問題にあまり差異がなければ、たいした相違が出てこないのならば、少なくとも国民の税金を何千億というて使うのでありますから、最も安いところへかけるということ、大体こういうような問題、これは航路の安全とかいうような問題もございまするが、それはあとでお聞きします。大きく大別しますると、大体四つぐらいのものさしというものが、ルート決定をする立場として政府になくちゃならぬのじゃないか。この点についてあなたはどういうふうにお考えになるでしょうか。
○福永国務大臣 ただいま御指摘の点は、私も拝聴いたしましてまことにごもっともである、かように感じておる次第でございます。将来大いに参考にさせていただきたいと存じております。
○山崎(始)委員 どうも私は、いまの、もうすでにルートの決定をこれからやらなければならぬ政府の答弁としては、今後大いに参考ということばは、ちょっと受け取れぬのですが、それはよろしいとして、そういうふうな基本的なものさしというものを早くきめられて、いよいよルートの決定をやらなければならないと私は思うのです。 それならば、次にお尋ねいたしまするか、ルートの決定は——これは道路局長はいらっしゃるですか——道路局長かある会合の席上で、本年の八月中ぐらいまでには、ルートの決定をしたいという発言されていらっしゃるのであります。そこまで切迫しているということなんでありますが、一体、政府はその決定をする目標時期というものはどのへんに置いていらっしゃるかということなんです。
○西村国務大臣 ルートの決定のことでございますが、まず建設省といたしましては、土木学会からの報告を受けますれば、その報告をやはり審査をいたしまして、諸材料を整理いたしまして、そうして一ぺん見ないといかない。どういう答中、どういうことになっておるか、もちろん断片的には知っていますけれども、どういうことを最終的に答申してくるか、やはり材料を整理してみなければ、その材料も相当に大きいわけでございます。したがいまして、終局的には、山崎さんが言うように、ルートの快走をするための諸材料でございます。そこで、一体それはルートの決定をいつごろまでにするのか、こういう端的なお話でございますのが、やはりこのルートの決定をしますのにも、御案内のように建設省だけではできません。鉄道のほうは鉄道で、併用橋にしようじゃないかという意見があります。また、ばく大な予算を使うことでございます。またもう一方は、国土の開発効果、こういうようなことも考える点においては経済企画庁も関係いたしましょうし、各省に関係を持つわけでございます。したがいまして、こういうような重大な問題でございますから、政府だけの機関は、もちろん協議会をつくったりいろいろなことをして連絡をとらなければならぬ。けれども、そのルートの決定についてやはりある機関が要るんじゃないかというようなことも考えられるわけでございます。したがいまして、ルートの決定はいつごろになるか、こう言いましても、いま直ちにいつごろになるとは答えられませんが、報告書を受けましたらそれを整理して、少なくともルートを決定する諸材料を早目にひとつつくり上げたいというのが大体私の考えでございます。いままだその報告書を受けておりませんから、それに基づいて諸般の準備をいたしたい、かようにいま考えておる次第でございます。
○山崎(始)委員 道路局長は八月中ぐらいまでに一つの目標時期としてルートの決定をしたいとあなたはおっしゃったはずなんですが、どうなんでしょうか。
○蓑輪政府委員 お答えいたします。 私、昨年の秋ごろそういうような話をしたことはございます。実はその当時のスケジュールといいますか、予定でいいますと、本年度の三月一ぱいぐらいに土木学会の最終報告書を受け取るということで、あと道路局といたしましては、その報告に基づいて最良の橋梁計画につきまして、いろいろ、どのくらい金がかかるか、工費、どのくらい期間がかかるか、工期、こういうものを検討いたします。またいろいろ開発効果その他も、いままで行なっておりますものを全部整理いたしまして、やはり建設省だけではきまりませんので、そういうものを整理いたしまして、各省と折衝に入るという時期を大体八月ぐらいに予定しておったものでございます。そういう意味から八月ぐらいまでにそういうようなものを全部整理したいということが、八月に決定するということにとられたのではないかというように考えております。
○山崎(始)委員 いまの道路局長のお話を聞きますと、要約をすると、土木学会の最終答申が三月の下旬には出るだろう、これが前提になっておるのでありますね。土木学会の最終答申は非常に延び延びになっておることは私も知っております。その最終答申が三月の下旬に出るだろうといったその推定に基づいて、昨年に、来年の八月中ぐらいまでにルート決定の目標時期を置いたと言われている。そうすると、その三月の末に出る最終答申が五月の十九日に延びた。でありますから、あなたの、八月中に、三月の米から五月の十九日までの日にちをプラスした日にちぐらいが大体最終目標だという解釈をしてよいことになるのでありますが、それでよろしゅうございますか。それは建設省だけのことを聞いているのですよ。
○蓑輪政府委員 お答えいたします。 ただいまの三月の終わりに答申を受けまして、それで各省にいろいろ説明いたします資料は八月中に整えたい、それが報告書がおくれますと、その分だけはおくれるということでよろしいと思います。
○山崎(始)委員 大体わかりました。そうすると、八月中というのを、せめておまけをつけて二カ月見ても、まあ十月中までにはルートの決定がなされるという理解をいたします。それでいいんですね。
○西村国務大臣 どのルートにするかというのは道路局長が決定するものではございません。道路局長は、どういうようなルートの決定をするか、その諸材料をすべて集めて、なるべく早くそのルートを決定したいという意味を言ったんだろうと思うのです。いま申しましたこのルートの決定は、省内においても諸般の準備が要ります。おそらく協議会をつくっていかなければならぬ、また、それだけでも済まなく、やはりもう少しルートを決定する民主的な方法も考えなければならぬかと思っておるので、まあ道路局長はどう言いましたか知らぬが、ルート決定の諸材料を、出てきたら早くひとつまとめたい。まだどれだけの金がかかるかということもきまっていないわけでございます。いろいろな準備が要るわけで、いま二カ月おくれたから二カ月の後にルートが決定されるかということを言いましても、それは私はできない相談だと思います。
○山崎(始)委員 それならば大臣にお聞きしますが、大体ルート決定の諸材料がそろうのがそれだけおくれた、その最終にルート決定をどこにするかというのは、それからまだ準備が要るからかかると占われますが、もうすでに今日の段階になって、五月十九日には最終答申が出るという、過去十年間以上もやられておって、このどたんばにきておって、あなたとして大体どのくらいな日にちにはルート決定をきめたいという目安は当然私はあってしかるべきだと思うのです。大まかでけっこうです。あなたのお心持ち、運輸省や他のことをお考えになる必要は私はないと思うのですよ、あなたのお気持ちをお聞かせ願いたい。おおよその目安でけっこうです。
○西村国務大臣 それはやっぱり諸材料がそろってからすべてをきめるというわけじゃありません。その報告を受けますれば、それを進める段階も並行的にいくわけです。しかし、時日の要するのは、諸材料や建設費等も計算しなければなりませんから、いろいろなものをそろえてから、それをいつごろの段階までにきめるかということは、いまちょっと予定が立たないわけでございまするけれども、相当の前からもう調査もいたしておりまして、その報告書のあれががちっとしたようなことになれば、わりあいに早くきめられるかもしれぬし、またしかし、その報告書の受け方によっては、やはり慎重な態度で、長引くかもしれぬのでして、いま二、三カ月の間にきめられるかなんと言われましても、いまのところちょっと私は予定が立ちかねるのでございます。
○山崎(始)委員 運輸大臣にお尋ねしますが、運輸大臣とすると、大体の目標、目安といいますか、いつごろぐらいまでにはルート決定をしたい、そのお目安はいつごろか、お聞かせ願いたいと思います。
○大橋国務大臣 運輸省といたしましても、ただいま建設大臣が仰せられましたとほぼ同じような感じを持っておるのであります。すなわち、近く土木学会の調査の結論が出る段階になっておることは確かでございますが、おそらく、その結論として示される内容は技術的に架橋が可能かどうか、また鉄道と自動車道の併用橋が可能かどうか、こういう点は今度の報告によって確かにはっきりする、だろうと思うのでございます。そこで、それ以上にこの橋の計画を進めるということになりまするというと、なお細部にわたる橋染の設計、施工上の研究が第一に必要であります。また第二に、概算工費の試算あるいは工期の推定、経済効果の推定、こういった調査が必要になります。第三には着工のための具体的な調査、たとえばアプローチをどうするかとか、あるいは地質の調査をどうする、橋脚の設置の場所というような点についての詳細の調査、こういうような調査が必要となるのではなかろうか。したがいまして、今度の土木学会の報告だけで直ちにルートの決定が可能であるか、あるいはさらに今後の第二段の調査を重ねた上でなければルートの決定がむずかしいのであるか、これはひとえに土木学会の報告の内容を検討した上で決定されるべき事柄だ、こういうふうに思うのでございます。現在の段階で、内容がわかりません今日、大体いつごろであるというような目安を申し上げることは非常に困難な事情にあることを御了解賜わりたいと存じます。
○山崎(始)委員 次に、お尋ねいたしたいことは、いまもちょっと建設大臣が触れられたのですが、かりにルートの決定を政府がやられるときに、政府だけの関係機関がお集まりになっておきめになるのか。当然政府の責任においてきめるのですが、その方法論の問題なんです。あるいは本四連絡架橋審議会とか、その他何とかいうような名前の審議会みたいなものをおつくりになって、それの答申を得てきめるという方法論をとられるのか、いずれでしょうか。いまちょっと建設大臣も触れられたように聞いたのですが。
○西村国務大臣 いま私審議会等と申しましたのは、私の私児でございまして、まだこれは関係閣僚にも相談しておりません。総理にも相談しておりませんが、やはりこれだけの大きい問題でございまするから、やはり少なくとも民主的な方法をある程度とるべきじゃないか、こう思われるわけであります。非常に事柄が重大でございます。いわんや、この日本の開発効果というようなものも、山崎さんがおっしゃいましたように、この架橋の重大な任務でありまするから、やはりそういう方法をとるほうが私としてはいいの、じゃないか、その他もちろん政府内におきましては協議会を関係の省でつくるというような方法で進むべきじゃなかろうか、しかし、いずれにいたしましても、早く決定したいという気持ちだけは、こちらは持っておるわけでございます。
○山崎(始)委員 官房長官に、これは私お願いというか、要望を言いますが、いまお話しのように、早晩いずれにしても最終答申が近々に出ることはわかっていますね。そうしたら、いまも言いますように、八月か、九月か、十月中くらいまでには諸材料をそろえる作業が一応完了するのだ。そうすると、ルートの決定をやはりやっていく作業に政府はかからなければならない。そうすると、重大なる問題でありますから、どういうふうな方法論でルートの決定をやるのかという心がまえは、私は早急におきめになる必要がありはしないかと思いますので、その点は十分私は御考慮願いたいと思うのです。 さらに、これは運輸大臣にお尋ねいたしますが、このルートの決定をやる前に、今度の土木学会の答申案では単独橋並びに鉄道併用橋の両方が出てくるだろうと私は思っておりますが、このルートの決定をする前に、大切な問題が一つ私はあると思う。それは、単独橋にするほうが経済的に有利で、効果が大であるか、併用橋のほうが効果が多いのか、どちらが多いのかということを大体私はきめるべきだと思うのであります。単独橋か併用橋かという問題なんですね。それで私の意見を言わしてもらえば、大体この二割くらいなアップならば、鉄道の持つ重大なる役割りといいますか、長距離の大量輸送というた場合は、貨物自動車あたりより鉄道のほうがおそらく運送コストというものが十分の一くらい私は低いと見ています。また、鉄道というものと地域開発というものは、これは地域開発には鉄道は非常に大きな効果を持っている、こういう面から見て、全体の金額から見て二割くらいのアップで、ばく大なアップでないのなら、私は併用橋にしたほうがいいと思うのですが、運輸大臣のお気持ちはどうでしょう。
○大橋国務大臣 私がいままでいろいろな方から伺っておるところからの感じを申し上げますと、おそらく併用橋にするほうがいろいろな点から効率的であろう、こういうふうに承っております。
○山崎(始)委員 次に一点お伺いいたしたいのは、航行の安全性という問題なんですが、つい三月の中旬ごろでございましたか、あれはリベリアの六万一千トンほどの船がイギリスの海岸で座礁しております。十二万トンほどの原油が流れちゃって大騒ぎをやっていますね。飛行機まで出し、ヘリコプターまで出して、その油がフランスのほうの海岸まで流れていったとかいうような、非常な公害問題を起こしている。ここで、きょう現在橋をかけるルートが三つございますが、将来この橋がかかるのはどうしても十年先ですね。そうすると、おおよそ十年先の時限に立ってものを判断しなければなりませんが、きょう現在、世界の船の趨勢というものは、大型タンカーの時代に入っていっています。もうすでに出光丸は二十万九千トン、石川島造船では二十七万トンという船を数隻注文を受けている、こういう時代なんです。そこで、そういう大型タンター時代というものを前提において判断した場合に、三ルートに対する航行の安全性というものは非常に重大なる関連があると私は見ているのですが、その点に対して、あなたでなくても、船舶関係の局長さんでもけっこうでございまするが、そういう面に対する考慮を私は払う必要があると思うのであります。それは架橋の期間中はもとより、架橋後の問題として、結局そういう航行の安全性というものと架橋というものとの関連、これは非常に重要なる役割りを私は持つと思いますので、その点に対する大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思うのです。
○大橋国務大臣 仰せのごとく、ただいま本州−四国間の架橋が予想されておりまする三地点は、いずれも瀬戸内海の航路上の要点に当たっておるところでございまして、ここには将来架橋が行なわれるといなとにかかわりませず、そろそろ船舶の航行につきまして、安全上何らかの措置を考えなければならぬ状況に相なっておる次第でございます。そういうところに架橋をいたすのでございますから、架橋にあたりましても十分航路の安全性に留意すべきはもちろんでございますが、この橋の設計そのものは、もとより船舶の航行の安全については十二分に配慮された上で実施されるべきものであることはもちろんでございまして、その点は当然のことと存じております。
○山崎(始)委員 この問題について、もう少しこまかくお聞きしたいのですが、時間がございませんので、大きな問題だけにとどめます。 経済企画庁長官にお尋ねいたしますが、これは申し上げるまでもなく、やはりこのルート決定に対しては経済効果という問題が非常に大切な問題になってくる。当然、経済企画庁とすると、この三ルートに対する経済効果というものは、もうすでに作業が相当程度進められておるのじゃないか。また、おらなければ私はうそだと言いたいのですね。いまの建設大臣なんかの御答弁では、何だかこれから経済効果を調べるのだというようなニュアンスのある御答弁ですけれども、そんなばかなことはあり得ないのであって、当然経済効果というものは重要なる役割りを演ずるのですから、私は、建設省は建設省、運輸省は運輸省単独でこの経済効果も調べていらっしゃるだろうが、やはり何といいましても経済企画庁、おたくのほうでは十分な御調査がなされておると思います。その点に対する御答弁を願いたいのであります。
○宮澤国務大臣 四年余り前に産業計画会議というところへ主としてそういう観点からの調査を委託したことがございます。ただ、現在になりますと、もうだいぶ時間もたっておりますしいたしますから、土木学会の報告が出ましたのを契機に、私どもとしては、主としてその方面の調査をして協力をする当然のつとめがあると思っておりますが、ただいままでその産業計画会議の報告以来、実は具体的にこうなった場合にこうという、お目にかけるほどの調査はいたしておりません。
○山崎(始)委員 そういたしますと、四年ほど前に産業計画会議に架橋に関する経済効果に対する諮問をされたということですね。その諮問の結果は一どういうふうな答申がなされておりましょうか。
○宮澤国務大臣 これは山崎委員も当然御承知のことでございましょうが、お断わりを申し上げておく必要がございますのは、この調査は、主として経済、産業面から、その時点において、しかもかなり限られた時間でお願いをしたものであります。したがって、技術的な面あるいは経費の面、ことに技術的な面が一番問題でございましょうが、それについてはほとんど触れておりません。そういう前提の上で、計画会議の当時の調査書は、下津井−坂出間に優先順位を認めるものである、端的には、その観点からはそういう結論を出しております。
○山崎(始)委員 今後なお、経済企画庁のほうでは、この経済効果の問題に対しておそらく十分作業をおやりになるだろうと思います。ただ、私が要望申し上げたいことは、最初に私が申し上げましたように、三ルートともおそらくおのおの特徴のある経済効果が私はあるだろうと思うのです。かりにうんと東のほうへ橋をつけますと、いわゆる阪神を控えた淡路島あるいは徳島というようなものに、この資本主義の自由主義経済でございますから、その波及効果がいくという一つの特徴が私はあるだろうと思うのであります。それからまん中のほうへ橋をかけた場合には、いわゆる四国の中心、中国の中心、そういたしますと、その波及的な経済効果というものは、いわゆる低開発の四国というものと中国というものとが結ばれる、それがひいては九州に関連が及ぶ、それが日本全体に関連が及ぶという、また違った意味の経済効果が私はあるだろうと思うのです。いずれにいたしましても、時間があまりありませんので端的に申し上げますが、あくまで、どういう経済効果が十年先に一番合理的なのか、先ほど申し上げたように、単なる自動車の通過台数が何ぼで、限界投資がどうだとかいうような問題でなくて、広い意味での社会開発も含めた、そうして地域格差の是正であるとか、あるいは公害の問題であるとか、いろいろな問題を含めた、広い、幅のある立場から経済効果というものを私はぜひ御研究になっていただきたい。これは、時間がございませんので、要望だけにとどめておきます。 それでは次に、建設大臣にお尋ねいたします。昭和三十年度からあなたのほうは調査費を計上して調べていらっしゃるのですが、大体きょう現在までの、これは大まかな総工費の総金額でけっこうです。各ルートに対する数字的な、大まかな点だけでけっこうですが、それのあなたの御答弁によって、今後物価が値上がりをした、鉄が上がった、セメントが上がった、経済基盤が違うじゃないかといって私は責任を追及する意思はございません。少なくとも調査費をずいぶん使われておるのですから、どのくらいの総金額がきょう現在各ルートに要るかという点を、ちょっとお聞かせ願いたいのであります。
○西村国務大臣 建設費の点は、目の子算用でいえばわかりますけれども、とにかくいまのところ権威のある、精算したような、発表すべきような数字の建設費は持っていないのです。一キロメートル当たり幾らくらいかかる、だろうかというようなことならわかりますが、はっきりした数字は実は持っていないのです。したがいまして、今度調査報告をとりますれば、それによってはっきり基礎の量、セメントの要り方、鉄の要り方、あるいは規模によって労賃はどのくらい要るかということではじき出せるのでありまして、ほんとうの口の子算用、何千億だというようなことを言いましても、それは権威のないことでございますから、はっきりした数字は、いま申し上げられないのが現状でございます。
○山崎(始)委員 本年度の調査費は、本四連絡橋に関して、これは運輸省、主として鉄建公団のほうになりますが、建設省のほうで約十億前後だという記憶なんですが、そうでしたね。
○西村国務大臣 ことしの調査費は、建設省は三億二千万でございます。いままでに使っておった金は、さいぜん山崎さんは四十何億とか申されましたが……。
○山崎(始)委員 本年度まで入れて。去年までが三十一億ほどです。
○西村国務大臣 去年までは、私のほうの調べは二十……。
○山崎(始)委員 全部です。
○西村国務大臣 少なくとも四十二年度は、三億二千万建設省は見ておる次第であります。
○山崎(始)委員 運輸省は本年度は幾らでしょう。
○大橋国務大臣 鉄道建設公団といたしましては、今年度は七億円でございます。
○山崎(始)委員 それからこれは、土木学会の第一回目の答申が昨年の三月中句に出たはずですが、運輸省と建設省が委託されたときに、工事をする期間の問題、それから工事費の費用の問題は委託をしておらないと言われる関係か知りませんが、去年の三月中句の中間報告では、五つ当時ありましたが、各ルートとも技術的には可能だという答申が出たことは御承知だと思うのであります。私たち国民の立場からいたしますと、こういう答申には納得がいかないのであります。技術的には各ルートとも可能であるという。言いかえますと、十年先に可能なのか百年先に可能なのか、学問上可能なのか、そうしてそれは工費を聞いてないのでありますから、一兆円かければ可能なのか、三兆円かければ可能なのか、その限定というものが全然ないのですね。去年の三月の土木学会の答申に対して、国民は相当不信感を持っておると私は見るのです。ここで実は、私は委託をされた青木委員長にきょうは来てもらいたかったのでありますが、これは参考人でありますので急に呼べなかった。したがって、これは委託を、された運輸大臣、建設大臣に私がお願い申し上げたいことは、五月の十九日に最終答申が出る以上、また去年の三月と同じように各ルートとも技術的には可能でございますというような答申だったら、私は国民は承知しないと思うのであります。言いかえますと、各ルートに対して、どこそこのルートは技術的にむずかしいとか、みやすいとか、いわゆる難易度というものをはっきりさせなかったら、一体何のために国民の税金まで使って過去七年間土木学会はやったのかと言いたくなるのであります。 そこで、私がお二人にお願いを申し上げたいことは、十九日の答申に対しては、このむずかしい、みやすいという難易度をはっきりと示すべきである、示してもらいたいということを、私は運輸大臣、建設大臣が土木学会のほうへ要望をしていただきたいのであります。委託されたのはあなたのほうなん、だから。それがいまも言いますように妙な答申が出て、三月と同じように、技術的には可能だ、これだったらさっぱりわからぬ。その点、難初度を明白にすべきであるということをひとつ要望していただきたいのでありますが、お二人の御所見をお聞かせ願いたいのであります。
○西村国務大臣 私のほうの調査を依頼した目的は、架橋をやろうという最終的なあれでございますから、ただ可能だ——可能ということには山崎さんのおっしゃるような条件があって、無限に金を使って、無限の日にちをかければなんということは、やはりそれは学者としてはそういう報告はしないと思います。したがいまして、いまそういう委員会に注意をしたらどうか、お願いしたらどうかというお話がありましたが、その点については検討してみたい。良心的な御報告があるものと私は信じておりますし、委員会のことだから、あまりとやかくこちらが言うこともどうかと思われまするが、せっかくの御注意ですから検討してみたい、かように考える次第であります。
○山崎(始)委員 運輸大臣はよろしい。同じことでしょう。
○大橋国務大臣 同じことでございます。
○山崎(始)委員 私がこういうことを申し上げるということは——これは建設大臣にお尋ねしたいのですが、三月十六日に毎日新聞が、東京ステーションホテルでもって三月十五日に日本土木学会本州四国連絡橋技術調査委員会専門部会というものを開いた、そうして各ルートに対してABCの三段階に分けて投票をさした、要するに、学者の連中や技術家の連中が集まった、ABCの三ランクに分けて投票さした、そしてある種の結論が出たという大々的な報道をやっているわけなんです。そうしてその数日後、三月二十二日に丸ノ内のステーションホテルで、今度はいわゆる基礎に関する専門部会を開いている。その結果、去年の三月に答申をしたと同じような、これは新聞の見出しですから必ずしもこれが当たっておるとは言いませんが、三月十六日の毎日のニュアンスというものを全然打ち消したような、五ルートとも可能であるという記事が三月二十三日の朝日新聞に載っているのです。あべこべなんですね。ニュアンスが全然違う。そこで私はお尋ねしたいのでありますが、三月十六日の毎日のごとく、ABCの三ランクに分けて投票した事実があるのかどうか。建設大臣の、あなたの部下の人は、たしか専門委員としてその中に入っていらっしゃる人があると思うのでありますが、当然あなたにも御報告があったと思います。その席におったのかおらぬのか、そういう事実があったのかないのか、この点、一ぺんお聞かせ願いたい。
○西村国務大臣 その委員会の詳しいことは私は知りませんが、もし道路局長が知っておれば、ひとつ道路局長から答弁させます。
○蓑輪政府委員 お答えいたします。 ただいまの御質問の、各種の工法につきまして基礎部会でいろいろ案をつくりまして、これにつきましてABCという難易をつけて各人の意見を聞いたという事実は私も聞いております。これに対しては、建設省の道路局の職員が、いわゆる取りまとめ役幹事として出席しております。 以上でございます。
○山崎(始)委員 そういう事実はあったことはあったのですね。いずれにいたしましても、最終的に私はお願いを申し上げておきたいことは、この新聞の二つの記事を見たばかりでも、非常に妙な感じを国民は抱くと私は思うのです。しかも、この二つの新聞は、期せずして、一番最終的には、今後この問題は、ルートの決定がますます政治問題化してくるおそれがある、熾烈になるということは、この二つの新聞とも最初に書いておるのですね。 そこで私は申し上げたいことは、こういう問題に政治的な介入といいますか、これは私は厳に慎んでもらわなければいけないと思うのであります。これはう党、野党を通じて言えることばであります。といいますことは、一月の二十日過ぎでございましたが、総理大臣が愛媛県と徳島県へ行かれて、県庁で記者会見をやっておられます。当然向こうで質問が出たものだと思いまするが、きょう現在は、土木学会という学者の先生方に研究を依頼をしておるのであって、それを尊重をいたします。政治介入は一切私は許しません、という記者会見をやっていらっしゃるのであります。この点、私は実にりっぱな御答弁だと思う。思うのでありますが、この新聞のニュアンスから見た場合は、相当私は、政治介入というものがもうすでに現在行なわれておるという印象を深めるのであります。それがもしノーと言われる人があるなら、私は幾らでも証拠を出します。証拠を持っております。いまここでは申し上げません。厳に慎んでいただきたい。といいますことは、一体、日本の学者、日本の技術家というもの、その人が学者的良心、技術家的良心と信念とを失った社会が起こった場合には、これは非常におそろしいことになると私は思うのであります。反面、政治介入の問題でございまするが、ある国務大臣が東海道新幹線のときに政治介入をやって云々とか、ある国務大臣がいわゆる急行停車を云々とかいうて、さなきだにそういううわさがこういう問題にはつきやすい。そこで私お願いを申し上げることは、佐藤総理が言われましたこのりっぱな態度というものを、これは私は厳然として守っていただきたい。先ほど運輸大臣、建設大臣に、技術屋さん、学者さん、土木学会の連中に、難場度を明白なる報告をさせなければいけないと御要望を申し上げたのもその点なんであります。どうかこの点は厳にお互いに慎みたい。また、その点を十分御注意願いたい。これを最後に御要望を申し上げまして、時間がまいりましたので終わります。
○植木委員長 これにて山崎君の質疑は終了いたしました。 次に、田畑金光君。
○田畑委員 私は、外務大臣が不在のようでありますから、少し角度を変えて沖繩問題についてこれからお尋ねしたいと思います。——文部大臣が来ていないのじゃないですか。
○植木委員長 いまこちらへ向かっているそうです。
○田畑委員 私は、初めに沖繩問題について文部大臣にお尋ねしたいと思います。四月の十九日、朝日新聞に掲載された東大沖繩社会調査団の沖繩住民意識調査報告書は、これを一読しましたとき、われわれは強い衝撃を受けたわけです。ことに教育の衝に当たっておられる文部大臣としては、深刻に何ものかをお感じになったかと見ておりますが、文部大臣の御所見をまず承っておきたいと思います。
○剱木国務大臣 お答えいたします。 東大の調査の報告書について、内容につきましては、詳細にはまだ細部を検討をいたしておりませんけれども、しかしこの報告書を見ましたときに、沖繩住民の非常に複雑な悩みのある姿といいますか、それが如実にあらわれておると存じます。したがいまして、この沖繩の住民に対しまするわれわれの対策というものにつきましても、きわめて示唆の多いものがございますし、特に復帰問題でございますとか、あるいは沖繩援助の問題につきまして、相当私どもは真剣に考えなければならぬと感じた次第でございます。
○田畑委員 その報告書の一節を特に私は取り上げてみたい、こう思います。すなわち「学歴や政治意識のテストでは、両者とも高い二十代が、アメリカに好意的で、日本に批判的な立場をとり、段階的な祖国復帰を望んでいる」、「沖繩におけるアメリカ統治の生んだ新しい現象であり、アメリカの統治が長びけば長びくほど、こうした意識をもつものが次第にふえていくのではなかろうか。沖繩の祖国からの分離は、単に一時的な異常事態として見のがすには、あまりにも重大である。全く新しい意識をもった世代が、すでに生まれつつあると見受ける。」こういうようなことを読んでみましたときに、われわれ一般国民としてもひしひしとはだに感ずるものを覚えるわけであります。特に私は、教育行政の最高責任者である文部大臣といたしまして、一そう切実なものを感じられると考えるのでありまするが、文部大臣のあらためて所見を伺っておきたいと思います。
○剱木国務大臣 アメリカ治下におきまして、沖繩住民のうちで、中高年齢層になりますと、やはり日本との密接な関係が記憶に新たなものがございますが、二十代の青年層は、戦後二十年になりまして、だんだん日本との関係が薄らいでいき、日本に対しまして批判的になるという統計が出ておるというのも、これはまあ、あるいはそういうことはあり得ると思うのでございます。これは、私どもとしましては、やはり沖繩が早期全面復帰になることを希望いたすわけでございますが、しかし、その長期にわたります場合におきましては、やはり沖繩に対しまする対策が内地と格差のないように、また本土と一体感を常に持っていくような形において、相当沖繩援助と申しますか、対策を強化していかなければならぬ。そうしなければ、結論として、相当やはりこの調査の結果に出ておるようなことが、憂うべき状態がくるということをおそれるものでございます。
○田畑委員 沖繩教育基本法前文では、「沖繩における教育は日本人としての教育を目的とする」という明文規定があるわけです。しかるに、学校をはじめ官公庁では、母国のシンボルである日の丸の旗も祝祭日以外にはかけてはならない、かけられない、こういう環境です。教科書の上で教えられたその日本に対して、祖国に対しては渡航の自由も許されない。また沖繩において発行される公文書には、日本人としての表現は避けて、特に琉球人と記載することが慣例になっておるわけです。日本人として公認されていないわけです。しかも、日常アメリカ人と接触し、生活は基地経済とアメリカドルにささえられておる。こういう環境の中で青少年が育ってまいりますならば、アメリカとの距離はますます縮まっていくけれども、日本とはだんだん疎遠、かちになっていく。しかも、施政権返還のスケジュールについても、何一つ佐藤内閣は示していない。こういう傾向を見るならば、私はあの調査団の報告書のような心配される傾向がますます強まっていくの、じゃなかろうかと見ておりまするが、文部大臣と沖繩世襲の塚原長官の見解を承っておきたいと思います。
○剱木国務大臣 祝祭日の問題でございますが、ただいま向こうの規定で元日から三日間と、それから沖繩そのものの祝祭日につきまして、日の丸を掲揚することを認められておるわけでございますが、大体におきまして、日本の祝日と重なる面も多いのでございますが、日本の祝日とはっきりかち合わない点もございまして、完全に日本の国旗を掲揚するというわけにはいかないのが実情でございます。 教育的に申しまして、私どもも沖繩に対しまして、やはり教育の面において、あくまで日本人としての教育をし、日本の祖国の教育を施してまいりたいという考え方から、沖繩に対しまして、二十七年ごろから教育者につきまして内地に講習に呼んだり、いろいろ教育上の問題を処置してまいったのでございます。当初におきましては、どうしても指導、学童や、あるいは青少年に対します直接的な施薬については、向こうの、沖繩の米当局におきまして、むしろそれに消極的でございました。しかし、最近に至りまして、特に二十九年以後から協議委員会ができまして、いろいろ沖繩援助についていま話し合いを進めておるのでございますが、最近に至りましては、だんだん、たとえば教科書の無償の問題とか学用品の問題とか、そういったような児童に直接に当たることも認められてまいりました。そこで、できるだけこの援助の方法を伸ばしまして、本土と一体にという観念を、方針をあくまで教育的にはとってまいりたい。そういうことによって日本本土から離れていく青少年の気持ちを引きとめていくということが必要ではないかと考えております。
○塚原国務大臣 東大の教授並びに学生諸君による調査の結果につきましては、新聞で拝見いたしましたし、また、いまお読みくださいましたことも私は新聞でよく承知いたしました。指導教授並びに団員の方に機会を得てお目にかかって、調査の方法その他さらに詳しくお開きしたいという気持ちも持っておるわけでございますが、その対策をどうこうするという意味ではなくて、従来も沖繩に対する教育の援助ということは一番強く、最重点的にこれを扱っておったのでありまするが、さらに今後教育の面における援助というものを強く押し出していきたい。昨年度は教育の費用が二十八億でございましたが、今年度は四十億になっておるわけであります。しかし、これとて満足なものであるかということについてはよく考えなければなりませんし、今後とも本土との一体化ということを目標といたしまして、教育の面における援助を増強していきたい、このように考えております。
○田畑委員 そこで、私は両大臣に次のことをお尋ねしたい、こう思うのです。 すなわち、基地の存続とその使用の自由を確保すること、すなわち施政権の保持が、極東の平和と日本の、安全保障の上から絶対必要だとするアメリカの態度というものは、ここ当分、いな半永久的に変わることが期待できないわけです。さすれば、施政権の全面返還など、現状をもってすれば全然不可能であろうと思うわけです。不可能だからといって、いまの佐藤内閣のように、その場限りのことばで当面をつくろうことも許されないと私は思うわけです。私は、基地に直接影響なく、しかも、住民の生活に密着した事項だけでもこれを日本に委譲せしめる方針を持つことこそ、すなわち機能的分離論、なかんずく教育権返還論というものは、現状固定化の傾向に新風を送り込むことでありまして、前任者の森総務長官が教育権返還構想を打ち出されたということは、私は一つの見識だ、こう見ておるわけであります。この点について、私は、文部大臣と塚原総務長官の率直な見解を承っておきたいと思います。
○剱木国務大臣 全面復帰をこいねがうのはもちろんでございますが、これが相当長期にわたります場合において、少なくとも文部省といたしましては、教育権だけでもやはり返還してほしいという希望を持つのは当然なことだと思います。ただ、こういう問題につきまして、沖繩問題懇談会におきましてずっとやはり取り扱ってもらっておるのでございまして、その決定をなされることを私どもは実は希望を持っておるわけでございます。
○塚原国務大臣 ただいま文部大臣が答弁しましたように、大浜さんをヘッドとする沖繩問題懇談会、これは総理府にございますけれども、目下御検討を願っております。大浜さんが渡米中でありますので、一時中断ぎみではありますけれども、近く結論が出て、答申が出てくると考えておりますので、それに基づきまして、あるいは外交折衝なりその他の措置をとりたい、このように考えております。
○田畑委員 両大臣とも基本的には教育権の分離返還について賛成と私は承ったわけで、了といたします。 なぜ教育権の分離返還を主張するかと申しますと、先ほど申し上げたように、沖繩における教育は、日本国民としの2教育を目的として現に実施されているということです。また教育制度にいたしましても、教科内容にいたしましても、本土と同一であって返還がいとも容易だということです。教育行政というものは軍事基地と関連することが非常に少ないという面です。特に先ほど両大臣からも指摘されたように、四十一年度から沖繩教育に対する日本の援助は飛躍的にふえて、教職員給与についても日本本土と同様、半額国庫負担措置が講ぜられておる。私は以上の諸点からして、教育権の返還問題というのはやはり真剣に推進していくべきだ、こういう見解であるわけです。沖繩青少年の、先ほど指摘いたしました意識の推移を見ましても、私はこれは必要なことだと考えておるわけでありますが、両大臣ともそのような姿勢で今後対処される御決意であるかどうか、あらためてもう一度念を押しておきたいと思います。
○剱木国務大臣 施政権の一部返還につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、これは外交交渉その他総理府におきましていろいろ折衝があることだと思います。ただ、文部省といたしましては、施政権返還の問題とは別に、事実上本土と全く変わらないような状況にまで教育の問題を持っていきたい。まだ十分でない点がございますれば、この援助を十分にいたしまして、本上と全く同一の状況にまで教育の実態を持っていきたい、こう念願をいたしております。
○塚原国務大臣 教育の面における本土との一体化と申しますか、日本政府が責任を持って行なえる教育行政全般について重大な関心を持っておりまするので、先ほど申しました大浜懇談会の答申を待っておる段階でございます。
○田畑委員 私は、塚原総務長官にその点をもう一度念を押したいと思いますが、佐藤首相は、しばしばこの国会の各委員会で取り上げられておりますように、一月十九日の選挙遊説先で、沖繩施政権は機能別分離返還論よりも一括返還が望ましい、こういうことを述べられて、いわゆる森構想と伝えられてきました教育権返還論に水をかけ、むしろこれは終止符を打たれたような印象を与えたわけです。ところがその後、国民世論がいろいろ総理の発言に批判を加えたので、あわてて、一月三十一日には、いわゆる沖繩問題懇談会の大浜座長さんを呼んで、沖繩の教育権分離返還の継続検討を引き続きやってくれ、こういうことを言われた、こう伝えておるわけであります。そういたしますと、現内閣においても、森構想と申しますか、教育権の分離返還の問題については、大浜懇談会の答申を待ってこれに対処するという。したがって、大浜懇談会の答申の方向というものはおのずから私は明らかだと、こう見ております。なぜなれば、大浜懇談会の座長自身が今日アメリカに行かれておるのは、そういうようなことを、民間の学者の立場においてアメリカの朝野に訴えるために行かれておるわけでありますから、したがって、その結論はおのずから明らかだと思いますが、懇談会の答申を待って政府としては強くアメリカとの対外折衝などを推進する決意であるのかどうか、あらためて塚原長官の見解を承っておきます。
○塚原国務大臣 ただいま御指摘の点につきましては、大津における談話の直後、私、総理にお目にかかりましたけれども、決してそれを放棄したというものではなくて、教育権——機能別分離返還というものを含めた施政権の全面返還に向かって努力するという、その間、抽象的、観念的というようなものにはなるべくこだわらないでというようなことばもございましたけれども、決してこれをたな上げしたとか、そういうものではございません。教育に関する問題を含めた施政権の全面返還というものに向かって努力しようということでございます。 なお、大浜懇談会の答申を待ちまして、先ほども答弁いたしましたように、外交折衝その他を通じまして努力していきたいと考えております。
○田畑委員 この点は以上でおさめますが、次に私は塚原長官にお尋ねいたしますけれども、日本政府の沖繩援助額は、四十年来急激に増額になっております。これは、今日の沖繩の実情と日本本土の相当規模の県と比べた場合に、著しい格差を見たときに、これは当然の措置であると考えるわけでありますが、とにかく昭和三十五年度には日本政府の援助額わずか八千一百万、当時の米国の沖繩援助額は二十四億二千五百万であったわけです。ところが四十年度になりますと、日本の援助額は二十八億六千万、米国の援助四十三億二千万。さらに四十二年度になってまいりますと、日本の援助額は百三億、アメリカの援助は、いまアメリカの議会で問題となっておるプライス法の改正が成立を見たといたしましても七十億、こういうことになるわけであります。そこで私は、プライス法の改正に基づいてアメリカが援助の限度額を二千五一百万ドルに引き上げるということは、施政権者としてのアメリカの当然なすべき義務であるし、すみやかにそのような挙に出ることを日本政府としてもアメリカ政府に要請すべきだ、こう考えます。この点、政府当局としてはどのような努力が払われておるのか、明らかにしていただきたい。
○塚原国務大臣 プライス法の改正につきましては、日米協議委員会その他を通じまして、外交折衝を通じまして私からも強く要請をいたしております。本日、三木外務大臣は欠席でありまするが、外務省としてもこの問題について熱意を持って当たっておることを私は承知いたしております。なお、過般、松岡首席が訪米されまして、ジョンソン大統領その他の方にお口にかかりましたが、帰りましての報告に接しますると、プライス法の改正というものが主目的であったということも承っております。機会あるごとにプライス法の改正について要請を続けておる次第でございます。
○田畑委員 そこで私は、さらに塚原長官に見解を承っておきたいと思いますが、日本の援助額が、施政権旨であるアメリカよりもむしろ大きくなってきた、こういうことを考えてみました場合に、不幸なことには、日本政府の沖繩援助計画の策定というものは、米国側の提案に基づき日米協議委員会で講ずるというように、アメリカの意思に基づいて事が運ばれておるわけであります。私は、今日この時点で将来を見通しました場合には、少なくともこの問題については、日本政府の主体的意思により琉球政府と話し合うて決定し、処理する ことが、いわゆる自治権の拡大という面から見ましても、また日本と沖繩の一体化を推進するという立場から見ても、望ましいあり方だと、こう考えております。長官としても今後そのような態度でアメリカと話し合いをなされる用意があるかどうか、この点を承っておきます。
○塚原国務大臣 言うまでもなく、平和条約第三条によりまして、施政権はアメリカが持っております。したがって、日本政府が直接琉球政府と交渉するということは、法理論上から見ますればできないことでありまするけれども、最近の沖繩におけるいろいろの問題、また流動する国際情勢のもとに対処して、日米琉の関係というものも再検討を迫られている問題があると私は考えております。ですから、法的には困難でありまするけれども、いわゆる姿勢の面で、感情として、いま田畑委員の仰せられたような考えを頭において当たらなければならないと考えております。しかし、法律的に直接面と向かってやるということはできないことはおわかりいただけると思うのであります。
○田畑委員 御努力を願いたいと思います。 さらに、私はもう一つお尋ねしたいわけでありますが、沖繩産品の対米輸出は沖繩産業の発展に非常に大きな影響を持っておるにかかわらず、米国政府は、ガット協定の基本理念である貿易の平等互恵の原則に反するということで、拒否し続けてきておるわけであります。しかし、沖繩は独立国でなく、米国が施政権の全面責任を持っておるわけです。しかるに、貿易面だけでは外国扱いにして何らの特恵措置を与えていないというのは、御承知のとおりだと思います。日本政府が特恵措置により沖繩の砂糖やパイナップル事業をここまで伸ばしてきたという事実から見ましても、アメリカの態度は施政権者としての地位に反すると私は考えるわけであります。この際、私は、アメリカ政府にこのような態度について反省を求めるよう適当な機会に外交ルートを通じ助言することも必要ではなかろうか、こういう感じを持つわけであります。この点について近間政策の面から通産大臣の御見解、並びに、本日は外務大臣がおられませんので外務大臣の御見解を承るわけにもまいりませんが、政務次官がおいでのようでありまするから、外務省としてこの問題について御見解があれば、あわせてお聞きしたいと思っております。
○菅野国務大臣 お話しのとおり、沖繩から米国へ輸出する品物については、格別の特典はありません。しかし、お話しのとおり、そういう関税の免除等をやれば、それだけ沖繩の輸出が増加することになります。したがいまして、この点につきましては、外務省あるいは総理府、関係方面とも十分協議して検討してみたいと思っております。しかし、日本政府としては、琉球政府からそのような働きかけについての正、式の申し入ればまだ受けてはおりません。しかしながら、いまお話しのとおり、沖繩の発展のためにはぜひひとつ考えてみたいと、こう考えておる次第であります。
○田中(榮)政府委員 沖繩の経済援助並びに経済開発等につきましては、従来も外務省といたしましては可能な範囲におきまして御協力申し上げておるのでございますが、対内的に各関係省とも十分協議をいたしまして、今後さような申し出があり、また御要請のありました場合におきましては、できる限りひとつ御便宜をはからい、御協力申し上げたい所存でおりますので、御承願いたいと存じます。
○田畑委員 時間の関係もありますので、沖繩問題はこれで終わります。 次に、私は通産大臣を中心に石炭政策についてお尋ねいたします。 昨年七月の有沢答申、同年八月の閣議決定に基づき、石炭鉱業の抜本的安定策が、本特別国会にそれぞれ提案されております。すなわち原重油関税を主たる財源とする五百二十一億八千万円にのぼる特別会計の設定を中心に、異常債務の肩がわり、安定補給金、各種補助金、石炭増加引き取り交付金など、各般の予算措置、立法措置が本国会に提案されております。しかし、これらの諸政策が実効をあげるかどうかというのは、あげて五千万トン需給体制確保いかんにかかっておると見るわけであります。特に問題なのは、原料炭は鉄鋼など産業界の好況を背景に相当量需要の伸びが期待されておりますが、一般炭については需要の減少が顕著にあらわれてきておるわけです。そして四十一年度の需要見込みは四千八百八十九万トンで、すでに五千万トンを割っております。貯炭は業者手持ちが年間二百七十万トンふえて、四十一年度末には六百十万トンをこえる過剰貯炭です。また、政府の四十一年度から四十五年度にわたる石炭需要の長期見通しによれば、一般炭の需要拡大が期待できるのは九電力と電発の石炭専焼火力発電だけで、いわゆる政策需要部門だけがこれからふえていくわけです。これに対し、製造工業や暖厨房、運輸など一般産業向けは、昭和四十五年度までに年々平均して二百万トンずつ需要の減が見込まれるわけです。したがって、石炭政策の成否というものは、一に需要確保いかんにかかっておると私は判断いたしますが、通産大臣としては、今後この一般炭の需要喚起策について、どういう方針でおられるのか、これをしまず最初に承りたい。
○菅野国務大臣 お話しのとおり、石炭産業を、安定するためには、五千万トン以上の石炭の需要を確保することが先決問題だと思います。しかし、お話しのとおり、一般炭の需要がだんだん減ってまいりました。したがいまして、この一般炭を需要するために、いわゆる政策需要と申しますか、九電力で火力発電をやり、あるいは電源開発で火力発電をやるというようなことで、石炭需要の増進をはかっておるのであります。しかし、お話しのとおり、一般炭の需要がだんだん減る傾向がありますので、なお今後貯炭等がふえるような場合には、またあらためていかにしてその一般炭を消費するかということについて検討してみたい、こう考えておる次第であります。
○田畑委員 通産大臣、私は一般炭の需要、喚起というものは、結局は電発の石炭専焼火力の増設によるか、あるいは産炭地発電にまつほかはないと思うのです。私、この際、常磐炭田における産炭地発電としての常磐共同火力が、同地域の石炭需給関係にどのような影響を持っておるかということを参考までに述べてみたい、こう思うのです。常磐共同火力は出力二十九万五千キロワットでありましたが、昨年の十一月以降新たに十七万五千キロワットの六号基が操業に入りまして、四十二年度を例にとりますると、常磐炭田の出炭量、格外炭を含めますと約四百七十万トンと想定されておりますが、その出炭の四割を常磐共同火力一社で消費し、需給関係に非常な貢献をなすわけであります。しかし、それでも昨年来、先ほど指摘いたしましたように、一般炭の需要が非常に不振におちいっておりますので、常磐炭田といたしましては、どうしてもあと一基、二十五万キロワットの増設を必要とする。これができれば年間二百五十万トンの消費になりますので、同炭田の年間出炭量の五割強をこの一社が消費することになりまして、これで需給関係がようやく軌道に乗るだろう、こういうようにいわれておるわけであります。この際、政府は、常磐共同火力など産炭地発電について、あるいは国会でもしばしば問題となってまいりました電発の専焼火力発電の増設については、石炭政策の推進という立場から強力に推進していくべきだと私は考えまするが、通産大臣のこのようなことに対する見解を承っておきたいと思っております。
○菅野国務大臣 ただいま田畑委員の仰せられたことは、私も全く同感であります。したがいまして、この一般炭の需要をどうするかということは、これは全国的に考えなければならない問題だと思います。したがいまして、そのときには当然常磐炭の問題も考えなければならないと思っておりますから、一般的、全国的に考える場合にひとつ常磐炭の処置の問題も考えていきたい、こう考えております。
○田畑委員 いまの質問の中で特に私が強く主張しましたのは、共同火力の増設など産炭地発電などについて、あるいは電発の専焼火力などについて、積極的にこれと取り組む姿勢があるかどうかということですが、もう一度御答弁を願いたい。
○菅野国務大臣 ただいまお答えしたとおり、田畑委員のおっしゃったことは同感だということは、そういう意味でお答えした次第であります。
○田畑委員 さらに通産大臣にお尋ねいたしますが、昨年七月石炭鉱業審議会の答申がありました際に、当時の三木通産大臣は、その答申の中に盛られておりました異常債務の肩がわり、安定補給金の交付、閉山交付金の引き上げなどの抜本策は、四十二年度の予算措置を待たずして四十一年度中にやってみたい、やりたい、こういう発言だったわけでありまするが、延び延びになって今日まできておるわけです。そこで、ここの国会で石災特別会計の予算が成立する、関連法が成立する、そして法律も予算も成立して個々の企業に手当てするのは、おそらく夏ごろであり、八月以降になると見ておりまするが、すでに今日の石炭の事情というものは、それまで待てない。足元に火がついておる。先ほど申し上げたように、貯炭にいたしましても、業者だけの手持ち貯炭が、四十一年度末六百十万トン、異常過剰貯炭である。この状況に対しまして、通産省としてはいかなる措置をおとりになる方針であるか、これを承っておきたいと思います。
○菅野国務大臣 ただいま御審議をお願いしておりますこの石炭対策の予算なりあるいは法案が通過いたしますれば即座に解決するのでありますが、その審議がおくれておりますので、したがいまして、そのつなぎ資金をできるだけ政府が市中銀行にあっせんしたいと考えております。また、この法案並びに予算が通るという見通しさえつけば、市中銀行は恵んでつなぎ資金を出していただけるのではないか、こう考える次第でございます。
○田畑委員 私、通産大臣に特に次のことをお尋ねしておきたいと思います。一般に、石炭政策は今回の一連の政策措置によって終わったんだという理解かなされておりますが、私は、これは非常に危険だと思うのです。先ほど述べましたように、一般炭の需要減少が最近とみに深刻になってきたということは、昨年七月の審議会の答申時と、状況が変わってきたからです。と申しますのは、重油価格が急に下がってきたということが大きな原因になっているわけです。こういう現象は、今後も石炭をめぐって続くものと私は見るわけであります。したがって、政府といたしましては、今後とも需要の確保、資金経理面について、引き続き政策的な配慮をなされることが私は必要だと思いますが、その用意があるかどうか。通産大臣に承りまずと同時に、特に私は、大蔵大臣に対しましては、石炭産業の事情については大蔵大臣も先刻よく御承知でございますが、今後とも石炭特別会計の内容充実、先ほど私が申し上げました産炭地発電なり電発の石炭専焼火力の建設などについては、資金的な面などについても十分配慮をされる気持ちだとは拝察いたしますが、その用意があるかどうか、この際大蔵大臣にもあわせて見解を承っておきたいと思っております。
○菅野国務大臣 お説のとおり、一般炭の需要が減ってくるのは重油の輸入がふえてくるがためであります。したがいまして、重油の輸入がふえればそれだけ関税が増徴されてまいりますし、その関税収入によってこの、石炭の特別会計ができておりますから、そちらのほうの収入が増加すれば、したがってそれの資金によって石炭対策、いまの一般炭の需要の問題なども考慮すべきではないか、こう考えておる次第でございます。
○水田国務大臣 石炭問題解決のために特別会計をつくったわけでございますが、その特定財源が対策のために不足するという場合には、私どもは一般会計からこれを補てんしてもこの対策をするという態度で、本年度すでにそういうふうにやっておりますし、今後も必要ならばそういうことで石炭問題の解決をはかるという考え方でございます。
○田畑委員 通産大臣にもう一度お尋ねいたしますが、端的にお尋ねしたいことは、石炭政策については、今回の国会で予算措置、立法措置、いろいろなされますが、いろいろ客観情勢は変わってまいりますので、今後とも石炭政策についてのアフターケアをなされる用意があるかどうか、端的に承っておきます。 〔委員長退席、小川(半)委員長代理着席〕
○菅野国務大臣 アフターケアという意味がどういう意味か、私もはっきりわかりませんが、今回の予算並びに法案によって石炭対策が不十分であるという場合には、それについては特別の考慮を払うべきであるし、来年度であれば、先ほどから申し上げましたとおり、重油の関税が増徴になりますから、したがって、それによってこの石炭対策をまた講ずることができるのではないか、こう考えておる次第であります。
○田畑委員 次に、私は厚生大臣と通産大臣、両方からお答えいただきたのですが、炭鉱労務者年金制度の確立についてであります。雇用安定の唯一の保障は、今日の炭鉱の、実情をながめますと、年金制度の創設以外にないと私は判断するわけです。しかし、制度の創設は、坑内外労働者を一体として把握するのでなければ、炭鉱の実情に即さない、こう思います。なぜならば、合理化、配置転換の場合は、坑外夫の坑内夫への転用というものが普通行なわれているからです。逆の場合もまたしばしばあるからです。また、坑内外を区別できない事実上の職種もあるわけです。ことに大臣御承知のように、今日地上産業の一端は、好況の波に乗って賃上げも平均一〇%とか一五%とか、こういわれておりますが、炭鉱労働者の賃金というのは、毎年その経理計算の基礎に七%、こういうワクがはまっておりまして、一昨年は一方わずか七十円、昨年は一方七十六円、一カ月にいたしまして二千円に足りないんですね。これが炭鉱労働者の賃金値上げの実情です。しかも、坑外夫というものは、坑内夫に比べますと、元来非常に賃金が低位に甘んじさせられておるのが、炭鉱の実情なんです。私は、今日の崩壊に瀕している炭鉱の姿を見たときに、経理上の危機と、もう一つの危機は人手不足、労務倒産、これが私は石炭企業の危機の重要な柱になってきている、こう考えておるわけであります。こういうことを見ました場合に、雇用安定を何とかはかって炭鉱産業を守っていくためには、人が寄りつく措置を講じなければならぬ。その唯一の措置がいまや年金制度にかかっておる。こういうことを考えたときに、私は、この際、答申の趣旨といささかはずれておるにいたしましても、年金制度は炭鉱労働者全般を対象にして爼上にあげて検討してもらうべきだと、こう増えておりまするが、その用意があるかどうか。あわせて、この国会においていつごろ法案を出す用意であるのか、これを厚生大臣、また所見を通産大臣からもこの際承っておきたいと考えております。
○坊国務大臣 石炭対策の問題として、年金の問題が御指摘のとおり非常に重要な問題であるということは、私も全く同感でございます。そこで、坑内夫につきましては、厚生年金において特別優遇措置がすでに講じられておることは御承知のとおりでございますが、昨年七月の石炭鉱業審議会の答申によりまして、坑内夫が坑内という特殊な勤務条件にあることにかんがみまして、その雇用の確保をはかるために、坑内夫について事業主が共同して老齢年金制度を本年度中に実施することとなっております。この制度の内容については、現在石炭鉱業審議会の年金問題小委員会におきまして、関係労使の意向を聞きながら慎重に検討が行なわれておりまして、近く小委員会の意見が出される予定でございますので、厚生省といたしましては、この結果を待ちまして、関係各省間において十分協議をいたしまして、小委員会の御意見の趣旨に沿い得るようにしたいと思っております。 なお、法案はできれば五月の上旬あたりを期して提出、御審議を願いたいと存じております。
○菅野国務大臣 坑外夫に対して年金を給与するという問題につきましては、御趣旨の点は私たちも同じ考えを持っておりまして、したがいまして、いま年金の小委員会でいろいろ検討中でありますからして、その答申に従いまして厚生省とよく御相談して、そして決定したい、こう考えておる次第であります。
○田畑委員 石炭の問題は、通産大臣、これで終ります。 次に、私は、厚生大臣に健康保険法の改正問題について、大綱的に二、三お尋ねしておきたいと思います。 御承知のように、社会保険審議会は四月二十一日に、社会保障制度審議会は四月二十四日に、それぞれ厚生大臣と政府に答申を出しておるわけです。政府は、この答申に対してどのような態度で臨まれる方針なのか、まずそれを初めに承りたいと思います。
○坊国務大臣 両審議会の御答申の趣旨を体しまして、これを尊重してまいりたい、かように考えております。
○田畑委員 答申を尊重されるということは、しごく当然のことだし、またそのようなお答えであろうと私も予測しておりましたが、そこで私、厚生大臣に特にお尋ねしたいのは、今回の答申の特徴的な点は、社会保険審議会の答申を見ますると、三者すなわち被保険者、事業主、公益委員、それぞれの意見が違って、並例してその意見を書いてあなたの手もとに答申が出ておるわけですね。こんなことはかつてないことだと、こう思うのです。それで、厚生大臣は答申を尊重するというお答えでございますが、具体的にはしからばどの層の意見を尊重されようとするのか、この際ひとつ明確に政府の方針を述べていただきたい。
○坊国務大臣 審議会の御答申の中、審議会の討議の経過等におきましては、いろいろの御意見もございました。ございましたが、答申の御趣旨は、大体におきまして、いろいろ議論はありますけれども、今度の財政対策はこれはやむを得ないものであるというような御趣旨のように承りまして、その御趣旨に従いましてすでに健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案を作成いたしまして、御提出を申し上げた次第でございます。
○田畑委員 お尋ねしたいのは、そうしますと、答申を尊重するというおことばでありましたが、やむを得ないというのが答申の趣旨であったから、内容については手心を加えないで政府の当初の案どおりお出しになる、こういうことですか、その点……。
○坊国務大臣 いろいろの御意見はありましたけれども、答申の大体の御趣旨はやむ得ない、こういうように承りまして、原案を提出いたしました次第です。
○田畑委員 特に私、厚生大臣に念を押したいのは、社会保障制度審議会の答申が健保の改正について幾つかの注文をつけておることは、政府も十分御承知のことだと思います。すなわち、同審議会は、政府管掌の健康保険の財政危機に対し、政府がこれまで無策であったことを厳重に非難しております。この点はどのように反省なさっておるのか。第二に、したがって、今後健康保険制度の抜本的対策を急いで確立するように示唆しております。第三には、この見地から、今回の健保改正は時限立法にするよう要請しておるわけです。これらの諸点に対する政府の反省、今後の方針を承っておきます。 いまのお話の中には、特例法ということで、したがって時限法という趣旨であると見ますが、その点は、もしそうだとすれば、確かに答申の趣旨をくまれたものと考えておりますけれども、その他の点についてどういう御方針であるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○坊国務大臣 根本的立て直しをはかるべき抜本対策がおくれてまいったことにつきましては、私も非常に遺憾に存じております。そこで、この抜本対策は、私どもといたしましては、四十三年度を期しましてぜひともこれを実施に移してまいりたい、かように考えております。
○田畑委員 大臣の御答弁しごくけっこうです。健保の抜本改正は、審議会の指摘を待つまでもなく、もはや緊急の課題だと思うのです。そこでいま大臣は、四十三年には必ず抜本的な改正案を出す、こういうことを明言されましたが、だいじょうぶですか。私が心配するのは、またこの国会が終わったならば、七月か八月ごろ内閣の改造でもあったとすれば、厚生大臣がかわられたりしたのじゃ、またいまのお約束も宙に吹っ飛んでしまうのですね。そうでなく、厚生大臣が引き続き留任されて、来年のいまごろの国会にはちゃんと抜本改正案が出るものだと期待しておりますが、具体的にいかなるスケジュールで抜本改正を今後なされようとするのか、スケジュールをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
○坊国務大臣 今度御審議を願う緊急対策を御決定いただきまして、これを実施いたしまして、その後におきまして抜本対策を検討、作成いたしまして、これを次の国会に御審議を願う、こういうことに私は考えております。私自身の将来のことについては、今日ここで私は申し上げる性質のものではないと思いますが、いまの日本の医療保険の実情をながめてみますと、これは厚生大臣がだれであろうと、あるいは総理大臣がだれであろうと、この根本的立て直しをやらなければならない実情に逢着しておると、私はかたくそういうふうに感じておりますので、どうしてもこれは抜本対策をやらなければならない、かように考えております。
○田畑委員 そこで、それでは厚生大臣にお尋ねしたいのですが、抜本対策は来年必ず出すという、ことですから、それでは念を押しておきたいのですが、明年度予算編成に抜本対策がもし間に合わない場合、どうするのか。その場合は、再び当面の赤字対策にまた追われるということになってまいりますが、明年度は被保険者に負担をかけない、給付の改善を必ず実行する、これだけの確約は大臣の責任においてなし得ると思いますが、よろしゅうございますか。この点もう一度ひとつ明確にしていただきたいと、こう思うのです。
○坊国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、抜本対策は四十三年度をめどといたしましてどうしてもこれをやろう、かように考えておりますので、四十三年度に及ぶまでいまの赤字暫定対策をやっていこうというような考えは持っておりません。
○田畑委員 そうしますと、私が端的に承っておるのは、来年もまたことしのように、その単年度の赤字を埋めるのに被保険者の、あるいはその他の患者の負担でしりぬぐいをするというようなことは絶対にやらさない、再び繰り返すことはしない、このことは約束できますね。同時に、被保険者あるいは患者にしわ寄せがなされておるにかかわらず、給付の内容は相変わらず何ら改善を加えられていないという、こういう現状であることは、厚生大臣とくと御承知のとおりです。被保険者に再び負担をかけない、また今後の給付の内容については改善の努力をする、このことはお約束できますね。
○小川(半)委員長代理 田畑君にちょっと申し上げます。あなたの持ち時間が来ましたので、ぜひそのつもりでひとつ急いでください。
○坊国務大臣 いま仰せられたようなことをやらないように、根本的の立て直しをやるというのが抜本対策でございます。
○田畑委員 時間がまいりましたのでこれで終わりますが、ひとつ厚生大臣にとくと要望しておきたいことは、願わくばあなたが留任されて、いまの約束が引き続き実行されることを希望し、期待しておりますが、かりにかわられても、あなたの発言は次の大臣の重要な責任として処理して、再び今回のような、特に被保険者や気の毒な患者にあなた方の怠慢な行政のしりぬぐいをさせることがないように、とくとひとつ注意し、善処されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○小川(半)委員長代理 これにて田畑君の質疑は終了いたしました。 次に、阪上安太郎君。
○阪上委員 私は、公害対策の基本的な問題について質問いたしたいと思っております。 そこで最初にお伺いいたしますが、公害対策審議会の答申があってからずいぶん日がたっております。ようやく三月の二十二日に、御案内のように公害対策推進連絡会議、ここでもって公害対策基本法の試案要綱、これがやっとできたわけであります。 〔小川(半)委員長代理退席、委員長着席〕 一体なぜこのように法案作成といいますか、作業がおくれているか、その理由をひとつ承りたいと思います。これは主管は厚生大臣だと思いますから、厚生大臣からお答えを願いましよう。
○坊国務大臣 公害対策基本法試案要綱というものは、仰せのごとく非常におくれました。おくれた理由と申しますのは、御承知のとおり、この公害問題につきましては、これに関係する各省が十幾つもあるというようなことでございまして、その各省の意見の調整をやるためには相当の時日を要する、こういうわけでございまして、その後、試案要綱に基づきまして、今日厚生省におきまして、法律案の作成に向かって鋭意努力を続けておるのでございますが、そんなにおそくならずに御審議を願う過程になろうかと存じております。
○阪上委員 各省との調整で非常に手間どった、こういうように言っておられますが、公害審議会の報告によりますると、審議会では、おくれた原因として次のような点をあげておる。一つは、経済成長と都市の過密化が急速に進んだ、それから二番目には、政府——政府ですよ、それから企業、一般社会の認識が不十分であった、それから三番目には、政府に総合開発計画が欠けていた、それから、関係各省の縦割り行政が災いした、これはいまおっしゃった点じゃなかろうか、こういうふうに思うわけであります。五番目には、公害防止の技術開発がおくれている、だから自信がなかった、こういうことだと思います。これらのことが言われておりますけれども、しかし、ほんとうのおくれた原因としては、やはりいま言われた、そういった各省の意見調整であったと私も思います。 そこで、どんな点で意見調整をする必要があったか。大体、何点くらい具体的にこういう点で意見が合わなかったんだ、それを調整するのに手間どったというふうなところがあろうと思いますので、その点についてひとつ御説明願いたいと思います。
○坊国務大臣 どういう点において意見の調整が必要であったか、その具体的な事項を述べろ、こういう御質問でございますが、試案要綱の中には非常に新しいいろいろな問題が盛られております。そういったような問題につきまして、たとえば環境基準をどういうふうにしていくかといったようなことも、これはたとえばのことでございますが、そういったようなことについても、これは重要な問題でございますので、慎重に検討いたしておりますが、いろいろな、どういう事項、どういう事項ということにつきましては、ここで私はそれほど明確に記憶もいたしておりませんので、もし御必要とあらば、担当局長から御説明を申し上げます。
○阪上委員 大臣がそこまで全部知っておられるというわけでもありますまいが、しかし、重要な意見の食い違いのところくらいは覚えておいていただきたい、このように思うわけであります。そこで、担当局長から伺うのも時間がかかりますので、こういう形でひとつ質問してみたいと思います。 法制化の基本的な考え方、これは当然各省とも持っておったと思います。そこで、厚生、自治、通産、この三省でもって協議が整うまでの間における法制化の基本的な考え方、これはそれぞれ意見が違うはずであります。だから調整されたわけであります。それをひとつ厚生、自治、通産の三省、簡単でいいですから、基本的な問題について御説明を願いたい、このように思います。
○坊国務大臣 公害対策基本法の趣旨と申しますか、目的と申しますか、これは、近来非常に増大してきておりまする公害から国民の健康やあるいは環境基準を守る、そのために、国が一体いかなる些末的な姿勢をとっていくかということを規定していくのが、これが公害対策基本法の根本的な立法の趣旨と申しますか、目的であろうと理解しております。
○藤枝国務大臣 自治省といたしましては、第一に、公害対策に対しまする国、地方公共団体、企業の責任を明確にする、それから、それに従いまして、国は総合的な施策を推進し、地方公共団体は、しかも、それは広域的なものは府県に、狭いほうは市町村が責任を持ってやっていく、そのやり方に従いまして、財政的な関係も確立するというような点を中心にして、この法律を制定するようにということを基本的に考えております。
○菅野国務大臣 公害対策の問題につきまして、通産省としては、公害防止、公害を未然に発生しないように、いろいろの工場設備というようなことも考えておるのですが、同時に、公害防止とともにあわせて考えなければならないことは、やはり経済が健全に発展していくということをあわせて考えなければならないというところを重点に、通産省としてはこの公害問題を考えておる次第であります。
○阪上委員 三省の考え方が大体わかったわけであります。厚生では、国民の健康を守り通すんだという考え方、そのためにも、環境基準を明確にして、そうしてそういった国民の健康を守る。それから、自治省も大体同じことであり、しかも一歩進んで、国、地方、特に企業の出任というようなものを明確にし、それを総合的に施策を行ない、財政的な関係等も明確にする、こういうことであります。通産のほうでは、公害防止、これは単に公害の発生しておる現状、これに対する手当てばかりじゃなく、未然にこれを防止していくんだという考え方、しかもその上に、特に経済の健全な発展が伴わなければならぬ、こういうふうにおっしゃったわけでありまして、これらから勘案いたしましても、考え方、ねらい、目的、こういった点につきましてかなり基本的な相違があるのではなかろうか、このように考えるわけであります。 そこで、各論的に御質問申し上げますが、経済の健全な発展、このことにつきまして、厚生省、自治省等におきましては、それよりもやはり国民の健康、これはおそらく憲法二十五条にあるところの基本的な人権を言っておられるのじゃなかろうかと思います。それを優位に置いておられるが、通産のほうは、経済の健全な発展ということと国民の健康というものを等列に考えておる、並列に考えておる、対等に考えておるというような印象を受けるのであります。この点につきまして、特に通産大臣から伺いたいのでありますが、私がいま解釈したような解釈でいいかどうか、この点を伺いたいと思います。
○菅野国務大臣 国民の健康ということがやはり主であります。国民の健康以外に、幅の広い概念である生活環境の保全ということのために、経済の健全な発展をはかりたいということを考えておるので、やはり国民の生命、健康ということが公害防止の主たる目的であるというように私は解釈しておるのです。
○阪上委員 それでは、公害対策基本法試案要綱の中の総則、その中の目的、ここでは大体次のような意味のことがうたわれているわけであります。国及び地方公共団体、事業者の責任を明らかにし、公害防止施策の基本事項を定める。それから「園長の健康を公害から保護するとともに、経済の健全な発展との調和を図りつつ、」云々と、こういうふうにうたわれております。 そこで、厚生大臣に伺いたい、あるいは自治大臣に伺いたいのでありますが、あなた方の考え方とこの要綱というものは著しく趣を異にいたしております。あなた方の発想とたいへん違っていると思う。それから、公害審議会の答申によりましても、あくまでもこれは国民の健康を公害から守っていくのだ、守り通すのだという強い意思が表現されているやに私は解釈いたしておりますが、非常にその点で私ども納得がいかないのであります。なぜこういった二次的な、経済の健全な発展との調和を保ちつつなどと、これを強くうたわなければならぬか。聞くところによると、先ほど仰せのありましたところの、たいへん調整に手間どった原因の一つとして、この目的があった、この目的の表現に非常に手間どった、こういうふうに聞いております。そこで、厚生大臣、自治大臣、あなた方はこのような形で進めていくことに御賛成なのでありますかどうか。
○坊国務大臣 いま、条文ではありませんが、要綱の文章を御朗読になって御指摘になりましたが、私どもといたしましては、国民の健康を公害から保護する、国民の健康はもう絶対にこれは公害から保護するということは、先ほど菅野通産大臣からもお答えのあったとおり、これはもう何よりも健康が大事でございますから、これを公害から保護する。それから「経済の健全な発展との調和を図りつつ、生活環境」生活環境というものは、これはやはり経済の健全なる発展と調和をはかっていく。こういうふうにこの文章を理解いたしておるのでございまして、健康に関する限りはこれは絶対である、こういうことを表現した文章だと思います。
○藤枝国務大臣 国民の健康を保護し、良好な生活環境を全うするということ、それが全うされて初めて経済の健全な発展もあり得るものと私どもは考えておる次第でございます。
○阪上委員 したがって、やはり食い違いがある、このように考えるわけでありまして、国民の健康を守ってこそ経済の健全な発展があるんだ、手段と目的がここでごっちゃになっている。それは全然経済の発展と無関係にものごとが考えられるはずのものじゃないのであります。しかしながら、ことさらに答申を尊重するかどうか、私は先ほど開かなかったのでありますけれども、聞いたって、当然答申を尊重すると言われるにきまっております。何でこんなところに経済の発展との調和をはかるというようなことばを入れたか。目的がぼやけてしまうじゃないか。菅野大臣の言われることも、それが手段であるというようなふうに受け取れないこともないのですが、それならば、こういうものの考え方は捨てたらどうか。やはり、一路国民の健康を守っていくのだという、公害対策基本法としてはそれ一本で進むべきじゃないですか。それならば教育の問題も出てくるでしょう、そのほかいろいろな問題等も発生するじゃありませんか。それと調和を保たなければならぬ、ただし、ここで問題になるのは産業公害だから、特に経済の発展、こううたわれたのか。そういったところにも、私は必ずしも全部が全部悪いとは言いませんけれども、こういうような調和をはかるというような考え方は、公害対策としては不適当じゃないか。そんなことを言っておったならば、いつまでたったって公害問題の処理はできないだろうと私は思うのです。やはり、企業擁護のたてまえから、こういうようなことをあなた方通産省の間では考えられた。それでなければ、こういう怪しげなる文章が入ってくるなどということは考えられない、ほんとうにまじめに考えておったならば。憲法が基本的な人権として保障しているところの健康にして文化的な、この健康を守っていく、こういう公害基本法が、ここでその趣旨を弱めるような、経済のあるいは企業の意見等も十分に聞いて、そちらへ遠慮しがちな形において公害防止対策を進めていくのだという印象を、ここにはっきりあらわしておるのです。どうでしょうか。こんなものは現価を言う必要はないと思うのですが、法制化される段階においては、こんなものはとってしまったらどうかと思うのですが、とる意思はありませんか。
○菅野国務大臣 いまのお尋ねの件で、具体的な例をかりに申し上げれば、たとえば脱硫の問題で、重油による発電所などの脱硫の問題は、それによっていろいろ空気を悪くするということでありますので、そこで私のほうでは、脱硫の問題についていま研究しておるし、また発電会社に対しては、煙突を高くするとか、脱硫の装置をいろいろしてもらうとかいうことを私のほうで命じておるのでありまして、硫黄が出るからだめだと言うたら、全然発電をやめなければならぬということになります。それではいかぬので、やはり電気は電気として必要なんだから、脱硫ということも考えながら、そうして空気をよくするということを考えていかなければならぬ。それが健全なる経済との調和という意味に解釈いたしておりますから、そういう意味でひとつ御了解願いたいと思います。
○阪上委員 それでありますならば、別にそういった措置を講ずればいいじゃありませんか。目的の項にそれをうたう必要は私はないと思う。他の条項の中にそういったものが必要ならば入れればいいと思う。経済との調和をはかるのが目的じゃないでしょう。脱硫の場合におきましても、脱硫すればいいんじゃないですか。したがって、そういうことについては、国の援助その他があってしかるべきだと私は思うし、また、それぞれの企業が努力すればいいと思うわけでありまして、すでに企業は努力しているではありませんか。たとえば脱硫要求の動きとしては、石油とか電力企業、これがやはりかなりの金を使って研究もしておる。一生懸命何とかそっちへ持っていかなければ損だという考え方まで持っている。こういうことでありますから、いろいろな企業が、出光興産であるとか、あるいはまた三菱、大協、昭和、丸善、こういったところでも、一生懸命何とかしようとかかっておるし、そのこと自体が目的であるという考え方には、私はならないと思うのです。それは通産省として、あるいは監督官庁として十二分に監督もし、指導もしというやり方をなさる必要が私はあろうと思いますが、それが目的にうたっておるという考え方は、依然として私は納得できません。そういうことでは、せっかく佐藤内閣の社会資本の充実といいますか、その中の重点政策、住宅あるいは道路、交通安全、そしてこの公害、そういったものを達成する、そういった意欲的なもの、あるいは決意、そんなものが全然ぼやかされてしまっておる、このように私は思うのでありまして、もう一度あなたの御見解を伺いたい。
○菅野国務大臣 これは公害基本法でありますので、公害に対して、公害を防止したり、あるいは公害を未然に防いだり、いろいろなことを、やはり公害基本法に入れなければならぬ。したがいまして、経済の健全な発展ということもあわせて考えながら公害の防止ということを考えていかなければならぬので、お説によると、経済の調和は別につくったらいいじゃないかというお話でありますが、公害基本法でありますから、これは全般のことをやはりこの法案の中に盛るべきである、こう考えております。
○阪上委員 したがって、公害基本法は目的だけでいくのではありませんから、いろいろな手段がこれにずっとついてくるわけであります。なぜそこへ入れておかぬか、こういうのです。それで十分じゃありませんか。目的にはっきりと、経済の調和をはかるという手段を入れておる。そんなことをいえば、教育との調和もはからなければならぬでしょうし、その他いろいろな調和もはからなければならぬじゃありませんか。何も経済とか企業とかいうものばかりに限るものではないと私は思うのです。したがって、それが目的の中に入っているところに、やはりいま言ったような問題が出てくる。だからこそ、協議がなかなか整わなかった、私はこうだと思うのでありまして、したがって、あなたのおっしゃるようなことであるならば、目的からはずして、そんなものは目的じゃないのだ、これは明らかに国民の健康を守るのだ、こういうことで、別に基本法として風格が落ちるわけでも何でもないし、むしろ手段としてお入れになったほうが私はいいと思うのでありまして、もう一度伺って、これはおそらく同じ答弁になるかもしれませんが……。
○菅野国務大臣 生活の環境をよくするということで、したがいまして、やはり目的をはっきりしておればこそ、そこに手段というものは生まれてくるのでありますからして、経済の健全な発展との調和をはかるということによって、同時に公害も防止ができるということになりますからして、そういう目的にうたって、同時にその手段を講じたい、こう考えておる次第であります。
○阪上委員 通産大臣、なかなか妙なところへ力こぶを入れてがんばっておりますが、厚生大臣どうでしょう。それから自治大臣どうですか。
○坊国務大臣 先ほどからしばしばお答え申し上げておりますとおり、もう健康や生命というものに関する限りは、これはもう一歩も譲るわけにはまいらない、こういうことを目的の中に入れておるのでございますから、生活環境については、これは経済の健全なる発展と調和をはかりつつ生活環境を保持していく、こういうことになっておるのでございまして、あくまでも健康については、これはもう絶対であるという趣旨がこの文章にあらわれておると私は考えております。
○藤枝国務大臣 いま厚生大臣の仰せられたとおりだと思います。いずれ、さらにいま法制化を厚生省が中心になってやっておられるのでございまして、十分その辺の点も御考慮いただけるものと考えております。
○阪上委員 先刻の厚生大臣の御答弁なんか、これはみずから理に落ちておると私は思うのです。あなた、ほんとうにいいことをおっしゃる。国民の健康を守るという一点は断じて譲れない、そのためにも、環境を整備していく、私はそのほうが目的だと思うのです。そして、あなたは三段論法か何論法か知りませんけれども、環境をよくするためには、経済の健全な発展、こういうふうにあなたは説明なさっている。私は、したがってこんなものは毛頭入れる必要はないと思いますが、いまのところ三対一ですから、これはひとつ通産大臣、もうこの辺でかぶとを脱がれたほうがいいと私は思います。幸いにいたしまして、皆さんでもっと考えてみよう、こういうような御答弁も閣僚の中から出ておりますので、ひとつこの点については善処を願いたい、このように思うわけであります。 それから次に、企業責任、これにつきまして答申案は強くこれを要求しておるようであります。この点につきましては、試案ではどうなっていますか。
○坊国務大臣 公害対策基本法試案要綱の中で、「事業者の責務、事業者は、その事業活動によって公害が発生することを防止するため必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施する公害の防止のための施策に協力する責務を有すること。」というのであります。
○阪上委員 端的に言いまして、非常になまぬるいのではないか、このように思うわけであります。諸外国の例から見ましても、やはり公害防除の責任といいますか、これは全く発生源である企業の場合において、企業者責任ということが明確になっておるわけでありまして、いずれの国においても私は同様だと思うのであります。それにしては、この試案要綱では事業者の責務というものが非常になまぬるい。したがって、私が問いたいのは、無過失責任も含めて徹底的に事業者がこの責任をとるべきである、こういうように思うわけでありますが、この点についてはどうでしょうか。
○坊国務大臣 ただいま法案につきましては、この試案要綱に基づきまして作成を急いでおるわけでございますが、無過失責任論というのもございますけれども、無過失責任ということにつきましては、これは立法上も相当議論のあることでございまして、いずれこういったような問題につきましては、法案を提出いたしました段階において御審議を願いたいと思います。
○阪上委員 法案提出の段階において御審議というわけにはこれはいかないので、やはり原案にそういったことを明確に盛られるかどうかということを質問しておるのでありまして、私どもが直ちに法律の原案をつくっていくわけでもなんでもありませんから、これもやはり協議の一番大きな問題の一つであったと私思うのであります。これは徹底的に追及する必要があるのでありますが、どういう点でそれじゃ支障があるのでございましょうか。これも承っておきたいと思います。
○坊国務大臣 法律上におきまする無過失責任ということは、これは、私は専門家ではございませんからここで的確に申し上げることはできませんけれども、いろいろな立法例、日本の現行の法律、そういったようなものから考えてみまして、無過失責任を課するということにつきましては、これは法案作成、立法上の相当な重大なる問題として検討を要することだと私は考えます。
○阪上委員 審議会の答申の中には、問題が多少あるかもしれないというような表現もされているように思います。しかし、現在の私法的な、過去のいろいろな法律ばかりにこだわらないで、公法的なたてまえからこれを処理していくことについて、必ずしも私は憲法違反だとかなんとかいう問題は起こってこない、こういうふうに思うのです。この点はひとつさらに検討していただいて——これがあやふやになりますると、おそらく公害対策基本法をつくってみたとしても、これは全くざる法になってしまうのじゃないか、こういうふうに考えるわけでありまして、さらに法案をつくる場合に、ぜひひとつ皆さん方で協議していただいて、この点の解明をしていただきたい、このように思うわけであります。 それから次に、環境基準の法律化の問題であります。これはもう当然のことだと思うわけでありまして、ただ単に個々の公害基準をつくりましても、それ自体は許容されて、それだけで企業自体としては問題にならない程度のものであっても、地域的に集積いたしますると公害が発生いたしております。これはロンドンのスモッグの場合もみな同様であります。したがって、これを実施しない限りにおきましては、こういった基本法をつくったとしても何の役にも立たない、こういうことになるわけなんであります。これは政令でおやりになるのですか、それともストレートに法律に条文化されるわけですか。この試案によりますると、それが明確になっておりません。むしろはずされておるように思います。在来のごとく、公害基準というようなものを政令で定めるということで放置いたしておきますと、いつまでたってもこれができないのでありますし、同時に、環境基準というような広域的な役割りを果たすものをつくらないと意味がありませんので、この場合、これを政令にまかすようなことがあってはいかぬと思いますし、同時に、法律の中で頭を出す必要がある、このように思います。これが出ていないように思います。どういうふうに処置されるおつもりでありますか、それをちょっと伺っておきたい。
○坊国務大臣 この問題は、本法案の作成に非常に関連のある問題でございまして、目下どうするかということについては検討中でございます。
○阪上委員 そこで企画庁長官にお伺いいたしますが、答申案によりますると、「公害対策のすすめ方」、この中にみごとにこの点を指摘してあるわけなんであります。「これまでの公害対策が、土地利用が相当以上に進んでいる地域において個々の発生源に排出基準を課するという個別的な手段に終始していたのに対し、」云々と、こういうふうに、ここで環境基準というものを強く定めるべきであるという意味のことがうたわれているわけなんであります。そこで、いままでの分は別といたしまして、さて、これからの未然防止の場合にせひ必要なのは、この土地利用計画だ、こういうように思うわけであります。これは建設大臣にお答え願うよりも、宮津さんにお答え願ったほうがいいと思いますが、あらゆる公共事業等のこれは基盤にもなりますので、土地利用計画、これが必要なことをお認めになるだろうと思いますが、どういう、ふうに土地利用計画を進めていくか、こういうことについてのあなたの発想があれば伺いたい、このように思うのです
○宮澤国務大臣 基本的には、宅地審議会からありました答申に基づきまして、おそらく都市計画法を改正する形で土地利用計画というものを法制化していくということ、その際、他方で、通産省が考えておられます工業立地の適正化をそれへどう織り込んでいくかということになると思います。これは建設大臣を中心にして、関係各省ができるだけの協力をいたしませんとできないものだと思いますが、ただいま承知しておるところでは、建設省で原案をつくっておられる。で、考え方としましては、都市計画法の改正を国会でお認めいただければ、それに従って、おそらくは関係の都道府県知事に土地利用計画の作成について担当をしてもらいまして、そして土地利用計画をつくるわけでありますが、その際に、基本的には、やはり既成市街地と、それから市街化地域と、調整地域と、保存地域、こういう分け方をいたしまして、そして調整地域には、原則として農地の転用というものはもう認めない。それから、いわゆるスプロール現象を押えるために、いろいろな公共投資も認めない。保存地域は、さらにこれは現状を保存する。こういうふうに土地利用の区分を強制力をもってつくり上げていく。そこへ工業の立地適正化の考え方を横から入れてくるわけでございますけれども、こういう形で住宅地域に公害が発生するのを防ぐ、そういう考え方がやはり適切であろうと思っております。
○阪上委員 そこで、企画庁長官にさらにお伺いしますが、土地利用計画基本法といったようなものをつくる必要があるのではないか、こういうふうに実は考えるわけでありまして、もうそこまでいかないと、これはぐあいが悪いのじゃないか。私は、土地公有論とは言わないのですよ。憲法二十九条に抵触しない範囲内において、思い切って一私有財産を公共の用に用いていく、徹底した使用を進めていく、そのための徹底した規制を行なう。内容につきましては、いまお述べになりましたような発想でけっこうだと私は思うのであります。これを建設省だとか、通産省だとか、ばらばらに扱わないで、思い切って土地利用計画法というようなものをつくる必要があると思うのであります。最近、私、地方自治体等を回ってまいりましても、きわめて保守的な市町村長さんあたりでも、この際もう土地公有に徹してくれなければ、われわれは仕事が何一つできないというような痛切な叫びも実は出ておる。それは、憲法二十九条の中には、御案内のように、土地所有については明確に私有財産というものを否定しておらない。ただしかし、利用するということについては、これはもうとんちゃくないと私は思うのです。この場合、土地利用計画法というようなものをつくらない限り、いまのままでじんぜんとして日を送っておりますと、もう日本の地域開発から、公共事業から何から、何一つできなくなってしまう。住宅対策もくそもあったものじゃないと私は思うのです。ことに公害のような問題におきましても、やはりこれが先行しないと、もうだめなんだ、ここまで実はきているわけでございまして、重ねてお伺いし、それからひとつ宮澤さんをこの際督励して、何かこういうものをほんとうに企画庁あたりが思い切っておやりになったらどうか、こういうふうに実は考えるわけであります。この点についてどうでしょう。
○宮澤国務大臣 立法技術の問題としてどういう法律がいいかということは、私つまびらかにいたしませんが私の知っておりますところでは、ただいまの都市計画法というのが、法律としては非常に強い法律でございます。大正八年ごろでございますかにできました法律で、これをフルに運用いたしますと、非常にいろんなことができるようになっておるのでございますけれども、旧憲法のもとで書かれましたために、御承知のようにいろいろ現状に合わないところがございます。それで、おそらく建設大臣のお考えは、この法律を書き改めていって、そうしてこれに準拠して今度の宅地審議会の答申を実現しよう、こういう御方針だと思いますので、私といたしましては、各省の権限などということはあまり申さずに、できるだけ仰せられますように一ところに力をまとめまして立案をし、また、その後の行政をやっていくべきであると思うのでございますが、私どもの思っておりますように、宅地審議会の答申が大筋として受け入れられますと、そこにはやはり私権に対して従来とかなり異なりました制約を加えることになると思います。 たとえば調整地域では、原則として住宅の建設を許さないといったようなことになりますと、また、それに必要な公共投資もしないということになりますと、現にその地域に土地を持っております人の利益というものは、おそらくそれによってかなり阻害される。やがて建物を建てよう、あるいは建物を建てる人のために売ろうと考えておりました土地は、おそらく相当その地域では下がると考えなければならないと思います。そういう意味では、それはやはりそれを無補償で行なうということになれば、実質的にはかなりの私権制限になると思います。 それから他方で、今度は市街化地域でございますが、ここには開発利益というものが当然生ずることになると思うのでございます。その開発利益が生じましたときに、これはつまり、公共投資が行なわれることによって自然に土地の値上がりがあるという場合でございますが、開発利益が生じましたときにそれをどうするか。私自身は、私見でございますけれども、それを課税でもって取るということは、あまり効果的なやり方じゃないと思うのでございます。しかしながら、当然土地の値上がりがもう自分の、全く自分の個人に嘱すべき利益である、こういうふうに考えさせる必要はない。それは都市計画税であるとかいろんな説明のつく形でもって、やはりある程度その値上がり益というものは公共のために供出をしてもらうというような考え方、これは答申にあるわけでございますが、そういったような点では、かなり従来の私権というものに制約を加えることになる。で、そこまでやはり考えていくことが必要なのではないだろうか。もちろん憲法との関係で、これはいかに土地のため、あるいは公害のためとはいえ、一方的な議論をいたすわけにはまいりませんけれども、心がまえとしては、そういうことになってもある程度はやむを得ないのではないか、そういうふうに考えるべきではないかと私個人は思っております。
○阪上委員 せっかく、そのくらいな強い気持ちでひとつ考えていただきたいと思います。 繰り返すようでありますけれども、それはもういろんな支障はあちらこちらから、各方面から出てくる、だろうと思うのであります。しかし、これは総理も言っておられるように、もう勇断をもって処理すべきときであって、こういう問題がある、ああいう問題があるからといって、あるいは学術的に、技術的にまだ検討中であるからなんということで、いつまでもこの公害対策をなおざりにしておるということでは、これはたいへんなことだと思う。だから思い切ってやっていただかなければならぬときじゃないか、このように思うわけであります。 なお、あと数点聞きたいところがありますけれども、関連質問がありますので、私はそちらのほうに譲りたいと思います。
○植木委員長 この際、高田富之君の関連質疑を許します。
○高田委員 公害問題に関連いたしまして、一つのきわめて緊急を要する重大な問題について御見解を承りたいと思うのであります。 それは、まあ公害と申しましてもいろいろあるわけでございますが、私は、一つの最も典型的な例としまして、現在の河川の砂利採取業ですね、砂利会社、この砂利会社に対して、いまのようなことで放置しておきますと、まず付近の住民の井戸水がかれてしまって、飲み水がなくなっている騒ぎは御承知だろうと思うのであります。これは東京周辺、それから関西周辺の、主要な砂利採取業者が殺到して、争って砂利を掘っているところではほとんど共通だと思います。特に、私は埼玉県に住んでおって、毎日目で見ておりますからよく知っておりますが、最近沿岸の数カ市町村から陳情があったはずでございます。たとえば熊谷市あるいは神流川流域の数市町村の飲み水が出なくなってしまった。共同で相当の金を出し合って水道をつくったのだが、その水源までかれてしまった。つまり乱掘といっても、もう資源がないのですから、どえらい機械をどんどん持ってきて深掘りをするわけですね。掘り方がめちゃくちゃなんです。まず第一に、井戸水がかれます。それから第二には、先般の、去年あたりの台風のときにありましたように、橋げたのすぐそばまで掘ってしまうものですから、橋がこわれる。堤防がくずれる。そうしていまその修復を急いでおりますが、周辺ではまだまだその危険におびえておるわけであります。そういう問題が一つございます。それから農業用水がこのためにかれてしまって、何百町歩の田植えができないというような騒ぎがあって、そうしてある砂利会社を経営しておる村長さんから砂利採取権を取り上げた、こういう例もございます。いいですか。ちょっと聞いてください。文部大臣もよく聞いてください。 それからもう一つ、さらに被害があるのですよ。今度は文部大臣に関係があるのです。つまり、砂利のめちゃくちゃな採取のために、かつて日本でも一、二位といわれる重要な渓谷美を誇る長瀞のような景勝地、これは荒川総合開発でダムをつくるとき、数年前でございますが、文化財保護委員会から意見がございまして、文部省が非常に強力に反対をされたのです。つまり、ダムをあの下につくると、水がたまってきて、あの天然記念物の日本でも一、二位という美しいあの渓流がだめになってしまうということで、そのために相当慎重に検討されました結果、文部省の言い分が通りまして、そうしてずっと下流ヘダムを持っていったのです。それで現在ダムができ上がっております。そのために直接荒川には被害を及ぼしておりません。ところが、この二、三年間に、あの清流がいま濁流になってしまったのですよ、濁流ですよ。そうして地元の観光協会などが色写真にとりまして、県庁へみんなで何べんも陳情に行ったらしいのですが、全然効果なし、きき日なしでございます。現在の砂利採取のあの乱掘、資源が枯渇すれば枯渇するほど砂利の値は上がります。この砂利の猛烈な乱掘、わずかな区間のところに何十カ所も採掘場をつくり、何十社も許可をして、めちゃくちゃなことをしているのです。しかも、それを掘り出すダンプカーでもって道路は穴だらけになる、舗装道路はこわされる。ですから交通の問題、住民の生活の問題、農業用水の問題、観光資源の破壊の問題これが全部まさに暴走そのものなんですよ。これは前からずいぶん問題にされているのですが、一向にききめのある規制の強力な措置が講ぜられたあれが一つもない。建設省は一体どうお考えになっておるのですか。いまの砂利採取状態に対する取り締まり行政、規制行政というものはうまくいっているとお考えなんですか。あるいはどういう認識を持っておられるのですか。
○西村国務大臣 砂利採取の許可につきましては、建設行政としても、いま最も重要な問題でございまして、御指摘のとおりでございます。まあ、言いますれば、治水とかあるいは利水上に害があるかどうかというようなことを確かめて、その個所個所でもって採取の範囲とか数量をきめることにはなっておるのですが、従来からのいろいろたまった問題がありまして、いま高田さんが御指摘のようなことになっておるのでございます。一応建設省といたしましても砂利の許可基準、準則はきめておりますが、いまおっしゃいましたようなことが起こっております。したがいまして、砂利問題が、ことに関東付近あるいは大阪付近等につきましては非常な大きい問題でありますが、公共事業が続く限り砂利というものは非常に要りますから、私は河川に対する砂利の問題、それがまた不足すれば砕石の問題、いろいろな点をただいま考慮いたしておるところでございまして、悪いところはどんどんやはり許可を取り消す。中には乱掘の方もありますし、業者が非常に小さい中小企業の方ばかりでありまして、いま御指摘のようなことは十分注意をしたい、かように考えておる次第でございます。
○高田委員 砂利採取業に対する調査が不十分であります。これははっきり申し上げますが、東京周辺のたとえば荒川、神流川、私も毎日見ておるのですからよく知っているのですが、この採取の許可を得るためには、県庁の砂利行政の最高責任者である砂利事務所長を買収し、それから県会議員が口ききをし、あるいは村長がみずから社長になって会社をつくり——調べてこらんなさい、一つ一つ、政治的な利権に関係のない砂利会社があったら。そのほうが少ないのです。これはこの前も私は瀬戸山さんに強く申し上げた。瀬戸山さんは同感だとおっしゃって、二カ月ぐらい余裕をいただけば徹底的に調査の上、断固たる方針をもって臨むなんておっしゃったのですが、その後ちっとも、何もないのです。だから、いま言いましたように、あの渓流の美しいところがどろ水になっちゃっておりましても、幾ら色写真をとって県庁へ持っていっても、きかないはずなんです。きき目のないはずなんですよ。つまり長瀞の上流をじゃんじゃんいま掘っていますわ。その掘ることに口ききをした県会議員が、群馬の県警から砂利汚職で逮捕されて、起訴されて、いま第一回の公判か終わったばかりなんですよ。その人がまたこの間当選していますよね。そうしてこれは群馬の県警が——一例か出ているにすぎないのです。神流川の…(「何党だ」と呼ぶ者あり)これは自民党です。はっきり申し上げる。そうして一番神流川の下流の、これも自民党ですが、谷川という村長が逮捕されて、これも群馬県警に入りまして、いまこれも裁判をやっておる最中。埼玉県の砂利事務所長の平山、寄居の砂利事務所出張所長の何とかいう人も群馬県警へ逮捕されて、全部起訴されて、いま第一回公判が終わったばかりなんです。すなわち、これらの河川のいま掘っておりますのは、背後に全部県の有力な地方政治家が関係しているといって過言でないのであります。だから、幾ら県庁に陳情に行ってもきき目のないはずなんです。いいですか。だから規制を加えるどころの騒ぎじゃないのです。橋げたのすぐ下までどんどん掘ってしまうのです。だからあの辺の橋なんかもほとんど——いま修復しておりますけれども、次から次からと橋もあぶないし、土手もあぶないし、まわりの水が出なくなる。そうして天下の景勝がああいう状態になっている。そこで、文部大臣、ダムをつくるときにあれほどお骨折りになってあそこを守ろうということでがんばられたのですが、それがいま清流どころの騒ぎじゃない、どろ水が流れているのですから。それであそこの何百軒という物売り屋さんが非鳴を上げている。もう全部店じまいをしなければならぬ。野上の町がつぶれてしまうという騒ぎなんですよ。文部大臣、これを見過ごしたらたいへんなことになる。あれから上のところは採取はもうすぐにでもやめさせなければなりません。文部大臣…。
○西村国務大臣 いま御指摘がいろいろありましたが、神流川の問題につきましては具体的にただいま調査をいたしておりまして、完了次第(「調査をする必要なんかないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、調査をする必要がやっぱりあるのです。調査をしまして、そして対策を講ずることになっております。おそらく床固めをやりたいと、かように思っております。 それから、長瀞の問題につきましては御指摘がございましたので、これは直ちに調査をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○剱木国務大臣 砂利採取につきまして、長瀞の上流二キロないし四キロのところで盛んに砂利採取をやっておるようでございます。そこで、これは実は文化財の名勝指定から申しますと現状変更の、区域外になるわけでございます。しかし、これによりまして、名勝なり天然記念物に指定しておりますが、それに相当の影響があると考えられますので、これは早急に私のほうも文化財保護委員会をして現地につきまして調査させ、そして適当な措置で善処してまいりたいと考えております。
○高田委員 私は関連ですから、もうこれで終わりますけれども、はっきり約束を取りつけたいのです。文部大臣、この前は非常に骨を折ってくれたのです。ダムをつくるときに。ダムをつくって、あそこによどんでしまってはいけないというので、ダムを非常に下流へ持っていったのです。それは成功したのです。今度はせっかくそれができましたら、その後間もなく、もう三、四年前から始まっているのですよ。現在最もひどいのですが、今度は連休もありますから、ぜひ一ぺん早急に行ってみてください。泥水が流れている天下の渓流はございませんよ。そうして、これは即時採掘をやめさせる以外に手はないのです。大体荒川の砂利の採取は無理ですよ。限界を越えていますよ。ですから、砂利採取そのものを禁止させなければだめです。いいですか。それについては、そうするといつごろまでに調査をし、そしていつごろまでに断固たる措置をとるか。いつまでにもとの清流に戻すか。 それから建設大臣のほうは、たとえばいま神流川のことは調査中だというのですが、これはもうずいぶん古くからの問題なんです。いまに始まった問題じゃないのです。そこで、ほんとに住民が困り抜いて、金を出し合って自分たちの五尺簡易水道までつくった。それまでもだめになったので、これはもう国の力にすがる以外にないということになっている。これは群馬、埼玉にまたがったあの付近一帯の問題なんです。ですから、これも早急に国の金を出すなり、県の金を出させるなり、砂利会社の金を出すなりして井戸の問題を解決すると同時に、採取そのものを規制し、やめさせなければだめです。それをいつごろまでにおやりになるのですか。去年も私は声を大にして瀬戸山さんのときにお願いしたら、やるとおっしゃったのです。ですから、どうかこれについては期限つきで、ひとつ誠意のある御回答を願いたいのです。どうぞひとつ両大臣からお願いします。
○剱木国務大臣 これは即刻調査しまして……。それから実際の禁止その他につきましては、これは建設省の問題でございますから、早急に建設省に対して申し入れをいたします。長瀞につきまして、例のダムの問題につきましても、文化財としてはいままでがんばってまいった問題でございまして、名勝としての保存について最善の努力をいたします。実際にやめさせるかどうかは、これは私のほうでございませんで、建設省の問題でございますから、ひとつ直ちに申し入れをいたすつもりでございます。
○西村国務大臣 神流川の問題は、床固め等によって対策を講ずるつもりでございます。調査もやりつつありますが、至急にやるつもりであります。 長瀞の問題は、私はあまりよく承知をいたしておりませんので、これもせっかくの御注意でございますから、極力調査をいたしまして善処するつもりでございます。
○阪上委員 締めくくらなければいけませんので……。 そこでお伺いいたしますが、この公害対策基本法をいつまでに国会に提出されますか。それからいま一つは、国、地方の防除費の負担区分、こういったものについて、法案の中でどう取り扱われるか。 それから自治大臣に伺いたいのは、またぞろ地方負担がふえるのじゃないかと思う。これについて一体どう対処していくか。要は、四十二年度の予算の中ではきわめてわずかなものしか計上されておりません。これは、既往の、現行法に対する手当てだと思います。公害対策基本法ができ、それが施行の段階にいつ入るか、これらの点とにらみ合わせてどう予算化していくか、これらの点について、一括してお二人からお伺いいたしたいと思います。
○坊国務大臣 公害対策基本法をいつ提出するかということにつきましては、大体連休明けぐらいの、五月の中旬というようなことを目途として、鋭意そういうことに持ってまいりたいと思っております。
○阪上委員 提出期限は五月の十二日まででしょう。どうなんですか。
○坊国務大臣 十二日がそういうラインになっておるそうでございますが、それを目途といたしますけれども、これはどうもその日ぴったりというわけにはまいらないかもしれませんので……。そういうことでございます。 それから、あとの御質問は、いまの予算……。
○阪上委員 施行期日をいつにするか。
○坊国務大臣 施行期日ですか、公害基本法の。
○阪上委員 ええ、急いでいますからね、みんな。
○坊国務大臣 そこいらのところは、できるだけすみやかにということにひとつ御了解を願いたいと思います。
○藤枝国務大臣 御指摘のように、いま手当てをいたしているのは従来のものでございまして、先ほど申しましたように、国、地方公共団体並びに企業の責任を明らかにし、並びに公害対策に対するこれらのものの負担区分をはっきりしていただくことをわれわれ自治省としては要望し、おそらくそうなってまいると思います。それに従いまして、財政につきましても、地方がそれによってさらに負担が増加するようなことのないようにやってまいりたいと考えております。
○阪上委員 終わります。
○植木委員長 これにて阪上君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして昭和四十二年度総予算に対する一般質疑は終了いたしました。 次会は、明二十七日午前十時より開会し、締めくくりの総括質疑に入ります。 なお、明日午前九時三十分より理事会を開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十四分散会