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55回国会衆議院1967/04/05

予算委員会 第12号

発言数
450
登壇者
26
会派数
3
開催日
1967/04/05

会議録

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 きょうはひとつ、金、ゴールドについて、いろんな面からお伺いいたしたいと思っております。  御承知のように、金には二つの面がございまして、一つは、通貨の基礎として国際間の決済のために、という性格を持っています。他の一面は、金それ自体の物質としての面でございます。そこで、いろいろと最近は金をめぐりまして、国際的には金価格の引き上げとか、新準備資産の創設とか、あるいは国内的には新しい産金政策、鉱業政策等が関心を寄せられておりますので、逐次そのような面についてお伺いをいたしたいと思います。  そこで、まず通産大臣と大蔵大臣、それから厚生大臣にお伺いいたしますが、大体、新産金は年間約十三トン、年によって若干違うし、ことしは十五トンぐらいといわれておりますが、民間の需要は年間約二十トン、あるいは本年は二十五トンといわれております。そして絶対量が不足しているわけでございます。そこで、その不足した分に対しましては、政府の手持ちの保有金を放出するとか、あるいは足りないところは密輸入が行なわれておる。これは推定年間十トンにも及ぶのではないかといわれておるわけでございます。  そこで、お伺いいたしたいのは、まず、金管理法で、金の取引の実態を調査する、こういうことになっておりまして、第七条一項では、その取引の実態を調査する主務大臣は、大蔵、厚生、通産、この三大臣が主務大臣となっております。したがって、まず金取引の実態を金管理法の第六条によってこれら大臣は報告を求め、取引の実態を調査することになっておりますので、それぞれの大蔵、通産、厚生の各大臣から、取引の実態についての調査、これをお聞きいたしたいと思います。

柏木雄介大蔵省国際金融局長

○柏木政府委員 お答えいたします。  昨年の国内の金の需給の実績でございますが、昨年の新産金の実績は十四トン八百ぐらいでございます。そのうち、政府の買い上げました分が六百五十七キロであります。それから、政府が放出いたしました金が約三トンでございます。したがいまして、産業用といたしまして民間で利用可能となりました金が十七トン百六十キロであります。  それに対しまして需要のほうでありますが、歯科医療用に使いました分が三トン百余り、それから、電信通信機及び機械用に充てましたものが一トン七百余り、メッキ用が二トン二百余り、金張り用六百七十キロ、陶磁器用一トン三百九十、万年筆用一トン四百余り、指輪、装身具等用が四トン七百余り、時計が四百四十キロ余り、その他五百キロ余りありまして、全体の需要といたしまして十六トン五百余りでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 三大臣、いいですか、金管理法第一条では、「金の取引の実態を調査することを目的とする。」取引の実態を調査することになっておる。そして第六条では、それぞれの三大臣、大蔵、通産、厚生は、報告を受けることになっているわけです。したがって、第七条の二項によって、それに関連するそれぞれの大蔵省令とか厚生省令とか通産省令をきめて、その取引の実態を調査しておられるはずなんです。それぞれの所管の内部における取引の実態はどうなっておるのか、こういうことなんです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 医療用の金の使用としては、主として歯科の金歯に使っておるわけでございまして、これは先ほど大蔵省政府委員がお答えになりましたとおり、四十一年度におきましては三トンを使っておる、こういうような状態でございまして、歯科技術がだんだん発達してくるに及びまして、今後とも金の需要がだんだんふえてくるであろうと思いますから、厚生省といたしましても、その確保につとめてまいらなければならない、かように考えております。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 ただいま大蔵省から御発表になった数字と同じことであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 厚生大臣、金歯に使うというようなことは、だれでも知っておるのですよ。法律で取引の実態を調査するとなっておるのですよ。そして、主務大臣として三大臣がきめられておるのですね。そんなことですか、この法律のいっている取引の実態というのは。どうなんです。法制局、この取引の実態とは一体どういうことを意味しておるのですか。

吉國一郎内閣法制次長

○吉國政府委員 この第六条におきまして、主務大臣が金の取引の実態を調査するため必要な限度において、共同省令によって、粗金及び金地金の受け払い及び使用の状況に関する報告を徴することを認めております。これは、粗金と金地金がいかにして生産せられ、あるいは日本の取引の流通の経路に持ち来たされたか、また、それがいかにして払い出されたか、それがいかなる用途に使用せられたかという状況の報告をとるわけでございますが、それは金がいかなる流通経路において取引をされているかという実際の姿を調査する、その調査をすることによって、金管理の目的を達成しようということにあると存じます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 こういうことで時間をとりたくないのですが、いまの、たとえば厚生大臣の答弁、いま吉國次長の言ったのに合っていますか、合っていないでしょう。ともかく、この金管理法の定めるところの取引の実態調査ということが、実際は各大臣把握しておられないのではありませんか。いかがです。去年医療用に幾らいったとか、万年筆、時計に幾らいったかということは私も知っております。取引の実態というものは、そういうものではないと思うのです。  それでは、次へ行って関連いたします。たとえば、これは鉱業協会の統計ですけれども、本年度の需要は二十五トンあるという、それに対して供給は十五トンである。十トンくらいそこに開きがあるわけです。そこにいろいろな放出とか何かがあったといたしましても、絶対的に本年度は六・五トンか七トンくらいは不足する、こういわれておる。そこで、これはあとで触れますが、金地金を十トン輸入するということになっているわけですが、この金の需給の状況とその見通しについて、これは通産大臣にお伺いいたします。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 四十二年度の金の需要量は、大体最近二十トンと推定いたしております。生産、放出分を合わせての供給は、おおむねこれに見合うという大体の見込みをいたしておるのでありますが、もし需要がこれ以上伸びるようであれば、結局地金の輸入を断行せざるを得ないのではないか、そしてまた、放出をもふやしてもらわなければならないのではないか、こう考えておる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 実際は絶対的に足りないんです。そうして日本の国内の金の価格は、大体産金会社が貴金属に出すのは、通産省の行政指導による値段でグラム六百六十円。そのうちで、特にいろいろな関係から安くするものもありまして、平均して六百三十七円です。ところが、IMFできめられました国際価格はグラム四百五円なんです。この日本の価格は、世界でフィリピンに次ぐ高値なんです。それに絶対的に不足しておる。たとえば、ロンドンあるいは香港、スイスでもどこでもグラム四百五円で買えるわけなんです。それを日本へ持ってくれば六百六十円、やみ値は九百円もしておる。したがって、密輸業者のいい市場になっておる。だから、実際問題として、密輸ですからはっきり数字はつかめませんが、推定年間約十トン密輸されておるといわれておる。国家公安委員長、金の密輸の実態とその取り締まりはいかがですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 金の密輸については、拳銃や麻薬の密輸と同様に重点的な取り締まりをいたしておるわけでございます。今後も、できるだけ水ぎわでこれを取り締まるという体制で、関係諸機関と連絡を密にして十分な取り締まりをしてまいりたいと思います。  取り締まりの実態を申し上げますと、三十九年には十三件で七十一名、押収した数量が二十六キロ余でございます。四十年は三十七件、百七十三名、三百三十八キロ余、四十一年は十七件、八十二名、百九十七キロ余、四十二年の三月までで六件、三十名、七十三キロ余になっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 実際に検挙したのは、いまおっしゃった百キロあるいはその前後という程度ですが、実際の市場から見て、絶対に不足している金の量は、そんな数ではないんです。だから、もっと多くの密輸が行なわれておる。その需給関係を調べるのが金管理法じゃないですか。金の取引の実態を把握していないから、どんどん入ってきた密輸の金が横行しておるんですよ。これは推定ですから私も強いことは言えませんが、十トンくらいの密輸があるといわれている。その実態を主務大臣はだれも把握しておられないんですか。  大体、あなた方は、金管理法という法律があって、それに基づいて大蔵、通産、厚生、三大臣が主務大臣となって、その取引の実態を調査するための報告を求めたり、そのための省令をきめたり、そうして常に金の実際の取引がどうなっておるかという実態を調べる、こういうことが法律にあることすら知らぬのじゃないですか。取引の実態調査ということは、先ほど大蔵省の言ったような、そんなもんじゃないと思うのです。そんなもんなら、机の上でいくらでもできるわけですよ。新産金のうち五%を金管理法で政府が強制買い上げする、あと九五%をどこへ割り当てるかというだけの数字ですよ。それは取引じゃありません。取引の実態というものは、一体どうなっておるか。これを取り締まるための金管理法であり、政府が金を管理しているゆえんじゃないですか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いまの金の取引の実態ということは、実際それを知ることはなかなか困難でありまして、確かに密輸入されていると思います。密輸入なるがゆえにその取引状況をつかむことはむずかしいのであって、そこで、その点において、これは警察か何かのほうでよく調べてもらわなければ、われわれのほうではわからないのでございます。だから、われわれのほうでは、実際に公式に取引されておるものしかわからないということでありますが、金が足らぬことは事実であります。  そこで、金が足らぬから、また、日本の金の価格が高いし、国際価格が安いということで密輸入が行なわれておるし、また、密輸入されていることは、ときどき新聞でもわれわれ拝見しているのであります。そこで問題は、日本国内の産金をふやすということです。その点につきまして、来年度には特に予算をとりまして、どうしても日本の産金をふやしたいということで、予算を計上いたしておりますから、できるだけ日本国内の産金をふやすように努力したい、こう考えておる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これだけやっておっては時間の空費になって困りますので、実際面において相当数の密輸が行なわれておるということ、さらに、絶対的に金は足りないということ、この点はお認めになりますね。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 その点は私も認めます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 国家公安委員長、認めますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 わが国に入る船舶、航空機等が相当多くなっておりますので、密輸が相当あるということは考えられます。先ほど申し上げましたのは、押収しただけの数量を申し上げましたが、そのときの自供その他によりますと、先ほど申し上げました数量以上のものが入っているということは、ある程度判明しております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その二点をお認めになるなら、次にまいります。  大蔵大臣、わが国の金準備高は昨年末で三億二千九百万ドル、金外貨準備に占める比率は一八・三%。ところが、あなたは、三十五年十二月二十日の衆議院大蔵委員会において、ちょうどあなたが大蔵大臣のときです。そういう数字は低過ぎるので、三〇%程度まで比率を上げたい、このように答弁しておられるわけです。その答弁と今日の考え方は変わりはありませんか。ないとするならば、準備金の比率を上げるように、今日までどう努力せられましたか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 あのときは、たしか一五%前後のときだったと思いますが、やはり長い目で、保有外貨をふやしながら金の積み増しをやって、三〇%前後まで、せめて倍ぐらいの保有率にはしたいと言ったことを記憶しております。しかし、そのときから比べたら、いま五%ふえているという程度でございますが、保有外貨をふやすその過程において、やはりできるだけ金の保有量はふやしたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 できるだけふやしたいというだけでは……。具体的にどう考えておられますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはもう田中さん御承知のとおりでございまして、日本の全体の外貨保有量は非常に少ないのでございますから、金を大量に買う余裕というものはいままでございませんでした。と同時に、これをドルの形で運用することが積極的に日本にとって利益の点があったというようなことから、無理をして金を買うということを私どもはやりませんでした。金がなくても決済には差しつかえないことでございますし、対日クレジットの確保とか、あるいは金を運営するのでは外貨の収益は得られませんが、ドル運営することによって外貨の収益も得るというようなことから、これを無理して買う必要が実際にはなかったということが一つと、もし金価格が上がるということでしたら、これはドルで保有することは非常に大きい損をこうむりますので、これは考えなければならぬと考えておりますが、いまの情勢では、金価格が引き上げられるということはほとんど考えられませんので、したがって、これを無理に金にしていく必要がなかった、こういう事情によって、いままで日本の保有率は非常に少なかったのでございますが、これはやはり外貨保有量の増大と関係して、徐々にふやしていくよりほかないんじゃないかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 金が絶対に上がらない、IMFの協定だからと、こういうことですが、フランスのドゴール大統領や、それからフランスのドブレ大蔵大臣は、ことしの一月二十五日、二十六日にロンドンで行なわれました国際通貨制度の改革に関する十カ国蔵相代理会議とIMF理事会の合同会議で、ドルだけに依存しておる現在の体制から、もっと金にウエートを置くべきである、そのためには、ドゴールのごときは、金の価格と現在の二倍にすべきではないか、そういうような意見を吐いています。これは日本等も反対のようですが、この限りでは実現をしなかったけれども、しかし、ヨーロッパ等においては、金価格を上げようというムードといいますか、そういう機運にあることは事実なんですよ。そうじゃないですか。もしその場合、このような実態であるならば、日本は大損するのですよ。大きな損をするのですよ。絶対に上がらないと確信を持たれますか。それではドゴールとかドブレ・フランス大蔵大臣の、あるいはそれに二、三の国もヨーロッパでは同調していますね。そういうようなことが無視せられますか。さらに、現実に今年に入ってからロンドン相場は上がっていますね。それに対してソ連が放出をしたから、若干落ちついておるけれども、だんだん上がる傾向にあるのですよ。どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は、当分絶対上がるというような可能性はないものと思っています。ほとんど各国はみな反対でございますし、私どもも金価格を上げないほうに努力している一員でございますが、正式なIMFの会議というようなところでは、フランスもそのことは絶対に主張していないというのが実情でございますので、当分金価格の引き上げということはあり得ないと私どもは思っています。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 国際的に金は絶対的に不足しておるのです。一番供給源であるところの南ア、南アフリカ共和国でも、労働問題等々で減産になっておるのですよ。したがって、欧州においては自由価格は上がってきておるのですよ。それをIMFの協定だからといって、グラム四百五円がいつまでも維持せられると考えられますか。現に上がっておる。絶対的に物が足りなくなれば上がるのはあたりまえですよ。  それでは、いま日本の、たとえば装飾品とか、よく問題を起こす純金の小判、ああいうものに使っている金は、幾らで取引せられておるか御存じですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 金のやみ値は正確に存じません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 九百円もしておるといわれておるのですね。九百円が相場だといわれております。これはあとで、密輸で没収した金を検察庁が競売したときの価格等でも触れてまいりますけれども、高いのですよ。そういうことを調べるのが取引の実態じゃないのですか。ただ一年間に日本の産金会社、すなわち、鉱山から幾ら取れて、そのうち五%を強制買い上げして、あとをそれぞれの分野に分けて渡す。これだけだったら、こんな法律は要らぬですよ。取引の実態の調査というのはそういうことじゃないんじゃないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 さっき報告しましたように、公式の取引の実態は把握しておりますが、やみの把握というものは、おっしゃられるとおり私どもは十分把握しておりません。さっき御報告のとおり、去年おととし二カ年間で押収されたものが八十何件で一トン近いですが、これは実態から見たら、まだまだ小さい数字ではないかということは想像しておりますが、ほんとうのところは、これは実際に把握できておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ほんとうのところは、一切の実態を把握しておりません。したがいまして、金管理法第一条の目的に沿うた実態はつかんでおりません。法律違反を行なっております。明言してください。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 取り締まりが万全でないことは認めます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、万全でないことを認めたのだから、まあまあ、私の言うことを聞いたということになりますね。  それで、金管理法の第三条の省令によって、政府は現在五%を強制買い上げしておるわけですね。それが二十八年では三三%、二十九年から二七%、三十年から現在の五%になっております。この率をだんだん下げてきたということはどういう理由に基づくのです。これはもう外貨準備、決済準備金としての金はあまり持たなくてもいいからということで、だんだん下げてきたのか。だんだんと国内における金を自由な販売にまかそうという考え方だったのか、その点いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 自由な販売にまかそうという考えと、もう一つは、日本の金の資源が乏しいために、事実上産金のコストが非常に高い。したがって、これをペイさせなければ産金業をつぶすということもございますので、そういういろいろな意味から、なるたけ政府買い上げを少なくして、自由な取引を許すという方向できめたものです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 国内においては自由にやらそうということが一点であったということ。そうしますと、通産大臣、先ほど言っておるように、通産省の行政指導でグラム六百六十円、それが、種類によって安くおくところがあるから平均では六百三十七円ぐらいだそうです。一方において、自由でやらそうということであり、一方において、価格を指導しておるのでしょう。それはどういうことなんです。行政指導というのでしょう。私は、昨年の予算委員会でも行政指導の問題を取り上げたのですが、それはどうなんです。矛盾しませんか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 ちょっとその前に、いま私が自由と言いましたが、その意味は、国内の需要というものも大体わかっておりますし、日本の産金の状態から見まして、なるたけ産業需要を国内の産金でまかなわせるのがいいというような考えから自由にするということでございます。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いま、六百六十円で日本の産出価格をきめておりますが、これはいまの金鉱山を維持するためには、これくらいの価格で買収しなければ維持ができない。大体今日四十の鉱山がありますが、それを維持さすためには、金価格を六百六十円ということにして、ようやく維持ができておるんじゃないか、要するに、産金を奨励する意味で価格を高くしておる、こういうようにお考えくださってけっこうだと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 産金奨励の問題とか、六百六十円で現在の——ことに金をやっているのは中小鉱山が多いのです。コストに合っているかどうかは後ほど触れますが、いま私が言っているのは、そういうことじゃないのですよ。先ほど来はっきりしたように、あなた方は、ほんとに取引の実態をつかんでいないのでしょう。大蔵大臣は先ほど、大体わかっておると言ったが、大体わかっておるなら、ここではっきりしてもらいましょう。需要は大体わかっておると言うのなら、一ぺんはっきりしてもらいましょう。あなたは、わからないと言ったのでしょう。私の言っているのは、できるだけ国内は自由にやらそうという一つの点がある。一方において、価格を行政指導しておるということ。それはあなたは、いま鉱山政策の上においてだと言う。ところが、それが間違っておるということはあとで指摘いたしますが、その行政指導を価格でやっておること自体がおかしいんじゃないか。行政指導といったら一体何ですか。こういう問答に入ると、また設置法に入っていきまして、本来のことが横になるから、また、あらためて……。通産大臣とはいつでも商工委員会でやれますから、行政指導の問題はお預かりにしておきますが、どうですか、ちょっとあなたは答弁に矛盾しているとは思いませんか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いま申し上げましたとおり、日本の金産出をできるだけ多くしたいということで、建て値を六百六十円にしておりますが、それを、金を輸出する場合には、またその値段を安くするというような方法をとっておるのであります。だからして、六百六十円は一応の建て値であるというようにお考えを願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 マイニング政策につきましては後ほど触れます。  そこで、大蔵大臣、先ほど、日本の準備率は一八・三%で低いということをお認めになった。たとえばアメリカは九二・三%、あるいはフランスは九〇・三%、こうなっていて、この比率が低いということは、結局日本がドルにたより過ぎておるということなんですね。したがいまして、円が外に対して、この準備率が低いということは、弱くなるんじゃありませんか。それから、先ほども触れているように、一部では金価格の値上げ論や、あるいは新しい準備資産の方法、たとえば国際通貨制といいますか、それに対して金のリンク制、いろいろ議論があるようですね。日本はそういうことには反対のようですが、現在、ドル必ずしも安定とはいえないと思います。世界的にドルは不安定であります。それに対して、ほとんどドルに身をまかせておる。防衛から、経済から、通貨のすべてに至るまでアメリカに寄りかかっておるという実態がここに出てくるのですが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 アメリカに寄りかかっておるというのではなくて、アメリカとの貿易を考えてみましても、また、アメリカに日本が非常に債務を持っておるということからいいましても、金で運営するよりも、ドルの形で運営するほうが、むしろ日本のためには損な方向じゃない、日本の信用にとってもこれは悪い方向ではないと私は考えております。現に、日本の円の信用というものは、結局、日本の国際収支がよくなるかどうかということで円の信用はきまってまいりますし、金を持つ持たぬということは、いまではそう決定的な信用の要素ではないと私は思っています。  これは四、五年前の話でございますが、日本がドル預金を持っているということが、これはやはり大きい対日の信用でございまして、私は、外貨不足のために、あのとき二億ドル外国へ金を借りに行きましたが、日本のドル預金というものがものをいって、二億ドルの借金を私は十五分間で話を済ませたといういきさつを持っております。  こういう点から見ましても、日本が全部外貨を金にしないで運用するということは、日本の信用をそこねるということには現実少しもなっていないというふうに私は判断します。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ドルにたより過ぎておる、それが将来どうなるかということは、これはお互い見解が違っておれば、それは議論にならぬと思うのです。しかし、私は、ある程度国際的に見て、基準といいますか、準備率があるんじゃないかと思うのです。宮澤さん、いかがですか、頭のいいところでひとつ、どのくらいが適当だと思われますか。九〇%以上のところもあれば、日本のように一八%程度のところもあるということですね。大体、金の国際決済のための準備としての政府保有金の率は、どのくらいのところがいいのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 田中委員の仰せられますことは、先ほどドゴール大統領のこともお引きになりましたが、ドゴール大統領は一国の元首ですから、私、批判はいたしませんけれども、ドゴールさんの考えの中には、やはりそういうものがあったのではないかと思います。けれども、金の価格が引き上げられるということは、実際世界の大勢として、いまないことだと思いますしいたしますから、私は、日本のいままでやってきた外貨の運用というのは、間違っていないと思うのでございます。もちろん、現在の三億三千万ドル見当の金でか少し少ない、もう少しあればいい、大蔵大臣がかつて三〇%くらいだと言われたのは、そういう気持ちを反映されたと思いますけれども、私は、世界の大勢は、新しいリザーブユニットに向かっていっておると思いますので、何も金をたくさん持たなければならない、これだけなければ困るのだというようなふうには考えておりませんです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 的確な、私の質問に対してどの程度がいいということはお答えがなかったのですが、ここで私は、ともかく世界的に、国際的に金は値上げせられようとする機運にあるということ、いまのような低い比率であるなら、ドルにたより過ぎているときは、金が上がった場合——あるいはドルがだんだん不安定になってきておると私は思うのです。そういう点からいって少し危険ではないか、そういうことだけ申し上げて、次にいきたいと思います。  そこで通産大臣、先ほどあなたは、金は絶対的に不足しておる、こういうことをお認めになったのですが、それでは、その不足したところの金を需要に合うようにしていくために、どういうことを考えられますか。一口に言うならば、産金政策ですね。一方では金の地金の輸入ということが考えられるわけですが、どちらに重点を置き、そうして新産金政策についてはどういうような構想をお持ちなんでしょうか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 金をふやす方法としては、やはり新産金の方法で増産をはかりたいということが第一だと思います。それで、実際にどういう方法をとっておるかというお話でありますが、昨年度におきまして、新鉱床の探査費補助金を大体五千二百万円計上しておりました。大体新しい鉱山の探査費としては四億円計上しておるのですが、その中には、特に金をめざして五千二百万円、そのうち、中小鉱山の合理化の指導を六件、それから中小鉱山の技術指導を九件というようなことで、産金額をふやしたいというのを第一に考えております。それでも金が不足するという大体予想をしておるので、もうここらで地金の輸入をやる必要があるのではないか。ということは、金の消費量が非常にふえてまいりましたから、したがって、この際地金を輸入するということも考えなければならぬじゃないかというように、いま考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これは日本経済の三月二十一日の記事なんですが、通産省は近く約二十金山を対象に実態調査をし、金山を再開発する、こういうようなことが出ておるのです。そこで、いま通産大臣から産金政策について若干の意見が述べられましたので、逐次お伺いいたしたいと思うのですが、たとえばアメリカでは、産金に対して年間五千万ドルの補助金を出すという法律案が、先日上院、下院の内務小委員会で可決をせられております。あるいはカナダは、緊急金鉱業助成法という法律で助成をしておる。そういうように、いろいろな国がほとんど助成なりあるいは援助をしております。日本には絶対的に金が足りない、しかも、それをやっておるのが中小鉱山が多いわけなんです。そこで、たとえば新しく新鉱床をさがすにいたしましても、とても手が出ない。そこで金属鉱業の探鉱促進のための事業団をつくりました。この金属鉱物探鉱促進事業団におきましても、金は除外になっておるのですね。そこで、この探鉱促進事業団において、金に対していわゆる新鉱床の調査をやらすとか、あるいは絶対的に赤字経営であるので補助金を出すとか、何かそういう方法をしなければ、いまに金山は倒れてしまうと思うのです。そういうような点についてもう一度、まず探鉱についてはどうか、今度は掘るのについてはどうか、製錬についてはどうか、一つ一つ考え方を明らかにしていただきたいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 四十二年度については、今度は金額を増額いたしまして四億二千万円ということで新しい鉱床の探査をやれるし、それからまた、中小鉱山の合理化の指導をやったりあるいは技術の指導をやって、そして産出額をふやしたいという考えをしております。  それから、いまお話しの探鉱事業団の問題ですが、これは金も実は大体考えておるのでありまして、金は除外しておるというわけではないので、金も考えて、ひとつ金鉱山の探査をやりたい、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 産金コストは、私が調べたところでは、グラム当たり最高が七百十三円、最低が五百二十三円、平均で六百八十一円です。ところが、先ほど来申し上げているように、六百六十円で産金会社が貴金属商に渡すわけですが、それをいろいろの政策的な面で安く渡すところがありますので、平均は六百三十七円です。そこで、平均コスト六百八十一円でどういうことをやっているかというと、品位六%——品位六%といえば相当高いところなんです。したがって、現在の通産省の行政指導による価格、これに合わすためには、品位の高いところを掘っていかなくちゃならない、そういうことで、現在は抜き掘りというのですか、品位の高いところだけ抜き掘りをして、ようやく合わしておるという実態なんです。しかも、それがいま言いましたように、売りが六百三十七円平均であって、コストの平均が六百八十一円、したがって、一グラムで五十円近い損をしておる。そういうことで、ことに中小鉱山が成り立つと思いますか。しかも、品位のいいところだけを抜き掘りしてそうなんですよ。今後一体どうなりますかね。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 大体品位が六・三グラムのところでありますと、六百六十円で採算がとれるわけであります。ところが、そういう品位のいい鉱山が少ないのでありますから、したがいまして、今後新しく品位の高い鉱山を見つけるように努力したいという考えで今日進んでおるわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、金の国内価格を上げろということを言っておるのじゃありません。これは、物価の関係とかいろんな面で、私はむしろ下げてもいいと思うのです。上げてはいけない。しかし、実際において、こういうようにグラムで五十円近く損をしておる、しかも、いいところばかり掘っておるということなら、これはだんだんと倒産するとか、廃山していくよりほかないと思うのですよ。そこで、差損金をグラムで五十円なり百円出すとか、あるいは探鉱促進事業団の対象品種に金を入れるとか、そういった方法による——諸外国でもやっておるのですから、日本はもっと、日本の少ない資源を守っていくという上においても補助をし、援助をしてやる必要があるのじゃないかと思うのですが、どうです。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いまお話の探鉱促進事業団のほうへ金の問題も入れまして、そしてその点については採算のとれるように、できるだけ考えていきたい、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、政令改正等により金属鉱物探鉱促進事業団の運営を改めますね。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 そういう御意見もありますので、いま私どもで検討中であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 マイニングとしての新産金政策についてはいろいろと要望もありますが、これはまた後ほど時間があれば触れることにして、もしなければ、本番の商工委員会でじっくりやることにいたします。  次にいきたいと思うのですが、大蔵大臣、貴金属特別会計法というのがありますね。これによると、政府のやるところの貴金属——まあ金はもちろんそうですね。それの買い入れ、売り払いは、すべてこの特別会計を通らねばならないことになっておりますが、そうですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そうだと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 政府の行なう金の買い入れ、払い下げは、すべて貴金属特別会計を通るんですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 全部特別会計を通すというわけではないそうでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、どういうものが除外せられますか。全部ではないと言ったでしょう。それでは、どういうものが特別会計を通らなくて行なわれておるのかということです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 たとえば、没収したものというようなものでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そこへきましたね。そこでお待ちかねの田中法学博士、密輸の金は刑法十九条によって没収しますね。それを検察庁が競買によって、競争入札で払い下げますね。昨年、たとえば暮れに四十五キロですか、払い下げておるのですね。そしてその価額はグラム七百三十五円なんです。これは政府の行なう金の売り払いと違うのでしょうか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 四十年の没収の金の競売価格でございますが、競売のことでございますから、競売のつど金額は幾らか前後違うわけであります。その平均をいたしますと、六百七十八円二十銭という程度でございます。お示しのものはその程度であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大蔵大臣、たとえば、いまの没収金の競売ですね、これは特別会計を通らなくてもいいとおっしゃったのですね。どこにそういうことが書いてあるのでしょうか。これも政府の行なう金の払い下げではないですか。金を売るという行為ではないのですか。どこにその除外の規定がございますか。あるいは法務大臣でもけっこうです、あなたは法律に強いのですから。どこにありますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 「政府の行う貴金属の買入、売払又は管理に関する経理を明確にするため、」ということで、必ずしもそういう没収したものを一般会計で買うというようなことは絶対にいけないというふうに規定してあるものではないと思って、現にそういうことをやっておったのですが、最近、この押収というようなものが非常に数量が多くなってまいりましたので、やはり従来のようにこれを一般会計で処理するということはいけない、この特別会計を通じてやるべきではないかということを、いま私ども検討しておるところでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 田中法務大臣、どうですかな、没収したもの。犯罪の用に供せられたもの、あるいは犯罪それ自体を構成したものは刑法十九条で没収しますね。これは競売することが大体の原則です。しかし、金は金勘定というものがあり、そうして一方、特別会計法があるわけですね。それを検察庁が競売にする、競争入札にする。しかも、その相手は不特定多数と申しますか、いままで、戦後というか、金の売り払いに対しましては、一つの商慣習としてのルートがきまっておるわけです。そのルートに乗せずにやるということ、それを平均しては幾ら、こういうことですが、昨年末は七百三十五円でしょう。そうするなら、政府のというか、通産省の六百六十円を上回ること七十五円ですね。そういうことについて大蔵省は、どうやらいまの答弁では、今後はそういうことでなくて、やはり正規のルートに乗せる、そうしてそれは特別会計に入れるのが望ましいという。私は、ここで法律違反とかどうとか言いませんが、法務大臣どうですか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 四十年の分では、ただいまの御質問の金の押収の物件の量でございますが、これは二百六十三キロちょっと余るもの、それだけの大量のものを、いまお説のごとくに民間に競争入札という形式で売却しておりますが、これは現在の法制のもとでは違反ではございません。しかし、お説のごとく、これは検討をする必要があろうと存じます。これはやはり正規のルートに乗せていくべきものではなかろうか、こう考えますが、法改正の点についてあらためて検討をすることにいたします。お説はまことに道理があるものと考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 法務大臣が法改正を検討すると言われたんですから、これ以上深追いはいたしません。  そこで、ずっと密輸金の没収という点にまいりました関係で、ちょっと金とは関係ないのですが、麻薬、これも特定の用途に使うとか、ある程度自由にならないとか、自由にしてはいかぬというような点では、共通点もあると思うのです。この麻薬は、没収した場合、その処分はどうなっていますか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 政府委員に答弁させます。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 麻薬事件で押収をされました麻薬は、裁判がきまりましたならば、これを厚生省が引き継ぐことになっております。厚生省が引き継いだ麻薬につきましては、品質の悪いもの、あるいは微量のものといったようなものは、これは焼却処分をいたします。品質のいいものにつきましては、衛生試験所でこれを精製いたしまして、警察、麻薬取締官事務所等、関係の機関に、試験鑑定用の麻薬としてこれを交付する、こういうことになっております。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 没収の麻薬でございますが、品質のいかんにかかわらず、すべてこれを私のほうの入管から厚生省に引き継ぐ、こういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それは麻薬取締法かなんかにそうなっておるんですか。そうすると、金については特定の規定がないから、一般のものと同じようにやっておられる、こういうことですね。しかし、それも今後は変えていこう、検討しよう、そういうことなんですね。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 お説のとおりでございます。金については、お説ごもっともと存じますので、ひとつ検討してみたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 通産大臣、先ほど産金政策で若干意見を述べましたが、たとえば、金属鉱物探鉱促進事業団法を改正して、それで探鉱するとか、それから差損金の問題についても検討する。そのほかに、中小鉱山が多いのですが、産金会社に対する税法上の減免措置とか、何かそういう税法上の優遇措置といいますか、あるいは製錬へ持って行くまでの鉱石というものは、ものすごく大きいんですが、一トンぐらいの石から指輪一本ぐらいしかとれないのですね。運賃がものすごく高くなるわけです。だから、鉄道運賃の軽減というか、そういうことについて考えるとか、そういうような点についてはどうですか。税金のことは大蔵大臣もひとつ……。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 いまの産金コストを安くするという点について、いま鉱業、審議会のほうでもいろいろ審議をいたしております。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 産金に対する特別の税の優遇というものは、してないと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大蔵大臣は、産金に対する特別の税法措置はしない、するつもりはないでしょう。そう言ったんでしょう。通産大臣は、鉱業審議会でやっていると言う。そういう意見は出ておるわけですよ。これは通産、大蔵の意見が違うのですが、どうですかな。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私の答えたのは、いま、しておるかと言われたから、いまやっておりませんと答えたのです。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 まだ大蔵省のほうへは正式にそういうことを申し入れてはおりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 かつてはいろいろと保護政策があったんですね。ところが、これは大蔵省の意見というのか、それはIMF協定でできないのだというような理由でなくしたんですね。それはどうなんです。当時、そういういろいろな保護政策があったのをなくしたのは、IMF協定の特別保護をしてはいかぬということからきておるのですか、どうなんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 補助金はIMFの許可をとるということになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 補助金はIMF協定によって許可をとればできるんですね。——税法の特別措置はどうです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 許可をとればできるということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、通産大臣、いま言っておるような特別な保護政策あるいは税法措置、鉄道運賃等の軽減の問題、こういうものは、あなたのほうは検討する、そういう意見が出てきた場合は、大蔵大臣は、このIMF協定、国際通貨基金協定の中において、もしそれが許可を要するものならば、IMF基金のほうへ許可を申請してやる意思はあるのですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 将来補助金を出すという方針でIMFの承認をとるという方向へいくか、補助金というものでなくて、別個に産金の助成ということができる方法はまたあろうと思いますので、そこらはこれからの検討事項だと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、IMFの協定によってできませんという態度を、大蔵省はとらないですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 できないということはございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 通産大臣、いま大蔵大臣はこのような御答弁ですから、ひとつ、いまにして何らかの新しい方策を講じない限り、日本の金山といいますか、これはスクラップになりますよ。いままで私は貧乏人だから、あまり金に縁がなかったけれども、一応金というものを見てみると、こういうようにいろいろな問題があるのですね。もう一度新産金政策に対する通産省の具体的な基本的態度をここで明確にしてください。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 お話しのとおり、戦前には産金のいろいろな補助制度をとっておったと思うのです。戦後は、大体探鉱奨励で事足っておったように思いますが、最近は、御承知のとおり金の需要が非常にふえてまいりましたので、したがって、金が足らぬということはもうお説のとおりでございます。そこで、この際新しい産金政策というものを考えなければならぬというので、先ほど申し上げましたとおり、いま私のほうで検討いたしておる次第で、鉱業審議会にかけて、ひとつ審議してもらいたいと、こう考えておる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 何か新聞の情報によりますと、これも四月三日の日経ですが、産金十社が今月の中ごろにでも懇談会をやる、そうして振興助成策をいろいろ検討する、そういうようなことになっております。別に私は産金会社の肩ばかり持つわけじゃないのですが、ここでいろいろな目的が出てくると思いますけれども、これに対してはどうです。そういう産金十社等の意見も十分くみ入れて産金政策というものを新たに考えていく、こういう用意があるのですね。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 私のほうへは、まだ正式なそういう会合をするという通知はありませんが、もしその会合でいろいろ御意見があれば、その御意見は私のほうでもまた大いに参酌したい、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 本年度予算の貴金属特別会計で、金地金を十トン輸入する、そういうことで四十一億三千八百六十四万円という金が計上されておりますね。そうですね。この輸入は、おそらく一ぺんに十トンを買うわけじゃないと思うが、その輸入の方法をどう考えておられますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 ロンドン市場を通じて日本銀行に取り扱ってもらう。具体的なことは日銀にまかせて、そこでやってもらうことにしようという方針でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、そうじゃなしに、輸入は十トン一ぺんに地金を買うのか。十トン買うという予算の計上でしょう。十トンを一ぺんに買うのじゃなしに、一トン、二トンずつ買い入れるのか、一ぺんに買うのか、こう聞いておるのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは一ぺんには買いません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 では、一ぺんには買わないのですね。そういたしますと、かりに一トンを買ったとします。幾ら金があればいいですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 約四億円であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 一グラムが四百五円ですから、四億五百万に運賃その他の諸経費ですね。買ったものをいつまでも政府が持っておるわけじゃないでしょう。この目的は工業用ということで、外貨準備のための買い入れじゃない。しかし、買ったときには特別会計へ入って政府の保有金になるわけですから、その買ったときには、先ほど言っておった準備金の比率一八・三%というのは上がりますね。そうして、それをやっぱり売るわけでしょう。いわゆる払い下げというのか、払うのでしょう。それは一体どういうルートで払いますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 払い下げは、いままだしっかりときまったわけじゃございませんが、いま考えておるのは、いままでの国内のルートに払い下げるということにしております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この問題について、通産省と大蔵省の意見の違う点については、あとで触れます。  そこで、まず四億五百万円からその辺のもので買う。そうして正式ルートで産金会社に渡すとします。そうすると、六百六十円ですから、六億六千万円という金が入ってくるわけでしょう。そうでしょう。これが二トン買えばその倍になるのです。そうすると、買い入れた四億五百万円プラスアルファと六億六千万円との差というものは残るわけですね。金が残るわけでしょう。しかも、産金会社への売り払いは現金決済ですね。そうでしょう、違いますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そうでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、最初から一ぺんに十トン買うという予定じゃない。一トンなり二トンなり買うとして金を払う。そして資金会社に払い下げるときには、二億円近いものが残るわけでしょう。それなら、最初から十トン買うということで四十一億三千八百六十四万円という金は、必要じゃないでしょう。十トン買うのにも、二トンか三トンかの予算を計上しておけば、それで回るのじゃないですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 お答え申し上げますが、一トンずつ買いましても、一トンの歳出権を二度、三度と繰り返し使うわけにはいきませんものですから、したがって、それを足しました歳出権を計上する必要があるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 おかしいでしょう。最初から十トン一ぺんに買い付けるという計画ではないのでしょう。そして、その一トンとか二トンとかを買い入れて、それをいつまでも政府保有金にするつもりはないのでしょう。そして産金会社に払い下げるのでしょう。売り払うのでしょう。そうすると、一トンで二億円ばかりの金がもうかるのですよ。いいですか。それを回していったら——商売とはそんなものと違うのですか。何も金で政府が商売しておるとは言わぬ。しかし、少ない予算をできるだけ効率的に使うためには、そういうのがほんとうじゃないですか。一ぺんに貰うという予定もないのに、十トン分を計上することはおかしいじゃないですか、そうじゃないですか。予算編成に私は問題があると思うのですが、いかがです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 実は、そういうふうな形で国の収入、支出を回すときには、回転基金という制度がございます。基金という制度はございますけれども、歳出権というのは、一度使いますと、それだけの歳出が落ちますので、次の一トンを買いますときには新しい歳出権がないと、憲法八十五条にいう、国費を支出するときの国会の議決がなかったということになるのでありまして、したがって、十トン買うといたしますと、一トンずつ買いましても、十トン分の歳出権がないと、この会計としてはやりくりができない、こういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 特別会計というものの本質はどんなものですか。いまおっしゃるのは、一般会計と一緒じゃないですか。特別会計というものは、入ったもので支出をまかなっていって、こう回すのじゃないですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 財政法のたてまえによりますと、特別会計というものも、財政法上一般会計の歳出と同じような制度になっております。したがって、もしお説のようなことがありますれば、それは、歳出と歳入に載せないで、基金として事業を回転させていくという場合なら可能でございますけれども、この会計は歳出制度になっておりますので、買う場合の歳出権というのは、一般会計と同じような形で計上せざるを得ないのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 貴金属特別会計法の第三条「この会計においては、貴金属売払代金及び附属雑収入をもってその歳入とし、貴金属買入代金、事務取扱費、一時借入金の利子その他の諸費をもってその歳出とする。」となっておるのです。どうなんです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 まさに、おっしゃるとおりでございまして、貴金属の買い入れというのは歳出でございます。したがって、その歳出権というのは二度、三度と同じ金を使えないようになっておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、私もよくはなんですが、特別会計というのはそういうことをやるためじゃないですか。売り払い代金及びその他の雑収入を歳入にするのでしょう。買うのは歳出なんでしょう。できるのじゃないですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 ちょっとよく御質問の趣旨がわからないのでございますけれども、ここに書いてございますように、確かに、歳入は売り払い代金を歳入に立て、それから買い入れをいたしますときには、買い入れ費を歳出に立てる、そうして買い入れ費を歳出に立てますときには一トン買いますれば四億という歳出権はそれで落ちまして、次の四億の一トン分を買うときには、また新しい歳出権がないとできないのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、私の言っておるのは、一ぺんに十トン買う予定ではない、それなら何もむだな金を十トン分積み立てておく必要はないじゃないか。買ったやつを売ってもうかるのだから、またそれで買ったらいいじゃないですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 そうすると、たとえば、ここに書いております事務費につきましても、一カ月分の給料を計上しておいて、そうして、これはたとえでございますけれども、一トン買った金で、その諸掛かりをそれに込めておりますときには、一カ月分の俸給だけ事務費を組んでおけば、それが次の一トンのときには、また同じく使えるという理屈になるわけでございますけれども、歳出権というのは、そうなっておらないのでございまして、歳出制度をとっておりますのは一般会計と同じで、使いましたときには、その使った分だけの歳出権はもう落ちてしまいまして、次の歳出をいたしますときには、新しい歳出権がないとできないのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 事務費とか、そういうものを例に引かれたけれども、これは十二カ月ちゃんと初めから要るのはわかっておるのですよ。だから歳出に組むのでしょう。しかし買うんでしょう。買って売るんでしょう。そんな何も初めから十トン一ぺんに買う予定じゃないのに、十トンの金を置いておく必要はないじゃないか。回せるじゃないですか。そのための特別会計と違うのですか、どうなんです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 御質問の趣旨が少しわかってきたようでございますけれども、資金繰り——金があるということと歳出権とは違うのでございます。この会計は、たとえ歳入がない、現実に現金がない場合でも一時借り入れ金の規定がございますから、一時借り入れ金をしたり、あるいは国庫余裕金の振りかえ使用はできますけれども、しかし歳出権は、金があるからすぐ出せるというものではないのでございまして、金を出すのには、それ相応の国会で議決を得ましたところの歳出権を使わなければ出せないわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういうことじゃないんだな。ともかく、十トン輸入するという計画なんだ。そして十トンの代金として四十一億三千八百六十四万円というものを計上しておるのでしょう。それを一ぺんに使うんじゃないでしょう。そうでしょう。そのうち一トンか二トンを買うんでしょう。それなら、それだけの金を予算に計上しておいても動くじゃないかと言っておるのですよ。これは何もこの特別会計において商売しておるとは言いません。しかし、それと同じ行為じゃないですか。買ったやつを今度売り払ったときに二億円からもうけるのでしょう。どうですかな。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 ですから、問題は歳出権の問題で、買い入れのための——買い入れということは歳出なんです。この歳出権を予算で承認してある特別会計でしてもらうのですから、それだけの歳出を予算で見なければいかぬ。基金と違うところはそこだろうと思います。結局、特別会計も歳出と歳入という予算を立てるので、その歳出権が認められなければこれを買うことができないのですから、十トン買うという予定をとっておれば、十トンの歳出権を国会で認めておいてもらうということだろうと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 歳出権——先ほど主計局長の言った憲法の八十何条がある。ところが特別会計においては一々そうなるのですかな。それでは法律をずっと言うてください、あなたの答弁の基礎になっている法律の条文を。憲法から説明してください。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 あまり複雑な条文ではございませんけれども、憲法の八十五条に「國費を支出し、又は國が債務を負擔するには、國會の議決に基くことを必要とする。」これが予算という法形式でいただくわけでございます。この条文を受けまして、われわれは歳出権というものに対する議決をいただくわけでございますが、歳出というものの性格につきましては、財政法の第二条にございまして、そこで収入とはどうだ、それから支出とはどうだ——「国の各般の需要を充たすための現金の支払をいう。」と書いてございます。そして一会計年度における一切の支出を歳出というんだというのがその四項にございます。  そこで、次に特別会計というものがどうしてできるのだということにつきましては……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ちょっと、二条四項は一般会計でしょう。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 一般会計です。それで、一般会計の規定を特別会計においても準用するのだということが財政法には書いてございまして、(「第何条」と呼ぶ者あり)これは第四十五条におきまして、「各特別会計において必要がある場合には、この法律の規定と異なる定めをなすことができる。」とだけ書いてございますけれども、したがって、この財政法というものは特別会計にも適用になるわけでございます。ただし特殊な繰り越しとかなんとかの場合に、逓次繰り越しの制度をつくるとか、そういうことについては特別会計にございますけれども、一般にこの財政法の規定というのは、特別会計にも適用になるわけでございます。そこで各特別会計を見ますと、大体、たとえば食管会計におきましても、一方に新しい米を買う、買った端から売っていく、しかし、売っていくけれども、一度買った米の歳出権は落ちますので、やはり何千万石という米については、そのすべてを買う予定でございますれば、その何千万石全部を買うための金が歳出として歳出権の議決をいただいておる、こういうかっこうになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 財政法の四十五条は特例をきめておるのですよ。そうでしょう。したがって、そうなると、この貴金属特別会計法が一体どういう性格のものであるかを議論しなければいかぬのですよ。あなたが言われた四十五条というのは、それによれというのじゃない、よらなくてもいい場合をきめておるのでしょう。そうじゃないですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 これはおっしゃるように、特別の定めをなすことができると書いてあるのは、その反射的な意味として、特別な規定を設けない限り、一般的にこの財政法が特別会計にも適用になるということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は、反射的解釈ということについて否定はいたしません。しかし、これは特別会計についてずっときめた規定なんでしょう。したがって、これは反射的規定というよりか、むしろ特例ができる、こういうほうへ重点を置いて読めるですよ。そんなさかとんぼりに条文を読んじゃ困りますよ。だから問題は、法律の、あなたが答えたことじゃなくて、この特別会計の性格は何かということですよ。どうです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 この特別会計の性格は何かというのは、まさに、先ほどお読みになりました貴金属特別会計法の第一条に書いてございますように、政府の行なう貴金属の買い入れ、売り払いまたは管理に関する経理を明確にするため特別会計を設置いたしたのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そんなことはわかっておる。この特別会計の性格ですよ。これが財政法四十五条にいう特別会計なのか、でないのか、どっちです、大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはもう特別会計でございます。もし田中さんのおっしゃられる考えを私が想像しますと、こういう金を買ったり売ったりする会計だから、この特別会計は、これは特別会計でかまわぬが、特別会計の中に、場合によったら資金を設定したらどうか、そうしたら非常に便宜でないかというようなことをお考えになっておるのじゃないかと思いますが、それはそれで、また別の問題で考えられる、検討すべき問題だとも思います。いまはそうじゃなくて、資金を設定していないので、この貴金属の会計は、いわゆる特別会計になっておるということでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この、いま主計局長も言った、ずっと憲法から大上段に振りかざしてきたけれども、結局財政法四十五条に落ちついたわけですよ。四十五条でお答えになったことは、逆なんです。いいですか、特別なことをやってもいいと言うておるのですよ。だから、そうでないものは原則によらなければいかぬという答え方なんです。したがって、四十五条の反面解釈、反射的解釈によってそうなんだと、こう逆に戻ってきている。だから、四十五条でいう特別な方法をとってもいいという特別会計なのか、そうでないのかが議論になっているのですよ。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはそうでない特別会計でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、四十五条の場合はどういうものを言うのですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえば繰り越しの制度に関しますると、一般会計の場合には予算書で繰り越しの明許をいただかなければできないようになっておりますけれども、特別会計の場合には逓次繰り越しというふうに、当然に使い残したものは翌年度の歳出権として繰り越されるというふうな繰り越しに関する制度等々、そういうふうな特別会計の性格として必要なテクニックについて、一般会計の場合と違うような定めをしている場合がございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ちょっと違うんじゃないかと思うんだな、答えが。あなたは、四十五条で特別なことができない会計だと言われたのでしょう。だから一般の原則だと言ったのでしょう。そうでしょう。だから、その四十五条でいうところのものはどういうものなのか。そして、この貴金属特別会計は四十五条でいうところの特別会計ではないと答えなくては、あなたの答弁にならないわけですよ。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 まさに、この四十五条にいう特別会計でございます。そうして、その特別会計でありますから、いま申し上げました繰り越し、その他財政制度上のいろいろな諸技術に関して、財政法とは特殊な定めをしようとすればできるわけでございます。  田中委員の御質問になっているのは、おそらく、そうした売り買いの場合に基金制度でやったらどうかというふうな、そういう特例を定めたらばいい会計ではないかという御質問かと思うのでありますけれども、私の記憶しておりますところでは、たとえば、食糧管理特別会計というのは、昔は一々米の売り買いを歳出歳入に立てるのはおかしい、また煩瑣だということで、基金制度でやっておった時期があったかと思うのです。しかし、やはりこれはどれだけの米を買い、どれだけの米を売るかということをはっきり予算の歳出歳入面にあらわしまして国会の議決をいただいたほうがいいんだということで現在のようになっております。現在特別会計の中で、その歳入歳出外で売り買いをしておりますのは、たとえば、外為会計あたりがその例かと思いますけれども、非常に少ないわけでございますし、非常に売り買いがひんぱんで歳入歳出にはっきり出すこと、あるいはその量、規模があらかじめどうも予想できないというふうな場合に、特例的に認められておるものはございます。けれども、一般の特別会計というのは、すべていま申し上げましたような歳出歳入制度で整理をいたしますということになっております。また、その歳出歳入制度で整理しないものだけをここで特別会計といっておるのではありませんで、すべての特別会計は、ここで四十五条にいう特別会計でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だから、この特別会計は四十五条でいう特別会計である。この四十五条は一般の原則に従わなくてもいい特例を書いているわけです。そうでしょう。じゃ、そうできないのか、どうだと言っているのです。それならば、十トンも一ぺんに買わないのに、四十何億円の金を遊ばせておかぬでもいいじゃないか。五トンなら五トン、三トンなら三トンとして、それを回したらいいじゃないかと言っているのです。だから、この特別会計の性格が、特例でやれるというものではないのか、こう言うておるのです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 いま申し上げましたように、特例をつくろうとすれば、いまの外為会計のように歳出歳入にあげないで、基金でやるということもできます。しかし、従来の特別会計の歳出歳入制度の変遷を考えてみますと、やはりこういう程度の簡単な売り買いであれば、歳出歳入制度として計上しまして国会の議決を得たほうがいいわけでございますから、これはそういう特例制度を設けるべき特別会計ではなかろうと存じます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だいぶはっきりしてきた。それで大蔵大臣、これはしょっちゅう金を買うて売るわけじゃないから、そういう基金制度とか、そういう特例による特別会計でなくてもいいではないか、こういうことなんですね。ところが、これは金がないときに、買う予定だけで金を遊ばしておくということはどうでしょうか。一トンか二トン買ったらすぐ現金決済をやるのでしょう。そうすると金が入ってくるし、また買ったらいい。したがって、この特別会計を、そういういわゆる四十五条の特例に当たるような特別会計とする必要はないか、こういう質問です。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 金が遊んでおるわけではないのでございまして、各特別会計、一般会計を通じまして余裕のあります金は国庫余裕金として運用されまして、その分が現在では大蔵省証券を出さなくても済む、いわば消極的に利息を払わないで済むという意味で貢献をいたしておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 遊んでいるということばはどうかと思うが、ともかく、そういうことで、あらかじめ大きな予算を組まなくてもいいのではないかと言うているんですよ。その性格をちょっと変えることで、財政法上からやれるのじゃないか、こういうことを言っているが、これはひとつ大臣に答弁してもらいたい。しょっちゅう金の売買をするわけじゃない。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それはさっき申し上げましたように、十トン買うための歳出権を承認していただくということでございまして、予算には一度に十トン買う金額を歳出権として認めてもらう……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それはわかっている。これの性格をそういうふうにする気はないか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは資金にするのですか。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 四十五条の適用を受ける特別会計にするあれはないか。いわゆる特例をできるような特別会計にする必要はないか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は、さっき主計局長の説明したように、その必要のない特別会計だと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、これはその程度にしておきましょう。しかし、計上したからといって、金が遊んでおるというのはちょっと語弊があったと思うが、予算を組む上において、そういうむだな金を計上しなくてもいいじゃないかという気がして、こういうことを言ったわけです。これはひとつ考えてください。政府が金を買うて売るという、金の売買をやる目的じゃないから、それでいいと思うのですが……。私の言っている理屈はわかるでしょう。  それでは、時間がきたという赤いランプがつきましたので、最後にひとつ、政府が保有しておる金あるいは輸入した金の放出、これについて通産省は、既存の流通ルートによって、供給せよという意見を持っておる。大蔵省は、一般公開入札あるいは指名入札等の一般原則によろうという考え方を持っておられるようですが、これは通産、大蔵との間で意見が違うのですか、これはどうなんですか。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 大蔵大臣のおっしゃったことを私の言うたことと違っていないように思うのでありまして、政府が売り出す価格は六百六十円でありますが、あとは自由売買ですから、したがって市中ではいろいろな相場があると思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 今度十トン輸入するのでしょう。それの売り払い方法ですよ。これはいままでのようなルートに乗せてやるのか。大蔵省あたりは公開入札というようなことを考えておるのじゃないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 大蔵省もやはり既存ルートへ乗せてやろうということを考えて、まだ公開入札というようなことは考えておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それじゃ、この点については両省間に意見の違いはない、いままでの既存の流通ルートに乗って供給しよう、そして価格もいままでのとおりでやる、そういうことですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そうです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それから最後に、過去四回にわたってですか、占領軍から接収解除になった金を五トン払い下げていますね、放出しています。それももう底をついておるのかどうか、その数字がはっきりしてないと思うのですが、一体接収解除になったのは何トンあるのです。

松永勇大蔵省国有財産局長

○松永(勇)政府委員 お答えいたします。  接収解除になった際は約九十五トンでございました。接収貴金属の処理に関する法律施行時、これは三十四年でございます、その際に八十トンございます。その後、接収貴金属の処理の法律によって返還いたしましたのが七十七トン、差し引き約三トン近くのものがまだ返還未済ということで残っております。なお、この解除を受けましたものの中から約五トンばかりを放出したということになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 本年に入ってからも、三月ですかに一トン放出していますね、なお、あと需要者側といいますか、二トン半ぐらいは放出してもらいたいという意見が出ておるのですね。いまの話ですと、あと三トンばかり残っている。これはこちらのほうで議論いたしました十トン輸入との関連もあると思うのですが、十トン輸入は、第一回に何トン買うのか知りませんが、幾らぐらいをいつ買おうとしているか、そして、それをいつ放出しようとしているのか、その間、長い期間があるとするならば、占領軍から接収解除になったやつがまだ三トンあるわけなんです。いままでに、もうすでに五トンを払い下げて、放出しておるのだが、しかしまだあと三トンばかり残っておる。そのうち、業界は二トン半ぐらいは放出してもらいたい、こう言っておる。それはどうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 買うのは、予算が通過しましたら、できるだけ早く買う。年間を通じて八トンぐらいの払い下げをしようという予定を一応立てております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 予算が通ればなるべく早い機会に輸入する、それで、十トン輸入して八トンぐらいを年度内に放出しよう、そういうことですね。そうすると二トン残るんですな。それは政府の支払い準備のための保有金にするのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そういうわけではございませんで、また次に買う必要がございましょうし、ランニングストックにするつもりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうすると、一番最初に申し上げました、一時的には保有金の率は上がるわけですね。そうして放出するとまた下がる、こういうことになるわけですね。そうすると、輸入の時期と、あとまだ三トンばかり接収解除になったものがあるわけですね、これを払い下げてくれということとの関連はどうです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 まず輸入を先にしたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、予算が通ればできるだけ早い機会に輸入をして、そうしてできるだけ早い機会に放出をしていく、そういうことですね。  それではけっこうです。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。  午後は一時より再開することとし、瞬時休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ————◇—————    午後一時三十四分開議

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、理事辞任の件についておはかりいたします。  理事久野忠治君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「提議なし」と呼ぶ者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 御異議なしと認めます。  つきましては、その補欠選任を行ないたいと存じますが、これは委員長において指名することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 御異議なしと認めます。よって、北澤直吉君を理事に指名いたします。      ————◇—————

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 昭和四十二年度総予算に対する質疑を続行いたします。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、主として交通安全対策についてお尋ねをいたしたいと思います。  最初に、これは総理府総務長官にお尋ねをいたすのでありますが、昨年、地上では全国で一万三千九百四人の死者を出しております。それから空では、四つの大型旅客機の墜落事故がありまして、三百七十一人の死亡がありました。こういうことは、ともに有史以来の非常に激しい大きな悲しむべき事故記録であると存ずるのであります。そこでことしは、この交通の悲劇を少なくするために、少なくとも人間尊重の政治をやろうということから、総理以下、逐次の所信表明においてそれが表明されておるのでありますけれども、私ども見まするに、予算措置の内容から見ますと、はなはだそれが羊頭狗肉ではなかろうか、こんな気がするんわけです。  そこで、最初にお尋ねいたしますことは、現在、交通安全対策を管掌していらっしゃるところの機関、これはきのうの閣議で、無人踏切を重点に整備促進をきめるというような、これは新聞記事でございますから真偽のほどはわかりませんけれども、きのうも閣議においてこの交通安全対策が練られたのごとき印象を与える記事がありました。しかし、総理府には、交通対策本部ないしは交通関係閣僚協議会、こういう二つの会議がありまして、そこが対策を練る中心であるように私ども思うのでありますが、昭和三十年の五月に交通事故防止対策本部ができまして以来、現在まで対策関係を管掌する中心会議というものが幾多変化をしておりますね。あれがなくなり、これがつくられ、あるいは臨時という名前をつけたり、臨時という名前をとったりということがありますが、現在、交通安全対策を主として管掌しておりますところの、掌握しておりますところのその会議は、一体いかなる名前のものがほんとうに動いておるのか、これについて先にひとつお尋ねをしたいと思うのです。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 交通安全の重要性は、これは言うまでもないのでありまして、各省にまたがっておる事項が非常に多いので、総理府が窓口となって総合調整の役割りを果たしておるわけでございます。  いまお尋ねの件でありますが、従来からの経緯というものを申し上げるよりも、現在どういうものが動いているかといえば、いま仰せられた交通対策本部、これは幹事会というのは大体局長級をもって成っておりますし、それから交通対策本部の会議は、総務長官が長となりまして、関係各省の次官をもって構成されておる。さらに、交通関係閣僚会議というものがありまして、これが中心となって今日は動いておるわけでございます。昔のこまかいことを言いましょうか。いいですか、それは。

太田一夫日本社会党

○太田委員 総務長官、交通関係閣僚会議でございますか、協議会というのではないのですね。会議という名前でございますか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 正式の名前は交通関係閣僚協議会であります。失礼いたしました。

太田一夫日本社会党

○太田委員 交通対策本部は次官を中心とし、交通関係閣僚協議会は大臣を中心とする機関のように認識するのでありますが、昨日の閣議におきまして、踏切を重点とする、何か無人踏切整備の促進をきめたというのは、これはどちらできめたのでございますか。閣議ですか、それとも閣僚協議会でございますか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 交通対策に関する問題は、先ほど申しましたように、非常な虚妄問題の一つでありますので、何も南海事件があったからやったわけではございません、これはちょいちょいやっておりますが、特に今度の南海電車の事件は、踏切の問題と交通安全教育の問題について、さらに掘り下げねばならぬ問題ができてまいりましたので、事故が土曜日ですから、翌々日、三日の月曜日にその幹事会、しかも幹事会と申しましても、関係した各省——と申しますと、踏切でありますから建設省、警察、それから運輸省、それから消防も入りますが、そういったものを集めましていろいろと案を練った。その案が、交通安全教育の問題、踏切に対して早急に手を打たねばならぬ問題があるであろう、しかも、踏切に関しては第三極、第四極の問題、こういうものの統廃合、あるいはある一時期における交通制限の問題、さらに立体交差という問題ももちろん含まれておりまするが、そういう協議が行なわれたわけであります。この協議を連日重ねまして、木曜日に結論を出して、金曜日までには閣議でこれを報告し、おきめ願うものがあればおきめ願いたいというスケジュールでやっておるわけです。そこで、きのうの閣議では、その幹事会と申しますか、関係各省で当面急を要することについて御相談したことを私から報告しただけであります。これの決定とか、そういうものはこの次の閣議、つまり金曜日の閣議に移されると考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、あなたのおっしゃった交通安全対策の一番推進母体であるところの交通関係閣僚協議会は、いまだその問題を審議をしておらない、ただ幹事会という一部の関係者が集まって何か素案をつくったのがきょう発表されたのだ、協議会は活躍しておらない、動いておらない、こういうふうに理解されてくるのですが、そういうことでございますか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 従来の慣例から申しましても、大体、幹事会あるいは交通対策本部において決定いたしましたものが、これがすぐ協議会に直結するものであることはこれは間違いありませんので、おそらく、きのう、きょう、あすとやりまして、これにプラスアルファのものが出てくるかもしれませんが、ああいったものが中心となって今度の閣僚協議会できめられる、このように御了解願って差しつかえないと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 南海の事故というのはたいへん悲惨な事故でありますから、緊急に何か対策を協議されるということは望ましいことであり、適切なことであると思うのです。したがって、それがどういう形で審議されても別に悪いというわけではありませんけれども、交通対策本部であるとか、あるいは交通関係閣僚協議会という推進母体があるのでございますから、それを中心として強力におやりになりませんと、今後その責任の所在はどこにあるのか、推進母体はどこにあるのか、そういう点がはっきりしませんから、十分ひとつ今後その点を明らかにしていただくことが望ましいじゃないかという気がするのです。何か交通関係閣僚協議会というのは下請機関のような感じを、きのう新聞で見て受けるわけです。そういう点をちょっと申し上げておきたいと思うのです。  さて、そこで、いまおっしゃった閣議等、あるいは関係者において非常に問題になっておりますところの踏切事故、南海電鉄の例の悲惨な転落事故に関連をいたしまして、この際、あらためてまたお尋ねをいたしたいと思うのですが、あのような事故というのはかってない、非常に想像もできない事故でありまして、なくなられた方々、その御遺族の方々には何と申し上げてよろしいか、深く哀悼の意を表する次第です。ほんとうに申しわけないと思う。特に交通安全という問題は三カ年計画を立てる、あるいはまた道路関係では五カ年計画を立てる、少なくとも、相当力を入れてまいりましたのにかかわらず、あのような事故を発生せしめざるを得なかったということは、これは私どもとして責任があるのではないか、行政当局においても深くその責任の所在について反省をしていただきたいものと思うのです。  それで、南海の問題についてあらためてお尋ねをいたします。これは運輸省にお尋ねをいたしたほうがいいと思うのでありますが、昨日でございましたか、やはりこの予算委員会の一般質問におきまして御答弁がありましたのをちょっと新聞等で拝見をいたしますと、どうも大臣にかわっての次官の御答弁は、万全の対策を講ずるとかいうような抽象的な表現に終わっていると思うのですが、南海電鉄のあの事故は、これは踏切の立体化が進んでおらないからああいうことになったのじゃないか、ここにその重点があるわけです。したがって、万全の対策を講ずるということは、ああいうような踏切は立体化するということを約束されたことでありますか。その点をひとつお答えをいただきたいと思うのです。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  南海電鉄の事故の問題につきましては、その責任は十分考えておるわけであります。運輸省といたしましても、昨日、万全の策を講ずると、こう申し上げたわけでありますが、それは、十分に原因を究明して、その上でということであります。しかし、立体交差という問題につきましても、その事故の起きた、いわゆる四種を三種に引き上げた踏切の問題でありますが、そういう数もたくさん全国にはあるわけでありまして、それのみというわけにはいきませんが、理想としては、立体交差にすることが一番の理想であろうと思うわけであります。しかし、それにはばく大な予算等もかかるわけでありまして、必要緊急なところからその問題は解決しなくちゃならぬ。ただ、仰せのように、南海のあの事故につきましては、今後あれだけで終わるかということになりますと、ああいうような踏切がたくさんあるということにつきましては、われわれも非常に心配をいたしておるわけであります。本省といたしましても——きょうも衆議院の運輸委員会で、久保先生からもあるいは細田吉藏先生からもお話があったわけでありまして、いわゆる自動車があの踏切へ来て——自動車のほうの踏切の心配もこれはしなくちゃならぬけれども、その前に、電車のほうには全然そういう点が通告されておらぬじゃないか、何かわかるようなことを考えなくちゃならぬじゃないかというような問題もいろいろ指摘されたわけでありますが、そういう点等につきましても、今後十分ひとつ検討してまいりたい、こう考えておる次第であります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これは運輸省当局ないしは総理府総務長官でもよろしいですが、鉄道の踏切の、たとえば遮断機つきの踏切あるいは警報機だけの踏切ないしは何もないという踏切の数字は、現在時点で明らかになっておりますか。これは統計でございますが……。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 昭和三十六年でありましたか、運輸委員会の中に踏切に関する小委員会を設けまして、踏切道改良促進法でありますか、あれができて、これは各党の御協力を得てできたのでありまして、だいぶ予定どおり進んでまいりましたが、まだまだ今日の交通状況から見て延長の必要があるというので、四十一年、昨年五年間の延長というものをおきめ願ったわけであります。これで立体交差その他の問題の解決ができたとはいっても、まだまだ相当のものが残っておりますが、その詳細な数字は私ここで存じておりませんので、政府委員がおりますから、それから答弁させます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 昨日発表されておるようでありますから、それは議事録によって私も承知いたします。  それで、踏切道の改良促進法というのは、三十六年以来、これが鋭意努力されたことになっておるわけでありまして、四十一年からさらに五カ年延長されておるのですが、その踏切の立体化というのはどれほど進んでおるのですか。この数字をひとつ御発表いただきたいのです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 お答えいたします。  大体、踏切道改良促進法で規定してあるのは、立体化するとかあるいは構造改良をするとか、保安設備をつける個所を指定しなさいといっておるので、個所を指定しまして、それを立体化していくのですが、大体立体交差化を四百二十九カ所指定いたしまして、そのうち、いままで百八十カ所完成です。ただいま工事中は九十九カ所、残っておるところは百五十カ所あります。これはごく最近も追加いたしたために百五十カ所になっておるのでございます。構造改良につきましては、八十六カ所ございまして、ただいままで完成いたしましたのは六十一カ所、未着手のところが二十五カ所あります。そういうことになっておりますが、さらにこれが済みましたら、必要に応じましてまた個所を追加いたしてまいるつもりです。

太田一夫日本社会党

○太田委員 第一次五カ年計画におきましては、立体化の予定というのは国鉄四百五十カ所、私鉄百五十カ所、こう聞いておるのですが、合わせて六百カ所、九百億の予算が計上されていたように思うのでありますが、建設大臣どうなんですか。いまの数字というのは少し合わないじゃありませんか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 いまおっしゃった数は、初め、こういうところはこのぐらいな個所があるだろうと言ったんで、実際に指定した個所は、私のいま発表した数字でございまして、初め、これぐらいあるだろうというようなことは言いましたが、これから徐々にそれを必要によって指定いたしていくわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 四百や四百三十そこそこの指定で、その中で百八十ほど完成しておるなんて、それはスズメの涙のようなものですね。それでは、ああいう事故を防ぐために万全の措置を講ずるとおっしゃった運輸省の見解と全然違うですね。これは何年たったら完成するのですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 もちろん、指定しない個所もやっておるところはあるわけでございます。ここはぜひやらなければならぬというところは、両者で指定してやっておるのでございまして、いままで立体化を全部で幾らしたかということは、いまちょっと数字がありませんが、必要ならば後ほどお知らせしますが、指定いたした個所は絶対にやる。こういう個所で、指定しないところもやっておる個所はあるのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは建設大臣、あなたが御存じなければ、どなたかわかる方に御答弁いただいてしかるべきだと思うのですが、実際立体交差をしない限りは、ああいう事故は防げないのです。新幹線にはああいう衝突事故はないのです。ですから、立体化することが当面一番大事な問題だ。それなのに、なぜいまのように指定個所が少なかったり、かつまた未着手が多くて、着手のほうが少なかったりするかといえば、それは最後になればお金の問題だろうと思うのです。これは助成をするとか、お互いにまた鉄道と道路管理者の負担区分の問題であるとか、いろいろあると思うのですが、それは国道の場合、県道の場合、市町村道の場合、それぞれ違いますから、それはたいへんなことだと思いますけれども、しかし、立体化が至上命令であるならば、立体化に対して全力を投入して、少なくとも第一次五カ年計画の中に予定された六百カ所なら六百カ所というのは完成するという意気込みをお示しになるべきだと思うのです。その辺はいかがですか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 立体交差化は八百十カ所手がついておるわけであります。八百十カ所でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 八百十カ所というのは、四十一年度当初の第一次五カ年の踏切改良計画の六百十カ所よりは二百カ所多いのですから、それは私としても非常に意気込みとしてもよろしいと思うのですが、最初建設大臣のおっしゃったのとはだいぶ数字の差がある。現実は、ほんとうはどういうのですか。   〔「政府の統一見解を示せ」と呼ぶ者あり〕

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 統一見解も何もないのです。結局、この促進法によって指定したものがこれだけある、こう言っておるのです。指定しないものは、簡単にできるものもありますし、そういうものにつきましては、これほどやっておるということを、いま政務次官が言ったんだろうと思います。私の言ったのは、促進法に基づいて指定した個所はそれだけあって、これだけの個所は完成しておる、これだけの個所は未完成だ、こう言っておるので、それ以外のものもやっておる、その数字をいま申し上げたんだろうと思うので、決して間違いありません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういうふうに各省ばらばらの御答弁ですと、私どもちょっと困るのでありますが、したがって、そういうために総理府のほうに一つの総合する推進母体ができておると思うのです。総理府総務長官、どうなんですか。あなたのほうはどういうふうに認識していらっしゃるのですか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 数字については、私どものほうはまだ報告を受けておりませんから、はっきり申し上げられませんが、総合調整という立場から、交通の重要性にかんがみまして、そういう食い違いのないように努力するのが私たちの任務でございますので、これも両者の話を聞いてみれば間違いないのではないかと思いますが、総合調整の実をあげるべく、さらに努力をいたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 実際それが本心なら、私も長官、いいと思うのですが、踏切の立体化というものを中心にしない限り、南海の事故の再発というものは私は防止できないと思うのです。それは人間を番人に置こうが、あるいはまた警報機をつけようが、第四種を第三種に引き上げようが、第三種を一種に引き上げようが、そんなことは、とても安全を確保するなんという道ではありません。したがって、六万一千からの平面交差の踏切があるのですから、その中で四百や五百などという数字が、それはいかに少ないものかということがよくわかる。なぜできないかといえば、これは何ですね。非常に費用がかかるわけですね。予算を見ますと、最初の五カ年間、国鉄の場合は四百五十カ所、四百五十億の予算の計上、私鉄の場合は百五十カ所で四百五十億、そういう当初の計画でございましたけれども、立体交差に非常に金がかかる。先ほど西村さんは、立体交差に金がかからぬところがあるなんて——立体交差に金がかからなかったら、そんな立体交差がいままでのように進まぬはずはないわけなんです。金がかかるからそれはできない。ことに地方自治体などに対して、県市町村道に踏切をつけ、これを立体交差にするから、それに対してあなたのほうでやりなさいなんといったって、できるものではありません。南海の場合は町道でしょう。町道でございますから、あれは構造改良という中に入っておるところだろうと思うのでございますけれども、ああいう町道を立体交差にしろといったところで、よほど国がその助成措置を講じない限りできないことなんです。いま、総理府総務長官は、両者の意見の食い違い等は調整をして、今後完全を期する、完ぺきを期するとおっしゃったと思うのです。それでいいと思うのですけれども、今後、四十二年度から始まるところの第二次五カ年計画においてはどれくらいの踏切を立体交差し、どれくらいを四種から三種、いわゆる警報機をつけ、どれくらいのものに遮断機をつけるという総合計画であるか。国鉄と私鉄と分けて、ひとつ案があったらお示しをいただきたい。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 道路五カ年計画では、その内容の作業はただいま検討中でございまして、まだわかっておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省でも何も案ありませんか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 四十一年度以降五カ年間に立体交差が六百カ所、構造改良二百五十カ所、保安設備六千九百五十カ所改良する計画を持っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは四十一年度以降でございますね。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 そうでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 したがって、この四十一年度以降の新五カ年計画の中においてそれだけのものをやる、それに対して予算の裏づけは、私先ほどちょっと触れたのですけれども、この立体化と構造改良と保安設備、こういう種目別にいたしまして、どれほど予算はついておりますか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 お答え申し上げます。  国鉄、私鉄合わせまして立体交差化が九百億、構造改良九億、保安設備の改善が百二十二億、合わせまして千三十一億、このくらいの計画になっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうですね。そういう御計画のように承ります。しかし、先ほどの第一次五カ年計画の進捗度を承りますと、非常にテンポがおそいわけでありますから、極力これは速度を速めていただきたいと思います。  それから次に、南海の問題であります。当面の問題でありますが、あの二メートルの道においてトラックを、あるいは砂利トラックを通すということは非常に冒険なんでございます。これは少なくとも、通行の制限をすべきじゃなかろうかという意見が現地にあるんです。それに対しまして、これは警察庁のほうでございましょうが、どういう対策をおとりになるか承りたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 これは御承知のように、鉄道の営業者と道路管理者と協議をいたしまして、地方の公安委員会に申し出られるはずでございますが、今後はそういう消極的——あまり警察が出るのもいかがかとは思うのでございますが、ああいう事故にかんがみまして、今後は鉄道営業者と道路管理者との協議についての仲介の労もとって、万全を期してまいりたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 当然、こういう通行制限をするなり、踏切の整理統合をするなりということは、きのうの関係者の打ち合わせにおいても、閣議に報告されたとおりに早急にやらなければならぬことだ、こういうことで私どもも同意見なんです。したがって、そういうことに対しては強力にひとつやっていただきたいと思う。考えておるということでなくて、実行していただきたい。  先ほどちょっとお尋ねするのを少し省略した部分がありますけれども、皆さんの先ほどの第二次五カ年計画におけるところの踏切道改良の計画につきましては了承いたしましたが、その予算化の問題ですね。これは計上されておりますかどうか、念のために、この際大蔵省、どなたかに承っておきたいと思います。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 第二次道路五カ年計画につきましては、その詳細な中身及び財源をいかに調達するか、これはガソリン税の伸びなどもございますので、今後その内訳の検討とともにその財源を確保することをやっていきたいと思っております。その他の計画につきましては、これは当該年度の予算を計上いたしておりますけれども、五カ年間にどういうふうにその財源を調達していくかということは、毎年度の歳入をはかりまして、それによって措置いたすつもりでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 したがって、五カ年間において初年度幾ら、第二年度幾ら、第三年度は幾ら、このおよその区分はできておりますか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 資料としてはできておると思いますけれども、継続費ではございませんので、その関係の精密な年度区分の経費というものについては、われわれは単年度予算主義で毎年度の予算を計上いたしますときに措置をいたす、こういうことに相なっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 しからば、四十二年度は幾らになっていますか、四十二年度だけお尋ねいたします。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 四十二年度におきましては、立体交差関係では、建設省の踏切除却事業の補助が三十六億円、街路に関する立体交差の補助が八十二億円、国鉄の踏切保安対策が三百四十二億円、運輸省の踏切保安施設整備の補助が三千二百万円、計四百六十一億七千二百万円が予算に関係のある経費でございます。私鉄の関係は開銀等の融資ということになっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 しからば、開銀の融資は、利率において配慮がされておるのでございましょうか。いわば低利であるべきだと思うのですね。この際、何分の利子になっておりますか、金額並びに利子についてお答えをいただきたいと思います。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 開銀の融資としましては、大都市開発及び流通関係の経費としまして四十一年度は百八十億円でございましたが、それがワクとしては本年度二百二十億円となっておりまして、そのうち私鉄分を幾らにするかということは、詳細はまだきまっておらないようでございます。ただ融資条件については、融資率及び金利につきましては改善をされておりまして、金利は昨年の八分二厘から七分ということに相なっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 現実に七分というのは、昨年に比べればそれは進歩しておりますけれども、さらに六分ぐらいに下げるべきではないかという世論は非常に強いわけであります。開発銀行の融資は措置として非常にりっぱだと思いますけれども、さらに金利の引き下げについては御配慮あるべきものと思うのです。  それから大蔵省は、最初の四十二年度の予算措置の問題についてはいま御発表があったのですが、非常にパーセントが少ないわけですね。いまの万全の措置を講ずるという点から、本年度は特にもっと力を入れるべきだと思うのですが、言うたことは言うたが、予算化のほうはあとに追い込んでおるような感じを受けますけれども、その点いかがですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 パーセンテージというのは伸びの関係であろうかと思うのでございますが、先ほど申し上げました建設省の立体交差関係の補助、特に街路につきましては二三%以上の伸びを示しております。国鉄の踏切保安対策につきましては、前年度に比べまして大きな伸びはございませんけれども、これは特にわれわれのほうで査定をしたというのではなくて、大体そういうふうな計画でいくということで認めたものというふうに係は言っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省当局にお尋ねしますから——次官でけっこうです。立体交差にする予算計画は総額九百億円、昭和四十二年度踏切除却、いわゆる立体化は三十六億円、この関係ですね。これは十分当面の急にこたえられるものというふうに考えていらっしゃるかどうか、この点いかがですか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  運輸省といたしましては、できることならば、たくさんの予算をほしいのでありますが、例年の例もありますし、ことしは昨年より非常にアップされておる、こういうことでありまして、運輸省としては、あくまでも速急に解決したいという念願は持っておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、かけ声はよろしいけれども、内容が伴わないということをこの際申し上げておきたいと思うのです。もっと本腰を入れて、大蔵省当局に対して遠慮することはないと思うのです。計画を立てたら予算化を急ぎまして、少なくとも、四十一年度から始まっておるのだから、四十二年度は、もうそろそろ相当大がかりな、大規模な、そして強力な措置が行なわれ、予算化がされていかなければならぬときだと思うのです。これはひとつがんばっていただきたい。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 先ほど私、予算に関係のある予算額だけを申し上げましたけれども、建設省の関係、それから運輸省の関係、これは補助額でございますので、それに対する事業費というのは、その二分の三倍とか、補助率の倍率を還元したもので事業費がきまるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それにしたところで、九百億円にははるかに及ばぬじゃありませんか。  その点はあとでさらに時間がありましたらお尋ねすることにいたしまして、外務大臣おいでになりましたようでありますから、MACチャーター機の問題について、この際お尋ねをいたします。  これは、実は四月の四日から五日の朝にかけまして羽田空港に入りましたチャーター機というのは、アメリカン・エアラインズとワールド・エアウエイズの二機が入ったわけですね、ボーイング707ですか。そうしてアメリカン・エアラインズは二十二時、夜中に着陸いたしまして、けさ七時四十分に出発しております。それからワールドのほうは、そのあと二十三時ごろ着陸いたしまして、けさ七時四十五分ごろに離陸をしております。この二機が入ったんでありますが、最近非常にMACのチャーター機が数多く羽田の空港に飛んでまいりまして、ただでさえもスポットは窮屈で困っておるのにかかわらず、割り込んでくるわけです。そこで、空港関係者としては非常な危機に襲われておるという感じを持っておるわけです。しかもなお、着陸について優先権を主張する、離陸について優先権を主張する、こういうような、とんでもない状態に相なっておるように思うのです。したがって、これはもとをたずねれば、あなたのほうの関係でありますから、別にここへ来ることに根拠がないわけじゃありませんけれども、最近になりまして二月に二百機をこえ、三月に二百機をこえ、四月には、さらにこれが大幅に増加するだろうといわれておりますけれども、これについて何か対策をお持ちでございますか、お尋ねしたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 太田さん根拠はあるということで、もう御存じだから申し上げませんが、御指摘のように、去年の暮れから非常にチャーター機がふえてきたわけです。したがって、地位協定に基づく日米の合同委員会というのが隔週、二週間に一回ある。そこへ持ち出しておるわけです。どういうふうなことを持ち出しておるかというと、できるだけ横田を使ってもらいたいということです。それともう一つは、発着は、羽田を使う場合には、時間の調整をしてもらいたい、民間機がふくそうするような時間は避けてもらいたいということで、これを日米合同委員会に持ち出しておるわけです。羽田の空港が民間機の着陸に非常に支障を来たすということは、われわれとしても非常に困ることでありますので、そういうことで、できる限りそういう支障を来たさないような努力をいたしたいと思っております。現にこの問題を持ち出しておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 その対策としては非常によくわかるお話でありますが、外務大臣のその見通しはありますか。わがほうの希望どおりに実現するという見通しはございますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 日米間は、御承知のように非常にお互いに相互理解が深いわけでありますから、日本が非常に迷惑をするようなことは、アメリカもできるだけ避けようということが基本的態度でございますので、非常な支障を来たさないような改善はできるものだ、また、そういうことを目途にしてわれわれは根気強く交渉を続けていく考えでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これが羽田におりるということは、実際上、民間航空機に対して非常な脅威を与えておりますから、すみやかにこれを他のジョンソン基地なり軍用飛行場にかえてもらうような措置をしていただくべきだと思います。ですから、日米合同委員会がうまくいっておるものなら、あしたからでもひとつかえていただきたいと思いますが、実は外務大臣、これは御承知でございますか。現在のMACのチャーター機は、やってまいりますというと優先着陸を主張するわけです。離陸するときも優先離陸を主張する。そのために、民間航空機というものは滞空時間がふえる、あるいは待機時間がふえるというので、燃料を余分に積載しておる。これは一たび間違ったらたいへんな事故になる。そういう事実があるのです。これは御存じでございますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 昨年の暮れから非常にふえて、そのことがだいぶ民間航空機の発着に影響しておるという判断のもとで交渉を始めておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いまのお話、いわゆる羽田空港の危機、民間航空機のいわゆる恐怖というものに対して私はちょっとお尋ねしておるわけですけれども、規定以上の燃料を積んでおるわけですね、民間航空機は。そしてまた、空港関係者に対しては箝口令がしかれておる。いろいろなことを尋ねてみても、なるべくそういうことは話すな、話して相ならない、こういうふうに言われておるそうです。これはだれが言ったんでしょう。たいへんなことです。それほどあなたがうまく円満に話をして、近く他の飛行場におりていただくなり、時間を制限するなりという対策が講ぜられているとするならば、何もいま箝口令をしいて実情について話させないようにしなくてもいいと思うのですが、これは運輸大臣の指令でしょうか、外務大臣の指令でしょうか。どういうことでしょうね。何かそういう実情について御存じの向きがありましたらお答えをいただきたい。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。そのような事実はありません。  なお、MACチャーター機で、いわゆる無理な着陸をするとか、無理な離陸をするようなお話もありましたが、一般民間機と同じように、優先的というようなことを認めておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは次官御存じないかもしれません。次官はそれでいいかもしれませんけれども、大体羽田の飛行場へいらっしゃれば——じゃ、ジャーナリストならジャーナリストが行きましたときに、だれが行っても完全に一切のことを答えていただけますか。管制官にいたしましても、答えていただけますか。よろしいですか。それは。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 全然秘密はございませんから、いかようにも質問をお願いいたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 じゃ、よろしゅうございます。自由にひとつ尋ねさしていただきますから、自由にひとつ答弁ができますように、これは期待をいたします。  しかし、規定以上の燃料を積載して、ほとんどの民間機が飛ばなければならないという、そういう状態に追い込んだ。これは昨年からことしにかけて、自衛上、民間機がそういうことになってしまったのでありますが、それについては運輸省としては御存じでございますか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  現在、飛行機が月に二百十機とか、一日に六回なり七回離着陸しておるという現状でありまして、実はスポットが少ないものですから、これ以上チャーター機が入ってこられるということになりますと、民間飛行にも影響がある、こう考えておるわけでありまして、外務省とも鋭意連絡をとりまして、今後そういう飛行機が二百台以上入ってこられては困りますから、そういうように外務省に指導していただきたい、こう考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省当局も二百機以上入るようなことじゃ困るから、他の横田等にかわってもらいたい、こういう御意向でありますが、それじゃ、外務大臣、あなたの御意見をもう一度確認いたしたいと思いますが、そういう意見でありますので、この際、航空の安全を確保するために、旅客機の安全を確保するために、MACチャーター機は横田等の軍用基地の飛行場を使うということにお話をしていただけることは、われわれは期待をしてよろしゅうございましょうね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 これは誤解があってはいけませんから——羽田の使用は、民間機の航空の安全を確保し、また、非常な支障を来たすような、限界を越えない程度に羽田を使用してもらうような交渉をいたすということを申し上げておるのでございます。全然羽田は使うな、横田だけを使えという交渉をいたすというわけではない。民間機に対して、非常に航空の安全あるいはまた支障を来たすようなことのないように、できる限り横田を使ってもらいたいと思いますが、全然羽田を使うなというわけにもいくまい。したがって、民間の航空に支障のない程度に羽田の使用をしてもらうような交渉は、われわれとしても今後続けていくつもりでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、さらに具体的にお尋ねをいたしますが、けさ二機のチャーター機の離陸に際しましても、あいていたスポットというのが、三十二ある中で二つだとか三つだとか、そんな話を聞いておるのであります。したがって、民間航空機に支障のない程度に羽田を使わせるとしたところで、これは限界がありまして、ちょっとそういうことは実際上いかがですか。まず一機か二機か、いまの半分以下になってしまうだろうと思うのですが、あまりゆとりはないじゃありませんか。実際あるのですか。どれくらいまでのところは羽田でよろしい、どれ以上はいけない、外務大臣としては、そんな何かお考えがございますか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  先ほどお話ししましたように、二百機以上こられては困る、こういう現状であります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 二百機というのは月でしょう。月に二百機なら一日当たりならどれだけですか。そんなに入れますか。外務大臣、これは特にもう少し実情が明らかでありませんと、合同委員会におけるところのお話に支障があろうと思いますので、いまのように二百機まではよろしいということでは、私は羽田の空港の実態というものと非常に離れておると思うのです。羽田に二百機来たから、二百機になったからたいへんだと言っておるのは、二百機あたりになりますと、もう何ともならない。そうなんですよ。そんな、民間航空機の離着陸に支障のない程度の機数なんていうものは、まずゼロにひとしいじゃありませんか。羽田が狭いからよそに行こうといっているときに、それを二百機までよろしいなんていう政務次官のお話というのは、いささか民間航空の安全を無視した暴論だと思うのですがね。どうですか。

澤雄次運輸省航空局長

○澤政府委員 お答え申し上げます。  これは先生の御承知のように、羽田のランウエー利用の離着陸に関しましては、羽田はまだ余裕がございますが、先ほど来おっしゃいますように、スポットが、飛行機がとまるところは非常に制限されておるわけでございます。ところが、この利用状況が午前の十一時ごろまでは非常に込んでおりまして、それから夕方六時ごろからがまた非常に込むわけでございます。それで、先ほど外務大臣もおっしゃいましたように、なるべく他の軍用飛行場に行ってもらいたいが、どうしても来なければならないものは、昼間の、このスポットのわりあいあいている時間に来ていただきたい、そういうことでございますので、これは何機というめどはないのでございまして、なるべく昼間のあいているところに来ていただきたい。それで一月、二月、先ほど先生のおっしゃいましたように二百機ぐらいずつ参りましたが、これでもうスポットはほんとうに一ぱいになっております。それで、これはなるべく昼間のあいている時期に来ていただきたいということによりまして、どれだけの機数を羽田に収容できるかという数字も変わってくるかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは航空局長さんにもう一回お尋ねをいたしてみたいと思うのですが、いまのお話によりますと、朝の時間帯にひまな時間がある、それから深夜にすいているときがある、その間はだめだという。ところが、アメリカの基地を立ちましたマックは、アメリカの時間の関係ですが、アメリカと日本との時間の関係からいいまして、そんな時間に来るには、向こうを深夜に飛び立たなければならぬというようなことになって、おそらく、朝乗り込んではこちらに夕方に着いて、たいへん混雑するところに混雑を倍加しておるというようなことになるじゃありませんか。あなたにはその確信がありますか。かりに、あなたが考えていらっしゃるとおり、考えていらっしゃる時間に来てほしいということになれば、そのとおりに向こうが飛行計画を変えてくる、こういうことになれば、その辺は考えられないこともないと思いますが、その辺の見通しはいかがですか。

澤雄次運輸省航空局長

○澤政府委員 先ほどお話し申し上げましたように、午前の十一時ごろから夕方の六時ごろまでがあいておるわけでございます。この時間には羽田はまだ余裕がございますが、先生のおっしゃいましたように、この時間帯に羽田に着陸いたしますためには、アメリカを真夜中に出なければならないのでございまして、非常に向こうとしては不便を感ずるだろうと思います。しかし、一般の定期旅客の飛行機ならば、それは向こうをいい時間に出まして、そうして午前、あるいは夕方から羽田に着くということがぜひ必要でございますが、このMACの飛行機は軍のチャーター機でございますから、どうしても羽田を使わなければならないということであるならば、向こうの不便をがまんしても、やはり羽田のあいておるときにぜひ来てもらうように、外務省を通じて強力に交渉をいたしたい、このように思っておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで外務大臣にお尋ねいたしますが、そういう空港使用上の事情が日本側にあるとするならば、MACが都合のいいときに飛んで来てもらっては困るわけでございますから、当方の事情に即応して、向こうも飛行計画を変えて、そうしてすいているときに少数の飛行機が羽田におりるだけだというようなことにしてもらいたいものと思うのですが、そういう交渉はできるでございましょうね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 私は可能だと思います。そうでないと、一般の羽田空港の民間機が支障を来たすようなことは、アメリカもまた本意ではあるまい。夜中に出るぐらいの、それぐらいの不便は当然に忍んでしかるべきだと思いますので、その点は強く交渉をいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 関連。いまアメリカ軍のチャーター機が羽田に飛来する。その数が非常に多い。特に月に二百機以上も来る。これは羽田の航空関係者はもちろんでございまするが、国民の中にも不安感を抱かせている。これが現状なんですね。しかも、国民はベトナムの戦争、交通戦争、交通地獄、これに対して非常に不安を抱いている。こういうやさきに、羽田に軍関係の、戦争関係の飛行機が飛来して、世界じゅうの民間機に不安を与える。これは容易ならざる状態でございます。したがって、これが秘密であるかと尋ねたら秘密ではないとおっしゃる、運輸大臣は。したがって、こうなれば、安全の機数、安全の時期等々についてここで論議するよりは、現地に行って現地を視察する、このことのほうがより妥当であり、より早く問題を解決することと存じます。したがって委員長、この際私は、調査団を派遣することを要請したいと思います。その調査団は、必ずしも予算委員会のメンバーでなければならぬことはございません。交通、運輸委員会でもけっこうでございまするが、ものがここで発生したことでございまするので、当委員会において、だれかれは別として、調査団を派遣すること、それを決議願いたい。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 加藤君に申し上げます。  ただいまのお申し出の件につきましては、理事会を開催いたしまして、よく御相談したいと思います。御了承願います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それはいつの理事会ですか、いま直ちにですか。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 きょうの散会後にお願いします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 もうこうやっている間にも飛行機の発着が行なわれておる。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 きょうの散会後で御了承願います。きょうの散会後に開くことで御了承願います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 散会後直ちに、あくまでそれを実行されんことを固く決議していただきたい。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 了承いたしました。   〔「実行の可否を相談しよう」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 いやいや、実行の可否ではない。委員長に答弁をお願いする。この問題についておろそかに済ましてもいい問題であるか、それとも、重要問題であるか、委員長の認識をまず答えてもらいたい。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 きわめて重要な、大切な問題だと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 聞くにあたって、本件についてせっかく総理のかわりに官房長官が来ておられまするから、これに対する認識の度合いを御発表願いたい。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 先刻来いろいろお話を伺っております。政府全体といたしましても大切な問題でございまするから、皆さまのお気持ちも体しまして、できるだけ納得のいく処置を講じたい、かように存じます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 外務大臣の御所見を承りたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 それは加藤さんもわれわれも同じ立場です。われわれも事故が起こることを希望するわけでもございませんし、ごもっともなお話が多いので、そういう御意向を体して、今後合同委員会などにおいてわれわれの考えを述べて、そして心配のないように努力をいたしたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 じゃ、関連はこれで終わります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それから、もう一つお尋ねしたいのは、このボーイング707というのは非常に騒音が大きいわけですね。これが深夜に離着陸いたしますると、これはもう騒音防止のたてまえからいいまして非常な問題だと思うのです。その点は、これは運輸省でございますか、運輸省どうですか、どうお考えでございますか、どう規制されますか。

澤雄次運輸省航空局長

○澤政府委員 お答え申し上げます。  先生のおっしゃいますとおりに、夜間にジェット機が羽田のような人口の稠密した飛行場から飛び立ちますことは非常に騒音の弊害がございますので、これは先般来、閣議決定によりまして、陸地のほうに飛び立ちますときには、午後の十一時から翌朝の午前六時までは、特別の場合を除きましてジェット機は飛ばさない。海のほうへ飛び立ちますときは別でございます。そのように決定いたしまして、関係エアラインの了承も得て、現在実施をいたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 MACの問題につきましては以上において質問を終わりけすけれども、きょうは特に外務大臣がおっしゃっていただきましたように、合同委員会において早急に一日もすみやかなる結論を出すべきだと思うのです。そうして、先ほど来の現地の要望にこたえ、不安を解消するために、ひとつ大いに努力してほしい。官房長官はそのためにきょうは来ていただいたわけですから、特に御尽力いただきたいと思います。MACの問題は以上で終わります。  続きまして、あと陸上交通の問題につきましてお尋ねをいたします。これは先ほどちょっと南海の事故の問題についてお尋ねをしたのでありますけれども、さらに最近の道路交通におけるところの死者一万三千九百四人というのは非常な数字でありまして、何とか人命尊重の立場から安全施設を整備強化しなければならない、こういうことでありますが、交通安全施設緊急整備事業三カ年計画というのができておるわけですね。いままでどのようなことをやり、これから先どのような計画であるのか、その内容について、この際お答えをいただきたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 自動車事故が非常にふえますので、昨四十一年の七月でしたか、緊急の措置をとるようになったのでございます。それには、第一日本の自動車事故と申しますのは、自動車対人間、自動車対自動車、自動車それ自身と、こう分けてみますと、車両対人間関係の事故が非常に多いのでございます。したがいまして、歩行者に対して優先の施設をしなければならない、こう思いまして三カ年計画を立てたのでございまするが、昨年は初年度でございまして、ことしは二年度でございます。大体その規模は六百五億円、そのうちで建設省所管のものといたしましては五百六十億。その残額は警視庁、警察のほうの関係その他でございます。  去年は、大体のおもな施設は、架道橋とそれから歩道でございます。それからあと、また照明をするとかガードレールをやるとかいうことでございまするが、四十二年度はこれを非常に飛躍いたしまして、架道橋にいたしましても、昨年は四百カ所ぐらいでございましたが、ことしは千カ所ぐらいやろう、それから歩道にいたしましても約一千キロ程度の歩道をつけようということで、第二年目にかかるわけでございます。この問題は、政府といたしましても非常に力を入れたい、かように考えておる次第でございます。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 警察関係のものを申し上げます。  事業量約四十三億でございます。定周期信号機三千五百基、歩行者用の信号機千二百九十基、自動感応系統式の信号機が七セット、地点感応式の信号機が七十五基、横断歩道灯火式道路標識が三千四百二十基、道路標識が二十三万二千百十六本、横断歩道が二万七千カ所でございます。  それで四十一年度は補助金として四億でございますから、事業費として八億、四十二年度は六億七千八百万円が補助金でございますから約十三億をやりまして、四十三年度に残りの二十二億、事業費として二十二億を完成するつもりでございますが、さらにこれは引き続き増加をしてまいりたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 まあずいぶん、なんですね、道路計画は第一次五カ年計画、第二次五カ年計画、何年計画をやりましても交通の混雑というのは緩和されない。そこで、何をしたならば交通が緩和されて安全に円滑にいくだろうか、こういう問題だと思うのです。そこで、いまおっしゃった対策というのは、たとえば、建設省においては歩道を少しつくるとか、横断橋をつくるとかいうようなことであるし、それから警察庁のほうでは、信号機もありますけれども、標識とか、まあいわば付帯的な問題であって、根本の問題ではないわけですね。根本というのは、道路と自動車の関係というものだと思うのです。今度四十二年度から新たに第五次五カ年計画に入るわけですね。この四十二年度以降の道路計画というのは、一体どれぐらい交通難緩和の役割りを果たすものであるか、内容について、できるだけひとつ詳細にこの際発表していただきたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 実は、道路五カ年計画は、第一次から今日まで五回ほどやはり改定になっていますが、それも途中で改定をいたしておるのです。そこで、われわれの見込みの自動車の台数というものが、初めの道路の計画よりは上回っておるということで、やはり改定改定ときたのでございますが、今回第五次五カ年計画をつくりましたのも、まず長期的な見通しに立ちまして、今後二十年くらいの間にはどれくらい自動車がふえるものであろうかというようなことの計画を立てまして、それに基づいて大体五カ年計画として進めていきたい、かように考えておるのでございます。今後二十年後にふえる自動車の台数は、おおむね三千五百万台ぐらいじゃなかろうかというようなことをいま踏んでやっておるのでございます。  しこうして、それぐらいな時期になりますれば、自動車といたしましても、ただいまの幹線自動車道七千六百キロほど予定されておるものをやって、また都市につきましては八百キロぐらいな高速道路をやっていますが、それは完成いたしたい。しこうして、それを大体の骨格といたしまして、いまの一級国道、旧二級国道、それから主要県道等はその幹線から地域を結ぶ連絡線にするというような、ある一つの夢を描きまして、それで進んでおるわけでございまして、その時代になりますれば、相当に交通緩和になるのじゃないか、かように考えてやっておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 二十年後に三千五百万台ふえる。それが登録台数において東京都はどういうことになるか、現在の何倍ぐらいになるかという、この問題があります。これは運輸省当局にお尋ねをいたしますけれども、現在、東京都の中に登録されて走っておる自動車はどれくらいあるか。いま二十年後という話ですが、ちょっと長い話じゃありませんか。どういう趨勢をたどってふえていくというふうに観測をされておるか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  現在、東京都は百万台でありますが、東京は二十万台は毎年ふえていくというようなことになるのじゃないかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大体四年たちますと倍になるというのが、自動車の趨勢というものに対する一般学者の見解でありますが、二千万として五年でいまの倍になるというわけでございます。したがって、東京都で自動車がいまの倍になるとするならば、五年後には道路はどうなるのですか。これは建設大臣、東京都の道路の面積は五年後にはどうなるか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 道路の面積ですね。道路の面積の数字はちょっと覚えておりませんから、ひとつ政府委員に答弁させます。——いまその数字を持ち合わしていないようですから、後ほど御報告させます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これは総理府総務長官に所見を承りたいのでありますが、交通関係閣僚協議会をあなたが統轄をしていらっしゃるわけでありますけれども、自動車が現在どれだけあって、何年先にはどういうふうになって、道路はどうなるのだ、この関係を明らかにされない限り、安全対策なんて生まれる道理はないでしょう。この辺はどうですか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 交通安全の重要性は先ほどから強調しておるところでございますが、われわれといたしましては、いま、いわゆる道路等安全施設の整備の問題を第一とし、それから取り締まりの問題を第二とし、それから道路交通教育の問題を三つとして、この三つの柱を中心として安全対策というものを練っておるわけでございますが、歩行者に非常に犠牲者が多いという日本の特殊事情から、傷を受けた方々に対する補償の問題という一つの柱、この四本の柱を中心として、いま当面の対策を立てておるわけでございます。  いま御指摘のように、激増する自動車の問題、またこれに伴って道路の整備状況がどの程度に落ちついていくかというような問題は、重要な問題でありまするので、その四本の柱とあわせまして関係各省等から資料をいただいて、将来に備えた対策もやっておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 今日に至って、なお資料を備えてそれから考えるというのは、あまりにうかつ千万な話じゃありませんか。もうすでに道路はこうする、自動車はこうする、したがって道交法はこうする、設備はこうする、すべてのものが相関関係をなして前進するのでなければ、先ほど申しましたが、この一年間に一万三千何がしというような多数の方がなくなる、死者が出るというような事故を防ぐわけにいかないじゃありませんか。人命の尊重ということは事故を起こさないようにすることだ。その事故を起こさないことは、あなたの言うように教育でやれるのですか。教育などで無事故ということが保障されますか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 先ほど申しましたように、四つの柱を中心として対策を練っておりますが、将来の問題については、もちろん長期計画というものをいまつくりつつあります。これは作業中であります。そして各省から資料を集め、各省との連携をとりながらやっておるという意味でごございまして、もっぱらいま勉強中でございますので、そのように御了解願いたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 現在、百万台の自動車が東京都にある。その百万台の自動車によって、今日この渋滞がある。そして一年に二十万台からの増加が見込まれる。そうすれば、四年先にはいまの倍の自動車になる。そうすると、自動車は現在どれくらいのスピードで走っておるか知りませんけれども、いまの倍の自動車をこの東京都に持ってきたときには、まず自動車は走らないじゃありませんか。自動車陳列場というのができるだけですね。そのときになって、建設省は、こういう道をつくる、これだけの道をいまの倍にするとか二・五倍にするとか三倍にする、この確信があるからこの自動車二十万台の増加に対応できるとおっしゃるなら差しつかえない。けれども、第五次の道路整備五カ年計画では、東海道一号線の改良整備、少なくとも倍くらいの拡幅はしなければならぬと思うのであります。場合によってはバイパスでもよろしいが、そういう問題もこれには盛り込まれておらないでしょう。いま現在着手さ別ておるのは東名高速道路だ。東海道ベルト地帯に、東京から大阪まで行く間に何を考えているかといえば、東名高速自動車道、名神高速自動車道、それから有料ハイウエー、高速自動車道路は盛んに力を入れられておりますけれども、東海道一号線というのはそのままになっている。そこで金谷あたりにおきましては、交通ラッシュができてしまいまして、一たび先頭車がパンクすれば、半日間はもう全然動かない。東海道一号線などをすみやかに拡幅するために、二千億や三千億の金を出すことは何でもないじゃありませんか。そういう計画を持って着手されておってもしかるべきであったと思うのでありますが、そういうことをおやりにならない理由はどういうことでありましょう。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 やらないのじゃないのです。やるのです。したがって、第五次五カ年計画をつくったのです。四十二年度を初年度といたしまして、これからやるわけなんです。その内容、たとえば東京都に対してどれだけの金をつぎ込むか、また、東京都の高速にどれだけをつぎ込むか、あるいは一般の街路にどれだけの金をつぎ込むか、また東海道にどれだけの金をつぎ込むか、こういうことの内容が、四十五年まで全部の年度についてまだ終局的にできていないということを申し上げたのでありまして、いま一般の自動車の増加の傾向は、全国的には一六%ぐらいでございましょう。しかし、東京都はそれよりもよけいふえると思います。したがいまして、今度の五カ年計画の予算も、一六%自動車がふえる以上、一六%以上年々歳々ふえるような予算でやっていきたいというのでございます。  また、東海道について、東名高速だけを考えておって、いまの国道を少しも考えていないじゃないか、こういうお話でございまするが、これは最近——最近からではないかもしれません、太田さんはよく御存じでしょうが、東海道一級国道はずいぶん込んできました。しかし、これにはや凍り五年、後の先を考えるわけにはいかぬでしょうから、その交通の込んできたところに対しては、それ自身に薄して対策を立てなければならぬ。バイパスもつくる必要があるだろう、こういうふうに考えて、この五カ年に相当大きい予算をもってこういう混雑には対処したいというのが私たちの気持ちでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 まあ、そういうぐあいに、自動車の伸びに即応して道路がつくられるということのあなたの確言であるとするならば、了承するにやぶさかではありませんけれども、いままでの実績を見ますると、自動車の増加のほうが道路事情をはるかに上回っておる。そこに死傷者が増加する原因があると思うのです。  そこで、ちょっとこの際通産大臣にお伺いいたしますが、あなたは自動車産業の関係から、担当者といたしまして、東京なりあるいは大阪なり、各大都市並びにその周辺が過密地帯となっているという実情の上に立ちまして、何とか自動車の台数というものをコントロールする方法をとる必要があるということ、これは市民、国民が非常に痛感をしておるところでありますけれども、あなたは、こういう実情に即応して、自動車の台数、走行する台数をコントロールするということが行なわれるとするならば、何か困るというような事情が通産省の立場からしておありでございましょうか。この所見をちょっと承っておきたい。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○菅野国務大臣 自動車をコントロールするという意味は、自動車の運行をコントロールする意味か、あるいは自動車の製造をコントロールする意味か、その点私ははっきりいたしませんが、自動車の運行をコントロールするのは運輸省なりの仕事だと思います。あるいは警察のほうの仕事だと思います。しかし、自動車の製造をコントロールするということは、自動車産業をますます奨励しなければならぬ、こう考えておりますから、製造をコントロールする考えは全然ありません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 通産大臣、製造のコントロールではありませんよ。交通が過密でありまして、円滑と安全が期しがたくなっているところにおきましては、登録等においてコントロール作用があってもしかるべきだと私は思います。そのコントロールされた場合に、いまの道路の事情ならば、登録は何万台をもって限度とする、道路がふえたならばこれだけにする、幾らでも車が走っていいところがありますが、そちらのところは幾ら走ってもいい、無制限であります。東京都の例をとりましても明らかなように、東京都に無制限に車が持ち込まれるということについては何らかのコントロールが必要ではないかと思う。だから、コントロールゾーンというものを大都市を中心にしてつくったらどうだ、こういうことについてお困りの点があるなら——生産を制限するという命令でなければ、そういう措置でなければよろしいというお考えでございますね。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 そういうことであれば、警察が道路交通法によってやりますことでありますから、その規則に従ってわれわれのほうが運行さすということになっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうであろうと思うのです。別に生産制限ということではありませんが、安全と円滑ということが一番大事な点でありますから、その点に中心を置いてコントロールゾーンというものを大都市を中心としてつくるべきだ、このような考え方というのが国民の間に非常に強いということを私は申し上げておるわけです。  そこで、運輸省にお尋ねしますが、自動車登録令というのは、これは自動車というものは自由に登録ができる。条件がありますけれども、早く言うならば、道路が狭かろうが広かろうが、死傷者がどうであろうが、こうであろうが、自由にできる。これに対して運輸省当局としては、登録令を改正して、何か時代に即応するように、登録にコントロールを加えるということについてはお考えを持っていらっしゃるかどうか。この点をお伺いしたいと思います。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  自動車が増加するということは、社会経済の上で登録を抑制するというようなことはできぬのじゃないか。いわゆる道路の問題が一番交通事情を繁雑にし、あるいは事故を起こすということでありますから、自動車の増加に伴って道路のバランスをとる、こういうことが必要じゃないかと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは、逆に言うならば、道路が自動車の登録台数に比してアンバランスで非常に少ないということであるならば、登録はストップされるわけですね。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 自動車の登録をストップするということでなくて、私の申し上げるのは、いわゆる道路を整備していただきたい、こういうことであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは登録は自由にやれるから自由に登録する、幾らでも自由に車は走らせるようにするから道路を建設省はつくってくれ、こういう御意見ですね。建設大臣、それにあなたは確信を持たれますか。念のためですよ。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 登録の問題につきまして、社会経済上の関係もあることで、自動車がふえるということについて登録をとめるわけにはいかない。しかし、交通事故その他の問題等につきましては、いわゆる交通規制とかいうようなことをいたしまして、できるだけ潤滑な運行ができる方法を考えなければならぬであろう、こう考えておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 では警察と自治省自体にお尋ねをいたしますが、いまの話ならば、運輸省は、自動車の登録の申し込みがあれば、それの所有権が明らかであり、いろいろな条件が確立しておれば幾らでも登録する、いわゆるナンバーを交付されるということになれば、道路のほうは西村建設大臣の五カ年計画によって何とかつくろう、つくろうとおっしゃるけれども、これはいまの実績でいうと保障の限りではない。そこで最後の安全弁は、運輸大臣は交通の規制だとおっしゃるわけです。あなたのほうは道路事情に見合ったように、自家用車であろうが営業車であろうが、ここは通ってはいけない、海台以上通ってはいけないということを、ほんとうに科学的に規制する御用意はおありでございますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 道路にもよりますが、全面的に自動車の通行を禁止するというようなことはなかなかむずかしいと思います。しかし、現在行なっておるように、たとえば通学、通園路について大型の通行を規制するとか、あるいは住宅街の非常に混雑しているところの規制をやるとかいうことは、やり得ると思うわけでございます。  さらに、太田さんは一種のコントロールゾーン的なものを警察のほうの関係でやれないかというような御意見やに伺ったわけでございますが、何ぶん、たとえば東京をとりましても、地方から相当入ってきますので、東京管区だけで規制をいたしましても、なかなかむずかしい問題があるんじゃないか。したがいまして、いまわれわれ各省にお願いをいたしております、たとえばトラックターミナルをつくる、あるいは問屋街を市街地から郊外にほうり出すというようなことで、市街地に大型車が入らなくても済むような、そういうようなことを考えていったらいかがかと考えておるわけです。

太田一夫日本社会党

○太田委員 市街地に大型車が入らないことを考えるということだけでも一つの進歩であり、規制でありますけれども、そういう交通量の規制をする、あるいは通行車両の規制をするということは、これは消極的な立場でございますね。ですから、道路というのがどんどんできればいいのですが、そうはいかない。五カ年計画を何回繰り返しても、自動車の交通というものはますますふくそうしていることは、これは事実が証明しておるわけです。そこで、あなたのほうも大型車の規制くらいでお茶を潤される。運輸省も、登録は自由にやる、いわゆるナンバー交付は自由だ。そしてまた、運転免許証も自由に出される。学校さえ出れば、試験に受かれば幾らでも出す。これは別に差しつかえないと思うのでありますけれども、いわゆる政策なき野方図な交通政策だと私は思うのです。そこに何かしんがなければならぬと思うのです。しんが一つなければならぬ。だから、教育だとか安全週間だとか、けがした人たちに対して救急車をどうするとか、そんなことばかりに重点がいってしまうわけです。  長官、時間がないのであまりお尋ねすることができなくなりましたが、そういう中で、各省ばらばらのことをいっている、お互いにいままでの秩序そのままから一歩も出ようとしていらっしゃらないわけです。これを引っぱり出して、現代の状態に即応する交通体制、秩序というものをつくる。この秩序というのは、取り締まりじゃありません。政府は、交通秩序というとすぐ取り締まりですけれども、取り締まりじゃない。交通の秩序をつくるということは、これは非常に大事なことだと思うのですが、この際に強権を発揮すると申しますか、大きななたを振って、運輸行政について、道路行政について、あるいは警察庁の取り締まり行政について、それぞれあなたのほうは時代に即応するような対策を、交通基本法なり何かつくってやってみようというお気持ちはおありですか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 私のほうの役所に交通対策本部が設けられましたのも、いままで議論されておったような各省ばらばらの行政をそのままにほっておけないという意味でできたものと私は考えております。また、私が就任いたしましてからも、例の愛知県の忌まわしい事件以来、各省の関係者の間でほんとうに交通安全対策というものについての御協議を願っておりまするが、その間には、みじんもなわ張り争いというようなものは見られませんで、私はまことにこの傾向を助長していくことが望ましいと考えている次第でございます。ですから、いまの自動車の登録あるいは道路の整備状況等も、総合調整の立場から、今後の長期計画の中において万全を期し得られると私は考えておりまするし、また期さなければならないと思っております。  いまお申し越しの交通基本法の問題でありますが、昭和三十九年三月、交通基本問題調査会というのがございまして、その答申も出ております。その答申によりますると、やはり交通基本法を策定すべきである、つくるべきであるという御議論のように拝聴いたしておりまするので、自来、これを中心として、関係各省との間に、その方向に向かっていま進んでおるところでございますが、この国会でこれを提出するかどうかというような段階までには至っておりません。しかし、その方向に向かって検討しておることだけを申し上げておきます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 抜本的な対策を講ぜられるときが来ておると思うのです。各省それぞれその行政は旧套を脱することができないということは残念だと思います。  そこで最後に、一つだけ運輸省にお尋ねをいたしますが、こういう非常にたくさん被害者の出ておるときに困るのは、掛官賠償の限度額が、死者の場合百五十万円だということです。この賠償額というのは、平均しますと、六百万円ぐらいは、一人死にますと要るように、大体世間の相場というものができておるようですが、この際思い切って、そういう六百万円に引き上げるということについて努力をされると言うことが必要じゃないかと思うのです。何か対策なり御意見をお持ちでございましょうか、最後にお伺いをいたしておきたいと思います。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  お説のとおりでありまして、百五十万円ではいかにも少ない。鋭意これを上げるべく、いま検討中であります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 目標はどれくらい……。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 その金額は、いまいろいろ検討しておりますが、できるだけ上げるようにと考えておるわけです。御了承な願いたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 時間がありませんから、要望をしておきますけれども、きょうは運輸大臣がいらっしゃらないので、次官がお答えになりますが、ほんとうに次官のお答えは運輸省の考え方を率直に反映しておるでしょうか。私は、ちょっと心配でしようがないのだが、万全を期するとか、検討するとかいうことは無難な話でございますから、無難な次官ということでけっこうだとは思うのですけれども、少なくとも、百五十万円の金額では安いから、幾らぐらいまで引き上げるつもりである、その場合に保険料において、掛け金においては、あまり負担はかけないつもりぐらいなことは、この際一口おっしゃっておいていただく必要があるじやありませんか。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 先ほど六百万円というお話がありましたが、少なくも倍額の三百万円程度には持ってまいりたい、こう考えております。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて太田君の質疑は終了いたしました。  次に、西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、私はただいまから若干質問をいたしますが、実は私はきょうは農政問題についてお尋ねをするつもりでおったわけです。ところが農林大臣が病気をして休んでおりまするし、かたがた自治大臣は御都合があるということでありますから、そっちのほうからお尋ねをしたいと思います。  実は、農林問題は、こういう観点でお尋ねをするつもりでおったわけです。農林行政について非常に問題が多い、あるいはいま農林行政がきわめておくれておる、一体それはなぜかということを考えてみると、いまの政治の姿勢がそういう方向には向いていない、つまり財閥とか財界とか、そういう方面をむしろ中心にして動いておるのじゃないか、そういうために農林行政などがおそまつにされておるというふうに私は考えておるわけです。そこで、そういういわゆる政治姿勢というような問題を前掛にしてお尋ねをしたいと思っておったのでありますが、いま申し上げたような事情でありますので、自治大臣にそのものずばりでお尋ねをしたいと思うのです。  いま審議会から答申がなされようとしておりますが、もちろんその内容は、どういう最終結論になるかわかりませんが、答申が出れば、政府としては直ちに今次国会に提案するか、そういう決意を伺いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 第五次の選挙制度審議会のうちで当面緊急になさなければならない問題につきまして、近く答申が出る見込みでございます。答申をいただきましたならば、十分それを尊重いたしまして、成文化し、御審議をいただきたいと考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただいまの御答弁だと、答申を尊重して、直ちに成文化する、いわゆる尊重するというのは、答申をそのまま採用する、こういう意味ですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 答申がどういう案文になりますか、いずれにいたしましても、いわゆる法律的な形式にはなってないと存じます。その答申の趣旨を尊重して成文化をいたしたいと考えておる次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 答申はもちろん法律そのものではないでしょうから、これを法文にするためには、立法技術上の問題があることは当然だと思います。しかし、少なくともその中に盛られている内容ですね、あと残る問題は単なる立法技術というならば、これはまあ法制局あたりでやる仕事だと思いますが、少なくとも自治大臣としては、あのなされた答申をそのまま、あと残る問題は純然たる立法技術だけだ、こういうふうに解釈してよろしいですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 先ほど公職選挙法の特別委員会でも、島上委員から、その答申の一部だけを採用して、ねらっているところをはずしちゃいかぬぞというお話でございました。私は、その答申のねらっている趣旨を十分に尊重いたしたい、こう考えている次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 大臣のいまの答弁で、要するに答申の趣旨を十分に生かしていくということで、それだけを聞けばなるほどもっともらしいとも考えられるわけですが、ただ、私が繰り返し同じことを質問いたしますのは、すでに最近の新聞等を見ると、自民党内において、いまの答申をあるいは牽制し、あるいはまた、その答申が出てきたらばそれを相当モディファイする、そういうような動きがあるやに新聞報道が伝えておるので、私はその点を心配してお尋ねをしたのですが、そういう点についていささかの懸念もないかどうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 新聞紙上でいろいろ御意見のあることは存じておりますが、私自身に何らアプローチもございませんし、審議会は、審議会の使命としてりっぱな御答申を出していただくものと信じております。その答申の趣旨を、繰り返すようでございますが、十分に尊重して成文化したいと考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは官房長官にお尋ねをいたしますが、総理がおりませんので総理にかわって御答弁いただきたいと思うのです。  いまの自治大臣の答弁で、非常に抽象的に言っておるけれども、要するに、答申が行なわれれば、あと残る問題は完全に純然たる立法技術だけだ、こういうふうに解釈をしていいですか。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 自治大臣は、答申の趣旨を十分に尊重いたしたいということを申しました。自治大臣の申します趣旨を私どもは十分に尊重して、対処いたしたいと存じます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 十分に尊重してという、日本語の非常な、何といいますか、解釈上いろいろ問題が出るおそれがあると思うのだけれども、たとえば、答申が十の答申をして、そのうちかりに七なり八なり採用する、あるいは、時によってはその五なり六なり採用するという場合でも、いわゆる諸般の情勢を見ながら十分にその趣旨を生かしたのだ、こういうような説明ができないでもないと思うのですよ。私は、少なくとも十の答申をするならば、それは十として提案をすべきだ、こういうことを強調しておるので、その点についてもう一ぺんお尋ねしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 要は、その何割とかということよりも、答申がねらっているのが何かという、そのねらいをはずすようなことはいたしません、こう申し上げている次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そのねらっているところは何かといえば、要するに政治資金の規制をしようということですからね。それはもちろん全く同様だと思うのです。しかし、その政治資金の規制をするというねらいそのものは、その答申にしても、自民党なり政府なりのお考えにしても、これは全く同様だと思うのです。しかし、それは方向が同じだということだけで、つまり、ねらいが同じだということだけで、私どもは安心するわけにはとうていいかないと思うのであります。だから、その点くどいようですけれども……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 繰り返すようでございますが、その私がねらいと申しましたのは、今回出る答申が単なる政治資金の規制、大きく言えばそうでございますが、その中に生かされている精神というものがあるはずで、これは答申をいただかなければわからぬわけでございますが、その精神を生かす、それが十分に尊重するという意味であろうと考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 われわれも、もちろんその精神なり——それはさっきも言ったように、政治資金を規制して政治の浄化をはかろうということですから、その精神なりその趣旨なりは、これは何人も異論がないと思うのですよ。しかし、それを具体化す方法がいま問題になっておるのだから、その際に、もしその答申と政府の提案とが食い違いを生ずるようなことがないか、こういうお尋ねです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 答申をいただきますれば、それを十分に尊重してやっていくことは、これはもう当然でございます。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 畑和君より関連質疑の申し出がありますので、この際、これを許します。畑和君。

畑和日本社会党

○畑委員 いま自治大臣はなかなかりっぱなことを言われた。間違いないですかね。ところで、われわれはもう前回非常にこりている。昭和三十六年のときに第一次の選挙制度・審議会が重要な要点、三つの柱を答申した。政治資金規制の問題、高級公務員の立候補禁止、それから連座制の強化、この三つがいずれも骨抜きだ。特に政治資金規制の問題については、政府、地方自治団体等と特定な関係にある会社は政治資金を出してはならぬ、こういうのが第一次の答申だった。しかも第二次も同じような答申を出して確認をいたしておる。それをあのときに「当該選挙に関し」こういうわずかに七文字を入れて公職選挙法にそれを規定した。したがって、これは一般の政治資金ですということで出しさえすれば、当該選挙に関係しないんだということでフリーだ。この「当該選挙に関し」というわずかに七文字が、もう本質的に答申の線を曲げた、こういう事実をわれわれはいま思い出すわけです。かつ、連座制の強化につきまして、政府の案の段階で幾つも条件をつけて、結局近親等でほとんどもうひっかかる場合がないというような形にしてしまった。高級公務員の立候補禁止の問題についても、憲法に違反するとかなんとか、変なへ理屈をつけて、そうして答申が出た上で、しかも当時の自治大臣が、八個師団の派閥の間を持ち回って了解をつけて、それで政府案というものがきまったいきさつを私はよく知っておるのです。したがって、今度も、自治大臣だからりっぱなことを言われるけれども、それがはたして実行可能かどうか。しかも、新聞紙上でうかがってみますると、総理自身が、この間新聞にちょっと出ました予想される今度の第五次選挙制度審議会の答申に対して、非常な不満を示した。実際の政府のことをよく理解していない案だというような意味の不満を示したといわれるし、また、自民党の政調会でも、やはり同じようなことをきめたといい、総務会でそれを承認したというような話を聞く。また福田幹事長においては、やはり相当はっきりしたことを言っているのです。そうした場合に、今度予想される答申と党議との間の食い違いをどうするか。どちらを優先させるか、その点を聞きたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 総理大臣も、答申が出ればそれを尊重してやりますと明言しておるのでございます。いまいろいろお話がございましたが、私もそれは新聞紙上で承知しているだけでございます。いずれにしましても、審議会としてはりっぱな答申を出していただけるものと確信をいたしますし、その答申を尊重して成文化する所存でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 たまたま官房長官が総理の代理でおられるから、やはり同じような趣旨でひとつ総理大臣代理としての官房長官に、いまの答申と党議との食い違いができた場合にどうするかということ、答申を優先させるべきだと思うけれども、その点はどう考えるか。どうも不安なんだ。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 まだ私ども党のほうから何らの正式の連絡も受けておりません。なお、先ほど畑さんの言われるごとく、総理大臣が正式に自分の意見をどうこう述べたというような事実はないのでございます。総裁たる総理のもとへ多少意見を言うべく持ってきた人はあるいはあるかもしれません。私、もとよりその節は立ち会っておりませんけれども、そういうときにどういう話が出たかわかりませんが、総理自身が、先ほどお話しのようなぐあいに、正式に結論を出すべき席でさようなことを申していることは私自身も承知していないわけでございます。さような次第でございますので、自治大臣も申しますように、総理大臣自身、審議会の答申を尊重するということにつきましては、重々意を用いているところでございます。党議を尊重して審議会の意向を尊重しないなどということは、決して申していないわけでございます。  なお、私が想像いたしますに、いまおっしゃるように、審議会の結論と党議が当然食い違うであろうというような予想も、私はあまりいたしておらないのでございまして、いずれにいたしましても、自治大臣が申しましたような趣旨を総理大臣も十分尊重していくもの、こういうように私自身も了承しておる次第でございます。

畑和日本社会党

○畑委員 お二人の話を聞くとまことに頼もしいのだが、しかし、どうもそれがわれわれには非常にあぶなげでしかたがない。それというのも、新聞等で報道されておるところでありますけれども、まだ七日に総会をやるという段階になり、それの素案が島田特別委員長のもとできめられたという段階の際に、七日の総会においては、自民党としての考え方に従って、その場でそれをひっくり返すといったような形の新聞紙の報道がなされている。われわれ野党ならばしかたがありませんよ。それを、与党ですからね。それで選挙制度審議会というものにはかって——選挙制度審議会設置法にも、明らかに答申の結果は尊重しなければならぬと書いてある。したがって、そういう答弁に一応なるのだろうけれども、反面に、こうした微妙な段階で、われわれ社会党もあの案には実は不満なんです。不満であるけれども、場合によったら一歩前進という考え方もしておるのでありますけれども、それを与党である自民党のほうで、党議であたかもそれに圧力をかけるようなことをきめるということは非常におもしろくないと私は思う。この前の三十六年のときにも、選挙制度、審議会が非常にその点で憤慨をした。そして審議をストップした事実がある。しかも長谷部忠さんのような硬骨漢はとうとう委員をやめてしまった。こういう事実があるのです。今度そういうことがされると、世論も非常に硬化すると私は思うのでありまして、その点、十分に考えに入れてもらいたいと思うのでありますが、その審議会への圧力と思われるような自民党の党議がきめてあるようですが、それに対してどうお考えですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 自由民主党がどのようなことをおきめになりましたか、私、ただ新聞紙上でいろいろ御意見のあることを承知しているだけでございまして、私は、選挙制度審議会が独自の立場で適切な答申をしていただけるものと確信をいたしております。

畑和日本社会党

○畑委員 それでひとつ最後までやってもらいたいと思います。われわれはこれを見守っておりますから、圧力等をかけるようなことは絶対ないように、堂々とひとつやろうじゃありませんか。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 いま畑君も指摘をいたしましたように、せっかくのお二人の答弁ではあるのだけれども、われわれはどうしても納得ができないのは、あるいは信用ができないのは、過去においてそういう前科があるということと、それからさらに、今度は新聞の報道にしかすぎないのではあるけれども、自民党内の動きが刻々と伝わっておるわけですよ。あるいはさらに、自民党を代表して福田幹事長の談話のごときも、これは公式の席で発表しているわけです。そういうのを見ると、われわれは、いまのお二人の答弁だけでは、それでよくわかりましたというわけにはいかないのですがね。どうしてもそういう疑念は依然として残る。自治大臣も、答申は尊重いたしません、そういうことはもちろん言わないでしょう。言えないでしょう。したがって、やむを得ずああいう答弁をしているのだろうと思うけれども、さっきも言ったように、単に精神にとか、あるいはねらいを尊重するとか、そういうことでは、とうていこの問題は看過するわけにはいかない問題なんです。ぜひともこれについてはもう一ぺん、総理にかわってという立場で答弁をしてもらいたいと思いますが、官房長官に聞きたいのは、いま自民党内にいろいろな動きがあるが、これは政府と自民党とはおのずから違いましょうから、違ってはいるけれども、官房長官などは、おおむねその両者の橋渡しをするというような役をしておられるのではないかと思うのですよ。そういう立場から、党内の事情を明らかにして、実は大いにその趣旨を尊重していきたいけれども、これこれこういうところに問題がある、そういう点についてわれわれはいま検討中なんだ、そういう点があるならば、この際聞かしてもらいたいと思うのです。いまのように、ただ尊重する、尊重するの一点ばりで、あまりにも白々しいと思うのですよ。そういう新聞報道がないときならば、それでも私どもまずまずごもっともと言えるかもしれぬけれども、ああいう報道がひんぴんとして行なわれている中で、答弁はあまりにも白々し過ぎると思うので、そういう問題点等のあれがあれば、ぜひそのことをここでお話しをしてもらいたいと思う。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 ただいまお話しの自民党の中で出ております話につきましては、私も詳細なる連絡等は受けておりません。先ほど自治大臣も申しましたように、新聞等で承知をいたしておるわけでございますが、いずれにしても、党内でああした協議をしておりますことは、その意向によって審議会に入って主張するところはされるのでありましょうから、それらの主張も入った後に、審議会の結論も出ることであろう、そういうように私は考えておる次第でございます。したがって、現段階において党のほうからわれわれのほうへどうこうということは申してきておりませんし、むしろそれが自然であると私は思っておるわけでございます。したがって、最終的に出まする答申につきましては、先刻来自治大臣が申しておりまするとおりに尊重してまいりたい、かように考える次第であります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 もちろん自民党内で論議をされておることを自民党の代表が審議会に出て主張する、これは当然でありましょう。われわれ社会党は、従来から個人に限るということを大方針として決定しているわけですから、わが党の代表はもちろん審議会でそのことを主張するに違いないと思う。同じように自民党の代表が、党内の意見をまとめて主張するということは当然だと思う。私が聞いておるのは、そうではなしに、答申が出たあとでそれを政府が修正をして提案することはないか、こういう点です。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 先刻来繰り返し自治大臣がお答えしておりまするとおり、われわれも尊重してまいりたい、さように考えておる次第であります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 自治大臣の答弁なるものは、要するに、尊重してあとは立法技術の問題だ、こういうふうに答弁しているので、私は、あとに残る問題は、要するに立法技術だけだ、こういうふうにこれは割り切って断定して受け取っておきたいと思うのだけれども、その点について御異議があるかどうか、もう一ぺん聞かしてください。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 先ほどの西宮さんの御質問は、そっくりそのままやるかというお話ですから、それは条文になってませんから、条文の形で答申されるのではないから、そっくりそのままというわけにはいきませんと申し上げたのでございまして、単なる立法技術だけの問題であるという御返事をしたわけではございません。いずれにいたしましても、答申を十分に尊重して、そうして成文化をいたしますと申し上げておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、残る問題は立法技術だけではないというのであれば、言いかえれば、政府・自民党にとって都合の悪いところは修正する、そういう御意向ですね。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そういうことを申し上げておるのではございません。今度の答申はこれからいただくのですから、その答申を拝見しないとわかりませんけれども、従来この種の答申をいただいたときに、あるいは目途としてとか、あるいはおおむねとか、そういうことばが使われておりますから、   〔委員長退席、田中(龍)委員長代理着席〕 それはそのままにはできませんのでございますから、そういう意味で、単に何でもかんでも、答申があっても、それを非常に変えていくとか、そういうことを私申し上げたわけではございません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 従来もやっておったからというお話なんで全くそのとおりだと思うのです。ただ従来やったやり方は、これは全く換骨奪胎ですよ。これでは何のために答申を求めたのか、およそ意味がなくなってしまうと思う。そういうことを繰り返したのでは政治に対する不信はもうつのる一方だと思うのです。  それじゃ、少し角度を変えてお聞きしましょう。たとえば福田幹事長は、今度の審議会の案は非現実的だ、こういうことを言っておられるのですけれども、いかがですか、そういうふうにお考えですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 私は福田幹事長がどういう表現をされたのか知りませんけれども、答申をいただかなければ、これをどう批判するというようなこと、あるいは、いま答申が出ようとしているときに、自治大臣自身の個人の見解を申し上げることはいかがかと思います。答申をいただくことを待っている最中でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 形式論を言えばそういうことになるのでしょう。しかし、自民党がたいへんな大騒ぎをして、いろいろな意見を発表している。というのは、いまいわゆる島田委員会でまとまった案、それがすでに伝えられておるので、それをいろいろ批判しているわけです。だから、島田委員会の案が非現実的だというならば、それをさして言っていることはもちろんですね。だから、それではその島田委員会の案に対して、それをこういうふうにお考えですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 七日に答申をいただくのでございますから、私自身の意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 先ほど畑君も言ったけれども、七日に答申が出るやさきに、こういうものを次から次へと発表して、いわば審議会の審議に圧力をかけている。こういう問題は、われわれとうてい看過できないと思うのですよ。これは官房長官にお尋ねをしたいんだけれども、もちろんいまやっているのは政府じゃない、党だ、そういう答弁をされると思うのだけれども、それは全く、あなたも同じ自民党の党員なんだし、だからそういう三百代言みたいな答弁ではなしに、もう少し親切に聞かしてください。こういうことを次から次へと発表して、しかもそれが、さっきの官房長官の答弁にもあったように、その代表が審議会に出てその意見を述べるのは、これはもちろんけっこうですよ。そうではなしに、きめておるのは、その案が出てきたらば修正する、あるいはさらに、国会に出てからも国会で修正する、こういうことをきめているんですよ。こういう圧力というものは、少し度が過ぎるんじゃないですか。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 私、幹事長がどういう点についてどう申したかというようなことの内容をつまびらかにいたしておりません。それはうかつではないかとおっしゃるかもしれませんが、私はさように考えていないのでございます。審議会が答申いたすものを尊重いたそうと待望しておるときでございますから、したがって、ほかのことが新聞等にも出ておりますが、十分に私の頭の中に入っていない、ということは、ある意味ではいま御指摘のようなことも私には影響が及んでいないということなのでございます。そういうような気持ちで答申を待望いたしております。そうして、先刻来申し上げるような趣旨によりまして、尊重いたしたいと考える次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 非常に大事な時間が進んでいきますので、私もこれだけを繰り返しているわけにはいかないと思うんだけれども、しかしこれはあまりにも重大な問題なので、ぜひもう一ぺん適当な機会に総理に出てもらって——きょうとは言いませんよ。適当な機会に総理に出てもらって、総理の見解を明らかにするということにしてもらいたいと思うのですよ。あるいは、さもなければ何か総理のお墨付でももらってきて、ここで朗読するというようなことにでもしてもらいたいと思うんだ。だって総理が総裁と両方兼ねているんですからね。それを、そっちは党の仕事で存じませんというようなことは言えないはずですよ。あまりにも不見識きわまると思うのですね。いまこういう審議会が重大な段階にあるときに、ああいうことて無言の圧力——無言じゃない、有言の圧力をかけているといういまのやり方は断じてわれわれ許せないと思う。  それでは、自治大臣もほかに予定があるというお話なので、たとえば、これはやはり福田幹事長の談話でありますが、こういう点に矛盾をお感じにならないかどうか、ちょっとお聞きしてみたいと思うのです。「選挙と選挙の間のつなぎとしての個人後援会の維持などにばく大なかねがかかるので」云々、それから少しまいりまして、こういうあれだから、これを是正するためには選挙区制、選挙公営の拡充などの体制づくりをする必要がある。つまり、言いかえればこういう金がかかったりして非常に困る、したがって選挙区制や公営化の問題を推進したいということなんだが、どうですか、この談話をお読みになって矛盾をお感じになりませんか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 福田幹事長がどういう発言をされたのか、私、そこに立ち会っておりませんし、それがそのまま福田幹事長の言われたことかもわかりませんので、それを批判することはこの際お許しをいただきたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は、福田幹事長が実際に何を言ったか、そういうことを聞いているのじゃないので、これだけの談話をお読みになって、この談話そのものに、新聞に報道された談話そのものに矛盾を感じないかということをお尋ねした。じゃ、私から問題点として申し上げましょう。前段で言っていることは、たとえば選挙と選挙の間に金がかかったり、つなぎとして、あるいは個人後援会、そういうものにばく大な金がかかるということを言っているわけです。それからあとでは、それがために選挙区制の問題、あるいは選挙公営の問題、こういう問題を検討しようということを言っているわけですね。しかし、かりにその選挙を一〇〇%公営でやっても、いまわれわれが選挙に使う金というのは、法定選挙費用は平均して二百五十万ですよ。それがゼロになったところで、それだけのものだ。ところが、福田さんが前のほうで言っているのは、いわゆる個人後援会の維持とかそういうことにばく大な金がかかるということを言っている。だから、これから規制をしようという問題は、そっちにあるんじゃないですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 第五次選挙制度審議会は、御承知のように選挙区制を含む選挙制度全般について、第四次に続いて審議をする。しかし、当面緊急とすべきものというので特別委員会をつくって御審議をいただいておる、こういうことなんでございまして、選挙制度全般についても審議会から適切な答申のあることを、私は期待をいたしておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 その選挙制度そのものについて答申のあるのを期待するということは、けっこうだと思います。われわれも期待をいたします。しかし、私は、いまのたとえば選挙区制の問題にしても、あるいは公営化の問題にしても、そういう問題と、それから、現にいま金がかかって困っておるその問題等をいわば置きかえるということは、全く違う問題だ。つまり、現在問題になっておるのは、たとえば選挙公営でないために金がかかって困るというようなのは、かりにまるまるゼロになってみたところで二百五十万の問題だ。そうではなしに、現実のその選挙の実態はそういうことではないはずで、それはもう皆さん百も御承知だと思うのですよ。お互いにわれわれ知っていると思うのです。たとえば、当時自民党の全国組織委員長でありました倉石忠雄さんが、これは読売新聞の記事でありますが、「選挙のドコにカネがかかるかと言えば、買収、供応などの違法行為である。これは政治資金規正法を改正しても解決しない。選挙公営や連座制の強化などで解決する問題ではない」こういうふうに言っておられる。だから、いま問題になっておるのは、選挙のときにそういういわゆるここでいうところの違法行為ですね、そういうところに金がかかったり、あるいは福田幹事長の言われるような選挙でない時期にばく大な金がかかる、こういうところに問題があるのだから、こういうところに問題があるやつを、つまり選挙でないつなぎの間にばく大な金がかかるというのだから、それが選挙公営にしてみたって、全然関係はないんじゃないですか。だから、そういうことで、その選挙公営の問題などとすりかえてしまうということは、私は言語道断だと思うのですよ。あくまでもその実態を見きわめて、ここに金がかかる、これが今日困る問題だ——これはお互いに困っておると思うのですよ。だから、それならば勇敢にそれにメスを加えていくべきだと思うのです。どうですか、もう一ぺんだけその点……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 第五次審議会が当面する問題として政治資金の問題等を取り上げられたのは、ただいまお述べになりましたような趣旨だと私も考えます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は、それは新聞で拝見するんですけれども、いま自民党内で議論をしている議論、つまりいまの答申案では困るという立場で議論している議論を伺ってみると、政党活動は大いに活発にやるべきだ、それに規制を加えるというのはけしからぬ、むしろやるんならば支出面を規制しろ、そのことはちょうどここでいうところのばく大な金がかかる、こういうものを規制しろという御意見だと思うので、その点は私も大いに賛成です、そういう支出面の規制をするということはですね。現在政治家は金を出すものなりというような考え方が、挙選民の中にも風習として残っている。残っているというか、風習として行なわれているというようなことは、これは非常に困ったことなんです。しかし、それは要するに鶏と卵みたいなものだと思うのだけれども、そういうふうにしむけていったのも政治家の罪ではないか、私はそういう点でこれは徹底的に改めていくということば絶対に必要だと思うので、そういう点について以下私の意見をまじえながらいろいろお尋ねをしたいと思うんですが、その前に一つだけ具体的な問題で伺っておきたいと思いますけれども、たとえば今度の答申の中に、国や地方団体から補助とか、利子の補給とか、あるいは政府機関から融資を受けているもの、こういうものは、今度献金をするのについて大幅な規制をするという答申が出ようとしているわけですが、これについて政府はどうですか。またその答申が出なければ答えられない、そういう答弁で終わりですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 繰り返すようでございますが、七日に答申が出るのでございますから、それまでにいいの悪いのと私が申し上げることは、差し控えさせていただきたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そのいいの悪いのというような問題じゃなしに、そういう根本的な問題が出たらば、それを採用するかしないかという点なんだけれども——お聞きください、私は時間もなくなるから、もうこれ以上繰り返しませんよ。ただ、いまのような選挙の実態ですね、これはまことに困った問題で、私はそういう点について、一体自民党さんなどは、第一法定費用というようなことをどういうふうにお考えになっているんだろうか、そのことを政府委員にお尋ねしても、御答弁がないかもしれません。御答弁がないかもしらないけれども、私はそういう点に根本的な疑問があるわけですよ。たとえばさっき申し上げたように、法定費用は平均して二百五十万ですね。ところが、自民党で公認料として出されておるのは三百万円だ。(「二百万」と呼ぶ者あり)二百万とあとは貸し付け金だ、こういうことだけれども、それは貸し付け金という名目をとっているにすぎないと私は思うので、かりにそれは貸し付けであろうと何であろうと、それは選挙に使えといって出しているんですね。それがもうすでに違反じゃないですか。どうですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 これはもう西宮さん先刻御承知のことと存じますが、法定費用の中には候補者の自動車等は含まれません。したがいまして、そういうものを計算いたしますと、平均しても三百万以上になるんじゃないかと私は考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 もちろんそういう費用は、いわゆる、いうところの法定選挙費用でないということは承知しております。しかし、自民党さんがおやりになっているのは、新聞等で発表されているやつだけでも、この程度ではもちろんないわけですよ。これの何倍かの金が出ていることになっている。これは明らかにされているものですね。だから、そういうことならば、いまお話しの自動車の借り上げかその程度のことは、たいしたことはないと思う。それじゃ、その問題について法務大臣の御所見を伺いたいと思うのだが、法務大臣は、私お聞きするところによると、大臣みずからは非常な簡素な選挙をやっておると、これはわが党の人から聞いたんだから、おそらくほんとうだろうと思うのだけれども、私もいつか見学にでもいきたいと思っているのですけれども、いまの問題についてどうですか。自民党が、あるいはいまの公認料として出す金、あるいはさらにたとえば財界から出た金が二十億円といわれておるわけですが、そういうものを配分すると一人頭幾らになるかというようなことも、これはすぐ出るわけですね。そういうものを加えて……。(「そんなことを聞いたって……。」と呼ぶ者あり)いやいや重大問題ですよ。それを加えて、そういう金が支給されるということが、すでに法定費用を上回るという点で問題はありませんか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 この法定費用を上回る寄付金、党から党員に対する寄付金というものでございますが、それ以外にも、各人には党以外からも相当なる金額の番付金があることが実情でございます。そうすると、なおさら法定費用以上の番付金が集まっておると、こう判断をすることが実情であろうと思います。その実情に対しまして、それは一体違法ではないかという問題でございますが、公職選挙法は、よい悪いは別でございますが、現在のたてまえは、法定費用以上の寄付金を受けることを前提としており、受けました場合においても、当該選挙に関してその金を受けたることの事実を明らかに報告——これを届け出と申しておりますが、法律は報告でございますが、報告をなしたる場合においては、金額のいかんにかかわらず、これを免税するという明文も設けておるわけでございますから、   〔田中(龍)委員長代理退席、委員長着席〕 現行法上のたてまえば、法定選挙費用以上の金を各方面から受けたとしても、それが直ちに法の精神上いかがかという問題が起こりにくいのではないか、こう考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それは、もらうのは幾らもらってもけっこうだ、出すのは選挙費用の限度内だ、こういうことであれば、もちろんそれはそれとして差しつかえないでしょう。しかし、現実にそういうことが世の中で行なわれておらない。たとえば選挙法改正運動協議会から自民党に対して、法定費用を守れ、こういう申し入れをしたのに対して——これはこの間の選挙ですよ。瀬戸山副幹事長は、ぜひそうありたいと思うが、日本の民主政治は残念ながらそこまで発達していない、政治には金がかかる、こういう答弁をしておるわけです。だから、もう最初からその法定費用でいくというようなことは考えてもおられないのじゃないかと思うわけです。私はそこに問題があると思う。だから、いま法務大臣の言われたように、出すほうは法定費用の中で間に合っているというのならば何も問題はないけれども、こういう記事はざらにあるわけです。たとえばこれはついこの間の朝日新聞の記事でありますが、選挙が済んで間もないころの。新代議士の間では、一月の総選挙にとほうもなく選挙資金がかかったということや、おそらく次の選挙ではもっと金がかかるに違いないということが深刻な表情で話されている。新代議士の多くは、すでに使った金の穴埋めや、これからの選挙地盤への手当てをどうするかを、もういまからあれこれ思いめぐらせている。そうした金に対する政治家の弱さが、ひいては利権に接近しようとする。これは二月十七日の新聞でありますが、こういうふうにとほうもない、べらぼうな金がかかったというようなことを述懐しているわけです。あるいはこれは週間朝日でありますが、一月の二十日号には「お互いにカネのつかいあいですよ。そう、新人にはあいかわらず一億円選挙ですな」というようなある人の談話などが出ているわけです。新人なら一億円選挙です。あるいはエコノミストの一月三十一日号には「自民党内では、半ば公然と「一〇〇億円の総選挙」ということがささやかれ、」——百億円の総選挙というのは、三百人立てば一人三千万円だということですね。だから、こういうことが半ば公然と——もう秘密どころではない、公然と行なわれているというところに私は問題があると思うのです。こういう点にどうしてもっと徹底的なメスを加えようとされないのか、私どもにはその点がどうしても納得がいかないわけです。ひとつその取り締まり当局の法務大臣から見解を聞かせてください。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 ありのままに申し上げますと、選挙の公営を文字どおり徹底するということができますと、各候補者は選挙費用を必要とせずして選挙運動ができる、こういうことになるものと私は信念するのでございます。その候補者によるわけで、個人のことを申し上げて恐縮でございますが、保守党であります私の場合は、法定選挙費用のほぼ三分の一の金額をもって名実ともに選挙を行なっている。それは現実にそのとおりでございます。そのとおり私の場合は実行しておるわけでございますが、一般にはそういうわけにはまいるまい。一般にはやはり公営を徹底するということでなければ、選挙費用がかかることになろうかと存じます。公営を徹底する以外にはない。公営を徹底しても金がかかるというなら、これは買収でございますから、そういうことは、いかなるりっぱな法律をつくっておりましても、心がけが悪ければ、これをやるわけであります。それは選挙法と関係のない金の要り方でございます。どうしても公営を徹底して、金のかからない選挙を実現したい、こう考えます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私が言っているように、公営を徹底しても、公営でかかる金というのは、全部かかったところで二百五十万、まあせいぜいそんなところのものですよ。だから、それがゼロになってみても、たいしたことはない。福田さんでも言っているじゃありませんか。あるいはさっき朗読した倉石さんでも言っているじゃありませんか。それは公営でやってくれたって、せいぜいその程度のものですよ。しかし、問題は、それ以外のところに金がかかる、これをどうして食いとめないのかということで、これは法務大臣に聞いても無理かもしれません。私は官房長官にお尋ねしたいと思うのだが、問題は、たとえば私が言っているのは、公営にすれば——佐藤さんなんかも言っているわけですが、金がかからない選挙をしたい、したがって公営にしたい。しかし、公営にしてみても、ほんとうの純然たる選挙に要する金というのは、せいぜい三百万足らずの金だと思うのですよ。問題は、そうじゃなしに、そういうふだんにばく大な金がかかるとか、あるいは倉石さんの言うところの違反行為にばく大な金がかかるとか、そういうところにあるのだから、それをなぜ政府として規制しないのか、なぜそれを規制する方策を講じないのかということです。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 申すまでもなく、いまおっしゃいましたようなことについての所管は自治大臣でございまするから、自治大臣がどういうことについて規制すべきか云々というようなことは考えることでございまするが、そういう権限を別にいたしましてということでございまするならば、私は今度の答申に、そうしたことにも意を用いられて結論が出てくるならば、これを尊重する、こういう姿であるべきだ、こう考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そういう選挙にばく大な金がかかる、それを是正するのは自治省の所管だというようなことで逃げるのじゃなしに、ここにいま最大の問題があるのですから……。先刻来たとえば黒い霧なんという問題で騒がれておるのも、あるいはしたがって政治に対する国民の信頼が地に落ちておるのも、問題は全部ここにあるのですよ。したがって、そこにそのメスを加えようという政府の決意が、姿勢がなぜとれないかということなんですよ。  そこで、だんだん時間がなくなりますから、私はこういう点をお尋ねしたいと思うのです。それでは、その金は、申すまでもなく大半がいまの財界等からもらっているわけですね。むろんそうじゃないのもあるけれども、これはパーセンテージにしてほとんど問題にならない金なんです。だからこそ、いま大騒ぎしておるわけなんであります。ということになると、そういう金をもらってやる政治ということになると、結局これは政治そのものがスポンサーのための政治になってしまう。こういう懸念があると思うのだけれども、そういう点について心配はありませんか。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 総理大臣もしばしば申しておりまするように、いま御指摘のような影響を及ぼすような金を受け取ることはいけないということを常に申しております。私も同感でございます。  なお、先ほどからお話しの、選挙に金がかかるということばがよく使われるのでございますが、かかるということについては、かからない選挙にするということ、さらにことばを置きかえれば、かけない選挙にするということが望ましいということは、私も全然同感でございます。そういうことのために前進するということについては、審議会等の御献策等もいただきまして前進すべきものである、こう考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そういうお考えならば、これは当然に政治資金の規制を強化すべきですよ。それが、出るほうを押えようという御意見も、もとよりけっこうでありますよ。けっこうでありますけれども、それは入ってくるから、金があるからいろんなところに、実にくだらぬところに——まあ私は選挙ほどくだらぬところに、ばかばかしいところに金が使われるということはおよそないと思う。たとえば、これはまあほんとの一例だけれども、国会が解散になった晩に、国会が解散になったからよろしく頼むというような電報が無数に出る。何でも、聞くところによると、ここだけで、東京だけでは消化できなくて、頼信紙を広島と福岡に運んで発信をしたという話だけれども、そういう国会が解散になったかならないかぐらいは、新聞、テレビを見ればだれでもわかる。なぜそれをあんなくだらない金をかけるんだ。おそらく官房長官もそういう電報くらい打っているんだろうと思うのですけれども、実にばかばかしい。これはまあ与党、野党を通じての話です。そういうくだらぬところに……。まあお話になりませんよ、一々そんなものをあげていっても切りもありませんけれども。だから、それは、あるからそういうことをやるんだ。たとえば、さっき田中さんは自分の話をされたけれども、まあ田中さんは金があるのかないのか知りませんが、私などは残念ながら、ないから使えない。私はちょうど、まあ絶海の孤島におれば、だれでも聖人君子たらざるを得ないのと同じようなものだと思うのですよ。だから、こっちを押えることが、出るほうを押えることができなければ、入るほうを押えて、それによって政治を浄化するというのが早道だと思うので、なぜそれにちゅうちょをされるのか、われわれ何としてもその点が理解できないわけです。  それじゃ、さっき官房長官は、金をもらっても、そういうつまりあとくされのあるような金はもらわない、それが総理の方針だというふうに言われたけれども、まあそういう交換条件はないという意味でしょう。それでは、それにしても何十億という金をもらうわけですね。それに対しては何らの恩義を感じませんか。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 先ほどから申し上げますように、あとの施策に、そういうことによって縛られるとか、影響を受けるとかということのないものでなければならぬ、こういうことでございます。  なお、先ほどからいろいろお話しになりますもののうちに、政党において必要とする費用というのと選挙を行なう議員個人の事情と、多少いろいろ一緒にしておっしゃいますので、私ども伺っておりましても、幾ぶんそこの辺がこんがらかっているようにもお聞きしたのでございますが、これらについては、個人と政党ということについては、やはりそれなりの多少の区別した考慮も必要であろう、こう考えます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私のお尋ねをしたのは、何らの恩義を感じないかと言ったんだけれども、それに対するお答えは全然なかったわけです。しかし、聞くのは無理かもしれませんから、私のほうでお答えいたしますが、これは当然に恩義を感ずると思うんですよ。そうして政治家が恩義に感じたら、それに報いる方法は政策以外にないじゃないですか。政治家が恩義に感ずるとすれば——感じなければ人間じゃないと思うんだな。そして恩義に感じたらば、それに報いる方法は政策以外にないと思う。それから反対に、出すほうの側から言えば、出した金がむだにならないように、そういうことを期待し、念願をしておるということも、これまた当然だと思うんですね。当然だと思うんです。いや、ちょっと待ってください。時間がなくなるから待ってください。ついでに私は答えまでやってやるわけだから……。たとえば、これは先般の選挙が終わったあとのエコノミストの社説でありますが、「佐藤政権と与党主流派のために一肌ぬいだ財界は、これで二〇億円とやらを短時日の間に回収し、これから悠々と利潤をあげることが約束されそうだ。」これはエコノミストの社説です。これは出すほうの側から言ったら、当然過ぎるほど当然だと思うんですね。  そこで、私は抽象論を避けてお尋ねをしたいと思うんだが、たとえばこの間問題になりました例の利子配当の分離課税の問題について、私はまだ釈然としない点があるわけなんです。それと言いますのは、あの問題が取り上げられた経過ですね、その経過にいろいろ問題があるのではないかと思うのです。そこで若干お尋ねをいたしますが、元来株式配当に対する分離課税というのは、おととしか、さきおととしかから実施をされておるのでありますが、その当時は大蔵大臣は田中さんで、水田さんが政調会長であったわけです。これに対しまして業界の証券団体協議会事務局では「当時の田中大蔵大臣、水田政調会長にはおせわになりました。もちろん、運動費もかかりましたよ。」こう言っておるわけですね。水田さんに非常に感謝しているわけです。これはたいへん……(「義理に感じたんだな、人間として」と呼ぶ者あり)そうだと思うんですね。そこで、私はこの問題について非常に疑問に感ずる点は、ずっと新聞を見てまいりますと、昨年の十二月十七日に朝九時、丸ノ内のパレスホテルに福田幹事長が有田経理局長を帯同されて行かれて、経団連の副会長に……。(発言する者あり)違いますか、これは新聞ですから誤植かもしれませんが、行かれて、国民協会の寄付の増額を頼んでこられた。しかも御丁寧に、新聞によると、その前の日には佐藤総理も経団連に行ってお話をしておられる。そこで、経団連ではさっそく傘下の会員に割り振りをした。それに対して、ひとつその中の証券業界だけについて申し上げると、証券業界は割り当てを受けた。ところが、従来の会費が年間六百万でありますから、その倍にしてくれという依頼を受けたわけであります。それで、東証正会員協会の事務局長の金原一郎という方ですが、この人は、年額六百万円の会費を一挙に倍にしてくれと、そう言われて、非常に困っているという意味のことが新聞に報道されておるわけです。ところが、これは十七日でありますから、それから三日たった二十日には、証券業界としては、これに対して、オーケーをいたしましたという答えをしておるわけです。そのときの談話などを見ると、前にお世話にもなっているし、なお選挙資金は来ないだろうからというようなことを言っておるのですね。ところが、あとで今度は選挙資金の割り当てがまた来るわけです。選挙資金は数日あとに来るわけですな。それで、経団連できまった以上むげに断われません。配当優遇がもの言わずにきまったことでもありましてなという談話があるわけです。それで、これは全くの偶然だと言われるかもしれませんが、自民党から十七日に寄付の申し入れをして、三日後の二十日にオーケーという答えを出している。その日には自民党では、政調会の中の財政部会に証券小委員会というのができまして、ここに名簿がありますけれでも、初会合を開いている。そして、しかもその初会合の席で、株式配当については銀行の預金利子と同じように扱うということを、たった一ぺんの会合を開いてきめているわけです。その席には証券業協会連合会会長の福田千里氏も出席をしているわけです。したがって、その次の二十一日の新聞には、株式配当に対する優遇措置は据え置きの意向という記事が報道されておるわけです。これはどう考えても、偶然というにしてはあまりにも偶然すぎると思うのですね。だから私は、こういうところに政治の方向が大きく動かされてしまうのじゃないかということを非常に懸念するのだけれども、大蔵大臣、何かこれについて釈明があったら言ってください。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 別に釈明はございませんが、さっき何か政調会長と言われましたが、当時政調会長をやっておりません。  それからいまの問題でございますが、そういうことがあったということは私知りませんが、私は今度の税制改正におきまして、やはりこの問題は漸進的に解決する必要があると考えて、私がこの改正案を部内にも指示いたしましたし、これを国会に提出したという関係で、その間全然そのいうような思惑とかなんとかいうものの渦中に入ったことは全くございません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 政調会長であったのは、この問題はずいぶん長いんですから、業界からこういう問題を持ちかけてこれを審議した期間は長いんですから、その間にお世話になったということでしょう。  そこで、それじゃ大蔵大臣にお尋ねをしたいと思うのだが、証券業界は倍にしてくれというのにもオーケー、それからさらに寄付金も出さないつもりだったやつを出した。しかし、こっちのいわゆる優遇措置も簡単に通ったからという談話を発表しておりますが、証券業界は、実は五%アップされたのと引きかえに非常に強く要望をいたしましたのは、今度は三年になったけれども、これを恒久化そう、固定化そうということを非常に強く要望しているわけです。これは新聞にも出ているわけだ。今度で切れるやつを二年延長、さらに年延ばして三年延長ということにしたけれども、将来これを固定化するというような心配はありませんか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 証券界の考えは、むしろいま預金の利子との取り扱いが均衡がとれていないということに実際は不満を持っておるものですから、これを固定化そうというほうじゃなくて、むしろ期限を短くして、均衡をとった税制をやってくれというほうの要望が強いのでございますから、固定化せいという要望は実際にはございません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、三年が過ぎたら再度延長するということは絶対にない、こういうふうに受け取っていいわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今度の改正をやって、その影響を見てから私どもは次の改正案を準備したいといま考えておりますが、その際、いま利子課税と配当課税ではやはり若干取り扱いの差がございますので、こういう均衡の問題というものは三年後にやはり起こってくるものだろうと思っております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 だから、そこが皆さんが人間的な恩義を感じておられるということのあらわれだと思うのです。そういうところに恩義を感ずるから、彼らの主張がするするとそのまま通っていく。さっき申し上げたように、一方では寄付をオーケーだ。同じ日に、たった一回会議を開いてきめてしまうといったようなことが堂々と行なわれているというようなところに——質問すれば、その間に関連がないとお答えになるでしょう。しかしわれわれは、その間に何ら無関係だとはとうてい想像できない。だからそこにそもそもの問題がある。いまの答弁だと、それではまた三年後にもそのときのいろいろな情勢を見て——情勢というのは、向こうから幾ら持ってくるかというようなことにもよるのだろうと思います。そういう情勢を勘案して態度をきめる、こういうお考えだろうと思うので、われわれは全く残念だと思うのです。私はもう少し、特に証券業界との問題についてはいろいろ洗ってみる必要があるのではないかと思うのですよ。うわさは、これはうわさですから十分ではありませんけれども、たとえば選挙のときには与党の有力者に株を持たして、そうするとあとは有力証券業者がこぞってその株をつり上げていってもうけさせるというような話が伝わったり、そういうことが選挙のたびごとに少なくともうわさとしては流れるわけです。これはうわさだけかもしれませんけれども……。しかし、それかあらぬか、たとえばダイヤモンドの「投資生活」にはこういうふうに書いてある。過去六回の総選挙の経験からいうと、株価に悪影響を与えたという例はない、こういうふうにいっておるわけです。だから選挙になるとそういうことで株の操作が行なわれるというようなことが、うわさかもしれないが、うわさとして伝わる。あるいはまた自民党の派閥、特に池田さんなどは野村証券の奥村会長と非常に親しかった。したがって、そこから情報が流れる。彼らにとっては政治情報というのはまさに生命線ですから、そういうものを提供してもらう、言わず語らずでしょうが……。そういうことで彼らが政治界に近づいてくるということは当然あり得ることです。だから、そういうことをきわめてむぞうさに見のがしておる。あるいは会費をつり上げたり、そういうところに問題が起こってくるのだということを私は言いたいと思う。その点を重大問題として警告しておきたいと思います。時間がありませんから答弁は求めません。  次に、官房長官に一つだけ簡単に御返事を願いたいと思うのですが、この前新聞にも報道され、かつまたこの国会でも論議された国会対策費ですね。あれは党内の問題でありますから、国会で論議をすべき事項ではないと言われれば、まさにそのとおりです。しかし、発表する方法は幾らでもあると思うのです。新聞記者会見で発表してもいいだろうし、発表の場所は幾らでもあるので、何らかの方法でこれを明らかにできませんか。一般の国民から見たら、なぜいわゆる国会対策にああいう何百万、何千万という膨大な金が使われるかということは、どう考えてみても一般国民には納得できないと思うのです。それを何かの方法で公開するというようなことはお考えになりませんか。

福永健司自由民主党内閣官房長官

○福永国務大臣 あれは、十分御承知のように、法律の命ずるところの措置を党はそのとおりにやっております。そこで、それを越えて、その種のことをやるがいいかどうかということにつきましては、単にあの問題ばかりでなくて、いろいろ考えなければならぬこともございましょうし、特に私が政府の責任者といたしまして、党のものについて、そういたしますとか、するほうがいいとかいうことは直ちに申し上げる限りではございません。そこで、そういうことを考慮するとするならば、十分党の意見を尊重して行なわなければならない、そういう次第でございますので、ここでいま直ちに私がどうしますということを申し上げられないことは御了承をいただきたい、そう存ずるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、党の責任者ではありませんから、いまのような答弁以上には出ないと思うので、ひとつこれは私は要望しておきますから、ぜひ党の責任者にお伝えをいただいて、国会で論議をする、国会で公開をするというのは場所違いというならば、場所は幾らでもありますから、ぜひ何らかの形で公開をしていただくということを強く私は要望しておきます。どうぞひとつぜひそれを検討してもらいたいと思います。  次に、私は田中法務大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、先般来問題になっております事件は一体いまどうなってしまったのか、全く杳としてわからないので、その問題をお尋ねをしたいと思うのです。もしいまもって何らの結論が得ていないというならば、残念ながら捜査当局が不誠意であるか、ないしはきわめて無能力であるか、どちらかだと思うのです。たとえば、端的に伺いますが、安原某という人はきのう釈放されました。これはどういうことなんですか。たとえばわが党でも相澤事件のごときを起こして、これはまことに申しわけないと、われわれも党員の一人として深く恐縮をしているわけです。しかし、いわば相澤君は、これは犯人を追っかけておったわけです。ところが、追っかけるときに、人から頼まれて追っかけたり、あるいは途中でやめろというときに、また人から頼まれてやめてしまったというようなところに、動機において純粋でないものがあるという点について大いに問題があると思いますけれども、しかし、とにかく彼は犯人を追っかけておった。ところが、そっちだけが問題になってしまって、その犯人のほうは全然影を消してしまったといういまの状態なんだが、これはどういうことなんですか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 先般この席で、たいへん私の立場では御報告のしにくいことを私の責任で御報告を申し上げたこと、御承知のとおりでございますが、その結論を申し上げますと、今月末というのは三月末をさすわけでございますが、三月末もしくはおそくとも四月、すなわち来月、四月の上旬には結論を得て処断をする、しかし、その結論を得て処断をする内容につきましては、全国民の皆さんが御関心の深い事案でございますから、捜査当局をして十分国民の皆さんが御納得のいただけるような公表をする、この公表ということがたいへん捜査の立場からはむずかしいことでございますが、これをひとつ公表をするということで御報告を申し上げております。そこで、今日は御承知の日が来ておるわけでございます。非常に結論は近いのでございます。そこで、あまり隠すように聞こえてもいけませんので、せっかくの御熱心なお話でございますから、ありのままを申し上げますと、ここ一両日あるいは今週一ぱいと、こうお考えをいただきますとはっきりするかもしれませんが、今週一ぱいは上旬以内でございますが、今週じゅうには結論を得て、ただいま言及をせられました重政君の秘書の問題につきましても同時に裁断を下す。その内容は、いわゆる共和製糖事件全体といたしまして詳細なる事の真相を公表する、こういうことになろうかと存じますので、杳としてわからぬなどと仰せになりませんように、どうぞひとつこの点は心より御了承をいただきたい。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 一両日といえば、あすかあさってということですが、その段階まで来ているとすれば、相当ここでもう具体的にわかっていると思うのです。この前もここで出た質問でありまするから、ここで答えるというのが当然だと思うので、ひとつぜひここでもう少し全貌を明らかにしていただきたいと思うのですが……。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 これは結論が出ますまでは捜査中の事項ということになるわけでございます。私が非常に態度をはっきりいたしておりますのは、この共和製糖事件は、社会党の十一君より告発が出まして捜査に着手をした、そうして長い間国会で論議をされて、そうして今日に及んでおるという事件でありますので、これはあくまでも私が一種の指揮をしたり意見を述べたり圧力を加えたりするようなことが文字どおりないように、公正なる国民の皆さんが御信頼をいただいておる捜査当局に糾明をなさしめて、この捜査当局にこれを公表さす、私たちがこれにタッチをしない。むろん私には発表と同時に報告は来るわけでございますが、その報告はそのままこれを信頼をいたしまして、これは私の責任において信頼をするわけでありますが、これには何らの手を加える心はない、また手を加えることは誤りである、こういう考えでございますので、ここでもう一両日というところに来ておるのならば、もうちょっと一歩前進の話ができないかというおことば、ごもっともでございますけれども、どうかひとつ、長年にわたる捜査当局の伝統と刑事訴訟法の、事前には機密を守るべきものであるという訴訟法の規定を、どうぞこの精神をおくみ取りをいただきまして、ここで私が一両日前に公表するということはひとつ差し控えさしていただきたい、こういう心持ちでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 もうこの段階まで来れば、証拠の隠滅とか逃亡とか、そういうおそれは全くないと思う。捜査の機密を守らなくちゃならぬというのは、その捜査を妨害するという場合だろうと思うのですね。ここまで来れば、そういう心配は全くないと思う。  それではお尋ねをいたしますが、きのう釈放された安原はどうなりますか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 四十数名といいますか、数十名といいますか、事実聴取をいたしました。犯罪の嫌疑があって聴取をしたというのではありませんが、事実の聴取をいたしました。その一切はあげて発表までこれを機密にするということで、ことに姓名は差し控えておるわけでございます。しかし、この人は議席を持っておるわけでもございません。いませっかくお尋ねがありますので申し上げますと、一両日のうちに用意ができ次第、確信のでき次第、この人物につきましては積極的に措置を講ずる見込みでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 積極的な措置というのは、まあ起訴するという意味だろうと思いますけれども、それでは、いま大臣も数十名ということを言われたが、数十名といえば、衆議院だけでいうならば、これは相当なパーセンテージになるわけですよ。そうすると、議員にとっても非常な問題だけれども、同時にこれは選挙民にとっても重大な問題だと思うのですね。そこで、それじゃこの前の、しばらく前の予算委員会で大臣はこういう形で答弁をしておるので、ひとつ、では私の問いに答えていただきたいと思うんだが、それは、この前は、閣僚の中に該当者はあるかと言う質問者に対して、なしと答えておるわけです。それでは、私が聞いたものに関係があるかないか、なかったらばないと答えていただけばいいわけです。それではまず……。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 国会議員、衆議院及び参議院の名簿をそこへ一々お出しになりまして、これはどうだ、これはどうだ、こう仰せになりますことは、結果においては数十名の調べを受けた人々の名前を公表したと同じ結果となるのでございます。それは一両日の間お待ちを——一両日の間じゃない、お待ちをいただきたい。そこで、ここに特に申し上げたいと存じますことは、捜査をいたしました結果、一両日で結論を出しまして、これは強制捜査に踏み切るべきものであるとの結論になります場合は、身分が国会ということでございますので、逮捕要求等はやる意思がないことは前回申し上げたとおりでございます。これは参議院の某君についてもその処置は講じなかったのでございます。身柄はそのままで起訴をしたということでございます。しかしながら、犯罪が成立をする場合あり、せない場合があろうと思います。シラミつぶしに調べておるわけでございます。そこで、犯罪の成立をいたします場合には、身柄の拘束はいたさないけれども、強制捜査手続はとりますので、したがって強制投資、一口に言って家宅捜索はやるわけであります。この場合においては、まことに遺憾でございますけれども、その姓名は、捜索の事実及び姓名は、令状でございますから、その令状の事実は公表するわけでございます。そういう強制捜査の手続をとらないで、犯罪成立せずとの判定が下ります場合においては、それらの人々の姓名は永久に公表をしない。公表をしないことが道理であろうと存じます。この場合これを公表いたしますことは、たいへん極端なことばを使って恐縮でありますが、御本人の身辺に及ぶところの世論の影響というものが甚大なものになる。犯罪が構成しないのに事実上は甚大なる影響をこうむるというようなことは、なすべきものでない。また、不起訴になったもの、起訴猶予になりましたもので公表いたしましたものが、全国に例がございません。これは検察制度始まりまして以来、そういう前例がございません。ただ一つの例は、同じような犯罪を再犯として犯しました場合においては、前回不起訴にしたもの、前回起訴猶予にした書類を持ってこいということで、これが表面に出てくることはございますが、そういう場合を除きましては、いかなる事態がありましても、不起訴、起訴猶予の事件についてこれを公表するということはかってないのであります。どこまでもその人の人権を守りたい、こういうつもりでございますから、くさいものにふたをするんだ、黒い霧を晴らすことにじゃまになるんだというような考え方におなりをいただきませんように。そういう原則だけはかたく守っていきたい。罪あらば強制手続を踏む、したがって家宅捜索をやるんだ、同時にこれを発表する、それがなければ永久にこの名前を伏せる、これは原則でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私も、国会議員の名簿を一人ずつ読み上げて、一人ずつ点呼をとるような、そんな聞き方をするつもりは毛頭ありません。しかし少なくとも、この前は、現閣僚に関係者はあるかという質問に対して、ないと答えているので、そういう形ならば答えられると思うので、私はそれではあえてお尋ねをいたしますが、それでは、前あるいは元閣僚は含まれておりますか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 これはお答えができかねます。どうぞお許しをいただきたい。もう一両日で明らかになることでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そういう意味で法務大臣はこの前の答弁で数十名の関係者が出ておるというようなことを言われて、これは非常なショッキングなことだと思うのですよ。そして、しかも、いまの答弁で、私が聞いた程度のことは答えてもらってもいいのではないか。いまの私の質問も、もし何にもなければ、この前、現職大臣には関係なしと答えたのだから、おそらく、何にもなければ、きん然として、何にもなしとお答えになるだろうと思うのですよ。ところがそれに対して確答ができないというのは、私の受け取り方としては、これはあるのだというふうに思わざるを得ないわけです。そこで、どうですか、これからまだ強制捜査はありますか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 そのことも一両日中お答えを御遠慮をしたい。それから、なるほどそう仰せになりますと、ただいま仰せになるようなおことばを承りますと、私もおことばごもっともと思うでありますが、閣僚にあるかと言われて、閣僚にはないという答えをいたしましたのは、どうもやはり質問のしかたが功妙でついつり込まれた。ついつり込まれて、つい、ないものですからございませんと言ってしまったようなことで、法務大臣の失敗でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私の誘導尋問が非常にへただということだと思うのですけれども、それではこれは、質問したほうの私としては、それは当然に、少なくともかつての閣僚、閣僚経験者の中には該当者があるのだというふうに、私はこれは断定的な推定をせざるを得ないわけです。あえてそれを否定されますか。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 否定も肯定もできません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、どうもたいへん残念でありますけれども、時間が来てしまいました。しかも、それに加えて、非常に質問技術がまずいために、肝心な点を引き出さなかったということは残念だが、しかし、大臣、どうですか、ここまで来たら、もうあっさり言ってもいいじゃないですか。もうどうせあしたかあさってでしょう、一両日といえば。それならば国会で……。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○田中国務大臣 これは全国の国民の皆さんが非常に注目をしておる質疑応答の内容であると私は見るのであります。それで重ねて申し上げるのでありますが、法務大臣が綱紀粛正を唱えておりながら、この共和製糖事件について何かくさいものにふたをしておるという感じを国民の皆さんにお持ちをいただくことは、まことに残念なんで、これを特に私は申し上げるのでありますが、一両日の結果を見ました結果、強制捜査に踏み切るということになりましたものは、身柄の拘束はなくとも、令状の内容というものは公表するのであります。そうなりませんものは、永久に名は伏せる以外にわが法制の上では道がございません。それを、御迷惑は承知をしておるのでありますが、あらかじめここで申し上げますることは、万一を考えますというと、たいへん迷惑の及ぶことになるわけでございます。そういうことになりますので、どうぞこの点はひとつ曲げて御了承をいただきたい。そのかわりに、しっかりいたしまして、真相の究明をいたしまして、結果は必ず責任を持って発表することにいたします。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それではこの問題は終わりにいたしましょう。私の持ち時間一ぱいになりましたので終わりにいたしますが、私は実は農林関係を質問しようと思ったものですから、関係の方にだいぶ出ていただいて、その点は恐縮をしましたけれども、農林大臣もおりませんので話題が他に移ったわけであります。私は、全体を通して、冒頭に申し上げたように、そもそも政治あるいは選挙、こういうものにばく大な金が使われ過ぎておる、したがって、その金は結局財界に仰がざるを得ない、仰いだ結果はその財界のために政治が方向づけられていく、こういうことがいまの日本の政治における最大の問題点だということを私は痛感をいたしております。それがために——実は農林問題に入る前提としてそのことを究明したいと考えたのですけれども、その点に関する限り私の不安は少しも解消しておらない。いままでそれぞれの担当大臣からいろいろ答弁を伺いましたけれども、その限りではとうてい納得がいかないわけです。願わくは、ひとつこの政治資金の問題が、これほどまでに論議をされ、しかも一般国民の関心の高いいまの時代に、この問題に徹底的なメスを加えるという姿勢で、これを貫いてもらいたいということを強く政府の当局に要望しておきたいと思うのです。ことに新聞に伝えられるような自民党内の特殊の意見で圧力を加えたり、さらに出てきたものを修正する、そういったようなことがあったのでは、もういまの政治の腐敗を救う時期は永久になくなってしまう、そして国民は永久に政治から失望してしまう、政治を見放してしまう、そういう危険が絶対的だと思うのです。私はそういうことを深く憂慮するのあまりそのことを強く指摘をしたわけでありますから、その点について返す返すも十分な反省を加えていただきたいということを政府の責任者に要望いたしまして、これで終わりにいたします。(拍手)

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて西宮君の質疑は終了いたしました。  次に、正木良明君。

正木良明公明党

○正木委員 私は地方財政を中心として、その他二、三の点について関係大臣の御所見を承りたいと思います。  すでに御存じのように、地方自治というものは民主主義の学校だといわれておる。特に憲法では一章を設けて地方自治に対する認識の深さをうたっているのであります。ところが片方、現在の地方自治は三割自治であるとか、一割自治であるというふうな酷評を受けておる現状であります。そういう状態の中で地方自治がそのような酷評を受けておる原因には幾つかあると私も思いますが、その中の一つには、地方財政が確立をされていないということが一番大きな問題であろうと思うのであります。そこで、その地方財政を確立して、地方自治を本来の姿に立ち戻さなければならぬ、このように思いますので、そういう点についての趣旨に従っての質問でございますので、ひとつ明確にお答え願いたいと思うのであります。  まず第一に、自治省は昭和四十二年度の地方財政の見通しとして、財源不足額を約一千四百二十億と見込んで大蔵省に要求をしたようであります。これは結局大蔵省の原案におきましては、たばこ消費税の引き上げが二百四十億、そうして地方債において百十四億の三百五十四億しか示されなかった。その後折衝が重ねられて、ようやく地方債を除く三百八十五億というところに落ちついたと聞いております。  そこで、大蔵大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、自治省が要求した千四百二十億の地方財源不足額と、大蔵省が原案として示しました三百五十四億との間には相当な開きがある。この場合千四百二十億の中には、自治省は四百億の地方債を含めておりますが、第一次の大蔵省の原案の中には百十四億を含めておりますので、これは通算いたしますと見合うわけでありますが、いずれにいたしましても、この三百五十四億である、これしか必要がないというふうに原案を示された原因別の金額を示していただきたいと思うのであります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 最初大蔵省は大蔵省の立場で、今年度の地方税の収入の見積もり、それから交付税、国の補助金の支出、いろいろのものを計算いたしまして、大体地方財政の不足額が三百五十四億という計算をいたしまして、自治省のほうは、いまおっしゃられたように、千四百億円をこす相当開きがあったのでございますが、その後税収の見方とか、いろいろ両省でこれを詰めました結果、大体意見が一致しまして、あと三百九十五億円を加えることによって、総計七百四十九億円で大体地方財政の不足分は解決されるというふうに両省の意見が完全に一致して、これで措置をとった次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 私がお聞きしているのは、結局このような形で落ちついたことは私も承知いたしております。七百四十九億の最終案ができた。ところが最初に三百五十四億ということになりますと、これ自体にもまた相当大きな開きができてきている。こういう点いろいろ最後には伸びてまいりましたのには理由があろうと思うのでありますが、この点についての原因別金額をお聞きしている。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 最初千四百億の不足と申したのですが、その後の折衝によりまして歳入関係で国税の収入などが確定をいたしまして、それらを入れまして約四百億の増が見込まれることになりました。また歳出関係で約三百億の減を見ることになりまして、結局約七百億がその千四百億の中から落ちることになりまして、残りの約七百億円を先ほどからお示しの三百八十五億並びに地方債等で埋めたということでございます。

正木良明公明党

○正木委員 ここでこまかいことを申し上げておりますと、あとに進みませんので、この問題を含めてあとでこまかく一つ一つお尋ねしていきたいと思いますが、すでに御存じのように昭和四十一年、昨年でありますが、十二月八日に、地方制度調査会が地方税財政に関する当面の措置についての答申というのを行なっております。ここの中では、相当広範にわたって地方税財政に対する措置を答申いたしておるのでありますが、この中でいろいろございます。一つずつお聞きしていきたいのでありますが、私の聞きたいのは、この答申がこのたびの昭和四十二年度の予算に対してどのように生かされているか、これを一つづつお聞きしますから、その点についてお答え願いたいと思います。  まず第一に特別事業債でありますが、この特別事業債は、この答申どおり今度は廃止された。最初、原案では三百億を大蔵省が言っていたようでありますが、最終的にはこれは廃止された。ところが、同時にこの答申の中では、もともとこの特別事業債が、地方交付税の中に入るべきものを外へはみ出してつけたというので、その元利償還の補給を自治省は要求していた。六十三億要求している。ところが、実際には五十三億に減額されておるのでありますが、この減額された理由、これをお聞きしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 お話しのように、この特別事業債、——本来国が公債政策をとらなければ、国の財源で、特に交付税でいくべきものでございます。したがいまして、交付団体分五十三億を計上いたしたような次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 不交付団体に対する元利償還分はその補給からはずした、それが十億あるというのでありますが、しかし、不交付団体といえども、特にこれは府県に多いと思いますが、過密対策等の非常に大きな財政需要をかかえておる。したがって、ものの考え方としては、もともと交付税に入れるべきものを特別事業債にしたんだから、交付税ならば向こうへいかないんだから、だからその利子補給も必要ないというふうにお考えになると思いますが、しかしもともと、先ほど自治大臣がおっしゃったように、これは国の国債発行において起こってきた影響がこれを生み出したというのでありますから、私は、やはりこの十億はけちけちせずに、自治大臣の、自治省からの要求どおり六十三億補給すべきであったのではないか、このように考えておるわけなんですが、これは大蔵大臣、ひとつお願いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いずれにしろ、そういうことで両省の話はきまったわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃ四十三年度以降——この五十三億は四十二年度に限るというようなただし書きがついているようでありますが、四十二年度でこの元利償還が全部済んでしまうというものではありません。そこで、四十三年度以降の補てんというものをどのようにしていこうとお考えになっているのか、お願いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 基準財政需要にどれくらいを織り込むかというような問題は、四十三年度以降、両省においてじっくり検討しようということになっておりますので、四十三年度は別個に方式を検討いたします。

正木良明公明党

○正木委員 もう一度そのことについてお伺いいたしますが、そのいまの大蔵大臣のお答えは、四十三年度以降においても元利償還の補給は考えていこうということでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 もう必要がないものであるか、あるいは必要であるか、必要だとすればどの程度を見るかというような問題は、今後両省で検討しようということになって、まだ方針がきまっておりません。

正木良明公明党

○正木委員 これは大蔵大臣のお答えとも思えないのですが、必要であるかないかということは、これはもう議論の余地がないのでありまして、必要であることは当然であります。特に千二百億のうちこれに該当するものが九百億だといわれておりますが、これに利子分を加えまして、そしてかりにこれを十年で償還するというふうな形にいたしましても、相当な額を年々元利分として地方団体は払っていかなければならぬのですから、これをいま必要があるか必要がないか、これから検討するんだというのは、どうも大蔵大臣の御答弁とは思えないのですが、いかがなものでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今年度はとりあえず急速な変化を与えないように、御承知のような処置をいたしましたが、今後の問題についてはまだいろいろ問題があると思います。と申しますのは、これはまた理屈になって申しわけございませんが、昨年のようなときにはもう自然増というものがない、そうして公債を発行したというようなことで、国の公債発行によって地方にしわ寄せをした問題がたくさんありまするので、そういう事情のもとにおいて考えたやり方が、今後そのままやらなければならぬかと申しますと、実際問題として、ことしを見ますと、去年地方の固有自主財源というもののほとんどなかったというときに考えたことと、ことしのように、自主財源が昨年よりも非常に率が多くなっておるというようなときになりますと、国の公債に対応するものは、やはり地方債を出してこれに対応するというような形が合理的ではないかというような研究課題もまだ残っておりますので、そういう問題を入れて、いずれにしろ地方に迷惑のかかるようなことは一切いたしませんが、やり方についてはまだ研究の余地があろう、こういうことでございます。

正木良明公明党

○正木委員 どうもしつこいようでありますが、いま地方に迷惑をかけないようにしたい、——これは国債発行をして景気が刺激されて税収が伸びた。したがいまして、いままでの交付団体が直ちに不交付団体に転化するというようなことは考えられないと思うのですね。したがいまして、本来、先ほども自治大臣が申しておりましたが、特別事業債千二百億のうちの九百億というのは、地方交付税で地方に与えるべきものを特別事業債にしたのでありますから、地方交付税の場合には利子は要らない、金を返さなくたっていいにもかかわらず、特別事業債にしたのでありますから、その元利を国のほうで見てやろうということになったのがもともとこれの発想であろうと思いますし、それは筋の通った話だろうと思います。したがって、四十二年度だけはやるけれども、四十三年度以降はそれを出すか出さないか検討しなければならぬというのは——私はもう検討の余地はない。これはどうしてもやはり四十三年度以降も、同じように元利分は見てあげなければならないのではないか。しかも四十二年度におきましては五十三億という額でありますが、四十三年度以降においては、五十三億というような額で済みそうにはありません。相当な多額にのぼるものであろうと思います。たださえ苦しい地方財政に対して、これを国のほうがますます苦しくさせるような、拍車をかけるような形で臨むというのはよろしくないというふうに感ずるのでありますが、この点もう一度お答え願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いずれにしろ地方に迷惑をかけないように、いずれは基準財政需要額に繰り込んでみるとか、そういうような形のものが考えられると思います。

正木良明公明党

○正木委員 この点については、地方団体は非常に大きな関心を持っている。四十三年度以降はどのようになるのかということについても非常に心配しているわけでありますが、いま大蔵大臣が地方には迷惑をかけぬ、しかし、やり方としてはこのようなやり方でやるかどうかわかんない、地方交付税の需要額なんか織り込むのかどうかは検討したいなんというお話でありますが、こういうことではたしていい結果が出るかどうか、これは自治大臣にお聞きしたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 いろいろやり方はあろうと思います。しかし、ただいま大蔵大臣もお答え申し上げたように、地方に迷惑がかからないようなやり方を今後検討してまいりたいと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 自治大臣は地方公共団体の擁護者であるというふうに、私は善意にとりたいと思っておりますが、その自治大臣がそれでもけっこうだというのだから、何とか責任はとっていただけると思います。  さて、その次の問題に進みますが、この中でやはり答申は国債発行下の財源配分ということにことばを及ぼしているわけであります。こういうことは釈迦に説法だと思いますが、大体この答申の中で見ますと、国税収入の地方に対する支出といたしまして、いわゆる地方へ配分した額、これを地方制度調査会では過去十年間の大体の平均値を出して、その平均値が大体二三%といわれているわけでありますが、この二三%に見合う額を地方交付税または地方譲与税等の名目で地方へ配分するほうがよかろうというような答申をいたしておるのであります。この二三%という数字、これは過去の平均から出てきた数字でありますので、これが高いとか安いとか適当であるとかというのは一応私も議論はありますけれども、しかし一応地方制度調査会では衆知を集めて、いろいろ異論もあったようではありますが、結論的には二三%を地方へ配分するのがよかろうという結論を出して答申をしている。このことについて大蔵大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 先日この問題をお答えいたしましたが、過去の何年かの統計で見ますから、地方、中央の財源配分というものも、おのずからいままでの一定の比率があったろうと思います。したがって、昨年みたいな非常に地方財政の苦しいときに、今後どう対処するかということでああいう答申がなされたと思いますが、私どもの考えは、あの考えには非常に矛盾がある、国が借金をして国が事業をする、国がしたために自分たちは非常な——もしそれを税金でやってくれたら地方は楽だったが、国が税をそれだけ取らないで事業をするということのために迷惑をこうむるのだ、その分は地方に金をくれいということは——国はあとで国債を償還しなければならぬ責任を持っていくのですが、地方にはそういうことはないということで、この形を繰り返していったら国の財政が参ってしまう。地方へ交付するためのまた借金をしなければならぬということになるのですから、これは非常に財政政策としては矛盾がある。問題は、そういう形じゃなくて、やはり地方の自主財源を十分に見て、それに対して国がどれだけの財源配分するかという、この均衡がとれて、地方財政が困らなければいいということになりますので、そういう形で二三%とかいうようなことを考えることは私は間違いじゃないか、ただ、ことし、理論はそうでございますが、実際にやった結果はやはり二十何%というようなことにはなっていますが、理論問題としては、はっきりこれはあの答申の理論というものは、私どもには首肯できないというふうに私は考えております。

正木良明公明党

○正木委員 調査会の中にも、いま大蔵大臣がおっしゃったような意見があったようですね。この二三%のめどということについての反対議論があったようであります。それは、先ほど私がだから申し上げたのである。しかしまた、それに対する反論といたしましては、国が多額の国債を発行して、財政規模を拡大するというときにあたって、国が借金しているのだから、地方のほうまでのめんどうは見切れないという考え方はよくない。むしろ国債を発行するならば、これによって大きな影響を地方財政が受けるということは理の当然であるから、国債を発行するにあたっては、地方財政に対する補てんの手当てというものをその中に織り込んで計画を立てなければならないのだ、どうもこの意見が勝ちを制したようで、地方制度調査会では二三%という線を出したようであります。したがいまして、これは大蔵大臣がそういうお考えで、この二三%なんというものはけしからぬという考えだと、私とあなたの議論はもう成り立たなくなってしまうわけでありますが、しかし、やはり地方制度調査会という一つの大きな国会の諮問機関が、地方自治を守るという立場で、やはりこのように地方に対して国が手当てするということが当然のことだ、このような結論から二三%という率が出てきたということを、私はやはり尊重しなければならないと思います。   〔委員長退席、赤澤委員長代理着席〕 同時にまた、いまやはりその二三%というものについて、大蔵大臣がそれだけではなくて、いろいろ理由をおつけになった。やはり自主財源というものを地方に分与すべきである、私もそれは賛成であります。そのことがいま大蔵大臣がおっしゃるように、地方に対してそういう自主財源が与えられた後に、この二三%はけしからぬというのであるならば私は話がわかるのですが、いま言ったように自主財源も与えないで、しかもこの二三%、しかもその国債発行下における影響として、国債を含めた中から二三%を地方へ渡すというのは、どうも納得できないという大蔵大臣の御意見には私はにわかに賛成しかねるわけであります。こういう意味で私はやはり二三%という地方制度調査会の意見というものは尊重しなければならぬ。  そこで、ことしもそれに近い数字になりましたというお話でありますが、これはこまかい計算になりますが、私が計算いたしますと、二三%にはなっておりませんで、租税及び印紙収入また前年度剰余金の受け入れ、公債、これはこういう計算の慣例になっているようでありますが、それが四兆五千百七十九億、これは国のほうの収入でありますが、これに対して地方交付税並びに地方譲与税並びに臨時地方財政交付金が合計されますと、九千八百二十三億で二一・七%になっておる。したがって、二三%を至高のものである、金科玉条であるということになりますと、この間一・三%足りない。非常に総額が大きいので一・三%だなんてばかにできませんで、これが金額に直しますと、五百八十七億になる。この手当てが、やはり地方制度調査会の答申どおり手当てされていないのでありますが、この点についてのお考えをもう一度お聞きしたいと思うのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 確かに二一・何%かになろうと思います。しかし、それで地方財政の財源が不足するかと申しますと、御承知のように、本年度は地方財政は六千三百六十億円以上の去年よりは増収でございまして、そうしてその結果いろいろの問題も地方は今年度は解決して、そう行政水準の向上をはばむという結果にはならぬと思いますので、財源があればこれは問題がないことだろうと思います。  それともう一つ、さっき言い残しましたが、国がやはり借金をして仕事をする、地方が地方の負担を持たなければなりませんが、その分だけ苦しくなるということでしたら、私はやはりこれは地方がそれに対応する地方債を出すのが本筋じゃなかろうかと思います。それで、公共事業にしましても、効果は、何十年と続く国民経済に与える効果を持っておるのですから、これをその年の税金でやるということは無理で、公債でやるということは、これはいいことだ、そうしてそれによって税の増収が後年度順々に起こってくる、それを財源にするというたてまえを地方でもとるとすれば、やはり地方も地方債によって公共事業をやっても、これはやがて地方の税収入へはね返ってまいりますので、それによって返済はできる。やはり地方の自主財源を順々に多くするゆえんということになりますると、むしろ地方債によって対処するのがほんとうだというような、立て方をまずそういうところへ持っていったやり方をしっかり今後はやらなければ、地方財政自身の方向にもならぬじゃないかというふうに私は考えます。

正木良明公明党

○正木委員 私は、決して政府のとっておる公債政策を是とした前提に立ってお話し申し上げておるのでない。しかし、まあ現実の問題として、昭和四十二年度には八千億という国債が発行される予定であります。したがって、それに対する地方財政のしわ寄せというものをできるだけカバーしてあげなければならぬのではないかという観点で申し上げておるのであって、だいぶ前提が違うようでありまして、大蔵大臣は、八千億の国債を発行するに見合うだけの地方における財源もやはり起債をさせればよろしい。もう徹底的な公債政策をおとりになろうとなさっているわけでありますが、私はその考え方に反発を感じているから、できるだけ地方においても——考え方はわかります。それは国で公債を発行したのだから、地方で公債を発行するのは当然だという考え方はわかりますが、そういう考え方での、大型化していく、放漫化していくということについては反対であるから、せめて地方はもっと堅実にやっていかなければならぬ。しかもそのために大蔵省において、政府において、ある程度の国の収入を地方へ配分するという考え方がなければならぬ、このように思っているわけであります。  ここにかかずらっておりますと、だいぶあとにありますのが進みませんので、あとに進めたいと思っております。いずれにしても、私はこの二三%ですら少ないのではないかというふうに考えているわけです。特にいま地方団体は、特に大都市は過密対策という非常に大きな財政需要をかかえている。その反面にまた過疎対策、これもまた大きな費用が要る。いわゆる税金が上がってこないための手当てをしてやらなければならぬ、こういうことで、上下大きな財政需要があるのでありますから、そういう点について、なぜこのような事態が起こってきたか、それは明らかに、多くいわれておりますように、政府の政策によってこのような現象が起こってきたのでありますから、その点についての手当てというものは十分にしていくのが当然である、このように思っているわけです。したがって、この二三%の地方制度調査会の答申というものは、むしろ最低限を示すものである、このように考えておりますので、どうしてもやはりこれに足りない分は他の方途をもってでも補てんしていかなければならない。しかも、いま地方財政は非常に硬直してきたというふうにいわれておる。非常に恒常的な経費が高まってまいりました。特にその中に占める人件費の問題なんかが大きいのでありますが、みずから弾力的に使用していける額というものが非常に少なくなっているということが考えられますので、この点を十分今後も考えていただきたいと思うのであります。  次に、やはり答申の中で、地方税のことについて、先ほど大蔵大臣がおっしゃったように、税源を配分する、また移譲するというような問題について触れておるようでありますので、それについて少しくお尋ねしたいと思います。  まず、この中で道路目的財源についての答申がなされております。これはもう言い古されたことでありますが、最近は国道から地方道に財政需要が移ってきた。地方道を整備しなければならない段階になってきた。すでに第四次道路整備計画、総額四兆一千億でありますが、道路目的財源の充当率が、国が八五%で地方が四八%にしかすぎぬといわれておる。そのために、このたびの予算編成にあたって、自治省は、一キロリットル千円の割合で、総額百三十三億になるのでありますが、大蔵省に対して道路目的財源を出してほしい、こういうふうな要求をいたしておりますが、これが出されておりません。出されておりませんで、ずいぶん小さな額になってしまったわけであります。この点について、答申にいうところの地方道路への配慮が大蔵省のほうでは尊重されていないと思うのでありますが、その点について大蔵大臣にお伺いしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 道路計画の具体的な決定の際に、いまの道路財源の問題は検討するということになっておりますので、今後この計画の細目がきまるときに決定するということになっております。本年は、とりあえず一般会計から二十五億円だけこれに充てるという措置をとりました。

正木良明公明党

○正木委員 ことしは二十五億、お茶を濁すという程度にしか私たちは考えられないのでありますが、交付金の中についた。ところで、いま伺いますと、いわゆる第五次五カ年計画の閣議決定の際に考慮する、こういうお話でありますが、これはどんな構想でおやりになろうとなさっているのか、わかりましたらば、あかしていただきたいと思うのです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 第五次五カ年計画の種別ごとの、たとえば一般道路であるとか、有料道路であるとか、あるいは単独であるというようなものの内訳、さらにまたその中の内訳は、これから検討いたすつもりでございます。

正木良明公明党

○正木委員 まあ検討なさるのはよくわかりますし、検討していただいていいと思いますが、調査会のほうの答中では、金額は明示いたしておりませんが、国と地方とを大体道路目的財源を折半しようというような考え方が強いようであります。そうして新しい計画で五カ年間に三千億、国のほうから移譲していただきたいというような内容があるように聞いております。ですから、そのような私の聞いておる範囲でも、ある程度具体的な問題が出ておる。これは三千億が適当であるかどうかということはこれからお伺いするわけでありますが、いずれにしても、えういう構想がある。ところが、まだ検討中であるというふうにいま建設大臣がお答えになったのでありますが、この主務大臣が建設大臣であるならば、再び建設大臣にお尋ねしたいと思いますが、それではもう少しこまかく聞いてまいりましょう。この閣議決定はいつごろおやりになるつもりですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 道路整備緊急措置法の改正法律案をただいま出しておるところであります。その法律案が通過いたしますれば、その法律に基づきまして、今後五カ年間の計画をして、閣議の決定を求めなければなりません。ただいまは六兆六千億円のワクでやるように閣議の了承を求めておるわけでございまして、その内容につきましては、法律案が通過して後に詳細に閣議の決定を求めなければならぬように法律ではなっておる次第でございます。そのおりに詳細はわかるわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 私は具体的な詳細をお聞きしているのではなくて、地方団体に対して道路目的財源をあなた方は分けてあげようと思っていらっしゃるのか。それとも、従来のように国道重点主義でいこうとなさっているのかというそのお考え、それでけっこうでございますから、あかしていただきたいと思います。これは建設大臣にお願いします。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 これは全般的な話になりますれば、財政問題ですから、大蔵大臣、自治大臣と協議しなければなりません。しかし、ただ、ただいまも市町村道に対しましては相当に地方の援助をいたしておるのでございます。ことし単独といたしまして二十五億という別なワクを自治省はとったようでございますが、この地方道におきましても、特殊な法律に基づきましたものにつきましては、おそらく来年度は——やはり全般として百億以上の金を地方につぎ込んでおるのでございまして、相当に地方の道路の援助は現在でもいたしておるのでございまして、全般的なことになりますれば、今後大蔵大臣、自治大臣と相談をいたしていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 いま、二十五億、これは地方財政交付金として出すようでありますが、このことをいま建設大臣がおっしゃった。これは、先ほど申し上げましたように、この二十五億というのは、ないよりはあったほうがいいに違いありませんが、しかし、この二十五億、自治省が要求した百三十三億から比べても、非常に小さい額だ。五分の一だ。しかも、この二十五億というものが非常にあいまいな形でしか私は考えられないのですが、それじゃ、この二十五億というものを大蔵省が出した、しかもそのことを自治省との間に折衝があって二十五億と決定された、この理由というのはどういうことですか、自治大臣。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 先ほど大蔵大臣からお答えがありましたように、新道路計画の際に、その道路財源につきましても検討をしてきめていくということでございます。したがいまして、とりあえずという金で二十五億を組んだわけでございまして、この配分方法は、大体市町村の道路延長等によって配分する所存でございます。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、重ねて自治大臣にお尋ねいたしますが、これはとりあえずの二十五億だ。要求は百三十三億でありますが…七そうすると、この閣議決定の後配分がきまるのでありますが、その場合はどうなんでありますか。その場合は百三十三億なんですか、それとも、もっと上回った金額を要求なさるのですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 新道路計画の内容がわかりませんので、いまのところ幾らの額ということを申し上げるわけにいかないわけでありますが、できるだけ市町村の自主財源を充実していくという方向で検討をいたしたいと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 したがいまして、いまそういうふうに重ね重ね各大臣からもお話がありましたので、おそらくこの新五カ年計画がきまりましたらば、相当な額が地方に配分されるものと期待いたしております。  それから次に、税源移譲の問題がやはりこの答申の中に入っているわけですが、この中の一つとして、これは昨年、一昨年あたりだいぶやかましい論議を呼んだようでありますが、やはりこれがここへ上がってきております。税調の答申の中にもありましたが、——四十年の税調の答申でありますが、いわゆる所得税から住民税への税源の移譲ということを言っておるのですが、前のときには、減税ムードの中で地方税が増税されるというような形が起こるとすると、減税という政治目的が非常に減殺されるというので、このことがさたやみになったようでありますが、今度また地方制度調査会は、この答申の中でこのことに触れております。したがいまして、このことについてのお考え方を大蔵大臣にお尋ねしたいと思うのです。

塩崎潤大蔵省主税局長

○塩崎政府委員 税制調査会におきまして、おっしゃるように、昭和四十一年度の税制改正案の答申として住民税へ所得税から移譲する案が答申されたのでございますが、先ほどおっしゃいましたように、国税が減税、住民税だけ単独増税ということはどうであろうかということの理由で見送られております。なお、この問題は、住民税のあり方といたしまして、今後の根本的な検討問題の一つにあげられておる次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 ですから、私がお聞きしているのは、去年の十二月に地方制度調査会が答申の中でこのことに触れておるのでありますが、このことについてこの後この問題をどのような形であらわそうとしているのか。また、あらわせなかったならばあらわせなかっただけの理由があろうと思いますので、その点をお尋ねしているわけなんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いまの問題は、やはりこれからも私はなかなかむずかしいのじゃないかと思います。これは昨年のいきさつは御承知と思いますが、政府の考え方が与党に承認されなかった、こういういきさつもございます。やはり増税になる分でございますから、なかなか与党との折り合いがつかなかったといういきさつがございますので、今後もこれは自主財源強化の形でいろいろのことはやりますが、この問題はちょっとむずかしいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 むずかしい問題だということは私もわかります。むずかしい問題であるが、しかし、ほかに新しく税源を見つけることが非常にむずかしい現在であるならば、このような形で国の税源をある程度移譲をするという考え方が、当然まじめに取り上げていかれなければならないというふうに考えるわけですね。それと、もう一つは、こういう論議は非常に盛んであるわけなんですから、これは釈迦に説法のようなことで申しわけないのですが、税金は国民から国が七の割合で取り上げる。そうして地方に三入ってくる。ところが、七の割合で納められた国に対する税金が、地方のほうへまた配分されてまいります。結局、その使われる額といいますか、それは地方のほうが七で国のほうが三だ。この間大きな移動が行なわれるわけですが、その最も大きなものとして国庫補助金等があるわけですね。その国庫補助金は、一たん国に納めて、それからまた地方へ返ってくる。これはむだだと思う。しかも、この間においては、補助金を獲得するための非常な陳情といいますか、そのためのロスがある。また、手続上の事務的ないろいろなロスがある。しかもこの補助金は、また後ほど触れたいと思っておりますが、超過負担という問題、そういうこぶをくっつけておる。それならば、もういっそ国へ納めないで、その分は地方へ直接入るようにしたらいいじゃないかという論議が、これは別にひそひそと語られているのじゃなくて、白昼公然と権威ある人が述べているのです。この考え方が是なりといたしますと、やはりそれと相通じて、相当な額を地方のほうに税源移譲するという考え方も、これはまじめに考えていかなければならない問題だと思うのです。いまのは、所得税を地方税にという、所得税の課税最低限あたりをうろうろしているのは、地方住民税のほうに移しちゃおうという考え方ですが、これだって別に悪い考え方じゃない。やり方によればやれると思いますが、これはやはりまじめにというか、前向きで取り上げていこうとなさるのか、それとも、もうこんなものはだめだというふうに一笑に付してしまっていらっしゃるのか、この点だけでも明らかにしておいていただきたいと思うのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 全国の財源が均等であるのならよろしゅうございますが、非常に財源が不均等である。したがって、行政水準の差をなくしようというためには、いまの交付税の方式と、それから補助金という形の財政支出、これをどうあんばいをしてやるかという方法が、やはりどう考えても中心になるやり方じゃないかと思いますが、いまおっしゃられたような問題も十分検討いたします。

正木良明公明党

○正木委員 十分検討してくださるそうでありますから、検討を進めていただきたいと思います。  いつもこの論議をいたしますと出てくるのが、いわゆるそれぞれの地方における格差というものをこの問題で助長をしていく、そのためには、やはり地方交付税というような形である程度プールしていかなければならぬのじゃないかというような考え方にいつも突き当たるわけですね。私は、それは絶対必要なことではあると思いますが、しかし、もともと地方の財源が、いわゆる税として入ってくるものはたった三〇%そこそこだというようなものがはたして正常な姿かどうか、問題だと思うのです。したがいまして、地方交付税というような制度は必要でありますが、それは地方税としてある程度取った上に、それをある程度プールしていくというような地方交付税という制度を考えていかなければ、ほんとうの地方自治というものは確立されないのではないか、このように思うわけです。そこで、この考え方について自治省はどのようなお考え方を持っていらっしゃるか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。   〔赤澤委員長代理退席、委員長着席〕

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 第九次、第十次の地方制度調査会におきまして、中央・地方を通ずる行政事務の再配分の問題の答申をいただいております。現在も、第十一次の調査会におきましてそれに伴う財源の再配分の問題を御調査いただいております。その答申を待ちまして前進していきたいと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 いま地方財源を確保しろということをえらい議論している最中に、こんなことを申し上げると、えらい逆行するようなんですが、たまたま住民税の問題も出てまいりましたので、お考え方として承っておきたいのであります。  今度所得税の課税最低限度を引き上げたのでありますが、住民税の所得税の課税最低限を引き上げるというなお考え方はないかどうか。これは自治大臣にお願いしたいと思うのです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 住民税もできるだけ軽減するのが妥当でありますが、一方、地方財政が先ほどから御発言のありましたような状態でございます。今回も、たとえば専従者控除とか、そういうようなもの等も考えておるわけでございますが、税制調査会の答申にもありましたように、所得税とはやや異なって、分に応じて広く負担するというのが住民税の性格かと思います。しかし、それだからといって、どんな小さな、所得の低い人からも取っていいというわけではございません。今後もだんだん所得最低限の引き上げについては努力をしてまいりたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 そのことに関連して、今度の答申の中でも、住民税の均等割の税率の調整ということがあげられているわけでありますが、今度は法人税に対する率の引き上げが行なわれた、これにとどまったわけでありますが、いま自治大臣がおっしゃった負担分任の原則というやつですね、この負担分任の原則というのは、わからないことはないのです。これを均等割というような形で負担分任をさせているのです。そこで全部均等割を廃止しろ、そういう考え方を私は持っておりますが、にわかにそれも無理であるかもわかりませんので、せめて府県が取っておる均等割、あれは百円ですか、あのうちの四十六、七円というのは、市町村に対して取り扱い経費として還元されているわけですね。ですから、府県が取っておる取り分というのはごく少ない。大体五十円、たばこ一個です。これをむしろ、もう市町村のほうへ均等割を移譲してやるという、こういう説があるようでありますが、こういう点、どうお考えになっていらっしゃいますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そういう御意見もあるようでございます。先ほど申しましたのは、単に市町村ばかりでなく、県という自治体でも地域団体でございまして、そこに住む人たちが分に応じて広く負担するという考え方から、現在におきましても均等割を取っているわけでございます。  なお、それらの御意見については、今後の研究課題にさせていただきたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 それはわかるのですが、しかし、私は一人の人間である日本国民である。そうして私は大阪府に住んでおりますから、大阪府民であります。堺市に住んでおりますから、堺市民です。ところが、堺市民として負担分任をすればいいのであって、堺市民として負担分任し、そうして大阪府民として負担分任をする。そういうお考えでしょう、いまのお答えは。ところが、それじゃ国民として負担分任をしているかというと、いわゆる国税には負担分任という考え方はごく薄くて、富の、所得の再配分、そういう考え方が非常に濃厚です。それじゃ、国民としての負担分任をしなくてもいいのかという議論が、へ理屈かもしれませんが、成り立つわけです。したがって、市民として市民税において負担分任をすればそれで足りるのであって、府民として再び負担分任を重ねてしなければならないかということに、私は問題があるのではないかと思うのですが、こういう点は考えておいていただかないといけないので、よろしくお願いいたします。  それから、市町村、特に大都市に対する税源の充実ということも出ております。これをやり出しますとちょっと長くなりますので、これは省きます。  そこで、市町村交納付金の合理化ということがやはりこの答申の中に出ているわけでありますが、これは国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律によって、国がその所在の地方団体に対して納付金を出すわけであります。  ここでひとつお尋ねしておきたいのは、五十一回国会の地方行政委員会の附帯決議で、この市町村に対する交納付金の問題が出ております。特に「国有林野の土地に係る交付金については、民有林の土地に係る固定資産税負担との均衡を失しないよう検討のうえ必要な措置を講ずること。」そのほかにもありますが、これが出ておるので、特に国有林野についてお聞きしたいのであります。これはどうでしょうか、大蔵省のほうでどのような形でこの予算のほうに盛り込まれておるのでしょうか、それをちょっとお尋ねしたいのですが……。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 ただいまお話しになりました附帯決議がありましたので、林野庁において国有林野の土地にかかる台帳価格の実態調査を実施いたしました。その結果に基づいて、昭和四十二年度におきましては、さしあたり一億五千六百万円を増加して、総額において九億三千六百万円となった次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 その調査というのはいつおやりになりましたか。私の聞いているのでは、二十九年以来評価はしていないというふうに聞き及んでおるのでありますが、いかがでしょうか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 お答えいたします。  台帳価格は、御承知のとおり、二十九年以来据え置きでございますが、昨年来問題がございまして、林野庁で昨年の秋に調査をいたしております。

正木良明公明党

○正木委員 ところが、それぐらいの増加では追っつかないぐらいのものがあるように、私の調査では出ておるのであります。これは三十九年度の資料しか手に入りませんで古いのでありますが、しかし、この時点におきましても、国有林が七百四十八万町歩ありまして、その納付金が六億二千八百万円、民有林が大体同じぐらいの規模でございまして、七百二十六万町歩ございまして二十三億円、したがいまして、これは二七、八%になるのではないかと思うのであります。それにいま自治大臣がおっしゃったような額を上乗せしたとしても、まだ非常に低い評価であるというふうに考えるのでありますが、これは今後また改めていこうというふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 お話のように、実態調査の結果はもっと民有林に近いものになろうかと存じますが、とりあえず、林野特別会計の関係等もございまして、いま申し上げたようなことでございますが、今後ともこの是正につとめてまいりたいと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 そうすると、この他の国有資産につきましては、五年に一度の評価がえをいたしておるようでありますが、この国有林野につきまして、何か期限をきめて評価がえをなさろうというおつもりはございますか。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 お答えいたします。  御承知のとおり、交納付金は、台帳の価格を基礎にして交付金額を算定することになっております。ただし、台帳の価格が固定資産の評価額と著しく異なる場合には、各省庁の長はそれぞれ補正をした数字を関係町村に連絡して、交付金を納めることになっておるのでございます。農林省とされましては、従来からも努力してこられましたが、今回さらに実際の調査もいたしました上で、先ほど申し上げましたように、前年度に比較いたしまして約二〇%増の一億数千万円を増額をしたわけでございます。なお、これは農林省の御努力にまたなければなりませんが、私どもといたしましても、この適正化のために、農林省と協力をいたしまして努力を続けていきたいと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃ、せっかく御努力をお願いいたしまして、次にまいります。  また、この答申の中に租税特別措置等による国税減税の地方税への影響遮断ということが出ております。この真意のところははっきりつかめないのでありますが、たとえば、大企業に対する租税特別措置法の優遇措置、これとの関連における地方税減収の影響、また同時に、それとは関係ございませんが、政府の政策によって電気ガス税とか固定資産税というようなものが非課税になる、こういう問題があるのであります。相当大きな額になるのでありますが、この点について、ひとつこまかい問題になりますので、政府委員でもけっこうでありますから、お答え願いたいと思います。数字がありましたら、数字をお願いしたい。

塩崎潤大蔵省主税局長

○塩崎政府委員 租税特別措置の減収額のはね返りをできるだけ遮断するという御答申でございます。私どもは、昨年からその御答申を旨といたしまして、昨年度の租税特別措置の各種のやり方の中で十分考慮いたしまして、たとえば、課税標準の特例といたしますと、所得計算が変わってまいりますので、事業税あるいは法人税割に影響いたします。そこで、昨年度の、たとえば合併の特例措置、あるいは資本構成の特別措置、これらにつきましては、税額控除の仕組みを取りまして、できる限り国税の特別措置の影響が地方税に影響いたさないようにいたしております。本年度におきましても、開発研究の特別措置につきましては、税額控除の方式でその影響を遮断するようにつとめておる次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、そのように遮断のできるものはいい。遮断のできないものがある。そこで、この答申の中では「影響遮断を行ない得ないため地方税収入に減収を生ずる場合においては、国においてその補てんの措置を講ずべきである。」というふうに答申をいたしております。この点どのようなものがありまして、どのような補てんがなされているのでありましょうか。

塩崎潤大蔵省主税局長

○塩崎政府委員 たとえば、先ほど申し上げましたように、課税標準の特例を設けますと、影響いたします。利子所得の分離課税あるいは有価証券の譲渡所得の非課税、こういったものは当然影響いたしますが、これらは非常に古い制度でございますし、おのおのこれをどういうふうに措置いたしますかは、もう過去におきましてすでに織り込み済みとも考えられます。最近におきましての特別措置は、いま申し上げましたように、できる限り税額控除の方式で、その点は私どもは地方税にはね返りの及ばないような方向で考えておる次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 これは古いことだからすでに織り込み済みでありますというふうなお話でございましたが、まさに、いまお話が出てまいりましたので、そのお話の中からいたしたいと思います。利子、配当の分離課税によって住民税の所得割等に減収を及ぼすということは、これはだれだって容易に考えられることであります。こういう点については、いま大蔵省当局から、このようにお話がございましたが、自治省ではどのようにお考えになっていますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 答申の目途とするところは、これをやったからこれにすぐということではなくて、全体として国の特別措置法による減税分をなるべく地方にしわ寄せしないように、したがいまして、それは他の一般財源なりあるいは交付税なり、そういうものも含めまして補てん措置をとるべきであるという趣旨のものと考えております。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、しょっちゅう問題になっている超過負担の解消の問題でありますが、昨日の朝日新聞を見ますと、自治省は何か特別にこれを総点検しよう、それで関係各省の了解を得たというふうな報道がなされておりますが、これは事実であるのかどうか。また事実であるならば、どのような方法でなさろうとしているのか。自治大臣にお願いしたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 超過負担につきましては、年々いろいろ財政当局並びに各省とも御努力をいただきまして、四十一年度においては三百三十億程度、四十二年度においても二百六十億程度の解消をいたしておりますが、まだ相当に残っております。したがいまして、これを実態を調査いたしまして、そうして四十三年度を目途として段階的な、計画的な解消の方向に進みたいと考えておるわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、新聞に報じられた関係各省が——関係各省といいますか、関係各大臣といいますか、了解を与えられたというのですが、これは調査を了解されたのか、それとも調査の後に超過負担を解消するまで努力するということを了解されたのか、どうなんですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 超過負担の解消につきましては、政府全体といたしまして従来も努力をいたしておりますが、まだ残っておりますので、これらを計画的に解消していきたいということで各省の協力を得ておるわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 素朴な疑問なんですがね、なぜ超過負担なんということが起こるのか、しかも、この超過負担という問題がこれほど大きく議論されていながら、一向に改まらない。私はこれがふしぎでしようがないのですが、大蔵大臣、どういうことからこういうことが起こり、どういうわけで解消できないのか。素朴な質問に対して、素朴にひとつ御答弁願いたいと思うのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま自治大臣がお話しになりましたように、もう二年間で六百億近い超過負担の解消を私どもはやっております。ですが、まだむろん超過負担は全部解消したというふうに私どもは思っておりません。そこで、いま実態がほとんど握られていない。単独事業のいわゆるつけ増し分の限界というようなこともはっきりしていないので、今日まで実態のはっきりしてない面がたくさんあるところにいまぶつかっておりますから、各省共同で、そういう実態の把握をすることによって、今後どの部分にどうしなければいけないかという、もう一歩前進した超過負担の解決策を私どもに立てたい、こういう考えでございます。

正木良明公明党

○正木委員 それはよくわかるのでありますが、そうすると、別にだれも罪がないのに超過負担というものが起こってきているということになるのでしょうか。たとえば、これこれの要求が大蔵省になされたのにもかかわらず、大蔵省じゃ、これじゃ単価が高過ぎるとか、これは対象の中に入れる必要がないとかなんとかいうことで起こったのか、こういうふうにそんたくはしたくないわけでありますけれども。そうでないとするならば、私の素朴な疑問は、この疑問のまま、このまま永遠に残っていくわけでありますが、なぜこんなことが起こるのか、私はふしぎでしようがない。どうしてもそういうふうな自然発生的にそういうことが起こるのだということになるならば、たとえば、工事等にいたしますれば、一定の設計図や設計書、仕様書等を厳格に定めて、その結果精算補助というような形にはできないものなんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 何で起こるかということには、いま申しましたように、一ぺん実態調査をしたいと私どもは思っておりますが、いろいろ理由があると思います。補助事業でございますので、まあ財政当局としたら、この程度の補助ならといって、それがほんとうの適正な補助にはなっていなくても、一方は補助が少なくても広く仕事をしたいというときには、そこらの折り合いで仕事をしたいというために、超過負担が出てくることを覚悟のいろいろな事業をしておるというような問題もございますし、これはやっぱり欠点は両方にあると思いますが、そういうものが積もり積もってきていますので、できるだけ基準単価の是正というようなことはやってきました。特に、施設関係の超過負担が一番多いのでございますから、それらの点は、この二年間もう相当努力してやってきましたが、まだまだ超過負担が多いということになりますと、いままでルーズと言っちゃ失礼ですが、そういう形で地方と中央がやってきましたから、ここらで実態を一ぺん見る必要が私はあるのじゃないかと思っています。

正木良明公明党

○正木委員 地方のほうも、補助金がほしいばっかりに、超過負担を承知の上で補助金をほしいと言ってくる、そこにも罪があるというようなお話でございます。それはないとはいえない実態かと思いますが、そこで、もしそれがそうであるとするならば、一つは、国庫補助金をとらなければ容易に起債が許されてこない、こういうところに、何とか形だけでも補助金をとって、それに起債をという、こういう考え方が非常に濃厚なようにも聞いておるのであります。こういう点、いわゆる単独事業に対してはなかなか起債のワクが狭くて、こういう政府の補助事業に対しては起債のワクが広いという考え方は、ある程度影響しておるのではないかと思うのですが、これはこの面ででも是正していこうというお考えはございませんか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 四十二年度の財政計画、ことに起債の計画の中におきましては、できるだけそうした地域住民に直結した、しかも、地域の特色を生かした事業ができまするように、単独事業債等を相当大幅に引き上げておるわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 あまり時間がございませんので、一応これはこれとして、交通事故の対策の問題について御質問いたしたいと思うのですが、先ほど社会党の太田議員が相当広範にわたって御質問なさいましたので、私は、特に重点的に取り上げて、端的に御質問申し上げたいと思うのです。  実は、緊急交通安全施設整備計画の、いわゆる三カ年計画といわれるやつでありますが、私どもは、政府に対する予算要求の中ででも、横断歩道橋、これに対する要求をいたしたのであります。この横断歩道橋が交通安全にもたらす成果というものは、すでにもう御存じであろうと思います。特に、一番著しい例は、この間新聞に報道されました東京の環状七号線が、横断歩道橋によって事故ゼロになった。いわゆる、いままでは魔の環七といわれたあの環状七号線が事故ゼロになったというくらい、この横断歩道橋の持つ成果というものは非常に大きいと思うのであります。ここで、四十二年度計画、いわゆる四十一年度から始まって四十二年、四十三年と三カ年計画が続くわけでありますが、この横断歩道橋、これを四十二年度に全部やり上げてしまおうというお考えはあるかないか、これをお尋ねしたいのであります。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 緊急三カ年計画で、横断歩道橋の全部の計画ですが、これは工事が非常に進めば、そういうような考え方もできると思うのです。なるべく横断歩道橋は早くやりたいと思うのです。しかし、去年四百数十カ所をやりましたが、ことしは約千カ所やることになっておるのです。しかし、横断歩道橋と簡単にいいましても、あの狭いところにやるのは、やはり非常に地域住民の了解が要るのです。たとえば、自分のところの前にそんなものをつくってくれては商売が繁盛しないからとかなんとか、いろいろな問題があるわけです。ことし、四十二年度は千カ所やるつもりですけれども、これがピッチが進んで、さらにどんどんやることができれば、これは予算処置といたしましても、大蔵大臣と相談をいたしまして、なるべく早く完結したいという気持ちは、私としては十分持っておるつもりでございます。

正木良明公明党

○正木委員 計画によりますと、全部で千六百二十一カ所やればいいということになっておるようであります。それがすでに四十一年度において、いまお話がありましたように四百数十カ所くらいができた。ですから、あとそうたいしたことはありませんので、どうかひとつ、これは緊急に前向きで進んでいただきたいと思います。  それから、先ほども質問がございましたので、それに重複しないように申し上げてみたいと思いますが、自賠法の問題で、運輸次官にお尋ねしたいのであります。  いま百五十万円の最高限度額を早急に三百万円ぐらいに引き上げたい、これでもまだ少ないくらいだが、とりあえず三百万円としたいというふうにお話がありましたが、これは大体いつごろおやりになるつもりでございましょう。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 お答えいたします。  この保険につきましては、百五十万円に昨年七月上げたわけでありますが、まことに少額であるという世論もたくさんあるわけでありまして、いま審議会にこれをかけまして、できるだけ早くこの問題を、先ほど三百万と申しましたが、少なくとも、三百万円には持ってまいりたいというような考えを持っておるわけであります。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、三百万に引き上げるということになりますと、この財源をどうするかという問題が起こってくるわけですが、これは保険料でまかなおうとなさっているのですか、保険料はそのままにしておいて、他の財源を持ってこようとなさっているのでございましょうか、運輸次官、お願いします。

金丸信自由民主党運輸政務次官

○金丸政府委員 これは大蔵省のほうの関係でありますが、ただ、保険の契約者の負担という問題を考慮してやらなければならないということは十分考えなくちゃならぬ、こう考えております。

正木良明公明党

○正木委員 それじゃ、大蔵省はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 保険制度である以上は、保険金でまかなうということになりますので、その負担の実際を考えてやらないというと、この三百万という金額も出ないので、私どものやっている試算では、なかなか、百五十万を急に倍にするということは、掛け金の点で非常に負担がむずかしいような気もいたします。しかし、いま、みな関係者は、せめてそこまでは持っていく保険にしたいということで努力中でございます。

正木良明公明党

○正木委員 ちょっとあいまいな感じがするのでありますが、保険料を値上げするというふうに考えてよろしいのでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 この種のことは、保険料を値上げする以外には方法はございません。

正木良明公明党

○正木委員 できるだけ保険料を上げないほうがいいのじゃないかというふうに私は考えるわけですがね。  そこで、一つの提案なんですが、大体一万三千人そこそこの死者が出ているようであります。そこで、いま百五十万円でありますから、あと百五十万円の手当てをする、大体財源としては二百億くらいになるのではないかと思うのですが、ちょうどこれに見合う、いわゆる交通違反、罰金ですね、これをこのほうの財源に充てるなんてことは、いまいろいろ異論があるかもわかりません。しかし、ちょうどこの数字が合うのですが、こういうふうなお考え方はございませんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは全然筋違いの問題だろうと思います。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、全然筋違いだというふうに言われるのですが、それは筋が違うかもわかりません。私も全く筋が通ったとはいえないと思うのです。しかし、ある程度そういう保険料というようなものにはね返らないで、賠償保険の金額を上げていきたいということになるならば、どこかから持ってくるよりほかに道がないので、そのように考えておったわけであります。どうかひとつ、このことについても、それは筋違いですと、主計局長が首を振ったからだめですなんて言わないで、ひとつ考えていただけないでしょうか。  交通事故防止対策については、私はたくさん申し上げたいことがあったわけであります。しかし、もう時間も迫ってまいりましたので、これで終わりたいと思いますが、せっかく交通事故防止対策等について一生懸命力を入れてくださっている総務長官がお見えになっても、ついに質問するチャンスが時間的になかったわけでありまして、まことに申しわけありませんが、今後ひとつ交通事故防止対策のほうについては、総務長官も力を入れてやっていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手)

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて正木君の質疑は終了いたしました。  次会は、明六日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十分散会

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