文教委員会 第3号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/04/04
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、前回の文部大臣の発言に関連いたしまして、昭和四十二年度文部省関係予算の詳細につき会計課長より説明を聴取いたします。井内会計課長。
○井内政府委員 お手元にお配りいたしております事項別表に従いまして、昭和四十二年度文部省所管の予算案につきまして、大臣の説明を事務的に若干補足説明申し上げます。 まず、文部省所管の一般会計予算額は、前年度当初予算に比べておよそ七百五十八億円増の五千八百四十五億八千六百二十九万円、国立学校特別会計の予算額は、およそ三百十九億円増の二千二百七十二億八千六百四十八万一千円でありまして、その純計は六千二百二十九億六千九十二万八千円となっております。この純計額は、前年度当初予算と比べておよそ八百三億円の増額となり、その増加率は一四・八%となっております。 以下、事項別表の順序で御説明申し上げます。 まず、教育費の負担軽減と育英奨学事業の拡充でございますが、その第一として、教育費の負担軽減につきましては、大臣から御説明いたしましたように、特に重点的に予算を計上いたしました。すなわち、教材整備につきましては、義務教育費国庫負担金の教材費につきまして新たに国庫負担の対象となる教材基準の設定を行ない、その七〇%を昭和四十二年度より十カ年計画で整備充実することといたしまして、前年度より十五億九千万円増の四十三億九千万円を計上いたしました。養護学校教育費国庫負担金の教材費につきましても同様の措置を講じまして、前年度のほぼ倍額を計上いたしております。 次に、教科書無償につきましては、約十六億七千万円増の百八億円を計上いたしております。この内容は、昭和四十二度の小学校一年から中学校一年までの児童生徒の後期用及び転学用の教科書と、昭和四十三年度の小学校一年から中学校二年までの児童生徒の前期用教科書の購入費などであります。 次に、就学援助の強化であります。まず、要保護、準要保護児童生徒の就学援助につきましては、その対象は、それぞれ全児童生徒の三%及び七%で従来と変わりませんが、児童生徒数の減少等により若干金額の下回っているものもございます。しかし、その内容におきましては、学用品費の単価増一〇%、通学用品費の新設などの改善を行なっております。また、夜間の定時制高校の就学援助につきましては、引き続き給食施設の整備と夜食費の単価の引き上げを行なっております。 また、遠距離通学費補助につきましては、対象人員を一万人増加いたしまして、その拡充をはかっております。 次は、地方公共団体の超過負担の解消の促進でございます。この点につきましても、大臣から御説明いたしましたように、特に意を用いたところでございます。すなわち、まず公立文教施設整備費につきましては、建築単価について、小中学校の校舎で申しますと、鉄筋六・三%、鉄骨七・四%、木造九・七%の引き上げを行ない、また、構造比率についても平均約五%の改善を行なっております。そのほか新産都市、産炭地等に対する負担率のかさ上げを引き続き行ない、地方公共団体の超過負担の解消に資することといたしております。また、僻地の教員宿舎、高等学校産業教育施設につきましても、同様に建築単価の引き上げを行なっております。 また、政令県の給料定額につきましては、義務教育費国庫負担金の給与費において、政令四県について定められておりまする国庫負担の最高制限給料定額を改定して、今後三カ年間で国立学校教員の標準的な給与までこれを引き上げることといたしまして、その所要額を計上いたしております。 次は、育英奨学事業の拡充でございます。日本育英会への貸し付け金は約二十四億円増の約百二十一億円でありますが、このほか返還金からの充当が約三十二億円ほど見込まれますので、事業量総額は約百五十三億円となる予定であります。また、その内容については、一般貸与につきましては大学院の奨学生の増員及び貸与月額の改定、特別貸与につきましては大学学部の奨学生の増員に重点を置いております。なお、後者につきましては、後ほど私学振興のほうで御説明する予定でありますが、私立大学学生に対して特別な扱いが認められたのが目立っております。 第二に、義務教育の充実と後期中等教育等の拡充整備でございます。 まず、教育内容の改善充実につきましては、道徳教育、生徒指導、教育課程などについて前年度に引き続き研究推進校の設置、指導資料の作成配付、講習会の開催などを行なうことといたしております。また、教育研究団体の助成につきましても所要の増額を行なっております。 次に、僻地教育、特殊教育の振興についてでございますが、僻地教育につきましては約三十六億円を計上いたしました。その内容としては、教員宿舎の一部につきまして、一戸当たりの面積をふやして内容の改善をはかりましたこと、スクールバス、ボート、ジープの台数を増加したこと、新たに給水施設整備費、眼科医派遣費に対する補助を加えましたこと、寄宿舎居住費のうち食費、日用品費の単価の引き上げを行なったことなど、全般的にきめこまかく改善を行なうことといたしております。 また、特殊教育の振興につきましては十七億円を計上いたしております。まず、特殊学級担当の教員の待遇につきまして、俸給調整額を現行の四%から八%に引き上げてこれを改善いたしました。また、養護学校十六校、特殊学級千二百学級の増設をはかりましたほか、新たに特殊教育推進地区の設置、特殊教育の総合的研究調査、盲学校弱視用教材複製設備の補助、心身障害児総合実態調査を行なうことといたしました。さらに、就学奨励費につきましても、その内容の充実をはかるとともに、新たに小中学部の通学用品費、高等部の学用品購入費をその対象に加えております。 次に、同和教育につきましては、前年度から開始いたしました高等学校等進学奨励費補助の補助対象人員を大幅に増員したほか、社会教育関係におきましても事業の強化をはかっております。 次は、後期中等教育の拡充整備でございます。 まず、定時制教育及び通信教育の振興につきましては、中央教育審議会の答申に沿って、勤労青少年の生活実態に即した教育をねらいとして、定時制通信制併置高校三校を設置することといたしましたほか、定時制及び通信教育手当を受ける実習助手の範囲を拡大し、新たに夜間定時制高校の食堂施設の補助を行ない、給食費の単価を引き上げるなど、計約十二億円を計上いたしております。 また、すぐあとで御説明いたしますが、高等学校産業教育施設設備費補助金によりまして、高等学校教育の多様化に対処することといたしております。 二〇ページのところの理科教育及び産業教育の点について御説明します。 まず、理科教育設備費につきましては、前年度設定いたしました基準により整備することといたしまして、前年度より一〇%増の約十二億七千万円を計上いたしております。次に、産業教育の充実でありますが、まず、一般設備費及び一般施設費につきましては、前年度設定いたしました新基準に基づく年次計画による整備といたしまして、四十二億九千万円を計上いたしております。このほか、昭和二十七年度から二十九度までに購入した設備の更新費一億円、高等学校衛生看護科施設費二千万円を新規に計上いたしました。また実習船につきましては、大型七隻、中型一隻、農業自営者の養成につきましては、二年計画により整備するいわゆるA類型五校、単年度で整備を行なういわゆるB類型三校をそれぞれ補助対象といたしております。以上、産業教育関係施設設備費の総額は、五億円増の五十二億六千万円となっております。 二三ページの教職員の勤務条件の改善のことでございますが、本年度は義務教育諸学校において約四十一万人の児童生徒数の減少が見込まれておりますので、学級編制の基準を、標準法実施の計画に従い、四十七人から四十六人に引き下げることによる増員を見込みましても、なお三千百八十三人の減が見込まれますが、反面、養護教員、事務職員の増千三百八十九人、特殊学級増設による担当教員の増千五百五十八人、充て指導主事の増二百人を行ないますので、全体で教職員定数の減員は三十六人となるわけであります。また、教職員給与の改善といたしましては、旅費単価、校長、教頭の管理職手当、特殊学級担当教員の給料調整額の引き上げを行なうとともに、新たに特殊教育学校の部の主事について管理職手当一〇%を支給することといたしております。以上の措置を行ないました結果、義務教育費国庫負担金の給与費は、総額では前年度より三百三十三億円増の二千八百九十一億七千五百万円となっております。 二五ページの幼稚園教育について御説明します。 公立の幼稚園につきまして、引き続き計画的に新増設をはかるため、百五十園の新設と百学級の学級増に必要な施設設備費の補助を行なうことといたしておりますほか、新たに私立幼稚園につきましても、施設設備費補助として一億円を計上いたしております。 次は、公立文教施設の整備でございます。 昭和四十二年度は、第二次五カ年計画の第四年目として既定計画に従って整備が進められるわけでございまして、四十五億円増の二百九十五億円を計上いたしております。このうち建築単価及び構造比率につきましては、さきに御説明いたしましたような改善を行なっておりますが、事業量につきましても、小学校屋体及び中学校屋体については二〇%増、統合学校校舎については一〇%増をするなど、平均約八%増の措置を構じております。なお、定時制高校建物のうちには、さきに触れました定時制通信制併置高校三校分が含まれております。 大事項の第三は、大学の整備拡充と高等専門学校の拡充でございます。 まず、国立大学の拡充整備のうち、学生入学定員につきましては、前年度引き続き入学志願者の増加を背景としてかなり大幅な定員増を行ないまして、大学で三千六百五十五人、短大で三百三十人、計三千九百八十五人の増となっております。その具体的な内容といたしましては、北海道大学及び九州大学の歯学部の創設、東京工業大学理工学部及び横浜国立大学経済学部の分離による学部増、山形、茨城、富山の各大学の文理学部の改組、三十一学科の新設、十九学科の改組、大阪大学医療技術短期大学部の創設、夜間短大の一学科の新設等があります。なお、このうち学科の新増設等によりまして増員するもの三千七百四十五人につきましては、四月一日より増募し得るように暫定予算で措置方をお願いいたしたところでございます。 次は、教官、学生当たり積算校費等基準経費の増額でありますが、学生当たり積算校費のうち、大学院博士課程について二五%増、修士課程について一五%増、学部学生について一〇%増、また、教官当たり積算校費につきましては一〇%の増額を行なっております。 次は、付属病院でございますが、公立大学の国立移管に伴いまして岐阜、神戸、山口の各大学に医学部付属病院を新設するほか、北海道大学等五大学の歯学部付属病院の新設、十四診療科の新設などを行なうことといたしております。また、付属病院管理の円滑化及び研究生の指導体制の確立に資するための病院教官百人の増、及び研究生等が実際に診療に従事する場合の診療協力謝金一億円が新たに計上されております。 次に、三一ページの高等専門学校につきましては、工業高等専門学校一校を千葉県木更津に新設するほか、既設校に六学科を増設することといたしておりますが、さらに高等専門学校制度を拡充して商船教育にまで及ぼすこととし、現在の国立商船高等学校、富山、鳥羽、広島、弓削、大島の五校を転換して、その内容を充実いたしまして、外航船舶職員の資質向上を期するため、新たに商船高等専門学校五校を設置することといたしております。 次に、三一ページの国立学校施設の整備でございますが、前年度より七十八億円増の四百九十八億円を計上して、さきに御説明いたしました学生増募その他に対処することといたしております。このうち不動産購入費は、前年度の二十七億円に対しまして約倍額の五十一億円となっております。なお、このほか、国庫債務負担行為限度額として四十三年度分約百八十五億円が認められております。 次は、公立大学及び短期大学の助成でございますが、理科設備の助成を千六百万円、公立大学の研究設備の助成を四百五十万円増額しております。 また、能力開発研究所に対しましては、電子計算機レンタル料の補助を行なうことといたしております。 三二ページの私学の振興について御説明いたします。 まず、私立学校振興会に対する政府出資金は三億円増の十五億円でありますが、このほか、財政投融資資金からの融資が六十五億円増の二百四十五億円、振興会自体の自己調達資金が五十億円見込まれますので、貸付資金総額は三百十億円となり、これによりまして学生の増募に伴う施設の拡充及び既設大学等の施設整備などに遺憾なきを期したいと思っております。 次に、教育研究設備補助等につきましては、私立大挙研究設備及び私立大学理科等教育設備を合わせまして約七億円を増額し、昭和四十二年度から図書購入費の補助を新たに行なうことといたしております。 次は、日本育英会特別貸与私学奨学生でございますが、日本育英会の特別奨学生のうち私立大学に進学する者につきまして、昭和四十二年度入学者から貸与月額を五〇%引き上げ、自宅七千五百円、自宅外一万二千円とし、また、採用予定数を千二百人増の四千六百人といたしております。 大事項の第五は、家庭教育、社会教育の振興と青少年の健全育成でございます。 まず、社会教育指導の充実をはかり、社会教育全般の振興に資するため、各種の社会教育活動に対する指導強化といたしまして、文部省及び都道府県教育委員会から指導者を派遣し、資料を作成、配付する等に必要な経費千六百万円を新規計上いたしました。そのほか、引き続き社会教育主事講習等、社会教育指導者の養成を行なうことといたしております。 次の家庭教育、婦人教育につきましては、家庭教育学級一学級当たりの補助額を従来の一万円から二万円に増額し、学級の充実改善に資することといたしましたのが、そのおもなるものでございます。 次に、三五ページの青少年教育の推進充実であります。まず、青年の家につきましては、国立第六青年の家を兵庫県淡路島に新設するとともに、引き続き既設の国立青年の家の整備充実につとめ、公立青年の家に対する助成を行なうことといたしております。また、引き続き青年学級、勤労青年学校等について補助いたすこととしております。なお、別表のその項の最後のところにございます社会教育関係団体補助につきましては、二千九百万円の増となっておりますが、このうちにはボーイスカウト第十二回世界ジャンボリーに対する補助三千万円が含まれております。 次は社会教育施設、設備でございますが、公民館につきましては十一館増のほか、設備としてビデオコーダーを新規に予算を計上いたしました。また、図書館については、三館の増とブックモービル三台増といたしております。さきに御説明いたしました青年の家関係を合わせまして、約三億六千万円増の十五億円を計上いたしております。 次の三八ページの映画、テレビの健全活用の点でございますが、テレビ番組の改善向上のため新たに教育テレビ放送の実施委託を行なうことといたしまして、五千三百万円を新規計上いたしております。 次は体育、スポーツの普及であります。 まず、青少年体育、スポーツ施設等の整備につきましては、水泳プールを五百四十二カ所から六百カ所に、国民体育館を二十三カ所から二十五カ所にそれぞれ拡充し、新たに国民柔剣道場十カ所を設置するなど、体育施設整備費補助として十一億六千万円を計上いたしております。 また、国立競技場、オリンピック記念青少年総合センターにつきましても、ユニバーシアード東京大会等とも関連して施設整備を進めることとし、さらに、昭和四十二年六月から富山県立山に登山研修所を開設するための予算を計上いたしております。 体力増強施策の推進のうちでは、壮年層体力調査費約二百万円が新規予算であります。 次の青少年スポーツ組織の育成と指導者の養成につきましては、国民体育大会補助として一千万円増の四千五百万円を計上するなど、増額につとめておりますが、その内容はおおむね前年度どおりであります。 また、スポーツの国際交流につきましては、冬季オリンピック大会選手団派遣等、スポーツの国際的な大会に要する経費約四千七百万円を計上いたしました。 次の四三ページの青少年の安全、保健につきましては、児童生徒の交通安全のために研究協議会を開催するなど学校安全の普及充実を推進するほか、さきに御説明いたしましたように、僻地学校における保健対策について重点的に措置しております。 次に、学校給食の普及充実でございますが、八十二億七千万円を計上いたしております。 まず、準要保護児童生徒給食費の補助については、単価の引き上げのほか、従来貧困市町村の設置する三級以上の僻地の学校について認められていた特別措置を、一級及び二級の僻地学校にまで拡大しております。次に、給食の施設設備については、単価の引き上げ、共同調理場の個所数の増、夜間定時制高校の食堂十校分の新規計上などの措置を講じております。また、次の高度へき地学校児童生徒パン・ミルク給食費及び夜間定時制高校夜食費につきましては、それぞれ単価の引き上げが認められております。また、学校栄養職員につきましては、共同調理場、単独校合わせて三百八十人を増員いたしました。さらに、学校給食用物資につきましては、前年度に引き続き脱脂粉乳に対する百グラム当たり四円六十銭の補助、小麦粉に対する百グラム当たり一円の補助を継続することにいたしております。 なお、義務教育諸学校の生乳の使用につきましては、これを百二十六万石に増加することとして、必要な経費を農林省予算に計上いたしております。 四九ページのユニバーシアード東京大会及び札幌オリンピック冬季大会につきましては、大臣から御説明申し上げましたとおりでございます。 第六に、学術研究の推進でございます。 まず、学術行政体制の整備をはかることとしまして、現在文部省にございます学術奨励審議会を学術審議会に改組するほか、財団法人日本学術振興会を特殊法人として、学術研究の進展に対応することといたしました。 次に、科学研究費につきましては、約四億円増の四十一億八千万円を計上いたしましたが、特にがん特別研究費、研究成果刊行費は二〇%増となっております。 次に、重要基礎研究の推進であります。まず、研究所につきましては、新たに新潟大学脳研究所、金沢大学がん研究所、京都大学霊長類研究所の三研究所を新設するほか、既設の研究所の整備充実をはかっております。そのほか、第九次南極地域観測に要する経費約七億八千万円、科学衛生及びロケットによる宇宙空間の観測に要する経費約三十四億円、巨大加速器の基礎研究及び建設準備研究に要する経費五億円を計上して、これらの重要な研究を推進することといたしております。 第七の大事項といたしまして、芸術文化の振興でございます。 今回は、文部省に文化局が設置されてから実質的に最初の予算編成となったわけでございますが、注目すべきものとしては次のとおりでございます。 まず、芸術団体の助成につきまして、前年度より二千二百万円が増額されております。 次に、新人の開発育成として、新たに新人賞を設定し、また芸術家の長期在外研修を行なうなど、新人芸術家の開発育成につとめることといたしました。 次に、地方芸術文化の振興、青少年への芸術普及として、地方文化施設整備費補助六千万円、また、青少年のためにオペラ、新劇などの地方公演に要する経費二千万円をそれぞれ新規計上しております。 次に、昨年十一月開場いたしました国立劇場に対しましては、一般管理費等その運営に要する補助金三億九千万円を計上いたしております。 次に、国立博物館、美術館につきましても、施設整備、陳列品購入の増などを行ない、その充実につとめることといたしておりますが、特に、東京国立近代美術館において在米接収戦時映画のプリントを三カ年計画で行なうこと、京都国立近代美術館が東京の分館から独立することが目立っております。 次は、五四ページの文化財の保護の推進であります。 まず、国宝等の保存修理、防災施設の充実につきましては、引き続きこれらに必要な経費の増額をはかり、三億円増の約十四億七千万円となっておりますが、このうち特に史跡の買い上げに重点を置き、一億五千万円増の約三億円を計上いたしております。 また、平城宮跡については、昭和四十一年度までに相当部分の買い上げをいたしましたが、残余の必要地域を二カ年計画で購入する経費、発掘調査費等が計上されました。 次の無形文化財の保存活用のうちでは、重要無形文化財保存特別助成金五百万円が増額されました。 大事項の第八は、教育、学術、文化の国際交流の推進でございます。 まず、留学生教育の拡充につきましては、前年度と大きく変わるところはございませんが、財団法人日本国際教育協会に対する補助のうちには、関西留学生会館の増築に対する補助等が含まれております。 次の国際学術文化交流の促進については、外国人のための日本語教育の事業として日本語教育の実態調査及び視聴覚教材の作成が新たに認められたほか、諸外国との人物交流の一環として、日米間の文化教育に関する人物交流の促進千五百万円が計上されましたのが目立っております。 次の海外勤務者子女教育につきましては、新たに在外日本人の子女教育施設の教官用図書費、帰国子女教育協力研究指定校等の予算が新たに認められました。 なお、ユネスコ国際協力につきましては、引き続きユネスコ教育科学発展計画への協力のための諸事業等を行なうほか、新たに国内ユネスコ活動普及促進事業委嘱費三百万円が計上されております。 最後に、その他といたしまして、中央教育審議会の充実のための同審議会の専門委員の増員、長期的展望に立った教育計画を検討するための長期教育研究会の設置に要する経費などを計上いたしました。 きわめて事務的でございましたが、以上で補足説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 —————————————
○床次委員長 この際、質疑の通告がありますので、順次これを許します。唐橋東君。
○唐橋委員 今回提出された文教予算を中心として、文教政策中重要と思われる数点をあげて質問いたします。 第一点は、総理府統計局より出されております「わが国の人口」という冊子に指摘されておるように、現在の日本では人口の地域分布と構造の急激な変化が起こっておりますが、これは近年の高度経済成長政策の結果である、こう思うわけでございまして、それに対して、「自民党都市政策調査会・第一回総会会長あいさつ」という冊子には、具体的にこのように指摘されております。「都市への過度集中は、あと二十年のうちに、わが国総人口の七五%が、太平洋沿岸ベルト地帯に集中してしまうことを明らかに示している。事態がこのまま推移すれば、国民経済そのものが、根底から揺さぶられることになるのは避けられない。」このようにして人口問題の非常に重要なことを指摘しておりますが、このような状態の中で、大臣が先回の委員会において、長期的な見通しの中で文教政策を考えていきたい、こういうような趣旨を表明されておりますが、このような人口移動に伴う場合に、それと同時に、また経済機構というものが大きく動いてくる場合に、今後の文教政策の基本方針として、このような状態にどのように対処していくかということをまず一点お伺いするわけでございますが、それには、第一点として集中地帯の問題が出てくるわけでございます。と同時に、反面、今度は非常に急激に人口が減ってくる、こういう両極端の現象が出てくるわけでございます。それらの問題の中で二、三質問いたしたいと思うのでございますが、第一点の基本的なかまえについて、まずお伺いしたいと思います。
○剱木国務大臣 お説のとおり、日本の人口の状況は、次第に都市周辺に集中化してまいる傾向にあると思います。まこで、文教政策として考えなければなりませんのは、まず、大学を入れました学校の新設等、配置計画におきまして、できるだけそういう都市周辺へ集中する傾向を是正すると申しますか、これをとめるような形において考えていかなければならぬではないか。特に大学等の設置は、都市周辺に集中されまして、それが人口の集中を助長するという傾向をできるだけ避けていきたいということが一つと、それから地理的に人口が特になくなってまいります。希薄になっていく地区におきまする地理的状況にあります周辺の地区におきましての教育の充実をはかっていく、できるだけ人口の都市集中の趨勢を避けていくということが必要ではないかと考えております。
○唐橋委員 過密のほうの問題の一つとして、現在行なわれておる状態を見てみますと、大規模の公団住宅、こういう場合には文教施設も一応計画されておるのでございますが、地方に行ってみますと、やはり県営、あるいはまた市町村営、あるいはそれに続いておる地域の民間の分譲地、こういう都市周辺におけるような問題が非常に多く出ておるわけでございます。それらの自然増加の結果に対して、文教の場合、学校の配置網というような点に対して非常におろそかになっている。都市計画を見てみますと、緑地帯というものは初めから計画されておりますが、その都市計画の中にそれならばここに学校敷地を予定しておる、こういう点が非常におろそかにされておるために、もう住宅がよけいになってくる、学校が必要だ、したがって地域の人の要望によって初めてその辺に学校を建てるかというときには、土地が、あるいは交通事情が、あるいはあたりの環境が非常に教育的でなくなってくる。このようなことで非常に文教政策としては後手後手に回っている、こう思うのでございますが、これらの点については、やはり都市計画の立場の中に文教の立場においてどのように取り入れ、どのように対処されていくかという点について、ひとつお伺いしたい。
○剱木国務大臣 まあ都市集中の傾向が非常に急激でございますので、学校施策としましては、できるだけ、前に申しましたように、学校によって都市集中の傾向が行なわれないように考えなければなりませんけれども、現実の姿におきまして人口が都市周辺に集中いたしまして、いわゆる社会増と申しますか、非常な勢いで周辺に人口が集まり、その結果教育施設が非常に急激に不足してきておる、これが現状だと思います。そこで、この社会増の義務教育学校につきまして、たとえば団地等ができました場合に、昭和四十二年度だけで約四十三万平米くらいの教室が不足するという計算になっておりまして、急激に校舎の建設ということが必要でございますので、都市周辺につきましては優先的にその建築費の補助を行なっていきたいというので、四十二年度の予算にはこれを計上いたしておるのでございますが、問題は、やはり一番問題になります点はその土地の入手の問題だと思います。この点につきましては非常に地方からの要望もございますし、これは補助対象としては一応考えられませんけれども、起債の対象にはしなければならぬと思います。現在の状況では、ほとんどそういう場合におきまして縁故債によって地方自治体がこれを購入しておるようでございますが、何とかして起債のほうでこれを補っていきたいというので、この四十二年度の予算におきましてもいろいろ折衝したのでございますが、はなはだ不十分でございますけれども、十億のワクだけは、その土地の購入費の起債のワクとしてきめてもらうということだけは、ことしから初めて認めてもらったわけでございます。しかし、これも非常に少ないのでありまして、将来はこれも相当増額していかなければならぬと思っております。
○唐橋委員 大体努力の方向はわかるのでございますが、実際問題として都市計画を立てて、やはり土地をどのように持っていくかという、当初からここは文教施設の予定地だという、あのちょうど公園方式のように初めからとれないのか。初めからそういう施設をとっていくということが、当然これは都市計画という、あの地域の中においては、もうこれは住宅ができるんだとか、商店ができるんだとか予想された土地でありますので、都市計画との関連はどのようになっているかということを、もう一度明白にお聞きしたいと思います。
○剱木国務大臣 都市計画の中におきまして、たとえば団地造成の場合でございますが、住宅公団が建設する千戸以上の団地というような場合におきましては、これは住宅公団と話し合いをいたしまして、同時に学校敷地及び設備につきましてもその計画の中に入れてもらいます。住宅公団においてその団地の建設と同時に学校施設もやってもらいまして、そのあとでこれを年賦で市町村のほうで買い上げるというような方法をとっておるのでございます。ただ、細部に関しまして、住宅公団その他のものの敷地につきましては、仰せのとおり、非常に計画的にいってない点がたくさんあるということは認めないわけにはいきません。これに対しましては、やはりある程度の団地がかたまってできます場合におきましては、その学校敷地等についても計画で考えてもらうように、今後計画当局と話し合いを進めてまいりたいと思っております。
○唐橋委員 多少具体的になりますが、学校建築の場合に、いまの急増していく地域の場合にはどうしても建築があと回しになる。ことし生徒児童が入ってみると、教室が足りない。それをことしの予算でとって、できたころには二年生になってしまう。だから、これはやはり、教室の建て過ぎということはないと思います。したがって、多少余裕を見た線において、算定の上において、教室を来年度の入学に備えてことし建てていく。こういうことは、法的には多少趣旨が出ておりますが、実際には行なわれていないじゃないか。行なわれていないのは、文部省の一つの心がまえと地方自治体の関連、これを密接にしていくということが不十分だからだ。いまのような趣旨で来年度の教室不足を解消していきたいという法的なものがあったとしても、現実にはできていないというこの実情、それらに対してはどのようにお考えになり、どのように処しておられるかをひとつお伺いしたい。
○宮地政府委員 ただいまの御質問でございますが、先生も御承知のように、一般の場合の学校の建物につきましては毎年、これは法律、政令の定めるところでございますが、五月一日現在の調査でその年度に必要となってくる建物、それからその現在で保有しておる建物を引きまして差額を要求して建てていく、こういうたてまえをとっておりますが、おっしゃいますような社会増地域、今後来年、再来年、次々にふえていく、それをその年度でやっておったのでは一年間、二年間窮屈な思いをする、そういう場合には、これは義務教育学校の施設費国庫負担法、それに基づきます政令で、一応三百戸以上の集団住宅ができます場合は前向きに、五月一日現在で普通やるところを、来年一年間にどれだけの生徒がふえてくるか、場合によりましては一年半先を見越しましてその前の年に準備をする、こういうふうになっております。ただ、地方で三百戸以上の集団的な住宅ということは、ちょっとその政令で書かれておることにぴったり当てはまらない。集団で三百戸ではなくて、その町なら町で相当数ふえてくる、こういったようなものに対して手抜かりではないかといったような要望もございますので、これは政令の規定の趣旨をふえんいたしまして、そういうものにつきましては二割ぐらいの生徒増を見込んで前年度に建築をする、こういったようなことをいたしておるわけでございます。 御指摘のように、そういうふうに規定もあり、やっておるといっても、現実にはあまり行なわれていないじゃないかということでございますが、いろいろな事情もございまして、そういう先生の御指摘の例が絶無であるとは言いかねます。そういう例も間々あるようでございますけれども、私どものほうといたしましては、大体そういった考え方で年々改善されていっておるというふうに考えております。
○唐橋委員 文部省としてのこれに対処する方針というのは了解できるのです。しかし、いま申し上げましたように、もう実際は簡易建築なりすし詰めの学級が生じておる。その簡易建築をやれば、それだけ資材も時間も現実には損をしているわけです。だから、そういうものをいまの趣旨で徹底させていくことが非常に足りない。もちろんこれは地方財政の問題とも関連しますけれども、やはりそれだけの増減地帯ですから、先ほど大臣から答弁があったように、増減地帯は増減地帯として、やはり基本的な方針の中に市町村あるいはそういう財政との結びつきを密接にして、そして見てやるのだ、こういうようなかまえをはっきりと出してくれば、市町村その他該当のほうは飛びついてくると思うのです。要は、ただこういう方針であるから、もうできるだけ申し出ればやる、こんな消極的なかまえがいまのような現状を招来しているとしか思えないのでございますが、やはりもう少し積極的なかまえの中にこの問題が解消できないかどうか。やる方針が今後の措置としてできるか、やるかという点について、もう少し明白にお伺いしたい。
○宮地政府委員 御指摘のように、地方公共団体におきましては、たとえば一学級ぐらいの学生増であれば、極端に申しまして一応プレハブの校舎をつくっておく。一学級か二学級ぐらいで、その程度の教室を鉄筋なり木造なりでやるということは非常に不経済でもありますし、まあある程度のまとまった人数になるためには、一、二年簡易住宅のような校舎を建てるというところが現実にあるようでございます。しかしながら、私どものほうといたしましては、ある程度数学級にまとまるまでプレハブをしておけといったような指導をしておるわけでは毛頭ございませんで、そういうものでも、地方の財政が許し、また教育上プレハブよりも校舎を本建築いたしたいというところがあれば、それに即応して予算で補助金は出しておるわけでございます。ただ、御指摘のようなところが一、二ございますのは事実でございます。私どもとしては、それが必ずしも私どもの趣旨とするところじゃございません。でございますから、今後課長会議をいたします際とかといった適当な機会には、そういったことでなく、財政の許す限り、子供の教育という見地から、本建築を推進していくようにという指導はいたしたいと思っております。
○唐橋委員 人口の増加するほうについては以上で打ち切って、特に問題が多く出てくるのは激減地の問題だと思います。 先ほど申しましたように、過密はこの反面非常な過疎の地帯を生ずる。太平洋ベルト地帯だけが七五%、他はもう二五%の人口が予想されるというような実態の中では、実はその過疎の地帯にいろいろな問題点が出てくると思います。現在、僻地指定という基準がございます。しかし、この基準は、やはりそのような今後の見通しの中で、あるいは現実にいろいろな矛盾が出てきておると思います。したがって、第一にお伺いすることは、いま持っておるような僻地指定の基準を根本的に検討するかまえはないのか、こういうことをお伺いするわけでございますが、御承知のようにいまの指定は、郵便局の問題とか、あるいはバスが通るかとか、医者がおるかとか、こういうことでございます。バスが通ったり保健所ができてくる、こういうようなことは常識でございまして、あたりまえでございまして、無医村の解消ということは大きくやらなければならない問題です。医者が来たから僻地でなくなった、こういうことが現在の指定ではできてくるわけでございます。僻地というのは、申し上げるまでもなく、やはり一つは比較対照の中から出てくるのではないか。他方がうんとよくなった、他方がよくならない、そうするならば、その格差の問題として僻地は大きく考えてもいかれるので、こういう場合にいま遭遇しているときに、現在の農山村の窮乏と人口の減少の中から、小規模の学校が非常に大きく出てきております。ですから、この小規模の学校というものは、いまの指定からいえば僻地には該当しないが、実質上は、もうこれは僻地的な学校という実質が出てきております。したがって、いま申しましたように、根本的に僻地指定の基準の改定の意思ありやいなやをお伺いしたいと思うのでございます。
○剱木国務大臣 御承知のとおりに、いまの僻地の基準をきめましたのは昭和三十四年でございまして、もう相当の時日を経過いたしております。その間におきまして、いま申されたとおりに人口なりいろいろな状況の変化がございまして、昔のままの僻地の基準では非常に不合理な点があらわれてまいっております。そこで、昭和四十二年度の予算におきましては、この僻地の基準改定をいたしたいと存じまして、その調査費を予算に計上いたしておりまして、本年度中にぜひひとつ改定に向かいまして努力をしたいと思っております。
○唐橋委員 大臣の前向きの答弁で、私ら僻地におるものにとっても非常にうれしいのでございますが、その際一つ注文的になりますがつけ加えておきたいのは、国の僻地の指定の基準のほかに、多少その地域地域で画一的にできないというような中から、補正されている都道府県指定の僻地というものを持っているところが非常にあると思います。したがって、この僻地指定は文部省が中心になってやるとしても、やはり現場の個々の条件を入れなければならないと思いますので、そういう際には、僻地の担当ということで、大きな地域の中から広く意見を求めた中でこの改定に着手していただきたい、こういう意見を加えたのに対してお答えを願いたい。
○剱木国務大臣 現在、三十四年に僻地の基準を設けましてから、府県によりましては、大体文部省で指定いたしました基準に基づいて条例で僻地を定めておると存じますが、三十四年以前に僻地として府県だけで指定したところがございます。現在残っておりますのは暫定一級というので、ちょうど僻地であるかどうかという境目のところが残っておると存じますが、これらのものも加えまして、また実際基準をきめますときには、府県の実情等を十分調査いたしまして改定をしたいと存じます。
○唐橋委員 僻地指定の問題はこれくらいにいたしまして、現在、やはり人口過疎になってまいりまして児童数が減るということで、中心の議題の問題が学校統合に移ってきていると思います。 この学校統合問題は、御承知のように、前の六・三制創設のときに、市町村長が最大の難事業であったといわれたのが、今度も市町村長は学校統合が難事業の一つになってきておるわけでございますが、この学校統合の場合に私が非常に残念に思うのは、適正規模の学校ということで、距離を中心にして人員とあわせた指示をしておるわけでございますが、その距離感というものがもう空文化されてしまって、児童生徒の数だけでもって、そして一学級を何人にする、何学級にする、こういうことのためにいろいろなむずかしい、いま申しましたような問題が生じておるわけでございます。やはり距離を、あの基準を越えてやる場合には文部大臣が一応その許可をするんだというような趣旨になっていると思うのですが、距離が空文化されてきておるということに対して、非常に残念に思っておるのでございます。それに対するお考えと、さらにもう一つは、財政的な理由からだと思いますが、教育の前に財政があるという結論になると思うのですが、やはり統合する場合に新しい校舎は建っていない。今度は統合ということが出てきた、だからいままであった学校が分校ということで校長もいなくなる、現実に新しい学校が建つのは二年後、三年後、だからいまいる生徒は校長の顔を見るのも年に二、三回、そして学校も昔のままであって、ただ校舎の名前だけ変わる。お互いの地域の学校の環境、気風なりが違っておるにかかわらず、単に名前だけが変わっておる。こういうことは、やはり教育を優先さして、実際新しい統合中学校ができたときに初めて何々統合中学校の名前をつけて、名実ともに生徒が入って初めて看板をさげる、その間はやはり現状維持を許しておく、そして責任を持たせ、分校というようなことにしないで、校長も置いてやっていくというのが教育的なやり方だと思うのです。財政的な理由からだと思いますが、そういう理由が優先して、教育のほうを非常におろそかにしておる。教育的な悪弊が出ておる。こういう点を非常に軽く見ておるんじゃないかと思うのですが、それに対してお伺いしたいのでございます。
○剱木国務大臣 学校統合の問題は、教育的見地から申しまして、小規模学校で学校運営その他教育上も非常に問題がございますし、また特に町村合併が行なわれまして、こういう意味からも、学校統合を文部省としてはむしろ積極的に奨励をしてまいったのでございます。昭和三十一年からこれを実施してまいりました。ところが、学校統合については、位置の決定の問題とか、従来の各学校に通学いたしております生徒の通学の問題等、地域的な問題がございまして、統合につきましていろいろ地方的なトラブルが起こった例が相当あると思います。文部省としましては、学校統合を奨励いたします意味から申しまして、新しい地域に新しい校舎を建てる場合には、統合校舎として優先的な補助を与える。また、いま申されましたように、まず学校を建てて、しかる後に古い校舎のものをやめて移転させるというようなことを考えまして、あらかじめ実は校舎に補助を与えるというような方法をとってまいったのでございますが、しかし、補助を与えることを決定いたしまして建築にかかりましたあとで、またやはりいろいろなもめごとが起こったりしまして、ついに校舎が建たないというような実例もあったわけでございます。そこで、現在におきましては、明確に学校統合をやるということを条例で決定いたしまして、方針が決定いたしましたときに補助を計上する。しかして初年度に全部を建てるわけにはまいりませんけれども、相当の校舎の分だけは、初年度である程度建てるような方法で取り進めておるわけでございます。 それから、学校統合によりまして距離の問題があるかと存じますが、特にそういうような問題を解決する意味におきましては、スクールバスでございますとか、あるいはなお遠隔のものにつきましては寄宿舎の施設とか、そういうものにつきましても考慮いたしまして、補助の対象にいたしておるわけであります。
○唐橋委員 あなたたちは法律の専門家なんですから、やはり財政的な措置、あるいはいまのような地域の問題等で新しい統合中学校の建築やら設置というものは、当然その中に出てくると思うのです。そうすれば、専門家の立場から、二年や三年の間、移行措置として、暫定措置としてやはり校舎をそのまま認め、校長も置いてやっていけないのか、こういう趣旨を私は申し上げたいのでございます。やはり教育を先に考えていくというときには、いわば分校になった生徒の現状は、大臣は忙しいからそういう現地までなかなか及ばないと思うのですが、いままでは独立の校長が非常に責任を持ってやっていた。今度は分校主任だ。校長のほうはわからないんだ。非常にものさびしい中における教育の弊害というようなものが実際は起こっているわけなんです。そうすれば、どうしても暫定措置として、いまのような、法的には認めておる、しかし移行期間だけはこういうようだという、それができないものだろうかというのが私のお聞きする趣旨なんです。
○齋藤(正)政府委員 学校統合に伴う経過的な問題につきましては義務教育の標準法では、「小学校又は中学校の統合に伴い必要となった校舎の建築が完成しないため、統合前の学校の校舎で授業を行なっている場合には、統合に伴い必要となった校舎の建築が完成するまでは、なお統合前の学校の校舎ごとに学級編制を行なうことができる。」、要するに、学級を単位にいたします生徒の数につきましては、政令でこういう措置をとっておるわけであります。
○唐橋委員 ですから、なお中学校の生徒あたりの向上していこうとする気がまえ、あのときの生徒の心理にマッチしないものが出てくる。学校はそのままだ。ともかくその地域におけるいままでの独立の学校があったものが、急に自分の学校でなくなったんだということをやはり心理的に考えても、二年、三年だからがまんしなさいという形でなくて、実はその二年、三年の間は、やはりこのように暫定的に独立校として認めているんだということが、どうしてできないのかということをすべての学校統合に及ぼしていただくようになっております。
○川村委員 町村合併をやった場合に、いまお話しのように三年でしたね、経過的にもとの学校あるいは学校数によって測定単位を持ってくる。統合する場合には、これはいまでも暫定的に認めておるというわけですね。そうであれば、やはりこれは文部省なり自治省あたりから——自治省のことが気になるか知らぬが、文部省あたりもやはり責任を持って、それならそれのように明確な通達を出していただかないと、そういう問題があちこちで起こっている。その辺のところを明らかにして、市町村が財政上、統合するとこんなに交付税が減ってくるぞというようなことで足踏みするようなことは、やはり一面避けていかなければならぬと思います。その点をもう一つ。
○齋藤(正)政府委員 先ほどお答え申しましたように、従来は町村合併という前提があったのを、四十二年度から、自治省にお願いいたしましてそういう前提ははずして、学校統合について三年間の特別補助をしていただくということで大体話ができておりまして、金額についてはこれからきめていただく、こういう段階になっておりますから、はっきりいたしましたら、御指摘のように地方によく指導いたしたいと存じます。
○川村委員 そこで、その方針を四十二年度から続けられるということなら、なおあら明らかにしておいていただきたいということが一つ。それと、それでもやはり前に、町村合併があったときにもそのことが事実あるのですが、もとの幾つかの学校があったときに算定された交付税の配分の積算費用、積算された配分の費用というものと合併後の費用というものは差がある。そういう点は、文部省としてもよく自治省に相談をして、そういうことが起こらないようにぜひひとつ気をつけていただきたい。
○齋藤(正)政府委員 全額につきましては、方針だけは大体先ほどお答え申しましたように、四十二年度から条件をなくすということにいたしまして、金額はこれから折衝いたしたいと思います。
○唐橋委員 続いて質問申し上げますが、いまほど大臣が遠距離の場合のスクールバスや寄宿舎の問題を出されました。統合しますと当然その問題が出てくるわけでございますが、そのスクールバスの問題でお伺いすることは、国からも補助がいく、遠距離の費用としていっておる。その場合に、市町村の受け入れ体制に対してどのように指示されているかということをお伺いするわけでございます。と申しますのは、統合が非常に困難なのでスクールバスを出してあげます。こういうように当事者が説明をする。しかし、今度市町村の財政が非常に困難なために、当初はいいのですが、二年後、三年後にこれがなくなってしまったり、あるいはまた、多少きちんとしている市町村では条例化されておる、条例化してその補助を出しておるけれども、その条例も、現実としてはバス料金の値上げに即応していない。こういう場合に、文部省の指導としては必ず条例化する、そして通学バスの料金の補助を出すようにしろ、こんなような指導をしておるのか、それともまた、そのまま市町村の自主的なものにまかせてあるのか。自主的なものにまかせた場合には、何か市町村長の選挙のための公約であったり、それがなくなってしまうと財政を理由になくしたり、このような現状が各地でばらばらになっておるわけでございますので、それに対して一貫した指導方針があればお伺いし、どういうように対処しているかをお伺いするわけでございます。
○齋藤(正)政府委員 通学のためのバスあるいはボートとか、あるいは通学費の補助につきましてどうしろというような指導はいたしておりません。ただ、私どもといたしましては、そういう施設をしようとする市町村に対しまして購入の補助金を支給するということと、それから新たにそういうものの維持運営のために、地方財政で措置していただくということを実現するようにしておるわけでございまして、そのことは府県に徹底いたしますれば、真に必要なものはそれぞれ実施するようになるだろう、かように考えるわけでござい ます。
○唐橋委員 ちょっと私の質問がことば足らなかったと思うのですが、実際市町村においては、ちゃんと条例化して補助をしておるところがございます。私はやはりそうすべきだと思うのですが、そういうような、そのときそのときの市町村の政治的なもので動いてはいかぬ、こういう趣旨からなんですが、条例化の指導についてはどうしておるかということ。そしてもう一つは、条例化されていくということになってくれば、やはり交付税の問題が出てくると思うのですが、そういう場合に、交付税等においては、現在のような二割自治、三割自治といわれる財政措置の中においては自治省の関係ではあろうが、文部省としては、算定基準等も当然これは組み入れるべきだ、こんなような方向が出てこなければならないと思うのですが、それについてはどのように考えておりますか。
○齋藤(正)政府委員 条例ではっきりそういうものを設けるべきかどうかにつきましては、なお私ども、府県の実態を見ながら適切な措置をとってまいりたいと思います。先ほど申しましたのは、単に購入費だけでなくて、それを維持運営いたします経費につきましても特別交付税で見ていただくということの話ができておりますので、そのことを申し上げたのでございます。
○唐橋委員 そうすると、こういうことになっているのですか。スクールバスやボート、ジープ等の購入についての補助はわかるのです。私が取り上げているのは、毎日のバス料金の補助なのです。バス料金の補助が、いま市町村においては、いま申しましたように非常に政策的に取り上げられている。その補助を出す場合に、市町村が単に補助を出せませんから、条例化して出しているという。通学費の、毎日のバス料金の補助の問題です。
○齋藤(正)政府委員 申し落としましたが、公営でスクールバス、ボート等を運営する場合の維持費につきましても財源措置を、それから通学費につきまして、バス会社等との運行委託契約によるものというものにつきましても、通学費の補助につきまして特別交付税で財源措置をしていただくということになっております。
○唐橋委員 その次には寄宿舎の問題でございますけれども、寄宿舎の設置等については、いまのような予算の中にございますのでその点の質問は省略いたしますが、問題は、寄宿舎が単に冬季間の宿泊所だ、こんなような軽い考え方の中にあるのではないかということを私は言わざるを得ないのでございます。といいますのは、やはり寄宿舎は学校の生徒を預かっておる教育的な施設ですから、そうして見ますとそれに対する設置の基準、それからやはり運営の基礎的な指導方針、こういうものが明白化されていないのではないか、こういうことなのです。 一つの例をあげてみますと、舎監の問題等が出てきますが、学校できょうはしかられた先生だ、今度寄宿舎に帰ってみると、またそのしかられた先生の顔を見て暮らさなければならぬ。ですから、寄宿舎というものは、学校と比べてみればいこいの場であり、そういう場所にならなければならない。あるいは寝具その他食事、そういうものについて、成長期の児童生徒ですから、一応の基準というものも明確にしなければならない。先ほど申しましたような点については、舎監はその学校の先生をやっていてもいいのでしょうが、小さい生徒には保母とかあるいは児童指導員というようなものの設置が当然である、こんなように思うのでございますが、寄宿舎の設置、それから運営の方針というものはどのように指導されているか、こういうことでございます。
○齋藤(正)政府委員 御指摘の寄宿舎の通年制にいたしましても、季節制にいたしましても、いまだその運営の基準というものを明文の形で示したことはございません。ただ、建物のほうで予算の大きさの規模だけでありますとか、あるいは初中局では居住費の補助金をいたします場合にどの程度のものを見込むか、あるいはまた、寄宿舎の維持運営費につきましても地方財政のほうで、これも特別交付税で見ていただくということになっておりますので、これは一市当たり幾ら、あるいは入舎児童数の生徒一人当たり幾らというようなきめ方で、維持運営費につきましても財源手当てをしていただいているような実情でございまして、お示しのいかなる人員を要し、いかなる運営をすべきかという基準をいま持っていないわけであります。
○唐橋委員 ちょっと聞き取れなかったのですが、あとほど質問しようと思った寄宿舎の維持管理費ですね、それに対する財政的な算定基礎はどうだということをお伺いしようと思ったのですが、答弁があったようです。しかし、結論は何だかはっきりしないで、いま計上されているのか今後計上する必要があるのか、どちらなのか、その点を明白にお伺いしたいと思います。
○齋藤(正)政府委員 寄宿舎の維持運営費につきましては、特別交付税で、先ほど申しましたように一市当たり幾ら、それから児童生徒一人当たり幾らというような数字をかみ合わせて手当てをしてもらっております。
○唐橋委員 相当数の寄宿舎が出てきておるし、相当大規模な寄宿舎も現実に出ておると思うのですが、それに対する設置の基準あるいは運営の方針、そういうものについてはまだできていないと、こういうことでございますが、私から申しますならばやはり非常に必要だ、そうして、それは市町村自体等にまかせないで、教育的な見地から大綱だけを示し、それを市町村の教育委員会が消化した中で取り扱っていく、こういう必要性が考えられるのでございますが、そうとするならば、ひとつ速急にそういうものに手をつけていく方針があるのか、それともまた、一応まかせておけば自然に寄宿舎は成り立っていく、こういう考え方なのか、どちらなのか、ひとつ明白にしていただきたい。
○齋藤(正)政府委員 現在まで検討を手がけておりませんが、よく研究してみたいと思っております。
○唐橋委員 以上のような点を小規模学校統合という問題にからんで御質問申し上げたのでありますが、これらを総括して、このような点が今後非常に必要になるんじゃないかということで、これは大臣に特に答弁願いたいのです。 人口が疎薄になってくると児童数も減ってくる。いまの文部省の基準やその他はすべて生徒数本位なんです。しかし、生徒数本位であるから地域の通学距離というものは非常に犠牲にされてくる。そうとするならば、やはりある程度の学区という地域、そういうものを今度は一つの条件として入れなければならない時期に来たのではないか。そうすれば、いまの人員だけならば一年から六年までの学年を一人の先生が持つというのがいまの基本方針なんですが、一応常識的に考えれば、一年、二年で一人、三年、四年で一人、五年、六年で一人、多少その中の人員は違っても、小学校の場合は小規模学校でも三人の先生はやはり必要なんだ。こういうような地域と学校の規模の中から、小規模学校の最低単位、そういう明確な規定さえできてくれば、いまのような統合問題等も非常に無理な統合でなくて、そしてやはりそれは人口疎薄な地域における安定感というものが出てくると思うのでございますが、こういう考え方は、いままで文部省の中には入っていなかったのではないか。今後このような人口の移動や農村の人口減、山村の人口減等においては、いまのように単なる複式、複々式で一年から六年まで一人の先生が持つ、たとえそれが十五人であったとしても、一年から六年までの生徒を一人の先生が持つ——国語一科目ならばできると思う、あるいは数学一科目ならばいいでしょうが、体育もあり、あるいは美術もあるというときには、これは神さまだってできないということは、専門家の文部省の方々がおわかりだ。そうとするならば、やはり、地域の中で小規模の単位とは何ぞや、こういうことで、繰り返すようですが、少なくともその中の生徒児童数の移動は多少差はあったとしても、最低の基準だけは設けて、それだけは確保してやるという底辺をひとつつくるべきじゃないか、こういうことを私は平素考えておるのでございますが、これに対してはどうお考えになっておりますか。
○剱木国務大臣 こまかいことは、間違いがございましたら事務当局から補充していただきますが、仰せのとおりに、生徒数を単位にいたしましていろんな問題を考えますのは、生徒児童の減少につきましては非常な困った問題が起こります。でございますから、たとえば教材とか、そういったようなものにつきましては、小規模学校におきまする生徒の減少を見まして、いままで一人当たり幾らというのを改めまして、一学級当たり幾らという考え方に変えてまいっております。 それからなお、小規模学校につきましては、教員の数につきましては小規模学校の最低数といのをきめまして、それ以下にはならないように処置をいたしておるのでございます。 なお、その他の問題について、特に僻地の教育につきましては、いろいろな面からできるだけの配慮をこまかいところまでしていくという方針をとってやっております。
○齋藤(正)政府委員 定数の問題につきましては、実は昨年改正をいたしまして、四、五学年複式と単級には一人プラスということでございまして、単級を一人で教えるということがないような定数改定を昨年の政令でいたしました。
○唐橋委員 そういう点は、当然六年まで一人で教えることはできないというふうな観点から、補正の形で出てきたと思うのです。それで、いま申し上げましたように、生徒数から割り出した学級数と教師の数、こういうのが現在の編制の基本になっていると思うのです。 しかし、今度やはり、くどいようですが、人口が山村において非常に減ってくるという場合には、いまのような考え方を全然否定するわけではないけれども、やはり地域的にこれだけの広さ、たとえば八キロ四方、あるいは通学距離が東西南北十二キロというふうな場合には、一つの学区の中で多少移動はあったとしても、これは一つの学区として認める、このような地域性というものを条件の中に考えてやらないと、いまのようにいろいろ統合上の矛盾、まあ、寄宿舎の問題とか、そういうようないろいろな困難等があるので、この際、やはり文部省あたりのほんとうの考え方としては、地域性を考えた最低学校規模はここなんだという考え方を新しく設置する必要があるということを私は強調したいのでございますが、もう一度、現状の説明だけであったようですから、お伺いしたいと思います。
○齋藤(正)政府委員 学校統合を考えます場合に、中学校と小学校とはかなり違った要素——同じ寄宿舎を設けるにいたしましても、政策としてどこまで引っぱっていくかということについての差があると思います。これはただ、いままでいわゆる僻地といわれている地域だけでなくて、先ほど御説明のありましたように、人口が減少していくというところも相当あって大きな問題でございますので、学校の統合あるいは僻地、これらの問題を全部かみ合わせてよく検討してまいりたいと存じます。
○唐橋委員 今度は質問の事項を変えまして、事務職員、司書、給食従事者の配置並びに身分についてお伺いしたいと思うのです。 第一は、文部省が直接管理されている国立の学校に、いま申し上げましたような事務職員、司書、給食従事者の配当の基準が、常設のものはやはりあると思います。その基準と、今度はあなたたちが指導監督というか、直接管理ではない高等学校あるいは義務教育のほうを見ますと、何か国の所管のほうの配当は非常によくて、そして高等学校、さらに義務教育にいくに従ってこれらに対する配置の率が薄くなっているというような感じがするのでございますが、実際の資料等がもしあって、それは間違いだというようにおっしゃるならば、その資料を出していただきたいのでございますが、まず国立大学と都道府県高等学校の事務職員、司書、給食従事者等の配置基準に、同一か、それともまた多少の差をつけているのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○齋藤(正)政府委員 司書教諭とそれから御指摘の事務職員、給食従事者の問題は少し性質が違っておると思うのでございますが、司書教諭につきましては、国公立とも別に司書教諭のための定員という措置はしておらないのでございます。それから事務職員あるいは学校給食の従事員の問題につきまして、国立学校におきましても基準という定めをしておりません。と申しますのは、国立の小中学校は、これは大学の付属でございますので、大学の事務局系の職員のワク内で個々の大学の立地条件等を考慮して行なわれておりますので、この国立の小中学校を通ずる基準というもの、配当基準というものは設けておらない実情でございます。 それから給食のほうの給食職員の定数につきましては、文部省が公立小中学校の場合に指導基準として示した基準によっているというふうになっております。
○唐橋委員 司書についてはあとでお伺いします。 いまおっしゃったように、配当等の問題もありますが、小学校の標準施設の規模を見てみますと、児童数が八百四十六人の学級数十八の場合には、養護教諭一人、事務職員一人、用務員二人、給食従事者が常勤三人の非常勤一人、これが一応標準の規模であるというように積算単価の中に、ことしは多少変更になったのですが、四十一年度の資料を見てみますと出ています。中学校の場合には、生徒数が七百五人の場合に学級数が十五、養護教諭一人、事務職員一人、用務員二人、給食従事員常勤一人の非常勤が〇・五人、こういうことなんですが、実際現場は御承知だと思うのですが、小規模になってくると事務職員はいなくなる。それから、今度事務職員が置かれる高等学校の場合だと、同じ人員等でも、事務職員はいまのような配当基準の中においても補助員を今度置いてくる、こういうことで、どうしても何か、事務量というようなものの算定やその他は別としても、義務教育のほうの事務職員、そういうものの数は非常に少なくて、高等学校、大学になってくると今度多くなる、こういうようなことが現実としては言えるだろうと思うのです。 ですから、やはり文部省あたりの指導としては、一応いまのような基準の中から、小の場合は、中の場合は、高等学校の場合はこれだけ必要だという必要性の中から算出されたものでなくて、いままで慣例の中からやはり出てきたというような点もあると思うのですが、この標準の施設規模という中における一つの養護教諭、事務職員あるいは用務員の必要性というものについて、ひとつ御説明をお聞きしたい。
○齋藤(正)政府委員 事務職員につきましては、御承知のように、県費負担職員たる事務職員と、それから交付税上の措置をしておる事務補助職員というものがございます。 この県費負担で半額を国庫負担で持っております事務職員等あるいはこれに準ずる者の拡充につきましては、御承知のように現在五カ年計画の進行中でございまして、四十三年で一応完結いたしますから、当面この五カ年計画を遂行していくということが私たちの課題になっております。 それから交付税上の措置でございますが、実は事務補助職員の交付税上の措置は、四十一年度で申しますならば十二万六千余ということになっておりまして、実態が十万八千でございますから、全国をプールしてみますと、人数としての財源措置はあるわけでございます。しかし、個々の学校なり府県の実情というのは出たり入ったりということでございますので、あるいは財源措置が十分でないという府県もあるかと思いますが、全体を通じますと、四十一年度の措置というものは、実員とその積算上の数は、むしろ実員が少ないというような実情になっております。 これらの問題につきましては、学校の管理全体というものを将来どういうふうに持っていくかということ、それから一つは、学校自体でどこまで事務をやって、行政機関がどこまで事務をやるべきかという将来の仕分けの問題等も考えて、今後検討してまいりたいと思います。
○唐橋委員 先ほど申しましたように、私が文部省の立場で——これは資料がひとつほしいのですが、たとえば、比較して見ると一番明白だと思うのですが、どこかの高専校の生徒数、それに対する教諭の数、それから事務職員、それと同じ生徒数の高等学校、こういうような場合に、実際いる用務員なり事務職員の数というものは、今度はやはり国立のほうが多くて公立の高等学校のほうが少ない。これは財源的にいろいろ問題があると思いますが、私から言わせるならば、やはり自分の所管のほうは財源があって、そして都道府県立のほうは、財源が少ないからやはり少ないのはしかたがないのだ、こういうことが長い間に行なわれてきているのではないか。文部省としては、自分の所管の国立であろうと——もっとも高等学校の全国的な大きな規模を指導している立場からいえば、自分の所管と同じだけ、むしろそれ以上にやはり考えていかなければならないのではないか。こういう一つの大きな差ができていると思うのですが、そういう点については、私も早急だったので資料等がないので、あとで資料等を提出していただいて御説明願ってもいいのでございますが、一応そういう点についての御説明をお願いしたい。
○齋藤(正)政府委員 気持ちといたしまして、別に国立を重点にし、公立を従にするという考え方はございません。ただ、御指摘のように、たとえば独立の高等学校でございましても、従来国立のものでございますと、商船、電波というように非常な特別のものがあるわけでございますので、必ずしもそれが府県立の一般の高校と教職員組織において同じレベルで議論はできないということ等もございます。そういう意味で、この付属の高等学校が普通高校でありますと、先生おっしゃるとおり非常に比較しやすいのでございますが、これが先ほど申しましたように、大学事務局の一環として、置かれる場所によって彼此流用しているというような関係で、なかなかそれをもって公立の状況と比較できない点がございます。 ただ、お示しでございますから、たとえば、どういう学校は例をあげるとどういうものになっているかというような状況は、後刻調べて御報告したいと思います。
○唐橋委員 その中でも、先ほどもちょっと触れましたが、司書が入っていないということについて、私は非常に理解できないわけでございます。御承知のように、学校図書館法で司書教諭を置くとなっており、それは学校の先生でございますが、実際はどこの都道府県立高等学校に行っても、あれだけ文部省が奨励してきた中においてりっぱな図書館ができてきた。そうすれば、そこに専門の大体助手といったような司書の資格を持っている人がいる、いるにかかわらずそれは全然見ていない。こういう点の解決はどういうようにお考えになっているのか。
○齋藤(正)政府委員 先ほど申し上げましたのは、司書教諭という問題についての考えを述べたのでございまして、今回提案申し上げたいと思っております高校標準法の改正におきましては、一定規模以上の学校図書館の運営に差しつかえないように、司書たる事務職員の定数を新たに加えるように立案してございます。ただ、司書教諭と申しますと、むしろ私どもはこれは図書館部長とか、要するに、本務のほかにだれか生徒指導と兼ねると同じように兼ねておいて、別の専任の先生を置くというよりは、むしろ司書に専念できる方というような方を置いたほうがいいと思いまして、高校の場合にはそういうふうに立案しているわけでございます。
○唐橋委員 司書を今後入れるということについては了解いたします。ただ、なかなか解決できないのは、事務職員の不足の数だと思うのですが、現実、事務職員の数というものが、PTAで負担しているのが相当出てきておる。そして、それらの方々は、身分的にはほとんど同じ仕事をている他の職員と比べた場合に、非常な不安定というか、そういう組織の中に入っていない、それをやはりそのまましかたがないのだ、こういう中で進められてきておりますが、いま実際あなたたちの資料の中にあるいは全国的なものもあるでしょうし、いろいろあると思うのですが、それらの実情はどのように把握されて、今後どのようにしようとされているのかをお伺いしたいわけです。
○齋藤(正)政府委員 その点につきまして、四十一年五月一日の指定統計がすでに出ておりますが、いわゆる私費負担、この態様はさまざまだろうと思いますが、事務職員でございますと、小中学校合わせて千八百九十人という数字が出ております。これが四十年もほぼ同数でございますが、ただ、一面また、国、地方を通ずる教育費の調査をやりますと、このPTA負担の給与費に払われているものが一億四千万円という数字がございますから、この態様は、事務職員が千八百人おるから、全部それがフルタイムの人間を使っているのだというようなことでは必ずしもないかもしれません。人数と金額が非常に少ない。少ないというのは、人数に比して少のうございますから、その点はもう少し実態を分析しないと、両方の調査が別々にいたしておりますから、はたしてネット、フルタイムの人間がこれだけおるかどうか疑問でございますけれども、なお、私費負担のものとして事務職員その他の職員で先ほど御指摘の学校図書館等に従事しておる者が存在しておるということは明らかでございます。 私どもといたしましては、これは一つは地財法に反する事柄でございますし、そういうものをうやむやにかかえておくことのないように指導いたしますとともに、機会をとらえて定員の充足ということを心がけてまいりたいと存じております。
○唐橋委員 いまの身分については、地財法の問題等もございますが、大臣としては、私は、退職金制度もない、あるいは共済制度もない、ただパートタイム的な態様の中において、しかも実際は二年、三年同じ仕事を続けておる、こういうものに対して、やはりはっきりと、現実それはあるものをないと言うことはやはり大臣の責任上できないと思いますが、それらを解決していくということは非常に大切なことだと思うのです。これについては、文部大臣はどうお考えになっておるか、伺いたい。
○剱木国務大臣 私どもといたしましては、私が大臣になりましてからの心がまえといたしまして、父兄負担の軽減ということを、非常に大きいウエートを置いて考えておるわけでございます。でございますから、いろいろいままで父兄が負担しておりましたPTA会費その他につきましては、これをできるだけ減少の方向に持ってまいりたいと考えております。いま申しましたような事務職員で私費負担の事務職員というようなものは、要するに配当がいままで十分でなかったのでございますから、今後できるだけ父兄負担の事務職員を置く必要のないような状況に持っていきたいと思います。 ただ、補助職員等につきまして、先ほど局長からお話がございましたように、財政的には全国的にプールして考えますと、実は、財政的処置をした数のほうが上回って、現在の職員のほうが少ないのでございますから、財政的処置は一応これをやっておるということを考えられますし、また、学校図書館の関係につきましては、四十二年度から、先ほど申しましたように、司書に当たりますような事務職員を配当してまいるということを新たに定数法できめてまいりまして、図書館要員につきましては十分その定数の中で考慮できるというふうに考えております。
○唐橋委員 いま父兄負担の軽減の問題が出ましたが、努力していく、努力の方向は理解できるのですが、実質は給食費その他で非常に増加しているのではないか、そのような現実も私たちは考えているわけでございますが、ただその中で、少なくとも法律で禁止されているもの、それを父兄負担にしておくということだけは、やはりこれは明確に指導すべきじゃないかということを提示しておきたい。 具体的例として出してみたいのでございますが、地方財政法の第二十七条の三に、御承知のように、都道府県立高等学校の建築費については、直接たると間接たるとを問わず、住民に転嫁してはならない、こういうようにはっきり明文化されているわけでございます。しかし、実際に今度都道府県に体育館を建てる、こういう場合には何らかの名目で寄付を集めておる。いろいろな名目をつけながら、実質は集めておるというところがあると思います。一つの事実も私は持っておりますけれども、そういう点は、やはり直接たると間接たるとを問わずとまで明確にされた場合、やはりそういう点の父兄負担というものをはっきりと文部省はいまの精神に立って指導し、やってならないというその方針の中でいくべきでないかと思うのですが、これに対する大臣の所見をお伺いしたい。
○剱木国務大臣 法規違反の行為が現実に行なわれていないとは私ども断言できない点があると思います。法の趣旨に沿いまして、今後ともそういうことのないようにできるだけつとめてまいりたいと思います。
○唐橋委員 大臣がそういう考え方であることは当然だと思うので、そうすれば、今度昭和四十二年度の各都道府県立の高等学校、その予算がもうほとんど確定して実施になってきておる、それを今度文部省が全部集めていっていまのような問題が生じたときには、はっきりと大臣はいまのような考え方の中で処置すべきだと思うが、それについてやはりいまのお考えをさらに詰めて、多少いま文部大臣が言われたように違反というようなものがあれば押える、こういうお考えですが、その点をもう一度、くどいようですがお答え願いたい。
○剱木国務大臣 ただ、高等学校の場合は危険校舎の改築で文部省のほうに補助申請があります場合以外におきまして、府県で高等学校の建設をやります場合には府県の責任においてやるという関係になっておりますから、なかなか事前にこれを発見するということは困難でございます。しかし、こういう実情がわかりますならば、できるだけ行政指導でそういうことのないように今後つとめてまいりたいと思います。
○唐橋委員 実際にこれはあるわけなんです。いまのように体育館を建てる半額相当額はどうしても県から出せないから、寄付をもらう、寄付は、今度はその当該学校の——形式は、御承知のとおり建築委員会というようなものが中心になり、その建築委員会というものは同窓会なりPTAから寄付を受けます。そして、寄付ももちろん広く、生徒からも毎月集めておるものも財源になったり、あるいは一般地域から今度はその金を集めている、それを出さなければやはり建築が進まない、こんなような形のものもあったり、あるいはまたいろいろな形があると思うのです。府県によれば、県で査定する坪数よりも実際に大きく体育館を建てるのだ、だから、これはあなた方が自主的だから、その分は金を出しなさい、それから貸し出しの形にして返還させておる、こういう府県もありますが、貸し出しの形で返還ということになれば、私は多少これは了解できるのですが、そういう中で、実際算定坪数その他いろいろ問題はあるであろうが、現実としては、いまの法の精神が破られて、寄付行為になってきておるということがはっきりしている場合に、いまの文部大臣の趣旨を私は徹底してもらいたい、こう思うのでございますが、もう一度その点について、くどいようだがお伺いしたいわけでございます。
○剱木国務大臣 実際の実情は、体育館をつくるとかいう場合におきまして、地元のほうで相当の寄付金を出すから県のほうでぜひつくってほしいというような陳情が来まして、それでは県のほうでつくろう、こういうような形がとられておる場合が多いようでございます。体育館をつくるから、これだけは地元負担をしろ、こういうふうにやる場合と両方あると思いますが、いずれにいたしましても、法の精神には反するわけでございますから、できるだけそういうことのないように、地方住民に転嫁しないように今後極力指導してまいりたいと思います。
○唐橋委員 非常に明快な趣旨なのですが、やはり形式が自主的で、これだけ寄付します。こういうような点であってもやはり間接だ、こういうふうに理解していいわけですね。 次にお伺いするのは、入学時において、やはり今度改築の費用に充てるという明確な一つの方針のもとに取る、金を生徒からいただく、そして在学中ずっと積み立てておく、こういうものについてはどのような処置をするのですか。
○剱木国務大臣 私学の場合にはそういう例を聞いたことがありますが……。(「公立ですよ」と呼ぶ者あり)公立の場合には、ちょっとそういうことは私も想像がつかないのでございます。やはり生徒からの納入金は条例で定めた額できまるべきはずのものでございまして、県がそういう条例以外のものを徴収するということは、もう少し実情を調べさしていただきたいと思います。
○唐橋委員 実態をよく調べていただいて、すぐに各公立の、いわゆるそういう予算書を——大体学校案内に出ていますから、これははっきりしております。そして、そういう中においていまのようなことが非常に多く見込まれておるという現実をひとつよく御調査願いたい、こういうことでございます。御調査願った上において、いまの大臣の趣旨を徹底さしていただきたいということをさらにつけ加えます。 次にお伺いすることは、交通安全に伴って、いま保険会社で、子供が使っておる帽子とか手袋あるいはレーンコート、ランドセルあるいは服、こういうものまで黄色い帽子というようなものを保険会社のほうで学校へ持っていって、それを着ていた場合の交通事故は保険金を払います。だからひとつこれを購入していただいて、そして全員に着せていただきたい、このような例が非常に出てきておるのでございますが、それらの実態は文部省でどれだけ把握されていますか、ひとつお伺いしたい。
○剱木国務大臣 実は、この問題につきましては文部省も相当関心を持っておるのでございますが、まだ全国的に詳細な調査はできておりません。しかし、いま申されましたように、黄色い手袋だとか黄色い帽子だとか腕章でございますとか、あるいはひどいのになりますとランドセルとか、そういうものまで交通安全ということで保険の方法でやっておる場合があるのは事実でございます。ただ、その中で特別なもので、財団法人とか、そういう公益法人等が無償でそういうものを渡しておる場合もありますし、あるいはまた、保険にということで品物を売りつける意味から、ちょうどこの交通安全ということを利用して、生徒児童にそういうものを売りつけていく方法としてやっておる向きもないではないように思います。 それで、この問題は、交通安全の面から申しましても、ちょうど現在非常な問題になっておるところを商魂によって利用してやっておるというきらいもございまして、もしそうであったら、これは非常に教育的な弊害を生ずるのでございます。いろいろな実例があるようでございますから、この点につきましては、ひとつ全国的に十分調査をしてみたいと思いますし、弊害の生ずるような面につきましては、文部省としましてもある程度の処置を考えなければならぬと思います。 ただ、私どもといたしましては、交通安全をそういう形式的なものでやるということよりも、現段階におきましては、より多くの学校におきまして交通安全の教育にほんとうに真剣に取り組んでもらいたい、こういうふうに考えております。
○唐橋委員 私がこれを取り上げましたのは、やはり現在における交通の災害問題は、一文部省や一学校、そういうものだけでは解決し得ないので、もうあらゆる機関、あらゆる人たちが協力しなければこの問題は解決できないと思います。したがって、一つの交通事故が起こった場合に、そのような補償をするという制度は私は悪くはないと思うのですが、ただ、いま大臣がおっしゃったように、やはり団体加入の中で一つの品物を使わせていく、こういうことになってくると、往々にしてやはり弊害が出やすい。だから、この弊害が出ないように、それは法人等でも無償でやっていくんだ、こういうことならば了解できますが、やはり保険会社はあくまでも営利会社なわけです。そして勧誘というのはお互いの競争でやっていく。もちろんそれには監督官庁があるからいろいろ過当なものは出てこないと思うのですが、やはり教育の中に、集団の中にそういうものが入っていくという場合にはいまのような一つの弊害が非常に予想されるので、いま大臣が申されましたように、相当具体的な実情調査の上で善処していただきたいことを要望します。 そしてもう一つは、いま大臣の所管になっておる学校安全会、あれには交通事故が入っていない、こう思います。除かれていると思います。だから、やはり交通事故が今度は非常に頻発してくるとするならば、あの安全会の中に当然交通事故等も含めておく、こういう大きな方向が出されるべきではないか。自動車損害賠償保障法で金が出るからこれは安全会としてはタッチしないんだ、こういう趣旨だと思うのですが、やはり安全会は安全会ならば、自動車損害賠償保障法以外に、これだけ頻発するものを、しかも文部大臣所管の安全会の中にあるとするならば、明確にこれは入れるべきだ。それが、金が上積みになるからなんということはあっても、金の問題でなしに、生命を守っていくという問題をひとつ安全会の中にも入れてもらいたいと思うが、それに対する所見を伺いたい。
○剱木国務大臣 現在学校安全会の対象といたしましては、交通事故につきましては、登校、下校に際しまする交通事故については入っておるわけでございます。でございますが、その他登下校以外の場合における学童の交通事故に対しまして、学校安全会がその範囲まで広げるかどうかという問題につきましては、なお十分考究してみたいと考えます。
○唐橋委員 私の主張は、登下校は、いまのように教育の中において引率者もつくし、あるいはその時間等において緑のおばさん等もいて、比率としては、よほど暴走したり突発でなければそう出ない。しかし、交通事故というものは遊んでいるときやその他が非常に多くなってくる。そうすれば、これだけ安全会ができてきたならば、そして頻発する交通事故ならば、やはり学童であるというこの学籍の上に立って、いまのような前向きの姿勢で補償していっていただきたいという趣旨の上に立った質問でありますので、いまの御答弁の中で大体了承できますが、もう少しそういう方針をお伺いしておきたいと思います。
○赤石政府委員 御趣旨を尊重いたしまして検討いたしたいと思いますが、現在の安全会は、先生御承知のように、学校管理下の学童の事故という大原則がございますので、安全会のこの問題につきましてはきわめて基本的な課題に触れることになろうかと存じます。
○唐橋委員 基本的な問題だから基本的に検討してもらいたい、こういうことであります。 次に、文化財の保護関係についてお伺いをしたいのでございます。 文化財保護関係で問題になりますのは、現実にいろいろ事例を持っているわけでございますが、国宝なり重要文化財に指定になったそれについては、いまの法律の中で相当監督も保護も指導もしているのですが、それは仏像ならば仏像の入れもの、仏像の入っている建物については、保存庫なら保存庫というような点はあるが、実際それについてはいまのところは何ら出てきてはいない。しかも、所有権の問題で、特に例をあげますと、会津は御承知のように文化財が多いのでございますが、その所有権は古来文化財のある部落の所有になっている。向こうで言えば区長さんというような方が管理をする。区長さんは年々かわっていく、住職がいる場合には住職が壇家等とそういうものを見ている。こういう中において、そういう付属建物あるいは付属のいろいろなものに対して保護していこうという財源の場合に、市町村も、御承知のように法的には保護しなければならないのだ、こう伺っているが、いまの地方財政ではこれはなかなか見てくれない。国からいった場合に多少出すというだけのことである。だから、この問題をやはり一つの文化財の指定されたもの、そうしてそれを包んでいるもの、それに対して今後十分財政的な援助あるいは指導をしなかったならばいろいろ今後の維持管理に問題を来たす、こういうことなんですが、それらについて方針をお伺いしたいと思います。
○村山政府委員 文化財保護法におきましては、法律によって指定された物件のみならず、法一条に定める文化財全般につきまして、国としては保存、活用について助成の手を伸べる責務があるわけでありますが、現実の問題といたしましては、仕事の分量の関係あるいは財政の問題、それらもからみまして、現在では主として指定物件を中心にやっておりますことは御指摘のとおりでございます。 ただ、若干それを越える問題といたしましては、たとえば、御指摘の仏像等が重要文化財に指定されておる場合、建物は指定されておらない場合、この建物につきましても、きわめて必要な場合には修理あるいは防災につきまして技術的指導を行ない、あるいは財政的な援助を行なう例がございます。 それからまた、建物が耐震耐火建造物でないような場合、中に収蔵される宝物の保存について問題があるというような場合には、御要望によりまして、必要と認める場合には保存庫あるいは収蔵庫、これは私ども小さいものを保存庫と言い、やや大きいのを収蔵庫と言っておりますが、こういうものをつくってそこに格納するというような措置を講じております。 なお、国のほかに、公共団体におきましてもまた独自に文化財の指定を行ないまして、これに対して助成を行なっておる例がございます。公共団体の助成に対してさらに国がこれを上積みをして財政的に援助したらどうかという問題もございますが、これまた、現段階では財政のワクもありましてそこまでは及んでおりません。 将来どうかということでありますが、基本的な姿勢としてはおいおいそのような方向に向かうべき問題かと思いますが、現在のところでは、遺憾ながら指定物件に対する修理、防災あるいは収蔵庫、保存庫の建設ということも、必ずしも必要基準ないしは御要望に応じて達成されておらない事情からいたしますと、指定物件以外に大幅に手を伸べるということは、将来の課題としてまだ残されておる現状でございます。
○唐橋委員 私から言うとあたりまえのことなんですが、問題の焦点は、この所有者あるいは管理者、そういう人たちの財政能力がない場合、こういうものがほとんど多いと思うわけです。いま例をあげましたのですが、あなたたちに申し上げればすぐにおわかりの文化財ですが、それは一つの十戸なら十戸の部落の所有だ。しかも無住だ。あるいは今度のこっちのほうは、住職はいるが檀家のほうがいない。だから、修理や保存をする場合に、十戸なり五十戸なりの人たちの責任だけで、そして、あとはもう、当該市町村も、いまおっしゃったような線のものが出た場合に多少援助しているという程度であって、この所有権の問題等も含めながら、この問題を根本的に検討していかなければならないのではないか、こういう趣旨を含めながらお伺いしたわけなんですが、実際各種の文化財の所有の実情、そして今度非常に所有の希薄なもの、投げておけばいつどこへいくかわからない、こういうような問題もだんだん発生しているのですが、そういう点に対する調査なりあるいは実情の把握、こういうものはあなたのほうでは年々やっているのですか。それともまた、どういうふうな形で管理していますか。
○村山政府委員 文化財の管理は所有者がなすのがたえまえでございますが、所有者の管理がむずかしい場合、あるいは適当でない場合、はなはだしきは所有者が不明のものすらあるのが実情でございます。これの管理状況の調査につきましては、第一次的には都道府県の教育委員会の文化財主管課において調査をして、必要のつど文化財保護委員会にも報告がございますし、また、文化財保護委員会のほうで積極的に計画を立てまして、都道府県の教育委員会を通じて指定文化財の管理状況の現状調査もやってまいっております。また、文化財保護委員会事務局に文化財管理指導官、俗に文化財パトロールと言っておりますが、これもきわめて少数の人間でございますが、美術工芸関係、建造物関係、記念物関係に分けまして若干名の人間を置きまして、常時日本全国を回っておるわけでありますし、特にあそこがあぶないといううわさを聞きますと、そういうところには重点的に行って調査をやっております。 そこで、調査の結果あぶないという状況がわかった場合の措置でありますが、法律によりまして、所有者が管理することが適当でないと認められるような場合には、所在の公供団体を管理団体に指定して、これを通じて管理させる、それに対して国が援助をするというような体制をとっておるのが実情でございます。
○唐橋委員 以上であります。
○床次委員長 長谷川正三君。
○長谷川(正)委員 私は、文部大臣にきょうは一点にしぼってお尋ねしたいと思いますが、日教組と文部省とのいわゆる中央交渉の問題についてお尋ねしたいと思います。 たしか一昨年、ドライヤー勧告のあとを受けまして、総評と政府の定期会合が持たれるようになり、それをまた受けまして、一昨年八月であったと思いますが、当時の中村文部大臣と日教組との間で久しぶりに、五年ぶりというふうに伺っておるのですが、いわゆる中央交渉が持たれ、その後も引き続いて、一、二度持たれたように記憶しておりますが、たいへん率直に申し上げて、教育の仕事を直接しておる現場教師の最も大きな有力な団体である日教組と、日本の文教行政をつかさどっておる文部省との間に、非常に不幸なみぞが長い間できておったと申しますか、非常な対立抗争に近い事態が過去においてしばしばありまして、このことは、私ども考えるのに、日本の教育の円滑な遂行の上に決して望ましいことではなかった、不幸なことであったというふうに嘆いておったわけであります。しかし、いま私が申し上げたように、中央交渉というようなことが軌道に乗ったということを非常に喜んでおったのでありますが、その後また、最近どうやらこれが中断をされておるような様子でございますが、その経過につきまして文相の御所見をお願いしたいと思います。
○剱木国務大臣 まず最初に、はなはだどうもかた苦しいようなお答えになって相済みませんでございますが、中村文部大臣と日教組と、ドライヤー報告に基づきまして、公務員制度審議会ですか、あの関係におきましてお会いいたしましたのは、私どもといたしましては中央交渉という形ではないと考えております。日教組と私どもが話し合いということばは使っておりますけれども、中央交渉という形において交渉が行なわれる立場に双方においてないと考えておることだけは、冒頭にあたりまして、ちょっとかた苦しいようでございますけれどもお断わりをいたしておきます。 私自身といたしまして、文部大臣として、日本の教育をよくしていくということは、いかに文部省が一生懸命になりましても、現場の教師の先生方が御協力を願わなければ、現場が教育の担当者でございますから、そういう意味におきまして、文部省と現場の教師の方々との間に対立的な、相互不信のことがあることは、はなはだ残念しごくに存じます。やはり手を握って日本の教育のために互いに尽くしていくという状態が一日も早く現出することを私どもは念願いたしておるわけでございます。 中村文部大臣と日教組との間におきまして、話し合いが、私の聞いておるところでは前後四回にわたったと存じます。その際におきまして、話し合いをいたすべく、相互不信を払拭する意味におきまして、お互い同士そういう不信の状態がないような状態を現出して、その上に立って、相互信頼感に基づいての話し合いが望ましいことだと思いまして、そういうことで中村文部大臣がその際に三つの条件を出して、これだけ日教組が何とか聞いてくれないかということを申し入れたようでございます。これは、その条件を聞かなければ会わないというような、いわゆる会うための必要条件とは言われなかったようでございますが、しかし、それに関しまして、きわめて重要な意味の要望であるということを申されまして、その後それに対しまする回答ということを見るに至りませんで、最後には、たぶん日教組の委員長と書記長、お二人だけに、ひとつざっくばらんに話そうじゃないかと申し入れたようでありますが、その際には、そういうことは日教組のほうで困るということで、ついに会うことが流れました。次いで、有田文部大臣のときになりまして、ちょうどそのときに、三つの条件が当然に聞かるべきものだと考えておるのであるが、その条項の中の一つでございます争議行為はやらないという条項があるにもかかわりませず、例の二一ストをやるという計画が進められまして、そういう状況において、聞かれないということをはっきり行動をもって示されておるようなときにおいて、文部大臣がこれに対して会うのは教育上成果を得るとは考えられないからということで、有田文部大臣は会わなかったようでございます。 大体のいきさつとしてはそういう状況と承っております。
○長谷川(正)委員 まず最初に、たいへんかた苦しいことを言って申しわけないがという前置きで、中央交渉ということばにたいへんこだわっておるようです。中央交渉というと、これは別に法律に書いてあることばでもないでしょうし、一般的に、文部省と日教組と話し合うから、それで中央交渉というふうに言われており、いわゆる労働法による団体交渉ということには現在の法制下ではなっておりませんから、一応話し合いということだろうと思いまするが、それを中央交渉ということばにたいへんこだわっているようで、それは私は別にこだわりませんけれども、そんなにこだわる必要もないのではないか。世間一般そう見るから、いわゆるそういうことばで報道もされますし、そういう言い方で呼んでおるのではないかと思うのです。 しかし、いまそのことにあまりこだわらないで伺いますが、文部大臣が冒頭におっしゃいました、やはり文教行政の責任者である文部大臣なり文部当局と教育の実際に当たっておる教師との間に深い信頼感というものが生まれることはほんとうに望ましい、手を握ってともどもに日本の将来のために教育をできるだけ豊かに実らせる、こういうことを望んでおられるという、その精神を伺いまして、私は非常に共鳴をし、敬意を表するものです。しかし、いま伺いますと、日教組との話し合いが始まるにあたって三条件を付した。この三条件というものについてはやはり問題があるんじゃないかと思いますが、本日はこれについて個々に深くここで言う時間ももうないようですから申し上げませんが、しかし、総評との定期会合の場合も、佐藤総理が、この問題で総評側と中村文部大臣とが議論をしたときに、まあまあと入って、条件というようなかたいことでなしに、まあ要望として聞いておいてもらえばいいじゃないかということで、第一回の会合が持たれるようになったというように聞いております。それから、中村文部大臣との話し合いの際も、中村文部大臣が強く要望されたことはそのとおりだと思いますが、あくまでこれを条件にということではないということは、これができなければこの次から会わないんだというようにかたい条件という意味ではない、このことはまた同時に確認されておったと思うのですが、にもかかわらず会わない。せっかく開いたふたをまたかたく閉じてしまうということは非常に残念なことだと思うのです。昨年の十月二十一日の問題にも触れておるようでありますけれども、これも一般的に争議行為をするとかしないとかということは議論するほうがおかしいんであって、ただ、あの場合、御承知のように、人事院の勧告が、これは第三者機関ともいえない存在ですけれども、それすらも守られてないという中で起こった一つの事象であって、そういうものを何か言いがかりにして、せっかくもっと広い意味の日本の教育の前進のために、日本の教職員の大きい団体である日教組の代表と胸襟を開いて語り合うということを拒否される。また、少数でもって話し合おうじゃないかと言ったときに日教組のほうで断わったという話もあるようでありますけれども、少なくともそれは、前の会合で確認した線がくずされたから、そう野方図に無秩序にやることはやはり問題があろうということで日教組は断わったのではないかと私は思う。そういう意味で、私はこの際、剱木文部大臣は文部行政に精進された方であり、日本の文教行政指導者として十分素質を備えた方であると思いますので、ぜひひとつ大きな立場からこの問題を一歩前向きに前進をさせていただきたいと思うのですが、お考えいかがですか。
○剱木国務大臣 私はやはり、相互信頼の状況になってほんとうに話し合うという状況が非常に望ましいことだとは思いますが、しかし、それには相互信頼を置けるような条件の状態にまずなっていくことが必要じゃないか。そこで、私どもとしましては、やはり文部大臣としては法の秩序を守るということが一番大事な使命だと思います。きょうも先ほど予算委員会でも論議がありましたけれども、教師は地方公務員であると同時に教育者である。まず第一段階において、政治的な中立性にいたしましても、また争議行為の禁止にいたしましても、明確にこれは法律に規定いたしておることでございまして、これを守るのだという意思表示は、これは当然にさるべきものだと思うのです。それを拒否しておる状況におきましては、まだ胸襟を開いてほんとうに相互信頼感に立って話し合うという状況は成就してない、こう考えざるを得ない現在の状況でございます。私は決して日教組と会わないとは申していないのでございますが、しかし、私のほうにもし日教組に対して不信行為を起こすようなことがあれば、これはまた条件に出してもらってもいいのですが、われわれのほうとしては、これだけのことは最小限度ひとつ守ってほしい、このことを強い要望として出しておるのでございますから、これに対してある程度の誠意を示していただくということが、現段階においてはぜひ必要なことだと思っておるのでございます。
○長谷川(正)委員 三条件の議論に入ると長くなりますから、これはまたどうせしなければならないと思いますけれども、次回に回すといたしまして、三条件の内容論には入りませんが、三条件というのは、たしか日教組の倫理綱領を廃止しなさい、これが一つだったと思います。それから中立性の確保、これはどういう意味だかわかりませんけれども、具体的にどういうことをさしておるのか。それから実力行使の廃止ですか、この実力行使という意味もいろいろな取り方があると思いますけれども、そういうふうなことを出しておると思うのです。個々の問題についての議論は譲るとして、話し合うというのに——それは、武器を持ってきてもらっては困るとか、百人も一ぺんに詰めかけられてはちょっと話し合にならないからこのくらいの人数にしてくれとか、時間が無制限では困るからこのくらいの時間にお互いしようじゃないとかいうのは、話し合いの条件としてごく自然にすなおに理解できるのです。しかし、これを個々に入ると議論になるから私たとえ話ですれば、普通のせびろで来ては困ります。モーニングを着ていらっしゃい、着物で来るのなら羽織はかまをはいてこなければ会えない、かみしももつけなければならないというような言い方ではないですか。もし対等に話をするとすれば、こういう条件を出すこと自体が、たいへん失礼なことじゃないかと私は思うのです。そういうことは、話し合っておる中で問題があれば議論をすればいいのだ。もちろん、たしかあの話し合いの中でも、文部省側があの倫理綱領のこういう点がこういうふうに感心しないから、あれは考えたらどうだというような意見をお述べになることはけっこうですというようなことになっておったと思いますね。日教組自体も、それがほんとうに適切な指摘であれば、おそらく日教組も、五十万の組合員がいるのですから、これは当然考えるでしょう。それは少しおかしいと思えばおかしいと言うでしょう。きょうはその内容論には入りませんけれども、そういう何か最初から条件をつけて、特にいまのように、実力行使の問題などもピンからキリまであると思いますけれども、組合ができていろいろ交渉をしている以上、やはり今日完全な労働組合法等の保護を受けていない状態の中で多少のことが起こることは、これは社会の常識としては当然予想されます。それが極端であれば、これは国民の批判を受けるでしょうし、また、組合内部も、個人や少数の者がこれを左右しているのではなくて、五十万、六十万という教員大衆が行動をとるという場合に、そんな非条理なことでこれはとれるわけはないのですから、そういうことにこそ、もっと信頼感を持っていいのじゃないか。そして、むしろ法律上まずい点があるために、あるいは不備な点があるために、逆に無理な罪人をつくるようなことにもなっていやしないか、そういうようなことも私どもは感ずるわけですけれども、そういう点から見まして、この三条件というようなものを最初から出してきてやるということ自体が、これに固執して大事な本筋の話し合いのほうを閉ざしてしまうということは何としても私は残念でならない。これは文部省としていまどうしても強い要望だと言うなら、その程度まではいいと思うのです。いいと思いますが、これを条件にして会わないというようなことは、何かこれを一つの言いがかりにして会うことを閉ざしているとしか思えない。むしろ逆に、日教組のほうがいろいろな条件を出してきても、それはそれとして、文部省のほうは行政の指導的立場にあるのですから、どちらかといえば権力の側にもあるわけなんですから、どっちが強いかというと、これは正直言って権力側が強いわけですから、そういうほうが手を差し伸べるようにして、そして教職員全体の気持ちというものをくみ上げる、そういう姿勢になってこそこれは軌道に乗っていくのじゃないか。逆に日教組側にいろいろな注文をこういうふうにつけて、いわばもっと極端なことを言うと、そう簡単には聞けないことが初めからわかっていることを出して、そして、世論が、だれが考えても教職員の代表と文部大臣や文部省の指導的な立場にある方々が会って話をするのは当然だというこの常識を、何か理由をつけないと拒否できないために、わざわざこういうちょっと簡単にのみ込めないようなものを出してきて断わっているのじゃないか。正直言って、公平に考えて、私は別に日教組の肩を持っておるわけじゃないですけれども、そういうふうに思われるのです。ことに、この倫理綱領の廃止というようなものは、日教組自体が大衆的に討議してきめるべきことだと思うのです。内政干渉というか、内部干渉、団体に対する権力側の内部干渉という疑いが、十分この問題を出すことにはあると私は思うのです。どうも私にはそこのところが納得できない。どうですか、大臣。
○剱木国務大臣 私もきょうは三条件についていろいろ御討議申し上げようとは思っておりませんけれども、しかし、倫理綱領にいたしましても、組合内部の倫理ならば、それだけならばいいのでございますが、しかし、日本の教育者として、子供の教育に関しまして重大な影響を持つ条項を含んでおります。われわれとして、これは内政ではなしに、わが国の教育を守る意味におきまして、これはそういう申し入れをせざるを得ぬ点でございます。特に、政治的中立性とか、あるいは争議行為、実力行使というような問題につきましては、これは明確に現在の法制上禁止されておる問題でございます。ですから、むしろ私どもから言えば、当然にそのことは守っていただかなければならない問題でございます。そういうのは、何もおせっかいに私どもが言っておるわけではございません。現に、私どもがそう申し入れた直後におきまして、十月の二一ストを決行し、なおまた、現在におきましては、六月及び十月において、ことしにおきましてもこの争議行為をやり、実力行使をやろうという計画をいたしておるやに聞いておるのでございます。現にそういう計画を取りやめ、われわれは法規を守るんだという体制を少なくともとっていただかないと——私どもはこのことが非常に残念でございます。日本の教育を受け持っておる日教組が日本の教育者の団体である限りにおきましては、教育者の立場において、その教育者としての責任をやはり感じていただきたい。そういうことにおいてのみ私どもは、日本の教育の問題を第一線として受け持っていただいておりますから、勤務状況なりいろいろな問題について十分な御意見も承りたい、お会いしたいという考えは重々持っておるのでございますが、これらを一方的に私どもが無理なことを要望しておるのではないと私は確信いたしておるのでございます。
○長谷川(正)委員 大臣が教職員とほんとうに話し合ってやっていきたいという切々たる真情をいまお述べになられた点は、私は再度敬意を表するのですが、しかし、そうであれば、私は、いまおっしゃったことは会わない理由に弱いと思うのです。むしろその一番の御真情に勇気を持って進まれて、もし日教組側に説得すべきことがあれば説得なさったらいいと思うのですね。もちろん、いまの一〇・二一の問題や、六月にどういう計画があるか、詳しいことは存じませんけれども、これは公務員の労働基本権の問題としてまた別に議論する面もあろうかと思いますが、それはそれとしてまたあとで議論をするとして、時間もありませんから、最後にこれだけ申し上げておきたいのですが、たしか一昨年の十一月六日の第二回の会合の際に、やはりいまの三条件をめぐって中村文部大臣と議論があったようです。そういうふうに承っています。しかし、結論としては、三条件をいまどうこうというふうに一挙にいかないから、共通の土俵として——まるっきり食い違った考えのもとに話し合っても気違いの寄り合いになっちゃうから、共通の土俵として、こういうふうに確認されておると聞いております。結局、憲法第九十九条、これは公務員の憲法擁護の義務でございますが、この精神にのっとり、憲法の諸原則及び教育基本法を共通の土俵として、文部大臣のイニシアチブにより合意の上年数回話し合う、そういうことで話し合いがまとまった、そのあとで、数回というのは年五、六回という意味だ、こういうことであったと聞いておりますけれども、せっかくこういうふうにお約束をしていながら、いままたずっと後退してしまったということは、非常に私は残念に思います。したがいまして、少なくともまずこの土俵から再出発をしていただきたいと思いますが、きょうはこれについて議論をこれ以上しても終わらないと思いますから、もう少し三条件その他国際的な問題、国内的な問題、他の労働法規との関連、いろんな面があるかと思いますけれども、そういうものについてはさらにあらためて議論はしたいと思いますが、くれぐれも、剱木文部大臣の先ほどからるるおっしゃっている、やはり日本の教師と文部省とはよく話し合って信頼と理解の上に真剣に教育の問題に取り組んでいきたいというこの精神をぜひひとつ具現するように、できるだけすみやかな機会にこれが具現されますように強く要望いたしまして、本日の質問はこれで終わります。
○床次委員長 次会は、来たる四月十九日、水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二分散会