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55回国会衆議院1967/03/29

文教委員会 第2号

発言数
5
登壇者
3
会派数
1
開催日
1967/03/29

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関し、調査を進めます。  文教行政の基本施策に関し、文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。剱木文部大臣。

剱木亨弘自由民主党文部大臣

○剱木国務大臣 第五十五国会において、文教各般の問題について御審議をいただくにあたり、文教行政に関する所信の一端を申し述べたいと存じます。  文教のことは、申すまでもなく、国歌の基本であり、国家興隆の源泉であります。わが国の教育は、長い伝統と関係者の熱意と努力によって、世界的にも高い水準に達しておりますが、なお改善充実につとめなければならない課題がいろいろあると思います。  今後における学校教育の拡充整備と質的向上については、新学制実施後すでに二十年を経た今日、また今後における産業、経済の発展と国民生活の向上を考え、世界の趨勢も考慮し、現行制度を基盤としながら、長期的視野に立って十分慎重に調査、検討を進めてまいりたいと考えております。  一方、文教年来の施策はこれをじみちに、きめこまかく充実、発展させつつ、国民の期待と要望にこたえたいと存じます。  第一に、教育の充実、振興と普及の問題に触れてみたいと思います。  青少年の健全な育成をはかることは、重要な課題であり、この意味において、青少年が将来国家、社会の成員としての責任を自覚し、それぞれの個性を生かし、能力を十分に発揮することができるようにすることを念頭に置きながら、知識の習得はもとより、思考力や創造力を伸ばすとともに、意思の鍛練や道徳性の涵養、体力の増進などについて一段と配慮していきたいと思います。また、学校教育のみならず、家庭、社会を通じての青少年の健全育成に一そうの力を注いでまいる必要があると存じます。  次に、義務教育の充実と後期中等教育の拡充整備についてでありますが、今後とも、教育環境の整備につとめ、教職員の資質の向上と処遇の改善について十分配慮していかなければならないと存じておりなすが、また、教育費の父兄負担の軽減をはかる趣旨も含めて、義務教育諸学校における教材整備を年次計画で促進する等の施策を推進してまいりたいと存じます。  後期中等教育については、先般の中央教育審議会の答申の趣旨に沿って、その多様化をはかり、また勤労青少年のための教育施設を充実整備するとともに、各種学校制度の改善をもはかりたいと存じます。さらに、公立高等学校の学級編制と教職員組織の改善をはかっていく所存であります。  高等教育の充実につきましては、国立大学の拡充整備を一段と推進し、また新たに商船高等専門学校を設置するなど、高等専門学校の拡充をはかる所存であります。  次に、今日の私学の問題は重大な段階に来ていると思うのでありまして、わが国の教育に占める私学の役割りのきわめて大きいことにかんがみ、私といたしましても、私学振興についてできる限りの努力をいたしてまいったつもりでございますが、今後とも臨時私立学校振興方策調査会における審議と相まって最善の努力を払い、私学の健全なる育成振興を期してまいりたいと思っております。  さらには、経済的に、身体的にあるいは地域的に恵まれない子弟のために、育英奨学事業を拡充し、特殊教育、僻地教育の振興については一そうきめこまかい施策に意を用いてまいりたいと存じます。  第二に、学術の振興について述べます。  最近における科学、技術の進歩はまことに目ざましいものがありますが、時代の進展に即応する学術研究の推進をはかっていくことは、国家社会の発展のためにきわめて重要なことであります。この趣旨にかんがみ、学術審議会の設置、特殊法人日本学術振興会の設立等学術体制の整備をはかり、大学及び研究所の充実を期するとともに、重要基礎研究を一段と推進してまいりたい所存であります。  第三に、文化の振興と普及について述べます。  わが国のすぐれた伝統ある芸術文化の普及発展を推進し、新しい文化の創造を援助して芸術文化の振興と普及をはかっていくことは、国民生活を豊かにし、人類の福祉に貢献するゆえんであると考えます。この趣旨にかんがみ、新人の育成、地方文化の振興、青少年のための芸術活動の促進等について必要な援助を行ない、また従前に引き続き文化財の保存、活用について一そうの努力をしてまいりたいと考えます。  また、教育、学術、文化の国際交流の促進起ついてもさらに努力を重ねてまいる所存であります。  最後に、申すまでもないことながら、文教施策の推進は、ひとり文教行政当局だけでよくなし得るものでなく、国民全体の理解と協力にまつところがきわめて大きいのであります。皆さまの一そうの御協力をお願いいたす次第であります。  引き続きまして、昭和四十二年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、文部省所管の一般会計予算額は、五千八百四十五億八千六百二十九万円、国立学校特別会計の予算額は二千二百七十二億八千六百四十八万一千円でありまして、その統計は六千二百二十九億六千九十二万八千円となっております。  この統計額を前年度当初予算と比較いたしますと、およそ八百三億円の増額となり、その増加率は一四・八%となっております。  以下、昭和四十二年度の予算案におきまして特に重点として取り上げました施策について御説明申し上げます。  まず第一は、教育費の負担軽減と育英奨学事業の拡充であります。  このことにつきましては、かねてから努力を重ねてまいったところでありますが、明年度は特に父兄負担の軽減に留意し、教材整備の促進、教科書無償の推進、学校給食の普及充実、就学援助の強化、遠距離通学費補助の拡大につとめましたほか、地方公共団体の超過負担の解消を促進し、育英奨学事業の拡充を行なう等の施策を進めることといたしました。  そのうち、まず教材整備の促進につきましては、国庫負担の対象となる教材基準の設定を行ない、当該教材基準の七〇%までの充実を十カ年計画で整備充足することといたしました。また、教科書無償につきましても、国、公、私立学校を通じて、中学校及び特殊教育諸学校の中学部の第二学年までの児童生徒に対して教科書の無償給与の措置を拡大することにいたしました。  次に、就学援助の強化につきましては、要保護、準要保護児童生徒の就学奨励として、通学用品費を新たに支給品目に加えるとともに、学用品費の補助単価の改訂を行なうことにいたしております。  次に、遠距離通学費につきましては、対象人員を一万人増加いたしましてその拡充につとめました。  次に、地方公共団体の超過負担の解消の促進につきましては、公立文教施設の単価の引き上げ及び構造比率の改善に特に配慮し、また、義務教育費国庫負担金の給与費のうち、政令都府県の給料定額の是正をはかることといたしました。  また、育英奨学事業の拡充につきましては、大学院奨学生及び大学特別奨学生の増員を中心として引き続き事業を拡充し、また、大学特別奨学生で私学に進学した者について特別な配慮を加える等、全体で二十五億円余を増額いたしております。  第二は、義務教育の充実と後期中学教育等の拡充整備であります。  まず、僻地教育の振興につきましては、僻地の教育環境の改善等のため、引き続き各種の施設、設備の充実をはかりましたほか、給水施設の補助、眼科医の派遣、一、二級僻地学校給食の特別措置等新しい試みを加えて、総合的かつ重点的に施策を推進することといたしております。  次に、特殊教育の振興につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な普及と就学奨励費の内容の改善のため必要な経費を増額いたしますとともに、特殊学校担当教員の待遇の改善を行ない、また、社会生活への適応性を一そう助長するため職業教育の充実をはかり、さらに、特殊教育の振興に資するため、新たに特殊教育の総合的調査、特殊教育推進地区の設置及び心身障害児総合実態調査を行なうことといたしております。  次に、後期中等教育の拡充整備につきましては、引き続き定時制教育及び通信教育の振興をはかるとともに、新たに定時制通信制併置高等学校を設置し、高等学校教育の多様化に対処するための施設及び設備等に必要な経費を計上しております。  次に、理科教育設備及び産業教育の施設、設備の充実につきましては、引き続き新基準による計画的な改善充実を行なうことといたしましたほか、自営者養成のための農業高等学校の整備をはかり、また、新たに高等学校の衛生看護科教育に対し施設費の補助を行なうことにいたしております。  次に、学級規模の適正化と教職員定数の充足の推進につきましては、学級編制の基準を原則として小、中学校いずれも最高四十六人に改めるとともに、特殊学級の増設、充て指導主事の充実等のための増員をはかっております。また、給与の改善につきましては、管理職手当、特殊学級担当教員の給料調整額、旅費の増額等を行ないました。  次に、幼児教育の重要性にかんがみ、父兄の要望にこたえて、引き続き幼稚園の普及整備のために必要な助成を強化いたしますとともに、所要の教員を確保するため、公、私立大学及び短期大学の教員養成課程に対する設備の補助を行ない、また、新たに私立幼稚園に対し施設費の補助を行なうことにいたしました。  また、公立文教施設につきましては、引き続き既定計画の線に沿ってその整備を進めることとし、公立文教施設整備費二百九十五億円を計上いたしました。  このほか、前年度に引き続き、教育課程の改善、道徳教育及び生徒指導の充実並びに教職員の研修及び研究活動の推進に必要な諸経費を計上いたしております。  第三は、大学の整備拡充と高等専門学校の拡充であります。  国立学校特別会計予算につきましては、前年度の当初予算額と比較して三百十九億円の増額を行ない、約二千二百七十三億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ千八百八十九億円、借り入れ金二十五億円、付属病院収入二百四十七億円、授業料及び検定料五十六億円、学校財産処分収入二十八億円、その外雑収入二十六億円であります。歳出予定額の内訳は、国立学校運営費千七百五十七億円、施設整備費四百九十八億円などであります。  国立大学の拡充整備につきましては、まず、大学入学志願者の急激な増加を予想して、大学及び短期大学の入学定員の増加をはかり、三千九百八十五人の増募を行なうことにいたしました。このため大学について、二学部の創設、三文理学部の改組、三十一学科の新設及び十九学科の拡充を行ない、短期大学について、一医療技術短大の創設及び一学科を新設することにいたしました。  なお、昭和四十三年度から九州芸術工科大学を設置することとし、これが準備のため必要な経費を計上いたしました。  次に、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費設備費等、各大学共通の基準的経費につきましても引き続きその増額をはかっております。  また、新制大学における大学院修士課程の拡充、付属病院、付置研究所の整備につきましても特段の配慮をいたしておりますが、特に付属病院につきましては、三公立医科大学付属病院の国立移管、五歯学部付属病院の創設及び病院教官の増員等の措置を講じております。  次に、専門的技術者育成のため、一工業高等専門学校の創設及び既設六校に学科を新設する予定であります。このほか、船舶職員の資質の向上をはかるため、既設の五商船高等学校を転換して商船高等専門学校を創設することにいたしました。  次に、国立学校施設の整備につきましては、財政投融資資金及びその他の収入を財源の一部に含めて予算額を四百九十八億円と大幅に増額し、一段とその整備の促進をはかることといたしておりますが、なお、施設整備の円滑な実施をはかるため、後年度分について百八十五億円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。  第四は、私学の振興であります。  私立学校の振興は、今後の文教政策の重要な課題であり、その基本的な助成方策につきましてはなお慎重に検討中でありますが、現下の状況等にかんがみ、昭和四十二年度の予算案におきましても特に重点として取り上げたところであります。  まず、私立学校振興会に対する政府出資金及び財政投融資資金からの融資につきましては、合わせて二百六十億円に拡大し、私学全般の施設の改善充実に充てることといたしました。  また、私立大学理科等教育設備整備費助成及び私立大学研究設備整備費助成につきましても合わせて四十四億円を計上し、前述の私立大学特別奨学に関する特別な配慮、その他私立幼稚園に対する施設費の補助の新設等の施策を講じております。  第五は、家庭教育、社会教育の振興と青少年の健全育成であります。  青少年の教育問題は、近時ますますその重要性を加えており、これに対処するためには、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く意を用いるべきところであると存じます。  まず、社会教育は、国民の教養の向上に大きな役割りを果たすものであり、その普及振興は、学校教育の充実とともにきわめて重要なものであります。このため社会教育指導者の養成確保に一段と意を用い、社会教育主事等の講習会のほか、各般の指導事業の充実強化につとめ、国立社会教育研修所の整備充実を行なっております。  また、特に家庭教育を重視して家庭教育学級を充実強化する等の措置を講じました。  次に、青少年に団体宿泊による研修、訓練の場をより多く与えるため、国立第六青年の家を新設いたしますとともに、公立青年の家につきましても、その機能の拡大を考慮して整備を進めることといたしております。また、青少年の団体活動を一そう促進するため、青少年団体等の育成も強化したいと考えております。  このほか、青少年に対する映画、テレビの影響力にかんがみ、積極的に優良な映画、テレビ番組の制作の奨励及び普及を促進することといたしました。  また、社会教育の施設につきましては、青少年施設のほか、公民館、図書館、博物館等の施設、設備の整備を一そう推進することといたしております。  次に、体育、スポーツの普及につきましては、広く青少年一般にスポーツを普及奨励し、その体力の向上をはかるため、水泳プール、体育館、運動場及び柔剣道場等の整備を促進し、また、スポーツテストの普及、スポーツ教室等の実施、スポーツ団体、行事の助成、指導者養成等について、引き続き必要な経費を計上いたしております。このほか、登山研修所の設置、オリンピック記念青少年総合センターの建物の整備、本年度開催されるユニバーシアード東京大会の実施のための経費、及び昭和四十七年度開催予定の札幌オリンピック冬季大会の準備経費等、それぞれ必要な予算を計上いたしております。  次に、学校給食の普及充実につきましては、完全給食の実施を目途として、引き続き単独校及び共同調理場の給食施設、設備の充実をはかるほか、夜間定時制高等学校の食堂の設置、栄養職員の増員等の施策を行なっております。さらに、小麦粉及び脱脂粉乳につきましては、従来のとおり補助を継続することとし、所要の補助金を計上いたしております。  第六は、学術研究の推進であります。  わが国の学術の水準を高め、ひいては国民生活の向上に寄与するため、学術研究の推進につきましては引き続き努力をいたしております。  昭和四十二年度予算につきましては、まず、科学研究費の拡充を行ない、特にがん特別研究費は一段と増額をはかっておりますほか、引き続き研究所の新設、整備を行ない、また、ロケット観測、南極地域観測及び巨大加速器の基礎研究及び建設に伴う準備研究等につきましても、それぞれの目的に応じて必要な経費を計上いたしました。  なお、在外研究員の派遣のための経費についても増額計上いたしております。  第七は、芸術文化の振興であります。  すぐれた芸術を広く国民に普及し、また、わが国の伝統的な文化財を保存いたしますことは、国民生活の向上の上からもきわめて必要なことであります。  まず、新しい試みとして新人芸術家の開発育成につとめ、地方文化施設費の補助及び青少年のための芸術活動の推進等を行なうために必要な予算を計上するとともに、芸術団体に対する助成を行ない、さらに、国立の美術館、博物館の整備を進めることといたしております。  次に、文化財保存事業につきましては、文化財の修理、防災施設の整備等を一そう充実することといたしておりますが、特に最近国土開発の急速な進展に伴ってその必要性を痛感されております史跡、埋蔵文化財の保護につきましては特段の配慮を加え、平城宮趾の買い上げ及び発掘調査につきましても必要な予算を計上することといたしました。さらに、無形文化財の保存活用等につきましては、引き続きその強化をはかることとし、わが国古来の無形文化財である歌舞伎、文楽等の保存と振興をはかるための国立劇場に対する助成につきましても、万全を期するよう配慮いたしました。  第八は、教育、学術、文化の国際交流の推進であります。  まず、外国人留学生教育につきましては、その受け入れ体制の強化をはかっております。また、国際学術文化の交流を促進するため、新たに日米間の文化教育に関する人物交流の促進をはかるとともに、引き続き教授、研究者の交流を推進することといたしました。  なお、最近、特にアジア、アフリカ諸国に対する教育協力の要請が高まってまいりましたおりから、教育指導者の招致、理科設備の供与及び指導者の派遣等を行なうために必要な経費を計上いたしております。  さらに、ユネスコ国際協力につきましては、国内ユネスコ活動普及促進事業の実施、国際大学院コースの継続等、一段とその事業の推進をはかることといたしました。  以上のほか、沖繩の教育に対する協力援助費につきましては、これを大幅に増額し、別途総理府所管として計上いたしております。  以上、文部省所管予算案につきましてその概要を御説明申し上げた次第でございます。      ————◇—————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 この際、文部政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。谷川文部政務次官。

谷川和穗自由民主党文部政務次官

○谷川(和)政府委員 文部政務次官を拝命いたしておりまする谷川和穗でございます。  もとより不敏の身でございますが、委員会諸先生の御指導、御鞭撻をいただきまして、大過なくこの重責を果たしたいと念じております。  どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

床次徳二自由民主党

○床次委員長 次会は来たる四月四日、火曜日、午後一時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時一分散会

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