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55回国会衆議院1967/07/11

物価問題等に関する特別委員会 第15号

発言数
43
登壇者
9
会派数
4
開催日
1967/07/11

会議録

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  本日は、政府の物価対策の基本問題について、佐藤内閣総理大臣から所見を伺うことといたします。  なお、佐藤内閣総理大臣の本委員会に御出席いただける時間は一時間以内でございますので、御了承願います。  それでは、質疑の通告がありますので、順次これを許します。小峯柳多君。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 総理が初めてのお出ましなので、野党の皆さんはだいぶ手ぐすね引いて待っておりますので、私は、ごく要点だけ質問させていただきたいと存じます。  物価というのは、需要と供給できまるというのがごく素朴な物価論だと思いますが、近ごろは物価の問題がたいへん重要になりましたがゆえに、物価問題の掘り下げ方が進みまして、需要と供給が競合する仕組みの問題、そしてその仕組みの中における需要者と供給者との力のバランスの問題を検討するような傾向になってきていると思います。それだけ物価論議は進んだことでございまして、私はこの委員会で勉強しながら、実はたいへん愉快に思っている次第でございます。  さて、そういう意味で物価の問題を見ますると、供給者の側にかなり不自然な力の加わっているような場合の物価が間々見受けられるのでありまして、たとえば、大企業の間における管理価格だとか、あるいは協同組合や団体法による商工組合のカルテル価格だとか、あるいはまた最近やかましい再販契約による再販価格、みんな供給者側に不自然な力の加わっている物価の現象だろうと私は思うのであります。そういう意味合いで、もとよりそれぞれの段階、それぞれの環境の中ではこういう価格がものをいい、また有効であった場合もあると思いますが、今日の段階では、むしろこういうものをしっかり掘り下げて、供給者側に加わっている重さを取り除かなければならぬ、こういう感じがするのであります。  そういう意味合いで、いま申し上げましたような管理価格だとか、あるいはカルテル価格だとか、そうしてまた再販価格だとか、こういうものに対する総理としての大所高所からの御見解、どういうふうにお考えになっておりますか、伺っておきたいと存じます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 小峯君と私の考え方と食い違っていたらたいへんなんですが、幸いにしてただいままでの前提のお話では食い違っていないようで、私も、ただいまの需給の関係を見た際には、いま物価論争で一番問題になるのは、供給者側に特別な力が加わる。そういうものを取り除いて、公平な、また公正な需給関係に立つ、これが必要なんではないか、かように思います。  もちろん需給関係は、ただ関係者だけで簡単にきまるわけのものでもない。ここにやはり生産の増強だとか、あるいは消費者行政を特に取り上げたり、いろいろの行政指導の問題があると思います。これは私ども政治家に課せられた役目だ、かように思っております。いずれにいたしましても、ただいまあげられました二、三の問題については、これらの場合には供給者側に非常に強い力が加わる。それを取り除くこと、これはもう絶対に必要なことだ、かように思います。むしろこういうような場合には消費者に重点を置いて、やはり政府がカバーしていく、こういうことでないと需給関係の調節ができない、かように思います。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 いま御答弁のありましたようなことで、したがって私は、価格の維持を中心とした産業政策というものが、大きく変わってこなければならないような時点に今日立ち至っていると思うのであります。景気よく花だけをきれいに咲かせるのでなしに、もっと本質的な根や幹を育てる、言いかえると、産業体質を変えるという問題が、大きく取り上げられなければならないと思うのであります。ことに、さきに貿易の自由化があるし、今回また資本の自由化があって、私はこの影響というものは、だんだん深刻さというものがわかってくるのじゃないかというふうな感じで見ております。そういう中にあって、これは総理の御持論でもございますが、設備の近代化、これは本会議などでもしばしばお話の中にうたっておるように記憶いたします。  そこで、私はこの中小企業の設備近代化の問題で、ひとつ特に総理の御見解を伺いたいのでありますが、ただ近代化といってしまったのでは、本来扱うロットの小さい中小企業の場合には、その近代化が必ずしも効果を発揮しないという感じが非常に強いのであります。本来大量をこなす場合に、設備の近代化というのがものを言うように思うのでありますが、中小企業は、ただ新しい機械だとか、あるいは新しい製造方法だとかいうふうにこだわり過ぎると、かえってアイドルコストを生むような傾向なしとしないと思うのであります。  一つのたとえ話でありますが、中小企業の土建業者がブルドーザーを買う、あるいはアースドリルを買う。なるほど見かけは近代化された土建業者になったようには見えますけれども、私は、この金をかけて金利を払って、そして償却費をふやしていく、こういう新しい機械を買い込んだ場合のアイドルロストというものがばかにならぬと思うのであります。というのは、大きな土建会社でありますれば、次から次と現場でこの機械を有効に使うことができましょうが、小さい土建業者の場合は、むしろせっかく買い込んだ機械が、時間的にも使用の時間が制約され、場所的にも制約されて、むしろ月賦の金を払うのに追いまくられて、その機械を買い込んだがゆえに、業績を実はたいへん悪くしているような例が少なくないと思うのであります。そういう意味合いで、設備の近代化を中小企業に適用する場合には、よほどこれは実態に即した、形だけのものでなしに、見せかけだけなものでなしに、実態に即したものでなければいかぬというお心組みで御指導下さる必要があると思うのでありますが、その辺の御見解を承りたいと存じます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 だんだん話がむずかしくなってきましたが、この価格、これは維持と言われるが、場合によったら下げるというか、そこまでいかなければならぬ。これは維持だけの問題ではない。もう一つやはり考えなければならぬことは、地域的な価格形成、これが国内的な範囲に拡大され、さらにそれが国際的な立場で考えていかなければならない、こうなってまいりますので、一口に価格と申しますけれども、価格形成の要素も、よほどわれわれも範囲を広げて考えなければならない。  そこで、そういう場合にいまの中小企業の問題がひとつ取り上げられるだろう。ものによりましては、なかなか中小企業のあの規模だけでは、ただいまのような地域的なものが、国内的な考え方でも合わない場合があるし、国際的な視野に立って考えればもちろんぐあいが悪い。そういう場合に、やはり中小企業の育成強化、協業化を進めるとか、近代化も高度化を進めるとか、いろいろの表現のしかたがあると思います。ただいまいろいろそういうようなことを考えてまいりますので、いま一言に言えば、これは実態に即して対策を立てなければならぬ、もうその一言で尽きるのだと思いますが、その場合の考慮といいますか、ものの考え方、これはやはり発想もだんだん拡大していかなければならぬ、いま経済は国際的規模において立っているのですから、やはりそういう意味でこの価格形成も見ていきたい、かように私は思います。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 もう一つ伺いますが、いまの質問は、設備を近代化して能率をあげて、それでロストを下げるという意味で申し上げたつもりなのでありますが、もう一つ、これは少しお前と意見が違うとおっしゃるかもしれませんが、私は金利の問題と物価との関係で、ひとつ私の考え方を申し上げたいのであります。  中小企業の設備を近代化する場合に、機械など月払いで買いますと、かなり金利が盛り込まれると思います。また、一般の金融機関から借りましても、どうも中小企業の借りる金というものは、大企業が借りて使う金に比べて金利が高いと思う。危険があるから保険料を含むなどという言い方もありますけれども、私はここでたいへん素朴な考え方なんですが、競馬で強い馬が勝ってきますと、これは鉛をよけい背負います。強い馬が鉛をよけい背負ってあまり強くない馬と競走するというのは、非常に公平だと思うのです。総理もゴルフをやられますが、強い者と弱い者にハンデがあって、弱い者がよけい打っても負けたことにならぬという、一つのアローアンスがあろうと思う。ところが、経済の競争ではどうでしょうか。大企業という骨格のすばらしい足の速い馬が、安い金利の鉛を背負って、そして中小企業のやせ馬が、速くない馬が、重い鉛を背負っているような感じがするのであります。ですから、競争の原則からいっても、いまの中小企業者の背負っている金利というものを、何としてでももう少し考え直す必要があるのじゃないだろうか。ことに設備近代化の場合には、どうしても金利がものをいうと私は思うのであります。このごろは中小企業の経営をなさっておられて、案外利息もよけいかかる、税金も案外かかる、勘定合って銭足らずだというような言い方をする中小企業の経営者が多いと思うのであります。  そこで、根本的にこの金利負担というものを、大企業のほうがむしろ重く、中小企業のほうがむしろ軽く——これは経済の原則に、いままでの常識からは反すると思うのであります。しかし、どうもやはり理屈からいうと、実はそうなるのがほんとうのような感じがするのであります。こういうような考え方から、特別の金融機関などが生まれます。たとえば、まだ日の目を見ておりませんけれども、環衛金融公庫法の中で安い金などを用意するということは、私はむしろそういう思想のあらわれでないかという感じがするのであります。今後ともそういう形の大企業と中小企業との間の金利負担の、いままでとは違った逆な格差——税法の上では、御承知のとおり中小の法人に対する軽減税率というのがあります。しかし金融に関しましては、確かに金融のルートはふえておりますけれども、金利の負担という面では、どうもこれに政治の手が加わっていないような感じがいたします。簡単な問題ではございません。それをどうするかというにはいろいろ方法論がございましょう。しかし、根本的にそういう問題が一つ、高い御指導の立場にある総理の胸の中にあることが、これからの中小企業の金融に非常に画期的な面を開く、こういうふうに私は考えるものですから、以上に関する御見解を伺っておきたいと存じます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 一般的に中小企業の金利が高い、こういうことは言えるかもわかりません。しかし特別な近代化、これを進めるためのそういう資金には、ものによっては利子を必要としないものもあるわけでございます。したがって、どういうような金融なのか、そこらをひとつ区別して、それぞれ目的を達するようにいたしたいものだと思います。わが国の全般の金利、これはいま言われるように、やや外国に比べまして高いのじゃないかと思います。最近国際経済協力が問題になってきますが、これらの場合後進国、いわゆる開発途上にある国に対して、いろいろ低金利のものを要求されております。それなどを考えてみると、国内においてさような特別処置をとっていない、国民に対してそういう処置をとっていないのに、外国人に特別な利便を供するわけにいかないので、私どもが政府の立場で、やはり経済協力にも一つの限度があることを感ずるのであります。したがいまして、今後とも全般としてはやはり金利を安くするような、まあしばしば言われますように国際金利にさや寄せする、この方向であるべきだ、かように思います。しかし、これはなかなか一足飛びにはそういうことはできません。したがって、先ほど御指摘になりましたような中小企業の金融、その金利のうち特殊な目的のためには特殊な処置をとる、こういうような方法でまかなっている、これが現状でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 平岡忠次郎君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 総理御承知のとおり、要求米価一俵当たり八千九百三円、石当たり二万二千二百五十七円五十銭をひっさげまして、全国津々浦々から米作農民諸君が目下国会の周辺に集まっています。本日、この背景のもとに、消費者米価につき、食管会計を中心として総理の御見解を承りたいと存じます。  総理御承知のとおり、食管における生産者米価と消費者米価のきめ方は、現行では別建てであります。すなわち、生産者米価は再生産を償うに足ることを基準としてきめらるべきこと、生産費及び所得方式がこれであります。片や消費者米価は、生産者米価とは関係なしに、家計の安定を目途としてきめらるべきものとされているわけであります。要するに別建てということであります。しかるに財政当局は、いわゆるスライド制、すなわち生産者米価の上げ幅に見合って消費者米価も値上げするという思想を前面に強く押し出してきたように私には思えるのであります。すなわち、あらかじめ値上げを見込んで予算を組む予算米価方式は、過去におきまして、三十四年ごろまでは予算上生産者米価については採用した実績がありますが、消費者米価にこの方式を取り入れたのは、今回の予算が初めてであります。これは財政当局の考えているスライド制確立の突破口の設定であると理解せざるを得ないのであります。平たく申しますれば、米を主食とするわが国消費者、すなわち国民全般への物価挑戦であると私は考えます。  そとで、総理にお伺いしますが、はたしてかくのごときスライド制で生産者と消費者の利害を調整することが可能とでも思っていらっしゃるのかどうか。ことしだけは事態を何とか切り抜け得ても、長期的には解決策とはならないのではないか。あちらを立てればこちらは立たず、こちらを立てればあちらが立たないという論理の低迷に定着し、停滞すると考えられますが、長期的展望を踏まえて、ことで芽を出してきましたところのスライド制への移行について、確固たる御所信をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 平岡さんはたいへん進んだ考え方をしていらっしゃるが、実はまだスライド制はとっておらないのです。十月に、大体今度は一四・四でしたか消費者米価を上げる、そういうことを一応予算に見積もって御審議をいただきましたけれども、これは、いわゆるスライド制というものではございません。ことしの消費者米価がさようにきめられても、また生産者米価は、いまちょうど米価審議会で取り組んでいて、これからきまろうというのでありますが、この場合も全然、いわゆるスライド式なたてまえではない。しかし、政府から見ましてもまた国民から見ましても、ただいま言われるように、生産者米価は再生産あるいは所得方式、そういうものからきめられ、また消費者米価は家計の安定というか、生産者米価とは全然関係なしに、その面からきめられる、こういうものですが、そこに何だか二つを結びつけて見ていかないと、どうも納得がいかないものがある。全然米は生産の立場できめるものだ、消費者米価になると、それはもう食べるほうだけだ、国の財政というようなことからはあまり考えられない、これでも実は困るのです。だから、いろいろなくふうはされるようですが、まだスライド制は採用してないことは、御了承願いたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 総理のお答えですが、今年度の計画を含めて既往三カ年間ですね、毎年消費者米価は上がっております。むろんその前に生産者米価も上がっておるわけです。したがいまして、あなたのお答えではございまするけれども、結局、このスライド制が現実の経過の中に根を張っておるわけです。今度の予算の特徴は、消費者米価の値上げというものを予想しまして、国庫の歳入にあらかじめこれを組んだということです。過去におきましては、十月ないしはその翌年の一月からの生産者米価が上がるであろうということで、支出の面に予算を組んだということはある。ことしは消費者米価の値上げというものを見込んで、国の歳入のほうにそれを組んだというととが特徴的なのです。たての両面ですから、いずれにいたしましてもやはりスライド制が、ここに芽を、もうかなりしっかりした形で出してきたと言わざるを得ないと思うのです。いま申したように、ここ三カ年間連続ですよ。従来それほどのことはなかったですよ。二年に一ぺんとか三年に一ぺんとか消費者米価は改まったのですけれども、ことしの計画を含んで三カ年間続けて消費者米価が上がったということは、事実においてスライド制に入っておると断ぜざるを得ないのです。この点につきましても、御反論等がありましたらお聞かせを願いたい。  時間がありませんから、なお次に進みたいと思います。さてそれならば、消費者と生産者との利害反するがごときこの問題を、他に別途の打開策があるかどうかということもわれわれは考えなければならぬと思うのです。それで思いつくことは国際的な交流、すなわち、外国産米の輸入によってはどうかということも一応考えられます。この点で総理の御見解を伺えばいいのですけれども、これは時間上私のほうから申し上げて、結論的にはこれがだめだということを立証したいと思います。  通産省発行の一九六七年歳の通商白書、この資料によりますと、四十一年度において外米買い入れは八十一万二千トン、価格にして一億三千百万ドル、トン当たりC&F価格百六十ドル、石当たりに直しますと約八千二百三十円であって、四十一年度の政府買い入れの生産者価格、石当たり一万七千八百七十七円の約半値であります。値段だけは確かに安く、ここに危機打開のかぎがあるように思われますが、世界的に米の生産は逼迫しておりまして、わが国への寄与は、統計的にも一割内外でありまして、将来もまた量的に多くを期待することができないのが実情であります。輸入米が量的には国内産米の一割程度の量であるということは、価格的にも、国内産米とのならしで、消費者価格において石当たり千円どまりの下げ影響しかもたらし得ないのです。これは非常に錯覚を起こすところなんです。外国産米は値段が半分だということ、その面だけを抽出してみれば、これは輸入をたくさんやることによって問題は解決しそうなんですけれども、実は量的に一割程度のこと、将来ともこのくらいきり伸展は望めないということ、しかも九対一の割合でまぜ合わした場合に、消費者価格への下げ影響というものは、石当たりにして一万七、八千円もするようなそういうベースにおいて千円どまりです。正確に計算すると、現状では八百何十円です。二万円ベースにいけば、千円までくらいの下げ影響はあります。そういう事情でありまして、結論は、量的にも、価格的にも国際交流によって問題は解決し得ないということです。  したがって、議論はまた元に戻りまして、閉鎖的舞台で論じ合わなければならないのであります。すなわち、米価対策の主役は、私ども社会党の見解では、やはり食管会計制度の積極的維持でなければならないと考えています。党は右の立場でありまするけれども、あらためて率直にお伺いします。政府は食管会計制度を是認するのか、はたまた将来に向かってこれが廃止を是とするのかどうか、食管に対する総理の基本的態度をお示し願いたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 食管制度をいま改める、かような考えはございません。この点ははっきり申し上げておきます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 現象的には改めてないのですよ。いま言ったように、現実の経過のうちにスライド制が強く前面に出てきているわけなんです。あなたがここ当分は食管会計は改めないということは、答えとして当然予期していたとおりなんです。残念ながら予期していたとおりなんです。しかし、論理上レッセフェールというか、自由主義経済をとる自由民主党とすれば食管制度は異端者だというネガティブなかまえなのか、それともそうでなしに、食管会計は積極的にこれを維持すべきだというたてまえにあるのかというのが、私があなたに聞かんとするところなんです。明確にひとつお答え願いたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いま明確にお答えしたのです。この点は、いまの価格決定あるいは外米の買い付けその他から一部疑惑を持って、いまの食管制度を改正するのじゃないか、こういうことのようですが、ただいまはそんなことは考えていないのです。  そこで問題は、先ほどの消費者米価をきめた、これは時期的に、ことしはこの十月に予定しており、昨年は一月でございますか、その時期はそれぞれ違っておる。いま言われるように、厳格な意味のスライド制というものではない。また価格形成というものは、一つだけ取り上げてその価格だけがきまるものじゃない。経済活動から申せば、やはり総合的な立場において価格が形成されるというのが経済の実態だと思う。平岡君はその点はよく御承知のことだと思うのです。ただ、私どもはあらゆるくふうをして、いわゆる生産性を向上し、そして消費者の立場において適正な価格というものを絶えず考えていく、これが価格政策でもあるわけです。先ほど小峯君は価格の維持ということを言われました。私は、必ずしも維持ばかりじゃないのだ、安くすることも考えなければいかぬということを特に申しましたのは、そういう点なんです。したがいまして、この米のような——米のようなと言うとしかられますが、なかなか生産も思うように増強できないし、また、いまの社会の仕組みから申しましても、日本の場合は米を中心にしての土地制度その他がございます。社会制度もこれで維持されている。そういう場所において、消費者米価を安くしなければならない、そういう立場だけではなかなかこの問題は解決されない。また、これはもう私が申し上げるまでもなく、ただいまの食管会計のもとにおいて生産者の米の買い入れ価格、これを決定することは国の大事業で、これはたいへんな問題です。そういうことまで考えると、消費者米価が、ただいまのように家計の安定化、その意味においてできるだけ安いほうが望ましい、かように申しましても、それだけではなかなか解決できない。やはり国の財政的負担も考えなければならない。そしてその場合消費者米価を、生産者米価が上がったからこれは上げるのだということでなしに、一般価格、物価の動向などともつり合いをとってそして消費者米価がきまる、これが望ましい姿ではないか、かように思います。  私は食管会計を維持する、かように申しましたが、もしこれに変化を与えるということになれば、今日の経済状態あるいは国民生活そのものに非常な混乱を来たすだろう、かようにおそれるのです。そういう意味においてこの制度は、今日私はその改正を考えておらない、これははっきり申し上げ得ることであります。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 実際の政治を運営する責任を持っておられますから、食管の大赤字というものは、やはり政府として頭の痛いところだと思います。しかし、この大赤字を分析いたしますと、結局、生産者米の買い上げ価格と消費者に渡す売り渡し価格ですね、それの逆ざや、差損というものは、これは総理は当然御承知でありましょうが、四十二年度の計画によりましても、売買損はわずか百九十二億なんですね。あとは政府の経費が九百五十六億円なんですよ。だから、あたかも農民はやっかい者だというような態度は、食管に関しては当たらぬと思うのです。これは間接的な経費だからやはり米価にかかってくるのだという理屈もありましょうけれども、政府が今年度目途としている食管における赤字、本来なら二千五百億円くらいになるところを、十月よりの消費者米価の値上げによって千百四十八億円くらいにとどめようという、このめどとしての千百四十八億のうち、売買差損によるものが百九十二億であり、政府経費が九百五十六億ということは意外であり、これはやはり普通常識的に考えられている、食管に関し生産者というものがわが国の経済に重荷になっているのだ、そういう誤謬をおかさせがちな要因になっておるわけですけれども、こういう誤謬要因を排除して考えると、私は食管会計方式は厳として積極的に維持すべしという議論は、当然あってしかるべしと思うのです。先ほど長々と御回答があったのですが、中身はさっぱりないので、はなはだもって期待をはずれた御回答として失望しましたが、私はこの辺で引き下がりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 どうもいまの食管会計に、当然必要な政府経費、これは除外すべきものだ、こう言われますが、その点は私は議論があると思います。いずれにいたしましても一千億以上の赤字だ、これがいまの実情でございますから、政府経費だけは別だというわけにいかないのであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうは時間がございませんので、簡単に二つだけ質問をいたします。  まず、物価上昇の見通しでありますが、総理大臣は施政方針演説で、ことしの消費者物価の値上がりは五%以下にとどめたいというような発言がありまして、その後政府の経済見通しによると、消費者物価は四・五%、卸売り物価については大体横ばい状態だから・一・二%程度にとどまるのではないかというようなことがしばしば言明されておるのでありますが、その後相次いでやはり消費者物価は上がっておりますし、また卸売り物価も横ばいではない、このように私どもは考えますが、今後の物価上昇の見通しについて、いままで述べられた数字をあなた方としては堅持していくという自信がおありになるのかどうか、それをまず最初にお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この物価の問題は、企画庁長官から、おそらくこの委員会でお答えしたと思います。私ども最近の動向については、実は絶えず監視しておりまして、卸売り物価の動きも一時やや上向いていた、こういうことで心配しましたが、これも最近は鎮静してまいりましたし、また、消費者物価そのものも、全般として、私どもが予想したよりも、それを下回るような数字といいますか、動き方としては、私どもたいへんしあわせに思っておる、こういうような状況でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 この消費者物価の上昇の根本の一つとして、公共料金の問題がいつも問題になるのであります。あとでまた質問があろうと思いますが、大阪でタクシー運賃の問題が起きております。またバスの運賃の問題について、先般の運輸省の答弁をめぐっていろいろまた紛糾も起きておるようであります。たばこの問題については、値上げをしないという大蔵大臣の言明があったようでありますが、公共料金について今後どういう態度で臨まれるか、これをひとつ伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 先ほど消費者米価の話が出たのもそういうことだと思いますが、この公共料金と同じような意義を持つこういうものが先行して先に上がっていけば、諸物価を必ず刺激する、こういうことだと思います。そこで、ただいまのようなお尋ねがあるのだと思いますが、私はいまの公共料金、これはそういう意味で、この取り扱い方は非常に慎重でなければいけないと思います。ただ、公共料金のバス、タクシーその他にいたしましても、他の事業より以上に合理的な合理化を進めるべきじゃないだろうか、経営の合理化を進めて迷惑をかけないように一そう協力すべきじゃないだろうか、こういう意味で特別な指導もし、そういう意味の検査もしておる。したがって、どうしても、どんなことをやってもやっていけない、こういうような場合にやむを得ず特例が認められるかどうか、そこに最後に落ちる、こういうのでありまして、扱い方としてはよほど慎重に扱うというのがいまの現状でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それじゃもう一つの質問ですが、佐藤内閣の消費者行政ということです。これは表看板の一つだと私は思っているわけですが、消費者行政が実はいま非常に大きな問題になっておると思うのです。それを具体的な例をあげて申し上げますが、この委員会は十数回委員会を開きましたが、そのうちで半数以上は、実は牛乳の値上げ問題を取り上げたのであります。結果は全国的に二円値上承りということで、現状はほとんど上がってしまっておる。この値上がりの問題をめぐって公正取引委員会が摘発をし、勧告をする、これを拒否する、審判にかかる、こういう関係になってきたわけでありますが、政府の価格指導の撤廃からこういう問題が起きた、私どもはそれを指摘したのであります。これにはいろいろ見解の相違もあったりいたしましたが、結論として言うならば、政府の二枚舌行政ということがいま取りざたをされております。そうして、近くこの牛乳の審判の際に、業者は農林大臣を証人として喚問してもらう、こういうことすら出ておるのであります。これがまず第一であります。  第二は、物懇が提案をいたしました例の再販価格の維持規制法案の問題であります。この問題は前回の国会でも、当特別委員会でも決議をされておったのでありますが、ついに先般の公取委員長の言明によって、今度の国会にこれを提案することができなくなった、こういう話がございました。私どもはこの再販価格というものが、消費者行政に非常に重要な影響を持つものである、したがって、いまの段階ではぜひこれを強いものを出してほしいということをしばしば要求したのでありますが、ついにこれも日の目を見ずに終わってしまった。聞くところによると割賦販売法の改正法案というものも、これまたいまの段階で、通産省と自民党の政調会との間に意見の一致を見ない、こういうことから、今国会においてこれまた法案の提出は不可能ではないか、こういうことすら耳にするのであります。この割賦販売の内容は、御承知のように、内容が非常に国民の家庭生活に直接関係の深いものでありまして、ミシンとか、家具とか、家庭電器とか、そういうものが内容であります。したがって、これまた消費者行政にとっては非常に注目をする法案でありました。同時に、去年の割賦販売の審議会は、消費者保護の規制を強化せよという立場から、当時の三木通産大臣に答申すらしておるのであります。それが今日再び日の目を見ずに葬られてしまうというような傾向すらある。こうなってくると、佐藤さんの一枚看板である消費者保護行政、これが泣くのじゃないかというふうに私は考えますが、一体消費者行政について総理としてどういう御見解を持っておられるのか、いまの三つばかりの具体的な問題をもとにしてお答えをいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この消費者行政を重点的に取り上げなければならないということは、私がいまさら申し上げるまでもないことだと思います歩、しかしわが国の一般行政、これはいろいろなそのときの要請にこたえる、かように思いますが、何か生産方面に力が入り過ぎていたのじゃないか。やはり消費者行政、最終の受益者、これはやはり消費者なんだ、そこに重点を置き、ピントを合わしていく、そういうことでなければならなかったろうと思います。そういう意味で、この消費者行政か非常に大きくクローズアップされることは、これは当然なことだと思います。そこで、いろいろものの考え方その他がいままでそこにピントが合っておりませんから、なかなかすぐには効果をもたらすような成果があがっておりません。これだけはまことに残念に思います。  そこで、いま価格指導の問題、これは別に二枚舌云々があるかどうか知りませんが、この牛乳の問題、まずこれが一つある。物価安定推進会議では、とにかく全面的なひとつ実情調査に乗り出せ、すでにそういう意見書をもらいまして、政府はこれとひとつ真剣に取り組んで実情を把握しようではないか、こういうことで実はいま各省の動員体制をつくっております。  私はいまの価格形成、これは簡単なものではないと思います。生産費そのものもありますが、同時に流通の問題もありますし、先ほど来いろいろ議論されておる一般金融の金利の問題もあるでしょうし、さらにまた税制の問題もあるでしょう、いわゆる総合的に考えて初めて効果があがるのでありますから、そういう意味で実情を把握することが必要だ、かように思います。  そこで牛乳問題については、包装あるいは配達等についていろいろなくふうがされて、もっといままでのやり方を変えたらどうか、そういう意見が出ております。また、実際にもそういう点で団地その他では効果をあげているところもあるようです。したがって、この実情を把握することによって、いまのような不都合な点は改正されるのじゃないだろうか。ことに米に次ぐ主食とも考えられるミルクの問題ですから、そういう意味でこれには真剣に取り組むつもりであります。  次の再販価格の問題、これはもう私がいまさら申し上げるまでもなく、政府そのものは在来の考え方に変わりはございません。いわゆる消費者保護の立場から、いままでの行き過ぎたものについてこれにメスを入れる、その考え方には変わりはございません。きょうも公取の委員長もこの席にいますが、法律ができない限りにおいては、やはりいまの現行制度のもとにおいて公取にもうんと活動していただいて、そうして効果をあげていきたい、かように思います。ただ私はこの国会では、非常に時間的な余裕がないために提案をいたしませんけれども、必ずこれは法制化すべきものだ、かように思っておりますので、次の機会まで待っていただきたい、かように思います。  その次は割賦販売の問題であります。これは実はなかなか一口に簡単には言えない問題になっておる。この割賦の実情というものは、いろいろの形があるようであります。消費者にもたいへん便しているという面もありますが、同時にまた最近の経済変動等から見まして、予期しないような非常な損害を消費者に与えている例もある。したがって、これらの点を十分加味して、こういう割賦販売というような制度、そのよさを保ちながら消費者を保護する、そういうたてまえでひとつ成案を得なければならぬ、かように実は思っておるのであります。現状は、もうすでに私が申し上げるまでもなく、武部君御承知のように、金額的にもまた経済活動の件数から見ましてもたいへんな状態だと思います。近代生活から見ると、この割賦販売を全然禁止するわけにいかないような状況になっておる、かように思いますので、そこらを考えながら、消費者の保護が十分効果をあげるような法律をつくりたい。一口に言ってはそれだけですけれども、その法案を立案するということになりますとなかなかむずかしい問題ですので、しばらく時間をかしていただいて、十分見当をつけてりっぱなものをつくるようにしたい、かように思います。

武部文日本社会党

○武部委員 終わります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 和田耕作君。

和田耕作民主社会党

○和田委員 私に与えられた時間が十分ですから、ただ一つだけ総理大臣にお伺いいたします。  最近、経済企画庁から国民経済白書というものが発表されました。これを私拝見しますと、物価がどんどん上がっておる、生活が苦しくなっておるというけれども、所得のほうはもっと上がっているんだ、そのことを非常に強調されているような感じがいたします。都市の勤労者は七万五千円、農家は七万円というこの中身を見れば、やりくり算段の仕事以外のいろいろな副業でも持って、とにかく七万五千円なり七万円なりの所得を持っているということが強調されているわけであります。これは確かにけっこうなことでございまして、その努力は全く多とするわけでございますけれども、私が特にここで総理大臣にお願いしたいことは、現在の日本の経済は、悪性インフレとはもちろん言えないけれども、確かにインフレ含みであることは間違いないわけであります。したがって、物価がどんどんと上がっていくということは間違いないことだと思います。そういうような状態のもとでいまの都市勤労者、農家のように、旗を振って賃上げをやる、あるいははち巻きをして農民戦争をやるということで上げる方法はあるのです。あるけれども、特に総理にお願いしたいことは、こういう方法のない人が非常にたくさんおるということなんです。生活ぎりぎりの一定の費用で暮らしている人がたくさんおられる。こういうふうな人によく目を配ってもらいたいということなんです。これは配りますということでなくて、総理は耳も大きいし目も非常に大きいのですけれども、物価政策が国民のすみずみまでいくために、行政の耳と目をしっかりしたものにしてもらいたい。そうしないとたいへんな不公正なことが起こってくるということでございます。いまのようなインフレ含みの経済に対しましては、総理としては、ちょうどあらしの海に船出していく船頭さんのような細心の注意が必要だと私は思うのです。風向きが変わりはしないか、あるいはどこかに暗礁がありはしないかという問題、その問題だけ特にお考えいただきたいと私は思うのです。  そういうふうな意味で、これは二つの面について目を光らしていただき、目を大きくしていただかなければならぬと思うのですけれども、一つは、物価の政策はきめ手はございませんね。矛盾だらけでございます。これは確かにそうでございます。いまの中小企業の問題にしましても、メーカーとしての共同動作を必要とするような協同組合的なものも必要だし、といってそれが公正な取引を阻害するようになってはいけない。矛盾でもございましょう。あるいは資本の自由化の問題にしましても、この自由化が行なわれれば価格は確かに下がってまいりますけれども、それでは国内産業は成り立たないという問題もある。確かにたくさんそういう問題がある。ですから、あらしの中に船出していく船頭さんのような慎重な態度というものが私は必要だと思うのです。つまり、それを具体化するために各重要な業界を背後に持っておる行政のセクションのコントロールと申しますか、調整と申しますか、そういうふうな機能を強化していただくことが必要だと思います。  経済企画庁長官もおられますけれども、そういうふうな面を強化していただくことと、もう一つは、先ほど申し上げたような低所得者、特に最近、たとえば東京大学その他の学校で問題になりましたような研究機関に働くような人たちは、一定のあれで生活しておる。つまり物価はどんどん上がっていく、生活は苦しくなる、それでこの前のCIAがどうしたこうしたという問題も起こってくる。頭脳の流出という問題も起こってくると思うのです。これは単に低所得者だけの問題でなくして、いまのインフレ含みの経済というのは、そういう生活的な問題でも、内容的に見て重要な人に思わぬしわ寄せをしているという問題があるわけです。生活保護という制度のもとにおる人もそうですけれども、それにならない人でも、生活保護をきらって、しかも生活苦の中に自殺していくというようなことが新聞記事によくあるわけです。そういう消費者の状態を直ちにキャッチできるような耳を制度化していただきたいと思うのです。現在各省の物価担当官というものがあるようでございますけれども、こういうふうなものでもって調整の機能をもっと強化すると同時に、インフレ含みの経済のもとで、一定の生活で底にしもっておる人たちあるいは学者諸君のような特殊な人たちに対して、その人が困って妙な生活をすることがないようにそれを監視する。監視というのはあれですけれども、その実情をすぐ行政に反映できるようなルートを確立していただきたい。  物価安定推進会議というのがありますけれども、これは特殊な項目に従っての実情調査でございまして、消費者としての国民の困窮している生活者としての状態はキャッチできない。また、させようとするあれもないと思います。そういうふうな意味で、物価の問題が一年や二年で直る問題ではないということもありますから、将来ともぜひともそういう耳と目を拡充する制度をつくっていただきたい。このことを特にお願いいたしまして私の質問にかえる次第でございます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまの和田君の最後の問題、これはもちろん耳と目ばかりでなくて、鼻も口もほかも、いわゆる五官まで働かしてぜひとも実情を把握し、あたたかい政治をする、こういうことでありたいと思っております。  ただ、いろいろ誤解があるようで、何だか和田君の話を聞いていると暗いほうばかりのようですが、私は最近の世相から見まして、実は明るいものがあるように思います。ただいまの、収入はふえるが物価が上がるといういかにも暗いようなお話です。しかし、お互いの生活の内容はよほど変わっており、最近生活の内容が充実し、どんどん上がってきた。これはたいへん望ましいことだ、かように思います。ことに、そのためにも経済を発展させて所得をふやしていかなければならない。だから、わが党のかねての所得倍増計画はりっぱに目的を果たした、かように実は私は思うのでございまして、今日の実情はそういう意味で非常に明るい面がある。いまの生活保護基準にいたしましても、これはもうことしは一二%上げている。これ一事を見ましてもよほど変わってきている。いま苦しい苦しいと言っているのは、同時にお互いの生活向上、その結果だと私は思います。しかし、現状で実は満足するものではありませんし、最近のものを読んでみますと、二十一世紀になれば日本は国民所得の面においても第一の国になるだろう、アメリカと肩を並べ、場合によったら追い越すだろう、そういうような推定も出ております。二十一世紀ですからまだずいぶん先ですが、たいへん私はうれしいように思います。いまの出発点そのものから見ても、これは大いに期待が持てるのです。  ただ現状そのものから見ますと、いまの生産が伸びた、生産性は向上した、それでまた賃金は上がった、それで満足ができない。どうももう一つは物価が適正な価格であってほしい。そのことか再生産にも役立つんだ。国際規模でものを考えていけば、たいへん望ましい姿にもなるだろう。だから皆さんが要望されるように、物価の問題と取り組んで、維持じゃなくて、物によってはどんどん安くなる。いま現に電機製品や自動車などがどんどん下がっておりますが、そういう方向でやっていきたい、かように私は思います。

和田耕作民主社会党

○和田委員 総理の非常に楽観的な、あまりあらしの中へ踏み入れていく船頭さんの態度じゃないようですから、一言だけ申し上げておきますけれども、いま確かに生活はよくなったように見えるし、都市勤労世帯も農家世帯も所得は上がっておる。しかしながら、いまの社会保障制度の問題を考えましても、確かに国民皆保険という状態で健康保険の制度があると思いますけれども、その中身はきわめて不安定なものしかないということですね。お医者さんはもうけているか知らぬけれども、とにかくそのしわ寄せがわれわれのほうへ来ているという問題が確かにございます。また失業保険の問題にしても、農家の収入の中には農業外所得がありますけれども、そういうのには、たとえば夏分の出かせぎで、その出かせぎの人に三百億もの金を払うというような制度になっている。大事な制度の中身がおかしなことになっている。しかも、救わなければならない生活保護者にしても、失業者にしても、救われないで放置されておる。こういうような問題がありますので、社会保障制度を今後飛躍的に拡充するためにも、ここらでしっかりその中身を検討しなければならないという問題がございますね。そういう問題について政府は案を出しておりますので、私らは多としますけれども、しかし、そういうふうな意味で、いい制度がこうなっているからこれでいいんだ、都市勤労者の所得が七万五千円だからこれでいいんだというのじゃなくて、その中身は若干腐っている問題がありますね。そうすべきような方法ではないのに、違った方法でそうなっているというものがある。それでは今後低い人の生活を向上さすことができない。そういうような問題がたくさんありますので、何とか行政の明るい意味の、しわ寄せを受ける人たちの状態を敏速にキャッチできる耳をぜひともお考えいただきたい、このことを特にお願い申し上げまして私の質問を終わります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 ややこまかい問題でございますけれども、佐藤内閣の物価政策の基本的なことにつながると思いますので伺います。  いま大阪でタクシーの冷房料金の値上げのことについて大問題になっています。これは読売でございますけれども、新聞にも大きく書き立てられておるわけでございます。大阪ナンバーに乗らないで、みんな神戸のナンバーを選んで一生懸命乗るような、そういうような事態まで起こしておるといっておるのですけれども、この冷房料金の認可が妥当だと思っておられるのかどうか、そのことをまず第一番に伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 御承知のように、大阪では他都市と違いまして、自動車に冷房をつけている率が非常に多うございます。また、自然的にそういう気温なり湿度であるようにも聞いております。そしてそれに加えて万国博覧会の準備等々で、非常に自動車の走行率が悪くなっており、また空気も悪くなっておる。このような理由から陸運局に申請があったように承知をしております。運輸大臣が本件を臨時物価対策閣僚協議会にお出しになりまして、私ども討議をいたしましたが、お客に対する——冷房のきらいな方もおられますけれども、概してサービスであり、また労務対策としても、そこまで普及しておればある程度は認めるととが適当であろう、ただし期限は九月の十五日までということで、運輸大臣の行政上の御判断に閣僚協議会としてはゆだねた、こういう経緯がございます。

有島重武公明党

○有島委員 いま職員の問題、それからお客さんの問題もありましたけれども、この値上げには、事業不振ということも一つあったように私は記憶しております。しかしこのことにつきましては、大阪のほうの大手タクシーは、四十一年の上期でもって三割六分の配当をしております。東京なんかですと、大手でさえも一割二、三分にすぎないといわれております。これは私たち国民の目から見ますと、物価対策が、表面上は従業員なりお客さんのためだといいながら、何かやはり大手業者に押されているような、そういうような印象を強く受けるわけであります。  私は、これがほんとうだと信じたくはないのでありますけれども、こういったうわさがあるわけであります。大橋運輸大臣が、大阪の冷房タクシー料金の認可につきまして、閣僚協議会の前にすでに業界に確約を与えておった。ほかの値上げの申請も含めまして、陳情者の面前でもって、自動車局長に早く認可してしまえと、そういうような指示もした。また大阪のタクシー業者は、今回の冷房料金等引き上げの実現のためには七千万円の政治献金をしたと、そういうことを漏らしている者もあった。大阪のある大手会社と関係する陸運議員懇談会の会長と大橋運輸大臣と約束してあったとか、これは毎日新聞に載っていたわけでありますが、経企庁の幹部を陸運議員の懇談会の朝食会に呼んで、タクシー料金の値上げの問題を経企庁が押えているのはけしからぬと言ってつるし上げたとか、そういうようなうわさを聞くわけでございます。この際総理としてこの冷房料金の認可について、これは撤回なすったほうがいいんじゃなかろうか、そう思うわけでありますけれども、御所見をお願いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 いまのようなあまりおもしろくないうわさは、実は私は耳にいたしておりません。ただいまのようなうわさがあるとか、ただいまの運賃の問題を撤回する、こういうようなことになったらこれはたいへんなことだと思います。むしろそういううわさの出所を十分確かめまして、行政上疑惑を持たれるあるいは不信を持たれることのないように注意いたしますが、ただいままでのところ私はさようなことを聞いておりません。  また、タクシー業そのものにつきましては、大手の業者ばかりでなく、いわゆる個人タクシーというものがわりに評判がいいようです。そこで、むしろ積極的に個人タクシーの免許もすべきじゃないか。これを大都市だけに限っておるようだが、個人タクシーを許す範囲も拡大すべきじゃないか。これは、庶民生活に即した措置をそれぞれとっておるのであります。  ただいまの冷房つきタクシー、いろいろ問題を起こしておるようですが、いま有島君からも御注意がありますからひとつよく調べまして、いままで私の信ずる諸君には間違いない、かように確信しておりますが、しかし、うわさがあったということならこれはたいへんなことだ、かように思いますので、よく調べてみます。

有島重武公明党

○有島委員 それでは、その点については十分調査をしていただきまして、ひとつ対処していただきたいと思うのであります。  ただいま、ひとり個人タクシーの問題をおっしゃいましたけれども、これはおそらく六月二十七日の閣議のことであろうかと思いますが、そのときに、一地区同一料金制の廃止をやはり同時に決定されておるようでございます。そういたしますと、この申請が七月一日に認可になっておるわけであります。そういたしますと、新しい方針がきまっちゃってから個々の業者の申請に基づいて認可すべきことであるならば、このように一括して以前から申請があったのでありましょうけれども、これは全然出直すのが筋合いじゃなかろうか、こう思うわけであります。何か筋道が非常に違うように思います。これは運輸のほうの関係だと思いますけれども、やはり……。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 有島君に申し上げます。割り当て時間が超過いたしましたので、簡単に結論をお急ぎ願います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 同一地区同一料金云々という問題は、しばしば地方で何人かの業者が値上げを申請したい、しかし、申請しない者もあるというときには、実際なかなか値上げは困難でございますから、以前にはある程度そろえてというような行政のやり方かあったように思います。それはなるべくそういうことをしないほうがいいではないかということで閣僚協議会で決定いたしました。  それから冷房のことでございますが、これは冷房装置を取りつけるというそのコスト、それからそれに若干のガソリンの経費がかかると思いますが、これはおそらくどこも同様であろう、こういうふうに運輸大臣が考えられましてそういう許可をされたもの、こう思っております。両者に別に矛盾はないように思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 有島君、まだ質問がありますか。時間が超過したものですから、たいへん恐縮ですが簡単に……。

有島重武公明党

○有島委員 最後にこの問題について。やはりこめ認可のしかたに非常に何か陰があるような印象を受けるわけであります。これはよく検討いただいて、もう一ぺんしっかりとみんなの納得いくようにやっていただきたい、そう思うわけでございますけれども、検討していただけるでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 こういう問題で何か疑惑が残るようなことは、私は大きらいですから、もちろん調べてくれとおっしゃるのですから、調べませんというようなことは申しません。御注意の点をありがたく拝承し、行政の面で間違いがないようにこの上とも努力いたします。ということは、調べてみるということです。御了承いただきます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。唐橋東君。——二、三分ということですから御了承願いたいと思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 二、三分で結論だけ申し上げます。国内価格と輸出価格の問題でございますが、御承知のように、肥料とか農機具、電気器具等が、輸出価格が安くて国内価格が非常に高い。特に今度中国との肥料の契約等はその典型的なものだと思いますが、米の値段等にもからんで、もっと国内価格を輸出価格に近づけられないのかどうか。何か国民の負担で大企業本位のものを守っているがために、米の価格等も非常にいまの値段に大きく影響するのではないのか、こういうことでございますので、ひとつお伺いしたいわけであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 中共向けの肥料などでそういう事態が起きた、こういうことはいわれております。これはまあ特別な例だと思います。ことに欧州との肥料の競争等もあって、そういうことで特に安いものを提供した、こういうことです。いま言われることは、まず国民第一に考えるということ、外国へ出ていくものは第二だ、こういうようなものの考え方がしかるべきだと私も思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 これにて質疑は終了いたしました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。   午後四時二十五分散会

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