物価問題等に関する特別委員会 第12号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/06/14
会議録
○戸叶委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。小峯柳多君。
○小峯委員 長官がお見えくださっていますので、質問というよりもひとつお願い申し上げたいことがあるのです。 私どもは四月二十日に、ここで、各党共同の牛乳に関する決議をしております。四月二十日ですから、もう大かた二カ月たつのですが、その後の政府筋の動きというものが、たいへん私はにぶいように思うのであります。つい先日も物価安定推進会議のほうで、牛乳問題がはかどらぬから、特別に調査をさして、その結論を政府に持っていってしりをたたくんだというふうな意味の新聞記事を見たのですが、あの物価安定推進会議の前に私どもも決議をしております。これはそう簡単な問題ではないということは百も承知なんですが、少なくとも決議の趣旨に沿ってどういう動きをいてくださっておるのか。正直なところ、畜産局長にお伺いいたしますと、これから学識経験者を呼んで相談するんだというふうなお話でございます。むずかしければむずかしいでいい、ただ、せっかくここに委員会があって共同で決議をしておりながら、物価安定推進会議の決議でもなければ政府というものは動けないものだろうか。そうしますと、いかにもこの委員会というものが軽いものになってしまうので、私はたいへん残念だと思ったものですから、長官にそういう趣旨を申し上げて、少なくともそういう決議に沿って動く督励をしていただくようなことがお考えいただけないだろうか、実はそういう意味の質問を保留してきたものですからきょう申し上げるわけでありますが、その辺のことに関する長官の御見解をひとつ承りたいと存じます。
○宮澤国務大臣 四月二十日に当委員会で、乳価安定に関する件で、御決議をいただいたわけでございます。私どもといたしましては、この御決議を非常な激励というふうに承っておりまして、また、事実こういうことが世の中に広く知らされます結果、関係者全部、問題についてのそれだけの認識を高めるようになっておりますことは、申し上げるまでもございません。それで、私ども御決議の趣旨を体しまして——この中にはかなり長期的な、たとえば草地造成であるとかいうようなこともございますけれども、当面の問題につきましては、御決議の趣旨を体しまして、今日まで行政をやってきておるつもりでございます。すなわち、この御決議を中心にして、今回の乳価の引き上げについてのいろいろな、非常に具体的な話し合いのようなものが、一つ一つ報道はされておりませんけれども、各地で起こっております。私ども、主管の局長以下なるべくそういうところには参りまして、具体的に配給業者、消費者との会議等に出席し、あるいは場合によって、幾らか指導的な役割りを果たすことをいたしております。その結果として、ところによっては隔日配達のようなことであるとか、あるいはもう少し大型容器を採用するとかいうような、非常にじみな動きでございますけれども、具体的な動きもあちこちにあるようでございます。 しかし、大勢といたしましては、どうも先般の乳価のある程度の引き上げということは、程度の差こそあれやはり何となく浸透をしかかっておるように思いますので、この点は今後のこともございますから、実際にどういう状況に各地でなりつつあるかということについては、特別の調査団を派遣することが望ましいのではないかというふうに私どもも考えましたし、また、物価安定推進の会議のほうでもそういう御意見もあったりいたしまして、七月になりますとそういうことをいたしたいと思っております。 このことの意味は、やはりそういうことになりますと、関係各省が物価安定推進の会議の委員を中心にグループをつくっていくことになりますので、従来とかくこの問題について関心の薄かったと思われるような行政機関も、同じ目的のグループに組み込まれるというようなことになりますので、したがって、行政をやっていきます際にも、その人たちの心がまえもおのずから変わってくるということになろうかと思っております。 それからまた、これは公正取引委員長がおいででございますけれども、一、二の地区につきまして、先般の乳価決定について不公正でございますか、違っていましたら公取委員長からお直しいただきたいと思いますが、そういう事実があるというような御指摘もあったように承知しております。それから色ものにつきましての御決議もあったわけでございますが、これにつきましては、公正取引委員会の勧告を関係業者が受け入れることになりつつあるのではないかというふうに承知をいたしております。それから容器の問題につきましては、やはり私どもポリエチレンの容器というものを何とか採用してもらいまして——これでかなり価格が違いますので、採用してもらいたいと考えておりますが、これにつきましては、専門の見地から厚生省がなお研究しておられるように承っております。 御指摘をいただきまして、はなはだ動きが緩慢であると言われますことは恐縮に存じますけれども、じみなそういう積み重ねは今日まで続けてまいったつもりでございますし、今後もそういたしたいと考えております。
○小峯委員 問題が問題ですから、すぐにできるというふうに私ども考えていないのです。ただ、決議の趣旨をできるだけいろいろな面で生かしていただくということが出ますれば、私どもは私どもで決議をした効果があったというふうに考えるのです。ただそれが、いかにも物価安定推進会議で決議でもしなければ動けないのだというふうな意味にとれたものですからお伺いしたのですが、長官の御答弁で了承いたしました。 それから、公正取引委員長が見えていらっしゃいますが、あなたのお立場から見て、その後の乳価の問題はどういうふうになっていましょうか。私は、公正取引委員会の活動というものが、小売り業者などから見て、検察庁から手でも入れられるような、何となく不安、おびえを感じているような感じがするのです。これは長い間の習慣で、ことにお役所の指導になれてきている業者ですから、急におっ放されるとたよりない感じがしたり、とまどいをするような点があるのだろうと思うのです。いままでのように、乳価というものはお役所が中へ入ってきめてくれた、それが何か普通のように考えておりますが、こういうふうな体制で、ほんとうに正しい競争をさせながら価格をきめるという動きには、私はもとより賛成なのでありますが、そういう中にあって、むしろあなたのほうでは、指導をしながら少しあたたかく見ていかなければいかぬような気がするのです。私は、業者の受け取る感じを伝え聞いていま質問するのですが、何か公正取引委員会というのはこわいもので、たいへん締め上げられるもので、というふうな感じがあるのですが、もっとあたたかく指導するというふうなことを中心にやっていけないものでしょうか。乳価の問題を中心として、ひとつ御見解を承りたいと思います。
○北島政府委員 なかなかむずかしい問題でございます。いままでお役所の指導になれておった業界が突然役所の指導をはずされて、あとは自由競争でやれ、こういわれておる。ところが、いままでの習慣もございますので、価格協定などが行なわれたという場合には、これはやはり独占禁止法違反ということで取り締まらなければいかぬ問題でございます。ことに牛乳等につきましては、国民生活に非常に関係の深い、物価問題と非常に関係のあることでございますので、違法な価格協定が行なわれますと、私どもといたしましては、お気の毒ではあるがこれはやめてもらわなければならぬということであります。ただし、私どもの立場として行政指導でいけないかということでございますが、やはり法のたてまえといたしましては、違反があったらそれは取り締まるというのが公正取引委員会の仕事でございますから、日常から行政指導でもって業界をどうこうするという役所ではございませんで、また、公取の権限としても大体そういうことになっております。独禁法に通暁していない業界がえてしてあやまちをおかすことがあり得るわけでございますが、こういうことは、私どもはやはりPRをどんどん徹底させていかなければいかぬとは思っております。しかし違反がありましたら、これはあくまでも直さなければいかぬ、こう考えておるわけであります。
○小峯委員 私は、行政指導をしろということを申し上げているのではなくて、こういうことになると公正取引の精神に反しますよ——案外知らないのですよ。これはわりあいにむずかしい法律でしてあなたも御承知のように、一般の国民だってそう詳しく知っていませんよ。だから、法律ができたから、それに触れたから全部ひっくくるというやり方は私はよくないと思う。やはりそれをPRする、そういう意味のことを私は申し上げたので、行政指導をしろということでなくて、こういうことをすれば精神に反しますよというようなことはもうちょっと親切に——何となくあなたのほうの委員会というものが冷たく響くのです。もっとあたたかい雰囲気というものを必要とするような御努力があってしかるべきだと思うから申し上げたわけであります。
○北島政府委員 お話はよくわかります。独占禁止法は御指摘のように非常にむずかしい法律でございます。ことにこの二、三年前までは、財界の方もあまり御存じなく、内容を理解されていない方も多かったわけです。いまだに、どうして価格協定をするのはいかぬのだというような御疑問を持つ方も財界の中にあります。そういう中に入りまして、どうしてそれがいけないんだということは、私どもやはり十分徹底させる必要はあると思っております。私もつたないものではございますが、あらゆるマスコミを通じて、機会あるごとにそういうPRにつとめておるわけであります。今後も、先生のお話のように、PRはまことに必要だと感じておるわけであります。ただし、その過程におきまして違反の事実があれば、これはやはり直していただきたい、こういう考えであります。
○小峯委員 もう一つ長官にお伺いしたいのですが、この間から生鮮食料品の流通機構の問題を取り上げておるものですから、参考人をたくさんお招きしたわけです。その中で神戸のお魚屋さんが、これは小売り商でしたが、サバとアジが非常に売れないという話をいたしました。しゅんのものを食べていただくとたいへん値段も安いし、また栄養価値もあるので、その御本人は、私はむしろサバとアジを売ることを小売り商としての誇りに感じて努力してまいりましたが、しかし、このごろ売れないのですが、連れ立って見えた奥さん方が、サバとアジを買うということに何となくひけ目を感じる、高級の魚を食べることのほうがみえのようなものがあって、もう連れ立って奥さま方が何人か来ると、必ずサバとアジはよけると言うのです。私は、こういう面の消費者に対する教育といいますか、消費者教育というような問題がありはせぬかと思うのですが、そういう消費者に対する教育の問題はどこの役所ですか。あなたのほうでおやりになるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 概してさようでございます。消費者に対しましてモニター制を設けるとかいったようなことは、私どもの仕事でございます。なお、農村を対象にいたしましては生活改良普及員などが相当活動していますが、これは農林省の所管でございます。やはり消費者に対する教育と申しますか、そういうこと全般については、私どもの責任だと思っております。
○小峯委員 もう一つ。こんなに経済が成長して、こんなに生活の中身というものが変わっているときに、何かそういうものにマッチした取引といいますか、いろいろの面でそれについていけないようなものが、実は至るところにあるような感じがするのであります。中央市場機構の問題を調べましても、卸売り人も、仲買い人も、小売り人も、これでいいんだというような、おれは精一ぱいやっているんだというような自信のほうがあり過ぎて、新しい時代についていくという、一つのイニシアチブを自分から自発的にやるんだというような気魄が非常に少ないような感じがするので、それは消費者も同じだろうと思うのです。全体として見て、こういう新しい生活条件の中にマッチするような、生産も、流通も、消費もひっくるめた啓蒙というものが伴わないと本ものにならぬような感じがするのであります。こういうふうになりますと、やはり総合官庁であるあなたのところなどが、少し気持ちを用いていただかなければいかぬように思うですが、ぜひひとつ——私ども物価問題は非常にむずかしいと思いますが、やりようによっては何ほどかの効果はあると考える。やはりみんながその気になってくれば違ってくるんだという感じを強く持つようになったものですから、特にそういう意味で消費者行政ということに力を入れられて、必要な経費はやはりしっかりおとりになって、消費者行政機構というものをはっきり打ち立てるように、特に御努力願いたいと思うのであります。重ねて御見解を承って私の質問を終わりたいと思います。
○宮澤国務大臣 確かに御指摘になりますように、一般にわが国の経済あるいは生活様式というものが、やや合理化しつつあるのに比べますと、意識のほうの合理化が非常におくれておるように思います。結局、消費者に対してはより合理的な選択をしてくれという、これは一つの意識革命の問題だと思いますが、それがございませんので、先ほど御指摘の神戸の魚屋さんのようなことがあるのだろうと思います。また、卸売り市場につきましては、どちらの市場もなかなか近代的とは言いがたいような仕組みにもなっておりますし、やはり意識の問題としても、どうもそのように考えております。これは農林省なんかで御指導をお願いしておるわけでございます。 なお、消費者全体につきましては、先般御可決をいただきました四十二年度の予算で、新たに私ども六千名近いモニターを全国に置くことができるようになりました。また、先般の当委員会の御決議などもその最たるものの一つだと思いますが、やはり牛乳の価格が二円程度上がる、上がらないということが、これだけ国会でも取り上げていただいておるというようなことは、数年前には全くなかったことでございます。私自身も、数年前に比べますと、物価の問題というものは、やりようによってはかなりやれる部分があるというふうに考えておりますので、今後ともまた予算その他の面につきましてお力添えをいただきたいと考えております。
○戸叶委員長 武部文君。
○武部委員 公取の委員長においでをいただきましたので、最初に公取のほうにお伺いをいたしますが、この委員会で、四月の六日に公取のほうから、兵庫県の一斉値上げについて調査が始まって以来一カ月半ないし二カ月経過する間に、その違反の内容について調査の報告を何回か求めたのでありますが、なかなか回答をいただくようなわけにいきません。確かに時間的に相当かかることは承知をいたしますが、つい先日、兵庫県の商業組合に対して協定破棄の勧告が出された、こういうことを聞いたのであります。これは六月九日の新聞に出ておって知ったのであります。大体二カ月目になるのでありますが、私は、その間に特に必要なのは安売り妨害だと思う。各団地において特にそういうケースが出ておって、公正取引委員会にそういう申告が非常にたくさんある。いま特に家庭の主婦の皆さんが望んでおるのは、そういう安売り妨害を早く結論を出してもらいたい、こういう非常に強い要望があるので単急に公正取引委員会の結論を出していただけないか、こういうことを何回かお願いをしておるのでありますが、こういう全国のケースについて、いまの公正取引委員会の調査の段階はどうなのか、この点がまず一つです。 同時に、ここでひとつお伺いしたいのは、皆さんが勧告された兵庫県ですが、この商業組合は、皆さんから手入れを受けたときに、独禁法違反は覚悟の上だということを新聞に発表いたしました。これもはっきり新聞に出ておって私どもも見たわけです。独禁法違反というものは承知の上だが、やむを得ないといって皆さんの手入れを受けた。ところが、六月八日ですか九日ですか協定の破棄を勧告された。そうすると今度はとたんに開き直って、協定の破棄を公取が通告するけれども、われわれとしてはまことに心外だ、こういうことを言って、今度は開き直っているわけですね。こういう記事が出ておるわけですが、それもひっくるめて今後の公正取引委員会として、いま起きておるたとえば東京ストアにしても、あるいはいまの安売り妨害にしても、どういう予定で進んでおられるのか、これを最初に伺います。
○北島政府委員 牛乳問題はいろいろなものがございまして、まず第一に価格協定容疑事件、これは御指摘のように四月の上旬に兵庫県と某県、それから他の地方について調査を始めました。また、四月の中旬に全国的な規模におけるところの価格協定容疑がないかということで、大手の乳業メーカーにおける卸売り価格の協定容疑、それからさらに全国段階におけるところの小売りの価格協定容疑、こういう点について調査に着手いたしました。一方、また安売り妨害等の問題もあり、この問題にも着手いたしました。ただいま御指摘がございましたように、この価格協定容疑事件のうちで、兵庫県の分につきましては先週の土曜日でございますか、十日の日に正式に価格協定を破棄するようにという勧告を出しております。他の地方の分につきましても、調査がまとまり次第、もし容疑の事実がはっきりいたしますと、同様な措置をとることになるわけでございます。 一方、安売り妨害に関する問題、これも各地に一部ございますが、そういう申告があるつど審査官がかけつけていって調査をいたしております。ただし、そのうちにはあやしいのもあるようでありまして、業者が宣伝に公取を使ったと思われるものもなきにしもあらずでありまして、そのうちのあるものにつきましては、申告のほうも誠意がなく、一回公取に提訴しただけで、あと何日お越し願おうとしても、事情を開陳しにいらっしゃらない。したがって、相手方を調べてみますと、相手方は、そんなことはございません、卸値はこのくらいでおろしておりますと、だいぶ話も食い違っております。こういうわけで、いわゆる安売り妨害事件の当初起こりましたものについては、これは事実ないものと思いまして打ち切りました。他の事件につきましては、そのつど調査に参っております。これもいろいろ複雑な事情があるようでありまして、公取が調査に行くと妨害もすぐやまるというのもございますし、こういった安売りを妨害する行為があれば、私どもとしましてはすぐかけつけて事情を調査するようにいたしておるわけでございます。 四月の初めに価格協定容疑事件に着手いたしましてから約二カ月たったわけでありまして、たいへんおそいようにお受け取りいただいておりますが、実は審査事件というのは、確実な証拠がございませんと法的措置はとれないのでありまして、やはり証拠主義に基づいて調査をいたすわけでございますので、従来からも審査事件につきましては、一番早くて二カ月程度、おそいと六カ月あるいは一年かかることもございます。もちろん、私どもの審査のやり方についても反省すべき点もございますが、現在の証拠主義から申しまして、この程度の期間かかるのは、ひとつお許しいただきたいと考えております。二カ月と申しますと比較的早いほうでございます。平均しますと四カ月、五カ月ぐらいは、いままでの審査事件の解決にはかかるのでございます。 なお、他の牛乳問題につきましての審査は、極力急いでおりますので、まとまり次第適当な措置をとるつもりでございます。
○武部委員 現状はわかりましたが、私は、いま皆さんのほうがおやりになっておる小売り業者の協定の点も重要だとは思いますが、むしろそれよりもメーカー協定こそ重要だと思うのです。六月九日の日の手入れの際のメーカーの発言が、これまた新聞に載っておって、先回の委員会で私は質問をいたしました。あの森永乳業の専務の発言を見てもわかりますように、卸売り価格の値上げを既定方針どおり進めるという談話を発表しておるわけです。これは明らかにメーカーの協定だと私は思うのです。二カ月以上もたつのに、メーカーのこういう問題がなぜ皆さんのほうで結論が出ないのか、非常に私は疑問に思っておりましたが、いまお聞きいたしますと、大体二カ月から四カ月ないしは五カ月かかる、こういうお話でございます。私どもは専門家ではありませんから、そういう事情はよくわかりませんが、すでに物価安定推進会議でもこの問題が取り上げられて、総評の議長、あるいは消費科学連合会の会長さん、あるいは日本生協組合連合会の婦人部長、こういう三人の方が建議書を出されております。その内容も知っております。それも私どもと同じように、すでに現実問題として値上げがどんどん進んでいるのに、ひとつゆっくり考えて何とかしようというようなことをやっておったんではもう間に合わぬ、牛乳を何とかしてくれ、こういうのが物価安定推進会議の三人の方の建議の内容のようです。これは私どもと同じ気持ちだと思います。にもかかわらず、いままで出てきたのは、たまたま兵庫の問題が一つだけ勧告されておる。その勧告は、向こうはどうも受諾する模様はないようだ。そうすると今度は審判にかかる。これからもまたどんどんかかってくる。すでにもう一つ別なカルテの問題でも審判にかかっておるのですが、あの問題だって、一年たってもいまだに結論が出ておりません。そういうことを考えると、せっかく公正取引委員会に提訴をし、ないしは皆さんが取り上げられて、国民の皆さんとしては、何か結論が出て値上げはとどまるんじゃないか、あるいは協定が破棄されるのではないだろうかというような、淡い期待を私は持っておると思うのです。ところが、残念ながらすでに四月一日の値上げから始まって、もうきょうは六月十四日ですが、こういうことですと、いまの建議書にいわれるようなそういう声が出てくるのも、無理もないように私は思うのであります。これ以上のことは質問もできませんが、いま私が申し上げたような状況をぜひひとつ勘案されて、早急にメーカーの価格協定ないしは安売り妨害、そういうことについての結論を出して、国民が納得するようにひとつ措置をとっていただきたい。このことを特に要望として申し上げておきたいと思います。 次に、公取の委員長と企画庁長官にお尋ねいたしますが、昨年の六月の物価問題懇談会の提案の中に、再販売価格維持制度についての勧告が出ております。内容は一々申し上げません。すでにわれわれも資料をこの委員会でいただきました。同時に、この提案の実施状況という物価安定推進会議に提出された経済企画庁の資料もいただきまして、これをずっと目を通してみましたが、公正取引委員会の委員長が、この物価問題懇談会の提案を受けて、再販売価格の維持制度について再検討をすると言われ、特に具体的な内容については、当委員会で、委員長のほうからわれわれに説明がございました。これは三月二十四日であります。この委員会の席上で、北島委員長のほうからわれわれに対して、再販売価格維持制度についての具体的な内容についての提案があったことを承知しております。それを見ますと、再販売価格維持契約に対しては再検討する必要があると言われた。昨年の物価問題懇談会においても、やはり再販制度の規制を示唆された。公取委員会としても、物価対策上この制度に対して何らかの規制を加えることが必要であると考え、九品目を六品目にしぼった、あるいは届け出の規則を変えたし、認められないところの商品に小売り価格の拘束が行なわれているものはないかということについて調査をしておる、こういう発言がありました。同時に、この制度については物価上の問題もあるので、現在立法措置をもってこの規制を考慮中である、いま事務局で鋭意検討中であるので、近く成案を得次第今国会で審議をしていただく予定であるというはっきりとした説明が、この委員会で、三月二十四日になされたのであります。 昨年の物価対策特別委員会の会議録を見ますと、四十一年六月二十二日でありますから、ちょうど一年前の当委員会で、小笠委員長から決議案が朗読された、その第六項の中にはっきりと示されております。「6、再販売価格維持契約についての税行制度には種々の弊害が現われているので、この際、例外的に認める必要のあるものについては、消費者の利益を侵害することのないよう所要の措置をとること。」という決議がなされて、当時の藤山経済企画庁長官は、その趣旨に沿って善処すると答弁をしておられるのであります。こういう一連の経過の中でお伺いをいたしたいのは、今日、このような三月二十四日の委員長の発言があってからすでに三カ月近くたっているのに、いまだに何らこういう点についての法案が今国会に提案をされておりません。このことは一体どこに原因があるのか、まずその点についてお伺いをしておきます。
○北島政府委員 三月二十何日かの当委員会におきまして私が申し上げましたことは、ただいまも変わらないのでございます。再販問題につきましてはいろいろ問題もございますし、また、これを認めなければならないという問題もあり得るわけであります。なかなかむずかしい問題でありますが、私の考えとしては、再販については何とかひとつ規制をする必要があると思います。いままでは残念ながら野放しであった。ひとまずとにかく厳重な規制をやって、そしてもしだめなら、これは全部やめるよりしようがないのではないかという私自身根本的な気持ちであります。当面はとにかく規制措置をとる必要がある。それには、まず再販売価格維持行為というものの内容が実ははっきりしていない。一応独禁法上の不公正な取引方法に当たるとされておりますが、現実に内容に入ってまいりますと、どの程度を規制の対象にするかという点については非常にむずかしい問題がある。こういう関係で、法案の作成についてはたいへん委員会の内部でも苦労いたしました。委員会の案ができましたのが四月二十日ごろでございましょう。それから法制局に持ち込みましたが、これまた法理的な問題がいろいろございまして、法制局は特にまた重要法案の関係もございまして、これでだいぶおくれまして、最近になって大体法制局との意見の調整については一応ついたかっこうで、さらに今度は各省と意見の調整をいたしておる段階でございまして、たいへんおくれてはおりますけれども、母子といたしましては、三月に申し上げたような考え方で、一応とにかく再販をずっと規制していくという考え方で立案をして、各省とせっかく折衝中でございます。近くこれがまとまりまして、御審議願える段階になるものと私は信じておるのでございます。
○武部委員 経過はわかりましたが、先ほど申し上げましたように、物価問題懇談会提案の実施状況の中にも、経済企画庁は、公取を中心に、所要の立法措置をとるべく法案を検討中である、こういうことがはっきりと記載されておるのであります。四月二十日の新聞によりますと、具体的に要綱の案がすでに発表されておるのであります。その中にははっきりと、五月十二日の閣議に報告をして国会に提出する予定である、こういうふうに書いてある。ちょうど一カ月ばかり前であります。こういう具体的な要綱がまとまっておる。これを見ますと、相当これは規制をされたような案にわれわれとしては受け取れるわけであります。ところが、各省との折衝がこれからだというようなことでは、現実に今国会はもう今月一ぱいです。そういう段階で、この再販の規制法案というものが今国会でわれわれ審議ができるかどうかについては、たいへんな疑問を持つわけであります。そうなってくると、昨年の六月に物懇は提案し、同時に皆さんもそのとおりだと言うし、去年の六月には、すでに前の特別委員会でもその決議がなされている。時の藤山大臣もそれを了解しておる。にもかかわらず、いまだにこの問題が全然表にあらわれない、これを私にたいへん疑問に思うわけであります。私の手元にもこういう書類を送ってきております。この書類は、再販売価格維持契約に関する要望書というもので、全国粧業小売連盟からであります。こういうものが相当多数にわたってまかれておる。これは公取の要綱に反対であります。こういう運動がどんどん展開されておる事実をわれわれはつかんでおるのであります。同時に、報道機関も、これは業界の相当な反対、抵抗があるだろう、こういうことがすでに一カ月以上前から新聞に出つつあります。そうなってくると、公取の皆さんがお考えになっておることに対して相当圧力が加わって、今日この法案の要綱なるものは、さっき法制局との意見の調整が一応ついたと言われましたが、これから各省といろいろ折衝する。そうすると、いま私が申し上げたようなことから、法案そのものが骨抜きになるか、ないしは圧力によって提案が不可能ではないか、こういう疑問すら実は持つのであります。経済企画庁長官もおられるわけでありますから、この点についてどのような御見解を持っておられるかわかりませんが、いままでの皆さんの発言のとおりにいけば、今度の国会にこの法案は当然出され、十分なる審議のもとにその欠陥を正して、再販価格の規制が行なわれるものと私は期待しておったのでありますが、この点についてひとつ見解を承りたい。
○宮澤国務大臣 再販売価格維持契約というものが、積極的な意味でどういう利点を国民経済全体に与えるかということについては、いろいろ議論があるように承知をいたしております。たとえば、薬品なら薬品につきまして、この契約を結ぶことによって、全国一律の価格が形成されるというような点を考えますと、おそらく生産地から遠いところにおいては、この契約がなければ価格が多少上がるであろうという点、いわゆるプール価格がこれで可能になる、価格の地域格差がなくなるというようなことは、あるいは一つの利点であろうかと思いますし、また、小売り店の経営が零細なる場合に、ある程度経営の基礎を与えるという点があるかもしれません。また、あまり需要のないような薬品について、少なくとも価格の保証があれば、薬屋がそれを常時在庫に持っておくといったような利点があるかもしれません。しかし、概して大まかに申しますと、やはりこういう契約を認められるのは、ごく例外的な場合でなければならないであろうと私も考えておるわけでございます。先ほど公正取引委員長が言われましたように、従来これについての考え方、扱い方が必ずしも明確でなかったように思いますので、今度公正取引委員会が、そういう契約を認めるにあたって登録をさせるとか、あるいはその内容を公示させるとかいうようなことは、一つの進歩であろうと思うのでございます。私どもありていに申しますと、現在この契約が認められております薬品などの一部には、一つのメーカーが、むしろ非常に大きなシェアを持っておるというようなものもないわけではございませんので、そういう場合に、はたして現実に自由な競争の状態であるのか、あるいは事実上寡占と申すよりはほとんど独占に近いようなものもあるのではなかろうか、そういう場合にもなお再販契約を認めることになるのであろうかどうであろうかといったような、私どもなりに多少そういう疑点を持っておるものも若干あるのでございます。いずれにいたしましても、一歩前進した法制を公正取引委員会が考えてくださるということは、私ども賛成でございます。 聞くところによりますと、再販売価格維持契約というものは、本来認めないのが原則であって、一定の変則の場合にはこれを許すということについて、その原則に対する例外と認める場合の基準は何であるか、こういったようなことについて法制局あたりにいろいろ疑義もあったように聞いております。私どもとしては、とにかく一歩前進であれば、できるだけ早く法案を提出して御審議をいただきたいというのが考え方でございます。
○武部委員 重ねてお伺いいたしますが、いつごろ法案をお出しになる予定ですか。
○北島政府委員 目下各省とせっかく折衝中でございます。各省と意見の調整ができなければ、これは閣議にも実は提案できなくなります。どの法案にしてもそうであります。目下各省と意見の調整に全力をあげております。この調整がつきますれば、閣議に提案して御決定になって、それから国会の御審議を願う、こういう段取りになると思います。
○武部委員 いまの答弁では私はまことに不満でありまして、従来の経過は先ほど申し上げたとおりであります。この席上で、私は妨害なり反対があるのではないかということを言ったのでありますが、これは事実だと思うのです。私もそのように聞いておるのであります。これはいずれにしても法案が出れば、そういう具体的なことは申し上げなければならぬと思うのですが、少なくとも公正取引委員長が新聞に発表されて、要綱なるものが出ておるのであります。これについての解説等も出ておるのであります。これをずっといままでのものと比較してみましても、これは相当現実に会った要綱だとわれわれとしても考えられます。それがなぜ各省庁との間にいまだに具体的な意見の一致を見ないのか、こういう点についてはたいへん私は疑問に思うのであります。したがって、先ほど申し上げますように、今国会があと残り少ないわずかの期間、このようなことを考えると、もう頭から政府はこの再販規制法案を提案する意図がないではないか、このようにすら実は考えられるのであります。この点は重ねて質問をいたしますが、早急にこの法案を国会に提案する意思があるのかないのか、これはひとつ宮澤長官のほうにお伺いしたい。
○宮澤国務大臣 経済企画庁といたしましては、法案が幾らか不満足な点があるとかりにいたしましても、現状より一歩前進するものであると考えますので、できるだけ私は法案の作成に協力をしたい、私どものほうからいろいろ注文を出しまして、それがおくれるようなことは一切したくない、こう考えております。他の各省との関係につきましては、ちょっと私つまびらかでございませんので、あるいは公取委員長が御存じかと思います。
○武部委員 公取委員長からひとつお願いいたします。
○北島政府委員 まだ各省の見解を、ここでいろいろ申し上げる段階ではないと思うのです。それは各省に折れていただくために折衝しておるのであります。交渉の経過においてこういう御意見があるとかいうようなことは、いま私が申し上げないほうが、かえって妥結に入る近道ではないか、こんなような感じがいたします。
○武部委員 公取委員長の立場からはそういう発言になろうと思いますが、要は、公正取引委員会がき然たる態度でやはりこの問題について各省庁との間に折衝を続けられて、一日も早くそういう法案が国会に提案されるように私どもとしては希望したいのであります。特にいまの六品目の中に、これは合理化されて相当な利益があがっているのだから、当然値が下がってもいいものもあるというとこを、実は国民としては考えておると思うのです。特に物懇の中に出されたところの広告宣伝、こういうものは目に余るように私どもは思います。たまたま、私けさこの新聞を見たわけですが、おそらく皆さんごらんになったと思うが、こういう広告ですよ。これは化粧品ですが、朝日新聞。これは牛乳石けんで讀賣新聞。これは全国版ですよ。全国のこういう一面の広告が何ぼくらいであるかと思って聞いてみたら、御存じでございましょうか、広告代が三百万から五百万以上するというのです。こんなものがどんどん毎日の新聞に広告されておるのですよ。これはみな六品目の中に該当しておるじゃありませんか。こういうことを見たときに一体国民はどう思うか。私しろうとでもこれはおかしいと思う。もうけておると思うでしょう。こんな広告が新聞を見られたらどこにもありますよ。こんな大きな広告が近ごろやたらと出ます。新聞社はもうけになるかもしれませんけれども、これはちょっと困る。そうして値段が一つも下がらぬ。そうでしょう。そうして出てきた容器は、たいへん化粧品なんかりっぱなものです。容器はどんどん華美になって値段は一つも下がりませんね。容器はとってもきれいなもので、洋酒のびんか化粧品のびんかというようなものです。現実にそういうことになっておるのです。ですから、私どもは、少なくともこの六品目について原則的にはずすべきだ、こういうことについて大いに共鳴を持ちます。ですから、こういう点についてはこれ以上申しませんが、早急にひとつ法案を出していただいて、十分お互いに論議をし合って、消費者が納得していくような再販価格の問題の取り扱いをしていただきたい、こう思います。 次に移りますが、これは農林省の関係と経済企画庁の関係になりますが、先般参考人の皆さんにたくさん来ていただきまして、いろいろ私ども聞きまして勉強することができました。その中で、ちょっと私どもが疑問に思っていろいろ質問をして、なおさらに疑問になったことがございました。それは、先ほどもちょっと出ておりましたが中央卸売市場の問題であります。当時参考人の卸売りの人は、市場法によって取引の原則はせりが万能だ、したがってせりが根本だ、せりは非常に公正であって公開的な方法だと言われた。ただ、ここでちょっと問題があるのは、その発言の中に、衆人環視の中でこれを行なうので、一応基本的には正しいのではないかと思う、こういう発言がありました。一応基本的にはということばがついたのであります。それからいろいろ聞いてみますと、せりの以前に転送や先取りがあるという発言が仲買い人、小売り業者の皆さんからありました。せり以前に転送や先取りがあるということは、たいへん重要なことであります。これは一体事実かどうかということを、おいでになっておった東京と大阪の市場長に質問をいたしました。大阪の市場長は、一〇%程度そういう先取りや転送があると言い、東京はないとおっしゃいました。ところが、大阪の市場長が言われるには、一〇%の先取りや転送はあるけれども、それは開設者側と、それから卸売り人、仲買い人と協議の上でやっておるんだ、先取りや転送はそのように協議をした上でやっておるんだ、こういう説明がなされたのであります。ところが、先ほど小峯委員から御発言がありましたが、神戸のお魚屋さんの参考人の方がおっしゃるには、少なくとも十ぺんに一ぺんか三十ぺんに一ぺんくらいはわれわれを相談の相手に加えてもらいたいというのが、自分たちの真意だという発言があったのであります。これは明らかに、仲買い人はそういう先取りや転送には相談にあずかっていない、その証拠だと思うのです。したがって、市場長の発言と仲買い人の発言に大きな食い違いがあることがわかりました。したがって、監督官庁である農林省としては、いまの中央卸売市場においてせり万能、せり本位という取引が現実になされておるというふうに見ておられるのかどうか、まずそれをお尋ねいたします。
○森実説明員 お答え申し上げます。 いま御指摘がございましたせり取引と他の売買方法、転送、先取りの関係は、必ずしも一義的な関係ではないと思いますが、分離いたしまして若干御説明申し上げますと、まず第一に、いま先生御指摘がございました神戸の小売り商の代表の方からの、市場の運営について意見を述べる機会を持ちたいということは、おそらく神戸の中央市場の青果、水産とも小売り買参が行なわれていないという関係においての御発言だと思っております。 それから、大阪と東京では、発言が違うという点がございましたが、私どもが確認しております実態では、東京、大阪の市場は、市場によって違いますが、五%ないし一〇%というものは、何らかの形で転送の事実があるものと思っております。
○武部委員 そうすると、農林省としてはいまの中央卸売市場におけるせりのやり方について、一〇%程度転送なりあるいは先取りということが、現実にはあるだろうという見方でありますか。
○森実説明員 御案内のように、現在非常に消費の多様化という現象が起こっておりますので、産地も非常に大型化してきております。それから出荷単位も非常に大規模化してきております。こういった実態が理由となりまして、産地側としても非常に大型の市場を選好する傾向があり、また小売り商の立場も、大型の市場に買い出しに集まるという傾向が顕著であります。つまり、市場の流通圏と現実の行政区域との間にかなりのギャップを、大市場については生じつつあることは事実でございます。こういったことを基礎にいたします場合、仲買いを通じて搬出を行ないますことは市場取引の基本原則でありますけれども、流通圏が急速に拡大され、特に東京地域のように周辺地域で新しい都市形成や、民営市場が生まれておりますところでは、必ずしも仲買いが十分に自分たちの力で搬出できないという実態が生まれつつございます。それが転送の問題に結びついておるように理解しております。このことは、ある程度経済の実態から見て、考慮せざるを得ない側面もあると考えられるわけでございます。そういった意味で私どもといたしましては、基本的な原則を昨年の九月以来各開設者に指示いたしまして、ルールに基づいて公明正大に処理するということを、その基本として調整をつけております。東京以外の都市では、大体問題は片づいていると理解しております。
○武部委員 それではお伺いいたしますが、この間この本をここで参考資料として配っていただきまして、これをざっと目を通してみたのです。「生鮮食料品の市場構造」という本でありますが、この中に、私どもとして非常に注目すべき記事が載っておるのであります。私は、いま前段そのことについての質問から入ったわけでありますが、確かに転送ということについてはいろいろ理由もありましょう。いまの課長の発言でもほぼ推測はできるのでありますが、この著者は四名の方でありまして、非常に専門的な知識を持っておられるようでありまして、そういう点において、これが全然根も葉もない記事だとは私も思いませんし、これをいただいてから若干私自身でも調べてみました。ところが、こういう記事が載っております。これについて農林省はどういうふうにお考えか、お伺いしたいのであります。今日仲買い人の公正な価格決定評価機能を阻害する要因が、中央卸売市場に機構的に内在する点が指摘されなければならぬ、その一つがさし値制度だということであります。この本は五月の、ごく最近のものであります。三月十八日の讀賣新聞に、「荷受け会社思いのままの高い八百長相場」ということが大々的に報道されたが、これは御存じだと思うのです。それは、卸売り人が現実には自分の親会社の指示に従って値をつけておった。いわゆるさし値制度です。これを見ますと、築地の市場だけで毎日三、四十件もそういうさし値制度の販売があると書いてある。さらに、仲買い人の評価が全く及ばない定価販売がある。特に定価販売については業務規程の改正で、びん、かん詰め、冷凍食品、こういうものが定価売りや相対売りが堂々とできるようになって、それによって大手の水産会社のやみカルテルで値上げがされておる、こういう記事がここにはっきりと載っておるのであります。 さらに引き受け価格というものがある。御承知のように、私どもは築地市場を見に行きましたが、例の三声相場が築地の市場ではとられておる。ところが、三声の間に次の値がなかったら、それは当然その人に落ちなければならないのに、三声がかかっても引き受け価格に達しないと、荷受け会社はせり台から品物を引っ込めてしまう、こういうことがここにはっきり載っておるのでございます。築地市場では、取引の原則である公開せり取引は三、四〇%にすぎず、定価売り、さし値売りが四〇%、引き受け価格が二、三〇%もあるといわれておる。今日、仲買い人の公正な評価機能は著しく阻害されておると書いてあるのであります。 そうすると、私どもが先般参考人の皆さんにここへ来ていただいて聞いたこと、また、農林省の皆さんからもお聞きしたことと非常に違うのであります。たいへんな違いです。せりが万能であって、公開が公正な取引で、これ以上のものはないという発言でした。これに対して、先ほど私が先取りや転送があるじゃないかと言ったら、転送についてはかくかくしかじかの理由だから、一〇%程度はやむを得ないだろうと言う。なるほどそのこともある程度わかります。しかし、少なくともさし値制度や定価売りによってやみカルテルがとられたり、あるいはいま申したような引き受け価格によって、仲買い人の公正の機能が著しく阻害されておるということでは、中央卸売市場の機能というものは、全く市場法から逸脱しておると言わざるを得ぬのです。このことが、現実に皆さんから資料をもらって、われわれが追跡調査もしようじゃないかというようなことを言っておるけれども、現実に、あそこから出てきて小売りの店に行ったときにはどんとはね上がっておる一番大きな原因じゃないか、私はこれを読んで、しろうと目にもそう感じたのであります。この四人の方は、おそらく自分たちで現実に足を運んでこの記事を本にされたと思うのです。このことについて、一体農林省はどのように理解をされておるのか、この事実はないと言われるのか、その点をひとつお伺いしたい。
○森実説明員 まず、事実があるかないかという問題と、その問題をどういうふうに解釈して評価するかという問題には、若干違う点があるかと思いますが、御指摘の点についてお答えいたしたいと思います。 まず第一に、さし値制度がどの程度行なわれているかという問題でございます。さし値制度というのは、御存じのように、ある程度生産者側が一定の価格で売りたいという、価格形成についての市場取引における生産者側の意向を反映する制度として、例外ではございますが現在認めております。さし値品につきましては、はっきりさし値品であることを表示して販売を実施させております。ただ、全体として見ますと、先生も御指摘のように、水産物について、需給が強含みである事情を反映して、比較的水産物がさし値品が多いということは事実であります。しかし、これは制度として認めている問題でございます。 それから二番目に、せりどめの問題の御指摘がございました。これは、三声で最高の価格で入札させるということはせりの原則になっておりますが、せりどめの問題は、遺憾ながら現時点で、私ども皆無とは言えない点もあると思います。私ども監査して、ときおりそれを見つけて厳重に指摘して、必要に応じて処分をしておる事例もございます。この点につきましては、今後とも厳重に指導監督を、卸に対してもやってまいりたいと思っておるわけでございます。 それから三番目は、定価販売の問題でございます。定価販売の問題は、現在どういう実態になっておるかということを申し上げますと、大体定価販売を行なっております品目は、主としてかん詰めとか、ハム、ソーセージとか、冷凍魚の一部、それからつくだ煮とかイクラとかあるいは青果物でございましたら、かん詰めとかその他シナ竹、調味料、こういうふうに貯蔵性、規格性のある加工食品が中心でございます。これは現在業務規程に基づきまして、各開設者とも事前に承認制をとって売らしております。その内容は、大体貯蔵性のある高度の加工品、一部の輸入品、あるいはごく例外的には需給予測がはっきりしておるもの、貯蔵性のあるものというものに限っております。承認制でやっております。これらについて、カルテル価格があるのではないかどうかという問題でございますが、実はこれらの商品は、中央市場がワンストップ・ショッピング・マーケットといっておりますが、そこで何でも買い出しができるという、買い出し人側の要請もありまして広く取り扱っておる物品でございまして、必ずしも場内取引のウエートがそう高いわけでございません。むしろ場外のウエートのほうが多くの場合は高いわけです。そういった意味で定価売りとか、相対売りといいましても、市場内部の需給で価格がきまっておるわけでございませんし、また、そういったカルテル的な価格統制があるというふうな実態はないと思います。私どもといたしましては、やはり委託販売、せり取引が生鮮食料品については市場取引の一つの原則であろうと思います。規格性があって貯蔵性のあるもの、需給予測の明確なもの、あるいは加工品、そういったものにつきましては、一定の承認基準のもとに、ルールとして場合によって取引きを認める、あるいは定価売り、相対売りを認める、あるいは定価売り、相対売りを認めるということは、商品形態の変革とか、扱い品目の多様化に基づいて、こういう点も多様化していかなければならない点があるだろうと存ずる次第であります。しかし、通常の鮮魚や青果物につきましては、こういった扱いはきわめて少ないということは申し上げられるかと思います。
○武部委員 最後になりますが、規格性の問題や貯蔵性の問題は、参考人の皆さんからも聞きました。確かにそういう点については、相対売りなり、サンプルなり、そういうことのほうがいいようにも思うというような話もありましたから、その点については理解ができておったわけでありますが、ここに書いてあるところを見ると、公開のせり取引というものが三割から四割しかないんだ、あとの商品はすべて——いまあなたは定価売りあるいはさし値売りは少しだとおっしゃるけれども、せり以外のそういうものが六割近くを占めておるという記事になっておるのです。それから私は非常に疑問に思った。少なくとも皆さん方からいろいろの話を聞いておって、全くこれと違うのです。こうなってくると、一体どちらを信用していいかわからなくなってくる。したがって、私は、さっき言うように若干調べてみたのですが、残念ながらしろうとの悲しさで、そこまでは私も知ることができませんでした。できませんでしたが、少なくとも参考人の皆さんや、市場長の皆さんがおっしゃっておるような、そういうせり万能ですべてが行なわれておるというようなことはうかがえなかったのです。そういう点について、さっき三声の問題も出たけれども、少なくとも市場法の改正なり、あるいは市場の取り締まりなり、そういうことについてもっと農林省当局としては、直接開設の責任者である東京都、大阪市、京都市、そういうところに、こういうことの誤解を与えるような取引のないように十分指導していただかないと、われわれここでいろいろなことを聞くけれども、やはり専門の人がこれだけ一生懸命になってやっておるからには何かあるという疑問を持つのです。確かに疑問を持ちました。残念ながら私どもしろうとですから、これ以上追及もできませんが、少なくともそういう疑問を私どもから解消するような方向にひとつ進めていただきたい、こういうふうに思います。いずれまたもう少し詳しく勉強して、疑問の点があれば皆さんのほうからそれぞれ解明していただきたいと思います。 時間がきましたので、私は以上で質問を終わります。
○戸叶委員長 この際、平岡忠次郎君から発言を求められておりますので、これを許します。平岡忠次郎君。
○平岡委員 砂田さんの質問がこれからありますが、その間にはさましていただきます。 牛乳問題から始まりまして、生鮮魚介、蔬菜等、いわゆるなまものシリーズが一応論議を終わらんとしておりますが、生鮮食料品の範疇の中に入る肉類の関係の問題が残っております。きょう理事会でおおよその中間的な審議についての見通しを立てたわけですが、一応生鮮食料品関係が終わりました後に、先ほど議論になりましたところの再販価格維持の問題等につきまして、これは政府が提案しようが提案すまいが論議に入っていくべきだという大かたの意向でありました。したがいまして、日程から申しまして、このなまものシリーズのうちの肉の問題を、この次の二十一日くらいに取り上げなければならぬと思います。その一日でそれが論議を尽くし得るかどうかの点は、準備の点にかかると思いますので、きょう畜産局長がおいでのようですから、牛肉、豚肉のうちでカレントトピックスになっております畜産振興事業団に関係のある冷凍豚肉の現況を、五分間くらいで説明をしてほしいということ、それに基づきまして資料を整えていただきたい、私はさように考えます。どういう資料かということは、いまあなたのその五分間くらいの説明を聞いた上におきまして、一応私の希望も申し上げたい、かように考えます。
○岡田(覚)政府委員 ただいま御質問の点でございますが、御承知のように、畜産物の価格安定等に関する法律というのがございまして、この法律に基づきまして、豚肉の価格が一定の水準より低落をいたします場合には、生産者の価格を支持いたしますために事業団が買い入れをいたしまして、それを貯蔵、保管をいたしまして、価格が高くなりますと、上限価格を越えるかあるいは上限価格を越えるおそれがある場合には、それを市場に放出するというたてまえになっております。現在、東京の卸売り市場を基準にいたしますと、一キログラム当たり下限価格が三百二十円、上限価格が三百九十円ということに定められております。昨四十一年の支持価格、つまり上限、下限価格も同様でありまして、四十一年と四十二年とは同じ価格になっておるわけであります。昨年に入り豚の市場価格が低落いたしましたことに伴いまして、昨年の三月十八日から事業団の買い入れが始まったわけでございます。その後引き続いて生産がふえておりまして、その結果、すでに一年をこえる長期にわたって買い入れを続けておるわけでございます。現在、買い入れをいたしましたものが約八十万頭でございます。事業団が買い入れをいたした豚肉につきましては、原則といたしまして、加工業者でそれを部分肉に分けて冷凍いたしましたものを冷蔵庫に保管をすることにいたしておるわけでございまして、八十万頭から出ました部分肉の肉の量は、約三万二千トンでございます。現在、約八十万頭分、約三万二千トンの豚肉を貯蔵いたしておるわけでございます。
○平岡委員 そうしますと、私のほうからどの資料、どの資料と具体的には申しませんが、いまあなたのお答えのうちの冷凍貯蔵されているこの一カ年半くらいの貯蔵量の変遷、それから貯蔵したにもかかわらず、生産のほうがじゃんじゃん伸びておるので、買っても買っても卸値が上がらぬという、そういう一カ年半くらいの実績というものを踏まえますと、畜産振興事業団の機能それ自身が有効に働いておらなかったという反省もあると思うのです。 それから、いまあなたからのお話を聞きますと、八十万頭、三万二千トンですか、その数字がわれわれは実感的にどのくらい大きなものかわからぬですけれども、相当大きな数量だと思うのです。そうしますと、その処分方法とかいうことは当然考えなければならぬと思います。非常に重大な問題を含んでおるように思いますので、いま申し上げたような関連数字、あるいは現在の日本の農家等で飼育されておる養豚の数、そうしたものを、既往二カ年くらいさかのぼっての統計ですが、そういうものを中心にして参考資料を出していただきたいと思います。また、先ほど安定帯価格的なきめ方をしておる、下限をキロ当たり三百二十円、上限を三百九十円、それは場合によっては動かし得ると思うのですが、そうした問題につきまして、次の二十一日に質問いたしたいと思いますから——どうも質問者のほうが、あまり勉強せずに資料を要求するというのもおかしいですが、時間的な日程からそう長引いてやるわけにもいきませんので、ひとつ質問者のために資料提供をお願いいたします。むろんこの土曜日くらいまでに各委員に配付をしていただいて、各委員の準備の資料とするようにお計らいをお願いいたします。
○戸叶委員長 岡田畜産局長いいですか。
○岡田(覚)政府委員 承知いたしました。
○戸叶委員長 砂田重民君。
○砂田委員 私はこの委員会で、生鮮食料品の流通機構の問題を何日か勉強を続けてまいりました。その中でおもに消費者行政のことについて、そんなにたくさん時間をとる気持ちはありませんから、二、三お伺いをしてみたいと思います。 一番初めに企画庁長官、先ほどから話を聞いておられるばかりで少し眠そうですから、企画庁長官にひとつ伺っておきたいと思いますことは、消費者行政というものの企画庁長官の基本的なお考えのあるところを伺いたいと思うのです。消費行政といいますか、消費者のための政策、これほど全国民的な政策はほかにないと思うのです。大都市の問題にいたしましても、公害の問題にいたしましても、いまいろいろやかましくいわれておる問題はたくさんあります。たとえば公害の問題にしても、公害を受けておる人もあれば受けていなく人もあり、いわば部分、部分の国民に対する政策となりますが、消費者行政というものは、消費者という性格を持たない国民は一人もいない。端的に申し上げますならば、お魚屋さんのおばさんが隣の八百屋さんに行けば、これはまた消費者という立場で、業者またこれ消費者でございます。したがって、これは非常に重要な政策であろうかと思うのでありますが、ややもすれば、たとえば基幹産業についての検討であるとか、農林漁業問題についての政策であるとか、そういうことのほうに政治の重点がいってしまって、一番大事な消費者行政というものが忘れられてしまっているように感じられてならない。企画庁長官が長官として主宰されて、経済企画庁の有能な能力を動員されておきめになられる経済見通しにいたしましても、とどのつまりは国民生活を豊かに向上さしていく、そういう目的のための手段であるはずなんです。そういった意味合いから、私は消費者行政というものにもっともっと力を入れていくべきじゃないだろうか、こういう気持ちがいたすのでございますが、企画庁長官の消費者行政についてのお心がまえを、基本的にひとつお聞かせをいただきたいと思います。われわれの自由民主党という政党も、国民生活行政というものにもう五年も早く取り組んでいれば、都会でのこのような衰退を見なくても済んだんじゃないかという気持ちもいたしますが、企画庁長官にまずその点お伺いしておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほど一部小峯委員に申し上げたことでございますが、確かに従来政府の機関の中で、いわゆる経済官庁といわれますものは、おのおの所管のものを持っておりまして、生産者に重点を置いた行政をやってきたことは確かであったろうと思うのであります。近年になりまして、ただいま御指摘の消費者行政というようなことが言われるようになりまして、ただいまとしては、やはり消費者の立場に立って国の経済を考えるということは、第一義的には私どもの役所のつとめであろうというふうに考えております。ただ、さらに進みますと、それを経済企画庁がひとりでかつぐようなことをいたしますと、どうも効果は必ずしもうまくあがりませんで、むしろ直接に生産者に対して監督権あるいは権限を持っておりますその役所が、むろん生産者の立場に立つことも必要でありますが、同時に、消費者の立場も考えてもらいたい。そういうふうに行政をやっていってもらうことが、やはり生産面に対して指導力を持っておりますだけに有効な結果になる、こう考えております。この節は、国会にもこういう委員会をおつくりいただきましたし、生産に直接関係のある経済各省が、同時に消費者の利益も考えるということになってきてくれておるように考えるわけでございます。やはり各省のそういう意味での協力と申しますか、これは行政の心がまえになるのでございますが、そういうことが非常に大事なことであるし、またそういう場合には、すみやかな効果があるというふうに考えます。たとえば、非常に具体的な例でございますけれども、郵政大臣がラジオの聴取料について、これは廃止をしてもいいのではないかというふうに考えられる場合には、その行政の効果は非常に早うございまして、私どもが何度申しましてもなかなかできないことが、いち早くできるというようなことが、一例ですがございます。したがって、消費者行政の推進ということは、私どもの役所の仕事だと思っておりますけれども、そのためには、直接生産に関係のあるところの具体的な監督権を持っておる各省も一緒に協力してもらう、そういう心がまえで今日まで運営をしてきたつもりでございます。
○砂田委員 私たちは五十一国会の物価問題等に関する特別委員会で、実は国会の終末に至りまして、五十一国会中この委員会で勉強し続けてまいりましたことを、ひとつ集約的に与野党一緒になって決議をしよう、政府にいろいろなことを具体的に要望しようじゃないかということで決議をいたしました。その中の第九項に、短いことでございますから私ちょっと読みますが、「都道府県及び政令指定市の行政部局の適当なところに消費者行政の総合調整に関する事項を新たに所掌させるとともに、これに要する費用を地方交付税の基準財政需要に算入するよう措置すること。都道府県ならびに市町村を単位として、消費者、業者、行政担当者等で構成される消費者懇談会を設置するなど、消費者の意志、要望が行政に十分反映するとともに、消費者行政の合理化に資するような組織を整備すること。」こういうことを実は五十一国会の物価問題等に関する特別委員会の決議の中に入れてございます。中西国民生活局長は十分このことを御承知です。ただいま長官のお話を承りましたが、面接その行政効果の早いそれぞれの役所にも、やはりやってもらわなければならないというお話は、私も当然なことだと思いますが、いま私が読み上げましたこの決議のことは、これは経済企画庁が担当して取り組んでみようという御決意であったと思うのです。 そこで、これは中西局長に伺いますが、こういう決議をお受けになりまして、それからどういうふうなことを各府県に働きかけていただけたか、各府県でどういうふうな変化が出てきているか、さらに都道府県並びに市町村を単位としての消費者懇談会、こういうものをひとつ積極的に企画庁から各府県、市町村にその話を持ちかけてみようということでございましたが、そういう御努力をなさったかどうか、その効果はどういうふうにあらわれているか、そういった点を、ひとつ中西さんからお答えをいただきたいと思います。
○中西政府委員 お話の決議の第一点ですが、都道府県と政令指定都市におきます消費者行政の担当の機構は、逐次整備されつつあります。四十二年六月一日現在で、二十五の都道府県にできました。政令指定都市で、同様整備ができましたのが四つであります。二、三カ月前に比べますと、やはりその間に幾つかずつふえてきております。今後もなおふえる可能性は十分あると考えております。以上申し上げましたのは専管の機構でありますが、兼務のような形では、ほとんど全県、全指定都市に担当者が配置されるということになってきております。 それから地方交付税に関係しまして、基準財政需要額に消費者行政に必要な経費を織り込もうというので、これは自治省も十分協力体制をとっていただきまして、四十二年度から一県平均六十八万五千円の算入を見ることになっております。 なお、そのほかに経済企画庁から都道府県に補助金を出しまして、金額は一県平均五十三万三千円ですが、全国で約六千人のモニターを配置します。いろいろ総合的な見地から——各省あるいは都府県にモニター制度がありますが、それぞれ専門的な任務を持っていますので、おのずから盲点もある。そういうような盲点あるいは総合的な見地ということに重点を置いて末端の行政需要を把握してまいりたい。それを把握しました上で、中央の省庁にそれを連絡しまして、中央の各省庁がそれにこたえていく、そういう道筋をつけたいと思っております。近いうちにその六千人の人選等についても、実質的には仕事を進めてまいりたいと思っております。 それから消費者懇談会ですが、これもだいぶふえてきておりまして、消費生活懇談会の関係では四都県、三十四市、三十町、十村、それからこの懇談会と少し様子を変えまして、諮問機関的なものもできております。これは二十三都道府県、十一市でございます。それぞれいろいろな運営をやっておりますが、運営の実態についてはわれわれ相談も受けますし、必要な資料の提供もいたすということを続けております。まだすべり出してそう期間がない地方公共団体が多いのですけれども、先進的な県も、たとえば兵庫県のようにございます。そういうところのいわばベテランが、それぞれ地方の応援にも行かれるというようなことで、各地方公共団体の連絡もよくなってきております。そういう意味で、われわれこれからも十分力を入れてまいりたいと思っておるところでございます。
○砂田委員 私たちはこの前の国会で、ただいま一部だけ私が読み上げましたような決議をいたしましたあとで、その当時の小笠委員長以下与野党委員がそろって兵庫県、大阪市、神戸市というところを視察して歩きました。その小笠委員長の報告等につきましては、会議録に詳しく出ておりますけれども、その消費者懇談会というものを私たちが見てきました限りにおいては、相当きめこまかにいかないとなかなかむずかしい。 一つ例を申し上げますならば、先般のこの委員会で、私たちは参考人の業者の人に来てもらって話を聞きました。そのときに、神戸市のお魚屋さんのおじさんに来てもらいましたが、アジ、サバが最近売れないそうじゃないかという質問を私はいたしました。これは中西局長に去年私は聞いたことがある。アジ、サバの売れ行きというのが非常に落ちている、一体どういうことだろうかと言って中西局長に聞きましたら、そのときの中西局長の考えておられたことは、どうもそういう値段の安い大衆魚は、扱ってみても小売り屋さんはあまり利益にならないから扱いたがらない、それが一番大きな理由じゃないだろうかというふうな見方を局長はしておられた。どうも私はそうでないような気がするので、そういったものの追跡調査もやっていただきたいということを申し上げたのですが、先般参考人に当委員会に来ていただいた。それも別に組合屋さんでなくて、自分でほうちょうを握って店先で朝から晩まで働いている、そういったお魚屋さんのこの問題に対する意見は、自分の店先で消費者の奥さんたちと接触している感触では、どうも値段の安いものをこのごろ買ってくれなくなった、こまかいことを言いますならば、一匹二十円のアジと一匹四十円のアジがあって、二十円のアジのほうは見てくれは悪いけれどもとてもうまいんだ、四十円のアジのほうはきれいだけれども、味は二十円の見てくれの悪いアジよりも落ちる、こっちのほうが奥さんおいしいんですよと言って勧めてみても、高いほうを買っていってしまう、特に近所の奥さん同士が三、四人一緒になって買いものにでも来られたときは、絶対に安いほうは買ってくれない、豊かな生活という言い方が、消費者のほうに間違って受け取られているんじゃないかと思う、実はそういう答弁があった。もうからないから魚屋が扱いたがらないんだという、中西さんの考え方とちょっと違うことをお魚屋のおじさんは答弁をされたのです。そういったことは、何も魚だけに限らず、商品知識というものをもう少しわれわれ消費者が持たなければいけないんじゃないか。そういったことがやはり消費者懇談会——どう申しますか、市町村段階といいますか、大きな都会でいえば各行政区ごと、せめてそれくらいの規模でモニターの制度も活用していく、また商品知識というものを消費者の奥さんたちに十分わきまえてもらうのにも、やはりそういった相当狭い範囲、狭い範囲で消費者懇談会というものをやっていかなくてはならない、そういう気持ちがするのです。その消費者懇談会も、いま全国各地でやろうという意欲が、市町村段階で相当できてきたようです。たいへんけっこうだと思うのですが、そういうきめのこまかい、じみな仕事でありますだけに、おざなりのものであっては意味がないので、相当な金がかかる仕事だと思う。私の知っておる限りにおきましては、消費者懇談会というものを先発した——これは自分の選挙区のことを言うのはおかしいのですが、神戸市なんかでも、モニターの運営費用と消費者懇談会の運営の費用だけで三千万くらいの金が年間に要ってしまう。この経済企画庁の持っておられる消費者行政推進補助金、これはモニターに二分の一を補助されようということだと思いますが、いままでこういうものの予算を初めて企画庁がお取りになった。これがことし四十二年度の予算で二千六百五十四万円をお取りになっておると思います。なかなか頭の出しにくいことであったかもしれないけれども、全国的にこの仕事をやっていくについてはあまりにも補助金が少な過ぎるのじゃないだろうか。どうしてそういう補助的な予算が少ないということを問題にするかといいますと、各市町村段階で、いま言われたような消費者懇談会を持とうと思いますと、市町村は金が苦しいものですから、消費者の奥さんたちの商品知識を高めてもらうために、業界に協力させるのは私はかまわないと思うが、ただ、そういった必要資金的な面まで業者にかぶせるのでは、正しい消費者懇談会にはならないのじゃないか、こういうおそれが全国各地の消費者懇談会に出かけておるような気持ちがするし、また、そういうことが見受けられるものでありますから、この二千六百五十四万円という企画庁予算が初めて頭を出されて、たいへんこの予算を取られるのも苦心をなされたと思いますが、あまりにも少ないのじゃないかと思うのです。この企画庁の消費者行政推進補助金というものは、中西さん、どういうふうに配分されるのか承っておきたいと思います。
○中西政府委員 各都道府県と相談を詰めておりますが、一県平均にするとモニターが百二十九人になります。それも、東京のように人口が多いからといってふやしておりますと、地方のほうが一県当たり非常に少なくなる、その辺の格差があまり開かないように、地域が広くて人の少ないところにも相当人数が配置できるというふうにしたいということを考えております。また、人口の多いところは、それぞれの地方公共団体独自にある程度のモニターを持っておりますから、その辺のことも考慮して配分をしていくつもりです。活動の問題は、できれば年に四、五回テーマをきめまして、いろいろな意見、要望をカード式で出してもらう。ある程度の注釈はつけていただく必要はあるかと思うのですが、それをもとにして、都道府県で処理できるものは処理していただいて、中央の行政措置が要るもの、あるいは法律改正を必要とするものと仕分けをしてまいりたい。中央の省庁の行政措置で対処し得るものはできるだけ早く措置していただく、そのためにわれわれときどき開くのですけれども、消費者行政担当の部局の各省の人に集まってもらいまして協議会を開いておりますが、そういう場でできるだけ早く措置をしてまいる、そんな考えでおります。
○砂田委員 アジやサバ、大根やゴボウの値段のことで、小さいことだというふうな気持ちを絶対に国民生活局長はお持ちにならないで、たいへん大事な仕事だと思いますので、相当こまかく気を配っていっていただきたい。特に、なけなしの予算のことでありますから、先発のモデル的な地区があるならば、そういうところでそういうことを確立させていく、まずそういったこともお考えいただいていいのではないかと思いますので、一段の御努力をお願いいたします。 それから、農林省の経済局に一つ伺っておきたいと思いますことは、先ほど私が読み上げました五十一国会でのこの委員会の決議にも、中央卸売市場の狭い、非能率的ないままでの施設——大きい都会の中央市場というものは、大体ずいぶん昔にできたものですから、東京都にしても人口五百万か六百万くらいのときの中央市場でございましょうし、各大都市みんなそういうことだと思うので、もっと合理的な施設をどんどんやっていく必要がある。これはわれわれ決議もいたしましたが、ともかく生鮮食料品の問題を議論するどこの場所でも、どんな人が集まって話をしてみても、必ず出てくるのは中央市場の施設の狭隘の問題です。消費経済課もずいぶん長い間一生懸命取り組んでいただいておりますが、どうも既設の市場について、五分の一補助という補助率が非常に低いような気がする。あとは起債でやれるからいいではないかということかもしれませんけれども、いろいろ最近都市問題がやかましくなってきておりますけれども、区画整理事業にしても何にしても、この二、三年の間にだいぶそういった補助率が変わってきているのがあると思うのです。農林省の経済局はなぜこれを五分の一というわずかな補助率のままがまんをしておられるのか、総額の金額だけ取ることが大事でなかなか五分の一以上というものの実現はむずかしいということであるのか、五分の一のまま今日まできてしまっているその実相をひとつお聞かせいただきたい。
○森実説明員 いま砂田先生御指摘の補助率の問題でございますが、実は御案内のように中央卸売市場は公営企業としての扱いを受けておりまして、使用料でまかなうという一つのたてまえがございます。この関係で、特に既設市場につきましては償却の関係等もございまして、使用料でかなりカバーできるという仕組みになっているのが実態でございます。こういった点を考慮して、新設市場と既設市場に格差をつけていたということは事実でございます。従来、こういった補助率の問題以外に、実は補助対象が非常に制限されていたということで、実質補助率がさらに低かったということも考慮いたしまして、ことしから電気施設とか、水道施設とか、衛生施設とか、運搬施設とか、こういうもの一切を補助対象に加えることにいたしましたので、実質的に補助率は、昨年度に比べて本年度から大体四割前後は上がったという考え方を持っております。ただ、確かに市場の根本的改造とか新設という問題を進めなければならないという側面と、もう一つは、先生も御案内のように、非常に市場の流通圏が広域化しているという実態もございますので、何が何でも開設者の負担だけで解決していくというわけにはまいりません。それからまた、建設費用も非常に巨額化しているという点もございますので、そういった点も考慮いたしまして、新市場の建設の問題と並べまして、現在、審議会で中央卸市場の施設整備についての国の助成のあり方という問題を、起債を含めまして御検討を願っているわけでございます。私どもといたしましては、こういった審議会の方向を考慮いたしながら、特に現状では、既設市場の補助率を引き上げるという問題については、前向きでひとつ明年度予算において検討させていただきたいと思っております。
○砂田委員 全国の大きな都会はずいぶん昔にできた中央市場ですから、その昔つくった施設というものを計算していって使用料をはじくと、非常に安いものです。最近の相当な物価高になってから、建設資材も値上がりをしてからつくった施設、それをそのまま原価計算をしていって使用料金を上げていくということは、実はいま消費者の実感として許されないと思うのですよ。これだけの金がかかったのだ、中央市場の中で商売をしている人は、何といったって商売なのだから、当然使用料は払っていくべきなのだということは、やはりそれが物の値段に響くのじゃないかということを消費者はずいぶん心配いたしますから、そういう理屈を言ってみても、非常に筋の通った話ではあるけれども、市場の開設者としては、それを消費者に理解してもらうことはなかなかむずかしいだけに、あまり使用料金というものを上げずに今日まできていると思うのです。だから、いま森実君の言われた使用料でやっていくのが筋としてはけっこうなんだけれども、やはり五分の一補助というものはいかにも低いと思うのですよ。いろいろ大きい問題が出てきている公共事業等については、現に補助率の改定をしていっているのですから、いまほど生鮮食料品の問題が大きく取り上げられているときはないので、五分の一であなたが満足しておられたのじゃ困ってしまう。一番不満の意を表明してくれるのがあなたでなければ困るのです。新設の三分の一と、それから既設のあとからくっつけていく施設の補助率の五分の一の格差のことを言っているのじゃなくて、三分の一、五分の一いずれもが低過ぎる。これは、この補助率を高めるようなことでひとつ御努力をいただかなければならないと思うのですが、どうですか。
○森実説明員 御指摘の点は確かにごもっともな点もございます。特に新しい市場の建設と根本的改造という問題もございますので、そういった点も考慮して検討をさしていただきたいと思います。
○砂田委員 しつこいようですが、補助対象というものは大体ことしワクを広げられた、あれでぼくはほとんど満点に近いのじゃないかと思う。この間参考人に来ていただいた大阪、東京の市場長さんも、補助対象としてはことし広げていただいたあれで大体十分、もうあれで言うことはありませんという答弁でした。補助対象が広がったことは、大体一〇〇%くらいのところまでいっているのですから、この次は三分の一と五分の一を変えていく問題とぜひとも取り組んでいただきたい。ぜひこれをお願いしておきたいと思います。 企画庁長官、非常にこまかい話をここで聞いていただいたのでございますが、ほかのいろいろ大事なお仕事をお持ちではありますけれども、端的に言って、私は台所と結びついた政策というものに一切のことが集約されてくるんじゃないかとまで思うものですから、どうぞ一段の御努力をお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○宮澤国務大臣 さような心組みでやってまいりたいと思います。
○戸叶委員長 質疑はこれにて終了いたしました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会