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55回国会衆議院1967/03/24

物価問題等に関する特別委員会 第2号

発言数
36
登壇者
10
会派数
3
開催日
1967/03/24

会議録

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  ただいまの理事会の申し合わせのとおり、来たる二十九日、物価問題等に関する件について、一橋大学名誉教授中山伊知郎君を参考人として本委員会に出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 本日は、政府の物価対策の現況につきまして、宮澤経済企画庁長官から説明を聴取することといたします。宮澤経済企画庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 宮澤でございます。当委員会にはことにごやっかいになると存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  物価安定の基本的な考え方につきましては、先般の経済演説において明らかにいたしたところでございますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  本年度の消費者物価は、ほぼ五%の上昇にとどまる見込みでございますが、五%自体決して小さな上昇率ではございませんし、物価上昇の基調には依然根強いものがあります。  物価の大幅な上昇は、国民生活にとって重大な脅威であることはもとより、経済の健全な成長を阻害することになりますので、消費者物価の安定は、当面する最も緊要な政策課題と考えます。  この意味において、このたび衆議院に、第五十二回国会に次いで、物価問題等に関する特別委員会が設けられ、物価問題について御審議いただくことになりましたことは、まことに意義深いことと存じます。政府といたしましても、当委員会の御審議の結果を十分に物価対策に反映させ、消費者物価の安定のため、一そうの努力を傾注してまいる所存でございます。  申すまでもなく、物価の安定のためには、経済の各部門を通じて生産性の向上につとめるとともに、その成果が物価に反映するような市場機能を確保することが必要でございます。同時に、わが国経済の各面において種々のひずみを生じさせている地価の上昇を押えるため、強力な対策の実施が必要とされております。  また、総理大臣は、先般の施政方針演説において、賃金と生産性、賃金と物価の関係についても真剣に考えるべき段階にあると申されましたが、名目賃金よりも実質賃金を重視し、国民経済的視点に立って、物価、賃金・所得の問題を考えることが必要になってきているのではないかと考えます。  すでに、このような諸問題の多くについて、昨年の当委員会の御決議において、きわめて適切な御指摘をいただいております。政府といたしましても、御趣旨の具体化について鋭意検討を進め、当面実行可能なものから逐次実施してまいり、四十二年度予算編成においても、格別の配慮を加えたところでございます。  特に、国民の日常生活に欠くことのできない生鮮食料品については、野菜の集団産地の育成、肉牛対策の拡充、中央卸売市場及び公設小売市場の整備、産地及び消費地向け流通情報の提供などきめこまかい対策を実施することといたしました。また、競争条件を整備するため、公正取引委員会の機構を充実することとしたほか、中央、地方を通じての消費者保護及び消費者教育を一そう充実したものにするため、消費生活モニターを設置することといたしております。  さらに、政府は今般、産業関係、労働関係、消費者関係など各界の学識経験者からなる物価安定推進会議を開催し、内閣総理大臣を中心に関係者大臣が一体となって、有効適切な物価安定対策を推進することといたしました。  政府は、物価の安定をはかるため今後ともあらゆる努力を傾注してまいり、昭和四十二年度においては、消費者物価の上昇を四・五%程度にとどめたい考えでありますが、さらに、先ごろ策定いたしました経済社会発展計画においては、その上昇率を徐々に引き下げ、計画期間の終わりには、年三%程度にまで低下させることを目標としております。  本委員会におかれましても、このような政府の考えを御理解いただき、今後とも何とぞよろしく御鞭撻とお力添えを賜わりますようお願い申し上げます。     —————————————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 御質疑はありませんか。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 それじゃ長官に一つ二つ伺ってみたいのですが、いまごあいさつを承りましたが、私どもしっかり勉強して、あなた方の政策に反映するようないい結論を出したいと思いますが、ごあいさつの中で、「生産性の向上につとめるとともに、その成果が物価に反映するような市場機能を確保する」とおっしゃっておりますが、どんな点がやはりお考えの中心になりましょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 これは、小峯委員よく御承知のとおりでございますが、各方面にわたってこういうことが考えられるわけでございます。つまり、価格が自由かつ公正に形成されるということが、いかなる場合にも必要でありまして、これは工業製品についてもあるいは第一次、いわゆる農産物についても同様であると思いますが、たとえば、工業製品については、いろいろな事情から、自由な、公正な競争が行なわれないという場合も考え得られますし、また農産物についても、流通機構が非常に複雑であったりいたしまして、必ずしも経済性に基づいて価格が形成されるとは限りませんので、そういったようなことを全般についてここに申しておるつもりでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 それから地価の問題で、たいへん重点を置いていらっしゃるようですが、「強力な対策」というふうなことで、何かお考えになっている筋合いはございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 この点は、当面国会にお願い申し上げたいと思っておりますのは、これは前国会にも土地収用法の改正案を御提案いたしたわけでございますが、つまり、土地収用価格について、それをどの時点の価格で収用するかという問題については、私ども少なくとも事業認定時の価格で収用することをお認めいただきたい、いわゆるごね得というようなものを排除いたしたい、こう考えておるわけでございます。  それから、より根本的には、土地というものは私有財産であるには相違ございませんけれども、その公共的あるいは社会的な役割りというものが普通の私有財産とは違うということ、したがって、いわゆる開発利益がそっくりそのまま土地の所有者に当然に帰属すると考えるか、あるいはその一部はむしろ一種の、これは言ってみればウインドフォールのようなものでございますから、必ずしもこれは所有者自身に全部帰属すべきものではないと考える必要があるのではないかといったような、そういう基本的な問題についても世論に訴えてまいりたいと考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 いま後段にお述べになったことで、世論に訴えることもとより必要でしょうけれども、そういうふうなときに、新しい行政的な何か手を打つというふうなことで、お考えになっていることはございますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 それは、御指摘のように非常に重大問題でありまして、いまの段階で、土地に対するその私有権というものを、ただいま私が申しましたような方向で立法化するとか、行政措置をいきなりとるというのには、少し問題が熟しておらないと申しますか、私有財産権との関係という根本的な問題に当たりますので、すぐさま行政的な措置がとれるとは、実は考えておりません。やはり、むしろ土地というものの考え方について、もう少し世論がその方向に熟すということが必要ではないだろうか、ただいまとしてはそう考えておるわけでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 どうも世論が熟すというのは、正直なところなかなかむずかしいことだろうと思うので、たとえば、開発を担当するような事業団みたいなものを考えて、その中に、いま言ったような開発利益の処分のしかたなどをうたうというふうな方法で、大げさな私有財産権の制限ということでなしにやれるようなものというか、そういうものをもっと拡大するお考えはございませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 その問題は、根本には、いわゆる土地利用計画の樹立という問題がございまして、これについては、建設省を中心に長いこと宅地審議会等で研究をしておられまして、間もなく勧告のようなものが出てくるのではないかと思っておりますが、まあ根本的な土地利用計画とある程度切り離しまして、開発を担当する一つの機構をつくって、公の機構になると思いますが、そこが、開発利益をある程度自分のものにして、そうして開発を進めていくというようなことは、私ども内部ではいろいろ検討をいたしております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 もう一問。生鮮食料品に関して、一時かなりはなやかにジャーナリズムの上で取り上げられたコールドチェーン、これをどのくらいに評価しなさっておられるか、あまり効果がないとお考えになっておられるのか、この問題には一つも触れておらぬように思いますので、お伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 私ども、ことに昭和四十一年度生鮮食料品の価格がかなり安定しておったということは、むろん天候の影響もございますけれども、ここ数年間やってまいりましたただいま御指摘のような施策、いわゆる加工あるいは冷凍貯蔵等に関する施策でございますが、これが何がしか効果をあらわしてきたのではないかと考えております。コールドチェーンなどはその中核になる一つの施策であると考えておりますが、相当の資本投下を必要といたしますから、そのことが物価を引き下げるという方向にはすぐ働かないかと思いますけれども、需給関係を安定させるということには、もう非常に力があると考えておりますので、私としては大切な施策の一つに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 長官にお伺いいたします。  先ほどのあいさつの中に、物価安定推進会議を開催して、適切なる物価安定対策を推進する、こういうことが述べられましたが、昨年十二月に解散をいたしました物価問題懇談会、これは十一回にわたって勧告を出しております。それも、非常に詳細な適切な内容であり、これまでのこういう懇談会では、非常に評判のいい内容があるのではないかとさえいわれておりますが、今度あらためて名前を物価安定推進会議、委員は三十一名だったと思いますが、そういうふうに変えられたわけですが、座長も同じ人です。したがって、この性格は一体どんなものか、まずこの点についてお伺いをいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 物価安定推進会議でございますが、これは、このたびは総理大臣の諮問の機構として設けたわけでございますが、従来より、どう申しますか、一段高い水準のものを考えたわけでございます。その一つのねらいは、物価というものは経済企画庁の問題である、そこに預けておけばいいんだというような考え方が、ともすれば政府部内に実はありがちでございます。そうではなくって、これは各省みんな共通の、一緒になって背負っていかなければならない課題であるということを、私ども自身の内部に徹底させるということが必要であると考えましたので、総理大臣自身がそういう機関を設けられて、各省大臣がやはりその機関に入りまして物価問題を考えていく、つまり、政府全体の問題にしたいということが一つの考え方であります。  それからもう一つは、物価問題懇談会では、傾向といたしましては、かなりその問題に専用の学識を持っておられる、いわばエキスパートと申しますか、そういう方々に主として参画をしていただきましたが、今回は、もちろん同じく学識を持っておられますが、社会人としてあるいは経済人としてもう少し広い背景を持っておられる方々に委員になっていただいておる。こんな点が、前と多少性格を異にしております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまの説明ですと、今度のほうが少し格式が高いような説明ですが、前の物懇の十一回にわたるその勧告、提案、これについて、率直に言って、大部分がたな上げされておるのではないかと私は思うのです。また、ある一部においては、勧告とは別な、逆行しているような政策がとられた、こういうふうな点も多少あると私は思うのです。いま一番大事なことは、物価対策というのは、もう理屈の段階じゃなく実行段階だ。これは佐藤総理もそう言っておられる。国民の中、特に主婦の中には、もう会議はこりごりだ、会議はもうどうでもいい、それよりも実行してもらいたいという声が非常に強い。これはすでに新聞にも出ておるとおりであります。物懇がああいう十一回にわたるりっぱな提案をしておるのにかかわらず、ほとんどたな上げされておる、また物価安定推進会議をつくる、こういう会議倒れになる危険が非常にあるじゃないかという、危険というか危惧を持っておるわけですが、これについてはどういうふうに考えておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 物価問題懇談会から十幾つの提案をいただいたわけでございます。ただいま、一つも実行していないのではないかという仰せでございますけれども、実は、やはりあれだけの提案がありまして、それが世間にも発表されるということになりますと、文字どおりその提案を実行いたしませんでも、やはりあれは政府のものの考え方に対するかなりな影響力を実際上持っておると思いますし、また、持ってきたと考えております。たとえば、かりに、国債発行なら国債発行の問題をとりますと、あのとおりのことは確かに実行できませんでしたが、しかしある程度、国債発行額を減額するとか、あるいは発行規模を国民総生産あるいは財政との関係で押えるとか、そういったようないろんな意味での影響力は、確かに政府自身が感じております。文字どおりきちっとそのとおりやっておるというわけではございませんけれども、相当な影響力がある、また現在もあっておるというふうに考えております。  会議倒れになるではないかというお話でございますが、正直を申しまして、政府全体がこの物価問題に取り組むという姿勢になりますためには、そういう意味での雰囲気をつくると申しますか、そういう舞台をつくっていくことがやはり必要なんでございまして、ただいままでのところ、まだ完全にそれが十分とは申せない状態である。また、消費者あるいは企業家自身に対しても、この問題に関心を持ってもらいたいというためには、そういう場をつくっていくということは、確かに意義がある。個々の物価をどうするということと別に、この問題についての関心を国民全部が持ってもらうというためには、私は意義があるのではないかと考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 関連質問がありますので、これを許したいと思います。中山マサ君。

中山マサ自由民主党

○中山(マ)委員 関連して。私は野にありまして、逆なことを三年間考えてきました。経済企画庁というものが存在する限りにおいては、そしてそこに生活局ができたということで非常に喜びまして、実はもっと内閣がこれを尊重してもらいたい、そしてここで、手もあり、足もあり、頭もあるところの長官でもいらっしゃいますし、あなたの断でもって、これはこのくらいのところでいくべきだというときに、私、ほかの省にその指令を出すくらいのことをしてもらうのが本筋ではなかろうか、こう野にあって考えてまいりましたが、いまもお話がございましたように、いろいろな審議会がございますけれども、その審議会がなかなか活発にいかない、歯がゆいような場が非常に多くあったわけでございます。  けさほど、テレビでございましたか、この点もついでに伺わせていただきたいのでございますけれども、例をとりますと、牛乳の問題でございますけれども、これは自由化のためにそういうふうになさるのか、もう行政指導はしない、二円の値上げをするとトップまでいくかもしれないから、かってに値段を業者にきめさせるというような御発表がございましたが、その行政指導ということを片一方ではやめる、片一方ではこの委員会をつくって、その結論を見ていて指導する、こうなると、何かちぐはぐのような感じを私は受けたのでございますが、この点をちょっと関連してお尋ねをいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 物価の問題につきましては、私、二、三年前にも二度ただいまの仕事をしておりまして、多少経験がございますのですが、やはり一つの大きな問題は、現在の秩序であるとかあるいは慣行であるとか、行政官のものの考え方であるとか、そういうところに非常に大きな問題が一つあるということを痛感しておるのでございます。そういう観点から申しますと、私が物価に関係のある各省の行政に直接タッチをして、ああやれ、こうやれと申しましても、これは実際問題としてなかなかできるものではございませんので、やはりその所管の大臣がそういう気になってくれませんと、行政機構というものはそっちのほうへ向かって動かない。従来は、そういうことに関心なくやってきたものでございますから、やはりその惰性というものがございまして、私のほうから、いわゆるリモートコントロールというものはなかなかきかないということを、前回のときに実は痛感をいたしました。それで今回は、各省の行政の長、大臣ぐるみこの問題に関心を持ってもらおう、私としてはこういうふうにやり方を少し変えてみておるつもりなんでございます。確かにこの節は、閣議等におきましても、たとえば郵政大臣がNHKのラジオ料金の問題、あるいは文部大臣が国立学校の授業料の問題というふうに、御自分のほうから問題を提起されるようになりまして、私は、これは数年前と比べますと、非常に大きな力づけられる変化だというふうに考えております。大臣がそういうふうな考えでありますと、事務当局がおのずからそれにならうようになりますので、この方向を助長していきたい。経済企画庁の権限自身を強めるということには、やはり本質的に各省の上に立つものでございませんから、限度がある、こんなふうな感じでおるわけでございます。  それから、牛乳の問題について御指摘がございました。これは私、直接の所管ではございませんけれども、法制的には農林大臣は、牛乳、ことに飲用牛乳の価格形成については、別段の権限を持っておられないようでございます。従来、数年前に値上げをいたしましたときに、その値上げ分を、生産者といわゆる大メーカー、それから流通機構、販売店でございますが、それにどういうふうに分けるかということについて、農林省が行政上の通達を出したことがあるようであります。それで現在の区分、八円、三円五十銭と六円五十銭という区分ができておるわけでございますが、今回、これは主として生産者から、牛乳の生産が非常に減っておるのについて値上げの要望がございますので、確かに私自身も、生産者にもう少し手取りをふやしてやるということは理由のあることだと考えておるのでございますが、それを、現行の価格の中で再配分するか、あるいはその部分を新たにつけ足すかというようなことについては、本来的に農林省に権限のないことでございますので、私としては、前回のようにまた通達を出して、かりにアルファをプラスいたしますときに、その分け方を役所が指示するというようなことにすれば、それだけもう明らかに各段階が自分の取り分と考えますので、むしろそうせずに自由にしておけば、たとえば、小売り商は値上げに反対をしているような動きが一部にあるわけでございますので、小売りの取り分をふやすというようなことなしに、いまの価格の再配分、あるいはそれに近いことができる可能性があるのではなかろうか、通達を出しますと、かえってそれを固定化するということになるのではないか、私はそういう見方を実はいたしておるのであります。

和田耕作民主社会党

○和田委員 一つだけ。最後のところに、「先ごろ策定いたしました経済社会発展計画においては、その上昇率を徐々に引き下げ、計画期間の終わりには、年三%程度にまで低下させることを目標としております。」とございます。非常にけっこうだと思いますけれども、いまの御質問とも関係いたしまして、特に公共料金とか、それに準ずるような重要な物資、こういったようなものが、計画では、一応めどにしてもいいと思いますけれども、今後どのようにこれの値上げを抑えていくかという計画的なめどというものがつくものでしょうか。そういったものがないと、公共料金のウエートというものは、いろいろ議論がありますけれども、何といっても心理的に大きな問題でございますから、これを今後どういうふうにしていくかという大きなめどでもつけていただきますと、他の物価に対します影響も非常にあるのではないか思いますので、したがって、物価安定推進会議等において、こういう重要な公共料金並びにこれに準ずる重要な物資について、今後の価格のとり方のめどをお考えいただければ、つまり、賃金の問題にしましても、物価がどんどん上がっていってどうなるかわからないというところに問題があるわけですから、こういう問題については、計画的な見通しのようなものをぜひともお持ちいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 この最後のところで、「三%程度にまで低下させることを目標としております。」ということの実態的な意味は、今回、昭和四十六年度の国民総生産及びそれを構成いたします各要素を経済社会発展計画で示しましたその過程で、いわゆるマクロモデルを使いまして計量計算をいたしたわけでございます。これは、結局、数十本の連立方程式の数個を一度に求めていくようなやり方をいたしておるわけでございますが、その際に、四十六年度には物価は三%程度にとどめるという、そういうワクを一つ計算のときにはめたわけでございます。したがって、物価は三%以上動いたらいけないぞというワクのもとで、どのような成長が可能であるかというような計算をいたしておるわけでございます。ですから、このこと自身か結果としてできたのではなくて、政策目標として先見的に前提になっておる、こういう意味でございます。それと、そういう命題を満足させながらどういう成長が可能であるかということが、あの経済計画になって出ておる、こういうことでございます。  それならば、現実の課題としてどうやって三%を実現するかということになれば、あの計画では、まず、計画の前半期において適宜安定した物価基調に移していこう、つまり、消費者物価は毎年五%も六%も上がるんだという観念を持ちますと、国民は全部その観念に従って行動いたしますので、もうそうではなくなったんだというような現実を前半期につくり出そう、こういうふうに考えておりますので、したがって、ただいま御指摘のように、やはり公共料金なんかもできるだけ早い機会に安定させていこう、こう考えておるわけです。しかし、ほとんどの公共料金がやはり生産費との関係でできておりますので、これを人為的に抑えていくということは実際不可能でありまして、したがって、政府が一般会計で出資をいたしましたり、あるいは財政投融資で投融資をいたしましたり、あるいは補助金を出しましたりいたしまして、例を申しますと、これは交通機関なんかでも相当ございますが、そういうことから経営のコストのほうを幾らかでも切り下げていって、料金あるいはサービス料の引き上げが少なくて済むようにする、こういう考え方に立っておるわけであります。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 長官にお尋ねします。  当委員会は、物価騰貴の原因を追及し、その対策を立てるというところに目的があると思うのですが、物価騰貴の原因は、二つのカテゴリーに分けられるように思うのです。その一つは、経済企画庁も大体その線でいろいろお考えになっておるようでありますが、経済構造の変動とそれに対する適応能力の不足というものが物価騰貴をもたらした、こういうカテゴリーが一つある。もう一つは、通貨膨張という点に物価騰貴の原因を求めておる説もあるわけです。どっちかというと、後者につきましては、これはあたりまえのことであるとしておるのかどうかしりませんが、企画庁のほうでは、あまり立ち入らずに避けておるように思うのですが、後段の点につきましての企画庁長官の御所信をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 それは非常に本質的な御質問でございます。確かに私自身が、いわゆる古典的な意味での貨幣数量説というものをあまり信じておらないということは事実でございますし、それから過去十年、あるいは終戦後から申しますともっとになりますが、わが国の経済成長が、管理通貨というものを概して上手に運営をしてきた。その結果経済が成長したということは事実だと私は思いますし、ことに、英国の場合と比較いたしますと、ほとんど正反対のような手法をとって成長してきましたので、どちらかといえば、私はこの成長における管理通貨の役割りを高く買っておるほうでございます。もちろん、貨幣の過当な増発というものは、これは物価を上昇させる原因となりますので、ことに国債でも発行するという段階になりますと、その点については十分注意をしていく必要がございます。私自身、前のほうのことを中心に従来考えてきておりますが、こういう国債発行のあるような段階になりますと、後者についても、これは当然のことでありますけれども、注意を払っていかなければならないということは、御指摘のとおりだと思っております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 長官に政府部内の連絡の件について承りたいのですが、たとえばけさの新聞で、牛乳が二円の値上げになるのじゃなかろうかという予測が出ておりまして、で、従来行政指導しておったその通達を取り消す、前回は、通達を出したから、上がらぬでいい線まで上がって、十八円というものが最低の値段になってしまった、高いのを押えたいというのにかかわらず、通達の結果逆の現象も起きたようなこともあったので、今回通達を取り消すのだという新聞記事であります。これは、現実に業界で値を上げたいという動きのあるさなかでそれが抜かれるのですから、まあめどがとれてしまう。そうなると、担当に生活局をお持ちになり、また消費物価の値上げを抑制するという目的で一生懸命に御計画をなさっておるあなたのところで、農林大臣の出した通達であるからというて何ら御相談といいますか、こんなふうにするがというような折衝が行なわれないものでありますかどうか。行なわれたとしたら、それに対して、どんな理由でそれは困るとおっしゃらなかったのか。その二点をまずお聞きしたいのです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 これは、先ほど一部中山委員にお答え申し上げたところであったのでございますが、通達を撤回するのだという正式な連絡は、私はまだ受けておりませんが、この問題については、事務的にはかなり農林省と私どもとの間で密接な接触があるように聞いておるのでございます。おそらく、農林省が通達を撤回しようと考えておられるとすれば、その理由は、前回あの通達をいたしまして、生産者とそれから次のメーカーと申しますか、いわゆる大メーカーでございますが、これと小売りと、その三つの段階で値上げ分を分け取りをした、まあ通達は、それをいわば固定化したわけでございます。前回そういうことがあって今日に及んでおる。私自身、生産者の手取りがもう少し多くていいのではないだろうか、ことに、生産が減っておる現状から見ますと、そう思っております。しかし、その分だけネット現在の価格を引き上げるべきなのか、あるいは流通機構の六円五十銭というものが事実上少し多いのではないか——多いのではないかというのは言い過ぎかもしれませんけれども、すべての配給機構がその六円五十銭を守っておるかと申しますと、必ずしもそうではなくて、何割かのものはそれ以下でやっておるのでございますから、したがって、今度かりにアルファというものを価格に加えますときに、それを通達でもって、こう分けるのだというようなことで固定化することがいいか悪いかということになると思います。私は、いまのいわゆる大メーカーの過当競争、これは配給機構まで全部貫いておる過当競争がございます。したがって、一部の配給業者は値上げの必要はない、むしろ反対であるというようなことを言っている向きもございますのですから、そのアルファ分を、また通達でこの三つの段階に分けてやるということは、むしろ問題を固定化させてしまうのではないのだろうか。つまり、理想的に運営されれば、生産者の手取りが幾らかふえつつ、しかも全体の価格が変わらないということが理想だと思いますので、通達を出すということは、その理想からむしろ遠ざかっていくのではないかという、おそらくそういう見地で農林省は考えているのではないか。その見地なら、私もほぼ同意ができるように考えるのであります。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 そういう予測で長官はお考えでございますならば、それは一つの考え方でございましょうが、この物価特別委員会ができて、あなたのほうの庁でこれらの企画をいろいろ立てて、物価上昇を押えたいというその共通の目的からいきますと、きょうは農林大臣もおいででないし、担当官もおられませんから、別の機会にしたいと思いますけれども、私は根本論としまして、役所ですから権限がそれぞれきまっておりましょう。ただ、そういうシステムを長官のところでおつくりになったのだから、やはりそういう意図であっても、たとえば、生産者にこういうような方法で国は施策をしてやるのだ、あるいはメーカーで三合びんの型をつくりかえるというなら、それらの容器の改良に対して政府が手伝ってあげるとか、あるいは牛乳屋さんが配給にお金がかかるというなら、こんなような形でやったらどうか、それに対して費用がかかるとすれば、国がこんなお手伝いもできるよというような、事前にそれぞれできるだけの準備と申しましょうか、政府の気持ちがあたたかく通ずるようなそういうものを準備されて、そしてそういう通達の撤回をなさるというのでないと、あなたがお思いになり、あるいは農林大臣が思ったかもしらぬけれども、現実には、二円の値上げになるだろうと新聞は一斉に伝えておりますし、われわれも考えられるのですね。そうすると、この委員会の存在理由も、あなたの所管の大事なお仕事も、何か骨抜きになって、気ばってはみたけれども、政府部内では権限の分割のために、ばらばらになってしまうというようなことが起こると思いますので、私、この牛乳の問題だけでなくて、各省に分かれておっても、十二分の段取りを政府の力でできるだけつけていただいて、そして方向転換の方向づけをしていただかなければ、どうも何のために難儀をするのかわからないように思いますので、きょうは、他省のことでもございますから、その根本の問題だけを、われわれ集まって議論をいたしますこの委員会の目的のためにも、ひとつとくと御考案をいただきたい。これだけ申し上げます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 非常にごもっともな御指摘だと思いますので、いま私、大野委員のほうに向かってすわっておりますけれども、各省に対しては、私は実は皆さんのおすわりになっていらっしゃる方向でものを言っておりますので、おっしゃることはまことに同感でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 この問題につきましては、もっと深くいろいろ審議したいという各委員の御希望でもございますので、次の機会に譲らしていただきたいと思います。  残余の質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 次に、昭和四十二年度物価関係予算の概要について、中西国民生活局長から説明を聴取することといたします。経済企画庁中西国民生活局長。

中西一郎経済企画庁国民生活局長

○中西政府委員 お手元に資料をお配りしてございますが、これは十分練れたものではないのですけれども、きょうのこの会議に間に合わせるという意味で、とりあえず調製いたしましてお手元にお渡ししたわけでございます。御参考にしていただければ幸いであります。  こういうふうに書いてみますと、予算書の各省の分をそれぞれ引っぱり出して簡潔に整理をしたという程度のものになってしまいまして、これを申し上げてもいいのですけれども、この構成だけまず申し上げて、若干の私どもの所見をつけ加えさせていただいて、説明といたしたいと思います。  一ページのところの上のほうでいっておりますが、物価対策予算というものの範囲のとり方、これはいろいろ議論がありまして、この中にも出てまいりますが、農業基盤整備の問題、これはもう千三百億からの予算でございます。さらに、中小企業の関係では、国民金融公庫の融資が三千億とか、あるいは中小公庫二千三百六十億とか、いろいろあります。そんなことで、構造改善というようなことを含めますと、非常に大きな部分が物価対策予算になってしまう、そういう考え方も確かにあると思います。また、生鮮食品対策とかあるいはボランタリーチェーンとかいろいろな問題、この中でも触れていますが、そういう直接的なものをピックアップすることもできようかと思います。その辺が両方入っておるというふうにお考え願いたいと思います。  まず、一ページでは農業関係、林業、水産関係等についての近代化のことについて述べております。一ページの下のほうでは、野菜、肉牛対策についてやや詳細に述べております。  それから二ページでは、中小企業の生産性向上対策について触れておりますが、中小企業振興事業団の新設の関係、あとは融資の資金あるいは補助金の問題等に触れておるわけであります。  それから、二ページの下のほうでは、流通機構の合理化に触れております。生鮮食料品関係で数項目、米の流通改善等で以下数行を費やしております。そのほかボランタリーチェーンの問題等について「その他」という項目で触れております。  四ページの中ほどから下に参りまして、労働力の流動化を促進していくというようなことも物価対策に関係があるというふうに考えられますので、記述いたしております。  五番目が競争条件の整備であります。公正取引委員会の定員がふえますこと、高松地方事務所が新設されることなどに触れております。  それから、直接の物価対策といえないかもしれませんが、住宅対策等についても、ここで半ページほど費やしまして御説明をいたしておきました。  それから、五ページの下のほうですが、消費者対策、先ほど大臣の御説明にもありましたが、消費生活関連モニターをつくるというようなことをはじめとしまして、新しい考え方も幾つか予算化できたということで記述いたしております。  以上のようなことで、予算の大要はできたわけですが、私どもは、物価問題は予算だけできまるものではないというふうにも考えます。競争条件の問題、あるいは公共投資の配分をどういうふうにやっていくか、あるいは財政金融全体のあり方も関係する。先ほど大臣が言われましたが、制度とか慣習、秩序といいますか、いままでの行政の仕組みにもいろいろ反省されるべき点があるのではないか。それらが全体として斉合性をもって進められる。その場合に、表面に出てくる問題と、体質の深い奥底にひそんでおる問題と二つあろうかと思うのでありますが、その辺をうまく振り分けて、これから物価対策を進めてまいりたい。特に、物価安定推進会議がこれから何回か持たれると思うのですが、そこでも、いま申し上げたような観点で、できれば根本的な問題をえぐり出し、それに対して各省庁が前向きで取り組んでいく、そういうふうなことをこの会議の場でも期待したいというふうにいわれておりますので、できるだけそういう趣旨でわれわれ事務当局も仕事を進めてまいりたいというふうに考えております。  非常に簡単でございますが、以上で一応の説明を終わらせていただきます。     —————————————

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 次に、公正取引委員会北島委員長から、業務の状況について説明を聴取することといたします。北島公正取引委員会委員長。

北島武雄公正取引委員会委員長

○北島政府委員 北島でございます。あらかじめ委員長から、ざっくばらんに、あまりかたくならずに思うことをどんどん言えよというようなお話がございましたので、実は、経済企画庁長官のような文書を用意いたしてまいりませんでしたが、私の考えておりますことをざっくばらんにひとつ申し上げまして、よろしく御鞭撻いただきたいと思います。  この数年来、物価関係が非常に大きな問題となりましたのにつれまして、独占禁止法と公正取引委員会の役割りというものがだいぶ再認識されてまいっておるわけでございますが、これがまた、あるいは行き過ぎまして、独占禁止法というのは物価を押える法律である、あるいは公正取引委員会は物価を統制する官庁である、こういうふうな誤解も中には出てまいりました。しかし、独占禁止法の役割りは、決して物価統制の法律ではございません。独占禁止法第一条に目的がはっきり規定されておるのでございますが、結局、経済政策的に考えますと、公正かつ自由な競争を促進することによって経済の発展を促進する、それが、究極において一般消費者の利益の確保になり、国民経済の健全でかつ民主的な発展の促進になる、こういうことでございます。そのために、私的独占あるいは不当な取引制限と申しますが、市場支配になるようなカルテル、あるいは不公正な取引の禁止、こういった規定を置いているわけであります。最近、政府関係の物価対策の文書の中にも、公正な競争条件の整備というようなことがよく出てまいります。これは、やはり独占禁止法の本来の趣旨をあらわしているわけでございます。  そこで、こういった性格を持つ独占禁止法でございまして、考え方といたしましては、自由競争を促進させることによって、すなわち、自由な競争が供給者側にもあり、あるいは、ともに需要者側にもある、そういうことによってメーカーあるいは販売業者といたしましては、よい品をできるだけ安く売る、こういう競争が行なわれるわけであります。それを阻害するような私的独占とか、あるいは市場支配になるようなカルテル、あるいは不公正な取引方法、こういったものを禁止しておるのが独禁法でございます。  こういったたてまえから、物価問題に関係いたします点を私どもの立場で考えますと、まず第一にはカルテル対策、第二には、最近問題となっております再販売価格の維持契約に対する規制の問題、第三番目が、いわゆる管理価格に対する対策、この三つが、当面独禁法に関係いたしてまいります物価対策面の具体的なあらわれと考えていただいたらよろしいかと思います。  そこで、まず第一にカルテル対策でございますが、独禁法ではこれを「不当な取引制限」ということばで書きあらわしております。「不当な取引制限」と非常にわかりにくいことばでございますが、事業者が価格を決定したり、維持したり、引き上げたり、あるいはまた生産数量、販売数量などを協定することによって相互に事業活動を拘束するような協定、それによって市場支配になるようなもの、これを独禁法で禁止している「不当な取引制限」、こういうことになるわけですが、ただし、独禁法では原則としてこういったカルテルは禁止いたしておりますものの、それには幾つかの例外があるわけでございまして、これは中小企業対策関係から、中小企業団体法に大きな適用除外がございます。一定の場合にはカルテルをつくっていいという規定がございます。あるいはまた輸出入取引法においても、貿易対策の見地からカルテルが認められている。あるいはまた環境衛生関係もカルテルが認められている。こういった関係でございまして、合法的に法律で認められておりますカルテルは、独禁法以外に三十九の法律がかかわっております。これを全体合わせて考えませんと、独禁法のカルテル禁止というものがどの程度かということは、なかなかわかりにくいのであります。昨年の暮れにおきまして、合法的に認められておりますカルテルが千三十五ございます。千三十五ございまして、そのうち一番数の多いのが中小企業団体法に基づく商工組合のカルテルでございまして、これが六百二十六ございます。それに次ぎますのが輸出入取引法に基づくカルテルで、ざいまして、これが二百十五。それから、次に環境衛生法に基づくカルテル、これが百二十三、こういったものがこの千三十五の中の大部分を占めておるわけであります。なお、このほか独占禁止法それ自体におきまして、不況の場合に不況カルテルという制度がございます。それから合理化カルテルという制度も認めておるわけであります。  こういったカルテルが一体価格にどういう関係を及ぼすか、こういうわけであります。このカルテルの禁止規定というものは、戦前にはなかったわけでございますので、なかなかこれが、特に財界の方にはわかっていただけない。もちろんカルテルというのは、ごく簡単に価格協定の場合を例にとりますと、よく私があちらこちらで独占禁止法のPRのために講演いたしますと、あとで、適正な価格で業者が協定するのがなぜいけないのだろうか、こういった疑問が相当知名の士からもあるわけであります。そのときには、なかなか独禁法の趣旨がわかっていただけないなというような感じがするわけです。  価格協定を例にとりますと、かりにこの値段で売ろうということで生産者なり販売者が協定する、こういった場合には、できるだけ多数のものがその値段を守らなければいけないわけであります。そうすると、どうしてもその価段では自分はやっていけないからもっと高く上げてくれ、こういうことになるわけです。結局、できあがった価格なるものは、非能率な限界生産者を温存するような価格になる、こういったことは何としても言えると思うのです。これは、消費者にとっては直ちに不利になるわけです。それからまた生産数量の制限、お互いに数量を制限してこれだけしかつくらないようにしよう、こういった協定をいたします場合、どういうことが行なわれるかというと、その各業者に割り当てるのは、結局、従来のいわゆるシェアによるというのが大部分でございます。そうすると、先発メーカーに対して後発の有力な、能率のいいメーカーがかりにあったとしても、やはりそういった過去のシェアによって抑えられてしまう。それによって非能率な企業というものが温存され、能率のいい企業が伸びる余地が押えられるということになっているわけでありまして、こういった見地から、現在、世界で二十数カ国か独占禁止法を採用いたしておりますが、戦後は、主としてこういった経済政策的見地から、やはりこういったものは制限しなければならない、こういうのがいまの自由主義国家の大体の趨勢でございます。  それで、昨年末におきまして千三十五の合法的なカルテルがございます。これはもちろん、ただいま中小企業対策とか、あるいは貿易対策、こういった別途の見地からカルテルが認められておるのでありますが、その場合におきましても、法律上の要件といたしましては、できるだけ関連事業者、あるいはまた一般消費者の利益を不当に害することにならないようにというような規定がどっかに置かれておりまして、そうして、こういったカルテルが合法的にできます場合には、必ず最後において、公正取引委員会に協議とか同意とかいうことになるわけであります。主務大臣が認可する場合にも、公正取引委員会に対して同意を求める、あるいは協議を求めるという機会が大部分でございます。こういった機会がございますので、公正取引委員会といたしましては、こういった合法的なカルテルが、公取に協議がございました場合におきましても、はたしてそれが必要な最小限度であるかどうか、あるいはまた、それが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害することになるおそれはないかということを厳重に審査いたしまして、協議に応じておるわけであります。  なお、独禁法自体には、先ほど申しましたように不況カルテルという制度がございます。これは、需給状況が著しくバランスを失したために、平均生産費を割るような価格になって、そのまま続けていけば、事業の相当数が継続困難になるおそれがある、こういった場合に、緊急避難的に不況カルテルが認められる。この不況カルテルにつきましては、御承知のような一昨年来の不況でございまして、一番多いときには十七にのぼる不況カルテルがございました。おかげさまで景気の回復に伴いまして、漸次これが廃止されてまいっております。昨年の暮れにおきましては、砂糖の精製糖と綿スフ、それから外装用ライナー、この三つがあったわけでございます。この二月末に精製糖の不況カルテルが期限が切れまして、もうございません。それから、残る二つのうちの綿スフの不況カルテルは、三月一ぱいという期限でございましたが、最近の価格の高騰に伴いまして、不況要件を欠くに至りましたので、期間の中途に、すなわち三月六日をもって打ち切っております。残るのは外装用ライナーでございますが、これも三月末で終了するということになっております。  こういったカルテルにつきましては、合法的なものについては、とにかく各種の政策上の必要から認められておりますが、ただここに、法律で認められていないのにカルテルが行なわれておるのが非常に多いわけであります。これを取り締まることは、公正取引委員会の重要な任務と考えております。ことに価格協定、これは相当件数が多いわけでありますが、この違法な価格協定等の取り締まりにつきましては、公正取引委員会も鋭意力を入れているわけでありまして、昨年じゅうにおきまして、独禁法違反事件で審査にのぼりました件数のうち、過半がこの価格協定に関するものであります。こういった価格協定は、公正取引委員会で審査になりますと、審査の途中で、あるいは自発的にやめる、そういった場合にはそのままにいたしておりますが、やめない場合には、公正取引委員会において排除措置を講ずる、こういうことをいたしております。  以上申しましたことが、カルテル対策でございます。  第二番目には、再販売価格維持契約の規制の問題がございます。再販売価格維持契約と申しますのは、ごく砕いて簡単に申しますと、結局、メーカーが小売り値を指定いたしまして、その値段を守るように、もし守らない場合には荷どめなどをするぞと、こういった契約を認めているわけであります。これは、昭和二十八年の独禁法の大改正の際に独禁法で認められたのでございますが、これにも法律上の要件がございますが、現在認められておりますのは、著作物は当然によろしい。それから、その他の商品につきましては、商標品であって、そして公正取引委員会が指定する商品、こういうことでございますが、現在、公正取引委員会で指定する商品が六品目ございます。もっとも、再販売価格維持契約の問題が一昨年あたりから、物価関係につきましてだいぶ大きな関心が寄せられたわけであります。これは、再販売価格維持契約にもそれ相当の存在の理由にあるわけでございますが、消費者の関係から見ますと、たとえば、いままで医薬品などについて相当の値引きをしておったのに、突如名前を変えて、ある程度製品は違っているらしいけれども、今度は値引きしなくなった、非常に高い値段になった、こういうことが一般消費者の注目を浴びたわけであります。そこで、再販売価格維持契約に対しては再検討する必要がある、こういうことになったわけであります。  昨年の物価問題懇談会におきましても、再販制度の規制を示唆されているわけであります。公正取引委員会といたしましても、物価対策上、この再販売価格維持契約の制度に対しまして何らかの規制を加えることが必要であると考えまして、まず昨年の二月に、従来公正取引委員会の指定する商品は九品目でございましたのを、そのうち三品目をやめまして、残る六品目のうち一つの品目は、幅を非常に狭くして認めました。現在六品目で、それを申しますと、化粧品、それから毛を染める染毛料、それから家庭用石けん、これには洗剤も入ります。それから歯みがき、それと医薬品、それともう一つが海外旅行者免税用の写真機、この六品目について認めているわけであります。これにつきましては、昨年の七月に、従来公正取引委員会の指定する商品につきましては、こういった契約をいたしましたならば、成立届けをすることになっておりましたが、この届け出規則が非常に不備でございまして、実態をよくつかめないというので、昨年の七月に届け出規則を変えまして、実態の把握に便なるようにいたしました。それから秋には、デパートとかスパーあるいは農協等の段階から、現在合法的に認められているもの以外の商品について、こういった小売り価格の拘束が行なわれているものはないか、こういった調査をいたしまして、違法なものについては、現在どしどし審査をいたしているわけでございます。  この再販売価格維持契約につきましては、いろいろ物価上の問題もございますので、現在さらに立法措置をもってこの規制を考慮中でございます。ただいま事務局で鋭意検討中でございますので、いずれ近く、委員会の段階においてさらにこれを検討を加えました上で、成案を得ましたならば、今国会で御審議を仰ぐ予定でございます。合法的の再販売価格維持契約はいいといたしまして、世上には、この法律で認めていない品目についての再販売価格維持契約が相当行なわれているのであります。こういったものに対しても、公正取引委員会は、違法な価格協定の取り締まりと同様に、どしどしこれを審査することにいたしております。  次に、いわゆる管理価格の調査の問題でございます。管理価格ということばもなかなかわかりにくいのでございますが、比較的少数の大企業で業界を支配しているような、そういった業界におきまして、価格が、生産性の向上が著しいにもかかわらずなかなか動かない、下がらない、あるいは硬直している、こういったものがあるのではないか、これはどこにそういうものの原因があるだろうか、その原因を探求する、これがいわゆる管理価格の調査ということでございまして、公正取引委員会といたしましては、昭和三十八年度、三十九年度にかけまして、この管理価格の調査を始めたわけであります。昭和四十年度におきましては、不況カルテル等の事務に忙殺されまして、その作業を継続することができなかったわけでございますが、四十一年度におきまして、不況カルテルの事務もほぼ終了段階となり、それにまた定員の増等も得ましたので、昨年の夏から管理価格の調査をまた始めております。  方法といたしましては、日銀の卸売り物価指数の対象品目となっております品目が七百七十品目ございます。それの昭和三十五年から四十年に至る六年間における価格の動きを詳細に調べたわけであります。調べまして、その中で価格の変更の回数が少ないもの、それから価格の変更があっても、指数の変更があっても変動の幅の少ないもの、あるはいまた指数の上昇一方のもの、こういったものを一応選定いたしますと三百三十九品目ございました。これにいろいろ捨象を加えまして、大企業製品で、しかも、どうも管理価格といわれる疑いがあるのではないか、こういったものの調査をやりました。具体的には、合成洗剤とバターの調査を昨年の秋以降いたしております。これも独禁法的に考えますと、ただ価格が動かないだけでは何ともいたしようがない。ただ、こういった比較的少数の大企業が業界を支配しているようなところにおきましては、えてして意思の連絡ができやすい。すなわち、価格協定などの事実が行なわれる危険があるわけであります。もしそういうことが調べましてあるならば、これは独禁法違反として是正の措置を講ずる必要がございますし、それからまた、新規企業の進出をはばむ等の行為が行なわれて末端価格を維持している、こういうようなことがありますと、これは不公正な取引方法にかかるわけでございます。こういった調査は、ただいま合成洗剤、バターについて行なっておりますが、引き続いて、この調査が終了次第、他の品目について次から次へと行なっていきたい。  それで、どういった効果があるのか、こういったことでございますが、これは直接の効果かどうかわかりませんが、とにかくメーカーのほうでは、自粛することは明らかであります。過去において、昭和三十八年、三十九年度と行ないました中におきましても、公正取引委員会が管理価格の調査をしたというだけで値段を下げたものがございます。それから今回の合成洗剤、バターの調査でございますが、これは直接の関係があるかどうかわかりませんが、合成洗剤につきまして調査をするということをきめまして、調査をいたす途中におきまして、通産省におきましても合成洗剤のメーカーに対して引き下げ方行政指導をされたその結果、最近実質的には価格引き下げとなるところの増量が行なわれた、こういったこともあるわけであります。こういった大企業製品で、どうも価格の動きが鈍い、生産性は相当向上しているから値が下がってもいいはずなのに下がらない、こういうものの調査は、今後も続行してまいりたいと思います。  たいへん措辞適当ではございませんでしたが、ざっくばらんに申し上げました。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員長 以上で、政府並びに公正取引委員会の説明は終わりました。  質疑は後日に譲ることといたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十五分散会

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