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55回国会衆議院1967/07/20

農林水産委員会 第37号

発言数
230
登壇者
19
会派数
3
開催日
1967/07/20

会議録

本名武自由民主党

○本名委員長 これより会議を開きます。  森林法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊賀定盛君。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 昨日、一昨日と、森委員からいろいろと林業施策の全般にわたって質疑が展開されたわけでありますが、私は、時間等の関係もございますので、焦点をしぼりまして、最近各県にできております造林公社についてお伺いをいたしたいと思います。  白書を見ますと、造林公社というものが民有林の植林に大きな役割りを果たしておるということは指摘しておりますけれども、一体この造林公社が現在全国でどの程度の規模で展開しておるか、それらの実態を把握しておられるかどうか、お伺いいたします。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林公社の実態について申し上げます。  昭和四十二年五月末現在におきまして、二十七の府県で二十八の造林公社が設立を見ております。これらの造林公社に対しまする補助あるいは融資の関係でございますが、四十一年度の数字で申し上げますると、補助につきましては一億四千七百万円、融資につきましては四億二千四百万円、こういうふうな情勢になっておるのでございます。それから、実際に造林をやりました事業分量でございますが、これは四十年度の数字でございますが、公社造林で三千三百六十八ヘクタールという実績を四十年度にあげておるのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 私は、先日の本会議で、大臣に造林公社に対する国の指導方針についてお伺いをしたわけでありますが、きのうも森委員から大臣の答弁がなかったという御指摘があったわけですが、造林公社に対して国の指導方針の基本的な考え方があればお伺いいたしたいと思います。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 民有林におきまする造林事業につきましては、できる限り森林の所有者または所有者が組織をいたしております森林組合等によりまして自主的に造林事業が行なわれることが望ましいというふうに考えておるのでございます。しかしながら、最近の造林の推移等にかんがみまして、造林公社事業につきましては、今後とも各府県の特色を生かしながら、かつまた自主性を尊重してまいる考えでおるのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 ただいまこの造林公社の実態について補助とか融資等の御説明がありましたが、各府県の自主性とも関連して、各府県によって、たとえば造林公社の事業対象が国有林である場合、あるいは民有林といいましても、公有林あるいは財産区所有林ないしは純粋な個人有、こういう形でありますが、府県ごとにそれらの比率はどういうことになっておりますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林公社が対象といたしておりまするのは、国有林はございません。民有林の中で公有林あるいは私有林、こういうものを対象にいたしておるのでございますが、全体的で申し上げますと、私有林対象のものが多いのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 たしか鹿児島県だったと思いますが、あそこは国有林が一部入っていると記憶しておるのですが、どうでしょうか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 屋久島におきまして鹿児島県の造林公社がやっておりますのは、これは国有林でございます。  それから比率でございますが、民有林につきましては、公有林と私有林と分けました場合に、私有林は約七割を対象といたしまして造林公社が造林事業をやっておるような情勢でございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 そこで、ただいま補助、融資のお話がありましたが、補助とか融資というのは何を基準にして行なわれておるのでしょう。私は、本会議でも、公社に関連した単独立法あるいは法制の整備ということを質問をしたわけですけれども、御回答がなかったわけでありますが、ただ漫然と融資とか補助金というのは、その年その年の予算の範囲内でおやりになっておるのか。やはりはっきりした基準を設けて、ないしは単独法でたとえば公社法とかいったようなものを整備していく必要があろうかと思いますが、どうでしょう。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 公社は御承知のように年次計画を立てて事業をやっております。当然その事業計画の中で資金計画というものも立てておるわけでございまして、そういう計画に基づきまして補助を受ける、あるいは補助残融資を受ける、あるいは二十八の公社の中で四公社でございますが、全額融資を受けるとか、そういうふうな公社自体が立てております事業計画、資金計画等によりまして事業の実行をやっておるのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 公社の計画といいますけれども、融資はどういう基準に基づいてするのか。たとえば、いまおっしゃいますように、各公社が計画を立てて、ある県から、一年間の事業量が十億なら十億、そのうちの自己資金は一億しかありません、したがいまして、あとの九億は融資を仰ぎたいという自主的な事業計画が出たら、そのまま認めていかれるわけですか、計画に基づくということになりますと。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 融資につきましては、事業費の八割ということで現在融資が行なわれておるのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 補助は。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 補助は対象によりましていろいろございます。補助金の場合におきましては、点数制で現在補助をいたしておりまして、再造林におきましては六十点、拡大造林におきましては百二十点、さらにその上にたとえば団地造林をやるというふうな場合には五十点が加算になるというふうな点数制でいろいろやっておりまして、この点数の合計に対しまして国から三割、都道府県の負担が一割、四割がこれにかかりまして実質的な補助金のワクになるわでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 国が三割、県が一割と言いますけれども、これは何に基づいてそういう基準が定められたのですか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林の補助金の交付要綱によってきめておるのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 そうしますと、その要綱というのは毎年違うわけですね。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 ずっとこの三割補助ということでやってまいっております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 私は兵庫県ですけれども、たとえば兵庫県の造林公社に例をとりますと、当初は約六十億をかけて一万町歩を十カ年計画でやるのだということで出発をしましたけれども、いわゆる自己財源がありません。融資もいま御指摘のとおり八割しかありません。そうすると、あとの二割は自己財源でまかなわなければならない。いま点数制云々というお話がございましたが、その補助金の残額はやっぱり自己財源でやらなければならない。こういうことになりまして、毎年当初の計画どおり進んだ年は少なくとも兵庫県に関する限りはございません。おそらくこれは各府県とも同様であろうと思いますが、いま御指摘の融資の八割と、それから各種類によって補助金が違うようですけれども、それで造林公社の各府県が計画しておるものが順調に行なわれていくと長官はお考えでしょうか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 公社造林の事業をより適正円滑に拡大をはかりますために、私どもは一応ただいまのところは八割ということを原則にいたしまして融資をいたしておるわけでございますが、こういった融資比率の引き上げというふうなことについて今後検討してまいりたいというふうなことで現在考えておるのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 融資に関連いたしまして、いま事業量に対する八割の融資でありますが、管理費についてはどの程度の融資を認めておられますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 管理費については入っておらないのでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 確かに事業量に対する融資が八割では十分とは言えませんけれども、特に管理費については御認識を改めてもらわなければいかぬと思いますのは、民間と違いまして、こうした公社的な、公的な経営体になる場合には、管理費というものが決して少額ではありません。相当大きなウエートを持つわけでありまして、どこの府県でも管理費に対する融資がないというところにいろいろ問題が出ておると思うのでありますが、この管理費について融資の対象にすべきだと思いますが、この点どうでしょうか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 管理費の問題につきましては、公社造林の場合ばかりでなくて、造林融資一般の問題とも関連いたしますので、いまただちに管理費を融資の対象にするとかしないとかということにつきましては、ちょっとお答えを申しかねるわけでございますが、そういう問題等も含めまして、今後の造林公社のあり方あるいは造林公社の事業の推移等を見まして、将来どういうふうに造林公社というものを持っていったらいいかというようなことにつきまして、抜本的に検討いたしたいと考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 すべてを一括して今後ひとつ検討しますと逃げられたのでは、ちょっと困るのですが、いつごろ検討は終わるつもりでありますか。いつごろこれら公社に対するいろいろな事柄を整備されて実行に移されようとしておりますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 御承知のように、各県で造林公社が発足いたしましてまだ歴史も新しいわけでございます。したがいまして、今後の造林公社事業の推移を見まして検討いたすわけでございますので、ただいまいつごろだと言われましても、いつごろに結論を出すというようなことはちょっと申し上げかねるわけでありまして、御了承いただきたいと思います。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 きのうも森委員から御指摘もありましたし、私も本会議で指摘したのですけれども、白書も三回目になるわけで、これをずっと読みますと、白書に書いてあることは、分析とその対策が三年間ほとんど同じことが繰り返されている、こういうふうにわれわれから言いますと見えるわけでありまして、いまの長官の答弁を聞いておりますと、やはり白書と同じように、これから検討いたします。時期は明示できません、来年になりましてもやはり検討いたします。再来年も検討いたしますということで終わるつもりでありますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 最近の林業の動向にかんがみまして、林業白書あるいは来年度に講ずべき施策ということで国会にも提出申し上げておりますが、いずれにいたしましても、こういった一連の総合的な施策というものにつきましては、なるべく早く結論を出し、結論の出たものから順次具体的に施策面に反映してまいりたいと考えております。  四十二年度等におきましても、生産対策の中で例をあげて申し上げますと、たとえば林道の補助体系の整備あるいは団地造林制度の新設等もいたしておりますし、また御審議をいただいておりまする制度の改正というようなことも考えておるのでありまして、できるものはそのつど施策としてこれを具体的なものにしてまいるというように考えております。ただいまの公社造林等の問題についても、なるべく早く結論を出しまして、先生のお話のように、公社造林事業というもののより推進をはかり得るように最善の努力をいたすつもりでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 抜本的には総合的な対策というものが早急に整備されるべきでありましょうけれども、御指摘のとおりできるものからやってもらいたいと思うのですが、そうしますと、具体的に申し上げまして、管理費を融資対象のワクに入れるということは、一般造林との関係がありますからというお話でありましたが、ただいま申し上げたとおり、一般造林の場合には、個々の林家が経営していくわけでありますから、その場合の管理費と、それからこうした公的な機関が経営する場合の管理費というのは、うんと意味が違うと思うのです。そういう意味で、一般林家の管理費の場合には、もちろん林業ばかりでありません、その他のいろんなものとの総合的な中で管理がなされていくわけですけれども、公社的な場合には、それ専門に管理していくわけでありますし、人的その他の面からいいましても、一般造林とのかねあいで云々ということでは、少し私は納得できないわけですが、この点はっきりひとつ御回答いただきたいと思います。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林公社につきましては、立法措置をやったらどうかというふうな御要請も現在出ておるわけでございます。ただいま先生からお話がございました問題等も含めまして、今後の造林公社をどう持っていったらいいかというふうな検討の中で解決をはかるように努力したいと思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 そうしますと、管理費を含め、あるいは融資ワクを含めて検討するということですか、もしそういうふうに総合的に検討されようとするならば、これら造林公社についての総合的な見地から、問題点としてその他にもまだ問題があろうと思うのですけれど、いまどういう事柄を総合的に検討されようとしておりますか、具体的にひとつ御指摘をいただきたいと思います。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林公社が事業を行ないます場合の対象の問題、あるいは先生からただいまいろいろお話が出ておりますような実際に事業をやります場合の造林公社の資金的な問題、こういった大きな問題があろうかと思います。そういった点につきまして、造林公社の今後のその事業の推移というものを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 いえ、検討される場合に、何と何と何を具体的に検討されようとしておるかということをお伺いしておるわけです。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 ただいま申しましたように、対象地の問題、造林事業をやります対象の問題、それからどういうやり方でやるかという方法の問題、さらに資金の問題、こういった点を主体にいたしまして検討いたしてまいりたいと思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 それでは、私も何もかも全部研究し尽くしておるわけではありませんけれども、その他に問題になるべきものとしては、すでに公社が発足してから、早く発足したところは五、六年にもなるところがあると思います。順次事業の充実とともに、これら公社に働く職員も相当数にのぼっておろうと思うのでありますが、職員数は全国でどれくらいになっておりますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 公社の職員につきましては、平均十名ないし十五名でございます。  それから、公社造林に従事いたしております林業労働者でございますが、これが平均いたしまして五十名から百名というふうな状況に相なっております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 そうしますと、職員の場合と労働者の場合とは、勤務条件その他も違うわけですけれども、これらの職員の勤務の条件、たとえば年金制度だとか社会保障制度とか、それらの問題についてはどういうことになっていますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 ただいまのところ、公社によりましていろいろ実態が違っておるようでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 違っておるようですということでは、たぶんそれはそうだろうと思いますけれども、しかし、それではどうも回答にならぬのと違いますかね。たとえば、進んだところは社会保障やいろいろな施策はこういうふうになっております。やってないところはこういう姿でありますと……。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろ実態が違うわけでございますが、公社によりましては、県からの出向職員が公社の仕事をやっているというような公社もございます。それから純然たる公社職員というものもあるわけでございます。退職金その他の制度等も、大体のものがとられておるようでございますが、これも公社によりまして若干差があるというのが実態でございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 きのう、おとといの論議の中でもあったわけですけれども、職員のほうは県の出向職員という場合もあります。たとえば、その組織によって違いますけれども、管理部門の責任のある常務とか部長とかいったものは、県の出向職員でほとんど満たしておりますけれども、その他一般の職員というものは、公社単独で採用しておる。しかし、いずれにしても、職員の場合には、厚生年金その他の社会保障制度は、十分とは言えないまでも、ある程度まで完備しておると思いますけれども、問題は、やはり現場で働く労働者が問題でありまして、たとえば兵庫県なんかにおきましてもそうですから、おそらく全国でもそうだろうと思いますが、また、きのう、おとといの論議の中でもありました。問題は、そうした管理部門にどれだけ人が充実しておりましても、これは一つも木は植わりません。やはり現場でのこを持ち、あるいはくわを持って、現実に土地を整備し、苗木を植えていく労働者がおらなければどうにもならぬわけでありまして、何と言いましても、現場で働く労働者の生活というものを確保してやる以外には方法はないと思うのです。そういう意味で、管理部門の職員とともに、現場の労働者に対する労働力の確保の対策について、きのう、おとといも論議がありましたけれども、一体どういう考え方で指導されようとしておりますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 林業労働者の確保につきましては、やはり雇用の安定の問題がございますし、さらにまた、いろいろな社会保障制度の充実という問題もあるわけでございます。昨日、大臣からもお答え申し上げましたように、私どもといたしましては、今後こういった面の雇用の安定なり、あるいは社会保障制度の充実という面につきまして、さらに努力いたしてまいりたいと考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 民有林の場合には、きのうかなり突っ込んだ森委員との質疑応答が重ねられましたけれども、公社の場合でも、やはり専門の植林班といったようなものを設置して、そして専門的にやっていかなければ、いまのようにいわゆる現地採用で日々雇用で日雇い労働者のような形では、造林が進まないと思いますので、ひとつこういう点についても十分に配慮して、今後の対策を講じてもらいたいと思うのでありますが、ただそういうものも含めて今後検討しますということですから、いつごろそれが行なわれるか、見当もつかないわけですが、国のほうは検討検討と言いますけれども、現に毎日全国どこかで造林というものが進行しておるわけで、これは一刻も瞬時もゆるがせにすべき問題じゃないと思うのですが、いまの検討の時期をはっきり明示していただきたいと思うのです。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林公社のあり方につきましては、なるべく早く結論を出したいというふうに考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 どうもなるべく早くということではしかたがないのですが、次官、どうですか。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 検討の時期を明示しろということでありますが、検討でございますから、真剣に検討を重ねた結果、それがどういうふうな内容となって結果を生み出してくるかということになってきますので、したがって、その検討を真剣に進めるという過程の中から、その結果というものがいつになるかということが明瞭になってくるのでありまして、したがって検討に入った段階において、いつ結果を出すか、結果を出す日をきめておいて検討に入るのか、それらの点が問題でございますが、ただいま申し上げておったように、すみやかなる結果を生み出すように検討を続けていってみたい、さように考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 まあ、ことばが適当かどうか知りませんけれども、そんな三百代言みたいなことでは、日本の林業施策というものは進展しませんよ、次官。だから、たとえば四十二年度中に検討を終わって四十三年度から実施していきますとか、あるいは、たとえば調査費なら調査費が必要ならば、当初予算には調査費はないけれども、予備費なら予備費から大体どれぐらいの調査費を計上して、いつごろその検討を終わりますとかいうように、具体的に明示してもらいませんと、そんなことでは納得できません。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 納得していただけないということになりますと、これは実は困ったことなんですが、造林公社は、御承知のとおり、その実態がそれぞれまちまちであります。したがって、内容も違い、規模も違い、やろうとしておる範囲もまたそれぞれ異なっておるだけに、発足して間のない今日の段階においては、足並みがそろっておらない。それをどう足並みをそろえていくかということがこれからの問題であますから、したがって、それらのものを総合的に考えながら検討していくということでございまして、(「真剣にだ」と呼ぶ者あり)検討する場合には、これはもとより真剣にするわけでございまして、なおざりな検討をするということではございません。したがって、当局が検討するということに対して御信用をいただきたいということでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 くどいようですけれども、いまや造林公社は、ただいまも御指摘のとおり、すでに四十六都道府県のうち半数以上にでき上がっておるわけであります。白書も指摘しておるとおり、先ほども指摘しましたけれども、民間造林においてこの公社というものの果たす役割りは非常に大きなウエートを持っておるわけです。次官はいま、各府県違いますなんと言いますが、それは違います。違いますけれども、そう個々てんでんばらばらだという意味ではないわけでありまして、大体同じような方向をどこの府県ともとっております。多少の差はありますけれども。ですから、先ほども指摘申し上げましたけれども、何べん同じことを繰り返してもしかたがありませんから、ひとつこの点については、少なくとも四十二年度中ぐらいには検討を終えて、そして四十三年度から——先ほども長官の御答弁のありました単独立法というような声もある。私もやはり、これは先ほど申し上げましたとおり、いまやわが国の府県の半数以上にでき、しかもまだ今後できる見通しがあるわけでありますから、これは早急にひとつ単独立法等の措置を要望しておきたいと思います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 単独立法というおことばが出ておりますが、単独立法ということについても、それを含めながら検討しておる段階であって、したがって、その単独立法ということにもなお幾多の問題点を持っておるわけであります。したがって、ただいま四十二年度中というお話がありましたが、それを目途にいたしまして努力をいたしてみたいと考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀委員 この公社につきましては、まだいろいろ問題がありますけれども、約束の時間がまいりましたので、あとは別の機会に譲らしていただきまして、これで終わります。

本名武自由民主党

○本名委員長 赤路友藏君の関連質問を許します。赤路友藏君。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 ちょっと関連をさしていただいて……。この予算書をちょっと拝見しますと、造林事業の拡充の項目がある。これで造林事業費が八億二千万円、昨年度よりふえておるわけです。そうして造林面積においては一万七千ヘクタール減少しておるわけです。おそらく、ここで書いておるように、それは補助単価を引き上げるということによるのだと思うが、こういうやり方で六十年度を目標にした全国造林計画というのが完成されるかどうか、これが一点。  もう一つ、治山事業の推進のところなんです。民有林治山と、それから国有林と、これを比較してみますと——これは事業実施計画の資金ですね。民有林と比較して国有林のほうは約十分の一ですね。民有林治山が百九十二億、そして国有林治山が二十億、約十分の一なんです。このことは、民有林は里山が非常に多いということを一つあらわしておるんだと思う。たとえば地すべりをしたとかなんとか、里山が多いということ。それからもう一つは、里山が多いということだけではなくして、森林伐採が非常に多過ぎるのじゃないか。これは国有林面積と民有林面積を比較すると、国有林面積は民有林面積の半分しかないですね。それでおって、蓄積量はちょうどとんとんなんです。そういうことがこの面へあらわれておるのか。この二点をひとつお聞きしたい。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 造林の補助予算の関係でございますが、四十二年度におきましては、御承知のように、単価の大幅引き上げ及び団地造林制度という新しい制度を造林につきまして設けたわけであります。そういった面に相当なワクを使ったということで、全体の造林事業分量につきましては、そういう面で若干計画としては下回わっておるのでございます。  それから、二番目に御指摘のございました治山関係の事業費の関係でございますが、民有林につきましては、これは国の補助額が出ておると思います。それから国有林のほうにつきましては、そこに出ておりますのは国有林の中の十大流域、これは一般会計で実は昨年度から国有林の治山をやるように新しい制度を設けたのでございまして、その分だけが計上されておるのでございまして、それ以外の国有林の治山事業につきましては、国有林野事業特別会計の中で予算を編成いたしておるのでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 この治山事業の民有林に対するものと国有林に対するもの、国有林のやつは十地域だ。そうすると、国有林の治山事業をやるということについては他のどこかで予算を計上しておる、あなたの答弁からいけばこういうふうに考えていいかと思う。大体どの程度になりますか。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 国有林治山事業は総額で約八十四億でございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 そうすると、この治山の中で、もう一つちょっと関連するので聞いておきますが、あなたのほうで拡水工法をやっておられますね。その拡水工法の予算はどの程度ありますか。これはもう七、八年前からやっておるのですよ。

若林正武林野庁長官

○若林政府委員 五百二十万ほど計上いたしております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 場所は何カ所、どことどこと……。

手束羔一林野庁指導部長

○手束説明員 場所は九重、山梨県の奥多摩、それから東海地方でどこか一カ所たしかやっております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 これで終わりますが、それで、希望しておきます。大体、林野庁の幹部が、これは非常に重要なんですが、大蔵省と相当折衝をしてやっておる。地下水をどうして増強するかということでやられておるのです。よく調べておいていただきたい、このことを申し上げておきます。  終わります。

本名武自由民主党

○本名委員長 東海林稔君。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私は、重要な点一点だけ大臣にお尋ねいたしますので、明確な御答弁をお願いいたしたいと思います。  一昨日から私は各委員の本案に対する質問をお聞きしておったのでありますが、その中で、やはり最も重要な点として取り上げられておりますものは、本改正案によって多数の中小山林所有者の経営の近代化あるいは生産性の向上というものが、はたしてほんとうに効果的に進めることができるかどうか、こういう点であったようにお聞きしたわけでございます。このことは私も非常に重要な点だと思います。また世間の一部には、本改正案は大山林地主を擁護して、その反面、中小林家を収奪するたてまえに貫かれておる、と同時に、そういうようなことであるから、この改正案を促進しようとする立場の者は大山林地主の擁護者である、こういうようなきわめて極端な批判をいたしておる者も一部にあることを私は承知いたしております。昨日、神田委員のこの点に対する質問に対しまして、大臣の御答弁の要旨は、一つは、森林組合が委託を受けて施業を実施する、もう一つは、少数の山林所有者が共同施業計画を立てて、一緒になって植林なりその後の管理を実施することによって、中小の山林産有者にもこの改正案というものは十分な効果があるのだ、こういうような趣旨の御答弁があったように私は拝聴したわけでございます。しかし、そこで私がお尋ねしたいのは、特に大臣がおっしゃった二つの中で、共同で計画を立て山林の経営をやっていくという趣旨については、私どもきわめて同感でございますが、しかし、これは単に林業面だけでなく、農業面におきましても共同で経営するというような、そういう実際の実情を見ますと、日本としてはまだ非常に不十分な点が多いように思うわけです。これをほんとうに具体化するためには、単に口先で指導するというようなことだけではなかなか実効があがらないのじゃないか。財政的な面におきましても、具体的にこれが実際の効果があがるような相当の援助をするのでなければ、現段階においては十分な効果が期待できないのじゃないか、こういうことを私心配するわけであります。そこで、具体的にどういうふうな指導なり助成をやって、こういうような点についての一部の誤解等のないように、また実際に中小山林所有者の経営の近代化なり生産性の向上というものが本案の改正を通じて実現できる、こういう点につきまして、もう一度大臣の明確な御答弁をわずらわしたい、このように思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話しの点は、きわめて重要でございまして、昨日も申し上げましたように、五ヘクタール以下のものが大体九〇%を占めておる。そういうところで十分な政府の意図しておる施業計画が行なわれないということではうまくないのでありますから、政府もそういうことについては全力をあげなければならないと思っております。そこで、御存じのように、ただいまの森林法は、森林資源の保続培養と森林生産力の増進をはかることを目的といたしておるものでありますけれども、このたびの改正は、その目的に沿いまして、森林所有者の計画的森林施業の推進につきましての措置を定めようとするものでございます。これによりまして森林計画の達成を確保しようといたすものでございますし、制度の効果をあげますためには、規模の大小を問わず、できるだけ多くの森林所有者がこの制度による認定を受けて森林施業を行なうことをねらいといたしておるわけでございます。したがって、森林施業計画制度の実施にあたりましては、計画認定の基準を規模に応じて設けるようにいたしたい。それからまた、昨日も申し上げましたが、森林組合が森林所有者の委託を受けて計画を作成することのできるようにするなど、いろいろな措置をするとともに、各種の援助措置、すなわち、税制の面であるとか、あるいは造林の助成金を出すとかいうようなことで、大規模森林所有者のみならず、零細な多数の森林所有者に対しても、積極的に森林施業計画の認定を受けられるように政府は十分に配慮をいたしてまいりたい、こう思っておるわけであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いまの大臣の答弁は、今度の改正案の全体の趣旨の御説明としてはわかるわけでありますが、特に私がお聞きしたいのは、いまの答弁の中にも一部あるわけですけれども、特に個々では力の足らない中小の山林所有者が共同で計画を立てて、経営の近代化なり生産性向上をはかるには、やはり大山林所有者に対する場合と幾らか違った厚い保護、助成、あるいは周密な指導ということが必要ではないか、私はこう思うわけです。その点について特にどのように具体的に善処しようと考えておられるのか、その点を重ねて明らかにしていただきたい、こう思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいまも申し上げましたように、いわゆる施業受託というものは逐年だんだんふえてまいっておりますが、いまのお話の点は、非常に重要なことであると政府も考えておりますので、一そうその指導を充実して、この施業受託によるなど、森林組合の活用によって対処いたしてまいりたい、これを一つのたてまえとして考えておりますが、先ほど申し上げましたように、造林に対する補助をいたすとか、あるいは税制の面において特段の配慮をいたすというようなことをただいま考えておるわけであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 さっきの御答弁の中で、施業計画等の認定基準等については実情に沿うようにある程度考えてやるという一点だけはわかったのでありますが、経済力の少ない中小の山林所有者がそういう新しい共同計画を立ててやる場合に、私は、特にそういう力のない中小山林所有者という点にかんがみまして、そういう点でやはり一そう厚い——一般的な税制上の優遇というようなことはわかりますが、そういうような点について特に配慮する必要があるのではないかという趣旨でお尋ねいたしておりますので、くどいようでありますが、特に重要な点でございますので、もう一度はっきりしていただきたいと思います。  なぜ私がそういう点をくどく申しますかと言いますと、先ほど申しましたように、一部に、これは大山林地主の擁護法案ではないかというような批判もあるわけです。そういう点について、いまの点が明確になりませんと、私どももこの法案に対する態度を決定する上に重大な点でございますので、特に重ねてお願いしておるわけであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 これは財政当局ともいままで十分話をしてまいりましたが、さっき申し上げましたように、税制の面において特段の配慮をいたすほかに、ただいま申し上げました造林に対する補助、それから森林維持資金の補助、そういうようなことをいたして、経営の規模の小さい所有者に対しても、同じように施業を進めてまいることのできますようにいたしたい、こういうことであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 結果的に同じような効果を期待するためには、力のないものに対しては、大きいもの、力のあるものより特別に指導なり助成というものをやらなければ、結果的には同じ効果が出ない、そういう意味で私は質問しておるわけです。その点をはっきりしてもらわないと、これは簡単に質問を打ち切ったり、この態度を決するわけにまいりません。その点をはっきり腹におさめていただいて、もし私の質問の要点がわからなければ、どういう点だということを、質問の要旨をはっきりしていただいた上で御返答願いたいと思いますが、私の質問の要旨が御理解いただけますでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 よくわかっておるわけでありますが、政府としては、先ほど来申し上げましたようなことのほか、つまり、多くの部分を占めておるものが、御存じのように零細な所有者でありますから、そういう人たちに対しては同じように施業が行なわれるように、特段の配慮と指導をいたします。そういうことにつきましては、なお十分ひとつ政府の考えております施業が完全に行なえるようにあらゆる援助と指導をいたしたい、こういうたてまえでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いま大臣は、結果的に力のないものだけが取り残されるというようなことのないように、そういう面については特段の配慮をする、こういうことでございまするから、その点で一応了解いたしましたが、要望としては、そういう趣旨で、いま予算をすぐどうこうせいというようなことは私言うわけじゃありませんが、この改正案の趣旨が、いま大臣が御答弁のような趣旨で、成立した後においては、実施上遺憾なきを期していただきたいということを強く要望いたしまして、質問を終わります。

本名武自由民主党

○本名委員長 他に質疑の申し出もありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  森林法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

本名武自由民主党

○本名委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 この際、ただいま可決いたしました本案に、森義視君外三名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨説明を求めます。森義視君。

森義視日本社会党

○森(義)委員 私は、ただいま議決されました森林法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表して、附帯決議を付すべしとの動議を提出します。  まず、案文を朗読いたします。    森林法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、速やかに林業基本法関連施策の整備をはかるとともに、法施行にあたり、とくに左記事項について適切な措置を講ずべきである。      記  一、森林所有者の経営意欲を高揚して森林生産力の増強をはかるため、造林、林道等生産基盤の整備をさらに強化し、あわせて森林施業計画認定制度の円滑な実施により林業の発展に資するよう努めること。  二、最近における林産物需給の動向にかんがみ、国産材の自給率をたかめる努力をすすめるとともに、必要とする外材については、秩序ある輸入が行なわれるよう適切な措置を講ずること。  三、森林施業計画の認定をうけた小規模森林所有者に対する財政金融措置、例えば伐採調整資金制度等の活用について早急に検討し、その適用が受けられるよう必要な措置を講ずること。  四、森林施業計画認定制度の円滑な運用をはかるため、当該計画の作成および実施について森林組合の活用その他必要な措置を講ずること。  五、最近における農山村労働力流出の傾向に対処して林業労働力を確保するため、林業労働者に対する社会保障制度の充実、雇用安定策の確立等について早急に検討し、森林施業計画が円滑に実施出来るよう努めること。   右決議する。  以上であります。  その趣旨につきましては、今日までの質疑の過程においてすでに明らかにされておりますので、省略をきせていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜わりますようお願いいたします。

本名武自由民主党

○本名委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本動議について別に発言の申し出もないようでありますので、直ちに採決いたします。  ただいまの森義視君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

本名武自由民主党

○本名委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付するに決しました。  この際、ただいまの附帯決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいま御決定になりました附帯決議に関しましては、きわめて重要であり、適切な御決議であると存じますので、政府は、本法施行に際しまして、この御趣旨を尊重いたしまして対処する決意でございます。     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本名武自由民主党

○本名委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 暫時休憩いたします。    午前十一時三十七分休憩      ————◇—————    午後三時十二分開議

本名武自由民主党

○本名委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  請願の審査を行ないます。  今国会において当委員会に付託になりました請願は全部で八百三十五件であります。  これより日程第一から第八三五までの各請願を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。さらに先刻の理事会におきまして慎重に御検討いただきましたので、この際、各請願についての紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本名武自由民主党

○本名委員長 御異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。  本日の請願日程中、第一ないし第一〇、第二〇ないし第三一、第三三ないし第三六、第三八ないし第四四、第五八、第一六三、第二六六ないし第二六九、第三五一、第三五七ないし第三五九、第四四〇ないし第四四二、第四八七ないし第四九四、第五八一ないし第五八三、第五八六、第五八七、第五九二ないし第五九九、第六三五ないし第六三七、第六四二ないし第六六六、第六九六ないし第七〇一、第七〇六、第七〇九、第七一〇、第七四二ないし第七四八、第七五〇ないし第七六六及び第八三三ないし第八三五の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、第二六五、第三五二ないし第三五六、第三六〇ないし第三七二の各請願は、いずれも議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本名武自由民主党

○本名委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本名武自由民主党

○本名委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 なお、本日までに本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、林業振興に関する陳情書以外六十四件であります。  御報告をいたしておきます。      ————◇—————

本名武自由民主党

○本名委員長 引き続き、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 先般、山梨県のブドウに対するジベレリン剤の被害に関して、いろいろ質問申し上げましたが、いわゆる武田薬品のジベラ錠の成分について、まだ分析が十分やっていないので、あとで分析の結果を出すというお約束でございましたが、いまの段階でどの程度明らかになったのか、お尋ね申します。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 御報告いたします。  先般申し上げましたように、農薬検査所におきまして、山梨県のほうで送付をしてまいりました武田ジベラ錠の四十二年度製品につきまして、同銘柄の過年度製品、それから他社の製品と比較しながら品質検査を実施いたしました。その概要は次のとおりでございます。  生物検定によります有効成分量については、所定の含有量をこえておりまして、いわゆる合格でございます。  それから、製品中の有効成分以外の成分につきましては、各年度間製品の成分の種類において定性的な差は認められない。当該製品について重炭酸ナトリウムの増量が若干認められました。  それから、当該製品の物理的性状についても調査を行ないましたが、その結果は、過年度製品に比較いたしまして展着性は同等以上でございます。それから、水中崩壊性も改良さております。ただ、製剤水溶液のPHは若干高い値を示したということでございます。  以上の検査結果を総合いたしますと、組成の一部変更、つまり、重炭酸ナトリウムの増量による水中崩壊性の促進、水溶液PHの変化以外には特に異状は認められなかった。この組成と同様な製剤の薬効に及ぼす影響につきまして、すでに二件の試験結果がございまして、昨年まで実施されております。その試験結果によりますと、影響のない旨の報告が出されております。したがいまして、現在までの段階におきましては、検査の結果、武田ジベラ錠は品質上の問題は特にないというふうな状況でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 概略お答え願いましたけれども、検査をしたのは山梨県の検査施設なんですか。農林省自体はお持ちになってないのですか。それから、概略聞きましたけれども、成分の数字等出ておりましたらお聞かせ願いたいと思います。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 検査をいたしましたのは、先ほど冒頭で申し上げましたように、農林省の農薬検査所で行なった結果でございます。ちょっと数字は詳細にわたりますので、植物防疫課長から御報告申し上げます。

安尾俊農林省農政局植物防疫課長

○安尾説明員 お答え申し上げます。  成分のジベレリンの検査につきましては、標準のジベレリンを一〇〇%といたしまして、四十一年度の武田ジベラ錠が一一二・四、それから四十二年の製品が一〇八・五、それから他社のジベレリンが一一〇でございます。  それから、先ほど物理性の中で展着性の問題がございましたが、表面張力並びに拡展指数で検査をいたしておりますが、これについてはいまちょっと数字がございません。それから、PHにつきましては、四十一年度の製品のPHが五・三でございます。それから四十二年度の製品のPHが六・五ございまして、先ほど局長から御説明申し上げました過去二件の試験成績、この場合のPHは六・八でございます。  以上でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますと、ジベレリンは四十一年度の一一二・四から一〇八・五に減っておりますね。それから他社の製品に比べてもちょっと低いように思う。これは明らかに変わってきています。  それから、展着剤もエアロールが主成分になっているようですが、エアロールは大体どのくらい入れたのか、分析結果は出ないですか。

安尾俊農林省農政局植物防疫課長

○安尾説明員 お答え申し上げます。  先ほどのジベレリンのパーセントでございますが、これは従来から検定値といたしましては八〇%から一五〇%で合格というふうなことになっております。  それから、いまの展着性の問題でございますが、これにつきましては、エアロールのお話がございましたが、これは入れられておりますものは百PPMでございまして、表面張力の数字を申し上げますと、これは表面張力のほうは少ない数字ほどいいわけでございます。そういたしますと、武田の四十一年の製品が四〇、それから四十二年の製品が三九・七、他社の製品が四四・七。それから、もう一つ展着性につきましては、拡展指数というものを見ております。この指数はむしろ大きいほどいいわけでございますが、それで見ますと、武田の四十一年の製品は六・三、それから四十二年が五・六、それから他社の製品が五・〇、こういうことでございまして、展着性はむしろいいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは、農薬のPHは非常に植物の生育にとって大きな影響を持っているのですが、一体原則的にPHはどの程度まで許容できるか。  それから、もう一つ、発泡剤は何を使ったかという点をお答え願いたいと思います。

安尾俊農林省農政局植物防疫課長

○安尾説明員 先ほど申し上げましたのでございますが、PHにつきまして過去の試験の二例がございます。その場合は問題がなかったという試験例でございます。そのときのPHが六・八でございます。今度の四十二年度の武田ジベラ錠のPHが六・五でございます。従来のものが五・三でございますので、過去の試験から申しますと、六・八でもいいんじゃないか、こういうことになります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは問題のある点なんですが、植物にとって酸度が非常に害を及ぼすことは御承知のとおり。したがって、PHが五・三から六・五に上がったのですね。その許容のPHが六・八というと、非常に接近しておりますね。この酸度に耐える力は植物によってみな違うのですね。天候によってもやはり違います。そこで、エアロールの含有量に問題がないとすれば、急激にということは言いませんが、五・三から六・五ですから、かなり高くなっておるのですが、それとの関係を精密にお調べになっておるかどうか。植物の生育の状態にもたいへん影響があるのです。幼い芽ほど酸度に対する抵抗力が少ない。成長したものはかなり耐える。ジベレリン剤は、御承知のとおり非常に若いうちに使うことがあるものですから、そういう点をもう少し精密にお調べ願ったかどうかという問題。これは、来年度の薬の使用、さらに農薬取締法による農林省の責任という問題に関連しますから。実際に被害の起こっておることは事実なんです。薬品の成分に何も問題がないとすれば、薬品全体の害があったというふうにやはり見ざるを得ないのであります。その点をもう少し詳しく御見解をお示し願いたいと思うのです。  それから、発泡剤の内容、まだお答えがないようですが、何が使われたか。

安尾俊農林省農政局植物防疫課長

○安尾説明員 ただいまのPHの問題でございますが、PHの問題につきましては、武田のジベラ錠で申しますと、従来の製品が五・三でございますのに対しまして、四十二年度が六・五で、アルカリが確かに片寄ってきております。このPHの変化というものがどういう影響を及ぼしておるかということは、実は諸外国の文献もさがしましたが、ブドウに対しての正確なデータはございませんし、また、本年においては残念ながら時期の関係でこれを直接試験することができておりません。  それから、発泡剤の問題につきましては、先ほど農政局長からも申し上げましたけれども、重炭酸ナトリウムの増加でございまして、四十一年の製品は重曹が三百十九ミリグラムであったものが、四十二年度四百四十四・五ミリゲラム、これだけふえております。そういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこがどうも私にはちょっとうなずけないのですが、一体PHという植物の生育にとって非常に影響を及ぼすものを高めてまで重炭酸ナトリウムを加えなければならない理由はどこにあったかという問題です。薬の溶解度を高めるといいますが、確かに、この前申し上げましたとおりあわが立つのはいいけれども、そのために最も大事なPHの度を高めてまでも添加する必要はどこにあったんですか。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 先般お答えを申し上げましたときにも申し上げたのですが、その水中の崩壊性を高めるということが、使用者から見ますと、錠剤を入れましてなるべく早く溶けて作業が能率的にいくようにというふうな要望があって、会社側もそういうふうな改良を加えたということであろうと思います。  そういうことで確かにPHは若干高まっておりますけれども、先ほど来お答えをいたしましたように、試験結果によりますと、六・八%まではだいじょうぶだということが出ております。したがって、今回の薬剤を検査いたしましたならば六・五でありますから、その範囲内におさまっておるということで、現在の段階においてはこれが製品の効果に影響を及ぼしたとは考えられないわけであります。  ただ、御指摘がございましたように、あらゆる生物の状態がございますから、私どもとしても、もちろんこれで調査を打ち切るということではございません。一応製品の検査の結果を御報告しておるわけであります。いずれにしても、そういった事態の起こったことは事実でございますので、さらに調査は続けていくつもりでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 確かに人間の薬には重曹を加えるということはずいぶんありますが、武田薬品のこれを見ますと、この前にも申し上げましたように、どうも植物の生理と人間の生理を混同したようなきらいがある。溶解度ならば、この錠剤の形を小さなつぶにした協和のジベレリン錠があります。PHなどを高めなくても、幾らでも溶解度を高める方法があると思うのです。やはり、農薬の取締まりの上から言いますと、何といっても薬品の成分を第一に考えなければならない。PH六・八まで許容できるというのでありますけれども、新しい被害が出たならば、その許容量というのは変えなければならないと思うのです。それから、用い方によって、たとえば十分に発育した植物にかける場合と、幼い芽が出たころにかける薬剤とでは、それぞれ用い方に対して注意を異にするのが常識なんです。たとえば酸性液なんかにしましても、芽の出ないまではかなり高度のものも使用できるけれども、だんだんこれを薄めていくとか、また天候の暑い盛りには酸性液は使用しないとか、万全の注意を払わなければ、薬剤というものは農薬の場合は必ず薬害を起こすのです。ですから、いままでのデータに基づいて試験した結果が、どうも許容量といいますか、前年のものとはかなり違っておりますね。これで害がないという断定を下されることは早計ではないですか。いかがですか。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 私どもとしましては、現在までの試験結果等を——これも相当権威のある試験結果ということになっておりますので、それに基づいて薬剤についての判定を下す以外にはちょっと材料はないわけでございます。したがいまして、先ほど来申し上げておりますようなことで、現在までの調査の結果によれば、こういうことであるということを申し上げておるわけであります。  なお、蛇足でございますけれども、そういった実情といいますか、事態があったわけでございますから、一体薬品であるのか、あるいはまたその他気候なりそのときの植物の状態がまた問題であったのか、そういった点についても調査を進めていきたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 問題が二つあると思うのです。この薬品が表記している。パーセンテージよりも違ったような。パーセンテージのものであれば、これはやはり会社側に責任が非常に大きくかかる。薬全体が、つまり、農林省が農薬として許可をした条件にかなっていて、しかもことしのようにはっきりした被害を出すとすれば、薬品全体の問題になりますがね。もしもこの薬品に欠陥なしとするならば、どこが一体今回の被害の原因であったか。これはあなた方のほうではないかもしれませんが、農林政務次官、いかがです。薬の成分には何も変わりないのだ、しかし被害は起こっている。この薬は許可をした薬である、そうすると、一体この被害はどう扱ったらよろしいですか。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 先般もお答え申し上げましたように、考えられる要因としてはおそらくいろいろあろうかと思います。薬のそのものに問題があったという場合もございましょうし、あるいは本年の気象条件といったようなことも、これは何と言いいますか、一つの仮定の話でございますけれども、そういったことも考えられます。あるいは植物のそのときの状態といったようなものと薬との関係といったようなこともあり得るかと思います。そういったこと全般を通じまして、やはりこの問題は究明を深めていかなければならぬというふうに思っておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いままでのところ、その原因について他の条件が把握されていないのですか。農薬というものは、非常に変化しやすい天候のもとで使用されるものであります。したがって、天気のいい日と雨の日とは違うのですね。おそらく、露地栽培の場合とビニールの中でやる場合とは、これはまた違ってくるでしょう。そういうような変化の多い気象に適応したような使用上の注意がなければならない。木の生育の極端に強い場合、極端に弱い場合の注意はありますね。使用についての外部の天候、気象に対する注意は、これは全然ないのですね。これはむしろ指導上の問題です。こういうふうな農薬を許可した以上は、起こるべき被害についての十分なる配慮がなければならないのですが、その点はどうなされたか、伺いたい。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 もちろん、気象条件といいましても、気象条件そのものという場合もございますし、たとえば、本年度のようにきわめて雨が少なくて乾燥しておったというふうな場合には、他の農薬も雨に洗われないといったような、例年と違った条件もあるかと思うのです。そういう意味で、気象条件そのものの問題もありますれば、そういった気象条件のもとにおいて、他の条件が例年と違うといったようなこともあると思います。そういう点を含めまして実は調査を進めなければならぬ、こういうふうに申し上げておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 農政局長、これは次官にもお聞き願いたいのですが、すでに会社は山梨あるいはその他でどういう意味か知らぬが金を出していますね。これは確かめておられますか。どのくらいの額をどこへどう出されましたか。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 山梨県に対しましては、解決金、たしかそういう名前で三億六千万円、だれに渡したかというのはちょっと覚えておりませんが、出すことに話し合いがついたということを聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ほかにまだありませんか。これは確かに薬品の分析についての試験はわかりましたが、いまのような御答弁じゃ、やはり他の原因をもっと真剣に考えなければならぬ。来年度からのこの薬に対する取り締まりの方針に非常に大きな変化を来たすので、したがって、やはり、外部の気象に注意すると同時に、会社が処置したことに対しても農林省はもう少し責任のある調査をされていいと思うのです。山梨県だけじゃないでしょう。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 大阪では預託金ということで一億五千万円農協に預けておるということを聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 すでに会社は五億以上の金をいろいろな名目で出されておるのですが、一方は解決金、一方は預託金。解決金ならそれでどうにかいいでしょうけれども、預託金となれば、いまのように薬に欠陥なしというような断定では、預託を取られるおそれがありませんか。いかがです。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 会社側と農協側との話し合いの内容がどういうふうになっておりますか、その点必ずしも詳細に承知しておりませんので、両者の間で今後どういうふうにやられるか、ちょっと私どものほうではわかりかねる、そういう状況であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきは被害の一つの原因として、ことしの特殊な気象状況をあげられましたけれども、山梨県の隣の畑の片方は異常天候で、片方はあたりまえの天候ということはないでしょう。同じ気象状況の中ですよ。もう少し原因について真剣に取り組まれるべきじゃないですか。気象状況が一つの原因だというならば、どういう気象の場合にこういう使い方が悪いという線くらい出ないと、来年から安心して使えませんよ。ほかに原因があるならば、その原因も確かめる。薬に欠陥がないならば、この薬使用の指導上の注意を払わなければならない。その点で、非常に農民と離れた農政を感ずるのです。真剣な問題ですよ。きょうの答弁はただこの場のがれの答弁であっては満足できません。安心してこの薬を使えるような、はっきりした農林省の指導方針を伺いたい。あるいは、この薬剤に対しても、根本的に欠陥があるならば来年度からの使用を禁止するとか。農薬取締法によれば、農林省が許可を与えるのでしょう。許可を与えた農薬の被害に対しては、農林省も責任を問われなければならない。そういうことであれば、これは武田薬品に賠償させるよりも、農林省自体がやはり賠償しなければならない。その点は、もう少し真剣に原因の究明をやっていただきたいのですが、これはどうですか。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 先ほどから再々申し上げておりますように、とりあえず薬品について検査をいたしたわけでございます。したがいまして、その結果等もよく考慮いたしまして、各項目についての調査をこれから進めていきたい、そういうことによって、今後の農薬使用上の問題についてできる限りわれわれとしても対策を考えていきたい、こういうふうに思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は、農林省がそういうふうにはっきり原因を究明する前に、会社が五億一千万というような預託金あるいは解決金を出したという、これがほんとうに会社の誠意ある責任感から出たものとするならば、会社のために気の毒にたえない。武田薬品はこれをつくってもいいという許可を農林省からもらっているのです。したがって、いまの分析の結果が、どうもこの薬品の成分に疑問があるということならば、これは会社がもっと賠償する責任を感ずるでしょうが、もうすでに許可した薬の内容が許可した条件にかなっているという薬を売りに出した。それで被害を出したからといって、会社に金を出さしておいて、農林省が知らぬふりをしている手はないと思うのです。これはどうですか、次官。大臣の問題になると思うのですが、農林次官として、あなたはどういう考えを持つか。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 この前御質問いただいたときから一向前進しておりませんことは申しわけないことなんですが、どこかに原因があるのです。そのどこかがわからぬのがいまの状態でございまして、とにかく、これはどんなにしてでも追い詰めねばなりません。そうして、これからも大きな問題でございますし、とにかく、わが国の果樹農業途上における重大問題として、徹底的にこれを追い詰めて、その原因を確かめて、その上において今後の問題をも含めてしかるべく解決の道をはかりたい、そう思っておりますので、どこかにあるというそのどこかを真剣にいまやっておりますので、どうかひとつ御了承願いたい。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は、これはやはり次官は次官だけの御答弁だと思っています。それでなければしょうがないのです。  そこで、ひとつお聞きしますが、その後のデラ系のブドウの被害の状況を現地についてごらんになりましたか。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 現地は見ませんが、この間まだらのブドウを拝見いたしまして、とんでもないことだなと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのとおりなんです。つまり、天候その他のことも言われますが、一ふさのブドウの三分の一は完全に色がついて、三分の二がまっさおだなんという現象は、どこかに原因があるはずなんです。さっきの分析の結果も、同じだと言いますけれども、かなりの違いがあるのです。前年度の製品とことしの製品は、001になってからも違います。PH度は、六・八という許容量に対して六・五という接近した数字が出ておる。だから、薬剤に罪がないのだといったようなことを前提としないで、農林省の許容量も前提にして徹底的にお取り調べを願いたい。それから、PHの許容量六・八、六・五というものは、植物の種類から、植物の生育時期、あるいは樹勢その他に対してどういう注意をしなければならないか。しかも、発泡剤という、いわば主成分に関係のないような、溶解度を高めてあわが出るくらいなものでPHを高めるなんというようなこの製薬の方法は、私はやはり問題点になると思うのです。これはどこに原因があってもかまいませんけれども、しかし、この原因だけは徹底的に究明して、不安なく農薬に対処し得るような体制を一日も早く確立してもらいたい。  それから、なお、現地の被害その他についても、もう少し真剣に取っ組んでもらいたい。現地の状態はどうなっておるか、これはおやりになりますか。次官、確かめておきます。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 やっておるはずですが、やっておりますとまだ言い切れないことは申しわけないのですが、やります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は、この問題はもう少し固まった御答弁をいただけるかと思って、きょうまた質問をいたしましたけれども、これじゃ全く前回の委員会と同じ状態です。せめて、各社の薬の効能書きですね、効能書きと言うのは変だけれども、これは薬の効能書きだから当てにならぬと言っていないで、被害を出すか出さぬかということが大きな問題でありますから、これだけでも比較してみたらよろしい。かなり違っていますよ。  それから、今までの例が変わったならば、変わった現実についていままでの例も変えなければならないのです。また、農薬の許可の標準も変えなければならない。一番確かなのは、使ってみて害があったかなかったか。この害が出ておるのです。ここからやはり農薬に対する基本的な許可の態度あるいは分析の態度というものを再検討する必要があると思うのですが、この点だけお聞きしておきます。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 先ほど来申し上げましたようなことで、調査をいたしまして、総合的にそういう調査の結果を待って十分検討いたしたいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は、ビートについてはまた別に質問を申し上げますが、ブドウに関してはこれで質問を終わります。

本名武自由民主党

○本名委員長 中野明君。

中野明公明党

○中野(明)委員 いまのブドウのことに関連して私もお尋ねしておきたいのですが、この問題は発生しましてすでに二カ月。問題になりましたのは、五月の二十日過ぎだったと思います。  私が第一点にお尋ねしたいのは、この問題が国会でも取り上げられまして、その後農林省そのものがどれだけその解決に努力されたかということについて非常に疑問を持つわけです。というのは、御存じでしょうが、昨日もテレビで放送しておりましたが、大阪の製薬会社の本社に農民が押しかけております。そして、被害を受けたブドウの現物をたくさん持ち込んで、それを製薬会社に買ってもらいたい、こういうふうに言って、道行く人たちも何事が起こったかというような、非常に大騒ぎになっております。ということは、農家の人たちがこの問題に対して非常に不安を持って騒いでいるという一つのあらわれなんですが、二カ月もたって、農林省としてこの問題の解決に本気になって、農家の人たちが安心するような指導と、そして努力のあとが見られない証拠として、そういうふうなことが起こっているのじゃないかと私は心配するわけであります。一体、農林省は製薬会社の代弁者なのか、それとも農民の代表なのか、農民のことをほんとうに考えるのか、疑いたくなるような二カ月だったと思うのです。その点についていまいろいろな質疑がありましたけれども、当局として、今後どのようにこの問題について農家を納得させ、安心させるようにされるのか、この点を最初にお尋ねしたい。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 この問題が起こりましてから、現地のほうからも、どうも製品について問題がありそうだということでございまして、私どもとしては、現地から送られてまいりました製品について、できる限り精密な分析なり検査をするということでやってまいりました。その結果は先ほど申し上げたとおりでありますが、なお、そういった農薬検査所自体における生物なりあるいは物理的な検査以外に、これは山口県でありますが、工場にも係官を派遣する、また山梨県にも係官を派遣するというふうなことで、製品をめぐります調査についてできる限り努力してきたつもりでございます。しかし、現在の段階におきましては、先ほど申し上げましたようなことで、製品についても確たる不備の点が見つからないという状況でございます。したがいまして、もう少し総合的な角度からこの問題についての原因の究明を進めていく、そういう究明を進めまして、これについての将来の対策も十分検討していきたい、そういうふうに思っておるわけであります。

中野明公明党

○中野(明)委員 私が申し上げているのは、もちろん、原因が那辺にあるかということを追及することは、決して私はそれをするなと言うのではございませんし、当然大事なことだと思います。しかし、原因の追及よりも、現実の問題として、被害をこうむっているのは農家です。この人たちが、きのうのテレビを見ましても、明らかにこれは薬のせいであるという確信を持っております。だからこそ、世間の目もある中で、はばからないで製薬会社にすわり込んでいる。そうして、現物を持って、これを全部買ってもらいたいというような動きをしているわけであります。私もこの事件を聞きまして山梨県の現地に行きましたが、作業にあたったお百姓の人はよく覚えておりますが、たまたまここまで作業をしてきた、去年の薬をここまで使って足らなくなったから、今年購入した薬をここからつけた。一つの枝の中ですでにもう分かれているわけですから、いまおっしゃったような気象条件云々ということはどうしても考えられない。現地の農民は明らかにこれは薬に原因があるという確信を持っております。この点についても、なるほど原因の究明を科学的にしなければならないということは当然ですけれども、二カ月たってもまだそれがはっきりしないような状態の中にあって、もっともっと農家を指導し、そして安心させ、または補償の問題についても当然——この前私質問しましたが、将来を楽しみにしてお金を借りて、そしてブドウの栽培に従事している人たちの打撃というものは非常に大きいわけです。そういう点について、もっともっと親切に、ほんとうに農林省としてこの問題について、原因の究明と並行して、あるいはそれよりも先んじて、農家を安心きせる、こういうことが私は先決問題だと思うのです。それが、すでに二カ月もたった今日、その製薬会社に農民が押しかけてすわり込んで、そして、まだらになったブドウを普通の市価で全部買うてくれ、こういうふうなことを言うて世間を騒がせている。こういうことは、私はまことに遺憾なことだと思いますし、農林当局としても、その点の手の打ち方、指導あるいは努力、こういう点が全然うかがえないわけです。ですから、農民のほうとしても、しんぼうし切れずに、たまたまそういうところまで持って上がってきたということを考えましたとき、きょうは次官もおられますが、二カ月もたってまだ、ほんとうに責任を持って現地に行って善後策を講じ、農家が安心するような手が打たれてないということを、私は非常に残念に思うわけでありまして、この点、直ちにそういう不安を一掃する、製薬会社も何らかを感じて解決金とかあるいは預託金とかを出しているわけですから、そういうことについての話し合いのあっせんなり指導なりという方面に努力されるかどうかということをお尋ねしたいのです。

森本修農林省農政局長

○森本政府委員 私どもとしましても、こういった薬品によりましていろいろな事態が生じておるということはきわめて残念に思っております。また、先ほど来原因の究明については御説明を申し上げたとおりでございますが、なお、農家が安心して今後営農ができるというふうな観点に立ちまして、できる限り各般の対策について取り組んでいきたいというふうに思っております。

中野明公明党

○中野(明)委員 いままでその点について努力が欠けておったということを認めざるを得ぬようなきのうの結果であります。その点、次官のほうにもお願いしたいのですが、ほんとうに農林省は農家の生活のことを一番真剣に考えるところであるのが当然でありますし、この問題について原因の究明は当然やってもらわなければいけません。しかし、原因の究明されるされぬにかかわらず、家際に実害をこうむり、被害をこうむっている農家があるのですから、もし原因がわからなくても、被害だけは残っているわけですから、一つの災害のような観点に立って、真剣に、これを補助あるいは助成、そういう点についても考えて、農家を一日も早く安心させるように努力してもらいたい、直ちに手を打ってもらいたい、このことを要望したいわけです。次官のほうにひとつお願いしたいと思います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 なかなか結論が出てこないということは、事をなおざりにしておるような外見的なながめ方をされるということはまことに不本意であります。農林省として真剣になればなるほど、結果を出すことに対しては慎重でなければなりません。と同時に、現在の被害に対して万全の策をとれ、仰せのとおりであります。ただ、被害に対してあらゆる方法を尽くさねばならぬのでありますが、その被害に対する対策のとり方もまた、原因究明と同時に考えなければならない問題があるというふうに考えております。先ほども、農林省は製薬会社の何かでないかというふうにおっしゃいますが、何の因縁があって農林省が製薬会社の味方をしなければならぬか。さようなことは断じてございません。農林省とは、読んで字のごとく、農林業の振興のために努力する省でありますから、これは当然の責務であります。と同時に、これだけの大きなことでありますから、いかなる事態にもせよ、そうした問題の起こったことに対して究明をし、同時に、そういう新しい薬品を使うような場合には、あらゆる場合を想定しながら、また指導もしながらやっていかなければならぬという点については、おっしゃるとおりであります。この問題に対して、両面の、すなわち、原因究明と同時に、被害対策に対しましても万全の策をとりたいと考えておるわけであります。

中野明公明党

○中野(明)委員 いま次官がおっしゃるように、ほんとうに努力をされている、また真剣に農家が安心するようになさったのならば、私は、白昼製薬会社の本社へ現品まで持ち込んですわり込んで、ワアワア大騒ぎをするようなことにはならないと思うわけであります。あなたがおっしゃるように、ほんとうに農林省が農家のためを思って、そして指導もし、手も打ち、安心するようになさっておるのならば、あそこまでの行動には出ないと思うわけです。それを私は言っているわけでありまして、事がそういうふうなことになったということ、そういうふうな事件が起こっているということは、事件発生以来二カ月もたっている現在、ほんとうに真剣にこの問題を解決しよう、農民を安心させようという努力があるならば、こんなことは起こっていない。事実、被害を受けた農家にとっては、これは死活問題であります。被害を受けたところの現地におきましては、年間の収入の七割までこの種なしブドウにたよっている部落があります。そういうところにとりましては、まことにもって死活問題でありまして、そういう点について私は申し上げているのでありまして、今後この点について農家をほんとうに安心きせて——そういう非常手段に訴えなければならないような事態を引き起こすこと自体、私は問題だと思います。それがいまに始まったことでなしに、二カ月も前からこの問題については国会でも取り上げられて、そうして問題になっているわけですから、その点を申し上げたわけでありまして、どうか今後そういう点についての一段の尽力を重ねてお願いしたいわけであります。その点お答えを願います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 非常に御熱意のある御意見であり、かつ御要望でありますが、ただおさめたらいいという考え方でまあまあというわけにもいきませんので、ひとつこれはしっかり根底からたたき上げてきた検討の方法をやりたい、そう考えます。

中野明公明党

○中野(明)委員 では、先ほどの質問もございましたし、私も以上で終わりたいと思いますが、重ねて、この問題については、農家の被害を受けた人たちをほんとうに大きく包容し、そしてまた安心して農業に励めるように、今後もブドウの栽培に尽力できるように手を打ってもらうことを要望いたしまして、私の関連質問を終わりたいと思います。

本名武自由民主党

○本名委員長 森田重次郎君。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 私は、この前に質問をいたしまして、まだその結論を得ていないビートの北東北の作付状況その他の問題につきまして、調査団が派遣せられて調査を終わってお帰りになったそうでありますから、それに関連して、今後の対策等、そういうものを中心に若干の質問をいたしたいと思うものであります。  まず第一にお伺いしておきたいことは、調査の結果について結論を一つお伺いしておきたいのであります。それは、調査をなされた県、たぶん青森、岩手、秋田の三県だろうと思うのでありますが、この三県のビート作付の面積、それから作付しておる農家の数、それから収穫量の見通し、こういうものが数字的に出ておりましたら、まず先にその御報告をお願い申し上げたいのであります。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 六月十六日に東京を立ちまして、青森県、岩手県、さらにそのうちの一部が最後に秋田県へまいりました。  一行は、園芸局長である私、あるいは食糧庁の二部長、その他農地局、畜産局、蚕糸局、園芸局あるいは東北農政局の次長以下担当の課長、また東北農業試験場の経営部門担当の方というような一行でまいったわけでございます。  各県におきましては、それぞれ知事さん以下の県の段階の方にお会いをして、種々お話を伺いました。あるいはまた、主要なてん菜の栽培地の市町村の役場あるいは公民館等で、地元の市町村長、あるいは農協の組合長、あるいは生産者の代表の方とお会いをして、種々の御要望あるいは御意見を伺いました。かつまた、それぞれの栽培地点で、今年のビートの栽培の状況を見せていただいたわけでございます。同時に、現地で農家の方の御要望も承ったのでございます。  そういうことで調査をしてまいったのでございますが、調査の目的といたしましては、今年あるいは今年を含めて過去及び将来のてん菜作についての検討、あるいは、もし四十三年以来てん菜作を中止するとした場合の転換作いかんというようなことで調査にまいったわけでございますが、その点につきましての最終的な結論は別といたしまして、ただいまお話しになりましたてん菜の三県における作付等についてでございますが、本年は、御承知のように三月十日に工場のほうから中止の申し出がございましたので、やや例外的な年でございます。したがって、過去についてまず申し上げますと、青森県におきましては、たとえば三十七年が二千九百七十五ヘクタールでございますが、その後三十八年にふえまして三千五百三十七ヘクタール、それが四十一年には二千三百四十一ヘクタールということに相なっております。岩手県におきましては、三十七年が四百三ヘクタールでございましたが、その後四十一年には千三百六十四ヘクタールということになっております。秋田県におきましては、三十七年が百十二ヘクタールでございましたが、四十一年では四十一ヘクタールということに相なっておるのでございます。  それに対応いたします生産量でございますが、青森県につきましては、三十七年、三十八年と生産量が伸びまして、四十年が八万九百九十六トン、四十一年が六万九千六百六十九トン、岩手県は四十一年が三万五千六百五十五トン、秋田県は六百六十八トンということで、合計、四十一年が十万五千九百九十二トン。数量的には、過去におきましては四十年が十二万七百七十三トンということでございますから、四十一年は四十年よりも少ないわけでございます。  てん菜の作付の戸数でございますが、三十七年が、青森県が一万五千百六十二月、岩手県が三千三百三十二戸、秋田県が九百三戸、合計いたしまして、三十七年が一万九千三百九十六戸ということになっておりますが、三十八年が三県合わせまして二万二千六百六十一戸、以後約二万戸台で三十九年^四十年と推移いたしまして、四十一年では一万八千五百四戸ということに相なっておるのでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 大体その作付面積はわかったわけでありますが、今年度の作柄の状況をどんなふうに見ておいでになったかということと、それから、ことしのような作柄状況ならば、今年度の総収穫量はどの程度かということも大体見通しがついてお帰りになっただろうと思いますから、それをひとつ御報告願いたい。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 先ほども申し上げましたように、四十二年は、三月十日に操業中止の申し出がございましたので、従来に比べまして——それだけではもちろんございません。と申しますのは、年々作付面積は傾向的に減少いたしておりましたから、それだけではございませんけれども、そういう事情もございまして、作付面積は現在県の報告によりますと二千二百二十二ヘクタールということに相なっております。生産量は、これは現在の見込みでございますが、約六万五千トンというふうに見込まれておるのでございます。現在までの天候からいたしますと、てん菜にとってはわりにいい天候でございますし、私どもが各地で見せていただきました圃場の姿から言いますと、反当収量がかなりいいのじゃないだろうかという感じを持って帰ったわけでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 最初作付けいたしましたときには、技術的な面とか何とかで、初めてでだいぶ能率が上がらなかった。ところが、最近、技術等も相当上進いたしたし、また、あなた方のほうでもペーパーポットなどという特殊な御指導をいただいて、相当反当収量が上がってきたという現状であったのです。そこで、ことしの作付状況等を視察し、また地方の人々の意見等も聞いて、ことしの反当収量も相当上がる傾向にあったのではないかとわれわれは推測いたしておるのですが、この辺はどの程度の御調査であったか。もしその結果が出ておりますなら、ひとつお伺いしておきたいと思います。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 いまお話がありましたように、ビート生産があの地帯にとっては新しい作物である、比較的粗放な自給畑作経営をやっておった地帯にとって新しい作物であるというような点から、当初なかなか反当収量等も上がらなかったという事実はございますが、その後各方面のいろいろな御努力もあり、もちろん農家の方の非常な勉強もあったと思いますが、また一面では、だんだんに反当収量を上げ得る農家の方はそれだけの報酬もあるということで残っていかれたという観点からの平均の上昇というようなこともあろうかと思います。そういった意味におきまして、反当収量は大体傾向として各県とも——ちょっと秋田県は傾向が必ずしもそういうふうになっておりませんけれども、青森、岩手は傾向として年々反当収量が上がってきた。本年も、私どもの見たところでは、現在まあ、今後のいろいろな天候あるいはその他の条件によりまして、最終的にどうこうと言うわけにはまいりませんけれども、本年もあるいは四十一年程度と申しますか、四十一年以上の反当収量になるのではないだろうかというふうに見受けてまいったわけでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 もし反当収量がどの程度かというようなことの調査の結果が出ておるならば、最高どのくらい、平均どのくらい、こういう見通しが出ておるだろうと思いますが、それもひとつ御報告願いたい。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 私ども、先ほど申し上げましたように、六月の十七日にまいりまして二十一日に戻ってまいったわけでございます。見せていただきました圃場については、これは専門家等も同行いたしておりますし、この畑はどれくらいであろうということは、もちろん見せていただいたわけでございます。そういう見せていただきました畑については、たとえば三トン以上の畑、四トン、五トンというふうに農家の方は言っておられましたが、それはまんざら当たらないわけではない、相当よくとれるであろうというふうに同行の専門家も言っておった畑を見せていただいたわけでございます。ただ、全県的にあるいは地域一般としておよそことしの反収はどういうふうになるだろうかというところは、今回私どもが直接行って初めて調査するということではなくて、これは非常に広い範囲の観察と申しますか、データが必要になるわけでございます。その点については、やはり県等でお調べ願った数字を信頼するということで、そういう意味の数字といたしまして、先ほど、四十二年も平均して昨年の平均よりも高くなるであろう、三トンくらいになるであろうということを申し上げた次第でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 私らの調査によりましても、とにかく反当収量は相当上昇しつつあるということだけは明らかになっておるわけでございます。  そこで、この上昇の原因について御調査なさっただろうと思うのであります。これは農協においても非常に熱心な指導をしておるし、また農家においても、この作物に非常に大きい期待を持って、農協と協力しつつ講習などを何べんも開いて、共同防除の点などでもどうするのが最も能率的かということで相当努力研究しておったはずでございますが、この辺はどんなふうに調査しておいでになりましたか、お伺いいたします。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 私どもも、いま森田先生のお話しになりましたそういう努力の経過につきましては、たとえば一年間向こうに駐在いたしておりますならば、もっと体験的にそういうことについての同感と申しますか、あるいは直接見てみるということができるわけでございますが、遺憾ながらそういう調査の方法にはなっておりませんで、短時日行ったわけでございます。ただ、お話しになりましたように、現在作付をやっておられる方のそういうお話、あるいは、先ほども申し上げましたが、農協の組合長さん、あるいは推進員ということで生産者の中でも指導的な立場で努力をされておられる方々のお話等を伺いまして、また県の農事試験場長等の話を伺いまして、てん菜の作付について非常に御勉強に相なって、そして現在残っておられる方は相当成績をあげておられる、あるいは経営の中で非常にじょうずに組み合わせておられるというようなことを見せていただいたつもりでございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そこで、観点を変えてもう一つお伺いしておきたいことは、作付の合理化の問題に関連して、ビートの作付を目標として特にトラクターを導入して、借金を背負いながらやっておったというのが実際のはずでございますが、その辺の御調査はどんなふうになっておりますか、お伺いいたします。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 私どものほうも、過去におきまして、非常におしかりを受けながらではございますけれども、北東北のビート振興をさせたいというような一念から、トラクターの導入等についても補助をしてまいったわけでございますから、当然そういうふうに北東北の地元においてそのトラクター等を御利用いただいてビートの経営に役立たせていただいたということについては、承知をいたしておるわけでございますが、なお今回まいりましてそういうお話を伺ったのでございます。ただ、経済連あるいはその他からそういう具体的な数字そのものについては今回まだいただいておりませんが、そういう状況にある。御承知のように、あの地方の畑作は、元来、ビートだけでなくても、深耕し土壌改良すれば相当畑作の収益が上がるという技術的な可能性はあるわけでございますが、ただ、それに見合う、あるいはそういうものの契機となる作物として、ビートが非常に有効であろうという農業経営上の観点があったわけでございます。そういうトラクター等は、本来一般の畑作経営においても非常に有効なものではないかというふうに考えております。そういう意味で、ビートにおいて非常役立ったということは、私どももたいへん喜ばしいというふうに存じておる次第であります。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そこで、大体以上を基礎にいたしまして、今後の対策等についてお伺いしていきたいと思うのであります。  まず、この前の大臣に対する質問に対して、大臣の言っておることばは、作付いたしておる農民には絶対に御迷惑はおかけいたしません、つまり、損はかけません、こういうことを大臣は繰り返し繰り返しわれわれに約束をいたしたのであります。そこで、口で迷惑をかけませんと言いましても、現に作付したものが六万数千トン収穫量がある、この善後措置について、それじゃ一体どういうふうにして損害をかけないのかということが問題になるわけであります。  そこで、聞きたいことは、一体ビートの買い上げの主体というのはだれになるのか、これがどうもはっきりしていないように思う。これは一体だれが買い上げて、そうして価格などについてどんなふうな措置が講ぜられるのか。これによって、迷惑がかかるかかからないかがはっきりするわけでありますから、この点をまず対策として明確にしておいていただきたいと思うのであります。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 本年の作付されましたビートの処理の問題について、大臣が申されておりますとおり、私ども事務当局といたしましても、農民に迷惑をかけないような方法ということで考えております。   〔委員長退席、倉成委員長代理着席〕 その具体的な方法は、このできましたてん菜を、すでに閉鎖ときまっておりまするあの工場設備を活用することによって砂糖にするか、あるいは、あの工場が操業できないということであるとすれば、たとえば北海道等に送って砂糖にするかという方法が考えられる方法だろうと思いますけれども、いまいずれの方法によるかについて早急に結論を出すべく検討しておる最中で、ほとんど最終的な段階に差しかかっておるわけでございます。そこで、そのいずれの方法をとるかによりまして、ただいまお尋ねの買い上げの主体というのは変わってまいることになると思いますが、しかし、いずれの方法をとるにいたしましても、役所として結論を出します際には、現実にてん菜を使って砂糖を生産する主体において農民から原料たるてん菜を買い上げます際に、従来の取引関係と比較して迷惑のかからないようにする、こういうことを基本と考えておる次第でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そこで、これも結論だけお伺いしていいのでありますが、現地で、つまりフジ製糖の六戸町に存在する工場で処理できる見通しかどうか、この点をお伺いしたい。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 本年の栽培面積並びに生産量の見込みが立たない間は見通しがつけにくかったわけでございますが、ただいま園芸局長のお答えからも御推察になられますとおり、約六万五千トンぐらいの数量ができそうだということになるわけでございまして、この数量は、現地で加工するほうが、北海道へ輸送して加工するよりも、すべての点でいいんではないかということを思わせる数量ではございます。  そこで、現地の工場の問題につきましては、この間も別途食糧庁のほうからも現地に出向いて見せていただいたわけでございますけれども、機械設備その他につきましては、これはなるべく早くその方向で結論さえ出せば操業が可能であろうということでございます。ただ、フジ製糖があそこの工場の閉鎖をするという宣言を出しまして以来、あの工場における労使間の関係が非常に複雑になっておるようでございまするので、その問題を解決することが先決問題ではなかろうかと思っておりますが、その問題の解決というか、見通しも近くつけなければいかぬと思っておりますけれども、いまこの時点で、その点についての見通しはどうかということについては、ちょっと確答を申し上げかねる段階でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 そこであとは価格の点でございますが、北海道へ輸送するにしても、また現場であの工場で処置するにしても、買い上げの価格については旧来のようないろいろの条件を総合して決定されるであろうと思います。そういうことによって、農民に決して安い価格にならないよう、これは保護してもらえるだろうと思いますが、この点についてひとつ確答をお願いいたしたいと思います。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 従来から大臣はじめ私どもの申し上げておる基本は、その点について、いずれの結論をとる場合においても、農民側に差が生じないようにするということが基本であり、また、その点は、私どもの最後まで努力をして実現してまいりたい線でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 では、その問題についてはその程度にいたしておきます。  次の問題は、先ほどの、御調査になってお帰りになられた機械の善後措置の問題なんです。これは、御存じのとおり、ビートをやるというので、特に借金を背負って買ったのだということが一つあるのでありまして、いよいよビートをやらないということになると、それでは借金だけが残ってしまう、ほかのほうへ使えばいいじゃないかといっても、さあ右から左へすぐ処置ができるかどうかというようなことなども問題になるのでありまして、これに対して何らかの方法でひとつ救済の道を立ててもらわなくてはいかぬのじゃないかと、こう考えているわけであります。この点についてどんなふうにお考えになっておいでになりますか、お尋ねいたします。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 先ほども申し上げましたように、私ども、現地の事情を、非常に体系的にかつ包括的にというわけにはまいりませんで、非常に体験的にと申しますか、特徴的な点を見せていただいたような調査であったわけでございますが、そこにおきます調査あるいは見せていただきました状況については、調査をそれなりにまとめつつあるわけでございます。ただ、現在の段階で、最終的にどういうふうにしたらいいだろうかという判断を下すにはまだ若干間がございますので、ビートをやめたらそれはどうするのだというところを具体的にはまだ検討をいたしておりません。ただ、機械等につきましても、先ほど私が申し上げましたように——トラクター等はあの地帯の畑作に非常に役立つ機械であるということは、一般論として申し上げられる。そういうことその他をそういう段階になればあるいはいろいろ考慮いたさなければならないと思いますが、いまは、そういう具体的な、この次の何がしかの段階ということについては、しばらく検討をさせていただきたいということを御了承願いたいと思います。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 それでは、機械の問題については御検討なさるということでございますから、あとで具体的な答案をひとつ書いていただきたいと思うのであります。  そこで、次は、先ほど私の質問に対してお答えのように、つまり、農民が非常に努力して、旧来よりも反当収量を上げるところまできた。あなた方もまた、いろいろの方法を講じて、今日までビートというものはいいものだというふうに御指導なさっておいでになった。その結果が実って反当収量が上がってきたということは言えるわけです。これに対する努力もまた、御説明申し上ぐるまでもなく、農協の指導員その他農民の協力で、非常に熱心にこれを研究してきた。その結果、五トン、六トンまであげる者まで出てきて、ビートの将来について農民としては非常に大きい期待を持っておった。そこへ突如としてこういうような工場閉鎖の問題が起こったわけであります。そこで、もしまた、来年・再来年とこれを継続していって、できたものをいまと同じような方法で損をかけないように買い上げるというのならいいのでありますけれども、この点についてはおそらくは何らかの結論が出ているだろうと、こう思うのでありますが、将来について何かもう結論が出ているでしょうか。また、同じような作付で奨励していくつもりかどうかということ。この結論が出ておりますならひとつ……。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 そういう問題をできるだけ早く決断をしなければならないということは、私ども身にしみて従来とも感じておりましたし、そういう点について非常に気をもんでおったのでございますが、そういうことを非常に頭に置きまして調査をやってまいり、つぶさに調査の実情等については大臣等にも申し上げてまいったのでございます。これはごく最近でございますが、しかし、いずれにいたしましても、この問題は、私どものほうの立場から言いましてもでございますが、それ以上に地元にとっては重要な問題であり、重要な決定になるわけでございますので、ごく近い機会に地元県の知事さんが上京なさるようでございますので、その際に、大臣等と最終的にいろいろ御相談をいただくというようなことがよくはないか。そういう意味におきまして、現在の段階では、まことに遺憾でございますけれども、まだ最終的に事務的な結論を出していないという段階でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 私もその点についてはこれ以上触れることを避けますが、しかし仮定的に考えまして、かりにビートというものの将来について非常な困難が伴うということを前提にいたしますれば、他の何ものかに転換しなければならない。他のものに転換いたしましても、ビートほどの収穫をあげることは、畑作の点では相当困難な事情にあると私は見ておるわけであります。そういう点も考えまして、大臣がおいでになれば大臣から聞きたいことなんですが、官房長、ひとつ聞いてください。  作付転換について、私は二つの希望と要請をいたしたい、こう考えておる。一つは、旧来あなた方この作付転換をやった場合は、桑の場合その他いろいろあるだろうと思いますから、これらの点については、何か農民に対しての処遇の方法というものは、大体一つの方向として農林省ではさまっているだろうと思うのですが、これについては何らかの対策があるのでございまか。作付転換をする農民の努力、いま申し上げましたようなことに対して、特殊な道を講じて農民の努力に報いるところがなければならないと思うわけです。これまでどうも農林省では、これがいいのだ、これがいいのだと言って盛んに奨励していて、ある人たちは、農林省の行き方と逆に行くとちょうどいいぐあいになるのだというような皮肉なことまで言っている。桑などについては、確かにそういう傾向があったようにわれわれも覚えているのですが、今回の場合、作付転換努力に対する報いといったようなものに対しては、何らかの対策が立っているのかということをひとつ……。

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○桧垣政府委員 お答えをいたします。  農作物につきまして、従来からの奨励作物というものの転換を必要とするというような場合に、農林省としては何らかの対策を考えておるかという御質問と思います。東北のビートの問題につきまして作付転換するかどうかということは、私どもはまだ結論が出ていないというふうに理解をいたしておるのでございますが、ごく最近のことでございますが、南九州のてん菜について作付転換をせざるを得ないという事態に相なりましたので、地元の作目の転換に関する希望、また当該地方におきます自然的な諸事情、経済的な諸事情等を検討いたしました結果、それぞれ相当面積の転換を作目別に計画化いたしたのでございます。それにつきましては、農林省の一般的に行なっております助成事業を当該地域に優先的、集中的に導入をするということを予算の上でも計画的にいたしました。南九州に関して申し上げますと、四十二年度に約一億円の事業助成を投入するというようなことで対処をしてまいっておるのでございます。これが東北の場合に適用といいますか、あるいはそれに準ずべきかどうかということは、今後の検討に待つところでございますが、私どもとしましても、今後の方針が決定いたしましたならば、それに応じた措置をとってまいりたいというふうに考えております。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 もう一点だけ。  大臣、せっかくお見えになりましたから、ひとつお伺いしておきたい。つまり、この前、フジ製糖のビート工場が閉鎖になった。しかるに、ビートの作付は依然として行なわれている。いまの御報告によりますと、ことしの収穫量は大体六万五千トンの見通しだ、こういうのだ。この善後措置につきまして、いままで長官その他の方々といろいろ問答いたしておったのですが、機械の問題をどうするか、作付転換の問題をどうするかということで、大体いまここまで到達したわけです。そこで、私はひとつ大臣にお願いといいますか、それを兼ねながら私の意見を申し上げて、そして大臣の御意見を拝聴いたしたいと思うのです。  それは、いま問題になりましたフジ製糖の所在地の六戸というところは、あそこの大陸奥野と称される大平野のちょうど真ん中ごろになっているわけであります。そうして大陸奥野という平野は、大体稲作としては冷害をこうむる地帯でありまして、それで今日まで開墾が非常におくれているというのが現実でございます。しかるに、最近、藤坂の冷害試験場が新品種を創成いたし、これは相当前からでありますが、今日ではこの地帯は稲作も冷害にかからないという確信が持てる段階に達しているわけでありまして、そこで、いまこの地方の人々の希望は——ビートというのはいいそうだからビートでいこうじゃないかというので、これをやってきたのがいままでの現実でございます。しかし、いよいよビートがだめになったのだということになると、畑地作付転換といったって何をやるか。なたねがいまひとつ問題になっておりますけれども、これは反当収量が非常に少ないので、やはり農民としてはそこへいこうという気持ちが持てない。何がいいか、結局結論としては、水田にするか、陸稲にするかということなのです。ところが、陸稲も限界がありますので、できれば水田にしていきたいという希望が非常に強く最近持たれてきた。そこへこのビートの問題が起こったというわけであります。そこで、われわれ地元を代表している者から考えますと、これは災いを転じて福となす一つの契機が与えられるのではあるまいか。その意味において、これを水田化していただきたいということを農林省のほうにお願いしておりますけれども、調査が遅々として、これがまだ促進されていないということなのです。そういう次第でありますから、そういう点を御考慮願いますならば、これを水田に切りかえてもらう計画、調査を促進してこれの実現をはかると、私は、地元民としては非常に幸いだ、こんなふうに考えておるわけでありまして、大臣にぜひそこをねらってひとつ計画実現に御助力願いたい、こんなふうに考えております。この点に対する大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 転換作物につきましてどういうものがいいかということにつきましては、地元の御意向もありましょうし、農林省の調査もございましょう。そういうものを十分検討いたしまして、一番採算のいい、また北東北に適当いたしました作物に転換することが一番いいと思いますが、そういうことについては、地元の御意向も尊重いたしながら、十分にひとつ検討をいたしてきめてまいりたいと思っております。

森田重次郎自由民主党

○森田委員 ぜひひとつその方向へ御計画をお進めくださるよう要望いたしまして、私の質問を打ち切ります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大臣、いま先輩森田さんのこの問題に対する御質問を聞いておったのですが、私は非常に意外な感じがしたのです。私どもは、ビートの問題は来年度からなお継続すべきものという観点を持っています。地元としましても、ぜひこれを継続して、ビートのこの後の反収並びに作付反別の増加をはかり、せっかくあれだけの犠牲を払って建てた工場なんだから、これを生かしたいという念願に燃えているのであります。まだ病人が生きているうちにお葬式の話は早過ぎはしないかと思うのです。やめた暁には機械をどうするとか作物転換をどうするとかいったような調子では、私は農政は貫けないと思うのです。あしたに定め、夕べに改めるような朝令暮改の農政では、もういまのこんとんとした日本の農村を救う資格はないと思うのです。その意味で、私は大臣にお聞き申したいのですが、この前の委員会で、農民には迷惑をかけないという再三にわたる大臣のお話がございました。具体的にこれをどういうふうに迷惑をかけないのかということに対しては、農林省が調査団を派遣して十分調査をした上でというお話であったのであります。私たちもこれに非常に期待いたしまして——しかも、第一次の調査団、第二次の調査団が、園芸局あるいは食糧庁のほうから出ておりました。再三にわたって結果の報告を求めたのですが、大臣に報告するまではできないといって、いまもって私たちは聞かなかった。いま初めて森田さんの質問によってその一斑が明らかにされたのであります。基本的にいって、一体、来年度から甘味資源開発の国の基本的な農政の方針を変えるのか変えないのか、その態度がはっきりいたしませんと、この問題の合理的な解決はできないと思うのです。すでにてん菜の生産振興地域としてあの地域は決定されております。この決定にあたっては、いまあらためて調査するまでもなく、ずいぶん現地の情勢は考えて決定されたと思います。また地元の農民諸君も、その決定に基づいてこの新しい作物に取り組んだと思うのでありますけれども、ことしの処理は処理として、国はもう来年度からてん菜の増産に対する施策をおやめになるのか、おやめにならないのか、この点を大臣からお聞きしたいのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 基本的には甘味資源はできるだけ自給度を高めたい、こういうのでありますが、それぞれの地域においてそれぞれのやり方で事業化されております。そこで、具体的にはいま青森その他東北ビートが問題になっておるわけでありますが、原則といたしましては、私どもはできるだけ自給体制を整備してまいりたい、こういうのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 まあ、これは当然、一たんきめた方策ですから、そう簡単には変えていただきたくないと思うのですが、今度の調査団の御報告、大臣お聞きになったと思いますが、青森県並びに岩手県のあの地域は、生産地として初め指定したが、この条件がないという結論が出たのか、生産地として十分見込みがあるという結論が出たのか、それを大臣からお聞きしたいと思うのであります。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 その点が非常に問題であるわけでございます。私ども見せていただきましたところの農家のてん菜の生育の状況、あるいは管理の状況、あるいはそれに取り組んでおられる農家の方々の、いわば主体的な状況と申しますか、意欲あるいは能力というような点については、非常に感心をしてまいったのであります。また、そういう意味におきまして、てん菜が営農の中に非常に重要な役割りを示しておる、あるいは組み合わされておる。これは従来とも私ども東京でそう考えておったのでございます。が、そういう意味におきましては、私ども現地でまざまざとそういう農家の方々を訪問させていただいたのでございます。そういう意味におきまして、今年のような状況においてもなおてん菜をやっておられる方の状況から見ますと、あの地帯はてん菜が非常にいいというか、いろいろな意味でいい作物である。ただ問題は、そういう農家の方がどれくらい多くあり得るであろうか、あるいは全体としてそういう形でどれくらいの作付が今後とも確保されるであろうかということについては、いろいろな判断があるわけでございます。そういう点については、ただいま申し上げましたように、調査団は調査団なりの感想と申しますか、調査はしてまいったのではございますが、最終的な判断にもかかわりますので、私から申し上げるのは差し控えたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大臣、時間がたいへんないそうでございますから、要点だけお聞きしたいのですが、いまのような調査団の報告というものは、私は非常に変だと思うのですよ。すでに甘味資源特別措置法の第四条においては、一項から三項にわたってこの指定の条件がはっきりあるのです。まさか、この区域を指定する場合、そういう適地であるか適地でないか、あるいは工場の経営にたえるかどうかということを全然調査をしないで、ただ誘致運動のままに、あるいは工場の要求のままにきめたのではないだろうと思うのです。したがって、これは明らかにあの地方を適当な区域として御指定になったことは間違いないと思う。その間、むろん作付反別などはだいぶ予定よりは伸びなかった。これは正直に申し上げまして、この計画があったときに、私は県の計画に対して一つの疑義を感じました。これでいいのかということを再三念を押した。再三念を押した中には、作付反別の問題もあったのでありますが、十分成算ありということで出発した事業であります。しかも青森県の場合ははなはだ伸びがおそい。岩手県はここ数年で倍になっているでしょう。青森県が伸び悩む原因は何か、岩手県が二倍になった原因は何かということも、調査団お調べになったと思いますが、これはあとで調査団からお聞きいたしますから、大臣、その点を調査団からお聞きになったかどうか、それだけをお答え願いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 まだそういう詳しいことは聞く時間がございませんので、結論だけ聞いておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこで、将来のてん菜の展望を持つならば、岩手県でも青森県でも、私自身も調査してまいりましたが、非常な熱意を持っている。ペーパーポットを使ってやった成績などは、反収六トンから七トンまで出るだろうというみごとな成績があがっているのであります。しかも、それがいま一とんざを来たしたということは、さっき森田委員の御質問にもお答えになりましたけれども、去年までの作付の伸びがことしはがくっと落ちておるでしょう。確かに落ちております。非常に苦労して積み上げた作付反別が、ことしは事実落ちているのですよ。この落ちている原因は何かというと、工場閉鎖なんです。したがって、この農政の計画の上に、てん菜糖を伸ばすという計画の上に最も大きな障害になったのは、工場の経営の問題なんです。しかもこの工場には、大臣御承知のとおり、北海道東北開発公庫から融資されたものがあと十三億も残っているというし、農林中金もやはり三億融資している。しかも、こうした甘味資源特別措置法に準じてやった仕事であれば、単なる私企業ではない、明らかに国策を背負って立った事業だと私は思っておる。したがって、単にフジ製糖だけではなくて、この事業を推進した農林省自体が本腰を入れてこの障害を打ち破らなければならないところに立っていると思います。来年度のことは、いまの大臣の御答弁でこの根本方針を変えないという線がありますから、その根本方針の隘路になったものは、われわれもこれをともに打ち破っていくような責任を感ずるのであります。問題はことしのてん菜の処理であります。すでに小さな二葉のころに発生したこの事件が、いまではりっぱなビートに成長する段階まできている。しかも、ここにきてなおことしの生産の処理ができないということで非常に悩んでいるのが現状であります。おそらくは、あと数日このままで過ごすならば、現地処理の上に非常に大きな隘路が出てくると思う。いま現在のことしの処理では、三つの道しか残っていないといわれています。第一は北海道へ送ってビートを処理させること、第二には現地で投げ捨てること、第三は現地処理。ところが、いろいろ検討してみますと、これは北海道のほうのお話も聞いたのですが、十一月、十二月という段階で、あの岩手県、青森県で六、七万トンは優にこすだろうといわれている量のビートを輸送しようと思っても、単に運賃がかさむだけじゃなくて、輸送力が足りないというのは、これは常識であります。私は、この三つの案のうちで、一番むずかしいのは北海道輸送論だと思う。ただこれを数字の上だけでやりましても、非常な難点が出てくる。それから、最もイージーなたやすい方法は、現地で買ってこれを投げ捨てるという買い捨ての方法なんですが、これくらい私は農政に対して悪結果をもたらす方法はないと思います。農民があの小さなビートを一本のビートにりっぱに育てあげるその苦労を考えると、幾ら金をもらっても、投げ捨てることなんというのは、農民感情が許さない。またこういう処理はやるべきでない。私は、残る一手は現地処理しかないということを考えますが、大臣、その点どう考えていますか、お聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 これは御承知のように加工作物でありますので、加工して製品になって、初めて経済価値が出てきて、また生産者にもその生産費が償えるわけであります。ところが、いま加工のほうでは御承知のような結果になっているわけであります。そこで、地元の知事さんたちも上京されるようでありますから、そういう方々ともよく相談をいたしまして、どのように御協力をいたすことができるか、御相談をいたしたいと思っているわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはもう地元にとっても、国の農政の方向から言いましても、非常に重大な問題なので、慎重におやり願わなければなりませんけれども、かりに現地処理でいろいろな隘路が予想されましても、解決する気になってかかれば、私はこの隘路は打開できると思うのです。その成算は十分立っていると思います。したがって、知事が集まって御相談すればいいのですが、やはり大臣は、この基本的なてん菜生産の振興に根を置いて、前向きにことしはひとつ現地処理でぜひともやっていただくように、われわれも微力ではありますが、その方向については十分に努力をする決意を持っておりますから、この点を特に大臣にお願いを申し上げておきます。  それから、工場がなければこの作物は最終価値を実現できないということは、これはそのとおりでございます。これは進めば進むほど、単なる生産だけではなくて、加工あるいは製造、販売まで一貫したものがなければ利益はあげ得ないのは、換金作物の当然な姿なんです。したがって、農業一般に工場というものがつけ加えられますので、この工場自体の経営がてん菜の生産には大きな比重を持つのは当然でありますが、はたして現在のてん菜糖の持っている価値というものは、国の補助なしに自由経済に投げ込んでおいて外糖と対抗できるものか、できないものか、その点の大臣の考えをお聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、甘味資源の自給度をできるだけ維持いたしたいというたてまえで、輸入糖だけでなくて、やはり国産をできるだけ奨励すべきであるということでありますから、法律をつくって保護をいたしておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはあとで食糧庁の方からも、園芸局の方からもじっくりとお聞きしたい点でありますが、なぜ工場を閉鎖しなければならない羽目におちいったか、この原因の検討はなおざりにできないと思うのであります。もしも国の方針が貿易の自由化に伴なって大転換をしたのであれば、これはまた別ですが、依然として国内における甘味資源というものを開発しなければならないという原則が貫かれるものならば、この隘路はやはり国が破ってやらなければならない。工場のためにも破ってやらなければならない。もし工場の経営の方法あるいは更生のしかたが悪ければ、これはあらためて許可を取り消して、新しくつくらなければならない。これはてん菜を伸ばすために必ず必要でありますし、また、工場の経営不振のために全部てん菜の栽培までやめるような羽目におちいるならば、これは、新しい農業経営の形においてまさに農林省の施策は失敗したと言わざるを得ないのであります。したがって、工場の経営の件についても、ただ一工場の私企業的な性格にまかせるだけでなくて、国の農政の一半を背負うものとして大きなバックアップをしなければならない。私は先ほどから山梨県のブドウについても質問をしておりましたが、どうも農林省の態度というものは、極端に申しますと、非常に冷淡で、無責任です。ほうっておけばいつか自然に解決ができるだろうという態度が見えてしかたがない。ビートに対しても、もしも工場がつぶれれば、そのうち農民もあきらめるだろう、労働者も何とか散るだろうというような観点では、農政を担当する資格がないと思う。私は新しい農林大臣に期待をいたします。どうかこのビートの工場経営についても、あるいはてん菜の栽培に対しても、まだお葬式の支度はしないで、病人を生かすという方向に立ってもらいたいのでありますが、作物の転換を考えたり、あるいは機械の賠償を考えたり、あるいは水田の開発を考えるのもいいでしょうが、あまり医者としては愛情のある医者ではないように思う。息のある間は、この大事なビートを育てるだけの迫力をもってこの処理に臨んでもらいたいのですが、重ねて大臣のお気持ちをひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 地元の方々が、いませっかくだんだんと成長してまいりましたビートを見て、いろいろな感じをお持ちになる気持ちは、私どもよく理解できるわけでありますが、さてこれを経済価値のあるものにやってまいるということについては、いろいろまた問題もあるようであります。したがって、今般農林省からは幾班かに分けて調査団を派遣して、その調査のためには、それぞれの県当局もたいへん御協力を願っておるようであります。したがって、そういうデータに基づいて、近く上京される知事さんたちと、十分にその調査の上に立ってひとつ検討をしてやってまいりたい、こう思っているわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この振興地域の決定は、地元の知事の意向も問うことになっておりますから、ぜひともこれは慎重に扱って前向きに解決をしていただきたいのですが、まさか第一次、第二次の調査団が絶望的な報告をしておるのじゃないでしょう。前向きの姿勢を十分に貫き得るような報告をしたと思いますが、その点はいかがですか、私たちはまだ聞いていないのですが……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 昨日淡谷先生方が私のところへおいでになりまして、それまで私は御存じのように米その他のことで忙殺されておりまして、詳しい報告を聞く時間がありませんでした。そこで、昨日は皆さん方もおいでになったし、近く知事も上京するという連絡がありましたので、昨日は行きました者の一、二の話をほんのわずか聞いただけでありますから、これでは何とも判断のしょうがありません。したがって、明日はなるべく時間をとって、知事さんたちと一緒に現地の方々をまじえてよくお話を聞いてみたいと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは単なる農作物の問題ではなくて、国が方向を定め、しかも地域を指定し、会社には許可を与えて、非常に強い国策のしみ通った事業だと思っているのであります。これはむろん工場と一体にならなければできない仕事でありますけれども、   〔倉成委員長代理退席、委員長着席〕 これから私、園芸局長にも、あるいは第二部長にも、十分調査の実態について、私どもの見た結果と突き合わせて検討してみたいと思うのでありますが、明日と聞いております知事との会見の場合も、どうか大臣は最後にで——約束の時間もそろそろきていますから大臣はけっこうですが、私は、これからじっくり農林省の皆さんと質疑応答をかわしたい。この結果は、どうぞ大臣も十分に御検討になって、明日の知事会見に生かしていただきたい。私は、あくまでも農家の農政に対する信頼をつなぐためには、やってはこわし、やってはこわすような農政をやり、農林省の指導と逆のことをやればそれでいいのだというような、極端な農政不信をこれ以上助長してもらいたくない。特に青森県では、むつ製鉄以来、政治災害の銀座通りだと言われております。今度なども、農民にも、作物の反別を伸ばせなかったという責任を問われれば、それは確かにありましょうけれども、破綻工場の赤字という面で、五年間やってきたビート栽培の技術が全部死ぬのであります。やはり政治災害だと言っておる。そのあとは何をだれがしようと、何をだれが指導しようと、農民は聞くものじゃない。この農政の信を取り返すたにめも、この問題に対して十分責任を持って対処されるように、特にことしの処理を早急に推し進めになるように切に希望申し上げたいのですが、最後に一言大臣から御所信のほどを承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 淡谷さんも御存じのように、この北東北のビートが始まりますときには、私どもも仄聞いたしておったのであります。が、やはりああいう地方に一番適当する作物は何であるかということについて検討をし、農林省は、当時はこういう作物が非常に適当であるということも申しておったわけでありますが、それに相前後して、地元の知事さんからも非常に熱心に御要望がありまして、地元の知事の要請と、また北東北における作物としてビートは適当であるという見解とが期せずして一致して、そして、ああいう事業が着手されたという沿革を持っておるわけであります。したがって、一番よく知っておられる地元の知事さんたちと十分相談をいたして善処してまいりたい、こう思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大臣はこれでよろしゅうございます。  そこで、あらためてこの調査団の報告についてお聞きしたいのですが、さっき私が指摘しました工場閉鎖以来、伸びるほうに立っておったビートの作付が、むしろ減るような傾向を示した事実はお調べになりましたか。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 正直に申し上げまして、たとえば四十一年で作付をやっておった方が四十二年でやめられた、その方に直接お会いして、おやめになった動機はこの工場の中止申し出でございますかというふうに聞きますならば、一番いまの淡谷先生のお話しになりました点の、調査したかということに相なるわけけございますが、私ども、必ずしもそういう精細な調査を——これは正直に申し上げますが、そういう形では調査をいたしてまいっておりませんで、主として現在やってられる方の圃場を見せていただいたわけでございます。ただ、非常に多くの、いわゆる推進指導員と申しますか、直接作付をやっておられる方で、しかも、その村の作付の指導をやっておられる方の話をいろいろ伺ったわけでございますが、そういう方々の話の中に、いまお話がありましたように、こういうことに相ならなければこんなに減らなかったのだということをしばしば申されたわけであります。私どもも、ことしの作付面債のいわば急減という状態でもっていろいろ判断するというのは、必ずしも正しくないので、ことしはやはりそういう推進指導員の万々の言われるような、いわば心理的な要因、あるいは単なる心理的な要因でなくて、それのバックにあたる物的な要因というものがあって減ったのだろうというふうに、これは最初に申し上げましたような調査方法はとりませんでしたが、そういうふうに感じてまいりました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私どもも行って、実はその点に重点を置いたのです。というのは、あのビートの栽培を今日まで伸ばしたという裏には、現地の指導員をはじめ、県なんかの非常な苦心があった。率直にお聞きになればわかると思いますが、なぜビートを植えましたかと質問をしたら、それは県からすすめられたとか、市町村からすすめられたとか、もう全然見たこともない作物をそうした国、県の方針によって作付をした。青森県はリンゴの名産地でありますが、あの二万五千町歩のリンゴの反別を伸ばすためには、少なくとも六十年の歳月がある。歴史がある。農家が作物になじむというのは、五年、十年は長い月日ではございません。したがって、今日まであの作付を伸ばしてきた裏の苦労を考えますと、ただ工場が閉鎖したということだけでは、あの現地で苦しんだ諸君はたまらない気持ちだろうと思います。率直に聞きますと、農民は、いま植えてもどうにもならないと思う、来年から見通しがつかないから植えてもしかたがないとはっきり言っております。これは農林大臣にはっきり御報告を願いたい。  第二に、工場の気持ちの変化をどうお調べになりましたか。三月十日に突如として工場閉鎖を宣言するまで、かなり前向きにやってきたのが工場の実態です。一月十日の労働組合との契約なんていうものは非常に前向きです。工場を継続する意思があった。なぜそれが突如三月十日になって一転してああなったのかという原因をお調べになりましたか。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 私、今回参りまして、第一次ということに結果においてなったわけでございますが、その調査の主たる目的は、もちろん工場の盛衰と申しますか、工場のいろいろな動向が、ただいまお話がありましたように、農家の作付意欲あるいは作付に非常に影響していることは事実でございますが、私どもの調査の目的が、むしろ営農のそういう点にございましたので、工場についてのそういう経緯あるいはいろいろな変化ということについての調査をいたしてまいりませんでした。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 こういう問題について全般的に責任をとるセクションは、農林省のどこですか。食種庁の第二部ですか。あるいは園芸局なんですか。これはどこかはっきりしたセクションがないと、この問題の解決はつきませんよ。どちらなんですか。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 ただいま申し上げましたように、第一次の調査の目的は、主として農家のサイドと申しますか、そういう点にあったわけでございますが、農林省といたしましては、あるいは結果においてと申しますか、いろいろ外からごらんになると、食糧庁と園芸局とがうまくいっていないというようなことがあるかもしれませんが、主として工場ないしは企業のことは食糧庁のほうにやっていただいているわけでございます。もし工場のそういうことについてなおございまして、私がいままでお答えできなかったことは、食糧庁のほうからお答させることにいたしたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは同じ農林省の中で食糧庁と園芸局とがけんかしているとは思っておりませんから、その点は御安心ください。  第一次、第二次というふうに調査団が出たのですが、そこで第二次調査団の食糧庁の第二部長から御報告を承りたいのですが、工場のいまの点からお答え願いたいと思います。

荒勝巌食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 お答えいたします。  私たちも、ことしの三月十日に、突如としてフジ製糖のほうから、四十二年産のビートの処理はやめたいと思います。したがって工場閉鎖のやむなきに至りましたというお申し出がありましたことにつきましては、ほんとうに驚いたようなかっこうでございますが、私たちも会社側に、その点についてなお工場の継続方を強く要望した際に、会社側からの一つの意見といたしまして、国なり県なりあるいは地元側の強い御協力でやってはまいりましたけれども、年々面積が思わしく伸びなかったどころか、この二、三年来面積が急速に減ってまいりまして、このままでは経営的にやっていけなくなったと思いますので、やめさせていただきたい、なお、それについて強い政府側の特別な買い上げ価格のようなことでもしていただけますならば別でございますがと、こういうふうな返事をいただいております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは食糧庁長官にお聞きしたほうがいいと思いますが、さっき大臣が言ったとおり、ビートの栽培は工場の存在なくしては必ず実現ができない。したがって、現地の農民諸君が、あるいは指導員の諸君が、ビートの葉を食う一匹の虫についても非常な関心を払っているような、こまかい神経の配りようを持って工場の経営もしなければならないはずです。三月十日に初めて工場が農林省にこのことを言ったんじゃないでしょう。前にも数回にわたって農林省と折衝しておるはずですね。これはどうですか。もしもおわかりにならなければ、私はもう一ぺん榊原社長をお呼び出しを願って詰めていきたい。再々農林省にいろいろなことを陳情しているはずですがね。いかがです。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 会社のほうからは、北海道のごとくすでにビート生産に相当基礎が固まっておるところと、それから北東北のようにあとからおくれてスタートしたところと、同一条件ではなかなかやりにくいので、何らかの特別な措置を講じてもらいたいという希望なり陳情は、私どもたびたび受けております。そこで、その具体的な内容としましては、でき上がったビートの買い上げ価格、つまり、現在の糖価安定法に基づきまする糖価安定事業団の買い上げ価格、これを北海道のビートを原料とする北海道の工場に対する買い上げ価格と、北東北のてん菜を原料とする北東北のフジ製糖の買い上げ価格に、差等をつけてもらいたいというような趣旨の陳情であったわけでございます。私どもも事務的にはその問題を真剣にいろいろ研究いたしたことは事実でございます。そこで、これは過去の済んだことを申し上げるようで恐縮でございますけれども、やはりいまのスタートがおくれたことによる特別な措置というものをとる場合には、やはりその長さについてはいろいろ御意見があるかもしれませんけれども、いずれ将来に、一定期間経過をすれば、その特別な措置をとる必要性がだんだん減っていって、最後にはその特別措置が必要ないということが、私はやはり一つの筋であろうと思っております。そこで、まあ、そういう筋で、いろいろ将来の問題等について、実は部内でもずいぶん真剣に検討いたしました。会社ともずいぶん相談をしたわけでございます。  そこで、ビートの工場の採算というものを一番大きく左右するものが原料の数量であるということは、淡谷先生も十分御存じだろうと思います。そこで問題は、会社の採算が将来一定期間後に北海道に追いつくか追いつかないかということは、あげて原料の入手数量というものが、将来ある程度の目標に向かって到達をするかどうか、もちろん年限の長短はございましょうが、そういう角度で、その可能性ありやなしやということをいろいろ検討いたしたわけでございます。ところが、これはいろいろな原因があろうかと思いますが、作付面積の増加にいたしましても、原料のてん菜の生産増加の見込みのテンポというものが、いろいろ関係者の御努力なり、われわれの期待なり、われわれの努力にもかかわらず、一定の期間において、必ず原料がまとまった数量になることによって採算的に北海道に追いつき得るということは、非常に確信が持てないということをいろいろ思い悩んでおる最中——と申しますと若干語弊がございますが、そういうことを検討しておる最中に、会社のほうとしては、金融面その他の面から、早急に今年の会社の操業を続行するかしないかという決断に迫られて、三月十日の申し出になったというふうに私は考えております。したがいまして、私のほうとしましては、そういう角度では相当突っ込んだ研究をしたつもりでございます。  以上が経過でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それはしかし、私は非常に心外ですよ。作付反別が会社の経営に十分マッチし得るというような前提のもとに、これは生産振興地域に決定したんでしょう。第四条にはそのことをはっきりと書いていますね。それが狂ったら、会社が工場を投げ出す前に何とか手を打つべきじゃないですか。県からはっきり採算が取れるような——これは警告が出ておるはずですね。これはいつから御検討になったのか。作付が伸びないということは、これはなかなかむずかしいといま言われましたけれども、そのむずかしさにいつ気がついたんですか。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 これはいつ気がついたと申されますと、ごく最近になって初めて気がついたということじゃなくて、やはり何べんか最終目標を何トンにするかという計画を練り直し、ここ一両年の間、絶えず青森なり岩手県当局と、将来の見込みなり将来の計画達成の可能性なりということについては、事務的に何べんもお打ち合わせをいたしたのでございまして、このお打ち合わせをしたという背景には、どうも当初の予定どおりなかなかいかないということで、何べんもお打ち合わせが続けられたというふうに私は理解をいたしておりますし、この問題については、非常に真剣に、私どもももちろん、園芸局で担当してもらう部分もございまするけれども、私どもとしては、所管が園芸局である、食糧庁であるというような先ほどのお尋ねもございましたが、そういうことにこだわりなく園芸局でやるべきことまで口を出すくらいのことまでしてやつたつもりでございますが、以上のような経過を経た次第でありまして、私は経過については非常に残念に思っておりますが、経過を率直に申し上げれば、先ほど申し上げたとおりでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もし会社の赤字の原因が作付反別の不足という点にあるならば、これはやはり園芸局にも若干の責任を負わなければならない。しかも、さっき私が大臣に話しておりましたとおり、青森の場合は一つの伸びない例でございましょうが、岩手は倍になっています。こういう違いなどもありますからね。いま何かこうこれ以上やってもだめだというような口ぶりが見えるのですが、もうこの作付を伸ばすということについては、園芸局は絶望ですか、さじを投げているのですか。

八塚陽介農林省園芸局長

○八塚政府委員 作付について今後の見通し、それにさじを投げたということでございますと、これはもうすでは結論が出ておるということでございますが、これは先ほど来大臣も申しておりますように、現在の段階ではまだ最終的に結論は出ておりません。ただ、それが問題のやはりポイントであろうと思います。そういう点につきまして、その見通しをいろいろやっておるわけでございますが、まあたいへんむずかしい問題でございます。時間のある限り繰り返しそういう問題について検討をしてみたいというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 肝心かなめのところでむずかしいと逃げられちゃ困りますよ。これはあなたのほうはむずかしいで待っておられましょうけれども、現地は死ぬか生きるかなんですよ。むずかしいが、これは達成するかしないかという問題にかかっている。これは県にも責任があるでしょう。国にももちろん責任があります。もしこれができなくなってくれば、これは生産振興地域に決定した農林省の責任ですよ。私は無責任な農政は断じてやっていけないと思う。初めできるという設定のもとに生産振興地域に指定したのでしょう。会社も許可したのでしょう。五年たたずに、これはできません、投げ出しますでは、責任ある農政と言えますか。また、困難にぶつかったら、五年十年が何ですか、断固としてやるんだという信念なくして農政が貫けますか。どうも困難でありますから、むずかしゅうございますからということは、いまあなた方からは言える。現地農民はそれは言えません。会社だって言えないでしょう。だから三月十日の悲痛な工場閉鎖になっていると私は思う。これは食糧庁長官、どうですか。あなたもさじを投げたような感じがするのですか。やはりむずかしくておしまいですか。何かこの後の抱負ありますか。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 私どもが先ほど来申し上げておることは、確かにむずかしいものをむずかしくないように申し上げる気は毛頭ございません。それから、また、この五年間の経過を経て、私は、食糧庁並びに農林省としての責任を痛感いたしております。したがって、ここまで来た現時点において、今後の善後措置をどうするかという問題については、責任を痛感しておることもあわせ、真剣に考えておる次第でございます。ただ、この場でおまえは一体見通しをどう見ているかというお尋ねでございますと、いままでいろいろな角度からやってまいりましたけれども、むずかしいということを感想として申し上げておるわけでございます。しかし、むずかしいからさじを投げたとか、あるいはいままでの責任を痛感しておらないとか、そういうことは決してございませんので、その点は御理解いただきたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきも私から大臣に言っておきましたけれども、この仕事はいまになってむずかしさのわかった仕事じゃないのです。五年前、これを始めるときにすでにむずかしさがわかっておったのです。だから県に対しても非常に念を押したのです。その間に砂糖の貿易自由化という問題が、砂糖だけじゃありませんけれども、貿易自由化の政策転換があったことが、なおさらこの工場経営を困難しているという事実はお認めになりますか。

大口駿一食糧庁長官

○大口政府委員 砂糖の貿易自由化といまの事態との関連性について、先生十分事情は御存じだと思いますが、一応私どものほうの立場での理解をしておる点をちょっと申し上げさしていただきたいと思いますが、現在の糖価安定法によって、一応海外価格と国内価格とは制度上遮断するような制度になっておりますので、砂糖の貿易の自由化によって海外の相場が直に反映して国内の製糖会社の採算が一様に悪くなったということには必ずしもならない面があると思います。ただ、砂糖の自由化をいたしました時期が、不幸にして非常に砂糖の価格が上昇しておった時期でございますので、各製糖会社が争ってこの時期に大いに自分のシェアを伸ばそうということで、設備拡張に狂奔したこととが不幸にして一致いたしましたので、現在の不況を招いたというふうに私は理解をしております。したがって、砂糖の自由化というものが直に原因をしているかとおっしゃられれば、それはしておりますと申し上げますけれども、しかし、自由化といま私が申したこととが重なったものでございますので、影響がよけいひどく出たというふうに私は理解しておりますので、その点はちょっと申し添えさしていただきます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは自由に経済の法則に従ってやりますと、てん菜糖の経済的な耐える力というのはたいへん弱いことは御承知のとおりです。それだけにこうした政府の施策というものは、工場の経営にも微妙な影響を与えるものです。これは否定されないと思う。それだけにやはりこの事業の推進には、農民に対しても、工場に対しても、国が大きな責任を負わなければならない。その責任を負う勇気がなければ処理はできないのです。  第二部長、今度第二次の調査団でいろいろ見てこられたでしょう。見ただけではなくて、対策も立てられたようですが、北海道の技術陣が入ってきた話、あるいはことしの処理についてのさまざまないきさつについてお話があったと思うのです。われわれも現地で若干聞いてまいりましたが、あらためてあなたの口から、その第二次の調査の結果のまとめた御報告を願いたいと思う。

荒勝巌食糧庁業務第二部長

○荒勝説明員 この七月の十一日に、調査団といいますか、われわれ調査団とは申しませんで、診断チームと称しているのでございますが、診断チームといたしまして、北海道の各てん菜糖の会社から十四名、本省から私以下二人、それからビート工業会から一人、計十七名で現地へ参りまして、ちょうどまる三日現地に滞在いたしまして、慎重に工場の現状について診断したようなわけでございます。診断チームの中には、工場長を歴任された方もあり、また現在北海道の現場で課長あるいは次長を担当されている人がおられまして、まあ現在の段階では高い水準の診断チームであったと私は思っております。  工場をつぶさに検討さしていただきましたところ、診断チームのメンバーの各位の一致した意見は、現在の工場は非常にりっぱである。むしろ北海道の工場よりも、ある部分によってはりっぱにできておる。工場の敷地も、坪数で表現するのはあれでございますが、北海道の工場は十五、六万坪で現在すでに狭隘を感じておるけれども、青森工場は、約二十万坪、そのほかに別途直営の農場約二十万坪、計四十万坪のいわゆる余裕敷地を持ち、かつ労働者の宿舎等も非常に完備しておりまして、独身寮あるいは季節工の宿舎も完備しておって、現在の段階では非常に理想的によく保持されておるという最終的な結論でございます。  つぶさに検討いたしますと、ある個所につきましては多少早急に手入れを要する個所がある。たとえて申し上げますと、石灰石を購入してまいりまして石灰炉で石灰にしてやりますロータリーキルンというのがございますが、その中の耐火れんが等は、現地で調べましたところ、多少摩滅しておって、使えないかもわからなということで、東京へ帰りまして早急に品川白煉瓦のほうに問い合わせいたしましたところ、あすこの耐火れんがはいわゆる異型れんがであるから、そういうものはいますぐ問い合わないけれども、いわゆる通常の、標準の耐火れんがで代用して、早急に取りかえるならば、ことしの六万五千トン程度の大根の処理の期間中くらいは十分間い合うのではなかろうか。こういうふうなことでございまして、要するに、工場の機械あるいは設備等につきましては、いま直ちに手入れを行なうならば、本年産のビートの処理に差しつかえはないのではなかろうかという診断結果が出ております。  それからもう一つ、副資材と申しますか、石灰石とコークス、これが従来青森工場ではなかなか入手が困難であったやに、出発前の事前の調査ではそういうふうに聞かされて、非常に心配して参ったのでございますが、そういったものも、むしろ北海道のほうが、あとで聞きますと、環境としては悪い。北海道でも、場合によっては石灰を九州にまでも手配しなければならない工場もあるけれども、現地に、上北でございますか、そこに石灰石の原石山があるので、まあまあ何とか、トラックを動員さえすれば、いまからでも間に合うのではなかろうか。しかし、早く手配しなければいけないということでございました。  なお、今度の診断の結果一番の問題になりましたのは、現在の工場に、去年のいわゆるビートの最盛期と申しますか、ビートの処理は、工場長以下二百五十数名をこえる現場の労働要員といいますか、作業要員がおったわけでございます。そのほかに、別途約三百名近い季節工といいますか、十一月から二月末までの臨時工と両方あったのでございますが、会社自体の本工約二百五十名をこえる作業要員が、すでに工場閉鎖後相当多数にわたって清水の工場へ転勤する者は転勤し、あるいはそのほかの職場に移動される方は移動されて、現在相当減っておりまして、百八十名くらいになっておる。さらに問題は、この十一月ごろまでの間に現在の作業要員がどの程度残り、あるいはどの程度やめられるか。どうも労務関係について、事態が非常に流動的でございまして、われわれ診断員も、作業要員の確保について人数だけでも的確な見通しがつかなかったことのほかに、いわゆる単なる労働者を集めるだけではなくて、それぞれパート、パートの専門の技術者が要る。それで、いまのフジ製糖の青森工場の作業員でやめられた方に対する穴埋めが十分にできるかどうか、いわゆる歯車が十分に合うかどうかということが非常に懸念されたわけでございます。大体の推定では、かりにどなたかにあの工場のあとの作業だけでもお願いするということになりますと、おおむね現在の段階では百五十名ぐらいの人間を北海道方面からお願しなければならないのじゃないか。そういたしますと、北海道では現在九工場ございますので、九工場で百五十人の人間を動員するということになりますと、きわめて各社ともむずかしいというか、それだけの人間を大量に送り出すについては、北海道方面の献身的と申しますか、非常な犠牲を払っての御協力を願わないと、事態は困難なのではないか、こういうふうに診断したような次第でございます。  それからなお、原料関係につきましても同様でございまして、相当多数の方がやめられたり、あるいはやめそうなので、やはり原料関係の人員についても、いま申し上げました百五十名の中に入っておりますが、こういった原料関係の要員も北海道から送って、いまのうちに至急農家と——極端なことを申し上げますと、暑中見舞いから始まって、ことしも大根よろしくお売りくださいというふうなあいさつから入って、原料関係の集荷をやらなければならないというようなことで、総括的に申しますと、その調査時点でございますが、いま直ちに手を打つならば、結論的に申しますと七月末ということになるかもわかりませんが、何とか青森に工場の操業は技術的に可能ではなかろうか。そのほか、いまだに国鉄の側線の契約も残っておりますし、土地改良区からあそこに工場用水として毎秒〇・三トンの分担金も会社側では払っておられますので、工場用水のほうもまだ関係が切れておりませんしするような関係で、工場診断といたしましては、いますぐ十分に手を打つならば、ことしの操業にはさしつかえないというふうにおおむねの報告というか、感じを持って帰ったような次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 診断チームというのは非常に気に入りました。さっきから言っておるとおり、この病人が生きるか死ぬかという見方がたいへん大事なので、いまのお話だと、診断中も非常に重体だけれども、どうやら息を吹き返している状態らしい。これには健康を回復させてどんどん活動させる方法もありましょうけれども、どうもやはり本年の処理をどうするかというカンフル注射が一つ必要だと私たちは考えている。生かすという熱意があるならば、このカンフル注射の方法を誤ってはいけない。それはつまりことしにおけるビートの処理なんです。第二部長は現地で労働組合との会見を申し入れて断わられたとういので、どうもだいぶ労使関係が悪化したようなことを言われておったようでありますが、私ども現地で会社並びに労働組合とも会ってまいりました。そもそも、この争議の発生は工場の閉鎖によるものなんです。一月十日、まだ農林省がいいことを言っていたときは、非常にいい労働協約をやっておった。突如三月十日になって今度は工場閉鎖、解雇だ。これはおこらないほうがどうかしていますよ。盛んにお菓子を食べさして喜ばして働け働けと言っておいて、予告もなしにばっさり首を切る。これでおこらなかったらばかですよ。それが労働争議の発生の原因なんです。  現地を見ますと、まず農民がこれはぜひやりたいという熱意を持っておる。工場閉鎖で水をかけられたとしても、なお一生懸命やるのだと意気込んでおる。いままでは反別を伸ばそうとしたけれども、収量も伸ばしておる。労働組合はどうかといえば、このストライキによって十件の法律問題を起こしながら、あの機械の整備をやったのは、むしろ立ち入り禁止という法を犯してまでも動いた労働組合の諸君の努力でしょう。私も工場は見てまいりました。いま第二部長が言ったとおり、これは操業しようと思えばできる段階にある。会社は一生懸命に閉鎖のほうに急いで、どんどん転勤もさしておる。それを何とか続けたいといってささえてきたのが労働組合の諸君の力なんです。そうしますと、地元の県はこれからやるとがんばっているし、農民はこれから新しい意気込みでやろうと言っているし、労働組合はそういう態度をとっておるのですから、農林省の態度さえきまればできるじゃないですか。  いま現地の処理についていろいろお話を聞きますと、非常に見込みがあるような診断であった。さっきから言ったとおり、北海道で処理するなんて、ともて輸送力が間に合うものじゃありません。北海道の経済はとまりますよ。概算しますと、十トン車を毎日百台ずつ動かしても二カ月かかる量なんですね、ビートというのは。これはとてもできるものじゃない。ですから、大臣にもっと詳しく報告をし、あしたは知事とも会議をやるでしょう。どうかこの病人を生かしてもらいたい。お葬式の相談をする前に何とか健康を回復さして、ぜひとも生かすという意気込みをもって農林省は取っ組んでいただきたい。そうでなければ五年前のあなた方のこの計画はずさんきわまるものになります。北海道東北開発公庫という公庫が東北開発のために金を貸したでしょう。これは一年の貸し付けの約一割近い金がフジ製糖に流れていっているのですよ。それから見ましても、明らかに国策で裏づけられた事業であることはわかる。その責任を感ずるならば、どうかこの問題ではっきりした実績を示してもらいたい。われわれは及ばずながら大いに協力します。どうか一丸となって、このせっかく根づいたビートを国内のたっとい甘味資源として十分発展せしむるように農林省は努力してもらいたい。  いまの調査報告、診断の結果を聞きまして、私は意を強くします。どうか現地の諸君と一体になって、この問題の前向きの解決に努力してください。明日知事との会見を控えているそうですから、少なくとも悲観論は一掃して、お葬式の支度じゃなくて、病気全快のお祝いの支度をまずしてもらうように強く要望いたしまして、私はきょうの質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 昭和四十二年七月の集中豪雨による農作物の被害状況について、政府より説明を求めます。桧垣官房長。

桧垣徳太郎農林大臣官房長

○桧垣政府委員 本年七月の豪雨の被害状況について御報告申し上げます。  七月八日から七月十三日までのいわゆる梅雨前線による豪雨の被害を中心に御報告申し上げます。  なお、これ以前にもかなりの豪雨がございましたので、被害総額等の集計には、他の数字も他の場所で発表されているかと思いますが、その点をお断わりをいたしておきます。  七月豪雨の農林水産関係の被害の総額は、お配りをいたしております資料の四ページにございますように、総計で三百八十三億五千三百四十七万円ということに相なっております。その内訳は、農地の災害が五十五億二千六百三十一万五千円、農業用施設が百六十二億九千二百六十一万円、農地、農業用施設を合算いたしまして二百十八億一千八百九十二万円、次に海岸が五千八百五十万円でございます。  次に、林道の被害の総額が五億七千万円、治山の事業、これは荒廃治山でございますが、この関係が八十七億五千百六十五万円、治山の施設が一億四千六百四十万円ということでございます。  次に、水産関係では漁港が八千三百九十五万円、漁船が三百六十二万円、漁具が五百七十一万円、養殖施設等が三千七百八十六万円ということに相なっております。  次に、農作物等の被害額につきましては、主要農作物合計で五十四億二千三百五十八万円、家畜等が一億四千三百二十五万円、共同利用施設が七千四百四十八万円、共同利用施設以外の施設が一億一千九百十五万円、林産施設が千二百六十七万円、林産物等が五千二百五十一万円、開拓者の施設が四百四十三万円ということに相なっております。  これはいずれも県の報告に基づくものでございまして、最終の被害額の認定にあたりましては数字の変動があるかと思いますが、一応県報告に基づいて御報告申し上げたわけでございます。そのうち、いわゆる農地、農業用施設の災害復旧に関する暫定法関係のものを集計いたしますと、二百二十四億三千万円ということに相なります。公共土木負担法の関係が二億八千四百八十五万円、天災融資法の対象の被害額が五十六億一千九百万円、その他が八十九億七千百万円ということに相なります。そのうち、暫定法関係並びに負担法関係の災害に対します措置として、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づきます激甚災害としての指定の措置と、それから激甚災害について適用すべき措置につきまして政令を制定することに相なりまして、本日の事務次官会議で検討を終えまして、明日の閣議で決定をされる見込みでございます。  なお、天災融資法の発動につきましては、先ほども申し上げました主要農作物等の被害額について、農林省の統計調査部の進行を待ちまして措置をいたしたいというふうに考えておるのでございます。  なお、今回の災害に関連いたしまして、既融資の償還延期措置等につきましては、本日付で農林経済局長名をもって、関係金融機関の所属団体等に善処方の要請の通達を出しております。  次に、食糧の応急手当につきましては、資料にございますように、大阪、兵庫、広島、佐賀、長崎等で、精米及び乾パンの売り渡しをいたしております。  また、応急対策用の備蓄材につきましては、長野、名古屋、大阪、高知、熊本の各営林局に、合計三万二千立米の材を手持ちをいたしておりまして、そのうち一部を大阪営林局において呉市に対して売り払いをいたしております。  以上が、七月豪雨災害についての被害の報告と、当面政府としてとりました措置についての御報告でございます。     —————————————

本名武自由民主党

○本名委員長 次に、農地転用問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。中野明君。

中野明公明党

○中野(明)委員 前回・岡山県の倉敷市における農地転用申請の件につきましてお尋ねをいたしまして、その後調査して報告するということになっておりましたので、そういう点にからみまして、二、三点お尋ねをいたしますが、まず一点は、前回の局長の答弁で、事前審査のときより、申請時において面積が減ってきた、こういうお話があったわけですが、その減った理由を最初にお尋ねいたします。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 減りました面積は、旭化成関係で三万一千百十二ヘクタール、旭ダウ関係で一万二千四百四十四ヘクタールでございますが、前回もちょっと申し上げましたが、関係の土地所有者の中で、会社に農地を売りますことについて反対の人がおりまして、その土地だけを除外するということは、その後の土地利用の面から考えて適当でございませんので、その付近一区画を、いま申しましたような面積は除外するよう指導をした次第でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 それから、前回お尋ねしました従業員の数ですが、その後そちらのほうで調査なさって、はっきりしたでしょうか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 従業員の数でございますが、会社の現在の計画によりますと、旭ダウ関係が、共同住宅として二百二十四世帯を入れますための建物を八棟、それからそのほかに、独身者の寄宿舎に入れますものが三百四ということで、一世帯四名平均で旭ダウ関係が千二百名の人員を収容する必要があるということでございます。それから、旭化成のほうは共同住宅だけでございまして、三百四世帯を収容する。一世帯平均四人と考えまして千二百十六名、両方合わせまして二千四百十六名の収容をするということになります。  そこで、先回、その人数に比べて申請面積が著しく過大ではないかというお尋ねがあったのでございます。が、その点につきまして調査をいたしてみましたところ、両会社合計した数字で申し上げますが、合わせまして申請面積が十一万六千八百四十五平方メートルでございます。住宅の延べ建坪が三万九千六百二十平方メートル、それから建築面積、建坪が一万二千三十平方メートルでございまして、申請面積と住宅の延べ面積との比率、これを住宅のほうでの専門用語で住宅容積率というのだそうでございますが、それが三三・九%、それから建蔽率、敷地総面積と純粋の建坪との比率が一〇・三%でございます。この数字は、日本住宅公団が団地を建てます場合の基準等について調査をいたしましたところ、住宅公団の通常の建蔽率は八ないし一〇%程度、それから住宅容積率が三四ないし四五%程度でございまして、実際に住宅公団が建設をいたしました各地の団地について一、二実例を調べてみたのでございますが、建蔽率で一一%ぐらい、それから容積率でいま申しましたような三四ないし四五というような容積率の幅の中にほぼ入っておるようでございます。これらの日本住宅公団等の団地を建設いたします場合の比率にかんがみまして、先ほど申しましたように建蔽率はこの場合一〇・三%であり、住宅容積率が三三・九%でございますので、そのとき御疑問がございましたような意味で、この申請が従業員の数等に比して過大ではないかというお尋ねでございましたが、そうではなくて、ほぼ日本住宅公団の団地形成等の場合の基準にも照らして、一応適当な面積ではないかというふうに考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 いま局長が申されたのは、今回申請された農地の面積に比例してのお話でしょうか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 先ほど申しましたように、除外をいたしました面積を除いた、新しい会社の建設計画の面積との比率でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 では申し上げるわけですが、前回私が質問の中でも申し上げたように、この旭ダウのほうはすでに同倉敷市内に、もう転用も終わって確保しておる土地が三カ所に分かれて約一万坪あるわけです。ですから、私は過大ではないかということをあえて申し上げたわけでありまして、その点どうお考えになりますか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 その点も、前回お話がございましたので、会社関係にも当たりましたけれども、やはりそれとは別に、新しい工場建設との関係でこの住宅敷地が必要であるということのようでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 いま局長は、今回申請されている土地、それが向こうの計画に当てはめてみて計算して妥当だ、このように答弁なさったわけです。私がお尋ねしているのは、それ以外に一万坪に近い土地をすでに確保しているんだ、ですから、過大ではないか、こう聞いておるわけなんです。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 私も別にそういうふうに申し上げたわけではございません。会社の計画全体として見て、今度の申請の部分が建蔽率その他から見ても、いまおっしゃるようなものも含めて必要であるという理解でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 では、もう一度お尋ねしますが、前に確保しておる三カ所で一万坪ちょっと切れますが、約一万坪の土地を合わせて、それで計算をしてみて妥当である、このようにおっしゃるのですか。それとも私が先ほどから疑義を持っておりますように、今回の申請の面積の中で妥当と思っておられるのか、そこのところをもう一度はっきりしておいてください。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 先ほど申し上げました建築容積率なりあるいは建蔽率なりは、今回の申請面積に関して、今回建てようとしておる住宅の収容人員との比率で申し上げたわけでございます。先ほど御答弁を申し上げましたのは、それとは別に確保しておる分があるということでございますが、それは今回の申請とは別の工員の住宅施設ということでございますので、そういうものも合わせて、全体として職員の住宅施設として必要である、そういう理解だというふうに申し上げたわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 それは現在じゃなしに、将来の会社の構想も含まれてのことでございましょうから、将来にわたっての問題について、ここで会社の予定を議論してみてもはじまりませんので、一応その点は将来のことといたしまして、私がなぜこういうことを質問申し上げるかといいますと、農地法におきまして、農林大臣の許可をもって転用されるという四条、五条の適用でございますが、そのところでこういう問題が他にもあります。きょうはこの問題の決をつけようということでお許しをいただいておりますので、また次の機会にお尋ねしたいと思っておりますが、愛媛県の松山においては、農地法にからんでのいざこざが起こっておりますし、岡山県の干拓地の問題も裁判ざたになろうとしておるものもあります。これは次回に譲りまして、そういうことに関して、結局、二ヘクタール以下の小面積は、地方の農地委員会で相当きびしく検討を加えられて、そうして吟味されている。ところが、二ヘクタール以上の大きな面積になってまいりますと、農林大臣の許可で地方の出先の農政局長の専決処分、こうなっているわけであります。そこら辺にこういう問題が起こる要素が含まれている。それで農地法のあり方を、地方農政局長が専決する、大臣が許可するにあたって、その土地の農地委員会の意見を聞くべきである、意見を聞かなければならないというふうに、農地法の改正をする必要があるのじゃないか、私はこのように思うわけであります。卑近なことばで申し上げますと、小さな魚はかなり規制をされておるわけですけれども、大きな魚は逃げてしまうというふうな声すら聞かれるわけであります。これは農地転用——農地法の精神はどこまでも農地を確保しようというところから起こっているのじゃないかと思うのですけれども、それがどんどん工場あるいは住宅地に転用されて、ただでさえ不足しておる良田がどんどん消えていくというきらいがあるわけでありまして、その点、いずれまたこれは大臣がおいでになるときにただしてみたいと思っておりますが、局長として、農地法について、そこまでやはり地元の農地委員会の意見を聞かなければいけないというふうに改正したほうがいいと私は思いますが、あなたの見解をお聞きしたい。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 地元の農業委員会の意見を聞くように法律改正をしたらどうかという御意見でございますが、実は現在都道府県の農業会議の意見を聞かなければいけないというふうになっておりまして、地方農政局長が大臣の権限で専決処理いたします場合には、まず地元の農業委員会、県の農業会議の意見書が県庁に出まして、それがけっこうであるということを言っておりませんと、県の知事名でついてまいります副申に許可不相当というふうに出てまいりますので、いまお尋ねのようなことは、現在実際にも行なわれておるというふうに思うわけでございます。農業全体として農用地を確保するということは、先生の御意見に私どもも同感でございますので、転用自身を社会の全体の大勢に押されてゆるく処理をしておるというふうに思われると、たいへん私どもとしては心外でございますが、非常に苦心をして、できるだけ転用を避ける、特に優良農地については転用を避けるという方向で実態としては指導いたしておるわけでございますが、御承知のように、経済事情の非常に大きな変転の中で、また地元の関係者等が、その地方の地域的発展ということとからめていろいろと申請をしてまいりますと、ある程度は許容しなければならない、やむを得ないというようなケースもございます。ただ、今後とも、ルーズに処理をするということではなくて、お尋ねになっておられます御趣旨も十分理解ができますので、現在の許可基準を厳重に実施をしていくようにつとめてまいりたいと思います。  なお、倉敷市の本件につきましては、前回もちょっと申し上げましたけれども、旭ダウ及び旭化成が予定をして計画申請を出してきております地区の隣接地に、倉敷市が水路を建設いたしておりまして、その水路の工事用のための仮設道路を建設しておったわけでございますが、少なくともその仮設道路は農地の一時転用でございますので、それを原状に復して農業用地として利用できるように戻すまでは本件の審査はしないという処理方針で臨んでおりますことは、前回もお答えを申し上げたとおりでございますが、その点につきましては、六月一ぱいで仮設の道路のために積みました土石が全部排除されまして、原状回復を市当局もいたしましたので、あとは地元の関係者等の意見も聞きました上で、これから農地法における許可等の手続の審査を進めたいと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、建蔽率等から考えても、また農地の利用状況等から考えましても、一応いまの計画ならやむを得ないのではないかというふうには思っておりますが、まだ正式な転用の許可はいたしておらない状況でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 いま局長は、仮設道路でもとに復元したという報告を受けたとおっしゃっているわけでありますが、私がこの問題につきましてこの前質問いたしました焦点は、市長が仲介して会社と農家が契約をして、そしてその全部の人が了解をして農地法の転用が行なわれなければ残額は払わない、そういうふうな一方的な契約がうたわれているわけです。この契約というのは、どこまでも農家個人と会社の契約であるというふうに私は思いますが、にもかかわらず、全部が契約の調印をしなければ残金を払わないということで、農家が残金をもらえないで非常に困っていた。このことについて私が申し上げたら、局長は、たぶん転用にならないと金は出さぬでしょうというふうな答弁だったと私は記憶をいたしますが、私の言いたかったのは、そういうふうなことのために、たんぼの耕作もできないような状態で、農地をわずかの手付け金でそのままいつまでこの紛争が続くかわからない中で放任されている農家が非常に気の毒だということで質問をしたわけです。幸いに、あれは朝質問したと思いますが、その日の夕刻に、どういうことでしたか、全額農協を通じて農家の皆さん方に支払われたようであります。これは非常に喜ばしいことだ、私はこのように思っているわけでございます。ところが、局長のほうは、とにかく仮設道路だからもとに復元するということを非常に強調されたようですけれども、いまここに当時の参考の写真を持ってきておりますが、私も行ってみて意外だったのすが、ここまで金を入れて工事しながら、それをまたもとに戻してやっているという、非常に大きなむだな金を使っている。だから、いけなかったらいけなかったといたしまして、これは行き過ぎなら行き過ぎとして、今後のことについて、農林省としても現地とよく連絡をとって、公費をむだに使わないように指導すべきじゃないかと思うわけです。  参考までにこういう写真をお見せします。   〔写真を示す〕  こういうブロックのところ、これまで全部こわしてしまっている。ですから、そういうふうな、一たん一千七百万円もかけて工事したものを——まだ仮設道路を掘り返すというのなら話はわかるのですが、大あわてにあわてている姿、そういう点を私はもっと考えもらいたいと思うのです。  私のこの前の質問の内容は、せっかく農地を手放して耕作権も放棄しているような状態の中で、わずか三分の一か半分に近い金しかもらえないで、そして一人、二人反対者がおるために農家が困っている、こういうことから端を発しているわけでありまして、そういう点、今後もなきにしもあらずだろうと心配しますので、そういうむだのないように、行き過ぎなら行き過ぎ、間違っておったら間違っておった——しかし、現在できているけっこうな工事をやり直す、そういうむだを省いて、どうすればこれを生かしながら今後やっていけるかということにもっと指導もし、あるいは話し合いもしてもらいたい、そうして極力そういうむだをなくするようにすべきじゃなかったか、私はこのように思うわけですが、その点局長のほうから……。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 会社と個人との契約で、金が支払われていないではないかというお尋ねに対して、当時私がお答えを申しましたのは、会社側から申請は出てきておりまけれども、まだいろいろな点で審査の問題が残っておるので、許可するかしないかがはっきりしない、まだ許可ということもしていなしそういう状態の中で、行政庁としては残りの金を農民に払えという指導はできにくいということを申し上げたのでございます。現状におきましては、まだ正式に農林省としては転用の許可をいたしておりませんので、支払われたかどうかについては私も確認はいたしておりませんが、もし払われていないという事情があっても、会社に私のほうとしては払えとはなかなか言いにくいと思います。  それから、仮設道路の問題は、転用の許可申請とは別個の問題でございますので、もし不許可というようなことにしなければならない場合等も考えますと、やはり一時転用ということで水路の工事のために仮設しましたものでございますか、それの撤去というのは、最初から義務づけて指導しておりましたのでそういたしたわけですが、いまお話しのように、何か石のブロックまではずしたというようなことは、いささか行き過ぎでございまして、私どもとしては、仮設の道路をつくりますために近くの山から運んでまいりました土石だけは、もとのところへ戻せということで、もし転用の許可がない場合にも農地として利用できるような、そういう状態にしておけというところまでを指示したわけでございます。もちろん、こういうふうに転用の問題と仮設の道路というような問題が同じ地区でダブって起こるようなケースはごくまれでございますが、そういうことが起こりました場合に、今後そういうむだなよけいなところまで拝借するような行き過ぎがないように十分指導していきたいと思います。

中野明公明党

○中野(明)委員 それから、これに関連はしますが、これは和田局長には直接問題はありませんので、委員長にお願いをしておきますが、この農地の売買の契約にあたりまして、市役所がこの中に入りまして、非常に行き過ぎた行為があります。それで、次回に機会を見て行政局のほうから来ていただいて、私二、三ただしたいことがございます。登記の謄本を一千四百通も公用で無料で出したりしているようなことが相当数この問題に含まれておりますので、これは次回にぜひ委員長にまた機会をつくっていただいて質問をしたい、このように思っております。  最後に、局長にお尋ねしておきますが、この問題の農地の転用の許可をされるのか、されないのか、どういう考えでおられるか、それをお尋ねいたします。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 現段階におきましては、仮設の道路ももとに復しましたし、また建蔽率等の審査をいたしましても、そう著しく過大とかいうような点もございませんので、これから審査をいたすわけでございますが、何ぶんにも前回この委員会で問題になりましたこともありまして、そのまままだ正式の許可は進めておりませんが、先ほどもちょっと申しましたように、私どもの立場では、反対者の区域は除きまして、所有者のほうで同意をした部分に限定もしたことでもございますので、会社の事情あるいは地元の地域開発の視野等から考えまして、許可を相当とする事案ではないかというふうに考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 反対者がたしか二名おるはずであります。その面積、これは先ほど局長が言われた差額がその面積になると思うのです。反対者はどういう感情のもつれか、なかなか話がついていないようですが、すでに田植えも終わっているようであります。いま局長は、実情がそうなんでなるべく許可をしたいというお話のようですが、あたかも広い土地のまん中にドーナツのように田植えがされている。そういう相当数の——両方で約三千坪近いのじゃないかと思いますが、そういうものを残して許可をされるのかどうかですね。私は、相なるべくならば地元で話し合いをつけてもらって——そういう状態の中でたんぼをつくるということは不可能だろうと思うのです。きれいに話し合いをして、そして全部を転用許可するような方向に持っていかれたほうが妥当ではないかと考えるわけですが、まわりずっと宅地転用に許可がなって、そのまん中にちょうどドーナツの穴があいたようにたんぼがあったとすれば、これから用水とかいろいろの問題で非常に不合理の問題も起こってまいりましょうし、そういう禍根を残さ・ないようによく指導されて、そして許可をされるならされるように、このことが私の現在の希望なんですが、その点もう一度……。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 土地所有者が同意をいたしませんと、これはやはり土地所有権の売買にかかわる問題でございますから、同意の得られない部分を含めて会社が申請をするということは、それ自体適当でないと思います。  それから、先ほどもちょっと申し上げました面積は、反対者がございますので、ただその土地だけを残すということは、おっしゃるような点もいろいろございますから、一つの区画として今後の農用地としての利用が可能なような範囲まで、両方合わせまして約四万平方米というのを除外いたしたわけでございまして、それは工場が住宅用地として予定しております地区のどまん中ではなくて、会社側の用地の形を変えまして、そこの部分が地区外になるようにいたしてあるわけでございます。現段階では、そこも含めて会社側が申請してくればともかく、私のほうから反対者を説得して、つぶす農地の面積を広げて申請をし直してこいという指導はいたしかねるかと思います。

中野明公明党

○中野(明)委員 私が申し上げているのは、局長は現地を知られないからそうおっしゃっていると思うのです。反対者のおるところは広い用地の中の、私、資料を持っておりますから地図でお見せしてもよろしいのですが、ちょうどまん中に当たっているわけです。ですから、そこだけあけて許可をするというのは、非常におかしなかっこうになるわけです。だから、私の個人の考えとして、全部を許可するか、それとも思い切ってそこのところだけはずすとなりますと、面積はずっと小さくなるわけです。そうすると、向こうの言っていることと内容が違ってくるわけです。そのことを言っているわけでございまして、あなたは、それだけはずして別にその土地を移動してでもというような考えにも聞こえるわけでありますけれども、そうじゃなしに、地図の上で見ますと、ちょうど両方とも引っかかる。しかも離れ離れに二カ所とも反対しているのです。これまた意地の悪いようなことになっているわけです。それで心配して聞いているわけでありまして、許可された結果があとでもんちゃくが起こらぬようにということを、心配して申し上げておるわけであります。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 反対者の持っております筆及び地番は、私ども調査をいたしておりますが、四千二百三十八平方米ございます。それだけを除外するのでは、その土地の今後の土地利用が適当でないので、先ほど申しましたように、約四万平米、十一筆を含めて除外をして、その残りについて許可をいたしたわけでございますから、その部分についてはいろいろと御意見もございますけれども、私どもとしては、そこも含めてもう一度申請を出し直せということは指導いたしにくいかと思います。

中野明公明党

○中野(明)委員 まだ私が申し上げていることが理解いただけていないような気がするのですが、私の言うのは、それをはずして申請が出ているから許可をするとおっしゃっているのですけれども、全体から見たときにちょうどドーナツの穴があいているようになるから、それじゃおかしいのじゃないかということが私の言わんとするところなんです。それでも許可をされるつもりなのかということなんです。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 両会社合わせて約四万平米の土地を除外いたしましたのは、そのドーナツ型にならないように、農耕用に今後も利用できるように地区外にはずして、反対者の筆以外のところも含めて区域外にして許可を申請するようにということを指導してまいったわけでございますので、その反対者の分だけがドーナツ型にならないように印処置をいたしたいと思っております。

中野明公明党

○中野(明)委員 いずれ他の問題も関連がありますので、きょうはこの辺でおいておきますが、いま私が心配しているようなことのないように、もう一度よく出先機関にも調査させられて、そして全体のまん中だけのけて、わまりを許可するというようなことのないように注意をしていただきたい。私は転用許可を根本的に反対しているわけじゃございません。ただ、そこにこの農地転用をめぐりまして、市役所の行き過ぎ、そしてまたいろいろな工事の行き過ぎ、そういうことが、農地法があるにかかわらないで——なければいいのですけれども、農地法がある以上は、やはり法にのっとってきちんとすべきだ、こういうことが私の言いたいところでありまして、その点、またこれにからんで、あわてたのかどうかしたのか知りませんけれども、非常に大きなむだな金を使っている。まことに残念なことなんです。私の意図していることとは全然違うような方向にいってしまいまして、ほんとうに残念だと思っておりますが、だた一点、農家がその点について早く現金を受け取ることができたということはよかったと思って喜んでおりますが、いま心配しました点について、よく出先機関と連絡をとっていただいて、そういうあとからかっこうの悪いようなことにならないように注意をしていただきたい。このことについてもう一度局長から答弁を願って、終わりたいと思います。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 私のほうとしては、先ほど申し上げましたように、反対者の土地だけでなしに、その付近一角、約四万、平米を排除して、その土地の今後の農業上の利用の障害にならないようにしつつ会社の申請を受け付けるという考え方で処理をいたしておりますが、なお、その点については、十分現地の確認をいたしまして、除外をいたしましたところの農耕上の利用が直ちに支障を来たさないように処置をいたします。

本名武自由民主党

○本名委員長 次会は、明二十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。   午後六時三十二分散会

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