農林水産委員会 第33号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/07/12
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 果樹保険臨時措置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。
○兒玉委員 きのうに引き続きまして、経済局長並びに園芸局長にお伺いしたいのでございますが、まず園芸局長にお伺いしたいのは、昨日は、今後の主要果樹の需給関係について御説明いただいたわけでありますが、今回、この共済保険の対象となる六品種の中におきまして、特に収穫の多いミカン、リンゴあるいはブドウ、こういう点につきまして、各品種ごとにおいてそれぞれ国内における需要と供給の関係、あるいに特に需要面におきまして生食なりあるいは加工、こういうこと等がいろいろと需要の中で拝見されるわけでありますが、問題は、私は、やはりこれから特に圧倒的生産量の多いミカン等については、加工面あるいは輸出面、こういうこと等が考慮されなければ、特に変動する価格面におきまして安定した価格の維持ということが困難ではなかろうかと思うのです。特に生産量の多いミカン、リンゴ、ブドウ、こういう点等について今後どういうような対策を講じられようとしておるのか、この点お聞かせをいただきたいと思います。
○八塚政府委員 お話がございましたミカン、リンゴあるいはブドウにつきまして、現在の時点におきます需給関係あるいは需給の状況を反映いたします価格の関係はそれぞれ異なっておるようでございます。御承知のように、ミカンの状況は、生産が非常な勢いでふえておりますので、少なくとも現在までの段階ではそれに対応いたしまして需要もふえておる。そうしまして価格等も堅調であるわけであります。 一方、その需要の中では、もちろん生食用が大部分でございますけれども、そのうちの約二割程度は加工ということで処理をされておる、販路を見つけておるわけであります。生食で輸出をいたしますミカンの部分は数量的には一%強ということでございます。ミカンにつきましては、そういうことで、今後どういうふうになるかということを昨日来多少申し上げたわけでございますが、現在の段階で申し上げますと、今後ミカンの需要はやはり相当伸びるであろう、五十一年の見通しにおきまして、現在の三倍近くは伸びるのではなかろうかというふうに見ております。生食用で一番伸びる原因は何かということを考えてまいりますと、やはり所得の伸びに対応して伸びてまいる。ただ、従来のような勢いでは必ずしも伸びないだろうというふうに考えております。したがいまして、今後国民経済の成長、それに対応いたしまして所得が伸びますと、現在の弾性値等から見まして、それくらいは伸びていくだろう。ただ、生産のほうは、現在の勢いで伸ばすということは需給の均衡を長期的に破壊することになるということで、現在考えておるわけでございます。 加工のほうの状況でございますが、これは昨日も申し上げましたが、今後加工は漸次伸びてまいるとは思いますけれども、一面加工原料の価格と、それから生食用の原料価格というようなものとの対比からいたしますと、現在の段階では、生食用の需要が強いというふうに言って間違いなかろうと思いますので、その面からの制約があるわけでございます。それにいたしましても、加工も漸次伸びていくだろう。ただ、加工がどれくらい伸びるかということになりますと、これは過去の傾向をただ単純に伸ばすというふうには一がいに言えないのではないだろうか。結局正直に申し上げますと、経験者、そういう方の意見あるいは業界の方の意見というようなもので考えていくことでやむを得ないのではないか。たとえば、私どももそういう過去の趨勢あるいは業界の方、経験者の方の意見で一応需給の見通しを立ててまいりますと、基準年度三十九年に対比いたしまして一八〇%くらいにはなるのではないだろうか。ところが、加工の中で二つございまして、これは一番大きいのはもちろんかん詰めでございますが、そのうちでも内販と輸出があるわけでございます。輸出は何ぶん外国相手でございますが、これにいたしましても、従来努力をいたしてまいりまして、大体四十一年、四十二年と若干ずつ伸びておりまして、現在の段階では、四十二年は五百万箱足らずというところまでまいっております。今後外国における他の国との競争がございますから、そう早急に拡大するということはむしろ考えられないのでございますが、逐次伸びていくように努力をいたしてまいりたい。 それから、生果輸出は、先ほど申し上げましたように、きわめてウエートとしては少ないわけでございます。生産量の一%強というふうに申し上げましたが、それにいたしましても、従来カナダあるいは米国につきましてはアラスカ等に輸出をされておったわけでございます。米国につきましては、植物防疫上の関係で従来禁止をされておりましたが、ことしの五月に米国において先方の植物防疫法の改正がございまして、門戸が開けたわけでございます。ただし、これはいろいろ厳格な条件がついておりますから、初年度からそう早急にふえるというふうには期待しないほうがむしろいいのではないか。しかし、門戸が開けた以上は、着実に今後伸びていける見通しはついたというふうに言ってよかろうと思います。それにいたしましても、米国におきましても日本のいわゆるサツマオレンジをつくっております。いろいろ競争もかんきつ類にはございますから、手放しでただ伸びる伸びるということを言うのはやはり危険であろう、相当努力を要するというふうに考えております。それにいたしましても、一般的にミカンはそういうことで需要の見通しは明るいと申しますか、大きいのでございます。 リンゴのほうは、そういう状況が異なるかと存じます。リンゴにつきましては、私どもの見通しにおきましても、大体基準年度に対しまして五十一年度は約一三〇%前後というふうに見ております。もっとも、リンゴの中にも、御承知のように国光等とデリシャス系統のリンゴがございまして、その一つ一つについて消費支出弾性値をとってみますと、著しく態様が異なっております。スターキングであるとか、ゴールデンデリシャスであるとかいう種類のリンゴは、所得の伸び以上に需要がふえるというふうに私ども見ておりますが、国光等従来の品種は、消費支出弾性値が約〇・三というふうなことで、あまり今後の所得の伸びに対応して消費がふえるというふうにはいかないのではないだろうか。リンゴの加工等は、いろいろ従来とも苦心をしてまいったところでありますし、業界等でも努力をいたしてまいっておりますけれども、なかなかリンゴそのものとして加工をいたして販路がふえるという方法が、端的に言えば、いま行き悩みの状態にあるということでございます。ただ、輸出のほうにつきましては、御承知のように、従来ともフィリピンを一番大きな市場といたしまして、南方のほうにも出ておったのであります。あるいはソ連等にも出ておったのでありますが、一ころ相当な市場でありました台湾が、一時その輸入をあまり認めなかったという状態が続いたのでございます。私どもといたしましては、各方面の御叱声を受けまして、先般私どものほうの課長も参加いたしました外交交渉団が台湾へ参りまして、数量といたしましてはそれほど大きなものでないという批判もあろうかと思いますけれども、とにかく前年の倍近くの輸出の交渉を終えてまいったというようなことで、今後ともリンゴの輸出については努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。 ブドウは、比較的何と申しますか、問題はもちろんかかえておりますけれども、いまのところ需要も相当ございますし、たとえば先ほど申し上げましたミカンは、需要といたしましては将来約二七〇%ぐらい、あるいはリンゴは一三〇%ぐらいと申し上げましたが、ブドウはほぼその中間的な地位にあるというふうに申し上げてよかろうかと思います。 〔委員長退席、高見委員長代理着席〕 ブドウも比較的新しい産地が続々と出ておりますが、比較的古い大産地であります山梨等におきましては、その二割程度がブドウ酒の原料として使用されておるのでございます。ブドウ酒の今後の見通しということは多少いろいろな見方があろうかと思いますが、漸次肉食がふえ、一方、業者の方のいろいろな努力もあって、ブドウ酒も、昨今のブドウ酒は生産量が必ずしもふえているとは申し上げられませんけれども、今後期待すべき販路の一つではなかろうかというふうに考えておるような次第でございます。
○兒玉委員 主要な果樹についての現在の需給関係なりあるいは今後の動向をお聞きしたわけでありますが、たとえばミカン等の場合におきましては、新しく植栽した、比較的樹齢の若いミカンが相当多いわけでありますが、こういう点から判断いたしますと、私はいま農林省の考えているような生産量をかなり上回ることが予想されるのではなかろうかと思うわけであります。また、リンゴの場合は別といたしましても、ブドウの場合におきましても同じような傾向が見られるのではないか。しかしながら、ただいま局長の答弁にありましたとおり、大体需要供給の関係を何とか維持できるというふうな御説明でありますが、いずれにいたしましても、先般島口委員も質問いたしたようでございますが、このような果樹等については、この価格に対するところのいわゆる保障対策というものがないと思うのですが、せっかく今回五カ年間の施行期間において共済保険制度が実行されるわけでございます。これと並行的に、価格安定対策としてはやはりこの際抜本的な検討をする段階にきているのではなかろうか。特に農業経営の中におきましても、果樹園芸にかわっていく傾向は非常に強いわけでありますから、こういう点からも、主要農作物であるところの米麦にかかわる果樹作物についても、このような農安法に示されたような価格保障対策ということは、やはりこの際真剣に検討すべき段階にきているのではなかろうかと私は思うのですが、この点について局長の御見解を承りたいと思います。
○八塚政府委員 ただいまも申し上げましたが、需給を均衡させるということにつきましては、自然に均衡させるというふうにはなかなか楽観できないと思います。私どものほうの長期見通しをつくる、あるいは植栽の目標をつくりました過程におきましても、たとえばミカンにつきましては、従来、最近の植栽面積の増加が年々一万ヘクタールある。それを今後五年間は平均して六千ヘクタール、あるいはさらにその後の五年間は三千ヘクタールというふうに植栽を押えていくという努力、その努力の効果があって、初めてむしろ需給が均衡するであろうということを考えておるのでございますから、そういう努力あるいはそういう気持ちが十分に実行に移せるような体制が私どものほうでないと、確かにお話になりましたような価格の低落という問題が出てくるわけでございます。そういう意味におきましては、私どもも、むしろこういう基本方針をつくって需要供給の見通しなり目標をつくったというのも、価格に対する問題があろうということでつくったわけでございますので、御指摘の点は十分に考えなければならないと思っております。 ただ、果樹の場合は、御承知のように永年作物でございまして、ある年に相当な供給があって、したがってそういう価格の低落に対応してその次の年の生産が調整されるということは考えられなくて、もしそういう事態になりますと、むしろ構造的に下がっていくということのほうが問題としては大きいのではなかろうか。もちろん、年によって豊凶がございますし、それから摘果を奨励するというようなことで生産の調整はある程度することも可能でございますけれども、やはり果樹の場合は永年作物でございますので、野菜であるとかあるいはその他の一年生のそういう作物の価格の調整方法は必ずしもなじまないのではないか。したがいまして、非常に迂遠な方法であるかもわかりませんか、やはり供給あるいは生産、あるいはそのもとにあります植栽を調整していくということが根本であろうかと思います。それにいたしましても、年々の豊凶、あるいはある時期にある市場へ非常に多くの出荷が集中して価格が落ちるというようなことは、これはあり得るわけでございますから、そういう点については、いわゆる長期的なあるいは構造的な調整とは別に、年々の短期的な市場の調整ということが必要であるわけでございます。それにつきましては、私どものほうも、リンゴであるとか、あるいはミカンであるとか、それぞれの樹種に応じて各県の生産者団体の方々あるいは指導者の方々、行政機関の方々にお集まりいただきまして、そういういわば予期せざる、あるいは無秩序であることによる価格の低落ということをできるだけ避けるように御相談を申し上げておるわけでございます。そういう口先だけの協議会がはたしてどの程度効果があるかということになりますと、御論議のあるところかと存じますけれども、まあある面では、私どもかなりそういう協議会等の御相談というのが効果をあげておるというふうなことも言えるのではないだろうか。たとえばリンゴ等にいたしましても、需要がそういう傾向で思わしくないという場合には、大都市以外の地方市場へたんねんに分荷していく、あるいはミカン等についても出荷の時期を調整していくというようなことで、過去における効果のあった事例も嘱目いたしておりますので、できるだけそういう方向でやっていきたいというふうに考えております。
○兒玉委員 それから、いま局長の答弁にあったように、輸出面の増強対策ということは、そう積極的に取り組まなくても一応何とかやっていけるというふうな、安心感を与えるような御答弁だったと思うのですが、私は、これから貿易の自由化によって外国からのかん詰め類等の輸入というものが相当予想せられるのじゃないかと思うのです。たとえば、先般問題となりましたレモンの輸入等におきましても、相当国内産のものが圧倒されたわけです。養鶏にいたしましても、あるいは酪農にしましてもそうです。このような果実類の品種改良ということも、私は今後のきわめて重要な課題ではなかろうかと思うのでありますが、特に生産の増強と同時に、品質の改良という点等について、全体的にどのような指導なり計画を持っておられるのか、この際御質問したいと思います。
○八塚政府委員 国産果実あるいは国産果実の加工品に対しまして、外国産の果実あるいは外国産の果実の加工品の競争というものにつきましては、いろいろな貿易制度等を通じまして、不測の被害、損害を与えないように留意をいたしてまいる必要があると思っておりますが、いずれにいたしましても、根本は品質と申しますか、需要者に対する有利さと申しますか、そういうものが勝負のきめどころになると思います。そういう意味におきまして、これは多少語弊がございますけれども、最近の国産の果実は、端的に言いますと、見ばえ、形あるいは大きさというようなもの、収量というようなものに重点が置かれまして、味と申しますか、甘さ、かおりというようなものに対する考え方が比較的薄かったというふうに言ってよかろうと思います。そういうことに対応いたしまして、あるいはそういうことではどうもまずいのではないかというようなことで、最近、味でひとつ勝負をしよう、あるいは甘さと言うと誤りかと思いますが、糖度で勝負をしようというようなことで、各県の生産者の方も立ち上がられたというふうに言っていいと思います。そういう意味におきまして、やはり品質、味の問題というのは必要であろうかと思います。そのためには、もちろん現在の品種においても栽培方法、管理方法をやればかなり効果があろうかと思いますが、ただいま御指摘になりました新しい品種をどんどん開発していく、これは私どももやはり必要なことであろうというふうに存じております。実は果樹の新品種、これは大体従来の状況でございますと、六割程度は民間のほうのいわば育成に基づいて、約二割が官公庁、まあ国あるいは県の試験場等の育成になっておるわけでございます。それからあと二割くらいは新しい外国の品種を入れてくるというようなことがほぼ現状でございます。それにいたしましても、特に戦後、国のほうの園芸試験場、あるいは国の園芸試験場から委託いたしております、ブドウで言えば山梨の園芸試験場等においては、相当精力的に品種改良が行なわれまして、戦後現在までの段階で農林省の園芸品種として育成されましたものは十六になっておると思います。そういうことで、いろいろ園芸試験場等においては努力をいたしてまいって、業績が上がっておる。何ぶん永年作物でございますから、手間はかかります。今後ともそういうふうに試験場等でやっていただくことを私どもも大いに期待をいたしております。
○兒玉委員 次に、経済局長にお伺いしたいのでありますが、特に今後の保険事業に関する事業運営の面についてお伺いしたいと思うのです。 まず、先般、全国かなりの地域が調査の対象になっておるわけですけれども、現在、全国の果樹関係の総面積に対しまして、大体どの程度を保険の対象に考えておられるのか。また、対象地域については、一応予算の関係、いままでの調査の結果、世論調査等、総合的な点から一つの限界というものがあろうかと思うのですが、大かたの数字でけっこうでございますが、どの程度予定をされておるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○大和田政府委員 私ども直ちに発足いたそうと考えております果樹の成園面積が、大体全部で十八万町歩ほどございますが、そのうちの約一割でございますから、まあ一万八千町歩程度というふうに考えております。それで、試験調査をいたしました県数が、延べで二十五県、実数で二十一ほどになっておりまして、この県からはやりたくないという希望はございません。大体やりたいというふうに私ども伺っております。なお、その試験調査をやりません若干の県からは、試験調査はやっていないけれども、この法律に基づく試験実施をやらしてほしいという申し出があります。私ども被害率をどう考えるかが問題でございますから、いままでの流通資料、あるいは実際二十一県でやりました被害率をあてはめて、ほとんど間違いなくやれそうでありますれば、あえて試験調査をやったかどうかということにこだわらないで、新しい県の若干も認めていったらどうだろうかというふうに考えております。それで、県につきましては、これはあくまで主産県の大体主産地ということで、今後本格的に果樹保険を実施いたしますときの用意として、全国的なデータ、あるいは県内で保険料率の区分などをいたしますときに使いますようなデータが集められるということを目途にして、これはもちろん果樹団体あるいは果樹栽培農家の希望ということが先行するわけでございますけれども、主産県、主産地で、果樹農家の希望ということをあわせて、大体全国的に見て、一万八千町歩をめどにして試験実施をいたしたいというふうに考えております。
○兒玉委員 一万八千町歩と言いましても、その地域によりいろいろな特殊事情があるわけですが、先ほども若干の質問はいたしたわけでありますけれども、特にこれから一番問題となるのは、損害評価等の技術的な面の困難が伴うのじゃないかと思うのですが、今回の法案によりますと、その元請を地方の農業共済組合連合会が各単位共済組合の元締めとしてやるわけでありますけれども、この点につきましては、特に現在私の地域の実情等を見ましても、実際にミカン等果樹類の集荷、出荷、こういう点等は、ほとんど農協関係がかなり担当している分野が大きいように思われる傾向がございますが、事務的な担当は共済連合会、こういうことになりますと、その間の連携あるいは資料の提出、こういう事務的な問題、また実際の業務等の面についても、相当緊密な連携というものをとらなければ、これの運営というものはなかなかスムーズにいかぬのじゃないか。この辺の関連は、今日までどういうふうな作業を進められ、この元請を農業共済連合会にした理由といいますか、経過といいますか、その点をひとつ、先般の質問でもあったかと思うのですが、私十分お聞きしていませんでしたので、一番問題になる点ではなかろうかと存じますので、この際御説明をいただきたいと思います。
○大和田政府委員 御指摘がありましたように、農業共済組合及びその連合会の系統は、農作物の共済等を含めて、いわゆる農業保険についてはきわめて蓄積もございますし、たんのうな職員がおりますけれども、果樹あるいは果実の世界は別でございまして、保険業務あるいは共済業務にたんのうであっても、果樹についてはいままでの蓄積が全然ございません。そこで、今度の果樹保険は試験実施と言いましても、相当広範にやって、単なる机上の保険ではございませんから、それを扱わせるのにどの団体が一番ふさわしいかということ、あるいは場合によっては新しい団体をつくることもやむを得ないかということにつきまして、ずいぶん検討いたしましたけれども、実務的に一番やりやすいのは、共済組合を使うことが実務的には一番いいんでしょうけれども、これは果樹生産あるいは果樹の流通の実態からいって、共済組合が単一に保険の元請をしてある程度の責任を背負うということは、どうもむずかしいという感じがいたすわけであります。また、果樹流通の実態からいって、共済組合と出荷団体と必ずしも範囲を同じくするということでもございませんから、共済組合を使うことは、少なくともいまの試験実施の段階においてはむずかしいのではないか。そこで、新しい団体をつくると言いましても、果樹保険の試験実施のために新しい団体をつくるということは、いまでも農村において農業団体の数が決して少ないわけではございませんから、新団体をつくることは私はできるだけ避けるべきではないかというふうに思います。だんだん詰めてまいりますと、農協自体が任意共済という形で共済業務をやることが考えられますけれども、今回のように国が再保険して保険をやるということは、これは必ずしも農協の体質になじみませんので、農協を元請の機関として使うということはむずかしいということで、多少の問題はございますけれども、農業共済組合連合会に相当なこちらの事務費の補助等の手当をすることと、それから共済組合連合会で一番ウィークな果樹の生産あるいは果樹の流通についての資料を、農協等の団体から十分協力を得られるような法律上のたてまえにして、農業共済組合連合会を元請機関にするのが一番いいのではないか、一番問題が少ないのではないかということで、御提案のような法律の内容にいたしたわけでございます。 これは申すまでもございませんが、農業共済組合と農協については、いろいろな共済事業で問題がございます。ごく最近、建物共済をめぐって最終的な話し合いがついたという段階でございますから、私ども、いままでも、農協中央会あるいはその他の全販連あるいは日園連等との話し合いは徐々にやって、できるだけそういう空気をつくっておりますけれども、法案が成立いたしまして、実際実務にかかって引き受けますのは来年になってからでございますが、それまでは、私どもも相当神経を使って、またこれがもとになって両団体がかりにもうまくいかないということがないように、十分注意をして指導をいたすつもりでございます。
○兒玉委員 特に初めての試みでありますから、この点、地域、地域におきましては、果樹栽培について長年の経験者たちがたくさんおるわけですが、今回の調査にあたりましても、もちろんこのような経験者の意見は徴したと思うのですが、こういう関係等について、今後の実際保険を遂行する上においては、単に共済連合会だけではとても不可能だと思うのですが、この辺、経験者等に対する意見の聴取、今後の事務遂行についてはどういうふうな処置を講じようとしておるのか、この点お聞かせをいただきたい。
○大和田政府委員 私ども法案を作成する過程で、単に県の共済組合連合会の意見を聞いたばかりではございませんで、いろいろな形で農協系統の県段階の意見も聞いております。これから果樹保険の試験実施をいたします場合も、できるならば共済組合連合会の中にそういう果樹栽培者の意見が集約できるような形で、何かの協議会的なものをつくって、それと相談をしながらこの事業を進めていくという体制をとりたいというふうに考えております。
○兒玉委員 今回、この保険事業が、先ほど局長答弁されましたとおり、事務を委託するという形になるわけでございますが、これの遂行のためには、農協にしましても、資料の提出あるいは現在までの実情等、さらにまた共済連合会にいたしましても、あるいは下部の組合にいたしましても、新たなる業務として事務の遂行上、相当の経費も予想されるわけでございますが、また新たな人件費の増加ということも考えられるわけでございますが、この辺の経費の分担等についてはどういうふうになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大和田政府委員 私ども四十三年度の予算案として現在作業を進めておりますけれども、果樹保険の試験実施に要します基本的といいますか、基幹的な連合会の経費につきましては、国が全額補助をいたすつもりでございます。この連合会に対する事務費の補助の中には、連合会の果樹生産あるいは流通についての資料の収集、その他、農協等に対する事務委託をいたします場合の委託費も当然入れて計算をするつもりでございます。
○兒玉委員 同時に、これは関係する農協なり共済組合だけでなくて、関係の各地方自治体も、相当積極的に農政面において果樹園芸に対して取り組んでおります。そういう点から考えますと、このような共済事業というものが行なわれますと、当然、地方自治体におきましても、このような保険に関連する課の設置までとはいかなくても、ある程度要員面において対策を講じていかなければ、完全な事業遂行というものは困難であり、また、円滑な保険事務の遂行上は、どうしても地方自治体の理解と協力ということがきわめて必要ではなかろうかと思うのですが、これに関連しまして、地方自治体等の協力関係あるいは助成対策等というものも、この際当然考慮されるべきだと思うのですが、この辺はどうなっておるか、伺いたい。
○大和田政府委員 果樹保険あるいは果樹振興というのは、国の重要な政策であるばかりでございませんで、当然都道府県あるいは市町村の地方自治体の大きな農業上の施策であろうと思います。したがいまして、県なり市町村なりにおいて相当な経費負担を期待をいたすわけでございますけれども、果樹保険の試験実施に関して、県等において必要な費用については、私どもも国としてできるだけめんどうを見るつもりでございます。
○兒玉委員 加入者個人に対する交付金が出されるように、地方自治体に対しましても、その点を具体的に予算上の措置を講ずる、こういうことでございますか。
○大和田政府委員 法律上の交付金ではございませんけれども、都道府県等が果樹保険実施について必要とする経費については、農林省においてもできるだけめんどうを見るように努力をいたします。
○兒玉委員 この五カ年間に、具体的にそういうような必要な予算をすでに計上する準備というのですか、そういう構想はあるのかどうか、この点をお聞かせいただきたい。
○大和田政府委員 私ども、四十二年度の予算として、十分ではございませんけれども、この法律が成立するという前提のもとで県庁のPRの費用を組んでございます。 四十三年度以降につきましては、まだ具体的な作業に入っておりませんけれども、何としても必要な部分については、農林省としても見るつもりでございます。
○兒玉委員 特に、これはまた農林省園芸局、経済局等で、将来に対する展望等から考え、過去の経験から推しても、かなり冒険の伴うことであろうと思うのですが、やはり事務的なことが十分行なわれないと所期の目的は達成できない。その点等から、共済連合会なり地方自治体等に、直接この果樹保険に関連する事務的な経費というものは、この際国が全額負担をしてこの遂行を容易ならしめる必要があろうかと思うのですが、経費の全額負担、その点にできるだけ沿うように積極的な取り組みをする必要があろうと思うのですが、この辺はいかがでございますか。
○大和田政府委員 果樹保険だけを取り上げて国が地方公共団体に大幅な補助をするということはなかなかできませんけれども、農作物、家畜等々の保険、共済事業をやっておりますこともございますし、また、果樹保険につきまして都道府県知事に相当な御指導をお願いするたてまえでございますから、いまどの程度というふうには申し上げられませんけれども、できるだけめんどうを見るつもりでございます。
○兒玉委員 それから、多少具体的な内容についてお聞きしたいと思うのですが、収穫に対するところの保険、それから樹体に対する保険ということになっているわけでございますけれども、樹体の損害は枯死した場合ということになっておるわけですけれども、樹体と申しましても、五十年、六十年の非常に古い樹体もあれば、まだ定植をしてから一年か二年という非常に樹齢の低い樹体等、広範にわたるわけで、枯死した場合の対象というものはどういう範囲を指しておるのか。この点多少こまかくなりますけれども、その範囲というものを明らかにしておく必要があろうかと思うのですが、この点はどのようになっているのか、伺いたい。
○大和田政府委員 いま樹体に関する御質問がございましたが、私ども、果樹保険の種類といたしまして、収穫保険と樹体保険と両方試験実施として行なえるようなたてまえにいたしております。ただ、樹体につきましては、現在、収穫保険に比べましても、なお資料がきわめて乏しくて、私ども四十年度一年度限りの資料しかつかんでおらないわけでございます。収穫保険に関しましては、三十八年ないし四十年の三カ年のデータの蓄積がございますけれども、樹体保険につきましては、ほんとうはまだ資料としてきわめて不完全というふうに申し上げざるを得ないわけでございます。したがいまして、私どもできるならば、果樹保険の試験実施にあたりましては、当面樹体保険をあと回しにいたしまして、収穫保険だけで出発することが無難であるというふうに考えましたけれども、果樹栽培者あるいは団体等の御希望も樹体保険について非常に強いものがございます。したがいまして、資料がきわめて乏しいということと、関係者の御希望が非常に強いということによりまして、収穫保険のいわば特約という形で、収穫保険を結ぶ農家について、特約として樹体保険もあわせ行なうということに当面いたしまして、そうして保険金額も、収穫物保険の金額の二倍、いわば二年分の収穫保険を保険金額とする、そうして、樹体として枯死、流失等々、いわば全損の形で樹体がだめになった場合に、全体の保険に供しまする樹体の中で、一割以上の樹体について全損をこうむった場合に保険金を払うという形で整理をいたしたわけでございます。これは、果樹栽培業者の希望といいますか、期待も樹体保険に非常にあるわけでございますから、私ども、この試験実施の過程において、さらに樹体の評価あるいは樹体の被害等々を十分に調査検討して、できるものならば、試験実施の期間においても、もう少し本格的な樹体保険を始めたいというふうに考えておるわけでございます。
○兒玉委員 これは六月十二日の日本経済新聞の読者相談室の記事ですが、読者からの投書に対して、保険管理課長である斎藤さんの答弁が載っている。その中で、「未確定な点が多く、当初は収穫保険の付帯特約としてだけしか認めない方針ですので、」、こういう専門的な答弁が書いてあるわけでございますけれども、その付帯特約という意味は、結局一年じゅうを通じて、時期的な点には全然関係なく、いわゆる果実の収穫を前提として、これに関連する事項としての特約——どういう意味なのか、その辺がわかりませんが、いずれにいたしましても、その損害の時期は、全然時期的な制約はなく、それから樹齢に関係ないのか。それぞれの果樹によって、収穫のあるまで植え付けてからの時期というものは相当格差があるわけですけれども、その辺の限界というものはどこにも明らかにされていないようでありますので、特別な用語だと思うのですが、ミカンにいたしましても、種をまいたり、あるいはつぎ木をしまして、相当広範に苗木等も栽培している地域が多いわけですが、私は先ほど、どこまでさしておるのか、その辺の見解をお聞きしたわけでありますので、その点、再度お聞かせいただきたいと思います。
○大和田政府委員 樹体保険は、当面収穫保険のいわば特約という形で実施するわけでございますが、特約という意味は、収穫保険のかかっている園地について樹体保険が行なわれるということでございます。したがいまして、幼木でまだ実を結ばない、したがって収穫保険の対象にならないものは、樹体保険も当面はやらないという趣旨でございます。これは先ほども申し上げましたように、四十年度だけの樹体の被害率しかございませんし、そのときの調査も、結果園についての調査、幼木についての被害調査がございません。これは私が先ほど申し上げましたように、試験期間中においても試験調査を進めて、できるならば本格的な樹体保険をやりたい。その本格的なという意味は、これはあくまで試験実施でございますけれども、幼木を含めることができるかどうか、それから、収穫保険の特約としないで、独立に固体保険をすることができないかどうかということの検討を含めておるわけでございます。
○兒玉委員 それは検討を含めるということでありますが、少なくとも苗床から畑に定植をした場合は、その年齢を問わず、当然この対象にしてしかるべきじゃなかろうか。今般の日本海沿岸から長野にかけた集中豪雨等によりましても、やはりああいう場合においては相当な畑地が流失されて、再度その苗木を活用することは不可能に近い現象が多いと思うのです。特に最近の集中豪雨による被害というものは、その地域地域の集中的な被害をこうむる可能性がある。先般の狩野川災害等の場合においてもそういう現象が各地に見られたわけでありますが、そういうところから考えますならば、少なくとも定植をした以後の場合においては、果実がなろうとなるまいと当然この対象として考えるべき筋合いではなかろうかと思うのですが、この辺はいかがでございますか。
○大和田政府委員 私も、筋としては、当然幼木を含めて樹体保険を行なうことがいいというふうに思います。ただ、これは筋としてそのほうがいいということでございまして、幼木についての被害率というものは全然調べてございませんから保険の対象に、いかに試験実施であっても被害率が全然算定できませんので、しばらく御猶予をいただいて、十分調査の上、できるならば試験実施の期間中におきましても幼木についての樹体保険を始めたいというふうに考えております。
○兒玉委員 次に、関係団体からも要請されたということがこの調査室の資料に載っておりますけれども、これは先般の伊勢湾台風による事故にかんがみて非常に強調されたわけですが、との中におきまして、特は樹体の損害においては、山火事等の火災による場合ということが何か規定されてないというふうなことが要望事項に載っておるようでございますが、この辺はどういうような取り扱いなり解釈をされようとしておるのか。当然これは自己の責任によらない、不可抗力的な火災ということは十分考慮されると思うのですが、この点はいかがでございますか。
○大和田政府委員 団体等から山火事を事故として入れてほしいという意見がございまして、私どももそれはもっともだというふうに判断いたしまして、法律の七条二項には「鳥獣害又は火災」ということで、指定災害の中に入れてございます。
○兒玉委員 それから、私はあまり専門家ではございませんけれども、この資料の病虫害等の中において、現在政府の指定している以外に、リンゴについては斑落病、ブドウのネムリ病、それから防除困難な土壌病害、こういうような点を考慮されたい旨のことが書かれてありますが、先般の政令による指定事項ですが、こういう点について若干の食い違いがあるのじゃないかと思うのですが、これはもちろん調査の結果、こういう病気は少ないというふうに判断されたのかどうか。私は、やはり起こり得る災害というものは、いかなる場合においてもその対象にしてしかるべきじゃなかろうかと思うのですが、この辺はどういうふうな解釈をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大和田政府委員 保険の事故といたしまして、病害は、果樹農家の技術水準によりまして病害の程度が非常に違うということは事実でございます。一般的に病害あるいは虫害を保険事故とすると、どうしてもモラルリスクが避けられませんので、人力でといいますか、一生懸命防除をしても防除し切れないような病害に限って保険事故といたすというつもりでございます。したがいまして、その種類を申し上げますと、かんきつにつきましてはかいよう病、リンゴはモニリア病、なしが黒斑病、ブドウがおそぐされ病というものを現在指定をして保険事故といたすつもりでございます。それで、それ以外に、いま御指摘になりましたような幾つかの病害につきまして、全中からも希望がございますが、これは私どもいまの段階では、人力といいますか、防除の力によってある程度まで防げるのではないかというふうに思っております。ただ、基準は、あくまで災害防除の努力によって防げるか防げないかということがきめ手でございますから、全中から出ましたものにつきましても、今後十分検討をして、もし私ども考えておりますように、普通のといいますか、防除の努力によって防除し切れないようなものであることが了解できますならば、これを指定することにあえてちゅうちょをいたさないということでございます。
○兒玉委員 これは園芸局長か経済局長か、担当はわかりませんが、先般も当委員会で問題になりました山梨県のブドウの品種改良について、全然効果がないということでもって、武田製薬と生産者との間においてかなり問題がありましたが、その損害額についても相当生産者と製薬側との間において大きな食い違いが発生する問題があったわけですが、これはやはり私は損害の一つとみなすわけであります。こういうような事例等については、果樹園芸の場合非常に多様性を持っておるわけです。その事例として、品種改良ということを積極的にやった結果が大きな損害を与えておる。こういう事例等については、大体保険の対象とするのか、あるいは今後保険の契約をする際、どういうようなことが想定をされるのか、その発生の原因あるいは経過、結果、それに対する損害額の査定と当事者側の食い違い、こういう点、損害額についても相当な金額でありますが、この辺のところはどういうふうな御所見を持っておるのか、この際、お聞かせをいただきたいのであります。
○大和田政府委員 果樹保険の対象といたしますものは、これは農作物でも同様でございますが、どんなに範囲を広げても、主として自然的な災害でございます。自然的な災害に加えて、果樹保険では「病害、鳥獣害又は火災」ということをいっておるわけでございます。先般の山梨県のブドウ等のいわば薬害につきましては、園芸局長から詳細なお話があると思いますが、どうもあれは保険事故の対象としては無理だというふうに思います。
○八塚政府委員 先般の山梨県あるいはその他のブドウ栽培地帯に関しますジベレリンの問題につきましては、ジベレリンという点から問題になりました関係上、実は園芸局長というよりも、農政局長の所管になっておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、あの農薬は病気を防ぐというものではなくて、お話にありましたように、品質を変えて商品価値を高めるというためにつけた薬でございます。この問題は、たとえばペニシリンならペニシリンを注射するときに、万が一ショック死するといけないから保険をつけるというようなことである、ちょっとたとえが適切であるかどうかわかりませんが、そういうふうに考えられまして、むしろ、それは農薬なりあるいは農薬散布の方法を適正にしていくということでそういう害を防いでいくべきものであって、それをそういう農薬をつければたまに害が起こるであろうという意味で保険の対象にするというのは、適当ではないのではないかと考えております。
○兒玉委員 ちょっと経済局長にお伺いしたいのですが、やはり生産者としては、より多くの収穫をあげるために、あるいは品種を改良するために、いろいろな努力をされると思うのですが、少なくとも保険の対象というものは、そのできた収穫なり樹体の損害だけのものではなくして、その原因、それまでの経過というものは十分配慮する必要があろうと思うのです。でありますから、不可抗力的なというその限界を、単に自然災害なり病虫害なりにいたしましても、それぞれ個々の個人が努力をすることによって、病虫害の侵食を防いで、保険金を取らなくても済むようにする。ところが、ある程度さぼって、消極的な取り組みによって損害が起きた、それは保険の対象になる。なまけ者が保険をもらい——これは極端な例でありますけれども、そういうことではほんとうの保険業務というのは正しく遂行されないし、今回の山梨等の場合においても、実際に品種改良のために投じた農薬といいますか、いわゆる薬代、それに対する労力、研究というものは相当な努力が傾注されているわけですが、この病虫害等に対して努力によってその被害が食いとめられるという可能性の問題と、不可抗力の二つの問題があるわけですが、この辺の仕分けというものについてやはり公平なる裁きをしないと、加入者から相当な苦情が出ることを私は予想されるわけですが、特に今回のこういう事故に対して、農林省としては明確な方針というものをやはり立てていくべきではないかと思うのですが、その辺いかがでございますか。
○大和田政府委員 これは果樹保険ばかりではなくて、農作物の保険についてもまさに当てはまる御議論でございます。できるだけ努力をしたものに保険金がいかないで、努力しないものに保険金がいくという形では、農業保険の運用がうまくいかないわけでございます。 ただ、いま御指摘のような薬剤による被害というのは、やはりこれは自然的な災害とも違うわけでございますから、農業保険の事故の対象というふうに考えるのは適当ではない。今後もあるいはこういうことが起こる可能性がなきにしもあらずということでございますけれども、それは別の指導等の強化によって対応すべきものであって、保険としてこれに取り組むことはやはり適当ではないのではないかというふうに思っております。
○兒玉委員 あと一問だけ質問しまして、大臣に二、三点だけ質問するのを保留しまして、終わりたいと思います。 園芸局長にお伺いしたいわけでありますけれども、いまの農薬に関連しまして、これからおそらくカキなりクリ、ビワというもの等もその対象になろうと思うのです。特に自然災害に対する防除対策、あるいは病虫害等に対する防除対策、これは園芸局が御指導なさっているものと思うのですが、特にクリ等の場合は個人の力だけで防除しにくい面が非常に多いように聞いているわけです。その辺の防除対策等はいまどういうような指導をされておるのか。特に今後こういう果樹の奨励等についても不可欠の問題じゃなかろうかと思いますので、防除に対する現在の指導状況ということについてお尋ねいたします。
○八塚政府委員 病虫害の防除が果樹園芸にとって非常に大きな役割りを果たしておることは事実でございます。生産費の中でも、病虫害防除に対する資材費あるいは労力費というものはきわめて大きいウエートを占めております。栽培技術が高度になればなるほど、そういう点については傾向がはっきり大きくなるというふうに見てよろしいかと実は考えております。 それに対します対策といたしましては、大体二通り考えられるのではないかと思います。 第一は、やはり品種の改良と申しますか、あるいは耐虫性あるいは耐病性の品種を逐次つくり出していく。ただいま御指摘になりましたようなクリにつきましては、一ころクリタマバチというものがしょうけつをきわめましたが、国のほうで伊吹とか筑波とか耐虫性の品種をその後つくりまして、順次それに対応して新品種の育成をはかる、そういう面からも体制を確立することが一つでございます。 もう一点は、やはり種々の病虫害防除をやるわけでございますが、お話がありましたように、個人の力ではなかなか及ばない問題があります。たとえばいまのクリタマバチ等にいたしましても、そのクリタマバチの寄生蜂と申しますか、クリタマバチに寄生するハチを連れてきて天敵として防除に使うというようなことは、やはり個人の力ではなかなかできない。やはり国なり県なりがそういう施策をやっていくということが必要であるわけでございますが、過去においてそういう施策をやってまいりました。 また、病虫害防除は、いま申し上げましたように、個人個人が非能率的にやっておりますと、これは手間がかかる、労賃がかかる、かつコストが上がる、しかも効果が思わしくないということで、これは共同防除、たとえばスピードスプレーヤーの導入を積極的にはかっていく、あるいは園地の集団したところでは共同でそういうことがやりやすいように栽植をしていく、そういうふうな病虫害防除の体制を整えていくように融資その他で指導をいたしておる次第であります。
○兒玉委員 終わります。
○高見委員長代理 午後一時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時十九分開議
○本名委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 果樹保険臨時措置法案を議題とし、質疑を続行いたします。兒玉末男君。
○兒玉委員 時間がたいへん制約されておりますので、簡潔にお伺いしたいと思います。 まず、この保険の主体である経済局、その次に園芸局と、この二点にしぼって御質問いたしますが、第一点は、今回のこの五カ年間の施行期間におきましての対象果樹は、ミカンそのほか、六品種が指定されておるわけでございますが、現在の国内の果樹園芸の実情から判断をし、さらにまた地域的な問題等から考慮いたしましても、そのほかに、カキ、クリ、ビワなど当然保険の対象品目とすべき果樹があると思うのでございますが、単にこの六種類に限定することなく、今後拡大の方向をとるべきじゃなかろうかと思うのであります。この点についての大臣の御所見を伺い、第二点としましては、この保険を推進する上におきまして、特に農業共済組合連合会あるいは農業協同組合、また地方自治体に対しましても、事務的な面におきましてこの保険事業を運営する上においてかなりの経費支出が予想されるわけでございますが、これらの三団体に関連する各系統の諸団体に対しましては、当然これに要する事務経費等は全額国庫負担の方向が望ましいと考えるわけでございますけれども、いままでの質疑応答の中で十分なる答弁がなされておりますので、画期的なこの果樹保険業法の円滑な遂行と目的を達成するために、以上二点についてお伺いをしたいと存じます。
○倉石国務大臣 お話しのことは、ミカンと同様に試験調査を行なってまいりましたが、カキは例が一県しかございませんで、そういう関係で、保険として、試験調査をさらに対象を進めてやって、これを続行して資料を整えて、そうして研究をいたす対象として追加する考えでございますが、いま申し上げましたように、データがきわめて少ないものでありますから、さらにその試験調査を続行いたしまして、でき得る限りその対象といたして追加をする考えでございます。それから、その他の果樹につきましては、ただいまのところ実験実施の対象とすることはちょっとむずかしい状態でございます。 それから、もう一つのお尋ねは、果樹保険事業運営の経費につきまして、組合、それから地方自治体、そういう団体に負担をかけないように国庫の助成を厚くすべきではないか、これにつきましては、私どもも同様の考えを持っておりますので、必要な経費につきましては補助対象といたすようにつとめてまいる所存でございます。
○兒玉委員 次に、これは園芸局に関係する問題でありますけれども、先般同僚の島口委員もこれを指摘したところでございますが、特に果樹は長期の作物でございまして、特に豊凶の差がはなはだしいし、しかも流通機構の未整備、あるいは市場が非常に生産地とは遠隔にあり、いろんな事情におきまして価格の変動というものが激しいわけでございますが、いずれにいたしましても、農業基本法に基づくいわゆる選択的拡大、農業構造改善など、こういう政府の指導のもとに、園芸作物が今日は相当の部分を占める状況下にあるわけです。こういう時期におきまして考えられますことは、先ほどの質疑応答の中でも、今後果樹に対する需要というものは増加の傾向にあるわけでございますが、問題は、生産農民が安心してこのような果樹振興に協力する道は、その最大の基本はやはり価格の安定にあろうかと思うのでありますけれども、やはり豊作貧乏というこの情勢は一向に変わっておりません。そういう事情から判断いたしますならば、他の農産物にいわゆる農安法があって価格の安定対策がとられておるわけでございますが、果樹については何らこういう保護策がございません。そういう点から、今回の保険を対象とする事業の遂行とともに、あわせまして価格変動に対処するところのいわゆる価格保障対策、あるいは価格補てん等の対策を当然検討する段階にきておるものと考えるわけですが、このような価格対策につきまして大臣の御所見を承りたいと思います。
○倉石国務大臣 昨今の果実の価格は、需要の増大に見合った生産の順調な増大によりまして、おおむね安定して推移をいたしてまいっておりますが、しかし、果樹の最近の植栽の動向、特にミカン等においてはそうでありますが、その動向が今後も持続するといたしますならば、種類によりましては、将来需給のバランス上問題となるものが出てまいる懸念があると存じます。そこで、果実の価格安定につきましては、十分に配慮する必要があると思うのでありますが、果樹の価格安定対策につきましては、これが永年作物である果樹の特性から見まして、天候等による短期的な価格変動も考えられますけれども、さらにまた長期的な、お話のような需給のバランスがたいへん問題でございます。これがくずれるといけませんからして、この需給のバランスがくずれることのないように、長期的な観点に立って果樹の需要と生産の調和をはかることが必要ではないか、こう思っておるわけでありますが、このために国といたしましては、さきの果樹農業振興基本方針について、将来の需要の見通しに即応いたしました植栽及び生産の目標を示したわけでありますけれども、都道府県はこれに即応いたしまして、都道府県の振興計画を定めることとなっております。今後はこの目標に沿って生産の計画的な増大をはかるとともに、短期的には特定市場または特定時期に出荷の集中することを避けるために、出荷団体間の連絡協調による計画的出荷を推進することによりまして、果実の価格の安定をはかるようにつとめてまいりたい、このように思っておるわけであります。
○兒玉委員 質問を終わります。
○本名委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 本法案の審議につきましては、当委員会が、おおよそ十年間の経過の中で、農業災害補償法の拡大的な制度発展のために論議を繰り返した中で、現在ありますところの農作物共済、家畜共済にあわせて、畑作共済並びに果樹共済の新種の事業を加うべきであるという論議を繰り返してきたわけでありますが、この際、政府提案としてこの法案が実験法でありますけれども提案されたことは、われわれとしては期待に沿ったものであると考えるわけであります。 そこで、実験の経過を経ていよいよ全面的な実施ということになるわけでありますが、法案によりましても、昭和四十三年四月一日からの施行を目途にいたしまして、おおよそ五カ年間の実験期間というものを想定しておるようでありますが、ただ、どうしても五年間実験しなければならぬということではないと思うのです。ですから、この法律の附則におきましても、五年をこえない範囲内において別に法律を制定した場合にはこの法律は効力を失うということになっておるので、この法案が今国会で成立して実施に入る場合、もちろん政府の善意な行政努力に待つわけでありますが、五年間を待たないで、なるたけ短い期間に実験の成果というものを十分確認して、そうして全面的な制度実施の段階に入るべきであるというふうに思いますが、この点に対する農林大臣の見通しはいかがでありますか。
○倉石国務大臣 お話しのように、実験期間を五年といたしておるわけでありますが、何も五年たたなくても、その間に実験の成果が見られるようになりましたならば、もっと短縮をして実施いたしてまいりたいと思っております。
○芳賀委員 ですから、法案は五年以内ということになっておりますね。政府側においてもこの法案を出すまでに十分研究、調査等はやってきておるわけですからして、最大の努力を進めた場合、たとえば三年なら三年経過した場合には、全面的に全国の果樹生産農家を農災制度の対象にできるというような見通しはやはり持たないと、漫然と五年間たつということになると思うわけですからして、この点についておおよそ三年なら三年を目途にして努力するのだというようなことをこの際明らかにしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 この法案作成のときも、過去の経験等に照らしましていろいろ研究をいたしましたが、やはりこういう制度の実施にあたりましては、少なくとも五年は要る、五年くらいの実験が必要であるということで立案をいたしたわけであります。もちろんさらに努力は続けますが、まあ五年の研究をいたしましたならば完ぺきにまいるであろう、こういう考えで五年くらいは要るだろうと初めから予定をいたしましたので、そういうことにいたしたわけであります。
○芳賀委員 次に、この際明らかにしてもらいたいことは、従来の経緯からいいますと、畑作共済並びに果樹共済を同時的に実施すべきであるということで、われわれは政府を鞭撻してきたわけであります。ところが、今般、むしろ畑作共済よりも困難性を予想された果樹共済のほうが先に出てきた。これは非常にけっこうなことです。むずかしいといわれたものが先に実行されることになることは、これはもう非常によろしいことですが、果樹共済よりも安易にやれるという畑作共済があと回しになったということについては、その理由づけに政府も苦心しておると思うわけです。畑作共済の段階としては、やはり実験段階を必要とすると思うわけです。そこで、この果樹保険臨時措置法の成立をもって、当然次の段階には畑作共済の制度化が必要になるわけでありますが、その予定はどういうことになっていますか。
○倉石国務大臣 畑作共済につきましては、これはやはり共済でありますから、全国的に実施すべきだと思うのでありますが、御承知のように、北海道はたいへん希望が多いわけでありますけれども、他の地域においてはなかなかうまくまいっておりません。そういうことで現在まだ実施をする段階になっておらない、これが真実のところであります。
○芳賀委員 私の言っておるのは、果樹保険と同じように、やはり三年あるいは四年間の法律によるところの実施期間、実施段階というものが必要なわけですね。従来の農作物共済にしても家畜共済制度にしても、一定期間の実験段階を経て、それから全面的な制度の実施ということになるわけですからして、唐突といま全面的にやれというんじゃないですよ。ですから、この次の段階としては、当然畑作共済制度をやらぬというわけにはいかぬですよ、幾ら逃げても。この畑作共済制度よりも困難性があるということをいわれた果樹共済を実験するという制度が今度は生まれるわけですから、これは非常に喜ばしいことです。ですから、この次は当然畑作共済に手をつけなければならぬわけですから、いつからこの実験をする法案を出すかということをこの際明らかにしてもらいたい。
○倉石国務大臣 政府は、四十一年から四十三年までこれを研究しよう、そこで畑作共済について希望を申し出ると申しますか、手をあげてきたのは北海道だけであって、ほかのほうからは要望が出ておりませんが、いま申しましたように、研究をいたしておるわけであります。お話しのように、畑作共済というのは、これはやはりいろいろ事情を考えてみますと、でき得べくんば、ことに畑作については大切な共済でありますから、したがって、いま申しましたような経路を経て検討を続けてまいりたいと思っております。
○芳賀委員 いま大臣が言われたとおり、昭和四十一年から四十三年までの三カ年間、これは政府自身が行なうのではなくて、北海道をはじめ主要な道府県に対して、いわゆる調査、実験を、予備的と言えば言えるかもしれませんが、委託して進めておるわけです。それが明年度終わるわけですから、そうなれば、直ちに政府としてもみずから今度は実験段階に入るという必要が出てくるわけです。そのぐらいのスケジュールはちゃんときまっておると私は考えておるので、何も難題をふっかけているつもりではないのです。ですから、明年あるいは明後年に畑作共済の実験のために法律を出すなら出す、そうするということで、明確に大臣から発言してもらえばいいと思うわけです。
○倉石国務大臣 四十一年から四十三年、いまお話しのように、北海道と鹿児島において調査をいたしておるわけでありますから、その結果に基づいてどのように実施いたすべきかということを検討してまいりたいと思います。
○芳賀委員 畑作といっても、やはり果樹の場合六品目に限定しておると同じように、あらゆる畑作物を包括的に対象にするということではないと思うのですね。たとえば全国的には主要な豆類であるとか、あるいはなたねであるとか、あるいはカンショ、バレイショ等の根菜類を対象にするとか、おおよそ対象作物は限定されてくると思うわけです。ただ、いまからもう十年以上も前に、任意共済の形で福岡県がなたねの共済をやりまして、その結果としては、地域的に独立した任意共済では、この種の共済事業というものは不可能であるということが、これはもう明確に立証されておるわけです。ですから、どうしても国の再保険事業を伴った、全国を対象にするものでなければいけないということは、これはもう議論の余地がないわけですから、そうなれば、主要な対象地域ということになれば、全国的ではありますけれども、やはり北海道あるいは南九州という地域が主要地域ということに当然なると思うわけであります。ですから、この北海道と南九州における三カ年間の予備実験段階が終わった場合においては、それを貴重な資料として、農林省としては、当然畑作共済に対する実験に要する法律を出すのが順序であるというふうに考えておりますし、従来当委員会においてもしばしば早期の実現というものを促進してきておるわけですから、この際、抽象的な答弁ではなくて、大臣として明確にできないということであれば、これは経済局長が責任を持って予定を明らかにしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 経済局長が申し上げましても、結局政府が責任を負うわけでありますから……。いまお話し申し上げましたように、四十一年から四十三年まで北海道、鹿児島等において研究を続けておるわけでありますから、その結果を待って専門家による検討をいたしまして、政府の方針をきめたい、こういうのが今日の態度であります。
○芳賀委員 昨年の六月二十一日に農業災害補償法の一部改正が行なわれまして、改正の主要な点は家畜共済の抜本的な改正を行なったわけです。その際、当委員会としては六項目にわたる附帯決議を付しまして、その五項目目に、政府は畑作共済、果樹共済、さらに肉豚等の新種共済についてすみやかに制度化を実現すべきであるということを議決しまして、この点については、当時の坂田農林大臣は、全面的に委員会の決議を尊重してすみやかに実現に努力しますと明確に言っておるわけです。ですから、四十三年度に予備的な実験が完了するわけですから、それを待って政府としては直ちに法案の提出に取り組むべきであるというふうにわれわれとしては以前から期待をしておるわけですから、繰り返すようでありますが、これは不可能なことをやれというわけじゃない。どうしても共済制度というものは順序を追っていかなければ、直ちに実行ということはできませんから、そういうことをわれわれは承知の上で、しかし、全国の生産者がもう長期にわたって願望しておるところの制度の実現でありますから、もう少し熱意のある見通しについての答弁をしてもらいたいと思います。
○倉石国務大臣 いまお話しの附帯決議の御趣旨は政府においては十分尊重する。そこで、尊重いたしておりますからこそ、四十一年から四十三年までとにかく試験、実験をいたし、その成果を見て検討いたしたい、こういうわけでありまして、いまその過程にあるわけでありますから、ひとつ御了承願いたいと思います。
○芳賀委員 農林大臣の答弁としてはまあそのくらいでやむを得ぬと思うのです。そこで、事務当局がこの作業についてどのくらい努力が必要であるか、いつごろ着手できるかという一これはいかに農林大臣が政治判断をしても、この種の問題はなかなか政治判断だけではいつからやれということにはならぬわけです。そこで、私は、農林大臣が明確に見通しが述べられない場合においては、経済局長でよろしいというのは、大臣が無力であり無能であるから経済局長に答えてくれと言ったわけではないですよ。これらの問題は、むしろ事務当局が熱意をもって、おおよそいつをめどにしてやるという腹がまえがきまらなければ、いかに大臣が号令をかけても、役人が動かなければこれはできないわけです。ですから、この点は大和田局長から明確にしてもらいたい。
○大和田政府委員 大臣がいま申し上げましたように、四十一年から四十三年にわたって相当詳しい調査をいたしておりますけれども、果樹共済あるいは果樹保険と畑作共済と非常に違いますことは、畑作共済に対する需要が北海道と鹿児島県の一部に限られておる現状でございます。果樹共済あるいは果樹保険につきましては、技術的にいろいろな困難な問題がありましょうとも、とにかく試験調査を県に依頼をいたしますと、延べで二十五県、実県数で二十一の県が名のりをあげるわけでございますが、畑作共済につきましては、昨年も北関東と南関東でやろうとしても引き受けるところがなかったということでございます。これは私ども、畑作共済につきましても相当な熱意をもって現状と取り組んでおるわけでございますが、技術的にはなかなかむずかしい問題が数多くございます。これは基準収穫量をどうきめるかとか、あるいは水稲等と違いまして、作物間の異動が農家によって非常に激しいわけでございますし、北海道だけにかりに需要が限られるとしますと、一回冷害がくれば全部だめになって、危険の分散ということが考えられないという問題もございます。したがいまして、私ども実は農林省の予算によって鹿児島と北海道について調査をやっておりますことと、それから、幸いに北海道で御承知のように百戸につきまして五つの市町村で実験実施をやっておるわけで、これも非常に悪戦苦闘してやっておることを、私ども大いに同情といいますか、共感を持って検討を重ねておるわけでございますが、そういう四十一年ないし四十三年の、とにかく北海道、鹿児島でありましても、その二県については相当詳細なデータができますことと、それからさらに現在、北海道で小規模でございますが金銭の授受をして試験実施をやっておりますから、そういうものをデータといたしまして、四十三年に試験が終わりましたときに総合的な検討をいたしたい。その検討を待たずして私がいまここで果樹と同じような形で実験実施をやるというふうにはなかなか言い切れない、困難な問題があるわけでございます。しかし、私ども新しい共済制度の施行につきましては十分熱意をもって研究し、かつ勉強をしておることは間違いございません。
○芳賀委員 いま局長が言われましたが、農業共済あるいは農業保険制度というものは、世界で日本が開発したわけではないでしょう、歴史的に見ると。諸外国において農業に対する災害補償制度あるいは農産物に対する保険制度というものがもう数十年前に生まれて、それに学んでわが国の農業の実情に適合する農災制度というものが生まれたわけですね。外国の共済制度の場合は、水稲の共済というのはないのですよ。あってもウエートは非常に低いわけです。ほとんどが畑作物を対象にした共済事業、保険事業ということになるわけです。ですから、数十年の歴史を持っている諸外国が行なっておる畑作共済が、なぜそれを消化してわが国に適合する制度がつくれないかということになると、これは不可能ではないのですよ。やる気がないから、いままで実現できなかったということにしかならぬわけですね、いかに局長が強弁しても。だから、できるかできぬかという問題ではないわけです。 それから、もう一つ、危険分散の方式がむずかしいということを言われておるが、これは北海道においても、たとえば家畜に例をとれば、去年の改正で実現しました包括制度を予備実験はとるということになっているわけです。したがって、その冷害等に対して危険度の強い豆類に配するに、比較的冷害とか災害に抵抗力の強いバレイショとかてん菜とか、そういう作物を包括的に組み合わせて、そして農単方式でやるという方針を基本的に農林省がきめて、この北海道とか鹿児島に委託方式でやらしているわけですね。ですから、こういう心配というものは緩和できるように基本は定められておるわけですから、要は、もう一年残された地方の実験を終わらした場合、毎年毎年の結果というものはわかるわけですから、それが完了した場合には直ちに熱意をもって実施に踏み切る、この方針というものを示してもらわなければ、果樹保険だけ通ればそれでいいとか、新種共済を開発する大事な法律であるからして、ほかのことはほおかぶりでも反対はしないだろうとか、簡単に通るだろうとか、そういう判断だけでは済まぬと思うのですよ。ですから、この際、もう少し熱意と責任を持って、必ず地方調査が終わった暁には農林省として畑作共済の制度化に踏み切る、作業に入るという、これだけは大臣から明確に言ってもらいたいと思うのです。何も無理な注文をしているのじゃないのですから……。
○倉石国務大臣 私どもも畑作共済は大事なことであると存じております。ただ、政府の仕事としていたしますためには、やはりいま申し上げましたように、四十一年−四十三年の三年間の試験実施をやっておるわけでありますから、その結果を見まして、専門家による検討をいたしまして、その上で御趣旨に沿うように努力をいたすべきである、こう考えております。
○本名委員長 美濃政市君。
○美濃委員 私は、主として保険設計について質問をいたしたいと思います。 まず第一点として、損害保険に削限払い制度をとるということは、加入者の側から見れば、保険設計としてきわめて不信行為になるわけです。なぜ削減方式を取り入れるか、これをまず承りたいと思います。
○大和田政府委員 農業保険関係で削減方式をとりますことは、私はできるならばこれを避けたほうがいいというふうに思います。しかし、保険料と、それから保険責任と、それから実施団体が削減しない場合はどの程度の赤字を負担するか、あるいはさらに政府の再保険がどの程度行なわれるかということを総合的に判断をいたしまして、ある程度の削減はありましても、私はそれが保険制度にとって非常にマイナスになるというふうには考えられないわけでございます。 今回の果樹保険につきましても、先日申し上げましたように、試験実施の段階で、しかも任意加入で、国が九割の再保険をするということは、きわめて異例なことでございまして、かりに最大限度に削減をいたしましたといたしましても、保険金のうちで異常災害部分に見合うものの一割未満でございまして、ある程度は当然保険料でカバーされますし、保険料でカバーされない分でございますから、最大限でも一割未満ということでございますから、これによって栽培農家が非常に苦しむということは、私はないのではないかというふうに思います。 この点につきましては、実は昭和三十八年に農作物についての共済の改正を行ないます前の段階におきましては、水稲につきましても、農業共済組合が一〇%の危険を負担しておりましたから、相当な災害がありますと必ず削減をいたしたわけでございます。削減をいたしましたけれども、しかし、国が九割は異常部分について持つわけでございますから、そんなに大きな削減部分ではございませんが、とにかく昭和三十八年までの水稲、これは戦前からの農業保険の積み重ねがありまして、戦後約二十年たってから昭和三十八年までが、組合と連合会と合わせまして責任の保有額が二二%、国が八七%ということでございます。これはちょうど、果樹保険におきまして政府の再保険が九割ということになりますので、政府の負担部分が八七%、連合会が一三%ということに対応するわけでございますが、とにかく昭和三十八年度当時における水稲と同じ程度国が再保険し、そして組合が削減をいたしますものでも、大体当時の水稲とほぼ同じ程度のものでございますから、試験実施として今回踏み出します果樹保険でこの程度の削減がありますことは、まず御了承いただけるのではないかというふうに思うわけでございます。
○美濃委員 今回、漁業災害補償法と、同じ災害補償の法律が出ておるわけですが、いわゆる農林政策の中で、片やの漁業のほうは、百九十五条に、そういう災害がひどくてその支払いによって元請団体に赤字が出た場合の措置に関する法律を規制して、漁獲共済については削減払い方式をとっていないのであります。その他のものについては、陸上と海上と違うのでありますから、設計上当然客体の違うものを災補補償するわけでありますから、この客体の違いからくる問題は私はとやかく言うわけではないけれども、この削減という思想は、これは漁獲共済についてもあるいは果樹共済についても同じでなければならぬと思うのです。政策は一貫していなければならぬと思う。片やはそのように削減規定はない。片やは削減規定をつけてくる。たとえば実験期間といっても、もうすでに法律をつくって入るわけでありますから、以下いろいろ被害率その他設計上の問題について質問を続けたいと私は考えておりますが、実験だからといって、あまり安易に考えて非常に計画の緻密性を欠いておるということは、私はどうかと思うのです。少なくとも保険として設計をして、保険事業として行なわしめるそのうしろには、いわゆる加入者あり、あるいはその加入によって災害補償法で災害を補償するという法律の目的から見ても、実験だからという表現があまり多いということについて、私は疑問を感じておるわけであります。私は、この点はこの法律を修正して、削減がない方法をとるべきであると思う。過去の歴史の中にあったからといって、それを考えると、不十分な制度で過去においては行なわれておるわけでありますから、過去の悪い面をここへ持ってきて、過去は悪いのだから、現在も踏襲するという考え方は、私、その点もどうかと思うわけであります。以上の点について意見を承りたい。
○大和田政府委員 漁業共済と比較することが適当であるかどうかわかりませんけれども、漁業共済につきましても、相当な期間にわたって試験実施をいたしましたときに、国が再保険をしたという事例はございません。それから、あるいは私の理解が間違っておるかもしれませんが、漁業共済で、漁獲共済は別といたしまして、養殖共済につきましては削減の規定があるはずでございます。果樹共済において削減の規定がありますことにつきましては、削減の程度が非常にはなはだしい場合は、それは不当という御批判があるいはあるかもわかりませんけれども、再々申し上げておりますように、全体からいいますと、決して大きな金額ではございませんし、とにかく営々として数十年積み重ねてきた水稲の共済におきましても、昭和三十八年において実施していた再保険の割合あるいは削減の割合と大体同じ程度でございますから、今回出発する果樹共済において削減の規定を持つことは、私はやむを得ないことであろうと思います。 〔委員長退席、高見委員長代理着席〕
○美濃委員 私は、そういう理由で削減規定を設けて出発するということは、どうしてもいまの説明では了解できないわけですが、しかし、説明はそれ以上できないということであれば、私はこの点は保留しまして、大臣の意見を承りたい。その前に、次官がおいででありますから、政務次官はこれをどうお考えになりますか。私は、こういういわゆる削減規定というものは、従来はあったとしても、なくするのが損害保険のたてまえであるのでありますから、今回の法律制定にあたって削減規定をなくする、あくまでそうしなければならぬという修正意見を私は持っておるわけです。この点次官からお伺いいたしたい。
○草野政府委員 削限規定の問題は、保険全体の上において実質的にどの程度の問題になるかということも一応考えながら、さらに試験的段階を——まあ試験ということばは、すでに実施にいっておるじゃないか、実施に重点を置くのか、試験に重点を置くのかという考え方もあろうかと存じますが、全体の中における比率というものが非常に大きな部分を占めないということであるならば、ある程度の削限というものはやむを得ないのじゃないかというふうにも考えられております。
○美濃委員 ある程度の削限はやむを得ないのではないかというふうにも考えられる、こういうのでありますが、どうもこの種の損害保険で他の面を見ましても、農業以外は削減規定はないわけです。損害保険として出発する以上、その保険契約事項というものは契約の成立によって行なわれるわけですから、片や加入者に対して一方的に法律をもって削減規定を付して保険設計をするというその根本は、私はあやまちであると考えるわけです。
○大和田政府委員 ちょっと私、御質問の趣旨がよくわかりませんけれども、現在の農作物、水稲の共済につきましても削減の規定はあるわけでございます。ただ、三十八年の制度改正によりまして、水稲につきまして責任を組合が相当持ち、また掛け金を相当保留することができましたことから、削減の率というのは非常にわずかなものになりましたけれども、削減はあるわけでございます。これは水稲ばかりではございません。蚕繭についてもございます。したがいまして、農業保険制度につきまして削減の規定があるのはおかしいということは、私は、これは保険制度を運営するたてまえからいって、削減の規定はやむを得ないものであろうと思います。ただ問題は、削減の規定が非常に強く働いて、災害が起こりました場合に大部分のものが削減されるということでありますと、これは羊頭狗肉のことでございますから、おかしいという御意見があろうかと思いますけれども、水稲において三十八年でやっております程度の削減であり、とにかく政府が再保険で九割見るわけでございますから、あとは全体の保険金の一割未満が削減されるということで、その点はひとつ御了承をいただけるのではないかというふうに考えます。
○美濃委員 私の質問の要旨がよくわからないというのですが、それは根本的に意見が違っておるわけですね。私は、損害保険に削減規定を入れるということは間違いである、過去に入っておるとすれば、そのことが間違いなのだ、損害保険に削減規定を設けて損害の補償をするというその考え即どうか、削減規定を設けない共済制度というものが正しい共済制度のあり方ではないかということを言っておるわけです。過去にあるからそれを云々と言っていない。過去のものが間違っておるという主張に立っておるわけです。過去を認めていないのでありますから、過去が悪ければ、それはすみやかに短い年限で修正すべきであるという考えです。ですから。そういう考えに立つと、新たに法律を制定していくものについては削減を除外すべきである、削減規定を入れる損害保険というものは、損害保険の性格から見てあやまちであるというふうに解釈しておるわけです。
○大和田政府委員 これはあるいは見解の相違というと申しわけありませんけれども、考え方の相違かもわかりませんが、私は、組合保険あるいは相互保険であります場合は、保険金でまかなえない分は削減するということは、組合なりあるいは相互保険なりの本質からいって、きわめて自然であって、それはもしそれをしないとなれば、組合なりあるいは元請団体の経理が非常に悪くなるわけでありますから、相互保険あるいは組合保険という立場からいって、削減規定があることは、事柄の本質的な問題として少しもおかしいことではないと思います。ただ、私どもがやり得ますことは、できるだけ削減の機会を少なくする方法いかんということでございまして、相互保険あるいは組合保険的なものから削減の規定を全然なくさせるということは、むしろ組合保険なり相互保険なりの本質に反するのではないかというふうに考えるわけでございます。
○美濃委員 この保険設計の中で、相互保険であっても組合保険であっても、削減払いというものをなくしようと思えばなくすことができるのですよ。たとえばこの制度において、あるいはこの法律に漁災法百九十五条第三項を入れたらどうですか、削減というものは消すことができるのですよ。これは制度として他にないのであれば別ですけれども、同じ組合の制度の中で——それは一面確かに御説明のように、養殖については、これは漁獲と違って高波その他で壊滅状態の被害が発生するという場合をその設計のときに予測したのかどうか私はよくわかりませんが、漁獲については削減していないわけですから、一部ありますけれども、また、この果樹共済が壊滅的な被害が今後そうあるかどうか、これは自然条件の中でつくられておるものでありますから、それは予測はできませんが、いずれにしても、一面削減をしない制度と、する制度と、こういうふうにしていくということそのものについても、私は疑義を持つわけです。同時に、どう説明されても、この種の保険事業を進めるにあたって、従来あったからといって、あるいは組合であろうと相互扶助制度であろうと、損害保険の中で削減規定を持つということは、私は根本的に了解できないわけです。だけれども、御答弁は、その程度の部分はやむを得ない、こう言うし、私はそういう考え方は間違いである、こう言っておるわけですから、これは並行線をたどると思うのでありますが、もう一回その点に対して——やむを得ないというその説明が私には理解できないわけです。どういう理由で削減するのがあたりまえだというのか。物理的な根拠があれば理解しないということはありません。ただ過去の例がどうだ、あるいは相互扶助だから一割くらい払わなくてもよかろう、こういう説明は私は理解できないわけです。
○大和田政府委員 農業保険というのは、完全な組合保険ではございませんから、単純に組合保険的な理屈で言うことも必ずしも実情に合わないかもしれませんけれども、純粋な組合保険として考えますならば、削減するのがあたりまえでございます。むしろ、削減しなければ組合にどんどん赤字ができるわけでございまして、その赤字というのは組合員に当然かかっていくわけでございますから、削減しないでは組合の運営はできないわけでございます。ただ、私が農業保険は単純な組合保険でないと言いますのは、国がいろいろな形でこれに助成をしておるからでございます。組合保険的なものにとってやむを得ない削減に対して、国が一体どう考えるかという問題でございます。この果樹保険につきましては、前々申し上げておりますように、とにかくおそるべきものは異常災害であるわけでございますから、異常災害の九割について再保険をするという形で、国がこの果樹保険を外から応援するわけでございますから、それは連合会と国との関係においてまずまず十分見たというふうに私は言えるのではないかと思います。
○美濃委員 この削減払いにつきましては、私は説明の中でどうしても了解できませんので、これは保留いたします。これは今回新たに提案をしてきておるわけでございますから、今後この削減払いというものはなくするということで、私はあくまで法律修正の意見でございます。しかし、対立の質疑を続けても前進をいたしませんから、保留いたします。
○高見委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○高見委員長代理 速記を始めて。 委員長から美濃君に申し上げますが、質問保留という形でなしに、この問題の扱いにつきましては、後刻理事会で十分御相談申し上げるということで、次にお進めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○美濃委員 よろしゅうございます。 それでは次に、被害率の基本的な定め方についてお尋ねいたします。 まず第一番に、果樹保険の参考資料、設計内容というものを見たわけでございますが、その中で、各県別の大体従来の三年間の被害率の表が添付されております。片やこの料率を見ますと、大体三年間の実績の被害率を基本にして、保険金額にこの平均被害率をかけたものが料率、こういうふうに一応この設計を逆算してみるとなるのですが、そのように解釈して間違いないかどうか。
○大和田政府委員 資料として差し上げております被害率の平均が、私どもが保険料率で採用いたしております被害率でございますが、それに当然安全割り増しを見て保険料率をきめるということでございます。
○美濃委員 その中で、これは非常に慎重を欠いておると思うのでありますが、前者の答弁の中にもありましたが、この設計を少なくとも十年の平均被害率、その後生産状況なりあるいは気象条件でも変動してくれば別でありますけれども、通例十年の被害率をとらなければ、三年の被害率には多くの問題があると考えます。その一例を申し上げますと、まず第一番にリンゴについて申し上げますと、三十九年、四十年というのは冷害年次でございまして、東北、北海道は冷害であります。その程度は違いますけれども、北海道が冷害であれば、その影響は東北も受けておるわけです。ただ、差があるだけであります。この表にありますように、三十九年、四十年というのは被害率が高いわけです。三十八年以前の七、八年の間はある程度高温に恵まれた。冷害被害などというものは——通常被害はありましたけれども、冷害の被害のない年次であります。私はそれから考えますと、大体三十八年度のリンゴは、北海道は四・九、青森はゼロ、岩手は三・一、その前の七、八年はこのくらいの被害率で推移しておると思います。そこへ冷害年次の二年間を入れて、たとえば三十八年の被害率がそういう気象変動のない平均被害率として、十年にこれを延伸して、それから前の八年間は、北海道、東北においても、三十八年を入れて八年間はさして大きな被害がないわけですから、その十年間をこの被害率で計算し、さらに三十九年、四十年の被害率を入れて十年として計算し直しますと、一戸当たり十四万六百七十円、これに対して十年でそういう考え方で試算いたしますと、平均被害率は八・七%となります。ですから、リンゴの最高掛け金は十四万六百七十円に対して、一万二千四百三十八円で保険設計は成り立つと思います。それを最高一万八千八百四十六円と最高のリンゴの保険料率をきめておる。ここに設計上に、いかに試験共済といえども五年間これでやるのでありますから、これでは私は納得できない。こういう単純三年間の被害率を基礎として保険設計をして、料率を設定し、これを進めるという保険設計に対して私は理解できない。 その前に、もう一つの例を申し上げますが、あとからも基準反収の問題にも触れてまいりますが、私自身も、過去の共済によって大きな被害と迷惑をこうむっておる実例があるわけです。それは北海道地域における家畜飼料の燕麦であります。麦という名前がついておるから義務加入しました。きわめて基準反収の低い、きわめて不十分な設計で掛け金を取られますから、北海道の畑作農民は燕麦共済に限ってはありがた迷惑であります。掛け金も安いけれども、全く保険事業に対する奉仕であります。そういう実例が出てまいるわけであります。設計が悪い仕組みの上に立ってこういうものを進めると、果樹共済はできたけれども、進めていったら農民のためにならない、入ったらとんでもない損をする、ありがた迷惑だという過去の実例も一部の作物ではあるわけです。いま申し上げました北海道の燕麦についての実例というものは、私自身が畑作農家でその被害者なんでありますから、間違いはないのであります。そういう設計に対して、私は、まず第一点として、この被害率のきめ方について大きな疑問がある、こう思うわけです。
○大和田政府委員 私どもが果樹保険を試験実施という形で出発しようと思いましたことは、まさにいま御指摘になったように、被害率が三十八年ないし四十年、三カ年しかございませんから、とにかく現実に私どもが手に入る厳密はデータを使う以外に方法がないわけでございまして、水稲あるいは麦なら二十年間の被害率をとっておるわけです。したがって、三年間の被害率であることは確かに冒険であり、また、慎重でないという御批判もそのとおりであろうと私は思います。もし私どもが慎重にかまえれば、果樹保険の試験実施というものはいま出発すべきではなくて、あと五年なり十年なり十分データをそろえてから出発すべきだということになるわけです。私どもあえてそれをしませんで出発いたしましたのも、本格的な全国的な実施でもないし、ましてや強制加入ではなくて、試験実施という形で、任意加入で出発するということで、とにかく被害率としては三年間しかございません。いま御指摘になりましたように、さかのぼってその前七年なり十年なり被害率がないから、それは被害をゼロに置くというようなことで保険の設計ができないことは、先生よく御承知であろうと思います。私ども、そう簡単に被害率を想定して保険が始められるものならば何も苦労はないわけであります。したがいまして、いまのように御指摘になりましたことは、私はまさに御指摘としてそのとおりだろうと思います。三十九年、四十年と冷害の年で、冷害の年の被害率が入り込んで三年間の被害率でございますから、あるいは高い被害率であろうというふうに思います。したがいまして、これでとにかく試験実施は出発して、私ども先日も島口先生にお答えいたしましたけれども、なお果樹保険が出発する前に四十一年のデータがとれるわけでございますから、四十一年のデータでまた被害率をはじき直すつもりでおります。したがいまして、これは多少の変化があるかと思いますけれども、とにかく推定で、被害がないであろうからということで非常に低い被害率を前の年に当てはめて、それで全体を十年、二十年ならすということは、とても保険業務としてできないわけでございますから、まずこれで出発して、そうしてなお非常に高い率というのは、多少の修正が四十一年のデータであり得るわけでございますけれども、料率が非常に高いところは試験実施の間しばらく見送ってくださいというのも、いかにも役人的だという御批判もこの間受けたわけですけれども、といって、被害率が現実につかめませんものを非常に安く被害率をするというわけにもまいりませんから、これで出発をして、とにかくできるだけ五年間たたないでも、三年間だけで被害率をはじくことが無理であったことが歴然といたしますれば、私ども試験実施期間中においても修正することにやぶさかでございません。それで、任意加入でございますから、果樹栽培農家でも十分御判断をいただいてこの問題と取り組んでいただきたいというふうに考えるわけでございます。
○美濃委員 統計調査事務所が出しておる資料に基づく十年の被害率というようなもの、各作物は統計調査事務所が調べておるわけでありますから、そういうものをいわゆる保険設計として的確に——これで十分だというのは、やはり保険を十年続けた結果でなければ的確性に欠けるということは承知しております。しかし、この設計が、これはリンゴについても、ブドウについても、ナシについても、東北関係は——北海道にはブトウはありますけれども、ナシ等は少ないのですが、これらを見ても、ほかの県との被害率比較の中で、やはり昭和三十九年、四十年、四十一年、去年も冷害でございますから、去年を入れたらなお高くなると思うのです。ことしはいまのところ順調なようでありますが……。そうすると、全くこの設計のときにぶつかった年次を即料率に適用しているというのは、これはあまりにもずさんではないか。過去の統計の資料もあるわけですが、そういう最悪の年次にぶつかっておる。そして、そのあとの料率表を見ると、最低、標準、最高となります。その最高の料率をリンゴではじいてみますと、大体この被害率が即料率となって計算されておる。これはいかに三年間の実績といっても、慎重を欠いておるのではないか。三年間の実績の中で、二年が被害年次なんでございまして、一年が普通年次でございます。私はその前もないとは申しておりません。三十八年の、たとえば私が計算したというのは、北海道地域あるいは青森も計算してみました。北海道地域における平年被害率を大体四・九%としてこれを八とし、こちらの一六あるいは二〇というのは冷害年次でございますから、これを二年分入れて計算すると、平均して八・七という被害率になる。それで、リンゴの一戸経営当たりの保険金額十四万六百七十円に単純に八・七をかけると、一万二千四百三十八円になる。その他に多少危険率を入れたとかどうとかいうのは、変動係数ですから、多く入っていないはずです。単純にやっているはずですから、そうすると、一万八千八百四十六円というリンゴの最高料率というものは非常に高い。私は、これが五百円や千円であれば言いません。ここの差は約六千円である。私どもから見た場合には、これは保険設計としてあまりにもひどいではないか。実験なんだから、やってみて悪ければ改めるのだ、それはわかるけれども、私どもが考える被害率から見た場合に、六千円もかけ離れた料率を設定して、実験だから、やってみた結果直すのだ、高くていやなら、任意だから加入せぬければいいではないか、これでは、私は保険の意味がないと思うのです。
○大和田政府委員 保険料率を計算する基礎として被害率があるわけでございますが、それは保険設計に耐えられるような被害率でないといけないわけでございます。統計調査部の被害調査というのは、米麦、特に米につきましては相当慎重かつ綿密でございますから、私ども保険共済組合あるいは共済組合連合会で農林省に対して進達がありました被害率を最終的には統計事務所の数字でチェックをして、そうして再保険金の支払いをきめるということをやっておるわけでございますが、果樹につきましては、米と非常に違いまして、統計調査事務所のデータで私どもが保険料率を算定するというようなものではございません。 〔高見委員長代理退席、委員長着席〕 これはもうきわめてラフなものであります。むしろ、そういうことをやると、統計調査部のほうがびっくりぎょうてんする程度の精度でございます。したがいまして、私どもは、とにかく三十八年ないし四十年に行ないました試験調査のデータを使って被害率をはじいて、さらに四十一年も冷害でございましたけれども、北海道の例でいきますと、ミカン、リンゴ等について、三十九年、四十年に匹敵するような、こんなに大きな被害がありましたかどうか、疑問に私は思います。四十一年のデータを入れますと、また多少別の数字が出てくる可能性もあるわけでございますけれども、被害率として正式に県から出ておりますものを調整するというわけにもまいりませんので、これは被害率に基づいて保険料率をきめるというふうにいたさざるを得ないということをひとつ御了承いただきたいと思います。
○美濃委員 実施までにはこの料率の最高、最低というのはもう最終案でございますか。それともこれは説明資料であって、ただいま私の言っているような点についてはさらに検討する余地があるのかどうか。
○大和田政府委員 四十一年の新しいデータを使って修正をいたしたいというふうに考えております。したがって、これは最終的な数字ではございません。いずれにしろ、法律を制定いたしますと、大体ことしの秋十月か十一月までぐらいに保険料率と保険金額をきめませんと、農家に対して説明をして、その判断を仰ぐわけにもまいりませんので、それまでにきまるデータで調整すべきものは調整するというふうに考えております。
○美濃委員 それからもう一つ、これは局長さんに特に表現の上でお尋ねしたいと思うが、こういう設計については、やはりこれをまとめる最高責任は私は経済局長さんだと思うのでありますが、これからこの果樹地帯の農政会議や何かにもし局長が出席したとして、やはり果樹農民の代表を前にしても、いやだったらおやめなさい、これは任意共済だから、こういう表現を使われるのか。私は少なくとも農災法の一環としてこういう制度をつくった場合、その設計には自信を持って、あなたの県にはこれこれの被害があるのではないか、これはこういうシステムでこうなって、そうして被害が起きた場合にこのように補償されるのだから、私どもは責任を持って、これは義務加入までにはしないにしても、任意加入といえども責任を持って皆さん方にすすめるという信念に基づくものである、こういう態度でなければならぬと思うのです。何か言うと、これは実験であります、いやだったら入らぬでもいいんですよ、こういう姿勢というものは、やはり私は間違いであると思うのですが、どうでしょうか。
○大和田政府委員 なかなかむずかしい問題のようであります。もちろん私ども自信を持って設計して、とにかくこれだけの被害があるわけでありますから、保険料が高いのはまことにお気の毒だけれども、いかがですかという話はいたしますけれども、どうも無理にお入りなさいというふうにはやはり言わないほうがいいと思います。 ただ、私どもはっきり申し上げますことは、とにかく三年間のデータでやっておるわけでございますから、試験実施が始まりますまでの二、三年と、それから試験実施の期間五年と十年積み上げますと、私はそう問題のあるようなデータではなくて、相当ならされて出てくると思います。また、この三十八年、三十九年、四十年がきわめて異常な年度を含んでいて、あと三、四年たてば相当ならされるということでありますれば、先ほども申し上げましたように、私は試験実施の途中においても料率を修正するということが当然必要になってくるというふうに思います。
○美濃委員 そこで、この各樹種は、おそらく県別の被害率が出ておりますから、この保険料の上中下というものはそれぞれの——必ずしも県単位ということにならぬが、たとえば東北とか北海道とかあるいは近畿、中国ということで料率が変わっていくと思うのです。この設計のしかたは、上と下と中となっておりますが、この料率段階は何段階にこれを区切ろうとしておるか、これをひとつ伺います。
○大和田政府委員 まだ最終的に結論は出しておりませんけれども、上中下というより、もう少しこまかに、ミカン、リンゴ等実施の県の数が多いところでは相当こまかく分けたいと思います。
○美濃委員 そういたしますと、この保険収支はどうなりますか。その段階別で収支をするのか。それとも総括収支になるのか。
○大和田政府委員 当然県の連合会段階で収支は行なわれるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、保険の総括収支は県の連合会段階で、それぞれ保険収支は独立採算になる、こう考えて間違いないかどうか。
○大和田政府委員 そのとおりでございます。
○美濃委員 次に、基準収穫量の設計についてお尋ねいたします。 この表に樹齢別の標準収穫量というものがついていないわけです。これは農作と違いまして、農作であればその地域基準反収、したがって、よほど土地改良が進むとか、かなりの基本的状況の変化のない限り、基準収穫量というものは通例そう変わらないわけですね。果樹については、樹齢によって基準収穫量というものはかなり変わっていくと思うのです。たとえば幼木で収穫に入ったときと、最盛期と、それから老齢木と、この樹齢によって基準収穫量というものは私は変わっていくと思う。しかし、この設計では、その樹齢別の基準収穫量の体系は出ていないのですが、これらは、樹齢別基準収穫量というものは別にあって、そういう保険を引き受ける保険設計上基準収穫量の間違いのない体制がすでに準備ができておるのかどうか。先ほど御指摘申し上げたように、これから検討する用意もあるというから、その検討の推移を見て、先ほどの基準——被害率基準ですね、これも今後の検討でもっと適正にするという期待を持って、それ以上いまここで基準収穫量、被害率について仮想しての発言もどうかと考えて、しかし、問題はあるということを指摘した程度にとどめておくわけです。さらに樹齢別の基準数量なんかということになると、すでにその設計表はできていると私は思う。これにはついていないけれども、きちっと間違いのない設計表ができておるのかどうか。
○大和田政府委員 資料でお示しいたしましたのは、これは全国平均の数字でございますが、具体的に県段階で事業をやります場合は、まず基準収穫量をどうきめるかということが大問題でございます。私どもいま考えておりますことは、果樹関係試験場の専門家でありますとか、あるいは農協連の果樹栽培の専門家でありますとか、そういう人たちの協力を得て、地域別の品種別、樹齢別の標準収穫表をまずつくって、それを具体的農家に当てはめて、具体的農家の基準収穫量をきめます場合には、その農家ごとの流通量、これは共同販売をしております場合が相当あるわけでございますから、そういう流通資料を突き合わせて農家ごとの基準収穫量をきめることができるのではないか。もちろん、これは厳密に申し上げますと、基準収穫量をきめることが非常にむずかしいということが果樹保険のむずかしさの一つでございますから、そう厳密にいくということもなかなかむずかしいと思いますが、いま申し上げましたように、まさに品種別、樹齢別にその地帯の標準収穫量を出して、それを流通資料と突き合わせますならば、まずまずのものができるのではないかというふうに思います。 〔委員長退席、森田委員長代理着席〕
○美濃委員 しかし、私が尋ねておるのは、もちろん、当該農家によりまして、最終決定はただいま御説明のあったような方法もやむを得ないと思いますけれども、その前に、どの県のどの樹種の樹齢別の大体標準になる反収量というものが一つ保険設計の上にあって、それで一応概要基準反収量を測定して、そのとおり、いわゆる管理の問題あるいは施肥の問題——まあ施肥も管理に入りますけれども、管理上の問題その他の問題で、やはり収穫量が必ずしもその地方あるいはその県のそういう標準樹齢別基準量に合致しない面がありますから、その変動差は局長の説明のような方法も当然だと思うけれども、その前に基準になるものが一つ要るのではないか。それはありますか、ありませんかということを聞いておるわけです。
○大和田政府委員 これはまだありませんけれども、料率をきめるまでには必ずつくっていくつもりでございます。
○美濃委員 そうすると、いろいろ考えますと、被害率の基準についても、基準収穫量の進め方についても、私が指摘したように、そういう基準なるものをこれからつくるというようなことで、スタイルはできたけれども、ほんとうのかなめの設計にはかなりずさんな面と、それから問題が残されておる。この点をこれからいわゆる料率をきめるまでに十分掘り下げてきちんと検討してもらわぬと、先ほど申し上げたように、この制度が必ずしも設計上の劣悪条件から果樹生産者のためにならない。とてもじゃないが、制度が悪くて、加入したらありがた迷惑だ、こういうことにならぬように、この設計の一番かなめは、被害率の適正な把握と基準収穫量にあるわけですから、この二つが大切な扇のかなめでありますから、この設計が適正でないと、農民はこういう制度に入りたくとも、意識的には危険分散のために加入したくとも、実際問題の損益から見て、とてもじゃないがばかばかしくて入れない、こういう問題が出るということを申し上げておきますので、ひとつ十分注意をしていただきたいと思います。 それから次には、基準収穫金額のとり方、これは法律内容になっておりまして、過去一定年の市価となっております。私はこういう制度を進めるにあたって一まあ米麦は、ただいまも米価の問題で、生産者が希望する価格と米審に諮問した価格とはかなり差をもってあれしております。この問題をすぐここへ持ってくるわけじゃないですが、米麦というのは、御存じのように、農民の側からいえば、米価というものは、まだ生産費を償っていないのだ、こういう状況であります。したがって、米麦については、生産費を基準にとっても、あるいは価格を保険金額の標準にとっても、どちらをとってもそう大きな差はないわけですね。ところが、果樹となると、私は必ずしもそうでないと思うのです。これは自由商品で、市場の価格がかなり変動性が高いですから、市況からとる場合と、生産費を基準にする場合とは、かなり保険設計のスタイルとして要素が変わるのでないか。米麦のようにどっちをとってもそう変わりはないという性格のものでない。そうすると、この基準収穫金額というものは、一体一定年限の市価から算出するのが正しいのか、それとも原価に対する災害補償を考えて、生産費を基礎にするのが正しいのかという一つの問題が出てくると思います。私は後者が正しいのじゃないかと思う。いわゆる凶作あるいは災害をこの災害補償制度によって守り、農民の所得を平均化して、果樹生産の再生産を確保するという趣旨に立つとするならば、非常に価格の変動性の高いものを対象にする場合は、これは生産費を基礎に、いわゆる生産費原価補償の考え方で基準収穫金額というものを策定する必要があるのではないか。たとえば輸入対象外の特定なもの、これは非常に生産費を越えて、かなり利潤が入るくらいの価格形成を保つものもある。あるいはバナナに押されて大衆化されておるリンゴあたりは、この委員会でも、今会期中にも、バナナの輸入とリンゴの問題が、再三流通上の問題価格上の問題で出てきておりますが、バナナ等に押されて生産費を割る、生産を放棄しなければならぬじゃないか、こういう要素も出てきておる。そうすると、かなり高い利潤が見込まれる果樹、それから輸入等の圧迫を受けて生産費が維持できないくらい安い価格の水準に落ちてきたものもあるわけですから、この現象がいつまで続くかは別として、私がいまここで言っているのは、それをどうするというのではないのでありまして、保険金額としては、そういうふうに価格が非常に変動の大きいものは、原価補償を考えて、生産費を基準に基準反収金額というものを算定すべきでないか。市価から持ってくるということには、価格変動の高い作物には問題があると思うのです。この点のお考えはどうですか。
○大和田政府委員 保険金額の基準として反当生産費をとるか、あるいは農家の庭先価格といいますか、農産物の価格をとるかということは、実は私どもこの制度について検討いたしますときに、相当大きな問題として勉強いたしたわけであります。これは、単位キログラム当たりの生産費に比べまして、反当生産費が安定いたしておりますことは、米とミカンあるいはリンゴにおいてもそう変わらないわけでございます。キログラム当たりでは相当な変異があるけれども、反当の生産費ではそんなに大きな幅はない。そんなに大きな幅がないといいましても、最近の生産費で私ども実は詰めてやりましたら、リンゴで一割程度の幅がございます。それからミカンでは、生産費の高いところ、底いところで四、五割ぐらい幅がございます。それからさらに、生産費は比較的安定をしているといいましても、農家によって、同じ生産費でも生産額が相当違うわけでございますから、反当生産費を補償いたすといたしますと、農家による技術水準の違いによって生産額が現実に違う問題をどういうふうにするかという、これまた非常にむずかしい問題があるわけでございます。これは御承知のことと思いますが、水稲につきまして農業保険をやりましたときは、反当生産費という観念では必ずしもございませんでしたけれども、やはり面積建てでございます。思想としては、生産額のいかんにかかわらず反当幾らというふうにして保険金額をきめたわけでございますが、戦後におきまして、農家によって生産費の違いがございまして、面積割りでは非常に不満であるということで、現在のように収量建てに直した経過がございます。したがいまして、価格でやりますことにつきましても、多少問題がないわけではございませんが、面積建てあるいは反当生産費に関連させて面積建てということでやりますと、果樹の場合は、水稲等に比べまして、もっと複雑なかつ困難な問題が生ずるのではないか。そういうことを十分検討いたした上で、面積建ての思想をあえてとらなかったわけでございます。
○美濃委員 面積建てをとらなかった。私も、生産費を基準にするか、市価を基準にするかは、一利一害があると思うけれども、一利一害はどちらをとるにしても必ず出てまいると思います。しかし、体制としては、市価の変動性の高いものは生産費を基準にすべきである、こう考えるわけですが、この法律は、一定年の市価から逆算する庭先価格、これが基準になっておるわけです。これは、私は、いろいろ果樹の価格形成あるいは流通等から考えてみて、庭先価格にしても、やはり生産費を基準にして基準収穫金額、これを出すべきだと思うのですが、これは実施までにもう一ぺん再検討するお考えがあるかどうか、これを承っておきたいと思います。
○大和田政府委員 私ども現在考えております保険金額といたしましては、一キログラム当たり幾らという場合は、過去数年のうちで中庸の三年ないし四年をとって、たとえば北海道のリンゴでありますれば、それがおもなところへ行く中央卸売り市場の年間の平均の価格をもとにいたしまして、そこから流通経費を差し引いて農家の庭先価格を出すわけであります。その庭先価格に対して六割掛けたものを保険金額と考えるわけでございます。この保険金額と生産費との関係でございますが、これは作物によって相当な違いがございますから、一がいには言えませんけれども、最近のデータで私どもがミカンで三十九円という保険金額の最高額を出したものによりますと、少なくとも物材費と自家労賃とをカバーし、それに雇用労賃を加えて、まあまあ大体カバーできる程度のものというふうに判断をいたしておるわけでございます。したがいまして、六割というものをこれ以上動かすことは、実は水稲の場合は、一〇〇%被害、全損になりました場合は、理論的には六三%の補償があるわけでございます。果樹の場合は、全損の場合は六割の補償があるわけでございますから、水稲との比較において、六割というのが私どもはまあ限度ではないかというふうに考えております。
○美濃委員 次に、これは小さい問題ですが、しかし、設計上これは大切な問題ですが、この事務費の基準はどういうふうにとっていくのか。たとえば生命保険あたりでは事務費は対万何ぼということになって、件数よりも契約高にスライドするわけです。この場合の事務費体系はどのような事務費体系になっておりますか。
○大和田政府委員 私ども基幹的な事務費は全額補助をするというたてまえで、四十三年度に要求する予算の要求案を現在作成中でございまして、まだ反当にするかどういうふうにするかという最終的な結論には至っておりません。ただ、先般も問題になりましたけれども、できるだけ下にといいますか、農協なり連合会なり組合なりにしわが寄らないように、できるだけめんどうを見るつもりで計算をいたしたいと思っております。
○美濃委員 そういう抽象的な答弁もけっこうなのですが、その体系を私は聞いておるわけです。煮詰まっていなければ確定でなくてもいいが、体系はどちらを考えるのかということを伺いたい。
○大和田政府委員 それは四十三年度の予算を大蔵省に出すつもりで、現在検討中でございまして、まだどういうふうにするかという結論を得ておらないわけでございます。
○美濃委員 私の聞いている体系というのはおわかりでしょうか。どちらの体系に事務費を組み立てていくのかという……。
○大和田政府委員 あるいは私の理解が足らないのかもわかりませんが、実施面積割りというようなことで割り振るのであろうかどうかということでございましょうか。
○美濃委員 私の言ったのは、面積を私はそう想定に入れていないわけです。いわゆる保険契約額、対万何ぼという、一万円当たり何ぼという事務費の設定にするのか、件数にするのかということです。保険というのは、保険でもその他でも同じですが、件数に事務費を要するわけであります。たとえば、百万円の契約と一万円の契約とどう違うのか。一万円の契約というのはまあないと思いますが、十万円の契約と百万円の契約とどう違うのか。これは損害評価から、保険契約から、百万円も十万円もそう変わらないわけですね。そうすると、一件当たりの契約というものを主体にするのか。主体にすると申しますか、こういう損害共済、特に経営の小さい、大小の規模のあるものを対象に仕組んでいくわけでありますから、あるいは契約額スライド制の事務費補助制をとった場合、これは比較的経営面積の多い地帯の共済組合連合会は事務費収支は楽に償うし、比較的零細面積規模の県は非常にやりずらい、とても事務費が足りない。やはりきめられた事務費は赤字になる。そうすると、これは制度の上ではどうなりますか。危険差益が出た場合、事務費に食い込んでいいのかどうかという問題、損害保険の原則からいけば、事務費は事務費であり、危険差益が生じたとしても、それを経費に繰り込むということは厳に慎まなければならぬので、危険差益があれば、やはりその変動を考えた場合、積み立て方式をとる、あるいはその積み立てがかなりの年数に達して基本的な積み立てになれば、無事戻しをする、このスタイルでなければならぬ。みだりに危険差益を事務費に繰り込むということはやるべきでないと思うのです。そこらの基準をどうお考えになっておるか。
○大和田政府委員 危険差益が残りますれば、それは当然、区分経理でございますから、事務費に使わないで積み立てをさして、五年間の試験実施の期間が終わりましたときに、黒字となれば無事戻しになる、こういうつもりでおります。 私が先ほど、まだきまっておりませんと申し上げましたのは、経費をはじく場合に、面積割りにするか、あるいは件数割りにするか、あるいは契約金額割りにするか、それは実際問題としては、それらの要素をいろいろウエートをつけて勘案するということになるかもわかりませんけれども、その辺のことは、もう少し現地とも——現地の知恵も借りておりますので、もう少し時間をかけて、大蔵省に持ち込むまでに検討いたしたいと思っております。
○美濃委員 次に、事務委託ですね。末端の事務委託が二様にできるようにこの法律ではなっておる。そこで、これはいろいろいままでの質疑の過程の中にも出ておりまして、末端の事務委託機関、これが共済組合あるいは共済組合の事務委託を受けておる市町村、農業協同組合連合会、農業協同組合、こういうふうになっておりますが、これは、この保険の性格あるいはこの参考資料から見まして、果樹面積がその種類によっては比較的小規模の県もございまして、どの果樹も五百ヘクタール以上ということになると、今回適用しようとする果樹は大体十県程度ですね。大体の県は五百ヘクタール以下である。こういう要素から見て、小さい県になりますと、保険事業として事務委託を受けて——その進め方の問題もございますから、その定め方は法律で定めておるとおりで私はいいと思うのです。しかし、過去において、共済組合が行なうものと、農協が農家建物火災を両方がやれるようにいたしまして、ある県、ある地域においては、農協と共済組合が同じ対象の組合員に対して、いわゆる農家建物火災共済の契約募集合戦が行なわれた。おれの分野だ、おれの分野だ、私は、こうなることは果樹共済といえども希望しない。そこで、法律はこれでよろしゅうございますから、政令なり施行令なりで、同じ地域、同じ市町村に二つの事業団体にやらさないようにする。やはり主体は共済組合じゃないかと思うのです。共済組合がやっておるところは共済組合が当たる。共済組合はやはり果樹面積も少ないし、あるいは集荷業務も行なってないし、いわゆる収穫量、そういうものの認定から、農協が行なったほうがいいというなら、あくまで話し合いの中で一本で進めるように、両方に事務委託の規定をつくって両方でやるということだけはやはり避ける方式をとるべきだ、こう思うのですが、そこはどうなっておりますか。
○大和田政府委員 建物共済の問題で、共済関係と農協関係と相当緊張した場面が続きまして、役所が中に入って最近落着さしたわけですが、そういう問題を再びこの果樹共済で起こさないように、私ども十分注意をしてまいりたいと思います。 ただ、お説のように、一つの地区では一つの団体というふうにいけば一番いいでしょうけれども、農協に頼むことと共済組合に頼むことと、仕事の種類が違うので、同じことを二つの組合に頼むことは万ないと思います。違う事務をそれぞれ農協と共済組合とに頼むということは、あるいはやむを得ないのではないかというふうに私思っております。この点につきましては、ただ形式的に両方に分けたからうまくいくというものではございませんで、私のほうもまた県当局を通じて、これで無用な争いが起こらないようには十分注意してやるつもりでございます。
○美濃委員 次に、樹体保険ですが、樹体保険の参考資料、すなわち、設計というものは、一ページしか載っておりませんで、しかも保険金額も、十アール当たりの収穫保険の二倍としたとか、全く根拠のない姿でこれを試験的に組み入れようとしておるわけですが、これは、樹体は樹体として、その果樹そのものが樹齢によって価値が違うわけでありますし、あるいは同じブドウといっても、種なしの改良した高く売れるブドウと、それから種のあるブドウでは、これは薬品処理をする関係もあるけれども、薬品処理をするに至らない、そのまま種入りブドウで安く出せば売れるという関係もある。同じブドウあたりを見ても、かなり樹体保険といっても違うと思うのです。同じブドウの木だからといって、どのブドウも、いわゆる苗木あるいはそれを仕上げる過程におけるその投資額がみな違ってくると思うのです。そういう関係も、単に十アール当たりの収穫金額の二倍というような根拠のない制度で発足する、また、樹齢別の検討もまだ行なわれていない、こういうことでは、たとえばこれに試験でなくて、再保険もしなくて、実験の段階だというにしても、これを進める過程におけるこの表だけ見たのでは、これは全然——これはもう少し保険としての体系を整えなければ、このまま進めるといってもどうやって契約するのだ、このようにも考えるわけなんです。そういう点の検討はここでは出ていないけれども、たとえば、これは試験でなくて、実験の段階であったとしても、実験共済として承認し、保険としての契約のできる体系にきちっとできておるのかどうか、単に思いつきでもってここに一枚掲げておる程度のものであるのかどうか、ちょっと判断に迷うわけなんです。
○大和田政府委員 樹体保険につきましては、お説のように、私どもまだ十分の準備はございません。これはよく私申し上げておりますが、三十八年ないし四十年の調査におきましても、樹体保険は四十年度一回しか調査をいたしておりません。したがいまして、樹体の価格あるいは被害率、樹齢別のそれらについて、いまのところ資料はございません。したがいまして、私どもこの問題を考えますときには、とりあえず収穫保険だけにして、樹体保険はやめるつもりであったわけです。しかし、関係団体等々の要望も非常に強くありまして、見舞金的なものでまず出発をしてみようというふうになったわけでございます。したがって、収穫保険につきましては、いろいろ御論議がございますけれども、とにかくこの程度の実験実施をやるだけの資料はそろっておるわけでございますが、それに比べますと、樹体のほうは収穫保険ほどのデータもございませんから、したがいまして、収穫保険の契約をする場合に、それの特約として樹体保険を認める。そうして樹体保険につきましては、収穫保険の保険金額の二倍とするということで、私は、樹体保険は現在のところ見舞金的なものというふうに考えております。そうして樹体保険につきましては、今後当然、樹齢別等についての被害率あるいは価格についての調査検討が進められるわけでございますから、試験実施期間の途中において本格的な試験実施に入っていきたい。本格的と申しますのは、収穫保険との特約という形ではなく、独立に、しかもできるならば、現在のところは収穫保険に添えての契約でございますから、成園に限って、あるいは実がなる結実樹に限って保険の対象になるわけでございますけれども、今後は幼木を含めて樹体保険の対象にするように努力をいたしたいと思います。
○美濃委員 以上で私の質問は終わりますが、もう質疑の中で出ましたように、ほんとうのかなめの問題が、私の見たこの設計は、私から指摘をいたしましたように、かなり問題が多いと思います。また、この問題を実施段階に必ず整理をしてもらわぬと、繰り返して申し上げますが、果樹農民が希望をしない、加入をしたことによってかえって掛け金損害が起きるような性格が含まれておりますので、くれぐれもひとつ実施段階までにおけるこの煮詰め方は、細心の注意を払っていただきまして、また、実施段階時点におきまして、いずれ機会を得てどのようになったかという質問もいたしたいと考えておりますが、私の指摘いたしました、私がこの設計を見て本日申し上げた諸点については、非常に疑問を持っておりますし、疑問というよりも、非常に設計が未熟である、設計に不確定要素が多い、このままこの概要の参考資料を基準にして進めることに問題があるという点がかなり見受けられますので、十分注意をしていただきたいと思います。 以上、意見として、終わります。
○森田委員長代理 斎藤実君。
○斎藤(実)委員 今回の果樹保険臨時措置法案について、農業部門におきまして、果樹農業の比重は最近非常に大きくなってまいりましたし、果樹保険制度の創設は、自然災害の脅威に脅かされている果樹農家にとっては、まことに重要な課題でありまして、私は、制度上、運用上の問題について、若干御質問申し上げます。 第一点として、果樹保険に加入した農家の立場から考えまして、試験実施の場合と将来本格的に実施した場合、保険関係の取り扱いの差はどういうふうになりますか、この点お尋ねをいたします。
○大和田政府委員 今回の法律に基づきます試験実施は、試験実施という名前でございますけれども、農家と連合会、あるいは連合会と政府との関係においては、きちっと保険業務をやるわけでございます。保険料を農家が払い、連合会は政府に対して再保険料を支払い、被害が小部分の場合は連合会だけがこれを負担し、相当な被害になりますと政府が再保険料を払うという形で、金銭の授受が一般の農作物共済と同じように行なわれるわけでございますから、その点につきましては、試験実施ということでございましても、農家の立場から見れば、本格実施と変わりはないわけでございます。ただ、今回の臨時措置法の期間が五年以内ということになっておりますので、この試験実施の結果を基礎にして本格実施に移ります場合は、試験実施の場合と本格実施の場合とスムーズに移行できますように私ども特別のくふうをいたしたいと思います。
○斎藤(実)委員 特に今回は、試験実施の期間を五年ということでありますし、途中で試験実施の期間が来るようなことが考えられますけれども、このような場合どういうふうに取り扱うか、この点につきましてお伺いしたい。
○大和田政府委員 これは法律技術の問題でございますが、途中で試験実施の期間が来ましても、本格実施をやります場合にも、法律でうまく引き継ぎができるように当然くふうをこらすつもりでございます。
○斎藤(実)委員 試験実施と本格的な実施とでは別に差はない、こういうわけでございますね。今回の果樹保険の試験実施については、試験実施終了後果樹保険を全面的に実施する考えのもとに実施されるのかどうか、試験実施終了後の取り扱いについての基本方針についてお尋ねいたします。
○大和田政府委員 これは試験実施の法案を出しますたてまえから言いますと、試験実施の結果本格実施に移るかどうかを判断してきめますので、いまから必ず本格実施をやりますというお約束はできないわけでございますけれども、私ども心組みとしては、当然本格実施に移るための試験実施という心組みで今回の仕事をやるつもりでおります。
○斎藤(実)委員 今回の果樹保険実施に対して、直接果樹生産者の意見はどのように反映されておるのか。いろいろ調査もされておると思いますけれども、お尋ねします。
○大和田政府委員 私ども、絶えず果樹団体等を通じまして果樹農家の保険に対する意見を聞いておるわけでございますが、一つの具体的な事実といたしましては、四十年の八月は相当大規模にわたって果樹保険に関する世論調査をやったことがございます。その世論調査で表明されました果樹農家の意向というのは、今回の試験実施に大体取り入れることができたというふうに思いますが、ただ、世論調査で言われましたことで私どもが取り入れなかったことの一つ、二つを申し上げますと、一つは、世論調査では、義務加入のほうがいいという人のほうが、任意加入のほうがいいという人よりも多かったわけでございますけれども、これは私ども、果樹保険、特に試験実施というたてまえからいって、義務加入としないで、任意加入を選んだわけでございます。 もう一つは、満期保険を期待する声が相当強かったわけでございますけれども、五年間の試験実施ということもあり、また、被害が少なくて五年間のうちに連合会に黒字がたまりますれば、無事戻しもやるわけでございますから、今回は満期保険というものをとらなかった。その点の違いはございますが、あとは大体世論調査等で表明された果樹農家等の意見というものは取り入れたつもりでございます。
○斎藤(実)委員 この総理府の世論調査によりますと、ブドウが六三%、ナツミカンが六一%、ナシが六〇%、リンゴが五九%、これはまあ不安定作物ですが、ミカン、桃は安定作物で、ミカンが五二%、あるいは桃が四七%というふうになっておりますけれども、この世論調査からいきますと、ミカンやあるいは桃の安定果樹の要求度が非常に低いわけです。当然安定作物であるから加入してこないではないかというふうな心配があるのですけれども、この点はどうでしょう。
○大和田政府委員 御指摘のように、果樹の種類によって保険を希望する人の割合が違うわけでございますが、それにいたしましても、ミカンが五二%、桃が四七%ということでございます。私ども、果樹保険の試験実施につきましては、大体経営面積の一割ということで押えておりますので、その程度の——これは地域によって相当まとまって入っていただかないと困るわけでございますけれども、一割程度の試験実施について人が入らないということはまずないというふうに考えております。いままで県からの報告、照会等々によりましても、大体私どもが考えておりますようなところでございます。
○斎藤(実)委員 いま局長から、試験実施はその対象面積、事業量の大体一割というふうに答弁がございましたけれども、事業量の一割規制によって、農家の加入希望者が満たされない事態が当然生ずるだろうと私は思うのですが、その点どういうふうにされるのか、御答弁をお願いします。
○大和田政府委員 私ども、一割と言いましても、各県ごとに一割というふうに考えておりません。主産地に相当ウエートを置いて試験実施するつもりでございますので、機械的に一割ということでありますと、はみ出る農家があるいはあるかもわかりませんけれども、その辺は多少弾力的に考えて、全体としては一割程度におさまるようにということで、府県別には相当弾力的に考えますので、まず、希望をするけれどもなかなか入れなかったというようなことは、できるだけないようにいたしたいというふうに思います。
○斎藤(実)委員 果樹保険については、果樹農家からの要望もございますし、非常な関心もありますので、試験期間は五年というふうになっておりますが、果樹農家の要望として、五年というのじゃなくして、もっと早く本格実施すべきじゃないか、三年くらいにして、あとは本格的実施に入るべきだという声があるのですが、この点はどうでしょう。 〔森田委員長代理退席、委員長着席〕
○大和田政府委員 私ども、過去において三年間の被害調査の実績がございますし、今後試験実施で五年間をやりますと、中間の三年を含めて十年ないし十一年の被害調査あるいはその他の基本的な調査の実績があるわけでございますから、五年間程度の時間はほしいというのが私どもの気持ちでございます。ただ、仕事をやりながら、あるいは多少期間が早められて本格実施に移ることができるように判断できますならば、私ども無理に五年間というふうにがんばるつもりはないわけでございます。
○斎藤(実)委員 いまの答弁で、そういう条件が整えば五年というふうに固執しないということですから、了承しました。 御承知のように、果樹は永年性作物という特殊性からして、資本を投下してある一定期間固定化するという経営上の不安が農家にとっては強いわけであります。したがって、価格の低落を補てんの対象としてほしいという要望も、これまた強いわけです。この保険で価格の低落を補てんの対象としなかった理由についてお聞かせ願いたいと思います。
○大和田政府委員 果樹農家が、果実の価格について非常な鋭い感覚を持っておりますこと、それから果樹保険として価格を入れてほしいという要望がありますことも承知をいたしておりますけれども、果実の価格が下がる場合、これは全国一律に大体下がるわけでございまして、地域的な分散ということが考えられないことが一つ。さらに、くだものの価格というのは、ある程度は個人の販売の技術の巧拙にもよることでございますから、その両者からいきまして、どうも価格の低落を保険によって救うことは、まずむずかしいのじゃないかということで、果樹保険の対象から価格の下落を落としたわけでございます。
○斎藤(実)委員 それでは、この果樹農家の、永年性作物という特殊性からくる経営上の不安なり要望に対して、一体農林省は、この果樹の価格安定対策としてはどういう方法をとられるのか、お尋ねしたいと思います。
○八塚政府委員 ただいまもお話がありましたように、果実ないし果樹は永年作物でございます。したがって、そういう関係で、需給の均衡をはかるという場合も、相当長期的な見通しの上ではからないと、ある時点で均衡いたしましても、永年作物である関係上、さらに生産は拡大していくというようなこともございます。したがって、私どものほうでも、従来とも長期の需要見通しというようなものを発表いたしまして、生産の調整をはかるような施策をとってまいったのでございますが、特に近年、ミカン等におきまして植栽が非常に進んでと申しますか、非常な勢いで拡大をいたしておりますので、そういう問題についての危惧が産地等にもあり、われわれのほうもこれは問題であるということになりまして、昨年果樹振興法の改正があったわけでございます。その法律に基づいて基本方針を出して、生産と需要、需要に見合う生産、生産の基礎になります植栽を指導していこうというふうに考えておるのでございます。 反面、価格の低落についての問題の起こりますゆえんは、生産費が上がっていくということにも問題があるわけでございます。絶対額として価格がかりに下がらなくても、生産費が上がっていく。そういう問題といたしましては、果実の生産には労働費が一番大きな問題になりますので、生産の合理化、労働の省力化という点が必要になるわけでございます。これに対する方策は、もちろんいろいろございます。まず果樹園の基盤を整備していく。そして集団化をして作業をできるだけ共同化していく。機械を使って労賃の高騰に対処していくという必要があろうかというふうに考えております。 それから、先ほども経済局長から話がありましたように、売り方の巧拙あるいはその年々の販売の方法というものも、短期的には相当改善の余地がございます。そういう面につきましては、先進地、後進地、それぞれいろいろな考え方、売り方の希望がございます。そういうものを含めまして各産地ごとの協議をやらせて、そういうふうな方向で、できるだけ価格の低落を短期的な面においても防いでいくということを考えておるのでございます。
○斎藤(実)委員 果樹保険の制度化について、学識経験者から掛け捨てにならない満期方式が答申されておりますが、この満期方式について果樹農家は関係団体に非常に強く主張しているわけですが、なぜ満期方式が採用されなかったのか。当然これは満期方式を採用すべきではないかというふうに考えるのですが、とらなかった理由についてお伺いしたい。
○大和田政府委員 満期方式は、御説明するまでもないと思いますが、生命保険では養老保険のようなものでございまして、生命に対する危険の保険にプラスアルファして、そのアルファを蓄積してあとで戻すという制度でございます。したがいまして、今回の果樹保険の試験実施にあたりましては、私ども特別に満期保険のていさいはとりませんでしたけれども、五年間やって黒字として残れば無事戻しをするというつもりでおります。試験実施ということもございまして、特別に純保険料のほかに何か蓄積すべきものを特に積み立てさせるということは、どうも試験実施としては考えづらいわけでございますが、果樹保険を本格的に実施する場合の一つの保険の種類といたしまして、十年とか十五年とか果樹の更新ということを目標にして、満期保険ということは十分考える価値があるのではないか。これも今後の検討課題として十分研究いたしたいと思っております。
○斎藤(実)委員 先ほど果樹保険の基準収穫量についての御答弁がございました。私は、この基準収穫量をきめる場合には、いろいろな技術的な困難も伴う。樹齢あるいは土地条件、あるいは農家の技術水準等、非常に困難な問題があるし、農家にとっても、それで保険料もきまりますので、そのきめ方によって非常にトラブルが起きるのではないか。この点について相当慎重にしていかなければならないと思うのですが、この基準収穫量をきめるにあたって、もう一度、どういう態度で臨まれるのか、お尋ねしたいと思います。
○大和田政府委員 基準収穫量をきめることが非常にむずかしい問題でありますことと、さらに基準収穫量をどうきめるかで相当なトラブルが起こりかねないことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもも非常にこの問題については慎重に扱うつもりでございます。 まず、先ほども御説明いたしましたが、試験場あるいは農協連等々の技術者を動員いたしまして、樹齢別、品種別、地域別の標準的な収量をきめまして、その収量を個々の農家の流通関係の資料で修正して、具体的に農家別の基準収穫量をきめていくことが、一番筋が通っているのではないかというふうに考えております。
○斎藤(実)委員 このたびの保険料は、保険金の支払いが五割以上の被害に対して、あるいは三割以上の被害というのは、過去の被害経験から推して、相当高率に設定されているわけですね。したがって、深い被害に対しては支払いはされるわけです。一方、支払いを受けない農家が多くなるということは、これは予想されるわけですが、当然無事戻しすべきだというような意見もありますし、要望もあるわけですが、この点はどうでしょう。
○大和田政府委員 私は、五年間試験実施をやっておりまして、連合会に相当な黒字が積み立て金という形で蓄積されますれば無事戻しをすべきだ、ぜひこれはやりたいというふうに考えております。
○斎藤(実)委員 五年間試験的にやって、その後に無事戻しをまた考えるという答弁がございました。現在の掛け捨て不満という現実の問題に対して、将来のことは先ほどお話がございましたけれども、この掛け捨て不満に対する現状の緩和策といいますか、その方針についてどう納得させる対策を講ぜられるのか、その点についてお伺いいたします。
○大和田政府委員 私は無事戻しを考えます場合に、年々無事戻しということはちょっと危険ではないか。ことしは災害がございませんでも、来年は災害があるということが当然考えられるわけでございますから、年々無事戻しをするということではなくて、また五年間の実施期間が終わってから考えるというのではなくて、あらかじめ連合会の事業計画等々におきまして、試験実施期間中に積み立て金としてたまったものは、相当部分あるいは大部分無事戻しをするというふうにきめて事業を発足するというふうにいたしたいと考えております。
○斎藤(実)委員 樹体保険の実施については十分な資料ができなかったという答弁がございました。今回の試験実施では、政府の再保険がなくて農業共済組合連合会の付帯事業だ。勢い見舞金的な性格のものになるようですが、果樹農家の要望も非常にありましたし、そういう要望にもかかわらず国の再保険ができなかったということは、私は非常に遺憾だと思うのですが、その理由についてお尋ねしたいと思います。
○大和田政府委員 樹体保険につきましては、四十年度たった一回の調査があるだけでございますので、被害率等について私ども十分に自信のある資料がないわけでございます。したがいまして、今後試験実施をやりながらデータを集積して、試験実施の五年間の期間におきましても、その途中で樹体保険を、これは私見でございますけれども、本式に出発いたしたい。そのときは政府の再保険ということも十分考えてまいりたいというふうに思います。
○斎藤(実)委員 大体わかりました。 だんだん御質問申し上げましたように、果樹作物は、立地的に見ても、またその特殊性からしても、自然災害の脅威に非常に脅かされているという現状でありますし、したがって、経営安定の大きな障害になっているというわけです。私どもは、農業災害対策の一環として、自然災害による果樹農家の経営上の損失を補てんするという果樹保険制度が一日も早く確立されて、この法案が制度化し、また運営できるように、政府において十分配慮されて、果樹農家振興のために遺憾のないよう努力されることを強く要望して、私の質問を終わります。
○本名委員長 他に質疑の申し出もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。 ————◇—————
○本名委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 すなわち、農林水産業の振興に関する件、特に生産者米価に関する問題について、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本名委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選出頭日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次会は、明十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十分散会