農林水産委員会 第22号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/06/15
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。
○兒玉委員 食糧庁と園芸局のほうにお聞きしたいのですが、農産物の自由化ということが今日非常に重大な話題を呼んでおるわけでございます。たとえば大豆にいたしましても、毎年輸入量は増加の傾向にあり、また特に今日国民生活の中において非常にその需要が増大しているなたねにいたしましても、ここ四、五年の間に約五倍ほどの増大を見ているわけでございますが、少なくともこれからの日本の農業というものは、お米と同時に、大豆なりなたね等の油脂食糧が、国民生活に非常に重大な関係を持つ点から考えましても、自由化という名のもとに輸入だけに依存するという姿勢でなくして、国内における自給体制を強化する、この取り組みが今日農林省においては欠けておるのじゃないかという感を私は深くするわけでございます。特になたね、大豆等のいわゆる国内における自給体制の確立ということと同時に、需要の増高から考えましても、やはりこの際真剣に取り組んでいくべきではなかろうかと考えますが、この点について、食糧庁並びに実際の作付指導をする園芸局等の御見解を承りたいと存じます。
○荒勝説明員 お答えいたします。 ただいま先生が御指摘になりましたように、日本の植物性の食用油につきましては、国民所得の向上とかあるいは食生活の改善等とかによりまして、最近非常に国内の需要が強くなりまして、年々その油糧原料を海外に依存せざるを得なくなってきていることは事実でございます。昭和三十七年でございますか、大豆の自由化に伴いまして、特にそういう輸入がきわめてふえてきているということは事実でございます。これに対しまして、政府といたしましても、当時から国産大豆あるいはなたねというものに対する影響を非常に憂えまして、私たちといたしましても、大豆なたね交付金法というものを制定いたしまして、大豆あるいはなたねに対しまして、法律に基づきましてパリティを参酌しつつ、年々最低の保証価格というものを設けまして、輸入なたねあるいは輸入大豆が非常に安いので、それに対してその差額をある程度交付するということで、生産農家に対する悪影響を極力とどめてまいりたい、こういうふうに思ってきておりますが、十分にその施策がまだ効果を出していないというふうな感じがいたしております。また、大豆のほうは自由化を当時いたしましたが、なたねにつきしては、国内生産が全国非常に多岐にわたって、しかも零細であるということを根拠の理由といたしまして、いまだに輸入の自由化もいたしておりませんし、また関税のほうも当時からそのまま引き続いて、現在では約一五%程度相当額の関税がかかっていると了解いたしております。
○田所説明員 ただいま兒玉先生から御指摘がございましたように、大豆、なたねの国内生産につきましては、年々減少の一途をたどっておりまして、非常に弱ったことだと思っておるわけでございます。特になたねにつきましては、農林省においても生産改善、種苗対策というような施策を年々続けてまいってきておるわけでございますが、なかなか思うようにまいらないということでございます。ただ、なたねにつきましては、何といいましても、わが国におきます油糧資源としては唯一の作物でございます。できれば国内で自給をしたいという希望を持っておるわけございますが、収量が低いとか、また菌核病の関係その他で、なかなか生産が上がらない、特に冬作物であるというような観点から農家の方々の農外流出と申しますか、他の仕事のほうに向かうほうが有利であるということで、最近の減反の理由を見ましても、その約六〇%が不作付地ということになっておるわけでございます。あと四〇%はそれ以外の有利な作物、たとえば果樹だとか、野菜だとか、飼料作物というものに転換をいたしておりますが、大部分のものが不作付地という形で残っておるわけでございます。ただ、なたねの国内の需要につきましては、固有的な用途がございまして、年間大体三十万トンから三十五万トン程度の需要があるわけでございますが、そこまで達しておらない。最近におきましては約十万トンというような現況にあるわけです。しかし、農林省といたしましても、何とか唯一のこの油脂資源につきましてはできるだけの努力を払いたいという気持ちがございまして、過去においても生産奨励の施策をやりましたが、四十二年度から地域特産農業推進事業の中で強力にこれを推し進めていきたいというふうに考えております。 なお、今後のこういう畑作物の生産につきましては、何といいましても、適地適作によって国際的にある程度競争できるという体制に持ち込むことが必要でございますので、そういう観点から、今後は適地に対しまして特に重点的に生産奨励を進めていきたいというふうに考えております。
○兒玉委員 特に最近の輸入大豆等の価格の動向を見ましても、昭和三十八年にトン当たり百十ドル二十八セントであったものが、昭和四十一年には百二十七ドル八セントと非常に高騰を続けておりますし、またなたねの場合におきましても、供給している国としてはカナダがその七割近くを占めておるのじゃないかと思うのですが、そういうふうな情勢から判断をいたしますならば、国内における自給体制が弱化するほど価格の高騰ということが当然予想されると私は思うのでございますが、その辺の関係についてはどういうふうな判断をされておるのか、特にこの際食糧庁の御見解を承りたいと存じます。
○荒勝説明員 御存じのように世界的に、私たちも十分穀物の状態は存じませんが、油の原料につきましても、多少穀物のいわゆる世界的な不足ということを背景にいたしまして、当然に大豆あるいはなたね等につきましても、その連鎖反応というものが起こるとともに、特に日本が大豆を依存しておりますアメリカで、やはり農産物支持価格によって毎年支持価格が改定されまして、そのたびに最低価格が上がってきておる。世界的にほとんどいまアメリカが大豆を供給しておりまして、わずか一割前後が中共ものだと思いますが、アメリカで国産の支持価格が上がる過程で当然に最低価格が上がる。それとともに、その他一般の国際的な食糧事情を反映して大豆の値段が上がる。したがって、多少それに引きずられて、なたねのほうも上がってきているというのが実情じゃないかと思います。それとともに、日本のほうでもある程度、年々の価格改定でなたねの値段も、あるいは大豆の国内産の支持価格も上げておりますが、最近の一部の現象といたしまして、十分私たちもその真相というか、実情は見きわめていないのでありますが、ソ連あるいはブルガリアという、東欧あるいはソ連のウクライナ地方でヒマワリが非常に大増産されまして、私たちの推定では、相当な品種改良も行なわれたのではなかろうかと思っておるのでございますが、大量に、かつ安く、去年の暮れからことしにかけまして、急に出荷というか、輸入されてまいりまして、その関係で、現在の時点では、去年までは国際的な大豆価格が非常に高かったのでございますが、最近ではどちらかというと、ソ連のヒマワリに影響されまして、国際的な大豆相場は非常に下がってきておりますし、また、ことし新しく輸入されるであろうなたねについても、多少その影響を輸入価格については受けるのではなかろうか、こういうふうに予想いたしております。
○兒玉委員 ただいま第二部長からヒマワリのことも出ましたので、関連をしてお伺いをしたいのでありますが、安ければ何でも外国のものをどんどん買い付ける、こういう考え方は、もちろん国民大衆の全体の面から考えますならば、これを一がいに批判はできないけれども、やはり世界の情勢で常に国内の農業が振り回される、あるいはこれに関連する特に油脂関係の中小企業者というものが、常にそのような無為無策の輸入政策によって経営が危機にさらされる、こういう形は、やはり国内企業、国内産業を保護する立場からも、慎重な配慮がなされるべきだと思うのであります。特に今回のヒマワリの種子が大量に輸入されると、もちろん、これは自由貿易という原則に立ちますならば一がいに批判はできないにいたしましても、他のこれに関連する油脂食糧関係の企業には重大な影響じゃないか。特にこれが無税で輸入されるということは、どういうふうな関係になっておるのか、この点お聞かせいただきたいと存じます。
○荒勝説明員 ヒマワリの輸入につきましては、これは先生方のほうが御承知かとも思いますが、これはいままでわずかにある国から少しずつ、事実上日本にはほとんど入らないというようなかっこうで、むしろヒマワリよりも、サフラワーという、ほぼ油の品質としてはサラダ油に似た油の感触を持っているものが主として輸入されておったのでございますが、ソ連で大増産されたということで、思わぬ輸入というかっこうになってきたようなわけでございます。しかし、そういうわけで、ヒマワリあるいはサフラワーというようなものは日本ではあまり輸入されないということで、従来大豆、なたねには国内産に対する悪影響を防止するということで関税をかけてまいっておりますが、ヒマワリにつきましては相当前から無税ということできまっておりまして、そのまま現在に至っておる、こういういきさつでございます。
○兒玉委員 いま二部長が御説明されましたとおりに、確かに、昭和四十年までは全体の比率から考えましても心配される状況にはないのでありますが、最近のいろいろな情報によりますと、現在までの少なくとも十倍、昭和四十年に比較して十倍程度以上の輸入が予想される、こういうことを報道されております。このことは、やはり国内産のなたね関係の業者あるいは生産農民、こういうものと同時に、国内における油脂の需給計画に対しましても、少なくとも品質が非常にいいということがいわれておりますが、こういう需給計画には重大な計画の狂いが生ずるのではないか。同時に、特に零細な企業の集まりであるなたね関係の中小企業者については、非常に重大な影響を与えるものだということが懸念をされておるわけですが、この辺はどういうふうに御理解をされておるのか、お聞かせをいただきたいのであります。
○荒勝説明員 ただいま先生も御指摘になりましたように、急に入ってきて、油の品質が非常にいいということになりますと、しかも従来の油脂原料の国際価格よりも比較的低廉で入ってくるという形で、われわれといたしましても、そういう点については相当な関心をただいま持っている次第でございます。ただ、油糧の需給計画からいたしますと、従来ヒマワリにかわりましてサフラワー、これは主としてサラダオイル用の原料に使っておったのでございますが、そのアメリカ産のサフラワーを中心にして輸入しておったのでございますが、それがより低廉なヒマワリということで、サフラワー等が約十万トンばかり原料で輸入されておったのを、今後それがソ連産のヒマワリに置きかえられる、約十万トン前後移りかわるという形で、国といたしまして、国民の全体の油糧需給計画にはさほど悪影響は及ぼさない。そういう意味では、むしろ油の品質がいいという点においては、逆にある程度いい点もあるのではなかろうか、こういうふうに思っております。
○兒玉委員 時間も制約されておりますので、あと二、三点に限定してお伺いしたいのでございます。 たとえばでん粉関係におきましても、特にコーンスターチが年々急激な増加をたどっている。これは国内産のイモでん粉等との関連にも見られるわけでございますが、やはり私は、国内の生産農民を保護し、そうしてまた生産意欲を持たして、できる限り自給体制を保持していくという基本的な考えというものをこの際持っていくべきではなかろうかと思うのであります。そういう点から考えますと、特に油脂関係、油糧関係の関税におきましても、大豆、なたね、こういう主要な原料は比較的に関税が高く、いま申し上げましたヒマワリ等は無税だというような点から考えましても、国内におけるこの大豆、なたね等を中心とする油糧関係、油脂関係の農産物の生産を保持する点と同時に、このような関係関税の税率というものをやはり不均衡を是正する必要があるのではなかろうかと思うのであります。 〔委員長退席、仮谷委員長代理着席〕 この点について、特に私は、ヒマワリ等のようにその輸入量が大豆、なたねに比較するならば確かに全体の計画にそう変動はないにいたしましても、特定の業界だけがうまい汁を吸うというような不均衡を少なくする、是正するということは、やはり食糧庁としても積極的に取り組んでいくべき課題ではなかろうかと思うのでございますが、税率の不均衡是正についてどういうふうな御見解をお持ちか、ちょっとお伺いをしたいのでございます。
○荒勝説明員 税率の点の不均衡是正についての御質問でございますが、われわれといたしましては、先ほどちょっと触れましたが、なたねにつきましては、現在キロ当たり六円十銭、約一四%ないし一五%相当の税率がかかっておると思います。そのなたねにつきましては、またこれはほとんどカナダが九〇%、九割以上を占めておりまして、中共産が多少ときどきスポットで入ってくるようなかっこうでございますが、このなたねの関税は、われわれとしましては、いまのところ直ちに手直しする気はあまり持ってなくて、今後こういうことが生産農家に対して非常に悪影響を及ぼすとか、あるいは中小業者のほうにも悪影響を及ぼすというような事態にでもなりますれば、さらに検討を加えるかもわかりませんが、現在の段階では注意深く見守ってまいりたい、こう思っております。 なお、なたねにつきましては、主として中小業者の方はなたねを使われて、輸入なたねと国産なたねを両方お使いになってやっておられますが、先ほど先生から、ヒマワリが一部の業者にだけ回って、業界としては非常に不均衡ではないかという御指摘がございましたが、ヒマワリとなたねにつきましては、その搾油方法につきましてさほど技術的に困難な問題はないというふうに判断しておりまして、現在でもソ連産のことし入ってまいりましたヒマワリにつきましても、なたねを主として専用されておった方々のうちで、一部の方はすでにヒマワリを入手されまして、搾油をされて、高級な油をおつくりになっているように聞いておりますので、多少機械あるいは技術の指導強化をすれば十分やっていけるのではなかろうか、こう思っておりますので、今後業界内でそういうヒマワリの種が不均衡にならないように、われわれとしても十分に指導してまいりたい、こういうふうに思っております。
○兒玉委員 この際、さらに食糧庁と園芸局にお聞きしたいのでありますが、このように国際的にも非常に自由化の傾向が強いのでございますけれども、先ほど申し上げましたでん粉等の場合にも示されたとおりに、それ以外に生産することのできないような状況にある農民の立場、あるいは非常に資本力の弱い零細な中小企業を保護するという立場、こういう点から考えます場合に、特になたね等の自由化に対しまして、今後どういうふうな方針で臨まれるのか、この点食糧庁にお聞きしたい。 園芸局に対しましては、やはりこれからの国内におけるこのような関係農産物の自給体制を強化して輸入に依存する度合いというものをできる限り低めていくという努力がなさるべきであると思うのでございますが、特に油糧関係農産物の需給計画、長期の展望というものを持って対処すべきではなかろうかと思うのでございますが、このような自給体制の長期への展望といいますか、この辺どういうふうにお考えになっておるのか、この点についてそれぞれお聞かせをいただきたいと存じます。
○荒勝説明員 なたねの自由化についての御質問でございますが、われわれといたしましては、現在のところ、なたねを直ちに自由化するという意思は毛頭持っていないという御返事になると思います。ただ、御存じのように、世界的に今度のケネディラウンドとかそういった形で、いろいろなものが逐次自由化、自由化という形でまいっておりますが、今回のケネディラウンドの席におきましても、われわれとしましては、なたねは自由化しないという形で守ったといいますか、現状を守ったつもりでございますし、また関税につきましても、大豆のほうは従来四円八十銭の関税がかかっておったのでありますが、ケネディラウンドでは多少下げられるというふうに内定しているようでございますけれども、われわれとしましては、なたねのほうの関税は従来どおり、いま直ちに手直しして関税を引き下げるというようなことも考えておりませんので、こういうなたねだけを強く守ることによって、かえって逆作用的にあるいは反作用的に生産農家への悪影響とか、何かそういったいろんな事態が将来出てまいりますれば、あるいは検討することがあるかもわかりませんが、ただいまの時点では、現状を維持して交付金法によってなたね生産農家の保護をしていくほうがベターではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
○田所説明員 なたねの長期的な需給の考え方でございますが、農林省のほうで中長期の展望というようなこともやっております。まだ検討中でございまして、最終的な結論は出ておりませんが、先ほど兒玉先生から御指摘がございましたように、国内のなたねの生産が年々減少傾向にあるというようなことで、趨勢的にこれを見ますと、減少していくというふうに言わざるを得ないわけでございます。しかし、何と申し上げましても、国内におきます唯一の油脂資源でございますし、生産を担当いたします局といたしましては、できるだけこれが自給度の向上をはかっていきたいという意欲はあるわけでございます。それで、昭和四十二年度から地域特産農業推進対策事業というものを実施いたしますが、これによりまして具体的になたねを主幹作物といたします適地と申しますか、主産地を十分検討いたしまして、そういうところを重点的に生産を伸ばすことによりまして、今後徐々ではございますがそういう体制を固めながら、自給度の向上のほうに向かうように努力をしていきたいというふうに思っております。
○兒玉委員 最後に、政務次官にもこの際御見解を承りたいと存じますが、いままでそれぞれの御答弁を聞いておりまして、大体その御意見に賛同するものでありますけれども、とにかく現在の農業政策というものが、たとえば果樹等においてはどんどん生産が奨励されながら、その経済性というものについて、価格安定策というものについてはほとんど放置されておる。逆に、国内の需要が増大するこのような大豆なりなたね等については、いわゆる自由化の波に押し切られて、国内の生産意欲というものがだんだん減退し、減少するというような事実が、農林省の農業観測による統計によっても明らかに示されておるわけであります。でありますから、できるだけ自由化の傾向を抑制しながら、国内の関連する企業並びに生産農民の生産意欲を高めて、自給体制は常にこれを強化していくということは、私は農業政策の基本でなければいけないと思うのでございますが、特にこのような油脂関係の農産物に対する姿勢について、この際次官の御見解を承りたいと存じます。
○草野政府委員 御承知のとおり、油脂関係の作物が、自由化の関係のみでもないと思うのでありますが、非常に強い需要にもかかわらず、減退を続けておるということは、残念なことであり、農林省として努力しなければならぬ重点事項の中に考えておるわけでありますが、非常にむずかしい問題がたくさん伏在しておりまして、たとえばその土地と労働の生産性関係を他の作物とどう結び合わせるかとか、あるいは輸入関係の価格において対応し得ないような問題もあるわけでありますが、そこらのところをどう調節しながら——調節というよりも、むしろ保護体制をとりながら助長していくかということは、非常にむずかしい問題で、それだけに当局自体も苦労を重ねておるわけでありますけれども、自給率を高めるように、そして需要の伸びに対応して国内生産をどう上げていくか、いろいろの御忠告も受けておりますので、今後真剣な努力を続けていきたい、さように考えております。
○仮谷委員長代理 次に、神田大作君。
○神田(大)委員 だいぶ時間がないようでありますから、要領よくひとつ御答弁願いたいと思います。 まず、養豚関係についてお尋ね申し上げますが、過般事業団で買い入れ肉豚の放出を決定したようでありますが、これはいかなる方法でどのくらい放出するか、お尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 ただいまのお話でございますが、現在事業団の買い入れをして保管しております豚肉の数量は約三万二千トンでございます。買い入れも長期にわたりましたし、また在庫量も非常に増大をいたしておりますので、この際、事業団の売り渡しをいたすことにいたしまして、先日、六月から七月の末にかけまして約二千トン放出をいたすことにいたしたわけでございます。もちろん、放出が時価に悪影響を及ぼすことがないようにというふうな配慮もいたしまして、売り渡し先並びに売り渡し方法につきまして慎重な配慮をいたしたわけでございますが、まず、需要を拡大しながら売却をするということで、学校給食、自衛隊向けの消費、それから農村消費というものをまず第一に考えておるわけでございます。第二に、小売り業者、加工メーカーを対象にいたしておりまして、小売り業者につきましては、地域ごとに需要の拡大事業をやるというふうな小売り業者の組合に対して売り渡すということにいたしております。加工メーカーにつきましては、中規格の豚の価格の影響もございますので、一定の価格水準以下に下がります場合には、一定量を調整保管をさせるというふうな条件に従う加工メーカーに対して売り渡しをするというふうなことにいたしておるわけでございます。それから第三のグループといたしましては、消費者団体、特に婦人団体に需要喚起ということで主としてヒレ肉を売却するというふうなことにいたしておるわけでございます。
○神田(大)委員 豚肉の価格が非常に安定しておらない現在において、事業団の放出につきましては、よほどこれは慎重にやっていただかないと、肉豚の価格を混乱させるおそれがあると思うのです。学校給食や自衛隊はとにかくといたしまして、一般への放出につきましては、市場への影響を考慮しながらぜひ慎重にやってもらいたいということを強く要望いたします。 次に、豚肉の事業団の買い入れ価格につきましてとかくの風評があって、この買い入れ価格は高過ぎる、これを引き下げなくちゃならぬというような声を私は聞きますが、これらにつきましての見解をお尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 事業団の買い入れ価格につきましては、御承知のように、審議会の意見を聞きまして決定することになっておるわけでございますが、昭和四十一年の基準価格が東京中央卸売り市場におきまして三百二十円、上限価格が三百九十円、枝肉一キロ当たりでございます。四十二年度につきましてもこの価格を据え置きといたしたわけでございます。御承知のように、事業団の豚の買い入れは昨年の三月から始まって、すでに一年半近くになっておるわけでございます。屠殺量は買い入れを始めましてから逐月ふえ続けておるわけでございまして、最近におきましても月間九十万頭をこえるような膨大な数量になっておるわけでございますが、事業団の買い入れも当時は千頭ないし二千頭ということでございましたけれども、その後逐月ふえてまいっておりまして、最近は四千頭ないし五千頭というふうな状態を続けておるわけでございます。 そこで、事業団の買い入れ価格が高過ぎるのではないか、いま先生おっしゃいましたような意見が一方にあることは承知しております。一方でまた、この価格では生産費を償わないというふうな意見もございまして、これはどうもなかなかむずかしいところでございまして、私たちも今後の豚肉の生産、出荷の情勢等を考えまして、さらに検討を続ける必要があるというふうには考えておるわけでございます。
○神田(大)委員 非常に大きな問題でありまして、事業団の買い入れ数量が減らないということは、養豚農家が豚を飼育して引き合うから減らないのだというような考えを持っておる方があるようでありますが、われわれ現実に生産費を調査いたしますと、大体キロ当たり三百四十円から三百五十円で上ものは買い入れられなければ引き合わないのでありまして、生産者といたしましては、いまの買い入れ価格に対しましては不満であります。 〔仮谷委員長代理退席、委員長着席〕 これはもう御承知のとおり、各市場を畜産局等におきましても認識をしておるから、十分わかると思うのでありますけれども、これらの農家が非常な苦労をして養豚の設備をいたし、あるいはまたいまさら安いからといって急に養豚をやめるわけにいかぬというので、やがては引き合うときがくるであろうというような考えのもとに、この飼育を続けておりまして、値段が弧き合うから養豚の数量が増加しておるというような考えはあやまちであると思うのであります。そういう意味合いにおきまして、買い入れ価格を下げるというようなことがありますと、生産農家に対しましてたいへんなことになって、やがて養豚の生産を再び軌道に乗せようといたしましてもなかなか困難な事態になると思いますので、その点、生産費をよく検討の上、これらにつきまして御勘案を願いたい。特に都市近郊の残飯養豚と、農家が生計を営むために真剣に飼育しておるところの養豚農家と、区別しなければならない、これを一緒に考えてはいかぬ。そういう意味合いにおきまして、生産費を補償する最低価格というものをがっちりつかんで、そうしてこの問題を検討していってもらいたいと思いますが、その点につきましてのお考えをお尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 畜産物の価格安定等に関する法律に基づきまして、事業団の豚の買い入れ価格につきましては、いわゆる需給実勢方式というふうなものをとっているわけでございまして、安定基準価格と上位価格との間におきまして豚の価格が安定をし、それによって生産の安定的な増大、消費の安定的な増大ということを期待いたしておるわけでございまして、生産費と直接な結びつきはないわけでございますが、このような制度のもとにおきまして、逐年養豚業というものは発展をしてまいって現在に至っておるわけでございます。したがいまして、四十二年度におきましても、そういうふうな考え方で安定基準価格と上位価格をきめさしていただいたわけでございますが、四十一年、四十二年と同じ価格のものとにおきまして非常に供給量が増大をしてまいっておるというふうな事実があるわけでございます。したがいまして、事業団が豚肉を永久に買い上げるというふうなことはなかなかむずかしいことではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、一方におきまして、保管をいたします豚肉がいつまで維持できるかというふうな問題もあるわけでございます。そういうふうな点、いろいろな条件を勘案をして考えなければいけないというふうに考えておるわけでございます。今後の需給なり生産、出荷の動向というふうなものを彼此勘案をいたしまして、どのような対策をとるべきかということは慎重に検討しなければならない問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○神田(大)委員 豚が数量が減らないというのは、事業団の買い入れがあるばかりでなしに、各府県においては肉豚価格安定基金というものをつくって、各都道府県で責任を持って三百四十円なりあるいは三百二十円なりでもって保証して、足りない分は基金の中から出して維持しておる。それと、子豚安定基金というものがあって、これも各都道府県単位でもって子豚の価格を四千五百円なりあるいは五千円なり——市価が四千円の場合は、五千円ときめたら千円を基金でもって出しておくというようにして、生産養豚家並びに養豚家の組織しておるところの全販連とか全購連とか、あるいは養豚関係の団体が金を出し合って、みずから共済制度でもってこれをささえておるわけです。そういう意味合いにおいて、これは農家の養豚を守るためにみずからやっておるわけでありまして、そういう一つの自主的な組織によって守っておるものを、買い上げ数量が減らぬからといって価格を下げるということは、非常に生産意欲を阻害し、日本の養豚業を収拾のつかない混乱におとしいれることになると思いますので、この価格の点につきましては、やはり採算に合うベースということをお考えになってやってもらいたい。 それから、そのように肉があるならばなぜ小売り価格が下がらないのかというのですが、私は、流通機構の面におきましてもっと検討しなければならぬと思うのでありますが、これは生鮮食料品の全般にわたる問題ですが、本日は、たとえば豚肉の卸売り、小売り価格、生産者売り渡し価格等の問題について、政府当局はいかなる努力をしてこの流通機構の改善をはかっておるか、お尋ね申し上げたいと思います。 〔委員長退席、森田委員長代理着席〕
○岡田(覚)政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、豚の生産から消費に至るまでの間につきまして申し上げますと、家畜商を通じて子豚を買いまして、その子豚を肥育いたしまして、それをまた家畜商を通じて売るというふうな形、あるいは農協を通じて子豚を買いまして、農協を通じて販売するというふうな形と、二つあるわけでございますが、いずれにいたしましても、そのできました豚はまた家畜商を通じて食肉業者に売られるという形と、卸売り市場を通じて食肉業者に売られるというふうな形があるわけでございます。食肉業者に売られましたものが小売り業者にまいりまして、消費者の手に届くという形になるわけでございますが、家畜商を通じてやりますものにつきましては、成豚を売ります場合には、生体で売ります関係から、ある程度の損失ということも考えられますので、そういうふうなものが加算されて取引されるという形で、必ずしも十分公正な価格が形成されてない場合もあるわけでございます。それから、家畜市場につきましても、先生よく御承知のように、非常に零細分散的でございまして、そこで公正な競争が必ずしも行なわれない場合があるということでございます。また地域によりまして、食肉センター等の施設がございませんところでは、生体で出荷をいたします関係から、そこで輸送上のロスというふうな問題がございまして、それが価格の上に影響しているというふうな場合もあるわけでございます。また、卸売り段階におきまして、食肉市場というものがございますけれども、この取り扱い量が全体の一五%程度でございまして、まだ中央卸売り市場等の公設市場が十分利用されていない点があるわけでございます。それから、小売り段階につきましては、これまた消費が非常に零細であるということの関係もございまして、非常に小さい零細分散的な小売り業者が多数存在する。こういうふうなことで、必ずしも合理化をされてない面があるわけでございます。以上申し上げましたようなことで、豚肉の価格形成につきましては、必ずしも合理的であるというふうにも言えない点があるわけでございます。 そこで、私たちといたしましては、まず家畜市場につきましては、零細分散的な家畜市場を統合いたしまして、合理的な価格形成が行なわれるような形に持っていきたいということで、家畜市場の再編整備計画を立てまして、せっかく努力をいたしておるわけでございます。 それから、出荷の問題につきましては、それぞれの生産地域に食肉センターというものを設置いたしまして、そこで枝肉にいたしまして消費地に送るという形が合理的でございますので、そういうふうな指導奨励をいたしますと同時に、そういう施設に対して助成をいたしてまいっておるわけでございます。 それから、取引市場につきましては、御承知のように、全国に数カ所ございますが、さらにこれを整備拡充をしていきたいということで努力いたしておるわけでございます。 小売段階につきましては、これはなかなか合理化がむずかしいわけでございますけれども、枝肉で買いましたものをそれぞれ小売屋に持ってまいりまして、小売り屋においてそれを寸断して肉にして販売するというふうな形をとっておるわけで、そこで非常に労賃がかかるという点があるわけでございまして、どうしてもこの段階を合理化しない限りは、なかなか現在のところは安くならないということもございますので、この段階につきましては、共同で食肉の処理をするというふうなことを奨励いたしておりまして、そのための食肉の共同処理施設に対しても助成措置を講ずることといたしておるわけでございます。 大体、それぞれの段階につきまして、私たちのほうとしましてはできるだけ努力をいたしまして、生産されました豚が、中間段階において冗費を節約いたしまして、安く消費者の手に届くように努力をいたしておるわけでございます。
○神田(大)委員 一番問題の点であろう流通機構の改善の問題ですね。当局は努力しておるということでございますが、これはほとんど改善のあとが見られないのですね。これは口先だけでは問題じゃない。私は、こういう生鮮食料品が生産者から消費者へ届く間のいろいろな不合理な点を速急に是正しない限り、この消費拡大も期し得ないと思うのです。昭和三十年の生産者売り渡し価格を一〇〇といたしますと、その当時は小売価格の場合はパーセンテージにいたしまして三二〇くらいでした。これが昭和四十一年になりますと、この指数が、生産者の売られた価格を一〇〇といたしますと、三六八かそこらになっております。そうすると、十年の間に一つも生産者から小売りの価格が改善されていない。しかも、かえって小売り価格のほうが高くなっている。これで当局は改善に努力していると言えますか。いま一度お答え願います。
○岡田(覚)政府委員 肉豚の価格でございますが、生産者価格と卸売り価格と小売り価格の段階があるわけでございますが、そこで、需給事情によりまして、必ずしも同一な動きはしてない点があるわけでございます。先生御承知のとおりだろうと思うのでございますが、特に小売り価格につきましては、生鮮食品につきまして特有な動きとしまして、小売り価格の下方硬直性というのがございまして、なかなか変動しにくいという点がございます。でございますが、昨年八月豚肉の価格が低落したのに伴いまして、小売り価格の引き下げの要請をいたしたわけでございますが、その結果、約一割程度の引き下げを小売り業者は実施いたしたわけでございます。その後の価格の動きを見てみましても、昨年買い入れを始めました三月の小売り価格が七百十七円程度でございました。それがその後もずっと下がってまいりまして、三月現在を見ますと、六百七十円ということになっておりますので、これはやはり豚肉価格の低落、需給事情を反映いたしまして、小売り価格としても低落をいたしておるわけでございまして、はたしてこれが妥当であるかどうかというふうな点につきましてはいろいろ意見もおありかと思いますけれども、少なくとも現実の姿といたしましては、昨年の三月から比較しますと、相当程度下がっておるということが申し上げられるかと存ずるわけでございます。
○神田(大)委員 私の先ほど言ったパーセンテージは権威あるところで調査したのでありますからして、間違いはないはずです。皆さんのほうでもそれらの統計はお持ちだろうと思うのでありますが、卸売り価格は多少改善されておるようでありますけれども、小売り価格が改善されておらない。そういう意味において、生産者から消費者に渡る間に約二倍半から三倍、数字はちょっときょう持っておりませんが、そういうふうに非常な開きがあるという問題について、もっと農林省ばかりじゃなしに、各関係機関が真剣に取り組んでいく。日本のように不合理な、非能率的なこういう流通機構をやっているところはないと思うのです。文化国家を唱えておる日本が、このような非能率的な売り方をして、肉の生産と供給というものをやっておる。こんな国はおそらくないわけです。この点、十年一日のごときこのような流通機構の改善と真剣に取り組んで、実績をあげなければならぬと思うのでありますが、これはもう生産者も望むことでありますし、消費者も望むことでありますから、政務次官から、これらについての見解と今後の方法等について所見を伺いたいと思います。
○草野政府委員 十年間生産者と消費者との間の価格の開きの比率というものは変わっていないという仰せなんでありますが、なるほどむずかしい問題であることは事実であり、非常に深く中間の経路、流通経路というものの根がはえておりますから、この根の断ち方というものは、またへたに断ちますと、これが両方に影響してきて、畜産そのものの根底にまで問題を及ぼしてくるということにもなりかねないとも考えられるのです。諸外国等の実情を調べてみるとどうかということですが、そこには消費それ自体のあり方にも幾らか問題があるとも考えられます。たとえば、きわめて少量ずつ買い込んでおる日本の消費実情と、大量にどっさり買い込んできて冷凍設備の中へぶち込んでおるような状態と、消費者教育といいますか消費者の今後のあり方も、また一つの消費啓蒙でありますから、そういうところへも同時に及んでいかないと、この中間流通の問題の解決にもなってこないと思うのでありますが、それらのことは、かたがた総合的な問題でもあり、こうした豚肉を事業団が八十万頭近くも持っておるというような時期に、これだけ大きな問題をひっかまえておるのでありますから、あわせて積極的な対策をとらねばならぬ、さようにも考えておりまして、昨年来真剣な努力をしておることは事実でございますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
○神田(大)委員 努力しても結果があらわれないのでは何にもならぬことですね。この際、私は、豚肉にかかわらず、生鮮食料品の流通機構の改善に対しまして、これは政府機関が一体となってこれが改善をはからなければ、物価安定という点からいいましても、これは問題にならぬと思うのです。これの解決が一番大事なことであります。その一つのあらわれとして、肉豚の場合は、これは一番やればできるものでございますから、政務次官のよまい言を聞いたってしようがないが、ひとつ真剣になってあなた方これの改善に尽くしてもらいたい。そうでなければ、これはわれわれも納得できないのでありまして、時間もありませんから、このことはあとでまた資料をもってお尋ね申し上げることにします。 次に、輸入肉のことですが、ニュージーランド、オーストラリア、そのほかの地域から輸入しておるようでありますが、現在のように事業団が豚肉を放出しなければならぬというときに、どうしてこれを輸入しておるのか、お尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 現在食肉の輸入をいたしておりますのは、牛肉と、それからマトンと馬肉でございます。牛肉につきましては、これは割当制度をとっておるわけでございます。馬肉とマトンについては、これは現在自由化されて自由に入るというふうな形になっておるわけでございます。 そこで、牛肉につきましては、御承知のように、国内の生産量が非常に減っているわけでございます。一方国民所得の増大につれまして、牛肉の需要はふえているというふうな実情にあります。もちろん肉でございますから、豚肉がどれだけの消費があり、供給量が妥当であるかということにつきましては、代替性のあることから、なかなかむずかしいことでありますけれども、しかし、必ずしも代替をし切れない、その本来の肉の需要というものもあるように考えられます。そういう点から申しまして、牛肉につきましては、生産量が非常に減っております関係から、価格がかなり騰貴をいたしております。そういう関係から、昨年は約一万トンの輸入をいたしたわけでございます。 羊肉と馬肉につきましては、自由でございますので、現在のところ制限をすることは困難でございますが、昨年、マトンにつきましては約十万トン程度だと記憶いたしております。馬肉につきましては約二万トン程度だというふうに考えているわけでございます。マトンと馬肉につきましては、御承知のように、これはプレスハムの原料でございまして、豚肉でハムをつくる場合もございますけれども、プレスハムの場合は、おおむねマトンだとか馬肉を入れてミックスした形でつくられているわけです。豚肉でつくったものよりは比較的安いというふうなことで需要があるわけでございます。したがいまして、ある程度の輸入はやむを得ないというふうに考えているわけでございますけれども、国内の豚の供給が多くて豚が余っているわけでございますから、国内でできるだけ豚を消費することが望ましいというふうに考えているわけでございます。六月一日からJASの規格の改正をいたしまして、ハムの中に入っております豚肉であるとか、馬肉であるとか、マトンであるとかいうことを明確に表示することにいたしたわけで、その結果、メーカー等の話を総合いたしますと、豚肉のハムについての消費がかなり拡大をしているように思われるわけでございます。マトンとか馬肉の入っておりますハムの売れ行きがやや落ちているというふうな傾向もございます。今後も、この豚肉でできた加工品を積極的に消費するように、大いに消費の拡大につとめてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○神田(大)委員 現在豚肉が過剰ぎみであるから、このように外国から輸入する肉はできるだけ押えてもらいたいと思うのであります。ただいまハムの表示の問題が出ましたが、西欧諸国においては、この表示のしかたは、マトンが何%入っているとか、豚肉が何%と馬肉が何%というふうに、パーセンテージを入れて表示をしておるのであります。やはり日本においても一歩進んで、肉の加工品については、そのような種類の表示をはっきりとすることによって、消費者に安心して食べてもらう、豚でもって加工したものかと思ったところが、これがマトンであったり、あるいはウサギの肉であったりというようなことではなしに、これをもっと明確な表示の方法をすべきであろう。そういうことによって、私は、マトンの輸入というようなものはある程度押えられて、豚肉の需要というものが増大するのではなかろうかと思うのでありますが、その点いかがでございますか。
○岡田(覚)政府委員 今回のJASでは、入っている肉の量の多いものから順次に並べるというふうなことにいたしまして、パーセンテージを入れるところまではいっておりませんわけでございますが、今後十分検討さしていただきたいと考えております。
○神田(大)委員 時間が三十分だそうで、どうも何ともあと問題点を指摘するわけにいかぬから、養豚につきましてはあとの機会にまたお願いします。 次に、養鶏の問題ですが、最近鶏卵の価格がだいぶ下がってきておりますが、これらに対する対策についていかなる考えを持っているか、お尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 鶏卵の件でございますが、お話のように、最近下がってまいっておるわけでございます。四十年から四十一年の初めにかけまして、卵の価格が非常に高水準のこともございまして、四十一年の秋のえづけ羽数が非常に増大いたした結果、最近に至りまして卵価の低落をいたしておるわけでございます。これに対しましてまず第一に、畜産物の価格安定等に関する法律に基づきまして、調整保管をさせるということで、五月十五日に告示をいたしておるわけでございます現在、全販連をはじめとして養鶏団体から調整保管の承認の申請が出てまいっておりますので、早急にこれを決定いたすことにいたしておるわけでございます。一方で、御承知のように、卵価が低落をいたしました場合には、その価格を補てんするという意味で、卵価安定基金をつくっておるわけでございますが、この卵価安定基金の損失の補てんに対する指導を十分行なってまいりたいというふうに考えるわけでございますが、一方におきまして、何と申しましても、需要と供給のバランスをとるということが重要なことでございますので、昨年から出荷調整のための会議を年に数回開きまして、需要の予測、それから生産の見通し等につきまして速報を出しまして、それぞれ県、団体を通じて農家の指導をいたすことにいたしておるわけでございます。今後これを十分活用いたしまして、需給が安定をするような努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○神田(大)委員 鶏卵は二年ばかり前に暴落をいたしまして、養鶏家は非常な痛手をこうむって、最近ようやく何とか立ち上がってきたときに、今度またこの安値というようなことで、非常に養鶏家は今日不安な経営に悩まされておるのでありますけれども、これが対策につきましては、政府が卵価安定基金にたった二億円ばかり出してこれを安定しようとしても、これはなかなかそういうことじゃできないことでありますから、この卵価安定基金の増大をはかると同時に、やはり抜本的な対策を立てるべきであろう、このように考えます。それと同時に、やはり輸入卵が卵価を圧迫していると私は思うのでありますが、これらについてはいかなる考えを持っているか、お尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 卵の輸入というものは従来ほとんどなかったわけでございます。四十年、四十一年の卵価の高水準の時期におきまして外国からの輸入が始まったわけでございます。四十年は輸入は千数百トンでございましたけれども、四十一年に入りまして三千トンくらい入っておるわけでございますが、これは大部分は凍結卵というふうな形で入ってまいっておるわけでございまして、輸入先は主として豪州だとか英国というところが中心になっておるわけでございます。国内生産といたしましては、昨年の四十一年の生産量が百万トンをこえておるわけでございますから、三千トンと申しますと、約〇・三%でございまして、量的に申し上げますと、これはそう多い量であるというふうには考えてないわけでございます。ただしかし、価格が低落をいたしておりますときに輸入があるということにつきましては、さらに価格を低落させるおそれもございますので、この点につきましては、慎重に検討いたしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在自由化をいたしておりますので、これを直ちに阻止するということはございませんけれども、比較的安い価格で入っておるというふうな状態でもございますので、それぞれの国につきまして、どのような事情でそういうふうに安く輸出ができるのか、そういう点につきまして、現在各国の状況を調べておりますので、その状況いかんによりましては、何らかの手段がとり得るということも考えられるわけでございますから、慎重にその点は検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○神田(大)委員 輸入卵は非常に数量は少ないと言われましたが、年々これが増大をして日本の卵価を圧迫しておると思うのです。これは少しであっても、現在のような日本の養鶏事情から申しますと、これは少しだといって看過するわけにはいかない重大な問題であると思いますので、これらについて適切なる処置を速急にしてもらいたいということを強く要望申し上げます。 次に、日本の鶏が二、三年の間にまたたく間にアメリカ系の鶏に制圧されて、どこへ行っても外国製のひな、外国製の鶏でなくちゃならぬというような状態になっておりますが、一体農林省は、長い間品種改良を叫び、品種改良に対して努力をしておったにもかかわらず、またたく間に外国鶏に制圧されたというようなこの現実をどうお考えになるか、お尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 外国びなの輸入は、お話のように増大をいたしておるわけでございます。三十五年ごろまでは大体改良の基礎鶏ということで輸入されておったわけでございますが、最近におきましてはコマーシャルのひなの輸入が行なわれるというような状態になっておるわけでございます。特に最近は輸入鶏の中でも肉用鶏が増加しておるわけでございます。輸入鶏の中で、四十一年をとってみますと、肉用鶏が約百七十万羽、卵用鶏が九十万羽ということで、卵用鶏は減少いたしておりますけれども、肉用鶏が非常にふえておるわけであります。従来日本では、鶏の肉というのは廃鶏を中心にして考えておったわけであります。鶏は卵を産むものである、肉はその後のものを利用するという考え方であったわけでございまして、したがいまして、肉用鶏の品種改良ということにつきましては、これはまさにおくれておるというふうに思うわけでございます。卵用鶏につきましては、最近輸入が減りつつあるというふうな傾向を示しておるわけでございますが、わが国におきましても、養鶏の重要性にかんがみまして、種畜牧場の整備ということをこの数年来つとめてまいったわけでございますが、一つは、岡崎種畜牧場に三十九年から四十一年にかけまして二億九千万円ばかりを投じまして、計画を完成しておるわけであります。白河種畜牧場につきましても、三十九年から四十一年の計画で五億円を投下しまして、設備を完了いたしまして、逐次優秀な鶏の育種に成功しつつあるわけでございまして、いましばらくのうちに外国鶏に劣らないような、むしろそれを追い越すような形のひなの造成ができるというふうに考えて、努力をいたしておるわけでございます。 〔森田委員長代理退席、仮谷委員長代理着席〕 肉用鶏につきましては、先ほど申し上げましたように、ややこれはおくれておるわけでございますから、したがいまして、これはおくれを取り戻すために、岡崎、兵庫の種畜牧場の整備拡充計画を現在いたしておるわけでございまして、四十一年から四十三年の三カ年計画で四億三千万円程度で完成をしたいということで、これまた国内としての非常に優秀な鶏をつくり出すということに努力をいたしておる次第でございます。
○神田(大)委員 局長の話はまことにうまい話でありますが、現実にずいぶん長い間日本においてもそのような努力と研究を重ねておったが、われわれに言わせれば、一体いままで何をやっていたのか、何の研究をしていたのか。全部外国種に制圧されて、えさも今度アメリカから全部持ってくるということで、日本の市場が、もう資本の自由化になる前にすでに鶏、えさ、全部アメリカに制圧されているのですが、農林省は一体何の研究をしておったか、われわれはさっぱりわからぬ。そういう点について、何か基本的に間違っておるのではないか。資金の面とかあるいはまた技術の面において非常に劣っておる。アメリカ等に比較して劣っておる点はわれわれも認めるのですが、そういうことをいまさらまたこういうふうにして研究するといったところで、われわれは信用できないのです。この点について、私は基本的にあやまちというものがあると思うのですが、その点について、簡明率直にひとつ御答弁願います。時間がないからよろしくお願いします。
○岡田(覚)政府委員 わが国におきましても、品種改良ということについてはかなりの努力をいたしておったわけでございますけれども、現実に見まして、十分でなかったということは反省せざるを得ないわけでございますが、今後におきましては、そのようなことのないように努力をいたしますので、御期待をいただきたいと考えておる次第でございます。
○神田(大)委員 これはもう養鶏ばかりではなしに、乳牛にしても、養豚にしても、この品種改良というものが日本は非常におくれておる。外国からの優秀な種を入れて、そうしてそれにたよっておるわけですね。これはもう品種の改良については問題じゃないと私は思っておるのです。これに対して抜本的な対策を立てない限り、いつも外国に養鶏、養豚、乳牛、肉牛等が支配されることになるのであって、これをひとつ根本的に考え直してもらいたいと思うのでありますが、これは大事な問題だから、政務次官に一言御答弁願います。 〔仮谷委員長代理退席、倉成委員長代理着席〕
○草野政府委員 外国のやったことでもいいことなら、こちらが勉強して、なるべくそのまま取り入れるようにしたほうがいいと思うのですが、このごろ、動植物の生命の根源に触れるほどの大改革の非常に行なわれておるときでありますから、ひとつ農林省も馬力をかけて、そういうことを言われぬようにこれからやらせるようにいたします。
○神田(大)委員 次にえさですが、これは養豚、養鶏にとっては一番大きな問題である。飼料の自給の問題、輸入の問題等について、何ら改善をされておらないと私は思うのです。今日アメリカのトウモロコシあるいは小麦等にばかりたよるべきではなしに、日本においてもやればできる地帯があるわけでございますからして、これから自給飼料の改善のために手を打つべきではなかろうかと思うのでありますが、これらに対して熱意がないようでありますが、この問題についてお尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 わが国の畜産が発展するにつれまして、飼料の需要量というものが非常に増大をいたしてまいっておることは、先生御承知のとおりでございます。そこで、中でも豚、鶏が非常にふえておるということから、外国からの飼料の輸入というのがふえてきておるわけでございます。国内でできるだけ飼料の自給をするということが望ましいことは言うまでもございませんので、草地改良だとか、それから自給飼料につきましては、極力増産ということで努力をいたしておるわけでございますけれども、濃厚飼料につきましては、御承知のように、国内では十分生産ができないわけでございますので、ある程度の輸入はやむを得ないというふうに考えておるわけでございますけれども、しかし、合理的な形で生産が成り立つものについては、できるだけ努力をしたいというふうに考えております。 また、科学的な飼料というものにつきましては、これは国内でも十分研究ができることでございますので、その点につきましては、科学飼料協会を中心にいたしまして、助成もいたしまして、その方面の研究をいたして着々成果をあげておるわけでございます。今後もそういうことでできるだけ国内でまかなえるものは国内でまかなっていく、そのための増産をはかっていくということに努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○神田(大)委員 えさの問題は、これは私が申し上げますと、一時間も二時間もかかると思うから、いままで私が申した養鶏、養豚の問題は、次の機会にまたひとつお願いをしたいと思いますが、私が非常に心配しておることは、資本の自由化になって鶏はアメリカから、えさもアメリカからということになりますと、いまは相当大きなアメリカの貿易商が港渡しでもってえさを日本に入れているわけですが、これが必ず上陸して、今度は販売網をつかんで直接に、いわゆるデカルブに対してはこのえさがいいんだ、あるいはバイラインについてはこのえさがいいんだというように、その種類別のえさをつくって、上陸作戦でもって今度はやってくるおそれがあると思うのです。いまの日本の貿易商社の規模ではとても太刀打ちできない。こうなると、これはもう完全に日本の養鶏、養豚というものはアメリカ資本に握られることになるのです。これらの資本の自由化を前にしての重大な問題について、農林省はどのように考えておるか、これは一言で言えといっても問題でありましょうが、特に一言だけ聞いて、あとでまた私のほうで質問をいたしたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 ただいまお話しのような点もございますので、資本の自由化につきまして、養鶏なり飼料の自由化につきましては慎重に措置するということにいたしておるわけでございまして、現在、自由化するというたてまえにはいたしておらないわけでございます。 お話しのように、鶏はアメリカから入り、えさもアメリカから入ってくるというふうな状態は、現在実態としてあるわけでございます。先ほど申し上げましたように、国内で優秀な鶏を造成するという努力はいたしておるわけでございますが、これにつきましては、飼料の生産、主として配合飼料でございますが、メーカーとしましても相当合理化を進めております。外国のえさ業者に対しましても十分対抗できるような形に、さらに合理化を進めさせるつもりで努力をいたしておるわけでございます。
○神田(大)委員 これは非常に大事な問題でありますから、口先だけで合理化を進めるということじゃなしに、現実の問題として早晩にくる問題でありますから、適切なる措置をぜひとらないとたいへんなことになると私は考えます。 また、鶏につきまして、ニューカッスル病その他の病気が流行しまして、養鶏家が非常に不安に思っておるのです。いま大家畜に対しましては共済制度がありますが、鶏等に対する共済制度につきましてどのようなお考えを持っておるか、お尋ね申し上げます。
○岡田(覚)政府委員 鶏につきましては、共済制度をやったらどうかという要望も非常に強いわけでございます。そういうふうなこともございまして、本年から共済につきましての調査をやるということになっておるわけでございます。ただ、鶏の共済につきましては、なかなかむずかしい点もございますので、十分調査をいたしまして、その結果を待ちまして判断をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○神田(大)委員 速急に結論を出して、すみやかに実施するように私からもお願い申し上げます。 そのほか、まだたくさんありますけれども、あと同僚議員が質問を待っておるようでありますから、後の機会に、これら畜産行政の問題についてお尋ねすることにいたしまして、私の質問をこの程度で終わります。ありがとうございました。
○中村(時)委員 関連して。ただいまの神田委員の質問に関連して、畜産の関係全般に対してはこれは短時間でできるわけはないので、関連質問ですから、一、二点だけ明確にしておいていただきたい。 あなたの話を聞きますと、非常にきれいごとでたくさん羅列をされて、文章にはなります。しかし、本質はちっとも突いていない。その一、二の例を私が申し上げますから、それに対して答えてもらいたい。 たとえば、いま事業団のほうで三万数千トンの手持ちの豚肉がある。これを一体どういう方向で処理しようとされているのか、そういう問題に対しては明確さを欠いておる。一体今後この大きな手持ちはどうされますか。本年度は数千トンのものを放出する。それに対して学校給食その他の方法が出てくるでしょう。だが、三万トン以上のものを持っておるでしょう。一体、その三万トン以上のものをどうされようとしておるのか、その点をまず第一にお伺いしたい。
○岡田(覚)政府委員 御承知のように、事業団が買い入れました豚は、価格が騰貴したときに、上限価格をこえ、またはこえるおそれがあるときに放出するのが原則になっておるわけです。ところが、買い入れが長期にわたっておる、価格は低迷しておるということで、そういう事態になるわけです。法律的に申しますと、原則は以上のようでございますけれども、買い入れ保管が長期にわたる場合あるいは一定量をこえます場合には、放出をしてよろしいということになっておるわけでございます。そこで、買い入れました豚肉がどの程度保管ができるかという問題にもなってくるわけでございまして、この点につきましては、国際的にも国内的にも、いつまで保管ができるというふうな決定的な見解はないわけでございます。しかし、いつまでもということはなかなかむずかしいと思っておるわけです。したがいまして、絶えず検査をしながら状況を見ておるわけでございます。現在のところ、貯蔵に耐えないというふうな状態にはないわけでございます。しかし、いつまでもというわけにまいりませんので、この際国内に放出するということをきめたわけでございますが、一方で国内の価格に非常な影響があるということも困るわけですから、国内の価格に影響を及ぼさないようにできるだけ売っていくということをまず第一に考えざるを得ないと思います。まず試験的に六月から七月末にかけて二千トンを放出するということをやっているわけでございます。今後もこの状況を見ながら国内に出していきたいというふうなことを考えているわけでございますが、もちろん、国内だけで十分放出が可能であるかどうかという点もございますし、一方で輸出の可能性がございますれば、外国に出すということも考えられるわけでございまして、この点につきましても、いろいろな情報を集めているわけでございます。いずれにいたしましても、事業団が持っております豚肉がここで腐敗するということは、資源の著しい損失でございますし、国としても非常な損失をこうむるわけでございますから、これは市場に出さざるを得ない。出す場合においては、国内と国外があるわけでございますが、いずれにしましても、そのように国内の価格にできるだけ影響がないような形で処理してまいりたいというふうに考えているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、できるだけ消費を拡大しながらその消費に充てていくということをまず第一に考えるべきであるという観点から、学校給食、自衛隊向けの消費農村消費の拡大というふうなものに対してできるだけやってまいりたい。それに次ぎまして、やはり小売り業者なりそういったものに消費の拡大事業をやらせまして、その拡大事業に応じてできるだけ出していくというふうな形をとってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○中村(時)委員 考え方そのものは、そういうふうに抽象的です。ところが、生産のほうは減らない。そうすると、買い入れるほうがどんどんふえていく。実際に二千トンないし三千トン売るにしても、あれだけの大騒動を起こしているでしょう。それが手持ちが三万トンあるということになると、一般の業者はこれはたいへんだということになる。しかも生産はふえていく。そして消費のほうはどうか。いまあなたも消費だとおっしゃった。それはそのとおりで、けっこうです。ただ、その消費をやるのには、具体的な案がなければならぬ。たとえば先般の病源菌のために、一般消費者は豚肉を食ったらたいへんだ、こういう感じになっている。それをどう取り消していくか。そういう問題が一番大事な行政の問題だと思う。そういう問題を抜きにして、消費を伸ばさなければならぬ、それは子供に言う話です。だから、そういう点は、明確に一つの根拠を持って、そして具体的にはっきりさせていく。外国に輸出するなら、どういう外国にどういう対象をどう求めていくか、そういう事柄をやるのがあなた方の立場だ、私はそう思っている。そこで結局、あなたのおっしゃったように、生産を実際にどうとめるか、生産源をどう押えるか、あるいは消費をどう伸ばすか、そのどちらかですよ。 そこで、お尋ねしておきたいのは、生産をとめるという意思があるかどうか、この問題が一点。消費を伸ばすというならば、具体的にどういうふうな方法で消費を伸ばしていくか。たとえば、いま言ったように、病源体が人体に影響を及ぼさない、すでにその問題の解決ははかってあるのだ、こういうふうに一つの基本的な問題が取り上げられて解決されておるならば、それをどういうように宣伝し、どのように拡大していくか、そういうような問題に取り組んで明確にしていく必要があるだろうと思います。そういう点で、これは関連ですから、簡単にお尋ねしますから、明確に答えていただきたい。
○岡田(覚)政府委員 消費の拡大でございますが、先般病菌豚がございまして、その結果豚肉の消費が減退したことは事実でございます。五月に入りまして、消費はおおむね回復をいたしまして、病菌豚の影響はいまやなくなっているというふうに判断しているわけでございます。 そこで、さらに消費を拡大するということでございますが、これは強制するわけになかなかいかぬものですから、要するに、消費者のそういうふうな消費の考え方をひとつ変えてもらうということでございます。それには、何といっても宣伝であるということでございますので、まず小売り業者を中心にいたしまして、豚肉祭りというものを大々的にやりまして、これによりまして、ひとつ豚肉の消費の大運動を起こそうというふうに考えておりまして、今月十六日、東京をはじめといたしまして各大消費地において、大々的な消費拡大運動が行なわれることになっておるわけでございます。これにあわせまして畜産振興事業団といたしましても、テレビ、ラジオ等を通じまして、大いに消費の拡大につとめたいというふうに考えておるわけでございます。このような方法によりまして、消費の拡大をはかってまいるというふうに考えておるわけでございます。 それから、生産の問題でございますが、今後一体生産がどのような形で推移するかということは、きわめて重要な問題であるわけです。そこで、いろいろな統計調査等を通じまして、今後の生産の予測をいたしておるわけでございますが、豚の今後の見通しにつきましては、非常にむずかしい。まあ各県等を通じまして資料をとっておりますけれども、その資料と現実の実績と必ずしも合わない。どうも実績のほうが多いというふうな状態にあるわけでございますけれども、今後どのようになるかということは、ここしばらくの間の推移を見て、生産対策についてもどのような措置をとるかということを検討したいというふうに実は考えておるわけです。と申しますのは、先ほども申し上げましたように、ことしに入りまして、毎日四、五千頭の買い入れをいたしておるわけでございますけれども、最近は消費の時期と申しますか、消費のピークが大体六、七月ごろにあるわけです。そういう関係から、事業団の買い入れも三千頭台に下がってまいっておる、こういうふうな事実もございます。そういうふうな状態もございますので、ここしばらく事態の推移と、それからいろいろな統計的なデータなり調査もいたしまして、将来の予測を十分立てましたところで、生産に対してどのように処置するかということを考えていきたい峯、ふうに思っておる次第でございます。
○中村(時)委員 畜産局長、君のような頭のいい人間がいまごろから生産対策を考えていくじゃ、非常に立ちおくれなんです。当然豚肉が問題になったときすでにそのことが出ていなくちゃならない。そのことをあなたも認めざるを得ないと私は思う。しかし、やらぬよりはやるほうがいいのだし、カーニバルがどうなるのか知らないけれども、その結果を見ていきたいと思っております。関連ですから、これ以上追及しません。 そこで、もう一点お聞きしておきたい。 外国からいままで酪農製品が入ってきた。少なくともその価格の差益金というものは四十億からある。これは酪農振興に伴うところの費用としてあてがうということは、同僚議員の東海林氏からも一度お尋ねがあったという話なんですが、御承知のように、その問題は酪農振興に使用されていくものであって、万一かりにこの問題が、豚肉がどうにもならなくなってしまったということで、その使用用途をそのほうに持っていくということがあるのかないのか。というのは、事業団そのものに私は多分の疑義を持っている。そのことが、いろいろな汚職や腐敗、そういう問題を起こしている。これは摘発していったら幾らでもいろいろな問題がまだ出てくるでしょう。そういうようなことからも考えて、事業団自身をどのような根本的な方針で打ち立てていくか、これが一つ。これは答弁願おうと思っておりません。あなたが腹におさめて、十分検討しておってもらいたい。 第二点は、いま言った価格の差益金、この使用用途、どういう方向に、酪農振興に力点をしぼってやっていこうとしているか、あるいは他の畜産関係全体に持っていこうとしているのか、そういう点を一点だけお聞きしておきたい。
○岡田(覚)政府委員 事業団の乳製品による差益の問題ですけれども、これは国内の牛乳の生産が停滞をしておりますために、やむを得ず外国から輸入せざるを得ないというふうな事情になっておるわけです。そこで、国内の生産を拡大しまして、輸入の差益が出なくてもいいようにするということが、酪農政策としてはねらいでなければいかぬというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、現在、入りました差益は、これは酪農振興のために使いたいというふうに考えておるわけでございます。
○中村(時)委員 では、あとの個々の問題は、いずれ機会を見て聞くことといたしまして、十分酪農政策として考えてみたい。関連なので、この程度で一応やめておきます。
○倉成委員長代理 東海林稔君。
○東海林委員 簡単に二つばかりお尋ねしたいのですが、第一点はニューカッスル予防のためのワクチンの需給関係です。 ニューカッスル病の発生状況については、本委員会で前に報告を求め、それに関連して若干の質疑があったわけですが、当時私どもは、ある程度気温が上がってくれば、だんだんと終息するだろうというような考えといいますか、期待を持っておったのですが、相当長期にわたってこれが続発したというような関係もあり、また最近では、一部では表向きには終息したような形はしているが、病菌がやはり残っておる関係か、ひなについてはやはり予防を完全にしなければほとんど育たないというような実情にあるところもあるように聞いておるわけです。ところが、ワクチンの供給関係ですが、一時的に非常にニューカッスルの多発のために需要が殺到したというような関係もありまして、現物の現地に対する行き渡りがなかなかうまくいかない。伝染病の予防ですから、これは希望があればすぐでも予防薬が養鶏家に行かなければならぬのがたてまえだろうと思うのです。それが相当期間行かないというようなことで、私どもにもいろいろと文句があったわけですが、どういうような需給関係になっておるか、生産と需要の関係について、数字的にこの際明らかにしていただきたい、こう思います。
○岡田(覚)政府委員 お話のように、ニューカッスル病のワクチンにつきましては、需給関係がかなり窮屈でございまして、生産者の方々に、入手につきまして非常な御迷惑をかけたこと、非常に恐縮に存じておる次第でございますが、従来わが国におきまして、ワクチンにつきましては、国内供給で不足をしたという事態はございません。かなり余裕がある生産態勢にあったわけでございます。四十一年におきましても、相当なニューカッスルが発生いたしたわけでございますけれども、これは十分国内の供給をもって処置することができたわけでございますが、四十二年につきましては、当時予想いたしておりましたよりもニューカッスルの流行が大きかったというふうな関係から、予防ワクチンに対する供給の不円滑さがあったというふうに思っておるわけでございます。四十一年の十月末に約二千八百万ミリリットルの余裕があったわけでございます。そこで私たちは、まあかなりの余裕があるというふうに実は思っておったわけでございますが、四十二年の一月から五月におきまして、需要量が約一億一千万ミリリットルあったわけでございます。その間の生産量が九千九百万ミリリットルでございまして、したがいまして、生産量よりは需要量のほうが多かったわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたような備蓄がございましたので、かろうじてこれを切り抜けることができたということが言えると思うのです。したがいまして、量的には需給は一応バランスは可能であった。そういう事態でございましたので、一方でニューカッスルが発生しまするにつきまして、至るところから潜在的な需要が出てくるということもありまして、供給の不円滑さが目立ったというふうに考えておって、まことに申しわけないと思っておるわけでございます。そこで、私たちのほうは、国内生産だけでは必ずしも十分でございませんので、外国から輸入をすることにいたしまして、今年三月、千三百万ミリリットルの輸入をまずいたしたわけでございますが、メーカーに対しましても、十二月の末から生産の拡大ということを要請をいたしまして、現在月産能力約四千万ミリリットルになっておるわけでございます。 そこで、四十二年の需給でございますが、四十二年の需給につきましては、推定いたしまして、昨年、今年の需要を見まして、本年度一ぱいといたしまして四億ミリリッターの需要があるものと想定をいたしておりますけれども、それに対しましてさらに一〇%ないし二〇%の備蓄をすべきであるというふうに考えておりまして、約四億五千万から五億ミリリッターの必要性があるというふうに判断しております。現在メーカーの生産能力は四億八千万ミリリッターでございますので、おおむね供給力としてはまかない得るわけでございますけれども、しかし、最近の情勢から見まして、これのみでは必ずしも十分でないかもしれないという判断をいたしまして、さらに五千万ミリリッターの輸入備蓄をいたすというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、これによりまして、四十二年におきましてはおおむね需要量に対しまして対応できるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○東海林委員 いまの御答弁でも、生産能力からいえば一応需要量を満たし得るというようなお話があり、また、昨年までは国内生産で不足したというような状況はあまりなかった。こういうことからして、私は、どうもいままでのニューカッスル予防のためのワクチンというものの認識が全養鶏家に十分徹底し、それに基づいて、技術的にワクチンの最も有効な期間を考えて定期的にやるというように、計画的にワクチンの予防接種をするということが必ずしも十分でなかった、それがためにニューカッスルが出て、今度はあわてて予防するというような状態が出ておるのじゃないかと思います。申すまでもないのですが、病気になってから注射するというのではかえって危険な場合もあり得るのですから、これは日常計画的に全養鶏家に対して徹底しておれば、ニューカッスルの発生も少なくて済むだろうし、また、こういう一時的に注文が殺到して需給が窮屈になるという事態もなくて済むのじゃないか。そういう点において従来の指導が不十分であったのじゃないか。今回の苦い経験によって、養鶏家の間にも相当広く予防についての自覚が出てきておるようでありますから、私は、この際、積極的にそういう点について十分な指導をすべきだと思うのですが、私の見解が間違っておるかどうか、そういう点についての御見解を承りたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 先生のお話しのようなことであろうというふうに思っておるわけですが、実は、従来流行いたしておりましたものはアメリカ型のニューカッスルでございます。したがいまして、やや慢性的な経過をとるものですから、ニューカッスルというのはたいしたものではないという認識も農家の間にあったと思うのです。昨年以来アジア型になりまして、非常に急性な経過をたどりますし、しかも死亡率が非常に高いということから、ニューカッスル病の脅威に対する認識がかなり徹底してまいったと思うわけであります。 そこで、実は四十一年から集団的な予防とワクチンに対する予約というふうな指導をいたしまして、病気にならない前に必ず注射をするという指導をいたしておったわけでございますけれども、必ずしも十分徹底をしてなかったと思うわけでございます。四十二年度におきましては、昨年、今年の経験にかんがみまして、徹底的にこの点の指導をいたすつもりでありますし、また、共同の予約購入に対しまして、八千万ミリリッターに対します助成をいたすことにいたしておるわけでございますので、四十二年度におきましては予約購入、集団的な予防措置をとるということを各県の家畜保健衛生所を中心にして徹底をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○東海林委員 禍を転じて福となすという意味において、この際、そういう点を十分ひとつ御努力願いたいと思います。 そこで、それに関連してですが、先般委員会にも報告がありましたように、生ワクチンの使用につきまして、一部現地での試験使用というようなことで、知事の許可を受けてやってよろしいという局長通達を出したのでございますが、実際にそれはどのように使用されておるかということと、先ほどの需給計画の中に生ワクチンというものは一体考えられておるのかどうかということ、さらに、それと同時に、国内における生ワクチンの生産ということについてどのような考えを持っておるか。
○岡田(覚)政府委員 生ワクチンの実用化につきましては、現在各地において試験をやっておるわけでございますが、まず農林省の家畜衛生試験場で三県下五カ所において実施いたしております。民間においても試験実施を認めたわけでございますが、この結果、現在九県下九十一カ所において試験をいたしておるわけでございます。大体十一月ごろまでには結論が出ることになっております。私のほうも四十二年度の予算といたしまして野外の応用調査の経費をとっておるわけでございますが、その経費を使いまして二県において七月から実施をすることにいたしておるわけでございまして、これらの成績につきましては、すべてを総合いたしまして、日本獣医学会その他の関係機関とも協議しまして、使用方法等につきましても決定をしたいというふうに考えておるわけでございます。現在実施中の経過を見ますと、安全性についてはいまのところほぼ問題はないというふうに思っておるわけでございますが、ただ、生ワクチンを応用いたしております鶏群は、いずれも衛生管理を十分にやっている鶏群か、抗生物質の併用による予防措置を行なっているということでございますので、一般の応用の場合の安全性、経済性、適応性ということにつきましては、もう少し研究する必要がある。私のほうでやりますものにつきましては、そういうものについても研究をするということにいたしておるわけでございます。 それから、生ワクチンにつきましては、現在主として外国のものを使っておるわけですが、家畜衛生試験場におきましても生ワクチンの製造は可能でございます。したがいまして、現在生ワクチンの検定基準の作成を急いでおるところでございます。早急に検定基準をつくりまして、それに基づいて国内でも生産ができるような態勢を整えていきたいというふうに思っております。国内の生産も可能でございます。 それから、先ほども申し上げました需給計画の中には、生ワクチンそのものは入っておりません。しかし、生ワクチンを使うということになりますと、それと合わせてさらに需給計画を検討する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○東海林委員 次に検定機構の問題ですが、私は、この間の需給がうまくいかなかったということについて、検定機構に何か予算なり人員の不足があったのじゃないかというようなことも心配したのですが、そういう点はなかったのですか、あるいは不十分な点があるという懸念があるのですか。
○岡田(覚)政府委員 ワクチンの検定は、動物医薬品検査所でやっておるわけでございますが、通常ベースにおきまして特に検定が困るということはないわけでございます。しかし、一時に殺到いたすということになれば、これはやはり問題があるわけでございますけれども、今回の場合には、総力をあげてやりました結果、それほど不都合は生じてないというふうに考えております。一般的に言いまして、ワクチン類の検定がふえております。したがいまして、必ずしも十分であるとは申し上げられませんけれども、その点につきましては努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○東海林委員 何かどうも若干心配がないでもないような答弁なんですが、この種の予算なんというのはなかなか通りにくい予算のようでありますけれども、こういう問題が起きた際ですから、ぜひこれはひとつ完全な機構にしていただきたい、こういうことを強く要望いたします。 次に、伝染病予防法の五十八条にある手当金の問題ですが、殺処分したものについては三分の一、ただし鶏の場合は三百円以下ということになっておるのですが、この三百円をきめてからだいぶ年月がたっておるわけでありますから、実情に合わない点が出てきておるのじゃないか。特に一つは、種鶏等の殺処分の場合には、当然これは問題になるというふうに考えるわけです。 そこで、時間を節約してお尋ねしますが、この三百円といういまの規定を、私はこれを実情に合うように修正する必要があるというふうに考えるわけですが、その点についての御見解をまず承りたいということと、今回のニューカッスルの発生について、実際に殺処分したものに対して国から交付されたものは、私が考える三百円では安過ぎるという、その三百円にも満たないという声を方々から聞くわけですが、これは実際にはどういう単価で交付されておるか、ひな、親、そういう区別でもってこの点を明らかにしていただきたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 殺処分手当の問題でございますが、これはしばしば安いではないかというふうな話がございます。 〔倉成委員長代理退席、高見委員長代理着席〕 これは御承知のように、鶏を殺した場合に、健康な状態であった当時の損失を補てんするということではなくて、死ぬる当時の財産的な価値を補償するという考え方をとっておるわけでございます。そこで、その殺す際の価格が一体幾らであるかということの評価はなかなかむずかしいということもございまして、一応三分の一という評価になっておるわけでございます。 そこで、現実の評価の方法でございますが、これはそのひな代に育成費を加えまして、月齢ごとに算出いたしまして、その評価に対しまして三分の一ということにいたしておるわけでございます。したがいまして、最高が三百円ということになるわけでございますが、生産費調査その他から見まして、階層別に見ますと、六百二十八円というのが出ておりまして、最高で六百九十八円、最低で六百八円、平均いたしまして六百二十八円というふうな数字が出ておりまして、生産費調査等から見まして、九百円というふうな価格は比較的少ないのではないかというふうに実は考えておるわけでございます。 現実の実績でございますが、鶏々によって違うわけですから、したがって、一律に幾らというふうにはなかなかなっておらぬわけでございます。各県別にも違っておるわけでございますけれども、実績から見ますと、採卵鶏については百八十円ないし二百円、それから種鶏につきましては三百円、ブロイラーにつきましては七十円ないし百円というふうな程度になっておると存じております。
○東海林委員 時間がないからこまかい議論はできないのですけれども、私は、三分の一を直ちに修正するということについては、これはなかなか容易じゃない、しかし、検討してもらいたいのですが、三百円ということを法定してからだいぶ日にちがたっておるわけです。いま基礎としての生産費平均六百二十八円という話がありましたが、ここでこの問加工原料乳の生産費についてもだいぶ議論したように、従来の皆さんの鶏に対する生産費というものをこまかくお聞きすると、またうんと議論しなければならぬ問題が出てくるわけです。したがって、こういう六百二十八円がいまの鶏の生産費だということは、これは常識的に見て当てはまりません。したがって、そういう点をもう少し基礎的に真剣に検討して——ただ数字がこうだからということだけではおさまらぬ問題です。この点は十分ひとつ検討してもらいたい。私はいつかこの問題をこまかく聞きたいと思いますけれども、しかし、いずれにいたしましても、六百二十八円という生産費には問題があるはずです。これは加工原料乳の議論からもよく感じておりますし、皆さんは加工原料乳については一部前進をしたはずですが、鶏についてはおそらくそういうことを考えてないからこういう数字が出たのです。したがって、こういう点は実情に合うように十分検討していただくように強く要請しまして、時間がありませんので、一応私の質問を終わります。
○高見委員長代理 中野明君。
○中野(明)委員 本日は時間が制約されておりますので、御答弁のほうも要点だけお願いしたいと思います。 農地の転用のことについて、最近いろいろと、せっかくの農業予算の中から資金をつぎ込んだ農地を案外平易に転用されておるというようなことで、会計検査院なんかでも決算のときに指摘されているようなわけですが、この機会にもう一度再確認の意味で、転用許可の基準について、何を根拠に許可をしていらっしゃるか、このことについて最初にお伺いしたい。
○和田(正)政府委員 農地転用の許可の基準は非常に詳細でございますので、全部申し上げると非常に長くなりますので、要点だけをかいつまんで申し上げますと、大体農地を第一種農地、第二種農地というふうに分けて考えまして、純粋の農業地帯で、非常に生産性の高い農地に環境も囲まれており、かつ、そこへは相当程度公共投資をしておりますようなものを第一種農地というふうに考えまして、そういうところについては、原則として農地の転用の許可はいたさないということで取り扱いをいたしておるわけでございます。ただ、他方には、たとえば工業関係でございますとか、あるいは都市計画でございますとか、あるいは首都圏整備等々、一種の土地利用計画をからめました諸制度がございますが、それらの制度で地域指定をいたしますにつきまして、あらかじめ私どもともよく打ち合わせをいたしまして、そういう工業化の予定地域とか宅地化の予定地域とかいう地域の中へも、いま申しましたような、農業側としては大事な第一種農地が含まないようなことで、地域指定をしてもらうというようなことにも配慮をいたしながら、できるだけ生産性の高いいわゆる第一種農地は守っていきたいという考え方で許可の運用をいたしておるわけでございます。
○中野(明)委員 農地法の四条、五条の中でも、二ヘクタール以上の農地の転用については大臣の許可が要る、このようになっておりますが、昨年じゅうにこの大臣の許可があった広範囲の大規模な転用土地の件数はわかるでしょうか。もしおわかりにならぬようでしたら、後ほどでけっこうですが、申請があった分と、そして許可、不許可の分、それを資料としてお願いしたいのですが、委員長よろしいでしょうか。
○和田(正)政府委員 数字にわたることでございますので、正確を期します意味で、後刻資料として御提出申し上げます。
○中野(明)委員 本日お伺いしたいのは、岡山県の倉敷市で農地転用の申請が旭ダウという会社から出ておりますが、その内容について、申請の理由、申請者、坪数、それがわかりましたら教えていただきたい。
○和田(正)政府委員 倉敷市の転用のことにつきましては、昨年の六月十五日付で、旭化成工業株式会社及び旭ダウ株式会社から、それぞれ約八万平方メートルほどの土地、そのうち大部分は農地でございますが、農地でない部分も含んでおりますが、それをそれぞれの会社の工場用地並びに従業員の社宅等の付属設備に使うことにいたしまして、事前に岡山の中・四国農政局長に、この土地を転用することについていかがなものであろうかという内意の相談がございました。現場の付近はある程度すでに工場等も立地をしておりますし、それから重要な県道沿いの土地でもございますので、やむを得ないであろうという考え方で、昨年の七月に中・四国の農政局長から、用地選定の場所としては差しつかえがないであろうという内示をいたしたのでございます。 〔高見委員長代理退席、委員長着席〕 それに伴いまして、本年三月二十四日付で両会社からそれぞれ許可申請書が提出をされたのでございますが、いずれの会社も当時内意を伺いましたときよりは面積を減らしまして、旭化成の場合には約八万平方メートルが約五万平方メートルということで、三万平方メートルほど減少し、旭ダウの関係では約八万が一万二千平方メートルほど減りまして、六万六千余平方メートルということで申し出がございましたが、特に旭ダウの用地関係の中に、一番最初やむを得ないであろうといって内示をいたしましたときにははっきりいたしませんでしたのですが、土地所有者の中で、工場転用をいたしますことに反対者がおりまして、会社側はその反対者の土地だけを除外して許可申請をしてまいったのでございますが、残地の農業用の利用価値等を考えますと、その反対者の土地だけを除外するのでは適当ではございませんので、その付近の関係のうち、九筆を含めまして一万五千平方メートルほどを、所有者の反対ということもございますので、当該転用の区域から除外をして転用申請を再提出するようにということで、現在処理をいたしておる状況でございます。
○中野(明)委員 申請の理由は、もう一度確認いたしますが、住宅用地ということで申請の理由が出ているように私の聞いた範囲では思うのですが……。
○和田(正)政府委員 両会社が水島の地区に石油コンビナートの工場を新設いたしますことにからみまして、その従業員の社宅その他の付属施設ということでございます。
○中野(明)委員 従業員の員数はそのとき何名くらいとお聞きになっているのでしょうか。
○和田(正)政府委員 中・四国農政局長に権限を委任してある事項でございますので、そこまでの数字の詳細はわかりませんので、後刻中・四国農政局長に問い合わせまして、先生のところへ御連絡いたします。
○中野(明)委員 私の調べましたところでは、従業員が約三百五十名、この三百五十名の社宅用地に約四万坪の土地を必要とする——非常に私はおかしいと思うわけなんです。しかも、それを農林省の出先機関のほうから事前審査に行かれて、いま局長から話があったように、内諾を与えておられる。この会社は同市内に三千坪、二千五百坪、三千五百坪の約一万坪近い住宅用地をすでに確保しております。その上に加えて、わずか三百五十名の従業員の住宅用地にまた四万坪確保するということは、どう考えても常識はずれだと思う。それを内諾を与えて、しかもすでに、いまお話があったように三月二十四日に県に申請書を出して、二十五日、あくる日から工事が始まっている。この工事の内容についてどのように報告を受けておられるか。
○和田(正)政府委員 第一の、従業員の員数に比して面積が大きいか小さいかということにつきましては、先ほど申しましたように、従業員の員数がどの程度のものであり、どのような規模で社宅を建設しょうとしておるかということについては、私細部を承知しておりませんので、その点につきましては中・四国農政局と打ち合わせをいたしまして、もし御指摘のように著しく膨大だというようなことでありますれば、今後適正に指導をいたしたいと思います。 第二の、工事をしておるではないかという御質問につきましては、私どもも細部にわたって調査を命じておりますが、工場のほうへはまだ許可をいたしておりませんので、今日段階において、何ら工事には着手をいたしておりませんことは、けさ係員が現地を確認をいたしております。
○中野(明)委員 現地の写真も私持ってきておりますが、名目が、どうも市のほうの農道拡幅あるいは用水路つけかえというような名目で行なわれているように私は聞いたのです。しかし、すでに調査までして内諾を与えたこの用地内においてそういう工事が行なわれるということは、どう考えても納得できない。もうすでに許可が与えられて当然住宅用地になるということの想定のもとに行なわれているとしか考えられないし、その工事がすでに五月の末に終わっております。一応原形を復元するというようなこともちらっと聞いたように言う人もおりますが、いまだにその意思もないし、そのままになっておるし、また資材置き場としてはあまりにも大きいし、どう考えても、これは明らかに住宅用地をつくるための工事であるというふうに判断できるような現状でございます。そういう点について、これは工事にかかったときに、出先機関のほうの課長も現地に行って農民の声も聞いているはずでございます。にもかかわらず、そういうことを黙認しておる。これは私は農地法の違反じゃないか、そういうような感じを持っております。 こういうようなことは、一応考えてみますと、会社のほうとしての相当思い切った先行投資のような気もいたしますし、その間に地方自治体が介入いたしまして、大企業、大会社のお先棒をかついでいるような気配も多分に感じるわけでありますが、そのことについて、いまの局長のお話では、現地のほうの様子がわからぬようにおっしゃっているのですが、まだこのほかに、この会社は医療施設というような名目で他方面にも膨大な土地を求めているやに聞いております。それで現在、昨年の十二月末に契約を一応完了いたしまして、そうして契約金を三分の一もらっております。ところが、いまも局長からお話がありましたように、中に一人、二人反対者がおるために、いまだに全額の支払いもなされておりませんし、大多数の人たち、全部の人たちがまだ耕作もできない、耕作権まで奪われておるような現状でございます。この点について局長から、これは私は農地法違反になりはせぬか、このように前後の事情から考えて感じるわけでありますが、もう一度お返事を願いたい。
○和田(正)政府委員 お答えを申し上げます前に、御質問を伺っておりまして、あるいは誤解を受けるといけないと思いまして、一つ申し上げておきますことは、内諾を与えたということを先ほど私お答えを申し上げましたのですが、農地の転用の許可にあたりましては、事前審査という手続をまずとりまして、かってに工場と現地とで話をきめちゃってから許可しろというふうに持ってくるのではなくて、この場所にこういう形でつくるのがよろしいかどうかというあらかじめの御相談を受けて、それはこういうふうに形を変えなさいとか、この場所は移しなさいとかいうふうな事前指導をして処理するということをいたしておるわけでございます。そういう意味において、まずこのあたりならば農地の事情その他から考えてやむを得ないであろうという事前審査の内諾を与えたのでございまして、本審査として転用の許可は、今日現在まだ許可をいたしておらないわけでございます。 先生が工事云々というふうにお話しになっておりますのは、この旭ダウ及び旭化成の両会社が予定をしております地区に隣接をいたしました場所に、倉敷市が本年二月に市議会で議決をいたしまして、約二千万円ほどの予算で道路及び水路の市営の工事を実施いたしております。それに伴いまして、県道でございますが、主たる材料等をその水路の工区へ運びますための仮設の道路が必要でございますので、県道から当該工事をいたしております水路へあてまして、工事が何か現場の関係で四つか五つの工区に分かれておるようでございますが、工区ごとに仮設の道路を施設をして材料を運んで、その水路及び道路の工事をいたしたわけでございますが、この工事はたしか六月の上旬に完了をいたしております。現在の農地法では、市町村が道路及び水路、ため池等の工事をいたします場合には農地法の許可は要しないというふうに定められておりますので、そのこと自体は別に農地法の違反ということにはならないのでございますが、ちょうど他方でただいまお話しのように工場の用地としての転用の申請が出てまいりまして、事前審査ではおおむねこのあたりでよろしかろうということは申しましたけれども、現在まだ転用の許可をいたしておりません区域にも一部その仮設用の道路がかかっておりますので、それとは別に、県知事から工事をいたしました市当局にあてまして、工事完了後六月一ぱいにその仮設の道路をもとへ戻して農地の状態に復旧すべき旨の条件を付しておる文書が出ておるわけでございます。私どもとしては、中・四国農政局長の権限ではございますが、工場関係の転用の許可を最終的にきめるかどうかは、その道路の仮設物が農地法違反ではなく一応市の事業として行なわれた仮設の道路でございますが、それが原状復旧の手続が完了をした上で、正規に許可をするかどうかを決定をしたいということで、現在転用の許可は保留をしておる状況にあるわけでございます。市町村なり道路公団なりそういうところが、公共用の施設をつくりますために、工事用に一時農地を使用いたしますことは、農地法上の許可を要しないということは省令に書かれておりますので、別に倉敷市の場合に農地法の違反があるというふうには私ども考えておらないわけでございます。
○中野(明)委員 いま局長の言われたことは、私もよく承知をしておるわけですが、そういうことを言っておるのじゃなくて、先ほどから私が申し上げておるのは、事前審査に行かれたときに、わずか三百五十人ぐらいの会社の社宅用地に四万坪からのものをよかろうというようなことを言うことも一つおかしい。それから、その会社がほかに約一万坪に及ぶ住宅用地を同市内にすでに確保しておる、こういう事実、また、二十四日に申請書が出されて、二十五日にはすでに工事にかかっておる。そういうふうなことが行なわれておるということとつなぎ合わせてみますと、もうすでにこれは許可になって、そして住宅用地になるのだからどんどんやっておけというようなことにしかとれぬわけであります。しかも、いま荷物置き場と私も言いましたし、局長も言われましたが、荷物置き場にしてはべらぼうに広過ぎる。そしてその工事をするのでも、一切地元の農民には話もない。そういうようなことも地元で相当問題になっておる。出先機関の課長にもその旨陳情がいっておるはずです。課長も現地を見ておるはずなんです。にもかかわらず、何ら手を打たれない。これは一体どういうことなんだろうか。しかも農家は昨年の十二月に契約をして、三分の一ほど金をもらったきりで、また一人でも反対者があれば金はもらえぬというようなことで、百姓はできない、金はもらえない、一番困っておるのは農家だろうと思う。そういう点をいまあなたにお聞きをしておるのであります。しかも、その許可がおりるおりぬは、これは私もこの前ちょっと農地局で確認して、まだおりておらぬということを聞いたので、それで現場の工事予定地内における工事というものはおかしいじゃないか、そのように私感じてきょうお尋ねしておるわけでありまして、その点もう一度よく調査されまして、きょうは時間がございませんので、次会にあらためてこの問題について返事をいただきたい。また私も現地をもう一度調査してまいりまして、そのあとでいろいろと質問したい、このように思っております。
○和田(正)政府委員 事前審査の際に、従業員の人数に比べて社宅用地として大き過ぎたかという御指摘の点については、先ほど申し上げましたように、私は、どの程度の人数のための社宅を建設したいと考えておるかという詳細を存じませんので、その点につきましては、中・四国の農政局とも打ち合わせをいたしまして、実際の許可申請面積が過大でないような指導調整はいたします。 それから、もう一つの問題は、許可をいたしておりませんから、旭ダウ及び旭化成両会社が工事は全然着手しておるわけではなくて、先ほども申しましたように、倉敷市議会が議決した予算に基づいて、倉敷市の事業としての道路及び水路の工事のための現場への材料運びのために、五本の道路がいま問題になっております土地以外にも農地についてついております。それらについて当事者間で市が話をしなかったとすれば、それは市の不手ぎわでございますが、一応工事を完了いたしましたので、あとは県知事の命令で原状復帰命令が出ておりますので、その原状復帰の義務が着実に実行されるように確認をして、その上でこの両工場の転用の問題についての最終の判断を下したいというふうに考えております。 それから、金の手渡し云々のお話がございましたが、正式に転用の許可がありませんうちにはちょっと代金は正規には支払いかねると思いますので、転用の許可はまだ正式にはございませんので、その意味においては、会社側から金が払ってないではないかということを非難することは、行政当局としてはできないと思います。
○中野(明)委員 それできょうは時間がございませんから、次会に質問を留保さしてもらいますが、こういう点については、一番最初に私が申し上げましたが、農地転用のことが最近間々問題になっております。そこで、しょっぱなにお願いしました、昨年、大臣の許可で初めて転用できるその農地の申請のあった件数と許可、不許可の内容、そして使用目的、坪数、そういう面の資料を出していただきまして、また今後、こういうことについて間々問題になっておるときでもございますし、食糧事情も最近バランスがとれたとはいいながら、昨年も百万トンですか、ことしもまたそれに近いものを輸入しなければならないという状態で、特にその点、転用許可の基準制定については、昭和三十四年の次官通達が出ております。これに基づいて慎重になさっているとは思いますけれども、いまのような事例が出てきて、地元でも相当問題になっているように私も承知しております。そういう点、以後転用については特に留意されて間違いのないようにお願いしたい。きょうは次官もおられますが、農家にとりましては農地を手放すということはもうよっぽどのことでありまして、しかも農地を手放した農家のその後の状態を見てみますと、やはりせっかく手に入ったお金もなくして、仕事もなく困っているという人が非常に多いわけです。そういうことを考えたりしますと、この用地買収に地方公共団体なんかがほっぽねになってやっていくということは、私も大きな問題があるというようにも考えておるわけですが、これは別の機会に申し上げるといたしまして、その点を最後に申し上げまして、特に慎重にお願いしたい。 以上できょうの私の質問を終わらせていただきます。
○本名委員長 次会は、来たる二十日十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十二分散会