農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/03/29
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 まず、豚コレラ予防液の製造の用に供した豚等及び鶏のニューカッスル病について、政府から説明を聴取することといたします。 なお、岡田畜産局長には、加工原料乳不足払いの算定についてもあわせ御説明を願います。岡田畜産局長。
○岡田(覚)政府委員 先般来新聞等の報道でも御承知のように、ニューカッスル病の流行と、豚コレラワクチン製造豚が不法に食用に供せられる事件が発生しましたが、農林省といたしましては、このような事態に対処するため、さっそく所要の対策を講じ、畜産振興上の障害を除去するようにつとめているところでありますが、本日は、本委員会における今後の御審議等の御参考までに、これらの問題の経緯と対策の概要につきまして御報告を申し上げたいと存じます。 まず第一に、ニューカッスル病の流行問題でございますが、ニューカッスル病は、御承知のようにビールスに基因する鳥類の伝染性の疾病でありまして、主として鶏の場合に強くあらわれまして、産卵の低下とか、呼吸困難、下痢等の症状を呈しまして、死亡する場合も見られるのでございます。また、このビールスには、アジア型とアメリカ型という二つの型がありまして、前者は急性の疾状を呈します。死亡率も八〇%以上と高いのに対しまして、後者の場合、つまりアメリカ型の場合は、慢性で死亡率も低いものであります。 本病のわが国における発生の状況を見てみますと、まず、戦後、昭和二十六年に埼玉県、神奈川県を中心とする関東地方に二万羽程度見られたのでありますが、その後、昭和二十九年に大阪府を中心とする近畿地方に約四十七万羽の大量発生を見ております。さらに、四十年の秋から四十一年の初頭にかけまして、九州とか中部地方とか関東地方の各地方で相当の流行がございまして、四十一年の四月ないし十月には小康を得たのでありますが、四十一年の十一月以降、茨城、栃木、千葉、さらに東京、神奈川等関東地方一円に大量発生がありまして、四十一年を通じまして約四十四万羽の発生を見たのでございます。本年に入りましても、関東地方を中心として流行が続きまして、岡山、福岡等にも発生が見られまして、三月二十三日までに約七十三万羽となっておるのでございます。 このような発生の経緯におきまして、従来のアメリカ型ビールスによるものから、四十年の秋以降の流行はアジア型のビールスによるものに変化していることが特色であります。 ニューカッスル病の最近における発生状況は以上のとおりでありますが、あとで御説明いたしますような防疫措置の浸透によりまして、漸次減少の方向をとるものと考えておりますし、またそうしなければならないと考えておる次第でございます。しかし、時期的に見まして、春びなの導入時期にあたっておりますので、これに伴う伝染、発生が懸念されますので、所要の防疫措置を一段と強化する考えでございます。 ニューカッスル病に対する措置といたしましては、まず発病した鶏を可及的に殺処分をいたしまして、鶏舎等の消毒を徹底して伝染源を根絶いたしますとともに、移動制限を行なって伝染を防止することでございます。さらに、各種の衛生管理を十分に行ないますほか、ワクチンの接種によりまして、伝染、発病の防止をはかることでございます。 これらの措置は、御承知のように、まず家畜伝染病予防法の運用によりまして、都道府県による家畜防疫措置として行なわれ、国におきましても所要の助成指導を行なっておるところでありますが、これによりまして、四十一年度におきましては千七百万羽のワクチン接種が行なわれる見込みでございます。四十二年度におきましても、防疫措置の充実を期して所要の予算計上をはかっておる次第でございます。 一方、このような家畜伝染病予防法に基づく諸措置では、最近急速に発展している養鶏の実態に十分対応し得ない面がございますので、養鶏関係者の自主的な経営活動によりまして、ワクチンの接種を含む一連の衛生管理を十分に推進することといたしまして、四十一年度から家畜衛生技術総合指導対策というものを実施しているところでありまして、自衛的なワクチン接種等も漸次増加していくものと期待している次第でございますが、四十二年度におきましては、これを一そう助長するために、家畜衛生技術総合対策を拡充実施いたしますとともに、新たに生産者団体が自衛的なワクチンの接種をいたします場合には、これに対して助成をすることとしまして、所要の予算計上をはかっておるわけでございます。 また、ワクチンの製造、供給を円滑に確保するよう、ワクチンの製造業者に対して計画生産の実施と緊急用の備蓄も指導してまいっておるわけでございますが、現在までのところ所要量の生産供給が確保されております。今後さらにワクチン接種の徹底を期するため、ワクチンの計画的生産を指導いたします一方、当面の備蓄状況を勘案いたしまして、緊急に千三百万羽分の死毒ワクチンの輸入を措置いたしておるわけでございます。 さらに、従来予防ワクチンとしましては死毒ワクチンが使用されておったのでございますが、かねてから進められておりました生ワクチンの開発、研究の結果、その実用化の見通しが得られる段階となっておりますので、その使用の具体的方法等を早急に確定するため、先般その試験的使用を認めるよう措置いたしたところでありますが、今後早急かつ慎重に試験例の収集を進めまして、低廉かつ安全な生ワクチンの普及を期したいと考える次第でございます。これと並行いたしまして、政府としても生ワクチンの実用化に備えまして、大規模な野外応用試験を行なうことといたしておりますが、さらにこれに伴います検定施設を新設することとし、四十二年度において所要の予算の計上を予定いたしておるわけでございます。 なお、外国からの鶏肉等の輸入に伴うニューカッスルの侵入につきましても、これを防止するため、動物検疫を一段と強化するように指示もいたしておるわけでございます。 今回のニューカッスル病の大量発生に伴いまして、養鶏経営に相当の被害を生じ、経営の再建をはかる必要が生じておりますが、その対策等につきましては、関係都道府県の報告等も受けた上、実情に応じまして検討いたしたいと考えておりますが、当面の措置といたしましては、再建資金の確保、すでに借り入れております資金の償還の緩和等につきまして、農林中央金庫、農林漁業金融公庫、国民金融公庫等関係金融機関において特段の配慮を払うよう要請いたした次第でございます。 いずれにいたしましても、発生予防に万全を期するとともに、被害生産者の経営再建をはかりまして、養鶏の一そうの振興に遺憾なきを期したいと考えておるわけでございます。 次に、豚コレラの製造豚不法利用事件について申し上げます。 豚コレラのワクチンの製造の用に供された豚は、豚コレラに罹病いたしますが、その処分につきましては、薬事法に基づく省令及び家畜伝染病予防法施行令により一定の規制が加えられております。また、一般に、豚コレラの病豚の肉は、と畜場法及び食品衛生法により、これを食用に供することが禁止されておるわけでございます。 今回の一連の事件は、御承知のとおり、薬事法の省令及び家畜伝染病予防法施行令が許容しております化製処理をするため、化製業者にワクチン製造豚の死体が引き渡された後、これが化製されることなく違法に解体処理されまして、食用に販売されていたものでありまして、その詳細につきましては、目下警察当局におきまして取り調べが進められておるところであります。 このような事件の発生によりまして、国民の食生活に多大の不安を生ぜしめ、その結果消費の減退を招き、生産者にも影響を与えていることにつきましては、まことに遺憾に存ずる次第でございます。 ワクチン製造豚の処理に関する規制は、まずワクチン製造業者におきまして、消毒、埋却または焼却することを原則といたしておるわけでございますが、製造豚の有効な資源の利用をはかりますために、これらを行なわないで、家畜防疫員の指示に従って、化製工場において化製等の処理を行なうことが許されているわけでございます。これらの規制は、家畜衛生の観点から行なわれておりまして、食用に供される危険に対する配慮もさることながら、家畜、すなわち、この場合は豚に対する豚コレラの病原体の散逸を防止することに主眼が置かれておるわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、ワクチン製造業者から引き渡されたものが、適正に化製処理されることなく、不法に食肉に供されるに至りましたことにつきましては、家畜衛生の観点から見ましても、関係者に対する指導、監督に多少なりとも欠けるところがあったのではないかと深く反省し、早急に体制の整備をはかってまいる考えであります。 したがいまして、ワクチン製造豚の不法利用の根源を断つ意味で、製造豚は焼却処理することといたしまして、ワクチン製造業者においてすみやかに所要の焼却施設を整備すること、焼却施設が整備されるまでの間は全部製造所内において埋却することを関係方面に指示したところであります。この結果、各ワクチン製造業者におきましては、本年六月までに焼却施設を完備するとともに、それまでの間はすべて埋却処理する旨を報告いたしておりますので、現在は、ワクチン製造豚は一切ワクチン製造所からは出ないこととなっております。 さらに、今後もこのような状況を確実に維持するため、所要の制度改正を予定し、準備を進めておる次第でございます。 これらの措置によりまして、今後ワクチン製造豚の不法利用を根絶できると考えておりますが、すでに市場に出回っている加工品等につきましては、厚生省当局においてすみやかにその摘発、回収をはかっていると承知しているわけでございます。 したがいまして、今後の豚肉の消費につきましては、不安も解消し、その回復が見込まれるのでありますが、委員各位におかれましても十分の御理解をいただきまして、豚肉消費の不安の解消に何ぶんの御協力を賜わりたく、お願い申し上げる次第でございます。 なお、今回の事件にかんがみまして、食肉処理加工業及び食肉小売り業等の活動が適正に行なわれますよう、関係業界に対しても強力に指導を行なっておりますとともに、たとえば食肉加工品の日本農林規格について成分表示を考えるとか、部分肉の流通について製造責任を明確にするような仕組みをとるとかの方策について検討を進め、食肉供給の一そうの適正化、合理化を期する考えでございます。 以上、ニューカッスル病の流行問題と豚コレラワクチン製造豚不法利用事件につきまして、その経緯及び対策の概要を御説明申し上げる次第でございます。 続きまして、四十二年度の不足払い制度によります保証価格の算定でございますが、先般の農林委員会で御質問のございました点につきましては、去る三月二十七日に、畜産振興審議会の酪農部会に対しまして、保証価格算定について留意すべき事項の諮問をいたしたわけでございますが、それに関連いたしまして、四十二年度の保証価格の算定の説明資料を添えて提出いたしました。 その考え方を簡単に申し上げますと、酪農労働は、御承知のように周年労働でございまして、技術的に熟練を要するという面がございます。そういう点、特に酪農労働のうち飼育管理労働、なかんずく飼料の給与とか搾乳等につきましては、そういうふうな周年的な拘束性と技術的な熟練、経験を要する度合いが非常に強いと考えるわけでございます。したがいまして、そういう労働につきましては、必ずしも農業日雇い労賃で労賃を評価することが適当でないというふうに考えまして、今回提出をいたしました試算におきましては、そのような労働につきまして、当該地域における五人以上の製造工業の労賃の平均をもって評価がえをすることにいたしたわけでございます。従来から当委員会におきましても御議論のありました点につきましては、今回そのような考え方で処置をするということにいたしまして、試算をいたしたわけでございます。 昨年と特に変わりました点は以上の点でございますので、この際、あわせて御報告をしておきたいと思います。
○本名委員長 武藤厚生大臣官房審議官。
○武藤説明員 今回の事件につきまして、厚生省でとりましたいろいろな措置につきまして、簡単に経緯を御説明いたします。 今般、動物用ワクチンの製造に使用されました豚の死体の払い下げを受けました斃獣処理業者がこれを違法に解体いたしまして、不法に食肉として販売した事件が発生いたしまして、国民の食生活、また保健衛生に多大の影響を与えましたことは、厚生省といたしまして非常に遺憾に存じておる次第でございます。 二月二十三日、事件の発生直後、直ちに警察当局と連絡の上、翌日東京都、神奈川県等におきましては食品衛生上の取り締まりを実施いたしまして、汚染肉の回収を開始いたした次第でございます。 次いで三月八日、厚生省といたしましては、さしあたっての措置といたしまして、農林省と協議いたしまして、次官通達をもちまして、次のような指示を各府県並びに関係方面に連絡したわけでございます。その内容は、ワクチン製造所に対しましては、ワクチンの製造に使用されました斃獣は、原則として当該製造所の中において焼却させること、それから斃獣処理場の設置者等斃獣を適法に処理できる者以外には絶対に引き渡さないこと、それから斃獣処理場の設置者等に対しましては、斃獣の受け入れの状況を帳簿等によりまして明らかにさせるとともに、台帳の整備をはかること、それから第三に、屠畜検査員、食品衛生監視員、それから環境衛生監視員等に対しましては、食肉関係の業者の衛生上の取り締まりの強化をするように、各都道府県並びに政令市に指示した次第であります。 次いで、警察当局等の情報に基づきまして、東京、神奈川、熊本県におきましてはそれぞれ取り締まりを実施いたしたわけでございますが、その結果、違法と判断されました食肉製品製造業、食肉販売業に対しましては、十七件の営業停止処分を行なっております。 さらに三月十七日、食肉関係団体の責任者を呼びまして、厳重な警告を行ないますとともに、業者自体としましても自主的に不正業者の締め出しをはかり、適正な製造販売の実施の確保ができるように、いろいろの対策を業界自体としてもするように指示したわけでございます。 さらに重ねて三月二十日、東京都をはじめ関係七府県に対しましては、食肉関係業者に対します一斉取り締まりを指示したわけでございます。 それから三月の下旬に、人体用のワクチンをつくっております製造業に対しまして、使いました動物等は使用後焼却、埋却するようにというような、細部にわたります課長通知をもって製造所に指示をいたしますとともに、細菌製剤協会自体もこの指示に従いまして、この徹底化をはかるように自主的に申し合わせが行なわれた次第でございます。 さきに御説明いたしました一斉検査に基づきましていままでに入りました情報では、関係都道府県から汚染肉についての報告は現在ございません。また、その他の府県からもそのような報告はございません。 次に、豚コレラに感染して死にました塚の肉の安全性について申し添えますと、豚コレラビールスは、学説等におきましても人間には感染しないものとされていますが、今回の事件の場合、豚コレラにかかりました豚の肉の衛生検査が行なわれないままに不正規のルートで販売されたために、二次汚染の心配もありましたので、汚染肉の回収には全力をあげた次第でございます。 なお、汚染肉の販売ルート等につきましては、なお捜査当局の再度の捜査が続行中でございますけれども、現在のところ、汚染肉によります食中毒その他の事故の発生を幸いにして聞いておりません。今後さらに一斉取り締まりの続行によりまして、この汚染肉につきましては徹底的に回収を行なうことによりまして、監視を強化して、国民の食肉に対する不安を除去したい、かように考えております。 簡単でございますが、今回の事件につきまして厚生省がとりました措置を御説明いたした次第であります。
○本名委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田委員 まず、ニューカッスルの問題について関係者にお尋ねを申し上げたい。まず、畜産局長にお尋ねしたいのですが、ただいま概況を御報告いただいたわけです。ところが、まことに抽象論でよくわからぬわけです。 そこで、順次お尋ねを申し上げたいのでありますが、三月二十三日現在七十三万羽という数字が報告されたのですが、都道府県別で市町村数は幾らか、それをまずお答え願いたい。
○岡田(覚)政府委員 お答えします。 四十二年の三月二十三日現在におきます発生は、十八都県、百六十三市町村でございまして、戸数が九百九戸、羽数が七十二万七千七百四十二羽でございます。
○柴田委員 その被害は、たとえば被害総額ではわからぬのでありまして、その分類をお知らせ願いたいのであります。たとえば国内産、外国産、小びな、中びな、大びながあるわけですが、その種類別に取りまとめがあればお答え願いたい。
○岡田(覚)政府委員 現在のところ、まだそういう詳細な調査はできておりません。
○柴田委員 家畜伝染病予防法からいうと、すみやかに都道府県知事は報告することになっておるわけですね。三月二十三日というと、きょうはもはや二十九日ですから、もうすみやかに通報があるわけだと思うのですが、それはいつごろの見通しですか。
○高村説明員 ただいまの数字でございますが、これらの発生につきましては、大部分殺処分いたしておりますので、殺処分手当の支給ということにはいろいろ評価その他のことがございますので、やはり県といたしましてもしっかりした数字と評価が終わりませんと、わがほうに報告が参りません。やはりそれがもとになりまして、あとの殺処分手当の支給につながるものでございますから、非常に慎重に数字は取り扱われております。
○柴田委員 七十二万七千羽のうち、殺処分をしたのはどのくらいですか。
○高村説明員 現在私どもの手元に総計されておりますものは七十万一千五百六十二羽ということになっております。
○柴田委員 いずれまたその数字、被害額等についてはあらためてお尋ね申し上げるといたしまして、まず、予防対策の問題でお尋ねしたいのですが、今度のニューカッスルはアジア型であるという御説明をいただいたのですが、その感染経路というものをわれわれは関心を持っておるわけであります。今度の場合、伝染の経路はどこから来たのか、その点をひとつ。
○高村説明員 この点は、実は明確に確証をあげることはできないわけでございます。予想されるルートといたしましては種々あろうかと思っております。やはり外国からの食肉の輸入もございますし、あるいは渡り鳥もございますし、旅行者もございますし、いろいろなルートで来るわけでございますので、どれから来たかということは、われわれとしてはなかなか判断がつきかねております。
○柴田委員 まことにあいまいな御答弁をいただきまして、どうもおそれ入りますが、しかも、畜産局の家畜衛生試験場等においては万全な適切なる衛生体制をしくということで、今日まで自慢をしておられたと思うのです。われわれもそれを信じておった。ところが、このニューカッスル病に対してはあまりにも予防対策が手おくれになっておるのではないか。その原因はどこにあるのか。やはり感染経路が確認できない。同時にまた、伝染をしておるのにもかかわらず、適切な処置がとられてない点が多々ある。もう発生をして当然ニューカッスル病だ、こう農家が断定しても、待てよ、もう一ぺん試験をしなければわからないのだというようなことで、試験をする期間が一週間も十日もかかるということでは、農家は非常に不安である。家畜衛生試験場の人的の構成というものが不備があるのか、技術的な面において不備があるのか、そういう敏速な処置がとれないところにわれわれは不信を持っておるわけであります。今日の衛生試験場における技術要員、また都道府県における家畜保健所の技術職員というものは、およそ何名おられるのですか。
○岡田(覚)政府委員 正確な数字を調べましてあとで……。
○柴田委員 あとから御報告いただくとして、問題は、技術員の養成方式なんですが、いま各都道府県における財源から見て、新しい優秀な技術職員の採用というものはむずかしい、新採用はむずかしい、こういうことで、古い技術職員に年々いろいろ技術的な講習を受けさせておるわけでありますが、しかし、それでもなおかつ十分な技術を身につけさせるような養成ができていないという面があるわけであります。同時にまた、畜産局の新しい方針、四十一年度から計画を出しておられる広域保健という立場で、家畜保健所の整備統廃合を考えておられて、四十五年度までには全国で百六十五カ所ぐらいにするのだ、こういうことなんでありますが、実際いま都市と農村における地理的条件、交通の問題、通信網の問題等考えて、そうした家畜保健所の広域化という立場で、こうした不測の伝染病が発生した場合に適切なる処置がとれるかどうか、そういう点には自信を持ってこの計画を持っておられるのかどうか、お尋ねしたい。
○岡田(覚)政府委員 お話のように、家畜保健衛生所の整備ということにつとめておるわけでありますが、これは畜産が主産地化が進行しておる、また家畜の多頭羽飼育の農家がふえておるということにかんがみまして、従来のような小さい保健所を多数置いておくということでは、このような発展に十分に適応しがたいということから、家畜保健衛生所の整備方針をきめて、現に実行いたしておるわけでございますが、家畜保健衛生所を広域化いたしまして、ここにいろいろの専門の技術者を置きまして、疫学的とか病理解剖学的とか、あるいは免疫学的見地から、普遍的な疾病につきましては、ほとんどの病性がこの広域家畜保健衛生所の段階で鑑定し得るように技術的にも整備することにいたしておるわけでございます。また、特殊な疾病があります場合には、この広域家畜保健衛生所で鑑定が困難でございますから、それは各都道府県が設置しております病性鑑定施設によりまして、高度な技術的観点から鑑定するということにいたしまして、それに対する助成もいたしておるわけでございますが、なお、この施設でも解決し得ないという場合には、家畜衛生試験場等の試験研究機関で解決するというふうに考えておるわけでございます。現在、広域な家畜保健衛生所におきましては大体十人以上、特殊な病性鑑定を行ないます家畜保健衛生所にあっては十三人以上の獣医師を配置するということにいたしておるわけでございます。ただ、そういうふうな現在整備の過程でございますから、必ずしも十分に整備されていないという点もあるわけでございますけれども、急速に専門家の養成と人員の充足につきまして整備を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、家畜保健衛生所が広域化するにつれまして、末端との連絡が十分ではないではないかというふうな御意見かと存じますが、この点につきましては、最近の通信、交通、道路等の発達がございますので、そういうことに伴いまして、一つは広域化の要請が出てまいったわけでございますが、なお大規模化するに従いまして、末端のかゆいところには手が届かないということもあるいはあり得るかと思います。そういうことのために、家畜衛生の総合指導対策という事業を行ないまして、それによりまして連絡、通報等が十分に行ない得るような措置を考えておりまして、四十二年度におきましても、四十一年度よりもさらに予算の増額をいたしまして、総合指導対策がうまく行きますように処置をいたしておる次第でございます。
○柴田委員 その点についてまだ論争いたしたいのですが、一応やめて、次に移りたいと思います。 それでしたら、今日の各都道府県における家畜保健衛生所の職員は、現時点では、大体国のほうは標準県はどうだということを示されるのですか。標準県だけでよろしいですが、まず、今日の地方交付税の中で、農林行政、畜産対策、この点について、たとえば甲吏員が何名、乙吏員が何名、丙吏員が何名という基準が示されておると思うので、この点について基準がおわかりになればお示し願いたいと思う。
○岡田(覚)政府委員 先ほど御質問にありました家畜防疫員といたしましては、現在八千四十名でございます。ただいまのお話の地方交付税の算定の基礎につきましては、ちょっと資料を持っておりませんので、お答えができませんので、後ほど調べまして、御報告させていただきたいと思います。
○柴田委員 都道府県はやはり地方交付税に非常に関心を持っておる。それに基準を置いて、農民がどんなに要望しようとも、農業団体がどんなに要望しようとも、そのワクにくくられて、家畜の優秀な技術員を増員しようとしてもできない。そういう点の悩みが各都道府県ともあるわけです。それをよく御理解をいただいて、もっと交付税の問題については農林省あげて、自治省、大蔵省に強力に、この予防法に基づく精神を生かすためには、もっと内容を充実したものに交渉すべきではないか、こう考えておりますから、十分御検討を願いたいと思います。 次に、今後の問題なんですが、先ほどの報告の中では、いろいろな手を打って万全の対策を講じて、これより蔓延をしないように措置をしていきたい、絶滅していくような方途を講じたい、こういう御報告でございました。しかしながら、農民の立場からいうと、まだまだ不安であります。先ほど御指摘申し上げたように、防疫員の人員の問題、技術の問題また機械技術の問題から、農民の立場から見る目というものは不安である。畜産局長は自信を持っておられるかどうかわかりませんが、農民の立場からいうと、まだ不安があるわけであります。その不安の解消に努力してもらいたいとわれわれは思うわけでありますが、今後の対策はどうするかということであります。この点についてはもう少し具体的に御説明願いたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 鶏の飼育数が非常に多くなり、それから経営にしましても、非常に多数の鶏を飼う農家が多くなる、こういうことになりますと、ニューカッスルのような病気が一たび発生をいたしますと、たいへんな被害をこうむるということになってまいるわけでございます。したがいまして、これに対しましては、病気にかからないということが何よりも大切であろうかと考えるわけであります。それぞれの農家におきましては、鶏は貴重な財産でございますから、この貴重な財産をみずから守るという体制が何よりも必要ではなかろうかと考えておるわけでございます。昨年なり一昨年なりの流行を見てみますと、ワクチンを接種していないというところから発生をしているわけでございます。そういう点から、自衛防疫体制を確立するということを中心として考えるべきではないかというふうに考えておりまして、それに対しまして団体がワクチンを購入いたします場合に、それに対する助成を通じまして、自衛体制をさらに進める、こう考えております。病気が発生いたしました場合には、もちろん家畜伝染病予防法に従いまして、殺処分なり消毒なり移動制限というようなことによりまして、蔓延の防止を極力はかっていくということで進めたいと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、予防というものが一番大事でございますから、予防ということにつきまして、官民をあげて十分に目的を達するような努力をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○柴田委員 今度はそれぞれの地方の負担区分の問題でお尋ねしたいのですが、これらの予防措置については、生ワクチンを今度は今日の現時点で試験的なという立場で御使用願っておられるようですが、とにかくこの被害が出るまでの負担区分と今後の負担区分というものが大きな問題だと思うのです。これは要するに、被害は膨大な額にのぼっている。それを考えた上に、各個人の農家のいろいろな負担区分、市町村の負担区分、農業団体、たとえば農業協同組合の負担区分、都道府県の負担区分、それがいろいろ問題になると思うのでありますが、これは全国どこの都道府県も同じようになっておるのかどうか、これは負担区分の費用の問題がいろいろありましょう。生ワクチンの価格の負担区分もそうでありましょうし、たとえば殺処分におけるいろいろな経費の問題、そういう点についてどこの都道府県も同じである、同じように農家の負担はこうだ、こういう点がおわかりになれば、御説明願いたい。
○岡田(覚)政府委員 国が助成いたすものにつきましては、各都道府県に対しては同じような考え方でおるわけでございますが、各都道府県におきましては、その県の畜産の発展の事情だとか、それから各都道府県の財政の問題だとか、そういうことを勘案いたしまして、いろいろな助成措置を講じておるように思われます。したがいまして、県段階等におきましては、それぞれの県において全く同じであるというふうには考えておらない次第でございます。
○柴田委員 まず、今日の殺処分における費用が非常にたくさんかかっておるということを聞くわけであります。畜産局のほうにどういう報告がいっているかわかりませんが、たとえば二千羽処分しなければならぬ、五千羽処分しなければならぬといった場合に、これは病菌体を運ぶわけですから、相当の運送上、輸送上における手配、それに対する経費、それからたとえば法によって深さ二メートルの盛り土というか、土を二メートルかけなければならぬという基準がある。その場合にブルドーザーで穴を掘らなければならぬ。それからそれに対して油をかけて焼却する。運ぶ途中でビニール袋が要る。いろいろな面において経費がたくさん要るわけでありますが、そういう点について、きめのこまかい経費の——法によれば二分の一となっておるようでありますが、これをもっと大幅にふやす必要はないですか。国はお考えがあるかどうか。
○岡田(覚)政府委員 焼却、埋却につきましては、実費を基礎にいたしまして二分の一の助成をするということにいたしておりますので、現在のところ、これは変更するという考えは持っておりません。
○柴田委員 その点は、あまりにも形式論というか、公式論というか、もう法に定められたんだから弾力性も何もないんだというようなことでは、私はやはり畜産局としての責任が果たせないんじゃないかという気がするわけです。やはり弾力性を持って、こういう不測の事態の経費というものは、問題はその必要経費の見方でありますけれども、品目をきめて、これとこれとしか見ないんだと言われてはたいへんなんで、総合的な全部の費用の積算の根拠が明らかになれば、その全部の費用に対する二分の一を、それをまた三分の二に引き上げてやる、そういう点を将来は考えてないのですか。
○岡田(覚)政府委員 先ほど申し上げましたように、現在のところは、価格の実費を基礎にいたしまして助成をするという考え方をいたしておるわけでございます。したがいまして、現在のところは、二分の一というものを変える必要はないんではないかというふうに実は考えておるわけであります。
○柴田委員 次にお尋ねしたいのですが、今度の手当金の問題なんですが、法によって殺処分を命じた。それに対する手当金が出される。これはやはり法に基づいて出すわけですが、ところが、それは今日の価格からいうと、三百円以内というところで点をくくられておる。外国産であろうと国内産であろうと、国内産のごときは二百円そこそこになるんではないかというような感じを持つわけでありますが、この点についての見解をひとつ聞きたいんでありますが、お答え願いたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 お話のように、殺処分いたしました場合の手当が家畜の評価額の三分の一ということになっておりまして、その最高限度が三百円ということになっておるわけです。この手当金の趣旨は、伝染病の蔓延防止という公益的な見地から、個人の財産を処分するものであるところから、所有者の財産価値の補償を行なうということは間違いないわけでございます。殺処分命令を出します直前、この疾病に現にかかっておるものの価値を個々に評価するということはなかなか困難でございます。そこで、患畜であることが発見されます直前の状態において、そのものが患畜であることを考慮しないで評価を行ないまして、すでに羅患しているものでは価値が相当低下をしているものであるということから、三分の一というふうな基準にいたしておるわけでございますが、現在のところは、大体こういうふうなことで特に支障はないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○柴田委員 この三百円の基準をきめたときは昭和二十六年なんですよ。昭和二十六年のときから改正されてないわけであります。局長のお答えを聞いておると、差しつかえないというのは昭和二十六年のときで、もうはや十何年の前で、将来十年も十五年も二十年もたってもこの価格は変更はないものだという長期の展望に立って、見通しの上に立って、価格の基準をきめられたのかどうか。私たちの考え方は、昭和二十六年にきめた基準というのは、他のどの省においてもそうですか、いろいろ改正に改正を加えられておるわけであります。これだけが昭和二十六年のそのままの価格であるということは、どうしても納得ができかねるわけです。今日の鶏の相場をどの程度に押えられておるのか。たとえば産卵期を迎えておる鶏は国内産で幾ら、外国産で幾ら、その価格の大体標準は知っておられると思いますが、その価格の標準をお示し願って、昭和二十六年にきめた価格は、もう私たちの立場からいうと、不合理きわまりない、もう改正すべきではないか、こう思っておるわけであります。お尋ねします。
○高村説明員 おっしゃいますように、非常に程度の高いものは成鶏で九百円をオーバーするものもあろうと思うのでありますが、現在の県の評価してまいります評価額を見ますと、九百円に至りませんものが相当ございます。したがいまして、手当金の支給額は、九百円を平均した三分の一の三百円に達しておりません。この点、やはり非常に優秀なもので多少九百円をオーバーするものがあると思いますが、鶏の最高価格に達しないものがまだ相当あるというふうに考えております。
○柴田委員 どうも相当あるというたのでは、われわれもようわからぬのです。大体近代の商品価値というものは、優秀なものを飼育管理させておる。これはもう農林省みずから奨励指導しておるわけです。だから、在来の雑種等はほとんどおらないといってもいい。ほとんど優秀なものに切りかえられておる。その点は、どうもいまの御説明を聞いておると、まことに根拠がないと思うんですよ。それはより安いのもあるんだ、高いのもあるんだ。これは養鶏の指導という面から見て、どこの県にはおよそどういう優秀な養鶏家が飼育管理されているんだ、こういうことを知っておいていただきたいと思うのです。ただ報告を受けたからそれから数字をつかむんだとか、また高いのもあれば安いのもある、そういうおざなりの答弁では私どもは納得できないのでありますが、もう少し根拠のある、親切味のある答弁を願いたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 ただいまの、実際上手当の支給の立場から、各県の評価がどのようであるということにつきまして、ただいま詳細な資料を持っておりませんので、概略的な話を申し上げる次第でございますが、正確な資料に基づきましてどのような評価がなされておるかということにつきましては、あらためて資料を提出いたしまして御説明申し上げたいと存じます。
○柴田委員 次にお尋ねしたいのは、法に基づく移動禁止区域の問題なんですが、移動禁止区域の設定については、もうこれを言ったら失礼なんですが、あわててこの区域をまあ第一区域にしよう、その次はもう第二線区域にしようということで拡大していく、拡大をして、そのままほうってしまうという、そういう立場で、被害農家はもちろんでありますが、被害を受けてない農家までが、移動禁止区域に指定を受けたのだから、もう毎月一回は予防注射をしておる。ところが、それを二回も三回もしなければならぬ。そうしたら、予防注射の区域というものが広範囲に広がってくる。関係のない農家までがたいへんな経費を負担していかなければならぬ。そういうことから、非常にむずかしい問題もあると思いますけれども、この移動禁止区域また予防注射をしなければならぬ区域というものが、それが要するに、先ほど指摘申し上げたように、技術の不完全というか、指導の不完全というか、そういう面で、非常に他に悪影響というか、迷惑をかけておる点があるわけであります。この移動禁止区域の弾力性というものは、どういう考えの場合に弾力性が出てくるのか、その点をお尋ねしたい。
○高村説明員 移動制限のやり方につきましては、きわめてその地域の実情が問題になりますので、わがほうといたしましては、一律的な指導はいたしかねるわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、やはり予防注射のなされぐあい、発生以前から十分になされている地域、それから発生後に急遽やった地域、こういうところでは相当広さと期間に相違が出るわけでございます。私どもといたしましては、やはり発生に伴います移動制限その他の被害が最小限にとどまるように、事前に自衛的な予防体制をワクチンによって行なうように指導しておるわけでございます。
○柴田委員 もう一つ、予防に関してお尋ねしたいのですが、冷凍チキンというか、そういうものが輸入されておる。それの防疫体制、飼料の防疫体制、そういうものをひとつ御説明願いたいと思います。
○高村説明員 外国からの輸入でございますか。
○柴田委員 そうです。
○高村説明員 外国からの輸入につきましては、家畜伝染病予防法の規定に基づきまして、輸出国の官憲が発行いたします危険のない旨の証明書を要求しております。この証明書を十分審査することによりまして、大量ないわゆるブロイラーのようなものは、相手国を信用することによりまして、あとはその中からの抜き取り検査をやりまして診断を下し、輸入を認めております。すべてのブロイラーにつきましての検査はとうてい不可能でございます。相手国を信用するということでやっておりますが、この相手国に対します連絡は、形式的なこと以外に実質的に各国と連絡をとりまして、個々の実情等も十分に承知するようにつとめておるわけでございます。
○柴田委員 先ほど局長から冒頭御説明いただいた中で、検定施設を設ける、こういうことですが、どういう検定施設であるか、それはもう国内外産を問わず、すべてそこで検定ができるようにするのか、個所は何カ所でどの程度にするのか、それを具体的に御説明願いたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 先ほど申し上げました検定施設と申しますのは、生ワクチンの検定施設をつくりたいというふうに考えているのです。現在医薬品検査所で検定をいたしておりますが、生ワクチンについてはこれは新しい問題でございますので、それを使用するための施設が十分でないわけでございますので、この際、生ワクチンのために特別なりっぱな施設をつくろう、こういうふうな考えでございます。
○柴田委員 予防に関しては以上で終わって、次は被害農家の今後の再建の方法。局長から再建の方法を御説明をいただいたのですが、その再建の方法といっても、まことに抽象論で、よくわからなかったわけですが、これから具体的に御質問申し上げますから、お答えいただきたいと思います。 まず第一番にお尋ねしたいのは、今度の被害農家で、たとえば個人個人の農家が何戸ある、協業組織をしておるのがどのくらいある、構造改善事業として政府、農林省の指定においてやっておるその組織、形態、農業協同組合が直営でやっておる場合もあるでしょう、いろいろあるでしょう、そうした個人、団体、協業、あらゆるものを分類した場合にどういう数字になっておるのか、それをまずお答え願いたい。
○岡田(覚)政府委員 被害につきましては、目下地方農政局を通じまして、各県と連絡をとらして調査をいたしております。まだ調査の結果が出ておらないわけでございます。
○柴田委員 あとからまた御報告をいただくとして、では、今日の農家の個人資本、手持ち資金というものは非常にないわけであります。ほとんど借り入れ金が多い。この借り入れ金の問題については、先ほど金融関係機関とよく相談をして適切な処置をなす、こういうお話がありました。けれども、適切な処置も、処置によりけりでありまして、まず現在融資をしておるその融資に対する金利を全面的に免除してやるとか、また負債額を一時たな上げをして償還期限を延長してやるとか、その金融の種類がありましょう、近代化資金もありましょうし、また公庫から出しておる、中金から出しておる、いろいろ資金がございましょうが、とにかくその金利を免除してやる方法をとれるかとれないか、いまの負債の償還期限を延長してやる意思があるかどうか、この二点をまずお尋ねしたい。
○岡田(覚)政府委員 先ほどの御説明で申し上げましたように、私のほうといたしましては、とりあえずの措置といたしまして、金融機関に対しまして、主として農林中金、農林漁業金融公庫、国民金融公庫でございますが、これに対しまして、一般的な協力方をお願いをいたしておるわけでございます。具体的な問題になりますと、個々のケースになってまいるわけでございますので、私のほうといたしましては、県と十分連絡をとりまして、その個々の問題に対します対策を考えていかなければならぬのではないかというふうに考えておりますが、一つは、すでに借り入れております資金の償還の延期ということにつきましては、これは十分指導をしていきたいというふうに考えております。それから、新しい資金がまた必要になるわけでございますが、この資金の融資につきましても、十分努力をするようにいたしてまいりたいというふうに考えております。
○柴田委員 まだ折衝の過程のようでございますから、そこから深追いはいたしませんけれども、最大の努力は払ってもらいたい、こう思っておるわけであります。 ひとつ局長に見解を聞きたいのですが、たとえば個人であろうと何でもいいのですが、農家が五千羽の被害をこうむった、全部なくなった、焼いてしまった、またその五千羽をもとどおりに復旧するのにどのくらいの期間がかかると見通しですか、それをちょっとお聞きしたい。
○岡田(覚)政府委員 お尋ねの点について、ちょっと私もいま直ちに確かな御返答を申し上げかねるわけでございます。
○柴田委員 専門家がわからないというのは、私にはよくわからないのです。このニューカッスル病にかかって全滅をした、今度その鶏舎が当分使えない、これはおわかりでしょう。何カ月間か施設が使えないということ。そうすると、その間農民がどうするかという問題があるのです。それから、やはり五千羽のもとの数字に復活するまでには相当の年数がかかるわけですね。その年数を私がお尋ね申し上げているのです。もとの古い鶏舎を何カ月使用禁止をするのか。使用を始めると、一ぺんに五千羽では——試験的に順次何羽かずつふやしていかなければならないのだと私は解釈するわけですが、五千羽のもとどおりの数字に復活するまでにどの程度の期間がかかるかということです。技術的な問題です。
○岡田(覚)政府委員 その点は、完全な消毒をいたしまして、一カ月は使用を禁止しておるわけでございますが、一カ月を過ぎますと使用して差しつかえないということになっております。
○柴田委員 私どもがよく聞くのは、二カ月ないし三カ月は試験的にも、病源体が残っておるかどうかというので、相当綿密な消毒をして確かめて、順次何羽かずつ入れていって使っていくんだ、その間二カ月ぐらいは使えないだろう、こういうことをよく聞いてまいりました。それから勘定してまいりますと、いままでに農家の負債が相当の額ある。償還の期限がきておる。昭和四十二年度から償還をしなければならないし、今度新しい再建資金の借り入れをすると、二重の資金になってくるわけですが、そういう点の勘案というものを、きょう直ちに御答弁願おうとは思いませんけれども、適切な処置をとってもらいたい。関係金融機関ともどもに、公庫、中金、またその他の金融機関とも話し合いをして、農家が立ち行くようにしてもらいたい、こう思うわけであります。その所信を聞いておきたいと思うわけであります。
○岡田(覚)政府委員 お話のようなことで、農家といたしましては、一時借り入れ金の支払いの問題、それから新しい資金の借り入れの問題で、経営的には非常に苦しいということはよくわかるわけでございます。それに対しましては、先ほど申し上げましたように、私のほうといたしまして、金融機関に対しまして協力を求めまして、各県とも十分連絡をとりながら、できるだけスムーズに仕事ができますように対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○柴田委員 これからの再建資金については、私たちの希望とすれば、ただ基準にとらわれずに、弾力性を持っていただいて、基準外のワクぐらいは持ってもらって、そのワク内でひとつ強力に再建資金の融資をふやしていく、そういうお考えを持ってもらいたい、こう思うわけであります。 それから、もう一つお尋ねしたいのは、われわれが農家の立場で考えた場合に、養鶏の共済制度というものがないわけです。この共済制度の定義というものは、なかなか法理論的にはむずかしいですよ。むずかしいのでありましょうが、何とかこの共済制度をつくってもらいたい、こう考えておるわけであります。昭和四十年の三月二十五日に、当時の農林水産委員会で、湯山委員から当時の檜垣局長に質問されております。この答弁の内容を見ると、養鶏の共済制度は目下検討中であるという答弁をしておられるようであります。検討中が、もう代がかわられて、局長がかわったわけですが、研究の中間報告といいますか、どの程度畜産局では研究がなされておるのか、おわかりなら、ひとつ御説明願いたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 鶏の共済制度の問題につきましては、経済局で担当いたしておりますので、私のほうでは直接関与しておらぬわけでございますが、四十一年度から三年計画で、主要な生産県五県を対象といたしまして鶏の共済制度化に必要な調査を実施いたしておる途中であります。この調査が終わりましてから、その結果を待って制度化を検討するということに相なっておるわけでございます。
○柴田委員 それでは農政局のだれかがお見えになっておればお聞きいたしたいが、この共済制度について、農政局のほうでは何かお考えがあるかどうか。
○横尾説明員 ただいま畜産局長から御説明がございましたように、共済制度の問題は経済局の所管でございまして、私のほうで答弁を申し上げる筋合ではございません。その点御了承願いたいと思います。
○柴田委員 引き続いて農政局のほうにお尋ねしたいが、構造改善事業でやっておる今度の被害農家に対しては、どういう処置、どういう指導をしておられるか、お尋ねしたい。
○横尾説明員 全国の構造改善事業地区でニューカッスル病がどの程度発生しておりますか、その全般的な状況につきましては、先ほど畜産局長からもお話がございましたように、現在全般的な調査を実施中でございますので、ただいまの時点では、構造改善地区につきましてどのような状況かということにつきまして、詳細な説明を申し上げられる状況ではございませんが、県から聞き取っております一つの事例といたしまして、津山市におきます構造改善事業地区の中でニューカッスル病が発生しておるというケースがございます。これはあるいは御承知かとも思いますが、津山市の構造改善事業は三地区に分かれて行なわれておりますが、その一地区が養鶏を基幹作目といたしておりますが、そこにおいてニューカッスル病が相当発生して被害を受けております。そこで、私どもといたしましては、県を通じましてその被害の状況を十分に知悉いたしますと同時に、構造改善事業におきまして養鶏の施設を設置しておりますので、これに伴いましていろいろな諸負担もございますから、地元が再建計画を目下検討中であるように聞いておりますので、その再建計画が出てまいりますれば、その内容を具体的に見まして、畜産局ともよく連絡して、できるだけ善処するように検討してまいりたいというふうに考えております。
○柴田委員 経済局の方がお見えになりませんから、この問題は保留して次の御質問をしようと思いますが、共済制度はわれわれが関心を持っていかなければならぬ。いろいろな法理論の問題でむずかしい面があろうかと思いますが、ただ、私が新しい問題として提起して御検討願いたいことは、共済制度がむずかしいのなら互助会制度をつくったらどうかという新しい考え方です。互助会制度をつくって、国、県、市町村というものが援助して、そういう問題を互助会制度に切りかえたら、案外やりやすいのではないかというような気がするわけでありますが、この点について畜産局長の見解を聞いておきたいと思うのです。 〔委員長退席、仮谷委員長代理着席〕
○岡田(覚)政府委員 せっかくいま共済制度について調査をし、検討するという段階になっておるわけでございますから、そういう検討の結果ともあわせまして検討いたしたいというふうに考えます。
○柴田委員 その他いろいろ御質問申し上げたいことがございますけれども、特に今後の再建について、農家なりまた関係団体が重大な関心を持っておりますので、畜産局が中心になって、そうした再建方式については、先ほど申し上げました融資の金利を免除してやるとか、償還の期限を延長するとか、新しい再建資金についてはワクの増大をはかって大幅に融資するとか、そういう問題について今後御相談をいただいて、適切なる方法がございましたら、あらためて次の委員会でも御報告を願いたい。これを要望いたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。
○仮谷委員長代理 東海林稔君。
○東海林委員 ただいま同僚の柴田君からニューカッスルのことについて質問があり、さらに病菌豚の問題につきましては、あとで他の委員からも質問があるようでございます。したがって、私は、ごく限りまして、二つの問題について数点だけお尋ねをいたします。 ニューカッスル病に関連いたしまして、家畜の伝染病予防体制の強化の問題につきまして、先ほど、まず県の病性検定所の拡充あるいは家畜保健所の広域化等の問題、さらにそれにあわせて総合指導対策を強化する、こういう御答弁があったわけでございますが、それは当然だと思うのでありますが、私は、この前の豚コレラのときも感じたのでありますが、この選択的拡大の立場で畜産を積極的に奨励しておる、その末端の市町村なりあるいは農協等における伝染病の予防なり、あるいはその早期発見ということについての体制が不十分じゃないかという感じがするわけです。県の段階での強化ももちろんでありますが、特にその末端農家に常に指導の面で折衝しておる、そういう市町村とか農協の予防体制、まあ具体的に言えば、専門獣医の設置等がきわめて不十分じゃないか、こういう感じがするわけです。豚コレラにしましてもニューカッスルにしましてもあれでありますが、多頭羽飼育をやっておるほうは、比較的そういう予防措置を講じておるが、ごく少数の豚なり鶏を飼っている人は、比較的そういう点で無関心だ。したがって、伝染病はえてしてそういうところに発生して、それがやがてびまんして多頭化のところに及んでくる。初めて多頭飼育のところにいって大騒ぎになるというのが私は現状じゃないかという気がするので、その点でまた早期発見がおくれているのじゃないかと思う。それで、むずかしい病性鑑定ということは別といたしましても、予防注射の励行でありますとか、あるいは斃死豚、斃死鶏の早期発見ということは、やはり指導陣の中でそういう点に十分注意する必要があるのじゃないか。 端的にお尋ねしますが、そういう観点から、市町村とかあるいは農協等、比較的豚、鶏の多い地帯のそういうところに対して専門獣医を設置するために、国でやはり助成措置を講じてはどうかと思うのですが、そういうことを検討する意思があるかないか、その点だけをまずお伺いしておきます。
○岡田(覚)政府委員 現在のところ、そういうふうな考えはございません。総合指導体制を強化いたしまして、市町村だとか農協だとかの関係者、普及員、一般の獣医等を組織化いたしまして、情報の伝達、それから病気の早期発見というふうなことを積極的にやるべきではないかというふうに考えておるわけでございます。
○東海林委員 その総合指導対策の中で、いま私が申しましたような考え方、いまそういう考えは持っていないということでございますが、今後の問題としてぜひ検討していただきたいということを要望いたします。 それから、今度のニューカッスルにつきまして、生ワクチンの野外試験というものを、知事の許可を受けて指導を受けながら、これをやってよろしいということになったことについては、私は、畜産局の英断という意味において賛意を表したいのでありますが、ただ、そこに一つ問題がありますのは、先ほどお話がありましたように、今度のビールスの形がアジア型だ、こういうことでございます。生ワクチンは、御承知のようにアメリカからの輸入でございますが、アメリカ型とアジア型と若干の相違があるわけでございますので、われわれしろうと的に考えて、生ワクチンの効果につきましても、そこに幾らか問題があるのじゃないかという気がするのですが、その点について、これは技術的な立場での御見解を承りたいと思います。
○高村説明員 お答え申し上げます。 この死毒ワクチン、生ワクチンを通じまして、アジア型とアメリカ型には、免疫性には相違がございませんので、両者共通に効果はあるということは学界の定説でございます。ただし、症状のあらわれ方が、アメリカ型の場合には弱いわけでございますし、アジア型の場合には強いわけでございますので、軽くかかっておるような場合には、何となくアメリカ型は気がつかないで済む。アジア型のほうは強く出るので、非常に目につくということで、不完全なワクチンの場合には、何となくアジア型がきかないような感じがされますけれども、免疫的には同じでございます。
○東海林委員 そうすると、ビールスには差があるけれども、ワクチンとして使った場合には、違うビールスにもきくということですか。
○高村説明員 さようでございます。生ワクチンというものが大体そういうものでございまして、全く従来のアジア型、アメリカ型と変わったビールスに変型さしたものでございます。そういう変型さしたものが両方にきくということになります。
○東海林委員 技術的にそういうことであればやや安堵したわけですが、そこで、一つお尋ねですが、現在御承知のように、生ワクチンについては国内でまだやっていないわけですが、ニューカッスルの生ワクチンについて、国内で近くこれを生産するというふうな計画があるのかどうか。私の希望としては、これは最初のことでございますから、むしろ、やはり農林省の研究所等で非常に周密な設備と技術の上でこれをやる必要があるのじゃないかと思うのですが、そういう点についての見解を承りたいと思います。
○高村説明員 今回の野外試験は、私どももそういう配慮のもとに、十分従来の家畜衛生試験場その他試験研究機関でやっておる方式にのっとりまして、注意すべき点はやはり実際の個々の野外試験におきましても十分しんしゃくして行なうことにいたしております。そのためには、都道府県の家畜保健衛生所の職員その他が十分な指導が行なわれるように徹底をはかっております。
○東海林委員 私がお聞きしたのは、国内生産の計画がないかということです。それをやる場合に、当初でございますから、農林省の研究所その他で周密な計画のもとにやったらどうか、こういう意見を持っておるわけですが、それについての意見を承りたい、こういうことです。
○高村説明員 国内製造につきましても、これはもともと生ワクチンのもとは同じでございますので、十分に日本に適した、使いやすいいろいろのくふうをいたしまして、今後は国内の生産が早急にできますように、家畜衛生試験場を中心にして製造研究をやっております。
○東海林委員 次に、病菌豚の問題ですが、いま薬事法だとか家畜伝染病予防法等で、こういうようなワクチン製造に使った豚の処理については、いろいろと省令等で規制しておる。その目的は、一つは、人間の衛生に対する問題もあるが、もう一つは、家畜伝染病の流行を防止するという観点からそれをやっておる、こういうことでございました。ところで、この間の新聞に出ておったのでありますが、昨年の豚コレラの大流行が今回のこの汚染豚の問題と関連があるのじゃないか、こういう記事を私は見たわけですが、そういう点について、農林省は現在のところどの程度調査をし、あるいはその調査の結果対策を講じておるか、そういう点についてひとつお答えいただきたい。
○岡田(覚)政府委員 先般そういうような新聞記事の出ましたことは承知いたしております。その点で畜産局としても分析をいたしておるわけでございますけれども、昨年発生をいたしました地域と、豚コレラワクチンの製造所がございます地域とは、非常に違っております。昨年流行いたしましたのは、特に中国、四国、それから九州——中国、四国が中心であったわけでございます。関東の一部もございましたけれども。そこで、地域的に見まして、必ずしも一致をしていないわけでございます。そういう点から、このワクチンの材料豚から出てそういうふうな流行を見たということについての直接的な因果関係はないのではないかというふうな判断をいたしておるわけでございますが、なおこの点については分析を進めておるわけでございます。
○東海林委員 それから病菌豚肉の出場所の問題ですが、先ほどの説明の中では、ワクチン製造業者のほうから出たものだけに限ったような報告がございましたが、農林省の研究所等からはそういう事例は全然出ていないわけですか。
○岡田(覚)政府委員 農林省の研究所といたしましては、家畜衛生試験場がございます。これは焼却施設を備えて処置をいたしておるわけでございます。それから医薬品検査所がございますが、医薬品検査所は化製工場に出す場合もありますし、それから構内に埋めている場合もあるわけでございます。しかし、医薬品検査所のほうからこれが出たという事実は全くございません。
○東海林委員 政府機関からは全然出ていないという、きわめて明確な答弁がありましたので、ややその点は安心したわけです。 そこで、次にお尋ねしますが、この問題が発生してから、当然のことでございましょうが、消費者の豚肉に対する需要が非常に減って、そのために、市価が非常に低下しておるという問題があるわけですが、最近におけるこの問題と関連しての市価の下落の状況、特に私が聞いておるところでは、上肉と中肉との格差がそのために非常に大きくなった、こういうふうに聞いておるのですが、そういうふうな点、農林省でどのように把握されておりますか、お尋ねします。
○岡田(覚)政府委員 最近、中肉と上肉との間に格差が開いてきておるというふうな事実は承知をいたしております。上肉と中肉との価格の格差というのは、これはなかなかむずかしいわけでございます。実は昭和四十年の三月から上肉、中肉等の規格ができて、これが市場取引に適用されることになったわけでございまして、その間の現在までに至る経過が非常に短いわけでございまして、そこで、上肉、中肉との間の格差が一体幾らであるかということにつきましては、経験的にもなかなか判断しにくい点があるわけであります。特に中肉につきましては、脂肪分が非常に多いとか、それから体躯が非常に小さいとか大きいとかいうふうなことで、いろいろな点で非常に違いがあるわけであります。そういうような点から、決定的に中肉と上肉との格差がどれだけあるかということにつきましては、そのものによりましても違いますし、そのときによっても違いますので、一がいに言えないと思うわけでございますけれども、最近の情勢はやや上中の格差が開いておるように承知しております。
○東海林委員 二十三日の委員会でもちょっと触れたのですが、最近マトンとか馬肉の輸入が非常にふえて、それがわれわれの見解では、豚肉に代替されているために、豚肉の市価がさえない、こういう一つの大きな原因をなしておるのじゃないかということを触れたわけでありますが、今回のこういう病菌豚というような問題が起きて、さらに豚肉価格全体が非常に弱い。同時に、上肉と中肉との格差がふえておる。こういうふうな点を見ました場合に、私は、一つの問題としては、やはりマトンあるいは馬肉の輸入について、何らか少し対策を考える必要があるのじゃないか。もちろん、これは自由制になっておりますから、一がいに禁止というふうなことにはならないが、しかし、せっかく政府が選択的拡大の重要な一項目として積極的な奨励をやっておるこの養豚について、非常な打撃を与えておるということは事実のようでございまするから、ほかにも例があるように、たとえば超過関税等によって、従来の実績より著しくふえるものについてはある程度関税を高くするというようなことによって、そこに若干の規制をすることは適当なことじゃないかというふうにわれわれは考えておるわけですが、そういうことを検討する意思があるかないか、これは局長より、できれば政務次官からお答えを願いたいわけでございます。
○岡田(覚)政府委員 自由化いたしておりますこともありますし、関税について措置をするということはなかなかむずかしいのではないかというふうに実は考えております。私たちといたしましては、むしろJAS規格につきまして、たとえばハム、ソーセージ等の成分内容を表示させるというようなことを通じまして、加工品の品質の改良と申しますか、改善と申しますか、そういうふうなことをはかったらどうかということを実は現在検討いたしておるわけであります。こういうことになりますと、たとえば豚が何%、馬が何%、綿羊が何%、こういうふうなことになってこようかと思うわけでございますが、こういうことも豚の消費を拡大する一つの方法ではなかろうかというふうにも考えておるわけで、なおこれは現在検討いたしております。
○東海林委員 いずれにしましても、マトンとか馬肉が無制限にどんどん入ってくるというようなことにつきまして、私も、ぜひひとつ、これを見てやれば必ずきき目があるというふうにも簡単に言い切れないのですが、いまのような点も含めて検討していただきたい。 内容の表示というようなことになりますと、実は牛乳の色ものの問題等も関係してくると思うわけです。そういう点もあわせてひとつ御検討願いたいと思うわけであります。 それからもう一つ、いまも申しました中肉と上肉との価格が最近特に開いているということについては、畜産局長もそういう傾向を認めておるようでありますが、私は、その一つの原因は、この前申しましたように、上肉は事業団で買い上げるが、中肉は買わない、こういう問題がやはりこれに非常に影響しているのじゃないかというふうに感じますが、そういう点についての見解はどうでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 事業団の中肉の買い入れの問題につきましては、かねてからいろいろと議論があったところでございますが、畜産振興審議会の食肉部会におきまして、昨年以来小委員会を設置いたしまして、この問題の検討をいたしたわけでございます。検討いたしました結果につきまして、先日報告がございました。その報告によりますと、一つは、豚の品種改良というふうな面から、中肉を買うということには非常に問題がある。中肉につきましては、最近品質と申しますか、規格と申しますか、そういうものが非常に悪くなって、中肉を買い上げるということになりますと、品種の悪いものをどんどんつくるということにもなりかねない。そこで、現在外国系の豚だとかいろいろなものが入って、F1だとかいうものができているわけであります。また、いろいろ品種が交雑いたしまして、非常に悪いものもできているというふうな状態でございますので、品種の改良というものが当面きわめて重要である。そういう意味から申しまして、中肉を買うということについては、畜産振興審議会の食肉部会におきましても、大多数の方の御意見は、中肉を買うべきではないというふうな意見が出ておるわけでございます。 そこで、最近の中肉の価格の問題でございますけれども、上肉につきましては、御承知のように、東京三百二十円ということで支持をいたしておるわけでございます。したがいまして、それとの関係で中肉の格差がどうなるかということは、一つは、需給の関係なり、出てきておりますものの規格等によるわけでございまして、中肉を買わないということのために格差が生じておるというふうには実は考えておらないわけであります。
○東海林委員 いまの点は若干見解が違うのですが、特に現在のように、こういう汚染豚肉の問題で需要が減退しているという場合に、全体が非常に弱含みになる。しかし、上肉については最低価格をささえるための買い上げという制度があるために、影響がやや緩慢に出てくるが、中肉については非常に端的に出ているというふうに私は考えるわけです。この問題は議論になりますから、この程度でやめたいと思うわけですが、いまの畜産審議会の部会での御意見、品質のいい豚を飼わせるためには、中肉の買い上げということは適当でない、品質の改善ということを養豚奨励の上で重視することは、確かにこれは一つの理屈があると私は思うのです。しかし、一番大事なことは、養豚農家の経済がそういう上肉を出すような豚を飼うのがいいのか、あるいは中肉等を主としてねらうのがいいのかという、その養豚農家の経済の面からの検討もなしに、ただ純技術的な立場を重視するような、いい豚を飼うというだけでその問題を結論づけるのは、私は妥当でないという見解を持っているわけであります。畜産局長はどうですか。
○岡田(覚)政府委員 いい豚ができれば、当然それは高く買われるということになるわけでございますから、農家の経済としてもそれがプラスではないかというふうに実は私は考えておるわけでございまして、そういう上質の肉を持った豚の生産が行なわれることを期待をしておるわけでございます。
○東海林委員 非常に簡単な割り切り方だけれども、養豚経営の立場からいえば、いいものをつくるのにはやはり管理費もよけいかかるし、あるいは飼料の面でも考えなければいかぬし、子豚の値段も非常に違うわけですよ。だから、養豚農家の経済からいえば、いいものをつくればもうかるのだという考え方は、私は、きわめて単純に、実情をばかに簡単に割り切っていると思うのですが、これも議論になると思いますが、そういう面でもう一度この問題をやはり真剣に総合的に検討する必要がある。ただ技術上いい豚をつくるという一点だけからこの問題を結論づけられるということは、これは養豚農家の経営の面から見て妥当でないという見解を私は持っておりますので、その点さらにみんなともう一度検討してもらいたいと思います。 最後に一つ、私は要望を含めて政務次官にお伺いするのですが、ただいままで若干触れましたように、今回の病菌豚の問題は、幸い政府機関からもとは出ていないという点はございますけれども、せっかくそういうことを十分取り締まらなければならぬいろいろな法律がありながら、そういう裏をくぐって非常に不正をやった。不正をやった業者の罪は憎むべきでございますが、やはり一面そういう監督に当たる官庁の手落ちがあったということを私は認めていただかなければならないと思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えでございますか。
○草野政府委員 そのとおりであります。
○東海林委員 まことに率直で、ありがとうございます。そこで、今回の問題にあっては、いろいろな方面に迷惑を及ぼしているのですが、特に養豚の生産農家に対して非常に迷惑を及ぼしているわけです。価格も下がっておる。いままでのお答えもあったとおりです。そこで、責任を感じておられるならば、それに対して政府としてこれが救済措置なりあるいは何らかの措置を講ずるのが当然ではないかというふうに考えますが、そういう点についての御見解はどうでございましょうか。
○草野政府委員 政府に手落ちがあったということは、全くその通りだというお答えをいたしたわけでありますが、幸いであったのか、幸いでなかったのか、人体に影響のないということがここまで広がったということにもなるのでありましょう。したがって、そこに手落ちがあったことにもなるのでありましょうが、まあここで発見されて、役所のほうとしてもここでどきっとして、あらゆる手を打つような状態になってきたことは、反面においてまたよかったことではないか。私は、いいことと悪いことが半々ぐらいだった、そう思っておりますが、先ほど来も答弁を申し上げておったように、警察の取り調べがいま進んでおるそうであります。悪いことをするやつでございますから、なかなか頑強なようでございます。しかし、それも徹底的に調べ上げて、そしてまあ今日のところは、ほんとうに御安心いただける段階にきておりますが、それももっと実証的に、かくかくかくのごとき状態で御安心いただけるという方向で、われわれの何もありますし、ひとつ農林水産の専門の先生方も、もう豚肉だけはだいじょうぶだと言ってもらえるようにお願いしたい、そう思っております。
○東海林委員 確かに人体に影響がなかったという点も喜ばしいことでございますし、今後の指導監督にさらに一そう注意するということの一つの転機になったことも、これはよかったと思うのですが、養豚農家は現実に値下がりによって非常に損失を受けておるわけです。現実の問題ですよ。それに対してやはり政府で手落ちがあったということを先ほどお認めになった以上、現実に損失を受けた養豚農家に対しては何らかの対策を講ずべきではないか、こういう趣旨で私はお尋ねしているわけです。もう一度重ねて御答弁をお願いします。
○岡田(覚)政府委員 御承知のように、上肉については、現在も事業団が買い入れを続行いたしております。相当な数量が出ておるわけでございますが、これは買い上げを続行いたしておるわけでございます。お話の点は、買い上げをしていない中肉等についてどうするのかというお話であろうかと思うわけでございます。こういう点につきましては、現在需給の動向等を見ながら、どのように考えるべきかということについて、検討をいたしておる次第でございます。
○東海林委員 率直に言って、この際は、一定期間だけを限ってもけっこうだが、中肉も買い上げるというようになるとやや私も了承できるのでありますが、いずれにしましても、現実に損害を受けておる養豚業者については、ぜひ今度考えてもらいまして、政府のそういうような監督指導の手落ちのために、不当と思われるようなそういう損害がないように——それは自然的に農家が損することは、自然的な需給関係ならしかたがないですが、こういう特別なことによって思わざる損失を受けたというようなことについては、当然対策を講ずるべきである、こう考えますので、この点は要望としてぜひそういう点を考えてほしい、こういうふうに申し上げまして、私の質問を終わります。
○赤路委員 関連して二点だけ。畜産局長にちょっとこれは私のほうから注文をつけるわけなんですが、うちの柴田委員のニューカッスルに対する質問ですね、これはまだ私は終わっていないと思うのです。それから、あなたのほうの答弁を聞いておったら、だいぶもたついておるようなんだが、そういうことで、ニューカッスルが発生してから行政のほうも相当もたつきがあったんじゃないか。これが今日ニューカッスルをこういうふうに伝播させた一つの大きなもとだと思うのです。この問題について、単にニューカッスルだけでなしに、養鶏全般についていえると思うのですが、特にこれから真剣に取り組んでほしい、このことを希望しておきます。 それからもう一つは、東海林君のほうから話がありましたが、豚肉を現況のままで見ていきますと、おそらく需要はこれからもなお減退する、こういうふうに見ざるを得ないと思うのです。それにはいろいろな要素があると思いますが、その要素の中に、たとえばそういうような非常に不安な状態にある。そうすると、加工業者の面からいえば、先行きは下がるというような変な見通しを立てる。まだこのままいけば下がるんだ、もっと下がったところで買い付ければというような、そうした加工業者の思惑的な面が、私は必ずしもないとは言えないと思うのです。この点よほど考えなければならない。そういうような加工業者の思惑というものを封ずるのは一体何かということになると、やはり政府側のほうの方策だと思う。何というのですか、思い切った政府側の手を打つというということにならないと、この思惑は押えられないんじゃないか、こういうふうな気がするわけなんです。やることは一体何かといえば、いま東海林君の言ったように、思い切ってこの際事業団が買い付けをするということ、これだと思う。もちろん、いまあなたの御答弁の中で、事業団は上物は買うのですから、上肉のほうは買い付けていくでしょう。ただ、中肉が問題になるのだから、その点は東海林君が言うように十分考えていただかなければならぬと思います。この手の打ち方いかんが、私はこの現在の豚肉の問題を解決する一つの非常に大きな焦点だと思う。 もう一つは、思い切ってこの際、買い付けたものを学校給食なり何なりに回すという、そういう手もあると思うので、これはひとつこの際真剣に取っ組んでもらう。そうして不正な思惑と言ったらどうもちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういう思惑をやるような業者の行動というものをぴたっと押えていくという一つの行政的な措置、これをひとつお考え願いたい。次官、どうでしょうか、そういう面での決意を、一言でいい……。
○草野政府委員 いや、非常によくわかりました。
○仮谷委員長代理 次に、神田大作君。
○神田(大)委員 私は、病菌豚の問題につきまして、過般社会労働委員会等においても質問があったようでございますから、要領だけを簡単にひとつ御質問申し上げます。 まず、この捜査の進展によって、豚ばかりでなしに、狂犬病のヤギ等が昭和三十四、五年から三万頭が食料として売られておるというようなことで、長い間このような病菌豚あるいはヤギとかそのほかの家畜にも及んでおったのを、どうして四、五年もたっても行政官庁ではこれを摘発できなかったか、この点について、いかなる組織、いかなる監督機構によってこのようなことがいままでなされておったかということにつきましてお尋ね申し上げます。どうして発見できなかったか。
○岡田(覚)政府委員 いまお尋ねの点の犬やヤギの問題だと思うのでありますが、これにつきましては、動物医薬品のワクチンメーカーから出ておりましたものにつきましては、狂犬病のワクチンをつくりますためにヤギを使っておる、それからジステンパーのワクチンに犬を使っておるというふうな形で、従来ワクチンの製造のためにヤギや犬が使われておったわけでございます。これはからだの一定の部分でワクチンをつくるわけでございまして、それをとりましたあとにつきましては、これは家畜伝染病として蔓延のおそれがないわけでございます。したがいまして、家畜伝染病予防法なり薬事法の規制を受けない。ただし、死にました死体につきましては、これは当然斃獣処理場において焼却をしなければならない、こういうことになっておったわけでございます。そういうふうな関係もございまして、斃獣処理場で処理されておるというふうに考えられておったわけでございますけれども、それが先般の新聞によりますと、一部市中に流れておったというふうなことになっておるわけでございます。
○神田(大)委員 このように長い間斃獣が平然と食用に供されておったということに対しまして、先ほども東林海委員から質問がありましたとおり、これはいわゆる行政監督が不十分であったということでありますので、これらに対する行政官庁の責任を私は明確にすべきだと思うのです。このために、先ほども話があったとおり、特に養豚業者は大きな打撃を受けまして、豚価は低迷をいたしておりまして、倒産をする養豚家も出てきておるというような状態の中で、化製業者は、たとえば豚であれば三百円で買ったものを六、七千円で売っておるというように暴利をむさぼっておるのでありますけれども、これらの暴利をいかなる方法で回収させるか、また、損害をこうむった養豚家に対して補償をすべきじゃなかろうか、そういうことにつきましてどのような考えを持っておるか、お伺いいたします。
○岡田(覚)政府委員 先ほど申し上げましたように、犬やヤギ等をワクチンの材料動物として使用しておったわけでございますが、そういうふうな家畜の死体につきましては、先ほど申し上げましたように、化製業者が斃獣処理場で処理をするということになっておったわけでございますが、それがたまたま出ておった、こういうことでございます。 〔仮谷委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、農林省といたしましては、今回の事件の経緯にかんがみまして、今後は一切そういうものは外へ出さないということにいたしまして、ワクチンメーカーの構内におきまして焼却をするというふうなことにいたしましたので、今後そういうふうな動物の死体が外へ出ることはないと確信いたしておるわけでございます。 それから、豚の価格につきましては、これは一つは、現在の需給の関係が、御承知のように非常に供給過剰の状態になっておりまして、価格が著しく低迷をしておるというふうな状態でございますので、一方で事業団の買い上げが行なわれておるわけでございます。それ以外のものにつきましては、先ほど申し上げましたように、需給の動向を見きわめつつ、これに対していかに対処すべきかという方策につきましては、さらに検討を進めたいと考えておる次第でございます。
○神田(大)委員 しかし、先ほど印刷にしてわれわれに渡りました現在のような処置ですね、たとえばいまから防疫員をふやすとか、病菌豚を出す場合には焼却しろとか、そういうような行政的な措置だけでは、消費者は、またどうも病菌豚やそういうものが流れてくるのではないか、豚のそういうものを食べるということに対しまして警戒をしておる。これを解消するためには、もっと行政的にも、そういう肉は市場に絶対出回らないのだという処置を国民に知らせることが大事だと思うのですが、それらに対しましてどうも行政官庁のやり方が手ぬるい。国民は安心してそれらを食べようという気にまだならぬ、そういう点があると思うので、これに対しまして、もっと適切な、一般消費者が納得できるような処置を考えるべきであると思うのですが、それに対しましてのお考えをお伺いします。
○岡田(覚)政府委員 先ほども申し上げましたように、従来ワクチンメーカーから出ておりました動物の死体につきましては、一切場内で焼却をするという原則を明らかにして、メーカーもそれに対する準備をいま進めておる段階でございます。したがいまして、今後はそういうことは一切ないというふうに確信をいたしておるわけでございます。
○神田(大)委員 これは適切な処置を早くとれと私は言っているのですが、畜産事業団でどんどん買い上げをする。六十万頭買い上げておるというように、もう畜産事業団としてもなかなか容易でなくなってきていることはわかっておる。長く保管すれば、品質も落ちるし、保管料も重なってくるということで、養豚家はそういう点においても心配をしておるのです。だから、ここで消費を拡大するためには、消費者が安心して豚肉を食べられるということに対する政府の適切な処置がまだ国民一般に知らされてない。これに対してどのような措置をあなたたちは考えておるかということです。
○岡田(覚)政府委員 農林省関係のワクチンメーカーから出ます死体につきましては、今後一切外部には出さないということを明らかにいたしたわけでございますが、現在警察で取り調べが進んでおりますし、また厚生省で食肉業者に対する調査を進めておられるわけでございますから、そういうふうな点が明らかになりましたところでこれは明らかにされるものだというふうに思っておるわけでございますが、今後出るものは、全くそういうような病菌豚はございませんので、その点は、国民の皆さんに安心をして豚肉を食べていただいてけっこうだというふうに実は考えておるわけでございます。
○森田委員 いまの問題とちょっと関連して。 私も、実はいまいい質問をしていただいている、こう思うのですが、いまの局長さんの答えは、事務的にこう措置したからだいじょうぶだということがわかっています、こういう御答弁なんです。それはそうでしょう。そうでしょうが、私自身、大体豚の肉とかそういったものに向かうと、一体これはおかしい肉がこちらへ流れてきているのじゃないかなという不安を感ずる。この不安を感ずるというのは、国民全体が感じている。だから、購買力が衰えてきて、いろいろの派生的な問題が起きる。これは政治上の一つの大きい問題なんです。ひとつ政治上の態度を——予算委員会あたりで、これらの問題に対して一体どういうふうにやっているのか、私らにはよく納得ができないし、それから、これは内閣としての重大な問題なんです。だから、これは政治的な手を打って、国民の不安を一掃するような、一つのタイミングを合わせた、国民にわかるような方法を打ってもらいたいという質問だと私は思う。私もまたそれが一番大事なことじゃないかと実は考えている。だから、大臣なり政務次官なりが、これらに対して、何か新聞等を通じて、もう心配がありませんぞということを知らせる方法をやってもらいたいという御意見だと私は思うのです。私も同感なんで、その方法をひとつ聞きたい、こういうことなんです。
○武藤説明員 三月の二十日に、東京都をはじめ七都道府県に対しまして一斉取り締まりを実施したわけでございますけれども、これにつきまして、先ほど申しましたように、関係府県からは汚染肉についての報告はございませんし、またその他の府県についてもそのような報告はございませんでした。こういう点につきまして、もう少し積極的に今後農林省と提携いたしまして国民にPRいたしたい、かように考えております。
○森田委員 それはひとつ政務次官、はっきりあなたの——この問題は大臣の腹ですから……。
○草野政府委員 ただいまの御発言、非常に根本的な問題に触れておると思うのです。特に神田委員からの御質問の中には、ただ安心して食えるということだけでなく、たくさんかかえておる豚をさらに積極的に需要を拡大する方法に対して政府はどう考えておるのだという面もあったと思うのであります。それで、今日の段階において、事業団の持っております分量に対して、今後の蓄積量等を考え合わせながら、買い上げ分量等を考え合わせながら、どうしていくか、非常に重要な問題であります。 そこで、ただいま厚生省のほうからもお話がありましたが、先ほどちらっと東海林委員の御質問のときに私申し上げたように、とにかく汚染肉を流したやつは、これは悪いやつでございます。悪いやつでございますから、警察で白状のしかたがなかなかすらすらやらない。どうもしぶとい。だから、警察でいま一生懸命やっておる最中で、そのうちに全貌がすかっとしてくるときを見計らって——まだその取り調への過程でございますが、ただし、汚染肉はもう一切市中に出ておらぬということは的確になっております。それと取り調べのある程度進んだ段階において、農林省、厚生省あるいは警察庁あたりと一体となって、かくかくかくのごとく御安心いただきたいということを責任ある申し上げ方をする時期と、同時に、豚肉に対する需要の増大というものは、いわゆる選択的拡大の中でこれほど豚肉がたくさんできてきたことは、一面において大成功を遂げたことだというべきだと思うのです。その大成功をさらに反映させる方向としては、それを受け入れる需要の増大というものが必要でありますから、これに対しましては、先ほどちらっと学校給食等の話が出ておりましたが、余ってきたから学校給食にやれということでは学校の子供がかわいそうでありますから、そういう余ったから食わすという形でなしに、もっと基本的に、豚肉をどう食べるかということに対するいろいろの方面からの手の入れ方があろうと思います。ただポスター張っただけとか、あるいはテレビで流しただけくらいなことでなしに、あらゆる角度を通して、生産の増大をしておるものに対する国民の需要というものを拡大する方向に対して、総合的な観点と、さらに積極的なものの考え方で取り進めていく必要があるということで、真剣に、この問題はほんとうに頭を痛めながらいま研究を進めておる最中でございます。
○神田(大)委員 これは非常に大事なことでございまして、国民一般は、行政官庁の監督のしかたとか、いろいろこれまで長い間このような肉が出ていたのを汚染肉を摘発することができなかった、これが警察関係で摘発になって、皆さんの本職がこれを摘発することができなかったということで、行政監督のやり方に対しまして不信を抱いているのですよ。だから、どんなことを皆さんが通知されても、いまのこの印刷物のようによこしても、どうせまたそういう汚染肉がどこからかもぐって再び市場に流れるであろうという不信感を持っておるわけです。それには、行政機構において、農林省の監督だとか厚生省の監督だとか、片方は食品衛生法によってやる、片方はあるいは畜産の伝染病予防法とか、あるいは薬事法でやるとかいうように、厚生省と農林省の監督機構が複雑に入り組んで、なかなかどうも連絡がつかぬというような盲点もあるわけですね。だから、ここで思い切って、こういう食肉行政というようなものは、医薬にも通じ、あるいはまた獣医的な知識を持っておらなくちゃならぬし、いろいろの意味で専門的な立場に立ってこれを取り締まることであるから、内閣にこういうものの専門の局なりをつくって、そして一貫した行政指導によって、このようなものが一本でもって監督できるようにする、そして行政官庁の監督が行き届くことによって、そういう間違いはもうないんだというような、これは一つの考えですが、そういう考えをはっきりとさせない限り、この不信感というものは去らぬと思うのです。それはポスターを張ったり、あるいは宣伝をしたりすることも大事でしょう。しかし、現在のように、食べても毒ではなかったというような、そういう印象を与えておる以上は、業者というものは、もうかるものであるならどういうものでも取りつくことになるからして、私は、いまのままの行政機構の監督のやり方では、これは国民がなかなか納得できないと思う。それらのことに対しまして、そういうような専門的な局なり部なりを置いて統括した指導、監督をする必要があると思うのでありますが、それに対するお答えをお願いします。
○岡田(覚)政府委員 ただいまの御質問の点につきましては、農林省としては、家畜の伝染病の予防という立場から、家畜伝染病予防法によって行政を進めているわけです。それから厚生省は、できました畜産物が食用に供せられるという衛生面から、食品衛生法の立場から行政を行なっておるわけであります。したがいまして、それぞれの行政が立場が違うわけでございます。そこで、この二つの行政が相互に連絡をとりながら問題を進めていくということが必要であると思うのでございます。従来も連絡をとりながら進めてまいったわけでございますけれども、今後におきましては、なお一そう努力をして、問題が起きないようなことで進んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
○武藤説明員 ただいま畜産局長から御説明がありましたように、今回の問題は、農林、厚生両省にまたがった問題でございます。御指摘のように、この問題につきまして、斃獣処理場等につきまして、家畜伝染病の見地、食品衛生上あるいは環境衛生上の見地から入り組んでおりますけれども、この入り組み方につきまして、連絡その他が、結果として監監不行き届きであったというようなことはいえるわけでございます。この点につきましては、行政当局といたしまして、責任を痛感している次第でございます。厚生省といたしましては、今回の事件を反省いたしまして、関係機関との連絡を一そう密にすることによりまして、今後かかる問題がないようにいたしたい、かように考えております。
○神田(大)委員 これは後ほど大臣等が来ましたならば伺いますが、先進諸国等においても獣医局というような局をつくって、食肉行政を監督する行政官庁を独立させておる国もあるわけですから、これらのことについてまた検討してもらいたい。あとで質問申し上げたいと思います。 次に、この事件のために損害をこうむった養豚家に対して、先ほど東海林委員から質問がありましたが、これに対していかなる措置をとるか。これは政府の責任において当然救済の措置を講ずべきだと思うのですが、これは行政的になかなかむずかしい問題であろうと思う。最近中ものと上ものの差がこのためについてきた。昭和四十二年の一月は二十九円の差であった。二月には三十七円の差であった。今度は五十七円の差がついているというように、月がたつほど上ものと中ものとの差がついてきているわけですから、農家は、いかに畜産振興事業団で三百二十円で買っても、中ものでもって捨てられてくるから、損をするから経営が成り立っていかぬというような状態になっています。これをただ単にむずかしいからやらぬというようなことではなしに、この際、これら中ものの買い上げを断行する、これは非常に緊急なことだと思う。それと同時に、輸入食肉を制約すること、これらを即時に行なうことによって、養豚家の救済はある程度できる。 いま一つは、今度畜産振興事業団でもって上ものの価格を据え置くというようなことを言っておりますけれども、飼料も上がっておるし、労働賃も上がっておるわけですから、これを据え置くという理屈は当然成り立たぬわけです。どんどん豚肉が殺到するから去年の価格でいいじゃないかという理屈は、いわゆる生産費を補償するという立場に立つ以上は通らぬと思う。これは飼料が上がり、手間が上がり、いろいろ物価が上がれば、それに即応して最低限の買い上げ価格というものは上がるべきです。それを据え置いた原案を出した農林省の考えを聞きたいと思うのです。
○岡田(覚)政府委員 中肉の問題につきましては、先ほど東海林委員の御質問にお答えしたとおりでございます。 四十二年度の豚肉の安定基準価格につきましては、先般審議会の部会におきまして答申案が出されまして、近く審議会の正式の答申が出ると思っております。指定食肉の四十二年度の安定基準価格についてはまだ決定をしていないわけでございます。
○神田(大)委員 そういう報告はわかっておりますが、それらの審議会の原案というものは、皆さんも原案を出しているわけですから、そのような原案を出した基準があると思うのです。今度国会議員が審議会に入っておらぬから、われわれはあそこでもって議論するわけにいかぬが、少なくとも物価の上昇に応じた最低価格の買い上げというものをきめるべきであるが、去年と同じに据え置いたという理由はいかなることであるか、大体そういう方向になっているということはどういうことであるかということをお尋ねしているのです。
○岡田(覚)政府委員 指定食肉の安定基準価格につきましては、昨年は需給実勢方式というものがとられております。これは生産費を補償するというふうな考え方に立っておるわけではないわけでございまして、現実の市場価格の変動をある一定の幅の中におさめようというふうな考え方で、いわゆる市場需給実勢方式ということできめられてきておるわけでございます。
○神田(大)委員 われわれは、そういうふうな方式は、養豚農家の側からいえば納得できないのです。市場操作のためにただ単に買い上げるということではなしに、畜産を振興するためには、それ相応のやはり基準価格、買い上げ価格というものはあるべきだと思うのです。それでは畜産の振興にはならぬと私は思うのです。そういう意味合いにおいて、この問題は、物価が上昇し、飼料が上がっておるにもかかわらず、買い上げ価格を据え置くということに対しましては、われわれは納得できないのでありますが、時間もありませんから、この問題は、農林大臣等が出たときによく私のほうで御質問申し上げたいと思います。 次に、乳価の問題についてちょっとお尋ねしますが、乳価につきましても、畜産振興審議会で検討しておるようでありますけれども、大体新聞等の報ずるところによりますと、乳業家が要望しておるのと、それから畜産振興審議会で審議している価格の差がだいぶあるようでありますけれども、これでは今日飼料高あるいは手不足に悩んでおる乳業家というものがだんだんと減っていく。乳牛がしたがって減少をいたしまして、これは酪農行政において重大な支障を私は来たすと思っておりますけれども、これらにつきまして畜産局長はいかに考えておるか、お尋ねします。
○岡田(覚)政府委員 最近生乳の生産が停滞をいたしておることはお話のとおりでございます。私たちといたしましては、近代化方針をつくりまして、この近代化方針に従いまして酪農の発展をはかりたいということを考えておるわけでございますが、この発展をはかりますためには、もちろん生産政策、価格政策等が総合されまして、その結果この目的を達することになろうかというふうに考えておるわけでございます。
○神田(大)委員 これらの乳価の問題等につきましては、乳業家が今日ほかのほうに転業して減っておる、減退しておるというような現実をよく検討しながら、今後酪農行政にあやまちのないような価格の設定を行なうべきではないか。そういう意味合いにおきまして、現在外国から多額の酪農製品を輸入しておるようでありますけれども、これらの輸入に依存し、国内の酪農の増産をおろそかにする考えが、私は農林省の中にあるのじゃなかろうかと思うのですが、そのことにつきましてはいかがでございますか。
○岡田(覚)政府委員 さようなことは全くございません。農林省といたしましては、酪農のきわめて重要なことにかんがみまして、これの生産振興ということについては非常な力を入れておるわけでございまして、先ほど御説明申し上げましたように、今回の保証価格の決定をいたしますについての考え方といたしまして、従来の考え方と根本的に変えました点は、すでに御報告を申し上げたとおりでございます。そういうふうな点からも、われわれといたしましては、酪農の振興というものに非常な力をもって進みたいと考えておるということを明らかにしておきたいと思います。
○神田(大)委員 じゃ、私は、過去三カ年間における酪農製品の輸入数量、金額並びに食肉の輸入数量、金額等の資料の提出をお願い申し上げまして、きょうの質問はこの程度にしたいと思います。
○本名委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 ただいまの豚コレラの問題につきまして、関連いたしまして一言所見をお伺いしたいのですが、まず、豚コレラの問題は非常に世間を騒がし、迷惑をかけたわけでありまして、これは共和製糖の金融の問題と同じで、農林行政の監督が非常に行き届かぬという一つの例だと思います。政務次官、ひとつこの点、綱紀粛正を叫ばなければいかぬと思うのです。 そこで、まずほんとうに安心さすために、「豚コレラ予防液製造豚等の処理について」というので、農林事務次官から知事あてに依命通達がありますが、ここでもう一回念を押しておきたいのですが、その一番目が、「豚コレラ予防液の製造を行なう者は、材料豚の焼却を行なうため製造所に可及的速やかにその製造能力に応じた焼却施設を備えるものとする。」二番目が、「材料豚の処理は、製造所において病理解剖をした後、次によってするものとする。」その一つ目に、「製造所の構内において焼却すること。」二番目、それができない場合はどうしろ、こういうふうになっておりますが、これは、「可及的速やかに」ということは、一体いつまでにそれをさそう、こういうことなんですか。それについてはどれだけの金融を国が世話するのか。
○岡田(覚)政府委員 その通達に沿いまして、メーカーのほうでは直ちに焼却炉をつくるということになっております。おそくても六月末までには完成することになっております。その間は、先ほど申し上げましたように、製造所の構内において埋却をするということで、一切製造所の外に出さないというたてまえになっております。必要な設備をいたします金額につきましては、私のほうで積極的な融資のあっせんをするというふうなことを明らかにしておるわけでございますが、現在のところ、まだその金額についてははっきりいたしておりませんけれども、メーカーが積極的に六月までやるという計画をつくって、現在実施いたしておるわけでございます。
○玉置委員 じゃ、ここに書いております(2)のその他の事項は、六月までの間はまだできてないから、その間暫定的に認める方法であるかどうか。六月以降完全にできてしまったら、一切外へ出さずに焼却するということに、もう一本でしぼるのかどうか。その点をひとつ。
○岡田(覚)政府委員 お話のとおり、一本にしぼりまして、絶対に外には出さない。全部焼却をいたします。
○玉置委員 そうすれば、この依命通牒は1、2と書いて、2の中に(1)(2)とあって、その2の(1)のうちにアとかイとか書いております。こういうふうなやり方を見ますと、あたかもそれは一番上がいいのだけれども、できない場合はこうやってほしい、その次にできない場合はこうやってほしいということに並列されておるわけですが、この通牒の書き方が間違っておるのであって、いま私が質問したように、六月以降はもう一切出させませんぞ、その間はいたし方ないから埋めるんだ、埋める場所がなければこういうような順序——しかし、これはいままででもやっておったことを厳重にやるということだけで、いままでと同じことだと思うのです。それが人がついていきますぞというところまで言っておるわけですが、そういうことですか。つまり、もう一度申しますと、六月以降はもう全部構内において焼却ですぞ、それ以外は認めません、それまでの間はやむを得ずこういうことにいたしましょう、こういうことでありますか、どうですか。
○岡田(覚)政府委員 その通達の趣旨は、まさにお話のとおり、つくるまでの間そういう処置をするということであったのです。その後具体的にメーカーが検討いたしました結果、できるまでの間は全部自分の製造所の中で埋却をするということにいたしたわけでございます。したがいまして、最もおそいものでも六月の末に完成するわけでございますが、それ以降は一切外に出ない、全部製造所の中で焼却をする、こういうことになるわけです。
○玉置委員 血清豚の購入のルートはどういうふうになっておりますか。血清の、つまり値段が上がりますぞということです。そのことは十分承知してこれをやらされるわけですね。
○岡田(覚)政府委員 焼却炉を設置いたしましたからといって、特にその価格の上に変動が起きるというふうには考えておりません。
○玉置委員 そうすると、いままではもうけ過ぎておったというだけのことですか。
○岡田(覚)政府委員 もうけ過ぎておったかもうけ過ぎてないかということは、なかなか私のほうで申すべきことではないと思いますけれども、これは従来は、焼却をいたしますと公害等の問題があったわけでございます。そういうふうな点から、化製場において法律上認められた処理をしておったわけでございますけれども、こういうふうな事態になれば、やはり法律では認められておっても、自家製造所内で焼却をするほうがよろしい、こういうことで指導いたしたわけで、それに対しましてメーカーとしては、こういう問題が起きた以上、ぜひそういう措置をやりたいということで処置いたすわけでございまして、必要な金融につきましては、われわれのほうで積極的にあっせんするつもりでおるわけでございます。
○玉置委員 それは、もう一度重ねてお伺いいたしますが、六月末からは焼却一本でいく、それまでは全部埋む、このことを業者は全部了解した。埋むことは今度はだれが確認に行きますか、その六月までは。
○岡田(覚)政府委員 この点につきましては、薬事監視員だとか、それから家畜防疫員というものがおるわけでございますから、これは十分それを通じて監督をさせたいというふうに考えております。
○玉置委員 いままでもそういうのはいるんだから、おってうまくいかなかったんだから、今度はこういうことで——国民の皆さん心配しないでください、これだけのことをしますということで、きょうからもう絶対心配要らぬ、ましてこれから六カ月後は、こういうことに関しては二度とそういうことは起こり得ませんというように、きっちりひとつやっていただきたいと思うのです。 そこで、もう一つ、先ほどの草野政務次官からお話しの、こういう問題のために非常に生産者が迷惑をこうむっておる、こういうことについていろんな方法を考える。たとえばいまの神田さんのお話のような、学校給食その他についてすぐに出したらどうだ、上肉だけじゃなしに、中肉その他もすぐ買い上げられたらどうか、こういうお話については、そういうことよりも、もっと積極的に頭を痛めておる、検討しておる、こういう話ですが、検討ではおそいのです。きょうまでに検討が済んで、着手されていないといかぬです。こういうことについては、抽象的なことばでなく、豚の値段を生産者にこういう問題で迷惑かけぬように、具体的にどうするんですか。
○岡田(覚)政府委員 先ほど申し上げておりますように、上肉につきましては、これは買い入れいたしておるわけであります。これは単にこの問題だけでなくて、従来から供給過剰という事態がございまして、その供給過剰の事態を解消するために、事業団で買い入れを進めておるわけでございますが、たまたまこの問題がございまして、それがさらに影響を与えておるというふうなことでございます。
○玉置委員 従来からのやり方、それから今後も続けていくやり方を聞いておるのじゃなしに、この事態が起きたために、生産者が非常に御迷惑を受けた、それを救済するためにどんな手を打ったのか、あるいはきょうから打つか、そのことを聞いておる。
○岡田(覚)政府委員 その問題については、先ほど申し上げましたように、需給の実勢等を見ながらどういうふうな対応策を考えるべきかということにつきまして、現在検討しておるわけでございます。
○玉置委員 検討ではおそいんだ。起こったのは一カ月前。それから今日まで非常に迷惑をかけておる。検討やいままでのことを言うておるようなことで、生産者の迷惑をどういうふうに除去するのか、怠慢だと思う。どういうふうにするか、もう一度具体的におっしゃってごらんなさい。
○岡田(覚)政府委員 繰り返して申し上げるようでございますが、検討いたしておるわけでございます。
○玉置委員 局長に聞くが、農林省の一番てっぺんの八階に何という標語が書いてあるか、言うてごらんなさい。——わからなかったら言いましょうか。豚を食う子はよい子供——何だったかな。ぼくはおとといあれを見て、農林省、よほどしっかりせぬと——あの標語だけは、しばらくの間下におろさないといかぬじゃないか。あれはしばらく幕でもかけておかぬと申しわけないんじゃないか。だから、すみやかに——これは検討だ何だじゃないんですよ。一カ月前から起こっている事態。生産者はちっとも関係ないのに、非常に御迷惑をかけておるわけです。今後の問題としても大きな問題だと思いまずので、緊急に——検討じゃなくて、これこそ可及的すみやかに——人に対してだけ可及的すみやかにと書いて、自分はちっとも可及的すみやかじゃないんじゃないですか。そういうことについて、草野さんもおいでになるから、ひとつ善処されることを要望しまして、質問を終わります。
○本名委員長 午後二時三十分再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時十八分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
○本名委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を行ないます。鈴切康雄君。
○鈴切委員 国民は今回の事件で豚肉の食用にたいへん恐怖を抱いていると同時に、現在非常に不安な状態に置かれているということは事実であります。食べたくても食べられないという状況のもとに、しかも食肉店などは、売り上げに響いて、現在は半分以下の売り上げしかないというところもあるそうであります。政府はこれに対してどのような対策を施していかれるかについてお伺いしたいのであります。
○岡田(覚)政府委員 ワクチン豚問題が出まして社会に不安を与えたことに関しましては、はなはだ残念に思っているわけでございます。一刻も早くこの事態を収拾いたしまして、国民が安全に心配なく豚肉を食べる、しかも国民の栄養の観点から、たん白資源であります豚肉を大いに食べるという状態に一刻も早くしたいというふうに考えておるわけであります。
○鈴切委員 JASの内容認定法について御説明願いたいと思います。また、今回問題になったハム、ソーセージについての実際は規定どおり検査をしておったかどうかという問題、これについてお伺いいたします。
○岡田(覚)政府委員 JASは、御承知のように、食料品の合理的な消費を促進する等の見地から、食品の品質について検査格づけを行ない、合格品についてはJASマークの表示をしておるのでございまして、食品衛生法の観点から好ましくないものについてはJASマークの表示を行なわないというふうに従来から指導をいたしてきておるわけでございます。
○鈴切委員 私は、そこに問題があると思うのです。病菌豚でつくられたといわれるハム、 ソーセージにJASの証紙が張ってあったというのですが、これではJAS規格も全くの有名無実の状態ではないかと思うのです。国民は何をもって一体信用していったらいいであろうか。私は、それが一つは、国民に対するところの大きな不安、疑惑というものをぬぐい去ることのできない問題ではないかと思うのですが、その点どうでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 今回の病菌豚事件に関係する中尾食品有限会社につきまして、JASマーク品が存在しているという情報がありましたので、調査せしめましたところ、JAS表示品に製造年月日が欠如になっていたことが判明したのでございまして、その点は、なはだ遺憾に思っているわけでございますが、それ以上の問題につきましては、捜査当局において捜査いたしておる問題でございますから、その捜査の結果を待ちまして、これに対しまして対処をいたしたいというふうに考えております。
○鈴切委員 次官がおいでになりましたから、次官にお聞きしたいと思います。 先ほどちょっと触れた問題でありますが、現在の豚肉の食用について国民が非常に恐怖並びに不安を感じている。それについて、次官も率直に、確かに手落ちであった、そのことは管理上において手落ちがあったということは、すなおに認められておるわけであります。現在国民の食肉に対しての不安をどのように晴らしていくかということがいまの最も関心事である、また、いわゆる食肉店が現在売り上げが半分しかないというのを一刻も早く救っていく状態ではないかと思うのですが、その点について具体的に次官の御答弁をお願いしたいと思います。
○草野政府委員 この問題は非常に重大な影響を及ぼしまして、現実の問題よりも心理的な影響が相当大きかったようであります。それが全国的に豚の需要を一時停滞させているようなことになっておりますが、先ほど申しましたように、絶対心配がないのだという一つのPRといいますか、周知方についての強い方法を何らかとらねばならぬ。とる方法については、先ほど申しましたように、警察の調べのある程度進んだ段階ということも考えられるのじゃないかというふうにも思っておりまするし、一方において、これだけ豚の生産の進んでおるときに、需要を増大しなければならぬにもかかわらず、停滞させるような問題の起こってきたことは、一つの逆現象になってきたことで、非常に残念に思っておりますが、同時に、これは食糧需要構造の大変革期に際会しておるときでありますから、こうした畜産部門の成長に対して、同時に、ただ単に畜産物だけではありませんで、野菜及び水産物も一緒でありますが、国民の嗜好の誘導ということばが適当かどうかわかりませんが、たとえば、コールドチェーンならばコールドチェーンというものを普及させるについては、それに対する嗜好というものが同時に展開していかない限りは、いかにコールドチェーンをやってみたって、あるいはまたコールドチェーンというよりも、むしろ冷凍チェーンのようなところまで入らねばならぬにもかかわらず、そういうものに対する一般需要の認識といいますか、需要と同時にこれは嗜好の問題だと私は思うのですが、その嗜好の誘導ということに対しても非常に大きな努力をしなければなりません。これは農業基本法の中で需要の増大ということも大きくうたっておりますから、したがって、これはこの問題が起こらなくても非常に真剣に取り組まねばならぬ問題であるところに、こうした問題が起こりましたので、具体的とおっしゃいますと、こうしてこうしてという小さいことは、いま検討中だというお答えを畜産局長がしたはずでございますが、その検討中ということをひとつ御期待いただきたいということでございます。
○鈴切委員 あなたも一応肉を食べるときに、これは豚コレラじゃないかとふと心をかすめるものがあるのではないかと思うのです、私も実はそうなんです。あの問題がありましてからというもの、非常に肉は好きだったんですが、いまは肉はあまり食べないようにしているわけです。ソーセージとかハムについては何かしら気持ちが悪いというような気持ちなんです。いまあなたが言われたように、精神的なショックというもの、これは非常にぬぐい去ることができない問題だと思うのです。肉体的な傷というものは、これは時がたてばなおることは当然でありますが、精神的に受けるところのショックというものは、これはなかなかぬぐい去ることができないものだと私は思います。いま次官が幸いにして人体には影響がないからと言われたことも一つでありますし、また、病菌豚はいま市売されていないのだというふうな一つの確固たる御確信を持っておられるわけですけれども、国民は、はたしてあなたが言われるような気持ちでおられるか、じゃ肉はもうだいじょうぶだというのには、あまりにもショックが大きいような気がするのです。そこで、私は次官にお聞きするのですが、少なくとも、もうだいじょうぶなんだというはっきりした声明を出すことによってこの問題は解決されるのではないか。しかも、次官ははっきりと、この問題に対しては私どものほうにおいても管理上においてミスがあった、手落ちがあったと言われておる以上は、私は絶対にそういうふうな前向きの姿勢をしていかなければならぬと思うのです。そうして一日も早く国民の不安を取り除いてあげることが、国民がより以上たん白質の豊富な肉を食べるようにもなるし、また、いわゆる業者が現在半分しか売れないというのを一刻も早く救うことができると思うのです。通達はどこまでも、今後に対するところの、あってはならないということに対しての前向きの姿勢であると思いますけれども、現在の国民に対する不安を取り除くには、何としても私はその点に留意をしなければならないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○草野政府委員 一たんものごとを印象づけられますと、これを払拭するのには心理的に三倍の努力が要るというのは、心理学の言っていることなんですが、これは三倍の努力をするとなりますとたいへんなことでございますけれども、しかし、やらねばいけません。そこで、先ほど申しましたように、国民、需要者の方々に対して、絶対だいじょうぶだという一つの、何といいますか、太鼓判ですね、その太鼓判をいま十二分に検討いたしておりますが、近く出します。確実に出します。どうぞひとつ御安心ください。
○鈴切委員 三十九年の五月ころに、新聞に、病菌肉を都内で学校給食に横流ししたという事実が明らかにされておるわけですが、その実態について関係各省にお伺いしたいのであります。
○武藤説明員 厚生省当局では、そういうふうなことについては聞いておりません。
○鈴切委員 それじゃ、新聞に報道されておるのは事実でないというのですか。
○武藤説明員 厚生当局も農林当局も、そういう事実については聞いていないそうでございます。
○鈴切委員 現在聞いておられないというわけでありますが、もしそういう事実があった場合に、学校給食へ供されるところの食肉等の衛生管理、監督については、どのようにしていくつもりでおられますか。
○武藤説明員 学校給食につきましては、文部省のほうで厳重に監督しているというふうに聞いております。
○鈴切委員 学校給食法においては、食肉等の入荷管理という項目がないわけであります。それで、現在そのことを聞いていないというお話でありますが、事実そういう問題が起きたときに、どういうふうにしてその法規制をしていくべきであるかということについて、ちょっとお伺いしたいと思います。
○武藤説明員 現在文部省当局が出席しておられませんので、後ほど検討して答弁いたします。
○鈴切委員 先般、私も、こういう問題が起きましたので、さっそく視察に行ってきたわけでありますが、都内のあるワクチンメーカーのところに行った場合、本年二月まではクロールカルキ五%溶液に十七時間から十八時間浸して消毒しておったそうでありますが、その後クレゾール液三%溶液に消毒液を変えているそうであります。これは農林省の通達によってなされたそうであります。また、処理が多い場合は浸す時間を短縮していた、そういうお話を聞いておりますが、その点、実態を知っておられましょうか。
○高村説明員 いずれのメーカーであるかは伺いませんでしたが、確かにいままでの間、頭数が多い場合には消毒槽が忙しくなりますので、回転を早くして出したという事実は間々あったということを聞いております。それから、薬液につきましては、この事件が表向きになります以前は、一部メーカーはクロールカルキを使っておりました。その後わがほうの指示によりまして、クレゾール石けん液に全部変えさせております。
○鈴切委員 それはどういうわけでしょうか。殺菌の力というのは、何といってもクロールカルキのほうが、臭気は強いけれども、殺菌の効力はあると思うのですよ。その点について、変えたという理由はどういうことでしょうか。
○高村説明員 確かに、消毒液の効果につきましては、いずれもそれぞれ特徴がございまして、結果的には死体消毒等にはともに効果があると思っております。ただ、私どものほうで今回通達で出しましたのは、現行の家畜伝染病予防法によります消毒基準で、従来から死体消毒にはクロールカルキを除いて、クレゾール石けん液、昇汞液、石炭酸水というようなものを示しておりますので、従来のそういう方式で一応やるようにということで通達は出したわけでございます。
○鈴切委員 また、メーカーの取締役に会ったわけですが、そのときに、幾ら浸しても豚肉の内部まで殺菌することはできないというふうに言われたのですが、その点どうでしょうか。
○高村説明員 今回の一連の事件につきましての死体の消毒でございますが、この消毒は、私どもといたしましては、ワクチンの製造メーカーから化製場に至る間安全な輸送が行なわれるに足る消毒液でけっこうである、また、従来から一般の家畜伝染病予防法の野外の例におきましても同様な取り扱いをしておりまして、最終的に焼却、埋却あるいは完全な化製、すなわち、煮沸消毒に匹敵する化製というものが行なわれるという最終段階を目標に置きまして、その間におきましては輸送に必要な消毒を行なう、したがいまして、からだのしんまで消毒液が浸らないでもけっこうであるという見解を持っております。
○鈴切委員 十八日の社会労働委員会で公明党の同僚議員が一応質問しましたけれども、厚生省の環境衛生局長が、内臓はワクチンメーカーがあらかじめ除いていた例が多く、一般に流れたことはないようだと答弁された。そのことはほんとうでしょうか。
○武藤説明員 そのとおりでございます。
○鈴切委員 現地に行った結果、そこのメーカーにおいては、内臓もともに化製場へ渡していたという説明をしておりましたけれども、その点食い違っておりますが……。
○武藤説明員 その食い違いにつきましては、私のほうでその情報をつかんでおりませんので、あとで調査いたしたいと思います。
○鈴切委員 その点についても、あなたたちははたしてそのことについて実際に現場へ行っているかどうかという問題、そして、いろいろ聞いて、そういう問題がはたしてあったかどうかということについて、もっともっと現地へ行ってやらなくちゃならぬ問題じゃないか、ここにおられるおえら方はなかなか行かれるということはないと思いますけれども、そういう点でやはり飛んでいかなければならないんじゃないか、私はそのように思うわけであります。 それから、メーカーの監督は都庁直轄で、薬事監視員が二名担当しており、大体一週間に一回程度来ていたそうでありますが、そのうちの一名が家畜防疫員を兼ねていた。しかし、内部では実際には必要がなかったので、防疫員としての仕事はやっておらず、もっぱら忙しくてワクチンの抜き取りの作業のみに終始しておった、そのように本人は言っておるわけでありますが、これをどう思いますか。
○岡田(覚)政府委員 薬事法の関係からいたしまして、薬事監視員が抜き取りまして品質を検査いたしておるわけであります。一方、家畜防疫員といたしましては、材料豚などにつきまして外に運び出すときの指示をいたしておるということになっておるわけでございます。そういう点につきましては、それぞれ仕事を担当いたしておるわけでございますけれども、今度の事件が起きたことを反省してみますと、必ずしも十分な監督をしてなかった点があったのではないかというふうに反省をいたしておる次第でございます。
○鈴切委員 いまお話のあったとおり、家畜防疫員としての仕事はしていなかった。それから、家畜防疫員は化製場まで立ち入り権限があるのに、なぜ化製場まで立ち入っていなかったか。ワクチンメーカーから化製場へ病菌豚を運搬する状況を監視しなかったのか。そういう点を考えたときに、確かに農林省自体の監督不行き届きではないか、私はそのように思うのですが、その点いかがでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 ただいま申し上げましたように、その点について十分な監督がなされていなかったという点につきまして反省をいたしておるわけでございます。
○鈴切委員 今回の病菌豚は、ワクチン製造に豚を使用したから発生したものであります。したがって、豚を使わない方法も考えるべきではないか。数年前から組織培養法でワクチンをつくる方法が開発されつつあると聞いているが、その実情はいかがでありましょうか。
○高村説明員 組織培養によります豚コレラの生ビールスワクチンにつきましては、数年前から家畜衛生試験場、動物医薬品検査所、あるいは日本生物科学研究所等の民間機関も動員いたしまして研究が行なわれております。その実験室的段階での成果は、国際的にもきわめて水準の高い、すぐれたワクチン株が日本独自の立場で作出されておりまして、これが応用化に従来から努力してまいっております。すでに野外におきます研究的な段階では、十万頭以上に及ぶ野外試験を行なってまいっておるわけであります。こういう状態になっておりますので、昭和四十二年度には、さらに実用的に製品化することを目途にいたしまして、農林省の家畜衛生試験場におきまして、まず工業的なワクチン製造の施設を整備いたしまして、大量製造方式による組織培養豚コレラワクチンをつくることになっております。この製品を使いまして、さらにわれわれといたしましては、野外実用化の試験の仕上げを行ないまして、同時に一方、これが製品化されました場合には、農林省の動物医薬品検査所でそれぞれの製品ごとに厳重な検定を行なう必要がございますので、検定施設につきましても、同様昭和四十二年度で施設を設置することにしております。しかし、この生ワクチンも、普通の死毒ワクチンよりも使い方には種々獣医学的な配慮が必要でございます。直ちに一般的にだれでも使えるワクチンになるとは考えておりませんので、徐々に使い方をならしつつ、いい点を伸ばしていきたい、こう考えております。
○鈴切委員 いまお話があったとおりであると思います。研究所の話でありますと、組織培養法は製造費も非常に安く上がって、非常に良質だ、そういうことも聞いておるわけでございます。そういう意味において、農林省としても、当然この実用化については今後積極的にやってもらいたいと思います。 次に、斃獣処理場、化製場の許可はどのようになっているであろうか、その点についてお話し願いたいと思います。
○武藤説明員 斃獣取り扱い場と化製場は、へい獣処理場等に関する法律によりまして、都道府県知事の許可になっております。いずれも斃獣処理場以外での処理を禁止されております。
○鈴切委員 化製場の許可は、本来二年単位で更新していたのが、三十二年より永久許可になったと聞いております。これはどういうわけですか。
○武藤説明員 以前は二年更新であって、現在は永久許可になっているというお話でございますが、そういうことはないように聞いております。
○鈴切委員 私の調べたところによりますと、二年更新または一年更新となっていたのが永久許可になったために、悪質業者がばっこしているのじゃないかと思うのですが、その点、もう一度調べていただきたいと思うのですが、私の記憶ではそうだと思います。
○武藤説明員 斃獣処理場につきましては、許可年数の更新ということはやっておりません。あるいは、いまの御質問の点は、食品衛生法では二年の条件がついておりますので、そのことではないかと思います。
○鈴切委員 そうなりますと、永久許可をしたために、かつては二年単位あるいは一年単位で更新をしておったのが、非常に後退をしているというふうに思うし、またそこにも大きな原因があるのではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○武藤説明員 化製場につきましては、基準がございますし、また、不都合なことがありましたら、当然取り消し等の措置ができるようになっております。
○鈴切委員 不都合なことがあったら取り消しができるというお話があったのですが、許可のしかた、検査のしかたに大きな原因があるのではないかと思うのですが、今後どうなさるおつもりでしょうか。
○武藤説明員 構造設備等にいろいろ問題が出ました場合には、現在六条の二によりまして、構造設備の改善命令等が行なえるようになっておりますので、そういう規定を活用いたしまして改善をはかることになると思います。
○鈴切委員 わかりました。私、この間視察に行きましたところ、化製場の密集地帯でありますので、ものすごい異様なにおいがしているわけです。特に、その近所で聞きましたところが、夏季においては百メートル離れたところでぷんぷんとにおいがする、洗濯物などにもそのにおいがつく、そのように非常にこぼしておる状態であります。この公害について、今後どう対処されるか、お伺いしたい。
○武藤説明員 御指摘のように、以前化製場を許可したときには周辺には人家がなかったわけでございますが、その後人家がふえてきて、いろいろ問題を起こしておることについては承知いたしております。したがいまして、現在はそういうところには許可を与えないように運用がなされておるはずでございます。現在許可になりまして問題が起きておるものにつきましては、改善その他について鋭意努力しているところでございます。
○鈴切委員 現実の問題として、とにかくにおいがするのにはどうにもならぬということなんです。それに対して鋭意努力するとは言っても、具体的にどういうふうにやられるおつもりでありますか。
○武藤説明員 臭気等につきましては、たとえば都庁等におきましては、資金等あっせんいたしまして、におい等が外部に漏れないような設備等をつけさせる等の努力をいたしております。
○鈴切委員 先ほど、たしか局長は、六月まではそういう病菌豚なんかは全部埋却する、かように言っておる。六月以後は絶対に出さないのだ、そのようにお話しになったと私は記憶しております。ところが、厚生省の事務次官の通達によりますと、「微生物によって汚染されたへい獣(消毒によって保健衛生上支障を生ずるおそれのないように処置されたものを除く。)」と書いてあるのですが、その点においてどういうふうなお考え方でしょうか。
○岡田(覚)政府委員 ワクチンも、動物用のワクチンと、それから人体用のワクチンがあるわけです。動物用のワクチンにつきましては、農林事務次官通達を出しておるわけでございますが、これは焼却炉をつくりまして、焼却炉で全部焼却する、その焼却炉が完成して焼却ができるようになるまでの間は全部埋めまして、それで一切外に出さないというたてまえをとっておりますので、いまやその病菌等が外へ出るということはないように確信をいたしておるわけでございます。
○鈴切委員 「消毒によって保健衛生上支障を生ずるおそれのないように処置されたもの」というのは、そうしますとどういうふうに判断したらよろしゅうございますか。
○岡田(覚)政府委員 それは厚生省の通達のことですか。
○鈴切委員 はい。
○武藤説明員 いま先生の御指摘になりました通知は三月八日のものでございまして、事件発生直後、とりあえず応急的にこういう措置をするように示達いたしたわけでございます。午前中御説明申し上げましたように、三月二十五日課長通知を出しまして、今後は一切製造所におきまして焼却または埋却せしめるという方法を指示いたしましたし、細菌製剤協会といたしましてはそれを順守するように約束を取りつけてありますので、消毒その他の問題は今後起きてこないかと思います。
○鈴切委員 じゃ、今後は一切焼却をすると判断していいわけですね。
○武藤説明員 焼却または埋却でございます。
○鈴切委員 はい、わかりました。 行管では、今月中に関係法令の実態調査をし、問題があるものについて改善をするよう勧告する、そのように言っております。まあ問題があるといえば、今度の厚生省、農林省の場合なんかは問題が多分にあるわけです。そういう点について、もし行管から勧告を受けたときには、すみやかに検討して、早急に改める決意があるかどうか、お聞きしたいのです。
○岡田(覚)政府委員 行管が調査をいたしておりますので、それに基づいて改善意見が出されると思うのです。われわれといたしましては、その改善意見が出ました場合に検討いたしまして、まさにやるべきことにつきましては改善をする考えでございます。
○武藤説明員 厚生省も同様でございます。
○鈴切委員 病菌豚の問題はそれくらいにして、ニューカッスルの問題でありますが、ビールスが人間へどのような悪影響を及ぼしているかということについてお伺いしたいと思います。
○武藤説明員 ニューカッスル病のビールスについて、人体にどういう影響があるか、こういう御質問だと思います。ニューカッスル病のビールスにつきましては、経口感染の報告例症は、現在までのところございませんので、食品衛生上の問題はないと考えます。ただ、一九四三年から一九五五年までの約十二年間に、全世界で約百例ほど、非常に少ない例でございますが、養鶏業者あるいはビールスの取り扱い者等に飛沫感染で結膜炎とか感冒等の症状が出たという報告例がございます。こういう点からいたしますと、少数例ではございますけれども、公衆衛生上あるいは職業病といいますか、そういう観点から多少の問題はございますので、そういう点は検討の余地があろうかと思います。
○鈴切委員 近年養鶏は確かに大発展をしたわけであります。それに対し、家畜衛生行政が置き去りにされているように感ずるわけであります。今回かような大発生をもたらしたわけでありますが、養鶏の発展率と防疫員の増員率も平行してないように感ずるんですが、その点いかがでありましょうか。また、防疫員の増員率が平行してないというのは、やはり政府の手落ちではないか、そのように思うのですが、いかがでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 御承知のように、畜産振興によりまして、単に鶏だけでなくて、家畜は全般的にふえてまいっております。今後さらに需要の増大を考えまして、畜産の振興を一そうはからなければならぬというふうに考えるわけでございますが、そういたしますと、必然的に家畜の数が多くなるということは当然であろうかと思います。家畜の数に比例をして関係職員をふやすということは、なかなか困難な点もあります。したがいまして、このような事態に対しまして、最も有効に家畜防疫、家畜衛生の維持をはかるのにはいかなる方法が適当であろうかという問題になろうかと思います。そういう意味におきまして、農林省といたしましては、家畜保健衛生所を広域化いたしまして、従来ございました小規模の保健所を集中いたしまして、技術者の集中なり施設の高度化ということをはかってこれに対処しておりますと同時に、また、総合家畜衛生対策によりまして、町村農協だとか普及員等の協力のもとに、家畜伝染病に対する予防ないし蔓延を十分措置できるような体制をとっておるわけでございます。
○鈴切委員 各県からの農林省へのたしか報告があったと思いますが、その中に、実情調査に行っても大規模経営者の場合は門前払いを食うケースが非常に多かったということがある。大規模業者になると、企業意識が非常に芽ばえ、企業を秘密にし、防疫員を寄せつけなかったそうでありますが、これは農林省の責任であると私は思うのです。それで、農林省はそのことについてどのような今後具体策を講じていかれるつもりでありますか。
○岡田(覚)政府委員 大規模養鶏家になりますと非常に企業意識が強い。そこで、衛生に対しましても非常に真剣になっておる。外部から人が入りますと病気がうつるのではないか、こういうふうな考慮もありまして、外部の人をできるだけ入れないということの一環として、そういうことはあり得るというふうなことでございます。しかし、家畜伝染病の法律を執行いたしますのは県庁の衛生職員でございますから、そういう点につきましては、さような問題は起きないように指導いたしたい、かように考えております。
○鈴切委員 とにかく、家畜防疫員が中に入れないようでは、たとえ発生しても、その問題が蔓延をするまでわからないという状態になってしまうのじゃないかと思います。そういう点については、いままでの状態でなしに、私は前向きの姿勢をしてもらいたいと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 お話のとおりであります。
○鈴切委員 今回の大発生により、不活化ワクチンが、現在はお話によると十分足りている、そのようにおっしゃったようでありますが、少なくとも発生時点においては不足しておったのじゃないか、そのように思うのですが、いかがでございましょうか。
○高村説明員 ニューカッスル病に現在使っております不活化ワクチンにつきましては、安定需要をはかりますために、実は昨年、昭和四十一年の八月から予約販売制度を実施してまいっております。これはワクチンメーカーの自主的な形で農林省が指導を行なっておるものでございますが、この予約販売制度が製造所あるいは販売ルートで行なわれていることに対しまして、さらに農林省の指導といたしましては、これに上乗せしましたワクチンの備蓄が必ずあるようにという指導をしてまいったわけでございます。現在製造所における生産能力は、年間二億四千万羽から三億羽までの間が可能でございまして、これは一昨年以前の製造実績に比べますと十倍から二十倍の量でございます。このような量を生産いたしまして、予約販売制度と、さらにこれに備蓄を加える、こういうことを自主的にやるように指導してまいったわけでございますが、昭和四十一年の末からニューカッスル病が関東地方におきまして流行してまいったわけであります。その流行に伴いまして需要量が急激に増加してまいりまして、備蓄量は減少してまいりました。その減少傾向に対しまして、農林省といたしましては、一般の通常の流通段階ではいろいろの心理的不安あるいは先もの買いというようなものがあることを考慮いたしまして、ある程度の指導力を強めまして、流れの規制をいたしたわけでございます。これが一時においてはかえって緊迫感を与えたのではないかということを現在は反省しておるわけでございます。 さらに、私どもは、備蓄量が減少いたしてまいりますことに対処いたしまして、これ以上の流行によりまして実際の不足が起きるということを考慮いたしまして、備蓄を常に持つということをやる必要があるわけでございますので、国内のフル生産に加えまして、外国製品を輸入することとして、現在すでに可能な限りの外国製品を日本に輸入いたしまして、現在検定その他流通あるいは備蓄の手配をいたしておるわけでございます。
○鈴切委員 いろいろ御説明いただいたのですが、今回の大発生の時点において少なくとも不足をしておったのではないかという質問ですから、一言でけっこうです。
○高村説明員 私どもの全体のつかみ方では不足してはおりませんでしたが、部分的に流通段階で品さばきがぎこちなくなって、そういうことが起きたということも聞いておりますが、私どもとしては不足という感覚ではないわけでございます。
○鈴切委員 私の聞いたところでは、非常に不足していた、そのように聞いているわけであります。過去数年来のいろいろの発生の状況から考えて、今回の発生は十分予測ができたわけでありますが、その点について、今後やはり農林省としては、もっともっと善処していただかなければならぬじゃないか、そういうふうに思うわけです。 次に、ニューカッスル病にかかって死んだものに対して、だれの指示でどのような処置を施していくかということについてお伺いしたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 ニューカッスルで死んだ鶏に対しましては、家畜防疫員の指示によって焼却、埋却ということをいたしておるわけでございますが、さらに、殺処分をいたしましたものについては、当然これは焼却、埋却をさせておるわけであります。
○鈴切委員 一部には、病気と知らないで、もちろん保健所にも無届けで、つぶして売却するものもあった、そのように高村衛生課長が言っているが、これは食品衛生上重大な問題ではないかと思うのですが、その点はどうですか。
○高村説明員 私が申したということでありますか。
○鈴切委員 はい。
○高村説明員 私はどこで言ったか、記憶はありません。
○鈴切委員 それは記憶がなかったらそれでいいでしょうけれども、防疫員の不足で農家が自発的に行なっていると言っておりましたが、それはほんとうに行なわれているかどうかということです。また、実際に行なわれていたとするならば、今回のような大発生をしたことはまことにおかしいのではないかと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 ちょっと最初のお話が聞き取れなかったのですけれども……。
○鈴切委員 防疫員の不足で農家が自発的に接種を行なっていた、そのように農林省の衛生課では言ったと聞いておりますが、そういうことはほんとうでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 自発的な接種でございますか。
○鈴切委員 自発的ですね、ワクチンの。
○岡田(覚)政府委員 ワクチンでございますか。その点は午前中にも申し上げたわけでございますけれども、養鶏業者が経営的に養鶏をやっているわけでございますから、自分の財産についての保護措置をとることは当然だと思うわけでございます。したがいまして、私たちは、自衛防疫体制、みずからワクチンを接種いたしましてその財産を守ることを積極的にやるべきだという指導をいたしておりますし、また、それに対して助成をしようと考えておるわけでございます。
○鈴切委員 生ワクチンの使用を要望する養鶏家が多いが、その使用についてお伺いしておきます。
○岡田(覚)政府委員 生ワクチンの使用につきましては、すでに通達を出しまして、お手元に御配付を申し上げておるところでございます。
○鈴切委員 昨年四月、養鶏者の生ワクチン使用に対する強い要望にこたえて、農林省が生ワクチンの野外テストを実施することを約束したと、そのようにきょうもらった資料にもありますが、本年までやらなかった理由、それについてお伺いしておきます。
○岡田(覚)政府委員 昨年四月に生ワクチンを使う実験をやるということが言われたようでございます。これにつきましては、国がやりますからには当然予算的措置が必要になるわけでございます。したがいまして、四十二年度の予算要求として出されまして、現在四十二年度予算として要求中でございます。 試験研究につきましては、具体的な御質問があれば衛生課長からお答えさせますが、家畜衛生試験場を中心にいたしまして試験研究をやっておったわけでございますが、これにつきましての実用化の見通しが試験研究段階として終わりまして明らかにされたのが本年の二月でございます。それ以降これにつきましての実用化試験ということに踏み切っておりまして、民間からの要請もございましたので、通達を出しまして、実験としまして生ワクチンを使用させることにいたしたわけでございます。
○鈴切委員 初ひなの生産では全国第二位を占めている岐阜県においては、いままで一度もこの病気が発生をしておらないわけであります。それには、県当局が早くから予防措置を進め、特に七年前から徹底した防疫、特に予防注射を畜産行政の柱として推進してきたと、そのように聞いております。万全の防疫体制を整えれば必ず防げないはずがないと思いますが、その点いかがでしょうか。
○岡田(覚)政府委員 お話のとおり、万全の体制を整えれば、ニューカッスル病の発生を予防することもできますし、また蔓延を食いとめることもできるというふうに考えております。
○鈴切委員 今度の大発生の起きたその責任は、私は、農林省のやはり指導が行き届かなかった点にあるのではないか、そのように思うわけですが、いかがでしょう。
○岡田(覚)政府委員 今回の大発生につきましての発生経路等については必ずしも明瞭ではございませんが、農林省といたしましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、都道府県の指導をいたしておるわけでございますが、現実には都道府県が発生の予防の事業をやっておるわけでございまして、必要に応じて予防接種をいたしまして、発生の予防をいたしておるわけでございます。しかし、午前中にも申し上げましたように、いついかなる方法によってビールスが入ってまいりますかということにつきましては、必ずしも完全に阻止し得るものではない点もあるわけでございます。そういう意味から、そういう体制のみをもってこのニューカッスルの発生なり蔓延が防止できるということには限界がある。これだけ鶏の飼養数が多くなってまいりますと、一たび発生すれば、必然的爆発的な流行をいたすことはわかるわけでございます。したがいまして、これは官民あげまして、飼養者といたしましては自分の財産を守るという意味において当然注射をすべきものであると思いますし、県といたしましては当然発生が予想される心配があるところにつきましては予防的な措置をとるというふうなことで、両々相まちまして万全の対策がとれるものだというふうに考えておるわけでございます。
○鈴切委員 先ほど、岐阜の例をあげて、そして防疫の体制を整えれば必ずそういう問題は防げるという例を申し上げたわけです。それについて、今度の大発生の問題についても、それはやったといえばやったでありましょうが、しかし、まだまだ私はそういう点についての指導的な問題、あるいはもっと強力な施策が必要ではないか、そのように思うのですが、いかがですか。
○岡田(覚)政府委員 御承知のように、四十年の秋から発生いたしまして、四十一年の三月ごろまで大流行いたしたわけでございます。こういうふうなことにかんがみまして、将来も発生があるというふうな想定をいたしまして、数次にわたりまして県の職員を招集いたしまして協議をいたし、また団体との協議をいたしまして、これが発生を見ないように万全の対策を講じてきたわけでございますけれども、残念ながらこういう事態になってまいったわけでございまして、さらに指導を徹底していく必要があろうというふうに考えております。
○鈴切委員 了解。 以上をもって質問を終わります。
○本名委員長 美濃政市君。
○美濃委員 てん菜の価格告示が近づいてまいりましたが、本年のてん菜の告示価格について、どのように作業を進め、どのようにお考えになっておりますか、まずお伺いしたいと思います。
○荒勝説明員 御存じのように、法律に基づきまして、かつ政令に基づきまして、具体的に申し上げますと、法律第二十一条で「最低生産者価格は、政令で定めるところにより、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨として定める」、こういうふうになっておりまして、それを受けまして、政令でさらに、毎年四月十日に最低生産者価格をきめることになっております。それで、政府側といたしましてただいま作業をいたしておりますが、現実的に、農業パリティ指数に基づくというのは、政令でいわゆる二月末パリティというものを使うことになっておりますので、われわれとしまして統計調査部のほうにもお願いいたしまして非常に急いでおりますが、まだ二月末パリティが最終的なものを公表する段階に至っていないので、最終作業にはまだ入っておりません。大体われわれといたしましては、この二、三日内ごろには統計調査部からいただきまして、おそくとも四月上旬、いわゆる政令で定められております四月十日には確実に公表できるように、告示できるようにいたしたい、こう思っております。
○美濃委員 前に定められております。いわゆる昭和三十九年糖安法ができまして、国内産糖合理化目標というものを立てておるわけですが、価格決定にあたって、これとの関連はどのような関連を及ぼすのか。
○荒勝説明員 ちょっとあれでございますが、糖安法が通りましたのは、四十年六月に成立いたしておりますので、まことになにでございますが……。 それで、国内産糖合理化目標価格との関連いかんというお話でございますが、一応、われわれといたしましては、直接的に結びつきはいたしておりませんが、いわゆる糖価安定の基準となる目標を示しておりますので、これから大いに逸脱し、あるいはこれと全然連絡なしに価格をきめるというわけにもまいらぬ点もございますので、当然これはある程度よりどころとして、われわれとしては国内産価格をきめていきたい、こう思っております。
○美濃委員 大体説明を承りますと、だいぶん合理化目標に重点が置かれるようですが、しかし、昭和四十年に合理化目標が設定されてから後の国内物価の変動、それに伴う労働賃金あるいは農業のパリティはかなり違ってきておるわけです。したがって、これをどちらを主にするか、どちらを主体にして価格算定が行なわれるかということをお尋ねしたいわけです。
○石田説明員 合理化目標価格が設定されましたいきさつをちょっと申し上げますと、これは四十年の夏にきめたわけでございますが、その際、四十三年度を目標といたしまして、砂糖の価格でございますから、当然原料になります大根の価格を幾らにするかということを予定するわけでございますが、その際も最低生産者価格が幾らということではなくて、原料価格幾らという見込みにしておりますので、それは御承知だと思いますが、一応七千五十円になっております。そういう見込みがございますが、これはあくまで最低生産者価格の四十三年度版ではございませんで、毎年定めます最低生産者価格は、法律に定めてありますように、先ほど部長が御答弁いたしましたような形で定めますので、それに完全に縛りつけられるというものではございません。一応の目安になっているだけでございます。
○美濃委員 このてん菜価格については、その前のいきさつがあると私は思うわけです。それは、昭和四十年に国内産糖合理化目標がきめられる場合、その前のいわゆる昭和二十九年に五千二百五十円と設定し、三十六年まで七年間価格が据え置きになっております。この間の農業パリティは価格に影響していない。それから、三十七年、三十八年、三十九年と若干ずつ価格の上昇を行なっておりますけれども、今日の時点になっても、いわゆる再生産を償うに足る価格とは言えないわけであります。この点が過去に遡及するという考え方もどうかと思いますけれども、こういう経過をたどって、今日のてん菜価格というものは全く再生産を償うに足る価格とは言えないわけです。一面、特にてん菜は北海道ですが、御存じのように、これから先、加工原料乳、てん菜、この二つの作物は、北海道として冷害の根絶対策とあわせて重要な主幹作物であると考えます。そうして、これを柱にして北海道の畑作農業の確立をはかろうと北海道はしておるわけです。その中で、御存じのように、過去の連年災害によって農家負債というものは、災害資金、自創資金と天災融資を合わせた制度資金で四百億、その他農協系統あるいは系統外の負債が四百億、合わせて八百億円という負債があるわけです。その償還をしなければならぬという現況に立っておるわけですが、その償還をしながら、北海道の畑作経営は加工原料乳とてん菜を大体二つの柱にして経営改善対策を進める。あるいは若干バレイショ等も入りますけれども、主体作物はこれになると思うのです。したがって、北海道の畑作はこれを二つの柱にしたとしても、もう過去の体制では、この冷害の負債の償還、あるいはその根絶対策はできないのでありますが、そういう点はどこまで踏み込んでこれから先お考えになっておるか、お尋ねしたいと思います。
○荒勝説明員 ただいまの御質問でございますが、もう私が答弁いたしますより、先生のほうが北海道で長年この問題に取り組まれておられますので、むしろ私たちがお教えをいただきたいくらいのつもりでございますが、要するに、過去五十年の北海道のビートの歴史で、長い経験と農民各位の非常な御努力で、今日北海道農業においてビートが欠くことのできない、いわゆる定着した農作物となりつつあるし、また、われわれとしてもそういうふうにしたいと思っている次第でございます。こういうことは私から申し上げるのもおかしいのでございますが、園芸局のほうから御答弁願うのが当然かとも思いますが、北海道のいわゆるビート農業の発展のために、政府としても年々相当な予算を計上してやっておりますので、決して北海道のビート農業を政府が軽視しているとかいうようなことは毛頭なくて、むしろ今後、先生の御指摘になられましたように、冷害のない農業という観点から、このビートあるいはバレイショ、特にバレイショのごときに至りましては、この一、二年の現象でございますが、でん粉が国内的にも非常に不足しているので、われわれとしてもぜひ今後とも北海道農業の段階でバレイショも大いに努力していただきたい、こう思っている次第でございます。それで、このビートにつきましても、年々北海道の方面からはもう少しビートの価格を高くできないものかという御指摘もあるわけでございますが、われわれといたしましては、北海道のビートというものが、われわれの例年きめてまいりました値段によって再生産が保障されないというほどのものではない、もう少し上げてもらったらそのほうがよりベターであるというような御意見のようにわれわれは聞いておりまして、そのために、自画自賛というとおかしいのでございますが、むしろ、北海道農業としてはビートも年々増産されておりますので、もう少し値を上げたほうがあるいはもっと増産するんだと言われたらそれまででございますが、自画自賛でございますが、あれでそうひどく間違ってはいない、こう思っておるのでございます。
○美濃委員 単純に高いほうがいい、あるいは高ければどうこうというのではないのですが、まず、この価格対策の中で一番論議になるのは労賃の問題です。労賃につきましては、今回保証乳価につきまして労賃計算ができたわけですが、この労賃計算の関係は、これからてん菜、バレイショ、大豆、この価格支持政策の問題といずれは関連してくる問題です。家族労賃の算定は、同じ農林政策の中だから統一方式をとられるのか、それともいろいろその作物によって要素が違うということで違うのか、これを承りたいと思います。
○荒勝説明員 この農作物における労賃のとり方については、正直なところ、統計調査部のほうからお答え願うのが筋かとも思いますが、私の多少関知しております話といたしましては、米につきましては、都市均衡労賃というものを評価にとりまして、相当高い労賃評価がされておる、これはもう明らかでございます。今度乳価につきましては、生産費のとり方に計算の方法を従来とちょっと変更されたようでございまして、いわゆる乳をしぼる段階の部分、あそこは、従来の農作業ではなくて、拘束された労働である、ほかのパートタイムのような労働ではない、拘束された労働だということで、あの部分だけが、あるいは間違っているかもわかりませんが、周辺の五人以上の雇用労働者の平均賃金をとられたということでありまして、その他の農産物につきましては、多少あるいはとり方に違いはあるかとも思いますが、大体原則論としては、いわゆる考え方としては、同じ作業方法をとっておるように聞いております。
○美濃委員 これは取り方で、今後の政策のあり方で、政務次官にもお尋ねしたいと思っておったわけですが、そのうちみえると思いますが、今回の五人規模の労賃というものに準拠するという考えに立ちますと、これはてん菜の試算にも入ってくると思うのでありますが、五人規模の労賃というものに非常に問題点を感ずるわけです。いわゆるてん菜の生産地域あるいは加工原料乳の生産地域の五人規模の労働賃金、これが一戸を形成して農業経営をしておる労働賃金に適用してよろしいかどうかという基本問題が出てくる。それはなぜかと申し上げますと、今回出ておりますいわゆる保証乳価の労賃を見ますと、これは一時間平均いたしまして百四十円、この百四十円の労賃を一年間の基準労働時間の二千四百時間に乗じますと、三十三万六千円ということになります。三十三万六千円の労賃所得でありますから、これは一戸を形成するに足る労賃でないということになるわけです。もちろん、主体労働とか付随労働だとかいうことに分かれておりますが、いまはこの問題でございませんから別といたしまして、今日一時間百四十円の労働賃金で農産物価格の自家労働評価が行なわれるということになります。これはもうそういう労働評価の中では経営を維持することができないという結論が出てくるわけであります。三十三万六千円といえば、高校卒初任給をちょっとよくしたくらいですから、それで一家を維持するということは不可能でございます。ここに、先ほど申し上げました、特に北海道の畑作地域の負債原因、単に冷害だけではなく、農産物価格の安さ、これがかなりの負債要因の率を占めておるわけです。その上災害があったので、負債が急激に増加したので、負債原因は単に災害のみによって発生しておる負債ではない。このけじめをつけないと、北海道の畑作農業の安定は期し得ないわけです。したがって、ことしのてん菜価格の試算の中で、労賃はどこまで評価することが適正とお考えになるか。これはもう検討するということでなしに、皆さん方の中では、てん菜の振興をはかる、あるいは北海道の畑作振興をはかる、あるいは甘味の自給対策をはかるということについては、ここで何円何十銭ということまで言えぬでも、おおよその方向の検討は終わっていなければならないと思うわけです。ぜひ承りたいと思います。
○荒勝説明員 先生のただいまの御質問に関して、あるいは私の言い間違いがあったかわかりませんので、あらためてもう一ぺん言わしていただきたいと思いますが、牛乳のほうは、これは乳しぼりの分だけですが、明らかに五人労働の評価をとられたようでございますが、いまのところ、ビートの計算につきましては、従来どおりのいわゆる農作業賃金で計算する、こういうことでございますので、十分それはお含みおき願いたいと思っております。 さらに付言させていただきますと、このビートにおける計算方法につきましては、従来と同様に、農村のその周辺の雇用労働賃金をそのまま踏襲する、いわゆる統計調査部のお調べになったデータをそのまま採用する、こういうことでことしも実行することになるのではないかと思っております。
○美濃委員 この資料は統計調査部の計数に基づいてというふうに私は聞いておるわけですが、ただいまの説明を伺っておると、雇用労働賃金でてん菜は従来どおり算定する。そうすると、基準は大体百七円ということですか。乳価の中では百七円と出ておるのでありますが、雇用労働賃金、いわゆる付随労働は軽労働である。主体をなす主要管理労働は百七十七円七十三銭、付随労働は雇用労働賃金百七円八十六銭、こうなっておりますが、これが基準になりますか。
○荒勝説明員 統計調査部のほうの四十一年産ビートについてのいわゆる生産費調査は、まだ私のほうも統計課からいただいておりませんので、ほんとの賃金がどうなっておりますか、きょう私実はここでまだわかりませんが、先ほど申し上げましたように、計算の思想といいますか、考え方は同じでございますが、具体的にサンプリングの取り方あるいは地域の重点の置き方等によりまして、必ずしも単価は同じではない、その年の統計調査部のサンプリングの取り方の分散度のいかんによって多少出入りの計算があって、乳価あるいはそのほかの、農林省の私のほうでやっております。たとえば大豆とかあるいはなたねの交付金の対象の場合でも、みんなそれぞれ計算法は、考え方は同じですけれども、単価は違っておるというのが実情でございます。したがいまして、乳価のほうで畜産局長のほうから御報告があったかとも思いますが、そのとおりの値段をこの四十二年産ビートに適用するのではなく、ビートにはビートに適用される同じような思想の単価を適用する、こういうことでございますので、御了承願いたいと思います。
○美濃委員 いまの説明を聞いておりますと、大きな違いは私はないと思うのです。取り方によって若干の——百七円八十六銭ずはりかどうかということは御説明のとおりだと思いますけれども、主体の基準を雇用労働賃金に置くという原則を貫く以上、大きな変化はないと思います。そうすると、その所得の中で生活ができるかどうかという問題でございます。先ほど、そういう賃金で農家が一戸として生活ができるかどうかお尋ねしておりますように、そういう雇用労働賃金に一部五人規模労賃を入れて、そうして平均を百四十円と計算しても、一年間に二千四百時間の基準労働時間にかけて三十三万六千円ですから、これは農家が一戸として生計をするに足る労働賃金とは言えないわけです。これはもう私から説明する要はないと思う。そういう低労賃でやはり年間作業を続けていくということは、経営の持続が破壊するということになりますね。畜産にしても、てん菜にしても、やれないことをやれということで、急にやめても行くところがないから、しかたがない、がまんしてやる。やった結果は赤字になる。それが農家負債になっていく。やがては負債のために田地、田畑を売ってやめなければならないという宿命が発生する。それをやはり今後の農政の中でしっかり考えませんと、これはやれないことをやっておるということであります。従来の価格方式で農業経営をする、経済的にやれない行為をやっておるということなんです。それはどこが悪いのか、価格政策が悪いのか、どうするのか、これは解決しなければならぬ重大な問題です。単にここで問答するだけでなくて、この質疑のうしろには、やはり畑作農家、東北を含めまして何万戸、そうしてその家族を含めますと何十万人という人が生計をしておるのでありますから、計算上だけでなくて、生活の実態の、それだけの国民の保障に関する問題であります。これはきちっとしてもらわぬと困ると思うわけです。いまのような考え方、たとえば雇用労働賃金について参考までに申し上げますと、北海道地域において百七円という雇用労働賃金は、私どもはみずから農業者でありますから実態を把握しておりますが、北海道におきましては、てん菜は特に北海道が主体でございますから、北海道として申し上げますけれども、大体稲の苗植えは千二百円です。それから、てん菜の間引き、抜き取り作業、これは重労働と称して一日八時間労働で千二百円。それで自動車で送り迎えをいたしますから、その運賃が平均二百円。そういたしますと、てん菜の間引き、抜き取り作業は百八十円の八時間労働。運賃も賃金に入るわけであります。したがって、百七円などという雇用労働賃金はない。しかも、手不足で、来る人は農村市街地の家庭の主婦の方であります。労働の質量ともに、いわゆる主体をなしておる経営者労働から見れば、その作業にもよりますけれども、かなり落ちる労働であります。それが水稲の苗植え、てん菜の間引き、抜き取りが一時間百八十円、その他の除草であるとかそういう軽作業であっても八時間で千円、車の送り迎え二百円でございますから、百五十円というのが全道全域の雇用労働賃金であります。百七円などという雇用労働賃金はないわけです。したがって、ことしはどういうふうにするかということはこれからの問題でございますけれども、昨年決定されましたてん菜の価格、その中における賃金というものは、全く実態に合っていない。農家所得にも合わなければ、雇用労働賃金にも合わないというのであります。その中でてん菜が耕作される。ことしもてん菜は、北海道のいまの状態では、多少作付反別は伸びると私は考えておりますが、この伸びは、間に合うから伸びるのでなくて、過去の冷害にこりて、どうしても冷害の影響を最小限度に食い止めようという安全性から伸びるのであります。つくっても赤字であります。従来の価格であれば、耕作しても何ぼか赤字になって、負債が残っていくのでありますから、これでは北海道の畑作農業は救われない、こう私は思うわけです。それに対する見解を重ねて承ります。
○荒勝説明員 ただいま美濃先生から非常にうんちくを傾けた御質問がございましたが、私たちとしましても、畑作一般の農業がいわゆる農村の均衡労賃をそのまま適用される、米価は都市均衡労賃を適用されるというところに、同じ農林省がやっております作物価格安定政策の中でも取り扱いを異にするということにつきましては、確かに先生御指摘のように、われわれも多少矛盾を感じておる次第でございますが、さりとて、この価格でほんとうに採算が合わぬかどうかということにつきましては、多少、先生の御意見どおりというわけにはいかないんじゃないか。北海道も、先生もいま指摘されましたように、やはりビートが要るんだ、ビートというものは、北海道の農業体系の問題として定着させなければならぬということと同時に、やはり、そう大もうけはしないけれども、安全作物といいますか、安定性のある作物だということで、北海道の農民の方も非常に熱意を持っておられるということを見たり聞いたりいたしますと、われわれ自身、これで自己満足とまではいきませんが、これで北海道の農民の方にもまあまあ何となくのんでいただいておるんじゃないか、こういうことで、ことしもまたいろいろいまから大いに検討いたしまして、少しでもビート作物の振興のために御協力申し上げたい、こう思っている次第でございます。
○美濃委員 重ねてお伺いしますが、ただいまの答弁で、矛盾を感じておる、矛盾を感じながらまあまあという答弁、あるいは価格対策の見解、こういう矛盾したこと、それが私は日本農政の全くいけないところだと思うわけです。矛盾を直すのが政治でなければならぬと思う。矛盾を感じながら、まあまあと言う。その裏には、それを生業として、その中に負債に苦しんでおる何十万という農民がおるのでありますから、矛盾は直さなければならぬと思います。これは生命と生活をかけてやっておるんだから。あなた方が矛盾を感じながら結論はまあまあで過ごしてきたのが、今日の、いままでやってきた農政であります。そういう農政は、私はまかりならぬと思う。矛盾を感ずれば、その矛盾を合理的に追及して正しい姿勢に直す、そうして、まあまあという表現の要らない農政でなければならぬと思う。これはことばじりをつかまえるわけではないのですが、いまの表現では、私はさらにこういう再質問をしなければならぬのであります。矛盾があることは事実です。部長さん自体が矛盾を感じておるのであります。私は矛盾を追及しておるのであります。その衝にあるあなたが矛盾を感じられる。それを最後は、国民を代表するこの場所で、まあまあで事を過ごすということは、これは許されぬと思うのです。
○荒勝説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、ビートも確かに大事でございまして、われわれも大いにその生産振興のために努力いたしたいと思っておりますが、砂糖には砂糖の一つのいわゆる参酌事項といいますか、いろいろ、価格の算定に際しまして、生産費だけでなしに、いわゆる参酌事項で、その他の経済事情あるいは国際糖価の状況、こういったこと等を勘案いたしまして、結論として最後にこういう決定のしかたをしておって、ただ生産費だけを基礎としてきめているんではないということだけはひとつ御確認願いたいと思います。
○美濃委員 そういう答弁をされると、さらに問題が出てくるわけですね。いわゆる国内産糖、国内の甘味の自給対策はどうするか。これは、いわゆる国際糖との参酌事項が価格決定の要素の中にあるというのでは、非常に国内産糖の維持ができなくなるわけです。さらに、現在の国際糖価といいますけれども、その国際糖価の中にはかなりいろいろな要素があるわけです。国際糖価が安いという要素、いわゆる余りものをたたいて買ってくるという要素、あるいは日本の円が膨張して、三百六十五円の為替レートの換算の中において日本の円の価値低下の問題、これらのいろいろな要素があります。たとえば、沖繩からいま買っておるのは、聞くところによると、沖繩の原糖は七十八円で入ってくる。これにトン当たり二万六千何がしの加工精製費をかけて、十六円の消費税を足しますと、てん菜糖より高くなるのじゃないですか。七十八円で入ってくる。私の計算が間違っておるかもしれませんが、そういうふうに聞いておるわけです。片や、沖繩へ行って、沖繩のサトウキビを生産しておる農民の生活を私は昨年二月見てきました。ほとんどテレビも入っておりません。半分ぐらいの農家は自転車も持っていません。背広を持っておる農家は三十軒か四十軒に一戸ぐらい。ほんとうの着のみ着のままで、十坪か十二坪の家に住まってサトウキビをつくっておるというのであります。それで七十八円で関税なしに入ってきておるわけです。そう考えると、これはその他の安い要素というものは非常にいろいろの要素があるわけであります。それらの国内産糖合理化で解決できないもろもろの要素をてん菜の価格決定要素に入れて国内産糖を振興しようというのでありますから、これはもう話にならぬわけです。それが入るということになると、これはもう国内の農業経営安定とはかけ離れてきてしまうということです。そういう理論を申し上げざるを得ないのであります。やはり生産費を基準として国内産糖の確保をはかるという政策でなければならぬと思うわけです。その要素を入れる。そういう、国内産糖合理化、いわゆる国内コストとは全然また別の要素がいろいろあります。外国から入るものの安いというのは、先ほど申し上げた為替レート換算と日本の円の膨張の関係、時期的に過剰であれば買いたたくということ。そのかわり、海外から入るものが不足しておるものは、非常に高く入るものもあります。国際供給が過剰であれば、残っておるものをたたいて買えば安いのであります。そういう要素を考えるということであれば、これはもう国内甘味対策とは言えないと思うのです。その点、もう一回答弁を願いたい。
○荒勝説明員 われわれといたしましては、甘味資源振興法に基づきます甘味資源の確保といいますか、それにつきましては、いまだにそのとおり実行いたしておりまして、まだいささかも体制をくずしておりませんし、今後もわれわれは続けるつもりでございます。それで、いわゆる国内産の甘味資源につきましても、その制定以後、多少その年の天候によって紆余曲折はございますが、北海道におきましても、あるいは南鹿児島のいわゆる甘庶糖につきましても、あるいは沖繩の甘庶糖につきましても——これは国内産ではございませんが、いわゆる広義の国内産自給度向上でございますが、おおむね順調に、むしろ供給力はふえてきておるので、それほど行政的に非常に何かミスがあったとは思っていない次第でございます。 なお、そういうことでございますので、価格がそんなに非常に不当に低い値段であったというふうにはとっておりませんで、いわゆる法律に基づくパリティ価格ということを基準として、生産費とかもろもろの競合農作物との均衡の価格とか、そういったことを基礎にして価格を決定してまいってきておる、こういうふうに御了解願いたいと思います。
○美濃委員 私は先ほど申し上げたような理由で了解はできませんが、これは平行論議になりますので、結論を申し上げておきますが、ことしの農産物の価格対策は、一時間最低二百円の労賃を割ったのでは、その対象になる農業は、いまの日本経済の中では経営維持は困難である、同時に破壊される、これを申し上げておきます。 次に、これはあまり長く質問しようとは思いませんが、この政策の中でつくりました東北のフジ製糖が、これは最近休止するというのでありますが、あれだけ生産地域あるいは生産量というものを十分政策的には検討して、膨大な資本を擁する工場をつくったのに、何に欠陥があったか、どういう理由で工場を閉鎖しなければならぬか。このことは、いまのような政策を続けておると北海道に波及する危険性があるから、あえて尋ねるわけです。何に原因があると考えておるか、これをお尋ねいたします。
○荒勝説明員 実はフジ製糖のほうで、三月十日の日に農林大臣のところに社長がお見えになりまして、ほんとうに突如として、工場を休止したいという申し入れがございまして、われわれも現在、その善後策を関係者と協議しながら検討を進めている次第でございますが、端的に一つの現象面をとらえての言い方になりますが、いわゆる最初の指定というか、事業を始めました前後のときには、将来は二十三万トンまで大根の生産量を東北であげるという前提のもとに五カ年計画をおつくりになって、農林省もそれを承諾したのでございますが、最高時十二万トンまでいきましたが、北海道のわれわれの原価計算のしかたが、いわゆる事業団の買い上げ価格の計算のしかたが、ある程度北海道中心のベースで議論いたしまして、推定でございますが、われわれといたしましては、去年あたりで十七万トンの大根の操業度がないとやっていけない、ことしから来年にかけまして、北海道が面積も今後増大されるやに聞いておりますし、当時の計画からいたしましても、四十二年あるいは四十三年あたりからぼつぼつ二十一万トンベース、われわれから見ますと、非常に理想的なベースに北海道も入ってこられるというふうに見ておるわけでございますが、ところが、逆に東北につきましては、四十一年度におきまして、四十一年産ビートで十万五千トンというふうに下降を始めた。で、大根の政府の最低保証価格は、北海道と同様に最低価格は保証いたしまして、なお実際の取引価格はそれよりも多少上回ったところで、北海道と全く同様な条件で取引きされたのでありますが、去年、四十一年産で十万トンというふうに、四十年に比べまして約二割近くも減産した。しかも、面積のほうでは、四千二百町歩から三千七百町歩、最高時には四千五百町歩あったのが、三千七百町歩まで四十一年度に減ってきた。さらにことしも、通常三月上旬に大体予約面積をフジ製糖のほうが中心におやりになったようでありますが、その予約面積のほうでいきますと、二千五百町歩というふうに、最高時のほぼ半分近くまで落ち込んできた。三十八年には四千五百町歩あったのでございますが、二千五百町歩というふうに面積が非常に落ち込んできたのが、工場側として経営がもう成り立たぬというふうにごらんになったのじゃないかというふうに了解しております。 なお、それにつきまして私たちのほうで多少調べましたデータでは、過去五年間に、フジ製糖といたしまして大体経営上の赤字といたしまして十八億か十九億ぐらいの赤字が計上されておる。そのほかに、二十九億の建設資金で開始されたのでございますが、現在でもなお十八億近い固定資産の残存がありまして、このように面積の減退したことで、ことしかりに五、六万トンの大根ができるといたしますと、まだ正確な計算もいたしておりませんで、ちょっとした推定計算でございますが、かりにことし五、六万トンの大根をつくりますと、六億ないし八億円近い追加赤字がさらに出るということで、あるいはこれらの経営上の問題から、工場の操業を停止されたのではないか、こういうふうに現在見ております。
○美濃委員 その面積の減少するという理由ですね。これは、東北は北海道よりも気象条件、積算温度が高いですから、他作物に転換して、つくらない。計画を立てたときには一工場分あるという見込みで膨大な——膨大という表現もどうかと思うが、とにかく製糖工場を政策としてつくらした、許可をしたと思うのです。それが原料を伴わなくなる理由というのは、それは最終にあらわれる現象は、反別が減った。そこへ至る過程における理由ですね。北海道は、遺憾ながら積算温度の関係で転換がきかないわけですね。飛び石災害でたたかれると、間に合う間に合わぬの問題ではない、ひとまずビートでもつくって、経営がだめになるのか、負債消化ができるのかどうか、いまやめても家族を連れていけるところもないから、しかたがない、ビートをつくってみようかというのであります。そこを、ふえるのだといって、いまのような軽い表現で農政を扱うところに、ほんとうに農業を知らないという問題が出てくるわけであります。片方、東北地方は、まだ積弊温度が高いですから、転換するからつくらなくなるのですよ。それを忘れて、ただ反別が減って、なくなったのだという表現が、私には理解できないのです。そういう考え方で糖業政策をやっておるその考え方が、私に理解できない。 それから次に、価格の関連で畜産局長にお尋ねいたします。私の質問は一応てん菜となっておりますが、労賃関係だけ関連がございます。大体これは同じ農林政策の中で多少関連があるし、また均衡ということで及んでくると思いますので、労賃関係だけをお尋ねしたいと思います。 まず、今回出されましたこれは、前の委員会で強く指摘をしておきました。あるいは意見を出しておきました。しかし、今回畜産局がつくりまして、過般の審議会に諮問したいわゆる労賃であります。これが主要加工原料乳地域の製造業五人以上となっております。これは御説明をいただきました。しかし、主要加工原料乳地域の製造業五人以上、この形態というものは、いわゆる家内工業的なものであります。したがって、この中には、中学卒というような若年の労働も入っております。高年齢層労働も入りまして、その労働構成というものが一面非常に弱い。したがって、これを基準として一時間百七十七円七十三銭という労賃計算が行なわれております。一面、この計算の中で、いわゆる付随労働は百キロ当たり一・六六時間となりました。それからさらに飼料生産労働の三・三時間、これを百七円で計算しております。これをいわゆる時間に積算をして平均労費を出しますと、飼料の労働時間を入れまして百四十円ということになります。飼料の時間を除いて百六十円であります。しかし、これは酪農でございますから、飼料なしに動物は飼えないのでございますから、これを通算した百四十円で、一年の基準労働時間二千四百時間に計算いたしますと、三十三万六千円ということになる。高卒初任給よりちょっといいかどうか、大体高校卒初任給で一家の経営が維持できるかどうか、こういう労賃で農家としての一戸の経営ができるかどうか、これは私はできないと言わざるを得ぬわけです。今日の社会で一家を形成して、こういう労賃ではできない。この点承りたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 ただいま保証価格の算定についての考え方、特に労費の考え方の御質問がございましたので、この際、私たちが考えております考え方を明らかに申し上げておきたいと思います。 農林省関係、農林物資につきまして、価格政策というものは、いろいろなものが対象になっておるわけでございます。たとえば米もございますし、麦もございますし、牛乳の場合もございますし、また、ただいまお話がありましたようなビートの場合もあるわけでございます。それぞれに種類によりまして、価格算定の考え方が違っておるように私は存じておるわけでございます。たとえば米の場合ですと、生産費・所得補償方式ということで計算されております。それから麦の場合でございますと、パリティ方式という形で行なわれているというふうに、それぞれのものによって、その商品の経済の中に占める性格によって、算定のしかたが変わってきているのではなかろうかというふうに私は思っております。 御承知のように、米については、生産費・所得補償方式をとりまして、全国の五人以上の製造工業の賃金をとっておるというふうに私は理解しているわけでございますけれども、米は国家の管理物資でございまして、他の自由流通の商品とはおのずから異なっておりますし、技術的にも非常に高くなって、安定をしておるというふうな性格を持っております。そこで、私は、そういうふうな生産費・所得補償方式がとられておると思うわけでございます。 保証価格の場合につきましては、先生御承知のとおり、従来加工原料乳につきましては非常に低い段階の価格でございまして、生産費を十分に保障するに足らないという点がございましたことにかんがみまして、昨年から不足払い制度ができまして、生産費そのものを保障するという考え方になってまいっておると思うのであります。そこで、物によりまして価格の算定の考え方が違っておりますので、私のほうの立場の保証価格とビートの場合の考え方とはおのずから違っておると私は思っております。 そこで、牛乳の保証価格の問題につきましては、一体二年越しに当委員会におきまして労働問題について非常な論議が戦わされたわけであります。私もよく存じませんけれども、速記録等を通じまして議論の筋道を了解をいたしておるわけでございますが、直接牛乳の問題を担当するようになりまして、いろいろ酪農の労働というものをいかに考えるべきであるかということにつきまして、私も日夜苦慮いたしたわけでございますが、他の農業労働と非常に違った特性があるということがわかるわけであります。 それは、乳牛の労働の場合には、二つの労働体系に分かれるということがまず考えられる。それは飼料作物の生産労働というものと家畜の飼育管理労働というものと、一応二つに分けることができる。家畜管理労働の中で、非常に熟練を要する労働とそうでない労働とに分けることができます。性格的に分けられるのではないかというふうに考えるわけであります。そこで、飼育管理労働につきましては、これはいわば周年労働として非常な拘束性を持っておる。他の農業労働につきましては、これは季節的な場合もありますし、臨時的な場合もあるわけでございます。そういうふうな形で、かなり労働の性格が違うのではないかというふうに実は考えるに至ったわけであります。 そこで、周年的な労働で拘束性があり、しかもかなりの熟練だとか経験を要するものにつきましては、これはどうも農村の日雇い労賃というもので評価するというのは、やや問題があるのではないか。たとえば作物の労働につきましては、これは一応農村において成立する農村労働価格でございますから、これを使うということは考えられるわけでございますけれども、酪農労働の場合におきましては、雇用労働関係もきわめて少ないというふうなこともございまして、農村労働賃金をそのままとるということがどうも妥当ではないのではないかというふうに考えたわけでございます。 しからば、一体これは何と比較すべきかということになるわけでありますけれども、酪農と同じ労働が他産業にあるというわけではございません。したがいまして、何の労働と同じであるという評価はなかなかできない。そういう点から考えまして、一つは、近郊の当該地域におきます五人以上の製造工業の労賃をとったらどうかという考えが出てくる。もう一つの問題は、他の農作業と違いまして周年でありますので、他の農作業の場合、季節的にいわゆる農閑期と申しますか、ひまなときにはたとえば他産業に出て働くということも可能でありますが、酪農の場合には周年労働でありますから、そういうわけになかなかまいらぬ。そこで、従事をいたすとすれば、要するに、そういう熟練的な周年的な労働につきましては、他産業の労賃とひとしくなるように考えてもいいのではないかというふうに思われるわけであります。そういう意味から、労働の性格的な問題といたしまして、たとえば飼料給与であるとか、それから搾乳処理であるとか、そういった類の周年的な拘束性を持ち、かつ熟練を要する労働については、当該地域における五人以上の他産業労賃を採用してもいいのではないか、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。
○美濃委員 先ほど私がお尋ねしておるのは、一戸を形成する所得に足りない、これは、農業基本法で所得均衡ということもきちっと法律上できておるわけです。したがって、この百七円という雇用労働賃金、この実勢は、私は東北の実態はよくわからぬのですが、これは加工原料乳雇用ですから、大体東北、北海道が加工原料乳地帯と、こうなっておるわけですから、この地帯に百七円という、こういう安い雇用労働賃金はないわけです。しかも雇用しておる実態というものは、都会の主婦が援農にくるわけでございます。質的にも労働の量的にも、非常に弱い労働であります。それで、先ほどもちょっとてん菜のところで申し上げたわけでありますが、特にいわゆる酪農であれば、デントコーンの刈り取り、あるいはサイレージの切り込み作業、これは重労働と称して一時間百八十円です。それだけ出さなければ手伝いにも来てくれないわけです。百七円などという実態はないわけです。おそらく東北においても、私は百七円より高いと思います。東北の実態は私はちょっと暗いわけです。実態は調査しておりませんが、北海道は全域こういう雇用労働賃金は今日ではないということであります。しかもこれで計算した場合——それからもう一つは飼料作物の労働でありますが、これが百七円ということで、いわゆるそういう客体の労働で飼料生産ができると考えておるのか。日本の酪農の後進性は飼料問題にあるとよく言われますが、非常に飼料に対する認識が不足である。飼料生産が百七円程度の雇用労働で生産できると考えるところに大きなあやまちがあります。そういうふうにして集約した結果、もちろん飼料生産も酪農形成をなすその農家がやっておるのであります。評価が下がれば、私が申し上げたように、結果は三十三万六千円の所得にしかならぬわけです、二千四百時間で計算して。これでは酪農は、全国酪農大会で言っておるように、いわゆる崩壊、衰微をする、衰微をせざるを得ないということであります。この前言ったように、国内の需給も非常に苦しくなってきておる。国内生産を強化しなければならぬという考えと、今回出されておる価格政策とは、全く相反する政策が打ち出されておると言わざるを得ないのであります。この点、もう一回お伺いしたいと思います。
○岡田(覚)政府委員 それでは申し上げます。評価がえをいたしておりますのは、百七十七円ということでございますが、これは一道六県におきます五人以上の製造工業の都市労賃を採用いたしておるわけでございます。一道六県の平均でございます。それから、百七円と申しますのも、ひとしく一道六県の日雇い労賃の平均ということでとっておるわけでございます。これは御承知のように、私のほうでかってにとったわけではございませんで、それぞれ統計調査部で調査をいたしまして、その結果に基づいて出ております。最近の数字を採用いたしておるわけでございまして、当該地域におきまして成立している農業労働賃金というふうに考えて差しつかえないのではないかというふうに実は思っておるわけでございます。
○美濃委員 最終どうですか、農家一戸の主体労働ですね、どこの酪農家も、そこの家の世帯主といいますか、今日ではもう次三男はいないわけでありますから、大体の農業の自家労働構成というものの主体をなすものは、その家の世帯主でありますから、その積算賃金が二千四百時間の労働で三十三万六千円、そうしかならないのでありますから、一時間百四十円、そうでしょう。現実にその労働賃金しかいわゆるこの体系の中では働けないのでありますから、それで生活ができるかできぬかということを聞きましょう。もしあなたが三十三万六千円で生活しなさいと言われた場合にどうなるか、あわせてお伺いいたします。
○岡田(覚)政府委員 私のほうで価格問題の計算をいたしております場合には、一道六県におきます酪農の平均的な生産費というものを採用いたしておるわけであります。したがいまして、この平均的な生産費が保障されるということを考えておるのでございまして、すべての酪農経営が全部これで救済されるという考え方は必ずしもとっていない。もちろん、価格政策が所得政策の重要な支柱であることは言うまでもないわけでございますけれども、価格政策がそのまま所得政策であるというふうには必ずしも考えていないわけです。そこで、やはり合理的な経営をつくるということは、これは単に価格政策の問題だけではなくして、生産政策の問題として推し進めていきまして、合理的な生産形態ができるというふうな努力はいたさなければならぬと思っておるわけでございまして、一応われわれとしては、平均生産費を保障するという考え方に立っておるわけでございます。
○美濃委員 きょうは労賃だけを私は尋ねておるので、生産対策は前からかなり自信を持って答弁されておりますから、ことしの予算内容あるいは行なっておる生産対策の中で、どれだけ酪農のコストが下がっていくかという問題は検討しております。これはいずれ別の日程の中で十分討議をしたい。しかし、きょうはそこには触れません。あなたの論拠はそこに及んでも、私のほうは時間の制約があるので、そこへはいきませんが、しかし、労働評価が正しくないということを言っておるわけです。それを生産対策にすりかえる、これは私は非常にいけない答弁だと思うのです。
○本名委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会