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55回国会衆議院1967/03/23

農林水産委員会 第2号

発言数
149
登壇者
8
会派数
2
開催日
1967/03/23

会議録

本名武自由民主党

○本名委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私は、農林大臣に就任いたしまして以来、委員各位にごあいさつを申し上げる機会に恵まれませんで、三カ月余を経過いたしましたが、農業をめぐる内外の諸情勢がまことに容易ならざるときに、農林大臣を拝命いたし、その職責の重大なことを痛感いたしております。つきましては、農林漁業の国民経済に占める役割りの重大性に思いをいたし、全力をあげてこの重責を果たしてまいる覚悟でございますので、何とぞ皆さま方の理解ある御協力を賜わりますようお願い申し上げます。  本日この機会をかりまして、農政の基本方向について私の所信の一端を申し述べたいと存じます。  最近の農業の動向を見ますと、食糧需要の動向に対応した農業生産の選択的拡大、機械化による労働生産性の向上、農業経営に意欲を持ち経営規模を拡大しようとする農家の増加等、農業の近代化が順調に進んでいる面も見られますが、他方解決を要する幾つかの重要な問題が生じてきております。  その第一は、農産物需給の問題でありますが、農業基本法制定当時の予想を上回る経済成長により、食糧需要が内容の変化を伴いながら想定以上に増大した一方、農家労働力の流出、兼業農家の増加等によりまして、農業生産の一部に停滞の傾向が見られ、今後ますます増加を続けると思われます食糧需要に生産が必ずしも順調に対応し得ないのではないかとの懸念も生ずるに至っていることであります。  第二は、農産物価格の問題であります。最近の農産物需給の引き締まり傾向のほか、労賃の上昇、資本の多投等に伴うコストの上昇要因あるいは流通機構の立ちおくれ等もあって、食糧農産物の消費者価格水準は上昇傾向を続けており、これが国民食糧の安定的供給の確保という農業の使命から考えて決してゆるがせにできない問題となってきていることであります。  第三は、農業構造の問題であります。想定を上回る経済成長により農家労働力の流出には激しいものがありますが、それが必ずしも経営規模の拡大に円滑に結びつかず、兼業の増大、農業労働力の老齢化、婦女子化を招き、他方農地の流動化をはばむ要因が増大すること等もあって、構造改善が所期のテンポでは進んでいないということであります。  このような情勢のもとで、農業の生産性の向上をはかりつつ、需要に即応した農業生産の増大を確保し、農業従事者の所得を向上させるという農政の課願にこたえるには、農業基本法の定める方向に従い、生産、構造、価格に関する各般の施策を総合的に強く推進する必要があると考えておりますが、特にこの際、内外の食糧需給の動向から見て、主要農産物についてその生産を振興すること、生鮮食料品の価格の安定のため生産体制の整備と流通の改善、合理化を行なうこと、また、農業構造の改善を進めるとともに、優秀な経営担当者の養成と農村の社会、生活環境の整備を行なうこと等に留意してまいる考えであります。  このため、四十二年度においては、(一)農業生産基盤の整備と農業技術の開発・普及の促進、(二)農産物の生産対策の拡充、(三)生鮮食料品をはじめとする農産物価格の安定及び流通改善対策の強化、(四)農業構造改善の促進、(五)農林金融の改善、(六)優秀な経営担当者の確保と農村環境の整備等、農村対策の充実に重点を置いて施策の推進をはかってまいることといたしております。  このほか、林業及び水産業につきましても、それぞれ最近の需要及び資源の動向や従事者の所得の面から考えますと、問題が多々存在しておりますので、これらにつきましても、生産基盤の整備、構造改善の促進、従事者に対する福祉対策の充実等諸施策を強化し、生産性の向上と従事者の所得の増大と生活水準の向上をはかることとしております。  これら施策の的確な推進を期するため、四十二年度予算編成におきましては、農林水産関係予算の充実をはかることに一段と配慮した次第であります。  なお、四十二年度農林水産業に対する施策及び農林関係予算の詳細につきましては、別途御説明申し上げたいと考えております。  以上、今後の農政を担当するにあたりまして所信の一端を申し述べた次第でございますが、大方の御協力を仰ぎ、最善の努力を払ってまいりたいと考えております。  何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)

本名武自由民主党

○本名委員長 以上で倉石農林大臣の発言は終わりました。      ————◇—————

本名武自由民主党

○本名委員長 次に、昭和四十二年度農林省関係予算について説明を聴取いたします。草野農林政務次官。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 昭和四十二年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  まず昭和四十二年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計額は四千四百五十一億円で、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管経費並びに新設の石炭対策特別会計に振りかえられる鉱害復旧事業費を加えた農林関係予算の合計額は五千十三億円となります。これを昭和四十一年度当初予算四千五百八十五億円に比較しますと、四百二十八億円の増加となりますが、さらにこれを予算編成上変動要因の多い食糧管理特別会計繰り入れ、災害復旧等事業費等を控除した金額で比較しますと、昭和四十二年度予算は三千五百十五億円、昭和四十一年度当初予算は二千九百四十九億円となり、五百六十六億円の増加となっております。  この予算の編成にあたりましては、国民食糧の安定的な供給を確保し、農林漁業の生産性と農林漁業従事者の所得の向上をはかるという農林漁業政策の基本的目標に沿い、農林漁業生産基盤の整備、農林漁業生産対策の拡充、生鮮食料品等の価格安定及び流通改善対策の強化、農林漁業構造改善の推進、農山漁村対策の充実、農林漁業金融の改善等の主要施策を推進するための経費を重点的に計上することとしております。  以下、この農林関係予算の重点事項について御説明いたします。  第一に、農林漁業生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。  農業に関しましては、農業の生産性の向上、農業生産の選択的拡大及び農業構造の改善の方向に即して農業生産基盤の整備強化をはかるため、土地改良長期計画に基づき、基幹かんがい排水施設及び圃場条件の整備、農用地の開発、農地防災等の諸事業を積極的に推進することとし、総額一千三百五億九千八百万円を計上しております。  なお、農林漁業用揮発油税財源身がわりの農道整備事業につきましては、揮発油税の全額に見合う九十七億五千万円をこれに充当することとし、事業量の大幅な拡充をはかることとしております。  また、これらの事業の円滑な推進をはかるため、都道府県営かんがい排水事業及び各種草地改良事業の採択基準の緩和、団体営諸事業についての農林漁業金融公庫資金の貸し付け金利の引き下げ等農民負担の軽減をはかることとしております。  林業に関しましては、林業生産基盤の整備と森林資源の開発をはかるため、林道の補助体系を整備してその開設を積極化することとし、林道事業について総額九十二億四千万円を計上しております。  なお、農林漁業用揮発油税財源身がわりの林道整備事業につきましては、農免農道と同様、揮発油税の全額に見合う八億七千五百万円を充当し、事業量の拡充をはかることとしております。  造林事業につきましては、低開発広葉樹地帯における拡大造林の積極的推進をはかるための助成の強化等を行なうこととし、六十三億二千万円を計上しております。  また、治山事業につきましては、治山事業五カ年計画に基づき民有林及び国有林の治山事業を推進することとし、水源林造成事業及び国有林野内臨時治山事業をあわせ、総額二百五十五億六千五百万円を計上しております。  漁業に関しましては、第三次漁港整備計画による漁港修築事業等を計画的に推進することとし、総額百三十四億六千五百万円を計上することとしております。  また、農林漁業用揮発油税財源身がわりの漁港関連道整備事業につきましては、農免農道と同様揮発油税の全額に見合う八億七千五百万円を充当し、事業量の拡充をはかるとともに、大型魚礁設置事業及び浅海漁場開発計画調査につきましても、その拡充強化をはかることとし、総額十四億七千五百万円を計上しております。  第二に、農林漁業生産対策に関する予算について申し上げます。  まず、米麦生産対策につきましては、近年における稲作の動向等にかんがみ、稲作の生産性の向上と米生産の維持増大を進めることとし、高能率、高反収の米生産の実現を期するため、引き続き稲作総合改善集約指導事業、高度集団栽培促進事業、米麦生産流通合理化モデルプラント設置事業等を推進するとともに、麦についても麦の主産地における作付拡大、品質の改善等を内容とする麦対策を実施することとしております。  このほか、農作物種子対策、地力保全事業、植物防疫事業等を引き続き推進することとしており、以上をあわせ米麦生産対策に要する経費として十七億三千八百万円を計上しております。  次に、畜産生産振興対策について申し上げます。  まず、飼料自給度の向上をはかるため、草地改良事業の推進と並行して新たに既耕地における飼料作物の増産を目途とした飼料作物増産総合対策を実施するとともに、最近における酪農経営及び肉牛資源の動向にかんがみ、酪農については多頭飼養による生産性の高い経営を育成しつつ安定した生乳生産を確保し、肉用牛飼養については、肉牛資源の維持増大を助長するため、従来の各種家畜導入事業を統合整備し、農業協同組合等及び都道府県を通ずる新たな家畜導入制度を確立することとしております。  このほか、乳用雌子牛の育成強化策としての乳用牛集団育成事業の拡充、繁殖素牛の供給体制を整備するための肉用牛繁殖育成センター設置事業の充実、乳用牛、肉用牛、豚及び鶏の育種と普及のための家畜の改良増殖の推進、多頭羽飼養の進展に対応するための自衛防疫の促進等家畜衛生の強化等の諸施薬を推進することとし、以上をあわせ畜産生産振興対策として八十一億三千五百万円を計上しております。  次に、園芸生産振興対策について申し上げます。  まず野菜対策につきましては、大消費地域における需要の見通しに即応して、野菜指定産地の計画的育成をはかることとし、このため、指定野菜の拡大及び野菜指定産地の追加指定を行なうとともに、生産出荷近代化計画の樹立を進め、生産出荷近代化事業を拡充実施することとしております。  果樹対策につきましては、果実需要の見通しに即応した生産の安定的拡大と生産性の向上をはかるため各都道府県の果樹振興計画及び濃密生産団地計画の樹立を行なうとともに、引き続き果樹農業機械化研修施設の開設のための準備を進めることとしております。  また、地域特産農業推進対策につきましては、地域農業において重要な地位を占めている特産農産物についてその生産性を向上し、地域農業者の所得の向上と国際競争力の強化に資するため、新たに各地域の実情に応じ農作業の機械化、流通施設の近代化等を内容とする地域特産農業推進事業を実施することとしております。  さらに、甘味資源対策につきましては、てん菜及びサトウキビについてその生産性の向上をはかるため、省力栽培機械、移殖合理化施設等の導入を内容とする生産合理化推進地区の設置事業を行なうこととしております。  以上をあわせ園芸生産振興対策として二十四億七千五百万円を計上いたしております。  養蚕対策につきましては、養蚕経営の近代化をはかるため、新たに壮蚕飼育施設、桑園管理用機械の設置等を内容とする養蚕経営合理化促進施設設置事業を実施することとし、九千九百万円を計上しております。  林業生産対策につきましては、引き続き優良種苗確保事業、森林病害虫等防除事業、素材生産合理化事業等を実施することとし、これらに要する経費五億九千五百万円を計上しております。  漁業生産対策につきましては、中小漁業の振興のための金融改善措置を実施するほか、内水面漁業の振興をはかるため、引き続き地域振興対策事業等を推進するとともに、水産資源の保護培養のため、保護水面の設定、各種放流事業等を拡充強化することとし、これらに要する経費六億二百万円を計上しております。  第三は、生鮮食料品等の価格安定及び流通の改善対策の拡充に関する予算について申し上げます。  まず、畜産物の価格安定及び流通改善対策につきましては、酪農経営の安定並びに牛乳の生産及び消費の円滑な拡大をはかるため、引き続き加工原料乳に対する不足払い制度に必要な交付金等及び学校給食用牛乳供給に必要な交付金を畜産振興事業団に交付するとともに、食肉等の流通改善のため、引き続き食肉センターの設置等を推進することとし、これらに要する経費八十八億八千五百万円を計上しております。  次に、野菜の価格安定及び青果物流通改善対策につきましては、大消費地域における野菜の需要見通しに即応した野菜指定産地の計画的育成とあわせて青果物の出荷調整対策等を推進するとともに、野菜生産出荷安定資金協会が行なう野菜の価格補てん事業を拡充することとし、これらに要する経費三億二千八百万円を計上しております。  水産物の価格安定及び流通改善対策につきましては、引き続き冷凍多獲性魚の流通調整事業、産地流通加工施設建設事業等を推進するとともに、新たに産地及び消費地における水産物の流通情報の収集及び提供事業を試験的に行なうこととし、これらに要する経費三億六千七百万円を計上しております。  生鮮食料品等の流通施設の整備等につきましては、中央卸売り市場の整備を促進するとともに、新たに生産者団体による生鮮食料品の合理的な出荷調整等に資するための集配センターの実験的設置、食料品小売り業の近代化のための公設小売り市場の整備等を推進することとしております。このほか、生鮮食料品の流通消費改善に資するため、食料品の規格、品質等についての調査を進めるほか、生産者向けのラジオによる市況放送、消費者向けのテレビによる市況動向、食料品の合理的な利用方法等の放送等を拡充するとともに、生鮮食料品の生産及び流通に関する情報の迅速な収集及び提供を行なうため、農林本省及び統計調査事務所にテレタイプ網を設置することとし、これらに要する経費十五億五百万円を計上しております。  第四に、農林漁業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。  まず、農業構造改善事業につきましては、総額二百十四億六千八百万円を計上し、新規の事業実施地域を五百五十、計画樹立市町村を五百として、前年度からの継続分とあわせ地域の実情に即応して事業の円滑な推進をはかることとしており、また、引き続き事業終了地域の経営管理の指導等を推進するほか、農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備をはかるため、すでに着手している二地域に加えて計画の樹立された残り八地域全部について事業を実施することとしております。  なお、農業諸情勢の進展に即応して農業構造の抜本的改善をはかるため、経営規模の拡大方策、協業の助長方策、農業自営者の老後の生活の安定や経営の移譲の促進方策等について総合的視野から調査検討を行なうこととし、これに要する経費二千五百万円を計上しております。  林業構造改善事業につきましては、三十五億五千四百万円を計上し、新規の事業実施地域を百、計画樹立市町村を百三十として、前年度からの継続分とあわせ事業の計画的な推進をはかることとしております。  沿岸漁業構造改善事業につきましては、十六億九千四百万円を計上し、計画樹立四地域、経営近代化促進事業の新規実施九地域について、継続分とあわせ経営近代化促進事業及び漁場改良造成事業の計画的な推進をはかるとともに、新たに経営近代化促進事業の終了後、調査を行なっていた五地域について補足整備事業を実施することとしております。  第五に、農山漁村対策を拡充するための予算について申し上げます。  まず、農林漁業の後継者対策につきましては、次代をになう優秀な青少年等を育成確保するため、農業後継者育成資金の貸し付けワクの大幅な拡充をはかるほか、農業経営者養成のための研修教育施設の整備、農山漁村の青少年の集団活動の育成対策及び中央青年研修施設の整備を推進することとし、これらに要する経費六億一千九百万円を計上しております。  次に、農山漁村の環境整備につきましては、都市に比べて立ちおくれた農山漁村の生活環境や社会環境の近代化をはかるため、農林漁業用道路の整備を大幅に拡充実施するとともに、農家生活改善資金の貸し付けワクの大幅拡充、生活改善特別事業の拡充、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の活用、未点灯農山漁家への電気導入等を引き続き実施することとし、さきに述べましたものを含め、これらに要する経費として総額百三十一億五千百万円を計上いたしております。  山村振興対策につきましては、山村における経済力の培養と住民の福祉向上をはかるため、振興山村における農道、林道等の整備について特に配慮するとともに、七億二千九百万円を計上して引き続き振興山村農林漁業特別開発事業を計画的に実施することとしております。  第六に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林金融の拡充に関する予算について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業の経営構造改善及び基盤整備等に必要な資金を拡充するため、新規貸し付けワクを千六百億円に拡大し、この原資として財政投融資千百四十九億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金五十八億円を交付することとしております。  また、農林漁業基盤整備資金の一部及び中小漁業経営改善資金の貸し付け金利の引き下げ等融資条件の改善を行ない、農林漁業者の負担の軽減をはかることとしております。  次に、農業近代化資金融通制度につきましては、貸し付け資金ワクを九百億円に拡大するとともに、農業近代化資金にかかる債務保証制度を充実強化するため、引き続き農業信用基金協会及び農業信用保険協会に対して助成を行なうこととし、これらに要する経費四十億五千六百万円を計上しております。  また、農業改良資金制度につきましては、特に農業後継者資金及び農家生活改善資金について従来の農林漁業用揮発油税財源身がわり事業の対象外とするとともに貸し付けワクを倍増し、技術導入資金をも含めた総貸し付けワクを八十二億円に拡大し、これに要する経費二十六億七百万円を計上することとしております。  以上のほか、農林漁業施策の推進のための重要な予算について申し上げます。  まず、農林水産業の試験研究事業につきましては、農林水産業の近代化に必要な技術的基礎を強化確立するため、試験研究費の増額、試験研究体制の整備等により試験研究の拡充強化をはかるとともに、引き続き熱帯農業に関する技術上の試験研究等を推進するほか、新たに大規模草地の利用管理技術の確立に関する試験研究等の拡充を行なうこととし、これらに要する経費として総額百十六億一千七百万円を計上しております。  次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農林水産業の技術の高度化、経営の専門化等に対応して技術等の改良普及体制の強化をはかるため、引き続き施設の整備、機動力の強化等を行なうこととし、農業改良普及事業に四十八億一千六百万円、生活改善普及事業に十億三千二百万円、畜産経営技術指導事業に一億三千三百万円、蚕糸技術改良事業に七億六千四百万円、林業普及指導事業に九億三千六百万円、水産業改良普及事業に一億六千五百万円をそれぞれ計上しております。  農業災害補償制度につきましては、選択共済金額の上昇傾向等を考慮して掛け金国庫負担金を増額するほか、果樹保険の試験実施の準備、家畜共済損害防止事業の強化、農業共済基金への追加出資等を行なうこととし、これらに要する経費三百二十億三千七百万円を計上しております。  このほか、農業関係につきましては、開拓地の営農振興対策として二十七億七千五百万円、生糸等農産物の輸出振興対策として二十二億二千五百万円、農業資材の価格流通対策として五十五億七千八百万円、農業団体の整備強化措置として二十七億七千四百万円をそれぞれ計上しております。  また、林業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、森林計画制度及び保安林整備について六億五千百万円、入り会い林野の整備促進対策として四千二百万円、森林組合等の育成対策として三千七百万円をそれぞれ計上しております。  水産業関係につきましては、すでに述べましたもののほか、漁業災害補償制度について抜本的改善を加えることとし、漁業共済団体が通常負担しがたい異常災害について政府の特別会計による保険事業を創設し、あわせて漁獲共済の共済限度額率の引き上げ、共済掛け金国庫補助等について所要の改善を行なうこととし、これに要する経費として五億三千九百万円を計上するとともに、漁船損害補償制度の実施に要する経費として十一億九千六百万円、海外漁場の開発、日韓漁業協定の実施等国際漁業対策として九億八千七百万円をそれぞれ計上しております。  また、農林水産関係の災害対策公共事業につきましては、海岸事業、農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧事業並びに鉱害復旧事業の推進をはかることとし、総額二百八十九億一千百万円を計上しております。  次に、昭和四十二年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  第一に、食糧管理特別会計につきましては、本年秋に消費者米価の改定を行なうことを予定し、国内米、国内麦及び輸入食糧の管理制度の適切な運営をはかるとともに、国内産イモでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため、必要な予算を計上するほか、一般会計から調整勘定へ千二百三十五億円、輸入飼料勘定へ五十二億円を繰り入れることとしております。  第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、農業災害補償制度の運営のため一般会計から総額二百三十一億五百万円を繰り入れることとしております。  第三に、昭和四十二年度から新たに政府が漁業共済にかかる保険事業を実施することに伴い、従来の漁船再保険特別会計を改組して漁船再保険及漁業共済保険特別会計とし、この会計において、漁船再保険事業の継続実施と漁業共済保険事業の新規実施を行なうこととしております。  第四に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業及び治山事業の適切な実施のため必要な予算を計上するとともに、新たに肉用牛の生産育成事業の実験的実施を行なうこととしております。  以上のほか、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、特定土地改良工事、糸価安定、森林保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。  最後に、昭和四十二年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。  財政投融資の計画額としましては、農林漁業金融公庫、愛知用水公団ほか三機関及び二特別会計をあわせて総額一千三百八十一億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。  これをもちまして、昭和四十二年度の農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。(拍手)

本名武自由民主党

○本名委員長 以上で草野農林政務次官の説明は終わりました。  午後一時三十分に再開することとし、これにて休憩いたします。    午前十一時十六分休憩      ————◇—————    午後一時五十九分開議

本名武自由民主党

○本名委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  畜産物の安定価格に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。鹿野彦吉君。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私は、ただいま議題になっております酪農の問題について、特に牛乳の生産者の値段と消費者の値段の問題についてお尋ねいたしたいと思うのですが、まず生産者の値段と、現在消費者がどのような値段で買っておりますかをひとつお答え願いたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 お答えいたします。  飲用牛乳につきましては、生産者、メーカー、小売りのそれぞれの段階での話し合いによってきまるたてまえになっております。したがいまして、地域的に必ずしも同様ではございません。そこで、代表的なものとしまして、東京の段階について申し上げますと、四十一年度にきまっております各段階の一合当たりの金額は、生産者段階が八円二十五銭でございます。処理加工段階が三円二十五銭で、小売り段階が六円五十銭ということになっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 もう一ぺん言ってください。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 生産者の段階が八円二十五銭でございます。処理加工段階が三円二十五銭、小売り配達段階が六円五十銭ということになっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私、あまり詳しくないのでわかりませんが、だんだん安くなるのですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 それでは、さらに補足して申し上げますと、これはそれぞれの段階の取り分でございまして、これを合計しまして十八円というのが消費者に届く価格でございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 そうすると、八円二十五銭が生産者の値段で、消費者が十八円ということですね。そう解釈していいですね。そうしましたら、十八円という値段だけれども、これに何か濃厚牛乳とか、あるいは特別なる牛乳というようなことで売られておる値段がございますね。これは一体どういうようになっておりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 加工牛乳というのがございます。これはミネラルだとか、ビタミンだとか、いろいろなものを添加したものでございます。それは加工乳といたしましては、東京におきましては、一合当たり消費者段階が二十円ということになっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 消費者の段階が二十円より上のものはございませんか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 加工乳につきましては、デラックスものだとかいろいろなものがありまして、必ずしも一様ではございません。  それから、もう一つつけ加えて申し上げますと、普通牛乳について十八円と申しましたのは、これは標準でございまして、それ以下のところもあるわけでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 私がこのことをお尋ねしたいのは、一般に私たちが消費をいたしておりますのは、何か二十二円か二十三円払っておるようでございます。十八円の牛乳というようなものは薄くて飲めないというようなことですが、普通消費者が消費しているものは二十二円とか二十三円とかいうような値段に東京ではなっておるのだけれども、これはどういうふうにあなた方は理解されておりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 普通消費されておるのは十八円だというふうに理解いたしております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 こんなこまかいことをやりとりする必要はないのだけれども、実は、農業者所得の問題というものは、いま日本経済の中で一番重大な問題になっておるし、これはいまだけの問題じゃなく、日本が貿易の自由化という大きな経済の方針を立て、そして国民の所得の増進をはかり、日本経済の伸展をはかってきたときから発生している問題でございますが、今後日本が先進諸国の所得並みにどんどん進んでいくについては、一番問題となるのは農業者の所得問題でございます。これは、他の産業などというものは、合理化することがわりあい簡単だけれども、農業問題については非常にむずかしいというところに、いまの農業問題の行き当たりがきて、たいへん大きな問題になっておることは御承知のとおりでございますが、こうした際に、農業生産物であるところの、この酪農製品である牛乳が、生産者価格と消費者価格におけるところの幅があり過ぎる、私はこのように考えるものでございます。私もいささか事業の経営というようなものを過去においてやってきた経験からいたしまして、あまりにも幅があり過ぎる、こういうようなことを私は痛感いたしておるために、このことについて、どのように農林省当局としてはお考えになっているか。ごたごたこまかいことを申し上げるまでもなく、こうしたことについて、私は当局の考え方をお聞きいたしたいと思うのです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 生産者に支払われる乳価ができるだけ多くあるべきであるということにつきましては、私たちもさよう考えておりまして、そういうふうな指導をいたしておるわけでございますが、メーカー、小売りの段階の取り分についてはいろいろ議論のあるところでございます。議論のあるところでございますけれども、現状におきましては、たとえば小売り段階におきましては、毎日早朝配達をするので、そのために労賃が高くなるというふうな実情もございまして、現在のところやむを得ないのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。しかし、現状がいいということではございませんので、今後できるだけ合理化をいたしまして、安い価格で消費者に届けられるような努力をしなければならないというふうに考えておりまして、四十二年度の予算におきましても、小売り段階の合理化のための予算計上をいたしておるわけでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 お考えについてはたいへんけっこうだと思いますが、このことは、生産者とメーカー、こうした関係において、非常にしわ寄せが生産者に寄せられがちである現状でございますけれども、ただいまの八円二十五銭、三円二十五銭、六円五十銭という御説明の中で、三円二十五銭だけがメーカーの取り分であって、あとの取り分はないのでございますか。この点ひとつ承りたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 東京における標準的な価格構成の中においては、メーカーの取り分が三円二十五銭ということでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 当局においては、この濃厚牛乳だとか、ビタミン牛乳だとか、いろいろなこうした特別値段について、どういうような仕組みになっておるか、はたして三円二十五銭だけがメーカーの取り分になっておるかどうか、こういうことをお調べになったことございますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 ただいま申し上げましたのは、普通牛乳について申し上げた次第でございます。加工乳につきましては、おのずから普通牛乳とは変わったような状態になっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 おのずから違ったことはわかりますけれども、そのことについてお調べになったことがございますかということを私は聞いているのですよ。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 調べております。二十円の場合は、卸のメーカーの段階で、普通牛乳が十一円五十銭でございますのに対して、十二円七十銭ということになっております。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 メーカーの取り分はどうなっておりますか。二十円とおっしゃいますけれども、二十二円と違いますか。私は自由民主党です。われわれは現在の政府を支持しておる立場のものでございますから、そういうような立場からお互いに話し合いをいたしたいと思うのですが、いまの二十円としてというようなことばを聞くと、私はあまりいい感じがしないのです。加工乳、そうした濃厚とかなんとかというようなものは二十二円くらいで売られておるのじゃないですか。その点は御承知ございませんか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 先ほど申し上げました二十円というのは、標準的な加工乳でございます。そこで、必ずしも二十円ということでなくて、二十一円、二十二円の場合もあり得ます。しかし、標準的なものとして見ますと、二十円ということになっておりまして、この場合は、先ほどの三円二十五銭に一円二十銭がプラスされまして、四円四十五銭というのがメーカーの取り分ということになっておるわけでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 そうすると、今度は、二十円のときは四円何ぼの取り分で、二十二円の場合は何ぼの取り分になるのですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 二十二円になりました場合には幾らになりますか、添加物等いろんなものを加えますので、加えるものによってはっきりはいたしませんが、先ほど二十円というふうに申し上げました場合に、四円四十五銭というものがメーカーの手取りになるわけでございますが、それに添加物等が加えられるに従いまして、そこが高くなってくるということになろうかと考えます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 実は、局長さん、こういうときに、私は、もっとあなた方自体が、メーカーの取り分が適当であるかどうか、こういうようなことについて常日ごろ御研究くださる心組みをお願いいたしたいから、こうした話になるわけでございまして、御質問申し上げるまでもなく、ほとんどの特別牛乳は二十二円かそこらで売られていると思います。私は毎日朝五合の牛乳を朝めしがわりに飲んでいるわけですから、あっちこっち、たとえば千駄ケ谷に住んでおったときに、あるいはまたよそに住んでおったときに、品川に住んでおったときに、そういうようなところでも大体二十二円だと私は聞いております。これもあるいはもっと、二十三円かもわかりません。そうしてこの牛乳が濃厚牛乳だというようなことですが、普通の十八円で売られておる牛乳は、しからばどういう牛乳でございますか。何かわれわれうわさに聞きますところでは、脱脂乳だというようなことを聞いたり、普通の牛乳ではないのだ、二十二円のものが普通の牛乳なんだというようなことを聞きますけれども、こうしたことについて監督官庁としてどのように御認識になっておりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 この点は厚生省の関係で規制をされているわけでございますが、普通牛乳というのは、なま乳以外を使ってはいかぬことになっております。加工乳は、牛乳からできましたものだとかその他のものを添加することができることになっております。したがいまして、普通牛乳と申しますのは、全くのなま乳でございます。加工乳というものは、脱脂粉乳が加えられたりその他のものが添加されることが認められておるわけでございます。私たちが普通になま乳として飲んでおりますものは十八円の普通牛乳だというふうに理解して、それ以上のものは、いろいろなものが添加されましたものででき上がっておるものだというふうに理解しておるわけでございます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 そういたしましたら、よくひとつ今後調査をお互いにすることにいたしましょう。繰り返して申しますが、普通の牛乳は農家から生産されるところのなま牛乳を殺菌する程度で出されておるものだ、こういうふうに解釈してよいわけですね。——そういたしますならば、農家から直接生産したものを求めて飲んだりするときと——この牛乳において、少なくとも多くの人々が非常に信用いたしておりません。信用いたしておらないことは、これは日本の官庁の監督に対する信用というようなことだけでなくて、メーカーも信用されていないということになるのだから、これは明らかにすることがかえってよいわけですから、こうした点も今後ひとつ明らかにする機会をつくっていただきたいと委員長にお願いいたします。いまのような問題について、しからば添加されたものは何か、ビタミンを入れたらどのくらいの値段になるか、こんなものは全く値段に相当いたさないところの分量ではなかろうかと私はお聞きいたしておるのでございますが、こうしたことについても、やはり大きなる関心と努力をもって調査、御指導くださることが望ましいとともに、これもまたこの次の機会によく検討いたしたいと思いますが、問題といたしましては、農業者があのような姿で生産いたし、そしてメーカーがただ大きな力に安住をして、合理化もされることなく、ただもうからないから、もうからないからというようなことで、生産者に非常に負担をさせていくということは、これはまことに簡単なようだけれども、日本の国民経済の構成上、国民の所得を今後推進いたしていく、国民経済の大きなる発展を期する意味から、非常に大きな意味を持つものだと思います。どんなに合理化をしても、どんなに努力をしてもこれよりならならないのだという点がありますならば別でございますけれども、こうした点についてはさほど御努力されておらないのではないかと、まことに失礼であるけれども、私は考えますので、まず酪農者に対する保護政策というものと別個に、こうした酪農という仕事が独立して、そして日本経済の中にりっぱに育成されていかなければならないという立場から、本気になって生産者とメーカーあるいは小売り業者とのこの利潤の配分というような問題を検討していい問題だと私は思いますので、きょうはこうした点を御要望申し上げ、来たる機会をつくっていただいて根本的な検討をしていただく、こういうことをお願いいたしまして、私の質疑を終わることにいたします。

本名武自由民主党

○本名委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 乳価と豚肉の価格につきましてお尋ねいたしたいと思います。  まず第一に、先ほど生産者団体から陳情もございましたが、最近のわが国の牛乳生産は非常に鈍化をしてきておる。また地帯によっては減産をしておる。これは国内自給度を高めるといういわゆる生産確保の農政から考える場合に、非常に離反した現象が起きてきておるわけであります。このことは、私が申し上げるまでもなくすでに御存じのことと思います。これが主たる原因は、生産費と乳価の不均衡により生産が阻害されておると思うのであります。したがって、本年これから決定しようとするいわゆる保証価格の問題、あるいは生乳に対する指導の問題、この乳価の基本的考え方について、現在お考えになっておりますその方向をお尋ねいたしたいと思います。さらに、このような状態で推移するならば、おそらく輸入依存度をさらに深めまして、昭和四十一年も輸入量が増大したのでありますが、引き続き本年も輸入量が増大する傾向に向かうと思います。その中で、生乳にかかわるべき還元牛乳等が増大しておるのでありますが、これは質的に見ても非常に問題があると思います。こういう状態、あるいは特に還元牛乳について、生鮮食料品としてこのような状態でいいかどうか、この点の検討はどのようになっておるか。そうして、鮮度の高い、栄養価の高い生乳で国内需要を満たすという対策、この総合対策は非常に急を要すると思うのでありますが、この対策の方針について承りたいと思います。  さらにあわせまして、本年推定されます国際乳製品の需給関係はどのように展望しておるか、価格水準とあわせてお尋ねをいたしたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 来年度の加工原料乳の保証価格につきましては、現在鋭意検討をいたしておりまして、まだ結論が出ておりません。近く結論をまとめまして、審議会におはかりをいたしまして、その答申に基づきまして政府の原案を決定するということにいたしておるわけでございます。  それから、いまお話がございました還元牛乳の問題でございますが、お話がございましたように、昨年の九月ごろから生乳の生産が停滞をしてまいってきておるわけでございます。そういう関係から、需要に対しまして供給が不足をするという事態が出ておりますので、不足分につきましては、事業団を通じます乳製品の輸入をいたしておるわけでございますが、考え方といたしまして、従来からとっております基本的な考え方は、市乳につきましては、これは完全に国内で供給をするというたてまえにいたしておるわけでございます。最近生産がやや停滞をしております関係から、必ずしも十分には目的を達しておらないわけでございますが、今後におきましてもこのような考え方で酪農の振興を進めてまいりたいと考えるわけでございます。  最近のような生乳生産の停滞はいろいろな理由があるわけでございますけれども、飼養規模の拡大を通じて上昇する階層の成長テンポがなお十分でないという問題もございます。牛肉価格の高騰等にも影響されまして、乳用牛の屠殺や育成過程の劣弱化ということによります乳用牛飼養頭数の伸び悩みということに基因しておるように思われますので、これに対しましては、まず家畜導入を飛躍的に拡大いたしまして、規模の大きな農家をつくり上げていくということと同時に、肉に回っていく乳牛を再生産過程に投入するというふうなことを考えるとともに、飼料基盤でございます草地改良、自給飼料の増産というものを極力推進をしてまいるというふうに考えておるわけでございます。  それから、お尋ねの四十二年の牛乳、乳製品の需給関係でございますが、これは保証価格の決定にも関連がございますので、現在それと並びまして鋭意検討いたしておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時間の関係できょうは価格問題だけというふうに考えておったわけであります。価格問題を論ずると、生産対策に転嫁をしていく。しかし、いまの局長の説明を聞きまして、生産対策に価格対策を転嫁するということは、これは現実のいわゆる価格保証、現実の農家の生産態勢あるいは所得確保ができませんので、特に農作物の転換と違いまして、畜産の生産対策は、たとえばことしの予算を見ましても、全国的な視野に立って、少なくとも生産対策によってコストを引き下げるというには、まことにその予算の内容もりょうりょうたるものであります。したがって、生乳の確保にいたしましても、あるいは加工原料乳の確保にいたしましても、これは当面いわゆる価格保証で、生産対策は次の段階ですみやかに手を打って、生産対策は当然必要だと私も思います。しかし、価格対策を論ずるときに、生産対策ですりかえて、そういう希望的な観測あるいは対策で推移しようとするところに、酪農が崩壊する、減産するという原因が起きておると思うのです。生産対策は次の機会にすることとして、ずばりさしあたって乳価対策をどうするか、この問題にしぼってお尋ねをいたしたいと思いますので、答弁もどうかそのようにすりかえぬようにしていただきたいと思います。したがって、現在非常に検討しておるという御答弁でございますが、すでに審議会の構成の中からは、いわゆる学識経験者として本委員会からの議員が参加しておったわけでありますが、それは審議の形態云々ということで、現在は排除されておるわけであります。そうすると、抽象的な意見でここで推移をして、保証価格が告示されて、それからの論争あるいは質疑、意見というものは無用になると思うのであります。したがいまして、抽象的でなしに、確たる基準は明確にされないまでも、以下お尋ねする諸点につきまして、ある程度その基準なり考え方を明確にしていただきたいと思うわけです。第一は、加工原料乳の保証価格についてお尋ねいたします。  第一の点は、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の審議の中で、あるいはその後の加工原料乳の乳価保証審議の中で、農林大臣から、家族労賃については工業賃金、いわゆる他産業並み賃金を参酌する、いやしくもこれは保証価格でありますから、国が保証する価格であります、そういう公約といいますか、表現が行なわれておるわけでありますが、昨年の結果は、依然として雇用労働賃金に据え置かれておる。したがって、本年の保証価格算定にあたって、賃金はどの水準でいま検討しておるのか、どういう基準によって検討がされておるのか、これをお伺いいたしたいと思います。  それから第二は、物財費の変動率であります。物財費の変動率はどのくらいに見込んで価格試算をしておるか。  第三点は、資本利子の問題でありますが、これが御存じのように、いわゆる政府資金による水準資金は二階から目薬の状態でありまして、おおむね多頭飼育その他をやっております背景は近代化資金もしくは農協系統資金等が多いわけであります。しかも現在の酪農の収益性、あるいは酪農の設備に対するいわゆる償還年限が政府資金であっても短い、収益性と償還年限あるいは設備の償却と償還年限が非常に合っていない。そこで、収益性が合わないから、政府資金であっても延滞が発生して、延利を徴収されているという面がかなり目につくわけであります。こういう点につきまして、実勢利子、いわゆるこれだけ設備投資あるいは導入資金を要する酪農の設備投資あるいは導入に対する実勢の金利はどういうふうに押えておるか。  以上、三点についてお尋ねいたします。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 お尋ねの保証価格でございますが、保証価格につきましては、法律にございますように、「生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産を確保することを旨として農林大臣が定める金額」こういうふうなことになっております。こういうふうな法律のたてまえで、どのような価格が最もその法律の目的に沿うものであるかということについて、現在鋭意検討をいたしておる段階でございまして、まだ的確に幾ら、どのようなふうに考えるか、労務費をどのように考えるかということにつきましても、最終的な考え方がまとまっておらないわけでございまして、なお早急に検討さしていただきたいと思うのでございます。  それから物財費の問題でございますが、これは従来から計算をいたしておりました物価の最近の変動を考えまして、従来と同じような考え方で処置すべきものではないかというふうに考えております。  それから利子につきましても、これは昨年の計算をいたしました際は、借り入れ資本と自己資本とを分けまして、借り入れ資本につきましては七分四厘五も、それから自己資本につきましては五分五厘ということで計算をいたしたわけでございますが、そういうふうな計算で進んでいくべきではないかというふうに考えておる次第でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 質問の第一の労賃基準は、法律を読み上げて、法律に従う、こう言うのでありますが、法律もさることながら、保証価格でありますから、生産を安定するのでありますから、法律上から見てどこに見合うかというのでなくして、私のお尋ねしておるのは、大臣の答弁は、その当時の速記録を見ても、ある程度公約的にすっきりしておると思うのであります。具体的に申し上げまして、わが党の芳賀委員のこの法案審議のときの速記録も私見ております。あのような答弁に対してどのように考えるかということを聞いておるだけでありまして、法律の条文を尋ねておるわけではないのでありますから、具体的に御答弁をいただきたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 この問題に関しましては、過去からの経緯がございます。その経緯もよく承知をいたしております。しかし、保証価格を一体どのように考えるかということとの関連があるわけでございます。そこで、そういう立場から、労務費も含めまして一体どういうふうに考えていくべきかということを検討をいたしておる次第でございまして、できるだけ早急に結論を出したいというふうに考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 結論と言いますが、私の聞いておる範囲では、二十七日に審議会が持たれる。今月末には法基準のいわゆる保証価格を告示するという方針で進んでおられると思うのでありますが、そうすると、日程は限られた、すでに事務的な検討は終わっていなければならぬと思うのであります。したがいまして、先ほども申し上げましたように、告示されてから私どもは蒸し返しをしたくないわけです。ここでやはりある程度のこれに対する考え方をもう少し明確にしてもらいたいと思うのであります。その事務的な作業なしに——今日の段階で二十七日に審議会に提案する原案ができないのか、こう思うのであります。作業内容でもよろしゅうございますから、もう少し基準のとり方を明確に御答弁願いたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 はなはだ恐縮なんでございますが、明日審議会を開きまして、豚肉の基準価格もかけることにいたして、今日もなおその豚の基準価格につきましても最終的な結論を出さなければならぬという状態に実はなっておるわけであります。したがいまして、乳価につきましてはまだ最終的な結論を出すというところまで至っておりません。そこで、実ははっきりいたしておれば申し上げたいことはやまやまでございますけれども、そういう実情にございまして、なお検討はいたしておるわけでございますが、最終的にこのような考え方でいくべきだというところまではまだ出ていない状態でございまして、御了承を得たいと思うわけであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは角度を変えてお尋ねしますが、生産者からの要請価格というものは、各段階に内訳をつけて要請されておると思うのであります。これは検討されておりますか。検討されてどのようにお考えになっておるか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 生産者からの要請というものも伺っております。そういうものを参考にいたしまして検討をいたしているわけでございます。先ほど申し上げましたように、まだ最終的な結論が出ませんので、何とも申し上げかねるわけでございますけれども、いろいろな要請もございますので、そういう要請も十分検討させていただくことにいたしております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは次に、指定乳製品の指標価格、これと関連のある基準取引価格についてお尋ねしたいと思います。  昨年の市況は、すでに御存じのように、指標価格をかなり上回って一年間推移をしております。その中には考えようによってはいろいろ経済的な問題もありますが、私が申し上げるのでなくて、この制度は非常に乳業を太らす制度であるという世評すら出ておるわけであります。したがって、基準取引価格は作業の中でどのように考えておるか、これもできれば、どの程度引き上げる考えであるか、その考え方をお聞きいたしたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 ただいまの御質問でございますが、安定指標価格につきましては、過去四年のそれぞれの乳製品の価格をとって計算をいたしたわけでございます。基準取引価格につきましては、それから控除経費を引きまして、なおウエートをつけまして、それを平均をいたしまして基準取引価格を出したわけでございますが、本年も大体において前年の考え方を踏襲すべきではないかというふうには考えておりますけれども、なおその点については検討をいたしております。控除経費につきましては、具体的に各工場から調査をいたしました経費を集計をいたしておりますので、近くまとまると思いますので、その集計に基づきまして計算をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 このときに必要だと思って前段の質問でお尋ねしたことが、答弁が落ちておるのではないかと思うのです。いわゆる国際乳製品の需給関係の展望と乳価格の推移見通し、これはどのように検討されておるか。それともう一つは、いわゆる前年度試算方式を一応原則として考え、なおしさいに検討しておるというのでありますが、これはやはり現在の日本の物価の変動、そういうものの情勢等から、いわゆる四年間の平均市況に却売り物価を勘案した価格というものが、去年の経済事情の中で、どのような食い違いからああいう現象が起きたと考えておるか、これは去年の実績でありますから、これから先の問題でありません。検討された結果はどのようにお考えになるか、これをお尋ねいたします。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 まず第一点の諸外国の事情でございますが、諸外国におきましても、農村労働力事情等から、酪農はやや停滞ぎみであるように聞いております。特に最大の酪農国でありますアメリカにおきましては、生乳生産はむしろ減少傾向にあります。しかし、一方でかなり高度な技術と経験とを要請されます酪農にありましては、後逸国での発展というのはなかなか期待はできないのではないかということでございます。したがいまして、傾向的には生産が著しく拡大するという方向ではないように考えられるわけでございます。これに対しまして、乳業、乳製品の事情は、特に後進国を中心とします人口の増加と食生活の向上によりまして、今後大幅に伸びることが予想されますので、したがいまして、現在はバターは欧米においては若干過剰ぎみであるとはいえますが、すでに粉乳につきましては、全体として供給は逼迫ぎみになっております。今後は世界全体としての乳製品の需給は逼迫の度合いを深めるというふうに考えられますので、この面からも、乳製品の輸入を安易に考えて、乳製品に強く依存するということは好ましくないというふうに考えておりまして、したがいまして、国内の酪農の生産の振興というものがきわめて必要であるというふうに考えておるわけでございます。  それから、お尋ねの最後の点でございますが、これは今年度は当初、乳製品の輸入量は、生乳換算いたしまして五万九千トン程度というふうに考えておったわけでございますが、申し上げるまでもございませんが、四十一年度の当初におきましては、生乳生産の伸びはかなり高い伸びをいたしておりました。ところが、九月ころから生産の停滞が著しくあらわれてまいったわけでございます。そういう関係から、供給が需要に足りないというふうなことになりました結果、生乳換算で二十四万九千トン程度が輸入に依存せざるを得ないということになったわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうすると、御説明を総合して判断するとき、そのような世界的な展望に立って、いわゆる国内自給度の向上をはかるというのでありますから、国内自給度が向上するような価格政策が当面とられると判断してよろしいかどうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 酪農の発展にとりましては、もちろん生産、価格、種々な政策を含めて総合的な対策を考えるべきだというふうに考えておるわけでございます。それぞれ重要であるというふうに考えますので、単に一つだけのものをやればよろしいということにはならないのではないかというふうに思います。したがいまして、そういったものを総合的に行ないまして、酪農の振興をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 水かけ論になりますので、一応集約をつけておきたいと思いますが、前段も生産対策にすりかえぬようにしてもらいたいということを私は申し上げているわけです。生産対策はこれから何年もかかると思います。たとえば日本の粗飼料のいわゆる後進性、これを先進国並みにする対策、これとて二年や三年で完成できるものじゃありません。いまの生産農家が苦しんでおります経済体制が、生産対策によってコストが下がる時期、これは本年度の予算上から見た政策の数倍の力を入れて十年かかると私は思うのであります。いまここで価格対策を生産対策にすりかえて、総合対策の中で振興をはかる、これは非常に現実と遊離した理論になると思うのであります。この点もう一ぺん承っておきたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 御議論のあるところであろうと思うのでありますけれども、一つの対策で十分目的を達するということは、私はなかなかむずかしいのではないかと思うわけでございます。そういう意味で、もちろん価格政策、価格対策というのは重要であることは言うまでもございませんけれども、しかし、長期的な展望で考えますと、これはやはり生産対策というものを考えていかなければならないということにもなるわけでございます。したがいまして、そうしたものが総合的に組み合わされ、考えられて、初めて酪農の発展が可能になるのではないかというふうに実は考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、輸入乳製品は現在公入札で卸販売をしておるというふうに聞いておるわけですが、この場合の最低価格はどのような基準——どのような基準と申し上げますことは、いわゆる安定指標価格から見て、入札の底値と申しますか、底値基準はどのようにきめて入札を指導しておりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 事業団の売ります乳製品につきましては、競争入札ということになっております。したがいまして、競争入札の場合の予定価格は一応公表をいたさないことになっておりますので、その点御了承を得たいと思うのでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いま乳製品が高いですから、その時点における予定価格、これは乳製品市況から見た予定価格がつけられると思うのです。それを聞いておるわけではないのです。いわゆるこれは政策、制度でございますから、安定指標価格あるいは安定指標価格を下回らないものを最低基準としておる、それを聞いておるわけです。そのときどきに行なわれる入札のいわゆる目標を聞いておるわけではないのです。それは聞く必要はございません。制度としてどのようになっておるかということです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 安定指標価格を基準にいたしまして、その安定指標価格に安定をするということをねらいとしまして、事業団が輸入乳製品を販売をするというのが法律上のたてまえであろうかというふうに考えます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それでは次に、豚肉の問題についてお尋ねいたします。   〔委員長退席、高見委員長代理着席〕  まず第一点として、昨年のわが国の需給、特に豚肉と競合する羊肉あるいは馬肉等の輸入が増大いたしまして、いわゆる供給過剰になっておる。現在事業団の手持ち六十万頭ぐらいといわれておるわけですが、そうすると、輸入量を算定してみると、これはやはり競合肉類の過剰輸入だと私は見ておるわけです。したがって、せっかく豚肉の安定基準価格等をつくりまして、いわゆる国内生産の確保に政策的な努力が払われる過程におきまして、また、農民もそれを信頼して多額の借り入れ金をもって設備をし、多頭飼育に踏み切った。現在の豚の国内生産量は決して、現実に私はこのコスト計算も見ておりますが、もうかるからどんどん生産しておるのではなくて、いわゆる指導されております。日本農業の構造改善の一環として、安定基準価格もできたことだから、そこでひとつ思い切って多頭飼育もしてみようということで、百頭以上の多頭飼育体制も全頭数の中でかなり比率の高いものになっておることは、その率までここで私が申し上げるまでもないと思うわけであります。したがって、そういう中で、片や生産が増強されてきた、反面自動承認制によって輸入が増大して供給過剰が起きるということは、これまた非常に生産を阻害することになるわけですが、まず一点として、このような状態をどういう方法で需給調整をしていくか、いわゆる輸入量の規制であります。規制措置についてどのようにお考えになっておるか、これを承りたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 羊馬肉につきましては、すでに自由化をされた物資でございまして、これについて規制をする考えはございません。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 規制をする考えがないということになると、現在起きております過剰供給の現象、それからまず事業団手持ちの豚肉の消流はどう考えておるか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 羊や馬肉が相当量輸入されている、それが豚肉の供給の問題とどういう関係があるか、こういうふうな御質問だろうと思うわけでございます。なるほど、お話のように、四十一年における羊と馬の肉の輸入はかなりふえております。お話のとおりだと思いますが、これは豚の価格が先高、相当高くなるであろうというふうな思惑もございまして、相当輸入されたようにうかがえる節があるわけでございます。現実にはかなり在庫もあるという状態にございます。そこで、豚肉との関係を見てみますと、豚肉の加工量がどのようになっているかというその比率と、それから豚肉の消費の比率とを見てみますと、加工肉の伸びる率よりは豚肉の伸びる率が多いわけでございます。それから羊肉と馬肉を合わせましたいわゆる輸入肉の伸び率は、豚の肉の伸びる比率と大同小異だということがうかがわれるわけでございます。したがいまして、確かに羊や豚の肉がふえますと、全く豚の肉の消費に影響がないとは申せません。しかし、先ほど申し上げましたような形で、必ずもひどく豚肉の消費を圧迫しているというものではないというふうに考えられるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは私の調査では、直接なま肉としての使用量の上ではそうですね。いまの御答弁のように、極端な競合は、豚肉は豚肉、羊の肉は羊の肉でございますから、肉そのもので消流をするときの競合性というものは薄いと思いますけれども、いわゆる加工原料となった場合、これは全く完全に競合しておると私は見ておるわけです。しかもまた、消費全体の中で加工肉というものは多いわけでありますから、したがって、大きな競合がないというものの見方は、畜産局長として非常に適正を欠くのではないかと思う。この点いかがですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 先ほど申し上げましたように、羊馬肉につきましては、輸入の自由化をして入っておるわけでございます。そこで、それがどのように入っているかという問題になるわけでありますが、主としてこれは加工に使われるわけでございます。そこで、この加工の伸びと、それから綿羊と馬肉を合わせました輸入肉と豚肉と、これらがどのような形で伸びておるかという比率を見たわけでございます。比率を見ますと、その加工肉よりは豚肉が伸びておる。ということは、豚肉の消費が進んでおるということだと思うのであります。加工肉につきましても、豚肉とまあ大同小異の形で進んでおるというふうに考えられますので、もちろん先ほど申し上げましたように、羊馬肉が入らなければ豚肉が代替するということになりますから、そういうふうな形の加工もできると思いますけれども、現実には、豚肉と羊馬肉が入りまして加工が行なわれるという実態でございますから、そういう形で、同じような形で伸びておるとすれば、特に豚肉を圧迫をしておるということではないのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そこで、そういう御答弁であると問題が出てくると思います。  そうすると、先ほどお尋ねしたいわゆる事業団買い上げで滞貨しております肉の処分方法はどのようにしていくお考えですか。方針がきまっておらなければならぬはずです。そうしませんと、これは自由化しておる品目でありましても、片や需給調整量を上回る輸入に対する関税の併置、輸入規制の措置が、従来やはり国内の生産確保とあわせまして、自由化されておる品目でも輸入の規制措置が全然行なわれていないというものではないわけであります。それが、次の段階でお尋ねするいわゆることしの豚肉の売り値価格も、こういうものとの関連の中において心配ないんだということであればそれはもうよろしいのでありますけれども、いまの畜産事業団の手持ちというものが非常にネックになる。これは五十万頭といえばかなりの肉でございますから、ネックになっておると私は思うのであります。先ほどの御説明でも、非常に豚肉が高かろうということで過剰買いつけをして、輸入のストックもあるという説明でございますから、そうすると、これはちょっと需給上の問題があると思うのですが、その点の懸念はどのように考えておりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 先ほどお話ししましたように、豚肉の先高を見越して輸入したということもございまして、完全に消費されないで在庫もあるという形でございますので、今後このような形での輸入というものは行なわれることはなかろうというふうに私たちは考えておるわけでございます。  それから、豚肉の事業団の買い上げましたものの処理でございますが、これは御承知のように、法律に基づきまして安定基準価格で買い上げまして、市価が騰貴をいたしまして、安定上位価格に近づくかまたはこれを越える場合に放出をするというたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、原則といたしましては、そのつど売らないというたてまえにいたしておるわけでございます。ただ、豚肉のなまものでございますから、長期保管ということはなかなかむずかしい場合もあろうと思いまして、そういう場合には、管理保管上の必要から売却するということも法律上認められておるわけでございます。で、現在御承知のように、約五十万頭を事業団が買い入れておるわけで、買い入れましてから一年を経過いたしておるわけでございます。そういう意味から申しますと、管理保管上の必要から売却をしなければならぬ事態も近くまいるのではなかろうかというふうには考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 まあ、五十万頭といえば、たいした肉ではございませんから、そういう考えで、輸入過剰は見込み違いであって、ことしはそうならないであろう、したがって、責任を持って事業団かかえのものも消流する、こういうことであれば、一応その推移を見てからにしたいと思います。いまの御答弁で一応きょうはこの程度にしておきたいと思います。  次に、畜産全体であります。これは酪農と豚も関係があるわけでありますが、本年度のいわゆる輸入飼料関係の政府飼料の払い下げに対する方針、これは四十一年度と対比してどういう方針で飼料対策をしようとしておるか、これをお伺いしておきたいと思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 ちょっといまよく御質問の趣旨がわからなかったわけですけれども、輸入飼料の売却方針でありますか。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 価格です。   〔高見委員長代理退席、委員長着席〕

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 四十二年度の政府飼料につきましては、現在考えておりますことは、ふすまにつきましては三十キログラム当たり二十九円のアップ、それから大麦につきましてはトン当たり九百五十九円のアップ、それから粒用小麦につきましてはトン当たり三百八円の値引きということにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 これは特に豚関係のえさについても、総合すると、えさの値上がりということに相なると思うのですが、値引き分があったとしても、総合的にはえさの値上がりになる、政府の方針そのものが値上がりになると思うのですが、その点そのように解釈して間違いないかどうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 それぞれ数量が違いますので、したがいまして、全体として見ますと、値上がりという計算の基礎になっておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 以上で質問を終わりますが、前段に申し上げましたように、この畜産対策につきましては、生産対策は今後の問題として、本年の価格対策につきましては、生産対策は生産対策として、直ちに生産の停滞しておるこれらの諸要因を——特に豚肉につきましては、これは設備投資の償還あるいはえさの値上がり等で、結局コストが上がるわけでありますから、これの豚肉、乳価、この安定基準価格あるいは保証価格につきましては、実際に生産費、所得が確保できる価格にとりあえずして、そうして長期的展望に立って生産対策を進めて日本の畜産のコストを引き下げる、こういう考え方でことしの価格政策に取っ組んでいただきたい、これを付言いたしまして、質問を終わります。

本名武自由民主党

○本名委員長 東海林稔君。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私も、いま同僚の美濃君から乳価と豚肉の価格の問題について質問がありましたが、若干質問をしたいと思います。実はなるべくダブらないようにと思っておったのですが、ただいま同僚の美濃君の質問に対する局長の答弁の中には、重要な点で私のどうしても納得できない点がありますので、一部ダブる点がありますことを前もってお断わりしておきます。したがって、先ほど理事会で大体三十分程度と申し上げておきましたが、若干時間も三十分を超過する、こういう見通しでございますので、あらかじめ委員長のお許しを得ておきたいと思います。  まず、先ほどの御答弁にもありましたし、また今回の農業白書にも出ておりますように、昨年の秋以来牛乳の生産が停滞ぎみである、地方によってはむしろ減産を示しておる、こういうことについて先ほども質問をいたしたのに対して、局長の答弁はきわめて何か不明瞭でございました。一つは、多頭化が思ったとおり進んでいない、一つは、牛肉の値段がいいので屠殺などがふえた、こういうような話でありました。もちろん、そういう点が一つの理由ではありましょうが、しかし、一口に言って、やはり一番の原因は、酪農をやってももうからぬ、むしろ損をする、こういうことだろうと思うのです。生産に見合う必要な諸経費と販売する場合の価格と比べて、もうけがないからやれない、減る、こういうことが端的にいえると思うわけです。したがって、対策についても、もちろん一部において生産を増強する対策も講じなければならぬが、と同時に、価格対策もきわめて大事である、こういうふうな認識がないと、私は問題が基本的に狂ってくるのじゃないかと思うのです。したがって、そういう点をもう一度はっきりお答えを願いたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 最近乳牛が減りまして、生乳の生産も減っているということも御承知のとおりだと思うのです。これにつきましてはいろいろな原因が考えられます。先ほど申し上げましたように、少数頭飼育の農家が減少いたしております一方、多頭飼育の農家はふえておるわけでございます。ふえておりますけれども、少数頭飼養農家の減少分が多頭飼育農家の拡大に必ずしも見合ってないというところに問題があると思うわけでございます。特に牛肉の価格等の影響を受けまして、相当屠殺されてまいってきておることは御承知のとおりだと思うのです。そういうことから家畜の乳牛頭数が減ってまいっておるわけでございますけれども、最近の情勢といたしましては、一歳未満の乳牛は若干ふえつつあるように思われるわけでございます。  そこで、価格の問題でございますが、まさにお話のように、従来の混合乳価のもとにおきまして、特に加工原料乳の比率の多いところではきわめて価格が低くて、生産費を十分償わないというふうな点もございまして、それに対する対策として加工原料乳の不足払い制度ができたというふうに考えられるわけでございます。そういう意味におきましては、この加工原料乳の不足払い制度によりまして、従来よりは飛躍的に価格に対する保証制度ができ上がったというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、さらに生産をふやしますためには、できるだけ多頭飼育農家を育成していくということと、それに対します基盤整備をやっていくということによってふやしていくべきではないかというふうに考えておる次第でございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 まあ、あらためて言うまでもなく、基本法の中での重要な柱である選択的拡大の中で、政府は酪農振興を第一にあげていろいろやってきたわけですね。それで昨年まではある程度酪農がだんだんふえてきておるということは、いままでも報告されておるわけでありますが、先ほどの報告のように、昨年の秋から急に停滞をしてきた。その点を一体どういうふうに考えておりますか。いまの説明ではそういうものの説明にはならぬように思います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 昨年の九月から急に生乳の生産量が対前年比が一〇二%ぐらいに下がってきたと思います。その前は大体一〇八%ないし七%ということでかなり高水準であったのが、急に九月から減ってまいりました。この原因につきまして、当時からいろいろと検討をいたしておったわけで、一時的なものであるかどうかということにつきましても検討をいたしたわけでございますが、かなりその後も引き続いて低水準のまま推移しているというふうに考えられるわけでございます。これは三十九年ごろから家畜の伸び率が毎年低くなってまいっておるわけであります。特に四十一年の二月の調査によりますと、対前年伸び率は二%足らずということになっております。ひっきょうするに、家畜の頭数の減少が、やはり基本的に生産量を減退させた最大の要因であるというふうに考えておるわけでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 家畜の頭数の伸び率が減る理由はどこにあるのですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 伸び率が三十九年から減りました事情につきましては、これはいろいろなことが考えられると思うのでございますけれども、一方で、農村の労働力事情等に基づきまして、少数飼育農家が飼育をやめていくという形が考えられるわけでございます。それから酪農につきましては、相当な技術だとかそういうものが要るわけでございますから、なかなか習熟しないためにやめて、ほかの作物をつくるという場合もあります。一方では、多頭飼育農家というものはかなり順調に伸びてきておるわけでございます。そういうふうな形でいろいろなものがからみ合っておりまして、決定的にこれということではなかろうかというふうに思われるわけでございますけれども、特に労働力——少数農家が飼育をやめまして、多頭飼育がふえておるというふうな実態から見ますと、少数農家の収入の問題なり労働力の問題なりというものが考えられるかというふうに思われます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いま問題を煮詰めるために、あなたのお答えの中にも、牛肉の値段が高いから殺すものがふえたと言うのだが、しかし、長年大事にしてきた乳牛を殺すというのはなかなか容易なことではないですよ。確かに牛肉の値が高いからこの際つぶすということもあり得ると思うのだが、もし酪農をやって、それが相当な利潤があるとすれば、何も好んでかわいがって大事にしてきた乳牛を殺すようなことにはならないと私は思うのです。結局酪農をやってももうからないというところに、簡単に端的に言えば、頭数も思ったようにはふえないし、生産が停滞するのだ、こういう認識が一番簡潔であり、ほんとうではないんですか。あまり回りくどい説明をして、どうもわからなくなるんだがね。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 家族労働報酬等から見まして、酪農がきわめて高い水準にあるとは考えておりません。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 それからもう一つの問題、対策は総合的にいろいろやらなければならぬという、それはわかります。しかし、長期的な計画と、さしあたっての急激に停滞しているものをこれをまたもとに戻す、非常に需要がふえているのだから、それに応ずるというような対策からいうと、比較的即効的な対策としてきくものは一体何だとお考えですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 即効的なものとしては、たとえば価格なんかは即効的なものだと考えられますけれども、しかし、少なくとも動物が入っておりまして、これが数カ年を要する。しかも、一方では土地基盤整備だとかそういうものが伴わなければ、これはなかなか急激にふえるというわけにはいきません。たとえば一年生作物であれば、直ちに一年生作物をふやせということはできますけれども、やはり生産に長期を要するという酪農事情からすれば、これは価格、生産その他の対策が総合的に講じられなければ、十分な効果を発揮し得ないというふうに考えておる次第でございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いまの説明は一応わかるのだけれども、したがって今後増産するために頭数をふやすということも考えられるが、少なくともさしあたっては、いま乳を出している乳牛をこれ以上殺させないということが私は一番大事だと思うのです。そういうためにも、これからだんだんいくんだが、価格問題については、非常にこれは即効的な重要な対策だ、こういう考えを私は持っておるのですが、それ以上この問題は進めてもなかなかはっきり言えないと思いますから、一応その程度にしておきます。  そこで、次にお伺いしたいのは、昨年から御承知のように、加工原料乳に対する不足払い制度が実施されまして、農林省も一応いろいろと苦心されたし、また関係酪農家も苦心したわけですが、一年たっておるわけです。そこで、この一年の実績をこの際振り返ってみたいので、どういう点で非常によかったか、どういう点に欠陥があったかということを明らかにすることがきわめて大事じゃないか、私はこう思うわけです。  そこで、まず、大ざっぱに伺いますが、過去一カ年間の不足払い法の実施について、農林省はどういうような成果の評価をしているか、こういう点をお伺いします。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 申し上げるまでもございませんが、不足払い制度は、飲用乳に比較して相対的に取引条件が不利である加工原料乳の価格を一定水準に保証すること、それから指定生乳生産者団体の設立によります生産者の一元集荷販売体制を確立しまして、生乳の取引を合理化するということ、それから畜産振興事業団による乳製品の一元輸入と乳製品の価格安定操作を行なうこと、この三つが要するにこの不足払い制度の基本的な柱であろうというふうに考えるわけでございます。  その点で、まず第一に、加工原料乳の価格支持につきましては、不足払いを行ないました結果、従来の価格水準より北海道で見ますれば約二割の引き上げが行なわれておりまして、相当の保証効果があったのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから第二点の、指定生乳生産者団体につきましては、御承知のように、京都、神奈川はまだできておりませんけれども、それを除きます全都道府県で設立されておるわけでございます。できまして一年で、まだ十分であるとは必ずしも申し上げられませんけれども、生産者による生乳共同販売体制が確立されまして、乳価交渉能力が大幅に強化されて、取引内容の合理化が一歩前進したというふうには評価をいたしておるわけでございます。その結果、飲用向け乳価につきましては、昨年長い期間にわたって交渉が行なわれたわけでございますが、平均して約二円の水準アップを見ておるわけでございます。  それから、畜産振興事業団によります乳製品の需給操作につきましては、先ほど申し上げましたように、年度当初におきましては輸入量はそれほど大きくはないであろうというふうな考え方をいたしておったわけで、現にその当時の生産の伸び率は対前年比一〇八%から七%で推移しておったのです。ところが、急激に九月ごろから対前年比で一〇二%ということになってまいりましたために、急激に輸入量が増大するということになりまして、乳製品の価格もやや高くなってまいってきたところでございますが、これは初年度発足の当初でもございますし、そのような需給事情の見通しが必ずしも的確でなかったという点にもかんがみまして、必ずしも十分な効果をあげたとは考えておりませんで、これはわれわれとしても十分反省しなければならぬ問題だというふうに考えておる次第でございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 相当成果を評価しておるということですが、これを実施した結果、この法律にどこか非常に欠陥があるというような感じの点はないでしょうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 これは実施しまして一年でございます。この制度の評価を全面的に下すということは、なかなかむずかしいのではないかというふうに思われるわけでございます。そこで、私たちも、先ほど申し上げましたように、問題があります点は改善をしていくべきではないかというふうに考えておるわけでございまして、特に問題があると考える点は、先ほど申し上げました事業団の取り扱いによる乳製品の問題であろうというふうに考えておるわけでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いまの点の内訳的なことを少しお尋ねしたいと思うのですが、先ほども若干出ましたが、まず、乳製品の実際の市価と安定指標価格と比べて、昨年年間を通じてどの程度の開きになっておるか、こういう点をお尋ねします。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 事業団の売り渡しました価格は、バターにつきましては、年間を通じまして安定指標価格の一〇七・八%でございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 事業団じゃない。乳製品の市価と安定指標価格との関係です。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 市価は、バターにつきましては、安定指標価格に対しまして市況は一一七・五%でございます。それから脱脂粉乳につきましては一一八・四%というふうになっております。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私は、きょうの読売を見たところが、ここに、「脱脂粉乳三千トン放出」というので「農林省が緊急輸入も」と書いてあるのですが、ここを見ますと、最近の市価は非常に高くなっておって、大口需要者渡し一かん五千二百四十五円、したがって、安定指標価格の四千三百九十八円というのにはずいぶん大きい開きが出ておるようですが、そうすると、平均して一割一分くらいの差があった、こういうことになりますね。  そこで、もう一つお尋ねしたいのは、一方、加工原料乳の取引価格と基準取引価格との差はどういうことになっていますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 恐縮ですが、御質問の趣旨がちょっと……。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 加工原料なま乳の基準取引価格とメーカーが実際酪農家から買う価格、その関係はどうなっておるか、こういうことです。いまのは乳製品についての市価と指標価格との関係を聞いたわけです。今度は原料乳について、簡単に言えば、市価と基準価格との関係はどうか、こういうことを聞いているのです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 昨年乳業メーカーと生産者団体との間できまりました価格は、地域によって必ずしも同じではございません。最低七十銭から四円までの開きがございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私が聞いておるのは、市価と基準価格との関係。私から言わせれば、平均的にいえば大体あまり違ってない、そういうことなんですよ。そういう理解でいいか、それとも違うなら違う……。地域によって若干違うのはわかるけれども、そこをお尋ねしておるわけです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 基準価格に七十銭なり四円を上乗せしている。ですから、地域によって違いまして、七十銭から四円までの開きがございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 基準価格に対して七十銭から四円が上積みされている、こういうことですね。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 そうです。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私、ここでこまかく計算する時間がないのですが、そうすると、製品の指標価格と市価との差と、いまの原料乳の基準価格と取引価格との関係から見て、これは私は製品のほうが相当差が多いように思うのですが、その点はどうなりますか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 まだこれは具体的に計算をいたしておりませんので、ちょっとはっきり申し上げられませんが、要するに、具体的な生乳価格に計算をいたしてみまして比較するということになってくると思うのでございますけれども、その点ちょっと計算をいたしておりませんのではっきり申し上げかねますけれども、当時は、生産者団体と乳業メーカーとの間に、この程度であろうということを想定して話し合いできめたものだと思うわけです。その後価格変動がございますので、その価格変動と、きめました上乗せ分とが全く一致するものではなかろうというふうには考えております。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いまの地域的に七十銭ないし四円の上積みというのですが、主たる加工乳の生産地帯である北海道はどの程度であるか。四円の上積みというのはだいぶ大きいのですが、これはどこですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 七十銭というのは、北海道、東北の一部でございます。それから四円というのは、関東周辺、東京周辺でございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 それで、いまのお答えでわかるように、加工原料乳の主産地では上積みが非常に少ない。ごく量的に少ない都市周辺の市乳のわりあい多いところが加工原料乳の上積みが若干多いというのですから、こういうような点から見て、私は、加工業者が相当なもうけをしておるということが、ここの関係から非常にはっきり出ておると思うのですがね。それで、さっきもお話が出たように、不足払いというのは、どうもメーカーの利益のための法律効果しか果たしていないというような、そこに非難が出ているような気がするわけです。そこで、こういうような関係は、法律では、著しく状況が変わった場合には指標価格なり基準価格あるいは保証価格というものを修正していいということになっているわけですが、昨年はそこまでやらなかった、こういうことになるわけです。そこで、こういうような一カ年——これは一カ年だけの現実ではございますが、こういう結果からかんがみまして、来年度の基準価格なり保証価格をきめる際に、こういう経験をどのように生かして、この基準価格なりあるいは指標価格、保証価格等をきめる場合にこれを活用するようなお考えがあるかないか、そういう点をひとつお伺いします。私は、こういうような結果から見て、当然何らかそこにくふうがあってしかるべきじゃないかと思うのですが、その点についてのお考えをお伺いします。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 その点は、実は安定指標価格というものが乳製品の価格を安定させる価格であるということになっておるわけでございますが、そこで安定をさせますためには、最近のような生乳事情でありますと、ある程度の輸入量というものを入れまして安定させなければならぬということになるわけでございます。四十一年度は必ずしもそういう目的を達しておりません。四十二年度には四十一年度の経験にかんがみまして、そういうふうな体制を整えまして、できる限り安定指標価格に安定させるという努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、安定指標価格の決定にあたりましては、四十一年の価格というものを当然参考にしてきめるべき性質のものであると考えております。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 その点は原則的にはわかるのですが、特に最近のように、先ほどからお話に出ておりますように、生産事情が非常に悪化しているという状態、これは法律にも生産事情ということが書いてありますから、それを考うべきだということと、最近の乳製品価格というものが著しくずっと強含みで推移しておるということ、先ほどお話がありましたように、世界的にもいままでのようにそうだぶつくような状況でないというような見通しもあるとすれば、そういうことはやはり当然新しい年度の指標価格をきめる場合に私は考慮さるべき事項だと思いますが、考え方として——いま何ぼというようなことを聞くわけじゃない。考え方としてそういう点は私と同じような意見でございましょうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 考え方といたしまして、四十一年の一年の状態を基礎にしてやるということは適当ではないというふうに思うわけでありまして、やはり乳製品価格の過去からのつながりというものもございますので、過去とのつながりを考えながら、しかも四十一年の実勢というものも考慮してきめるべきものじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私も四十一年度だけということを言っておるわけじゃないのです。四十一年度の実際の状況も十分考えるという趣旨のお話でございますから、その点は了承いたします。  そこで、次の問題に移ります。先ほどもだいぶ質疑が繰り返されました保証価格を算定する場合の自家労賃の評価の問題です。これは政務次官にお伺いします。  私、ここに持ってきておりますが、この法律をきめる場合の赤城農林大臣の本委員会における言明、並びに昨年当時の坂田農林大臣に三日間もかかっていろいろと質疑を重ねた結果、坂田農林大臣も、赤城農林大臣がこの法案審議の際に言われたように、保証価格の基礎になる生産費を算定する場合に、自家労賃の評価については、その主たる加工乳生産地帯における他産業従事者の労賃と均衡するような労賃をとるのが好ましいと考え、そういうふうにしたいと、坂田農林大臣はあのときの赤城元大臣の言明を再確認して、しかし、昨年は実施第一年目であるので、完全にそのとおりにはいかない、いろいろな準備の問題もあるし、そのほかいろいろな状況があるが、再確認した上で、その方向に向かって漸次実現するように努力する、こういう大臣としての言明があったわけです。  そこで、今度倉石大臣、草野次官という責任者にかわったわけですが、新しい農林省の最高幹部としては、赤城農林大臣、坂田農林大臣の数次にわたる本委員会における言明をさらに再々確認して、その方向で努力される決意であるのかどうか、その点をまずはっきりしてもらいたいと思う。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 この問題は、昨年この委員会でですか、その前年の委員会等でも非常に御議論をいただいたところであり、事務当局は当時政治的な一つの配慮であったというような言い方をしておったそうであります。したがって、二代にわたる大臣がそういう発言をいたしておることをも含めながら、検討を進めていく、こういう考えを持っておるわけであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 いまの点で非常にひっかかる点があるのですが、事務当局は大臣の発言は政治的な発言であるといってそれを否認しておったような趣旨の話があるのですが、本委員会、国会における答弁で、大臣の答弁と事務当局の答弁のどっちを重視するのですか。また、そういうような、事務当局が大臣の方針と反するような答弁を認めるのですか。これは重大な問題ですよ。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 それは大臣の答弁が優先することは当然でありますが……。(東海林委員「優先か」と呼ぶ)それは絶対的なものでありますが、事務当局は事務当局として、事の運び方に対する事務的なものの考え方を言っておるのでありますから、事務的な運び方のできないことを一足飛びに言ってみても、なかなかむずかしいことでありますが、政治的なものの考え方の方向がそこにあるという立場において、今後含めながら検討を進めていきたいということであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私が伺ったのは、赤城元農林大臣及び前坂田農林大臣の言動についてお尋ねしているので、事務当局の発言についてお尋ねしているのじゃないのです。その元赤城農林大臣並びに前坂田農林大臣の言を、現在の農林大臣並びに政務次官はそれを再確認するのかどうか、そのことを伺っているのです。事務当局云々ということを聞いていません。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 私が事務当局の話を申し上げたのは、事務当局がそういうことを申しておりましたから、本日ここで再確認せよと言っておられるのだと考えましたから、それらのことを前後含めながら申し上げておるのでありまして、したがって、事務当局のものの考え方というものは事務の進め方の考え方でありますので、政治的なものの考え方というものが絶対的な立場でありますから、その立場において事の進め方をやっていきたい、さような考え方であります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 私は頭が悪いのでわかりませんが、私の聞いていることをはっきり答えてください。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 先ほど申し上げたとおりでありまして、その方向において検討をいたし、努力をいたしておるということでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 どうもよくわからないが、われわれが法案を審議する場合に、説明を聞いて信用するのは、いろいろ言い方、答弁がありますけれども、最終的には最高責任者である大臣の言明をわれわれは信頼しながら法案を審議するわけですよ。局長等がときに違ったことを言う場合もあるけれども、それはいろいろ事務当局としてあることかもしれませんけれども、われわれ最終的には農林省の最高責任者である大臣の言うことを信頼してやっておるわけです。それがもしそのとおりでないというようなことであれば——先ほど申しましたように、坂田農林大臣も、一足飛びにはそこまでいかないのだ、しかし、段階的にそこまでいくようにつとめてやりますということを言っているのです。したがって、私は一度にやれということを言っているわけではない。そんなことではない。それだけに、ばかにあやのついたような言い方をされると、今後われわれが法案を審議する際に、局長の言うことを信用していいのか、次官の言うことを信用していいのか、大臣の言うことを信用していいのか、これはわからぬことになる。そこだけはっきりしておいてください。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 もちろん大臣の発言を信用していただいてけっこうなのでありますが、そのための補助発言のような形において事務当局の意見もお聞きいただいておることだと思います。したがって、大臣の発言の方向において、今後その方針であるということは申し上げておるわけであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 これはきわめて大事なことだから重ねて……。去年は三日間やったのです。これは五分や十分で済まないことはよくわかっておるから、他日これも大臣に聞かなければならぬ。おそらく明日予算委員会でもこれは出ると思いますが、私はもう一度聞きます。元赤城農林大臣及び前坂田農林大臣が、加工原料乳の生産費の算定にあたって自家労賃の評価について本委員会で明言されたことは、新しい農林省の倉石大臣、草野政務次官もこれを尊重して、そういう趣旨で努力するかどうか、このことです。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 昨年三日間も御議論なさったということ、そこに問題があるわけでございまして、しかし、その大方針、大方向というものは一定いたしておりますので、さよう御了承いただきたいと思います。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 そうすると、畜産局長に伺います。昨年は残念ながら実際の自家労力の評価は、いろいろ議論はしましたが、やはり日雇い労賃一時間当たり九十九円八十九銭でございましたか、百円ちょっと足らぬような評価であったのでございますが、ただいまの政務次官の言明から見て、少なくともこのままでない、同じような算定方法でことしはないというふうに理解するわけですが、それは間違いないでしょうね。いまの政務次官の言明から見て、昨年どおりだということにはならぬはずだと思う。私はここで、審議会の前ですから、何ぼだというような、そういうやぼなことは聞きません。少なくとも昨年と同じような算定方法ではないということは確認してもらわなければ困るのです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 先ほど美濃委員にも申し上げましたように、法律の目的を達するために価格をきめておるわけでございます。その価格のきめ方をいかなる形できめるのが最も妥当であるかということは、広い立場から検討いたしております。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 そんなことは、いまに始まったことではないので、法律審議の際からきまっていることなんです。私の聞いておるのは、いまの政務次官の言明から見て、昨年と同じような自家労力の評価ではあり得ないというふうに私は理解するのだが、その点はぼくが考えるように考えていいのかどうか、そこです。何ぼとかなんとかいうことを聞くのではありませんよ。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 現在、先ほど申し上げましたように、検討いたしておる段階でございまして、最終的な御判断をいただく段階にまだ入っていないのでございますから、その点につきましては、いろいろな立場から計数をはじきまして検討をいたしておるということでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 ちょっと政務次官に伺います。いまのようなことでは、さっきのあなたの話と違うわけですが、その点はどういうふうに考えるわけですか。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 同じでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 関連。いまの東海林君の質問に対する答弁は少しおかしいのですが、それじゃちょっと変わった角度で私は次官に聞きますが、従来審議会の委員に学識経験者というので国会議員が入っていましたね。ところが、これをオミットしちゃった。そのオミットした理由はわからぬが、国会の場があるから国会の場でおやりくださいというのでオミットしているわけです。そうじゃないですか。審議会か委員会か、畜産関係があるでしょう。それにいままでは国会議員が委員として学識経験者で入っておった。それを全然入れなくなった。それは国会の場があるから国会の場で十分ひとつ御論議ください、こういうことになっているのではないか。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 各種審議会に国会議員が参加するという問題は、いろいろの場で議論をされており、かつ、行政審議会の答申の中にも、国会議員がそれらの行政庁の諮問機関である審議会のメンバーに入ることの可否については、なるべく避けたほうがいいであろうというような答申をいたしておる関係もあり、ことに、国会というものが国権の最高機関であり、きわめて高い次元に立った政治的判断を下す場であることは当然であります。そういう意味から、いろいろの考え方もあろうかとは存じますが、各省大臣あるいは内閣等の行政庁の諮問機関であるところの審議会の中で国会議員が議論されることがどうであろうかということに対しても、またいろいろの意見があろうかと考えるわけであります。そういったものの考え方の中に立って、さらに一段高い次元のところにおいて御議論いただける機会があるということ、むしろ政治的御判断の中で発言していただけるという意味合いもあって、そうした中から、国会議員の方々を、これはどうしたという形ではございません。そうした審議会の答申等をも参酌しながら、そういう結果になってきておるということでございます。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 あなた、ごちゃごちゃ長うやったが、結局結論は、国会議員は、行政庁の傘下というか、そういう審議会で発言するのでなしに、もっと高い国会という場で発言を大いにしていただきましょう、こういうことです。だから、ここでやるべきなんだが、いままでかなり専門的にそういう審議会で討議をしておったものをここで今度は十分やってもらおう、こういうことですね。だから、答弁は、そういう面から考えた場合、従来の経緯から考えた場合、やはりいいかげんな——いいかげんなと言うとちょっと失礼かもしれぬが、何かはおかぶりして逃げればいいんだというような答弁でなしに、やはりまともに答弁はしてもらいたいのだ。いまのなんかは、これは確実な逃げなんですよ。むずかしい答弁をする必要はない。赤城さんや坂田さんが言ったことを倉石さんは再確認しますかというのです。せぬならせぬ、するならすると言ったら、それでおしまいなんだ。それをとやかく逃げようとするから問題がややこしくなる。もう一ぺん答弁しなさい。イエスかノーかということです。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 イエスかノーかということなんですが、いまお聞きいただきましたことは、最初の分とあとの分と二つあるわけですが、あとの分ですか。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 ええ。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 先ほど申し上げましたとおり、その方向は断じて狂わないということでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 ですから、いまの答弁からいえば、当然昨年どおりではないというふうに私は理解します。それで、その善処を要求します。と同時に、断わっておきますが、二度も三度も歴代の大臣が言明し、さらにただいま大臣の代理として政務次官が言明されたことが、実際に具体化しないというような場合には、今後の法案審議について、一切われわれもそういう点を含めて今度考えるということをはっきり申し上げておきます。そういう点は間違いないようにひとつこの際受け取っておいていただきたい。これは単に保証価格の問題だけでなしに、国会における法案の審議の重要な問題であるから、特にこれまでこういうことを申し上げておるのですが、その点はとくと腹にしまい込んでおいていただいて、帰ってから倉石大臣にも十分それをお伝え願いたい。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 とくと、というお話でございますから、とくと了承はいたしますが、しかし、そのことはひとつあまりせっかちにお考えになりませんように、きょう言うてきょう、あす言うてあすというわけにはなかなかいきませんので、これが昨年三日間も御審議いただいたという経緯もございますから、したがって、その方向ということにおいて御了承をいただきたいということを申し上げておるのであって、したがって、これはなめらかなる形において、スムーズな方向において努力をいたしたいということを申し上げているのであります。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 三日もかかって結論を出したことを再確認していただいたのですから、それを間違わないようにしてください、こう言っておるのです。これは今月中にきめなければならぬ問題でしょう。あなた、来年になってもかまわない問題ではないでしょう。三月中にきめなければならぬ問題だから、そのことを言っているのです。その点をひとつ間違えないようにしてもらいたい。  それでは、そのくらいにしておきまして、次に移ります。  豚肉の問題について一つお伺いします。  これは前の畜産局長の檜垣君が当委員会で二回も、そういう努力をしているということを言ったわけなんです。現在の買い上げは、ご承知のように上肉だけです。中肉もぜひ買っていただきたい。そのほうが効果があるわけなんで、その点については、前畜産局長が、ただいま申し上げますように、二回も、そういう方向に努力する、こういうことなんですが、四十二年度においてはどういうお考えでございますか。これは一応畜産局長からお答え願います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 畜産振興事業団によります指定食肉の買い入れ対象範囲の拡大につきましては、かねてから畜産物価格審議会で検討して、昨年の同審議会におきましても、これに前向きで検討する態度が明らかになったのでありますが、その後審議会におきまして、指定食肉の省令規格に関する専門委員会をつくりまして、さらに検討をいたしたわけでございます。その検討の経過から判断をいたしますと、規格中の買い入れにつきましては、なおいろいろ問題があるということが明らかになっておるわけでございます。  その点を申し上げますると、まずいろいろ試験をやってみたわけでございます。その結果、品質保全についての試験結果によれば、上と中の開きはそれほど差がない。当時はまだかなり差があるのではなかろうかということが心配されておったわけでございますけれども、現実の試験結果から見ますと、それほどの差はないということが明らかになったわけでございますが、中を買い入れた場合にいろいろ問題があるわけでございます。その一つは、肉豚の買い入れ上悪影響を及ぼすのではないかということが依然として心配されておるわけでございます。特に最近御承知のように、F1が非常に普及してきたわけでございます。そういうことの結果、現在の規格上についても、これは再検討すべきである、むしろランドレース等の品種の普及に伴って、豚肉のあり方について、上の範囲を再検討すべきであるという意味が出てまいっておるわけであります。それから、もう一つの点は、中物の価格について、中央卸売市場における豚肉の格づけを実施し、規格別に価格が公表されるようになったのが四十年の二月でございまして、四十一年の三月中旬からは、畜産振興事業団による買い入れが始まったわけでございます。そういう関係から、上と中の価格関係が一体どうであるかということが、いままでの経験をもってすれば非常に異常な事態における経験でございまして、妥当であるのかないのかという判断が、いまの期間だけをもってはなかなか判断しにくいのではないかという点が一つございます。それから、もう一つは、中につきましては、上のものに比べまして過大なものだとか過小なものだとかいうようなもの、肉質が悪いから、いいからというようなものがあるわけでございまして、いろいろなバラエティーがあるわけでございます。その辺をどのような形で考えるべきかということにつきましても、なかなか意見がまとまらないという問題もございまして、現実問題として、事業団が現在の段階で中肉の格づけをいたしまして買うということにいたすのにはなお検討しなければならない問題がございますので、なお慎重に検討してみたいというふうに考えておるわけでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 これは、前に言ったのは、事務当局だから、ぼくは大臣言明ほど重視しているわけではないけれども、しかし、この問題は、二回も前の畜産局長は積極的な方向を出しておった。いまの局長のお話によると、ずいぶん消極的な、むしろ後退したような話だけれども、慎重もいいけれども、ほどほどに結論を出してもらわないと困ると思うのです。この点は、審議会にこういうことについても御意見を聞くような考え方はないですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 この点は、審議会自体で小委員会をつくって研究したわけでございますから、したがって、今度の審議会におきまして、小委員会から審議会の部会長に報告がされるということになるわけでございます。そこで、中の格づけの問題をどうするかということが審議会で議論されることであろうというふうに考えておるわけでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 そういたしますと、審議会として、まだわかりませんけれども、結論が出て、買い入れたほうがよいということになれば、もちろん政府としてもこれを尊重する、こういう考え方ですか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 ただいま申し上げましたように、小委員会としましては、とにかく技術的にいろいろ問題がある、したがって、これの格づけをやるということは問題であるというふうな形の意見であろうというふうに、実は私たちも参加をいたして聞いておるものですから、そういうふうに承知いたしておるわけでございます。もちろん、これは明日審議会の部会において小委員長の報告がなされると思うわけでございますけれども。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 時間もありませんから、もう一問で終わりますが、先ほど申しました政府管掌の飼料の値段の問題ですね。御承知のように、物価を安定させるということが、いまの内政面の一番大きな問題だという点が一つ。それから、酪農についていえば、経費をなるべく安くしなければならぬという生産面の問題も一つあるわけですが、政府みずから自分の飼料を上げるという考え方は、何んとしてもこれは納得できないのですが、確かに、これは量的に見ても全体の飼料の中でそうたいしたものでないというお考えもあるいはあるかもしれませんけれども、政府みずからがそういう範を示すということになりますと、これは一般のムードとしては当然値上げになってくる。いまの配合飼料の価格の状況を聞きましても、何かうまいきっかけがあれば上げたいというような一般的な状況にあるようなところに、こういうものが出てきますと、これは関連して非常に影響が大きい、こう私は思うのですが、これはまず基本的に何ぼ上げるかどうかという問題と違って、政府管掌の飼料を上げるという問題はわれわれ納得できないわけですが、特に政治家である政務次官はどういうお考えでございましょうか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 まず事務的に御答弁申し上げます。  実は、畜産の基礎資材として飼料の重要性というものはよく承知をいたしております。その価格の安定の必要性ということも当然であろうかと思うのであります。しかし、現在日本の畜産の濃厚飼料というものは、六〇%足らずが海外に依存しておる。そこで、海外の飼料価格が国内の飼料価格に非常に大きな影響を与えておるわけであります。飼料安定勘定は、全量を外国から輸入いたしまして国内に供給をいたしておるわけでございます。それによりまして、需要の安定、価格の安定をはかるという考え方になっておるわけでございますが、その政府の操作飼料の価格が著しく他の価格と比べまして安いということになりますと、需要が安いものに殺到しまして、飼料の需給の上において問題が出てくるという心配が一つはございます。国際的価格が高くなっておれば、ある程度はその国際価格に従わざるを得ないのではないかというふうに考えるわけでございます。そういう意味から、確かに価格は安いほうがいいということはございますけれども、国際的な価格として、国際的な酪農なり畜産農民がひとしくそれに基づいて畜産をやる、それに基づいて合理化をするということになっておるわけでございますので、そこで、全く国際価格とかけ離れた形で特定の飼料の操作が行なわれるということは、必ずしも妥当ではないのではないか。そこで、畜産物の価格その他飼料の価格の事情等を参酌いたしまして、妥当な価格で政府操作飼料といえどもきめざるを得ないのではなかろうか。特に、最近のように国際価格が騰貴しております事情のもとにおいてはやむを得ないのではないかというふうに、実は事務当局としては判断をいたしておるわけでございます。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 それじゃ政務次官の答弁の前にちょっと……。飼料需給安定法を見ますと、やはり需給及び価格の安定をはかり畜産の振興をはかることが目的になっておるわけです。国際価格が高いというような場合に、なるべくこれを安定させて、あまり高くしないというためにも、せめて政府で払い下げる場合はそう高くしないようにするというのも私は考え方だと思う。法律の第五条を見ますと、これはもう払い下げる場合の価格は原価によらなくてもいいと書いてあるわけですね。「畜産業の経営を安定せしめることを旨として定める。」ということが書いてあるわけですね。この法律の趣旨から見ても、いまの説明は、何かちょっと商売人が言うならわかるけれども、農林省の役人の説明にはちょっと当たらぬように思うのですが、そういう私の意見も含めて、政務次官からお答えを願いたいと思います。

草野一郎平自由民主党農林政務次官

○草野政府委員 安いにこしたことはないという言い方だけでもいかぬのじゃないか。ということは、その他のやはり前後左右両端をたたきながら、おのずから国際価格なども、ひとつの情勢判断の中におけるあり方というものは非常にこれは微妙でありまして、押えておけばいい、安ければいいというだけではいかないところに、非常にむずかしいところがあります。そこがやはりこれからの苦心のしどころだ、さように思っております。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 政務次官の話は私はどうもわからないので残念ですけれども、今度またさらにあらためて大臣においで願った機会に質問をやらしていただくことにいたしまして、きょうはこれで終わります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 関連して一つだけ局長に聞きますが、先ほどのあなたの答弁では、何か飼料を上げることが決定的なように思われるのです。そうすると、生乳の生産者価格が現状のままで据え置かれた場合、牛乳の生産量は増加すると思うか、減ると思うか、どっちか答弁願います。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 価格が変わらずに原料だけ上がれば、生産者としては苦しくなることは確かであります。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 その答弁はいかぬ。苦しくなるということじゃない。私の聞いておるのは、減ると思いますか、ふえると思いますか、この一点だけ。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 お答えいたします。ふえるという期待はあまり持てないかもしれません。

本名武自由民主党

○本名委員長 次会は来たる二十九日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会

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