内閣委員会 第30号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/07/10
会議録
○關谷委員長 これより会議を開きます。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案、並びに、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に関し、発言を求められております。これを許します。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 先般、私、六日の夜に増田防衛庁長官に非常に低姿勢でおわびを言われましたけれども、これは審議打ち切りの前提ではないでしょうなという質問を発してから、何が何だか、たいへん混乱しまして、さっぱり長官の答弁が聞き取れなかったのであります。あらためてそれに対する答弁から始めたいと思いますから、長官から御答弁願います。
○増田国務大臣 お答え申し上げます。 淡谷さんの御質問に対するお答えは、実は私はできません。それは時間という関係ではございませんで、国会の運営、委員会の運営に関することでございますから、それには答えかねておったわけでございます。
○淡谷委員 これは委員長の権限で、何か御承知されたようですが、これは別に理事会のあれもございましょうから触れませんが、増田長官としては、あそこで打ち切る、打ち切りたいという御意思はなかったのでしょうな。
○増田国務大臣 淡谷さんにお答え申し上げます。 私どもはあくまで政府委員でございまして、淡谷さんの御質問に対しましては忠実に、一生懸命お答えしておるわけでございます。
○淡谷委員 それでは御質問いたしますが、お願いしておりましたアメリカに出張しております自衛官の数に関する要求の資料はできるでございましょうか。できましたかとは聞きませんが、できますか、できませんか、お聞きしたいのであります。
○増田国務大臣 できますということを申し上げます。
○淡谷委員 これは、それでは即時御提出願えないでしょうか。
○増田国務大臣 後刻まとめて一緒に必ず提出申し上げます。
○淡谷委員 それではその御答弁は必ず守るように確認しておきます。どうもいろいろ私もその後調査いたしましたけれども、この間の御答弁も必ずしも正しくなかったらしい。アメリカに二十二名というのも、やはり狂う数らしい。ですから、結局防衛庁の経理はいままで非常にずさんでしたとか、紊乱しておりますからとか、あるいはやり直さなければいけませんとか、正直にお答え願えれば、私は別に追及しないのです。この事実はもう何と言われましてもはっきりしております。とても早急にはできがたいようなさまざまな事情もございましょうが、それはやはりそれとして、できるだけ正確な数字をお出し願いまして、その資料に基づいて、他日あらためて、この問題は追及しようと思います。 もう一問どうしても、私はこの法案に関してお聞きしておきたいのは、昭和四十年度のこの募集人員の充足率はどれくらいになっておりますか。四十一年までお聞かせ願いたいと思います。
○宍戸政府委員 昭和四十二年度を申し上げますか……。
○淡谷委員 四十年、四十一年、それから四十二年はまだですな。四十一年まででけっこうです。
○宍戸政府委員 昭和四十年度の陸上自衛隊の充足率は八六・九%でございます。四十一年度は八九・五%でございます。それから四十二年度に入りまして、ごく最近の資料がございますけれども、四十二年五月では九〇・三%、こういうふうに推移しております、(「陸上だけでなく、ほかも」と呼ぶ者あり)いまのは陸を申し上げましたが、海上自衛隊では、四十年度は九九・三%、四十一年度では九六・一%、さらに四十二年五月の一番新しい数字では九九・二%でございます。それから空では、四十年度が九八・五%、四十一年度が九六・六%、それから四十二年五月の一番新しい数字では九八・五%、以上のような数字になっております。
○淡谷委員 ここにこの間楢崎さんの要求に基づいて提出された資料がございます。四番の「四十年度募集結果の概要と四十一年度募集について」、四十一年五月三十日に出した陸上幕僚監部の募集課の書類であります。それの一ページから二ページを見ますと、「四十年度募集結果について」という「ア」、「イ」の「イ」の項に「各都道府県および市町村と協力する組織募集の推進に関して自衙隊側としては地方連絡部を指導しましたところ都道府県側からも積極的な協力を賜り募集目標の一〇〇%以上達成し得ました。」という書類が出ております。これはどうもいまの充足率と合わぬようですが、どういう御解釈ですか。
○宍戸政府委員 先ほど申し上げました数字は、各年度の定員に対する実人員の充足率を申し上げたわけです。いま御指摘になりました計画を一〇〇%達成したという文書がありますけれども、これはその年度で、海なら海、陸なら陸を何千人あるいは何万人という募集計画を立てますが、その計画に対して一〇〇%その計画どおり入ってきたという数字でございます。つまりもっと詳しく申し上げますと、陸上自衛隊でこの年度ですと二万四千九百人ばかり募集計画を立てました。それに対して一〇〇%の計画達成を見たわけですけれども、この二万四千九百人ばかり入りました結果が全体の定員に対して八九・五%程度の充足を示した、こういう結果になっておる、こういうことであります。
○淡谷委員 それじゃ定員は別段集まらなくともいいのですね。定員全部の募集計画は立てられない。今度はまたワクが乏しいのかどうか、定員をまたふやすという案が出ておるのですが、大体八六・九%で一体いいんですか。いまの定員も八六・九%まで減らしてもいいのですか、募集計画で充足率をいうならば。どうなんです。
○宍戸政府委員 年度ごとに欠員の全部を埋めたいという希望を持っているわけでございますけれども、実際の過去の実績から見まして一挙に一〇〇%までなかなか持っていけないのが残念ながら実情でございます。徐々にふやしていきたい。ただ頭数ばかりそろえるということだけでしたらあるいはできないわけでもないかもしれませんけれども、やはり質も十分考慮しなければいけないということで、八六%のところを一挙に一〇〇%に持っていきませんで、八九%まで今年度は持っていく、この次には九〇%まで持っていくというように、年度ごとに少しずつ充足率を上げる計画をしまして、それに伴う計画をし、また予算を見込んでおるわけでございます。そういうふうなことで年度で一ぺんに一〇〇%まで充足がいかなかった、少しずつ上げていった、こういう状況であります。
○淡谷委員 年度の定員というのも、防衛庁の予算の国庫債務負担行為とか継続予算が多いように、この定員の充足率も、何年かかっても、継続してもかまわないのですね。予算に準ずるというのですか。定員はその年の定員じゃないですか。四十年の定員は二年も三年も四年もかかっても充足すればいいのだという観念ならば、今度の定員の数をふやすというのは無意味じゃありませんか。過去の年度の充足率が一〇〇%までいっていない。しかし予算に準じて継続できますというならわかりますが、どうですか。
○宍戸政府委員 艦船の継続の継続という意味ではございません。その年度ごとに定員はきまっておるわけでございまして、その年度に対して充足率をかけましたものがその人員の経費になるわけでございます。充足さえ現実に可能であれば、定員どおり——これでいいますと十七万一千五百の定員どおりのものを組みたいわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、八〇数%から、退職したものを補充し、かつ従来不足しておった二万人なら二万人のものを一挙にその年度で充足することがなかなか困難ですから、現実を見まして、漸進的に充足率を上げていく、こういう計画をしておるわけでございます。
○淡谷委員 私は、実はこの間の質問ほんの入り口でああいうふうな事態が起こりましたので、ほんとの質問にはまだ入ってないのですけれども、たいへんに時間もとりまして、同僚議員の質問など残っておりますから、きょうはできるだけ短時間に終わりたいと思っておるのです。思っておりますが、いまのような御答弁じゃもう少し私は確認したいと思うのです。 そうなってきますと、定員というものと募集目標というものは二本立てになっておるものと思わなければならない、四十年の定員と募集目標の関係、四十一年の定員と募集目標の関係、四十二年の定員と募集目標の関係、これをはっきり出していただきたい。
○宍戸政府委員 四十二年度を申し上げますが……。
○淡谷委員 四十年から言ってください、私が問題にしておりますのは四十年、四十一年を問題にしておるのですから、そこから言ってください。
○宍戸政府委員 四十年度から申し上げます。四十年度の採用計画が三万三千三百二十五人でございまして……。
○淡谷委員 議事進行でちょっと。採用目標ということばをあなたは新しく出されていますね。私の聞きたいのは定員とそれから——採用目標ということをさっきあなたは言いましたが、そういうようにことばが違ってきますと、これは違うのかどうか質問しなければなりませんから、私は時間を非常に短かくして楢崎委員に送りたいのですから、あとで疑問が出ないようにはっきり……。
○宍戸政府委員 四十年度を申し上げますと、陸上自衛隊で二万二千八人採用でございます。それから海上自衛隊で四千四百四十一人採用でございます。航空自衛隊で四千三百十一人、合計いたしまして三万七百六十人採用いたしました。それから定員を申し上げますと、陸上自衛隊では十七万一千五百人でございます。それから海上自衛隊では三万四千九百六十三人でございます。航空自衛隊では三万九千五百五十三人でございます。 それから四十一年度でございますが、定員は、いま申し上げたのと同じでございます。採用いたしました数は、陸上自衛隊で二万二千二百九十人でございます。それから海上自衛隊で千八百五十三人でございます。航空自衛隊で三千百八十五人、合計いたしまして、二万七千三百二十八人でございます。 四十年度と四十一年度は以上のような数字でございます。
○淡谷委員 そこで採用と定員はわかりましたが、さっきおっしゃった募集目標は、どれくらいなんですか。
○宍戸政府委員 四十年度におきまして募集目標は、陸上自衛隊で二万二千人でございました。海上自衛隊で四千百五十人でございます。航空自衛隊で四千百七十五人でございます。合計いたしまして三万三百二十五人でございます。 それから四十一年度では、陸上で二万二千二百人でございます。海上で千八百三十五人でございます。航空で三千二百五十人でございます。いたしまして二万七千二百八十五人、以上のような数字でございます。
○淡谷委員 そうしますと、現在、四十年度、四十一年度、四十二年度まで入れまして、これは定員と、それから採用した人がありますが、その差はどのくらいになるのですか。つまり充足率になりますがね。さっきの充足率は年度に別々に話されておったわけでしょう。年度に別々に話されておって、この採用の形を見ますと、年度を越えて四十年度、四十一年度に充足するらしいですね。そうじゃないのですか。四十年度は四十年度だけの採用で充足しておるのじゃないでしょう。四十年度は一応打ち切るから、八六・九というような数字が出てくる。それを四十一年度また足していくのでしょう。そうすると、この報告されました数字というのは、年を越してどんどん変わっていきますね。そうでしょう。継続予算と大体同じような形じゃないですか。年度の不足は年度の不足として出すのがほんとうなんです。四十年度の不足は四十一年度に繰り越しているわけですね。そうじゃないですか。四十年度の不足分は幾ら、四十一年度の不足分は幾らというものが出てこなければいけない。のみ込めましたか。充足率はその年度で打ち切って率をきめるのか。四十年度の充足率は八六・九と申しましたが、あなたの御説明では、四十一年になると、またこの充足率は変わってきますね。そんなことはないんじゃないですか、ほんとうは、たとえば四十二年度の募集は、四十年度分で幾ら、四十一年度分で幾らというふうに、年度がはっきりきまって充足しなければ、意味がないのじゃないですか。
○宍戸政府委員 御質問の御趣旨がちょっとのみ込めないので、あるいは答弁が多少……。
○淡谷委員 それではもう一ぺん申し上げます、時間をとりますから。私の言うのは、四十年度が充足率が八六・九という数字が陸の場合出ておりますね。八六・九というこの充足率は、定員に対する充足率でしょう。ですから、四十年度八六・九となってくれば、この充足率に達しない欠員が出てきますね。その欠員がまた全部の定員の中にあるわけですから、四十一年度は前年度の欠員と四十一年度の募集人員の定員と一緒にして出てくるでしょう。出てこないのですか。それはどうなんです。四十年度は四十年度でちゃんときめるのですか。
○宍戸政府委員 たとえば四十年度で申し上げました八六・九という充足率は、これは年間平均の充足率でございますけれども、時々刻々変わりまして、その月は八七になったり、その次の月では八八であったり、上下いたしますが、年間を平均いたしますと八六・九という充足率を示した、こういうことを申し上げたわけであります。それが四十一年度になりますと、三月から四月になりますと、その四十一年度では、その充足率をさらに上げるために、さっきのような募集をいたしますが、同時に、その一年間にやめる人もありますから、やめる人を補足しながら、同時にいままでの固まっておった欠員をさらに埋めるという両方の募集をやるわけでございます。やめた人を埋め、かつ従来の欠員をさらに埋めましたので、四十一年度の充足率は平均いたしますと八八・八になりまして、前年度よりはやめた人を埋め、かついままでの欠員を二%ばかり埋めるほどたくさんとった、こういうことになるわけでございます。
○淡谷委員 そうしますと、四十一年度になってきますと、四十年度の充足率というのは、また変わってきますね。変わるでしょう。変わりませんか。四十年度の欠員を四十一年度に募集するでしょう。そうじゃないですか。そうしますと、四十一年度で四十年度分の欠員を補充していけば、これは変わるのじゃないですか。私は補充すべきじゃないと思うんですがね。四十一年度はあらためて定員を募集人員で充足率を出すべきものだと思うのだが、これはどうですか。
○宍戸政府委員 定員と充足との関係は先ほども申し上げたとおりでございまして、四十年度の充足八六・九で、ある程度欠員がございます。それが四十一年度のときにはそれだけまた欠員もあるわけで、かつ四十一年度中にやめる人もおるわけで、そのやめる人とそれから前の欠員と両方埋めるために採用計画を立て採用するわけでございますが、全部を埋められませんで、平均して二%程度充足が上がったというふうなことでございますけれども……。
○淡谷委員 それがまあほんとうでしょう。そうなりますと、この通達はどうも私はすっかりのみ込めないのです。さっきから言っているとおり、この目標というものはさっぱりいまの御答弁に示されていないのです。残っているのです。これ以上私はもう質問はやめます。長官、長官にはっきり申し上げますが、このふうでいくと、また一問、一問ごとにまたこういう計算が出てきますから……。要求しておりました資料をできるだけ早く私は出してもらいたい。その資料と突き合わせまして、席を改めてじっくりこの問題と取っ組んでみます。その場合、私は譲りません。今度はまあいろいろ打ち合わせが理事会でなされたそうでございますから、次のバッターに譲りますがね。ただ、こういう、はなはだだらしのない、理屈に合わぬ形の中で定員だけのワクをふやそうなんということは絶対に私は承服ができない。これは長官もそうだろうと思うのです。御答弁は要りませんが、私の質疑応答の中に聡明なる増田防衛庁長官はもう覚悟をきめられただろうと思いますから、そのことを申し上げまして、私の質問はこの次の機会まで保留いたします。
○關谷委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 あとのほうで時間も限られておりますから、大臣、なるたけ、皆さんやっていらっしゃるから、私はこぼれたところを拾っていくつもりでやりますから、重複しないようにやりたいのですけれども、若干重複することもこれはやむを得ないと思いますが、ひとつ時間をとらないように、実のある答弁をしていただきたいと思います。 そこで、私が資料要求しました中に、二つ資料が出ていないのです。一つのほうは別として、もう一つの市町村自衛官募集事務処理要綱、これが出ていないのですが、これはなぜ出ていないのですか。
○宍戸政府委員 先日御要求のありました募集関係の通達類、文書類を全部調べてみまして、正規な書類として発刊いたしましたものは、せんだってお手元に御提出いたしました。御指摘の市町村云々の書類は、調べましたけれども、そういう文書はございませんでしたので、正規な文書ではないと思います。われわれのほうにはそういう文書はございませんでした。そういう事情でございます。
○楢崎委員 あなた方からいただいております資料の中で、資料の3ですね、ナンバー3です。昭和四十一年度募集事務地方公共団体委託費について(通知)、この中の五のところにあなた方は以下の提出書類の提出を求めておるでしょう。市町村に対して求めておるでしょう。その中にあるはずです。求めてないのですか。この中にあるはずですよ。四十年度——四十一年度はさておいて、四十年度の、この提出書類のうちの五のところの、昭和四十年度市町村分募集事務委託費配分額表、それからその前に三のところには、昭和四十一年度重点市町村募集事務計画、当然これは報告がいっているはずですよ。提出を求めていらっしゃるから……。やっていないですか。
○宍戸政府委員 いま御指摘の資料の3の提出書類の一、二、三、四、五とございます。このことでございましたら、これは都道府県から報告が来ております。ただせんだっての御要求の書類は、四十一年六月十四日、自衛官募集事務事業計画というふうに伺ったものですから、その書類は見つからなかった、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○楢崎委員 私は、市町村自衛官募集事務処理要綱、これを要求しておりますよ。要求しておるが、特にこれはどこにあるかわからぬというような顔をされたから、滋賀県でも愛知県でもちゃんと方面総監部からその準則が出されておる、そこまで私は言っておるのです。それに基づいて市町村はつくっておるのです。そういうことはこの提出書類の三の中の募集事務計画の中に入っておるはずです。入っておらなかったら入ってないでいいですよ。こんなことで私は時間をとるつもりはないから、当然入っておるので、いま私の質問が終わるまでに、これは淡谷さんの資料要求と違って、倉庫に眠っておるはずはないから、またインチキの数字で計算が合わぬはずはないから、これはすぐ取り寄せてください。そうしないとこれは重要な、いまかかっておる定員を充足するための、いかに充足するか、その募集計画に関係があるから、本法案の審議の重大なこれは一つのポイントです。だからそれを私は待ちますから、すぐその市町村自衛官募集事務処理要綱なるものを取り寄せてください。いいですね。それじゃ時間がないから質問に入ります。 まず一番ですね。——いいですか、さらっと先に行こうと思っているのに、来ておるはずです。この中に入っておるのです。もし入ってなかったら、私はそれを問題にするから、とにかくさがしてください。なければないでいいから、どうしてないかだけ言ってもらえばいいのです。質問を続けます。
○關谷委員長 答弁がありますか。人事局長。
○宍戸政府委員 御趣旨はわかりました。この提出書類の一の、四十一年度都道府県募集事務計画、これでございましたら府県から来ているはずでございますけれども、調べまして御提出いたします。
○楢崎委員 来ておらなくちゃおかしいです。すぐ調べてください。 それでは、プロパーの質問に入ります。 まず、基地関係から質問に入ります。板付基地から入りたいと思います。 新田原の航空自衛隊の基地が、今年滑走路を修理することになりました。そこで、その新田原基地の滑走路の改修の工事予定を簡単に説明いただきます。
○鈴木(昇)政府委員 新田原の飛行場は、御承知のように二千七百メートルの延長を持っておるわけでございますが、この飛行場の滑走路が相当にいたんでまいりましたので、一部の滑走路の両端四百五十メートルずつにつきましては、コンクリートをやり直すという工事をいたします。そしてさらに、現在の滑走路は全部にわたりまして十五センチの厚さになっておるわけでございますけれども、その両端の四百五十メートルにつきましては、今回の修理で二十センチの厚さのも一のにする。なおその以外の中央部分につきましては、十五センチの現在のコンクリート滑走路の上に十センチのアスファルトのオーバーレイをするということがこの内容でございます。そしてただいまの計画では、本年の十月一日から約八十日間の工期をもちまして、この工事を完成いたしたいという計画でございます。
○楢崎委員 いま新田原に所在しておる部隊の名称、それから置いておる飛行機の種類、数をお願いします。
○島田(豊)政府委員 新田原に航空自衛隊の第五航空団がございまして、航空団の定員は千三百九十八名、航空機は全体で四十九機ありまして、そのうちにF104Jが三十八機、104DJ、これは練習機でございますが、五機、T33Aが六機、以上でございます。
○楢崎委員 大体新田原の基地はF104がくることはわかっておるのに、その発着に耐え切らぬような滑走路の工事をやっておるのがけしからぬですよ。それは初めから計算すればわかっておる。いまごろいたんだからというて、それにまた上増ししてコンクリートを直すなんというのは、国民の税金のむだ使いですよ。しかし、それはさておきまして、そうすると、十月から始まる工事の期間中約三カ月間、この第五航空隊はどうなるのです。
○島田(豊)政府委員 第五航空団は現在二個飛行隊ございまして、一個飛行隊は実動部隊でございまして、スクランブルと申しますか、警戒待機をやっておるわけであります。もう一個飛行隊は86F、86Dから104に転換いたします場合のいわゆる操縦者の転換教育と申しますか、訓練をやっておるわけでございまして、これが十月から滑走路がクローズいたしました場合に、どういう影響があるかと申しますと、一つは平生やっておりますところの訓練、これがやれなくなるということ、もう一つは警戒待機いわゆる対領空侵犯措置がこの場所においては講ぜられなくなるという問題でございます。これが長期的な問題でございましたら、ある程度根本的に考える必要がございますけれども、工事期間中の閉鎖ということでございますので、いろいろ便法を考えているわけでございますが、まだ現在、十月からの問題でございますので、これをどういうふうにするかということはわれわれのところで検討いたしておる、こういう段階でございます。ただ少なくとも警戒待機——これは同じ西部地区でございます。西部地区には、このほかには築城に航空隊がございますけれども、これはF86Fが待機をいたしておるところでございますし、滑走路が、先ほどの新田原の場合は二千七百メートル、築城の場合は二千四百メートルということでございますので、104の発着には安全上若干の問題があるというふうに考えられますので、少なくとも警戒待機につきましては、これは九州の西部地区でやりたいというふうに考えておりますけれども、そういう問題を含めまして現在なお検討中である、こういうことでございます。
○楢崎委員 そのくらいの答弁だったら、私、聞かなくても知っておりますよ。いま実践部隊と相談なさっていらっしゃるのでしょうけれども、大体何機移す必要がある、そうしてそれには人員はどれくらい付属していく必要がある、それから、もしその飛行隊が移るとしたら、その期間、三カ月移るとしたら、移ったところではどういう任務をやる、そのくらい言ってもいいでしょう。
○島田(豊)政府委員 航空機F104Jを移動いたします場合に、一応われわれの現在の要望と申しますか、計画といたしましては、二十機程度を持っていきたい。これによりまして警戒待機を行ないますと同時に、教官を含めましての既存のパイロットの訓練——適格の資格を持っておりますけれども、この資格の技量を維持していく、あるいは教育訓練中のパイロットを一人前のパイロットに養成をしていく、こういう訓練が行なわれなければならないわけでございます。 そこで、これはまだ現在検討中でございますので明確なことは申し上げられませんけれども、少なくとも警戒待機には六機が必要じゃないかというふうに考えておりますし、それからこれはパイロットのみならず、地上の航空機の整備員も必要といたしますので、これを移動する場合には三百五十名から四百名程度はこれを移動する必要があるというふうに考えているわけでございます。
○楢崎委員 そこで、もう時間を省いて、西部関係で滑走路の長さから考えると、新田原が二千七百、築城は二千四百、板付は三千、そうすると、いまの板付の状態は、米軍の補給基地あるいはレデュースという英語を使われましたが、実戦機はいないわけです。あなた方としては、板付に移すのが一番理想的と考えていらっしゃるのですか、できれば。
○島田(豊)政府委員 できれば、板付が最もかっこうの場所であるというふうに考えております。
○楢崎委員 そこで、もし板付に移る場合は、板付は米軍の基地ですから、いわゆる米軍の管理権の範囲内で板付に移るつもりですか、それとも別の方法を考えておられるのですか。
○小幡政府委員 もし板付へ移ることが本ぎまりになりますれば、合同委員会に出しまして、明白に共同使用にいたしまして、臨時の期間であることを明示して決定したいと思っております。
○楢崎委員 法の関係からいったらどういうことになりますか。
○小幡政府委員 地位協定の二条四項でございます。合同委員会の協議の確認を経て、さらに正式の共同使用の決定をするわけでございます。
○楢崎委員 そうしますと、その三百五十人なり四百人が板付に来る場合に、それを収容する設備はどう考えておられますか。
○鈴木(昇)政府委員 もしかりに新田原の要員が板付に参りまして米軍の施設を使うということでございますれば、両国間の手続といたしましては、ただいま防衛施設庁長官の御説明のように、二条四項のaによって処理をするという考えでございまして、その際に使用する建物、工作物等を記載いたしまして、これを共同使用するという形になることと思います。
○楢崎委員 説明を要領よく簡単にしてください。いまある米軍の施設で事足りる、そういうことですか。
○鈴木(昇)政府委員 さようでございます。
○楢崎委員 それでは滑走路は板付の米軍の滑走路を使う、移駐する隊員は米軍の施設に収容される、そういうことでいいですね。
○鈴木(昇)政府委員 さようでございます。
○楢崎委員 それではその際に、福岡市としては市民あげて、自民党の市長、自民党の市議会議長も先頭に立って移転促進協議会をつくっているわけですね。そこで米軍がいなくなったので、だいぶ静かになりました、これがまた三カ月でも約二十機程度のスクランブルと、それからパイロットの訓練用飛行機が来ることになります。どういう訓練の状況になるか知りませんが、運輸省の航空局にお尋ねいたしますけれども、あそこは国際線も入っておるし、民間航空も、いま言いました管理権の範囲内から脱して新しく地位協定の二条をもって共同使用という日米合同委員会の議を経た使用の状態になっておる。もしこのような移駐が三カ月間行なわれるとするならば、その間この種の民間航空との関係の調整は一体どうなるのでありましょうか。運輸省の航空局のほうからお聞きをしたいと思います。
○澤政府委員 新田原の防衛庁の飛行機が板付に来ることにつきましては、防衛庁のほうからまだ正式の御相談がございませんので、どのような形態で板付を御使用になるかわかりませんが、板付に来るということを御決定になれば、当然運輸省のほうと御相談になって、現在の民間の定期の飛行機の発着に支障のないような御使用をなさると思います。そのように考えております。
○楢崎委員 これはいまの施設庁長官のお話によると、日米合同委員会にかけるという話ですが、大体いつごろ合同委員会にかけ、いつごろ地元に御相談があるという段取りになるのでありましょうか。
○小幡政府委員 いまのもくろみでは、十月一日から工事をやるという段取りになっておりますので、その前にかけたいと思っております。
○楢崎委員 その前にやることはわかっておるじゃないか。それをいつごろですかと聞いておるのですよ。いまから言えば、七月、八月、九月、十月と、十月にかかるとだめですから、七月、八月、九月とありましょうが。何度も聞かぬでいいようにしてください。
○小幡政府委員 これは早いほうがいいのですが、まだ、機数その他の問題がきまりまして、ある種の検討した結果になりますので、八月の中旬以降になるかと思います。
○楢崎委員 その際には、当然福岡市に御相談があると思いますが、十分福岡市と了解がつかなくては、いままでの経過もありますから、これはなかなかできないと思うのです。それで、福岡市民の了解なしにこの移駐は行なわれないと理解しておってよろしゅうございますか。
○小幡政府委員 今度のやつは臨時の駐留でございますので、ぜひひとつ福岡の市長はじめ皆さんの御理解を得て実現したいと思っております。
○楢崎委員 この点は私どももかねてから、米軍がいなくなったら板付は自衛隊の基地になるのではないかという心配をみんな一様に持っております。今度はたまたま三カ月間の移駐ですけれども、一ぺんあそこの板付基地が自衛隊の実戦機の訓練を経るならば、いついかなるときでも、直ちに板付が使えるという実績ができることは当然であります。そういう点から非常に将来を心配しておりますから、十分福岡市と御相談になって、納得のいく結論を出していただきたい、このように思うわけであります。もちろん私は反対であります。 それでは、次に新島に移りたいのですが、せんだって鈴切さんから、るる非常にりっぱな質問がありました。私は敬服して聞いておりましたが、私も先週新島に調査に参りました。そこで、鈴切さんの質問で十分とは思いますけれども、なお抜けておると私が思われる点を補足して質問いたしたいと思います。 そこで、大臣にお伺いしますが、せんだってもお答えになっておりましたけれども、この点は確認をしたいと思うのですけれども、水戸は射爆場として不適当である、したがって廃止する必要がある、そういう認定のもとにあのような相談が昨年六月米軍との間にあったわけですね。そこで大臣に確認したいのですが、水戸の射爆場は不適当であり、廃止する必要がある、そう政府は思っておられると確認してよろしゅうございますか。
○増田国務大臣 楢崎さんにお答え申し上げます。 そうお考えくだすってけっこうでございます。
○楢崎委員 そうすると、新島がだめになったときは、しばらくの間——水戸は廃止しなければいかぬとおっしゃったのだから、新島がだめなら、いままでどおり水戸を使わしてもらおうということにはなりませんね。そうですね。
○増田国務大臣 お答え申し上げます。 新島の皆さまのコンセンサスを得て、しかも五分の一くらいの地域でございますから、ぜひとも御同意を得まして、そして新島のほうに移りたい。そういたしまして、水戸の射爆場を廃止いたしたい、こう考えております。
○楢崎委員 では、それは質問が早過ぎましたから、もう一ぺん最後にお伺いをします。 そこで、現在試射場がありますが、せんだっての話では、射爆場がもしできた場合には、射爆場と試射場はできれば併存したい、そのできれば、がちょっとひっかかるのです。絶対にこれは併存をするという考えのもとに進めておられますか。
○小幡政府委員 先日も申し上げましたように、ただいま米軍と折衝中でございますので、最終的な決定には至っておりませんけれども、私のほうの主張といたしましては、土木的に検討いたしまして両者の併存は可能であろうという結論を出しております。その主張を主張したいと思います。
○楢崎委員 そうすると、試射場二十七万坪は現在ある。射爆場として必要な面積は水戸の六分の一ですか、ということで六十万坪必要である。そうすると、その六十万坪は、現在の試射場の二十七万坪のほかに六十万坪ということになるわけですね。
○小幡政府委員 二十七万坪プラスアルファで合計六十万坪、こういうことでございます。
○楢崎委員 おかしいじゃないか。二十七万坪の試射場はそのまま試射場として残すというのでしょう。そうして射爆場に必要なのは六十万坪とおっしゃる。そうすると、六十万坪の中に二十七万坪は含まれるということになると、どういうことですか。
○小幡政府委員 つまり、射爆場と試射場と併用する部分があるわけでございます。御承知のようにこの射爆場は、もしあそこに移転いたしましても、試射場のほうは一年に一週間くらいしかやらぬわけです。これくらいのものは米側と話しまして、一週間試射をやめてくれといえば済む問題ですから、十分その同じ場所でやれる、こういう前提でございます。
○楢崎委員 そうすると、射爆場をつくる場合に、試射場の一部が射爆場の用途に使われるということですか。
○小幡政府委員 同じ地域を試射場にも使い、射爆場が主として使用する、こういうかっこうになります。
○楢崎委員 試射場はいままである、その使用する期間は短いので、使用していないときは射爆場として使用するのが大部分であるということでありますか。そうですか。
○小幡政府委員 そうです。
○楢崎委員 いま確認がありました。そうすると、せんだっての試射場の御相談のときに新島と協定を結ばれておりますね。この九条件のうちの第二項にこれは抵触する。当然抵触すると新島の人は言っていらっしゃる。私もいまの答弁で聞くと、そうなると思うんですね。これはこの協定に反するではないか、私もそう思うのですが、どうでしょう。
○小幡政府委員 この点は前も申しましたとおり、全然新しい問題として、白紙から全面的に——前の協定との関係もございますから、全部新しい問題として新島と御相談したい、こう申し上げておるのでございます。
○楢崎委員 そうすると、せんだっての協定は一応御破算にする、そうして新しく、こういうわけですね。
○小幡政府委員 前の協定は、いわゆる試射場というものについてのこまかな協定になっておるわけでございます。今度は全然次元の違うものでございますから、全然新しい立場から御相談申し上げる、こういう現状になっております。
○楢崎委員 あの試射場を転用しないという協定は、このようなことがあることを予想して島民はあの協定の中へこの問題を持ち込んだのです。それを、射爆場は全然別の問題だから、あれはあれとして御相談するなんということは全くごまかしです。そういうことは通りませんよ。これは通りません。それはいまから相談なされましょうが、私は通らないと思います。 そこで、飛行場をつくるとおっしゃいますね。その飛行場は、せんだっての大臣の説明からいくと、射爆をやる飛行機がそこに発着するようなことを大臣はおっしゃったのですが、そういう飛行場をつくるのですか。大臣、大臣がこの前そうおっしゃったんだ。
○増田国務大臣 補給する軽飛行機だそうでございまして、厚木、横田におるような相当のランウエーを必要とするものでないと思います。きわめて短い滑走路なそうでございます。
○楢崎委員 そうすると、せんだっての大臣の答弁は、あれは間違いであったわけですね。
○増田国務大臣 間違いでありました。
○楢崎委員 そこで、補給、連絡等のための飛行場の大体必要面積はどの程度と踏んでありますか。これはもうわかっておると思います。
○小幡政府委員 滑走路は千三百メートル、大体それに見合う最小限の面積であります。
○楢崎委員 そうすると、現在あそこで農耕しておりますね、豚なんか飼って。あそこの旧飛行場を大体中心に考えていらっしゃるのですか、場所は。
○小幡政府委員 白紙で選べば、おそらくそのほうがいいと思いますけれども、いろいろ島内の事情もございますので、この点につきましては、私たちは、折衝の過程におきまして島にまかそうと思っています。
○楢崎委員 それから、他県との関係で利害が非常に起こってくる問題は、漁業権、漁業の問題であります。そこで、島への誤爆とか、そういった被害を少なくしようと思えば、要る面積はきまっておるのですから、島へ被害を及ぼすまいと思えば当然海のほうに行く、そうでしょう。だから、海のほうの漁業の制限区域というものは、したがってふえてくる、これを心配しておるのです。大体もうわかっておると思うのですが、この前は何か、どのくらいの必要面積を考えておるかと鈴切さんが聞いたら、ともかく、いま言えませんが、短形を考えています、そういう答弁では私は納得しません。もう少し、どのくらいの制限水域を考えておられるか、もし島に被害が及ばないように設定するとすればどれくらいの制限水域を考えておられるか、明らかにしてもらいたい。
○小幡政府委員 この点は楢崎さんのおっしゃるとおり、セーフティゾーンを海にとる関係上、海洋の制限区域が広がることは確かでございます。ただしかし、現在交渉中でございますので、こういう問題は十数県の府県に関係しておりますから、簡単に申し上げていろいろ問題を起こすこともありますので、決定的なところは御容赦願いたいのでございますが、せっかくの御質問でございますので、まあ、言える範囲を申しますと、現在水戸では七十五平方キロの制限海域があるわけです。これに、今度陸地が非常に狭くなりますから、相当の面積が加わるであろうということは予想されます。それにつきまして米側はある一定の面積を提案しておりますが、私のほうは、できるだけその加わる部分を減らしたいというので、現在ときおり飛行機を飛ばしまして、実際の実験をやった上でこちらの主張を固めたいと思って努力しておるところであります。
○楢崎委員 したがって、実際にどうなるかわからぬ、それは私も了承します。米軍はどの程度要求しておるのですか。それは言えるでしょう。実際きまるのは別として。
○小幡政府委員 これも交渉途上の数字でございますので、まだ、いろいろ米軍の主張を申し上げて誤解等があってもいけませんので、ひとつ御容赦願いたいと思います。
○楢崎委員 これは非常に関心のあるところですから、実際にどうきまるかはいいです、別として、こういう要求があるけれども、これを少なくしたいと努力しておる、それはわかってくれると思うのです。だから、米軍はこのくらい要求しておるけれどもという、そこは言っていいじゃないですか。これは非常に関心の深いところです。ポイントの一つです。
○小幡政府委員 先ほど申しましたようなわけで、小なりといえども外交交渉なものですから、ひとつその内容だけは御容赦をお願いしたいと思います。
○楢崎委員 時間に制限なくやらしていただくのだったらこれは容赦せぬのですけれども、しかし、まあ、しようがないです。 言うまいと思っておりましたが、大事な点ですから、一言だけ言っておきます。 試射場をつくるときにあなた方は報償費を出されました。この報償費の問題は、昨年私は、福岡県におけるナイキアジャックスの設置に関する竜作戦について不当な取り扱いを国会で指摘をいたしました。私は、どのような報償費の使い方をしたか、ここにデーターを持っております。しかし、鈴切さんもやめられました。私も内容についてはやめます。なぜやめるかというと、審議の時間がきめられておるからです。だから、これを私は残します。それと、いま一点、これを出せば島内にいろいろな疑心暗鬼がまた出てまいります。今度の射爆場問題について。だから、今度はあのような使い方をなさらぬであろう、それを確信するがゆえに、私は、事あるときまでこれはとっておきます。したがって、今度の射爆場の問題について、試射場のときのような報償費の使い方は絶対しない、それを約束してください。
○大村政府委員 経理の関係でございますから、私から答弁さしていただきます。 報償費の執行につきましては、その本来の性格なり内容から申しまして、特に厳正を要するものでございますので、十分御注意も伺いまして、今後とも注意してまいりたいと思います。
○楢崎委員 それでは、これは大問題ですけれども、保留しておきます。 次は砂川に移ります。昭和三十年、三十一年、砂川でほんとうに国民同士が血を流す争いがありました。そしてまた、今年末から来年にかけて再びそのことが予想されるのです。私はそういう心配を持っておるのです。立川の飛行場は御承知のとおり、いまベトナムから戦傷者や戦病者がどんどん入ってきております。そして、日本の近辺にある米軍の病院に入れられております。一番心配するのは、東京都議会でも問題になっておったようですが、伝染病患者がその中に含まれているということであります。したがって、これは地位協定から、日本にそのことについての処理をする権限がないようになっておる。しかし、これはほっておけない問題であります。 厚生省にお伺いをいたしますが、この問題についてどのような対策を厚生省はおとりになっておるか。簡単に、どういう状態のその種の伝染病患者が入ってきておるか、把握されておれば、それを説明し、あわせて対策を説明していただきたいと思います。
○中原政府委員 伝染病の上におきまして、この防疫の観点から見ますると、大きく分けて二種類に分けられるわけでございます。一つは、いわゆる検疫伝染病、それからもう一つが、一般の伝染病ということになるわけでございます。検疫伝染病は、その種類が六種類ありまして、これはたとえばコレラとかペストだとか、そういうような六種ございます。これは万国共通に、その検疫の対象としてこれを検疫伝染病と俗称いたしております。これの国内侵入につきましては、一般的には検疫所のあるところの海空港におきまして検疫をいたしておりまして、異状がなければ、ここで通させる形をとっております。ただ、直接基地内にいわゆる米軍が入った場合につきましては、その基地内における米軍の検疫官が検疫を行ない、異状がなければそこで許可書を出すという形をとっております。ただし、米軍といえども、日本の正式な検疫官がいる海空港に入ってきたという場合につきましては、日本側が検疫をやっております。現在まで、いわゆる検疫伝染病につきましては、報告は——報告というよりも、入っておりませんです。 それから、他の一般の伝染病につきましては、これはその基地のあるところ、あるいはたとえば病院というものの衛生担当者が、日本のその地域を管轄する保健所との間におきまして伝染病の情報の交換を行ないまして、そして相互に、お互いの衛生状況というものにつきましてふだんから注意をしておるというような取りきめをいたしておるわけでございます。一般の伝染病につきましては、これは日本の国内にも普通にはたくさんあるわけでありますが、集団発生というような場合になりますと、そこで特別の措置をしなければならないというようなことにもなります。したがいまして、そういうことになりますと、日本側のいわゆる保健所と、そこの米軍の施設と協議をいたしまして、防疫に協力をして、伝染病の伝播防止をはかるというような形になっております。
○楢崎委員 私が聞いておるのは、ベトナム戦争が始まって、患者が来てますね。米軍とその種のことについては報告なり、あるいは話し合いが当然できると思うのですが、それで伝染病関係の患者がどのくらい入ってきておるかという、伝染病の種類別のデータがわかっておれば御説明をいただきたい。もし、あるけれども、いま手元にないというなら、そう答弁してください。
○中原政府委員 いま手元に正確な数字はございません。私ども承知しているところにおきましては、いわゆるこの情報交換の中に定められておる中には、おもに見つかるのはマラリアあるいは水痘、そういうものでございます。
○楢崎委員 そうしますと、そのデータは、いまないが、お帰りになればわかるということのようですから、ひとつ資料としてそれを当委員会にできるだけ早く出していただきたい。
○中原政府委員 このデータのとり方は、いわゆる週報で、保健所長とその地区の軍の者と交換をしている形になっておりまして、厚生省に対しましては、特別の異状がない限りには、半年報という形の報告をとっております。したがいまして、若干時間がかかると思います。
○楢崎委員 きょうじゅうに出せと言っているのじゃないんです、できるだけ早く出してくださいと言っておるのです。出せるかどうかというだけでいいんです。
○中原政府委員 よろしゅうございます。
○楢崎委員 それでは、この問題については、資料が来てから、私はまた機会を得て質問したいと思いますので、保留をしておきます。もうお帰りになってよろしゅうございます。 いま砂川の問題は、昭和三十九年四月二十七日に第一回の収用委員会が開かれて、現在まで十三回開かれております。板付の問題の収用委員会で論議があったように、土地収用法でつくられた土地収用委員会が、はたして特別措置法関係の問題を審議し得るやいなや、この審議権の問題が非常に議論になっておると思うのです。しかし、いまの国際情勢から考えると、あなた方は、そういつまでもほっておけないと思っておられると思うのです。大体あなた方の希望するめどとしては、この収用委員会の裁決をどの時点ごろまでに出してもらいたいと思っていらっしゃるのですか。できるだけ早くじゃ済みませんよ。大体のところを……。
○小幡政府委員 やはりできるだけ早くを希望しておりますが、おっしゃいましたようにいろいろ問題点がありますので、その先行きは不明なのが実情でございます。したがいまして、それはそれとして買収交渉をやっておるというような現状でございます。
○楢崎委員 できるだけ早くということで、特にいつごろまでということは考えていらっしゃらないということですね。——いまうなずかれましたから、そうだと思うのです。 それでは、拡張のほかに航空障害の制限地域の問題もありますね。その航空障害の制限地域は一体どうなさるおつもりでございますか。
○鐘江政府委員 航空障害制限地域につきましても、現在地元の皆さまと話し合いの上に逐次買収を進めておりますが、これもなるべく早い機会に所要の面積を取得したい、かように考えております。
○楢崎委員 そうすると、やはりその地域もできれば買収したいのでしょうが、できなければ収用委員会にかけるというお考えですね。
○鐘江政府委員 御承知のとおり、拡張地域につきましてはすでに収用委員会にかけておりますけれども、航空障害制限区域につきましては、あくまでも話し合いによって土地を取得したい、かように考えております。
○楢崎委員 それでは、現在のすでに買収された用地の管理状態はどのようになっておりますか、簡単に御説明を願いたい。
○鐘江政府委員 いままで買収いたした面積を参考までに申し上げますと、拡張予定地、これが九万五千百十九平米、それから航空障害制限区域が四万九千二百七十平米で、合計約十四万四千平米と相なっております。一般に私どもが土地を買収した際には、国有地と民有地の境界をはっきりするためにくいを打つ、あるいはフェンスを張りめぐらすという方法をとっておりますが、ここの立川地区の買収につきましては、買収に応じない方が相当おられますので、国有地の買収状況は、いわばまだら買いの状況になっておるというのが実情でございます。したがいまして、まだら買いになると、すでに買収した国有地につきましてやたらにフェンスをめぐらしますと、そういう皆さまが袋路になってしまうというような関係もございまして、まだそういう措置は具体的には講じておりませんが、そういう地区内でのそういうところにつきましては、なるべく早い機会に民有地と国有地の境がはっきりするように何らかの措置を講じたい、かように存じております。
○楢崎委員 そうすると、私も現地に何回も視察に行きましたが、すでに買収されておる土地でも、地元の人が遊ばしておくのはもったいないというので農耕をされております。そのような、現在既買収地で農耕しておるこの状態をあなた方はやめさせて何らかの措置をしようと考えておられると聞いておりますが、そういう考えがあるのかどうか、そしてまた、あればいつごろまでそういう措置をしたいと考えておられるのかお伺いします。
○鐘江政府委員 ただいまお話のありました、すでに買収した国有地を不法耕作している人がおるということでございますが、現在判明いたしましたところでは約二十九名の方が不法耕作をやっておるようでございます。坪数も相当の坪数でございますが、これは実情を調べますと、先ほど申しましたように、境界がはっきりしないから自然国有地が侵食されるといいますか、そういうようなかっこうで、結果的には不法耕作されておるという状況のものもございます。したがいまして、私のほうといたしましては、国有財産の管理上これは困るということで、再三、そういう皆さまに、ひとつこういったことは、国有地ですから、耕作をやめていただけませんかということをお話しいたしております。 なお、この不法耕作をやめさせるということにつきましては、先ほども申しましたとおり、くいを打つなり、あるいはフェンスを張るなり、そういうような措置をいたしたいと思いますが、そういうことをいたしますと、先ほどの袋路というような面の関係もございますので、そういった点を十分検討いたしながら、そういう境界をはっきりさせたい、かように存じております。
○楢崎委員 いつごろまでにと、ちゃんと聞いておるわけですから、答えてください。
○鐘江政府委員 この時期についてでございますが、実は不法耕作以外に、国有地にごみを捨てられているという問題もございます。こういうことになりますと、環境衛生上もよろしくないということで、そういう地区につきまして、しかも、そういったフェンスを張りめぐらしても現在の所有者の方に不便を与えないという地区につきましては、できるだけ早い機会に境界の設定をいたしたい、かように存じております。
○楢崎委員 これもできるだけ早くということですが、私は、砂川のあの昭和三十一年のトラブル、あれが再現する心配をしておるのは、いまの措置をいつなさるか、そのころから出てくるのじゃないがと心配しておるのです。そういう問題についても、地元と十分お話し合いをなさって、いやしくも強権でそれを排除するというようなことのないように、これは御注意を申し上げておきます。 そこで、時間がないので基地問題をさらっとやりました。私もわが党の軍事基地反対対策特別委員会の委員長でございますから、この種の問題では、いまあげました基地等ではいろいろと皆さん方と今後とも折衝があろうと思いますが、皆さん方も、できるだけいわゆる民生というものに中心を置いて事に当たられるようにお願いをしておきます。 そこで、一つだけ資料要求をしておきます。水戸射爆場の騒音の被害のデータを、ひとつこれまたすみやかに当委員会に出していただきたい。 これで大体基地問題は終わりまして、次に三次防関係にいきますが、いろいろ問題は出されておりますので、拾ってまいりたいと思います。 そこで審議の中で、日米の合同演習というものについていろいろと御答弁になりました。私は、防衛計画の中にあります脅威の実体並びにその可能性、起こり得べき脅威という問題と関連をして、以下質問をしてみたいと思いますが、この日米合同演習というものは、当然これは直接侵略に備えて行なわれておると思いますが、そうですか。
○増田国務大臣 楢崎さんにお答えいたします。さようでございます。
○楢崎委員 ちょっと済みません。お疲れでございましょうが、もう少し大きい声で……。
○増田国務大臣 御答弁申し上げます。さようでございます。
○楢崎委員 そこで、直接侵略に備えて合同演習がなされておるという話ですが、その合同演習といっても、これは実戦を想定して演習をするのが当然だと思いますので、お聞きをするわけですが、合同演習の場合の指揮権はどちらに一体あるのですか。
○増田国務大臣 正確に申せば、合同訓練といつも言っておりまするから、演習ということばがこちらから出ました場合には、訓練というふうに御了承願いたいと思います。こちらからもときどき出ることがありますが、合同訓練でございます。 そこで、合同訓練の場合の指揮は両者併存という指揮をいたしております。アメリカ側におきましてはアメリカの指揮官が指揮をする、日本側におきましては日本の指揮官が指揮をする、こういうことでございます。
○楢崎委員 そうすると、当然総合的になるわけですから、調整を要しますね。そうすると、日米作戦調整所というのは当然あるわけですね。
○増田国務大臣 作戦ということばも、またなかなかこれはほんとうは適当な日本語がございませんから、いまのところ使っていますが、オペレーションという字が一番いいのだということを言っています。これはまた外国語でございまするから、作戦ということばを使わしていただきます。 そこで、合同訓練の際の作戦連絡所というものはございません。ただ話し合いをする、連絡をするということでございまして、連絡所というものはないのでございます。
○楢崎委員 大臣、そこにメモがきておりますが、だいじょうぶですか、御答弁は……。いまの御答弁はちょっとわかりにくかったのですが、連絡はしなくちゃならないが、別に連絡所というも のはないのだ、そういうことですか。
○増田国務大臣 連絡、話し合い、打ち合わせ等はいたしますが、連絡所というものはないのでございます。
○楢崎委員 じゃ、現実に直接侵略があった場合に、米軍は米軍でかってにやる、日本は日本でかってにやる、連絡はちょいちょいしましょう、そういうことでできるのですかね。できますか、そういうことで。
○増田国務大臣 安保条約第五条の精神にのっとりまして、施政権下における日本本土あるいは米軍施設等に直接の武力行使がありたる場合は、日米双方はおのおの憲法、法律に従いまして防衛の事に当たる、こう書いてございまして、おのおの憲法、法律がそれぞれ違うわけでございまして、連絡しつつ事には当たりまするが、両方のジョイントチーフというものはないということをいつも私は申し上げております。また、両方統べくくる最高司令官というものはないのでございまして、日本側の最高司令官は——事があったときでございますよ、事があったときは、これは内閣総理大臣でございます。向こう側の最高司令官は大統領でございます。
○楢崎委員 総理大臣と大統領がどこかでものごとが起こったときに作戦の連絡をするんですか。そういう御答弁は、ここでは必要ないのですよ、そういうことで別にひっかけようなんて思ってないんですから。事が起こったら、米軍は米軍でかってにやる、日本は日本でかってにやるというようなことはあり得ないのですよ。必ず調整というものが必要になってくるじゃありませんか。それが常識ですよ。そんなことは全然考えてないんですか。ときどき連絡してやっていくというようなことでやれますか。あなた方あれほどいろんな訓練をなさっていらっしゃるのに、その点についてはそのようなあいまいなことで進んでいらっしゃるんですか。それじゃ私は、これはとことんまで明確に、私も資料を持っておりますからやりますけれども、いまのような答弁では困りますね。もうちょっと具体的に御答弁願います。
○増田国務大臣 最高の者がそうだということでございまして、それを統べくくるまた特別の司令官はないということで、ひとつ政治家楢崎さんに政治家増田甲子七からの答えを了承していただきたいと思います。それからあとのことは、向こうにも国防長官もありまするし、こちらはそれに匹敵するかどうかわかりませんが、防衛庁長官もおる。その下には幕僚長もおります。向こうにも幕僚長もおります。それからだんだん下のほうになりますと、それぞれの部隊がおりまして、そうして連絡、調整、打ち合わせばいたすことはいたします。ただ、両方統へくくる司令官はないというしかけで末端までやっていくわけでございます。連絡、打ち合わせ、話し合いをしないところに防御はできないわけでございまするから、そこが日米安保条約の妙味でございます。それから、しかけといたしましては、日米安全保障協議委員会というものがございます。これは御承知のとおりのしかけでありまして、簡明をとうとびますから具体的内容には触れません。
○楢崎委員 補足する点はございませんか、官房長なり防衛局長なり。
○島田(豊)政府委員 わが国に事がありまして、日米で共同でわが国の防衛をいたします場合には当然、先生がおっしゃいましたように、国内におきまして部隊長——部隊長あるいは司令官——司令官、その間にそういう作戦の調整をやるということはあり得ると思いますが、そういうものを作戦調整所と名称をつけまして、それによって、たとえば教育訓練の場合に調整所でお互いの連絡をする、調整をするというふうにあらかじめきめておるわけのものではないわけでございまして、そういう調整は当然必要でございますけれども、あらかじめそういうものを設けて、それが有事において直ちに自動的にそれによっていろんな措置がとられるのだというふうなものはないということを長官が申し上げているわけでございます。
○楢崎委員 あらかじめそういうものを置いてやらない。それでは、有事の際はそういうものをつくる必要がある、こういうことですね。
○島田(豊)政府委員 有事の場合には、緊密に両者が作戦についての調整、連絡というものをやらなければ、ちぐはぐなことではとても行動はできませんから、そういうものが必要でございますので、そういう調整所と申しますか、名称の問題は別といたしまして、そういうものが必要であるということは当然であろうと思います。
○楢崎委員 その種の調整所というものは有事の際は当然できるというお答えですから、私が考えておることと一緒だと思うのですね。そこで、これはくどく言いません、当然作戦が食い違ったときには調整が要るし、どうしても食い違うときには、どちらかにその上位の関係がなくては、こういう共同作戦というものはできないわけです。現在のところは、日米で一緒にやるときにはその司令官はどちらかきまっておらぬけれども、有事の際はできる可能性がある。有事の際には指揮権の問題についてもそういうことになりますね。
○増田国務大臣 いま楢崎さんの御質問に対して防備局長がお答えしたのは、私の言っているとおりでございまして、連絡調整所とか連絡本部とか、そういう特別の部局、部署はできないということについて、政府委員が反対の答弁をするはずはないわけでございまして、いつも連絡をしてやるわけでございます。話し合いをしてやる、打合わせをしてやる、これまででございまして、つまり、そこが重要なやっぱり独立主権国家として必要なことでございまして、われわれの系統はわれわれの系統でずっと下までいっておる、向こうの系統でずっと下までいっておる、そこでその間において話し合いをする、こういうわけでございます。でありまするから、やっぱり独立国家、主権国家ということのとうとさというものを楢崎さんと同様に私はとうとんでおるわけでございます。しかけは、あくまでそういうしかけでございます。
○楢崎委員 これも議輸になりますが、やりません。しかし、有事の際に当然調整所ができることは常識的に考えてもわかるし、指揮権かどちらにあるか最終的にそれをきめる必要も出てくる、これは当然ですよ。ところが、いま三矢作戦等があるから非常に気をつかって答弁をなさっていらっしゃるけれども、これは当然出てくる問題です。それを裏づける資料も私は持っております。あなたの答弁は、有事の際でも、いまのところは作戦調整所あるいは指揮権をどちらにするということは全然きめないで、両立てでやっていく、そういうことですね、そう解していいですね。
○増田国務大臣 いまのところは、日米安全保障協議委員会というものがございますことは楢崎さんの御存じのとおりでございます。そこでときどき打ち合わせをいたしております。これは委員会でございまするから、一つの合議体のものでございます。あとのところは、有事でも平時でも、連絡調整所といったような何か作戦本部みたいなものは、末端の小隊同士でも、中隊同士でも、あるいは大隊同士でも、その上の階級でもないというしかけでやります。緊密なる連絡はやりますけれども、そういうしかけを私は貫きたいと思っております。
○楢崎委員 それでは、原子力艦隊、原子力艦を含む日米の合同訓練というものは考えておられますか。
○増田国務大臣 いま考えていないのでございます。
○楢崎委員 あり得るですか。
○増田国務大臣 当分あり得ないと思います。
○楢崎委員 それはその必要がないからか、どうしてそのように考えておられるのですか。それは何か別に考えがあって、すべきでないと考えていらっしゃるのですか。
○増田国務大臣 原子力艦隊ということがほんとうは私はよくわかりません。
○楢崎委員 原子力艦でいいです。
○増田国務大臣 原子力艦と申しますと、原子力推進の潜水艦というものはございます。原子力推進の潜水艦といったようなものは、当分と言ったのは、ここ数年あるいは十数年でもよろしゅうございまするが、われわれが合同訓練をする際に、仮想の敵ということにアメリカの潜水艦になってもらっておるのが従来の習慣でございます。ただ、原子力で推進する、つまりノーテラス型の、そういうような潜水艦を仮想の敵になってもらって合同訓練をするというようなことは、まだいたしません。将来も当分いたさないつもりでございます。
○楢崎委員 もう長官もおわかりだと思うからあれですか、原子力艦というのは、エンタープライズとか、あるいはロングビーチとか、ベーンブリッジとか、いろいろあります。そういったものを含む日米合同訓練というものは、やるべきでないとお考えですかどうですかと言っているのですよ。
○増田国務大臣 いまのところは考えておりませんが、将来、永久に考えないというわけではござません。あるときは、必要が起こるかもしれません。それは、たいてい原子力で推進する、つまり潜水艦のスピードが非常に早うございますから、そういうスピードの早いものも、これを捕捉し、撃沈するという仮想訓練は、いたすわけでございます。
○楢崎委員 そうしたら、原子力艦を含む日米合同訓練は、やるということじゃないですか。いまはやらないけれども、いずれやらなくちゃいかぬというふうに考えていらっしゃるということでしょう。いまの答弁はそうですね。
○増田国務大臣 当分考えておりませんが、将来永久にやらぬということにはならない、ある時期にはやるかもしれないということでお含みを願いたいと思います。
○楢崎委員 まあ、ことばじりをとらえませんが、永久になんということは、人間だれも言えません。あなた、そういう答弁がありますか。はっきり言って、将来あり得るということですね。あり得る場合の原子力艦というものは、どういう種類の原子力艦を考えておられるのですか。
○中井政府委員 ただいま長官からお答えいたしましたとおり、当分はやらないわけでございますので、まだ十分考えておりません。
○楢崎委員 それでは、いまベトナムで戦争をやっておりますね。私どもは、アメリカのあの行動は、ジュネーブ協定に違反する侵略であると考えております。しかし、政府は、そうではない、北からの侵略があるから、南の要請に応じて米軍が軍事援助をしておる、佐藤総理も本会議でそのように何回も答弁されました。したがって、ジュネーブ協定の違反ではない。ジュネーブ協定の違反ではないという、その法的根拠はどこに一体求められておるのですか。外務省が来ておられますから、長官が御答弁できなかったら、外務省でけっこうです。
○藤崎政府委員 アメリカの行動は、国連憲章に基づく集団的自衛権の行使として説明されております。
○楢崎委員 ジュネーブ協定違反ではないという根拠は、それだけですか。ジュネーブ協定との関連でひとつ御答弁をいただきたい。
○藤崎政府委員 ジュネーブ協定の休戦協定は、アメリカもこれを尊重するということを申しておりますが、休戦協定の一方の当事者がこれを侵している場合に、他方の当事者は、これに対して適当な、必要な行動をとるということは、当然のことであるわけでございます。 それから休戦協定以外の一般国際法上の問題といたしましては、先ほど申し上げたように、集団的自衛権の行使ということが本質でございます。
○楢崎委員 ジュネーブ協定違反ではないということを米軍がいい、南ベトナム政府がいっておるのは、そうじゃないですよ。米軍の軍事援助を根拠と考えているのは、そうじゃないでしょう。国連憲章じゃないでしょう。あなた方外務省でしょう。一九六二年に出しましたベトナムの休戦監視委員会が議長国、ソ連、英国に報告しておるその報告の中には、一つの項を根拠にしてジュネーブ協定違反ではないとして米軍の軍事援助の根拠を求めておる、国際的にはそうなっております。違いますか。
○藤崎政府委員 アメリカあたりが自分の行動の説明をする場合に、いま仰せになりましたICCの報告を一つの証拠としてあげておるということは事実でございます。しかし、その報告の内容というのは、やはり北から侵略があるということを述べておるわけでございまして、これはジュネーブ休戦協定の違反であるわけでございます。法律的の説明は、先ほど私が申し上げたとおりでよろしいわけでございます。
○楢崎委員 私は、おたくへ行って、一九六二年のICCの報告をいただいてきたのです。出せないと言うから、写してきたのです。あなたが言っているのは、これの七項、八項、九項等でそれを言っていらっしゃるが、十項以下はどうなっておりますか。十項以下は、これに対して今度は北ベトナムのほうは、アメリカの侵略の状態を報告し、それを非難しております。都合のいいところだけあなた方のほうはこれからとっておるのです。十項以下のあれは知っておりますか。
○藤崎政府委員 このICCの報告は、これを構成する参加国会部の意見じゃなくて、そのうちの多数国、つまりポーランドを除いてカナダ、インドだけが了承した報告であるということは事実でございます。しかし、先ほど申し上げましたように、北ベトナム側から南ベトナムに対して浸透があるという事実は、結論としてこの報告にあるわけでございまして、ただ先生のおっしゃったのは、北ベトナムのほうはこういう主張をしているという事実を言っておるにすぎない、委員会としての結論じゃないわけでございます。
○楢崎委員 これで時間をとりたくありませんが、これにはその報告を南ベトナムに求めたけれども、南ベトナムが拒否しておるのです、調査も何もかにも。したがって、南からの言い分だけがこれに載っておるのです。これをまともに読めば、これは非常に問題のあるところです。これをもってアメリカのベトナムに対する軍事援助が侵略でない、ジュネーブ協定違反でないと主張するのは、大間違いです。これは私は別の機会にやります。米軍が侵略しておるという事実を、明確にこのICCの報告は出しておる、私はこのようにここで申し上げておきます。 そこで、いまベトナム戦争が非常にエスカレートして、世界の平和を愛する人たちが心配しておるのですが、もし米軍の北爆がエスカレートして、中国との衝突がもし起こった場合には、日米安保条約はどういう対応をするのでしょうか。どのような機能を日米安保条約は発揮するのでしょうか。
○藤崎政府委員 安保条約の第五条によりまして、日米の領域に対して外部から武力攻撃があったときだけ、この条約は発動するわけでございます。
○楢崎委員 そこで、第六条の中の日本の安全とそれから極東の平和と安全、これがあなた方の解釈では全く矛盾がないということになっておるわけですね。つまり日本国がする、これは日本の安全になるかどうかという判定と、米軍の、これは極東の平和と安全について問題があるという判定は、これはどちらが優先するのでしょうか。矛盾はないのでしょうか。
○藤崎政府委員 この判定をどちらがするかということは、条約に規定はございませんが、第四条によりまして、随時協議することになっており、また特に「国際の平和及安全びに対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。」ということなっておりますから、この協議を通じて両者の見解の調整がはかられるものと思います。
○楢崎委員 それでは防衛大臣にお伺いをしますが、日本はベトナム戦争に対して中立ではないことになっておるのですが、あなたもそうお考えですか。
○増田国務大臣 私は中立だと思っています。
○楢崎委員 防衛大臣は中立だと思っていらっしゃる、たいへんりっぱだと思うのです。ところが、昨年五月の衆参の外務委員会における答弁では、椎名大臣は、ベトナムは、日米安保条約による極東の範囲について、周辺にあるので、これまでも含むのだ。だから、日米安保条約の適用の範囲になるのだ。そこで日本は、日米の安保条約に従って米軍に日本の基地を使わせるのだ。したがって中立ではないと御答弁になっていらっしゃるのですが、防衛庁長官は、中立であると思いますと、やや少さい声で言われましたが、どちらが政府の態度でありましょうか。
○増田国務大臣 法制的のことは、条約局長にお答えさせます。 それからなお私の所見でございますが、これは政治的の見解を申したわけでございまして、第六条によりまして、極東の平和と安全に寄与するため日本の基地並びに施設を使用することを得るという条項があることは、私も存じております。それから極東の周辺、極東はフィリピン以北をいうという政府の答弁もございます。それからベトナムというのは、この極東のまた周辺である、こういうことに相なっておるということも、承知いたしております。
○楢崎委員 防衛庁長官は、政治的に自分は考える、政治家増田としては中立である、このように判断しておる、こういう御答弁です。それで、これはまた後ほど問題にしたいと思います。 そこで私は、もう一ぺん解釈上あなたに今度お伺いしますが、あのベトナムを、日米安保条約との関連において、あのような椎名大臣は結びつきを答弁されました。あれが拡張されると、日本の安全に、あるいは平和に、どこかものごとが起こったときに、それが日本に波及する、影響がある、そう判断すれば、この日米安保条約は適用されるようになるんじゃないかという心配を持つわけです。つまりこの範囲については、極東の範囲なんと言っているけれども、あの昭和三十五年の安保論争のときにも、極東の範囲について統一解釈を出されました。それだけじゃないのだ、もし影響があればそうじゃないのだという統一解釈を出されました。あれを拡張すると、どこででも、日本に影響ありと考えたら、日本の平和と安全に影響があると考えたら、この日米安保条約というものは適用され、拡張解釈される余地が残されておるように私は心配をするのですが、その点はどうでしょう。
○藤崎政府委員 極東の安全が周辺地域の事態によって脅かされることがあるということは、最近そういうふうに拡張したわけでございませんで、例の安保国会のときの極東ということばの統一解釈のときから、そういうことは申しておるわけでございます。現にベトナムに起こっておる事態によって極東の平和、安全が脅威を受けておるということは、これは否定できないことだろうと思いますので、その点は問題はないかと思います。 それから第二に、この安保条約が適用されるということでございますが、この第五条のいわゆる発動する条項には、極東という字はないわけでございまして、日本国の施政のもとにある領域に対して武力攻撃が起こったときだけ、この第五条は発動になるわけです。
○楢崎委員 まあ、その論議はそのくらいにしておきましょう。防衛大臣が、ベトナム戦争に対しては、防衛庁長官としては中立であると自分は思っておるとおっしゃいましたから、これはいずれ予算委員会等で問題になると思います。 そこで、次に進みたいと思いますが、この三次防の文言の中にあるのでございますけれども、山木弥之助さんの質問の中で長官は、有事の際は、法的には、その脅威の根源が外国基地にあれば、その脅威を除去するためにそれをたたくことができるのだ。しかし、三次防ではそれを考えていない、そういう御答弁だったと思いますが、その点、もう一回御答弁をいただきたいと思うのです。
○増田国務大臣 山木さんの御質問は、現在の三次防の自衛力のことについての御質問ではないと思います。すなわち、われわれが急迫不正の侵略を受けた場合に、その侵略者の基地をたたくにあらずんば——これを鳩山さんは敵のと言っておりますが、敵の基地をたたくにあらずんば生きる道がない、憲法九条は座して死を待つべしとは書いてないんだから、そういうときに限ってたたき得るのである。いまの三次防が整備されたときの力を山本さんは御質問になったわけじゃございませんで、むしろ憲法、法律論争と言っては悪いかもしれませんが、その法律問題として、憲法問題としてお聞きになったときに、私がそうお答えしたわけでございます。
○楢崎委員 そこで、この三次防の中に、最も有効に対応しうる効率的な兵器、こう書いてある。「最も」というのが、いままでの一次防、二次防と違うのですね。これは非常に注目をしておるところです。この最もということは、たとえば爆撃論争をやりましたけれども、法的に可能であったら、外国までも行けるようなものを含み得るということになるでしょう。そういうことを考えておるのではないかと私は思いたくなるのです。
○増田国務大臣 文章としては、最もというところへえらく石橋さんも力を入れられて、まるきり内容が違ってくるのだということを言われましたけれども、文章というものは、最もというのは「最も」という字がないよりは違いますけれども、内容は石橋さんもよく御存じだし、あなたもよく御存じで、たいしたことはない。ポンコツが相当あるから、新しいものをつくるのだ、こういうようなことでございまして、三次防の終わる昭和四十六年度等におきましてては、むしろ航空機の数は二百機以上も減ってくるわけでございまするし、でございまするから、最も効率的なる云々と書いて、前には効率的なるという字で、最もという字が加わったことは認めます。認めますけれども、なるべくそうしたいのだという願望をあらわしておるというふうに、良識に富む楢崎さんの御了解を得たいと思っております。
○楢崎委員 それでは、この三次防の海上自衛隊関係のところに、「周辺海域の防衛能力および海上交通」とありますね。この周辺海域とは、その範囲はどうなるのか。次の海上交通の場合の、その海上の範囲はどうなるのか。御答弁をいただきたいと思います。
○増田国務大臣 一般的のことは私がお答えいたしまするか、日本の周辺全部という——できればですよ、できれば周辺全部というのが、周辺海域でございます。しかし、なかなか海上自衛隊の力はそこまでは、もし全面的の侵略があった場合には守り得ませんし、また海上交通の安全も確保したいということも書いてございまするが、海上交通も、一たん事があった場合には守りたいし、また防衛艦隊なんということもあることでございますから、海上の一般通商等を防備いたしたいという願望はありますが、一定の限度しか実力はないと私は考えております。
○楢崎委員 これもまだ答弁が明確ではありませんが、質問を続けます。 スクランブルの範囲、それから追跡権をどのように考えておられるか、御説明をいただきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 スクランブルの範囲につきましては、特に明確な規定はいたしておりません。それから追跡の問題でございますけれども、これはそのときそのときの状況によりまして、緊急発進いたしまして、国籍不明機がそこで退避する、それで一応領空侵犯措置としての目的は達成いたしておるわけでございます。これをどこどこまでも海上遠く追跡をしていくという必要がないわけでございます。要するに、国籍不明機がそこで領空侵犯措置によりまして退避をするということで目的を達成するわけでございますので、どこどこまでも追跡をするという必要はないわけでげざいます。したがって、現在の実情から申し上ごげましても、ごく近海に限られておる、こういうことでございます。
○楢崎委員 どうも声が小さいですね、自信がないのかどうか知らぬが。スクランブルの範囲は、長官ははっきり言ったじゃないですか。あなたはそのときおったじゃないですか。スクランブルの範囲はきめておりません、そういうでたらめを言っては……。長官おっしゃったでしょう。沖繩のどこまで、あるじゃないですか。きめておらぬのですか。長官、ひとつあなたのほうがお詳しいから、あなたはスクランブルの範囲並びに追跡権をどう考えておるか、簡単にひとつ……。政派論はどうでもいいのです。実際にどう考えておるか、それを御答弁いただきたいと思います。
○増田国務大臣 議論が起きるところは、与論島と沖繩本島との関係で議論が起きますが、与論島と沖繩本島は二十三キロしか離れておりませんから、われわれはあそこにはスクランブルをかけておりません。いわゆる個別認識ゾーンというものがありますが、個別認識ゾーンは、ほんとうはあそこにはかかりません。しかしながら、行き得る限度はどこかというと、与論島のところは、与論島の領海とそれからその領海の上の空——領空とは言わぬそうでございますが、その空以上は、沖繩のほうのまた施政権を行なっておる、正確に言えば沖繩は潜在主権かこちらにあるのであって、三権は何こうにあるわけでございますから、そこでそういうややこしい関係が起きないように、こちらはまあその辺でとどめておく。あとのことは、大体レーダーサイトは、個別認識のできる能力というものは、日本の海上、日本の領域から外海上二百キロまではわかるというしかけが、現在ございます。そこへスクランブルをかけるという、つまり航空法に反して入ってくるものに対しましては、そこへ入ってきた場合にはこちらからスクランブルをかけますが、緊急発進をして行っても、二百キロまでは行きっこないので、それ以内であるということを申し上げた。防衛局長は、自信はあるけれども、声が小さいわけでございます。
○楢崎委員 その点も、時間がないから、一応問題を残念ですけれども残しておきます。 それではこの種の問題で一点だけ聞いておきますが、F86を爆撃機に変えておるわけです。一体いま何機変えておられるのか。何飛行隊あるか。どこに配置されておるか。さっと言ってください。
○島田(豊)政府委員 86Fの部隊、八個飛行隊ございますけれども、そのうちの三個飛行隊を爆撃、対地射撃攻撃の訓練に使用いたしておるわけでございます。その三個飛行隊は、八戸の第三飛行隊、松島の第七飛行隊、築城の第六飛行隊でございまして、各飛行隊ごとの機数は、それぞれ二十五機でございます。
○楢崎委員 F104は爆撃機に転用はなさいませんね。
○増田国務大臣 転用はいたしません。
○楢崎委員 時間がありませんから省略をいたしまして、それではいよいよ本法案に関係する部分に入ります。予備自衛官の手当はどうなっておりますか。
○宍戸政府委員 現在予備自衛官の手当は、月額千円でございます。
○楢崎委員 そうすると、一年間に二万二千円。予備自衛官は社会に出て職業についていらっしゃるのですが、それを一年間に何日か呼んで訓練なさるんですね。一年間にどういうことをなさるのですか。
○宍戸政府委員 一年に大体一回程度、期日にしまして一週間以内、訓練のために訓練招集というのを命じまして、訓練に従事してもらっております。その際には、さっき申し上げた月額の手当のほかに、日額二百円の招集手当を支給しております。
○楢崎委員 その問題はあとで山内委員が関連して質問なさるそうですから、私はこれでやめますが、大した手当を出されておると思うのです。一週間ぐらいで一万二千円、そのほかに旅費、手当等がつくとしたら、これはたいへんな問題だと思うのですが、これは譲ります。 そこで、各省来ておられると思うから、私は各省から聞いておきますが、なかなか定員が充足されない。そこでいままでは、昭和二十五年に警察予備隊が発足をしまして、警察予備隊令及び同施行令であなた方は自衛隊の募集をやっておった。これは自力募集と称しておった。ところが、なかなか思うにまかせないので、昭和二十七年に保安隊時代になって、ここで保安庁法の七十八条で、いわゆる組織募集の法的根拠をつくられた。しかし、世論は、自衛隊が違憲の存在であるとか、あるいは市町村地方自治体は非常に仕事が多いから委託をなかなかされないというような事情等があったから、法的根拠はあっても、実際問題としてなかなか組織募集に踏み切れなかった。ところが、昭和三十七、八年になって、国会で問題にしましたように、募集の方法が、上野駅等でぼろを着て、いろんな人をジープで引っ張っていく。警察から人買いと間違えられて、その募集者がつかまえていかれる、そういった問題がいろいろ起こりました。そこでいよいよあなた方は、組織募集を大々的にやるように政策を転換しました。そのとおりですね。そこで、あなた方が組織募集に転換をしたわけでございますが、この推進を本格的にやり出したのは、おそらく昭和三十八年ないし三十九年ごろからだ。そして昨年、私は資料請求をしましたとおり、昭和四十一年は、もう募集事務の一部をまかすどころか、一部ではなくて、募集事務のほとんどを、募集の主体を組織募集に置いた。それはデータがちゃんとあります。そこで、増田長官は本年四月二十六日淡谷質問に答えて、市町村の約三分の一が自衛隊の適格者名簿をつくっておるという答弁をなさいましたので、そこで私はお聞きしたいのですが、昭和三十八年以降モデル県を指定していったと思いますが、三十八年から四十一年まで年度別にどこどこを指定したか、まずそれをお答えいただきたい。
○宍戸政府委員 重点市町村のことでございましたら、昨年度指定をいたしました。全国で約二百程度でございます。
○楢崎委員 私は、まず指定した県を言っておるのです。それは全国ですか。各県全部ですか。全部にわたっておりますか。まず県を指定して、その県にその県のモデル重点市町村を指定させるようにしておるじゃありませんか。ですから、まず県を指定しておるはずです。それがどこかと聞いておるのです。四十六しかないうち、どこかと聞いておるのです、三十八年以降。
○宍戸政府委員 まず四十六都道府県の中で重点県を指定しまして、それからさらに県の中で重点市町村を指定しております。そういうやり方をやっております。
○楢崎委員 私が聞いておるのは、どこかと聞いておるのですよ。時間がないからさっと答えてください、さっきから言っておるように。——答えられるならいいですが、答えられぬなら答えられぬで、私は質問を進めますよ。
○増田国務大臣 具体的にはございますが、いますぐは答えかねるようですから、あと十分ばかり……。
○楢崎委員 私はそれを持っております。言ってもいいですよ。しかし、そのとおりですと言えないから困るのです。いいです、それは出してください。これは本法案と関係があるから言うのです。時間がないから、それでは困るのですが…。あなた方は、昨年から特に組織募集に力を入れてきたか——自治省来ておられますか。
○關谷委員長 来ております。
○楢崎委員 自治省は、自衛隊法施行令百十九条について、防衛庁と完全に打ち合わせを済ましておられますか。
○長野政府委員 打ち合わせをいたしております。
○楢崎委員 それでは、市町村自衛官募集事務処理要綱というものを、重点市町村に指定されたところはつくっておるのです。それをあなた方は検討されたことがありますか。
○長野政府委員 検討いたしました。
○楢崎委員 検討されたのですね。自治省にこの市町村の事務処理要綱があって、防衛庁になぜないのですか。(増田国務大臣「いま出します」と呼ぶ)いや、さっきの一番最初に戻って、私が資料要求した市町村自衛官募集事務処理要綱、ありますか。——ありますね。
○宍戸政府委員 先ほど御要求になりました昭和四十一年度都道府県募集事務計画、これでございましたら、こういうふうに参っております。各都道府県から防衛庁あてに、こういうふうに参っております。
○楢崎委員 防衛庁が適格者名簿を作成させる、その法的根拠はどこにあるのですか。市町村に適格者名簿を作成させる法的な根拠をひとつあげてください。
○宍戸政府委員 自衛隊法施行令の百十九条「都道府県知事及び市町村長は、自衛官の募集に関する広報宣伝を行うものとする。」こういう規定がございますが、これが基本でございます。
○楢崎委員 それにはありませんよ。それでは聞きますが、いまあなた資料があるといいましたね。市町村事務処理要綱の中には、別に法令の定めがない場合にはこの事務処理要綱によると書いてありましょうか。別に法令の定めがある場合と書いてあります。読んでごらんなさい。そのためにあなた、資料を持ってこらしておるわけだから。別に法令の定めがある、その別に法令の定めというのは、あなた方はどう考えておるのですか。あると思いますか、ないと思いますか。どういう法令をあなた方は考えておりますか。もし別に必要な法令がある場合には、その法令を根拠にしなくちゃなりません。どういう法令を考えておられますか。
○増田国務大臣 まず根本法が必要でございまして、その根本法は、あなた方が議決くださいました法律でございます。それはこの自衛隊法九十七条でございまして、それに基づく各般の政令がございましょうとも、これは法律に基づく政府側のつくりました政令でございます。でございますから、私が一番重しとするのは法律でございます。その法律は九十七条であります。
○楢崎委員 けっこうです。法律でいきましょう。では、あなたは、自治省はこの市町村事務処理要綱を検討したというが、その中に、別に法令の定めるもののほかと書いてあるが、別の法令とはどういうものを想定していますか。
○長野政府委員 私どもその当時の記憶は、十分——いま思い起こしている最中でございますか、この自衛官の募集に関しまして、自衛隊法及び政令によりまして、地方団体が募集に関する一部の事務の委託を受けておる、命ぜられているということになるわけでございましょうが、そういう事務委託を受けておりまして、それに基づいて自衛官の募集に関する事務の一部を行なっておる。特にそれが広報なり宣伝なりということになっておると思いますが、それと同時に、いま御指摘のありました法令の定める規定のない場合にどうするというのは、そういう政令などで具体的に募集に関する仕事の細部の取りきめをしていないもの、そういうものにつきまして、事務委託というような形で、別個に委託に基づくやり方として募集の要領というものをつくっておる、こういうふうに考えております。
○楢崎委員 あなた、でたらめを言ってはいかぬですよ。どのような検討をしたか知らぬが、でたらめを言ってはいけませんよ。大臣、私は政令等でものを言っているのじゃないのですよ。それじゃ聞きますがね、私が資料要求をしたナンバー5の二ページの中ほどに、いいですか、「またこのような適格者名簿を住民票その他の適当な資料により作成する」、適格者名簿作成に住民票を利用する、その法的な根拠は何ですか。
○長野政府委員 住民票につきましては、何人も住民票の資料を閲覧し、それを利用することができるという、別個の住民登録法そのものの問題でございます。したがいまして、いま御指摘になりました名簿にも、住民票というものを用いておる、こういうことになっておろうかと思います。
○楢崎委員 それでは、住民登録法の問題に移ります。 法務省は来ていますね。——この住民登録法が国会で論議になったのは、昭和二十六年の第十回国会です。法務委員会でやりました。そのときのこの法案に対する質疑の内容をあなたは御存じですか。
○新谷政府委員 直接関係いたしておりませんでしたので、その質疑の内容を詳細には存じておりません。
○楢崎委員 それじゃ、住民登録法がどのようにして生まれたか、私はこれから説明しなければいけません。当時は、ちょうど朝鮮戦争の時代です。それで、この住民登録法が、かつての徴兵みたいなものに利用される危険が十分あるという論議が、本院の法務委員会で行なわれました。そしてそのような論議を受けて、住民登録法施行令の第一条を見てごらんなさい。「同法第一条の目的の的確な遂行を図るとともに、その目的の範囲をこえて他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」こう書いてあるのですよ、そのために。住民票は、あなたが言っておるように、だれでも閲見することができる、だからいいのだ、そういう簡単な問題じゃありませんよ。だれでも閲見するようになるあの条文は、そのとき修正されたのです。最初の原案は、特に関係のある者しか見られないという原案になっておったのですよ。それがいろいろな論議の末に、まあほかの戸籍謄本等も見られるから、住民登録も何人も見ていいじゃないか、最終的にはそうなったけれども、原案が修正されてそうなったのですよ。その辺の審議の内容を尊重しなければ、われわれがこんなに審議をしたって、一たん法律ができてしまえば、どのような審議の内容が行なわれたか疎外されてしまえば、その法案のほんとうのねらいというものがうせてしまうのです。自治省のあなたは何という方か知らぬが——長野行政局長ですか、その辺を十分頭に入れて、あなたはいま私に答弁しているのですか。時間がないから、もしあなたがそういう答弁であれば、私はずらっといまから法的なあれをやりますよ。いまのようなことでは、この住民登録法ではできないようになっておるのですよ。だから、私は重ねて言ったのです。市町村の事務処理要綱の中に、別に法令の定めのあるときはということは、特にこの住民登録法というものが考えられるのですよ。だから、適格者名簿をつくる際には、住民登録法以外のものだったらあの事務処理要綱でできるけれども、住民登録法のいう住民票の利用については、住民登録法によらなくちゃいけない。そうなっているじゃありませんか。そうなっておるのです。政令はそういうものじゃありません。住民票を作製する根拠が、そんなに簡単に出てこないのですよ。 それじゃ、この主管でありました法務省の民事局長にお伺いしますが、適格者名簿に住民票がこのようにたやすく利用されていいと思われますか、この住民登録法からいって。
○新谷政府委員 住民登録法の制度の趣旨でございますが、これは住民の居住関係を証明いたしまして、住民の生活関係の利便に資するということが、一つの目的でございます。これは詳しく申しますと、進学とか、入学とか、そういう一般日常生活に利用していただくというのが、この制度の目的でございます。あわせて人口の状況を把握することによって、各種の行政の適正かつ簡易な処理に資することを目的とすると書いてございます。したがいまして、これを各省の行政に大いに利用していただきたいという趣旨ででき上がったことは、間違いないと思います。これをどのような行政面に利用されるかということは、それぞれの省庁の方針に従ってやっていただくということになっておるわけであります。
○楢崎委員 防衛庁は、国の行政組織であります。自衛隊は、一体国の行政組織ですか。
○増田国務大臣 さように考えております。
○楢崎委員 法制局の方、来ておられますか。——自衛隊が、国家行政組織法によるところの国の行政組織と解されますか。
○荒井政府委員 そのとおりでございます。
○楢崎委員 それはどうしてですか。その根拠は何ですか。
○荒井政府委員 国家行政組織法上、国の行政組織を内閣のもとに置きまして、省及び府ということに分かっております。そしてその府といたしましては総理府があり、その総理府設置法の中で防衛庁に関する行政組織をその中に含めておる。法律上の根拠は、防衛庁設置法及び自衛隊法ということになっておりますが、組織的には総理府という国の行政組織の中に置かれる、こういうことになっておりますので、それは国の行政組織であることは明らかだと存じます。
○楢崎委員 広義においてはそう解釈されると思うのですね。しかし、狭義における行政組織とは、私は考えられない。それは実動の部隊であるからであります。そう思うのですが、どうでしょう。
○荒井政府委員 いろんな国の行政需要というものがあり、行政目的というものがございますから、その国の行政の中でも、事務的な管理作用を行なうというものもありましょうし、海上保安庁でありますとか、警察でありますとか、あるいはお尋ねの自衛隊のように、相当の実力を持って第一線でそれぞれの目的を速成するというものもございますけれども、それはやはり広義の国の行政組織であるということは、間違いないと存じます。
○楢崎委員 大臣、自衛隊施行令の百二十条の条項は、発動されておりますか、
○増田国務大臣 すなわち法律第九十七条に基づいて政令によって定める募集事務を都道府県の機関の長に、市町村長という機関長に委任することができる、これが一番大切であるということは、私があなたに申し上げたとおりでございます。それを受けて、今度は政府のつくる政令によって御指摘の百二十条があるわけでございまして、百二十条によって募集事務に関する各種の情報その他報告を求めることができる、こういうわけで、内閣総理大臣のもとにおける防衛庁長官その他局長等が、便宜総理大臣の補助者として、そういうものを委任いたしました都道府県の長、市町村の長——府県という、市区町村という公共団体ではございませんが、その機関の長に委任して報告や何かを求めまするから、また情報を求めまするから、その情報や報告を出す場合に——これは募集に関することです。その際に、適格者名簿等をつくって、それぞれの地方連絡部という私の部下の機関に出すということもあり得ます。
○楢崎委員 それでは、もう百二十条は発動されておるという解釈のものですか、総理大臣が。
○増田国務大臣 さように考えております。
○楢崎委員 それはこういう組織募集に、九十七条によってあなた方が、そのことを防衛庁長官が機関委任をなさったその瞬間に、この百二十条というものは同時に発動しておると解釈しておるのですか。
○増田国務大臣 働き得る状態でございます。
○楢崎委員 ちょっとその辺は非常にあいまいだと思うのです。もしこの自衛隊適格者名簿の作成を市町村長が拒否したときには、一体自治法の百匹十六条ですか、が発動するのでしょうか。
○増田国務大臣 私は罰則のことまではよくわかりませんから、後刻法制局とも相談してお答えいたしますことを前提として申し上げまするが、法律九十七条に基づいて政令はつくられるのであります。その政令は、自衛隊法施行令百二十条でございまして、これがあれば、あとは訓令等を出しまして、あるいは注文というようなものも出したっていいと思うのです。御注文、お願いいたしますからよろしくという機関委任をいたすのでありますから、注文でも、訓令でも、あるいは通牒でもよろしい。法律の定めるところは政令で定める。その政令では、報告あるいは資料を出せという、その資料の一つが適格者名簿であることは明瞭でございます。
○楢崎委員 いや、私が聞いておるのは、もし市町村長が適格者名簿の作成を拒否したときには、地方自治法の百四十六条は発動しますか。——自治省に聞いておるのですよ。あなたが解釈できますか。
○宍戸政府委員 それでは自治省からお答えいたします。
○長野政府委員 お話しのような場合に、百四十六条は発動することができます。
○楢崎委員 だから、施行令の百二十条というのは、非常に重大じゃないですか。それが発動されておるかどうかは重大であります。そんなふうに解釈しますぐらいじゃ困るのですよ。結論を先に言って恐縮ですけれども、こういう適格者名簿を住民票によってつくるということは、違憲の疑いがある。これは拒否するようにわれわれこれから運動する。その際に、市町村長がこれを拒否したときに、百四十六条が発動できるかどうか。その根拠になっておる百二十条は、一体どうなっておるかということは非常に重大であります。それで私は、これを大臣に念を押しておるのであります。明確にひとつこの点はしていただきたい。
○増田国務大臣 この都道府県の機関の長、すなわち知事、市町村長、これらに対して政令で定めるところにより募集事務の一部を行なうという、すなわち事務の委任をしてございます。その政令は百二十条でございます。そこで、その政令でいま適格者名簿とかなんとかいっても、これは注文とか通牒みたいなものでございまして、直ちにこの募集事務を拒否したということになるかならぬか、そこは法適用の問題で、詳しく言えば検察庁とも相談せんなりませんし、だから法制局とも相談せんならぬから、われわれが募集事務をやっておるのが、この方法と離れてやっておるということだったら、むしろおしかりを受けます。この法第九十七条というのが、あなた方が議決をくださった法律でございます。これが根拠で、それから政令百二十条に基づいてこまかいことをいろいろ御注文申し上げましても、直ちに百二十条に触れるとか、あるいは地方自治法の第何条に触れるとかいうことになるかならぬかということは、法制局なり検察庁なり地方自治を担当する自治省に聞いてもらわぬと、私はわかりかねます。ただ、無法のことをしておるのではないということが、政治家としての増田甲子七が政治家としての楢崎さんに対するお答えでいいのじゃないでしょうか。
○楢崎委員 われわれは、これは立法府ですから、法律を根拠にしてものごとは行なわれる必要がある。だから、その点を明確にしておるのです。あなたは法律に詳しいと言うから、あなたに聞いておるのです。あなたは法律でわからぬようになると、政治論で片づけようとする。このナンバー5の資料によると、三ページに何て書いてありますか。あなた方が出しておるこの通牒によりますと、格別な配慮で市町村の皆さんが適格者名簿をつくっていただいておる。これに対して異論が出たのです。疑問が出たのです。拒否しかかったところもある。したがって、この文章はどうなっておるのですか。配慮によってやられておりますけれども、「また自衛隊法施行令第百二十条に基づき同条の規定による報告または資料の提出として、ご依頼申し上げることができるものでもあると解しております。」、「でも」と書いてある。もし拒否したときには、これがあるぞということを言っていらっしるじゃありませんか。そうですよ、あなた。じゃ答えてください。
○海原政府委員 法律の解釈でございますし、従来の私どもの解釈でございますので、便宜私から申し上げます。 百二十条は、一応内閣総理大臣が、そのようなことになっておりますが、私どもが現在やっておりますのは、先ほど御説明ございましたように、国家行政組織法の第十五条に「名大臣は、主任の事務について、地方自治法第百五十条の規定により、地方公共団体の長のなす国の行政事務に関し、その長を指揮監督することができる。」これに基づいて私どもは従来やっておるのが、解釈でございます。政令の百二十条は動き得る状況でございますが、それが現実に動いたということはまだありません。
○楢崎委員 そうすると、先ほどの大臣の答弁と違うわけですね。大臣の答弁と違いますよ、それは。——けんかしてはいけませんよ。 そこで、大臣は先ほど、九十七条を発動したとたんに、この百二十条も同時に生まれておると解釈しておるという答弁があった。いまの答弁では、百二十条はまだ全然関係ないのだ。私は、海原さんの答弁の方が正しいと思う。海原さんの答弁が正しいと思う。まだ総理大臣がそこまでは命令していないのです。もしそのことが起こるならば、百二十条を発動してもできるのですよというのがこれですよ。増田長官、だから私はその点を明確にしなくては、これは罰則との関係もあるから、非常に重大になってくると言うのです。 そこで、私は時間の引き延ばしをするつもりはございませんが、時間がないから疑問点だけをいま提出しておきます。そして結論だけ言っておきます。法務省は、この住民登録法の中の「各種行政事務」にこれが入るという御見解だと思うのです。しかし、住民登録法のあの審議の過程からすれば、ここにちゃんと例証してあるのです。どういうことかというと、あなたも御存じと思いますが、これは大正三年以来の寄留制度と、それから配給制度、そして世帯台帳ができました。それでやってきましたけれども、いろいろ不都合があるから、選挙、教育、衛生、配給ということを例証してある。これがつまりあなたの言う住民の利便と密接に関係のある行政事務なのです。そのためにこの住民登録法をつくっておるのですよ。この自衛隊の適格者名簿をつくる、それに住民票を利用するというのが、民生の利便と関係がありますか。ここに例証してある中に入りますか。まずそれが第一の疑問であります。 そして先ほど申し上げましたように、施行令の第一条では、同法第一条の目的の的確な遂行をはかるとともに、その目的の範囲を越えて他の目的のためこれを乱用してはならない、こういっておるのですね。そしてその第一条の留意事項としては、住民の利便増進、その次に各種行政事務の基礎資料としての正確な整備、その次に、またこう書いてあります。個人の秘密の不当な侵害防止というものをあげてあります。そしてその施行令第一条でいう住民登録法の目的というものは、書いてありますとおり、「住民の居住関係を公証し、その日常生活の利便を図る」、あなたさっき言ったとおりです。だから、この各種行政事務というものは、その種の問題です。各種行政事務をこの自衛隊適格者名簿の作成に利用するなんということは、法律の違反であります。各種行政事務の中に、この住民票を利用して適格者名簿をつくるということは入りませんよ。あわせて住民登録法の二十九条には、こういうことが書いてあります。「国の行政機関は、都道府県知事又は市町村に対し、都道府県知事は、市町村に対し、それぞれその所掌事務について必要があるときは、住民票の記載事項に関して報告を求めることができる。」おそらくこの「国の行政機関は、」というところにあなたは自衛隊が入る、こう解釈されておると思うのです。しかし、これも間違いであると私は思います。これは狭義の行政機関をささなくては、この住民登録法の目的に違反をいたします。したがって、陸上自衛隊の地方連絡部ごときが、市町村に対して住民票を利用して適格者名簿をつくれなんということを命令する権利は、これから出てきませんよ、絶対に。そこで、私はこう思うのですよ。適格者名簿の作成というものは、自治法百四十八条からも出てこないし、住民登録法からも出てこない。違憲の措置を私は市町村に強要しておると思うんです。これは時間がないから議論ができませんが、結論だけ申し上げます。そして私がいま疑問を提出した点については機会をあらためて明確にしたいと思う。 最後に、私一つだけ自治省にお伺いをしておきます。あなたは先ほど、適格者名簿をつくる、広報事務をやる、これは移管をされておるところだとおっしゃいましたが、では、市町村のつくっておる事務処理を行なう中でいろんなことをやっておるのですが、あなたは市町村の係員がこういうことをやることが適当であると思われるかどうか。私はあなたの見解を最後に聞いておきたい。昭和二十五年に地方行政調査委員会議、これが勧告を出しておりますね。行政事務再配分に関する勧告。これは、地方には仕事が多いから、特に地方の仕事と認められぬものはなるたけやるなという勧告ですね。御存じですか。この自衛隊の組織募集は、この勧告に逆行するものではないか。それがまず第一です。 もう一諸に私はあなたに質問します。こういうことをしておるのです。市町村の吏員が受験者を試験場に連れていく。それから入隊のときの壮行会、わざわざのそのそ出かけてやっておる。駅まで送りに行かせておるのですね。こういうことが、地方に移管された行政事務の具体的な処理方式として適当であるかどうか。これはかつての軍国主義時代に、現役の兵隊さんが入る、召集を受けたものが行く、そういうときにやっておることと同じことを、いま地方自治体の係員にさせておるのです。これを市町村の事務処理要綱の中にちゃんと規定してある。そういうところまで市町村の係長にさせるということか、はたして、先ほど申しましたように、国から移管された事務の具体的な処理方式として適当であるかどうか。あなたの見解を聞いておきます。
○長野政府委員 自衛官の募集に関する事務が、法律上地方公共団体、ことに市町村長の機関に事務委任されておりますことは、ただいまお話しいたしましたとおりであります。なぜ市町村長の機関に事務を委任するかという問題になりますと、これは自衛官の募集という目的から考えまして、国の側から考えましても、市町村長に事務委任するということが非常に便宜である、こういう問題もあると思います。また、募集に応ずる地方住民の側からいたしましても、そのほうが募集の手続、あるいは願書その他いろいろな受付とかの問題について適当であろう、こういう考え方で地域社会の責任者であるところの市町村長の機関に、事務が委任されたと思うわけであります。そういう点では、やはり全体の行政の便宜を、住民の利便という点から申しまして、そうすることが——自衛官の募集のみならず、海外移住者の募集とかいうようなものがいろいろあるわけでありますが、そういうような点から市町村長に委任されておるわけでありますが、募集の内容、募集の具体的な取り扱い、これは市町村によっては区々なやり方をやっておるかもしれませんが、出迎えなり送迎なり、募集を行なう宣伝という問題を含めて、やはりそういうものが委託されておる、こういうことになろうかと思います。あらわれ方として、具体的な場所にあらわれ方が少な過ぎておるではないかという問題もあろうかと思います。私どもも、具体の場合につきまして今後ともよく実態を見きわめまして、防衛庁その他とも十分連絡をとって、適正な募集事務の委任ということが具現されるようにいたしたいと思います。
○楢崎委員 それでは最後に一問だけ。時間がないから私は問題をたな上げしましたから、この次の機会にあなたに御答弁をいただきたいと思います。今度私が質問するときに、この市町村の事務処理要綱か一つ一つ適当であるかとうか検討をしてきて、それから答弁してもらいたいと思います。 それで最後に、先ほどお願いをしておりました昭和三十一年以降昭和四十二年、本年まで、県についてどこどこ指定をされておるか、それから事務委託費はどうなっておるか、それを御説明していただいて質問を終わります。あとは全部保留しておきますから、委員長、この次の機会にひとつお願いしたいと思います。
○宍戸政府委員 重点県につきましては、昭和四十年度から指定をいたしまして、昭和四十年度では、長野、茨城、栃木、福井の四県でございます。四十一年度には、いまの四県に、青森、宮城、千葉、岐阜、愛知、奈良、鳥取、山口、愛媛、福岡、熊本、鹿児島の十二県を加え、合計いたしまして十六県の重点県を指定いたしました。 それから、委託費でございますが、昭利四十年度は約五千五百四十万、四十一年度は七千五百二十万、四十二年度は約九千三百六十万でございます。
○楢崎委員 これは質問じゃありません。資料要求だけをしておきます。具体的にきまっております全国の、大臣がおっしゃった三分の一程度という市町村の名前をできるだけ早く資料として提出してください。以上で終わります。その返事だけしておいてください。
○宍戸政府委員 名簿をつくっております市町村の数は、全国で約千ございまして、その具体的な名前を防衛庁としては調べまして提出いたします。
○關谷委員長 山内広君。
○山内委員 六日のあの混乱の収拾のために、議長もあっせんの努力をされ、各党の議運段階でもいろいろ話し合いが進められて、本日正常になったわけであります。そういうことで、私の質問も実は認められておったのでありますけれども、二時に開かれます本会議にすでに時間がありません。残念ながら、質疑に入りますと、また先ほどのように答弁に困るということになると、これまた話が進みませんので、きょうお聞きしたい点を要約して申し上げて、他日その点を研究されて、答弁の機会をいただきたいと思うのであります。 きょうは、実はいろいろお聞きしたいこともあり、法案にしぼって中身だけで検討したいと思ったのですが、これまた掘り下げると非常に問題が多いのであります。たとえば予備自衛官、これは本来ならば、自衛官手当であります。どうせ八月には公務員一般のベースアップの勧告がなされ、自衛官その他の方々のベースアップが出る。手当も上げなければならない。そういうときに、なぜ一緒にまとめてこの提案がなされなかったのか。この点私は非常な疑義を持つのであります。急に出された。一体、予備自衛官の手当というものの本質は何か。先ほどちょっと楢崎君も触れておりましたけれども、これもつかみ金で千円をやる、今度は千五百円、年間一万八千円であります。それにまた、演習のために招集をすれば、旅費もやらなければならぬ。手当もある。これは生活給ではないのですから、当然こういうものを支給する尺度、そういうものを規定しておきませんと、これはあなたの判断だけで、だれの制約も受けないで——公務員ならば人事院の勧告がなければならぬけれども、そういうことのめどなどを実はお聞きしたかったわけであります。しかし、これは果たされないままに、次にまたお聞きしておきたいと思います。 それから軍事費の問題ですけれども、長官から、第三次防の終わりには、年間国民所得の二%を目途にしたいという目安の話がありました。現在一・三%は安過ぎるのだというお話もありましたけれども、私どもの考え方からすると、軍事費は、国民の現状から見て、私は決して安いものじゃないと思う。いまの防衛庁の予算は、一日十億円ですよ。三千八百九億というのは、一日十億。これは、すぐ労働者の賃金に比較しますけれども、国税庁の調査によりますと、七十万円以下の収入を年間とっておる労働者は八一・七%、八二%という人が七十万以下です。防衛庁費を一分間に割り当てますと、七十万ずつ消費されることになる。こういう考え方に立てば、決して安いものじゃない。特に第三次防の総予算である二兆三千四百億というのは、子供、老人を含めて一億の国民すべてが二万三千四百円の負担になる、第三次防の期間で。そうしますと、年間一人当たり四千六百円という負担であります。決して、あなた方がおっしゃるとおり、国民所得の一・三%は安過ぎるという断定はできないと思う。いろいろ先ほど来充足率のお話もありましたけれども、この充足率から発展して、いろいろ不用額などをお聞きすると、御答弁ができそうもありませんので、大事な点ではありますが、それらも全部割愛せざるを得なかったわけであります。 それで、私は長官に希望として申し上げておきますけれども、今回のようなこういう審議を通じて私感じたことは、まだ昔のあの軍国主義の時代、軍人は金をかってに使ってもいいのだ、おれは国に命を捧げて国を守っておるのだから、金のことなんか言ったらけちくさいのだといった考え方が、もし内局にまで及んでおったら、たいへんなことだ。そういうことが数字に弱くしておる。あなた方頭が悪いのでもなければ、数字を持っていないのでもない。たぶん各幕僚以下に押されて、そうしてみんなまかせ切って、それを監督、指導して、ほんとうのシビリアンコントロールの実をあげていないから答弁ができない、究極的には私はそうだと思う。この機会に、ぜひそういう弊風を改め、国の経済、そうして行政というものは均衡がとれなければ、あなた防衛庁長官として自分の軍事力をお話ししようと思っても、これじゃ日本の平和は守れない。すべての行政は均衡をとらなければならない。経済もやらなければいけない。そういう意味で、私はもう少し軍事費にまじめな検討を加え、これを守る姿勢を持ってもらいたい。これが一つ。 もう一つ、これはきょうぜひ触れておきたかったのは、第三次防をめぐって、いわゆる兵器の国産化から、いろいろなうわさがちまたにあります。いろいろな黒い霧が出ております。私のところにも、実は長官に今度何かの機会にお見せしてもいいし、お話してもいいのですが、たいへんないろいな投書が来ておるのであります。しかし、その中身を分析すれば、業者が自分が仕事ができないために相手方を誹謗するという種類のものが、非常に多いのであります。そういうことで、よほどこの点を警戒しませんと——この間もゴルフ場の問題がありましたけれども、私は、あんなことはちっぽけな問題だと思う。むしろああいうことが表面化されたことは、気の毒だぐらいに思っております。それ以上もっとこの膨大な、国産化にからんで、しかもあなたのほうは、継続費だとか国庫債務負担行為というものは、四分の一も予算を占めておるのです。こんなわがままな予算の組み方というものは、よその官庁では許せるはずがない。あなたのほうだから特別扱いをしているというのは、中を分析してみればわかる。こういうことで、この三次防をめぐるこれからの業者の動きというものは、非常に警戒を要する。そういう点で、私はまだまだこういう諸点をめぐってこの議論は足りなかった、この機会に明らかにしたいと思いましたが、果たせなかったことを残念に思います。しかし、劈頭に申し上げたとおり、きょうは協力するという申し合わせがありますので、この程度で質問をやめて、後日に譲りたいと思います。 —————————————
○關谷委員長 この際、楢崎弥之助君。吉田之久君及び伊藤惣助丸君から発言を求められております。順次これを許します。楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま審議を終了しましたいわゆる防衛関係二法並びに防衛庁職員給与法一部改正案について、反対討論をいたしたいと思います。 時間がありませんので、その内容については、本日の本会議で討論を行ないますので、本委員会におきましては、私の反対討論の原稿を、そのまま討論の中身として載せていただくことをお願いをいたします。
○關谷委員長 承知いたしました。 ————————————— 〔楢崎委員の発言を省略した部分〕 まず、反対の基本的理由は、何としてもわが党がかねてより主張しておりますとおり、自衛隊の存在そのものが違憲であるからであります。しかし、わが党といえども、自衛隊が現実に存在している事実を否定するものではありません。したがって、自衛隊をいかに解消していくかについては、実現可能な条件とそのプログラムとをすでに国民の前に明らかにしているところであります。 第一、わが国の平和と安全が、まぼろしの脅威に対する軍事的対応だけで確保されるという発想そのものが、すでに現実的な意義を失いつつあるのであります。 以下、私は若干その点に触れてみたいと思います。 昭和三十二年五月二十日付国防会議決定の国防の基本方針の中におきましても、また本年から始まる三次防の文言の中におきましても出てまいっておるのでありますが、自民党内閣は、国防の基本に日米安保体制を置いているのであります。すなわち、自衛隊は自前でわが国の平和と安全を防衛するのではなくして、日米安保体制のもとで、アメリカの戦略体系の中に組み込まれて初めてわが国の防衛ができるという仕組みになっておるのであります。 昨年、安保論争が国会で蒸し返されましたときに、外務省もまたそのことを裏づける見解を出しました。次のように言っておるのであります。日本は安保条約五条によって、アメリカの核戦力が、日本に対する核攻撃を未然に防止するための、主たる抑止力をなしていると言っております。さらに、安保条約第六条によって日本は米軍に基地を提供しているけれども、日本にある米軍基地への武力攻撃を行なおうとする国は、安保条約第五条によって、日本の防衛に当たる米国との間の武力衝突を覚悟しなければならない。対米戦争の危険をおかしてまで対日武力攻撃を行なうことは、実際問題としてほとんど考えられないことである。以上のように言っておるのであります。 すでにお気づきのとおり、ここにおいてはベトナム戦争に対する認識と経験とがあざやかに忘れ去られておるのであります。なぜなら、現にベトナムの人民はアメリカの武力侵略に対して勇敢に戦っているではありませんか。しかも、国会審議を通じてすでに明らかになりましたように、このベトナム戦争に対して、日本は進んで安保条約の適用を許しております。そのことによって、日本はみずから中立的立場を放棄し、侵略のための基地を提供しております。さらに、その特需に応じ、LST日本人乗り組み員をあっせんするなど、役務を提供するだけでなく、お金と引きかえに大学と企業の中から学者と技術者と施設とを供出して、アメリカの軍事科学技術の下請機関となり、あまつさえ国家の最高機密であるべき最新のデータを盛り込んだ軍用地図を提供するなど、わが国の政治、経済、学術、技術のすべてをあげてベトナムに対するアメリカの侵略に奉仕しておるのであります。 このような形の中で、アメリカの武力侵略を受けておる国が、その侵略基地である日本の軍事基地を攻撃しないでいるのは一体なぜでありましょうか。すでにアメリカ軍と戦争をしている国とその人民が、あらためてアメリカ軍と武力衝突することをおそれるわけがありません。それでも彼らがそのことをしないのは、おそらくその力が許さず、またその効果に慎重であるからであると思うのであります。しかしながら、その能力があり、一たんその効果を見込むことができるようになれば、自国への侵略に利用されておる日本の基地を攻撃しないという保証はどこにもありません。私は、昨年八月、空襲下のハノイに入り、ホーチミンその他の北ベトナム政府の要人たちに会ってそのことを身をもって感じてまいったのであります。 かくして、現実にいまエスカレートしておるベトナム戦争、あるいは同様な形で起こるかもしれないさらに大きな戦争の場合に、日米安保条約のもとで、日本にはたして一体何が起こるであろうか。この想定を佐藤内閣が全く考えていないと私が指摘するゆえんのものは、以上のような理由からであります。それは一つの不幸な見通しであるかもしれません。あるいはまた思い過ごしであるかもしれません。しかし、それは決して架空の見通しでないことだけは断言できると思います。 現在の南ベトナムの事態を見ますと、アメリカ軍が地域の安全保障をするということは、すなわちアメリカ軍が欲する限り、果てしなく戦争を続けるということにほかならないではありませんか。人民がいかに戦争に苦しもうと、戦争に反対しようと、全く意に介しないばかりか、その国の政府でさえ、自分に都合の悪いものは、次から次へかいらいを入れかえていくという事実を、私たちはずいぶん見てまいりました。かつての韓国がそうでありました。そしてまた、今日の南ベトナムがそうであります。 このような経験と教訓は、アメリカと相互安全保障条約関係にある限り、どこにでも起こり得ると考えねばなりません。起こり得べき脅威の備えとなるものが日米安保体制と自衛隊ではなくて、むしろ逆に脅威を起こり得べきものにしているものこそ、日米安保体制であり自衛隊であるという認識を、ベトナム戦争の経験は具体的に日本国民に教えておるのであります。 それでもなお、佐藤総理は南ベトナムへ激励に行くというのであります。もしも、佐藤総理が真剣にアジア問題へのアジア的アプローチを考えておられるのなら、南ベトナム民族解放戦線はまさに民族独立運動であり、国連憲章が保障している民族自決の精神にのっとり、ベトナムはベトナム人にまかせることが一番自然であるという認識を前提とすることが必要ではないでしょうか。中国問題もまたしかりであります。アジアの独立国家かすでに認め、フランスのドゴールさえいまそれを知るに至っておるこの種の認識にさからって、朝鮮については南北分断を固定化する日韓条約を強行してソウルを訪問し、中国貿易については、台湾の介入を許して台北を訪れようとし、ベトナムについてはアメリカの言いなりになってサイゴンに足を踏み入れるようでは、アジアにおける独自の平和外交というものはとうてい望むべくもありません。 かくして、防衛庁は、三次防においてもひたすら軍事力の拡大強化のみを求めておるのであります。一体、それによってどのような形の戦争を夢みているのでありましょうか。そうして、どのような安全を国民に約束しようとしているのでありましょうか。いま自衛隊が、起こり得べき脅威に対処しようというまぼろしの戦略は、まさに本土を決戦場とする苛烈な戦争を夢みているのであります。 三次防から四次防、四次防から五次防へと際限なく強化されていく軍事力が、国民の被害を増しこそすれ、本来の意味における安全を保障するなどということは絶対にできるものではありません。そのことを認識することのできない自衛力や防衛計画は、日本国民の犠牲によってアメリカの安全に奉仕するだけの意味しかないことになります。 真に必要なものは、長期の防衛計画ではなくして、まさに長期の展望を持つ平和計画でなければなりません。そのことの認識が国民の間に潜在的にあるからこそ、自衛隊の自力募集は思うにまかせず、定員は不足し、結局徴兵制度を思わせるような適格者名簿作成による組織募集を市町村に強要するという違憲行為をあえてせざるを得ない羽目におちいっているではありませんか。 しかし、ただ一つだけ内閣委員会における審議を通じ、私たちが支持を表明したいものがあります。それは、わが党の山本弥之助委員並びに山内広委員の関連質問に対しまして、増田防衛庁長官は、以下のようにはっきり答弁しておるのであります。すなわち、核装備の国内持ち込みは憲法に違反する、こう明確に答弁されました。さらにもう一つ、日本はベトナム戦争に対して中立的立場である、このように明確に答弁されました。この答弁は、従来の政府の態度と明確に相違するものでありまして、私どもは、この長官の見解を支持したいと思います。 以上、「死んでいった者は黙して語らざるがゆえに、生き残った者は何をなすべきか」この戦没学徒出陣の若者たちが残していった命題にいまこそ真剣にこたえる意味におきましても、国民の代表たる同僚の皆さんの良心と良識にお訴えを申し上げまして、反対討論を終わる次第であります。
○關谷委員長 吉田之久君。
○吉田(之)委員 私は、民主社会党を代表して、ただいまから防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に反対し、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に賛成の意見を申し述べます。 まず、私は、わが国の防衛を論ずるにあたってどうしても明確にしなければならない問題は、憲法と自衛措置に関する問題であると考えます。この点に関して、わが党は次のごとき統一見解を明らかにしておりますので、この機会にその考え方を表明いたします。 すなわち、わが国は独立国家として、みずからの国をみずからの判断と力によって統治する権利と義務を持っている。これは国家主権といわれる独立国家の基本的権利義務であって、もしそれを放棄するならば、独立国家としての立場をみずから否定することになる。ましてわが国は、今日国際連合の重要な一員であって、国家主権の中の最も大きい柱の一つである自衛権、すなわち、みずからの国及び国民の安全と生存を保障する権利は、当然に存在する。現行憲法は、わが国の国家存立の基本を定めた法律である以上、決してこれを否定しているものとは全く考えられない。むしろ問題は、その自衛権と自衛力及びその行使との関係である。この点で、わか憲法は明らかに多くの規制を与えている。すなわち、国際紛争を解決する手段としての戦争や武力による威嚇や行使は、これを放棄するとしている。たとえば他国間における紛争にはもちろん軍事的に介入すべきではないし、また日本と他国との間に生じた紛争にも、これを解決するために積極的、能動的に武力行動によって訴えんとすることは、断じて許されないことなのである。しかし、他国との紛争において、逆に不法に武力行使を受け、侵略行為を受けた場合においても、なお自衛権を発動し得ないと定めたものではない。したがって、当然自衛のための戦力や交戦権は憲法上否定しているものではない。ただ、わが国は、憲法前文でも強く期待しているように、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意しているのであって、それだけに強く不法を憎み、侵略行為を否定する立場を堅持しなければならない。 以上が、わが党の憲法問題に関する統一見解の概略であります。 しかし、現実は、戦後二十二年間、わが国のこうした希求にもかかわらず、依然として国際紛争は終わらず、地球上で間断なく戦争状態が繰り返され、現に過日は中東で、そしていまなおベトナムで悲しむべき戦火が広がっておるのであります。しかもおそるべき核兵器は次第に開発され、その保有国はすでに五カ国に及んだという事実、実はここに人類社会の今日的宿命があるといわなければなりません。したがって、われわれは、一方においてさらに強くわが国憲法を掲げての平和主義に徹しなければならないと同時に、他方わが国の自衛そのものについても、さらに正しく対処しなければならないところに、われわれの今日的課題があると思うのであります。 そうした意味で、私はいまからこの防衛二法案に対し、具体的な意見を申し述べます。 まず第一は、さきに申し述べたごとき、みずからの力でみずからの国を守るという国民の防衛意織の向上に関する政府の著しい怠慢であります。今日まで政府は、明確に自主防衛の所信を国民に披瀝して理解と納得をを求め、国民合意による自衛体制の確立をはかろうとする努力にきわめて乏しかったと申さなければなりません。ただなしくずし的に既成事実をつくり、国民世論の一部の反対を強引に押し切っていくがごとき態度に終始してきたことは、きわめて遺憾なことであります。国家の防衛は、国民の決意と協力なくしては全うし得ないという命題を忘れて、何か他国の要請に従ってがむしゃらに防衛力という名の軍事力を増強していこうとする姿勢にしか受け取れないのであります。ために、今日防衛庁の欠員は、本年二月現在で二万二千人に及び、その充足率は九一%にすぎず、また最近の自衛官募集の際の応募率も依然として低く、このような国民の冷ややかな現状では、わが国の防御力の質的向上は望むべくもないのであります。 第二は、日米安保に関する政府のゆがんだ姿勢についてであります。 およそ今日の世界の近代国家の安全保障というものは、すべて自国の防衛力に加えて、各種の相互安全保障条約を基調として構成されております。その意味では、自主防衛プラス集団安全保障という形式によって成り立っていると言えます。ところが、わが国の戦後二十年間の防衛は、日米安保プラス自主防衛という形式を踏んでいるとしか思えません。ここにわが国の防衛が、自主性を喪失しているのではないか、どこか狂っていはしないかという疑問が広がり、国民の支持が得られない結果に終わっているのであるとわれわれは判断いたします。いわばわが国の防衛は本来転倒ではないかといわれるのも、このためであります。したがって、まず今日の日米安保の位置づけをどうするか、今後の日米安保をどう改定させていくかということが、国民に明らかにされなければなりません。現に、一九七〇年の政治危機といわれる年が近づいてきているではありませんか。日米安保をどうするかということで国論が分裂する気配を承知しながら、政府と自民党部内においては、これに対する意見はしばしば不統一であって、長期固定化論もあれば、暫定的延長論もあり、まして国論統一のための努力など、片りんも見られないのであります。外国に提供してある軍事基地返還の意欲もほとんど持たないことを、しばしば答弁で明らかにしたのであります。 このように、基本的な問題で国民の疑惑と不満に答えようとしないままで三次防に入っていこうとすることは、はなはだ無理な相談であります。いわば、このままでは根なし草の防衛計画であり、三次防であり、また今回の定員増加計画であるとしか言えないのであります。 第三は、核の問題に対する政府の態度の不明確さであります。 戦後の米ソの核独占時代は、世界を東西に二分して、二つの核のかさのいずれかに入ることを余儀なくしたのであります。米ソはその後第二撃力を持つに及んで、平和共存を助長しつつ、米ソ優先の世界政策に転じたのであります。しかしこの不安と不満にささえられて、英国、フランス、中国などがみずから核を保有して、米ソからの離脱を試み、ついに今日の多核時代に進展して、各国はいずれも他国への追従を排して、国家的自主性回復の時代に入ろうとしております。しかも今後は、西ドイツやわが国などは潜在的核保有能力国として、非武装を貫くために非核クラブを形づくって、核保有国に対し強く核軍縮を求めなければなりません。他方、核の持つ戦争抑止力の機能を特定国から超国家的なものに変えて、名実ともに完全な国連による安全保障に持ち込むべきであります。にもかかわらず、わが国政府は旧態依然としてアメリカの核のかさにとどまることに甘んじ、むしろ世界最強の核のかさにあることにひとり満足しているごとき態度に終始していることは、進歩と平和を希求する基本的態度を喪失したものと批判せざるを得ないのであります。 第四に、今次防衛計画や定員増加計画はきわめて総花的であって、いずれに今後の防衛上の戦略戦術を置こうとしているのか、全く判然としないことであります。 先ほど来しばしば申し述べてまいりましたように、わが国の自衛隊は、あくまで国を守ることにのみ専念するものであって、他国を侵略する任務を一切持ち合わせてはなりません。それならば、なぜこれ以上の陸上の強化が必要なのであろうか。商船を守るための対潜能力の向上は確かに必要であるとしても、艦艇の増強にはおのずから一定の限界が示されなければならない。むしろ島国であるわが国を完全に防衛するためには、今後の防衛力の強化を航空自衛隊の強化に集中すべきではないか。不法なる侵略者がありとするならば、それは当然空か海から進攻してくるものであるので、わが国としては、いかなる場合にも本土に上陸せしめないだけの徹底した制空権の確保に専念すればよいのではないか。そのための航空自衛隊の質的再編成に最重点を置く今後の防衛計画に徹することが、必要にして最低限度の、また最小の経費で最大の防衛効果を発揮するゆえんではないかというような考え方を私は抱くのでありますけれども、こうした具体的な国民の信頼と同意を求めずして政府は第三次防に奔命していると言わなければならないのであります。 要するに、政府は依然として他国の軍隊に模倣する自衛隊増強の方針から一歩も出ず、しかも最終的には常にアメリカ依存の他力本願的態度を持ち続けて、ために日米安保のゆがんだ現状から脱皮できず、量より質への転換を断行し得ず、またシビリアンコントロールについても随所に破綻を見せ、防衛白書は依然として出されようともせず、ついには国民合意の防衛体制の確立をいよいよ遠ざける結果を招いていると言わなければなりません。わが党は、わが国の防衛の正しき姿を求めるがゆえに、そしてまた今後のわが国の真に防衛に徹した自衛隊のあるべき姿の確立を国民とともに願うがゆえに、こうした政府の無原則な三次防計画と、その出発的ともいうべき防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に強く反対するものであります。 ただし、わが党はすでに国家公務員として防衛の任についている自衛官の生活を守るべきことは国家の責任であるとの観点から、現状に適した給与の改定はこれを認める方針でありますので、予備自衛官もまた非常勤特別職国家公務員であるという立場において、二十九年当時月額千円であった予備自衛官の手当を今日千五百円に改定することは、一応妥当なこととして、防衛庁職員給与法改正法案については、これに賛成するものであることをここに表明いたしまして、私の討論を終わります。
○關谷委員長 伊藤惣助丸君。
○伊藤(惣)委員 私は、公明党を代表いたしまして、このたびの防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、簡単に反対の所見を申し述べます。 今日の国際情勢を見ますと、まことに遺憾なことではありますが、中東紛争はいまだ完全な解決を見ず、また悲惨なベトナム紛争はいつ果てるともしれない状況であります。また中共の水爆実験等の成功によりまして、世界は核の多極化という傾向をも示しております。このように、依然として国際情勢は流動を続けておるのであります。 このような事態に対処するため、政府自民党のわが国の国防に対する基本的姿勢は、三次防にも明らかなように、これを主として安保体制の強化と、わが国の軍事力の増強という形でこれに対処しようとしておるのであります。しかし、私たちは、真の安全保障というものは、広く国民の国防に対する正しい認識と理解の上に立つものでなければ、幾ら武力を増大してみても、これはほんとうの効率的な安全保障力にはなり得ないと思うのであります。 要するに、わが党の主張する安全保障力は、直接間接に国の安全を保障し得る総合力をいうのであって、それは国民の意欲、経済力、外交、政治の安定などの諸条件から構成すべき総合力をもって国民的合意を確立することが、最も重要なことと思うものであります。政府は、この国民的コンセンサスを形成する努力に欠けていると考えるものであります。 このような安全保障に対するわが党の立場から、第三次防衛力整備計画を見るとき、その裏づけとなる長期防衛構想が、何ら国民の前に明らかにされておらないことであります。政府は、昭和四十六年にわたる五カ年に約二兆三千数百億円という膨大な国防費を計上しながら、国民に対して納得のいくような説明すらなされていないのが現状であります。これについても、国民的合意形成への誠意を全く認められないのであります。 また、二万名にも及ぶ隊員の欠員をかかえながら、さらに定員を増加しようとしておりますが、これは過去の充足状況から見て、私どもの理解できない点であります。 さらに重要なことは、シビリアンコントロールについてであります。政府は口を開けばシビリアンコントロールについては万全を期しているがごとき発言をいたしておりますが、なるほど体制はでき上がっているかと思いますが、その実体は、一々申し上げませんが、まことに寒心にたえない実情にあることを憂えるものであります。この点についての政府の配慮がきわめて不十分であると痛感いたすものであります。 以上が、私どもの防衛関係二法案に対するわが党の反対の理由であります。 わが党は、政府に対し、以上の見地から、この際、防衛問題に対する根本的な姿勢を再検討することを求めるとともに、国民の基盤の上に立つわが党の趣旨を参酌することを要求いたし、ここに公明党を代表して私の所見を終わる次第であります。 なお、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対しては、職員の生活権の問題でもあり、処遇を改善する見地から、賛意を表するものであります。 以上で終わります。
○關谷委員長 これにて発言は終わりました。 去る六日の委員会における採決に際し、若干混乱がありましたので、この際、念のため確認をいたします。 まず、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○關谷委員長 起立多数。 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○關谷委員長 起立多数。よって、いずれも賛成多数で可決されたことが、明確になりました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十七分散会