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55回国会衆議院1967/07/20

逓信委員会 第23号

発言数
133
登壇者
14
会派数
4
開催日
1967/07/20

会議録

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 これより会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案並びに日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田代文久君。

田代文久日本共産党

○田代委員 前田会長にお尋ねしますが、最近NHKの芸能局総務部経理班の経理について疑惑を持たれるような事件が起こっておるが、それは現在中央研修所に勤務がえになっている森野それがし外現在経理班に勤務している三名による芸能の製作費のから伝票による使い込み事件であって、過去一年間にわたって六十四万円を遊興費に使用した問題であるが、その内容と経過についてお尋ねいたします。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 御質問の件につきましては、すでに私どもの規定に従って厳重な処分を終わっておりますが、その経過と詳細については、赤城専務から御説明申し上げさしていただきたいと存じます。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 ただいま資料を持っておりませんので、記憶をたどって御答弁申し上げたいと思いますが、昨年よりことしにかけまして、御指摘になりました四名の者が、私的な関係において遊興した費用を、公の打ち合わせその他に使ったということで、NHKの会計からそれを支払わせるような手続をとりまして、その一部が、四十万ちょっとでございましたが、支払われておるわけでございます。先生のいまおっしゃいました六十何万円の最後のほうのものは、そのときにそういう事実を発見いたしましたので、NHKとしては支払わずに本人たちをして支払わした。ですから、NHKに損害を与えたのは四十数万円でございます。このことにつきまして、そういう事実を発見いたしましたので、十分調査をいたしまして、その四名は徴戒免職処分にしました。それからなお上司につきましては、局長以下減俸処分ということで、これはすでにその処分を完了いたしております。以上でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうすると、実際の損害をNHKに与えたのは四十数万円であって、他の部分については自分で穴を埋めたというわけですか、そういうことですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 さようでございます。しかし、その四十万円につきましても、その補償を本人たちにさしております。

田代文久日本共産党

○田代委員 こういうから伝票による不正が行なわれているという問題につきましては、岩崎卓也という総務部の副部長の印鑑が使用されておるということですが、事実そうなんですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 その印鑑を盗用しております。たとえば、副部長が外出したときに、机の引き出しからそれを持ち出して印鑑を盗用しておるものですから——管理職の印鑑がありますと、経理はそれを証拠として支払うということになっておりますので、経理的にはそれを発見することが非常にむずかしかったわけでございますけれども、盗用をしておるわけでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうすると、総務部の副部長の岩崎氏の印鑑を盗んで、そういうことをやったというお話ですね。たいへんなことだと思うのです。そういう印鑑が、直接現金に響くような問題を、この岩崎という副部長なりNHKは、すぐ引き出しをあけて持っていける状態に放置されておるのですか。そういう点、管理などにおいてどうです。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 その管理職の印鑑は自身の認め印でございまして、その点はそういう重要な印鑑をそういう不用意なところに置いておくということにつきましても、これは厳重な警告を発しているわけでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 この事件はただ一回だけでないと思うのですね。何回かされているはずです。そういう印鑑というものは常習的に数回にわたってそれが盗用されるというような状態にあったわけなんですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 詳細記憶しておりませんが、たとえば、副部長が食事のために外出してその机におらなかったときに、それを見ておって引き出しからそれを持ち出して盗用した。ちょうど一年間にわたってやっておりますから、何回であるかいまちょっと記憶にありませんが、七、八回にわたって盗用した。それからそういう支払いをされている、そういうことでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 確かにこれは聞き捨てにならない問題だと思うのです。つまり国民の二千万余もの聴視者が非常に高い聴視料を払っている金を、とにかく七、八回にわたって管理者が自分の印鑑を盗用されて、それが放置されているとかいうような状態であると、これは全く安心できないじゃないですか。金額が六十万円ないし四十万円か知りませんけれども、これはあなたたちからすれば大した金ではないとお考えになるかもしれませんが、そういうものでは絶対にないのですね。しかも、それが七、八回にわたって繰り返されている。この責任は一体どこにあるのですか。この岩崎総務部の副部長というのは、大体そういうことが一種の習慣なり日常茶飯事になっているのではないですか、NHK自体が。どうです。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 零細な全国の聴視者のお金を預かってNHKは運営しているわけでございますので、先生のおっしゃるとおり一銭一厘たりともおろそかにしてはならぬということは、会長はじめ常々われわれが心得て運営をしているわけでございますが、やはりこれだけの大きい組織になりますと、たまたま、最近は非常に金銭事故は少なくなっておりますけれども、どうしても中にそういう問題が派生してくるわけでございます。これは単に職員のそういう不当なる行為だけでなくて、やはり先生のおっしゃるように、副部長なり、部長なり、あるいは局長なりが十分の監督の責任を持っているわけでございまして、そういう点で局長、部長、副部長は一番大きい処分であります減俸処分にしたわけでございます。それと同時に、各職場に今後そういうことが起こらぬように、いろいろな面から厳重に経理事務を遂行するようにということを通達いたしました。たまたまこういう事件が起こったのでありまして、ほかに全般が弛緩しておるというふうにはわれわれは考えておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 いまの御答弁は、全くふざけていますよ。というのは、さっきあなた、はっきり言われたでしょう。これだけ大きな組織になると、そういう事件がたまたま派生するということはあたりまえじゃないかと言わんばかりの言い方でしょう。組織が大きくなればこういう事件が派生するとは何事ですか。許されますか。日本国家というような組織が大きいから、それで当然汚職とかこういう盗用というものがたまたま起こるのだというような、そういう前提でNHKがまかせられますか。国家の政治がそれでやれますか。あなたは弛緩しておると思わないと確信的におっしゃいましたけれども、これ自体がはっきり弛緩している証拠じゃないですか。何と考えているのですか。   〔委員長退席、木部委員長代理着席〕 そうしてその処分について減俸をやった、これは重大な、一番大きなあれだと思うと言うが、われわれはその減俸というものをこの総務部の副部長にやったとおっしゃることが、最大の処罰というふうには考えられないのです。NHKはあなたたちのものではないのですよ。弛緩している証拠じゃないですか。これだけ大きな組織になると、こういうことがたまたま派生するとは何事ですか。はっきり言ってもらいましょう。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 ことばの表現の方法がたいへん悪かったように思いますが、私の申し上げたいと思ったことは、やはり一万五千名の職員がおりまして、そういう方もどうしても出てくるというようなことを言ったのでありまして、それはもう出ないように十分われわれは注意しておりますけれども、そういうこともやはりこういうふうに出てくることはある、そういう事実を申し上げたのでありまして、そういう事実が出ないように、われわれは日ごろ十分努力したい、そういうことを申し上げている次第でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 同じことでしょう。一万何千人かおれば、どうしてもこういう人が出てくるとは何事ですか。同じことじゃないですか。これは私は前田会長にはっきり御答弁願いますが、現在のこの答弁で、われわれが満足できるかどうか。国民が満足するかどうか。絶対できない。これは明らかにNHKが弛緩している、ゆるんでいる、こういう事件が起こっている根拠があるという点について、私ははっきり会長から責任のある答弁をお願いをいたします。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 御説のとおり、私は御質問を承りながら、まことに遺憾なことであったということを痛感いたしております。御説のとおり、われわれの協会は、協会内におる者の協会ではなく、全国民の協会であり、その点について、このような事実が発生したことについては、協会の最高責任者として、私はまことに遺憾だと率直に申し上げます。今後こういうことのないように私としては事件発生の報告を聞いて厳重な処分をすると同時に、また今後このようなことを繰り返さないように特に管理職全体に対して一つの指示をしたわけでございますが、今後ともまことに当然のことでありますが、私どもは全力を尽くしてこのような事件が繰り返されないように最大の努力と最大の管理をいたしたい、このように考えております。

田代文久日本共産党

○田代委員 その問題はあとからにしまして、そうすると、これはNHKの公金の穴があいたわけですね。そうすると、たとえば収支決算経理上これをどのように説明し、また発表して、そしてとにかく収支決算はこうなって、実はこんなに使い込みをやりまして穴をあけました、これはどこから入った金でどう使ったというのは、決算報告書ではどういうことになりますか。その説明を明らかにしてもらいたい。おそらく私たちがもらっている決算報告書には、このような盗用をして穴をあけてどうということは出ない。ただとにかく収入が幾らで支出が幾ら、残高が幾らということで出れば、見ただけではわれわれにはわからないし、国民もわからない。だからわかるようにしてもらわなければ困るわけです。またわからしてもらわなければならないのですが、これはどのようにして発表されるのですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 この事件に関しましては、先ほど来赤城専務理事から御説明申し上げましたように、金額の総額のうち四十数万円を事実上協会は支出したわけでありまして、この分に関しましてはその返還を命じております。本人が返還不能な場合には、NHKに入る場合には必ず保証人を立てておりますので、保証人に対してもその返還を要求しているというのが私どものやり方でございます。したがいまして、このような事件との関連で決算の実態につきましては、実数はこれを本人からもしくはその保証人から補てんをさせるという形で、決算そのものの実数には実害を及ぼさないように私どもは処置いたしているわけでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 実害についてはそういう点で帳面づらは収支がとんとんになって、国家にも国民にも迷惑をかけておらぬということですけれども、問題はそれだけじゃないです。それだけじゃなしに、むしろそれ以上の問題があるということですね。ですから、あるいは収支決算明細表なんかでは非常にきれいにいきますが、内容はそういうきれいなものじゃない。きれいごとじゃない。これは明らかにそういうゆゆしき内容を持っている。その内容は実はとりつくろわれて穴埋めになっているけれども、いまいろいろ答弁がありましたけれども、そういう不正なことをやったことに対して、NHKは、実はこうこうこういう事件が心ならずも起こりましたが、こうなりました、そしてこれはこう処分いたしましたということを天下に発表されましたか。また発表する意思があるのかどうか。たまたま私が質問したからそういうふうな回答がいましぶしぶ出たというような印象しか受けないのですけれども、その点いかがですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 かような事件に関しましては、日本放送協会の協会報でその処分の結果と内容を告知いたしております。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうすると、これはすでに告知されておるわけですね。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 一応内部的にはそういう処置をとっております。

田代文久日本共産党

○田代委員 処置をとったと言いますが、いつどこにどういうふうにして発表されたんですか。何か歯切れが悪いようなあり方なんで、その点ひとつはっきり言ってもらいたい。いつ何にどういうような形で発表されたかということです。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 そういった処分関係につきましてはNHK会報というものがございますが、その会報にはそういった事案と、並びにこれに対する処分の種類等を掲載をすることにしております。外部関係、一般に公表の関係につきましては、これは御説のとおり、NHKとしてまことに申しわけのない事案でございますけれども、何しろまだ春秋に富んだ若い諸君でございます。こういう方面の将来の、やはり悪は悪といたしましても、さらに更生をし得る余地を残す必要もあろうかと思いますので、一般の犯罪等についてもそうでございましょうが、その事件は憎むべきでありましょうけれども、これはやはりさらしものにして、将来立つあたわざることにすることも忍びないことでございまして、いろいろ将来におけるそういう事案を二度と起こさないように最善の努力をいたさなければならないことは、もちろんでございますけれども、本人たちの将来の更生の道が残るように、これを世間に公表をいたして、全く世間からすたれ者にするというようなことは忍びないことでございますので、いまのNHK会報、これの掲載によって部内周知をする限度にとどめておるわけでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 それはいつの会報に発表されましたか。大体おっしゃることはわかります。そういう点では、こういうようにしてその人の将来が、とにかく職につけないとか、十分反省の余地を与えずにその人を抹殺するというようなことは、これは正しくないと思います。それは当然です。申し上げるまでもないことなんですけれども、大体いつそれは会報に発表されたのですか。というのは、これをはっきりさせないと、そういう理屈ばかりいつも言われると、それがとにかくたてになって、何でもかんでも発表せぬのだ、本人の将来に関してというようなわけには、公金に対してはいかないのです。それはいつです、その資料を提供してもらいたい。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 いま明確に覚えておりませんが、いずれ取り調べました上で御連絡を申し上げたいと思います。

田代文久日本共産党

○田代委員 明確にわからないということはわかりますけれども、しかし、大体何月ごろです、何月のいつごろです。これはわからないはずはないです。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 処分をいたしましたのは、たしか六月の末か七月の初めだったと記憶をいたしております。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうすると、もうつい最近ですね。それを会報にはっきりわかるように、印刷物によって発表されておるということですね。間違いないですね。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 会報の発行も旬刊でございまして、十日おきくらいになっておりますので、あるいはその処分のそれはすでに掲載されたか、あるいはこれから最近の号に掲載するか、そういう段階ではないかと思います。何しろ処分のそれは、あるいは七月に入ってからではなかったかと思います。また処分はかようにいたしましても、いろいろ責任審査委員会における決定はそうでございますが、組合に属しますので、組合とのいろいろな話し合い等もありますし、またその辺について処分の行き過ぎ等があれば、組合としては本人の利益擁護のためにいろいろな所定の手続をとり得るわけでございますので、あるいは場合によっては、会報にはまだ掲載するに至らない時期にあるかもわかりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 そういう答弁のしかたは私はやめてもらいたいと思うのですよ。あなたたちはごまかそうとしたって、それはごまかせるものではない。さっき公表したと言ったじゃないですか、はっきり会長もあなたも言ったじゃないですか。それが公表するつもりにしておりますとか、事実はまだ公表していませんとか、何です、それは。責任をはっきりとる意思があるんですかないんですか。いまおっしゃるようなそういういきさつがあるならば、私はすなおに国民に対する責任としておっしゃるべきだと思うのですね。国民に対する責任ですよ。あなた方、営利会社がやってもうけた損したという問題ではないのですよ。これはいずれにしましても、いまの答弁全体からしても、非常にNHKがゆるんでいるという結論を下しても、これは決して行き過ぎではないということが非常にはっきりしたと思うのです。こういう点は、もし国民に責任を負うなら、ずばずばっと、この点はこういう誤りを起こしましたが、こうしました。責任をとってこうしますと言わなければNHKがまかされますか。  私は、次に質問を進めますが、大体そういう点からNHKの現在の状況について、国民が非常に疑惑を持つようなことが答弁の中からもうかがわれるのですけれども、二千万人にも及ぶ聴視者というのは、大体NHKというのは親方日の丸的に一日二億円というようなばく大な金を集めておる。そういうことからその使途について甘いというような意見なり批判なりというものが方々から出ているんですよ。これは別にいわゆる利益本位に運営するのではないのだから、むずかしくなればとにかく聴視料を上げればいいんだろうというような安易に従って、国民に明確に責任をとるところがないのではないかという批判が、実は方々から出ているのです。ですから、やはりこういう事件というものも、その一つのあらわれではないか、これはよほどはっきりしてもらわないと困るわけです。  それからこれと関連するのですけれども、大体NHKの報酬、給与体系というようなものについてお知らせ願いたいと思うのですが、どういうことになっておりますか。これは会長からひとつ・・・。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 ただいまの御質問に対しましては、担当の理事から説明させていただきたいと思います。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 NHKの給与体系について御説明をいたします。  給与につきましては、基準賃金と基準外賃金とにまず大別いたしておりまして、基準賃金は基本給と家族給から構成をいたしております。それから基準外賃金と私どもが称しておりますのは、いわゆる時間外に労働をいたしました場合の時間外手当、休日に出勤をいたしました場合の休日出勤手当及び深夜業手当、当直、宿泊あるいは早朝出勤、緊急呼び出しというような、規定の時間外に働きました場合のものが基準外賃金でございます。そのほかに冷寒地におきましての冬営手当及び危険な作業のために山上に登りました場合あるいは飛行機に搭乗いたしたような場合の危険作業手当、そういうような特殊な勤務手当がございます。なおそのほかに住宅手当、それから管理職につきましては職務手当がございます。もちろん賞与もございます。  大体、以上がNHKの給与の体系でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 業務上、飛行機にお乗りになることがたくさんあると思いますが、そういう場合には危険手当というものが出るのですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 さようでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 実にこれはけっこうな・・・。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 ちょっと説明を落としましたが、通常東京から大阪へ出張するとか、札幌へ出張するとかいう場合には、そういう手当は一切ございません。カメラを持ってヘリコプターに乗って危険地の上を飛び回って取材をするような非常に危険な場合に、危険手当としてこういうものを出しております。

田代文久日本共産党

○田代委員 私もはなはだ不勉強で、これは教えていただきたいのですが、経営委員、それから経営委員会の責任者の方々の給与の内容、それから手当についてひとつ教えていただきたいのですが、どんなものなのでしょうか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 経営委員につきましては、会議の開催日数に応じまして日額二万円を支払っております。

田代文久日本共産党

○田代委員 日額二万円ですね。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 さようでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 答弁しておられぬと思うのですが、まだほかに手当があるんじゃないですか、日額二万円以外に。そうすると、いままでの実績から申して、一カ月あるいは一年間にこの経営委員のそういう収入あるいは手当というのはどのくらいになるのですか。何回くらい会議を開くのですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 大体平均いたしまして、一カ月に五日くらいが出動日数になっておりますので、大体十万円くらいということになります。

田代文久日本共産党

○田代委員 そのほかにまだ何か夏期手当あるいは年末賞与式なもの、あるいは交際費というようなものは全然ありませんか、これ以外のものは。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 上期、下期に期末手当というのを支出いたしておりますが、そのほかにはございません。

田代文久日本共産党

○田代委員 その額は幾らですか。額を言わなければ全然わからないじゃないですか。上期、下期幾らですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 上期、下期それぞれ三カ月分でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 三カ月分というのも、これはわからないですね。月給じゃないでしょう。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 その方の御勤務日数に応じまして支払いをいたしました月々の報酬の三カ月分でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうすると、ほかに交際費とか、そういう手当みたいなものは全然ございませんか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 ただいま仰せのようなものは、支払いをいたしておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 これもついでにお尋ねしたいのですが、前田会長の給与、それから今度のボーナスあるいは交際費というようなものをひとつお聞かせ願いたいと思います。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 会長の報酬は、月額四十万円でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 それからボーナスとか交際費・・・。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 ちょっとただいまの説明を訂正させていただきます。  会長の報酬は月額三十万円でございまして、手当が十万円で、合わせて四十万円でございます。  それから賞与につきましては、予算で御承認いただいておりますが、年間八カ月分でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 交際費は・・・。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 交際費につきましては、使用したつど実費を支払っております。

田代文久日本共産党

○田代委員 これはわれわれ貧乏人から見ますと、また勤労者から見ますと、非常に豊かなことですが、いま不正事件を起こした部、そこのいわゆる芸能制作費から給与が支給されていると言われているのですが、NHK直属の芸能者に対する給与というのが五年間据え置きのままになっているのが二〇%もあるということを参議院で答弁されている。そうすると、いまのあれは幾らか考慮しなければなりませんが、平均というわけにはいきませんが、経営委員会を一回会議をやると二万円も取る、ボーナスは三カ月分、そういう給与をもらっている。そういうことがどんどんやられている中で、むしろこういう人たちこそ優遇しなければならない——そういう給与が五年間も据え置きになっている芸能者が二〇%もあるというようなことなんですが、毎年物価はどんどん上昇するという中で、そういう給与を五年間も上げないままにしているということは、これは常識ではとても考えられない。これは全く前時代的な処置がとられているというふうに考えざるを得ませんけれども、これは一体どういうことなんですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 ただいまお尋ねの件は、回数出演契約を結んでいる芸能人のことと存じますが、おっしゃるとおり五年間据え置きの方もございます。ただし、これは原則といたしまして芸能人でございまして、その芸能の価値に応じてお金を支払っているものでございますから、技能の向上しない方は上がらない方もおられるということになりますけれども、大体全体を平均いたしますと、この四年間に約八〇%の方が少なくとも一回以上の出演料のアップを受けております。こまかく申し上げますと、四年間に四回アップされた方もございます。あるいは三回アップされた方、二回アップされた方、全然アップのない方が一九・七%ばかりございますけれども、これは毎年技能の審査を行ないまして、向上のない方は出演料は据え置き、向上されている方は出演料を上げるというたてまえになっておるわけでございます。   〔木部委員長代理退席、委員長着席〕

田代文久日本共産党

○田代委員 芸能の価値について支払っているという御答弁ですが、完全にそういう報酬、給与体系になっているわけですか、この芸能人に対しては。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 さようでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 それはおかしいと思うんですよ。芸能人というと、何か特殊人のように考えておられるようですけれども、それは特殊な芸術家として、芸能人として、そういう分野に特殊な芸能を持っておられるということはあると思いますが、基本的にはこの人たちは毎日の生活が保障されていなければならない。日本の社会人ですね。そういう意味においても、これははっきりした勤労者ですよ。そうすると、二〇%も全然手当なり、そういう給与は上がらない、物価はどんどん上がってきておる、五割も十割も上がってきておるという中で、その人たちはどうして生活が保障されますか。どのように考えられますか。そういうことに対しては、NHKとして全然無関心ですか、考えないのですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 出演契約と生活との関連の問題については非常にむずかしい問題がございますけれども、私は直接にはこれは結びつかないのではないかという考え方を持っております。ほかの出演者の方もたくさんおられまして、放送局と申しますところはいわば客商売みたいなところでございまして、芸能人の方もおられますし、講演される方もおられますし、いろいろございます。そういった方々の一回の放送について出演料をお払いしておるのでございまして、いま先生のお話になりました特殊な芸能人につきましてはある程度の出演回数というものをきめまして、その回数の範囲内で出演料をお払いしておるわけでございます。これは世界のどこの放送局も、出演料と生活と直接結びつけているというようなことはございませんし、また出演者の固定化というものをできるだけ避ける意味におきましても、出演者の方はそれぞれ自由な立場においてほかの社とも自由な契約を結んでいただいて、それで自由な立場で芸術的な、あるいはまた創造的な活動をしていただくというのがたてまえでございますが、 いま先生お話しの特殊な芸能人につきましては、金額の点から申し上げますと、大体一人平均年額九十七万円というものを支払っておるわけでございます。もちろん、この数字は平均でございますから、それより上の方もおられますし、それより下の方もおられます。しかし、平均額から申し上げますと、平均的にその方の生活はある程度保障されているのではないかというふうに私は考えたいのでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 それはあなたがお考えになると、それは保障されているように見えるかもしれませんけれども、非常に有名な名の売れたタレントであるとか、あるいはそういうスターというような人は、それはそうでしょう。むしろそれは社会的には不当なといっていいくらいばく大な収入を得ておられるかもしれません。しかし、われわれが特にここで問題にしなければならないのは、ほんとうに下積みで、これはほんとうにことばは悪いのですけれども、例の馬の足なんかになるような人、幾らラッパを吹いても、それはほとんど認められない、そういう人たちの暮らしが一番重大だろうと私は思うのです。  そうすると、いま九十七万円とおっしゃいましたけれども、これは何千万円も収入のあるような人と一緒の平均でしょう。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 何千万円という方は含まれておりません。その芸能団体の最高の出演料と申しますのは、一年間にたしか四百五十万円が最高の方だと思います。それで私が九十七万円と申し上げましたのは、最高と最低を入れた総平均額でございまして、もう少し妥当な平均値を出すためには、最高の額と一番低い額とを削って、それから平均値を出していきますと、大体九十万円くらい、その方が大多数でございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうしますと、日本放送協会芸能員労働組合というのがありますね。その組合に組織されている組合員の給与というものが支払われているはずなのですが、その支払われている基準というのは、昭和三十七年の四月に、NHK、それからいまの日本放送協会芸能員労働組合、つまり日芸労、及び日放労が団体交渉で結んだ確認書によるものだというふうに思うのですが、その点どうですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 さようでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 その確認書で、はっきりここに一号、二号というようなランクがつけてあって、そうして契約料の原票なんかも、はっきり契約上明確にされているわけですが、物価がどんどん上がっていくという中で、この組合員が生活を維持しようとすれば、当然この三十七年にされた契約というものは、そのままではもう通用しなくなる、実際において実情に合わなくなる。ですから、組合員が生活維持をしようとするならば、当然これに書いてある別表の号俸を引き上げるとか、あるいはまた、別表そのものを改定する以外には、その人たちの生活を、とにかくまともに考えるということはできないわけなのです。そこから当然この日芸労が給与の値上げを絶えず要求してきておる。けれども、NHKはそのための団体交渉に応じておらないそうでありますが、一体これはなぜなんですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 まず最初の問題からお答えいたしますが、毎年技術審査を行ないまして、妥当と認められる方には出演料の増額を行なっているのでございまして、五年間全然うっちゃらかしておるというようなことではございません。  それから、いま出演料の号表のお話が出ましたけれども、それは改定しなくても、それにランクがたくさんございますから、たとえば一号の方が来年は二号になるとか、二号の方が技能が著しく向上しておれば三号になるとか、そういうふうに弾力を持たしてやっております。  それから後段の御質問でございますけれども、出演者の方はあくまでも自由な立場において、芸術的な創造的な活動をやっていただくという意味で、私どもはいままでたびたび出演者とのお話し合いはいたしてまいりました。しかし先方の言う団交というようなことにつきましては、私どもはそういった表現のもとにおける話し合いということはできるだけ認めておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 そうしますと、二〇%という人たちは五年間全然これが上がっていないということが事実なんですね。そうするとその人たちは五年間も、こういう物価、経済の変動の中で上がらないという場合にどうしてこれは生活維持ができますか。その人たらがこれでは生活できないから何とかなりませんか、こういう団交をやるのはあまりにも当然じゃないですか。そうすると、それは芸能人なんだから、この人がとにかく腕が上がった下がったというのは試験してやるのだから、そして試験してパスすれば、ほしければ二号俸でも三号俸でもどんどん上がるようになっておりますよと答弁なさるかもしれませんけれども、もしかりに悪意があって、NHKの審査官なりNHKが一方的にどうもあれは虫が好かぬというようなことがあるとしますね、しかし二〇%も上がらないのですから、単なるあれじゃないと思うのですよ。そういうときにこの二〇%はどうして救われますか。当然その人たちは労働組合というものをつくっておりますから、そういうふうに団体交渉をするということはあたりまえじゃないですか。憲法にそれは保障されているじゃないですか。とにかく食えないから、なぜ上げてくれないかということを言う余地がなくして、どうしてこれはその人たちの暮らしが維持できますか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 お話し合いはいたしているのでございます。出演者と申します者はその地域の番組に出演する出演者でございます。その地域の局長とその問題についてはお話し合いをした結果、双方が合意に基づいて調印して一年間の契約をきめるのでございます。  それから先生のおっしゃる二〇%の方が五年間もアップしない、食えないじゃないかとおっしゃることはわかりますけれども、出演者の出演料のきめ方と申しますのは、あくまでも技能が基準でございまして、これはほかの出演者の方も一般にそうでございますが、技能に対して支払う報酬であるというふうに考えております。  それから先ほどもちょっと申し上げましたが、技能が低くて一回や二回の出演ではどうしても一月食べていかれないというような方々の場合には、回数をふやして、まあ私どもとしてはできるだけ温情ある措置をとってきたつもりでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 恩恵を与えてきたつもりなんだというのは、これはよくないですよ。勤務している人は恩恵によって動くとかなんとかいうような、そういうこじき根性によって来ているのではないのです。これは一対一ですよ。あなた方が一の権利を持っていればこっちも持っているのですから、恩恵によって恵んでもらって暮らしを立てているというような思想じゃないのです。  それから地方で話し合いをすればいいんじゃないか、そういうことをやって話し合いをやっておるとおっしゃるけれども、これ自体はあなた方のNHKの本社がやっているのです。そうするとこれは生きておるわけでしょう。そうしてこれによって地方も動いておるわけですよ。だからこれを変更し、個々の問題を解決せぬというと、とにかくかりにそういう地方で働いている芸能人の方が、これをやってくれ、そうすると、そこの地方の責任者がよろしいといっても、あなた方東京のほうにおいて、何だ君はこんなことをしておったらしょうがないじゃないかといったらツルの一声でしょう。だから、この交渉というのは地方で解決する問題ではない。またこの契約は、この結ばれている自身が、これは東京だからやられたことじゃないですか。当然あなたたちの負うべき責任じゃないか。そういう責任転嫁によって——もっと私たちはその人たちの暮らしを見、物価の変動に応ずる生活ができるように保障しなければならない。しかも、NHKという機関そのものが天下の公器である、単なる一営利会社でないという場合、なおさらこれは、結ばれているそういう給与関係なんというものが保障されなければ意味がないのです。しかも、何だか企業会社の社長が恵んでやっているという、そういう姿勢であなたたちが給与を考える、しかも先ほどのように経営委員やらあるいは会長はそこにばく大な給与を持っている、保障されているということにおいて、国民が納得できますか、非常に私は誤っていると思うのです。そういう私たちが最も同情し、最もその人たちの暮らしについて保障する責任があるわれわれが、こういう問題が出ている場合に——NHKはこの問題についてそういう話し合いをやったという話だが、最近はやっておらないじゃないですか。ほとんどそれは拒否する、とにかく組合を弱める、分裂させる、恵みを与えてありがとうございますというような連中だけあれするというようなことをやられていませんか。いずれにいたしましても、私は、NHKはこういう問題についてはっきり団交する意思があるかどうか、そういう人たちの要望に対して全然しないというのか、お答え願いたいと思います。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 最初のお尋ねのほうからお答えしてまいります。先ほど私が温情ということばを使ったのは妥当ではないと思いますから取り消さしていただきます。できるだけお互いに理解を持ってきめていきたいという意味で、そういった不用意な発言をしたことは取り消さしていただきます。  それから、すべて中央できめるのじゃないかというお尋ねでございますけれども、番組と申しますものは、東京から全国中継で出ますものと、各地方、地方のローカル放送とがございまして、そういった方々はそのローカル放送に御出演なさるケースが非常に多いのでございます。したがって、その地域の局長がそのローカル放送につきましては編集権と編成権を持っております。そういった方々の判断によって、何回出演するか、Aの方は何回出るか、Bの方は何回出るかということをきめていくのでございまして、その回数というものが直接収入に響いてくるわけでございます。  それから、第三番目の中央団交をなぜしないか、なぜいま話し合いを断っているかというお尋ねでございますけれども、いま申し上げましたようにも回数番組出演者でございますので、各地域、地域においてじっくりと話し合いを行なっていただいて、そうして双方合意の上でまた来年度の契約を調印していただくという仕組みになっているのでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 それはやはりごまかしだと思うのです。地方の当局はそういう話し合いをやるという場合に、これはとにかく飯を食えないから、どうしてくれます、何とかしてくださいというと、それはしかし東京だから、契約をあなたが結んでおるじゃありませんか、そのワクで私たちは動く以外にないのだからといって逃げているのですよ。結局そうすると、地方と中央のあなたたちの八百長によって一番苦しめられているのは芸能人ということになりはしませんか。前田さんなんかILOの労働組合関係についてはとにかく非常に勉強されておるし役員もされていましたから、しかもその機関そのものがそういうあれですから、当然普通の民間会社以上に神経の届いた、そういう方々の意見を十二分に取り上げて、そうして生活のことを考えてやるということでなければ私たちとしても、NHKをこのままにしておいては困る、もっと基本的に考えなければならぬということを強力に発言しなければならないと思うのです。いずれにしましてもそういう点はとくと考えていただきたい。  時間がなくてあと質問者がおられるそうですからもう一問お願いします。最後にお尋ねするんですが、毎週日曜日に放送されておる国会討論会で、たとえばことしの五月と六月の例をとってみますと、共産党は一度も参加しておらない。これは五月、六月ばかりでなくて過去におきましてもほとんど共産党は排除されておる。これは一体どういうわけか。国際的にも国内的にも世界各国の共産党の思想あるいは政策というものを無視しては、もう現在人類の進歩や発展、世界の平和、民主主義についての動向はつかめないという状況になっており、それが世論であるし、また常識になっておるという中で、私は方々で聞かれていままで答弁に困っておったのですけれども、国民は、この放送討論会から共産党が排除されておる、不偏不党、公平の原則が踏みにじられているということに非常に疑問を持っていますよ。そういう放送を聞いておる聴視者がはなはだしく不満をあらわしておる。共産党を意識的に排除をしようとしておるのは大体許されぬじゃないか、実際。放送法の面から申しましても、私が釈迦に説法みたいなことを言う必要はないのですけれども、放送法の第四十四条では「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」と規定しておる。またはNHKが自分で発表しておる国内の番組基準には第五項の第一号で、意見が対立しておる公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱うということをあなた方自身が規定されておる。そこでお尋ねするんですけれども、ことしの五月十五日に放送された在外資産の国会討論会ではいま国会で問題になっておりますところの引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案をめぐって討論がされています。この討論会には自民党、社会党、民社党、公明党の各党が出席なさって共産党だけが排除されておりますけれども、この法案には共産党だけが基本的には対立した反対意見を持っておるわけですね。その場合に、いままでのこの規定からいいましてもなぜ共産党を出さないか。また五月二十一日及び六月十一日には二回にわたって政治資金規正法の討論会があった。その討論会にもこれまた当然参加させねばならない共産党だけが排除されている。これはさきに述べた基本的な観点はもちろん、放送法及び国内番組基準に明らかに違反しておると思うのですが、この事実を認められますか。前田会長に御答弁を願いたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 国会討論会だけでなく御説のとおり放送法の四十四条、これに基づいてNHKがつくっております国内番組基準は、相対立する意見はこれを公平に知らさなければならないということになっております。したがいまして総選挙その他を通じては各党の討論会を従来もやっており、今後もやっていくつもりでございます。国会討論会等につきましては国会との関係で開いているものでありまして、この点については浅沼専務理事から説明させていただきたいと思います。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 国会討論会につきましては、ただいま会長から申し上げたごとく、国会の審議運営を中心にいたしました討論番組であります。政党の出席につきましては、衆議院の党派別勢力を基礎にいたしまして、国会における議論をより正確に反映させることにつとめております。したがいまして、議席数から見た勢力比によりまして政府側、自民党、社会党は常時出席いたしますし、それから民社、公明、共産党につきましては、国会における発言あるいは国会の運営に対する影響力によって決定していきたいと考えております。したがいまして共産党の御意見は除外するとか抹殺するとかいうことでなくて、あくまで議席数に応じた配分を行なっておるということでございます。

田代文久日本共産党

○田代委員 そういう配分基準というものはあなたたちがかってにきめられたのでしょう。いま言った放送法それから番組基準、それがもとでしょう。しかも国会との関係とかおっしゃいますけれども、国会の中で各党がどういう討論をしておるかということは国民が最も聞きたいことじゃないのですか。何も自民党、社会党だけの意見を聞けばいい、だれもそんなことを思っていませんよ。公平な、不偏不党の原則というものを完全に踏みにじっているじゃないですか、そういうことは。だから明らかにこれは違法だと思うのですが、これを認めますか。放送法に違反している、また自分たちだけできめた番組基準にもこれは違反しているということを認めますか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 番組の基準に違反しておるとは考えません。また放送法に抵触するとも考えておりません。

田代文久日本共産党

○田代委員 しているじゃないですか。明確にしているじゃないですか。放送法によってNHKの放送は全部動いているのですよ。それは事実は違反している。共産党を排除している。公明党も共産党ほどじゃないが排除している。何でこんなものをつくる必要があるのです。放送法は全く無意味じゃないですか。そういうことを言われるのならあなたがおっしゃったようなことだけをきめればいいのです。全くこれは越権行為です。そういうことは許されないです。放送法の第一条第二号で放送の不偏不党、第三号で放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること、第四十四条の第三項第二号で政治的に公平であること、はっきりいっているじゃないですか。そうして、意見が対立しておる問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。違反でないなら何でこういうことをわざわざもったいぶって書くのですか。けしからぬじゃないですか。あなたたちは国民がきめた法律に違反して、しかもあなたたち自身でかってにやっているじゃないですか。こういうことが許されますか。そういう権限を一体だれが与えたんです。NHK自身が放送法を無視している。また、みずからそれに基づいて決定した国内番組基準も踏みにじっている。明々白々じゃないですか。基本的に申しますと、これは憲法の民主主義的な諸条項を踏みにじっておるし、国民の世論を反動と戦争賛美の方向に導いていく。再び日本を過去の侵略戦争当時のあのファッショ的な暗黒時代への道をたどらせる。日本を最大の不安と不幸に導く。そういう危険をわれわれは感じておるわけですよ。いかにわれわれがこの民主主義を現在守らなければならないか。全責任はむしろこれは、NHKがこういう問題についてはっきりしなければならない。この前の戦争のことを知っておられるでしょう。言論がどのように統制され、われわれの一切の民主主義的な自由がどのように奪われたか。そのもとにおいて戦争がやられ、あのような大被害をわれわれは受けている。何百万の青年が殺されているという問題ですよ。現在アメリカがベトナムで侵略戦争をどんどん拡大している。そうして佐藤内閣がこれを支持し、また協力するというような状態の中で、非常に国民が戦争の不安と反動化の方向をおそれておる。そのおそれておることをそうでないようにするのが全部の責任だと思うのです。したがって、私は、NHKとしては、どういう国内外の圧力があろうとも、民主主義を守り抜く、放送法で言っているこれを守り抜くというその任務は、これは決定的に重要である。NHKは、この天下の公器を私物化し、あるいは戦争と反動にこれを利用するというのは、これは絶対に許されない。もちろんそれは、利用されておるわけじゃないでしょう。しかし、そういう危険にとにかくわれわれは知らず知らずに入っていくんですよ。だから、それに対しては、そういうのがほんとうにならないうちにやらなければならない。共産党を排除して放送討論会をやっていくということは、実はその方向に行っている、これは明白な事実なんです。ですから、私は、共産党を一切の、これは国会が始まっておろうがおるまいが、この放送法の原則、あるいはその放送基準を忠実にそれそのものとしてやっていただきたいということを要求しますが、前田会長の答弁を最後にお願いして、質問を終わりたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 平和と民主主義を守り、かつ、これを発展させていくということは、日本国民として当然のことであり、党派のいかんを問わず、あらゆる思想を越えてNHKの根本的責任であると考えております。したがいまして、私どもといたしましては、放送法の精神を完全に守ることを実行してまいってきておるのでありまして、たまたまただいまの御質問は、国会討論会という一つの番組に集中されて論じられたわけでございますが、私どもは、放送の全般を通じて放送法を厳粛に守り、それをさらに細分して国内番組基準において、その処理の原則をわれわれ自身が身にしみてかみしめるという方向で努力をいたしているわけでございます。したがいまして、全体から見て、私どもといたしましては、絶対に放送法違反もしくは国内番組基準に違反しているという事実はございません。  ただいまNHKが月間数万の番組を制作しているその中の一つとしての国会討論会の編集の方針と申しますか、運営のあり方について、御意見を拝聴したわけでありますが、この国会討論会は、われわれの考え方としては、国会と密接な連絡をとりながら、各派の実勢力に応じて、わずか一時間以内の番組でもございますので、すべて一億のわれわれの聴視者が良識において理解できるという限度でこれを行なっておるのでありまして、もちろん共産党の器考え方及び個々の案件に対する共産党の主義主張に関しましては、ニュースその他を通じても公平にこれを放送しているというのが実情でございます。もちろん私どもといたしましては、今後も平和と民主主義の発展に最大の努力を尽くしたいと考えておりますし、その点についての先生の御意見については、身にしみてこれをさらに掘り下げてまいりたい、このように考えております。

田代文久日本共産党

○田代委員 最後に一言・・・。  非常に主観的な党の実勢力についての判断をされている。党の勢力というのは、国会の議席もそれは重要な標識でありますけれども、それだけではない、これは明らかですよ。たとえば選挙のときに衆議院の立候補者が幾らあるのか、また、支持数が幾らあるのかというようなこと、また、実際における党員数が幾らあるのか、その党の発行している機関紙が幾らあるのか。共産党は御承知のように、三十万近い党員がおる。百数十万の赤旗の機関紙を持っている天下の大政党じゃないですか。そういう実勢力を見ずして、単なる、議会といえば、衆議院に五人しかおらないということで見られておるということは、すでにこれは公平を欠いていることは明らかである。その点について訂正していただきたい。  それから、二百も三百もある番組の中で国会討論会というのはその中の一つのようにおっしゃっているけれども、そういうことは許されない。国の政治がやられる国会において、国の運命を決定する政治政策を打ち出される——二束三文のほかの番組とはこれは違うのですよ。とにかくほとんど日本の全体の方向を明確にする、そういう重要な番組ですよ。だから、この番組からはずされているということは、あとの百や百五十のやつにはずされたって何でもないことより以上にこれは重要な問題ですよ。そういうことはわかり切っているのですから、そういう答弁でごまかしてもらっては困る。そういうことではほんとうに日本の民主主義を命をかけて守り抜いて平和をとにかく確保するという気力を持っているかどうか、ほんとうに疑惑を感じます。けれども、とにかくその点は訂正していただくとして、最後に、おたくで発行されておる「ポケット事典」というのがありますね、あれをひとつ資料として出していただきたいと思います。  以上をもって質問を終わります。

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 小沢貞孝君。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 昭和四十年度予算決算対照表の膨大な資料を一応拝見したわけで、たいへん思いつきな質問ですが、昭和四十年度の放送法二十六条に基づく監事の監査結果、これの中でおもな点をひとつ一、二ここで発表していただきたい。——急な質問ですから、あるいはすぐお答えできないかと思いますが、さらに、会計検査院の検査の結果、昭和四十年度でけっこうですが、指摘された事項、指摘とまでもいかなくも注意その他受けた事項、こういうものもついでにひとつ、いま答弁できなければ後ほどでもけっこうです。

佐藤三郎会計検査院事務総局第五局長

○佐藤会計検査院説明員 四十年度のNHKの決算検査につきましては、先ほど申し上げましたように、不当事項として指摘したものもございませんでしたが、さらに注意するというような意味で照会を出したものもございません。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 それでは、監事の監査結果については、後ほど文書その他でひとつ出していただけばけっこうです。  それから、この四十年度予算決算対照表の収入の中で雑収入予算、六億五百万。ところが、決算は十一億近い。四億七千万、約五億近くが余った。その理由として、「手持資金の効率的運用による利息収入が増加したこと等による。」こういうようになっております。予算の五億に対して十一億近いわけです。ちょっと倍額になりました。たいへん御努力の結果というような、効率的な運用で利息収入がふえたことはけっこうなことだと思います。  ついでに、その資金運用のことについて、今度は支出の一番最後に関連経費、これは予算が三十四億四千五百万。これが、残額が三億一千四百万。予算総則の流用額が二億六千万何がしあって、なおかつ三億一千五百万近い金が残っておるわけです。これの理由として、「外部資金の導入時期の繰り延べ、借入金返還額の増加等に伴う支払利息の減少等による。」こういうようになっております。だから、収入のほうにおいて、雑収入のほうも「手持資金の効率的運用」こういうことによってだいぶ金が残った。支出のほうにおいても「外部資金の導入時期の繰り延べ」等によって残った。こういうことだから、合わせて約八億か九億近い利息みたいなものだけで浮いているわけです。だから、これについてひとつ資料を私はお願いしたいわけです。四十年度の予算の編成のときには、この雑収入はどういう算出基礎の上になされたか。約倍、金が残っておるのですが、それと対照をして、どういうような改善をしたからその金が浮いたか、利息が浮いたか。これはひとつ雑収入のほうについては、昭和四十年度の予算の積算基礎と、それに伴う実績について、一覧表のようにしていただきたい。と同時に、四十一年度、四十二年度は同様算出基礎についてどのようにやっておるか。それをやはり一覧表でわかるようにしていただきたい。  それから関連経費のほうについても、いまと同様に、四十年度のこの決算については、積算基礎とそれに相当する実績とを、対照がわかるようにしていただきたい。それと同時に、四十一年度、四十二年度についてはどういうようなぐあいにやっているか、こういうことを、ここではとても無理だろうと思いますので、ひとつ資料として後ほど提出していただくことをお願いしておきます。  以上で終わります。

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 樋上新一君。

樋上新一公明党

○樋上委員 NHKのほうにお伺いいたしたいと思いますが、NHKは四十年に日本賞というものを設けたと伺っていますが、その賞の趣旨はどういうものか。また第一回、第二回の実施の状況を説明していただきたい。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 お答えいたします。  日本賞の目的は、教育放送番組の向上をはかりますとともに、国際間の理解と協力の増進に資することを目的にしております。毎年一回十月ないし十一月に開くことにいたしておりまして、最初は放送開始四十周年を記念して昭和四十年度から実施をいたしました。これに参加する機関はITUと申しまして、国際電気通信連合という会がございますが、その連合員または準連合員である国、またはその領域の放送事業者ということをうたっておりますが、これは実際の問題として、ほとんど全世界の各放送機関が参加できる仕組みになっております。それで審査いたします対象は何かと申しますと、学校放送番組の問題が主でございまして、これを初等教育の部門、それから中等教育の部門、それから成人教育の部門というふうに大体三つに大別いたしましてコンクールを行なっているわけでございます。それからこのコンクールの一番最高の賞を日本賞と呼称しておりますので、教育番組国際コンクール日本賞というような呼称が生まれたわけでありまして、この日本賞のほかに優秀な番組賞として文部大臣賞、それからコンクール開催地の市長さんの賞といったようなものがラジオ番組に与えられております。それからまたテレビ番組につきましては、優秀なものに郵政大臣賞、それからこの賞を提案なさった前の会長の阿部賞というのがございます。  その次の四十年、四十一年の状況はどうであったかというお尋ねでございますが、四十年は十月十一日から二十一日まで東京のNHKで開催をいたしました。参加国は全部で四十六カ国でございまして、参加放送機関は七十でございます。その地域はアジア、中近東、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、北アメリカ、それから中南米、ほとんど全世界の国々が参加しておりまして、これに持ってまいりました番組の数は、ラジオでは九十五本、テレビでは九十本という多きに達しておりまして、この第一回のコンクールで入賞いたしましたのは、つまりラジオの日本賞を取りましたのは、西ドイツの放送協会、それからテレビの日本賞を取りましたのがフィンランドの放送協会、それから郵政大臣賞をいただきましたのがNHK、それからラジオにおきましては、文部大臣賞はスウェーデンの放送協会が取っております。それから四十一年でございますが、四十一年は十一月五日から十六日まで大阪のNHKで開催いたしました。そのときの参加国の数は五十四カ国でございまして、四十一年に四十六カ国が集まりましたが、それからさらに八カ国ふえまして、五十四カ国が参加いたしまして、参加放送機関の数は四十年度が七十の放送局でございましたが、四十一年度はさらにそれを十四ばかり上回りまして、八十四の放送機関が参加いたしております。  以上でございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 この経費は年度どのくらいになるのですか、どういう面からこれは支出されておるのですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 支出項目は放送費でございます。それで一回の開催費は二千五百万円でございまして、この内訳は賞金と記念品代に大体四百七十五万円くらい、それからこのコンクールの運営費に千八百二十五万円、それから審査員を招聘したり、あるいは受賞者の招聘、それから審査会の開催に要する経費、これがただいま申し上げましたコンクール運営費として千八百二十五万円計上されておりまして、ほかの準備関係費として企画の作成をしましたり、それを発送いたしたりするのに二百万円のお金がかかって、合計二千五百万円ということになっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 それだけの効果がなければならぬ、こう思うのですが、それに対する番組の審査員のメンバーはどういうふうになっておりますか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 審査員は、第一回の場合に、チェコ、インドネシア、ウガンダ、カナダ、それからチュニジア、イギリス、インド、メキシコ、それからドイツ、アメリカ、日本、フランスということになっております。第二回目がイラン、スイス、オーストラリア、マレーシア、ニジェール、イタリア、アラブ連合、ブラジル、日本、ポーランド、西ドイツ、タイ、アメリカ、合計十四名でございます。この委員長、副委員長は、審査員同士で互選をいたします。

樋上新一公明党

○樋上委員 これは、ずっと日本で行なわれるのか、将来これが各国で持ち回りになって行なわれるのか、こういう見通しはどうなんですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 日本賞でございますので、できるだけ日本で開催していきたいというふうに考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 この年に、アジア放送連合の第二回総会が行なわれておりますが、この総会の成果はどうであったか、また将来のビジョンはお考えになっておるのか、アジア各国の相互理解に役立っているかどうか、またこれまでどのような事業をやってきたか、簡単でけっこうでございますから・・・。

松井一郎日本放送協会専務理事

○松井参考人 お答えいたします。  お尋ねのアジア放送連合は、ちょうど三十九年に発足いたしまして、そのときは、第一回の創立総会がシドニーで開催されました。これがアジア放送連合としての正式結成でありまして、その後、アジア放送連合の憲章によりまして、毎年少なくとも一回は総会を開くということで、その翌年を東京で開いたわけであります。さらに昨年は第三回を台北で開き、ことしは十月にシンガポール、さらに来年の十月にはニューデリー、大体そういうスケジュールが組まれております。総会の場所については、原則としてお互いにできるだけアジア放送連合の地域内の各国を持ち回りたいというのが基本的な考え方であります。この点は、先ほどお尋ねの日本賞の場合とは性質が若干違っております。  さらにこの成果の問題でございますが、これは定例の総会でありますので、大体基本的な仕事としては、その組織体のいろいろな経費の問題それから組織の問題、新しいメンバーの加入の問題、そういう組織体に伴う基本的な問題、そのほかにあわせてアジア地域におきましては、たびたびお互いに集まる機会もなかなか困難なわけで、ちょうど総会の際に、あわせて番組関係についての特別委員会、技術関係の特別委員会というようなものも開催いたしまして、そこでは技術上のお互いの情報交換、そして共同調査というようなものを討議しております。また番組関係においては、お互いの番組の交換問題、それから特にアジア放送連合においては、まだ発達していない放送機関が相当たくさんありますので、そういう機関における必要なスタッフの訓練といったようなものがおもな議題になっております。  こういう形でアジア放送連合の総会は毎年運営されているわけでございますが、ちょうどその第一回として発足いたしましたときには、加入メンバーがわずか二十七機関でありましたが、東京大会のときには、それが三十三放送機関になり、今日ではすでに四十放送機関をこえるというような形になっておりまして、われわれはこの前途に対しては非常に大きな期待が持てると確信いたしております。

樋上新一公明党

○樋上委員 NHKでは四十年八月に放送衛星調査会が発足した、こうなっているのですが、その後の研究開発の状況はどうなっておりますか、お伺いしたいと思います。

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 答弁者に御注意申し上げます。質問を的確に把握して、要領よく、簡潔に答弁願います。

野村忠夫日本放送協会総合企画室総務

○野村参考人 四十年八月にNHKに放送衛星調査会がつくられましたが、その中身といたしましては、放送衛星そのもの並びに番組の問題あるいは法律上の問題といったようなことを検討する部会を中に設けて行なっております。いまお話しの衛星開発の状況につきましては、四十年度におきましては、予備的にどういったシステムで行なわるべきものであろうかというような点が主として検討されまして、四十一年度あるいは今年度におきまして、逐次それの使われます部品でありますとか方式のさらに詳細なもの、そういった点が現在検討が進められているような状況でございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 それでは、ここで郵政省のほうへこの問題についてお伺いいたしたい、こう思うのですが、いまNHKのほうでそういう研究状態にあるが、郵政省は来年度衛星開発関係の経費として五億円を計上されているが、どのような研究を進められているのか。また電電、NHKと研究項目が重複するところがないか、こういう点をお伺いしたいと思います。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 本年度の予算におきまして、ただいまお話しのように五億円いただいております。そのうち国庫債務が二億七千万円であります。これによりましてスペース・チェンバー及び基礎的な環境試験設備を設置することにいたしております。研究の内容につきまして、現在郵政省と電電公社、NHK、国際電電の四者が通信衛星に関係いたすわけでありますが、御趣旨のように重複しないよう現在通信放送衛星研究開発連絡協議会というものを設置いたしまして、郵政省を中心にこの四者が一元的に研究できるようにただいま努力いたしております。特に研究を順調に持ってまいりますために、その下に技術委員会を設けまして、重複は極力避ける、そして一元化の実をあげていく、こういうふうにいたしております。ただし若干研究内容によって重複はやむを得ないところもございますが、極力重複を避ける、そうしていい成果をあげるように努力いたしております。

樋上新一公明党

○樋上委員 いま通信放送衛星開発連絡協議会というものができたが、そこでどういう方針がきまったのですか。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 衛星の開発は、御存じのように打ち上げ部門でございますロケットの関連事項でございますが、関連いたしますので、国の方針としましてのロケット部門と調査をとりながら、現在開発に努力いたしております。衛星の開発の一応現在の目標としましては、四十四年中にたまをつける、この目標のもとにただいま努力中であります。ただロケットとの関連等から、どの程度のたまの大きさにするか、高さをどの程度にするか、こういった内容につきましては現在検討中でございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 各機関の衛星開発研究は予算を出し合って共同研究を進めるということになっているのですね。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 この衛星、宇宙関係の開発になりますと、技術者の皆さんの専門、それから研究所のそれぞれの特徴、こういったものを生かしながら当面はやっていく、こういう方向をいま考えております。そういった面から、一元的とは申しましても、一カ所に全部資金を集めてやるというのではなしに、研究項目を相談し合いながら、重複を避けて、それぞれの研究機関の特徴を生かしながらやっていく、こういう方向をいま打ち合わせております。

樋上新一公明党

○樋上委員 じゃあ、その衛星は一種類の衛星をやっているのですか、それとも多目的な衛星を研究しておるのですか、そういう点をお伺いします。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 一種類の衛星をまずここ三年間の目標にいたしております。したがいまして、その中に四者のそれぞれの研究項目を入れますので、あるいはPCMを入れるとか、それぞれの研究項目を入れてまいりますから、多目的に相なっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 宇宙開発行政の一元化が強く望まれておるときに、さきに科学技術庁が研究調整局の航空宇宙課に計画室というものを設けたが、計画室と連絡協議会とはどういう関係になっておるのか、その点をお伺いしたい。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 研究調整局は科学技術庁の宇宙開発を総合的に把握いたしております。そのもとにおきまして計画室が宇宙開発の事務を担当いたしております。したがいまして私どものほうとしましては、研究調整局したがいまして計画室、こことはきわめて密接に打ち合わせをいたしながら研究を進めてまいっております。

樋上新一公明党

○樋上委員 今度は小林郵政大臣に少しお伺いいたしたいと思うのでございますが、二階堂科学技術庁長官は四月二十六日の予算委員会の席で森本委員の質問に答えて、宇宙開発庁をつくることもあると述べられておる。さらに今月の十五日には鹿児島の記者会見で、一元化のために協議会、懇談会を設けると言っておられたのですが、その点はどうでしょう。それで十分いけると大臣はお思いになりますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 いまの問題でありますが、お話のあったように、ロケット部門と衛星部門は一応別々の研究をして、そしてこれを組み合わせていく、こういうわけでありまして、ちょうど郵政省関係におきましてはNHKその他で予算はとれておりまするが、衛星は、いま言うように通信衛星とか放送衛星とかいろいろいわれますが、ともかく通信衛星という中にみんな包含される、こういうことで、一つの通信衛星開発のために一緒にやろう、こういうことになっておりまして、その統合調整は郵政省が中心になってやる、こういうことであります。これに対しましてロケット部門が、どちらかというと科学技術庁と文部省とうまくいかない、こういう関係で、いわゆる一元化の問題は主としてそこにいま集中されておる、こういうことでございます。通信衛星としてはわれわれのほうがじょうずにまとまってやっておるからして、それで一応われわれとしてはよろしい、かように考えておりますが、科学技術庁が要するに宇宙開発のための担当の官庁であってけっこうであろうと私は思いまするし、まだ、最近新聞に自民党の政調会の関係とか科学技術庁の関係とかいろいろ出ておりますが、これはそれぞれ試案の域を出ない。こういうことでありまして、いずれ科学技術庁が中心となって関係の省の協議会なりを設けることによって、具体的な一元化の機構というものを相談されると思うのでありますが、まだそこまでまいっておりません。私ども、科学技術庁からのお話し合いがあれば、これに十分な協力をしてまいる。  いずれにいたしましても、一元化の方向というものはぜひ実現させなければならぬ。それが、どこが中心であろうがそれはかまわぬが、とにかくそういう方向へ持っていきたい、こういうふうに考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 いろいろと研究を進められておるのですが、ばらばら行政であるから、なかなか、成功という、早くこれを打ち上げるというところにいかぬのだと思いますし、一つはまたロケットの研究も少しおくれているのではないか。  そこで、いまNHKが研究を進めている放送衛星は、通信衛星の中に入れると解釈していいのか、つまり多目的衛星というのか、それはどうでしょう、大臣。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 放送衛星は静止衛星の一種類でございまして、そこへ到達いたしますためには幾つかの段階を通っていかなければ到達しないと思っております。現在私どもで考えておりますのは、ここ三年間に中高度衛星を考えております。引き続きまして、四十八年ころになりますか、まだきめてはおりませんが、いま検討中でありますが、静止衛星に到達いたしたい。こういう一つの目標でいま研究中であります。その点が出てまいりますと初めて放送衛星の段階に出てくるわけでありまして、NHKで考えております放送衛星も同時にその目標を持ちながらいま進んでおるわけであります。そこへ到達いたしますために、とにもかくにもまず打ち上げなければならないのは、四十四年度を目標としております中高度衛星でございますが、まずここに一つの目標を定めて、それが終わりましてから静止衛星に入る。その段階において放送衛星も姿を見せてくる。こういうふうに考えます。

樋上新一公明党

○樋上委員 四十四年を目標にはたしてこれが打ち上がるかということが問題になるのですが、私は考えますのに、いま放送局のNHKが考えておる比較的軽いもの、高度一万キロ、重量二百キロと聞いているが、そのくらいの軽いもののNHKの放送衛星を先に打ち上げて、四十五年までに打ち上げて、何とかこのインテルサットの契約に対する発言権を日本も得なければならない。こういう点においては、こうした、いま研究されている、放送衛星の軽いものを、直ちに打ち上げるということを、このロケットの製作とあわして、やらなければ、私はおくれてしまうと思うのですよ。それを研究し、これを研究し、何々を研究しと、ばらばらにやっておりますから、なかなか打ち上げられない。前にもそういう話をして、とにもかくにも放送衛星を一緒に打ち上げて、その発言権を得たらどうか、こう思うのですが、この点はどうでしょう。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 御趣旨まことにごもっともでございますが、現在考えておりますのは、二百キロ、高度一万、これを実は考えておるわけでございます。ただ、それもロケットとの関連の問題でありまして、はたしてその大きさでまとまりますかどうか、ここ一、二カ月のうちに一応のめどは立ってくるものと考えます。それにいたしましても、百五十キロもしくは二百キロ、こういったところ以上には出ないと思います。高度は一万じゃないかと思います。これでありますと、いまの段階においては、やはり静止衛星には若干いきがたい、かように考えております。したがいまして、やはりこの経路を踏んで、そうして静止衛星に早く到達をいたしたい、こういうのが技術者の皆さんのいま定めておる目標だと考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 この点について、NHKの会長はどうお考えになりますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 私どもは放送の実務から考えておるわけでございまして、政治的な見解を述べる立場にはございませんが、放送事業界の世界全体の傾向、ないし先ほど御質問をいただきましたアジア放送連合に参加している各放送機関の意向としては、なるべく早く、日本がいわゆる放送衛星というものを上げてほしいという要望は、第一回総会以来毎回出てきており、特別委員会も設置されております。そういう意味では、私は完ぺきでなくても——もちろん静止衛星ということは当面考えておりません。また国際情勢一般からしても、できるだけ簡単に軽く——最高のロケットでなくても、上げ得るものを上げるべきであると放送事業者としては考えておる次第でございます。

樋上新一公明党

○樋上委員 インテルサットがことしの一月打ち上げられたラニバード二号は、商業衛星通信は名ばかりで、軍事用に優先権があるのではないか。そこで、NTVなどでも、ワイドニュースに使おうとしても、前日にならなければ衛星が使えるかどうかわからないという話を聞いているが、電波監理局長、この点はどうなのですか。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 必ずしもそういったことではないと考えます。現在インテルサット二号を使いました場合に、ただいまお話の、使用上若干問題があったじゃないか、こういった点でございますが、ちょうどそのころ日本以外の各国があれを使用しております場合に、定められた技術基準を若干割っておる面があるようでございます。そのために電力の使用が相当オーバーしておりまして、衛星内のパワーが足りなくなりまして、そうして、そのために回線のとり方がまずくなっておったという事実があるようでございます。軍用に使ったことも実事でございます。しかし、技術上電力不足を来たしておる、こういったこともあったと考えられます。当然ああいったものにつきましては、経費を出しますために軍用であれ何であれ、平常の収入確保の面から使っておるのはやむを得ないと思います。特に軍用に使ったために、NTVその他が使えなかったということではない、かように思います。

樋上新一公明党

○樋上委員 インテルサットは日本を含めた五十六カ国が参加しておるが、米国の通信衛星会社コムサットが担当であるから、結局はアメリカの発言力が強くなってくる。だから、軍事優先に使ったあとの残りのものがわれわれ商業通信衛星各国に割り当てられてくるのだ、私は調査した結果こう思うのです。また現在まで使ってきたその回線なんかを見てみますと、やはり何といっても軍事優先にしている。そう考えてきますと、国際電電といったものは、間接的にベトナム戦争に協力しているのだ、こういう結論になってくると私は思うのです。あなた、そういうことはないとおっしゃいますけれども、どれだけの回数、どれだけのものを使っているかということはおわかりになりますか。

淺野賢澄郵政省電波監理局長

○淺野政府委員 監理官がおりませんので、ちょっと十分のお答えはいたしかねますが、私が聞いております範囲におきまして申し上げさせていただきます。インテルサット機構におきまして、日本も理事国といたしまして、十七カ国で編成いたしております理事国会議に毎月出ておるわけでありまして、その場において使用状況、使用条件等を常々議論をいたしておるわけであります。そういった面から見てみましても、おっしゃいますような心配点は特にないのじゃないか、かように考えております。

樋上新一公明党

○樋上委員 それじゃ、その辺のところにしておきましょう。いま急にそういうことを言って、出せといっても無理ですから・・・。  私が先ほど来申し上げておるのは、宇宙開発は急速に実用化の度を増しており、中途はんぱな考え方では、この実現はなかなか早急にいかない。いわゆる所管争いというような摩擦が重複を来たすことになるのですから・・・。先ほど来の御答弁を聞いておりますと、暫定的な措置でなく、開発機構を完全に一元化して、世界に立ちおくれのないようにしてほしいというのが願いであります。これは政治が解決する問題だと私は思う。十分検討して新しい機構を考えておく必要があると思うのです。  二階堂科学技術庁長官は、特殊法人組織をつくる、こう言いましたが、その特殊法人組織をだれが管理するのか、こういったことも考えておかなければなりませんし、この人工衛星を利用する事業は、通信、放送、測地、気象、航海等、おのおの各方面にわたっているのでございますが、この機会に一日も早く機構を一元化して、一日も早く国産衛星を打ち上げる、そうして、われわれは成功を望んでおるのであります。その意味におきましては、ロケットの研究、そしてこの放送衛星なり通信衛星なりと速度を同一にして、日本の国民が、日本の国内で宇宙衛星がもう飛んでいるのだという自信も持たさなければなりませんし、こういう点について、機構の一元化ということを私は強く大臣に望みまして、私の質問を終わりたいと思います。

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 一応午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後二時二十八分開議

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  請願の審査を行ないます。  今国会におきまして本委員会に付託されました請願は全部で四百五十二件であります。  日程第一より第四五二までの請願を一括して議題といたします。  まず審査の方法についておはかりいたします。  各請願の内容につきましては文書表等によりすでに御承知のことでありますし、さらに、先刻理事会におきまして慎重に御検討願いましたので、この際、紹介議員よりの説明聴取などはこれを省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは採決いたします。  請願日程第三、第四、第九ないし第一五、第二四二、第二四六ないし第二五六、第二六二ないし第二六九、第二七一、第二七二、第二七四、第二七五、第二八四、第三〇二、第三〇三、第三〇六、第三〇七、第四五二の各請願は、その趣旨妥当なるものとし、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  次に、日程第一六の請願につきましては、議決を要しないものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 なお、参考のため御報告申し上げます。  本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、全部で十件でございます。      ————◇—————

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 次に、委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査が付託されました場合に、その調査のため委員派遣を行なう必要が生じました際の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤雄藏自由民主党

○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  この際、暫時休憩いたします。    午後二時三十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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