逓信委員会 第21号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/07/12
会議録
○松澤委員長 これより会議を開きます。 放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中井徳次郎君。
○中井委員 放送法の改正の内容は、ラジオの聴取料免除の問題であります。したがいまして、社会党といたしましては、ずいぶん前からこれをむしろ主張いたしておりました関係でありますが、いよいよ法案が出まして、われわれが賛成、反対の態度をきめますにあたりましては、やはり二、三の点をお尋ねしておいたほうがいいと思いますので、大きな問題やこまかい問題、ごちゃごちゃでありますが、この際お尋ねをいたしておきます。 まず第一に、郵政省の出されております放送法の一部を改正する法律案要綱の改正の趣旨というもの、この趣旨を読んでみますと、「受信契約を締結することを要しないもの」というふうな非常にむずかしい表現をとっておりますが、「放送の普及発展の現況にかんがみ、」こういうことを書いてあるのです。ちょっとこれでは私は、改正の趣旨が、放送が普及発展したらラジオ聴取料を取らないようにするんだというのは、たてまえとして少しおかしいんじゃないか。かねがねNHKの経理内容その他から見て、余裕があればこういうものを手がけたいと思っておったが、幸いそういうことになったのでとかなんとか、ほかの理由でないと、普及発展するとただにする、これはどういう理由でございますか。こういう非常に簡単に書き流していますけれども、こういう政府の答弁というか、政府の正式文書でありますから、こういうものははたしていいのかどうか。非常に官僚的な、いわばずるいというか、そういう表現だと私は思うんですけれども、なぜ正直にぴちっと書かないのか。これはこういうものを読んで、放送の普及発展にかんがみてラジオ聴取料を無料にしました、はい、そうでございますか、と思う人はいますか、変な質問だけれども。そういう意味で、非常に私は放送法改正の趣旨が了解できないんです。大臣どうですか、なぜ正直に書かないか。普及発展すればただにするというなら、テレビも大いに下げたらどうですか。普及発展して、二千万こえておるんです。普及発展の現況にかんがみただにするという、どうもこの三段論法、はなはだいただけないんですが、いかがですか。
○浅野政府委員 実は、この「普及発展の現況にかんがみ、」と申しますのは、ラジオの普及率にテレビがほとんど近づきました。したがいまして、ラジオだけを持っておる方はほとんどなくなりました。そういった面から、そういったラジオだけを持っておる方はこの際、手数の省略その他等によりまして契約はしてもらわないというふうにいたしました、こういう内容であります。したがいまして、いまおっしゃいましたように、なるほど書き方として舌足らずの点が確かにあるかと思いますが、従来当委員会におかれましても、こういう時期になればラジオのみの受信料乙は廃止すべきである、こういった御意見をここ数年来いただいておる、そういった面でつい、これで御理解いただける、かように思った次第でありますが、おっしゃいますように、若干書き方におきましてなおわかりやすくすべきであったかとも思っております。こういった点はひとつ御了承いただきたいと思います。
○中井委員 いまの説明でもよくわからぬね。大臣、どうですか。私は、旧逓信省、いま郵政省、それから電電公社、NHK、全部含めてだけれども、この委員に私は去年なりましてからいろいろな書類をもらうのだけれども、こういうくせがぼくに言わすとある。なぜ堂々と書かないか。それはあなた、郵政関係の大先輩なんだから、もっとはっきりこれを書いたらいい。そういうこと、何か非常にずるく逃げる一これはいま話を聞いて、私が気づいたわけですが、私もおろそかであったが、「放送」の中にはテレビも入っているのだな。放送といえばテレビ及びラジオということですが、一般の人は、放送というとまだラジオのことのように思うのですね。要するにテレビが普及した、こういうことですかね。その辺のところがちっともわからない。それで余裕が出たからこれはやめるという。どうなんですか、余裕が出たからやめたのか、それとも——それじゃもう一つ聞くが、社会政策上やめたのか、経済的に余裕が出たからやめたのか、この辺のところどうなんですか、大臣。
○小林国務大臣 ただいま御指摘のような点は、われわれも了解できますが、要は、従来ラジオとテレビを区別して取っておるが、テレビがある程度普及したらラジオをやめたらよかろうと、こういう議論があったものでありますから、それにとらわれてこういうふうな表現をしたということになるのでございます。それで、お話のように、受信料収入がテレビ、ラジオを含めてもう相当、八百億、九百億とこういうふうになってきて、そうしてラジオだけを別に取っておるのはもうわずかにその一%にすぎない。したがって、これをやめてもNHKの経営には大きな支障がないであろう、すなわちお話のように、経営がその点において多少のゆとりが出てきておる。そういうことであるからして、わずらわしいラジオの聴取料はやめてよかろう、こういうことでありまして、従来NHKが免除することは主として社会的、あるいは社会福祉的な面で免除をしてきておりましたが、今度はもうそういうことを顧慮しないで、ラジオ全般を廃止をしょう、こういうことになっておるのでありまして、お話のように、これをやめても経営には大なる支障がない。すなわち別のことばで言えば、経営上のゆとりがそれだけあるから、このめんどうなラジオはやめようということでありまして、結局の御趣旨はお話のようなところにある、こういうふうに私も考えております。
○中井委員 それならそのようにこれを書き直してください。私は少なくとも参議院へいったとき——皆さん笑いなさるんだけれども、私は非常に胸をつかれたことがあるのですよ。熱心な人がいましてね、こういうものをやはり調べている人がいるんです。調べて、これはどういう理由ですかと私に聞かれた。そう言われればまことにそうだと思います。こういうことについて非常に争いが起こって、社会党や民社党、公明党、共産党、絶対反対とかなんとか、いろんなことがあるならばそれは表現についても皆さん方お考えになる必要も政治的にあるかもしれませんが、何もないです、こういう問題については。内容についてはいろいろ議論はありますよ。全体のラジオをとにかく安くするなり、やめるという方向については、私はこれからだんだんお尋ねしたいが、大前提としてはみなそう反対してないと思うのだ。その説明をこういう官僚的な、ごく一部の人がわかるというふうなことでは私は承知ならない。去年も言ったんです。郵便料金の値上げのときも言ったんです。一種を十五円にして二種を七円にするというが、一体一種って何じゃ、二種って何じゃ。一種は手紙で二種がはがきか、そんなこと国民は全然知らぬというんだ。そんなもの、手紙が十五円で、はがきが七円と何で書かぬか。これこそ民主国家の新しい衣がえの政治のやり方じゃないのかと言ったのです。みんなうしろの人は専門家が多いから笑ってみえるけれども、私はいまでも自信を持っている。そういう形で私は言うのです。「放送の普及発展」ということでは、これはわかりませんよ。ごくわずかの専門の人以外はわからない。大臣どうですか。これはひとつ改めてください。改正の理由、趣旨の冒頭にあるんだな。(森本委員「法案じゃないから改められるよ」と呼ぶ)こういう表現は私は不親切だと思う。
○小林国務大臣 御趣旨に沿いたいと思います。
○中井委員 それでいま御答弁の中にありましたが、結局まあ余裕が出たからというふうな御趣旨であります。その点は私もわかるのですが、そこでテレビでも相当生活保護の人だとかあるいは飛行場の周辺で大いに騒音その他でよく見れないし聞こえないというふうなものには免除の措置をしておるように思うのですが、これをもっと広める意思はないか、これをお尋ねをいたしたいと思います。
○小林国務大臣 これはもう聴視がきわめて不完全になるというふうなものとかあるいは社会福祉のたてまえから負担が非常に困難だ、こういうようなものは従前放送協会がいろいろ調査の上できめまして、そして郵政大臣の認可を得る、こういう方向でいたしておりまして、その後もいろいろの問題が出ております。これらにつきましても私どもとしては放送協会においてひとつ検討してもらいたい、こういう要請をいたしておるのでありまするから、順次その面の実現もできる、かように考えております。
○中井委員 ちょっとこのラジオを無料にするということに関連して具体的に私はお尋ねしたいのでありますが、この前もちょっと聞きましたが、ラジオを無料にするということについては普及率も非常に、あと一%ぐらいであるし、山村にあるし、まあいろいろ理屈はあるだろうがこの際ということであると思うのでありまして、それはよくわかるのですが、しかしながらまたもう一つの理由としてこの間もどなたかNHKの理事から返事があったが、この聴取料に関する手数料が二十三円かかる。五十円の中で二十三円かかる、こういうことなんですが、それも私は去年聞いたところでは十七円五十銭と言ったという記憶がある。その記憶を記録がないかとさがしてみたら一向ありませんというふうなことなんですが、テレビのときは十七円五十銭でラジオは二十三円かかったのかもしれませんが、とにかくそういう手続やら、数が少ないし金額もわずか十億前後というので、こういうことでしょうけれども、社会政策的な見地から見ますると、そういうことであるならば、簡単に取れまして、しかも少しもいわゆる貧困階級でも何でもないというふうな、カーラジオであります。自動車につけておるラジオからはやはり取るべきじゃないか。いま二百万とか三百万とかいっています、一台新車を出すごとに二千円とか三千円とか一ぺん取ったらどうだ、三千円取って二百万とすると六十億ある。手数料も何も要らない。こういう問題が一つ。 それからもう一つ、今度はテレビの場合で、ラジオはこういうふうによく聞こえるものまで無料にするのですから、見れない、聞こえないというふうなものについては、現在の郵政大臣が答弁されたこと以上にもっと幅を広めるべきではないかと思うのであります。そこでお尋ねするのですが、たとえば新幹線が三年ほど前から走っておるが、あの新幹線の近所の沿線の家に備えつけておりまするテレビなどははなはだ見にくい。ちらちらっとする。そしてごう音が通るというのでありますが、こういうものについていま免除をされておりますか、どうですか、具体的に伺っておきたい。
○佐野参考人 現在いたしておりません。
○浅野政府委員 カーラジオの件でございますが、自動車についておるものからは取るべきではないか、こういうお話でありますが、当初自動車から取り始めましたのは、これは二十五年でありますか、現在の放送法が出発しました当初でありまして、そのころにおきます自動車とい4のは非常に高価なものでありましたし、庶民とは関係なかったものであります。したがいまして、聴取料の取り方といたしまして、これも法律から先の問題でありますが、受信設備を設置した者から取るように法律では規定いたしております。設置した者の考え方を世帯として、つまり法律から先の段階を受信契約においてきめておるわけでありますが、その世帯の見方に自動車を入れておった。部屋と同じように見ておった。しかし現在におきましては自動車そのものが大衆化いたしておりまして、自動車を部屋以外のものとして見ること自身がいまの時代に沿わなくなってきているといった面から、自動車は別立てといたさないというふうに考え方を変えた次第でございます。
○中井委員 いまの浅野君の答弁は、前進を期待いたします。ただ別に考えたいというのではなくて、将来の問題として、大臣ぜひこれはお考えいただきたい。これは何のたれべえが持っておるからどうだというふうな、これまでの放送法のたてまえからいうと、君の言うように自動車を持っておる人にかかる。しかしいまでも、法の改正を必要としなくとも、一時払いという形においてそれはできるのじゃないか。一時払いの形において自動車会社も蔵出しのときに一ぺんにかけてしまえばいいわけですから。それはもちろんトヨタでも日産でも、自動車業界は大反対するでしょう。しかしながら、NHKはあまり手数を要せずに、一年に一回ぐらい、乗用車なら乗用車、貨物自動車なら貨物自動車、ラジオをつけておるものから一時金二千円なら二千円、三千円なら三千円とぴちっと取る。そういうような形で、これは法の改正をしなくても何かいけるような気がすると思うが、この点どうですか。法律改正をする必要があるかどうか。
○小林国務大臣 カーはテレビ、ラジオ両方の問題がありますが、ラジオはほとんど備えつけている。できたときからつけてあるということでお話しのような問題があり得ると思いますし、テレビは大かたいまのところは固定でなくて持ち込みということになっております。ラジオのほうはいまお話しのように負担力とかそういう問題でなくて全体としてやめたい、こういうことでやっておりますが、今後おそらくテレビの問題は相当出てくるであろうと思うのでありまして、これらにつきましてはもう一度NHKと一緒になって検討してみたいと考えております。
○中井委員 私は、今度ラジオは無料にするということになりましたけれども、むしろこれは、ただしカーラジオは別だぐらいのところでやってもらったほうが実際的だというふうなものの考え方をしていきたいと思います。いま大臣から今後の課題として研究するということでありますが、けっこうでございます。NHKの会長もおられるから、ぜひその点は積極的に取り組んでいただきたいと思います。 それから、先ほどNHKの理事から回答がありました新幹線については何も免除しておらぬという問題でありますが、私は何もNHKに貧乏せいということを言っておるわけではありません。これは皆さん御検討になっておるとは思うのだけれども、たとえば飛行場の周辺については免除されているが、新幹線については免除がない。新幹線の沿線について相当思い切った免除をやって、その分は業者である国鉄からもらう。あるいは飛行場の場合は飛行場を経営しておるもの、羽田なら羽田飛行場を経営しておるものからもらう。それが国であれば国でもらうし、アメリカさんならアメリカ軍からもらう。こういう形に転換ができないものかどうか、また現にやっておるのかどうか、その辺のところをちょっと伺ってみたいと思います。
○佐野参考人 ただいま先生の御発言の中に含まれました、まず新幹線につきましては、当時この沿線ほぼ一万件にわたりまして受信上被害を受けるという状態が発生をいたしました。NHKは国鉄と相談をいたしまして、全面的にこのほぼ一万件に近い被害受信機の改善をいたしまして、すべて今日では解決いたしております。その際、これに要しました経費は国鉄当局が負担をいたして今日に及んでおりまして、新幹線に関する限り今日では問題は発生いたしておりません。 空港関係でございますが、御承知のように現在航空基地十六カ所にわたりまして受信上被害が発生する。これは画像は一切くずれませんが、音声がジェット機の騒音のために聞こえなくなるということでございます。これに関しまして先ほど申しました十六基地について半額免除の措置を三十九年四月以降とって今日に及んでおります。
○中井委員 画像はくずれないと言うが、飛行機が通りますと、そのときくずれますよ。どうしてあなたはくずれないと言うのですか。私は現に数年間実際の体験者だから言うのだが、画像はくずれますよ。私どもしろうとからいうと、・音響よりも画像がくずれるのが非常に不愉快だな。音響は前後の関係で大体判断がつくけれども、見えなくなるのだね。どうなんですか。それを防ぐ装置はあなたのところでみんなやったのですか。
○佐野参考人 先ほど触れました、たとえば新幹線と空港関係で比較をいたしますと、どちらかといえば新幹線の関係のほうが画像がくずれる度合いは大きゅうございます。航空騒音に関しまして今日航空基地あるいはその他の空港で騒音という形で問題が発生をいたしておる大きな要因といたしましては、主として音声の障害ということのほうが大きく取り上げられておりまして、画像に若干のフラッターを生ずるということも全くなしとはいたしませんが、比較的に音声のほうが問題になっておる。そういう意味でお答えをいたしたわけであります。
○中井委員 それはだめだ。音声というのは、いわゆる公害の騒音の一環として——テレビはたまたま有料で支払われておるからそういう意見が起こりますので、テレビを見ておらぬときでもとにかく騒音は困るというのが先に出ておるわけだ。ぼくはテレビそのものを言っておる。それは飛行機が飛んでいると画像がくずれますよ。たいへんなものです。 それからもう一つ、もとへ戻りますが、新幹線の問題は、一万件について全部調査を終わって問題がないということは、もう完全に見える、そして騒音の心配もなしに何かぴちっとしたのですか。どうですか。
○佐野参考人 新幹線に関する限りは全面的に解決をいたしております。
○中井委員 全面的に解決したというのはどういう形で解決したのですか。たとえばあなたのところはアンテナを高くするとかなんとかして、その経費は国鉄が持った。それでもう放送受信者はけっこうだと言ったというのですか。どうですか。
○佐野参考人 ほぼただいま御指摘のとおりでございます。当時、たとえばアンテナの置かれている高さが、ちょうど新幹線の高架と同じようなところにございますのは、より高いところに変えるとかあるいは新幹線の走行いたしておる地点よりも低目にアンテナを置くとか、もろもろの措置をとりまして、今日では受信の障害というものはほぼ解決をいたしてさほどの苦情は発生いたしておりませんし、また同時に全国的にわたりまして受信サービスあるいは訪問サービスといって、これら沿線の障害関係がその後引き続き発生しないということにも意を用いて、受信改善運動を続行いたしておる次第でございます。
○中井委員 あなたはそうおっしゃっても現にあるのです。文句は私のところなどにきておるのですから、その辺のところは私はこのままでは済まされないと思いますが、さらにあなたは国鉄との間に済んだと言うが、国鉄は経費を幾ら負担したのですか、金額を聞かしてください。
○佐野参考人 ただいまその数字を正確に記憶いたしておりません。
○中井委員 佐野君、こういう問題はラジオを無料にする機会に、私はNHKとされてはやはりもう一ぺん、佐藤総理が言い出したからまあまあというんじゃなくて、NHKの自主性でもって、現在見えないのですから、少しでも障害のあるものを——いま半額でしょう、どうですか。
○佐野参考人 半額でございます。
○中井委員 だからこれを全額免除にするとか、機械的に、たとえば一日のうちで二時間ばかり見えないから半額だ、そういうことじゃなくて、そういう聴視難のところはもう無料にするとか、そういうことをどうして考えていかないのか。いま国鉄の沿線、新幹線の沿線で約一万というあなたの説明だった。無料にしたら月に三百三十万円だ、一千六千万円くらいの金だ、そういうことで大NHKが文句を言われて、朝日、岩波、NHKですか、何か四大権威なんといっていやがられておる時代ですが、もう少しその辺のところを自主的なしかも積極的な判断ができないものですか。全額免除というふうなことはどうですか。 それからこれは郵政大臣に伺いたいのですが、そういうことを一々あなたのところで判をとるということになっておるのですか。これはどうなんですか。細則をつくって、細則の範囲内でNHKがやっていることについては、あなた方は干渉しないのですか。どういう制度なんですか。一件ずつ郵政省がチェックするのか、その辺のところをひとつ大臣から……。
○小林国務大臣 これは一件ごとにやっているのではありません。免許基準というものをつくりまして、その基準であと具体的におきめになります。
○中井委員 ついでですが、その基準はあとで資料でひとつ私に見せていただきます。 それから、あなたに言うのですが、半額じゃなくて、全額免除という制度をひとつぜひぼくは考えてもらいたい。そうでしょう。ラジオはもうふえたし、金額も少ないし、山間のものが多いので、かすみたいに忘れてしまって、それはまけてやる。生活保護、これは政府はまけておる。ですから完全に見えるか見えないかというのは、私はこれは物理的に最も重要なことだと思うのです。ラジオは聞けない、テレビは見えない、これは半額、おかしいと思いませんか。ほんとうの事業経営者として、基本の線ですね。いささかでも見えないようなことがありましたら、一月分の聴視料はいただきませんというくらいがほんとうの事業者の立場です。昔、明治か大正の話ですけれども、二時間ほど停電をいたしましたら、その月分の電気料金はいただきませんという会社があったのですよ。私はみごとだと思うのです。そういうことで見れないものにまで半額取って、それでラジオはただだ、これは生活援護、けっこうでございますが、そういうことになるとボーダーラインの人もあるのです。これは日本の内政の問題のうちで、いま陰にこもっております一番大きな問題でありまして、生活援護を受ける人はテレビもただだ、地方税も何も免除、それからちょっと上の人はテレビは出さなければならぬ、住民税は払わなければならぬ。それに町内会の寄付もみんな割り当てでくる。こういうことでその間に非常な差ができておるのが日本の内政の現実なんですけれども、それはいいでしょう。ただ、見れないからというやつに半額というのは、どうも私はいただけない。思い切って全部をただにするということはどうですか。この辺のところを会長ひとり……。
○前田参考人 先生の基本的な考え方に私は実は完全に賛成でございます。この議論の過程で先生は、たとえば飛行場の問題にせよ、それからまた新幹線の問題にせよ、国鉄なりあるいは運輸省なりがNHKに払うべきであるという御発言をなすっておられるわけでありまして、私はこれは当然のことだと実は考えているわけでございます。 カーラジオについては多少私の考え方は異なっております。先生の場合はカーラジオは今度はメーカーから取ったらどうかというお話と理解して承っておりましたが、自動車の中に設備されておるから、それを蔵出しするときに一括して取ったらどうかというお話のようでございます。しかしこれについては私は多少異なった実は印象を持っております。と申しますのは、受信機の物品税的なものになるおそれがあるという点で、承っておる間に、必ずしもこれは賛成申し上げられないという気持ちで聞いておりました。ただし新幹線あるいは航空基地その他全般の問題については、これはNHKもまた被害者でありまして、NHK自体がその責任の全部を負うべきであるという考え方には、NHKの存在の理由からしても、また受信料の基本的性格からいたしましても、私どもとしては必ずしも賛成はできないわけでございます。したがいまして新幹線の問題については、佐野理事から御説明申し上げましたように、国鉄当局と話し合った結果、その点は国鉄においても理解してくだすった、そういう結果の一つのあらわれでございます。 航空の問題については二色あるかと私は考えております。その一つは、いわゆる航空基地と申しますか、世俗的に基地と呼ばれる、簡単にいえば日米間の安保条約を基礎として出てきた問題あるいはまたこれと関連する、しないを問わず、国の制度として存在する自衛隊の問題と関連する問題、これらについては、佐野理事が説明しましたように、国家的協力をたてまえとして、一応原則的には国家が補償すべきものと考えられるのでありますが、国家的見地からこれと協力するというたてまえをとったわけでございます。これが半額ということの、私どもとしては純粋に考えて、そういう意味での実は措置をとったわけでありますが、その他の商業航空との関連におきましては、飛行場を利用する航空会社との関係で、これはやはり国の行政指導がこの問題の解決の拠点をそこに置くべきだという考え方を実は持っている次第でございます。
○中井委員 いま前田会長のお話大体わかりましたが、メーカーから取れというのは手続上の問題であります。実際は自動車を買うところの負担でありますから、NHKがその料金を取る事務をメーカーの蔵出しのときに押えてしまえば非常に簡単にいく。一年に一回決済すればよろしい、こういう意味で途中の手続をなにして言ったのであります。それはひとつそういうふうに了解していただきたい。そういうことは私は将来必ず問題になってくると思う。あなたはこの前の委員会においては、自分の任期中、あるいは自分がNHKにおる間は料金の値上げはいたしません、こう言って大みえを切られましたから私は大いに安心しておるのですが、しかしながらずっと将来の問題としては、そういうふうなことは必ず起こってきます。小林さんはさっきテレビはまだ持ち込みの段階だ、そのとおりでありますが、将来また備えつけのものも出てこようと思います。ああいう動く住宅みたいなものなんですから、これはやはりそれにかけていったら非常に簡単にいけるというふうに考えて、私の発言はそういう意味でございますから、それは了承いただきたいと思います。 それかう先ほども国鉄に幾ら出させたか、まだわからぬと言うから私途中で質問はその程度にしましたけれども、実際は国鉄が払いましたのは、見えにくいものをやや見えるようにしましたその施設に対する経費でありまして、いわゆる聴視料を国鉄が出すわけではありません。その点も私はいまの前田会長の議論のごとく、やはり国鉄は持つべきである。それから飛行場で取れといいましたことは、おっしゃるように、これは航空会社二十社なら二十社出入りしていればそれから取る。そういうことはやはりどこでまとめなければなりませんから、羽田なら羽田の事務所でまとめるというふうなことになろうと思いますが、何か現にイギリスではすでに前例があって、イギリスの航空会社ですか、ロンドンの空港管理公団というのが現にもう支払っておるというふうな話を聞くのですが、これはどうですか、関連して。
○佐野参考人 ロンドンの空港におきましては、ロンドン空港管理公団の責任におきまして、一世帯あたり百ポンド、十万円でございますが、大体その周辺二万軒に対しましてこの航空騒音を除去するために家屋の改造をいたすということに相なりまして、その所要の経費が円貨にして平均二十万円、そのうちの半額百ポンドをロンドン空港管理公団の責任で処理をいたし、総額日本円にして二十億円で騒音の除去を解決をいたしました。ただその措置をとりまして、BBCはNHKと同じような組織体でございます。が、受信料そのものの免除はいたしておりませんし、また今日受信料制度をとっております大体世界四十カ国のうち、受信料の免除そのものの措置をとっている国は一つもございません。
○中井委員 それからさっき会長の回答の中で、安保やらあるいは自衛隊の関係のことについてちょっと聞き漏らしましたが、これは半額にしておる趣旨はあとの半額を国が補償すべきものである、しかしながらそれを妥協しておるのだ、こういう意味の御意見ですか、どうだったですか。
○前田参考人 NHKとしてはその性格といえども全額免除すべき根本的理由はないという考え方に立つわけでございます。
○中井委員 いま国との関係ですがね、私は先ほどから聴視料を免除すべしというのはそういう意味とまた別なんです。それはそれで、国や公団から取るなら取るでいいでしょう。しかしながら聴視料を取るということは、やはりみごとな映像でりっぱに聞けなければならぬ、こう思うのです。日本人というのはたいへん潔癖でございますから、そういう意味において、それは操作のまずさとかあるいは機械が悪いからいけないというのは問題になりませんけれども、地勢的あるいは客観的な情勢によってそういうふうにどうしても見にくい聞きにくいというものについては、NHKとしては思い切って無料にしたらどうか、こういうことを私は提案的質問をしているのですが、半額というふうなこと非常にこだわるわけですけれども、どうもよく見えないという、非常に不愉快ですよ、現実に見ておる者にとりましては。それでりっぱに見えてもほかの事情があれば無料だ、こういうことになる点で、非常に思い切った措置が天下のNHKとれないか、こういうことであります。この点さらに一ぺん会長に質問いたしておきます。
○前田参考人 現在のところは、繰り返すようでありますが、私どもの考え方を変える気持ちはございません。ただし天下のNHKという意味が、皆さんの全幅的信頼の上に立ってあらゆる面で御支援をいただけるという意味であるならば、この限りにおいて今後研究を続けたいという気持ちはございます。
○中井委員 なかなか名答弁で、まことに天下のNHKなんですから、少しそういうおっとりとしたところをひとつ、経費の面だけは非常にえげつないというのでは私はいけないと思います。 さらに具体的に入りますが、私は陳情を受けておるのですが、その半額免除の場所のきめ方におきまして末端が非常にこだわるということを聞いておるのであります。具体的に言いますると、この間も各委員にもそういう陳情があったと思いますが、神奈川県の大和市というのですか、基地の周辺でございます。これが実に厳格である。一キロと二キロ、飛行場の周辺きちっとやる。きちっとやり過ぎるものですから、さっき言いましたようにちょうど境目のところで非常な議論が、論争が起こる。それにまたおだてるやつがいて、全部払うなというようなことで不払い同盟ができて、不必要な摩擦を起こしておる。こういうことでありますが、この辺のところを具体的にどういう事務の取り運びにしておるか、これを伺いたい。
○佐野参考人 お答えいたします。 厚木の周辺に限ってお答えいたしますと、もとよりその周辺の地形なり村落といいますか集落の実情等を勘案して、適当に区切りをつけておるつもりでございます。御承知のようにこの半額免除の一般的原則といたしましては、航空基地の滑走路の短辺、短いほうの幅のところから横へかけまして、要するに空港から外へ一キロ、滑走路の長辺のほうの、走るほうでございますが、その空港の前後のはずれは二キロという距離で適用区域を設定いたしておりますが、ただ御指摘のように立地条件あるいは周辺の部落等がたくさん密集しているところはその辺なりに勘案いたして適当に処理をいたしております。
○中井委員 いろいろ御説明がありましたが、具体的に九州の板付飛行場におきましては、そういう問題が起こっておらぬ。それは福岡の放送局長か何かが非常に政治的手腕があるのか知りませんけれども、全然起こっておらぬ。同じ条件の大和市だけで起こっておる、こういうことであります。これはもっと融通をきかした処置をどうしてやらぬのですか。九州は全然起こっておらぬ。ほかの地区でも起こっておらぬ。大和市だけで起こっておる。これは横浜の放送局ですが、神奈川の放送局ですか知りませんが、そこの現場と現地で争いが起こっておる。それでさっき聞けば、郵政省では一般的な基準を示しておるだけであって、個々の具体的なことまで入っておらぬということになると、そういう紛争の責任はやはりNHKにあると思う。それはまじめもけっこうです。まじめもけっこうだし、えげつなくやるのもけっこうでありますが、さっき私が言いましたような趣旨でありまして、一日のうち半時間か一時間は見られないから半分だとか、何時間見えるからどうだとか、そういうことをやっておったのではいかぬ。やはり見えにくいところは思い切った措置をとるのが、さっきの天下のNHKではありませんけれども、当然のことだと思うので、三十名も四十名もたくさん東京まで出てきてもったいないことをして何を陳情するのかと思ったらそういうことであるというふうなことはまことにまずいと思うのですが、会長いかがですか。これはもう一ぺん調査をされて善処されるように、私は強く希望いたします。
○前田参考人 先ほど来申し上げますように、私どものたてまえと、そうでない実情とが実は紛淆を来たしているわけですが、しかし調査その他については当然われわれはすべきだと思っておりますし、それからその紛争の相互理解に到達するためにわれわれが努力すべきことは当然だと考えております。
○中井委員 陳情者の説明を聞きますと、きわめてしゃくし定木だと言うのです。あなた方は非常にうまいことを言われるが、二キロ、一キロぴちっとはかって、もうあかぬというようなことだというわけです。やはり地形に応じ融通のきく解釈をぜひ期待したいと思うのですが、最後にもう一度この点だけ念を押しております。
○佐野参考人 実は調査は毎年いたしております。おっしゃるとおり人間の社会のことでございますから、なかなかその辺が動いている形でいろいろの意見が発生をいたしております。ただ後ほどあるいは地図をごらん願えばわかるかと思いますが、かなり地形その他の条件を勘案して処理をいたしておるつもりでございます。それにいたしましても、その線からはずれた地域において直ちにまた不平、苦情が発生するというようなことで、この区切りをつけるということは非常に困難でございますし、われわれといたしましては、現実的にはまことに苦悩をいたしておる問題でございます。際限なく広がっていくという宿命に立たされておる点が一つございます点も御了承願いたいと思います。
○中井委員 そういう答弁をなさると、私は何回でも立つのですけれども、もっとはっきり言いますと、あなた方の現場の職員とそこの住民との間がうまくいっていないわけだ。この問題は要するにそういうことなんだ。それくらいのことは片づけたらどうです。
○佐野参考人 私の責任で、具体的に調査をいたして善処いたしたいと思います。
○中井委員 それでは、これで私の質問を終わります。
○松澤委員長 上林山委員。
○上林山委員 放送法改正の採決の前に、委員会審議その他の資料にいたしたいと思いますので、資料を要求いたしておきます。 まず第一に、過去三年間におけるNHK並びに民間放送がどれだけの誤報をやったか。誤った報道をしたか。あるいはまた、同時に針小棒大な放送をしてこれを修正したものがあるか。あるいは自発的にそういうことをやったものと、抗議もしくは申し入れによって、訂正したものとの区分をやったものを出していただきたい。私はそれだけを要求いたしておきます。
○松澤委員長 これにて放送法の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○松澤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 放送法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松澤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 なお、ただいま議決いたしました本案に対する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○松澤委員長 この際、小林郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
○小林国務大臣 本案につきまして、きわめて御熱心な御審議の上、ただいま御可決をいただきまして、まことにありがたく厚くお礼を申し上げます。
○松澤委員長 次会は明十三日委員会を開会することといたします。なお本日は、直ちに理事会を開会することとし、これにて散会いたします。 午前十一時二十七分散会