逓信委員会 第17号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/06/29
会議録
○松澤委員長 これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 昨二十八日、理事佐々木良作君が委員を辞任されました結果、理事が一名欠員になっておりますので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じます。先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤委員長 御異議なしと認めます。それでは小沢貞孝君を理事に指名いたします。(拍手) ————◇—————
○松澤委員長 次に、参考人出席要求の件について、おはかりいたします。 放送法の一部を改正する法律案の審査の参考に資するため、本案の審査が終了するまで随時、日本放送協会より参考人の出席を求めることといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○松澤委員長 放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。秋田大助君。
○秋田委員 ただいま提案をされた放送法の一部を改正する法律案の提案理由を拝見いたしますと、「放送の普及発展の現況にかんがみ、ラジオ放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者は、日本放送協会と受信契約を締結することを要しないものとする措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」こう書いてありますが、これでは何のことかわからない。国民がこれを読んで、なるほどそうだと首肯せしむるだけの説得力がこの文章にはないと私は思う。もちろんこういう提案理由は簡潔に書く慣行でもあるし、それは望ましいことでありますが、この理由では皆目わからない。普及発展の現況のどの部分が受信契約の締結を要しない措置を講ずる必要を感ぜしむるのであるか、その実態を簡潔に書くことが、立法者として当然とるべき親切な態度であると思うのであります。これははなはだ不親切、まあ少し誇張して言えば独裁者的性格があるなんということをいわれる理由にもなろうかと思うのです。もう少し親切に書く必要があろうと思うのです。 書き方の当不当はこの際別問題として、なぜこういう措置を必要とするか、この改正法案の提案の理由をもう少し親切に教えていただきたいと思います。——大体こういう法律案の書き方の可否について、一ぺん大臣代理の政務次官に御意見を承りたい。
○田澤政府委員 秋田委員のお話のように、確かにこの受信料の問題に関しましては、書き方が非常にむずかしいということは御承知のとおりでございまして、提案理由の説明の中でも、なかなか一般の人がわかりにくいということは秋田委員御指摘のとおりでございます。しかしながら、秋田委員御承知のように、最近テレビの放送というものの普及率が非常に高うなりまして、そしてラジオの普及率とが大体クロスするように相なってまいりましたので、ラジオだけの受信施設を持っている者を免除しようということが趣旨でございまして、そういう意味での内容を含んでいるものでありますが、今後こういう特殊な、科学的なものを扱う場合の内容説明に関しては、十分注意をして進めてまいりたい、こう考えております。
○秋田委員 非常にむずかしいからこう書いたのだ、しかし今後こういう科学的内容を持ったものについては、提案理由の説明等注意してまいりたいという御答弁でありますから、それを了といたしますが、それではこの提案の理由を、いま一部分政務次官もお触れになりましたが、実質的な提案の理由をひとつ局長から承りたいと思います。
○淺野政府委員 ただいま政務次官の申されました点で申し上げることはないわけでありますが、現在テレビの普及率、契約数は約二千万に近づいております。ラジオが九九・七%のカバレージでありますのに対しまして、テレビが九五%に達しております。かねてから当委員会におかれましても、近づいた場合には乙を廃止してもいいのではないか、こういった御意見もございましたし、私どものほうにおきましても、そういう態勢でおった次第でございます。ちょうど、九九・七と九五には若干の差はございますが、カバレージから見てみますとほぼ変わらない、こういう実態でございます。また、数からいきましても、有料の乙は百二十八万でありまして、非常に少ない状況に相なっております。したがいまして、ただいま政務次官から申し上げましたように、ラジオだけの受信設備を設置しました者の数は減ってまいりました現状におきまして、またテレビとラジオはほとんど同じカバレージになったという現状にかんがみまして、今回の御提案申し上げました内容になった次第でございますが、提案理由の書き方につきましては、十分今後は注意してまいりたいと思います。
○秋田委員 テレビとラジオのカバレージがほぼ一致した。まあ数字的に言えば多少そこに差があるが、大体一致したからこの際乙料金を免除して、免除ということばが法律上妥当でないかもわからぬが、契約を要しないものとする措置をとった。この理由はそれとして一応了承をいたしますが、しからば現状の乙料金はどうなっておるか。乙料金にもいろいろ通りがあろうと思うのです。設置場所によって差があると思いますが、カバレージがほとんど一緒になったという部分のラジオ設備のみを有しておる聴取者、それから、すなわちまだカバレージが一緒になっていない部分のラジオのみの聴取者と、一緒にもう従来からなっておるが、しかし乙料金の対象になっておるものもあろうと思います。そういう種別、その件数、その収入状況を、四十二年度の予算について御説明を願います。
○淺野政府委員 この四月から大幅に免除をいたしました際に、テレビのカバレージ外にありますものにつきましては、大体その際に免除されたものと思います。十七万六千でございます。したがいまして、現在残っておりますものがカバレージの重なっております中が大半ではなかろうか、かように思います。詳細につきましては私ども資料を持っておりません。
○秋田委員 先般の大幅免除措置で、テレビのカバレージ外にあるもの、それはほとんど免除してしまったのだ。そうするとほとんどカバレージが一緒になった現状だから、一緒にするのだ、おっしゃったものについては措置が大かたできたような感じがします。そこでいま残っているものはいわゆるカーラジオとか、事務所とかホテルにあるラジオ、こういうものだと思います。ですから今度のこの法改正によっては、実質的にはそういうもののラジオ料金を免除する、NHKと契約する必要はないのだ、実質的にはこういうことになろうかと思いますが、いかがでございましょう。
○淺野政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○秋田委員 そういたしますと、カバレージはほとんどもう一緒になったのだから、この際こういう改正をするのだという理由は、私は説得力に乏しいのじゃないかと思います。それにつけ加えて、その分も陰に隠れておりますが、カーラジオとかホテル、あるいは事務所等にあるラジオ、単独ラジオのみを設置しているものの料金は、俗にいって免除すべきである。この理由は別途につけられなければならぬのじゃなかろうかと思うのであります。しかるにこの部分につきまして、数年前当委員会でカーラジオは取るべきだということが主張され、それに対するたいした反対論もなかった。また聞くところによると、参議院のほうの委員会では大いにこのことが論ぜられまして、カーにつけておるラジオは取るべきである、これは取ることになっておるのを、むしろ怠慢ではなかろうかというようなことがしきりに言われたと聞いております。それが証拠に四十二年度はそれより前の年度と比べまして飛躍的に乙料金がふえておる。これはカーラジオ料金の徴収につとめられたからであります。きのうまではとるべし、きょうはとってはいかぬ、これはどういう理由に基づくのか、ひとつ乙料金廃止の理由としては新たなものが加わらなければいけない。ただカバレージがほぼ一緒だからというだけではない、詳細に言うと、この際に乙料金を免除するのには、なぜカーラジオ料金を免除するのか、ホテル等におけるところのラジオ単独設置者の料金を免除するのか、そこの御説明がないと私は非常に片手落ちではなかろうか。改正案を論議する場合にやはりこの点をお尋ねしておかなければならぬのじゃないか、こう思うのです。
○淺野政府委員 現在、乙によります収入は七億余りでございます。それに対しまして徴収に要します経費は五〇数%、結局、手元に残りますお金が三億数千万円、こういう状況がまず一つあると思います。 それからもう一つ、カーにつきまして考え方が変わったではないか。この点につきましては、やはり年々そういったものに対する考え方は変えていくべきものではないか、こういうふうに思います。と申しますのは、まず法律できめておりますのは、「受信設備を設置した者は、」と、あくまで受信設備としてまいっております。それに対して現在とっております方法といたしましては、世帯単位で取っておるわけであります。これは特に徴収上の現状に即したやり方ではないか。世の中の変遷とともに、やはり世帯のとり方というものも変わってまいる。二十五年にこれを開始しました当時におきましては、自動車の値段というものは一軒の家よりも高かった。こういった場合においては、別にここにあるものはとってもふしぎではなかったわけでありますが、現在非常に自動車が大衆化いたして、月賦で買えるような事態になってまいりますと、一つの部屋よりも場合によっては安いかもしれない。こうなってまいりました場合に、世帯として自動車を別立てにすること自身も意味が乏しくなっております、かように判断いたしたわけであります。同時に、これから取ります手数料その他もなかなかたいへんであります。せっかくの機会でありますから世帯というものをひとつすっきりする、こういうことで割り切ってよいものではないか、かように考えたわけであります。
○秋田委員 カバレージの一致、不一致論の論拠以外に、現状としては、カーラジオの部分はこれを廃止するということは、やはり考えていかなければならぬということはお認めになったようであります。そこで、これを廃止する理由として、今日の社会生活、庶民の経済生活なり年収等からの現状からいって、また世帯の重複だから、これは徴収を免除してもいいのじゃなかろうか、こういう理由をあげられたわけであります。しかし、衆参両院の逓信委員会が、きのうまでこれは取るべしといい、郵政省もことしの予算で、この予算はおおむね妥当だといいながら、直ちに手のひらを返すように、今度カーラジオを取ってはいけないのだという態度に出られたことは、多少私はふに落ちないのであります。そういう理由もありましょうけれども、単なるその理由だけで廃止をしていいかどうかということは、なお私は十分検討を要すべき問題ではなかろうか、その上で結論を出すべき問題じゃないか、こう思うのであります。と申しますのは、もし今度の改正をしなければ——乙料金というものは今後どんどん減っていく状態にあるのじゃなかろうか、そういう状態を予想して、かつてわれわれはこういう趣旨の改正を考えておったわけであります。ところが、カーラジオを取るということに、かりになっておりますれば、相当これはむしろ上がっていくのではないか。収入の面からいって、これはNHKの財政の健全性ということから考えて、ひとつ考慮すべき余地が残っておると思う。すなわち、FM等を今後本放送を許される段階に相なりますれば、人によってはたいしてかからないのだ、こうおっしゃいますけれども、やはりFMの発信設備を拡充強化する、番組につきましてもFMを本放送するにふさわしい内容の強化充実をはかられるということになりますと、ラジオの分の経費というものの増大が当然予想される、相当の増大を今後予想しなければならぬものだと思います。現にテレビとラジオとの経費のかかっておる状況を考えてみますと、テレビのほうが五百数十億、ラジオのほうも百億を少しこえておる経費を要しておると伺っております。数字の正確さは別として、これくらいラジオがかかるとすれば、ラジオ固有の聴取者の負担というものをある程度確保するということは、これは妥当なこと、だという議論は成り立つと思います。NHKの将来の経営を考え、放送法によってNHKに課せられた使命の健全な達成という点から考えまして、妥当な経費は妥当に支出し妥当に負担されなければならないのでありますから、その点から考えますと、相当将来無理なく増収の面があるとすれ、は、それをむげに簡単な理論で取り去るべきものじゃない。十分将来にわたって考慮を要する問題であろうと思うのでございます。この点が一つ。 もう一つは、なるほど世帯住居が重複しているから、カーの中のラジオも家の中のラジオと一緒に見て、ラジオは一つあろうと二つあろうと、トランジスタをたくさん持っている人はあるんだから、それは一個分しか取ってない、この実質にかんがみて取らないようにしたのだ、それにしてもあんまり変わり方が激しいと思う。われわれが主張し四十二年度に乙料金の予想以上の増額を見ましたのには、やはりそれ相当の理由があると思う。この点を考えてみると、やはり家の延長と考えれば免除していいという考え方にもなろうが、もう一つ家ができたのだ、こう考えることもできる。また自動車を持っている人と持っていない人のラジオの利用の密度、質というものを考えてみますと、そこに差があるのじゃないだろうかとこの際右目をしまして、乙料金内のカーラジオというものの徴収の理由が立ってくるのではないか。いわんやさきにも申し上げましたとおり、NHKの経営、あるいはラジオ経費がNHK全体の経費に占める率等を考えましても、そのことがやはり妥当性を持ってくるのじゃないか。カーラジオを取るということが、おっしゃるがごとくに一顧にも値しないものじゃない、十分考慮しなければならぬものだという考え方になってくるのじゃなかろうか。またこれは必ずしも税金じゃございませんから、負担によって聴取率を変えるべきだという議論がそのまま成り立ちませんけれども、やはりいま自動車を持てる人と持てない人と差があるのでありまして、ラジオの利用率の密度にも質にも差があると申しましたが、同時にNHKの経費の負担を、家でラジオとテレビだけを持っている人、それから自動車も持っている人、そこでラジオもつけている場合によってはテレビもつけている人がある、こういう人と負担が同じだということはどうかと思う。これは料金を、額そのものを変えなくても、家で払っている分、それからカーにつけているものをもう一つ取る、これは妥当性があるように思うのです。ラジオだけを設置しておる人というふうに全部をきめ込んで、それは切るのだという中にカーラジオを含めてしまいますと、どうも自動車を持っている、持ってない人の収入状況等も考えて、この膨大なNHKの経費を公平に合理的に負担するという点から考えますと、カーラジオは重複だからその料金は徴収しないほうが妥当だということは、これは少し反省を要すると思うのでありますが、この点はどうでございましょう。
○淺野政府委員 ただいまの御意見は考え方の一つとしてまことにおっしゃるとおりでございますが、私ども考えておりますのは、ただいまお示しのうちの公平でありかつ合理的である、そのためにはカー等は別に取るべきではないか、こういう点についてでございますが、現在ポータブルの非常に便利なラジオがたくさん出回っております。実際問題といたしまして数によって把握するということはきわめて困難であります。ましてやテレビにおきましても白黒の受像機を複数持っておられる方もありますし、カラーをさらに持っておられる方もあるわけでございます。それぞれによりまして、台数によって種類によって取るということになりますと、これはたいへんなことになるのではないか。さらにそれをもっと緻密に見てまいりますと、聞く時間によってきめなければならない、また電界強度によっても差をつけなければならぬ、こういう問題になるのじゃないか。やはりお金を集める場合の便益等も考えまして、おっしゃいます点は十分ございますが、やはり単一化し、そして合理化された簡単な方法にしたほうがよいのではないか、こういった点でテレビのあるところからちょうだいをするということも、二千万にテレビの契約者がなったという現状におきましては、テレビのあるところでちょうだいをする、当然それでNHKの経営も成り立つのだ、同時にそれは当然またFMにおきましてもラジオにおきましてもいろいろな経費は全部入っております。こういうたてまえ、要するに取り方の問題ではないか、このように考えておる次第であります。それからカーについてでありますが、現在月賦で買っておる大衆が相当ふえてまいっておりまして、先ほど申し上げましたが、カーにつきまして別世帯であるという見方ももうぼつぼつ変えてもよいのではないか、さように考えました次第でございます。いずれにしましてもやはり集めてくる場合の単純化が必要ではなかろうか。将来カラーがふえてまいりました場合には、またおっしゃいますように将来の問題としてこの問題は検討する時期がくると思います、が、現状におきましては一応単純化にいったほうがいいのではないか、かように考えておる次第でございます。
○秋田委員 見解の相違に基因すると思いますが、この問題につきましてはこれ以上論ずることは差し控えておきます。FMを本放送にした場合に相当その部分のNHKの経費がふえると思いますが、たいしたことはないのでありますが、どうでしょうか。それからある程度ふえるとしましたら、FMの単独料金というものを考慮する必要があるのかないのか。必要があるとした場合には、乙料金を撤廃しておきますと非常に不便ではなかろうか。現にいま残っている乙料金の中には、テレビが聞ける地帯でもテレビは聞かない。ステレオ等の高級なものでラジオを楽しむ。これはFMを楽しむ階級だ。そういうものは少数であるが固定したものが相当ある。やはりそういうものを残しておくことも理論上も必要じゃないか。実際上も必要である。FMに対しての経費が相当かかる。そうだとするならば、そういう点を主として負担する階級層なり聴取者があるということは、料金体系上、NHKの料金の体制上合理的なことであり、また負担の公平ということにもなり得ると思いますが、その点につきましてNHKとしてはいかにお考えでしょうか。
○前田参考人 私どもはFM放送の実験放送並びに実用化試験放送に関しましては、当委員会において数年前からこれに対して特別の料金を考慮してないということを申し上げております。将来の問題につきましては、やはり一つの問題点を残すかと考えますが、私どもは甲料金と乙料金の性格に関連して、乙料金は一種の過渡的な形態のものであるというたてまえをとり、ただいまの御質問の中で、その過渡的形態を解消する方法が今回のこの方法でよろしいのかどうかという御質問と関連するかに拝聴いたしておりましたが、私どもといたしましては、NHKの放送というものは、あらゆる波あらゆる形を一元化してそこに公平な負担をしていただくというたてまえを今後確立すべき時期に近づいているのではないか、このように考えているわけでございます。理論的に申しますと、私は秋田先生の御意見に完全に賛成でございますが、この理論と社会の実情をいかに一元化していくかという点につきましては、私ども実際に経営に携っているものといたしましては、かねがね非常な、ある意味では苦悩しある意味では実態の上に立って解決してまいりたいという努力を続けてまいったわけでありまして、したがいまして、私どもといたしましては、将来FM放送が本放送となる場合についても、われわれの経営の全体の中で聴取者との関係をどのように結びつけていくか、確立していくかという点については、できるだけ料金の一本化の方向に経営の筋道を立ててまいりたい、このように考えている次第でございます。
○秋田委員 料金の一本化、理論よりは実際上のいろいろの諸要求にかんがみて、こういうお説であったと思いますが、関連して承りますが、カラーテレビが今後相当盛んになり、その番組をNHKも組まざるを得ない、聴視者の要求もだんだんふえてくると思います。これは非常に経費がかかると聞いておりますが、将来カラーテレビ料金を別にちょうだいをするという考えは、NHKそれじゃ一本化の精神に基づいて、ございませんか。そうすると白黒の方にもカラーテレビの経費の非常にかかっているものを負担してもらうというようなことにもなろうかと思いますが、その辺はNHK当局はどう考えておるか。
○前田参考人 私どもといたしましてはこの点につきましても数年前当委員会において当時の会長から、カラーテレビの将来の考え方として、カラーテレビに関するだけの料金を考えないというたてまえを御答弁申し上げておいたかと記憶いたしておりますが、現実の問題としてカラーテレビがかなり将来に向かって明るい方向を示していく。ただしいろいろなコストの点から申しますと、設備にいたしましても番組制作にいたしましてもかなり高額の金がかかる。白黒に比較しておよそ平均三倍くらいのお金が要るというこの実情とを勘案するときには、一番簡単な方法は、やはりカラーテレビについて特別の料金を設定することであるという考え方が当然理論として打ち出されるかと考えます。ただ私どもといたしましては、すでにカラーテレビジョンをいろいろな形において、本放送以前を通算いたしますとすでに七年をこえる経験を積んでまいっております。そういう意味で私は現在の実情等を勘案して考えますと、このために特別の料金を設定するという経営上から見た可否、及び聴視者との関連で、またこれは私どもの申し上げる筋合いのものではないかと考えますが、いわゆる弱電界の進歩との関連において、特に料金を設定することが当面よりよい方法であるかどうかという問題については、私どもは現在そのような処置をとるべき時期でもなければ、またとらなければならない理由もないのではないかというふうに実は考えているわけでございます。ただし、ただいま秋田先生がおっしゃいましたように、カラーテレビジョンを設置し得る世帯と、カラーテレビジョンを希望しながら設置し得ない世帯との関係において、料金が一本化されているということは、実際上の問題として、かつ理論的な考え方として、白黒テレビジョンを持っている人がカラーテレビジョンを持っている人と同一の料金を払うことは、その意味において白黒テレビジョンがカラーテレビジョンの聴視者にかなりの犠牲を払っていることになるという問題については、私どもも苦慮している問題の一つではございますが、しかし今日の趨勢から見て、私はこのような過渡的問題もやがて全体の流れの中で解決していく可能性があるのではないかというように、実は考えている次第でございます。
○秋田委員 モノクロとカラーとはいろいろ理論的に受信料の点からいって問題もあるが、まあしばらくはこれでいくのだというようにも聞き取れるし、永久に変えないのだ、一緒にいくのだ、一本化でいくのだというようにも聞き取れるし、少しあいまいでございますが、英国などではカラーテレビ放送を始めている、その料金は別に増徴して取るのだということになっているというふうにも聞きますけれども、そういう諸外国の例等もよく研究されまして、やはりNHKの使命を完全に果たす、その経費負担を公平に合理的にするという点について、この点は将来研究問題として残していかれるほうがいいと私は思います。分けて徴収することの難易という問題もございますが、私は分けて徴収すること必ずしも不可能ではないと考えております。これらも一つの問題でございましょう。 本放送法改正の実質的な理由についてはその程度にとどめまして、私はもう一つ疑問が残っておりますから、その点を教えていただきたいと思います。 それは、「ラジオ放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」こう規定されます。そうすると、この表現上はNHKと無縁のものになる、こういう表現である。こうとるのがこれは常識であり、すなおな読み方だと思います。契約する必要がない。こうなるともうNHKと関係ないのだ。こうなるとまたこれは常識に反します。一体ここのところはどうなっているのか。どうも表現のしかたが、立法技術が、そう言っちゃ失礼ですが、まずかったのではなかろうか、こういう感じもするのでございます。すなわち、「この限りでない。」という原文のところは、「放送の受信を目的としない受信設備」を設置した者については、「この限りでない。」これはNHKと無縁にしていい。それと、「このラジオ放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置」して、これとは質が違うものではないか。それを、同じ「この限りでない。」ということは、これは立法技術上便宜論でこうされたかもしれませんけれども、やはり将来のことを考えますと、この異質のものを一つのところでまとめて規定したのはまずかったのではなかろうか。少し法律がくどくなるかもしれませんけれども、項を分けて第二項と重複しないように、その思想と抵触しないような何か表現で、NHKと関係はあるんだ、料金だけは取らないでいいんだ、これの免除規定は別途大臣の認可を要するというこの規定と矛盾しないように書き分けるようにしておくほうが誤解を起こさなかったのではないか、こう思うのです。これらの点、ひとつ教えていただきたい。今後NHKと関係がなくなるのかどうか。なくならないのだと思いますが、なくならないのだということを、法律上どういうふうに説明するのか。それからもう一つ、これは書き方がまずかったのではないかという点については、どう考えられるのですか。
○淺野政府委員 現在放送法におきまして、NHKは「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行なうことを目的とする。」こういうふうに実はなっておりまして、契約があるなしにかかわらず、NHKの立場といたしましては、日本全国民と関係があるわけであります。したがいまして、ただいま御指摘の点につきましては、こういった面から御解釈をいただきまして、提案されましたこの字句の点につきましては、なかなか簡潔に書きます方法はむずかしゅうございまして、法制局とも相談の結果、こういうふうになった次第でございます。したがいまして、御趣旨の点はNHKの一番大事な七条におきまして入っておる、こういった点で御了承いただきたいと存じます。 なお、たとえて申し上げますと、たとえば修繕等もございますが、あれとても免除しておる方たち、それから契約のない方たちを問わず、NHKは広く全国的視野に立って修繕のごあっせんをしておるわけであります。したがいまして、NHKといたしましては、日本じゅう関係がある、こういうふうに努力いたしておりますし、公平に行なっておる、こういうふうに解釈していただきたいと思います。
○松澤委員長 森本靖君。
○森本委員 電波監理局長は何かからだが悪いようですから、部長のほうに御質問をいたしますので、退席せられてもけっこうです。そんなに悪いというところに、さらに私の毒気に当てられて悪くなったら寝ざめが悪いから、御休養願いたいと思います。 それで、この放送法の改正問題について、少し大臣に私は質問をしたいと思います。特に今回この放送法の改正が上程されましたわけでありますが、この前の解散前の国会におきまして、御承知のとおり電波法と放送法が非常に問題になりまして、いろいろ審議をされましたけれども、最終的には与野党の意見が衆議院においては一致した妥協案というものができたわけでありますが、それが不幸にして日の目を見なかったわけであります。しかしながら与野党が折衝し、一応まとまったその意見については、当委員会の速記録には残してあるわけでありますが、その電波法と放送法の全般的な改正案というものは今回見送られておるということになっておるわけであります。そこでラジオの聴取料の免除だけでありますが、こうなってまいりますと、電波法と放送法の全面的な、前国会に出されたような改正案というものについては、一体いつごろお出しになるのか、あるいはそういうめどについてはないのかどうか、まずそれから大臣にお聞きをしたい、こう思うわけです。
○小林国務大臣 郵政省の考えとしては、次の通常国会に出したい、こういうことで準備をいたしております。
○森本委員 次の通常国会において出したいということでございまするならば、前の当委員会に出されてまいりました電波法と放送法、さらに与野党が協議をして修正をし、一致点を見出した、こういうふうな大筋については、その大筋は変わらない。個々の問間については、ある程度これは変わってくるかもわかりませんが、大筋については大体これを踏襲していく、こういう考え方ですか。
○小林国務大臣 あの案は一応それぞれの向きで御相談がありましたが、国会は通過しなかった。したがって、これをそのまま踏襲するということは、必ずしも申し上げられない。検討をさらにいたしたい、かように考えております。
○森本委員 私が聞いておるのは、これをこのまま踏襲するということを聞いておるわけではない。かなり重要な問題について、細部の意見の一致についてはまだ見ていないところが多分にあるわけでありますが、ただ重要な点についての大筋については意見の一致を見ておる。そういう点の大筋についての意見の一致は尊重していくつもりがあるかどうか、これを聞いておるのです。
○小林国務大臣 大筋につきましても、自由民主党においてもまだいろいろ異論がありまして、その結果、あのままあの案が通過しなかった、こういうことに考えますので、大筋についても一あのまま踏襲するということについては再検討する必要がある、こういうことでございます。
○森本委員 そういたしますと、これは非常に状況が変わってくると思うわけでありますが、当時の郡郵政大臣は、一応廃案にこの案がなった。しかしながら衆議院における与野党の意見というものがある程度大筋において意見の一致を見た。そこで新しいUとVの混在、さらにFM放送等の新規免許についても、そういう妥協し、協議をしたその精神にのっとって、行政的な措置においてこれを行なっていきたい、こういう答弁を郡郵政大臣はしておるわけである。ところが、いまの小林大臣が言いますように、全然一切白紙に返すということになるならば、少なくとも新しいUとVの混在、あるいはUの免許というような問題については、これは電波法と放送法の全般的な改正案が出された暁においてでなければこれをやるということについては非常に大きな問題を生ずるというふうに私は考えるわけでありますが、その辺、一体大臣としてはどうお考えですか。
○小林国務大臣 これはあれを尊重しないと、こういう意味じゃありませんが、あのこと自体が自由民主党等においても必ずしも一十分な了解点に達した、こういうことは考えておりません。ただ、ああいう精神を尊重していく、こういうことについては郡さんもおっしゃったと思いますが、ああいう改正という大きな方向というものは一つあったわけでありますから、そういう方向についてはできるだけこれを参照していきたい、こういうことでございます。
○森本委員 そういたしますと、結局もとへ戻りまして、例の放送法の改正案の原案、さらにそれをこういうふうに修正をしたいといったことについては、一応それを尊重しながら新しい行政的なやり方としてこのUの新免あるいはFM放送の新免ということを考えていくということですか。
○小林国務大臣 あるいはその話し合いがきわめて困難であったことはそうたくさんはありません。これは二、三であったかと思いますが、こういうことについては必ずしも与野党方面において十分な了解を得た、こういうことに私は理解しておりません。したがって、大体の方向として、ああいう法律の改正案が出たらああいう法律の改正案をひとつ参照していきたい、こういうことでありまして、いまの非常に争いがあったというか、両者の理解が十分いかなかったというようなことについてはひとつ検討を加えなければならぬ、こういうことでありまして、全体としてそのことが非常に大きな影響を及ぼすというふうには考えておりません。
○森本委員 最終的に意見が一致を見たけれども、与党の中で相当これが紛糾を来たしたということについては、これは実を言いますと、新しい免許制度そのものについての根本的な問題ではありません。御承知のとおり、これはその他付属する問題についての意見の不一致であって、たとえばチャンネルプランの周波数の使用計画、分配計画、これを設定をしてからやらなければならぬというようなことについては、これは意見が一致を見ておるわけであります。だから、新しい免許のやり方についての法的規制についての問題は、前の放送法の改正のときにおいてもそんなに与野党の意見が不一致になっておるということにはなっておりません。そういう点について、私は、大臣はそういう点を尊重しながら、その線に従ってやっていくという方針であるのか、あるいはそうでないのかということをまずお聞きしておきたい、こういうわけです。
○小林国務大臣 了解のついていることについては尊重していきたい、こういうことであります。
○森本委員 そこで、そういたしますと次の通常国会に新しい電波法と放送法については提案をする、こういう御回答でありますので、これもおそらく困難であろうと思いますけれども、その回答を回答のまま受け取りまして、次に質問を進めていきたいと思います。 そこで大臣としては、徳島のUHFのNHKの教育テレビジョンの視察を行ないまして、そのあとでUの免許についてとにかく考えていかなければならぬ、こういうことを発表いたしておるわけでありまするけれども、現実にこのUHFのテレビの免許について一体具体的にどういうふうなお考えでこれを進めていこうとしておられるのか、具体的にこれを説明を願いたい、こう思うわけです。
○小林国務大臣 これはほかの機会においても一申したいと思いますが、とにかくUが実用として適切であるかどうかということを調べてもらうためにあの実験をいたしたのでありまして、中間的な報告ではあれが非常によい、こういう報告があるのでございますが、しかし最終的には技術審議会の答申を待たなければならぬ、こういうことで、その答申がおそらくあるいは来月初めかに出ると思いますが、そういうことの答申を得てから考えていきたい、こういうことで、いまこれを待っておるという状態であります。
○森本委員 技術審議会の答申を得てこれをやっていかなければならぬ、こういうことでありますけれども、技術審議会の答申はもう来月の初めごろに出るということはこれは明らかでありますし、それから徳島のUのいわゆる教育テレビジョンについては一応成功したということについてもこれもはっきり言えるわけであります。そうなってまいりますと、今後UとVの混在というものをどういうふうにこれを免許をおろしていくかということが一つの大きなポイントになってくるわけであります。そこで具体的に私が大臣にお聞きしたいと言っていることは、大臣はあっちこっちで新聞記者には談話を発表しているわけであります。そういう談話を発表するということもけっこうでありますけれども、ここは国会でありますから、国会を通じてそういう問題についてはまず発表するという一つの習慣をつけていただきたい。特に国会では慎重な答弁をし、さらに地方に行った場合には新聞記者に放言的な内容になるということにはならぬようにしてもらいたい。 そこで私は、特にこのUの問題についてとやかく言われておりますので、段階を追って聞いてみたいと思いますが、一体このUの開放については具体的にどういうふうな順序を経ていつごろどういうかっこうにおいてこれをやろうとしておるのか、それを説明を願いたい、こう思うわけです。
○小林国務大臣 これは郵政大臣がかってにやるわけにはまいりませんから、それぞれの機関を経、段階を経ていく、こういうことになりますので、これが出ますればいまの技術審議会あるいは電波監理審議会等、こういうところで、あるいは省令のあるいはチャンネルプランの問題、いろいろな問題がございまするから、そういうふうな段階を経てやっていくというふうに思っておりますが、それぞれの機関の審議の経過もありましょうし、いまいつごろになるか、こういうことは私どもいまここで予定できません。しかしいずれにいたしましても一前々から放送法を改正してからと、こういうようなことで、いろいろなことが延び延びになってきたことも一つの事実でありまして、私は理想的に申せばあるいは放送法や電波法を改正して全般的にやるのが一番いい姿ではなかったか、こういうふうに思いまするが、しかしそういうことが事実上できなくなった。したがってできなくなった場合にもなおここ一年あるいはそれ以上の期間このまま放置しておいてよいかどうか、こういうことも一つの判断をしなければならぬ問題でありまして、私がいま次の通常国会に出したい、御審議を願いたい、こう申しましても、それがまた確実に通るやらどうやら、これは国会の御都合、判断の問題でありますから、われわれは予定できない。したがってまあ通ってからということではあるが、しかしある程度例外的と申してはどうかと思いますが、従来から長い間懸案になっていたものぐらいはこれをひとつ取り扱ったらどうか、こういうふうな考え方を私は持っておるのでございます。そういうことで、いまいつごろになるかというふうなスケジュールを一応組んでおるわけではございません。まず技術審議会のお答えがありましてからそういうことも一徐々に考えていかなければならぬ、こういうことであります。
○森本委員 大臣の答弁は、私は政治家である大臣の答弁としてははなはだ不満足であると思います。技術審議会あるいは電波監理審議会あるいは事務当局の考え方、それは当然そういう問題についてはいろいろ意見もあるし、そういうものをずっと集めていかなければならぬことは当然のことであります。しかしながら基本的な最高的な方針というものは大臣がきめるべきだ、そうして一体こういうふうな方法でこういうふうにやって、いつごろ、このころにこういう方向でやりたいという基本方針をまず大臣がきめて、そうしてこれが技術審議会の答申を経て、さらに電波監理審議会にこれがかかり、各方面の意見を聞いてやっていく、こういうことになるわけです。そうでなければこれは下のほうの事務当局は右往左往するし、あるいは放送界の諸君は端座憶測をするということになるわけだ。そうでなしに大臣は基本的にこの放送行政についてはどういうふうに持っていくかという考えをまず持っていなければならぬ。その考え方を事務当局に説明し、さらにそれぞれの審議会に対して諮問をする、こういうかっこうになるわけです。その基本的な考え方がないと、ただ波の行くままというようなことで、小船に乗っているというような形で行くのじゃまるで話にならぬ。やはり大臣は大臣としての一つの基本的な考え方というものを持ってなければならぬと思うのです。その基本的な考え方を、私はここで率直に聞いておるわけです。それがないのに電波行政をやろうなんというのはちゃんちゃらおかしい。そんなことはできやしませんよ。大臣が基本的な電波計画というものを持っていなくて、何が電波行政ができますか。ただし、基本的な計画を持っておっても、それが電波監理審議会にかかり、それがどういう答申が出てくるか、あるいは事務当局が事務的な作業においてどうなるのか、それはわかりませんよ。わかりませんが、大臣は大臣としての一つの電波行政に対する基本的な計画というものは、いかなるものを持っておるかということを率直に聞いておるわけです。だから、これは率直に大臣のほうとしてはお答えを願いたい、こういうことです。
○小林国務大臣 私はこれは別に放言をしたわけではありませんが、私はそういうふうなこと、いま申し上げたようなことをひとついたしたい、こういう意図を持っております。しかし私の任期というようなものはそうむやみに長いわけのものではありませんし、おのずからそういう制約も出てくる、こういうことではないかと思うのでありまして、私もそういうふうなことでひとつ考えておるということでございます。
○森本委員 それは大臣の任期は九月になるか十月になるか知りません。しかし、要するに大臣がずっと基本的にどういうことを考えていって、それがいつどこでどうなるかということについて、大臣のいわゆる電波行政に対する基本的な考え方を私は聞いておるわけです。だから、徳島におけるUの実験放送局というものは一応成功であったということについては、これは大体了承をされておるわけであります。そうなってくると、いま問題になっておるところの各県の複数局の問題、難視聴地域の問題あるいはまたUとVとの混在、選挙放送の公営化、こういうことを考えた場合に、Uの開放というものは目前に迫っておるということは、これはだれしも認めておるところであります。それを大臣としては、基本的にどういうふうに考えてこれを進めていこうとせられるのか、これを聞いておるわけです。もしも大臣が、ここでそういう問題について一つも回答ができぬということであるとするならば、今後新聞記者会見はやめてください。あなたのその発言のやり方によって、あなたは何でもない発言をしても、記者会見をせられた場合、一方のとるほうは揣摩憶測をしてあらゆることを書いている。だから、平地に波乱を起こすようなことになる。そうでなくして、大臣がほんとうに電波行政というものをまじめに、堅実にやっていこうとするならば、国会を通じて堂々とあなたが自分の意見を発表すべきなのです。それを、国会を通じて意見の発表もせずにおいて、あっちこっちでぽんぽん言われたのでは、何をやっているかさっぱりわからぬ。そういう意見が、単に野党だけでなくして、与党の中でも、そういうことをやっていると出てきますよ。そんなものじゃないと私は思うのです。だからこういう委員会を通じて、大臣というものはこういうふうに考えている、それに対して国民の代表である委員は、それじゃこれはどうお考えですか、これはどうお考えですか、それじゃこういうふうに考える、そういうことでこれは明らかにしていくということが、この委員会の任務でしょうが。いまのような大臣の答弁だったら、委員会を幾らやったってこれは効果ありません。だから私は段階を追って、一つ一つここで委員会を通じて明らかにしよう、こういう考え方で質問をしておるわけです。だから、今回のUの問題について、まず大臣としてはどういう考え方を持って、どういうプランでやろうとしておるのか、これを聞いておるわけですよ。
○小林国務大臣 大体おわかりになるような返事をしたつもりでおりますが、あえて期限を言えといったら、これは年内にはそういうことをしたいと思っています、この程度しか申し上げられません。そのほかのプランとかあるいはスケジュール、こういうものはまだ今後の問題でございまして、いまここで、いつ幾日までにこういうこと、ああいうことというふうなことを申し上げるわけにはまいりません。
○森本委員 それでは、そこで一つ出てきたのは、年内にUの問題については若干の解決をつけたい、こういうことですね。
○小林国務大臣 そうであります。
○森本委員 そういたしますと、年内に若干の解決をつけたいということは、全国的に解決をつけたいということであるのか、現在まで問題になっておるような特別の地域についてのみ解決をつけるということであるのか、それをひとつ御回答願いたいと思います。
○小林国務大臣 その点も一まだはっきりいたしておりません。
○森本委員 それなら、はっきりせぬことを、あまり言わぬほうがよろしい。そういうことを言うから、よけいにこれは混乱するんです。第一、年内に全国的にやれるはずがないじゃないか。これは年内に解決をつけるといっても、おそらくある特別の緊急地域しかやれないだろう。だから、そういう点については率直にお答えをしていったらどうですか。あなたとこんな質疑応答をやっておるのなら、やらぬほうがましだよ。私が全国的に、新聞記者会見して発表したほうがましだ。当面の責任者である大臣に対して、責任ある回答を、委員会という公開の席を通じてやろうとしておる。これがすべての基本になるわけだ。いままでいろいろ揣摩憶測せられておっても、委員会を通じて発表されたものは、これはもうはっきりとした権威のあるものでなければならぬ。そういう点で私が質問をしておるわけであって、いま、年内にやる、こういうことになったから、もし年内にやるということであるとするならば、緊急の度合いというふうなところ、あるいは全国的な問題というふうに分けて考えた場合に、年内に行なうという場合については、いま言ったように、緊急度合いというふうに言われているところから順次やっていくということではないか、こう聞いておるわけですよ。
○小林国務大臣 新聞記者会見でどうこうしたといろいろお話でありますが、私も別に具体的な問題を新聞記者会見でどうこう申したこともありませんし、私がどういう気持ちであるかというようなことを聞かれれば、答えたこともありまするが、しかし、もう年内といえばそういうことはできまい、こういうふうなお考えもおありのようでございますが、要するに私がはっきり申し上げられるのは、いままで長い間懸案になっておるものは、年内にはある程度解決の方向へ持っていきたい、こういうことしかいま申し上げられません。
○森本委員 だから、年内に解決をつけるということについては、全国的な問題を年内に解決をつけるということは困難であろう、ある特定の地域にのみ一応解決をつけて、まだ任期があれば、その次に全国的な解決をつける、こういう二段がまえでいかなければやむを得ぬだろう、そういうことになるのではないか、こう聞いておるわけですよ。
○小林国務大臣 そういう御意見は大いに参考といたします。
○森本委員 あなたは、つまらぬことははっきり言うくせに、大事なことは一つもはっきり言わぬ。あなたはきわめてひきょう千万な男だ。そういうことだったら、この放送法改正の審議をやめますよ。そんな人をばかにした答弁があるか。人がまじめに聞いておるのに対して、そういう人を食ったような答弁はない。私は何もあなたを攻撃しようとして質問をしているわけじゃない。当面日本における電波の問題が大きな問題になっているから、これを明らかにしようということで質問しているんじゃないか。それに対してあなたがそういうような答弁をするなら、もうわれわれとしては審議する必要はない。こっちは事を分けて話を進めていっておるじゃないか。まずUの問題については年内に解決をつけるということにはなるだろう、こういう答弁だから、それならば、年内に解決をつけるということであるとするならば、全国的にこれを一挙にやるということは、現在の常識からして非常に困難である。そうであるとするならば、特殊ないわゆる特別の緊急地域をやるということになるだろう。そうなるとするならば、年内には特別の緊急地域からまずやって、さらに全国的にやれるような準備態勢にしていく、具体的にはこういうことになるのでしょうが、答弁としては。それすらも一切わからぬというなら、もう一寸先はやみだから、来年の四月一日からラジオの聴取料を廃止するような法律案なんかやめてしまったらいい。それがわからぬようなことで審議がどうしてできる。
○小林国務大臣 私はふまじめに答弁しているのではない。そういうことをお答えするような内容がまだ私の中にでき上がっておらぬからして申し上げないので、別にふまじめじゃありません。こういうようなことは大きな政策問題でもあり、与党の方々にも私どもは十分御意見をまだ聞いておりませんし、したがって、われわれのほうがまだまとまったそういう意見がないからお答えできない。いまのラジオの受信料の問題は、いまの御質問に関係のあったことかどうかわかりませんが、私は別にふまじめで申し上げたわけではないから、ないと申し上げたのです。
○森本委員 ないからないと力んでみたところで始まらぬ。ないからないと力んでみたところで、この法律は四月の一日から実施の法律なんです。しかもいまの問題については、大体年内にはこれをやるということをちょっと言ったのです。年内にやるとすれば、一体具体的にそれをどういう方向においてやろうとするのか。そのアウトラインだけでも説明できぬようだったら、こんな法案を一緒に審議する必要がないじゃないか。それは、あなたのほうが与党の諸君といろいろと協議をしておるということはあるだろう。それはあなたがいままであまり放言し過ぎたから、与党からおこられて、いま急に相談をしなければならぬという形になったのかどうか、内容は揣摩憶測かどうかは知らぬ。とにかくいずれにしても、私の聞いておるのは、電波行政の最高責任者である大臣が一体このUの開放について具体的にどう考えておるかということです。大臣から年内ということが出たから、年内であるということだけはわかった。それなら具体的にいま言ったように緊急度合いの地区あるいは全国的な地区というようなものについては常識的にどう考えているか。これは前の郡郵政大臣、新谷郵政大臣においてすらいまの問題については答弁をしておる。前二人の郵政大臣が答弁していることなら——それはあなたが偉いので政策が違うと言えばそれまでだけれども、それが答弁できぬということはないと私は思う。だから私は具体的にこういうことについてはどうなっていくかということを聞いておるわけですよ。こんな質疑応答じゃちっとも先に進まぬ。
○小林国務大臣 いままで申し上げたことで私のお答えは尽きると思います。
○森本委員 いままで申し上げたことというのは年内にやるということで、あとはわけがわからぬこういうことでありますね。
○小林国務大臣 またこれからおいおい日がたてば、あるいはだんだん考え方が固まってくるかもしれませんけれども、それまではない、こういうことです。
○森本委員 あまり人をばかにした答弁をするな。おいおい日がたてはといったところで、国会の期間はあと二十一日しかないじゃないか。国会においては、これは一番大きな問題だから、その内容を聞いておるのじゃないか。それをおいおい日がたてば説明ができる、そんな答弁があるか。大臣は大臣としての一応の基本的な考え方というものがあるだろう。その大臣の基本的な考え方というものを当委員会を通じて明らかにしてもらいたい、こういうことを言っておるわけじゃないか。それを、一切君が答弁を拒否するということをするならば、われわれとしてもこの放送法の改正案なんて審議する必要がない。そんなばかな答弁がありますか。おいおいわかってくる——国会が済んだらわかるのかね。せっかくこういう国会の会期中に、公開の席においてこういう問題については明らかにしていったほうがいいでしょう、大臣。
○小林国務大臣 考えがあったら明らかにしたほうがいいと私も思います。
○森本委員 だからこれについては、考え方はどういう考え方かということを質問しておるわけでありますから、一応大臣としては、こういうふうな考え方を持っておる、あるいは今後与党と相談する——与党と相談をする最中に変わってくるかもしれぬけれども、現在の段階においてはこういうふうな考え方でこの電波行政を進めていこうと考えておるという答弁をしていかなければ、あなたが言うような木で鼻をくくったような答弁をするなら、ちっとも先に進まぬよ。
○松澤委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○松澤委員長 速記を始めて。
○森本委員 私は、この機会に見解を明らかにしておきたいと思います。 いままで、放送法と電波法の改正については非常にもめてまいりました。大臣は、次の通常国会に全般的な改正案については出したい、こういう言明をせられました。そこで、ラジオの聴取料だけを廃止するということについてこの法案が出てまいりましたけれども、いろいろの新聞紙上における談話その他によりますと、大臣はUの免許あるいはFM放送の免許を行なうということを言っておるわけであります。そうであるとするならば、そのいわゆる新しい放送法と電波法の改正案が出される前にそれを行なうということになるとするならば、それは具体的にどういうふうな行政方法をもって行なうかということを私のほうは質問をしておるわけであります。ところがそれが、大臣のほうとしては明らかでない、そういうことについてはちっとも答弁ができません、こういうことであるとするならば、われわれのほうも、来年の四月一日——鬼が笑うような法案については審議ができません。これははっきり委員長にも言っておきます。 次に、大臣の反省を求めて、ちゃんとした答弁ができるまで質問はやめます。
○松澤委員長 明三十日午前十時より委員会を開会いたします。本日は、これより直ちに理事会を開くこととし、これにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会