逓信委員会 第10号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/06/02
会議録
○松澤委員長 これより会議を開きます。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 この法案もいよいよ最終的な審議に入ったわけでありますが、きのう私のほうから国会における附帯決議について、母子世帯、それから父子世帯の家族保険の問題というので質問いたしましたが、さらに第四十三回の国会におきまして、簡易生命保険の最高制限額を引き上げることということと、もう一つは運用範囲の拡張と余裕金の運用の改善をはかることということを附帯決議につけているわけでありますが、一の最高制限額を引き上げるということについては、この法律案件において一応見通しが立ったわけでありますが、第二番目の運用範囲の拡張、この問題についてどういうふうに郵政省としてはお考えか、この見解を聞いておきたいと思います。
○武田(功)政府委員 運用範囲の拡大につきましては、御指摘の次第もございまして、郵政省といたしましては連年拡大につきまして努力をいたしております。たとえば現在やっておりますところをさらに公共事業の社債あるいは株式に運用範囲を拡大するという問題につきまして、毎年大蔵と折衝を続けておるわけでございます。ただ御承知のごとく、最近の財政事情からいたしまして、特に公債発行がされております今日、いわば政府資金でありますところの簡保資金も、なるべくこれを直接市中に出ないでいくべきではないかといったような問題にぶつかっておりまして、ただいまのところまだこれが実現に至らない状況でございます。
○森本委員 いま簡保資金の資金運用の利回りは、幾らになっておりますか。
○武田(功)政府委員 四十一年末で、六分五厘三毛でございます。
○森本委員 民保の利回りは大体どの程度ですか。
○武田(功)政府委員 一番最近のはちょっとはっきりいたしませんが、たぶん四十一年末で七分七厘程度だと承知しております。
○森本委員 簡易生命保険それから郵便年金の資金の運用については、かなり民保と違って利回りが低い。こういう関係で、簡保の加入者に対する還元額というものも、あるいはまた福祉事業団、こういうものもますます発展させて、加入者に対するサービス、国民に対するサービスという点をやらなければならぬわけでありますけれども、この利回りがいまのような形ではなかなかそういうことも思うにまかせぬ、こういうところから、われわれとしてはこの運用範囲の拡張ということを附帯決議でうたったわけであります。いま簡易保険局長の答弁を聞いておりますと、いろいろやっておるけれども、なかなかできぬ、こういうことになりますが、この運用範囲の拡大と利回りのさらに向上という点については、いま簡易保険局長が言われましたように、この資金というものは零細な加入者の資金が集まっておるわけでありますので、いたずらに利回りのみを求めて回すということも考えものでありますけれども、そうかといって、公共資金公共資金ということであまりにも利回りの安いところだけに回すということについても、今度は加入者に対するサービスその他から見て非常にむずかしい。こういうところで運用の問題については非常にむずかしい要素を持っておるわけでありますけれども、国会としては、第四十三回の国会において、この運用の問題については早急にひとつ郵政省としては検討せよということをわれわれのほうから申し上げまして、そうして附帯決議をつけて、その際に担当大臣から、十分にこの点については真剣に考慮するという回答があったわけでありまするが、今後この資金運用の問題についてはどういうふうなお考えを持っておるか、大臣としてのお考えを聞いておきたいと思うわけです。
○小林国務大臣 これは簡保の性格からいたしましても、われわれ募集を担当する者の側においても、運用を拡大したい、こういうことはもう長い間の希望であるのでございますが、いままでなかなかできなかった。たとえば電力債等のこともいろいろ言うてきておりますが、まだ了解を得るに至っていない。お話のとおりであると思いますので、次の機会にはわれわれとしても熱意を持ってひとっこれを主張したい、かように考えております。
○森本委員 いまの大臣の御答弁はここ限りの答弁ではなくして、政府部内においてひとつその実現方に十分努力を願いたいと思うわけであります。 それから、三十八回の国会において、これも加入者ホーム、保養センターの施設等の問題についてわれわれとしては附帯決議をつけておるわけでありますが、その後このいわゆる事業団の事業成績というものがいかように向上しつつあるのかということを、ひとつ簡単に要を得て説明願いたい、こう思うわけです。
○武田(功)政府委員 事業団は発足以来五年になりまして、ただいまホーム十一カ所、センター十三カ所、診療所二十九カ所というような現況でございます。利用率といたしましても、ホームのほうは長期はほとんど一〇〇%、また短期のほうも満室率約八〇%、センターのほうは日帰り、宿泊それぞれございますが、日帰りが平均約百五十人程度、これは新規のものもございますので、平均いたしまして百五十人程度、それから宿泊部のほうは、これも満室率から見ますと大体八〇%近くに相なっております。診療所は、所内診療は四十一年度二十四万七千人、それから巡回診療が十万七千人といったような診療対象に及んでおりまして、大体所期の目的を達しつつあるのではないかと存じます。また今後の計画といたしましても、四十三年度で大体各県少なくとも一カ所は施設を増置できるという見通しでございます。
○森本委員 この老人ホーム、それからセンターその他の問題については、いまの局長の答弁でもけっこうでありますが、ただ私がこの事業団ができ上がりますときに相当注意をしてあったことでありますし、そのときに郵政省当局としても、かなりこの問題については将来改善をしていかなければならぬという答弁をしておったわけでありますが、いまだにこの事業団の中で一つだけどうしても直さなければならぬ点があるわけであります。それはこの診療所の問題であります。これはたとえば私が調べたところによりますと、出雲診療所あたりでは最低一日五人しか診療者がいないというふうなところがあるわけであります。そういうところはおそらくお医者さんが一人しかおらぬところだろうというふうに考えられるわけでありますが、こういうものは全然無意味であるとは私は言いません。私はある程度医者がおって診療するということについては、効果はなきにしもあらずということは言えますが、しかしこれだけの費用をかけて、それからまたこれだけの設備を持ってやるだけの価値があるかどうかという点については、これは非常に疑問があるわけであります。こういうことを行なうとするならば、少なくともいまの診療所というものをある程度三つなり四つなり合併をして、医者も一ところに五人か六人、そうして看護婦も相当そろえておるという小型の病院にしなければ、この診療所というものは、あまり意味がないというふうにわれわれとしては考えるわけでありますが、この点、どうですか。
○武田(功)政府委員 御指摘のとおり、診療所の運営につきましてはいろいろ問題があることを私ども痛感しております。確かにいまお話の出ました出雲などは多少いろいろと所内問題もございまして、月平均五人程度といったようなものもございます。そういうことからかんがみまして、これは事業といたしましても、また事業団といたしましても、PRの不十分な点もございますし、そういう点も改善しつつ、さらにおっしゃるようにこれをもっとまとめて効率的に運営するということも一つのねらいであろうかと思いまして、私どもは昨年来、事業団に対しましても再検討方を指示をいたしまして、目下事業団も検討中でございます。たまたま最近燕、熊本あるいは札幌というところでベッドを少しふやしまして、いわゆる簡易ドック式な方式をとりました。一般の開業医との関係もございますけれども、そういうようないろいろな問題も考慮しつつ、ひとつこれをテストケースといたしまして、今後も部分的には統合ということを念頭に置いて再建策を目下検討中でございます。
○森本委員 これもこの委員会における答弁だけでなくして、ひとつこの診療所の問題については真剣に今後の再建策というものを考えてもらいたい。これは事業団が設置される法律のときに、私のほうからかなり注意をしたけれども、いまだ現状はその当時とはあまり変わらぬような現状になっておるということを考えた場合に、単なるその場限りの答弁でなしに、ひとつこれは十分に検討して、国会にもこれこのようになりました、非常に国民にも喜ばれておりますというふうな答弁ができるように、ぜひ実現方をお願いしたい、こう思うわけであります。 それから事業団についてはいま局長の答弁がありましたように、センターそれからさらにホーム、あるいは次には成人病センターというものがだんだんでき上がっていきまして、当初の事業団とはだいぶ形が違って、かなり機構その他の点に ついても膨大になりつつあるわけでありますが、もともとこの事業団を設置するときには、最初は小型のもので発足をしたわけでありますが、急激 にこういうふうにふえてまいりますると、それに相当したところの機構、管理というものを十分にひとつ考えていかないと、赤子の時分の着物がなかなか合わなくなったというような形になるところが所々方々に出てくる、可能性があるわけであります。そういう点については、今後の事業団の運営、監督、指導、そういう点についてひとつ万般遺憾のないように郵政省としてはやってもらいたいということを——いまのところ事業団というものは順調に発展をしておるわけでありますが、その順調に発展をしていることがどこからもうしろ指をさされることのないようにやってもらいたいと思いますが、ひとつ大臣から御見解を聞いておきたい、こう思うわけです。
○小林国務大臣 ただいまの御意見は了承いたしまして、十分御期待に沿うようにひとつ再検討いたします。
○森本委員 それから簡易保険の新規契約の保険金額というものを見てみますと、四十一年度をかりに見てみますと、一番多いのが十万円の二九・四号、それから二十万円の一九・三鬼、百万円のほうは六・六%、八十万円から九十万円というのは〇・三%ということで、この率を見てみますと、あまり芳しくない率にある。これが逆に二九。四%というものが五十万円以上であったとするならば、非常に芳しいことでありますが、こういう点について今回百五十万円に引き上げるわけでありますけれども、その実、内容はこういうものであるというところは、やはり郵政省と大蔵省といろいろ折衝し、あるいはまた政府部内において論議をかわされる場合に、この募集の実績というものがかなり大きな影響を及ぼすのではないかというふうに考えるわけであります。特に四十年、度においては十万円以下が三四%もあるわけであります。こういう点について保険当局としても、今後の募集あるいは維持という面については、この保険金額の最高額を引き上げるということについても、われわれとしては国会で十分に努力をするわけでありますけれども、それを維持募集をしていくという実行面においてやはり考えていかないと、こういうふうな数字の実績においては、まだまだ百五十万円に引き上げないでもいいではないかという面が出てくるのも当然になるわけでありまして、こういう点については、事務当局としてはどういうふうにお考えになっておるか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○武田(功)政府委員 毎年の新契約加入金額別の割合でございますが、ただいま御指摘のような姿がございます。ただ、いまのお尋ねで十万円以下が三四%という御指摘でございますが、これは十万円のものが三四%というふうになっておりますので、ちょっと私のほうから申し上げておきます。 確かに十万円から大体三十万円の間が最も多いわけでございまして、私どもも募集にあたりましては、特に最近は中年以下青年層の加入率が、これは簡保のみならず一般的にも非常に低うございます。そこで何といっても、そういう若い層を、そうして長期の良質契約、高額契約を取りたいということで、募集の目標にもそういうものを掲げておるわけでございます。そういうことによりまして、全体的なレベルアップをはかりたい、こう考えております。
○森本委員 この内容については非常に数字がはっきりしておるわけでありますが、今後の募集の維持その他については十分慎重に考えてもらいたいと思うわけであります。 そこで最後に、いま最高金額の百五十万円の問題が出たわけでありますけれども、いままで簡易生命保険等についても、あるいは貯金についても最高額を引き上げるときには、郵便貯金について通常貯金を幾らにし、定額貯金を幾らにし、積立貯金を幾らにするというふうな区切り方をした法律案件の提案をしたことは、貯金関係にも保険関係にもないわけであります。今回たまたま特別養老だけを百五十万円にして、あとは百万円に据え置くということになったから、普通なら簡単に通れる法律案件が二週間も三週間もかかった。かかった結果、後ほどこれは共同提案で修正するということになったわけでありますが、今後こういう法律案件を提案する場合に、簡易保険について、その保険の種類によって最高額が違うというような法律案件を少なくとも政府側から提案をするというようなことはやめてもらいたい、こう思うわけでありますが、これについての大臣の見解をひとつ聞いておきたいと思います。
○小林国務大臣 これも森本委員の言われるとおりでありまして、この提案のしかたはかなり適当でない。ただ、たまたまことしはこうだ、こういうことでわれわれも、われわれの本意ではなかったが、こういう提案をせざるを得ないということで、これからはやはりお話のとおりにすべきではないか、かように考えます。
○森本委員 終わります。
○松澤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○松澤委員長 この際、加藤常太郎君外三名から自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党四派共同提案にかかる本案に対する修正案が提出されております。 —————————————
○松澤委員長 提出者から趣旨の説明を求めます。加藤常太郎君。
○加藤(常)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党四党共同提案の修正案について、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。 修正案の案文はお手元にお配りしてございますので、朗読は省略させていただきます。 修正案の趣旨を簡単に申し上げますと、原案では、保険金額の最高制限額については特別養老保険の被保険者についてのみ最高額を百五十万円に引き上げ、特別養老保険以外のものの保険金額は現行最高額と同額の百万円に据え置かれておりますが、この第十七条第一項の改正規定を修正し、保険金額の最高制限額を全保険種類を通じて百五十万円としようとするものでありまして、これによって国民に対する保険的保護を手厚くし、ひいては事業の発展にも好影響をもたらすことができるものと考えられます。 なお、当年度については、諸般の事情を考慮し、経過的に原案の規定によることといたしております。 以上がこの修正案の趣旨でございますが、何とぞ全会一致御賛成くださいますようお願いいたします。
○松澤委員長 これにて修正案の趣旨説明は終わりました。 修正案に対する質疑はありませんか。 —————————————
○松澤委員長 質疑の申し出がありませんので、これより原案及び修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、加藤常太郎君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松澤委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松澤委員長 起立総員。よって、簡易生命保険法の一部を改正する法律案は修正議決いたしました。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○松澤委員長 この際、小林郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小林郵政大臣。
○小林国務大臣 本法律案につきましては、当委員会におきまして慎重御審議の結果、議決と相なりましたが、このことにつきまして、この際、御礼を申し上げます。
○松澤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、直ちに理事会を開会いたしますが、本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十四分散会