地方行政委員会消防に関する小委員会 第7号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1967/07/14
会議録
○奥野小委員長 これより地方行政委員会消防に関する小委員会を開会いたします。 消防に関する件について調査を進めます。 これより懇談に入ります。 ————◇————— 〔午後五時十三分懇談に入る〕 〔午後五時十四分懇談を終わる〕 ————◇—————
○奥野小委員長 これにて懇談は終わります。 この際、小委員長より申し上げます。 小委員会は、消防関係法令の整備及び消防施設の整備強化をはかるため、去る三月十七日設置せられて、自来今日まで消防に関する諸問題について、熱心かつ慎重に調査を進めてまいりました。この際、小委員会における小委員各位の貴重な御意見及び調査の経過を任員会に報告いたしたいと存じます。報告の案文を、便宜越村専門員に朗読いたさせます。
○越村専門員 朗読いたします。 消防に関する小委員会の調査の経過を御報告申し上げます。 近年におけるわが国の経済の高度成長に伴う社会情勢の変化はめざましいものがありまして、都市とくに大都市におきましては産業及び人口の過度集中によりいわゆる過密の問題が生じております。反面、町村とくに農村地帯を抱えた地域におきましては男子を中心として若年層の離村が激しく、いわゆる過疎問題を起していることは各位の充分御承知のところであります。 こうした社会経済情勢の変化はそれぞれの地域における火災の態様及びこれに対処する消防につきましても必然的に影響を与えておりまして、超高層ビルや地下街における防火消防態勢をどうするか、臨海工業地帯におけるコンビナート災害または海上火災、航空機火災への対処方法はいかにあるべきか、あるいは逐年減少の傾向にある消防団員の確保をどうするか、またこれらに関連する消防の常備化、広域化も緊要の問題となっているのであります。 一方、昭和四十一年の火災の実態を見ますと、出火件数四万七千余件、損害額四百六十二億円、死者千百五人に及んでおります。とくに死者は戦後最高になっているのであります。 これに対して、消防の現状はどうかと申しますと、消防力におきましても、消防体制におきましてもその近代化の実現にはほど遠い状況にあるのであります。 このような実情にかんがみまして、昨年第五十二回国会閉会中および第五十三回国会にひき続き本国会においてもさらに消防に関する調査を行なうため、三月十七日本委員会において小委員十一名からなる小委員会が設置されたのであります。 五月十六日第一回の小委員会を開会して以来、七回開会し、その間消防庁より、消防の現況、消防関係者の処遇、消防財政の実情、救急業務体制、超高層建築物および地下街の防災対策等ついて説明を聴取するとともに、五月三十一日は、消防研究所をはじめ、消防大学校、東京消防庁、四ツ谷消防署におもむき関係者の要望を聴取するとともに、油火災の消火方法、出動演習および火災、救急の指令センター等の視察を行なったのであります。 また、六月七日には、朝日新聞論説顧問荒垣秀雄君ほか四名の参考人より意見を聴取するなど熱心に調査を進めて参ったのであります。 調査の過程において論議された主な内容を申しますと次のとおりであります。 その一は、消防体制の常備化と広域化についてであります。 消防力を増強するためにその常備体制の強化をはかることはいうまでもないが、今後、たとえば、市で未指定のものは指定する等政令指定の範囲を拡大するとともに、とくに一部事務組合等共同処理方式を活用することによって常備消防力の整備並びに消防活動の広域化と近代的装備による機動力の強化を図る必要がある。 また、消防吏員の待機宿舎の建設を推進し、緊急出動体制の確保を図る必要がある。 その二は、消防団員の確保と処遇についてであります。 全国の大郎分の農山漁村では消防活動を消防団に委ねているが、近年消防団員が年々減少の一途をたどっている。これは火災のみならず各種防災とくに水防活動を考え合せるとき将来の消防体制の根幹をゆるがす問題である。 そのためには、消防署と消防団との間の機能の分化を考慮しつつ、常備化と並行して、消防団員の確保対策を講ずる必要がある。その一環として、消防団員の報酬および出動手当並びに退職報償金の増額等、待遇を改善するほか、内閣総理大臣の顕彰制度の活用、特別ほう賞制度の適用、自治大臣表彰旗の設定および生存者叙勲の拡大等を図ることによって士気の昂揚を図る必要がある。 また、婦人消防隊の積極的な育成についても検討すべきである。 第三は消防施設の整備強化についてであります。 市町村の消防施設については逐次整備されてきたが、社会経済の実情に即応するよう消防力の基準のあり方に検討を加え、早急に消防力の強化拡充を図る必要がある。 また、山村、離島等へき地における消防施設を計画的に整備強化すべきである。 第四は、非常災害および特殊災害に対する防災体制の整備についてであります。 予見しがたい大震火災に対処しうる対策を平時から調査研究する体制を早急に樹立して、防火帯、水利施設、避難路等を計画的に整備するとともに、空中消火法の開発研究に対する大幅な助成措置を講ずべきである。 また、最近における危険物施設、石油コンビナート地帯の増加、あるいは超高層ビル、地下街の増加等、消防対象の量的増大と質的変化に対処するため、化学車、排煙車、消防艇、ヘリコプター等の施設の拡充、化学消火薬剤の備蓄等科学消防力の増強を図る一方、企業自体の保安を図るため、企業の責任を明確にして、従来の自衛消防組織のほか、消防活動上必要な施設を設置させるべきである。 第五は、防災対策の指導体制についてであります。 災害対策基本法に基づく地方公共団体の事務の指導を積極的に実施するとともに、水防活動における消防機関と水防団の指導のあり方を検討すべきである。なお、港湾および空港における防災体制を再検討し、関係行政機関の責任の分野を明確にする必要がある。 第六は、救急業務の拡充強化についてであります。 本年九月から救急業務実施市町村の基準を人口五万に引き下げることとされたが、それ以外の市町村においても実施しているところが多い実情である。最近の交通事故その他の災害が多発している現状にかんがみ、消防本部、署を置く市町村は原則的に救急業務を実施するよう基準の改正を行うこととすべきであるが、小市町村においては共同処理により広域的運営をさせるよう勧しようすべきである。なお、現に救急業務を任意に実施している市町村に対しても財源措置を行なうべきである。 これらの措置に対応して救急施設の充実、救急隊員の訓練等に努力すべきである。 第七は、消防財源の充実についてであります。 社会経済の要請にこたえて市町村消防力の増強を図るため、消防力の基準の検討に対応して地方交付税の基準財政需要額の積算基礎を再検討するとともに、消防施設に対する目的税の創設を検討し市町村自主財源を強化する必要がある。と同時に消防施設に対する国庫補助金を大巾に増額すべきことはいうまでもなく、補助単価の是正と補助対象事業の拡大をはかる必要がある。 また消防関係の起債については、損保債を増額し、その金利を政府債なみに引下げ、また償還年限の延長をはかるとともに、政府資金による消防施設債を拡充し、資金区分にしたがって貸付対象をさらに明確にすることにより資金と対象施設及び整備実績が比較できるよう検討すべきである。 以上が現在まで行なわれた主な論点であります。本小委員会といたしましては、今後引き続き消防制度の検討を行なうこととし、当面、昭和四十三年度の施策として、少なくとも消防体制の整備強化と消防力の充実強化を基本とした次の措置を講ずることが緊要であるという意見の一致をみたのであります。 一、消防施設に対する目的税の創設等市町村自主財源の増強、化学車、消防艇、ヘリコプター等の科学消防施設および弱小市町村の一般消防施設に対する国庫補助金の増額並びに起債枠の拡大および損保債利率の大幅な引下げについて特段の措置を講ずること。 二、消防の常備化と広域化を促進するため、消防本部、署必置市町村の指定範囲を拡大するとともに、共同処理方式の活用をはかること。 三、消防署と消防団員との間の機能分担の在り方を検討するとともに、消防団員に対する報酬、出動手当および退職報償金の増額、並びに表彰制度の運用の改善に努めること。 四、救急業務実施市町村の指定基準をさらに引き下げ、市町村間の業務の共同処理を勧しようするとともに、現在任意に実施している市町村に対して所要の財源措置を行なうこと。 なお、救急機材の整備および救急隊員の教育訓練を強化すること、 五、大震火災等の非常災害に対する調査研究体制をすみやかに整備するとともに、空中消火法等の技術開発に対し十分な予算措置を講ずること。 六、石油コンビナート地帯、港湾等における特殊災害に対処するため、企業の責任の内容を明確にして、すみやかに総合的な防災対策を樹立し、消火薬剤の備蓄、消火技術の研究開発等の措置を講ずること。 七、高層建築物、地下街等における避難施設の整備等防災対策を強化するとともに、危険物、液化石油ガス等に関する保安規制をさらに合理化すること。 以上、御報告申し上げます。
○奥野小委員長 おはかりいたします。 ただいま朗読いたさせましたとおり本委員会に報告するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥野小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、委員会への報告に際し、字句の整理を必要とする場合には、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥野小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十七分散会