地方行政委員会消防に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1967/05/16
会議録
○奥野小委員長 これより地方行政委員会消防に関する小委員会を開会いたします。 まず、小委員会の運営の方針でございますが、審議は主として懇談で進め、速記については必要に応じてつけることといたしたいと存じます。 傍聴につきましては、そのつどその必要に応じて傍聴を認め、もしくは認めないという方法をとりたいと存じますが、その取り扱いは小委員長におまかせ願います。 小委員外の地方行政委員より発言の申し出がありました場合には、そのつど小委員会にはかり、これを認めていきたいと存じます。 それでは、これから消防に関する件について調査を進めます。 まず、お手元に配付いたしました資料につきまして佐久間消防庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。佐久間消防庁長官。
○佐久間政府委員 消防の現況と問題点につきまして、私どもの考えておりますことを、お手元にお配りいたしました資料をごらんいただきながら御説明申し上げたいと存じます。 まず、最近の火災の実態でございます。昭和四十一年の火災の実態を見ますと、出火件数が四万七千五百二十七件でございます。損害額が四百六十二億円、死者が一千百五人、負傷者八千十七人ということでございまして、昭和三十年を一〇〇といたしますと、いずれも著しく増大いたしております。昭和四十一年中には、わが国のどこかで十一分ごとに火災が発生をし、毎日百三十件の火災によって一億三千万円の財産が失われているということになります。特に注目すべきことは、出火件数は戦後最高を示しました昭和四十年の五万四千百五十七件より相当減少をいたしたのでございますが、死者のほうは、前年が九百六十五人でございましたが、四十一年はさらに増加をいたしまして千人をこえたのでございます。これは、昭和四十年に引き続いて、戦後最高が続いておるという憂うべき数字でございます。 次に、火災の大半を占める建物火災について見ますと、昭和三十年に比べまして出火件数は三七%の増加になっておりますが、焼損面積はわずか三%の増加にとどまっております。さらに一件当たりの焼損面積を見てみますと、二五%減少となっております。これをさらに地域別に見てみますと、東京都は出火率は一番高いのでございますが、一件当たりの焼損面積は二十四・八平方メートル、七大都市はこれに次ぎまして、出火率は東京都よりもやや低くなっておりまするが、一件当たりの焼損面積は三十六・七平方メートルということで、逆にふえております。その他の市町村につきましては、出火率は四・五でございますが、一件当たりの焼損面積は八十・三平方メートルという数字になっております。なお、その他の市町村の中で、町村部と分けてみた数字につきましては、現在まだ集計中でございますが、参考に昭和四十年の数字を見てみますと、町村部につきましては、出火率は二・九でございまするが、一件当たりの焼損面積は百三十八・七平方メートルということに相なっております。これらを見てまいりますと、消防力が整備されておりまする東京都におきまして最も一件当たりの焼損面積が低く、それから大都市、市、町村といくに従いまして、一件当たりの焼損面積が多くなっておるのでございます。これによりまして、消防力を、特に中小都市以下の市町村につきまして、整備が急務であるということが痛感されるのでございます。 以上が現況でございますが、以下、問題点につきまして御説明申し上げます。 まず第一に消防力の増強でございます。その一つとして、消防体制の常備化と広域化に力を入れてまいっております。消防力の増強をはかりますためには常備化を推進すべきことは言うまでもございませんが、昭和三十九年に消防本部署を設置すべき市町村を政令で指定する制度ができましてから一段と常備化が進んでまいりまして、昭和四十年五月末現在におきまして、消防本部が六百四十、消防署が七百五十五、消防職員が約五万人となっております。本年度新たに四十二市町村を追加指定いたしまして、今後におきましても、たとえば市でまだ指定していないものがございまするが、そういうものも指定をするようにいたしたい。そのほか町村部でも、特に火災の発生の危険の高い、人家の密集したところにおきましては、政令で指定するというように、なお範囲の拡大を検討いたしてまいりたいと思っております。それと同時に、一市町村では政令指定の要件を満たしませんところにおきましても、隣接する数市町村を一体といたしまして、常備消防力を整備するということが適当な地域も少なくございませんので、一部事務組合等の方式を活用いたしまして、消防の広域化をはかってまいりたいと考えておるのでございます。その点につきましては、昨年来特に力を入れてまいっておりまして、今回指定をいたしました四十二市町村の中には、三地区六町村の組合が含まれておるのでございます。 次は、消防団の動向と対策の問題でございます。今日なお全国の大部分の農山漁村地帯におきましては、消防活動をもっぱら消防団にゆだねておる状況でございます。四十一年五月末現在で三千八百十八団、団員が百三十万人余となっておりますが、近年消防団員が、特に都市化いたしてまいります地方におきまして減少しつつあります。この十年間に約五十万人減少を見ております。これは火災のみならず各種防災、特に水防活動等を考えあわせますと、今後の消防体制の根幹をゆるがす問題でございますので、これに対処いたしますために、一つには都市化いたしました区域につきましては常備化を進めておるわけでございますが、あわせて農山漁村等におきましては、団員の確保のための対策を講ずる必要があると考えておる次第でございます。 次は、消防施設の整備でございます。消防ポンプ自動車をはじめとする消防用機械器具や消防水利、火災通報施設等、消防施設の充実強化につきましては、各市町村の努力に加えまして、国としても昭和二十八年から消防施設強化促進法によります国庫補助を行なってまいりました。四十二年度予算に計上いたしました国庫補助金は十二億六千万円でございまして、前年度より二億一千万円の増加となっております。新たに補助の対象といたしまして、消防艇及び消防吏員待機宿舎を加えることにいたしておるのでございます。しかしながら、全国的に見ますと、消防力はなお著しく劣弱でございますので、今後さらに施設の整備をはかる必要があると考えておるのでございます。特に都市部におきましては、最近における危険物施設、石油コンビナート、超高層ビル、地下街等の増加に対処いたしまして、科学消防力の充実をはかる必要がございまするし、さらに地方都市や離島、農山村におきましては、先ほども申し上げましたように、一段と一般消防施設の増加をはかることが急務であると考えておるのでございます。 第三は、救急業務の拡充でございます。現在救急業務実施市町村は、政令で義務づけましたもの百四市を含めまして三百八十五市町でございます。六百九十台の救急車をもってこれに当たっております。四十一年中における出場件数を見てみますと、四十二万九千九百七十二件でございまして、前年に比べまして三〇%も大幅に増加いたしております。これは火災件数の九倍でございます。東京消防庁だけについて見ますと、救急出場件数が十三万余でございまして、火災件数の二十倍になっております。かような状況でございまして、今日消防におきましては、救急業務の比重がきわめて高くなってきておるのでございます。救急事故は、急病と交通事故が圧倒的に多いわけでございますが、最近の交通事故の実情にかんがみまして、私どもといたしましては、全国的に救急体制を整備する必要を痛感いたしておるのでございます。 そのために、本年九月から救急業務実施市町村の基準を、現在人口十万以上でありますものを人口五万以上の市まで引き下げることにいたしておりますが、さらに明年度以降におきましても、実施市町村の範囲の拡大を検討してまいりたいと思っております。他方、市町村が実施していない地域におきましても、高速道路、一般国道などの交通事故多発区間におきましては、都道府県が救急業務を実施することができますように、消防法の改正をただいま検討をいたしております。 第四は、予防行政の充実でございます。火災の発生を予防し、被害の軽減をはかりますためには、消防力の強化と合わせて、一般国民の防火思想の向上と不断の協力を確保する必要がございます。このため、従来春秋二回の火災予防運動、防火管理者の指導、婦人防火クラブ及び少年消防クラブ、その他民間防火組織による防火思想の普及徹底をはかってまいりました。さらに、社会経済の実態に即応いたしまして、これまで数次にわたりまして消防法令の改正を行ないまして予防行政の充実につとめてまいりましたが、最近における火災による死傷者の増加並びに特殊災害の発生状況にかんがみまして、危険物及び高圧ガスの規制の強化、石油コンビナート地帯、地下街、超高層ビル等のいわゆる特殊災害に対する対策、これらと並行いたしまして、消防研究所のそういう問題に対する研究面の拡充等について検討をいたしております。 次は、消防職団員の処遇と教養の問題でございます。消防団員の処遇の改善につきましては、公務災害補償、退職報償金の支給、出動手当の増額等の施策をここ数年来行なってまいりましたが、本年度はさらに殉職者に対する賞じゅつ金の最高額の引き上げ、退職報償金にかかる消防基金の赤字の解消等の措置を講ずることにいたしております。消防職員に対しましては、前に申しましたように、待機宿舎の建設に対する国庫補助金の交付を見ることにいたしておりまするし、さらにまた、賞じゅつ金の最高額の引き上げ、出動手当に対する地方交付税の措置等を講ずることにいたしておりまするが、消防職団員の処遇の改善につきましてはさらに努力する必要があると存じております。 また、消防職団員の資質の向上をはかりますために、消防大学校及び地方におきまする消防学校の施設及び教育訓練の内容を整備する必要があるわけでございます。それと同時に、消防職団員の士気を高揚いたしますために、表彰制度の拡充につきましても、なお検討を加える必要があろうかと存じております。 最後に消防財政の問題でございます。 市町村消防費の決算状況を見ますと、総額が昭和四十年度におきまして六百七十八億円でございます。市町村の一般会計決算額に対する割合は、三・八%にすぎませんで、他の行政費と比較いたしますと相当低位にあると思います。昭和四十二年度予算案につきましては、前にも申し上げましたように、消防施設に対する国庫補助金の増額をはかりましたが、さらに、地方交付税における市町村の消防費の単位費用の増額を行ないたいと存じております。前年五百七十六円でございましたものを六百五十七円にいたしたいと考えております。それから消防に関する起債ワクの拡大の問題でございますが、四十一年度三十六億円余でございましたが、本年度は総額四十八億円余に増加をいたす予定にいたしております。その内容につきましては、一番最後の資料3をごらんいただきたいと存じますが、本年度新たに政府債の一般単独事業分の中に七億を予定することにいたしております。それから損保協会引き受け分でございますが、これにつきましては、当委員会からさきにもいろいろ御鞭撻をいただいておりましたが、前年度十七億五千万円でございましたものを、三億五千万円増加をいたしまして、二十一億にいたすことに了解を得ております。そういうようなことで、前年度より相当大幅に増額いたすことができようかと思っておるわけでございます。しかしながら、今後社会経済の進展に対応いたしまして、消防力の充実強化をはかってまいりますためには、なお市町村の自主財源の強化と国庫補助金の増額及び起債ワクの拡大と利率の引き下げ等につきまして、特段の努力が必要であるというふうに考えております。 添付いたしてあります資料は、ごらんいただけばおわかりいただけると存じますが、資料1は、消防費の決算におきまする決算額並びに各項目ごとの割合でございます。市町村消防のたてまえでございますので、歳入につきましては一般財源が八七・二%ということで、これが圧倒的に多いわけでございます。歳出の面につきましては、人件費が六五%弱で、これが大半を占めておるのでございます。 次の資料2は、消防施設整備費に対しまする国庫補助金の内訳でございます。総額が十二億になっておりますが、これには先ほど申しました消防待機宿舎の分五千万円がこの表には含んでおりませんので、総計が先ほど申しました額と相違するわけでございます。
○奥野小委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○奥野小委員長 速記を始めて。 これより懇談に入ります。 ————◇————— 〔午後一時三十九分懇談に入る〕 〔午後二時懇談を終わる〕 ————◇—————
○奥野小委員長 これにて懇談を終わります。 次会は、来週火曜日午後一時からの予定にして、別途公報をもってお知らせすることにしたいと思います。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時一分散会