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55回国会衆議院1967/07/12

地方行政委員会固定資産税等に関する小委員会 第5号

発言数
35
登壇者
8
会派数
3
開催日
1967/07/12

会議録

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 これより地方行政委員会固定資産税等に関する小委員会を開会いたします。  固定資産税等に関する件について調査を進めます。  本日は、固定資産税等に関する件について、参考人から意見を聴取することになっております。参考人として一橋大学教授木村元一君、都立大学教授柴田徳衛君、横浜市財政局長清水惠藏君、以上三名の方々が出席を予定されております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  参考人の方々には御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  本小委員会は、昭和四十二年度以降の固定資産税について免税点、基礎控除、累進税率等の問題を根本的に検討するため特に設置されたのであります。したがいまして、本小委員会の調査に資するため、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べ願えれば幸いと存じます。  なお、議事の整理上、初めに御意見をそれぞれ大体十分程度に取りまとめてお述べいただき、次に小委員からの質疑に対しお答えをお願いいたしたいと存じます。  それでは木村参考人、清水参考人、柴田参考人の順序でお願いいたします。  木村参考人。

木村元一一橋大学教授

○木村参考人 お招きいただきましたので、ふつつかでございますが、議題になっております点について私の意見を申し上げたいと思います。時間がだいぶ限られているようでありますので、簡単に申し上げます。  昨年の三月、地方税法の改正に関連しまして、固定資産税の免税点や基礎控除やあるいは税率調整を含めた根本的な検討を行なうこと、こういう決議ができ、これに基づいて皆さん方でいろいろ御研究になっておられるわけであります。  大体、税金というものについて、大げさなことを申し上げるつもりはございませんけれども、私ども教科書などに書いておりますときといいますか、一般的に考えておりますときには、担税力というものはいろいろな面にあらわれてくる。所得にあらわれることもあれば、財産にあらわれることもあるし、あるいは消費、場合によりますと流通過程にあらわれてくる。したがって税金というものをどれか一つを取り上げまして、その税金のよしあしを論ずるということよりも、担税力が全体としてどんなふうにとらえられてくるかということにほんとうの重点がある、こういう一般的な考え方に立ちますと、御案内のとおり何といってもやはり所得税が中心にはなる。しかし、それでは所得税一本の担税論でやれるかというと、これは御案内のとおり所得税自体にもいろいろな欠点がございます。それじゃ消費税一本でいいか。これもまた逆進性が出てくる、その他いろいろな欠点が出てくるので、幹となります税金を所得税なら所得税に置いた上で、それを補充するという形でほかの税金は考えなければならぬ。ただし国と地方との税の配分の問題が一つまた別にございますので、単に一般的な担税力という観点からだけでは処理ができないような問題もいろいろ起こってくるかと思うのであります。  それで、御指示になりました点で特にいま問題になっておりますのは、固定資産の評価、特に土地の評価を上げるということに関連して、免税点をいままでの金額からふやす、八万円でしたかにふやすのみならず、基礎控除の方式をとったらどうかということが一つ問題になっておるということでございます。しかし、いま申しましたように、固定資産税のみを課税せられておるという段階でございますと、免税点のところで税金がかからない、それから免税点をちょっとでも越えたところから税金がかかる、こういうことでありますと、限界にありますところで負担の不公平が生ずるということは、これはもうだれが見ても明らかなことでございます。けれどもほかの税金をカバーするという意味、つまり固定資産に対して課税をする一つの意味は、固定資産を所有しておる人とおらない人との間に担税力の差を求める。持っておる人は持っていない人に比べて担税力があるという趣旨に立って課税をする。一方に所得税その他の税金があるということを頭に置いて考えましたときに、免税点じゃなくて基礎控除をとるということを固定資産税のほうまで持ってくる必然性があるかないかということに結局帰着してくるのじゃないか、このように思うのであります。  ところが、これはこちらに清水さんもおいでで、もっと詳しい実情をお聞きいただけるのじゃないかと思うのでございますけれども、累進税をかけますときには、所得なら所得についての総合性ということが一つ前提にあって、いろいろな所得を総合した上でその基礎控除をやり、それからまた累進税もかけていくというようなことが可能になるわけでありますが、たまたま固定資産税は市町村の税金として配分せられておる。これはこれで私理由があると思うのでありますが、とにかく市町村の税金である。土地の所有者というものは一市町村に限って土地を持っておるということにはなっていない場合がたくさんございます。そういう場合に基礎控除の方式をとるというのは、今度は各地にいろいろな形で固定資産を持っておる人と持っていない人との間の関係から申しまして、そこに大きな不合理が生まれてくる。ことに資産の所有者と所有者でない者との間の担税能力を考えるという形から申しますと、各自各自に資産を総合していくということよりも、そこに見えております土地、そこに見えておる家あるいは償却資産というものが課税対象となっているというか対象とさせるというのが、所得税の補完税という意味からいいましてもむしろ適当ではないか、こんなふうに考えているわけでございます。  なお、決議のほうにございます根本的な検討ということになりますと、一体固定資産税というのは財産税なのかあるいは収益税なのか、あるいは家計に対する課税であるのか、企業に対する課税であるのか、こまかに申しますといろいろ問題があることは私どもも承知しておるのであります。もともとこれは御案内のとおりに、地租家屋税というものが戦前においてあり、それからあと船舶税だとか電気税だとか軌道税といったような、個々の償却資産らしきものに課税をするということであったりが、シャウプ改革で一緒にして固定資産税という形をとりました。そういうことでいまの一本になっているものを、また由来淵源までたどっていくと、三つに分かれておったのです。税金の構成も違っておったのだということでありますが、ここ十数年来固定資産税一本できておって、事業関係の方々とそれから私ども家庭に住んでおる者とでは、負担関係も若干違ってきておるので、確かに根本的に考えなければならぬ面が幾つかあるかと思うのであります。  ただ、これも実情に合うかどうか知りませんけれども、固定資産税の中の償却資産の免税点といいますのは、かなり高くなっておる。いままででもたしか十五万円であったのが、今度は三十万円になったのでございますが、非常に大きくなった。そういたしますと、償却用資産といっても、いまの土地とか家屋にくっついた形で利用せられているものが大部分ではないかと私は想像しておるのです。そうなりますと、これをまたいまの段階で分割するということになりますと、これはまたいろんな不公平といいますか、一方は償却用資産、一方はそうじゃないといったような区別をすること自体がまたたいへんめんどうなことになってくる。したがってこの際、税率を各課税対象ごとに分けるということも何かまた不適当な感じがする。つまりいまのまま一本でいったほうがいいんじゃないかということを私は感じておる次第でございます。  それからもう一つ、お電話をいただきましたときは、地方税のうちの住民税についても何か話していただけるかというようなことでございましたけれども、参考人の方がまだお二人おられますし、私だけが時間をとってしまうのも困りますが、一言だけ住民税について申し上げます。  一番問題になっておりますのは、国の所得税の場合の課税最低限と住民税の場合の課税最低限が、シャウプ税制が始まったときには大体一致しておった。ことに第一課税方式をとっておるときにはこれはもう一本であったのが、昭和三十五年あたりから分けられてきたわけであります。そこで非常に問題が起こっておるのでありますが、私は、確かに国税と地方税とでの違いはあるけれども、住民税と所得税は一本に考えまして、所得課税のあり方というものからもう一ぺん出発をする。つまり国税だけがいつでも所得税でいい子になって、今度は百万円を課税最低限にしようというようなことで、世論がだんだんそっちに向いておる、こういう向け方は間違っておると私は思う。極端に申しますと、国で認めております生活保障の最低基準、現在標準家族で月に三万何千円になりますか、それ以上の者は一応課税負担能力があるのだというようなたてまえを一本とって、その上で国と地方での配分を考える。減税はむしろ課税最低限の問題にのみしぼらないで、むしろ税率の構成を変えていく。できれば地方についてはスエーデン方式と申しますか、最初の一割なら一割の部分は地方へ持っていくということで、平素から住民税と所得税は一本のものであるという観念を国民にも了解してもらう必要があると思うのであります。それが足りないものですから、いつでも国税は減税になったけれども地方税は減税にならぬ、あるいは増税になるということで、絶えず批判、不満の的になっておりますが、その点についてはもう少し統一的な見解を国民にもよくわかるように平素から発表してもらうようにする必要がある、こんなふうに考えております。

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 ありがとうございました。  それでは横浜市財政局長清水惠藏さんにお願いいたします。

清水恵藏横浜市財政局長

○清水参考人 横浜市の財政局長の清水でございます。  お招きにあずかりましたので、私は実務を担当しております立場から、理論をできるだけ避けまして、実務上の問題につきまして申し上げたいと思います。  まず最初に、固定資産税というものが地方財政の中でどういう立場にあるかということを、少し時間をいただきまして申し上げたいと思います。  横浜市の場合で見ますと、昭和三十年を基準にしまして、歳出のほうの固定資産税に関係する経費、投資的経費になりますけれども、学校を建てたりあるいは道路をつくったりする経費でございますが、これが昭和三十年から見ますと約十倍ぐらいになっておるわけでございます。それで投資的経費が全体に占める比率というものが昭和三十年に二四%であったものが、昭和四十一年になりますと四一%にふえております。それから歳入のほうで、全体の収入のうち地方税の占める構成比と申しますか、これが昭和三十年に五二・九%、約五三%でありましたものが、昭和三十八年には最低に下がりまして四一%になっている。これが横ばいをしまして、四十年からは四五%程度に回復している。四十一年もその程度でございます。こういう状況でございまして、さらにこれが地方税の中で、地方税といっても横浜市になりますので市税になりますが、この市税の中で国定資産税あるいは市民税、こういうものの伸び方を見てまいりますと、市税が約四・九倍、パーセントにしまして四九三%でございますが、これは四十一年でございます。ところが国定資産税は三八七%、三・八七倍でございます。市民税はこの間に六・四二倍とふえております。固定資産税が非常に伸びが少なかった。  それから固定資産税の中の土地、家屋、償却資産、この三資産間で見ますと、固定資産税は先ほど申し上げましたように三・八九倍になっておりますけれども、土地は二・六三倍でございます。家屋が三・七九倍、償却資産は五・二九倍、こういうような伸び方でございます。比率で申し上げますと、土地が三十年に二七%、家屋が四五%、償却資産が二八%であったものが、四十一年になりますと土地は二七%が一九%に落ちております。家屋は四五%が四三%、大体横ばいでございます。償却資産が二八%が三八%にふえておる、こういう状況でございまして、その中で宅地に対する固定資産税は一・九六倍程度にしかなっておらない。ということは、宅地に対する評価が、一般物価の上昇にもかかわらず、宅地の価格というものは約十倍程度になっておりますけれども、一・九六倍程度にしかならないということは、住民税の負担において、あるいは地主の負担が軽減されて、そういう歳入の状況の中で、この増高する地方財政をまかなっておる、こういう結果になっております。したがいまして三十九年の新評価という問題が起きましたところが、大体横浜市で七倍程度に従来の評価がなってしまった。これは一挙にずばりそのまま税をかけますと、たいへんな負担の増高になりますので、そこで負担の調整という問題が全国的に起きたわけでございますが、そうした関係から、先ほど問題になっておりますように、負担調整とからみまして免税点の問題点はどうか、あるいは基礎控除、あるいは土地をたくさん持っている者には高率の税をかけてこれを補ったらどうか、こういうような御意見も出ておるようでございますし、本日の小委員会の議題もそういう点になっておりますので、私ども議論は避けまして、実際問題としてこれについての御意見を申し上げたいと思います。  まず免税点でございますが、免税点は御承知のように、その土地所有者の評価額が名寄せで八万円以下になりますと、全然税がかからない。八万円ということになりますと、八万円が全く落ちてしまって、九万円の人は一挙に九万円がかかるわけでございます。基礎控除とその点が違うわけでありますが、こういたしまして、横浜市の実情を申し上げますと、具体的に調べたのでございますが、たくさんの団地がございますけれども、その中で調べたものだけを申し上げますと、大洋不動産というのがございますが、これはその分譲地の平戸団地では全体で九百二十八筆でございます。坪数で九万六千坪余りでございます。この坪当たりの評価額が三十八年度は六百円、三十九年度は新評価で一万二千五百円になっております。ところがこの宅地につきまして、四十一年度では免税点以上になりまして課税されるのが三百十八筆でございます。九百二十八筆のうち三百十八筆が課税されまして、これが三四%、残りの六六%については全く課税されていない免税点以下でございます。同じく大洋不動産の団地百十三筆のうちで十四筆、これは一二%しか課税されておりません。このように例はたくさんございますけれども、いずれにいたしましても、八万円の免税点でこういうような状況でございます。  しからばこの団地にどういう家が建っているかと申しますと、大体東京から来た人が多いわけでございますが、東京の地価が上がった。ここにビルが建ちあるいは商店街化する。そこでその土地を売って安い土地を求めて横浜市へ来ているわけでございますが、ここへ建ちます家は二十坪あるいは三十坪で、評価にしますと二百万円あるいは三百万円の家が建っておるわけであります。われわれから見れば高級住宅であります。それが土地は免税点になっておる。こういう点、私ども具体的に地方行政を扱っておる者から見ますと、どうもふに落ちない。この際さらに免税点を引き上げるということは、これがさらに助長されるということで、議論はとにかくといたしまして、どうも納得しかねる、こういう感じがするわけです。  それから免税点を上げましても、これは土地所有者だけでございまして、大地主は免税点以上でございますからフル課税されます。そこに住んでおる、それから土地を借りて家を建てている人、あるいは貸し家に住んでいる人、こういう人については免税点引き上げは何らの影響がないわけです。自分で土地を持っている人にだけしか影響がない。こういう面から見ますと、免税点の引き上げが一般の市民の生活費の増高を防ぐという意味においてはあまり公平に影響していかないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。  それからその次は基礎控除の問題でございます。実は固定資産税は御承知のように土地台帳によって課税しております。したがいまして、これはたくさんの筆に分かれておりまして、この筆に分けるということは所有者の自由でございまして何らの規制がございません。それからこれをどう利用しているか、宅地に利用しているか、あるいは空閑地にしているか、あるいは高度商業用地として非常な収益を上げているか、あるいはこれが担保に入っておるか、直接自分で使っておるか、こういう点一切考慮しないで、あるいは建物が建っておっても、さら地でも一切考慮をしないで、さら地としての評価をして負担を求めておるわけです。こういうわけでございますから、そこに住んでおる住宅用地のみを取り上げまして、これに基礎控除をするとかあるいは累進課税をするというと、たいへんむずかしい問題になるわけでございます。というのは、ただいま申し上げましたように、土地には坪数の表示とあるいは地番の表示、こういうものしかございません。あとは評価は市町村でやりますけれども、三年ごとにやっております。それ以外にはないわけでありまして、この土地をどういうふうに使っておるか、これがわかりませんと、基礎控除もそれから累進課税もできないわけでございます。これがたいへんな仕事になるわけでございます。といいますのは、一筆の土地にあるいは三つの住宅が建っておるかもしれない。その場合に、その三つの住宅がどういうふうな利用のしかたをしているか、これがわかりませんと基礎控除ができないわけです。むしろそういう筆ごとに考えないで、土地所有者全体の名寄せでもってもし基礎控除をするのだ、所得税のように総合されたものから基礎控除をしあるいは累進課税をするということになりますと、これは非常に不公平になる。といいますのは、銀座の土地もあるいは——これは市町村ごとの課税ですから実際にはそれは当てはまりませんが、極端なことを言えば銀座の土地であってもあるいは山梨県の山のほうの土地であっても同じような控除をしなければならぬ、こういうことです。したがって、実際にはそれが利用されている、そして利用されている者の土地に対する税負担を少なくしてやろう、これが趣旨だと思いますので、どうしてもこれは筆ごとの利用状態を見て基礎控除というものを考えなければならぬ、あるいは累進税率というものを考えなければならぬ、こういうように思うわけです。ところがこれは各世帯がどのくらいあるかということを確認すること自身、いまの市民税台帳ではとても不可能でございます。市民税台帳さえも不正確でございます。五年に一回の国勢調査、ああいう大がかりな調査をして初めて住民というものを確認できるわけでございます。それ以外のものは住民税台帳であろうともあるいは食糧配給台帳であろうとも、これはきわめて不正確なものでございます。町役場にあるあるいは区役所にある台帳間には非常な相違があるわけであります。これを基礎控除あるいは累進税率の基礎にするということになりますと、具体的調査をしければならぬ。したがって、世帯を確認することがまず第一。  それから各住宅、これは住宅であるとか併用住宅あるいは集合住宅、これもたいへんでございますけれども、それを一応除くとして、住宅だけに限って考えますと、一つの住宅を何世帯がこれを利用しているかということも調べなければならない。一人で一個の住宅を利用している場合と、その場合には基礎控除を何坪ということははっきりいたしますが、一つの住宅に何世帯か入っている場合、これは貸し間のような場合もあるでしょうし、あるいはマンションのような豪華なものもあるかと思いますが、ここの世帯がその下にある土地をどう利用しているか、各筆についてどういう利用をしているか、これがわかりませんと実際課税の仕事はできないわけでございます。これがたいへんでございます。  それから、かりにその世帯が確認できたといたしましても、今度はこの建物が三筆にまたがって建っておる場合には、その三筆に対してどういう関係にあるか、これを調べなければならぬ。さもないと、たとえば例を申し上げますと、その所有者が一筆二百坪のうち百坪を使って自分の住宅を建て、あとの百坪にこまかいアパートを建てて、十世帯なり二十世帯なりを住まわせているとします。その場合に、各世帯の実際に使っているだけを基礎控除にしませんと、その土地所有者の十分余裕ある使い方をしている者に対して不当の利益を与える、こういう形にもなるわけであります。したがいまして、利用関係というものを調べなければならぬ、これがたいへんな手間がかかるわけでございます。  それから、先ほど申し上げましたが、世帯を調べるだけ、あるいは人口の移動というものを調べるだけでも、横浜市の場合約百八十七万の人口がございますけれども、このうち五十四万程度は転出入あるいは出生、死亡によって移動しているわけでございます。この移動を年々調べなければならぬ、こういう仕事もあるわけでございます。そこで、こういう仕事をして、基礎控除あるいは累進税率をかけるといたしますと、延べ五万幾らかの人が要るわけであります。これはとても負担にたえかねるということと、これによる減収を考えますと、場所によっては四二%程度減ってくるわけであります。もっとも、基礎控除をどの程度にするか、かりに一人一坪としますと、七・一%ぐらいの減収になるわけでございますが、一人六坪くらいの基礎控除をいたしますと、やはり世帯について三十坪程度を控除するということにいたしますと、四二%程度の減収になるわけであります。しかもこの仕事をするための事務はとてもとなし切れない。しかもこれが一月から二月までにやりませんと、その年度の課税にできません。したがって、これは不可能ということが事務上からは言えるわけでございます。  予定の時間が過ぎてしまいましたので、一応この程度にします。

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 ありがとうございました。  都立大柴田先生。

柴田徳衛都立大学教授

○柴田参考人 いまお二人からいろいろ詳しい話がありましたので、私、つけ加えることは特別にないかと思いますけれども、中心を固定資産税の問題、これを理論的に少し私の考えを言わせていただきたいと思います。  現在の固定資産税あるいは地方税制というのは、シャウプ勧告がもとでできてきておると思うのですけれども、当時のシャウプ勧告で考えられた地方税制の予想と今日の実態が一番違っているのは、私は二つあるんじゃないだろうか、あるいは今日シャウプが日本に来てみれば、こんなはずはなかったというのは二つあるのじゃないだろうか、その一つは地方交付税だろうと思います。これはいい、悪いは別として、いろいろ考えてみますと、彼自身の考えでは、こんなに大きな比重になるとは思っていなかったようであります。それが一つ。  それからもう一つは、この固定資産税で、どうも地方税の税体系あるいは市町村税の中で、もう少し比重の大きいものを考えていたんじゃないだろうか。ところが、現在、相対的にこの比重というものがやや少なくなってきておるのではないか、これは一体どういう事情なのだろうか。いろいろ考えてみますと、固定資産税の中で償却資産はちょっと問題は別にして、やはり一番大きいのは土地関係、それから次は家屋、この二つ、ここに一番やっかいな問題が現在あるんじゃないだろうか。そうして言いかえますと、これほど日本の地価が一方で騰貴するということを当時考えていなかったのではないだろうか。しかもその日本の地価騰貴というものの実態が、諸外国で考えられていたのと非常に違う事情がここにあるのではないだろうか。その辺から固定資産税のやっかいな問題がいろいろ出てきておるのではないだろうか。たとえばこれの一番もとになるのはイギリスのいわゆるローカルレイト、これは固定資産税のもとの形だと思うのですけれども、いろいろこの実情を見てみますと、この場合には借地人が地主から土地を借りて不動産経営をする、そこに課税する、これが日本の実情とかなり違って、借地人とまあ日本では訳すことになりますけれども、実際は日本の電鉄会社くらいの非常に大規模な経営で、大規模な不動産経営、したがって、その場合にいろいろ出てくる課税対象である土地とか住宅というものは、そのままそれを運営してもうけるもの、富を生ずるもの、こうなってくる。そうして毎年そこから実際に即して賃貸価格というものが出し得て、それを当時の一般金利で還元すると、大体時価というものがかなり合理的というのでしょうか、計算から出てくるのではないだろうか。そうして土地なり住宅というのはもうけを生み出す、富を生ずる、そこにこの固定資産税を課する。アメリカへいきますと、そこから一定の時価を出して、その時価をもとにしてこれまた固定資産税、不動産税を課する、大体それで社会的に納得がいくといいましようか、運営がついていくのではないだろうか。  ところが、日本の現状を見てみますと、非常にそこの実態が違っていて、土地なり家屋というものが、そういう営業のものももちろんありますけれども、主力が生活の手段といいましょうか、個人所有の消費財になっておる。したがいまして、この賃貸価格あるいは地価なり住宅の価格、住宅の価格はかなり実態に近いかもしれませんけれども、特に地価というものは非常に特殊な事情でこれはあらわれてきておるのではないだろうか。その土地なら土地を持っていて、毎年あがってくる地代、それを当時の普通の金利、年五分とか一割とかでもとに戻した額とまるで違ったところにこの地価というものが大きく出てくる。そこでそれを評価額として課税しようとすると、非常に実態と離れたいろいろな問題が出てくるのではないだろうか。したがいまして、理論的に考えてみますと、どうもこの固定資産税というものをすっきりさせよう、どうしたらすっきりするだろうか、実態にうまく合うだろうか。特に土地関係に問題が一番あるような気がするのですけれども、これをいろいろ考えてみますと、やはり根本である日本の現在の土地政策、農地、宅地、山林、この辺の運営のしかた——現在の日本の場合は、いわゆる農地の場合は自作農、それから宅地の場合は持ち家主義、そういうものを中心にして、生活あるいは生存の一つの手段として置かれている。そこに固定資産税を課そうとすると、なかなか実態に合いにくい問題が出てきているのではないか。したがってこの問題を解決するには、現在の日本の不動産政策といいますか、もしたとえば住宅問題というのが解決されている、あるいは農地というものが、もう少し大農経営というものがあるとすると、だいぶ実情は変わってくるだろうと思うのですけれども、現状、その根本が直らない限り、なかなかこの固定資産税というものはすっきりいかないんじゃないだろうか。ただ、しかし現在の地方税制、市町村税制としては、もちろんなくすわけにいかないので、有力な税目としては当面あるわけなんですけれども、その辺の前提でもって、なかなかすっきりいかないけれども、与えられた範囲内で運営していくのに、当面どういうことを考えていったらいいんだろうか。その場合に、ここで問題になっております免税点、基礎控除、あるいはこの税率を累進税率にしたらどうだろうか、これは私、社会的にたいへん意議が深いと思うのでありますけれども、これは現状では、もし終戦直後やったような財産税、大規模に一回全国的規模でもって名寄せをして、そしてこれに対して基礎控除あるいは累進税率をとる、こうすれば、これはたいへん意義のあることだろうと思うのです。そして可能だろうと思うのです。それから国税の場合には、相続税というのを考えますと、いまのようなことを考えれば、一生に一度の固定資産税といいましょうか、大規模なので、これはかなりきつく取られていいんじゃないか。けれども現在固定資産税というものにこれを入れてこようとすると、現在の市町村で運営するというときには、どうしても筆で分かれてしまうので、もし中央でもってそれを全部集中管理するということができればいざ知らず、現在の地方自治というところでは、なかなかその名寄せを全部して、そしてそこに免税点、累進税率、基礎控除というものを大規模に入れるということをするということは困難なんじゃないだろうか。当面の手直しの問題といいましょうか、これを大規模に導入するということは、やはり困難があるんじゃないだろうか。もし国で財産税というものをとる、そこにこれをきつく入れて、かりにそれを譲与税化するとすれば話は別ですけれども、そうでない限り、現在の固定資産税というものを前提にして、土地家屋関係というものにこれを大幅に引き上げていくのはなかなかむずかしいんじゃないか。ただ固定資産税の一つの積極的な面としまして、現在の地価騰貴というところの要因の一つに、固定資産税が比較的所有者に対して負担が少ない。したがってこれを持っていて、少しぐらい固定資産税を払っていても、値上がりのほうの楽しみが大きい。もしこれがもう少し負担が大きくなると、そういう面での土地供給がふえるという効用があるかもしれませんけれども、ただ固定資産税をふやすと、今度はそれを口実にして借地借家人に非常な勢いで転嫁が行なわれてしまう。こういうマイナス面があるわけで、なかなか簡単にこれを重くするということも、非常に社会的に影響が大きいものじゃなかろうか。現状そういう意味で、一番基礎である不動産の一体運営のしかたというところに手をつけない限り、なかなかすっきりした議論が立ちにくいのではないだろうか。ただ、当面でもこういうところは少しは手直しすべきではないか、あるいはできるのではないかということで、一つ私、見ておりますのは、現在日本の全国的に都市化が非常に進んでおるわけで、農地が、帳面では農地の価格としているわけですが、都市の周辺、あるいは大きな道路ができた、インターチェンジができたというときに、いわゆる宅地とみなして非常に評価額が上がっている。三万円とか四万円とか上がっているところもあるわけで、こういうところにはもう少し——もちろんすぐに三万円、五万円と評価して課税する、これは非常な混乱が起こると思いますけれども、そういうような場所ではいわゆる売買地価というものに対して、評価額は百分の一、千分の一というような極端な事態が出ているので、こういうところは少し考えていいのじゃないか。  それから第二点は、同じく山林の分譲でございます。山林にブルドーザーが入って、分譲されているという場合には、当然そこで宅地が形成される。そこに相当の売買地価が生ずるということでありますけれども、実情を見てみますと、評価が極端に低くなってしまっている。そういう分譲あるいは分筆、これは農地の場合も同じでありますが、そういうものが進めば、当然そこで都市化が進む。地元の市町村の財政負担というものは、いろいろふえるはずなんですけれども、少なくも固定資産税の税収への反映のしかたが極端に低い。一般的にいって固定資産税をすぐ上げるということは問題と思いますけれども、こういうような場所は、現在よりは何ぼかは税負担というものを考えていいのではないかと思っております。  それから純農地の場合でございますけれども、この評価の問題、これは現在の米価との関係で、その場合、米価計算の中で一体固定資産税の負担をどう考えていくかという問題とからんでくると思います。これはいろいろ理論的にはむずかしい問題があると思いますけれども、これもごく簡単な印象でありますが、場所によると相当、これは政策の問題に入ってくると思うのですけれども、評価が低いところがあるのではないだろうかという気がするのであります。  一番問題は周辺の都市と農村の接点、そこで非常な勢いで都市化が進んでおる。これは大都市も地方の中小都市も同じ現象が見られるわけでありますけれども、その辺での固定資産税の問題、これが非常に大きな問題になってくるのではないだろうか。これが第一点。  第二点の免税点、これは現在の土地の免税点の引き上げというのはやはり実施が困難じゃないだろうか。ただ現在宅地が八万円、家屋が五万円。いかなる理論的根拠でこういう差が出てくるかということになりますと、これは学問的にはちょっと説明しにくいのではないだろうか。もし一般の庶民の負担を、ここまでは考えようじゃないかという趣旨ならば、家屋の免税点を土地にさや寄せさせるということは、一つの考慮してよい問題じゃないだろうか。  それから三番目に固定資産税が問題になっておりますけれども、都市計画税というものは、事実上その区域においては固定資産税の付加税と申しますか、これに非常に準じた税金になっているのじゃないだろうか。これはちょっと別になるかもしれませんけれども、都市計画税の税率の引き上げということがよく話題になっておりますけれども、これはもとである固定資産の対象、特に土地、家屋、これの評価という問題がいろいろでこぼこがあるうちは、これもなかなか軽々にできないのではないだろうか。やはり固定資産税とのからみ合いで、あるいはそれの少なくも手直しをする、その一環で考えないといけないのではないだろうかという気がいたします。この辺が当面の手直しではないだろうか。それから理論的に、根本は現在の日本の不動産所有のあり方、その辺の根本問題、そことかかわり合っていかないとなかなかすっきりいかないのではないか。  それから本日、住民税のお話がもう一つの話題にあるそうでありますけれども、もう時間もきましたので、これはちょっと一口。先ほど木村先生からもお話がありましたが、私も同意見でございます。住民税については、いろいろ重いという問題が出ておりますけれども、一番根本としては、とにかく住民が自分たちの市町村、自治体に納めた。ところがその地方自治体というものが、なかなか住民の身近な行政、自分たちの行政というものをやってくれないのではないだろうか、そういうような感じというところが背景になって住民税のいろんな問題が出てきておるのじゃないだろうか。この問題は、地方自治といいましょうか、市町村の自主財源強化と行政の事務再配分ということも考えていかないと、なかなかすっきりいかないのじゃないだろうかと思うのでありますけれども、これに関しては、私、木村先生と大体同意見でございます。また住民税を所得税との関連で考えなければならないという点、同感でございます。  大体時間がきましたので……。

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 この際、おはかりいたします。  小委員外の地方行政委員からの発言の申し出がありました場合には、これを許すことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大石君。

大石八治自由民主党

○大石(八)小委員 木村先生と柴田先生に伺いたいと思います。  非常に素朴な感じ方の問題なんですが、固定資産というのはどういう性格の財産かということにもなると思うのですが、宅地の場合で申し上げますが、どんどん高くなっていくわけです。ところがそこに自分は実は昔から住みついていた、商売もやっていない、簡単にいえば月給取り、ほかに土地をたくさん持っていないという条件ですけれども、その人に、いまもちろん調整率がありますけれども、とにかく地価評価が高くなったので、高い評価で税金がかかる。そうすると、その人が、何もおれは地価が上がったからといって、別にそれでもうけるわけではない、それなのに——それで商売をしておるなら、そういう地価の高いところは商売もいいということになるんでしょうが、そうじゃないのだ、たまたま祖先からこのところに住んでいるのだという気持ちの反論が、当然実はあるわけですね。それに対する答え——答えと言っていいか、そういう問題はどう考ていいかということをお二人にお聞きします。

木村元一一橋大学教授

○木村参考人 先ほどお話が出たように、土地を持っておるときの持ち方の問題ですね。これはおそらく納得できないと思うのです。できないと思うのですが、極端な例を申しますと、銀座のまん中で、いまだに小さな平家の家でもって、裏のほうへ行くと住まいがあるというときに、これは極端な例でありますけれども、先祖から持ちこたえてきた土地に自分も住んでおるだけで、どこかへつとめておるのだから、その土地が値が上がったからといって税金がよけいになるということは困るじゃないかということ、これもそのとおりだと思います。しかし他方社会的に見ますと、そういう場所で、平家でもって住宅をかまえておること自体が資源の浪費なんだ。ですから適当な価格で売ってしまって、どこか適当なところへ行っていただくほうが社会的にはいい。しかし社会と個人との立場はいつでも一致するとは限りませんから、お気の毒な場合も出てくると思います。逆に土地の値段がどんどん下がるような状態を仮定いたしますと、そこへ住んでおる方の満足というものはないのです。それで、換金する、しないは別として、近所で同じような土地が何百万円に売れたという話を聞くと、やはり自己財産がふえたのだという意識をお持ちになると思うのです。それから給料取りの場合でございましても、最近土地の評価が、少し宅地について変えていくといいますか、貨幣価値も、税率もそれに合わせるような制度をとりましたけれども、給料取りならば、十年前の給料といまの給料と比べればおそらく二倍、三倍になっておるはずだ。ただ、ちょうど恩給をもらう方が、物価の騰貴につれて必ずしも恩給がついていかないということからくる不満、これはもらうほうのあれですけれども、おそらくそういう不満は恩給だけでお暮らしになっておる方にはあると思うのです。さればといって、次々に物価にスライドして恩給制度を改めるというところまではいっておりません。それと同じように、逆目でございますけれども、物価が上がっていく、土地の値段も上がっていく、それにつれて税金が上がっていく、収入はそれに伴っているとかいないとか、逆のあれでございますが、極端な場合は極端な場合、そうでない場合はそうでない場合に、やはりきめのこまかい配慮が必要だとは思いますが、一がいに、先祖から代々そこへ住んでおって、何にもしてないのに上がってくるのはけしからぬということは、その人の生活の中身自体から見てもおかしいと思うのです。おそらく昔はテレビジョンがなかったのに、その家はテレビジョンが入っておるでしょうし——入っていないかもしれませんけれども、そういう中で考えなければなりませんので……。ことに先ほどお話が出ましたように、宅地の評価というのが実に七分の一くらいにしか評価がされていないという状況、三つの資産間の不平等ということ、また土地の値上がりの非常に高いところと低いところとの不平等ということを考え合わせますと、そのほうがまだ大事なことではないか、そんなように思っております。

柴田徳衛都立大学教授

○柴田参考人 私はこう思っておるのです。もしいまの人が、そうじゃなしに貸し家でも経営して上がりがあれば、そういう問題はないわけです。これは上がりが倍になり三倍になり、かりに地価が上がってきた、おそらく当然値打ちが出てくるでしょうから、その問題はない。世の中の財産の土地なり家屋というものは大体そういうものだ。そうして自分の家で、自分で入っておるという人はむしろ例外だ。なれば、いまのような問題はあんまり出てこない。その辺、やっかいな問題があるだろうと思うのです。したがって、たとえば、パリの町なんかは大部分が大きなアパートで、それぞれ大きな不動産会社みたいなものが経営していて、ほとんどの市民が借地人になっておる。そういうところでこういう固定資産税のようなものがあれば、その経営者に課税してあれば、いまのような問題は起こってこない。日本の場合はそこが非常に違う。したがっていまの問題はやはり説明は困難であろう。ただ普通の理論では、その場合に、いわゆる受益説といいますか、あなたのところはそうなんだけれども、あなたの土地をあなたが使えるために近所に道路が通っているだろう、そこの土地に行くまでに街灯が立っておるだろう、そういう間接の、あなたがそこに住んでいて、そこの土地なり家屋なりを使っておるのにあたって、そういう恩恵は受けているじゃないかというところで一応説明しているのです。ところが有名な例が、フィラデルフィアの郊外で、似たような説明を市当局がしましたら、裁判所に訴えまして、おれは不動産税は払わぬ。これは何か牛を飼っておる農地なんですけれども、一つもそういう益は受けていない、今後また市は一切そういう世話をしてくれなくていい、かわりにおれは固定資産税を払わない、裁判所にそういう訴えを出した、そういうおもしろいケースが昔あるのですが、これは裁判所が困ってしまって、結局、おまえそう言ったって、市のどこかの施設は通るだろうということでもって、これは一応だめということになったのですけれども、それが日本の場合には、受益説というものがなかなか説明しにくいので、一番やっかいな問題だと思います。

大石八治自由民主党

○大石(八)小委員 その場合全く返事に困るのですが、税の政策というところでそれをいっていいかどうか知りませんが、いろいろ調整率も低くしているというのは、急激な変化を少なくしようということで調整の率も控え目にしているという配慮があると思う。逆に今度は、いまお話しの裏側の原理というか、そういうものはもっとたくさんの人に利用させてやればいいんだという原理をおもにしました場合、今度は租税政策の中で、かまわない、どんどん高い地価でかけなさいといえば、その人はどこかへ行きますよ。先ほどのお話しのように、郊外にもっと安い土地を求めて自分だけは住むのだということになって、土地政策という面から、今度は都市のまわりを考えるとすれば、そこにあまり遠慮することはいけないことにもなる。固定資産税政策というのをそういうふうに割り切ってやっていいのかどうかということ。今度は裏側の話になるが、私どもの説明に、そういうふうに訴えられれば、ほんとうに理屈はそうだろう、困るだろうということで、返事をしにくい点もある。今度は全体的に言う場合に、もう少し割り切って、ただの居住といいますか、もっと大きく、住むだけにしてもアパート式の高層にしてやればやれるような土地利用、都市再開発の問題があると思う。だからそれはもっと割り切っていく。その人は居住の自由があるのだから、逆にどこかへ行ってもいいのですからということでぴしゃっと割り切って、すなおにというか、どんどんかけちゃうということのほうがいいのですか、そこらもちょっと……。

木村元一一橋大学教授

○木村参考人 私はそのほうが根本的にはいいと思っております。ただ負担の関係というのは、いつの場合でもそうでございますけれども、急激な負担がくるということは困るのでありまして、持っている御本人が、その土地を持っているとだんだんと税金がよけいになるんだぞということが前もってわかっておるかわかってないかということが非常に大事なことでございます。急に値が上がったのですよ、さあ取りますよというのでは私は困ると思いますが、全体としてはそのほうが基本であって、ただ納税者のお立場を考えるという場合には、急激な負担はかけられないということが考慮の要素になる、こんなふうに考えております。

登坂重次郎自由民主党

○登坂小委員 関連しまして。固定資産税と住民税の関係は、日本の目下の経済の発展から見ると、地方の者は、何か自分の土地が上がりそうだ、税金をかけられそうだ、落ちついて持っていられないという不安感を持っている。戦前だと、固定資産が改定されようがされまいが、ある一定の経済の指数値はきまっているから別にそう驚かなかった。このごろは一応地方も産業都市化が進んで非常に大きくなっている。それに引きずられて地方の山村僻地の農民たち、固定資産を持っている人も、何かつり上げられそうだ、しかし地方財政を受け持つ立場から見ると、だんだん税収を要求されますから、固定資産税と住民税との関係をどうしても相対的に上げていかざるを得ない。そういった場合、都市のほうは楽だけれども地方は非常にむずかしい。だから固定資産税を論ずるのには、もちろん地方税がいいのか国税がいいのか、先ほどお聞きした収益性と固定資産税のにらみ合わせと申しますか、負担からいって、住民税とのバランスといいますか、そういう相対性のものが何か非常に複雑にからみ合っているような感じがするのです。それをどこかで均衡をとって、固定資産税と住民税とのバランスとか、にらみ合いとか、そういうものもやはり関連づけずに考えられそうな気もするのですが、どうでしょうか。これはいずれも地方財源をまかなうための税源なんですがね。

大石八治自由民主党

○大石(八)小委員 前段のやつのお考えは……。

柴田徳衛都立大学教授

○柴田参考人 それじゃ前段のほうを私から……。  いまおっしゃった問題で、もしこれを徹底しちゃうと、貧乏人が金持ちのいるところへ行くことになったので、おまえ出ていけとかいうことになると、これはやはりいろいろ問題が出てくると思うのですけれども、一方で合理的にぴしゃっとやる。同時に再開発といいましょうか、そこを有効にするために相当の援助金をそれに出す。だから固定資産税だけでいくとはなはだまずいのではないだろうか。同時に一つの再開発なら再開発、地域開発といって、相当一方に補助金や融資でめんどうを見る。他方でもって税金をまたぴしゃっとかけるという一つの総合性といいますか、立体性、これで持っていく。現在、あれは衆議院でしょうか、不動産課税をめぐっての委員会でございますか、何かあるそうですけれども、そこなどともできるだけ連絡を密にしながら、他方で、とにかく日本の貴重な不動産というものを有効に使うためにかなりの資金というものを援助する。同時に税制のほうでもって、それに従わないというと語弊があるかもしれませんけれども、そのほうではまたきちんと取っていく、そういう姿になっていいのじゃないだろうか。現在は援助のほうはないし、他方もしないし、非常にその辺があいまいもことしている。そういう問題があるのじゃないだろうか。全般にそのように考えます。

清水恵藏横浜市財政局長

○清水参考人 固定資産とそれから住民税、所得課税とそれから資産課税とのバランスの問題、先ほど私申し上げましたのですが、これは結果でございまして、税制上の問題からは理論的なものがあるかと思いますけれども、私ども直接行政を扱って、はだで感じた者の目から見ますと、所得系統の市民税がふえるということは、もちろん物価騰貴もありますし、それから人口増もあるわけでございますが、産業が発展して人口がふえてくる、それから所得がふえてくる、そういう面でふえてきた結果、住民税がふえてくるわけでございます。反面、人口がふえる、それから産業が発展するということは、第二次産業、第三次産業、いずれにいたしましても土地に対する需要が非常にふえてくる。したがってここを高度利用していこうということから土地の価格というものがだんだん上がってくる。そう上がってくるもとにはやはり環境整備といいますか、もとのいなか町であったものがだんだん繁華街になってくる。そういうことによる下水の整備であるとか、あるいは環境整備、いろいろの整備があると思います。通路も舗装しなければならぬ。そういうことによって、資産を持っておる者もこの経費を負担すべきじゃないか。こういう意味で、人口増あるいは産業の発展に伴う所得系統の税がふえると同じように、資産を持っている者もこれに対する負担はふえて当然じゃないか、こういう感じがするのであります。さもないと、法人所得もありますけれども、極端なことを言うと勤労所得だけで町づくりをしなければならぬ。むしろ土地を持っている者こそ負担すべきではないか。こういう感じがするのであります。理論は別といたしまして、私どものはだで感じている考え方でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)小委員 三人の先生にお尋ねをしたいと思います。  固定資産税のお話の中で、土地と家屋についてお話がありましたが、償却資産についてはお触れになる点が少なかったわけですが、私ども、償却資産の課税について非常な不均衡があるのじゃないか。御案内のように、大幅な減免税等がございましたが、私どもの考え方からすれば、償却資産に対する政策的な減免税というものは、もしかりにそれをやるとするならば、むしろ国がそういう面では政策的な減免税というものはやるべきであって、現在でも貧弱な市町村に対して固定資産、特に償却資産の減免税の形で地方財政に影響を与えることは非常に問題ではないのかという感じがいたします。したがって特に固定資産税の償却資産に対する減免税については、木村先生、柴田先生、どういうお考えでありますか。まずこの点をお尋ねしたいと思います。  それから第二番目は、私どもは小委員会におきまして諸外国の土地、家屋等に対する課税の方式についてもいろいろと研究をいたしました。イギリスのレイト、柴田先生のお話の中にもありましたが、このレイトの場合も物税でありますが、その中に人税的な要素というものも最近は非常に加味されてきたと承っておるわけです。ということは、そこに借地に住んでおりましてもレイトはかかってくるわけですが、そうした場合、所得が少ない、一定の生計費を下回っている人については、これは還付金の形で返しているということを聞いているわけです。そういたしますと、この固定資産税につきましても、イギリスあたりでも人税的な要素を加味してきたということを考えていけば、そういう面から当然基礎控除というものは理論的に考えていっていいのではないか。ただ清水先生にお伺いしたいのですが、その点が非常に事務的に煩瑣だというお話がありましたが、しかしある程度の基礎控除というものは考える必要はあるのではないだろうかという感じがいたします。  それから特に土地を持っておる人、土地の値上がりが問題になるわけですが、その土地を所有し、場所がいいために収益を非常にあげる、あるいはまた土地を投機の対象にする、さらには都会に大邸宅を持って、庭園等空閑地をたくさん持っている人もあるといったことを考えました場合に、一人当たり何坪ということが問題でしょうが、若干の基礎控除をし、あわせて先ほど申し上げたような土地政策の一環からいって累進税というものを考えることは、これはいいのではないかという感じがするわけですが、その点、柴田先生と木村先生に理論的な面でのお答えがございましたらいただきたいことと、事務的な面については清水先生のほうにお願いしたいと思うのです。  最後に、今年の地方財政計画には御案内のように四十二億、固定資産税の免税点を引き上げたことによる減収補てんが組まれております。昨年の場合はたしか五十二、三億ではなかろうかと思いますが、昨年と違って今年は交付団体のみに四十二億の減収補てんをやったという形になっております。横浜の場合はこれは交付団体になるのじゃないかと思いますが、こういった地方財政をあずかります立場の方として、この減収補てんについて将来どうすべきだというお考えがあれば承りたいと思うのですが、あわせて先生方のほうから、もし最後の点についても御意見があれば承りたい。  以上であります。

木村元一一橋大学教授

○木村参考人 固定資産税の中で、償却資産に対する政策的な減免というのを地方でやらせているのはよくないのじゃないかという御意見でございますが、それはごもっともだと思います。  政策的な減免ということになりますと国がやるべきで、固定資産でやらないほうがいいと私は思います。ただ大きな固定資産で、たとえば電源や何かの問題になったときに、これをほかの場合と同じように課税していいかどうかということになると、ちょっと疑問が出てくるのであります。つまり政策的な減免というのじゃなしに、税率一・四を少し下げてやらなければならぬといったようなことが起こってくるか、これはケース・バイ・ケースで考えなければならぬ問題じゃないかと思います。  それから先ほどイギリスの例が出まして、これは柴田さんが御専門でお答えがあると思うのですけれども、還付の場合は、あそこのレイトというは占有者課税になっております。ですから還付ということになってくるわけですが、日本の場合は所有者課税になっている。これがいいか悪いかはまた問題ですけれども、所有者課税になっている場合にさらにどこへ返していくのか、いまこちらからお話しになったあの問題が日本の場合には非常に大きく出てくるわけですね。そしてもう一つは、これは柴田さんのほうが詳しいと思うのですが、イギリスの場合のレイトというのは、地方財政の唯一無二の税金なのでございます。ですから税率も非常に高くなっている。しかし農業資産については半分にするとか、三分の一にするとか、免税にするとか、いろいろ不景気のときに政策的なことをやったことがあります。しかし何といってもレイトというものは非常に高い。高い税率を持っているものについては、ある程度基礎控除とかいうことをやると逆に——高いレイトですが累進しているわけじゃない、累進はしていないのです。比例税なのです。比例税なのですが、それが非常に高いから、基礎控除をやりますと、そこから向かって累退するといいますか、こういう形の税率ができる。結果的にそうなるということが考えられるけれども、しかし積極的に固定資産税を使って累進制度をとるというのはこれはかえって、先ほども出たように筆の使い方いかんによって、分け方いかんによって免税になったり何かすると、あるいは累進が下のほうにくるといったような、納税者のほうで非常にマニプレートできるというような場合には累進制というのはやらぬほうがいい、どうしてもマニプレートできないような形にしておかないと、弊害のほうがむしろ多くなってくる、こういう問題があろうかと思います。  大体これでお答えになりましたでしょうか。

柴田徳衛都立大学教授

○柴田参考人 償却資産の減免をただいま木村教授からお話がございましたけれども、根本からいって、地方財政にあまり国全体として大きな政策をつけてやるというのは無理があるのじゃないだろうか。したがいまして私大体御意見に賛成で、償却資産の減免というのは、固定資産税や市町村税の中に入れるのは問題があるのじゃないだろうか。ただこの前これがきめられたときには、中小企業対策というのでしょうか、そういう趣旨があったので、これはたいへん理論的ではないかもしれませんけれども、といって、どうもこれは現在全部とりやめようというわけにもいかないと思いますので、大体現状維持と申しましょうか、その辺にいくのじゃないだろうか。理論的にいうとこれはあまりすっきりしない、望ましくないのじゃないだろうか、こういう気がいたしております。  次に、二番目の諸外国の課税方式でございますけれども、いま木村教授からだいぶ御説明があったわけでして、おっしゃるとおり考え方として、これにできるだけ累進制とかあるいは社会保障的な見地より入れるという考え方からいって、私も賛成であります。ただ現在、現実の徴税技術という問題に入ってくるかと思うのですけれども、その方面の処置というものは、相続税あるいは所得税などでかなり現在その方向、結果においていまうまくどこまで入っているかたいへん疑問ですけれども、ともかくそれが入っているというたてまえになっております。固定資産税にそれを入れるということ、なかなか私は実際問題として困難が多いのじゃないだろうかという気がいたします。それからレイトの場合あるいはアメリカの不動産税の場合ですと、毎年の評価額がきまっていて、財政需要との見合いで住民がそれぞれ、じゃことしは税率幾らにしようじゃないかといってきめている。そういう事態になりますと、そういういまおっしゃったような観点というものを入れ得る余地がかなりある。その意味で言うと、文字どおりの地方自治というか、自分たちで自分たちの税率をきめるという考えが入りますので、相当いまおっしゃったような点もいろいろ加味できるのではないかと思いますけれども、現在の日本の市町村税の現状で申しますと、これは標準税率一・四%ですか、きまっておりますし、全国的に大体きめられておる。そういうような事態の現状で申しますと、いまのような還付と申しますか、実態に即して運営するという形というものは、現在の徴税技術と申しましょうか、実態から考えると非常にむずかしいのじゃないだろうかという気がしております。

清水恵藏横浜市財政局長

○清水参考人 まず基礎控除、それから累進税の問題でございますが、これは現在の、何といいますか、素朴に考えて、一戸の世帯が一筆の土地の上に一個の家屋を建ててそこに住んでおる、こういうものばかりでしたら、これはわりあいにやりいいと思うのです。ところがそういうのはむしろ少ないので、地主から土地を借りて家を建てている、あるいは土地もそれから家屋も借りておる。要するに地主がたくさんの土地を、筆を持っておる、そういうものに対する基礎控除あるいは累進税、木村先生がおっしゃったみたいに、この場合、累進税というのは累退税に実際問題としてなると思いますけれども、これは非常にむずかしいということであります。ですから、家屋の登記に、それが使っている筆を登記でもしてもらえば、各筆ごとにやればできないことはないかもしれませんけれども、そうなりますと、基礎控除というのが、反面、累進ということで、税を要するにたくさん土地を持っているやつから高く取ってやるという、こういう考え方でもしいきますと、むしろその地主の土地に関する固定資産税が高くなりますから、やはりそこから借りている者、あるいは住宅を借りている者、こういう者に対しては税負担が転嫁されるのではないか、こういう気もするわけです。したがって、方法論は、これは私どももどうしたらできるか、取れるかということはまだ考えつかないわけであります。ああでもないか、こうでもないかということで考えている最中でございまして、その間とにかく事務量がとにかく多いのでどうにも手がつかない、方法がないのじゃないか、現在のところこういう結論でございます。  それから地方財政計画で昨年免税点引き上げの財源補てん、横浜市の場合には財源補てんに対して十分していただいておりますが、これは免税点が、土地の課税標準がだんだん上がっていきますので、だんだん免税により税収というものが減ってまいります。それから将来一定時期の場合には、突然の免税でございますから、その減収補てんということは必要でございますけれども、将来何かほかの税で補てんするということになれば、こういう交付金は要らないということになります。その辺は財政計画できまりますものですから、私どもとしましては、いずれにしても全体の財政需要を満たすような財源がほしいというだけでございまして、補てんの交付税がいいか、実際の税がいいかということになると、実際の税に越したことはないわけですが、その点については、特にこういう形で残していただきたいということは、主張というより、強調いたしません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)小委員 償却資産の減免税の問題ですが、木村先生が言われましたように、確かに大規模な償却資産、こういうものについては、現在でも都道府県がこれを吸い上げていることがありますから、これはかりに発電所等、ああいった大規模のものに対して、減免税率を撤廃して取りましても、特定の地域のみ異常にたくさんいくというようなことはこれは防止もできるし、地方財政全般を潤すことができるだろうと思いますし、それから柴田先生の言われました中小企業向けのものは、これは一挙に撤廃といってもあれだと思いますが、ある程度、私鉄なり発電所なり、そういった、結局大きな企業に対して現在与えております恩恵というものをある程度撤廃をしていくということについては問題ないんじゃないかと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。  それからいま一つ違った問題で、住民税のお話がありましたのですが、この住民税が非常に重い、国税と関連してお考えになるべきだ、免税点についてもそうではないかと私は思っております。と同時に、この徴収のしかたについても問題があるのではないかと思います。特に国税の場合、所得税の場合は十二カ月プラスボーナスで徴収をしますが、住民税の場合は十カ月で徴収をするということもありますし、それから当該年度の所得ではなしに翌年へいって徴収をするというような形があるわけですね。こういう点について、特に実務を担当しておいでの方として、当該年度で所得税と同じように徴収する方法についてはどうか、あるいは十カ月でなしに、当該年度で所得税と同じような形で徴収するとすれば、これは十二カ月プラスボーナスで徴収も可能じゃないか、こういう点についてはいかがでしょうか。

清水恵藏横浜市財政局長

○清水参考人 住民税を当該年度にそれぞれ、要するに源泉課税徴収ということになると思いますが、そうなりますと、所得税付加税というような形でないとできないのじゃないかという気もいたすわけなんです。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)小委員 そういう点、ほかのお二人の先生はどうでしょうか。

木村元一一橋大学教授

○木村参考人 その問題は税制調査会でもだいぶん議論になったのですけれども、何かちょっとぐあいが悪いことがあるのです。事務処置がどうとかこうとかという、何かそんなことが一つありました。しかし、やってやれないことはないと思うのです。ただ課税最低限が違いますから、そうしますとやはり市町村から特別徴収を頼んでその分だけ取ってもらうということで、市町村でだいぶ努力しないとできないということが一つありますね。いまですと大体国税できまった分を一つやっておいて、それから下のほうについてこちらでやるということですが。やってやれないことはないんじゃないかと思うのですが、私忘れましたけれども、ちょっと何かあるのじゃないでしょうか。

清水恵藏横浜市財政局長

○清水参考人 地方税ですと、それぞれの市町村がその中にいる住民にしかかけられません。それで一月一日現在で固定しなければならない。途中で住所が変わった場合には課税権を移動させなければならないなどの問題がある。非常に複雑でむずかしいということでございます。

柴田徳衛都立大学教授

○柴田参考人 御趣旨は賛成なんですけれども、これはやはり実際の徴税技術でございますね。そこが問題で、もしそれが解決できれば、私は御趣旨に賛成でございます。  それから先ほどの償却資産に対するお考えも、大体私賛成でございます。ただ先ほどのに一つ私つけ加えたいのは、実際の実施面でいろいろ困難があると思うのですけれども、固定資産というのは、やはり木村先生もおっしゃったように、非常に本質的に累退的な面が多いんじゃないだろうか、現状いろいろやむを得ないことがあるにしても、趣旨としてこの点というのはやはりかなり基本の考え方として強調していいんじゃないだろうか、もう少しそれに累進的な視点を入れていいのじゃないかという趣旨ですね。これは、日本でやったことはどうもないらしいのですけれども、アメリカで、あるモデル地区をつくりまして、大量に専門の不動産鑑定士を動員しまして、飛行機であらゆる件数の膨大な精密な写真をとりまして、実際の徴収状況とほんとうの実態とがどう食い違っているかということを緻密な調査をやってみたところが、非常にはっきり出てきたのが、一つは大口あるいは値段の高い不動産ほど評価が低くなっていた、かなりこれははっきりとした。それからもう一つは、筆数がたくさんあるといいましょうか、われわれのことばで言えば、名寄せをした場合も、一人で件数をたくさん持っているという人ほど、どうしても漏れが多かった。どこかにいわゆる隠し田というと語弊があるかもしれませんけれども、抜けているのがあった。それから一人が一つずつ持っていたというのは、ほとんどちゃんと把握できていた、こういうような調査が出てまいりまして、おそらく日本でも似たような事情があるのじゃないだろうか。したがいまして、固定資産税の実際の運用で累進税率が当面困難にしても、件数の漏れをいかになくするか、それから評価の低い、安いものほど高く評価しているということのないようにする、この点は大いに強調すべきだろうと思います。

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 小濱君。

小濱新次公明党

○小濱小委員 最初に木村先生にお尋ねしたいのでありますが、先ほど、やはりこの固定資産の問題については、累進税率とか免税点だとか基礎控除、こういう点が問題である、こういうふうにおっしゃられまして、いろいろそのことについて御質問が続けられてきたわけでありますが、まだ免税点が低いために少額資産取得者に対しても過重な税金となっている、こういうふうにわれわれはいろいろと意見を聞いているわけであります。免税点がまだ低いために過重な税金となっている、この点についてひとつお答えいただきたい。  もう一つは、そのことに関連して、少額の資産取得に対しては免税点を設定する、こういうことのお考えはどうか。  それから第三番目でありますが、巨額の資産取得に対しては累進税率を高めて住民間の格差の均等化をはかるべきだ、こういうふうな問題について、ひとつ御意見を聞かしていただきたい。  次に、柴田先生にお願いしたいのですが、これは、基礎控除並びに免税点を引き上げて、そして少額資産取得者に対して税負担を軽減する、こうなければならない、こういう考え方を持っておりますが、この点についてひとつ御意見をお伺いしたい。  最後に清水財政局長にお願いしたいのですが、土地と家屋、あるいはまた償却資産の課税は、市町村の固有財源としては大きな地位を占めていることはよくわかります。先ほどもいろいろと実務の面からこまかいパーセントを示して説明がありました。もっと聞きたい、こういうふうに思っておったわけでありますが、時間がなくて残念であります。  そこで、局長さんの話を聞きますと、やはり累進税率、あるいは免税点、あるいは基礎控除、こういう点の努力をしていかなくちゃならないということを、お話の中にわれわれは感じました。しかしながら、現在においては、住民台帳にしても、あるいはまた世帯の確認にいたしましても、あるいは幾筆の、そういう土地の持ち筆の問題についてもいろいろな問題点があって、これは人の問題等も加味されてなかなかできない問題だということのような御意見でございました。どうしてもこの問題は取り上げて、今後研究に努力を重ねて、これを実現に移していかなくちゃならないという、そういう見通しをつけているわけであります。したがって、その中には、財産の資本価額、適正な時価という、こういう評価のいかんによってはかなりの重税となっている点もあるわけでありまして、どうしてもこの点は、局長は、現在考えている、そのことについては非常に努力をしているところである、このようにも聞きましたけれども、もう一ぺんこの件について御意見を聞かしていただきたい、最後にこれをお願いいたしまして、終わります。

木村元一一橋大学教授

○木村参考人 御質問は三つございましたが、私は免税点が低過ぎるとは考えておりません。免税点というのは税務行政上からくる問題でございまして、あまり低いところまで課税するのは手間がかかり過ぎるというところからくるわけでございます。ですから、免税点を上げる必要があるかないかは、納税者の担税力の問題であるというよりは、むしろ徴税者の負担の問題というふうに考えたいと思います。  それから、少額資産に対して免税点を設定するという御趣旨は、資産というものを固定資産だけに限らなければならないのかどうか。事実ほかのものについては別に財産税の対象になる部分とならぬ部分がございます。つまり、少額のものには、免税点といいますか、基礎控除を設定しているわけで、こういう免税点なり基礎控除なりを小資産に対して設定するというのは、財産税のように非常に高額の累進税をかけるという場合に特に考慮さるべき性格のものであって、一・四%程度といいましても、その評価が高いとたいへん大きな金額になりますけれども、比例税を原則としている税金については、やはり税務の立場からくる免税点は必要ですけれども、基礎控除という考え方はあまり入れないほうが、税の性格からいっていいのじゃないか。つまり、ほかにも取るべき税金がいろいろございますので、特に固定資産税でそういうことを考えるよりは、所得税で考えるとか相続税で考えるとかするほうが、むしろ合理的ではなかろうか、こんなふうに思います。  巨額な資産についての累進税は、これは経常財産税、シャウプのときにありました富裕税を、ぜひ復活していただきたいのでありまして、固定資産税でいくということは、私はこれはちょっと筋が違うのじゃないか、こういうふうに思っております。

柴田徳衛都立大学教授

○柴田参考人 私への御質問で、基礎控除、免税点の引き上げで少額の資産所有者の負担を軽くせよ、これは御趣旨は私全く賛成でございます。結論がどう出るにせよ、こういう趣旨というものはぜひ貫いていただきたいと思います。ただ、現実の問題としまして、一方で、地方財政の財政事情が許せば、−もちろん幾らでも免税点を上げれば、それだけ減税になるので幸いと思いますが、それとの関係、それから、実際の負担で見ますと、もしこれが名寄せされておれば非常に可能であると思うのですけれども、現状では、巨額の資産所有者がもしこれをうんと分筆する、名義をいろいろ分散させる、そうされますと、免税点のところにいってしまう、そういう才能のない正直者がここにかかって損をする、こういう事態がへたすると起こってこないか、この点を憂うるものであります。たとえば、これはいただいた資料でございますけれども、文京区の堂々としたマンション、家賃を十六万六千円毎月払っている。これは五階建てで区分所有になっているのでしょうか、この人の負担の四十一年度の土地関係の固定資産税が月額百八円、年間で言いますと千二百円でございますか、こういうような場合、おそらく毎月家賃十六万というから一流会社の社長さんクラスだろうと思うのですけれども、固定資産税の土地関係だけ見ますと、これは非常に安くなってまいりまして、もしこれだけを一つの件数としてしまうと免税点に入ってきてしまう、こういうような事態が現実の問題としていろいろ出てくるんではないか。これを何とかひとつ他方で押えられないか。そして相当の経済的な余裕がある人だということができ、名寄せができるということになれば、現在の、おっしゃった趣旨というものが生かされてくるのでしょうが、その辺で非常に検討すべき問題があるんじゃないだろうか。そういうことです。

清水恵藏横浜市財政局長

○清水参考人 この土地に対する基礎控除あるいは累進課税、これは先ほど申し上げましたように、土地と家屋とを結びつけることが現在の台帳ではもうむずかしい。したがって実地調査をしなければならないが、この実地調査をするのが一月一日現在を押えなければなりませんし、それから課税が四月からということになりますと、この短期間のうちに何万という——横浜市の場合ですと何万という人間を投入しなければならない。この投入はほとんど不可能であるということは、短期間にそれだけの人を使うにはもう事務所からつくらなければならない。それだけの人を集めて、あとはもう要らない、こういう形になりまして、課税技術上きわめて不経済なことになります。ですから少額の基礎控除をするといってもあるいは累進課税をするといっても、土地所有者にのみ適用されるわけでございまして、大部分の土地を借りている人あるいは貸し家に入っている人には、地主からそれを転嫁するかしないかという問題によってきまってくるわけです。ですからその面が解決が非常に複雑でございまして、むずかしいのではないか。したがって膨大な経費とそれから膨大な収入源というものを予想しながら、なおかつこれをやるということは、現在の地方財政上なかなかむずかしい。さもなければ一般のそのほかの者の税率をもっと高くしませんと、ほんとうの累進課税にでもしませんといけません。そうなりますと、たくさん土地を持っている地主にいま非常に高率な税がかかる。これは結局土地を借りている人あるいは借家人に転嫁されるのではないか。こういう心配があります。

小濱新次公明党

○小濱小委員 ひとつ、いまのことで関連して……。局長、その適正な時価の評価ということで、かなりの重税になっているという面があるというんですね。ですから先ほどの説明でもあったのですが、非常にむずかしいんだ。問題はあるけれども処置なしといういまの立場なんだ、こういうことですが、反面かなりの重税となっている、こういう面があるのですから、これを何とかしなければならないというので、一言聞いたわけです。それでよくわかりました。これで終わります。

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 参考人各位には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十五分散会

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