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55回国会衆議院1967/06/15

地方行政委員会固定資産税等に関する小委員会 第3号

発言数
5
登壇者
3
会派数
1
開催日
1967/06/15

会議録

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 これより地方行政委員会固定資産税等に関する小委員会を開会いたします。  固定資産税等に関する件について調査を進めます。  この際、お手元に配付の資料について、松島税務局長から発言を求められておりますので、これを許します。松島税務局長。

松島五郎自治省税務局長

○松島政府委員 前回の小委員会で各国の財産課税の制度についての資料を出して説明をするようにというお話でございましたので、お手元にお配りしてありますような資料を用意したわけでございます。  それからなお同じく前回の小委員会で、マンションに対する固定資産税負担あるいは公団住宅についての固定資産税負担がそれぞれどうなっているのか、具体的事例をもって示すようにというお話がございましたので、その関係の資料も準備いたしたものでございます。  最初に「各国の財産課税の概要」について、固定資産税課長から説明さしていただきます。

森岡敞自治省税務局固定資産税課長

○森岡説明員 お手元の「各国の財産課税の概要」という刷りものを、順序に即しまして御説明申し上げます。  外国の税制につきまして、私どもの手元にある資料で一応資料を作成いたしたのでございます。なお、詳細につきましては、資料不足その他もございまして、必ずしも十分とは申せない面があると思います。それらの点につきましては、なお引き続き検討勉強いたしまして、それぞれ必要に応じ、ごらんいただくということにいたしまして、本日は一応現在まで私どもがまとめました資料の範囲内で御説明申し上げます。  まず、この資料は、イギリスと西ドイツ、アメリカ、フランス、この四カ国につきましての財産課税の概要をまとめたものでございます。  イギリスにつきましては、第一ページに書いてございますように、イギリスの不動産課税と目される税はいわゆるレイトと称するものでございます。レイトはまた唯一の地方税でございます。イギリスの市町村で課税しておりますのは、レイト以外の税目はないわけでございます。  レイトの課税主体は、不動産所在の特別市、市、町、村、ロンドン特別区及びロンドン市ということでございます。さしづめ日本で申しますと市町村ということになるわけであります。課税客体は、土地及びそれと一体をなす建物、地下埋蔵物などの不動産でございます。次に非課税といたしまして若干の規定がございますが、やや特異なものといたしましては、御承知のように、農業用不動産が非課税ということになっております。それからカッコ書きで書いておりますが、「公用、公共用財産」は、王室財産と同様に非課税となっておりますが、そのかわり「国が地方団体に交付金を交付する。」ちょうどわが国の交付金制度のようなものがあるようでございます。  それから次に二ページに移りまして、「納税義務者」でございますが、納税義務者はいわゆる占有者でございます。わが国の固定資産税のように所有者ではございませんで、不動産の占有者が納税義務者になるということになっております。  次に「課税標準」でございますが、課税標準は、純年賃貸価格をもって課税標準とするということになっております。純年賃貸価格は、粗賃貸価格から法定の控除をして定めるということになっておるわけでございます。粗賃貸価格は、若干不動産の種類によって違うようでございますが、賃借人が通常の公租、公課を納めるという前提の賃貸料を粗賃貸価格とするということになっております。といいますことは、結局レイトの負担を除いた部分の賃貸料相当額できめるということでございます。次に、住宅などにつきましては、賃貸人が修繕料や保険料を持つという前提できめた賃貸料を粗賃貸価格とするということになっておりますので、結局住宅などの場合は修繕料を含んだ賃貸料ということになるわけでございます。それから住宅以外のその他の家屋につきましては、賃借人が修繕料、保険料等の負担を持つとしてきめた賃貸料でございますから、結局修繕料抜きの賃貸価格、賃貸料相当額ということになるわけで、いずれも客観的に設定いたしました賃貸価格でございまして、現実の賃貸料とは必ずしも一致していないということになっております。このような粗賃貸価格から一定の控除をいたします。その控除は先ほどの粗賃貸価格のきめ方で明らかでございますように、住宅以外の家屋につきましては、修繕料、保険料は賃借人が負担するとして粗賃貸価格の中に入っておりませんので控除はいたしません。住宅につきましては、修繕費、保険料その他の必要経費相当額が粗賃貸価格の中に入っております。したがって、それを引きますために法定控除をするわけでございます。やり方といたしましては、粗賃貸価格に一定割合の額を一律に引いておるようであります。  次に、粗賃貸価格の評価でございますが、昔は粗賃貸価格の評価は各課税団体、すなわち市町村ごとに行なっていたようでありますが、評価の統一性を確保するという見地から、一九四八年以降は、国の機関であります内国歳入庁で評価を統一的に行なっておるということであります。なお、評価は五年に一度行なわれるたてまえになっておりますが、現実には一九三四年、一九五六年及び一九六三年の三回しか最近では行なわれておりません。  次に、免税点、基礎控除でございますが、これは一般的な免税点、基礎控除はございません。課税標準の特例につきましてもないようでございます。  次に、税率でございますが、これは御承知のように、毎年各地方団体の議会が決定いたしますが、そのきめ方は市町村の区域内に所在いたします不動産の総課税標準額をまず算定いたしまして、次に当該年度の所要歳出総額から国庫補助金、起債のような特定財源を控除いたしまして、残りの必要な額を総課税標準額で割り返しましてレイトの税率をきめる。税率は、賃貸価格一ポンド当たりの税額の形できまるわけでございます。すなわち、毎年度の財政需要の所要額から逆算して税額がきまってまいるということであります。したがいまして、一律に税法その他で税率がきまっておるわけではございませんが、平均して、現時点において見ますと、大体一ポンド当たり十シリングないし十二シリングということになっております。一ポンドは二十シリングでありますので、大体賃貸価格に対します率は十分の五ないし十分の六ということになっておろうかと思います。  税額でございますが、一九六四年のレイトの収入額は十億九千八百万ポンド、円に換算いたしまして約一兆円ということでございまして、租税総額の一〇・二%を占め、地方財源の三八・三%になっております。最初に申しましたように、いわばレイトは唯一の地方税でございますので、わが国で申しますと、住民税も固定資産税もその他の間接税も何もかもほうり込んで住民負担が求められる、こういう形でございますので、どうしても負担が過重になったりいたしますし、また一部の意見といたしまして逆進的に過ぎるという議論もあるようでございます。そのようなことから一九六六年にレイト法の改正が行なわれまして、次のような負担の緩和のための措置が講ぜられております。  その一つは、住宅に対するレイトに限りまして、従前の年二回納税という納税方式のかわりに年十回以上の納税分割方式を認めるという点が第一点でございます。  第二点は、低所得者に対するレイトの還付制度が創設されております。還付を請求し得る者は、住宅あるいは主として居住の用に供する家屋の占有者かつ居住者であります。また、その占有者に家賃を支払ってその家屋の一部を賃借しておる者、いわゆるまた借りをしておる人も請求権がございます。還付金の額は、法定所得以下の者の場合と法定所得以上の者の場合に分けまして、法定所得以下の者の場合には、半年のレイト額から三ポンド十五シリングを引いたものの三分の二を還付する。法定所得以上の者の場合には、その額から法定所得を越える額を引いたものの四分の一を還付するということでございます。なお、法定所得の金額は、夫婦者の場合には二百六十ポンドと、三十九ポンドに子供の数をかけたものを加えたものということになります。これは半年当たりであります。その他の者の場合には二百八ポンドと、三十九ポンドに子供の数をかけたものを加えたものということになっております。この法定所得を円に換算して年に直し、かついわゆる日本の標準世帯といわれております夫婦子三人に直してみますと、大体七十六万円になります。七十六万円以下の所得の人は(ア)に掲げております還付金を受ける、七十六万円をこえますと、(イ)に掲げるものが適用されるということでございます。  そこで、(ア)なり(イ)なりに掲げております算式は非常に難解でございますが、これを円に直し、またもう少しくだいてみますと、結局年レイトが三ポンド十五シリングの倍、すなわち円に換算いたしまして七千五百円未満の人は還付金がもらえないということでございます。年レイト七千五百円以上を納める人につきまして、七千五百円はこれを必ず納めなければならない。しかし、七千五百円をこえる部分の三分の二を還付するということでございます。ですから、還付金の額はこのようにきまっておりますが、低所得者でも七千五百円だけは必ず納めなさい、こういうことになっておるようでございます。なお、次のページに移りまして、還付金の財源をどうするかということでありますが、その額の七五%は国庫から補てんする、二五%は地方団体の負担、こういうことになっております。還付金の見込みは第一年度で対象者二百万人、総額二千九百万ポンドという見込みのようでございますが、これはレイトの税額の大体三%程度になっておるようであります。  次に、西ドイツでございますが、西ドイツにつきましては、財産を対象といたします税といたしまして、不動産税、財産税、負担調整法による財産賦課金、大体この三種類のものがございます。  まず第一の不動産税でございますが、これは市町村で課税いたします財産課税でございますが、物税と考えられておるものでございます。課税主体は市町村であります。課税客体は不動産税の立て方といたしまして、農林業用財産とそれから土地財産というふうに二種類に概念区分がされております。農林業用財産と申しますのは、土地、建物のほか、農具、飼料その他の農林業財産のすべてを含むようになっております。したがいまして、解説によりますと、これは農業税としての性格も持っておるというふうにいわれております。次に、土地財産といいますのは、この農林業用財産以外の土地、建物のすべてをいっております。したがって、営業用のものも含まれておるわけでございます。非課税といたしましては、わが国の固定資産税の非課税規定とほぼ同じようなものが列挙されておりますが、アのカッコ書きで書いておりますように、公営企業の用に供するものは課税、やはりわが国の交納付金制度に類するような考え方がとられておるようでございます。  その次に納税義務者でございますが、これはレイトと異なりまして、わが国の固定資産税と同様に、所有者が納税義務者になっております。仕組みといたしましては、これも固定資産税と同様に不動産登記簿に登記されておる者あるいは不動産と同様に扱われる権利——これは所有権と同様に扱われる権利と思いますが、その所有者が納税義務者とされております。なお、所有者の認定は毎年一月一日を評価日として、その日現在で課税するということになっております。  課税標準につきましては、あとで説明いたします財産税あるいは負担調整のための財産賦課金というふうな財産を対象とする税を一括いたしまして、西ドイツではいわゆる統一評価を行なっております。評価法という一律の評価のための立法が行なわれております。それに基づいて不動産の評価額が全般的に一律にきまっております。そこで、不動産税につきましては、その評価額に課税標準算定率を乗じまして、課税標準額を算定するということにいたしております。なお、評価は原則として六年ごとに行なわれるということになっております。  そこで、課税標準算定率はどのようにきめられているかということでございますが、これは連邦法で定められておりまして、一般には、一%、すなわち評価額の一%が課税標準算定率ということになっております。ただ、住宅につきましては、建物の古さあるいは土地の所在市町村の人口規模などによりまして〇・五%ないし一%までの幅が定められております。この辺のところがどうも、私どもの現在までの資料では、そうなっております根拠なりあるいは内容が不十分でございますが、一応そういうふうになっておりますので、ここに記述いたしております。なお、農林業用財産の場合には、評価額の最初の一万マルクまでは〇・八%、一万マルクをこえる部分については一%、段階税率というふうな形になっております。農林業用財産以外についてはこのようなことになって、一律の税率であります。  免税点、基礎控除は、不動産税については設けられておらないようでございます。  税率は、各市町村が毎年度決定するというふうになっております。この税率は、農林業用財産とそれ以外のいわゆる一般の土地財産とで若干の差異があるようでございます。一九六三年の農林業用財産に対する不動産税の賦課率は連邦平均で二〇〇%、土地財産に対する不動産税の賦課率は連邦平均で二二五%、一割程度の差があるようでございます。もっともこれも市町村によりましてかなりの差異があります。それを平均したものでございます。  次に税額でございますが、一九六三年の税額が十九億五千百万マルク、円で換算いたしますと千八百億円ぐらいでございます。租税総額の二・一四%、市町村税収入の一六・五%ということになっております。  次に財産税でございますが、これは先ほどもちょっと申しましたように、不動産税と、それからあとで出てまいります負担調整法による財産賦課金とともに財産課税の一種ということでございますが、しかしこの税の税額は、所得税の直接補完税としての人税的な性格を有するものであるというようにいわれております。  課税主体は、納税義務者の住所あるいは居所の所在する州でございます。市町村ではございません。  納税義務者は居住者と非居住者に分かれますが、居住者は無制限納税義務者、非居住者は制限納税義務者ということになっております。制限納税義務者と無制限納税義務者は課税対象となる財産の範囲が異なるわけでございます。非課税につきましては、いままで申し上げましたのとほぼ同じような種類の非課税規定が定められております。  次に課税客体でございますが、先ほど申しましたように、無制限納税義務者の場合には、評価法に定めます総財産が課税客体になっております。この場合、個人と法人に分けまして、個人の場合には不動産税で申しました農林業用財産、土地財産、それから営業用財産及びその他の財産の四種類に概念区分をいたしております。したがいまして、先ほど申しました不動産税の場合の土地財産という場合と、この場合いっております土地財産というものは範囲が違うわけでございます。先ほどの土地財産というのは営業用財産が含まれております。不動産税の場合には、したがってこの財産税でいっております土地財産と、営業用財産及びその他の財産が全部入る、こういうことのようでございます。それから課税客体でありますが、課税客体の問題でありますと同時に課税標準の問題になるのかもしれませんが、納税者の公租公課——たとえば不動産税でありますとか、所得税でありますとか、そういう税が全部入るようでございますが、個人的負債、事業負債等の債務は控除される、これは最初に申しましたように、人税的な要素を持っておるということのあらわれであろうかと思います。次に法人につきましては、先ほど個人について掲げました営業用財産の範囲が即課税客体になる総財産になるわけでございます。制限納税義務者につきましては、評価法上一定の国内所在財産だけを課税客体とするということに相なっております。  次に課税標準でございますが、評価法に基づきます総財産あるいは国内財産の評価額が課税標準になるわけでございます。ただ、やや興味を引きますのは、無制限納税義務者であります商法の法人につきましては、課税標準に最低限度が設けられており、株式会社、株式合資会社につきましては五万マルク、有限会社につきましては二万マルク、これだけはあるものとして必ず納めなければならぬということになっておるようでございます。  免税点でございますが、個人につきましては免税点がございません。それから法人につきましては、株式会社、株式合資会社、有限会社以外の無制限納税義務者である法人団体につきましては一万マルク、制限納税義務者である法人団体につきましては三千マルクの免税点が定められております。  次に控除でございますが、人税でございますので、個人の無制限納税義務者の場合、本人二万マルク、円で換算いたしまして百八十万円、同居の妻また二万マルク、十八歳以下の子供、教育費の過半を支弁している子供、自立不能な子供各一人でそれぞれ二万マルクの控除が行なわれる。また、諸控除前の額が十万マルクをこえない六十歳以上の老人等につきましてはさらに五千マルクの控除が行なわれるというふうに、かなり高額の所得控除が行なわれておるわけでございます。  次に税率でございますが、一%でございます。  税額は一九六三年で十六億七千三百万マルク、租税総額の一・八三%。  次に、負担調整法による財産賦課金でございますが、これはこのページから次のページによく書いてございますように、結局戦中、戦後の西ドイツの国民に生じました損害を受けた人と受けない人との間に公平に分配しようという特別立法に基づく臨時税でございます。東ドイツからの難民の救済という問題が一つと、それから一九四八年の通貨改革によりまして預金あるいは金銭債権等の価値が暴落した反面、不動産や営業用財産を持っておる人はそれほど損失を受けなかったというふうな問題がございますので、その間の公平を確保するというふうな趣旨で設けられておるわけでございます。  課税主体は連邦でございます。  納税義務者は財産税の納税義務者と同じでございます。ただ、一九四八年六月二十一日以後に設立された企業につきましては、先ほど来申しましたような戦争による損失の公平な分配という問題がないということで、適用除外ということになっておるようでございます。  課税客体、課税標準は財産税の場合とほぼ同じであります。  税率は、一九四八年六月二十一日現在の財産の純価格の五〇%でございます。  税額は一九六三年度で十四億六千八百万マルク、租税総額の一・六一%、これは負担調整基金という形の基金に積みまして原資となり、これが先ほど来申しましたような使途に使われておるわけでございます。  西ドイツの財産課税は以上のようなことでございます。  次に、アメリカでございますが、アメリカの財産課税はいわゆる財産税といわれておるものでございます。財産の所有者に州及び地方団体が課するというものでございます。財産税の課税要件や徴収手続につきましては、一応州の憲法あるいは租税法規で規定されております。その範囲内で地方団体が条例で必要な規定を設けるということでございますので、わが国の固定資産税のような一律の規定を設けた仕組みではございませんで、したがってその内容が区々に分かれております。州と地方団体であります郡や市町村や学校区などが課税している。両面に分かれておりますが、州の財産税の州税に占めるウエートは最近は非常に小さくなっておりまして、三%程度にしか過ぎない。これに対しまして、地方団体の財産税の地方税中に占めるウエートは九〇%前後で、ほとんどが財産税で占められておるということでございます。地方団体の歳入総額の約二分の一程度に当たっておるわけでございます。  次のページに表を掲げてございますが、地方団体といたしましては、郡、市町村、学校区、特別地方団体などがございますが、それぞれにつきまして、歳入総額あるいは税収総額の比率を見てみますと、右から三番目の収入総額分の財産税のウエートは、郡で四五・六%、市町村が四四%、学校区五一・二%、特別地方団体四四・六%、平均いたしまして四八・六%。次に、地方税収に占める財産税の比率を見ますと、郡九三・四%、市町村七三・二%、学校区九八・六%、特別地方団体九五・八%、合わせまして八七・九%。なお、財産税の各地方団体種類間の分配比ですが、郡二一・二%、市町村三一・二%、学校区三九・六%、特別地方団体八・一%、こういう形になっております。なお、この数字は一九六二年の数字であります。課税団体は、先ほど申しましたように、州、郡、市町村、学校区、それから特殊な区域といたしまして、郡区あるいは特別地方団体で、課税団体は八万をこえておる形でございます。  課税客体の範囲は、先ほど申しましたように、各州の憲法や法令で規定しておりまして、州により地方団体により著しく異なっております。不動産は必ず課税客体に含まれております。しかし、動産を含んでおるかどうかはかなり差異がございまして、デラウエア、ハワイ、ニューヨーク、ペンシルベニアの四州は不動産のみのようでございます。他の四十六州とワシントン・コロンビア地区では、不動産を中心に、たとえば家具、自動車、機械のような動産をも課税客体にしております。なお、最近では、無体財産を課税客体にしている州はほとんどないようでございます。非課税につきましては、これも州や地方団体によってまことに区々にわたっております。ここでは一応カリフォルニアの例を掲げてございます。次のページに移りまして、中ごろにございますが、州によりましては、企業誘致のために、新設工場等について一時的な非課税を認めておるところがございます。日本の事例と似たような事例があるようでございます。  次に、課税標準でございますが、課税標準は、州や地方団体の法令で定めました評価日現在の財産の評価額でございます。この財産の評価額につきましては、次に書いてございますように、トルー・キャッシュ・バリュー、フェア・キャッシュ・バリュー、フェア・マーケット・バリューというふうに、いろいろな表現が行なわれておりますが、適正な時価というほどの意味で、大同小異であろうかと思います、評価は、通常州や地方団体の公務員によって行なわれております。ただ、興味を引きますことは、大部分の州では、鉄道や電気その他の公益事業財産の評価は州が行ない、その価格を地方団体に配分する。わが国で、電気等につきまして、まとめて評価し配分しているのと似ております。  なお、そのほかの財産につきましては、各市町村が財産の評価を行ないます。ただ、その内容は、郡が評価をする場合、あるいは市町村が評価をする場合がある。州によって若干の相違があるようです。一九六二年の地方財産税の総評価額は三千五百五十七億ドルでございますが、このうち、不動産分が約七六%、動産分が一六%、州政府の評価にかかるもの、これは動産、不動産の区分ができておりませんが、約八%というふうな分類になっておるようでございます。  免税点、基礎控除、課税標準の特例などにつきましては、非常に不備でございますので、十分な調査が行き届いておりませんが、動産について二百ドルないしは三百ドル程度の免税点を設けている州があるようであります。  次に、税率でございますが、税率につきましては、ちょうどイギリスの例で申しましたのとほぼ同じような形でございます。地方団体は、毎年その所要経費の算定をいたしまして、連邦や州からの補助金、財産税以外の収入などを積み上げて、その残額は財産税でまかなうものといたしまして計算して、税率を算定するということでございます。ただ、財産税が、先ほど申しましたように、ほとんど九割まで財産税で地方団体の収支がまかなわれておりますので、どうしても過重になり過ぎるというふうな論議がかねてから強いようでございます。その結果、ここに書いてございますように、ほとんどの州では地方団体の種別、人口段階、財産の種類等に応じて、税率の限度を設けている例がふえてきておるようでございます。ここには書いてございませんが、カリフォルニアの例では、たとえば航空機につきまして税率を州で法定して、自由な税率の採用を認めないというふうな例もあるようでございます。そのようにして定めました税率は、一体どんな制度になっておるかということにつきましては、評価額の実際の時価に対する比率の違いがまず問題でございますので、単なる名目上の税率だけではあまり意味がありません。つまり名目上の税率は一%から数%というふうになっておりますが、これを実際価格に対する実効税率で比較いたしますと、最低はアラバマ州の〇・五%から、最高はメイン州及びマサチュセッツ州の二・四%くらいであるというふうに解説されております。平均して一・四%になっておるといわれております。この辺のところは、評価の実際につきましては、私ども十分わかりませんので、解説書をそのまま引用したわけでございます。  次にフランスでございますが、フランスにおきましては、御承知のように、地方自治がかなり制限されている国でございますので、国税本税に対する付加税という形が地方税の中心でございます。  不動産課税につきましては、不動産を建物及びその敷地、それから建物なしの土地、この二つに区分して、前者に対して建物不動産税という名称の不動産税、後者に対して土地不動産税という名称の不動産税が課税される。これらの税は、先ほど申し上げましたように、もともと本税である国税の付加税として設けられたものでありますが、本税自身は一九一七年にすでに廃止されております。しかし、なお現在まで付加税だけが残っておる。したがいまして、仮想上の本税額を算定して、これを基礎に付加税である不動産税が計算されるということでございます。  まず、建物不動産税の課税団体は、本税はすでに廃止されておりますが、付加税は納税義務者所在の県、市町村でございます。課税客体は、フランス国内に所在する住宅、商店、工場等の建物とそれらの敷地がワンセットとなって課税客体となるわけでございます。次に非課税につきましては、恒久的非課税といたしまして、ちょうどわが国の公用、公共用財産に対する非課税と同じような規定になっております。その一時的非課税として、新築、再築の建物あるいはその付属物に対して一般的には二年間、新築住宅については、住居の状態に応じて十五年ないし二十五年間の非課税期間が設けられておるようでございます。  なお、納税義務者は、建物つきの土地の所有者でございます。  本税の課税標準は、端的に申し上げますと、賃貸価格でございます。算定方法等については、冗長になりますので省略いたします。  付加税の課税標準は、本税の額が即付加税の課税標準であります。付加税率は、そのページの終わりから次のページに掲げでおりますように、地方団体が財政需要に応じて決定するということになっております。  次に、土地不動産税でございますが、土地不動産税は、先ほど申し上げましたが、建物のついていない土地——課税客体のところに書いてございますように、農地、森林等の土地が課税客体でございます。  課税標準なり税率については、前者と同じでございますので省略いたします。  次に、二八ページに移りまして、特殊な例といたしまして、住宅占有税という税がフランスの市町村税でかなりのウエートを占めております。これは、住居として設備された家屋を占有する者に対して課される税でございます。建物不動産税とは別個に課税されます。沿革的に見ますと、最初は所得税のような性格を持っていたようでございますが、現在は不動産所得に対する所得税と並列して別個に課税されておるようでございます。  なお、これも、税の形といたしましては、先ほどの不動産税と同じように、仮想上の本税に対する付加税でございまして、課税主体は市町村、課税客体は住宅の占有の事実に対して課税するということになっております。納税義務者は、住宅の占有による便益を受ける権利を有する者。それから次に非課税でございますが、生活困窮者などは非課税にするという特例が設けられております。  なお最後に課税標準でございますが、一般の不動産税と同じように賃貸価格によるということであります。  最後のページの税率でございますが、やはり本税に対する付加税率といたしまして、毎年度の財政需要との関連で決定するというふうなことになっております。  簡単でございますが、以上で各国の財産課税の概要を御説明いたしました。

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 これより懇談に入ります。      ————◇—————   〔午後一時五十二分懇談に入る〕   〔午後一時五十八分懇談を終わる〕      ————◇—————

久保田円次自由民主党

○久保田小委員長 これにて懇談は終わります。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十九分散会

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