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55回国会衆議院1967/05/19

地方行政委員会 第12号

発言数
70
登壇者
13
会派数
3
開催日
1967/05/19

会議録

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 これより会議を開きます。  地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 地方自治に対する考え方並びに地方財政に対する考え方等、大臣の所信表明があったわけでありまするが、残念ながら本日大臣がお見えでありません。したがいまして、政務次官あるいは政府委員の方々に幾つかの問題をお尋ねしたいと思います。  お尋ねをする前に、昨日委員会の論議を拝聴いたしておったわけでありますが、特に政務次官の御答弁に対しては非常に敬意を表しました。たとえば、地方税の均等割りは将来廃止をしたい、こういうきわめて大胆勇敢で、しかもまたきわめて進歩的な御意見をお述べになったわけであります。ところが、そのあとが悪かったわけでありまして、税務局長がことしは上げないが、将来は上げたいというような、政務次官と全く見解を相異にする意見を述べられたわけであります。これに対して、大臣は将来の問題には触れませんで、当面上げるつもりはないというような、ちょうど両者の中間をおとりになった答弁をされたわけであります。私は、特に政務次官が自治省の中の進歩的な意見を代表し、勇敢、率直な御意見を述べておられる態度に対して心から敬意を表する次第であります。どうか今後とも地方自治、地方財政の問題につきまして、均等割りの問題と同様な進歩的な御意見をお述べいただくことをまずもって期待いたしたいと思います。  そこで、地方自治についてお尋ねしたいのですが、地方自治につきましては世界各国いろいろな型がございます。長野さんはその権威だろうと思いますが、後進国におきましては、きわめて中央集権的な体制がとられておりまして、ほとんど地方自治は名のみであります。これに対して、ヨーロッパの大陸諸国につきましては、団体自治ということが強くいわれておりまして、国が持っております権限を地方自治体にとりあえず委任をすると申しますか、国の行ないます仕事をある程度地方自治体に認めていく。したがって、中央の指導、監督と申しますか、そういうものがやや強いような形をとっておるやこ聞いております。これに対しまして、アメリカなりイギリスなりスイスというような国々は、文字どおり民主的な地方自治制度を持っておるわけでありまして、住民自治の立場を非常に尊重をいたしておるやに聞いておるわけであります。  そこで、政務次官にお尋ねをしたいのでありますが、日本としては、また、政務次官としては、これら地方自治に対するいろいろな考え方の国がございますけれども、一体どのような国をモデルとして日本の地方自治というものを確立していこうというおつもりがございますか、ひとつ御見解をお示しいただきたいと思うわけであります。

伊東隆治自由民主党自治政務次官

○伊藤政府委員 私見でございますが、なるべく地方団体の統一的な統制を確立していきたいという方針でいきたいと思っておるわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 抽象的でちょっとわかりにくかったのでありますが、意図するところは、大陸型よりはむしろアメリカ、イギリス、スイス型の、文字どおり地方自治を充実する国の方向に持っていきたい、こういう御趣旨だろうと拝聴いたしたわけでありますが、それでよろしゅうございますか。お答えをいただきます。

伊東隆治自由民主党自治政務次官

○伊藤政府委員 そのとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 たいへんけっこうな御答弁でございます。ところが、いまの次官の御見解によりますと、現在の日本の地方自治制度には、どうもやや次官の御見解にそぐわない面が制度の上でもたいへんまだ残っているのではないかということを懸念をするわけであります。特に、イギリスの場合は、国の官吏は一切地方自治体にはいない、こういう制度をおとりになっているそうであります。これは地方自治のたてまえからいえば私は当然だろうと思うのであります。  さて、そこでお尋ねをいたしますが、現在の地方自治法の附則第八条には、どうも政務次官が首肯されますようなイギリス型、アメリカ型の地方自治というものとは非常に抵触をする制度がいまなお残っておるということでありますが、これは次官でなくて他の政府委員の方でけっこうでありますが、どうしてこのようなものがまだ存置しておるのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 昭和二十二年に地方自治法が施行されますときに、特に大きく変化がまいりましたのは、御承知のように、都道府県を完全な自治体に切りかえたいということでございました。当時の情勢とか、いろいろな周囲の条件から考えました場合に、特定の国家行政と申しますか、国として特に統一を必要とすると当時非常に思われておりましたような行政につきまして、完全な自治体となった府県、特に公選される首長のもとにおいて、そういう行政がほんとうに国家的な行政なり統一ある行政として維持できるかどうかという点に、何といっても初めての経験でございますので、たいへんな危惧を持った関係の当局というものが非常に多かったわけでございます。そういうことからいたしまして、その中の特定の事務につきましては、なお当分の間、府県の中におりまして、その組織の中で仕事をするということはいたしますけれども、府県が完全に地方自治体に切りかわります際に、それらの事務に従事しております職員の身分を従来どおりの国家公務員として当分の間存続をさせまして、人事権なり何なりを通じまして統一を確保したいというような要求から特殊な制度ができ上がったということだと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 経過は拝聴いたしました。しかし、昭和二十二年の五月三日に地方自治法が施行になりました際に、当分の間ということで地方事務官制度が残されたわけです。ことしは昭和四十二年でありますから、まさに二十年間もその当分の間が続いたわけであります。私は、法律的な用語というのは詳しくありませんので、しろうと判断しかできませんけれども、当分の間というのは、少なくともせいぜい二、三年、長くても五、六年というのが常識ではないかと思います。二十年間も当分の間ということで存続をするということは、だれが考えても常識的ではないと思うのです。次官、どうですか。当分の間が二十年も続いた点についてどのようにお考えですか。

伊東隆治自由民主党自治政務次官

○伊藤政府委員 お説のとおり、現在厚生省とかあるいは労働省の国家的な事務官としての身分を保持しつつ地方の事務に従事している事務官がおりますことば、確かに地方統一性から見ましてちょっと違法でございまして、二十年間もこれが持続されておりますことは、お説のとおり少し長きに失すると存じますので、早くこれは是正したいというふうに思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 行政管理庁の方がお見えでありますのでお尋ねいたします。  この地方事務官の制度につきましては、臨時行政調査会におきましても種々論議がございまして、行政事務の配分に関する改革意見、昭和三十九年の九月四日付の答申にも、この問題についてはすみやかに廃止すべきものという形で答申がされておると思うわけでございます。当然行政管理庁としてもこの答申を受けまして、地方事務官制度の廃止については熱意を持って進めてきたはずだと思うのですが、今日までどのような対処のしかたをやってまいりましたか、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 答申を受けましてから、私どものほうでもその趣旨の実現を促進いたしますために調査をいたしまして、その結果に基づきまして昨年の七月、行政監理委員会のほうもはっきりいたしまして、自治省はじめ関係各省にそれを伝えまして、早急な実現という検討をお願いしておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 検討をお願いしたということですが、大体何年までにこの問題はケリをつけるという、こういう行政管理庁のお考え方ですか。時期を明確に、ひとつ見通しを述べていただきたいと思います。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 この問題は、まあ二十年間もそのままになっておったという経緯もございまして、非常に大きな問題を含めておるわけでございます。国と地方との事務の再配分、さらにまたそれに伴います財政の裏づけ、そういった面もからみ合っておりますので、いつまでにということをきめるわけにいかないわけでございまして、関係各省の納得のいく合理的な合致点をすみやかに見出したい、かように思って努力しておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうも行政管理庁のお考え方はなまぬるいんじゃないかと思うのであります。そういうことだから、過般の本会議でも問題になりましたように、公社、公団の新設は認めないということをきめておりながら七つも新設される。もっとも、三つ整理されましたから純増は四つである、こういうことのようでありますが、結局どんどんふえているという状況でしょう。そういう公団の問題についても国民の批判があるわけです。しかもこの問題は、経過も、御案内のように、もう二十年もたった問題でありますけれども、考えようによっては、もう十年も十年以上も前に本来ならばケリをつけていなければならない問題だとも、法律の趣旨からいえば言えるわけです。それが、二十年たったから解決はむずかしいんだというような考え方をとったのでは、これは全くうしろ向きではないですか。そうではなくて、二十年もたったということは、これはもう十数年も前に解決しなければならなかった問題なんだ、だから、この際、早急にこの問題の解決をはかるんだ、こういう前向きの、あたりまえの考え方をしていただかなければいかぬじゃないですか。重ねてお尋ねいたします。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 まあ、二十年もたつ間解決ができなかったほど非常に大きな困難な問題を包蔵しておるということでございます。もちろん、この解決につきましては、前向きの姿勢であらゆる努力を傾けたい、かように思っておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうしますと、この附則八条に関係をいたします労働省なり厚生省なり社会保険庁なり運輸省、こういった各省の抵抗が率直にいって強いからできないんだ、こういうことだろうと思います。そこでまず運輸省の方にお尋ねしようと思うのですが、法律のたてまえというのを地方の陸運局長は御存じなんでしょうか。私は、ついせんだって青森県に行きまして聞いたんですが、大体青森県の陸運局長は県庁に何回くらい顔を出すかと聞きました。そうしたら、赴任のときに知事のところにあいさつをして、帰任の際にあいさつをする程度だ、あとは知事の職印は全部陸運事務所に出しっぱなしであって、事務の処理等については全く県庁とは関係なしに職印の出しっぱなしなんですから、それで事務の処理がされている。県庁の監督すべき、法律のいわば当然監督しなければならぬ立場にある知事は、その着任のときと帰任のときに顔を見る、これだけだったというんですよ。大体、こういうような法律を無視する態度で運輸省よろしいと思っているのですか。

富樫勘七運輸省自動車局総務課長

○富樫説明員 ただいまの件につきましてちょっとお答えいたします。先ほどの、青森の県知事のところに運輸省の出先機関である陸運局長の顔出しの頻度はどのくらいかというお話につきましては、全国に九つ陸運局が置かれておりまして、その下に各都道府県ごとに陸運事務所というのが置かれておるわけでございます。その陸運局長が大体離着任の前後に顔出しをして、あとは顔出しをしておらないというお話でございましたので、その点はよく確かめてみますが、おっしゃるとおり、着任のときと離任のときには確かに県知事のところに顔出しには行くということはわかっております。  それから陸運事務所の関係でございますが、私どものほうの考えといたしましては、予算も人事もそれから職員の身分、業務運営の面につきましては、運輸省の直轄の地方出先機関としての実態を備えておるような状態でございますので、いまお申し出のありましたように、職員が国家公務員であるような状態で都道府県知事の指揮を受けているいまの地方事務官という制度による変則的な身分につきましては、常々から陸運事務所の国の直轄化という問題で運輸省としては考えてまいったところでございます。したがいまして、いまの段階で陸運事務所の長が都道府県知事のところに所用があって行かなければならないということはあろうかと思いますが、出先の陸運局長はあまり県知事のところに行くことにはなっていない、かように考えておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまの御答弁は、私は重大だと思うんですね。国の直轄にしていきたいと、こう言うんですね。まさに臨調の答申とは逆じゃないですか。そういったような、行政管理庁全く無視されているじゃないですか。そういうようなことだから、二十年たっても解決しないということになる。管理庁はどうなんですか。このことについて、全く臨調と反することを政府当局は言っているじゃないですか。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 陸運事務所の関係につきましては、多少他の省の地方事務官との関係と違っておりまして、臨調の答申並びに臨時行政調査会の意見におきましても、「陸運事務所で所掌しておる事務については可能な限り知事に機関委任し、この事務に必要な限度において地方事務官を地方公務員とする。」ということになっておりまして、私のほうといたしましても、全面的に地方公務員にするというふうな意見にはなっていないのでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 もう一度はっきり言ってください。どういうのですか。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 これは行政監理委員会できめたこと、並びにこれにつきます行政管理庁としての改善案でございますが、「陸運局および陸運事務所で所掌している事務については可能な限り知事に機関委任し、この事務に必要な限度において地方事務官を地方公務員とする。」そして「陸運事務所において行なっている事務のうち地方に移譲することを適当としないものについては、これを国の事務とし、これに従事している地方事務官は運輸事務官とする。」こういうふうなことになっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 わかりました。この監理委員会の意見は、できる限り県の機関委任事務にして、そして地方事務官制度を廃止して地方の職員にせよ、こういうことでしょう。どうしても国が統一的にやらなければならぬごく限られた部面については、これは国の機関でやることもやむを得ないだろう、こういうことだと思うのです。その方針と、ただいま運輸省がお述べになった、全部国の機関にしていこうという見解は全く違っているじゃないですか。そういったものをそういった状態に放置をしておくからこそ、問題が解決しないと思うのです。ですから、私は管理庁の方針をお聞きをいたしましたが、現にこの国の機関においてあなた方が進めていかなければならぬことについて、相反する意見を関係省庁が述べているわけですが、こういったことに対しては一体どうお思いになるのかということを述べていただきたい。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 私どもはそういう見解を持っておるわけでございまして、これを運輸省に連絡いたしまして、運輸省の御意見をいま聞いておるわけでございます。もちろん各行政につきましてはそれぞれの主管大臣が責任を持っておりますので、運輸省のほうとしましては、私どもの意見を参考にいたしまして、これに対する御意見を出してくる過程になっております。私どものほうといたしましては、現在まだ正式にその御回答をもらっていないわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いろいろ経過は今後あると思いますが、しかし管理庁としては、臨調の方針はあくまでも貫くという態度で仕事をすることについては、間違いないわけでしょうね。念のために聞いておきます。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○大国政府委員 その意味のことを前文につけまして、運輸省に照会しておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 あわせて、労働省、厚生省にお尋ねしますが、同じものがございますね。どういう態度ですか。

水谷剛蔵労働省職業安定局庶務課長

○水谷説明員 お答えいたします。労働省といたしましては、先生御指摘のとおり、いろいろむずかしい問題がございますので、現在まだ慎重に検討中というところでございます。

松下廉蔵社会保険庁長官官房総務課長

○松下説明員 厚生省といたしましても、いま労働省からもお話がございまして、確かにいまの御指摘のとおり二十年にわたる問題でございまして、当分の間という条文の趣旨から申しますと、臨調の勧告もございますので、解決いたさなければならない問題であろうと思いますが、この問題につきましては、厚生省といたしましても、社会保険という事業の性質、その本旨にのっとりまして、最も適当な行政形態によってこれを行なうべきものであるという前提のもとに検討を加えております。御案内のように、社会保険の中でも特に長期の記録の保存あるいは都道府県の間の被保険者の移転、各年金保険間の移転というようなことも起こります。年金保険につきましては、この記録を一括して中央で保存いたしまして、これを通算いたしまして年金を支給するというような全国統一的な業務を、非常に大きな規模をもって行なう必要がございます。このファンドにつきましても、御承知のように世界各国におきまして全国統一的に行なわれておる性格のものでございまして、また医療保険につきましても、現在御案内のように健康保険の抜本対策ということが検討されておりますが、この面におきましても、やはり保険の性格に基づきまして全国統一的に国の責任において行なうべきものということが考えられるわけでございますので、こういった社会保険の本旨に基づいて、できるだけ早くすっきりした行政形態をとり得るように、現在行管とか自治省等とも御相談をいたしまして検討を進めておる段階でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 しかし陸運事務所とは違いまして、この厚生省、さらには労働省関係の役所につきましては大体県庁内に、同じ屋根の下に住んでいるという場合がほとんどではないかと思います。としますならば、これは運輸省の問題以上に解決する場合には解決しやすいのではないか、また、機構上もそうなっているのじゃないかと思いますが、この点につきましても、行政管理庁の意見は当然臨調の方針にのっとって解決をしたいということでありましょうから、この点については行政管理庁にその実施のすみやかなることを希望いたしまして、時間もございませんから、これでやめたいと思います。  さらにこれと関連をしてお尋ねをしたいのですが、こういった地方事務官制度はとらなくても、労働省、厚生省も同じだろうと思います、もちろん自治省もそうだろうと思いますが、国の官庁の方が部長や課長になって天下りする、いわゆる天下り人事というものが非常に多いと思います。昭和三十八年十月の調査を見たのでありますが、部長クラスで百六十五名、課長クラスの方で二百八十六名、計四百五十一名の都道府県の部長ないし課長という幹部クラスの人たちが中央から天下りになった、こういうことだそうであります。現在この人数はどれくらいでございますか。もしおわかりになればお答えをいただきたいと思いますし、おわかりにならなければあとで資料をいただきたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 府県の部長、課長に国のほうから人事交流という形で出ております者の資料は、現在手持ちがございませんので、あとで整えまして提出いたしたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 局長さんの言われるように、ほんとうに人材であるからぜひというので招いて、そういう方が行く場合も、これは私はなきにしもあらずだと思います。しかし現実には、あとでまた議論をしたいと思いますが、補助金行政というものがあまりにも骨がらみの状態になっておって、地方自治体としてみればそういう中央とのつながり——藤枝自治大臣は中央直結ということは考えない、言ったこともない、こういう御見解でありましたが、現実にはそうでなくて、中央からの補助金をもらうために便利だとか、あるいは無理やり各官庁から頼まれたりして、いわば招いたのではなくて招かざる客のような面も含めて数多くの人たちが行っているというのが実態じゃないかと私は思います。少なくとも地方自治ということを考えていきます場合に、こういった補助金行政というものは当然整理をすべきものだろうと私は思いますが、あわせて、それとセットになっておりますような形のこの天下り人事というものに対して、自治省としては一体どうお考えですか。できましたら次官のほうからの御見解もあわせてお述べをいただきたいと思います。

伊東隆治自由民主党自治政務次官

○伊藤政府委員 これは一長一短と申しますか、中央、地方の人事を交流することは事務の円滑化の点におきまして非常に特徴がございますので、やはりいい面がいまのところ多いように感じられております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 あとでまた最近の資料をいただきました上で議論したいと思いますが、とにかく補助金行政というものとセットになってこういった天下り人事が横行しているという事実については、これは次官も慎重に今後とも御検討いただきまして、地方自治の確立というたてまえから、十分な考え方というものを固めていっていただきたいと思います。  同じことで、通達というのが非常にたくさん中央官庁から都道府県、市町村等に出ておるようであります。現在の都道府県知事の仕事というものは、本来の固有事務というものよりは機関委任事務、団体委任事務が非常に多い。特に知事だけに権限が委任されている機関委任事務が非常に多い。これは明らかに間違いだと思います。そういった間違いがございます上に、結局国の仕事を都道府県知事に委任したのだ、こういうたてまえから中央官庁から出ますところの通達、通牒のたぐいというものが非常な量にのぼっている。昭和四十年の一年間に東京都が中央各省から収受した文書というものの資料を拝見いたしました。それを見ますと、自治省の千九十七、法務省の千三百七十八、農林省の三千四百八十五、こういうものを筆頭にいたしまして、実に九千六十九通という膨大な文書が通牒、通達というかっこうで東京都に中央官庁から発せられたそうであります。一年三百六十五日で、日曜等を除きまして三百日程度と考えれば、一日三十通にものぼる文書が中央官庁から発せられている、こういうことだろうと思います。こういったいわゆる通達行政というものは好ましいものと思いますか、まず御見解を承りたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 お話のように、現在都道府県知事に機関委任事務が多く課せられ過ぎていやしないかというお考え、私どもも確かにそういう点があると思っております。その機関委任事務があるから通達が多く出るというようなことにもなろうかと思いますが、通達の内容についてはいろいろな性質を持っているものがあると思うのでございます。いわゆる事務の遂行のために国としての方針を示すというような意味での、ある意味の指揮監督と申しますか、そういう範疇に入るものもございましょうし、あるいはまた情報の伝達あるいは知識の交換というようなものもあるだろうと思うのでございます。前者のほうの場合は、機関委任事務を知事に担当させている結果として、各省の立場からすれば自己の行政を遺憾なく実施してもらいたいという気持ちから出るもので、これは機関委任事務の量とか質との関係が非常にあるだろうと思いますので、その通達を出し過ぎるというような面はお互いに自制しなければならないことだと思いますけれども、ある程度のことは認めざるを得ないことになると思います。後者のような新しい知識の伝達なり情報の交換というようなものは、これはむしろお互いの行政を改善し合理化していく上で非常に役立つわけでございまして、いわゆる権限は分散するが知識は集中するという、これが近代行政の一つの自治行政から見たあり方だという議論もあるくらいであります。後者のようないわゆる情報の伝達とか知識の交換に類するものは、これは相当あってもお互いの刺激になり、事務の合理化や改善に資するという面ではある程度むしろ歓迎するものもあるんじゃないだろうかと思うのであります。もちろんその前者のほうは、御指摘のとおり機関委任事務の多寡あるいは各省それぞれの思い過ぎと申しますか、保護過剰的な意識からたくさん出過ぎているものも、私ども、御指摘があるようなところはあるかもしれないと思います。お話によりますと、自治省もたいへん出しておるようでございますが、これはよく私ども検討をさせていただきませんと、内容についていろいろあるんじゃないかと思います。またいずれ資料を調べさせていただきまして、また取りまとめた御報告を申し上げたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 善意の意味での通牒、通達というようなものがあることは私どもも否定するわけではありません。しかし、中には法的な拘束力のない通牒、通達のたぐいが、末端へ行きますと、まさに金科玉条のごとく尊重されて、当然法律をそのまますなおに解釈すべきものを通達、通牒等によって非常に曲げられているといいますか、特に住民福祉をそこなうような形で通牒、通達というものがまかり通っているという例が非常にあるように思います。しばしば青森ばかり例に出して恐縮でありますが、青森に参りましてちょっと聞いたのでありますが、昭和三十九年ですが、町長のリコール運動がございました。これは政務次官も言われたように、住民自治を尊重するというたてまえからいえば、このリコールの権限というものは住民の大切な権利でございまして、これは当然尊重されなければならぬものだと思います。ところが、リコール運動を開始いたしましたところが、たまたまその代表者の方が急死をしましたために、急遽そのむすこさんが代表者を引き継ぐという形で引き継ぎ申請をした。ところが、この引継ぎの有効性が問題になりまして、たまたま県を経由して自治省の見解というものを聞いた。そうしたら一事務官が、いや、そういう引き継ぎの有効性はないんだというようなお答えをされたというのですね。これは自治省の公式見解でも何でもなく、一事務官の見解だったようでありますが、しかし、通達行政になれております自治体はまさにそれを金科玉条として、これは引き継ぎはいけないんだ、無効なんだということで、住民の最も貴重なリコール運動というようなものが、一事務官の見解なるものによってあえなく消滅した事例があったそうであります。私はこうものはまさに通達行政の行き過ぎの最たるものではないかと思うのです。この事例に対してはあとでまたお調べいただけばいいと思いますが、とにかくそういうような通達行政というものが、非常に膨大な通達が出る。しかも局長が言われたような善意の通達ばかりではなしに、何か国民の基本的な権利を束縛するような面にこの通達というものが非常に使われている。また言うならば、地方自治というようなものを地方の職員が自分の頭で自治としてものを処理するということではなくて、何でも中央にお伺いを立てなければ判こ一つ押せない、こういうような体制になっておること自体に私は大きな問題があるのではないかと思います。この点に対する一般的な見解でけっこうでありますから、局長のほうから御感想を述べていただきたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 山口先生御指摘のとおりでございまして、私ども常々そういう意味での反省をしておるわけでありますが、何と申しますか、仕事に熱心であればあるだけに各省とも自己の行政責任というものに忠実でありたいというようなことから、専門的な立場のみに拘束されまして、行政全体の中での調和とかあり方とかいうようなものを見失いがちで、そういう意味で非常に行き過ぎた通達が出ましたり指示が出たりすることが、全体としての地方行政、自治行政をそこなうような場合が往々にあるということは確かにあろうかと思います。各省ともに善意で出発しておるものでございましても、結果はそういうことになる、こういうことにつきましては、そういう御指摘をいただきますまでもなく、面々お互いで反省をすべきものであろうかと思うのでありますが、またもう一面は、お話もございましたように、自治体のほうのものの考え方、これも予算とか法律とか補助金とか、いろいろなものに拘束されておる結果であるかもしれませんが、そういう意味で、一事が万事多少でも自分に自信のないようなものにつきましては必ず判断を他に求める。判断を他に求めまして、そしてあそこがこう言ったのだからいいということで自分の責任を免れる、といっては語弊がございますが、そういうような傾向がある。これは自治体の当局者が、地方自治というものの基本の立場というものを十分自覚した上でないというような感じもございますが、また反面、それがここまでになってしまいましたのは、やはり各省の統制、関与というものが事ごとに行き過ぎまして、その結果として積極的な自治運営に対する態度というものをはばんでおるという面も少なくないように思うのでございます。自治省としては機会あるたびに各省の法案なり実施の問題もいろいろと御相談申し上げ、多少ともそういう実態に即するような方向での協力を要請をしておるわけでございますけれども、なお今後とも御指摘のようなことがないようにつとめてまいりたいと存じます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 局長いろいろ御答弁がありましたが、今度の国会に出ております公務員部の新設というようなものも、何か自治体の職員の労務管理というようなことについて、いまの局長のお話とは逆に、指導を強めたいというような意図からああいうような法律案も出ているのではないかという危惧を私ども持つわけであります。お話のとおりな趣旨で自治省としても一貫をしていただきたいと思います。  そこで私は財政局長にお尋ねをしたいと思うのですが、問題はこの天下り人事それから通達行政、こういうものが発生をする根源というものは、局長も言われましたが、現在の補助金制度にある、これはもう明らかだと思います。昨日藤枝自治大臣も、少なくとも五〇%までこの地方自治の自己財源というものを高めていく必要があるのだ、こういう見解をこの委員会で発表せられました。そのために自治省としても全力をあげて努力をするということでございました。約五千億円くらいの地方財源を確保すれば約五割という線に到達するわけでありますが、そうすれば一兆三千億円に上る補助金を、その五千億円だけ引けば、いわば包括的な補助金だけを残して基本的な補助金を全部整理をして地方財源に持ってくるということにすれば、いま言ったような数々の弊害というものはある程度私は除去できるのではないかと思います。もちろん冒頭問題にいたしましたような地方事務官制度の廃止も一つの問題でありますが、問題はやはりこの地方財政計画全般の中に地方財源が四割しかない、こういう状態、一兆三千億円にも上る補助金を地方財政がかかえているという問題、ここにこの腐敗の一番の根源があるような気がいたします。財政局長としての決意をひとつお聞きをいたしたいと思うのであります。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 地方自治をどう育てるかという問題につきましては、行政上の問題もあれば財政上の問題もあろうと思います。財政的な点からいたしますれば、地方団体が住民の直接の負担において自分たちでやりたい仕事をやっていくという判断ができるような仕組みにすることが望ましい、こういうふうに私ども考えております。したがいまして、かつて税制調査会におきましても、地方自治の自己財源をどのようにしたらいいか、充実することについては皆さん方の御意見が一致しておったわけでありまするが、どの程度にやるかということについては、学者の間にもなかなか定説がございませんでした。そこで当時、議論になります課題といたしまして、一応五割というようなものをめどにものを考えていってはどうだという試案を出したわけでございます。その試案につきましては、いろいろ補助金の問題でありますとか、波及するところ多いために結論は得られませんでしたけれども、なお引き続いて検討していく、こういう考えになっております。私どももそういった線を基本線にしながら今後とも検討を続けてまいりたい、かように考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 細谷君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は一点だけ質問してみたいと思うのです。それは都道府県展望のことしの五月号に「再び地方自治の危機に直面して」「第五五国会に提案される法案からみた国と地方自治とをめぐる問題点」こういうことで、長野さん、あなたの部下が論文を書かれておるわけです。その末尾にたいへん重要なことが書いてあるわけですが、参考のために読んでみます。「今を去る四、五年前、昭和三十七年から八年にかけて、国と地方自治との関係をめぐって、右と同じような動向があった。国の地方出先機構の拡充、強化施策としての地方農政局の新設、地方建設局の強化策がこれであり、地方自治の事務を国へ吸い上げようとする施策として、工業立地調整法案、河川法改正案、道路法改正案等があった。正に地方自治の危機であった。そして、そのかなりの部分は、国の強行によって実現したが、同時に地方自治側も、警鐘を鳴らし、これに防戦した。現在地方自治が当面している危機ば四、五年前のそれよりもさらに深刻である。国のかかげる新らしい行政需要に対応すべしとの叫びは以前よりもさらに大であり、地方自治の防戦体制は無力にひとしいのみか、地方自治のタテ割りの各部局は、自治権を捨てて、国の施策の片棒をかつぎ、これに追随している始末である。正に、現代こそ地方自治に再び訪れた危機であり、それも絶対的危機である。」と、こういうふうに、長野さん笑っていますが、あなたの部下がこういう論文を書いているのだよ。あなたの部下が書いておる。こういうふうに認識されていらっしゃるかどうか。名前を書いてありますから、申し上げませんが、自治省行政課の方ですよ。どういうふうに認識されておるか。私はこういう認識を持っておるのですよ。ちょっとお願いします。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 私もそういう認識を実は持っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 政務次官どうでしょうか。どういう認識を持っておるのですか。

伊東隆治自由民主党自治政務次官

○伊藤政府委員 私は別にそういう認識は持っておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、これはたいへん重要な論文だと見ておるわけです。今度の五十五国会に提案される法案というのを、いまそういう絶対的危機という認識に立って、一つは公団、事業団の設置等に関するもの、これがいわゆる自治権を非常に侵害する内容を持っておるということであります。第二は、先ほど議論されました国の地方出先機関に関して地方自治がいま絶対的危機に追い込まれておるのだ、これが第二。第三は、土地利用とか公害防止等の土地政策に関するものとして地方自治の絶対的危機が来ているのだ、こういう三つに分類しておるわけです。  そこで私はひとつお聞きしたいことは、第五十五国会に提案される法案から見て、地方自治を絶対的危機におとしいれているという法案は、これにもあげているのですが、ひとつ具体的にあげていただけませんか、遠慮なしに。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 現在大都市を中心にして人口や産業の過度集中と申しますか、そういうことからいたしまして、特にそういう地帯におきましては、現在の府県の区域というものからさらに越えまして都市発展が連続して拡大をしておる、こういう状況であることは御承知のとおりであります。そういうことからいたしまして、それに対応するいろんな施策を国として考え、各省として考えますような場合に、往々にして地方団体の区域を越える仕事というものは、これは地方団体の仕事ではなくて国だ、こういう非常に機械的にものを考える考え方から出発をいたしまして、そしていろんな施策が講ぜられていく。そうなりますと、片一方で地方の出先機関というものを大いに強化をいたしまして、関係の所管の行政につきまして、その企画立案から最後の実施に至るまで一貫して各省の直轄的な掌握のもとに行政を展開したいというような考え方が出てまいるような傾向は、これは多分にあるように思います。そういうことになりますと、地方公共団体の自治行政というものが、そういう面から多分に影響を受けるというようなことになってくるわけであります。最近具体的にそういうものはどういうものか、この国会で出しておるものはどういうものかというお話でありますが、これらにつきましては、その立案の過程におきまして、いろいろと関係各省と協議を重ねまして、おおむね大体のところを申しますと、まずまず一応調整をなし得たというように考えておるのでございます。そういうことで、それではどういうものにそういう力を入れて一生懸命考えたのかということになりますと、御参考のために申し上げますと、たとえば中小企業団体の組織に関する法律というようなのがございますが、そういうものの中へ今回通産省が中小企業対策の一環といたしまして、いわゆる協業組合という制度を新たに設けようとしております。協業組合と申しますのは、単に中小企業の合併ではない、それからまた中小企業の協同組合でもない、企業の経営者としての立場を守りながら、企業が合併したと同じような力を持つという、そういう仕組み、そういうことによって中小企業の合理化あるいは高度化といいますか、近代化というものを進めていきたいということを考えております。こういう場合に、その中小企業にもいろいろあるわけでございますが、その協業化については各省大臣が直接にこれを取り扱うことにいたしたい、こういうことを当初非常に強く主張されておりました。中小企業行政というものも、非常に種類も多いし、範囲もまちまちでございます。また同じ協業にいたしましても、非常に簡単な協業から非常に大きな協業まであることと思います。同時にそういう意味で、特定の中小企業の業種の内容によりましては、その協業の結果が国内のその当該の生産物の市場の相当な占有率を持つようになるというような意味で、国内経済全般に影響するとかあるいは国際競争との関係においてさえも考えなければならないというような問題もあるだろうと思います。しかしながら、そういう特殊なものとそうでないもの、たとえばみそ屋が合併するというのはそれほど天下をひっくり返すような騒ぎではないわけでありますから、いろいろな段階があるのでございまして、そういうものについて全部、牛小企業凡策としては最後の切り札だというようなことのようでございましたが、そういうことで、各省大臣だけでそれでものを考えていくというようなものの考え方は、いままでやってきた中小企業行政との間で調節がなかなかはかりにくい面がありはしないだろうか。特に府県の中小企業行政に対する関与のしかたは、いままではあげて府県が担当しておった面が少なくないわけでございまして、そういうものの調節をどうするかというので、いろいろと協議を重ねたのでございます。  それから第二番目には、運輸省の関係では、外貿埠頭公団でございます。外貿埠頭公団は、御案内のように、現在……。(細谷委員「時間がないから、名前だけあげてもらえばいいです」と呼ぶ)外貿埠頭公団がございます。それから最近出ておりますのでは工業立地適正化法案あるいは都市計画法案、都市再開発法案、こういう——工業立地適正化法案以下のところはいま協議中でございますけれども、そういうものの考え方の発想からいたしまして、たいへん検討を要するものというふうに思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 幾つか例をあげて申されたのでありますが、この論文には、第一の公団、事業団の設置等に関する法律案といたしましては、第一には外貿埠頭公団法案、それから第二には、中小企業振興事業団法案、それからこれに関係するものとして、雇用促進事業団の業務の内容の拡大、それから環境衛生金融公庫法案、こういうものをあげておるわけです。それから第二の、国の地方出先機関の新設に関する法律案としては、地方航空局の設置にかかる運輸省設置法の改正、それから第二は、労働保険徴収事務所の設置に関する法案、こういうものがあげられておるのです。第三の土地利用、公害防止等の土地政策に関する法案の動向としましては、いまありました工業立地適正化法案、都市計画法案あるいは都市の再開発法案、それから公害基本法、さらには中部圏の都市整備区域、都市開発区域及び保全区域の整備、開発及び保全に関する法律案、こういうようなものをあげております。これはいずれも国家的なサイドにのみ立って、地方自治のサイドを無視して、さらにこれを否定した考えに立脚しているのだ、こういう結論を出しているのです。そこで、大体この論文に書いてあることは、これもまた同感でしょうね。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 そこにはたくさん書いておるようでございますが、これからはいずれもいろいろと協議を重ねまして大体調整されたものが非常に多うございます。今後調整をされる必要がありますものは、いまの工業立地適正化法、都市計画法、それから都市再開発法、こういうようなものがおもなものだろうと思います。公害対策基本法まではすでに何回かの協議を重ねまして、おおむね形がついたというふうに私どもは考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それから外貿埠頭公団等で、原案について自治省がもの申して若干の点に手を加えたわけですけれども、国のサイドばかりで地方自治のサイドというのは軽視するどころじゃなくてこれを無視してやるという立場でありますから、これは簡単なことでは、調整したぐらいでは話はだめなんです、内容は。地方自治というのは絶対的危機なんですから。そうでしょう。そこで、いま外貿埠頭公団につきましては、本委員会の理事会におきまして、満場一致でこの合同審査を運輸委員会に申し入れておるわけでありますが、自治省も、少しごまかしがあるんですけれども、大体調整して、あと残っておるのは都市計画法案ぐらいだと言っておりますけれども、そんなものじゃないです。これは絶対的危機なんですから。  そこで委員長にお願いしたいのですが、いま地方自治というのは絶対的危機に直面しているということです。ですから、ひとつ地方行政委員会といたしましても、この第五十五国会というのは非常に大切な行財政上の問題を含んでおると私は思っております。そこで、いま私がこの論文に書いてあるのを拾い上げて申し上げたのでありますが、ひとつそれぞれの法律について理事会等で検討していただくわけでありますが、地方自治というサイドから十分にもの申す機会をつくっていただきたいということを委員長にひとりお願いしておきたいと思うのです。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 了承いたしました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私の質問は簡単で、それで終わりです。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 華山君から関連質問の申し出がありますので、これを許します。華山君。

華山親義日本社会党

○華山委員 ちょっと伺いますが、今度公害基本法ですかができました。それで初めの厚生省の原案よりも次第に企業者の責任ということが後退してまいっておるようでございます。これによって公害防止のための地方の仕事が、あるいは地方財政がふえてくる、こういうふうなお見通しでございますかどうですか。その点だけ、お見通しのほどを伺っておきたい。財政局長からでけっこうです。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 私も直接の担当でございませんので、もし言い足りなかったりあるいは間違っておりましたら後日訂正させていただきたいと思いますが、私の承知しております範囲では、今回提案をいたします公害基本法は、公害対策について、あるいは公害の種類、その対策の必要性というようなものについての基本法として、政府の姿勢を示す、こういうものでございます。したがいまして、この法案自体からは、実は具体的な対策はまだ出てまいりません。今後それぞれの個別の法律に基づきまして、具体的な対策を立て、かつ、それに伴うそれぞれの行財政上の措置をとる、こういうたてまえになっております。したがいまして、具体的には今後の問題になるわけでございまするが、少なくとも政府としてそういう姿勢を示しております。以上、地方団体におきましても、行財政上それぞれその位する地位によって措置をとるべきもの、かように考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 関連質員ですから議論めいたことを申しませんけれども、基本的に言ならば、こういう公害を引き起こしている企業それ自体の責任というものが初めは非常に強調された。今度の基本法ではそれが非常に薄らいできておるわけです。そういうことによって、その分だけ地方財政に相当の影響があるんじゃないか、こんなふうに私は考えておるのでございますけれども、いまの御答弁ではその点は伺えませんでしたが、今後ひとつ地方財政に対する影響ということについては、深甚な考慮を払っていただきたいということだけを申し上げておきます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司委員 ごく簡単に二、三のものだけを伺います。  実は、これは行政局、財政局両方にまたがるのだが、私は地方行政関係の法律の中で最も遺憾に考えておる法律の適用が、どの辺まで行なわれたかということの御説明をひとつ聞いておきたいと思います。  それは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律という法律であります。この法律ができたときから非常に多くの疑問があり、町村長の強い反対のあった法律を、当時の大蔵官僚の強い意見で押し切られて制定された法律であります。いわゆる地方の自治体の要求してくる補助金に対して、もしいつわりがあった場合、あるいは受けた補助金をその目的に使わないで他に流用した場合等に対する制裁の規定であります。したがって、罰則の中には懲役、罰金というものがついております。私は、およそ国と地方との関係の間において事務を執行していく場合には、地方の自治体の責任者であり、住民から選ばれた長が、かりにそういう事態があっても、これに対して体刑を科するというような法律をこしらえることは、当時からいかがかと考えておった。しかし現実にその法律があるのであります。したがって、この法律の適用がどのくらいまで今日行なわれたか、そうしてその措置がどういうふうになっているのか、これをこの機会にひとつつまびらかに報告を願いたいと思います。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 手元に十分な資料がございませんが、いま持っております四十年度におきます検査院による補助金等に対する批難事項の件数調べがございます。それによりますと、三十三年は百七件でございました。順次年々少しずつふえてきておりまして三十九年は四百三件、四十年度は百九十件と下がってきております。この件数だけで全体を判断することは困難かと思いますが、地方団体側におきましても、補助金の執行にあたって、漸次悪い面が除去されていく、いわばこの法律のねらいとしておることがだんだんと薄れていっている傾向になっている、こういうふうに判断されます。

門司亮民主社会党

○門司委員 私の聞いているのはそういうことじゃなくて、具体的にどういう処置をしたかということです。町村長の中でこの法律の適用を受けて懲役にいった人があるかないか。あるいはその他の罰則を受けた人があるかないか。私は会計検査院の単なる報告をいま求めようとしているのじゃございません。法律に基づいていかなる処置をしたかということを具体的に示してもらいたい。同時に懲役にいった人があるというなら、その内容はどうであるかということをこの際ひとつ明らかにしておいていただきたい。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○秋吉説明員 私から便宜答えさせていただきます。私の手元の資料で御説明いたしますが、あるいは不満足な御答弁になるかと思いますが、まず一つは、現象的な傾向といたしましては検査院の批難事項から見る事件数の見方でございます。これはいま財政局長から御答弁がありましたが、一番多かったのは、私の記憶によりますと、朝鮮動乱直後の三十年前後、特に二十八、九年が一番多かったと思います。これは千二百件くらいの批難件数があったと思いました。ただいまは、先ほど自治省から御答弁をいただきましたように、まだ四百件あるいは二百件といった数字を横ばいしておる状況でございます。  それから補助金適正化法のいわゆる罰則の問題でございますが、これにつきましては、刑事局の調べの資料によりますと、法律が適用になりましてから四十一年までの実績でございますが、起訴人員は百十四件になっております。それから有罪になりましたのは八十一件、こういう数字になっておりまして、懲役が五十九件ございます。そのうち執行猶予は五十八件ということになっております。

門司亮民主社会党

○門司委員 いまの数字からいうと、懲役にしたのは一人だ、こういう数字になるわけですね。しかしその実態は一体どうであるのか、私はさっきからそれを求めているのでありますが、一体、こういう問題はいろいろよってきたる原因がある。この法律のできる当時においても、よってきたる原因というのはわりあいに究明されていなかった。非常に少額の補助金あるいは実態に合わない補助金を出す。したがって町村では財政窮乏のあまり、つい多少オーバーした請求をしなければならないような事態になる。あるいはこまかい補助金を、そのことのため自体に使ってみたところでどうにもしようがない。したがって実例をいうならば、補助金のこまかいのを集めて学校を建てたなんという町村があったのを私も知っておる。補助金自体現状に沿わない形の中でこういういろいろな事件が起こってくるのだから、これは町村長が悪いのだ、町村がよくないのだというきめつけ方については当時から非常に大きな問題があった。ところが今日に至っても補助金の数は非常に多くて、そしてことに補助金が実際に見合わない額がかなりたくさんある。ことに風水害等のときにはどうにもならないで、こわれていない学校を倒して補助金をとった。映画にまで出てきているのがございます。そういうばかばかしいことが平気で行なわれておった。橋がこわれてないのをわざわざこわして、そして補助金をとるというよううな事態があった。しかし当時の実態は、ことほどさように地方の自治体の財政は窮乏して、やるべき仕事はたくさんあるということである。今日の場合においてこういう法律が適切であるかどうかということを私は考えるのでありますが、当局はどう考えておりますか。このくらい地方自治体を侮辱した法律はないと考えておるが、一体当局はどう考えておるのか。その辺をひとつ聞かしておいていただきたい。

細郷道一自治省財政局長

○細郷政府委員 私もこういった法律がないことがいいと思います。ただその基本には、やはり補助金制度自体にメスを入れなければ解決しない問題ではなかろうか。補助金と一口に言いましても、負担金的な補助金もございますし、あるいは奨励的な補助金もございますので、補助金制度自体にメスを入れる場合に、どういうものからこれを整理することによってこういう法律が空文になるようにできるかという点は十分考えていかなければならない、かように考えます。

門司亮民主社会党

○門司委員 私はもう少し突っ込んでお聞きしておきたいと思いますが、法律を置いておく必要がありますか、私はこの法律は廃止したいと考えているのですが。さっきから申し上げておりますように、まるきり地方の自治体を信用しない、地方の自治体は長もひっくるめて罪人だというようなものの扱い方がよろしいかどうかということである。片一方には会計検査院がありますから、会計検査院において制裁をし、あの規定によってかなりチェックはできるはずです。憲法が保障した地方の自治体に対する国の仕打ちは過酷なものというか、信用しないというか、地方の自治体を罪人扱いする、最初から悪人だというものの考え方でつくる法律というものは考えものだと思う。自治体の人格を全く無視した法律であって、当時事情があったにしても——かなり問題があったことは私も知っている。一時はこういうものが必要であったかもしれない。しかし、もう今日の時代でこれを存続しておく必要はないと思うのだが、重ねて政務次官から御答弁願っておきたい。

伊東隆治自由民主党自治政務次官

○伊藤政府委員 せっかくの御意見でございますので、自治省においてもひとつ検討いたしたいと思っております。ことに執行猶予がほとんどであって、実刑は一件しかないという実情にもかんがみまして、これは大いに検討したいと思っております。

門司亮民主社会党

○門司委員 もう一つ、法の改正のことだけ聞いておきたいと思います。  これも一つの問題であろうかと思いますが、法の中に特別地方公共団体というものがある。この特別地方公共団体の中に東京都の特別区と、さらに地方公共団体の一部事務組合あるいは財産区、あるいは最近できた地方開発事業団というようなものがございます。これをずっと四つ並べてみると、東京都の区というのと、財産区というものとは、事務内容も全く違いますし、本質も異なっておる。やや地方の自治体の延長だと見るのは、一部事務組合と、さらに地方開発事業団というものが多少自治体の仕事をする機能も持っておるということであります。特別区とは全然かけ離れた財産区というようなものが混同されて、法律で一つに律せられているところに、今日の東京都の区の法律上の位置づけというものが非常にむずかしい段階に追い込まれている。区長の公選制が非常に叫ばれるが、区長の公選制は、普通地方公共団体ではないのだ。いわゆる特別地方公共団体である。その中には財産区まで含まれている。これと同一性格ではないかというようなことが考えられる、そういうところにこの特別区の問題の解決のつかない最大の原因がありはしないかと言える。理論上でも、法律的にもそういうことが考えられる。したがってこの東京都の区の性格についての位置づけをこの辺で考える必要がありはしないか。そうしておきませんと、いつまでたっても争いもなくならないし、それから同時に特別区というものの観念の上に立った処理も非常に困難になってきている。この辺はどうお考えになりますか。東京都の特別区は市に準ずるという規定が一方にあって、そして市がやっている仕事と同じような仕事をずっとやっている。徴税もやれば、一切をやっている。ところが、その他の一部事務組合にしても、何も長を公選しているわけではない。財産区にしても、条例の制定権は県知事が持っておる。そして理事者としては市町村長がこれに当たる。ただこれを運営する議会の議員だけを選挙しているものがある。これは公職選挙法にのっとってやっておる。こういうふうに特別地方公共団体というものの中身は複雑になっている。全然性格が違うと考えられているものを一つに包括しているところに問題があろうかと思うが、この辺を自治省は一体どうお考えになっておるか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 確かに御指摘のようなことがあろうかと思います。現在のこの地方自治法のたてまえというか、つくり方といたしましては、結局府県、市町村を普通地方公共団体ということで区分、分類をいたしまして、府県、市町村でないものを、これはお話しのとおり性質の違うものがいろいろあるわけですが、これを全部特別地方公共団体、こういうので分類してくくってしまった。したがって府県、市町村が普通地方公共団体というくくり方が、やや平面的なところがあるわけでございますが、特別地方公共団体については特に十ぱ一からげの、府県、市町村以外のものは全部特別地方公共団体ということになっておりまして、特別地方公共団体間に何か類似性あるいは性格上の同一性というような共通的なものがあるかといえば、御指摘のようにそれはほとんどないわけです。ちょうどあの当時は、公務員を分類しますのにも、一般職、特別職という非常に形式的な割り切り方で、一般職以外のものは特別職という、これと大体似たような感じなのでございますが、そういう意味で、お話しのとおり特別区というようなものはその中でも最も、ほとんど市と同じような性格を持っておるものではないか、したがってこれからそれを見直す場合に、そういう分類の中に置くことはどうなんだというお話でございます。私どももそのように考えております。特別区というものをもう一度検討して取っ組んでいくようなときには、何かうまいくふうがあれば、いまの十ぱ一からげ方式のような特別地方団体というものから切り離すべしという御趣旨かと思いますが、それも一つの考えだろうと私ども思います。現在のところは、府県、市町村以外のものは全部特別地方団体、こういう分類をしていることは御指摘のとおりでございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 私は、ぜひそういう形をひとつ至急に検討してもらいたい。ということは、もう一つの問題としてあるのが、法の九十四条、いわゆる村会議員は置かなくてもよろしい、村の全体会議で行政を行なってもよろしいという規定がある。ここでは明らかな町村でございますから、地方公共団体の中にこれが含まれておって、しかも議会は置かなくてもよろしい。特別区の場合は全く市と同じような仕事をして、徴税権も持っておれば、国で規定した権利、教育あるいは保険衛生というようなもの全部をやらなければならぬ。全く市と同じような仕事をやっている。片方は、これは現実にはございませんよ。いまの町村合併の行なわれた今日、九十四条を適用するような市町村はなかろうと私は思いますけれども、しかし法律にある以上は、あるいはそういう村ができないとは限らないわけです。こういう問題をかね合わせてまいりますと、いかにも不合理なものがある。現実にまだ、アメリカには日本の九十四条と同じような適用をしているのが、人口二万くらいの町でもありますね。実際は人口二万くらいを保有している町村でも、町会議員のいないところがある。こういう便宜的にといいますか、法の実態は地方自治を非常に尊重するという形で地方自治法はできておる中に、こういうものが含まれておって、だれが考えてもおかしいじゃないかという議論がされておる。片方は、村の全体会議を開いて村長はきめるが、議会ば要らない、こういう仕組みになっている。片方は議会は必要だが、長は都知事が大体きめるという形をとっておる。こういうちぐはぐのものができておる。  それから、時間がございませんからこれ以上は私は聞きませんが、もう一つこの機会に聞いておきたいことは、地方開発事業団の関係と、国が今度考えております地方の開発の、要するに国の持っておる事業団その他との関係は、一体どういうふうに結びつくものなのか。地方の自治体にこれがどう関連してくるものなのか。そういうようなことが法制上もほとんど明らかになっておらない。地方の自治体も幾つかの自治体が集まって、そしてこの開発事業団というものをこしらえることができる。ここには起債を要求することもできる。財政の能力も与えられて仕事をすることができる。ところが一方には、国がこの地方の開発をする一つの法律が出てきて、これとのかね合いは、法律の内容を見てみるとほとんど連絡はないような形になっている。こうなってまいりますと、地方の自治体というものは全くばらばらであって、そして行政が寸断された形の中で、何か憲法に基づいて住民自治の姿を進めていかなければならないというような不都合ができておって、どうにもならぬことになる。先ほども細谷議員からお話のございましたような、地方の自治体の危機だといいますけれども、私はこういうところに伏在したものがたくさんありはしないかと考える。これらの問題について自治省は検討されたことがあるならある、なければないという返事だけをしておいていただきたい。その内容については、きょうはもう時間がございませんから、追ってまたあとでお尋ねする機会もあろうかと思いますので、この点をひとつ明らかにしておいてもらいたい。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 お話しのような点のすべてにつきまして、現在鋭意検討をいたしております。      ————◇—————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案、及び内閣提出にかかる昭和四十二年度における地方財政の特別措置に関する法律案、両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、日時、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。   午後零時七分散会

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