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55回国会衆議院1967/07/06

大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第2号

発言数
101
登壇者
8
会派数
2
開催日
1967/07/06

会議録

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 これより会議を開きます。  前回の小委員会でお約束いたしました大蔵省の政省令に関する説明についての質疑は、通告もありませんので、省略いたします。     —————————————

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 ちょっとほかの問題から入りますけれども、人事院勧告が近くあるわけです。例年その中から議論の対象になる通勤費の問題についてお伺いしたいのですが、いま免税点はどうなっていますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 所得税におきましては、二千四百円を限度として通勤費を控除するということになっておるわけです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 もう少し詳しい内容をそれじゃ聞かしてください。つまり、実費三千円の人は六百円に課税される、こういうわけですね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 そういうわけです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 実費という意味ですが、電車、バス、地下鉄に乗って、その定期券の領収書を持って会社に行く、会社がそれを支弁するというかっこうに実際はなっているわけですね。  それで私が考えているのは、二つあるのですよ。一つは、これだけ通勤距離が広くなりましたときには、実際、自分の足で通ってくるという人はわりあい少ないのです。自動車、自分の自家用車、それからオートバイ、自転車、スクーター、これは実に多くなっているわけです。会社の前へ私ども用事で立っておりますと、実に多い。それで、実費という意味が、電車、バス、地下鉄に限るということの妥当性というのは、一体どういう根拠に立っておるのでしょうか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 税法の問題でございますので私からお答え申し上げます。  現在の所得税法におきましては、通常の場合に必要であろうと認められるような通勤費につきましては非課税となっておりまして、その金額を一体どこに求めるのかということについて、いままでの私どもの考え方は、税法にこういう規定を設けます以前から実は通達でもって、人事院によりますところの国家公務員の通勤手当の金額というものを一応ベースとして考えておったわけでございます。税法におきまして非課税規定を設けましたときにもその考え方を実は踏襲をいたしております。それが、先ほど長官がお答え申し上げましたように、電車等につきましては二千四百円という金額が、国家公務員におきまして通勤手当の対象とせられる限度額である、そこまでは所得税で非課税ということにいたしております。同じような考え方で、先ほど御指摘のように、自転車あるいは原動機付の自転車というようなものにつきましても、公務員給与におきまして手当として与えられる金額がございます。その金額までは非課税ということにしております。改正前、昨年は、原動機付自転車で五百円、普通の自転車で四百五十円ということでございました。本年はおそらくそれが百円上がったと思いますけれども、ちょっと私正確な数字を覚えておりませんけれども、原動機付の自転車あるいは普通の自転車につきましては、別個の金額がきまっておるわけです。その金額までは非課税ということです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 民間でこの間こういうことがあったのです。電車、バス、地下鉄の人は定期券を持ってくるのですぐわかる、そのほかの自転車で通っている人、歩いて通っている人にも気の毒だから、実際は交通費というのは要るのだから、修理代や何かというので、その分を大体幾らというふうに一律で払っておった会社がある。そういうふうに、一律に払ったときにはどうなりますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 確かに、現在所得税法で非課税になっておりますのは、現物給与としましては、たとえば、定期券を渡したから非課税にするということだけにとどまっておりませんで、通勤手当という形で出したという場合にも非課税にしております。したがいまして、電車で通っておるということであって、それの通勤手当ということで出しておれば、二千四百円まで非課税になりますし、それから自転車で通っておる、あるいは原動機付自転車で通っておるということで通勤手当という形で出しておれば、一律で払っておりましても、それは一定額までは非課税になるということでございます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 通勤手当で払っておれば非課税である。幾らまでですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 昨年までは四百五十円あるいは五百円という金額でございまして……。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 民間でも。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 はい。私がいま申し上げましたのは、基準の金額は国家公務員のベースで考えておりますけれども、それはもちろん民間で払われた場合にもその金額で、そこまでは非課税にしておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 国家公務員の数百円の基準に民間も該当さして非課税にしておるということですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 さようでございます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 最近労働者でオーナードライバーが非常に多いですね。それからスクーター、オートバイも非常に多い、自転車も非常に多いということからいって、もう少し基準を上げてもいいと思うことと、それから、遠距離通勤が非常に多くなったので、実際要った費用、地下鉄でも電車でもバスでも、実際要った費用をなぜ免税にできないのだろうかというのが第二点です。その点はどうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 通勤手当をどこまで非課税にするかという問題につきましては、実は、どこに居住をしておるかという問題に非常に影響されると思います。その住んでおるということにつきましては、場合によりますと、これは本人の趣味嗜好の問題が入ってきますし、あるいはまた、本人の個人的な事情でもって遠くに住んでおるという場合もございますから、遠くから通っておる人について、実際かかっておる通勤費まで全額を非課税にするのが、はたして妥当なのか、通常の通勤着について通常支払っておると思われるような金額までを非課税にするほうがいいのかという問題で、私どもはやはり後者の考え方に立っております。  したがいまして、どの辺に住んでおる人までの通勤費というのが非課税の線でカバーされるべきであるのかというのを見出します基準といたしまして、私どもは、一応やはり一般的に国家公務員について相当詳細な資料が調査されまして、その手当の基準になっておる金額までということで考えておるわけでございます。  第二に、自転車あるいは原動機付自転車というものにつきましては、おそらくこれでもってその経費はカバーされておると思いますけれども、さらにその上に、オーナードライバーの自動車までということになってきますと、はたして、その辺の人たちが現実に通勤のために要しておる金額全額を所得税で非課税にするのがいいのか、あるいは、その中には、やはり先ほど住宅について申し上げましたように、本人の選択の問題も相当入っておりますから、やはりそこで一定の線を引くという意味におきまして、やはりこれも同じく、国家公務員が自動車で通勤しております場合には自転車あるいは原動機付自転車並みの手当しかもらっていないというその金額まで非課税にするのが適当であろう、こう考えております。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 ぼくはこう考えておるのですよ。遠いところから通勤するということが、全く本人の恣意行為でやっておるのかというと、ほとんどすべてが、やむを得ざる事由、つまり、住宅事情からいって、東京まで一時間、二時間で通勤してくる人が非常に多いですわね。二千四百円というと、東京駅からどの辺までいくか知りませんけれども、かなりの人が最近では大都市でも遠くから通っておる。その遠くから通っておることが、やむを得ざる事由というのがほとんど全部だと思うのですね。ですから、最近各会社でもほとんどが通勤費というものを支払う傾向があるわけです。ほとんど支払っておる。それが二千四百円までは認めるけれどもあとは認められないというのが、いまお話のように、大体平均値をとってこのくらい、二千四百円くらいならカバーできるということだけれども、カバーできない人たちは本人の全くぜいたくでやっておるというふうな感じであるとするならば、これは間違いではなかろうか。昔と違って、今日のような都市政策の上からいっても、住宅はなるべく近郷に団地をつくる、何をするというようなことになり、政策上、遠距離通勤をやむを得ざるものとし、会社もまたそれを必要として全額負担をするというところが圧倒的なんですね。ですから、中には間々、百人のうち何%かは特殊なめんどうを見ぬでもいい者があるかもしれぬけれども、全体の傾向からいうならば、通勤費は全額非課税ということにすべきではなかろうか、もうそういう時代になっているのではなかろうか。  それから、算出がなかなかできないと思うのですけれども、つまり、証明をすることができないけれども、オーナードライバーだとか、オートバイ、スクーターあるいは自転車、あるいは当人がくつをはいてやってくるというものについても、限度額もほとんど要るのじゃないかと思いますが、どうですか。長官、そう思いませんか。あなたはいつも役所の自動車ですが、どうですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 税制の問題ですから……。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 非常に遠くから通っておるという人を考えてみますと、むしろ最近の事情では、個人的な事情、たとえば、自分の自宅が通勤可能範囲くらいにありまして、これは非常に遠いけれども、そこから歩いて通っておるという人たちが多いのではないかと思います。こういう事情は、むしろ終戦直後よりは、いま遠くから通っている人は個人的な選択によっておる場面が非常に多いのではないかと思います。  それから、御指摘のように、企業で確かに通勤手当を払っておる事例は非常にふえてきておりますけれども、私の記憶いたしますところでは、その大部分はやはり限度額を設けておるというところが多いと思っております。  それで、最後には鉄道の問題になろうと思います。その二千四百円というのが、はたして、いまの東京におきまして、どの程度のところから通っておる人たちの通勤費をカバーしておるのかという問題になると思いますけれども、私どもが二千四百円を考えましたときには、大体、国鉄で申しますと、八王子それから川口、あの辺くらいの定期であればこれでカバーできるというふうに考えて二千四百円を考えたという記憶がございますけれども、その辺のところであれば、大体一般的に、通常の状態である人は、相当遠距離といいながらも相当カバーできる金額ではないか、こういうふうに思っております。  それから、自動車の実費まで全部まかなうべきなのかどうかということは、私はこれは非常に疑問に思います。やはりある程度そのときそのときの通常勤労者として通勤に利用し得る交通機関は一体何であるのかという問題でございまして、それを越えて、自分の趣味嗜好で、それより上等な交通機関を使っているという場合にまで、はたして所得税でめんどうを見なければならぬのかという点は、私はそこまで踏み切る必要はないのじゃないかと思います。  それから、徒歩の人につきましては、これは話がこまかくなりますけれども、やはり現在の給与所得控除というのは、大体そういうような普通の通勤に要する経費というものはまかなっておるというふうに考えて設けておるものでございますから、その辺のところは給与所得控除の中でまかなっていく、したがって、特別に通勤手当という形で非課税にする必要はないのじゃないか、こういうように考えます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 これは別途、一ぺん数字的にぼくも大臣に実情をぜひ考えてもらいたいと思いますが、きょうは問題を提起するだけにとどめます。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 通勤手当の場合に考えなくてはならぬのは、あの規定は、給与所得を有して通勤をする者ということになっておりますから、会社の重役さんでも、湘南地区に住んでおられて一等の電車で通っておられる人ですね。これも無制限に認めるということになれば、一等で通勤しょうが、一等もみな引くということになって、これはやはりおかしな問題があるわけですね。ですから、それをまたこまかく、汽車の一等の場合は認めぬとかなんとかというふうにするのも、どうも税の執行上非常にやっかいな問題になりますので、やはり一定の金額限度ぐらいでやむを得ないというのが実情だと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 別途聞くことにしまして、きょうは問題提起だけしておきます。  第二番目は、長官、これはこの前議論したのですが、例のふろ屋さんの問題です。これは国会側にもわれわれ相当陳情を受けておるのです。私も選挙区で体験をしたのですが、全国的な運動になって、私どもも請願に判こを押しておるわけです。  この点については一ぺん少し詰めた話をしたいと思うのですが、時間を節約する意味において、請願の要旨というものを読んでみます。  一昨年以来、東京都をはじめ全国各都市における税務署は国税庁の指揮のもと、公衆浴場業者に対する税務指導と称して立入検査を実施するとともに、過去三年間にさかのぼり修正申告を要求してきた。しかも、その調査内容は使用水量を逆算し、一人当たりの使用水量を東京の場合は九十二リットルとして算出し、建物施設などの効率を計算し、個々の浴場の総収入を算定して修正申告額を決定するという不合理きわまる方式を押しつけようとしている。このような計算は現実無視もはなはだしく、全国公衆浴場業者の絶対に承服できないところである。現行税法は、公衆浴場の施設としての建物の再取得ならびにこれが維持のための大修繕費などを経費として損金計上を認めていない。ついては、現行所得税法が公衆浴場経営者に対し公正に適用されるよう措置するとともに、私企業である公衆浴場業者のみに適用されている物価統制令に対し健全経営の保障を確立されたい。  これは要旨ですよ。これほどやかましくなってくれば、長官も逐一御存じのことだと思いますけれども、各地でふろ屋さんが会合すれば、必ず税金の問題がいま話題になっておるわけです。この請願にも見られますように、この間も私は本委員会で言ったのですが、ふろ屋さんの前に立って、あの何という機械ですかカチカチとやる機械、あのカチカチをやれば、ふろ屋さんの経営というものはきわめて単純な経営であるから、全くそれはのがしっこない。せいぜい女房が買いものから帰ってきたのをお客さんと間違えたというくらいのことで、全く正確なわけです。そして他方、損金の問題につきまして、ここの要旨にありますように「調査内容は使用水量を逆算し、一人当たりの使用水量を東京の場合は九十二リットルとして算出」するということの問題が一つ、それから「建物施設などの効率を計算し、個々の浴場の総収入を算定して修正申告額を決定する」という運用のしかたについて、この前も指摘したのだけれども、二、三のふろ屋さんを抽出して強硬な調査をする、そして役員に命じて全部修正申告を出させるように慫慂する、そして修正申告をしない人だけ調査するということを暗にほのめかすというやり方が、ふろ屋さんの非常にかんにさわっているわけです。第三番目には「建物の再取得ならびにこれが維持のための大修繕費などを経費として損金計上を認めていない。」ということですね。これはあとで理論的な説明をちょっといただきたいと思っているのです。それから耐用年数の問題が、もう少し圧縮してもらいたいという希望があります。  いずれにしても、全国的なふろ屋さんの陳情というものが、一般的にいえば、ふろ屋さんのような零細企業を何でそうやらなければならぬかという庶民的なふんまんになっているわけなんです。ひとつ御存じだったら、事の経緯、今日の考え方を承りたい。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 先年来問題になっているのに、そば屋さんとふろ屋さん、クリーニング屋さん等があります。確かに、こういった商売はそれほど大企業のやる商売ではありません。個人企業の場合あるいは法人組織の場合でも、非常に中小法人である場合が多いわけです。  そこで、なぜそんなのをいじめるのかというお話でございますけれども、実際を見ますと、その申告が著しく実際の所得に比べて低い、こういう事例が非常にたくさん出てまいりました。そこで私どもとしては、やはり給与所得者と事業所得者との課税のバランスということも考えなければなりませんので、あまりにも低い申告水準をそのまま放置できないということからいろいろ調査をする、しかし、そういっても中小企業者が相手でありますから、できるだけ修正申告によって処理しようということでやってきておるわけです。しかし、そのときに一律に、お話のように使用水量を一人当たり九十二リットルだとかいうようなこと、あるいは、お客を数取りして、それですぐ修正申告額を申しつけるということはやっておらないはずです。修正申告を出してもらうために、組合の幹部にお願いして、組合員の周知徹底をはかる、その周知徹底をはかるやり方については、先般私申し上げましたように、もっと慎重にやらなければならない面は確かにあると思います。したがって、そういった点についてはそういう指示をいたしておりますけれども、しかし、できるだけ更正あるいは決定というやり方でなしに、修正申告で自発的に出していただくのが望ましい、こういう気持ちでやっておるわけです。それから、ふろ屋の場合、資産の維持のための大修繕とおっしゃいますけれども、御承知のとおり、大修繕は資本的支出でありまして、これは修繕費として経費に認めるわけにまいりません。それから、耐用年数につきましては、これもふろ屋さんの場合、いたみが早いということがよくわかっておりますので、そういう点、実情に応じて耐用年数がきめられておるわけであります。もし耐用年数が適当でないということでありますれば、さらに検討いたしてもよろしいかと思いますけれども、現状ではほぼ適正な姿になっておる、こう思っております。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 最初のふろ屋さんの言い分は、たとえば東京では入浴料金算定の場合に、一人当たりの使用水量は百二十リットルとして計算しているそうです。ところが東京国税局は九十二リットルときめておる。それで、漏水もあるし、水の使用は入浴者の自由にまかしておる。行政機関によって一人当たりの水の使用量の認定が違うというのはおかしいということなんですが、これは言い分があると私は思うのです。少し締め過ぎるのではないかと思うのですよ。私も、役所によって違うというのは少しおかしいから、東京都の状況なり各都市の状況を入浴料金算定の一人当たりの水道使用料と合わせてもらいたい。どうです。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 これは、料金をきめるときの水の使用量の見込みと、調税する場合、水の使用量だけが課税の基礎になるわけじゃないのです。料金をきめるときには、やはり一定の根拠があってきめたんだろうと思いますが、その間に、いまのお話ですと、かなり差があるようです。これは、私は両者が必ずしも一致しなければならぬとは思いませんが、しかし、あまりにも開きがあるということでありますれば、問題だと思います。この点は、百二十リットルをきめられた根拠なども十分調査をいたした上で、検討してみたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 耐用年数はどうなっていますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 耐用年数は、先ほど長官からお答えいたしましたように、公衆浴場用の建物につきましては、その使用の状況等から考えて、一般のものよりは短くやっております。大体、一般の建物につきましての耐用年数の約六割ぐらいになっておると思います。例で申しますと、木造の建物でございますと、一般の建物は耐用年数は二十六年でございますけれども、公衆浴場用のものは十五年というふうになっております。なおそれよりもさらに短い耐用年数を選びたいという場合には、先ほど長官から申し上げましたように、耐用年数の短縮承認申請という道もございます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 御存じだと思うのですけれども、最近サウナぶろが非常に発展したり、あるいはトルコぶろが非常に発展しておりますね。そういうような趣味嗜好といいますか、金のある人が最初は行っておったけれども、だんだんそれに引きずられて、普通のふろ屋さんでも——家庭にふろもある、そしてトルコぶろ、サウナぶろがある、その中間のおふろ屋さんも、いままでのただのふろ屋ということでは魅力がなくなってきているわけですよ。どうしても時勢の進展に即応して、ふろ屋さんのサービスというか、あるいは、ふろ屋の内部改造というものを急がなければならぬときになっております。  したがって、ふろ屋さんたちの言うには、六、七年に一度大修理をせぬならぬ。この大修理は、長官のおっしゃるように、理論上は資本的支出である。そういうことは私も理論上は認められると思うのですけれども、この大修理のほかに、常にちょこちょこ直さなければならぬ。だから、建物は十五年でしたか、十五年ということはとても考えられない。ふろ屋さんの建物を十五年そのままにしておったら、とてもいまはやらぬです。ですからこれは、特別にこの際、ふろ屋さんの税金問題を、国税庁のほうでたいへんきびしくやられるなら、一ぺん全般的にそれではこちらのほうをめんどう見ようということに考え直してもらいたいと思うのですが、どうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 建物の耐用年数全般につきましては、実は、最近では初めて去年短縮いたしたわけでございます。一般の機械装置につきましては、昭和二十六年、三十六年、三十九年と、大体毎回二割ずつくらい短縮してまいりました。相当いいところまで短縮になっておると思っておりますけれども、建物につきましては、その間実は大きく短くいたしましたのは、昨年一五%から二〇%短縮しただけでございます。したがいまして、一般的に、私どもも一般の建物の耐用年数がまだ長過ぎるというふうに考えております。そういう場合に、一般的な建物の耐用年数の短縮の問題を今後検討いたしますが、そういう際に、なお浴場のものにつきましても、当然そういう事情も勘案しながら考えなければならぬと思いますし、先ほど申しましたように、はたして一般の建物の六割程度がいいのかどうかという問題も、この際検討しなければならぬと思っております。特にこの際、公衆浴場の建物だけにつきまして耐用年数をいま直ちに取り上げるかどうかということは、今後なお検討いたしたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 そこのところですが、かりに、長官のおっしゃることをそのままうのみにすれば、なぜふろ屋さんだけが他と違って増差があるかということを考えてみますと、アローアンスが少ない、そして、問題がきわめて限定された支出、収入で、単純だ。そこを適正な課税にしたいということであるならば、この際、国税庁の徴税と相まって、特別に一ぺん検討してみることが必要じゃなかろうか。そうでなければ、かくも全国的なふろ屋さんの運動は、もうどこか追い詰められているような感じがするのですから、ひとつ適正な課税をする、そのかわり十五年のふろ屋さんの建物なり、もう一つ、あなたのおっしゃるようなかまの問題があります。かまはいま何年ですか。建物と、かまの耐用年数をこの際実情に合わせて特別に一ぺん検討してみる、こういう考え方に立ってもらいたいのですが、どうですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 この問題は、先ほど申しましたように、ただに浴場業の問題だけに限らないと私どもは思っております。そういうことから、実は耐用年数と申しますか、あるいは償却資産の償却問題はできるだけ弾力的に運用いたしたいということで、実は、本年の税制改正におきましても税制簡素化という見地から取り上げまして、いままでより相当大幅に償却制度の弾力化をはかったつもりでございます。  たとえば、先ほど申しました耐用年数の短縮申請につきましても、これまでは一々国税庁長官の承認を要するということにしておりました。それを、今回の改正では、国税局長の承認というところまでおろしました。したがいまして、企業の状況によりまして、耐用年数の短縮を要請する向きには、いままでよりはるかに簡便な方法で耐用年数の短縮申請ができるようにしたつもりでございます。あるいはまた、陳腐化のための一時償却の道も開きましたので、浴場業について、はたしてそういう承認申請という事態がすぐさま出てくるかどうかわりませんけれども、いままでと違いまして、建物がそういうふうに陳腐化するというような場合もそういう問題が考えられ得る道も開きましたので、おっしゃるような方向で、私どもも、全般的にはなるべく償却の問題は企業の実態に応じた弾力化の方向を考えております。  ただ、そこでなお残っておりますのは、法定耐用年数の問題でございます。そういう点につきましては、一般的に私どももなお検討を今後続けなければならない問題だと思っております。その際には、もちろんあわせましてかまどの問題も検討するつもりでございます。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 いまの耐用年数のきめ方というのは、通常の修理をしつつ経済的、物理的にもつ年数をきめておるわけでしょう。だから、もしふろ屋さんのほうで帳簿がずっと出ておって、この部分は修繕費だ、この部分は改造費だと出ておりますね。改造費は資本的支出だということで、建物のたった年数はおよそわかっておると思うのです。何年に建築しました。あとは修理費と改造費ですね。いま、かりに十五年ときめられておって、それが十五年以内で経費支出も認められないような、全部改造したというようなことがもしあれば、これはもう耐用年数は明らかに無理だということになるだろうし、経費に認められる修繕費の範囲内で建築後十五年以上もっておるというのが大部分であれば、まあそれなりに、政策的に耐用年数をさらに短くするかどうかは、税制政策上別にして、まあまあいいところだという答えになるだろうと思うのですがね。だから、そこのところは、実際のことを言うと、われわれのうちでもそうですが、みんな修理しながらうちをもっておるわけですが、これが経費支出が認められるような改造を全部やってしまって大改造をやってしまうというようなことが通常であれば、その耐用年数は明らかに無理だということになるのでしょうね。だから、そこでやはり実証的にきわめて見る必要があるのじゃないですかね。それから、租税政策として、耐用年数を全体として短縮の方向に持っていくということは、これは国の財政に余裕がある限り、非常に好ましい方向だし、それからもう一つは、法定耐用年数というものを取っぱずすかどうかという問題が前から議論としてあったのですね。その点は、いまどう考えておるのですか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 いま村山委員から御指摘のとおり、確かに、実態に基づきまして、なお今後の建物あるいは機械装置についての耐用年数の問題を考えなければならない。その際に、先ほど申しましたように、法定耐用年数の問題と償却の弾力化の問題をどういうふうに考えるかということでございまして、この点につきましても、今回の償却の弾力化について考えます際にいろいろ検討しまして——いまの企業の一般的な事情から申しまして、法定耐用年数を将来の問題としまして、企業がそれぞれ独自の見積もりでもって、その企業に合いましたところの耐用年数というものをみずから選択し得る道を考えることは可能でございますけれども、いま直ちにこの法定耐用年数の限度というものを取っ払いましても、おそらくは非常に混乱も巻き起こりましょうし、いままでの法定耐用年数というものが一つの基準にならざるを得ないのではないかというようなことから、なお今後、法定耐用年数を企業の実態に合わせつつ、そういう法定耐用年数のもとにおきますところの償却限度額というものは、一応の限度としてなお存置をするということに今回の改正ではきめたわけでございます。  ただ、その際に、そういう一般的な事情によりますところの法定耐用年数、あるいはそれに基づきますところの年々の償却限度額というものでその企業がまかない得ないとしますときには、先ほど申しましたような耐用年数の短縮なり、あるいは償却の道をより簡易な手続でもって適用できるというふうにいたしまして、その問題に対処したいというふうに考えたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 中橋さん、あなたさっきふろ屋さんと同種なものがあるような話でしたが、ふろ屋さんだけではいかぬという意味は、これと同種のものの耐用年数の問題があるという意味でしたか。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 私の言いましたのは、一般的に建物の耐用年数というものを先ほどのように、実態とどういうふうな関係になっておるかという観点から考えなければならぬという問題が基本的にあるということを申し上げたのでございます。その次には、一般的な建物の耐用年数につきましては、さらにまた、たとえば公衆浴場でございますとか、同じ建物の中でも、事務所と旅館と、あるいは、工場の中でも特に腐食性の強い薬品を使っておる工場というようなものを一々分けておるものでございますから、そういうものにつきましても、やはりそれぞれの特殊事情も考え合わせながら検討しなければいけない、こういう趣旨で申し上げたのであります。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 長官にお願いしたいのですけれども、別に政治的に扱ってくれという意味で申し上げるわけでは必ずしもないのです。しかしながら、こういうおふろ屋さんでも、それは副業をやっておる人はもちろんありますが、大多数が単業のおふろ屋さんですね。いま、ふろ屋さんに来る人の層というのはきまっていますし、そういう庶民を相手にした零細企業なんですから、それが重箱のすみをつつくようにやろうと思えば、切りのない話なんですが、何といいますか、違法でやっていらっしゃるとは、私は必ずしも思わぬのです。許し得る範囲内で、十分他との均衡、他の業種との均衡を考えながらやってもらいたいことと、この際おふろ屋さんがそういうことであるならば、十分いまの耐用年数等を勘案して、総合的な適正な徴税が行なわれ、ふろ屋さんが、なるほど税金を納めなければならぬけれども、他方においては耐用年数その他で十分めんどうを見てくれるという、説得力のある実際的な運用をやってもらいたい、そう希望をしますが、どうですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 お話の御趣旨はよくわかりますので、私どもとしましても、ふろ屋さんの課税について、他業種と均衡のとれないことのないようには、あらかじめ考えていかなければならぬと思っております。  ただ、過去の実績を見ますと、それは全部の人というわけではありませんけれども、かなり脱漏の多かった人があったわけです。そこで、是正をしていただかなくてはいかぬということでいままでやってきたわけですが、耐用年数につきましても、建物以外のかま、その他いろいろ問題がありましょう。そういった点は十分考えていきたいと思います。  ただ、横山委員のお話の中に、何かほかの事業の場合にもアローアンスというのですか、漏れているものがあるから、ふろ屋さんも漏れたっていいじゃないかというようなお話のようにとれる面がありますのは、私はそれはいけないんだと思います。もちろん、課税がどの程度まで真実の所得を把握しているかということについては、やはりいろいろ問題があります。しかし、やはり出てきた所得は、出てきた所得として課税しなければいかぬので、あそこも漏れているのがあるだろうからアローアンスを、というのは、私は、やるべきではないし、また、なかなかやれないことだと思っております。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 これはふろ屋さんに限らぬけれども、中小企業の課税の問題というのは非常にむずかしいと思うのです。せっかく青色申告があるのだから、業種別に青色申告がどの程度普及しておるのか、それから、白色の人がどうして青色になれないのか、それから、白色の人がどんな帳簿組織で、また、どんな内容の記帳をしているのかということをやはり概括的にとらえていくことが、税務行政をやっていく上で必要じゃないかと思うのです。それから一方、標準率にしても効率にしても標準率自体で、たとえば標準外の経費の、雇い人費とか、減価償却費とか家賃とか、そういうものを除いた場合に、非常にぶれが大きいのかぶれが小さいのかということも当然見ておく必要があると思うのです、地域によって違うかもしれない。もちろんふろ屋さんだけで見てもわからぬので、全部の業種をずっと横に並べてみて、そして標準率の妥当性、それから効率の妥当性、特殊の経費を除いて一体どれくらいいっているものか、そこを見ていくのと、白色の場合の帳簿というものが、概括的に見て、それとの見合いにおいてどの程度あるかという一般的な認識をやはり国税庁が持っていないと——中小企業ですから、ぼつぼつやることは不賛成ですよ。全体の感触をつかんでおくということは、やはり今日の行政の上において大事だと思う。実は、われわれがおったときはそこまでは手が届かなかったわけですけれども、もう税務行政はずいぶん進歩しておるでしょうし、懸案もだんだん片づいていくのだから、だんだんきめのこまかい、そういうような作業を、やっておられればけっこうだが、もし何だったら、将来そういう方向で検討したらどうかなという感じがするのですがね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 いま村山委員が言われるように、確かに、おふろ屋さんの場合でも青色申告をしていただく、青色帳簿の記帳をしていただけば一番事はいいわけです。ところが、青色申告の割合は、全体としては非常にふえて、七二%にまでなっているわけですけれども、業種によってはなかなかそれが伸びにくい。ふろ屋さんの場合、詳細な統計をいま手元に持っておりませんけれども、青色申告割合はあまり高いほうではありません。したがって、私としては今後そういう業者の方が青色申告をしていただくような方向でやっていきたいと思っております。  それから、いまお話のあった、なぜ白色申告を続けて、青色申告にならないかと申しますと、それはいろいろな事情がありますので一がいに申すわけにはまいりませんけれども、やはり記帳がなかなかしにくいという業種がある。ふろ屋さんの場合なんか、記帳とすればわりに簡単なことだと思うのですが、これができておりません。それともう一つは、青色申告でなくて白色申告だと、年に一ぺん税務署に呼び出されて、申告の相談ということで、一時間もしんぼうしておれば話はついてしまうのだからというお気持ちが納税者のほうにどうしてもあるという点があると思うのです。したがってこれは、税務行政のやり方も直していかなければなりませんし、やはり納税者のほうに、適正な納税をするということの意識を持っていただくような方向でやっていかなければならぬだろうと思っております。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 ふろ屋さんの場合、青色申告の特典は専従者控除くらいしかないかな。償却なんかありませんし、たなおろし資産はなし、退職給与の引き当て金もなし、専従者控除くらいで、あとはないでしょう。ただ、やれば経営の合理化になるから、単に税金対策でなく、経営対策として、経理を通じて合理化しろというのが唯一の説得力になるかな。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 私もずいぶんすすめたのだけれどもね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 数字を間違えましたので、訂正します。  青色申告割合が七二%と申し上げましたのは、六八%でございます。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 営庶業で……。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 ええ。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 一番最初に、長官から非常に過小申告だというような御発言があったわけですけれども、おふろ屋さんの場合、時代の進展といいますか、サウナぶろだとかトルコぶろだとか、あるいは個人の住宅でやはりふろくらいはつけたいというような、そういう時代の流れ、そういうようなことから、総体的にはむしろ斜陽的な傾向というものもあるし、そういう面も一つあるのじゃないかということ、それから、さっきお客さんの数取り調査を別にやったわけじゃないというお話もあったのですが、では、過小申告であるという基礎はどういうところにあるのか。これは青色申告をきちんとやったような人との同じような条件下における比較というようなことから出たお話かもしれませんが、たとえば、数取り調査をやったような例もたまにはあるという場合だったら、この業者はやはり季節的な繁閑というものがひどいし、したがって、そういう点で、どの時点でその数取り調査なんかを——カチカチやったものは別として、それに近いような調査でもやったとするならば、季節のとり方なんかにも非常に問題があるのではないか、そういうような点を考慮されると、過小申告だというようにきめてかかるやり方というのは少し酷な気がするわけです。そこら辺、どうなんでしょう。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 過小申告だと申しますのは、実額調査をやりまして、銀行預金なども調べたあげく、脱税所得があるというようなことがわかったのがかなりあったものだからなにしたのであって、数取りは、お話のように一年じゅうやっているわけにいくものではありませんし、ある特定の日について、ふろ屋のことでありますから、午後何時ごろから何時ごろまでの間にどれくらいの客があったかということを調べまして、それについて、その日の入浴客が何人おったかということを業者について調べて、どれだけの売り上げになっているか、その業者の売り上げ額が、業者のおっしゃる売り上げ額とわれわれの計算した入浴客の数から考えられる売り上げ額と比べてみて、はたして正しいかどうか、こういうことはもちろんある程度やっていますけれども、数取りだけから所得をきめるということは、これはある特定の一日とか二日についてしかできないわけですから、それで十分な推計というものができるとは思いません。ただ、その日の売り上げ額が、業者の言う額と推定に基づく額とがいかにも違うということになりますと、これはやはりおかしいことにならないかという推測が出てくる、したがって、それについて調査しなければならぬ、こういうことになると思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 国税局では、この問題ばかりではなしに、よく銀行預金なんかから推定をしていくという手法が行なわれるわけですけれども、しかしこれは、そのことが推定する一面の真理性というのは持つかもしれないけれども、そう収入があるわけではないんだけれども、生活面で非常に倹約をするとか、みみっちくやってこつこつためていく、そういうような面で銀行預金がよけいあったりする場合もあるわけです、所得の中で、非常に倹約して、何か将来の目的に備えて、そういうものを預金している場合がある。しかし、銀行預金はどうしてできた、事業所得を減らして申告して脱税しておったからだろうというだけでは、かなり一面的なものだけしかつかんでいないではないか。そういうようなところにも、一生懸命苦労しながらためておったのを、全部それは事業所得の抜け道をつくってやってたんだという形で押え込まれるとなかなか——そういうことについても、白色申告が多いわけだから、張面もよくつけていないということになって突っ込まれてくると、零細企業なんかは、大体においてどうすることもできないということになってしまうんですね。だから、そこらのところも、税務行政全般についてのあり方の問題で、かなり注意していかなければならぬことじゃないかと思うのです。非常にはでな生活をやりながら、しかもそういう預金も持っているというような場合と違って、非常に節約をして、生計費なんかをうんと切り詰めたような形で貯金をしているというような場合も一緒くたにやられたのではたまったものじゃない、こういうような問題なんかもあると思うのです。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 お話のように、そういう点は十分考えなくちゃいけませんけれども、銀行預金を調査する場合には、結局、入金の状況ですね。毎日の売り上げを翌日あるいは何日間分かをまとめて何日に一ぺんか銀行に持っていく、その入金の状況を見れば、それが売り上げにつながるかどうかということがわかってくる、もちろん、入金の中には売り上げ以外にいろいろなことに伴う入金もありましょうから、入金があったものが全部売り上げだと推定するわけにはまいりませんけれども、結局、入金の状況によって、それは売り上げの分を入金したのかあるいは生活費を節約してやったのか、おのずからそこに入金の状況からわかってくることだと思います。しかし、お話のような点は十分気をつけて調べねばならぬことはたしかです。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 ちょっと私から国税庁長官に伺っておきたいのです。  青色申告の問題が出ましたが、いま長官の言われたとおり、青色申告をしたくても、業種によっては記帳が非常にむずかしくてできないものがあると言われたが、同時に、記帳はそれほどむずかしくなくても、能力の問題でできない場合もある、たとえば農民のような場合。それで、四十三年から完全給与制が認められるということになりますと、青色の場合と白色の場合との差が非常に大きくなって、税の公平の原則からいっても、なるべく青色の恩恵を受けられるようにしてやるのが情けのある税制じゃないかと思うので、当然考えていらっしゃると思うが、青色申告の合理化というか、簡素化というか、特に記帳の面、どういうようになっていますか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 これは二つあるわけです。  一つは、いままで前々年の所得が百万円までの場合には簡易帳簿によることができるということになっておったわけですが、これを本年の改正で二百万円までは簡易帳簿によることができるというふうに限度を上げたのが一つと、それからいま一つは、所得の非常に少ない人については、そうしてまた、現金取り扱いの多い業種の場合には、現金主義で認めていくということを取り入れる、したがって、こういう場合には現金出納帳とそのほかの若干の帳簿があればいい、それほどこまかく青色申告をするためにたくさんの帳簿をつけなければならぬというほどの必要はなくなってくる、こういう両面で青色申告をしやすいようにしていこうという努力をしておるわけです。  しかし、それにしても、御本人の能力がない場合には、能力をつけていただくように、商工会議所なり青色申告会なりあるいは税務署なりがタイアップいたしまして、青色申告の記帳指導ということをやっておりますので、その記帳指導を受けられて、記帳ができるようにしていただく、これが第一だと思います。しかし問題は、青色申告をしたいと思っても、青色申告が非常にやっかいで、なかなかできないといったような業種があるのではないか。農業の場合など、能力がないというお話がありましたが、実際は能力というよりも、やはりなかなか青色申告のしにくい業種だと思います。結局、収穫所得——毎日毎日自家菜園、畑からあるいは田から自家消費のためにとってきたというものを、これはなかなか記帳できにくい、そこら辺に、農業の場合には青色申告がなかなか普及しないといったような事情があるのだと思います。こういった事情は、農業以外にもいろいろあるだろうと思います。したがって、そういう点については、なかなか青色申告はできないという事情を考慮して考えていかなければならぬ点があるのではないか、こう思っております。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 いまの問題ですが、いろいろくふうをしてくだすっているようで、けっこうなんですが、われわれは地方を回ってしばしば苦情を聞くわけです。今度は完全給与制が一方にできると、なおそういう苦情が出てくると思うので、結局、いま考えていただいている記帳の問題になるのですが、具体的な事例等を表か何かにしていただいて、われわれが説明できるようなものを出してもらえないものかどうか。むずかしいですかな。これは、業種によって違うから。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 つくってなにしましょう。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 あるいは、この小委員会で機会を得て、よく教えていただくということで考えてください。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 いまの問題に関連して、今度は現金主義でかまわないというのは、あれは前々年の所得が七十万円以下だったかね。それでその場合、所得計算がそうであれば、青色申告の記帳も、七十万円以下のものについては現金主義でいいことになるのかね。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 村山委員がおっしゃいましたように、前々年の所得が七十万円以下でございますれば、現金主義の所得計算を認める道を開きました。あわせまして、その人たちにつきましては、現金主義で記帳ができるということで、青色の解決をはかることにしております。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 そうすると、いままでのむずかしさ、つまり、青色申告が普及しないというのは、資産、負債関係の発生関係に立ちますから非常にむずかしいといわれておったのですが、それがほとんどなくなるということだね。だから、帳簿は非常に簡単になるかわりに、今度は正確であるかどうかという認定が実にむずかしくなるわけだな、発生主義でなくて現金主義だから。しかも、お客さんは日常来る人なんだから。これは、言ってみれば清水の舞台から税務当局は飛びおりたようなものじゃないか。つまり、そこで帳簿を見て、現金主義でもって書いてあります、はて、これは正確でしょうかどうでしょうかというやつ、これは非常にむずかしくなるね。しかし、納税者は楽になることは楽になりますね。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 私があまり発言してはあれですが、いま長官の発言のあった農民の場合、畑からとってきたイモや菜っぱがなかなか記帳がむずかしいというお話だが、これは税務署が、農業については一反歩幾らという、その地方のその年における標準課税というか、標準所得のお知らせをやっているのですね。ですから、大体このお知らせに合っていれば青色を認めてもいいんじゃないかと思うのですが、どうですか、長官。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 それが大問題でございまして、青色申告ができにくいから、そうかといって、何らかの基準がないと課税が円滑にいかないということから、農業の場合には所得標準率というのでやっているわけです。御承知のように、農業の場合には、経費といっても、結局、肥料とか農薬とかいうような特定のものに限られておりまして、所得率のフレがほかの業種の場合に比べると非常に少ないわけですね。そば屋さんだとかおふろ屋さんということになりますと、非常に繁盛する店とそうじゃない店との間の所得率の差が相当あると思うのですが、農業の場合には、それはもちろん地力によるわけで、その部落の中で一番いい田とそうでない田とではかなり差がありますけれども、しかし、標準率は上田、中田、下田ということでその地域を分けて標準率をきめておりますので、そういうことでやっていけると思うのです。したがって、標準率で申告したから青色申告というわけにはとてもまいらないと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 私の言ったのが誤解を受けたかもしれないが、いま言ったように、フレは少ない。だから、畑からとってきた大根や菜っぱを一々記帳しなければいかぬというのは、何だか意地の悪い感じを受けるという意味合いなんです。だから、そこで、何とか記帳する方法を考えてもらったらどうかという意味合いなんです。お知らせをそのまま出せば青色申告にしろ、そういうことを言ったつもりはなかったのだが、ちょっと言い方が悪かったかもしれませんが……。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 確かに、農業の場合、どの程度の記帳があれば青色申告を認めるべきかというと、これはなかなかやっかいな、むずかしい問題だと思っております。そういう点、私どもとしましても、農業団体などとも相談いたしまして、今度専従者控除の問題が、ああいうふうになった場合に農業の関係をどういうふうに持っていくか、これは十分に考えていきたいと思っております。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 それでは、この小委員会は、皆さんの御了解を得て、青色申告のいまの記帳の簡素化の問題について一日勉強する会をいつか持ちたいと思います。御了承を願いたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 最初のおふろ屋さんからいろいろ発展をしたのですけれども、私が最近国税庁のいろいろな機構上の改革を見まして、かねがね私どもの言っておるように、上を向いて歩くというか、そういうような機構、機動力という点においては非常にけっこうだと思うのです。だが、どうもおふろ屋さんにとって全国的にいい印象を与えていないので、少しくどくなりましたけれども、総合的な角度でひとつ主税局と相談してもらって、もう少し納得のいくようなやり方を、この際、徴税行政の面でも、それから税制の改正の面でも特に検討をわずらわしておきたいと思うのです。  それから、時間の節約上、委員長と相談なんですが、先日の小委員会で私が申し上げた二、三点について小委員会で相談しようとなっておった問題の扱いをどうするかということなんです。一つは、租税特別措置なんかで、期限までに申告をしなければ特典を利用させないとなっておるものを、納税者が善意の過失で知らなかったために特典が受けられないという問題については、誤謬訂正というような現行法のワクを少し改善をするか、あるいは、将来にわたって、税制改正の中でその趣旨を生かすか、どちらかにしてもらいたいという点は、長官は、この間どうもあまりいい顔をなさらなくて、政務次官の政治的答弁で一応終わっておるのですが、その結末をある程度つけておきたい。  それからもう一つは、更正決定は三年ないし五年までは、いつでも何回でもできるのだ、納税者の減額修正は二カ月しかできないという点について、本日も委員長は、一年ぐらいはいいじゃないかという御意見の開陳をされたのですが、その問題を今後の問題として主税局としては検討してくれるかどうかという問題が第二点。  それから第三点は、これはちょっと長官との間で意見の相違点になってしまったのですが、標準率表の公開の問題は、やはり本小委員会で議論をしょう、こういうことになっておるのですが、小委員長もよろしくごさいはいをお願いしたいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 これはどうだね、一ぺん懇談の会をつくるか。長官、どうですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 私は一向かまいませんけれども、いろいろの問題が含まれていますので、懇談はいいのですが、すぐに言うことを聞けとおっしゃってもなかなかそうはいかないのですが……。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 だから、一々速記をとって、しかつめらしい話ではほんとうの話はできぬだろうから……。

只松祐治日本社会党

○只松小委員 関連してお伺いをいたしますけれども、いま横山さんの言った中の標準率、税務署側からの査定の基準ですね。これは法定主義といわれておるように、法律によって税金を取るわけですね。肝心の実際上の法の運営、法律を適用する面は、国税庁の、まあ極端にいえば恣意にまかされておるわけですね。国民も知らなければ、国民の代表たる国会議員のわれわれも知らない。どこにも発表しない。どこが知っているかというと、これは国税庁しか知らないのです。これは、ぼくは厳密な意味の法定主義ではないと思うのです。これは法定主義でなくて、国税庁定主義か、何というか、国税庁がきめたものだ。国税庁がかってにやっている。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 そのお話でございますけれども、租税法律主義というのは一体何かということと、それから、いまのお話は、標準率表、効率表で見ているのはどういうものかということをよく御理解いただかないといかないと思うのでして、租税法律主義というのは、もう御承知のとおり、だれが、どれだけの金額を、いつまでに、どういう方法で納税しなければならぬかということが法律によってきめられているということだと思うのです。所得が幾らあるかということは、いまの申告納税時代でございますと、納税者である所得者が一番よく知っておるということなんで、その前提のもとにいま制度ができておるわけなんです。標準率表あるいは効率表というのは、そういう申告が出た場合、その申告が正しい申告であるかどうかということを検討するための一つの目安ででき上がっておるのでありまして、結局、それは所得が幾らあるかということの事実認定の問題でありまして、その事実認定を法律できめるということは、なかなかこれはできにくいという問題だと思うのであります。したがって、その事実認定をする場合に、どういう事実認定がされるか、皆目見当もつかないということでは、それはなかなか問題だと思います。しかし、本来は、所得が幾ら昨年あったかということ、これは所得者が一番よくわかっているんで、それが、自分自身で所得が幾らあったかわからぬというような前提では、私はなかなか申告納税というのはできないんだと思うのです。

只松祐治日本社会党

○只松小委員 そういうことを言ってるんじゃなくて、標準率表なり効率表なり何なり、そういうものを適用する場合に、ぼくは前に一ぺんそういうことを言ったことがあるけれども、たとえば、日本料理屋で四五%の効率、西洋料理は五〇%、こういうことです。しかし、確かに中小企業の日本料理屋なり何なりは四五%全部やられている。ところが、赤坂のその辺は、大体調べてごらんなさい。平均二〇%前後でしょう。ひどいのは一〇%くらいにしかなっていない。もとっこがごまかされている上に、その税率が二〇%ぐらい、一億円売り上げておったって二千万円ぐらいしか見てないですよ。だからそれは、その店によって諸掛かりが違ったり、何したり、かにしたりということはあるかもしれぬが、とにかく、同じ料亭にしたって、そういうところは二〇%前後だ。ところが、小さい町の商店は四五%が効率で適用されている。ぼくは、いまこの問題が先でなくて、税収の伸びについてきょうはお聞きしようと思ってきたのだけれども、いまの税収の伸びの大きな原因は、一つはそこにあるわけですよ。ふろ屋も呼び出す、東京ではそば屋を呼び出す、石屋も呼び出す、あるいは浦和あたりでは薬屋を呼び出す。そうしておいて、坪数から商店の店員数から従業員数からいって、大体あなたのところは幾らと吹っかけて出してくるんだ。これを、言うことを聞かなければ適当にこちらで考えますよ、こう言われるから、びっくりして出してくるのだと思う。そうして東京のそば屋だけで去年三十億出したわけでしょう。全国のそば屋にこれを引き直してごらんなさい、幾らになるか。業種別にやっている。  だから、そういう形で、これはあと先になりましたが、ぼくは税収の伸びの問題について少しお伺いしようかと思ってきたのだけれども、標準率なり効率というもの、これは木村さんのときに私はあるところから効率表をもらって、どうです、あなたはありますか、ありませんと言うから、ありませんと言ったって、これはちゃんとプリントじゃなくて活版で印刷してあるんですからね、これは税務署にないですかとぼくは言ったら、木村さんは、いやといってお断わりになったけれども、そういうものが下には一般的に適用されて、上には適用されないということがある。その適用の状況は別にして、それを国民も一般的に知らない。それから、たとえば、言ってはなんだけれども、それの一番大もとで国民代表で論議するこの小委員会にも明らかにされない。いま懇談会なり秘密委員会でどうだという小委員長からのお話があったけれども、どこにも出せないというのは、ぼくは一種の秘密政治だと思う。何らかの形で、そういうものの効率というものは大体こういうことでやるのですと国民にも明らかにするべきだ。  ぼくが言っているのは、税金の民主化、近代化というのはそういうことにあるのだと思うのです。申告納税制度は、自分が出す出さないというのじゃなくて、課税する側が、国税庁なり大蔵なり何なりが、どこかが特権を持っているのでなくて、やはり国民のだれが見てもなるほどと思われるものを大蔵省なり国税庁の方々が効率を適用する。あなた方は国民の公僕なんだから、ゲー・ペー・ウーか何かのように特権を持ってあなた方は存在しているわけじゃないのだから、そういう意味では、国民が納得のいく——百万円もうけたのなら四十五万円について税金を納めてもらわなければならぬ、四五%についてもらう、こういう形にしていって、税制の民主化、近代化をやる。つまり、何かというと、結局、日本の大会社そのものに全部会計に秘密がありますから、大会社がそのくらいですから、中小なり何なりにもある。あからさまに出しているのは、結局源泉徴収されているサラリーマンくらいなものだ。ほかのものはみんな隠しがあるわけですから、そういうものをできるだけ隠さないように、青色申告や何かをもっと伸ばしていって、納税者側もやっぱりそれにこたえていく、そのかわり国税庁側もそれに対応して、まっ裸になれとまでぼくら言わないけれども、標準率なり何なりというものを明らかにしていって——全部一挙に、そこまで民主化していないときですから発表するのはどうかと思うけれども、ここの委員会なり何なりでこういうふうにやっているということを明らかにするのが当然じゃないですか。それを、国税庁だけで何か特権的に握って、それであたりまえだというのは、ちょっと考え方が違うのじゃないですか。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 誤解のないように申し上げておきますが、私がさっき懇談と申し上げたのは、懇談の席上で効率表を提示せよという意味で申し上げたのじゃございませから、念のために申し上げておきます。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 只松委員のお話、ごもっともの点もあるのですが、標準率表、効率表を私どもが持っておるということが、ゲー・ペー・ウーだとか特権だというお考えは、私おかしいのじゃないかと思うのです。申告納税制度を正しく運営していく上におきましては、先ほどお話もありましたように、できるだけ納税者がみずから青色申告で正しい記帳をしていただいて、その正しい記帳に基づいた申告をしていただく、こういう方向で伸ばしていくのが本来の筋でありまして、標準率表、効率表というのは、そういった青色申告をなさるのじゃなしに、まあ、納税者の方が何らの記帳もない、したがって、納税者自身にお聞きしても、去年の所得は、さあ、幾らだったかわかりませんというようことでは申告納税ができないわけでありますから、そこで、一体その店ではどういった施設で営業をやっておられるか、業種によっては、たとえば床屋さんでありますれば、一台のいすがあればどのくらいの売り上げがあるものだ、それから、すし屋であれば、職人一人あたりの売り上げというのはどのくらいあるものかというようなことを、一つの基準といいますか、目安にいたしまして、そこから売り上げを推定していくというようなことをやらざるを得ない。それからまた、売り上げ百円当たりの必要経費というもの、あるいはその逆の所得率というもの、これは標準的な場合についてはどれくらいになるかというようなことから標準率表というのもできておるわけで、本来の筋は、青色申告をできるだけ伸ばしていって、正しい記帳に基づく正しい申告という方向にいくべきなので、そういう点からいうと、そういう所得標準率表なりあるいは効率表というものを公表するということになると、かえって正しい青色申告というものを阻害する心配があるわけで、効率表なり標準率表というものは、どうしてもその人の所得をなかなか正確に把握できない、やむを得ない手段としてとる場合のことなので、それを公表することによって、税制が民主化されるとか税務行政が民主化されるというのは方向が違うのではないか、むしろ、青色申告をどうやったら伸ばしていけるか、そういった方向で考えるべきではないか、私どもはそういうふうに考えておるわけであります。

只松祐治日本社会党

○只松小委員 だから青色申告を伸ばすというのは、むしろ皆さん方よりぼくのほうが熱意があるといっては何ですけれども、初めから青色申告をすぐオミットしたり何かしないで、多少悪いところがあっても、公平に見て青色申告を伸ばしていくということを私も常に何年来言ってきております。それで青色申告を伸ばしていって自主的に納税をさせていく、こういう形のほうが納得をされていいのじゃないか、長期的に見て、やはりそのことが日本の税制を前進させることになるんじゃないか、こういうことを言ってきております。だから、それば同感ですよ。そのこととは別に、税金をかける、課税をする——あなた方はかける側ですが、しかし、国民はかけられる側なわけです。かけられる側から見て、大体何を基準に、一体どうやってされてきているのか一向にわからない。それから、われわれ大蔵委員あるいは税小の委員にさえも、いまこうやって論議しておるのにわからない。一体どこでわかるんだということになると、結局、国税庁のそれぞれの担当の人しかわからない、こういうことなんですね。だから、昔はいわゆる内務官僚やら、その前は陸軍やらが力を持っておったが、いまは通産官僚、大蔵官僚が力を持っているみたいに、いわゆる資本主義社会の中では経済力が一番ものをいうわけですから、そういう中において内務官僚が精神的な力を持っておったと同じように、精神的なゲー・ペー・ウーみたいな圧迫ではないですけれども、経済活動において、ある程度こうやって何かもうけた、あるいは利益が出た、しかし、幾ら税金がかかってくるか、どうやってされるかわからぬ、こういうことではゲー・ペー・ウー以上に、商売人というのは、ある意味では戦々恐々として私たちのところに相談にお見えになる、お訴えになる。このごろは、そういっては何だけれども、税務署の職員の人の態度が変わりましたからそれほどの恐怖観念はなくなりましたね。しかし、二、三年前までは相当の恐怖観念といいますか、そういうものが植えつけてあったことに事実です。いまでもそういう意味の恐怖観念じゃないけれども、やはり中小企業の人が税務署に対して大きなおそれを持っていることは事実ですね。これを何らかの形で、片一方にはおそれさせないようにするし、片一方に納得させて、結果的には青色申告というものになってきますけれども、もっとやはり抽象的に明るい納税といいますか、国民に信頼される、国民があなたたちを信頼していく、こういう形のもの——選挙制度でもそうでしょう。イギリスのように民主化をしてまいりますと、戸別訪問でも何でも自由にできる。これは自由にできるのがあたりまえですね。日本は戸別訪問や文書なんか禁止されておる、こんなばかなことはない。しかし現実に禁止されておる。これは社会の民主化が低いからやむを得ないけれども、本来こういうふうにあまり秘密的にすべきではないだろう。売り上げの中で、日本料理なら日本料理を四五%、西洋料理は五〇%を利益とみなしていきますと、その中で従業員一人に経費が幾らかかってくるからというふうにお互いに納得して——あるいは、サラリーマンは幾ら取って税金は幾らかわかっているわけですよ。そういうことで、自分のところでこれだけ利益が出たら、百万円出たら、一千万円出たらこれだけが大体税金の対象になるというものを国民に示すということは、ぼくはそう税務制度がくずれるとか崩壊するとかなんとかいうふうに思わないですね。もっとそういうものを国民に知らしめて、皆さんが国民からも信頼される、こういう形の税務制度というものが、私は近代的な税制のあり方ではないかと思うのです。  だから、皆さん方は取るほうですし、片一方はのがれよう、のがれようとしておるから、あまりこっちの手のうちを見せたのでは何か脱税したりして取れないようになるというおそれがあるかもしれませんが、ぼくは、そういう形でなくて、もっとお互い信頼、納得した上で税務制度を推進していく、こういう形でやっていったら、長い目で見たらいいんじゃないか。諸外国あたりのものをいろいろ聞いてみますと、そういうことではないですか。あとで言いますけれども、たとえば、税収の伸びにしたって何千億円というものが狂ってきたりなんかするのは、あなたたちの責任じゃない、政府なり大蔵省全体の責任であるけれども、そんな狂い方だって、諸外国にはあまりないのじゃないですか。ぱっと取れなくなったり、ぱっと千億円も取れたり……。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 議事進行なんですが、ぼくらの主張とあなた方の主張とは、いまのところ調和点はないのです。つまり、ぼくはこの間も言ったように、現存する標準率表、効率表を公開しろ、公開しないという点では、どうもいろいろ話してみても調和点がない。  ぼくがこの間言ったことは、いまの標準率表、効率表を廃止して、公表に踏み切った立場における標準率表、効率表を、画一的なものでなくて、目安というようなものにおいてつくり直したらどうであろうか、弾力性のある、幅のあるものにつくり直したらどうだろう、そういうものをこういうところでも十分に議論もされ、そうして目安的なものですけれども、運用も弾力のあるやり方にするということを検討願いたいというのが、ぼくの提案であったのです。これはしかし、私きょう委員長にもお願いしておることは、議事の進行上三点を提起しておるのですけれども、一体どういうふうに今後扱っていただけるだろうかということを提案しておるのであって、いまここで必ずしもケリをつけようという意味で言っておるのじゃないのです。だから、中橋さんのほうで私の要望するような扱いが将来やってもらえるならば、それを……。

中橋敬次郎大蔵省主税局税制第一課長

○中橋説明員 横山委員御指摘の第一点、第二点についてお答え申し上げます。  第一の点の、いろいろな特例につきまして申告を要件としておるもの、その要件を何らかの事由で満たし得なかった場合の救済措置と申しますか、治癒する措置がどの程度可能であるかという問題でございます。  この点につきましては、実はいろいろな、たとえば人的控除の適用につきましても、かつては非常に厳格な申告要件をつけてございました。それをだんだんはずしてまいったというような経緯もございますし、あるいは、最近の特例適用につきまして、わざわざ申告要件を設けなくてもいいのじゃないかというような見地から、従来と比べますれば、相当そういう点を省略してまいった経緯もございます。しかし、なお、いまのいろいろな特例につきまして、税制上はそういう申告を要件とするということを明文でうたっております場合に、納税者が何らかの事由でもってそれを実行しなかった場合、しかも、それに相当の事由がある場合、やはり税務署長の裁量で何ともいたし方がないという場合が実はございます。それで、私どもといたしましては、はたして現在特例を適用いたします場合の申告要件が十分バランスをとれて規定してあるのかどうかということも一ぺん見直したいというふうに思っております。それから、そういう検討を経ました上でもなお申告要件をつけざるを得ないという問題につきましても、特例の事由があります場合に、治癒する方法をどの程度まで設けたらいいのかという点も検討いたしたいと思っております。この点につきましては、実は税制調査会の中に税制簡素化特別部会というのがございまして、昨年いろいろ議論をしてまいりましたものを今回の税制改正にいろいろ盛り込んだものでございますけれども、また明日から再開をいたしますが、その一つの問題点として、申告要件あるいはその治癒の方法につきまして取り上げて検討していただきたいというふうに考えております。  それから第二点の、更正の請求についてでございます。  これも昨年の税制改正で、実は所得税と法人税の更正の請求期間を、一月以内といいますのを二月以内というふうに延長をいたしました。この場合にも実はいろいろな検討をしましたわけでございますけれども、なお、他の異議の申し立てのし得る期間あるいは出訴でき得るときの期間、そういうものとも関連して検討しなければならぬというので二ヵ月という線で割り切ったわけでございます。今回、いろいろ大蔵委員会における御議論もございましたから、この点につきましても、税制調査会の税制簡素化特別部会におきまして、こういう更正の請求期間とかあるいは異議の申し立てをし得る期間、こういうものを一括しまして検討をお願いするということにいたしております。この場合にも、更正の請求の期間を、御議論のございましたように、税務署長の更正が五年なり三年という期間を持っておりますから、それとバランスをとる、あるいはそれと全く同じようにするということで、はたして割り切っていいのかどうか。と申しますのは、良心税といわれております申告を基準といたしましたいまの所得税なり法人税というものにつきまして、納税者は多過ぎる申告をするということをわれわれは期待していろいろなこういう更正の請求などの仕組みを考えておるものではございません。そういうことになりますと、やはり更正の請求をするということは、おそらくは納税者としては、何らかの誤りがあって多過ぎた申告をしたという場合に初めて更正の請求ということが発動になるんだろうと思います。一方、税務署長の更正と申しますのは、そういう良心税を前提といたしております申告納税で申告がありましたその所得額につきまして、過小であるという場合に、一般の権衡からこれを正すという意味におきましての賦課行為でございますから、おのずと、同じ文句を使っておりますけれども、更正の請求、それから税務署長の行ないますところの更正と、別個のものがあってもしかるべきだというふうに考えておりますけれども、これはいまここにおきますところの議論になりますから、そういうものも含めまして、先ほど申しましたように、税制調査会として、私どももまずまっ先に明日公開いたしますときにもその問題を出しまして検討をわずらわしたいと思うのでございます。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 いまの二つの問題、特に最初のほうのやつはほんとうに研究するというんだけれども、ほんとうにまともに研究してもらいたいと思う。相当緩和できるところは何とか緩和してあるんじゃないかと思うが。だから、いままでどういう事案について利益を失ってきたか、それを実態的に調べてみて、気の毒かどうか、あるいは、悪意であったかどうかということをケースによって見ればよくわかりますので、まずそれを見ればおのずから答えが出ると思う。だから、第二番目の出訴の期間とか審査請求の期間というのにももちろん関連するが、同時にまた、事後の苦情処理、苦情を持ち込んできたやつを進んで誤謬訂正をどれだけやっているかという問題と緊密な関係があるわけです。誤謬の訂正の態度は一体どういうことになっているのか、そこも十分検討してもらいたい。  誤謬訂正は、それが間違っておったらやることにするんだろうと思うが、一体どれくらい誤謬訂正の申し出があり、どんな処理をしているのか、そこがぼくは一番問題だと思う。それがもしスムーズにいっておれば、やはり法律関係は早く確定して、事務能率をあげる意味で、所得は本人が一番よく知っているという前提に立たざるを得ないから、実際は、知らぬ人もあるかもしれないけれども、そういう方向に進めて、本人が一番わかるような方向に全体の税務制度を進めていかなければならぬ。そうすると、あと残る問題は、出訴の期間とか審査請求の期間とか、あるいは誤謬訂正に関する税務官庁の態度にかかるそういうこととの関連だろうと思う。  それからもう一つの標準率表、効率表の公表の問題、これは実は、私はいま思い出したのですが、昭和三十年、平田さんが国税庁長官になったとき、あのときに国税庁内で一つの審議会があったわけです。ああいう人だから、いきなりぶつけたわけです。公表することはどうか。かなりドラスティックなやつをぶつけた。いまと多少事情は違うと思いますが、そのときの意見は、納税思想と密接な関係がある、日本の納税思想が現在どれくらいの水準にあるのか、税だから現実的でなければいかぬ、プラスに働くだろうかマイナスに働くだろうか、全体としての納税者をいいほうに導くであろうかどうかというときに、残念ながら、そのときの答えは、非常に危険だ、そういう認識に立っておったわけです。そのときの前提になったのは、やはり何といっても申告納税制度であり、所得は本人が一番よく知っているんだ、そのときに、もし悪いのがおって標準率が公開になった場合、大体自分の利益が標準率以上あがっている人が、全部記帳を廃止してしまって何も記帳をしない、あとはメモだけやっております、心覚えだけ——これをやられると、もう本人が一番よく知っているんだから、対抗手段がない。標準率以外にないということですね。ところが、みな標準率に合わしてくるから困るという議論が一番強かったわけです。同時に、それが今後青色申告を育成していこうという方向と逆方向じゃなかろうかという議論がそのとき勝ちを占めておるわけです。今日とあの当時と比べてみますと、課税最低限がずいぶん上がっているという事実は認めなければならぬ。  それからもう一つ、今度青色帳簿について現金主義が導入されるということになりますが、私は、小さい人については、事実上これの推進のしかたいかんで、また中小企業に対する税務当局の態度いかんでこの問題は事実解消するんじゃなかろうか。むしろ一番心配なのは、大会社は帳簿なくしては経営できませんから、そうでなくて、同族会社の相当もうけのある中小あたりが、もしいま標準率公開ということになると、これは記帳を放棄してしまう。この人たちが記帳を放棄することが可能であれば、標準率公開によってもっと悪用することで利益を得る。税務官庁はおそらく対抗する手段を持たぬだろうと思う。いまの税務官吏の数からいい、能力からいっても、とてもそこまでは手が及ばない。その点に関して、私はいまの公開という問題について一番心配するわけです。おっしゃるようなほんとうに小さい七十万とか百万とかあたりは、これは漸次課税最低限が上がっていきますし、現金主義も導入され、それから青色の普及と、それから税務官庁の全体的な常識的な行政という問題のもう少し展開を待ってもおそくはないだろう、事実上解消してくるんじゃなかろうかという感じがしないわけじゃないんですがね。当時平田さんが非常にドラスティックな提案をして大問題を起こしたのですが、その当時といまと変わっているのはその辺じゃないかという感じがしているわけです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 あなたは当時の担当として内容のうんのうをきわめておられる方で、ぼくらはちょっと見ただけで議論の対象の立て方を知っている人と知らない人——知らないといってはおかしな言い方ですが、知らない立場で議論してもしようがないわけです。ですから、ほんとうならば、ここで効率表の一端でも非公式にでも出してもらって、それでどういう弊害があり得るのかという詰めた話をしないと本ものの議論にならぬと思う。  それからもう一つは、私の言う提案は、現状のまま公開しろと言っているわけではない。何とか調和点に持っていこうと思っているわけですから、この意味合いにおいても、実のところを言うと、いまは中身を一応お互いに知らない立場で議論をしているというおかしな現象ですね。だからその点は、委員長、これはどういうふうにしたらいいんですかね。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 小委員長に裁きをまかせられてもはなはだ困るんだがね。  わしの気持ちを率直に申し上げますと、いま三点指摘があったんだが、一と二については、中橋課長の話もあるとおり、税制簡素化特別部会にこれははかるということで、専門家の村山委員からもお話があったとおり、私どもの感覚もあなた方の感覚も大体並行しているわけで、同じ方向を向いているわけだ。  しかし、三の問題は、私個人の感覚を率直に申し上げると、これは私は、国税の徴税に当たる責任者として、こうしたあらゆるデータから積み上げたものさしを持つということは、善良な官吏として当然だと思うのです。また、それが秘密であって当然だと思うのです。ただ、いま村山委員も言われたとおり、良心税ということばもありましたが、なるべく青色申告に持っていって公正な税を払っていただくようにしようという、これは国をあげての、関係者あげての強い要望だし、また、それが実現しつつあるんだから、その方向に向かっていくのをうっかりすると阻害するようなことになってはたいへんだと思うのです。村山委員の発言に、当時の平田国税庁長官のドラスティックな提案という話もあったが、非常に参考になったと思うのです。だから、これをいま小委員会で突き詰めて、ここで責任を持って解決せいと言われても、ちょっと、私自身の気持ちから言っても賛成しがたいのですがね。

只松祐治日本社会党

○只松小委員 村山さんのほうから十年以上前の話で、そういう一つの文句があったといわれたが、ここの文句とそう変わらないと思うのです。専門の話は要らないけれども、国民の納税思想と密接な関連がある。これがいまネズミとネコになっておるのですね。ネズミとネコを少なくとも犬とネコくらいの間に、多少のひっかき合いや、じゃれごとはあっても、やはりたまに仲よくなれば一緒にやるということみたいに、やはりそこまでやらなければならない。どっちが責任があるんだということの議論にまでなってくると、なかなかむずかしい問題だと思う。やはりこれは双方から国民の納税思想を高めていかなければならぬし、国税庁側も、たとえば、横山さん、どういう意味でそういうことを申し上げたかわからぬけれども、全部公開するということではなくて、たとえば料理屋なら料理屋、呉服屋なら呉服屋なり、何かの一端だけ、こういうのはこうしておりますというくらいのことは、ある程度は示していって、それで、こういうことでやっておりますという何らかの話し合いというものがここに出てくる。国民だけに、おまえらが納税思想を高めてきて、脱税がなくなるようにするんだ、こういうことではなくて、さっきからの話なんか聞いていると、きょう何を興奮しているのかわからぬけれども、そういう話が出ているんだが、村山さんの、十年前にもそういう話があったということを聞くに及んでは、さらにこういう連関関係があることはもちろんですが、やはり国税庁側もそういう態度をとっていく、そうやって全体の税制の近代化をはかっていく、こういうことになるべきではないかと思うのです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 なぜいかぬのかということで、内容も知らぬ人間に、いかぬ、いかぬ、これは公表してはたいへんだということで言っているけれども、そういうことを遺憾に思わないかね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 いつかそういうものをもらったという話もあるから、御存じだと思って話をしているわけです。御存じないというのであれば、これは話は別なんですけれども……。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 それは一応御存じない立場ですよ。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 御存じないなら、いまの只松さんのおっしゃるような方向は、今後の税務行政をよくしていく上において、私は、そういう方向でいくべきじゃないんで、先ほど申し上げましたように、青色申告をふやしていく、所得の低い人については現金収入にでも青色申告を認めていこう、こういう方向を打ち出しておるわけですね。所得というものは、納税者であるその所得者自身が一番よく知っているのですよ。だから、一千万円売り上げがあって、幾らもうけがあったということがわからぬはずはないのですよ。一千万円売り上げがあったら、標準率表でやったら幾らの所得になり、それなら実際の自分の所得をどれだけごまかしたらいいか、そういう手段を与えることは決していい方向ではないと思うのです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 私の言うことは、前提を知っておる人間が知らぬ人間とけんかしておる。知らぬ人間が知っている人間とけんかしている。これはおかしいから、まず標準率表をわれわれに見せて——見せなければ議論ができない。だから、それができなければ、速記もとめて、人も出して、少なくともわれわれだけには、こういうことだからいかぬのだという説明しなければ、これはおかしいですよ。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 私、さっき意見を申し上げた中でちょっと落としていましたからつけ加えさせていただきますが、効率表は私もよく知らないが、先ほど来の話、この前の委員会のあなたの話をいろいろ伺っていますと、私はこういう感じを持つのです。  いま企業の合理化もどんどん進んでいる際ですから、たとえば、従業員一人についてその企業にどれだけの所得が予想されるかというような場合に、これは時々刻々変わってくると思うのです。非常に流動性を持った要素があると思う。それを固定的なものとして、もし公表したら、年度中にも内容が変わってくるおそれもあり、私は非常に弊害が考えられると思うのです。  それに関連いたしますけれども、さっきネコとネズミの話がありました。せっかくわれわれは青色を進めようとしておるのに、かりに標準率表等を公表したとすれば、うっかり青色で出すよりも、その標準に乗っかって、黙ってフリーパスでも通してもらったほうがメリットがあるという場合もある。さっきふろ屋の例があったが、なかなか青色に転換しないのは白色のメリットがあるからだと思う。だから、これはうっかり出すと、それがすべてのよりどころになってしまって、もう国税庁がきめた効率表に従って、御無理ごもっともで出したから文句はないじゃないかということでは、申告納税の趣旨が生かされてこないと思うので、やはりわれわれはあらゆる努力をして、青色申告に一〇〇%持っていくという努力をするのが当然だと思うし、その努力をいま続けておるし、相当効果があると思われるところも出ておりますから、私はその方向に進むべきだと思っています。これはつけ加えておきます。

平林剛日本社会党

○平林小委員 きょうはだいぶおそくなったから全部詰めるわけにいきません。ただし、公開するかしないか、それから、現在の時点において、それを国税庁が持って徴税のものさしにすることが、妥当になっておるか、あるいは、むしろ逆に言えば、弊害が多いかというようなことの事例は、実際の仕事をやっておる国税庁で標準率表、効率表に照らして申告をいたしますね。申告があって、前に問題になったのは、要するに、それが高過ぎて、きつ過ぎて、そうしておまえはこれに満たないからもっと出せということから公開せよとか、それに対する批判が集中したわけですから、最近の実情を統計的にながめて、アウトラインのほうからわれわれに示しながら、公開する時期なのか、公開すべきでない時期なのかということを確かめてみたらよろしいと思う。  たとえば、それぞれ申告しますね。それが税務署でいま持っておるところの標準率、効率表に対して、低くて更正をしてきたものがどのくらいあるか、あるいは高くてそのままフリーパスでよろしい、これは大体合っているからといって認可されたもの、その割合というのは一体どうなっておるか、各業種ごとに統計がとってありますれば、そういうことの状況判断でまた考え方は違ってくるわけです。ですから、そういうようなことを一度統計的なものがもしあったら、サンプルでもいいから調査してみて、公開するかしないかということをもう少し検討したらどうだろうか。やはり何かそういう材料がないと、ただ水かけ論になってしまって、せっかくこの問題を取り上げてきておるのですから、そういう資料がもしまとめられるものであったならば、ひとつ国税庁において、そういう意味においての資料を提出したらどうでしょう。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 まあ、お話の筋はいろいろあるので、私どももいろいろ検討はしておるわけです。  そこで、一番先に御理解いただかなければいけないと思いますのは、現在所得税なり法人税の調査をやっているときに、納税者の申告をどの程度調べているかということですね。数からいいますと、個人の場合は一〇%くらいしか調査できないのです、いまの税務職員の数と納税者の数からいきますと。法人の場合ですと、大法人は、これは重要ですからできるだけ実調率をふやして三〇%くらいまで持っていこうというので鋭意努力しておりますけれども、中小法人になりますと、もうすでにそれが一八%くらいに落ちてしまうわけです。実際申告した人の調査をしている数がそれくらいしかないという前提で標準率を公開したときに、みんなが、標準率に従ってやっていけばいいというようなことで、ごまかしの申告をされたときに一体どうであろうか。全部調査しなければできないのに、調査する対象が実際は一割とか一割八分とかいうような状態のときには、税務行政というのは混乱してしまうんですね。そこのところをお考えいただかないと、税務職員が大ぜいおって、実調率がもっと高いのなら別ですけれども、また、そういう方向にいくのがいいとは私は別に思わぬのです。ほんとうは、納税者を信頼して、納税者が自分で記帳したところに基づいて正しい申告をしていただければ、もう調べぬでもいいというような方向にいくのがほんとうの方向じゃないか、こう思っているのです。

平林剛日本社会党

○平林小委員 その前提は私はある程度わかりますけれども、いま標準率表、効率表は各業種ごとにあるわけですね。それで現状は、一体標準率表、効率表というものが適正なものになっているかどうかというのは、これはいろいろ議論はあると思いますけれども、それをこえて申告のあったものと、それから足らなくて、これはちょっと低過ぎるから漏れがありはせぬかというので更正をさせたものとの比率はどうですか。それはまとめてありますか、まとめてありませんか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 いますぐそういう統計はできていませんけれども、時間をかけて統計をとろうと思えばできます。

平林剛日本社会党

○平林小委員 それで、標準率をこえて申告する者が非常に多いというときであれば、公開をするということは弊害が出てくるかもしれない。逆に、むしろ税務署のほうから指摘して、これはちょっと常識から見て低いのじゃないかといっているほうが非常に多い場合は、公開することはそれほど弊害はない。むしろそれを公開すれば、税務署はまたわれわれのやつをつり上げるために発表したんだという批判を逆に受けるかもしれない。徴税を強化するためだという批判を受けるかもしれない。われわれがいまここで公開せよと言っているのは、徴税強化のためではないのだが、公開した場合にそういう批判を受けるかもしれない。そういう点、われわれも少し慎重にやらなければいかぬ。そこで、そうした問題について、サンプルでもいいし、一番やかましいような問題がありそうなところがどうなっているのか、実態はどうなっているのかということを少しまとめてみて、なおこの問題について結論を出すようにしたらどうかと思うのです。

横山利秋日本社会党

○横山小委員 それで私の言うのは、意見が違い過ぎるから、だから折衷案として、いまの標準率表、効率表を発表しろと、そこまでは言わない。それは一応廃止して、新しいものをつくって公表をして、それをひとつめどにしたらどうかという意見、それから、この間労働組合の二つまでが公表したほうがいいということを議論の末きめておるということは、これは前線の職員の意見として相当考えなければならぬことがあるのじゃなかろうかと思われる。それからもう一つは、いま言うように、知らぬ人間と知っておる人間が議論しておるというのはおかしいから、速記をとらぬでもいいから、また国会議員だけでもいいから、標準率表、効率表の御説明をなさる必要がある。私の要望は三点です。

只松祐治日本社会党

○只松小委員 この前、本委員会のときに言ったのだけれども、業者にとっては、諸雑費なり経費を差し引いたあとにリベートの問題があるわけですから、リベートが百万円なり二百万円なり出てくれば、リベートを払ってしまっていれば、現金はないわ、それに税金がばっとかかってきますから、非常に困っているわけですね。しかも、リベートの場合は、業者にとって、いまの慣習なり、善意といいますか、そういう意味で使われている。悪質な脱税や、自分で利益を隠匿した形のものではないのですね。慣習に基づくもの、それも公開するしない、あるいはどの程度まで、なかなか議論がむずかしいかもしれませんけれども、このあり方について、ひとつあなたのほうも検討しておいていただけませんか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 いまのリベートの問題は、この前も問題が出たのですけれども、結局、リベートを出した相手先をおっしゃらないものですから、そこにむずかしさがあるわけであります。われわれとしては、何もリベートを出したことを否認したいという気持ちでやっているのじゃないので、リベートをお出しになったら、どなたにお出しになったか、やはり課税というのは実質所得者に課税しなければいけないのですから、実質所得者がだれであるか、それがわからないでは課税はなかなかできない。だれに出したかわからないけれども、とにかくリベートを出したのだから認めろ、こう言われても、なかなか税務職員としてはそういうわけにいかない。そこをどう調和をはかっていくか。税務職員にこのことを知られたくないという気持ちはわからないことはないが、実質所得者に対して課税するというたてまえからいうと、どうもお話の筋がうまくいかないと思うのです。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 いまの税務の執行か、あるいは税制上か知らないが、取引の関係で、もしやられると商売をとめられる、それでどうしても言えない。仮定の話だが、いろいろな状況から考えてみて、税務官吏は、確かにこの人はリベートを出したに違いない、ばく然と、心証としてそういうふうに思っている。ただ、商売の関係で言えないというときには、課税はどうするのですか。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 ですから、それがどうしても言えなければ、リベートを経費として認めない……。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 認めないで、そしてその人に課税するというたてまえになっているわけですか、税制上、税務執行上。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 税務執行上です。心証があれば認めているケースもあるのですよ。

村山達雄自由民主党

○村山(達)小委員 この心証があったかどうかということの判断が、なかなかむずかしいわけですね。

泉美之松国税庁長官

○泉政府委員 これは事実認定の問題だから…。

只松祐治日本社会党

○只松小委員 きょうは時間がないから結論は出ませんけれども、党派からいえば、これはむしろ、社会党というより自民党の方、その支持者の方々にも非常に大きな問題を持っている問題だと私は思います。いま言われたように、相当の収益とみなされて出されておるリベートもあるでしょうし、あるいは、何かおつかいものということでたくさん出し、あるいは恒常的に品物を出していく、それで年間合わせれば五十万円、百万円になる、こういう形のものもあるし、リベートにもいろいろあると思うのですね。だから、そういうものを一がいに否認をされるのはどうか。ここは幾ら、ここは幾らとぶっかけてきているわけですね。これは全国的にやられているわけですから、こういうものも税の増収の場合には一番手っとり早い方法だと私は思う。だから、あなたのほうから見れば、理屈もあるだろうし、それから取り上げるのも早いということになるかもしれぬけれども、業者の側にしてみれば、もう出してしまったものを、裏金や何かそういう形で隠匿した金ではなくて、業務上支払ったものですから非常に困る例が多いわけです。しかも、良心の苛責もない、いままでの慣習として何十年もやってきたものを、このごろになってそういう面を強くやられるのはおかしいじゃないかというふうに出てきている。だから、これも結論は出ませんけれども、それこそ、これを国税庁がどの程度まで認めて、どの程度まで認めないということもなかなか容易じゃないと思いますけれども、これはやはり日本の社会慣習その他からずっと見て、どの程度なら認めて、どの程度なら認めないのか——いま言ったように、一がいに全部否認していくという形ではなくて、やはりそこも検討する必要があると思います。  きょうはそういう問題の提起だけをして、やめておきます。

足立篤郎自由民主党

○足立小委員長 次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会

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