大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第4号
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- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/07/25
会議録
○小峯小委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として日本銀行総裁の宇佐美洵君が御出席になっておりますので、今後の金融制度及び金融機関のあり方等について、忌憚のない御意見をお述べいただくことにいたします。宇佐美参考人。
○宇佐美参考人 金融制度と、そのにない手である金融機関のあり方に関する問題は、私どもといたしまして、平素から重大なる関心を寄せ、研究につとめているところでありますが、最近の各般の情勢にかんがみますと、いよいよ本格的な検討に着手すべき段階に差しかかってきたように思われるのであります。しかしながら、問題がきわめて広範多岐にわたります上、背景をなす現実の動きもなおきわめて流動的でありますので、その検討にあたっては、関係各方面の衆知を集め、慎重に審議を尽くしてまいらなければならぬと思うのであります。したがいまして、私といたしましては、個々の具体的な問題に関し、結論めいた意見を申し上げることは立場上差し控えたいと思うのでありますが、本日は金融制度の問題を取り上げるにあたって、その基本的な考え方なり問題点について大筋を申し述べ、御参考に供したいと存じます。 金融制度の問題を考える場合に、まずその背景となる金融の流れなり環境が、最近どのような変化に当面しつつあるかを顧みる必要があるかと思われます。 日本経済は、この十数年間に、民間設備投資を軸として目ざましい発展を遂げてまいりましたが、こうした成長の姿を反映して、企業の資金需要はきわめて旺盛であり、この結果、自己資本の不足、他人資本の過多という状態が恒常化したことは御承知のとおりであります。また、わが国では、こうした企業の金融が金融機関を通ずるいわゆる間接金融方式を中心に行なわれましたため、企業と銀行の強い結びつきを生じていることも特徴的であります。このような日本の金融構造の特色は、すでに戦前からもうかがわれるところでありますが、それが戦後の高度成長期を通じて一そう強められてきたのであります。これは、資本蓄積の不十分なまま急速な経済発展を推し進めようとする場合、ある程度避けられなかったともいえるのでありますが、他方、高度成長の過程において過去幾たびか繰り返された景気の激動を金融面から防止するように働き得なかったことも否定できないと思うのであります。 しかしながら、ここ数年来、わが国の金融環境は、内外両面ともに幾つかの顕著な変化が芽ばえつつあるように思われます。 その第一は、最近公共投資や個人の住宅建設の増大傾向等に伴い、公共部門と個人部門の借り手としての比重が次第に高まりつつあり、特に四十年の景気後退を契機に本格的な国債発行が行なわれるようになった結果、政府が民間企業と並んで金融市場における大きな借り手として登場してきたことであります。こうした公共部門における投資超過の増大は、民間投資活動が落ちついている限り、企業部門の資金不足をゆるめる方向に働くものであり、現に国債発行後のわが国の状況を見ますると、企業の手元流動性や自己金融力の向上はかなり著しいものが認められるのであります。もっとも、ごく最近は、民間の設備投資が再び増勢を強めており、公共部門と民間部門の資金需要をいかに調整するかが重要な課題となりつつありますが、いずれにいたしましても、国債発行後の資金の流れは従来とかなり異なったものとなり、金融機関の経営にとりましてもいろいろな影響を及ぼすことと考えられます。 次に第二は、公社債市場の発展であります。公共部門の資金調達が国債、政保債等の大量発行という形態で行なわれる一方、債券消化層の多様化などが進み、金融機関の債券売買も活発になりましたため、公社債市場は発行、流通両面ともかなりの規模に拡大し、ようやく発展の緒についたところでありまして、これをどう育成していくかが大きな課題であります。 第三に、開放経済体制への本格的移行に伴い国際金融市場との交流が急激に高まりつつあるのが最近の特徴であります。すでに短期外資などの流出入は相当の規模で活発化しており、その動きは金融政策上も軽視し得ないところとなっておりますが、今後資本取引の自由化が進むにつれて、国内金融に及ぼす影響は一そう多面的なものになると予想されます。金融界自体も一外国資本との直接、間接の競争関係に立たされます上に、産業界からも、国際競争力強化のため低利な安定資金供給の要請が一段と強まってくることは当然であります。 このように、最近における金融の流れはかなり大きな変化を生じておりますが、やや長い目で将来を展望いたしましても、こうした傾向なり特徴は、引き続き趨勢として受け継がれていくように思われます。もとより、将来の金融の姿がどうなるかは、今後の経済成長の速度と形態いかんによるところが大きく、一がいに断定はできかねますが、これからの経済に求められているものが安定かっ均衡のとれた成長であるとするならば、金融面におきましても、これまでの高度成長期におけるような状態とはやはり異なったものになってくるものと考えられます。 以上申し上げましたような時勢の変化に照らし、この際、金融制度につきましても、現実にそぐわなくなった点はないかを見直してみる時期に差しかかっていると思われます。わが国の金融機関は、戦後二十年の経験を通じて、質量ともにかなりの充実を見ており、特に近年、普通銀行以外の各種金融機関の発展は目ざましいものがありますが、この間、わが国の経済自体が急激な構造変化を遂げておりますだけに、中には制度確立当初の姿とかなり異なったものとなっているものもありますし、またこれまでのような高コストの経営基盤からの脱却を強く求められているものが多いことも事実であります。金融全体が一つの曲がり角に差しかかっているおりから、個々の制度につきましても、従来のワク組みにとらわれることなく、新しい角度から再検討を加え、改善を要するものは改善するといった前向きの姿勢が必要であると存じます。 いま曲がり角と申しましたが、わが国金融機関が速急に大変革しなければならないほど危機に瀕しているとは思いません。一応安定しているとも申せましょう。しかし、金融機関が国民のためにある以上、必要な変化、改革には常に勇断をもって取り組まねばならぬと信じます。この見地から考えますと、いま取り上げるべき対象はきわめて広いのでありますが、その基本的なねらいは、正常な資金吸収力を強化するとともに、金融本来の自律的な調整機能と効率的な資金配分機能とを高めることに置かるべきであります。それには、やはり金融機関が制度に安住することなく、相互の自由かつ公正な競争を促進するということを基本といたすべきであり、それが結局は一番効率的な方法であると考えます。 しかしながら、金融という業務は、一般の産業に比べますと、公衆の資金を取り扱うという点で独自の性質を持ち、しかも、主として債権、債務という形での持続的な取引であるということからいたしますれば、効率性と同時に、安定性、公共性という別途の要請にもこたえ得るものでなければなりません。したがって、競争と申しましても、それは当然節度ある公正なものであることが求められるわけでありますが、こうした金融の多面的な特質は、金融制度の問題を取り上げる場合に十分考慮いたさるべきものであります。たとえば、各金融機関の競争の場としての業務分野をいかに調整するかという問題をとってみても、業務内容の拡大、充実を進め、競争の効果をあげていく面と、相互の重複、競合を整理し、分業のメリットをあげていく側面と、どのように比重をかけ、調和をとれば一番金融の効率を高め得るのか、さまざまの角度からこれを掘り下げてみる必要があると思われます。この点について、欧米先進国における実情を見ますると、国によって区々ではありますが、最近の動きは、一般に業務の制限を強めるよりも、これを緩和し、さらに金利なども自由化する方向に進みつつあるようであります。その背景には、金融機関の支払い能力や流動性に支障がない限り、業務内容の拡大、多様化をはかったほうが、資金の効率的な活用を期し得るとの考え方があるようであり、これはわが国においても十分参考に値するものと思われます。しかし、現実には、経済の特定部門に特殊な金融需要が存在し、これに対応する専門の金融機関によるほうが金融の疎通に役立つ場合もありますし、あるいは金融機関の規模や経営基盤のいかんによっては、ある分野に業務を集中するほうがより経済的である場合も考え得るのであります。いずれにいたしましても、わが国の産業構造なり、資金の性質、取引基盤等の実情に即して、どういう職能の分化あるいは統合が最も効率的であるかを具体的に詰めていくほかはないと考えます。 以上は、金融制度問題の一例にすぎませんが、これを要するに、金融制度の改善には前向きに取り組むべきであると同時に、金融という信用に基盤を置いた業務の特質、あるいは個々の制度の社会的、歴史的背景を慎重に考慮した上で漸進的に進められるのが望ましいと思うところであります。その意味で、今後金融制度調査会等専門の場において衆知を集めた審議が行なわれることを期待いたしたいと存じます。 なおこの際申し添えたいことは、金融制度の問題は、その構成要素である個々の金融機関の経営の問題と切り離しては論ぜられないということであり、制度改善の効果も各金融機関の自主的な対応努力の裏づけがあってこそ初めて実を結ぶのであります。一例を、いわゆる再編成の問題にとりましても、今後金融環境の変化に伴い金融機関の合併や業務提携の動きが進むことも予想されますが、それは単に規模を拡大するだけでコストが下がったり、金融機関の数を減らすだけで金融の効率が上がったりするようなものではなく、あくまでも各当事者の主体的な経営改善努力を前提とすベきであります。この際、金融界におきましては、新しい時代の流れを十分に認識し、一そう経営の健全化と合理化につとめ、金融に対する社会の要請にこたえねばならぬと存ずる次第であります。 最後に、金融政策との関連で見た金融制度の問題並びに今後の金融政策のあり方について、若干つけ加えたいと存じます。 金融制度の発展と安定のためには金融政策の適切な運営が不可欠でありますが、同時に金融制度の改善は、金融政策の有効性をより強化することに役立つものでなければならないと思うのであります。そういう点から考えますと、最も大切なことは、長短の金融市場が十分に発達することであります。御承知のように、わが国では戦後の成長過程でバランスのとれた金融市場の発展を見ることができなかったのでありますが、今後十分の規模を持ち、弾力性に富んだ市場を育成していくことは、金融政策のより機動的、予防的な運営を期する上にも、また金融機関の効率的な競争を実効あらしめるためにも肝要であります。特に従来立ちおくれていました公社債市場の発展は、企業の安定成長のためのみならず、国債発行下における金融と財政の調和ある運営の基盤ともなるものであり、当面の重要な課題であります。 市場の発展のためには、それにふさわしい金融環境の形成と政策努力の双方が必要でありますが、最も基本的な要件は、金利の弾力化、自由化ということであります。これを公社債市場について見ますと、市場における資金需給の実勢に応じて債券価格が自由に変動し、これに応じて発行条件も弾力的に決定され、また発行量そのものも調節されるという慣行が確立されることが必要であります。このような市場のルールにはすべての債券が従うべきであり、国債といえどもそれにならうのが当然であります。世上一部には、国債発行後は金融調節がやりにくくなったのではないかとの見方もありますが、以上のような市場原理に基づき財政との協調をはかっていけば、金融政策は所期の目的を十分に達成し得るものと確信いたしております。 また、金融政策といたしましては、開放経済体制への本格的移行に伴い、対外面でも新たなる課題に直面しつつあります。資本自由化の進展に伴って、わが国金融市場も国際金融市場との結びつきを深めていくことになるのでありますが、金融調節にあたっても、今後は単に国内要因のみならず、内外金利差、外資の流出入あるいは海外諸国の金融政策の動向等、対外的な要因をも十分に考慮に入れることが必要となってくるのでありまして、政策手段についても一そう多様化をはかり、弾力的に対処していかねばならぬと思うのであります。 以上、日ごろ考えておりますことを申し上げまして、簡単でございますが、説明を終わりたいと思います。
○小峯小委員長 ありがとうございました。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○小峯小委員長 それでは速記を始めてください。 これにて参考人からの意見聴取は終わりました。 —————————————
○小峯小委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀小委員 実は、非常に時間が制約されておりますので、金融制度のいろいろなお考えはいま承りましたので、この問題はちょっとあとで時間があったときにやらしていただくことにして、いま当面の問題に非常に重要な問題かたくさんございますのでちょっとお伺いをいたしたいと思います。 第一は、最近の国際収支の状態というものは、まあこれは短期的に見るか長期的に見るか、見方はいろいろございましょうけれども、しかし、少なくとも、諸外国の情勢を見ながら日本の現実を見てみますと、決してこれでいいという状態にはないと思います。特に外貨準備の中身もたいへん悪くなっております。金額としては約二十億ドルぐらいはずっと続いておりますけれども、中身はたいへんいま変わりつつあります。そういう状況の中で、一体今後の日本経済はどうあるべきか。実は、本日の閣議で政府は国債七百億円、政保債五百億円という、私どもがかねて主張いたしております財政面からの転換政策と申しますかを明らかにいたしておる段階でもございますし、私どもも、これまでの感じでは、ややこの問題については大蔵省のほうがシビアーにものを考え、日銀のほうが少しソフトではないかという感じを持っておりますので、その辺を含めて、ひとつ、本日の時点における今後の日本経済に対する日本銀行としてのお考えを少し承りたい。
○宇佐美参考人 ただいまの御質問に、大蔵省は非常に国際収支をシビアーに考えておる、日本銀行は少しゆったりしているのではないかという御批判がありましたが、決してそうではなくて、私どもも終始国際収支が目下の非常に大きな問題だというふうに考えております。また、現に、ことしになりましてからのいろいろ数字を考えてみますると、どうも輸出が伸びていない、同時に輸入がふえておる。たとえば貿易収支におきましても、黒字は黒字でございますが、たとえば昨年の一−六月、半年間を比較いたしますと、黒字幅は非常に減っておる、そういうようなことで、基礎的な数字も赤でございますが、総合収支も、まだはっきり一−六月はいたしておりませんけれども、約五億ドル近く赤字になっているんではないか、かように考えて心配をいたしておるのであります。むろんこの数字は何年間もとりますと常にカーブを描いておりますので、そう短期間をとってどうこう言うのもいかがか、あまり神経質に過ぎると思いますが、御承知のように上期は輸入期、下期は輸出期といっております。この状態がこの七月以降におきまして若干改善されるとは思いますけれども、しかし、やはり見通しとしまして、赤字が黒字にまたなるという状態はなかなかむずかしいんではないか。で、どれくらいこの赤字が減るかということでございます。これが全部解消しなくても、だんだんよくなるという状態ならばいいのでございますが、その改善の度合いがこれから問題でございますが、どうもあまり楽観は許さないというふうに考えております。 特に私、今度短期間でございますが、ヨーロッパに行ってまいりましたが、各国ともよろしくございません。さらにまたアメリカについては、先行き下期はいいだろうという説がアメリカからは流れておりますけれども、しかし、それもいろいろな事情を考慮しますと、もう対アメリカの輸出、日本全体の輸出の三割を占めておりますアメリカの輸出が、また従来のように勢いがつくとはとうてい思われない。したがって、やはり輸入についても考えなければいけないのではないか。輸入は、日本の経済が拡大しますとどうしてもふえますので、この輸入を将来どういうふうに考えていくか、日本の経済成長の度合いをどういうふうにしなければならぬか、これがやはりいまの考えておるところの問題だと思っております。 私どもは、最近まで設備投資が相当出ておりますが、これは大体において必要なものだと、かように考えておったのでございますが、もうこれもだんだん進んでまいります。最近、私どもでおもなる銀行について特別に調査いたしました。それは、一般では上期は拡大が強くて下期になるとスローダウンはしないかもしらぬけれども、まあ横ばいくらいでいくだろう、どうも最近では上期のずれ込みもありまして、ちょっと横ばいというふうに考えるのは少し危険ではないか、少なくとも経済がこれ以上の拡大をどんどんやってはいかがかというふうに考えておるわけであります。貿易を考える場合に、日本が引き締めをやれば、すなわちそれは輸出増大につながるというような簡単な時代ではなくなってまいりました。日本がいかに輸出しようと思いましても、相手が不景気であっては何ともならぬという状態でございますので、先ほども申し上げましたとおり、その海外の情勢をよく考えながら、日本の経済をどの程度にやっていくかということになろうかと思っております。非常に日本銀行は楽観的だというお話でございましたが、私は決して楽観はいたしておりません。しかし、同時に輸出がもうだめだというふうに考えることはなお危険でございますので、輸出は一生懸命やるとしましても、国内の情勢に関しましてやはりいろいろ考えてまいらなければならぬところにきておる、かように考えておるのであります。
○堀小委員 一般的におっしゃるとおりだと思うのですが、これは今度IMFの十カ国蔵相会議にお出になってお帰りになったところですからあれですが、シュバイツァーも言っておりますように、とにかく各国が高金利というのは、財政がどうもちゃんとやるべきことをやってないから高金利になっているんだ、こういう問題もあります。日本は幸いにして、きょう少し財政をやることはやりました。日本銀行はこれを受けて、どういうふうにこの財政側が先行しておる中で金融政策をアレンジされていくのか、それをちょっと承りたいと思います。
○宇佐美参考人 きょう出ました政策については、何ぶんいま出たものですから、内部でも、まだこれからどうするか、あるいは各銀行にこれをどういうふうに伝達、指導するかということについてはやっておりません。 いまの段階で私が考えておるところを遠慮なく言えというお話でございますので申し上げますと、千二百億円政府の引き揚げが、簡単にいいますと減るわけであります。それだけ民間に余裕ができる。これを先ほど申し上げましたように、いまかなり高い成長をやっておりますが、この上に上乗せしてはいけないのじゃないか、そういう意味において日銀の貸し出しを今後上乗せしないという方針でやっていこう、かように考えております。
○堀小委員 これまで、できるだけ年内は方針を変えないでいきたいというような御発言があったかのように聞いておりますが、昨日もちょっと私どもの同僚の武藤委員が発言をいたしましたが、コールは御承知のように少し上がってまいっております。私、新米の大蔵委員のころは、大体コールというのはフリーマーケットの、ほんとうにフリーに動いている価格かと思っておりましたが、だんだん経験を積みますと、必ずしもコールも純粋なフリーマーケットの価格ではない、かなりそこには日銀としての配慮があるということを最近は承知をしておるわけでありますが、いまのコールの上がっておる状況は、そうすると大体このぐらいでずっとということになるのか、場合によってはさらに上がってくる可能性があるのか、そこらについてちょっと伺いたい。
○宇佐美参考人 コールは、原則的にいいますと、私どもが指導するものではないということは毎々申し上げておることなんです。これは短期市場における資金の需要供給できまるわけでございます。ただ、市場側からいいますと、そこにわれわれがあまり資金が急速に窮屈にならないようにいろいろの配慮をする場合もございますし、また、余ってくれば吸い上げて将来に備えるということもやらないではありませんが、本質的には、市場の需要供給できまるものである、かように思います。 したがって、今後これがどんどん上がっていくものかという御質問かと思いますが、私は、そういうふうにいまから予測してどんどん上がらないようにすべきだと考えております。しかし、どんどんといいましても、かつてのような大きなものはむろんお考えになっていらっしゃらぬだろうと思うのでありますが、多少の高低はいたしかたないと思います。かえって高低をそのままにすることによって、いまの短期市場はどういう状態にあるかということを一般に、銀行はじめ皆さんに知ってもらうことも非常にいいことではないかと思っております。
○堀小委員 私もいまの後半のお話のように、ともかく、日本ではほかの商品はみなフリーマーケットで価格はつきますけれども、金融についてはフリーマーケットの価格がないというようなことになりますと、一体何を基準にものを考えるかという非常に重要な問題がありますので、私はこれまでも、できるだけコールはフリーであるべきだという主張であります。ただ、同時に、さっきお話のありました金利の問題も、弾力的にひとつ自由化をしていきたい、こういうお話でありますが、どうも私、昨日来ずっと公社債市場の問題をここでも取り上げて——これは数年来のことでありますが、いまも総裁はお触れになり、さらにこの前も全国銀行大会で、公社債市場のできることは銀行にとって決してマイナスではないのだから、ひとつその点は大いに考えるべきだという趣旨の御発言もありました。こういういまの情勢は、何にしても公社債市場をできるだけ早くつくるような配慮が必要だと思いますし、最近の情勢は、国債を含めて実はどんどん下落をいたしておりますが、このことは、やはり全体としては少し金融がタイトになりつつある一つの姿だと思うのであります。公社債市場についていまお話は承りましたけれども、この前、たしかマーケットオペレーションをなさる時分でも、私はもっとあそこに価格の幅があってもいいのではないかという議論を当委員会で山際さんのころにしたことがあるのです。その後見ておりますと、あんまりあそこには幅がないようでありますが、何か全体としてそういう方向に動けるようないき方をとる必要はないのかどうか、それについてちょっとお伺いいたします。
○宇佐美参考人 公社債市場は、先ほども申し上げましたとおり、扱い量はだんだんふえてきております。これは当然でございます。 それで、今後の金融機関としましても、やはり公社債というものを片っ方に持ちながら自分で資金調節をする、資金調節をするには市場がなくては困る、そういう意味において、これが安定した、かなりの規模を持ったものにならなくてはいけない。この前も銀行大会で申し上げましたが、この発展は決して銀行の仕事を奪うものではないのだ、むしろ運営を弾力的にし、安定さすために銀行が利用すべきものだというふうに考えておりますので、今後もそういうことで進めてまいりたいと思っておるわけであります。
○堀小委員 時間がありませんから……。この間田實さんがおいでになったときにちょっと議論をいたしましたが、期末のドレッシングの問題ですね。ひとつ銀行側としても自主的に相談してやってもらいたいと注文がつけてあります。ただ、実はこれは、いまの全銀協の会長というのは一年きりで交代してしまうものですから、注文をつけても一年以内にできるかどうかという点にはちょっと——二、三年かかるだろうと思いますし、私まだ非常に心もとなく思っております。 そこで、日銀総裁としてこのドレッシングの問題はどういうふうにお考えになるか。ひとつ、日本銀行としても少し指導をしていただいて、大蔵省、日本銀行の指導と、都市銀行を含めて銀行の自主的な措置で何かルールができて、何年かの後にはそういうものがなくなって、さっきおっしゃった過当競争——公正な節度のある競争ということが必要なんですが、現在すでに、まだその再編成も何もしなくてけっこうみな過当競争をやっておるのですから、まず現状の過当競争を取り除かずしてその後の問題は議論ができないように思うのでありますが、ちょっとこの点について総裁の御意見を伺いたいと思います。
○宇佐美参考人 私も数年前まで市中銀行をやっておりまして、まあその点おわびを申し上げなくてはならぬのでありますが、どうもこれは、日本の国情といいますか、とかくいろいろな点で、数字が出ますのでついこだわるようになりまして、それがだんだん習慣となり、また実績化してきておるわけであります。日本銀行に参りましてから、一方において十分こういうものは早く直さなければいかぬと考えておりますので、いま段階的に少しでも減らすように——現に最近でも、また十分ではございませんが、少し直ってきたように思っております。ただ、何といいましても、銀行が自覚してくれないと困るわけでございます。その点は私ども十分注意してまいりたいと思っております。 それから、これは聞いたのでございますが、日本銀行のいろいろの、たとえば融資ワクが預金の多寡によってきまるというようなお話が出たとかいうことを聞きましたが、確かに、いままではどうしてもいろいろの慣習上そうなっておりますが、これもだんだん直していきたい、かように考えておるところでございます。
○小峯小委員長 奥野誠亮君。
○奥野小委員 先ほど金融機関の自由かつ公正な競争を強調されておりました。まことにもっともなことだと考えておるわけでございます。経済も安定してきましたし、金利の一そうの低下ということが非常に重要な問題になっておりますだけに、競争原理を通じてそういうような状態をもたらしていきたい、こういうようなお考え方もあろうかと思うのであります。そのような競争を通じて合理化していく、それが経営成績にもあらわれてくる、その経営成績がどうあらわれていくかという場合に、一番端的なあらわれ方が配当政策だと思うのでございます。そのほかにもいろいろな点があろうかと思うのですけれども、現在、こういう点について従来からかなり強い行政指導をやってきておる、もう少し弾力的にしてもいいんじゃないだろうかという気持ちが私には抜け切れないわけであります。また、そういうことを通じて競争の成果というものがはっきりする、したがってまた競争にも力を入ってくる、またそれを通じて合理化なり再編成なりが徹底されていくのじゃなかろうか、かような考え方を持つものでございます。それらの点についてどのようなお考え方をお持ちになっておるか、伺っておきたいと思います。
○宇佐美参考人 戦後、日本の金融機関につきましては、何ぶんにも、ほかの事業についてもそうでありましたが、何といっても国民に安心を与えるということが必要であったわけであります。ことに金融機関の場合は、先ほども申し上げましたとおり、基礎は信用でございますので、なかなかほかの条件が十分落ちついてこないと、配当が一番端的に業績をあらわすものだというふうに考えられますので、幸いにも高い配当ができるところはいいのですが、しかし、低いところは、どうもあの銀行は何かいけないところがあるんじゃないかという信用問題にすぐ結びつけられますので、とかく行政指導も、なるべく表面にあらわれたところは同じようにしよう、しかし、それにしても、悪いところについては若干の大蔵省の指導もいろいろあったように、決して画一的ばかりではなかったように思っておるのであります。 ただ、こういうふうに経済がだんだん進んできますと、理想の形としますと、あの銀行は配当は少ないけれども非常に便利な銀行だ、片っ方において悪いけれども片っ方においてプラスが出てくるというような判断を国民の皆さまができるほど落ちつきが出てくれば非常にいいんじゃないかと思うのであります。戦前は、必ずしも預金が多い銀行が一番いいというわけでもなかったのであります。積み立て金が多い銀行——やはり新聞広告なんかも、御承知のように資本金をいっておる銀行もありますし、積み立て金を広告にしておるところもありますし、あるいは店舗の数を広告にしておるところもありますし、いろいろの自分の銀行の特色をあらわしていたわけであります。そういう特色をあらわすことが、国民一般に非常に理解されるようになってきますと、やはり配当等についても、いろいろ正直にあらわすということをやっても、そう金融不安が起こらないようになるのではなかろうか、これは社会全体が落ちついてまいりますと、やはりそういう画一的なものはだんだん減らしていけますし、またそうすべきものだろうと考えております。やはり世間が落ちついておらないときは、私はいままでの行政指導もいたし方なかったんじゃないか、かように考えております。
○奥野小委員 いまおっしゃったように、だんだん落ちついてきたわけだから、もう少し実態を正直にあらわせるように弾力的な指導方針に切りかえていってもいいんじゃないか、またそういう時期じゃないか、そうすることによって、一そう合理化、再編成が徹底されるじゃないか、こうぼくは推察したものですから伺ったのですが、そのとおり理解しておってよろしいのでございましょうね。
○宇佐美参考人 これは、日本銀行の問題よりも、むしろお隣にいらっしゃる大蔵省の指導の問題だと思いますが、私は横から見ておってそういうふうに考えておるのであります。
○奥野小委員 もう一つ、総裁は公社債市場についての金利の弾力的自由化のことをおっしゃいました。公社債を発行する段階の問題もあれば、流通する段階の問題もあろうか、かように考えるわけでございます。発行する場合にも、できる限りコストダウンしていかなければならない。表面金利の問題もあれば、あるいは幹事会社の手数料等の問題もあろうかと思うのであります。こういう発行段階における自由化というものが、特定の数社に債券発行が独占されているきらいがある。その結果自由な競争がはばまれているきらいがあるというふうなことをわれわれはよく耳にするわけでございます。また、その限りにおいてはもっともだという感じもいたすわけでございます。総裁が特にこのことをお述べになった。それを発行段階の問題として受け取る場合には、私は一部指摘申し上げたわけでありますけれども、何をお考えになっているか、もう少し具体的におっしゃっていただきたい。また、そうすることが自由化につながっていくのだという点を御指摘願いたいと思うのでございます。
○宇佐美参考人 ただいまの御質問は、私もむろん発行段階について考えなければならぬと思っておりますが、当初に申し上げましたとおり、こういう研究問題を、具体的に私の立場からいまどうしたらいいかということは、もうしばらく研究が進みました後に申し上げることにいたしたいと思います。ただ、おっしゃることは私もよくわかるわけなんです。それで御容赦を願いたいと思います。
○奥野小委員 そうすると、御指摘になりました金利の弾力的自由化の問題は、もっぱら流通段階のことをさしておっしゃっておったわけでございましょうか。
○宇佐美参考人 むろん公社債の金利ですから、流通段階が自由に動く、需要供給によって動くということが必要でございますが、同時に、発行段階におきましても、そういういろいろの画一的でないそれぞれのものが、自分の実態に照らして考慮すべきものであろう、かように思っております。たとえば、従来はこの大きさのものはこれというふうに、非常に窮屈に考えておりましたが、そこいらをいかに考えるかということは大いに研究すべき問題だと思っております。
○小峯小委員長 武藤山治君。
○武藤(山)小委員 私も一、二点にしぼってお伺いいたしたいと思いますが、私非常にふしぎに思っているのは、昭和三十八年金融制度調査会が、オーバーローンの是正についていろいろな角度から公社債市場の問題、金融政策の問題金利の問題と、いろいろ答申をしたのでありますが、その後ほとんどストップ状態で、都銀の日銀借り入れというのはさっぱり減っていない、こういう状態のままで、金融政策をいろいろやるのにやはり非常な障害になっている。投資が鎮静をした三十九年、四十年ごろ、あるいは四十一年の上期、こういうときにもつと都銀から返済さしていいんじゃないだろうか、そういう点の努力を少々日銀は怠っていたのではないか、こういう感じがするわけです。それは、たとえば三十九年末の日銀貸し出しが一兆一千百億円、それが四十二年五月の日銀統計月報によると一兆六千九百二十億円、これは三十九年から見たらもう五千億円以上ふえておる、これではどうも答申の精神というものがさっぱり生かされていないのではないだろうか、それがやがていろいろオーバーローン是正をめぐった問題とは別な問題に発展をしてきているという感じがするわけであります。特にきのう、きょうあたりの新聞報道を見ると、一体新金融調節方式で今日の金融情勢をうまく調整できるのだろうかという心配が出てきている。 そこで、一体日本銀行としては、新金融調節方式でいける範囲というものは、金融側に責任があるんじゃなくて、財政のほうでそれをはっきり新金融調節の範囲内で信用の拡大にならない財政規模はこのくらいじゃないか、だから政府はもっとこういう点きちっとせいということを、日本銀行側からもっと強い姿勢を示さない限り、新金融調節方式ではやり切れなくなるんじゃないだろうか、こういう感じがするわけでありますが、そこのところをまず総裁どんなお考えを持っているかお聞かせ願いたいと思います。
○宇佐美参考人 ただいま一向オーバーローンは減っていないんじゃないかという御質問でございます。その御質問に対しまして、まず、その後の経済が非常に拡大しておる、非常に成長もしておるという点で、やはり成長通貨を出すという意味からいいましても、そんなに比率的には拡大はいたしておらないのでありますが、さらにその内容を見ますると、いま御指摘のころは、確かにほんとうの意味のオーバーローンでございましたが、その後、外国為替の関係であるとか、あるいは証券対策の何であるとか、いろいろ内容が非常に変わってきております。たとえば、一般の貸し出しは三十七年十月と今日と比較いたしますと、証券会社に対する、証券関係に対する貸し出しが三千五百億円、輸出関係のものが四千億円、一般貸し出しは四千億円減っておるということになっておるわけであります。したがって、なるほど相変わらずオーバーローンんじゃないかと御指摘になりますけれども、私どもとしましては、むろんこれは全面的に減らしたいわけでございますが、内容がかなり改善といっていいかどうか問題でございますけれども、やはり内容が非常に変わってきまして、いわゆるオーバーローンはだんだん減ってきておるというふうに御理解を願いたいと思うのであります。 それから金融調節の問題でございます。確かにいまおっしゃいましたとおり、財政関係が、先ほども申し上げましたとおり非常に大きな資金を持つようになっている。したがって、常に大蔵省とは連絡いたしまして、その内容を検討してやっておるわけでございます。ただ、大蔵省、国家予算というものは、やはり国会における御審議もございますし、また国全体のいろいろの、われわれがちょっと手がつけられない問題も国としては当然あるわけでございます。したがって、大蔵省に注文をつけろとおっしゃいますが、それはおのずから限度もあるわけでございます。ただ、何とかして大蔵省といろいろ連絡して、このごろいうポリシーミックス、財政、金融両方を調節していくという点は努力しておるつもりでございます。
○武藤(山)小委員 そういたしますと、きょうの閣議決定の千二百億円の減少で金融調節は非常に楽になった、当座八月、九月は調整は楽になったと思いますが、これから秋、さらに年度内を通じて見渡した場合に、オペの対象債券が非常に不足してきている。そこで、あるいは長期銀行の資金量確保のために金融債は減らすわけにはいかぬと言っている。そういうようなものをいろいろ考えた場合に、日本銀行としてこれからオペの対象債券を拡大するような考え方や、あるいはクレジットラインの引き上げ、さらに短資業者に対する貸し付け限度の拡大、三月にとったこういう措置をまたとるような日銀の考え方に発展をせざるを得ないのじゃなかろうか。もちろん、きょうあたりの新聞を見ると、日銀は国債の買いオペ対象六割というのをもっと上げて八割までぐらいをオペの対象に入れてどうかとか、あるいは日銀、大蔵省といまいろいろ揚げ超の修正を交渉するとか、いまのお話にもあったようなことですね。しかし、そういう個々の手段で、一体年度間ずっと見渡した場合に済むのだろうか。これはしろうとでありますが、結局貸し出し増になって、この一−三月ごろになるとかなり貸し出しが増加して信用の拡大、インフレ要因の増大、こういう傾向に進んでいくような気がするわけでありますが、そういう方向に進まないでうまく金融改策をとれるのだという自信のほどをちょっとお教え願いたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
○宇佐美参考人 これからの金融政策について自信があるかという御質問だろうと思いますが、自信というとなんでございますが、できるだけの方法を講じてやっていかなければならぬ。要するに、インフレにならぬようにするということが必要だと思うのであります。 そこで、ただいまいろいろ買いオペレーションの種の問題についてお話がございましたが、私どもはオペレーションをやる趣旨は、たとえば国債の値段が下がるからどうとか、あるいはまた金融債が困るからどうとか、そういうことでオペレーションはやっていないのであります。あくまでもその月々あるいは半期、一年を通じましての金融調節は、そういう個々のものをどう維持するかとか、そういう考えではございません。 ただ、一方におきましてそういうものがどうしても必要の場合には、おのずから、各国の中央銀行でもそうでございますが、やはり日本銀行が担保としてとるのは何がいいかということになるわけでございます。したがって、そのときの最善の日本銀行の買いオペの対象をつかまえましてやっておるわけでございます。決して金融債の工作のためとかあるいは国債のためとかということでなく、冒頭にも申し上げましたとおり、やはり市場を通じてやるというところで値段等を考えておるわけでございますが、あくまでもこれはその月々の資金の流れを、そのために非常に困難な状態にしてはならないということでやっておるわけでございます。本年の暮れに融資限度額が上がりはしないかという点については、私どもはなるべく上がらないようにしたいと思っております。思っておりますけれども、これは一時的にどういう情勢になるかということは、これは別でございます。責任をとるという問題でなくて、そういう性質のものでございますので、私どもは、いまの気持ちとしては、限度額を上げないで何とか措置していきたい、しかし、かりに上げるにしましても、ワクは上げましても、実際問題としてはすぐそのワクよりもはるかに下がるような状態にしていくというようにして運営をしていきたいと思っております。
○武藤(山)小委員 時間がありませんから、特に総裁には、日本銀行の使命は通貨価値の安定ということが大眼目でありますから、信用拡大の方向に進まぬようなうまい金融調節方法を、現在の行き詰まり打開のためにぜひひとつ考案をしてもらいたいと注文をつけて、次にもう一点だけ。 現在日本に支店を持っておる外国銀行は十五行だ、店舗は三十四だと新聞で報じておりますが、最近日本の企業に対して非常に激しい融資の誘いがあって、従来見られなかったような、直接外国銀行から日本の企業に乗り込んで、金を使わぬかということで非常に激しい融資態度だ、こういうことで、たとえばオリエント・リースという大阪の会社がマンハッタンから長期三年、百万ドル、あるいは日産自動車がカナダのトロント・ドミニオンから年利六・二五%、あるいは有名なファスナーの吉田工業がバンク・オブ・アメリカから長期五年もの、これがいずれもみんな六・二五%くらいの金利で日本の金利よりも有利だ、こういう点から日本の企業が外銀関係にとられていくという傾向がだんだん大きくなるのじゃないだろうか。現在では、大蔵省の発表では総額で二千億円程度ですから、全国銀行貸し出しの二十二兆円から見れば、それはわずかなものだ、心配は要らぬ、こう簡単に片づける数字かもしれませんが、しかし、こういうように積極的に外国銀行が日本企業にまで手を伸ばしてきているという事態は、私は、長いこれからの資本自由化の体制の中ではたいへんな事態になる危険もあるのじゃないかと思うが、こういう点を総裁の見識として、どういう対策なり心がまえなりを企業側に要望するか、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○宇佐美参考人 日本におります外国銀行の問題につきましては、いま実際十五行来ておるわけです。そして店舗は三十四ぐらいございます。この大きさ等もございますが、ただいまお話のように、アメリカの銀行がわりあいに貸し出し積極化といいますかが多少ございましたことは聞いておるのでございます。しかし、最近に至りましてアメリカの金利も上がってまいりましたし、必ずしも全部がそう積極的であるとは見受けられないのであります。一部には借り渋っておるものもあるようでございます。 それで、私どもとしても、アメリカは御承知のようなガイドラインというものがございます。その範囲内の限度も知っておりますし、また、今後資本の自由化の進展に伴いましてどういうふうに積極的になってくるかということも十分注意深く見ておるところでございます。在日外銀を通じての外資が過度に入ってこないように十分注意をしてまいりたいと思います。いまのところそう問題になるものはございませんが、自由化を控えましてどういうふうになってくるか、注意深く見ておるということで御了承願いたいと思います。
○武藤(山)小委員 もう一言、一つは、この間蔵相が十カ国蔵相会議と中央銀行総裁の会議があって、新準備資産の問題でいろいろ御討議をなさってきたわけでありますが、今回は成立に至らなかった、九月ごろのIMF総会ぐらいまでには何とか結論を出そう、こういうような新聞報道でありますが、これがもし締結された場合、結論が出た場合、日本に対して大体どういうメリットが考えられるのか、あるいは直接日本のメリット関係はないけれども、国際流動性が非常に高まるので貿易が盛んになって、それが間接的に日本にメリットを生む、その程度なのか、その辺をひとつ。 もう一つこまかい問題ですが、いま相互銀行に対する為替交換決済制度は、日本銀行として相互銀行は加盟させておらない。そこで、相銀の中でも今日非常に大きな預金量を持ち、規模が拡大されているというものに対しては、もう為替交換決済制度へ加盟させていいんではないだろうか、これが一点。 もう一つは、日本銀行と取引している相互銀行は十三行ありますが、これは全部貿易手形だけなんですね。そこで公定歩合の傘下に入れて、適格商業手形も取引できるように相銀の大きいところは認めていいんではないだろうか。日本銀行としてその辺は何か検討しているか、近い将来に何か結論を出そうとしているか。この三点を簡単にお願いします。
○宇佐美参考人 いま盛んにやっております新資産をIMFで創設しようということでございますが、昨年までは非常に議論が対立的でございましたが、先週行ないましたロンドンの会議の結果を私見てまいりましたが、非常に流動的といいますか、妥協的になってきておるのであります。したがって、最後にこういうふうにまとまったということはコミュニケに出すことはできませんでしたが、これから九月の末のリオの大会までにいろいろ会合を進めまして、そうして何とか煮詰めたいということで努力しております。この間の会議におきましても、わずか二日間でございますが、いままで対立的であったものがだんだん解消してきて、妥協の点に近づいておるということがうまくいけば——全部の点で完全な状態になることはあるいはむずかしいかもしれませんが、大筋ではリオの大会で話が出てきて、さらに実際段階においてもっと研究する。それで、いよいよ実際やりますと、いまのIMF傘下全部にこれが影響するわけでございまして、百六カ国ですかございますが、これらがそれぞれの国に帰りまして、国会なり何なりにかけてやるわけでございますから、いまのところの見込みでは、実行は、非常にスムーズにいくにしても二年ぐらいはかかるだろうということでございます。したがって、これがいよいよIMFでできましたら、日本政府としましては国会にいろいろ御審議を願うということになろうかと思います。そのときまでにどれくらいメリットができるかということはちょっとなんでございますが、少なくとも日本のごとく外貨準備が少ない国におきましては何がしかここに乗ってくるわけでございますのでそのメリットがあるということと、それからさらに世界的にいいますと、それだけ世界全体で——一年目に幾ら出ますか、かりに十億ドルというような資産ができるとしますと、それはやはり貿易上はいいメリットができるんではないか、そういうものを毎年やっていくとしますと、私は日本にとっては決してマイナスのものではない、むしろプラスといってもいいと思っております。 それから、相互銀行の取引につきましては、私は、相互銀行あるいは信用金庫、これらのものも、できれば——日本銀行としていま取引のないも一のもございますが、信用金庫のほうはまだだいぶ残っておりますが、それもだんだんこの内容がわかって、まずこれならば日本銀行の取引としてふさわしいという規模になりましたものは取引をふやしていきたい。それから相互銀行の一部には現に商業手形の再割りを認めております。 それから、為替交換の相互銀行の加入問題につきましては、今後検討をいたしまして、また銀行協会その他とも一連絡をしてやってまいりたいと思っております。 私の態度としましては、これらの大会でも始終申し上げているのですが、なるべく日本銀行と親しくひとつおつき合いしましょうということを申し上げておるわけです。
○小峯小委員長 村山喜一君。
○村山(喜)小委員 あと五分しかないようですから一点だけお尋ねいたします。 新しい金融政策の展開が始まるわけでございますが、実は四十一年度の経済企画庁の「年次経済報告」を見てみますと「金融政策の手段を多様化して日銀が積極的に通貨を調節できるような体制を整備してゆく」べきだということが言われておる。いろいろ日銀券の六月の平均発行高を調べてみますと二兆四千七十三億円、前年対比で二八・四%、ことしに入りましてから平均二八%で、ずっと上がっているようでございます。これを前に比べますと、四十年が一二・五%、四十一年が一四%で、これはいろいろ消費景気が非常に拡大をしてきたというようなことももちろんあるわけでございますが、そういうような方向の中で金融が受け持たなければならない主たる任務でありますブームの抑制という問題をめぐりまして、日銀が積極的に通貨を調節ができるという体制をつくるべきだということを、これは経済企画庁だけではなくて、政府がきめているのだと思うのでありますが、これに対応する日銀としてのいわゆる今後の方向というものはどういうような方向をお考えになっているのかお聞かせをいただきたいと思います。
○宇佐美参考人 この通貨でございますが、ほんとうに腹を割って申し上げますと、通貨というものは最後のツケが回ってきたようなものであります。この通貨が、乱暴な議論でございますが、たとえば、かりに二兆円しか出さぬと、こう言ってきまして、だれかが小切手なり何なりしてその残高はある、しかし金がないということになったらたいへんでございますので、やはり通貨というものは最後のツケのようなものでございますので、これは何としても出さなければならぬ。根本的な問題は、その前段においてどうかということになろうかと思うのであります。通貨が一六%、一七%にかりになって、そしてやはりこれがいろいろな意味において物価騰貴の原因にもなるとか、いろいろなことになってきた場合には、その通貨のところで押えることはできませんので、やはりその前段階の産業をどうするかとか、あるいは賃金の問題はどうだとかいうようなところで押えないと日本銀行としては押え切れない。まあ銀行の窓口で通貨が足りないということになっては非常に困るわけで、必要なものは出さざるを得ない。ですから、この問題をお考え願うときには、かりにいまの通貨は少し高過ぎる、たとえば前年より二〇%とか二五%になってきたというときには、その通貨の面できめるのではなくて、その前提に、そういう通貨を必要とするのはどこに原因があるのか、あるいは消費か非常に出てきた、これはインフレの前兆じゃないかというような点、あるいは生産が非常に上がってくる、賃金が上がるのはまことにけっこうですが、その賃金の上がるのが物価の上昇その他から見て非常に激しく、幅広いものだったらどうだろうかとか、いろいろな原因を調べることが必要なので、通貨の面だけでにらんでももう時すでにおそしということにもなろうかと思うのであります。
○小峯小委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 宇佐美参考人には、御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。 小委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。(拍手) 次会は、八月十一日、十二日の予定でございますが、詳細は公報で御承知願いたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会