大蔵委員会 第29号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/07/05
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 証券投資信託法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、本案について、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○内田委員長 次に、質疑に入ります。 通告がありますので、これを許します。只松祐治君。
○只松委員 投資信託の問題について若干御質問をいたします。 まず最初に、数字的な面を聞きますと、現在投資信託を設定しておる数、法人は大、中、小いろいろありますからなかなかわからぬでしょうが、個人中心でけっこうです。個々人を中心にいまから議論をいたします。現在の設定者数は幾らか、お教え願いたい。
○加治木政府委員 御承知のように、投資信託の受益証券は全部無記名になっておりまして、確実な数字は、これを実名をもって名寄せしないとわからないわけでございまして、資料としても、確実な資料は実は手元にございません。協会その他から聞いたところを推測しますと、個人としまして約四百万人くらいではないかというふうに推定されております。
○只松委員 一番多いときは幾らですか。
○加治木政府委員 最近は減っておりまして、大体その程度といわれておりますので、三十五、六年当時株主数が五百万人といわれた——現在でもそういうふうにいわれておるのでありますが、これは名寄せした結果でございますが、おそらく三十五、六年のあの最盛期には、投資信託も大体その程度いたのではないかというふうに一応推定されますけれども、御要求にぴったり合うような確実な資料が実はございませんので、その程度でひとつ御了承願いたいと思います。
○只松委員 大蔵省でその数さえもわからぬというようでは、これはなかなか困ったことで、対策が打てないのは当然だと思うのです。私が聞いたところでは、一番多かったのは昭和三十七年度で五百三十五万人、それは個人ですが、全体の中で個人の率が九三・三%というのが最大だった、こう聞いておる。現在は解約が非常に進んでおって、きわめて激減した人員になっておる、こういうふうに聞いております。八十何万人というようなこともいわれておるわけですが、いまでは四百万人というような話であります。それも、私も確かな数字をつかんだわけじゃないからあれですが、これは調べて、資料か何かでその推移というようなものをお出しいただくことはできませんか。
○加治木政府委員 実は、これは無記名制度になっておりますし、ことに国民の受益証券は転々売買もされるわけでございます。したがって、この実名をもって名寄せして的確な数字を出すということは、おそらく技術的にもなかなかむずかしいのじゃないかと思われます。
○只松委員 実名でなくても、たとえば全体の総額がある、そうすると、人間がわからないで、それで、いわば機関投資家と個人と、こういうもので幾らどうやって投資しているというものを、およそのことがわからないでは、いろいろな対策というのはぼくは打てないと思うのです。そういうことも全然わからないで、やみくもで投信の対策いまこうやっていろいろな法案をお出しになっておるわけですけれども、これもまた場当たり的なものになる、こういう形にとられてもしかたない。やはり全体の額とともに、その中に国民がどれだけその問題に関与しているかということがわからなければならないと思うのです。実名という、個々人のことを言っているわけじゃないですが、国民が何百万人この投資信託の設定に関与しておるかということくらいおわかりにならないですか。
○加治木政府委員 各ファンドを設定しましたときの人員数は、これは調べることは可能でございます。しかし、それもその後解約がございますし、それから各ファンド、たとえばAというファンドに入っている人はBというファンドに入っていないかどうかということは実はわからないわけでございます。ファンド数は各社大体七、八十本ございますので、全体では数百本というような状況になります。したがって、これを各社全部一応実名を洗って、現存する受益者数を確かめる方法も実はないわけでございます。したがって、もし出し得るとしましても、過去に設定されて現在生きているファンドで、ファンド設定時に一体何名に受益証券を売ったかという累計は出ますけれども、これは膨大な数字になると思います。そこからどういうふうにしてこれを実質的な人員というふうに推定できるか、これはおそらく証券会社でも確実な把握はなかなかできないのではないかと思うのでございます。
○只松委員 確実なものは出なくても、大体の数字というものぐらい出さないと、その投資信託に投資している人が一人十万円ずつ設定しているのか、百万円ずつ設定しているのか、そういう金額なり何なりわからないで対策ということは、もし、するとするなら、国民に対する対策ではなくて、いわゆる業界に対する対策——大体皆さん方はそういうことを中心にしておやりになってきておって、こういうことになってきたわけですが、今度もまた、国民のことはあまり考えなくて、業界だけのことを考える、こういうことに終わるのではないですか。もっとやはり、あとでいろいろお聞きしますけれども、国民が非常な迷惑をこうむっておるわけでありますから、どの程度の国民が迷惑をこうむっておるかおらないか、これをつかまないで対策を講ずるというのは、片手落ちではないかと思うのですが、おおよその数字もつかめないですか。
○加治木政府委員 実は、今度の改正は受益者の保護に重点を置いておるわけであります。はたしてこれで御満足いただけるかどうかわかりませんが、その年間のファンド設定額、年間の設定時における延べ人員の数はわかっております。たとえば、いま先生の言われた、三十七年は五百三十五万八千三百二名、個人は九九・九%になっておりますけれども、これは昭和三十七年中に受益証券を買ってもらいました個人の総延べ人員でございます。それが三十八年が四百八十万七千八百九十六名、三十九年が二百八十七万二千九百三十九名、四十年が百六十四万五千三百一名、こういうふうになっておりますので、その後新規に加入した人員は延べ人員としてはこのように減ってきておりますが、それでは現に残っている人の実在人員を調べるという方法は実はないのでございます。しかし、かなり相当数の国民が受益証券を買っていることは、この数字からは当然推測できると思いますけれども、的確な、御質問の趣旨にぴったり合った数字は、技術的にも統計的にも不備でございますので、たいへん残念でございますが、その程度で御了承願いたいと思います。
○只松委員 これはきょうの本論でありませんが、たとえば、課税の面から見ましても、無記名になっておりますし、私の知った人で大口で投資信託を買って、そこから脱税じゃないか、こういうことで調べられましてやられた人がありますけれども、こういうのは全くの特例であって、投資信託をうまく使えば、これは脱税に使えるのですよ。だから、きょうはその問題を論議する場ではありませんから、そっちのほうはしませんけれども、いわゆる、私たちが言っておる金を持った人々、資産を持った人々はこういう面で税金をのがれて、あなたがわからないくらいですから、国税庁だってわかる道理はない。そして、のれんを張ったり、まともな中小企業をやっておる、あるいは勤労者の所得税は苛斂誅求される、こういう面がある。この問題は、きょうは論議しようとは思いませんけれども、もう少しそういう面からもお考えおきいただきたいと思います。 そういうことで、四百万ないし五百万の相当多数の国民が投資信託に加入いたしまして、額面割れなんかも出てまいりまして、心配だけでなくて、大きな損をしたりしておる、こういう状態がいま出てきておるわけです。これは月々はけっこうですが、現在のおよその解約状況というものはどういうふうになっておるか、お知らせ願いたいと思います。
○加治木政府委員 御承知のように、ユニットとオープンとがございますが、解約額だけでよろしければ、解約と償還も含めて一応別々に数字を申し上げます。昭和三十六、七年ごろからでよろしければ……。 昭和三十六年は、解約が千三百億、償還が九十八億、三十七年が、解約が千三百五十一億、償還が百四十一億、三十八年は、解約が千三百七十一億、償還が百七十八億。ちょっと設定額のほうを申し上げませんでしたけれども、この年までは、解約、償還額と設定額を比べますと、設定額が実は上回っておったのでございますが、三十九年になりますと、解約額は千六百八十二億、償還が四百五十四億、これに対しまして、設定額は千七百四十五億でございまして、差し引き三百九十億の元本としての純減になっております。これからずっと純減が続いておるわけです。四十年は、解約が二千三百五十六億、四十年に急に上がってまいりまして、償還が四百二十五億、それから四十一年は、二千三百十二億の解約、償還が七百五十九億、設定額が千七、八百億台でございますので、三十九年の純減は、先ほど申し上げたかと思いますが、三百九十億、四十年は九百四十四億の純減、四十一年は千三百九十二億の純減でございます。以上、ユニットだけでございます。 それから追加型のほうは、オープンは、御承知のように償還ということはございませんで、解約だけでございますが、三十七年は九百四十億の解約、三十八年が千三百七十億の解約、三十九年が千二百五十三億の解約、四十年が千百三十八億の解約、四十一年が六百二十三億の解約。設定額との差額を申し上げますと、三十八年に純減が始まりまして、三十八年は九百二十七億の純減、三十九年は三百二億の純増でございますが、四十年は一千億の純減、四十一年は二百六十三億の純減、こういうふうになっております。
○只松委員 全体としていま設定額は幾らになっておりますか。
○加治木政府委員 オーブンとユニットを合計しますと、六月末で残存元本額が七千四百七十三億八千四百万円、こういうことになっております。
○只松委員 公社債のほうと合わせて、総計幾らになりますか。
○加治木政府委員 一応公社債は六月末に二千四百六十六億八千二百万円でございますので、これを合計いたしますと、九千九百四十億六千六百万円、約一兆円ということでございます。
○只松委員 いままでの最高のときは幾らですか。
○加治木政府委員 一応単位型ユニットでいきますと、最高のときが、三十九年二月が九千三十九億九千三百万円、それから追加型では三十九年七月がピークになっておりますが、三千五百八十億二千万円、それから公社債は現在がピークでございまして、二千四百六十六億八千二百万円でございます。
○只松委員 いまお話のように、証券の最高のときは三十九年で一兆一千億をこしておる。公社債と総計いたしますと、三十九年で一兆三千億をこす、こういうことだったんです。現在はどちらを合わせても一兆を割っておる、こういう状況です。 この中で、こまかく論議していきますと切りがありませんが、およそ元本割れはどのくらいあると見られますか。
○加治木政府委員 六月末の数字はございませんが、ことしの五月末で、ユニットで申し上げますと、五千円が基準価格になっておりますが、四千円台が、ユニットの本数として三百四十八本で、金額で千七百三十四億円、それから三千円台が五十八本ございまして、これは若干でございますが、百四十七億円でございます。したがいまして、合わせますと千八百八十億円ばかりのものが五千円以下になっておる、本数では約四百本、こういうことでございます。 念のために、元本をこえるものを申し上げますと、五千円以上のものが四百七十四本で、三千六百億円、こういう状況でございます。
○只松委員 それに対して、延長中のものはどういう状況でございますか。
○加治木政府委員 全体の数字のそろっているのは五月でございます。五月末ですと、ユニットで延長されたのが二百三本で、その元本が千二十二億円でございます。延長中のものであります。これは延長と再延長と両方含んでおります。
○只松委員 延長と本年中の再延長はどうなっておりますか。
○加治木政府委員 ちょっと数字があれですが、六月末でいきますと、さっきの二百三本という延長が二百十三本ございまして、そのうち延長が百四十本で、再延長が七十三本、六月末で申し上げますと、これは元本がわかっておりませんが、一応本数は六月末で調べておりますが、総延長数が二百十三本、五月末で二百三本が六月末で二百十三本になっております。単純延長、一年延長が百四十本、二年延長が七十三本、合わせて二百十三本でございます。五月末も大体その割合だと思います。
○只松委員 このように相当の元本割れ、したがってそれからくる延長、再延長というような形になってきておりますけれども、この償還というものはどういうふうにお考えになっておりますか。次々に解約を待って再延長していく、こういうふうにお考えになるか、一定の期限を切ってやはり償還させていく、こういうふうにお考えになっておりますか。どうですか。
○加治木政府委員 これは延長措置をとるときにどういうふうに考えるか問題であったのでありますが、約款上は一年は延長し得るようになっておりますので、いわゆる単純延長は約款上の延長でございます。それを再延長いたしましたのは、五年が原則になっておりますから、再延長しますと七年ということになるわけでございますが、これは今後設定するものは七年を原則としよう、当座は五年原則で二年間延長という幅を持たせるようにしようじゃないかという措置が去年きまりまして、それに合わせまして、既存のものもやはり二年間延長し得るような措置に約款を改めたわけでございます。しかし、ある意味で延長中のものはすべて元本割れでございますから、たいへん受益者に御迷惑をかけているわけでございますけれども、投資信託というものはあくまで内容は株式である、したがって、投資信託を買う受益者の実質的な保護をはかるためにも、これは株式にかわるものであるという認識を十分徹底させる必要がある、そのためには元本観念というものを当然払拭すべきである、そういう観点からいいますと、期限が来たならば、元本割れであっても当然そのまま解約をさせるべきではないか、こういう考え方を原則といたしておるのでございます。したがいまして、二年再延長の分は二年の再延長ということでございますが、再々延長はいまのところ考えておりません。再延長期間が切れましたならば、たとえ四千円台のものであってもこのままこの際としては当然償還させるべきではないか、かように考えております。
○只松委員 いま再々延長はしないというお話ですが、やはり何らかのこういう方針を示さないと、設定している国民側としては、一体どうなるのだろうか、買えるのだろうか、買えないのだろうか、どうしたらいいのだろうか、こういうことで、いわゆるもともとが証券に対してしろうであるという人の金を集めるというか、預かっておるわけですから、いわばしろうとの人たちがたいへんに迷っていると思うのです。だから、この額面割れ、また再延長、こういうものに対しては、相当明確な方針というものを出していかないと困っておると思うのです。だから、ほかのことば私聞いておりません。初めであるかどうか知りませんが、再々延長しないという方針をお示しになりました。そういうことがいい悪いは別で、私は論議しませんけれども、やはり一つの方向というものを国民にはっきりさせる必要があると思いますから、ぜひひとつそういう点をお示ししていただきたいと思います。 それから、こういうふうに落ち込んでしまったり、額面割れがしたり、あるいは、これだけ通貨が膨張し、いわばインフレが進んでおるにかかわらず、投資信託の全体の額というものは非常に減少してきて、一兆円を割る——ほんとうならば、あの調子でいけば二兆円はこさなければならないが、半分以下で一兆円を割る、こういう状態になってきています。 その要因は証券界の不振ということにあることは申すまでもありませんけれども、それだけではないと私は思うのです。皆さん方のほうで、それ以外にどういう大きな要因があったかということをひとつ御指摘をいただきたいと思います。
○加治木政府委員 これは一つは、いまの投資信託の仕組み、これは去年業界で改善案が出まして、仕組みも変わってまいったのでありますが、それまでの仕組みからいいますと、非常に短期の資金、いつでも解約自由、ユニットといっても解約のほうはオープンであります。追加設定をしたのでありますが、解約のほうは自由になっておりますので、きわめて短期の資金で投資信託ファンドというものを設定し得るような、そういう仕組みになっております。したがいまして、非常に株式市況がよろしいときには投資信託に資金が集まりまして、それで株を買いますから、基準価格が上がる、基準価格が上がると、一般大衆は投資信託は非常にいいものだということで、ますます募集がふえる、募集がふえればふえるだけまた株を買うということで、こういう投資信託自体の仕組みの中に何か株式市況を激化せしめる、そういうファクターがある。これが逆に出ました場合には解約、市況が悪くなりますと、募集が減ってくる、解約もふえる、そうしますと、資金が減るから、減りますと、返すのは金で返さなければなりませんから、組み入れている株式を市場に売らなければならない、売りますと、当然需給関係で市況が下がってまいります。下がってまいりますと、さらに一般投資家のイメージが悪くなる、募集額が減る、減るから、しかも解約なり償還がふえるということですと、やはり資金が減少する、そうすると、それをまた売らなければならない。こういう上がるほうにも下がるほうにもアクセラレートするような、そういう可能性を含んでいる。これは運用にあたって、かりに募集が好調であっても、市況の状況を見て、いま買いどきでないというならば、コールに出しておくなり社債に出しておく、そういう慎重な態度をとるならばこれは防ぎ得るわけでございますけれども、業界の競争というような要素もそこへ入ってくると、なかなかそういうふうにまいらない、どうしても資金自身がきわめて不安定で、資金の不安定なために、株価が株式投信自体の存在によってある程度上げ下げが激化される、こういう面、これが一つは受益者に対して、株式投信というものが現在減りつつある状況でありますが、非常にイメージを悪くした、こういうことだと思います。 それから、あとは募集または運用の問題でございますが、募集の際に何となく元本——これも先ほど申し上げましたところと関連するわけですが、何となく預貯金に類似したような感じを与えておる、したがって、元本という観念がどうしても払拭しない。そのために、ともすれば募集の際に、これはいけないことでございますが、元本観念を募集する側のほうで顧客に鼓吹する、はなはだしいときには、これは元本保証をするというような事態も、最近はありませんけれども、いままではあったわけでございます。これは決して元本を保証すべき性質のものではございませんが、そういう点が一つございます。 それから運用の面でございますが、これは今度の法律をもって改正されますけれども、受益者とこの運用の実権を持っている委託会社との間には、実は信託関係はないのでございます。信託関係は、委託会社と現物を保管する信託銀行、この間の信託約款になっているわけでございます。したがって、受益者は、ただ金の運用の全権を委託会社である投資信託会社に委任する、そういう形になっております。もちろん、経済的な実質は、その運用を一任された以上は、受益者の利益のために最善の努力を当然尽くすべきでございますけれども、これは日本の市場が非常に未熟であったという——現在でもまだ十分成熟しておりませんけれども、未熟であったせいもありましょうが、歴史的に投資信託委託会社が本業である証券会社の兼営から発足してきておる、したがって、証券会社としては、投資信託、ブローカー業務あるいはディーラー業務、アンダーライター業務というものを総合的に運営する、それぞれ違った利害関係、違ったプリンシプルがあるべき筋合いのものが、その辺、必ずしも十分それぞれの本来の目的に従った、本来の役割りに従った運用というものをいままで十分にやっていない、あるいは本業のブローカーサイドあるいはディーラーサイドの利益を考慮して、株式の組み入れあるいはその売却をやるというようなことも間々あったわけであります。 それからまた、本業のアンダーライター業務、あるいは法人関係業務のために発行会社との間に特定の関係がございます。そうすると、発行会社の要請を受けて、受益者の立場から見るならば、必ずしも有利と判断し得ないものでも、場合によれば組み入れるということが、いままでは残念ながらあったわけでございます。まあ、この辺はこの二、三年の間にすっかり改善されてまいりましたけれども、この際、そういったことを法律的にも明らかにしようというのが、今回の法律改正の第一の主眼でございます。
○只松委員 今度の改正の趣旨というのは、そういう欠陥を幾らか埋める、こういう方向に向いているわけですから、それはまあまあですけれども、しかし、いま言ったように、証券界の不振ということが直接原因でありますけれども、不振におちいるときに多くの証券会社が、自分の——この出発が、しろうとが株をいじれないから、市況に練達した証券会社のほうで扱うのだ、それで利益を得るのだ、もともと発足のときからそういうふうに非常に表裏一体をなしておるのですから、それで今度悪くなったときには、それがいま一、二とか多少とかいうことばがありましたが、一、二とか多少とかいうことばでなくて、相当多くの者が証券会社の持っておるのをこちらに肩がわりした、不良の株券を肩がわりした。これは私も証券会社の人から聞いたわけです。これが単に証券界の不振だけではなくて、不振の悪い面を投資信託にさらにしわ寄せした、これが投資信託が非常に落ち込んだ、あるいは今日の不信を買った大きな原因をなしておる。特に、いわばくろうと筋といいますか、機関投資家とまでいかなくても、少し株をやっていた者、投資信託をやっていた者が全部手を引っ込めた。というのは、悪くなったときに全部そこに肩がわりする。どれだけ買っておったか、どの株を買っておったかおらなかったか、お互いに人事交流をやってつうつうだそうですからね。このごろは少し姿勢を正して直ってきているようですが、まだまだそういうことらしい。そういうことで、証券界の不振のときのしわ寄せが投資信託に持ち込まれてきている。 いままではそれで済んだわけですが、必ずしもこれで——証券界の不振というものは今度だけではない。資本主義社会が続く以上は、あなたたちも御承知のように、好況、不況というのは続くわけです。だから、そういう不安定な社会をなくせということで私たち社会党は社会主義社会ということを言っておるわけです。資本主義社会が存続する限り、波の高低には多少いろいろな高低はありますけれども、これは続く、そうすると、また不況のときが来る。そのときにいまのような形で、また不良の株、値下がりした株を組み入れていっちゃうということになりますと、私は、ますます投資信託というものは日本において不信を買ってくる、こういうことになるだろうと思うのです。だから、よほどこういう機会にそういう弊害をなくすように、皆さんのほうで、指導といいますか、またそういうことをさせないような抜本的なこととをしていかなければならぬ。そういう点で、今回の法律も微温的でありますし、これもあるいは証券界自体がいろいろ研究して発表しておりますけれども、これもてまえみそみたいな、私たちから見れば非常に微温的で、自分たちにあまり差しさわりのない程度の改革をしていく、こういうことになっておる。だから、そういうことが今後再び起こらないような相当強い姿勢というもの、あるいはこれは法律だけではなく、あなた方の行政指導としてもこういうことが必要だと思う。そうでないと、一時的に国民が迷惑するだけでなく、投資信託全体の不信を招く、日本では発達していかない、こういうことになりますので、ぜひひとつそういう点に対して強い態度でもって臨んでいただきたい。 それから、そういうことで落ち込んでしまったときに、保有組合をつくって一応の救済措置を講じたわけですけれども、これがやはり依然として、ガンとして残っておるわけですね。アメリカ経済がくしゃみをすれば日本経済がかぜを引くと言われたときがありましたけれども、いまの日本経済はそこまで底が浅くはない、もう少し強いでしょうけれども、保有組合に言わせれば、株も上がり下がりします、あるいは、この扱い方いかんによって投資信託は非常に大きな影響を受けてくる。だから、この保有組合がやはり一千八百億円からのものをかかえておる、これが一体どうなるのだろう、これもやはり一つの大きな危惧になっておる。皆さん方の証券界全体としては、共同証券の問題もありますけれども、これも直接、間接関係がないわけではない。証券局長ですからお答えいただけると思いますが、共同証券なんというものに投信の面から見てどういうふうに対処していかれるか、この際聞いておきたい。
○加治木政府委員 お説のとおりでございまして、あれは異常事態に対処するためのもので、需給関係が非常に——日本の市場の一番未熟な点は、需給関係が非常に市場に作用する、本来株価は、需給関係できまるというよりも、株価のいどころによって、売りが出るとかあるいは買いが出るとか、そういう姿が実現されているときが一番正常なときだと思いますけれども、いずれにいたしましても、日本市場は底が浅くスケールが小さいためにどうしても需給関係が大きく響くわけでございます。それが投信サイドの売り越しが、先ほど申し上げましたようにああいう状態でございましたので、必ずしも実勢値によって株価が形成されずに、投信の売り越しだけが市場を圧迫するということは不正常なので、資金的に需給関係をスクエアしよう、できるだけ需給のピッチをなくそうということでやったのが、今日三千五、六百億円まだ残っておるわけでございます。異常事態のなごりでございますので、これが存在すること自体が、やはり市場におっしゃるとおり一つの圧迫要因といいますか、非正常要因として現実に作用を続けておる。かつての非正常事態はなくなったけれども、非正常事態のなごりとして残ったものが、今日正常化された市場において非正常要因になっておるのであって、これはできるだけ早期に解消すべきだと私は思うのであります。ただし、いま申し上げましたように、需給関係によって市場が相当支配される現実の体質ということを考えますと、この放出にあたっても、それがみだりに市場に無用の混乱を起こすことのないようにタイミングと方法は慎重に考えてやってまいらなくちゃなりませんが、しかし、非正常要因であるという理由からするならば、できるだけ早く解消するほうが好ましいと思います。ただ、先ほどの数字でも御説明申し上げましたが、本年に入っても元本の減少あるいは投資信託の売り越しの状況は、月百億円から百五十億円の売り越しになっておるわけです。この状況が現在まだ続いておるわけでございます。これを保険会社なり銀行筋の機関投資家によって大体何とかこれを救い上げておるような状況でございますので、まあ投資信託のなごりとしての非正常要因でございますが、本体である投資信託がいま言ったような状況でございますので、これにオーバーラップさして、保有株、たな上げ株を放出するというのは、市場の環境からいうと非常にむずかしい問題でございます。したがって、できるだけ早くといいましても、市場の環境が現実にこれをスムーズに受け入れるような態勢にまで全般としてまだなっておりません。まあ、できるだけ市場の関係者——市場関係者といっても、特殊の筋に一種のニュースを与えるようなことになりますから、それは私はいいことじゃないと思うのです。 やはり両機関、共同証券、保有組合の責任者、あるいは中立的な立場にある取引所、こういったところと相談して、タイミングと方法をうまく組み合わせて処理していくほかない。一定のスケジュールを立てて、たとえば、何カ月のうちにこれだけのものを放出するというような、そういう方針はちょっとまだきめかねるような状況でございます。しかし、本年に入りまして、主として保有組合でありますが、端株整理あるいは増資株の払い込み資金調達という意味合いをもって、大体二百二十億ばかり保有組合は売っております。その程度でございます。
○只松委員 まあ、時期とタイミング、方法その他を研究して、原則としてはできるだけ早く整理したい、こういうことのようですが、しかし、投信のほうから、下からこうながめてみますと、そう簡単に早くといっても、これは一兆円を割ってしまうというような状況の中で保有組合を整理するということは、実際上なかなかできない、こういうことが言えるんじゃないですか。だから、ことばとしては、できるだけ早くというようなことを言っても、具体的にはなかなか手が打てない、こういうことになるのじゃないかと思います。 しかし、日本経済というものは、あるいは証券界というものは投資信託と重大な関係はあるけれども、これだけで動いているわけじゃないんですね。したがって、日本経済全体なり証券界全体から見るならば、この保有組合の持っておる株というものは、やはり正常な日本経済を発展させていくためには、何らかの形で結末をつけていくという形にしないと、これをこのままに残して、ガンであるか、腫瘍であるか何であるかは別として、何ともえたいの知れないものが——日本経済はいま再び過熱状態に入っておる、あるいは株式市場も活況を呈してきたとか、いろいろなうたい文句を政府側は言いますけれども、こうやって実際上はどうにもできないものが残っておる、こういうことだと思うんですね。だから、そういう面から日本経済全体の面を見ても、これに何らか対処していかなければならぬ。 時間もございませんし、また、別に参考人を呼んでそういう論議の機会もあるようでございますから、私はこれ以上論議いたしませんけれども、要するに、日本経済全体、証券界全体の正常化の面から見ても、国民から見てこの投資信託の一つの不信の原因になっている保有組合、関連する共同証券の問題というものについて、いずれやはり明確な方針を出さなければならぬと思いますので、ぜひひとつその点を御要望を申し上げておきたい。 それといま一つの原因は、こういうふうに総ワクとして一兆円を割るという状態になってまいりますと、景気がいいときはいいときで競争はありますけれども、これは別な意味の競争ですが、悪化いたしますと、業者間の不当な競争というようなものが起こってまいります。競争が激化する。そのために、いろいろな無理な金や何かも使うというようなことになって、諸費用もかさんできて、景気を生じない、こういうことも出てきておるのではないかと思います。こういういろいろなこまごまとした今日の信託の落ち込んできた原因、あるいは、今後もなかなかそう回復しないということを考えますと、容易ではない。しかし、数百万の国民に関連を持つ事柄でございますので、最後に、こういういろいろな要因を踏まえて、一体、投資信託界というのは、今度改正法律案をお出しになりますけれども、この程度の改正案なり何なりで、特に資本の自由化というものを控えまして、証券投資と一番関係のある——今朝来の新聞を見ましても、ソニー株の外国人の取得を禁止するということが出ておりましたけれども、いわゆる資本の自由化ということと相まっていろいろな問題が出てくると思います。そういうことに対する今後の見通しというと大ざっぱになりますけれども、対処する方針を最後にお聞きしておきたいと思います。
○加治木政府委員 新しい事態、資本の自由化といった事態を迎えまして、たな上げ株の処分をどういうふうに考えるか、まず、本年度の問題も従来なかった問題でございますが、新たに考えてみなければならない問題が提起されてきたということはおっしゃるとおりでございます。しかし、原則論からいいますと、投資信託がああいう状況になったについては、もちろん投資信託だけの責任だとは考えられません。ダウ千八百円ピークにまでいったのが、いま千五百円割っておるという状況でございますから、市況自身も悪かったわけであります。市況が悪かったについては、証券会社だけでなく、発行会社側のいろいろな問題ももちろんあるわけでございますから、いずれにいたしましても、投資信託という形でもって、国民の財産であったものが大部分がいま保有組合あるいは共同証券にたな上げという形で入っておるわけです。したがって、本則からいいますならば、タイミングがなかなかむずかしいし、おっしゃるとおり、投資信託自身が自立できる時期にくるまでは、いわゆるたな上げ株の解消らしい解消ということはなかなかむずかしいと思うのでありますが、そういう時期にまいりますならば、環境さえ変えますならば、できるだけやはり国民の財産であったものは国民のもとに返すというのは本則であると思うのであります。 ただしかし、一方で資本の自由化を控えて、健全な機関投資筋のほうで安定株主にもなるし、資本の自由化の防塞にもなるし、同時に、かつてのような不安定な市況要因になるようなことのない、そういう機関投資家筋にこれを肩がわりさせるということも一つの考え方だと思いますが、この辺は、もうしばらく状況を見た上でないと、はっきりした方針をここで明らかに示すということはちょっと困難でございますが、原則論といたしましては、国民のものは国民にできるだけいい形で返すということだと思います。しかし、自由化等の対策のだめそのほうがいいということであれば、また、市場の関係者がそういう判断をするならば、健全な機関投資家筋にこれを肩がわりさせるということも一つの考え方だと思います。
○只松委員 資本の自由化まで進んでまいりますと、もちろん日本経済ですから、日本の特殊事情があるわけですが、日本の特殊事情だけで問題を処理するということもできなくなってくる。国際的な問題も考えなければならない。しかし、そういう面について、投資信託の側面から見た、あるいは日本の証券の一側面から見たこういうことではなくて、日本経済全体、あるいは、自由化に対処する全体の立場からこういう問題に対処して、これはあなたたちがやる以外に一そういう大所高所から指導するのは私たち国会で論議する、皆さん方が行政指導するという以外にないわけであります。 ぜひそういう点を要望いたしまして、私の質問を終わります。
○内田委員長 次は、堀昌雄君。
○堀委員 大臣がお見えになりませんから、ちょっと先に技術論を少しやっておきたいと思います。 今度の法律改正の中で、新しい一つの信託の運営の問題として、信託とみなす信託という問題が提起をされておるわけです。これをファミリーファンドあるいはマザーファンド、ベビーファンドというわかりやすい表現で一応呼ぶことにいたしまして、このファミリーファンドの問題の中で、一体ベビーファンドの投資物件というのは、マザーファンドの受益証券だけになるのか。ベビーファンドといえども一つの投資信託であるから、そこにはやはりコールをとるとか、あるいは社債をとるとか、そういうものをとり、なおかつマザーファンドの受益証券と、こういうことになるのか。株式については、あげてマザーファンドにまかせて、ベビーファンドには株式の組み入れをしないのか、その中身をお答えいただきたい。
○加治木政府委員 マザーファンドの主体は、株式運用を各ファンドでいまやっているものをマザーファンドという形でもって統一運用をやろう、これが主体でございます。したがいまして、現金というか、コールとか、社債が問題でありますが、社債をどうするか、いまのところはっきり業界もどういうふうに考えているか私もわかりませんが、主体は株式ということでございます。それからコール等であれば、当然これは解約は直接ベビーファンドにくるわけでございますから、そういう準備の意味を含めて、現預金あるいはコールのようなものはベビーファンドと、かように考えております。
○堀委員 そうすると、ベビーファンドが、おそらくこれまでの慣例からして毎月設定になるだろうと思うのですが、毎月設定であろうと隔月設定であろうと、それはよろしいが、このベビーファンドが幾つでマザーファンドになるのか。要するに、マザーファンドというものは期間があるのか。今度は投信法の改正で七年ということになるのでしょうね。だから、その七年という、ここには書いてないけれども、そこの場合にマザーファンドというものの長さは一体どういうことになるのか、ベビーファンドにある程度見合う長さになるのか。マザーファンドというものはそのままずっとこういく、そうして、それの受益証券だけをベビーファンドは持っているということになると、マザーファンドの性格というものは、かなりこれまでの投資信託と違う性格になると思うのです。だから、ベビーファンドのほうはこれまでの単位型投信そのままだと理解できるわけですが、このマザーファンドの状態はどういうことになるのか。
○加治木政府委員 一応、 マザーファンドはベビーファンドを対象にしたオープンというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。しかし、実際の終期は、最後に入れたベビーファンドの、今度七年が原則になるのでありますが、たとえば、この六月組み入れが一番最後だとしますと、そのマザーファンドヘの資金の提供が、六月が最後だとしますと、七年先の六月というのが実際の終期になります。したがって、マザーファンドのほうにその終期に合わして終期をこしらえてもいいのですが、こしらえなくても、オープンにしておけば全部受益証券は売っていきますから、自然解消ということになるかと思いますが、その辺まだ技術的には詰めておりませんが、実質的な終期は、最終に組み入れたベビーファンドの終期ということでございます。形はオープンであります。
○堀委員 そうしますと、要するに、ベビーファンドが幾つでやるということは、これは何も書いてないわけですからね。要するに、やはりある程度どこかでくくらないと、だらだらやるとなれば、これはマザーファンドがずっと長いファンドになるから、ここらはやはりある程度のめどを考えているのじゃないか。それは、個別的にいえば六カ月とか、まあ期間で言うのが適切なのか、ファンド数で言うのが適切なのか、ファンドの設定の今後のあり方がよくわかりませんけれども、大体どこらを頭に描いてこれは考えられておりますか。
○加治木政府委員 まだ具体的に何本あるいは何カ月分を一つのマザーファンドに取り入れたらよいかということは、業界とも詰めた検討はいたしておりません。あのねらいの一つは、管理ファンド数を減らすという観点からいうと、できるだけ多くのベビーファンドを入れたほうがいいということと、たとえば、今度の法律でコロガシが原則的に禁止になるわけですけれども、マザーファンドが大きくなれば大きくなるほど、実際上のコロガシはなくなるわけですね。それからユニットであるベビーファンドの一つの欠点は、これはセミオープンでありまして、追加設定がない。したがって、解約一方のオープンでございますから、それぞれのファンドはもう設定が終わったとたんに必ず減少する。これをマザーファンドにつなげますと、マザーファンドという中では、いわゆる追加設定が行なわれるということになりまして、マザーファンドとして、一団としては、ある程度それだけ安定効果を期待することができるわけであります。そういう意味からいいますと、大きくなれば大きくなるほどよろしいということになるわけですが、ベビーファンドはそれぞれ独立のファンドでございます。したがって、非常に市況の違った時期にまたがるような一本のマザーファンドというようなやり方がいいかどうか、この辺はおのずから限界があると思います。業界で考えているのは、大体三カ月から六カ月という程度のようでございますが、一応はその辺からスタートしてみるか、あるいは、一年に一本という考え方もあり得ると思うのですけれども、せいぜい、さしあたりそんなところからスタートすることになるのじゃないかと思いますが、理論的にどうでなければならぬというところまでは詰めておりません。
○堀委員 ベビーファンドの決算は何カ月でやるのですか。
○加治木政府委員 計算期間は、今度ベビーファンドの約款で明らかにすることになっておりまして、毎年一回と大体約款できめるようになっております。最近のものはみな計算期間は一年一回ということになっております。
○堀委員 そうすると、最初の分、まあ一年間のファンドが入ってくるとしますね。要するに、一カ月ごとにベビーファンドの決算がきますね。そうすると、ディスクロージャーすることを今度規約上義務づけられているわけですから、今度はベビーファンドはディスクロージャーしても一意味がないので、マザーファンドをディスクロージャーしなければならぬ。そうすると、これはもう毎月マザーファンドのディスクロージャーをやる、こうなりますね。そうやりますね。
○加治木政府委員 従来のやり方をそのままにしてマザーファンドに組み入れますと、おっしゃるとおりになります。もしそうであれば、相殺手続もとらなければならない。しかし、技術的に決算期間を、ちょうど国債の利払い期を三カ月ごとにまとめるように、二年目あたりから実質的な利払いと同じような計算期間の定め方をすることは可能でございますので、そういうやり方をすれば、それほど煩雑にならないで済むのじゃないかと思いますが、その辺、まだ技術的に詰めておりませんが、原則として、当然ベビーファンドのディスクロージャーはマザーファンドのディスクロージャーを伴わなければなりません。基準価格は両方とも発表いたします。
○堀委員 そこで、その次は、株価変動準備金は、そうするとマザーファンドだけで積むことになるのですか。しかし、マザーファンドだけ積んでいるということになると、これはベビーファンドの問題との関連で非常に複雑な問題が起きてくるのじゃないかと思いますが、どうも、いまの発想のあれからすれば、両方に積むことになるのじゃないかという感じがするんですが、一体、この変動準備金の引き当てはどっちに積むのですか。
○加治木政府委員 これはまだ検討中でございます。考え方としては両方あるわけでございますが、たとえば、ベビーファンドはベビーファンドに組み入れている受益証券の基準価格の値上がり分の何割をリザーブする、それからマザーファンドはマザーファンドとして、マザーファンド全体としての基準価格が上がる、そうすると、その基準価格がいま六割、価格変動準備金は六割程度積むことになっておりますが、どっちに六割積ませるか、その辺、実質的に六割の内部留保が可能なようにするためには、技術的にどういうふうに組み合わせたらいいか、ちょっともう少し検討させていただきたいと思いますが、価格変動準備金が何らかの形で実質的に留保されるようにはいたすつもりでおります。
○堀委員 あとは信託報酬の取り方の問題が残っておりますね。ベビーファンド、マザーファンドの問題と、それから委託会社、受託会社の関係の問題と、この信託報酬を一体どういうかっこうで分けるのか。
○加治木政府委員 信託銀行に対する報酬の点が問題になるわけでございますが、受益者に対して、受益者から取るべき信託報酬は、このマザーファンド設定の理由をもって上げるということは考えておりません。したがって、その辺の信託報酬の配分のしかたをどういうふうにしますか、委託会社は一本でございますからいままでと同じでいいわけでありますが、受託銀行がマザーファンドを持っている、ベビーファンドを持っているときに、従来ベビーファンドだけからもらった信託報酬で合計していいようにするか、あるいは、片一方だけでいいようにするか、その辺、ちょっと関係者と話し合ってみなければなりませんが、受益者には特別な負担をかけるつもりはございません。
○堀委員 これは新しい発想ですから、皆さん、中身が少し固まっていないようですけれども、私に言わせると、法律で書く以上は、やはりこれはもうあしたからでもできることになるわけですね。やるかやらぬかは別にして、書いてあるのはできるというだけで、やらなければならぬということではないけれども、やはり私は、法律を提案する以上は、やはりもう少しこれは詰めて、業界とも皆さんの考え方も詰めておかないと、法律が通ったあとでかなり政令や省令の委任事項があるけれども、ここらはやはり少しはっきりしておかないと、あとに問題が残るような気がしますから、考え方はわれわれわかっておるわけですけれども、技術論としては、やや問題がありますから、その点はもう少し詰めて、そして、至急に当委員会または金融小委員会のほうに報告をしてもらいたいと思います。 それでは、大臣がお見えになりましたから、今度のこの投資信託法の改正は、私どもがかねがね当委員会で論議をしてまいりましたことが集約的に法制化をされておるわけでありますから、これらの問題は当然これまでに行なわれていなければならなかった問題で、それが今日ややおくれて行なわれることになったわけです。この問題がもし昭和三十年代に行なわれていたならば、私は今日のような証券市場の不況はなかったと思っております。 少なくとも、昭和二十八年から二十九年にかけて、御承知のように投資信託の不況の時代が一回あったわけです。その不況の時代を越えてきたときに、三十年代の前半に、私は少なくともこれだけのことはやっておかなければならなかった問題だと思っておるわけです。ところが、それからも一山やって、要するに、証券市場というものが崩壊に瀕するような状態まで来て、ようやくこれが出てきたということは、私に言わせると、政府には投資信託に対するそういう指導性がなかった、こういうふうに私ははっきり言えると思います。 特に私は、そこらの問題で、この前ちょうど証券局が設置される当時、投資信託というものの見通しについてずいぶん議論をしておったけれども、なおかつ、まだ新しい会社に投資信託を広げようという話が、大蔵省の指導のもとに行なわれようとしていた事実があるのです。私は、それはだめだ、そういう土のついてないものに土をつけるような、投信の幅を広げることはだめだ、こういう議論をいたしました。結果としてはそのままに終わったので、今日、それ以外の中流証券が被害を受けることなく済んだのは、私としてはせめてものことだと思っておるわけですが、この中で投資信託というものは、いろいろな問題の反省がなければならないと思うのですね。私は、その中の一番大きな問題の一つは、いま申し上げたように、政府側に確固たる対策がなかった、指導について一貫性がなかった、そういう点が非常に大きな問題としてあると思うのです。 そこで、大臣にお伺いしたいのですけれども、今度のこの投資信託法の改正は、私は投資家の不信感を取り除くためには確かに役に立つと思います。しかし、それはどちらかというと、要するに、現在の時点に立っての問題になっていまして、これから前に向かっての問題というものは、実はこの中にあまりないのです。当然やるべき——うしろ向きとは言いませんが、この時点でやるべきことについては、今度たくさんここに書かれております。私も賛成の点が多いわけですが、これから先、一体ほんとうに大衆の投資が安全に、投資家のために運用されて、さらに、もう少し積極性を持ってものを考えようという姿勢は、この中にはないのですね、今度の法律に。そこで、政府としては、大蔵省としては、事、投資信託というものの今後の役割りなり、それをどういうふうにやって、日本の資本市場に役立てようとするか、そこをひとつ大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○水田国務大臣 まあ、直接株になじまない大衆の資金を産業に役立てるということが、この投資信託の目的でございます以上、その線に沿った運営を今後やってまいりたいということでございますが、それにしましても、さっき御指摘がありましたような問題があり、当時はやはりいわゆる主体の完全分離というような仕事に追われておって、ようやくいまそれができるというようなところへ来ましたので、ここでやはり受益者の保護、そうして大衆の信頼を得るという仕事をようやく今度の改正でできるというところまで来ましたので、今後はこれに基づいて、やはり投資信託の最初の目的のとおりの運営を考えていくということをするよりしかたがないんじゃないかと思っております。
○堀委員 実は私、いろいろなものを調べて、非常に興味のある資料があるのです。それは何かといいますと、要するに、日本の株を投資信託としてアメリカで運営しているジャパンファンドというのがありますね。このジャパンファンドができたときと日本の投資信託ができたとき——シャパンファンドが現在ずっといっているわけですが、そうして日本の投資信託も同じようにやっているわけですが、アメリカ人がジャパンファンドとして運営しておるもののほうが、日本の各投資信託がやっておるよりははるかに合理的に運営がされている。これは多少、向こうがいまの日本のユニット型というようなかっこうになっていない点がありますけれども、投資信託の運営についてこれまでほんとうに投資家のためにやっておるとするならば、アメリカのようでなければならぬ。そこにならなかったところに、私はやはり非常に大きな問題があると思うのでありますが、ちょっとこれを読んでみますと「一九六二年一二月、ジャパン・ファンドの売り出し当時の値段は一一ドル五五セント、それが四年後の昨年末には一五ドル一五セントと、一二%値上がりしています。この間、配当金の合計は一ドル五七セントであまり高くありませんが、東証ダウは一四三三円から一四五二円へ、わずか一・三%しか水準をあげていないのですから、立派な成績といえましょう。これに対し、わが国の投資信託はどうであったか。ジャパン・ファンドと同じ時点の昭和三七年一二月に設定されたユニットについてみますと、昨年末、一番いいところでも四九九八円、最低では三七八三円、全社平均四四三五円で全部額面を割り込んでいます。」こういうことになっているわけですね。片方は三〇%以上のプレミアムがつく、片方は全部額面を割っておる。これは、日本の投資信託の関係者は真剣に考えてみなければならぬ問題だと思いますね、ちょっと形態が違う点がありますけれども。 そこで、私はかねてから投資信託の協会にも言ってきたのは、いま非常に問題になっている問題の一つは何かというと、投資信託の解約なんです。投資信託の解約の総額は、幾らでしたか。六月のものを言ってください。
○加治木政府委員 株式投信全体では、六月の解約額が二百八十八億三千六百万円でございます。それに対しまして、設定額が百三十九億円でございます。
○堀委員 いまお聞きのように、これは最近は設定をしても解約がずっと多いというのが続いておるわけです。 〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕 そこで、こういう解約が一体なぜ起こっておるのかということが正確に把握されていません。 私はひとつこれを大蔵省にお願いをしたいのですけれども、これは証券界に言っても、この前もアンケートをやったのですけれども、私が期待するような調査がどうしても行なわれないわけです。そして、では、どういうふうにやってもらいたいかというと、投信の解約について、継続期間別に、解約をしたものはなぜ解約して、その資金は何に使われたのかということですね。わかりますね。続継期間別というのは、一年間継続しておったものはどうだったのか、半年でやめたものはどうだったのか、三年まで継続してやめたものはどうであったのか、これはある程度サンプルで処置をしなければならぬと思いますけれども、それが一つ、それから今度は、新規に購入する人たちの資金源は一体何だったのか。私がここで知りたいことは、いまの設定と解約の状態は、ちょうど生命保険のセールスの状態に非常によく似てきている。片方からどんどん契約をとっていって、そのはしからどんどん解約が出ていく。生命保険も当委員会で問題にしたのですが、解約返戻金のない契約の破棄、解約というものが現在依然として膨大なものが続いておるわけですけれども、投資信託も最近ずっとそういうことになっておる。ですから、私どもが知りたいのは、新規設定のために、こっちを解約をして新規設定をする、乗りかえを進めておる条件がかなり多いのではないか。これをやっておる限りは、ともかくいつまでたったって解約は続くわけですね。中身としてのネットではちっともふえてないわけです。その上にまた純粋の解約が乗っかる。かようなわけですから、そこで三番目に、投信の長期継続者の貯蓄中に占める比重ですね。要するに、いろいろな各種の貯蓄がある。預金もあるでしょう。貸付信託もあるでしょう。社債も買っているかもしれない。国債を買っているかもしれない。その中で長期的な投信の継続者というものは一体どのくらいあるか。要するに、短期のものはだめですから、三年なら三年くらいのものを持ち続けておるというのは、一体どのくらいのウエートに実際なっておるか、ここらを調査をしてもらって、適正な規模における募集をさせない限り、現在のこの解約の問題というものは解決つかないと私は思う。 そこで、いま解約がこんなふうに起こっておる原因、これは二通りあると思うのです。募集に関連する問題もあるでしょう。しかし、多少基準価格が上がってきたからという問題もあるでしょうが、あなた方はどう考えておられますか。
○加治木政府委員 解約がふえておりますのは、投資信託設定と両面で考えなければならないわけでありますけれども、やはり基本的には、投資信託に対する信用がまだ十分回復していない、そうしますと、ダウといいますか、株価が上がってまいりますと、基準価格が上がってまいりますと、できるだけ早く解約しておこう、こういうことで解約される。しかも、その解約資金が必ずしも新たに投資信託に入ってこない、そのために総体として漸減になっておる、こういう状況にあるのじゃないか。一部には、株に対する興味はあるけれども、投資信託に対しては、必ずしも十分信用を回復していないというところから、解約資金を新たに現物株にかえる、こういう動きもあるかと思います。実は、おっしゃるような的確な調査はされておりませんので、その辺のこと数字をあげて御説明申し上げることは困難でございますが、ただ最近、御承知のように、去年の暮れから資金の安定化ということで、早期解約防止のためのいろいろな措置を新たに仕組んだわけであります。したがって、新規設定分の解約率は非常に減っております。最近ではおそらく新規に設定された分の月々の解約率は二%くらい、かつては四%くらい——四%ということは、年間にしますと五〇%というようなことでございますが、新規に設定された分は解約率は減ってきております。それだけ資金は安定化してきておるということが言えると思います。
○堀委員 私が特に解約の問題をやかましく言っておるのは、解約が多くなるほど、実は投資信託の値上がりというのは少なくなってしまうのですね、値下がり率が多くなる、こういうことですので、あなたのほうで答えられれば答えてもらいたいと思うのだけれども、要するに、最近の五月末の各社別の純資産比率で、三十八年六月末と最近と対比をしてみて、各社別にユニットだけで伺えばいいですが、同じ期間に運営をしておりながら、要するに、純資産比率の高いところ低いところで相当大きな格差が実はできておるわけですね。それについてひとつお答えをいただきたい。一番上と下だけでいいです。
○加治木政府委員 六月末で申しますと、ユニットの加重平均基準価格でございますが、一番高いところが五千二百三十二円、これは野村投信でございます。それから大井投信が四千四百八十九円でございます。
○堀委員 要するに、その場合解約が一番下と上とでは大体一対二くらい相違になっているんじゃないかと思うのですね。元本が最初からあまり大きくないものが、さらに小さくなればなるほど運用はやりにくくなるわけですから、結論として差額のできたのは、運用のやり方の巧拙もあるけれども、確かに制度的に見て問題がある。私のほうの資料では、実は一番高いのは大和が一〇六・〇二というので、これが実は純資産比率と元本との関係では一番高い。それから一番低いのは日本が九〇・四〇、これは大井とほぼ同じですけれども、これが一番低い。そうすると、やはり比率としては一六%近く差がある。解約の状態として見ると、いずれも大きいのは四七くらいの解約ですね。四五から四七、上位のほうは二五から三〇くらいの解約というふうな状態ですから、要するに、残存元本が大きいほうが、この点では明らかにその純資産比率は高い、こういうことになっているから、これは私は、やはりそれらをセールスをした連中に一つの責任があるし、同時に、運用が悪いから解約が起こるということもあるだろうと思うのですけれども、そこらは二重に重なっているんじゃないかと思う。 私はここで特に申し上げたいことは、大体競争の原理がはっきりしてないということが、受益者に対して不当な不利益を与えるおそれがある。だから、ここらはいまの広告されておるものだけは、ちゃんと基準価格が新聞等に発表されていますから、ほんとうに関心のある、投資信託を持っている人なら、それを見てみれば当然わかるようにはなっているんですけれども、おそらく、投資信託を持っておる人で、自分の投資信託の基準価格が幾らかというようなことを新聞の欄で見ておる人はいないんじゃないだろうかと思うのですね。そこらにやはり一つの問題があって、競争の原則というものが生きてないんじゃないか。 現在の基準価格の状態を統計的に私調べてみたんですけれども、三十六年、三十七年、三十八年の設定分については、現在三千円台のものというのは四社にはありませんけれども、四千円台は四社の中で十三ファンドあります。野村と大和には実は四千円台は一つもありません。これはすでに償還したものもありましょうから多少問題は別になりますけれども、ところが大商以下のいわゆる中型投信会社は、実は三十六、三十七、三十八年の間にずいぶんたくさん三千円台のものがあります。三千円台の数の一番多いのは岡三で、二十五ファンドありますね。全体で見て、中くらいの投資信託というものが非常に投資家に迷惑をかけているんじゃないかということが言えるんじゃないかと思います。 そこで、いまの指導上、皆さんのほうでは解約を減らす方向はいろいろととっておられるけれども、中ぐらいの投資信託を幾つかくっつけましたね。朝日投信だとか日本投信だとか、これをくっつけただけで、はたしてほんとうにメリットが出てくるのかどうか、そこらに疑問があると思うのです。私は、少なくともいまの日本の場合には、せめて四社並みくらいの運用はしてもらわないと、投資信託で足を引っぱられちゃってメリットはないのじゃないか、こういう気がしてしかたがないのですが、あとの投資信託に対する指導方針というか、何か、あとのものが投資信託全体の足を引っぱるようなことにはならないのかどうか。そこらの、あなた方の指導の考え方をひとつお答えしていただきたいと思います。
○加治木政府委員 ファンドの大小ということと、投資家の期待にこたえるこたえ方というのは、必ずしも私は比例しているとは思っておりません。小さいから悪い、大きいからいいということには必ずしもならないはずのものでございます。ただ、現実に日本の現状から見ますと、中小投信の成績が比較的ふるってないという実績が出ておりますが、これはやはり運用体制、調査能力、こういったところに基本的な問題があるのじゃないかと思うのであります。そうしますと、ある程度の組織を持ったものが、こういった面で、いわば株価の合理的判断をし得るだけのデータをそろえての合理的な判断という意味での能力は、組織の大きいところほど強いということは言えると思います。しかし、これは小型であっても、必ずしも自社ですべてのデータをそろえなくてはならないというはずのものではございませんので、データのそろえ方は組織のみに依存せざるを得ないということもありませんから、この辺は運用のやり方によっては、十分大きな組織にも対抗し得るような結果を期待することは、およそ困難だというふうには考えておりません。中小が一部合併しましたけれども、合併しました結果、販売力の面で、いままでのように本業と密着しておったときよりは若干落ちてきておるという傾向はあると思いますが、これはまた問題だと思うのであります。だから、密着したほうがいいという結論には私はならないと思う。実質分離ということを一方で進めておりますから、したがって、販売力を強化するためには、組織が小さいところであればあるほど、できるだけ多くのブローカーに販売してもらうような努力を重ねるならば、本業と委託会社が分離された形で販売力を強化するということも当然考えられる。そのためには、その投資信託のお客に対していいイメージを与えるような結果を出していかないと、それもなかなかむずかしいのでございますが、現状からいうと、これは現実に中小が必ずしも内容的にも成績がよくないために、そういう努力をしても実際に実らないということもありますが、これは長い勝負でございます。これから原則としてユニットとしても七年という期間を考えております。必ずしも目先だけにとらわれずに、真の意味で、正しい意味の機関投資家としての機能を充実させながら、だんだんにそういう方向に持っていく、こういうことで考えていくべきではないか。単に目先だけの現象にとらわれて、それだけに対して手当をするということは、いろいろな問題がございますので、慎重に考えなくてはならない、かように考えております。
○堀委員 大臣、実は私、いまこういう問題を出しておりますのは、いまのユニット型投資信託というものは商品が単一なんです。同じ商品を売っておるわけです。同じように指導がされていて、言うならば、バランス型の安定型投資信託を売っておるわけです。同じ商品をみんなが売るわけですから、そうしたら、要するに販売力のあるやつがたくさん売って、販売力のないものは売れない。 私は中小企業問題の場合にいつでも言うのですけれども、日本では中小企業が大企業と同じようなものをつくって同じように競争して勝てるはずはないのです。資本主義の原則というものは、やはりそこに中小のものは中小の特殊性があってこそ、その他のものに対抗できるのじゃないだろうか。中小でなければできないものを売るときに大手と対抗できると思う。同じ商品を同じかっこうで売らしておるということでは、今後の発展は期待できないと思う。これが第一点、第二点は、要するに、お客さんが買うような条件をつくって、お客さんのほうがほっといても買いたいという商品なら買えるのですけれども、いまはそうじゃなくて、言うなれば、投資信託の押し売りをやっておる。押し売りをやっておるから解約がふえる。 だから、ここで私はどうしてもひとつ大臣に考えてもらいたいのは、やはり投資信託というものが、これは少し魅力のある商品にはならないと問題にならぬと思うのです。だから、その限りにおいては、いまのユニット型投資信託というものは国民から大体あいそづかしをされておると思うのです。ただ売りに来るから買っておるという感じがしてならぬのです。 そこで、私が大臣に一つ問題提起をしたいのは、最近あっちこっちで盛んに問題になってきておる投資信託の中にイギリスで始まったデュアルファンド形式という新しいかっこうでクローズド型の新しい投資信託が出てきているのです。土台はイギリスですけれども、アメリカのSECもこの四月に新たにデュアルファンドというかっこうで認めておるクローズドエンド型の投資信託がある。これは、私も調べてみると非常に興味があると思うのは、このクローズドエンド型の投資信託は、その株の発行が二通りであって、その片一方のほうは、要するに、全株のインカムゲイン全部くるようになっている。だからインカムゲインをとるための加入者、受益者と、キャピタルゲインだけをとる一つの受益者と、その二つに分かれているのです。そうすると、結局、実際は一つのクローズドエンド型の投資信託の株を半分ずつしか持っていないけれども、インカムゲインについては全部の二倍のインカムゲインがもらえる、キャピタルゲインがほしいときもキャピタルゲインが二倍になってくる。キャピタルロスもございますけれども、しかし、キャピタルゲインが二倍になってくるという新たな形で、いまのデュアルファンドというものは、アメリカはミューチュアルファンドがほとんど主になっているという中で、新たにイギリスの方式を採用してきたデュアルファンドは、現在いずれもプレミアムがついている。一つだけディスカウントしているのがあるが、いずれもプレミアムがついている、こういうことがあるわけですね。私は、投資信託というものが商品として大衆投資家が魅力を感じるものを販売するという道が開けてこなければ意味がないじゃないか。私は、いまの日本のように、全体として株の配当は必ずしも高いとは言いませんけれども、諸外国と平均してみると、日本は必ずしもそう低いほうではないわけですから、そういう点から見れば、ジャパンファンドが、一つのそういうデュアルファンドではありませんけれども、比較的成長型のものと安定型のものが巧みにミックスされて運用されてきておるという点も、私はさっきの日本の運用と非常に違う点だと思うし、日本の場合には、かつては株式の組み入れが三百銘柄ぐらいになっているという時期もあったようですが、ジャパンファンドはきわめて数が少ない株式を選定をし、要するに、臨機応変に運用をしておるというあたりも、私は非常に参考になると思うのです。 そこで、ひとつお伺いしたいのは、日本でもこれまでいろいろ議論をされておるけれども、私がいま一番興味を持っておるのは、このクローズドエンド型として日本で行なうならば、このデュアルファンドというのは非常に興味のある商品になるんじゃないか、こう思いますけれども、大臣、これは少なくともいまの改正は大体ディフェンスの法案なんですよ。だから、少し前に出るためには、新しいものを開発するという問題につながってこなければいかぬと思うのですが、ひとつ、次の通常国会にはこういう前へ進む会社型投信の法律改正をやる意思があるかどうか、前向きな答弁をお伺いしたいと思います。
○水田国務大臣 先般来その種の問題についての説明を私も事務当局から十分伺っておりますが、問題点は、この二重課税の問題をどう解決するかということであって、それ以外には、この資金の安定性の問題から見て非常に利点が多いというので、今後これはやはり積極的な検討をしたいということを考えておりますが、今後これは私ども検討するつもりでおります。
○堀委員 主税局長、ちょっとお願いします。 いまのアメリカの投資信託は、あなたも御承知のように、規制投資会社というかっこうになっていて、内国歳入法の準則Mというのに規定される規制投資会社ということになっておりますね。私もこれは少しこまかく調べてみたんですけれども、法人税その他の取り扱いが、日本の取り扱いの実情とアメリカの取り扱いの実情とがやや異なっておるような感じがするものですから、この規制会社のいろいろの諸条件を読んでみたのですけれども、やや難解です。そこで、いまのユニット型の投資信託とそれから会社型の投資信託というものを考える場合に、その税制上の二重になる点が当然出てくると私は思うのですが、そこがどういうかっこうで調整できるものなのか、現行法の体系の思想から見たら調整は非常に無理なのか、ちょっとその問題点を説明していただきたい。
○塩崎政府委員 投資信託の課税は非常にむずかしい問題をはらんでいることは御指摘のとおりでございます。過去には、先ほど申されましたインカムゲイン、キャピタルゲイン、さらにまた、インタレストと申しますか、利子の三つが完全に分解しておりまして課税したこともございますが、現在ではもう単純にこれを配当と同じふうな性格と見まして、配当控除を普通の配当の半分ということにいたしまして、個人では課税いたし、法人では半分だけの益金不算入で課税しておることは、もう御案内のとおりでございます。しかし、ただ臨時措置といたしまして分離課税をいたしておるのも、これまた御案内のとおりでございます。 そこで、会社型のユニットあるいはオープン型の投資信託を通じての課税方式でございますが、会社型になりますと、私の見るところ、私もしろうとでございますけれども、投信会社としての企業が信託を受けまして収益をあげている性格がもう少し強くなろうかと思います。そういった意味では、配当及び留保についてどんなような課税が行なわれるか私もよく存じませんが、いまより以上に留保も会社形態の場合には出てくるのではないか、こんなような感じがするわけでございます。アメリカの税制、私も詳しくはありませんが、御案内のように、会社間の配当は八五%は益金不算入でございます。一五%だけ益金に算入する、こういうふうになっておりますけれども、会社型の投資信託の場合には、この制度を排除いたしまして、その会社が配当を受けます際には全額益金に算入いたしますが、そのかわり、配当いたします際には全額損金として控除する、こういたしますと、受け取るほうでは全額益金の形で課税せざるを得ない、しかし、それが個人の場合にはまさしく配当でいいのですが、会社の場合にはまた八五%、一五%の問題が出てまいりますので、非常に複雑な形態が出ようかと思います。 私は、基本的には、企業税制の論議でも先生御案内のように、会社型投信の場合におきましても、その会社の中で大きな配当が留保を受けて、あるいはキャピタルゲインも同様だと思いますが、そこに個人に分配されないで会社内に蓄積せられるということがありますと、これは非常な危険性を伴う、やはりそこには税の性格といたしまして、毎年毎年課税をして、経済力の集中を排除していくということが必要だと思いますが、このあたりに、私は投資信託の監督方法あるいは規制とあわせまして、法人税の課税方式を検討しないと相当な弊害が伴うのではないか、このことは、同様に、同族保全会社と申しますか、昔、三井合名あるいは住友合資といいますか、保全会社の形態におきまして非常に問題があったことは御案内のとおりでございます。こんな点を考えながら根本的に検討していかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○堀委員 アメリカの税制を見ましても、留保をする場合には別途の体系をとったほうが有利だということになって、実際にはかなり配当のほうに出していくということが、いまの規制投資会社の考え方の中には並べられているように思うのですが、これはアメリカはアメリカの問題ですけれども、やはり制度上の問題としてみると、いまのユニットが本来的にはこういう解約を期待していない、これは本来クローズド型の契約だと思うのですけれども、日本的クローズド型というのはオープンみたいになってしまっているのですね。何だかわけがわからなくなってしまっている。それをコントロールして、ほんとうにクローズドにするためには、やはり日本の現段階では会社型投信にしなければ完全にクローズドにならない。ただ、クローズドにした場合には、証券が市場に出ることになるから、あと、ほかの問題も出てきます。要するに、実質的な純資産の状態の価格で売買されるよりも、需給関係というものはこれへ出てくるから、それの上がり下がりのフラクチュエーションが大きくなるという意味の問題は、一つの投信の側面として出てくるけれども、税制上の問題として見ると、やはり会社というかっこうになっている以上は、二段階になるという感じがどうしてもするから、ここでアメリカではコンダートというような考え方で、できるだけそこを少し抜こうではないか、二重、三重課税の部分を少し抜こうではないかということがこの準則Mの考え方になっている。これはアメリカはアメリカのことですが、やはり私は、今後の会社型投信の問題の中の一番大きな問題は税制だと思うのです。ただ、税制だからといって、われわれはその他との関係の公平な税制までを無視していいとは考えていない。ただ税制だけが足を引っぱるのでは、これまた、せっかく制度を発足させても無意味である、こう思うわけです。 そこで大臣、これはいずれも大蔵省所管の内部の問題でありますから、やるやれないは別としても、ひとつ、ことしの年末までに、会社型投信についての税制の問題について、大蔵省として見解を一本にまとめて、当委員会に報告してもらいたいと思うのですが、大蔵大臣、どうでしょう。
○水田国務大臣 いずれにしろ、検討はして、結論がどうなるかはともかくとして、報告いたしましょう。
○堀委員 大臣、やはりこれはある程度政治的な判断の要ることです。やはり技術論だけでは解決しない点があると私は思うのです。いま私がこういう問題を提起しておりますのは、なぜ投資信託がこう解約ばかりになっているか、その一つの点には、将来に対する市況の展望が全然ないからです。いま只松君も触れましたように、例のたな上げ株問題ですね。この解決がつかない限り、投資信託であれ、何であれ、日本はだめです。管理市場になっていて、フリーマーケットじゃないのだから、千五百円のダウが千五百五十円、千六百円になってくれば、われわれは当然当委員会でまた問題にしますよ。いつまでもこんな不正常な状態に置くべきではない、やれと、こう言えば、やりませんということにはならぬから、結局また売ることになるでしょう。だから、せっかく上がったって、だめだと思ってあきらめているから、千五百円へくれば自動的に必ず下がるのです。そういう情勢というのは、ここ一年以来ずっと続いているわけです。こんなばかな市場というのは、率直に言ってないと私は思うのです。 そこで、私が考えているのは、新たにひとつ会社型投信を早くスタートさせたいということです。そして、新たに今度出てくる会社型投信に限って、現在のたな上げ株を、PO、これに組み込ませましょう。そうすると、現実に現在の価格の五%引きでこの投資信託は現在のたな上げ株の約三千億の株をここへ全部組み入れることになります、会社型投信ですから。会社型投信だから、一ぺん組み入れてしまえば、アメリカは十五年が多いようですが、何も十五年でなくて、十年でもいいでしょう。一応十年でも十五年でも、会社型投信ということになれば、もうこの株は出てこないわけですから、実質的には、いまのたな上げ株は、そういうかっこうでは会社型投信の中に入ってしまう。これはともかく五%のディスカウントでここへ入るということになるから、同時に、いまのデュアル型の運営をこれがやるのだというかっこうになってくれば、新しい投資家は、これは買いものではないかということで、少なくとも三千億や四千億の資金はたちどころに新しい会社型投信に入ってくるだろう、そこで初めて、たな上げ株というものがなくなったときに、日本の市場というのは正常化すると思うのです。正常化してくれば、投資信託の将来というものの道が開けるのではないか。たな上げ株を徐々に売れといったって、勇気がないからよう売らない。片や、投資信託が解約解約で、毎月二百億くらい売り越しがずっと続いているという状態では、これはやはり問題がある。長期的に日本の資本市場の問題を考えれば、幾ら証券取引法を改正して免許制にしてみたところで、投資信託を非常に制限してみたって、前に行く展望がないのでは、問題は少しも発展しないのですよ。なぜ前に行く展望がないのか、上にかんぬきがかかっているからだ。だから、このかんぬきを取る以外に問題の解決はあり得ない。このかんぬきを、私は勇気をもって廃止せよと言うけれども、どうしても業界は勇気をもって放出できない。できなければ、何らかの新しい方法をもってこのかんぬきをはずしてやるべきだということになるのではないか。私が、どうしても十二月までに税制を考えろと言っているのは、少なくとも来年の通常国会で新しい会社型投信を発足させて、その新しい会社型投信がたな上げ株を全部そうやって少しディスカウントしたかっこうでメリットを与えてそこに入れるということになれば、いま定期預金にいっているやつだってこっちに流れてくる。そういう政策的配慮によってこの問題を解決しなければ、日本の資本市場なんというものは、これは一年たっても二年たってもいまのたな上げ株は手がつけられませんよ、いまの日本の状態では。だから、ここらは大臣が少し勇断をふるって、ひとつ日本の資本市場というものを正常な状態に一いま不正常ですから、正常な状態に返すためにも、どこかで決意をして踏み切らなければ、私は問題は解決しないと思う。 どうですか、大蔵大臣、あなたもベテランの大蔵大臣だから、そのくらいはひとつ政治的にここで、その方向で踏み切りたいというくらいな発言をしてしかるべきだと思いますが、どうですか。
○水田国務大臣 いずれにしましても、さっき申しましたように、この問題は積極的に検討いたします。
○堀委員 まあ、積極的に検討すると言っておられるから信用しますけれども、しかし、これはだらだらやってはだめですから、やる以上は、次の通常国会に間に合うようにやらなければ、これはもう出しおくれの証文みたいになりますから、その点、十分含んでおいていただきたいと思います。 その次に、この投資信託のいろいろな改善については、実は法律だけではわからないので、「投資信託制度の改善に関する要綱」というのを投資信託協会の理事会がまとめているわけです。これがおそらく今後の投資信託のいろいろなルールになっていくだろうと思うのですが、「受益証券の販売公開と組入株式の委託発注の分散」という問題があるのですね。これは本業との間の販売及び発注のシェアの最高限度を何か考えていますか。要するに、本業証券会社以外のところにも売らせるというのだけれども、そういったって、実際にはその他はそう売れるとは思わない。いきなり五〇%にしろなんといったって実現できないことだから、一応、最初の二年間は八〇%以上本業で売ってはならぬ、二年たったら、今度はそれを六〇%にする。こういうふうに、少し段階的にシェアを明らかにして、全体をそっちの方向にだんだんと追い込むという、表現は必ずしも適切ではないけれども、この方向に沿うように具体化をさせる何らかの方法が講じられておらなければ、ただ漫然と、公開の販売というふうなことを言ってみたって、これまでの習慣なり、いろいろなでき上がっておる体制の中では、私は非常にむずかしいと思う。そこらについての指導の方針をちょっと聞きたい。
○加治木政府委員 これは当初、業界でも、一定の目標をあらかじめ設定しようじゃないか、三年計画にするか五年計画にするかは別として、何%ということを出そうといろいろ努力してみたのですけれども、こういう状況下でああいう作業をやったわけですが、その。パーセントと年次計画を出しても、はたしてうまくいくかどうかわからない、できるだけ努力して、年々再検討しながら、一定のパーセントが打ち出せるときになったならば、一定のパーセントというものをある程度打ち出していきたい、こういうことで、パーセントと年次計画が出ておりません。しかし、それは決して前向きにいかないということではなくて、ぜひ前向きでこの問題をプッシュしたいということで、その実績を見た上で具体的な計画はきめていきたい、こういうことでございます。しかし、それじゃ五%か一〇%でも満足するかというと、そういうことじゃございません。委託発注の分散は、パーセントを高めたいという前提でこの問題を考えております。
○堀委員 そのシェアの最高限度は最終的には、それじゃあるべき状態としてはどのくらいを期待しておるのですか。
○加治木政府委員 まだわれわれとして一定のパーセントをこの段階で申し上げるだけの準備はできておりませんが、少なくとも三割以上の部分は分散すべきじゃないかというふうに考えておりますが、それじゃ、それを一年でやるか、二年でやるか、三年でやるかというようなことになりますと、ちょっといまこの段階ではっきり申し上げるわけにはいかないと思います。
○堀委員 そこで、ちょっと伺いたいのは、現在投資信託を設定するときに大蔵省に届け出て、ワクを何かあなた方のほうで認めているわけですが、どうもその設定がノルマみたいになっていて、次は幾らだというワクが設定をされておる。どうもそのワクの取り扱いについては、事前に大蔵省の了解を得るという手続がある以上、そのワクというものは当然投資信託を設定する前にはきまるんだ、こういう話があるので、そういうワク組みをきめてセールスをやらせるから問題が起こるんだから、そこらのところは別にそう設定のワクを大蔵省で初めからきめる必要はないのじゃないかと思うんですがね。だから、そういう点が自由になれば、いまのパーセントの問題なんかももっと自由になってくる。ワクがある以上は、ある程度どうしても本業でそこまで売らなければならぬということになるから、そうなれば、勢い、いまのその他に対するシニアというものはどうしても十分にならなくなる。だから、言うなれば、私がさっきから言っているような突っ込み販売というものをいかにしてやめさせるかということが、私はいま当面非常に重要な問題だと思っておるので、その点はいまどうなっておるのか、今後どういうようにするのかを伺いたい。
○加治木政府委員 一定のワクをはめるというようなことでやっているわけではございません。協会を中心にして、今月の設定額をどのくらい各社別にするかということを相談を受けることで、その場合に、いまおっしゃるとおりでございまして、全然自由にやらせるというたてまえにいたしますと、本来自由にやるべきことでございますけれども、乗りかえ勧奨等を行なってでも、競争的な意識が先行して、無理な設定、しかも、これが単に当該投資信託だけの問題で済まない問題、無理な設定の結果解約がさらにふえるということであれば、市場に対して投資信託の資金が非常に不安定になる結果無用の変動要因を与える。そういう弊害も伴うわけでございます。したがって、おっしゃるとおり、そういう正常な販売設定をやるというところがねらいでございますけれども、それを実現させるためにやむを得ずそういうような相談を受けながらやっておる、こういうことでございます。
○堀委員 そのやむを得ずということですけれども、何か、ここらはひとつ切りかえて、要するに、逆に言えば、もっとワクを縮める、もしワクをきめるなら、もっと小さいワクにしたらどうか。小さくすれば無理がないわけですから、こっちは解約がこれだけありますから、これだけどうしてもやらせてくれなんというところに多少無理があるように思う。だから、もういまのユニット型投信というものはじり貧状態なんですね。それを何とかディフェンスしようという考えは、私はあまり得策じゃないと思っているんですよ。だから、じり貧のやつは落ちるところに落としたっていい。ただ、どこかに積極的部分を開発することでこれをこっちに転換できるんなら、それでいいじゃないか。それが新しい商品を早く開発をして、そっちへ資金がどっとくれば、こっちはほっといて、減るものは減らしていいんだ、こういうことにしないと、幾らディフェンスしたって、いまの上にかんぬきのかかっておる状態では、 ユニット型投信の解約のディフェンスはどうしてもできない。だから、そこらは少し思い切って行政指導をやって、いま法制的にも検討するけれども、もう少し何か思い切ってやらないと、かえってぬるま湯に入っているような状態が続くことは決してよくない。やがてかぜをひきますよ。ぬるま湯に入っているから、もう一ぺんかぜをひく、私はその点を指摘しておきたいと思うのです。その次に、どうも得心のいかないことが、ここに書かれておるのは、「本業証券会社の役職員から委託会社の役員に就任し得る数は、委託会社の役員の総数の三分の一にとどめるものとする。」まだこの中では、要するに、本業から行く者は、三分の一までは本業から幾らでも行ける、こういうふうになっているんですね。「委託会社の役員は、その職を辞任後相当期間は本業証券会社の役員となることができないものとする。ただし、この制限の実施については、一定の猶予期間をおくものとする。」ということが書かれているわけですね。その投信の実質分離の問題というのは、さっきの販売委託の関係できちんとしなければならぬ問題が一つあるし、同時に、やはり役員交流の問題ももう少しきちんとすべきではないかと思うのだけれども、ここらあたりは、この十一月十六日の投資信託協会の決定は、きわめてまだ不明確ですね。ここら辺、もう少しきちんと、本業から信託へ来るのはある程度やむを得ないかもしれない、こっち側としての人的スタッフも十分でないかもしれないけれども、こっちへ来た者はもう二度と帰れないということぐらいにはっきりすべきではないか。要するに、本業から委託へ来た者は、もう委託でおしまい、もう本業へは帰りません——本業へ帰ろうとする問題があるから、帰ったときのことを考えるからこっちの問題がおろそかになるのですよ。骨を埋めるんだ、投信委託へ来たら、ここが自分の最後の死に場所ということになれば、やっぱりそこで責任を果たす以外に自分の生きる道はないのですから、だから、相互交流は私はやめてもらいたいと思う。片一方から来るのは、ある程度はやむを得ない。人的には本業のほうがたくさんスタッフを持っていたりするから、ここへ来るのはしようがない。ここまではいいけれども、来た者はここへ骨を埋めて、二度と帰らないということをやることなくして実質分離などということは、これは絵にかいたもちみたいなものですよ。その点はひとつきちんとすべきだと思うが、どうですか。
○加治木政府委員 私も全く同感でございますが、ただ、この投資信託というものが、本来あるべき姿に立ち返って——立ち返るというか、これから進化していくわけでございます。会社の役員というものは、一つの会社から他の会社へおよそ移っちゃならないという決定を押しつけるということも、行政としてはいかがかという感じがするわけであります。要は、投資信託がほんとうに善良な機関投資家としての本来の機能を果たす、そこで役員経験を持った者が、また他の会社から望まれてそちらへ行って、そちらの役員をするということはあり得てもおかしくはないと思うのです。しかし、現実にいままでの経過を見ますと、おっしゃるとおりのような弊害がございましたので、これは全面的なというと、ちょっと事柄の性質上不穏当な点もありますので、一定の期間を置くということによって、その辺は実質的にその目的を達したい、こういうことでございます。
○堀委員 一定の期間というのは、何年ですか。五年ぐらいでありますか。
○加治木政府委員 一定の期間を二年とするか三年にするかということをはっきり書こうということでありましたけれども、これははっきりした形ではきまっておりません。しかし、これは二カ月とか三カ月とか、あるいは一年とか、そういう短いものではございません。
○堀委員 大臣、これはきわめて重要なところなんですよ、この分離の問題については。だから私は、いつまでもやめろとは言いませんが、向こう十年間に限って、要するに、こっちから来たものはもう一ぺん帰れません、十年たったら、その時点でまた考える。いいですか、大臣、そのぐらいきちんとしなければ、国民が投資信託から受けた被害について信用回復なんかしないですよ。私は、この法律のほうはいろいろけっこうなことが書いてあるし、これでいいですけれども、肝心なところがずいぶん抜けているわけですよ、この法律では。それをある程度「投資信託制度の改善に関する要綱」という自主的なものにゆだねているわけですね。自主的なら、自分らはもっときびしくやるべきですよ。 私が実は金曜日に投信各社の社長をここへ呼んでもらいたいということを言っている問題は、何にあるのか。こういう投信委託の専務なり、こういう関係者の言っておることは、本業と共存していくのはあたりまえで、本業と切れなんといったって、そんなことはむちゃだ、こういう言い方ですね。本業が販売してくれるからこそ投信が成り立つので、本業が販売してくれなければ投信が成り立たない、それならば、本業と一緒にやっていくのが何が悪いんだ。これだけの法律を出しておきながら、現在の投信の幹部なるものは、この法律の考えている方向を真剣に考えようとしていないのです。だから、私は、ここに四社の社長を呼んで、はっきりきちんとしたいと言うのです。それができなければ、こんなものを通す必要はありません。彼らが本気でやることなくして、法律は全部抜け穴をつくってあるのですから、かっこうだけつくっても意味がない。 たとえば、コロガシの問題を一つとってみても、コロガシにはいいのと悪いのがある。要するに、コロガシが悪いなんというのは、事情を知らないからだということをちゃんと書いてある。とんでもない話だ。コロガシにいいコロガシがあるんなら一ぺん出してもらいたい。自分たちの運用の不適切さをコロガシという形によってごまかそうとしておるのです。適切に運用しておれば、そういうことをしなくても、最も高いときに売って最も安いときに買うというのが、投資信託の原則じゃないですか。それを、中途はんぱなところに置いておいて、期限が来たから売りたい、その売るやつを外へ出すのでなくて次の投信にやるのが、何が悪いか。私に言わせたら、片一方の利益を守れば片一方が必ず損するというのが経済の原則じゃないですか。その原則についてすら、コロガシにはいいのと悪いのがある、コロガシが悪いというのは、運用の実態を知らないからだなんて言う。これが現在の投資信託の幹部の発言ですよ。冗談じゃない。だから私は、ここに投信四社の社長を呼んで、一体そういうことがあるのかどうか、きっちり詰めようと思っているのです。 そういう根本にかかわりのあるところについて、政府としてはもっとき然とした態度をとるべきである。それなくしては、投資信託協会は無意味だと思うのですよ。大蔵大臣、どうですか。いまの私の提案について、きちんとした答弁をしてください。
○水田国務大臣 おっしゃることは、そのとおりだろうと思います。さっき局長が言いましたように、法律で明確にそういうふうにきめなくても、この問題は重要な問題でございますから、私どもとしましては、一ぺん重役になってまた戻るということについては、行政指導の面で十分対処し得るだろうというふうに考えております。
○堀委員 要するに、帰るという期待感を持たせるような措置はやめてもらいたいんです。それは、いろいろな事情があって、帰ろうと思っていなかったけれども、何らかの事情で帰るという、本人の意思でない問題で動くということが、かりにあるんならまだいいですよ。そういう書き方がしてあれば、よっしゃ、おれはまだ帰れるんだ、ちょっと出向していって、当座しばらくやっておればいい、そうなった以上、本業の利益を無視して投資信託のために奉仕するわけにいかぬですよ。ものの考え方の基本は非常に重要ですから、その点をひとつはっきりしておきたいと思います。 その次に、この要綱で見ますと、協会に証券会社の理事が入るようになっておりますね。投資信託協会の理事の人的構成は、「その三分の一を中立理事とし、会員理事については、委託会社理事を証券会社理事の数より多くする。」と書いてあります。投資信託協会というものは、一体本業のためにあるのですか。そうじゃないでしょう。販売の問題というものは、これは投資信託の問題じゃないですよ、実際いえば。だから、証券会社の理事が委託会社の理事より少なかったらいいんだなんて、とんでもない話ですよ。 投資信託というものの運用は、あげて、公正な中立の者と、受益者を代表する者とを含めたものと、委託会社であっていい。販売その他の問題は、それは商品としてものを出しておるのであって、もしそんなことを言うなら、証券業協会の中には産業会社の者を理事に入れなければおかしい、こういうことになってしまうわけですよ。 だから、ものの考え方としては、ここらにも依然として本業の証券会社が頭を出してきて問題を処理する傾向になり得るおそれがあるから、ここらはもう少しきちんとすべきだと思うのですが、これについての御意見はどうですか。
○加治木政府委員 投資信託のこれまでの歴史を振り返って見ますと、もちろんいろんな理由があるわけですけれども、業界内部だけのことで考えますと、委託会社の問題、もちろん責任は持たなければならないわけですが、これは設定された資金の運用だけが問題であったかといいますと、やはり販売面の問題もかなりミックスして責任を持たざるを得ないような、そういう経過をたどってきておると思うのです。したがいまして、販売面の公正さ、正常さを維持させるためにも、やはり販売会社にも入ってもらう——販売会社というか、本業のことでございますね。自主規制機関としては、販売面についての相当のウエートをさく以上は、当然理事も、販売会社である本業にも構成メンバーとして入ってもらう、しかし、投資信託協会の主要任務は、投資信託それ自体の問題でありますから、メンバーの構成としては投資信託の委託会社のメンバーを入れる、それから中立理事を入れる、ただし、総会の議決事項で、もっぱら投資信託の運用そのものに関する問題については、販売会社である本業の議決権は制限すべきではないか、かように考えております。
○堀委員 そうすると、投資信託協会に入ってくるのは、各証券会社がみな協会員になるのですか。販売しておるものはみんな協会員になるのですか。
○加治木政府委員 常時販売をする証券会社は全部入れるつもりでおります。
○堀委員 そうなったら、投信の委託会社なんというのは、今度で十くらいになるでしょう。小さなものですがね。本業の数、証券業者の数は、いま全国で六百ぐらいあるでしょう。ですから、そんな十ぐらいのものがあったって、これは問題にならないかっこうになるのじゃないですか。だから私は、この投資信託の問題というのは、販売をする問題というのは、商品を売るだけで、実際は別個の問題だろうと思うのですよ。投資信託そのものというのは——これはやはり投資信託協会というものは、運用だとかその他が中心になるのであって、その販売の問題は、株を売ろうが、投資信託の受益証券を売ろうが、実態では同じことなんですよ。それがみな投資信託の中に入って、ものを言う必要はない。だから、証券業協会として、投資信託の販売の問題は、向こう側の問題としてはあるでしょうが、受益証券を売るのですから、こっちの中に、どっちが本家かわからないようなかっこうで蟠踞させておいて、理事の数だけがちょっと違うというような、これではどう考えたって、本業のための投信協会ということにならざるを得ないと思うのです。構成上から見たって、数の上から見たって、実際的にいって、投信のほうが弱いんだから、弱いやつを保護するのが、実際今度の目的なんです。できるだけ外側の圧力から守ってやって、圧力を防いで投信の自立性を持たせようというのが、今度の法律の根本だろうと思うのです。それならそのように投資信託協会を考えなければ、発想自体がおかしいんじゃないですか。
○加治木政府委員 その辺をどうするかは大きな問題であったわけでございますが、現実に、販売面と投信の運用面と切り離して考えることができない実態があるわけでございます。もちろん、販売面は証券業協会で規制さしてもいいけれども、それは一般の証券業協会のファンクションとやや異なった、投資信託運用全般の見地から考えなければならない問題が非常に多いわけでございます。たとえば、乗りかえを勧奨するとか、元本を保証するとか、販売面での過当競争をするとか、こういう面は、投信全体の運用面の一環として答えを出すべき場合が非常に多いと思うのであります。そういう意味で、協会と——今後法律が通りますと一種の特殊法人化されますけれども、規制機関がダブるわけでございますけれども、規制はダブってもよろしい、よろしいが、販売面については投信協会も十分やはり投資信託全体の健全化の見地から規制権を持たせる、こういうことにすべきじゃないか、ただし、投信の運営プロパーに関する限りは、会員のうち、投資信託委託会社以外のものは議決権を持たせない、こういう方向でこの辺の調整をはかることは可能ではないか、かように考えておるわけであります。
○堀委員 私はそうは実は思わないのです。そういうふうにあまりくっつけているからこれまでの問題がふっ切れないのだから、一ぺんふっ切って、証券業協会として当然元本保証するということは、これは投資信託の性格と違うのだから、それは受益証券を販売する資格はないわけですよ。それなら、元本保証すれば処分するということを、そのこと自体はっきりどこかに書けばいい。省令その他に書いて、あなた方がここに書いているように、省令に違反したときは云々というもの、監督処置をとれるようにそんなことを中に書き込んでおけば、あとは証券業協会の処置で私はいいと思うのです。証券業協会だって新しく改正されて自主規制をやれるようにするというのは、私もかねてから主張してきたところで、当然行なわれる問題になると思うのだけれども、第二ラウンドで次の改正によることになると思うのだけれども、できるだけ投資信託というものは外側からの影響を隔絶をして、投資信託が中心になってものを考え、同時に、しかし、それについてのいろいろな問題点は中立委員が指摘をして、あるべき方向へ持っていかせるということになる方向でむしろ指導すべきじゃないか、私はこう思う。 だから、その限りにおいては、ここに表現されているように「委託会社理事を証券会社理事の数より多くする。」というようなことでなくて、少なくとも、証券会社の理事は委託会社の理事の三分の一だとか四分の一だとか、要するに、あなた方はこの場所ではあまり発言権がないのですよということで、私は、形式的にも内容的にも明らかにする必要があると思う。この点は、あなた方のほうでも、もう少しきちんと、あんなあいまいな表現ではなくて、もう少しきちんとした指導をしてもらわぬことには、これのいま流れている流れに逆行するようなことになるから、そういうことは少なくとも取り除いていかなければならぬと思うのですよ。これなくして、幾らこの法律を変えたって、この法律は生きてこないと思うのです。そういう点では、もう少しここをきちんとしてもらいたいのですが、どうでしょうか。
○加治木政府委員 私もおっしゃるとおり考えております。
○堀委員 大体以上で要綱の中での問題点には触れたわけですけれども、法律のほうについて、二、三お伺いをいたしておきます。 第十七条の二項の二で「その運用の指図を行なう信託財産相互間において大蔵省令で定める有価証券の取引を行なうことを受託会社に指図すること。」これを禁止しておるわけですね。だから、これがさっき私が言っておるコロガシその他を含む問題になってくるわけですが、この二項の「大蔵省令で定める」というものの考え方は一体どういうことになっているのか。マザーファンドのようなものをつくるようになる、これまでのようにしょっちゅう期限が来るわけではないから、その限りにおいては、マザーファンドの運用の中で、これはもうここで売っておかなければならない——大体において、証券市場の状態は、四半期に一ぺんくらい、場合によっては年に三回くらいの山谷一があるわけです。最近でもあるわけです。だから、その時期をにらんで、一番高いところで売っておく、これはマザーファンド運営上なら当然のことだと思うのです。それを、売りそびれておいて、そうして、それが下値になってきているから、そこで、ここで外へ売るよりも次のマザーファンドヘころがしたほうが有利なんだということは、私は、運用の技術の拙劣さをそういう方向へ転換するやり方以外の何ものでもないと思っている。だから、この省令は、どういうふうにあなた方は考えているのか、ひとつ明らかにしてもらいたい。
○加治木政府委員 いわゆるファンド間のコロガシの禁止の趣旨は、おっしゃるとおりであります。利害が当然対立するわけでございます。利害の対立は、株価判断の問題でございます。当然売り買いは、高いと思えば売り、安いと思えば買う、こういうことでございますから、片一方から片一方へ、同じ銘柄について一方が売り一方が買うということにすれば、当然利害の対立が起こるわけであります。しかし、投信の運営上、そういう利害判断でなくて、資金事情からやむを得ず売るという場合があり得るわけでございます。おっしゃるとおり、そういった資金事情に置くこと自体が経営として拙劣ではないかという点、わからぬわけではございませんけれども、しかし、必ずしもそういうように資金ポジションを十分自前でできるようにし、しかも、タイミング的にも受益者の利益になるように、それが可能であるという状況を常に予想するということも、私は困難だと思うのであります。 したがいまして、そういう利害の対立関係にない資金ポジションその他によってやむを得ずこの一方の売りが出るときに、片一方では、株価判断によって、値ごろだから買いたい、こういうものであれば、これははずしてもいいのじゃないか、かように考えております。
○堀委員 いま、皆さん方の指導は、大体株式の組み入れを七〇%程度にしたいというのが一つのめどになっているんだろうと思うのです。そうすると、いまベビーファンドのほうが七〇%になっておる。それではマザーファンドは満配でいいかというと、私は、マザーファンドといえどもやはり準備金を持っておるのが当然だろうと思うのです。そうなってくると、クッションが今度は二つあるわけですから、ベビーファンドに解約がどんどん出てくれば、いまのベビーファンド側の準備金がなくなりますね。ある時期にはなくなる。なくなるまでじっと待っておるというのは、私はおかしいと思うので、なくなったら、それに対応しながら、やはり次の準備金というものが、そこにマザーファンドの受益証券を売って、適当にいかなければならない、そのマザーファンドのほうは、今度は受益証券を売られた分はマザーファンドの持っておる準備金でこなす、二段にこなせるように今度はなるわけですからね。これなんか、これまでの一段階でストレートに解約により影響を受けるかっこうでなくなるのだから、私は、少なくともコロガシの概念というものは二段にそういう予防措置が講ぜられておるのなら、なおかつ、資金需要によってやむを得ないなんていうことは、これは私は運営の責任上の問題だと思うのです。これだけの制度上の、要するにバッファーが二段階に置けるようになっておるのですね。だから、そこらは、逆にそういうことを禁止することの中で運営の責任を明らかにし、姿勢を正して真剣にやれるので、むしろ、うしろが抜けておるのなら、いよいよ詰まったときにはころがせばいい、そういうことになることを私はおそれるわけです。だから私は、あくまで利害対立であって、資金需要上やむを得ないということは、運用の拙劣さをあらわすものだ、こう考えざるを得ないのです。だから、そこらのところは少し姿勢を高くしてもらいたい。そうしないと、片一方の姿勢がはっきりしてこない。要するに、いろいろな角度からわれわれとしては受益者の利益を徹底して今度ははっきりと守るんだということを明らかにしたいわけなんですよ。 だから、事情を知らない者の言うことだというようなことをぬけぬけと投信の運営の幹部が言っておるようなこの現状を打破することなくして、私はいまの投資信託の改善はあり得ないと思う。だから、その点はもう少し私は勇気を持って省令の中身をきちんと書いてもらいたい。
○加治木政府委員 マザーファンド方式を取り入れる一まあ、たぶん取り入れるようになると思いますが、そうなりますと、おっしゃるとおりクッションが二重になりますから、従来よりは資金事情がかなり安定するということは事実でございますが、それでも、マザーファンドは三カ月分か六カ月分かという程度を一応いま考えておりますから、無期限のものを常にこれに入れるということになりますと、この問題は、ある意味では資金全体が安定すれば完全に解消するわけでございますけれども、それもできないということでございますと、やはり三カ月分なり六カ月分なりということで一かたまりになりますと、どうしてもやはり資金事情は安定しない可能性があるわけでございます。それも、おっしゃるとおり、全く自前でもって、そのファンドはそのファンド限りでもって資金手当をする、それから新規に設定をされるマザーファンドなりベビーファンドのほうは全く市場からそれを買わせるということにしますと、現在のようなこういう市場環境の中ですべて自前にさせるということは、投信の売り買いというものを市場で行なわなければならなくなります。 〔吉田(重)委員長代理退席、委員長着席〕 その辺のことを考えますと、完全自前にすべきではないか、だから、もう完全に禁止してしまうべきじゃないかというところまでは踏み切れない、しかし、考え方としてはよくわかる話でございます。したがって、ルーズにコロガシを認めるようなつもりは毛頭ございませんけれども、一切禁じてしまって、もっぱら経営の責任にこれをゆだねるということも、いまの段階ではまだ残念ながら踏み切れないのではないか、かように考えます。
○堀委員 そうしたら、これはコロガシをやった場合には、あとでトレースをして、要するに、それはやむを得ざるものであるという判断を大蔵省がした場合に限ってもらいたい。公正な判断が行なわれてないで、ルーズになっておれば、資金上の需要なんというものはどうにでもなるんだから、そこらはやはり客観的な第三者が見て、これは資金需要上やむを得ざる場合に限るということで、きっちりしてもらいたい。それでないと、恣意的な判断で売らずにおいて、だらだら持っておって、そして売るべき時期を失って、資金上ということでころがす、そんなばかなことはない、資本主義というのは、自己責任が徹底しているので、それをほかへなすりつけるということはもってのほかだ。その点、はっきりしていただきたい。
○加治木政府委員 省令の規定も、できるだけ具体的に、あとからトレースする場合にも具体的な判断ができる程度に書きたいと思いますけれども、なかなか具体的に完全に書き切れるものかどうか、その辺問題がありますので、補充する部分を協会の自主規制で、きわめて具体的にできるだけはっきり補充して、あとからトレースした場合に容易に判断がつく、ほんとうにこれはやむを得ない事情があったかどうかということを、主観的な、恣意的な要素を入れて判断が左右されることのないようにしたいと思います。これから省令もつくってまいりますが、省令自体もできるだけ具体的に書くつもりでございますが、省令になじまないところは自主規制で具体的な基準をつくってもらう、具体的な基準ということになりますと、若干機械的になりますけれども、機械的に、これはルールということで、ある程度は割り切った規制のしかたをしてもらうべきではないだろうか、私はかように考えております。
○堀委員 もちろん、省令で全部書くというのじゃないんですけれども、私の言っているのは、要するに、資金的にやむを得ざるものというのは、客観的に判断のできる範囲のものに限るという点を省令で明らかにしていく。客観的という問題は、大蔵省が客観的に見るという部分が一項入る必要があると思うのです。そこらは、自主規制というけれども、私が言っているように、いまの投資信託協会というものが、本業との関係がいろいろなことでふっ切れていない現状では、どこかで考えてやらないと、やはりコロガシそのものが、本業の手数料かせぎになる場合だってないとはいえないわけです。あらゆる面から私どもが考えられるものは排除しようということが受益者のためだと思いますから、そこらを含めてお考えいただきたい。 きょうやってきた中で、非常にまだ詰まってない問題がベビーファンド、マザーファンドの問題についてはあります。たとえば、途中解約、早期買い取り、プール額は一体どこへ入るのか、ペナルティーはどっちにどう入るのか、ベビーファンドだけに入るのかどうかという問題もあろうかと思いますが、一体、ベビーファンド、マザーファンドの関係というのは、要するに、初めから販売のときに、マザーファンドの管理運営者はだれですかということを明らかにして売ることになるのか、そこらの問題、私がかねがね主張しておる責任体制の確立の問題ですね。ここらの問題等について、いろいろまだ問題はあると思うのですが、ほとんど時間もありませんし、まだ詰まってない点も多いようでありますから、自後の問題は金融小委員会でやりますが、要するに、私が望んでおるのは、法律に書かれておること自体は問題はないわけです。おそらく各党ともあまり御反対がないことだと思うけれども、これを生きるようにするかしないかは、あとで非常にたくさんの埋没しておる問題があるわけです。この埋没しておる問題のところがきちんとけじめがついて初めてこの法律が生きてくるのだろうと思いますので、その点、省令関係の問題、省令に書けなくても、取り扱い上のいろいろな問題、さっきの要綱その他に出ているようなそういう具体的な問題については、この立法の趣旨を体して、きちんとして、二度と悔いを残すことのないような高い姿勢で臨んでもらいたいということを強く要望して、私の質問を終わります。
○内田委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私は、重複を避けながら、若干の問題について質問いたしたいと思います。 まず最初に、最近株価もだいぶ上がってまいりまして、回復してきたようだけれども、大衆は、まだ回復してこない、要するに、大衆の株式に対する不信感というものは相当強いように見受けますけれども、その不信感の原因は何であると大蔵省は考えておられるか、その点を伺いたい。
○加治木政府委員 これは、一つは、景気の先行きに対する環境そのものに対して不安定要素があるということだと思います。国内経済だけの問題では、国際収支の問題、あるいは海外景気の動向、企業収益の今後の動向、こういったことがございます。しかし、同時に、環境だけの問題ではなく、流通市場自体の問題もいろいろこれまであって投資家の信頼をある程度失ってきた、こういう背景もあると思うのであります。 しかし、この外部環境を別にしますと、市場自体の問題は、流通市場だけの問題でなく、発行市場あるいは発行企業の問題——収益力を無視した増資をやるとか、経理の粉飾をやるとか、こういったことが行なわれておったのでは、いかに流通市場が真に正常な姿を回復したとしても、とうてい資本市場は発展することはできないと思うのであります。その辺の姿勢も正されつつございますので、市場プロパーの要因というものは、凍結株の問題がございますが、これを一応別にいたしますと、かなり正常化が進んでまいりましたので、環境についての見通しがつき、また、この正常化された実態というものについて投資家が十分認識してくるということになれば、これからの資本市場の充実発展というものは十分期待できるのではないか。しかし、期待できるような市場ができるかどうかは、発行、流通両市場を含めた関係者の努力にまつところが大きいわけでございます。
○竹本委員 いまの局長の御答弁で大体のお考えはわかりましたが、私は、触れられました企業自体の問題、したがって、言うならば、株の実質的な問題、これが大衆は一応わかっていないようでも、ある意味において、本能的に、からだで感ずるものがある。先ほど堀委員からいろいろ御指摘がありましたけれども、資本主義の一番いいところは、自主的な自己責任主義だということになっておりますが、最近はなかなかそれが自己責任主義を貫いていない。ことに、高度成長だとか、あるいはインフレ的な物価上昇といったようなことで、会社の収益率についてもあるいは資産内容等についても、簡単なことを言えば、法人の持っている土地が大体二兆五千億あるそうでございますけれども、それらの固定資産の評価を、水増しと言ってはことばが悪いかもしれませんが、評価がえをすることによって、あるいは換金処分をすることによって、企業の実態以上の利益を計上することは決して不可能ではない。そういう点から考えてみると、はたして現在の株は、もちろん額面は五十円でございますけれども、それを裏づけておる収益力と資産内容というものをさらに物価指数で割ってみた実質的な資産、実質的な収益力といったようなものから見て、大いに上がるべき根拠があるのか、そういうものはないのか、その辺についての大体のお考えと、できれば、それを裏づける具体的な数字の御説明がいただければ幸いと思います。
○加治木政府委員 会社の所有土地をもう一度全部再評価し直して、先ほど実質資本に還元しての収益力というのは、これはやってみなければわかりませんが、一応この資産再評価を三回、四回ですか、やったわけでございます。これで一応の区切りをつけております。確かに、土地の問題はございますが、これはある意味で、土地が評価がえされない以上は、相当程度含みがあるということになるわけでございます。しかし、公開会社の——公開会社は毎期決算期ことに大蔵省、及び上場会社であれば取引所に財務の報告を行なわなければならないことになっております。報告書を出すということになっておりますが、報告書の内容は、経常利益とその他の利益とを分けることになっておりますから、経常利益、通常の収入から支出を差っ引いたもの、土地の売買のような臨時益を除いた経常の利益をもって資本に対する利益の割合ということを見ていけば、土地の問題は、別の角度から問題はもちろんございますけれども、その資本の収益力というものを株主が十分評価するだけのデータはそこから得られると思います。ただし、その収支が粉飾が行なわれているということがあっては、とうてい株主は適正な判断はできませんけれども、現在の報告書程度によって、株主に十分な資料が提供されておると思います。いまその数字の持ち合わせはございませんけれども、使用総資本に対する収益力は、三十五、六年ごろは五%をこえておったようでございます。これが一時二、三%台まで下がってまいりましたが、最近使用総資本に対して大体四%ぐらいまでに回復してきております。その意味で、マクロの上昇に伴ってミクロも収益力部面では現在は回復しつつある段階である、かように考えております。
○竹本委員 ただいまの四%、倍になったという形ですけれども、国際的な比較をしてみた場合にどういうことですか。特に資本の自由化の問題等もありますので、伺っておきたいと思います。
○加治木政府委員 使用総資本に対する収益力という点では、大体八、九%程度であり、若干わが国より高いように私は考えております。
○竹本委員 日本の企業の実態、きょうは深く掘り下げる時間がありませんのでやめますが、ただ表面に高度成長といわれておる。あるいはいろいろ利益が上がっておるように宣伝されておるものの、実態をもう少し科学的に再検討してみる時期が来ておるではないか。この辺で、ことに資本の自由化等の問題を前にして、やはりわれわれがほんとうの競争力を企業に持たせるためには、正しい意味で株も上昇できるような収益率なり資産内容なりを持っていなければならない、そうしなければ、自由化に対して一たまりもなくやられてしまうというときに——国内だけの封鎖経済時代においては、株が上がるか下がるかといった程度だけの問題で済みますけれども、今後はもう少し事態がシリアスになってくると思いますので、もう一度局長のその点についてのお考えを承っておきたいと思います。
○加治木政府委員 全く同感でございます。ただいま申し上げました数字は使用総資本ということ、使用総資本というのは、あるいは総資産ということでございます。しかし、その中で占める他人資本あるいは借り入れ金、企業間の借り入れ金、銀行借り入れ金、それと自己資本、自己資本の中での払い込み資本と内部留保、この辺を分けて考えなければ、正しい判断の資料としては不十分だと思います。その点から考えますと、日本の法人企業の自己資本維持率は現在一九%まで下がってきております。十億円以上の主要企業でいきましても二二、三%、土地の再評価の問題が含まれておりますけれども、一応これは別にしまして、その中で一四、五%が払い込み資本、七、八%が内部留保、こういう状況で、ちょうど内部留保が払い込み資本の半分くらいしかない。ところが、外国の企業、これはアメリカと比較するのは必ずしも適当ではございませんけれども、資本自由化ということになれば、アメリカとの資本の抵抗力ということになりますが、アメリカの場合には、優良主要企業でありますと、大体七〇%から八〇%が自己資本でございます。しかも、その中で二〇%から三〇%くらいまでが払い込み資本で、四〇%前後が内部留保ということで、内部留保のほうが非常に大きい。そういう意味で、資本自身が非常に強力な上に、しかもクッションとしての内部留保が非常に大きい。こういう点で、資本費用も日本の場合は比較的に高くなっている。この点は、単純に証券対策ということでなく、企業自身の体質を改善して、外国の侵略——侵略ということばは適当ではございませんが、その進攻にも備える、それが、同時にまた資本市場対策にも私は当然つながると思うのであります。
○竹本委員 大体局長のお話のとおりだと思いますが、くれぐれも、見せかけの繁栄というようなこと、数字に幻惑されないようにして、私は、やはりきびしい自由化のあらしの中でわれわれの企業が生き残れるような企業体質、それを基礎とした株の動きということになるように重点を置いて考えてもらいたいと思います。 そこで、第二の問題に入ります。あるいは御質問があったかと思いますけれども、凍結株というものは、今後どういうふうにされる方針でありますか。
○加治木政府委員 たいへんお答えのしにくい問題でございまして、簿価でいま三千五、六百億円あります。これがいまどうされるかということは、市場にとってのきわめて大きな材料でございます。御承知のように、信用取引の残高が四百億円か五百億円かということだけでも騒がれておりますから、その十倍くらいの、いわゆる日本銀行信用による信用取引の残があるということと実質ちっとも変わらないわけであります。したがって、方法及びタイミングを具体的にこの公開の場で明らかにするということは、必ずしも私はなじまない問題だと思うのであります。しかし、考え方としましては、あるいは、異常事態において発生したいわば遺児であります。これがあること自体が、異常事態の名残り、株式市場の正常化を妨げている、そういう意味では、できるだけ早く正常化すべきである、かように考えております。しかし、現実にいま投資信託が売り越しの状況にある、毎月百億円から百五十億円くらいの売り越しを続けておる、これを保険会社その他の機関投資家の買い越しでもってやっとカバーがとれているような状況でございます。この凍結株は大部分が投資信託の売り越し部分の名残りでございます。したがって、現在本体である投信自身も売り越しを続けている状況の中では、原則論としては、できるだけ早くということを申し上げましても、現実の環境からいいますと、なかなかむずかしい環境にありますので、非常に短い期間でこれを解消する方法というのは、少なくとも、現在のところなかなかむずかしい問題ではないか、かように考えております。先ほど堀先生その他からも、別な形でこれを市場から取り除く方法がありはしないかという御提案もございましたけれども、市場関係を、投信の状況その他十分に勘案しまして、市場直接の関係者、取引所とか保有組合、共同証券、そういう人たちの関係者の判断も十分聞いた上で慎重に解決いたしたい、かように考えております。
○竹本委員 この点は、局長と私ちょっと意見が違うのでございます。 異常事態の名残りであるので、できるだけ早い機会に、それは簡単に言えないけれども、これをなくする、正常化する、解消する、こういう御意見でございました。いまお答えの中にもありましたように、これをそういう形でなくすることがいいのか、あるいは、これをこのままにしておくとか、あるいは、さらにこれをもっと違った国家的な目的に、災いを転じて福となすような活用方法を考えるということと、まあ三つあると思うのです。なくしていく、このまま持っておる、もっと発展的な目的のために活用する、この三つの場合があると思うのでございますけれども、お答えによれば、時期は別として、だんだん解消していくという方向にのみ考えておられるようですけれども、そうでございますか。
○加治木政府委員 ことばが不十分でございますが、原則論としては、そのまま全く市場に売って返すということでうまく解決できるならば、それが本則でありましょう。しかし、私が申し上げました趣旨は、現在のような形、市場の不正常要因となっているような形をできるだけ早く解消する、その解消の方法には、おっしゃるような方法があり得ると思います。単純に市場に売却するということだけでなく、この自由化の問題も控えて別な次元の問題も入り込んできておりますから、そういった問題を吸収し得る余地があるなら、こういった観点からの検討を加えても十分いい問題だと思いますが、私が申し上げましたのは、要するに、いまの市場の不正常化しているような形の現状をできるだけ早くなくしたい、こういうことでございます。
○竹本委員 イギリスの産業再編成公社とか、あるいはイタリアのIRIとかENIとか、いろいろありますが、私はこの株をそうした方向で、もっと前向きに使う、あるいは利用する方法を考えてはどうかと思っておりますけれども、これは時間がありませんし、本質的な問題になりますので、他日、あらためて御論議をしたいと思います。 そこで、法案自体について一、二伺ってみたいと思いますが、まず例のコロガシの問題は、先ほども堀委員もだいぶ議論をされたようでありますけれども、コロガシというのは、一体全体の中でどの程度のウエートがあったのか、その辺をちょっと伺いたいと思います。
○加治木政府委員 投資信託の総売買高の中に占めるファンド間の取引、俗称コロガシ、この割合を一応暦年で申し上げます。 三十五年中が三四・一、%、三十六年が四〇・六%、三十七年が三七・四%、三十八年が四二・四%、三十九年が五〇・二%、この辺までが非常に高かったわけであります。そのころから業界でも自主的に規制をだんだん加えてまいりまして、コロガシの原則的な禁止、資金手当て以外にはやらないという原則を打ち立てて今日にまいっておりまして、それから四十年は二七・四%、四十一年は一九・四%、四十三年は一−六月では二五・五%、ここはちょっと上がっておるようでありますけれども、これは実は株価が回復してまいりまして、解約償還がふえてまいりますので、その資金手当てのために、早めに市況によって売っておるというようなことが影響をいたしておると思いますが、全体としては二〇%前後にまで低下している、かつての大体半分以下にまでなっておる、こういう状況でございます。
○竹本委員 予想外に多いのに驚きますが、三十九年ですか、五〇%をこえたといったようなときに、どういう手を大蔵省は打たれたか。また、この証券投資信託法の改正で受益者保護と、たいへんもっともな御説明がついておるんだけれども、これをいまごろになって考えるのは少しおそ過ぎやしないか。この二つの点についてお伺いいたします。
○加治木政府委員 業界の自主規制をだんだん強化して今日までまいったわけでありますが、そんなことは投資信託の始まるころからやっておくべきじゃなかったかということ、御疑問に思われるのはごもっともだと思うのでありますけれども、この辺は、ある意味でわれわれの監督が必ずしも十分じゃなかった点は認めざるを得ないと思いますが、業界の自主規制という形でもって、われわれも参画してこの投資信託の改善に取り組んだのは、実は四年前からでございます。われわれ自身の経験も十分でなかった点もありますし、証券市場に直接影響のある問題でもありますので、なかなか急カーブも切れないというので、逐次積み上げ式にいろんな措置を積み重ねて今日までまいって最終の自主的な形での改善案が去年の暮れ出まして、そのうちのやらなければならない事項を立法化した、こういうことでございます。もっと早くやっておくべきであったという御意見は、全く私も同感でございますけれども、一たん発足したものを途中からということになりますと、いろんな環境との関係を考えなくちゃなりませんので急カーブも切りにくかったという点は、ひとつ御了承願いたいと思います。
○竹本委員 これは希望でありますけれども、日本の政府、ことに、行政のあり方を見ておりますと、何でも三年か四年おくれているんですね。今後はひとつ気をつけて、重大な問題に手を打つことがおくれないように願いたいと思います。自由化の問題は、私は機会と場所をあらためて論議する予定でおりますけれども、こういう問題に対する取り組み方も、少なくとも三、四年おくれておると思うのです。先ほど申しましたイギリスの産業再編成公社なんかの提案の説明を読んでみますと、イニシアチブとかアイデアスということばが非常にたくさん出てくる。結局、いかに政策のイニシアを握るかということが、政治あるいは行政の担当者の一番大事な問題ではないか、手おくれになってはどうにもならないと思いますので、特に要望を申し上げておく次第でございます。 そこで、第二の問題は、同一法人の発行にかかる同じ種類の有価証券というものは、一定の割合をこえて取得することは禁止する——危険分散の問題もありましょうし、企業支配の問題を考えてのことかと思いますけれども、一定の割合というものは幾らくらいであるかということを伺いたい。
○加治木政府委員 一応株式投資信託については、現在考えておりますのは十分の一、現実に十分の一で現在の株式投資信託を指導いたしております。
○竹本委員 大体こういう場合に、みな日本では一割というふうに考えるのでございますけれども、何か科学的な根拠がありますか。それとも、大体というような経験論ですか。
○加治木政府委員 科学的な根拠というほどのものはないのでございますが、外国の立法例も大体五%から一〇%というのが多いようでございます。その経験率というふうにお受け取り願ってけっこうだと思います。
○竹本委員 次の問題にまいりまして、信託財産として有する有価証券の議決権の問題でございますけれども、いままでは議決権は、だれが、どういう形で行使したかということについてお聞きしたい。
○加治木政府委員 実はいままでは、議決権はだれも行使していなかったのであります。御承知のように、法律上の信託関係というのは、委託会社と受託会社である信託銀行との関係が信託関係になっておりますので、株券は信託譲渡によって受託会社、いわゆる信託銀行名義になっておるわけでございます。信託銀行は金融機関でございますので、一般の金融機関と同じように、通常の場合には、一発行会社の総発行株式の一割をこえて持てないようになっておりますが、ただ、信託譲渡であるために、その制限ははずされておるけれども、一割をこえて持つ場合には議決権を行使してはならないというふうに、独禁法との調整をはかって、そういうふうになっております。ただ、受託銀行は、一つの委託会社として見れば、発行会社の総発行額の十分の一以上は持てませんが、受託銀行はいろいろな委託会社から信託を受けますから、当然十分の一をこえた割合の名義人としての株主になっておる場合があるわけであります。これは、そういう規定の関係で議決権が行使できない。しからば、それぞれの委託会社に議決権を行使さしたらどうか、名義は信託銀行であっても、その代理人となって、あるいは委託会社の指図に基づいて信託銀行に議決権を行使さしたらいいじゃないかという点も考えたのでありますけれども、実は、そうしますと、一つの信託銀行がたとえば三つの投資信託会社から信託を受けている場合には、名義は同一名義でありますけれども、三人の実質株主がいるわけでございます。そうすると、議案に対して三人が同じ態度をとるとは限らないわけです。ある者は賛成、ある者は不賛成、ある者は留保ということがあると思います。そうしますと、株主名簿上は同一名義人でありながら、持ち株の半分は反対、半分は賛成、こういうことをやらなくちゃならなくなるわけでございまして、従来、商法の解釈上、株主権、議決権の不統一行使、分割行使はできないという解釈——解釈でごさいますが、ありまして、大体それに従わざるを得ないということで、委託会社の指図もできなければ、議決権の行使もできなかった、こういう状況でございます。これをこの際今度の法律で改めまして、委託会社に指図権を与える、これは去年商法が改正になりまして、こういった場合には不統一行使ができるということが法律上明らかになりましたので、それに対応するものでございます。
○竹本委員 いまの場合は、技術的に困難であったから、行使をしようと思っても議決権の行使ができなかったというのか、あるいは、行政指導でさせないでおったのか、どちらですか。
○加治木政府委員 投資信託というものは、当然株式への投資ということでございます。株式への投資ということは、株主権を当然伴うわけであります。したがって、議決権の行使も、投資信託あるいは株式投資の運用の一環として考えるべきだ、そういう観点から考えれば、できれば委託会社に行使させたかったのでありますけれども、いま言ったように、法律解釈上、不統一行使ができないという解釈、これは裁判までいって争ってまいればどうだったかわかないのでありますけれども、そういう解釈に従って指図を差し控えざるを得なかった、そういうことでございます。それが好ましい姿だということで指導したということではございません。
○竹本委員 関連でありますけれども、共同証券の場合には、持っておる株、いまの保有組合でもいいわけですが、それぞれの場合に、株主権の行使というのは、どういう形になっておりますか。
○加治木政府委員 共同証券は、実は投資機関ではないわけでございまして、特殊な性格で市場における需給関係を平衡ならしめるために出た、投資のために出たということでなくて、暫定的に市場の需給関係を緩和させるという意味でできた機関でございます。したがって、機関の性格上、通常の投資の場合に議決権というものは当然不可分の一体をなすべきでありますけれども、共同証券の場合には、議決権は行使しないで白紙委任をする、従来の委託会社の例にならって白紙委任をいたしております。
○竹本委員 次には、先ほど御議論がありましたが、社団法人の今度の投資信託協会の問題でございますが、今度の内容は、だいぶ具体的にその使命と任務を規定されておるようでございますけれども、社団法人としての性格にはやはり変わりはないということでございますか。
○加治木政府委員 特殊法人の性格を明確にするためには、組織そのものも法律で規定するということが通常の方法でございます。しかし、現実にいま社団法人である投資信託協会があり、実際上、われわれもまたそういう指導をいたしておるわけでございますが、自主規制的な機能を果たしてきております。したがいまして、この際、組織としては従来どおりのものを借用して、ただ、その法目的あるいは規制権限、大蔵省の監督権限、この辺は特殊法人らしい姿に切りかえた、ただし、組織としては社団法人である民法法人としての性格をそのまま引き継ぐことができるように法律上措置いたしたのであります。
○竹本委員 その点はむしろ、先ほども御議論がありましたけれども、社団法人という民法法人の性格からいって、いま期待されておるような、重要な使命、任務を果たすのには、やはりぼくは不十分ではないかと思うが、その点の検討はどの程度されたものであるか。もう一つ、社団法人である以上、メンバーの問題が出てまいりますけれども、それの内容、構成はどういう形でありますか。
○加治木政府委員 法人の組織の問題でございますので、むしろ、この協会に期待いたしておりますのは、協会の業務及びその目的でございます。その目的及び業務は、法律上、投信法上明らかに公益目的のためであるということを明定すれば、組織は同じであっても、期待さるべき役割りは十分果たされるのじゃないか、こういうことで組織は従来のものをそのまま借用した、また、かりに特殊法人組織にしてもよろしいのでございますけれども、一たんせっかくできているものを一ぺんやめさせて、また新しい組織につくり直すということも、実質的に同じ役割りが期待できるならば、むだではないかということでこういうふうに割り切ったわけでございます。 それから、これは加入は強制加入になっておりません。強制加入になっておりませんが、少なくとも委託会社は全員、それから、常時この投資信託に受益証券を販売する証券会社は、実際上全部入るように行政指導してまいりたいと思いますが、法律上は強制加入にはなっておりません。
○竹本委員 これは見解の相違でありますからあまり触れませんが、私はやはり特殊法人としてせっかく——これをちょっと拝見してみますと、もっともなことが書いてあるのですけれども、ある意味からいうと、これはいままで行政指導なり、その他法律によらない方法でやってこられたことではないか。それをもっともっと重からしめる意味において、せっかく法の改正をやるということであれば、その問題の多い流通市場等の問題についても思い切って抜本的に取り組んでいくのだという決意の表明としては、やはり特殊法人でもつくるということのほうが、すべての体制にぴったりするのではないか。ある程度行政でやっていたものを法律にする。社団法人ではあるけれども少し監督権を強化するといった程度では、なおもの足りない感じがいたします。しかし、これは見解の分かれるところでございますので、私は将来のために言っておきたいのでございますけれども、よほど決意をしてやられるのでなければ、期待される任務を十分果たすことができないのではないかと思いますので、制度を新たにするということが不徹底であるならば、せめて覚悟を新たにして、行政指導を強化していただきたいと思います。 次に、もう一つ伺って終わりにしたいと思うのでございますが、これは一つの法律関係についてであります。私がひとつ販売会社から受益証券を買うといった場合のこでありますけれども、二つの点を伺いたいのです。 今度は私と委託会社との関係は一体どういう法律関係になるのかということが一つであります。まずそのほうから聞きましょう。
○加治木政府委員 いままでですと、受益者、受益証券を買ったお客さんと委託会社との関係は、投資信託を設定してくれという一種の委任関係にすぎなかったわけです。その財産をどういうふうに運用するかということは、信託約款に一任されているわけでございます、信託約款というのは、受託銀行と委託会社との間の約款でございます。この受益者との関係じゃないわけでございます。これではどうも——経済的な実態からいうと、むしろ受益者と委託会社、運用の全権を握っている委託会社との間に信託関係を発生させるべきではないか、あるいは、三者構成の信託関係というものを設定すべきではないかというふうに考えられたわけでございます。したがって、できればそういう構成をとりたかったのでございますけれども、信託法というのはなかなかむずかしい法律でございまして、どうも外国の立法例、これは英米系統の法律でございますけれども、三者構成ということもなかなかできない。どうしても信託法上は他益信託としての従来の形を踏襲せざるを得ないだろう、したがって、これを投資信託法上、受益者と委託会社との関係に信託類似の関係を発生せしめる、これが受益者に対して委託会社は忠実の義務を負う、こういうことにしたわけでございます。したがいまして、この忠実義務の内容は、信託財産を運用する、あるいは議決権を行使するにあたって、もっぱら受益者の利益のみを考慮しなければならない、こういうことになったわけでございます。従来のように単純に投資信託を設定してくれという委任関係とは実質的な大きな変革でございます。
○竹本委員 実質的には違うとおっしゃるけれども、法律的には同じですか。
○加治木政府委員 これは解釈でございますけれども、従来の形は投資信託を設定してくれという委任ではないか、その投資信託をどういうふうに運用してくれ、こういうふうに運用してくれ、自分の利益のために運用してくれとか、そういう委任ではない、ただ、投資信託というものを設定してくれ、あなたのほうでこしらえた投資信託というものに私を一枚入れてくれというだけの委任関係ではないかというふうに解釈されておったのですが、今度は、実質的に投資信託の財産を運用するにあたって、委託会社は、受益者の利益を考慮して、受益者に対して忠実の義務を負う、こういう実質的な面を信託類似の関係に置いたわけでございます。
○竹本委員 もう一度伺いますが、その忠実義務は、だれが、だれに対して負うのか、もう一度そこをはっきりしていただきたい。
○加治木政府委員 それは委託会社が受益者に対して負うわけでございます。
○竹本委員 負うのだけれども、それは特に法的根拠というのはないのじゃないですか。
○加治木政府委員 信託法にはございません。したがって、投資信託法上、新たにこれを発生せしめたのであります。新法案でございますが、第十七条の第一項「委託会社は、証券投資信託の受益者のため忠実に信託財産の運用に係る指図を行なわなければならない。」となっております。
○竹本委員 これもなかなかむずかしい問題で、いろいろ議論が出ようかと思いますが、一応十七条の規定の運用にひとつ期待することにいたしましょう。 もう一つ、同じような関係でございますが、今度は私が受益証券の申し込みをした。申し込みをして、それから締め切られて、いよいよ設定されるという途中の事故に対しては、だれが、どういう責任を負うか、あるいはまた、預けた金を、投信が設定されるまでの間にかってに運用して、もうけたり損をしたりした場合、それはどういう法律関係になるかということであります。
○加治木政府委員 受益証券を募集するわけでございます。募集と売り出しと、両方ございますが、ユニットの場合ですと、募集するわけでございます。したがって、募集から設定までの期間がございます。その間は、募集行為をやっているのは、委託会社ではございませんで、販売をやっております通常の証券会社でございます。したがって、証券会社が、設定されるまでの間、一時預かり金という形でそういう債務を負っておる、預かっておって、期日が来たら投資信託を設定する、そういう債務を負っている、そういう関係でございます。
○竹本委員 そうしますと、その場合には、一時預かりに関する普通の民法的な関係ぐらいのものしか出ない。投信についての、しかも金額が多い、利用者も多いといった場合、特別な場合に対する法的な規制はない、こういうことですか。
○加治木政府委員 そういうことでございます。投資信託設定以前の通常の民事の関係でございます。ただし、この辺は、今度の協会の自主規制で販売面も規制することになりますから、きちんとした規定をさせるつもりであります。
○竹本委員 これもやはり何だか不十分なような感じがいたしますが、普通のちょっとしたものの一時預かりとは違って、これはたいへんな金額を、たいへんな人々が投信を買うために預けるわけですから、それに対して何らかの用意というものがないと問題が起こりはしないか。 なお、念のために伺いますが、従来その過程において問題が起こったことはありませんか。
○加治木政府委員 従来その過程で問題が発生したということは、私は聞いておりません。ただ、この関係は通常の株式、社債募集の場合にも当然そういった期間があるわけでございます。その一般の例にならっているわけでございますが、ただ、今度はこちらには投資信託協会というのがございますから、販売関係に伴う規制の一環としては、当然厳重な規制が行なわれることになると思います。
○竹本委員 大体これで終わりますが、先ほど申しましたように、せっかく信用挽回のために法の改正をやられるわけでありますから、今後の運用については格段の注意をいただいて、ぜひ改正の目的が十分に達成されるように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○内田委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十八分散会