商工委員会 第14号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/05/31
会議録
○島村委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 まず当委員会において、政務次官御承知のとおり、バナナの問題を取り上げてきたわけであります。新聞の報道するところによりますと、六百八十九社でありますか、これを集中合併をして二百数十社に統合したということが伝えられておるわけです。そのことについてお尋ねをしたいと思いますが、その前に、一応これは大蔵委員会で関税の問題に対しては質疑が行なわれたものだと承知をしておるのであります。この関税の問題も、通産省にとってもやはり関係があるわけでありますから、この二カ年にわたって五%ずつ一〇%の関税の引き下げになる、このことが小売り価格にどのようにはね返ってくるのであるか、これは当委員会といたしまして一つの関心事であるわけでありますから、そのことに対して一応の見通しを伺ってみたいと思うのであります。
○宇野政府委員 バナナの関税は、向こう二カ年間に先生のおっしゃったとおり五%ずつ一〇%引き下げまして六〇%にしようという意味合いでございます。これは御承知のとおり、わが国からも台湾に対しまして、わが国の農産物であるリンゴであるとか薬用ニンジンであるとか、そういう輸出増大をもかね合わせて、向こうとのかね合い上はかった措置でございまして、もちろん通産省といたしましては、そうしたことが消費者価格に直接はね返って、バナナの値段が少しでも安くなることを望んでおるわけでございます。現在の機構上、そういうような指導はいたしたいと思いますが、はたしてストレートにそのまま小売り価格にはね返るかどうか、今後の推移等を十分見きわめまして、省といたしましては、消費者行政上も、極力そうした面において価格が引き下がるように取り計らいをいたしたい、かように存じておる次第であります。
○中村(重)委員 専門的なことになりますから局長でけっこうですが、政務次官お答えのとおり、どの程度小売り価格にはね返ってくるか、なかなかこれは試算することはむずかしいと思いますけれども、やはり関税の引き下げというものに対しては通産省として十分な関心があったであろう。これに対しましては大蔵、農林両省との間であらゆるデータをもって検討されたであろうと思うのでありますが、あなたのほうでは関税の一〇%引き下げが——四十二年度は五%になるわけでありますが、どの程度小売り価格の引き下げに役立つのだということを具体的に検討されたのではないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
○原田説明員 バナナの価格の問題につきましては、特に輸入されたバナナが適正な価格で消費者の手に渡るということを確保する必要があるという御指摘を前国会におきましてもしばしばいただいたわけでございます。私どもも、その趣旨に従いまして、適正な価格がいかにして維持されるかということを鋭意検討いたした次第でございます。関税の引き下げも、そのこと自体だけから考えますと、輸入価格がもし引き下がるならば、それに応じて最終の末端価格にも引き下がるという力が働くわけであります。ただし、現在の状況では価格、特に末端の小売り価格は、バナナに対する消費者の需要性向の強さとそれに対します供給余力がどのぐらいあるかということによって決定をされているような状況でございますので、関税が下がったということだけから直ちに、一〇%関税が下がれば小売り価格も一〇%下がるはずだというような状況にはなかなかまいらないのではないかと考えたわけであります。したがいまして、まず過去においてどのようなことが行なわれたかというのを見たわけでございますが、これも輸入数量がここ数年逐次ふえてまいっておりますし、そういうことと価格というものは関係がございますので、必ずしも関税それ自体が下がった場合における小売り価格の値下がりを数字的に判定する資料になるかどうかははっきりいたさないわけでございますが、輸入の価格はキログラム当たりで、全バナナの場合に四十年六十一円、四十一年五十六円、台湾産の場合に四十年六十二円、四十一年五十七円というような数字になっております。これが最終の消費者価格でどのように動いたかということでありますが、六十一円のものが大体平均二百十七円見当に売られているのではあるまいか、それからまた、五十六円のものが二百九円見当に売られているので君あるまいかという推算をいたしました。その間に関税を払っておりますので、六十一円に関税を加えました額が百四円、四十一年の五十六円に関税を加えました額が九十六円、消費者価格と輸入価格プラス関税というものとの差を見てみますと、どちらも百十三円ということにたまたまなるわけでございます。と申しますわけは、この数字だけから見ます限りにおいては、関税の輸入価格の下がった分が消費者価格の下がった分にそのまま反映している、こういう状況が言えるわけでございます。と申しますわけは、関税を下げるということによって、輸入価格の引き下げということがもし実現できますならば、ある程度小売り価格を引き下げることが可能である、少なくとも全然下がらないということはないという資料にはなるのではないかと考えております。また昨年の十一月ごろ、バナナの供給が、わりにございまして、国内でもその他の果樹の供給が非常にふえたころがございます。そのころには、バナナの価格が国内において非常に下がりまして、一時的ではございますが、輸入業者が非常に損をしたような状況も出現をいたしました。また、今後やはりバナナ輸入量というものも漸増すると考えられておりますので、そういう供給の増大ということとからみますならば、関税の引き下げというものが、ある程度消費者価格の引き下げというものに役立つのではないかというように私どもとしては考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 いまの御答弁からは、関税をどうして、何のために引き下げたのか、このねらいがわからないのです。引き下げの背景というものがなければならぬのです。だから、たくさん入ってくる、このことは需要供給の関係から、価格が下がるのはあたりまえですよ。私が聞いているのは、そういうことを聞いているのじゃないのです。やはり関税を引き下げたのだから、その引き下げの目的、ねらいというものがあったのだろう、その柱の一つは、消費者価格というものを引き下げるということも、通産省としては物価対策の関係その他からお考えになったのじゃないか、それを尋ねているのだけれども、あなたのほうは、肝心の私の質問のこのねらいというか、要点に対してお答えにならない。わかり切ったことをお答えになっているのですね。それじゃだめです。だから、あなたのほうでは何のために関税引き下げを考えたのか。大蔵省が考えたのか。おそらく農林省は、国内果樹の関係から若干の抵抗をしたのだろうと私は思うのですよ。そうすると、通産当局として、物価対策の関係からの関税引き下げ、それが小売り価格にはね返ってくるんだ、消費者もそれで幾らか救われるのじゃないか、そういう意欲というものは働かなかったのですか。関心はなかったのですか。
○原田説明員 先生の御質問を、下がった場合の将来の見通しのように誤解をいたしまして、いささか的はずれの答弁をいたしまして、たいへん恐縮に存じております。もちろん、私どもが今回バナナの輸入関税を引き下げるべきであるというふうに考えました一番の根拠は、国際的に見て七〇%という非常に高い関税率というもの、特にこのバナナという物資が発展途上国の非常に重要な関心品目で、熱帯産品として、その関税引き下げを低開発国から要望されておる品目でもございます。そういうことから、そういう発展途上国からの要請並びに国際的な関税水準のレベルといったような観点から、これを引き下げねばならないというのが第一点の観点でござます。 それから第二点は、もちろん現在ややもすれば高いという評判のありますバナナの消費者価格というものの引き下げに少しでも役立って、これがいいバナナを安く消費者に供給することができるのではないかという先生御指摘のような観点、この二つがあったことを申し上げたいと思います。
○中村(重)委員 前段は、世界バナナ特別会議というところで、七〇%という関税は高いじゃないか、だから引き下げてもらいたいといったような要請があったということにも伺っておるわけです。しかし、今度の引き下げというものは、特定の政治家が暗躍をしたとか、業界の輸入業者の突き上げが相当強かったとか、いろいろなことが伝えられておるわけです。しかし、いまあなたに、そういう背景というものに対してお尋ねをしましても、確かにございましたという答弁はなさらないでしょうから、そのことはまずおくといたしまして、後段の点に相当あなたのほうは強い関心をお持ちにならなければいけないと思うのですね。だから、関税を引き下げたんだ、したがって、消費者価格というものが下がらなければいけないんだから、これと相まってどういう措置を講じたらばいいのであろうか、これはあとでずっと続いてお尋ねをしますけれども、そういうことに対して検討なさって、そうして五%、それから来年度を含めて一〇%の関税引き下げになる、それが消費者価格に対しては大体この程度はね返るのだというような試算はなさっておるのじゃないかと思うのですが、それは、後段にお答えになった柱に対してはありませんか。
○原田説明員 五%ずつ二年、一〇%下げた場合に消費者価格がどのくらい下がるかという試算は、非常にむずかしい試算でございます。先ほど申し上げましたように、輸入価格が下がった場合にどれほど下がるという一応の試算は出たわけでございます。この試算のとおりであるといたしますと、ほぼ一〇%に近い小売り価格が下がるということが期待できるわけであります。ただ、その時点における他のくだもののできぐあいでございますとか、全体のバナナの供給量というものと非常に関係がございますので、一〇%関税が下がった場合に何%下がるかという確定的な数字まで出すというところにまではいかなかったわけでございます。
○中村(重)委員 そうすると、端的に伺いますが、ことし五%下がる、それだけ国庫収入が減るわけですね。そうだと、この五%の引き下げによってだれかが利益を受けることになると私は思う。この利益はだれが受けるんです。受けないことはありません。引き下げによってだれかが受けるのです。通産省はどのようにお考えになっているのですか。
○原田説明員 バナナの関税収入は相当な額でございます。この関税の引き下げがどこにいくかということは非常に関心があるわけでありますが、いまのところでは、やはり最終的にはそれは消費者につながるというふうに考えておるわけであります。
○中村(重)委員 あいまいな答弁をなさっちゃだめです。あなたは愚弄している。先ほどあなたは、私の何回もの質問に対して、消費者価格に幾らはね返ってくるかわからぬ、関税を下げてもなかなか消費者価格というものは下がるものじゃありません、あなたは何回お答えになったのです。その引き下げによって国庫収入は減ってきたのだから、だれかが必ず利益を受けるであろう、それはだれなんだというんですよ。消費者価格だと、子供だましな答弁をしちゃだめです。もっと見識のある御答弁をなさい。輸入業者か加工業者か、だれなんです。だれだと思っているのですか。ほんとうのところをおっしゃいよ。
○原田説明員 最初にも申し上げましたとおり、試算によりますと、そのまま消費者が下がったバナナの価格を享受できることになるわけでございます。ただ、関税か下がった場合に、その下がった分が、その下がった時点の一年間なら一年間ぐらいの間に、すぐ全部消費者に行くかどうかという点が私どものほうで若干確信がないだけでございまして、ある時点において、船積み、季節その他の関係で、供給が若干需要に対して足りないというような場合には、消費者に至るまでの輸入業者あるいは加工業者、卸・小売り業者というようなところで若干その差益が吸収されるおそれがないというふうには断言できないかとは思いますが、しかし長い目で見まして、これをならして見ました場合には、やはり下がっただけのものは価格も下がって、消費者のほうにその利益が帰属するというふうに考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 あなたの答弁をとらえてあなたに批判をいたしましても、これはもう切りがありません。ともかく通産省というところは、大企業の利益に奉仕する機関であるなんという批判が非常に強い。だから、委員会等においてこれらの問題が取り上げられ、関税が下がった、ほんとうに国民がそのために救われるのかどうか、そういう質問を受けることは、当然あなたのほうもわかっておられる。こういう場合、端的に委員会において答弁をして、国民にそのことを知らしめるというような態度をお持ちにならなければだめですよ。どの程度これが引き下がって小売り価格にはね返ってくるかということに対して、十分な試算もなく、答弁もできないというようなことでは、通産省が特定の輸入業者あるいは利権屋の利益を守る機関であると言われても、返すことばはないでしょう。それと、国際バナナ会議で七〇%の関税というものは非常に高いということが強く批判されたのか、引き下げてもらいたいという要請があったのか、その点はつまびらかでありませんが、いずれにいたしましても一〇%下がることになる。そうすると、国民は、関税が下がったんだから、やはりバナナが幾らか下がるであろうということを私は期待をしておると思います。そのためには、台湾の輸出関税というものがどの程度であろうか、実質的に二〇〇%程度であるとさえ言われておるところのこういう輸出関税というものを引き下げさせるための努力というものが、当然私はなされなければならないと思うのです。どういう努力をなさったのでしょう。この関税の引き下げによって、輸入価格というものがどの程度引き下がってくると試算しておられるのか。前段に申し上げた台湾との輸入価格の引き下げあるいは関税の引き下げ等々において、どのような努力を続けてこられたのか、その経緯についてひとつ伺ってみたいと思います。
○原田説明員 先ほど先生の御指摘のとおり、私ども、関税を引き下げますからには、それが消費者価格に反映をいたしますように努力をいたしております。先ほどから申し上げておりましたのは、現時点での単なる試算といいますか、その点について申し上げたわけでありますが、私どもといたしましても、関税を引き下げました以後、さらに流通過程以後の合理化というようなものを強力に推進をいたしまして、そのことによって、引き下げというものが消費者価格の引き下げという利益につながるように、今後鋭意努力してまいりたいと考えておるわけでございます。 台湾との輸出関係とおっしゃっておりますが、台湾が輸出をいたしますときの関税でございますか。——台湾がリンゴその他を輸入いたしますときには、非常に高い関税がかかりまして、港湾でいろいろな名前でかかりまして、結局二〇〇%ぐらいになっております。——台湾か輸入をいたしますときの関税のことでございますか。
○中村(重)委員 台湾が日本にバナナを輸出するわけですから、それについてはいろいろな諸費用というものがかかってくる。それについては輸出価格というものはできるだけ引き下げてもらわなければいけないということになるのだから、それらの点に対してどの程度の努力をされたのかということですね。 二〇〇%の問題は、リンゴ等の輸入の場合に約二〇〇%の関税をかけているということですから、その点は私は訂正をいたします。
○原田説明員 この点は、数年前に台湾から買いますバナナが非常に高くなりました。その以後輸入秩序維持のために現在のような制度に戻しまして、高かったバナナが現在八ドル、七ドル程度に下がっております。その後も台湾の外貿会と私どもとの間、また台湾の輸出業者の団体でございます聯営委と言われております団体と、当方の輸入組合との間で定期に交渉を開いております。この交渉は現在は大きな会議といたしましては、三カ月に一回開いておりますが、そのほか、しょっ中両方で行ったり来たりいたしまして、向こうからの価格の引き下げ、特に品質検査その他と組み合わせました価格の引き下げ、それからまた、その価格に非常に影響のございます取引条件の改善というものについて不断の交渉をいたしております。八ドルが七ドルに一回下がってまいっております。その後台風その他がございまして、若干八ドルに戻ったものもございますが、最近また七ドルにまで輸入価格が引き下げられているという状況でございます。ただ、これにつきましては、台湾のほうにおきましても、農民の生産コストの合理化というような問題について努力をしていただくように要望をしております。また、船積みその他につきましても、かごで参りましたものをカートンボックスに切りかえることによって経費を節約するというようなことによって、向こうの輸出価格というものが実質的にできるだけ切り下げられるようにという要望を不断にいたしまして、交渉をいたしている状態でございます。
○中村(重)委員 この前あなたのお答えのとおり一ドル下がりましたね。その場合も、小売り価格というものにはたいしてはね返るということはしていない。一時若干下がってきた。ところが、またもとに戻るというようなことで、なかなかはね返らない。そういった点でも通産省の行政指導というものがどの程度精力的に行なわれたのか、非常に疑わしく実は思っているわけです。しかし、それらの点に対して突っ込んでいろいろお尋ねをいたします時間がございませんから、次の点をお尋ねいたします。 この前も私は当委員会におきましてお尋ねをしたわけです。配船の問題です。いまはほとんど台湾の船で積み出されているわけですね。ところが、これではやはりいけないと思うのです。やはり日本の船で積み取るというようなことでないと価格もなかなか引き下がらない、そう思うのですが、なかなか成功しない。どの程度の折衝を続けておられるのか、見通しはどうなのか。
○原田説明員 この点、前回も申し上げましたように、私どもも、日本は海運国でございますし、かつ台湾以外の中南米のバナナはFOBで買っているわけでございます。つまりわがほうで船を手配をしているわけでございます。したがいまして、今後日本側として有利に買いますためには、御指摘のとおり、やはりCIFをFOBに切りかえる、あるいは全部でないまでも、日本が船を持ってかなりの程度運ぶという状態を実現することが望ましいと考えております。ところが、長い間台湾の荷主の側が船を持っておりまして、かつその船は、現在のところまだ回転率はさほど高くございませんが、新しく船をつくる場合よりも、昔からある古い船を使ったほうが、償却その他の関係で安いというようないろいろな条件がございますのと、それからまた台湾側としまして、どうしても現在のCIF建て契約をやるほうが有利であるということから、なかなか強硬にがんばっているという状態がございます。たまたま去年台風が吹きましたころ、非常に品質不良なバナナがたくさん参りまして、全船廃棄というような事態が相次ぎましたので、この機会に少なくともCIF建てを変更して、日本に着きましたものでも悪いものは引き取らないという契約方式に変える、エックスベッセル条件というような方向をまず出して交渉をする、さらに将来の問題としては、先生のおっしゃるようなこともこちらとしては考えているわけです。それで非常に強硬に数ヵ月間にわたって交渉したわけでございます。この交渉は現在のところなかなかまとまりませんで、いまだに難航をいたしまして、その後、実際問題としては、十一月ごろ向こうの供給が少なくなり、ふえ、ことしの一、二、三月には向こうの供給がまた足りないというような状態が出てまいりました。新しいこちら側の船で運ぶというような状態が、実際問題としてなかなか出現をしてこなかったというような状態もございまして、いまのところまだこういう船の問題は解決を見るというところまで至っておりません。しかし、こういう船の問題を含めました条件についての研究会を設置をするということまで進展をいたしております。エックスベッセル条件、その他現在の船積み配船の条件については、わがほうといたしましては、その立場を維持しながら、しかし性急に向こうとの交渉の決裂によって事態が悪くなるというような状態は避けるという姿勢で、今後もあくまでこれを続けてまいりたい、かようなふうに考えております。
○中村(重)委員 いまのところ折衝は通産省だけでやっているのですか。外務省の外交ベースという形の折衝もあるのですか。いまのお答えではなかなか期待が持てないようですね。
○原田説明員 船の条件、特に取引条件に関します問題は、事柄の性質がコマーシャルな立場を第一義といたしておりますので、現在のところは、主体といたしましては業界同士の話し合いということにいたし、これに側面から私ども通産省が向こうの政府筋と話し合って、円満な解決を見るようにという努力をいたしております。ただ、まだ外交ルートで、正式の外交交渉という形で取り上げるところまではまいっておりません。
○中村(重)委員 私は、この問題は単に業者同士の話し合いということだけではこと足れりとは思わないのです。特に価格の問題についても、割り当て制度をとっておるというようなことで政府はこれに関与しているわけです。そういう面からしても、また日本の国としても、やはり立場というものもあると私は思うのです。ですから、やはり配船の問題は解決をするように、強力に積極的な取り組みをなさる必要があると思うのです。政務次官、この点はどのようにお考えですか。
○宇野政府委員 先般も台湾の経済部長であります李国鼎氏が参りまして、そのときにも通産といたしましては、いま次長が申しましたような意味合いにおきまして、配船並びにその他バナナの輸出価格等をも含めまして、一応アプローチをいたしております。同様に農林もいたしておると存じますし、あるいは外務大臣もそのときお出になっていらっしゃいますから、そうした個々の会談におきましては、それぞれの立場でそういう問題を論じておるわけでございますが、向こうからの申し出もございましたから、今後は、ひとつ各省ごとの折衝ではなくして、やはり政府間においてそういう問題を解決し、それぞれの貿易拡大に資すべきである、こういう意見も出ておりましたので、現在といたしましては、政府の事務折衝によってそうした問題を今後推進すべきである、こういうふうに考えております。
○中村(重)委員 いろいろお尋ねしたいことがあります。それから他の省からもお見えになっておるわけですから、原田次長に御注文いたしますが、質問に、簡潔にひとつ要点をしぼってお答え願いたいと思います。 この浜相場の制度の問題というのは、これは流通機構の消費者価格を引き下げるというような、あるいは経済秩序というような点からいたしましても、非常に問題があると私は思うのです。この浜相場の制度という点は、いろいろこれを是正しようということも検討しておるように伝えられております。この関税引き下げの問題と関連をいたしまして、当然これは問題になったことであろうと思うのですが、どうなんですか。
○原田説明員 浜相場制度の改善につきましては、これを将来競売制、つまりせりに移るということの可否を含めまして具体策を検討いたしまして、加工業者が青バナナを適正な価格で円滑に入手できるような体制ができ上がりますように改善をいたしたいと考えております。この問題は、主として農林省のほうと御相談をいたしまして、ほぼ同じ考え方で両省の間で現在検討中でございます。 いま私どものほうとしまして、この問題に関し若干問題があるのではないかと考えておりますのは、浜相場制度を競売制に改めました場合に、現在の制度よりは若干ひまがかかる、浜で競売をやる日にちが一日二日かかるのではないか、そういたしますと、こういう腐りやすい商品には一日でも期間が惜いということでございますので、その点をどのように技術的に解決できるかという問題と、それから浜相場制度にも、長い間の実情から生まれてきたなかなか簡単に変わりにくいような点も、いい点もあるかと思いますので、もし需給の状況等を全く無視して移った場合、たとえば非常に品不足ではないかというような事態にせりに移りますと、かえって値が上がってしまうというような状態もあるのではなかろうか。そういう幾つかの問題をどのようにして解決して競売制にいくかというような問題を、これから検討してまいりたいと考えておる次第でございます。 ただ、現在の浜相場制度につきましても、現場委員といいますか評価委員というようなものが公募制度によって、適当な技術、経験、識見その他がございます適格な人ならばだれでも一応なれるというような制度にするという点については、これをすでに一部実現をいたしております。そういうことを含めまして、今後浜相場制度というものを含めた流通改善策というものを農林省と御相談して進めてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 浜相場の問題はたいへんむずかしい。やはり古い制度というものもどこかいいところがあるのですよ。かといって、この需給関係ということにあなたのほうはあまり重点を置かれる必要は私はないと思うのです。これは農林省との折衝の場においても、その点は強調されてしかるべきだと思います。第一、割り当て制度をとっているのです。国内の果樹農民の利益をやはり守っていくということでなければならないのです。だから、その点はコントロールというものをあらゆる角度からあなたのほうはすることができるのですよ。ですから、やはり浜相場というものはこの価格を引き上げるということにいまのところ働いている。だからこれをいかに押えるか。流通機構というものはやはり近代化していくということ、合理化するということ、そこへ重点を置いた検討をされる必要があると私は思う。この点に対してはいろいろ私なりの考え方もありますが、時間の関係から次に移ります。 輸入のいま申し上げた割り当て制度ですね。これは成功したと思っていらっしゃいますか。再検討を要するような感じが私はするわけです。なぜかといいますと、割り当て制度をあなたのほうで実行された。これは過当競争で非常に価格をつり上げていく、台湾に乗り込んでいって過剰サービスをやる、国の立場としてもおもしろくない、いろいろなことでもってどうしても割り当て制度に引き戻さなければならぬということで、現在の制度が実現しておるわけであります。しかし、現実にはそうなっていないですね。価格は上がる一方だ。輸入数量というものも、先ほどあなたがお答えになりましたように、ずっと激増しているのです。大体昭和三十七年でございましたかこの割り当て制度は、それから何倍くらいふえておりますか。これは割り当て制度の再検討の問題と含めてひとつお答え願います。
○原田説明員 割り当て制度は、確かにこれは最善唯一の方法であるというようなものではないと考えております。これは、自由化をいたしましたときに起こった過当競争を是正するために、まことにやむを得ない方法としてとられた制度でございます。その限りにおきましては、少なくとも相手国側との交渉という対外的な面におきましては、過当競争の形を是正いたしまして、窓口一本で交渉ができる、それによって価格も下がり、輸入のやり方も公正になってきておるというメリットもあったと思いますし、また現在でも、もしこれをやめてしまいますと、直ちに同じような過当競争の状態が顕現する潜在性を持っていると考えられますので、その意味においてはやはり現在もこれを堅持せざるを得ない、やむを得ない制度ではないかと考えております。ただ、割り当てをやりますために、どうしても今度は割り当てをもらった輸入業者がそれに安住をいたします。過去の実績が固着をいたしまして、輸入業務、特に国内販売の面において不断の努力をいたしまして、合理化その他によって、消費者に品質のいい、価格の低廉なものを供給するという使命を忘れがちにならせる弊害があることは争われないところでございます。そのために、前回国会の御指摘を受けまして、私どもといたしましても、輸入業界の体質の改善、体制の改革というものに非常に力を入れてまいったわけでございます。したがいまして、今後とも、やはり御指摘のような価格の引き下げ、適正な価格における消費者への供給というものを確保いたしますために、輸入業者から加工、卸、小売りという段階を進む、その流通の過程を近代化するというような進め方と相待ちまして、この割り当て制度というものが弊害を持たないで、その使命を全うできるように持っていきたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 具体的にあとでお尋ねをいたしますが、お答えのように、一面的には、私はそれなりの効果があったことは否定いたしません。しかし、割り当て制度ということによって、特定の輸入業者の利益を守る結果になった。小売り価格というものは必ずしも下がらない。したがって、割り当て制度によって、消費者が特別の恩典を受けたというような実績というものは必ずしもないと私は思う。それと、割り当ての上に、これはまあ特定業者が結局利潤をむさぼる結果になったということに通じていくわけでありますけれども、割り当て制度にあぐらをかいたということです。これはやはり大きな弊害、さらには問題となりましたダミー業者であるとか、あるいはペーパー業者の出現という形になってきた。これはあとでお答えを願うのですが、合併等をなさって体質の改善をなさった。そのことについてどれほどの効果があるかということについてはお答えを願いたいと思っておるわけですが、こうした大きな弊害というものをどうしてなくしていくかということに、この割り当て制度を続けていくとするならば、この点に努力を続けていかなければならないと私は思う。体質改善の問題と相待って、具体的な対策というものが並行して進められなければならないと私は思う。その点に対してはどのような努力を続けておられますか。
○原田説明員 まさに御指摘のような方向に従いまして、私ども努力を続けてまいりたいと考えております。まず今回輸入の割り当てをいたしました際には、輸入業者に対して適正な価格で、たとえば幾らで売れという強制をすることはできませんわけでございますが、非常に強い要望をいたしまして、個々の輸入業者が割り当てをもらったからといいまして、過去の「実績のうえにあぐらをかいて不当な高利潤をあげることを認める趣旨ではなく、輸入業者各位が自からその本来の機能を活かして、適切かつ効率的な生鮮バナナの輸入を行なうとともに、輸入したものの国内販売にあたっても、正当な加工、卸売業界の意見や物価対策上の観点を十分考慮に入れ、不当なマージンをとることなく、適正な価格および合理的な配荷の確保につとめ、十分流通業者としての社会的機能を果されることを期待します。」という強い要望をいたしました。ただ、かかる一片の要望だけで、すぐきくようなものとは考えられませんので、さらに「輸入割当てを取得しながら、自主的な経営体として自らの責任と計算において輸入業務を行なうことをせず、輸入割当て証明書の転売等により不当な利益を得ることは、輸入割当ての利権化として好ましからず、世論の批判を受けることとなりますので、そのようなことのないよう十分御留意下さい。」というようにさらにお願いをし、その実際の状況がどうなっておるかということを把握いたしますために、「今後必要に応じ、輸入業務の運用状況、輸入品の国内販売状況等について関係者から随時必要な報告をお願いをする」ということも申し上げてございます。以上は、割り当てに際しまして、個々の輸入業者すべての方にこちらから強く要望申し上げておるわけであります。 さらにこのほかに、先ほど申し上げました浜相場制度の改善に始まります流通合理化という問題につきまして、農林省と御相談し、かつ関係業界と相はかって、その目的の達成に努力をしてまいりたいと考えております。特に現在は輸入業者の立場がややもすると少し強くなりがちで、輸入業者からバナナを買います加工業者、室に入れて熟成する業者のほうは、中には強い方もございますが、どうも思うようにバナナの入手ができないというような方々もいらっしゃるようでございます。したがいまして、加工業者は加工業者として、輸入業者は輸入業者としてその立場を強化されまして、加工業者が全国的な組織をつくられ、加工業者という立場で輸入組合と話し合いをされる。さらにまたその加工業者が卸、小売りを通じてお売りになりますときにも、消費者の立場というものをお考えいただいて、輸入業者は加工業者と少し話し合いができて、まあまあということになったが、加工業者のほうが今度もうけ過ぎるということになっても困るわけであります。そういう点何とか合理的かつ適正な方向で進み得るような話し合いの場、あるいはそういう仕組みというものをつくり上げてまいりまして、そのためにはまず全国的な小売り業者の組織というものを心がけて、先般加工組合というものの創立総会も行なわれたように聞いております。今後そういう立場で流通の合理化というものと相まって、先生御指摘のような方向に努力いたしてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 輸入組合に入っておった輸入業者がたしか六百七十社、アウトが十九社でございましたか、この六百八十九社の輸入商社を集中合併をいたしましてどれだけの数に減らしたのですか。
○原田説明員 輸入組合に入っていて割り当てをもらっておらない輸入業者もございます。また当時は、現在輸入組合には入っていないが割り当てをもらっているという業者もございますので、割り当てをもらっている業者は六百八十三社でございます。これを今回の整理統合の結果二百五十一社に整理統合をいたしました。
○中村(重)委員 基準はどうしたのです、二百五十一社に減らす基準は。
○原田説明員 これは国会における御指摘、御指導並びに世論の動向というものにこたえ、それによって輸入業界の体質を改善し、健全な発達をはかるという点に趣旨がございます。その主たる眼目はペーパー、ダミー会社の整理をしろ、こういうことでございました。ペーパー、ダミー会社というのは一般には通称で通っておりますが、この定義はなかなかむずかしいわけでございます。割り当てをもらって輸入承認に切りかえ、かつ通関をするという書類上の手続が、そういうペーパー業者でも全部自分の名前で行なわれているものが大部分であったわけでございます。それがまたなかなか判別が困難であった理由でもございますので、まず私たちは、すべての輸入業者につきまして、その企業の実態それからその輸入業務のやり方の実態というようなものにつきまして非常に詳細な総合的実態調査を実施をいたしました。そういう実態調査の結果を総合的に判断をいたしまして、ペーパー、ダミーであるという疑いのあるものを割り当てから排除していくという方法をとって、先ほど申し上げました二百五十一社にまでなったというのが現状でございます。
○中村(重)委員 そうすると四百三十二社減ったわけです。この四百三十二社はペーパー、ダミー業者であった、そういうことだけですか。それともたとえば小規模の輸入商社、まあ一万かごなら一万かご以下はだめである、この基準に達しなかったという一つの基準があるのだ——いま明確な基準ではありませんでしたが、やはりどこかにきちっとした基準を引いたのじゃございませんか、それによって落としていった。四百三十二社が必ずペーパー、ダミー業者であったということにはならないのじゃございませんか。
○原田説明員 六百八十三社が二百五十一社に整理統合されました場合、このようにある程度スムーズにまいりましたのは、私たちが割り当てという制度を通じてこれを強制的に実施をしたというよりも、やはり国会並びに世論の強い御要請にこたえて輸入業者の方々がやはり自粛をしなければいかぬという機運が非常に盛り上がってこられた、つまり世論並びに国会の動向に押されてなったということが一番の力であると私どもは考えております。したがいまして、まず輸入組合におかれましてみずから体質の改善を行なうべきであるという議が起こりました。そのときにやはり主眼はペーパー、ダミー会社の整理ということに置かれたわけでございます。ただその場合に置かれました基準として、企業の形態並びに輸入の形態が主たる目標になったわけでございますが、ペーパー業者であるということを、よその方はどうもそうではないかと思っておられる方も、いやおれはそうではないんだということを言われる方もかなりございました。そういう問題をめぐって、業界の内部でもかなり御議論があったようでございます。その場合に、同じように、ペーパー、ダミーということではないが、今後輸入業者としてどのくらい扱うことが望ましいかという一応のめどをつけるべきではないかという議論が起こりました。一業者当たり年間輸入数量一万かご以上くらいをめどにするのがいいのではないかという議論が起こったということは承知いたしております。しかし、これに対しまして私どもは、ペーパー、ダミーの整理と申しますのは、輸入の利権化を防止するという質的な問題でございますので、取り扱い数量が小さいからしたがってそういうものは整理をされなけばならないというふうに考えるべきではないということを申しました。かつ輸入組合におかれましても、そのとおりであるということにきまりました。したがって、この整理統合は強制的な結合という形ではなくて、自主的な任意の結合という形でやろうということに話がきまったわけでございます。したがいまして、その後、一万かごでなければやらないとかいうことを目安にするのでなくて、やはり企業の形態、輸入の形態というものから総合的に判断をしてやりましょう、こういうことで話が進んでまいったわけでございます。なお、その自主的な結合の過程において、必ずしもペーパー業者であるというふうには考えておらないけれども、この際、企業規模を大きくするほうが輸入の合理化その他に役に立つからやはり結合しようというふうに、任意にやられたものもございますので、その意味では六百八十三社マイナス二百五十一社のすべてがペーパー、ダミー業者であったというふうに断定することはできないかと存じます。しかしいずれにいたしましても、そういう自主的な過程を通じて整理統合が推進をせられて、現在のような状態になったということでございます。
○中村(重)委員 わかったようなわからないような……。まあともかくこの整理に対して加工組合、加工業者から強い批判があったことも事実です。それから新顔は全然これを認めないとか、この輸入組合というものが通産省と一これは極端なことばでもって、文章に出ておるのをそのままいただきますと、通産省と輸入組合のボスがぐるになって締め出そうとしているんだというどぎつい表現でもって批判をしております。あなたの答弁を伺っておりましても、必ずしも明確じゃございません。任意、自主的結合、こういうことですが、しかし当委員会において、ともかくいまのペーパー、ダミー業者、そうした悪徳業者を整理しなければいかぬ、この点に対しては宇野政務次官相当熱意を傾けて取り組んでこられたということは承知しておるわけであります。それだけに六百八十三社というものを幾らに減らすのか、新顔はどうするのか、あるいは将来輸入業者をどう扱うのか、加工業者をどう扱うかということについて、私は通産省なりの考え方があっただろうと思う。そういうものがこの整理について相当影響を与えたということは、これは事実であろうと思う。私は影響を与えたそのことを批判をしているのじゃございません。いろいろな批判があるわけですから、その批判が当たっているのか当たっていないのか。それからほんとうに二百五十一社に整理をしたということについては、常識的にみなが納得し得るような基準というものが、そこにきちっとしたものがあったのか。いわゆるただばくとして二百五十一社になったとは私は思わないので、そこいらは十分通産省としても事情を把握しておられるであろうと思うのですから、どうですか、もう少しはっきり言えませんか。
○原田説明員 さきに申し上げましたような自主的な努力を通じまして六百八十三社が二百数十社、三百社近いところまで自主的な努力でおりてまいったわけでございます。しかし、最後に私どもが割り当てをいたします直前には、なお二百五十一社をかなり上回る程度の数が輸入の割り当てをもらいたいという申請をお出しになるのではないかという状態にございました。これに対しましては、私どもは、私どものほうで行ないました実態調査の結果に基づきまして、企業の形態、たとえば法人によって登記がなされておる、事業開始届けがあり、また事業報告書、決算報告書等も完備をいたしておる、事業所も自己名義、自己の所有等でちゃんと備えており、輸入業務に専従する役員、職員もおります。電話も持っております。また法人税、所得税の納税等も行なっておりますという証明のあるというもの、そういう企業としての形態がちゃんとしておるかどうかという点、それからまた、輸入の形態といたしましては、取引銀行との間に信用状の開設約定書が結ばれておって、自分の名義でもって輸入の承認を受け信用状を開いておるかどうか、あるいは関税を自分がちゃんと自分の計算と責任において払っておるかどうかというような、自主的経営、輸入を行なっておるかというような点を全部調べたわけです。そういう各種の観点から見まして、総合的に判断をして、なお少しこれはペーパーあるいはダミーではなかろうかというような疑いのあるものにつきましては割り当てを保留をいたしました。なお、書面だけではわかりませんので、実際にどういう商売のやり方をやっておられますか、自宅が事務所であるとおっしゃるが、ほんとにそこで輸入の業務をおやりになっておるんですかというふうなことを詳細に調査をできる限り努力をいたしました。非常に長い期間にわたりまして連日そういう努力をいたしました結果、私どもとしてなるほどと確信が持てたものについては割り当てをいたしますが、そうでないものはなお保留をするという形で参ったわけでございます。その結果、そういう業界の中には、これは自分としてもやはり体質の改善をすべきであるというふうに判断をされて、しかるべきところと結合するということをお進めになったところが大部分でございます。そういう結果、最終的に現在の段階では整理統合されたものが二百五十一社になっておる、こういう状況でございます。
○中村(重)委員 台湾の輸出入業者、これはストレートで二百五十一社の中に入ったのかどうか。これもその実態の調査をして減すというふうなことになったのか。それからその後新しい業者というものは割り当てというものは一切しない方針ですか。
○原田説明員 先生がおっしゃいますのは、通称華商といわれているものだろうと思いますが、もちろん現在輸入の割り当てをもらっておる業者すべてについて同様な調査をいたしました。それから、現在これ以上に新規の割り当てを認めないか認めるかというお話でございますが、やはり現在は潜在的には過当競争に移ろうという実情にあるというふうに考えられますので、現在の実績割り当て基準というものを変えて新しい業者に認めるということは非常に困難であるというふうに考えております。
○中村(重)委員 長崎の貿易公社の割り当て、これは私は、割り当てそのものも、バナナの輸入販売なんというのを公共団体がやるということはおかしいというようなことで、当委員会で取り上げたのですが、長崎の貿易公社の割り当てというものはしないで、新しい貿易商社というものができて、それで貿易公社が従来やっておった輸入業務を新しい会社が継承するという形になった。私はそれはそれなりに筋が通っておると思う。ただ、長崎貿易公社というものに対して割り当てが適当でないということに対しては、やはりそれなりの基準というものがあったのではないかと思うのですが、これはどういう点で触れてくることになります。
○原田説明員 長崎県貿易公社は前回当委員会で御指摘をいただいたところでございます。私ども調べましたところ、これは株式会社でございまして、かつもと県におられた方がその役職員をやっていらっしゃるというふうな事実がございました。ただ、それだけの限りにおきましては、実績のあるこの会社に割り当てをやってはいけないということにはならないというふうに考えられたわけでございます。しかし長崎県貿易公社が、国会でも問題になりましたような形で割り当てをもらってバナナの輸入業務を行なっておるということは好ましくないのではないかという公社自体の御反省がございまして、やはりこの際、疑いを受けないためには、別の会社で、すっきりした形で、しかも県というようなものと離れた形で、輸入業者とだれから見ても疑われないというような形で出るほうが望ましいということでお話がございました。したがいまして、私ども、これは割り当てを絶対やっていかぬという形ではないわけでございますが、公社自体がそういう御判断をされて、新しいすっきりした形になるとおっしゃるならば、それはそのほうがやはり望ましいことであるというふうに考えたわけでございます。そこで、ただ新しい会社が急に出てこられても、それは割り当てはいま申し上げましたとおりできないわけでございます。同じように、ただ商法上営業譲渡という形でバナナ輸入業務を全部譲渡されます場合には、これは当然譲渡を受けられた会社がそれを承継されることになりますので、その意味におきまして、新しくできました長崎の台蕉株式会社だったと思いますが、そこへ割り当ても承継されて、今回は世間の疑惑を受けないすっきりした形で輸入業務に邁進したいというふうに考えていらっしゃるというように承知をいたしております。
○中村(重)委員 その点はわかりました。ともかく私は、県民の税金を二千万出し、加工業者が中心となって五千万という金が出ておる。七千万でもって株式会社をつくって、知事が社長になる。にもかかわらず、これが公社という名前を冠しておるというところにも問題を感じる。そういう公社がバナナの輸入、販売なんということをやるということは、先ほど申し上げましたように適当でない。だがしかし、これに割り当てをしないという的確な基準というものもなかなかむずかしかったのであろう。しかしより好ましい方向であるという形でそういう処理をされたということは、私はそれなりに筋が通っておると思う。何しろ、私が調べてみたのですが、年間約三千万くらいの所得がある。だがしかし、県の財政には数年間に八十万しか入っていない。業者に配当を多くしておるかというと、これとても、五千万出しておる業者に対して約四分の二百万円程度しか配当が行なわれていない。それでは、年間約三千万と称せられるところの利潤というものがどこに使われたのであろうか、県民の疑惑もあるということ。これは通産省が割り当てをしておるという点から私はこの委員会において取り上げてきたわけでありますけれども、明朗な方向に向かって進むということになってきたわけでありますから、この点については多く申し上げません。 そこで脱税の問題についてちょっとお尋ねしてみたいと思うのですが、奥村直税部長おいでのようでございますが、新聞によりますと、甘いバナナ今度は脱税、総額六億五千万円、軒並み所得をごまかす、こう書いて各紙とも報道されておったわけでございますが、新聞の報道によりますと、全業者を調査をしたということにはなっておるわけですが、どういうことであったのか、そして調査の経過、どういう方法で脱税をしておったのか、その点をひとつ伺ってみたいと思います。
○奥村説明員 私どものほうは去年の六月ごろから情報を得まして、バナナ輸入業者の調査を始めたわけでございます。今年の三月末現在では六百五十六件の調査に着手してしまったわけでございます。なお三月以後の着手は三十三件でございまして、合わせて、先ほど御指摘のあった六百八十九件になるわけでございます。全体の調査はまだすべて完結しているわけではございません。現在まで判明しているところでは、全体の所得の脱漏が約十六億円でございます。これらに対して更正決定、あるいは非常に少額の個人の場合には修正申告を認めるというようなことで処理をし、あるいは今後処理をするものがあるわけでございます。
○中村(重)委員 どういう手段で脱税をしておったんですか。
○奥村説明員 不正計算の事例でございますが、これを一、二申し上げてみますと、輸入の割り当て権利を他の輸入業者に永久譲渡する、その譲渡収入の全部または一部を収入から除外するというのがございます。また、輸入割り当てを受けました輸入ワクあるいはほかから購入しました輸入ワクを他の輸入業者に売り渡して、その譲渡代金の全部または一部を除外するというのもございます。なお、輸入バナナの売り上げの全部または一部を除外しておったものとか、あるいは他の輸入業者からバナナを仕入れたごとく装う、あるいは輸入ワクを譲り受けたかのごとく仮装いたしまして、架空の仕入れ額を水増し計上するというのもございます。また輸入ワクの購入代金を水増し計上しておるもの、あるいはその他の諸経費を架空計上しておるもの、いろいろございます。
○中村(重)委員 いまお答えになったのを私は聞き漏らしたのかもしれませんが、新聞では三十六年から四十年までと書いてあるのですが、これだけの年度なのか、それから四十一年、その他これから調査をしてさらにこの脱税額というのはふえてくるという見通しなのかどうか。
○奥村説明員 調査の期間につきましては、通常は三年間を調査するわけでございますが、特に不正があるというふうに認められるときには五年にさかのぼって調査し更正決定等も行なうわけでございます。 今後の脱漏所得の発見の見通しでございますけれども、若干ふえるのではないかと思います。いま申しましたものは暫定的なものでございまして、国税局を通じて税務署から集めております経過の途中のものでございます。確定的にはもうしばらくたたないとわからないと思います。
○中村(重)委員 そうすると、いまのお答えだと、この問題のペーパー・ダミー業者が大体その対象になっておるように思うのですね。調査の対象というものも、そういう脱税の業者が主たるものだというふうに思われる。長崎の問題の貿易公社というのも調査の対象になったのかどうか。それから前段にお尋ねいたしましたペーパー・ダミー業者なんというものは、一体こういう脱税の主たるものであるかどうか。
○奥村説明員 私どものほうは、六百八十九社全部について調査することになっております。したがって、今回の調査には漏ればないと思っております。ただし、具体的にどの会社をどうしたということは、私どもの立場としてはいま申し上げにくいかと思います。 ダミー・ペーパーの問題でございますが、ダミーの問題は、これはやはり陰の業者でございますので、本体の会社、これの所得の計算に入れてわれわれのほうは課税する。ペーパーのほうは、これは権利を譲り渡すという関係でございますので、譲り渡した場合の譲渡代金、譲渡収入に対して課税するという関係になります。ただいま申しました脱漏所得はすべてがペーパー・ダミー関係ではございませんで、全部入っているわけでございます。
○中村(重)委員 それでは今度通産省にお尋ねいたしますが、これは割り当て制度ですから登録をしておるのですね。登録をしておると登録税ということに関係をしてまいりますか、これはどうでしょう。
○原田説明員 登録という制度は現在ございませんので、登録税というものはないわけでございます。
○中村(重)委員 これは免許の場合、まあ看護婦さんであろうが、みんな登録して登録税を取られるのですよ。だから、こういう商社というのは割り当てをするというだけで免許制度ではない、そういうところから登録税というものの対象にはならないというような判断であろうと思いますが、ところがやはりこれは検討してみる必要もあるのではありませんか。看護婦さんなんか、すべてこのごろは登録登録で相当金が国庫に入っているのですね。その点は検討する必要はありませんか。
○原田説明員 これはバナナの問題に限りませず、かつまた割り当ていう制度があるからということだけでもなく、やはり貿易という国際関係の業務に携わっているこういうものについては、対外信用を維持し、または国内におきましても、取引者に不当な被害を与えないような、信用のある者で、また効率よく営業を営む能力がある者であるというような点を確保いたしますために、商社登録制という問題は私どものほうでもずいぶん長く検討いたしておる問題でございます。ただ現在までのところでは、先ほどの先生から御指摘がございましたように、だれでも自由に貿易ができるという体制がとられておりまして、免許制ではないというようなこと、それからまた商品や相手国との取引の形態その他によりまして、貿易の業態にも非常に種々雑多ございますので、どういう要件を基準にして登録をするのがいいかというような点が非常にむずかしいわけでございます。ただいままでのところは登録制まで踏み切っておらないわけでございます。ただ輸出貢献企業でございますとか、そういう面から輸出に貢献しておるということを内外に明らかにすれば、若干信用があるということがわかるというような程度にまでいまいっているわけでございまして、なお登録税という問題は検討を進めてまいりたいと思いますが、踏み切るところまではまいっていないというのが実情でございます。
○中村(重)委員 通産省としては、この取引秩序を乱す、今回のような脱税をやるような悪質業者に対してはどのような態度でお臨みになりますか。これからの問題というよりも、すでに脱税をやったそういう悪質業者に対しては、おそらくこれは割り当てをしておる商社のうちに入っておるのだろうと思いますが、これをどうなさいますか、また将来そういうような業者が起きた場合はどういう態度でお臨みになりますか。
○宇野政府委員 バナナ業者に対する脱税の事例は、いま国税庁の報告されたとおりでございまして、特にバナナ業界に対していろいろと国会でも論争されているその業界自体においてこういうことが起こったことは非常に遺憾と思います。したがいまして、結論を申し上げますと、将来は輸入等に関しましても、悪質なものに関しましては個々に検討しなくてはならないのじゃないかと思います。いま先生が極言されましたとおりに、ではごく悪質なものについては輸入の割り当てを取り消すこともあり得るのかというようなこともあわせまして検討いたしたいと思います。なぜかならば、通産省自体といたしましては、これは為替管理法の問題でございますが、たとえば割り当ての取り消しということになりますと、ではその法的根拠は何かというようなこともやはり考えてみなくてはなりません。これは、脱税はあくまでも税法上の行為でございますから、その税法に基づく罰則規定がございましょうが、私どもといたしましては、そういう法的根拠よりも、むしろやはり政策上として、特に日本が法治国家であるというたてまえから、政策上といたしまして、いま前段に申し上げましたがごとくに、そういうものをも含めて輸入に関しましては検討をすべきである、こういうふうに考えております。
○中村(重)委員 その点にもう少しお尋ねしたいことがありますが、時間の関係から先に進みます。 次に、韓国のノリの輸入の問題についてお尋ねをしますが、四十二年度の輸入数量はどのくらいになるのか。それから四十一年度の輸入数量がどれだけであったのか。そしてこれは全部売り切れておるのかどうか。
○原田説明員 担当は私のほうでございますので、お答え申し上げます。 四十年は二億五千万枚の輸入の割り当てをいたしました。これが輸入をされております。ただし国内に売り出しましたのは、国内生産ノリとの関係上、ことしに入ってから実施をされております。四十一年度は三億七千万枚の輸入をするという約束に韓国との間でなっておりましたが、このうち約二億六千万枚はすでに早く入荷をいたしまして、またその後約九千六百万枚につきましても、現在品物は早く大阪に参っておりました分の値段がきまりまして、通関をするという状態になっております。なお、残り約千二百万枚と申しますのは、すでに一昨年大阪の保税倉庫に入っている分がございますので、この中から引き取るということになる予定に聞いております。
○中村(重)委員 ちょっとほかで話をして聞き漏らしたのですが、四十一年度は三億七千万枚、約一億一千万枚くらい四十一年度分が売れ残りだということでしたか。
○原田説明員 三億七千万枚買う約束をしましたうち、約二億六千万枚が先に入りまして、約一億一千万枚をあとで買うことになっていたわけでございますが、そのうち去年産のノリ約九千六百万枚はすでに大阪の保税倉庫に入っておりました分について値段の折衝が終わりまして通関をするということになっております。残りの約一千二百万枚が、一昨年のノリが大阪にあります分の中から、これから値段をきめて引き取るということになる予定でございます。したがいまして三億七千万枚のうち千二百万枚を除いてはもう買ったということになるわけであります。
○中村(重)委員 買ったのだが、まだこれは端的にいって売れ残りだということですね。そうすると四十二年度は、これも聞き漏らしましたが、私が調査したところによると、大体四億三千五百万枚の輸入の方針である、そういうように伺っているのですが、そうではございませんか。
○原田説明員 四十二年度は、先般韓国政府との間で話がありまして、韓国からは非常に多量のノリを買ってもらいたいという要望があったのでございますが、わがほうにおきまして国内ノリ生産業者との関係等を考慮いたしました結果、新ノリ四億枚に前に入っておりますノリ三千五百万枚を加えまして、四億三千五百万枚くらいをめどにして買いましょうという約束をしたという状態でございます。
○中村(重)委員 これは相当膨大な数になるのでございますが、これが市場に出回るということになってまいりますと、今年度の国内産というのは平年度を下回っておるというようには伺っておるのでありますが、国内産の圧迫ということになるのではないか。この点農林省はどのようにお考えになっておられるか。
○池田説明員 ただいまの御質問でございますが、昨年から本年の春にかけて国内でとれましたノリは、まだ数字がまとまっておりませんので、はっきりしたことは申し上げかねるのでございますが、大体の見込みとしましては、約三十五億枚前後ではなかろうかというふうに考えております。国内の需要はどのくらいあるかということでございますが、これは大体従来の実績から見てみますと、四十億枚程度の需要があるのではなかろうか。したがいまして、国内の需要が四十億枚程度であれば、国内の生産者に与える影響も比較的に少ないもので済むのではなかろうか、こういうふうに実は考えられるのでございまして、国内産の三十五億枚と先ほどお話がございました四億三千五百万枚を合わせますと、大体約四十億枚でございますので、国内の生産者に与える影響といたしましては、その程度であればまずそう大きな影響はないのではなかろうか、かように考えております。
○中村(重)委員 昨年が四十億枚であった。そうすると、ことしの生産見込みが三十五億枚だからたいした影響はないであろうというような考え方のようです。ところが、末端のノリの生産漁民は非常に強い抵抗を示しておるというように伺っているのでございますが、あなたのほうの把握しておるところはどうでございますか。
○池田説明員 韓国ノリの問題はずいぶん長い間の経緯がいろいろございまして、国内のノリの生産者は韓国ノリの輸入に対しまして実は非常な危惧の念を持っているわけでございます。最近は輸入数量が若干ずつふえてまいりまして、本年度輸入をいたします四億三千五百万枚というものは、従来の数字からいたしますと最高の数字でございます。そういうような点からかなり危惧の念を持っているのは事実でございますけれども、本年の私どもの承知しております国内の生産者の平均的な価格は大体十二円弱でございまして、これはその韓国ノリの輸入数量につきましてもある程度の数量を見込んだ生産者価格だと思いますので、その結果といたしましては、先ほど申しましたように、そう大きな影響を与えてない、こう考えているわけでございますが、生産者としてはかなりの危惧の念を持っているようでございます。ただし、これにつきましては、私どものほうといたしましては、従来から生産者団体の方々とはいろいろお話し合いをいたしまして、結果といたしましては、この程度はやむを得ない、こういうような御了解を願っておるのじゃないかと考えております。
○中村(重)委員 生産者団体の意向必ずしも末端のノリ生産の零細漁民の意向だと判断できない面が多分にある。ましてや最近は韓国ノリの輸入というものにつき、いろいろな形においてノリの生産者団体が配慮をする、しなければならぬという立場にあるという点等からいたしまして、水産庁としましては慎重に対処していかれる必要が私はあると思う。ましてや韓国ノリが、ずっと売れ残りになっている。今度は輸入量がふえますと、そういった影響というものはさらに私は拡大していく、こう思うわけであります。 そこでお伺いいたしますが、いま価格の問題についてもちょっとお触れになったわけですけれども、国内産の卸し価格並びに消費者価格、それから韓国の輸入ノリの輸入価格と消費者価格というものはどういうことになっておりますか。
○池田説明員 まず国内産の価格でございますが、国内産の生産者価格の最近の数字でございます。四十年産のものにつきましては、平均いたしましたものが十円十三銭程度でございます。四十二年産のものにつきましては、これは全部集計が終わっておりませんけれども、大体十一円八十銭ぐらいではなかろうかと思います。それから、そういうものが消費者価格、小売価格になりました場合にどの程度になるかということでございますが、四十一年におきます小売り価格、これは中級品でございますが、中級品の総理府の調査による数字でございますと、十六円三十七銭という程度でございます。ごく最近の数字は約十七円八十銭ぐらいでございます。中間の問屋段階の価格でございますが、これは実は適確な数字がございませんので、ちょっとお答えできないのでございますが、生産者価格と小売価格は大体以上のようなことでございます。 それから韓国ノリの価格でございますが、韓国ノリの輸入価格、これはCIF価格でございますが、四十一年の数字で申し上げますと七円六十銭でございます。これに関税が加算されまして、それから各段階のマージンが入るわけでございますが、小売り価格につきましては、実はそういう数字がございませんので、はっきりしたことが申し上げかねる状況でございます。
○中村(重)委員 通産省、韓国ノリの卸し価格は、いま農林省のほうから伺ったのですが、小売り価格は大体どの程度と調査をしておるのですか。
○原田説明員 私ども、大体農林省からお伺いをして承知をいたしておりますので、ただいま農林省からお伺いしたとおりでございますが、韓国ノリは国内産のノリに比べまして一割から二、三割程度安い値段で売られているというふうに思います。
○中村(重)委員 これは通産省は御調査になっておられない。それは経済企画庁の分野であろうというお考え方もあるかもしれません。それはさておきまして、そこで、この韓国ノリの輸入商社のマージン、それからあとでお尋ねをいたしますが、この生産者団体に対しての割り当てがくるわけですから、これが最近統合して一つの団体にまとまったということも伺っておるのでありますが、それに対しての手数料というのは従来あったわけですが、それらの点がどのようになっておるのか、これは農林省の関係になりましょうから、農林、通産両省からひとつお答え願います。
○原田説明員 昭和四十一年、三億七千万枚の約束のうち、二億六千万枚の新ノリにつきましては二ドル三十五セント、円に直しまして八百五十三円で買っております。これに対しまして関税百五十円が加わりますので、それを合わせました額は一千三円でございます。これを輸入業者が社団法人海苔協会には一千三十円で売っておりますので、その間のマージンは二十七円になるわけでございます。しかしながら、商社は輸入に伴いまして各種の経費を負担いたしております。金利、倉庫料、電信料、銀行関係費用というような関係を合わせますと、実際には二十七円ではとてもまかなえない状態でございます。この分につきましては、商社は赤字を出しているという状態でございます。海苔協会以後のほうは、農林省のほうからお答えをいただきたいと思います。
○池田説明員 ただいま御指摘がありましたように、海苔協会が昨年の秋にできたわけでございます。これは趣旨といたしましては、従来とかくノリの流通機構につきましては御批判があったわけでございますが、私どもといたしましては、流通機構の合理化をして、いわばガラス張りのものにいたしたい、こういうような観点で、生産者あるいは組合業者、加工業者、そういうものを構成員といたします社団法人海苔協会というものをつくりまして、この海苔協会の運営を通じまして適正な価格でノリが国内に流れるようにしたい、こういうことで、設立について指導したわけでございます。したがいまして、現在は海苔協会でいろいろな事項を検討いたしまして、どういうような基準に従って国内の問屋さんに売り渡しをするかというようなことを海苔協会できめる、こういうたてまえにいたしております。いろんな基準がございますが、その基準に従いまして、従来の実績でございますとかあるいはその他の事項を勘案いたしまして、問屋さんに対する売り渡し量をきめる、かようにいたしておるわけでございます。 それから海苔協会の手数料でございますが、これはたてまえといたしましては実費主義ということで、一切利益をとらない、海苔協会が輸入業者と契約をいたしまして買い入れました価格にほんの必要最小限度の事務費、協会の運営費というようなものをプラスいたしまして、それで問屋に売り渡しをする、かようにいたしておるわけでございまして、ごくわずかな手数料でございます。大体百枚当たりにいたしまして十円未満と御承知いただいてけっこうかと思います。
○中村(重)委員 どうも原田さんは、輸入商社のふところぐあいをよく御承知になっていらっしゃるらしくて、赤字だと言う。よくそこらあたりは一ずいぶんあなたは同情的なんだが、私は必ずしもそうは思っていない。まして全部海苔協会に渡すわけじゃないでしょう。輸入商社が輸入して、そうして直接問屋に渡すもの、あるいは海苔協会に渡すものと、前は二つに分かれておった。いまは一本になったわけですね。いずれにいたしましても、つまり二円七十銭ということになりますか、これは輸入数量からいたしますと、ばく大な何というんですか所得になるわけであります。だから必ずしもあなたがお考えになるようなそういう経営状態ではないであろう、こう私は思うのです。最近の事情がわからないので、いま一度お尋ねをするのですが、前は生産者団体というのは国内産の品質の改良、それから増産をするための手数料というものを取って、それなりの指導をするというたてまえになっておったのですが、その制度は廃止してしまったということでございますか。
○池田説明員 これは海苔増殖振興会という団体がございます。従前でございますと、商社から一定の率、これは年によって違いますが、大体二・五%くらいと承知いたしておりますが、そういうものをいわば協力費ということで海苔増殖振興会が寄付というかっこうで受け入れまして、国内のノリのいろんな生産対策ということに使っていたわけでございます。そういうかっこうで最近までまいったわけでございますが、昨年海苔協会というものができまして、全部海苔協会が一元的に扱う、こういうことになりましたので、新しい事態に対応してどういうかっこうをとるかということにつきましては、まだ検討中のようでございますけれども、おそらく新しいそういう事態になりましたので、海苔協会等においてこの問題についてはどういう扱いをするかということを検討する、こういうことになっておるわけでございます。
○中村(重)委員 新しい事態に対してどうしたらよろしいのか、これを検討するということでございますが、それはどういう意味が含まっているのでございますか。いま百枚当たり十円程度のわずかな——もちろんこれは相当な取り扱い数量になりますから、ばく大な収入にはなるわけですが、それの中からやはりノリ振興のために十分費用は出る、だからそれ以上に別に手数料を引き上げる必要はない、そういう考えの上に立っておられますか。
○池田説明員 これは先ほど申し上げましたように、海苔協会の売り渡し価格というのは、商社から買いました価格に、必要最小限度の事務費的なものでありますが、それを加算いたしまして売り渡すというたてまえにいたしておりますので、海苔協会のそういうものの中に従来ありましたような協力費を取る、こういう考え方はございません。
○中村(重)委員 時間の関係から、その点はあとでまたお尋ねをすることにいたします。 通産省に伺いますが、韓国ノリの輸入商社、これは前は六十七社、これは整理しなければならないということが強く国会において主張されてきたわけです。批判が非常に強かったわけです。ですから、これはバナナの整理問題と同様に、このノリの輸入商社の整理ということに対しても同様な取り組みをしておられるのであろうと思いますが、どういうことになっておりますか。
○原田説明員 韓国ノリの国内取引の適正化をはかるために、海苔協会が設立されましたのと呼応いたしまして、輸入業者につきましても、先生御指摘のような体質の改善という努力をいたしたわけでございます。その結果、やはりバナナと同じように、ノリ輸入業者につきまして詳細な実態調査を行ないまして、その結果、結局、現在、六十数社ありましたものが、二十七社になりました。この二十七社をもちまして、去る四月に輸入組合を結成いたしました。この輸入組合を中心として輸入秩序の維持をはかりながら適正な輸入のために努力したい、こういうところまでまいっております。
○田中(武)委員 中村委員の先ほどの質問に関連して、ちょっとお伺いいたしますが、輸入組合をつくるということは、これは輸取法に認められた法人ですからいいのですが、海苔協会というのは、先ほどの答弁では民法法人ですね、社団法人。ところが実際はこれが一手買い取り機関になっておるのではないのですか。韓国ノリが入ってきた場合に、全部協会を通す、そういう機構ですか。なれば、これは独禁法違反ですよ。輸入組合をつくってやるということは、輸入組合は輸取法に認められた法人ですから、これは輸取法によって独禁法除外になっておる。ところが民法法人の海苔協会が一手買い取りをやることは独禁法違反です。その点どうですか。
○池田説明員 私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、海苔協会という一つの社団法人でございますけれども、生産者あるいは問屋、業者というものをメンバーにした団体をつくりまして、いわば合理的な運営をいたしたい、こういうことで考えたわけでございます。実はその業務運営の一つの方法といたしまして、運営審議会というようなものをつくっているわけでございます。運営審議会のメンバーには、単に関係業者だけではなしに、生産者それから流通業者のほかに、消費者の方々あるいは学識経験者の方々、そういう人に入っていただきまして、そしてそこで売り渡しのいろいろな数量でございますとか、あるいは価格でございますとか、そういうものについて非常に第三者的な見地も入れまして、公正な条件で売り渡し方法等をきめる、こういうことで考えておるわけでございまして、実はただいま先生御指摘の独禁法の関係等については、私ども専門家ではございませんので、はっきりしたことはお答えいたしかねるわけでございますが、事務的には公正取引委員会にも御相談をいたしまして、そういうことにいたしたわけでございます。
○田中(武)委員 海苔協会の定款がどうであれ、その運営に対して第三者あるいは学識経験者、消費者代表を入れてやっておることがどうであれ、一手買い取り機関はこれはだめですよ、これははっきりして独禁法違反であります。したがいまして、きょうはこの程度にしておきますが、金曜日あらためてあなたのほうの責任者、公取委員長に来てもらって、はっきり黒白をつけましょう。
○中村(重)委員 この海苔協会というのの手数料はわずかであっても、これは取り扱い数量が大きいから、ばく大な金額になるであろうと思うのですが、これが大体どの程度になるのか。 それから通産省にお尋ねをいたしますが、先ほど商社の二十七円程度ではということであったのですが、大体あなたのほうで試算して、全部の所得が——純所得ではありませんで、二十七円をはじきましてどの程度にその額がなるのか。これは輸入商社の分とそれから海苔協会、両方とも数字をひとつお示し願いたい。
○池田説明員 四十一年度割り当てのものにつきましては、輸入価格は百枚当たりにいたしまして、これはCIF価格と関税をプラスしたものでございますが、千四円でございます。それから、商社から海苔協会に売り渡しをいたしました価格は千三十一円でございます。それから、海苔協会から問屋に売り渡しをいたしました価格は千七円でございます。これはちょっとおかしな数字でございますが、いろんな経緯がございまして、結局海苔協会といたしましては、若干の赤字を生じた、こういうことでございます。
○中村(重)委員 だから総額で幾らになるのかというのです。
○原田説明員 二十七円の差額が、輸入業者が海苔協会に売りました普通の価格と、関税とCIF価格を加えた価格の差から出ているわけなんです。したがいまして、それを二億六千万枚にかけますと、輸入業者は七千万円程度のマージンを取って海苔協会に売ったということになるわけでございますが、実際の経費はこれよりよけいにがかったのではないかというのが先ほど申し上げた点でございます。
○中村(重)委員 協会の取り扱い手数料は総額どのくらいになりますか。——時間の関係があるから先にいきます。あとで伺いましょう。 そこで、六十七社くらいあったのが二十七社に整理した。そうすると、この四十社に対しての整理の方法というものはどういうようなことで行なわれたのか、その点どうなんです。
○原田説明員 バナナの場合に御説明申し上げましたが、同じように輸入業者自体、以前は単なる協会をつくっておりましたが、輸入業者自体が自主的に努力をいたしまして、合併、営業譲渡という形で二十七社にまで結合を実施したわけでございます。
○中村(重)委員 無条件で整理ができますか。ばく大な手数料、ばく大な収入で、材木屋さんであるとかなんとか、全然ノリを扱わないで、マージン収入だけでやっておったわけですね。そういうのが、自主的な努力によって、無条件で、それではノリの輸入商社という看板はおろしましょう、そういう形でおりるはずはないと私は思う。そこらの条件というのはどういうことであったのですか。
○原田説明員 私どもとしましては、やはり企業体制及び輸入の形態等から見て、健全な輸入業者として望ましいという形に自主的にやってもらったという形でここまでまいったわけでして、業者同士がお話をお互いにいたしまして、合併をすること、または営業譲渡をやるということが、お互いにこれからノリ輸入業務を適正円滑に行なうために望ましいという形でここまで来たわけでございます。したがいまして、考え方は、先ほどバナナについて御説明申し上げたのと全く同じでございます。
○中村(重)委員 仄聞するところによると、二十七社に整理はしたけれども、実際は利潤の配当を取けておるということも伝えられておる、あるいはばく大な権利金が支払われたということも伝えられておる。しかし、あなたのほうでは、そういうことについては事実なしと否定をされるのか、あるいはほんとうに御承知になっていらっしゃらないのか、その点もあらためて伺うこととして、きょうは時間の関係から一応保留をいたしまして、ほかの問題でお尋ねをいたしますが、先ほど小売り価格のことでお尋ねをいたしました際に、韓国ノリの小売り価格というものは農林省のほうではわからない、通産省のほうでは一割か二割か安いというようにも伝えられておる、この点はあいまいでありました。そうしてみると、韓国ノリの輸入価格というものは非常に安い、だけれども、小売り価格というものはわからない、ここに一つ問題がある。そこで、韓国ノリというのはどういう表示で売られておるのか、韓国ノリというような表示でもって市販されておるのかどうか、その点はどうでしょう。
○池田説明員 実は韓国ノリというような表示をつけて売られているという例はほとんどないと存じます。大体特にそういう表示をつけないで、一般のノリのかっこうで売られているというのがほとんど全部だと思います。ただし、韓国ノリはその用途からいたしまして、加工に回される割合が非常に多いわけでございます。はっきりしたその数字はわかりませんが、大体六割ないし七割くらいが加工に回されて、残りの三割ないし四割くらいが通常のわれわれ消費者が買うノリのかっこうで売られているというようなことでございます。
○中村(重)委員 国内産も韓国産のノリも加工用に回されているものがあるということは私も承知いたしております。あなたは約七割程度だとおっしゃったんですが、その数字も的確ではありません。いずれにいたしましても、加工用以外に販売をされておるということは事実でありますが、表示はいわゆる韓国ノリとしての表示ではない、そうすると、どういう表示で販売されておるのか、私は私なりに調査をいたしておりまして承知しておりますが、あなたのほうで御承知でしたらひとつ伺ってみたいと思います。この点は通産省も調査をしておられましょうから、通産省のほうからも伺いましょう。先に農林省のほうから伺います。
○池田説明員 特にはっきりした表示をつけないで売られているのが大部分であると存じます。
○原田説明員 韓国ノリの表示の問題につきましては、前にも、国会でも御指摘があった点でございます。私どももその後調べたわけでございますが、現在までのところでは、韓国ノリが特に韓国ノリであるという表示をつけて売られている例はきわめて少ないようであります。そのために消費者のほうから見て迷惑をしゃしないかという点も重ねて調べてみたわけでございます。先ほど農林省からも御説明がございましたように、加工向けが大であるとか、あるいは用途別に見て、かなりの程度の方がやはり品質というものには相当程度に敏感であって、韓国ノリであるか国内産ノリであるかということよりも、むしろそのノリの品質というものに敏感であるので、韓国ノリはやはり品質的に見てまだ若干国内産のノリに及ばない点があるという点で、若干価格差があるが、ほぼ品質の差に応じた程度の価格差で売られているのではないかというのが、問屋さんやその他の御説明でございます。
○中村(重)委員 答弁になりませんね。品質が悪ければ、その品質に消費者が敏感であるというのはわかり切ったことです。ところが、買って食べてみなければわからないでしょう。韓国ノリというものは品質が悪いのだ、これは大体の常識として消費者はわかっているのです。ところが加工用であるとわからない。これはわからなくたって、消費者はそう疑惑を持たないし、不審に思わないですね。ところが加工用のノリ以外で干しノリにいたしましても、その他の市販されているノリというものに対しては、やはり表示があるわけですから、だから表示が全然ノリというだけの表示で、どこ産と書いてないのもあるでしょうし、ほとんどがそうですね。そうすると、韓国ノリという表示がしてなければ、やはりこれは国内産のノリであるというようなことで消費者というものはこれを購入するのではないでしょうか。買ってみてまずかった、まずかったけれども、それが韓国ノリであるということは書いてないのだから、わからないですよ。消費者の利益を守るという立場から、やはり韓国ノリは韓国ノリという表示で売らせるということでなければならないと私は思うわけです。その点に対しては通産、農林両省はどういうような行政指導を今日まで続けてこられたのか。もう数年前に国会においてこの問題が取り上げられて、二年も三年も前だと思うのでありますが、そのときの答弁も、いまの私の質問に対する答弁も同じなんです。少しもあなたのほうでこの問題の解決のために取り組んできたというような積極的な御答弁はうかがわれない。私はそうではならぬと思う。まずその点をもう一度お答えを願いまして、今度は公取に対して、こうした韓国ノリが、韓国ノリとしての表示なくして販売されておるということに対して、どのようにお考えになっておられるのか、その解釈について、続いて公取のほうからお答えを願いたいと思います。
○池田説明員 韓国ノリというのは、実は専門家が見ますと、ある程度わかるようでございますけれども、なかなか一般の消費者が見ますと、はっきりそれとわからないように、いま非常に日本のノリと似ているわけでございます。価格につきましては、先ほどお話がございましたようなことでございますが、私どもの感じといたしましては、従来は韓国ノリというのは韓国ノリという表示をいたした場合には、非常に消費者がそれをきらう、こういうようなことで、必要以上に、そのノリの実体以下に価格が安くなるというようなことで、業者といたしましては、実はそういう表示に対して非常な抵抗があるわけでございます。私どもといたしましては、実はその問題につきましては、いろいろ国会からもたびたび御指摘をいただいておりますので、内部的にはいろいろ検討をいたしておるのでございますが、そういうような問題が実はございます関係から、なかなか業者に対してこれを実際に行なわせる、そういうような権限ももちろんございませんし、行政指導にたよる以外に方法がないわけでございますけれども、そういうような利害関係がからみますので、実際問題といたしましては、なかなかむずかしいわけでございます。ただ、これにつきましては、何かうまい適切な方策はないかということで、現在海苔協会においてこれを検討するようにという指導をいたしておるわけでございます。
○柿沼説明員 お答えいたします。公正取引委員会といたしましては、ノリの問題につきましては、昨年できました観光土産品の表示に関する公正競争規約に基づきましてその過大包装等の問題につきましていろいろ非難がございますので、本年の初めに関係官庁、それから消費者団体の方々に集まってもらって、観光みやげ品あるいは家庭用として売られております商品につきまして検査会をいたしました。その場合に、上げ底でございますとか、額ぶちでございますとかいう過大包装につきまして相当ひどいものがございます。これにつきまして警告を発してございます。ただそのときでも、ノリの品質につきましては、特に問題がなかったわけでございますけれども、ノリの販売につきまして全般にわたって表示をどうするかという問題について目下検討中でございます。
○中村(重)委員 いまあなたがお答えになりました不当表示という点から、これは第四条に基づいて問題になるということは当然なことでございます。あなたのほうでこのノリについて調査をやった、八割近くが落第であったということで、これに手をつけておるということは、私はわかっておる。しかし韓国ノリの問題に対しまして、公取はこれが早くから国会で問題になっておったということは御承知になっておられる。だからノリ全体の調査に対しても、それなりにおやりにならなければならぬけれども、品質が完全に悪いとわかっておる韓国ノリが韓国ノリの表示をつけないで売られているということに対して、当然重点的な調査があってしかるべきだと思う。またおやりになっていないとすると、怠慢であると私は思う。この点に対して、あなたが的確にお答えができなければ、また二日に公取委員長に来ていただきましてお尋ねをいたしますが、韓国ノリに対しては、そうした表示が全然なされないまま売られておるということは御承知になっておられなかったのか。
○柿沼説明員 そういう問題があるということは、私聞いております。しかし、韓国ノリという表示をすることがいいかどうかという問題については、私どものところでは、いままでは検討いたしておりません。
○中村(重)委員 何ですか、韓国ノリに対して韓国ノリということを表示をすることがいいのか悪いのかということについては検討をしていない——それじゃ韓国ノリを韓国ノリというように、輸入のノリであるということを表示をすることが悪いということでも考えられるのですか、ことばじりではなくて、考え方なんですがね。
○柿沼説明員 その点については確かに問題があろうかと存じます。ただ、従来までにその検討に手が回っておらないということでございます。
○中村(重)委員 それでは、韓国ノリであるものが韓国ノリでなくて国内産のノリであるという表示によって売られたということであるならば、これは当然不当表示防止法の第四条の違反であるということは間違いございませんね。
○柿沼説明員 ただいまの、国内に産するものと、それから外国から輸入するものとが特に区別の表示をしないで販売されている例は、ほかにもあろうかと思います。その場合に、品質がはっきり違っておるのに同じような表示で売るというような場合には、そこに不当景品類及び不当表示防止法第四条違反の問題が出てくるかと思います。その点に本件が該当するかどうかについて、いまだ検討しておらないということでございます。
○中村(重)委員 これはあなたと議論をしてもしようがないと思うのですが、常識的に考えてみて、かりに日本の国内産のノリ、これはやはり生産地によって、あるいは同じ生産地でも一等、二等というように品質が違うのです。そうすると、品質の悪い韓国産のノリと、日本で生産された品質の悪いノリと、大体変わらないものもあることは、私は否定できないと思うのです。しかし、その品質がどうであろうとも、違っていないというようなものでかりにあったとしても、現に韓国産のノリであるのにかかわらず、それを国内産のノリであるということでこれを表示して売っておるということは、これは不当表示に触れないのかどうか、これは常識的にはっきりしておるじゃございませんか。
○柿沼説明員 いまの点にお答え申し上げますが、国内産のノリについて国内産のノリだという表示がございまして、韓国産のノリが国内産のノリだという表示をいたしますれば、これは不当表示になると思います。ただ、私ども最近直接調査いたしましたのは、観光みやげ品等に関連してのノリを調査いたしただけでありますが、それに関する限りは、いずれとも表示がないわけでございます。
○中村(重)委員 あなたが私の質問に、最近調査したこととあわせてこんがらかって答弁されるものだから、何かはっきりしないのです。だから前段の答弁で尽きるのですよ。私は、韓国ノリであるのを国内産のノリであるとして表示して売ることが不当表示防止法に触れるのか触れないのかということを聞いておるわけだから、触れるなら触れるとお答えになればよろしい。 そこで、不正競争防止法というのはやはり公取の関係になりますね。
○柿沼説明員 公取の所管ではございません。
○中村(重)委員 そこで、不正競争防止法の第一条三号を見るとこれははっきりしている。「商品若ハ其ノ広告ニ……虚偽ノ原産地ノ表示ヲ為シ又ハ之ヲ表示シタル商品ヲ販売、」この法に触れることははっきりしているのですよ。だからこういうことを農林省も通産省もふしぎにお考えにならなかったのだろうか。これは全然表示してないということであったにしても、私は道義的に問題があると思うのですよ。これはやはり消費者の利益を守るとするならば、はっきりどこ産のノリとして売らせるように行政指導するのが当然の義務であると思う。そのようにはあなた方はお考えになりませんか。
○池田説明員 私どもが承知しております限りでは、小売屋さんでノリが売られておる場合、どこ産のノリであるという表示はあまりないように実は承知いたしております。 そこで、韓国ノリにつきましても一じょう幾らというように並んでおりまして、その中に適当なところに入っておるということで、消費者といたしましては、あるいは韓国ノリということはあまり御存じない向きは、日本産のノリであるというふうに考えて買っておるという方もかなり多いのじゃないかと思いますけれども、ただいま先生が御指摘になりました不正競争防止法の違反ということではないじゃなかろうか、かように考えるわけであります。ただ一番好ましいかっこうといたしましては、韓国産のノリというものに対する消費者の理解が深まりまして、そしてそれ相当の品質に応ずる適正な価格でそれが買われるといったような事態になりましたならば、おそらくは表示をつけるということ自体に対しましてもそう抵抗はないと考えるのでございますが、先ほど申し上げましたように、現状では、何か韓国産のノリといいますと、非衛生的であるとか、品質的に悪いというような一般の感じがあるように存ぜられますので、そういう表示をつけさせること自体に小売り屋さんなり問屋さんなりの抵抗がある。私どもといたしましては、行政指導ということでやる、強制するわけにまいりませんので、先ほど申し上げましたような韓国ノリに対する理解を深めるというのが基本的には必要じゃなかろうかと考えておりますが、なお何か適切な方策があり得るかどうか、先ほども申し上げましたように、ノリ業界等においてもこれを検討しているところであります。
○中村(重)委員 どこ産であるかという原産地をはっきり書いてない、これがたまたま韓国ノリであったという場合も、書いてないのだから、それは的確に不当表示防止法に触れる、こうは私は言っていないのですよ。しかし少なくとも道義的にはこう表示させるような指導をすべきではなかろうか。何のために不当表示あるいは不当景品を防止するための法律ができたのですか。消費者の利益を守るために、そうでしょう。取引秩序を守るためにそういう法律ができたのじゃありませんか。不当表示をするということは、いま牛乳問題、レモンの問題、いろいろ問題になっておるように、その表示と違うようなものを売ることが法に触れるのははっきりしているのですよ。だから利益を守るためにそういう法律ができたのだから、韓国ノリなら韓国ノリというような形に表示させるという行政指導をしていくということのほうが、私は消費者に対するところのより親切な態度ではなかろうか。そういう行政指導が当然なされなければならないのではないか、こういうことで申し上げておるのです。いま韓国ノリというのは非衛生的であるとか品質が悪いとかいうことで非常に抵抗がある、なかなか売れないというようなこと、そういうことから、表示をつけさせるということは行政指導として強制するわけにまいらぬし、むずかしいのだ、そうおっしゃっておる。私も抵抗があるのだろうということはわかるのです。だがしかし、そうした抵抗もありましょうけれども、やはり消費者の利益を守っていくというためには、あらゆる努力をして、はっきりした表示をさせるということが必要であると思う。価格の問題にしても、表示しなければ、品質の悪い韓国ノリが品質のよいところの国内産のノリよりも必ずしも安く売られておるとばかりは言えないと思う。そうなってくると、品質の悪いところの韓国ノリが品質のいい国内産と同一価格で売られておるということになって、それだけ国民の利益を阻害するということに通じてくると思う。だからして当然私はそうした行政指導というものをすることが政府としての義務ではないかと思います。その点政務次官はどのようにお考えになりますか。
○宇野政府委員 先ほどから中村委員の御意見を承っておったのでありますが、そうした面から考えますと、ごもっともなことだと思います。ただ、一部加工業者の手におきまして加工された場合、そのもの自体がはたして品質並びに原産地の表示に違反するかどうかということになってまいりますと、いま先生あげられました不正競争防止法、これは業者間がチェックし合う方法で、その請求権が他の業者にあるというふうに考えられますので、通産といたしましては、この法案自体は直接消費者行政でないと私は考えておりますから、直接消費者行政に基づく法律的なたてまえからも一応いま申されました問題は考えてみたい、こういうふうにいま考えておるものであるます。
○中村(重)委員 この法律が直接消費者行政ではないというが、結果的には消費者に影響を及ぼしてくるのです。だから理屈をこね回しておるのじゃないのですよ。どうしたら消費者の利益を守ることができるのかということを中心にして質疑応答をやっておるわけですから。私はぎゅうぎゅうこれで違反じゃないか違反じゃないか、こういう形で締めておるわけじゃない。少なくとも政府の積極的な取り組みがないじゃないか、もう少し熱意を持ってこの表示の問題なんかも当然取り組んでいかなければならぬじゃないか、こういうことを言っておる。いま私が初めて議論するなら言わないですよ。もう三年も五年も前からこの問題は国会において取り上げられてきておることですから、やはり問題の解決のために精力的に取り組んで、国民の利益を守っていくという行政をおやりになるということは当然なことだと私は思う。これはあなたと考え方が違うはずはないわけです。ですから、あえて重ねて御答弁を私は求めません。ともかくやってもらわなければならぬと思います。 そこで、先ほど池田漁政部長に、このごろノリは原産地を書いて売っているノリは全然ないとおっしゃらなかったのだけれども、ほとんどない。ところがノリというと浅草ノリ、これは通念になっておる。公取のこの間の調査でも、中身は青ノリだが浅草ノリとして売られているとはっきり書いてある。そういう表示で売られている浅草ノリというのはほんとうにあるのだろうか、いま浅草でノリの生産が行なわれているのだろうか、私はこの点にも問題があると思う。この点は、特許庁もきょうはお見えになっていらっしゃいましょうから、特許庁から伺いますが、現実に生産されていない浅草ノリ、ただ商標としての浅草ノリというのがある。浅草ノリでないものが浅草ノリで売られておることは事実です。私は長崎県でございますが、長崎県の各地で現にノリの生産が行なわれております。ところが大阪へ、東京へ、その他の地区へノリが送られているという事実も知っています。生産者がはっきり言っております。私のほうで生産したノリが浅草ノリで売られておりますよ、こう言っています。証人を出してもよろしい。私はこういうことを言った。ノリの問題について委員会で取り上げようと思うから証人として出席をしてくれるか、求められるならば私は出席をいたします、こうはっきり答えています。長崎県で生産されたノリが浅草ノリということで売られているのだから、これははっきりした不当表示なんです。この点に対しては議論のないところでございましょうから、あえて答弁は求めませんが、特許庁に伺いますが、浅草ノリというのが商標登録をされている。ところが浅草ノリというものはない。ところが依然として浅草ノリというのがそのまま商標として生きておるのはどういうことであろうか。これは法律によると、三年間、事実上商標どおりの品物が生産されていない場合、実体がない場合に、これは取り消されなければならぬというようにこの法律上の解釈からはできるようでございますが、長官は、この点どのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。
○川出政府委員 ただいまおっしゃいましたように、浅草ノリという名称が商標として登録され、かつ現在生きておるとすれば、有効であるとすれば、先生のおっしゃるとおりに、三年間の不実施の場合に、取り消しの審判をへて取り消してからでないと、ほかの人は使えないわけでございます。
○中村(重)委員 取り消してからでないと、ほかの者は使われない、ところが現実にいま申し上げたとおり、ほかで生産されたノリが商標として浅草ノリというもので生きている。そうして、それなりにこの商標は大きな利益をもたらしておる。そのことに対してはどのようにお考えになりますか。
○川出政府委員 ただいま調査いたしましたところでは、浅草ノリという商標は現在生きていないわけでございます。
○中村(重)委員 そうすると、それは三年間やっていないので死んだということですか。
○川出政府委員 どういう理由でそうなったのか、つまびらかにいたさないわけでございますが、考えられるのは、期限が十年でございますから、十年たって延長をすることができることになっておりますが、その延長をしない、それから登録しておりましたけれども、規定の登録料を納入しなかった場合には、効果はなくなるわけでございます。そのいずれかの原因によるのではなかろうかと思います。
○中村(重)委員 それでは、あなたのほうはしばらくおきます。 公取に伺いますが、あなたがお聞きのとおり、あなたのほうの調査によると、青ノリが浅草ノリで売られておる。浅草ノリが問題になったのではなくて、浅草ノリでないものが浅草ノリとして売られておるところに問題があるとあなたのほうは指摘しておられる。浅草ノリのほうは肯定しておられる。ところが、いま特許庁長官がお答えになったように、もう浅草ノリという商標だってない、死んでしまっておる。ところが浅草ノリという商標でどんどん売られている。これはどう思いますか。
○川出政府委員 浅草ノリということばは、当初は浅草近辺でいまのようなノリが生産された時期にでき、それが商標として通用したものだろうと思うのでございますが、現在はやや一般的な名詞として使われていることになっているのではないかというように考えます。これは先生すでに十分御承知のことと思いますが、もういまから二、三十年前に、すでに浅草では生産はございませんで、大森近辺あるいは千葉近辺でノリが生産されておりまして、それも最近におきましては、東京湾が汚濁いたしまして、その近辺できわめて少数の生産きりされていないというのが現状ではないかと思います。浅草ノリというのが、むしろ産地をあらわすことばというよりは、現在のようなノリの一般的な名称として通用するようになっている、そういうふうに了解いたしております。
○中村(重)委員 そういう点もあるでしょう。また私は、たしか商標として浅草ノリというのを実際は掲げてあるところを見た。いまどこであったかという記憶がありませんから、後ほど調べて申し上げたいと思いますが、そのこと自体は、私は法的に違法であると思う。いまあなたの答弁では、一般的な名詞として使われているという。これは国民感情というものを全然無視した考え方で公取が対処するということは問題だと思う。浅草ノリ、これはやはり東京の有名な一つの産品になっている。私どもいなかに帰るときに、浅草ノリを持って帰ると、みな喜ぶんですよ。一般的な名詞、すなわち浅草ノリとして売られている、その名詞によって売られているノリが非常にりっぱな品質のいいノリであるというように国民は受け取るんですよ。そうでしょう。ところが非常に品質の悪いノリを、りっぱな品質のいいノリである、すなわち浅草ノリである、こういう形で大きな期待感を持たせてそのノリを買わせたり食べさせたりすることは問題だと思う。これは法的にも問題があるが、道義的にも問題がある。ましてや公取が、単に浅草ノリは名詞として使われているにすぎない、そういう形で国民感情の中にそれが定着してしまっている、そういうことだけでこれを片づけようとする考え方というものは納得ができない。しかしこれは事務当局のあなたと議論してもしょうがありません。これは公取委員長に出ていただきまして、お尋ねすることにいたします。 まだいろいろありますが、たいへん御迷惑をおかけいたしますから、きょうはこの程度で終わりまして、質問を留保して、さらに適当な機会にお尋ねすることにいたします。
○島村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明後六月二日金曜日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時八分散会