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55回国会衆議院1967/04/25

社会労働委員会 第5号

発言数
53
登壇者
7
会派数
2
開催日
1967/04/25

会議録

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 昭和四十二年度の労働省の関係予算は、四十二年の三月十八日概略の説明を終わったわけであります。この中で、特に雇用政策等についての重点施策の説明をお願いをいたしたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 こまかくは局長から御答弁させますが、大筋としては労働市場近代化のための条件整備、中高年齢者の雇用の促進、技能労働力の養成確保、その他炭鉱離職者対策、港湾労働対策、身障者対策、出かせぎ労働者対策、特別同和地区対策等に分かれまして、それぞれ予算存計上いたしておるわけでございます。  なお、詳細につきましては局長から御答弁させます。

有馬元治労働省職業安定局長

○有馬政府委員 雇用政策の基本的左方向につきましては、去る三月の十四日に雇用対策基本計画というものを閣議で決定いたしまして、この長期計画に従って本年度は第一年度の雇用対策を樹立いたしまして、それに基づきまして今年度の予算を編成いたしたわけでございます。  その概要を申し上げますと、労働市場の近代化のための条件整備の経費といたしまして約十五億円、それから中高年齢者の雇用促進のための経費といたしまして約二百九十八億円、それから技能労働力の養成確保の経費といたしまして百三億円、それから石炭の離職者対策あるいは港湾の労働対策を主軸とする当面の雇用対策関係の経費といたしまして七十四億円、それから失対事業の運営改善のための経費が三百六十八億円、こういったところが今年度の雇用政策に関する予算の概要でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま簡単に説明は聞いたわけでございますが、わが国におきましては依然として数多くの臨時工やあるいは社外工をはじめとして不安定な労働者、それから低賃金の労働者がたくさんおると思います。これらの労働者の格差をいかに解消していくかというのがこれからの労働政策の根本ではないかと私考える次第でございます。この点についてはどうお考えでございましょうか。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 お説のように日米合同賃金調査の報告等にも書いておりますが、経済が発展いたしまして労働力が不足いたしてまいりましたので、どうしても格差が自然に縮まりつつあることは事実でございます。しかしながらなおこれをさらに進めていくためには労働市場の流動化ということを必要といたします。また非常に低い労働というものには最低賃金の職権十六条方式の活用というようなものもやっております。  ただ問題は、流動化できない家内労働、内職というような面にやはり一番むずかしい格差を縮めることのできない部門がございます。この問題につきましては、現在家内労働についての審議会で詳細にわたって検討をいたしております。こういうような段階でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そこで、もう少しお尋ねいたしたいのは、この前説明をいただいた予算概要の七ページにございます、いま私が申し上げました問題と関連があると思うのですが、最低賃金制の問題でございます。この前配付されたプリントによりますと「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」、こういうのがあるわけでございますが、この最低賃金制の考え方というのはどういうことを言わんとされておるのか、どういうことなのか、ひとつ説明をいただきたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 予算委員会でも申し上げましたが、まず業者間協定というものが、ILO二十六号条約の精神からいうと最終的には労、使、公益三者の審議会で決定するわけでございますが、原案作成を業者間だけでやるというのは疑義がある、かように考えておりまして、最小限度そういった面を是正するための最賃法の改正というようなものを御諮問願っておるわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま大臣から説明がありましたのは、全般的な大体抽象的左説明だったと思います。ここに書いてありますのは「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」こういう書き方がしてあるのですが、これはいまも説明がありましたように、ILO二十六号あるいはその他から考えてみても、現在の業者間協定というものは間違っておる。さらに全日本労働者階級の要求しておる全国一律の最低賃金制のほうへ踏み切ろうとされるところの考え方をこれに書いてあるのかどうかという点を質問いたしておるわけです。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」という「新しい情勢」と申しますのは、すでに最賃法が実施されまして五百六十万人が何らかの意味で最低賃金制度が制定されておる範囲に入る勤労者でございますが、そこでこの辺でひとつこういう情勢に応じた最賃制度を再検討しよう、それから制定されたころと違いまして経済が非常に発展いたしまして賃金もうんと上がってまいりました。こういったことも新しい情勢でございます。  なお、こまかい面につきましては政府委員から御答弁させます。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 ただいま大臣からお話がございましたとおり、昭和三十四年に現行最賃法が制定されました当時に比べましてその後の非常に急速な経済の発展、それに伴う大幅な賃金の上昇、特に御承知のとおり若年層を中心といたしまして、労働力の需給関係が変わってまいりました結果、年齢別の賃金格差あるいは規模別の賃金格差、そういった各般の賃金格差も縮小に向かいつつあるわけでございます。また、最低賃金制自身につきましても、三十四年制定当時から見ますと、この八年で約五百六十万人に達する労働者に対して適用されるようになったばかりでなく、その運営等につきましても当初は業者間協定そのままでございましたのが三十九年からは重点業種を定め、さらに金額につきまして中央最低賃金審議会の御意見に基づきまして、ある程度の金額の目安というものを定めましてあまりにそういう目安から離れた、実情に合わないようなものにつきましては、たとえ業者間協定ができましても、法律上最賃として認めない、そういうことで運営をしてまいり、制定当時と比べますと最賃法の運用自身もある程度進んでまいっておるわけでございます。さらにここ一、二年はそれまで活用されていなかった十六条に基づくところの審議会の調査、審議に基づく業者間協定でない最賃、こういったようなものもかなりできつつあるような状態になっておるわけでございます。  そういうような客観情勢の変化、あるいは最賃制そのもののその後の伸展、それに伴うある程度の基盤の情勢、こういうような情勢は、制定当時と比べて最賃制をめぐる情勢にかなり変化があらわれてきておるのではないかというふうに考えまして、そういう新しい情勢に応じましてわが国の実情に即した実効ある最賃制を再検討しようということで一昨年労働大臣から中央最低賃金審議会に諮問をいたしまして、ただいま鋭意御検討を願っておる、こういう状況でございますので、そういう御検討の結果に基づきまして最近の情勢に即応いたしました最賃制を確立し、推進してまいりたい、こういう考えでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 参考までにちょっとお聞きしたいのですが、いまの説明がありましたように、昭和三十九年十月二十六日でございますか、最低賃金の対象業種及び最低賃金額の目安というのが決定されております。これは中央最低賃金審議会できまったわけです。これは年々改正——改正というか改定されていると思うのです。現在はこの目安はどういうふうなかっこうになっておるのか、参考までにお聞きいたしたいと思います。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 三十九年に中央最低賃金審議会からちょうだいいたしました金額の目安は甲、乙、丙三地域に分けまして丙の最低が三百六十円から甲の最高が四百八十円までにわたった内容のものだったわけでございますが、その後の賃金事情の変化等に基づきまして、昨年二月、中央最低賃金審議会でそれを改定いたしまして、同じく甲、乙、丙三地域でございますが、丙地域の最低が四百十円、甲地域の上限が五百二十円までという一 ○数%の引き上げを内容とする改定の御答申がございました。昨年三月以降はそれによってそれまでできておりました最低賃金をさらに金額を改定するよう指導をいたしておるわけでございます。それに基づく改定も逐次終了に向かいつつございますので、最近の事情、春闘等の結果を見まして、さらに昨年御答申いただきましたその金額につきましても再検討をしていただく、よう考えておるところでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま大臣なり部長から説明がありましたが、この最低賃金制の問題については、いまも話がありましたし、さらに三十九年の春闘において、そのときの労働大臣、大橋労働大臣でございますが、全国一律最低賃金制の法案については四十年末の通常国会に提案する、こういう言明があったわけなんです。ところが、その後これらが具体化されておらない。これはあなた方も御承知だと思います。ところがそれに引き続いて大臣がかわられて、これがあいまいになって、それからさらに中央最低賃金審議会においては、いま説明のありましたよう左かっこうになってきておるというような経過をたどっておるわけでございますが、先ほど話がありました新しい情勢に対応する最低賃金の問題については、いま中央最低賃金審議会でやっておる。それができたら国会のほうへ提案するんだ、こういう説明だったと思いますが、その中身というのは、先ほど申し上げましたところの大橋労働大臣が、春闘のときに特に確約された内容に基づいて、その方向でやられようとしておるのかどうか、その点を明確にしていただきたいと思います。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 昭和三十九年に当時大橋労働大臣が言われました問題に、提出時期のことと、いまお話しの中身の問題と二つの事柄があったと存じます。  提出時期のことにつきましては、当時大橋大臣は、いまおっしゃいましたように四十二年度以降となっておるけれども、できるだけ早めたい。したがって、できれば四十一年の通常国会にも出せるようにしたいとおっしゃったことがございます。ただし、そのときに同じ発言の中で、しかしこれは使用者側もあることだから、使用者側ともよく話し合いをして、そうしてそういうように持っていけるように努力したい、こういうことを言われておるわけでございます。その御発言に基づきまして、当時大橋労働大臣が経営者側ともいろいろお話しになり、われわれも御下命を受けましてそのような話し合いを続けておったわけでございますが、その後、大橋大臣がおかわりになりまして、次の石田大臣になられたわけでございますが、石田大臣も引き続きそういう線でできるだけ再検討の時期を早めるよう使用者側と話をされたわけでございます。しかし、なかなかその間の取りまとめが難航いたしまして、石田さんが、最後のときに、四十年の五月のときに、春闘共闘委との会見等で、近く中央最低賃金審議会に諮問をしたい、諮問するについては、全国一律最賃制という考え方もあるが、地域別、産業別といったような、いろいろな考え方もあるので、それらをひっくるめて、わが国の実情に即したような制度を御検討いただくように諮問したいということを文書で春闘共闘委員会に御返事をされている経過があるわけでございます。そういう経過を経まして、間もなく労働大臣が再びおかわりになりまして小平大臣になられましたので、四十年の八月にそういう石田大臣の春闘共闘委に対する御回答の線に沿いまして、中央最定賃金審議会に最低賃金制の基本的あり方の検討を諮問されたわけでございますが、御承知のとおりいろいろの意見がございまして、審議会の審議はそれ以来鋭意進められておるわけでございますが、答申はまだいただいておらないわけでございます。しかしながら、ようやく審議も煮詰まってまいっております段階にきておりますので、われわれといたしましては、ごく近い将来に何らかの御答申がいただけるものと、かように考えておるわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま中央最低賃金審議会ですか、ここで鋭意検討中である。これは各委員が、全部出席しておりますか。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 中央最低賃金審議会につきましては、四十年八月に諮問をいたしまして以来、基本問題小委員会なるものを設けまして検討を続けておりまして、これには各側の委員、また労働側の中でもいろいろ左組織がございますが、各組織からも委員を出して審議をやってまいったわけでございますけれども、昨年の秋、総評系の委員の方は、全国一律最賃を前提とした諮問でなかった、こういうことを不満とされまして退場されまして、自来総評系の方は審議の場には出ておられないわけでございます。しかし会長は、自来総評系の労働側委員といろいろ連絡をとられ、お会いになりまして、その意見は審議会の場に戻られて、そこで主張されるように種々説得をされておられるところでございます。またそういう審議会の御出席ではございませんけれども、総評側の意見等も、その後も公益委員と総評側との会見といったよう左形、そういういろいろな形を通じまして、その意見を聞くことに審議会としてはつとめておりますとともに、審議会への復帰方をお勧めしておる、こういうのが最近の状況でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま説明がありましたように、いま中央最低賃金審議会でやっており「ますけれども、全国一律という前提じゃないから総評系の委員の人は参加をしておらない、こういうことですか。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 審議会には、ただいま御出席に」なっておられません。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、問題は、最低賃金法を制定されてから、だいぶ長年月たっておると思います。いまいろいろ話を聞いておりましても、いろいろな過程は踏んでおりますけれども、やはり日本の全労働者が希望しておるような全国一律最低賃金制というものの実施が、いま説明を聞くとほど遠いような感じを受けるわけです。そうじゃございませんか。その見通しについて、一体労働省としてはどういうふう左考え方をされておるでしょうか。審議会は審議会の問題といたしまして、その点の説明をいただきたいと思います。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 労働省といたしましては、全国一律の最賃というのも非常に有力な御意見、しかしながら地域別の最賃だとか、あるいは業種別最賃、職種別、いろいろの御意見がこの問題についてはあるわけでございます。したがいまして、そういう御意見をひっくるめまして、十分に三者構成の審議会の中で御審議いただき、そしてわが国の実情に即した最賃を御答申賜わるようお願いいたしておるところでございます。審議会でもその諮問の趣旨に沿いまして、全国一律最賃の問題も含めて、その他のいろいろな考え方とあわせていま検討がされておるという状況でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、わかったようなわからないような説明でございますけれども、ILO二十六号条約との関係はどういうことになるのでしょうか。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 ILO二十六号条約では全国一律、全産業一律最賃ということは、条約にはむろん入っておらないわけでございまして、ILO二十六号条約は、あくまで労使対等のメンバーで最賃をつくれというのがその趣旨でございまするので、最小限度その線は業者間協定という、これは疑義がある——違反とは申しませんが疑義があるので、そういった点は、ぜひひとつ妥当なものに改正してもらいたいという意思表示は、審議会に労働大臣といたしまして、いたしておるわけでございます。  ただ、御主張の全国一律、全産業一律、これはなるほど理想でございます。東京と鹿児島も同じ生活条件あるいは産業の大企業、零細企業も同じ条件、またそういう条件が整いましたならば、むろん理想でございます。ところが先進諸国のヨーロッパ、アメリカその他にいたしましても、なかなかこれが全産業同一賃金にはなっておらない。ただ沖縄とかああいう小さいところとか、あるいはアメリカの両州にまたがる産業というような場合には、例外的に実施されております。しかし有力な御意見でございますから、それも含め、また使用者側、公益側の意見もありましょうから、そういう意見を戦わすことこそ審議会でございますから、総評の委員もぜひひとつ審議会にお入り願って、現実性のある結論を得ていただきたい。決して悪いという意味じゃありませんが、そういうふうにお願いしておるというのが現状でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 ただ、私は、いま最低賃金制の問題についていろいろ考え方をお尋ねさしていただいたわけでございますが、冒頭雇用政策等の問題について説明をいただきました。問題は、人材銀行であるとか、あるいは雇用相談所とかいろいろ左ことが考えられておりますけれども、やはり根本的な問題としては、いま申しましたように、賃金格差の解消の問題、さらにいわゆる全国一律最低賃金制の問題、これらの問題を解決するのが雇用政策の根本になるのではないか、こういうふうに私たちは考えておるわけなんです。ぜひひとつこの一律最低賃金制の問題につきましても、いままでいろいろな経過がございますけれども、さらに全日本の労働者ほとんどの者がこのことは強く要望をいたしておると私は考えておりますので、今後もいま申し上げましたような考え方に立って、ILOの二十六号のいっておるよう左全国一律最低賃金制につきまして、早く実行のできる方向へ労働省としても強く指導をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 先ほど申し上げましたように、ILO二十六号条約は全国一律、全産業一律ということはいっておらないのであります。しかし最低賃金というものを設けることによって、できるだけ勤労者の福祉をはかっていく、これは労働行政の根本でございますので、御趣旨に沿いまして、審議会の答申が出ましたならば、その立法化をいたしまして御要望にこたえたいと存じます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 最低賃金制の問題につきましてはそう簡単にすぐ解決するとは思いませんが、今後もいま大臣が言われた方向で努力をしていただくようにお願いしたいと思います。  それから七ページの先ほど申し上げました「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」の下に「賃金問題の合理的解決への指導援助の強化」と、こういう項目があるわけでございますが、これは一体どういうことを意味しておるのか、具体的に説明を聞きたいと思います。

渡辺健二労働省労働基準局賃金部長

○渡辺説明員 わが国の賃金問題については、先ほどお話がございました水準の低い方々の最低賃金制等の問題のほかにもいろいろな問題がございます。特に最近問題になっておりますものに賃金制度の問題等があるわけでございます。わが国の賃金制度というのは、従来御承知のような年功序列賃金といわれる形が基本的な形をなしておったわけでございます。昔、若年者が非常に余っておる。したがって若い学校卒業者を非常に低い賃金で雇用いたしまして、あと年功を経るに従って上がっていくといったような当時の労働力過剰を前提とした賃金制度が、御承知のような若年労働者がむしろ需給が逼迫してくるといったような状況、そのことに基づきまして若年の賃金が大幅に上がりまして全体の賃金の上昇よりもさらに上昇が高い、そういったようなことから従来の年功序列賃金のままでいいのかという問題が出てまいっております。他方、生産方式、労働態様というものも昭和三十年以降の非常な技術革新の進展によりまして変わってまいりました。昔でございますと、長年年功を積んだ者がそれだけ経験等を積みまして技能も高いということであったわけでございますが、技術革新の結果、単なる経験に基づく技能というようなものと技能の質が変わりまして、むしろ若くて適応性も高い、ある程度基礎知識を持っているといったような者が一定の職業訓練を受けて技能を身につけた、そういう者が職場の基幹的な技能者になってまいった。しかるにそういう人たちは年が若いというだけで、仕事はむしろ中核的な仕事をしているのに賃金が低いといったようなことから、やはりいろいろな労働意欲の問題だとかあるいは仕事の質と賃金とのアンバランスの問題とかいうようなことから、職場におきましていろいろな問題が生じております。そういうような賃金制度の合理化の問題といったようなものも最近職場においてあるわけでございますので、そういう新しい最近の諸情勢に基づく賃金制優等の諸問題を合理的に解決されるよう労働省といたしましても一強力に援助してまいりたい、そういうための予算をという意味で「賃金問題の合理的解決への指導援助の強化」ということを述べておるわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それから、この説明書にもありますように、労働省の職業訓練計画の問題ですが、これは大体昭和四十年度も一やられておると思います。ところが、聞くところによりますと三分の一くらいか実績があがっておらぬ。間違っておれば直していただきたいわけなんですが、そういうことも聞いておるわけですけれども、もしそうだとするなら、一体どこに原因があってそういうことになったのかという点について、ひとつ御説明いただきたいと思います。

和田勝美労働省職業訓練局長

○和田(勝)政府委員 職業訓練計画につきましては職業訓練法に規定がございますので、これを定めることにいたしておりますが、ただいろいろな事情がありまして年次計画を必ずしも立てておりません。経済の中期計画に合わせまして昭和三十四年を初年度にしました十カ年計画を一応立てて、現在その計画の推進に当たっておるわけでございますが、それによりますと、四十一年度までのところで公共職業訓練関係につきましては約九八%くらいのことになっております。ただし、これは定員的にいって九八%くらいでございまして、実員はこれより多少下回っております。それに対して、事業内職業訓練につきましては、四十年度までをとってみますと約六割でございまして、こちらのほうが計画が一応四割程度そごを来たしておる、こういうような実情でございます。  したがいまして、公共職業訓練のほうの計画と各年度ごとに行ないます予算的措置につきましては、大体予定どおり進行しているわけでございますが、事業内のほうにつきましては、これは認定事業内訓練でございまして、中学校を卒業して三年間訓練をするという問題が、現在の産業界の実情との関係で多少問題があるようでございます。そこらあたりが達成率について事業内は低い実績を持っておる、こういうことではないかと考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それで、昭和四十二年度についてもいま申し上げましたような問題については強力に実行されることだろうと思います。  そこで、先ほどの雇用基本計画でございますが、これについて大臣にちょっとお尋ねしたいわけでございます。あなたのほうから出されておる資料を読みましても、三十五歳以上の中高年層については求人が少ない。ところが、働きたい人が多いのだ、それが倍になっておる。こういうような説明がされております。そこでこれらの問題が今後非常に重要な問題である、これを一体どうしていくのだというようなことも書かれておるわけでございます。  そこで、定年制の問題が関連して提起されておると思います。現在、公務員にしても、地方公務員にしても、公共企業体にしても、定年制というのは実施されておらないと思います。いわば法律化されておらないと思います。これは年齢は幾つにきまってどういうふうになるかわかりませんけれども、中高年層は働きたい人が非常に多いけれども、職場が少ない。そこで定年制を実施して今後もやっていこう。関連してこの問題がいま大きくクローズアップされておるようなわけでありますけれども、その関連は一体どういうことになるのだろうか。考え方によっては、矛盾しておるのではないかというふうな考え方も出てくるわけでございます。だから、一般民間の定年制の問題なり、公務員、地方公務員、さらに公共企業体関係の定年制の問題についていかような考え方であり、さらに雇用基本計画上から考えてどういうような考え方であるか。これらの点をひとつできるだけわかりやすく説明をしていただきたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 全般的な観点から申し上げますと、新規学卒者のいわゆる若年労働力は、去年は百五十八万人出ておるわけでありますが、五年後はいまの趨勢でいきますと百十七万人に減ってしまう。他方、中高年層の人口は、十年後をとりますと約五百万人にふえる、こういう情勢でございまして、若年労働力だけではとても社会発展計画の雇用の新陳代謝すらカバーできないという実情でございます。さらに遺憾なことは、出生率が世界最低の出生率になりまして、大体千人に十四人、アメリカあたりは二十三人ですが、先進国の中でも一番低い出生率、そうなりますと、ますます若年労働力は不足してくる。こういう観点からながめましたときに、五年後、十年後の日本の雇用形態というものは、人口構造に比例した雇用形態にならなければならぬ。結局中高年層あるいは婦人にうんと働いてもらわなければならない。そうしなければ、雇用の面で経済発展がとまってしまう。こういうマクロ的な見通しが成り立つわけでございます。ところが民間企業のほとんどが五十五歳定年をしいておりまして、五十五歳で首を切られる。切られた人の大部分は失業、少なくとも労働省の調査では大部分の人が最低半年失業する。しかも、そのあと行く職場は、現在の給料よりも大体六、七割程度の低い給料、賃金で、しかもなれない職種に追い込まれていく。中には財産があるから仕事をしない人もおりますけれども、ほとんどの人がそういう姿になっている。これは中高年の労働経済から申しましてもおかしいではないか、そういう観点が一つあります。  それから、戦後寿命が延びまして、平均寿命が二十歳近く延びていますが、定年延長を考える場合には、五十五歳から一体平均余命はどれだけ延びているか。昭和十年、十一年の平均が十五歳、五十五歳以上の人の平均余命は、あと十五歳。ところが、ここ三年間の統計を見ますと、十九歳。中には二十歳という年もあるわけでありまして、その間、五十五歳以上の平均余命におきましても、まず四歳延びておる。ということは、精神的にも肉体的にも、大正時代の五十五歳定年の時代よりも、心身ともに四歳は健全であるという判定もできるわけであります。そういう観点から、大企業では若年労働力を優先的に採れますから、ほんとうに深刻かどうかということは疑問がございます。しかし、大企業自体においても、すでに若年労働力の人手集めに困っておる。いわんや中小企業あたりはそのしわ寄せに困って倒産するのも出てきているわけでありますから、ひとつ定年延長をして、中高年というものの活用をフルに効率的にやる一つの方法として、定年延長。ただし、その場合には、ただ年功序列で賃金が上がっていく、また退職金が機械的に増加するということになりますと、国際競争に耐え得る企業としてマイナス面もありますから、定年延長分に対してはそういう能率給、職務給という考えも十分お入れになって、労使話し合いで日本全体の雇用の観点に立ってお考えいただきたい、こういう提唱をいたしておるわけでございます。  また、中高年に働いてもらうために、人材銀行というものも本年度三カ所去年を含めまして設置をすることにいたしましたし、中高年の職業転換給付金も設けましたし、雇用促進融資も、主として中高年の人たちに働いてもらうための資金として本年度予算に計上をいたしておるわけであります。  国家公務員、地方公務員につきましては、これは臨時行政調査会という佐藤会長の答申、勧告では六十歳前後の定年制という答申が出ておるわけであります。この問題は労働大臣直接の所管ではございませんが、一時叫ばれておったのは五十五歳定年ということであったと思うのでございますが、行管を中心に政府で検討いたしておるのは、佐藤臨調の六十歳前後ということで検討を始めておると私は思います。そうすることによりまして、大体五十五、六歳で勧奨退職という事実上のあれが行なわれておりますが、安心して老齢年金、厚生年金につながるところぐらいのところでというめどもつくわけであります。しかし、これは、公務員という職業の特殊性から考えまして、目下関係大臣の間で検討いたしておる段階でございます。何歳というようなものはどうかというようなことはいま私から申し上げる段階ではございません。  結論的に申しますと、若年労働力は非常に逼迫する、しかも五十五歳以後の平均余命が延びた、中高年の人にうんと働いてもらう、こういう世の中というものがいま一番必要になってきている、このように御理解願ってこの問題をお考えいただきたいと思うわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 公務員関係におきましてもあるいは公共企業体関係におきましてもいま定年制の法制化はされておらぬと思います。ところが、例をとりますと、国鉄におきましては、五十五歳になると、そういう法律はありませんけれども、やめていく、そういうことで今日やってきております。これらの問題は、いま大臣から、寿命も長くなったし、さらに人間も足らぬし、いろいろな面から考えると、もう少し長くしたほうがいいというような考え方の説明がありましたけれども、いままで別に法制化されておらずに今日に至っておるわけですが、これを法律にして定年制をきっちりしてしまおうというねらいは一体どこにあるかということが私はわからぬわけなのです。いままでどおりでも、いままでもやってきたわけなのです。それを今回については法律できちっとしてしまう。逆に言えば、人間が要らぬようになってきたら体どうなるのだ、こういう反論もこれは出てくるわけでございます。そうなってまいりますと、現在六十歳とかどうとかいわれておるけれども、要らぬようになれば五十歳になるのではないか。法律の内容を改正すれば一ぺんにそうなっていくのだ。これは非常に極端な論議かもわかりませんけれども、いままでにおいても五十五歳なら五十五歳ということで別に法律というものはなくてもやってきておるのを、今回法律によってきちっと法制化をして定年制をしくというところには一体どういうねらいがあるか、このことについてちょっと御説明いただきたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 臨調の答申、アドバイスというものを読んでみますと、とにかく勧奨退職でいつやめさせられるかわからない。いわゆる手放しのずるずるした姿、これではむろんその人自身も人生設計が立たない。特に学校の教員を例にとりましても、大体校長さんあたりは五十五、六歳で勧奨退職でやめております。しかし、民間企業で労働大臣が高年者をもっと使えといって定年延長をいっておる趣旨からいいますと、やはり五十五歳は若過ぎると思うのです。ほかに職業がある人は、定年というのがたとえば臨調の答申のように六十歳前後と出ましても、新しい人生という意味で低かに移りたい人は自由自在に行けるわけです。しかし、人事管理の締めくくりというものがなければ、働く人もまた使用する人も計画が立たないわけですね。ですからそういう点も考えまして、天下り人事が行なわれたり、若くして会社へ行くというような例もそういうことに胚胎しておる、そういう考えで臨時行政調査会からも六十歳前後の定年というものを勧奨いたしたと私は理解いたしておるわけでございます。決して後藤委員の言われるように、人手不足が解消すれば六十歳前後というものを五十歳前後に変える、そういう意味ではないし、またここ五年、十年人手過剰の時代にはもう逆戻りしないと私は見通しております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 この定員制の問題につきましてはこれからもかなり問題になろうと思いますが、いずれにしても社会保障制度がまだ十分確立しておらない今日において、これらの問題実施につきましても慎重なる考え方のもとにやっていかなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございますが、これも今後の問題として引き続いて討論すべきだと考えております。  それからその次には、まだ提案はされておりませんけれども、失業保険の問題なんです。これは私がここで一々説明するまでもなく、かなり世の中の問題になっております。さらにいつでございますか、これも過去のいろいろな経過をたどってみますと、失業保険については悪いようにしない、こういうふうな約束がいわば春闘共闘委員会ともされておりますし、さらには参議院におきましても社会労働委員会でそういう決議がされておりますし、さらに参議院の社会労働委員会だけではなしに、衆議院の社会労働委員会におきましても、附帯決議ということではっきり満場一致のこれこそ決定を見ておるわけです。悪いようにはいたしません。中身は一々申しませんけれども、そういうふうな経過を考えてまいりますと、いまや提案されんといたしておる失業保険の改定につきましては、いままでのいろいろな決議に違反するような気がいたしますし、さらにこれはもちろん審議会の決定によって提案されてくると思いますけれども、その辺の関連は政府として、いわば労働省としていままで一、二年の経過を誓え、さらにいま提案されようとしておる中身を考え、さらに審議会等の関連を考えるときに、やはりいままでの  一、二年間の経過というのは政府としても責任ある回答をされたと思うわけです。さらに社会労働委員会においても責任ある決定を私は見ておる、こういうふうに考えておるわけでございますけれども、その辺の関連は一体どう考えておられるか。さらにこの見通しでございます。いつごろどういうふうなかっこうで提案されるのか、この見通しにつきましても今日わかっておる範囲でけっこうでございますので、ひとつ御説明をいただきたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 附帯決議の御趣旨は、失業保険をよりよくしていけという抽象的な附帯決議でございます。その線に沿いまして——一番失業の危険にさらされておるのは、むしろ五人未満の零細企業の従業員でございます。そういった面に画期的なひとつ改正をやろうということが一番大きいねらいでありまして、そのほか給付改善あるいは失業者の給付改善等を含めまして改善をしていく、こういう趣旨でございまして、衆議院の附帯決議の御趣旨は、一〇〇%までというのには意見がありましょうが、少なくとも非常に尊重したりっぱな案をいま考えておるわけでございまして、本日社会保障審議会が答申を御決定いただくわけでございます。連休明けには国会へ提案をいたしまして、御審議を願える段階にきておる。他方、新聞の社説その他を通じてすでに見えておりますが、世論として支持されている案を出すつもりでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま大臣からまことにりっぱな提案という話がありましたが、昭和四十一年四月二十六日でございますか、第五十一回の衆議院の附帯決議ではまことに抽象的なことがきめられておるのだ。これは抽象的な最初の本文でございますけれども、説明として、内容は十分説明されて、そのことを十分了承して最終的に満場一致できまっておると思います。これは一々こまかいことは申し上げませんけれども、そういうふうになっておると思います。それからさらに、これは権威があるかないかということは別問題でございますけれども、春闘共闘委員会として、かなり労働次官等とも約束をはっきりしておる。季節労働者の問題についてもどうこうしない、その点についてはこれはもうはっきり触れておるわけなんです。いまも話がありましたように、五名以下の職場につきましては、これはよくなる。ところが頭のほうを少しよくして、しりのほうで元を引こう、こういう提案だと私は思います。しかも聞くところによると、労働省としては、そういう考え方ではなかったけれども、どうしても大蔵省が言うことをきかぬもので、こっちの給付のほうの合理化を行なわぬことには、五人未満の職場についてもやれぬというようなことで、最終的にこういう提案になったかのように私は仄聞をいたしておるわけでございます。  それと、さらにいま話が出ました季節労働者の問題につきましては、説明を私読みました。中身もいろいろ研究もしてみましたけれども、約六十万の人がこれによって非常に苦しい生活を助けられておるというようなことで、全国的に今度の失業保険の問題につきましては、これは大きな問題になってくると思います。いま大臣が言われたように、過去の経過も十分踏まえていただいて、しかも六十万の季節労働者がとにかく重大なる関心を今日持っておる、そういう前提に立って、この失業保険をなぶられるのならりっぱななぶり方をしていただきたい。矛盾しないように、間違いのないように、過去の実績も十分考えて、なぶられるのならば、失業保険の改定につきましてもやっていただくように、これは本格的な論争というのは今後に持ち越されると思いますけれども、ぜひその点をお願いをいたしたいと思います。  それから、その次には春闘の問題でございますけれども、これはこの前もちょっと触れさせていただいたようなわけでございますが、振り返ってみますと、昭和三十年から、日本の春闘というと語弊がありますが、全労働者の——最初は八十万から出発したのが、今日八百万というような結集で春闘が行なわれておる。第十一回目でございますが、中でも一特に、この前も話が出ましたように当事者能力の問題がかなり問題になってきておりますし、今日といえどもこの問題は非常に重大な問題だと私考えております。公共企業体関係の労働者といたしましても、五月の下旬以降最終的な段階に入るだろうと私も考えておる次第でございますが、考えてみれば、過去十一年間十一回同じことをやっては繰り返し、同じことを繰り返しては最終的に春闘を収拾しておる、こういうような能のないやり方が、今日といえどもやはり続いておるような気がするわけなんです。この前も各公共企業体関係の管理者の人も来ておりましたけれども、せめてことしあたりはもう調停段階でこの賃金問題については責任者である政府並びに当局のほうとしても、ひとつ腹をきめてかかったらどうだ、どうあろうとこうあろうと仲裁委員会に持ち込んで、しかも労働組合は労働組合として騒ぐ、同じコースを最後までいかぬことには解決をしないというような考え方ではなしに、そういうふうになる事前にこの問題——いわゆる賃金改定の問題、その他多くの問題がございますけれども、これらを解決しよう、この前の大臣の返答としては、調停段階で何とか解決したい、こういうふうな回答だったと私も記憶いたしておりますけれども、いよいよ目前に春闘も迫らんといたしておりますので、そのことに対する政府なり労働大臣等の腹がまえなり考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 今年の春闘は従来の春闘と違う二つの点がございます。第一は民間企業が、四月一ぱいで私鉄を除きましてほとんど妥結したという特色が一つであります。二番目の特色は、衆議院を通った予算案がなお参議院で五月一ぱい審議中だというこの二つの特殊な事情を考えなければならないと思うわけであります。  そこで、後藤さんの御指摘のように、ほんの一組合を除きまして全部調停段階に入っておるわけであります。同盟系の一つのあれはまだ入っておりませんが、そこで調停段階におきまして、今度は予算審議中でありますから、三公社五現業の使用者側が幾らと正式に回答することは、予算が審議中ですからなかなかむずかしいかと思いますが、しかし調停段階におきまして、やはり腹を割った一つの話し合いということをやらなければならない。それによりまして調停段階において実質的に話し合いがついて、形式上予算の通ったあと仲裁という形になることはこれまたやむを得ない。要は今年の春闘の場合には、民間のあれも出ておりますから、法律で民間を参考にしてというように公社関係の法律ではなっておりますから、そういった円満な方向に、労働大臣としては指導してまいりたい。したがって、春闘共闘委の人にも私は申したのですが、スト宣言というのはおやめなさい、三べん申しました。法律でとにかくストは禁止されておるのだから、順法闘争とかそういう少し含みのあることならいいが、スト宣言ということばはことしはやめなさい、そうすることによって——ストライキなんかやった場合にはどうしても処分しなければならない。電々しかり、全農林しかり、国鉄しかり、これは法律がある以上やむを得ない。労働者に対するたいへんな被害になりますから、政府としてもそういう違法なストに対する処分がないような姿に——そのかわり使用者側も本年は調停段階で誠意を示しなさい、労働組合の側もそういう従来のやり方はおやめなさい、こういうことでお話をしておるわけでございまして、いずれ連休が終わりましたころ、本格的な折衝段階が始まると思います。  そういう意味で今年は従来にないいい姿で三公社五現業が片づく、形式はどうあろうと、実質的に片づくという方向に、最善の努力をいたしたい、関係閣僚あるいは三公社五現業の使用者側にもこの意図は十分お伝えをいたしておる次第でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そこでこれはこの前もちょっと触れましたのですけれども、当事者能力の問題でございますけれども、これはこの前大臣の話を聞いておりましたら当事者能力はあるのだ、確かに私はそういうふうに記憶しておるわけでございますけれども、しかしながらべースアップその他団体交渉の席上で、それなら五千円がいいから五千円出そうというような回答を出す能力は、いまないと思うわけです。そこで問題になりましたのは池田太田会談をきっかけにして、それから今日六年たったと思います。その六年間公務員制度審議会でございますか、あれができまして、おそらくこういうことを言えば、公務員制度審議会で今日慎重にやることになっておりますという回答になろうと私は思うわけでございますけれども、ところがその公務員制度審議会そのものも開店休業のような形になっておるのではないかと私思うわけです。特に関連のあるこれらの企業におきましては、重大なる問題だと思うわけです。政府でお考えになっている公務員制度審議会において、これらの問題について早くやるその大事な機関がいま開店休業の形になっている。一方、われわれ労働者のほうといたしましては、物価はどんどん上がる、生活も苦しくなる、毎年毎年春闘をやっていかなければ賃金は上がらぬ、こういうふうな苦しい立場になっておる今日、全般的な情勢を考えると、早く公務員制度審議会を開いて、公務員関係の問題なり公共企業体関係の問題なり多くの問題がそこでやることになっておると思うわけでございますけれども、開店休業でいまやっておらぬ。これは一体どこに原因があってそういうふうなことになっておるのか。さらにそういう原因がはっきりしておるなら原因を取り除いて、早くこの公務員制度審議会を発足さして、池田・太田会談で話が出ましたような方向を実らせるべく、強い指導をされるのが政府の義務ではないかと私は考えておる次第でございますけれども、これらの点について、一体このままずるずるといってしまうのか、そうではなしにこうこうこういうふうになって、こう左っておるのだというふうな見通し等があるのか。関心の深い問題であり、さらに直接関係のある者だけでも二、三百万おると思うわけなんです。そういう立場に立つ者の気持ちの上に立って、ひとついま申し上げました問題をお答えいただきたいと思います。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 当事者能力はあるのですが、予算がふえる場合には、予算上国会の承認を経なければならぬという、これは公社五現業の企業の性格それ自体からくる問題でございまして、アメリカのように専売、鉄道あるいは電電が民営事業であれば問題はないわけであります。しかし半官といいますか、公社方式、五現業方式というものの性格からきておりますので、当事者能力を実質的に持つようにいま指導しようと、こういうことを先ほど申したわけであります。もう予算のことなんか考えないで、独自に労使がきめてという形態の問題は、これは公務員制度全般の重要な問題でありますから、これは当然審議会で御審議願って、根本的に検討しなければならない重大問題でございます。御承知のように公務員制度審議会は、ILO八十七号条約の国内法の問題で紛糾いたしまして、会長がやめるとかあるいは総評側の委員が出ないとかいう事態に立ち至りまして、そういう関係で労働側の委員、特に総評の委員が入ってこないという状況でございまして、開店休業と、まことに遺憾に思いますが、一刻も早く総評側委員も参加し、懸案問題について根本的な御検討がされるように、私も閣僚として推進してまいりたいと思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 ひとつ、いま申し上げましたところの気持ちというのは十分わかっていただいたと思いますので、せいぜい春闘の問題なり、あるいは当事者能力、公務員制度審議会等の問題につきましても、その趣旨に向かって強く進めていただくようにお願いをいたしたいと思います。  それから、次は一酸化炭素の中毒の問題でございます。これは一九六三年でございますか、三池の炭労における大きな災害で、たくさんの死傷者も出しました。さらに中毒者も出しました。その後のずっとしたいきさつにつきましては、もう私がとやかく言わなくとも、大臣はじめ関係のお方は十分御承知だと思います。現在一体どうなっておるか、その点をお聞きいたしたいと思うわけでございます。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 一酸化炭素の問題につきまする立法は、昨年十月七日、労災保険審議会に諮問をいたしまして、目下審議中でございます。本審議会におきましては、今月中にも結論を得べく審議が進められておるのでございまして、政府といたしましては、答申があり次第法案を作成をいたしまして、お約束どおり本国会に提案いたしたいと思っております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま提案されるという説明がございましたが、それはどういうものが提案されるわけですか。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 いま審議中でございますから、結論を得ましてから提案いたします。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それは、やはりはっきりしたことは——別に問いただす気持ちはないんですけれども、一酸化炭素中毒によるなにの法律が提案される、そういうふうに解釈してよろしいですか。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 石炭産業に限った特別立法になろうかと思っています。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そこで、私も、これは中身は十分おわかりだろうと思いますので説明しなかったわけでございますが、先ほど申し上げました六三年の十一月九日の大きな事故、あれによって現在中毒者がかなり出ておるわけです。これらの人に対する給付なりその他が全部打ち切りになってしまっておる、そういうふうなことも聞いておるわけですが、その辺のところを関係の人にもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。

道正邦彦労働大臣官房総務課長

○道正説明員 実は担当の局長は、まさにCOの関係の審議会に出席いたしておりまして、かわりまして、総務課長なんですが、一応経過を御説明申し上げます。  先生御承知のように、昨年の十一月九日が満三年でございまして、現行法の規定によりますると、給付の認定、したがいましてそれに伴いまする法律上の措置がとられることになっておりまして、昨年の十月末から関係者の間でいろいろ御議論があったわけでございます。政府といたしましては、いろいろいきさつがございましたけれども、直接の担当者はもとより、総評あるいは同盟の方々とも御相談いたしまして、その後の処置につきまして取りきめをいたしまして現在推移しておるような次第でござります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま総評、同盟と相談をして一応いまやっております、とこういう説明でございますが、いま一体、どうなっておるんですか。いま言われたあの大きな災害事故で一酸化炭素の中毒にやられた人がおりますが、これらの人に対する療養その他給付関係は一体どうなっておるのか、その数が一体何名になっておるのか、それは一体いつまで続くのか、そういう点が聞きたいところなんです。

道正邦彦労働大臣官房総務課長

○道正説明員 私、代理でございまして、数字的なことは後ほど申し上げたいと思いますが、多数の罹災者の中にいろいろ段階がございまして、われわれ政府といたしましても、長期療養給付に移行すべきもの、あるいはなお若干経過を見るべきもの、あるいは一応治癒認定が可能なもの、その他関係者の間で完全に治癒と認定することに異論のないもの、いろいろございますが、それぞれの段階におきまして、たとえば一番問題がございますのは、われわれのほうから見ますと一応なおった——なおったと申しますのは、元どおりになったという意味では必ずしもございませんけれども、業務上災害の認定上治癒と認定されるもの、ところが関係の方々から見ますと左おったとは言えないというふうに言われておる方、そこが一番問題でございます。端的に申しますと、病院になお入院の状態にあらわれる方がかなりおられるわけでございますが、そういう方々につきましては、会社の措置とも関連いたしますけれども、なお入院の状態をそのまま維持するように措置をいたしておる次第でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 これはもう少し具体的に申し上げますと、去年の十月二十五日ですね、七百三十八名でございますか、これらの人の労災補償を打ち切ってしまった。さらに二十二名の重症患者もこれは長期療養に切りかえたというようなことで、十月二十六日に個人個人に打ち切りの通告を出してしまっておる。これははっきりしておると思います。ところが、それに関連して、去年の通常国会では、六月二十七日の社会労働委員会——これは参議院でございますけれども、こういう法律をつくるまでは、これらのことについては引き続いて補償をしていくのだという決議、これははっきりしておると思います。おわかりにならなければ、その決議の内容について朗読さしていただいてもいいのでございますが、そういうふうに国会できまっておるものを、十月二十五日に補償を打ち切ってしまう。現場のほうで騒ぎ出した。そこで、なおっておる人もなおっておらぬ人もある。その認定については第一審、第二審、第三審と、まるっきり裁判みたいなことをやって、残った人についてはこれからもやっていくのだ——これも社会党のほうから追及されてそういう結果になったと私は聞いております。さらに関係工場等と組合が団体交渉をやりましても、何も前進をしない。だから、いまのところは補償も打ち切られておるし、あらゆる問題が全部打ち切られたような形の中で、一酸化炭素の中毒者は家族ぐるみの苦しい悲鳴をあげておる。こん左むごいことが一体あるか。おれは労働力は売ったけれども、生命まで売った覚えはないというようなことで叫び続けておりますのが、私はこの一酸化炭素の大事故の今日の情勢ではないかと考えておるわけでございますけれども、その辺、そういうふうでは表しに、こういうふうな扱いをきちっとやっておるんだというような説明を私は聞きたいわけなんです。やっておらなければ、私が言ったとおりならばこれはたいへんな問題だと思います。もちろん特別委員会等も設置されており、この問題は全国民の問題として今後大きな問題になろうと私も考えておりますけれども、われわれが思っておりますのと、それはわれわれのほうの誤解で、そういうことをやっておらぬ、実はこうこうこういうふうなんだという実際の説明をもう少し具体的にお聞かせ願いたいというふうに思っております。

道正邦彦労働大臣官房総務課長

○道正説明員 昨年の六月二十七日の参議院社会労働委員会におきます決議につきましては、私も当時国会の担当者として承知いたしておりますが、その決議の解釈につきましては、関係者の間にいろいろ御意見があったのでございますが、いろいろいきさつがございましたけれども、結局関係の担当者の方々も御出席になられて、一応関係者の間の協定については、これでいいということにする。したがって、その協定に基づいて、政府関係者が措置をするということで、昨年の十一月の二十五日だと思いましたけれども、国会でも正式に御意見の求めがございまして、いろいろいきさつはございましたけれども、十一月時点の申し合わせに基づきまして、政府としては、これらの取るべき措置について、協定に従って進めておるつもりでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 この問題につきましては、ここで短時間でどうこうと言える問題でもないと思いますので、留保しておきたいと思います。  いま、までいろいろと質問をさせていただいたわけでございますが、雇用政策の問題なり、定年制、失業保険なり、春闘等の問題、いまの問題、その他まだ多くの問題がたくさんあろうと思いますけれども、これらの問題につきましても、国民の命一を守るという立場に立って、今後ともひとつ真剣なる論議のもとにぜひやっていただきたいと考えております。終わります。

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 それでは、次会は明後二十七日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十三分散会

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