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55回国会衆議院1967/03/18

社会労働委員会 第2号

発言数
118
登壇者
21
会派数
4
開催日
1967/03/18

会議録

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 これより会議を開きます。  厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、厚生大臣より発言の申し出がありますので、これを許します。厚生大臣坊秀男君。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 第五十五回国会における社会労働委員会の御審議に先立ち、この機会に厚生省所管行政に関し、所信の一端を申し述べたいと存じます。  厚生行政の推進については、各位の格別の御尽力により着実な進展を見ているところでありますが、なおこの分野において解決しなければならない課題は少なくないのでありまして、今後さらに施策の拡充に一そうの努力を払ってまいりたい所存であります。  御承知のごとく、わが国の社会保障は、体系的にこれを見るとき児童手当制度がいまだ創設されていないことを除けば一応その姿を整えており、国民皆保険、国民皆年金の体制を中核として、すべての国民に均てんし得るに至っておりますが、欧米諸国に比較すれば、総体としての規模はなお低い水準にありまた部門別に見て立ちおくれた分野や今後の経済社会の発展に対応するため大幅に改善を要する分野をかかえている現状であります。  今後のわが国経済社会の変動に即応しつつ、国民生活の安定と高度の福祉水準の実現を期する上には、このようなわが国社会保障について、長期的視点のもとに、内容的、質的観点を重視しつつ、その総合的な体系整備と、実質的な水準の向上を期することが急務でありまして、医療保障部門における当面の課題の解決とその制度的な立て直しに努力するとともに、極力、年金制度等所得保障部門の拡充につとめ、また、老人福祉、児童福祉、心身障害者福祉、成人病対策、精神衛生対策、救急医療対策、看護婦等医療従事者対策、環境衛生対策などの分野において、社会経済の発展に即応し、これに立ちおくれることのないような施策の拡充に格段の努力を払うことを基本的方向とし、着実にその実現をはかっていきたい考えであります。  以下、厚生行政の当面する主要な事項について申し述べます。  まず、医療保険につきましては、各制度とも近年その財政状況が悪化しており、特に、政府管掌健康保険は、財政的に重大な危機に当面するに至っております。このような財政状況を再建し、制度の健全な運営をはかるため、医療保険制度の全般にわたり、抜本的な検討を行なっているところでありますが、とりあえず、昭和四十二年度においては、当面、その財政収支の均衡をはかるため、政府管掌健康保険については、二百二十五億円の国庫補助を行なうとともに、保険料率の引き上げ及び一部負担金の増額等を内容とする当面の財政対策を緊急に実施し、また、船員保険についても、これに準ずる対策を講じたいと考えております。このため、健康保険法及び船員保険法の一部改正案について、現在社会保険審議会に諮問しているところでありますが、すみやかに成案を得て本国会に提案する所存であります。  なお、診療報酬体系の適正化については、昨年十一月以来中央社会保険医療協議会において審議が行なわれているところでありますが、医療保険制度の抜本的な改正と並んで、きわめて重要な事柄でありますので、できるだけ早期にその実現をみるよう同協議会の審議の促進方につとめる所存であります。  次に、国民健康保険につきましては、世帯員に対する七割給付の実施を四カ年計画をもって進めてまいったところでありますが、昭和四十二年度は、その最終年度に当たりますので、その完全な実施を期するとともに、事務費国庫負担金を大幅に引き上げ、国民健康保険財政の健全化と事務執行の適正化をはかる所存であります。  第二に、生活環境の整備につきましては、まず、最近における著しい経済発展に伴い、大気汚染等の公害が大きな社会問題となっていることにかんがみ、公害防止に関する国の総合的な施策を確立するため、公害対策基本法案を本国会に提案する所存であります。また、環境衛生局に公害部を新設して公害防止に関する行政体制を強化するとともに、地方における公害の監視体制を整備し、公害防止に関する調査研究を従来に比し飛躍的に推進する等、公害対策の充実をはかりたい所存であります。  次に、生活環境施設につきましては、最近の経済成長に伴う人口の都市への集中等により、ますますその重要性を増していることにかんがみ、新たに昭和四十二年度を初年度とする五カ年計画を策定し、し尿処理施設、ごみ処刑施設、上水道施設等の整備をはかってまいる所存であります。特に上水道につきましては、水道水源の開発と水道の広域化を強力に推進いたしたいと存じます。  また、環境衛生関係営業につきましては、国民の日常生活に密接な関係を有することにかんがみ、その指導、育成の徹底をはかり、昭和四十二年度においては、新たに環境衛生金融公庫を設置して、行政と金融との一体的な運営により、環境衛生関係営業の近代化、合理化をはかるとともに、国民の日常生活に密着した、これら営業に関する料金の安定に資する所存であります。  第三に、国民の保健衛生及び医療につきましては、結核予防対策、精神衛生対策、成人病対策をはじめ各種の疾病予防対策を推進するとともに、第一線機関である保健所の強化、充実をはかり、国民の保健衛生の向上につとめてまいる所存であります。  また、近年交通事故等の不慮の災害による死傷者が増加し、救急医療対策の確立はきわめて緊要な課題となっていることにかんがみ、国立及び公立の病院に脳外科を中心とする救急医療センターを設置する等、施設、設備の整備をはかり、また、医師等に対する研修を拡充する等救急医療対策を推進してまいる所存であります。  このほか、看護職員につきましては、その処遇の改善、養成施設の整備、拡充を推進してその確保をはかることとし、また、医師の実地修練につきましては、大学医学部卒業後における教育研修に関する懇談会の意見を十分に参酌して、現行の実地修練制度にかわる合理的な臨床研修体系を織り込んだ医師法の一部改正案を、本国会に提案いたしたい所存であります。  なお、血液対策につきましては、献血の実績は、その後着実な伸展を示しておりますが、献血による保存血液の確保をはかるため、昭和四十二年度から二カ年計画をもって献血の受入れ体制を緊急に整備するとともに、献血組織の強化、育成を促進する所存であります。  第四に、生活保護及び社会福祉の分野につきましては、生活扶助基準を一三・五%引き上げる等、生活保護の内容を改善するとともに、身体障害者、老人、要保護児童等に対してあたたかい配慮の手が届くよう施設の整備及び運営の改善をはじめ、その福祉のための施策を一そう充実してまいりたいと存じます。特に、身体障害者については、昨年十一月の身体障害者福祉審議会の答申に基づき、呼吸器及び心臓の機能障害者を身体障害者に含めるとともに、身体障害者相談員及び家庭奉仕員を設ける等の措置を講ずるため、身体障害者福祉法の一部改正案を本国会に提案する所存であります。また、重症心身障害児についても、その施設収容力が僅少な現状にかんがみ、施設の整備をはかりたい所存であります。  また、保育所につきましては、昭和四十二年度から年次計画をもって緊急にその整備をはかる所存であります。このほか、母子保健対策、児童の健全育成対策の強化をはかるとともに、老人福祉対策の充実をはかってまいりたいと存じます。  第五に、年金制度につきましては、過去二回にわたる改正により、厚生年金、国民年金とも、いわゆる一万円年金の水準が実現したところであります。昭和四十二年度においては、これに引き続いて福祉年金を中心として改善を行なう所存でありますが、厚生年金、国民年金両制度とも、今後その一そうの改善につとめてまいる所存であります。なお、昭和四十二年度においては、国民年金の事務費交付金を大幅に引き上げ、制度の円滑な運営をはかる所存であります。  第六に、戦傷病者、戦没者遺族の援護については、その処遇の改善充実をはかるため、関係法を改正し、また、すべての子または最後の子を、戦争により失った父母等に対して特別給付金を支給する制度を創設するとともに、戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給対象を拡大いたしたいと存じます。また海外戦没者の遺骨収集を昭和四十二年度以降計画的に行なうことといたしております。  以上のほか、広範にわたる厚生行政の分野には、なお重要な課題が少なくありません。私は、国民生活の安定と向上はかるため、厚生行政の一そうの進展を期して、今後とも誠意を持って努力する所存でありますが、ここにあらためて各位の一そうの御支援と御協力をお願い申し上げる次第でございます。     —————————————

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 次に、労働大臣より発言の申し出があります。これを許します。労働大臣早川崇君。

早川崇自由民主党労働大臣

○早川国務大臣 第五十五回特別国会にあたり、労働大臣として一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。  わが国経済は、戦後二十年にして、目ざましい発展を遂げ、国民所得において世界有数の地位を占め、国民性活水準も著しい向上を示し、世界各国の驚きの的となっているのであります。この最大の理由の一つは、わが国の労働者が優秀な資質と能力を備えているとともに、きわめて勤勉であったからにほかならないのでありまして、私も国民の一人として、このことを誇りに感じ、わが国の労働者諸君に対し、深い信頼の念を持つものであります。申すまでもなく、労働政策は、直接人を対象とするものであり、人間尊重を具現するものであります。私は、労働政策の目標は、同胞としての信頼感に立って国民の大部分を占める労働者が自由な創意と努力を発揮することができる機会と条件を整え、これによって労働者諸君とその家族が豊かな生活を営めるようにすることであると考えるのであります。  このような基本的な考え方のもとに、私が考えております労働政策の主要な点を申し述べてみたいと存じます。  まず、雇用対策について申し上げます。  今後の雇用情勢につきましては、進学率の向上等に伴い、技能労働者、ブルーカラー労働者を中心に労働力不足が一そう強まることが予測されるのでありますが、長年にわたり形成されてきた年功序列の雇用賃金慣行や学歴偏重、技能軽視の社会風潮はなお根強く残り、このまま放置すれば、労働者全体の福祉の向上と国民経済の均衡ある発展を阻害するおそれがあると考えられるのであります。  このような事態に対処するため、このたび雇用対策基本計画を策定し、政府全体が雇用問題を重視し、一体となってこれに取り組む態勢を確立いたしました。この計画は、昭和四十年代の前半において完全雇用達成の地固めをはかることを課題としており、今後この計画に沿って、近代的労働市場の形成につとめ、技能労働力の養成確保、中高年令者の雇用の促進等積極的な対策を講じていくことといたしております。  特に、技能労働者の養成確保は、今後一そう激化する国際競争に対処するためにも、きわめて重要な政策目標であります。そのため、技能検定制度の拡充、技能者表彰制度の創設を通じ、社会における技能尊重の気風を醸成し、技能者に対し正当な評価と待遇が与えられるようつとめるとともに、公共職業訓練、事業内職業訓練を拡大実施してまいる所存であります。  また、今後、人手不足の進展に伴い、婦人の積極的な職場進出も予想されますので、これに対処するための対策について検討を進めますとともに、ILO第百号条約についても、これを批准する方針で臨んでまいりたいと存じます。また、炭鉱離職者対策、駐留軍関係離職者対策についても、その一そうの充実をはかることとし、関係法案を今国会に提出し、御審議をお願いすることといたしております。  次に、産業災害の防止について申し上げます。  産業災害の防止は、交通事故対策、公害対策とともに、政府の人間尊重に関する重点施策の三本の柱の一つであります。産業災害の現状を見ますると、昭和四十一年においては、死傷者数は前年に比し約二万の減少を見ておりますが、いまなお、年間、死亡六千余を含む七十万近くの死傷者が発生しており、かつ、災害が大型化する傾向にあることはまことに遺憾に存じます。このため、特に、本年においては、安全衛生局の設置等行政体制を整備するとともに、第三次産業災害防止五カ年計画を策定し、指導監督の充実、作業環境の改善整備、安全衛生センター、労災防止会館の建設等により、労働面からする交通災害対策を含め、総合的な産業災害防止活動をさらに積極的に展開してまいる所存であります。  次に、労働福祉対策について申し上げます。  労働者の福祉の増進をはかることは、労働者に人間としての豊かな生活をもたらし、また労働者の能力の一そうの発揮を促すこととなるわけでありますが、特にわが国経済の目ざましい発展の成果をすべての国民に等しく均てんせしめることは、私のかねてからの念願であります。  そのために、まず、多年の懸案であった労災保険、失業保険の五人未満事業所への全面適用を昭和四十三年度から実施することとし、近く関係法案の御審議を願うことといたしております。  なお、失業保険につきましては、低所得層に対する給付内容の改善を行なうとともに、本土で働き、沖繩に帰郷している失業者についても本土並みに失業保険給付を行なうこと等の措置を講ずることといたしております。また、失業保険の適用拡大と関連しまして、失業保険制度の健全な運営を確保するため、一般受給者と短期循環受給者との均衡を考慮して若干の合理化の措置を講ずる考えでありますが、これについては、従来からの被保険者の生活に急激な変化を与えることを避けるため、十分な配慮を行なう考えであります。  また、大企業に比べ立ちおくれが見られる中小企業の労働者の福祉施設につきましては、各種融資制度の拡充、青少年ホームの増設等により、積極的にその整備を進めてまいる所存であります。さらに、出かせぎ労働者、身体障害者等経済社会の目まぐるしい変化に対応することが困難な労働者につきましても、たとえば清酒製造業退職金共済制度の設立、出かせぎ相談所の設置、総合的家内労働対策の検討推進、身障者の雇用の促進、愛隣地区における総合労働福祉施設の建設、失業対策事業就労者の賃金引き上げ並びに事業主体の負担の軽減等の各般の施策を進め、働く人々が希望と意欲に満ちた明るい生活を送ることができるようつとめてまいりたいと存じます。  なお、一酸化炭素中毒症に関する特別対策については、現在労災保険審議会において御審議をお願いしているところであり、成案を得次第、今国会に法案を提出いたしたいと考えております。  次に、賃金問題につきましては、賃金は国民経済の成長と調和を保ちつつ、改善されるべきものと考えており、今後とも、関係労使がかかる国民経済的観点から良識を持って自主的に問題の合理的解決をはかられるよう期待いたします。また、最低賃金制につきましては、中央最低賃金審議会の答申に基づき、その実効ある拡大につとめてきているところでありますが、将来の制度のあり方については、昭和四十年八月、同審議会に基本的検討をお願いしており、その結論を待って考えたいと存じます。  最後に労使関係について申し上げます。  今後、資本の自由化の問題等も控え、国民経済の均衡し、かつ安定した発展を持続するためには、労使関係の安定が強く望まれることは申すまでもないことであります。このためには、労使がお互いに同胞であるという信頼感と労使協力の精神を基調とし、国民経済という共通の基盤に立って話し合いにより問題を自主的に解決するという慣行を確立することが必要であり、私としても、かかる話し合いの機運の醸成になお一そうの努力を傾注してまいる所存であります。  以上、当面する労働諸問題について所信の一端を申し上げた次第であります。今後とも、労働行政の推進にあたりましては、各位の御意見を十分拝聴しながら、一そうの努力をいたしてまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  かぜひきで声がかれておりまして、お聞き苦しくてまことに失礼いたしました。     —————————————

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 次に、厚生政務次官より発言の申し出がございます。これを許します。厚生政務次官田川誠一君。

田川誠一自由民主党厚生政務次官

○田川政府委員 ごあいさつ申し上げます。  私、先月厚生政務次官に任命されました。厚生省の関係については未経験でございますけれども、どうか皆さまの御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。簡単でございますが、ごあいさつ申し上げます。(拍手)     —————————————

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 次に、先ほどの厚生大臣の発言に関連し、昭和四十二年度厚生省予算の概要について、厚生省会計課長から説明を聴取することにいたします。厚生省高木会計課長。

高木玄厚生大臣官房会計課長

○高木政府委員 お手元にお配りしてございまする昭和四十二年度厚生省所管予算案の概要という資料に基づきまして御説明申し上げます。  昭和四十二年度の厚生省の一般会計予算額は六千七百十三億七千三百万円でございまして、前年度当初予算額が五千七百六十一億七千七百万円でございますので、前年度に対しまして九百五十一億九千六百万円の増と相なっております。この対前年度伸び率は一六・五%でございます。国の総予算の伸び率が一四・八%でございますので、厚生省予算が総予算の伸び率を一・七%上回っていることに相なります。なお、総予算四兆九千五百九億に占めまする厚生省予算の構成比は一三・六%でございます。なお、下水道終末処理施設整備費五十一億八千万円は、四十二年度より建設省所管に計上することに相なりました。  次に、以下主要な事項について御説明申し上げます。  二ページにまいりまして、保健所対策でございますが、これは五十五億二千五百万円でございまして、これは精神衛生相談員、管理栄養士等の二百二十三名の増員が中心であります。  次に、ガン対策でございますが、これが二十五億八千万円で、前年度当初予算額より五億四千五百万円の増でございます。これは国立がんセンター等ガン治療のための医療施設の整備、それからガンの早期発見のための集団検診の実施、ガン研究の強化、ガン関係の技術職員の研修、養成といった既存施策を推進するほかに、特に四十二年度におきましてはガンの集団検診につきまして、胃ガンのほかに子宮ガンの検診車を新たに十台分計上いたしております。  次に、精神衛生対策費は、前年度対比十三億の伸びでございますが、これは措置入院の対象を六万六千人から六万九千人に、三千人多く見込んだことによるものであります。  それから、伝染病予防対策といたしまして、従前から行なわれておりまするインフルエンザのほかに、日本脳炎につきましても特別対策を実施することに相なりました。  原爆障害対策といたしましては、二十八億一千万円でございますが、この中では特に医療手当の単価を引き上げ、また広島、長崎の原爆病院に原爆疾病病理標本室を設けることにいたしております。  三ページに移りまして、公害防止対策でございますが、これは四億一百万円計上いたしております。その内容を申し上げますと、環境衛生局に公害部を新設いたしまして、公害行政の体制の強化をはかり、また、国立公衆衛生院に公害衛生部を設けまして、公害関係の技術職員の養成、訓練を行なうことにいたしております。また、公害関係の調査研究委託費を、前年度二千万円を一億円に引き上げまして大幅に増額いたしております。それから、公害監視等設備整備費一億一千二百万円計上いたしておりますが、これは東京、大阪の東西二地区にテレメーター組織によるモニタリング設備を置きまして、公害の常時監視の体制を強化すること等がおもな内容であります。  次に、水道事業対策でございますが、新規に水道水源開発等施設整備費補助として七億円が計上されております。これは二つに分かれておりまして、一つが水道水源開発事業費の補助でございます。これは水道水源の確保をいたしますために、先行投資となるダムの開発に補助金を支出しようとするものであります。いま一つは、水道の広域化補助金でございまして、これは水道の広域事業を行なうものにつきまして、そのパイプについて補助を行なおうとするものであります。  次に、環境衛生施設整備費として四十四億八百万円計上しておりますが、これは清掃施設、簡易水道等につきまして、従来の五カ年計画の最終年次の事業量を計上したものでありまして、新年度の次の新たなる年次計画の初年度となるものでございます。  四ページにまいりまして、環境衛生金融公庫が新設されることになりまして、二億二千一百万円の補給金が計上されております。  なお、このほか政府出資金十億円が大蔵省に計上と相なっております。  次に、救急医療対策は、前年度の二千八百万円の十倍に当たる二億九千二百万円が計上されておりますが、これは国立及び公立病院に脳外科を主とする救急医療センターを整備し、なお所要の地域に救急医療機械のサプライセンターを置こうとするものと、救急医療関係の医師の研修費、この二つがおもな内容であります。  次に、医師実地修練費は、前年度予算の一億に対しまして、二億七百万円計上いたしております。これにより医師実地修練病院における指導体制の強化及び指導内容の強化充実をはかろうとするものであります。  次に、血液対策といたしまして、前年度の六倍に当たりまする一億二千九百万円計上しております。これは献血の受け入れ機関の整備充実を主眼といたしまして、血液センター六カ所、血液センター張所七十四カ所を設置いたしますとともに、移動採血車二十六台、血液運搬車五十八台を整備しようとするものであります。  次に、国立公園等施設整備費についてでありますが、特にこの予算におきましては、新たに不動産購入費補助金がつきまして、これは国立公園の中で特に自然の風致を厳正に保存すべき地区につきまして、必要に応じての民有地の買い上げに必要な経費でございます。それから、なお明治百年記念事業として、東京、大阪の近郊に明治の森を整備する予算が新規に計上されております。  次に、生活保護でございます。生活扶助基準が前年度より一三・五%引き上げられております。これによりますると、標準四人世帯の各級地別の生活扶助額は、そこに書いてあるとおりでございます。なお、このほか教育、住宅、生業、出産の各扶助について内容改善をはかっております。  次に、五ページにまいりまして、身体障害者福祉対策でございますが、従来身体障害者福祉法におきましては、外部障害のみを対象にしておりますが、新たに低肺機能及び心機能障害を対象に含める、また、身障相談員を二千人、身障家庭奉仕員を二百六十人新設する、施設通所制度を設ける、こういった新機軸を盛りまして、身体障害者福祉法の改正を行なう予定でございます。  老人福祉対策は、九十九億五千五百万円計上いたしております。これは既存の施設の充実強化であります。  次に、六ページにまいりまして、社会福祉施設の整備につきましては、前年度二十九億が三十三億円と四億円の増と相なっておりますが、これは主として老人福祉施設、保育所の整備に重点をおいておるものであります。  それから、社会福祉施設処遇改善につきましては、三十五億八千三百万円計上しておりますが、この重点は旅費、庁費につきましては、前年度の二割増しを計上したこと、それから四十一年度に新設されました民間施設経営調整費を三%から五%に二%伸ばしたこと、それから、職員の増員につきましては、保育所の三歳未満児の担当保母が従前七人に一人であったものを六人に一人というふうに、そこに書いてございますように、以下当面必要な職員の増員をはかっているものであります。事業費につきましては、生活保護の生活扶助基準を一三・五%の引き上げに見合う分等を計上いたしております。  次のページにまいりまして、地方改善対策でございますが、十億五千百万円計上いたしております。この内容は、右の欄にございますが、同和地区改善施設整備費が前年の四割増し、不良環境地区改善施設整備費が前年の三割増しを計上いたしたものでございます。  それから、一つ飛びまして保育所の緊急整備でございますが、保育所の整備につきましては、今後五カ年間に約四千カ所の保育所を整備する計画を持っておりますが、とりあえず四十二年度は、増改築を含め四百五十カ所の保育所の整備をはかろうとするものでございます。  次の八ページに参りまして、母子保健対策でございますが、これは新たに特別養育医療として重症黄だん児の交換輸血が計上されております。そのほか、母子栄養強化費、乳幼児指導費、母性保護普及実地指導費につきまして、それぞれ単価アップを実現いたしております。  次の重症心身障害児(者)対策につきましては、重症心身障害児(者)のために国立療養所五百六十床、整肢療護園四十床の合計六百床のベッドをふやしております。また、筋ジストロフィの子供につきまして八十床のベッドを新たに整備することにいたしております。それから一番下にございます心身障害児(者)のコロニーでございますが、これは高崎につくります国立のコロニーにつきまして土地の買収及び土地の造成を行なうために、七億七千三百万円を計上したものでございます。  九ページに参りまして、国民健康保険の助成費千七百四十億円、前年対比二百八十九億円の増でございますが、これは世帯主の七割給付の実施の最終年度の分を組み込んでおりますのと、新たに国民健康保険組合臨時調整補助金として一億円計上いたし、財政力の弱体な国保組合に対し国保財政援助を行なう道を開きますとともに、市町村の事務費につきましては、被保険者一人当たり二百五十円を三百円に二割アップいたしまして、地方の超過負担の解消をはかっておる次第でございます。  次に、健康保険組合の補助につきましては、各健康保険組合の事務費は久しく百四十円に据え置かれたままにまいったのでございますが、四十二年度におきましては、総合組合につきましては三十円増しの百七十円にいたしております。それから、健康保険組合の給付費臨時補助金の二億八千万円は、主として石炭山の健康保険組合に対する財政援助でございます。  次の石炭年金基金助成、これは石炭年金制度ができました場合の掛け金の徴収なり給付に当たります基金に対する国の助成でございます。  それから一番下の戦傷病者戦没者遺族等援護、これは計上額は百六十八億円でございますが、内訳は、そこにございますとおり、従来分が百五十四億六千四百万円、ベースアップ分が十二億三千五百万円、その他援護法の改正の分が一億三百万円、こういう内訳になっております。  次のページ、一〇ページにまいりまして、病者等の妻に対する給付金につきましては、これは恩給法五項症以上ということになっておりましたのを、七項症以上にその範囲を拡大いたしております。  それから、新たに戦没者等の父母に対する特別給付金の制度が設けられることになりまして、過ぐる大戦におきましてすべての子をなくされました父母等に、特別給付金として、十万円、償還五年の無利子国債を差し上げようということになっているわけでございます。  それから、社会保険国庫負担につきましては、医療保険財政対策分、政府管掌健康保険二百二十五億円、船員保険六億円を含めまして、五百三十五億円を一般会計から繰り入れることにいたしております。  次に、国民年金国庫負担でございますが、国民年金の福祉年金の改善を行なうこととし、四十三年一月から年金額の引き上げを行ない、障害福祉年金、母子(準母子)福祉年金につきましては月額三百円、老齢福祉年金につきましては月額百円の引き上げを行ないます。それから、支給制限の緩和といたしまして、本人所得制限の加算額を改めております。これは、支給制限の場合、本人所得の計算の際に、義務教育終了前の子供がいる場合に所得の計算で四万円加算となっていたものを六万円にいたすことと、それから、扶養義務者の所得制限の緩和をいたしまして、扶養親族五人の場合に、従前八十一万七千五百円でございましたものを九十三万二千五百円といたしております。これによりまして、むすこさんの所得が上がったことによって前年までもらえていたお年寄りがもらえなくなるという事態の発生を防ごうとするものであります。それから、市町村の拠出制の国民年金の事務費につきましては、国保同様二割増しをいたしております。  次ページ以下は、厚生省所管の五つの特別会計の歳入歳出予算案でございます。なお、例年お配りいたしております詳細な資料は、来週中にでき上がりますので、追って提出させていただきます。  きわめて簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。     —————————————

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 次に、先ほどの労働大臣の発言に関連し、昭和四十二年度の労働省予算の概要について、労働省会計課長から説明を聴取することにいたします。労働省上原会計深長。

上原誠之輔労働大臣官房会計課長

○上原(誠)政府委員 お手元に配付いたしました資料によりまして、昭和四十二年度労働省関係予算の概要につきまして、御説明を申し上げます。  一般会計でございますが、ここでは石炭対策特別会計に計上されます炭鉱離職者援護対策費の五十億三千三百万円を含めまして、一千百二億円でございます。四十一年度に比較いたしまして八十六億五千万円の増となっております。  労災保険の特別会計は、歳入歳出ともに一千三百十五億六千七百万円でございまして、百三十六億六千八百万円の増でございます。  失業保険特別会計は、これも歳入歳出ともに一千九百五十億三千七百万円でございまして、百四十六億八千八百万円の増となっております。  次に、主要事項につきまして御説明申し上げます。  その第一は、長期的視点に立った積極的雇用対策の推進でございまして、二百五十六億三千七百万円を計上いたしております。前年度に比しまして十六億一千二百万円の増でございます。そのおもな中身の一つは、近代的労働市場の形成と中高年齢者の雇用促進に必要な経費でございまして、特に中高年齢者の雇用促進につきまして、二ページをごらんいただきたいと思いますが、職業転換給付金制度の拡充強化、人材銀行の新設、移転就職者用宿舎の大幅建設を行ないまして、中高年齢者の雇用促進の円滑化をはかることにいたしております。なお、雇用促進融資につきましては、二十億円増の百二十億円のワクで実施をすることにいたしております。なおまた、将来の雇用構造にかんがみまして、職業研究所の新設を予定いたしまして、用地の購入を行なうことにいたしますとともに、四十二年度から職業研究の調査の一部の実施に取りかかることにいたしております。  その次は、炭鉱離職者対策の強化拡充に必要な経費でございまして、本年に引き続き、来年度も雇用促進事業団の援護業務を充実強化いたしますとともに、特に自営対策措置の強化につきまして、拡充をはかってまいりたいと存じております。なお、緊急就労対策事業につきましては、事業費単価の改正をいたしまして、本年に引き続き実施をいたすことになっております。  それから、港湾労働対策の推進に必要な経費でございまして、九億二千八百万円を計上いたしております。おもな中身は、雇用調整手当の実情に即した改正を行なうことと、もう一つは、港湾労働者福祉施設の整備をはかることにいたしております。  次に、第二は、失業対策事業の改善でございます。三ページの下のほうでございますが、失業対策事業の改善につきましては三百六十八億六千七百万円を計上いたしまして、労力費単価を一三%アップ、それから事業主体の超過負担を解消することといたしまして、所要の予算を計上いたしております。  次に四ページの第三、労働力の質的向上対策の推進に必要な経費でございます。総額は前年度に比しまして十二億八千万円の増といたしまして百三億九千二百万円を計上いたしております。そのおもな内容の一つは、技能労働力の開発向上対策の推進に必要な経費でございまして、九十九億九千三百万円を計上いたしております。これによりまして、事業内職業訓練の助成援助の強化をはかるとともに、総合職業訓練所、一般職業訓練所、身体障害者職業訓練所につきまして、それぞれ増設、拡充をいたすことにいたしております。  次に、技能検定制度の整備と技能者の地位向上対策の強化に必要な経費でございまして、一億五千九百万円を計上いたしております。内容といたしましては、技能検定制度をさらに拡大実施いたしますとともに、技能者表彰制度の創設をいたすことにいたしております。なお、昭和四十五年度には技能オリンピックが開催される運びとなっておりますが、この開催準備の推進をはかることにいたしております。  六ページにまいりまして、第四は、労働災害防止対策の積極的展開と労働条件の近代化の推進に必要な経費でございまして、総額十三億五千二百万円を計上いたしております。中身といたしましては、安全衛生局の新設をいたしますとともに、監督、指導体制の整備を行ない、第三次産業災害防止五カ年計画を策定いたしまして、技術進歩等に対応する科学的労働災害防止対策の展開をはかることにいたしております。なお、労働災害防止会館の建設、安全衛生センターの設置によりまして、労働災害防止に関する啓蒙、教育指導及び自主的災害防止活動の推進をはかることにいたしております。  次に、七ページに参りまして、労働保険の拡充に必要な経費でございます。この関係では五十六億四百万円を計上いたしておりまして、昭和四十三年度より労働保険の全面適用をはかることにいたしておりまして、四十二年度におきましては、全面適用に伴う労災、失業両保険の適用徴収事務の一元化体制の整備をはかることといたしまして、その関係に必要な経費を計上いたしております。  なお、失業保険制度及び労災保険制度につきましては、それぞれ整備をすることにいたしておりまして、特に失業保険におきましては、八ページに書いてございますように、低所得者層に対する給付内容の改善、沖繩帰郷者等に対する失業保険給付の保障、失業保険受給資格者の就職促進の強化と給付の適正化をはかることにいたしておりまして、失業保険制度の改善に関しましては、二十二億六千九百万円の増ということで予算を計上いたしております。  次に、労働者の福祉の増進の施策でございますが、この関係におきましては、十六億三千五百万円を計上いたしておりまして、清酒製造業退職金共済制度の新設をはじめといたします労働福祉施設につきましては、大幅に拡大強化することにいたしております。労働福祉施設の設置促進に関しましては二億五千万円の増ということで予算を計上いたしております。  次に、恵まれない労働者層に対する対策といたしましては、身体障害者、出かせぎ労働者、家内労働者等に対する対策の強化をはかるほか、特に、大阪愛隣地区につきましては、その地区の労働者につきまして特別対策を講ずることといたしておりまして、愛隣労働福祉センターの設置、愛隣地区の公共職業安定所の新設、簡易宿泊所の設置等を考えておりまして、この関係では四億三千二百万円を計上いたしております。  次に十一ページでございますが、相互信頼関係の上に立った合理的労使関係の促進に必要な経費といたしまして、十億五千五百万円を計上いたしております。これによりまして労使間における信頼関係の基盤の育成、中小企業における労務管理、労使関係近代化の促進をはかることといたしております。  最後に婦人年少労働者対策でございますが、この関係では婦人労働力の有効活用対策、内職対策、婦人年少労働者保護対策、農村婦人対策等の諸施策を強力に推進することにいたしております。この関係で三億九千八百万円を計上いたしております。  以上簡単でございますが予算の説明を終わります。      ————◇—————

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 次に、豚コレラ汚染肉等に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 時間的制約もございますから、前もって御要望申し上げたいと思いますが、質問いたします私どもも能率的な質問をいたしますので、したがってお答えを願いまするそれぞれ関係各省のほうも、ひとつ的確なしかも簡明なお答えを願いたいと思います。  病菌豚の密売事件というものがだんだん発展をしてまいりまして、きのう、おとといの新聞等によりますると、いわゆるハムメーカーにまで、この事件というものが波及をしてまいったところでございます。ところがこの問題は御承知のように国民の食生活、国民の食卓と直接関連がございますし、さらにまた御承知のように一歩誤まりますれば人命にも関係する重大な問題でございますから、そういう意味では一つの人道的な問題だとも思うわけでございます。したがって消費者である国民というものは、この問題に対しましては非常に大きなショックを受けてまいっておると思います。そこで私どもは、こういう国民の不安というものを、特に食生活というものは日常生活に欠くことのできないことでございますから、そういう意味でこの食生活におきまする不安というものを一刻も早く解消しなければならぬ。特に今度の問題というのは、御案内のように単に東京都内の問題ではございません。関東一円から、さらには関西、ことにきょうの新聞等を見てまいりますと、京都にもこの事件が波及したといわれておりますし、また南方ではすでに九州の熊本でこの事件がいろいろ捜査されておるという現況でございます。しかも農林省の資料によりましても、大体昨年の一月から十二月までの一年間の、いわゆるワクチンに使用いたしまする豚の頭数というものは、一万五千百二十一頭といわれておるわけですから、そこでこの問題というものは非常に広範囲にまたがっておる。私はそういう杞憂を持つ一人でございますし、したがって国民もそういう意味で非常に大きな不安と心配を持っておると思う。きょうはそういう国民の食生活におきまする不安というものを解消するのだ、そういう意味でひとつこの審議を続行してまいりたいと私どもは念願をするものでございます。  そこでこういう現況に立って、それぞれ直接関係ございまする農林大臣なり、厚生大臣というものが、一体どういうふうにお考えになっておるのか、まず私は率直な御所見というものを承っておしきたい、かように考えます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御指摘のような事件が起きましたことは私も残念に思っておる次第であります。  御承知のようにワクチンを製造いたしますために使います豚が、ただいまお話しのように大体一万五千頭ほどあるわけであります。これは常にあとで焼却、埋却するということになっておるわけでございますけれども、その焼却、埋却をいたしますほかに、河野さん御承知のように、資源の有効利用ということで、化製工場で油脂その他の原料に使うことも許されておるわけでございますが、今般このような事件ができてまいりましたので、厚生省、農林省相談をいたしまして、この処分について取り扱いを厳にいたしますように、厳重な通達をいたして今日に至っておるわけであります。概略そういうことでございます。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 ワクチンを採取いたしました残骸の豚が、正しい処理もされず、正しい消毒もされずに、不正なる方法でもって町へ流れ出まして、それが食肉となって販売され、またハム、ソーセージ等の加工の原料になっておるというようなことは、これは河野さん御指摘のとおり、国民の衛生、保健上まことにゆゆしい問題だと思っております。私どもといたしましてはこの現実に立脚いたしまして、さような不正なる肉が食用に供されるというようなことにつきましては、これはでき得るだけすみやかにさようなことのないように中絶をしなければならない、かような意味におきまして、町に出ておるなま肉あるいはそれによってつくられた加工品というものは一日も早く回収して廃棄をするというようなことをやらなければならないと考えまして、全力をあげてその方向につとめておるわけでございますが、さらにまた、こういったようなことに相なりました原因を徹底的に追及いたしまして、そして、あるいは制度の上に欠陥があるのか、また非常に人間のモラルにも関係があることでございますが、そういう不道徳なことをやることのできるといったような仕組みになっておりますれば、これはどうしてもそういうことがやれないような仕組みに持っていかなければならない、かように考えまして、とにもかくにも現在出ておるものを回収、廃棄するということと、再びかようなことのないように原因を追及いたしまして、そしてこれに対して適当なる措置を講じていかなければならない、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この問題は先ほど私が御指摘を申し上げますように、事間違えば人命にも関係する重大な問題でございます。しかも日常の国民の食生活、食卓と直結をする問題でございますから、そういう意味で私はこの問題はきわめて国民にとっては深刻な問題であり、またわれわれ消費者にとってはきわめて重大な問題だと言わざるを得ぬと思うのでございます。なるほど、いま農林大臣からお答えをいただきました。厚生大臣からもお答えをいただきました。ところが、もうすでにこの問題の根本的な原因というものがどこにあったかということは明らかな事実です。私は、むしろ今日の制度というものが前近代的な制度で、そういう前近代的な制度であったがために今日のような不祥事件が起きた、こういうように判断せざるを得ないと思うのです。特に私どもは今日重要視いたしておりますのは、たとえば、肉がだんだん高い。そこで安いほうの豚ということで豚を国民、消費者というものが歓迎をしたところが、その安い豚は病菌豚であった。こういうことで私は全く消費者である国民というものはいいつらの皮であったというのが今日の実情であったろうと思うのです。ところが、国民の食生活というものがだんだん向上してきて、今日肉食というものが日本の国民の食生活の中で非常に大きなウエートを占めておるというのが現況であるし、したがって一方におきましては、そういうように国民の食生活が改善をされて肉食というものが非常に大きなウエートを持ってきて、食肉業界もそのために業績というものも伸びてきた、こういういきさつもある。ですから私はやはり、いま御指摘を申し上げましたように、今日おそらく、今度の不祥事件を起こした根本的な原因というものがここにあるというようなことを無視してこれをうやむやの中に解決をするといたしますれば、いま申し上げまするように、肉を食べる生活内容というものが非常に大きな比重を占めてきておるわけですから、今後もこういうような不祥事件というものを繰り返すおそれというものがあると思うのです。  そこで私は、農林大臣が閣議の席上でこの抜本的な法の改正をやらなければならぬかわからぬというふうなお話もされておることを仄聞をいたしております。やはりここで一番重大なことは、一体どこに原因があったか、ここを確認していくということが問題の抜本的解決となる非常に重要なかぎを握っていると私は思うのです。そういう点について、それぞれ農林大臣あるいはまた厚生大臣はどういうふうにお考えになっておるか、あらためてひとつ御見解を承っておきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、ワクチン製造の用に供されました豚は焼却、埋却すべきものである、こういうことは申し上げたとおりでありますが、家畜防疫員というのがございます。これは各県知事の下におります、県の職員でありますが、この家畜防疫員の指示に従いまして、いま申し上げました化製を行ないまして、そして油脂や肥料、飼料などを製造する用途に用いられるということは、制度上今日まで開かれておるわけであります。このような利用の道を開いておりましたのは、さっき申し上げましたように、材料の動物量が相当量にのぼる、つまり二万五千頭もあるのでありますから、これを廃棄することは資源の有効な利用をはかる観点からいかがであろうかという考え方によりまして、こういう制度を認めておるわけでありますが、ただいまお話しのように、これは国民生活または家畜衛生の見地から見まして十分な措置をとることを前提としてその利用を許容いたしておるものでありますにもかかわらず、今回のような不祥事件が発生いたしましたことは、まことに私どもは遺憾千万であると存じております。  そこで、御存じのように、ただいま当局の調査が行なわれておる最中でございますので、この捜査を待って厳重な処分を検討いたしたい、こういうことを私は他の席でも申したわけでございますが、いま御指摘のようにワクチン工場から化製工場に至ります過程においてどのような方法で犯罪が行なわれておるかということは、ただいまいろいろな捜査の結果、やがて明確に出てまいるだろうと思っております。これを見て対処いたしたいと思っておるわけでありますが、このような不祥事件が再発することのないように、先ほど申し上げました、先般都道府県に、農林省の方針を厳重に指示いたした次第であります。それは、ワクチン製造に供された動物、特に豚については、今回の事件にかんがみて、原則として焼却または埋却し、利用はしないというたてまえをとることにいたしたわけであります。しかし、御存じのように、現実にはまだ設備の関係等もございまして、この原則を貫きがたい場合もございますので、利用する場合はその消毒、運搬を厳重にするとともに、報告、検査を厳重に行なって、事件の再発防止を期しているわけであります。その中間ではやはり文書によって正確にその授受を証明いたすようなことも督励いたしておるわけでありますが、消毒につきましては、死体は最終的には焼却、理却または化製することになっておりますから、そのような最終的な処理が行なわれるまでの間において病原体の散逸を防止することをもって足りると考えておったわけであります。具体的には石炭酸水またはホルマリン水等に二十四時間以上つけておくように指示をいたしておりますし、従来もそのように指導はいたしておったわけでありますが、材料豚を利用する場合に、家畜防疫員が家畜伝染病予防法施行令第三条に基づいて行なう指示において具体的に示させることといたしておるわけでございます。  今日までの過程、それから私どもがそれぞれ厳重に指示をいたしました事柄、それからいまお話にもございましたようにただいま捜査にのぼっておるわけでありますから、その捜査の経路を詳細に調べることによって穴はどこにあったのであるかということを突き詰めて、さらに善処いたしてまいりたい、このように考えておるわけであります。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 農林大臣がお答えを申し上げましたとおり、いま捜査の過程にございまして、完ぺきにこれが原因であるということは、あるいは私がいま申し上げることのほかに生じてくるかもしれませんが、今日まで私どもが調べたところによりますと、原因を申し上げるにあたりまして、ワクチン製造所と斃獣処理場——これは化製工場の前に斃獣処理場という一段階がございます。その関係を申し上げますと、これが全部の原因ではあるいはないかもしれませんけれども、原因の所在がややおわかりになるかと思いますが、こういうことでございます。  現存のワクチン製造所はほとんど郊外の閑散地に立地しておりますので、廃豚——残骸でございますが、原則どおりこの廃豚の焼却、埋却処分をその製造所内でやっておりますと、これは閑散地でございますので、公害を起こすおそれはまずないものと見てよろしゅうございます。しかし、何にいたしましてもスケールが小さいし、焼却、埋却をする十分の施設がないというようなことで、これを斃獣処理場へ持っていかなければならない、こういうような状態にございます。そこで斃獣処理場へ持っていく、つまりワクチン製造所の門をくぐって外へ出る場合には完全なる消毒をしなければならない、こういうことに相なっておるのでございます。それは、そういうふうに適正に消毒して斃獣処理場に引き渡すように指導いたしておるのでございますけれども、一方、斃獣処理場の処理業者は、単にワクチン製造業者からではない正規の屠殺場あたりから、きわめて多量にこういったような動物の残骸というものを受け入れておる状態にあります。そういたしますと、屠殺場からくる残骸というものは非常に多量であり、斃獣処理場からくる残骸というものは、これに比べまして非常に少量である。そうすると、斃獣処理場も商売でございますから、多量のものは商売になる、少量のものはやっかいものであるというような気持ちが多少あるわけでございます。ことに加えて、屠殺場からいったものは、別に強い消毒といったようなことはやってない。ところが、ワクチンの残骸となりますと、正規の消毒をやれば、クレゾールで完全なる消毒をして、そして斃獣処理場へ引き渡されるということになるものでございますから、斃獣処理場としては、屠殺場からくるものは処理も非常にしやすいし、使いものにもなる。ところがワクチン製造所からくるものは少量ではあるし、全く鼻向けもならぬようなくさい消毒をしておって、非常に扱いにくいといったような苦情が斃獣処理場から出ることが間々あったようでございます。ワクチン製造業者がそういうことに動かされるということはとんでもないことでございまするけれども、そういう苦情に動かされまして、ワクチンの製造所側が若干そういった苦情に対して妥協的な態度に出たというような節もあるようでございます。さようなことで、完全消毒すべきものを、そこまでもいかずに、運送に当たる者にこれを渡した。これは結局、完全消毒をしていない、消毒の程度が非常に少ないということになりますと、幾らか、この残骸を何とかすれば、斃獣処理場へ持っていかないで、これを横に流すといったような可能性がそこに生じてきた。私は、これは全部の原因だとはここで言い切るわけにはまいりませんけれども、一つの原因ではなかろうか、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 先ほど大臣のお答えを聞いておりますと、すみやかに事態を把握して厳重に処分をしたいというようなお話もございましたが、いま若干厚生大臣のほうから核心の一端について触れられたような気もするわけです。と申し上げますのは、先ほど農林大臣からもお話がございましたように、ワクチンメーカーの死体の処理については、一つには、焼却をするか、あるいは完全殺菌をするか、それからもう一つは、化製場に送っていくという一つのルートがあることは御承知のとおりであります。屠殺場から斃獣処理場にいく間の経緯については、いろいろいま厚生大臣からお話がございました。それと同時に、やはり化製場にいくというルートが開けておる。ところが、斃獣処理場でいろいろと滅菌をされ、殺菌をされた動物が非常に敬遠をされるのと同じような理由というものが化製場にあることに私どもは着目をしなければならぬと思う。と申し上げますのは、ホルマリンあるいはクレゾール、昇汞、クロールカルキ、こういうような薬物で完全に殺菌をいたしますると、そのものは化製場において石けんの材料とか、あるいは肥料とかをつくるわけですが、そういうふうな材料をとることが非常に困難になる。ワクチンメーカーにおいて完全に殺菌をされ、消毒をされた場合には、化製場が引き受けても、それぞれ材料をとるために成果をあげることができない。そこでいま厚生大臣のほうからも、斃獣処理場で滅菌をした動物が非常に敬遠をされるという御指摘が一面ございましたが、それと同様に化製場においても敬遠をされる原因というものがいま申し上げますようにあるわけです。そこに私は、消毒を不完全にするとか、あるいは東京都の衛生局が発表いたしておりますように、全然消毒のあとかたがないとかいうふうな事態が起こってきておると思うのです。  なるほど、農林大臣がおっしゃっておりますように、資源の有効な活用、利用というようなこともあるかもわかりませんけれども、それは資源の有効な活用なり利用をするために人命というものが軽視されては相ならぬと私は思うのです。人命はどうなってもよろしい、まず資源の活用をやるのだ、それは戦時中のことならいざ知らず、今日の事態においてそういう考え方というものは私は全く相いれられぬと思うのです。ですから、いまたまたまいみじくも厚生大臣からもお話があったが、化製場という一つのルートがあるが、こういうルートのあるところに私は非常に大きな問題があると思うのです。ですから、こういう前近代的なルートがある制度のところに、私は非常に大きな今日の不祥事件を起こした根本的な原因があったろう、こういうふうに思うわけですが、その点はいかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいまお話のございましたように、化製場に至る間にいろいろな不祥な事件が起こっておるようでありますが、元来、私は今度のような不祥事件が起きないならば、一万五千頭以上にものぼるようなものは利用するほうがいいとは思います。けれども、そういうことの制度が完ぺきに行なわれる前提には、善意と信頼感というものが先行していかなければ不可能だと思います。ところが不幸にして今度の事件を見ますと、そういう善意と信頼を裏切って、そうして盲点をくぐって、ただいま御指摘のように不祥な事件が起こったわけであります。そこで先ほど申し上げましたように、原則として焼却、埋却をせよという厳重な通達を出しておるわけでありますが、そこで、ただいま各地で起こっております事件についての捜査当局の捜査の結果は、先ほど申し上げましたように、われわれが非常に将来の取り締まりに参考になるものが出てまいりますからして、それを見た上でひとつさらに適当なる手段を講じたい、こう思っておるわけでありますが、その間にもいま申し上げましたように、原則としては焼却、埋却は厳重にせよという通達はいたしておることは先ほど申し上げたとおりでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 農林省が次官通達で都道府県知事に対して、焼却をしなさい、またその設備を完全にやりなさい、そういうふうな指示をやられたことは、私どもも実は仄聞をいたしておるわけです。今日のような、国民が食生活について非常に大きな不安を持っておる、その不安を除却するためには、私はまず、一切焼却をしたりあるいは殺菌をして廃棄処分をするとか、そういう方策というものがとられなければならぬと思うのです。ところが、現実には、完全な焼却処分をする炉というものがないというのが今日の現状だと思うのです。あってもちゃちなもので、昨年一年だけでも、このワクチンメーカーに渡された豚の頭数というものが一万五千頭もおるわけですから、それらのうちのどの程度かわかりませんけれども、いずれにしてもばく大な、新聞によりますと一万頭、こういうことを言われておるわけですが、そういうようなたくさんな豚というものを廃棄処分しなければならぬ、焼却処分にしなければならぬということになりましても、いま申し上げまするように、それぞれの設備というものがない。そういうことになりますと、なるほど、この次官通達によって、都道府県知事に対する指示は行なわれるけれども、現実には、農林省の方針というものが実行されない、私はこういう現況にあるというのが今日の実情であるのではなかろうかと思うのです。  そこで、時間がありませんから、重ねて申し上げますが、たとえば焼却をするということになりますと、私は率直に申し上げまして、今日病菌豚ということが、世間では非常に強い関心を呼んでおるわけですが、こういう事態が起こってくる前に、臭気その他の公害問題というものが、社会問題として起こってきただろう。先ほど、厚生大臣は、非常に辺地にあるから、公害問題が起こらぬのだというお話もございますけれども、少なくとも、私どもがいろいろ事情を聞く範囲におきましては、当然焼却処分というものが大部分において行なわれたとするならば、今日の事件以前において、いわゆる臭気その他で困るという住民の公害問題というものが起こってきただろう、こういうことが実は容易に想像されるところです。そういうことになりますと、なるほど若干焼却をする設備があったかどうかわかりませんけれども、しかしながら、ほとんどが焼却をして処分をする方法というものがとられなかっただろうということは、私は、これはもう容易に判断のできるところでございます。  そこで私は、いろいろ通達を出したり、あるいはまた指示をなさっても、たとえば、厚生省がいろいろ小売り業者に対して指示をした。ところが、そういうものは一切買っておりませんというけれども、実際は買っておる、こういう事態も出てきているわけです。でございますから、私は、単なる一片の次官通達によってこういう不祥事件というものが防止できるという考え方は、いささか甘いのじゃなかろうか、楽観過ぎるのじゃなかろうか、こういうことを私は感ずるわけです。そこで、私は、そういう国民の疑問なり不安なりを除去するためには、やはりここで適切な御回答を願わぬと、いつまでたっても、私は、国民の不安というものは除去できない、こういうように考えますがゆえに、重ねてひとつお答えをいただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 厳重な通達が出される前に不祥な事件が行なわれておったことは御承知のとおりであります。そこで、私どもは先ほど来申し上げておりますように、捜査の結果、どこに穴があって、どういうところで不当なことが行なわれておったかということについて、詳細なデータがどうせ出てくるわけでありますから、その上に立って判断をしていきたい、こうは思っておるわけであります。しかし、その前に手をこまねいておるわけではありませんし、元来、先ほど来お話の出ておりますように、斃獣はすべて焼却、埋却することが原則なのでありますが、原則ではあるが、やはりこれを化製工場で利用することの制度も開かれておるというわけでありまして、その過程において不当なことが行なわれた。でありますから、いまは、先ほどお話し申し上げました家畜防疫員が厳重にその受け渡しについて処置をいたしまして、そうして、消毒ももちろん規定のように、ホルマリン等で二十四時間、これはいま御指摘がありましたように、密売するものを買い取るほうなどでは、話によりますと、その消毒をいいかげんにしてくれというような請託が行なわれたというようにも伝えられておりますが、それがそもそも悪いのであって、そういうことが行なわれないように現在は厳重にやっているわけであります。しかし多くの国民諸君が、やはり大量に使用される豚についての不安を除去し、また国民衛生的にも善処しなければならないのが政府の立場でありますから、われわれといたしましては、いままで摘発されておりますようなことが根絶できますように、とりあえず処置を講じていきたい、またそれをやっておる、こういうことでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いま御答弁を承ってまいりますと、制度よりも、要するにブローカーとかあるいは今度の加瀬グループあるいは佐藤グループというものがございますが、そういうような連中のやったことが悪い、すなわち善意と信頼感というものをじゅうりんをしたことが悪いのであって、制度そのものについては多くを触れられぬようでございますけれども、完全に殺菌をしたならば、たとえ化製場に送っても使いものにならぬ、これが現状です。そういうことでありますると、現在のこの家畜伝染病予防法によりますと、そういう化製場に送ることが可能なたてまえになっておるのが今日の実情です。ところが、いま私が御指摘申し上げまするように、基準どおりに消毒をすれば、たとえ化製場に送っても使いものにならぬとするならば、何もそういう制度は残しておく必要がないじゃないか。ですから、なるほど二面においてはブローカーその他が介在をして、三百円くらいの豚を一万円とか一万円以上の値段で売る、そうして不当な利潤を追求したということについても問題がございますけれども、しかしいま申し上げまするように、化製場に送るというルート、こういうルートの存在というものは、その基準どおりにやるとするならば無意味でございますから、少なくともその点については、制度というものが改善されるべきである。これはいろいろあると思います。これはいろいろあろうが、常識的に見ても、現在の制度そのものに、いま申し上げますように改善を加えなければならぬ、こういう点は私は明らかだと思う。  そこで、きょうは警察庁から御出席願っておりますから、保安局長からも、その実態について御見解をこの際聞かせていただきたい。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹政府委員 私ども、捜査に当たっておる者といたしまして、その捜査を通じてそういう事態が起こらないようにと、何か意見はないかと、こういうことの御質問でございます。これにつきましては、先ほど来農林大臣、厚生大臣からお答えがあったところとほぼ全く同様でございます。そういうワクチン製造所でワクチン製造に使われたような豚が食用に供されないように済む方法はないか。それにはもう焼却することが一番いいことでございます。焼却がどうしてもできないという場合には、消毒等の方法を講じまして、色あるいはにおいというようなことによって、それが食用に回されることがないということを講ずる、かように考えます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 関連。——端的にお尋ねしますので、明確に数字でお答え願いたいのですが、ワクチンメーカーは全国で何軒あるわけですか。それから各県ごとに、どこに集中してあるか、それをひとつ伺いたい。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 ワクチンメーカー、製造業者といたしましては七つございます。熊本市に一カ所、財団法人化学及血清療法研究所というのがございます。それから、東京都に四社ございまして、一つは、松岡科学研究所小金井支所というのが小金井市にございます。それから、北里研究所というのが東京都にございます。それから、日生研株式会社というのが東京都にございます。それから、日本ワクチン株式会社というのが東京都にございます。そのほか、微生物化学研究所というのが京都府にございます。それから、千葉県血清研究所というのが千葉県にございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 ワクチンメーカーが七つということで、数字がきわめて少ないわけでありますが、そうしますと、現在の焼却炉の設備、つまり焼却する能力というのが何ぼあるのかということが一つ。それから、現在一万五千二百頭の処理をされた豚のうち、何割が焼却あるいは埋却されていると把握をしておるか。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 現在焼却をいたしておりますのは、熊本の、先ほど申し上げました化学及血清療法研究所でございまして、それ以外につきましては、売り渡しをいたして、化製場に持っていっておるわけでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それであれば、先ほどからの河野委員の御質問の点が明確になってくると思うのです。つまり、焼却の設備があるのは熊本だけで、ほかはない、売り渡しておる、こういうことになれば、監督の方向というのはきわめて単純だと思うのです。明確にできなくちゃならないと思うのです。それがなぜ行なわれていなかったか、その点を大臣、ひとつはっきり言ってください。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまお話のございましたように、焼却、埋却のほかに、これを利用して化製工場で肥料その他の材料にすることができる制度ができておるわけでありますから、それに持ってまいりまする中間においてたぶんいろいろなことが行なわれた、私どもはそのように見ているわけでありますが、そこで、今度は、先ほど申し上げましたところの厳重に通達をいたしましたというのは、ワクチンメーカーから化製工場には第三者の手を経ずにじかに届けろ、こういうことを言っているわけであります。そして、そういうことにさえなれば、御承知のように、ワクチンメーカーの七社というものは、信用のありますかなり大きな会社ばかりでありますから、この責任において直接化製工場に送り届けて、そこで書面による領収をいたしておれば、中途においては犯罪の行なわれる余地がないのではないか、こう思いますので、そのようにせよということを厳重に通達いたしておるわけであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いまの大臣の答弁では納得できないと思う。あなたは、結局ワクチンメーカーから化製工場に行く間にいろいろ問題があるとおっしゃるけれども、ところが、たとえ化製場に行くまでの間においていろいろなブローカーその他が介在しないでも、ワクチンメーカーから化製場に行った場合に、完全な消毒をした場合には使いものにならぬと言われるわけです。これは学者のことばによるとそういうことですから、そこで、私は、そういうルートというものは必要ないのじゃないか、こういうことを言っているわけです。そうすると勢い、これは、焼却をするか、あるいはまた、先ほどの警察庁の話ではございませんけれども、完全殺菌をするか、もうその道だけしか残っておらぬのです。ですから、いまの大臣の御答弁では、私は全く納得いきません。  そこで、時間がございませんから、その点に関連して倉石さんにお尋ねをしておきたいと思いまするが、今度逮捕されました佐藤グループ等の状況によりますると、単に今度の場合のように病菌豚に限らず、いわゆる血清牛、すなわち病菌牛ですね。馬もいろいろ言われておりますが、こういうふうな人間のワクチンメーカーについても、そういうような密売というものが行なわれているのじゃないかということが実はいろいろ取りざたされているわけであります。これは新聞紙上等でも報道されております。病菌豚もきわめて重大でごさいまするけれども、血清牛なり血清馬——こういうふうな病菌牛や病菌馬というものがもし密売をされて、そして国民の消費者の台所へ回っておったということになりますれば、これは人間の場合でございまするから非常にたいへんなことだと思うのです。こういうようなことが取りざたをされて、国民は非常に大きな不安というものを感じておると思いまするが、その点は一体いかがでございますか。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 ちょっと河野さん、私の答弁申し上げたことについて誤解があるといけませんから申し上げますが、使いものになるかならぬかということについては、客観的には、これは使いものにならぬ、私はこう申し上げたのではない。たとえば、骨だとか、あるいは皮だとかといったようなものは、私は、おそらくは、病菌豚といえども化製場で使いものになるのだと思います。ところが、化製場のほうでは、これは使いものにならないのだ、こんなに消毒したものは使いものにならないのだという言いがかりといいまするか、苦情といいまするか、それをつけて——私はこれは実際は知りませんけれども、ここで想像すれば、使いものにならぬのだからひとつまけておけとか、そういうことがあるいは行われるかもわからない。客観的に使いものにならない、こういうふうに申し上げたのではないことをひとつ御了承願います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 その点は、大臣がおっしゃったから申し上げるのではなくて、私は、いろいろ学者の意見を聞いているのです。学者の意見を聞いておりますると、完全に殺菌した場合は、化製場に送っても、あるいは骨の一部は利用されるかもわかりませんけれども、大部分は利用価値というものがなくなってしまう、こういうことを言われておるわけです。そこで、戦時中ならいざ知らず、今日のような物資が多くなった時代に、それほどまで人命を軽視して、そういうような化製場においての活用をさせることがいいか悪いか、この点については非常に疑問があるということを私は御指摘を申し上げておるわけです。ですからその点はそういうふうに御理解をいただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど私のほうで通達を出しました。そのときに指示をいたしましたのは、ただいま焼却場を持っておらないほかの会社について、大急ぎで焼却の設備をせよ、こういうことを言いまして、各会社ともそれに応じて、ただいまそれに着手をいたしておるわけであります。  それから他の動物の伝染病のことについては、政府委員のほうから申し上げます。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 動物用のワクチンや血清等の、いわゆる動物用の生物学的製剤の製造のために利用されております動物は、これは豚だけでございません。牛や馬やヤギ、その他ハツカネズミ等の小動物がございます。これらの材料動物でありまして、動物の伝染性の疾病を広げるおそれのあるものの死体の処分につきましては、薬事法だとか家畜伝染病予防法によって各種の規制が行なわれておるわけでございますが、現実に動物の伝染性の疾病を広げるおそれのあるものは、豚コレラワクチンの製造に用いた材料豚が主体でございます。他の動物については、このようなおそれのある場合はまれでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 人間の話をしておる。厚生省、答えなければ……。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 人体用の生物学的製剤に使用しました動物の利用方法でございますが、これは動物用のワクチン等とほぼ同じ考え方でございます。ただ、私どものほうの人体用のワクチン等につきましては、必ず焼却するということが現在の法文上も原則になっております。したがいまして、ただいま御指摘のように、人体用のワクチン等の製造に利用した動物の処理状況が、昨今の問題になっていると同様の事態があるんじゃなかろうか、こういう御意見のように承ったわけでございますが、私どもとしましては、人体用のワクチン等に使います動物につきましては、先生御存じのように、マウスとか、あるいは卵とかウサギとか、そういうものが大部分でございまして、ごくまれに牛、馬がございます。これは現在使用しておりますのは年間大体百頭くらいでございます。したがいまして、大部分のものは、人体用のワクチン等に使用するものはいわゆる小動物でございますが、これは現在の人体用の製造ワクチンメーカーのほぼ大部分のものが焼却施設を持っております。したがいまして、そういう小動物については大体焼却をしてきておる、こういうふうに全国的な調査ができている、こういうふうに考えているわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 佐藤グループが血清牛についても密売をやったというふうな話が取りざたをされておる。私はそういう話を聞いて、さもありなんという感じを持ったのは、なるほど、いま局長おっしゃったように少数かもしれぬ。少数かもしれぬけれども、たとえば牛は種痘とかはしか、馬はジフテリア、破傷風、ヤギは狂犬病、サルは小児麻痺、こういうふうに大きなものでも使っておるわけです。しかも豚コレラと違って、人間の場合は菌そのものが非常に影響を持ってくる。たとえば破傷風とかジフテリアとか。ですから私は、たとえ少数であっても、それが密売をされた場合の影響力というものは、もちろん豚コレラも大きいけれども、さらにそれ以上大きな影響を持っておると思う。しかもあなたは大体小動物は焼却したというお話でございますけれども、人間のワクチンメーカーというものは、国立大学も含めて十三カ所です。それでは国立大学で、たとえば牛を殺したり馬を殺して焼却をいたしますか。そこで私は、もしそれらのところで焼却をしておれば、当然公害という問題が新たに発生しておると思う。最近衛星地域で非常に問題になっておりますのは、たとえば魚の臓器等を処理いたしまして肥料をつくっておる。ところが、そういう肥料工場の一帯は、数キロにわたって悪臭が生じてまいりまして、何とかして取り締ってもらいたい、こういうふうな世論というものが非常に強く出てきておる。ですから、国立大学をはじめとして、十三カ所の人間のワクチンメーカーの中で、もしそういう焼却処分ができておったとするならば、私は新たに公害という問題が発生しておらなければならぬ、こういうふうに思うわけです。そういう問題が全然出てこなかったならば、私は、少数なりといえどもそういうふうな重要な意義を持っておる血清牛なりあるいは馬なりが、人間のワクチンメーカーからもこのブローカーを通じて密売をされたのじゃなかろうか、こういう見解を持たざるを得ぬと思う。ですから新聞ではすでにそういうふうな捜査が始まったというふうなことが報道されておる。ところがどうも厚生省は、そういう国民の不安、杞憂というものについて神経が鈍いような気がする。もう少し真剣に国民の不安にこたえ、また国民の心配にこたえるだけの態度が必要だと思う。これはどうですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 おことばを返すようでございますが、国立大学では、私のほうの人体用につきましては、大阪大学がやっております。大阪大学の研究所は四国のほうの香川県の観音寺にございます。したがいましてここに焼却炉が二基ございます。でございますので、そういうようなわけで、国立大学といえども焼却施設というものは二基持っておるわけでございまして、私どもの調査では、完全にそういうマウス等の小動物は焼却しておる、こういう報告をもらっております。しかしながら、ただいま御指摘のようなこともございますし、また昨今の事故もわれわれは大いに参考にせざるを得ないわけでございますので、今後、今回の事件を契機としまして、完全に焼却をするということを基本原則にすることで、現在十三のワクチンメーカーとつい四、五日前に完全了解ができましたので、近くこの点を全国的に必ず実施するようにという通達も出すつもりでおるわけでございます。したがいまして、今回は動物用のワクチンでございますが、人体用のワクチンにつきましても、御指摘のようなことが今後起こり得るかもしれぬというような点を十分考慮に入れまして、完全焼却ということを基本原則にするよう今後指導してまいりたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 認識が浅いと思うのです。それは、私ども大学で十年経験をしまして、そして動物実験したあとどうするかという経験がございます。ですから、あなたが焼却炉を持っておるからやっておるんだという前提に立たれることについては、非常に危惧があると思う。また、私いま申し上げましたように、焼却する設備があることは当然望ましいわけですが、それならぼ完全に焼却というものが実施をされたかどうか。この点は非常に大きな問題だと思う。しかもすでに捜査当局では、佐藤グループがこの血清牛、いわゆる病気の牛、そういうものを密売したというようなことを言っておるというふうな報道もなされておるわけですから、そういう意味で、やはり豚の場合もそうですけれども、それ以上人間の場合は大きな影響力を持っておりますね。ですから私どもは、そういう意味でこの問題を非常に重要視いたしておるわけです。時間がございませんからこれ以上は言いませんが、その点について警察庁から、御出席ですから状況を御報告願いたいと思います。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹政府委員 豚につきまして、御承知のとおり品川警察署でこれを検挙しまして、この状況を、私のほうで全国の豚についてのワクチンメーカー及び所管の熊本県あるいは京都の警察等に連絡しましたが、現地ではこの容疑事実があるということで、豚については京都あるいは熊本等でも検挙いたしております。同じようなことが、あるいは先生御指摘のように人体ワクチンについてもあるのではないかということも十分考えられますので、私どもは今度の豚についての事案の概要をそれぞれ関係のある県に連絡をいたしております。ただ、各県でいろいろ内偵いたしておりますが、御指摘のような容疑は、いままでのところございません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 それはいま警察庁から御報告がございましたように、その疑いがあると言っておるのです。だからそれ以上に、厚生省は直接この問題を所管する監督官庁ですから、私はもう少し真剣な態度で臨むべきだと思うののです。時間がございませんからそれ以上多く申し上げません。厳重に私は警告をいたしておきます。  それから問題は、今日の行政上に私は非常に大きな欠陥があるだろうと思うのです。それは一つには薬事法がございます。一つには家畜伝染病予防法がございます。それから食品衛生法がある。こういうようないろいろな法律が多極多岐にわたっておる。それに基づいてそれぞれまた所轄官庁が違う。それからもう一つは、監督をする側から申し上げますと、薬事監視員がおりますし、環境衛生監視員がおります。それから食品衛生監視員がおるし、これがまたそれぞれ所管が違っておる。そういうふうな監視機構というものがてんでんばらばらであるというのが今日の現況だと思うのです。そういう監視機構というものをもう少し有機的に活用したならぼ、あるいはまた監視機構というものを一元化したならぼ——要するに、今度の事件というものが厚生省と農林省の所得の谷間でできたというふうな議論もあるわけですから、そういう意味で、監督行政あるいはまた監視機構、そういうものの強化をはかっていくとともに、その有機的な連携というものを強めていく必要があるのじゃないか、こういうことを私は考えるわけです。やはり先ほど申し上げましたように制度上の欠陥もございます。それからまたもう一つは、いま申し上げるような制度もある。しかしその機構というものがてんでんばらばらに行なわれてきた。もちろん、環境衛生監視員が非常に少ないとか、あるいは食品衛生監視員が非常に少ないとかいう問題もございます。そういうもろもろの欠陥というものが今日の一つの大きな不祥事件になってあらわれてまいった、私どもはこういう指摘をせざるを得ぬと思うのです。そういう意味で、時間もございませんから、総括的な御見解を農林大臣と厚生大臣からお願い申し上げたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいま家畜のことについて農林省は考えております。家畜の増産ということはもう緊急な仕事でございます。これにうんと力を入れておるわけでありますが、そうい立場で家畜の生産の増大をはかってまいります過程において、私どもは、この家畜が病気にならないように、健全に発育してまいるということについての所管をやっておるわけでございますが、一方において、今度は各種の食品衛生のほうになりますと、御承知のとおりこれは私どものほうの所管ではないわけでございます。その具体的な方法につきましては、今回の事件の実態や、最近におけるこの畜産の状況等を十分に見きわめて、早急に検討する考え方でありますが、ただいまのところで、私どもが直ちに組織の一元化をはかることはどうであるか、こういうことでございますれば、いろいろな事件が起きないように政府部内で協力することは、もちろんこれから大いにやらなければいけませんが、組織を一元化するというところまでは考えておらないのであります。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 だんだん御質問をちょうだいいたしまして、原因の追及からどうすればいいかということに相なってまいったのでありますが、私見を申し上げますと、ワクチン製造場で使った残骸というものを全部完全に焼却するなり埋却するなりということをいたしますならぼ、これは完ぺきだと私は思います。ちょうどハチの巣へ持っていって袋をかけるといったようなもので、ハチが外へ出てからとなりますと、なかなかハチの絶滅はむずかしい。それで完ぺきだと思います。だがしかし、それをやるためには、現在のこのワクチンメーカーの施設が十分ではなかったり、あるいは河野さん御指摘のとおり、そういうことをやるとその地域一帯にわたってあるいは公害が起こってくるかもしれない。それからまた農林大臣が言われておりますとおり、一万頭の豚の資源というものも、これは人間の健康や衛生に比べれば、河野さんおっしゃるとおりの比較にならないものだと思いますけれども、もしかかる不祥事が防げるとするならば、そういったような資源もこれは利用していくのが当然だと思いますから、そういったような各角度から見まして、これをワクチンメーカーのところで完全にふろしきをかけて遮断してしまうということが、いろいろな観点で今日ただいまできないということになりますならば、御指摘のとおり、この監視員というものがいま決して十分な陣容だと私は思いませんので、監視員を非常に増強するとともに、農林省なり厚生省なりがこれを有機的に動かすというような仕組みをつくりまして、そうしてワクチン製造場から出るときには、これはもう絶対に危険のないものだ、絶対に完全消毒したものだということも、その監視員によってやらすということが当面の方法ではなかろうか、私見でございますが、申し上げます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 関連して御質問申し上げます。  いま捜査当局のほうでは、ハムやソーセージメーカーを通して相当広範にこの問題が出ておるということですが、そうすると、特に関東近郊では、先ほどの答弁からいっても、相当個所も多いわけですし、そういう製品が市場にはんらんをしているというふうに私は思うのです。それで、これは御承知でしょうけれども、と畜検査規程の第七条なり、あるいは食品衛生法の第五条によりますと、こういう製品が出回った場合には、これを食用に供してはいけないし、陳列してもいけないというふうになっております。したがって、いまそういう病原体を持つような肉がハムなりソーセージになって、しかも市販をされておる、この現状に対して厚生省なりあるいは関係当局ではどういう処置をとられるのか、そのことを聞きたいと思います。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 ただいま豚肉関係の、不正な食品が一般市販に流れ、国民に非常な不安感を巻き起こしているといった事態は、私どもとしてきわめて重大視しておるところでございまして、一刻も早く国民の不安を取り除く必要がある、かように考えておりまして、今回の事件発生以来、衛生当局では捜査当局と密接な連絡をとりつつ、事態の判明次第、汚染肉、その加工品並びにその疑いのあるものをも含めまして、直ちにその販売停止を行なっておる次第でございまして、今後といえどもできる限り不正な肉並びにその製品が市販に絶対に流れないように努力をしてまいる、かような覚悟でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで結論的に申し上げますならば、私は、こういう不祥事件というものが再び繰り返されない努力をやっていかなければならぬ、それがきょうの委員会の審議における非常な意義だと思います。そこで、すみやかに事態の真相というものを究明されることが大事でしょう。その真相というものがすみやかに究明されたならば、この際私は、農林大臣がおっしゃっておるように、抜本的な対策を立てる意味において、あるいは立法措置なんかも当然お考えを願いたいと思うのです。そして少なくとも今日これだけ国民が騒いでおるわけですから、不安を持っておるわけですから、そういう不安というものをこの際一掃する意味においても、私は徹底的な——一部の業者や一部のブローカー等の利益のためにいろいろ手をゆるめるのではなくて、国民の世論にこたえる、そういう意味において私はやはり抜本的な対策を立てられる必要があろうと思うのです。そのために、一方においては監視員の強化をするとか、いろいろな面もありましょう。いずれにいたしましても、このあやまちを将来再び繰り返さないようなそういう措置というものを当然購じなければならぬと思うのです。そういう意味でそれぞれ一言大臣から御見解を承っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいまお話しのように、捜査当局の結論を見まして、どこにそういう欠陥があったかということをつまびらかにいたしました上で、政府といたしましては、このような不祥事が再び出てくることのないように対処いたしたい、こう思っております。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 農林大臣と同様に考えております。

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 八田貞義君。

八田貞義自由民主党

○八田委員 時間がないそうでありますから、簡単に質問を申し上げます。  日本経済新聞の三月十八日付の新聞に載っておりますが、「今度の事件が消費者に不安を与えた原因は、食肉販売業者、加工メーカーが食肉ブローカーから素性のわからない食肉を購入したことにある」というふうに書いてございます。これで私、やはり今度の原因になった問題の豚肉が、素性がわからないというふうに書いてあって、また新聞紙上でも血清豚とかあるいは病菌豚というふうな名前で呼んでおるようでありますが、こういった点をはっきりしていきませんと、国民の不安を非常に増大してまいると思います。そこで農林省の担当局から、この問題のワクチンの製造法についてここで明らかにしてもらいたいと思います。

高村礼農林省畜産局衛生課長

○高村説明員 それでは豚コレラの予防液の製造方法の概略を申し上げます。  豚コレラは豚固有のものでございまして、この豚固有の豚コレラの予防液のためには、豚を使いまして、豚に感染させた血液を不活化いたします。不活化というのはビールスを殺すわけでございますが、いわゆる死毒化いたすわけでございます。その際に用います動物は、一般に現在経済的に流通しております豚と異なりまして、健康なヨークシャー種に限って用いております。それでこの生産地は長野、埼玉、福島というようなところに限定して生産いたしております。この限定されましたヨークシャー種を十分に健康診断をいたしまして、メーカーによって規模は違いますが、十頭あるいは数十頭ずつ一括いたしまして一週間の健康検査を行なっております。そしてすべて健康なヨークシャー種に限りまして豚コレラのビールスを発病するだけ接種いたします。そういたしまして、接種いたしますと二、三日して発熱を見るのでありますが、その発熱、発病が極期に至ります六日、八日に至りまして、完全に頸側部から衛生的な方法によりまして採血を行ないます。からだじゅうの血液を全部とりまして、これを無菌的に処置し、今後ワクチンに使うわけでございますが、この結果豚は死ぬわけでございます。こういうふうにして死んだ豚が現在問題になっているわけでありますが、ワクチンの製造方法からいきますと、この豚は、その後おおよその製造場におきましては、流れ作業によりまして必ず消毒槽に一度は入るわけでございます。その後の豚の問題は、先ほど申し上げましたような経過でございます。  一方、採血されました血液は、冷却水槽で冷やしまして、その後、脱繊をしまして、クリスタル・バイオレット・グリセリンというものを加えまして、いわゆる不活化、死毒化いたすわけでございます。その後は、そのものを十分にふ卵器に入れまして、一定時間をかけまして処理して製造いたすわけであります。  以上でございます。

八田貞義自由民主党

○八田委員 いまの説明は少し長過ぎて時間がなくなってしまいますが、要するに病毒ビールスを注射をして、そうしてその不活化ワクチンを使うわけですね。そうしますと、豚コレラ症は御承知のようにビールス性の疾患でありますが、病原的には豚コレラビールスと細菌の豚コレラ菌との二つによって一般に豚は倒れるのであります。今回の場合は豚コレラの病毒、ビールスを健康豚に注射しているのです。したがってこういう場合は血清豚とか病菌豚というふうに呼んではならぬわけであります。こういった点の啓蒙は私は役所において必要であろうと思うのです。ただ新聞でかってな名前をつけるからそれでいいのだというようなことで、役所は拱手傍観してはいけません。こういう真相をあなた方はマスコミの方々によく伝える必要があるのですよ。しかもいまお聞きしますが、一体豚コレラビールスは人間はかかりますか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 お話のように、この問題について誤り伝えられるおそれがございますので、この際私どもの考えを明確にいたしておきたいと思います。  今回出ております、豚コレラビールスを植えつけ、ワクチンをとった残りの豚は、なお豚コレラビールスは残っておるかもしれませんが、しかし豚コレラビールスは人に病原性はございませんので、その面からは人に疾病を発生する状態にはございません。それから、ただいま農林省からお話がございましたように、ワクチンを植えつける前に、十分健康を調べて、健康な豚だけを材料に使うということでございますから、この面からもこのビールスによる疾病以外の疾病を持っておる余地はほとんどないわけであります。ただ、正規の屠場の検査を通っておりませんので、その点の懸念はございますけれども、全般的には以上のような状態でございます。

八田貞義自由民主党

○八田委員 非常にその点が明快になりましたが、ただ、いまあなたの言われた人間には感染しないというのはWHOの見解であって、これはまだ学問的にも人間感染実験をやっておりませんから、はっきりしたことは言えませんが、WHOの見解として、今日、人間にはかからない、心配ないのだ、こういうふうな見解があるわけですね。ところが豚コレラ菌の場合はそういかないわけでしょう。それで私は新聞を見てみましたら、これはどういうところから流れてきたか知りませんが、今度の血清豚とか病菌豚といわれる豚から炭疽菌とか豚丹毒菌とか溶連菌とかサルモネラによるところの病気が起こるだろう、こういうふうなことが新聞に書いてあるのですね。ところがいまお話しのように、健康な豚に対して病毒をさすのですから、そういった心配はないわけなんですね。こういった心配が新聞に載るというのは、密殺したいわゆる切迫屠殺豚ですね、そういったものが流れているのじゃないだろうかという心配があるのですか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 私どもとしては、そういう懸念の意見を持っておるわけではございません。ただ処理した場所が正規の屠場でございません。自分のうちへ持ち込んで不衛生なところで取り扱っておりますので、そういうところで汚染される余地はあり得るということは懸念せられますけれども、一般的には先ほど御説明したとおりでございます。

八田貞義自由民主党

○八田委員 その点は議論になるからやめますけれども、豚丹毒菌とか炭疽菌なんというものはちょっと考えられないですよ。こういうものが新聞の記事に載るということは非常な不安を与えますよ。こういう方面はやはり厚生当局、農林当局で十分にマスコミに伝えて不安がないようにすべきだと思う。  それから農林省のほうにお伺いしたいのですが、消毒をして、そうして化製工場とかあるいは斃獣処理場のほうに持ってくる、こういう説明があったのですが、これは一体消毒薬によって消毒されるというお考えなんですか。こういったあげられたホルマリン水とか石炭酸水とかいうもので消毒ができますか。

高村礼農林省畜産局衛生課長

○高村説明員 御説明申し上げます。当方での消毒の考え方は、化製場で完全に煮沸その他で消毒されるということを前提にいたしまして、製造所から化製場の間の輸送に間違いがないようにという範囲内での消毒で可なりという解釈があるわけでございます。そういう意味で密閉した箱に入れる。さらに念のために消毒を十分に体表その他表面に浸しまして、あとは化製場の中で煮沸されるということで完全に消毒が終わる、こういうふうに考えております。

八田貞義自由民主党

○八田委員 時間がないそうですからやめますが、この消毒の場合、こういったものでは表面しか消毒できませんし、そして筋肉の中にある豚コレラビールスが、そういった表面だけにしか作用しない消毒薬で消毒できるという考え方は、非常に誤りです。ですから私がお伺いしたのは、こういった規定をつくられるときには、この肉は絶対にほかの人間には供しないのだという意味で薬のにおいをつけるのだ、そのくらいの考えでもっておやりにならないと、実際次の問題がどうしても起こってまいりますよ。これは消毒薬をすれば完全消毒になるのだという考えになってまいりますと、非常な危険が起こってまいります。表面しか殺菌されない、決して内部のほうに入らぬですから、そういった考えをもって今度のいろいろな処理場の問題、制度の改善問題について十分に御検討願いたいのです。私は両大臣の制度面の改善あるいはモラルの問題等についての御言明は非常に尊敬いたします。私は両大臣にお願いしたいと思います。ただ私は、根本の原因に対して十分な役人の方々の検討が足りない、こういう点を非常に強く要望するものであります。  食肉ブローカーの問題もたくさんありますから、こういった問題についての規制も十分に考えていかなければならぬ問題でございます。さらにまた坊大臣が、斃獣処理場において苦情がある、だから消毒の不十分なことが行なわれやすいだろうと言われたのですが、斃獣処理場に来るのは屠殺場から来るものがたくさんあります。しかし、ワクチンによって廃獣となったものも、少量でありますけれども、同じ処置で十分に斃獣処理場でやっていいのです。だから苦情が出ること自身がおかしいのです。こういったことをひとつよくお考え願いまして、二度とこういうことが起こらないようにお願い申し上げます。  私は、時間がないそうですから、これで質問を終わります。

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 本島百合子君。

本島百合子民主社会党

○本島委員 このたびの事件につきましては、全く主婦にとりまして大きな問題でございました。ただいま、ハム、ソーセージ等に至りましては全く売れ行きはとまった、こう言われております。しかし、売れ行きがとまっただけでは済まされないので、十七日にNHKで厚生省の課長さんが、大量に食べれば影響があるかもしれないけれども、少量の場合は人体に影響がないということを言われたそうでございますが、一体これはどういう科学的な根拠で言われたのか。今日私どもが一番懸念するのは、どのような影響が今後起こってくるだろうか、こういうことでございます。ところが、そのやさきに、何の根拠でということの説明なしにNHKで言われたことは、非常に主婦にとっては衝撃であったのです。したがって、その論拠はどこにあるのだということを明確にしていただきますと同時に、いままで新聞に出ている以外にも、相当数こうした密売が行なわれておったであろうということが言われておるわけなんです。したがって、この事件が起こりまして、すでに先月の二十四日の新聞から相当に書き立てられておりますが、その前からもう起こっておったわけで、その点について調査等をされておるわけでございましょう。したがって、その調査の結果が——新聞報道以上に拡大された地域に行なわれておるのか。数量等につきましても、もっとたくさんあるだろうと国民は思っておるわけなんです。したがって、そんなに多くはないのだとか、いろいろ調査された結果を報告していただきたいわけであります。  この問題がそもそも起こってまいりましたとき、先ほどから言われております法律に伴って、それぞれ監視員なりあるいは獣医なりがちゃんと責任を持って監視、監督するようになっておりますが、それが行なわれていなかった、またそれが権限を持っていない、こういうことの結果で今日のこうした大事件が起こってきたということにならざるを得ないわけであります。したがってそういう点について農林大臣の前向きな今後の処置のしかたを聞かしていただきたいのです。厚生大臣は先ほど私見として申されましたけれども、その私見はやはり法律を改正しない限りは実現できな、い話だと思います。そうすると、今日農林大臣は、責任をとってかくかくいたしますということばが一言も出ておりません。そうした場合において、国民がこの問題について、きょうこの委員会でいろいろと答弁をされておりますけれども、政府の施策に対して何で信頼が持てるであろうか。善意と信頼ということばをお使いになりましたけれども、それがなかった結果ということよりは、法律と予算と、そうしていわゆる私ども国民の食生活に関する知識、こういうものが不十分のためにこういう問題が起こったのではないか、こういうこともいわれるわけなんです。したがって、坊厚生大臣の私見は聞きましたから、農林大臣、これから前向きにこの問題をどう処理なさるのか。先ほど言われておりました終末処理、これがやはり一番問題になってくることなんです。したがって、その点を今後どういうふうにするか、いままでの御答弁の中からでは、私ども満足もいたしませんし、またそのことがどういうことなのか明確でないので、この際明らかにしていただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 主婦のお立場からおっしゃったお話は、私どももよく理解できます。国民全体がこういうことが再びないように切望するわけでございます。私が先ほど申し上げましたのは、ただいままでのような経路の取引関係というものは、双方とも善意と信頼の上に立って初めてああいう取引関係が円満に、しかも不当なことがなく行なわれるはずである。しかし今度の事件を見ますと、全くそういう善意と信頼感を裏切った行為であります。そこで、ただいま捜査当局では、各地に起こりました事案について詳しく捜査を続けておられるところでありますから、その報告の結果を待って、どこに穴があったのかということを確かめた上で対処いたしたい。そうしてその対処は、先ほど最後に政府の立場を申し上げましたけれども、再びこのようなことのないようにいたしますということを申し上げたわけであります。  そこで、ただいまワクチンメーカーから出てまいります動物のことについてお触れになりましたので、事務当局のほうからその点についてひとつ御報告をいたさせます。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 ワクチンメーカーのところで出ました豚コレラを持っております豚が現実に問題を起こしたということでございますので、とりあえず直ちに次官通達を発していただきまして、血清メーカーにつきましては、原則として焼却をする、そのために焼却炉を設置するということにいたしたわけでございまして、これができ上がるまでの期間は……。

本島百合子民主社会党

○本島委員 質問について答えていらっしゃいませんから、もう一度言います。  私が聞いたのは、大量に食べれば危険であるけれども、そうでない場合は危険でないということをNHKで放送なさったから、それはどういう科学的根拠によって申されたか、そしてそれが事実であるかどうかということを国民が知りたいのだから、それを言ってくれと言ったのです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 今回の汚染したと思われる不正経路の肉あるいはその製品を食べた場合の危険性については、先ほど八田委員からのお尋ねにお答えしたとおりでございまして、そのワクチンをとったあとの豚そのもの並びにそれを材料に使う際には、かなり厳選をして材料としておりますから、比較的安全なものでございます。ただ、その後の取り扱い等が、正式の屠場でございませんし、また隠れた場所で処理しておるということから、不潔な肉である余地がある、かようなことでございまして、大量という意味は、その中には汚染したものもあるかもしれないという意味合いから言ったと思いますけれども、要は、原則的にはそう危険なものではございませんけれども、不正なルートを通り、よごれておる不衛生な肉である、かようなことでございます。

本島百合子民主社会党

○本島委員 ただいまのお話を聞いておりますと、新聞で見ましたときには、科学的にいろいろの数字をあげて、雑菌等がどの程度の場合に人体に影響するというふうに出ておったわけであります。それを読み上げるひまはございませんけれども、あなたもごらんになったと思います。そういたしますと、その普通の平均量より雑菌が非常に多いということが出されておるわけなんです。そうすると、その菌の多いものを食べて、すぐに吐きけを催すとか下痢もしないからそれでいいのだという理屈にはならないと思うのです。ということは、最近肉食というものが非常に家庭の中で用いられております。したがって、いままでずいぶんいろいろのものを食べておる。そういう結果からいたしますと、今回の事件で、これからはっきり出てくるのかもしれませんが、いままでにそういう被害の届けがなかったから被害はないのだというような論拠では困るのです。もう少しく食品に対しては科学的にも医学的にも明確な話をしてもらいたい。そうするための機関がそれではあるのかないのか。私は今回この問題に関連いたしまして、こればかりでなく、ときどき着色されている色素の問題で警告が発せられておりますけれども、一般の方々はすぐ忘れてしまって、やはり着色したショウガだとかたくあんなどを多く召し上がる方が関東には多うございますが、そういうような人たちが一体そのものをどのくらい使用しておれば人体はどういう障害が起こるのか、こういうことがときたま新聞に出ておるのです。だけれども、そのことを記憶しておる主婦は少ないのです。したがって、こういうものもあわせてただいま申し上げておることは、やはり食品衛生というからには、食品に対してそれだけの科学的な調査をする機関を持つべきである、持っていらっしゃるのか、それはどういう機関でなされておるのか、こういうことをもう一度聞かしてもらいたいわけです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 新聞紙上等でごらんいただきますように、今回の豚が雑菌が非常に多いということは、先ほど申し上げましたように、取り扱いが不潔に流れておるということでございまして、しからぼそれらの雑菌の中から病原性の菌がいままで発見されておるかといえぼ、そのような事態はないわけでございます。なお、これだけの多量なものがやみルートから食用に供せられておる事実はございますが、幸いなことに、豚はほとんど加熱して食べる食肉でございますので、かなり不潔な取り扱いを受けておることが予想されますけれども、今日まで今回の不正肉によって食中毒等の事故が発生した事例としてはあがってきておりません。  それから、お尋ねのとおり色素については前々から不安が持たれておるわけでございまして、確かに世の中の不安のとおり、以前は色素の中には衛生上不適当なものがあったわけでありまして、先年まではわが国の許可色素の数は二十二種類ございました。その後厳密な検査をいたしまして、七種類の指定を取り消しました。今日では十五種類を許しております。その検査にあたりましては、新たに基準をつくりまして、長期慢性毒性試験を従来の試験方法に加えて、絶対に安全であるというもののみを十五種類残し、この十五種類の数はおおむね世界の標準の文明国の数に近い数字でございます。したがいまして、従来不適当なたくあん等の色素があったことは事実でございますが、今日使われておりますものは、そのような懸念のないものを使用させるようにいたしております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 いま、るる説明を聞いておりましたが、それならば、どうしてハム、ソーセージに対する肉の配分量というものが日本ではきめられていないのでしょうか。新聞等によりますと、ネズミからヘビまで入っておる、こういうことが常々と出されております。厚生省はこれに対して何らの抗弁もされていないわけであります。そうした場合において、一体そういうものの調査研究、そして発表はどこでやるのでしょうか。こういうものが明確にならない限り、国民は今回の事件は納得ができない、こういうことにならざるを得ないのです。しかもそれは人命に関係のあるところの食品です。そういう意味で、いま御答弁をいただいたことをあわせもって、ハム、ソーセージに対してなぜそれができなかったかを答弁してもらいたい。これは大臣にしていただきたい。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 ちょっと技術的な問題になりますので、まず担当局長から答えさせます。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 実はそこにかなり問題がございます。と申しますのは、今日人間が食べる肉はこういう種類でなければならないという法律はございません。御承知のようにクマの肉でもヘビの肉でも販売されておるわけであります。したがいまして、ここにかなり問題点がある。私どもも前々から、食用に供する肉として販売するものはこれこれでなければならないという法律が要るかどうか、これはかなり国民の食習慣と——必ずしも衛生上の観点だけではないわけであります。クマの肉を食べたところで、必ずしも病気になるわけではございませんから。(笑声)それらの点と考えあわせて、いまのハム、ソーセージにはウサギを入れてはならぬとか、あるいははなはだしい場合は犬の肉を入れてはならぬとか、そもそも人の食用に供する肉はこの種類でなければならないという法律をつくるかどうか、その点はなお、私どもも十分検討はいたしておりますが、今後考えてまいりたいと考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 爆笑になったようですが、古来から食べているものはかなりいろいろな種類でございます。しかしハム、ソーセージの場合、先進国がすべて大体比率をきめて、豚肉が幾ら、どういう肉が幾らというような基準がきまっているということを聞いておるのです。すると、なぜ日本の場合、いろいろのことをやかましく言っているくせに、ハム、ソーセージに限ってこの基準がつけられていないのか。だから、今回の事件のように、病菌豚という扱ってはならないものが密売されていっているという事実、これを思うときに、あなたがおっしゃるように、それを食ってはいけないと書いてないからいいということになるのでしょうか。これはいまのあなたのおことばは非常に危険なおことばだと思います。食べられるからいいのだ、またそれに対するいろいろの被害が届け出されていないからいいのだろう、これであってはならない。政治というものは、先にいろいろのことを国民に教えてやるのが政治家のつとめであると同じように、役所は私どもよりももっと前にそういうことを研究して知らすべきじゃないでしょうか。こういう意味で、私は今回のこうしたほんとうに不潔きわまりない——また、そういう病菌がいずれかの形においてどこかに出てきたときに、一体いまの答弁のしかたであなたは弁解できるのか、こう思うわけなんです。したがって、厚生大臣はどういうふうに今後こういう問題について処理なさるお気持ちか、いままでどおりに野放しで食べられるものは何でも入れていいんだ、こういうことになさるのか、この点確たるお返事をいただきたい。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 食肉について、何を食べちゃいけない、食べさせてはいけないといったような法律がないということは、実はいま初めて私は局長から聞いたわけでございますが、いまの汚染肉の問題は、これはこの問題とは少し私は違うと思うのです。汚染肉というのは、これは食べちゃいけない肉だ。屠殺場で正規に屠殺したものが食べていい肉でございますから、たとえクマが屠殺されても、これは食べていい肉でございますけれども、今度の場合の肉は、これは肉ではありますけれども、食べてはいけない肉だ。かようなものをなま肉で食べるのも、またソーセージへ入れるのも、これはもう絶対にいけない、かように私は考えております。

本島百合子民主社会党

○本島委員 ただいま厚生大臣が言われたこと、これは農林大臣そっぽを向かれましたが、農林大臣、一番痛いところじゃないでしょうか。やはり法律に規定されておるし、また穴がどこにあるのかわからない、警察庁のほうでやっておるからそれの結果を待ってだ、こういうお話ですが、それであってはならないということなんです。この場合ははっきりとやはり終末処理を焼却なり埋却なりできちんとしてしまって災いを残さないやり方、こういうことが一番至当じゃないか。それには、焼却炉も熊本ぐらいであまりありませんなんという答弁ですが、肉食生活を始めてまいりまして日本はもう明治からずっとですから、おっつけ百年になるのです。それからもう一つは、そういういろいろの病気が入ってきたのも、徳川時代のことはわかりませんが、明治からずっと今日考えるといろいろな病気が入ってきておるのです。それを予防するために、ワクチンメーカー等ができていろいろ研究されて、ワクチンというものがつくられてきておるわけなんでしょう。こういうものができた。できるからには、その結果としてかくかくあらねばならぬというものが必要になってくるはずなんですね。焼却炉はもちろんのこと、またこれをどこかに売却するとしても、ある程度衛生的にものの考えられる一つの機関、こういうものを役所としても考えて指導されてこなければならなかったと思います。それが今回の佐藤グループ、加瀬グループなんという事件を見ておりますと、非常にもうかったから独立したというのが佐藤グループです。そして加瀬グループのやった事件について、その病菌豚は一体どれだけ使ってどういう販売路になっておったか、どういう店で売られておったか、これは警察でお調べにならない限りわからないのです。幾ら役所で法律をつくって、幾ら監視人だ、監督官だ、獣医さんだなんておっしゃっても、そういうところのどこからこの事件が指摘されたでしょうか。指摘もされなかった。そうすると、警察で犯罪を犯した人のしゃべったことによってのみ初めてこれは出てくることで、ほかのことはわからないのです。こういうことを考えると、もうかった、それはそうでしょう。一頭三百円くらいで買ってきて一頭六、七千円で売り飛ばしておる。ばく大なもうけであったろうと思います。またそれをカット肉なんかにして、段ボールなんかわけのわからぬ箱にちゃんときれいにしてあれば、さっぱりわからない。そこで、こういう悪質な汚染された肉であるかどうかという判別が、その専門家であってもわからなかったということがいわれておる。これを今後どうなさる気でしょう。屠殺場でやって検印をつけておりますものは、これは消えていくのです。たとえばあぶらをとってしまうと、上から押されておりますから、これはなくなるのです。それから場所がべたべたに打ってありませんから、カット肉にした場合は全然わかりません。それを、汚染肉であるか、正規の屠殺場を通じて検査を受けて回ってきた肉かという判断は、どこで下すことができるでしょう。そういう点について今後どういうふうに指導していこうというお気持ちでしょうか。そういう点を両大臣にお聞きをいたしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 厚生大臣のお話し中、私はあしたの天気のことを考えていたので、決して農林大臣としてそっぽを向いてしまったわけではないのでございまして、この問題の重要性については先ほど来申し上げておるとおりでございます。  そこでワクチンメーカーは、先ほど来お話のありましたように、ワクチンをつくりましたそのあとの肉は、先ほどお話にありましたような消毒を一応して、そうして、いままでの例でありますと、焼却しないものは化製工場に送った、そしてそこで煮沸をいたしまして、事務当局が御説明申し上げましたような処理をしておった。その中間でいまいろいろな犯罪が行なわれたわけでございます。でありますからして、終局的には、やはり捜査当局の捜査を待って、どういうところに犯罪を構成するような事案が起こりやすい点があったかということを十分調査研究の上で、政府として再びこのようなことの起こらないように対処いたしたい。そこで、とりあえず先ほど申し上げましたように、厳重に通達をいたしまして、ワクチンメーカーでいままで焼却場を持たないところは急速にそれをやれという命令をいたしまして、メーカーのほうでは直ちにそれに移って着手をいたしておることも申し上げました。しかしそれができます間にまた例のような事件が起こってはいけませんから、今度はワクチンメーカーの責任において化製場にちゃんと入れて、そして再びそれが外に出るようなことのないような手続をとって厳重にやりなさい、こういうことを申しておるわけであります。でありますからして、終局的には、厚生大臣とともに、私は先ほど申し上げましたように、捜査の結果を待ってよくその事案を調査研究の上で、さらに再びこのようなことのないように善処いたしてまいりたい、そういうふうに考えておるわけであります。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 根本的対策といたしましては、ただいま農林大臣が申し上げたとおりであります。さしあたって当面の問題といたしましては、私は、先ほど申し上げましたとおり、ワクチンメーカーのところで原則としてこれは焼却してしまう。しかしどうしてもそれができない分は外へ出さなければならない。外へ出す分は絶対に完全消毒する。完全消毒ということは、先ほど八田議員が指摘されたように、これは滅菌をしまして食べられるようにする意味の消毒ではなくて、食べられないようにする消毒です。クレゾールや——私は化学的なことは知りませんけれども、そういったようなものを加えまして、絶対に人間は食べられないといったような消毒をする。その消毒をするためには監視員の陣容を強化する。さらにまた、農林省と厚生省とに監視員が分かれておりますが、これを有機的に働かせまして、外へ出たものは絶対に人の口へ入る危惧がないようにしてしまう。その他の方法もありましょうが、そういうような方法をさしあたってとってまいりたい、かように考えます。

田畑金光民主社会党

○田畑委員 関連質問で一、二お尋ねしたいと思いますが、特に私先ほど来の質疑応答を聞いて不安を感ずることは、いわゆる汚染された肉を食べて、これは無害なのか有毒なのか、たいして差しつかえないのか、こういう問題について答弁を聞いておると、しろうとのわれわれとしては非常にわかりにくいのです。これほど世間を騒がせておる汚染肉を、少なくともハム、ソーセージの原料として使うことも、これは人体上有害あるいは衛生上おもしろくない、こういう国民の非難、心配というのがあって、いま世間でこの問題は非常な関心を集めておる、こう思うのです。先ほど社会党の河野委員の質問に対しての当局の答弁は、これは有害だという前提で、国民の不安を除去するためにはかくかく今後は戒めてやりますよという答弁と承った。ところが、与党のその道の大家である八田博士から、うんちくを傾けていろいろ質問を受けると、舘林環境衛生局長の話を聞いておると、ビールスは血清注射液をとったあとだから人体には影響ないのだ。人体には影響ないという立証がなされておるのですか。そのことですよ。あなたのお話を聞いておると、ただ持っていく途中の雑菌が入っているから、それがよろしくないのだ、こういうふうな言い方です。雑菌がある程度ついておるから世間で騒いでおるのか。そういうビールスを植えつけた肉を少なくとも食ぜんに供するということに不安を感じておるのかどうか。これは前提として、有害かあるいは有害でないのか、このあたりをはっきりしてもらわぬと、私は議論が行ったり来たりという感じである。さすがにその点においては、しろうとの厚生大臣としてはしっかりとした答弁をなさっておる。こういう汚染した肉を少なくとも食ぜんに供してならない、衛生上よろしくない、こうだと思うのです。これは私は筋が通っておると思う。この点を明確に示してもらいたい。  それからもう一つは、これは食ぜんに供したらよろしくない。食事に供してはよろしくないということだから、先ほど来、たとえば家畜伝染病予防法に基づいてかくかくの消毒基準があるのだ、こういうことをはっきり示しておりますね。消毒さえしっかりすればこれは食えなくなるわけです。私はこのことをもう一度よく御答弁願いたいと思いますが、ただ両大臣の話を聞いて私は不満に思うことは、捜査当局の結果を待ってどうする、ああするということをきめたいというのだが、それはおかしいじゃございませんか。現に、先ほど申し上げたように、農林大臣の所管として家畜伝染病予防法に基づいてかくかくやれと書いてあるものをやらなかったから問題が起きた。もう一つ厚生大臣の場合も、少なくとも、食品衛生法に基づいて食品衛生監視員あるいは環境衛生監視員がかくかくのことをやれといったにもかかわらずやらなかったところにやはり問題が起きておるのですが、あなた方としては捜査当局の結果を待ってこれからこうするのだという言い方をしておりますが、あなた方が今日まで所管行政をあずかってきた上において、現行の法律に基づいてやらねばならぬところを怠っておったところに問題が発生しておると思うのです。そういう責任は一体どうお感じになっておるのか、これをひとつ明確にしていただきたい、こう思うのです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 先ほど来申し上げておりますように、豚コレラビールスを植えつけた豚のその豚コレラビールスそのものは、今日人に病原性がないということで取り扱われておりますけれども、その豚そのものは、先ほど来申し上げておりますように、正規の屠場において正規の検査を受け、安全な豚として確認された屠殺豚ではございませんので、雑菌その他汚染される余地がある豚でございます、かように申し上げておるわけでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑委員 有害か無害かということをはっきり説明してもらいたい。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 したがいまして、衛生上好ましくない。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 汚染豚であって、食ぜんに供してはいけない——確かにそういうものが外に出ましたということは、これは私どもの立場といたしましては、さような肉が町に出て食ぜんに供され、あるいは供されるおそれのあるということにつきまして、十分監視すべきものが監視の盲点をくぐって出たということにつきましては、厚生大臣として非常に遺憾に存じております。

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 浅井美幸君。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまの問題に関連してそのまま続けたいと思います。  有害か無害かということは、これは国民のひとしく知りたいところでありますし、またこの見解が明らかにならなければ——これだけの国民感情あるいは保健衛生の立場から、この場において所信を明らかにして、完全なる無害なものかどうかをはっきりしていただきたいと思う。  食品衛生法の第四条では販売を禁止される食品及び添加物、あるいは第五条では病肉等の販売等の禁止をはっきりうたっております、全然害がないものであるならば、なぜこのように禁止をされておるのか、その点を明確にお答え願いたいと思います。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 食品衛生法に照らしまして、これは販売、授受その他の許可が与えられない不衛生な肉でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 人の健康をそこなうおそれのない場合、あるいは人の健康をそこなうおそれがある、そういうたてまえからこの立法はできておると思うのです。その健康をそこなうおそれがないものがどうして無害であるか、またおそれがあるものが無害だと言い切れる根拠があるかということを御答弁願いたいと思うのです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 人の健康をそこない、またはそこなうおそれのある肉でございまして、したがいまして、無害であるものではございません。

浅井美幸公明党

○浅井委員 ということは、有害だということに受け取ってよろしいか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 食品衛生法上、有害または有害のおそれのある肉でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 私は、いまの答弁が、有害のおそれということで今回国民の目をごまかそうとするのか。それともはっきりと、今回のこの問題は、これが有害である、だからこのように抜本的な規制をしていきたい、あるいは立法的な処置をしたい、そういうふうに大臣は考えられておるのか。ただ、今回これらの豚が出たから、みんな国民が騒ぐからそういうふうにしなければならない、そのように感じられるのか、この点も両大臣にはっきりと御答弁願いたいと思います。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 食品衛生法は、有害であればもちろんのことこれは食べさしてはいけない、こういうことであって、たとえ有害ということにまで断定できなくとも、なお強く有害のおそれのあるものでもこれは食べさしてはいけない、こういうふうに規定をした趣旨だと私は思いまして、非常に強い趣旨だと私は考えます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 食品衛生は厚生省の所管でございますから、大臣がお答えしたとおりだと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 さっきの農林大臣の発言の中に、できればワクチンメーカーでつくられた豚の死体を利用するほうがよい、ところが善意と信頼を裏切ってこのような不祥事件が起こった、このような御答弁でありましたけれども、現在のわが国において、確かに善意と信頼というものは私たちの夢ではありますけれども、そのものがないわけです。だから法律があるわけです。そのような不正を取り締まるために法はあるわけです。しかるに今回の事件は、いわゆる農林省あるいは厚生省のその法の盲点をついて行なわれた不祥事件であります。このことについて、先ほどからもう答弁はあったわけですけれども、これはあくまでも農林行政あるいは衛生行政のずさんな態度によってこのことが起こったと私は思うのです。したがって、先ほど御答弁がありましたけれども、この点について両大臣はどのように思われますか、もう一度御返答をお願いします。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど田畑さんのお話に時間でお答えできませんでした。いまその御質問と同じようなことでありますから、繰り返すようでありますが、私の見解を申し上げます。  ワクチンメーカーで出ました家畜伝染病に罹病いたしておる家畜につきましては、先ほど来何べんか申し上げておるように、焼却、埋却をすべきものであるということでございますが、先ほど来お話しのような事情もありまして、ただいまでは制度上化製工場において油脂その他のものに使用することを許されておるわけであります。そこで、本来ならば、そういう制度をそのとおりにまじめに実行さえしてもらえれば、あらためて法律などを制定しなくても、みんなが善意と信頼の上に立って、当然やってはいけないことでありますからして、その斃肉を売却するなどということはあり得べからざることであるにもかかわらず、今回はそういう不祥事が起きたわけであります。したがって、私どもが申しておりますのは、根本的には、いま各地でいろいろな姿で事案が起きまして、捜査当局が捜査を熱心に続けておる最中でありますから、その結果を見てわれわれがさらに善処しなければならない問題があれば根本的に対処をいたしたい。それができなければ何もしないということではなくて、すでに厚生省と農林省が協議をいたしまして、厳重な通達をいたしておるわけであります。そこでまず第一には、家畜防疫員というのは御承知のように各県所属の公務員でございますが、これがいままで厳重に監督をいたしておるはずでありましたけれども、その裏をくぐって悪事が行なわれたという事実のようでありますので、そこでとりあえずは、先ほど申し上げました七つのメーカーのうち、焼却場を持っておらないものは急速にその設備をせよという通達を出し、メーカーは即刻それに取りかかっておるわけでありますけれども、その間においても死斃獣が出てくるわけでありますから、そこで、これが第三者や妙な者の手に渡るおそれのないために、メーカーがじかに責任を持って化製場に送り届けて、そして化製場でおのれの責任においてりっぱな処理をする、そうして早く焼却場を建設することによって、このたびのような弊害が起きないように根本的にいたしたい。とりあえずそういう処置をとり、それを厳重に監督をいたしておる、こういうことであります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 実行をしていただきたいと思いますが、とにかくこれだけの大きな事件になったわけでありますから、その出回ったものの回収について、大臣はどのように考えられておるか。たとえば去年の春ごろからこういう事件があったという推定もなされております。そうなってくると、これはただ小売り店で売られておる肉だけではなくて、ハムやソーセージになって全国的に出回っておる。これに対する緊急措置としてどのように対処していくか。いまワクチンメーカー並びに化製業者に対する緊急な通達をなさったことはわかりました。けれども、一般市場に出回っておる——確かに売り上げは激減した。だれも寄り着かない。そのような不安感におとしいれた今回の事件に対して、その回収に対し、あるいは一斉検査等の緊急的な措置を直ちにとられるかどうかを厚生大臣にお伺いしたいのです。

坊秀男自由民主党厚生大臣

○坊国務大臣 ただいままでにとっております措置は、不正肉を出したという源泉であるところのワクチンメーカーを押えまして、そのワクチンメーカーから化製場なりあるいは斃獣処理場といったようなものに豚が出ておるということをだんだんと追求いたしまして、そしてそれがあるいは肉のブローカーだとか、あるいは肉屋だといったようなところへ流れていっております。それをだんだん押えてまいりまして、食肉なりあるいは不正につくられたところの加工品といったようなものをだんだん押えていって、そういったようなものにつきましては、厚生省といたしましては、全国に厚生省の機関がございますから、そういったような機関に命じまして、非常に危険とおぼしき小売り店といったようなところを一々調査をいたしておりますけれども、これにつきましては、厚生省だけではとても手も少のうございますし、こんなに多量に出たものを厚生省が十分把握するということも非常に困難でございますので、警察当局にお願いを申しまして、警察当局の協力を得まして万全の措置をとっておる次第でございますが、こまかいことにつきましては、担当局長なり捜査当局からお答えをさせていただきたいと思います。

伏木和雄公明党

○伏木委員 関連。先ほど大臣から、この病毒豚について今後焼却を原則として進める、こういう話がございました。そこでお伺いしたいことは、今回の病毒豚については、肉の問題は非常に取り上げられておりますが、相当数の内臓が市販されているのではないか。これに対しては警察当局の捜査の状況も出ておりませんし、市販ルートがどのようになっているか、これも明らかになっておりません。したがって、この問題について、内臓はどうなっておったのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹政府委員 いままでの捜査の段階では、内臓の問題については何も出ておりません。

伏木和雄公明党

○伏木委員 これは私どもの調査でございますが、品川の化製場をちょっと聞いてみました。保健所の人の説明も伺いました。確かにそこには内臓も入っておる、それも現実に見ておった、こういう調査も済んでおるわけです。あれだけの大量の豚でどうして内臓が出てこなかったか。はたしてメーカーにおいて全部焼却しておったのか。先ほど大臣の説明ですと、ほとんど焼却はされずに出ておった、こういうことですが、この点の調査は完全に行き届いているかどうか、この点もう一回重ねてお伺いしておきます。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹政府委員 もちろん内臓につきましても、不正にそれが流れるということであれば、食品衛生法の違反でございます。私ども、この点についても遺漏なく捜査を行なっておる、かように信じております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私が伺っているのは、肉が確かに市販されておった、これはわかっておるのです。内臓のほうはどうなっておったか。ルートは別といたしましても、完全にメーカーでもって焼却が済んでおったか、それとも市販先はわからないとしても何らかの形で市場へ流れておるのか、この点をお伺いしているわけです。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 多くの場合は、ワクチンメーカーで内臓をとって、内臓だけ出した残りのものを今回はそのブローカーのようなものに渡しておったようでございます。それから、そういうことをしない場合、まるごとのままで持っていったものにつきましては、隠れた場所で処理し、内臓だけをまた化製場へ持ち込んでおる。化製場では屠場から内臓等はたくさん参ります。それらと一緒に、通常、あぶらをとるとか、にかわをとるとか、そういう材料に使ったと思われているわけであります。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そうすると、化製場では焼却されておる、ごく一部分が市販されておった、こう理解してよろしいでしょうか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 今回の不正の豚の内臓については、市販されておるということは、先ほども警察庁からお話ございましたように、私ども聞いておりません。

伏木和雄公明党

○伏木委員 もう一つお伺いしておきますが、今回の対策として監視員を強化する、こういう御説明がございました。しかし、現在の屠場を見てみましても、当然屠場には法律のもとに検査員が置かれております。ところがこの検査員がきわめて人数が少ない。東京都の場合でも一日千五百以上を品川で処置しているように聞いておりますが、ここで常時三十名ほどしか検査員がいない。この検査の基準はどうなっておるのか。あるいは大阪府を調べましても、大阪府下全部で年間五十二万頭処置されておりますが、ここに検査員がわずか二十六名。こういう少数の人数ではたして法律で定めたところの検査が十分できておるのかどうか。ただ、監視員をふやします、これだけのことでこの問題を処置していくということは少し早計じゃないか、これをやるためには相当の決意、努力が払われなければ不可能じゃないか、このように考えますが、どういう検査基準でもって現在この少数の人がやっておるか、この点も明らかにしていただきたい。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 現在、検査の基準は、豚は一頭十五分、牛は三十分、病気の豚は一時間、そういう規定はございます。しかし、お尋ねのように非常に屠畜検査員の数が少ないという実態がありまして、それに対して、屠殺する獣畜の数は非常にふえるという状況がありまして、私どもとしても検査の不十分を心配いたしておるわけであります。現在困っておりますのは、定員の問題よりはむしろなかなか検査員が来ないという実態がありまして、給与の問題等ございまして、その補充は各都道府県ともに困難を来たしておるわけであります。今回を契機として私どもも何とかそれらの職員の充足に努力をいたしたい、かように思っております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私が伺っておるのは、検査の基準を聞いたのです。どういう検査をやっておるのか。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 それは昭和二十八年に施行いたしましたと畜検査規程というのがございまして、その規程に基づいて検査をやっております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 その内容を教えてください、こういうわけです。

恩田博厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○恩田説明員 お答えいたします。屠場では、検査をいたします一番初めに、生きたものを全部検査をいたします。生きたときに、これは食用に不適というときには、そこで落第でございます。生きたまま検査、臨床になりますが、臨床検査をやりまして、これは一応健康であるということになりますと、これを殺すわけでございます。殺しながら——殺しながらと申しますのは、血液の状態その他ございますので、殺しながら検査をいたします。殺し終わって各内臓全部を一つ一つ検査をいたします。それで、終わりました分につきまして、最後にからだが皮をむかれて出てくるわけでございますので、これに全部合格しましたものを総合しまして検査の判こを押す、こういうしかけになっております。以上でございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 時間もありませんし、私はこの辺にしますけれども、いまお話がありましたように、外観検査、血液検査あるいは内臓検査、これをこの少数の人でやっておる。ほとんどやってないというのが現状です。先ほど大臣から、監視員を置く、こういうお話がございました。これも単に形式だけにとどまっておったのではならないと私は思います。したがってお伺いしたわけでございますが、この点ひとつ今後御努力を願いたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 警察当局にお聞きしたいのですが、密売の今度の不正業者のグループと研究所等の職員とのなれ合い、すなわち消毒についても手かげんした、払い下げた、あるいは依頼した豚が食肉に利用されておるということをあらかじめ知っておった、そのようにも報じられております。したがって、そのような点について警察はどの辺まで捜査が進んでおるか。あるいは密売グループと大手のハム会社が取引をしておりましたが、これについてもリベート等の話し合いがあったように承っております。この点についてはどのようになっておりますか。あるいは研究所等においても、業者からいろいろもらいものがあった、このようにいわれておりますけれども、この点について明らかにしていただきたいと思うのです。

今竹義一警察庁保安局長

○今竹政府委員 御質問の点につきましては、目下捜査の進行中でございますので、一々お答えすることは遠慮さしていただきたいと思いますが、ともかく私どもとしましては、事態の根源に登るような捜査を徹底的に行ないまして、一日も早く国民の方々に安心していただけるように捜査を進めたい、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 もう一点、小売り店の問題がありますけれども、いまの小売り点に対して、食肉の流通機構でありますが、何ら制限がない。どこから仕入れても小売り店は売ることができる。フランスの肉屋においては、各店頭において、消毒済みというはっきりした明示がある。ところが日本のいわゆる食肉業者は非常に不衛生であるともいわれております。その仕入れ先がはっきりしていない。したがって、今回のそういう事件においても、そのようなカット肉にされて検印が消されておる。ましてや、きのうの新聞に報じられておりますけれども、畜産振興事業団、そのような名前の入ったボール箱に詰められて、そうして小売り業者に回っておるという事実。いわゆる農林行政といいますか、食肉行政というか、こういう姿について大臣はどのように考えられますか。あるいは畜産振興事業団からどのようにしてボール箱を払い下げられていったか、その背景等をお伺いしたいと思うのです。

岡田覚夫農林省畜産局長

○岡田(覚)政府委員 新聞紙の報ずるところによりますと、畜産振興事業団のボール箱が見つかったというふうな報道があるわけであります。その点について調査いたしたわけでございますが、昭和三十七年、事業団が、価格が低落いたしましたために、豚の買い入れをいたしまして、終わりまして、入れておりました箱があいたわけであります。それが大体三万三千枚くらいあったのであります。そこで相当な数量になりますし、これを売却いたすことにいたしまして、加工メーカーに売却をいたしたわけでございます。その際事業団の指定食肉というマークが入っておりました。したがいまして、そのマークは必ず消すという条件で売却をいたしまして、消しましたというふうな正式の報告に接しておるわけであります。したがいまして、事業団の指定食肉というふうな名前の入ったボール箱はないというようにわれわれとしては考えておったわけであります。今回そういうものがあったということを聞いたわけでございますが、それは大体昭和三十七年に使いましたものと同じようなものであるというふうに考えられるわけであります。当時のものがそのまま使われておりますか、あるいは別途の方法でつくられたものか、そういう点は必ずしも確認はできませんけれども、大体まあ当時のものと似たようなものがあったということは事実のように承知いたしております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 農林大臣はそのことについてどう考えられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 事業団の手落ちでありましたならば、厳重に戒めるつもりでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 流通機構の問題、小売り店の問題。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○舘林政府委員 今回の問題で一番の問題点はそこにございます。枝肉でございますと検印がございまして、屠場を通ってきたものということがわかるわけでございますが、ここ数年来、いまの事業団等ができましてからブロック肉に分かれておりますので、したがって購入をした肉に必ずしも検印がない、それと今回のものとまぎらわしいという問題がございます。今後この事件が判明いたしました暁に、私どもとしてはその問題に取り組んでまいりたい、かように思っております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 委員長、これで終わりますが、この問題はまだきょう一日で片づかないと思うのです。私としてもう一回あらためていろいろな角度からお聞きしたいと思います。  以上で終わります。

川野芳滿自由民主党

○川野委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後六時五分散会

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