公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/06/23
会議録
○小澤委員長 これより会議を開きます。 理事会の協議によりまして公職選挙法改正に関する件の調査を進めます。山田耻目君。
○山田(耻)委員 公職選挙法並びに地方自治法で定められております地方公共団体の選挙を行なうにあたりまして、選挙管理委員会を設置をして、その選挙管理委員会に指導監督、選挙事務の所掌、こういうものを取り扱わして選挙の公正を期する。しかも選挙管理委員は人格高潔で政治的にも中立であらねばならない、こういうふうな法のたてまえで選挙管理委員が選ばれておるわけです。地方公共団体の長並びに議員の選出にあたりまして、地方議会で選挙管理委員を選任をいたす手続になっており、しかも四名の選挙管理委員を選ぶと定数も明記しております。同数の補欠も同時に選び出しておく。だから、民主主義の基本であるべき政治をつかさどる議員が公正に瑕疵なく選出されていくように万全の体制を選挙管理委員会はしくように法律のたてまえは貫かれておるわけであります。そこでお伺いいたしますけれども、公職選挙法の第五条並びに地方自治法の百八十一条に定めました選挙管理委員会というものが欠員を生じた場合に、その措置が十分補完されていない場合、どのように法のたてまえから措置すべきであるか、まずこの点を一つお伺いしたいと思います。
○降矢政府委員 欠員が生じた場合には、地方自治法百八十二条の第三項によりまして「補充員の中からこれを補充する。」、こういうことになっております。
○山田(耻)委員 委員の任期は四年となっておりますけれども、四年がたちますと、次の議会が開かれてあらためて選任の手続をするまでは、引き続き残余の仕事は担当していく。こういうふうなたてまえになっておりますけれども、選挙管理委員会が選任をされずに幾つかの選挙を施行していくということが現実にあり得るかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○降矢政府委員 一般的に申し上げまして、戦後この制度がしかれまして二十年にも相なります。したがいまして、一般的にはそういうことはあり得ないというふうに考えております。
○山田(耻)委員 法のたてまえはまさしくそうなっておりますし、法治国家でございますから、法の定める手続によらなければ、先般の刑事訴訟のように、本籍と現住所を間違えただけで、所定の三十日が終わったために、窃盗でございましたか、起訴できなくなって無罪になりましたが、法の手続によらない場合には、法治国家でございまするから、私はそういうものは効力を伴わないものであるというふうに理解をいたしております。 そこでお伺いいたしますけれども、五月二十四日付の書類で、「行政庁の違法又は不当な処分についての審査請求書」というものが、山口県玖珂郡の本郷村の三分一武夫という人から自治省の選挙局管理課長のほうに、これはもっと言えば自治大臣あてに書類が出されておるわけでありますが、その書類の内容を見ますと、この玖珂郡本郷村という村には、実は選挙管理委員会がなかったわけでございます。法律の定めに従いまして、昭和三十二年十二月二十三日に第五回の村議会におきまして選挙管理委員会を設置いたしました。そうしてこの人たちの任期は昭和三十五年に切れておるわけであります。それ以後一度も村議会で選挙管理委員の選任を行なわれておりません。そういう中で国会議員選挙、県会議員選挙、首長の選挙、村議会議員の選挙、幾たびか重ねられてきたわけです。こういうことは明らかに選挙の公正を期するという意味からも、憲法上の違反でもあろうかと思いますし、ましてや公職選挙法第五条並びに地方自治法第百八十一条、こういうものに違反をするという不服の申し立てがなされておるはずでございます。 二番目には、本年四月十五日投票の地方統一選挙の県会議員選挙において、村議会で法律に基づいて選出されました選挙管理委員でございませんが、選挙管理委員長が、町長と、推す候補者の違いからけんかをいたしました。町長独断で選挙管理委員が罷免を受けております。罷免を受けて選挙管理委員会は補充もいたさないまま当選証書の交付をいたさなくちゃなりません。当選証書の交付もしくは選挙管理委員会の告示があって翌日から当選が確認をされていくわけでございますから、資格が与えられるわけでございますから、その当選証書も選挙管理委員長の氏名の記載のない当選証書が交付されております。こういうことが一体有効なのか無効なのかという不服の審査請求書が自治省に出ました。ところが自治省のほうでは、これはわがほうの所管に指導監督の権利はあるけれども、その前に県の選挙管理委員会で究明すべき事柄だといって却下をいたしております。県の選挙管理委員会は、こういうものは市町村の選挙管理委員会で審査すべきものであるとして下部におろした。ところが、村の選挙管理委員会は存在しないのであります。一体どこへこの不服審査申し立てをしたらいいか。そこで県知事に対してあらためて要請をすると同時に、地方紙が取り上げて、そういう法律無視の選挙をやっておったのかという批判が強まってまいりました。 いま申し上げましたようなのが事実でございますけれども、県の調査の結果、この申し立て書の事実が全く事実として認知をされたのであります。こういうふうになってまいりますと、公職選挙法違反の事柄とあわせて、法的に保障されている選挙管理委員会が存在をしていない、そういうことによって生じた選挙というものは一体どうなっていくのか。いま一つは、そういう選挙管理委員会という架空の名前で選挙手続を行ない、必要な公文書の提出を行なった者は公文書偽造になるのかならないのか、これをひとつ明らかにしてほしいと思います。
○降矢政府委員 ただいまお述べになりましたような事情を前提にいたしまして選挙の効力の問題でございますが、選挙につきましては、選挙終了後、選挙人におきまして、選挙の管理規定違反ということを理由に十四日以内に当該選挙管理委員会に無効の訴えを出すことに相なっておりまして、その期間を経過いたしますと、当該選挙の効力は確定することになります。これは議員あるいは長の当選した方の安定という見地からいたしまして、短期間に効力を確定する必要があるということから、こういう制度が別途公職選挙法に設けられております。公職選挙法の二百六十五条におきましては、「行政不服審査法による不服申立てをすることができない。」というふうにわざわざ向こうの法律を排除するような規定がしてございますので、選挙の効力は、その不服申し立て期間の十四日を経過することによりまして確定をして、もはやくつがえすことができない。こういうふうに考えております。 それから第二の点の公文書偽造かどうかにつきましては、私専門家じゃございませんので、また関係方面とも御相談をしてお答えをさしていただきたいと思います。
○山田(耻)委員 公職選挙法二百二条には、当選無効の訴えとして条項が起こされておりまして、十四日以内と書いてあります。それは私も承知しておるのです。ただ問題は、今日の日本の各種選挙というものは、これが日本の政治基盤を築き上げていく力でありますし、最も民主的でなくちゃいけません。そのことのために憲法関係の上でも九十三条その他では、選挙管理委員会を設置をしてやりなさい、国民の権利であるべきそういう選挙行為の秘密の保持は確保するのだということが憲法十五条にも明らかにしてあります。その行為がなされなかったことについては一体どうするのか。確かにおっしゃっているように、公職選挙法二百六十五条なり二百二条では、十四日以内というきわめて短時日に当選の確定をすることがいいのだ。それは私認めます。法律のたてまえは認めますが、選挙管理委員会というものが現実に存在をしていない中で行なわれた公職選挙、普通選挙というものは一体どのような価値を法律上備えておるものかどうか。私は当選有効、無効をいま論じようというのではありません。そういう封建的な町長が、議会の承認も経ずに単独に選挙管理委員長の首を、自分の意に反する候補者を推すからといって切ってみたりする封建性というものがこういうでたらめな選挙管理をやっておるのでございますから、こういう行為というものに対してひとつ制裁規定があるならある、ないのならないと。そこに一本つけ加えて、選挙管理委員会でもないものが選挙管理委員会の委員長という名前を使い、選挙管理委員会という名前を使って措置した公文書は、一体公文書偽造になるのかならないのか。こんなことをあなたは関係の向きと相談するのだということをおっしゃっているけれども、こんなのは自治大臣どうです。(「これは自治省だけの答えで十分だ」と呼ぶ者あり)十分じゃないですか。
○藤枝国務大臣 おあげになりました事実を実は私は初めて伺ったのですが、まことに驚くべきことでございます。それで第一の、当選の無効有効につきましては山田さん十分御承知のとおりでございまして、たとえ瑕疵のある選挙が行なわれても、この二百二条以下の手続によって不服が申し立てられないとそのまま確定してしまう。これは選挙という特殊性からはどうしてもそうせざるを得ないのだと思います。しかし、自治法の規定によりまして当然議会の同意を得て選任しなければならない選挙管理委員を選任しなかったということ自体が非常に地方自治法の規定に反することでございます。また、選挙管理委員会が存在しないにもかかわらず、選挙管理委員会の名前でもし出したということが事実であるとすれば、それは公文書偽造になるおそれが非常に高いと私は考えます。
○山田(耻)委員 これは今度公職選挙法のたてまえから申し上げるのでございますけれども、選挙が終了して当選確定をしたら選挙管理委員会は当選証書を交付する、もしくは告示をして明らかにしていくというたてまえになっております。その公示がにせの選挙管理委員会でなされており、当選証書がにせものの選挙管理委員から出されておるとしたら、その当選の確定はどうなりますか。
○降矢政府委員 それは選挙訴訟によって有効無効を争うということに相なります。
○山田(耻)委員 わかりました。これは選挙訴訟で明らかにすることが一番適法だと思います。 それからもう一つ、これは自治大臣にお伺いしたいのでございますが、公職選挙法第五条には、管理委員会の監督指導を自治大臣が行なうことになっておりますね。こういう全く恥ずかしいような選挙の行為というものがなされた選挙管理委員会に対して、自治省としてはどういう指導監督を具体的に行なわれる用意があるのか、あるいはお気持ちがあるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○藤枝国務大臣 そのような事実を、私先ほど申しましたように初めてお聞きしたのでございますが、まことにあり得べからざることなのでございまして、直ちにその当該村につきまして法の命ずるような選挙管理委員会の選び方その他をやるように指導いたしたいと存じます。
○山田(耻)委員 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、実はこの再審査請求書はあなたのところに五月二十四日に行っておるのであります。あなた御存じなかったということはほんとうだと思いますけれども、それが一応却下されておる。そういう事態がもっと早く究明をされておりましたら住民が納得する、あるいは選挙のやり直しも可能であったかもしれません。しかし、そういうことがいろいろと、県に行けば村の選管に出せと、村の選管はない。こういう動きの中にじんぜん日を過ごして、法律に定めた異議申請が申し立てられなかったという事実等も考え合わせるならば、やはりお役所の行政というものの中に、もっとこういうふうな全く許しがたい行為というものを適切に処理なさるようなことを行なうのが、自治大臣の指導監督の業務の中だと私は思っております。しかし、いかんともしがたい。あなたもごらんにならなかったし、選挙局の管理課長から山口県庁に、本人に差し戻しになっておるそうですから、そういうことも御理解の上、法五条に定める適切な指揮監督を賜わるようにお願いをいたして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ————◇—————
○小澤委員長 この際、去る二十二日本委員会に付託になりました内閣提出、政治資金規正法及び、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○小澤委員長 まず趣旨の説明を求めます。藤枝自治大臣。
○藤枝国務大臣 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。 御承知のとおり、政府は、選挙制度審議会に対し、選挙区制その他選挙制度の根本的改善の方策について検討をお願いしてきたところでありますが、同審議会は、去る四月七日、最近の政治情勢にかんがみ当面緊急に措置することを要する事項として、政治資金の規正及び連座制の強化等を中心とした政治資金の規正等の改善に関する件について、政府に答申をいたしました。 政府といたしましては、この答申に基づき、その趣旨を尊重して、政治資金規正法及び公職選挙法に所要の改正を行なうこととし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容について、御説明申し上げます。 まず、政治資金規正法の改正についてであります。 第一に、政治資金の寄付の制限についてであります。 まず、寄付の総額につきましては、個人のする寄付にあっては最高額を一千万円とし、会社その他の団体のする寄付にあっては最高額二千万円、最低額五十万円の範囲内において、それぞれ団体の規模に応じて制限を加えることといたしました。この場合、会社のする寄付につきましては、資本金のほか収益をも基準とし、労働組合等のする寄付につきましては、その組合員数に応じて十段階に区別して制限することとし、その他の団体のする寄付については、その規模等を表示する尺度を求めることがきわめて困難であるため、一律に前年の支出額の十分の三に相当する額を限度とすることとしたのであります。また、制限額の範囲内において寄付をする場合には、政党及び政治資金団体に対する寄付については制限を設けないこととし、それ以外の政治団体または個人に対する政治資金の寄付については、同一の者に対し、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。 次に、国または公共企業体と請負契約の関係にある者及び日本開発銀行等四政府関係金融機関から融資を受けている中小企業以外の会社のする寄付につきましては、請負契約額、融資額の比重がきわめて低いものを除いて一般の場合の二分の一に制限することといたしました。また、国から補助金等の給付金の交付を受け、または資本金等の出資を受けているいわゆる特定会社その他の特定の法人のする寄付につきましてもこれを禁止することといたしましたが、これらの場合において、国と関係のない地方公共団体の議会の議員または長の候補者等に対してする寄付については適用を除外することといたしております。 なお、地方公共団体と請負契約関係にある者、地方公共団体から補助金等の給付金を受けている会社その他の法人等のする寄付についても、国の場合に準じて、制限ないし禁止することといたしました。 さらに欠損を生じた会社のする寄付、匿名及び他人名義の寄付並びに外国人等のする寄付につきましても禁止するとともに、寄付のあっせんにつきましては、寄付者に威迫を加えたり、賃金、下請代金等から天引きして寄付を集めることのないよう措置することといたしました。 以上の政治資金の寄付の制限と関連して、その違反者に対する所要の罰則規定を設けることといたしております。 第二に、政治団体の届け出並びに収支報告及びその公表等についてであります。 すなわち、政治団体の届け出があったときは、その内容を公表して、これを国民に周知することとするほか、会計帳簿及び収支報告書に記載すべき内容等について改善、合理化を加え、政治資金公開の趣旨を徹底することといたしました。 第三に、政党等の定義についてであります。 今回の改正によりまして、政治資金の寄付に関しましては一定の制限が加えられることとなり、かつ、政党本位の政治活動の推進をはかるため、政党に対する寄付と政党以外の政治団体に対する寄付を区別して制限することとなりますので、政党と政党以外の政治団体との区別を明確に規定することといたしました。 また、政党中心の資金調達を容易にするため、各政党について一の団体を限って政治資金団体を設けることを認め、これに対する政治資金の寄付については、政党と同様の取り扱いをすることといたしました。 このほか、党費、会費及び政治活動に関する寄付等についても、その内容を明確にして、規制の合理化をはかることといたしております。 以上申し上げましたほか、これらの改正に伴いまして、個人または法人が寄付を政党または政治資金団体に対してした場合には、その寄付金について課税上の優遇措置を講ずるとともに、その他必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。 次に公職選挙法の改正について申し上げます。 第一は、公職の候補者等の寄付の規制についてであります。すなわち、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党その他の政治団体または親族に対してする場合及び公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために行なう講習会等において必要やむを得ない実費の補償としてする場合を除き、全面的に禁止することとしたほか、公職の候補者等がその役職員または構成員である会社その他の団体がこれらの氏名を表示しまたはこれらの者の氏名が類推されるような方法でする寄付についても、政党その他の政治団体に対してする場合を除き、一切禁止することといたしました。また、後援団体のする寄付等の禁止期間を延長するとともに、後援団体以外の団体で特定の公職の候補者等を推薦しまたは支持するものについても、後援団体に関する制限に準じて制限を設けることといたしました。 第二は、連座制等についてであります。いわゆる連座制につきましては、選挙運動の実態にかんがみ、数個に分けられた選挙区の地域における選挙運動または多数の選挙人が属する職域または組織を通じて行なう選挙運動を主宰した者をも連座対象者の範囲に含めるとともに、公職の候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をした公職の候補者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と同居の有無にかかわらず、連座対象者の範囲に含めることとし、同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と意思を通じているものと推定することといたしました。 また、選挙犯罪を犯し罰金の刑に処せられた者については、当該選挙犯罪がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により公民権を停止しない旨を宣告することができる制度を廃止することといたしました。 その他昨年実施された永久選挙人名簿制度の運用の実態にかんがみ、選挙人名簿の登録回数を増加する等その合理化をはかることといたしました。 以上がこの法律案の要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○小澤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時九分散会