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55回国会衆議院1967/04/05

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
85
登壇者
9
会派数
3
開催日
1967/04/05

会議録

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  この際、自治大臣より発言を求められております。これを許します。自治大臣藤枝泉介君。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 私は、先般の第二次佐藤内閣の成立にあたりまして、自治大臣兼国家公安委員長に就任いたしたのでありますが、選挙の関係につきましては、皆さま方にかねてから格別の御高配にあずかり、この機会に厚く御礼を申し上げる次第でございまして、今後格別の御指導と御協力を賜わりまするようにお願い申し上げます。  この機会に、先般行なわれました衆議院議員総選挙の結果及び最高裁判所裁判官国民審査の結果と選挙制度審議会の審議状況について、その概要を説明申し上げます。  まず、一月二十九日に執行されました第三十一回衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査につきまして報告申し上げます。  御承知のように、今回の総選挙は、最近における政界の諸情勢にかんがみ、政治に対する国民の信頼を回復するため、昨年十二月二十七日に衆議院が解散されましたことに伴い、本年一月八日公示され、同月二十九日に行なわれたのであります。  総選挙が冬季に行なわれましたのは昭和三十年二月以来十二年ぶりであり、天気も全国的に必ずしも恵まれなかったのでありますが、選挙当日の有権者総数六千二百九十九万人のらち四千六百六十万人が投票し、投票率は七三・九九%に達しました。これは前回の総選挙の七一・一四%に比べ二・八五%の増加に当たります。このような投票率の上昇は、今回の総選挙に対する国民の期待の大きさと政治に対する意識の高まりを示すものと思われますが、一つには、政府が中心となり全国の選挙管理機関、各種団体及び報道機関が一体となって、明るく正しい選挙の推進に全力をあげて取り組んでまいったこともあずかって力があったものと思われます。  立候補の状況について申し上げますと、今回の立候補者は九百十七人で前回と同数でございますが、昭和三十九年に新しく選挙区が五、議員定数が十九増加されましたので、競争率は前回の二倍を下回る約一・九倍となり一戦後の最低を記録いたしました。党派別に見ますと、自由民主党三百四十二人、日本社会党二百九人、民主社会党六十人、公明党三十二人、日本共産党百二十三人、諸派及び無所属百五十一人であります。  次に、当選者の状況を申し上げます。  まず、党派別に申しますと、議員定数四百八十六人のうち、自由民主党二百七十七人、日本社会党百四十人、民主社会党三十人、公明党二十五人、日本共産党五人、無所属九人でありました。  次に、党派別得票数を見ますと、自由民主党は二千二百四十五万票で有効投票の四八・八%、日本社会党は千二百八十三万票で二七・八九%、民主社会党は三百四十万票で七・四%、公明党は二百四十七万票で五・三八%、日本共産党は二百十九万票で四・七六%であります。  今回の総選挙は、前回に比べ全体として選挙のルールを守ろうとする傾向が見られ、違反事件の減少とも相まって、わが国民主政治の将来に明るい希望を示すものとして、今後もこの方向に沿い努力いたしたいと考えております。  次に、最高裁判所裁判官国民審査の状況について申し上げます。  今回の国民審査は、前回の国民審査以後に任命されました七人の裁判官について行なわれたものでありますが、その結果、罷免を可とする投票は、いずれも有効投票の八ないし九%くらいでありまして、全裁判官が国民の信任を受けました。  次に、選挙制度審議会の審議状況について申し上げます。  御承知のように、政府は、昨年十一月に第五次選挙制度審議会を発足させ、以来三回の総会を開催し、今後の審議方針等について検討の結果、基本的には前審議会の報告に従って最終的な結論を得ることを目途として審議を進めるが、さしあたり明るく正しい選挙を実現するために、当面緊急に措置することを要する問題について審議を進めるべきものとされ、昨年十二月に同審議会に、当面緊急に措置すべき事項に関する特別委員会を設け、政治資金の規制、連座制の強化等に関する諸問題について鋭意御審議を願っている次第であります。  現在までに、同特別委員会は十回の委員会を開き、審議を重ねたところでありますが、三月三十一日開催の委員会において、政治資金規制等に関する特別委員会としての改善案を取りまとめられ、来たる四月七日開催の第四回総会において、さらに検討を加えた上最終決定して答申するという運びになっているようであります。  以上、第三十一回衆議院議員総選挙の結果と選挙制度審議会の審議の概要を御説明申し上げた次第でございます。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 この際大臣に二、三の点について御質問したいと思いますが、いま大臣の御報告にもありましたように、選挙制度審議会は、明るく正しい選挙のために緊急に措置すべきものとして政治資金規制、連座制強化その他緊急の問題を取り上げて審議しております。去年の夏以来のいわゆる政界の黒い霧の続出、なかんずく共和製糖問題等は政治資金と政党との関係あるいは政治家との関係をもっときれいにしなければならぬということを痛切に教えておると思います。そうしてまた、国民の世論としましても、この際政治資金をきちっと明朗なものにしてほしい、これが強い国民の世論でもあろうと思います。いわゆる政治不信の声が高まっている際でもありまするし、この際私どもは政治資金のあり方をきちっと政治資金規正法によって——政治資金規正法の改正によってきちんとする必要がある、国民の納得のできるような形に改正する必要がある、こう考えておるわけです。これはおそらくどなたも異論のないところであろうと思いますが、念のため、政治資金のあり方を国民が納得できるような形にきちんと規正するということに対する大臣のお考えを、まず前段として伺っておきたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 まことに御指摘のとおりでございまして、政治資金というものが公明に、しかも国民が納得するような形で規制さるべきものであるということを考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それでは政治資金のあり方について、私は選挙制度審議会で論議している内容に特に触れようとは思いませんけれども、これは別の機会でまた詳しく論議すべき問題であろうと思いますから、特に内容に触れようとは思いませんが、原則的な点について一つ伺っておきたい。  それは政治献金のあり方は、私どもは個人に限るべきものだ、かねがねそのように考えております。これはすでに御承知のように、アメリカなどではもう七十年も前からその規制を始めて、四十年前にはもう完全に法人その他の団体からの寄付を禁止しております。日本も、政治献金のあり方としましては個人に限る、これが私は一番望ましい形だと思います。それをいつからやるかということは別としまして、早急にその方向に向かって進むべきものである、改善していくべきものである、こう考えますが、これに対する大臣のお考えを伺いたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 せっかくのお尋ねでたいへん申しわけないのでございますが、先ほど報告申し上げましたように、選挙制度審議会が最終段階にきて答申を出されようとしておるときでございます。私が私の意見を申し述べることは、私の立場としてはいかがかと存じますのでお許しをいただきたいのであります。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私たちは、政治献金のあり方は個人に限るべきものである、その個人の場合も一定の限度をきめて、一人で巨額の献金をする、なるべくこういうことのないようにすべきものだと思いますが、少なくともそれへ向かって一歩一歩進めるということでなければ——おそらく個人の意見をあなたが答弁なさるということになれば、理想としては賛成でございますと言うに違いないと思う。あなたは自民党には珍しい良識派の政治家ですから、そうおっしゃるに違いないと思いますけれども、しかし、理想としてはそうであると言って、いつまでも理想で、そこへ一歩も近づかないというのでは、これは理想にもならないわけですね。私どもは、そうあるべきもの、それが理想であると思いますので、少なくともなるべく急テンポをもってそれに近づくということを現実にやっていく必要があると思います。選挙制度審議会の特別委員会でまとめた案は、新聞ですでに発表されておりますが、私は不満です。不満ですが、その理想へ一歩近づこうとしている意欲のあること、そういう一歩前進の面のあることは私ども認めます。ですから、そういう意味では、不満であるけれども、そうして第一次、第二次審議会の答申から見ると若干の後退の気味はありますけれども、実現の可能性ということを考えた点を好意的に私ども解釈しまして、最低のものとしてあの程度はすみやかに実行しなければならぬ、今国会に法案を出してこれを通過させる、最低このぐらいのことをしないと、国民の期待にも、世論にもこたえることにならぬと思うわけです。選挙制度審議会の答申を尊重されるということは、すでに総理大臣も答弁されておりまするが、この際、重ねて自治大臣にお伺いしますが、答申は尊重して、今国会に法案としてお出しになる御準備がありますか。そういうお考えがありますかいなか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 佐藤総理もしばしばお答えをいたしておるところでございまして、制度審議会の答申をいただきましたならば、早急に成文化しまして国会の御審議を願いたい、そういう信念でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 ぜひそうあってほしいわけですが、きょうの新聞報道によりますると、この新聞報道が誤りでなければ、あなたの属しておる自民党さんにはだいぶ御不満があるようで、あの案に対して、答申がまとまる前に、小委員会でまとめた案に対して七日の総会で大修正を求めると、こういうような報道がされておるのですが、もしそうなると、これは私はたいへんなことになると思うのです。私どもも実は不満なんです、別の角度から。もう少し、一歩前進でなく、せめて二歩前進ぐらい、この共和製糖問題で国民の注目が集まっている際でありますから、よたよたと一歩前進するんじゃなくて、威勢よく二歩前進ぐらいの改正をしたい、こう思っておるわけです。その私たちが見て最低とも思われる、わずかな一歩前進と思われる案に対して、この報道が事実であるとすれば、これは私は総会でたいへんな問題になると思うのです。おそらく政治資金の規正について熱心に努力されてまいりましたいわゆる学識経験者の委員の諸君は納得しないと思う。仄聞するところによれば、そういうことを出して、また委員会を最初からやり直しするような事態になりましたならば、委員をやめるぞという不満を漏らしている者もあるということです。そういうことになりますれば、政治資金の規正そのものの成立があやぶまれる。これは私は、自民党さんには別に、いまここで文句言っても始まらぬかもしれませんけれども、大臣は、そういうような動きに対して、おそらく多少お耳に入っていると思いますが、どういうふうにお考えですか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 報道されるところによりますと、自由民主党内にいろいろ御意見のあるようなことは承っておりますが、直接私に対しまして、党のほうから何らの御連絡もいただいておりません。制度審議会は独自の立場で御審議をいただけるものと確信をいたしております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 自民党からも、党の代表という形で赤澤正道君——自治大臣としてはあなたの先輩ですね。そうして、その方面については熱心に研究していられる力のある特別委員が出ておって、あの特別委員会でまとめることについては了承を与えているはずだと思う。了承を与えています。私たちも、いま申しましたように非常な不満がありますけれども、最小限度の一歩前進としてまあまあ、こういう意味の了承を与えている。了承を与えておきながら、党へ帰ってきてこれを大修正を加えるという。私は、答申が出てから、法案が国会の審議の過程に入ってから、いろいろ疑義を出したり意見を述べたりということは、これは当然のことだと思いますが、まさに答申を目前に控えているいまの段階でこういうことをするということは、公党としてなすべきことじゃない。政治資金規正法改正の不成立の責任をあげて自民党が負わなければならぬことになると思う。こういうようなことに対して、大臣は自民党の一員としてどういうふうにお考えか、ちょっと伺いたい。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 自由民主党で、この特別委員会案と申しますか、それに対して御意見があることは存じておりますが、どういう御意見を展開されておるのか私にはわかりませんが、とにかく制度審議会は制度審議会として、その審議会の性格にのっとった御答申をいただけるものと私は考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 あなたはここでは、よく知らないと言って逃げるしかないでしょう。新聞にちゃんと出ていますから、その新聞を読まぬはずはありませんから、それはもうよろしい。これ以上追及しません。おそらく選挙制度審議会は、どのような意見があっても、特別委員会でまとめた案を総会の最終案として答申されると私は信じております。また、そうでなければならぬと思う。その際に、政府は、選挙制度審議会の答申を文字どおり、ことばどおり尊重して、法案として——ざる法化しないで、実効のあがる法案として今国会へお出しになりますね。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、答申をいただきましたならば、それを十分に尊重をいたしまして成文化して御審議をいただきたいと考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 御約束の時間ですから、私は、これは私の希望として申し上げておきますが、答申を尊重するといって、過去において、八割方大事な部分を骨抜きかもしくは措置しないで、ほんの一部分をやって、これで尊重だ、こういうこじつけの答弁をしたことがあります。私は尊重ということはそういうものではないと思います。全面的に尊重するという——かりに全面的でなくても、少なくとも大事な、肝心な部分は尊重する、これでなければ尊重ということにならぬと思います。ですから、ぜひそういう意味の尊重で、ざる法でない、ざるの目を全部とめた実効のある法律を提案されることを期待して、その際の審議にはまたいろいろ御質問なり意見を申し上げる機会もあろうと思いますが、ぜひそういうふうにしてほしいということを希望申し上げて、もう一ぺんおいでになったとき、また堀君から質問いたします。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 この際、選挙制度審議会の審議の経過について補足説明を聴取することにいたします。降矢局長。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 ただいま大臣が審議の概略を御説明申し上げましたことについて、なお補足して御説明申し上げたいと思います。  審議会は、昨年の十一月に発足いたしまして、三回の総会を開き、当時の状況からいたしまして、早急に検討し、取り上げるべき問題を検討しようということになりまして、総会の御決定に基ついて、当面緊急を要すべき事項に関する特別委員会というものを設置いたしまして、自来十回審議を重ねてまいりました。  その間、御議論になった点を概略御説明申し上げますと、政治資金の寄付につきましては、個人に限るか、あるいは団体にも認めるか、こういう点で概略四つのおもな点の御提案がございました。一つは、政治資金の寄付は個人に限るべきだ、政党に対する場合には五年程度の猶予期間を置こうという考え方でございました、第二は、個人のほかに、団体にもその分に応じて寄付を認めてはどうかという御提案でございます。第三は、個人の献金を大幅に制限し、あるいは禁止する場合においては、政党の今後の活動をある程度考えねば非常に無理があろう。そこで、政党の行なう選挙活動あるいは立法調査活動についてはある程度大幅な国費の支出を考えてはどうか。第四の意見といたしましては、個人に限るという方向をとりながらも、政党の近代化、組織化の確立するまでに団体の寄付を逓減していこうじゃないか、こういう考え方が示されております。  これをめぐりましていろいろ御議論がありまして、特別委員会といたしましては、政党の政治資金については、個人献金及び党費によってこれをまかなうことを本来の姿とするけれども、さしあたっては団体にもこれを認めるということで改善案を取りまとめることにいたしたわけでございます。  そこで寄付の制限に関しましては、団体については最高限二千万円、個人については一千万円の年間の制限額を設けることはどうか。その場合、団体につきましては、会社にも応分の寄付ということで、資本の千分の二・五の限度を設けよう。しかし、小さな会社の寄付につきましては、その資本の千分の二・五が五十万円以下である場合には五十万まで認めてはどうか、こういうような案に取りまとめたわけでございます。  それから、いわゆる特定会社につきましては、一般に政府から補助金、負担金あるいは利子補給を受けておるもの、こういうようなものについては政治献金を禁止する。ただ、請負をしているようなもの、あるいは政府の関係金融機関から融資を受けているようなものについては、一般の会社の制限額の二分の一程度にしよう。それから、赤字を生じている会社の献金は禁止しようというふうなことが骨子になっております。  それからあとは、収入の面をある程度規制いたしますので、それに対応いたしまして、選挙区内における寄付をある程度厳格に規制をしよう、こういうことでいろいろ御議論がありました結果、親族及び政党その他の政治団体及び候補者にする場合を除きまして、選挙区内の寄付は一切禁止しようというような提案になっております。  あと多少公表の制度の合理化などにつきましても、若干の提案がございます。  それから課税の問題につきましては、いろいろ御議論がありましたが、個人のする献金についての課税の優遇措置とか、あるいは個人の受ける献金についての課税の合理化とかその他については、なお検討、合理化を進めるべきだ、こういうことに相なっております。  それから連座制につきましては、第一次答申の線に沿いまして、いわゆる地域主宰者のほかに職域主宰者というものを連座の対象に加えるということ。親族につきましては、同居している場合には、意思を通ずることを要しないというようなことが問題になっております。  なお、いわゆる連座訴訟の促進につきましては、連座の刑事事件について当選人が参加する制度、あるいは戦前ございました刑事訴訟における付帯控訴的な考え方の御提案がございましたが、いろいろ御審議の結果、現在の民事、刑事の訴訟体系が完全に分かれているということ、いまこの両者をある程度交錯させることに理論的な難点があり、また実務的な観点からいたしますと、そういうような参加ないし付帯控訴的な制度をとることがかえって連座訴訟を長引かす結果になりはしないかというような御意見もございまして、なお検討を続けることにいたしております。  最後に、公民権の停止措置でございますが、現在、御案内のとおり、罰金の刑に処せられた場合には、裁判により公民権を停止しないという判決を下すことができる制度がございます。しかしながら、この制度を存置することは、選挙違反に対しては適当でないということで、公民権不停止の制度を廃止しようということに相なっております。ただ、現在の公職選挙法は、御案内のとおり、運動面が非常にこまかい規制にわたっておりますので、情状によっては非常に気の毒な方もおる。そこで、軽微な形式的な犯罪につきましては、公民権を停止しないという制度は存置する必要がある。こういうような御議論でございました。  以上、大体特別委員会における御議論の結論を簡単に申し上げました。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 続いて衆議院議員総選挙の取り締まり状況等について、法務省川井刑事局長。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 今度の総選挙の取り締まりの結果につきまして、前回三十八年の選挙の違反事件との比較の表をつくってお届けしてあるはずでございますので、その表に基づきまして、気のついた二、三の点について御説明を申し上げることにいたしたいと存じます。  今回の選挙後三月二十日現在でちょうど五十日目になりますけれども、私ども全国の検察庁で受理いたしました人員を統計面で見ますと、合計二万七百九十二人という数字を示しております。これに対しまして前回、昭和三十八年のときは、投票日後四十日までの統計しかとっておりませんでしたけれども、その四十日目の数字を見ますと、同様受理人員の合計が三万七千五百五十六名、こういうことになっておりまして、今回のほうが十日長く統計をとっておるわけでございますけれども、大ざっぱに申しまして、受理人員の面では半減しているということが申し上げられると思います。自粛ムードが流れておりましたさなかに行なわれました選挙でありましたので、この数字だけからは正確なことは申し上げられないといたしましても、このように受理人員が激減したということは、やはり自粛ムードの結果、明るく正しい選挙への方向が示された、こういうふうに申し上げて差しつかえないのではなかろうかと思うのでございまして、この点が一番目につく第一の顕著な特徴としてあげることができると思います。  それから、この表は簡単でございますが、便宜犯罪類型別に一応整理してみました。一番上の欄が最も悪質といわれておる買収事犯でございますが、これは今回三月二十日現在で一万七千三百一名の受理人員を示しておりますが、前回は買収事犯が三万三千八百七十九名、こういうことになつておりますので、この買収事犯の激減が全体の違反取り締まりの数の激減に直接影響を持っておるということがおわかりいただける、こう思うのでございまして、要するに買収事犯が極端に減少したということが違反の受理件数が半減した、こういう原因につながっているようでございます。これもたくさんの数でございますので、個別に一件一件取り上げまして内容を検討いたしませんと正確なことはもとより申し上げることができませんけれども、大ざっぱに、事件の報告を見ております者としての印象を申し上げますと、結局、いわゆる供応事犯の受理が減っているような気がします。言いかえますと、前回のときにはこの買収事犯の中に、現金買収のほかに相当数の供応買収が入っておるわけでございますが、今回は年末年始をはさんでの選挙運動というようなことがございましたので、その間の取り締まりないしは立証の困難というようなことを反映してか、供応事犯の受理件数がたいへん減っているように思いますので、その辺のところがこの買収事犯の極端に減っておる原因につながっておるものではなかろうか、かような推測が一応できるのではなかろうか、こう思うわけでございます。  それから二番目の欄に戸別訪問が千五百八十四名受理いたしておりますが、前回には千三百五十三名、こういうことになっておりますので、これは全体が減ったにもかかわらず、むしろ絶対数でやや増加の傾向を示しており、パーセンテージにしますと、前回が戸別訪問は全体の三・六%でありましたものが、今回は戸別訪問が全体の七・六二%、こういうことになっておりますので、やや倍にふえておるということがいえると思うのであります。これも単なる私の推定にすぎませんけれども、自粛ムードの中で買収事犯というふうなものが減りまして、そのかわり組織ないしは団体の力を利用しての活発な運動が行なわれた、その反映として戸別訪問の形の選挙運動が受理件数となって増加の傾向を示したものではなかろうか、かような一応の推定をしておるものでございます。  三番目に文書違反がございますが、これは今回は千二百四十二名の受理でございますが、前回は千六百六十五名の受理になっております。これもパーセンテージをとってみますと、全体の受理件数の上では、今回のほうが五・九七%、前回は四・四三%になっておりますので、約一・五%ほど、今回文書違反がふえておるということがいえると思います。全体が、減っておるにもかかわらずふえておるということが一つの特徴としてあげられると思いますけれども、やはり戸別訪問と同様に、買収事犯というようなものが手控えられまして、そうして活発な文書活動が各党派を問わず行なわれたということの反映として文書違反が一・五%の増加を示したものではなかろうか。これも私の推定でございますが、そういうふうなことがいえるのではなかろうかと思います。  なお、選挙妨害、不正投票、地位利用あるいはその他、その他の中には、注にございますように事前運動でございますとか、政党等の政治活動違反あるいは国家公務員法違反というふうなものを含んでおるわけでございます。これは両者の数字を比べてみましてもあまり極端なものはございませんし、不正投票がやや目につくのでございますけれども、これも全体の数字としてはごくわずかなものでございますので、この数字から特徴的なものをつかむことは困難であろうかと思います。  なお、よけいなことでございますが、つけ加えて特徴を申し上げれば、この統一地方選挙を控えての総選挙でありましたために、受理した事件を見ておりました印象といたしましては、地方議員の方々の違反が前回よりややふえたのではなかろうかというふうなのが特徴としてあげられると思います。また、連座規定にも関係を持ってくることでございますけれども、候補者の親族でありますとか、あるいは秘書でありますとかいうような、いわゆる候補者の側近の人の違反が前回よりやや目立っているのではなかろうか、こういうふうな気がいたします。  こういうことがどういう原因に基づくものかというようなことについては、まだ的確な資料を持っておりませんけれども、一応数字によっての説明と、幾らかの所感、感想、印象のようなものを御報告がわりに申し上げさせていただいたわけでございます。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 次に、警察庁内海刑事局長。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 警察庁から取り締まり状況について御報告を申し上げます。  数字につきましてただいま法務省のほうから報告がございましたが、私のほうは、お手元に差し上げてありますように、二月末日をもちまして一応全国の数字を集計をいたしました。警察側で違反として検挙した数字を掲げた次第でございます。その後なお若干の県におきまして捜査を継続いたしましたので、警察側で検挙いたしました数字はこれよりも若干ふえておりますが、大勢におきましてはほとんど異なっておりません。数字につきましては、お手元に書類を差し上げておきましたので、一々の朗読を省略させていただきます。  このほかに、資料ではお出ししておりませんが、いわゆる公示の前、さらにその後におきましても、通じまして警告をいたしました件数が全部で一万三百三十六件ございます。それから違反の特徴その他につきましては、ただいま法務省のほうから報告いたしましたと異なったところはございません。すべての点におきまして全く同様でございます。  なお、特異なことというふうなものは、今回の警察の取り締まりの面では出しておりませんが、ただ一つ、琉球のほうから投票依頼の文書が送られてきたというふうな例がございます。それ以外につきましては、在来の総選挙とそう格段に異なるような事例はございません。  はなはだ簡単でございますが、御報告を申し上げます。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 以上で報告は終わりました。  この際、暫時休憩いたします。    午後一時五十分休憩      ————◇—————    午後一時五十一分開議

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 休憩前に引き続いて再開をいたします。島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 ちょっといまの報告について伺いますが、不正投票というのは今度ふえました。前回の五人に対して今度五十九人、十倍以上にふえたわけであります。この不正投票というのはどういうことですか。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 不正投票がふえた原因について、まだ原因をつかんでおりませんが、実はきょう全国の次席検事を集めまして、朝から今次総選挙の総括について協議中でございますので、私、この不正投票がふえたことについて、その原因と内容等について聞いてみたいと思っていたところでございました。いま的確な内容等御質問の趣旨にお答えするような資料を持ち合わせておりませんので、御了承賜わりたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それは次会に、ぜひ具体的にひとつ報告願いたいと思います。  それから、これは警察か、それとも選管かよくわかりませんが、ちょっと伺っておきたいのですが、空気銃でもって撃ったという事件がありましたね。あの人は一体精神異常者なのか。保護を要する精神異常者なのか、それほどでもない、普通にしておける状態の人なのか。万一再びあのような犯行を重ねて候補者が撃たれるというようなことがあったらたいへんなことですが、それをちょっと伺っておきたいのです。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 まだ取り調べ中でございますので、警視庁のほうから詳細な報告に接しておりませんが、ただいままで私どもの聞いております範囲におきましては、特に精神異常あるいは精神障害があるというふうな報告は聞いておりませんが、胃かいようをここ一ヵ月以上わずらっておるということと、それから過去の行状の中で、やはりとうふ屋でありますか、その売り声がたいへんやかましいというふうなことで、それに食ってかかったというふうなこともあった。そういうことも聞いております。それ以外には特別なことは聞いておりません。ただ、あの犯罪捜査ということで本人のうちに参りましたときに、妻のほうは空気銃の所持をすぐ警察官のほうに伝えましたけれども、本人は、最初は会う必要はないというふうなことで、警察官が最初の任意に取り調べにいきましたときには、そういうふうな行為があったようでございます。それ以外には特に聞いておりません。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 もう一つ伺っておきます。  第二の浅沼委員長になるぞという非常な、私どもから見れば悪質な脅迫を立ち会い演説会の場所でやっておる候補者がございました。これに対しては注意とか、適当な何らかの措置をおとりになったかどうか。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 立ち会い演説の席上におきまして、ただいま仰せのような内容を持った演説がございましたので、警視庁におきましては、それがどういうふうな内容を持ったものであるか、それがどこで言われたものかということを各般調べまして、たまたまその辺のことも明らかになりましたので、その翌日でしたか、当人が警視庁に参りましたので、警視庁の主管者のほうからきびしく警告を発しまして、自今こういうことのないようにきびしく注意をいたしました。私どもの報告を聞いております限りにおきましては、それ以後におきましてはそういうふうな言辞は行なっておらないということを聞いております。  なお、警視庁はもとより、全国の警察につきましても、そういうふうな不穏な言動につきましては十分に、ひとり刑事警察のみならず、警察の全力をあげて対処するようにということの注意をあらためて喚起いたしておるところでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 もう一つ、こういう候補者があるのですが……。立候補するということは当選を目的としているとわれわれの常識では考えられますけれども、私に投票しなくてもよろしいからこういう人に投票してくれ、こういう立ち会い演説をやっている。ずいぶんおかしな話だと思いますが、選挙公報やあるいは交付された選挙運動用のはがきに、自分に投票しなくてもよろしいから他のこういう候補者に投票してもらいたい、こういうことをもし文章の中に書いた場合には、選挙法上どういうことになりますか。そういうのを野放しにしておいてよろしいものかどうか、ちょっと伺っておきます。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 選挙公報につきましては、御案内のとおり本人の提出した原文をそのまま掲載するということになっております。それで実際の指導のやり方としては、窓口において、非常に極端な事例の場合には、それぞれの候補者の方に訂正方を選管としてはお願いするように指導をしておりますが、提出期限のぎりぎりのときになりまして、それを理由に受け取らぬというようなことはできませんので、最後には原文のままこれを掲載をするということになっております。したがいまして、いまのような伺いました事例につきまして、かりに他の候補者と意思を通じてやっているような場合はともかくといたしまして通用の場合、どうしても選管としては原文のまま掲載せざるを得ない、こういうことに考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それから選挙用はがきの横流しといいますか、これを防止するためにずいぶん検討もしてまいりましたし、適切な防止の措置を講ずるよう選挙制度審議会から答申があったはずですが、これについてはまだ何もしておりません。何もしておりませんが、そういうおそれありと私ども見ておりますが、何か対策をお考えになっておりますか。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 ただいま先生御指摘のような御議論が絶えずありまして、われわれとしても、たとえば候補者に渡すはがきに、この候補者であれば、はがきに一なら一という番号を打って、そしてそれを渡すというようなかっこうにして、このはがきはその候補者プロパーのものだということで、何かそういう表示をつけたものを選挙用はがきとして渡すか、あるいは私製はがきを持ってきて、それに番号を郵便局で打つというようなこともやれないものかというようなことを一応検討したことはございますけれども、これは郵政省自体の問題でもありますし、なかなか技術的にはそう簡単にいかぬということで、現在まで特別に——多少の手入れはいたしましたけれども、本質的にこうした横流しを完全に防止するというような施策につきましては、なおもう少し検討さしていただきたい、こう思っております。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後二時一分休憩      ————◇—————    午後三時五十四分開議

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について、引き続き調査を進めます。  質疑の申し出があります。これを順次許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 先ほどから当委員会において、引き続きまた予算委員会において、審議会の問題がいろいろ議論になっておりますけれども、私はちょっと自治大臣にお伺いをしたいのは、第一次の審議会が答申をいたしました答申の項目的な数が一体幾つあって——これは事務当局でもいいですよ、そうしてその中で答申のとおりに政府段階で法文化されたもの、いわゆる答申の趣旨を尊重したという形で法文化をされたもの、それから取り上げられなかったもの、この三通り実はあるわけです。第一次の審議会の答申について、これをちょっと具体的にお答えを願いたい。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 いまちょっと調べましてお答え申し上げますから……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あわせて第二次の審議会の答申についても、それではすぐ一緒に調べてください。  では、自治大臣にお伺いをいたしますが、この前の総選挙のときには、国民全体として非常に政治に対する不信感が高まっておったことは自治大臣も御承知のとおりだと思います。ああいう時期にああいう形で国民の政治に対する不信感が高まった原因は、一体何にあったというふうにお考えになりますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 やはり、たとえば田中彰治君の問題とか、そういうことにからんで、選挙に金がかかるということ、また、政治家の姿勢に対しての国民の倫理観からする批判というようなものがいろいろ重なってああいう形になったのではないかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は、選挙に金がかかる、こういう表現が常に使われておるわけですね。しかし、私は、それは実は選挙に金をかけているんだと思うのです。かかるというと何か自然にかかっているようなふうに聞こえるのですけれども、これはこちらから金を使っておられるのであって、金があるから使うので、なければ使えない、こういう問題ではないかと思うのです。実はその問題は、御承知のように私どもの社会党は、自民党と比較をいたしてみますと、非常に使っている金は、実額としては少ないのです。なぜ少なくなるかというと、おそらく私どものほうももし金がもっとあったならばもっと使うだろうと思うのですが、ないものだから使えないという問題が片方にありますね。片方は相対的ですけれども、やはりあるほうはあれば使うということになっているのが現状ではないか。そこが問題として実は鶏と卵のような関係に結果としてはなってきておる。だから問題は二つあると思う。やはりこの問題は、金の入ってくるほうを制限する問題と、同時に出さなくても済むようにする問題と、両方考えませんと、ただ片方だけで問題が解決すると私も思っておりません。その両面を解決しなければならぬ。やはりこの一番重大な問題は、政治家と資金の問題が国民の批判の中心的な課題であった、こう考えておりますけれども、自治大臣、いかがでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 選挙に金がかかると申しましたのは、選挙のときだけという意味でなくて、国会議員としての地位を永久といいますか長く確保したい、あるいは新しく国会議員になろうとする、そういうものも含めての意味でございますが、確かにかかるという受動的な面もありましょうけれども、またかけるという能動的な面もあろうと思います。したがいまして、今後の問題といたしまして、そういうものもひっくるめてやはり政治家と資金というものの問題を解決していかなければならぬものと考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、これは個人的なことを申して恐縮ですが、私も後援会があります。ところが、私の後援会というのは、私を出してやろうという皆さんが集まってくだすって、毎月百円ずつその会費を集めて、そうして私の活動を支持してくだすっておる後援会です。ところが、一般的に自民党の皆さんの場合には、会費をお払いになっている後援会というものは、どうも私は寡聞にして聞かないのです。大体どうも……(「人によって違う」と呼ぶ者あり)まあ人によって違うそうですから、私は必ずしもそういうことがないとは言いませんが、一般論として新聞等で伝えておるところでは、大体その候補者なり職員のほろからいろいろなかっこうのものがいっておる後援会のほうが実は多いように見受けておるわけです。これがこれまでの法律で後援会に対する寄付の禁止とかいろいろなことが議題になった経緯でございます。これは新聞でもいっているのでありますが、やはりそういう逆のコースが改まってくるのでないと、問題はなかなか解決しないのじゃないか。  そこで私が申し上げたいのは、そういう政治不信を正すためには、いま一番問題になるのは、やはり政治家と資金の問題、さっきお話しになった政治の姿勢に対する国民の倫理感が許さないというのは、ここに非常に問題があると思うのです。もう一つの側面としては、政治家と課税の問題、こういう点にも実は発展をしてきておるわけなんです。要するに政治家と資金、その資金がはたして政治にほんとうに使われておるのか、個人的なものに使われておるのじゃないか、それならば当然課税されるべきじゃないかというのも、これも国民の倫理感でありますからね。そういういろいろなものが実はここに集約されてきていると私は思うのです。この点について、やはり政治不信を正す道は一つしかないのじゃないか。方法はいろいろありますよ。ありますが、政治不信を正す道というのは一つしかないのじゃないかと思いますが、自治大臣は、この政治不信を正す最も簡明直蔵、明快な方法といいますか、方向は何か、これをちょっと伺っておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 堀さんのおっしゃるただ一つという御意見は、わからないではないですけれども、やはりいろいろな面から方法を考えていかなければいけないのじゃないかと私は考えるのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いろいろな方法はわかりました。一番当面重要だと思われるものは何でしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 やはり政治に使われるあるいは選挙に使われる金が、非常にガラス張りで使われるというようなことが一番必要なんじゃないかと思っておるのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私、選挙制度審議会に出ておりましたときに、検察の非常に大先輩でありますところの佐藤藤佐さんのお話を委員会で聞いたことがあるのですが、自分は実は検察の世界にいたときには、会社に二重帳簿があるというのは特例のものだというふうに感じておった。ところが調べてみると、民間に行ってみると、その二重帳簿というものが実に多いのに気がついた。そういうのが政治資金に非常に関係があるという点も気がついた。この点で企業の政治献金というものを自分は新たな角度で考え直す必要があるというお話があったこともございました。ですから私は、そういう問題を聞きながら、国民のいまの世論の方向、意向が大体明らかになって、審議会もその方向に沿った考えをあらわされるだろうと思うのであります。  そこでちょっと伺っておきたいのは、第四次の審議会が終わりましたときに、私、新聞で承知をしておるだけですが、たしか現在の会長をしておられる高橋委員と矢部委員から、もうここでやめたいというお話が出ておりましたね。ところが、これにつきましては自治大臣——当時の自治大臣だと思います、塩見さんでしょう、それから総理大臣もずいぶんいろいろと御懇談をなすって再任されたという経緯がございますが、この経緯についてちょっと伺っておきたいのです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 私も、そのときは当面の責任者でございませんので、つまびらかにはいたしておりませんが、承ったところによりますと、ぜひ第五次の会長並びに委員をお引き受けいただいて、適切な答申をいただきたい、そうしてまた、その答申については十分尊重いたしますというようなお話があったように承っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私は当時審議会の委員でございませんでしたから、記録によってちょっと申し上げますと、「第五次選挙制度審議会第一回総会発言要旨」という中で、総理大臣がこういうことをおっしゃっておるわけです。これは自治省の資料でありますが、「ただ過去において、審議会の答申について、必ずしも国会の賛意を得られなかったのは残念であった。」ちょっとここが私どもわからないのですが、「さきに、会長の高橋氏と会った際、高橋氏が「答申を出しても、政府がその気になって改正に踏み切らなければ、委員を引き受けない。」と述べたので、私は「最近、政治に対する批判が強くなされている。この際、金のかからない選挙を実現することが、根本の問題だ。民主政治の発展のため、選挙制度の改正をはかりたいので、協力してほしい。」と申し上げた。」こういうふうに総理が言っておられますね。これはすでに畑君が申しましたように、第一次のときに、長谷部忠さんが取り扱いに不満を持っておやめになり、同時に第四次の審議会のときに高橋、矢部両委員がおっしゃったのも、幾ら努力をしても審議会の答申が具体化されないのならば意味がない、こういうことが実は審議会の委員の皆さんには非常に強く流れておるわけです。御承知のように、審議会の委員というのは、おおむね学識経験者を含めて非常に多忙な方なんです。この多忙な方が、あれだけ時間をさいてともかくいろいろと議論をして、答申に協力をされておるわけですね。これは実はあなたじゃないからいいんですけれども、この前の塩見さんのあいさつを見てたいへん驚いているのです。塩見自治大臣が最初の審議会でこういうあいさつをしているのです。「また、皆さま方には、第三次選挙制度審議会以来、選挙制度の改善について終始熱心に御審議をいただき、貴重な御意見御討議を賜わりましたことをここにあらためて厚くお礼申し上げます。」いいですか、実は自治大臣としては、ことばの上で貴重な御意見、御討議を賜わりましたことを厚くお礼を申したって意味がないのです。この人たちは、そうではなくて、せっかく自分たちがあの審議会に貴重な時間をかけて出席をして、討議をされた結果出た答申を、いかに守ってくれるかというそのことに、この審議会の人たちはかけて出ておられるにもかかわらず、ことばの上でお礼を言われたって審議会の委員は少しもありがたいと思っていないわけです。これが私は、過去の経緯の中にずっと出ている審議会の委員の皆さんの非常に真剣な気持ちだと思っているわけです。ですから、先ほどから西宮君からも申し上げたり島上委員も申し上げていますが、私どもはことばの問題はいいのですよ。十分に尊重するとか、そんなことばの問題はいいのですが、せっかく皆さんが、あれだけの委員を委嘱をして、長年月にわたってあの人たちが一生懸命審議に参加しておられることは自治大臣も事務当局からお聞きになっていると思うのですね。私も委員になりましてから一日も欠席いたしません。この赤澤委員は私はたいへんりっぱだと思っておりますのは、私が第一次、第二次の委員のときは、自民党の委員の諸君で出席をすること、率直に申してきわめてまれであったわけです。しかし赤澤委員は、もう時間どおり必ず御出席になって、ずっと出席しておられて、たいへん私はりっぱだと思っているのです。それが私は大事なことだと思うのですよ。同時に、やはり自治大臣が、その表現はここでとやかく申しませんけれども、最近のはやりのことばで言いますと、態度で示すという、この中からあなたが委員の皆さんの御苦労に感謝をする道があるのだろう、私はこう考えておるのですが、自治大臣いかがでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 審議会の委員の皆さん方のそうした御苦労ばかりでなくて、自分らが幾ら答申しても取り入れられないでは意味ないというお気持ちを持っていることも私、承知をいたしております。したがいまして、それこそ態度で示せということでございます。いま答申の出ようとするときに私がいろいろ意見を申し上げることは差し控えますが、確かにそういう気持ちで私は善処してまいりたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 次に、民主政治というものは、私は、世論に聞いて政治が行なわれるということが基本だと思います。大臣どうでしょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 そのとおりだと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 世論に聞くと申しましても、これはたくさんの人に一人一人聞いて歩くわけにまいりません。文明の近代社会においては、この世論を一番端的に代表しておるものは主要なる新聞の論説ではないか、私はこう理解をいたしておりますが、自治大臣はいかがでございましょうか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 最も国民の声を代表するのは国会であろうかと思います。しかし、発達した現代のマスコミ時代におけるこうしたものも、世論を伝えておるものと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 もちろん、国会は確かに世論を代表するわけですけれども、これはちょっと世論を代表するなどという表現に適切な場所ではないと思うのです。国民の意思というならよろしゅうございますけれども、世論というのは一般的抽象的なものだろうと思います。議会の場合には、これは多少党派性とかいろいろなものがありますから、そういう多少党派性を越えて一般的抽象的に、まあしかし具体的に国民の声を代表するものは私は新聞の論説だと思うのですが、最近の新聞の論説について、特にこういう問題については大臣はごらんになっておりますでしょうね。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 大体見ているつもりでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 どんなふうに御理解になっていますか、最近の新聞の論調を。特に社説の論説の部分について。最近四月一日には日本経済新聞が書いておりますし、同時に四月一日には朝日新聞も書いておりますし、昨日は読売新聞が書いておりますし、ずっとこう、いま論議になっております問題については、各紙は論説をもって自分たちの意見を明らかにしておりますが、これをごらんになった自治大臣の感想をちょっと伺いたいのです。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 たいへん申しわけないのですが、先ほどもお答えしましたように、その論説を論ずることが審議会の御審議の論評になることは差し控えたいと思います。しかし、貴重なる御意見として、これらの論説を拝見はいたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私はもうはっきり割り切っていますから、その答申が出る中身について議論しようなんで毛頭考えていないわけです。毛頭考えていないわけですけれども、やはりいま論説がいろいろ書いております問題については、中身のそういういろいろな問題ははずれまして、こういう問題があると思うのです。いろいろな問題については原則というものがありますね。私もやはり原則というものは大事だと思っています。ところが、世の中は原則だけではものは片づかないようになっているわけですね。原則があって現実があるわけですから、一つのあるべき姿と現実の間には当然差があるわけですね。この差はどうやって埋めるか。この差を埋めるのは政治だろうと私は思うのです。しかし、そこにはやはりステップ・バイ・ステップに問題を発展させなければ埋まらないという問題があります。だから、おのおのの政党の立場においては、きわめて原則を主張なさるところもあるでしょうし、現実の側にだけ固執をされる政党もあるでしょう。これはいろいろだと思うのです。しかし、そのいろいろなものに対して、やはり私は第三者としての一つの基準といいますか、常識という問題があると思います。これを新聞の論説というものはかなり明らかにしているものだ、私はこう理解しているわけです。一般論でありますけれども。だから問題は、この間の埋め方をどうするかということでありますが、私、この間たまたま伺っておりまして、ジャーナリストの方たちは、一般的にいって、われわれは非常に妥協している、いろいろな点で譲歩、妥協した、それはやはり現実を十分認識をした上で、不可能なことを言ってもしかたがないではないか、こういうお気持ちのようでありました。私もその点はそのように理解をしております。ですから、そういう理解の上に立っておるものがいろいろ議論されるものだから、実は本日の議論になってきたと思うのですね。しかし、このことは私はあなたから言質をとろうと思いません。さっきの御答弁でもう十分であります。非常にはっきりお答えになっております。ただしかし問題は、この問題は何かどうも党派性の問題として受け取られている点が非常に大きいように思いますけれども、私はこの党派性の問題以上に重要な問題だと思っているわけです。いまのいろいろな問題は、それは政治全体に対する不信というものがあるのですから、この政治全体に対する不信というものをどうするかということは、私は各党派性がありながらも、政党としては責任がある問題だろうと思っておるのです。しかし、その政党というものはそれでは何かといえば、個々の政治家の集団ですね。個々の政治家としてはおのおの意見はあろうと私は思うのですよ。しかし、幾ら個々の政治家の意見があろうとも、政党として政治に対する責任の範囲における限界はあると私は思うのです。ですから、私が特にきょう申し上げておきたいことは、いまの問題が単にある党派性なり一つの政党の問題ではなくて、やはり日本の今後の民主主義の政治の発展の過程にどういうかかり合いがあるかという観点から政党自体も考えてもらわなければならないし、政府は、これは政党内閣といえどもちょっと次元が違うわけですから、やはり政府というものはより一段といまの政党よりも責任が重いと私は思っておるのです。その点いかがでしょう。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 政治資金の問題はまさにおっしゃるとおり党派性を越えた問題だと思います。したがいまして、先ほどおっしゃられた現実をだんだん理想に近づけていくという努力の中におきまして政府が大きな役割りをしなければならないことも当然だと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あと、約束の時間がありますからこれで終わりますけれども、自治大臣がさっきからおっしゃったことを、私は誠意をもっておっしゃっておると理解をいたします。  そこで、さっきのあれをちょっと言ってください。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 この第一次答申につきましては、項目の数え方がいろいろあります。一と1、こうなっておりますので、1のほうを全部拾いますと、六十九項目あります。そのうちで項目を申し上げたほらがむしろいいのではないかと思いますが、高級公務員の……

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そんなにこまかく言ったら時間がないから、六十九のうち何項か、言ってください。——私が言ったように言ってください。そのものどおりと、趣旨を尊重したものと違いますからね。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 むしろ六十九項目のうち、趣旨尊重……

堀昌雄日本社会党

○堀委員 たとえば高級公務員の立候補制限を地位利用制限にすりかえたのは、それは趣旨の尊重で、そのままではないわけだ。ですから、そのとおりに言ってください。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 全然していないものから言います。公示前の個人演説会の開催……

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その名目はいいんだ。数だけ言えばいいんだ、時間がないから。——約束した時間があれですから、どうもあなたのは時間がかかるようなことばかりでまずいから、大臣が済んでから、ともかく数だけでいいからきちんと報告してください。  終わります。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司委員 時間がないようですから、ごく簡単に二、三点だけ。  基本的な問題で、これは大臣も答弁がしにくかろうと思うが、金のかからないような選挙にするということを、みんなそういううたい文句で言っているのですが、金がかかるようになった原因を政府は知っておりますか。もし大臣がおわかりならこの機会に話しておいていただきたいと思います。悪の原因がわからなければ、幾ら正したって正せない。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 金がかからないと申すと堀さんからしかられるかもしれませんが、かかる場合とかける場合とあるわけですが、それはすべて選挙と言っていますが、選挙に当選するための問題も含めて、金がかかる選挙ということを言っているのだと思います。そうしてこれは、鶏と卵論をやるわけではございませんけれども、やはり何かそういう金をかけないと、なかなか選挙を確保するのにむずかしいというようないろいろな事情から、だんだんそれが惰性化されたということではなかろうかと思います。

門司亮民主社会党

○門司委員 そうだとすると、政府の取り締まりの怠慢か、あるいは選挙管理委員会が第六条の規定に忠実でなかった、こういうことになりはしないかと私は思う。ある意味ではこれは政府の責任だと思う。  それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、選挙法が守れない。実際は現行選挙法でもそのまま守れれば、私はそんなに悪い選挙法ではないと思う。選挙法が守れない原因がどこにあるのか、政府は検討されたことがございますか。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 取り締まりが怠慢であった、あるいは選挙管理委員会が、というお話でございますが、何ぶんにもそれで選挙に金がかかる、選挙に金をかけるというのは、単に選挙のときばかりではないということを申し上げたわけでございまして、そういういわゆる選挙法に禁止されているような姿ではなくて金をかけている事態が非常に多い。しかし、それは結局は選挙を確保するというところにつながっているというようなことがあろうかと思うわけでございます。それから選挙法が守られない、私は大部分は守られておるのだと思います。ただ特に不都合な者がそれを守らないというようなことになっておるのではないかと思います。

門司亮民主社会党

○門司委員 私はいまの大臣の答弁非常に不満でありますが、選挙法の第六条には何が書いてありますか。選挙管理委員会の仕事は、常時やはり選挙の公正なることを啓蒙する。その中に文書等で違反事項については徹底するようにということを法律で書いてあるのですよ。同時に補則百三十三条にさらにこれがこまかく書いてある。だから、私はそういうことを政府があまり関心を持っていないところに問題があると思う。それからいまのお金がかかるかかからぬかということですよ。これは選挙前であろうと、選挙中であろうと、お金がかかり過ぎるということをだれでも言っている。同時に、選挙法がどうして一体守られないかということについては、法自身に直すなら直す欠陥がありはしないか。だからざる法といわれてきて、ざるに漏れるところがたくさんあるのです。これは同時に実情に合わない。選挙費用一つとってみても、いまの時代に、一日使う労務者が七百円でよろしいかどうか、こういう規定を幾ら設けたところで、実行のできない規定を設けておって、そうしてそれでやれといったところで、結局できない。できないからそこに大きな穴があいて、だんだんそれが妙な形になっていく。選挙費用のワク、選挙法自体をごらんになればよくわかると思うのです。現行の選挙法はどこで一番大きな元締めを締めているかといえば、選挙法のワク、お金であります。ワクをはめている。したがって、選挙法のきつい規定はここであります。たとえば定められた法定費用を一円でもオーバーすれば、直ちに候補者自体が失格する。一番きつい規定がここにある。ところが、一番きつい規定がすっかりだめになっておるから、選挙が悪くなるにきまっておる。ここに原因がありはしないか。政府はそこをお気づきになっていると思うが、たとえば私の選挙区は三百七十五万何がし使えることになっているのですよ。そうして一日舗装道路を大体歩いておって、そうしてうちに帰って寝られて、宿泊費なんかちっとも要らない。ところが、小さな滋賀県あたりだと、近江の琵琶湖を一回りすることは困難だと言っておりますが、家に帰ろうといったって帰れなくて、一族郎党を引き連れて毎晩宿屋に泊っては歩かなければならぬのに二百万か二百二、三十万、あるいは一番少ないところは百七、八十万です。こういう矛盾が選挙法自身にあるのです。こういう問題は何も選挙制度審議会の答申を待つまでもなく、政府は気がついていなければならぬ。だから、そういうところに政府がお気づきにならぬというのなら何をか言わんやであります。  最後に、時間もございませんから五分ぐらいで一つ質問いたします。これくらいでやめなければならぬと思いますが、一つ聞いておきたいと思いますことは、いま申し上げましたようなことについて、政府は選挙制度審議会の答申を待ってということを隠れみののように考えられておりますが、この答申を待つまでもなく、政府としてぜひどういう形でか改正をしたいという御意思があるかどうか。これをきょうは私は具体的に示していただきたいとは申し上げません。審議会の関係もございますから申し上げませんが、政府はそういう意思があるかどうかということをこの機会に聞いておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 確かに現在の選挙法、これはいわゆるべからず法で、明るく正しいと申しますが、正しいほうは相当励行できますが、明るいという面が一つもないので、実はいろいろ明るく正しい選挙の推進についても苦心をいたしておるのでございますが、いま門司さん御指摘のような面におきまして、選挙法そのものを改正していかなければならない点は多々ある。また、そういう意味で明るい選挙ができるような方向で考えていきたいということは、私十分承知をいたしております。どこをどうするということは、いまお話しのように制度審議会の問題もございますからここでは申し上げませんが、そういう特に明るい選挙ができるような方向で考えなければならぬことが相当たくさんあるということは十分に承知いたしております。

門司亮民主社会党

○門司委員 最後に、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、いろいろ議論がされておりますが、それがいずれも国民の側からの意見がわりあいに少なくて、政党の立場における議論が多いように私には見受けられます。たとえば資金の規制をしようといたしましても、そうすると、いやどの派閥がよくなるとか、この派閥がよくなるとかいって、派閥の問題がすぐ出てくる。派閥というものは何も国民がこしらえたものではありません。政党自身が自粛すればなくなるものであります。にもかかわらず、この派閥の問題が起こってくると、選挙法とはおおよそかけ離れたところで議論がされて、それが選挙法改正に持ち込まれるということになれば、国民の意思と違った問題になる。したがって、選挙法改正その他については、おのおのの政党内における派閥と選挙というものを一体政府はどういうようにお考えになっているか、私は全く無関係のように考えておるのですが、政府はそれをどういうようにお考えになっているか、この点をひとつ聞いておきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 選挙制度全般に関係いたしまして、私どもはどのような派閥があろうとなかろうと、そんなこととは関係のないことだと考えております。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 赤澤正道君。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員 委員長、特に野党の皆さんにもお願いしておきたいと思うのです。いままでいろいろな法案を審議いたします際に、委員会では、政府対野党の対決というような形で論戦が戦わされてきておりますけれども、公職選挙法、またただいま問題になろうとしております選挙資金に関する問題等は、これは各党関係のあることですから、与党側も十分議論を尽くしたいと考えておるのです。と申しますことは、私も総選挙が終わりましてから後審議会の委員に指名をされまして出たので、いま堀さんからおほめのことばをいただいたのですが、毎回時間どおりに出たといってもたしか四回出たきりでして、あなたはベテランですからずっと古くからお出かけになっておる。それでたしか第一次の答申がありましたのは三十六年でしょう。第二次の答申が三十八年です。しかもその中から当面緊急を要するということで、政治資金の問題だけを抜き出して結論を出そうとするというどたんばに入ったわけです。それで、この特別委員会の空気を見ましたところ、委員長は結論を出すのを非常に急いでおられると思うのです。もうすぐ今月の末には答申を出したい、おそくても来月の初めには出したいというようなことで、私、これはたいへんだと思ったのです。とても議論をする場も何もない。しかし、当面緊急に措置すべき事項というのは、おそらくは衆議院の選挙もしばらく先であろう、地方選挙もある、それまでにひとつルールをきちっときめてやろうという考えで、去年の秋、この特別委員会ができたのではなかろうかと察するわけですが、あにはからんや、突然に解散して総選挙になった、地方選挙もこれが固まらない前に終わってしまうというような形になりまして、私ども必ずしも緊急な事態がいま起こっておるとは考えないわけですが、しかし、せっかくここまで特別委員会として議論を詰めてこられたわけですから、一応おまとめになることは私は反対しなかったわけです。  ただ、私は最初、きわめて簡単に申し上げると、金を出す出口を押えてしまうということの議論に狂奔されておるのじゃないかという感じを受けたのだが、冒頭私が申しましたように、そういうことよりも、やはりとりあえずのところは、確認団体としての政党と派閥、個人とを分けて、政治活動は非常に公共性の高いものだから、この面で適正に正しく使われる費用についてはそうやかましく制限すべきではない。ただし、派閥、個人には相当なワクをはめていい。こういう考え方。しかも、政治家は姿勢を正せというふうに国民が要求しておることをとってみますと、結局、政治家というものはまるで税法上治外法権の立場にあるかのごとく、案外何と申しますか、世間の非難というものを意に介しないで、かってにやっている面があるわけですし、やはり一たんこういった政治資金を受け取ったものが最終的に個人に帰属する場合においては、やはり所得税の対象とすべきである。こういうところから私はまず規制をしていくのが一番大事だと思うし、また国民の声にこたえるゆえんであるというふうに考えて、そういったことをずっと述べ続けてまいったけれども、結局、お取り上げにならないで、もう間もなく答申が出るようです。私、委員長に伺ったのだけれども、いや、これは最後に答申の可否について採決するわけではないのだ、皆さんの御議論というものを聞いて、最大公約数をとって答申をするのだというふうに承ったわけですから、私は、意見は述べっぱなしで、決をとるような機会もなかったわけです。その答えがおそらく七日に出るということに予定されておるわけですね。私は非常に大事だと思いますので、何も引き延ばすということでなくて、やはりこういったことで国民の期待にこたえるためには、国会でこそさらに十分論議して、これはもう逐一その内容というものは国民にわかるわけですから、一体自民党は何を主張しようとしておるのかなということを、やはり日本国中に理解していただきたい点もあるわけです。また、堀さんがずっと言われました、第一次、第二次の答申がすでに出ておるじゃないか、第二次答申は第一次答申の結論を再確認するという形で出ておるじゃないか、それを一歩でも後退することはおかしい。このことは私は一応わかるのです。わかりますが、さっきおっしゃったように、いままで答申を尊重する、尊重すると言いながら、尊重しないじゃないか、どれを尊重したか書いて出してみろ、これは私はたいへん参考になる御質問だと思いますが、私が特別委員会で申しましたことは、とにかくあまり飛び越えた理想をここで描かれることは、結局ものが行なわれないゆえんなんじゃないか。さっきも私、予算委員会で社会党の某君が自治大臣に御質問になっておることを聞きましたが、自治大臣は答申そのものを一行も相違なく立法化するかどうかと聞いておられましたが、私はそういうものではないと思います。答申の精神はもちろん尊重すると総理大臣も言っておるわけですから、私は一つの理想を描いておると思います。思いますけれども、やはり立法化の過程というものは、さらに議論をわれわれの立場で尽くして、そうして現時点において行ない得る形の立法をしなければならないと考えております。私たちとしては、やはり、特別委員会で出された結論というものから大きく後退はしたくないとは考えておるけれども、しかしながら、実情はあの結論どおりにいかぬという気待ちがしておるわけなんですよ。何も逃げ隠れするわけではないのだけれども、こういうふうに劇薬で一ぺんに……(堀委員「劇薬ではない。せいぜいとん服ぐらいだよ」と呼ぶ)それもお考えですけれども、私は一歩でも二歩でも前進するということでものをまとめていくということが、かえってうまく行なわれるゆえんではないかという気がいたしますので、さっき希望を申し上げましたように、委員長においては、特に公平に各党の意見を聞いていただいて、討議の場をつくってくださいますように、冒頭にあたって特にお願い申し上げておきます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 たいへんけっこうです。国会ですから、私ども何も野党だけが発言をして、与党の皆さんの発言を押えようという気待ちはありません。大いに論議をしていただいてけっこうですが、国会は御承知のように期間が限られておりまして、いま赤澤さんがおっしゃった、非常に急いでおられるのは、この特別国会で法律化がされることを期待するということが実は条件になっておると思うのです。それがいまの審議会が急いでおいでになる最大の原因だと思います。そうしますと、七日に答申が出されましたら、自治大臣、これを早く法制化されて国会に早く提案されてきませんと、また時間のワクに縛られて、結局与党の皆さんの御意見も十分に出ないということになると適切でありませんから、答申をされましたら、ひとつきょうの当委員会及び予算委員会における発言どおり措置をしていただいて、総理大臣のことばを借りれば、勇断をもって尊重いたしますということばが、この第五次審議会の最初の総会で述べられておりますから、ひとつ自治大臣も勇断をもって政府原案をお出しになっていただきたい。ここでまた議論があることは、これは政党でありますからいろいろありましょう。そういうことで、時間的に自民党の皆さんの言論が十分に行なえる時間も配慮して、ひとつすみやかな立法化をしていただきたいということを御希望申し上げておきます。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○藤枝国務大臣 できるだけ急ぎます。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 至急にやりましたので、多少間違いがあるかとも思いますが、第一次答申は六十九項目ありまして、趣旨尊重と考えられるのが三項目、それからこれを実施しなかったのが三項目だったと思います。  それから第二次答申は、二十六項目ございまして、実施しなかったのが七項目であると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、六十九項目のうちで、趣旨を尊重したのが三で、実現しなかったものが三だから、六十三項目はそのとおり実施をしたということになりますか。

降矢敬義自治省選挙局長

○降矢政府委員 いま手元にあるものによって、修正措置とか未措置とかいうのを振り分けてみますと、そういう数になりますので申し上げたのであります。もとより項目の数え方は、先ほど申し上げたように縦1でこまかくなっておるものを数えたわけで、六十九項目というふうに申し上げたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その場所でそういう形で計算をされたのですから、正確はちょっと期しがたいというような感じがいたしますから、すみやかに正確なものを一つの資料として御提出をいただきたいと思います。

小澤佐重喜自由民主党

○小澤委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十九分散会

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