交通安全対策特別委員会 第14号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/07/13
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、ちょっと皆さんに御報告を申し上げます。 過般の委員会で、今度の委員会には、それぞれ各省の大臣の御出席を願うお約束を申し上げたのでございますが、御承知のとおり予算委員会が開会されておりますので、大臣はそれぞれ予算委員会のほうに出席を要求されて手がとれませんので、出席ができかねることを皆さん方に御了承を賜わりたいと存じます。 質疑の通告がございますので、これを許します。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 質問に入る前に、最も尊敬し、信頼し、そして非常に御心配をしていただいているこの交通安全対策特別委員会の委員長としての山下委員長に、所信をお尋ねいたしたいと思います。 実は、読売新聞の七月十二日付の記事に、「ダンプ規制立法は絶望と書いてある。私は全く絶望いたしました。こういうことを書かれることに絶望を感じたのであります。ということは、これほど私どもが熱心に交通問題を取り上げ、しかも、ダンプという問題に対しては、委員長みずからが国道に立って、いろいろの交通問題に対して実地に、委員とともに御苦労していただいたその姿をまぶたに浮かべるとき、私は、このようなことが書かれてきた——この内容は、すでにお読みになったことだろうと思いますから省略いたしますが、どこからこのようなことが書かれるようになってきたかということを、委員長は御存じだったらひとつお聞かせをいただきたいと思います。 同時に、「与野党が調整難」と書いてあります。自民は「現行届け出制で十分」だと言っておると、こう書いてある。これは相当重大な問題でありますが、わが党におきましてももう何回となく、わが党はわが党なりにダンプカーの規制を、いかにしてやっていったらいいかということには真剣に取り組んで、そうして宮崎室長を中心にいたしまして、各省の調整をはかってやってもらいたいということを、私どもは委員として一生懸命やってきておるのであります。その調整が困難であり、現行届け出制で十分だというようなことは、私は聞いておりません。委員長はこういうようなことが書かれたということについては、これは新聞の憶測であると思うか、その点あわせて伺いたい。すでに期日は迫ってきたのです。国会の最終日を二十一日とするならば、もうすでに日は迫っておるからこのような憶測をせられたものか、それともほんとうに与野党の調整がうまくつかぬという意味でこれが書かれたのか、委員長としての責任は私は非常に重大であると思いますから、まず質問に入る前に、ひとつ委員長の所信をお聞かせ願いたいと思います。
○山下委員長 お答えをいたします。 いま丹羽議員の御質問のとおり、一昨日の新聞を見まして私も驚きました。何回となく与野党の理事会を開いて、与野党の調整に努力をいたしてまいってきておるのであります。一昨日、いろいろ双方の意見の食い違い等につきましても話し合いを進め、要綱に書いてございます登録制の問題についても、登録制等については、運輸省あるいは陸運局等が、人員的な関係等もあって非常に困難な点が多々ある、これを現行どおり届け出制にして、もう少しその届け出制を強化するという意味で行なったらどうか、こういう意見も出てまいりました。さらに、いま俗に言っている一匹オオカミを駆逐していくためには、白ナンバーの協業化ということもうたわれておるが、これらの問題で処置できるようにものをお考えたら、何らかの処置ができていくのではないか、こういう意見もございまして、さらに意見の食い違いもございましたが、各党に持ち帰ってそうして御相談を願って、次の理事会には何らかの統一的なめどを定めたい、かように実は理事会の結論をつけたのであります。 ところが、結果が、翌日見ますると、いま丹羽議員おっしゃったとおりの記事を見ましてあ然といたしました。したがいまして、私は直ちに新聞記者に電話をいたしまして、一体この記事はどこから取材したのか、なぜこういう記事が出てきたのか、理事会で絶望だという話は一口も出なかった、こういうことを書かれたんでは、これははなはだ迷惑である、せっかく実ろうとしておるものをつぶしにかかられたようなものである、こういう抗議を申し込みました。 御承知のとおり、交通事故の元凶は何といいましてもダンプにあるのであります。絶えず申し上げることばで恐縮でございますが、自動車の中でダンプカーというものは、これは相撲にたとえれば横綱であると私は思っております。少々自動車がぶち当たってみたって、ダンプカーはごついですから自分はこたえない。他の車は非常にこわれてしまう。そこで、自分の車が頑強であるから、無謀運転となり、あるいは積載オーバーとなったりいろいろの原因が発生する、こういうところにダンプカーに対しての規制を行なわなければならぬというのが、各党各議員の一致した意見であろうと私は想像いたしておるのであります。せっかく努力をいたしておるのに、かようなことを書かれて、与野党が全く対立の状態にあるかのごとき記事を書かれたことははなはだ迷惑千万である、かように申し上げました。与党といえども、この問題には非常に真剣に取り組んで努力をしていただいておることは、皆さん御承知のとおりであります。困難な中に何とかこれを実現せしめようとしておられるやさきでございまして、この問題については、私は委員長として、新聞記者に抗議を申し込むだけではなく、委員各位のせっかくの努力に対しましてもまことに申しわけのない記事である、かように考えて抗議を申し込んでおいたような次第でございます。 さらに私は、わが党の理事である春日一幸君にも、君はこの新聞記事を見たかと、新聞を持っていきまして話をいたしました。せっかく自民党、社会党、公明党の協力を願って、何とかこの国会中に目鼻をつけたい、学童の通学安全、踏切道の構造改良等の問題が片づいたのにダンプが規制されないということでは、枝葉末節だけ決着をつけて本物を手をつけなかった、こういうそしりを免れないと自分は思う、ひとつ君は委員会の理事ということだけではなく、党の書記長という立場からもこの問題について考慮してもらいたい。こう申し上げて、昨日春日君は自民党の政調会長にも電話を申し上げたりいたしまして、何分の自民党の御協力もお願いを申し上げたい、かような処置をとったり、あるいは社会党のほうにもいろいろ御相談を申し上げたりしてやってまいっておるのであります。丹羽委員と同様、私もまことに遺憾にたえない次第でございます。
○丹羽(久)委員 委員長のお気持ちはよくわかりました。この交通安全対策特別委員会というものは、自民党であるとか社会党であるとか民社党であるとかいう、各党がそれぞれ党の主張をどこまでも通そうという考え方でなくて、ほんとうに国民全体を交通禍から守っていこう、そして交通事故をなくしようという基本的な考え方から発足した特別委員会なんです。だから、委員長は何党の委員長がやられましても、私どもはその委員長を中心にして真剣にいい案を練って、そして国民にしあわせになってもらおう、交通事故を少なくしよう、これが目標なんです。それがこのようなことが書かれたことは全く遺憾でありますから、ひとつ大いにこういうような間違いのないようなあり方に、これから新聞についても指導していってもらいたいということを強く要望しますから、委員長もその心がまえで今後ひとつやっていただきたい。いまの御所信でよくわかりましたから、これ以上のことは何も申しません。私は、委員長の決意がそこまであれば非常にけっこうだと思います。 私ども自民党といたしましても、ダンプは一朝一夕にして、すべてのダンプ業者の満足のいくような方法を見出すということは、なかなか困難なことだと思います。しかし、大きな荒削り的なことをして、そして零細企業者を一切これから封じ込んでしまうということがはたしていいのか、大企業だけをめんどうを見ていくことがいいのか。ダンプにも大企業的なものもあれば、零細企業的なものもあれば、中小企業的なものもありますので、これに対しての調整ということに対しては、一匹オオカミというものをどう処置していくかということについては、そう簡単な問題ではないと私は思うのです。そういう意味において相当真剣に、そしてあらゆる角度から検討をしていかなければならぬ。それには、やはり一時的な思いつきですべての法案をつくってみたり、あるいは省令できめてみたりすることは、私は百年の悔いを残すことであると思いますので、それはあらゆる角度からあらゆる省が検討してもらう、そして真剣に考えて一番いいものをひとつつくり上げて、委員長よりこれを本会議に上程していただくということが、私どもの使命であると考えております。そういう点から、ひとつ十分に御考慮をいただきたい。 これをもって委員長の決意と申しますか、その点は終わる次第であります。どうもありがとうございました。 それでは、本問題の質問に移りたいと思います。運輸省の堀山整備部長さんいらっしゃいますね。——それではちょっとお尋ねいたしますが、これは私がこの前のときに、車の前方にストップライトをつけてもらいたいということを申しましたが、その後一向に返事がないのですけれども、これはどんなような状態ですか。
○堀山説明員 先般研究課題として先生から御指摘を受けましたのは、歩行者安全対策の一環として、歩行者が道路を横断するときに、歩行者と走っている車との間にどのようなサインをすればいいか、こういうことであったと思います。このことは交通安全の上から非常に重要な問題でありますだけに、最も安全であり確実な方法を生み出す必要があると思います。そこで、専門家の意見も徴しまして、十分科学的に検討いたしまして結論を出してまいりたいと思います。
○丹羽(久)委員 その専門家の意見を聞いてみて、そして返事をするとおっしゃるが、私がお尋ねをいたしましたときより、もうすでにそれから日にちを計算いたしますと二カ月近くなるのです。その間専門家にお尋ねになったらどのようなことを言ったか、あるいは実際に自動車を運転している人、このような人も専門家の一つと私は思うのですよ、たとえば、タクシーを運転している人、あるいは自家用を運転している人、そういうような人にも聞かれたり、あるいは識者にも聞かれたのか。聞きっぱなしで、ただあなた方はどうでもいい、言うだけ言わせておけばいいというお考えなのか、ほんとうに二カ月の間にどのような進め方をされたのか、一ぺんお聞きしたいと思います。
○堀山説明員 実は昨年の暮れ、ただいまこの委員会でもいろいろ論議していただいておりますダンプ対策の一環といたしまして、交通対策本部の決定事項といたしまして、車の構造装置につきましていろいろと決定がなされたわけでございます。その中で、大型の貨物自動車、これに運行記録計、速度表示装置、二重ブレーキ装置、それから側方とうしろにバンパーと申しますか、追突、巻き込み防止のためにそういう保護装置をつける、こういう決定がなされたわけでございます。そこで私どもいろいろ検討いたしまして、運行記録計と速度表示装置につきましては、先般政令を変えましてその実行に移したわけでございますが、今度は中身の装置の保安上の技術基準といたしまして保委基準をきめなければいけない。具体的な問題として、保安基準をきめるという段階になりまして、現在速度表示装置と、二重ブレーキ装置と、側方とうしろのバンパー、この三つについての保安基準を急いで制定の準備をいたしておるわけでございます。 そこで、御指摘を受けましたものにつきましては、いまの段階では検討が不十分でございますので、それが終わり次第続けて処置してまいりたいと思います。
○丹羽(久)委員 そうすると整備部長さん、あなたはまだこれには手がつけてないということですね。私が質問した問題について、研究もしなければ何にもしていない。それは、大型ダンプに対して三つの構造改善が示された、それに力を入れておったがためにできなかった、こういうことですか。
○堀山説明員 その三条件の基準をきめるのに急がされまして、先生御指摘の点についてはいまだ検討が不十分である、こういうことでございます。
○丹羽(久)委員 それでは整備部長さん、私はあなたに申し上げるが、私が質問をしたときに、それは非常にむずかしいことでありやれないというふうに、あなたは最初のときにそういうことをおっしゃった。それから今度の大型ダンプに対する三つの構造改善が示されたのは相当あとなんですよ。相当あとに示されたのですよ。そしてそれが非常に忙しかったから、それに忙殺されたかもわからぬけれども、やはりいいか悪いかという判断は、順次早いものからやっていただくのが私はほんとうだと思う。たとえば、例をあげたら、ところてんに一番、二番、三番と番号をつけて押し出してごらんなさい、そうしたら三番が一番早く出てくるか。一番、二番、三番と順番にところてんは出て来ますよ。それがやっていく政府の仕事の順番じゃないかしらんと私は思うのです。そんなあとから出てきたものを先にして、忙しかったから手がつかぬなんということでは困る。私は与党の立場ですから、何もあくまで追及しようとは思っていない。けれども、どの運転手に聞いてもいいことですよと言い、委員の皆さんもいいことじゃないかとほめていただいている。私は何もそれでパテントをもらおうとかいうのではない。また、それによって大きな改造をするという問題でもないじゃないですか。そして私があなたのところの局長さんをお尋ねしたときに、局長さんは、それはあまり悪いことだとは思っておらぬからやっていいと思うが、通産省のほうが改造に対してむずかしいことを言うということをおっしゃったはずだ。だから通産省のほうに、なぜあなた方はそういうことを言うんだといって私が念を押したら、いや、いいことなら私のほうもやってもらうことに異存ありませんとはっきり言っている。運輸行政のあり方というかたとえ少しでも事故防止というものにプラスになるということが考えられるなら、それをやっていただくことがほんとうの姿じゃないか。それは国民を愛することであり、交通事故の防止というたてまえになってくるんじゃないか。だから整備部長さん、私はあなたにお願いしたいことは、過ぎ去ったことをとやかく言うのではないけれども、これはどんな識者におまかせして御研究になるのか知りません、あるいはどういうふうに変えられるか知らないけれども、歩行者が、ああとまってくれるんだなという一つの安心感が幾ぶんかでも持てることになって、少しでもそれがプラスになるということで、大きな自動車の改造をさせないことなら、至急ひとつ御研究していただきたいのです。これは強く要望しておきますからひとつやってくださいよ。この点についての御返事を、あなたは局長代理として、あるいは運輸省の大臣のかわりとしてひとつ御返事いただきたいと思うのです。
○堀山説明員 十分検討いたしまして、結論を出してまいりたいと思います。
○丹羽(久)委員 それは十分検討してと言って、日にちをあまり長くしないように、早く結論を出してください。 それからもう一点お願いしておきたいことは、一ぺんタクシーに乗って、そういうものをつけたらどうだと言って聞いてみてごらんなさい。自家用ばかりに乗っておるとわからぬから、やはりタクシーにも乗ってもらって、どうだと言って運転手に聞いてみてくださいよ。私は七十台の車に乗って聞いてみたら、それをつけぬほうがいいと言った運転手は一人もいなかったということは事実ですから申し上げておきます。どうぞひとつよろしくお願いいたします。 大蔵省の総務課長さんか、税制第二課長さんにお尋ねいたしたいと思います。これも自動車に関係したことでありますが、自動車の仮免許というものが表をずっと走るのです。そうして一応仮免許をいただいて、外の交通そのものに対する実習をやるのですが、そうでなくて一定の場所に自動車のコースがありますね。そこで練習する自動車に対してガソリン税がかけられているのです。ガソリン税というのは道路を中心にしてかけられるべきものであって、その道路を全然使わなくて、自分の土地で、しかも教習所内のコースだけを走っているときに使うガソリン、あるいはオイルというようなもの、そういうものに対する税金を免除する方法はないのかどうかお聞きいたしたいと思います。
○大倉説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の点は、ガソリン税は道路整備財源なんだから、全く道路へ出ていかない、練習所の中だけで走っておるときのガソリン税は免除したらどうか、こういう御質問だと思うのですが、おっしゃいますように、道路整備の目的財源にいたしておりますけれども、やはり基本的には、ガソリン税というのは燃料として使うそのことに対して課税するというものの考え方であると私どもは考えております。そういう意味からいたしますと、練習いたしましていずれはまた外へ出て走るのでございますけれども、仮免になります前でも、やはり自動車を走らせるためにガソリンを使っておるんだということは、もう疑いもないことであります。そういう意味からいたしまして、道路へ全然出ないからまけてやったらどうだということには、必ずしもならないと私どもは考えます。 もう一つ技術的にも、これは先生には釈迦に説法かと思いますが、仮免になってから幾ら使うかとか、中にいたときに幾ら走ったかとか、そういう判定はきわめてむずかしいと思いますし、具体的にどうやって免税していくのかという技術上の難点も非常に多いかと考えております。
○丹羽(久)委員 税制第二課長の説でいきますと、燃やすから税金をもらうのだ、要約するとこういう御答弁のようであります。そうすると、物品税法の第二十二条に、特殊用途の免税措置として、学校教育法の適用を受ける学校、学術研究用に使われる物品については物品税はかけない、こういう法律がありますね。あなたのほうは税金を取るときには、道路を利用するから道路利用税だといって、ガソリンに対してはある程度は還元してやるから、高くしたってやむを得ないじゃないかといって税金を取っておいて、今度はそういうような道路を全然使わない学校、これは正式な許可をもらって、しかも、警察署長さんが大体学校長になって、そして非常に熱心にその学校で技術的免許だけ与えておる。あとは県によって違うかもしれませんけれども、法規なんかは正式な試験場でいただく、この二つに分かれておりますが、この二十二条の適用からいくと、そういうようなものに対しては特殊用途の免税措置というものがある。この特殊用途の免税からいくならば、そういうような学校だって何もできないはずはないと私は思うけれども、取るときには都合のいいことを言って、今度それが——なかなか実態をつかむことが困難だとおっしゃるが、そんな無許可でやっている学校は一つもない。特に免許証の一部を与えるということについては、非常に厳格にやられておるじゃありませんか。そうすれば、何も技術上むずかしいこともないし、事実道路を使わないとするならば、それだけくらいの免税をしてやったって大きな金額にならないと思う。そこにほんとうの喜びがある。ほんとうに国はやってくれると、法律そのものに対する税金のかけ方というものに対して感謝もするだろうし、やはりこまかいところまで気を使ってこのような措置がとられるのかという喜びがあると私は思う。ちょっといまの第二課長の答弁は納得できないが、その点ひとつお答えいただきたい。
○大倉説明員 御指摘のように物品税につきましては、学校教育用の一定の物品について免除をするという制度がございます。この物品税は、ある特定の課税物品を買って使うということに担税力ありとして課税するので、そうだとすれば、たとえば学校で教育のために使うピアノというものを考えれば、そこに担税力ありとして課税することは、必ずしも適当ではないであろうというものの考え方から出てきておるように私ども考えております。 そこで、いまお話の教習所のガソリンでございますけれども、運転を習うためにガソリンを使って自動車を走らせるのだから、その段階では担税力がないではないかということになりますかどうか。やはり自動車は機械を動かして、ガソリンを燃料に使うということにおいては、どこを走るかということにはそれほどの差は、税の考え方といたしましてはないのではないか、そういうふうに考えております。 なお、技術的な問題と申し上げましたのは、御承知のとおりガソリン税は精製業者の手元で課税いたしますので、精製業者から出てまいりまして、一番最後の教習所までいくときに、どういう手続で免税していくかということを具体的に考えますと、結局は切符か何かを出しまして、免税切符を持って買いにきたということでもって、ガソリンスタンドからまた精製業者に戻っていくという手続になるのかと思います。そういたしますと免税切符をどういうふうに利用されるか、ことばは悪うございますが、やはり横流しというような問題も、私どもの立場からいたしますと十分検討した上でないと、これは技術的にできますということは申し上げられない、そういう意味でございます。
○丹羽(久)委員 第二課長のお話を聞いておりますと、少しゆとりができてきたように思いますけれども、もう少し研究してくれませんか。この学校を許可してもらうには、相当むずかしい段階を経て公安委員会から許可を得るのです。そうして実際に外に出る車は、課税されるのはあたりまえであるが、自分の敷地内で走っておる学校用としての燃料に対しては、研究していただいて、そして免税できたらひとつぜひやってもらいたいということです。それは非常に大きな希望をみんな持っておるのです。そしてこの金額は、そうあなた方がびっくりするほどの金額にはならないと思うのです。全国の学校が幾つあるかということはすぐわかるのですから、それに対してひとつ研究してもらって、そしてできるだけそのような処置をとってもらいたいと思いますが、きょうは、あなたのお考えでは、いまのところ困難だということですから、またあらためておじゃまをして、そしてゆっくりとその内容をもっともっと時間をかけて話し合いをしてみたいと思っております。 それから、いま学校用だけでなくて、学術研究用に対しても免税措置が二十二条でとられておるのですよ。いいですか、そういう物品税の免税措置がある。だから、学術研究用というのは非常に範囲が広い。先ほどの話のように、それを悪用せられるおそれもなきにしもあらずだとおっしゃるけれども、それはなるほど考え方によってはそうであるが、ものの見方によっては、そういうことは絶対にあり得ませんと言い切ることもできるはずなんです。また、そういうことがあるとも言えるでしょう。けれども、私の願うところは、そういうような不純的なものでなくて、まじめな考え方からひとつこれを何とか考えてやってもらいたいということをお願いするものでありますので、もう少し時間をかけて研究していただきたい。私も研究します。 それじゃ次に聞きたいと思いますが、建設省の道路局長さんはいらっしゃいましたですか。——今後の道路計画についてちょっとお尋ねいたしたいと思うのですが、運輸省の調査によると、自動車の保有台数は今年度で大小まぜて千百四十五万四千台だということがいわれております。五年後の四十七年度には二千四百五十二万七千台に達すると推定されておると、こういつております。そうすると、五年後にはいま申し上げた二千四百五十万台以上に達して、いまの道路でさえ非常に苦しんでおるような事態でありまするが、これは四月五日の予算委員会の際に太田委員が質問をせられたようでありますけれども、もう一度私は、特にこれは交通安全対策の委員会ですから、そういうような先を推定しての計画、そういうようなものはどんなようなお考えを持っていらっしゃるのか。現在の道路で二千数百万台という車をさばいていくことができるかどうか、この点についてひとつあなたのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○蓑輪政府委員 道路の整備につきましては、御承知のように四十二年度から五カ年計画を改定いたしまして六兆六千億ということで道路の整備を推進してまいる所存でございます。大きな改定理由といたしましては、やはり車が予想外に非常に伸びてきておる。第四次の四兆一千億の計画当時より、そのとき推定いたしました車の保有台数及び走行台キロでいいますと、第四次の五カ年計画の推定の当時より、現実の台キロの伸びが約二年早くなっているというような実情がございまして、四十二年度からいままでの五カ年計画を廃棄いたしまして、新しい第五次の五カ年計画を策定するようになったわけでございます。 実は道路につきましては、車の伸びが国民の所得の増加とともに非常に急速に、われわれが考えている以上に伸びてきたのが過去の現実でございます。将来これに対してどう対応するか、こういうことにつきまして、私たちやはり長期の考えをまず基本として持たなければならないであろうということで、昭和六十年、約二十年後の自動車の台数、そのときの走行台キロを一応算定しております。これが、ただいま先生のおっしゃいました数字は二輪車も入っておると思いますが、私たちは二輪車を除いた自動車の台数でいろいろ計算をしておるのでございます。昭和六十年の自動車の保有台数が三千五百万台という数字を出しております。これについては企画庁その他で多少違った数字も出ておるとは聞いておりますが、大体三千五、六百万台にはなるであろう。この推定につきましては、乗用車につきましては、やはり国民所得の増加とともに上がっていく、トラックにつきましては鉱工業生産の伸び、こういうものから過去の相関関係で推定したものでございます。 これに対して、昭和六十年度にどういうような道路が必要かというものも算定しておるのでございます。これは非常にむずかしい問題でございますが、われわれのいまの予想では、幹線自動車道を含めまして、交通の幹線になるものが四十万キロ程度は日本の国内に必要ではないかというように考えておるわけでございます。現在、都道府県道及び国道の延長が約十五万キロでございます。これに比較いたしますと、交通の幹線になるものをさらに数十万キロふやしていかなければならぬ、こういうような想定で、そのときの交通のいわゆる混雑度というものをマクロに計算して出したのがいまの数字でございます。 今度の五カ年計画について言いますと、これは昭和四十六年度までの五カ年だけで、現在の交通の混雑を全部解消するということは非常に困難かと思います。やはりいま言いました長期の見通しをもちまして、地方の開発も含めまして、昭和六十年までに四十万キロの幹線自動車道を完成して、その幹線の道路を完成していきたいという中で、昭和四十六年までの五カ年計画をどの程度で組むべきかということで組んだのが六兆六千億ということでございます。 まず六兆六千億の中の保有台数でございますが、これは運輸省の統計に基づいておりますが、二輪車を除きまして、四十一年度中央で約八百四万台の乗用車がございます。これが四十六年度では大体千六百万台、約二倍になるというような想定を立てております。この四十六年度で千六百万台の数字につきましては、建設省の数字及び運輸省の数字、通産省の数字もございますが、大体これが千五百万台から千六百万台、千七百万台近くまでいっておるのもございますが、こういう多少違った数字はございますが、大体企画庁でこの辺を調整しておられまして、われわれの計画の目標といたしましては、四輪車以上が千六百万台というような目標を立てております。 これを自動車の伸びからいいますと、四十一年度八百四万台を基礎といたしますと、年平均の伸び率が大体一五%ずつ伸びていくような計算でございます。これに対しまして、第五次の道路整備の五カ年計画でいきますと、四十二年度の道路の全投資額が約九千六百億くらいである。これは地方単独を含めてでございますが、九千六百億くらいと想定しております。これに対しまして、五カ年間の総投資額六兆六千億ということになりますと、毎年毎年の道路投資額の伸びが一六%ぐらいの増加になるではないかというふうに考えておるわけであります。これを言いかえますと、自動車の伸びが一五%で、道路の投資額が一六%ということになるのでございます。ただこれだけでは交通の混雑の問題を云々はできないと思います。やはり現在交通の混雑しております幹線道路についての再改築を行なうことと、地方で非常にふえると思われます自動車に対しましては、県道その他の一次改築を実施いたしてそれの需要に見合うというようなことで、おのおのの混雑度によりまして個々の計画を適切に立てれば、四十六年度になりますと、現在より交通の混雑もかなり緩和できるというような考えでおる次第でございます。
○丹羽(久)委員 道路局長さんからこまかく数字をあげて専門的な御説明をいただいたのですけれども、私の聞こうとすることは、そういう点もありますけれども、さて自動車がすばらしい勢いでふえてくるこの事実に対して、建設省の道路局としては、舗装をすることによって事故が減っていくのか、あるいは道路を広くすることによって事故が減っていくのか、あるいはどういうようなことをしていったら事故が少なくなるのか、同時に交通の緩和策が行なわれていくのかという、その点の予算の面よりも、まず将来を見て、日本のこの狭い領土にこんなに自動車がふえていくことについては、二階建て道路にするとかあるいは三階建て道路にするとか、どんなような計画を持っていらっしゃるかということを私は聞きたいと思うのですよ。だから四十万キロだとか十五万キロだとか、六兆六千億だとかいう予算のことは、それはあと回しにして、建設省の道路局としては、こんなに自動車がふえていくについては、これからはこういうような道路を考えていくことが交通事故対策にも大きな役立ちになり、自動車運転の上においても非常に事故が少なくなってくるのだ、こういうことは、運輸省だけでなくて、あなたのほうにも一つの責任が十分にあると私は思うのです。それを聞こうとしているのですから、その点を明瞭に話してもらえば、そうほかのことは私は聞こうとは思っていません。
○蓑輪政府委員 ただいまの交通が非常にふえるのに対して、このままでいきますとやはり交通事故がふえてくるというような現象が出るかもしれません。これに対して、道路としてはそれができるだけ少なくなるようなことを考えなければならないのは、先生の御指摘のとおりだと思います。現実に道路といいますと、交通の需要に見合った一つの道路をつくる、これが国道の再改築につながると思います。もう一つの性格といたしましては、やはり地方の開発的な道路をつくっていくというのも、道路整備の一つのあり方だと思います。 そのうち交通事故と非常に密接な関係がありますのは、やはり交通の需要の非常に多いところ、幹線の一号線その他の国道及び名古屋市内などのああいう大都市の中の街路をどうするかという問題だと思います。実はそういうものについての道路の構造——これは交通事故の原因を調べますといろいろあるかと思います。しかし、やはり道路がもう少し広かったり、歩道と車道の区別がもつとついておったら、防げるような原因が相当あると思います。そういうことにかんがみまして、一号線その他の幹線道路の今後の再改築の方向といたしましては、やはり歩車道を完全に分離する、主要な交差点等は立体交差をするということが、まず第一ではないかというように考えておりまして、そういうような構造を、今後幹線道路についてはとっていきたいと思います。 また都市内につきましては、これはこの委員会でもいろいろ御質問、御要望がございましたように、交差点の処理及び横断の立体化というものが、まず都市内の道路で必は要ではないかと思います。これにつきましては、大都市の中の交差点を立体化するということを、街路事業でこの五カ年計画で積極的にやりたいと思います。これは単に自動車の事故防止ということではなくて、平面の交差点があるために道路の持っておる交通の容量が非常に制限されてくるということで、そういう意味からも交差点を立体化することが、都市内の道路においては交通の円滑化をはかる一つの方法だと思います。また都市内には、地方と違いまして横道歩道の個所が相当ございます。こういうものについては、やはり横断歩道橋その他で立体化していく、また、ある程度の信号の交差点はやむを得ないにしても、立体化を進めていくということではないかと思います。また都市内については、地方部の道路と同じように、交通事故の対策として一番必要なことは、やはり車道と歩道をはっきり区別することだと思います。私たちも、これは一年、二年の早急にはできないのでございますが、幹線の道路、これは地方部と都市内を問わず、車道と歩道の分離、こういうことを積極的にこの五カ年計画の中で取り上げていきたいと思います。これが交通事故対策として、一つの非常に大きな対策になるのではないかというように考えておる次第でございます。
○丹羽(久)委員 建設省の局長さんが専門的に話をしていただきましたので、大体了承したのですが、特に交通事故は都市が多いとおっしゃるけれども、そのとおりで、警察官は非常に熱心にやっていただき、あるいは地方の交通安全協力会も協力しつつ、また国も非常に力を入れてくれて、最近は、信号等をあちらこちらにつけてくれるようになったのです。しかし、それではまだ解決のでき得ない問題がたくさんある。それを心配いたしておりましたら、今後はそれに対して歩車道の分離をしたり高架的なものをつくり上げていこうという考えも持っておるとおっしゃるから非常にけっこうですが、市町村等でもそういうようなことをやりたいと思うけれども、しかし、金を大きく負担しなければならない。国道でない限りにおいては、非常に交通がひんぱんであっても、大きな負担を市町村がしなければならない。そうすると、少々国からもらってもやれないという場合がある。そういうような場合を考えてみますと、建設省はこの際こういう事故を防いでいく上において、同時に、産業の発展のために自動車をスムーズに動かすという観点に立っても、相当強く大蔵省に要求して金をもらってもらわぬと、五カ年の計画にしても十年の計画にしても、自動車のふえる現実と相マッチしないものができてくると私は思う。 一列をあげますと、私どものほうの橋で、実は五年計画だ、六年計画だという工事が行なわれているのです。それがために、何百台の車が朝ずっと並ぶのですよ。そうすると、いま労働不足だ労働不足だと叫ばれておるときに、最近は三人なり四人の人たちが一緒に乗り合わせて会社につとめに行くのですが、その人たちが何と言うかというと、現在工事をやっている橋が狭くて通れないからしかたがないじゃないか、見てみろ、朝あのようにたくさんの車が並んでおる、飛行機ではあるまいし乗り越えていくわけにいかないし、おくれるのはあたりまえだ、会社で平然とこういうものの言い方をしている。片や拡幅するために工事が行なわれているのは、何年継続だといって長い月日で工事をおやりになる。これでは一体、産業の発展性を考えてみたときに、労働不足というものの解消の上からいっても、その何百人の人たちが朝に夕べにラッシュのときは全部とまらなければならぬというようなこと、それはやはり政治的に解決しなければならぬし、これは技術的に一日も早く解決をしてもらって、円滑な運転のできる、円滑に人が通れるようにしていただくことが、私は大きなプラスになるのじゃないかと思うのであります。そういう意味から、そういうような長期にわたる工事がいろいろ支障を来たしておるというようなところはすみやかに調査をしてもらって、一日でも早く工事の完成できるような予算措置をひとつとっていただきたいと思うけれども、局長さんはどうお考えになっておるか、その点伺いたいと思います。
○蓑輪政府委員 ただいま先生のお話になりましたように、都市、地方を問わずに、やはり道路に対する需要が非常に多いのが現状でございます。いま先生のおっしゃいましたように、道路予算の獲得については、これはわれわれも必死になって大蔵省と折衝するつもりでございます。ただいま先生の御指摘になりました市内のそういう橋梁の拡幅その他につきましては、これはそういうような予算的な面があったと思いますが、やはり先生のおっしゃいますようにできるだけ早く——前後が広くなっておって、そこだけがネックのために車のラッシュが起きるということは、言いかえますれば、前後を早く広げたことが何も意味がなくなるということにもつながりますので、そういうところについてはやはり重点的に予算をつけて、前後に投資した道路の金が死なないようにやるということは必要だと思います。個々の点では、そういう点で予算が十分ではなかった点はございますが、今後先生の御趣旨を体しまして、そういう全体的に見た予算の効率化という点で、局部的な改修というものが早く終わるように努力したいと思います。
○丹羽(久)委員 どうもありがとうございました。ひとつそういう方針でお願いいたしたいと思います。 それでは警察庁の片岡交通企画課長さんにお尋ねいたしたいと思いますが、ひき逃げ事件の対策ですね。ひき逃げの発生件数は、昭和四十年二万六千六十八件であって、検挙が二万一千七百四十五件、数字からいって、これに対する検挙をしていただいた率が八四・一%です。ひき逃げ事件が八四・一%まで検挙せられたということは非常にいい成績だ、一〇〇%やっていただければけっこうですけれども、非常にいい成績だと思っております。四十一年は発生件数二万七千二百六十五件、これに対する検挙が二万二千八百七十八件で、四十年とあまり変わっておりませんが、検挙率はこれまた八三・九%ですから、四十年と変わらない検挙になっておる。だから、私としては非常に熱心にやっておっていただけると思うが、このひき逃げについて、道路交通法及び刑法にいろいろの罰則が定められておるようでありますが、届け出をしたほうが罪を軽減されることが理解されていない点があると思う。たとえば、事故を起こした場合は届け出をしなければならないということは、これはちゃんと免許証をもらうときに言われておるし、あるいはまた法規を勉強するときには、そういうことは十分に教えられておるわけですけれども、ひき逃げをなくするということについては、もう少し突っ込んだ何かいい考え方はないかと思うのです。ということは、届け出をしなければならないということは十分に知っておりながら逃げていくという、これは全く道義上から考えてみても、どこから考えても割り切れないものであり、実に不届きなものであると思う。こういうものをなくするということにおいての法律的改正をする余地あるいは観点というものはないかどうかということを一ぺんお尋ねいたしたい、こう思います。
○片岡説明員 私ども、現在の法制で十分ではなかろうかと思っております。ただ、交通事故を起こした場合に警察官署に届け出をしたり、あるいはそれよりさらに重要なことは、被害者が出た場合に、被害者の救護措置をするということの必要性をさらに十分徹底して国民に訴えていきたい、特に運転者に訴えていきたい、救護義務の必要性あるいは役所に届け出る必要性をさらに運転者に訴えていきたいと思っております。 それから、いまおほめをいただきましたけれども、現在八四%ぐらいの検挙率でございますので、これを一〇〇%という目標にできるだけ検挙率を上げることによって、必罰と申しますか、ひき逃げはできないのだということで、捜査の面で今後とも力を入れていきたい、このように考えます。
○丹羽(久)委員 片岡さんにお尋ねいたしますが、たとえば交通事故を起こしてひき逃げをした、そのときにすぐ手当てをしてやれば比較的早くなおるものが、逃げてしまったがために、化膿して手おくれになって、それがために重大な、一生取り返しのつかない後遺症を残した、あるいはひき逃げをした、そのときなら助かるものが、逃げていったがために死んでしまった、こういうような場合、罰則的なものに対しての御見解ですね、どんなように重く処分するか。法的には、私は十分なことはわかりませんけれども、たとえば首を絞めて殺して、それを持っていってどこかへ捨てたとする。そうすると、これは遺棄罪というのが成立するわけですね。そこで、事故を起こして、そのときにすぐお医者へ運んであげれば助かったのをほっておいて逃げたがためになくなったというような場合は、私は、考え方によっては遺棄罪と何ら変わらないと思う。一体道交法による調書のとり方、調べ方、検察庁のこれに対する立件のしかたというものはどういうようになって、遺棄罪というものがそういう場合には成立するのかしないのか、この点ひとつあなたにお聞きしたい。道交法だけでいいですよ、あなたは交通企画課長さんですから。
○片岡説明員 いま御指摘の点は、刑法の要保護者遺棄罪のことだと思います。現在私どもがひき逃げ事件の捜査をいたしております場合にも、要保護者遺棄罪を適用して検察庁に送致し、起訴されて有罪になっている例もございます。ただ、通常の場合は、いま先生御指摘のように、けがをした人をよそへ連れていっておっぽり出していくというような、被害者のいわば転移と申しますか、場所の移動をさせた場合には、大体それで立件され、有罪になっておりますけれども、ただ、事故を起こしてそのままその場へ置いていったという場合には、通常は要保護者遺棄罪がなかなか適用されません。ただ、例外的に、非常に寒いところで、酷寒のころに、一ぺん車をおりて、被害者が負傷しているのを見て、なおかつそのまま行ったという場合には、要保護者遺棄罪が適用されている事例がございます。私どももできるだけ、道交法のみならず刑法を適用して、ひどいひき逃げに対してはきびしく責任を追及していくというやり方で捜査いたしております。
○丹羽(久)委員 ちょっと遺棄罪の判例を二、三捨ってみたのですよ。遺棄致死罪として四十一年の四月、千葉県で発生した事件があるのです。これは救護措置違反、遺棄致死というので、いま裁判中で、まだ判決は出ておりません。それから、三十九年の二月に横浜地方裁判所の川崎支部でこういう判決を受けておるのがあるのです。業務上過失傷害罪、遺棄罪、懲役一年。これは、死ななかったけれども、けがをしたのをほったらかして置いていったということでやられているのです。三十九年の四月には、福島地方裁判所の会津若松支部でも、遺棄罪として懲役一年三カ月の判決を受けているのです。同じく三十九年には、長野の地方裁判所の飯田支部の判決で、これも死んではおらぬけれども、ほっておいたということで、懲役一年六カ月、執行猶予四年という判決を受けておる。こういうように、まちまちではあるけれども、ひき逃げというものに対する考え方としては、相当重い考え方をしておるように思われますから、どうぞひとつひき逃げというものに対しては、徹底的に罪が重くなるぞというような考え方をしてもらう。それよりも事故を起こしたらすぐ届け出てこい、それがなくなっても、けがしても、すぐ処置をとって届け出をせよというように徹底をさせれば、ひき逃げ事件というものは比較的少なくて済むんじゃないか。この二万数千件というものは、みな逃げたけれども、あなたのほうの手によって八四・一%あるいは八三・九%というような検挙率はあったけれども、これにはばく大な費用と人によって、これが検挙されたということなんです。それよりももっと啓蒙的、PR的に、その罪が重くなるぞというような考え方を、ひとつそれぞれ打ち合わせをしてもらってやったら、ひき逃げ対策というものは幾分かよくなっていくんじゃないか、そういう人が少なくなるのじゃないか、私はこう思っておるが、課長の考え方はどうですか。
○片岡説明員 先生のおっしゃるとおりだと思います。私ども、免許を新たに与えるとき、あるいは更新のときなりあるいは指定教習所の教育の課程を通じて、そういう先生のおっしゃるような御趣旨に沿って、運転手によく教育いたしていきたいと思っております。
○丹羽(久)委員 それではもう一ぺんお尋ねいたしますが、事故防止のために年齢と服装ということについて、ひとつお考えをいただきたいと思うのです。 手足の自由がきかなくなった老人ですが、これは現在、検査はやってみるというものの、書きかえやるときは、何というか、一応運転して回らしてみて、そしてこれは運転可能だといって免許証の書きかえはしない。目を検査しただけで免許証の書きかえをしてくれる。八十歳でも九十歳でも免許証はくれるのですね。私はかつてオーストラリアへ行って聞いたことですが、私の国では一定の年齢がくると免許証を与えませんよ、こう言っておる。ニュージーランドでそのようなことを言っていた。私はアメリカ、イギリス、フランスという各国のことは別としまして、日本の現状は、九十歳においても百歳においても、とにかく目さえ見えれば、両眼合わせて〇・八以上でさえあれば免許証がもらえる。しかし、人間というものは、医学者に言わさしめると、自分は健康であると思っておっても、運動神経というものは、やはりある年齢がくるといささかにぶってくる、こういうのですね。なるほど大事に運転をやられたら、比較的そういう方には事故は少ないかもしれないが、六十キロで走ってもいいというところでは、六十五歳、七十歳あるいは七十五歳の人が、もし免許証を持って走っていらっしゃるというと、実際はあぶないから、そんなによう走らぬ。後続する車は非常に迷惑であって、追い起しをすれば処罰せられるというような事態が起きてくる。そういうようなことを考えますと、やはりある程度の年齢がきたときにということは、今後一つの課題として研究する余地があるように私は思うけれども、その点についてはいま私は即答をしてくれとは申しませんが、考えてもいいんじゃないかと思うけれども、どうでしょう。 それから、第二点としてもう一点お尋ねいたしたい。自動車の運転の判例というか規則のうちに、げたやサンダルは禁止されておりますね。ところが、着物なんか着て運転することに対しては一向におかまいなし、こういうことですね。ここに広川先生いらっしゃいますけれども、女性のことを申し上げて恐縮でありますが、女性の方はそでの長いいい着物を着て平気で運転していらっしゃる。私は、それによって事故が起きるとは考えぬけれども、どうもそれによって、ちょっと違ったらたいへんな事態が起きやすいということだけは言えると思うのです。運転中にたばこを吸うのと一緒です。だから、ある程度の服装に対する制限というものに対してどういうお考えを持っていらっしゃるか。特にこれは女性ばかりではないのです。男でも着物を着て、へこ帯を締め込んで、ぞうりはいて、そうしてそれがどこへ行くかと思ったら、そのままで運転していくというそういう状態です。着物は日本以外ないとすればよその国は別ですけれども、運転の上においてはあまり適当ではないと思う。とにかく一ぺんお聞きしたい。
○片岡説明員 年齢の問題でございますが、先生のおっしゃる面確かにあろうと思いますが、現在わが国では高年齢層よりも低年齢層、若い人の問題のほうが深刻な問題であります。しかし、次第にモータリゼーションが進展してまいりますと、お説のように高年齢者の免許資格なり免許試験、あるいはいろいろな検査の問題が起ころうと思います。特に循環器系統の疾患の問題はあろうかと思いますので、将来の問題として、一定年齢に達した場合には、あるいは更新を、三年ではなくて一年ごとにやってテストをしていくとかいうようなことも、今後の問題だろうと思います。 それから着物の問題でございますが、これはちょっと私ども即答しかねるのでございますが、よく女性ドライバーの方で、着物を着て運転したらどうかという質問を受けるのでございますが、私はそのときに、足元だけ御注意いただきたい、ぞうりでブレーキ、アクセルを踏むときに、特にブレーキを踏むときに、すべるというおそれがあるのだ、着物よりもはきもののほうが重要ではなかろうか。そういうことでお話しをしておるのでございますが、直ちに着物はぐあいが悪いというのはちょっといかがであろうかと、私現在考えております。
○丹羽(久)委員 昔の話を言うと笑われますが、かつて車の少ない当時でさえも、着物で運転するなんていうことは絶対許されなかった。ほんとうに金持ち以外車に乗れない時代でさえ、そういうことをきびしく言った。また、たばこを吸ってはいけないということをきびしく言われた。着物を着ておっても足元だけとあなたは言うが、あまり下のほうの話をすることはどうかと思うけれど、着物というものは男女を問わずして非常に巻きつきやすいものですよ。課長さん、一ぺん着物を着て運転してみなさい。そうすると、やはり着物というものは適当でないなということが考えられるのじゃないかしらと私は思うのです。ほんとうのことを言うと、私自身が着物を着て運転してみたが、やはりよくない。だから、これはいますぐあなたの御判断で、それはそうだと思うから改正したいと思いますというような答えは出ないだろうと、思うけれど、これだけ車がふえてきたのですから、ひとつ一応はお考えいただきたい。 もう一つ、これは同僚が言っておられるし、私もそうだと思うし、いつも言うことでありますが、タクシーなんかは服装をきちっとしなさいという、ちゃんときめられたものがあるのです。ところが、いま問題になっておるダンプの運転手だとか自家用の人たちは、ランニングであろうと半分からだをしまっている人はいいほうで、素っ裸で運転している者が中にはおる。こういうような服装制限というものも、少なくとも心の引き締めという点からいって、また、自分は運転者であって技術者であるという、そのプライドを持たせることからいっても必要だと考える。そして交通事故防止の第一の出発点が、そこから生まれ出てくるのじゃないかしら、こう考えるのです。これは私の考え方が違っておるかどうか知りませんけれども、私はそういうふうに考えるのですから、そういうような点についても、警察庁あるいは運輸省など打ち合わせしてもらって、ひとつお考えいただきたいと思っております。どうぞひとつ上司ともよく話していただきたい。 それでは警察庁のほうはこのくらいでおきまして、次に運輸省にお尋ねいたしたいと思いますが、自動車損害賠償保険ですね。今度保険金の限度額を百五十万円から三百万円に引き上げるということは、きまったのかきまっていないのかどうか知らぬが、そういう計画があるように聞いております。これは私のほうでも議題になっております。またここに委員長がいらっしゃるが、委員長もそういうようなことを問題にしておられるのですが、それで保険料の引き上げは、三百万円というような声もあるし、二百万円というような声もあるけれども、政府の考え方としては、いまどのようなお考えを持っていらっしゃるか、もうきまったか、私はその辺ちょっとお聞きいたしたいと思います。
○上原説明員 お答え申し上げます。 現在政府といたしましては、死亡と後遺症の最高を三百万円、通常の傷害は五十万円に据え置き、これを八月から実施いたしたいという考え方で作業を進めております。これにつきましては、自動車損害賠償責任保険審議会で御審議をいただいた上で、決定することになるわけでございまして、早急な御審議をいただくように現在努力しておるところでございます。
○丹羽(久)委員 後遺症、死亡とそれからけがによって区分して、けがのほうは五十万円を最高として押え、なくなった場合においては三百万円、後遺症の最高も三百万円、それでお考えになって、それが通れば、それでけっこうであると私は思います。 そこで、ひき逃げをして犯人がどうしてもつかまらない、どうしても見当たらない、こういうような場合には、これは強制保険で現在のところ百五十万円ですが、国が立てかえ払いで払っていただけるというようになっておるようでありますが、事実そうですか。
○上原説明員 ひき逃げの場合で加害者がよくわからないといったような場合、それから、これは法律違反ではございますが、当然加入すべき責任保険に入っておらないというふうな場合は、政府の保障事業として、これは責任保険に加入しておる車によって被害を受けた場合と同様の補償をいたしております。
○丹羽(久)委員 それでは、いままでそのような金はどのくらい払われたのでしょう。そういうようなふうで、犯人がわからずしてお支払いになった金です。
○上原説明員 ただいま手元に四十一年度の支払い実績を持ってきておりますが、それで申し上げますと、死亡の場合、これが二百四十二人でございまして、二億三千百三十三万何がしという金額になっております。それから傷害の場合が九百十八人でございまして、一億四千八百十三万何がしという程度の金額になっております。
○丹羽(久)委員 それで自動車損害賠償保険の四十年末の決算でいくと、だいぶ黒字になっておるということですが、この黒字は大体どのくらいになっておるでしょうか、
○上原説明員 お答え申し上げます。 保障勘定の四十年度末におきます黒字は、二十三億程度となっております。
○丹羽(久)委員 四十年度末で二十数億じゃなく、数百億の黒字だというが、違いますか。
○上原説明員 再保険特別会計の業務内容は二つに分かれておりまして、会社のほうで元受け保険をいたしまして、それを政府が再保険いたします再保険勘定と、先ほど御説明申し上げましたひき逃げとか無保険自動車に対する場合に支払います保障勘定と、その二つに分かれております。ただいま二十三億と申し上げましたのは保障勘定のほうの累積黒字でございまして、再保険勘定のほうの黒字は、御説のとおり百億台の数字を示しております。
○丹羽(久)委員 百億台でなくて三百億台というが、そんなことはないですか。
○上原説明員 お答え申し上げます。 三百億何がしと申しますのは、これは元受けのほうで保留しております黒字と、それから再保険勘定のほうに残っております黒字と合算いたしました場合に約三百億ぐらいになる、こういう数字でございます。
○丹羽(久)委員 この賠償保険は保険会社が代行しておって、そして事故があまり多くて、もし皆さんからもらう保険金によって支払っていっても足らないような場合には、六割国がめんどうを見ていかなければならぬということになっておりますね。そうじゃないですか。そうして現在のところは、いろいろ合算して三百億からの黒字だということですね。そこで、たとえば今度これが三百万に引き上げられても、三百億からの黒字になっておれば、そんなえらい高い率の保険料をかけなくてもやっていけると思う。車がふえるわりに事故はだんだん減るように努力をしておってもらうんですから、車は多くなってもらう金は多くなってくる、それに対しての事故が、それに伴って多くなるとは私は考えない。倍になったから事故が倍になるとは考えられない。けれども、車からもらう金は、台数がふえればふえるだけ収入が多くなってくるでしょう。そういう率からいくと、今度保険金というものを三百万円に上げても、みなから徴収する金というものは、車の台数のふえる率からいって、事故のこれだけの防止からいって、私はそんなに上げなくて済むと思うけれども、その見解に対してはどのようなお考えを持っていらっしゃるか。ひとつその点よく聞かないと、みな業界は非常に心配しておるのです。タクシーでさえ年間四万数千円実際払っておるのです。それがまた今度三百万になった場合において、六割も七割も上がるということになったらたいへんだということで、業界が、一体どのくらい保険会社や何かは金を残しておるのだろうということをいろいろ調べてみると、ずいぶんの金が残っておるということがわかってきた。だから、その点についてひとつお答えをしていただきたい。
○上原説明員 お答え申し上げます。 従来の方式で計算いたしますと、平均して四割程度の保険料アップになるという試算が出ておりますけれども、これは加入者の負担が重くなり過ぎるという考え方から、ただいま先生のお話にございました三百億以上の黒字をこの支払い原資に充当するとか、事故率を再検討するとかいうような方法によりまして、現在事務的に検討いたしておりますものは、最高一二〇%で押えるという線で検討いたしております。これは保険金額の引き上げと同様に保険審議会で御審議の上で決定すべき事項でございますので、最終決定ではございませんが、事務的には二〇%程度のアップで押えたいというぐあいに考えております。
○丹羽(久)委員 保険審議会にどのような方々がメンバーにお入りになって御審議していただけるかわかりませんけれども、現状でさえそれだけの金が黒字になってきておるのですから、これはひとつ政府として真剣にこの率を上げるということに対しては、私は考えていただきたいと思うのです。 それで、あなたからそのようなことを御答弁していただきましたので、私はこれ以上のことを申し上げませんが、大蔵省いらっしゃったらもう一点聞きたいけれども、大蔵省帰ってもいいと、ぼくはそう言ったんですが、大蔵省帰られましたね。——おいでですか。それではひとつお尋ねいたしたいと思います。 交通事故の引き当て金の問題ですけれども、お互いの会社の交通事故に対して、現在の百五十万ではなかなか承知してくれないのですよ。タクシー業者だとか、それから貨物自動車業者だとかいって政府のワクをきちんともらって業者として運営しておるものはね。そこで、事故に対する引き当て金というのを積み立てしますね。そうして事故が起きた場合にはそこから金を出す。この引き当て金に対する積み立てに対して、ひとつ免税措置を考えてもらいたいと思うが、どんなお考えでしょうか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 自動車事故の場合の任意の積み立て金、その引き当て金について免税措置を講ずる余地はないか、こういうお話でございますが、従来、御承知のように、そういう種類の引き当て金は利益留保の引き当て金である、こういうことで、そういうものを引き当てる段階においては、課税の対象となっておるというのが現状でございます。それは先生よく御存じのとおりでございます。そこで、交通事故が非常にふえ、その金額もだんだん上がってくるということで、加害者の側でいろいろ準備をしたい。そこで、準備をする際に、なるべく準備がしやすいように税の面でも配慮してもらえないか、こういうお話であるわけです。この点につきましては、私どもも従来、運輸省のほう等からそういう御要望も聞いております。ただ、この引き当て金の性格が利益の留保である、こういう異常災害の関係はそういうふうに考えざるを得ないのでありますので、現在これを非課税にすることは、非常にむずかしい段階にあると思います。
○丹羽(久)委員 各省が必死になって交通対策に対してやっているのです。大蔵省もその仲間に入ってもらわなければいかぬと私は思う。入っておっていただけるから金もおれのほうは出しておるんじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、実際に事故を起こして、そうして百五十万円だけではなかなか承知してくれない。そうすると、労務者と営業主との間に双務協定ができ上がっておっても、本来の姿からいえば、当然その約束に従って払ってもらわなければならぬ運転手が、もう何もない人がほとんど多いのです。からだ一貫の人が多い。だから、さっとやめていっちゃうとか、あるいはそういうような約束があっても、その約束をなかなか守ってくれない。裁判所に持ち出していって、こういう協定になっているから当然払うんだという判決をもらっても、私は働く者で、毎月これだけくらいより払えませんというふうなことになってしまう。そうなってくると、どうしても会社自体が積み立て金をしておいて、その積み立て金を引き当て金にして、そしてそういう不幸な場合においての解決をしてあげなければ、なくなった遺族に対しても、けがをした人に対しても、私はほんとうにお気の毒だと思うのです。そういうような場合に、ほんとうにそのように使われていく引き当て金というものは、利益金というような考えでなくて、運輸省からもお願いしておられたら、あなたのほうは取ることが目的ではあろうけれども、ひと?りんとこれは協力していただいて、そういう引き当て金に対しては、免税措置を考えていただきたいというのが強い要望でもあるし、私もそう思っておるのです。これは全国的に見まして、そういう組織的にちゃんと国からワクをもらった業者の会社運営に対する一つの特例措置として考えていただければいいのです。だからひとつよく御研究していただきたいと思います。いまのように、そう木で鼻をくくったように、できませんと言ってぽんとけらずに、もうちょっと研究していただくように、少なくともそういう恩恵をこうむるということによって、安心して事故を起こすような者はありませんから、親心に感謝をして事故を少なくするように協力するのですから、ほかのほうで利益をちゃんとあげて協力するのですから、このくらいの恩典に浴せられるように、ひとつ大蔵省として取り上げて御研究していただきたい。 こういうことを申し上げて、結論はあなたから出ないと思いますから、後日ゆっくりお話を承ることにいたしまして、予鈴が鳴りましたから、これで一応終わります。どうもありがとうございました。
○山下委員長 本会議の予鈴も鳴ったようでございますから、本日はこれで終わりたいと思います。 次会は公報を持ってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十五分散会