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55回国会衆議院1967/05/25

交通安全対策特別委員会 第7号

発言数
93
登壇者
9
会派数
3
開催日
1967/05/25

会議録

山下榮二民主社会党

○山下委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がございますので、順次これを許すことにいたします。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 運輸省に最初にお尋ねするのでありますが、実は南海電鉄の踏切事故の直後、運輸委員会の中で、私から政府に対し、少なくとも全国の踏切を一斉点検して対策を考えるべきだ、あらためて一斉点検をやれということで要求をしたわけでありますが、その後機会がなくて——総点検をしたのか、したとするならば、おおよそどういう問題点が出てきたか。そういうものをこの際あらためてお聞かせいただきたい、こういうふうに思うわけです。  なお、きょうは運輸省では民鉄部長がおいでですから、まずさしあたり、いま申し上げたように踏切の総点検をしたのかどうか、した実績としてはどういうものがあったのか、さらに進んでは、対策はとったかどうか、とらなかったものはどれとどれであるか、そういうものについて概要説明をいただきたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 ただいまお話がございました踏切施設の点検でございますが、本件に関しましては、政府といたしまして、交通対策本部並びに交通関係閣僚協議会でも取り上げまして、点検を進めることにいたしました。各地におきまして、鉄道事業者、それから警察関係、また道路管理者、あるいは陸運局等が一体となりまして、点検を大体五月中に実施するということにいたしまして、各地で現在実施中でございます。  なお、昨年運輸省のほうで踏切道の調査をいたしたものがございますが、こういったものとも突き合わせをいたしまして、具体的な整備の計画というものを作成いたすことになっております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 南海電鉄の事故は何月でしたか。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 お答え申し上げます。  四月の一日だと記憶しております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 その直後の委員会でありますから、私いま記録を持っていませんが、四月の初めごろぼくが提案したわけです。そこで、そのときに、金のかかることはなかなかできないような御答弁がたしか政府筋からあったと思うのです。むずかしい問題だ、そういうこともあったので、それでは金のかからぬ一番いい方法は総点検で、これがまず最初ではないかという話をしたのです。いまの話だと、何か五月中に点検するそうであります。私せっかちかもしれませんが、点検を運輸省のほうだけでするといってもなかなか容易でないと思うのです。関係省庁全体が打って一丸となってやればいいのだし、それから地方によっては、おそらく各都道府県には、踏切の交通安全というか何か知りませんが、その対策の協議会か何かがあるはずですね。だから、そういうものを通してやることも一つだし、これから提案する——たとえばいま交通安全旬間ということでいろいろなことをやっているわけでありますが、スローガン的なものもあるだろうし、人間の教育的なものもあるが、それはそれなりに効果はあると思うのだが、やはり問題点は具体的に摘出しなければならぬ時代になっている。抽象的な安全対策であっては何にもならない。ただ単に感じとして子供の通行が不安であるからどうしなければならぬといっても、具体的には千差万別であります。その子供の通る通路、いわゆるその子供の生活環境が一人一人違う。それと同様に、交通安全対策というものは、いわゆるきめのこまかい対策になれば千差万別であります。しかも具体的であります。  私は質問の途中で提唱するのはいかがかと思うのでありますが、これと、交通不安全の個所の総点検をしたらどうか。それは各省庁末端を全部通しておやりになっているかもしれませんが、総点検をする。そして総点検をするのは、いわゆる政府機関筋ばかりでなくて、国民全体にひとつ要望してみたらどうか。あなたの通っている道路、あなたの乗っている乗りもの、そういうものについて、あなたの気がついた、ここはあぶないということがあったらば、ひとつ総点検として、国なら国、政府に対して、はがき一枚でいいから、どこのどういう乗りもの、どこのどういう交差点、そういうところがあぶないというようなところをひとつ吸い上げてみたらどうか。政府自体まで吸い上げないまでも、各都道府県でもいい。それで、言うならば、これを即刻吸い上げて、処理できないものは上に上げていく、そうして、総理府が中心になりましょうが、そういうものをシラミつぶしにこれを一つ一つ押していくという体制をこの際といってみたらどうかと私は思うのです。  あとからまた質問いたしますが、踏切の対策一つとってもそうです。総点検しろといったのは、直ちにその踏切を改善することも一つの方法であるし、これは最良の方法であります。しかし、それには時間も費用もかかる。この現実を無視して、それでやらぬからいかぬといったって、それはなかなかできないものもある。ついては、消極的な方策かもしれませんが、これに対しては、暫定的には通行の制限、規制もある程度やむを得ない、そういうくらいの結論をつけながらやっていったらどうかということで、踏切の総点検を提唱したわけです。ところが、いまの報告だと、五月一ぱい実施中だということで、非常にまだるっこしい気がする。私のいま中途で提案したようなことでやろうとするならば、ものの二十日もかかればもう十分できるのではないか。全部が集計されなければものにならぬというものとは、どうもこの問題は違うと思うのです。五月中やって、六月上旬までに、全部悪いところ、金は幾らかかるだろうという集計をおそらくなさると思うのです。それも必要であります。必要ではありますが、むしろ、当面交通の安全を第一番に考えるとすれば、そういう集計の前になすべき手は今日ただいまあるだろう。その具体的な個所の交通の安全だとか、そういう対策を立てさせる、そういうために私は総点検を提唱したわけです。だから、そういう意味で何かおやりになったかどうか。いま山口さんの答弁では、五月中に実施しているんだということでありますから、おそらくぼくが言ったようなことはまだそこまでは一つも手がつかぬのではなかろうかと思うのです。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 お答え申し上げます。  先ほど申しました交通対策本部決定並びに閣僚協議会の了解によりまして、とにかくこの際踏切についての緊急的な措置をとる必要がある。それには、ただいま仰せがございましたように、踏切道の数が非常に多いわけでございますので、この廃止統合なりあるいは交通規制をやっていただく、それからまた、踏切道に関しまする保安設備がないところ等につきましてこの整備を強化する、それから構造改良、たとえば、勾配あるいは幅員、取りつけ等の構造改良につきまして、不良なものについてはこれをできるだけ整備する、それから立体交差を含めた踏切の除去を進める、こういう趣旨で緊急的な措置をとることにいたしまして、そのためにとりあえずやれるものは各所で各省庁共同いたしまして努力をいたしますとともに、どういう踏切についてどういう措置をとったらいいかということを、ただいまお話しのように、運輸省だけでなく、各省共同いたしまして、地方庁も共同いたしまして、実行するという意味で点検をいたす、こういう趣旨でございます。  なお、先ほどお話のございました踏切の対策協議会等につきましても、これを幾つかの段階に分けて設置をいたしまして、都道府県単位におきましても踏切道改善促進協議会、これは都道府県の公安委員会なり、都道府県知事あるいは鉄道事業者、それから陸運局長等を構成員といたしまするところの協議会を設けて、そうしてこれに対する計画をつくってその推進をはかる、あるいは、さらに必要な場合におきましては、市町村を中心といたしまして、関係事業者あるいは公安委員会、これは現地の警察等になりますが、それから道路管理者等が集まりまして協議会を設ける、さらに地方のブロック単位に、これは主として陸運局を中心とすることになりますが、管区警察局長あるいは地方建設局長、あるいは陸運局長、関係都道府県知事等を構成員といたしましてそういう促進協議会を設ける。これは現在すでにやっているところもございますが、そういったものを大いに促進いたすということにいたしまして、御趣旨のような線に沿ってまいるということでございます。先ほど申し上げましたように、当面の問題としまして、整備すべきものはどんどん整備をするのでございますが、一応はそういうことで十分な点検をいたしまして、早急に整備のプランを作成し、それを実施に移してまいる、このように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 踏切の総点検については、どうも提唱者である私は御答弁では意に満たないものがたくさんあります。けれども、それはやむを得ない、そういうことだろうと思うのだが、しかし、いつになったら結論をつけるのですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 踏切道の総点検につきましては、先ほど来民鉄部長が御説明申し上げたとおりでございまして、いろいろ期間につきましては御不満な点もあろうかと存じますが、精一ぱいのところ、やはり五月一ぱいでなければ、調査をし、それに対していかなる対策を具体的にきめるかということがむずかしかろうということで、一応五月末日までに総点検とこれに対する具体的な対策の樹立ということをきめたわけでございます。したがいまして、これが来月早々から逐次中央に上がってくると思われますので、それらを見まして、予算措置につきましては、まず本年度の予算でどれだけやれるかとか、そういう点も検討いたしまして、緊急度合いの高いものからすみやかに整備を実施に移していく、こういうことを考えております。  なお、それ以外の点につきまして、たとえば、現在すでに非常に危険であるというような踏切につきまして、車両の通行を禁止、制限するというような措置は、現地でそういう総点検と並行してやっていることと承知しております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 宮崎さん、御答弁は整っていていいと思うのですよ。それはあなたのところを責めるわけじゃないけれども、もうちょっと何とかならぬかというのが国民的な感情だと私は思うのですが、どうでしょうか。もうちょっと何とかならないのかというのが——問題点は大体わかっているのですね。それは、大きな金がかかる問題、あるいは技術的に非常にむずかしいものも、踏切一つとってみてもありますよ。あるけれども、もうちょっと小さいもので、どうにかならぬかなというものがたくさんごろごろころがっているのです。私はいま踏切道について申し上げているわけです。だから、総点検しろと言うから点検しました、それほど政府の皆さんが単純な人だと思っていない。総点検するからには、総点検を実施し、それを受け入れるという体制が早急に築かれていなければ、総点検せいという提唱があったから、けっこうだ、銭はかからないからそのほうがいいだろうというようなことで取り上げたとは私は思わない。言うならば、タイミングの合わぬ——と言ってはたいへん失礼かもしれぬが、せめて交通安全旬間くらいまでには、ある程度、総点検した結果として全国で何カ所か危険の因子をつぶしたというような実績くらい私は期待していたのですがね。そういうことがない。だから、これから提唱するものは、早急に政府は何をやるべきかということを——総点検するというならば、総点検の——いわゆる交通戦争ですから、戦争やるのに、参謀本部の中で緻密な計画が全然練られないで思いつきでやれば、戦争には負けるのです。なるほど、いまの政府というか、われわれ自身もそうなんですが、毎日毎日起きている事故に対して、それは気持ちは落ちつきませんよ。きょうはこの交差点と思ったら今度は京浜運河のところで船がやったとかいうようなことで、それは気持ちはわかりますよ。わかるけれども、やはり参謀本部ぐらいはじっと落ちついて作戦を練って一つ一つせん滅戦を展開しなければ、交通戦争に立ち向かうというわけにはいかぬ。それには、言うならば、それぞれの省庁だけの線だけ守ったのでは私は無理だと思うのです。そういうことをわれわれは考えているわけなのです。どうかもう少し具体的にしてもらいたい。もう一ぺん、くどいようだが、踏切に限定しまして、総点検の始末というか、それは六月の上旬ぐらいにはできるのですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 日にちの点は、たいへん申しわけございませんが、いまここで御確答申し上げるわけにはまいりませんが、大体私たちは六月中旬を目途といたしまして総点検の結果を早急に施策に移したい、このように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 順序が違いましたが、総点検をやっているわけなのですが、そのときにはどういう通達というか、方針というか、立てられてやったのか。書いたものでもあるのですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 交通対策本部といたしましては、先ほど民鉄部長からも申し上げましたが、本年の四月の六日に、踏切事故防止対策の強化についてという対策を決定いたしまして、これは翌日の四月七日に交通関係閣僚協議会の了解を得ておりますが、この決定におきまして、先ほど来申し上げております——これはいろいろなことをきめておりますが、その中の一つといたしまして、都道府県単位に踏切道改善促進協議会を設けて総点検しろということをきめておりまして、これを各都道府県に流しております。それから、それに追っかけまして、この実施に関する細目的な事項を、同じく四月十七日に、踏切事故防止に関する交通対策本部決定の実施につきまして申し合わせを各省庁といたしまして、これに基づきまして、関係各省庁からそれぞれしかるべき機関、都道府県なり、それから地方部局に対しまして通達を流しまして、これによって、先ほど来申し上げておりますように、総点検並びにこれに基づく必要な総合的計画の策定は五月末日までに行なえということにいたしております。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 運輸省といたしまして、ただいまお述べございましたように、踏切事故防止対策の決定に対しまして、再三にわたりまして地方陸運局あるいは関係事業者、国鉄等に通達いたしましたが、その主たる内容といたしまして、結局、踏切の事故防止対策についての基本的なやり方はどういうようなやり方でやるか、また、これに対する廃止統合あるいは車両の通行禁止等の点につきましてはどのように行なうか、あるいは構造改良等につきましてはどういう点を重点に置いて行なうか、どういう場所を重点に置いて行なうか、あるいは踏切保安設備の整備、その他、踏切支障報知装置の整備とか、踏切照明設備等につきましてどのような措置をとるかという点につきまして、具体的な内容指示をいたしました。これによって措置をするということにいたしております。  なお、ただいまお話がございました点検につきましても、いま申しましたような趣旨に沿って別紙の要旨を定めまして、その要旨によりまして点検をいたしまして具体的な報告をするように求めております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは、いままで宮崎室長、山口部長からお話があったようなものは資料として一ぺん見せてください、通達をやったようでありますから。  それから、これはあなたにお聞きしたほうがいいのだが、踏切の総点検というものはいまお話があったような点だけで、たとえば、国鉄には運輸省では指示をしたかどうか、それから警察庁は下部にそういうことも点検せいというようなことを出したのかどうか、あわせてちょっと聞きたいのです。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 最初に資料でございますが、もちろん、あとでお配り申し上げますが、先ほど申し上げました交通対策本部決定、これは当委員会にあらかじめ一括して資料としてお配り申し上げております。もし御必要でございましたら、またお手元にお届けいたします。それから関係各省の通達につきましては、私のほうにはまとまっておりませんので、これを関係各省に、本日来ておりますが、連絡をいたします。  それから、先ほど申し上げました四月十七日の申し合わせに基づきまして、まず運輸省、建設省が必要な通達を出すことをきめておりますが、それ以外に、関係各省それぞれ何らかの形で下部機関には指示をいたしておることと存じます。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 ただいまお話のございました通達等の資料につきましては、さっそく提出さしていただきたいと思います。  それから、国鉄に対しましても、同様の趣旨で踏切事故対策を強化していただくように私どものほうから指示いたしております。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 警察庁も通達いたしております。資料として宮崎さんのほうにまとめて出します。

久保三郎日本社会党

○久保委員 建設省も同じような連絡を受けてやっておられると思うのだが、そのとおりですか。そうだとすれば、通達の写しでも出していただきたい。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 建設省も、南海事故がありました以後、早急に踏切の構造改良を要する個所を出すように指示してございます。後刻その通牒を提出いたしたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それじゃ、踏切の総点検というか、そういうものはあとでまた資料をいただいて質問したいと思いますが、いまの総点検とは別に、踏切道改良促進法によっていろいろ促進というか、そういうものをしているようでありますが、最近の傾向を見ていると、国鉄を含めて、踏切道改良というのは、どうも三十六年から三十九年に至る三カ年くらいの気がまえとはだいぶ違って、少しく意欲が低下した——と言っては語弊があるが、そういう傾向にあるとぼくは見ているのです。そうでないという答弁があるだろうと思うのです。そうですとはなかなかこの際言えないと思うのです。私は別に意欲が低下したことだけ取り上げてとやかく言うのではなくて、もう一ぺん踏切道改良というか、この安全ということで考え直してみたらどうかという考えをしているのです。と申し上げますのは、いままでにやれたものは、やろうとすればできたのだが、残っているものは、なかなかやろうとしても一部局だけではできない。言うならば、政府全体の結集した力でなければ、いわゆる同じような意識に立たなければできないものが大きく残っていることと、もう一つ、当初考えていたように警報機つきの踏切にすれば、いわゆる三種ですか——これは三種というんですね、四種は無人だから。せめてチンチンだけつければ安全度は非常に高まるだろうというふうに考えていたのが、踏切道改良促進法の一つの大きな柱だった。ところが、実際では三種の踏切というのはかなり事故の程度が高いというふうにわれわれは見ているのです。そうだとするならば、踏切道改良促進法にいま言ったような一つの柱になっている警報機つき踏切というものについて、もう一ぺん考え直さなければならぬ。いわゆる遮断機つきでなくて、チンチンだけのものということであります。遮断機つきについても、これはしさいに事故の原因を洗ってみないとわからないが、いままでわれわれが聞いたのでは、チンチンだけでは、はなはだ——というよりは、非常に危険であります。こういうふうに見ているのですが、そのためにも、この踏切道改良促進法は、まず第一点として、これは洗い直さなければいかぬ。  それからもう一つは、踏切道改良促進法は、あまり政府の金はたくさんには出ておりません。いわゆる費用その他の面からいって改良が促進できない。特に鉄道事業者の経営には、直接的には踏切道の改良によって企業の好転をはかるというわけにまいらない。もちろん、消極的に見れば、大きな事故を起こせばこれは少なくとも経営としてはマイナスでありますから、そういう利点もあるのでありますが、いまの企業者は、残念ながらそういうものの見方をするまでには至っていない。だから、踏切道改良促進法をいまあるがままで特に私鉄などにこれを推進していくというならば、かなり経営方針を頭を切りかえさせる運動から持っていかなければならぬ。ところが、この企業を取り巻くところの経済環境というものは、そういうものを考えるいとまを今日は与えておりません。そうだとするならば、いろいろ理屈はあるけれども、改良促進法の中で国の責任、国民全体の責任というものも考えながら、あるいは道路面における交通と踏切との問題、そういう性格も考えながら、多少の助成措置も考えて、重点的にやらなければ、推進できないじゃないかというふうにわれわれは考えている。  そこで、先年私どもは国会に踏切道改良促進並びに保安要員の配置に関する法律案なるものを提案いたしました。もちろん、野党提案でありますから、成立することができずに廃案になりました。われわれはわが党案を十全なものとしてここで押しつけようとは毛頭考えておりません。いま申し上げたようなことを内容とするわれわれの考え方について、もう一ぺんここにおられる関係の皆さんが研究してほしい、こういうふうに思うのです。  その二点でありますが、これはそれぞれどういうふうにお考えでありましょうか、関係の皆さんから御答弁をいただきたい。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 踏切道の改良促進に関しましては、政府といたしましても従来いろいろとやっておりますが、そこに若干の問題点があることは、御指摘のとおりでございます。  そこで、今回の南海電鉄のような重大事故の再発はどうしても防止しなければならない、かような見地から、先ほどからるる申し上げておりますように、交通対策本部決定をもちましてその改善の推進をはかっておるところでございますが、その中の一点といたしまして、いま先生が御指摘になりましたような、たとえば、特に民鉄と地方道の交差する踏切道につきまして、どうやってその改善を推進していくかというような問題もございますので、これらの点につきましては、先ほど申し上げましたように、現地におきます具体的な総点検と並行いたしまして、現在、運輸省、建設省等におきましてその改善方策を鋭意検討中でございます。したがいまして、この総点検の結果があがってくるころまでには、何とかいたしましてそれを具体的に施策に移せるような裏づけ、結論を得たいと考えております。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 お答え申し上げます。  ただいまのお話の内容の中で、踏切保安設備に関します問題でございますが、警報機つき踏切、いわゆる第三種踏切が必ずしも安全ではないのではないかという点でございますが、この点は、先生のおっしゃるように、遮断機つきの踏切、つまり第一種踏切でございますが、この第一種踏切のほうが確かに保安度が高いわけでございまして、私どもといたしましても、なるべく第三種から第一種に、それから第四種、これは警報機あるいは遮断機がない踏切でございますが、こういった設備のない踏切につきましては、できるだけ第三種の警報様つき、第一種の遮断機つきの踏切にかえてまいりたい、このように考えております。  なお、ただいま先生がおっしゃいましたように、踏切に対する問題の根本的な問題といたしまして、踏切に対する費用負担の問題でございますが、これは非常にきめこまかく考えてやらなければならぬ性格のものと思っておりますが、ただいまの法律のたてまえでは、踏切保安設備に要します費用というものは、原則といたしまして鉄道事業者がこれを持ち、ただ政府または地方公共団体がその一部を補助することができるという考え方に立っております。ただ、この点につきまして、現在の実際の運用といたしましては、国の補助と申しますのは、赤字または準赤字の事業に対しまして若干の補助をしておるにすぎないわけでございまして、この点は、踏切の保安設備の整備という点につきましては、今後さらに関係財政当局にもお願いいたしまして、さらにその範囲を広げていくということによりまして、その保安設備をよけいつくるということが必要ではないかと思います。  いわゆる構造改良と申しますところの踏切道の整備の点につきましては、現在、これに関する管理は、鉄道事業者と道路管理者が協議して定めるという形になっておりますが、実際は、費用負担の点でなかなか協議がととのわないために整備がおくれるという点がございますので、そういった点は、今後その事業の分担に関する基準等もできるだけ確定してまいるということによりまして、その整備を促進してまいりたい、このように考えております。  なお、鉄道事業者全般、特に私鉄の事業者につきまして、保安設備に対して重点を指向したところの保安整備対策というものをすべきであるという点につきましては、まことにお説のとおりでありまして、現在鉄道事業者が行なっております輸送力増強工事と並びまして、あるいはそれ以上に保安設備に関する保安対策というものについては力を入れなければならぬわけでございまして、各社に対しましてこの点は十分に指導いたしてまいりたいこのように考えております。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 ただいま御説明がありましたとおりでございまして、われわれ、特に問題になります構造改良につきましては、現在のところは、道路管理者と鉄道事業者とが協議してきめるようになっておりますが、従来の実例を見ますと、国鉄につきましては、原因がはっきりしておる場合は、これは原因者負担ということでございますが、国鉄につきましては、大体原因が不明な場合、ことに戦前のものはどちらが先にどうなったか、なかなか不明でございまして、こういうものについては、お互い、国鉄については折半、二分の一、二分の一負担するようにというのが実例になっております。また、私鉄につきましては、これはあるいは大手の私鉄と中小の私鉄でいろいろ経営状態も異なりますから、また鉄道側の負担できる能力も違いますので、そのつどそのつど鉄道事業者と協議しておりますが、いまの私鉄の踏切については、大体道路側が三分の二くらい負担をしておるように聞いております。しかし、そのほか、いろいろ県が単独でやっております構造改良を見ますと、やはり中小私鉄でどうしても困るというような場合、これは踏切が前後の道路より狭くなっておるようなもの、これは大体道路側が持っておる例が多いのではないか、このように考えております。今後の問題といたしましては、やはり前後の道路より踏切道だけ狭くなっている、そういうところにつきましては、できるだけ道路管理者のほうが出すような形で、大蔵とも協議してまいりたいというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 もう一ぺんあとの機会にまたこの踏切の問題は御意見を承りたいと思っているわけですが、道路局長にお伺いというか、ぼくの提案なんですが、都市内における鉄道と道路の平面交差、それを立体化するといういわゆる高架化、地下化、いろいろありますが、この問題は、都市内においては——特に東京ばかりじゃないですよ、地方の都市も問題がありますから。そういうものは、今度の都市計画法の改正というものが出たかまだ出ないか知りませんが、その中に織り込んであるのかどうかわかりませんが、都市内におけるところの踏切の立体化については、都市計画法の改正の中へ織り込んで、もっとスムーズにできるようにしたほうがいいのではなかろうか。というのは、もちろんこれは負担の問題もございます。  多少いままでも都市計画法にからんで立体化をはかったこともあるやに私も見ております。もうちょっとはっきり、都市の改造ということになれば、当然その中へ包含しながら、費用の点を考えたほうがやや合理的じゃないだろうか。というのは、いまあなたが御答弁になったように、これは山口さんからもありましたが、建設省と鉄道事業者の間でいわゆる負担区分の問題でいつもどうもうまくいかないのですね。うまくいかないと言うとたいへん語弊がありますが、それぞれ目的もあるだろうし、それぞれの予算の問題もあって、なかなかうまくいかない。片方、道路側からすれば、ここは立体交差が必要だと思うけれども、鉄道事業者にすれば、立体交差にしなくてもまだ大丈夫だ、こういうような極端な意見もあるやに私は聞いております。だから、そういうものは絶対に都市改造の一環としてあるべきで、将来の展望に立って、改造するのが一番いい、そうなれば、一つの思いつきかも知りませんが、都市計画法の中で処理したほうがいいのじゃないかと思いますが、あなた自身はどう考えておりますか。それから総理府の室長はこの問題をどのように取りまとめて考えておられるか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 都市計画につきましては、これは計画法でございまして、将来その地区をどういうような形にするかということでございますが、その道路をなくするとか、そういうものは当然都市改造に入りますが、大きな意味で、都市内の鉄道というものはやはり将来高架化しなければならない趨勢にあると思います。やはりそういうものも広い意味の都市計画の決定をしていき、逐次それを進めていくのが妥当じゃないかというふうに考えております。また、大都市の中の鉄道の高架化につきましては、いま御指摘もございましたように、いままでのいきさつを見ますと、いろいろ費用の負担の点から難航しておる例が非常に多いと思います。これは現在、私のほうでも、運輸省と連絡いたしまして、将来の都市の中の高架化の費用の負担をどうするか、検討しております。現在の制度でございますと、国鉄については、高架化に要する費用の大体二分の一が道路管理者、二分の一は鉄道側が持っておるということでございますが、なかなか国鉄といたしましても経営の悪化もございまして、それだけの利益がないということもございます。また、道路のほうが費用をよけい持ってくれという説もございます。また、道路のほうで、これは道路管理者が持つということになりますと、やはりいまの制度では地方の負担が非常に増してくるということもございまして、地方の負担の問題も考えないと、なかなか簡単に道路だけがよけい出すということもできないのでございます。これは四十一年度では国鉄側が国費を要求したのでございますが、それも結局認められないような状況になっております。現在大蔵省を中心にして、都市鉄道の高架化の費用負担の問題は検討中でございます。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 ただいま先生のおっしゃいましたように、大都市内におきまする鉄道につきましては、平面交差を全面的になくして立体交差にすべきであるということは、まことにごもっともでございまして、都市の交通緩和あるいは都市の利用の再開発というような点からも、どうしてもやらなければならぬ性格のものでございます。なお、この場合に、単独の踏切を立体化するということでなくして、連続して幾つかの踏切を同時に立体化するというような、いわば高架化の工事というものが必要となるわけでございます。ただ、これにつきまして、ただいま道路局長からお話がございましたように、従来から負担区分が問題でございまして、と申しますのは、これによりまするところの鉄道事業者の受益というものは、踏切除去による事故の防止、それから踏切警手の人件費の節約、あるいは踏切の物件費の節約等の点がございまするけれども、非常に受益の部分というものが小さいために、したがいまして、非常に多額の費用を負担するということにはたえられないというような点から、なかなか負担区分の問題で行き詰まりまして、協議がととのうことが少ないということが現実であったのでございまして、この点はただいま道路局長からお話がございましたように、この負担区分の問題につきまして十分関係省庁間におきまして協議をいたしまして、できるだけ合理的な姿に負担区分を改めまして立体化を促進する必要がある、このように考えております。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 立体交差化の費用の点につきましては、費用の額も相当かかりますし、また負担区分についてもいろいろ問題がございますので、若干の期間をかけなければ合理的な解決はむずかしいかと存じます。私たちとしましては、当面、先ほど来申し上げておりますように、非常に危険な踏切道の構造改良、この負担区分につきましては、何らかの形で早急に結論を出してその改善を推進したい、このように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは、踏切の問題はまた後刻お尋ねすることにして、時間もありませんから、もう一つだけお尋ねします。  これは、今日的な問題であるダンプというか、大型トラックによる交通事故の問題でありますが、これは総理府を中心にしてそれぞれ政府は具体的な対策を立てつつあると思うのでありますが、どういうふうにいまこの対策に立ち向かっているか、具体的にどういうふうにおやりになっておるか、あるいはこれからどうしようとされておるか、それを、時間がないのでたいへん恐縮ですが、要点だけお話をお願いしたいと思います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 御指摘のダンプカーの事故につきましては、よってきたる原因が非常に複雑でございまして、したがいまして、その対策も簡単に一つだけやればいいというものではございませんで、多面的、多角的に検討する必要がございますが、政府といたしましては、当面は何よりも現象面で事故防止を強化いたさなければなりませんので、昨年末以来、大型ダンプに対する取り締まりの強化をまず当面の措置としてはかっております。それと同時に、交通対策本部内にダンプカー等事故防止対策専門部会という部会を設けまして、関係省庁が集まりまして、自来数回にわたりまして会合を重ねております。なるべく早い機会に少なくとも中間的な結論を得たいといま努力している最中でございますが、問題点といたしましては、もう十分御承知のように、ダンプ業界と申しますのは、いわゆる大手筋と申しますか、大企業が非常に少のうございまして、大部分が零細企業に近い形で運送いたしておりますが、これをどう取り扱うか。一方におきましては、それらのものをなるべく強い——強いと申しますか、安全な運転ができるような企業体系に育成いたしまして、正しい営業ができるようにする。それと同時に、どうしてもそのワクの中に入らないいわゆる一匹オオカミと申しますか、白トラと申しますか、そういうものの規制を今後強化していく、そういったいろいろの面におきまして対策を講じて、何とかダンプ事故を防止したい、このように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話だと、一番問題のある一台ダンプというのですか、そういうものにつきましてはこれからのようなお話なんで、先般の当委員会でも、私ちょっと欠席したのでありますが、問題になりまして、それで政府は、いわゆる白ナンバーを与えるのは警察庁でやったらいいだろうということになったら、そのとおりですということになったようであります。関係の大臣がおいでてそういう結論を出したようであります。それは人のうわさでありますからわかりませんが、あとで何だか取り消したような話なんで、ちょっとお粗末なせりふだと思っているわけなんです。それほどに、何というか、毎日の新聞を見ただけで、大型トラックをなにしなければいかぬ、どうかしなければいかぬというのが、今日的な国民的な大きな課題なんですね。これはもちろん国会議員であるわれわれの責任でもあります。しかし、国会議員は直接の行政の責任者でないのでありますから、当然行政の府にあるところの最高責任者は、もっときめのこまかい具体的な対策を立てて、国民的な課題にこたえるというのが、政治の常道なんですね。ところが、ここへきて免許のしかたを論議するのもけっこうであります。これは国会でありますから、当然国会としてはそういう基本問題についてここで論議するのはいいのであります。それに対してもさっぱりたいした結論が出ない。いまのお話だと、なお問題のトラックについては、どうもさっぱり、規制というか取り締まりというか、できない。できると言うか知りませんが、何か確たる方針がまだできていない、こういうふうにわれわれはとって、残念だと思います。  だから、さっき私が言った総告発しろというのは、たいへんことばは悪いが、みんなで発言するような方向をとるべきだ、こういうふうに思うのです。結局、いままでトラックの規制というか、こういうものは、それぞれの都市において運行の規制をされている面もある。これは事実であります。いまでもやっております。それからもう一つは、労働省が、言うならば、トラックの運転手に対して労働基準の面から通達を出して守らせるようにやって、事故をなくそう、安全を確保しようということで、これはたしか二月ごろだと思うのでありますが、労働省が通達を出した。これは承知しておる。あとは全然何にもなくて、いま室長御答弁のように政府部内で考えているようであります。  当面この具体的な問題を扱う警察庁と運輸省は、この問題のトラックについての安全を確保するために最近何か具体的な対策でもとられたかどうか、それぞれ簡単にお答えをいただきたい。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 大型貨物自動車の事故防止対策につきましては、総理府が中心になりまして、昨年の十二月二十日、交通対策本部の決定として、種々の安全対策と申しますか、樹立されたのであります。その中で運輸省の関係いたします分といたしましては、まず運行管理者制度ということでございますが、従来十両以上の車両を所有している者について運行管理者を設置させておったということでありますが、これをきびしくしまして、五両以上の車両を持っているものについて運行管理者を設置しなければならぬというふうに、運行管理者制度を改正いたしました。  それから、ダンプにつきましては、特に過積載の問題がございますので、従来差しワクをするものが非常に多かったということで、差しワクを禁止するという措置を昨年の対策本部で決定し、通達を出しております。  それから、交対本部の決定の線で法令の改正を要すべき事項というのがございまして、その中で、運輸省の関係いたします部分といたしまして、運行記録計と速度表示装置の問題につきまして、それを早急に法令改正について考えなければならないということでございますので、その点につきましては、すでに運行記録計と速度表示装置の義務づけにつきまして道路運送車両法の政令を改正いたしまして措置いたしております。  その他、先ほど蓑輪局長からお話がございましたように、ダンプの問題というのは、根本的に、いわゆる代車制度と申しますか、いわゆる一匹オオカミの問題がございますので、その点につきましては、現在専門部会で具体的に法令をどういうふうにしていくかということを検討いたしております。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 警察庁といたしましては、運輸省のほうが運行管理者を車五台まで下げましたのに対応いたしまして、自家用自動車の場合、安全運転管理者を置く事業を、いままでの車十台以上を五台以上といたしました。それは省令ですでに四月一日から実施いたしております。  それから、今回の道路交通法の一部を改正する法律案といたしまして国会に提案いたしておりますが、その中で三つの対策を打ち出しました。  一つは、ダンプを含めましての大型自動車の運転免許の資格の引き上げをやっております。従来十八歳で免許証をとれておったのを二十歳といたし、また、経験年数がなくてよかったのを経験年数を二年というふうに免許資格を引き上げました。  それからもう一つは、先ほど自動車局長が申しましたタコグラフをつける義務を道路運送車両法の施行令改正で規定いたし、タコグラフで記録して保存する義務を道路交通法で規定いたしております。  第三といたしまして、過積みが問題になっておりますので、過積みの罰則の強化、現在まで三万円以下の罰金でありましたのを、三万円以下の罰金、三月以下の懲役ということで罰則の強化と同時に、これは運転手のみを責めるのも非常に酷な場合もあろうというので、運行管理の責任に当たる者が、そういう過積みの運転を下命したり容認した場合には、独立罪として罰則をつけるという対策を盛り込んでおります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それぞれ御答弁がありまして、対策も近くできるものもあるというお話でありますが、いまお話があったような、たとえばタコグラフをつけるとか、超過積載を厳重に取り締まるというようなことをいたしますれば、ある程度実効はあがろうかと思うのであります。ところが、これは皆さんも御承知のように、かっこうついた経営形態をなしておるものは、事故を起こす多くのものではなさそうなんですね。労働省の通達も、関係のない事業をしておる人、それから商売としてやっておるのかどうかわからないような形態のもの——そこで問題は、これは直接的ではありませんが、どうしてそんな無謀な運転をするのかということになりますと、かせぐに追いつく貧乏なしという形で、とにかくかせげば何とか貧乏からのがれるかもしれないというのでそういう経営をしておるものがあるわけです。だから、六トンの車に十トン積まなければならない、普通ならば二往復すれば非常にくたびれてしまうのに、無理して三回往復する、そうして何とか生き抜いていけるという経営形態というか、事業の形態があるわけです。そういうものをどうするかという根本的な問題をそのままにしておいて、いまのお話のようなことをやっても、実際は、言うならば、それは低空飛行であります。いわゆる空の管制で、何千メートルのところを、いまのタコグラフをつける、過積みをやらせぬぞ、そういうことをやっていますが、それ以下の低空飛行でありますから、全然これは網にも何にもかからないという存在なんです。だから、これは基本的にはどうしたらいいのか、これは建設業全体のいわゆる建設行政の中で考えることも一つあるでしょう。これはこれで検討してもらわなければ、なかなかどうも事故の絶滅というのは私はできないと思う。と同時に、それじゃそれができなければだめかというと、経営形態がどうあろうとも、人の命は重いのであります。重要なんでありますから、これに対しては、やはり行政府としての政府は、もっと的確に、こういう無謀な運転から国民の生命、財産が守られるように、一つ一つやはり具体的な措置を講じなければならない。そのためには、私が冒頭何回も申し上げましたように、総点検によるところのいわゆる規制もある程度考えなければいかぬ。この時間帯には大型ダンプは通さぬ、あるいはダンプが砂利を積載する場所と運び込む先との関係を一つ一つチェックしていく。これは国民の交通の安全が確保されるように、多少迂回でもやむを得ないと思うのです。そういう具体的な運行の規制をこの際検討してみる必要がある。そういうものはどこでおやりになるかわかりませんが、総理府に本部があるそうだから、その本部でそういうことは考えていただかなければならぬ。直接やるとするなら、これは道路交通の規制でありますから、警察庁の関係かと思うのであります。警察庁としてはどういうふうにお考えになっているか、それをお聞かせ願いたい。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 現在ダンプカーその他の大型車の規制を行なっております。これはこういう角度からやっておりまして、一つは、学童や園児の通学時間帯には大型車の通行を禁止する。住宅街で人通りの多いところでは、時間的な配慮も加えながら、場合によっては一日、あるいは時間帯通行の禁止をする。それから、踏切の問題でございますが、建設工事をやる場合に、ダンプがある採石場から砂利などを運んでくるという場合、踏切を通過する場合に、保安施設のととのっている踏切を通るように指導している。そういうことは現在各府県でやっております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 これも一つの提案ですが、いまの警察庁からのお話よくわかりますが、一つの建設現場がある、そこに土砂を運び込むというか、そういう作業を、一日じゃなくて、一日以上続けてやる場合には、通過経路について許可を受けなければいかぬというような方向でやってみたらどうかとも考えるのです。そうでなければ——一日ごとでは困るでしょう。二日でも困るかしりませんが、ある一定の期間、長期にわたるようなものは、そういう許可を受けなければそういう仕事をしてはいかぬということができるかどうか、おそらく非常にむずかしいと思うのですが、そういうことによっても、何時何分まではよろしいが、何時以降はいかぬと、いま警察庁からお話があったように、ちゃんと条件つきで指示してこれを許可するということにしたらどうかとも考える。これは私の思いつきでありますから、一ぺん検討を加えて、そういう業界があるでしょうから、そういう業界をてっぺんから押えつけるのではなくて、業界の協力を求める。これは運輸省かもしれませんが、そういうものをひとつ考えてみたらどうか。宮崎さん、どうですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 先ほども申し上げましたように、ダンプの事故防止につきましては、いろいろな角度からこれを検討いたさなければなりませんので、現在鋭意検討中でございますが、先生の御指摘の点も、御意見としてひとつ検討させていただきたいと思います。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 ただいまの御提案は、全くそのとおりだと思います。現在、大規模に土や資材を一般の道路を通って運搬するような場合、それが相当長期にわたる場合は、それは大規模な工事がそうなると思いますが、たとえば現在東海道でやっている東名高速道路につきましても、大きな長期にわたる運搬については、道路を指定いたしまして、これは大体請負事業になりますので、請負のほうで、必要なところについては、必要な、何といいますか、旗振りみたいなものを置きましてやるように指導しております。ことに学校の前その他につきましては、登校、下校時につきましては、必ず業者のほうからそういうような交通指導員を出して、交通事故が起こらないようにこれからも指導していきたいというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 だいぶ長くなりましたが、さしあたっての問題で、学童というか、幼児対策、これが今日の大きな国民的な願いというか要求になっておると思います。ついては、総理府のほうではどういう対策ができて実施しているかどうか、ひとつかいつまんでお答え願います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 昨年の後半期におきまして、御承知のように、大型トラック等の無謀操縦によりまして学童園児が死傷するという痛ましい事故が何件か起こったわけでございます。したがいまして、政府といたしましては、昨年末に、大型自動車による事故防止等に関する特別措置というのを定めまして、その中で、先ほど来関係各省がいろいろ申し上げております大型自動車の取り締まり規制の強化と、それから学童園児の交通事故防止の徹底をはかるための具体的な対策を決定いたしました。さらにその中で、二月十三日に、その趣旨を受けまして、学童園児の交通事故防止の徹底に関する当面の具体的対策というものを決定しておるわけでございます。  その中身を簡単に申し上げますと、市町村に学童園児の交通事故防止対策の協議会をそれぞれ設けまして、ちょうど踏切と同じ考え方でございますが、学区ごとにその学校近辺の通学路におきます交通状況、特に交通安全施設が整備されておるかどうかを総点検いたしまして、それに基づきましてそれぞれ所要の措置をすみやかに講ずる、こういうことを決定いたしたわけでございます。またおしかりを受けるかもしれませんが、その結果は、踏切の場合と同じく、大体五月末には集まりますので、私どもの手元には六月中旬にはそろう、それに従いましてまた今後も強力な措置を推進してまいりたいと思います。  大筋を申し上げますと以上のとおりでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 最後に、上村副長官に要望しておきたいのでありますが、私はきょう初めてこの委員会で幾つかの要望をしたわけです。その要望も必ずしも当を得たものばかりではないだろうと思うのですが、具体的な方策として一ぺん検討してもらいたい、こういうふうに思うわけであります。  どういう組織になっておるかわかりませんけれども、きょうの要望について一ぺん話題にしてほしいということと、いままであなたもお聞きのとおり、踏切道の総点検、あるいは学童の問題もいま慎重な御答弁があったんだが、われわれとしては、なるほど膨大な機構と、日本全国の話でありますから、短兵急にすべてがいくものとはもちろん考えていませんけれども、少なくともできるところから手をつけていくという方向がなければ、交通戦争には負けてしまうのだから、もう少し機動性を帯びた施策の遂行というか、そういうものを私はお願いしたい。  それから、懸案の五月一ぱい調査するような踏切道の問題等は、即刻整理をして対策を立てて、後ほどの委員会に御報告をいただきたい、こういうように思います。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 久保委員のおっしゃられることにつきましては、全く同感でございます。実は総理府の交通対策本部におきまするいろいろな資料につきましては、すでにお手元に差し上げてあるかと思いまするが、検討いたしましても、一応文章的にはよくできておるわけでございますが、しかしながら、事故というものがかくも相次いで続発してまいりますと、若干魂が抜けているというような感じを率直に持つわけでございまして、この意味におきまして、実は私どものほうとしましても極力その点の督促なり反省をいたしておるわけでございます。  実はただいま交通安全旬間の途中でございますが、五月二十三日の朝日新聞の社説などを拝見いたしましても、いま久保委員のおっしゃっておられるような交通安全施設総点検ということに触れております。先ほどの御質疑の中の点よく拝聴いたしておりますので、御趣旨に沿うような処置を講じて、できるだけ早い時期にこのまとめを御報告いたしたい、こう思っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ちょっと思いつきの点ばかり提案して何ですが、まとめて検討してもらいたいのです。  もう一つ申し上げておきたいのは、これはどこで検討するのがいいのかわかりませんが、踏切の事故等による死傷です。自動車においては自賠責という制度がございまして、それぞれ問題はあろうが、一応賠償保障というか、そういう制度としては確立しておる。ところが、その他の交通事故についてはあまりないと思っております。これは自動車であるから補償がされる、あとは野放しだということでは困るだろう。国鉄のごときは、国家の機関であり、また大きな企業でありますから、何かそういう事故が起きた場合にその負担能力についても可能かもしれぬが、小さい企業では、残念ながらしょいかねるという現実と、また、悪質な者はいないと思いますが、そういう者があるとすれば、いわゆる三百代言的な言辞を弄して、力の弱い遺族補償などは歯牙にもかけないというのもあるやに私は聞いております。そうであってはならぬ。そういう自動車以外の、ことに人身事故、そういうものに対しての救済の制度を考えてみたらどうか、こういうように思います。それもあわせて考えてもらいたいと思います。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 さっそくその点も大きな検討事項にいたしたい、こう思っております。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 時間がないので、大体一時間程度のお尋ねをいたします。  最初に、総理府副長官にお尋ねをいたしますが、ただいま御決意等をお述べになりましたことに関連するのでありますが、春の交通安全運動、これが二十二日から始まったのでございますが、すでに日がたっております。その間、第一日だけでも死者が二十七人も出た、こういうことを聞いておるのでありますが、いままで交通安全運動に入りましてからどのような死傷者の模様であるのか、それは前年に対してどのような状態になっておるのか、おわかりでしたら御発表いただきたいと思います。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 詳細な点につきましては室長から御報告申し上げることといたしまして、本年度におきまする交通事故による死者数は、五月二十三日現在といたしまして、四十一年度は五千百六十二名、本年度は四千八百八十四名。なお、春の全国交通安全旬間中におきまするところの交通事故の死者数は、四十一年度は、第一日目でございますが四十二名、四十二年度は二十七名、それから二日目は、四十一年度は二十五名、本年度は二十五名でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 死者の数だけをお話しになりましたが、その他重傷軽傷等あろうと思うのです。それで、上村副長官に特にお尋ねしたいのは、春の交通安全の目標というのは、学童の保護と無謀ダンプの追放ということに目標が置かれていたと思うのです。ところが、最近承るところによりますと、学童の保護などというような簡単なことも、単に学校において交通安全教育とか訓練をするということにとどまって、具体的に学校の前に横断歩道をつくるとか、あるいは横断歩道に信号機をつけるとか、あるいは防護さくをつくるとか、いわゆる飛び出し禁止の施策を講ずるとかいうようなことは一向におやりにならない。いわばことばの上だけの運動になっているようにうかがわれるわけです。こういう点はどんなものでしょうか。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 実はいま太田先生のおっしゃるような感を深くいたすわけでございますが、しかし、それだけというような意図でいまやっておるわけじゃございません。十分気をつけてやっていきたいと思います。実は委員会の諸先生方にこの旬間中におきまして各問題地点も見ていただいておりますし、今後も見ていただく御計画もあるようでございますし、なおひとつ、久保委員も先ほどおっしゃったように、各マスコミあるいは国民一般としましても、総点検運動というような空気の盛り上がり方もございますので、こういうものを通じまして、ひとつ十分実効のあがる処置を急速に講じていきたいというようなつもりでおるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いわゆる交通対策本部におきましては、そういうお考えであろうと思うのですけれども、それは基本的な考え方ですね。  そこで、運動旬間中に何か行なわれるのですか。たとえば、われわれはこの間都内を見たが、都内を見たときに出していただきました資料というのは、建設省関東地方建設局、東京都建設局、警視庁交通部の合同で御作成になりましたまことにりっぱなものでありました。ところが、これを見ますると、内容はこまかく丁寧に書いてあるけれども、抜けたものが一つある。それは、たとえば、こういうことがありましたからこうなりましたという首尾一貫した説明は、これはいいのです。ところが、一番大事なことが抜けている。一番大事なこととは何かというと、現在の交通地獄に対応する応急的な対策、これが抜けておるわけです。たとえば、この資料の中に、四ページなどに、交通安全施設及び交通規制の効果とか出ております。この表を見ますると、交通規制というのも、交通規制の効果がどうなったかということが書いてある。たとえば、一方通行にして六五%の事故が減ったとか、あるいはまた、一時停止をふやすことによって五五%の事故が減ったとか、速度制限を強化して五〇%事故が減ったとか、これは書いてある。ところが、さいぜん久保委員もおっしゃったけれども、大型車の通行禁止ということに対してはどうなっておるかという統計がないわけですね。大型車の通行を禁止するということが、いま交通規制の中ではたいして重点的に取り上げられておらないような感じがする。これは一番大事なことじゃありませんか。大型車が割り込むから、普通車並びに小型車がふくそうする、混雑する、そこでいらいらが起きて、前の車を追い越そうとする、あるいは一たん停止すべきところで一たん停止を怠り、スピードが増す、これは当然のことなんです。どうして大型車の通行制限、規制を行なったその効果というものがここに出ておらないのか、こういう点などはたいへんふしぎに思いますが、春の交通安全運動というのはもう毎年の行事だからやるという責任のがれではなくして、何かやらなければいけないでしょう。だから私は、春の運動の目標が学童の保護と無謀ダンプの追放にあるならば、学童保護のためにはこういう施設をする、無謀ダンプの追放のためにはこういうことをやります、やりたいと思う、やらせました、何かあってしかるべきだと思うのですが、そういうものはないのでしょうか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 ただいま御指摘の点は、確かに一つの御意見であるとは存じますが、私たちこの交通安全運動に関します基本的な考え方を申し上げますと、交通安全対策そのものは、交通安全運動にかかわりなく常時これは推進すべきものと考えております。したがいまして、年に二回、春、秋政府が主催していたします交通安全運動は、主として交通安全教育の面に重点を置きまして、交通安全思想を国民の末端まで普及徹底させて、そういう点から事故を少しでも減らそう、こういうことを主眼にいたしております。したがいまして、御指摘のように、緊急的に実施すべきものは、この交通安全運動旬間であろうとなかろうと、われわれといたしましては、常時できるだけのことはやっておるつもりでございます。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 いま先生のおっしゃいました資料の点でございますが、大体私どもその効果測定をいたしますのに、対策前半年、対策後半年の期間の死傷者数を対象といたしましてそうして効果の測定をやっております。大型車の通行どめに関しましては、昨年の秋に通達を出して、そうして実際に予備費で予算措置もとり、今年の初めころから具体的に標識を立てて各県で実施され始めております。  大体、大型車の通行どめの規制状況でございますが、三月末現在で、全国的に通学通園路につきましては千七百二十一カ所、延長キロとしまして九百七十四キロばかりを大型車の通行規制をいたしました。東京都の場合は、警視庁の場合は、八十九キロ、二百六十九カ所につきまして新たに大型車の通行禁止をいたしました。この結果は、大体六月ころに、約半年たちますので、対策前とあととの比較対照をいたしまして、その効果を見ていきたいと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 いま警察庁のおやりになったことは、少なくとも、昨年秋の通達に基づき、本年春から千七百二十一カ所の大型車の通行規制を行なったということで、特にこれがいいか悪いかということは、欲を張れば幾らもあるでしょうけれども、とにかくこれはいいことですね。その手を打つことは大事なことだ。三月におやりになったのですから、四月、五月と二カ月にしても、統計か何かあるんじゃなかろうかと思うから、これを出してくださるとなおよかった。道路の事故発生の事故率図というのが二ページにありますけれども、この事故率図は、青山、玉川通り並びに青梅街道、環七通りなどについては、ああなるほどここは平均しておるな、ここはすばらしく多いなとわかるわけです。ところが、こうなっておる理由というのは、ここは大型車の通行がとめてあるのかないのかということとだいぶ関係がありますので、そのこともどこかに添えておいていただきませんとぐあいが悪い。これはことしの春からじゃなくて、数年前から大型車の、大阪、東京のような大都市内の通行はかなり制限されておるじゃありませんか。ですから、そういうものも、参考と言っては何ですが、重点的な問題としてクローズアップをしていただきたいと思っておりました。  そのお答えでよくわかるのでありますが、総理府に特にお尋ねしたいのは、学童保護ということのために、いま宮崎さんは、教育の徹底だ、安全教育をすればいいということがこの春の運動だとおっしゃるが、そういうことなら、われわれは見に行く必要はありませんよ。通学路はかくのごとくつくりました、通学路の安全をかくのごとく確保いたしましたということでなければだめだ。だから、朝日新聞じゃないけれども、高みの見物とひやかされる。これは新聞記事でございまして幾らもあることですけれども、皆さんお読みになったと思うが、新小岩の駅前の横断歩道を標示するものが、事故があってもどうしても何ともならない。この横断歩道をきれいに書きかえたいというので予算をつけてくれと区に言うたら、区のほうでは金がないからだめだと言われた。そこで業者に無料で奉仕をしていただきました。情けないじゃありませんか。あるいはまた、赤羽商業高校の前でございますけれども、これとても、ちょっとバス停がじゃまになって非常にあぶないと思うから、どこか早いとこかえてくれないかということでも、道路の修繕が完成すればかえますといって、それはほったらかしになっておる。それから区のほうに行けば、区の道路課のほうでは、横断歩道については警視庁の所管だから、こちらではやりようがないという。警察のほうに行けば、警視庁の交通課のほうでは、信号機は理交通量では無理だ、夜光塗料やキャッツアイについては予算がない、地元で取りつけるなら許可するという。まことにどうも人ごとのようなことを言っていらっしゃる。これは真偽のほどは知りませんよ。そのようなニュアンスのことをおっしゃったのだとするならば——学童を守るというのは、それは商業高校という大きい子供を守ることでないかもしれないけれども、少なくともこの運動に対する事前の精神も悪ければ、今日もなお悪いと思うのですよ。だから、宮崎さんのおっしゃるように、安全教育をして、道路を横切るときには左右よく見て手をあげて通りなさいなんて、そういう精神運動やおざなりの運動にまかせるやり方が、いままでどれくらい悲惨な事故を起こしているかわからないということになれば、これは運動が間が抜けておる——と言うとはなはだ失礼でございますけれども、画竜点睛を欠くのじゃありませんか。学童の通学の安全を確保するという制度については、予算を早急に回して、こういうことをさせますという予算の裏づけが要るでしょう。それはないでしょう。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 私の説明が不十分であった点はおわびいたします。私の申し上げましたのは、この安全運動旬間の十日間に何を主としてやるかということについて申し上げたのでございまして、御指摘のような、学童園児通学通園路におきましての交通安全施設の整備その他について、この十日間で特別にやるという意味ではございません。この十日間には、安全運動の要綱に書いてございますが、交通安全思想を国民のすみずみにまで普及徹底するということを主眼にしてやっているわけでございます。学童園児の通学通園路におきましての安全施設の整備とか、その他規制の強化等につきましては、政府といたしましては、ことしの二月に対策を決定いたしまして、緊急に行なうべきものはすでに実施いたしておりますし、また、先ほど久保先生の御質問にもお答え申し上げましたように、通学通園路の総点検をいま実施中でございまして、この結果に基づきましてさらに強力に施策を推進してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは宮崎さんからお答えをいただこうとは思わない。十日間整備するというようなことじゃない。教育だけをやればいいと言うのか。精神運動でやるなら私は、この運動に対して協力をしないと言った。精神運動なんか何の効果があるのですか。これは春の交通安全運動だけの交通安全運動だ。何でそんなことのために、わざわざ国会を半日あけてあちらこちらぶらぶら見て回るのかということになるじゃありませんか。そうして、つくられた資料もたいへんな金をかけておる。これは少なくとも安全運動の資料だ。安全運動のためにこの資料ができた。資料だけはりっぱでしょう。点検をやるなんということは、いままでできておるじゃありませんか。できておらなければうそですよ。  これは警察庁のほうに聞きたい。交通信号をつくってくれ、横断歩道をつくってくれ、こういう陳情を出しても、その年度が過ぎるとお蔵入りになって、次の年度には繰り越されない、その書類はどこにあるかわからないということですが、そういうようなことでは、本格的に交通安全対策に取り組んでおるとは思えない。総理府の基本的な安全運動に対する考え方を、大臣がいらっしゃらないから、上村副長官答えてください。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 私は趣旨から申しまして、太田先生のおっしゃるような腹がまえでやるべきものだと思っております。特に、いま交通戦争といわれておる、もう一日もゆるがせにできないような状態でございますので、この安全旬間の十日間というのも各方面において相当力を入れていかなくちゃならないという意味においては、太田先生のおっしゃるような趣旨と私どももいま思っております。ただ、室長がいま言ったのは、要するに、従来の安全旬間の趣旨というような文言に基づきまして触れたものだと思います。しかし、趣旨はそういうような趣旨で進めていきたい、こう思っておるわけであります。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 宮崎室長のことばに少し足りなかった面があったと思いますので、私から補足して御説明をいたします。  と申しますのは、安全運動の期間は十日間でございますが、その前に準備期間を置いております。私どもとしましては、もちろん道路管理者もやっておると思いますが、私どもが指示いたしまして、信号機が十分に良好な状態が保持されるようになっておるか、あるいは横断歩道なりその他の道路標示が消えてはいないだろうか、十分整備されているだろうかという点検をして、消えているものはその前に直してりっぱな状態にするよう努力をいたしております。ただ、御指摘がございましたように、遺憾ながら財政的な裏づけが乏しいために、行政水準が現在必ずしも十分とは私ども思っておりません。そういうものにつきましては、今後私どもも力を入れて努力していきたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 了解いたしますけれども、これは上村副長官、私の言うことに誤解のないようにしてもらいたいと思うことは、今度の運動を国民の安全思想を啓発する運動だなんと思ってもらっては困るのですよ。国民は知っているわけです。なぜここに横断歩道をつくらないか、なぜ信号機をつけないか、なぜガードレールをつけないか、なぜ地下道をつくらないか、なぜ歩道をつくらないか、なぜ交通の規制をしないか、知っていますよ。どんなに陳情をやったって、やってもらえないじゃありませんか。この予算を見たってわかるじゃありませんか。建設省の予算は百七十一億、警察関係八億、運輸省は、自動車運送業者の監査指導予算千九百万円、自動車整備事業の監査指導三千二百万円、通産省は、機械試験所の研究推進一億三千万円。少なくとも今日交通戦争ということばが使われておる実態というものを、お互いに十分その現実を認識しなければいけないと思うのです。政府も国会もよく認識して、いままでのやり方に足らないところはないだろうか。だから、交通安全運動が終わったら、さらに飛躍的に施設が強化され、適時適切なる対策が講じられていくということでなければ意味がない。国民に、気をつけて通りなさい、あなたの命はあなたが守りなさいなら、政治は要らない、私はこう思うわけです。ですから、ひとつ大いに予算をふやすということをこの際再検討されるような気持ちで見ていかなければならぬと思うのです。それは総理府としてもそのとおり考えていらっしゃると思うのでありますから、それ以上のことは言いませんが、総理府にもう一つ、これは宮崎さんでけっこうであります。  交通安全の町というのを宣言したり、交通安全の区域というものを宣言するということがしばしばあって、地方へ行きますと、大きな記念塔のようなものが立っておる。あれは意味があるのですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 現在、交通安全宣言をいたしております市町村数は相当ございます。御指摘の点につきましては、もちろん、交通安全宣言をするということで、たとえば、これはまたおしかりを受けるかもしれませんが、その地域の皆さん方が非常に交通安全に気をつけるという効果もあろうと思います。それと、あとは、当該市町村が交通安全に、たとえばどれだけ経費等を使って具体的な内容のある安全対策を講じているかどうかという点でいろいろ差はございますが、全く無意味だとは思っていません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 どんなものでも、意味がないことはないと思うのです。印刷した本に余白のあるのも意味があるのです。これはこんな表紙なんかつけぬでもいいですよ、はっきり言って。白いところへ何か字を印刷したのがこれだけしかない。けれども、この余白があるのが意味がある。余白があるから、字のあるところがわかる。言うなれば、むだというものは世の中にありませんわ。  交通安全宣言をした町というのは、私は心がけはいいと思いますが、安全都市宣言をしても、交通事故なんというのは減りませんよ。何かしらあなたのほうのごきげんをとるようなことをやったり、表面を糊塗するようなことばかりやっている限りは、私は交通戦争というのは激化するばかりだと思います。  それで、これは警察庁にお尋ねしたほうがいいでしょうね。課長さん、どうですか。さっきちょっと申し上げましたが、ここに横断歩道をつくってくださいという陳情——百日裁判ということが選挙違反の裁判でもいわれていますが、交通関係の諸施設に対する陳情については、一カ月以内にイエス、ノーの回答をし、イエスのものは即座に行なう、そういうことはできませんか。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 私どももそういうことが一日も早くできるようになることを希望しております。ただ、先ほど申しましたように、財政的な裏づけの不足のため、特に地方における財政的な裏づけの不足のために、十分なスピーディーな反応ができないのは非常に残念だと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 財政上可能な限りは、そういうふうにすみやかに対策を実施いたしましょうというふうにおっしゃったと思うのですが、しからば、たとえば、これは一番初歩の安全施設として、横断歩道の指定がありますね。その横断歩道の指定というものを、非常に持って回っておやりにならない。これは横断歩道をつくるためにペイントがどれだけ要るか知りませんが、たかが知れておる。これは数千円のことだ。この数千円くらいのこと、あるいは横断歩道のキャッツアイを埋めてもらいたい、これも数千円のこと、そういうことがあった場合に、地元の安全協会とか何か相当熱意があって、われわれやってもよろしいというようなことを言っておるところもあるのですが、そのわずかな金を援助してもらうのも恥ずかしい話だと思いますが、とにかくそこに横断歩道をつくってよろしい、つくるべきだと考えられたところから陳情があったら、すぐにつくりましょうというくらいのスピーディーな対策を講ずるということを、この交通安全運動の成果として一つでもおやりになることが、国民にとりましてはありがたいことだと思うのです。ある程度そういう地方からの資金援助でこれはつくっておりますね。新小岩だとか、どこの学校の前だとか、赤羽とか、つくっておりますが、せっぱ詰まってつくっておるのですよ。だから、せっぱ詰まらない前にそれを認めるように、ひとつ警察庁として何か対策を講じていただくことはいかがなものですか。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 現状は、御承知のように、ペイントで引きますと、交通量が多いと一月、二月で消える場合がございます。私ども、できるだけ恒久性のある塗料、少なくとも一年くらいもつ溶着式の塗料、そういう塗料そのものの開発も現在やっております。そして御指摘のように、地元の希望がありました場合にスピーディーに対応できるように、財政の許す範囲、あるいはその財政のワクを広げるという努力を重ねまして、今後やってまいりたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そういう簡単なものは、あまり深くああだこうだああだこうだと持って回ったことを言わないで、できるだけ国民、陳情者と同じ列に入って考えていただきたいと思うのですよ。これはおれのほうの権限だから、もっと何回か陳情に来なければだめだよなんということをおっしゃらないで、電話で聞いても、よしよしそれはもっともな話だ——ということではちょっと軽率かもしれませんけれども、よく調べて、すみやかに横断歩道をつくるくらいのことをやったらいかがかと思います。交通信号機だって同断だと思いますけれども、ひとつすみやかなる決定ということを特にはっきりしていただきたいと思います。  それから運輸省にお尋ねいたしますが、先ほどちょっと久保さんからもお話がありましたけれども、ダンプカー対策ですね。今度の交通安全運動の一つの目標、柱がダンプカー対策ですが、これはいろいろ野放しでないようでありますけれども、何かダンプというものは登録制の中に入れるか、限定免許の中に入れるか、自家用車の白ナンバーでやっておりますダンプというものを、もう少し規制し、監督し、コントロールできるようなワクの中に持ってこなければいかぬと思うのですが、どうでしょうね。原山さん、どんなものでしょう。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 ダンプの台数は全国で大体十三万九千五百台ございますが、現在すでに青ナンバーになっております営業用の車が約一万一千両でございます。それ以外のいわゆる自家用白ナンバーの車につきましては最近取り締まりが強化されて、そういう自家用車にまで組織をつくって営業用のほうにかわりたいというふうな動きが相当ございますが、ただ、現在のいわゆる一匹オオカミ的な人たちが、形式的に組織をつくるということだけでは営業免許を与えるわけにはなかなかまいりませんので、そういうふうな人たちが、車両の保安の面からも、あるいは労務管理の面からも、経営管理の面からも、すべての面で事故の防止対策が十分であるというふうなものにつきましては、今後とも免許をしてまいるという考えで進みたいと思っております。ところが、それでもそういうものはほんの一部でありましょうし、その残った白ナンバーで、しかも一匹オオカミ的な人たちが、いわゆる砂利販売業者なり建設業者の下請をやるというふうなことになりますと、これはやはり営業類似行為ということで道路運送法違反ということになりますし、そういうふうな面から、やはり現在の砂利の流通という問題に根本的にからんでまいりますので、そういう面を改正していただく方向で、やはり関係各省で現在検討中でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 自動車局長さんのおっしゃることよくわかるわけですが、これはある県の例で、五千台ほどダンプを持っている県が、やはり全国的に同じように八%ぐらいしか営業免許を受けておりません。そうして五千台の中で、一両から四両未満の零細なるものが八五%あるんです。もし十台以下のものまで入れれば、九七%近くのものがそうです。十台に満たないものがそれほど多いのです。そういう統計を私どもちょっと調べてみましたが、全く零細の企業が多いのです。ところが、道路運送法の第五章、自動車運送取扱事業その第八十条に登録というのがありますね。ですから、そういう登録というところの中でつかんでいく、これは無理ですか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 現在ダンプ運送で行なわれておりますような形態について、そういうふうな取り扱い事業という面で認めるわけには、ちょっとまいらないと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ダンプ取り締まりが今度の一つの柱ですよ。無謀ダンプの追放ということが春の安全運動の一つの柱だと最初に申し上げた。そこで、ダンプの実態をわれわれが見ていけば、なるほど、最近は囲み板なんかなくなって、ある程度、重量というのは、大都会並びに周辺においてはかなりいいところまできておると思うのです。たまたま現実を見ますと、三割もよけい積んでいるのを見ましたけれども、それがよくなってきたように思うのです。ところが、あとはどうするかということです。ダンプ業者というものを、個人的な——個人的なということはおかしいが、非常に大きなものもございますが、白ナンバーですから、建材業者、建築業者というのが白ナンバーで持っておってもどうということはない。表面の理屈は合っている。裏から見れば、違反行為をやっていますよね。このものを買って私が向こうへ売りますと言うが、実は運賃を取ってやっておるのがたくさんある。そういう点からいっても、これはもぐりがあると見なければいけませんが、日本の国の高度経済発展の時代、そうしていまのような大都市の再開発というようなことが叫ばれておる時代において、ダンプは町を通ってはいけないとか、ダンプというものを認めないといっておったら、日本の産業の発展などとまるでしょう。それで、ダンプを通らぬようにするというのは、人間の命のほうが大事だということもわかるけれども、そういう極端な議論は成りかねる。そうすると、道路運送法のどこかでそれが掌握できないだろうか、この道はないだろうか、登録でつかめないか、登録でつかんで、さらに限定免許というような形のほうへ持っていくようにするなり、あるいは登録条項を適用してあなたのほうの道路運送法の範囲の中にこれをしっかりと確保して、そうして、その安全運転というような面の実現をはかっていくということは、現在のダンプの実態から見て、私は適当だと思うのですね。いまあなたのほうは、現状がそうだからこれはちょっとまずいとおっしゃるけれども、せめて第八十条の登録、ここのところでキャッチするという何かその道はないか。全然ないんですか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 自動車につきましては全面的に登録はやっておるわけでございますので、ダンプにつきましても登録ということは行なっておるわけでございます。ところが、現在問題になっておりますのが、白ナンバーで登録をしておる車が営業類似行為を行なっておる、そういう人たちが建設業者なり砂利販売業者の下請という行為で運送行為をやっておるわけでありまして、こういうふうな人たちが結局下請で値段をたたかれる、したがって過積載をする、それからスピードアップで事故を起こすというようなところに原因がございますので、白ナンバーでも、大建設業者の傘下の自家用ということで、その建設業者が徹底した労務管理なり車両保安管理なりをやってくれれば、現在のような事故は少しでも減っていくのではなかろうか、こういうふうにわれわれとしては考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 局長さん、道路運送法上の登録というのは、資力と信用不十分なる者は登録を拒否することができるようになっているでしょう。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 いま申し上げましたのは、道路運送車両法上の自動車の登録ということでございまして、登録してナンバーを登記するということなんでございまして、現在問題になっておりますのは、道路運送法上の運送行為の免許ということが問題になっておるわけでありまして、その免許を与えるかどうかという問題でございますが、現在一匹オオカミのような人たちがただ形式的に組織化する、協同化する、あるいは会社組織をつくるというだけでは、下請による低い価格でもって運送するということは排除できませんし、また、車両の安全運行という面から考えても、ただ現在のような形でやられてはちっとも事故は減少しない。したがいまして、そういうものが組織化される場合においては、あらゆる面から事故防止に相当役立つということでなければ、免許を与えても実益がありませんので、われわれとしましては、そういうふうに組織化された場合に、事故防止に相当寄与するということであれば免許するにやぶさかではないという立場をとっておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 免許と登録の問題のところでちょっとこんがらかっておるようで、うっかりするとこれは専門的なことになるから、常識的な話でやるとぐあいが悪いのかもしれませんけれども、私の言いますのは道路運送法上の登録です。だから、ナンバーのあるとかないとかという問題じゃございません。したがって、資力、信用不十分なる者は登録を拒否することができるんだから——道路運送法ですよ。それによってキャッチして、そうしてトラック業者というものをふるいにかけるというようなことを一ぺん考えてみる必要があろうということです。これは運輸省内においてもいろいろと御議論のあるところでありましょうが、先般春日一幸委員は、ダンプ業者は全部免許制にしろとおっしゃったけれども、これを一挙に免許というふうにいくには、何でしょう、建材業者がダンプを持ってそうして建材を買い取り販売するのを免許するというのもいかがなものでしょう。これはなかなか問題があるかと思うのです。だから、登録という制度によってキャッチし、コントロールしたらいかがなものだろうか。少なくとも暴走とかあるいは事故多発というようなことが防止できるじゃなかろうかと思っておる。これはひとつ御研究ください。あなたのほうのいろいろいままでの慣例がありますから、私はこの前の春日さんの意見と同じことを言っているわけではないわけですから、この点誤解のないように願いたい。それから、ついでに建設省に、ダンプのことが出ましたのでお尋ねしますが、先日箱根の山でトラックの爆発したのがありましたね。十八日の日に、箱根の山の中、国道一号線、三島市笹原新田のカーブのところで、この車は七メートル下に落ちて爆発をしたわけです。なかなか、大爆発であったようでございますが、積み荷の何かが爆発をしたというようにいわれております。しかし、あの一号線のカーブに、たとえばガードレールのようなものがなかったというのもおかしなものだと思うのですが、それはないんですかね。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 先般の五月十八日の箱根の事件は、箱根峠から約九キロばかり越えたところでございます。ここでトラックが車道外に落ちて爆発したということでございます。よく調べますと、この地形は約七・一%の勾配になっております。縦断の勾配でございます。落ちたところは、ちょうど大きく曲っておるところでございまして、曲線半径が六十メートルくらいになっております。御承知のように、この辺は、箱根の山をおりて三島に来る間は、五十メートルから六十メートルの曲線が非常に連続しております。実はその落ちた地点はちょうどカーブになっておるところでございまして、原因をいろいろ調べてみますと、ブレーキが過熱して制動が不能になったということで、そのカーブを回り切らずに、カーブのところにございますガードレールにほとんど直角に当たったような形跡がございます。そのためにガードレールが車をとめられずに、車がガードレールを起えて下に落ちたというような状況でございます。現在、箱根の峠につきましてはおおむね全部鉄製のガードフェンスをやっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、あの事故というのは、安全施設の罪ではなくて、純然たる自動車操縦上のミスというところに原因があるということですね。そういうことでしょうね。  そうすると、運輸省の原山自動車局長さんにお尋ねをしますが、いまダンプの積み荷はだんだん制限されてきておるようですが、たくさん積んで、スピードが出てそしてカーブの下り坂を回ると、ガードレールは設備されていても、乗り越えて踏み破って向こうに行ってしまう、転落するというようなことがあるとすれば、自動車構造というものは、もうちょっとブレーキを堅牢につくらなければいかぬということになるような気がするのですが、そういう点は法体系の上からはどこかで改善できるのですか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 自動車安全性の向上のための構造、機能という問題につきましては、現在道路運送車両法でもって規制いたしておりまして、ブレーキの問題も道路運送車両の保安基準の面で押えているわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは省令ですね。省令によってあるのでしょうが、制動装置というものは堅牢でなければならぬというふうに書いてあるわけですね。その堅牢であるということはいかなる具体的な基準であるか知りませんが、少なくとも一号線を走るような大型車のブレーキに故障を生ずるということは万々ないというような、そういう行政指導をなさるべきであると思いますが、何か常日ごろはこれは行なわれておるのですか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 保安上の自動車構造につきましては、特にブレーキの問題は、大型自動車について相当過載されておる関連におきましても問題でございますので、最近保安基準を検討いたしまして、二重ブレーキの装置等についてその改正を現在検討いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それから、原山さん、ブレーキをさらに堅牢にということばが十二条に使ってありますね。堅牢ということは、こわれぬということでなければ堅牢でないわけですから、堅牢なブレーキ、これはスクラップになるような自動車でも、ブレーキ装置だけはちょっとも悪くなっておらぬというものでなくてはならぬのですから、そういうものをつけさせるようにしてもらわなければいかぬと思うのです。重量メーターの話はこの間ありましたが、ああいうものは一万円、二万円くらいのものを各車につけさせるくらいのことは何でもない。ああいうものをつけさせる、ブレーキは絶対堅牢だというようなぐあいに、今後指導なさっていく必要があると思うのです。それはどうでしょう。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 先生お話しのように、ブレーキというものは構造上最も基本的な部分でございますので、そういう御指摘の点につきまして十分配慮いたしまして、今後ともそういう面の事故のないようにしていきたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ぜひそういうことに、その点を特にやってくださいよ。運輸省関係の自動車の法律そのものを見て、実際はそう別にどこが悪いとも思わぬです。悪いとも思わないが、どうもそれがそのとおりに生きておらない。堅牢であるべきブレーキがしばしばこわれておる。ブレーキがきかなかったから追突した、ブレーキがきかなかったから転落した、事故を起こした、こんなぶざまなことは、これは取り締まりは警察のほうでありましょうけれども、警察が幾ら白バイでかっこうよくても、はっと見て、この車はブレーキが悪いとわかりますか。わからないでしょう。それがわかるようなら、もうそれは神さまだ。現実の人間がそんなことはわかりません。そうなると、運輸行政といたしまして、陸運事務所を督励し、自動車整備業者の力をかりて、いつも道路上でおやりになっておる車両の整備点検というようなことをさらにさらにやらなければいかぬということになりますね。ひとつ大いにその点をがんばってもらいたいと思うのです。  そこで、建設省のほうについでにお尋ねしたいのですが、箱根の山もそうですが、全く東海道一号線の混雑ぶり、交通渋滞というのが非常に大きいために、いささかトラックが暴走する気配があるのです。それで、この間蓑輪道路局長並びに西村建設大臣は、第二東海道をつくる、こういうようなお話でありまして、先回も若干バイパスのお話がありまして、バイパスを要所要所につくりながら、それを結んですみやかに第二東海道にするとおっしゃいました。何か具体的な素案ができておりましたらすみやかに御提示をいただいて、おおよその竣工のめどというものもお示しをいただきたいと思いますが、現在のところまだそれはできておらないでしょうか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 先般も一号線のバイパスについてはちょっと説明をしたのでございますが、一号線につきまして現在の道路の経過を考えますと、静岡県はかなり前に一号線の改良はできました。その後、愛知がおくれまして、愛知県の一号線が全部改良を終わりましたのが五、六年くらい前ではないかというように考えております。そのために、静岡県側の道路につきまして、非常に昔の構造のために道路の幅が狭くなっております。そのために、いま御承知のように一号線の混雑ができておりまして、この混雑に対しまして、これは東名高速もつくっておるのでございますが、東名高速ができても、われわれいろいろ交通量の算定をいたしますと、昭和五十年くらいまでは、東名に相当乗っても現道の交通は相当残るということで、まずネックとなっておるところから逐次バイパスをつくっていきまして、それをつなぎますと第二東海道となるというような形で建設をしておる状態でございます。  このうち、現在工事をやっておりますのが、東からいきまして神奈川県の小田原と大磯の間の、われわれのほうでは西相バイパスと言っておりますが、これも工事をやっております。沼津のところの、現在の沼津の町を北側に回して吉原まで延びていく沼津バイパス、さらにその西、富士川を渡りまして蒲原、由比を通りまして清水に、さらに静岡へ行くこの間、全線のバイパスをやろうと考えておりますが、現在施工しておりますのは、由比から東側の蒲原を通りまして、富士川の橋をかけて吉原に行くというものをやっております。四十二年度からは特に清水と興津といまの由比の間、由比と興津の間はあるいはバイパスにならぬで現道の拡幅ということになるかと思いますが、そういう意味で四車線の道路にいたしていきたいというように考えております。その次に、大井川を挾みまして島田−金谷のバイパス、これは東海道の難所でございます日坂峠がございます。この辺の峠にさらに新しいトンネルをつくりまして、現在の屈曲した道をもっとスムーズに直すというような工事、これも四十二年度からはトンネルの本工事に着手する予定にしております。そのほか、さらに西に来て、浜松のバイパス、これはもう二、三年ぐらいで完成するのではないかというふうに考えております。またさらに名古屋の周辺では、名古屋から豊明町までの名四国道というものを着工しておりますが、これも二、三年たてば豊明町までが完成するのではないかというふうに考えております。さらに、一号線の西に行きまして、大阪に入ります寝屋川のバイパスというのは、これは四十二年から着工したいというふうに考えております。  これがいつ終わるかということでございますが、四十二年度から始まります第五次の道路整備五カ年計画、総額六兆六千億の内訳を現在いろいろ検討中でございまして、いま着工しておるものはできるだけ完成させたい。また、未着工のそのほかのバイパス、たとえば浜名のバイパス、掛川−磐田のバイパス、こういうものについても、この四十六年までの第五次五カ年計画で一部着工していきたいというふうに考えておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だいぶこまかくなってまいりまして、明らかになってきたと思うのですが、この次、われわれも東海道を通りまして、週末には現地を見るということにも相なっておりますから、ひとつできるだけ資料等ありましたら明示をしていただきたいと同時に、それを急がないと、やはり大きな事故というのは非常にふえるであろうと思うのです。ぜひひとつ考えていただきたい。  そこで、建設省にさらにお尋ねしたいことは、先日交通安全運動で見てまいりますと、環七道路などは跨道橋を多くつくる、何百メートルに一カ所だと非常に自慢していらっしゃった。新宿の駅の裏等についても、同じようにロの字型ですか、跨道橋を何億ですか、億の単位だと思いましたが、非常な金額をかけて大規模なものをかけていらっしゃる。跨道橋もいいと思うのでありますが、考人とか病気のある方、子供たちのためには、あの跨道橋というのは実は非常に骨が折れるのです。雨の降る日などは、かさなどさしてはとても渡れないという点もありますね。一番いいのは地下道だと思うのです。ところが建設省は、地下道というのは、何か浮浪者の巣になるとか、夜女の子が通るときに風紀上心配だとか、そのようなことから、あまり乗り気でないというお話がございますが、地方の都市においても、地下道をつくるなら地下街までつくらしてくれ、地下街まで一緒につくらしていただくならば、われわれはこれこれのお金を出しますといって、なかなかそろばんに合うのですよ。建設省としてもそろばんに合う申し出もあるが、それも一様にだめだというので、全部拒否されているというお話です。私は、跨道橋というようなものをいまの日本の狭い道につくるというのは、これはばかの一つ覚えのようなもので、あまりりっぱな態度じゃないと思う。七百万円の跨道橋をつくる気持ちがあったら、何でみんなの人に喜ばれる地下道を千五百万か千六百万でつくらないのか。倍かければ大体できるでしょう。なぜ地下道をおつくりにならないのですか。地下道構想というものに非常に消極的である建設省の考えをこの際承っておきたい。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 道路を横断する場合に、上を通ります横断歩道橋と、地下道と、両方あるわけでございます。地下道について、いま御指摘のありましたように、私たちは非常に消極的な態度をとっております。しかし、これは場所によることでございまして、実は学童その他のための横断歩道橋になりますと、やはり二・五メートルから、まあ二メートルぐらいでもできるということでございますが、地下になりますと、ことに東京都内でございますと、いわゆる地下埋設物が非常に多くなっております。そのために、かなり埋設物の下を通って地下道をつくらなければいけないということでございます。  また、先ほどいろいろ浮浪者の問題もございましたが、地下道になりますと、二メートルぐらいでは、行きかう人の肩がすれ違うようでは非常に風紀上の問題もございまして、少なくとも四メートル、五メートルの幅員がないといけないというような考えを持っておる次第でございます。しかし、非常に交通量の多いところ、たとえば、現在東京駅の前に大きな丸ビル地下道がございますが、ああいう非常に交通量の多いような場合は、地下道をやっても、その交通量からいいましても、当然幅員も相当とらなければならないということもございまして、ああいう駅前その他につきましては、やはり地下道というのが、いわゆるバスのターミナルとか、鉄道の乗降客の通路になりますので、そういうものにつきましては、われわれは大いに地下道のほうを進めていきたいというふうに考えておるのでございます。  また、地下道をつくるとき地下街を一緒につくることは、非常にけっこうだと思います。ただ、地下街につきましては、これもわれわれ、非常に消極的ということではございませんが、適当に通路をとった、適当な防災措置を持っている地下街ということであればわれわれは賛成するのでございますが、地下街でその通路が狭かったり、また店舗を非常に大きくとって通路を狭くするというようなことになりますと、地下で何かの事故でもございますと、非常に退避するにも危険を感ずるということもございまして、なるべく地下街をつくる場合は、先ほど言いました鉄道の駅とか、バスのターミナルとか、そういうような人が大ぜい通り、かつ日常の交通が非常に麻痺しておるようなところに積極的に地下街をつくっていきたいというふうに考えておる次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは局長さん、非常に一見識あるお話でございまして、いいと思いますが、ターミナル等においては、いわゆる駅前地下街というようなものは非常に賛成である、しかし、一般の地下街は、どうもいまのあなたの基準でいうと、店舗のほうに欲が入って道を狭くしたりする計画が多くて、賛成しがたいのだというふうにお答えになったような気がするのですが、やはり地方の都市にいたしましても、地下街の規模というものが、あなたのほうの何らかの基準に合えば、これは認めてやってもいいということでございますね。何かその基準があるでしょうけれども、その基準に合致すれば地下通路方式を認めてもよらしいということですか。

蓑輪健二郎建設省道路局長

○蓑輪政府委員 地下街につきましてはそういうように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 警察庁のほうはいかがですか。先ほど、何か道路が狭いと退避とか災害の場合に困るというのですが、その災害というのは、火事が起きたときでしょうか、交通が混乱したときでしょうか、それとも、何か外で大雨が降ってみなが地下街にかけ込んだときに困るというのですか。これは交通取り締まり上困るということだと思いますが、あなたのほうも同意見ですか。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 私どものほうは、別段地下街であることによって困ることはないと思います。ただ、従来建設省のほうが若干消極的であられた理由の一つとして、あとの問題の中の一つとして、保安上の問題なんかあるのではなかろうか、そういう懸念を持っておられたように見受けられます。特に、最近ではあまりないと思いますけれども、管理が悪いために浮浪者の巣になる、そういうことも心配されておった一つではないかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 浮浪者の巣になった場合には、警察庁としては何か道交法上これを処置するということはできませんか。見込はありませんか。

片岡誠警察庁交通局交通企画課長

○片岡説明員 やはり道路でございますから、道交法上の道路の不正使用という点で処理することは可能だと思いますけれども、現に、御承知のように、あの上野駅構内の地下道でかつていろいろ問題がございましたようなことで、あとあとのことを考えると、そういうところの管理について、道路管理者が懸念を持っておられるのもわからぬでもないというような気持ちでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 志あるところおのずから道開かるであって、やる気がなければ何でも私はだめだと思うのですね。丸ノ内側とかあるいは八重洲口の地下道は認めるけれども、新宿のほうは認めないなんというのも理屈に合わぬ話でして、跨道橋というものは万能じゃないと思うのです。跨道橋反対論というものが商店街に起きるのも、ぼくは商店街に味方するわけじゃありませんが、よく気持ちはわかるのです。あれができますと、陰になって商売があがったりになるうちが出てくるような気がする。だから反対する。しかし、人命にはかえがたいという説得の前には無力でありますから、しかたがなく跨道橋を認めてやる。跨道橋に上がるときには、しかたがない、ここに跨道橋があるから通るだけの話であって、そばに横断歩道があれば、何も跨道橋は通らないと思う。私が最初に言ったように、自転車に乗っておる人、うば車に子供を乗せている人、あるいは久保さんのように腰の少々痛い人、われわれのように心臓の弱い人というのは、跨道番は苦手ですよ。その跨道橋万能というのは、私は、金を少なくして何とか当面糊塗できるということの理由以外何もないと思う。だから、地下道というものが理想だという点を私は確認したいと思う。  これは上村副長官、交通安全運動の期間のまん中になりましたから、いまのようなことを私は各方面といろいろ意見交換してみますると、なおなお理想に遠いものがあるような気がするのですよ。各省がそれぞれの予算の中においてできるだけのことをやろうとすれば、一つの地下道よりは二本の跨道橋ということになることもわからぬわけじゃない。しかし、すべてこれが安上がりだ。当面糊塗することにとどまる。だから、抜本的な対策もひとつ本部でおつくりいただきたい。と同時に、学童の通学路の保護などという問題や無謀ダンプの追放ということについては、二つのテーマを取り上げたら、この期間中に何らかの具体的な対策を講ずるようにしてもらいたい。これを特に要望しておきたいと思うのです。御所見はいかがですか。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 いま最も重要になっておりまする交通事故対策でございまして、しかもそのまっただ中に交通安全旬間が展開されておりまするので、御趣旨はよくわかりまするので、早急に検討を進めていきたい、こう思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 終わります。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 次会は公報をもってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十三分散会

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