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55回国会衆議院1967/04/20

交通安全対策特別委員会 第3号

発言数
165
登壇者
16
会派数
4
開催日
1967/04/20

会議録

山下榮二民主社会党

○山下委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、去る六日交通対策本部で決定いたしました踏切事故防止対策の強化について、総理府から説明を求めます。塚原総務長官。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 踏切事故防止対策の強化について、御説明申し上げたいと存じます。  今回の南海電鉄踏切事故の状況にかんがみ、この種事故の再発を防止するため、事故直後から総理府を中心とし、関係省庁間の連絡を密にして踏切事故防止対策を強力に推進するための具体的方策について緊急に検討を進めておりましたが、四月六日、総理府に設けられている交通対策本部におきまして、お手元に配付してあります資料「踏切事故防止対策の強化について」のとおり決定した次第であります。  これからの対策の詳細につきましては政府委員に説明をいたさせますけれども、一、踏切道の整備等に関する緊急措置、二、踏切道の整備に関する基本的計画の検討、三、踏切道改善促進協議会の設置等、四、管理責任の明確化、五、安全運転の確保の五項目を骨子とし、その実施を強力に推進することにより踏切事故防止の徹底をはかろうとするものであります。  なお、これらの対策につきましては、四月七日の交通関係閣僚協議会においてさらに討議が行なわれ、同協議会によって了解されております。今後政府はこの決定に基づき、踏切事故防止対策の実施を強力に推進し、踏切における重大事故の再発を防止する所存であります。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 宮崎陸上交通安全調査室長。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 ただいまの長官の御説明に引き続きまして補足説明をさせていただきます。  今回の南海電鉄の踏切事故の概況につきましては、新聞等ですでに御承知と思われますし、また過日の本委員会の理事会におきまして御報告申し上げたわけでございますが、ごく簡単に申し上げますと、四月一日の午後七時二十五分ごろ事故が発生しておりまして、場所は大阪府泉南郡泉南町にございます南海電鉄の樽井第九号踏切という踏切で起こったわけでございます。この踏切は、従来は第四種といっておりますいわゆる何も設備のない踏切でございましたが、昭和三十九年に踏切道改良促進法に基づきまして指定されました結果第三種——これは警報機つき踏切でございますが、この第三種に格上げになっております。  事故の原因となりました当事者は、大阪府の森吉という運送会社に所属いたします佐藤新一郎という自動車の運転手、同じく白川という助手が乗っておりまして、この大型トラックがちょうど踏切に差しかかりました際に、この原因はまだ的確にはわかっておりませんが、一応推定でございますが、エンジンストップをいたしまして踏切で立ち往生いたしたわけでございます。たまたまそのときに南海電車が走ってまいりまして、これは難波発和歌山市行きの急行でございまして、五両編成でございます。乗客は約五百名程度乗っております。運転士がこの六十メートルほど前方で発見いたしましてブレーキをかけたわけでございますが間に合わず、自動車の右側に激突いたしまして、そのまま車台に乗り上げまして自動車を引きずったまま鉄橋に至ったわけでございます。約九十メートルほど走っておりますが、鉄橋におきまして、電車のほうは第一台目の車両が川原に転落、二台目がその上に重なりまして転落、三台目の車両が左側に全軸脱線、第四両目が二軸脱線、こういうことにまりまして、その結果といたしまして、当時の統計でございますが、死者五名、重傷者百五名、軽傷者百二十六名、計二百三十六名という被害者を出すような大事故になったわけでございます。  なお、この事故の原因につきましては目下関係当局でいろいろ調査中でございまして、まだ結論は出ておりません。現在までのところ推定されます限りにおきましては、直接的には大型トラックが踏切でエンストを起こして立ち往生したわけでございますが、電車の運転士のほうにも、これを発見するのに若干時間がかかりまして、急ブレーキをかける時間が少しおそかったのではないかというふうなことも現在推定されております。  なお、この被害者に対します救済の問題でございますが、現在のところは、南海電鉄におきまして死亡者の遺族に対しまして一人につき十万円、また負傷者に対しましては一人につき千円の見舞い金をとりあえず出しております。なお、今後南海電鉄としては当面の損害賠償の当事者となりまして、その損害賠償には十分の努力をいたすということを言っております。  以上が事故の原因でございます。  そこにおきまして政府といたしましては、この種の事故の応急処理もさることながら、将来この種のような重大事故の再発は何といたしましても防止しなければなりませんので、先ほど総務長官から御説明ございましたように、事故の起こりました翌々日の四月三日以来関係省庁が総理府に集まりまして種々検討いたしました結果、お手元にお配りいたしました対策を決定いたしたわけでございます。  概要をごくかいつまんで御説明申し上げますと、先ほど総務長官の御説明にもございましたように、五つの点を骨子といたしております。  第一は、踏切道の整備等に関する緊急措置でございまして、これは当然のことでございますが、この事故にかんがみまして、早急に踏切道の改善を実施いたしたいということでございます。  まず第一番目は、本年度においてすでに予算化を予定しております踏切道の立体交差化、構造改良——構造改良と申しますのは踏切道の拡幅、幅を広げたりあるいは見通しが悪い場合にはその見通しをよくする。それから今回の事故の原因の一つであったかと推定されておりますが、踏切道が勾配が急になっておりまして、そのために自動車がストップするというようなこともしばしばございますので、そういう勾配をなだらかにするというようなことが構造改良でございます。それから保安設備、これは何もない踏切につきましては、チンチンチンと鳴ります警報機を備えつける、こういうようなことを早急に実施するということでございます。  現在、昭和四十二年度予算におきまして踏切道の改善についてどのような経費が計上されておるかという点でございますが、現在予算につきましては御審議中でございますが、お配りいたしましたこの資料の一番最後のところに一応その概要を書いてございますが、昭和四十二年度の予算に一応計上されております踏切の改良に関する経費といたしましては、道路整備特別会計、これは建設省所管でございますが、これによる踏切除却事業費補助、これは国道、地方道につきまして主として立体交差化を目的といたす除却事業でございますが、これが三十六億四千八百万円、それから運輸省所管の一般会計におきましては、これは主として赤字または準赤字の私鉄に対しまして、先ほどの警報機その他の保安設備を設置する場合の補助金を出すことになっておりますが、これが三千二百万円、それから日本国有鉄道の予算におきまして、踏切の立体交差化、構造改良、保安設備の整備に要する経費として約百四億円、これ以外に、実はまだ実行の段階で配分がきまっておりませんので、はっきりしたことは申し上げかねますが、同じく道路整備特別会計の予算内におきまして、街路事業の補助、あるいは国道の直轄事業における立体交差化の経費といたしましてざっと百六、七十億円が見込まれております。したがいましてこれらを総計いたしますと、昭和四十二年度におきましては約三百億円の予算が一応踏切道の改良に計上されておるわけでございまして、今後、政府といたしましてはこれらの予算を最も効果的にかつ早急に使いまして、先ほど申し上げましたような踏切道の改良を促進してまいりたい、こういうことでございます。  それからそれとあわせまして、踏切道におきましては夜非常に暗いために事故が起こるという危険もございますので、照明設備をできるだけつける、あるいは踏み切りで事故が起こった場合に、すみやかにこれを電車なり周囲に知らせるための装置を開発いたしまして、これは一部国鉄では用いておりますが、こういうものを踏切に備えつけることにする。あるいはまた、先ほどの踏切道の保安設備の整備に関します私鉄に対する補助は、これは赤字の会社でございますが、大手筋の会社に対しましては開銀の融資によりまして、これは主として立体交差化でありますが、その促進をはかる。それから交通量が非常に少ないところ、あるいは危険度の高い踏切につきましては、この統廃合を行なう。さらに統廃合を行なったりあるいは踏切道を改良するまでの間非常に危険である場合には、車両の通行の禁止または制限の措置を行なう。これらはいずれも昭和四十二年度の予算、または予算措置を直接伴わないでできるものもございますので、早急に実施いたしてまいりたい、こういうことでございます。  それから第二は、踏切道の整備に関する基本的計画の検討でございまして、踏切道の改良につきましては、御存じのように踏切道改良促進法という法律がございます。これによって建設大臣、運輸大臣が立体交差化とか、構造改良の場合には建設大臣と運輸大臣が協議いたしますし、また保安設備の整備につきましては、運輸大臣がそれぞれ改良すべき踏切道を指定いたしまして、その指定に基づいて改良を行なっていくというわけでございますが、実はこの踏切道改良促進法に基づきまする踏切道の改良は、予算的には単年度でやっております。したがいまして、一応長期的な計画が必ずしもできていないという点もございますので、今後踏切道の改良につきましては、できれば長期的な見通しのもとに計画を立ててこれを実行していくようにいたしたい。そういう基本的な計画を、関係省庁ですみやかに検討してまいりたいというのが第二点でございます。  それから第三点は、何と申しましても踏切道の改良は、現地におきまして現地の実情に即した改良を行なってまいりませんと効果がございませんので、これを行なうために都道府県に踏切道改善促進協議会というものを設けまして、この構成員は、ここにも書いてございますように警察機関である都道府県公安委員会、それから都道府県知事、関係道路管理者、陸運局長、鉄道事業者、軌道経営者等がその構成員となるわけでございますが、協議会を設けまして、列車運行回数の多い踏切道の一斉点検をいたしまして、その結果によってそれぞれの改善計画等をつくってこれを実施していく、こういうことをきめたわけでございます。この場合に、必要と認められる場合には市町村にもこのような協議会を設けることとし、さらに都道府県協議会の相互の総合調整をはかるために、管区と申しますか、ブロック単位にも協議会を設けてその調整をはかる、こういうことをきめたわけでございます。  なお、この点につきましては、この決定をいたしました以後関係各省でさらに協議いたしまして、この協議会のつくり方あるいは協議会をどうして運営していくかということの細目を申し合わせております。それによりますと、この協議会をつくった場合には、おそくとも五月末日までにその管内におきます踏切の問題点をすべて調査いたしまして、それに対する適切な計画を立てる、こういうことを申し合わせております。  それから第四は、管理責任の明確化でございまして、御承知のように踏切道と申しますところは、道路と鉄道軌道とが交差しているところでございまして、この維持管理等につきましてどちらが責任を持つべきか、あるいは費用負担等につきましてどちらがどういうぐあいに負担をすべきかということは、現在必ずしも明確になっていない点がございます。もっとも国鉄の場合におきましては、建国協定というのが昭和三十一年にできておりまして、建設省と国鉄がそれらの問題について、管理責任の問題費用負担の問題につきまして大筋の協議をいたしております。したがいまして、国鉄と道路とが交差しております踏切につきましては比較的問題は少ないのでございますが、問題の存しますのは、御承知かと思いますが、地方鉄道軌道等と特に市町村道が交差した場合には、費用の負担の点あるいは管理責任の点が必ずしも明らかでないために問題が生じております。したがいまして、今後これらの問題を解決するために建設省と運輸省がすみやかに協議いたしまして、踏切道におきます維持管理等の責任の明確化をはかることにいたしたい、このように考えております。  第五は、安全運転の確保でございます。今回の踏切事故は、最終的な原因はまだわかっておりませんが、いずれにいたしましても踏切道におきます自動車運転者の何らかの行為、あるいは電車の運転士の何らかの行為が介在いたしておりますことは、これは明らかなことでございまして、これらの点につきましてはやはり鉄道事業者、軌道経営者でありますとかあるいは自動車運送事業者その他運転手に至るまで、この踏切道事故防止対策につきましての平生からの指導監督あるいは教育訓練を徹底して行なわなければ、この種の事故の再発は防げないかと思われますので、この点を今後十分気をつけていきたい。また今回の事故につきましては、まだはっきりわかっておりませんが、現在一定の自動車、たとえばハイヤー、タクシーでございますとか、貨物を運送いたします自動車が無人踏切を通行する場合には、非常信号用具というものを備えつけていなければいけないという規定がございます。当該事故の場合に、はたしてその車が非常信号用具を備えつけていたか、あるいは備えつけていたとしても、それを使うことができなかったかどうかという点は、実はまだなおはっきりしていないわけでございますが、今後の問題といたしましては、こういう非常信号用具の整備であるとか、その使い方等も十分に教育を徹底してまいりたいと思っております。  なお、それに関連いたしまして、監督庁がこのような事業者に対しまして事業監査をいたす場合には、こういう点も重点を置いて監査をしてまいりたい、こういうことでございます。  以上、今回決定いたしました対策の概要の御説明を申し上げた次第でございます。     —————————————

山下榮二民主社会党

○山下委員長 それでは踏切事故防止対策等に関する問題について質疑の通告がございますので、順次許可いたします。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ただいま御説明のありました踏切事故防止対策の強化についての、四月六日交通対策本部決定の内容について、少し詳しくお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に予算の問題でありますけれども、最初宮崎さんのおっしゃった道路整備特別会計、これは建設省の所管における踏切除却事業費の補助が三十六億四千八百万円、これが四十一年度には三十五億九千六百万円あったわけですね。それがふえたといってもほんのわずかであるという点から、この伸び方というのはまことに少ない。これは除却事業補助に対して熱意がないのではなかろうか、こう思うのですが、そういう点に対する所見、それから運輸省の一般会計における踏切道保安設備補助は三千二百万円、これは踏切道改良促進法第七条による補助と思いますが、四十一年度には一千七百万円である。これは金額からいうと倍近くなっておりますが、これまた非常に少ない。それから日本国有鉄道のほうは、立体交差化すべてを含めまして四十一年度百二十億に対して四十二年度百四億円、こういう点でございますね。こういう点を比べてみまして、ことし、四十二年度の踏切道の立体交差化というものに対する取り組み方、それからその他構造改良並びに保安設備の増強ということに対する国、私鉄を合わせて、すべてに対して全体の政府機関の取り組み方というのが非常に微温的だと思う。この前、これは私は予算委員会の一般質問の中でちょっとお尋ねしたのですが、総理府総務長官はその当時、内容については今後の計画、現在の進行度をまだ十分把握しておらないから、後刻あらためてというお話でございましたが、はたしてこれで——これは自動的にお写しになったものの参考資料と思いますけれども、これではいかにも少ないような気がしますが、何か総理府として御所見はありませんか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 この前予算委員会において太田委員の御質問があったのは、ちょうど交通関係閣僚協議会の開催せられる前の日ではなかったかと私思っていますが、いずれにしましても今年度の予算における御指摘の点を承ったのでありまするが、確かに満足すべきものではないと私は考えております。総理府でやっておりまする陸上交通安全対策に関しましては、三カ年計画を二カ年に計画を繰り上げるとか、あるいは陸上交通に関しては今年度の予算、いま御審議願っておるのは前年度から見て八〇%ぐらいのアップというふうに、だいぶ重点を指向したのでありまするが、踏切については確かに御指摘のような面もあると私は考えておりまするので、総合調整という立場から何らかの方途をここで検討していかなければならない、このように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 運輸省のほうから、これは増川さんでも山口さんでもよろしいですが、所感を述べていただきたいと思うのです。それは、踏切道改良促進法というのは、第七条で保安設備の整備計画の補助金が出せるようになっておるのでありますが、立体交差化には立体交差の補助法というものはないわけです。そこに問題があるような気が私はする。だからそれに対して運輸省として本年度特に、補助法はないけれども、これだけのことは当面の最大限度のことが措置されておるとかおらぬとか、そういう結果をちょっと発表していただきたいと思うのです。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 立体交差化につきましては、中小の私鉄の赤字会社あるいは準赤字会社というものに対しまして出ておるのが……。

太田一夫日本社会党

○太田委員 立体交差化じゃない。整備とか警報機だ。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 間違いました。先ほどの数字は保安設備の関係の補助でございますが、立体交差につきましては、従来そういった助成金は出ておりません。すべてこれにつきましては鉄道側の経費によってまかなわれておりまして、これに対しましては開銀の融資をいたしております。従来三割程度を融資対象といたしましたが、四十二年度からはこれを五〇%の融資率とする考えでございます。またその開銀融資の金利でございますが、従来八分二厘でございましたのを七分に引き下げるということに、大体内定をしていただいたわけでございます。また高架化等につきましては、法人税の関係で軽減措置をとっておるわけでございまして、現在法案の改正が御提案になって、御審議をいただいておる段階になっておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それではもう一度総理府にお尋ねいたしますが、そういう状態でございますで、立体交差に対してはいわゆる根拠の補助法はない。これは指定するだけなんですね。指定するから、道路管理者とそれから鉄道事業者とが、どちらが幾ら持つか相互に協議してきめることでありますから、これは法律的には補助という対象にならない。ところが、ここに三十六億四千八百万円の除却事業費補助というものが建設省の特別会計についておりますね。どこに出されるのです。対象です。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 この建設省関係の三十六億四千万円の使途でございますが、これは実行の段階はまだ確定しておりませんが、先ほど申し上げましたように一般国道また地方道におきまして、主として立体交差による踏切を除却する場合の補助金であると理解いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは宮崎さん、国鉄、私鉄を問わず、国有、民営を問わずおやりになるのですか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 これは補助金でございまして、道路の管理者たる地方公共団体に対する補助でございます。道路が鉄道の上を通りますときに立体交差化する場合の補助が主たることになろうかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 建設省の道路局次長いらっしゃいますね。国道の場合に補助金の対象なんて、ちょっとこれはおかしいと思うのですね。これは一般地方道の立体化に対する補助金が三十六億四千八百万円あるということですか。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 御指摘のとおりこの三十六億四千万とありますのは、国道あるいは地方道関係の中で、国か地方公共団体が実施いたします補助事業に対して補助金を交付する、その分の計上額でございまして、直轄の分はこれに入っておりません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 したがって、これは県、市町村の地方自治体に対して、この三十六億四千八百万円が補助金として支給されるものと理解してよろしいですね。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 さようでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで、三十六億四千八百万円が地方の県並びに市町村に対して助成されるということは、これはかなり善政であると思うのです。これは昨年もありまして、四十一年度に三十五億九千六百万円あったんだから、本年度あまりふえておらない。このふえておらないというのはどういうわけなんでありますか。昨年よう使わなかったんですか、三十五億九千六百万円を。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 御承知のとおり立体交差化工事につきましては、地形の関係その他用地買収等いろいろむずかしい問題がございまして、指定をいたしましてもそう簡単に工事を進めていくわけにまいらないということでございまして、予算に計上されておりますのは、いわゆる継続事業が主体になっております。新規も若干ございます。したがいまして、そう飛躍的に予算を計上いたしましても、消化という点において問題があろうと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、これはどちらでも、どなたでもけっこうですが、しからば継続事業として本年度三十六億四千八百万円が計上されておるとするならば、これは建設省のほうでは、現在工事中九十九カ所、未着手百五十カ所というのをこの前御発表になっておりますが、それが対象ですか。それ以上新しいものはないのですか。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 私が申し上げましたのは、継続事業がかなり多く含まれておるということでございまして、新規のものも入っております。この補助事業関係につきましては……。

太田一夫日本社会党

○太田委員 継続事業だけというところに、大蔵省は何か渋ったのじゃなかろうかという予感がするんです。建設省のほうとしては、大蔵大臣が予算について非常に渋かったから、今度のこの予算というのは三十六億しかなかったんだと、そういうことですか。それとも、もうこれを消化するのに現在では精一ぱいだという見通しなんですか。いわゆる最大なる努力をし、最善を尽くしてようやくこれだけしか消化できない、立体交差は。それでなければ、踏み切り事故防止対策の強化についてという交通関係閣僚協議会のこれというのは、ある程度暫定的な、びほう的なものということになりますが、どうなんでしょう。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 お尋ねの点は、交通対策関係の予算について大蔵省がどの程度熱意を持って対処してきたかということだと思いますが、これはいろいろ見方があろうかと思いますが、私どもの判断いたした限りにおきましては、四十二年度の交通安全対策に、私のほうの関係について申し上げれば、御承知のように交通安全施設関係は飛躍的に予算化されております。本件の立体交差につきましてもかなりの予算が計上されておると判断いたしております。ただ、先ほども申し上げましたように、この事業は交通安全施設の場合と違いまして、事業消化、事業実施の面において非常に問題がございます。したがいまして、予算をつけましても、執行という面でいろいろ問題があります。私どもは実行可能という点において予算を要求いたしておりますが、そういう私どもの要求に対しては十分な予算計上が行なわれておるというふうに判断をしていただいてけっこうだと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうすると、いまのお話からいいまして、この要綱による第二の基本的計画の検討というところは、以上の点に立脚しまして、今後相当精力的に計画をお立てになりませんと、三カ年計画ですか五カ年計画にいたしましても、その進捗度というものは非常ににぶいことになりますので、よほど今後、四十三年度以降というものは力を入れなければならぬような気がするのですが、これは来年度さらに大幅にふえるものと期待してよろしいでしょうか、どうでしょうか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 応急的なもの、恒久的なものというお話も出ましたけれども、もちろん踏切道改良促進法、あの法律がまた五年、昨年延長の御審議を願っておりますが、いろいろ問題のあることは私も承知いたしております。なお、いま御指摘のように、踏切について、実施する面において各省間にいろいろ問題もあるというお話もございました。これも私は率直に認めます。そういったようなことのないように、われわれのところで総合調整という立場で、その点は十分に注意をし、御相談をいたしておりますから、今後そういう不安もないと考えておりますが、一応これが応急的なものととられても、私はやむを得ないものがあるのではなかろうかと考えております。しかし、事の重大性というものも非常に大きなものがありますから、恒久対策としても、明年度以降の予算において相当のことを考えていかなければならない、非常に重要な政治問題としてこれを取り扱っていかなければならない、このように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 以上のほか、道路整備特別会計の予算には何百億かの予算がさらにあるんだという御説明でございますから、それを大いに活用していただきたいと同時に、単に都道府県だけじゃなくて、市町村にも相当除却費の補助予算は回していただきたいものと思います。  それからあと、ちょっと増川さんにお尋ねしますが、先ほどの開銀融資も、これが相当大幅にワクがとれますと、非常に混雑した第一種踏切の立体交差化が完成すると思うのですが、ワクというのはどれくらいですか。条件は七分と承りましたが、ワクというのはどれくらいあるのですか。五〇%ですか、無限大ですか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 四十二年度といたしましては、私鉄に対します融資のワクはおおむね百五十五億を期待いたしておりまして、この中で保安対策工事費といたしましては五十億ばかりでございます。これに対しまして、従来の実績から申しますと、開銀の従来のワクよりも余分に融資の実績をあげていただいておりますので、本年度分におきましても、このワクを相当上回り得るのじゃないかというふうに期待をしております。この点につきましては、開銀自体も相当関心を持っていただいておりまして、われわれの希望に沿ってもらえるものと存じております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは民営鉄道部長さん、半額ですから、一応一件一億といたしますと、五十億は五十カ所しかない。何かばかに数が少ないじゃありませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 お答え申し上げます。  ただいま局長から申し上げましたように、保安工事といたしましては約五十億程度のものを期待いたしておりますが、従来開発銀行の融資につきまして、一応大都市再開発及び流通近代化資金というワクから使わしていただいておりますけれども、私鉄の投資に対しまして、開銀当局から非常な御熱意、御関心を示されておりまして、本年度も約五十億の当初の計画が六十九億程度の実際の資金の融資を受けたような点でございまして、立体交差化に関しますところの計画が促進いたしまして、地方公共団体あるいは国等の道路管理者との間の協議がととのいまして工事を行なう場合には、これに要する資金は十分に充足され得る、開発銀行から十分にめんどうを見てもらえるものと私ども確信いたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなたのほうにそういう確信がおありならば非常にけっこうでありますから、ひとつ大いにそのワクの拡大並びに所要の五〇%融資ということにつきましては、極力これは促進をはかって、実現をはかっていただくことが、この対策の主眼点であろうと思うのです。  それから警察庁の交通局の関さん、ちょっとお尋ねしますが、この中にも交通制限のことが出ていますが、交通制限というのは、現在の踏切の中の三種、四種、特に四種が多いのですから、そういうところのことを考えたら、南海の場合のあれを防ぐためには、ダンプは通さなければよかった。ですから今後ああいうところはダンプは通さない、こういうふうに踏切ごとに、整理統合が完全に行なわれるまでは、一応車両の交通制限をやらなければいけませんね。これは思い切っておやりになりますか。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 踏切の交通規制の問題でございますけれども、現在いわゆる危険な踏切に対しまして全国で約一万カ所、車種別あるいは全面的に車両の通行どめを実施いたしております。しかしながら全国の踏切から申しますと、まだ危険な踏切がかなり残っておるわけでございまして、これらの危険な踏切につきましては、やはりその他の迂回用踏切あるいは地元住民の方の利便といったようなことを十分考慮しなければいかぬわけでございますけれども、積極的にただいまのような車両の通行どめ等の処置を実施してまいりたい、かように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 南海の踏切はどうなっていますか、現在。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 当該踏切につきましては、四月六日に大型自動車の通行どめを実施いたしました。

太田一夫日本社会党

○太田委員 大型というと、六トン以上でございますか。そうすると四トン以下のダンプというのは規制にならないわけですね。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 大型の場合に、四トン以下のダンプは入りません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 ちょっとその辺のところが甘いんじゃないでしょうか。たとえば四トンを含めて制限をするというところまでいかないといけないのじゃないですかね。せめてトラックは何トン以下でなければいけない、たとえば二トンなら二トン以下とか、何か大幅な制限をしないと、ああいう踏切の事故の再発というのは防止できないという気がするのですが、大型というような、ほんとうに少数の制限で間に合うでしょうか。確信ございますか。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 例の南海の踏切につきましては、大型の通行どめを実施したわけでございます。全国の危険な踏切につきまして、それぞれやはり個々の踏切についてその交通量あるいは使用状況といったものを勘案して交通規制の種類を定めるわけでございますが、南海の場合、現在改良工事が進んでおりますけれども、それまでの間、大型車を通行どめいたしますことによって当面危険を防止し得るという判断のもとに実施いたしたような次第でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 最後に総務長官にお尋ねしておきますが、そういうようなぐあいで、当面する踏切の問題というのは、あの問題が起きてからこういうふうになったのだ。したがって、現在の大蔵省が査定した各交通安全対策の予算というものは、主として陸上交通の中の道路交通の方面に主点が置かれておるような気がする。ですから、警察庁関係というのはたぶん相当たくさんあるのじゃないでしょうか。ところが運輸省関係のものが非常に少ない。同時に、地方自治体に対する踏切関係の予算が少ない、こういう感じがしますね。当面はびほう的なもの、応急的なものであることもやむを得ないと思いますけれども、極力必要なところには予算の裏づけをはかって、すみやかに交通安全の対策が完成するよう、立体交差ないしは警報機等の保安設備の完成という方向に持っていかなければならぬと思うわけです。そういうお気持ちについてはどうですか。何か御所見がございますか。

塚原俊郎自由民主党総理府総務長官

○塚原国務大臣 各省調整のとれないままに運営されている面が確かに今日まであったことは、私はこれは認めます。われわれは総合調整という立場で交通全般の問題を扱うことになっておるのでありまするから、そういったいままでの隘路であったものを全部打破すると同時に、先ほども申しましたように、交通問題は踏切をはじめとしていま非常に重要な政治問題でありますから、一応びほう的というようなおことばもございましたが、とにかく当面なし得る応急対策はこれをすぐなすといたしましても、恒久対策についても本腰を入れてやっていかなければならない。そのために、総理府を中心にした交通対策本部では非常に熱心に、関係各省のお集まりをいただいて意思の統一をはかると同時に、政策の決定、研究というようなものを急がしているような状況でございまして、ひとつ今後大いに御趣旨に沿って努力していきたいと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 終わります。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 次に、山田耻目君。  質問に入る前にちょっと皆さんに申し上げますけれども、塚原長官は予算委員会の関係から呼ばれておりますので、塚原長官にかわりまして上村総務副長官が御出席でございますから、あらかじめ御了承をいただきたいと存じます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 設置されて初めて質問する機会を与えられた委員会でありますから、少し総理府のほうに本委員会の性格についてただしておきたいと思います。  御存じのように交通対策につきましては、運輸省、建設省、警察庁あるいは法務、厚生、文部省、こういう各般にまたがっておりまして、それぞれが独自の立場で交通安全対策を進めておりますし、それを最近交通関係閣僚協議会なりあるいは総理府に交通対策本部などをおつくりになって調整をなさっておるようでございますけれども、この委員会との関係でございますけれども、それぞれの各省に関係をする委員会、建設委員会なりあるいは運輸委員会なりございますが、そういうそれぞれの関係の委員会とこの委員会とはどういう関係にあるのか、それをひとつ総理府のほうから明らかにしておいていただきたいと思います。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 実はごもっともな御意見かと存ずるわけでございます。と申しますのは、総理府の関係としまして交通対策に関連をいたしますのは、御案内のように交通対策本部というものが総理府に設置されておるということで、交通関係に総理府が関与をいたしておるわけです。ところが、お説のとおりそれは結局各省に交通関係はまたがっておるわけですから、それを総合調整をいたしていく機能をやっておるわけでございますが、しかしこの予算づけというものが、運輸省は運輸省、建設省は建設省、あるいは警察関係は警察というような式で、現在の予算のつけ方が各省庁についてくる。総理府にそれがついてこない。要するに本部の事務費関係は別でございますが、基本的な政策の遂行関係につきましては各省が持っておる。ここに非常な悩みと申しましょうか、そういうものを感じておるわけです。でございますので、当委員会ができたという趣旨につきましては、もちろんこの経過につきましては委員の方々のほうがよく御存じになっておられるかと思いますが、総理府の役割りというものは、交通対策本部というものを所管をいたしておる。その所管事項といたしましては、関係各省庁の調整事項を扱っておる、こういうことに相なっております。現在、交通の問題が非常に大きな問題になっておりますし、多くの社会問題であるとともに政治問題になっておる。だからこそかかる委員会が設置されたわけであると思いますが、そういう意味からいたしますならば、政府の総合調整の機能といたしまして、先ほど総務長官もおっしゃったとおりに、そこに未調整のないように、しかも単なる総合調整ということだけにとどまらずして、連絡を密にして、御趣旨に沿うような強力な対策を講じたいというわけで進んでおる、こういうかっこうに相なっております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 ことばとしては、総合調整をして強力に進めていくという委員会だそうですけれども、実際に今日までこれによく似た形で公害という問題が出ておりまして、公害問題も三庁七省にまたがっておる問題であります。そのためにそれぞれなわ張りがございまして、なかなか総合的な調整がきかないということで、長い間紆余曲折をしてきたことを私たちは承知いたしております。ようやく、きわめて近い日に公害基本法が生まれるようてございますけれども、総理府のほうでは、今日の一庁四省くらいにまたがっておる、そういうばらばらな交通対策が進められておる。ばらばらと言っては多少申しわけないかもしれませんが、ある意味では完全なきずなに結ばれていない総合対策でありますが、こういうものをきちっと整理をしていく交通安全基本法というふうなものをつくってでも、全体をしっかり引き締めて大切な人命尊重のこれらの施策を進めていく、こういう用意がおありになるのかどうか、それをひとつ伺っておきたいと思います。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 実は、現在のままで十分なる機能を発揮しておるというふうには考えられない節があります。もちろん、何とかしましていろいろな御趣旨に沿うような措置を講じたいという意味で、総理府が中心になりまして各省の調整をいたしておることは事実でございますとともに、交通関係閣僚協議会も開かれまして、そしてその趣旨で進んでおるわけです。ただ、いま交通基本法をつくるかどうかという問題につきましては、いまだそのことが具体的な話題にのぼっておるという段階ではございません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 だいぶわかりました。ただ、交通対策本部というのが総理府にあって、ここで具体的な交通対策の作業をお進めになっておるそうですけれども、この中身を見ますと、総理府総務長官を長として関係各省事務次官をもって構成なさっておりますね。かつて公害対策は、同じように各省関係の次官をもって構成しておる会議というものがありました。これでは全然進まないということで、公害基本法案というものができ上がっていく歴史的な過程があるのですけれども、一年間に一万四千人近い人が殺されて、六十万人近い人がけがをしている、こういう交通戦争といわれる時代にまで来た今日、いまあなたのおっしゃっているように、何かする、総合調整を強力にと、おっしゃることばは私は聞きましたけれども、中身が、機能を発揮していく強力な調整機関といいますか、そういうものが前面に出ておりませんから、いまの日本の官僚機構の中では、そのなわ張りというものを踏み越えて、次元の高い目的に向かって総合的に車が回されていくという軸になかなかならぬ心配が私はあるのです。だからそういうふうな政府の中の態勢の不十分さと、そうしてその中にあるこの委員会とは一体何だろうと、真剣に考えれば考えるほど私は疑問にぶち当たるのです。  そこでいまあなたが、各省がそれぞれ予算を持っている、これを総合調整しながら進めていきたいと、ちょっと中身の話をなさったのでありますけれども、この委員会が全般的な交通安全対策にこれから視野を広げ、調査を進めていきながら、必要な予算を総理府長官を通して大蔵省に要求し、各省にその予算を持っていくような方向といいますか、そういう委員会の決議というものは、いわゆる総理府自身には事務費を除いて予算がないという立場でお逃げになるのか、それともそういう予算編成に向かって総理府は責任を持ってこれから進めていくという立場にお立ちになるのか、これを一ぺん話していただきたい。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 きわめて重要な基本的な点でございまして、私どもとしましても非常に悩んでおるところなのです。現実の四十二年度予算の編成過程を見ますと、交通関係閣僚協議会などの意見も、何とかこの交通対策について予算関係にひとつ特別な配慮をという意見も強くございまして、現実には大蔵省は、建設省の交通対策関係にしましても、ほとんど御要求のままに査定をいたしておると思います。こういうふうで、各省の関係の予算ということのたてまえになっておりますけれども、ばらばらではだめだという意味におきまして、対四十二年度予算の編成過程におきましても相当配慮をされておるわけでございますので、こうしてこの特別委員会が設置されたのを機会に、御趣旨のような線が相当強く出てくるのではなかろうか、またわれわれはそういう皆さま方の御意見をよく体しまして進めていきたい、これが偽らざる私らのただいまの考え方でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 これ以上すっきりしたことを言えというほうが無理かもしれませんが、この委員会が交通安全の問題を深めていけばいくほどその問題にぶち当たりますし、委員会が持つ大切な疑問点だと思います。これはさっきの公害の話じゃございませんが、非常に大事な問題ですからね。非常に多くの人間がけがをしたり死んだりしておる事件ですから、こういう問題については真剣に取り組み、それは各省ばらばらではいけない、総合的な本部ができ上がって、そこで予算的にも行政的にも進められていく、こういう立場が築き上げられていきませんと、私はやはり事故はなくならぬと思いますが、そういう意味の総理府のこれからのあり方と、この委員会のあり方をやはり形つくってまいりたいと思いますし、そのための努力を十分していただきませんと、審議するのがどうもおもしろくなくなりますから、その点の努力は強くお願いいたしておきます。  それから警察庁はどなたかお見えでございますか。——資料としてことしの三月の事故発生状況をいただいたのですが、これを見ますと、死者は減っておりますね。けがをした人はかなりふえている。こういうふうに交通災害がたいへんな加速度で数がふえていくが、一体この原因はどこにあるのか。この点について警察庁のほうで結論を出されたことがございましたら、ひとつ話していただきたいと思います。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 交通事故が増加いたします原因ということでございますけれども、なかなかむずかしい問題でございます。やはり交通事故はいろいろな原因が伴いまして発生するわけでございますけれども、何と申しましても自動車の台数の増加、またこれに対しまして道路その他の施設の整備が追いつかないということが根本的な原因であろうかと存じます。本年に入りましてから、昨年に比べまして死者が減少ぎみであるということは非常に喜ばしいのでございますけれども、反面、負傷者は依然としてふえております。この点、重大な事故と申しますか、従来であれば死亡しておった人が負傷で助かっておるといったような事例もあるかと思いますけれども、何にいたしましても死傷者の絶対量がどんどんふえてまいっておるということで、交通事故の防止のための交通の取り締まりなり、あるいは安全施設の整備という面について努力を続けておるような状況でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 去年の三月とことしの三月を比べてみて五千十件ふえておりますね。去年の一−三月とことしの一−三月を見ますと、一万二千九百三十一件ふえております。このようにいたしましてずっと伸びていきますと、ことし、四十二年度の死傷者というのは百万をこえるような気がいたしますが、いかがでございますか。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 お説のように、一月から三月までの交通事故の発生状況を見ますと、約一五%の増加率ということに相なっております。この趨勢を何とかして食いとめたいというのが私どもの悲願でございます。このための努力をさらにさらに継続、強化してまいりたいという考えでおるわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 厚生省の医務局長、お見えでございますか。——見えておりませんなら、関さんのほうでわかれば教えてもらいたいのですが、この負傷者の激増でございますね。そして自動車事故というものは、大体三分の一程度の人が頭をやられてしまって後遺症を残してしまう、そうして即死はしないけれども、それから数年して死んでいく、こういうふうな性格を持つ事故である。そういうふうに私たちは理解をしておるのでございますが、大体この一五%のふえた率で見ますと、去年六十三万くらいでございましょうから、そういたしますと八十万近い数になりますが、このうちの三分の一あまりが後遺症を残して、人間として健康な機能を失なってしまう、こういうふうな状態になるというふうに推定できますけれども、いかがでございますか。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 私、その点についてはわかりかねます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 自動車事故が非常にふえてきて、昨年対比一五%もふえつつあるということは、自動車がふえてきて道路が狭く、そういう関係から起こるということの見解が述べられたのでございますが、私も同感です。  そこで今度は、鉄道事業と交通事故の関係について若干触れていきたいのでございますが、国鉄の林さんお見えでございますか。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 見えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 いま国鉄、私鉄を含めて、無人踏切というのはどれくらいございますか。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 私鉄のほうの関係は私よく存じませんが、現在国鉄にあります踏切は全部で三万五千五百七十、そのうちで四種の踏切が一万九千九百七十あります。これは四十一年度末の数字でございますが、そのうち、先ほど警察庁からお話がございましたように、約一万カ所以上は交通規制をやっております。したがいましてそれ以外の踏切は、三種の警報機がついているか、あるいは遮断機つきの警報機がついておるか、あるいは踏切保安掛がついておるか、そういう踏切になっておりまして、交通規制のことを含めまして考えますとただいまのところ約七六%が何らかの設備がしてある、残りの二四%がまだ踏切の整備ができていない、こういう状況でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 運輸省からお見えになっておりますが、私鉄の第四種一万八千四百三十五というのは、どういうふうに今日扱われておりますか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 私鉄の踏切の状況を申し上げますと、踏切の数全体で二万四千三百三十六カ所でございます。そのうち第四種が一万八千四百三十五カ所ということに相なっております。先ほど国鉄のほうから説明がございました数、私のほうの昨年の四月一日現在の数字で申し上げますと、合計の数が、国鉄といたしましては三万六千九百七十二カ所、そのうち第四種が二万三千三百二十九カ所でございます。それを国鉄、私鉄総合いたしますと、踏切全部の数が六万一千三百八カ所、そのうち第四種は四万一千七百六十四カ所に相なっております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 第四種の四万一千七百六十四、これはいまの国鉄の林さんの御意見では、七六%程度交通制限をしておるということですね。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 いや、そうじゃないのです。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 じゃ国鉄、私鉄合わせて四万一千七百六十四の第四種踏切というのは、警報機がつけられないまま交通制限は別にしていない、絶えず事故が起こる条件を備えておる、こういうことですか。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 四種の踏切は、先ほど一万九千九百七十と申し上げましたが、そのうち約一万カ所が交通規制をしておるということであります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 私鉄のほうはどうですか、増川さん。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 私鉄の四種踏切につきましてもそれぞれ一方通行、あるいは大型車の通行禁止、あるいは全面的な車両通行禁止というような、通行関係の措置は警察のほうでとってもらっておりますし、また車両制限令という政令によりまして、建設省関係で道路管理者のほうがそれぞれ通行の規制をしていただいておりますので、そういうものによりまして、過半数は通行の何らかの規制がなされておると考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 どうもあまり自信がないようですね。結局四万一千七百六十四の第四種踏切は、いわゆる通行人に対して、汽車が来るぞということを認識させる何らの措置がしてないのを第四種踏切というんですよね。それを交通制限をして、あそこへくいを打って自動車が通らぬようにした踏切もあるし、あるいは幅が狭くて大型が通らないので、そこは大型通行を禁止しておる場合もあるし、いずれにしてもそれは交通規制、制限をしておるのですけれども、こういう四万をこえるたいへんな第四種踏切に対して、これからの計画でどのように統合しようとしておるのか、あるいは第三種にどのように格上げをして警報機をつけようとしておるのか、この年次計画をひとつ明らかにしてほしいと思います。運輸省から私鉄について話してください。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 踏切道の統廃合に関しますわれれわれの態度といたしましては、第一に踏切道の間隔がおおむね二百メートル以下につきましては、これを原則として統廃合してしまう。外国等に比べますと日本は非常に踏切の数が多いわけでございまして、その平均間隔が非常に短いわけでございます。したがいまして、少なくとも二百メートルしかないというようなものは原則として何とかこれを廃止していきまして、もっとりっぱな踏切道に統合していく、こういう考え方をしておるわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 考え方でなくて計画をひとつ言ってくださいよ。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 そのほか種々の基準をもって統廃合の計画を立てつつあるわけでございますが、これにつきましては、昨年の六月に全国の踏切道の実態調査をいたしましたので、この結果を分析、検討いたしまして、これによって逐次必要なものから法に基づく指定をいたしておりますが、なお今後建設当局と協議を進めまして、立体交差化の指定あるいは保安設備の整備の指定なりをやりまして、その他残りましたものにつきましても極力これを統廃合していく。その際には、もちろん建設省のみならず警察庁とも御相談をしていくということでございますが、現在各省で協議中でございまして、まだその具体的な数字を申し上げる段階にはなっておりません。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 ただいまのお話の中で、踏切の統合整理の問題でございますが、すでに過去数年間で約六千カ所ばかり踏切の廃止をいたしました。それから、先ほど申し上げましたように一万ばかりの交通規制を行なっておりますが、今後もこの踏切の統廃合につきましては、地元と非常に利害関係がございますのでなかなかむずかしい問題もございますが、できるだけ統廃合、交通規制を進めていきまして、それでもどうしても残ります踏切が六、七千カ所くらいになると思います。それに対しまして警報機の設置等を進めていくという計画を立てております。さらに立体交差につきましては、ただいまのところ年間二百カ所くらいの立体交差ができ上がっておりますので、それに伴いまして踏切の除却されるものも、その数はちょっと少ないのでありますが、かなりの数でございます。そういう計画でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 さっき太田委員のほうからも多少質問があったようでございますが、国鉄が踏切保安対策で百四億でございますか、それから開銀からの私鉄に対する融資が六十七億程度、これだけ四十二年度経費をお持ちになっておるわけでございますけれども、いわゆる私鉄の保安対策というものは、たとえば一種を立体交差するのに四十二年度年次計画でどれくらい立体交差をやる、同様に国鉄の場合も百四億使って立体交差をどの程度四十二年度に完成する、あるいは第四種の警報なし無人踏切というものがどの程度警報機を備えることができるのか、こういうふうな中身がなければ予算は実際にはつかぬと私は思いますから、どういう具体的の計画をお進めになっておるか、ひとつ明らかにしてほしいと思います。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 今後は法に基づきます指定ということで逐次計画にのせていくつもりでございますが、今後五カ年の間に、国鉄といたしましては立体交差化四百五十カ所、これに要します総工事費が四百五十億、私鉄におきましては百五十カ所、総工事費同じく四百五十億、合計いたしまして、個所数といたしましては立体交差化の予定が六百カ所でございます。これに要します総工事費が約九百億かかるわけでございます。このうち四十二年度といたしましては、いままで持ちました計画よりも、今度の対策本部で決定いたしました方針に従いまして、極力これをふやしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 五カ年計画でいきますと、六百カ所、九百億の予算でというお話でございますが、ことしは国鉄が百四億、私鉄が開銀融資が六十億何がしでございますが、そうなりますと、約五分の一弱の予算ですけれども、四十二年度に大体百二、三十の立体交差が完成をしていくというふうに本委員会は理解してよろしゅうございますか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 国鉄のほうの計画は仰せのとおりでございますが、私鉄につきましては、先ほど申し上げました開銀融資の額は、保安対策工事経費で約五十億を見込んでおりましたのを、六十億ないし七十億くらいまではいけるというふうに確信をしておるわけでございますが、そのうちで純粋に立体交差化というものだけにつきましては、その約半分くらいに考えております。  それから国鉄のほうは、建国協定によりまして経費の負担が大体きめられてございますけれども、私鉄につきましては、道路管理者と鉄道側とでそのつど協議をして経費の分担をきめておりますので、この経費で全部をやるわけじゃございません。従来の実績から申しますと、私鉄の負担率が非常に高かったようなところは、その工事費の約三五%くらいを持ったところがございます。しかし、負担率の低いところは一二、三%くらいしか持っていない。大体私鉄関係といたしましては、助成がないかわりに私鉄側の受益の限度に負担をとどめておいたらというふうな話し合いをいたしておるわけでございます。したがいまして、個所数といたしましては予期以上にできるんではないかというふうに考えておる次第でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 私、どうも増川さんのおっしゃっていることはよくわからぬのですが、結局、私鉄の開銀融資が百五十億くらいあって、その中の五十億がちょっとふえて六十七、八億が保安費として使われていくように融資申請をしておる、その中で約半分しか踏切保安については金が使えないだろうと思う、こういうおっしゃり方ですね。問題は、結局その会社の収支状況等を見ていかなければ、なかなか折半負担のことも国鉄と違ってうまくいかないから、こういうおっしゃり方ですけれども、今日の交通問題というのは、ただ単なる道路管理者と鉄道事業者だけでながめていかなければならぬ、そういう性質のものじゃないと思うのです。だから私は、交通関係閣僚協議会で了解されておる内容を見ましても、建設省関係の踏切除却事業費か三十六億四千八百万、あと運輸省の踏切補助費が三千二百万、そのほかに国鉄が百四億あるぞ。やる気になっておるんだ。しかし、ここに抜本的に交通対策に取り組んでいくという姿勢が、いまお話しになった程度ではうかがえないわけですよ。国として交通対策のあり方、交通事故を撲滅していくという立場で、一歩踏み出した国からの助成措置、国の行政として立体交差にするなり、第四種踏切をなくしていく、そういうために思い切って予算措置をしていこうというふうな気魄というものは、どこにも見つけ出すことができないわけですよ。いまおっしゃっているように、開銀で借りた保安対策費のうち半分くらいしかよう使わぬ。しかもそれは、受益者との関係でよく相談をしていかなければという。この程度のことで、一体私鉄の四十二年度の踏切保安対策というものが具体的にどこまで進んでいくのか、お話を聞いておるだけでは非常に理解しがたいのですよ。これは一ぺん、運輸省の所管でございますからよく精査なさいまして、そうして一度資料としてこの委員会に出していただきたいと思いますから、その点はひとつ委員長、資料要求いたしておきます。  それから国鉄関係で、この百四億というものと、そのほかに例の鉄道運転事故防止対策として二百三十八億ございますね。これは踏切には関係ない予算でしよう。だからこの百四億というのが立体交差その他の踏切改良経費である。この百四億でどのくらいの立体交差なり踏切構造改良といいますか、そういうものが四十二年度ででき上がりますか、それをひとつわかっておれば具体的に述べていただきたいと思います。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 四十二年度の踏切改良計画の予算は、ただいま山田先生のお話のように全部で百四億でございますが、その中の四十六億が高架化、残りの五十八億が一般の踏切整備、こういうふうに考えておりまして、立体交差につきましては二百八十二カ所に手をつけます。全部は竣工いたしません、このうちの半分くらいしか。それから踏切警報機あるいは自動遮断機、一種踏切の連動化、その他幅員の拡張であるとか舗装の改良であるとかいうような見通し改良、その他一般の踏切改良にあとの五十八億を使う予定でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 去年より十六億減ったのは資金上の問題ですか。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 去年が百二十億となっておりまして、去年とことしと比べますと、立体交差につきましてはことしは多く、一般踏切整備についてはことしは少ないという形になっております。それにつきましては、少し過去の私どもがやりました踏切整備の状況をお話しいたしませんとおわかりいただけませんが、いままでやりましたのは、本格的にほんとうに金をふやしてやりましたのが三十六年くらいからでございますが、百億程度の金にいたしましたのが三十九年でございます。三十九年には複線区間の踏切で無防備踏切は全部一掃する、これは完了しております。四十年度では橋梁のそば、高い築堤のところでもし事故がありますと重大な結果を来たすということで、これも四十年度で全部済んでおります。それから四十一年度、去年度は単線区間において、しかも踏切事故が非常に多発しておる線区を選びまして、それを全部やるということでやってまいりましたので、今度考え方を少し変えまして、立体交差のほうへ従来よりも力を入れるということにいたしております。もちろん資金事情の関係もございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 いまの五十八億ばかり使ってやる一般踏切整備で、第四種の交通制限をしていないところ六千ばかりの個所についての警報機は、ことしつくわけでしょう。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 はい。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 全部つくわけですか。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 いや、全部ではありません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 どのくらいつきますか。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 先ほど申し上げましたように、今後踏切の統合整理をやる、それから交通規制もやり、残ります踏切が六、七千くらいになりますので、これをこの三次計画の中でやろうというように考えております。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 では大体三カ年くらいで六、七千なくするわけですから、四十二年度は大体二千カ所くらい第四種が第三種に格上げされていく、こういうふうに理解していいですね。

林武次日本国有鉄道常務理事

○林説明員 まだその数を、何カ所というふうに具体的に申し上げる段階に至っておりません。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 わかりました。やはり立体交差の関係、第四種に警報機をつけて第三種にしていく問題、いずれにしても大きな予算が必要になってくるわけであります。だから、私鉄にしても国鉄にしてもそうですけれども、かなり予算面からの制約があるし、国鉄も独立採算制というきびしいワクにはめられておるし、そういう関係で、どうしても国鉄は国鉄、私鉄は私鉄にまかし切っておくという関係では、いわれておる、あるいは交通関係閣僚協議会で決定をなさった踏切改善を積極的に進めるという決議にも沿いかねる実情であるというふうに理解できまずから、やはりここらの問題については、総理府もひとつより研さんを深めていただいて、必要な措置を、特に予算面から講じていかなければ解決されないという問題は、運輸省なり国鉄の意見を聞いても考えられますから、十分措置をしていただくように、やはり積極的に取り組んでいただくというふうにお願いしたいと思います。  それから、厚生省の医務局次長がお見えになりましたので、さっき質問をしたままにしておきましたが、おわかりになっていれば御返事いただきたいのですけれども、最近交通事故が、大体毎月一五%程度昨年対比ふえてきております。もちろん死者のほうは若干減ってきていますけれども、交通事故というのは、いま申し上げたのはほとんど自動車事故でございますけれども、頭を打って脳神経をやられたり、後遺症を残しまして半身不随になっていく人も、死んではいませんけれども非常に多いと聞いておるわけであります。大体自動車事故の三分の一くらいがそういう身体障害におちいっておるのではないか。そうなりますと、大体一五%ふえておりますから、八十万件くらいになっていくのじゃないだろうか。そういたしますと、そのうちの二十五万余りの人たちがそういうふうな後遺症を残していく。これは国としても由々しき問題であります。そこらあたりの昨年来の具体的な傷害者の状態というものがわかれば話していただきたいと思います。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 初め数字的なことを申し上げますと、警察庁の調べでございますが、死者につきましては四十一年度が一万三千九百四人、これは昭和三十二年に比べて約二倍近く、一八三%ほどになっております。それから負傷者のほうにつきましては、四十一年度が五十一万七千七百七十五人、これらは三十二年に比へまして実に四一五%というふうに非常に激増しております。  それでお話しのとおり、それらの死者はともかくとしまして、負傷者について、医療機関がもっと十分に整備されておったならば助かったであろう、あるいは後遺症が残らないで済んだであろうというような者もかなりあるようにうかがいます。その具体的な実態はつまびらかには把握し得ませんけれども、現在の医療機関の分布状況、その内容等から見ましてそういうことがうかがわれるのでございます。  そこで、その対策のほうに入りますが、学界その他あるいは交通安全国民会議等の要望からしましても、交通事故による傷害者の治療の完ぺきを期するための、特に脳神経外科を中心にした救急医療センター、そういったものを全国的に整備する必要があるというような要請にこたえまして、今年度の予算におきましても前年の約十倍、三億の予算を組みまして、全国約百十カ所ほどの救急医療センターの整備、大体人口百万に対して一カ所程度のものをつくりたい。それからまた後遺症の治療のためにリハビリテーション施設、そういったものも、大きな総合病院の付属施設的なものとして整備していきたいというように考えておるような状況でございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 データがおわかりにならぬようですから、また機会をあらためてお伺いしたいと思いますが、いずれにいたしましても、この種の交通安全対策の問題は、もう自動車業者、あるいは鉄道業者、あるいはそこに従事をしておる労働者、こういう人たちだけの注意の喚起なりあるいは必要な防護措置というものだけでは解決しきれない段階にきております。いずれにいたしましても具体的な、しかも高度な政策を盛った交通安全対策が早急に打ち立てられなければいけませんし、いわゆる都市整備の問題は経済政策の問題と輸送道路、こういうものと無関係に考えるわけにはまいりませんから、抜本的な対策を打ち立てる方向に向かってこの委員会が進んでいくように特にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 関連質問をお許しいただきましたので、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。すでに前委員からもお話があったので重複する点があるかもしれませんが、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。  総理府が非常に熱心になっていただいて、一庁四省にまたがる予算をいかに上手に交通対策に対して運用していくかという、その御苦心のほどはよくわかります。非常に感謝いたしております。同時に国民の希望するところは、国が人命尊重の上からそうした問題をどのような方向へ進めて、そして交通事故をなくするためにいかに勇断的な措置をとってくれるかということに対して大きな関心を持っておる矢先でありますので、私がお尋ねいたしたいと思いますことは、前は人口三十万以上の都市においては、自動車を購入するときには車庫の必要があった、こう思っております。それが昨年の九月でありましたか改正されて、人口十万の都市で自動車を持つときは車庫の必要性がある。それ以外の都市では車庫の必要がなくて届け出だけで済む、こういうことであるように思っております。そういう意味から、たとえば人口七、八万のところへ籍を移せば、車庫の必要がないので車が自由に買える。自動車ブームと申しますか、だれでも自動車を持ちたい、便利がいい、ガソリンは自由自在に買えるというようなことから、だんだんと自動車が多くなってきた。多くなってきた自動車の実態を御調査になっておるのか、なっていないのか。これは私の感じを率直に申し上げますと、奥さんも自動車を持っておれば、娘さんも免許証があるからほしい、そして御主人も持っておるというような事態で、三人三様それぞれの車を持っておる。しかもその車の車庫をつくるには、都市では金がかかる。土地が高い。そういうことから、結局、極端なものの言い方をすると、郡部という都市を離れたところに車を持つようになってくる。そして仕事には名古屋のようなああいう都市の中にまて入ってくるということで、実質的には市内の籍が少なくて、そうした人口十万以下のところに籍を持って、そしてみんな用足しにそこへ入ってくる。それがかえって非常に繁雑化してくる。そういう意味からも事故がずいぶん多くなっておりますが、こういうような点についての御調査並びに研究というものが行なわれつつあるのかどうだろうか、これを私はぜひ警察庁の方にお尋ねをいたしたいと思っております。同時に、これに対して将来どのようなお考えがあるのか。これはもうこれでけっこうだ、九月に改正したから今度の対策にもこういうようなことは考えに入れないというお考え方か、その点をひとつ承っておきたいと思います。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 丹羽さんに申し上げますけれども、質問の通告がありますから、関連だったらできるだけ簡単にやってください。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎政府委員 ただいま御指摘の点は、自動車の保管場所の確保等に関する法律の適用の問題であろうと思われますが、実はこの問題は警察だけではございませんで、建設省、運輸省とも関係がございまして、総理府でちょっとまとめたという関係で私からかわって御答弁申し上げます。  この法律のそもそもの趣旨は、十分御承知と思いますが、公道を私させないということが第一点。つまり天下の公道を私に使わせないということが第一点と、それから、それによって交通渋滞等を来たすと非常によくないので、その二点から、要するに自動車の青空駐車を禁止するというのが目的でありまして、そのために、自動車を登録する場合には必ず保管場所がなければいけない、かように相なっております。したがいまして、その公道私論から申しますと、全国津々浦々すべてこれは禁止をしなければならないわけでございますが、反面、いろいろな社会実態、経済状態もございまして、一挙にこれを禁止することはなかなか困難であるという観点から、現在主として交通渋滞、そういう点に重きを置きまして適用地域をきめているわけであります。したがいまして、御指摘のように現在におきましては、一応人口十万程度の市以上がこの適用地域になっておりますが、この点、将来はもちろんこの適用範囲を拡大いたしまして、御指摘のようなアンバランス、矛盾がないようにいたしたいと考えております。この点は昨年の末に政府といたしましても応方針は決定いたしておりまして、ただ、実施の時期はまだ確定いたしておりません。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 了承いたしました。そういうふうにひとつよく御検討いただきたいと思います。  それから第二点。——委員長が特に指摘せられて簡単にやれということでしたが、実はきょうは質問はどうだと事務局のほうへ問い合わせをきのうしたのです。そうしたら、きょうは一応事故防止対策強化についての話と南海電鉄の説明があるだけで、質疑応答はしないというようなふうだというお話でありましたので、だから私は実際は用意も何もしてこなかったのです。ところがおじゃましておりますとだんだん質疑があるので、いきなり関連質問をお願いいたしたのでありますから、ごく簡単にはやりますけれども、聞くだけのことはちょこっと聞かしていただきたいと思いますから、御了承願いたい。  無人踏切というものについて、通っていけないという標識というものが立たずに、通っていけると思ってそばまで行くと、くいが打ってあって全然通れないようになっておる。そうすると、その間相当長い距離をバックせなければならない。これについては一体運輸省のほうはどういう指示をせられて、法律的にはどういう措置をとられて各地方に流されておるか、この点一点お聞きいたしたいと思います。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 その点は建設省の道路管理者の所管でございますので、建設省のほうからお聞き取り願いたいと思います。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 お尋ねの点は、四種踏切等で非常に踏切が狭くて、四輪の車が通れないというものについての道路管理上の措置がどうなっておるかという御趣旨だと思いますが、私どもはそういう踏切につきましては、幹線道路からそういう踏切に至る道路は狭いわけでございますから、そういうものについては踏切あり、あるいはそこの踏切通過はできないというふうな、そういう道路標識を極力整備するように道路管理者に指導いたしておりますが、必ずしも現在そういった標識が全国的に完備されておるというふうなことになっていないと思いますので、極力そういう方向で指導してまいりたいと思います。  なお、そういう標識を立てる際には、御指摘のように踏切の手前に立てたのでは意味がございませんので、幹線道路から分かれるところに立てるのが至当だと思います。そういうふうな指導もいたしておると思いますが、なお今後十分そういうような徹底をはかっていきたいと考えております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 いま建設省からの御答弁によると、そういう指示をしていらっしゃるのかいらっしゃらないのかという点があいまいのように聞こえたが、しておるのだとおっしゃるけれども、実質的には、いままで車が十分入れるところで踏切のところだけが狭くなっておる。それがためにくいが打ってあって、そこを通ってはいけない。そして、それは無人踏切であるから危険であるし、見通しも不十分であるからということでくいが打ってあって、車はずっと長い間バックをせなければならない。そこまで行ってからバックせなければならないという事実があるのだから、もう一度よくそれは通達で徹底するようにひとつしていただきたい。私はそれを願うのです。決して批判的に、そういうようなばかなことをやっておっていかぬじゃないかと言うのでなくて、ひとつやってもらえるように指示をしていただきたい、こういうことをお願いするのです。迷惑をいたしておる人が相当たくさんありますから。  それからもう一点お尋ねいたしたいと思うことがあります。それは、一たん停車をせなければならないというのは、これは警察庁、踏切は大体全部そういう方針ですか。遮断機があって警手がおって、そして一たん停車をせなければならないというような場合において、都市なんかにおきましては、一たん停車をする、その次に車を出す、それには相当の時間がかかる。それが何十台、何百台とずっと並んでおる。警手がおって遮断機があっても一たん停車をせなければならないというような事実があったとするなら、これは法的なお考えとしてはどう思っておられるか。これは改正してもいいようにお考えになるのか。警手がおろうとそれから遮断機があろうと、どういう事態であっても、踏切であるがゆえに一たん停車をせなければならないという、そういうむだをせなければならぬのかどうか。この点を一ぺん法的に御解釈の答えをしていただきたいと思います。もしあるとするなら。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 ただいまの踏切前の一たん停車の問題でございますけれども、現行の道交法のたてまえは、遮断機等の有無にかかわらず一たん停車をするようなたてまえに相なっております。この立法の趣旨としましては、およそ踏切におきましては必ず一たん停車をするのだ、こういう習慣を養ってもらうといったようなことも法意に含まれておるように存じておるわけでございますけれども、その道交法立法当時とその後の交通量の変遷といったような問題から、交通の円滑化という面で若干不合理な面が出てまいっておるのではないかといったような考え方もあるわけでございますので、この問題につきまして関係省とも寄り寄り協議をいたしているような次第でございまして、この通行方法の合理化という問題については、今後さらに検討を進めたいと存じております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 ではこの程度で。もうちょっと聞きたいと思いますけれども、時間を急ぐということでありますから。どうもありがとうございました。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは質疑を始めさせていただきます。  最初に増川鉄監局長にお伺いいたしたいのでございますが、今回の南海電鉄の事故につきましては、新聞等の報道によりますと、運輸省はきびしい警告を出して安全対策の改善を指示し、また全国の陸運局長と私鉄の経営者に対しても、四月三日付で、踏切の整備状況を再点検し、不良踏切の通行制限をやれという通達をしたやに聞き及んでおるのでございますが、事実でございますか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 仰せのとおり、四月三日付で次官通達を地方局長並びに国鉄、私鉄の団体等へ出しております。それから現地におきましては、大阪陸運局長から四月の八日付で警告を出しております。さらに交通対策本部決定、交通関係閣僚協議会の御了解の「踏切事故防止対策の強化について」というものをつけまして、四月の十四日付で各陸運局長並びに国鉄、私鉄のほうへ通達を流しておる次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 各種の通達、警告等が出ていることはわかりましたが、御当局といたしまして、その一片の警告や通達で改善が十分できるとお考えでございましょうか、その点……。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 応急的な措置につきましては、これらの通達の中に盛り込まれました点を地方の局長におきまして厳重に実施さしておりまして、これは実効があがるものと考えております。また恒久的な対策といたしましては、この交通対策本部の決定の中にもございますような協議会をつくりまして、この協議会の協議に基づきまして逐次徹底をはかり得るものと確信いたしております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 確かにお説のとおりに進行すれば差しつかえないのでありますが、いままでの例を見ますと、いつも一片の通達や警告ではなかなか改善ができない。やはりそこに直すなら直すように資金的の裏づけがなければとうていできない、このように私たちは考えるわけでありまするが、先ほどの山田さん、太田さんの質問の中にもございましたように、開銀の融資がある、あるいは金利が下がった、いろいろございますけれども、その程度ではなかなかできないと私どもは考えておるわけであります。この点につきまして抜本的にやはりこれを改革していくために、何と申しましても立体交差に一番重点を置かなければならぬ、このように考えております。したがいまして、昭和四十年度の踏切道改良促進法によるところの計画並びにその実施の御報告を受けておりますが、国鉄の計画は立体交差が二百七十九、それに対しまして実施が二百三十と八二%、私鉄の計画百十五に対して実施二十六とわずかに二一%、先ほどのお話のように通達だけで、警告だけで、これができるのならば、もっと四十年度におきましても事故はやはり予測できたはずでございますので、相当な実績があがってよろしいのじゃないか、こう考えるわけでございます。この点についていかがでございましょうか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 三十六年度から四十年度までの合計を申し上げますると、踏切道の立体交差化につきましては、国鉄の関係で指定が百十カ所でございましたのを実際やりましたのは六百五十四カ所、それから私鉄におきましては、立体交差の指定をいたしましたのが十七カ所に対しまして、実施できましたのが百五十六カ所、合計指定百二十七に対しまして実施八百十カ所、こういう実績をあげておるわけでございます。相当実績といたしましてはあがっておるわけでございまして、今後は、今度の最高方針に従いまして、法律に基づく指定ということで指定行為をもっと積極的にやりまして、今後の計画を増強してまいりたいと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 昭和四十一年度だけを見ました場合には、どのような数字が出ておりましょうか。昭和四十一年度だけを端的に取り上げまして見た場合です。お持ち合わせがなければけっこうでございますが……。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 お答えいたします。  立体交差に関しましては、踏切道改良促進法によりまして指定をすべき基準というものが省令で定められておりまして、その基準に従いまして立体交差をなすべき踏切道というものの指定をいたしております。したがいまして、これは一応五カ年間を通して、その五カ年間の中においてとにかくこれだけやらなければならぬということで随時指定をしてまいりまして、何年度分というような形での指定をいたしておりませんでございます。なお、踏切道改良促進法が四十一年から更新いたしましたものでございますから、その後にも同様な方針でさらに指定を追加をいたしてやっておるようなわけでございます。何年度の計画に対するどうということではございませんので、その点あしからず御了承いただきたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ただ私がお聞きするのは、四十一年度でどのくらいできたかということだけお知らせいただければけっこうであります。いま一番問題になるのが踏切の問題でございますが、これの立体交差を望む声はちまたに満ちあふれております。したがいまして、みんなその完成を望んでおるわけでございます。どうかこの点について、数字のお持ち合わせがなければあとで文書でもけっこうでございますが、なるべく早くこれを実施していただきたい。そのために、私鉄に対しましても強力な指導をしていただきたいと私は考えるわけでございます。この点についてはどのような指示を私鉄に対してやっていらっしゃるか、その点もお伺いいたしたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局民営鉄道部長

○山口説明員 四十一年度の工事の実績につきましては、現在またまとまっておりません、今後立体交差につきましては、お説のとおり何としても促進をいたさなければならぬものでございますので、法律で定めるところの基準の指定につきましては、これは私どもと建設省との共管でございますが、大いに指定を促進いたしまして、その計画に従いましてやってまいる。それにつきまする資金問題につきましては、建設省のほうにもいろいろお骨折り願いまして、道路予算等におきまして十分の措置を講じていただきますとともに、私どもといたしましても私鉄に対する助成措置が本年度から実行されたわけでありまして、それによりまして大いに促進をするように指導いたしたい、このように考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは次に、踏切道の改良は立体交差化が最良であるということはわかりますが、これは経費の点で非常にかかり、あるいは用地の買収等につきまして相当手間をとる。したがいまして、この緊急を要するところの踏切道の改良について、立体交差にかわる次善の策としては、政府はどのようなことをお考えでありましょうか、その点についてお伺いいたしたい。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 次善の策といたしましては、踏切道の構造改善、たとえば拡幅とか路面の整備とかそういうことでございます。それから保安設備の整備でございます。これは第四種は当然減らしていくということでございますし、第三種というものは遮断機がございませんので、これらは遮断機あり、また警報機もあり、あるいは踏切警手がいるというような第一種のほうへ格上げをしていくということが必要だと考えております。なお第二種のものは、時間的に踏切警手を置くか置かないかというふうなことをやっておる踏切でございますので、こういった第二種は極力減らしてまいりたい、こういうふうに考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 お説のとおりで、私どもの考えと全く一致しておるわけでありますが、問題はその資金の問題だと思うのでありますが、その予算的な裏づけがなければなかなかこれが実施されない、このように考えます。その点につきましてもっと急速にこれを増強し、やっていくお考えはございますでしょうか。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 われわれの従来考えておりました予算あるいは整備の計画をさらに強力にやっていくつもりでございまして、これにつきましては交通対策本部決定の基本方針の中でも、その第一に、「踏切道の整備等に関する緊急措置」といたしまして、その第一項に、「本年度予算において予定している踏切道の立体交差化、構造改良及び保安設備整備に係る事業の早期実施を促進する。」と、こういうことがうたってあります。この趣旨は、本年度の予算はともかく早めてもいいから使っていけ、あと足りないときには何とかまたあらためて考えようじゃないか、こういう趣旨が含まれておるとわれわれは解釈して努力いたしております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 了解いたしました。なおこの点につきまして、総務副長官も御同意でございましょうか。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 そのとおりでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは次に、踏切事故におきましての九九%が、いわゆる通行者のほうの不注意によるものというふうにいわれておりますが、いわゆるあぶない踏切、これをなくすためには、いろいろいまもお話があったとおりでございますが、警察庁のお方にお伺いしたいのでございますが、去る十七日に小田急電鉄に対しまして、新聞報道によりますと、小田急線の新宿−原町田間の踏切九十六カ所のうち、半数にあたる四十八カ所について設備改善の要望をし、また四十カ所については一カ月以内に一方通行、大型車の通行どめなどの交通規制を実施するということを取りきめたということが出ております。また小田急のほうにいたしましても、これに対しまして踏切整備計画に織り込んで実現につとめるといっております。この問題はそれ以前にも警視庁では、京王線、西武線、東武線等について改善を要望したそうでございますが、それに対しては実現を見ておるのでございましょうか、それともどのような状態になっておるのでございましょうか、警察庁関係の方にお伺いをいたしたい。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 危険な踏切の点検とこれに対する改良計画等の促進ということについては、かねがね警察として各都道府県ごとに、またその中でも路線ごとに行ないまして推進をしてまいったところでございます。たまたま先般小田急線の踏切の点検を行ないまして、積極的な改善方の申し入れをしましたのが新聞報道になりましたわけでございますけれども、警察として管内の踏切の点検をいたしまして、その危険度に応じて改良等の措置を申し入れるなり、また公安委員会の措置として交通規制を行なうということを、従来からやってまいったわけでございますけれども、先般の事故以来交通対策本部の決定等もございましたので、関係各省と共同いたしましてもっと総合的な対策に、警察としても強力に今後取り組んでまいりたい、そういう立場をとっておるような次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いまのように改善を要望するということはたいへんけっこうなことでございますが、実際上それがどのように実現されたかという点について、報告をお求めになっておるのでございますか。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 具体的な事例についてただいま承知いたしておりませんけれども、今後、先ほど申しましたような関係各省共同いたしまして行ないますところの総合対策として、強力に進めてまいりたい考えでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 どうかこの点につきまして報告をとるなり、また報告をとったものを基礎として実地に検分をするなりして、あぶない踏切を少しでもなくして、そうして安全な交通ができるように相協力してまいりたいと思いますが、この種の調査は全国的になされたものでございますか、それともまた地域的な調査でございますか、その点につきましてお伺いいたしたい。

関忠雄警察庁交通局交通指導課長

○関説明員 踏切の調査は各県それぞれ従来やっておったわけでございます。今回交通対策本部決定によりまして、先ほどお話がありましたような五月末を目途に一応計画が立てられますように、関係者こぞって一斉点検をいたすというような予定に相なっております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 わかりました。どうかこの点につきまして、その調査の結果改善要望が出され、しかもそれが必ず実現を見るように、警察の方々にも十分それをお願いいたしたい、こう思うわけであります。  次に、今回事故を起こしました南海電鉄につきまして、事故の直後私のほうで調べましたところによりますと、第一種の踏切が二百四カ所、第二種踏切が十一カ所、第三種踏切が二百四十カ所、第四種踏切が四百九十二カ所、合計九百四十七カ所踏切があり、第三、第四種が全体の七七%を占めているわけてございます。これに対しまして南海電鉄の踏切道改良計画数は、昭和四十一年度にはわずか三十五カ所、四十二年度におきましては、計画は、立体交差が一カ所、道路の舗装が二カ所、警報機五カ所、遮断機五カ所、その他七カ所、合計二十カ所、このように計画がなっている。なお、これに要する予算総額が一億三千七百万円計上されているということでございましたが、現在南海電鉄としまして、この会社の予算に組まれております右金額では、主たる事業に立体交差が一つしかあげられておりません。しかもその改良は、いままでも、聞くところによりますとなかなか進んでおらない、こういうふうに聞いておるわけでございますが、立体交差一カ所をつくるにしても億円以上の金がかかるということを聞いております。したがいまして、これだけの、一億三千七百万円程度のものであってはまだ不十分だと私ども思うわけであります。南海電鉄といたしましても、今回の大きな事故に対してはたいへんなことだと思いますが、政府といたしましてもより一そう強力にこの改善に対して要望できないものかどうか。また、これは他の大手の私鉄に対しましても同様のことがいえると思うのでありますが、この点につきまして、南海電鉄の場合はあまり重視していないのではなかろうかというふうに考えられます。安心して乗れる私鉄として、再び事故を起こさないためにももっともっと政府の強力なる行政指導を希望するわけでございますが、いままでも、各私鉄がそのような踏切道の改良について実施した場合に、単にその報告は鉄監局のほうへ出ているものかどうか、またその報告が事実であるかどうかというようなことについての御調査はいままでございましたかどうか、その点について伺ってみたいのでございます。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 南海の踏切事故を契機といたしまして、南海電鉄はもとよりのこと、他の私鉄に対しましても強力なる指導をいたしております。なお、南海をはじめ他の各社におきましても、先般私鉄の団体の会合がございました際に、これにつきましては抜本的な対策を講ずるように、各社とも姿勢をそろえまして実行に踏み切ろうじゃないかという決意を披瀝しておる次第でございまして、南海自体も、従来多少やはり私どもから見ましても熱意に欠けていたのじゃないか。まあそれは経費が相当かさむということと、道路管理者との間の協議がなかなかととのわない、あまり自分のほうから早くやろうじゃないか、やろうじゃないかということを言いますと、それじゃおまえのほうこれだけよけい持て、こういうふうなことがやはり現地ではあっているようでございまして、こういうようななすりつけ合いということをなくしまして、道路管理者側も、鉄道業者側も、積極的に公共の福祉のために努力をすべきである、われわれはそういうふうに感じておりまして、業界にもそういうふうに示達をしておりますし、また業界側におきましてもその決意を述べておるわけでございますので、今後はもっともっと実効のあがる態度でいけるのではないかというふうに存じております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 次に、交通安全に関連する問題といたしまして個人タクシーの問題について、本日は運輸大臣が欠席でございますので、運輸省の自動車局長にお伺いいたしたいのでございますが、三月二十七日の交通新報に、関西で、五十九歳の個人タクシーの運転者が運転中に高血圧のために意識を失って電柱に激突して死亡した、乗客も負傷したというような惨事があったというふうな記事がございましたが、これは事実でございましょうか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 個人タクシーの運転手が高血圧で倒れたということについては、御指摘の大阪のほうからの報告はまだ聞いておりません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは御存じなければけっこうでございますが、新聞に報道がありました問題でございますので御存じかと思ってお伺いしたわけでございます。この問題を一つ取り上げてみましても、五十九歳という年齢でございます。個人タクシーの免許基準につきまして、おおむね四十歳から五十五歳程度までの年齢であり、十年以上の運転経歴を有することが基準になっているようでございますが、この高年齢の者が申請し、しかも申請をいたしましても数年をたたないと免許にならないと聞いております。このような事実であるとするならば、ただいま申し上げましたような相当の高年配となりまして、このような惨事も起きかねないと思うのでございますが、免許の基準を年齢にかかわらず運転経歴十年以上、この間違反行為がない、無事故である、こういうことだけにするお考えはございませんでしょうか、お伺いいたします。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 個人タクシーを始めましたのは、自動車の運転者に希望を与える、そしてタクシー業界に新風を吹き込むというふうな趣旨で、昭和三十四年ごろから個人タクシーを認めてまいったわけでございますが、この個人タクシーを認める場合におきましては、やはりいままで長年運転手をやっておって、個人タクシーという経営と運転と両方やれるようなことを認めてやって、運転者に夢と希望を与えるという趣旨でございますので、一定の年齢以上の者をいままでも考えておりまして、そういう、たとえば四十歳ぐらいになりますと、経済的にも家庭的にも非常に安定性が生じますし、精神的な安定というような面から考えましても、その程度の年齢になった方がいい、それから事故の関係とかいろいろとそういう総合的な判断から、一定の年齢以上の人について個人タクシーの免許を認めるというふうなことでまいっております。運転経歴ということは運転の技術上のことだけでございますが、われわれのほうで個人タクシーというものを考えておりますのは、そういう運転経歴以外にも、精神的な安定性とか、家庭的、経済的な安定性とか、そういうふうな各種の要素を考えていくわけでございまして、ただ年齢の制限をはずすということは、現在のところは考えておりません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 わかりました。私もそうでございますが、都民は、個人タクシーのほうが安心して乗れる、こういうふうに言っておりますし、また、フロントガラスにあのいわゆる優良証のある車を好むということは、現在交通事故が続発しておりますおりから、当然の心情と思うのでございますが、一方、会社タクシーの運転手は、サービス業であるというその本来の使命も忘れまして、車に乗りましても返事もしないで走り出す、こういう車があるわけであります。  最近の私自身の経験でございますが、信濃町といって乗ったにもかかわらず、あまりに変わった方向へ走り出した。聞きただしたところが、椎名町に向かっているわけです。この間、まことに運転手の態度、動作が悪くて、非常にいやな思いをしたわけでございますが、また、方向転換いたしましてからも、むやみにスピードを上げまして事故を起こしかねない。こういうふうな運転手が、聞くところによりますと日雇いの者が多いというふうなことを聞きますが、そういう事実はございませんでしょうか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 タクシー運転手のサービスの問題につきましては、いろいろと悪い点を投書等で御指摘を受けますので、われわれとしましてはタクシーのサービス向上という問題につきまして、各陸運局に対しまして強く指導をするようにということで最近通達も出したわけでございますが、御指摘の日雇い運転手云々の問題につきましては、われわれのほうもそういうふうな話をときどき聞きますので、そういうふうなことはタクシーのサービスの向上、乗客接遇の面から非常によろしくないというふうに考えますので、この点に関しまして、特に日雇い運転手を使わないということについて、強く指導するように考えておる次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 御当局として日雇い運転手を使わないように指導をしているということを承知いたしまして、たいへんありがたく思うわけでありますが、一方、労働省の関係の保科課長が御出席でございますのでお伺いするのでございますが、この日雇いの運転手さんをあっせんする団体があるというふうに聞き及んでおりますが、事実でございましょうか。

保科真一労働省職業安定局業務指導課長

○保科説明員 全国で十組合ございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 名前を承知いたしたいのでございますが、労働省といたしまして、認可でございますか、しておる団体でございますね。その名前をもしお知らせ願えれば、あとでけっこうでございますが、ひとつお知らせいただきたいと思います。  また、このほかにも、もぐり業者が相当あるというような話も聞いておりますが、この点については取り締まりはいかがなすっていらっしゃるか、お伺いいたしたい。

保科真一労働省職業安定局業務指導課長

○保科説明員 いま申し上げました十組合あるといいますのは、これは労働者供給事業でございまして、一般には労働者供給事業は職業安定法によって禁止せられております。ただ、職業安定法の例外といたしまして、労働組合が無料の労働者供給事業を行ないます場合は、労働大臣の許可を得て行なうことができることになっております。それによりまして申請を受けまして許可いたしました組合が十組合ございます。そのほかに、もぐりでやっておるというような事実は、私どもは聞いておりません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ただいまの運輸省の自動車局長のお話にもございましたように、運輸省関係ではこういうものは使いたくない、一日も早く定数の確保をしなければならない、こういうふうな御意見だと思います。また、この一月には運転者の定数を確保せよという通達を各陸運局長に出しているということも承知いたしております。一方労働省では日雇いのあっせん機関を公認し、他方運輸省では日雇いは好ましくないという警告をする。好ましくない傾向を生み出すところのあっせん機関をどうして認めたのか、こんなちぐはぐな行政は改めるべきではなかろうかというふうに私は考えますが、いかがでございましょうか。この点につきまして、総務副長官並びに運輸省自動車局長、労働省の保科課長、御意見を承りたいと思います。

上村千一郎自由民主党総理府総務副長官

○上村政府委員 いま御指摘のようなことがいろいろあるわけでございます。それで交通対策本部としましてはこれを急速に調整し、そして御趣旨に沿うような処置をいたしたいというわけで、いま極力進めておるのが実情でございます。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 運転手の確保の問題につきましては、先ほど御指摘のように、われわれのほうは、道路運送法の運輸規則によりまして一定数の運転手を確保しなければならないというふうになっておりますので、先ほどから申し上げましたように、そういうふうに指導いたしておるわけでございます。その一定数の運転手を確保しておりましても、たとえば急に病気になったというような場合に、臨時に日雇いを使うことまではわれわれとしては押えているわけではございませんので、そういうときに使う場合もございましょうし、また自家用の面では、そういう面を特に規制しておるわけではございませんので、自家用の関係で、そういう日雇いを雇い入れるときもあろうかと思います。そういう点で労働省のほうの考え方とは矛盾しないのではないか、こういうふうに思います。

保科真一労働省職業安定局業務指導課長

○保科説明員 現在十組合ございますが、最近認めた事例はわりに少のうございます。昭和三十四、五年ごろに許可した事例はございます。  それから、現在の日雇いタクシーの組合でやっておりますあっせん状況を見ますと、タクシー会社へあっせんしている件数はわりに少のうございます。貨物とか自家用というところへあっせんしておるのが多うございます。日雇いタクシーのあっせんでございますが、今後は運輸省とも御相談して、また検討してみたいと存じますけれども、日雇いタクシー運転手の需要というのはだいぶ季節において波がございます。現在の職業安定所におきまして日雇いタクシーの運転手をあっせんするというのは非常に困難でございますから、早急には許可を取り消すとか、そういうことは困難かと存じますけれども、十分運輸省とも相談して、検討したいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ただいまのお話でわかるわけでありますが、自動車局長さんにお伺いしたいのは、運輸省も陸運局も運転者の定数確保という一片の通達だけでなくて、もう少し日雇いの実態、これを確めていただきたいと思う。これは実際ございます。いま労働省の保科課長さんは、あまりないというようなことをおっしゃいますけれども、実態はそうでないと思います。それが、やはり私が先ほど申し上げましたような事例をたくさんに生んでいるわけです。そしてまたたくさんの方々が不快の念を持っておることも事実ございます。この点につきましては、もう少し日雇いの実態を確めて、日雇い制度が運転者の定着性、つまり運転者の不足の原因の一つになっていることに注目して、改善策を講ずべきであると私は思うわけであります。この点につきまして改善策をぜひとも立てるべきじゃなかろうか、こういうふうに私は思うわけでございますが、局長のお考えはいかがですか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 各陸運局を督励いたしまして実態の調査をいたしまして、そういう日雇い労務者ができるだけなくなるように指導してまいりたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それからなお個人タクシーの問題につきまして、事故賠償の点についてとかくの問題があるというふうにいわれておりますが、この点はいかがでございましょうか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 御指摘のとおり個人タクシーの場合におきましては、賠償能力について不安がございますので、従来からわれわれといたしましては、そういう個人タクシーが共同で共済制度をつくるというようなことを指導してまいったわけでございますけれども、最近も踏切で個人タクシーが乗客と一緒になくなったというときに、賠償能力が不足しておるというようなこともございましたので、強制保険以外の任意保険を相当つけさせるように、今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 共済制度は相当に活用されているわけでございましょうか。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 共済制度は毎月一定の会費を引かれまして、それをもって事故があった場合に一定の額を出すということでございますが、その出し得る額というのが、最近の判例のように高い額を出し得るほどの財政的な基礎がないので、そういうことで共済制度だけでは十分でございませんので、共済制度とあわせて、先ほど申し上げましたような任意保険を強制保険以外につけさせるという方向で、両方でその賠償能力の不足を補ってまいりたい、かように考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 次に参考までにお伺いして——昨日もまたお電話でお願いしておいたのでございますが、昭和三十四年にこの個人タクシーが免許されまして以来、昨四十一年までの間に全国的に申しまして免許の件数、これを年度別に、特に東京都におきますところの免許の件数についてお伺いいたしたいと思いますが、時間もございませんので、この点については後日でけっこうでございますが、正確な資料をひとつお願いいたしたいと思います。先ほどお電話で御連絡いただきましたのは、こちらの要求する年度以降のものでございました。私のほうといたしましても不服でございます。この点お願いいたしたい。なお、それと同時に会社タクシー、こちらのほうの同年度の新免許件数及びその事業計画の台数、あるいはまた増車の台数等につきましても、昭和三十四年以降年度別にお伺いいたしたい。特に東京都における状態について文書でけっこうでございますから、ひとつお願いいたしたいと思います。  なお、個人タクシーの免許につきまして、申請してから何年もそのままに、いわゆる陸運局のロッカーの中に眠っているものがあるということを話に聞くわけであります。この点は、さようなことがあるのでございましょうか、どうでしょうか、お伺いいたしたい。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 個人タクシーの免許申請は、ちょうど昭和三十九年のオリンピックの前に数千件の申請が殺到いたしまして、その処理か渋滞しておるということでございまして、最近におきましては非常に申請件数も減ってまいりましたので、最近の年次の処理件数と申請件数との比較によりますと、処理件数のほうが多いという状態になっておりますが、何分三十九年のオリンピック前の申請が非常に多かったものでございますので、その分が少し処理がおくれておるというふうなぐあいになっておりますけれども、この処理の迅速化につきましては、できる限り努力してまいりたいと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ただいまのお話で、処理は迅速になさるというお話でございますので、それを聞きまして安心するわけでございますが、どうか一日も早くこの処理につきましてお願い申し上げたいと思います。  一つの事例でありますが、三十九年の六月一日に東京陸運局に対しまして個人タクシーの免許申請をした者が、満二年たちましても何の音さたもない。そこで四十一年の六月中旬に東京陸運局に行きましてどうなっているかを確かめにまいりましたところ、担当者の言うのには、いつごろ免許になるか私にはわからない。現在昭和三十九年三月までに提出された書類が非常な多数なために、その整理が全然進んでいない。あなたの提出は六月ですからまだまだでしょう。あなたの書類は多分この部屋のロッカーのどこかに入っています。まだ目を通していません。それにあなたの場合はタイミングが悪かったのだね。こんなふうな無責任きわまる答弁があったということを申請者が言っておるわけでございますが、このように停滞している事実が三十九年の年度におきまして相当あるということ、いまも自動車局長さんもお認めになったわけでございますが、一日も早くこれを解決をしていただきたい。しかも二年以上も全然目を通さないでロッカーの中に積み重ねておく、こういう点につきましては非常に遺憾に思うわけであります。せめて途中で一年に一度くらいは、こんな状態だからしばらく待ってもらいたいとか、そういうふうな一片のはがきでもけっこうでありますが、そういうことはせめてできないものかどうか、この点についてお伺いします。

原山亮三運輸省自動車局長

○原山政府委員 個人タクシーの申請処理が非常に渋滞しておるという問題につきましては、先ほど申し上げましたように、オリンピックの直前の申請が非常に多うございまして、その際には相当件数を処理したのでございますけれども、オリンピックが済みまして、四十年に入りまして景気が非常に後退したというふうな面もございますし、タクシーの増車の基準というものは、各陸運局長の諮問機関でございます自動車運送協議会というものがございまして、その協議会でつくっておりまして、景気の情勢等を勘案して増車の数をきめていくわけでございますので、そういうふうな面から、申請件数が、景気の上昇期でございますと非常に多いのでございます。そういう時期もございましたので、そういうふうな需要の動向を勘案しつつ処理するというふうな関係で、オリンピック前のものが残っておるということでございますので、いずれにいたしましてもこれは極力迅速化を進めてまいりたい、かように考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 わかりました。個人タクシーの問題につきましては以上で終わりますが、いずれにいたしましても相当、二年あるいは二年有半にわたりまして何の通知もなく便々と待たざるを得ない。なおその間に車庫料を払って待っていなければならない。こんな状態がございますので、一日も早くこの点につきまして、厳正なる審査の上的確な指示を下して、免許するものは免許する、しないものはしないというふうに、はりきりとしてもらいたいと思います。  それでは、最後に厚生省の医務局次長にお伺いいたしたいのでありますが、交通事故は、ほとんど自動車によるところの陸上事故が大部分であると思いますが、その際、特に頭部傷害の場合に、事故発生後三、四時間が治療の勝負どころといわれております。しかも、交通事故者の七〇%は頭部傷害によるものといわれておりますが、一般的には、適切な頭部手術を受けていればそのうち二〇%は助かる見込みがあるといわれております。しかし、救急指定病院は全国で二千五百カ所しかなく、一般に設備や人員のとぼしい私立病院が指定を受けておりまして、国、公立の設備の完備している病院は指定をされていないということを聞いておりますが、この点は事実でございましょうか。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 消防法に基づきます救急指定病院につきましては、四十二年三月におきまして三千五百三十二カ所でございます。それで、その八割くらいが私的な病院、診療所でございますけれども、あと二割が国立、公立等の公的な病院でございまして、国立の施設につきましても、八十病院ほど指定を受けておりますので、いわゆる大病院は救急医療に非協力であるというようなことはございません。もちろん十分ではございませんが……。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いまの御答弁にもあったようでございますが、指定を受けているいわゆる指定病院、私立の病院、こちらのほうが数が多いわけでございますね。それらに対しまして、条件に必要な費用の補償はされているのでございましょうか。この点について伺います。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 そういう私的な病院についての特別の補償とかあるいは補助、そういったものはいまのところございませんが、ただ、そういう私的病院の一般外科医の脳外科手術等に対する講習、指導、そういったものをやっておるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 病院側が一方的に義務を負っているというわけでございますか。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 これはもちろん強制ではございませんから、一方的に義務づけているというものではございません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そういう病院に対して、国として、補償をするお考えはございますか。いかがでございましょう。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 そういう病院は、むしろ医療費の取りはぐれ等も若干あるというような事例等もございますし、それでなくてもそういう指定病院につきましては、それだけの病床なりあるいは医療陣を確保しておかなければならぬといったような犠牲を払っているわけでございますので、これに対して何らかの形でもって補償をしたいという気持ちは持っておりまして、実はことしの予算要求にも、そういうような趣旨の私的病院に対する補償の要求も出したのでございますけれども、医療費は健康保険医療その他によって支払われているわけでございますし、これに対して補償するといったようなことの説明づけがなかなかむずかしいのでございます。ことしは実現いたしませんでしたけれども、将来は何らかの形でもってそういう私的病院に対する援助を考えたいと思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは、本年度においてはできなかったけれども、次年度においてはこれに対する補償をする考えを持っている、こう了解してよろしゅうございますか。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 今後そう努力したいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 けっこうでございます。  最後にもう一点だけ。各都道府県に国立の交通事故センター、仮称でございますが、こういったものを設けて、そこにその都道府県の脳外科やあるいは外科病院の医師あるいはベッドの有無が一目でわかるような装置をつけて、事故が起きました場合に、その事故の現場から報告が入り次第、一番近い病院を指示することができるような設備をつくるお考えをお持ちかどうか、この点についてお答えいただきたい。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 そういう考え方だけでなくて、本年度からある程度、各ブロックに一カ所ぐらいのそういう国立病院の救急医療センターを設けまして、必要な人的、物的設備をして、その地方における救急医療の中心医療機関にしたいということを、本年度から実施に移したいと考えております。その予算も組んでおります。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 脳外科センター、特に高度の脳傷のセンターはその中に含まれますか。

戸沢政方厚生省医務局次長

○戸沢説明員 そのセンターの中には、もちろん脳外科を中心にしまして、それ以外の一般外科、整形外科等も含めた、そういった医療陣、必要な設備、そういうものを含める構想でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ありがとうございました。  以上で質問を終わります。

山下榮二民主社会党

○山下委員長 本日はこの程度といたしまして、次会は公報をもってお知らせいたすことといたします。  なお、当局にお願いをいたしておきますが、先ほど山田委員あるいは松本委員からそれぞれ資料の要求がありましたが、それは早急に資料を提出されるようにお願いをいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時十九分散会

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