決算委員会 第18号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/06/27
会議録
○鍛冶委員長 これより会議を開きます。 昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。 外務省所管について審査を行ないます。 これより質疑に入ります。華山親義君。
○華山委員 外務省の予備費の使用につきまして、南ベトナムに対する問題につき、この前お尋ねをいたしたのでございますが、その際保留をいたしておった点もありますので、一応お伺いいたしたいと思うのです。 保留をいたしました最大の点は、憲法第八十九条との問題でございますけれども、これにつきまして、外務省当局は、補助指令書を出すのであるから、それによって公の支配に属するなどという趣旨の御答弁があったように思われます。そして一面からいうならば、この公益法人に対しましては、他の公益法人との関係において特に区別しておるものはないという御答弁であります。この点につきまして、外務省の答弁では私は納得ができません。政府としてどういうふうにお考えになるのか、憲法の問題でもございますので、御都合がよろしければ、法制局の御答弁をお願いしたい。
○吉國政府委員 お答え申し上げます。 私ども、この問題につきましては、事実関係は本来つまびらかでございませんので、外務省あるいは大蔵省から事実関係の説明を聞きまして、その説明に基づきまして、ただいま御質問のございました憲法八十九条との関係を検討したわけでございますが、本件は、ベトナム共和国政府の要請に基づきまして、日本国政府が、外交上の見地から、難民救済のために必要な措置をとるということでございまして、その措置をとるに際しまして、問題になっておりますベトナム協会を、いわばその手足として使いまして、それによって、ベトナム共和国政府に対して難民救済のための物資を供給するという事業を行なったわけでございます。したがいまして、その難民救済のために必要な物資を購入し、これを梱包し、運送するということは、すべて日本政府の責任において行なわれたわけでありまして、単にその実務を、ベトナム協会が便宜担任いたしたということであろうかと思います。したがいまして、憲法八十九条の問題は、この場合においては生じないのではないかというのが、私どもの見解でございます。
○華山委員 ベトナム協会は補助金をもらって仕事をしたのでございますから、その仕事は、ベトナム協会のものなのだ。ベトナム協会の名において、ベトナム協会の責任においてやらなければいけない。委託したのじゃございません。補助金なんです。その前提のもとにどうお考えになりますか。
○吉國政府委員 この予備費の支出に際しましては、ただいま華山委員の御指摘のように、補助金という名称を使っておることは事実でございます。しかしながら、日本政府とベトナム政府との間に口上書の交換が行なわれまして、ベトナム政府よりの要請に雄づきまして、日本政府が、難民救済のために一定の措置をとるということを約しておりますし、さらにまた当時の外務大臣の名前におきまして、ベトナム協会に対しまして、ベトナム政府の要請によって難民救済のために緊急の援助を行ないたい、ついてはその事業の実施を一括して委嘱するという旨を、このベトナム協会に対して委嘱をいたしております。したがいまして、名目は補助金ということでございますが、実質におきましては事務の委託、これは実際上の行政を処理するにあたりましては、その例がきわめて多いわけでございますが、その政府の行政を実施するに際して、それを他の私人なり団体なりに委託して、その活動に依存して、政府の行政を執行するということは、きわめて例の多いことでございますが、この場合も実質的には全くそれと同様でございまして、一括してこの協会にベトナム難民救済の事業を委嘱した、ということで処理したものと考えております。
○華山委員 会計検査院に伺いますけれども、そういうふうな、補助金の名において委嘱するということはできますか。補助金というものはその会の金なんです。補助金をもらったところは、その会の責任とその名において行なうのが当然ではありませんか。そうでなければ、委託費として出したらいい。出し方がある。補助金という名前を使う必要はない。なぜ委託費という名前を出さないで、補助金という名前で出したのか、私にはわからない。補助金というものは、その性格上、その受けたところの責任と名において行なうのが当然だと思いますが、会計検査院はどうお考えになりますか。
○斉藤会計検査院説明員 その御見解に対しては、会計検査院としてはごもっともだと考えます。補助金と委託費は本来違う性質のものでございます。補助金であれば、補助金を受けたもののものになるわけでございますが、委託費は、あくまで政府の委託を受けて事業をやるわけですから、御見解はごもっともだと思います。
○華山委員 そういうふうなことで、政府間の意見がめちゃくちゃだ。それで、その点については、補助金で出したということが間違いだということになるわけですね。大蔵省はおりませんか。——それでは、大蔵省の金の出し方は、委託費として出すべきものを、補助金として出したのは間違いだ、こういうふうに断定せざるを得ません。何か御回答になることがありますか。
○吉國政府委員 ただいま御指摘のように、補助金として支出するのが不適当ではないかということでございますが、私どももいろいろ従来、この予備費の支出ばかりではなく、一般会計の本来の予算上の支出でございましても、あるいは補助金として計上され、あるいは委託費として計上されているものについて、その性質上やや分界の明らかでない点があることは重々認めております。本件につきまして補助金の名称を使ったということは、やや適当を欠いたということは、私どももそう考えざるを得ないのではないかと思っております。ただ、補助金と委託費の境目は非常に微妙な点がございます。ちょっと釈明させていただきたいと思いますが、たとえば、公害防止のために石油の脱硫装置の研究をいたしたいと政府では考えて、ある会社の研究所に対して仕事をやってもらうという場合に、その会社がすでにその研究をやっておりました場合には、その会社の研究を補助するというかっこうで、補助費として支出をいたしまして、その研究の成果を政府にも利用させてもらうという形に相なりましょうし、またその研究所において当該脱硫装置の研究をするだけの設備が十分にある、しかしながらまだ研究をやっていないという場合に、委託費として支出をいたしまして、その成果を政府において利用する。その境目はきわめて微妙な点がございますので、従来とも、補助費、委託費というものの区分は明快を欠いた点はあるかと思いますが、本件につきまして補助金として支出をいたしましたのは、このベトナム協会に援助物資の調達とか梱包とか運送の実務を一括して行なわせるということで、その経費の支出額を補助金として支出すれば、そのベトナム協会が政府から委託を受けた事業を全体として処理できるであろうという程度の考え方で、おそらく補助金としての処理をいたしたものと考えます。その点につきましては、先ほど申し上げましたように、やや適当を欠く点があったのではないかというふうに考えております。
○華山委員 やや適当ということじゃないですよ。全く違っておりますよ。何を補助金として出す必要があるのです。委託費でたくさんだ。いわんや、もしもこれをベトナム協会をしてやらしむるということならば、外務省が直接やったらいいんだ。外務省が自分でやれる仕事でしょう。わざわざ事務費までベトナム協会に出してやらす必要はないじゃありませんか。そういうふうな意味で、この支出は私もおかしい。なぜこれを外務省が自分でやらないで、ベトナム協会にやらしたのですか。外務省の御答弁を願います。
○田中(榮)政府委員 従来いろいろのこういう救済とか、そういう事業を実施いたします場合に、まあ外務省自体としまして直接事業を実施した例というのはいままでほとんどないのでございまして、大体におきまして、特定の事業団体等を指定いたしまして、それに補助金を交付する、そうしたことによって、政府にかわって事業を実施していただく。事実上、また外務省それ自体としまして、そういう手足もございませんし、役所がそういうことをやること自体が非常に不適当でございまして、なかなかこういう事業はむずかしいものでございますから、そうでない他の団体に常にやらしておるわけでございますが、今後こうした場合におきましては、十分こういう点も慎重にひとつ検討いたしまして、御趣旨に沿うような方法で、今後やっていきたいと考えております。
○華山委員 私は、外務省のおっしゃることはわからない。何でもないじゃないですか。入札をして、ある商社をして物を買わす、それを送り届ければいいんでしょう。ベトナム協会というものは事業団体でも何でもない。梱包をしたり物を買い付けるところの専門のものでも何でもないのだ。外務省は外交公館等につきましても、物を買って送っているんでしょう。その大きなものにすぎないじゃありませんか。外務省の会計課がこれをやるだけの能力がないということは、もってのほかだ。自分でおやりになるべきだと思うのです。 それから、この点につきまして、私は非常に残念に思うことは、昭和二十四年に、憲法第八十九条の解釈について、当時の法務調査意見長官が、連絡調整事務局次長あてに、公の支配とは何ぞやということについて回答をいたしております。それが、私の見るところでは唯一の公的な政府の見解だと思うのでございますが、その中にこういうことが書いてある。「これらの事業はややもすれば特定の宗教や社会思想などに左右されやすい傾向があることはその性質上十分認め得るところである。」こういう事業につきまして、そういうような思想が入っちゃいかぬ、こういうことなんです。ところが、ごらんなさい。うるさいように言いますけれども、ベトナム協会は、会長は自民党、副会長七人のうち五人までが自民党、専務理事が自民党の職員、常務理事が七人のうち四人までが自民党、全くこの憲法八十九条の心配しておることがそのまま出ておるじゃありませんか。私は、こういうところにやらしたことは不謹慎だと思う。いわんや、やれないことじゃないことを、やらしている。外務省が直接やればやれることをやらしている。そしてその中にこういうことが書いてある。「すなわち、公金がこれらの事業を援助するという美名の下に乱費されること」があるといけないから、憲法が規定しておるんだ、こう書いてある。官庁であるならば、当然これを競争入札に付すべきところを、協会は競争に付していない。随意契約でやって、見積もり合わせもしていない、乱費である。しかも、その大部分の六千万円というものを引き受けたところの三井物産なるものは、この会の常務理事だ。そこで、どういうことがあったとかこういうことがあったとか、うわさされるのはあたりまえなんです。こういうことなんです。しかも、この協会はどういう協会なんだ。前に外務省当局は、大きなビルはないけれども、仕事はしておりますと言うけれども、仕事なんか一つもしておらない。東京都庁に出したこの協会からの決算報告には、事業費が予算には載っておるけれども、事業費全体が全部でゼロなんです。何もしてないということなんです。机が二つ、いすが二つ。しかも六十万円ばかりの預金は一体どこに預金しているか。大和銀行の衆議院出張所に預金している。そういう性格の——これは何も、私は協会から出したところの決算報告を見ただけの話で、別に苦労して材料を集めたわけでも何でもない。そういう、憲法が規定したところと、心配したところと、全く同じことがいまここに出てきている。 法制局に伺いますけれども、こういう八十九条というふうなものは、厳格に解すべきものじゃないか。たとえそれが実質は委託費なんだからいいんだ、こういうふうなことでも、解釈できないのじゃないか。かりに委託であったって、私はこの立法の趣旨から言うならば、八十九条に違反しているのじゃないか。法制局の御意見を伺っておきたい。
○吉國政府委員 憲法八十九条の制定の趣旨は、ただいま華山委員仰せられましたように、非常に高い理想を掲げてあるものであることは間違いないと思います。したがいまして、憲法八十九条を解釈するに際しましては、この宗教の問題とあわせて、同じように公の支配に属しない慈善もしくは博愛の事業に対する交付金の支出の問題についても厳格に解釈すべきことは、これまた仰せられたとおりであると思います。そのような観点からいたしまして、本件の問題が、憲法八十九条からして、その精神に反するのではないかというお話でございますか、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、実質においては、本来ならば外務省がみずから処理すべき事項でございまして、外務省にその事務的な能力がございまするならば、みずからその六千万円でございますか、その物資を購入いたしまして、それを適当な船を見つけて船積みをいたし、保険をかけ、一定の地点に運びまして陸揚げをし、さらに搬送してベトナム政府に渡すということが適当であろうかと思いますが、外務省には事実上そのような事務的な能力がございません。したがいまして、その援助という事務を処理するためには、他にこれを委託する以外に道がないということで、たまたまこのベトナム協会というものがベトナムの事情に詳しいというようなことからいたしまして、外務省はこれを選定して委託したものと存じます。したがいまして、外務省に本来そういう事務的な処理能力がございますならば、みずからこれを処理すれば、憲法八十九条の問題が全く生じないことは間違いありません。しかしながら、その事務処理能力がございませんので、やむを得ず他の団体に委託して、これを処理したわけでございます。しかしながら、委託をいたしましたにしても、いかなる物資を購入するか、またどういう種類の物資をどれだけの数量購入するかということも、全部外務省の指示によっておる由でございますし、またその搬送の時期等についても、外務省の指示のもとに、適当な船舶を選定したということでございますので、ベトナム協会の行ないましたことは、みずからの判断とみずからの責任において処理をしたというようなことではございませんので、ベトナム協会のみずからの事業であるというようなことは言えないのであろうと思います。したがいまして、外務省は、これに対して、憲法八十九条にいうような公金の支出をしたということではございませんで、外務省が、みずからベトナム政府に対して援助物資を送る事務の処理を、単に委託したというような見解を、先ほど申し上げましたように、とった次第でございます。そういう意味で、憲法八十九条には違反しないものと私どもは考えております。
○華山委員 私も外務省の会計課長をやったことがある、その出時は外務省と言わなかったけれども。外務省の会計課長が、あれだけの物を買って、梱包して送る能力がないなんということはでたらめですよ。何のために会計課があるのです。自分で荷造りするわけでもないでしょう。業者を選んで、入札さしてやるだけじゃないですか。そんな能力がないなんということは、これは法制局が私はおかしいと思うのですよ。役所の会計というものは、そんなものじゃないですよ。 それから、これは私はにがい経験がある。私は山形県の副知事をしていたときに、そこの赤十字病院が非常に経営困難におちいった。そして、そこの住民が、その病院を非常にたよれない、そういう状態であったので、県庁では、その赤十字病院に対して経営費を補助しようと思った。その際に政府は何と言ったか。日本赤十字社法第三十九条によって、設備には補助ができるけれども、運営費には、憲法違反だから一切補助してはいけないと言ったじゃないですか。住民が病院がなくて苦しんでいることに対しては、憲法は非常に厳格に解し、私は憲法を守るためにはやむを得ないと考えて、それを解散するために、労働組合とは三日三晩の徹夜の交渉をしたのです。そういうふうな、外務省に対してはばかに寛大で——ベトナムの難民は気の毒だと思いますけれども、そういうことのためには何ともしかたがない、住民はどんなに苦しんだってしかたがない、こういうように憲法の解釈をあっちこっちにするということは、非常に危険だと思う。その点につきまして、私の言ったことにつきまして、時間がありませんから、言いっぱなしでもいいのですけれども、法制局あたりで御意見があれば、お聞かせ願いたい。
○吉國政府委員 先ほど、山形県副知事でいらっした時代のお話でございますが、日本赤十字社は、現在では公の支配に属しているということで、私ども考えておりますが、山形県の赤十字の病院と仰せられますのか、赤十字社の病院でございますならば、これは相当程度の公金の支出はできるのじゃないかと思います。その当時、はたして私どものほうに御照会がございましたかどうか存じませんけれども、(発言する者あり)私法制局には約二十年おりまして、その当時あるいは御照会あったかと思いますけれども、この憲法八十九条の解釈につきましては、御承知のように、私立学校の問題などにつきましても、その公の支配の問題につきましていろいろ議論のあるところでございますが、私ども憲法八十九条の解釈につきましては、基本におきましては、華山委員の仰せられるところと全く同じような考え方で処理をいたしておりまして、もしも個々の事例におきまして、それにたがうようなことがございましたならば、今後十分矯正をしてまいりたいと思っております。
○華山委員 時間がなくなりましたから……。赤十字社法の三十九条を読んでごらんなさい。赤十字社法の三十九条には、施設または設備に対して国または地方団体が補助することができる、便宜を見ることができると書いてあるが、運営費については書いてないからだめだという解釈だった。したがって、運営費を出すことは憲法違反だ、こういうことだったのですよ。私は筋が通っておると思うのです。三十九条がなければそれでいいのですけれども、わざわざ三十九条に規定してあるのです。とにかく、ふらふら憲法をもてあそんでもらっては困る。厳格にやってください。厳格にやるということは、融通がなくなるということじゃない。私も赤十字とかそういうふうなものについては一応の疑いは持つけれども、しかし、そういうふうな特別の法令で持っておるところの社会事業のような法人とか、そういうものまで八十九条で縛れとは私は言わない。ただしかし、これは委託費だからいいのだとか、そのときの便宜、便宜に応じて弁を弄することはやめてもらいたい。私はこの点につきまして、会計検査院の言われたとおり、会計法を乱るものであり憲法を乱るものであるというふうに断定せざるを得ないですよ。筋を通していただきたいと思うのです。 これで終わります。 ————◇—————
○鍛冶委員長 これより文部省所管について審査を行ないます。 まず、文部大臣より、概要説明を求めます。剱木文部大臣。
○剱木国務大臣 昭和四十年度文部省所管決算の概要説明、昭和四十年度文部省所管一般会計及び国立学校特別会計の決算の概要を、御説明申し上げます。 まず、文部省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額二億二千三百三十七万円に対しまして、収納済み歳入額は二億七千十一万円余であり、差し引き四千六百七十四万円余の増加となっております。 次に、文部省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算額四千六百五十億七千九百万円余、前年度からの繰り越し額二十八億四百五十九万円余、予備費使用額二十五億九千五百四十八万円余を加えた歳出予算現額四千七百四億七千九百九万円余に対しまして、支出済み歳出額は四千六百七十億六千六百九十六万円余であり、その差額は三十四億一千二百十三万円余となっております。このうち、翌年度へ繰り越した額は二十九億一千五百三十三万円余で、不用額は四億九千六百七十九万月余であります。 支出済み歳出額のうちおもな事項は、義務教育費国庫負担金二千五百五十一億六千三百三十一万円余、国立学校特別会計へ繰り入れ千三百五十八億三千三十四万円余、科学技術振興費四十六億四千四百八十六万円余、文教施設費二百三十九億四千二百万円余、教育振興助成費二百七十六億三千六百三十六万円余、育英事業費八十九億三千二百十三万円余、青少年対策費十九億六千五百九十二万円余となっております。 次に、翌年度繰り越し額二十九億一千五百三十三万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは文教施設費で、用地の選定、気象条件、設計の変更等により、工事の施行に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。 次に、不用額四億九千六百七十九万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは教育振興助成費のうち学校給食費で、小麦粉の売り渡しに伴う売買差損額が少なかったので、これにより食糧管理特別会計への繰り入れが減少したこと等の理由によって不用となったものであります。 次に、文部省におきまして一般会計の予備費として使用いたしました二十五億九千五百四十八万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは公立文教施設災害復旧費補助に要した経費であります。 次に、文部省所管国立学校特別会計の決算について御説明申し上げます。 国立学校特別会計の収納済み歳入額は千六百七十九億七千五百九十九万日余、支出済み歳出額は千六百六十六億五千五百二十九万円余であり、差し引き十三億二千六十九万円余の剰余を生じました。これは国立学校特別会計法第十二条第一項の規定により、翌年度の歳入に繰り入れることとして決算を結了しました。 その内容について御説明申し上げますと、まず歳入につきましては、歳入予算額千六百八十六億五千九百六十八万円に対しまして、収納済み歳入額は千六百七十九億七千五百九十九万円余であり、差し引き六億八千三百六十八万円余の減少となっております。 次に、国立学校特別会計の歳出につきましては、歳出予算額千六百八十六億五千九百六十八万円、前年度からの繰り越し額十八億六千八百八万円余を加えた歳出予算税額千七百五億二千七百七十六万円余に対しまして、支出済み歳出額は千六百六十六億五千五百二十九万円余であり、その差額は三十八億七千二百四十六万円余となっております。このうち、翌年度へ繰り越した額は十二億七千八百六十万円余で、不用額は二十五億九千三百八十五万円余であります。 支出済み歳出額のうち、おもな事項は、国立学校九百四十七億八千四百三十二万円余、大学附属病院二百五十二億九千七百三十万円余、大学付置研究所百二十三億三百四万円余、施設整備費三百四十一億三百八十一万円余となっております。 次に、翌年度繰り越し額十二億七千八百六十万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは施設整備費で、設計変更、用地の関係、資材の入手難等により、工事の施行に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。 次に、不用額二十五億九千三百八十五万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは施設整備費のうち学校施設費で、学校財産処分収入が予定より少なかったのでこれに伴う施設費を要しなかったこと等の理由により、不用となったものであります。 次に、国立学校特別会計におきまして予備費として使用いたしました金額は三億円でありまして、これは国立学校における退職者の増加による退官退職手当及び国立学校施設其他災害復旧費に要した経費であります。 なお、昭和四十年度予算の執行にあたりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理に努力したのでありますが、会計検査院から不当事項五件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところと存じます。今後、このようなことのないよう適切な措置を講ずるとともに、予算の執行等にあたり留意を要すると認められた事項についても、慎重に検討の上、適正な経理を行なうよう、より一層の努力をいたす所存であります。 以上、昭和四十年度の文部省所管一般会計及び国立学校特別会計の決算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。井上会計検査院第二局長。
○井上会計検査院説明員 文部省の昭和四十年度決算の検査結果の概要を申し上げます。 検査報告に不当事項として掲げましたものは、補助金に関するもの十七事項三百三十三万七千七百九十八円でございます。これは文部省所管の国庫補助金等のうち、義務教育費国庫負担、初等中等教育助成、産業教育振興及び社会教育助成に対する国庫補助金等の経理におきまして、過大な精算を行なっておるもの、補助の対象とは認められない事業に対して国庫補助金等を交付したものなどについて指摘したものでございます。 なお、以上の不当事項のほか、東京大学宇宙航空研究所における観測ロケット関係経費の経理につきまして、留意を要すると認めたものを、概説に記述してございます。 以上、簡単でございますが、検査結果の概要の説明を終わります。 —————————————
○鍛冶委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古川久衛君。
○吉川委員 財団法人学徒援護会のおい立ちと現状を御説明願います。
○清水説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。 財団法人学徒援護会の沿革でございますが、昭和十九年の十二月に、戦争中でございますが、閣議決定によりまして、動員学徒の援護事業要綱の一環といたしまして、昭和二十年三月に動員学徒援護会が設立されたわけでございます。その当時の仕事といたしましては、やはり学生会館の問題とか、あるいはまた動員学徒の援護事業を行なっておりましたが、戦後、学生の宿舎が非常に不足しておる状況からいたしまして、主として学生用の学生会館を経営して、経済上非常に困っておりかつ優秀な学生を収容するという学生会館の経営、それからまた、御承知のとおり経済的な問題からアルバイトという問題もございまして、アルバイトのあっせん、こういうようなことを主体にいたしまして、戦後切りかえて今日に至っておるわけでございます。現在におきましては、御承知の東京学生会館を合わせまして十一の学生会館、地方にもございますが、学生会館と、学生アルバイトなんかを含めまして八つの学生の生活相談所を経営いたしておるわけでございます。 なお、これの予算面でございますが、四十二年度分につきまして考えました場合、約二億一千万程度の予算を組んでおりまして、寮費等の収入が約一千万強でございまして、あと二億ちょっとが国庫補助、こういうことで、全額国庫補助に近い団体として運営をしてまいっておる、こういう経緯でございます。 簡単でございますが、お答えといたします。
○吉川委員 昨年本委員会で問題になった、皇居北の丸公園に関連して、北の丸公園内にありました学徒援護会の旧東京会館といいますか、その処分をしましたその後の状況について、お聞かせ願いたい。
○清水説明員 いま御指摘のとおり、北の丸地区の旧東京学生会館につきまして、いろいろ問題がございましたが、御承知のとおり、公園地区ということで、それの事業を開始したいという建設当局、関係方面の御要請がございまして、昨年の十一月の二十日に裁判所の決定に基づきまして、退去の執行がなされたわけでございます。と同時に、あの地区の建物の取りこわしが、現在私ども見ましたところ、全部取り払われております。 その後の状況ということでございますが、北の丸地区に関しましては、その裁判所の決定を執行しました時点で、国のほうへ学徒援護会から返還をしたわけでございます。借用物でございますので、返還をいたしました。現在では、下落合にございます新東京学生会館へ希望者を収容いたしまして、そこで新しい東京学生会館として運営をなされておるわけでございますが、下落合の分につきましては、現在さような問題なりあるいはトラブルが起きておるというふうには、私ども承知をいたしておらないわけでございまして、正常に運営されておる、こういうふうに見ております。
○吉川委員 旧来京会館に入っていた連中ですね。落合へ行かないで残っていた連中、それはどこへ行ったんですか。
○清水説明員 旧学生会館に入っておりましたうち、新館ができまして、移転の時点で、百数十名が、これは穏便に、また希望どおり新館に入ったわけでございます。その後残っておりました分につきましては、一部は、私ども十分には詳細承知しておりませんが、各大学の学寮に分散して入る、あるいはまた下宿へ入る、こういうふうにまちまちになっておると思うのでございます。あの執行をいたしました当時におきましては、相当数の学生が、ちょうどあの当時明大紛争が起きかかっている時点でございまして、あの辺の寮へ一時しのいだことはございますが、その後各大学の学寮に分散をして入っておる、こういう状況でございます。
○吉川委員 落合にあのようなりっぱな会館ができたのになぜ応じなかったのか、行かなかったのか。それから、裁判所の執行を待たずして行かない。どういう理由でそういう行動をとられたのか、その辺の事情をちょっとお聞かせ願いたい。
○清水説明員 私ども承知しております範囲から申しますと、一つは、表向きには寮費の問題が言われております。旧会館におきましては一カ月百円でやってまいった。新館は鉄筋でございまして、三百円に値上げをする、こういう、百円から三百円の金額の問題があったかと思いますが、端的に申しまして、それよりも、私ども非常に大切だと思っておりますのは、実は従来の学生会館の運営につきましてあいまいな点がございまして、と申しますのは、この旧会館時代に、各大学から推薦を受けまして、学徒援護会のほうで学生側の意見も聞きつつ、援護会で入寮者を決定してまいる、こういうたてまえになっておったわけでございますが、その辺が十分に行なわれていなかった、こういうようなこともございまして、新館の管理運営につきまして、適正にきちんとやっていきたいということで、管理規程を制定する、こういう態度が学徒援護会側にもあったわけでございます。これに対しまして、旧館の学生側のほうで、会館の自主管理、こういうことを主張しまして、そういう規制のもとで入るわけにはいかない、自分たちの自主管理にまかせよ、こういうことでございます。学徒援護会側といたしましては、国庫からほとんど全額に近い国庫補助を受けて運営されておる団体でございまして、管理運営の責任を負っておりますので、その学生側の主張はのめないということで対立をしたまま、学生側がみずからの主張を曲げなかった、こういうところに根があったと、かように私ども承知しておるわけでございます。
○吉川委員 現在、学生寮の現状はどうなっているのか。国立、公立、私立の各大学、それから援護会、各府県その他の団体の経営する学生寮というものがありますが、それはどういうふうに文部省としては扱っておりますか。
○清水説明員 国公私立の間で、私どもの立場としましては、取り扱い上差があるわけでございますが、いま御指摘になりましたように、大学自体の寮、また学徒援護会が経営しております東京以外の支部の寮があるわけでございますが、全部が全部問題を起こしておるというふうには考えておりませんけれども、最近のいわゆる学生運動の現状から見てまいりますと、これらの寮なりあるいは学生会館問題というのが非常に多い件数にのぼっておるわけでございます。そこで、国立が、確か寮が、会館等三十三とか、あるいは寄宿舎で百二十一とか持っておりますけれども、全部が全部どうということはございませんけれども、やはり全国的に見まして、国公私あるいは学徒援護会の支部の寮を通じまして、一般的に申し上げられますことは、ある種の学生運動の立場に立ちまして、これらの自主管理、自主運営ということを学生側がねらってきておる。これに対しまして、大学当局側が、一貫した姿勢のもとに管理運営に当たっておるところにつきましては、多少のトラブルがございましても、これは最後的にはおさまってまいりますけれども、その経営者のほうで経営の姿勢が一貫をいたしていないとか、あるいは学内なり団体自体として意思統一がなされていないという場合におきましては、御承知のとおり、いろいろな紛争が起きたり、あるいは長引いたりするケースが非常に多く起きておるわけでございます。私どもといたしましては、寮なりあるいは学生会館の運営につきまして、学生の意向は尊重をしていかなければなりませんけれども、管理運営の責任主体は経営者側にあるという立場でひとつ臨んでもらいたいということを、いろいろな研修会等なり会合の席で御指導をいたしておる、こういうことでございます。 なお、学徒援護会の地方支部の経営しておりますものにつきまして、規模は旧東京会館ほどではございませんけれども、そういう自主入寮とかいうようなことがございまして、裁判上の問題でいま係属しておるような寮が若干ございます。そういう状況でございます。
○吉川委員 私のただいま伺っておるのは、学生運動のことだけではない。学生の授護事業としての学生寮、それがどの程度に普及をしておるのか。それは大学だけなのか。いま伺うと、援護会もやっておるという。私の承知しておるところでは、各都道府県でも文部省の助成を受けてやっている。それがどの程度に普及しておるのかということを伺いたい。
○清水説明員 私どもいま承知しております限りで、都道府県の経営しておりますものは約四〇%程度、こういうふうに理解しております。おそらくそのほかに法人で寮を建てておられるものがあろうかと思いますが、これの数なり実態につきましては、私ども遺憾ながら、いまの段階で数字的にも承知をいたしておりません。いまお話がございましたように、学生運動という立場からだけではなしに、学生寮なり宿舎の問題が、住宅事情等の関係で、非常に学生の生活環境の点からいたしまして、大事な問題である、こういうことは十分承知をいたしております。そこで国立の大学につきまして、いろいろな管理運営上の情勢等も勘案しながら、大学当局の希望、そういうものも勘案しながら、学寮の整備をいたしておる、こういうことでございます。それだけではなお不十分でございますので、学徒援護会の寮なりあるいは都道府県自体でおやりになっておる寮、そういうところに依存せざるを得ない、こういう実態でございます。
○吉川委員 学徒援護会というものが、戦争直後、動員学生の援護ということからスタートしたというのですが、もうそういうような状態はなくなったので、各大学に独自の寮をつくらせるような考え方をしなかったものなのか。各大学で相当寮を建てつつございますが、それと、また学徒援護会は学徒援護会として、全額に近い国庫助成をやっている、そこらあたりのけじめがはっきりしていないのでございますけれども、どういう方針でこの学生寮に対する今後の運営をやっていこうとするのか、基本的な考え方を伺いたいと思います。
○谷川(和)政府委員 ただいま御指摘のございました学徒援護会の寮の問題につきましては、実は北の丸公園の建設の時期におきまして、学徒援護会の旧東京会館の移転の問題が起こった時点において、非常に各方面で論じられたところでございます。ただいま吉川委員の御指摘のございましたような方向で考えるべきだという議論も、もちろんございました。しかしながら、学徒援護会そのもののやってまいりました事業、それから過去におきまするいろいろないきさつその他から勘案いたしまして、相当大きな金額の国費をかける事業でございましたが、文部省といたしましても、下落合に移転をするということで、あの時点において踏み切ったわけでございます。 ところで、学校の寮でございまするが、ただに学校の寮ばかりではなくて、学生問題として、学生会館の問題、あるいは学生寮の問題、非常にきびしい問題がございます。この問題をめぐって、大学当局と学生の間に紛争を生じている例も、これはただ単に国立大学がどうとか私立大学がどうとかいうことでなくて、各大学でそれぞれ起こっているわけでございます。しかし、文部省といたしましては、特に国立大学の寮の建設、学生会館の建設には責任を持っておりますので、こういった施設は学校の施設であるということ、すなわち、課外教育施設として、大学当局の権限と責任において、管理運営をはっきりしてもらいたい、こういうことで今日まで指導を続けてきておるわけでございます。今後も大きな面で——先ほど吉川委員の御指摘のございましたように、学徒援護会の性格そのものもございますが、今後のこの学生寮の問題にいたしましても、さらに学生の勉学の環境の整備という面からいいましても、学生寮の建設には努力をいたしていきたいと思いますが、それにつきましては、ただいま申し上げましたように、大学当局のほうにおきまして、管理運営の面においてしっかり責任を持ってもらいたい、これが基本の指導理念といいますか、指導いたしてきました考え方でございます。
○吉川委員 お茶の水女子大に豪華な寮ができたのですけれども、何か淑女たちの、紳士協定は信じられませんという事件が起きて、父兄は非常に期待しているのだが、建てっぱなしで利用されないということを伺っているのですが、その後の成り行きはどうなっておりますか。
○清水説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、相当長期間、旧寮から新寮へ移る問題につきまして、当局側と学生側との問でいろいろトラブルなどがあったのは確かでございます。実は六月二十五日に学生側と当局側の間で話し合いができまして、二十六日に新寮のほうへ移ったわけでございます。旧寮の一棟はこわさないということになっておりまして、そのこわさない部分につきましては問題なかったわけでございまして、これは数十名が残っておりますが、新寮のほうへ二十六日全部移転をいたしました。このときの問題は、表向きは寮費をめぐって起こったわけでございますけれども、この寮費の負担の問題につきましても、私どもが平素から指導しております線で、学生側ものんだ、こういう事態でございます。非常に御心配をかけましたが、六月二十五日で決着がついた、こういう情勢でございます。
○吉川委員 お茶の水ばかりではございません。先ほどの学徒援護会の旧東京会館、これも寮費をめぐってだったそうでございますけれども、百円が三百円になった程度、それで高いということで問題が起こっているということは、何か原因はほかにあるように私たちは思うのです。学生の言い分を聞いておりますと、自治の慣行を貫くことができないと言っているのでございますが、学生の自治、大学の自治、自治の定義というか限界というか、そういうことを、ひとつ文部政務次官から……。
○谷川(和)政府委員 たいへんに大きな問題でございます。しかもこの問題は、単に問題が大きいばかりでなく、現在の日本の学生の置かれました社会的ないろいろな問題からいって、大きな社会問題でもあるかと思います。したがって、これまた国立大学の例をとりますと、国立大学の学長が集まってつくっております国立大学協会におきましても、この問題は、部会まで設けて非常に熱心に討議された点でございます。そして昨年その結論が出ておりますので、私の記憶をたどりながら、その結論についてちょっとお知らせさしていただきたいと思うのでありますが、根本的に旧しますると、学生の自治は学園の自治とは本質的に異なるものであるという結論が出ておるように、私は記憶をいたしております。すなわち、学園の自治というものは、学問の自由を確保するために、慣例上日本の大学が持ち続けてきた機能的な自治であります。しかし学生自治は、その大学が学校として学生を指導する、教育する、そういう面において、学校側が、これだけのことは学生に認めたらば教育上非常に好ましい効果があがるであろうと思われる範囲の中で、学生の勉学の活動の中に与えられた、一つの教科の中の自治なんだということであります。したがって、学生の自治そのものは当然、学校側が立てる大きな長い意味の教育計画、長期教育計画の中で考えられるべきであり、かつまた、学生の自治というものは、そういった意味で教育の範囲の中で行なわれるべきである、これが第一点。もう一点は、学生が学園の中で言う学生自治と、それから学生が——大学生は、当然のことでありますが、大半が社会人として認められるわけでありまするが、学校外で行なわれる学生のいわゆる自治的活動と申しますか、こういうものは判然と区別されるべきである、やはりこういう結論が出ておるように記憶をいたしております。したがって、この学生の自治と学園の自治という問題に関しては、少なくとも国立大学の中では、比較的今日ははっきりと確立されておるものだ、かように私どもは判断をいたしております。
○吉川委員 最近、学生会館をめぐって、学年側と大学当局とたいへん問題が起きております。ことしの騒動はどこの大学、来年はどこがやるというスケジュールも組まれているがごときでございます。会館の管理運営の状況というものがまことにでたらめで、学生会館は一体大学のものなのか、それとも学生のものなのか、一向にわからないような状態になっております。これはもう国公立においても私立大学においてもそうなんです。運営委員会のようなものがあるようでございますけれども、その構成なんかどういうふうになっているのでございますか。私は、学生を入れた運営委員会を認めてもいいのですが、学生には発言権はあっても、議決権まで与えるような——また、ある大学のごときは、学生だけで運営をして、その会館のかぎは学生が管理している。まるでもうめちゃくちゃでございますね。そうして、そういうことに明け暮れて、少しも学問、勉強をしない。国立大学のごときは、国民の税金を百万以上使っているのだ。そうして勉強しないで騒いでいる。一体監督官庁としての文部省は何を考えているのか。全く手放しのようにしか見えない。これは、管理運営について、もっと管理体制を確立する必要があると思うのですが、そういう点についてしっかりお考えを願いたいと思うのですが、いかがでございますか。
○谷川(和)政府委員 大学の管理運営、特に国立大学の面に限って申しますると、御指摘のように、大学の物的財産はこれはことごとく国有財産でございます。したがって、その国有財産の管理運営については、大学当局がその責任を持ってもらいたい、これは基本的な態度でございます。ただし、内容の問題につきましては、これをどう運用するかということに対しましては、日本の大学は歴史的に、伝統的に、非常にすぐれた制度を確立いたしております。すなわち学園の自治でございます。この学園の自治の問題につきましては、文部省といたしましては、これに踏み込むという形で、学校の管理運営権を直接責任持つという考え方よりも、むしろ、いままでの伝統的な管理運営の制度を確立することが学園の自治につながることだ、こういう基本的な態度で進みたいというふうに考えておる次第でございます。したがって、文部省の、各大学、少なくとも国立大学に対しまする立場は、指導助言の立場でありたい、かように考えておるわけでございます。
○吉川委員 実は、問題に取り上げたい国立大学があるのでございますが、きょうは時間がございませんから、省略いたします。 次に、学校給食の管理運営に関連をいたしまして一、二の点を伺っておきたいと思います。 学校給食の施設の監督はどこがするのか。施設、すなわち調理場の近くに便所があったり、それから上水道の施設が不完全であったりした場合に、これが改善指導はだれがするのか、その辺について伺いたい。
○赤石政府委員 学校給食の施設も学校の一部でございますので、一般的には、市町村の教育委員会でございます。ただ、直接、教育委員会にかわりまして、学校長が具体的にあずかっておりますので、学校長に大きな責任があろうかと思います。
○吉川委員 全国名所に、施設の不完全なために、赤痢やチフスの伝染病が発生して、大ぜいの生徒が罹病して、大騒ぎをしているところがございます。そういったときに、保健所は、病人が出れば保健所が入り込んでまいりますけれども、病人が出ない前の、その施設の不完全な状態に対して、これを改善させる方法がないのです。その点はどういうふうにやっておいでになるのです。
○赤石政府委員 先生も御承知のように、昔から、学校の子供の保健につきましては、特殊な成長過程にある子供でございますので、学校教育の中でも、保健教育を重視しなければならないということで、学校でも大きく保健ということを取り上げておるわけでございます。したがって、まず第一には、学校が、さようなことのないように、責任を負ってやっておる次第でございますが、御指摘のような大量な赤痢とかそういう伝染病、そういうことも間々——私どもは最近はそう多くないと考えておりますが、そういう事例も絶無でございません。そこで、法律のたてまえにおきましても、厚生省系統の保健所の協力を得て、さような事態を未然に防止し、またそうした事態が残念ながら発生した場合におきましては、これはどうしても学校側の手だけには負えるものではございませんので、そうした衛生当局の絶大な御協力をいただく、こういうたてまえになっております。
○吉川委員 保健所の協力を得ると申しますけれども、実際、現実は病気が発生してから保健所が入ってくる。その前は、保健所というものは全然入ってこない。ですから、ここはこうしなければいかぬとか、ああしなければいかぬと改善意見を父兄から出しましても、予算がないからできない。教育委員会なんか、全くこういう問題については、もう逃げていて相手にしないのですね。厚生省の保健衛生の立場から、何かこういった問題について考えたことはないのか。それとも、文部省と厚生省との共管で、もっと事前に防ぐことのできるような方法を講ぜられないものか、その点について、厚生省の所見を伺いたい。
○湯澤説明員 確かに、いま御指摘がございましたように、地域の保健衛生の立場と学校の衛生問題は、きわめて密接な関係がございますので、そういう意味では、地方教育行政の組織及び運営に関する法律ですか、その中で、保健所がいろいろ教育委員会に助言とか、要するに技術援助を行なうというたてまえを盛られておりまして、いまの学校給食につきましても、中にはそれは少し手薄なところがあるかと思いますけれども、実は学校給食を始めるとか、施設をこういうふうにつくって仕事を始めるというときには、なるべく保健所のほうに事前に御相談に来ていただくように、実は御指導申し上げております。そしていろいろ御相談をして、中には栄養士さんが配置される学校もありますし、あるいは数校に一名の栄養士さんがいらっしゃる、そういう問題、それから、実は献立の問題につきましても、保健所側でも御相談を申し上げる、原則としては、そういう方向に進んでいきたいという意味で、場合によりますと、学校関係の打ち合わせ会とか、そういうようなことで、私どもの予算のほうにも、この学校関係とタイアップしていろいろ仕事をしますために、たとえば学校給食に関し、あるいは養護教員の方々とか、そういう方々との打ち合わせ会を開催するための経費とか、それから学校給食に携わるような方々の検便を、年に一、二回でございますけれども、お手伝いするとかいうふうな経費も、保健所のほうの経費に盛られておりまして、いろいろお手伝いをすることについてはやぶさかではございません。ただし、御指摘のように、年々食中毒でありますとか、伝染病の発生が、ほかの施設にもございますが、確かに学校からも発生をいたしたりします。ただし、社会的に表に出ますのは、そういう病気が発生したときは、往々にして強くクローズアップされるのでありますけれども、平素も、実は一生懸命にやってはおる次第でございます。
○吉川委員 給食制度も非常に長所がございますが、短所といたしましては、集団赤痢、集団チフスというような伝染病には、大ぜいの者が同じ給食ということで、被害をこうむることが多いのです。だから、あまりなわ張り関係を考えないで、協力して、そういうことの根絶のために、特に御配慮をお願いをいたしておきます。
○鍛冶委員長 佐藤觀次郎君。 〔佐藤(觀)委員 「文部大臣が来なければしょうがない」と呼び、その他発言する者あり〕
○鍛冶委員長 それでは、大臣が見えましたので、佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 三十分という約束で、文部大臣おでかけになったのだけれども、こういう約束だけは守ってもらわぬといけないと思います。 きょうは、文部省の不正事件がいろいろあるので、そのことについてひとつお尋ねしたいと思いますが、剱木さんは次官をやっておられて、非常に名次官といわれておりましたけれども、今度の文部省に関する処分の処置を見ると、ほとんどふしぎと福岡県ばかりなんですね。これはあなたの文部大臣のときじゃないときでございますから、それはあまり追及しませんけれども、これは非常に皮肉な現象だと思うのです。こういう点についてどういう感想を持っておられますか。これは剱木さんに気の毒ですけれども、現に事実があらわれております。文部省の処分されておりますのは、全部福岡県ばかりの問題なんですが、あとでまたあれしますが、この問題についてひとつ……。
○剱木国務大臣 文部省の不当事項として指摘されておりますのが、福岡県ばかりに五件ございますが、まことに申しわけないことだと存じております。私、これは全般的に、文部省としましてその指導が十分でなかったことについては、深く反省をいたしまして、申しわけないことだと思っております。 ただ、福岡県ばかりにこういう不当事項が起こりました原因でございますが、そういう学校事務については、これらの指導は、各府県ともやはり県が相当御指導いただいておると思うのでありますが、福岡県の場合は、御承知のように、教育委員会と文部省との連絡がこれまで非常に困難でございまして、具体的にこういう問題について微細に打ち合わせをするとか、文部省の行政指導をするという機会が、非常に、ほかの県に比べますと、その間に支障があったように思うのでございます。こういう点には今後とも十分留意をいたしまして、県当局ともお話をし、市町村とのつながりにつきましても留意をしてまいりたい、特に福岡県だけ多かったことについて、心から申しわけないと思っております。
○佐藤(觀)委員 たしか戦後間もなくのことだと思うのですが、愛知県に起きた問題ですけれども、杉浦民平君が「ノリソダ騒動記」という小説的な暴露小説を書いた。それによりますと、これは伊勢湾台風の前の十三号台風だと思うのですが、そのときに、まだ十分に使える学校をわざわざこわして、おそらく小中学校だと思うのですが、予算をとって新しい校舎をつくって得々としておったある政治家のことを、非常に暴露したのですけれども、この杉浦民平という人は生きておりますし、いまは小説家でやっておりますが、こういうような、非常にいろいろ問題があるのですけれども、こういうことが実際地方で行なわれているのじゃないか。ある点までまじめな学校が、老朽校舎ではぐあいが悪いということでやっておるのが、いいこと幸いに台風十三号のあれを利用して新しい校舎をつくるというような、こういう弊風が今日まで残っておるのじゃないかということで、私は心配するのですが、剱木さんは文部省に長くおられたし、次官までずっと長くやっておられて、そういう方面について相当なあれだと思うのですが、こういうことがいろいろな問題で、きょう出ておる五件の事件そのものは、私は額とすればたいしたことはないと思うのですけれども、何か、私はこういうことが一つの風潮になっておるのじゃないかということを心配するのですが、その点はどういうようにお考えになっておるのか、伺いたいと思います。
○剱木国務大臣 終戦後におきまして、災害復旧とか老朽校舎とかそういったようなものについて、多少、そういう処理につきまして、不適当と思われるものがあったことは聞いておるのでございますが、最近に至りましては、こういう問題について非違行為がないように、十分、災害の場合におきましても老朽校舎につきましても、厳密な調査をいたしまして、補助をいたしておるのでございまして、そういうことは、私ども絶対ないと確信をいたしております。
○佐藤(觀)委員 それから、まだ行なわれていると思うのですが、これは文部省ばかりの責任じゃないと思うのですけれども、地方の中で、老朽校舎の点数ですね、点数で、ある点数にいけばこれは老朽校舎になる、しかしそれ以上はだめだ、ということで、わざわざ老朽校舎にするために、学校の建築物をいためるようなことをやっているところもあるのです。これは現実にあるのですが、そういうようなことについては、もう少ししゃくし定木じゃなくて、そういう実際に悪い学校は悪い学校だし、それから生徒もおるわけですから、危険な状態ならば、これは危険校舎、老朽校舎に指定するのは当然だと思いますが、ただその点数にあまり片寄るということが、私は何かそこに問題か伏在するのじゃないかと思うのですが、この点は改革する御意思があるかどうか、これをひとつ大臣から伺っておきたいと思います。
○宮地政府委員 お答えいたします。 現在のところ、一応、御指摘のように、新築のもの、りっぱなものを一万点満点といたしまして、四千五百点以下のものを危険校舎、改築の補助対象ということにいたしております。これにつきましては、もう少し点数を上げるように、五千点もいいではないかとか、いろいろな御希望もございます。ただ、全体の事業量の関係等を勘案いたしまして、一応そのようにいたしてありますが、しかしながら、四千五百点というものは一応の基準でございまして、その点数が一点でも上であれはどうというほどのものではございませんので、一応それをめどにいたしまして、できる限り、実情に即するような方法でやっていきたいと思います。
○佐藤(觀)委員 宮地管理局長からの御説明ですが、中央においてはわりかたゆるやかなような考え方ですけれども、地方に行きますと、やはりそういう点、どうしてもゆるやかには考えておらぬ点がありますから、これは将来十分に考えて、私がいま申しましたような不正が起きないように処理していただきたいと思います。 それからもう一つ、これは文部省でも最近討議されておるようでありますが、大臣にお伺いしたいのは、例のアメリカから大学の研究の補助費をもらっておることで、だいぶん物議をかもし問題になったことですが、私は、必ずしも研究がすぐベトナム戦争につながるということは申しませんけれども、しかし、どうも文部省に黙って、大学が直接研究の費用をもらっておるということは、いかにも日本の国としてだらしがないし、また日本が敗戦した当時なら別としても、敗戦後二十数年たっておる今日、何でも外国から資金を仰ぐというやっつけ仕事というものは、どうも何としても納得がいかない点でありますが、今度文部省も、それに対する対策もいろいろ講ぜられておるようでありますけれども、こういうことの経緯とそれから今後の処理について、ひとつ御説明願いたいと思います。 〔委員長退席、吉川委員長代理着席〕
○剱木国務大臣 アメリカの陸軍から、日本の研究者、特に大学の研究者が、過去約十年間相当の援助をもらって研究をいたしておりました実情につきましては、しばしば御質疑がございまして、その実際をはっきり明確にさせてまいったのでありますが、この点につきましては、研究者並びに大学当局におきましても、相当この問題について反省をいたしておりまして、先般来、文部省としましては、大学、国立学校の特別会計制度のあり方につきまして、関係者を集めてこれの善後措置につきまして、その研究を重ねてまいっておるのでございます。それで、その研究の結果におきまして、これらの措置につきまして、十分今後の取り扱いについで正しい方法に切りかえてまいりたい、こういうことで、具体的な案をいま練っておる最中でございます。なお二十八日には、国立大学の学長会議がありますので、この点につきまして、私は強くこの大学自体の反省を促してまいりたいと思っております。ただ結論といたしましては、約十年間にアメリカの援助を得ました金額は三億八千万でございます。今日、科学研究費として文部省が出しておりますのは約四十一億、しかもその科学研究費の査定におきましては、実際上の申請額の約十分の一が査定になって、研究者に配分されておる実情でございます。そこで、その内容を調査いたしまして、基本的には外国のそういう援助を受けなくても、必要な研究は、国でやはりその研究をいたすように措置をしなければならぬと私は存じておりまして、四十三年度の予算におきましては、これらの研究費の支出の方法につきまして、また金額につきまして、十分予算的措置を行なってまいりたい、この決意で、ただいま調査を進めておる次第でございます。
○佐藤(觀)委員 それから、これは会計検査院から注意された問題でありますが、東大の宇宙研の問題の、ロケットの支出があまりに膨大なために、あとでいろいろな問題があって、初め請け負わせるときと最後と非常に食い違いがあって、責任者はやめられたようでありますけれども、こういうことについて、あまりにルーズで、これは会計検査院からきつく注意されておりますけれども、これは初めてのことで、そういういろいろむずかしい問題があると思うのですけれども、こういうことについては、文部省としてやはり相当検討して、こういうことの注意がないような処理をすべきでなかったか、こんなように考えるのですが、この点は一体どういうように処理されているのか。また今後どのようにやっていかれるのか承りたいと思います。
○井内政府委員 お答えいたします。 昭和四十年度の決算検査報告におきまして、改善を要する事項といたしまして、東大宇宙研の関係の経理が御指摘を受けました。ただいま御意見がございましたように、文部省といたしましても、きわめて申しわけのない遺憾なことと存じております。検査報告を受けるようになりましてから、この契約は東京大学で行なっておりますが、東京大学のほうと、この改善策につきまして、ただいまいろいろな点を検討いたしておりますが、まず第一点といたしまして、ただいまも御意見ございましたように、研究開発を伴いながら、設備等を製造いたしますにあたりましては、契約時点におきまする予定価格の作成というものに非常な困難を伴う状況でございます。したがいまして、契約方式それ自体を何かもう少し実態に即した契約方式に改善できないか、という点が第一点でございます。この点につきましては、通常行なっておりまする契約方式を確定契約方式というふうに申しておりますが、この確定契約方式を、より一そう厳密にやってまいりまして、改善をはかるということが一つと、もう一つは、確定契約方式でない、いわゆる契約時点におきまして限度額を定めますけれども、最終契約額を確定するのは、実際にその製造にどういう経費を要したかということを精査しまして、それで契約額を確定する、こういう方式も新たに採用したらどうかということで、ただいま、実際に契約を行ないまする東京大学と文部省との問で相談をいたしておりまして、近く成案を得ましたら、四十二年度中からでも切りかえたい、かように考えております。 それから第二の問題といたしましては、国立大学の研究設備は、東京大学の宇宙航空研究所のロケットのみならず、研究設備で、契約面で見ますと、非常に質のむずかしい契約が多うございます。その意味で、今回の東大のロケットの問題を、東大の問題にとどめることなく、先般も旧七帝大の経理部関係の職員を集めまして、今日の事態に正しく対処し得るような契約の諸方式、現在やっておりまする契約内容の改善等につきまして、国立大学全体の問題としてこれを取り上げていこうということで、特別の研修を企画いたしまして、実施いたしたりいたしておるところでございます。文部省といたしましても、現在日進月歩いたしまする学術研究に要しまする研究設備の製造契約が、正しく妥当な価額で行なわれまするように、今回の東大宇宙研の御指摘を前向きの問題といたしまして、国立大学全体の問題として推し進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○佐藤(觀)委員 会計課長からいろいろ精密な答弁がありましたが、そのほかにも、産業教育の振興費のいろいろなことで、横流しした問題とか、あるいは社会教育の助成費を使い込んだりしたり、価額としてはたいしたことではありませんけれども、相当間違ったことを福岡県でやっておる事実が、これは会計検査院からあげられております。そんなことを一々こまかいことを言うわけじゃありませんけれども、私は、文部省というところは、御承知のように教育の府でありまして、裁判官とか教師、教諭というものは社会の師表になる、幾ら道義が衰えても、社会の師表になる立場であるので、社会に対する責任が重いと思うのです。そういう点で、額はたいしたことではないけれども、私はやはりそういう点でえりを正す必要があるのじゃないかと思うのですが、この点について、大臣はどのように考えておられますか、お伺いいたします。
○剱木国務大臣 全く御意見のとおりでございまして、私ども、特に文教行政につきましては、経理その他につきまして、額の多少によりません、そういったような非違行為の起こらないように、全力を注いで、今後とも努力してまいる決意でございます。
○佐藤(觀)委員 それから、いろいろ言明されておりますが、補助金の合理化のことについて、文部省は四十二年度において、補助金の整理合理化をどのようにやられるのか。もし方針があれば、大臣でも事務当局でもけっこうでありますが、伺っておきたいと思います。
○井内政府委員 文部省関係の補助金は、相当事項が多うございまして、いわゆる少額の補助金等もございますが、昭和四十二年度の予算の編成にあたりまして検討いたしましたところを、最初に御報告申し上げます。 第一点は、これは都道府県、市町村からの要請もあったのでございますが、社会教育関係の補助金につきまして、事項が非常に多くて、一事項ごとの補助金額があまりにも少ない。したがいまして、従来の社会教育関係の補助金を、都道府県関係の補助金と市町村関係の補助金とそれから社会教育関係の設備の補助金、大きく三つに、補助金のそれぞれの事項をくくりまして、その中で、それぞれの都道府県なり市町村がどの事業をやりたいかという希望を徴しまして、それに即応をした執行ができるように、こまかい補助金を大きく統合をいたしまして、これを使いまして補助事業を展開いたしまする地方団体の要請に応じやすくするということを、まず第一にいたしました。 第二に、同様の事情がスポーツ関係の補助金についてもございますので、これも、従来ございましたこまかい事項を、市町村と都道府県というように大きく二つにまとめまして、同じように実施いたしまする地方団体の要請に応じまして、弾力的にこれを使えるようにしてまいりました。 それからもう一つ、四十二年の予算編成にあたりまして、あまりにも零細な補助金はやめたらどうかという話が知事会等からも出まして、この点、予算編成の際に、生計局のほうともいろいろ御相談を申し上げたわけですが、その関係におきましては、従来小、中、高等学校の学校長さんを、大体年間約五十人、二班に分けまして、海外の教育事掛視察に行っていただく補助金を出しておったのですが、これを地方団体向けに零細で出すことをやめまして、従来から補助金の団体でございました教育研究の団体がございます。そういう団体の事業の中でこれをこなすだけこなしていこうということで、補助金の整理も若干試みた次第でございます。 それから、四十年度の決算検査報告にも関連があるのでございますが、青年学級の補助金で、北九州市のほうから返還ということになりましたのですが、青年学級の補助金の補助対象にいたしまする経費の範囲が、どうも少し実情から見まして狭いのじゃないか。したがいまして、補助金の合理化の問題といたしましては、補助対象経費を実情に合わせて少し広げていく、そのことによって、ある補助金をもらいまして執行いたしますときに、不正不当等の事例に悪意なくおちいることがないように、補助対象自体を広げていくこと、こういったことを政令を改正いたしまして、青年学級につきまして、四十二年度から実施してまいる。 予算の個々のこまかい事項を統合するということが一つ、それからあまりにもこまがいものは、やめられるものはやめていく。第三といたしまして、補助対象経費を実情に合わせて改善をはかってまいりたい。大体以上三点等が、特に四十二年の予算編成並びに四十二年の執行にあたりまして、留意いたしておるところであります。
○佐藤(觀)委員 文部大臣にもう三点だけお尋ねしたいと思うのですが、その一点は、私、党の私学振興対策委員会の委員長をやっておるのですが、実はいま私学振興の立場から、経常費の補助というような声があるわけです。ところが、御承知のように、文部省の管轄の補助金ですら、そうやって、わずかなことでありますけれども、ごまかすようなことがあるということになると、私学を信用しないわけではありませんけれども、そういう私学に対する補助金の問題でも、将来何か、そういう場合に多少の不正があるのではないかということも、文部省は考えないわけではないだろうと思うのですが、まだ私学に対する補助金の問題は、多少経緯があって、これからすぐというわけにはいかぬだろうと思いますけれども、そういう点について、大臣はどのようにお考えになっておられますか、お伺いいたしたいと思います。
○剱木国務大臣 御承知のように、私学の援助に対しまして、いま重大な段階に差しかかっておりますので、昨年以来、私学振興の調査会におきまして検討していただき、この六月末日にその答申が出る運びになっております。その答申の結論を待たなければ、内容についてはいまここで明確に申し上げるわけにはいきませんのでございますが、その調査会におきまして、いま申されましたように、経常費の補助をどうするかという問題が非常な論議の中心になったようでございます。おそらく結論といたしましては、これは新聞にも一部出ておったのでございますから、申し上げていいと存じますが、経常費のうちで、人件費に対しましては非常に論議がございましたけれども、いましばらく見合わせて、主として経常費については研究費の補助に重点を置いてやろう、ということになっておるようでございます。ただこの経常費の補助をいたします場合に、これがいかに正当に使われるかという問題が、問題点として残ると思います。ただ経常費を援助いたしましたために、文部省としての監督を厳密にいたしますことは、同時にまた、私学の自主性を非常にそこなうという二つの矛盾した問題点が一つございますので、経常費を援助いたします場合において、その二つの矛盾した問題をどう解決するかということが、具体的には一番大きな問題点になるかと私は思います。これについて答申をいただきまして、そのやり方について十分研究をいたしまして、一面において私学の自主性を尊重しつつ、誤った経理の行なわれないような方法をぜひ考えてまいりたい、こう考えております。
○佐藤(觀)委員 私学の援助については、イギリスのやり方のように、援助はすれども干渉せずという精神で、ひとつやっていただきたいと思います。 それから、最近問題になっております青年の船の問題ですが、これは総理府の問題ですけれども、実際やっておるのは、文部省から行かれた安嶋さんがやっておられるので、これは文部省の出店みたいなものだと思うのです。そこで、社会的に問題になっているのですけれども、青年というのは、ぼくらの時代には男ばかりだったのですけれども、いまの青年というのは、男も女も青年なのです。だから、青年の船と言えば、やはり男も女も乗せるのが青年の船だと思う。ところが男だけ乗せて女を乗せないというのは、ちんばな、どうも片手落ちのように思うのですが、こういう点は、大臣どのようにお考えになっておるか。これは社会問題になっておって、いろいろ問題もあるようでありますけれども、これは一番文部省に関係のある問題でありますから、この点について、ひとつ適当な処理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○剱木国務大臣 これは文部省の所管でございませんし、文部省でいまこの問題について容喙をするわけにいかないから、しばらく成り行きを私ども見ておるのでございますが、しかし文部省の基本的な考え方としましては、終戦後、学校教育におきましても、全部男女共学、男子と女子との門に何らの差別を行なわないで教育する、という基本的な立場に立っておるわけでございます。ただ、問題になっております船の問題につきましては、船の中の規格その他の関係がございまして、はたして男女同一に同船させていいかどうかという具体的な問題があると思いますので、この点につきましては、文部省としてしばらく様子を見ておこう、現在こういうつもりでおるわけでございます。
○吉川委員長代理 中村重光君。
○中村(重)委員 いま佐藤委員から質疑がありました、東大の宇宙ロケット研究の契約の問題ですが、この問題については、当委員会において、前に私どもも質疑をしたことがあるのですけれども、いまお答えを聞いておりましても、確定契約方式あるいは概算契約、いろいろお答えがあったのですが、どうも納得いかないですね。これは予決令のいわゆる契約方式というものがあるわけです。法的に概算契約というようなことが認められるのかどうか。これは何十億というばく大な額に達する契約ですが、肝心の会計検査院も、どうもこの点に対してはあいまいな態度をとっておる。指摘事項も、留意事項という形であるわけですけれども、それを読んでみましても、どうも会計検査院が、こういう態度で納得しておるのだろうかというように、私は疑問というか、不可解に思っておる。だから、この点は明確にひとつお答え願いたいと思う。法的に不備な点があるならば、これを改正するなら改正するというはっきりした態度をおとりにならなければ、かってな解釈で、何十億、何百億というばく大な額に達するところの契約を行なうということは、私は当を得ないと思う。だから、文部当局並びに会計検査院の明確なお答えをひとつ願いたい。実は時間がありませんので、簡潔にひとつ答弁のほうをお願いしたい。
○井内政府委員 お答えいたします。先ほどお答えいたしたところでございますが、ただいま東京大学のほうと文部省のほうで相談をいたしておりまする、新しいと言いますか、改善を加えました契約の方式と言いますか、それは大体どういう点を踏まえて考えつつあるかというお答えを、文部省としてはさせていただきたいと思います。 第一点といたしましては、契約でございますので、いずれにいたしましても金額のない契約というのはあり得ないわけでございます。 〔古川委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、研究開発を伴いまする製造契約につきましては、契約を結びます時点におきまして、現在の確定契約方式をもとといたしまして、最大限の努力を従来どおりいたしまして、そこで一定の金額を算定いたします。その算定いたしましたものをもとといたしまして、契約を結びます。ただその金額につきまして、それをできますれば契約金額の限度額という形で契約を一本結ぶ。それからその製造請負契約と、もう一つ契約金額確定のための特約条項の契約をもう一本結びまして、最初に申し上げました契約の限度額は、従来どおりの確定契約方式の努力をできるだけいたしまして、予定価格を算出いたしまして、それで限度額を定める。しかし、その限度額で最終契約金額を確定するにあたっては、発注者でございまする東京大学のほうで、製造業者の製造工程を原価監査をいたしまして、契約金額を確定する。こういう、従来の確定契約と比較をいたしますると、契約内容が、限度額を定める契約内容と、その限度額をもとといたしまして、契約金額を確定する特約条項の契約という二本の契約を結んで、従来確定契約でやっておりました際に、予定価格作成等につきまして十二分でなかった点を、原価監査という形で補いまして、契約金額を妥当に算出いたしたい、そういった方向で、ただいま契約方式の改善を考えておるところでございます。
○中村(重)委員 いろいろ当委員会からも指摘を受けた関係から、研究をしておられると思います。そのことは認めるのですよ。けれども、それはあくまで便法というのか、いろいろ運用について研究をしておられる。できるだけ遺憾ないようにしていきたいという考え方ですけれども、予算決算会計令という厳たる契約上の法律というものがある。その法律に準拠した契約方式というものがなければならないのだから、いまのようにいろいろと研究をされて、新しい行き方をお考えになるということだけで問題は解決しない。会計検査院が当委員会において、概算契約という、いわゆる禁止規定がないのだから、これはよろしいのだという解釈をとっておいでになったということ自体に、私は問題があると思う。禁止規定がなければ、それじゃどういうことをしてもいいのかということですよ。これは会計検査院として重大な問題であると思う。やはり予算決算会計令が、東大の宇宙ロケット研究というような、契約が予想されていなかった、そういう事態が起こってきたのであるならば、やはり法的にこれを整備していくという態度でなければならない。長い間これが放置されてきたということに、会計検査院はどのような責任をお考えになっていらっしゃるのであろうか。またそういう契約の整備ということについて行政当局にどのような進言をしておいでになったのか、まずその点を明確にお答え願いたい。
○井上会計検査院説明員 お答えいたします。 概算契約につきましては、なるほど、私も、せんだっての当委員会の席でございますか、法的に可能であるということは申し上げました。また、従来から、災害復旧の場合であるとか、あるいはその他の兵器類の製造であるとか、そういったようなものについて、概算契約がずっと行なわれておる例もございます。そういうようなものにつきましては、会計法の解釈上、概算契約というものは可能であるというふうに、従来から解釈されておったわけでございます。その通説に従って、私は申し上げておるわけでございます。決して、そういったことが実は違法であるのに、それを適法であるかのごとくに、私は申し上げたのではないということを御了承願いたいと思います。
○中村(重)委員 議事録を調べればわかるのだけれども、排除、禁止規定がないのだからいいということをお答えになったことは、はっきりしておる。それがいけないというのです。いままた、これが会計法上可能であるということが通説である、慣習としてそういうことが行なわれてきておる。しかし予算決算会計令、いわゆる予決令というものを見まして、いまあなたが言われるように、これはこの条項に当てはまるというぴったりしたものはないでしょう。通説であるから、法的には疑義があるけれども、いいじゃないかという形は、会計検査院はそういうことをとるべきではない。不備なものは整備すべし。そういうことなくして、会計検査院の存在ということは何の価値があるのだ。私は、厳に反省をされて、これを整理されるということが必要であると思うわけです。この問題はきわめて重要な問題でありますから、いずれまた適当な機会に——委員長、お聞きのとおりであります。当委員会としても、検討する機会を持っていただきたいということと、また当委員会として、決議その他いろいろな方法もあろうと思うわけですから、後日適当な機会に、この問題については対処されるように取り計らい方を、きょうは委員長に希望いたしておきたいと思います。 次にお伺いしますが、教職員の超過勤務手当の問題ですが、文部大臣もいろいろとこの問題については陳情を受けられたことがありましょうし、検討も重ねてこられたと思うのです。教職員が超過勤務をやっておるということは、これはまぎれもない事実なんです。そうした超過勤務をやっておる教職員に対して超勤手当が出されていないということも、これもまたまぎれもない事実なんですが、これでよろしいとお考えになっていらっしゃるのかどうか、基準法上これが問題になるとお考えになってはおられないのか、その点明確にお答えを願いたいと思います。
○剱木国務大臣 ただいま義務教育諸学校の教員の超過勤務につきまして、これはかつて衆議院の文教委員会におきましても決議がございまして、その決議に基づきまして、文部省といたしましては、これに根本的な改革をいたす意味におきまして、昨年度一年を費やしまして、勤務の状況の実態調査をいたしました。その結果がただいま出て、それを分析中でございますが、これを詳細に分析をいたしまして、必ず人事院とも相談をしなければならぬと思いますが、超過勤務の問題を解決したいと存じて、いませっかく検討いたしておるところでございます。ただその解決の結論につきましては、ただいままだ結論を出しておりませんので、どういうふうに解決するかということは、ただいまのところお許しを願いたいと思います。
○中村(重)委員 解決の結論については、まだ出ていない、こういうことになるわけです。どういうように解決をするか、それは超勤手当というものが支給されていないその現実の上に立って、いろいろと調査をなすったということから、解決をするということは、やはり支給をしなければならぬ、そういう方向に向かって解決をしなければならない。ただ、何パーセントこれを見るんだという額の問題がまだ結論が出ていない、こういうことであると理解してよろしいのですか。
○剱木国務大臣 まだ私も分析した結論を、詳しく事務当局から聞いておりませんけれども、勤務の態様が、普通のいわゆる労務を提供しておる職種と非常に違う点がございまして、ある事務のために超勤を校長が命じるとか、そういう場合と、超勤という形では命じられておりませんけれども、学校の職員は、たとえば自宅に持ち帰りましていろいろな調査をするとか、そういったような、勤務の態様の中にやはり入るべき性質のものがあると思うのでございます。そこで、これを超勤という観念でもっていくか、あるいは特別の職種として、特別の給与体系をもってこれを処理するか、そこの考え方をきめなければならぬと思うのです。それで、普通に超勤が行なわれておりますから、超勤をやった分だけ超勤手当を予算に計上をするということは、事務的にはそうたいした問題ではないと思いますが、ほんとうにそれで学校の先生の勤務の実態に即するかどうかということになりますと、もう少し掘り下げて研究してみる必要がある、こう私は考えております。
○中村(重)委員 どういう形の超勤ということになるのか、いずれにしても、教職員が教壇に立って教鞭をとるということだけではなくて、それに伴うところのいろいろな事務、あるいは採点なんかは、五時六時まで学校におりましてもそれをやることができなくて、家に持って帰って、もう夜十時、十二時までもやっているということを私はまのあたり見ております。だから、そのことは大臣もよくおわかりになっていらっしゃると思うのです。地方公務員なんかの場合におきましては、何%という、頭から超勤手当支給のパーセントがきめてある。これも私は問題があると思うのですけれども、いずれにしても出しておることはもう間違いない。教職員に対してだけ、確かに超勤していることはわかりながら、何の形の手当も出していないということは、これは当然問題にならなければいけない。基準局においても、あるいは裁判の判例を見ましても、あるいは人事院においても、当然これを支給すべしということが行なわれてきたということは、御承知のとおりでありますから、大臣の考え方はわかりましたが、いずれにしても、すみやかにこの問題を解決して、手当を支給していくという措置を講じていただきたいと思いますが、もう一度明確にお答えを願いたい。
○剱木国務大臣 この問題は、昭和四十三年度の予算編成までには必ず、私どもとしましては、解決をしたいと考えております。
○中村(重)委員 今度、給食のことをお尋ねしたいのですが、その前に、木造の校舎がいま老朽化して、鉄筋校舎にずっと移りかわりつつあるということは御承知のとおりだと思います。これは非常に好ましい現象であると思うのです。ところが、大臣もお耳に入っておりましょうが、十年くらいたちますと、そのほとんどの鉄筋校舎の雨漏りが始まる。これはまあ技術的に、私なりに研究をしたことも——実は私自身が研究したといっても、まあ専門家から詳しく話を聞いたこともあるのですけれども、きょうは時間がございませんから、そこまで申し上げかねるのですが、ともかく雨漏りがあることは間違いない。したがって、文部当局としても、あるいは建設省にいたしましても、建物の保全という立場から、いろいろと研究をしておいでになったと思いますが、どうしてこういう雨漏りがするのか、これに対して対策というものをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、それをひとつ伺いたいと思います。
○中尾説明員 鉄筋コンクリートの校舎の雨漏りについてお尋ねがございましたが、鉄筋コンクリートの建物につきましては、一番屋上へ防水層をやることになっております。これがアスファルトでできたものでございますので、大体十年ないし十五年ぐらいの寿命で、このアスファルトが揮発をいたしまして、そうして防水性を失ってまいるのでございます。そこでそういう時期が来ますと、防水層のやり直しをする必要が生じます。ただし、その以前において雨漏りがあるとすれば、それは施工上なり、あるいは設計上の欠陥によって起こるもので、特に学校等におきましては三年計画とか二年計画というふうに継ぎ足しをやります。その継ぎ足し部分において雨漏りを生ずるような事例もございます。私どもは、そういう欠陥が起きないように、技術的な講習会等を持ちまして、そしていろいろと指導してまいっております。
○中村(重)委員 鉄筋校舎は、御承知のとおり耐用年数は五十年です。一部であったとしても、十年ないし十二年、十五年でもって雨漏りがするという事実は、いまあなたもお認めになった。いろいろ指導しておるんだけれどもと、こうおっしゃったが、どういう指導をしていらっしゃるのか、それもわからないのです。その前であったら施工上の問題だと言われる。それは施工上の問題もあるでしょう。しかし十年ないし十五年程度たちますと雨漏りがするというのが一般的になっているというと、これはいわゆる施工上の問題ではない。五十年の耐用年数を持っている鉄筋の建物が、十年、十五年でもって手直しをしなければならぬということは、これは問題があります。あなたのお答えのとおりだと、これは技術上の宿命であるという形になるような、そういう形に受け取られるのですが、それであってよろしいのかどうか。その十年、十五年たって、アスファルトの油が抜けてかさかさになってしまって、亀裂を生じて、そこから雨がしみ込んでくるんですね。そういうことを何か解決する方法がないのかどうか。そこらあたりどうなんです。
○中尾説明員 御指摘のとおり、防水の材料は、現在のところアスファルトを主体とした材料が一番効果的でありますので、それをもっぱら使っておるわけであります。これにかわるべき、もっと耐久性のある防水材料が出ることを、私どもも非常にこいねがっておりますが、現在のところ、そういうりっぱな材料がまだ見出されておりませんので、やむを得ず、その寿命が来たときには、これを改修するよりしかたがないと考えております。
○中村(重)委員 これも、まだいろいろとお尋ねもし議論もしてみたいと思うのですけれども、時間がございませんので、残念です。ともかく手直しをするということは、結局工事費が要ります。その工事費の負担は、当該地方自治体がやっておるのであろうと思うのですが、その点どうなんですか。
○中尾説明員 建物のそういう維持、修繕の面の経費は、その設置者たる市町村がやることになっております。
○中村(重)委員 自治省お見えでしょうか——いまの修繕費に対して、自治省としては交付税の対象にこれをするだけでなくて、補助金というものが出されていますか。
○横手説明員 お答えいたします。 交付税上は、小中学校の建物に限らず、一般的に建物関係につきまして、一定の一平米当たりの単価で修繕料を見込む、こういうことをいたしております。それからなお、補助金については、国庫補助金については、私どものほうからは支出いたしておりません。
○中村(重)委員 建物を建てるときには、そのいわゆる定額の補助金が出されている。いまのように、宿命的に十年、十五年たったら雨漏りがする、その修繕費というのを、やはり国の責任において何らかの措置をする必要がある、全額国庫負担すべきである、と私は申し上げたい。しかしそれがない場合といえども、高率の補助金、これは当然国としてなすべきであると思うのです。いま始まったことじゃないのですよ。いままでそういうことについて検討してこられたことはないのですか。またこの点、文部省はどうお考えになっていらっしゃるか。
○横手説明員 交付税上の措置といたしましては、一般的な修繕料を見込んでおりますので、大規模な修繕料というのは見込まれていないわけでございます。なお、こうした建物関係の大規模修繕に対する高率補助といいますか、国からの補助金の交付につきましては、むしろ文部省の所管になろうかと存じますので、控えさしていただきます。
○中尾説明員 建物の維持、管理面まで国のほうで予算的に助成するという点は、残念ながら、いまのところ私ども考えておりません。
○中村(重)委員 それは耐用年数が五十年で、四十年も五十年もたってこれを修繕するのだということならわかりますよ。しかし、十年、十五年たったら現在の技術をもっては雨漏りがするんだ、宿命的なことで、どうすることもできないんだ、それを一般的な維持、修繕だというので、これを地方自治体にだけ負担させることは問題を感じますよ。これは私は問題がある。やはりこれは国の責任において、技術の問題と同時に、この維持修繕の問題は解決をする必要がある、そう思うが、大臣はこの点はどうお考えなのですか。
○剱木国務大臣 これは設置主体が市町村でございますから、理論上は市町村が支出する本質的な責任を持っておるわけでございまして、文部省がこれに対しまして補助いたしますのは、義務教育の校舎でございますので、ものによっては二分の一とか三分の一とか援助するわけでございますが、技術的な面で、その耐用年数がたとえ五十年でございましても、やはり維持管理につきましては、市町村が責任を持ってやるということが、当然私は、理論上正しいことではないか、ただ、その維持管理に対します経費につきましては、自治省のほうで、交付税の算定の基礎に、そういう建物の維持管理につきまして交付税で見ていただいておるわけでございますから、これは文部省がその修繕費を全額国庫負担とか、そういったような問題は、現在では考えられない問題ではないかと思います。
○中村(重)委員 一般的な維持修繕ということなら、いろいろと問題はありますけれども、大臣のお答えのとおり、いまのその制度の中ではやむを得ないということになるかもしれません。しかし、こういう特定なケースに対しては、やはりこの問題は別途切り離して考える必要がある。それから、自治省にいたしましても、地方自治体の財政の問題ということを考えてみますと、それは文部省のことだという簡単な形で片づけるべきじゃない。こういう特定なケースについては、やはり自治省としても関心を持って、問題の根本的な解決のためのそれぞれの——いわゆる文部省その他関係省との折衝をやって、地方自治体の負担を軽減するというくらいの取り組みがあってしかるべしと思うのです。少なくとも、あなたはこの問題を初めてお聞きになったのじゃないですか。どうもお答えの中では積極性がありません。一般論で片づけられるということは問題があると思うのですね。なかなか結論が出ないでしょうが、大臣、いまのような一般論でこれを片づけないで、こういう特定なケース——宿命的な問題ということに残念ながらなるのでしょうが、現在においては国がどうすることもできない技術上の不備、そうした技術上の問題と並行して、この問題に対して、市町村に負担させるということについては問題があると思いますから、これをやはり検討される必要がある。あなたは全然検討する余地はないというお考えでしょうか、どうですか。
○剱木国務大臣 私も、その技術面についてはわかりませんので、やはり十五年くらいで雨漏りがするというようなことしか現在できないということは、非常に残念だと思います。これはコンクリートと同じように建物の一部でございますから、耐用年数と同じように、相当長期にわたりまして雨漏りしないように考えなければならないと思います。ただ、その修理費につきましては、屋根だけの雨漏りの修理でございますから、市町村の財政に基本的な大きな影響を及ぼすというほどのことはないのではないか。これは自治省のほうで基準財政需要額その他で見ていただきますれば、地方財政にそんなに大きな影響を及ぼすということはないのではなかろうかと私考えるのでございます。とにかく、維持管理費につきまして、文部省が全額国庫負担ということは、現段階におきましては、非常に困難な問題だと思っております。
○中村(重)委員 これは全国的な問題です。ただ鉄筋の建物の問題ですから、これは学校の校舎だけの問題でもないのではないか。そういう意味では重大な問題であろうと思います。ですから、大臣も、いまの私の質問に対して、それはやはり国が責任を持つべし、そういう形だけで、それじゃ全額負担しましょうという明確な答弁が出ないということはわかりますけれども、やはり技術上の検討をすると同時に、そういう雨漏りに対する修繕費というものがどの程度かかっておるのであろうかという試算も、特別なケースとして検討してみる必要がある。それによって、それらの対策をお立てになる必要があるのだろうと私は思います。 時間の関係がありますから、重ねて答弁は受けませんが、ひとつそういうことで取り組んでいただきたい。 次に給食の問題をお尋ねいたしますが、御説明を伺いましても、この給食に対するいわゆる不用額というのが非常にたくさん出ているんですね。先ほど古川委員からの、いろいろ設計上の問題というようなことの質問に対してお答えがあったわけですが、私は、この給食というものは、きわめて重要な国の政策上の問題でありますだけに、このように不用額が出ることについては納得できないのです。毎年こういうことを繰り返しておるわけですが、もっと学校給食というものを完全給食という域に到達させる、そうしてこの当初計画のとおり完全に予算が消化されていくという形でなければならないと思いますが、その点はどのようにお考えになりましょうか。
○赤石政府委員 御指摘のように、学校給食費関係から、昭和四十年度二億の不用額が出ております。この分につきましては、まことに恐縮に存じております。 そこで、どうしてこのような不用額が出ますかについて、この機会に御説明申し上げ、御了承いただきたいと存じますが、御承知のように、学校給食は現在義務設置になっておりません。全部の学校にぜひこの重要な学校給食を設置したい、こういうことで、あらゆる方面で努力いたしておるのでございます。しかしながら、いろいろな事情で、まだ完全に行き渡っておりません。そこで、文部省といたしましては、いろいろな面からいろいろな予算を計上させていただいておるのでございますが、一面においてこの完全給食の実施を促進するような立場で行っておる面と、それから、せっかく学校給食を受けますにあたりまして、父兄負担に特に耐えない低所得層に対しまして国家が援助する、こういうようないろんな施策があろうかと思います。第二点でございますが、この低所得層に対します国家の援助につきましても、完全実施——義務設置でございませんから、予算編成におきましてはある程度の見積もりを必要とします。そうすると、予算の実施の過程におきまして、それが足らなくなりました場合におきましては、やはりこれは非常に迷惑をかけます。そこで、どの程度に見積もるか——将来非常に伸ばしていきたいという面と、それが現実にどの辺におさまるかということで、やはりどうしても前もって計算いたしますので、しかもこれが足らなくならないようにしたい、こういうふうなことで、若干その辺のかね合いがございまして、足らなくならないようにいたしたい、こういう面の傾向がいささかございます。それからもう一つは、昭和四十年度につきましての特殊な事情でございますが、見積もりまして、このように学校給食の施設を設置し、学校給食の実施校、児童数をふやしたい、こういうことが、いろんな地方財政の事情等で予定どおりまいらなかったということで、特に脱脂粉乳と小麦粉の補助におきまして、対象が予定どおりにいかなかったといったようなことで、不用額が約二億生じたのでございます。絶対額といたしましては、確かに文部省予算におきまして一番多うございますが、たいへん失礼な言い方かもしれませんが、学校給食全体にいたしますれば二、三%でございます。これがもし逆に足らなくなった場合における父兄に対する迷惑がかかることを考えますと、若干余ったからこそ、低所得層に対する予定した父兄負担が——たいへん失礼かもしれませんが、そのようなことがなかった、こういうことになるのではなかろうかと思っております。
○中村(重)委員 時間がなくて非常に残念ですが、ともかくいずれにしても、市町村の財政が非常に貧弱である。それから離島、僻地等においては、やはり住民の所得というものが非常に低い。したがって施設費に対する市町村の財政負担もできない。また父兄の負担というものもなかなかできない。そういうことで給食ができないでおるということが現実です。佐藤総理のお声がかりで、いわゆる辺地給食というものを完全に行なうのだということをおやりになる。これだって失敗をしたでしょう。その原因は何か。やはり施設費の補助が非常に低い、三分の一。設備費の補助が四分の一といったように非常に低かった。国庫補助以外のものに対しては、これは市町村が負担しなければならない、あるいはいわゆる父兄の負担というものが求められておる、それがなかなかできない。できないから、結局給食ができないでおるということが現実ですね。それからそうした辺地に対しては、パン、ミルクというものは無償で出していらっしゃるのだけれども、おかず代というものが、副食物が非常に高いのですね。そういうことで、なかなかこれもできないという形になる。それからそうした離島、僻地ということになってまいりますと、今度は給食の担当者がいないのですね。だから学校の先生がこれにかわって、いろいろ献立その他のことをやらなければならぬという事態がある。これも実は学校の先年が少ないだけにたいへんな問題がある。さらに、給食婦というものの身分が保障されていない、不安定である。その人件費も給食費の中にこれを含めている。したがって給食費が高くなる。この方面からも、どうにもならないというようことが——実は給食というものが、一番肝心かなめの、いわゆる山村であり漁村であり、農村の、その中における、なかんずく離島、僻地というようなところに一番重要視されていかなければならぬのに、非常に不徹底である。給食率が低い、そういう結果が私はあらわれておると思います。その点を、おわかりになっていらっしゃると思うのですが、どうなんですか。
○赤石政府委員 学校給食の実情につきましてのいろいろな御観察だと存じまして、たいへん御指摘のこと、傾聴いたした次第でございます。さようないろいろな事情がございますので、たとえば施設費につきましても、できるだけ学校給食をやれるような、意欲をかり立てる意味におきましても、学校給食の施設の補助金、それからまた、そこに従事いたします従業員は、これは地方交付税のほうで見ていただいておりますが、栄養士の問題、人件費の問題、それから僻地におきます三級地以上のパン、ミルクの無償はいたしておりますが、御指摘のように、おかずを補助対象にすることによってさらに一そう効果を上げる、こういう問題とも、十分文部省は取り組んでまいっておりますが、財政のいろいろな都合がございまして、逐次は実現させていただいておるわけでございますけれども、いまだ先生の御指摘の全面的な問題がすべて解決されるという段階に至っていないことを残念に思っております。
○中村(重)委員 ともかく、こういう大切な給食というものに、不用額というものが出ている。そのことに対しては、あなたのお答えになったような一面もあるかもしれない。しかし、私が指摘しましたような面が非常に大きいのではないか。やはりこの点に対しては重大な関心を持って、いわゆる完全給食というものが行なわれるようにしなければならない。あなたのほうの統計では完全給食をしているというような報告が来ているところでも、五日をもって完全給食、四日をもって完全給食、三日をもって完全給食とするというように、そういう、報告だけは完全給食ということでしているけれども、現実は、完全給食とはいいながら、いま言うように非常に格差があるということです。だからして、施設費に対しあるいは設備費に対し、もっと補助率をアップしていくと同時に、パン、ミルクということだけでなくて、もっと給食に対する補助金を出していく必要がある、私は最後に文部大臣のお答えを願って、質問を終わります。
○剱木国務大臣 私は、実は年来の主張で、完全給食をぜひやりたいと思っております。でございますが、いま御指摘のように、給食についてはまだいろいろな欠陥がございます。いまこのことにつきまして、実は給食問題を根本的に解決したいと存じまして、保健体育審議会に、特にこの点を限りまして、早急に全面的な基本的な改正をいたしますように、いま諮問をいたしております。おそらく近く答申をいただけるものと思いまして、私はこの学校給食の基本的改善に対しまして取り組んでまいりたい、こう決意をいたしておるわけでございます。
○鍛冶委員長 華山親義君。
○華山委員 本委員会は、過般の決議におきまして、超過負担の問題について、このことをなくするように要望をいたしております。この超過負担のことは、ここでいろいろ申し上げるまでもないのでございますけれども、特に問題になるのが小中学校の建築費の単価でございます。越過負担一般について、本会議において、私の質問に対して大蔵大臣は、いま実際にどういうふうになっているかを調査を始めたばかりであるというふうに答えられました。そのとおりだと思うのでございますけれども、大臣に伺いますが、小中学校の建築費の超過負担について、ほんとうにこれをなくすために積極的にお取り組みになるお考えがあるのかどうか、お聞きいたしたい。
○剱木国務大臣 四十二年度の予算につきましては、相当その点を考慮したつもりでございます。特に鉄筋につきましては、いままでの補助で足りませんでした実績を調査いたしまして、大体実績に見合うような補助単価にいたしました。ただ木造校舎につきまして、多少その後の材木の高騰等もございまして、これが実際になお十分でない点がございます。しかし、大体単価によります超過支出の問題は解決いたすべく、最善の努力をいたして、まいっておるつもりでございます。
○華山委員 委員長にお願いいたしますが、資料をお願いいたしたい。過去五カ年間における、文部省が実施した国立の付属の中学校とか小学校があると思いますから、小中学校におけるところの決算にあらわれたあるいは予算にあらわれた単価というものを出していただきたい。それから補助単価、これをひとつ出していただきたいと思っております。コンクリート建てでよろしゅうございますから、お願いいたしたい。
○鍛冶委員長 差しつかえないでしょう。——それでは出してもらうようにいたします。
○華山委員 次にお伺いいたします。先ほど質問のありました超過勤務手当のことでございますが、現在の法律的に申しますと、学校管理者が、国の補助を得ないことはもちろんでございますが、法律上できないですけれども、超過勤務手当を出すことは、これはかってでございますか、違法でございますか。
○齋藤(正)政府委員 お答えいたします。 正規の勤務時間を越えて教職員に対して勤務を命じた場合には、超過勤務手当支払いの義務が生ずるわけでございます。その場合、現行法で申しますと、市町村立の公立学校でございますれば、市町村の負担ということでございまして、この点につきましては、最高裁の判例が出ておるわけでございます。
○華山委員 出しても別に違法じゃないわけですね。それで、いま、今後この問題を大臣が解決したいということは、こういうふうにして出されたところの超過負担、あるいは大臣は超過負担というものよりもさらに大きなものであるかもしらぬと言われましたが、それを半額は国庫で負担するということに法律を改めたい、こういう意味でございますね。
○齋藤(正)政府委員 この教職員の超過勤務につきましては、現在年間にわたりまして実態を調査いたしまして、その結果を現在集計、分析を続けております。これがどういう態様で超過勤務があらわれますか、またかりにあらわれる場合に、それが将来にわたって学校管理のために帰属すべき部分がどこか、むしろ勤務の態様として改むべき点があるか、あるいは教育上どの部分にどういう職種にわたって真に必要なものが出るか、それを見きわめまして、いまの財政負担等の問題を考えまして、解決をはかるように努力いたしたいということでございます。
○華山委員 小中学校の給料は県で負担するということに相なっているわけでございますけれども、超過負担につきましては市町村管理者になりますか。
○齋藤(正)政府委員 御承知のように、義務教育と定時制の高等学校につきましては、設置者負担の原則の例外といたしまして、給与につきまして都道府県で負担する、市町村立学校職員給与負担法がございます。そしてさらに義務教育費国庫負担法におきまして、原則としてそれの半額を見るというのが、現在の給与の財政負担の仕組みでございます。現在は、市町村立学校職員給与負担法に、いわゆる時間外勤務手当ということはございません。したがいまして、最高裁の判例にもありましたように、その超過勤務を命ずれば、これは設置者たる市町村が、この制度がない以上、負担をする、こういう仕組みに相なっておるわけでございます。
○華山委員 素粒子試験研究のための巨大加速器の予算がことしついたということでございますが、これにつきましての今後の計画、金額、その点につきまして、計画をお伺いいたします。
○岡野説明員 素粒子の研究についてでございますが、昭和三十七年五月、日本学術会議から政府に提出されました「原子核研究将来計画の実施について」という勧告に基づきまして、昭和三十九年度から、東京大学の原子核研究所において、巨大加速器の基礎研究を実施中でございます。この基礎研究に、現在まで総額八億三千万円が計上された次第でございます。昭和四十二年度は、この八億三千万円のうちの一億八千万円で基礎研究を完了するとともに、その成果に基づいて、巨大加速器の建設を目標として、加速器や測定方法の開発研究を行なうために、同じく東京大学原子核研究所にさらに三億二千万円を計上いたしまして、建設準備計画を実施する予定でございます。 現在目標としている計画はほぼ次のようなことでございます。第一に機種でございますが、四百億電子ボルト陽子シンクロトロンをつくりたいということでございます。経費は、本体は百十七億円、総額約二百九十億円。ただし、その二百九十億円には人件費や土地購入費は含んでおりません。敷地が約七十万坪。完成年は昭和四十七年まで六カ年計画というのが現在の計画でございます。なお、この巨大加速器を建設し、これを運営する素粒子研究の中心機関としては、全国の学者が共同利用する素粒子研究所を——人員約九百名の予定でございますが、それを創設することが必要となるわけでございますけれども、研究所の形態、組織運営については、現在なお検討中でございます。
○華山委員 東大のロケットの問題、それから今度の御計画の素粒子研究のための建設——開発研究を伴いながら建設していくということにつきまして、先ほど中村委員の質問に対し、文部省の会計係長が非常に苦心している御答弁がございました。私としましても、これは軍事使用関係には特に重大な問題——きょう大蔵省からおいでを願っておりますが、お見えになっておりますか。——この問題につきましては、大蔵当局も、三省にわたって、今後こういう問題についての会計の処理をどうすべきか、非常に大きな問題だと思うのです。会計検査院は、先ほど話がありましたとおり、非常にばく然と簡単な扱いを——書面に出ただけですからしかたないのかもしれませんけれども、やっていらっしゃるようですが、安易なやり方では私はいけないと思う。ひとつ大蔵省が中心になって、今後こういうふうな仕事の契約のあり方、また現在の会計法規で足りないならばこれを改正して、そういうふうなことで、東大ロケットに起きたような、あるいは現在軍事使用について巷間いろいろなうわさのあるような、そういうことのないように、きちんとした形でひとつやっていただきたいと思うのでありますけれども、この点につきまして、大蔵省当局——大臣にも聞きますが、お考えをお述べいただきたいと思います。
○小幡説明員 最近、宇宙開発とか原子力開発、素粒子研究、こういった科学研究の上におきまして、非常に多額の経費と多数の人材を要する分野がふえてまいっております、わが国の国力から見まして、予算の範囲内でこういった大きな研究費を処理しなければいかぬということにつきまして、われわれもこれは相当真剣に取り組まなければいかぬ、そういうふうに考えておりまして、現に四十二年度の予算編成につきましても、何とかほかの省との重複を避けるように、またこの研究の内容が、将来の、何と申しますか、 研究の成果、それから開発の可能性、こういったものを十分見きわめまして、経費がむだにならないように十分検討しまして、予算を計上したところでございます。したがいまして、その執行にあたりましても、当然効率的かつ適正な執行を、外省にしていただきたいということを念願しているわけでございまして、先生のただいまの御趣旨を体しまして、今後財政当局といたしましても、十分この面につきまして、側面から努力いたしたいと思っております。
○華山委員 希望されるだけでなくて、ほんとうに根本的に従来の会計経理ではなかなか解決しがたい。そうして良心的にやっても、業者は必ずしも良心的でございませんから、そういう面であやまちのないようなことを、ひとつ大蔵省も、国全般の経理を担当しておられるのですから、その立場から研究を積まれて、間違いのないようなやり方——ばく然と、会計法規には禁止してないからいいんだということじゃ済まない問題じゃないかと私思います。大蔵省は各省に対して希望するだけでなくて、積極的に研究を積んでいただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終わります。
○鍛冶委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 ちょっと大臣に一点伺いますが、私は主として幼児教育の問題につきまして伺ってみたいのであります。つきまして、第一は、憲法二十六条第一項によります教育を受ける権利というものは、幼稚園児童も対象になるのかどうか。幼稚園教育が入るのかどうか。その辺はどういうふうにお考えになりますか。
○剱木国務大臣 憲法上の権利ということで、現在全部幼稚園教育からやらなければならぬということはないと思いますが、私どもは、幼児教育の重要性にかんがみまして、国民の、受けられる全部の者が、できるだけ幼稚園に行きますように、今後努してまいりたい。せっかくその計画を立てまして、その線について進めておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 これは非常に重要な根本になる問題を持っておると私は思います。もし憲法二十六条の規定が、法律の定めるところによってひとしく教育を受ける権利、これが幼稚園教育も入るといたしますと、それは幼稚園教育、児童教育について、さらに根本的に検討しなければならないのではないかとさえ実は考えるのであります。これはちょっと突然でございましたので、この憲法と教育基本法なり学校教育法なりの関連、これは非常に重要な点でございますので、事務当局を督励していただきまして、考え方をおきめ願いたい、こう思うのです。もし、該当せず、対象にならずということでございましたら、私はさらに御質問しなくちゃならぬ、こう思うのであります。非常に大事な点でございますので、もう一度重ねて伺っておきたい、こう思います。
○齋藤(正)政府委員 先生のお尋ねでございました、憲法の教育を受ける国民の権利ということにつきましては、その能力に応じてひとしく教育を受ける権利が国民にはあり、また、その権利がありますから、国としては、それに応ずべき義務がそこに含まれているのだろうと思います。その具体的な内容というものは法律にゆだねられておりまして、現在の法律制度でひとしく就学を義務づけられ、国として責任を負うのが義務教育ということになっておると思います。教育基本法で、それを九年ということに相定めておるわけでございます。この義務教育をいかなる限度でなすべきかということにつきましては、いま先生御指摘の、現在幼児の、その就学年齢以前のものをどういうふうに考えるべきかということは、将来の一つの課題でございまして、文部省といたしましても、初等中等教育の全体の年限あるいはその開始の時期、終了の時期、これは基本的に検討すべき事柄だと思っておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 失礼だが、あなたば憲法を誤解なさっておるのじゃないか、こう思うのです。憲法二十六条の第二項には、「國民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」、前者の場合、もっと広範であります。そこで、一般の、たとえば宮津教授その他の憲法解釈の書物等によって見ますと、やはり教育基本法の七条、社会教育、これもやはりこの教育を受ける権利の対象になる、こういうふうな解釈をしておるのでございます。私はやはり前段の第一項はそうであって、第二項はおっしゃるように小学校の義務教育並びに中等教育が入るのではないか、こう思うのでございます。文理上明白でございますので、ぜひその点は文部省として態度を明確にしておいていただきたい。私はいまのは談解されているのではないかと思いますので、もし都合によりまして、当委員会に対し、憲法二十六条の第一項、についての解釈、並びにこれと教育基本法七条との関係、学校教育法第七章幼稚園の教育に関する全般の規定、これと照合されまして、憲法の解釈を明白にしておいていただきたいと思います。文書でよろしゅうございます。どうぞはっきりしていただきたい。委員長、そういうふうにはからっていただきたいと思います。
○鍛冶委員長 よろしゅうございます。
○吉田(賢)委員 そこで、次に幼稚園教育の振興の問題でございますが、これは三十九年から七カ年計画でお立てになっております。これによりますと、その要旨としまして、「人間形成の基礎は、幼児期にあり、基本的行動様式(しつけ)、社会性、理解力、豊かな情操、身体的発育の基礎など、心身発達のおよその方向は、この時期に定まるので、その教育効果は、最も高い。そこで将来すべての幼児か適切な環境のもとに、幼児教育を受けうるよう幼稚園の整備拡充を図る必要がある。」これが幼稚園教育振興計画の冒頭に掲げられた趣旨でございます。この目的を達成しようと思いますと、これは問題が二つあると思うのです。一つは、その次にうたわれております「方針」に——いや、その前に、前提になるのでありますが、日本の現在の幼稚園の実情を見てみますと、四十一年五月現在におきまして、国立が三十八、公立が三千三百十一、私立が五千七百三十二、こういうふうになっております。幼児数を比較してみますと、国立は三千六百人、公立が三十一万人、私立が九十万人、こういうことになっております。つまり、公立に比較しまして私立は三倍、こういうふうな重大なことになるのでございます。そこで、この幼稚園教育の振興計画というものは、対象を公立を主としておやりになり、私立はむしろ対象からほとんど除外されるような立場に置かれておるのでないだろうか。これはいろいろ理由、原因はあると思いまするが、そのようなことはどうか。将来すべての幼児が、適切な環境のもとに、幼児教育を受け得るよう整備しなければならない、その教育効果は最も高い、そういうふうな、前段にうたってあるのと相矛盾する結果になるのではないかと思いますが、これは根本的に大臣、どうでございましょうか。
○剱木国務大臣 文部省としましては、幼稚園の充実のために、公立だけに重点を置いてやるという考え方は持っておりません。公私を通じまして、できるだけ幼稚園の設備を増していきたい。特にそういう意味も含めまして、昭和四十三年度から、私立の幼稚園の設備に対しまして一億円の補助を計上いたしておるのでございまして、私立につきましても、新設につきましては援助いたしてまいる予定でございます。
○吉田(賢)委員 ところが方針の(一)の劈頭にありますのは、昭和四十五年度を目途として、人口一万以上の市町村における幼稚園の就園率を六三・五%まで引き上げたい、これが数字的な児童数の目標になっておるようでございます。そこで、いまおっしゃった私立に一億円の補助金ということでございまするが、しかしこれとても、いまのような絶対多数が私立であり、公立はずっと少ない、この場合に、現状に対する補助というものはほとんどしない。つまり六十七の学級増と三十五園の新設のみを主とした対象にして、国威補助は三分の一、こういうことになっておるようでございます。といたしますと、これは全く私立は、何らかの事情によりまして、一応は補助対象からはずしておく、ただし新設するものは一定の基準に基づいてやることになるのであるから、これは補助対象にしましょう、こういうふうなのがたてまえなのではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか、局長でよろしゆうございますから……。
○宮地政府委員 一応、公立の幼稚圏を建てます場合、これは先生が先ほど来おっしゃっておられます七カ年計画、これを実施すべく、公立、私立でそれぞれ予算措置をいたしております。私立につきまして、補助金は、先ほど大臣からもお話がありましたように、四十二年度から補助金という制度を始めました。ただそのほかに、従来から私立学校振興会のほうで融資をいたしております。これも年々増額をいたしまして、例を申しあげますと、四十一年度、幼稚園のために私学振興会が融資いたしました金額は三億でございますが、四十二年度は三億六千万円を予定いたしております。それも新設を一億ばかり、それから既設の幼稚園が学級を増加するために二億六千万円、といったような一応の考え方でやっております。したがいまして、公立のほうは補助金が三億でございますが、私立のほうは一億の補助金のほかに、振興会からの融資が三億六千万、こういうふうに両々相まって、この七カ年計画に到達すべく努力いたしております。
○吉田(賢)委員 私は、私学振興会の融資のこともわかりますが、これは御承知のとおり、学校法人の幼稚園に限っておるのでございまして、そうでないものは入らないのでございます。そこで、やはりこの場合、幼児教育がほんとうに重要であるということを目標にした七カ年の幼稚園の振興計画でございますから、やはり根本的に重要な点を全部取り上げていく、そうして私立のものに対しまして、できればあらゆる角度から公立と同じようにしていく。六三%何がしというものにつきましても、その対象をもっと広い基盤においてこれをつかんでいく、こういうふうにしなければ、これはほんとうに目的を達しないのではないか、こう思うのでございます。でありまするから、本年度の予算措置もわかりますけれども、しかし融資対象というものは限定されておりますので、そのはずれてしまったもの、たとえば宗教的な幼稚園などは一切これに入らないのでございます。その他は入りましょう。しかしその他宗教的なものでとかく基準からはずれておるようなものがあるじゃないかという御非難があれば、これは指導改善をなさればよろしい。これらの点につきまして、積極的に、きつい勧奨ではないけれども、しかし指導なさるということはあってしかるべきではないかと思うのであります。要するに、公私ともあげまして、幼稚園教育の振興というものをほんとうにするという体制が、文部省としてなっておらぬのじゃないか。これでは四十五年はもう間近く参りますが、その目的を達しませんよ。問題は次々に起こってまいります。私はこの次に、ある問題を提起しますが、ほんとうに幼児教育が重要だとお考えになる限りは、公私おしなべて、公立学校であろうと国立学校であろうと私立学校であろうと、学校法人と幼児は何も関係ありません。ところが待遇は差等がございます。その結果はみんな幼児に対して及んでいくのでありますから、この意味におきまして、ほんとうに幼児教育の重要さを考えましたときに、私はこれらの点を根本的に大きくつかんでいきたい。そうしないと、四十五年までに次々と問題が起こることは必至だろうと思います。大臣、重ねてその点だけはっきりしておいていただきたい。
○剱木国務大臣 お尋ねの中にございました、宗教法人が建設いたしております幼稚園につきましては、これは特定の宗教に対します援助のことは、憲法上禁止されておるわけでございますから、私ども、特定の宗教法人が幼稚園を建てることにつきましては、少しも差しつかえない、また大いにやっていただきたいと思います。しかし、国が援助いたす場合におきましては、あらためて学校法人に切りかえていただきませんと、国の援助の対象になり得ないのでございます。そういう意味におきまして、そういう切りかえていただきます場合には、公私立を問わず、幼稚園の教育の振興のために、国といたしまして、できるだけの援助を今後ともいたしてまいりたいと考えております。
○吉田(賢)委員 宗教法人即対象になさいという意味に申しておるのではないのでございまして、これは指導なさって、そして国が補助とかあるいは融資とか——必ずしも国の補助に限りません。融資のほうは何ぼでもあるわけであります。一般会計その他の補助によってする場合のみならず、財投の資金、原資はたくさんあるのでありますから、そういう意味において指導なさってはどうかと申し上げておるのでございます。この点、大臣、根本的にお考え願いたいことを強く御要望を申し上げておきたいと思います。 それから超過負担に関係するのでございますが、例の臨時行政調査会の「予算・会計の改革に関する意見」につきまして、文部省関係のものもございまして、特に予算単価の合理化につきましては強く勧告をいたしております。これに対しまして、文部省としても二回にわたって意見が出ております。最終の意見は、昨年の二月には、この点につきましては目下検討中、しかし最初の御意見は、改革意見趣旨賛成である、単価の合理化をはかるべきである、こういうふうに基本的に御賛成になっておるのでございます。そこで、実はこの予算単価の問題は、超過負担の問題につきまして、この解消をいま若干御答弁になっておったのでありますが、しかし根本的に、やはりいま御承知のとおりに、地方財政がとかく超過負担によって大きな負担をしておりまするのみならず、問題の根本を解決するためには、予算制度自体そのものと取り組む必要があるんじゃないだろうか。そこで臨調といたしましては、御承知のとおりに、事業別の予算制度の導入とコスト把握を徹底するということを強く主張しております。そして決算を活用すること、補助方式を改善すること、契約に関する情報機関を設置すること、こういったことについて、大幅な改善を期待すると述べております。だから、こういうふうに詳しく述べておりますので、私はやはり市場実勢値があるものにつきましては、客観的な標準がすぐ明らかになりますし、その他統制等々、いろいろな標準的な実勢を把握し得るようなものもあれば、それも採用できますし、地域差がございますし、ともかく建設費単価の合理化という問題は、いまのような趣旨を全面的に取り上げて検討するというふうに持っていきましたならば、具体的に予算単価の合理化に向かって前進する、私はこう思うのであります。すでにこの案が出まして三年数カ月たつのでありますが、目下検討中というのではややどうかと思いまするが、この点は文部省はどう思っておるのですか。もともと大蔵大臣は、一般的には財政制度審議会にかけるというような御意向になっておりますので、私はそれは了承していいと思うのですが、しかし文部省といたしまして、やはり積極的にこれと取り組む必要があろう。といいますのは、たとえば地方財政について見ましても、公営企業の公共事業費における超過負担が最大であります。それからその次が文教施設であります。そうしてまた、三十九年度におきましては、超過負担が四〇%をこえております。こういうふうでございまするので、やはり文教施設というものが超過負担の問題でかなり悩んでおるということは、文部省にとっては相当重要な問題だと思う。だから、このようなあらゆる角度から、コスト把握、契約の情報の収集、こういったものをもっと合理的にやる必要があるじゃないか、こう思うのですが、これは管理局ですか、どこですか。
○宮地政府委員 学校建築に関係しましての、地方の超過負担の解消につきましては、これはいろいろな面から努力はいたしております。たとえて申し上げますと、補助対象基準面積を年々合理的に引き上げていくとか、また、先ほど来御指摘の建築単価につきましても、木造、鉄筋、鉄骨とございますが、それをできる限り実情に即するように予算単価を引き上げる。それからまた、現実に各都道府県に補助金を配分いたします場合は、積雪寒冷地帯であるとか、あるいは都会地域、あるいはそれほどでないところ、こういうように、いろいろ土地の条件によりまして単価も違うわけでございますので、一応五段階の地域差を設けまして、単価をできる限り実情に即するようにきめる。あるいは鉄筋、鉄骨、木造の構造比率を実情に即するように改善していく。また事業量を年々増加していくといったようなことで、予算的にいろいろ努力はいたしておりますが、なおこのようにいたしましても、補助金の平米単価と現実に実施いたします場合の実施単価とがズレがあるといったようないろいろな意見もございますので、本年度から、公立学校施設の地方超過負担がどの程度現実にあるのかという点につきまして、大蔵省と御相談いたしまして、文部省、大蔵省、直接には都道府県等の教育委員会あるいは大蔵省の出先の財務局、財務部でございますが、そういったところで、大体補助いたしました二〇%くらいの学校数につきまして——これは相当な数でございますが、実情調査をいたしまして、今後の予算につきましても、この実態調査をもととして、できる限り合理化していきたい、超過負担を解消していきたい、このような努力を重ねております。
○吉田(賢)委員 ことし始めたというのではおそ過ぎますが、それでは伺います。地域的に、積雪寒冷地帯とか都会地帯とか南方九州、いろいろ違うのでありますが、コスト把握について、これを徹底するというような努力はしておりますか。それから、契約の方式も、つまりどういうような契約が行なわれておるか。随意契約であるとか入札であるとか指名であるとか、こういう辺ももっと全国的に具体的に御調査なさるというふうにできないのかどうか。電子計算機が発達するような時代でありますのに、国の補助金だけが全くこれ何年も何年も単価差、数量差、対象差等繰り返して、超過負担の問題が合理的に解消せられない。本年も二百六十六億円を解消すると大蔵省は言っておりますけれども、そういうような数字よりも、基礎になる予算制度、執行の方式自体に改善の手を打たねばいきますまいというのが私の立論なんです。ですから、いま大蔵省と御相談になって調査になることはけっこうです。けっこうですけれども、やはり踏み込んで徹底的に全国的に——文部省だけは、一切そういった問題は次から起こさない、これに必要な経費はどんどんと予算要求する、こういうふうに、私は抜本的対策を立てるというくらいな勇猛心がなければいくまいと思うのですが、これはひとつ大臣、そういうふうなお考え方で進むようにいかぬもんでしょうかね。
○剱木国務大臣 御意見ごもっともだと思いますので、私どもとして極力努力してまいりたいと存じます。
○吉田(賢)委員 それから、児童教育と申しますか、児童演劇の問題につきまして若干伺ってみたいと思うのですが、これは幼児の情操教育につきまして相当重要な影響があるのではないかと思われます。私は演劇の方面は全くふえてでございますので、まことにしろうとくさい観察かもわかりませんけれども、しかしこの間、五月の四日に、日本武道館で木馬座の騒ぎがございまして、新聞にはでかでかと、こんな大きな記事になりました。これは朝日です。それからまた週刊誌を見ると、五月五日、六月二日の朝日、読売の週刊誌には大きな記事になっておるのでございます。私は木馬座自体に対する恩怨があるわけでも何でもございませんが、このような騒ぎをじっと見てみますと、幼児教育、特に幼児の情操教育には深刻な影響をそくそくと与えつつあるのではないのであろうか。表ではおやじが騒いでおります、子供ががやがや騒いでおります、新聞雑誌は取り上げております、しかし、何も知らぬ幼児の情操の上に、相当深刻なものが植えつけられていくのではないであろうか、こういうふうに実は思うのであります。たとえば、あの日の記事を見てみますると、二万枚の無料の招待券が発行されておる。あの会場に入れる能力は、定員は一万四千人である。そこで、売った有料の入場券は一万九千枚、そうしますると、無料の招待券が二万出され、そして有料の入場券が一万九千枚、そしてその入れものは一万四千人しか入らぬ。そこで二万人前後の者が、この子供の日の前夜祭、夜八時ごろに日本武道館のあの前に親が連れて、大きな写真が出ております。そして夜の空で、警察官の機動隊が来て整理する。大混乱におちいっておる。二百人の迷い子が出たという事態であります。これは単なるできごとと見るだけでは、私は済まされない、こういうふうに思うのですが、これらの点については、大臣、どういうふうにお感じになりましょうか。あなたはこれはよく御承知であったかどうか存じませんのですけれども、私は非常に根本的に重要な問題を持っておると思うのです。どういうふうにお考えになりましょうか。
○木田政府委員 いま御指摘の点は、私どもも新聞や週刊誌の紙面でその概要を承知しているわけでございますが、御指摘のように、前夜祭として、この株式会社木馬座が、子供の日のフェスティバルというふれ込みで、子供の日の五月五日の前日、五月四日でございますが、午後二時と午後六時から、二回にわたりまして、子供のための演劇を見せるということで、しかもその紙面によりまして承知いたします限りにおきましては、身体不自由児に対します無料招待券、あるいは学童に対します無料入場券と合わせまして、有料の入場券を含めて、かなり多数のものを出した。第一回の午後二時からの分につきましては、入場者も無事にある程度おさまったようでございます。かなりまだ余裕もあったように聞いておりますが、午後六時からのものにつきまして、御指摘のような、予想外にたくさんの来場者がありましたために、混乱をいたしまして、予定いたしておりませんでした第三回の公演を、午後八時から臨時に開演いたしまして急場をしのぐ。その間、いまお話がございましたようないろいろな事態が起こった、ということを承知しておるわけでございます。こうしたことにつきましては、この催しそのものにつきましては、主催者側にも善意はあったかと思うのでございますけれども、その無料招待券の配付枚数、それから当日の参会者の予測等につきまして、かなり大きな見込み違いがあって、そこからこうした問題を起こしたというふうに考えるわけでございます。子供を中心にいたしました演劇をやっております木馬座でございますので、そうした予測については、ある程度従来の見通しに立ったのだと思うのでございますけれども、たまたまこの日の催しものが、そうした予想外の来場者によって狂った、ということが一つあろうかと思います。そのほかいろいろと、企画のやり方その他について見通しの不十分であったこと等が、このような子供の童心を傷つけるような結果を起こさしたということは、私どもまことに残念だと思いますけれども、そう申しては恐縮でございますが、ときどきこういう興行ものを上演いたします者が見込み違いをいたしまして、非常な会場の混乱を来たすということは、これはいろいろな催しものをいたします主催者側において、十分注意をし戒心をしていただかなければならぬところだと、かように考えておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 私は、あなたがやはり新聞等によりましてお知りになったということですが、やはりこの種の問題は、もっと現実について縦横に立体的に調査なさる必要があると思うのです。いま見込み違いとおっしゃいましたが、それは主催者がそう言っております。しかし、第三者的な批判がなければなりません。それからまた、幼児教育の行政担当の文部省としての立場もなければなりません。少なくとも、私がこの問題をじっと考えてみまして、また当日調査した者等につきましても、実は少し聞いてみたのです。また、児童演劇なんかを専用に研究している人の意見も実は聞いてみたのですが、少なくとも、これは情操教育について、全く低俗な欲望をかり立てるようなそういう傾向を生むのじゃないだろうか、こういう心配をいたしております。御承知のとおりに、赤ん坊というものは目先の変わったものに飛びつきます。色でもどぎつい色に飛びつきます。大きなこんなカエルに飛びつきます。そういうものがありますから、そういう低俗なものにすぐに移っていくということ、これは全く情操教育的な立場からすると、憂慮すべき一つの傾向ではないだろうか、もっとがまんが必要である、あるものごとに耐える必要があるというのがいまの世代ですよ。それをこの小さい時分に、そういった方面の意志教育をするというような萌芽をいわばつむわけである。これは一種の商業主義の社会悪かもわかりませんけれども、ともかくそういうような面から、私は、文部当局がこの問題は深刻に御調査になってしかるべきではないかと思うのです。御承知のとおり、テレビ等を見ましても、帯といいますか、夕方五時から八時までのあの間は、子供の目のつくようなことばかりですね。そういうようなものが、お菓子になりおもちゃになる等々いたしますね。そういうようなことを思いますと、私は、次代のほんとうの幼児のために、もっとそういう辺、社会の底流としてあらわれてくるようなものに対して、相当真剣に、むしろ過大視するくらいに取り組む必要が、文部省としてはあるのじゃないだろうか、これが文部省のかまえの根本であってしかるべきだと思うのですが、大臣、この問題につきまして、いま局長の感想的な、十分に実態調査のないような御答弁でございまするので、私はもっと根本的に、この影響なり実態等を御調査になってしかるべきではないかと思うのであります。 時間の関係がありますから、もう一つ尋ねて、一括して御答弁願いたいのでありますが、そこで、たとえば国会の付近にも、国立劇場ができております。すばらしいものであります。これは児童も対象になっておるのだろうかと思いますと、どうもそうでないらしいんですね。だから国立的なものでも、もっと文部省が児童を対象にいたしまして、演劇にしろその他の情操教育の機関にしろ、あるいはそれ専門の審議会にしろ、そういったものをもっと積極的にやる必要がないだろうか。その専門屋さんに聞いてみますと、児童劇、そういったものを専門にやっていましたら食えないというのです。食えないのを食えるようにして、商業的にすばらしい経営をやったというのがこの木馬座だそうであります。そこで私は、一から十までそのまねをされたらたいへんです。児童がかえって振り回されますから。幼稚園というもの、この穴をねらったんですから。でありますから、これが全国膨大な対象になって、こんなものをやられたらたまりません。親も、小さいのがせがむので来ているという親が多かったそうであります。この点もお考え願いたい。そこで、各国の例を調べてもらったのでありますけれども、世界各国どこの国に行きましても、たとえば児童劇等に対しましては、相当援助とか補助とかいろいろな施設とかをやっておるようでございます。ヨーロッパ各国はもちろん、アメリカも、カナダも、スカンジナビアの諸国においても、イギリスも、西独もみなそうです。児童問題の、特に教育問題につきまして大きな力を注いでおるようでございます。私は、これを契機に、抜本的にと申しますか、幸いに幼稚園の振興計画をお立てになっておる祭でございますので、さらに進んで児童に対するあらゆる教育施策を基本的に押し出していくために、障害になる問題点あるいはなさねばならぬあらゆる面から、御検討になってしかるべきだと思うのですが、いかがでございましょう。これは文部省の態度を聞くのだから、大臣に伺いたい。
○木田政府委員 大臣からお答え申し上げます前に、一言現状につきましてお答え申し上げたいと思います。 青少年のための芸能指導につきましても、力を入れておるところでございまして、今度新設になりました文部省の文化局で、新規の事業といたしまして、青少年のための芸術活動費約二千万を計上いたしました。無料で、青少年に対しまして、青少年の鑑賞に適した新劇とかオペラとか、文楽、能、狂言、落語、講談等を、全国二十五回にわたりまして見せて回るということの施策を一方では進めております。また、これらの青少年の演劇指導者に対します指導経費というものを、従来からも計上してまいったのでございますが、そのほか、こうしたものを子供たちに見せます文化施設につきましても、新規に六千万ほど計上いたしまして、演劇の持っております児童に対する影響を、いい方向へ引っぱっていきたいという努力はいたしておるところでございます。また、御指摘のように、テレビその他の中で出てまいります番組が、いろいろな意味で子供に影響を与えておることでございますから、かねてから教育番組のあり方について、民間放送局の関係者にも協力を求めておりますけれども、本年度、これまた新規の事業といたしまして、民間放送の関係者の団体に、教育番組、あるいは番組自体の教育的な効果をより高めるための研究体制というものをつくってもらいまして、最近新しい民間放送教育協会というものも発足をいたしまして、テレビの番組内容が、いいものとして青少年に影響を及ぼしていくような努力と関心を関係者に持ってもらう、こういう施策を進めておるところでございます。御指摘の、こういう児童の劇団等との間におきましても、文部省の担当局でそれぞれ接触の機会もあることでございますから、いま御指摘のような趣旨に沿って、いろいろと子供たちに与えます映画、演劇等の中身の改善については強く訴えていきたい、このように考えております。
○剱木国務大臣 お説のとおり、幼児に対しまする情操陶冶と申しますか、これは一般的にまだ十分でないことは事実でございます。いま局長からお話し申し上げましたように、芸術指導と申しますか、そういったものが、今度文化局ができまして、緒についたばかりでございますし、社会教育面からも、映画、演劇その他につきましても、積極的にいい情操陶冶の面を奨励いたしますと同時に、社会的に見まして、幼児に悪い影響が及びますものをできるだけこの社会から払拭していくという方面に向かいましても、今後とも努力してまいらなければならぬと思いますが、結論といたしまして、その点がまだ現段階におきましては欠けておるということを認めざるを得ない状況でございます。今後とも十分努力してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 終わります。
○鍛冶委員長 次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十五分散会