P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
55回国会衆議院1967/06/07

決算委員会 第12号

発言数
238
登壇者
18
会派数
4
開催日
1967/06/07

会議録

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十年度政府関係機関決算書、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書、以上を一括して議題といたします。  水田大蔵大臣より、各件について概要説明を求めます。水田大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 昭和四十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに第五十四回国会に提出し、また、昭和四十年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額についても同国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和四十年度予算は、昭和四十年三月三十一日に成立いたしました本予算と、昭和四十年八月十一日、昭和四十年十二月二十七日及び昭和四十一年二月二十三日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。  昭和四十年度本予算は、農林漁業及び中小企業の近代化高度化の推進、社会保障関係諸施策の充実、住宅及び生活環境施設の建設の促進、文教の刷新充実及び科学技術の振興、社会資本の計画的整備、輸出の振興と対外経済協力の推進、雇用対策の強化等の重要施策を推進するとともに、国民の租税負担の軽減合理化並びに企業の体質改善及び国際競争力の強化のための減税を行なうこととして、編成されたものであります。  なお、本予算成立後、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への追加出資、給与改善、災害復旧、食糧管理特別会計への繰り入れ、道路整備特別会計への繰り入れ等に必要な経費の追加、租税及び印紙収入の減収見込み額を補てんするための公債発行等に関し、所要の予算補正を行なったのであります。  昭和四十年度におけるわが国の経済を顧みますと、昭和三十九年末以来の金融緩和策の実施にもかかわらず、停滞状態を続けたのでありますが、政府の財政金融両面からの積極的な景気対策の実施と、生産調整等民間産業界の自主的な不況対応策が進められた結果、停滞状態も次第に底をつき、昭和四十一年度予算における本格的な公債発行による財政支出の積極的拡大と大幅減税の実施が明らかにされたこともあって、昭和四十一年に入るとともに景気は回復過程に移行したのであります。  このような経済の推移の結果、昭和四十年度の国民総生産は、三十一兆三千四百四十八億円となり、前年度に対し、一〇・三%、実質四・七%の増加となったのであります。  また、鉱工業生産は、前年度に比し三・六%の増加となり、国際収支は、輸出の顕著な伸びがあり、さらには輸入が国内景気の停滞を反映して落ちついた推移を示したこと等により、年度間の総合収支で四億二千八百万ドルの黒字となったのであります。  以下、決算の内容を、数字をあげて御説明申し上げます。  まず、一般会計におきまして歳入の決算額は三兆七千七百三十億円余、歳出の決算額は三兆七千二百三十億円余でありまして、差し引き五百億円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち、昭和四十一年度の歳入に繰り入れ済みであります。  なお、この剰余金五百億円余から、昭和四十一年度に繰り越しました歳出予算の財源に充てなければならない金額四百二十六億円余、及び前年度までに生じた剰余金の使用残額五十三億円余を差し引きますと、二十一億円余が、昭和四十年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。しかして、昭和四十年度に新たに生じた純剰余金二十一億円余から、道路整備事業費の財源に充てられることとなる額五億円余を控除した残額十五億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条第一項の規定によりまして、公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととなるわけであります。  以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額三兆七千四百四十七億円余に比べて二百八十三億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十九年度の剰余金の受け入れが、予算額に比べて四百七十四億円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きますと、昭和四十年度の歳入の減少額は百九十億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における増加額二百八億円余、専売納付金における増加額百十億円余、官業益金及官業収入における減少額十三億円余、政府資産整理収入における増加額七億円余、雑収入における増加額百十三億円余、公債金における減少額六百十八億円となっております。  一方、歳出につきましては、予算額、三兆七千四百四十七億円余に、昭和三十九年度からの繰り越し額四百二十一億円余を加えました予算現額三兆七千八百六十八億円余から、支出済み額三兆七千二百三十億円余を差し引きますと、その差額は六百三十八億円余でありまして、そのうち、昭和四十一年度に繰り越しました額は、前述のとおり四百二十六億円余であり、不用額は二百十二億円余となっております。  次に、昭和四十一年度への繰り越し額の内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ国会の議決を経て繰り越しましたもの四百七億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により、避けがたい事故のため繰り越しましたもの十一億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により、継続費の年割り額を繰り越しましたもの七億円余であります。  次に、不用額のうち、おもなものは、中小企業庁の中小企業対策費につきまして、事業計画を変更した事業協同組合等があったので、工場等集団化資金貸し付け金等の貸し付けが少なかったことにより、中小企業高度化資金融通特別会計へ繰り入れを要することが少なかったこと等のため不用となったもの三十八億円余、労働本省の失業対策事業費につきまして、就職促進措置対象者が少なかったので、中高年齢者等就職促進訓練費補助金を要することが少なかったこと等のため不用となったもの三十六億円余、厚生本省の環境衛生対策費につきまして、用地の選定難により一部市町村において事業を中止したので、清掃施設整備費補助金を要することが少なかったこと等のため不用となったもの十億円余であります。  次に、予備費でありますが、昭和四十年度一般会計における予備費の予算額は四百五十億円であります。その使用総額は四百四十九億円余でありまして、そのうち、昭和四十年四月から十二月までの使用額三百六十七億円余につきましては、すでに第五十一回国会において御承諾をいただいております。  また、昭和四十一年一月から三月までの使用額八十一億円余につきましては、別途本国会に提出の予備費使用承諾案について御審議をいただきますので、説明を省略させていただきます。  次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。  財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は千七十九億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は千四十七億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額七百八十四億円余を加え、昭和四十年度中に、支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額六百三十七億円余を差し引きました金額千百九十四億円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。  財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、実際に負担いたしました債務額はございません。  なお、既往年度からの繰り越し債務額一億円余は、昭和四十年度中に支出その他の理由によって全額が消滅いたしました。  次に、昭和四十年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。  なお、昭和四十年度における特別会計の数は、四十三でありまして、これらの特別会計の歳入歳出決算額の合計額は、歳入決算において七兆二千百六十億円余、歳出決算において六兆四千六十三億円余であります。  次に、昭和四十年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、資金への収納済み額は三兆千九十八億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は三兆千八億円余でありますので、八十九億円余が、昭和四十年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金のうち支払い決定済みであって支払い命令未済のものであります。  次に、昭和四十年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定でございます。  また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。  次に、国の債権の現在額でありますが、昭和四十年度末における国の債権の総額は五兆六千三百三億円余でありまして、その内容の詳細につきましては、昭和四十年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。  次に、物品増減及び現在額でありますが、昭和四十年度中における純増加額は三百六十五億円余でありますので、これを前年度末現在額二千七百五十億円余に加えました三千百十六億円余が、昭和四十年度末における物品の総額であります。その内訳の詳細につきましては、昭和四十年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。  以上、昭和四十年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算等につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。  なお、昭和四十年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から三百七十二件にのぼる不当事項について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。  これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存であります。  何とぞ御審議のほどお願いいたします。  次に、ただいま議題となりました昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。  昭和四十年度中に増加しました国有財産は、行政財産八千九百七十四億円余、普通財産四千八百六十二億円余、総額一兆三千八百三十七億円余であり、また同年度中に減少しました国有財産は、行政財産二千四百二十億円余、普通財産五百十億円余、総額二千九百三十億円余でありまして、差し引き総額において一兆九百六億円余の増加となっております。これを昭和三十九年度末現在額三兆九千九百五十三億円余に加算いたしますと五兆八百六十億円余となり、これが昭和四十年度末現在における国有財産の総額であります。  この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産一兆七千四百三十三億円余、公共用財産七百五億円余、皇室用財産七百五十八億円余、企業用財産九千五百九十四億円余、合計二兆八千四百九十一億円余となっており、普通財産においては二兆二千三百六十八億円余となっております。なお、この普通財産のうち一兆六千八百三十六億円余は政府出資等となっております。  また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地一兆六千百十三億円余、立木竹六千百三十一億円余、建物六千百億円余、工作物三千七百四十億円余、機械器具十四億円余、船舶千二十三億円余、航空機八百八十九億円余、地上権等五億円余、特許権等六億円余、政府出資等一兆六千八百三十六億円余、合計五兆八百六十億円余となっております。  次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。  まず、昭和四十年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は一兆三千八百三十七億円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は三千七百十八億円余でありまして、このうち購入、新営工事、政府出資等歳出を伴うものは二千八百十五億円余、寄付、交換、現物出資等歳出を伴わないものは九百三億円余となっております。  第二に、国の内部における異動によって増加した財産は一兆百十八億円余でありまして、このうち昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定による増加は九千三百九十六億円余、各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の増加は五百五十九億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は百六十二億円余となっております。  次に、減少額について申し上げますと、その総額は二千九百三十億円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は四百四十一億円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは二百二十四億円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは二百十七億円余となっております。  第二に、国の内部における異動によって減少した財産は二千四百八十九億円余でありまして、このうち、昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定による減少は千七百二十四億円余、各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の減少は五百七十三億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は百九十一億円余となっております。  以上が昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。  次に、昭和四十年度国有財産無償貸し付け状況総計算書の概要について、申し述べます。  昭和四十年度中に増加しました無償貸し付け財産の総額は四百二十二億円余であり、また同年度中に減少しました無償貸し付け財産の総額は二十九億円余でありまして、差し引き三百九十二億円余の純増加となっております。これを昭和三十九年度末現在額三百億円余に加算いたしますと六百九十三億円余となり、これが昭和四十年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。  この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定によるもの三百七十六億円余、公園の用に供するもの四十二億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの二億円余等であります。  次に減少したものは、昭和四十一年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定によるもの六億円余、公園の用に供するもの十五億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの六億円余等であります。  以上が、昭和四十年度国有財産無償貸し付け状況総計算書の概要であります。  なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より、各件の検査報告に関する概要説明を求めます。会計検査院長職務代行山崎高君。

山崎高検査官

○山崎検査官 昭和四十年度歳入歳出決算は、四十一年十月二十二日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和四十年度決算検査報告とともに、四十一年十二月六日内閣に回付いたしました。  昭和四十年度の一般会計決算額は、歳入三兆七千七百三十億余円、歳出三兆七千二百三十億余円、各特別会計の決算額合計は、歳入七兆二千百六十億余円、歳出六兆四千六十三億余円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入十兆九千八百九十一億余円、歳出十兆千二百九十三億余円となりますが、会計検査院におきまして、決算額の総計から各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入六兆九千九百九十一億円、歳出六兆六千百九億円となり、前年度に比べますと、歳入において九千七百六億円、歳出において八千百五十二億円の増加となっております。  なお国税収納金整理資金は、収納済み額三兆千九十八億余円、歳入組み入れ額三兆二百四十二億余円であります。  政府関係機関の昭和四十年度決算額の総計は、収入三兆三千三十二億余円、支出三兆千三百四十五億余円でありまして、前年度に比べますと、収入において四千七百四十五億余円、支出において四千三百九十三億余円の増加となっております。  ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計二百四十三億九千六百万余円でありまして、そのおもなものは、総理府の防衛本庁の項で百六億千二百万余円、航空機購入費の項で五十億百万余円であります。  昭和四十年十二月から四十一年十一月までの間に、国及び政府関係機関等から提出された計算書二十一万七千余冊及び証拠書類五千六百八十九万余枚につきまして書面検査を行ない、また、二千六百余の官署等につきまして三万三千六百人目をもって実地に検査を施行いたしました。  このようにして検査いたしました結果につき、その概要を説明いたします。  まず、不当事項について申し上げます。  不当事項として検査報告に掲記しましたものは合計三百七十二件でありまして、これらの態様別の金額を概計いたしますと、租税収入の徴収不足を来たしたものなどが五億三千五百万円、工事施行の計画等が適切を欠いたため経費の使用が不経済となっていると認めたものが五千三百万円、工事費等の積算が適切を欠いたため契約額が高価に過ぎたと認めたものが千七百万円、工事の監督及び検査が適切でなかったため支払いが過大となっているものが七千六百万円、保険料の徴収不足を来たしまたは保険金等の支払いが適正を欠いたものなどが二億三千二百万円、補助事業の実施及び経理が適切を欠いたものが一億八千三百万円、職員の不正行為により国または政府関係機関に損害を与えたものが六千七百万円、その他が千九百万円、以上の合計が十一億八千五百万円となっておりまして、前年度の十四億八千四百万円に比べまして二億九千八百万円減少しており、また、災害復旧事業費の査定額を減額是正させたものは四億三千六百万円となっておりまして、前年度の十三億千万円に比べまして八億七千四百万円減少いたしております。  これらの不当事項は、租税、工事、物件、保険、補助金、不正行為などの項目に分けて検査報告に記述してありますが、特に、工事及び物件、保険並びに補助金に関するものにつきまして説明いたします。  工事及び物件につきましては、不経済な結果となったと認められるなどの事例を毎年指摘しておりますが、四十年度におきましても、総理府、農林省、運輸省、建設省、日本国有鉄道、日本電信電話公社などにおいて見受けられております。  すなわち、工事につきましては、計画などが実情に沿わないため不経済となっているもの、積算が適切でなかったためひいて契約額が高価となったと認められるもの、監督が適切を欠いたため出来形が設計と相違しているのに検査にあたりそのまま竣工検査を了しているものがあります。また、物件につきましては、購入方法が適切でなかったなどのため不経済な結果を来たしているもの、予定価格の積算が適切でなかったためひいて契約額が高価となったと認められるもの、管理が当を得なかったため国有地を無断で使用されているものなどが見受けられます。  保険につきましては、厚生、農林、労働各省所管のものにつきまして、適正を欠いていると認められる事例を毎年指摘しておりますが、四十年度におきましても、船員保険、失業保険などの保険料の徴収不足を来たしているものや、健康保険、失業保険の保険金または漁船再保険の再保険金の給付が適切でないものが見受けられ、また、農業共済保険事業の運営が適切でないものも多数見受けられます。  補助金につきましては、その経理が当を得ないものを、毎年多数指摘して注意を促してきたところでありますが、四十年度におきましては、関係当局の努力のあとが見受けられ、不当な事例は相当数減少いたしました。しかしながら、農林、運輸、建設各省の公共事業関係のものにつきまして、工事の施行が不良となっているものなどがまだ多数見受けられます。また、その他の補助金につきましても、厚生省の簡易水道事業、農林省の農業構造改善対策事業などにおきまして、工事の施行が不良なものや事業費の精算が過大なものなどが見受けられます。  次に、改善の意見を表示した事項について御説明いたします。  四十年十二月から四十一年十一月までの間におきまして、会計検査院法第三十六条の規定により、法令、制度または行政に関して改善の意見を表示いたしましたものは九件であります。  これらの内訳は、国の機関につきましては、農林省の国営かんがい排水事業の施行に関するもの、国営干拓建設事業の施行に関するもの、国有林野の交換に関するもの、郵政省の小包配達業務の運営に関するもの、労働省の都道府県労働基準局及び労働基準監督署における経理に関するものの五件でありまして、政府関係機関その他の団体につきましては、日本国有鉄道の自動信号化等工事に伴う撤去機械信号機器の活用に関するもの、日本電信電話公社の工事用図面の青写真焼き付け等の請負契約に関するもの、日本住宅公団の土地買収予定価格の評定に関するもの、日本道路公団の高速自動車国道建設工事の予定価格の積算等に関するものの四件であります。  ただいままでに申し上げました不当事項及び改善の意見を表示した事項のほか、検査の結果今後の予算の執行等にあたり留意を要すると認めたものにつきましても、これを検査報告に記載いたしました。  以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに、関係各省各庁などに対し、是正改善の努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいても、さらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。  次に、昭和四十年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。  昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書及び国有財産無償貸付状況総計算書は、四十一年十月二十九日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月六日内閣に回付いたしました。  三十九年度末の国有財産現在額は三兆九千九百五十三億八千六百万余円でありましたが、四十年度中の増が一兆三千八百三十七億三千百万余円、同年度中の減が二千九百三十億七千万余円ありましたので、差し引き四十年度末の現在額は五兆八百六十億四千七百万余円となり、前年度末に比べますと一兆九百六億六千万余円の増加となっております。  次に、国有財産の無償貸し付け状況について申し上げますと、三十九年度末には三百億二千四百万余円でありましたが、四十年度中の増が四百二十二億四千五百万余円、同年度中の減が二十九億六千四百万余円ありましたので、差し引き三百九十二億八千万余円の増加を見まして、同年度末の無償貸し付け財産の総額は六百九十三億五百万余円となっております。  国有財産の管理について不当と認めましたものは、維持及び運用に関するもの一件であります。また、国有財産の管理及び処分について、会計検査院法第三十六条の規定により改善の意見を表示したものは、国有林野の交換に関するものの一件でありまして、これらはいずれも昭和四十年度決算検査報告に掲記してあります。  以上であります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 ただいまの、昭和四十年度決算外二件に関する質疑は、後日に譲ります。     —————————————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 この際、資料要求の件についておはかりいたします。  例年、大蔵省当局に対し、決算の検査報告に記載された会計検査院の批難事項に対する関係責任者の処分状況調べの提出を求めておりますので、昭和四十年度決算についても同様、その提出を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 次に、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書、昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和四十一年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますから、順次これを許します。丹羽久章君。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 お許しを得ましたので、四十一年度の大蔵省所管の予備費について、ちょっとお尋ねをいたしたいと思います。  きょうは非常にお忙しい中、特に大蔵大臣に御出席をいただきましたので、ひとつ大蔵大臣から御説明をしていただければ非常にしあわせだと思います。  実は、ギリシアの請求権の処理に必要な経費についての説明の中に、「ある種の請求権」こう書いてありますが、「ある種の請求権」というのは、これは説明はありますけれども、内容はどんなようなものでありますか。また、この説明書をずっと読んでいきますと、いろいろとギリシアとこの取りきめに至る両国間の折衝、この経過をひとつお話しをいただきたい、こう思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 ギリシアが対日断交した日は昭和十六年の十二月二十三日でございましたが、その以前において、つまり、日本とギリシアの間に戦争状態が発生する前に、わが国の官憲によって、ギリシアの国民、ギリシアの法人に対して人的物的の損害を与えたということがございました。その責任が国際法上わが国の政府に帰せられるべきものとして、ギリシアの対日請求権が出てきました。これは平和条約の規定に基づいて、ギリシアの請求権が出てきたわけでございます。これにつきましてギリシア側と交渉の結果、概算五千八百万円ギリシア政府に一括支払うということで解決して、昨年の九月二十日に両国間で取りきめができ、公文交換を行なったという事件でございますが、内容は、日本の官憲がギリシア人に損害を与えたということが内容でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 「ある種の請求権」というのは、ギリシアに対して、ギリシアの人々に対して日本が戦争によって損害を与えた、それで「ある種」という表現を使われた、こういうことになるのですか。この点はどうでしょう。ちょっとこの「ある種」という意味がわからないものですから、こういう表現の使い方というものを……。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 条約に関係しますから、外務省から……。

鹿取泰衛外務大臣官房会計課長

○鹿取政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、国際法上の請求権がギリシア側にあるわけでございますが、請求権の性質について、外交上、「ある種の」ということばが使われておるのが慣例でございますので、「ある種の請求権」というように言ったわけでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 そうすると、こういうような賠償をしてあげることばの表現というものが、どの場合においても、あの戦争の終戦に対して、「ある種」ということを使うのですか。

鹿取泰衛外務大臣官房会計課長

○鹿取政府委員 このギリシアの請求権は、平和条約第十八条に基づきまして、戦前の請求権、それから平和条約に関係のございません中立国がわが国に持っていた請求権の種類を総合いたしまして、「ある種の請求権」と呼んだものでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 そういう国に限って「ある種」ということばを使うのですね。

鹿取泰衛外務大臣官房会計課長

○鹿取政府委員 そうでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それではそれでけっこうです。私はそういうことには認識が不足で、これはもっと堂々と、そういうような損害賠償に対して支払う金だというふうに書いていただいたらわかるが、「ある種」というのはどういうことであるかと思って聞いてみただけです。金額としてはばく大ではありません。よくわかりました。  それでは大臣にお尋ねいたしますが、最初からギリシアは五千八百二十三万五千円、この金額で折衝せられた結果が、こういう金に出てきたか。一体最初はどれだけ向こうは請求してきたか、その折衝の経過はどんなふうだったでしょうか。

鹿取泰衛外務大臣官房会計課長

○鹿取政府委員 ただいまここに資料を持ち合わせてございませんけれども、最初の要求は数十億という過大な、非常に大きな額であったと記憶しております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 数十億の要求に対して、五千八百二十三万五千円で話をしていただいた御苦労はよくわかりましたけれども、それでは、当時の経過をまた文書ででも出してもらうということにいたしましょう。それでは、それでけっこうです。  それでは、二番目の問題を——時間が制限せられて、三十分よりやってはいかぬということで、もう一つ聞きたいと思いますが、この外務省の所管の予備費についてですが、ベトナム共和国の難民救済事業について、七千二百万円出しておりますね。これは、いつ、だれからこういう要請があって、援助を決定したのか。この点を、ひとつ、大蔵省か外務省かどちらかわかりませんが、お聞きしておきたいと思います。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 私からお答え申し上げます。  昭和三十七、八年ごろから、非常にベトナムには難民が多くなっておりまして、昭和四十年ころでありましたが、ベトナムの大使のほうから、ぜひともひとつベトナムの難民を日本政府として救済してほしいという要請がございました。ベトナム政府側から二度ほど要請がございまして、その要請に基づきまして、日本政府として、現在ベトナムに相当難民がおるという事実を認定いたしまして、その要請にこたえまして、正式に閣議におきまして、七千二百万円の支出を決定したわけでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 四十年ごろに、ベトナムの政府から難民も多いから、何とかひとつ救済してくれということで、閣議において決定して、七千二百万円を出したということですが、この四十年ごろの閣議の決定はいつだったか、次官は御記憶ありませんでしょうか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 閣議では、四十一年の三月一日の閣議において決定したと思います。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 よくわかりました。それに基づいて七千二百万円を計上をした、こういうことでございますね。  それで、この七千二百万円を使用するについて、これは普通からいきますと、こういうような難民救済というのは、日本赤十字というのが、長年国際的にはそういう中間に立ってやってくれる制度になっておると私は思うのですが、これはどうも調べてみると、ベトナム協会を使ったというようなことですが、その事情——日本赤十字でなくて、ベトナム協会にやらせたという事情をひとつお聞かせ願えませんでしょうか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 こういう救済事業は、赤十字社としてやるのがあるいは当然であるかも存じませんが、御案内のように、赤十字社としてやる場合におきましては、通常国際赤十社から指令を受けるとか、あるいは何か国際赤十字社の会議においてそれを決定するとか、そうしたいろいろ話し合い、決議等の根拠がございまして、国際赤十字社の指令、あるいはそうした根拠に基づいて、日本赤十字社がその依頼を受け、あるいはその指令に基づいてやるわけでございます。それから、赤十字社がやる場合においては、一国というのでなくて、数カ国であるとか、国際的にまたがるのが普通のようでございます。ただこのベトナムの場合におきましては、おそらく当時これは非常に緊急を要しておったと思います。四十年の末から四十一年にかけての難民が、当時八十万すなわち十六万世帯もおるという非常に緊急状態を訴えてまいりましたので、政府といたしましても、緊急に措置を講ぜねばならぬということで、緊急に閣議で決定して、措置をとりましたので赤十字社というルートを通らずに、ベトナム協会というものを通じて物資の配給を行なった、こういうことになったわけでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 いま次官からお話を聞きますと、通常は日本赤十字社でなくても、国際赤十字社がそういうような問題を取り扱うとか、あるいは日本赤十字社がやるべきであったけれども、緊急を要しておったから、この場合やむを得ずしてそういう措置をとったんだ、ベトナム協会を使ったんだといういま御答弁ですね。しかし、どんなに緊急を要しておったか知らないけれども、本来の姿というものからいくと、それはちょっと、何というんですか、形の上においては日本赤十字にしても国際赤十字においても、これは当然、そういうような話なりがあったら、何らかの回答をせなければならない、そういう意味の国際赤十字であり、日本赤十字社だと私は思っておるんです。そういうところへは全然相談なしで、一挙に国としての考え方で押し切ってしまった、こういうことなんですか。それとも、相談はしてみたけれども、なかなか返答もこないし、らちもあかない、だから、そんなことを言っておってはとてもかわいそうで、これはほっとけないということで、緊急処置としておとりになったのか、この点をもう一度お尋ねしておきたいと思います。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 これは南北ベトナムの問題がございまして、やはり北ベトナムとの関係もございますので、緊急に行なうためには、赤十字としても、いろいろこれを引き受けてやる場合においては、相当めんどうな問題が起こり得るんじゃないかと思いますので、そういう関係でおそらく赤十字社を使わずに、いわゆるベトナム協会というものを通じて、緊急に物資援助を行なった、かように考えております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 南ベトナムと北ベトナムというふうに解釈した場合には、それはもうおっしゃるように、国際的な問題が含まれておるから——ベトナム協会というのは南ベトナム協会のことだろうと思いますけれども、そちらを通じてやった、こういうことだろうと思います。それについては、日本赤十字にも国際赤十字にも相談せられたか、せられないかということは、まだ言明していらっしゃいませんけれども、もしこれを赤十字社へ持ち込めば、いろいろむずかしい問題が起きてくる、または複雑な事情があるから、まあそれでベトナム協会を利用した、こういうことなんですね。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 当時、やはり一応赤十字社のほうにはこの援助方を申し入れしたのでありまするが、やはり赤十字社としましては、いろいろ南北問題等もございますので、非常にめんどうな問題が起こりまするので、ちょっと渋りましたので、政府としましては、ベトナム協会を利用いたしまして、これによって緊急な手配をした、こういうことでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 ああそうですか。まあ事情はわかりました。それで赤十字は使わなかったという。話はしたけれども、いい返事がなかったりなんかで、ベトナム協会でやったということですか。こういう団体は、ベトナム協会という団体は、役員だとか事務局というようなものの内容はよくわかっておるのですか、政府のほうで。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 お手元にその組織のメンバーなんかの資料が行っているかどうか存じませんが、これを申し上げますと、会長は衆議院議員の一萬田尚登氏であります。それから専務理事は真山寛二氏、それから常務理事はたくさんおりますが、アジア会館の理事長の岩田喜雄氏、それから日本工営社長の久保田豊氏、それから経団連の局長の千賀鉄也氏、それから理事には、東京銀行頭取原純夫氏、それから間組社長の神部満之助氏、三菱商事社長荘清彦氏、それから大南公司社長の松下光広氏、三菱重工業会長藤井深造氏、三井物産社長水上達三氏、その他実業家の方々が理事になっておられます。それから監事には、元駐ベトナム大使をされた小長谷という方、それから平井荘寿という二人の方が監事になっております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 まありっぱな方々が役員になっていただいておりますので、これに対して何ら申し上げることはありませんが、ベトナム協会というものは、この救済をするという、こういうような問題が起きるずっと前からあったんでしょう。これはどうせ私が聞かなくても、ほかの人が聞かれるだろうと思って、私も一ぺん聞いておかなければいかぬと思って聞くのですから、おそれ入りますが、ひとつ丁寧に御答弁願いたいと思います。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 このベトナム協会は、昭和四十年の十一月に、わが国とベトナム共和国との親善関係の促進を目的といたしますと同時に、人物、文化の交流あるいは経済提携の強化、貿易の促進等の諸事業を行なうための団体といたしまして、社団法人として設立認可申請を提出いたしましたので、昭和四十年の十一月に設立認可をいたしております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 そうすると、私はそうむずかしいことを聞こうとは思いませんが、いまベトナムに七千数百万円の援助をしてやろうという場合に、日本赤十字へ話があった、国際赤十字に話があったがうまくいかない、それからこういうのができ上がったのか、そうでなくて、ベトナムとの文化交流のためにでき上がっていた、そういうものが便利がいいので、これを利用してひとついろいろ救済してあげよう、こういうことになっておるか、どちらがあと先になっておるかということだけ、ひとつ聞いておきたいと思うのです。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 このベトナム協会は、ただいまのベトナムへの物資の援助とは別に、すでにこれは設立の準備がされておりまして、設立は四十年の十一月に手続上認可されましたのでありますが、設立準備その他は、前々から準備されておりまして、この物資援助とは別に、これが設立は進められておったわけであります。そこで、たまたま経済援助の目的でこのベトナム協会がすでに設立されておりましたので、これを活用したわけであります。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 まあ協会をたまたま利用した、ただこれを設立したのが時期的に少しおそくなっただけである、前々からの案だった、正式な認可をとったのは少しおそい、こういうことなんですね。別に物資を送るためにこういうものができたものじゃない、こういう御説明ですね。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 そのとおりでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それに間違いなければけっこうだと思うのです。どうせそういうことを聞かれる人もあるだろうと思ったから、私は先に聞いておいたほうがいいだろうと思ったのです。  それで、だれしも聞こうと思うことは同じことだと思うのですけれども、この難民救済に送った品物の内容ですね。それから、これをベトナム協会が買い入れて、そして送ったのか、どういうような援助的方法をとられたか、ひとつ、商社だとか品物だとか、そういうような内容をちょっと聞かしていただけませんか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 援助物資は、ベトナム政府からの要望によりまして、その中から選択いたしまして、綿織物、毛布、家庭薬品、これを送ったわけでございます。この商社につきましては、ベトナム協会から推薦を依頼されましたので、外務省といたしまして、関係の各省にその推薦を依頼いたしました。関係各省の推薦に基づきまして、取り扱いの商社をベトナム協会のほうから指定をしたわけでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 その関係商社を各省に依頼したとおっしゃるが、どこかでまとめて、毛布はどこが扱ったのか。あるいは向こうの要望の品物はどんなようなものを要望してきたか、薬品は。大体の品目と商社を聞かしていただいたらいいと思うのですが、ひとつその説明をしていただきたい。ばく然と、ただ依頼したとかどうだという答弁じゃなくて、もう少し親切な答弁をしてもらいたいと私は思います。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ベトナム政府からの要望は、綿織物、毛布、その他繊維品、医薬品、膨大なものがあったわけでございますけれども、その中から最も緊要と思われるものを選びまして、先ほどお話しいたしましたように選択いたしまして、その数量は綿織物約百万ヤール、五千九百万円、毛布一万八千枚、約四百八十万円、家庭薬一万袋、七百万円でございます。取り扱いの商社につきましては、先ほど申し上げましたような手順によりまして選択されまして、綿織物につきましては三井物産大阪支店、毛布につきましては金商又一株式会社、薬品につきましては全国配置家庭薬協議会、この三社が取り扱っております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それでけっこうです。それだけ聞いておけば……。  それでは、その次にちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、こういう品物を上げたっきりにしたのか、現地における配分はどのように行なわれたかという、向こうからの報告は来ておるのか来ていないのか、それに対してひとつお答えをいただきたいと思います。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 現地におきましては、南ベトナム政府におきまして、先方の総理府に難民問題庁というものがございまして、難民関係の仕事を総括して扱っております。この難民問題庁が受領をいたしまして、これを各省にございます——地方の省でございますが、省にございます難民救済委員会、これが難民問題庁の出先の機関となっておりますが、これと中央の難民問題庁とが協議いたしまして、これを配分しております。当初約四分の三を直ちに配分いたしまして、四分の一を予備として取っておりましたが、これも逐次配分されまして、難民問題庁を通じまして、各地方の難民救済委員会、そうして現実に難民の収容所あるいは難民部落に配給されております。先方からもそういう趣旨の通報が参っております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それでは、その後ベトナムのほうから、また救済してくれとか、最近また戦争が盛んになって、相当爆撃を受けたりなんかしておりますが、これについて、何か向こうから言ってきておりますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 具体的に、どういうものをやってくれという要請はございません。しかしながら、一般的に協力は求められておるわけであります。わが国といたしましては、その後病院の援助、医者の派遣あるいは病棟の建設というようなものを、これは昨年度の予算におきまして御審議を願いまして、これによって医療の協力を続けております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 品物としては、別に要望はしてきていないというわけですね。それじゃ、お気の毒であるから、医療関係でめんどうを見てあげておる、こういう状態なんですね。わかりました。それじゃこの問題は時間がありませんから、そこで打ち切りましょう。  それじゃ、ひとつ厚生省の所管の予備費についてちょっとお尋ねいたしたいと思います。  在日朝鮮人の帰還援護に必要な経費というのがありますね。これはどんなような経過になっておるのか、一ぺん聞かしていただきたいと思います。

江間時彦厚生省援護局庶務課長

○江間説明員 お答えいたします。  北朝鮮の帰還でございますが、戦後、在日朝鮮人のうちで北朝鮮に帰還したい者が多数あったのでございます。これらの人が帰る方法がないということで、昭和三十四年の八月十三日に日本赤十字社と北朝鮮赤十字会との間で協定を締結いたしまして、その協定に基づきまして、今日まで業務が続けられてきたわけでございます。この協定は、毎年一年刻みの協定でございまして、十一月十二日まで有効の協定になっております。現在までにこの協定に基づきまして帰りました人員は、ことしの五月末現在で、八万七千四百二十五名となっております。  この協定は、その後いろいろな経過をたどりましたけれども、現在は、わが国の国内における業務につきましては、全面的に日本赤十字社がその業務をやってくれております。その必要な経費は、日本政府が補助金として支給するという形で、今日まで続いております。何ゆえにこの経費が補助金になるかと申しますと、先ほど申し上げましたように、協定が毎年十一月十二日までしか有効でございませんので、年度当初の予算におきましては、十一月分までの予算を計上しております。毎年八月前後にこの協定が延長されるかどうかということがきまるわけでございますが、その協定が延長されるということになりましたならば、その年度間に必要な経費を予備金で計上するというのが、毎年の例になっておるわけでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 韓国と在日朝鮮人との問題ですが、この在日朝鮮人は、まだ韓国の籍があるのかないのか。韓国人でないところの在日朝鮮人というのは、現在、あなたのほうのお調べでは、どのくらい日本の国にいるのでしょうか。

江間時彦厚生省援護局庶務課長

○江間説明員 これは私のほうの所管ではございませんけれども、私らが聞いておりますところでは、在日朝鮮人の数は約五十八万ぐらいあるというふうに言われております。われわれのほうでは、どの人が韓国籍の人であるか、あるいは北朝鮮のほうに属する人であるかということは、現在の段階では、まだ最終的にはきまっていないというふうに承知いたしております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それじゃ、韓国人と在日朝鮮人との区別ははっきりしていないということになると、これはむずかしいことだ。これはどこがわかるのか、外務省でわかるのか、これはひとつ委員長から一ぺん聞いてもらいたいと思うのですがね。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 これは、正確には、法務省の入国管理局において、登録によって判定するわけでございます。私どもが法務省からいただいておる資料によりますと、ただいま厚生省からお答えのとおり、大体五十八万でございますが、そのうち登録面で韓国籍として登録されております者が約二十五万でございます。他の者は朝鮮という表記になっており、約三十三万でございます。正確な数字は法務省のほうから……。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 そういたしますと、これは経費の問題になっておるから私は聞くのですが、本年の十一月の十二日限りということになって、一応すべてが打ち切られるということに、何か政府と在日朝鮮人との間のほうにそういう協定が結ばれておる。そうすると、この十一月十二日が来た場合に、たとえばどういうような処置になっていくのですか。もうこれは帰るとか帰らぬとかというふうに、その問題は決定的にはどういうふうになるという、これは政治的でなくて、法的な立場に立つと、厚生省の考え方はどういうふうになるのでしょうか。

江間時彦厚生省援護局庶務課長

○江間説明員 これも必ずしも私のほうの所管ではございませんけれども、昨年の八月二十三日付の閣議決定をもちまして、日本赤十字社と北朝鮮赤十字会との間に結ばれた協定はこれ以上更新しないという決定になっておりますので、したがいまして、協定による期間はことしの十一月をもって終わりとなります。それからあとのことにつきましては、現在政府のほうは、これからあと北朝鮮に帰りたい人につきましては、一般外国人と同様な方法でお帰りになれるように処置する、というふうに説明をしてまいっております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 大蔵大臣に質問をする人があるそうで、やめてくれぬかという話ですから、やめましよう。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 それじゃ結論だけやってください。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 これでけっこうなんです。それじゃどうもありがとうございました。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 短い時間でございますけれども、大蔵大臣にお尋ねをいたしまして、その後は各省にお尋ねをいたします。  簡単でございますが、大蔵大臣にお聞きいたしますが、この予備費でございますけれども、昭和四十年度一般会計で四百五十億を計上されまして、そしてほとんど全部の四百四十九億というものが使われたわけです。大体予備費というものが、そんなにきちんと計算が合うということが、私にとってちょっとわからない。そしてこの額というものは、あまりにもきびし過ぎると、残額が少ないということのために、一たんいろいろな問題が起きたときに足りないということで、できないという場合もありますし、多過ぎますと、本来予算で計上さるべきものを予備費によってやるというふうなことで、この議会の財政に対する権限にも影響するようなことだと思うのでございます。それで、一体総予算において、この予備費を計上されるという基準はどういうところできめられるのか、その点承りたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 確かに予備費は多く取り過ぎてもいけませんし、少な過ぎてもいけない。いま災害その他の使用実績というものと、予算の規模というものを参考にして、所要の見込み額を立てて、予備費を計上しているということで、別に基準はございません。予見しがたい予算の不足ということに対する予備費でございますので、この基準というものをつくることは非常にむずかしゅうございますが、いままでの例によりますと、昭和の最初のころ、総予算額の一・五%という、一%以上の予備費でございましたが、だんだんにその後渡って、一%でなくて、〇・何%ということできましたが、それによっては、やはりその年々の災害というものを処理することは実際においてはできませんでしたので、したがって補正予算を組むということで今日まできました。もし毎年の災害を、補正予算を組まないでこれを処理したらどうかというのを、実績をとってずっと見ますと、少なくとも一・四、五%以上の予備費を持ってないといけない。予算総額に対して二%の予備費を持ったら、よほどの問題が起こっても対処できるというふうに考えております。しかし国会がありますときは、予備費は使いませんで、補正予算でやらなければならない。予見しがたい必要な経費が出てきても、国会がある間は補正予算で対処できるということになっております。ですから、昔のように、あまり国会が長くなかったときには、相当多く予備費をとっておかなければいけませんでしたが、いまはほとんど年じゅう国会があるということになっておりますので、ほんとうは二%前後ほしいところでございますが、まあ内輪で一%前後、それを少しずつ上げていこうということで、ことしあたり一・四%という予備費をとっておりますが、まあ二%ぐらいがほんとうはほしい、少しずつ率を上げていきたい、というようなことを私どもはいま考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 大臣のおっしゃったことで、ちょっとわからないところがあるのですよ。昭和三十年代、その初めにおきましては、ここに資料を持っておりますが、時間もかかりますからさがしませんけれども、大体〇・七%の時代があった。その後このたびは一・五%程度、倍になっている。そういうふうな傾向から申しますと、いま大臣がおっしゃった、議会が長いからということとやや矛盾するような気持ちもいたしますけれども、とにかく予備費は漸増の傾向にあるということは、割合でいきましても言えるわけで、これは災害等につきましてはもっとふやすべきではあるけれども、この程度にしておこう、こういうことでふやすことに努力していられるわけでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 要するにもっと多く予備費を計上すべきものを、予備費を内輪にして、事実上毎年予算の補正を多くやっておった、こういうのが過去の姿だと思います。けれども、それを直すためには、できるだけ予備費を多くすることにして、予算の補正を将来少なくて済むようにという方向に持っていくのがやはり本筋だ、というふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、私は新聞で見たのでございますけれども、初めに査定をなすって、それを閣議で報告をなすって、それを基礎にして各省と折衝に入られる、こういう順序でなすっているのでございますが、その新聞で見ますと、今年度予算の初めには——数字が違っておったら、あとで事務のほうから直していただきたいと思いますが、六百億じゃなかったかと思いますけれども、それがきまったときには四百五十億円ばかりに減っているわけでございますね、もっと減ったかしれませんが。どういうわけで、初めに出された大蔵省所管の予備費というものを、予算査定の途中の結果において、そういう大幅な減少をなすったのか、これをお聞きいたしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 それは、各省との予算折衝の過程におきまして、最初の大蔵原案の内容が当然狂ってまいりますので、そのときのやりくりの都合から、当初大蔵原案の中で予定した予備費が減額されて、その部分が各省の予算調整に使用されている、こういうことだろうと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 たいへん不見識なことでございますが、予備費の減が三百億になっておる。それから、それに関連して伺うのでございますが、その他の経費が一千百億円の減。一体何のことだかわからない。それから国債費の百六十億の減  国債費につきましては、これはいろいろ原資のくふう等もなすって減少されたのかと思いますけれども、その他の一千百億の減というふうなことは、一番初めに大蔵省がいいと考えたものを、一千百億もその他の経費で減らすというのは、どういうところから出てくるのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 これがいわゆる大蔵大臣の予算調整ということでございまして、最後の政府原案で、歳入が変わった場合は総額が減りますが、歳入が変わらない場合には、各省の要望を取りまとめて、大蔵大臣が調整して大蔵原案をつくった。この原案の数字と、最後にさらに各省との折衝を終えてできた政府原案の数字とは同じになっている。ただし折衝の過程において、大蔵原案の中身が変わってまいりますので、増減がそこに当然出てくる。しかし、最後は総額は同じに処理されるということが予算編成でありまして、編成の過程においては、大きく政府原案がふえる場合もございますし、減る場合もある。これは当然だろうと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 それにしても一千百億はひどいでしょう。その他の経費、いろいろな諸雑費が入っていると思うのですけれども、一千百億円も減らすような大蔵原案をつくるということは、私は不見識きわまると思うのですよ。それですから、新聞等で隠し財源、隠し財源といわれる。一千百億というのは、一体何がこんなに出てくるのですか。何から出てきたのか、おもなものを事務当局でもよろしゅうございます、おっしゃっていただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 千億というと大きいようでございますが、総体の五兆円の予算の中で見ますと、大蔵原案が、各省との折衝の過程で二%程度のものの異同というようなことは、そう大きい金額ではないと私は思っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 しかしその他は五千六百億くらいですよ。そのうちから一千百億を出すということは、たいへんなことじゃないですか。その他というものについては、いろいろなものが入っていると思うのです。そこからそういうふうな二割近くのものを出してくる、あるいは二割以上のものを出してくるということは、大臣、あなたの答弁おかしいですよ。そういうふうに隠し財源なんていわれることが、私はいけないと思う。しかし、この三百億の減ということも相当な減であって、いかに予備費というものに対して、大蔵省が見識を持たないか。しかも出てきたこの決算によると、それをほとんどべろべろと使っている。どこかに無理があるにきまっている。出すべきものを出さなかったか、あるいは出さなくていいものを出したか。こんな不測のことに備えるというものが、決算においてほとんど同じだというふうなことは、常識的には考えられない。その点につきまして、これは私の意見でございますが、御所見でもありましたら、承りたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 大蔵原案は、確かに最初予備費一千億という原案でございましたが、さっき申しましたように、各省の調整をいたしますときに、いろいろそこに増減が出てまいりますので、その一つの余裕財源という考えもあって、当初の原案には一千億ということになっておりましたが、私の考えは、これは予算折衝に臨むときから言っておりますが、最後の折衝の結果、予備費は本年度七百億円を確保したい、この確保ができたら予算編成は成功であって、別に各省折衝の間に予算を食い荒らされたことにはならない。予備費は当初計画は七百億円であるとはっきり声明して予算折衝に入った結果、ちょうど七百億円の予備費でおさまったということで、私のほうから見ますと、予定の予備費だったというような気がいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 先ほど数字を言い忘れましたが、初めの原案は一千億でございましたね。それを三百億円減らして七百億円になすったわけですが、いまの大臣のおことばでは、初めから七百億円のつもりだったけれども、予算の折衝の過程においてまた三百億くらい出るだろうというおつもりのように聞こえますが、そういうことなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 それは、先ほど申しましたように、予備費というものはやはり二%前後確保することが一番いいと思いますので、確保できたらそのくらい確保したいと思って、私どもは二%の確保を考えておりましたが、しかし予算折衝の過程において、どうしても調整上必要ある場合には、この中から三百億円くらいをさくことはやむを得ないというのが私の考えで、折衝の結果そうなったということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 国民は——大臣の耳に入るかどうか知りませんけれども、各省の折衝の過程において復活を認めながら、予算の総額が結局同じだった、何のことだろうか、隠し財源だ。一面から言うならば、財政投融資のほうに持ってこられた面もあるかと思いますけれども、そういうふうなことはよくないのではないか。初めから、これだけのものがあるのだから、これをみなでどうするかということを出して、そして各省の折衝において、大臣がこれをしかるべく調整される、こういうふうなことでなければいけないと思うのでございます。これは私の考え方でございますが、今後国民に対する財政の信頼を保つ意味からも、御注意を願いたいと思います。  次に、国会に提出される予備費の調書でございますが、あまり簡単に過ぎる。勉強はいたしましても、何のことだかわかりません。そうでありますから、私どもとしては、各項各項ごとについて、関係各省の方に、お忙しいところを来ていただいて勉強しなければいけない。私の勉強はいいですけれども、お役人の方々は、仕事を持っている。そして、私のところに一人でおいでになればいいのでございましょうが、三人、四人の方がおいでになって、そして私がこれを勉強する、こういうことになるのは、非常に私は不経済だと思うし、かつまた、私はここでよけいなことまでお聞きしなければいけないと思うのです。それで、こういう面にも決算軽視の面が出ているのであって、予算につきましては、予算の説明というものがあるんであるから、こういうふうな予備費支出の各項についても、もっと親切な説明を添付していただきたいと思うのでございますが、来年からそういうことはできませんでしょうか。

相沢英之大蔵省主計局次長

○相沢政府委員 予備費の大部分の経費は、災害復旧その他災害対策の経費、あるいは生活保護費その他のいわば事務的な経費の追加でございまして、これらの経費につきましては、もちろん詳細に説明を申し上げたほうがよいのかと思いますけれども、大体におきまして、本予算に計上されました経費の単なる量的な補正ということになっております。それで、従来大体その経費の性質がわかる程度の説明にとどめているわけでございます。特殊なものにつきましては、できるだけこの説明を詳細にしまして、御理解のいただけるようにいたしておりますが、なおわからないという御注文がございますので、そういった点につきましては、今後また検討いたしたいと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私、昔のことを言うのは変ですけれども、お役人だから申し上げるんですが、私は、本省の会計課長をしていたんです。その際に、官房長というものがなくて、会計課長が政府委員だった。その際に、会計課長の政府委員としての役割りは一体何なのか。この予備費の支出についての責任の衝に当たるんです。一項一項について説明させられた。そういうふうな時代を経ているから、私はそういうふうに申し上げるのであるけれども、これじゃわからぬですよ。とにかく非常に皆さん御迷惑だと思いますけれども、私は、各一項一項について、各省の方々について説明を聞いた。こんなことは大した手数じゃない。私のところに三人もおいでになって説明する時間があれば、何でもないことなんです。聞いて初めて、ああそうかと思うのもあるし、そういうふうなことは大した手数じゃないですから、予算の説明がありますから、各項について、計算の基礎と、それからどういう問題があるか、趣旨を説明したものを出していただきたいと思いますが、それはできませんですか。大したことないでしょう、こんなもの。

相沢英之大蔵省主計局次長

○相沢政府委員 私ども、大体予備費の内容につきましては、従来提出いたしておりますところの予備費の使用調書の説明で十分かと存じておりますが、そういう御要求がございますれば、なおこれは慎重に検討いたしたいと存じます。

華山親義日本社会党

○華山委員 憎まれ口を言うわけじゃないけれども、慎重になんてやらなくたっていいですよ。書けばいいんだ。印刷すればいいでしょう。何もないしょのことでも何でもありゃしない。  その次に伺いますけれども、大臣に伺いますが、この調書を見ますと、特別なものは外交問題に多いし、特に私の気のつくことは、外交関係について出された予算については、どうしてこれが補正予算を待てなかったのか。あるいは、あらかじめ本予算に計上すべきもの、そういうふうなものではないかというふうな疑念のわくものがあるのでございますけれども、何か外交のことについては特別に考えて、特別な扱いをする、こういうふうなことがあるのでございますか。と申しますことは、外交につきまして、予備金を支出したことによって、いろいろな論議を避けていく、こういうようなことをお考えになっているとするならば、私は間違いだと思います。外交については、一般国内の問題よりも特に予備費で始末しよう、始末しなければいけないんだ、こういうふうなものの考え方とか原則がおありでしょうか、大臣に伺います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 そういう考えは全然ございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 それじゃ、大臣に対する質問はこれで終わりますが、あと、各省についてお聞きいたしますから……。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 それなら、吉田さんに譲っていただきます。  吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 外務省所管の、インドの食糧危機に対する救援に必要な経費、インドネシアの食糧危機及び水害に対する救援に必要な経費、これと関連をいたしまするので、大臣、若干基本的な問題について伺っておきたい、こう思うのです。  わが国の平和政策とか、あるいは経済外交とか、基本国策に重要な関係のあるような予備費の使用の問題については、これは閣議を経るという手続をするのだろうか、あるいは、いまのような事項は閣議を必要としない、こういう経費に属するのでしょうか、その点はいかがなものでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 これは閣議決定事項でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 閣議決定事項でありますると、私は続いて伺ってみたいのですが、たとえばインドに対する食糧危機救援につきましても、これはインドの経済、農業あるいは生活等、広範な範囲にわたる問題を含んでおります。それから、インドネシアにおきましても同様に、一億の国民の生活に重要な関係があるのでございまするが、この経費の使用にあたりましては、相当調査をするということを大蔵省は要求されるとか、あるいは折衝の過程において資料を求めるとか、そういうことはなさるのでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 たとえば、インド政府から米国、英国、カナダ、西独、フランス、日本という先進国をはじめとして、およそ二十カ国に個別に援助の要請がございました。こういう場合には、日本としましては、在印日本大使館を通じて、インドの実情を詳しく調査するということは当然いたしますし、また、日本以外の各国の態度の打診もやる。そうして最後には関係国の会議によって、それぞれ各国の援助のしかたをきめるというようなことで、最後の話が済んだときに、さっき申し上げました政府の閣議において、この援助額及び援助の方法をきめる手続をとるというふうにやっておりますので、一番最初の調査ということは、在外機関を通じて調査するということになっております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そこで一転いたしまして、救援資金の予備費のことと関連の形におきまして伺っておきたい、こう思うのでありますが、インドネシアにつきましては、これは例の昨年の十二月の東南アジア諸国のアジア農業開発会議の重要な対象国になっております。そこで、東南アジアの開発途上の諸国に対する経済援助というものは、そのような急迫いたしました突発した諸般の事象に対する救援のこともあるが、特に食糧危機であるとか、洪水であるとか、農業に関する重要な関連を持つものにつきましては、これはやはり農業をめぐっての平和経済外交の関連におきまして、相当掘り下げた調査が前提になって進めていかれるべきではないだろうか。そういったことについて詳しく調査をしたかどうか、これは外務省に聞いてみたい、こう思うのでありますが、昨年の農業開発会議の結論といたしまして、基金を設定したようでございますが、こういう場合におきましても、やはり将来の農業開発のために相当な構想と調査、そういうものを前提にして、これは基金を設定すべきではないだろうか。つまりこの食糧危機等に対する救援と、それからかなり長期的な視野に立った農業に対する援助、協力とは、この際切り離すことのできないほどの外交上の重要な関連がある、こう考えます。そこで、大蔵省といたしましては、この東南アジア諸国の農業開発会議の決定に基づきまして、相当な基金開設の案が約束されておると思いまするが、こういうものを予算化する、あるいは幾らが妥当かということを調査する、何をするために投資されるか、そういうことの調査は相当なさったのでございますか。その点はいかがでございますか。問題は一転いたしますが、説明がくどくなりましたので、あるいはわかりにくかったかもしれませんが、つまり救援資金の問題は一時的なもののようであります。しかし相手国は農業の低開発国なんです。食糧は国民を養うに足りない国であります。インフレで悩み抜いておる国であります。そこへ農業の経済協力をしていこう、こういうのが農業開発に関する協力のこちらの方針になっておるのであります。そこで、そういう問題について、大蔵省としては相当基本的な調査をすることを要請するというふうにあってしかるべきだと思うのですが、その辺はどうなんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 それは当然だろうと思いますが、こういうことでございます。この援助を実施するためには、慎重な調査が必要であり、また将来に対する援助の方針というものを確立させなければいけないと思っておりますが、こういうことを有効的にやるためには、関係国が別の機関をつくるというよりも、ここに基金を設定して、これをアジア開発銀行に管理していただいて、そしてそこの機関を通じての援助をすることが最もむだのない有効な援助になるであろうというような方針がきまって、いまその基金をつくることになりました。そして関係国が集まって、この分担をどうするかという、いろいろな交渉にただいま入っておるという段階でございますので、この各国の分担がきまり、基金の額がきまりますと、この基金によってアジア農業開発計画をどうするかというこまかい問題は、これからの問題である、十分調査研究の上にこれがなされる、こういう段取りになろうというように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私は、東南アジアの諸国に対する財政、経済の援助ということは、これはアジアの平和政策の根本の問題であり、日本のみが果たし得るところの重要な一つの課題ではないかとさえ考えております。そこで、ただいまインフレの原因についていろいろと聞いてみましたり調べてみましても、やはり食糧生産を重視するというような政策に欠くるところがある。開発途上国は、ともすると工業偏重の開発に堕する危険がある。こういったことがインドネシアにおいてもあったのではないだろうか。したがって国民を養うに足りない。この間の何とかいう局長の説明によると、人口は一億をこえたらしいのであります。結局は食糧輸入国であります。未開発国で食糧輸出国は、最近の統計等によって見ても、すべて一人当たりの所得水準は漸次向上しつつあります。工業偏重で農業を軽視するような未開発国は、たとえばインドネシアにおいても、インドにおいても、マラヤ、パキスタンにおきましても、輸出国に比べますと全く所得水準が低い。こういったところから考えまして、やはり未開発国の農業開発を援助するための国策というものは相当重要である。重要なものであるから、したがって基金の設定にいたしましても、分担をきめるということは最終的なことですけれども、もっと基本調査をして、どの程度援助することが可能なのか。それはそんなことをしてもだめだ、もっと本質的な欠陥があるのだとか、そこまで大蔵省は踏み込んで、外務省と折衝することになるのでないと、私は国策としての援助基金にはなるまい。こういうふうにさえ考えておるのであります。そこで、この辺につきまして基本的な考え方をあなたに伺うのであります。ひとりインドネシアだけの問題ではありません。アジア諸国全部同じであります。京都大学におきましても、大学の教授らがこの種の諸国に行って、瘴癘の地で、身を危険にさらしてまでいろいろな調査をしておる。そのくらい調査ということは重要であります。そこまで大蔵省が積極的に入り込んで、調査を前提として基金の額をきめることが基金であります。基金の額が一億ドルにきまったとか世上伝えられますけれども、私は、お互いに分担する前に、もっと基本調査するのでないと、国策を十分遂行することはできないのじゃないか、こういうふうに思います。大蔵省は予算を預かる省でありますから、基本的な調査、検討を前提とするという態度をもって臨まれていくのであろうかどうか、その辺を一ぺん大臣から聞きたかったのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 いろいろ基本的な問題の調査につきましては、外務省はじめ農林省等関係省が、十分の調査を、それぞれの機関をもってやるということはいたしておりますが、この基金によって、何から始め、何を開発するというような問題は、当面この基金に委託するという態度を大体各国がとるということになっておりますので、この基金を中心にして、各国政府とも調査は十分に行ない、これに発言するという形に今後なろうと思います。まだいまの段階では、基金自身の金額もきまっておりませんし、したがって日本の拠出額も全然未定であるという状態でございますので、一応この基金がはっきり設定された後に、そういう実施段階において、いろいろな本格的な調査が各国とも行なわれると思いますし、また基金自身が責任を持った調査を行なわなければならぬという立場に立つものと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そうしますると、たとえばアジア開銀の中に特別の基金を設定する、かりに一億ドルなら一億ドルというふうにきめるといったような場合には、一億ドルになるか二億ドルになるか存じませんけれども、これはやはり特に農業という、長期的な視野に立って計画をなし、実施をしていかねばならぬ一つの政策の実行にもなりまするので、当然予算化をいたしまして、大蔵省はこれを計上する、こういうふうになるべきものでしょうか。あるいはまた、国会閉会中でございましても、補正予算でも作成されてお出しになるということになるのでしょうか。あるいはまたそれとも、一時的にまたほかの方法で、予備金ではそれはぐあいが悪いと思いまするが、次の国会を待つということになるのでしょうか。ということになりますと、これはたいへんに時期がおくれまして、一年半経過してしまいます。すでに三木大臣も、この間マニラへ行って閣僚会議をやったようでありますが、去年の十二月の会議後一年半になってしまいます。そういう点でもたいへん時期おくれになります。こういうふうにも考えるのですが、やはり日本の東洋における、アジアにおける先進国といたしましての先導的な平和任務というものは、これは国際的にも相当重要であろうと思うのですね。私も詳しくはわかりませんけれども、私らの狭い印象によりますと、アメリカあたりにいたしましても、経済的に日本に相当分担せしめたいというような気持ちがあるのじゃないだろうか。また日本といたしましても、外へ向かって鉄砲を持って行くわけにいかぬ国でありますから、やはり経済、技術、文化的な強力な、開発途上国に対するせめても平和的な大きな柱になるのじゃないか。こういうことを考えますると、やはりこれは十分に長期的な一つの予算計画、財政計画を立てて、そして開発のために一種の基金を投資する、こういうふうな国会の論議もあってしかるべきじゃないだろうか。さりとて、あまり長く日がたってしまっても、これはだめであります。こういうふうにも考えまするが、その辺の大体の心組みをお聞かせ願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 日本は相当額の拠出をするということをもう各国には宣明してございますし、したがって、いま各国の態度の打診をやっておるときでございますが、まだ各国の態度がいまきまっていない状態でございますので、この基金を日本が分担するという時期は、まだ相当時間的に先の話であろうと考えています。したがって、この時期と金額の問題ではっきり申し上げられませんが、この問題は、額が確定しますれば、結局予算の補正として、国会にお願いしてこの費用を計上するという運びになろうというふうに予想しております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それから、アジア開銀の一般の融資は、これは昨年の東国ア諸国の農業開発会議以外、もしくはあの会議に参加招請をしない国、たとえばインド——まあインドにつきましては、経済的に別の援助団体、世銀の後援している援助団体があるようでありますけれども、そこまで手を伸ばして、やはりアジア全体の経済外交、平和外交の一環といたしまして、何らか援助する、あるいはまた特別のいまの基金をインドまで手を差し伸べるというのは、行き過ぎなんでしょうか。インドというのも、相手が人口五億あり、あまり大き過ぎますので、ちょっとやそっと間尺に合わぬので、そこまでは少し行き過ぎになるのだろうか。インドまで援助の手を差し伸べるというような構想は、大蔵省としてはどういうふうにお考えになりましょう、大臣の所見を伺います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 まず発足が、主として東南アジアに限らるべきだという意見が圧倒的に関係国間に強うございまして、したがって、いまでは一応東南アジアに限った開発ということに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 最後に一点だけ伺っておきたいのでありまするが、開発途上国全体に対しまして、経済的援助、それから技術的な援助、協力、さらにまた、よくありますところの医療機関による援助、こういったものを総合いたしまして、できるだけその相手国の実情に適するように、かなり高度な長期計画的なものを持って臨んでいく、こういうことが、これまた一つの平和外交政策の、もしくは平和日本の平和推進の、一つの考え方といたしまして、そのような、少なくともいまの三つは、それぞれ相当重要な要素で、総合的に進めるべきではないだろうか、こういうふうにも考えるのです。これは少し抽象的で恐縮ですけれども、私は、やはりインドの実例に見ましても、技術協力が相当小さくても成功した実例もございますし、あるいはまた、マレー諸島における病気に対する医療の実情なんかも、アフリカ等の実情によって見ましても、やはり医療というものはわれわれの国と違って非常に大きなウエートがあるらしいし、同時にまた、経済はもちろんでありますが、こういうものが総合されて一つの施策をされるということが、やはり考え方としては根本的なものじゃないか、こういうふうに思うのですが、御所見はどうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田大蔵大臣 御承知のように、いままでは援助の体系もばらばらであったのでございますが、今後は、いまおっしゃられるような、やはり援助の体系化というようなことを総合的に考えなければならぬだろうと考えております。東南アジアの援助というようなことは、もう日本一カ国でやるべき仕事ではございません。国際的に協調してこの援助体制をつくるということと、この援助のしかたについての、いま言った総合的な体系化を考えるということをどうしても今後しなければ、この援助がほんとうの実効をあげ得ないということになるだろうと考えておりますので、私どももその研究は至急やろうというふうに考えております。たとえば援助のしかたでも、条件も各国ばらばらになっておりますし、やはり援助のしかたについての一つの体系を、これから整えていく必要が十分あろうと考えます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 私はいまの日本の行政の全般を考えてみまして、一つの共通した欠陥は、やはりばらばら行政のきらいがないでもない。そこでこの場合におきましても、外務省が、あるいは農林省が、あるいは厚生省が、あるいは大蔵省等々、それぞれの主管の角度から十分検討しながら、それぞれ方針を打ち出していて、そうして協力一致した結論を得ようというふうに努力をしておると思いますけれども、やはりこの大きな国策推進ということになりますと、一そう単なる協調というのじゃなしに、みじんもなわ張り的なものはないようにいたしまして、そうしてそれぞれの専門家を動員いたしまして、かなり高度な総合性が発揮されていくということになされねばならぬ、私はそういうことを特に痛感いたしております。これは何も対外施策だけではなくして、対内的な行政のあり方につきましても、常にそういうふうに考えておりますので、この点は、特に一そうそういうふうに推進せられんことを御要望申し上げておきたいと思います。これは別に御答弁要りません。  終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 先ほど大臣にもお願いしましたとおり、非常に説明がただ一片の説明にすぎないのであって、われわれにはわかりにくい点が多いのでございます。したがって、その点につきまして、各省にわたってお聞きいたします。時間がかかるかと思いますけれども、これは大蔵省のものの出し方が悪いのだから、ひとつがまんを願いたい。  それでは、順序によって聞きますが、昭和四十年度一般会計予備費の使用でございますが、一三ページ。これは、先ほども丹羽委員からお聞きになりましたベトナム共和国における難民救済の経費でございます。これにつきまして、補足的に、あるいはダブる面もあるかもしれませんが、お聞きいたします。  この救済は、ベトナムの国におきまして、日本政府の名において行なわれたのか、ベトナム協会の名によって行なわれたのか、どちらでございますか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 お答えいたします。  これは、日本政府として援助を行ないまして、実施機関として、ベトナム協会が用いられたわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうしますと、ベトナム協会というのは小使いみたいなもので、ただやったというだけであって、何もベトナムという国に対しては、協会という名前は出ておらないのでございますね。その点、ひとつ間違いのないようにお答え願いたいと思います。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 もちろん、援助物資の調達配給の実施事務を担当いたしておりますから、ベトナム協会という名前はもちろん出ております。しかもベトナム協会は、ベトナムの民生安定、それから経済援助、そのほか貿易の振興とか、そういうことを事業目的として組織せられた団体でございますので、もちろん名前は出ております。

華山親義日本社会党

○華山委員 端的にお聞き願いたいのですが、これは補助金ですね。協会に対して与えられた金なんですから、協会のものなんですよ。それで、協会があっちに行って仕事をする場合に、日本政府の名においてやったのか。補助金の性格から言うならば、ベトナム協会の名においてやられたものだと思いますけれども、その点を明らかにしていただきたい。形だけでいいです。実質はどうでもいい。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 これは予備費を、補助金としましてベトナム協会に交付いたしまして、その補助金を使用いたしましたのがベトナム協会でございます。そして援助は日本政府としていたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 こんなことで時間を空費するのは何ですけれども、そうすると、あちらではベトナム協会の名によってやったのかどうかです。ベトナム協会の名前は、ベトナムの国に対しては全然出ていないんですか。どうなんですか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 これはあくまで日本政府の援助物資として、ベトナムの難民に交付されております。これを伝達いたしましたのがベトナム協会でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それじゃベトナムの政府は、この物資は日本政府からもらったものだと思っているわけでございますね。ベトナム協会じゃございませんね。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 もちろんベトナム政府としましては、日本政府からこの援助物資が出たものと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私が聞いているのは、相手方ですよ。相手方のベトナム政府は、これはベトナム協会から寄贈を受けたものと思っているのか、日本の政府から寄贈を受けたものと思っているのか。形の上でどうなんだ、ということを聞いているのです。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 これは日本政府から寄贈を受けたものと考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それじゃ、これは一つの日本の外交の手段として考えていいわけでございますね。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 そのとおりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 その次に伺いますが、ベトナム協会の内容でございますけれども、定款に定める協会の目的等は、先ほどお話がございましたので省略いたしますが、予算としまして、予備費で七千余万円が出ておりますが、そのほかにどういうものが計上されておりますか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 御質問の趣旨を、もう一回お尋ねしたいのでございますが……。

華山親義日本社会党

○華山委員 協会の予算あるいは決算の上で、どれだけの金額が、政府から補助したほかに出ているかということです。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ベトナム協会自身の予算といたしましては、四十一年度におきまして事業費、会議費、事務費その他を合わせまして五百十七万円の予算を持っております。

華山親義日本社会党

○華山委員 その金でどういう事業をやっていらっしゃいますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ベトナム協会のこの予算によりますと、図書、資料の収集、調査、会誌の発行、総会費その他が事業の内容になっております。そのほか事務費といたしましては、人件費、交通費、通信費等が計上されております。

華山親義日本社会党

○華山委員 人件費は、何人の人を雇っていますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 三名計上してございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 幾らぐらいの俸給なんです。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 事務理事は……、(華山委員「いや事務員です。」と呼ぶ)事務員に対しまして十万円、それから庶務係の兼任に対しまして四万円計上しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 十万円なんというのは月給でもないじゃないですか。  この協会は、私が間違えていたら教えていただきたいのですが、電話番号簿を引いたってないですよ。私の間違いかと思って、電話交換局に対して、ベトナム協会の電話番号は何番か聞いてみたって、ありはしない。全く空白なものです。そういうところですよ。あなたはベトナム協会に対していろいろな用事がおありになろうと思うのですが、どこに御連絡になるのですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 これはアジア会館の中に部屋を持っております。アジア会館に連絡いたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 そうすると、アジア会館に電話をかけて、ベトナム協会につないでもらうわけですか。ベトナム協会自身の電話番号はないわけですね。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 アジア会館の常務理事が、ベトナム協会の常務理事を兼ねておりますので、アジア会館に連絡いたしますれば、ベトナム協会に連絡がつくと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 そんな、専門家でなければわからない、世の中に所在不明の協会なんというのはおかしいじゃないですか。私はこの問題もあるから、ベトナム協会に電話でいろいろ聞こうと思ったって、かかりやしない。電話がないのですよ。机はあるのかどうか。行ってみたことはありませんけれどもね。そういう空白な、ただ人の集まりなんです。  その次に伺いますけれども、先ほど役員はだれかということについてお答えになりまして、会長以下おっしゃいましたが、副会長はどなたですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 副会長は七名おられまして、長谷川峻さん……、(華山委員「職業を言ってください」と呼ぶ)衆議院議員でございます。保科善四郎さん、前衆議院議員、大谷贇雄先生、参議院議員、鹿島守之助先生、参議院議員、植村甲午郎さん、経団連、野田卯一さん、衆議院議員、久保田貫一郎さん、元ベトナム大使でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 先ほどの御答弁では、常任理事の名前から議員のほうの名前を省いておっしゃったような気がいたしますけれども、もう一ぺん言っていただきたい。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 常務理事は、岩田喜雄さん、アジア会館理事長、吉江勝保先生、参議院議員、久保田豊さん、日本工営、秋田大助さん、衆議院議員、千賀鉄也さん、経団連局長、前田正男さん、衆議院議員、木内四郎さん、参議院議員、それだけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 私から申し上げるまでもなく、そういう方々は議員としては全部自民党の人なんですね。そういうように自民党の人の集まり。  それから、先ほどおっしゃいました事務局長ですか、それはどなたでしたか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 専務理事真山寛二さんです。

華山親義日本社会党

○華山委員 真山さんというのはどういう方ですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 海軍出身の方で、現在自民党のお仕事を手伝っておられるように承知しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 手伝っているのですか。自民党から月給もらっているのじゃないですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 その点は承知しておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 いまお話ししましたように、全く電話もなければ、さっぱりわけのわからない空虚な人の集まり、しかもその大部分の人は、会長、副会長、専務理事、事務局長、ほとんど全部が、自民党と、それ以外の人は、先ほどお答えになったように経団連の大物、経団連と自民党との集まりなんです。そういう性格のものなんですよ。勢いこの会合というものは自民党と経団連の色彩、その意見が入るということは当然のことです。だれが何と言おうと、私はそう思います。  その次に伺いますけれども、このベトナム協会というものは、認可された法人なんですね。このベトナム協会に対しましては  ほかにも、外務省関係でいろいろ認可されている協会があると思いますが、この仕事以外に、この協会に対しまして、特別な監督とか指導とか、そういうものをなすっていらっしゃいますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 これは社団法人として認可されておるものでございまして、主務官庁は外務省でございますので、一般社団法人に対する監督の責任は、外務省にあるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 この仕事以外について、一般よりも強い監督をなさいますか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 補助金につきましては、もちろん特別の監督をしております。その他の点につきましては、他のものよりも特別な監督ということはしておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから、先ほどお話がありまして、木綿類、毛布あるいは薬品等を買われた。こういう費用を使うのに、どうしてこれは入札によらないのですか。その点を伺いたい。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 先ほど政務次官から御説明がございましたように、ベトナム政府といたしましては、難民の増加に対して、緊急に援助の物資がほしいということを言っておったわけでございます。われわれといたしましても、緊急にこれを援助する必要を感じまして、処置を要したわけでございます。したがいまして、入札等によって時期がおくれることを心配いたしまして、入札を行なわなかったわけでございますが、そのために、取り扱い商社その他につきましては、十分に注意いたす意味におきまして、関係の主務官庁の推薦を得て行なったわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 これは補助金だって国資ですよ。補助金を使うのに、工事をやる場合であっても、いかなる場合であっても、およそ入札によらないというばかなことはない。そういうことがもし行なわれているならば、補助金についての競争入札が行なわれていないというふうなことであるならば——ここはおそらく受けないでしょうけれども、会計検査院の検査を受けたならば、必ず指摘される。急いでいるなんということは理由にならない。そしてその額がわずかな額ではない。ものによってはわずかなものもありますけれども、八千万円に近い額ですよ。そして、それを指名もしない。指名入札をするのが、国費を扱う上からいって重大なことだと私は思うのです。そういうふうな事情、十分な監督をしていらっしゃらないんじゃないか、あるいはこの協会というものは虚名無実なものであるから、そういうふうな仕事ができなかったのじゃないか。それですから、あなたのほうが言われるとおり、通産省からいろいろな推薦を受けてきて、この仕事は外務省、自分がおやりになっている。協会は名ばかりのものじゃないですか。私はそういうふうな国費の使い方というものはないと思うのですよ。それでは、急ぐから競争入札はやめたんだ、本来ならば競争入札はすべきだけれども、急いだからやめたんだ、こういうふうに私は理解していいわけですね。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 私ごとばが足りなかったかと思いますが、外務省が推薦を受けて決定したとおりになったならば間違いでございまして、協会から推薦を求められたわけでございます。したがいまして、外務省としては、主務官庁にそれを依頼いたしまして、その結果を協会に知らせたわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから、先ほど、赤十字になぜやらせないのかということにつきましてお話がありました。私は了解できませんけれども、重ねてお聞きいたしませんが、このベトナム援助に対する説明とインドネシア、インドに対する説明とでは、書き方が違っていますね。どういうわけで書き方が違うのですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 赤十字につきましては、先ほど御説明があったとおりでございますが、補足いたしますと、赤十字に委嘱することを当然考えたわけです。赤十字といたしましては、たまたまベトナムが分裂国家であるということから、赤十字という団体の性格といたしまして、片方だけに対する援助の協力をすることは、赤十字の活動自体にやや支障がある、そういう考えからこれを受けなかったわけでございます。インド、インドネシアにつきましては、そういう問題がございませんので、したがいまして、ベトナムと他の国とは、その点で赤十字の立場として違った立場をとらざるを得なかった、こういうふうに理解しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 私のことばが足りなかったかもしれませんが、インドネシア、インドについては、当該国からの要請もありと書いてある。当該国からの要請があった、そういうふうに読める。こちらのほうにはそういうことばがない。よく見てごらんなさい。ベトナムからの要請がなかったんでしょう。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ただいま拝見しました書類にはないわけでございますが、先ほど次官から御説明いたしましたとおり、本件につきましては、ベトナム政府から強い要望が提出されております。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 先ほどの私の説明がちょっと足りませんので、申し上げておきます。四十一年の一月の十二日に、椎名外務大臣のところへベトナム大使が参りまして、口頭をもって、緊急に難民救済方について日本政府に協力を求めておりまして、ついで二月の十五日に公式の書面をもって、さらに外務省に大使が二度目の訪問をしてまいりまして——在京のベトナム大使が外務大臣のところへ参りまして、公式に書面をもって、ぜひとも緊急にひとつ援助方を協力願いたい、こういうように二回の正式の依頼がございまして、それに基づいて、政府としましても緊急に措置をとった、こういうわけでございます。ことばが足りなかったのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それだから、詳しく書けと、私言うんですよ。こちらのほうのインドやインドネシアのほうには、当該国からの要請があったと書いてある。こちらのほうには、当該国の要請なんて一つも書いてない。それだから、私は、もっと詳しい資料を各国について出しなさいと言っているわけです。  そうしますと、赤十字がやらないならば、なぜ、日本政府が直接やらないのか、ベトナム協会というものを通じてやったんですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ベトナム協会は、先ほどからお話もございましたが、南ベトナムとの友好親善を促進するということを目的としている団体でございます。こういう団体は、今回の援助につきまして、特にそういうふうにベトナムとの親善協力をうたっておる団体でございますので、こういう団体に委嘱することが、特に援助の効果を発揮できるというふうに考えたわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私が聞いているのは、その国から援助してくれというのなら、日本国政府が直接やればいいじゃないですか、なぜベトナム協会という協会を通じてやったのか、そして何も仕事はしていない、あちらで名前を出すわけでもない、なぜベトナム協会というところを通じなければいけないのか、日本政府があちらの政府に対して直接やったらいいじゃないか、外務省で物を買って、あちらの政府に送り届ければいいじゃないか。これはどういうことなんですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ベトナム協会の活動状況につきましては、私どもは先生とやや見解を異にしておりまして、非常に熱心にベトナムのことを考え、ベトナムとの協力という点につきまして勉強もしておられますし、努力もしておられる団体でございますので、政府が直接やるということも考えられるわけでございますけれども、現地の実情、あるいは先方とそういう密接な協力をしている団体を使うほうが、より効果的であるという考えから、これに委嘱したわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 より効果的だというのですけれども、ベトナムに行くと、ベトナム協会の名前も出ないというのでしょう。ということは矛盾しているじゃないですか。先ほど次官は、あっちのベトナムに対しては、ベトナム協会という名前は何も出ないのだ、こういうお答えでしょう。それだったら、自分でやればいいじゃないですか。政府が物を買いつけて、それを大使館でも通じて、あちらの政府に送ればいいじゃないですか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 私からお答えいたします。  従来、外務省がこうした援助物資を送ります際に、政府みずからがやる場合はほとんどございません。あるいは赤十字社を利用しましたり、あるいはいろいろ各種団体の協力を求めて、これによって援助協力方をお願いしているわけでございます。そこで、今回のこの援助物資につきましても、たまたま四十年の十一月にこうした団体ができておりますので、この団体を利用して、大いに協力してもらったらどうか、こういう意味で、外務省からも持ちかけ、向こうも、ぜひひとつこれはやってやろう、こういうことで両者の話がぴったり一致したものですから、これに協力方をお願いしたわけでございまして、その後も、この協会は、決して先生のおっしゃったように、何もないのだというのではなくて、なるほど高層なビルの中には入っておりません。(華山委員「電話もない」と呼ぶ)しかしながら、中心人物の局長もおりますし、またそうしたものが絶えず集まりまして、いろいろ会合を開いたりなんかしておりまして、とにかく活動はいたしているわけであります。ただ、協会の予算というものが非常に少ないものですから、はなばなしい目立ったような活動はできないわけでありますが、非常にまじめな、きわめて質朴な団体でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 政治的色彩を持っているところのまじめな団体であるということは、私は否定いたしません。あなたは利用されたと言われますけれども、この仕事について、どういう点について利用したのですか。協力を求めたのですか。具体的に、仕事の内容から言っていただきたい。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 援助いたします品目の選定、これは主としてベトナム政府側の要望によりまして、私どもが選定いたしましたが、その際も意見を求めております。それから援助物資の買い付け、発送その他、全部ベトナム協会に委嘱して、ベトナム協会がやっております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それはあなた観念的に言うんですけれども、発送するといったって、ベトナム協会が梱包したわけでもないでしょう。送るまで、全部のものが含まれて入っているでしょう。この経費の中に送料なんて入っておらない。私は、実際上何もしてないと思うのですよ。しかも、事務費として出した金はわずかばかり。大体、事務員がいないじゃないですか。年間十万円の事務員といったって、そんな者いやしませんよ。そんなところで協力してもらうといったって、何の協力もできないじゃないですか。意見は聞いたかもしれないけれども……。私はこういうものではないと思うのです。  それから、先ほど補助金とおっしゃいましたが、私は非常に疑問を持ちます。補助金というものは、一たん国が払ったら、その団体のものなんですよ。したがって、それを支出する場合、あるいはこれを使う場合には、これは全部その団体でなければいけない。補助金をもらって、それを日本政府が使ってやったとすれば、これはなお大問題です、自分の金でやったのですから。この点は、別に会計検査院の意見等も聞いてみますから、間違っておるなら言ってください。  それから、これは私のほうと自民党のほうと考え方は違うかもしれませんけれども、とにかく南北ベトナムというところでは戦争をしておる。赤十字は、いろいろな関係があって、国際的立場からいうならば、両方にやらなければまずいんだ、こういうふうに言ったという。私は、人道上の立場に立つならば当然のことだと思う。それで、政府としましても、これを何らかの方法で、北ベトナムにも申し出て、北ベトナムがこれを拒否すればこれは別問題ですけれども、何もやらなかったのでしょう。人道上に立つならば、戦争には国境はないはずだ。片方にだけ日本政府が物資をやった。私はこれは非常に間違いだと思う。答弁は要りませんけれども、私は、人道の立場からいうならば、戦争の両方にやるべきであって、軽々しく一方にのみやるべきものではない、こういうふうに考えますが、その点、御所見でもあれば、次官どうぞひとつおっしゃっていただきたい。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)国務大臣 このベトナム救援物資をわが国で送りましたのは、外交政策の上から送ったわけでございまして、南ベトナムとわが国とは、国交の正常化もしておりまするし、いろいろ貿易関係も結んでおりまするし、いろいろな外交政策を推し進める上から、南ベトナムの難民を救済するというのが最も必要であろう、両国の親睦を増し、和平をさらに進める意味におきましても必要であろう、こういう観点から、南ベトナムに対しまして救援物資を送ったわけでございますから、これは外交的な政策面から送ったわけでございまして、その辺ひとつ御了承願いたいと思うのでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それでは、やはり人道の問題ではなくて、外交をうまくするためにやったのだ、こういうことですね。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 もちろんそれは人道の面から送ったわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それではちょっと伺いますが、御承知のとおり、憲法第八十九条には「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは團體の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に對し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と書いてある。私はこの問題につきまして——この条文につきましてはいろいろの学説があります。いろいろの学説があるけれども、いかなる憲法上の学説をとっても、このような団体に政府が金を出して、人道上の仕事をさせるということは了解ができない。先ほどおっしゃったとおり、特に公の支配を受けておるわけでもない。それはいろいろな問題があります。私立学校についてはどうだ、あるいは社会事業の団体に対してはどうだ、いろいろな問題が、憲法上の問題についてありますけれども、とにかくそれらについては、これを規制する法律がある。それによって、赤十字社にも法律があり、それによって特別な公の支配を受けているわけである。そこで憲法に、あの程度の支配でいいか悪いかということがあるかもしれませんけれども、出ておらない。この場合に、どんな学説をとろうとも、公の支配とは考えられない。憲法に違反するものではないかと私は思う。この点につきまして、前からしばしばこういうことも行なわれているわけでございますから、政府において、この憲法をどういうふうに解釈していられるか、伺っておきたい。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 この問題につきましては、もちろん外務省としまして、ベトナムに救援物資を送ります際には、この行為それ自体が憲法八十九条の規定に違反するかどうかということは十分検討いたしまして、その結果、この援助物資を送ることが、憲法の規定には違反しないという確信を持って、これを送ったわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、直接このことが憲法八十九条の規定には違反していないという観点から、この措置をとったわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 いや、私の言うのは、ベトナム協会に金をやったということを言っているのです。それはどうなんです。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 要するに、ベトナム協会に補助金を交付して、援助物資を送らせたのでございますから、ベトナム協会に補助金を交付したというのは、いわゆる憲法八十九条にいうところの、慈善団体、教育団体といったものに公金を支出したということには該当しない。と申しますのは、われわれとしましては、ベトナム協会というものが、純然たる慈善団体であり、あるいはまた教育団体であるというようには解釈していないわけであります。ベトナム協会というものは、あるいは経済援助をやったり、あるいは文化の交流をやったり、そうした事業をやる団体でありますので、いわゆる憲法にいうところの、慈善団体であるとか、教育団体であるとか、そういうような団体ではないという解釈で、補助金を交付したのであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 憲法には団体と書いてないのですよ。「事業」と書いてあるのです。団体とは、宗教のほうは「團體」ですけれども、片方のほうは「事業」なんですよ。一体こういうことについて、次官は、これは憲法違反じゃない、こういうふうに断定できるわけですね。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 多分八十九条の後段のほうだろうと思いますが、いわゆるベトナム協会そのもののやっている事業が、純然たる慈善事業であるとか、あるいは教育事業であるとか、そのものを協会の主たる目的でやっているものではない、こういう意味で申し上げた次第でございます。団体と言ったのは、あるいは表現の間違いであるかも存じません。そういう意味で申し上げたのであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 くどいようですけれども、公の支配に属しているのですか。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 ベトナム協会がその補助金を受けまして、この事業を実施する場合におきましては、もちろん監督官庁である外務省の指揮監督のもとに、与えられたるその範囲内における事業だけしかできません。そういう意味におきまして、いまの公の支配に属しておるということは、事実上言えると思うのであります。ただし、私が申し上げたいのは、法制上にそうした根拠があるのかというと、これはなかなかむずかしいと思うのでありますが、ただ事実上、そういう法的な支配に属しておるということは言えると思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 それは、次官は法制局とひとつ御相談してみたらどうですか。あなたの言うようなものの考え方は、一番間違った考え方なんです。そんなことを言ったら、私だってできますよ、国から金をもらっていって慈善事業をやるというのは。それができないところに、現在の悩みがあるのじゃないですか。こういった条項があるのだからできる、しかし、そういうことができないことになっているのが憲法じゃないですか。それは自然人だって法人だって同じことなんです。その点につきまして、私は外務省にここで申し上げておきますが、きのうの夕方、私のところにおいでになった局長はどなたですか、きょうここへはおいでになっていないのですが。あなた方、そのことは全くだれも御存じないのですか、私とその局長の話し合いの内容は。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 ここにはおりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 話し合いの内容は、だれも聞いておりませんか。外務省としましては、きょうその人がおいでにならないとすれば、私は親切にその人を呼んで相談をしたが、非常にひきょうな態度と言わざるを得ない。この問題については、法制局とも十分に協議をして、政府の見解を述べる必要がある、あしたでは時間がないから、しばらくその協議の済むまで待っていただきたい、こういうことであったから、私は、質問しないわけにいかぬけれども、しからばそういうふうに正直に答えてもらいたい、そういたします、と言って帰ったのですよ。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 おそらく、先生のところに伺いましたのは、総務参事官室の者であったと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 者じゃないですよ。参事官でしょう。

小川平四郎外務省アジア局長

○小川政府委員 参事官だと思います。  ただいまの問題につきましては、私どもといたしましては、先ほど次官のお答えになりましたように、憲法の問題には抵触しないと考えておりますけれども、念のために、法制局の意見を聞こうと思っております。まだ法制局から結論をもらっておりませんので、その点につきましては、ただいま御指摘のとおり、法制局の見解をよく聞いてみるつもりでおります。

田中榮一自由民主党外務政務次官

○田中(榮)政府委員 私のことばが少し足りない点を補足して申し上げます。  私の申し上げたのは、これは政務次官として私の見解を申し上げたのでありますけれども、まだ、この点につきましては法制局とも何ら打ち合わせておりません。内田参事官を差し向けたのは私でございます。先生のところへ行ってよく打ち合わせてきてくれ、もしも先生のほうで来週までも待っていただけるならば、それまでに法制局なり関係省とよく打ち合わせた上で、はっきりしたお答えを申し上げたい、こういうことで、私が内田参事官を先生のところへ差し向けたのでございます。したがって、きょう先生がここで御質問なさるということでありますから、先生の御質問に対して、政務次官として、私の答えを申し上げたので、その点を御了承願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 了承いたしました。ただ、私として遺憾なことは、こういう憲法の解釈すらも、いまさらこういう仕事をおやりになっておりながら、何人といえども疑問を抱くような条項に対して、いままで法制局ともお話しにならないでこられたことに対しては、はなはだ不満であります。法制局の御意見が出たその際に、私は論議したいと思いますけれども、私の考え方では、そういうふうなことはできないと思います。そうでなければ九十八条は全く空文です。だれでも補助金をもらえば、補助金については、補助金条項というものがつくから、公の支配を受けるから、だれがやってもいい、そんなことはないと思う。  それから、朝鮮人帰還問題につきまして、先ほどもお話がありましたが、何か最近の新聞によると、朝鮮の配船はこれを認める、こういうような政府の方針が出ておりますが、そのとおりでございます。  また朝鮮の配船を認めるというふうになりますと、勢い乗船するまで、日本はいままでどおりの経費が要ると思うのでございますが、将来の見通しを承りたい。

江間時彦厚生省援護局庶務課長

○江間説明員 お答えいたします。  先ほどお答えいたしましたように、現在、政府としてはっきりきめておりますことは、十一月十二日をもって現行協定は終了する、それから後においては、北朝鮮の方は一般の外国人と同様にお帰りになることができるように、政府は配慮するということでございます。したがいまして、十一月十二日以降お帰りになる便については、現在いろいろなことが考えられます。たしか昨日の新聞にそのようなことが伝えられたようでございますが、現在までのところでは、政府としてはいろいろ検討中だというふうにわれわれは理解いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 配船を認めるというような新聞の発表は、まだ確かではないんですね。

江間時彦厚生省援護局庶務課長

○江間説明員 あの新聞記事がどこから出たのか、われわれ承知いたしていないわけでございまして、現在、われわれは、事務的には目下検討中であるというふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 相手国が船をよこすと言った場合に、それはよこさないでくれとも言えないじゃないでしょうか。そういう申し出があったら当然受け入れるべきだと思いますが、どうですか。

江間時彦厚生省援護局庶務課長

○江間説明員 この問題は、主管庁としては、必ずしも私がお答えするのは適当でないかとも思いますが、ある国が船を持ってきた場合に、それを認めるかどうかというのは、やはりケース・バイ・ケースによって考えられるべき問題だと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 次に移りますが、先ほどお話のありましたギリシアのある種の賠償ですか、補償ですか、これはどういうわけで、本予算に計上しないで、あるいは補正予算に計上しないで、急いで出したのですか。

相沢英之大蔵省主計局次長

○相沢政府委員 私もギリシア請求権の問題、経緯は詳しく存じておりませんが、先ほど外務省の会計課長から答弁がございましたとおり、ギリシア側の請求額は数十億という大きなものでございました。長いことかかって折衝しておったわけでございますが、これが結局五千八百万ということで、九月の二十日に妥結いたしまして、政府をギリシア王国政府との間において、この請求権の回復に関する取りきめが行なわれまして、この取りきめに基づいて直ちに支出をするということに相なりましたものですから、国会も閉会中でございますし、予備費を支出するということになったわけでございます。そう承知しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 経緯はわかりますけれども、そういう性質のものはどうして補正予算に組まないのか。それだから、さっき私は大蔵大臣に対して、外交の問題は特別に考えるのかということを聞いたわけです。三月も待てば補正予算に組めるのじゃないですか。政府は商売人じゃない。うまく話がついたからさっさと払っちゃおうという、そんな気持ちを起こさなくたっていいじゃないですか。なぜ、そういうふうな取りきめが行なわれたか、あるいは取りきめが行なわれるならば、仮調印ということになるかどうか知りませんけれども、予算の決定次第支払うというふうに、二十年もたっていることですから、できそうなものだ。なぜそういうことができないのかということなんです。

相沢英之大蔵省主計局次長

○相沢政府委員 これは相手方がございます外交交渉によりましてきまったことでございますので、やはりその支出の時期につきましても、政府とギリシアとの間で長い間の懸案がここで解決されたわけでございまして、解決したからには直ちにこれを実行したほうがいいということで、そういう取りきめになったのだというふうに存じます。それで、補正の措置をとればいいじゃないかということになりますけれども、しかしそういう予見しがたい経費の支出に充てるために予備費も計上されておりますし、金額も予備費の範囲内においてまかなわれる額でございますので、予備費支出をするということに相なったものだと承知しております。

華山親義日本社会党

○華山委員 その他いろいろなことについてお聞きしたいのですが、これは大蔵省の方でも農林省の方でもいいのですけれども、生鮮食料品の政策について予備費を出しておりますね。物価なんというのは、予見されないなんということはないでしょう。災害でも何でもありやしない。長い間の状況なんです。なぜ生鮮食料品なんかの政策に、補正予算を組まないで予備費で出すのですか、これはどういうわけなのか。

大和田啓気農林省農林経済局長

○大和田政府委員 私ども、絶えず生鮮食料品の流通改善あるいは物価対策ということで、中央卸売り市場の施設費の補助金等々の予算を通常予算で組んでおります。しかし、昨年の十一月の予備費の使用につきましては、たまたま昨年の三月から四月にかけまして、春野菜の相当な値上がりがございまして、それを契機にいたしまして、政府各省に物価担当官を置いて緊急対策を進めたわけでございます。その緊急対策の一環といたしまして、一つはテレビを利用いたしまして、消費者に市場の入荷の状況を知らしたり、お買い得品の説明をいたしましたり、あるいは調理方法その他の説明をすることを考えましたことと、もう一つは、市場のせりの公正化を促すために、東京都につきまして、各市場ごとに、生鮮食料品の入荷量の表示とせりの機械化を進める施設を新しく取り入れることにいたしたわけでございます。これはもちろん物価対策あるいは生鮮食料品の流通改善でございますから、ふだんの予算にも組んでおりますけれども、いま申し上げましたように、野菜の特別の値上がりを契機といたしまして、それだけをつけ加えて、緊急対策として推進いたしたわけでございます。たまたま国会も開かれておりませんし、また国会が開かれるといたしましても相当な時期がかかる情勢でございましたので、直ちにこれを実行いたすために、予備費として支出いたしたわけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 私、大蔵省に申し上げますが、これは額が少ないからそれでいいですけれども、政府がある程度の政策をきめた、国会閉会中だった、予備費で出せ——それは議会の批判を受けないで金を出すことになる。わずかなものですから目につかないけれども、そういうことが行なわれたのでは何ともならぬと思う。こういう政策を政府が考えた、急ぐから金を予備費で出す、それで出してしまって、もう議会の批判はない、こういうふうなものの考え方は慎むべきだと私は思う。大蔵省どうですか。

相沢英之大蔵省主計局次長

○相沢政府委員 生鮮食料品の価格安定対策に関しまして予備費を出すことにいたしました経緯は、ただいま大和田局長から答弁がございましたとおりでございます。まあ生鮮食料品の値上がりは待ってくれません、対策は急がねばならぬ、ということで予備費を支出したわけでございまして、ただいま先生がおっしゃいましたように、予算の審議に手間を省いて片づけてしまう、そういう心がけでは毛頭ございません。予備費も、支出いたしました後におきましては、かように国会において十分なる御批判を受けるわけでございますので、私どもも予備費を支出いたすに際しましては、さようなことも十分勘案して、処理をいたしておる次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 議論はやめますけれども、計上するとか、そういうふうなことは当然考えていいことでもあるし、あの際にばかに魚や野菜が上がったからこうしたのだということで、魚や野菜を下げるための直接の経費であるなら、私はわからないことはない。方法論でしょう。政策とまではいかなくても、そういう方法論に対しましてこういう予備費を出すということは、農林省の経費のやりくりででもやるのなら別だけれども、私は感心しないやり方だと思います。政策によって予備費が出る、そういうことについては十分に警戒していただきたいと思うのでございます。  国際連合の財政の窮状を救うために出しておりますけれども、なぜこれは一般予算に計上しないのですか、あるいは補正予算に計上しないのですか。時間がありませんから、どういうわけで出すかなんということは要りません。

滝川正久外務省国際連合局外務参事官

○滝川説明員 簡単に御説明申し上げます。  国連の赤字でございますが、これはいま問題になっております中東の国連緊急軍とか、それからコンゴにおける国連の活動で、累積いたしまして、相当の赤字が出ました。この事態は相当前からあったわけでございます。国際連合として、これにどういうふうに対処して赤字を補てんするか、もう少し具体的に申しますと、分担金でやるか、あるいは自発的拠出金でやるか、という方法につきましての国連内の合意がなかなか成立いたしませんので、それの見通しがなかなか立たなかった。したがって、これは額もきまりませんのみならず、分担というような方法がきまらないものですから、予算化するわけにいかないという事情があったわけでございます。ところが、いろいろなこまかいことは省略さしていただきますけれども、去年の十月のたしか十日だったと思いますけれども、それまでこの問題についていろいろやってきました委員会の報告をもとにいたしまして、事務総長が、加盟国に対して緊急の要請をいたしまして、まあむずかしい議論はたな上げにして、ひとつ加盟国、すでに出している国は別であるが、そうでない国は至急出してくれというような——十月の十日ごろだったと思います。それでそういう緊急アピールにこたえまして、十一月中旬だったと思いますけれども、閣議の決定を見まして、予備金を支出した次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 これだって、私は国際連合に対しまして、窮状に対して分担金を持つというふうなことは、私は、その経緯は皆さんほど知っておりませんけれども、知っておるわけでございまして、共産圏とのいろいろな問題があったわけで、あそこまできたわけですね。それで、私は日本政府がこれを負担することについて、かれこれ批判するわけではありませんけれども、しかしそういうふうに金を出すということになったならば、やはり国会で了解を求めるべきものだと思うのです。それを予備金で出してしまって、あとはここで、たまたまこんな薄っぺらの中に一ページばかり書いてぽかっと出してくる。それだから私は、大蔵大臣に、外交のことは特別に扱うのかと聞いたわけです。どうしても補正予算まで待てないという事情があったわけですか。

滝川正久外務省国際連合局外務参事官

○滝川説明員 先生のおっしゃいましたこと、われわれとして全く同感でございまして、国連の活動の実情でございますとか、いまの平和維持活動に伴う経費の問題ということは、よく御承知願いたいと思いますし、国会のしかるべきところに御報告申し上げて、むしろ知っていただきたいというのが、われわれの衷心からの希望なんでございます。ただこの経費の、金の問題につきましては、先ほど申し上げましたような緊急アピールがございまして、急を要した。日本は大体二十番目ちょっとぐらいの順番だったわけです。もうあまり待てないという事態がございまして、出したわけでございまして、内容につきまして、何ら隠す意図はございません。

華山親義日本社会党

○華山委員 これで終わりますが、どうも私は、二、三カ月のことを待てないという国際連合じゃないと思いますけれども、これで終わります。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 浅井美幸君。

浅井美幸公明党

○浅井委員 今回付託されている昭和四十年度分(その2)、昭和四十一年度分(その1)のうちの農林、建設の両省の災害復旧事業費は幾らか、この点について教えていただきたいと思います。

粟屋敏信建設省河川局河川総務課長

○粟屋説明員 四十年度分につきましては、四十年度当初予算に三百八十六億二千三百五十九万四千円、予備費の使用額が二百十二億七千三百三十五万二千円、補正予算額百十四億七千八十一万一千円、前年度繰り越し額一億一千二十三万八千円、合計七百十四億七千七百九十九万五千円でございます。  四十一年度につきましては、当初予算が五百六十六億九千三百四十五万三千円、予備費使用額が二百億九千百九万円、補正予算額六十三億千二百七十二万二千円、前年度繰り越し額一億一千七十九万四千円、合計八百三十二億八千五万九千円でございます。  以上でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 農林省のほうは。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 四十一年度の被害額に対する復旧の工事費で国庫補助の対象にいたしました合計額が、二百八十七億千三百二十七万三千円でございます。そのうち、予備費で五十六億九百五十二万六千円、補正予算で十七億七千六百四十万円、計七十三億八千五百九十二万六千円の支出をいたしたわけでございます。  四十年度につきましては、いま数字を手持ちいたしておりません。

浅井美幸公明党

○浅井委員 検査院にお聞きしたいのですが、検査院から出ている四十年度の検査報告の災害復旧事業費の関係の不当事項の件数、これは何件あるか、それと不当金額は幾らか、これを教えてもらいたいと思います。

小熊孝次会計検査院事務総局第四局長

○小熊会計検査院説明員 農林省関係の災害復旧事業費の不当事項といたしましては、一件二十万円以上のものといたしましては七十八件、三千七百万円でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 建設省は。

石川達郎会計検査院事務総局第三局長

○石川会計検査院説明員 建設省関係におきまして災害復旧関係の指摘事項の件数は、二十万円以上のものは三十件、千三百十万一千四百八十八円でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 昭和二十八年以来、毎年このような不当事項が何回か指摘されておりますけれども、この不当事項は絶えない、この原因はどこに一体あるのか。また本気になってこういう不当事項を防ごう、そういう対策をとらなければならないと思いますけれども、農林省あるいは建設省は、一体このことについてどのように手を打たれ、そしてこれを未然に防ごうという努力をしたか。このことについて答弁願いたいと思います。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 毎々、検査院から災害復旧についての御指摘を受けておることについては、私どもたいへん遺憾に存じておるところでございますけれども、御承知のように、災害復旧事業というものの性格から考えまして、非常に緊急に復旧をいたさなければならないということ、それからさらに、非常に事業が特定の地域に集中をいたしますというようなことのために、地元の復旧事業の実施体制というものが必ずしも十分でございませんとか、それから地域的集中がございますために、工事を実際に請け負います請負業者の能力等が必ずしも十分でなかったこと、それから非常に地域的に集中いたします関係での工事量が非常に多かったこと、そういうようなことで、指導監督が十分に行き届いておらなかったということであろうかと思うのでございます。それで、先般来、私どもといたしましては、補助要綱と申しますか、災害復旧の事務の取り扱いの要綱あるいは査定の要領等の改正をいたしまして、対策をいたします範囲なり方法なり等についてはっきりとした基準を改正をいたしますほかに、査定官制度というものを設けまして、査定事務の責任体制の確立等をいたして努力をいたしてまいりまして、検査院の国会での御報告の中にも、それらの努力についてはある程度認めていただいておるわけでございますが、なお不十分な点がございますので、今後とも一そうそういう点を強化をいたしまして、特に事業主体の実施体制をそういう場合に確立をいたしますこと、それから請負業者の能力等についても十分調査をいたしまして、適格者に請負をさせるようにすることについて、今後とも一そうの努力と配慮をいたしてまいりたいというふうに考えております。

粟屋敏信建設省河川局河川総務課長

○粟屋説明員 建設省関係につきましてお答え申し上げます。ただいま農林省からお話がございましたようなことと、大体結論を同じくするわけでございますけれども、災害復旧事業につきまして、毎々会計検査院から御指摘を受けておりますことは非常に遺憾に存じております。御指摘の中には、いわゆる経理不当と申しますか、施行の段階において問題がございますものと、査定の段階において問題があるのと二つあると思うわけでございます。前者の施行の問題につきましては、特に事業主体の監督、いわゆる業者の監督でございます。それからそれができましたあと、事業主体が受けておるいわゆる検収の問題、その二つの問題につきまして手抜かりがあるのではないかと考えておるわけでございます。われわれといたしましては、事業主体に対しまして業者の監督を厳正にするとともに、検収にあたっても、十分検査をした上で受け取れということを十分指示をいたしております。なお、この施行上の分につきましては、会計検査院の御指摘もありますし、直ちに全部施行命令、改良命令を出して直させているわけでございます。査定の段階の問題につきましては、災害が起こりますと、直ちに緊急に査定をして復旧工事にかかるということが要望されますので、緊急査定を行なっているわけでございますが、何ぶん少ない人員で緊急にやるという点で、若干手抜かりがあるのではないかと考えております。この点につきましては、建設省といたしましては、災害査定官制度を設け、本制度の充実強化をはかると同時に、人員不足を地方建設局からの応援によっておるわけでございます。応援をする地建の職員につきましても、近年研修制度を実施いたしまして、査定の事務が適正に行なわれるように努力をしておるような次第でございます。  以上のような措置をもちまして行なっておるわけでございますけれども、今後さらにこれらの指導監督、それから査定の適正化について努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 先ほど農林省の方の御返事がございましたが、緊急だからいわゆる積算等について間違いがある、そういう御返事だった。この四十年度決算検査報告の中にもありますが、災害復旧事業費の査定額の中で、既存の施設が被災していなかったり、被害が軽微だったりしておるのに災害復旧の査定を受けて改良工事を施行しようとしているもの、その他、護岸の法長あるいは延長等を過大に見込んでいるもの、そういうけしからぬことをやっておるのです。幾ら緊急だといって、緊急の中に、全然災害を受けていないのに請求をし、それに対して補助金を申請した、そういう姿で、これははたして緊急性と言えるのですか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 私さきほど申し上げましたのが、ことばが不十分であったかもしれませんが、緊急性があるから査定をいいかげんにやっておるということを申し上げたのではなくて、非常に緊急なものであって、復旧の工事を緊急にしなければならないとか、それから、特定の地域に集中して事業を実施するということがあるために、ある程度実施主体の実施体制が十分でなかった等が原因としてあげられるだろう、ということを申し上げたのでございます。いまお話しのようなことは、査定の段階で十分精査し見抜いていかなければならないことでありまして、そのこと自体が緊急性と直接関連があるわけではないと思います。先ほど申しましたように、全体としての今後の実施体制なり、あるいは査定のしかたなり、その他のことにつきましても、いろいろ検査院からの御指摘もございましたので、過去においてもいろいろ手を打ってまいりましたが、今後も一そう努力をいたしまして、こういう御指摘がないようにしてまいりたいということを申し上げたわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 そんなおざなりなことを聞いておるのではない。いやしくも国民の税金です。その税金を支払うにあたって、農林省自体が行なっておる事項について、全然被災してない、災害復旧の対象に全然ならない、それにもかかわらず、それに補助金を出しておるという事実について、それを私は聞いておるのです。そんな答弁で私は満足しません。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 御指摘がありますような事項については、十分注意もし努力もしておるということを、先ほども申し上げたわけでございますが、指摘を受けましたものについては、たとえば粗漏工事でありますれば手直しさせるとか、あるいは補助金を交付すべきでないものに交付したということがあとで気がつきます場合に、検査院の指摘等によって発見されましたならば、それは当然返還をさせるとか、そういう措置は事後措置として十分とっておるわけでございますが、前もって出さないほうがいいにきまっておりますので、そういう点については、今後も査定その他の段階で十分注意をいたします。

浅井美幸公明党

○浅井委員 あなたはさっき、主任査定官制度を設けて査定事務の責任体制を確立しておるとおっしゃった。ところがそういう事実が出てきた。あるいはいまあなたは、会計検査院の指摘があれば、それを是正するとおっしゃった。そうではなくて、会計検査院の指摘事項は全部を検査したのではない。農林省関係では、農林省の査定額の約四分の一しか検査はしておらぬ。あとの四分の三に不正がないとは言えない。ですから、その四分の一指摘しただけで二億九千百八十万六千円という膨大な金額が出ておる。この事実を一体あなたはどう考えるかと聞いているんです。それを、ただ単に、今後出ないようにいたします——四分の一で二億九千万、約三億です。その四倍だったら十二億。そのような膨大な金額が不正な事実として使われておる。それをただ単なるあなたのような、お茶を濁したような答弁で、今後気をつけます、そんな姿で一体いいのかと、私は聞いている。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 冒頭から申し上げておりますように、そういうことがございますことについては、私どもとしてはたいへん遺憾に考えておりまして、したがって、過去においてもいろいろそういうことがございませんように努力もし、また、今後につきましても十分努力をいたしますということを申し上げておるわけでございます。単にお茶を濁して云々というおしかりをいただいたわけでございますが、別にお茶を濁すようなつもりで御答弁を申し上げておるわけではございませんので、御了解をいただきたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 じゃ一体、今後こういうことが出ないように——毎年毎年繰り返されておるんです。お茶を濁さないならば、一体、今後これは一銭もそういうことの不正の事実は出しませんと、あなた言えるんですか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 一銭も出ないことのほうが当然望ましいわけでございますから、出ないような方向で努力をいたしておるわけでございますし、今後もそういう方向で、できるだけの努力をするわけでございますけれども、別に弁解を申し上げるわけではございませんが、災害が起きまして、復旧を緊急に要するというとき、現場に参りましていろいろ見ます場合と、検査院が検査に出られます場合とでは、時間的なずれ等もございまして、いろいろ査定基準なり何なりが同じように合わせてあっても、あとでそういうことに気がつくということも、全くなしにできるかどうかというふうにおっしゃられると、若干の問題は残ると思うのでございますが、こういう指摘が数多くあることは好ましいことではございませんので、ゼロに近づけると申しますか、全くゼロにするように努力をするというふうに申し上げるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 努力をいたしますとか、それから、このようにしたいということではなしに、あなたさっき、主任査定官制度を設けて、このようにしてきた、このような不正が起こらないように……。一体あなたの考え方として、どうしたらそういうものがなくなるのか、また、もっとこのような検査官の指摘を受けるまでもなく、農林省の責任においてこういうふうにしていきたい——努力するというのは、これはだれでもできる答弁なんです。ですから、具体的にこのようにしていくということを、あなた自身が前向きに返事をしなければ、この問題については、努力するでは済まない。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 どうもなかなか御納得がいただけないのでございますが、先ほども申し上げましたように、とにかく災害というのは一定の地域に集中的に起こりますために、それの復旧を急ぐ、その事業量も、特定の地域に集中して起こるわけでございます。そこで、先ほども申し上げたわけでございますが、今後のこととしては、地元の町村の関係の事業主体の自主体制とか、それが、いまもお話のございましたような便乗的なことにならないように、常日ごろからそういう指導体制を強化していくということ以外には、特別のきめ手はないと私も思うのでございますが、そういう意味で、先ほどもちょっと申しましたように、査定官制度をつくりまして、査定の基準を統一いたしますほかに、出先の農政局なり都道府県を通じまして、今後とも、自主体制の実施主体になりますものに対する平常からの指導を十分いたしていくということは、努力をいたしたいと思っております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 同じ答弁のようですから、この辺で打ち切りますが、建設省、同じことだと思うんです。建設省はやはり全額の約二分の一の検査です。それに対して、このような不当事項があった。またそのあと、二分の一だから、二倍すれば、三億五千万近くの金額になると思うのです。それに対してどういうふうに考えているのですか。

粟屋敏信建設省河川局河川総務課長

○粟屋説明員 先ほどお答え申し上げましたように、結局、査定時の体制の問題が非常に大きな問題だろうと思いますし、査定に当たる人間の資質の問題、こういう点が非常に大きな問題だろうと思います。そういう点で、査定官制度の充実、それから、地方建設局から応援をさせておりますけれども、応援者に対する研修の問題、そういう点を十分今後励行いたしまして、こういう査定時における間違いのないようにいたしたいと考えております。  なお、会計検査院の御指摘のございました設計過大、積算過大の問題につきましては、さっそく再調査をいたしました上、事業費の決定額の変更を行ないまして、余分な金が交付されないようにいたしておる次第でございます。今後とも、先生の御趣旨に沿いまして、こういう事態の起こらないように、最善の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 会計検査院の方に再度お伺いしたいのですが、結局、会計検査院の検査の基準と、それから農林省や建設省の検査の基準ですね、どこか違うのでしょうか。同じ技術官がやっておられるように聞いておりますけれども、この査定額を減額修正させられるような事態が起こる。一体どういうことなのか、われわれには納得がいかないわけです。しろうとがそれをきめるならば、大幅な減額や修正はあるかもしれませんけれども、やはり技術官がそれをある程度検討して、そうして工事の金額を出しているわけです。それがこのように大きく違うということはどういうことか、会計検査院の方からまず御意見を伺いたいと思います。

小熊孝次会計検査院事務総局第四局長

○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。  災害査定につきまして、検査院が検査いたします場合におきまして、農林省のほうの査定いたしておりますところの基準というものは、これはその災害を査定する場合の基準といたしまして、これを尊重して検査をしてまいるわけでございます。しかしながら、先ほど農林省当局のほうからお話がございましたように、補助申請をする側あるいは査定する側におきましても、いろいろなその査定時におきますところの——査定に際しまして相当数の数をこなしていかなければならぬ、あるいは、申請側におきまして相当の粗漏な申請をするというふうなことで、なかなかその短期間に、災害復旧でありますから、査定そのものを急がなければならぬというような問題もございます。したがいまして、検査院があとで検査をいたしますと、そういう点におきまして、積算とか設計とか、そういうような点において十分でないという点が出てまいる。これは特に災害が集中して起こったような場合におきまして、その申請する側もあるいは査定する側におきましても、集中的に処理しなければならぬというようなことで、そういう問題が出てまいる。これがいままでの傾向でございますが、しかしながら、それにはやはり、先ほど農林当局からの話がございましたように、またわれわれとしても考えておりますけれども、やはり申請者側が、法律なり農林省の通達というものをよく習熟して、また、査定官のほうにおきましても、その査定の方法なり何なりにつきまして十分配慮するようにということで、三十九年の決算報告にも出ておりますように、改善意見を検査院としては出しております。その結果、あるいは農林省当局によります努力によりまして、四十年の災害におきましては、前年度に比べますと相当努力の点はうかがわれると、検査報告に書いておるとおりであります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 あなた、会計検査院は農林省の下請じゃないでしょう。あなた、独立の権能を持っていらっしゃるのでしょう。農林省のやっていることや建設省の不正を、あなたは階に認めているような、また出てもやむを得ないような答弁なんです。そういう会計検査院の姿であったならば、私どもは問題だと思います。あなたは内閣から任命された、独立の権能を持っているわけです。それを、やむを得ない事情があるから間違いが起こってもしようがないというようなニュアンスの返事があった。緊急性があるから、集中的に工事をやり、積算について間違いがあった、これが多かった、そういうことで許されるべきではないと思うのです。あくまでも厳正に——私が聞いたのは、あなた方の検査の基準と、建設省あるいは農林省の査定の基準が、違うのか同じなのかを聞いているのです。

小熊孝次会計検査院事務総局第四局長

○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。  先ほど申しました点、誤解があったようでございますが、基準といたしましては、法律に基づき、あるいは法律に基づいた農林大臣の通達なり何なりに基づいて、実施しておるわけであります。しかしそれがそのとおりに行なわれておらない、こういうことで、従来指摘してまいったわけであります。先ほど申しました趣旨は、従来そういう傾向が非常に強かった、それがそのとおり守られておらぬという傾向が強かった、それで検査院も改善意見を出した、こういうことでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 農林省に聞きますけれども、いま言ったように、従来、検査院から指摘されているけれども、守られていなかった。守ろうという姿勢がなかったのか、それともそれを守れという強い通達がなかったのかと、私たちは常に思うのです。この決算委員会でいろいろと指摘をする。また会計検査院が指摘をしておる。それが、しばしば同じ間違いが繰り返されておる。そのことについて、私たちは、これをないようにしてもらいたいと言っておるのです。いま基準は同じだし、建設省の考え方も検査院の考え方も、査定の基準も同じだというのです。一つの工事をやるのに、大きな違いはない。ですから、その辺のことについて、特別の主任査定官制度をつくったからといって、安心はできない。だから、そういう大きな誤りが同じ技術官で行なわれるわけです。これに対してどういうふうに考えるかということです。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 先ほど検査院からもお話がございましたように、三十九年に、改善意見というので検査院から御指摘がございまして、それに対応して、先ほど来申し上げましたように、査定官をつくりましたこともその手段の一つでございますが、それだけではなしに、請負業者の能力の調査をいたしますとか、あるいはふだんから間違った申請等がないような指導を十分いたしますとか、そういう努力を重ねまして、ある程度、四十年度においては改善のあとが見られるというふうに、検査院からも言っていただいておるのでございますが、なお十分ではございませんので、今後とも、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、災害の復旧は急がなければならない、しかし実施をしなければならない事業は一定の地域に集中をいたします関係で、非常に短期間に査定をいたします過程の中で、いろいろ間違いが起こってまいるわけでございますので、その点につきまして、ふだんから事業主体側も指導し、また私どもの担当官についても、きめられた基準で査定が十分短期間にできますように研修を積みまして、こういう事故がなるべくゼロに近づくように一そう努力いたしてまいりたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 検査院のほうにお伺いしたいのですが、検査は農林省関係で四分の一しかしていない。あるいは建設省で抜き取り検査という形で二分の一しかしていない。全額やればもっと不正事項が出てくると思うのです。これは、従来このような形でやっておりますけれども、好ましい姿ならば、全部やればいいと思うのです。この点についてどうでしょう。

小熊孝次会計検査院事務総局第四局長

○小熊会計検査院説明員 お答えいたします。  もちろん全部やるということは理想的な姿であろうと思いますが、補助金の査定検査につきましても、あるいは国の事業につきましても、なかなか全部をやるということはできないわけでございます。したがいまして、検査院といたしましては、検査の重点というものをきめまして、そうして実施していく。それで、査定検査等につきましては、先ほど来お話がございましたように、相当集中的に災害があった、したがって、どうしても設計なり積算が粗漏になる、そういう可能性のあるところをむしろ重点的にやりまして、検査の効率をあげていく、という態度で臨んでおるわけであります。人員、予算その他の関係から申し上げまして、全部を実施していくということはなかなかできませんので、そういう体制で実施しておるような実情であります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 時間もないので、あと一問だけ聞きますけれども、干害対策事業費の四億余万円という金が、予備費から出ておりますけれども、これはどういう使い道をされたのか。一般の災害対策費と違って、水揚げのポンプを設置したり、パイプで水を引いたりして、そうしてそれは全部工事が終わってから、そのやった事業に対して交付するものだと聞いておりますけれども、この点はどうでしょう。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 四十年度に支出をいたしました干害対策事業費は、関係府県十七県でございまして、用水を確保いたしませんと、田植え時の水の不足、あるいは田植えが済みましてからあとでも、苗が枯死するとか、そういうことがございますので、一定の基準を設けまして、ポンプで水を揚げます場合のそのポンプの設置とか、それから場所によりましては、井戸を緊急に掘りますとか、あるいは川の瀬を土のうのようなものでせきとめまして水を揚げるとか、そういう工事に要しました経費の助成をいたしたわけでございますが、お話がございましたように、干ばつそのもので、水を確保いたしますことは農業上欠くことのできない緊急性がございますので、工事はとりあえず実施をいたしまして、あとでその実情に対応して助成をしていくというふうに措置いたしております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 緊急性のないところの予備費の使用、これは慎むことが財政法のたてまえです。ところが、工事を全部終わってしまって、そうしてそのあとからの支払いに予備費を使ったということ、この点が私はおかしいと思うのですが、その点の見解はどうですか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 これは補助としては決算補助でございますし、毎年干ばつがあるかどうかということもわかりませんので、予備費の性格上から考えましても、予備費で支出する以外に、当初から予算をあらかじめ組んでおくというような性質のものではないと思うのでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 じゃあ、干害というのは緊急の問題だからというわけですね。そうすると、干害はことしも各地でいま発生していますけれども、その状況と対策について、どのように考えていますか。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 まず最初に、状況でございますが、六月五日現在で、全国で田植えをいたす水が不足でまだ田植えができないでおりますもの、それから田植えをいたしましたけれども、その後雨が降りませんために非常に支障を来たしておりますもの、さらにその中にはすでに枯死寸前になっておりまするもの等がございまして、現在、北陸、東海、近畿、四国、中国、九州の一部を含めまして、三十一県にわたりまして、約十五万ヘクタールがそういう被害を受けておるわけでございます。これらにつきましては、すでに特に被害のひどい北陸、山形、秋田、福島、それから関東では、茨城、千葉、群馬、埼玉、その辺が非常に被害が大きいわけでございますが、それぞれ担当者を派遣いたしまして、現地の実態把握とあわせて、いろいろ農業技術上の対策の指導を現にいたしておるわけであります。そのとりあえずの問題としては、やはり水を引っぱることが大事でございますので、大蔵省とも打ち合わせをいたしまして、過去における前例に準じて、井戸を掘りましたり、あるいは機械を設置いたしますための機械の経費なり、川の瀬をせきとめて水を引いたりいたしまする、応急のかんがいの事業をとりあえず現地で実施をいたしまして、あとで決算補助で助成をいたしたいということで、現在対策をとっております。それらの対策で、現在までの見通しでは、十五万八千ヘクタールという被害の面積のうち、十一万四千ヘクタールほどは、ほぼそれらの応急対策で何とかカバーできるという見当でございますが、約四万ヘクタール程度のものは、いわゆる天水田でございますので、天候に全く左右されまして、何らの水源措置がございませんから、やはり今後雨が降ることに期待をする以外にないという状況になっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 干害の問題は非常に大事な問題なので、積極的な姿勢で臨んでもらいたいと思いますし、またそういう意味で、緊急対策費を取れるというケースもあるわけですから、しっかりと、わが国の食糧政策のためにお願いしたいと思います。  最後に、時間がありませんので、委員長に資料要求だけをしておきたいと思います。  農林省ですか、中央卸売市場の施設整備費の補助金一億二百八十八万九千円の予備費支出の承諾を今回求められております。昭和四十一年度の(その1)の三十三ページに出ておりますけれども、この中央卸売市場の問題につきましては、一億、二億の補助金を問題にする前に、中央卸売市場法制度自体について、幾多の問題があると思います。それで、以下若干の資料を要求したいと思います。  まず第一番に、中央卸売市場審議会で、中央市場のあり方について、どういう問題点を取り上げておるのか。  二番目に、一市場一業者の農林省指導方針の根拠、金沢市場と公取法との関係。  三番目に、消費経済の広域化に伴い、市場機能の拡大が要請されているが、現行国庫補助率等、国の役割りのあり方をどう思うか。  四番目に、神田市場の卸売り業者の過去三カ年の業務報告写し。  五番目に、卸売業の手数料の過去五カ年の経緯。  六番目に、右手数料に関する閣議決定の写し。  七番目に、中央市場施設整備費の過去五カ年における繰り越し額、不用額につき、具体的な原因の説明。  この以上七点を、ほんとうは質問をするのですが、時間がございませんから、資料の提出を求めて、私の質問を終わりたいと思います。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 何か、意見を求めるようなものがありませんでしたか。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それは三番目の、消費経済の広域化に伴い、市場機能の拡大が要請されているが、現行国庫補助率等、国の役割りのあり方についてどのように考えるか。いいか悪いか、多いか少ないかということです。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 担当の局長がおりませんので、即刻帰りまして、御要求がございました資料のことについては、担当局のほうへ連絡をいたします。

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 できたらやってください。  いま、意見を求めるものがあったからどうかなと思ったのですが、できるだけやらせることにしましょう。  これにて昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件及び昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件に対する質疑は終了いたしました。  なお、討論採決は後日に行なうことといたします。      ————◇—————

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件中、北海道地下資源開発株式会社について調査のため、参考人として、関係者の出席を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、参考人の人選及び出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍛冶良作自由民主党

○鍛冶委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗