外務委員会 第13号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/06/16
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約の締結について承認を求めるの件、及び、大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。戸叶里子君。
○戸叶委員 ただいま議題になった問題に質問いたしますけれども、ちょうど三木外務大臣がお見えになっていらっしゃるので、一言だけ緊急な問題で伺いたいのです。 今度お休みになりますと、総理大臣は東南アジアにいらっしゃるようですね。そのときに、何かベトナムのほうへも行くようにしたいからというようなことをおっしゃったということを私漏れ聞いたんです。それがはっきりしているかどうかわかりませんが、まさか南ベトナムのほうへは、こういう情勢の中で、総理大臣がいらっしゃるようなことなさらないと思いますけれども、外務大臣としては、そういうような話が出たときには、いらっしゃらないように御忠告をなさって、実現しないようにされると思いますが、いかがでございますか。
○三木国務大臣 今度の総理大臣の東南アジア訪問は非常に広範な地域にわたっておりまして、仏印諸国にも行く予定でありますので、南ベトナムだけを除外する必要はない。そういう点で、南ベトナムも入れて、旅行に検討を加えたいと考えております。
○戸叶委員 世界のほかの国々の総理大臣の訪問の場合にも、ベトナムの場合には相当考慮をして、行かない人たちが多いと思います。私は一々ここで例を引きません。しかも、日本の政府はベトナムに関しては中立的な立場、しかも積極的にこの平和を望むということを言っていられるやさきに、日本の総理大臣が南ベトナムを訪問したということになると、その影響は非常に大きいと思うのです。さらにまた、どういうふうな目的でいらっしゃるか、たとえばこの戦争を助けるような形にとられるんじゃないかと思いますけれども、一体どういう目的を持って行かれるのか。親善でおるならば、私は南ベトナムだけ行かれることはあやめになったほうがいいというふうに思いますが、その点について伺いたいと思います。
○三木国務大臣 北ベトナムは国交が回復しておりませんし、行くとすれば南ベトナムだけということになるわけでありますが、私は、総理が南ベトナムを訪問しても、それがベトナムの紛争が平和的に早期に解決するというこの日本政府の願いと少しも矛盾するものではない。また、日本がベトナム戦争に介入と申しましても、日本は日本としての厳重な制約があるのですから、そんなことはできるわけはありませんし、そんなに御心配にならなくても、あの近所まで行って南ベトナムだけを除外する理由は私はないと思います。しかしこれから検討を加えるわけでありますから、必ずしも訪問するかどうかということはわかりませんが、やはり検討すべき対象国であると考えております。
○戸叶委員 きょうは条約審議の日ですから、私はそれ以上多くは申しませんけれども、今後においてやはり社会党としてもそういうことになりますと、ベトナムの平和を望んでいる私どもでございますし、そして政府のこれまでの答弁を伺っておりますと、在来はベトナムの平和のためにたいして力にはならないかもしれないけれども、できるだけのことをする、すると、長いこと言っていらっしゃったのです。ベトナムを訪問することによって紛争を解決できるというふうに私どもは考えませんし、かえってそれよりも対立の激化を招くというようなことを生ずると思いますし、あるいはまた武器の問題、いろいろな問題をいわれているやさきでございますので、軽佻な態度はとっていただきたくないと思います。軽率なお答えはしていただきたくないと思うわけでございまして、日本国民としてそういうことを私どもは考えますので、十分に御考慮を願いたい。これをまず申し上げまして、この問題はいずれあとの機会にしたいと思います。 次に、「大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約」、これにまず入って質問をしたいと思いますが、マグロ漁業の資源の保護をする、こういうことはたいへんに必要なことではございますけれども、そしてそのために国際機構を設立する必要性はあると思いますが、特に大西洋にだけマグロ類の保存のための国際条約を作成する理由は一体どこにあるのか、どういう経緯でこの条約というものが成立したのか、この点をまず伺いたいと思います。
○高島説明員 お答えいたします。 この「大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約」の締結に至りました経緯は、ローマに木部のございます国際連合の食糧農業機関が音頭をとりまして、大西洋のマグロ類の資源の保存が非常に緊急な問題であるということで、自来ここ数年に至りましてFAOを中心にして研究をしてまいりました。もちろん大西洋以外につきましても、マグロ類の世界全般におきます保存につきましては非常に重要な問題ではございますけれども、まず第一着手として、大西洋が非常にそういう点で重要であるという観点から最初にできました条約がこれでございます。もちろんこれ以外に、現在中南米におきまして太平洋の特定のマグロにつきましても条約がございまして、中南米地域の太平洋面におきますマグロ類の保存につきまして研究がされております。これはFAOの指導のもとにできた条約ではございません。南米の国の間でできた条約でございます。
○戸叶委員 いま御説明ではございましたけれども、マグロ類の保存のための国際条約というのは大西洋に限っただけではいけないと思います。やはり太平洋なりあるいはインド洋なりにも必要性があると思います。ことに太平洋でマグロのとれる比率というものは七〇%も占めているということになるにもかかわらず、大西洋のマグロの資源の保護ということに力を入れて、太平洋なりインド洋というものはそのままにしてあるという理由は一体どこにあるのか、お伺いしたいと思います。
○山中政府委員 マグロ類の資源保護のためにこれを条約で諸外国と協定するという点につきまして、ほかの海洋に先んじて大西洋でするということの問題でございますが、太平洋のような広いところ、しかもマグロ漁場が非常に広い範囲で、そのわりには太平洋に面しておる国々でマグロ漁業をやっておる国がまだ日本を中心にしてほんの数少ないということ、一方、大西洋のほうは歴史的にも非常に早くからマグロ漁業が開けておりまして、日本もかなり以前から大西洋を中心にしてやっております。大西洋におきまするマグロの国別の漁獲量を数字的に申し上げますと、全部で二十二万六千トンくらいのマグロのうち、日本がとっておりますのは十二万七千トン、それから次いでスペインが四万三千トン、それからフランスが二万五千トン、そのほかアンゴラでありますとか、あるいはギリシャでありますとか、イタリアでありますとか、ポルトガルでありますとか、このように古くから相当多くの国がこのマグロ資源を利用しております。したがいまして、歴史的にもいろいろこの研究を進め、あるいは資源の有効な利用をはかるという点がそれぞれ議論されておりました。そのような関係から、大西洋においてまずこのような機構をつくるということで出発したわけであります。
○戸叶委員 いま私が伺ったのは、太平洋でもマグロの漁獲量が七〇%を占めている、太平洋なりインド洋なりにも当然こういうような同じような条約がつくられなければならないのに、大西洋だけになぜ急いだのかというのに対して、日本の漁獲量が非常に多いという点で御説明がございました。しかし、それだけでは太平洋なりあるいはインド洋に関しての条約ができないということの説明にはならないと私は思います。と申しますのは、この条約に七カ国が批准したときに効力が発するわけですね。ところがまだアメリカだけしか批准をしていない。そうして署名した国が五カ国しかない。そうなってまいりますと、一体いつになって批准をするのだろうか、どうして日本がそんなに急いで批准をしなければならないのだろうか。アメリカ一国だけ批准をしていて、七カ国の批准がなければこの効力が発効しないということになると、どういうわけだろうかということをまず第一に疑問に思うわけです。しかも大西洋だけにこの条約の内容のものを盛って、太平洋、インド洋に置かない、こういうことに非常に私は疑問を持ったものですから、その点を伺ったわけです。
○山中政府委員 それでは初めのほうの点につきましてなお御説明申し上げます。 太平洋のほうではどうして早くやらないのかというような御指摘でございますが、この点につきましては、日本のほかに太平洋でとっております国、もちろんアメリカもございますが、台湾とか韓国とか、ごく近年になりまして伸びてきた国々もございます。したがいまして、まだそのような資源の管理その他についての考え方その他も何ら熟しておりません。それから資源の全般的な把握その他につきましても、あまりにも広いし、資源の量そのものもつかまえにくい。大西洋はそれに比べましてある程度骨からかなり多くの国々がこれにかかわり合いを持っておる。日本も比較的近年から進出して、これに対して多くの関与をしてきた、資源の面でもかかわりを多く持っておるという意味で、大西洋を先につくることになったというふうに申し上げたいと思います。
○安藤政府委員 アメリカだけしか批准していないのに、日本がどうして急ぐかという御質問につきましてお答えいたしたいと思います。 この条約が発効いたしますと、第一回の委員会が開かれますが、その委員会におきまして、相当重要な事項が決定されるというような仕組みになっておりますので、いつ七カ国の批准書が寄託されて、この条約が発効し、第一回の委員会が開かれても、日本としてはまず第一に出席して、日本の考えていることを述べ、また日本の主張をいれてもらうように努力する、そういう立場になければならない、そう思いますので、私どもといたしましては、批准をほかの国に先がけてお願いいたしたいと思っている次第でございます。
○戸叶委員 いまの御答弁はまあすなおに受け取ったとして、見通しとしてはいつごろこの条約が発効するという見通しの上に立って日本は批准されようとしているのですか。まだ一国しか批准していない。今度日本は批准が二番目でしょう。いまおっしゃったような形で、日本が次の委員会に行って積極的にほかの国を説き伏せるようにするんだ、こういうことでございますけれども、それでは大体いつごろこれが発効するんだろうなという見通しを立てて、今回これを国会へお出しになっていらっしゃったのですか。
○安藤政府委員 発効する見通しにつきましては、一番早い可能性からかなり遠い可能性まで、相当開きがあると初めから思っておったわけでございます。早ければ本年度内の終わりくらいに発効する可能性もある、それから、おくれますればまたさらに、一、二年おくれるという可能性もございまして、したがいまして、一番早い可能性の場合におきましても、日本としてはすぐ参加できるという態勢に置いておくべきであろう、そういうふうに考えている次第でございます。
○戸叶委員 別にそのことを私はとやかく言うのではないのですけれども、条約が大体出されますと、いままでのいろいろな条約では、比較的アメリカが参加していないのですね。そして、州によって違うからというようなことで、いろいろな条約にわりあい入っていない。ところが今度はアメリカだけが先に入っていて、日本が二番目に入って、あとの国はいろいろな——私はこれからずっと質問をしてまいりますが、矛盾点が出てきやしないかと思います。領海とかいろいろな問題があると思うのです。そういうふうな問題があるので、ためらっている国も非常にあるんじゃないかというような懸念も非常に持ちますし、それからまた、将来早く批准をされればいいですけれども、されないような場合も出てくるんじゃないかというような懸念も持つものですから、これだけを見た範囲内で、しろうととしてそういうふうに考えるものですから、確かめておきたかったわけです。 この問題はそれぐらいにしまして、次に伺いたいのは、第一条です。第一条に「この条約が適用される区域」——条約区域は、「大西洋の全水域とし、接続する諸海を含むものとする。」こういうふうに書いてあるわけです。全水域とそれから接続する諸海というふうに書いてある。そうしますと、いままでの条約、日米加漁業条約とか、あるいは日本とソ連の漁業条約にもそうだったと思いますけれども、日本の国が加盟している漁業条約では、大体において領水を除くというようなことが条文にはっきりしていたと思うのです。ここでは領水、領海を除くとかなんとか書いてないのですけれども、一体領海は含まれているんでしょうか、含まれていないんでしょうか。含まれていないとすれば、その旨をどうしてはっきり書かなかったか、これがほかの漁業条約と違うのではないかと思いますので伺いたいと思います。
○高島説明員 第一条の大西洋の全水域及び接続する領海と申しますのは、会議の了解で大西洋及びカリブ海、地中海を含むというふうに解釈されております。これは解釈といたしまして、全水域でございますので、当然領海を含むという解釈であります。それは後ほどに、第九条の将来調査研究の結果何らかの国際取り締まりの制度ができました場合に、その取り締まりを施行する範囲につきましては、条約区域の中から特に領海プラス漁業水域というふうなものを除く趣旨になっております。日米加、それから日ソ漁業条約等におきましては、もともとその条約そのものが取り締まりの制度を規定したものでございます。この条約はそういう取り締まる前の段階から始まっておりまして、調査研究をし、調査研究の結果取り締まりが必要であるということになった場合には、その施行区域を限定いたしまして、その範囲内で取り締まりをいたします仕組みになっておるわけでございます。そういう関係から、まず最初の調査の段階では、全水域にその範囲を及ぼしませんと十分でないという観点から、特に領海を除かなかった次第であります。
○戸叶委員 調査研究ということでございますけれども、たしか取り締まりの罰則ではないけれども、取り締まり制度というのがあったと思うのです。これはあとから質問いたしますけれども、調査研究だけでなくして、取り締まりの制度というものもあるわけですから、調査研究だけじゃないのじゃないですか。
○高島説明員 ただいま御説明いたしましたとおり、第九条に取り締まりの制度を設けることが想定されております。その取り締まりの制度が設けられます場合には、条約区域から領海を除くということになっておりまして、その趣旨の規定が第九条の三項にございます。したがいまして、取り締まりの制度に至ります前の段階の資源状況調査研究等の段階におきましては、領海を含ませておいたほうが都合がいいということで、特に除かなかったのであります。
○戸叶委員 いま取り締まりの制度の問題が出ましたので、それではお伺いしたいのですけれども、最初に調査研究をして、そしてその次に九条の三項で「国際的取締りの制度」というものを設けるわけですね。そういうことになりますと、取り締まり制度をつくる場合に、各国がそれぞれの領海とか漁業水域というものを主張して、少しもきまらないのではないかと思いますけれども、そういう点についての見通しはどうか、お伺いいたします。
○高島説明員 これは非常に問題のある点でございまして、その点につきましては、この条約の第二条に、領水の範囲、それからいわゆる漁業水域というふうな問題につきましての各「締約国の権利、主張又は見解に影響を与えるものとみなしてはならない。」という趣旨の規定がございまして、実際に将来取り締まりの制度ができます場合に、その範囲をどう限定するかという問題につきましては、その際非常に問題が起こる可能性はあると思います。現在の段階で問題がないということは申し切れないというふうに考えておるわけであります。
○戸叶委員 いま高島さんがおっしゃったように、やはり私は問題があると思うのです。というのは、各国の領海というものの規定が違っているわけですね。ことに南米などでは非常に広い範囲を自分たちの領海としているわけです。日本は、正式には三海里ということはおっしゃらないのですが、常識的に三海里といっている。国によっては十二海里のところもある。いろいろあるわけですね。そうすると、取り締まりの規則というものを設けた場合に、いま高島さん御自身でおっしゃったように非常に問題が出てくると思うのですね。それでこの条約の内容には、領水、領海を除くという非常にばく然とした、主権を侵してはたいへんだというようなことを考慮して、そしてそういう点をごまかしたような形でつくりながら、先にいってまた取り締まりの規則を置いてみたりしているところに、私は今後の問題が出てくるのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。この点絶対に心配はないのだということを言い切れますか。おそらく言い切れないのじゃないかと思うのです。
○高島説明員 昨年、リオデジャネイロでこの条約を採択する際の会議での、特に中南米諸国の態度から考えますと、こういう領海の範囲の問題あるいは漁業水域の問題につきましては非常に議論が沸騰いたしまして、その結果最終的に妥協案といたしまして、このような規定になった次第であります。したがって、現在この条約の規定から、将来そういう取り締まりの制度ができました場合に、絶対にそういう点について問題がないということは申し切れないと私は考えております。
○戸叶委員 たいへん正直でいいのですけれども、私もたいへん心配なのです、そういうふうな形の条約を結ぶということは。それで、あとからそういう点が非常に問題になると思いますから、十分に言うべきところへ出てその点等も言って、日本の主張も入れておくようにしていただきたいと思うのです。私は、ここでそういう問題を含んでいる条約なのだからたいへんじゃないかということを言ってみてもしかたがないと思いますし、そこを直せと言っても直せないし、いろいろあると思いますので申しませんけれども、そういうふうに問題をはらんでおりますから、今度日本がほかの国を説得する場合に非常に弱くなると思います。そういういろいろな問題がある中でこの条約の批准をなさいということですが、しかしこういう問題があるのだということが腹の中にもありますし、それからほかの国を見てもなかなか入りにくいと思いますから、こういう点は十分に考えられて、そしてなるべく早く領海なり領水なり、あるいは罰則、そういう問題を何とかすっきりした形にしていただきたい、こういうことを私は要望したいと思います。 それからもう一つ、四条の一項に委員会の「独自の調査」ということがあるのですが、これは委員会が各国の科学者を委員会に入れて、そして調査船を動かして独自の調査をするということまで考えているのでしょうか、どうでしょうか。
○高島説明員 これは調査の補足のために、予算の範囲内におきまして独自の調査を行なうことができるという趣旨になっておりまして、第一義的に委員会が独自の調査を行なうということではございませんので、各国の官公署及びその地方団体、そういうようなものの調査情報を入れて十分に利用し、そしてなおかつ足りないときには予算の範囲内で調査を補足する、そのために独自の調査を行なうことがあるというたてまえになっております。
○戸叶委員 いま何をおっしゃったのですか、ちょっとわからなかったのですが。たいへんすみません。いまおっしゃった内容がわからない。調査船を出すのですか出さないのですか、各国が。
○高島説明員 調査船を出すか出さないかという問題につきましては、将来この委員会ができまして、委員会の決定で予算の範囲内で可能ということになれば、あるいは出すということもあり得るかと思いますが、現在の段階でこの条約の内容から直ちに調査船を出すということが想定されるというふうに申し上げることはできないと思います。
○戸叶委員 将来出すということになれば出すというのですけれども、一体出せますか。出したら問題になってきませんか。自分の国の領海の中に入ってきて何事だといっておこられたらそれきりじゃありませんか。そして、しかも日本の場合には三海里、よその国なら十二海里ということで、それぞれ違うわけですよ、いま領水の範囲を言っている国が。そうすると、その調査船が入ってくることによってわが国の主権を侵したとかなんとかいう問題が起きてくるじゃありませんか。そういうことをどういうふうにして解決なさるのですか。
○高島説明員 この条約によってそういう独自の調査を認めている限りにおきましては、かりに領海の範囲内に入りまして調査を行なっても、これは主権の侵害ということにならないと思います。
○戸叶委員 そうすると、相手国、締約国の許可を得ないでも入れるわけですか。どんどん入れるわけですか。
○高島説明員 一般的には、この条約の規定によりまして、第四条の第一項で包括的に独自の調査ができるという権限が与えられておりますけれども、具体的に調査に入ってまいります場合には、当然許可を得るということになろうかと思います。これは手続の問題でありますので、委員会でそういう将来の手続をきめられるというふうに私は考えております。
○戸叶委員 委員会でそういう手続をきめるということになりますと、まだそれはきまっていないのですね。きまっていないのですか、きまっているのですか。それからもう一つは、いまちょっとよくわからなかったのですけれども、その国の了解を得なければいけないのですね、いざとなったら。それとも委員会で、了解を得なくてもいいということはこれからきめるのですか。そのことはまだ討議していないのですか。
○高島説明員 この四条の一項では、ただ一般的に情報の調査の補足をするために委員会が独自の調査を行なうことができるという一般的な権限の規定をしただけでございまして、この権限を行使するためにどのような手続が必要かという問題につきましては、これから委員会が発足し、発足した委員会でいろいろ手続をきめられるというふうに考えております。
○戸叶委員 少しはっきりしました。どういうふうな手続をするかということは、委員会でいろいろ相談をする。それでわかったのですけれども、その相談をした場合に、各国の領海が違いますから、自分のほうはここまで入ってきていい、ここまで入ってきては困る、そういうことをおそらく言うだろうと思います。その場合に、非常に不公平になるわけですね。広い領海をかってにきめているところはそれ以上入れられない。狭い領海をきめているところは入ってくる。そこでいろいろ問題が起きると思いますけれども、委員会で、もう領海なんかはかまわずに、全水域にその国の了解も得ないで入っていけるというふうな、そういうふうなことが話がつけられるとお思いになりますか。私はおそらくそれぞれの国々が自分たちの領海をきめている以上は、主権を害されるということで賛成しないのじゃないかと思いますけれども、これに対してどういうお考えで臨まれようとしているか、伺いたいと思います。
○山中政府委員 私らが調査の実際面を担当するであろうと思われますので、水産庁からお答えを申し上げます。 こういうような場合は、大体各国の分担金で独自の調査船を出すということは、原則としてはあまり——先ほど参事官が答えておりますように、一般的なことであって、具体的にもし調査船を出すということになれば、それぞれの国が出し、それでもしもいまの領海なり何なりの中ということになれば、その国が自分でいろいろ調査研究機関を通じて得た資料を提供して資源研究の資料とする、こういうことだろうと思います。
○戸叶委員 その国の提供した調査資料というものであるならば、こういう条約は必要ないわけですよ。やはり公平な立場で、この地域からはこれだけの資源を保護しなければならないということを調査研究するために委員会をつくるのですから、自分の国がかってに、私のところはこのくらいの資源を保護するにはこれだけとればいいと思いますなんて言ったって聞かれないと思うのですよ。だからいまの水産庁のおっしゃるのは、少しおかしいのじゃないかと思う。やはり調査をするというのは、みなで公平な立場で調査をするのじゃないですか。
○山中政府委員 ことばの上での何と申しますか、論理、成り行きという点では先生のおっしゃるとおりでございますけれども、資源の調査をいたします場合に、自分の国の資源がこれでいいかどうかという、そういう言い方ではなくて、とっておる魚の体長なり年齢なり卵の数量でありますとか、そういった関係の生物学的な特性がございます。それを提供することでございますから、決して直接すぐさま、自分の国はこれだけとればいいとかいう結論は出てこない。それのもとになる生物学的な資料を提供するということで済むことだと思います。
○戸叶委員 与党がたいへん急いでいらっしゃるものですから、なかなか大切なことが質問できないのですが、私はこの条約はあとに問題を残すと思うのです。それでたいへん心配するのです。はっきりしないところがたくさんあるのです。一番問題になるのは、やはりその国々がそれぞれ領海なり何なりを持っているわけです。そうして全水域にわたっての調査をするというところに私は問題があると思う。それはお認めになると思うんです。しかも日本の場合の領海、ほかの領海、みなそれぞれ違うわけですからね。ですからさっきもお話がありましたように、問題が残るのじゃないか、私はこれを非常に懸念いたします。そういうことを考慮してこの条約の批准をしていただきたいと思います。 たいへんお急ぎのようですから、あと一点しか聞きませんけれども、条約の解釈または適用についてもし争いがあった場合に、この条約には紛争の調停条項というものがありませんけれども、この紛争解決はどういう方法で行なわれようとしているか、この点をまず伺いたいと思います。
○高島説明員 特にその点につきまして、この条約の中に規定はございませんが、関係当事国間の協議によるのが第一義でございます。ただ、協議がととのわない場合に、その関係当事国がもし国際司法裁判所の強制管轄を受諾しているという関係のございます場合、当然そちらのほうに委託されるということになるかと思います。第一義的には関係当時国間の協議でその争いを解決するというたてまえでございます。
○戸叶委員 関係国同士で話し合ってまとまればいいと思うのです。ところがなかなかまとまらないから紛争処理の事項というものがいろんな条約にはいままでもあったわけです。多数国間の条約というのは大体そういうものがあると思うのです。ところがこの条約にはないものですから、これにこういうものを入れようというような意見が出たのか出なかったのか。これを話し合っている間に出たのか出なかたっのか。そして出たけれども削ったとか、それとも全然問題に出なかったのか。この点を伺っておきたいと思います。
○安藤政府委員 この点につきましては、漁業条約の原案には国際司法裁判所に提訴するというような条項もありましたが、審議の過程においてそれが削除されたわけであります。
○戸叶委員 それはどういうわけで削除されたのですか。
○安藤政府委員 国際司法裁判所に入っていない国があり、そういう国の反対があったためであります。
○戸叶委員 おかしい、ちょっとわからないです。具体的にどこの国がどういう反対を何の理由でしたかということをおっしゃっていただきたい。
○安藤政府委員 お答え申し上げます。 ソ連が、両方の当事者が同意しなければ国際司法裁判所に提訴できないということを主張いたしましたので、それでは意味がない、そういうことで削除された経過がございます。
○戸叶委員 ソ連が入らないという理由はどういうわけですか。ソ連は国際司法裁判所に対する紛争調停条項の入った国際条約には入らないのですね。それはどういうわけですか。
○高島説明員 ソ連は国際司法裁判所規程の当事国になっておりまして、国際司法裁判所そのものを否定しているわけではございませんけれども、国際司法裁判所に基づきます義務的強制管轄権というものを認めませんので、そういう紛争を国際司法裁判所に委託するということは、ソ連の考えによりますと主権の侵害であるというふうな観点から、義務的な管轄を否定するという立場で、そういう観点から国際条約におきますそういう条項に常に反対しておりますというのがソ連の態度です。
○戸叶委員 わかったようなわからないような——まあ、わからないのですけれども、たいへんお急ぎのようですから、あれですけれども、ただ、問題になると思います。今後において紛争調停条項というものがなくなると、そのときにはたいへんお困りになるのではないか。また日本の国としても困ると思うのです。こういうような問題もよく考えておいてもらいたいと思います。 それから、ほかにたくさんあるのですけれども、何かうしろのほうでだいぶお急ぎのようですから、いまは結論として申し上げたいことは、いろいろと非常に問題がございます。私が見た範囲でも割り切れない問題がある。ですから、こういうふうな問題をまず十分に審議されまして、そして今度委員会に移管いたしましたときにはさらに日本の立場からいろいろと発言をしておいていただきたい。これを要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○福田委員長 堂森芳夫君。
○堂森委員 ただいま本条約につきまして戸叶委員からいろいろ御質問がございましたが、私は重複を避けまして、一、二点について質問を申し上げておきたいと思います。 「大西洋まぐろ類保存国際委員会」は、第三条の規定と第八条の規定があるわけですが、第八条の一の(a)「委員会は、科学的な証拠に基づいて、条約区域内で漁獲されるまぐろ類の資源を最大の持続的漁獲が可能である水準に維持することを目的とする勧告を行なうことができる。」こういうふうに規定されておるのでありまして、この条約はやはり実態的な内容を持った条約であると私は考える。実態がないということはあり得ないと思うのです。したがって、この条約は将来これに抵触をしておる国等にマグロの漁獲量を何か規制していくとか、あるいは漁獲量を何か基準をつくっていくとか、そういうふうなことを将来何か指向しておるような条約であると解釈していいでしょうか。あるいはどういうふうな考え方でこの条約がつくられているのかが私の聞きたい点なのであります。この点について御答弁を願っておきたいと思います。
○安藤政府委員 お答え申し上げます。 そのとおりでございます。将来においてある程度の規制を行なうことができるということを規定いたしているのであります。
○堂森委員 そうしますと、第八条による勧告は単なる勧告でなくて、やはり拘束力のあるものである、こう見なければならぬと思うのですね。そしてこれはもちろん異議を申し立てることができるという条項は設けられておりますが、しかし締約国の代表の集まった委員会でそういうことが決定されますと、そうした強い勧告というものを、こちらが不合理である、拒否したい、こう思っても、実際にはできなくなってくるんじゃないですか、どうですか、四囲の事情からいって。たとえばわが国がそれは無理だ、こういう委員会の勧告だと思っても、これは異議申し立てをすることができなくなってくる、こういうことになるのじゃないですか、いかがですか。
○山中政府委員 水産庁から、いまの勧告が出るに至る前の段階のことが関係いたしますので御説明申し上げます。 資源をそれぞれ調査及び研究いたしまして、現在の漁獲量がマグロ資源の最大の持続的な生産性を維持しているかどうか、もっととれるか、あるいはもうこれくらいでふやすべきではないか、あるいはそれ以上に漁獲努力をふやしてはいけない、むしろ減らすべきではないか、こういうようなことに判定が最後にかかってくる。その場合に、いま先生の御疑念、御心配の点は、かりに日本といたしましてはまだ心配がないということであれば、これは科学的な根拠に基づいて大いに主張しなければならない。その点で、いろいろ科学的な資料を持ち寄りました結果が、もしかりに幾らか減らさなければならぬということになれば、これはやはりそういう規制的な勧告が出されて、それには従わなければならぬ。これは一見いたしますと、日本がとれないという形のように受け取れますけれども、長い目で見れば、やはり資源を末長く有効に使っていくという面からいっても、一時はとることをやめましても、やめるというか、幾らか少なくしましても、むしろプラスになるのじゃないか、こういうふうに思います。
○堂森委員 その点、そういうふうな答弁であろうと私も思うのでありますが、このリオデジォネイロの条約を審議し、採択する会議に二十カ国、もちろんオブザーバーが三国でありますけれども、オブザーバーでない国が十七カ国でしょう、参加しておって、今日まだ五カ国が署名しただけで、批准したのはアメリカだけである。こういうことはどうなんですか。私、外交的な会議というものはあまりよく知らぬのですが、二、三十カ国の代表が参加しても、実際には数カ国しか署名しない。一国しかまだ批准していない。そういうようなことは、やはりこの条約そのものに、さっきも戸叶議員がおっしゃったような、いろんな意味での疑点といいますか、それぞれの国の思惑といいますか、そういうものがあって、こういうことになってきたのではないですか。どうなんですか。この事情がわかったら説明してもらいたいと思います。
○安藤政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問につきましては、これは憶測の域を過ぎないのでありますが、たとえばヨーロッパの大口漁獲国でありますフランスの出方をポルトガル、ソ連等が見ておる、そういった状況じゃないかと推察されますので、たとえばフランスあたりが署名いたしますと、ばたばたっと署名されるという可能性があるというふうにも考えられます。
○堂森委員 そうしますと、日本が大西洋のマグロ漁にいまも参加しておるのかどうか私よく知らぬのですが、大西洋に面した、大西洋の漁獲に実際参加している大西洋方面の国々がまだアメリカ以外に批准しない。それで何かフランスの顔色を見ておる。そういう条約になぜ日本が率先して早く署名し、批准する理由があるのですか。おかしいじゃないですか。こんな条約は権威がないじゃないですか。どうですか。
○安藤政府委員 わが国は、先ほど水産庁次長からお答え申し上げましたように、大西洋におきまする漁獲の半分以上をとっております関係上、いかなる場合におきましても、わが国の言い分ないしは主張というものを明らかにする機会を失すべきでない、そういう見解に立っておりますので、いかなる時期におきまして第一回の委員会が開かれても、日本としてはそれに十分の準備をもって参加するという体制におくべきであるというのが第一点でありまするし、もう一つの点から申しましては、そういった条約におきまして、わが国が積極的に協力的な態度をとるということ、いやいやながら入るのでないということを示す必要もある。そういった点もあって、早めに批准するようお願いいたしてまいった次第であります。
○堂森委員 どうも私納得できないのですけれども、もう一点だけでやめます。 これもよくわからぬのですがね。マグロの漁場というのは固定した漁場があるのですか。あるいは、マグロというものは、遊泳していて、絶えずマグロの漁場というものは移動するものなんですか。どうなんですか。
○山中政府委員 マグロの漁場というものは、狭いある期間で見れば絶えず動いておりますけれども、世界的規模の、太平洋ならば太平洋、大西洋ならば大西洋というような大きな観点で見れば、大体ほぼ一定したある範囲内で形成されることが多いというふうに申し上げることができると思います。
○堂森委員 もう一つでやめます。 第十条の予算のところですね。最後に、これはそれぞれの分担金でまかなうが、同時に「寄附を受けることができる。」と書いてありますね。この寄付というのはどういうことなんですか。どういうことが考えられるのですか。わかりませんから教えてください。
○安藤政府委員 資金につきまして、なるべく多いほうがいいということから、業界その他からの寄付を受けることができるということを規定したわけでございまして、寄付の種類等については何ら審議されておりません。
○堂森委員 それじゃ、寄付があるかもしれぬということですね。
○安藤政府委員 寄付された場合には、これを受けていいというふうに解釈いたします。
○福田委員長 曽祢益君。
○曽祢委員 だいぶ同僚委員がお急ぎのようでありますから、なるべく簡略にやります。しかし、このマグロのほうについては、特にわが国の漁業の将来について非常に重要だと私は思いますので、真剣にお答えいただきたいと思います。 戸叶委員の御質問にもありましたけれども、今度の大西洋のマグロに関する条約は、おきれいなことを別とすれば、最近日本の漁獲が非常に進歩して、日本のマグロ漁船が大西洋に進出した。そして、言うなれば、よその領分に進出するような形に、いままでその方面に進出しておった諸国から見られたわけで、そこで、これをいい機会に、必ずしも日本だけをとっちめるというわけにもいかぬでしょうけれども、こういったようなこととても、言うならば、最大限の持続的な漁獲をするために科学的な調査をやって、必要だと認める規制はやろうじゃないか、こういうことで、日本もあえて断わるわけにいかないので、やはりこういう条約をつくって、ジャが出るか鬼が出るかわからぬけれども、趣旨として反対するわけにはいかない、ずばり言って、こういうような経緯じゃないかと私は思うのです。だからこそ、太平洋だとか、インド洋については、これは話はそこまでいっていない。日本があとから出かけていって、他人の領分的なところだものだから、やはり日本が一つのきっかけとなって規制措置の話が進んできたのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか。水産庁でも、どこでもいいです。
○山中政府委員 ただいまの御質問、日本があとから出かけていってという点、その点が全然ないという点は否定できないと思いますが、やはり先ほど戸叶委員からの質疑にもお答え申し上げましたように、歴史的にマグロ漁場として早くに開発され、かつ非常に多くの国々がこれに関与してまいってきております。日本が出かけましたのは比較的近年——と申しても、何も三年、五年くらいの歴史ではなくて、もっと前からやはり出ております。日本その他、最近では新興の韓国等も出ておりますけれども、そういう点で全く先生のような御懸念がないとは申し上げられませんが、それがすべて、あるいはそれが大部分ということではない、やはり歴史的なマグロ漁業に対する関心が西欧各国及び南米の地元の国々にも相当あった、こういうふうに解すべきであろうと思います。
○曽祢委員 どこら辺まで日本の最近の進出が原因であったかについては、これはなかなか量的に判定することはむずかしいと思います。しかし、日本の漁業の進出が最近において量的にも非常に多くなったこと、これが一つの大きなきっかけだと思います。したがって、この条約の内容あるいは今後の運営についてわれわれが非常に関心を持つのは当然ですけれども、同時に、しからばこういうパターンが一つできると、ほかのマグロ漁場に、やはりそこでもやろうじゃないかというふうなことになるのかどうか。この点についてはどうですか。ほかのマグロ漁業に対しては、日本が加わらない、何か中南米だけの協定もあるやに伺ったのですし、今度はほかの漁場で——日本の行っている漁場ですよ。インド洋あるいは南太平洋、こういった国際条約をつくるような傾向の助長になるのではなかろうか、それがはたしていいかどうかについては問題ですけれども、その点をどういうように見ておられるか。
○山中政府委員 ただいま各大洋におきまして、関係の国々の間で漁業条約を持とう、あるいは持つような動きがあるという点につきましては、具体的にインド洋でございますが、インド洋は、これはマグロだけでなくて、ほかのものも含めてというようなことが、話題と申しますか、その程度にはなっておりますが、まだ何ら具体化しているわけではございません。それからIPFC、インド太平洋学術会議その他では、学術的なものはいろいろ御論議がされております。
○曽祢委員 これも戸叶委員が触れられた点ですけれども、本条約の一番のポイントですけれども、やはり領水の問題あるいは漁業専管区域の問題を第二条でうまく逃げている。現実にはこの問題が非常にからんでくるのです。ことに一応条約の適用、すなわち調査等については領水まで含む。しかし現実に取り締まりをやるということになると、領水なり漁業専管区域をはずさなければならぬ。そこでいろいろなトラブルが起こると同時に、やはりわれわれ日本としては、第二条でああ書いてあるからいいようなものの、現実には、取り締まりや規制に入っていくと、不当な領水あるいは大陸だなあるいは漁業専管区域に対する中南米諸国の過大な要求に屈したような形になりはせぬかということを心配するのは、私は当然だと思うのです。その点については、第二条でああやっているからだいじょうぶだ、こう言い切れないものがあるのじゃないかと思うのです。特に、御承知のように、サンチアゴの宣言ですか、エクアドルとペルーとチリですか、二百海里の領海宣言、これは今度の条約については、今度のは大西洋のほうだから入らないのですか。カリブ海まで入るから、エクアドル、チリ、ペルーの二百海里というと大体太平洋側になりますか、その点どういうようになりますか。サンチアゴ宣言、二百海里の領海宣言と本条約との直接の関係はどうなりますか、教えていただきたい。
○高島説明員 アルゼンチン、エクアドル、パナマの二百海里の宣言ですが、これは太平洋岸になりますので、今回の大西洋のまぐろ漁業条約とは直接の関係はないと思います。
○曽祢委員 委員会の勧告については、先ほど堂森委員も触れられた非常に重要な点ですけれども、これは絶対の強制力はない、異議の申し立てもできるようですから。しかし、現実にはおそらく日本は委員会のみならず、理事会的なものにも入るような大国だと思いますから、日本の代表が入ったものをあとから断わるわけには実際はいかぬと思います。そういう場合に、やはり現実には勧告に対する異議申し立てはよほどの科学的根拠でもないと困難ではないか。ただ、もう一つの問題は、これも同僚委員が心配されておるように、第一、この条約は、ほんとうにいま急いで通したって、一等早くて効力が発生するのはことしの末くらいであろうという、そんなわけで、現実に批准といいますか、はっきり加盟を承認した国だって、受諾した国だって少ない。いわんや非加盟国の問題が出てくる。そういう場合に、非加盟国に対しても勧告の問題が起こるわけですね。そういう場合についてはどうするのですか。 もう一ぺん明確にいいますと、この条約ではたしか非加盟国に対しての勧告ということまでは触れていないようですが、原案の過程においてはそこまでやったらどうだという意見があって、しかもその案が結局少数否決か何かになって非加盟国に対する勧告というものは落ちてしまったやに聞いたのですが、その間の経緯をひとつお答え願いたい。
○安藤政府委員 原案から落ちた次第につきましてはただいまの御質問のとおりでございますが、その理由といたしましては、非加盟国が聞く意思がなければやっても強制力がない。したがって実効性がないから落とそうということで、それに賛成する者が多かったために落ちた次第であります。
○曽祢委員 その場合、日本はどっちに賛成したのですか、反対したのですか。
○安藤政府委員 日本は棄権いたしました。
○曽祢委員 だらしないな……。この第九条の3にある領水あるいは漁業管轄区域を除いた条約区域に対する国際的取り締まりの制度、これは将来ほんとうにやる気なんですか。単に書いているだけなんですか。相当国際的な議論を深めているのですか。これはなかなか画期的なことだと思うのです。いわゆる日韓みたいな場合にも非常に問題がございます。国際的な取り締まりをやっても、旗国主義の問題があるし、なかなかむずかしいのではないか。こんな国際的な取り締まりは、公海だからできるといったって、公海だって旗国主義でしょう。そんなものがどうして国際的取り締まりができるのですか。ほんとうにまじめにこういうことを考えているのですか。これはむしろ外務省の問題かもしれない、法律的な問題もあるけれども、お答え願いたい。
○安藤政府委員 これは本気で考えておる次第でございます。取り締まりにつきましては、条約審議の過程におきましてもいろいろと案が出たわけでありますが、結局これは第一回の委員会に具体的な件は持ち越されたというふうに御了解いただいていいと思います。
○曽祢委員 これは私は何も一国の主権だけを絶対に主張しろという意味ではないけれども、本気でやるといっても取り締まりの方法、あるいは取り締まりといってもどこまで強制力を持つかとか、何か違反を見つけたらさっそく旗国主義によってそれぞれの違反している船舶、あるいは船員の所属国に通報して現実の強制措置をとらせるというなら話はわかるけれども、現実に警察権的なことまで行使するということになると、条約にちょっと書いただけで日本の国民の取り締まりをそんなもので簡単に律するわけにはいかない。そういう意味で、ほんとうにまだ検討しているとは思えないのです。それを聞いているので、ほんとうに警察権的な強制権まで付した国際機関をおつくりになる気かどうかということを伺っておるのです。
○高島説明員 九条の三項の将来必要が生じた場合に、特に条約区域——領海等を除きました区域につきまして、国際的取り締まりの制度を設けるというのは、これは原則の規定でございまして、この条約締約当時におきまして、その取り締まり制度の内容につきましての考えは全然なかったわけであります。従来、日本が日米加、あるいは日ソ等の条約で設定しております取り締まりの制度から考えまして、できましてもせいぜい漁船を臨検して、その結果違反があった場合にその旗国に通報する、旗国がそれに基づいて適当な措置をとるのがせいぜいなところでございまして、いままで各国の漁業の規制の態様からいたしまして、それ以上の規制が行なわれるという可能性は私は全くないと思います。
○曽祢委員 いまの答弁で大体わかりましたけれども、簡単に旗国主義を捨てたような、強制権を伴うような国際的な制度はつくらさないほうがいいと思いますので、慎重にやっていただきたいと思います。 私は、油のほうに対する質疑はもういいです。これで質問をやめます。
○福田委員長 堂森芳夫君。
○堂森委員 この千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約に署名をしておるのに、今日までこれの受諾を引き延ばしておった理由はどこにあるのか、まずこの点を伺っておきたいと思います。
○高島説明員 この油による海水の汚濁の防止に関しまして第一回の会議が開かれましたのは、一九五四年に、ロンドンにおいて、イギリス政府の招請で行なわれました。もちろん日本はこれに参加いたしまして、その議論の内容に参加して条約が締結され、その結果署名いたしましたけれども、当時英国近海におきます油の被害その他の問題と比べまして、日本近海におきます油による海水の汚濁の防止問題というのはそれほど深刻な問題ではございませんでしたことが一つと、もう一つは、この条約の規制によりますと、百五十トン以上の船舶にはそれぞれみなビルジからの排出防止装置、すなわち漏洩を防ぐための装置を船に設けなければならない、それから、主要な港には廃油処理施設を設置しなければならないという、いろいろ財政的措置を要しますし、また、国内法を制定いたしまして、違反があった場合に、旗国がその船につきましてそれぞれ処罰をする、そういう法律も設けなければならないというような、いろいろな国内体制の整備の問題がございまして、主としてこの二つの理由から今日まで延びてきた次第でございますけれども、近時公害の問題が非常に深刻になってまいりまして、日本もイギリスその他の大西洋地域と同じようにいろいろな問題が生じてきた関係上、今回財政的措置、法的措置その他を漸次整備いたしまして、この国会に提出した次第でございます。
○堂森委員 わかりました。国内的な公害問題が現実の重要な問題となってきた、したがって、公害を除くための国内的な措置が必要となってきたので、この条約を批准することになってきたのですね。私もそう思いますが、時間がありませんから、はしょって急いで質問します。 この条約を見ますと、二条で、タンカーでは百五十トン未満の船、タンカー以外の船では五百トン未満の船舶がその対象外になるとなっております。そこで、わが国で大体タンカーでどれくらいの隻数があり、どれくらいの総トン数があるか、タンカー以外の船でどれくらいの総トン数と隻数があるか、これをまず伺っておきたい。
○高島説明員 昭和四十年七月現在の統計でございますけれども、タンカーで約三百五十一万総トン、タンカー以外の商船で約七百五十一万総トンでございます。このうち、この条約の適用を受けます船舶の船腹量を申しますと、タンカーでは全体の九八%、約三百四十三万総トン、タンカー以外の商船につきましては全体の八一%、約六百八万総トンでございます。
○堂森委員 隻数はどうですか。
○高島説明員 隻数で申しますと、タンカーでは二千五百十六隻、タンカー以外の商船では二万一千二百四十九隻でございます。
○堂森委員 そうしますと、ただいまの御説明を聞いておりますと、四十年七月現在の統計によれば、規制の対象になる隻数は非常に少ないですね。全体の隻数の一〇%以内くらいではないですか。そうすると、いまの御説明ですと、対象外の船が多くて対象になるものが非常に少ない、こういうことになるのではないですか。
○高島説明員 私申し上げましたのは、タンカーにつきましては全体の九八%が適用になり、タンカー以外の商船につきましては全体の八一%が適用になるというふうに申し上げたわけであります。
○堂森委員 よくわかりました。そうしますと、いま答弁されたような隻数、総トン数が対象になるということでございますね。 それから、第二条の(1)の(d)ですが、「海軍艦艇及び海軍の補助船として使用されている船舶」はその対象とならぬとなっております。そうしますと、わが国自衛艦は対象外ですか、あるいは対象になるのですか。
○高島説明員 この条約で海軍艦艇が除かれておりますのは、特に第十条に規定がございまして、船舶には油記録簿を備えつけて、その油記録簿を備えつけた船舶が外国の領域に入りました場合に、外国の官憲がこれを検査し、それに対しまして何か違反があった場合には、その旗国に通告する、その通告に基づいて、その違反について処罰することが考えられております。このような通常の船舶の場合と同じように、海軍艦艇につきましてもそういうことが行なわれるということは不当ではないかということから、第二条第一項(d)で除かれた次第でありますので、こういう観点から考えまして、わが国の自衛艦も、従来、外国の領海に入りました場合には、それにふさわしい適当な待遇が与えられておりまして、今回の条約の第十条にありますような、そういう沿岸国の官憲が乗り込んで検査をするというふうなことを認めないのが適当だという観点から考えまして、この海軍艦艇に自衛艦が該当するというふうに解釈しております。
○堂森委員 自衛艦は除外されておるわけですね。
○高島説明員 さようでございます。
○堂森委員 そうすると、この第二条の二項に、「各締約政府は、この条約に定める規制と同等の規制が、合理的かつ実行可能な限り、(1)(d)にいう船舶に適用されることを確保する適当な措置を執ることを約束する。」こうなっておりますと、アメリカの軍艦が日本に入ってくる。そういう場合には、どういう措置をとるのですか。これは二項によれば、そういうことを約束しなきゃいかぬ、こうなっておりますね。これはどういうふうになっておりますか。
○高島説明員 先生の御質問は、日本におりますアメリカ軍の軍艦の措置でございますね。米国の軍艦及び艦船は、補給船であろうと軍艦であろうと、すべてよごれた油を入れる特別なタンクを備えております。また、基地のある港にはこれに必要な池水分離装置を備えつけておりまして、そこに入港しました米軍艦船の廃油を処理しております。したがいまして、まだ日本はこの条約に入っておりませんけれども、すでに入っておると同じような状況で米軍の艦船が廃油処理をしております。
○堂森委員 そうしますると、アメリカの海軍にチャーターされておるタンカーとか、そういう船も全部そうですね。
○高島説明員 米国はこの条約の当事国になっておりまして、日本はまだ入っておりませんが、米国といたしましては、ただいま申しましたように、軍艦についてもそういう措置がとられておる次第ですから、一般の軍艦外のタンカー、その他につきましても当然国内的に規制が行なわれておるというふうに確信いたします。
○堂森委員 第七条の(1)に、「この条約が適用されるいかなる船舶も、第二条(1)の規定に従ってその船舶が属する領域についてこの条約が効力を生じた日の後十二箇月を経過した日から、重油又は」云々と、こうなっておりますね。ところが、この第三条の(b)ですね、「タンカー以外の船舶でこの条約が適用されるものからの油又は油性混合物の排出は、」こうずっとあって、「(a)の規定は、いずれかの領域についてこの条約が効力を生じた日の後三年を経過した日から、」一方は十二カ月、一年済んだときからそういう装置をしなければならぬ。ところが今度は、三条の(b)によると、この条約が効力を発効した日から三年を済んでから云々と、こうなっております。これは矛盾しませんですか。いかがですか。
○高島説明員 その点は先生の御指摘のとおり、この条約の条文が不備でございまして、まず、百五十トン以上のタンカーにつきましては一年間を猶予するけれども、一年過ぎたら必ずビルジからの排出防止装置を備えつけまして、タンカー以外の一般の商船、漁船とかの五百トン以上の船が適用を受けるわけでありますけれども、これは三年間は猶予される。したがって、もちろんビルジからの排出防止装置につきましても三年間は備えつけなくてもよろしいということになるわけです。その点、この規定は、規定上は幾らかあいまいな点がございまして、多少不備であろうと私は考えます。これは国内法ではその点ははっきりタンカーとタンカー以外のものと区別して規定しております。
○堂森委員 不備だということで解決できますか。これでいいですか。
○高島説明員 不備と申しましたのは、少し言い過ぎかもしれませんけれども、規定が不明確で、確かに先生のおっしゃったような誤解を生ずるおそれがあります。それで、その点は、先ほど申しましたとおり、実際上は三条の規定に帰りまして、結局タンカーだけについての規定が七条の規定で、一年間ということになるというふうに解釈して差しつかえないと思います。
○堂森委員 そうすると、これはやっぱり矛盾しておると思うのです。なぜタンカーだけが一年で、それ以外はという……。
○高島説明員 その点はタンカーのほうがいろいろと油を輸送する関係から油を排出する可能性が非常に多く、その関係から特にタンカーにつきましての規制をきびしくしたというふうに考えられて差しつかえないと思います。
○堂森委員 それから第八条に「各締約政府は、次に規定するところに従って施設が設けられることを促進するために」云々と、こう書いてありますね。わが国の政府は、私の聞くところでは、幾つかの港にこういう施設をつくるといわれておりますが、どこどこへつくるのか。それからどれくらいの費用がかかって、政府がどれくらいめんどうを見ていくのか、そうして将来さらに、ことしはそれとして、来年、年々そういうものがふえていく計画はあるのか、どうするのか、答弁を願いたいと思います。
○鈴木説明員 ただいまの御質問に対しまして、お答え申し上げます。 国内的にはまず外航用の大きなタンカーに対します、たとえば修理等によりまして、そういうタンカーをクリーニングいたしますと、相当大量の油性汚水が出ますので、そういった大きなタンカーのクリーニング、修理の場合のクリーニング用の廃油受け入れ施設というものをやっぱり別に国内、特に内航専門に動いております内航タンカーあるいは国内のそれ以外の船舶、そういった小型のものと対象を分けまして、施設も二種類に分けようと思っております。 それで、最初の大きいほうの施設につきましては、これは主として日本で修理に入りますので、修理造船所がございます港付近にそういった受け入れ施設をつくる。これにつきましてはタンカーのクリーニングとあわせますので、要するに商業採算が多少合うと思いますので、現在造船所が出資いたしまして別会社をつくりまして、そういう汚水を受け入れます施設をつくります。それでクリーニングを兼ねまして料金を取ってやることになると思います。ただし、これにつきましては、何分にも公益的な色彩もございますので、国内措置といたしまして、開銀の公害の融資、低利長期の融資を行ないます。さらに地方税法によりまして、固定資産税の特殊な減免を最初の三年間に限って行なうということで、大体東京湾と大阪湾と、それから長崎、それから瀬戸内、それから佐世保、あと瀬戸内にもう一カ所がございます。全国六カ所ぐらいにそういう大きなタンカーのクリーニングの廃油受け入れ施設をつくるというふうに計画しております。大体三年間くらいでその六カ所を整備していきたいというふうに存じます。 それから、なおそれ以外のものにつきましては、まず第一段階としましては、港湾管理者でございますけれども、おもに石油の精製所が大体ございます港、これは精製した石油を積みまして国内へ運搬するときに、その場合にバラスト汚水を流して出しまして、そのあとへ石油を積むのでございますが、そういったところの石油積み出しの港が一番多くよごれるのではないかということで、石油精製基地がございます港を主として整備する。これは全国で約三十カ所くらい大体ございますが、これを三カ年間かかりまして港湾管理者に整備をさせる。ただ港湾管理者の予算も苦しゅうございますので、現在御審議いただいております国内法によりますれば、その建設費の半額を国庫が負担するということでございます。そして予算上の措置といたしましては、本年度におきまして、大体六カ所の港がございますけれども、千葉、川崎、横浜、神戸、和歌山下津、水島、四十二年度はこの六カ所につきまして港湾管理者に対しましてそういう廃油受け入れ施設の整備を行なわせまして、国が半分補助する。補助額は工事費の半額でございまして、三億円という予算を計上いたしております。そういうことで、これもやはり三カ年間かかりまして、大体全国三十カ所のおもな港を港湾管理者に整備をさせるという方針でまいる所存でございます。 以上でございます。
○戸叶委員 いまのに関連して——それは民間業者にやらせるのですか、それとも港湾の施設管理者にやらせるのでしょうか、ちょっとお伺いいたします。
○鈴木説明員 ただいま申し上げました大型タンカー以外のものにつきましては、港湾管理者でございます。地方公共団体である県とか市とか、そういう港湾管理者がそういう施設をつくるということでございます。
○堂森委員 第十八条の(1)の(a)の点でありますが、沖縄にアメリカが駐留しておるわけです。アメリカが沖縄について宣言するとすれば、その場合、その地域と協議しなければならない、こうなっているのですね。そうすると、その協議する相手というのは沖縄の民政府ですか、あるいは琉球政府なんですか、どちらと協議するのですか。「この条約をその地域に適用する旨を宣言することができる。」こうなっているのですが、アメリカが沖縄に駐留している、あるいは占領しておる、これはどういうことになるのですか。
○高島説明員 ここの第十八条の(1)の(a)で「いずれかの地域の国際関係について責任を有する締約政府」という関係から、これは沖縄について申しますと、アメリカが沖縄地域の国際関係について責任を有する政府というふうに読めると考えます。そこで沖縄地域につきましてこの条約を適用するという場合には、当然米国政府は琉球政府と協議する。その結果、適用する場合にはその旨を宣言するという段取りになろうかと思います。
○堂森委員 琉球政府と協議をする、こういうことですね。間違いないですね。 それから、「地域と協議しなければならず、」となっておりますが……。
○高島説明員 これは琉球政府と考えます。
○堂森委員 第十四条の(2)の「第十五条の規定に従うことを条件として、国際連合の加盟国、いずれかの専門機関の加盟国」云々とこうなっておりますね。しかしこの六二年の改正前の条約では、こうした国だけには限っていなかったわけでしょう。今度改正してこういうふうになった、こういうことですね。これはどういうわけでございましょう。
○高島説明員 この条約の加盟国として国連の加盟国、それから専門機関の加盟国、それから国際司法裁判所規程の当事国の政府というふうに限定いたしましたのは、国際連合のもとにあります各種専門機関の加盟国につきまして定めた規定に合わせて、従来そうなっていなかったものを合わせて、このような趣旨に置きかえたものでございます。
○堂森委員 しかし国際連合あるいはいずれかの機関に加盟しておる、あるいは国際司法裁判所規程の当事国、こういうことよりは、以前のように、いずれの国でも加盟したいものは加盟できるというほうが、国際条約としての効果からいったらいいのじゃないでしょうか。どうでしょうか。
○高島説明員 国際条約で加盟あるいは署名する際の方式といたしまして、最近二通りございます。 一つは、先生のおっしゃったように、すべての国に開放するという、いわゆるオール・ステーツ・フォームというのがございます。これはたとえば核実験停止に関する条約、それから最近締結されました月天体を含む宇宙空間の探査・利用の原則に関する条約、そういった条約にはそういう方式をとっております。そういう関係で、米英ソ三国の首府のどこででも署名し、かつ批准できるという方式になっております。それ以外にもう一つの方式は、ここに書いてありますように、国連の加盟国、専門機関の加盟国、または国際司法裁判所規程当事国というふうに限定した方式、これは各機関のそれぞれの参加国の多数意思によってこういうことになった次第でございまして、方式としては二つ確かにございます。
○堂森委員 もう終わります。ありがとうございました。
○福田委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○福田委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 両件を承認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました両件に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○福田委員長 月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約の締結について承認を求めるの件、同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(第百号)の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、アジア生産性機構の特権及び免除に関する日本国政府とアジア生産性機構との間の協定の締結について承認を求めるの件、及び、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結において承認を求めるの件、以上五件を一括して議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。田中政務次官。 ————————————— 月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約の締結について承認を求めるの件 同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(第百号)の締結について承認を求めるの件 航空業務に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件 アジア生産性機構の特権及び免除に関する日本国政府とアジア生産性機構との問の協定の締結について承認を求めるの件 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○田中(榮)政府委員 ただいま議題となりました月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、宇宙空間の探査及び利用活動に関 する基本原則を定めることを目的とするもので、国際連合が昭和四十一年十二月十九日の同総会決議により推奨したものであります。 この条約は、宇宙空間への大量破壊兵器の打ち上げ禁止、天体の平和利用、宇宙空間に対する国家主権の主張の禁止等について規定しております。 従来よりこの条約の作成に積極的に参加してきたわが国といたしましては、この条約の当事国となることにより宇宙空間の平和利用に関する国際協力を推進することは、きわめて望ましいと考える次第であります。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(第百号)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、一九五一年六月二十九日に国際労働機関の第三十四回総会で採択されたものであります。その内容は、男女労働者に対して性別による差別なしに報酬を定めるという原則に関して規定したものであり、その趣旨とするところは、国内法においてもすでに規定されているところであります。 この条約は、基本的に女子労働者の地位の向上に資するものでありますが、特に最近におけるわが国の女子の雇用の実情にかんがみ、この際、この条約を締結しますことは、女子労働者の職業に対する意欲を高め、その雇用の近代化の機運を醸成して、その地位の向上をはかります上に有意義なものと考えます。 なお、一九六八年は、国際連合の定める国際人権年の年に当たるので、この条約を締結することは、この観点からも時宜に適したものと考えます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、航空業務に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 わが国と大韓民国との間の民間航空運送は、日本航空と大韓航空との間の商務契約による共同運航の形で行なわれておりますが、国交正常化後、日韓間に急増傾向のある貨客の交流にかんがみ、両国間の民間航空業務をできるだけ早く安定した法的基礎の上に置く必要が認められました。よって、政府は、昭和四十一年八月以降、大韓民国政府との間で航空協定締結のための交渉を行なった結果、合意が成立しましたので、昭和四十二年五月十六日に東京でこの協定の署名を行なった次第であります。 この協定は、わが国と大韓民国との間の定期航空業務を開設することを目的とし、業務の開始及び運営についての手続と条件とを規定するとともに、両国の航空企業がそれぞれの業務を行なうことができる路線を定めているものでありまして、わが国がこれまでに締結した多くの航空協定と形式においても内容においてもほぼ同様のものであります。 この協定が締結されると、両国の航空企業は、安定した法的基礎の上において、相互に乗り入れを行なうことができるわけでありますが、さらには、わが国と大韓民国との間の友好関係も一そう促進されることが期待されます。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、アジア生産性機構の特権及び免除に関する日本国政府とアジア生産性機構との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 アジア生産性機構は、アジア諸国における生産性の向上を目的として一九六一年に設立された国際機関で、わが国は、設立当初よりこれに参加しております。この機構の設立協定第四十条は、同機構及びその職員に与えられるべき特権及び免除については、同機構と加盟国政府との間に締結される別個の取りきめによって定めることを規定しているところ、同機構の本部がわが国に置かれているので、まず、わが国が同機構との間に特権免除協定を結ぶことになり、このための交渉を行なった結果、本年四月五日に東京において、この協定の署名が行なわれました。 この協定は、わが国がその領域内においてアジア生産性機構に法人格を認め、同機構、その職員及び専門家並びに加盟国政府の代表者に対して特権及び免除を与えることを規定したものであり、その特権及び免除の内容は、若干の点を除き、国連または専門機関の特権免除条約に規定されたものと同様であります。 この協定の締結により、アジア生産性機構の活動を円滑にし、同機構を通じわが国の経済技術協力を推進することが期待される次第であります。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、昭和三十四年二月二十一日に署名され、同年九月十五日に発効したノルウェーとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約を改正する新条約の締結について、昭和四十一年十一月以来ノルウェー政府との間で交渉を行ないました結果最終的合意に達し、昭和四十二年五月十一日にオスロにおいて福田臨時代理大使とノルウェー王国リュング外務大臣との間でこの条約に署名を行なった次第であります。 この条約は、本文二十九カ条及び附属議定書からなっております。その内容は、現行条約の規定の全般にわたって、OECDのモデル条約案の規定をできるだけ採用しつつ改正を加えたものであります。条約の内容及び現行条約との相違点のおもなるものは、次のとおりであります。すなわち、現行条約では、相手国に支店等、恒久的施設を有する法人の利得に対する課税は相手国が自国に源泉のあるその法人のすべての利得に対して課税するという方式によることとされているのに対し、新条約は、その恒久的施設に帰属する利得に対してのみ課税するという方式によることとしております。船舶及び航空機による国際運輸業所得につきましては、現行条約では、一定の登録要件を満たすものにつき、相手国における租税を全額免除していますが、新条約は、そのような要件なしに全額免除とし、また、新たに、公海における漁獲活動により取得する所得についても租税を免除する旨の規定を加えております。また、配当、利子及び使用料に対する源泉地国課税の制限税率は、現行条約では、配当、利子、使用料とも一五%の税率とされているのに対し、新条約は、親子会社間の配当については一〇%、その他の一般の配当については一五%、利子及び使用料については、親子関係の有無にかかわらず、それぞれ一〇%としております。さらに、政府職員、百八十三日以内の短期滞在者、二年以内の短期滞在の教授及び教員並びに学生及び事業修習者の受け取る報酬や手当等につきましては、現行条約と同様に、滞在地国で課税されないこととしております。また、二重課税の回避は、現行条約では、両国とも外国税額控除方式によることとされているのに対し、新条約は、日本国においては外国税額控除方式により、ノルウェーにおいては、配当、利子、使用料等一部の所得を除き、原則として、外国所得免除方式によることとしております。 現在両国間の経済関係は、貿易、技術交流等の一面で緊密になりつつありますが、新しい条約の締結によって、両国間の経済交流は一そう促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上、五件につきまして、何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○福田委員長 五件に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会 ————◇—————