科学技術振興対策特別委員会 第23号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1967/07/13
会議録
○矢野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 まず最初に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 宇宙開発に関する問題調査のため、本日、経済団体連合会宇宙空間平和利用特別委員会委員長大屋敦君、日本学術会議宇宙空間研究特別委員会委員長宮地政司君、日本学士院会員山県昌夫君を参考人として、意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○矢野委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は御多用中のところ、本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。どうかそれぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べくださるようお願いを申し上げます。 なお、御意見の聴取は質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承を願います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。
○三木(喜)委員 参考人の方々には、急な要請にかかわりませず、わざわざおいでいただいて、まことにありがとうございます。 私、東大の宇宙研究からロケット打ち上げの結果の技術報告書なるものを出していただきました。「ラムダ4S一、二、三号機報告書」でございますが、これによりまして、いろいろしろうとなりに見せていただいたり、学者の意見も聞いたり、また、きのうは専門的な学者においでいただいたわけです。そして学者の意見等を徴してみましたところが、非常に技術的に疑問が多い。そして、この報告書なるものが、ラムダ4S一、二、三号機の失敗の原因がどこにあるかという、そういう解析的な立場に立っておるということが非常に少ない、こういうような結論がきのう出されて、これは専門家の書いた報告書としてはまことに似つかわしくないじゃないか。これは一体どこに報告した報告書かというぐらいな疑問さえ提起ざれたわけであります。といいますのは、非常に内容がずさんな書き方をしておられるので、私も遺憾に思っておったのです。学者も非常に不満の意をあらわされたわけでございます。 そこで、きのうの委員会で結論として出された問題は、私は二つあろうと思います。それは技術的に十分に検討し得る報告書とも思えないし、さらに東大の宇宙研究所がまじめにこの失敗に取り組んでおるとは思えないということ、それから、このままの体制では、この技術報告書によると、ミューロケット打ち上げをいたしまして衛星になるところの可能性が非常に少ない、技術的に非常に危うい、こういうような結論が出されたわけでございまして、したがって、一体どういうところからこういう結論が出されたのか――結論といいますと非常に責任があるような言い方でございますけれども、これによってみて、きのうの答弁を通してみての感想でございます。 そこで、その原因は、私、この中で考えてみますのに、きのうの質問の中にもありましたが、教授会に十分はかって、そうして検討した上でこれを出されたかどうかが非常に疑わしい、こういうことになっておるわけです。ここに私は、新聞等もたびたび指摘していますように、東大宇宙研の独断的な考え方、閉鎖的な考え方、他に協力を求めないというような考え方があるんじゃないかと思うのですが、きのうはそういう点が明らかになったわけです。論議を通しまして意見が出されたと思います。 そういうところをかまえまして、きょうはこの東大宇宙研の中にあるところの経理の問題だとか、あるいは業者との癒着状況はないかという問題やら、いろいろ、私、最初に東大の高木さんにお聞きしまして、そうして結論として、今後宇宙開発のあり方はどうあったらいいかということをお三方から聞かしていただきたいと思います。ほんとうなら、最初に御意見を承るのが順序でございますけれども、そういうような運びにさしていただきたいと思います。なお、きょうあとに一つ質問の予定が加わりまして、したがって、時間の関係上、終わりに近いところで御意見を承りたいと思います。 それでは、高木先生においでいただいておるので、私お聞きしたいと思いますが、まずきのうの、この報告書に対する批判ですが、教授会で十分検討した上で出したと思えないという御意見が出ておったわけであります。私も、少なくとも各章項にわたって責任者の名前くらい書いていただきたかった。一説によると、これは高木さん、憶測なりあるいはまたうわさで申しわけないのですけれども、これは業者が書いたのじゃないかとさえいわれておるわけです。そういううわささえ出ておるわけであります。私は、東大にとってはまことに不名誉な話だと思うのですが、きのうの話では、これは十分に討議をした上で出したか出さなかったか、これは重要なポイントになるわけです。いままでの宇宙研のあり方というものも、その中におのずから浮き彫りにされると思うのです。そういう点で一つお聞きしたいと思います。
○高木説明員 ただいま、教授会で討議したかという御質問がございましたが、これは前回も申し上げましたように、発射後二週間たってラムダの検討会をやりました。そのときに、私たちのほうのロケット専門委員会に属しておる、構造とか、いろいろな委員会の方がみんな出まして、一日かかって検討会をやったわけであります。故障の原因についても、そこで申し上げました。それに対するいろいろな、何と申しますか、それじゃどうやったらいいかということについての意見も十分求めたわけでございます。実際問題としては、ほとんどまあ出てこなかったと言ったら語弊がございますけれども、その後も小委員会に分かれてずっと各班で検討していたわけでございますから、したがって、その間のこの報告書をまとめている時点の中間では、いろいろな検討会があったことははっきり申し上げておきます。こういうものを教授会で検討するといろよりは、それぞれの班に分かれて、またそれが合同して、どうだと検討するほうがいいわけでございますから、最後にこれを提出する前に、もともと報告書をつくる予定であったことは前回も申し上げたとおりでございますが、こういうものを提出しますということで、教授会の了承をとってから国会にお出ししたわけでございます。 第二点は、まことに意外なことをお伺いするのですが、こういうものをメーカーに書かした、どういう方がそういうことをおっしゃったのか、私まことにふしぎでございます。念のために、昨日も申し上げたとおり、ここにいま著者名を――学会論文でもないと思ったものですから、各章分担の著者名を持っておりますけれども、別にガリ版なりあるいはそのうち印刷したら必ずそれぞれの章の担当責任者を書くわけでございます。よろしければこれはここへ置いてまいりますけれども、そういうわけで、どなたがそういうメーカーがやられた――これはもうメーカーのやるところじゃございません。システムその他、われわれが全部計算したものでございます。どうぞ……。
○三木(喜)委員 いまのお話の中には、ちょっとまやかしのようなことがあるわけです。失敗はどうだったか、その検討会は当然やらるべきだと思います。しかしこの技術報告書の中には、用語の間違いがあり、あるいはダブったところがあり、不足したところがある。そういうようで報告書の体をなしていない。したがって、この報告書についての検討会はやられたが、いまのお話では各部署部署でやられた、しかしながらこの各章項にわたって、いまおっしゃるのには、責任者はちゃんときまっておった。責任者だけが出されたのでなくて、その責任分担の者が、この各章にわたったときに、一章一章について御検討になったかどうかということなんですね。そういうことがなされないということは、一部の者の独断専行におちいる危険がある。ロケットの今回の研究もそういう節はないかということなんです。きのう私が御指摘申し上げましたように、姿勢制御にいたしましても、スピンがとまったかとまらないかという問題にいたしましても、ロケットのこまの軸の問題にいたしましても、質問いたしますと不備なところだらけです。東大の教授ともあろう方が、こんな不備なものだらけでは、私はほんとうに目が通り、そして皆さんがこれを出して恥ずかしくないという考えに立っておられるかどうかということが非常に疑わしいから聞いておるわけです。きのう私しろうとながら、二つの点でかなり掘り下げてお聞きいたしました。姿勢制御も、スピンもとまっていないのにとまっておると言われたり、あるいはまた、スピンの状況も鹿島の電波研は十分間もずっと観測しております。測定しております。あなたのところは三分か五分でとまってしまっておる、四段目の衛星がですね。そんな記録しか出ていない。こういうことでは、東大の名誉にかけても恥ずかしくはないかと私は思うのです。それで名前を出されなかったのかしらんと私は憶測しておった。そういうぐあいに言いますと、これは業者が書いたのじゃないかしらん、こういうことを言う人さえ出てきた。これはまことに不名誉な話ですからお聞きしたわけです。幸いそうではなかったようでございますけれども、十分な検討は経ておられないような気がいたしますね。そういう欠点だらけではこれは困ったものです。
○高木説明員 事故検討会を持たなかったかというお話ですが、事故検討会は持ちました。それをまる一日かけ、それから各班に分かれて検討していただいたのです。それから、これの分担は、ここにございますように、各研究班の班長をやっておる人で、私は独善になっていると思っておりません。旧航研の人も何人か集まって、これを検討していただいております。 それから、先ほどスピンがとまった――前々回の五月十七日の議事録に、私、はっきり申し上げまして、スピンのことは、そこに、二号の場合には一・何サイクルまでいきましたと、はっきり国会の議事録で申し上げておりますので、あらためて申し上げておきます。
○三木(喜)委員 私、そういう観点に立ちましてやはりきのうの報告書一つめぐりましても、東大の中で技術的な問題についても十分な解明をわれわれにさえ与えてくれていない、非常に疑問が多いという結論がきのうは出ておるわけなんです。 それだけでなくて、私は東大の中で疑問に思っておることは、もうたびたび衆議院でも参議院でも指摘された経理上の問題がございます。これについて、きょうは会計検査院からおいでいただいておりますので、端的にお聞きしたいと思うのです。 この前私は会計検査院にわざわざ行きまして、局長にもお会いしてお話を承りました。東大ではロケットの映画をとっておるわけなんであります。宣伝の映画でしょうが、その映画は、岩泉一さんなる人の名前でその料金が払われておるわけなんですね。しかしながら、ほんとうの仕事はこの岩泉一さんのおかあさんの定江さんという人がなさったようであります。したがって、会計検査院にお聞きしたいのは、こういう未成年者が、国費を受け取る場合の名義人として、これでいいのか、こういうことなんです。これは法律上の人格として認めるのかどうかということになりますと、非常に疑問だと思うのです。会計検査院はこのことについてよく知っておられるわけなんですが、なぜこれについて見のがしをされておるのか、ひとつ聞かしていただきたいと思う。
○石川会計検査院説明員 確かにおっしゃるとおり、未成年者に対しましての支払いというものは、適当ではございません。 ただ、見のがしたとおっしゃいますけれども、これは相手方にも十分注意をいたしまして、三十八年度の検査の際にこれを発見いたしまして注意いたしましたところ、その後この方法を改めております。かつまた、問題のフィルムは、現実に納入されておりますし、それに相応する金額も、実際の仕事をなされました方に支払われて、再度請求するというようなこともございません。一応国損ということも予想されませんので、特にこれは指摘はいたしませんでしたけれども、ただ先ほど申し上げましたように、これは厳重に御注意願う、今後そういうことを改めていただきたいという注意はいたしたわけでございます。
○三木(喜)委員 これは、局長さん、会計法上違法でしょうか。こういう違法の事態を認められて御注意なさるのは、それはけっこうです。しかしながら事実はもうちゃんと出てしまっておるわけなんですね。これは法律的に罪にならないのですか。法務省からもおいでいただいておるから、もう少し事態を明らかにいたしますけれども、まず会計検査院のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○石川会計検査院説明員 会計法上違法であるかどうかということになりますと、未成年者でございますので、親権者はおそらく母親になるだろうと思います。その間にどういう――これはそういうことが事実あったかどうか存じませんけれども、債権の譲渡とかあるいは受領代理人の委任とかいうような行為が予想できるわけでございますけれども、おそらくそういうことは、親子の間柄でございましたので、われわれの承知しております限りにおきましては、女性の名前ではぐあいが悪いから男性の名前にしたという程度のものであったと思います。 違法であったかどうかということになりますと、母親と子供とのそういった話し合い、あるいは大学側がどの程度までそういったことを承知していたかどうかということにかかわるわけでございますが、率直に申しまして、われわれ母親にも会っておりませんし、子供にも会っておりません。その間の事情はわれわれも詳しくは承知していないわけでございます。そういったこともありまして、確かに支払い方法といたしましては、これはきわめてまずい方法でございますけれども、それが違法と断定するにはなお多少の事実の調査を要するものと考えます。 それから、これが犯罪になるかどうかという点でございますけれども、会計検査院といたしましては、経理の検査というものを第一義的にしているわけでございまして、その間に犯意があったかどうかというような犯意の認定ということになりますと、われわれの立場といたしましても、ちょっとそういった判定を下しかねるわけでございます。
○三木(喜)委員 高木さんにお伺いいたしますが、SEの記録映画編集料調書を出していただいたわけです。これによりますと、三十二年度に五万七千八百円、三十三年度に一躍十倍になりまして、四十五万九千円、三十四年に七十二万二千円、三十五年に八十六万五千円、三十六年には百五万八千円、三十七年には百五十三万円、三十八年には三十六万八千円、こうなっている。全部締めまして五百万円以上の金が出されておるわけなんです。それはPRも必要だと思うのですけれども、四十一年度文部省の予算の参照書と参考書、これを見せてもらいますと、映画の費用なんか全然ないわけなんです。国の示した予算の使い方については、この映画の費用は全然ないわけでありますが、一体どういうところからこういう金を出されたのですか。
○高木説明員 このロケットの記録映画をとりますことは、前回も申し上げましたことと思いますが、一々のロケットがやはり実験でございますので、そのときのロケットの飛び方だとかいろいろなものを全般的に全部記録しておきまして、もしも何かふぐあいなことがあったときにはその映画から解析する、こういうことをずっとやっておりまして、したがいまして、記録映画はできるだけとるという方針で進んでまいりました。 この予算の面におきましては、私たちかねがねこういう映画の項目を、柱を立てるべくお願いしておったのでございますけれども、実行上におきまして、いつでもこの程度の予算額を実行計画の上ではじき出しまして、そしてまた、金額もごらんのように少しふえておりますのは、年々ロケットの発射機数がふえ、また新しいロケットもふえてくるので、十分に記録に残しておこう、こういうことで進めてまいったわけであります。
○三木(喜)委員 その必要はわかるのです。その必要をお聞きしておるのではない。それはもちろん必要です。相撲でも記録をとって自分の取り口を調べておるのですから、ましてやロケットについては映画は必要なんです。それならば、なぜ文部省の予算書の中にそういうものを要求してその項目をあげられないのか。項目にないのでしょう。国あるいは文部省の承認した中にはそれがないのです。そしてこういうものがどこから出てきたかということを言っておるのです。
○高木説明員 予算項目の中に共通経費というものがございます。その共通経費のうちからこの記録のものを出しておりますが、共通経費はいろいろな観測施設の設備の修理とか営繕とか、そういうことも一切含んでおりますが、その中から実行上必要な額を出しております。
○三木(喜)委員 それをちょっと示してください。四十一年度文部省参照書というものがここにあるのですが、共通経費というのはどこですか。
○高木説明員 ちょっと資料が……。
○三木(喜)委員 ちょっと急ですからけっこうです。 要するに、共通経費の中から出した、こうおっしゃるのですが、国会と大蔵省が認めた予算の中には映画というものはないわけです。これは必要だということになれば、やはり予算書の中に入れてやられるべきではないかと思うのです。便利なところにつぎ込んでおいて、そこから出そうという、ポケットのようなものの出し方は、私は問題が起こってくるもとだと思うのです。力の強いものが映画をとろうと言うたら映画です。そのほかのものにこれを使おうと思えば何にでも使えるようになるわけです。 そこで、ついでに予算書のことでお聞きしたいと思うのですが、ずっと東大の宇宙研の実行予算を見てみますと分担金というのがあるのです。一体この分担金というのは何ですか。 追加いたします。東大宇宙研ロケット観測経費の実行予算を見ますと、分担金という項目があるのです。三十九年度は二千五百万円、四十年度は二千五十万円、四十一年度は三千六百万円が計上されています。これは一体どんな費用か、検討してみてもその費用の内容がきっぱりわからないのです。
○高木説明員 分担金というのは、これは特別事業の予算でございまして、そのうち分担金というのは宇宙研自体の運営と申しますか、光熱費用とか通信料とか、そういうものへ、つまり宇宙研本部と言ってはおかしいですが、経常費のほうへ回しております。そういう費用でございます。
○三木(喜)委員 そんなことを言われるからおかしくなってくるのですよ。私の手元にある四十年度の実行予算表によれば、光熱、通信費は分担金とは別に六百万円が計上されております。ほかに自動車代二百五十万円、会議費に百万円などというものがあります。分担金はこのような共通以外のものであると私は断ずることができると思うのです。どうですか。そういう光熱費なんかはちゃんとあるじゃないですか。
○高木説明員 いま資料が手元にございませんので、ちょっと私、正しい答えができないので、経理のほうにちょっと調べていただきます。先生はどういう資料で分担金というものを……。
○三木(喜)委員 あなたのところの経費の一覧表を見ました。おたくの実行予算表です。出しましょうか。
○高木説明員 先生のは四十年度ですか。
○三木(喜)委員 三十九年、四十年、四十一年と、こういうのが出ておるのですよ。何年度ですかと言うたら、私いま読み上げたじゃないですか。三年間にわたって分担金という項目があるわけなんです。今回出してもらったのには、四十二年度予算では分担金というのはこつ然として消えているのです。正式に要求いたしました分にはないわけなんです。
○高木説明員 私、手元の資料が十分整っていないので、あるいは先ほどのあれかもわかりませんが、分担金は宇宙研の中のいまの費用その他でございます。四十年度ではそれと大気球の実験などに使っております。
○三木(喜)委員 そうすると、光熱費、通信費、こういうものではないということですか。あなたは光熱費だと、こうおっしゃった。 調べていただいておる間に、大屋先生が十一時三十分に出られるようなので、先に宇宙開発一元化についての御意見だけ承っておいて、その間に東大で調べていただきたいと思いますので、そういうふうにひとつお願いします。
○大屋参考人 宇宙開発の一元化の問題の御質問でありますが、宇宙開発の一元化という問題は、日本では非常に話がこじれておるのであります。それはなぜかと申しますと、大学が今日まで独力で宇宙開発の仕事を続けてやっておったところへ、どうも大学でこれをやるのには少し無理があるのじゃないか、だんだん宇宙開発の進むに従いまして、そういう議論が各方面に起こりまして、それで、これはどうしても国家的の一元化を考えなくちゃいかぬというようなことで、私が関係しております宇宙開発審議会にも、どうしたらいいかということの諮問がありました。 当時、私は宇宙開発審議会の総合部会長という仕事をしておりましたのでございますが、私、試案として徹底的に一元化を実行しろ、こういう試案を出したのでありますが、主として文部省から出ております委員から反対がありまして、握りつぶしにあったわけであります。それで、その後、握りつぶされましたけれども、何とか一元化に一歩近づくような方法はなかろうかということで、今日の取りきめができておるのであります。 今日の取りきめと申しますのは、大体大学が目ざしております。いまラムダをやっておりますが、その次の、ミューまで、もう少し詳しく申しますと、直径が一ポイント四メートルのロケット、そのミューの打ち上げと、それに付属します科学衛星まではひとつ大学でやらせようじゃないか、つまり現状を尊重しようじゃないかというようなことで、大学の研究範囲というものをそれに限定いたしまして、それよりもさらに大きなロケット、あるいは科学衛星が実用衛星にだんだんなってまいりますけれども、実用衛星の仕事は科学技術庁にやってもらおう、こういう二元的の統制で今日行なわれておるのであります。期限的に申しますと、大体四十五年には科学技術庁の力で実用衛星を打ち上げる。そして現在よりも大きなロケットを使うということで話し合いができておるのでございます。 それでありますから、私としては、その話し合いに反するような発言はしにくいのでありますが、私は初志を今日でも持ち続けておるのであります。日本のようなところで、宇宙開発のような、目前には小さな仕事は一本でやるほうがいいのだというような意見は、今日でも持ち続けておるのであります。 ちょっと見ると、いま申しました話し合いは、たいへん巧みな話し合いに見えますけれども、実際に当たってみますと、メーカーの立場を見ますというと、メーカーは科学技術庁の専門のメーカー、大学の専門のメーカーというものが二つ自然に分かれてまいりまして、宇宙開発のような仕事は今後すべて一元的に、メーカーでも何でも一元的に総力を結集する、そういうことが必要である際に、メーカーも二派に分かれるというようなことは、適当でありませんしというようなことで、一元化を今日でも私は主張しておるのであります。 大学の研究と申しますけれども、だんだんロケットが大きくなりますし、それから人工衛星というふうな問題にまで進展してまいりますと、一例を申しましても、だんだん外交問題もそれに付随してまいりましょうし各種各様の、大学では処理しにくいような面に人工衛星の仕事が発展してまいりますのでありますから、たとえ、ミューで限定すると申しましても、それによって科学衛星を打ち上げるということになりましたら、国外問題というものがだんだんからんでまいります。 それから、これは少し言い過ぎでありますけれども、大学というものの本来の使命を考えまして、一体そこまで大学の研究機関というものは伸ばしていくということが適当であるかどうか。大学は主として子弟の教育、それに必要ないろいろな基礎的な研究というものに限定すべきもので、人工衛星の打ち上げなんというものは早く思い切るほうがいいのじゃないか、こういうことを私個人としては考えておりまして、早く人工衛星の打ち上げ等の問題は科学技術庁のほうに集中したらいいじゃないか、こういうことをいまでも考えております。 それで科学技術庁に集中するというと、いま科学技術庁のほうには、高木さんが所長をしておられます研究団体がありますけれども、どうもそれでは微力であるから、できるならば総理大臣の直轄の事業法人をつくってもらいたい。事業法人で一手でやるようにしたらいいじゃないか。それで大学はそれの成果を研究に利用するということで、大学は幾らでもやる仕事があるのじゃないかということをいまでも考えておるのであります。それにつきましての理論的な根拠であるとか、いろいろなこまかいことはありますけれども、私は大本から考えまして、日本の宇宙開発はそういう向きに行くべきものである。ことにそれに関連しておりますメーカーの一元化と申しますか、メーカーの技術を伸ばすためにもこれを一本に集中するほうがいいんだというふうに考えておるのであります。
○三木(喜)委員 どうもありがとうございました。私もその御意見には全面的に賛成でございます。大学の使命からいい、なお、現在大学がやるためにいろいろなひずみが出てきております。そのひずみが大学だけの範囲でとどまっておるならばいいのですが、それが国家あるいは国民に、あるいは宇宙開発の技術推進に非常に支障になってまいった今日、当然一元化を強力に進めていって、国費で、国家の力で、そうして全部一致した体制で打ち上げをやる、こういうようにやっていただきたいので、全面的にただいまの御意見には私賛成でございます。どうもありがとうございました。 東大につきまして、ひとつ先がたの質問についてお聞きしたいのですが、東大におきましても、先生お聞きいただいたと思うのですが、経理の問題におきまして、あるいは業者との結びつきのぐあいにおきまして、あるいはできた製品の海外へ輸出する輸出に関係いたしましたり、いろいろ東大らしからぬものが出てきて、私はこういうようなこまかいことを聞いておるようですけれども、基本的な姿勢に問題があるので、あえてこれをお聞きしているわけなんです。そういうつもりでひとつ残りの両参考人の方はお聞きいただきたいと思います。こまかいことをほじくり返しているじゃないかというお考えじゃなくて、ひとつお聞きいただきたいと思います。
○大屋参考人 ちょっと先ほどのに一言補足さしていただきます。 いまの一元化というのは現在でも一元化じゃないか、こういうへ理屈も出るわけでありますけれども、私の一元化は、徹底した一元化であります。たとえば内之浦の射出場のようなものは、今度できる事業団の付属にすべきものだ、ロケットを打ち上げたりすることは、必要に応じて大学が研究としてそれを利用するということはけっこうでありますけれども、私の一元化はそこまでの一元化であります。
○高木説明員 ただいまの分担金のことでございますが、分担金は、宇宙研の分担金と称しますのは駒場のほうで使う費用、それからもう一つ、生産技術研究所のほうにも併任教授が大ぜいおられますので、そのほうに分担金を使うそれから大気球の実験などにも分担金を使っておる、こういうやり方でございまして、光熱、通信費とここに記載してある分は、鹿児島とか能代、そういうところの光熱、通信費でございます。
○三木(喜)委員 いよいよ内容がややこしくなってきましたね。いまおっしゃったような項目なら、なぜその項目にあげられないのですか、駒場の分とか何の分とかいうのは。分担金という名前から受けるところの印象は、だれかに研究をやらすために、その研究にこちらから分担して金を分かち与えるというなら分担金です。そんなものは分担金と言わないでしょうが。光熱費は全体の光熱費をあげないでおいて、支所の光熱費だけあげるというのはおかしいじゃないですか、そんなでたらめ言うたらいかぬじゃないですか。
○高木説明員 宇宙研庁費でございますね、それを特別事業のほうから助けておる、こうお考えいただいたらよろしいのじゃないかと思います。宇宙研事業その他のために、いろいろと所内のほかの基礎研究をやっておる方々や何かのいわゆる基礎経費あるいは共通経費を助ける意味において、そういうことをやっておるわけでございます。ですから、これは特別事業の予算でございまして、それから宇宙研本来の講座割りの庁費ということでございます。それに対する所内の分担金でございます。
○三木(喜)委員 だんだんあなたの意図に近づいてきた答弁ですね。先がたとまた話が違ってくるのです。分担金、たとえば四十一年度のロケット観測経費実行予算の中を見ますと、大型ロケット、小型ロケット地上テスト、飛しょう費、予備試験費、それから所員の経費、修理費、基礎開発研究費、PI基礎開発研究費、科学衛星開発費^特別設備費、前年度の赤字分、こういうように至れり尽せりにあがっておるのですね。いま言われたことはみな包含せられておりますけれども、四十一年度ロケット観測経費実行予算の中に分担金がある。観測するのに光熱費は、それは要るでしょうから光熱費とあなたおっしゃった。観測の費用の中に研究費もみな入るじゃないですか、上のほうの費用の中に。いま、いろいろとお考えになるようですが、この分担金の性格は非常にあやしいものですよ。分担金というのがそういうものなら、今回、四十二年度の予算書を出していただきましたね。この中にもやはり分担金がなければいかぬのですよ。それがなぜこつ然となくなったのですか。四十二年度の分は出していただいておりますが、一番しまいには分担金というものがないです。
○高木説明員 いまの分担金は、私たちの俗称でございまして、本来庁費に入っておるものでございます。この四十二年度の実行予算書の中では、共通経費の中に入っております。分担金はほんの私たち俗称でございまして、千葉実験所の経費とかその他を分担しておる、こういうことでございます。
○三木(喜)委員 私、なぜこういうことを聞くかといいますと、あなたの所内においてもこの分担金というのはわからないと言う人が多いのですよ。これは何やわからぬ。私が言うておるのではないのです。あなたの所内の人に聞いてみてください。この分担金を知っておる人に一ぺんよく聞いてみてください。いまでも分担金の御説明がいろいろと変わったでしょう。それくらい困らなければならぬくらい分担金の性質というのはややこしいのですよ。三千六百万円も一年に使って――これは実は所内の高木さんの機密費だといわれておるわけなんですよ。機密費的性格だといわれておるから、いま聞いてみてもさっぱり一致した見解の答弁ができない。だから私が正式に要求したものの中には、もう分担金というのは形を隠してしまいました。それはそういうようなことになると共通経費でしょう。国費を非常に節約しなければならぬのに、こういう一年間三千六百万円も、これはあなたの機密費だといわれておるのですが、機密費に使われたらかなわぬと思うのですよ。 もっとうがった見方をしますと、これは宇宙研の中におけるところの体制の問題にある。今日まで二年間、当然に教授の選挙によって所長は決定しなければならない。いまその準備段階におきまして、あなたは仮の所長でしょう。選挙によって選ばれた所長ではありません。したがって、所内体制を整えるために、あなたはこの中から機密費として金を御使用になっておるといわれております。そうして、多数派工作を現在なさっておる。宇宙研におけるところの多数派工作ですよ。そして、次の所長体制を整えておられるとさえいわれておるわけなんです。宇宙研もまた「白い巨塔」になろうとしておるわけです。ひとつそれについて、間違っておったら絶対間違いだということを言ってください。
○高木説明員 いまおっしゃられたことは絶対全部間違いでございます。分担金が機密費というのは、どういうことを、あるいはどういう証拠でそういうことをおっしゃっているか。分担金というのは、先ほど俗称と申し上げましたとおりでございまして、宇宙研の庁費のほうへ回すとか、あるいは生研あるいは大気球、こういうようなものにそういう分担金――俗称でございまして、これが機密費というようなことを所内の人がだれがおっしゃったかわかりませんが、公費でそういうことができるはずのものでもございませんし、私がそういううわさを立てられることはまことに残念だと思っております。 それから次は、私が初代の任命の所長であることは確かでございます。そのために現在設立準備委員会というのができておりまして、このことは東大の中で、あるいはほかの大学でも、新たに研究所ができる場合には、いつでもそういう形態をとっておるのでございます。それから、多数派工作とおっしゃいましたけれども、私、いわゆる教授会でそういうことが起こるとは思いませんですし、私自体絶対にそんなことをした覚えがございません。私は具体的にそういう事実は全然ございませんことを断言いたします。
○三木(喜)委員 あなたがこの分担金の中から自分の心に合うた人に研究費としてお金を渡されたことはございませんか。
○高木説明員 絶対にございません。研究費の配分というのは、中に委員会がございまして、そして、研究費をどういうふうに分けるかということは必ず検討してございます。この分担金の中は研究費では絶対にございません。研究費というのは、基礎開発研究費とかそういうのが別にございます。ですから、私がこの中からだれか好きな人に研究費を配ったという事実がありましたらどうぞ――私はそんなことは絶対にしておりませんし、また学内でそういうことはできません。私がかってにこの人に幾ら研究費をやってくれなんということはできません。
○三木(喜)委員 そうすると、もう少し申し上げておきたいと思うのですが、公の研究費の配分はなるほどそのとおりです。学内に配分の体制がありまして、それによって配分しなければならないのは当然です。しかし分担金とかあるいは共通金とか補助金とか予備金とかいうような名前で自由にできる分があれば、これはあなたの力でやることができるのですよ。何の証拠かということを申し上げますと、人を出してこいというなら出さざるを得ないと思うのですけれども、それよりも、いま私がお聞きいたしましても、非常に調べられなかったら分担金という性格が明らかに説明していただけない。そうでしょう。 さらに、所内の体制は二年間かかって、任命制の所長だ、こうおっしゃるけれども、いつまでかかったらその選挙体制ができるのですか。これが一つ。 それから三番目に、所内では、今回のラムダ4S一、二、三号機の失敗によって、東大としてロケットの打ち上げを今後やるべきかどうかということに疑問が出てきておる。 さらにまた、東大の宇宙研は何をするところかという根本問題についての疑義が内部的に出てきております。宇宙観測という名目を立てておるわけなんです。それがロケット本体それ自体の研究にいまだんだん邁進していって、 ロケット屋になってきたわけです。それでいいのかという疑問が出てまいっております。 こういうように内部体制に非常に疑義が出てまいったということは、内部の運営の中に、分担金のせいだとは言いませんけれども、らしからぬ運営がなされておることから、私は外面的に見た者としてそういうことを言うわけなんです。そういう意見は出ておりませんか。二年以上もかかっていまだに公選によるところの所長ができない。やはりあなたがそういう権力の座に長く居すわっておろうという意図があるからでしょう。やっかいな一元化の推進本部長はやめたいとおっしゃる。これこそ勇躍やってもらわんならぬことです。私は、分担金というこういうような機密費、交際費というものの上にあなたがかじりついておるとは申しません。しかし、何とはなしに東大宇宙研の中に、いま申し上げましたように明朗らしからぬものがあり、さらに所内に一致したところの空気がいまできていない。宇宙研のあり方に疑問を持つようになった。こういう体制の中で、ラムダ4Sやあるいは人工衛星が打ち上げられると思われますか、そういう意味合いで私は申し上げておるのです。 次に、それでは話を進めてお聞きしたいと思いますが、ちょうど法務省のほうからも記録映画の問題について私お聞きしょうと思って来ていただいておるわけなんですが、文部省から出た資料によりますと、昭和三十二年から三十八年まで岩泉一名義で記録映画の編集費が多額に払われておるのです。岩泉一さんは、糸田英夫博士の非常に心やすい御婦人の子供だといわれております。この子供は当時未成年者であったというが、このような未成年者に国費を支払ってよいかどうか、これは法律上私はどんな罪に問われるか一ぺんはっきりしていただきたいと思う。会計検査院の局長は、非常に遺憾なことである、これはよくないことであるというようなことを言っておられますけれども、法律的なところまでは言っておられません。糸田英夫博士の研究室に当時いた人に会って聞いたところ、記録映画の編集はすべて研究室の助手たちがやっていたという。とすると、岩泉一さんは何の労働もせずに、ただ一片の請求書で国費をもらっておったということになると思うのです。一さんという人は仕事をしていないのですから、これは詐取したということにはならないのですか。会計検査院はそういうような不正事実を発見した場合、司法当局に通告しなければならないと会計検査院法には定めてある。なぜ当時司法当局には知らせなかったのですか。法務省に聞いてみますと、告発がない、こういうお話を私は聞いておるわけなんですが、その辺はどうですか。
○石川会計検査院説明員 確かに支払いの手続といたしましては、これは非常にかんばしくない事態でございます。しかし、われわれが心証を得ましたところによりますと、これはある女性が事実この仕事をいたしまして、その製作いたしましたフィルムは、確実にこれは納入されております。その金を受け取りました者もその女性であるというふうに、われわれ検査の結果は承知しているわけでございます。でありますから、確かに子供の名義を使ってそれを受け取ったというそのこと自体、あるいは国としてそういった者に支払ったということは非常に遺憾なことでございますが、ただ、ここに告発を要するかどうかという点につきましては、先ほども申し上げましたように、犯意の認定等につきましてわれわれとしてはそこまでは一般的にできかねる立場にあるわけでございます。 検査院には告発義務があるかどうかということでございますが、会計検査院法によりますと、確かに国または公社の職員が会計事務を処理するにあたりまして、犯罪と疑われるような事実があります場合には、これは当然告発しなければならない、これはまさに法の定めるところでございますが、過去にも多少そういった事例はございましたけれども、これは現金の横領とかそういった事態につきましてだけでございまして、このような場合には、何回も繰り返すようでございますが、犯罪事実ありと立証するに足る十分な心証はわれわれの立場ではちょっと通例できかねるわけでございます。
○三木(喜)委員 これも私しろうとなんで何とも言いかねますけれども、しかし女性が仕事をしておったといたしましょう。それをその子供さんにかえるような――だれが一体これはかえたのか、これがまず一つ問題でしょう。それくらいなら、かえられるようでしたら、女性が仕事をしていないのに仕事をしたようにかえることもできるでしょう。そういう疑いは出てこないですか。して悪いところの名義にしておいて、そうして、それは本人に渡っておりますからというような、こういう安易な解釈を会計検査院としてはなさるのですか。私はそういうことがかえられるくらいだったら、そのほかのところもかえ得ると思う。そんなものだけかえてほっておくわけはありませんよ。なぜ悪いかという、その原因がきっとあるに違いないのです。女性の名前にしたらなぜ悪いか、らしからぬことがあるから子供の名義にしてあるのです。そうやはり類推していかねば私はいけないのではないかと思うのです。すとんとその名前でやってその女性に手渡しになったかということを、私おとといあなたのところに行って聞きました。それは確認していない、もらっておるか、もらっていないかわからない。だからそう言っておるんだろう、こういうようなことを言って、罪にならない。国費を払うのに未成年者の名前にしておいて、そういうところはどうでもなるんだというような、こういう解釈で、だれがやられたか知りません、これは調べられましたか。その名前はだれがかえたのですか。文部省から、大学局から見えておるが、だれがそういう未成年者の名前にしたのですか、非常識な。その点ひとつ答弁してください。
○石川会計検査院説明員 だれかがその名前をかえたかということは、実ははなはだ申しわけございませんが、われわれのほうとしては……。
○三木(喜)委員 いや、あなたではない、文部省側……。
○岡野説明員 私もその点存じません。
○三木(喜)委員 あなたは文部省におってようわからぬでしょうから、東大宇宙研のほうに聞きたいと思います。会計関係の方見えておるのでしょう。高木さん、見えてないのですか。
○高木説明員 私のほうの事務長が見えております。
○三木(喜)委員 事務長、どうですか。
○高木説明員 いま見えておるのは宇宙研の事務長でございます。二年ばかり前に来られた方でございます。事務長には、その三十二年当時のことはちょっとわかりません。
○三木(喜)委員 そこで、会計検査院から見えておる局長さん、そういうように意図した人もはっきりわからないでしょう。そのうしろに犯罪があるかどうかもわからないでしょう。横領があるかないかもわからないでしょう。なぜそういう点を――あなたも最近かわられた方で、あなたの責任でもないのです。かわっていけばかわっていくほど、前にどんなことをしておっても責任がない、私はわかりません、私はわかりませんで追い送られていくというところに、学問の府であり、真理を探求する府が――これは高木さんにお聞きしたいのです。そういう探求する府が女性名義にしておくのはぐあいが悪いから、未成年の人をかりに持ってきた。かりに持ってきたというところに私は問題があると思うのです。 会計検査院のほうから見えておる方に申し上げたいと思うのですが、あなたもおっしゃいましたように、会計検査院法三十三条に「会計検査院は、検査の結果国又は公社の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない。」と、こうあるのですが、そういういまわしいごまかしがあるところに犯罪があるのですよ。初めから犯罪というものはわからないのですよ。検察官や警察が調べるときに、ちょっと目が動いたり、あるいは挙動がおかしかったというのでつかまえてみたら重大なる犯人だったりするのですよ。こんなものくらいでは告発も通告もできません、とこうおっしゃるけれども、事実意図的なおかしいものがあるじゃないですか。なぜこれを調べないのですか。私はそれなるがために、おととい会計検査院に参りました。そうすると、書類は全部お蔵ですから見せられません。前の局長さんは、来てください、会計検査院の性格としてまとめて国会なり国に報告をしなければならないので、一つ一つは報告できない、一つ一つの事実については来ていただいたら見せますということで、私は行った。ここに課長さんもおいでになっておる。課長さんはお帰りになるもう六時近かったからお帰りをせかれたかどうか知りませんが、あるいは一たんお蔵に入ったものはもう出さないというきめになっているのかどうか知りませんけれども、その書類を見せていただけませんでした。しかしながら、そういうごまかしをやるところに犯罪が起こるわけなので、なぜそれを調べてくれぬのですか。これをひとつお願いしておきたい。もっと調べてください。国の持てる権限はそこにあるのですから。これの張本人の糸川さんはもうやめてしまわれておる。なぜやめられたか、私もその真相ははっきりつかんでおりませんけれども、後進に道を譲るためと言われておりますけれども、こういう疑義が出てきたのですよ。週刊誌にも書かれたし、あるいは国会でも追及されたし、こういうようなところに――私はなぜこういうことをしつこく言うかといいますと、非常に国民に期待を持たして、衛星を打ち上げるという純粋な科学技術に取り組んでおられる東大なればこそ、私はこんなことを言うわけなのです。電通映画社の問題もひとつ調べてください。それからユシヤ製作所の問題もございます。そういうところにつきましてもひとつ調べていただきたいと思うのです。 時間がありませんから次に移りまして、高木さんにひとつお聞きしたい。パラボラアンテナ問題についてお聞きいたします。これは、あなたのところから出していただいた書類によりますと、パラボラアンテナは「十八米トラッキング・テレメータ設備経過報告」としてここに出されております。この報告書によりますと、トラッキングテレメーター式七千三百十万円、そうして手直しして全部で一体何ぼ支払ったかということは書いてありませんけれども、何回も手直しをされております。そうして納入期限が三十七年の十二月三十一日、検査が三十八年の一月十日、支払い月日が三十八年の二月十八日になっております。請負者は三菱電機株式会社です。この日付には間違いございませんか。
○高木説明員 間違いございません。
○三木(喜)委員 そういたしますと、この「生産研究」という雑誌、これは東京大学生産技術研究所から出ておるものでございますが、これも間違いございませんか。
○高木説明員 間違いございません。
○三木(喜)委員 それによりますと、こういうことが書いてあります。読みます。「なお、このアンテナ支柱は現在KK銭高組の手により現地に工事中である。」それが三十八年の四月九日です。そうすると、これとはえらい変わるのじゃないですか。お金は三十八年の二月十八日に支払われてしまっておる。この絵を見ますと、まだパラボラアンテナはついていない。基礎工事がしてあります。これはあなたのところから出た雑誌です。どうですか。これまで見ておられないでしょう。私はずっとこれを見せてもらった。
○高木説明員 この十八メートルの工事と申しますか、設計製作については、報告いたしましたとおり、非常に長い間かかってつくったものでございます。工場のほうで全部の機器は、一応つくりまして、そうして鎌倉製作所だったと思いますが、伊丹から鎌倉へ移したと思います。そこで仮の組み立て調整などを行なった、こういうことは私記憶しておりますが、ただいま御指摘のように、基礎のほうがおくれていたことは事実でございます。
○三木(喜)委員 基礎がおくれてまだ建設中である、こういう写真が載っておるのですよ。何にもついておりません。こんなのにあなたはもはや二月に金を払ってしまっておるじゃないですか。そんなことをして会計上、経理上いいのですか。この間に経過がいろいろありますが、しかし時間がありませんから端的に聞いておるわけです。
○高木説明員 お答えいたします。 これは工場渡しの契機になっていたと思います。そうして、この金額はごらんのとおりでございますが、これは工場渡しの工場での一切の支払いでございまして、基礎はそのときに会社のサービスになっていたと思います。
○三木(喜)委員 いよいよ妙なことをあなたはおっしゃるようになりましたね。パラボラアンテナは、最初は、これを見てもらってもわかりますように、最初やられたときはこういうはかまがついておったわけです。パラボラアンテナの下にはかまがついておった。これが現在のパラボラアンテナは、こういうようにはかまがない、これに変えられたのです。ずいぶん長いことかかって七千万円ほどのものが、だんだん工事をやるうちに一億円ほどになった。そうでしょう。うまくいかないから、修理修理で、そうしてこれになったわけです。そうして修理するというて実際やってみて、どっち向くか、こっち向くか、どういう角度で、どういうように目的物をとらえるかという現状を見ぬと、工場渡しです。工場にあるところの製品にそんなものを払って一体どうするんですか。会計検査院の方、よく聞いておってくださいよ。こういう会計の使い方になっておるのです。工場で渡す。実際に機能するものをそれに備えつけてみて金を払うべきですよ。また、会社のサービスだという。ずいぶんサービスをよけいしてもらうんですね。ほかからもいろいろサービスされた話を聞いているわけなんですよ。工事はサービスです、そんなことはありますか。工事の金もみな入れて、そうして経費ですよ。工事はサービスです、そういうぬけぬけとした国会答弁がありますか、国費を使うときに。
○高木説明員 この十八メーターのパラボラは、当時として私たち慎重に将来のことを考えて、このあれにありますように、途中何回か設計変更、改造いたしました。しかしこれは当時として、われわれ一緒に共同研究、開発するつもりでございましたので、この会社もそのためには出血してもぜひこれをやりたい、こういうことで進んでおりました。したがって、構造なども、ごらんのようなかっこうになっております。いま、はかまの問題が出ましたけれども、これは風が吹いたときにバランスをとるためのものでございまして、しかしその後、必ずしもそれが必要ではないというようなことで、あとになって取り除いたのでございますが、その他、御指摘のように、各部ずいぶん設計なり、最新型にいたしました。したがいまして、これにつきましては会社と共同研究開発でございましたけれども、ずいぶん迷惑はかけていることは事実でございます。
○三木(喜)委員 その後これがうまくいかないので何回も修理をしておられます。よろしいですか。あなたは、基礎だから、その基礎は会社のサービスだという。私はそれで聞いておるわけなんです。そういうサービスをするかどうか聞いておるわけなんです。全部やはり請負代金として支払わなければいかぬわけなんです。会社がそういうサービスをするはずはないわけなんです。 それでは質問を移します。それからやっと機能するようになって、それから何回も修理をしておるでしょう。その後の修理に一体何ぼ出しているんですか。このパラボラアンテナはどれだけ修理しましたか。
○高木説明員 前段のことは、私よく調べまして報告をいたしたいと思っております。私がもう少し時間をいただきまして、そのはっきりした資料を後ほど御提出いたします。 それからこういう新しい製品でございますので、新しい開発のものでございますので、修理とというよりは、性能を向上するような意味で、いろいろとそれの性能を高めるための装置などをあとから付加しております。したがいまして、それ以後、付属品、設備などは払っております。
○三木(喜)委員 これはあなたのほうも調べてもらって、そうして国会にひとつ報告してください。委員長にお願いいたしまして、あるいは理事にお願いいたしまして、適当なときにまた報告をしてもらいたいと思います。私もいまの答弁では満足できないのです。会計経理の面一つを見てみましても実に疑問だらけ、ずさんそのもの、こういう経理の状況になってまいったということは、一つにはもう経理というものが東大の手のうちから一ぱいになっておるということだろうと思うのです。それとも、こういう事業をやることによって、そこに利権か何かからんだか、そういう疑いさえ持たれるわけであります。私はもう少しその点を追及して、私も調べます。あなたのほうも調べていただいて、今度また病院に入られたら病院にはずっと入っていただいてけっこうですけれども、ここへは来ていただけますか。高木さん。
○高木説明員 もちろん参ります。
○三木(喜)委員 来ていただけるようですから、そのときにこの問題を……。時間もありませんし、いろいろなことをまだ聞きたい点もあるのです。海外の出張の問題、これはひとつ私、申し上げておきます。あるいは業者と一緒になってロケットを海外へ売りに行った問題、これなんかも私も事実をひとつ突きとめて、私もある程度調べておりますから、それによってあなた方にお聞きしたいと思います。 参考人の方お聞きいただきたいと思うのですが、経理の問題が問題になっておりますのと、海外出張の状況も私は調べてみましたところが、ユーゴ、パキスタン、インドネシアへ、国費で開発したところのものが業者の手によって輸出をされておる。そのことは国の利益になり、あるいは業界の利益になることでありますから、いいといたしましても、それに東大側から打ち上げに何とかかんとか口実を設けまして、学者がそういうととろに利用されていっていいものかと私は思うのです。そして、きのうはラムダ四S一号、二号、三号機の技術上の問題を私なりに検討してみましたときに、ほんとうに技術の真実性がつかめなかったわけです。まやかしの報告、非常に不完全な報告、そういうことになってまいったわけでありまして、本質がどうやら忘れられておるきらいがあるわけであります。そういう心配があるので、こういう事実の追及をやっておるわけであります。せっかく両参考人おいでいただきましたので、私はこういうような状況を東大からいろいろお聞きした上で、いま大屋参考人も言っていただきましたように、この日本の国の重要なビッグサイエンスに取り組むところの課題を、どのようにして解決したらよいかという参考人の御意見をひとつ承りたいと思うわけです。非常に時間を長く引っぱりまして、御迷惑をおかけいたしましたけれども、ただいまからひとつ御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○山県参考人 宇宙開発体制の一元化の理由につきましては、大屋参考人から一応お話がありましたので、私つけ加える必要もないかと思いますが、御承知のように、宇宙開発審議会では体制を一元化するということはきめておりまして、ただ、具体的にいかなる時期において、どういう形でやっていくかという、そういうことが審議中でございまして、いまだに一元化という具体的構想並びにその時期がはっきりしておらないというのが現状だと思います。 そこで、問題は体制の一元化でございますが、二つあると思います。行政機構の一元化ということと実施機関の一元化、この二つが当然あるわけでございまして、審議会の一元化もこの二つを考えておるわけだと思います。そこでこの二つの体制の問題でございますが、ただいまいろいろお話がございましたように、問題は科学技術庁並びに文部省に関係がある、その他の省庁にも関係がございまして非常に複雑でございますので、なかなか簡単に一元化の具体的構想がまとまらないのでございますが、いつもこういった科学技術に関するいろいろな体制の一元化という問題になりますと、必ず出てまいりますのは行政機構としてはまず行政委員会、それから実施機関としては特殊法人というような思想が出てまいります。これは御承知のように、大学の先生方が十分これに御参画できるような体制ということがスタートの理由だと思います。 そこで、この問題が最近いろいろ各方面で大きく取り扱われるようになりました際、ある方面から私この一元化につきましてあなたはどう考えておるかという御質問をいただきました。その際の原稿がたまたまございましたので、時間をセーブする関係で、そのときのメモを見ながらごく簡単に私の考えを述べさせていただきます。この考えにつきましては、その後数カ月たっておるわけでございますが、私自身考えとしては変えておらないわけでございます。 そこで、まず宇宙開発の一元化、これの基本となりますのはやはり宇宙開発基本法を制定していただきたい。これには当然宇宙開発の倫理と申しますか理念をうたう、同時に、ただいま申し上げました行政機構、あるいは具体的に申しますと、研究開発の機構とでも申しますか、実施機関といったものを新しくつくるということを規定していただきたい。 そこで、ただいま申し上げました行政機構の問題でございますが、先ほど申しましたように、すぐ頭に浮かぶことは、行政委員会である宇宙開発委員会と申しますか宇宙委員会と申しますか、そういうものを設置するのが一つの案でございますし、それからもう一つの案といたしましては、企画調整といったことに関する国家意思の決定機関であります宇宙開発委員会、それとその意思決定に基づく実際の仕事を担当する、かりに宇宙開発庁とでも申しますか、そういったものを二つ並べる、こういう考え方が第二の考え方だと思います。いわゆる合議制と独任制の折衷といいますか、並立した形、具体的に例を申し上げますと、国家公安委員会と警察庁という二つの形でございますが、ああいった形が考えられます。第三といたしましては、これはちょうどただいまの原子力行政機構と非常に似ておりまして、行政に関します管理機関的な性格を持ちます宇宙開発委員会を総理府に設ける、ちょうど原子力委員会と非常に似ております。と同時に、行政事務を担当する宇宙開発局というものを総理府あるいは科学技術庁に設置するという、大体現在の原子力委員会並びに原子力局の構想に似たような構想が考えられます。 そこで、これらの三つの案の利害得失でございますが、これに関しましては、私ども過去におきまして、御承知の臨時行政調査会の中に科学技術班というものがございまして、そこでこういった行政機構の利害得失を論じております。これは「科学技術行政の改革に関する意見」というものが出ておりますので、その利害得失をここで申し上げるのは省略させていただきますが、要は、私どもといたしましては、理想的な形としては行政委員会がいいのだろうと思いますけれども、実際問題といたしましては、ことに日本の実情におきましてはいろいろな問題がございますので、原子力委員会と同じような構想がわりあいに実行可能である、こう私自身は考えております。むろんこれは原子力委員会そのものを強化するというようなお話を新聞紙上でも拝見しておりますが、当然そういったことも考えなければなりませんので、現在の原子力委員会そのままの構成でいいかというようなことは、今後十分検討しなければならぬ問題だと思います。こういう機構をつくりますと、現在の宇宙開発審議会、それから宇宙開発推進本部、こういったものは当然廃止してこれに吸収されると申しますか、そういったことになると思います。 それから一方の実施機関でございますが、宇宙開発研究を任務とするもの、これは人工衛星の打ち上げあるいはトラッキング、追跡でございますね、こういうものを含んだ広い意味の宇宙研究開発、こういったものを任務といたします政府全額出資の特殊法人がわれわれとしては適当ではないか。これは当然ただいま申し上げました行政機構、これが所管するということになります。しかし実際問題といたしまして、研究開発機構を一元化するということは、いわばさら地の上に都市計画をやるのと違いまして現在ある土地に相当な都市がある、そこに大きな道路をつけるとか、そういうことでございませんで、実際問題としてどこに線を引くかということになりますと、なかなかむずかしい問題でございまして、当然これは十分検討をされなければなりません。ただ、科学技術庁に所属しております航空宇宙技術研究所、この宇宙部門は当然この特殊法人に吸収されてしかるべきものだと思います。 ただ問題は、近ごろ特殊法人をつくっちゃいかぬとか、現在あるものをやめろとかいうお話があるように聞いております。私、当時との科学技術班でもお話ししたことがあるのですが、あの当時特殊法人というものをいろいろ議論いたしましたけれども、特殊法人そのものの運営をいかに改善するかということを主体として私ども議論いたしました。その結果、あるものは要らなくなるだろう、どうやっても非能率なものは要らなくなるだろう、あるいは現にもう要らなくなっているものもあるのじゃないか、したがって、そういうものを廃止するということは当然付属的に出てまいったわけでございますが、現在新聞などで拝見しておりますと、数を減らすということだけが主体のようでございまして、質を改善すると申しますか、非常に効率のいい特殊法人にするという努力があまり議論されておらないようでございます。この機会に、私たまたまいま特殊法人のお話を申し上げましたのでつけ加えておきます。 したがいまして、この新しい特殊法人は、当然そういった研究開発機能を十分に発揮ができるような特別な御配慮を願った特殊法人にしていただきたい、こういうわけでございます。 なお、最後に、こういったいろいろな行政機構あるいは研究開発機構をつくった場合に、ともいいたしますと、同士の集まりと申しますか、集まっていろいろ議論しておりますうちに、どうもだんだん同士的の考え方になって、国全体としてのことを、忘れてはおらないと思いますが、そういう点が非常に欠けでいるという面もあるやに聞いておりますので、ぜひこれは何か考えていただかなければいわぬのじゃないか。サイエンスだけの問題を取り上げましても、原子力開発というものもございますし、したがいまして、そういったいまの原子力委員会に相当する宇宙開発委員会というものができましても、何かそれを十分考えていただく機構が必要ではないか。これは当然政府の任務であり、また国会でお考えになることでございますけれども、やはり常時そういったことを考える機構が必要じゃないか。たとえば、こと科学技術に関しましては科学技術会議ですか、そういったものをもっと広い分野から、科学技術開発委員会からの結論について検討するとが、あるいは関係閣僚でもって一つの組織をおつくりくださって、そこでおやりになるとか、いろいろな方法があると思うのですが、要は、どうもこういう組織をつくりますと、利益代表といろと語弊がございますけれども、何か同士の集まりになりがちのものでございますから、そういう例もたびたび知っておりますし、私自身も委員会やなんかでついそうなりがちなこともございますので、この機会にお願いしたいと思うのであります。 以上でございます。
○宮地参考人 この前、少しばかりここでお話し申し上げましたから、それと、ただいまのお話、それから前の大屋さんのお話で大体尽きると思うのでございますが、大屋さんの退席ざれたあとで申し上げるのでございますけれども、大屋さんは、最初の特殊法人案が握りつぶされたとおっしゃいましたが、そうではなくて、あの当時は、時期尚早だから十分に検討してということでございましたので、そのことを申し上げたいと思います。その後の発展は宇宙開発審議会でもつて大体進んでおりますような方向でございまして、あたかも外から見ますと、何かはっきりしないところがあると思いますので、その点についてちょっと申し上げます。 宇宙開発は、いわば政府のあらゆる各省庁にほとんど例外なく関係しておると思うくらいにいろいろな面に関係しております。したがって、特殊なものがあるのではなくて、各それぞれの行政機構で考えておられる一つの発展の方向である、それぞれに関係して、しかも新しいものであるということです。したがって、これを一つまとめるということは、その一つにまとめ方ということが非常に問題でございますが、私は、たいへんむずかしい問題で、考えなくちゃならない問題があると思うのでございます。 それからもう一つ申し上げたいのは、いま当面しております問題はいわゆるビッグサイエンスといわれておる問題でありまして、それに相当するわが国の機構というものはまだできていないのじゃないかと思われます。それに似たものはございますけれども、新しい形のものであって、これはよほど慎重にやりませんと問題があると思います。そんな意味で、非常にのろのろとしておりますけれども、私は、宇宙開発審議会がいままで進めてきたことは一つの方向を示しておるのだと考えております。 私が特にここで申し上げたいことは、学術のほうとの関係でございます。この宇宙開発と申します中にはもちろん実用的な開発、国策としてやるもの、産業界の要望、いろいろなものがございますが、その中の一つに、この前ちょっと申し上げましたけれども、基礎科学のあらゆる部門がやはり関係しておりまして、非常に要望しておるということでございます。学術的にもこれを推進していただきたいということを特に申し上げたいと思います。そのために宇宙航空研究所が東大に付置されそして共同研究として、すべての大学の共同の研究所としてそれが進められておるということ、それからいろいろ問題があるようでございますけれども、理科関係といわゆる宇宙科学というほうと宇宙工学というのがほんとうに一つになって基礎研究を進めていくという上では非常に役立っておるという事実でございます。 それからもう一つ重要なことは、ああいうものを通して今後日本の宇宙開発を進める上に一番重要な人材の養成、これがなくては、いかにここに大きな殿堂をつくってもそれを動かす者がいないということになりますので、その点が非常に重要であるということでございます。 そのように考えてまいりました際に、いまの一元化という問題でございますが、これはやはり学術には学術の行き方がございますし、各省庁の関係しておりますその専門の面でたとえば郵政省で通信の問題をやるというのは、これは宇宙開発の通信ではなくて、郵政省が将来所管するその通信の問題をやっていくのでございます。したがって、いまの実施本部というようなものがもしできるとすれば、あらゆる省庁に必要な共通の問題を一つにまとめてやるとか、全体の組織工学的なやり方、企画をし、そしてちゃんと流れをつくり上げて、それから最後に評価するといったようなことまで共通にまとめてやるというようなことが必要じゃないかと思うのであります。その辺は、その機構が非常に複雑になると私は思います。それから先ほど山県さんがおっしゃいましたように、最高の決定機関というものは必要でございまして、いわゆるステアリングコミッティーと申しますか、そういったような最高のものが一つほしい。と申しますのは、いろいろな各方面に関係しておりますし、純粋の学問、大学でやるようなものと、それからほんとうに国として進めなければならぬもの、実用的に進めるもの、そういったものがまざっておるということ、その点をよほどよく考えていただきたいと思う次第でございます。以上でございます。
○三木(喜)委員 お三方の御意見を承りまして非常に結論が早くなったわけでありますが、いま宮地先生も言われましたように、人材の養成の面も考えなければならぬと私は思うのです。これにつきましては、各大学でいま宇宙関係をやっておるところの大学が非常に少ない。東大がオンリーでやっておったことが今日宇宙人口、いわゆる研究者の数が非常に少ない原因でないかと私は思っておるわけです。大体原子力関係は過去十年間ずいぶんいろいろと低迷をいたしまして国費も非常に使ったわけですけれども、そのかわりに原子力に関する学者が非常にたくさん輩出してまいりました。これは各大学が原子力に関するところの講座をみな持ったりしたためと思うのです。しかし今日東大におきましては教授の陣営、助教授の陣営等大体三百人ほどで学生が九十二人、こういうことではやはりあとに続く者を養成するのには、機関としては少ないのじゃないか、こう思うわけです。これが一つと、それから審議会のあり方をもう少し強力にしていただきたい。一つは、やはり原子力委員会くらいな権限くらい持たなかったら、一方、東大にも遠慮し、科学技術庁にも遠慮しながら、やはり今日のような低迷を繰り返すと思うのです。これが長い低迷をやっておればやっておるほど、国家的な損失が大きいと私は思うのです。だから、この際、体制も、あるいは法も、行政機関も、あるいは学術方面の研究機関も整備する一元的な考えに立ってやっていただきたい、こう思うわけなんです。さしずめ、先がた申しました審議会がある程度力を持たなかったらいけない。原子力関係は、御存じのように、原子力基本法を一方に踏まえて、そして原子力委員というものをちゃんと出してやっておるわけであります。今回も動力炉の開発事業団法につきましても、私らなりにこの委員会で強力な背景をつくり、強力な国策として打ち出すように力を入れてまいったわけであります。宇宙開発については、東大があるがために、あなたがおっしゃるように、いいところもあるわけなんですけれども、東大があるがために今日非常に毒した面ができてきたのじゃないか、この功罪の二つが私は目についてきたわけです。そういう分析をやっていただくことも、私は必要じゃないかと思うのです。東大もそうですけれども、科学技術庁も、これまたかって気ままにロケットを打ち上げていただくと、これまた二元化の最たるもので、これもぐあいが悪いと思うので、何とかそういうことを、幸い宇宙審議会のメンバーの方もおられるわけですから、そういう立場に立ってひとつ進めていただきたい、こう思うのですが、御所見を承りたいと思います。
○宮地参考人 いまおっしゃいましたように、私は審議会を強化するという問題は、必要だと思います。ただ、私が先ほど、日本では初めてだと申し上げましたけれども、たとえば今度の問題なんかで、大学の研究の自由ということがいまの日本の大学で叫ばれておりますし、それに対してまたいろいろな批判もございますが、少なくともそのために日本の研究はうまくいっておるという面もあると考えております。したがって、そういう面に対して、たとえばいまのステアリソグコミッティーがどれだけのことができるか、この点が初めてのケースだと私は申し上げたのでございまして、それを乗り越えて、できれば何とかそこで大学の研究とそれから国としてやる研究との間の調整と申しますか連絡と申しますか、そういう結びつきをしっかりと結びつけるべきであるということを私ども考えております。したがって、強力にすることは必要だと思いますが、そのやり方がなかなかむずかしいところがございますけれども、これは新しい一つの例として乗り越えていきたいものだと考えます。
○山県参考人 ただいまのお話のとおりでございます。先ほど私、実施機関と申しますか研究開発機構の一元化が非常にむずかしいということを申し上げました。実にむずかしい問題と思いますが、一つの方法といたしまして、ある程度現状を踏まえなければなりませんので、私の希望いたしますのは、ただいまいろいろお話がございました審議会と申しますか、新しい審議会あるいは宇宙委員会、これは十分御検討願わなければなりませんが、なるたけ早い時期に長期計画をおつくりくださいまして、その長期計画を、たとえば宇宙開発につきましてはいろいろ各省庁の研究所その他も関係がございますので、当然その所属はそのままにしてございましても、長期の基本計画ができますれば、その線に沿って各省が実施の面におきまして協力するということは当然できると思います。したがいまして、研究機関の一元化という問題になりますと、すぐ全部を一ところに集める――場所はともかくといたしまして、一つの組織の中に入れてしまうといろことは決して考えておりません。そういうような長期計画が早くできますれば、ある程度はうまくいくだろうと私は考えております。
○三木(喜)委員 どうもありがとうございました。 いま高木さんにもお願いいたしましたように、あとの質問者がおるために、私のほうの質問はたくさん残りましたし、あなたのほうも調査されることがあるようでありますから、この次にまたおいでいただいて、国民の疑問とするところ、私たちが疑問とするところ、あるいは東大に対するところのあらぬ誹謗の起こらぬように、十分お互いに問題点を解明していきたいと思いますので、この次にひとつおいでいただく、こういうことで、本日はこれでやめたいと思います。
○矢野委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、本問題調査のためたいへん参考になりました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。 ―――――――――――――
○矢野委員長 次に、原子力行政に関する問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
○大出委員 大臣の時間がまだあと少しおかかりになるようでありますから、先般内閣委員会におきまして二日にわたって原子力船開発事業団にかかわるサービスサイトの問題をめぐりましての相当詳細な御質問を実は申し上げておるのでありますが、いよいよこれが具体的になってまいりましたので、当時まだ科学技術庁として御決定をいただいていなかった問題、あるいはまた、原子力船開発事業団のほうで進める過程にあった問題、幾つかございます。そういう問題とあわせまして、さらに横浜に定係港を設けたい、サービスサイトを設けたいといろ点について、市のほうの側の各般の動きも煮詰まってまいりましたし、当時私自身としては、私自身の意見を申し上げておりませんので、あわせてこの際そこまでひとつ申し上げて皆さんの御見解を明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。 そこで、まず最初に承っておきたいと思いますのは、科学技術庁の始関次官が御自分でおいでになって、市長その他に定係港についての話をされておられるようであります。私はきわめて間接的に聞いている程度でございますので、どういう点を中心に市の側にお話しになったのかという点と、それから市当局のほうから一体どういう受け答えが行なわれているのかという点を、大臣がお見えになっておりませんので、直接お出かけになりました次官のほうから承りたい、こう思うわけです。
○始関政府委員 原子力船の建造にあたりまして、一つの重要な問題点であります母港の問題につきまして、大出先生にはかねてたいへん御迷惑をかけ、御配慮いただいておりますことを、この機会に御礼申し上げます。 先月の二十三日であったかと思いますが、ただいまお話しのように、横浜市役所に飛鳥田市長をたずねまして、母港の問題につきまして、いままでは原子力船事業団が直接の当事者でございますので、これが横浜市長にお願いしておったのでございますが、私が二階堂長官の旨を受けまして、正式に科学技術庁としてごあいざつを申し上げ、特別の御配慮をお願いしてまいった次第でございます。 こちらからお願いいたしましたことは、かねて御承知のような各般の状況から申しまして、日本一の貿易港である横浜にぜひ原子力船の母港を置きたい。なお、安全性につきましてはいろいろの点から申しまして、一般の通常運転の場合でも座礁とかあるいは衝突とかいうものが起こった場合にでも、放射能についてはまずまず心配はないということと、衝突などがございましても、爆発という心配は本来ないのだというようなことをまず申し上げまして、そういう前提でぜひお認めくださるようにというお願いを申し上げたのでございますが、飛鳥田市長のお話では、安全性の問題は、この際としてはと申しますか、いわば二の次だ。ということは、市長御自身としては安全性の問題についてはそれほど問題にしていないんじゃないかという印象を私どもは受けたのでございますが、しかし市民の心の中にある安全性の問題もあるというお話がございまして、これは飛鳥田さんのような人気のあると申しますか、声望の高い政治家が、これはもう世界至るところでやっているんで大丈夫なんだということを言ってくれれば、そちらのほうの問題もおのずから好転するのじゃないかということを申し上げておきました。 横浜市当局としては、安全性の問題が、いま申し上げましたように市民の心の中にあるものだから、これが完全に解消したというわけではないけれども、むしろ問題は、せっかくの大出先生その他皆さんの御心配でやることになりました根岸湾四十何万坪ですか、あの埋め立て地の有効利用、横浜市の発展に寄与するような利用方法、そういう点からむしろ難点がある、こういうお話でございました。 それに対しまして、その点は私どもよくわかりますけれども、しかしこれは将来の海運界の発達を考えますと、日本もぜひやらなければいかぬことであるし、市の発展を考えるお立場はもちろんわかりますけれども、日本の全体のために御協力を願うという意味と、そういうことが長い目で見れば、日本の一番古い、しかも最大の港である横浜市のためにもなるのではないかということでお願いをしてまいりました。 市長といたしましては、そうすぐに結論を出すわけではないのでよく検討する。当面は非常にむずかしいというようなことをおっしゃっておられましたが、十分時間をかけて検討したいというふうな御返事でございました。私どものほうからは重ねてお願い申し上げて帰ってまいった、こういうような経過でございます。
○大出委員 その後の市当局の動きを、私、地元でございますからそれとなく見ておりますと、いろんな文献を当たりましたり、あるいはまた、原子力船研究協会等がやっておりますかつての調査がございます。「横浜港の海象観測成果の報告と原子力船の放射性廃棄物の海洋投棄に関する二、三の考察」などというのもございますし、幾つか資料がございます。そういうふうなものを専門的な立場から当たっておりましたり、あるいは今日までの原子力の安全性にかかわる各種の文献がございますから、そういうふうなものを取りそろえて検討を専門的にしている部門がありましたり、それから特に経済性という面での検討などが続けられておったわけでありますが、そういう点で市のほうのまとまりぐあいを見ておりますと、安全性の問題はさておいて考えても、いま申し上げました経済性の問題から見て、燃料交換で二年に一ぺん利用する、あとは半年に一ぺんくらい寄港するというようなことだということになると、水際線一万坪というふうな土地提供をするということは、経済的な市の発展という面から見て非常にこれは利益がないということになるのではないか。なぜ埋め立てるかということにつきましては、もちろん横浜市の経済的発展を考えるから埋め立てるわけですから、しかも米軍基地があります関係でたいへんな苦労をし抜いて、私、これも内閣委員会で質問を続けたわけですが、ようやく許可になった、こういう段階でありますから、それだけにすでにもう待ちくたびれている中小企業の方を含めてのたくさんの方々がおいでになる。その方々がほしいというのはみんな水ぎわのところなんです。そこを一万坪といわれると、たくさんの要望を断わらなければならぬということになるというふうな点等からいって、どうもやはり経済性という面から見てお断わりをすべきではないか、こういうふうに動いてきておるように見えるわけです。もう一つは、皆さんのほうも二十何カ所の調査をされた結果横浜をということでありましたから、あまり延び延びにしておきますと、また皆さんのほうでもかえって手当てがおくれることになる。片一方、船体その他の契約はどうなっておるかわかりませんけれども、進んでいくことになると思いますから、そうなりますと、艤装というあるきめられた時点もございますので、したがって、そういう意味では近く市のほうから正式に皆さんのほうに御回答申し上げることになるんだろうと思っております。 私も実は前の委員会で御質問申し上げたときにも、私個人としてはどうも経済性の点もあり、安全性――市民の心の中と市長は申されたそうでありますけれども、歯にきぬ着せずに私が申し上げれば、今日原子炉自体につきましても、あるいは周辺との関連におきましても、純科学的に、私は専門家ではございませんが、文献に基づいて読んでみますと、純科学的に見ても、未開発の分野、未知の分野というのが非常に多い。その先がわかっていないのだけれども、原子炉操作を、大体こうなるのではないかということで続けているというふうなところに、たとえばウインズケール等のような原子炉事故が起こったり、いまだに不明だといわれているアメリカのSL一号の事故が起こったりしているわけですから、科学者の方々は安全だと一応は言いますけれども、言っているそばから事故が起こっているという現実でありまして、首都東京をかかえる東京湾、その中の横浜というような場所に、この種の燃料の貯蔵庫あるいはサービスサイト的な、汚染処理、廃棄物の処理などのようなことを含む場所というものを設定すべきではないという実は考え方を持っておるのです。これは私が横浜の出身だからということではなくて、予算が組まれて、海洋観測から特殊貨物の運搬に形が変わりましたけれども、それにしても、そういう形で国会が認めているわけでありますから、どこに定係港を求めるにしても、やはりひとしく政府対国民という形で起こる問題ですから、そういう意味で、実はきょうは少し突っ込んだ御回答をいただきたい、こう思っているのです。大臣が参られましたら確認を求めたいと思っている点もありますけれども、とりあえず承っておくことにさしていただきたいと思います。 原子力年鑑によりますと、原子炉事故と申しますものがずいぶんたくさんあるのですね。そこで、次長お見えのようでありますから、今日国際的に見て原子炉と申しますものは何百くらい動いておりますか。
○式田説明員 ただいま正確な数を調べておりますけれども、従来は小型の研究炉が先進諸国及び若干の国においてつくられまして、ごく最近に至りまして大型の動力炉が建設され、また現在建設中のものが相当あるわけでございますが、非常に小さな研究炉から動力炉まで全部合わせますと、約四百二、三十くらい世界にはあるわけでございます。
○大出委員 これは三十八年の書籍でございますけれども、小さいのも入れて約五百近いという表現をしてありますが、まあそんなものであろうと思います。そこで、このくらいしかないわけでありますけれども、原子力、特に原子炉の事故というふうに限定をいたしました場合に、この種の文献の上にあらわれているものをつかまえてみた場合に、大体どのくらいの事故がございましたですか。
○式田説明員 先生のおっしゃいます原子炉の事故というのをどういう範囲でおとらえになっているかちょっと私にはわからないのですが、いわゆる炉の運転上の故障というものは、やはりこれは新しい分野のものでございますから相当あったと思います。ただ、いわゆる外部に影響を及ぼすような事故というものは非常に少のうございまして、私、事務のほうでございますので、技術的な面はあまり詳しくございませんけれども、われわれの知っておりますティピカルな例としましては、イギリスのウインズケールというところにありますコールダーホール型の、これは非常に初歩的段階の炉でございますが、これが、炉心が過熱いたしまして燃料棒の被覆管が溶けまして、被覆管の中に閉じ込められておりました放射性物質が若干煙突から大気中に漏れたというふうな事故があったというふうに聞いておりますが、それ以外にそれに匹敵するような大きな事故というのは実は私存じません。
○大出委員 原子力年鑑を見ますと、これはずいぶんあるものだと思うくらいあります。原子炉の暴走破損事故というのがこれだけで六十くらいありますね。それから原子炉及び臨界集合体の臨界超過事故と称するものが、これまた二十くらいありますか、火災及び化学的爆発による事故、事故汚染を伴うものということで、これまた五、六十あります。それから汚染関係の事故、これもまた、もっとあるわけであります。それから放射線曝射事故、これは表へ放射線が出た事故です、これもやはり四、五十あります。これが三十七年まででございまして、その後のものを調べてみますと、またこの追加があるわけです。これで事故の種類及び概要というのを読んでいきますと、もう一歩誤ればたいへんなことになるというのが幾つもあるわけです。いまウインズケールの例をきわめて初歩的な炉とおっしゃいましたが、これは初歩的であるだけに操作その他についても相当開発をされ、わかっていたのですね。ところが、どこまで炉内の温度を高めていったら制御棒その他がどうなるかというようなことがわからない分野があった。しかしこうなるだろうという推測でやっていたというわけですね。で、あわてて温度を下げたのだけれども、中は過熱して溶けちゃっていた。そうして煙突から大気に放射能が流出をした。これは何マイルに及ぶ、ミルクなどを廃棄処分にしてみたり、たいへんな被害です。欧州大陸まで及んだと書いてあります。つまり流出したカウントを調査したのですが、詳細に書いてあります。したがって、これは一番よくわかっていたはずの炉だというわけですね。ところが、こういう事故が起こっている。SL一号等の場合にも人が三人ばかり死んでおりますね。これも中間報告と最終報告がございます。読んでみましたが、中間報告では炉の欠陥ということが相当何カ所か出てきております。ところが、最終報告になると誤操作、操作の誤りであろうというわけです。みんな死んじゃっているわけです。これは生きている人がいないのですから結局わからないわけです。炭素棒を抜き上げたというのですけれども、上げたのだろうというわけです。いないのだからわからない。どこから考えてもこんな事故が起こるはずはない、だから操作の誤りだったのだろうということでありまして、しかも、この炉をつくった会社が調査の責任者でありますから、悪い発表はするはずがないと私は思いますけれども。ということになると、原因がいまだにわからないですね。そういうことになりますと、いま私が申し上げたようなたくさんの事故が常に起こっていて、ひとつ間違えばたいへんな事故になる。これは原子炉そのものについてのみ考えてこういうことだと思います。 いま途中で局長がおいでになりましたから、私の質問のつながりがおわかりにならぬと思いますけれども、私は原子炉が国際的に見ていまどのくらい動いておって、原子炉そのものの事故というのがどのくらいあるかという点の御質問をいま申し上げているわけです。動いているのは四百二、三十だ、こういうことで、私の持っているのも五百以下になっておりますから、まあ似たようなものだと思いますが、いま動いている原子炉というものはこのくらいしかないのですね。しかも、これだけいろいろな事故が相次いでいるということになると、未開発の分野が非常に多いということになる。したがって、制御装置が一ぱいついているから安全だと言ってみても、いつSL一号なりあるいはウインズケールなりのような形のものが出てこないとも限らない。これだけは言えると思うのですが、そこのところはどうですか。
○村田政府委員 御指摘のとおり、これまでに世界の各国で原子炉の故障あるいは事故といわれるものがございましたが、お話に出ましたウインズケールあるいはSL一号における事故というのは、その中で最も大きい事故に属するものの例であろうと思います。ただ、私どもが承知しますところでは、現在まで起こっているあらゆる原子炉故障事故を見ましても、すべてその影響は炉のあります場所に限られた範囲での事故であるようでありまして、これが原子炉を設置してあります、炉の外に出まして、外におります人たちが、つまり一般の住民が何らかの障害を受けたという事故はなかったと承知しております。実際に従事しておりました人が、先ほどのとおり、SL一号などでも、これはオーバーホールしておったはずでありますが、オーバーホールに従事しておった三人の技術者が放射線を浴びてなくなった。その他、これはたしか世界全体で二十年の歴史の間に、合計しまして十二、三名なくなった方がおられると承知しております。したがいまして、そういう意味で、今後さらに安全性の確保ということに十二分の開発を進め、そういうような故障なり事故が起こらないように、改良発展していかなければならないことはもちろんでございますが、そういうことは人間が扱うものでございますから、いかように機械化しましてもオートメ化しましても、最後のボタンを押すのは人間でございますので、人の訓練ということが非常に重要な項目になると思っております。そういった意味では昔と違いまして、最近は人の訓練といろ点につきましても、十分な施設なり訓練方法というものが確立してまいっておりますし、また、それにもかかわらず、万々一ということを考えて、原子炉の安全審査をします際は、いわゆる仮想事故、つまり技術的にまず起こるとは思われないけれども、仮想的にこの程度の事故が起こったらどうなるかというところまで計算しまして、その際に周辺に影響のないように確かめた上で設置する、あるいは原子炉を置くということにいたしておるわけであります。
○大出委員 この英国の例で行きますと、放射性ヨードだけで二万キュリーに達するものでありたというのですね。大気中の放射能が最高レベルに達した十一日には、いわゆる最大許容基準の百倍以上の濃度に達したといろ記録になっておりますね。ミルクなどは、そういう意味で体内に入った場合に非常に危険だというので、幅十マイル、長さ三十マイルくらいの風下地域全体の廃棄処分をしたわけですね。だからこれなどは一般に相当被害があったということですね。緊急な処置をやって、あとで研究委員会をつくって調べてみて、その措置は妥当であった、非常に時宜に適した措置になっていたということなんだそうであります、この報告書を見ますとね。したがって、これは相当な広範囲に大気汚染の形で及んでいる記録になっておりますね。したがって、全くなかったわけじゃないのです。したがって、この種のことが起こってはお互いに困るわけでありますから、その点では、これからの新しい分野ではありますが、安全性については十分な努力をしなければならぬことだと思います。しかし現実に起きているわけでありますから、起きるということも万一の場合想定をして、ものごとは進められなければならないことだけは事実だと私は思うわけであります。そういう前提で、実は二時の本会議の時間までですから、時間がありませんので、一つ一つ確認を求めてまいりたいと思うのであります。 次官が横浜においでになったのは、私が前に二階堂長官に御質問申し上げたときに一長官のおっしゃっておりましたのは、科学技術庁としてサービスサイトを横浜地区にきめたということはないということをおっしゃっておられたのですね。それで長官、あなたのほうから横浜に直接ものを言うという時期が参りますかと言ったら、当面それをお考えになっていないというお話でした。ところが、比較的早い時期に次官が横浜においでになったわけでありますが、そうすると、これは科学技術庁としても横浜というふうにおきめになった、あるいはきめたと同様にお考えになっている、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○二階堂国務大臣 次官が参られましたのは、私が行ってくださいといってお願いをしたわけではありません。これは横浜の方々、あるいは原子力船事業団のほうからもいろいろお願いをしておるから、ひとつ側面的にと申しますか、こういう話を原子力事業団のほうからお願いしておるそうだから、御協力を賜わりたいという程度のことでございまして、私の指示によって政務次官が行ったのではございません。したがいまして、私の役所の立場といたしましては、現在のところ、サイトとして有力なところだとは私も聞いておりますが、事業団のほうも一生懸命になっております。事業団のほうから私のほうに、了解ができた、安全審査の申請をしてくる、安全審査上船のほうもサイトのほうも心配がないということであるならば、これはまた横浜の市も地元もよろしいということであるならば、最終的に私のほうでもそういうことにいたしたいと思いますが、現在の段階では、科学技術庁として横浜をきめた、こういう手続をきめたということではございません。
○大出委員 どうも困ったことになりましたが、防衛二法じゃございませんので、責任追及はいたしませんが、先ほど長官のお見えになる前に、次官の御答弁には、長官からお話があって、命を受けて行ったというふうにさっきお答えになりましたが、まあいいです、ほかの場面じゃないので。ただ、いままでのところは、そうすると次官のお答えになったのと、長官のお答えになったのとが全く反対に議事録に載りますので、何か私のほうで一言言っておかないと……。
○二階堂国務大臣 ちょっと大出さん、それは、こういうことで参りたいと思うがどうでしょうかと言うから、そういうことなら行ってください、こう言ったわけでございまして、そのことを政務次官が申されたのだと思っております。
○大出委員 横浜市当局の意思表示いかんでは、また皆さんにいろいろ御迷惑をかけることにもなりますので、きちっとしておきたいと思ったものですから、取り上げるほどのことではないのでありますけれども、その間の経緯だけ明らかにしておいていただければいいのであります。横浜市のほうでは、次官が先ほどおっしゃいましたから、そういう筋でお見えになったんだというふうに受け取ったと思うのです。私にもそうお答えになったように、おそらく横浜市に行かれてもお話しになっておるんだろうと思います。そこで、さっきおいでにならないときに申し上げたのでありますが、市のほうも、科学技術庁のほうからということになるとすれば、真剣にこれはひとつ取り扱わなければならぬということで、市長も前から検討しておったようでありますが、なおいろいろな文献に基づく科学的な面での調査も進め、相当の資料も集めております。それから聞くべき人にも聞いております。それから特に経済性という問題も相当突っ込んで調査をいたしております。そり結果、あそこにサービスサイトをつくるということは、それらの検討の結果としてみても、どうも適当でないのではないか。まず第一は、埋め立てをあれだけ苦労して許可をいただいてつくることにした理由は、市の経済的発展というところに重点があった。これは当然だと思いますね。しかも、相当長期にわたって許可になるまでの期間が置かれましたから、相当各方面から要求、要望が出ておりまして、それがほとんどが水ぎわの埠頭たり得べきところが中心になる、土地がほしいという要望でありますから、したがいまして、あそこに一万坪からの、しかも水際に土地提供をほかにしなければならぬということになると、経済的な面での相当大きな影響がある。しかもそのすぐそばの五、六百メートル離れたところに、五万坪に及ぶ中央市場をつくろうという計画になっておりまして、起債の許可もいただいておるわけであります。横浜の中央市場というのはいまどうにもならぬ状態にありますから、どうしてもつくらざるを得ない。そのすぐ近くになってしまう。こういうことにもなるなどというような点をいろいろ考え合わせまして、そういう方向で経済性という面から見て、どうも経済効果という面で芳しくないという方向で市のほうは進んでおるように思います。したがって、御迷惑をかけぬように、なるべく早く御回答を申し上げなければいけないだろう。日本原子力船開発事業団だけでなくて、科学技術庁の次官がおいでになったということになるとすれば、早くそうしなければいかぬだろう、こういう点なんですね。したがって、安全性という問題は特に市長のほうは取り上げておりませんけれども、かといって調査はしております。私は先般の質問のときに、横浜だからというふうな問題じゃなくて、いろいろ論議をして国会がきめたことでありますから、してみると、どこにサービスサイトをつくるにしても、やはり政府の立場というものと、あるいは原子力船開発事業団の立場というものと、住民、国民という問題になりますから、そういう意味で、私は首都東京のある東京湾の中の横浜にサービスサイトをつくるというふうなことは、どうも芳しくないという気持ちを初めから持っておりましたが、そこのところを遠慮をして実は私の考えを申し上げずに、事の経緯、中身について実は詳細に御質問を申し上げたわけなんであります。ここまでまいりますと、どうもそう言っていられない、そこで、いま原子炉の問題をまず取り上げた、こういうやりとりになっておりますので、それだけ申し上げまして、次のポイントに入ってまいりたいと思うのであります。 時間の関係がございますので、ずっと質問を申し上げてまいりますので、ひとつ簡単にお答えをいただければ幸いだ、こう思うわけであります。 そこで、この間御質問申し上げましたときに明らかになっておりませんけれども、この原子力船開発事業団と科学技術庁との関係におきまして、安全審査その他を含めてどういう進行状況をその後いたしておりますか。
○村田政府委員 原子力船開発事業団はわが国でできます第一船の設置者、原子炉等規制法でいいますと事業者になるわけでありますので、原子力船開発事業団のほうから、すでにこれまで建造を担当します石川島播磨重工業と、原子炉の建造に当たります三菱原子力工業との間に、いろいろ設計上の話を進めてきまして、そういった資料をもとにしまして、本年の四月の始めであったと思いますが、原子力船の船体並びに原子炉等の構造、それにつきましての資料の御提出があり、それらを現在原子力委員会から原子力委員会の原子炉安全専門審査会にお願いしまして、原子炉安全専門審査会では原子力船の部会を設けて鋭意御検討願っておる、こういう段階でございます。
○大出委員 船体のほうは、石川島播磨の東京の豊洲の工場だということでございましたね。それから原子炉のほうは、三菱原子力工業の大宮だったと思いましたね。そこらとの契約はどういうふうになりましたか。
○村田政府委員 この契約につきましては、現在両会社と事業団の間で最終的な契約の打ち合わせが行なわれております。私どもの予定では、大体先月中にまとまるという予定でございましたが、若干のこまかい条項の点での話し合いが残っておりまして、現在まだ持ち越されておるようでございますが、近く契約の締結を見る予定と承知しております。 ただし、これはこの安全審査が終わりまして、総理大臣の許可が出ませんと本契約にならない。そういう形の、それを条件とした契約の交渉を行なっておるという時点でございます。
○大出委員 次に、四月の三日に安全審査の申請が行なわれていたということになっておると思うのであります。あとサービスサイト等がきまれば追加申請をする、こういう運びだと思うのでありますが、専門的な審査が現在すでに設計その他に基づいて進められている、こういう理解でよろしゅうございますか。
○村田政府委員 お話のとおりでございます。
○大出委員 そうしますと艤装その他が終わって四十四年、そして二年間試験操作その他を続けられて四十六年、この日程に変わりございませんね。
○村田政府委員 艤装が終わって試運転に入りますの四十六年の末でございまして、原子炉の艤装が開始されるのが四十四年の半ば過ぎ、大体十月ないし十二月ごろと考えておるわけであります。
○大出委員 前回のお話ですと、これははっきりしておりませんが、四十四年ごろ船体が大体でき上がる。そして目的地に回送をする。片方で、原子力工業のほうでは大宮の研究所などのほうでこしらえたものができ上がって、重工のほうでやっている原子炉の燃料以外のものなどができて、運び込まれる、こういう段階になって組み立てが行なわれる。そういう手順になる。そうすると、四十四年ということで六年に完成、大体二年間艤装、試運転、こういうことになるということだったのですが、そういう理解でいいですか。
○村田政府委員 私の説明が悪かったかもしれませんが、いまお話のとおりでございます。
○大出委員 ところで、このサービスサイトなるものの中にどういうふうなものをつくるかという点について、サバンナ号等の例も詳細にございますから、簡単でけっこうでございますけれども、簡単にひとつ触れておいていただきたい。
○村田政府委員 サービスサイト約一万坪を予定しておりますが、これに設けられるおもな設備としましては、第一に、第一船をつなぎますところの岸壁が必要でございます。それから燃料の取りかえ等をここで行ないますので、そういったことに扱います重量物の関係でクレーンなどの設備が必要と思います。さらに燃料の取りかえをいたしますについては、新しい燃料をそこに持ってきておかなければなりませんので、そういったものの貯蔵庫、それから積みおろしました使用済み燃料のほうを一時的に貯蔵いたしますための設備、さらにそういったものをキャスクに入れまして運び出す等に必要な諸般の設備、さらにこれらはいずれも放射線を持っておりますので、そういった放射線管理を行なう上に必要な設備及びこれを入れますところの建物、そういったものが大体必要になろうかと思いますが、そのほか、一般的な事務棟とか動力棟とか、そういう付属的なものは当然必要になると思います。
○大出委員 横浜にお見えになったときの原子力船開発事業団の方のお話、次官のお話、いずれかわかりませんが、いまのお話でいきますと、燃料貯蔵をする場所が一つ必要である。廃棄物をそこに一時的だと思いますけれども、冷却その他いろいろやるんだろうと思いますが、そういうところが必要である。それからいまお話がありませんでしたが、除染作業その他を行なうところも必要なんだろうと思いますが、それらのこと並びに管理、事務というふうなものが置かれる。その場合、そこから今度廃棄物をどこかに持っていかなければならぬわけですね。そうなりますね。それらの点について質問をしたら、市長が海で運んでいけというなら海でいいです。陸でいけというなら陸でけっこうです。海はどうするんですかと言ったら、原子力船第一号が自分で運んでいきますと言うたというんですが、そこらのところはきまっていないですか。
○村田政府委員 廃棄物自身の処理につきましては、使用済み燃料の再処理とはまた別な問題でございます。使用済み燃料は、ただいま原子燃料公社のほうで計画しております再処理工場へ持っていって、そしてここで処理して、使い残りのウランを回収し、プルトニウムを回収しまして、生じました廃棄物をそこで処分していく。非常に高レベルのものは永久貯蔵し、低レベルのものは廃棄処分にする、こういう形になるわけでありますが、いまお話の廃棄物と申されますのは、あるいはそういった使用済み燃料以外に船の中でたまってまいりますたとえば一次冷却水のドレーンであるとか、あるいは船内で使用しまして汚染しました衣服その他のものであるとか、あるいは冷却水をこしたときに汚染されますイオン交換樹脂であるとか、そういったもののことかと思いますが、こういったいわゆる放射線廃棄物は定係港に入りました際に貯蔵しておりましたものを積みおろししましてそして定係港内の、先ほど私も申し落としましたが、そういったことの処理に必要な施設に入れまして、そうして焼却するものは焼却する、あるいは蒸発乾固して、煮詰める必要のあるものは煮詰めるということで最終形態にして、さらに永久貯蔵の必要があるものが出てきますならば、これをまとめて廃棄物処理場に送る、こういうことになろうと思います。その場合の送り方は、量としても非常に小さなものになりますし、しょっちゅう送るという必要はないと私は思っておりますけれども、永久処分いたしますについては、処理場のほうへ容器に入れまして運搬するわけでありますが、これは先ほどお話のありましたように、船で運ぶこともできましょうし、鉄道で運ぶこともできる、あるいは距離によりましては自動車で運ぶこともできるわけでございまして、そういったような一般の廃棄物の輸送につきましては、運輸省の規則の中でこれを十分規制するようにいたしておりまして、運輸省と十分協議して遺憾なきを期するように考えているわけであります。
○大出委員 あまりこまかく質問すると時間がないと思いまして簡単に申し上げているのですが、いまのお話になると聞かざるを得ませんので、ちょっと御説明いただきたいのですが、大きなものという意味のことをおっしゃいましたが、原子力工場でおろしてくる、こういうことなんですが、そうすると、その工場はどこへできるのかという問題が一つございます。それから、原子力船から生ずる放射性廃棄物といわれるものが、一つは放射線固形廃棄物ですね。このほうからいいますと、固形放射性廃棄物のおもだったものをいえば、まずイオン交換樹脂フィルター等がございます。それから原子炉圧力容器――これはここにサバンナ号のものがございます。それから燃料要素被覆などの一次冷却水により腐食したもの、それから原子炉心を通る間に漏れて出る分裂生成物、それとイオン交換樹脂フィルターによって除去された、そういう形のものですね。大体この辺がおもだった固型廃棄物のようでありますが、それからそのほかに、いまお話にありました汚染した機器類、あるいは用具、衣服、布、紙、こんなものはみんな入るわけですね。これは程度の低いもののほうについては除染作業などが行なわれて、再度使用に耐えるものもある、こういう分け方になるわけです。あるいは廃棄しなければならぬものも出てくる。 それからもう一つは液状放射性廃棄物、これは主として第一次冷却材の漏れだとか、あるいはサンプリング液、あるいはコンテナ内の各機器に出てくる汗、それから除染のための洗水、それから加圧水型の原子炉の起動の際のオーバーフローした水などが考えらるそうであります。大体大きなところを言えば、こんなものだということですね。 それからガス状放射性廃棄物がもう一つあるわけですね。これはいろいろたくさん並んでおりますが、大体そんなところが大きなところになるだろうというわけでありますが、サービスサイトをつくって、そこで処理しなければならぬものというのは、いま大きなものはということを言われましたが、どう分けるのですか、原子力工場というふうにいま御発言がありましたがね。
○村田政府委員 多少私の申し上げ方がことばが足らなかったかと思いますが、私は、大きなものを原子力工場でと言ったつもりではないわけでございまして、船で発生する廃棄物は、ただいま大出先生のお話のとおり、固形廃棄物あるいは固体廃棄物、液体廃棄物、気体廃棄物とあるわけです。その内容も大体お話のとおりであります。ただ一つ、これはちょっと私の聞き方が悪かったかと思いますが、固体廃棄物の中で原子炉圧力容器、あるいは燃料要素被覆管等ということをおっしゃいましたが、そういうものが廃棄物として出てくるわけではございません。ただ、炉内で加圧されました高温の水が圧力容器の中を通ります間に、圧力容器のうち側の壁あるいは燃料要素の被覆管等のところに長い間触れておりますと、その一部がさびのような形で溶け込んでくるとか、小さなくずとして入り込んでくるとか、そういうことがあり得るわけでありまして、そういうものを除去する必要上、イオン交換樹脂を回路の中に置いてあります、そういったようなものは放射性を帯びておるわけでありますが、それらがイオン交換樹脂にみな吸着されてまいりますので、ある期間使っておりますとイオン交換樹脂にいわばだんだんろ過したそういうものが引っかかって、イオン交換樹脂自体が放射性を持つ形になるわけでございますので、そのイオン交換樹脂を定係港に入港しましたときにはずして取りおろし、新しいイオン交換樹脂にかえる。はずしましたイオン交換樹脂は定係港の中で先ほど言いましたような処分を行なっていく、こういうことでございまして、この定係港で圧力容器と燃料要素の被覆管をひっぱがして何々の処理をするとか、そういうことではございません。その点あるいは私の聞き違いかもしれませんが、大きなものと申しましたのはそういう意味で言ったわけでもございませんし、おもなもののつもりで言ったのだと思いますので、その点御了承を願いたいと思います。
○大出委員 そこのところを分けて、つまり定係港の諸施設で処理しなければならぬものが何と何かということを明らかにしていただきたいのです。というのは、いま申し上げたのは、いま局長が言っているのと同じ意味なのでありますが、原子炉の圧力容器とか燃料要素被覆を一次冷却水で冷却させますね。そうすると二年も使っているわけですから、いまおっしゃるようなさび、その種のものあるいは放射能等の関係で汚染が強くなって腐食する、それが出てくる、それをイオン交換樹脂でろ過するわけですね。イオン交換樹脂に付着して出てくるんだろうと思うのでありますが、そういうかっこうになっている、それらを含めて固形廃棄物といっている。これは日本原子力船研究協会の運航部会、運航技術分科会が発表している中身をいま読んだわけでありますから、間違いはないだろうと思いますが、そうなりますと、固形あるいは液状あるいは気体、ガス状ですね、このほとんどをつまりサービスサイトで処理するというわけじゃないのですか。
○村田政府委員 ただいま申しました三つに大きく分けました固体、液体、気体という中で、気体というのはガス体として空中に出ていくものでございますので、通常これを定係港でどうするというものではございません。炉を停止すれば出なくなるわけでございますから、これは運航中の問題でございます。そこで残る固体と液体が処分の対象となるわけでありまして、わが国の第一船におきましては固体廃棄物はもちろんのこと、先ほどお述べになりました第一次冷却水の漏出したものとかオーバーフローしたものとか、その他の液体廃棄物もすべて船内のタンクに貯蔵するようにいたしまして、船外に排出しないことにしております。それは大体連続して六カ月間の運航にたえるだけのキャパシティーを船内に設けてございます。そこで、それにたまりましたものを定係港に入りました機会に、定係港のほうで引き取りまして処分する。その処分のしかたとしては、放射線のレベルの高いものと低いものとで違うわけでありまして、非常に低いものの中には、先生先ほどおっしゃったように除染作業をして再使用にたえるものもございましょうし、高レベルのもの、たとえばイオン交換樹脂のようなものは廃棄処分にしなくてはならぬわけでありますが、それはある程度冷却しました後に大体量的に圧縮いたしまして、ドラムかんの中に詰めてコンクリートで固めてそういうものを最終的に処分する、こういう形になるわけであります。
○大出委員 ちょっとはっきりしませんが、ガス状のものはお説のように、確かにここにも書いてありますけれども、指定海域では制限をする、それから港湾内での排出は禁止をするというふうな前提で半年貯蔵ができる、こういわけでありますが、入ってくれば、そこのところは私、専門家でないからわかりませんけれども、またあと半年航海するにたえるように定係港で手を入れるのだろうと思いますが、被覆が腐食しない限りは問題はないというふうになっておりますけれども、しかしこれを専門的な分野から見ますと、そこにも作業が要ると思うのです。そういう聞き方じゃちょっとはっきりしませんから方角を変えますけれども、そうすると、まずその原子力の設備、建屋と書いてありますが、そういう建物を建てるの、だろうと思うのですが、それをまず建てる。床に一つのみぞをつくって、除染作業などをやって、みぞに集中してくるやつが流れていって、このみぞを伝わって流れてどこにいくかというと、例のアトミックサーバント号というのがありますね。これに入ってくる。このサバンナ号のあれを読みますと、そういうことで、つまり片方が燃料の貯蔵庫であり、片方が廃棄物の貯蔵庫になっている。まん中にみぞができている。除染作業が行なわれると、その水が流れてきて、そのみぞを伝わってアトミックサーバント号に入ってくる。これを見ると、こういう経路をとるようになる。やっぱりそんなふうなことになるのですか。アトミックサーバント号に類するものはないわけですか。
○村田政府委員 ここにおきます廃棄物の処理の、ただいまのような液体廃棄物の場合は、アトミックサーバント号のようなものでやり方もありましょうが、ここではそういうものは、通常、たとえば原子力研究所等原子力施設で行なっておるような液体廃棄物の処理を考えておるわけで、それはお話がございましたように、除染作業その他で生じました水その他で放射性物質を含んでおるものを、一定の個所に集めましてこれを貯蔵して、貯蔵している間に漸次放射能が減衰していくわけでございますが、と同時に、いろいろな化学的な処理あるいはろ過等を行なってきれいになりました上澄みは希釈して外に出す。しかし残りましたいわゆるスラッジ的なものをまとめて、今度は固形廃棄物などと同じように扱って処理していく、こうい形をとられるわけでございます。
○大出委員 そうすると、このサバンナ等と違うところというのは、アトミックサーバントみたいな形の船があるわけではない。そうい形ではなくて、現在、簡単に言えば、そういうキャスクみたいなものに全部入れて運ぶというような形のものを考えているということになりますか。
○村田政府委員 その液体の低レベルのものは、したがってサービスサイトで処理、処分する形になる。キャスクに入れて運ぶというのは――キャスクといいますよりむしろドラムかんにコンクリートで詰めたようなものだと思いますが、固形廃棄物等はそういう形で運び出しまして、そして通常のアイソトープの処分で行なっておりますように、非常に深いところに持っていって廃棄処分にする、こういう形になるわけであります。
○大出委員 こまかいようだけれども、除染作業等で出てくる水ですね。濃縮、希釈などいろいろするわけでしょう。それは最終的にどうするのですか。
○村田政府委員 濃縮しました場合に量が減ってまいりますが、減ってまいりましたものを、レベルによりますけれども、これは相当長期に貯蔵する。しかし通常はろ過あるいは化学的な沈でん作業等を行ないますことによって、固形のものになって沈でんしてまいります。したがって、これはまた圧縮しまして固形化していくという形で、固体廃棄物と同じような処分ができる。残りました液体のほうは、しばらく置いておきますと上澄みのほうからきれいになってまいりまして、そういうものは希釈して流す、こういうことになると思います。
○大出委員 学者の意見を聞いてみましたら、希釈して流すというのは非常に危険だと言っております。いいですか、局長、そうすると希釈したやつは湾に流すわけですか。そういう理解でいいですか。
○村田政府委員 そのようなものも出てくると思います。ただし、それはもちろん許容基準というのがございますから、その許容基準に合わせて行なうわけで、その点は、たとえば東海村にございます日本原子力研究所とか、その他あの辺でございますと武山にも立教の原子力研究所がございます。そういったところで行なっておるのと同じことでございます。
○大出委員 時間の関係で少し断片的で恐縮なんだけれども、いま話が出たから申し上げますが、武山の立教のやつなんか見ますと、あそこは一万五千坪あるのです。あそこの服部さんなんかの話によりますと、この地域に一万坪でこの種のものをつくるというのはまずもって狭過ぎる。それからもう一つ、別な学者も意見を述べておりますが、希釈して流すということは、東海村のような場所と違う。一つ間違うとこれも非常に危険であるという意見なんです。しかし、それはさておきまして、つまりそういうものをあそこにつくりたい、こういうことだ。 それからも一つ、ここでつけ加えて承っておきたいのは、この第一号船なるものは石川島播磨のほうに置くのではなくて、定係港の岸壁に接岸しておく。その形で積みおろしをやったり、つまり廃棄物の積みおろしをやったり、炉をあけて、例のコンテナみたいな形になるのでしょうけれども、その作業を一切そこでやる、こういう理解でいいわけですか。
○村田政府委員 いまのお話は、いわゆる原子力船をつくるときの艤装の場合のお話かと思いますが、それはお話のとおり豊洲で船体をつくりましたものを定係港まで運びまして、そして、そこに定係しまして、岸壁に設けられましたクレーン等を使いまして重量物を中に積み込んで艤装する、こういうことでございます。
○大出委員 その次に、サバンナのガルベストンの例を、事業団の方々も皆さんの側もよくあげるわけですね。ところが、ガルベストンに行って帰ってこられている学者も日本には何人もあるわけです。何しろ三十五万人も見てきている人がおるわけですからね。そうすると、立地条件等から見まして、ここのサバンナの――これができたのは何もガルベストンでできたのではないわけでありますが、それはさておきまして、ガルベストンの置かれている立地条件――ここに地図もございますけれども、メキシコ湾のペリカン島という島がありますね。島で入り口は一つしかない。船の航行なんかもそう多くないところでありまして、サバンナを入れるときにはほかの船は全部入らない。そこで一カ所の入り口から入っていく、こういかっこうになってでおりまして、町のほうとの関係はコンクリート防壁ができているというわけです。ところで、このうしろのほうに川がございますね。相当流出量の高い川で、湾内の水の流出状況なども非常に速い場所なんです。しかもこれは首都ニューヨークから見ますと相当離れた地域でございますし、正確に申し上げますと、ニューヨークから大体六百マイル離れている海軍基地のニューポートニュースというのですか、そこにまず燃料の貯蔵庫が置かれるということになっておりまして、それから定係港というのはおおむね三千マイルくらいニューヨークから離れている場所になるということでありますからそうなりますと、メキシコ湾のこの地域と東京湾のしかも横浜という地域は、ガルベストンの町とこれしか離れてないなんということをよくおっしゃいますけれども、立地条件が全く違うということになるわけでありますが、そこらのところはどう考えておりますか。
○村田政府委員 アメリカの場合に、最初の原子力船であるサバンナ号のいわゆる定係港としてどういう観点からガルベストンを選んだかということの詳細は私も存じませんが、これはいろいろの観点がアメリカとしてもあったのであろうと思います。しかし、私、考えますに、アメリカの場合のサバンナ号は非常に早く計画を打ち出して、たしか当時のアイゼンハワー大統領が、原子力平和利用のいわゆる国際的な発展を祈願する立場から、原子力商船をつくって、世界各国に原子力平和利用というものの推進の機運を起こさせる、いわばそういうデモンストレーションの意味があったと承知しております。したがって、この原子力船サバンナ号が直ちにその後に続く原子力商船と関係しまして、その第一船としての役割りを果たすというよりも、より以上に政治的な意味があったのではないかと思うのでありますが、その後、ことのサバンナ号も貨客船から貨物船に改造され、先般は極東航路にも来るというようなとことになったということは、やはり現在の情勢は原子力商船時代へ一歩近づいてきておる、そういうことのあらわれだと思うのでありまして、アメリカでも現在原子力商船隊の計画が議会で議論されておることは御案内のとおりであります。 わが国の第一船につきましては、サバンナ号を当初考えましたときとは確かに事情が違うと思うわけでありまして、わが国の場合は、何といいましても原子力平和利用の重要な一環である原子力船時代というものを迎えるについて、この第一船ができるだけすみやかに実用的な原子力船へつながるその第一歩となることを、われわれ期待しておるわけでありまして、そういう観点から、もちろん安全性を無視することは許されませんし、安全性の問題を第一に考えるのは当然でございますけれども、安全性の問題を考えつつ、近く来たるべき原子力船時代に備えての第一船としての役割りを十二分に発揮させるようにいたしたい、こういう考え方でこの計画の推進に当たっておるわけでございまして、そういったようなことから、定係港につきましてもガルベストンとは確かに事情は違うかもしれませんけれども、わが国としてのそういった原子力船開発の目的に沿った線から考えて、事業団に、それにふさわしい定係港の予定を立てるようにお願いしてまいり、その結果がただいまお話しになったようになっておるわけであります。
○大出委員 そこが問題なんですね。これは中心ですからはっきり申し上げますが、この事業団の方々もはっきりおっしゃったほうがいいと思うのです。非常に安易にものを言い過ぎると私は思っているのですというのは、将来横浜には原子力商船がどんどん入ってくる。だから定係港があったほうがいい、あれば入ってくるのだというようなことまで言うわけですね。ところが、アメリカのやつを調べてみたって、定係港と原子力商船とは何の関係もないのですよ。はっきりしている。明確に申し上げますけれども、いま私が申し上げましたように、ニューポートニュースという場所、これは海軍の基地ですね。ここはニューヨークから六百マイル離れています。例のガルベストンとも相当の距離があります。地図もございますけれども、ここにメキシコ湾があって、そのこっちですからね。そこで燃料貯蔵のほうは、したがって、別なところなんですね。ニューポートニュースがございまして、片一方ガルベストのドックのあるのはメキシコ湾のペリカン島なんですから、そうするとこちらからアトミックサーバント号が燃料を積んでこの沖合いまで来るわけですよ。そしてこの洋上で燃料交換をやるのです。ところが、開発事業団のお話を聞いていると、横浜のハ地区埋め立ての一番とっぱな、船舶の航行が年じゅう行なわれるところに横づけして、そこで燃料を積む。そうなればあそこのサービスサイトに燃料を貯蔵しておいて、そこから積むことにならざるを得ぬ。そうでしょう。アメリカの場合は全然そうやっていません。別なところに燃料を貯蔵しておいて、アトミックサーバント号なる船が別につくられていて、これはサバンナ号専用の船です。それでいかなるところにサバンナ号がおっても、廃棄物にしろあるいは何にしろ、全部そのアトミックサーバント号がサービスをするわけです。だからここで燃料を積んで洋上に来て、はるか離れた洋上で燃料の積みかえ作業を一切やる。学者に聞いてみると、一番最初に燃料を入れるときには、手でさわってみてもどうともないというのですね。何でもない。原子炉が始動していって、さてそこで二年なら二年たって燃料を交換するということになったときに、炉の状態がどうなっているかが、ほんとのところ、まずわからない。そういう状態で交換をするからどうしても漏洩ができる。これは防ぎ切れないといっているわけですね。多少のところはどうしてもできる。そういう形になっているものだからこそ、これは洋上でやるわけですね。 そこで問題は、川が流れていて、川の流水が相当激しいということもあって、ガルベストンの湾の水の流れというものは一定の方向に常に動いている。そこへ持ってきて、フロリダ方向に向かってこの湾の水は常に動いている。だから流出があったにしても、その流出した、つまりこの湾の場合は、放射性廃棄物その他が流出した場合、流れていく方向と影響のある方向というものは常に明確になっているわけですね。しかも、これは綿花の積み出し港ですね。それだけなのです。このガルベストンというところは、調べてみると、綿花の積み出し港で、そのほかに何もない。電力の発電所があるわけでもなければ、つまり工場地帯があるわけでもない。そういう、言うならばいなかの町ですね。しかも片方だけ遮蔽壁をつくってしまえば、あとは島、ペリカン島なんですから、影響がない。アメリカ全土を調べて、そういう意味で一番影響がないところを選定したということですね。ところが、町との距離が何百だなんというようなことで、横浜の八地区の埋め立ての突端と、それから根岸の工場地帯と千メートルからあるのだからいいじゃないか、そういうものの言い方をされるということは、あまりと言えば私は不見識だと思う。まさにやらんとする原子力船開発事業団の方々がそこまで考えていない。安全性云々というよりも、ともかく自分のところの定係港をどこかに早くつくりたい、これだけの話で、質問がいろいろ出てくると、まさにつじつまの合わぬことばかり出てくる、こういうかっこになっているというふうに考えられる。アメリカの場合はここまで考えてやっているのですから、たいへんな違いだ、こう私は考えておるのですが、そこらはどうお考えですか。
○村田政府委員 アメリカがサバンナをつくりましたときに、ただいまお話しのような燃料交換等を行ない、あるいは廃棄物の処理等を行ないますために、アトミックサーバント号という特別の、一種の船でございましょうが、施設をつくってやることにしたというのはそのとおりでございますけれども、これはやはり当時として、まだ原子力船というものに対する考え方というのが、先ほど私が申しましたように、現在とはかなり違っておったということも一つあったと思います。しかし、私どもの承知しますところでは、確かにそういう目的でアトミックサーバント号がつくられたようでございますけれども、現実にサバンナ号が一九六二年ですか、完成して今日に至るまで、燃料の取りかえなど行ないましたのは、ガルベストンに参りまして、トッドの造船所のところで岸壁につけまして行なっているはずでございます。これはおそらくはアトミックサーバント号というふうなものを使ってやりましても、重量物の上げおろし等々につきましては、やはり洋上で行ないますについてはいろいろ不便もあり、かえってうまくいかないというようなことも考えた末ではないかと思うわけでありますが、私どもとしましては、そういったサバンナ号の経験等もいろいろ調べてもらいまして、その結果むしろ十分管理されたもとにおいて安全な燃料の取りかえを行ないますのには、岸壁に定係しまして、重量物を揚げるクレーンをもってやったほうが確実であろう、こうい庁考え方もありまして、わが国の場合にはただいまのような考え方をとっておるわけでございます。
○大出委員 このニューポートニュース、これはジェームズ川という川の河口なんですね。ここが燃料の貯蔵所です。これもうしろに非常に流れの速い川をかかえているわけですね。にもかかわらず、ここに入らないのですね。離れた洋上で作業をしているわけですね。これはそこまで、私のほうも調べてあるわけです。いろいろ文献がたくさんあります。それに燃料をかえるといっても二年に一ぺんですから、そんなに何べんもちょいちょいやるなら、洋上ではたいへんかもしれない。そうではない。危険を最小限度にしなければならぬという配慮で行なわれているようです。これはいろいろなスタッフがあってやっているわけですから、そうなると、いま原子力船開発事業団で出されているものと比べてみて、これは話にならぬと私は思う。おまけに、私は調査に行ってこられた学者の方に直接お目にかかって直接聞いたのです。おっしゃるとおりたくさん書いてあります。ずいぶんたくさんあります。私は五人もの方に会って聞いてみた。異口同音にみんなそう言う。私が前二回いろいろ御質問申し上げた限りの話をやり取りしてみると、そういういいかげんなことでは困る、ほとんどそういう御意見です。それは調べてみようという気のない、全くの一般のしろうとにはわからぬかもしれません。しかし、少し調べる気があって調べてみると、言っていることが一々違う。そういうことであったんでは私は非常にまずいという気がします、横浜に限らず、どこにお求めになるにしても。だからむしろ横浜に資料室をつくって――調べたものをいま横浜で印刷し直しているのですけれども、完全に資料を整えて、横浜ではだめだから、神戸だというなら、神戸にその資料をそっくり差し上げて、神戸の方々にもわかってもらう。必要ならばガルベストンにこっちから行って見てくる。そこまでやるくらいのことをやらなければ、そう不親切では将来えらいことになる、私はこう思っておる。 しかも、サバンナ号がガルベストンに入るときには船舶の航行は全部停止するのですよ。これは明確なんです。ところがニューヨークに入るときには停止ができない。ニューヨークなんというのは横浜と同じ立地条件ですよ。横浜なんというのは海難事故の一番多いところなんだから。ほんとうに日本一やたらに多いんだから、船舶の航行停止なんかできやしないです。ここに持ってきているのは、「ニュークレオニクス」といろアメリカのこの関係の雑誌の七月号だと思いますけれども、サバンナについて中の設計も全部ずいぶん詳しく書かれております。こちらに、ニューヨークに入るときの条件その他がいろいろ出ております。これを読んでみますと、二ューヨークに入るについては安全委員会のほうでたいへんな規制をしているんですね。ところで、ここに書いてあるのを読みますと、サバンナのほうの側から、こんなに規制されたんじゃ入るなというにひとしいではないかという意見が出ているわけです。そこまでの規制をした。そして、入るについては船舶の航行停止ができませんから、ダグボートを持ってきて、それで全部完全に周囲を取り巻いて、そして近隣を航行する船との距離というものを目測で全部ながめて一定の距離を置いて、しかも潮流や気象の条件を全部慎重に調べて一番いい時期を選んで入れるということで入れているわけです。この条件からいきますと、冷却水その他が出るわけですから、原子炉というものは数日前にとめておかなければならぬ程度の、飲料水の許容濃度云々ということがありますけれども、普通の状態の何十分の一に下げておかなければ入ってはいけない。そうだとすると、原子炉をとめて何日かたってから入らなければ、この規制に合わない。それも書いてあります。そういうことまでやってニューヨークに入れているわけですよ。そうすると、ニューヨークの置かれている港の条件というのは、横浜とほんとうに同じです。横浜港だって御存じのとおりですよ。しかも、埋め立てが張り出して出るわけで、その一番先なんですから船舶がやたら通っている。そういうところにつくろうということになりますと、これはニューヨークに入るとき以上の綿密かつ周到な規制を行なって本来入れなければならぬところになるはずなんです。つまり、ガルベストンと違って船舶の航行停止ができないから、そういうところに定係港を置くということになるとすれば、一番こわいのは衝突事故です。十四ノットで直角に衝突すれば原子炉は破損するという文献まであるのですからね。とにかく、そういうところに定係港をなぜ求めなければならないかということ、私にはどう調べてみてもわからない。私もしろうとなりにずいぶんいろいろ調べた。ここにございますように起こる事故を予測して全部調査しておるのですよ、サバンナの場合は。日本原子力船研究協会からのこれを一号からずっと調べてみると、この中にあるようにキャムデンで原子力船サバンナ号の建造に当たるときに――運転時の事故による周囲に及ぼす影響の解析という実に詳細なものですよ。ガス状放射性物質の偶然の拡散、それから二重底タンクの破損、破壊がもし行なわれたらどうなるか、それからイオン交換樹脂をこぼした場合はどうなるか、それから燃料交換中の燃料棒の破損が起きたらどうするか、それから船が浮んでいる場合、あるいは船が沈没した場合、それからコンテナが用をなさない状態になった場合等々にずっと分けまして、その事故が起こった場合にはどの程度の被害状況が起こるかということを全部想定をして調査しておる。この原子力船研究協会が横浜についての気象観測、海象観測等をやっておる例がある。私、読んでみました。ここにございますけれども、横浜なんかの場合、比較にならないほどわずかな調査の内容だけれども、それでもこれを見ると、横浜港という港は、非常に港の中の潮が変わるのが緩慢で一定の方向に向いていない。やたらあっちこっちに行ってしまう。全部ここに図面があります。原子力船研究協会で調べておる。この海水の流れを季節的に分けて見て、いずれも一定方向に行かない、いろんな流れ方をするわけです。そうすると、そこで何か漏洩をしたということになった場合に、どっちの方向にその影響がいってしまうのかわからない。そうなると湾内全部が使えない。さっきのメキシコ湾のような場合ならば、ガルベストンの湾に入る沖で流出があったら、川の流水の関係でフロリダの方向にしか流れないのです。そうすると、先ほどの風下三十マイルではないけれども一定の方向に放射能の影響があるということは明確にわかるわけですよ、調査の結果からいけば。そうすると、横浜の場合には湾全部がだめ、危険区域である。そういうようなところまでやはり詳細に調べなければ、市民の心の中にある安全性ということを、さっき、飛鳥田市長が言ったというけれども、本来そういうものがある。その上に持ってきて現実に立地条件がこれだけ違うということになるとすれば、そこのところに対する配慮が行なわれて、かくて横浜市にひとつ考えてくれというのでなければ本来無理がある。市長のほうは安全性の問題に触れておりません。経済性だけ言っております。しかし私はやはりそこまで考えるべきだと、私の立場からすれば、考えるわけなんです。そこのところあたり原子力開発事業団との関係でどうお考えになっておるか。それはしろうと判断でもわかるのですがね。長官、ここらあたりで何か言ってください。
○二階堂国務大臣 安全性のことについて、大出さん非常によく研究して、いまいろいろお述べになりましたが、私の聞いた程度のことより以上こまかい点に触れられて、言うならば危険だから困るというような結論になるような御意見を承りました。原子力船開発事業団の関係の方々が、これらの点についてどういうふうに検討し、研究しておられるのか、いろんな問題があろうかと思いますので、私もひとつ事業団の方を招致いたしまして、いまおっしゃったような問題についてもお尋ねをいたし、さらに私どもといたしましてもよく勉強して、その上でまた何とかお答えしろとおっしゃるならお答えさしていただきたいと思います。
○大出委員 そこで、さっき私が一番最初に、横浜にお出かけをいただきました始関政務次官が、市の当局の方々にいろいろ科学技術庁の政務次官という立場でものを言っておられたわけですよ。そこで私がそのおいでになった事情並びに中身についてお尋ねをした。そうしたら、科学技術庁長官の命によりまして私、参りました、と議事録に載っておるとおりの御発言がございました。ところが、長官があとからお見えになったので、長官に、私は前の議事録に従いまして科学技術庁として横浜ということをお考えになって政務次官をおやりになったのですかと再度確かめたところが、そうでは全然ございません。原子力船開発事業団が行くからあいさつ程度に一緒について行ったということなんだと長官がおっしゃった。そうすると、わずか二、三分の間に政務次官のおっしゃったことと長官のおっしゃったことが正反対です。なぜ私が一言ものを言ったかといいますと、いまのような御発言になると困るからなんですよ。何かぐあいの悪いところへくると、科学技術庁としてはまだいまの段階ではどこどこへということをきめておりませんし考えてもおりません。あくまでも原子力船開発事業団がやっているんですということになるとすると、何かぐあいが悪いといま長官の御発言のように、それは原子力船開発事業団に聞いて悪いところは直させる、つまり科学技術庁長官の責任ではないということになってしまう。そうでしょう。もし次官の言ったように、長官の命によって横浜にきめてくれと言いに行ったんだとすれば、少なくとも科学技術庁は横浜へということになっているはずなんで、そうだとすれば、いまやまさに原子力船開発事業団の責任の問題ではなくて、科学技術庁そのもの、長官の責任において横浜だと言わなければならぬことになっているわけで、そうすると、原子力船開発事業団のほうにものを言って、不備なところは直させるとかなんとかということでなくて、皆さんがそこまで十二分に検討の上でものを言わなければいかぬ段階になっているわけなんですよ。そうでしょう。そこがあるから、私はどういうことで次官は横浜へおいでになったんだと聞いたら、長官の命によってという話だった。そうだとすれば、これは長官の責任だと私は言いたくなる。ただ、これは防衛二法じゃないからその責任は追及はしないとさっき申しましたが、国民全体にたいへんな影響があるのですから、もうここまでくれば、だからさっき四月三日の安全審査申請以来あと追加申請をする、契約がどうなっておりますかということを前もって聞いたのだけれども、進行しているのですから。だとすると、もうこの辺でそこまでの責任を長官負っていただかなければ、だから私はきのう皆さんのほうから聞かれたときに、お答えを願えればどなたでもいい、事業団の方であろうと長官であろうと次官であろうとだれでもいい、事は国民に、市民に影響のあることですから、どこへ持っていくにしてもそこの人に影響があることですから、そうでしょう。だから人口稠密な港だから困ると私が言えば、それでは人口の少ないところならいいのか、これもやはりよくない、そうでしょう。だから、やはりここまでくればこういうあぶないことになるのだから小笠原あたりにつくって、小笠原だって人はいるのだから危険でしょう。危険でしょうが、小笠原あたりにつくって、定係港というものと原子力商船が入ってくるということとは全然別なことなんです。どれを調べてみても一緒にはしていない。ところが、頭から、これはペテンですよ、横浜港というのは天下の横浜港でしょう。将来原子力商船時代になる、そんなこと言ったって、アメリカだって原子力商船隊をつくりたいといっているのに賛否両論あるのですよ。必ずしも原子力商船隊をどんどんつくれといっているのではないのです。反対意見だってアメリカに行けばたくさんある。そんなことしたって向こう百年くらいは採算のとれるはずがないじゃないか、これはどうなるかわかりませんけれども、そういう意見だってたくさん出ている。よしんば原子力商船時代になると仮定をしても、事業団の方々は、そんなサービスサイトなんて断わると将来原子力商船が横浜に入ってこない、冗談言っては困る、そういうしろうとみたいなことを言っては困る、必要があって入ってくるのですから、それなら原子力商船が入れるような港が日本に幾つあるというのです。そんなことを言ったって横浜か神戸くらいしかないですよ、それは関係ないです。だから長官もそこのところは横浜にできればいいというふうにお考えだということでなくて、どうすれば一体国民に対して安全確保ができるか、制御装置を幾らくっつけたって事故は起こるのです、そうでしょう。だから安全です、安全ですと言う人が事に当たると危険なんだ、危険だ危険だという人がやっていれば安全なんだということわざもあるとおり、そこらのところは長官、もう少しお考えいただきたいと思っておるのです。
○二階堂国務大臣 政務次官が私の命によって横浜に行ったというのは政務次官の間違いであって、私のほうが正確であります。行きますからどうでしょうかということで、それではまあ行って意見等を聞いてこられることもいいでしょうから聞いてきなさい、こう言ったのであって、これは私が本人の口から申し上げるのであって、責任の地位にある私が申し上げるのであって、私が命をして行ったということではございません。これは政務次官のほうが間違いでありますから、御了承いただきたいと思います。 それから、最終的な責任は、断は私が下さなければならぬと思っております。私は責任を回避する気持ちは毛頭ありません。これは人命に関する重大な問題であります。したがって、第一に安全性というものを十分に検討してきめるべきものだと私は考えております。ただ、今日まで私の就任以前からの問題でありまして、長い間かかっていろいろ折衝もしておられる過程もあります。また、原子力船事業団の方々が横浜の関係の方々、市長さん、議会、商工団体、いろんな方々とお会いされまして検討も進められておりますし、また交渉もしておる段階であります。また、市長さんのほうもこれはいけない、こういうことを公式に表明をされたことも私は聞いておりませんし、そういう段階でございますので、そういういきさつ等も考えまして、いまこの場でこれは困ります、ほかのところに持っていきます。こういうことを言えとおっしゃるような気持ちもわからぬでもありませんけれども、そこまで私もいま言いかねておる。これは政治的に回避するとおっしゃれば、そういうことばもあなたの立場から出るかもしれませんが、私の立場から申しますと、いまこの席上で、せっかくやっておられる、交渉しておられるものを、いきなり私が原子力船事業団の方々あるいは横浜の市民の一部の方と申し上げますか、商工団体、ああいうような方々の意見もありますので、そういう方々の意見を無視して、ここでもうあそこはやめてもらいますということはなかなか言い切れないような今日の現状でございますので、そういうことを申し上げておるのであって、決して私は人命を無視して、危険を無視して、何が何でも私のほうで横浜でなければいかぬ、こういうことをあくまでも押しつけていくという気持ちはないことは、この前の委員会でも申し上げたとおりでございますから、御了承いただきたいと思います。
○福井委員 関連して。私も神奈川県に住んでおりますので、もう二時になりましたから、大臣、村田局長に小一時間しっかりお尋ねしたいと思っておりましたが、答弁してもらう時間がないようで非常に残念でございますが、神奈川県に住んでおりますから、大出さんがこれまでの研究をされておることについては非常に敬意を表します。 そこで、私が思いますことは、いま大出さんの研究成果だけを聞いておると、どうもこわいものの一点ばりのようになってしまいますので、村田局長にあらためてまたお尋ねしますが、原子力潜水艦はいまどのくらい動いておりますか、一秒間で答えてください。
○村田政府委員 具体的な数字はわかる由がないのですけれども、アメリカは現在八十隻ぐらいの原子力潜水艦を持っておると承知をしています。そのほかにソ連でも二十数隻すでに就役しているというふうに聞いております。
○福井委員 サバンナ号の問題がいま取り上げられて大きくこの席では話題になりましたが、ヨーロッパなどでサバンナ号が寄港するということについて最後までデンマークが、さすがにニールス・ボーアが生まれたところだけあって、非常に研究の対象にされてがんばっておったのですけれども、つまり寄港ということに反対しておったことは、専門家筋また一般でも知っておったのでございますが、ついに安全性をしっかりと認めたために、デンマークのコペンハーゲンにも心配なく入ってまいりましたし、その後用途の目的は変わっておるのでございますが、とにかくそれだけむずかしいところも了解がついております。それから、ハドソン川のあの川の中に、たとえばインディアンポイント付近までも、あるいはニューヨークの市中を流れておるあの川の中にも、原子力潜水艦がそれほど警戒をせずに私たちの目の前を航行しているという事実を私たちは見てきております。私はアメリカの原子力潜水艦にも数回乗って、私のような浅い科学的な知識の者も何回も乗ってみて、もういまの段階ではほかの施設と比べても安全だというふうにみな思われてきておると思います。したがって、これから原子力商船をつくるというようなことについては、私はそれぞれの立場で日本は造船国であるということを利用して、もう積極的に原子力商船などの建造は日本でなければいかぬというふうにどんどん進めてもらいたいと思っております。私のいま言わんとするところは、大出さんのことを反駁するのじゃなくて、そんな危険なものじゃないということを、いままで科学技術庁はおりにふれ、ときにふれて非常に熱心に普及徹底させておりますし、また、アメリカの原子力潜水艦が佐世保あるいは横須賀へ参って、あなたたちが詳細に調べ上げて、そのあとの影響については、いままでにおいてはいささかも不安はなかったというしっかりした記録が発表されておる。それらの努力は科学技術庁の非常な御勉強だと私は感心をしておりますし、また、技術者の一人としてその御努力のほどを深く感銘しておるところでございます。今後もそういう点について、ばかにこわいものだということについては、一つの計画というものがあれば、反対というものも当然起こってくることは、日本でもアメリカでも世界でも同じことだと思います。この新しい時代に突入する原子力の平和利用の開発の問題がいかにも不安であるということがないように、今後も周知徹底するように、せっかくの御努力をお願いしたいと思います。質問をまだ一時間ばかりと申しましたが、他日に譲ることにいたしまして、私の関連質問を終わらせていただきます。
○三木(喜)委員 関連して。福井さんが賛成演説でもないですけれども、そういう立場でお話しされたが、ちょっと問題の焦点が違うと思うのです。私は、いま大出さんの話を聞いておって、われわれも原子力商船というものの建造ということについては賛成したわけなんです。したがって、原子力に対するアレルギーではないわけです。そういう立場からものを言うのではなくて、大臣とこの間からずいぶんとむずかしい問題をいろいろ論議いたしました。原子力の動力炉の開発の問題、さらに学術振興法案の問題、それから宇宙ロケットの開発の問題、どれ一つ見ても、ビッグサイエンスに取り組んでいただいているが、長官の単なる政治的折衝で済む問題ではないのです。ロケットの問題にいたしましても、魚のほうを向いてものをものを言うておっては進まぬわけです。やはり市民とか住民のほうを向いて、国の最高責任者として、科学をどうするか、その上で、どう納得させるかということで取り組んでいただかなければならぬ。私も、この問題をこの国会の初めに取り扱って、そして長官の御意見もそのとき承ったと思うのです。横浜にサービスサイトをつくる場合に、ほんとうに住民の納得を得られたのですか、こういう話をいたしました。そのときから、この問題が起こっておるわけなんで、きょう大出さんが地元なるがゆえに、やむを得ぬ気持ちで、ここへおいでになって、質問されたのですのが、その中に事業団の人が、こういうようなでたらめなことを言うてもらうようなことでは困る。いわゆる原子力商船がどんどん入らぬようになるかもしれない、そういう時代じゃありませんぞというような言い方をしておられる。それはもちろん黒船が来た当時に、その当時の認識が甘かったために、知らなかったために、黒船を非常におそれたという時代もあったわけなんですが、原子力商船というようなものは、非常に危険な側面を持っておるわけなんです。それに対するところの認識は十分にその地域の人にしてもらわなければならぬ。そして国としての方策を出さなければ、原子力船事業団にそれをまかせておって、おれはメッセンジャーボーイのように、そこへ行って、了解さえしてくればいいというような長官の態度やら科学技術庁の態度はいかぬとおっしゃる、村田さん、そうですね。問題のとらえ方をいまそういうようにお聞きとりをいただきたいと思うのです。 だから、これをことばを返して言いますと、大出さんが言われるように、事業団の責任です、もう私たちは知らぬのですということになると、これから特殊法人をつくるときには、政府は逃げるんだということになる。今度の動力炉の開発事業団でもそのとおりであります。やはり政治責任はしっかり持ってと大臣は言われました。私はそれでいいと思うのですけれども、一つ一つを十分慎重に、深刻に考えていただきたいと思うのです。大きな日本の国の科学の発展ということと同時に、地元にそれだけの認識がないし、国民もそれだけの認識を持てないし、危険な側面も持っておるわけですから、そういう意味合いで、ひとつおやりいただきたいと思うのです。幸い長官は、地元の了解を得られなかったらこれはやむを得ません、こういうふうな発言をされておるように聞いておるんです。地元の言われるとおりにします、こういうぐあいにおっしゃっておるようでございますが、どうですか。
○二階堂国務大臣 私はおっしゃることはよくわかります。大出さんとか三木さんが、ビッグサイエンス時代に備えるわが国の体制をつくることについて御協力を賜わっておることはわかります。原子力商船時代も来るであろう、来てはいかぬということをおっしゃっておるわけではないと思います。私はそういう気持ちはよくわかって、いろいろな問題について御審議を願っておる、これは多といたしております。 ただ、世界が原子力エネルギーの開発を進めてきて、原子力商船もアメリカのみならず、ほかの国でもつくり始めてきている。そういう国の実情から申しますと、いささかわが国の国民はアレルギー的な心配症が多分にあるということも、これはまた事実であろうと思います。原水爆の被害を受けたわが国の国民としては、そういう心配が先立つことは当然であろうと思っておりますが、また一面、大きな科学の時代を迎える大勢の中にある日本としても、そういつまでも――危険なものは危険です。したがって、私は平和利用に限るという目的でこれを進めておることも御了承願っておりますが、こういう原子力エネルギーやあるいは原子力商船というものに対する行き過ぎた心配をされる気持ちというものも、これはいろいろなことで啓蒙開発をして、理解を深め、協力を求めていかなければならない、そういう仕事も私どもの仕事であろうと思っております。そういう面でときどき政府は無理やりに押しつけておるのではないかという誤解に基づく御批判を受けておることもございますけれども、しかし何と申しましても、おっしゃるとおり、この大きな科学時代を迎える体制というものは、急がなければならない問題が山積いたしておると私は思っております。このままで、消極的で、危険だ危険だということばかりを考えて、慎重の上にも慎重に、こういうことをいっておると、世界の進運におくれてしまうということは、その結果がどうなるかということは、政治家としても非常に憂慮しておかなければならない問題と思っておりますが、しかし、また何が何でも危険なものを無視して、追いつき追い越せ、こういうことばかりやっておったのでは、人間の命に関する問題でもあるようなものは、これはまた慎重に対処していかなければならぬと思っております。 いまの横浜のサイトの問題、これは横浜ときめたわけではない、最終的に私はきめたわけではないですけれども、地元の方々の理解と協力がなければできない。これはどんな問題でもそうでございます。政府の力で無理やり押しつけて、何でも解決しようという気持ちは私はございません。あくまでも地元の人の理解と協力がなければ、その地域の繁栄も将来もないわけです。国策という名のもとにおいて、一部の地方民や沿岸漁民や市民を犠牲にするという気持ちはあってはなりません。だから、こういうことについては政府も、またそれぞれ国民の立場におかれても、協力をしてもらわなければならぬことは、今後の科学技術の開発については相当たくさんあろうと思っております。その中の一つがいまのサイトの問題でもあろうかと思っておりますが、何と申しましても、この原子力商船をつくる予算というものが今年ついておるわけです。もう長い間の問題でありまして、ことしようやく民間の協力も得て、大蔵省も納得し、着工しよう、この着工するのも、ことし何とかして予算を使おうという気持ちが原子力船事業団のほうにもあることは事実であります。したがって、どこかに早くきめてもらいたい。二十数カ所あちこちさがしたけれども、いろいろなことで横浜が一番よかろう、こういうことでいろいろ話をしていることも私はよくわかります。だから、そういうこともございますので、いま大出さんがいろいろなことをおっしゃいましたが、そういうことも私は十分理解もできますし、また、そういう問題についても今後慎重に対処していかなければならぬと思っております。いろいろないきさつもありますから、そういうものなどもいまおっしゃったような観点からも十分検討してみて、さらにまた、事業団の方々や地元の方々とも協議してみて、どうしても困るのだということであるならば、あちこちにさがさなければならないときも来るのではないかと思っておりますが、いまの時点で私が、大出さんがおっしゃったからそれじゃこれでやめましょうということはなかなか申し上げにくい。これはおわかりくださることだと思っております。しかし、どうしても困るのだ、危険があるのだ、地元が困るのだということをこれから一年も二年も続けていったのでは、何としても原子力船の建造に着工することができない。そのことがどういう事態になるかということは明らかでございますので、どこか適当なところがたやすく手に入ってそこで仕事ができるということであれば、そういうところをきめて、どんどん船をつくるようにしたほうがむしろ得策じゃないかという感じもしないわけではございません。いろいろなことを考えて十分私も、私の責任を回避するわけじゃございません。責任においてなるたけ近い機会にはっきりいたして、また皆さんのほうにも御協議を願いたい、こういうふうに考えております。
○三木(喜)委員 関連ですから、もう一つ念を押しておきたいのですが、これは、私たちこの前動力炉開発事業団の問題を審議したときに石野さんから非常にやかましく言われた問題なんです。とにかく過度に集中するととは避けてくれ、こういう意味合いのことを申し上げたと思うのです。この過度に集中ということになりますと、原子力商船のサイトをつくる場合に、いま大出さんが言われたように、人口の問題を考えなければいけませんね。どこかいいところがあったらそこで交渉して入れようという、そのどこかいいところがあるというのは事務的な一つの交渉段階ですよ。事務的になってしまう。いま大出さんが言われた一番ポイントは、あそこは人口集中の密度が非常に高いわけですね。船の出入りも非常に多いところなんです。そんなところをなぜ選ぶかということがやはり問題点になっていますから、そこで国として、いま大出さんが例をあげられました。小笠原諸島のところにどうこうと言われましたが、どこに置くというときに一つの基準を置いてもらわなければいかぬと思うのですよ。それが行政庁の責任だと私は思うのです。どこか交渉してと、こういうことでないと私は思いますから、見取り図をつくってください。こういうようなことでぜひここにお願いしなければいかぬという、その必然性を出していただかないことにはいかぬと思います。私はその必然性の中には横浜なんかは絶対に必要な条件に当てはまらぬと思うのですよ。これはアウトの最大のものだと思うのです。そのところに持っていったということは、これは事業団の便宜主義的な考え方がたいへんあると思うのですよ。私もちょっとそのときに聞きました。造船所がはたにあるとか、あるいは何とかいう工場があるとか、なんとかかんとかおっしゃったのですが、それはほとんど事業団の便宜主義から出ておったと思うのです。そういう基準の立て方に私は間違いがあると思いますので、大臣にお願いしたいのは、横浜が断わられるようならどこか交渉していいところがあればと、そんないいところがあればじゃない。いいところというものの国民が納得する基準を政府はつくっていただかなければいけない。事業団まかせにしておったらそんなことをやり出すのですから、これは困った問題です。その点をひとつお願いしたい。
○大出委員 結論を申し上げておきますが、四つ五つあるのです。時間がありませんので論議しませんが、一括お考えいただければいい。 一つは、いま三木先生お話しになりましたが、事業団の方々の言い分からすると、横浜につくれば二十一億で済むという。ところが、そうでないほかのほうへつくると四十五、六億かかる。これは武谷さんなど科学者の方が言っておられる安全性という問題の中に、たとえば調査をするというなら金をかけて調査しろというのですね。金をかけて調査しろ、そうしなければ安全性という問題の結論は出ないというのですね。ところが、この事業団のほうは、金の問題で、ほかじゃ金がかかるから横浜へというのであれば、これは本末転倒なんですね。これが私は非常に大きな間違いだというふうに考えているわけです。この点はひとつ事業団といわずに長官のほうでお考えをいただきたいことなのです。金が幾らかかろうと、どだいこの計画は毎年二億円ずつ赤字になるのですよ。先般私の質問で明確になっているわけだ。どんなことをしても二億から赤字になる。そうでしょう。そこまで考えて、しかも、やろうと国会がきめたのだから、少なくとも金の問題じゃないのです。そういうものの考え方に立っていただきたい。これが一つの問題点。 それからもう一つ。アメリカは五大湖にはサバンナ号は一切入れない。禁止しているのですよ、明確に。お調べいただけばわかります。オンタリオ湖なんという湖があります。これはちょうど東京湾と同じぐらいの広さ。そこにも絶対入れない。入れない理由も明確についております。お読みいただけばわかります。記録があります。つまりそこで放射能流出があったら――アメリカの五大湖の一つです。どんなに努力をしても一年間は除去できないというのですね。そうすると一年間この湖が使えない、船舶の航行ができない。だから入れないというのです。さっき申し上げたように、だからメキシコ湾のように潮流がフロリダに向かって一定の方向に流れている、うしろから川もあって。それから先ほどのニュースなんかにいたしましても、燃料を貯蔵しているところ、これもうしろにジェームズ川という川があって一定の方向に流れている。そういうところで最悪の事故が起こった場合の予測までちゃんと立てて、そういうところを使っているわけですね。やはりそれだけの慎重な配慮がなければならぬということになる。ところで横浜港は、学者の調査に基づきますと、もしあそこで放射能流出が行なわれたら、岸壁が非常に入り組んでおりますから、したがって、どういうふうに計算してみても半年以下で除染はできないというのですね。一年はかかるだろうという。そうすると一年間横浜港は使えない。大した事故でなくて、つまり放射性物質の漏洩漏出が行なわれた場合に使えない。そういう場所です。これもたいへんなことだということになります。 それからもう一つ問題は、いま原子力潜水艦のお話も福井さんから出ましたけれども、私も内閣委におりますからそのほうは比較的詳しいのですけれども、これも確かに七十隻近い潜水艦がアメリカにできました。それからソビエトは三十隻をこえました。ところがなれちゃうとこういうことが起こるのです。セオドル・ルーズベルト号が入港したときに、原子力潜水艦の艦体から放射能が検出をされて大騒ぎになった。港は放射能除去の間立ち入り禁止にされた。ところがどういうことなのか、原因が明らかになった。なったら、イオン交換樹脂を、本来ならば潜航中に海洋投棄するわけです。ところが浮上中に投棄しちゃったわけですね。これは科学的な事故じゃないのです。ソビエトの例の宇宙船が、何でもない、パラシュートがよれておったというようなことで人が死んだりするでしょう。軌道に乗っているところでは何もあぶなくなくて、おりてきて一番最後のところでばかりたいへんな事故が起こる。同じに、科学者が頭で考えておるその科学的なところに事故がない、ないのだけれども、あまり回が重なっていくうちに、潜航中に投棄しなければならぬものが浮上してきて投棄する、だからえらい騒ぎが起こったという記録がここにあります。こういうことが起こるのですね。 そこで問題は、さっき私がちょっと例にあげました岩波の「科学」という昨年の十月号、安全問題の基本的立場特集というところに、武谷さんが安全性についての哲学というものを書いておられます。これはお読みいただくと非常に意味のある中身です。ここに何と言っているかといいますと、近代科学という面で絶対に火災事故等が起こり得ないということを科学者が強調してつくったのが新潟の石油コンビナートだというわけですね。ところが新潟地震があった。マグニチュード七・七ですか。関東大震災ぐらいの震災が起こっても安全だ、こう言ってきた。いま横浜に向かって原子力船開発事業団は、関東大震災程度の地震が起こっても安全ですと言っているのですよ、同じことを。新潟でもこれは科学者が強調した。経営者が強調した。ところが新潟地震の結果、市民の皆さんは新潟の大火等の経験を経ておりますから、あの地震の中で火を出さぬようにということを徹底的に本能的に注意をしてきたわけです。だから火災が起こらなかった。起こったのはこの近代科学の粋を集めて安全だといわれた石油コンビナートです。外国から人を呼んでやっと消したでしょう。ところがタンクが近い。石油タンクが爆発をした。それが市民が逃げ惑う火災になった原因ですよ。そうでしょう。そうなると、これは容易ならぬことなのですね。科学的に見て安全だというところに事故が起こっている。これが英国の例でもあり、アメリカの例でもあるわけです。ここで、一つ武谷さんは例をあげておられますけれども、幼稚園のある子供さんが大やけどをした。武谷さんの知っておる人の子供です。どうしてやけどをしたのかということになったら、幼稚園の保母さんが掃除をするので熱湯の入ったやかんを持ってきて、教室の入り口に置いたというのですね。それで水をくんで今度はふき掃除をするわけでしょう。ところが、そこで遊んでおる子供がかけ込んできて、その大きなやかんをひっくり返して熱湯を浴びてしまった。そこで幼稚園の側は災難でしたということを言った。そうじゃないというのです、武谷さんの安全性の哲学からいけば。安全である第一は、立地条件だというのです。そこにやかんを置くべきでなかったということに尽きるというのです。そういう危険な場所に、子供が飛んでくるところに置くべきじゃない、これだけだというのです。そうすると、原子炉の、場合、危険性というものが将来どうしてもぬぐい切れないというものである限りは、武谷さんは、ここでも触れておりますが、その立地条件に立って危険性をなくしておくことだというわけです。つまり横浜にサービスサイトというものをつくる計画がおありになる。決して私も核アレルギーになっていない。先般申し上げたとおりです。横浜市長も同様です。しかし、立地条件から見て、さっきから申し上げておるように、たくさんの理由がありますが、ああいうところにつくっておけばあぶないと科学者でない私どもが考える、非常な心配をするのである限りは、その立地条件のまず第一歩のそこのところから、小笠原と申し上げましたが、そういうところにつくっておかないと、新潟地震によるコンビナートの火災の例ではございませんけれども、そういう結果が出はせぬかという危惧、この危惧がある限り、安全性の見地からはそこにつくるべきではないという武谷哲学が当然出てくるわけです。だから、私はそういう意味で申し上げたいことはたくさんありますけれども、時間の関係でぎりぎりの時間ですから、やめるわけですが、つまりそういう点について長官のほうは、この間私が質問したときに、こう言っておられるわけですね。これは時間ぎりぎりですから、あわせて言ってしまいますけれども、「安全性の問題が一番大事な問題でございます。それと関連いたしまして、地元住民の反対が非常に強いというところに押し切ってつくられるものではございません」ということを長官はおっしゃった。私はそれに合わせまして、どうしても横浜市民の皆さんが反対だ、あるいは市議会の方、市長が反対だと言った場合に強行してでもつくるとおっしゃらぬでしょうなと言ったら、それはそういう考えは毛頭ございません、こういうふうに言っておられるわけですよ。したがいまして、そこらの点も含めて、ひとつ長官のほうからもう一ぺん御答弁をいただいておきたいわけです。
○二階堂国務大臣 立地条件の問題はおっしゃったとおりだろうと思いますし、また最終的な決定につきましては、委員会でしばしば申し上げておるとおり、地元住民の理解と協力がなければ、一方的にここときめて押しつけるということは私は妥当ではないと考えております。
○大出委員 横浜市のほうは、私が承っておる限りでは、さっき話が出たから申し上げますが、私も、たとえば立教大学の武山がありますが、あそこは服部教授がやっておられますが、服部さんだとか、あるいは三宅先生だとか、有名な方々が何人もおられますが、いろんな方々のこれらの問題に関する御意見も聞いておるわけです。直接承っていろいろととっておりますが、これを申し上げますと、ずいぶんこまかくいろいろ研究されておる方ですから、強い意見がありますが、これをやっている時間がありませんので取り上げませんが、市のほうは、とりあえずは、経済性という観点から、せっかく市の発展を考えてつくる埋め立てなんだから、どうしてもそういう面からいって感心ができない。したがって、将来に向かって原子力商船が入ってくることは歓迎をする。それに一切反対するものでもないし、コンテナヤードをつくるわけですから、コンテナヤードにコンテナ原子力商船が入ってくる、それもそのヤードをどんどん使ってくれればいいじゃないか、しかし、いま申し上げたような経済的な発展という観点からどうも感心をしないということにまとまってきているようであります。ただ、安全性の問題は、あまり表に出しまずと、二十何カ所調べているほかとの関係もあります。したがって、私は私の立場から、安全性の問題について、いま申し上げたように考えているので、したがって、市のほうが言っていることに足らない点は私が申し上げたほうがいいというふうに考えて申し上げたわけでありますから、そういう点を十分御考慮いただきまして、こういう長官の議事録に残っておるおことばもあるわけでありますから、そこらの点をお考えになって、市のほうからおそらく正式にものを言うことになると思います。 そこで最後に一つつけ加えておきますのは、六人ばかりの各大学の先生方をわずらわせまして、横浜のいまの目的地になっております根岸湾一帯の公害問題を含む検討をいただいた。ここには電源開発の第二号機が近くつくらしてくれというので問題になっております。そのほかに、東電の発電所がこれまたできるわけであります。そこにもってまいりまして、ここにLPガスの工場もできる、そこにもって、これは東京瓦斯がここにあります。すぐ前です。昭和電工、新潟鉄工、石川島播磨、日清製油というぐあいにずらり並んでおる、日石がその向こうにあって、大タンクが林立している。だから公害のほうの立場から入った教授の方々は、横浜市はもっと公害に対する厳重な規制をつくれ、タンク、これも覆土をつくって、タンクをその中に入れろとか、電源開発の二号機についても厳重な規制をやって、被害が住民に及ばないようにしろとか、これを見てみると、一ぱい条件がついている。つい最近これはきまったわけですね。そうしますと、これはサービスサイトを抜きに考えても、火災防止という点から、いまのこれじゃとてもじゃないがだめだ、そういう施設を全部横浜市がやれという実は御意見をいただいておるわけですね。そうでしょう。そういう火災が起こって地震でもあったらたいへんだといわれるまん中に、つまりいまの定係港が予定をされようとする。衝突と火災に一番危険なんですから、だとすると、そこらの点もつけ加えておきますので、ひとつぜひそういう観点から御再考していただきたい、私の意見でございます。以上で終わります。
○矢野委員長 次会は、来たる十九日水曜日午後一時より理事会、一時三十分より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十八分散会