沖縄問題等に関する特別委員会 第19号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1967/07/21
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 沖繩その他の固有領土に関する件について調査を進めます。 この際、鯨岡兵輔君外三名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる、沖繩問題等に関する件について決議案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。鯨岡兵輔君。
○鯨岡委員 ただいま議題となりました自民、社会、民社、公明四党の共同提案にかかる、沖繩問題等に関する件についての決議案につきまして、提案者を代表してその決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 沖繩問題等に関する決議案 政府は、沖繩、小笠原諸島及び北方領土の返還問題に関する施策の策定及び実施に当っては、特に次の事項を強力に推進するよう要望する。 一、沖繩及び小笠原諸島の本土復帰は、その住民のみならず、国民挙げての多年の熱望であるにかんがみ、その早期実現に向って最善の努力を尽すこと。 二、沖繩については、速やかにその本土との一体化を促進するため、日米協議委員会その他外交折衝を通じて次の事項につき特別の配慮を払うこと。 1 教育、社会福祉、産業経済等各分野における沖繩・本土間の格差の解消を図るため、日本政府の沖繩援助を更に増強するよう努めること。 2 自治の拡充、沖繩住民の人権の尊重を図り、琉球政府の権限強化に努めること。 3 沖繩・本土間の渡航制限に関する諸問題につきその早期解決に努めること。 4 基地に関する諸問題の処理については、住民の意志を尊重するよう配慮すること。 5 沖繩遠洋漁業の安全操業の確保について適切な措置を講ずること。 三、国後、択捉及び歯舞、色丹等わが国固有の北方領土の返還については、全国民の悲願にこたえて今後なお一層の努力を払うこと。 右決議する。 案文は以上のとおりでありますが、以下、その趣旨を簡単に御説明申します。 何人も承知するごとく、沖繩及び小笠原諸島は、平和条約の第三条により米国の施政下にありますが、申すまでもなく、これらの地域は明白にわが国の領土の一部であり、その住民は日本国民であることは明らかなところであります。沖繩及び小笠原の本土復帰は、その住民をはじめ、わが国すべての国民の二十年余の長期にわたるたゆまざる念願でありまして、今後ともあらゆる機会をとらえてその復帰の実況に直進すべきであることは申すまでもありません。 本院は、過去にも数次にわたって決議して、その強固な意思を中外に表明してまいりましたが、現下諸般の情勢から見て、いま直ちにその全面復帰を期することは、はなはだ残念ながら困難と考えられます。そこで、復帰の全面的実現を見るまでは、沖繩については、本土との一体化のため、各般の施策を積極的に推進することが何としても必要であると考えるものであります。 一方、国後、択捉及び歯舞、色丹等の北方地域も、いかなる点よりこれを見るもわが国固有の領土であることは、これまた明白な事実であることにかんがみ、国民の悲願にこたえるためにも、その返還について最善の努力を尽くすべきであります。 さて、本国会において本院に設置された沖繩問題等に関する特別委員会におきましては、沖繩、小笠原諸島をはじめ北方領土の返還問題等について、琉球立法院議長をはじめ多数の参考人を招致してその意見を聴取するなど、熱心な審議を行なってまいったのであります。その結果、沖繩問題については、早期返還の努力を重ねるとともに、それまでは財政援助の増強、教育、社会福祉、産業経済等の各分野における本土との格差の解消、自治の拡充と、とりわけ、そこに住む同胞の人権の尊重、琉球政府の権限の強化、渡航の自由化等を促進し、また、小笠原諸島及び北方領土の返還については、その早期実現に向かってなお一そうの情熱を傾けての努力を払うことが、さしあたりわが国にとって最大の急務であることを痛感いたしました。 本特別委員会は、これらの諸問題の解決に資するため、あらゆる角度から終始熱心なる論議を進めてまいったのでありますが、いまここに本国会終了にあたって、特に政府に対し今後なお一そうの努力を求めるため、各党一致のもとに本決議案を提出することに決した次第であります。 私どもが思い返して心強く存じますのは、去る四十年八月十九日、戦後始めて総理大臣として沖繩をたずねられた佐藤総理は、現地の悲しむべき状態を見て胸打たれ、この問題の解決なくしてわが国の戦後は終わらないと、その意中を端的に表明せられたことであります。さらに、三木外務大臣は、本委員会の審議中しばしばにわたって、この問題の解決のためにプラスになることならば、何でも、どんなことでもしたいし、すると、力強く言明せられたのであります。これらは、政府がこの問題に対する熱意を知るに十分な発言であります。 いま国民が政府に期待するものは、これらの力強い発言に裏づけられた具体的な行動そのものであります。幸い、近く総理大臣及び外務大臣は訪米せられる予定であり、また、総務長官も沖繩をたずねられるようであります。さらに、外務大臣は現にソ連を訪問中であります。私どもが切に願うことは、どうか各位におかれては、この際、国民の多年の熱願にこたえるため、この決議の趣旨を体し、さらには、かねて言明せられた政府の力強い発言に照らして、有効にして適切な対米、対ソの交渉を進められますこと、このことであります。 以上をもって本決議案の趣旨の説明といたします。 何とぞ御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○臼井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○臼井委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。西風勲君。
○西風委員 私は、日本社会党を代表して、沖繩問題等に関する決議案に賛成の立場から、若干の意見を申し上げたいと思います。 沖繩は、言うまでもなく、切り離すことのできないわが重要な国土の一部分であります。ところが、沖繩は、不合理な、国際的に何ら根拠のない対日平和条約第三条によって祖国から切り離されてすでに二十数年を経過していることは、まことに遺憾といわなければならないのであります。 この二十数年の間、沖繩の同胞や兄弟たちは、アメリカの軍政のもとで、生活を脅かされ、人権を侵され、耐えがたい困難と障害の中で、希望のない暗い毎日を送っているのであります。 沖繩県民は、かつて太平洋戦争のとき、日本の最前線で、米軍上陸という、われわれがいまだかつて経験したことのない艱難と犠牲に耐えてくれたのであります。 いままた日本政府は、このことに何らの反省も積極的な努力も加えないまま、あの忌まわしい戦争の犠牲者である沖繩県民に対して何ら報いることもないままに、日米安保体制あるいは日米共同防御体制強化の名のもとに、二十数年の長きにわたって忍従を強制し、万一の場合には報復爆撃さえ覚悟しなければならない、きわめて危険な状態のまま放置しているのであります。 私どもは、これらの状況を改善するために沖繩問題の正しい解決をはかるために、まず第一になさなければならない問題は、日本政府がアメリカに対して、沖繩施政権の全面的かつ完全即時返還の旗を高く掲げることであります。分離あるいは機能別、地域別返還論は、いたずらに国論を分裂させ、沖繩の祖国復帰を遠い海のかなたに押しやるものであります。ましてや、核つき返還論のごときは、沖繩の祖国復帰ではなく、日本をアメリカの核安保体制の中に固定させ、日本をアジアの孤児にする危険な道を目ざすものといわなければならないのであります。 したがって、私どもは、沖繩のすみやかな祖国復帰、その全面的、完全な返還という明確な政治路線で国論の統一をはかるとともに、本年四月二十八日沖繩立法院で満場一致決議されました二つの決議、すなわち、沖繩の施政権返還に関する要請決議と、沖繩県民の国政参加に関する要請決議の趣旨を十分尊重し、その実現のために直ちに行動を始めることが必要だと思います。 わが党は、この立法院決議にこたえるために、沖繩の潜在議席回復に関する決議、及び、沖繩に対する財政措置その他の援助に関する臨時措置法案を提出いたしましたが、政府及び自民党の同意と賛成を得るところとならず、本国会において沖繩問題のさらに大きい前進をはかるための成果を確保することが妨げられましたことは、まことに残念といわなければならないのであります。 次に、沖繩の祖国復帰にとって重要な問題は、自治権の拡大と沖繩経済の自主的発展を促進することであります。 自治権の拡大にとっていま最も必要なことは、主席公選の実現であります。われわれは、自由と民主主義の守り手と称するアメリカに対して、沖繩でこそ最低の民主主義を保障することを要求すべきであります。そのためには、主席公選あるいは琉球政府にもっと自主性を持たせる、予算編成権その他についても十分な自主的機能を回復する、あるいは南連を強化するというような措置をとるべきであります。 また、琉球政府の予算に対して、いまアメリカよりも日本政府のほうがその援助額においてはるかに大きなものを負担しているわけでありますから、日米協議委員会等を通じて、日本政府が沖繩の予算に対して、沖繩の長期経済計画に対してもっと強力な発言権を持って、復帰した暁には、日本の経済と沖繩経済との間に落差があるような、機能の不十分さがあらわれるような結果にならないように努力すべきであります。 同時に、私どもは沖繩の経済の実態を見ますときに、アメリカの二つの銀行によって事実上金融が押えられている。電力、水道、石油などをアメリカが事実上支配している。いまのままですと、かりに復帰が実現いたしましても、その経済の内容においてアメリカに強い従属の内容を持っているといわなければならないのであります。そういう点で、私どもは、この沖繩の経済の自主性を高めるためにもつと積極的な手だてを講ずる必要があると思うわけであります。 同時に、私どもは、ベトナム戦争の激化とともに、沖繩における農民の土地取り上げ、基地をめぐる忌まわしい事件、人権侵害などが、すでに日弁連の調査でも明らかにされたように、続発、多発しているわけであります。こういう問題について、日本政府は、外交ルートを通じて、あらゆる機会を通して、もっと積極的に、こういう問題が起こらないように、起こりましたときには十分な補償の措置が講じられるように、努力すべきではないかと考えるわけであります。 同時に、私どもは、沖繩の問題を解決いたしますためには、アジアの平和を確保しなければならないわけであります。アジアの平和を確保いたしますためには、沖繩を基地の状況から解放する。沖繩かアジア最大の基地としての機能を持っている限り、ベトナム戦争に対する緩和の条件にならぬわけでありますから、そういう点では日本政府がもっと積極的に——特に佐藤内閣総理大臣、三木外務大臣が訪米される予定もあるようですし、この訪米を通じて沖繩問題に対する国論を統一し、ナショヨナル・コンセンサスをつくり出し、強力な対米交渉によって沖繩から基地を取り除く、あるいは施政権を返還させるような強力な交渉をやるべきであります。私どもは、政府がこういう態度を持つ限り、超党派でこの交渉を支援する。日本国民があげて沖繩祖国復帰のためにやる決意を持っていることをこの際明らかにしておきたいと思います。 また、小笠原に対しても同じであります。北方領土に対しても同じであります。私どもは、本国会が、あるいは日本政府が、もっと積極的にこれらの問題について対処されることを心から望むものであります。 最後に、佐藤内閣総理大臣は、沖繩問題の解決を見ない限り、戦後は終わらないというふうに言ったわけでありますから、このことを文字どおり実現していただくことを強く要求いたしまして、この決議案に賛成の討論にかえます。(拍手)
○臼井委員長 永末英一君。
○永末委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま提案されております沖繩問題等に関する決議案に賛成をいたします。 初めて衆議院に沖繩問題等に関する特別委員会が設けられ、その委員会の一応の終了時にあたってこの決議案を決定することは、まことに時宜を得たものとわれわれは考えます。この機会に、この問題に対するわが民社党の見解を披瀝して、われわれの賛成の意のあるところを申し述べたいと存じます。 第一は、沖繩に関する施政権の返還の時期はすでに来ておるという点であります。申すまでもなく、われわれの同胞百万という人々が、二十二年にわたっていまだに非合理な異民族の支配下に置かれておる。このことは、当然一刻も早くそのような軛の地位から放たれるべき問題でありますが、しかし同時に、いまやこれを法的に根拠づけました平和条約等もその実行性を失ったことを、施政権者であるアメリカが明らかにいたしております。ただ一つ残っておる、極東の緊張のために沖繩の施政権を必要とするという言い方は、すでにいろいろな点においてその根拠が失なわれつつあると私は思うのであります。第一に、アメリカの極東戦略の変化に伴ってその兵器体系も異常な変革を遂げてまいりました。日本政府は、第一に、沖繩における核基地の理由のないこと、さらにまた、ベトナム戦争終結に向けて日本政府がこん身の努力を払ってその平和の回復につとめる、この二つの条件を政府が果たすことによって、沖繩返還の時期が到来したということを申し上げなければならぬと思います。 したがって、このような観点に立ちます場合に、何よりも政府が自覚すべきことは、責任であります。すなわち、同胞百万を横に置いて極東の平和と安全もなく、わが日本国の平和と安全もございません。その意味合いにおいて、政府が沖繩同胞を通じ日本人全体に責任あるその姿勢をはっきりと示し得る点は、施政権返還に向かってこん身の努力を傾けアメリカと折衝するところにあるとわれわれは考えます。しかしながら、その交渉が容易に行なわれるものだとはわれわれもまた考えません。したがって、その交渉が成功するまでの間、沖繩住民の生活と福祉、さらにはまた沖繩経済、こういうものについて本土と一体化をなし得るよう、その沖繩における集約的表現は、自治権の拡大、その自治権をささえておる沖繩住民の人権を侵害されざるよう全力を尽くすこと、これらの点が重要な点であろうと思います。このような責任ある態度を実行していくことが、現在のわが国の政府に一番要望されているところであるとわれわれは考えます。 小笠原、北方領土等は住民がおりません。住民がいないにかかわらず、アメリカ、ソ連ともに、それぞれ口実を設けてこの施政権返還、本土復帰をがんじようとはいたしません。これまた、わが国がアジア地域における堂々たる一国としてその責任を果たし得る万般の姿勢がとられるならば、わが国の一億同胞の主張として、特にまた、この地域に住んできた人々の悲願の達成のためにも、堂々たる姿勢でアメリカ、ソ連に向けてこの本土復帰の要求をなすべき時期が来ておると考えるものであります。 私は、国会において、一刻も早く、この経過的な措置といたしましては、沖繩住民の国政参加の法律の成立に対して努力をいたしますとともに、政府は何よりもこれらの問題に対する責任者でございますから、その責任を痛感し、この決議案の趣旨を体して実行されんことを強く要請いたしまして、賛成の討論を終わります。(拍手)
○臼井委員長 渡部一郎君。
○渡部委員 私は公明党を代表いたしまして、本決議案に対しまして賛成の意を表明するものであります。 沖繩問題等に関する特別委員会の本国会におけるところの審議は、まさに本国会におけるところの注目の的であったと言っても過言でないと存ずるのであります。しかしながら、この沖繩問題は、実質上アメリカの軍政下にある現在の沖繩に対して、いかにして多年の念願であった祖国復帰を達成することができるか、その重大な目的をその肩にになって審議をスタートしたのであります。しかしながら、遺憾ながら、この審議の過程を通しまして、私たちは、必ずしも審議が十分に行なわれたとは言えませんでしたし、また熱心でもなかったということを表明せざるを得ないのであります。総理大臣もこの本委員会におけるところの討論には応じられませんでしたし、また、返還に関する諸問題が煮詰められたとは言えないと思うのであります。 しかしながら、問題点の幾つかは明らかに指摘されました。その第一は、沖繩返還は必ずしも絶望的な困難さにあるのではないという事実であります。ライシャワー発言やマンスフィールド発言にも明らかなように、アメリカ国内においてさえ、この沖繩返還の問題が良識ある人々によってその効果、利益というものが論じられております。いわんや、この沖繩問題は、日本外交の従来の姿勢が、アメリカに対する極端な弱腰が存在するという問題が明らかにクローズアップされてまいったと思うのであります。 また、われわれは、この問題を通しまして、現在沖繩問題をこのままに放置することは、日米両国民の友好を進める道ではなく、かえって日米両国民の間の深い反感というものに裏づけられた核基地の存在というものは、日本にとってのみならず、アメリカにとってさえも大きな害悪になることを信ずるものであります。 沖繩問題は、日本国民のプライドの問題であると同時に、極東の安全平和の重大問題であり、この問題に対しては、沖繩返還ということが、日本の、また東洋の安全保障のためにもかえってプラスになる重大案件であるとわれわれは考えるものであります。 しかしながら、沖繩の返還までになすべきことはさらに多いのであります。基地経済から脱却して自立経済に移ることから始まり、教育、司法、あるいは文化、あるいは民生、各般にわたりましてその施策というものはいまや重大な段階を迎えているのであります。私は、このような問題が本土との一体化ということばのもとに進められるのではなくて、本土との一体化ということばの実質が、祖国復帰をあきらめさせるだけのことばではなくて、この事実上の本土復帰に対するところの道程としてこれらの問題が十分に審議され、克服されなければならないと考えるのであります。 さらに私どもは、最後に北方領土の問題について一言したいと思うのであります。 歯舞、色丹島につきましては、わが国固有の領土であるのみならず、北海道付属の島嶼であります。また、国後、択捉島につきましては、わが国固有の北方領土として、歴史的にも政治的にもその証明は明らかでありまして、これらの問題に対しては、現在訪ソ中の三木外務大臣をはじめとする政府の一段の努力を強く要望したいと考えるのであります。 私は、以上のような立場から、本決議案に対して賛意を表すると同時に、今後においてますます強力な実践と強力な推進を政府に対して強く要望し、本決議案に賛意を表するものであります。(拍手)
○臼井委員長 これにて討論は終局いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○臼井委員長 速記を始めてください。 これより採決いたします。 鯨岡兵輔君外三名提出の決議案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立総員。よって、本決議案は可決されました。 ただいまの決議に対し、塚原総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。塚原総務長官。
○塚原国務大臣 ただいまの御決議に対しましては、その趣旨を体し、これを検討し、実現のために努力いたします。
○臼井委員長 なお、本決議の関係当局への参考送付等の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十六分散会