沖縄問題等に関する特別委員会 第17号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1967/07/12
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 去る六月二十七日本委員会に付託になりました、多賀谷眞稔君外七名提出の、沖繩に対する財政措置その他の援助に則する臨時措置法案を議題とし、提出者からその提案理由の説明を聴取いたします。川崎寛治君。
○川崎(寛)議員 ただいま議題となりました沖繩に対する財政措置その他の援助に関する臨時措置法案について、提出者を代表し、提案の理由を説明申し上げます。 戦後二十年余、百万人同胞が、依然として北緯二十七度線を境にして本土と分断され、他氏族の支配下に苦しい生活を続けていることを、われわれは夢寐にも忘れてはならないのであります。 太平洋戦争末期、沖繩においては、二十数万の同胞が生命を失い、しかも健児の塔、ひめゆりの塔に見られるごとく、けなげな中学生、女学生が社団のために若い生涯をささげたのであります。 彼らの祖国、母なる国は、その後一体沖繩に対していかなることをなしたでありましょうか。 対日平和条約二条により、沖繩を「合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。」と規定し、沖繩住民の意思を何ら聞くことなくアメリカの施政権のもとに置くことに定めたのであります。 その後、わが国は国際連合に加盟いたしました。国連憲章第七十八条は「国際連合加盟国の間の関係は、主権平等の原則の尊重を基礎とするから、信託統治制度は、加盟国となった地域には適用しない。」と規定しています。ゆえに、わが国が国際連合に加盟した以上、信託統治を前提とする平和条約第三条は国連憲章違反としてその効力を失ったものとわれわれは解しているのであります。 しかるに、アメリカ政府は、すでに過去において、沖繩に対する信託統治提案の意思のなかったことを表明しておきながら、他方では、沖繩を極東軍事戦略の重要なかなめとして基地化し、アジアにおける最大の核基地として保有しているのであります。しかも、昨今においては、アメリカのベトナム侵略戦争のエスカレーションに伴って、その前進基地として、爆撃、修理、補給などの作戦展開に欠かせない役削りをになわされているのであります。このため、沖繩においては、土地の新規接収、軍事演習などによる被害が頻発し、沖繩住民の不安は日々つのるばかりであります。 沖繩の住民は、このようなアメリカの不当な沖繩占有に反対し、祖国復帰を念願し、施政権の即時返還、軍事基地の撤去を要求し続けております。この祖国復帰の念願は、沖繩住民の願いであるばかりでなく、日本の全国民の願いでもあります。しかるに、歴代の自民党政府は、沖繩住民や日本国民の真の悲願である施政権返還、軍事基地撤去の早期実現に努力しようとせず、若干の財政援助を予算に計上することによって問題の本質を隠蔽しているのであります。沖繩住民の米軍基地に依存した貧しい生活と低い行政水準を解消することは、とりもなおさず、施政権返還、軍事基地撤去と一体の関係にあり、日本政府みずからもこれを認めているはずであります。しかるに、自民党政府はこの沖繩住民の悲願を軽視しているために、沖繩と本土との各種格差はますます拡大する傾向にあります。したがいまして、われわれは沖繩の施政権の返還が一日も早く実現するよう努力することを誓うものであります。 その施政権が返還されるまでの間、沖繩住民の生活と福祉を増進させ、経済の発展をはかることが緊急に必要であることを痛感し、本法律案を提出いたした次第であります。 言うまでもなく、沖繩経済、民生の現状はきわめて貧しく、特に基地経済に極端に依存しているために、産業構造はアンバランスで、第三次産業が圧倒的に高く、そのため、就業者一人当たりの所得額においては、第一次産業、第二次産業ともに本土の約半分にとどまっているのであります。特に農業においては、膨大な軍用地接収によって耕地面積は年々減少し、耕作面積は全く零細であり、農家経常はきわめて不安定におちいっているのであります。中でも、沖繩の基幹産業としての糖業は、近年発展しつつはあるものの、相場の異常な変動、市場の狭隘性のために不安定経営を続けております。また、教育、社会保障、住宅、消費生活、治山治水、海岸保全等々、行政水準の低さのために、本土に比較してきわめて不備な実態にあるのであります。さらに、沖繩の水利権は米民政府に握られ、水道、電力は米民政府の公社が経営し、石油も米民政府の管理下にあって、沖繩経済は完全に自立体制を失っているのであります。沖繩が日本の領土であり、沖繩住民が日本国民でありながら、このような差別が許されてよいものでしょうか。 本法案は、沖繩住民の福祉に寄与し、経済の発展に資するため、もし沖繩がかつての四十七都道府県のうちの一県であったならば、県、市町村並びに住民に交付されるであろう日本政府からの補助金等の財政措置その他の援助を琉球政府に対し行なわんとするものであります。もちろん、施政権のない沖繩に対し財政措置を行なうものである以上、琉球政府の申し出がある場合に交付するものであります。 次に、琉球政府の統治機関として国の事務並びに事業については、財政措置の対象からはずしました。 さらに、沖繩住民からの日本政府に対する納税の方法もなく、かつ基準財政需要額並びに基準財政収入額の算定も困難でありますので、わが国における地方交付税交付金に相当する財政措置は一応いたさないことにし、市町村に対する財政補てんは、琉球政府に期待することといたしたのであります。 これらの原則に基づき次のごとく規定いたしました。 第一は、国の事務または事業に相当するものに対する財政措置、第二に、法律による地方公共団体等の事務または事業のうち、法律または政令により国の負担並びに補助割合が明確な場合、これに相当するものに対する財政措置、第三は、法律による地方公共団体等の事務または事業のうち、国の負担または補助の割合が明定されていない場合、これに相当するものに対する財政措置、第四は、国の負担または補助が法律の根拠に基づかない、いわゆる予算補助を行なっている場合、これに相当する事業または事務に対する財政措置及びその他必要な財政措置、第五には、琉球政府の申し出がある場合の資料の提供、助言、職員の派遣その他必要な援助、以上の財政措置並びに援助を行なうことといたしたのであります。 ことに、沖繩は戦後二十年余わが国政府から放置されていたことにかんがみ、第二の事務または事業の負担または補助の割合は、奄美群島振興特別措置法に規定するものと同一の高率を適用することといたしました。 昭和四十二年度予算はすでに施行されており、琉球政府の本年七月一日より始まる一九六八年度の予算も近く施行されることになっており、かつ沖繩における援助受け入れの法整備の準備の期間も必要でありますので、昭和四十三年四月一日から施行することといたしたのであります。 何とぞ慎重御審議の上、可決あらんことをお願いいたします。
○臼井委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○臼井委員長 次に、去る七月六日本委員会に付託になりました、川崎寛治君外九名提出の、沖繩県における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案を議題とし、提出者からその提案理由の説明を聴取いたします。横山利秋君。
○横山議員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました沖繩県における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案の提案理由を御説明いたします。 申すまでもなく、沖繩と沖繩県民が、日本の領土であり、日本国民であることは論をまたないのであります。したがいまして、沖繩県民が日本の国政に参加する権利を有することも、自明のところであります。日本国憲法も、その前文において「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と、人類普遍の原理を表明しているのであります。 しかるに、沖繩は、その県民の意思に反して、一方的にアメリカの施政権下に置かれてから二十二年、対日平和条約が発効してからもすでに十五年の歳月を経過しました。この間、沖繩県民を含む日本国民は、沖繩の即時祖国復帰をあらゆる方法をもって訴え続けてきたのでありますが、その国民的要求は今日まで顧みられず、世界に類例のない変則的な地位に置かれているのであります。 本来、独立国の国土と国民の一部が、長年月にわたって他民族、他国の統治下に置かれるということは、主権尊重、民族自決の理念に反することであります。特に日本とアメリカがともに国連の主要な構成国であるにもかかわらず、なおこのような事実が存在することは、近代世界において許されるものではなく、強いふんまんを覚えざるを得ないのであります。 しかも今日、沖繩は、アメリカのアジア戦略のかなめ石として位置づけられており、核基地として使用されているのであります。さらにまた、ベトナム戦争の深まりにつれて、修理、補給基地から前線作戦基地に転化され、そのため、土地の新規接収、軍事演習等による被害が頻発し、また、米兵による破廉恥行為の続発によって人権問題が派生し、このため沖繩県民の不安は日々つのるばかりであります。この事実は、アメリカの施政権下においては、沖繩県民の生活や基本的人権を保障することよりも、アメリカの軍事基地の保全、強化が優先することの結果にほかならないのであります。周知のように、日本国憲法は、平和主義と主権在民、基本的人権の保障を三つの大きな柱としておりますが、日本国民のうち沖繩県民のみがこの保障から除外されていることは、絶対に許すべからざることであります。したがいまして、このような不合理と不安から沖繩県民を一日も早く解放することが、日本国民の義務であり、なかんずく日本政府の緊急な責務であると断ぜざるを得ないのであります。 本法律案は、沖繩の施政権返還問題と一体の関係にあるのでありますが、特に今日、沖繩県民の生活と権利保障の迅速な処理のために、県民代表を国政に参加せしめ、県民の声を国政に反映することが緊急の必要事であります。これが、本法律案を提案する基本的な理由であります。 次に、本法律案の概要でありますが、その趣旨は、沖繩県における公職選挙法の適用についての必要な暫定措置を定めたものであります。特に沖繩県を一つの選挙区として、衆議院議員については定員五人、参議院議員地方区については定員二人とし、それに伴って、両院の定数は、臨時的に衆議院議員は四百九十一人、参議院議員は二百五十二人といたしております。また、この法律案の施行期日は、今日沖繩の施政権がアメリカの支配下に置かれておる状況からして、一日も早く公選選挙法が沖繩に適用されるよう努力し、そのことが行なわれた日以後において、政令の定める日といたしました。したがいまして、沖繩の施政権返還が一日も早く実現することを願いつつ、また、このことと並行して、本法律案を提案しその実現を願うものであります。 何とぞ慎重審議の上、本法律案をすみやかに可決されんことをお願い申し上げます。
○臼井委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○臼井委員長 沖繩その他の固有領土に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 なお、官房長官が出席されておりますので、この際官房長官に対する質疑を許します。西風勲君。
○西風委員 官房長官にお尋ねいたします。 この国会に、長い間待望されていた沖繩対策特別委員会がつくられたわけであります。私どもは、沖繩対策特別委員会がつくられた限りは、この委員会がつくられたことによって沖繩問題に対する何らかの具体的な前進が見られるということが望ましいわけであります。そのために、私どもは、この前この委員会でも参考人として呼んだわけですけれども、立法院が決議をいたしました三つの内容——施政権の返還、国政参加、遠洋漁船の保護に関する問題、この三つを立法院の決議として持ってこられたわけであります。この三つについて、政府としてはどういうふうな考え方でこれを具体的に実施しょうとしているか、政府の方針をまずお尋ねしたいと思います。
○木村国務大臣 いまお話のありました三つの決議案の取り扱いにつきましては、非常に高度の政治的考慮が必要でございますので、当然、総理においては全般の立場からその実現に努力をしておりますが、ただ、いまお話の三つの問題について、それぞれ主管もございます。あるいは外務大臣あるいは総務長官がおられますので、私、官房長官の立場といたしましては、ただいま申し上げたとおり、全般的な立場において総理がその実現に努力を払っておるということのみ申し上げたいと思います。
○西風委員 それじゃ、官房長官は時間がないようですから、端的に御質問いたしますが、いままで、沖繩対策特別委員会に入っておりますそれぞれの党の間で、国会に沖繩の潜在議席を設ける問題について話し合いが行なわれてきたわけであります。大体沖繩対策特別委員会関係者の話し合いの中では、立法院決議を尊重する意味からも、沖繩をすみやかに日本に返すための具体的な意思交流をやっていくというような点から、この潜在議席の問題についてはかなり前進的な話し合いが行なわれてきたわけであります。ところが、最近新聞紙上によりますと、この問題について自民党の中でさまざまな意見が出た末、三役会議ですか、総務会ですかで、国会に潜在議席を設けることは実益がない、いたずらにアメリカを刺激することは好ましくないということで、椎名さん、福田さんから意見が出て、西村政調会長に一任されて、この問題については今国会では賛成しない、日の目を見ないというふうな態度がきまったと伝えられております。私どもは、こういう態度がおそらく話し合いの中で訂正される可能性もあるのではないかという期待を持っておるのですけれども、そういう点で、この潜在議席の問題について政府としては一体どういう方針を持っておられるか、お尋ねしたいと思います。
○木村国務大臣 先ほど提案理由の御説明を承りまして、その御趣旨についてはまことに私どもも賛成ではございますが、ただ、事柄の性質上、なお非常に大きな問題でもございますので、高度の政治的考慮と申しますか、外交的な考慮も必要でございますので、政府部内においてはなお慎重に検討してまいりたいと考えております。
○西風委員 潜在議席を設けることについて高度な政治的な考慮が要る、その高度の政治的考慮とは、内容は一体何ですか。
○木村国務大臣 私ども政府といたしましては、当然沖繩施政権の全面返還ということを目標にいたしておりますので、その全面返還という大きな目標を達する上におきまして、なお慎重に外交的、政治的考慮を加える必要がある、こういうことであります。
○西風委員 木村官房長官は佐藤内閣の中でたいへんまじめな人柄を買われている人でありますから、あまり追及したくないのですけれども、この問題に関する限り、官房長官が言われていることは、何を言われているか、ちょっとよくわからぬわけです。そういう点で、この点に関して——この点に関してのみならず、沖繩問題についてアメリカを日本政府ができるだけ積極的に説得する、アメリカの沖繩に対する考え方を変えさせるという熱意を持たなければ、沖繩問題は百年たっても二百年たっても解決せぬわけです。そういう点で、沖繩県民が熱意を持ち、しかも、日本の政治の上で、あるいはアジアの平和を守っていく上でどうしても必要な問題については、政府が積極的な姿勢を示すということが必要なんです。この潜在議席の問題については沖繩の県民あげてやっているわけですし、このことを契機にして沖繩問題がかなり前進するし、閉ざされていた沖繩県民と日本国民との間の意思が大きく交流することができるというような内容の法案であります。そういう点について、衆議院、参議院にせっかく沖繩対策特別委員会ができたわけでありますから、これを励ます上からも、政府が前向きの姿勢をとっているということを内外に示す上からも、さらには、秋には佐藤内閣総理大臣がアメリカに行かれるわけでありますし、外務大臣も行かれるわけであります。また、この国会が終わりましたら、塚原総務長官あるいは外務大臣が沖繩に行かれるわけですね。そのときに沖繩の人々と一緒に話し合えるような前進した成果というものをこの国会でどうしてもあげなければならぬと思う。そういう点で、政府部内で十分な話し合いをやって、この問題についてこの国会で前向きに解決するという意思をお持ちになっていないかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○木村国務大臣 十分に、かつ積極的に考慮をしてまいりたいと思っております。
○西風委員 つらい立場はようわかりますけれども、やはりこの問題については、佐藤内閣の官房長官としても——あとで総務長官にもお尋ねしますが、アメリカを説得する前に、自民党自身を説得しなければいかぬわけですね。やはり自民党を説得して、この問題については、何とかやはり前向きの解決をしていかなければ、あと、特連局長以下、沖繩で仕事をやっていく上に非常な困難が出てくるわけですね。だから、やはり内部で仕事をしておられる皆さんの努力に報いるためにも、政府はこの程度は——私はあえてこの程度と言います。やはりこの問題に引き続いて主席公選その他の問題をやらなければならぬわけですけれども、私どもは過大な要求を出しません。少なくともこの国会では、この潜在議席の問題については、何とか政府が、あるいは与野党が一致して——沖繩問題なんかについては、私どもは、社会党と自民党あるいは野党と与党との対立が大きくあらわれることによって国民の考えが分かれることをあまり好んでおりません。むしろ、沖繩問題などについては、一致して解決に当たるというふうにしたいわけであります。そのためには、政府が、そういう条件をつくり出すために、こういう潜在議席なんかの問題について、かなり前向きは態度をとるということが、そういう国民的な合意といいますか、外交について与野党が一致して事に当たるというような条件をつくっていくことになるのではないかと思うのです。そういう点で、重ねてもう一回お尋ねしますけれども、どこに障害があってそういう消極的な態度をとらなければならないのか、できたら明らかにしてもらいたいと思います。
○木村国務大臣 別にお話のあるような障害はございません。ただ、施政権の全面返還という大きな目標を実現きせるため、その全般的考慮のうちに慎重に考慮してまいりたい、こう思っておるわけであります。
○西風委員 私どもはこの国会で——実はこの問題は今度の国会だけで言っているわけじゃないのです。私どもは従来から国会でたびたびこの問題について直ちにやりたい、出したいというような意思がありましたけれども、こういう問題については、先ほど申し上げたように、与野党が一致して問題の解決に当たっていく必要があるということから、長い間努力してやっと日の目を見ることができるような条件ができたわけですね。自民党の沖繩対策特別委員は、特は臼井委員長のごときは、この問題にきわめて熱意を持たれて、この決議を上げるために自民党の党の中で折衝に当たられたのです。最後のはんこ一つ押したら終わりという、形式でいえばそのところにこれが当たっておるわけです。そういう点では、やはり官房長官や総務長官が自民党に対して熱意を持ってやっていただく。同時に、官房長官や総務長官になられたわけでありますから、やはり日本の歴史に残るような仕事を日本国民のためにしていただきたい。そういう点で、長い間かかってここまできたのですから、くどいようですけれども、何とか政府部内あるいは自民党を説得して、この国会に残された日時はわずかですけれども、この中でもこういう決議が行なわれるように努力していただくことはできないか、官房長官にお尋ねします。
○木村国務大臣 党におきまして非常に積極的に、かつ熱意を持って御検討中でございます。私どもはその党とよく連絡いたしまして、かつ全般的考慮のうちに検討してまいりたい、こう思っております。
○臼井委員長 横山利秋君。
○横山委員 確かめますけれども、政府としてはこの法案に賛成なんですか、反対なんですか、どちらです。
○木村国務大臣 御趣旨はごもっともと思います。
○横山委員 ごもっともだということは、賛成だということですね。
○木村国務大臣 御趣旨においては賛成でございます。
○横山委員 賛成だけれども、いま与党に聞くわけにいかぬから、あなたは与党の代表としてあわせて聞くのですが、賛成だけれども、いま通過ができない、それは高度の政治性だ、こういうわけですね。間違いありませんな。
○木村国務大臣 私はいま与党の代表としてはちょっとお答えいたしかねます。御了承を願います。
○横山委員 それでは政府に聞きますけれども、この立法院の決議というものは、施政権返還前の国政参加であるということを御存じでございますね。よろしゅうございますね。——そうすると、施政権返還前の国政参加の要求に対して、賛成であるけれども、高度の政治的判断が要るからちょっと待ってくれということは、実現をしたいと思うし、また努力をするということをお約束願えるわけですね。
○木村国務大臣 申し上げますとおり、この法案の趣旨には賛成でございます。ただ、ただいま党側においてせっかく御検討中でございますので、党側とよく連絡した上で政府の最終的態度をきめたいと思います。
○横山委員 ああそうですか。それじゃ、賛成だけれども、反対に回ることがあり借るわけですか。
○木村国務大臣 政府としては、反対に回るとか、そういうことを申し上げる立場におりません。これは党側から御提案になれば、政府としてはその御提案の趣旨に沿って努力をいたすことは、これは当然でございます。
○横山委員 そうしますと、政府は賛成であるけれども、党側が反対であることがあり得るわけですね。あり得たときにどうなさいますか。時間の関係上節約して言いますけれども、私の聞きたいのは、政府が賛成ならば、与党も賛成させる、そうしてひいてはアメリカにも交渉をするという気持ちがあるかどうかということを念を押したいのです。
○木村国務大臣 先ほどから申し上げますとおり、この法案の趣旨には賛成でございます。ただし、これを実現させるためには、重ねて申し上げますとおり、全般的な政治的考慮、しかも高度の政治的考慮が必要である。これは政府側でもそう考えております。そういう全般的考慮のうちで党側とよく接触いたしまして問題の検討に当たりたい、こういう意味でございます。
○横山委員 秋の対米交渉、アメリカへ佐藤さんが行って交渉する内容が、きのうきょう新聞に出ておりますが、立法院の三大決議といわれるこの国政参加について、施政権返還の問題とあわせて交渉なさいますか、なさいませんか。
○木村国務大臣 新聞で報ぜられました提案のことについては政府は関知しておりません。ただ申し上げられますことは、当然この秋に総理が訪米いたしました節、この沖繩問題は大きな協議題目になることと私どもも考えております。
○横山委員 簡単にお尋ねしておるのです。対米交渉の中に、施政権返還と並んで、国政参加に関する立法院の決議を取り上げるかどうかということです。
○木村国務大臣 まだその点までは検討しておりません。
○横山委員 アメリカは、御存じのように、ハワイやアラスカ及びプエルトリコ等がまだ州のとしての地位が認められず、いわゆる準州であった当時から、その代表を合衆国の国会に送ることを認めておるわけです。これはもう御存じだと思います。アメリカは自分のところでもそういうことをしておるわけです。沖繩がいま国政参加をしたいというのを、してはいかぬと言えるはずがないと私は思う。あなたのところでもやっているじゃないか、あなたのところもそういうことを認めているじゃないか、それなら、いまこういう状況にあるけれども、沖繩の国政参加を認めてもいいじゃないかということは、筋の立つ話だと私は思いますが、どうですか。
○木村国務大臣 いまお話しになりました御意見も十分総理にお伝えいたします。
○横山委員 西ドイツにおいてもベルリン方式というものがある。事情は多少違いますけれども、ベルリンにおいても、占領下にありながら、ベルリン議会に西ベルリン代表を送っておる、これも御存じでございますね。私は、その世界における、ハワイ、プエルトリコ等の状況からいって、何か高度の政治的判断ということを政府は逃げろ口実に使っておる、賛成ということは沖繩向けに放送しておいて、高度の政治的判断ということはアメリカ向けに放送して、いや、交渉しませんわ、こういう逃げ口上に使っているような気がしてならないのです。その点の真意を聞かせてもらいたい。
○木村国務大臣 決して逃げ口上に使っていることはございません。ただ、何度も申し上げますおり、もちろん、これは政府のみならず、全国民の最終的目標が沖繩の施政権の前面返還でございますから、その目標に向かってあらゆる努力を傾注したいと思っております。
○横山委員 最後に一問。 この沖繩県民の国政参加に関する要請決議をお互い見て、もう一つだけ残念だと思うことがあります。その要請決議の出し先は、琉球政府立法院となっておる。先般私はこの点について指摘したのですが、内容には全部沖繩という文字が書かれておる。出し先は琉球政府と響いてある。公式用語としてアメリカ向けに交渉するときには常に琉球だ、日本向けに話をするときにはいりも沖繩だ、こういう二面性はがまんのならぬところだ。これは感情ばかりではありませんけれども、がまんのならぬところだと私ども思っておる。われわれが沖繩へ行ったときに、琉球なんと言おうものなら、何だといってしかられるわけです。みんな沖繩という名前を使っておるにかかわらず、公式用語が対アメリカにおいては琉球となっておる。公式用語を沖繩政府と、沖繩というように統一することを政府みずから実践し、アメリカと交渉してもらいたいと思います。これは単に名称の問題でないと私は確信しておりますがゆえに、取り上げてぜひアメリカと交渉してもらいたい。いかがでございましょうか。
○木村国務大臣 私からお答えすべき問題かどうかわかりませんが、よく外務大臣と相談いたしまして、御趣旨に沿うように努力したいと思っております。
○臼井委員長 関連質問がありますので、これを許しますが、時間がございませんので、簡単に願います。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 ただいま、実効性がないと言いながら、一方では、高度の政治問題だ、こう言われるわけです。しかし、ただいま横山委員から御質問のように、アメリカの施政権のもとにおいて各地で現にあるわけですね。そういたしますと、つまり政府が圧力をかけたとしか思えない。今回の高度の政治問題という配慮のもとにわれわれが三党で話し合いをし、共同提案をし、四党一致、こういうところでせめて実現をしたいと思っていたこの問題について、与党側が応じてこない、こういう結果になったわけでありますけれども、このことの現地に与える影響はたいへん大きいと思います。この程度のものでさえもできない、秋に総理が行って日米首脳会談をやって、施政権の返還を全面的に出すとかなんとか言いながらも、その腰の弱さというものは見え透いておる、こう絶望的な気持ちになると思うのです。でありますから、何がゆえにそんなに配慮をするのか、この点、現地に与えた大きな影響というものについて、政府としてどのような責任を感じておられるか、お答えいただきたいのです。
○木村国務大臣 この法案の提出につきまして、政府が党側に圧力をかけるようなことは毛頭いたしません。したがいまして、何度も申し上げるとおり、政府といたしましては、今国会におきましてこの法案が提出されれば、その時点において全般的考慮の中で検討してまいりたい、こういうことをお答えしたのみでございます。
○川崎(寛)委員 それでは委員会として扱います。
○臼井委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○臼井委員長 速記を始めて。 西風勲君。
○西風委員 総務長官にお尋ねいたします。 先ほどの立法院の決議の三つの問題については繰り返しませんけれども、総務長官が中心になって早急にこの決議が実現するように努力していただきたいと思う。 そこで、具体的な内容に入りますけれども、今度、政府が、総理府の中ですか、沖繩問題審議会というものをつくる準備がいま進んでいるわけですね。この沖繩問題審議会というのは、どういう構成と目的でつくられるか、まずお尋ねしたい。
○塚原国務大臣 ただいまお尋ねの件は、総理が予算委員会あるいはその他でお答えになっておる問題であると考えておりまするが、ただいま私のところには大濱さんを会長とする沖繩問題懇談会がございます。この懇談会は、教育を中心とした問題についての御審議を願っておるわけでありますが、聞くところによれば、あと二回ぐらいの小委員会、そして総会を開いて、今月の終わりごろにはお答えをお出しいただくというふうに聞いております。総理の発言にもありまするようにこの任務が終わりましたあと、いまは総理府のものでありまするが、今度は総理大臣直属というような形で、沖繩問題についてのいろいろな問題——いまは教育の問題でありますが、諸問題についての御審議を願う委員会、あるいは審議会と申しますか、そういうものをつくるという考えが総理から示されております。今日まで、この問題は官房長官と私でよく相談するようにというお話もございました。私としましても、答申が出て長い時間をおくという形はよろしくない、しかも、いま沖繩問題というものが当委員会を中心として非常に大きくクローズアップされておるときだけに、すみやかにそういった審議会を発足させたい、こう考えておりますが、いま大濱委員会が現存いたしておりまして、問題の御審議を願っておる最中に、次の問題について云々というのは、これは非礼であるということも考えておりまするし、また、おそらく、この審議会か委員会は大濱さんの構想というものが十分に入ってくると思いますので、大濱さんの構想も伺った上で、官房長官と相談し、総理と相談して発足させていきたい、このように考えております。
○西風委員 大体、政府は国会の中ではあまりほんとうのことを言わぬけれども、新聞記者に対しては、何かわれわれに言わないことまで発表しているわけですね。個人的に発表したのか、公式に発表したのか知りませんが……。いまの大濱懇談会が任務を終えてから慎重にやりたい、こういう話ですけれども、新聞にはすでに、横田喜三郎前最高裁長官とか、林修三前内閣法制局長官とか、もうメンバーの名前まで報道されておるわけですね。したがって、一体どういう構成であるかということを聞いている。新聞記者程度のことはわれわれにも教えてもらわないと困ると思うのです。 そこでお尋ねしたいのは、この審議会の中に、私どもとしては、沖繩問題を一歩進め、本土と沖繩の一体化をはかるために、沖繩の現地の代表を加える——いまの自民党の態度では、潜在議席さえできないものだから、少なくともこの審議会の中には沖繩の現地の代表を含めて、一体になってさまざまな問題について話し合うというようにすべきだと思いますが、この審議会の中に現地の代表を加える意思があるかどうか。
○塚原国務大臣 いまその新聞記事のお話が出ましたが、林さんと横田さんは現在大濱委員会のメンバーであります。ですから、そのことをお書きになったし、私が、大濱さんにイニシアチブをとっていただいて、大濱さんの構想を承る意味において、おそらく、明敏なる新聞記者の方が、現在のメンバーというものをある程度中心にお考えになった上での記事じゃないか。新聞記者の方は頭の鋭い方ばかりでありますから、われわれが言わないようなことまで書いてしまうわけであります。それから、私がしゃべったことが決してそのままの形で出ているというのじゃございませんから、どうぞひとつ誤解のないようにお願いをしたい。 それから、現地の方を参加させろというお話でございますが、沖繩現地でもこれと同じような委員会が発足いたしておりますることでありますし、また一方、先ほどから申しておるように、現在だれとだれとどういう人を入れるということは大濱さんの構想を聞いてから私と官房長官と相談するということでありますので、今日の段階で、それを入れる入れないと言うことは、ちょっと差し控えたいと考えておりますが、西風委員の御発言のあったことはよく頭の中に入れておきます。
○西風委員 頭の中にはしゃっちゅう入れてもらっておるけれども、やってもらっていないから問題になるのです。やはり現地の代表を加えるかどうか程度のことぐらいは、政府にだって方針はあるでしょう。大濱さんに沖繩問題を全部まかせたのではないでしょう。総務長官が中心になって沖繩問題を何とか前向きにするというためにいままで御努力願っておるわけでありますから、たとえば沖繩の立法院の代表を加えるとか、あるいは沖繩につくられた審議会の中に入っている人々を何人か加えて一体化をはかるというようなことぐらいは、せっかくこの委員会ができたのですから、努力してもらいたいと思うのです。 重ねて聞きますが、現地の代表を加えることについて真剣に検討する意思があるかどうか。
○塚原国務大臣 現地の方の御意向を聞く方法はいろいろあると私は考えております。今日までもいろいろその御意見を承っております。だから、今度できる審議会に必ず現地の代表が入らなければならぬというふうには私は考えておりませんが、西風委員のおっしゃったことは、頭の中には入れておきます。
○西風委員 何で沖繩を外国扱いにするのですか。沖繩は外国と違いますよ。そんなことは言うまでもないのですけれども、沖繩は、日本の沖繩県といわれる地域です。外国扱いにして、こういうものをつくるときに、沖繩は考えておりませんというようなことを言うことは、沖繩問題を解決さすのではなくて、むしろ進んで政府が沖繩の代表を加えるぐらいの積極的な意思を持つことが、沖繩問題を解決さす上での政府の熱意と日本国民の熱意を表現させる結果になると思います。そういう点で、頭の中に入れておくのではなくして、入れる気があるのか、ないのか、はっきりお答えを願いたい。
○塚原国務大臣 沖繩の代表の方から御意見を承る機会は幾らでもあるし、今日までもわれわれ承ってまいりましたが、それを入れないからといって、熱意が云々ということは、ちょっと私は当てはまらないと思うのであります。しかし、西風委員のおっしゃったことは、私はよく頭の中に入れておきます。
○臼井委員長 川崎寛治君に関連質問を許します。
○川崎(寛)委員 いまの大濱懇談会が内閣に置かれる審議会だ、こういうことになりますと、当然にその審議会の性格は、国家行政組織法の第八条に基づく権威のあるものと考えてよろしいですか。
○塚原国務大臣 どういった形のものにするかについては、まだきめておりません。
○川崎(寛)委員 総理の単なる私的な諮問機関であるのか、法律に基づく審議会にするのか、このことは、将来この問題を進めていく場合に非常に大きな分かれ道になってくるわけです。私は、本院の予算委員会の総括質問の際に総理にお尋ねをしました。たいへん不明確な御答弁であったわけでありますけれども、最高の政治問題である、こういうことであるならば、たとえば前の森総務長官の当時に、あれは森総務長官の単なる私的な——現在も続いておるわけでありますけれども、私的な諮問機関だ、懇談会だ、こういうことでいつも逃げられているわけです。でありますから、八月に設置されると予想されておりますこの審議会が、国家行政組織法の第八条に基づく、そうした権威のある審議会でないとしたならば、これまでの大濱懇談会と同じ性格になるということを断言したいと思うのです。その意味におきましては、当然に、そうした法律に基づく権威のある、内閣に置かれる審議会にすべきだ。いかがですか。
○塚原国務大臣 繰り返すようでありますが、どういう形のものにするかはまだきめておりません。しかし、いま川崎委員のおっしゃった御趣旨のほどは、よくこれまた頭の中に入れておきたいと思います。よくお聞きいたしておきます。
○西風委員 塚原総務長官のところへ、ジョンソン大使が、新しく民政官になられた方を連れて訪問されたというような新聞記事が出ておるわけですけれども、この中で何か具体的に話し合いないしは接触というようなものがあったかどうか、お聞きしたい。
○塚原国務大臣 今度ワーナー氏にかわりましてカーペンター氏が沖繩の民政官になられて赴任するということで、土曜日でありましたか、私のところへジョンソン大使と、それからいま一人、名前はちょっと忘れましたが、三人でお見えになりまして、約三十分間くらいいろいろのお話をいたしました。この話の内容でありますか。
○西風委員 そうです。話の内容です。
○塚原国務大臣 こういうことになったからよろしくというようなことから始まりまして、私から、これは外交的なアプローチの機会が少ない私でありまするから、実はこの間オズボーン氏に対してもプライス法の改正について強く要請しておいたが、このプライス法の改正についてなおさらに本国に対して御努力を願いたい。その前に、もちろん、施政権の前面返還ということを最初に打ち出しております。次がプライス法の改正の問題であります。それから自治権の拡大、それからいわゆる人権の問題が非常に輪講の的になっておるので、十分関心を持っていただきたい。ことにカーペンター氏はこれから赴任されるのでありまするから、この点について私のほうの希望と要請をいたしました。
○西風委員 佐藤総理大臣が、しばらく前に、塚原総務長に対して、沖繩の祖国復帰のスケジュールについて具体的な作業に入れということを指示した日が公表されておりましたけれども、そういう作業はどの程度進んでいるのか、やっているのか、やっていないのかということについてお尋ねしたいと思います。
○塚原国務大臣 特に総理からあらたまってそういう指示があったわけではございませんが、守備範囲の広いところではありまするが、総理と会いますとよく沖繩の問題が出ます。そのときいろいろとお話もいたします。総理がこの国会で申されておることは、施政権の全面返還が望ましい、しかし、そこに至る過程において、極東の情勢によって左右されるのであるけれども、格差是正のための努力をせよ、こういうことでありまするから、施政権の全面返還ということを目標として、それから格差是正のための努力というものは、私の範囲内においてできるだけのことをやってまいっておるつもりでございます。
○西風委員 塚原総称長官はこの国会が終わったら直ちに沖繩現地に行かれるということになるわけですけれども、沖繩現地に行かれてどういうことをやる目的を持っておられるのか、この機会にお伺いしたいと思います。
○塚原国務大臣 昨年の十二月このポストにつきましてから、沖繩を担当する所管大臣として私まだ沖繩という地に全然行っておりませんので、どうしても現地に行きたいという希望は持っておりましたけれども、国会、それから解散、選挙、それでまた国会ということになりまして、とうとう今日まで訪問の機会を持つことができなかったわけであります。でありまするから、この国会が終わり次第、できるだけ早い機会に現地に参りまして、当面の問題と申しますると、いま私がジョンソン大使あるいはカーペンター氏とお目にかかったときにお話したような問題ですね。施政権の返還、あるいは援助の問題、プライス法の改正、それから布令、布告の廃止等も含めまして、自治権の拡大、それから人権の問題、そのほかたくさんあるでしょう、しかし、こういったものを中心として私たちの考えを向こうのアンガー氏に伝えろと同時に、また関係者に伝えると同時に、さらにこの日で実地にあらゆる問題についての視察と申しますか、検討をしていきたいと考えております。私も勘はわりに働くほうですから、ひとつその面で、短時日であるかもしれぬけれども、できるだけ見てきたい。先生方、皆さん、沖繩に行っておられる方々がありまするから、その前にもいろいろ参考意見を承っておく機会があれば幸いだと思っております。
○西風委員 佐藤総理大臣と三木外務大臣がそれぞれアメリカに行かれるわけですけれども、アメリカに行くについて、伝えられているところに上りますと、沖繩、小笠原の問題が非常に大きい問題である、中心的な問題であるというようにいわれているわけですね。これはきょうは外務大臣がおいでになりませんから、直接聞くわけにはいきませんけれども、そういう点で、政府としてかたりテンポを急いだ作業をしなければ、佐藤総理、三木外務大臣がアメリカに行った際に、沖繩問題について、いまの沖繩県民の要求にふさわしいような解決をはかるということが困難ではないかと思うのです。そういう点で、この佐藤訪米あるいは三木訪米というものに備えて、総理府としてはどういうふうな具体的な作業と準備をするのか、お尋ねしたいと思う。
○塚原国務大臣 三木外務大臣は、安保条約に基づく日米経済協力、あの会合でアメリカに行かれるものと考えております。それから総理は大体十一月ごろ行かれるのじゃないかという、これも私、確認したわけではございませんけれども、ぜひまたそうあってほしいと考えております。 また、沖繩、小笠原を所管する一人といたしましたては、ぜひこの問題を大きな問題として一歩でも二歩でも——もちろん、全面的な解決が望まれればいいのでありまするが、前進するような議題となること、たとえば、この間のハンフリーと総理との会談のときに、沖繩、小笠原問題についてはマッチクローザーということば——私は英語には弱いほうでありまするが、私は私なりに、この問題が今度の訪米の大きな重要な議題になるというふうに解釈いたしております。これは外交用語でどういうふうに解釈するのか、外務省の方に聞いてみなければわかりませんが、しかし、担当する一人として、大きな問題としてひとつ取り上げていただいて、そうしていまの懸案の問題の解決に近づいていただきたい、また、総理府といたしましては、その準備をできるだけ急がなければならない、テンポを早めていかなければならない、このように考えております。
○西風委員 きのうですか、その前の日でしたか、下田駐米大使がすでに予備折衝を始めているわけですね。これは政府が訓令してやったのかどうか知りませんけれども、そういう中で、下田駐米大使が従来から言われていたような内容をアメリカ側に伝えておるわけですね。これは佐藤総理ないしは三木外務大臣が行かれるその前提の打ち合わせとして行なわれたのかどうか、どういう資格とどういう内容で下田駐米大使がアメリカとの接触を始めたのか、この点について、だれからでもけっこうですから、明らかにしてもらいたい。
○塚原国務大臣 私はそういう筋書きで進んでおるということは全然聞いておりません。外務省が来ておりますから、何だったら外務省から答弁いたさせます。
○中島説明員 ただいま御質問がございました新聞報道でございますが、下田新駐米大使がバンディ次官補に会われたことは事実でございますけれども、その際に、沖繩、小笠原問題について新聞に伝えられるような話が行なわれたということは、一切報告がございません。したがって、おそらく、新聞がいったのであれば、こういうこともあったろうかといって、推測で書かれた記事ではないかというのが私どもの感じでざごいます。
○西風委員 そういういいかげんなことを言ってもらったら困ると思うのです。しかも、従来から全く言われていなかったことが書かれている場合には、推測記事というような言い方ができないことはないでしょうけれども、従来から下田駐米大使が公然と、外務次官でありながら、政府の行政内容、政治方針についてこれに干渉するよう形で行なわれた提案が、日本から三案というふうにきちっと出ている。しかも、こういう重要な記事について、一社なら別ですけれども、すべての社が、しかも外電を含めて、三案について打診したというようなことを書くはずはないですよ。そういう点、責任のある答弁をしてもらいたい。
○中島説明員 下田大使とバンディ次官補の会談については公電がまいっておりますが、公電の中には、いまの点については一切触れておりまん。
○西風委員 総称長官、政府は分離返還に踏み切ったのですか。沖繩問題について、全面返還の旗をおろして、分離返還でアメリカと折衝を始めるということをきめたのですか。
○塚原国務大臣 そういうことはございません。
○西風委員 そういうことがなければ、下田大使が自分の考えている三案についてアメリカの政府にこれを説明するというようなことが行なわれていいのですか。これは大使としてふさわしいアメリカにおける行動かどうか。総務長官に聞くのが適当かどうか知りませんけれども、この場所ではいまあなたが最高の地位におられる方であります一から、そういう点についてお尋ねいたします。
○塚原国務大臣 先ほど外務省に答弁いたさせますという前に申し上げたとおり、私はそれは新聞で見ただけで、そういうことは私は聞いておりません。事実そういう問題を外交折衝でやったというなら、私のほうにも、公電を翻訳したものとか、そういうものが必ずまいるはずですが、そういうことがないところから見れば、いま参事官が答えたように、そういうことが議題になっていないと私は解釈いたしております。
○西風委員 だから、政府としては、全面返還、分離返還の問題について、いま全面返還ということを口先では言われておるのですから、それを信じたいと思いますけれども、沖繩問題について分離返還というようなことに方針を変えたというようなことはないわけでしょう。
○塚原国務大臣 繰り返すようですが、ございません。
○西風委員 先ほど外務省から、向こうから、電報ですか訓令ですか、何か知りませんけれども、きているという話ですけれども、それはどういう内容のものがきているか、明らかにしてもらいたい。
○中島説明員 公電の内容は、現地の大使が着任いたしまして、日本問題を主管しております、極東担当の次官補でありますバンディに、責任のあいさつを兼ねて短時間の会談をしたということでございますが、いろいろな極東問題その他についてごく簡単な話を、表敬のあいさつのついでにやられたことでございますので、いろいろな問題の報告がまいっておりますけれども、沖繩、小笠原の問題につきましては、新聞に伝えられますようなことは一切公電の中に触れられておりせん。
○西風委員 あいさつに行ったついでに言うにしては問題が重大過ぎるわけですね。だから、そういう点で下田駐米大使がどういうことをアメリカ側と折衝したのか、明らかにしてほしいと思う。どういう権限で、何のために、こういう沖繩問題の前進をはばむような分離返還に政府が踏み切ったような、外交官として行き過ぎた行動をやったか、明らかにしてほしい。下田駐米大使は、個人としては尊敬に値する人です。ところが、沖繩問題、外交問題については、従来から行き過ぎが多いわけです。何か自分一人で男になったようなつもりでいろいろ言っておりますけれども、そういう点について政府は戒めなければ、多元外交になりますよ。いまでも自民党や佐藤内閣はあまり一元外交じゃないですけれども……。そういう党で、こういうことが再び行なわれないように政府としては下田駐米大使を指導する必要があると思いますけれども、その点について、総務長官、外務省、どうでしょうか。
○中島説明員 重ねて申し上げますが、外務省といたしましては、下田駐米大使から、いまお話でお触れになっておりますような問題についてアメリカ側と話をした、あるいはアメリカ側に発言をしたという報告は一切受けておりません。
○横山委員 関連して。押し問答ですから、ぼくが整理しますが、あなたは、公電がきていないの一点ばりで、こちら側は、新聞その他からいって、従来の下田さんのあれからいって、やったに違いないと思っておるのですよ。だから、あなたは、公電の中には入っていないということでは答弁が不十分なんだ。それで、われわれはやったに違いないと思っているのだから、やったとしたならば、それはけしからぬということなんです。だから政府としては、国民及び沖繩にたいへん心配をかけておるが、それでは一ぺん調査いたしますと言うのが普通なんです。調査した結果、大使をして、そういうまだ政府の政策もきまっていないことを、いろいろな考え方を説明したということであるならば、それは逸脱行為であるといって下田氏を譴責しなければなりません。譴責いたしますと言うのが、答弁の第二になるわけです。こう言いなさいよ。そう言わなければ話が進まぬじゃないですか。早く言わぬかね、外務省でも、あなたでも。
○塚原国務大臣 先ほどの御質問が、そういうことを見たかというから、私は見ていないと答えたのであって、横山委員は御親切に誘導してまいりましたが、どうもその間ちょっと断層があるような気がします。私は見ておりません。 それから、なおそれは三木外務大臣にも伺ってみましょう、それがあなたのおっしゃる調査ならば。この前も横山委員とはこの問題でだいぶ話し合いましたが、私はこの問題でまだ外務大臣に聞いておりませんから、なるべく早い機会に、横山委員からこういうお話があった、特別委員会でこういう問答があった、それがどうであろうかということを伺ってみましょう。
○西風委員 それでは、政府の方針が固まっていない段階で、やったかどうかは別として、出先の大使がこういう問題について政治的くちばしを入れるかのごとき話し合いをすることは正しいかどうか、塚原国務大臣にお尋ねしたいと思います。
○塚原国務大臣 私、外務省の飯を食ったことがないから、いわゆる外務省の公電というようなもの、あるいは……
○西風委員 国務大臣として……
○塚原国務大臣 もちろん国務大臣として答弁しております。あるいは公電というものがどういうものであり、さらに、表敬というものがどういうものであるか——しかし、おぼろげながら、表敬ということは、赴任したあいさつというふうにとっておりますので、これは私の想像になりますが、そういう席で、非常に重要な沖繩の問題あるいはいまおっしゃった分離云々の下田構想というようなものを議題にしたということは、私は考えられません。事実そういう大きな問題が——ないとは私は信じておりますが、かりに行なわれるようなことがあれば、これは好ましいことではないと思っております。
○西風委員 くどいようですけれども、下田駐米大使がこういうことをやらないということを断言できますか。やっていないということを断言できますか。
○中島説明員 外務省の事務の運び方から判断いたしまして、かような重大な問題について出先の大使が任国に交渉を始めるという場合には、必ず本国政府に承認と訓令を求めてやるのが通例でございます。それで、そういうことがかりに行なわれた場合には、必ず即刻公電でもって報告するというのが、従来の、また今後とも外務省の仕事のやり方でございますが、今度は、先ほどから申し上げておりますとおり、着任のあいさつ、表敬ということで行われましたことでもございますし、公電の中にも一切そのことに触れておりませんし、事前にも事後にも何の報告、連絡もございません。そういうことから私どもは、そういうことは一応新聞には記事としてあらわれましたけれども、実際の話は行なわれていないというふうに承知しております。
○西風委員 私は外務省に要求しておきます。いまあなたの答弁でも、出先の大使が本国政府並びに外務省と連絡なしにこういうことをやることについては好ましくない——いろいろ回りくどく言われましたけれども、好ましくないということを言われた。したがって、こういうことがあったのかどうか、新聞の記事が全部うそかどうか、アメリカでそういうことを言わなかったのかどうか、どういう内容のことを言ったのか問い合わせて、この沖繩特別委員会に報告されることを要求します。その点どうですか。
○中島説明員 私どもは公電で会談の内容は報告を受けておりますので、それ以外の点については会談が行なわれなかったものと了承いたしておりますけれども、いまの御趣旨を体しまして行ないます。
○西風委員 塚原総務長官にお尋ねしますが、沖繩問題を解決していくためには、この前大濱代表団の報告にもありましたように、あらゆる可能性を開拓していく、特にアメリカの世論と積極的な接触をはかる、学者、文化人、アメリカの議会、その他アメリカの各層と積極的な接触をはかる必要があるというようなことが大濱代表団から報告されたわけでございます。私どもも、政府が沖繩問題を解決するにふさわしい国会としての協力を、せっかく沖繩対策特別委員会ができたわけでありますから、やる必要があると思う。そういう点で、国会の沖繩対策特別委員会がアメリカの議会とさまざまな形で沖繩問題解決のために話し合う。アメリカにはさまざまな誤解があるわけですから、アメリカの誤解を正してこの問題の解決をはかるために——これは国会がやるのですから、政府が直接関与する問題ではありませんけれども、そういうふうなことが国会の中で話し合われたときに、政府としてはこれを積極的に援助する、積極的にこれを助けていくというような考えがあるかどうか、お尋ねしたいと思う。
○塚原国務大臣 これは院の問題であります。衆議院の問題でありまするが、もちろん、私は沖繩問題の一日も早い解決を望んでおる一人でありまするから、IPUがやっておりますような議員外交と申しますか、ぜひそういうことで問題の解決がはかられ、前進することを望んでおります。私の記憶では、ビョンドニューヨークの問題でこじれましたときに、運輸委員会の関係の与野党の議員がアメリカに参りまして、アメリカといろいろ話されたことを聞いておりますが、この議員外交の問題は、IPUの問題を取り上げるまでもなく大いに展開されてしかるべきものであろうと考えております。私はいま政府であり、院とは違う立場でございますから、その点ひとつ誤解がないように、私の希望を申し上げたわけでございます。
○西風委員 いや、こういう動きが出たときに、往々にして佐藤内閣が自民党を押える、こういうことをさせない——潜在議席の問題でも、有害であるというがごとき、そういうふうな感じで、潜在議席の問題について、打って変かったような態度がとられつつあるわけです。先ほどの話では、努力して何とかするという話もありましたけれども、政府がもちろん直接やるわけではないが、ある意味では、議会と政府は一体となって分業しなならぬと思うのです。外交問題なんかについては、政府のやれないことを議会が分担してやる、議会が分担してやれないことを政府がやるというようなことを外交問題についてやっていくということが、やはり外交問題を一歩前進させる道だと思うんです。そういう点で、政府が十分な配慮や十分な援助をする意思があるかどうかということを聞いているわけです。
○塚原国務大臣 先ほども答弁したとおり、IPUというものができましてから、議員外交で問題の解決がかなりはかられておると私は考えております。私自身、IPUで行ったこともありまするし、会議に出たこともあります。ですから、議員外交というものは私は望ましいものである。ことにこの沖繩問題特別委員会ができました以上、これを政争の場にしないで、超党派的に、沖繩の方、日本の方全部が望んでおる問題の解決がはかられ、いろいろなあらゆる措置がとられることを私は望んでおります。
○西風委員 その次に、琉球政府と日本政府との関係の問題についてお尋ねしたいと思います。 それは、六七年度の予算では日本のほうが少し上回った程度だったのですけれども、六八年度ではアメリカに比べて日本の援助のほうがはるかに上回るわけですね。どういう率になって、どの程度上回っておるかということをお尋ねしたいのです。
○山野政府委員 六八年度の予算におきましては、日本政府の援助は、ごくラウンドで二千八百数十万ドルでございます。それに対しまして、米国援助額として予定しておりますのは千九百五十万ドル程度と思います。
○西風委員 したがって、アメリカに比べまして日本の援助のほうがはるかに多くなったわけですね。そうですね。
○山野政府委員 そのとおりであります。
○西風委員 日本政府の財政援助のほうが大きくなっているにもかかわらず、琉球政府の行政に対する発言権といいますか、その計画権といいますか、そういう問題について、アメリカに比べて、日本政府の権限といいますか、意見を出す方法といいますか、そういう権利が圧倒的に小さいわけですね。その点はどうですか。
○山野政府委員 日本政府の援助は、施政権の返還の問題は、なかなかいろいろな問題があって早急な解決が困難である。しかしながら、沖繩の住民の生活水準なり福祉の水準を、このままでは格差が大きい、本土と同じようなところまでできるだけ早く上げたいという趣旨で援助の増額をはかってきておりますので、したがいまして、直接的に、援助が増大になったから施政権にすぐ関係が生ずるというぐあいには私どもは考えていないわけでございます。
○西風委員 沖繩の経済、政治がどうなるかという問題は、いずれにしても、おそいか早いか時間の違いはあっても、これは日本と一緒にやっていかなければならぬわけです。そのためには、沖繩が日本の本土と比べて著しい立ちおくれがある、あるいは産業構造その他について日本の産業構造と合わないというような仕組みになったのでは問題にならぬわけですから、そういう点で日本政府はもっと積極的に、援助している実力にふさわしい——まあ本来はわれわれ自身がやるべきなんですけれども、いまの環境の中でいうならば、援助の増大にふさわしい日本政府の自主性といいますか、権限といいますか、そういうものをアメリカに対して要求すべきだと思うのですが、その点どうですか。
○山野政府委員 先ほど申し上げましたように、考え方としましては、日本の援助がふえたから施政権に介入するということにはならない。向こうの施政権のもとであっても、日本政府の援助でもって日本本土の住民と同じようなところまで生活水準を上げていくのだ、こういう趣旨で援助しております。しかし、いま御指摘ございましたように、最近非常に沖繩援助が画期的に増大されてきておりますので、従来のようなやり方で援助を行なうことがどうかというような問題が提起され、私どももその問題につきましては米側とも内々相談をいたしておるのでありまして、現在の援助予算につきましても、形式はアメリカ側の提案になっておりますけれども、アメリカ側の提案にこぎつける過程におきまして、外務省、総理府等で十分その内容につきまして私どもある程度いろいろな発案をいたしておるのでありますが、さらに援助の増大に伴いまして、今後の援助予算の組み方等につきましては十分検討いたさなければいかぬ時点である、かように考えております。
○西風委員 これらの問題について、日米協議委員会をつくる際にかわされた交換公文ですか、そういうもので一体どういうようになっていますか。
○山野政府委員 交換公文によりますと、まず日本政府の援助について日米協議委員会で話し合ってきめていく、その方法としましては、まず民政府のほうから、日本政府の援助に対する項目、金額を含んだ計画が提案されまして、それに対して日本政府の部内でそれを検討いたしまして、日本政府としての反対提案をいたしまして、そしてその反対提案につきましては、那覇に置かれた日米琉技術委員会でさらに詳細に検討され、そうして次の段階で協議委員会で日米合点をする、こういうように大体きまっております。
○西風委員 日米協議委員会の問題については、きょうは時間がないようですから、あらためてまたやりたいと思いますけれども、沖繩の経済の積極的な建設の問題について、いまの沖繩の経済を見ておりますと、かりにいま直ちに日本に施政権が全部復帰したとしても、沖繩のいまの経済の現状からいえば、経済の実態としてはまさに対米従属そのものという内容になっておるわけですね。そういう点で具体的にどうして脱却させて自主性を強めていくか。日本の経済との磁極的な接触を強めていくということが必要ではないかと思うのですけれども、その点どうですか。
○山野政府委員 御指摘のように、将来沖繩が本土に復帰するまでの間、本土に復帰する場合の困難を取り除くために日琉経済の一体化と申しますか、そういう方針で今後の沖繩の経済の振興計画なり、そういう長期展望をつくっていかなければならぬと思うのであります。そういうようなこともございますので、昨年七月から発足いたしました沖繩経済振興懇談会、これは日本の経済界の代表と沖繩経済界の代表でつくられた会合でございますが、これがことしの三月に第二回目を開きまして、沖繩経済の将来のあり方についていろいろ示唆をしておるのであります。そういう懇談会等を通じまして、今後の沖繩の経済が本土経済の一環としてどういう姿になるべきかというようなことについていろいろ御意見を献策していただいて、政府はまた琉球政府側ともよく協議しながらそういう方向へ持っていきたい、かように考えております。
○西風委員 沖繩の金融が一体どのようになっているかということですね。たとえばわれわれが調べたところによれば、また広く知られているところによれば、アメリカの二つの銀行が事実上沖繩の金融機関を握り、沖繩の全産業を制覇しているというような状況になっているわけですね。こういう点について政府はどういうように対処するつもりですか。
○山野政府委員 御案内のように、沖繩は米国の施政権下にあり、ドル経済でございます。したがいまして、その産業経済の開発資金につきましても、そういう体系のもとでつくられておるということは事実でございます。御案内のように、二つの銀行と申しますか、長期資金につきましては、開発金融公社というのがありまして、大体五千ドル程度の原資をもちまして、毎年千八百万ドル前後の融資をやっておるのでありますが、これが米国民政府の管理下に置かれた長期金融の機関でございます。これに対しまして、昨年来この長期資金が不足いたしまして、これに対する要望が強くなりましたので、昨年度から琉球政府に資金運用部資金というものを設けまして、その資金運用部資金で、今年度は約一千万ドルでございますが、それを中心に長期資金を融資していこうということになっておるわけでございます。なお、しかし、長期資金に対する要望が非常に大きいのでありまして、今後ひとつこの資金問題につきましては、沖繩対策の上で今後さらに検討を要する問題である、かように考えます。
○臼井委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十五分散会