P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
55回国会衆議院1967/06/16

運輸委員会 第16号

発言数
55
登壇者
5
会派数
2
開催日
1967/06/16

会議録

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 これより会議を開きます。  船員災害防止協会等に関する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 昭和三十七年の八月一日付で水産庁長官、運輸省船舶局長、船員局長の三者連名の漁船船員の労働環境改善のための措置要綱なるものは、現在適用されておるものでございましょうか、お尋ね申し上げます。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 現在適用されておるものでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 この通達は効果があがっていないように思いますが、これをさらに省令化して効果をあげるべきように思いますが、その点いかがでしょう。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 この通達の効果の問題でございますが、いずれにいたしましてもこれは行政指導の問題でございますので、これが法令化された場合、適確にその効果をあげるということについては御指摘のような点がございます。ただ特に漁船船員の生活環境を改善いたしますために、ボーナス・トン数その他の配慮をいたしておりますので、これについては私どもは相当な効果があがっておるものというふうに考えておる次第でございます。  さらにまた、この居住施設関係につきましては、現在労働委員会でどのような法令化の基礎をなすべきであるかということが検討されておりますので、その結果を待ちまして、私どもといたしまして御質問に沿うように努力いたしたい、こう考える次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 御出席の大臣にたいへん失礼なことをお伺いするわけでありますけれども、大臣はほんとうに下級船員の船内の生活のたいへん困難なことを御存じかどうか。たいへんぶしつけな失礼なことばでございますが、大臣の御経験なりあるならばお聞かせ願いたい。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 小型船及び漁船の船主の大部分が中小企業に属し、これらに乗り込む船員の労働条件、労働環境は、大型船船員に比べて劣っておるということは聞いておりますが、実際これらの船舶に乗り込みまして、まだ実情を視察する機会は持っておりません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 御経験ないようでございますが、私も経験は若干ございます。たくさんの経験はございませんが、下級船員の船内生活というものはたいへん困難なことの毎日の繰り返しである。  そこでお伺いすることは、一九四九年改正の船内船員設備に関する条約というのがございます。この条約に示されておる状態まで船内設備の向上をはかることを省令化して、ひとまず国内法を整備すべきではないか、このように私は考えますが、この点大臣の御見解をいただきたいと思います。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 漁船内の設備に関する条約が昨年ジュネーブで採択されました際に、わが国も政府、労使一致してこれに賛意を表しております。そこで政府といたしましては、条約の趣旨を尊重し、漁船船内船員設備基準に関する国内の規定を制定いたしまして、できるだけ早期に本条約の批准をいたすように努力したいと思っております。  なお、すでに昭和三十九年に、漁船をも含めまして、船舶船員設備に関する法による規制につきまして、船員中央労働委員会に諮問を発しております。すでに商船に関する基準につきましては、大部分結論を得ておりますが、漁船に関する設備基準は近く審議を始めてもらいたいと思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それに対する御準備を開始されたようなおもむきでございますが、私はこれらの一連の問題を解決しないで船員災害防止協会をつくっても、本末転倒ではなかろうかというように考えるわけでございますが、いかがでしょうか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 これはどちらも両々相まって効果をあげるものと存じますが、防止協会のほうができて、船内設備がいつまでも捨ておかれるということでは、これはいけないと思います。いま申し上げましたとおり、船内設備の基準も急いでおるような状況でございますので、それらを促進するという意味におきましても、防止協会の成立を急がしていただきたいと存じます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それでは次にお伺いしたいことは、船員災害防止協会の設立の認可並びに監督等につきましては、運輸大臣と厚生大臣とが行なうということになっておりますが、この点船員労働の特殊性にかんがみまして、運輸大臣一本化が当然ではなかろうかと私は考えますが、この点いかがでしょう。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 実はこの法案において明らかにされておりますとおり、船員災害防止協会に関する財源といたしまして船員保険の資金を利用することになっております。その関係上、厚生大臣の権限を認めておるわけでございますが、事柄の性質上、主たる責任は運輸大臣にあるわけでございまして、運輸省としては全責任を持って指導監督に留意いたしたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 運輸、厚生両大臣の協議事項でいいというふうに考えますが、この点はどうでございますか。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 政府として、船員保険特別会計から費用の一部を補助する等のことがございますので、したがって、会計等の監督につきましては厚生大臣も十分に責任を持つ制度にしなければ、決算その他の関係上不都合を生ずると思います。どうも厚生大臣との共管ということは、便宜上やむを得ないことと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 これは厚生省関係の方からお伺いすべきかと思いますが、お見えでないようでございますので、このいきさつ等については運輸省の御当局の方々でもおわかりと思いますが、厚生大臣が船員保険特別会計からこの協会へ事業補助金として一千七百万円出す、この数字の根拠をお伺いしたいわけであります。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 船員保険特別会計から、四十二年度におきましては千七百万円を補助金として計上されておるわけでございますが、その根拠といたしましては、船員十七万名を対象にいたしまして、それで一人当たり百円というのが算出の根拠でございます。そこで、十七万名という船員は何であるかということでございますが、現在船員法の船員としてわが国の船員の総数は二十七万名でございます。御承知のとおりこの法律に基づく協会は、これらの船員を使用しております船舶所有者の集まりでございますが、したがってそれら船舶所有者——約一万八千名にのぼりますが、これらの者がすべてこの協会に参加することが理想でございます。ただこの中には、相当多くのいわゆる零細な船主がございます。これらの船主も当然今後これに加入していただくことに私どもとしては努力するわけでございますが、陸上の災害防止協会の設立後の経緯その他を見ましても、当初からすべての船主を包含することはなかなかむずかしい実情にございます。そこで船舶所有者といたしまして、協会その他に組織化されておりますものに属する船員十七万名と一応事業計画ではいたしまして、そういった船主が加入することを前提として十七万名というものを算定した次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そういたしますと、協会の加盟者が増加した、二十七万名になったという場合には二千七百万円、そうなるわけでありますか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 運輸省といたしましては、当然厚生省ともお話し合いをいたしましてそのように措置すべきである、こういうふうに考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 協会の四十二年度の予算案について御説明をいただきたいと思います。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 協会の四十二年度における事業規模でございますが、まずただいま申し上げました補助金が千七百万円ございます。同時に同じような算定基礎で、船員一人当たり百円ということで船舶所有者から徴収いたします会費が、千七百万円ございます。これで三千四百万円でございます。あと講習会その他の事業収入を見込みまして、全体の事業規模を五千万円と考えております。その五千万円をもとにいたしまして、災害防止のために必要な事業活動を行なっていくということが四十二年度の事業計画の骨子でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 収入の面はわかりましたが、問題は支出のほうにあると思うのでありますが、支出の点についてもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 事業計画の支出面でございますが、まず管理費といたしましては人件費、初度調弁費その他含めまして約二千万円を見込んでおります。それからあと事業費でございますが、これは一般の調査研究費、教育費、広報費あるいはコンサルタントの活動費用その他のものを約三千万円見込んでおりまして、合計五千万円、こういうことでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 私が入手しております予算の表と局長のいまの御答弁とにたいへんな食い違いがあるように思いますが、いま管理費が二千万円、事業費が五千万円、こういうお話でございますね。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 もう少し正確に申し上げますと、全体の支出総額が五千万円でございます。このうち管理費が、正確に申し上げますと二千三百万円でございます。それから事業費が二千六百二十七万円、それからあと予備費といたしまして百万円程度を留保しておる、こういうことでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 たいへんどうもずさんなお話だと思うのです。管理費が最初の御答弁では二千万円、そして事業費が三千万円だ、私から重ねて問いただしましたときは二千三百万円、事業費のほうは二千六百万円、正確なものらしいものが出てきたわけでありますが、私は問題は管理費のほうにあると思うのです。もう少し事業費のほうへ管理費から回すべきではなかろうかというふうに考えるわけです。と申しますのは、初年度のことですからいろいろとかかるでしょうけれども、問題は役職員の人件費でございます。人件費が二千三百万円のうちの一千五百万円を占めておるというふうに承知しておりますが、この人件費の、要するに人間の内訳でございます。お伺いしたところによりますと、役員三名、職員が九名ということですが、職員のほうは九名で一体幾らお払いになる予定でございますか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 ただいま御指摘のございましたとおり、人件費といたしましては千五百万円を計上いたしております。それから役員を三名、職員を九名、十二名ということでございますが、職員一人当たりの概算といたしましては大体四万五千円というものを単価といたしまして組んでおります。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 四万五千円で九名ということになりますと、年額幾らになるわけでございますか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 この職員九名と申しますのは、さらに詳しく申し上げますと、この法律に基づきまして衛生管理士あるいは安全管理士という特別の職がございます。この二名につきましては別の単価を持っております。差し引きますと七名でございます。七名につきまして十六カ月分を計上いたします。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 賞与が入って十六カ月という意味でございますね。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 そうでございます。足しますと五百十三万円程度になるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それから二名分は。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 二名分につきましては、これは従前御説明申し上げておりますように、安全管理士にいたしましても衛生管理士にいたしましても、相当の学歴と専門的な経験を前提にいたしておりますので、単価は八万円で計算しておるわけでございます。したがいまして、同じように二名分で計算いたしますと二百六十万になるわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そうすると、九名分で七百七十三万円ですか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 そういうことに相なっております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そういたしますと、千五百七万八千円ですか、それから七百七十三万、いまの局長の御説明のとおりで引きますと、残り三名分の役員さんのものは、一体幾ら残るか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 七百三十万程度残額になると思います。役員の単価といたしましては十五万を見込んでおります。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 ちょっとその計算を示していただきたいと思いますが、十五万円で七百三十万円になりますか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 十六カ月分でございます。それの三人分でございます。そういたしますと七百三十三万五千円と相なると思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 私は学識、経験豊富な方がその役員につかれることと思いますので、当然その十五万円も安いとも思います。しかし、われわれが一般の事業を始めるに際して、役員の給与並びに賞与、そういったものを全部含んでしまって計算するかというと、普通はそうしないものです。仕事をやってみて、従業員のほうの賞与は当然のこと見なければなりませんけれども、まず事業の主体になる者は、普通の場合は給料だけもらってまず一年はやってみよう、そして採算に合ったときには賞与ももらおうじゃないか、これが普通の姿だと思う。お役所のことでございますから、日の丸ですからこういうふうな計算が出てくるんだと思うのですけれども、ちょっとこの十五万円で十六カ月というのも私は普通の考え方からいったならば早過ぎるんじゃなかろうか。もう少しこれを事業費のほうに回すことはできないか、このように思うわけであります。りっぱなお方が就任されることと思いますので決して安いとも思いませんけれども、せめてもう少し初年度の事業を活発にやる。どんな事業ができてくるかわからぬ。それを最も効果的な仕事をやらせるためにも、役員のほうの賞与の面までりっぱに計算上見込んであるという点について、はなはだ私は遺憾に思うわけでありますが、この点大臣の御所見をいただきたい。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 いろいろな考え方もあろうかと考えますが、この種の団体の運営におきましては通常行なわれる方法だろうかと存じてかように措置したような次第でございます。できるだけいい人を得たいということ、またこの役員は業界全般に相当な影響力を持って会の事業を普及徹底させていくだけの方でなければならないと思いますので、一応こういうふうにしておりますが、しかし法律にありますとおり、具体的な事業計画、具体的な予算は本協会の創立総会が決定いたすことになっておるのでございまして、この点は公団と異なっているのであります。いずれ創立総会には会員が多数集まりまして、そこで論議の上これらの問題は具体的に決定されることと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 最後に一問だけお願いいたしたい点は、労働災害防止団体等に関する法律というのがございます。これの六十四条に、労働基準監督官が立ち入り検査権、質問権を持ち、現実に作業している現場に入って指導監督ができるように具体的に規定されております。しかるにこの法律案の第四十四条では、厚生大臣または運輸大臣の指定する者に協会の事務所または事業場に立ち入り、帳簿、書類その他必要なる物件を検査させるというふうに規定されております。この点につきまして、陸上の規定のように現実に作業を実施している船舶所有者の事務所あるいは船舶の中までも立ち入り検査をし、または質問する権限を保有せしめるようにしたほうが私は前向きのように思いますが、この点はいかがでございましょうか。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 陸上の法律におきましては緊急措置という条項があるわけであります。この海上の場合におきましては、災害防止ということに関しましては船舶ということが中心になるわけでございます。この船舶の安全あるいは生命の保護という点につきましては、別途海上保安庁法によりまして海上保安官が強制的な処分をすることができるということが行なわれておりますので、特にこの法律によって書く必要はないのじゃなかろうかという考えでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 以上で質問を終わります。

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 本案に対する質疑はほかにございませんか。——ほかに質疑もないようでありますので、これにて本案に対する質疑は終局いたします。     —————————————

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 ただいま議決いたしました船員災害防止協会等に関する法律案に対し、細田吉藏君外三名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党四派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。細田吉藏君。

細田吉藏自由民主党

○細田委員 私は、自由民主党、日本社会党、主社会党及び公明党を代表して、ただいま議決されました船員災害防止協会等に関する法律案に対し、附帯決議を付することを提案いたします。  案文を朗読いたします。     船員災害防止協会等に関する法律案に対    する附帯決議(案)   政府は、この法律の施行に際し、左の事項について努力すべきである。  一 船員災害防止協会への加入率が、比較的低いと予想される中小船主の協会への加入について適切な指導を行なうこと。  二 総トン数二十トン未満の漁船船員に係る船員災害の防止についても適切な措置を講ずること。  三 従業制限(漁船特殊規則)の制度を漁船の安全性と漁業の実態に合致するように改めること。   右決議する。以上でありますので、御賛同あらんことをお願いいたします。

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 以上をもって趣旨の説明を終わりました。  これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 起立総員。よって、本案は附帯決議を付することに決しました。  この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。大橋運輸大臣。

大橋武夫自由民主党運輸大臣

○大橋国務大臣 船員災害防止協会等に関する法律案につきましては、慎重に御審議の上ただいま御採決をいただき、まことにありがとうございました。また、決議されました附帯決議につきましては、政府当局といたしましてその趣旨を尊重し、十分決議の趣旨の実現に努力いたしたいと存じます。

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

内藤隆自由民主党

○内藤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗