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53回国会参議院1966/12/20

予算委員会 第3号

発言数
54
登壇者
11
会派数
1
開催日
1966/12/20

会議録

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠互選についておはかりをいたします。  理事が三名欠員になっておりますので、その補欠互選を行ないます。互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に新谷寅三郎君、日高広為君、亀田得治君を指名いたします。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、昭和四十一年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十一年度特別会計補正予算(特筆1号)、昭和四十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長及び理事打合会におきまして、本補正予算三案の取り扱いについて協議を行ないました要旨について御報告いたします。  審査は本日中に終了することとし、質疑時間の各党派への割り当ては、自由民主党及び社会党はそれぞれ五十分、公明党十五分、民主社会党、共産党及び第二院クラブはそれぞれ五分といたしました。質疑順位は、社会党、自由民主党、社会党、自由民主党、公明党、民主社会党、共産党、第二院クラブの順といたしました。  以上、御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう取りはからいます。  それではこれより質疑に入るのでありまするが、自由民主党を除く各党派よりは質疑の通告がありませんので、順序を変更して通告のありました方から質疑を行ないます。梶原茂嘉君。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 先日、総理の所信表明演説の冒頭で、政治姿勢に対しましまする総理の所信をお述べになったのであります。私はまずこれらの問題につきまして総理の御所信を承りたいと思います。  今期臨時国会は開会以来正常な姿を見失いまして、現に本予算委員会におきましても、ただいま委員長の御報告のありましたとおりに、与党の委員だけで、きわめて重要な補正予算案の審議をせざるを得ないということになったわけでありますが、このことはやむを得ないことではありましょうけれども、まことに遺憾なことと考える次第であります。同時に、国民の要望いたしまする国民生活に重要な関係を持っておる案件が、国会におきまする多数の意見にかかわらず、国会の場においてそれを実現することができないといたしますれば、これは本質的に正常な議会民主政治の姿とは言い得ないわけであります。したがいまして、世上、いわゆる単独審議ということに対して批判がありまするけれども、そうして、そのこと自体は決して正常な姿とは思いませんけれども、民主政治の本質から見まして、国会における国会法のルールに従って、多数国民の支持のもとに、国会における多数の意見によって重要な案件を処理していくこと自体は、私は国会の持っておる当然の責任の遂行であって、あえて単独であるということ、そういう形だけで簡単に批判されるべき筋合いのものでなかろうと、かように考える次第であります。総理の御所見を伺いたい。  なお、二院制度のもとにおきまする参議院のあり方なり、参議院の性格から見まして、国会運営の場において当然その自主性が尊重せられていくことは申すまでもないことでありまして、特にこういう状況における国会の姿において一段と参議院の自主性、と申しますか、は尊重せられてしかるべきと、かように考えるのであります。これらの点につきまして、総理の御所見を伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。ただいま臨時国会が開かれて、これは通常の状態でない、平常の状態でない、確かにそのとおりであります。野党の出席しないまま審議が行なわれる、これはまことに異常なる国会の姿ではないかと思います。私はそういう意味で、たいへん残念に思っております。ただいまもお話がありましたように、議会制民主政治、そのもとにおきまして十分論議を尽くす、これが衆参両院議員の国民に対する責務だと思います。国民は議会制民主政治のもとにおきましては、その論議を通じて各党の主張を十分聞くことができ、同時にまた議がまとまって——議決されて、初めてそれに対する批判も加えることができると思います。今回のように一堂に会して論議をかわすことができない、まことに私は残念に思います。しかし、これは百方手を尽くしましたが、十分の協力を得ることができなかった、万やむを得なかった次第であります。国民各位におきましても、やむを得ない事態だと、かような意味で御了承いただけているものだと思います。私はただいまの梶原君のお話にもありましたように、議会制民主政治のもとにおきましては、論議を尽くすためにルールが尊重されなければならない。ルールのないところに会議は成立いたさないのであります。今日どういうわけでこの異常なる国会が現出したのか、かように申しますと、野党の諸君の申しますところは解散の時期を明示しろ——これが詰まるところの結論であります。解放を明示しない限り審議に入らない。これが野党の主張だと、かように私はとっております。国会審議においての解散という問題、これはもちろん大事な問題でありますし、ことに佐藤内閣といたしましては、いままで国民の批判といいますか、審判を受けておらない、こういう意味で解散は早晩行なわなければならない。ことに来年の十一月まで私どもの任期はありますけれども、その間におきまして適当な時期に解散は行なわざるを得ない、かように私も考えていたときであります。しかしながら、解散の時期を明示しろ、そのためにこれができなければ出席しない、あるいはこれを明確にしなければ辞表を提出するとか、こういうことは、私どもの納得のいかないところであります。(「そのとおり」と呼ぶ肴あり)国会のルールといたしましては、意に満たなければ堂々と内閣不信任を出して、そうして国会の場において決するということはあります。しかしながら、ただいま申すような審議に入らない、解散の時期を明示しないから審議に入らないのだ、こういうようなことはいまだかつてないことでございます。また、いまだかつて——自分たちが辞表を提出して、そうして国会の機能を停止する、だから解散の時期を明示しろ、これは私納得のいかない問題であります。私は今日、単独あるいは野党が出席しないままただいま審議するということは、まことに残念しごくでございますが、今回は、ただいま申し上げるような事態をやむを得なかったということで、国民の御了承を得たいと思います。ことに今回提案いたしております補正予算は、それぞれ国民の生活に直結いたしておる重要な問題であります。年末も差し迫っております。本来野党の諸君は、補正予算の審議、これは一日もゆるがせにすべからず、そういう意味で早期国会の開催を叫んできたものであります。しかし、残念ながら今日までのところ補正予算に対する野党の意見を聞くことができません。しかし、おそらく野党が意見を述べないこと、それ自身は補正予算に賛成しておるものではないかと、私はさように思います。さようなことを考えれば考えるほど、なおさら今回の審議拒否あるいは辞表提出——これはまだ議長の手元に辞表を出しておりませんから、最終的な扱い方がきまったとは思いませんけれども、あるいは各党の委員長までは提出されたというような新聞記事等も出ております。したがいまして、これについての批判はしばらくおくといたしましても、どうも今回の仕儀は私は納得がいかないのであります。私ども大事なことは、議会制民主政治、これを守ること、これを育成強化すること、これを発展さすこと、かように私は考えておりますので、国民に対しましてもこの立場に立ち、しかもただいま提案されております補正予算、これが国民の生活に直結しておる、そういう観点に立ちまして、一日も早くこれを成立さしたいと心から願っておるような次第であります。  また、最後に御意見のありました二院制——衆議院、参議院この二院制についての意見を求められましたが、ただいまの制度から申しまして、衆参両院制度がある。衆議院には解散があるが、参議院には解散がない。もう明らかに二院の自主性が尊重される、そういう立場において国政の万全、運営の万全を期しておるというのがく今日の立法府の二院制だと思います。その点はただいま梶原君の言われたとおりであります。私は全面的に御意見に賛成であります。同時にまた、今日の制度は政党政治である、そういう意味におきまして、あるいは二院制というものについても理解にやや欠くるものがあるのではないかと思いますから、こういう機会にやはり衆議院、参議院、それぞれの特質を生かして、そうして二院制による憲政の万全を期していただきたい、かようにお願いいたします。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 憲法上、国会が国の最高機関とうたわれておるわけであります。これまでの長い間の経過を見ましても、常に最高機関が正常な姿を失ったと申しますか、正常化、正常化ということがしばしば問題になった。このこと自体は、最高機関が不正常の場合が多いということを意味すると思うのであります。もちろん日本の現在の与党野党、政党の性格、体質の間に距離が非常にありまして、国の場あるいは国民全体の場におきまして、お互いの党の接触が非常に困難であるというところに原因があるかもわかりませんけれども、国会が正常な姿を失うということ自体が私は政治不信の起こってくる最大の原因の一つであろうと考えておるのであります。これを払拭いたしまして、議会民主政治を育てていくためにも、私は国会から発する政治不信を払拭する点においては、与党たると野党たるとを問わず、私は党派を越えて忍耐強く協力をしながら不信の念を解消する努力をすべきであると考えておるのであります。総理もしばしば言われるように、これには時間がかかるかもわかりません。しかし、もろもろの政治不信の原因の一つがそこにありとすれば、これはあくまで努力を続けなくちゃならないのであります。  なお、解散につきましての総理の御見解が表明されたわけでありますが、申すまでもなく政党政治におきまして解放ということは、かつては不信任、内閣不信任に関連する場合以外は憲法上違反であるというようなこともあったわけでありまして、これは政党政治における最高の政治だと私は思います。したがいまして、この扱い方につきましては十分慎重に、しかも国民の納得が得られるように、万全の配慮をしていただきたいことを特にお願いをする次第であります。  今回の、現在の政治不信の問題が、主として中央と申しますか、国会の場等にあるわけでありますが、最近地方自治体の関係において、公共団体なり、あるいは地方議会をめぐりまして、これまた政治不信をかもし出すような事柄がしばしば報道をされておるのであります。中央の場と違いまして、地方の自治体におきましては、直接地域社会における住民に接着してそういう事柄が行なわれるわけですから、これこそ現実政治に対する信頼感を失っていくということに必然的になろうと思うのであります。最近におきまする実態等につきましては、自治省においても何かとお調べであろうと思います。その実態をひとつお知らせ願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 自治体の問題につきまして、いま実情は自治大臣から御報告いたしますが、その前に、特にお尋ねではございませんでしたが、私の責務を果たすという意味で、さらに敷衍してお答えをしておきたいと思います。ただいま通常の審議が行なわれていない国会、この責任がいろいろされておる。先ほどは、野党諸君の責任を実は私忌憚なく率直に私の感じで批判をいたしましたが、しかし、ただいまのこういう事態が続く、そのために国民の政治に対する不信が高まるというようなことがあれば、これは実はたいへんな問題であります。どうしても私どもがこれは与野党とも、政府与野党とも一致協力いたしまして政治の信頼を回復し、これを高める努力をしていかなければならない問題であります。ただいまの不信はどういうところから来ているか。あるいは黒い霧だとかようにも言われております。この黒い霧も一つの問題だと私は思います。また、ただいまのように、各人が政治家の責務を果たさない、国民に対する奉仕、これを欠くところにも問題があると思います。私は政治家自身が国民に対しまして国民のために政治論争を展開する、こういうことであってほしいと心から実は願うものであります。そういう意味で政府与野党とも今日の事態をできるだけ早い機会に解消いたしまして、本来の正規の機能を発揮できるように議会にどうしても持ち込まなければならない、かように思って、そうしてあらゆる努力をするつもりでございます。今日まで国会の開会中与野党の諸君が正常化のために努力いたしました。その点は高く評価されてしかるべきだと思います。また、私自身こういうような正常化ができなかったこと、これにつきましても深く反省もする必要があると思います。謙虚にこの事態を直視いたしまして、真に議会制民主政治を守り抜くのだ、こういう観点でこの問題に対処しなければならないと思います。したがいまして、私は、今日まで十分この成果をあげることはできませんでしたが、今後とも引き続いて国会の正常化に努力し、野党諸君とも十分懇談を遂げ、そうして正常化の実をあげて、真の議会制民主政治というものはこういうものだ、こういうものを国民に示したい、かように思います。この機会に、ただいまの次の問題に触れますだけにこの点の私の所感を、所信をそのまま申し上げてお答えといたしたいと思います。  同時にまた、地方自治の問題につきまして、あるいは実情は後にお話しいたすといたしましても、自治、地方自治こそは民主政治の基盤だと言われております。かように考えますと、私どもは、中央地方を通じまして同じように政治の不信を一掃していく、政治への信頼を高める、こういう努力をしなければならないと思います。この点が基本的な問題でありますので、誤解のないように願いまして、中央地方を通じ、議会制民主政治を守る、これを育てていく、この政府の決意を御了承いただきたいと思います。

藤枝泉介自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(藤枝泉介君) 地方団体でいろいろ問題を起こしておりますることは、ただいま御指摘のとおり、地域住民に直結するだけに、よけいに問題が大きいと存じております。  大体、いろいろ問題の起こります態様は、一つは地方議会の役員の選出をめぐっての問題であり、もう一つは、たとえば国会議員等の選挙に関連して地方議会の議員が選挙違反を犯す——大量に犯すというような問題、もう一つは公務員の綱紀の問題であると思います。  根本は議会人としての自覚に徹するということと、綱紀の厳粛を保つということだと思いますが、たとえば役員選挙にからんでは、非常に短い期間のたらい回しが行なわれる、一年間で議長がかわるというような議会運営の問題がこういう問題を引き起こす原因になっているというようなところもございます。こういう点については十分適切な指導をいたさなければならないと考えておるわけでございます。  また、選挙にからんでのことは、これはもう当然に選挙を、粛正と申しますか、正しい選挙を行なうような、特に集団的に議員が選挙違反を起こすというようなことのないような指導をいたしていかなければならないかと存じておりますが、さらに実態を調査いたしまして適切な指導をいたしたいと存じております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 総理も言われましたように、民主主義にいたしましても、特に民主政治を育成していく上において、中央もさることながら、地域社会における実態に即してそこから育成の基盤が私はでき上がっていくと思うのでありまして、格段のひとつ御考慮をお願いしたいと思います。  それから政治に対する信頼感がそこなわれていくと申しますか、そういう現象が濃くなっていく上においてはいろいろ原因があろうと思います。その一つは、政治の面であるいは行政の面で、責任の所在が往々にして不明確になるということが一つだと思います。民主政治の時代において特に政治責任、責任の所在が常に明確であることが肝要であろうと思うのであります。  たとえば、これは一つの問題だけを取り上げただけでありますが、最近、これまででありますが、政策を立案する場合において、あるいは重要な政策が行政面において実行される場合におきましても、調査会なり審議会というものが設けられ、現在相当たくさんな審議会方式が採用されておるわけであります。御承知のとおりであります。ところが、その審議会に関連する責任が、これはきわめて不明確な場合が多い。責任の所在がはっきりしない。場合によれば、そういう場が責任転嫁の場になるというようなことも見受けられるのであります。この審議会方式というものは別に憲法上に根拠があるわけでもない。行政庁は国会に対して責任を負う。国会は国民に対して責任を負う。はっきりしているのでありますが、ある問題が審議会にかかる。そして多くの場合においてその結論なり答申は尊重されるべきである、尊重するというたてまえをとられる。そうなってくるというと、行政庁の長官の責任というものは一体どこにあるか。不明になる場合も往々にしてあるわけであります。と同時に、その審議会の運営なり動き方いかんによっては大事な行政が進行をとめられると申しますか、動きがつかないというのですか、そういう羽目におちいる場合もある。そういうところから、何かと国民が首をかしげると申しますか、不信の念が起こってくるということも往々にしてあるようであります。これはやはり政治姿勢を正していくという意味からも、こういう制度の何と申しますか、検討を私はする必要があろうかと思うのであります。もちろんだんだんと行政事務も専門的になり、複雑な要素が多くなってまいりまするから、そういう審議会方式と申しますか、そういうものの必要性と価値と申しますか、それは十分私も認識をするのであります。それは必要だと思うのであります。しかし、それをめぐって往々にして不明朗な事態になることをなくさなくちゃなるまい、こういう観点で質問をするわけであります。総理のひとつお考えを承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 基本的には、ただいま御指摘になりましたように、それぞれが責任の所在を明確にしてその責任を遂行する、そういうことでなきゃならぬと思います。  それに関連しまして、どうも調査会や審議会が多いじゃないか、こういうお話でありますが、もちろん一部の独善はこれは民主政治のもとにおきまして慎まなければならない。いわゆる官僚独善というものは排撃する、こういうところから審議会あるいは調査会というものが生まれてきたと思います。しかし、やや行き過ぎではないか。そしてそれが、ただいま御指摘になりましたように、責任転嫁と思われるようなこともときに出てくる。これはよろしくないじゃないか。そこで御批判のありましたように、この独善は排撃する、そういう意味で調査会、審議会の調査あるいは審議の結果は十分尊重さるべきだ、かように思いますが、同時に行政遂行の責任は一体どこなのか、これは調査会や審議会ではない、どこまでも行政官庁でございますから、その意味におきまして行政官庁が責任をとっていく、こういうことであって、そうしてその責任をとる過程におきまして万全を期する、各界、各方面の御意見を聞き、また、そういう意味の専門家の意見を十分尊重する、こういうのが今日の制度であります。  また、ややお尋ねからは違うかわかりませんが、調査会、審議会が非常に多くなっておりますので、いつも行政制度調査会等におきましては、これを整理しろということがいわれております。こういう点もあわせまして、政府におきましては十分検討していく考えでございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 次に、補正予算に計上されておりまする案件に関連して質問したいと思いますけれども、政治姿勢の問題は、政治に関係する者の心がまえが問題の本質であると思いますけれども、同時に、個々の政策自体にやはり姿勢が正されてなくちゃならない、かように私は感ずるのであります。そういう観点も加味しながら伺うのでありますけれども、第一は、公務員のベースアップの問題であります。御承知のように、春になりますると、総評を中心に賃金アップ闘争が展開されるわけであります。続いてその総評の春闘相場ができ上がりますると、その相場を一部加味しながら人事院の公務員に対するベースアップの勧告が出される、そうしてその勧告に関連して、実施時期をめぐっての一つの闘争と中しますか、そういう姿が展開される、ちょうどその辺で生産者米価の引き上げの動きが非常に激しく展開される、このところ毎年そういう状況を繰り返しておるわけであります。いずれも日本の政治の上におきましても、経済、社会の一面におきましても、大きな影響のある大事な事柄であります。それぞれ関連がないようであるけれども、一脈の関連を持っておるわけであります。その中で公務員のベースアップ、給与の制度でありますが、公務員の立場から、その給与のベースが民間給与ベースと均衡を保つということは私は当然のことであろうと思います。また、公務員の置かれておる立場から、中立的な性格を持っておる人事院制度があることも、これまた適当なことだと考えます。しかし、本来、公務員の給与というものをきめていく責任は、これはやはり政府それ自体にあるのじゃないかと思います。通常予算が編成されてそれが実施に入る段階から、すでに新しい年度における公務員各位の給与ベースというものを不安定な状況に置き、そうして八月に勧告が行なわれて、ことしは六%ですか、実施時期についての争いがあって、ことしは九月に遡及するということになっているわけでありまして、それが秋の末から、現在この臨時国会で審議をしておるわけであります。こういうことを毎年繰り返すこと自体が、私は検討を要する大事なことだと思います。これは人事院の調査なり勧告の時期について検討するなり、あるいは政府自体が、通常予算編成の場で新しい会計年度における給与について特別のひとつ配慮——配慮と申しますか、そのときにそれを取り上げてゆとりのあるといいますか、予算を組むなりあるいは特別に留意した予算をつくるなり何らか私はくふう、検討をすべきじゃなかろうか。かりに財政上許せば現在九月に遡及するというのが五月に遡及するということも私はあり得るだろうと思います。それが十一月から十二月の臨時国会においてきまるとすれば、公務員の給与が八カ月バックペイの形になるということになります。こういうことは決して正常な姿じゃない、正しい姿勢じゃないと私は思われるのであります。特別の場合はそういうこともありましょうけれども、したがって、こういう制度につきましては、政府としても十分これまでも検討されたことでありましょうけれども、政治の姿勢を正す意味でさらにひとつ改善の方法を検討をしていくべきものだと、かように思いまするけれども、ひとつこれは総務長官なりあるいは大蔵大臣からひとつ御所見をお伺いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 非常にごもっともな御意見だと私どもも思っております。五月からさかのぼって実施するという勧告を八月に出される、そうしますというと、ほとんど当初予算にさかのぼって何百億という公務員給与の支払いを要請されるということになりますので、これは国だけではなくて地方財政にとりましても大きい問題で、まあいろいろな困難を伴っておることは事実でありますので、何とかこのあり方は変えたいということで、長い間政府の中でも研究してまいりました。特にことしの三月になりまして、本年の三月に関係閣僚と人事院総裁が入りましていろいろこの間胆の協議をいたしまして、論議されましたことは、まず一つは、民間給与に追随するという従来の人事院方式をやめて、公務員の給与については政府は独自の決定方式というものをここでつくれないか、そうして当初予算にはっきり組んで四月から給与の改善をやる方法はないかということがまず一つでございます。それから、もしそれができないならば、勧告の時期、実施の時期についてのくふうはないか、たとえば八月を基準ぐらいに調査して、十一月、十二月ころに勧告を出してもらう、そうしてこの勧告に沿って政府は来年度の予算にこれを盛って四月から給与を上げる、その場合に、前年度分も加えて四月からこの給与改定をするというようなことにすれば予算の編成もある程度合理的にやれるという方法、それからもう一つは、どうしてもそれができないとするなら、現行の勧告でもいいが、あらかじめ予定をして予算を組まなければいけませんので、これはたいへんなことで、政府がかってにベースアップの予定をして予算に組むということも問題が大きゅうございますので、この点に合理的なくふうはないかというような、もっぱらそういう三つの問題を中心にして論議しましたが、とうとう今年度は良案が得られない、さしあたり四十一年度は従来どおりにやる、四十二年度からもう一歩、関係者で真剣にこれは考えようじゃないかということで、会を閉じていることになっておりますので、私どもはやはり来年度についても引き続き、この問題の改善策は政府部内で十分検討しなければならぬと、まあ思っておる次第でございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 ぜひ来年度は適当なひとつ正しい姿勢の方針をつくってもらいたいと要望いたします。  毎年補正、臨時国会の補正予算における何と申しますか、お得意の一人でありますが、人事院のこの公務員のベースの問題と食管特別会計への繰り入れであります。これも大蔵省の立場からいえば、当然こうなるのかと思いまするけれども、たとえば現行食管制度で扱いまする扱い量は、年によって多少の差があることは当然であります。それから生産者米価が上がるであろうということも、たとえば来年度の経済の伸び等が経済企画庁におきましても大蔵省においても見込まれるわけであります。そうなるといたしますれば、当初食管特別会計の予算を組むときに、もう少し弾力的な動きのできる予算を組むべきじゃなかろうか、たとえば、生産者米価にいたしましても、当然上がることが想定されておるにかかわらず、従来の価格を基礎にして予算が編成される、そういうことになれば、必然的にこれは補正のお世話になるということになるのであります。こういう点も私は姿勢を正す意味において、検討されてしかるべきじゃなかろうかと思います。特別の場合には、これは当然に臨時国会を開いて補正をするということは当然でありましょうけれども、大体見当のつく事柄については、私はあらかじめそれに対する配慮というものを当初にやっておくべきであろう、かように思うわけであります。毎年毎年こういうことが繰り返されること自体にも政治の姿勢が崩れる一つの原因であろうかと思います。なお、それに関連いたしまして、本年の生産者米価をめぐるあの経緯等から考えまして、生産者米価をきめていく上におけるいろいろの点について、再検討が行なわれるであろうと思います。現在、従来やってまいりましたいろいろの方式もおおむね崩れつつあるのであります。特に米価審議会等も御承知のように、その機能をほとんど失ったままであります。消費者米価はいま、いどころがわからぬような状況であります。そういうところから、やはり政治に対する不信、米価それ自体、生産者米価それ自体が高いとか安いとかいうのでなくて、そういうものがきめられていく過程と申しますか、そういうところに非常な不安感があって、そういうところから米価政策に対する不信感が私は起こっておるだろうと思います。特に農林大臣におかれましては、来年の七月、すぐでありますが、消費者米価の問題もありますし、そういう点につきましては格段の御努力をひとつわずらわしたいと思うのであります。あさってから、いわゆる普通外米が食管制度に関連いたしまして、まあ自由化と申しますか、自由取引に変わるのであります。考え方によりますれば、現在の統制制度に関連して、非常に大きな問題だと思います。これにはいろいろの具体的な問題を包蔵しておるのでありますが、お伺いしたい点は多々ありますけれども、一点だけお伺いしたいと思います。  今回扱われる普通外米のいわゆる自由化というものは、タイとそれからビルマのウルチ米でありますけれども、将来国内におきまする米の需給情勢はいろいろと変化してまいりまするけれども、こういう種類のものはこれは統制の圏外に常に置いておくのか、需給状況いかんによっては、またそれが統制のワクの中に入っていくのか、この点は非常に大事な問題であります。その点だけひとつ伺っておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) お答え申し上げます。  ただいまの米価につきましてでございますが、米価は国民生活や農家経済の安定等に非常に深い関連を持っておりますので、来年度米価決定の基準、段取り等につきましては、十分慎重に検討してやってまいりたいと存じております。  それから、ただいまの外米のことでございますが、普通外米につきましては、同じ米であるという観点から、広い意味で食管制度の対象といたして取り扱うべきものであると考えております。  それから、例の普通外米の流通の自由化を恒久的なものとするかどうかという点につきましては、食管法上の政府の配給責任等の観点と、それから主要食糧の需給状況によりまして判断すべきものと考えておるのでありますが、実際問題として、配給対象とするという事態になることはないと考えております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 なければないんでけっこうであります。しかし、配給の実態に取り入れてきたのは、最近までやってきたのであります。したがいまして、将来もそういうことは私はあり得るんでなかろうかと考えておるわけでありますけれども、政府の御方針それであればそれでけっこうだと思います。  なお、先ほどの食管特別会計の組み方についての御意見を大蔵大臣からちょっと伺いたいと思います。もう少しゆとりをつけたらどうだろうか、こういうことであります。初めに。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 昭和三十四年までは米価がパリティ計算で決定されましたために、比較的翌年の米価を予定することがやさしかった。で、予算米価——見込みの米価をつくって予算に盛っておくことができましたが、三十五年から生産費所得補償方式というものができますと、これをあらかじめ予定するということがなかなかむずかしい問題が出てきましたので、当初予算を組むときには、前年度の米価と同額を一応盛っておくということをずっとやってきたわけでございます。というのは、結局、当初予算を組む前に翌年の米価を決定する方法があればうまくいくんですが、米価は七月になって決定されるのが普通ということになりますので、どうしても予算は一応前年度の米価で盛っておいて、そうして七月に生産者米価の決定を待ったときに、そのあとで、食管の会計の事情その他も見まして、また生産者米価の値上がりぐあいを見て消費者米価を決定する。そうしてそれによって最後にこの食管会計の補正をやるというよりほかに実際上にちょっとやりようがないという形で現在のようなことになっておりますが、なかなか来年の米価をあらかじめ見込んで当初予算を組むということは、御承知のとおりいろんなむずかしい事情がございますので、私としてはやはり、前年度米価を一応もとにして組んでおいて、最後に補正すると——食管会計についてはどうしても補正ということを一ぺんやらなければ、いまの形では切りがつかぬじゃないか。なおよく私ども来年の問題について十分くふうし、研究したいと思いますが、なかなかこの問題はむずかしい問題でございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 総理は所信表明で、不況を完全に克服したと言っておられるのであります。不況が完全かどうかは別として克服されて、安定ルートに進みつつあることは、喜ばしいことであります。にもかかわらず、中小企業の倒産は依然激しいものであります。金融情勢は、大蔵大臣の演説におきましても、相当緩和した。今回は商工中金の増資によってさらにそういう中小企業面における利息の低下も考えられておる。そういう情勢のもとにおいてなぜ中小企業の倒産が絶えないのか、その数字がきわめて大きい。その原因の実態がどこにあるのか。幸い今度通産大臣も、そういう問題につきましては長年苦労されておる方であります。そういうことの実態と、それからそれに対する対策と申しますか、ひとつ伺いたいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 中小企業問題についてお答えしたいと思いますが、御承知のとおり、ことに年末に際しまして中小企業倒産が非常に増加いたしまして、十一月などには六百三十件というような戦後最高の倒産数を見たのであります。  で、一体どういう中小企業が倒産しておるかと申しますと、業種別から申しますと、製造業は大体比較的安定しておるように思いますが、建設業などの増加が目立っておるのでありまして、商業部面では大体前年並みというような状態なのであります。  それから、一体この中小企業が、ことにこの年末景気がいいにもかかわらず、年末にどうして倒産が多いかという原因ですが、原因は大体私は六つあると考えておるのでありまして——まず第一は、この高度成長期以降における需給構造の変化が第一。第二は、労働力の需給の逼迫による人件費の上昇等の構造的変化。一、二は、これは産業の構造的変化と総称してもよいと思うのであります。第三番目は、長期にわたる不景気によって、景気回復に伴わずして収益性が低下しておる、上昇していないという点であります。第四番目は、経営の悪化と焦げつき債権あるいは累積赤字に悩んでおるものが多いということ。第五番目には、この取引面の上からは、親企業並びに金融機関のほうから問題の企業に対しての選別融資をしておるということ。これらの原因によって、一般の景気はよくなっておるのであるが、中小企業は景気がよくならない、その景気の恩典に浴せないというようなことで、最近金融難のために倒産せざるを得ないというものが増加しておるのでありますが、なお、この倒産者の経営者の状況を見ますると、まあ金融難のために融通手形の操作をやって失敗したり、あるいは経理面が非常にずさんであったり、あるいは過大投資等の、いわゆる企業者の経営能力の欠けておるというのが原因になっておると思うのであります。  要するに、商品の需給並びに労働力の需給の逼迫等による産業構造の変化によって、中小企業の生面性がこれに伴わなかったというところに原因があると思うのでありまして、したがいまして、これに対しましては、中小企業の近代化ということにつきましては、本年度の予算におきましても相当な予算を増額いたしましていろいろ手を打っておる。たとえば、中小企業に対しては、特に来年一月から金利を引き下げをする——年二厘の引き下げをするとか、あるいは中小企業の融資額を増加するとかいうようなことを——政府の資金なりあるいは市中銀行資金の増加をやっておるのであります。あるいは中小企業の倒産した場合の関連事業の倒産を防ぐために特別の融資をするとかいうようなこと、あるいは手形のサイトをできるだけ短くするとか、あるいは親企業が下請業者に対しての支払いをよくしてもらうとかいうようないろいろ手を打っておるのでありますが、要はやはり根本的には、この産業構造の変化による、中小企業がそれに伴い得なかったというところに原因があると思いますので、こういう点については来年度、あるいは租税、あるいは資金の面においてできるだけ考慮したい、こう考えておるのであります。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 企画庁宮澤長官にお伺いしたいのであります。  新しく五カ年計画と申しますか、五カ年の経済成長の見通しが策定されつつありますが、それに関連いたしまして宮津さんは非常に重要な発言をされておるのであります。その中で特にお伺いしたいのは、農政上非常に大きな問題でありまする兼業農家に対する取り扱い方であります。私は長官の考え方に多大の関心を実は寄せておるのであります。そのことと、それから初めて物価と賃金の関連の問題が示唆されておるようであります。これも私は非常に大事な問題だと思います。その点と、それから先般の、なくなりました中山物価懇談会の最終レポートに、地価対策が相当具体的に出たのであります。あれに関しまする取り扱い方と申しますか、御所見等もお伺いしたい。  なお、長官としての消費者物価対策に対する大体の構想と申しますか、本年は幸いに五・五%におさまったことは幸いなことであります。新しい年度に対してはどういうふうに考えられておるか、そういうことをひとつお答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) まず最初の農業についてのお尋ねでございますが、従来から何度か立てられましたいわゆる長期計画というものが、農業問題について比較的——どう申しますか、委曲を尽くしていない、弱いということは、御承知のとおりであったわけであります。で、ただいま諮問をいたしまして、経済審議会がいろいろ半年余り作業をしていただいておるわけでございますが、その中間の段階で私就任をいたしまして拝見いたしますと、やはり農業問題についての考え方がもう一つ十分でないように思ったわけであります。つまり、農業基本法を中心にいたしまして自立経営農家をつくるということ、このことはけっこうなことでありますし、また事実上基盤整備、機械化というような形でその仕事は順調に進んでおるように思うわけであります。しかし、御承知のように、専業農家というものは今日ほぼ二割、兼業農家の率がほぼ八割に近い七九%ぐらいになっておるわけでありますから、該当の人々からいいますと、兼業農家のほうがはるかに多い、八−二の割合になっておるわけであります。しかも、その中で、いわゆる第二種兼業が、四〇%をこえて、いまや五〇%に迫りつつあるわけでございます。したがって、農業基本法を中心に自立経営農家の育成をはかるということはもとよりけっこうでありますけれども、現実に八割存在するところの兼業農家をどうするかということは、当面のやはり政策の課題であろうというふうに考えるわけでございます。  農業基本法ができましたときにばく然と考えられておったことは、やがて反別の小さい農家は都会に出て、残った農家がその農地を吸収して自立経営をすると、ばく然とそういうふうに考えられておったようでありますし、また農地管理事業団のような構想も私としてはけっこうなことだと思いますけれども、現実にはそのようなことは当初考えられたようには起こっていない。まあ一世代、三十年たてばそうなるであろうというようなことを言っただけでは、その三十年の間はどうするのかという問題が現実の政治としては残るわけであります。したがって、そのような兼業農家についてわれわれはどういう指針を示すべきかという問題はどうしても避けることのできない問題であろう、こういうふうに思うわけでございます。  で、端的に私の、これは私見でございますけれども——を申しますならば、やはり施策の中心というものは交通網の整備ではないかというふうに考えておるわけであります。つまり、これからあと四輪車の普及率はおそらくは都会よりも農村において高いであろうと思われる。それは、供米代金が一時に入るというような有利な条件であるとか、土地が比較的広いとか、いろいろございますけれども、そういうふうに見通されますので、いわゆる農道、林道までを含めた交通網の整備というものを中心に考えていくべきではないだろうか。その結果としては、農産物の搬出も容易になりますし、また逆に、都会の工場が農村に、労働事情もあって、道路さえよければ入りやすい、いろいろなことがございますが、そういう問題について長期経済計画というものはもう一つ本格的に取り組むべきではないか、こういうことを考えまして、経済審議会にお願いをいたしたわけであります。  それから次に、物価あるいは賃金といったような問題についてでございますが、消費者物価はおかげさまで今年度は経済見通しに示しました五・五%の中側で上昇率がおさまることは間違いないと考えております。これは分析いたしますと、やはり生鮮食料品が——牛肉はこれはだめでございますが、それ以外のものが非常に今年安定しておったということに一番大きな原因がございます。で、そのうち、なぜそれが安定したかということについて、どれだけがいわばおてんとうさまのおかげで、どれだけが人間の努力の結果であったかという分析は実はついておりません。これは明年を卜するのに大事なことなんでございますけれども、分析はついておりません。ともかくもしかし五・五%の内にとどまるということはまず確実だと思われるわけでございます。したがって、明年度は政策努力をさらに続けまして五%以下というところに目標を定めたいと考えておるわけでございます。政策努力といたしましては、従来言われておりましたような、梶原委員御承知のような各般の努力をきめこまかく続けていくということになると思うわけでございます。  それから賃金の問題につきましては、先ほどお尋ねを伺っておりまして、私どもがなかなかめったに言えないことをずばり言っていただきまして、実は胸のすくような気持ちで伺っておったわけでございます。大企業に関する限り、賃金と生産性の問題というものは、やはりまだいわゆるコスト・プッシュがあるということはなかなか言いがたいと思いますし、したがって所得政策というようなものを打ち出す時期ではないと考えますけれども、大企業のそのような賃上げが中小企業に回って、中小企業者がそれを生産性の向上で消せないというのが現状であろうと思いますし、これから長期計画の数年を考えますと、やはりこの問題には何らかの形で触れるほうが適当であろう。ただ、具体的な提言をするにいたしましては、いかにも基礎的な研究資料が足りないのみならず、労使間の信頼感というものもまだ欠けているように思います。ばかりでなく、政府自身が先刻お尋ねのとおり人事院といったようなものをかかえておりますので、十分思い切ったことがいわゆる民間に対して言えないというような負い目もあるわけであろうと思いますが、何かの観点でこれについての基礎研究は必要ではないかと思っておるわけでございます。  それから、地価の問題についてお尋ねがございました。先般の物価問題懇談会でいろいろな提言がございましたが、その中でやはり私は一番問題であろうと思いますのは、いわゆる開発利益、すなわち一地点が開発されましたときにその周辺の地点の地価が値上がりする、その開発利益分は私有財産の対象に考えなくてもいい、これはその土地の所有者の当然の財産の増加であると考えなくてもいいということを言っておる点、それから収用の場合の公共の福祉ということをもう少し広く読んでもいいと言っておる点でございます。これについては、実は法務省あるいは内閣法制局等と従来の伝統的な考え方がございますし、私はそれを一がいに古いと言って批判するつもりはございませんけれども、基本的にそういう観念が受け入れられるということになりますれば、問題はかなり進むと考えますので、まずそれに努力をしたいと思っておるわけでございます。  それからもう一つ、先般土地収用法の改正をお願いをいたしまして、これは目下本院で御審議中でございますが、幸いにしてこれが成立をいたしますと、土地収用の価格が事業認定時の価格になるという画期的な措置がとられることになるわけでございますが、そういうことになりますと、問題の解決に大いに寄与するところが多いのではないか、さように考えておるわけでございます。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 最後に、来年度の予算編成のことで総理及び大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、総理は先般も参議院の本会議におきましても、五兆円以内におさめる趣旨の御発言がありました。そして所得税を中心にする減税については、われわれの受けた印象では、そういう減税についての世論がきわめて強いので、それに対して対処する趣旨の研究はしなくちゃならない、こういうことでありました。おそらく相当の減税を考えなくちゃなるまいと思います。大蔵大臣は一般会計の歳入に占める公債発行額の割合をできる限り圧縮するんだという趣旨の説明をされております。かれこれこれを考え合わせまするというと、来年度の予算の規模はきわめて内容において窮屈になるということは免れ得ないと思います。従来の既定経費の当然増も相当ありましょうし、新規政策に向けられる余地というものはきわめて窮屈になると思います。基本的な考え方として、景気も回復をしてきて、安定路線に乗っかっていく、したがってこの際の予算の規模としては財政金融を通じて中立的な立場をひとつ堅持するという、まあ中立的予算ということを大蔵大臣も言われておるのであります。しかし、こういう実態を計数的にこれから作業に入るわけでしょうけれども……。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 念のために申し上げます。時間が切れております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 考えますると、本来の中立的予算というよりは、その役割りを果たし得ないのじゃないか。むしろ、安定路線に乗っかっていかんとしておる経済の伸びに、ある程度引き戻すといいますか、停とんせしめるというような役割りが結果において出てくるんじゃないか。中立的な立場に持っていくためには、もう少し積極性がないというとそこまで行かぬのじゃなかろうかという懸念を私は持つのであります。特にこれは、まあいまの時点ではっきりいたしませんけれども、場合によれば、予算の実行上と申しますか、若干の空白が時間的に起こるということもあり得るかもわかりません。かれこれそれを考え合わせまするというと、先ほど申しました五兆円以内、公債の発行の割合を圧縮するというふうな考え方で減税が行なわれるということでは、はたして大臣の言われる意味の中立的性格を持たすということができないのじゃないかという感じがいたしますけれども、これは間違いでありましょうかどうか、ひとつ御答弁いただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 来年度の民間経済活動は、私どもは相当今年度よりは活発になると見ております。したがって、民間活動が活発になるときに、公経済活動がこれと競争する形でこれを競うというようなことになるというと、非常に来年は問題が起こってくる。民間が活発になるときには、むしろこちらがそれを調節するという態度が必要であろう、これを中立的態度とまあ申しておるのでございまして、したがってそれとの見合いにおいて、公債発行も比率を本年度よりは落としても、日本の経済活動を阻害するということにはならない、むしろ逆に節度ある調整をなし得るというふうに考えての私どもとしてのまあ考えでございまして、日本の経済が来年この政府の予算編成方針によって縮んでしまうというような懸念というものは一切持っておりません。

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 梶原君の質疑は終了いたしました。     —————————————

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 次に、西田信一君。

西田信一自由民主党

○西田信一君 私は、当面する問題点数点について御質問をいたしたいと思います。  まず第一に、北方農業の確立についてお尋ねをしたいのであります。史上未曽有の豊作にもかかわらず、北海道が三年続きの冷害、凶作に苦吟いたしておりまする姿は、佐藤総理も一日内閣の際に寸暇をさいてごらんをいただきましたので御存じのことでございます。ことしもまた六百数十億の大被害を受けて、その日の生活に苦しむ農民、限度をはるかに越えた農家負債の激増、また国民の税金から支出される九十億に及ぶところの共済金の支出など、あまりにも悲惨な北方農業の姿であります。きのうの朝日新聞に大きな見出しで、「政策不在の北方農業」と題して詳細な記事が載っておりましたが、全く実情に触れておると思うのです。しかしながら、狭いわが国土におきまして、将来国際的な競争力を持ち得る農業経営をなし得る地域というのは、私は北海道以外にはないと、こう考えておるわけであります。いまこそこの冷害を根絶する根本的な対策の樹立の必要に迫られておるときはないと思うのであります。  そこで、若干提案を含めて申し上げますが、北海道地域内における適地適作の農業地域区分をつくる——農業地図をつくるということ、また適経常制度を採用するということ、あるいは畑作共済制度の導入、固定化負債の解消等を内容とする北方農業の特例法というようなものでもこの際制定して踏み切るべき時機であると考えるのでございますが、農林大臣、北海道開発庁長官、総理の御見解を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 北海道の冷害につきましては、私どもも、お説のようにたいへん心配いたしておるわけでありますが、北海道の冷害と申します自然現象から来る制約にもかかわらず、わが農業の果たすべき使命の重大な役割りの一環を現にになっていていただくことは、お話しのように否定することはできないのであります。したがって、いまお話にございましたように、適地適作の農業の本質に照らしまして、特に畑作地域においては気象条件、土壌条件等が劣悪であるために営農上各種の制約を受けまして、農業経営は不安定なものとなっておるわけでございます。このため農林省に北海道南九州畑作振興対策調査室を設置いたしまして、北海道畑作農業振興方策をまとめるべく二年間の計画で調査をただいま実施いたしておる次第でございます。現在の状況といたしましては、予備調査の取りまとめに続いて、畑作経営の実態及び今後の方向等について調査検討を行なっております。この調査結果に基づきまして四十二年度中には畑作農業の振興方策を検討するようにただいま鋭意努力を続けておる最中でございます。

二階堂進自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(二階堂進君) お答えいたします。北海道の冷害につきましては、大体従来も四年ごとに一回ぐらい冷害の被害があるということと承知いたしておりますが、最近——一昨年、昨年、ことに本年、たいへんな冷害による被害を農民が受けておるようであります。これらの被害につきましては、気象条件の影響があるとは申しましても、やはり毎年たいへんな農民がこうした冷害によって被害を受けて非常に苦しんでおるということに対しましては、政府といたしましても、今後やはり抜本的な私は対策を講ずる必要があるのじゃないかと思っております。北海道の開拓を叫ばれましてから百年にもなるわけでありますが、今日依然としてこのような災害から救済ができないことは非常に遺憾であると思っておりますが、北海道の農業をどうするかという問題は、これはやはり内地の農業、特に畑作の振興等につきましても関連がある問題でありまして、私といたしましても、北海道農業のあり方を抜本的に考えてみたい、それがまた内地における畑作農民の対策にもつながるのではないかと考えております。で、三十九年度の冷害対策につきましては、応急対策といたしましては、御承知のとおり、北海道に設けられました災害対策本部、約十八項目にわたる要望が出ております。これらの要望につきましては、もうすでに天災融資法の適用であるとか、あるいは臨時災害に伴う融資であるとか、あるいはつなぎ資金といたしまして自作農創設維持資金の貸し付けでありますとか、救農土木事業等を行なう、もろもろの施策を決定して進めております。特に年末でもありますし、被災者が非常に生活苦しんでおるという実情を私よく受けておりますので、もち代にも困らないような施策を行なって、そうした地域に広くこれらの公共事業が行き渡っていくように指導いたしております。  また、北限農業といわれます農業につきましては、特に稲作の問題であろうかと思っておりますが、これらのことにつきましても、農林省当局と十分連携をとりまして、今後北限地帯における農業をどういうように持っていくかということをまず真剣に検討いたしてみたいと思っております。これらにつきましては北海道開発審議会から二回にわたって建議が行なわれております。これらの意見は十分尊重すべきものも多いようでありますが、ただ、いま北限地帯における稲作が悪いのだということを断定するには少し時期が早過ぎるのではないかと考えておるのでありまして、これらのことにつきましては、現在行なっております農業基盤の整備拡充、あるいは酪農、てん菜を中心とする製糖農業の進め方とも関連がございますので、これらの施策とよく連携をとりつつ、農林省とも打ち合わせをいたしまして、今後やはり毎年こういう冷害で農民が苦しむようなことがないようにいろいろな施策を強力に推進していくことが私は政治ではなかろうかと思っております。そういう心組みでやっております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま農林大臣や北海道開発庁長官がお答えいたしましたので、これで尽くしているかと思います。しかし、私もかつて北海道開発庁長官をいたしました。また、ついせんだって一日内閣を札幌で開催いたしまして、冷害の実情等を視察してまいりました。そこでその感じが出ております。しかし、私が北海道開発庁長官のときはたいへんな豊作でありまして、この豊作なら北海道が今後内地を全部まかなうようになるだろう、こういう非常な意気盛んなときであるようにも思います。しかし、ことしは三年引き続いての冷害、その三年目でありますだけに、農村の方々がたいへん困っておられる。しかしながら、農民諸君はなお意気盛んでありまして、ほんとうに頼もしく実は感じたのであります。  そこで、ただいま二階堂君からお答えいたしましたように、政府といたしましては、応急の対策、同時にまた恒久的対策、この二つに分けて対策を講じようといたしております。応急対策といたしまして、今日日常の生活にも困っておられるという面もございますので、救農土木その他もこの際に取り上げまして、そうして社会問題を引き起こさないように対策を立てておるわけであります。しかし、同時にまた恒久対策といたしまして、その三年にも引き続いての冷害、しかも、なかなか自然現象に対しては私どもも力が及ばない。そこをよく考えまして、基本的な対策を立てるべきだと考えます。  ただいま御説明いたしましたように、北海道開発審議会からも二回にわたる建議も出ております。しかし、私、この建議を通じて見ましても、まず第一は、米作というものに対する国民の関心から申しまして、簡単に北方極限をきめるわけにもいかないのではなかろうか。しかし、これから米作をするというような開懇地につきましては、これは慎重に扱うべきだと思います。したがって、農業地図を作製しろ、これはごもっともな話だと思う。この農業地図を作製いたしまして、そうして無理でない適地適作を奨励することが必要だと思います。同時にまた、北海道では内地と事変わりまして、畑作にいたしましても、また水田にいたしましても、また牧畜等にいたしましても、すべてが大型化されつつあります。私はこの土地で近代農業あるいは機械化、これを進めていくにたいへんいいモデルケースじゃないかと実は思うのであります。そういう意味の取り組み方が必要だと、したがってこれが機械化され、高度拡大化されるという、そのための技術的な指導もさることですが、融資の面におきましても、内地のような構想の融資ではいけないんだ、金額もよほどふえてきておる、かように思います。機械化も非常に拡大される、かように思います。したがって、開発審議会が答申しております金融制度についての基本的な考え方をしろ、これはぜひ検討し、またこれを実施する、それに値するものだと思います。今日までの救済、三年も引き続いて冷害でございますから、この救済がかさんだ、そういうものをいかにするかという問題であります。また、今後農業の大規模経営をする、そういう方向でこれと取り組む場合の融資方法、これは考えられてしかるべきじゃないかと思います。この点が農民諸君が特に要望していた点でありますので、私はその点を十分検討さすつもりでございます。  それからもう一つは、何といいましても、あの広大な地域ですが、畑作の奨励です。建議のうちにも出てきておるように、畑作というものが今後どういうようになりますか、北海道の畑作、これは特殊なものでありますから、てん菜をはじめ、あるいは豆あるいはバレイショ等々、特殊な畑作が発達いたしておりますので、これらの点も十分考えてこれに対する対策を立てたいと思います。要は、いままでの資料が全部整っております。それで、新しいものとして、現在までの救済あるいは過去のものの始末の問題、それから現状において困っておる農民の生活を確保する問題、そういうことと同時に、将来にわたる長期的な展望に立って、どういうように北方農業はあるべきか、こういうことをひとつ積極的にやりたいと思います。私もわずかの間ではありましたが、草地開墾などを手がけたのでありますが、ようやくそれらも実を結びつつある、かように思いますが、今後は、ただいま申し上げるようなそれぞれの区分に従って十分に効果があがるようにしたい。何ぶんの御協力をお願いしたいと思います。

西田信一自由民主党

○西田信一君 この補正予算にも石炭関係の予算が若干盛られていまして、政府の石炭問題に取り組む姿勢はその片りんが示されております。  そこで簡潔にお尋ねいたしますが、石炭鉱業の安定対策について政府はすでに閣議決定を行なっておられまして方針がきまっておりますが、これらの問題がどのように具体化の方向にあるかということをまずお尋ねをいたします。それから、当然その一環として石炭対策特別会計というものが考えられておるわけでありますが、その収入と支出の目途、これがきまったのかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。同時に、その財源の見通しについてひとつお伺いをいたしたいのでございます。そこで、私は石炭に関連して離職者の問題、あるいは産炭地の問題等がございますけれども、これは要するに、昔は石炭の山に働いた人、いわゆるこれは現在失業中の人であり、これは産炭地と申しましても旧産炭地でございますから、石炭対策の本質的なものではないと思うのであります。こういう意味から申しまして、石炭対策は、その効率的な効果を得るために、ぜひともこれらは別に考えていただいて、特別会計と別途の考えで処理していただきたいという希望を持っておりますが、こういう点についてどのようにお考えでございますか。  それから石炭鉱業は、過去におきまして非常に大規模な急激な閉山ということによって非常に今日の苦難を受けておるわけでありますが、将来この閉山対策についてもっと万全を期する必要があると思いますが、こういう点についてのお考え、それから、安定的な生産体制をやるためには、どうしてもおくれておるところの抗道掘進等の助成措置を講ずべきであるというふうに考えておりますが、こういう点についてどのようにお考えになるか、通産大臣と大蔵大臣からひとつお答えを願いたいと思います。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) まず最初に石炭産業に対して政府のとっておる根本策について申し上げたいと思います。御存じのとおり、石炭鉱業審議会におきまして答申が出まして、八月の閣議で閣議決定いたしまして、この答申案を強力に実施するということに相なっておるのであります。石炭産業というものが日本の経済に対して重要な役割りを演じておるということは、もう皆さん御承知のとおりでありまして、たとえば、明治以後における日本の産業というものは石炭資源が日本にあったればこそあれほどの産業の発展を見たと思いますし、また、終戦後日本の産業が復興したのも、この石炭産業のおかげであったということが言えるのでありまして、政府といたしましては、傾斜生産方法をとりまして、石炭産業に多くの資金を投じて、そして石炭の産出額を増加いたしたのでありますが、御存じのとおり、昭和三十年ごろから、エネルギーの革命によりまして、石炭の需要というものがだんだんと減ってまいったのでありますが、しかし、石炭産業に対しては、やはり日本の基幹産業でありまして、これをどうしてもやはり確保しなければならない、また、国際収支の関係から見ても一定量の石炭を確保しなければならぬということで、大体五千万トン、あるいはできればそれ以上の石炭を確保して、そうしてそれが毎年需要のできるような方法を講じたいということで、御存じのとおり、あるいは製鉄、あるいは電力には無理やりに石炭を使用さしてその差額は政府が補給するというような制度も昭和三十六年以後からとっておるのでありまして、そういうことで五千万トンはどうしても確保したいという根本方針で今後の石炭対策を進めていきたい、こう存じております。そこで、石炭対策につきましては、承御知のとおり、特別会計を設けておりまして、この特別会計は原重油関税のうちの一定部分をそのまま特別会計にいたしておるのでありまして、来年度は大体五百億円と決定いたしております。  そこで、いまお話しの離職者の対策あるいは産炭地の振興費等はこの特別会計の中に含めていくべきかどうかということについて御意見があったのでありますが、これらにつきましては、この財源との関係もありまするし、あるいは制度的の問題等もありますので、目下政府部内において慎重に考慮いたしております。さように御承知を願いたいと思うのであります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) お尋ねの財源措置でございますが、いま原重油関税の収入のうちで、また、従来のいきさつから見て石炭対策の財源と見られる昭和三十五年四月以降の原重油関税の引き上げ分、これを財源として特別会計を新たにつくったらというその方向で関係省にお願いしておりますが、そうだとすると、相当の財源措置ができるというふうに私は考えております。

西田信一自由民主党

○西田信一君 大体の御答弁をいただきましたが、若干閉山に対する対策とかあるいはまた生産体制強化のため、坑道掘進等に積極的に取り組んでもらいたいということに対して御答弁がなかったように考えます。通産大臣ひとつ。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 答弁漏れをいたしまして恐縮しております。  閉山対策などは抜本策の中に含まれておるのでありまして、これは来年度からの特別会計の中に当然含まるべきだ、こう考えております。  掘進の問題につきましては、本年度の予算に計上いたしておりますので、能率の悪い山は閉じてもらって、能率のいい山はどしどし採掘していくという方針でいきたい、こう考えております。

西田信一自由民主党

○西田信一君 石炭対策は非常に重要な課題でございますので、ぜひとも十分な措置ができるような財源措置等も十分御検討いただきたいということを希望申し上げましてこの質問はこれだけにとどめておきます。  次に、地価対策についてお尋ねをいたしたいと思いましたが、先ほど梶原委員から御質問がございまして、大体その問題に触れられました。あえて答弁はいただきませんけれども、わが国の都市人口は現在五千万人といわれておりますが、ある人の推計によりますと、二十年先には一億になるだろうというようなことさえいわれております。そして都市の形成や開発にはばく大な資金がかかります。この資金はどこから出ておるかといえば、ほとんど国並びに地方自治体がこれを負担しておる。言いかえれば税金で負担しておるということになるわけでございます。そして、その都市開発なり都市膨張の結果はどうかといえば、その周辺の土地所有軒が非常にばく大な余慶を受けるということになるわけでありまして、やや不合理な点があると思うのであります。これらの点について、物価問題懇談会がかなり積極的な具体的な提案をされておりますので、ぜひとも、この物価という立場において地価の問題は重要であるという意味で、私からも希望を申し上げておくだけにとどめます。  続いてお尋ねをいたしたいのは、いま申しましたように、都市に対する人口移動が非常にひどい。都市人口の過度の膨張というものがほんとうに目立っております。その反面に、日本の大部分の地域が人口流出で苦しんでおる。人が減るために非常に苦しんでおる。しかも、その速度がだんだんひどくなってきておるということで、私はこの前もこういう問題に触れて質問いたしましたが、非常に、放置いたしまするならば、何か不具な日本の姿が将来できるんじゃないかというふうに懸念するわけであります。このことは、あるべき日本の産業、あるいは経済、人口の適正分布という立場から申しましても、あるいはまた地方行政水準の維持というような問題、あるいは過大都市が、人口がふえることによって非常な悩みを持っている。過大都市の抑制という観点からも見のがせない問題と思うわけでございます。そこでお尋ねいたしたいのは、まず経済企画庁長官にでございますが、いま長官の手元において審議会等においても検討されておりますが、新しい新経済計画というものが策定の段階に入っているようでございます。この中におきまして、私は当然こういう問題を取り上げられるべきであり、また、しかるべくこの解決を、こういう長期計画の上においてはかっていくべきであると思うのでございますが、そういう点についてどのようなお考えをお持ちでございますか。また、通産大臣も新しい工業立地政策というようなものをお考えのようでございます。しかしながら、その内容を拝見いたしますと、こういう問題を解決処理するためには、なお隔靴掻痒の感があるというような気がいたすわけでございます。こういう点についても、ひとつ通産大臣の御意見も伺っておきたいと思いますし、また総理からも、こういう非常に大きな問題でございますので、都市の過度膨張をどうして防止するか、地方の人口流出をどうして食いとめるかという問題について、ひとつお考えを聞かしていただきたいと思います。

宮澤喜一経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる過疎地域の問題でございますが、この問題の対策は二つに分かれるわけでございます。すなわち、現実にある過疎という状態に対しての公共施設その他をどういうふうにやっていくかということと、次に、その過疎という状態をどういうふうにして改善していくかという二つの問題があるのであろうと思います。前者の問題につきましては、地域経済計画調査調整費というものがありまして、これを使いましてただいまそのいわゆる過疎地域における公共施設の整備がどういう状況かということを調査いたしているわけでございます。具体的にはお医者さんの問題でございますとか、教育施設であるとか、あるいは防災、災害の防除でございますが、そういったようなものがどうしてもおろそかになりやすい。その実態を調査して、それにいかに対処すべきかという問題が一つでございます。それから、過疎地域をどうすれば解消できるかということは、御承知のように、新産都市でありますとか、あるいは低開発地域の指定でありますとか、拠点開発方式というものを従来からとっているわけでありますが、そのほかに、農業でありますとか、畜産であるとか、あるいは蔬菜の生産であるとか、観光であるとか、そういったようなものを盛んにしていって、過疎地域を解消する。そういう二つの対策をいま考え、進めておるわけでございます。それから、長期計画といたしましては、全国の総合開発計画というものがだいぶん古くなっておりますから、これを練り直すような形で対処する、そういう考え方をいたしております。

菅野和太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(菅野和太郎君) 過密都市などに関連して、新しい工場立地の問題についてお尋ねがありましたが、通産省でその法案をいま立案中でありますが、御承知のとおり、もう大都会では工場を設けることもできないし、また商業自体も都会内ではできないというような実情になっております。したがいまして、商業団地あるいは工業団地というものを設けて、市内の工場を市外に移すとか、あるいは卸売り業者を団体的に市外に移すとかというような方策をとっているのでありまして、このような問題につきましては、これは通産省ばかりではなく、建設省その他各省とともに相談をしてやるべき問題だと思いますので、今後は各省とも連絡をしてこの問題の解決に当りたいと存じておる次第であります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま過密都市の問題についてお尋ねがありました。お答えいたしましたように、政府自身がまんべんなく国内を開発する、こういう立場に立ちまして、各地の地域開発ももちろんいたしますが、あるいは新産都市であるとか、あるいは工業団地であるとか、あるいは学園都市をつくるとか、等々の施策を進めております。しかしながら、近代産業、あるいは近代文明の一つのあらわれとしての都市集中の弊、その傾向、これはなかなか、ただいま申し上げるような諸施策をとりましても、そう簡単に解決はされないのであります。したがいまして、地方分散とあわせて、過密都市対策、都市の再開発、こういう立場で住民の生活の向上、充実をはかっているというのが現状でございます。

西田信一自由民主党

○西田信一君 いろいろ施策は講ぜられておっても、なおかつ、こういう現象がひどいわけでございます。それで、私はこういうぐあいに考えるわけでございますが、いろいろそういう施策をやっていただいておりますが、なぜ人口がそういうふうに流れるかといえば、やはり水と同じように、水は低いところから高いところに決して流れていかないが、人間や何かも、人間が流れてくるということは、産業がやっぱり流れてくるという意味にも解釈できると思う。したがって、これはもう経済の原則で、もうやむを得ないことであるといえばそうでありますけれども、それでは、日本のあるべき将来に好ましくない姿が生まれてくるというふうに考えられるわけであります。したがいまして、新産都市とか低開発地域とか、いろいろな施策がございますけれども、もう一歩、やはり何といいますか、そこに住みつく、仕事を起こすという魅力というものを持たせる必要があるであろう。それにはもう一歩進んで、ただ新しい、技術的なと申しますと語弊があるかもしれませんが、開発、つまり企業環境をつくってやるということに加えまして、やはりもう少し税制上あるいは金融上、財政上、そういうようなものを加味してやって、そういうところでもどんどん企業が起きていき、そしてその人口もそこに逆に流れていくというぐらいの積極的な姿勢というか、政策というものが必要ではないだろうかと、こういうふうに私は私なりに考えておるわけでございますが、そういうような積極的なお考えを持っていただくことができないであろうか、こういうことについて、たいへん恐縮でございますが、もう一度……。

宮澤喜一経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともな仰せだと思います。税制上では、低開発地域に指定いたしますと、一定の恩典がございます。で、おそらく金融上と言われますのは、たとえば、これは思いつきで申すわけでもございませんけれども、もうひとつ具体化をしなきゃならぬと思いますが、たとえば、かりに北海道東北開発公庫といったようなものがございますが、いろいろな貸し出しをいたすわけでございますが、その直接に貸し出しをいたしますのもよろしゅうございますが、そういう特定地域の金融機関の貸し出しの金利を、むしろそういう特定の機関である程度見る、直接貸し出すかわりに、一般の金融機関の貸し出しの金利軽減をはかるといったようなことは考えられないか、たとえばそういうことであろうと思うのでございます。いま御指摘がありましたので、そういうふうに考え、なるほどということを考えたわけでございますが、検討するに値する問題じゃないかと私は思います。

西田信一自由民主党

○西田信一君 ぜひ御検討願いたいんでありますが、まあ私は、やはり、いまお触れになりましたけれども、たとえば企業に対する政策金利というものがございますが、あるいは地域的な政策金利というようなものも考える余地があるんじゃないだろうか、あるいはまた企業に対しまして、これは進出する企業に対して、もう少しやっぱり税制上の優遇措置を考えてやるという余地もまだ残っているんではないだろうかというようなこと、もろもろの政策があれしまして、初めて地方開発も緒につく、新産というものも相当効果あげておりますけれども、まだしかし十分な効果があがっておらぬという半面に、そういう点ももう少し配慮する余地があるんじゃないだろうかというような気持ちも持っておるわけでございまして、ぜひとも、ひとつそういう点について抜本的な御検討をお願いしたいということを希望申し上げておきます。  次に、この経済の見通し、これは来年度予算編成にも触れる問題でございますが、大体の政府のお考えを伺っておりますけれども、なお念のためにもう一度お伺いしたいと思う。政府は不況克服と物価の抑制ということをまつ正面から取り組まれました。そして積極的な政策をお示しになりました。その結果といたしまして、わが国の経済は、昨年の秋の不況の底入れを契機といたしまして、景気回復の段階に入ったことは、これは何人も認めるところであります。そしてまた、ことしの十月には、年度当初七・五%と見込まれました成長率を、これを八・七%に改訂されるというところまで至ったわけであります。さらにまた、総理のお話によりますと、今年は九%ぐらい、まだこの補正予算等によりましても需要増加が考えられますし、九%ぐらいにも達するであろうということも想像できるわけでありまして、要するに予想以上の上昇拡大をしたということにつきましては、何人も異論のないところであると思うのであります。  そこで問題は、今後の見通しいかんでございますが、これにつきましては、世上にいろいろな見解、見方があると思います。ごく大まかに申しますと、一方の極におきましては、景気過熱の警戒論があると思うわけであります。また、他方の極には、景気短命論というものも一部にあると思います。また、その中間にさまざまな見方があると思うのでございます。一口に景気過熱警戒論といいましても、設備投資が非常に旺盛になり過ぎて、景気を過熱に導いていくのではないかという心配をされる方もある。また、物価が非常に上昇するということを心配される、懸念する人も相当これはございます。あるいはまた、国際収支の悪化を招くのではないかというような心配をする方もある。いろいろございます。また、いま一つには、景気短命論でございますが、これはデフレ・ギャップがまだ完全に埋まっておらないというような考え方で、設備投資の盛り上がりは見えておりますけれども、まだ本格的な盛り上がりを見ておらないというのが今日の状況である。したがって、ことにことしは、本年度は財政の繰り上げ支出等によって非常に効果をあげたわけでありますが、年度のおしまいのほうになれば、だんだん先細りになることは必至でありますが、これと来年の財政支出とうまく結びつくかどうか、財政支出が先細りになれば、景気の上昇も比較的短命に終わって、景気は停滞ぎみに推移するのではないかというような心配をされる向きもないわけではない。  それからまた、日本は非常に、まあアメリカの十分の一くらいの国民所得しかなかったわけでありますが、非常にここ追いついてまいって、アメリカの四分の一くらいの国民所得まで日本は成長したわけです。日本経済、国民の総生産あるいは国民所得が、世界の先進国にだんだん迫っておることは事実でございます。将来ヨーロッパを抜こうとするぐらいの勢いを持っておるわけでございますが、こういうような将来の長期的展望に立つ場合において、その飛躍に備えて、いま少しく、何といいますか、積極的な有効需要政策を必要とするのではないか、こういう見解も一部にはあると思うのでございます。当面の経済情勢と、来年の予算編成の規模につきましては、すでに去る十五口の佐藤総理の所信表明でも十分うかがえました。また、水田大蔵大臣の演説によりましても明らかに、先ほども御質問に答えられましたが、なっておるわけでございます。今後における経済の動向、ことに来年度の経済動向につきましては、私がいま申しましたような、いろいろな世論があるとかりに仮定いたしまして、どのような基本的な見解をお持ちになっておるのか。  もちろん、来年度経済の見通しにつきましては、これから経済企画庁等で綿密な作業の上に最終的におきめになることでございましょうけれども、すでにもう予算編成の段階にまいっておりますので、こういう点につきまして、ただいまのようないろいろな見解に対して、一つの政府のお考えを明らかにしていただくことが適当であろうというような考え方でひとつお尋ねするわけでございます。経済企画庁長官、大蔵大臣、それからまた、総理大臣からもひとつお伺いできればありがたいと思います。

宮澤喜一経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 来年度の経済見通しにつきましては、ただいま各省事務当局が作業をいたしておる途中でございまして、最終的な結果はまだ出ておりません。私自身は、その作業を途中でときどき見ております。最終的には政策努力が入りますので、やはり一つの決断が要ることであろうと思っておりますので、その時期はまだ参っておりません。  ただ一般的に考えまして、ただいま西田委員の仰せられましたように、説の分かれるところでございますけれども、私はどちらかと申しますと、先ほど水田大蔵大臣がお答えになりましたような感じを持っておるわけでございます。すなわち、今年は、御指摘のように九%余りの実質成長があったわけでございます。あるわけでございますが、これはもう昨年がほとんど平らでございましたから、そのぐらい出るのはあたりまえだったろうと思うのでございますが、来年このままにいたしておきますと、やはりその程度の高い成長率が出る、あるいはそれよりもっと走りぎみの経済成長が、このままでいきますとあるのではなかろうか。ただいま国際収支全体の姿は、この二、三年非常に改善されまして、いい姿ではございますけれども、走りますと、やはり多少そこに問題が出てくるように思うわけでございます。したがって、これはまだ個人でございますけれども、私の気持ちといたしましては、やはり実質で八%台ぐらいの成長が一番適当なんではないだろうかと、財政も予算編成に際しては、そういう多少中立的と申しますか、あるいは今年度がかなり景気刺激の財政でございますから、それとの感じでは引き締まりぎみな財政を組んでいただくほうが適当なんではないだろうかと、私個人としてはそういう感じを持っておるわけでございます。  それとの関連で、長期の見通しとどういう関連を持ちますかと申しますと、国民生活審議会が試算をいたしましたところでは、十年後にわが国の国民所得は一千五百ドルになるという試算をしておるわけでございます。それはただいまの所得から申しますと、大体二倍でございますが、その二倍を達成いたしますための年率は、たぶん七・一とか二とかいうことで二倍になるはずでございますから、したがって、明年度実質八%台の成長がございますれば、そういう長期的な目標にも十分合うと、こういうふうに考えていいのではなかろうか。これはまだ私個人の見解ではございますが、そのような考え方をいたしております。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま企画庁長官からお答えいたしましたように、大体の政府が見ておる数字的なもの、そういうものはおわかりかと思います。問題は、景気が短命だとか、あるいは過熱するんじゃないかとか、あるいは国際収支がそのうち悪化しやしないか、また、物価がたいへん不安定な状況にならないか、こういういろいろの御心配が一部にあるようです。もちろん、こういう心配の見方に対しまして、私どももこれは謙虚に耳を傾け、そうして注意していかなきゃならぬと思います。  しかし、私がかねて申しますように、一昨年来の不況は、これはもう克服ができた、しかも、公債発行政策という画期的な処置のもとにおいてこれはできたのであります。そうして経済が高度成長——高度とは申しませんが、成長の過程にあるんだ、上昇の機運にあるんだ、これを適当な状況に押えることが私どもの今日の仕事ではないか。ただいまも申しますように八%台、日本の場合は多く九%あるいは八%、この八、九%でないと、経済成長というものを国民がなかなかそれ以下になりますと納得しない。だから相当他の国、外国に比べてみると、いわゆる高度成長、そういうように批判される成長でないと、なかなか国民が納得しない、こういうものがございますが、問題の点では、ただいまのような行き方をことし、あるいはことしよりちょっとというような意味の中立的な予算を組もう、そうして経済をどこまでも安定成長の方向へ持っていこう、これが政治の努力であります。そうして私は、一部で心配した議論がありますが、政府は、今日までの実績から申しまして、今日国民に約束する安定成長、必ずこれは実現さしてみせる、そのつもりで各省庁とも一丸となっております。必ず期待に沿えるんだ、また、沿わなければならないんだ、これは私どもの政治的な責務だと、かように実は思っておりますので、今後特に注意いたしますものは国際収支、同時に物価の動向、この二つに十分注意をいたしまして、そうして民間の活発な活動力、その協力のもとに、りっぱな成果をあげたいと思います。  私は、この機会にもう一つ理解していただきたいと思いますのは、政府は、計画ということばでいろいろなことを発表し、そうして、いかにもそれは政府が計画経済であるかのような言い方におちいりやすいのであります。しかし、それはどこまでも政府は、国家的な統制はいたしませんし、また、いわゆる計画経済もいたしておりません。これは一つの目標であり、一つの指針である、どこまでも民間、産業界の協力によりまして、自主的な努力によってはじめてこの目的が達成されるのであります。その点を特に産業界におきましても理解していただきたい。  私は、ただいま申し上げましたように、節度のある行き方をされるなら、また民間が協力するなら、政府は必ずお示しした目標、これを達成するだけの決意を持ち、意気込みがある。問題は、民間の方々が計画経済であるかのような、そういうものにとらわれることなしに、活発にひとつ活動力を伸ばしていただきたい。同時にまた、お互いに自主的な調整を必要とするというのが今日の段階でありますから、業界自身が一丸となっての御協力をひとつこわさないで、無用な競争というとしかられるかわかりませんが、そういう点は自省いたしまして、業界全体のために立ち上がっていただきたい、かように思います。

西田信一自由民主党

○西田信一君 私は、この前、春の予算委員会で、七・五は少し無理じゃありませんかと申し上げましたが、それをりっぱに政府はやり遂げられましたし、物価も五・五%ぐらいで押えられるのじゃないかということを申しましたが、経済成長を予定以上になし遂げた、物価は五・五%で押えられたということで、私は非常に敬意を表します。同時に御自信のある御答弁を伺いまして、信頼を申し上げているわけでございます。  次に、公債発行下における金融機関のあり方について若干お尋ねしたいのであります。公債発行とその引き受けに関連いたしまして、小さい銀行と申しますか、中小の銀行、相互銀行、信用金庫等の資金コストが非常に高くて、逆ざやになっているのが実情であります。政府はいろいろな行政指導で経営の合理化とか、いろいろやっておられますけれども、なかなか効果があがっておらない。そのために非常に苦境にあるように思います。  そこで、これが打開のためには、規模の弱い金融機関の同種の合同とか、あるいはまた相銀、信金、地方銀行等を含めまして、これは異種合同というようなことをやって、基盤強化が必要じゃないかというような感じを持っているわけであります。これがなかなか問題が多いと思いますが、ひとつ金融制度調査公等の御意見も聞かれまして、何らかの、長官、そういうお考えはないのか。新財政時代に適応するために、こういうような、場合によっては金融機関の合併特例法みたいなことをお考えになる必要はないかどうかということ。それから、日本の経済は非常に飛躍的に伸びておりますから、この際、相銀法あるいは信金法、進んでは戦前立法である現在の銀行法等にもお触れになる必要があるんじゃないだろうかという気もいたします。これらについてお考えはどうか。それから日銀法の改正はたなざらしになっておりますが、どうお考えになっているか、その点についてひとつ伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御指摘がありましたとおり、金融緩和の基調下で、中小金融機関が従来のように余裕金を高利に運用することはできませんし、比較的利回りの低い証券金融に運用しているようなことから、収益が下がっております。ですから、どうしてもここで金融コストを低下させることと、その経営の合理化ということをやらざるを得ないので、いまそれぞれ努力しておりますが、しかし、そのおもむくところは、結局企業の合同とか、業務提携とか、そういうようないわゆる再編成というようなものがこれからの日程にのぼってくるだろうと私ども考えておりますので、いま金融制度調査会にこの問題をはかって、いまここで検討してもらっておるところでございます。近くこの研究が出てくると思いますので、それを受け取って、私どもは考えたいと考えております。  で、国債を発行することによりまして、金の流れというものがいままでとはだいぶ変わってきましたので、この機会にいまの銀行の問題とか、日銀の問題もそうですか、これにはいままでいろいろこだわりがあり、いきさつがある問題でございますので、こういうときを機会に、むしろこだわりをなくして、新しい目でいろいろなものの再検討をしてみたい、こういうふうに考えております。

西田信一自由民主党

○西田信一君 続いて、減税の問題と申しますより、減税のあり方についてちょっと御希望を申し上げるわけでありますが、減税は去年三千数百億の大減税をなさいましたが、ことしはどういうことになりますか、いずれにいたしましても減税の必要があると思います。そこで減税は、あくまでも国民負担、税における負担を軽くするという意味においてなされるべきだと思うわけであります。したがいまして、この減税の結果として、これが地方の自治体に過重な超過負担を巻き起こしたり、あるいは国民にかえってそれが妙に響いて、逆に増税の一因になるというようなことのないような配慮が必要であるというふうに考えるわけであります。  そういうことについて特別な御配慮の上に減税をやってもらいたいということを申し上げるわけでございまして、私は一つの例を申し上げるならば、小さな問題でありますが、国民健康保険について低所得者減税というものが数年来行なわれております。しかしながら、これは国のほうで方針をお示しになって減税をやっておるわけでありますけれども、しかしながら、減税をやれば、当然国民健康保険の収入が減るわけでありますから、これをどこかで埋めなければならない。これに対しまして、結局結論は、残余の被保除者がこれを負担して、増税をしてそれをまかなっておる、減税が増税を呼んでおるという実際は結果になっておるわけです。これは非常に矛盾があるわけでありまして、こういうことは、一ぺんに増税を呼んだり超過負担を呼んだりという一つの例でありますが、こういうことのないように、この問題は御研究願いたいと思っておりますが、税全体についてそういう配慮が必要であろうという意味におきまして、これは希望を申し上げておきます。何かお答えがあればあれでありますが、別にお答えは要りません。  もう時間が参りましたから、これで私の質問を終わるわけでありますが、最後に、今国会二十一日間の会期のきょうは最終日でございます。私は、全国民が待望する補正予算審議の本委員会での質問を終わるにあたっての一つの感想がございます。  それは、私は、野党の諸君が本委員会の審議に参加することの期待をいまのいままで私は持ち続けてまいったのでございます。遂にその希望も水泡に帰しようとすることは、まことに残念にたえないのであります。また、納得もいかないのでございます。言論の府であるべき国会のこの異常な状態、これが一体国民の目にどのように映っているであろうか、また、これが民主政治の発達した諸外国に、どんなふうにこれが響いているであろうかというふうに思うわけでございます。そこで、いかに政府との対立的な立場にあるとはいいながら、私は、野党の諸君が全く良識を失ってしまったとは考えたくないのでございます。わが党を率い、政府の最高責任者であられまする佐藤総理におかれまして、あくまでも根気強い、そして確固たる信念をもって、発展途上にあるわが国議会制度と民主政治を守るために、最善の努力をしていただきたいことをお順い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 西田君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、質疑通告者の発言は終了いたしました。他の党派に対しても、それぞれ連絡を取っているのでありまするが、いまだに質疑の通告がありませんので、遺憾ながら、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。賛否を明らかにしてお述べを願います。日高広為君。

日高広為自由民主党

○日高広為君 私は、自由民主党を代表して、昭和四十一年度補正予算三案に賛成の討論を行なうものであります。  本補正予算は、公務員の給与改善、災害対策、石炭対策等、当初予算作成後に生じた、いずれも緊急に措置すべき事項について所要の補正を行なわんとするものでありまして、いずれも時宜を得たものであります。  まず、歳出において追加計上の第一は、給与改善費の三百二十二億円でありますが、これは去る八月十二日行なわれた人事院勧告を尊重し、九月一日にさかのぼって実施するための経費であります。世上とかく人事院勧告の完全実施を云々する意見も聞かれるのでありますが、限りある財源事情から見て、私どもは法の精神を順守し、人事院勧告を最大限に尊重した措置と認め、政府の決断に心から敬服するものであります。  さらに、一言つけ加えますと、勧告の九月実施は今回で三回目となりますが、うち二回までは佐藤内閣によって行なわれておるのでありまして、私どもは、佐藤内閣のあらゆる努力をもって人事院勧告を尊重する態度に対し、深く敬意を表する次第であります。  第二に、食管特別会計への繰り入れ八百八十億円は、本年度産米の買い入れ価格が引き上げられたこと、また物価安定を願う政府が、消費者米価を据え置くこととした結果、生じたものであります。この補正予算の成立がおくれますと、食管特別会計の国内米買い入れ費が底をつき、米の買い入れが不可能となるのでありまして、当面緊急欠くことのできない措置であることは、申すまでもないところであります。  第三は、災害対策費六十八億円でありまして、この経費は、本年度発生災害の一日も早い復旧を待ち望んでいる被災地住民や地方公共団体の期待に答えんとする措置でありまして、まことに適切なものと言わざるを得ません。この対策費の中には、台風十八号による大被害を受けた沖縄の宮古島の人たちへの救援費四億円が計上されておるのであります。米国との対外折衝の上、この財政措置をなされた政府の熱意と努力は、祖国復帰を熱望している沖縄住民諸君に対する同胞愛の一表現であり、本土、沖縄一体感のきずなとなることを確信するものでありまして、満腔の賛意を表するものであります。  第四は、農業共済再保険への繰り入れ六十六億円でありますが、これは北海道を中心に東北地方までに及ぶ冷害等による農作物被害救済の措置を講ぜんとするものであります。中でも被害の大きい北海道は、三年続きの凶作で、稲は収穫皆無の地帯や、たとい出穂しても実を結ばない圃地が続出し、また十勝地方を中心に日本最大の大豆、アズキ等の豆類産地が結実不良で、これら穀類の作況を過去十カ年を通じて見て、三十一年に次ぐ不良年となったのでありまして、その被害の実情は惨たんたるものであり、被災農家の傷心と窮乏は、まことに同情にたえないものがあるのであります。  これら被災農家が一日千秋の思いで待ち望んでいるのが、共済金の早期給付と救農対策専業の実施なのであります。この農民諸君の要望にこたえるために、いま一番大切なことは、一日も一刻も早い補正予算の成立と、これが実行であります。この意味におきまして、本補正予算の農業共済繰り入れ措置は、まことに適切な措置だと存ずるのであります。  第五は、石炭対策費二十九億円の計上であります。本経費は七月二十五日、石炭鉱業審議会から提出せられました石炭鉱業の再建と抜本的安定策の答申を受けた政府が、その趣旨を尊重し、明年度予算編成を待つことなく、補正予算で財政措置を講ぜられましたことは、昨今の石炭産業の実情からいたしまして、石炭産業自身はもちろん、産炭地域の市町村財政及び同地域の商工業者等に寄与する効果はきわめて大きく、心から賛意を表するものであります。世間の一部には、口を開けば石炭国管の言辞を弄する者がおりますが、私どもは、石炭を国家管理にさえすれば、今日の苦境が脱却できるというほど甘くは考えておりません。やはり石炭産業は私企業としての経営を確保しつつ、政策需要の拡大と異常債務の解消に財政援助を行なうべきだと信ずるものであります。  そのほか、本補正に盛られましたもろもろの事項は、いずれも緊急にいたしまして、必要欠くべからざる財源措置でありまして、まことに適切、妥当な措置だと考えます。  終わりに、本補正審議について一言申し上げます。日本社会党をはじめ野党諸君が、本補正予算の審議に参加されなかったことは、まことに遺憾に存じます。前に申し上げましたごとく、本補正予算は、いずれの項目を取ってみましても、繁急不可欠の財源措置であります。しかるに、野党の諸君が、自分たちの勝手な主張が入れられないからという理由で審議を拒否するがごときは、少数の横暴であり、国民諸君の負託にこたえる態度とは言えないのであります。審議権の放棄は、民主主義、議会主義の自殺行為でありまして、わが党の断じて承服せざるところであります。ここに野党諸君の猛省を促して、私の賛成討論を終わります。(拍手)

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 以上をもちまして、討論通告者の発言は終了いたしました。よって、討論は終局したものと慰めます。  それでは、これより採決に入ります。  昭和四十一年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十一年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和四十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を問題に供します。  三案に賛成の方の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 全会一致と認めます。よって、三案は全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由民主党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これをもって散会いたします。    午後零時五十四分散会      —————・—————

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