法務委員会 第4号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/07/28
会議録
○委員長(和泉覚君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日野坂参三君が委員を辞任され、その補欠として岩間正男君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(和泉覚君) 本日は、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、まず、北朝鮮技術者等の入国問題に関する件について調査を行ないます。稲葉君。
○稲葉誠一君 北朝鮮技術者の入国問題が現在どういうような状況になっているのか、これを先に御説明願いたいと思います。
○政府委員(八木正男君) さきに政府の方針として北鮮の技術者の入国を許可するという方針がきまりまして、それに基づきまして、私どもは、その関係会社である東工物産という会社がございますが、そこの代表者と入国管理局の担当課長との間で入国に関する事務的な打ち合わせを続けておるわけでございます。
○稲葉誠一君 具体的には現在どういうふうになっているんですか。
○政府委員(八木正男君) 実は、ただいまの御質問に対して私は率直に事情を申し上げたいのでありますけれども、先生も御承知のとおり、この問題に関連していろんな利害関係の面がたくさんございまして、いろいろ策動がございます。私は、政府の官吏としては政府の決定した方針を実施に移すのが自分の責任であると思っておりますので、こういういろいろな何といいますか、動きの中に巻き込まれてしまうと、たとえば、端的に申しますと、いま現在どういうことを議論しておるかというようなことを申し上げたために商談が一致しないような妨害が入ったというようなことも予想できますので、私としては、実は目下の話し合いの具体的な内容はもし御了承を得られれば差し控えさしていただいたほうがありがたいと思います。
○稲葉誠一君 実は、局長から詳細のことをというか、そういうことを聞くわけにはなかなかいかぬ実際問題もあるわけですね。実は、法務大臣に入国の責任者であるから聞くつもりだったわけですが、けさ七時にどうしても人間ドックに入らなきゃならないという前々からの約束で、了解をしてくれということが私のところへきのう夜電話があったものですから、そういうことなら、健康の問題ですし、人道上の問題だからということで了解したものですから、法務大臣が出席してないために、どうも、話が、大筋の話というか、基本的なものができなくなってしまって、ちょっとこちらも困っておるんですがね。 いろいろ策動があったとか妨害が入るおそれがあるとかというようなことがいまことばの中にも出てきましたが、その具体的なことについて聞くと、あなた方のほうも困るでしょうし、いま言ったような結果が逆に生まれる危険性もあると思うから、その点のことについてはできるだけぼくのほうも聞かないようにします。 ところで、それが入国許可はしたんですか。どうもはっきりしないんですがね。許可はしたのだけれどもビザの発給がおくれていると、こういうんですか。あるいは、許可というのは、ただそういう方針を決定したということなんですか。そこら辺のところがどうもよくわからないんですが。
○政府委員(八木正男君) 本件は、入国する北鮮の人たちが国交のない国の国民でございますから、したがって、直接申請ができない。そこで、会社が代理に申請をしておるわけでございますが、これに対して政府として先般の決定がありましたのは、入国させるという方針がきまったわけでございます。いま、その代理申請に対して、関係者に対して入国を許可するという直接の言明はまだいたしておりません。と申しますのは、これは実は申請に対してもし私のほうで事務的な話し合いが進みますと、あとは外務省に対して本人の入国に異存がないということを伝えるわけでございまして、それに基づいて外務省が渡航証明書をもよりの在外公館に発行するよう指示するという段階でございます。したがって、その会社に私のほうで許可をするという表現を正式に言いますのは、ただ代理申請に対しては許可が出たという事実上の返答でございます。その辺の法律的なことは私はあまり存じませんが、事実上の問題といたしましては、話し合いが全部済みました段階で、それじゃ許可をしますということを会社に申し上げますと同時に、外務省に対してはそのことを申し入れるということが次の段階でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、そういう段階になっていて、在外公館からのピザの発給がおくれているというようなことは、外務省はどういうような事情なんですか。外交上の問題もありますから、ぼくも根掘り葉掘り聞くわけじゃありませんがね。まあ根掘り葉掘り聞くことがいいか悪いかという問題もあるわけですから、その点は心得ているつもりですけれども、何か発給が非常におくれているというのはどういうところに原因があるんですか。
○政府委員(八木正男君) まだ、実は、先ほど申しましたように、最後の詰めが終わっておりませんので、外務省に対して渡航証明書を発行しても差しつかえないという意思表示はいたしておりません。
○稲葉誠一君 何かその入国を認めるについて法務省側は条件を出しているんですか。どうもはっきりしませんがね。たとえば、東工物産が、入ってきた技術者の視察先を明らかにしろと、こういうふうなことの条件を出しているんですか。そういう条件が満たされれば入国を認めてもいい、こういうような条件を出しているんですか。あるいは、条件というのはないんですか。
○政府委員(八木正男君) まず第一に、北鮮から技術者の入国を許すというのは、これは政府として初めてのことでございます。それで、どういう程度の話し合いを会社との間にした上で決定の通知をするかということについては、いろいろ初めてのことだものですから、私どもいろいろ考えまして、まあこの問題については御承知のとおりいろいろ将来においても批判等もあると思うので、われわれとしては、どこからも非難を受けないような、ちゃんと筋道の通った話し合いによって許可をするというふうに考えております。したがって、現在、その日程とか訪問先ということについても議論はしておりますけれども、ただ、これは、そういう内容についていろいろそれに反対する動きなどがありまして、それが明らかになるとまたその視察先が迷惑を受けるというようなこともございますので、そこのところのかね合いがあります。私どもはそういうことを考慮して、本件については担当課長だけに折衝をさしておりまして、入管のほかの職員は一切タッチさせないように気を配っておりますが、別に特に条件を言っておるわけじゃございません。 ただ、会社としましては、前に本件に関していろいろないやな思いをしているらしいので、われわれに対してざっくばらんに全部言ってしまうということについてややちゅうちょしておる面もあるようであります。私どもとしても無理難題を吹っかけたというかっこうにはしたくないものですから、われわれの立場を将来どういう批判を受けてもりっぱにそれに応酬できるだけのわれわれの準備がほしいという気持ちから、われわれとして必要な最少の事情を聞こうというのが現在の段階でございます。
○稲葉誠一君 まあ段階が段階ですから、聞くのもあまりあれだと思うんですけれども、小川アジア局長のところへ金大使が二十六日の午後訪れたと、その後も訪れているのですか、そうしてこの問題について韓国側の立場を向こう側としては説明したと。何か、あれですか、日本側から約束をするような文書を出せと、こういうような話があったと伝わっているのですが、これは外交上のいろんな秘密などもいろいろあると思うんですけれども、その点はどうなんですか、差しつかえのない範囲で、それに対して日本側はどういう態度をとったということは。
○政府委員(小川平四郎君) 韓国側としましては、将来こういうことを二度と起こさせないように、ぜひ今後はもうやらないのだというようなことを言ってもらいたいということは、従来からも言っておりますし、金大使も繰り返し申しております。しかし、私どもといたしましては、本件のごときものは、わが国が独自にきめるものであるという立場から、将来に対して約束するというようなことは毛頭考えておりません。
○稲葉誠一君 それは日本と北朝鮮との間の問題であって、韓国には関係ないことですわね。これをどういう根拠で韓国は日本に対してそういうことをやってはいかぬとかなんとかいうようなことを言うのですか。その根拠はどこにあるのですか。
○政府委員(小川平四郎君) 韓国側のことでございますので、いろいろあると思いますが、私どもが直接に感じますのは、やはり韓国政府及び国民の非常に強い北鮮に対する感情でございます。すなわち、朝鮮戦争以来の非常な被害をこうむったということが依然として強く残っておるようでございまして、よその国が北鮮とどんなことであっても接触を持つということについて非常に強く感じております。その北鮮に対する強い感情、これが政府、国民を通じての基本的な感じのようでございまして、それに基づきまして北鮮との接触というものをやめてもらいたい、こういうことでございます。
○稲葉誠一君 韓国はウィーン条約には入っていないのだと思いますが、しかし、日本は入っている。そうすれば、外交慣例からいって、外国にいる在外大公使は、その国の大公使館なり外務省を通じて折衝をするのであって、その国の国民と直接交渉しないということがウィーン条約できめられているのですか。そこのところはどういうふうになっているんですか。
○政府委員(小川平四郎君) ウィーン条約の詳細を承知しておりませんが、在外の外交官が政府のみならず民間と接触をしていけないということはないと思います。それで、実際にそれは各国とも行なっておることでございまして、先般の予算委員会で、外務大臣が、例といたしまして、たとえばアメリカにおきまして日本に対する輸入制限というようなものが起こった場合には、わが国の大使あるいは在外公館員は全力をあげて政府のみならず関係者にも働きかけるということはやっていることであるので、その程度のことは普通の外交活動として差しつかえないものであるという御説明をなさっております。大体そういうケースであろうと思います。
○稲葉誠一君 しかし、それは、その国の外務省なり何なりの了解を得て行なうというのが国際慣例じゃないですか。それは、アジア局長ではなくて、本来ならば、条約局長なり何なり、あるいはほかのところから聞くのが筋かもわかりませんがね。ウィーン条約は大体そういうような文章になっているのじゃないですか、文章としては。これは韓国が入っていないからウィーン条約は適用がないと言えば、これはそうかもしれませんがね。まあその問題はあまりこまかくあれするのもあれだからあれですけれども、ウィーン条約の規定からいってもそれにはおのずから限度があることは、この前も予算委員会でも言ったことなんで、その限度をこえているということが言われておるわけですいろいろ個人的なことは私も聞いていますが、これはまあ省略します。 そうすると、結局のところ、この問題については、きょう法務大臣が入院しちゃったものだからあれですけれども、入管のほうとしては、外務省と連絡をして早急に政府の既定方針どおり解決をしたい、こういうふうに承ってよろしいですか。
○政府委員(八木正男君) そのとおりでございます。
○稲葉誠一君 それから、これは、スポーツの問題で、何といいますか、政治との関係ではないからということで、この前は体操でしたが、今度はバレーボールの審判員三名を北朝鮮から日本へ入国させる、この問題はいまどういうふうになっているのですか。
○政府委員(八木正男君) これは、たしか一昨日正式に許可の通知を出しました。すでにもう日本へ入っているのではないかと思いますが、もし入っていないとしても一両日中には入ると思います。
○稲葉誠一君 この前は、体操のときに、初めは四名だったのですが、一名病気で来られなくなった。ところが、三名のうち一名が、どういうことかよくわかりませんが、また来られなくなったわけですね。その間の経過はどういうところにあるのですか。調べた範囲でわかりませんか。そこまでこまかく聞くことを通知してなかったので、概略知っておられる範囲のことでけっこうですが。
○政府委員(八木正男君) 四名のところ、一名は、病気で来られなくなりました。もう一名は、いま事情をよく調べてお答えいたします。いま問い合わせておりますから。
○稲葉誠一君 通告を十分してなかったものですからあれですが、何か名前が違ったわけですね、日本の許可したものと。
○政府委員(八木正男君) いま事情を問い合わせておりますが、この点は、私のうろ覚えで恐縮でございますが、日本へ来るために香港に入域が必要でございますので、入域許可の申請を香港入管に申請するわけですけれども、何かそこで名前が違っておったかどうかかで入域許可ができなかったのじゃないか、ちょっとそういう気もいたします。
○稲葉誠一君 どうもその辺がはっきりしないんですよ。何か意識的に名前が違ったのか、あるいはまた写真が違ったという説もあるんですがね。どっからか手が入ってそれが変わっちゃったんじゃないかという説もあるんです。ぼくのほうでも、率直に言うと調べがなかなかつきませんのですがね。どうもその間の経過がよくわからないのですよ。ですから、これは、あなたのほうでわかった範囲内のことでけっこうです。わかった範囲でけっこうですから、あとで調べてお答え願いたい。きょうの委員会でなくてもいいです。あとで個人的な形で調べてもらってもけっこうです。どうもそこら辺のところが何だかよくわからない。作為的な何かが行なわれたんじゃないかという説も流れているくらいなものですから聞いたわけです。 いまの前に話したウィーン条約の関係は、第四十一条の第二項では、「派遣国がその使節団に課した接受国を相手方とするすべての公の職務は、接受国の外務省を相手方として、又は接受国の外務省を通じて、行なうものとする。」と、こういうことになっておるわけですよね。これは国際慣例ですから、だから、韓国のやっている場合も、それは個人的にいろいろな商社を呼んだり何かしてやることは許されるとしても、それはやっぱり外務省を通じて了解を得てやらなきゃいかぬのじゃないですか。そこらのところはどういうふうになってやっているのですか。これは、一々、こういうことをやった、こういうことをやったということをぼくはここで聞きませんけれども、どうもそういう点からおかしいわけですよね。全く国際慣例なり条約を無視して行なわれているとしか考えられない。ですから、このウィーン条約の四十一条の第二項との関係はどういうふうになるのですか。
○政府委員(小川平四郎君) ただいまの四十一条第二項の規定がどういう活動について規制していたのか、実は私は詳しく承知していませんが、おそらくは、外交官の公的の活動というものは一般的に外務省を通じて行なわれるべきもので、たとえば、文部省に話したい場合に、外務省を通じて外務省のあっせんによってやるということではないかと思いますが、そのほかに、たとえば文化啓発活動であるとか、貿易促進の活動であるとかいうものは、そういう公的の活動のほかに、一般にわれわれの在外使臣も各国の在外使臣もやっておるわけでございますので、ウィーン条約との関係がはたして抵触するかどうか、私ただいま申し上げることはできませんけれども、私の経験から申しますれば、一般的にそういう啓発あるいは貿易活動というものは、条約関係とはおそらく別に実際にやっておることでございますし、できることであろうというふうに考えております。 先ほど御指摘の点につきましては、私ども先ほど申しましたようなことで、いろいろ国の政策、政府の政策というものが違っております場合に、その国の外交官がその国の政策に従って活動するということはむしろ当然のことであろうと思いますが、ただ、いろいろうわさも立ち、誤解を受けるようなことがあっては現在の日韓関係にも悪影響があると思いますので、誤解を生ずるようなことはひとつ慎んでもらいたいということは、大臣からも韓国大使館に申しておりますし、私どもからも注意を喚起してございます。
○稲葉誠一君 一般論として承りたいのは、北朝鮮にしろ、あるいは中国にしろ、ベトナムにしろ、そういうところから日本へ入国の申請があった場合に、どういう日本の中における経路を通じて、だれがどういうふうにしてどこで入国をきめることになるのですか、その経路がどうもよくわからないんですね。法務省の入国管理局というものは入国に対しての事務当局だし、法務大臣が全権を握っているのだとも思うのだけれども、さあ新聞なんか見るというと、外務省が入国を北朝鮮の問題でもきめるようにきょうの新聞に出ていますわね。日本には法務省があるかないかわからないような、法務大臣が入院しちゃったからどうもあれですけれども、そういう印象を与えるし、一体一般論として具体的にどこからどういうふうに行って、どこで何を調査してどうやってきめるのですか、これをひとつ御説明願いたいと思うのですが。
○政府委員(八木正男君) 一般論というよりも、原則論で申しますと、この人たちの直接そういう国には日本の在外公館がございませんので、日本にいる関係者から本人に代わってのいわゆる代理申請という便宜的な措置を講じております。そういう代表した人たちからの入国申請がありますと、法務省入国管理局としては、そういう人たちが来る用向きがどういうことか、日本においてどういう活動が行なわれるかというようなことを、これはいわゆる外国人管理の一般原則から来るわけでございましょうが、そういう点について関係の官庁の意向を問い合わせるわけでございます。その結果、各関係官庁からの意向が集まりました段階で、それを参考として法務大臣が入国の可否を決定するというわけでございます。 いま御質問の中にちょっと出ましたのは、私もこの間新聞を読んで感じましたが、たとえば今度の原水爆の代表者かなんかの問題で、記事として、外務省の意向は、これこれは拒否である、これこれは入れるというようなことが出たことがございます。それをなにげなく読みますと、外務省が入れる入れないをきめたというふうにとれる——とれないとも言い切れないのでありますけれども、私ども見ますと、それはただ外務省が法務省のそういう趣旨の返答をすることにきめたという情報だけでございまして、私どものほうとしては外務省の意向がこうだといってそれだけできめるわけではございません。ほかにもいろいろ意見を聞いているところがあるわけでございますから、全体を集めた上で法務大臣がきめるというのが実際の原則でございます。
○稲葉誠一君 八木さんは外務省から法務省に出向しているものですから、なかなか答えにくいところもある、その点はぼくもよくわかりますが、そうではなくて、入国の代理申請があるわけでしょう、あったほうの入管はどうやって入国を認めるか認めないかという意見をきめるのかということなんです。結局、こういうことでしょう。一つは、入国許可申請があると、まず、公安調査庁へ、こういう入国申請があったけれども、いいか悪いかということの調査を依頼するんでしょう。まずそこら辺のところからはっきりさせてもらいたいと、こう思うんですよ。それは公安調査庁から返事があるわけですね。その返事は三通りあるわけです。ぼくはそこまで内部を知っていますからあれですけれども、そこら辺のところをよく説明してもらわないと、どこに重点があって入国を認めるのやら拒否するのやら、さっぱりわからないんですよ。それでわざとぼくは一般論といって質問しているんですけれどもね。もう少し経過を説明してくれませんか。
○政府委員(八木正男君) それは、やはり公安調査庁は御承知のとおり法務省の中の一部局でございますから、まあ法務大臣の部下の一つの機関としてそこの意見も聞きますし、あるいは、刑事局というところもありますし、民事局もあるし、場合によっては訟務局もございますから、そういう法務省内部のいかなる意味においても何らかの利害関係——利害といいますか、とにかく何らかの関係のあるところの意見は全部もちろん聞きます。しかし、法務省以外の、たとえば外交上どういう問題があるかというようなことについては外務省の意見も聞きますし、治安関係があると思えば警察庁の意見も聞く。あるいは、厚生省、労働省、場合によっていろいろな官庁に意見を聞きます。そこで、一般原則としては、やはり法務省部内はもちろんのこと、関係省庁の意見を全部とりまして、それを総合して法務大臣がきめるというのがたてまえでございます。
○稲葉誠一君 なかなか歯切れがよくないのですがね。いや、それはわかりますがね。これは刑事局や民事局や訟務局といったって、民事局に何を一体聞くのか。あるいは、まだ人権擁護局も、矯正局も、保護局もあるし、いろいろあるでしょうけれども、いわゆる未承認国からの入国の問題ですよ、一般の入国のことではなくて。未承認国から入国の申請があった場合に、入管としては、各方面の意見を聞くのだけれども、法務省内のどこへ聞くかというと、これは公安調査庁へ調査してくれと依頼するのでしょう。これは一つの事実ですね。必ずこれはやるのでしょう。
○政府委員(八木正男君) いえ、必ずとは限りません。しない場合もたくさんございます。
○稲葉誠一君 いや、それは必ずという聞き方が悪かったから、必ずと言うと、一万件なら一万件を意見を聞くということですから、いやそれはそうでもない場合もあるということになってくると、必ずということばの解釈になってくるけれども、普通の場合は、公安調査庁の意見を求めて、公安調査庁でいろいろ調べるわけですよね。少なくとも公安調査庁から回答があるでしょう、入管へね。その回答が三通りあるわけですね。きまっておるのじゃないですか。絶対いかぬというのと、やむを得ないというのと、まあいいだろうというのと、この三つ公安調査庁の意見があるわけでしょう。それで、公安調査庁で調査して入管へ返ってくるのでしょう。それがまず法務省の中の第一段階の問題でしょう。その後でしょう、外務省やなんかへ聞くのは。そこらが言いにくいかもしれませんけれども、そうでなければ公安調査庁というものはたいして用はないわけですからね。たくさんの金を使って何をしているのか。ぼくは公安調査庁というのは大きらいなものだから、あまりいい感じを持っていないものだから、そういうことばが出るのかもわからぬけれども、いずれにしても、そこへ意見を求めて、回答を待って、それから外務省へやって何か折衝して、法務省の態度をきめるという形のきめ方になってくるのでしょう。ここまでは言えるのじゃないですか。絶対に公安調査庁の意見を聞くというのはぼくの言い方が悪かったけれども、じゃ通常の場合と直してもいいです。通常の場合は、公安調査庁の意見を聞いて、その意見が返ってきたらば、それを参考にしてそれからするのだということまでは、これは言えるのじゃないですか。それも無理ですか。
○政府委員(八木正男君) これはまあ場合によっては、もう聞くまでもないと思えば、私どもあえて聞きませんし、あるいは向こうの公安調査庁も何から何まで調べてわかるものじゃございませんから、必ずしも意見が出るとは限りません。それから関係官庁への問い合わせば、公安調査庁の回答を待ってやるのじゃなくて、同時にほかにも聞いておりますから、大体返事の来る時期はあまり違っておりません。で、どうせ部内の役所だし、しかもお互いに担当者同士はよく知っている間柄でありますし、公安調査庁の意見が出てきました場合に、どの程度にそれを解釈するかということは、私どもの独自の立場がございますし、最後にそれを事務次官のところで調整するというような必要のある場合もあるし、あるいはむしろそこまで持ち上げて調整するという例はごくわずかでございまして、たいてい事務的に処理はついておるようでございます。
○稲葉誠一君 まあなかなか公の席ではあとで記録に残ることだから言いにくいんだと思って、ぼくもその点は考えているつもりですけれどもね。だけれども、その人が公安上好ましくないからということで入国を拒否するという場合も多いわけでしょう。その人が公安上あるいは治安上というのか、好ましいとか好ましくないとかいうことは、入管自身でわかるわけじゃないでしょう。そこまで入管がやっておるとなるとこれまた問題があるので、これは公安調査庁が主導力を握ってやっておるわけでしょう。それは法務省は警察へ聞くわけにいかぬわけです。警察に聞いたら、自分のメンツにもなるし。だから、公安調査庁に聞く。公安調査庁はそのために専門に一生懸命やっているんじゃないですか、これは警察とも連絡はとりますけれども。どうも質問が気の毒だと思っているんですけれども、実際はそこら辺のところじゃないですか。それはぼくはあまりしつこく何回もああだこうだと言うのもあれだと思って遠慮しているんですけれども、疑問が出てくるわけですよ。公安上好ましくないからということで拒否するということになると、公安上好ましくないというのは法務省なら法務省自身がきめるけれども、民事局がそんなことを知っているわけがないし、人権擁護局も知っているわけがないし、刑事局もそこまで無理だということになれば、まず公安調査庁に聞くということになるんじゃないですか。公安調査庁の調査というものは、現実にはほとんどもうそのイエス・ノーをきめるウエートを持っているんじゃないですか。そういうふうに聞くというとちょっとまた聞き過ぎになりますから、答えが違ってくるかもしれませんけれどもね。だから、治安上好ましくないとか公安上好ましくないとかいうことをどういうものの判断を根拠にしてきめるかということですね。何となくきめるわけじゃないでしょう。そこのところはどうやってやるのですか。外務省がやるわけじゃないですよね。
○政府委員(八木正男君) 確かに、御指摘のとおり、できれば入管が能力があれば、そういう危険があるかどうかということをわれわれが自分できめればいいわけですが、そういう調査能力もございませんし、確かに公安調査庁というのはそのための——そのためといいますか、そういうことを主たる仕事の内容としてやっておる役所ですから、そこの専門家としての意見を聞くわけでございます。ただ、同時に、われわれが外国人の入国問題を扱う場合に、単に公安調査庁がこういう結論を出したから、好ましくないと言ったから入れないという、そういう簡単なものではなくて、たとえば、日本は法治国でございますから、不当に公安上害があると称して入国を拒否するということになれば、関係者に非常な損害を与えることになる。そこで、そういう場合、関係機関が出した意見についてその理由をわれわれとしては説明してもらいます。そうして、それがわれわれも確かに納得できるものであれば、頼んで調査してもらった結果をそのまま了承していいわけですが、それだけの理由では十分でないと思った場合には、たとえば訟務局——先ほど訟務局と申しましたのは、それは訴訟事件になることもあり得る、それに対して政府として十分応訴し得るだけの腹があるかということを聞くために、やっぱり訟務局の意見も必要として聞くわけであります。刑事局は、これはそういった公安調査庁と別な意味で治安関係に対して関心を持っている役所でありますから、そういうところの意見も聞きます。まあ民事というのはあまりふだん関係はございませんけれども、そういうことで、われわれは、ある役所が文書で回答したら、それをもう最高のものとしてそのとおりやらなくちゃいかぬとは絶対に思っておりません。ことに、入管のような入国許可の場合は、法務大臣の独自の見解でございますから、たとえば極端な場合にあらゆる官庁が全部入国に反対したとしても、法務大臣が自分が政治的に考えてこれを入れるべきであると御判断になれば、われわれは入国を許可するわけですから、私どもとしては別に虚勢を張っているわけじゃございませんが、あっちこっちの役所の意見というものはあくまで参考にするんだということをふだんからみんなに申しておりまして、それに盲従はしちゃいかぬということだけは言っております。
○稲葉誠一君 それはそのとおりで、いろいろな場合やはり入管は入管としての筋を通したほうが結局において結論的には支持される場合が多いわけですから、変に動かないほうがいいと思うんですが、いまあなたが答弁された中でも、公安調査庁から回答がある。あった場合にはそれを参考にすることもあるのだ、それから文書で回答があってもそれに対して云々というようなことが出てきて、答えの中から、公安調査庁から回答がある場合、しかもそれが文書で回答する場合があるということが出てきたわけですよね。そういうことを引き出すために言ったわけでもありませんけれども、そういう答えが出てきているわけですが、まあこれ以上ぼくは聞きませんけれども、いずれにしても、公安調査庁の意見というものがウエイトを占め過ぎているんですよ、現在の段階では、私の聞いている範囲では。公安調査庁では、私の聞いているのでは、いま言った三つの意見が大体大別して回答してくる。で、公安調査庁が絶対だめだと言ったら、法務省全体としては、あるいは外務省としては、内閣としては、それをいいと言った例はいままでないわけでしょう。やむを得ないと言ったときにある程度の裁量権が与えらるという程度で、それから公安調査庁がいいと言う——いいと言うのはあまりないかもわからぬけれども、その場合はフリーだというけれども、そういうようなことのあれじゃないかと、こう思うんですがね。 それからもう一つは、これは入管に聞くのは悪いので、公安調査庁に連絡をとって来てもらって聞けばよかったのですけれども、ぼくが疑問に思うのは、公安調査庁が一体この人が日本の公安上というか治安上好ましくないとかあるとかということをどこでどうやって調査するのかということですよね。これなんかはぼくは実に疑問に思っているんですよ。ストライキなんかありますと、変な隠しマイクか何かを持ってうろうろしている。見つかるというとあわてて逃げ出したりなんかしているというのが大体公安調査庁の職員ですね。ぼくの友だちも公安調査庁の課長をやっているからなんですけれども、あまり内部のことは言いませんが、いずれにしましてもそれはそれとして。 それじゃ、法務省のほうでいいということをきめてから外務省に相談するのですか、あるいは、法務省でいいとか悪いとかきめる前に外務省に相談するということになるわけですか、そのきめ方が。そこのところがわからないんですよね、どっちにウエイトがあってきめるのか。
○政府委員(八木正男君) これは別に規定とかなんとかというものでなくて、実際の慣行でやっていることですが、私の知っている範囲では、意見を聞くのは、公安調査庁に聞くと同じ時刻に関係の官庁に聞いております。
○稲葉誠一君 まあこれだけにしておきますが、ただ、入国管理の仕事が法務省の入国管理局に与えられているならば、入管はもっと独自の強い権限を持たなければいかぬと思うのですよね。ところが、それが何かみなあっちこっちの谷間にはさまれて、サンドイッチみたいにギュウギュウやられているというような印象をぼくは与えられているのですけれどもね。それからいろいろほかの問題もありますけれども、いずれにいたしましてもこれはこれとして、 そこで、いま問題となっているのは、原水禁大会があるということで、いわゆる未承認国からの入国の問題があるわけですね。これに対してどういう態度で——基本的態度ですよ、どういう基本的態度で臨むのかということと、それからそれに関連して、現在どういう結論を出しているのか、あるいは、結論を出すまでにはまだ至っておらないというのか、そこら辺のところはどういうことになっているわけですか。
○政府委員(八木正男君) もうすでに新聞等にいろいろ報道されておりますし、すでに御承知のとおりでございますが、原水爆大会の参加というのは、過去五、六年前から年中行事のように未承認国の共産圏の代表団を入れております。ただ、おそらく、未承認国といっても中国だけだと思います。 そこで、どういう人間をどういう基準で入れるかという御質問ですけれども、ざっくばらんに申し上げれば、私どもはこれは一種のお祭りのようなものであると、もとは人道問題から発しているものであるという了解でありまして、その意味で普通の一般の未承認国の共産圏の人の入国の場合よりもはるかに、何といいますか、基準をゆるめて、若干問題があるような人でもあまりうるさく言わないという方針で入れております。もちろん、未承認国人の入国でありますから、個人個人の日本に対してどの程度好ましいかという限度を調べまして、その上で判定をいたします。御承知のとおり、国交のない国の人間の入国の基準というのは、その者の入国を許すことが日本国の利益に合致する、少なくとも害にならないということが条件でありますから、その条件で検討いたしまして、それにその大会の性格などを考えてここ数年来代表団の入国を許しております。 それから同じ国交未回復の共産圏でも、北朝鮮、北ベトナム、東ドイツというような国があるわけでありますが、こういう国の代表は入れないことにしております。これは、こういうのは全部入れる義務はわれわれないわけですから。それからまた、外国人を入れない場合に一々理由をあげないことになっておりますから、特にどういう理由で入れないということは申請者に対して言いませんけれども、直接御質問がございましたので申し上げますと、やはり北鮮の代表団を入れるということはいろいろ外交上問題があり得る、好んで外交上問題を起こす必要は全然ないということが一つ。北ベトナムの場合、これはそういういま北朝鮮について言えるようなこともございますし、現に戦争の当事国である。しかも、この大会では常にこの戦争が主題に取り上げられておりますから、その直接の関係者をわざわざ入れる必要はない。東ドイツにつきましては、これは日本から非常に遠いし、あまり直接の問題はありませんけれども、これもやはり西ドイツ政府から外交的にそれに反対の意向がたびたび表明されておりまして、友好国の申し入れをけってまで入れる理由は全然ないというようなことがわれわれの判定のもとになっております。しかし、これは、御承知のとおり、先ほど申しましたように、どういう理由で入れるか入れないかということは、もう全然私どもの独断できめていいことになっておりますので、一々理由は発表はいたしておりません。
○稲葉誠一君 北朝鮮からの原水禁の代表を入れる入れないという問題は、たとえば原水禁を抜きにしてスポーツの場合には入国を認めるということになって、体操とバレーボールの審判員が入国を認められているわけですね。経済の場合も純粋な経済の場合ならばといって今度は認める。こういうことになってくれば、いま言った原水禁大会というのはお祭りだということばがありましたけれども、事実上人道的な色彩の非常に強いものだと、こういうふうになってくれば、これは認めてもいいことだというふうに考えられるわけですよね。何かちょっとはっきりしなかったんで、友好国からの申し入れがあって認められないような意味のこともちょっといま言われたようですけれども、何かそこのところが——どういう意味ですか。
○政府委員(八木正男君) 別に、友好国、この場合、たとえば北朝鮮ですと韓国ですが、韓国から北鮮の原爆大会の使節団を入れてもらっては困るという申し入れがあったわけではありません。ただ、そういうものをわざわざ入れれば決して韓国はいい感じを持つわけはないですから、そこまでこっちがしてやることはないということであります。それからスポーツ関係者の関係でありますが、これはスポーツだから入れたということもある程度までそのとおりでありますが、実は、その前にもう一つ前提がございまして、入れることが日本政府にとってある意味では義務であるというような場合であります。というのは、たとえば従来北鮮から入った例は、最初の例が昭和三十八年のスピードスケートの選手権大会の運動選手、二回目が一昨年のオリンピックの選手、それで今度の体操の審判員、それからバレーボール、四つあるわけですが、これはいずれも日本がその所属するスポーツの連盟の一員として、連盟本部の委嘱によってある国際競技なりあるいは国際講習会なりの主催国を引き受けたわけであります。そうしますと、いずれもこういう国際スポーツ連盟には規約がございまして、主催国は要するにより好みをしてはいけない、その連盟のメンバーを政治的考慮を抜きにして全部入れなければならないという義務がございます。ですから、主催を引き受けた以上は、当然、国交があろうとなかろうと、その国が友好国であろうと敵国であろうと、入れなければならない道義的な義務を政府は感ずるわけであります。というのは、連盟の直接のメンバーは政府ではございませんけれども、そういった国際的なスポーツの連盟ということになれば、そのために入国申請があったときに、政府としてはなるべくそれに協力すべきである、ある意味では道義的な義務があるとわれわれ感じますので、したがって、今度の体操の審判員、バレーボールの審判員にしても、この人たちはこの講習会に出ないと国際審判員としての資格がとれないわけでありますから、なおさらのことわれわれとしては入れる義務と言うと強過ぎますが、入れるのが至当であるというふうに感ずるわけであります。ただ、同時に、もう一つ常にありますことは、たとえこれは友好国の外国人であろうと、やはりわれわれとしては個人的に好ましくなければ入れないことができるわけでありまして、もちろんこの場合にたとえば北鮮のある団体の入国を許すという場合であっても、やはりその団体の一人一人につきましてその人間に入国を許すことが日本にとって好ましいかどうかという点はあらためてチェックはいたします。その結果、ある特定の人物が好ましくないということになれば、そういう者は許しませんけれども、包括的には、そういういまのような場合に、北鮮であろうと北ベトナムであろうと、やはり政府としては、少なくとも入管としてはそういう者は入れる方針を立てております。
○稲葉誠一君 これは私の意見でありますけれども、スポーツ、経済、それから原水禁——原水禁とでも、人道的なものであるという観点に立てば、北朝鮮からの入国は当然認めていいと私は思うのです。 それからいまあなたが言われた、独断的に入れられるのだというお話がありましたけれども、これはちょっと問題ですよ、ことばがね。これは大臣の自由裁量できまるのだ、いわゆる法規裁量ではないのだという意味のように言ってもらわないと、独断できめられると言うと、またあとでことばじりをつかまえられますよ。
○政府委員(八木正男君) 非常に不適当なことばづかいでありました。先生のおっしゃったとおりであります。
○稲葉誠一君 そこで、中国からの入国は、これは全員認めることになっていたのじゃないですか。そういうふうな談話をあなたのほうは出したのじゃないですか。正式に出したのか、聞かれたからしゃべったのか知りませんけれども、最初は中国からの原水禁への入国は全員認めるということだったんじゃないですか。
○政府委員(八木正男君) 正確な日にちは忘れましたけれども、たしか七月の十三日か十四日ころだったと思いますが、原水禁大会への中国代表団の入国代理申請がございまして、唐という人が団長で一行十六名ということが出ました。その扱いをどうするかということにつきまして外務省などといろいろ相談をしておりまして、その間に、最終的に入国を認めるという言い渡しをまだしていないときに、しようというほんの直前になって、実は、そのころ、新聞などがいろいろ関係者の意向などをそんたくしまして、大体中共代表は昨年と同じように個人的に好ましくない者を除いては入れる方針だというようなことがしきりに新聞などに書かれておりましたので、おそらく先方はそれで大体これはだれを入れても入れるに違いないというふうに見込みをつけたのだろうと思いますけれども、われわれが正式に許可を発表する面前になって、向こうから、急に、団長を平団員に落としまして、別な人を団長にしたいと先週の金曜日に言ってまいりました。そこで、われわれとしては、あらためてもう一回いろいろ相談をし、今度団長になった人についていろいろ過去の日本における言動などを調べましたところ、はなはだ好ましくないという結論が出ましたので、代表団の入国は認めよう、しかし、そういう日本にとって好ましくない言動をした人は遠慮してもらおうというので、そういう筋の返事を一昨日ですか、関係代理申請者に対して申し渡したというのが現状でございます。
○稲葉誠一君 その団長になられた方と私はたしか北京でお会いしたことがあるわけですけれども、いずれにしても、日本における言動を調べてみたらという話がいまありましたね。そうすると、そういう未承認国から来ておるときには、その言動をふだんから一々調べて歩いておるんですか。そのところがまた問題なんです、どうやってわかるのか、その言動が。
○政府委員(八木正男君) それはきわめて明瞭簡単でございまして、あの人たちがやってきますと、いろいろな大会がありまして、そこで演説をやります。その内容は、「第十一回原水爆禁止世界大会議事録」として、これは一般に町に売っているんでしょうけれども、そういうのが発行されます。そこにその各人のやったスピーチが全文出ておりますので、それが資料になる、それだけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、原水禁大会で何かあいさつしたというので、町で売っている議事録で判断する以外に、未承認国から来たいろいろの入国した人の行動を、公安調査庁とか警備警察とかいろいろあるでしょうが、そういうのがキャッチしようと動いておるということはないですか。そこまではあなたのほうではわからないですか。
○政府委員(八木正男君) その辺になりますと、私どうも何も知りませんけれども、ただし、たとえばそういう調査機関の意見を聞いたときに、この聞こういうことを言ったというようなことを言う。しかし、それが公開の席でない場合は、われわれとしては一文の値打ちもないと思っております。われわれとしては、あくまでも公開の席で入国の目的に沿わないような言動があったということだけを調査の対象にして、それによってきめておるわけであります。
○稲葉誠一君 いま言われたことは非常に率直に言うとすきのある答弁なんですよ。調査機関の意見を聞いたらということなんでしょう。調査機関というのはどこが調査機関なんですか。そこが問題になってきますよ。それから公開のときのことだけを参考にする、非公開のときは参考にしないんだということを言われると、非公開のときのこともある調査機関が調べて、それもあるんだけれども、入管としてはそいつを参考にしないんだというふうにだれが聞いても聞こえるんですよ。私はそういうふうに聞きましたが、そうなってくると、公開の席であろうが、非公開の席であろうが、未承認国から日本へ入ってきた人のことについては——これは入管局長に聞くのは私は気の書だと思うんです。あなたのほうの所管じゃないですから、ほかの方、大臣が来れば一番よかったんですけれども、病院に入っちゃったものですからいたし方ありませんが、公開の席であれ非公開の席であれいろいろなことを調べている機関が報告をする、しかしその報告を受けたほうは公開の席だけのものしか参考にしないんだ、こういうふうに聞こえるんですよ。
○政府委員(八木正男君) それは、ただいまの私の言い方が悪かったのかもしれませんが、そういう意味じゃなくて、入管がいろいろ意見を尋ねる場合に、こういう人がこんなことを言っておるという事実だけを聞くわけですけれども、われわれが考慮の上に取り上げるのは、筋の通ったところで行なわれた言動、それだけに限っておるというわけでありまして、別にどういう非公開の情報が入ってくるとか入ってこないとかいうそういう問題じゃございません。われわれは、言ってきたのが、いつどこでこういうことがあったといった場合に、あくまでもそれが公開の、正式のといいますか、そういうところで大っぴらに行なわれた言動というものだけを見ておるわけでありまして、もちろん、情報ですから、それはいろいろ聞いたことやら見たこととして言ってくるでしょうけれども、われわれとしてはそういうものについては一切関心がないということでございます。
○稲葉誠一君 いずれにいたしましても、この問題については、きょうは時間的な制限もありまするし、この程度に私はしておきますけれども、未承認国からの入国、ことに北朝鮮なりあるいは中国からの入国の問題について、日本の政府はもっと自主的な立場をとらなければいけないんじゃないか、どうもよけいに神経質になり過ぎている、考え過ぎているんじゃないかというぼくは印象を持つんです。原水禁止大会のこの問題についても、北朝鮮からの入国も当然認めていいし、中国代表団も全員認めると、こういう立場に立つぐらいのひとつ度量といいますか、そういう自主的な立場というものを当然とって私はいいと、こういうふうに思うんですけれども、大臣がいないところで、局長にそれをどうこうしろということを言っても、私は率直な話お気の毒だと思いますから、ぼくはこの程度にしておきます。
○岩間正男君 関連して。私も、二、三、時間の関係がありますから、簡単に聞きたいと思うのですが、いまの質疑応答を聞いておりますというと、原水禁大会の場合に基準はゆるめてやるという考え方だ、こういうことを言われているわけです。しかし、今年度は基準がむしろ締まって、非常にかえってこう窮屈になってきた。いままでは、北鮮の場合、北ベトナムの場合、入国が許されなかったという事実はあるわけですけれども、今年度になるというと、中国の代表団長に対してこのような拒否権を発動するというようなことが起こったんですね。この結果は非常に重大な問題だと思うんで、先ほどゆるめる方向の基本的な立場に立っているということを言っているが、本年度は逆にその方向をきつく締めてきている。一体、どっちがほんとうなんです。これは、大臣に基本的な方針を聞きたかったが、しかし、入管の方針としても当然法務省全体の方針として決定していると思うのです。その点はどうなんですか。
○政府委員(八木正男君) 直接の御返答になるかどうか知りませんか、個人的に私として感じますことは、中国が今度の団長をすりかえてくれなければ非常によかったと思っております。そうすれば、全員入国許可ということになったと思います。
○岩間正男君 そういうことを言っても、これは中国の立場があって、中国の自主的判断によってきめられることで、日本がそれに対して干渉がましいことを言うべき筋合いのものじゃないでしょう。これは国際的な信義の上から言ってもこういうことは向こうの都合がある。ですから、そういう都合に対してこちらからどうこう言うことは非常にまずいんじゃないか。そういう点では、あなたの「読売」に出たきのうの談話というものは非常に問題だと思うんです。これは政治的発言です。こういうことを言っている。「政府は劉団長が好ましくないとの意向が強く、二十六日その非公式な方針を原水協に伝えた。——そのあとです——これは円満に団長をさしかえれば、全員入国を認めるという好意的配慮からだ。しかし原水協側が強硬な態度に出てくれば、円満な話し合いの道も断たれるわけで、二十七日中には政府の正式な方針を決めることになろう」云々という談話が出ております。これは間違いないでしょうな。だいいち「政府」はと言っているその「政府」はどういうことなんです。入管なんですか、法務省なんですか、政府全体なんですか。政府の決定にははっきり入管も関係しているんでしょうな。首相の判断ということにこれは考えていいのかどうか。そうでなくて、「政府は」というのは、あなたの判断なのか。 もう一つは、「円満に団長をさしかえれば、全員入国を認めるという好意的配慮からだ。」と、これはまさに干渉じゃないですか。向こうの入国する代表団に対する干渉なんです、日本政府の。そうでしょう。こういう点については非常に認識不足でまずいことだ、国際的にまずいことだと思うのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(八木正男君) まず、最初に、そこに談話に出ました記事を私は読んでいませんけれども、いま先生がおっしゃったようなふうに書いてあるとすれば、それは全然新聞記者が私の言ったことを書くときに表現がまずかったというだけでありまして、本件に対する談話など一ぺんも出したことはございません。 それから第二点ですが、確かに先生のおっしゃるようなお気持ちをお持ちになるかもしれませんが、同時に、われわれとしては、中国代表団を入れるのはあくまで日本の好意であって、かれらは入る権利というものはないわけですから、日本が好意的に入れてやっているというだけの問題であります。したがって、入れるについて好ましくない人がいれば、困るということを言うのはあたりまえでございまして、その点について別に干渉とかそういう——だいいち干渉といいますと、それを相手にいろいろやっていることになりますが、実はわれわれは国交がありませんから、交渉するわけでもないので、ただ仲へ立った人がこういう人たちの入国を許してくれと頼んできたときに、この人は好ましくないから入れぬ、この人は入れてあげましょうという、好意的な決定をしたというだけのことでございます。
○岩間正男君 好意的なというような表現ですが、これは問題ですよ、やはり。先ほどからことばの問題があったけれども、好意的に入れるとか、そういうような形では非常にまずいんじゃないか。外務省はどう考えますか。中国との関係において大体年間に日本人がどれくらい中国に入国を許可されているんですか。未承認国だ、確かに。しかし、歴史的にも地理的にも非常に深い関係があるんです。国民の交流が非常に多く行なわれている国際交流の立場から考えましても当然日本には儀礼というものがあるはずです。そういうものに対して、しかもこれは劉寧一氏の場合ですね、どういう人です。これはどういう地位の人ですか。こういうことは検討したはずでしょう、あなたたちは。これについて大体検討したところの話をしてください。何人中国へ行っているか。劉寧一氏という人は一体どういう地位の人なのか。 それから外務省に対しましては、これは小川局長にお開きしたいのは、これはなるほど未承認国だということにはなっている。しかし、実質的には日中貿易、文化交流その他を通じまして年々交流の幅は民間的には大きくなっているのだ。人民の交流は大きくなってきている。そういう現実というものは何も判断する必要はないのか。単にいま言ったような好意で入れいてる、まるで恩恵を施しているような言い方でもって、これは未承認国といえども国際儀礼にかなうのかどうか、こういう点についての判断を伺いたい。法務大臣がいないのは残念ですな。いないのだから、あなたの判断でけっこうです。
○政府委員(八木正男君) およそ独立国というものは、自分の国へ外国人が入ってくる場合は、だれを入れ、だれを断わるかということに対しては、たとえ小国であろうと大国であろうと、権利については何ら変わることがないというふうに考えております。したがって、日本としては、あくまで日本にとって利益であると政府が判定した人間には入国を許しますけれども、利益でないと思えば入国をさせないわけであります。 いま御質問の、日本人で中共に渡航した数でございますが、正確な数は存じませんが、大体三千から四千の間ぐらい昨年は行っております。これは中国政府が入国を認めることについて何ら中国にとって害がないと判定した人間の数だろうと思います。 それからもう一つ、団長劉という人ですが、この人がどういう人かということは、これは私何か年鑑みたいなもので調べましたら、ちょうど日本の労働組合の連合会の会長さんのような立場の人だそうであります。
○政府委員(小川平四郎君) 外国人を入国させるか、これを拒否するかは、特別の双務条約のない限り、一国の専管事項でございます。
○岩間正男君 小川さんにはそう聞いてないんだ。日本のいまの立場から考えて、外交的に考えて、好意的に入れる、あるいは恩恵的に入れるというようなそういうやり方でいいのかどうか。 それから八木さんですね、劉さんのことについて述べていましたけれども、これはもう少しあなた調べる必要がありますよ。原水禁大会でいままでたいてい代表団長になって来ていますけれども、いままで何回くらい来ていますか。
○政府委員(八木正男君) 資格はよく存じませんが、四回くらい来ていると思います。昨年は団長で来ております。
○岩間正男君 それから彼は中国共産党の中央委員でもあることも知っているでしょう。それからいまあなたがお話しした中国総工会という膨大な世界最大の労働組合の彼は主席なんだ。それから中華人民共和国全国人民代表大会常務委員会副委員長をやっている。こういうことも知っているでしょうね。そういう地位の人ですよ。その人が中国の平和問題をになってやってくるわけだ。しかも、いままで四回も来ている。私はこの人だけを特にどうしろと言っているのじゃないけれども、日本との交流の立場から考えたなら、あなたのいまの言動というものはやはり相当検討する必要があると思うんですよ。ことに、中国に三千人から四千人入国している。この人たちはどういうふうに考えていますか。日中の交流ということからいったら、こっちは招かれて、そうして向こうでも非常に世話になっている。向こうからも代表を呼びたい、こういう考え、国民的なそういう気持ちです。これは非常に強く、ますます年々広がっていくでしょう。そういう事態というものは全然無視するのか。そういう上に立って、しかも反対の方向にいまのワクを締めるというかっこうでこれをやっている。そうして、先ほどからのお話のように、これは団長を差しかえれば入国を認めるというような高飛車なやり方、それから好ましい人を好意的に入れるのだという恩恵的な言い方。これはなるほど形の上では国際的ないろいろな事情があり、特にアメリカの背後からの干渉がありましょう。そういう態勢の中で日中国交は回復されていない。日中国交回復の念願というものは、九千万日本国民の大きな願いになっているのじゃないですか。これは全国民の運動としてここ数年来展開されている事実をあなたは知っているでしょう。そういう理解の上に立ってこの問題を処置していかなければならない。これは、しかし、あなたをどう押しても、あなたの答弁の範囲内でないかもしらぬけれども、しかし、あなたは法規の上での役人としての当然の事務をやっているというのなら、そこからやはり逸脱するようなかっこうでのいろいろななにはまずいと思うんです。だから、好意的に入れるのだというような言動はいかぬ。これは大きな問題になりますよ。 それからさっきからのそういう向こうの国の構成に対してどうだということですが、ことに中国のしきたりとしては集団的な体制をとっています。これは日本の場合とだいぶん違っていることなんです。団長としてきめられた人が拒否された場合に、全団に対する拒否とみなすという連帯感の上に立っている。そこのところははっきりわかっていないでしょう。はっきりわかっているとすれば、団長を拒否することによって十六人の団員全部を拒否するという意向が最初からあったと言われてもしようがないでしょう。そうならざるを得ないでしょう。そんなことはわかり切っていることじゃないですか。それをぬけぬけと団長をかえればここで入国を認めるのだという、そういう官僚的答弁というものは非常に好ましくない。この問題については、時間もないから、これくらいにして、次をお聞きします。 これは先ほどの稲葉委員の質問にもあったわけですけれども、政府がきめた入国までの手続、経過ですね。これは公安調査庁、法務省内のいろいろな相談、それから外務省だということになるわけですが、今度の場合はどこでどうきまったのですか。これは法務大臣がこれに最後に裁決を下したのですか。それからその前に閣議の問題になる暇はなかったのかどうなのか。「政府は」ということばで言っているけれども、政府全体の意向なのか、この点はどうですか。
○政府委員(八木正男君) これは私はえらい人のことは存じませんけれども、毎年の年中行事のようなものですから、特にことしだけ特別な検討をしたり議論をしたりということはございません。われわれは、あくまで、先ほど申しておりますように、入管は入管の立場で、その一行の中に好ましくない人間がいるかどうかということだけの審査をしたにすぎません。したがって、上のほうでどういう話し合いが行なわれたかということは何も知りませんけれども、ただ、調べた結果、こういう日本を誹謗するような、日本の外交政策を誹謗するような言動を公開の席上ではいた人物であることは間違いないものですから、そういう趣旨で大臣の決定をいただきたいというわけでございます。大臣もそのラインを了承されておりましたから、おそらく、私としては、当然大臣としては御自分の判断によって、もしほかの閣僚と御相談する必要があるとお思いになれば御相談したでしょうし、それまでも及ばないと思えば大臣がお一人でおきめになったのかもしれませんけれども、大臣がそういうことの決定を下されたので、われわれとしてはそういうことで処置しておるわけであります。
○岩間正男君 これは大臣の処置だということで、その上のことは知らない、大臣の裁決によってあなたは執行した、こういう形にはなっておりますがね。そうすると、あなたのいろいろな言動の中には、そういうものを合理化するためであろうかもしれませんけれども、どうもおかしい、行き過ぎたような言動があると思うので、こういう点については、従来の入管の態度よりもどうも八木さんになってから変わったというような感じが私するんです、いままでずいぶんいろいろただしてきたのですけれどもね。 それから好ましくない言動だと、こういう判定の基礎になったのは、先ほどの原水協の出している何か文書によるのだというんですな。これはあなたのほうで資料として出してください。大体どういうものが好ましくないのか、こういう判断というのは簡単にはいかない。当然、原水禁大会の中で、いまの原水爆戦争、原水爆そのものをとめる、それから戦争の危険をとめる、そういうことなしに真の平和というものは守れない。ところが、それについてそれを進めているのはアメリカ帝国主義者だ。したがって、それに同調するような政策については当然批判するのはあたりまえだ。それをしないような平和運動というものは、単なる話し合いということだけじゃ実際は進められぬのです。現実に火をふいているベトナムの姿を見るときに、当然それと対決するということなしには平和という問題が考えられないことは、これは子供でもわかることですよ。そういう問題の批判をあなたたちのほうでことばの端々をとらえてやるようでは、これは話にならないですよ。したがって、私はその資料をここではっきり明らかにする必要があると思う。しかし、時間がないから、資料で出してもらってもいいけれども、その判断というものが、いま言ったようなことばの端々の問題で——まあ一体何を言おうとしたか、その全体の精神の中でことばが少し強くなったりすることは、これは当然あり得るだろう。そういう端々の問題でとらえられたのでは、これは問題になりません。その内容的な点に入っていくと、これは全く政治的な判断になっていくわけですから、政治的判断でもってこういう問題を拒否するというかっこうになれば、いま日本国民が非常に憂えているところの原水爆戦争、第三次大戦の危険だってはらんでいると考えられるこういうものに対して対決することはできない。この点に対する国民的な願いというもの、要求というものを、この上に立たないで、こんな勝手な形の上だけの処置でやったんでは、話になりません。 もう一つお聞きしたいのですけれども、私ここでどうしても明らかにしておかなくちゃいけないのは、一方で核禁会議というのが開かれておるわけですね。ところが、ここにはタイ、ラオス、マレーシア、南ベトナム、韓国、こういうところの代表が入国を許可されているんでしょう。そうでしょう。この代表の名前、これの資料はいまございませんが、どういう人が入国を許されているか。そうして、一方では、あなたたちの拒否した朝鮮民主主義人民共和国の代表、ベトナム民主共和国の代表、こういう申請、それに対して拒否した人たちの氏名、それからその理由、こういうものを、時間の関係がありますから、これは資料で出してもらってもいいですが、いまここでわかれば言ってください。何人入っておりますか。核禁会議は。
○政府委員(八木正男君) まず、前段の御質問ですけれども、ことばの端々という点ですが、それは大きな議論をしているときに、つい不用意な、あるいは非礼なことばが出てしまうということはあり得ることで、それを私も一々とがめておるわけではございません。しかし、いやしくも相当な社会的地位にいるような人であれば、外国に特別の好意によって入れてもらったということを考えたならば、その国の政策を公開の席で誹謗するということは、これは法律以前の問題、その人間の教養の問題じゃないかと思うのであります。 それから第二点でありますが、核禁会議に入ってくる人たちの申請、これは、実はあまり重要な問題でもないものですから、私、どういう国からどういう人が申請をしているか、いまこの場で覚えておりません。ただ、いまおあげになったような国は、みんな日本と国交関係のある国でございますから、そういう国からの入国者は、これは普通の友好国からの入国者並みに扱います。ということは、本人から現地の大使館に査証を申請した場合に、大使館がその人間の入国を許して差しつかえないかということを審査しまして、差しつかえなければビザを与えるというかっこうになりますので、そういう関係で、どういう国から何人ぐらいずつ、あるいはすでに入っているか、まだ申請の途中であるか、あるいは現に旅行中の段階であるかということにつきましては、ここで私申し上げるほど具体的に存じておりません。
○岩間正男君 これは資料で出してください。私たちも聞いていますけれども、たとえば、ラオスの場合、右派政権のルアンム・インシシェンマイ文相とかチャオ・ブ・オム・ナ・チャムパサック宗教相、マレーシア反共政府のセヌ・ビン・アブドル・ラーマン情報担当相、南ベトナム労働総同盟グエン・スワン・フン、韓国は元駐米大使の金貞烈、こういうようなのを聞いているんですが、これを正確に確かめるために出してください。 それからこういう人は許されていて、一方で許されない理由。 それから教養云々ということばがありましたが、こういう問題ももう少し慎重に話してもらいたい。国際的に関連のあるときに、教養の問題だとか。その全文は検討しなきゃならぬから、その全文も資料として出してください。これはわれわれ検討するから。あなたたちの言っているのは、何というか、よしのずいから天井のぞくような見解で、アメリカの、政府の政策を批判をしたと、こう言っている。これはそうじゃないんです。アメリカ帝国主義の核戦争政策、この危険に対し対決すると、そこから発言するのは当然なんです。それに対して同調しているようなそういう政策は、当然これは批判するという自由は保障されていいだろう。それほど、恩恵によって、そうして好意的に入れられたんだということで、肩を狭めて言いたいことも言わないで日本に入ってくるという、そんなばかなことが平和運動であり得るのか。あなた、ことばを慎む必要がある。教養がないとかなんとかというそういう言い方でこの問題をあなたがやったとすれば——この資料の中に幾らも食まれている重大な問題です。自分自身だって、こういう国会の重要な答弁の中でそういう不用意なことばを出しているでしょう。ましてや、平和に対決するそういう真剣なときにことばが強くなったり、そういう問題をとらえてやっていることは、それはことば自身の問題で、これは問題にならないと思います。時間がありませんから、そういう中で私たちははっきりこういう不当なやり方については了承することができない。以上の資料を出してもらいたい。 それから日本の置かれている現在の立場、そして、あくまで中国との友好関係、国交回復を念願している絶対多数国民のこういう念願の上に立つときに、それからアジアの現在の緊張状態を考えたときに、これを緩和することにはどういう方法が望ましいか。これはあなたたちに判断をまかしておってはできない重要な問題です。ところが、それをあなたたちの観点から狭いところに追い込んで、まるで反対の方向に導くような体制がとられておるとすれば、これは当然政府に責任があるわけで、きょうは大臣も次官も出てきていないので——ほんとうは総理に出てもらいたかった。佐藤総理はどうする、この問題を。こういう問題についてはわれわれは別なときにゆだねなくちゃならないと思いますけれども、最後に、どうですか、この問題を再検討して、まだ時間のあることだし、十分にこれは再検討をして、私はこの問題を撤回すべきだと、これについての御意見を伺っておきたいと思います。
○政府委員(八木正男君) この問題は、実は、私のところでは何とも再検討はできません。もし、ただいまお話しのような趣旨のことはやはり政府の最高の責任者において決定すべき問題でございますから、まあその人たちが方針を撤回して方針を改めるべきであるという結論に達した場合には、当然われわれのところにそういう指示が来るものと思います。 —————————————
○委員長(和泉覚君) 次に、茨城県岩井町における背任収賄告発事件に関する件について調査を行ないます。大森君。
○大森創造君 岩井町の問題について質問をいたします。この問題は、衆議院の法務委員会で前後三回問題になりましたし、それから本委員会でも前回に問題になりましたから、大体御答弁の側でも調査済みだろうと思います。わからないところをいまからお聞きしますから、お答えいただきたいと思います。 岩井町に誘致された聯合紙器株式会社とそれから鵠戸沼土地改良区との間でかわされた契約書なるものがあるわけです。これは、その十五条によるというと、「本契約は農林大臣の承認がなければその効力を失うものとする。」と、こう書いてある。この契約書は有効なんですね。
○説明員(中野和仁君) この契約書を農林大臣が承認するとかどうとかということではありませんで、国営の鵠戸沼地区の土地改良区財産、これは国営でありましたから国の財産であります、それを改築追加するというような申請が地元の土地改良区から県知事の副申をつけて参りまして、その土地改良区における施設の改築追加工事の承認申請を農林大臣が承認をしたと、こういうことでございます。したがいまして、その工事ができるということになりますと、おそらく地元ではこの契約に基づいてやるんだということで、この「承認」という意味はそういう意味ではないということであると思っております。
○大森創造君 そうすると、農林省のあなたのほうとすれば、この契約書それ自体を保証するものではないが、こういう聯合紙器なる会社が多量の水を必要とするので、そして土地改良区のほうから水をもらうということになるので、そういう関係を了知の上でこの内容については了承を与えたものですね、契約書については。
○説明員(中野和仁君) 申請書の附属書類でついてきておりますし、農林省としましては、農業用水の画から残水を会社に与えてあと支障がないかどうかということの判断の必要がございますから、そういう画からわれわれのほうもこの契約は承知しております。
○大森創造君 あなたに聞くのはどうかと思うが、これは附属書類として農林省のほうに出された。いま私が読み上げたように、農林大臣の承認を要するということが書いてある。だから、土地改良区のほうで本来の業務をやっていて、その残水を聯合紙器のほうに与えてもよろしいという許可を与えるについて、聯合紙器と土地改良区のほうでは相互の間にこういう契約書があるのだということを前提にしてこういう残水を聯合紙器に与えることを許可をしたというふうに了解してよろしゅうございますね。
○説明員(中野和仁君) 残水を与えるかどうかの許可ではありませんで、私がさっき申し上げましたように、土地改良区の管理する財産の改築追加工事をやってよろしいという承認を与えた農林大臣の行政行為であります。その実体といたしまして、聯合紙器と土地改良区とで、土地改良区の使っております水を使わせるということになっておるわけであります。
○大森創造君 それはそれでよろしいとして、自治省のほうに伺います。 自治省のほうは、すでにお調べ済みだと思うのだけれども、衆議院段階でも問答になったのでおわかりと思うけれども、昭和三十六年度から四十年度までの間に合計して二千二百八十万五千二百五十七円なる金額が役場から支出されている。役場から支出されているという事実はお認めになりますか。
○説明員(松浦功君) そのとおりでございます。
○大森創造君 そこで、これを土地改良区のほうで役場からもらうにもかかわらず、その金額の請求書、それから領収証が聯合紙器あてになっているということはどういうことでございますか。
○説明員(松浦功君) 自治省といたしまして県の地方課を通じて調査をいたしました結果によりますれば、聯合紙器あての請求書でございますか、土地改良区からの請求書、これを役場のほうに持ってきて、そうして役場のほうではその請求書を土地改良区から役場あての請求書に書き直してそうして交付をしておる、こういう報告を受けております。
○大森創造君 どういうことなんですか。そうするというと、聯合紙器のほうに対する請求書と領収証というものを書くと同時に、現金は役場のほうから出るから、役場のほうにも請求書と領収証を出していると、そういうことですか。
○説明員(松浦功君) もう少し具体的に申し上げますと、土地改良区から聯合紙器あての請求書、これを持ちまして土地改良区が役場のほうに参っておる。役場のほうでは、その請求書をよく見て間違いないということを確認をいたした上で、土地改良区から役場に対する請求書をその場でつくって、そうして土地改良区に対して金を交付しておる。したがって、私どもの手元にございます領収証も、土地改良区から役場あての領収証が残っておるようでございます。地方課のほうの調べを通じて私どものところに報告した限りにおいては、そういう形になっております。
○大森創造君 どうも私は頭が悪いようなんで理解に苦しむんだが、これは役場と——いいですか、端的にお答え願いたい、役場と聯合紙器の間に両方書いているということですか。
○説明員(松浦功君) あくまで書類として残っておりますものは、土地改良区から役場への請求書であり、それから領収証も土地改良区から役場に対する領収証が残っております。
○大森創造君 そうすると、お調べになったかどうかわからないが、私の調べた限りでは、そうではなくて、今度は土地改良区のほうの決算書を見ると、聯合紙器から全部受け入れたことになっている。これはどう説明します。
○説明員(松浦功君) その点につきましては、土地改良区の経理の問題でございますので、土地改良区のほうの経理の問題は私ども調べておりませんし、土地改良区がどういうつもりでそういう御処理をなすったか私ども知りませんが、おそらく先生も御承知のように、表向きの土地改良区とそれから聯合紙器の契約があることは御存じだろうと思います。その契約を町が聯合紙器にかわって履行をするという契約が問題になっておったことも、衆議院段階で出ておったので先生も御存じになっていると思います。それらの関係を顧慮してやられたことではなかろうかという推測をいたしております。
○大森創造君 そうすると、私はそこらのところがどうもわからないんですよ。この契約書は非常に丁寧な契約書ですよ。がっちりした契約書ですよ。そこで、年月日は昭和三十六年九月十三日なんだが、この契約書の中には、あなたのほうは御存じないかどうかわからないが、こちらのほうとしては答えていただきたいが、十二条にはこう書いてある。「乙が——乙というのは聯合紙器ですよ——第一条から第十一条の規定を遵守履行せざるときは甲は——甲というのは土地改良区です——催告し、尚応ぜざるときに本契約を解除出来るものとする。」と書いてある。そうすると、このとおり履行しないというとまずいことではありませんか。
○説明員(中野和仁君) 先ほど土地改良区との関連が出ましたので、いま私のほうで調査いたしましたことをやや詳細に申し上げてみたいと思いますが、先ほど先生おっしゃいましたこの契約書が出されましたのは九月十三日ということになっておりますが、そこで、土地改良区の理事長としては、その契約書に基づいて請求書を聯合紙器あてにつくったようであります。ところが、町が工場を誘致する際には、誘致条件として工場用水なりあるいは工場廃液の排水については町と会社の間で別に契約は取りかわしてあって、町が負担する義務があるのだ、したがって、会社に直接請求しても会社は支払わないことになっているから、町の役場を経由して岩井町から支払いを受けてほしいという話が町長からあった。そこで、土地改良区の理事長としましては、そういうような契約書の関係で本来筋から言えば会社が支払うべきものである、しかし、そういう経緯がずっとあったわけでありますから、自分で専決でそういった役場からいただくのもいかがかと思いまして、理事会にはかりまして、役場からいただくことにして口頭で理事会の了承を受けているというような経緯になっております。 以上でございます。
○大森創造君 そうすると、これは衆議院段階でも明らかになったように、三十六年の九月十三日のこの契約書を私は重視するのだ、形式的には。だけれども、いまお話しのように、私の調査によってもその点は一致している。三十五年の十二月ごろですね、聯合紙器を誘致する際に覚え書か契約書か、何かあったんですね。その土地の売買契約書か、何かそういうものがあったんですね。その内容は、土地を坪当たり何ぼで聯合紙器のほうに売る、そういうものと同時に、附帯事項として、水の問題については心配をかけないというような趣旨の文書の取りかわしがあったんですね。
○説明員(中野和仁君) 残念ながら、われわれのほうには、その三十五年十二月の役場とそれから会社との契約書はございません。けれども、おそらくそういったような話があったのではないかというふうに想像はされます。
○大森創造君 それから昭和三十六年の九月十三日にこういうがっちりした契約書を聯合紙器と土地改良区の間に結んでおいて、それから三日過ぎた十六日の日に、これは協定書というか契約書というか、よくわかりませんけれども、町長か町が聯合紙器のほうと話をして、そうして三日前に結んだ契約書の内容の諸事項は町が責任を持つという、そういう協定書か契約書ができておる、こういうことを御存じですか。
○説明員(中野和仁君) 私のほうは、県庁を通じまして調べました結果、そういう約束があるということを承知しております。
○大森創造君 工場の誘致という問題については確かにややこしいことがあると思うんです。しかし、客観的な事実はこれは説明をされればわからないはずはないと思うので、そういう意味で私は御質問申し上げているのだが、これは、私が調べたところによるというと、いま申し上げましたように、こういう契約書があったそれよりも前に、三十五年十二月ごろに、覚え書か協定書があった、水の責任は町が持つということ、同時に、この契約書を取りかわした、それから三日後にまたこれを否定するような、こういう契約書の内容は町が責任を持つというような契約書なり覚え書がかわされた、こういうことなんですね、いきさつがですね。この三つの関連をどういうふうに考えたらいいでしょうか。これは、立会人は、ここにおられる中村喜四郎君と、それから土地改良区の立会人は吉原三郎岩井町長、それから県庁の役人である境土地改良事務所長上野秀雄と、りっぱな人が三人立会人になっていて、契約は、甲が鵠戸沼土地改良区理事長藤井嘉一郎、乙は聯合紙器株式会社取締役社長本田恒と、こういうことになっているんだね。念には念を入れて、「右契約を証するため本契約書を五通作成し各々記名捺印の上その一通を所持する。」ことになっている。どこに比重を置くべきなんですか、これは。どういうものをよりどころにして工場を誘致したんですか。第一回目の覚え書か契約書か、それがほんとうなのか、この契約書の内容はインチキなのか、これから三日過ぎた契約書というもの、この契約書を否定するような町長と聯合紙器との間の契約書というものが本物なのか、これはどういうふうに理解すべきでしょうか。
○説明員(中野和仁君) 私のほう、農林省といいますか、土地改良区のサイドからいろいろいままでの調査によりまして私が感じましたことになるかもしれませんが、おそらく、役場で工場誘致をするということが先にありまして、その場合に水が要る、そうなった場合には、現に土地改良区が水を使っておるわけでありますから、その水の残水を使わなければならない、こうなってくる。そこで、そうなりますと、残水を取るための導水路その他の工事が必要であります。ところが、でやった工事でありますから、農林大臣の追加工事の承認が要るというところでこういう契約を結んだ。それは形式的にはあるいはこの契約書が形式的な話で、そして実際は町が工場を誘致する際に工場との話し合いでその辺の財政的な負担は町がするということにあるいは事実上なっておったのではないかと思うのです。それを正式に十三日の契約書のあと十六日に確認をしておるのではないかというふうに私としては感ずるわけであります。 なお、これにつきましては、県庁の土地改良の指導監督という面からでございますが、本年の三月に定例監査をいたしまして、このときに県としてもそれに気がついたわけであります。そこで、県としても、やはりその辺を、役場からいただくということになっておるのならそういうふうにすべきだし、役場からもらわないなら聯合紙器からもらうというふうにはっきりしたほうがいいのではないかということを口頭で勧告をしておるということでございます。
○大森創造君 私はその三つの覚え書とか契約書というものを、これは九月十三日の契約書は私は写しを持っておりますから必要ございません。町長と聯合紙器の間で工場を誘致する三十五年十二月ごろかわされたという実質的な内容を含んでおるもの、これはどうしても必要ですから、ひとつこれをお出し願いたいと思うんです。と同時に、このりっぱな契約書の内容を実質的に否定して、町が責任を持つんですということを取りきめた契約書、これは町長と聯合紙器の間に取りかわされたものだと私は想像するんだが、こういうものをお出し願いたいと思うんだが、いかがですか。これは調査のだめぜひ必要だ。それがわからなければわからないんですよ、これはおとぎ話のようなもので。お出しいただけますね。
○説明員(松浦功君) 自治省で調査をいたしました限りにおいては、事件に関係あるものとして関係当局に収去されているもの以外は写し等入手をいたしておりまするけれども、捜査の段階にあるのでということで先般の衆議院の段階ではいましばらく資料の提出を御容赦願いたいということで一応御了承いただいておりますので、お含みいただきたいと思います。
○大森創造君 これはどうしてもその点が重要なんですよ。そして、自治省のほうは、あるいは農林省のほうは、県の地方課を通じて云々ということを言っておりますが、これはひとつ現地に行って調べてもらいたいと思うんですよ。事実が明らかになってこれはこうだということがわかれば私は納得しますから。その書類はどうしても必要なんだ、この問題を考える場合。わからないんですよ、私は。あなた方もよくわからないんじゃないかと思う、いまから質問いたしますが。 この点はいかがでしょう。これは聯合紙器から出すということに一応は契約書でなっているが、その契約書を否定するような覚え書か契約書が町長と聯合紙器の間にできているということはお認めだと思う、これは。そこで、聯合紙器が当然出すべきであろう金を役場のほうで払ったわけですよね。これは御了解だと思うんです。合計二千二百八十万円。ところが、これは、私の調査ではこうなんだな。昭和三十六年の九月の十三日の立会人が三人いるそういう契約書の内容を、町が責任を持つということを保証するような覚え書か契約書がありますね、さっき申し上げたとおり。それを裏打ちするように、確かに役場でいま申し上げました金額を三十六年から四十年度にわたって役場が支出しているんですよね。役場が支出している。で、これは、前回の中村君の質問に対して、あなたのほうでは、地方課を通じたならば議会の議決があったという。私の調査によってもそれはそのとおりです。だけれども、この問題については、三つの契約書なり覚え書というものが議員には全然わかっていないんですね。一般の町民も知らされていないんです。だから、行政府としての役場が、行政区域内の土地改良区というものに対して助成をするんだという名目で、こういう昔後のいきさつは全然わからないままにこのことが議決されたということなんですね。これは問題じゃありませんか。
○説明員(松浦功君) ただいま御指摘のように、土地改良区と聯合紙器との間の契約を、町が聯合紙器にかわって土地改良区に対して債務を履行するという覚え書が昭和三十六年九月十六日に取りかわされているということは、私どもの調査でも明確でございます。それに基づきまして町が土地改良区に助成金二千二百数十万円を支出しているということも調査によりまして事実でございます。ただ、ただいま先生から御指摘がございましたように、個々の毎年度の予算について土地改良区にこれだけの助成をするという予算が出てくるわけでありますから、私どもとしても、予算審議の過程を通じてどういうために出すのだということは町の議会の議員も決をとる以上は承知の上でやっておられるのではなかろうかというように理解をいたしておりますけれども、それよりも前に、こういう覚え書をかわすことによって将来に向かって債務負担を負うことになってまいります。しかし、それだけの全貌を明らかにするための覚え書の内容というものをあらかじめ議会の議決を得ていなかったということは、私どもは自治法上の手落ちではなかろうかというふうに考えております。
○大森創造君 自治法上の手落ちというより以上に私は問題だと思うんです。そこで、このことは私の調査では間違いないと思うのだが、二千二百八十万円という金は、これは前回の中村議員の発言と、衆議院の法務委員会の記録や、それからきょうの皆さん方の御答弁を聞いてはっきりしたことは、聯合紙器が本来負担すべきものを役場が議決をして負担をしてしまった、こういうことになるわけですね。
○説明員(松浦功君) そこをどのようにお答え申し上げるべきかでございますが、ただいま先生から御指摘がございましたように、聯合紙器と土地改良区の契約書があって、その契約書に基づいて土地改良区に対して聯合紙器が負担すべきものを実質的に役場が肩がわりをしている、こういうことには見れるというふうに思います。
○大森創造君 そういうことも私はいいと思うんです、これは。私は、この契約書がかわされる段階で、いろいろ聞いてみたんですが、確かに町会議員の方はお知りにならない方がいたろうが、土地改良区の相談役や理事長はいろいろ議論をしたらしい。当然水代というものが私は問題になるだろうと思うんです。水代として、工業用水として、東京は一トン当たりどのくらいの相場か知らぬが、水戸では一トン当たり十五円だそうです、あるところでは。そうすると、この水代を計算すると、これは三万六千トンですか、一日に。そうすると、十八万円になるんですわ。一年間に六千七百五十万円になるんです。三十六年から三十七、三十八、三十九、四十と、こうなると、私の計算では、五円に換算して三億三千七百五十万円になるんです。この聯合紙器という会社は水がある程度大きな比重を占めていると思うのです。長良川にしようか利根川工場にしようかということで相当迷ったのに、まあ町長が岩井のここに来たほうがよろしいということで引っ張ったと、そのためにまあ一般の町会議員とか町民に知らせないようにして覚え書なるものがかわされたと、こういうことだろうと私は理解するのですが、それなら、常識的に考えて五円に換算して三億三千七百五十万円、こういう水を取水しているのだから、この水代はどこにあるのですか。
○説明員(中野和仁君) 水は土地改良区のものではないわけでございます、公物でありますから。これはまあただと言ってはおかしいのですが、そういうものです。そこでいろいろ土地改良をやっておりますけれども、それの管理ということでポンプをつけたりあるいは水路の維持補修をやったりというための維持管理費が要るわけであります。それを土地改良区も出しますけれども、工場がここに誘致されて、しかもこの水が土地改良区で使います排水で、本来下のほうへ流れていってしまうものを途中から余分の水を取るということでありますから、水を売っておるという観念ではないのじゃないかというふうに考えます。
○大森創造君 なるほど、そうかもわかりませんね。その点はそうかもしらないが、そうすると、二千二百八十万円何がしの金は、水代というのは確かにいま御説明のようなことであるかもしれないが、とにかく利根川のこういう土地改良区の残水を利用しない場合に、よその土地で聯合紙器がこういう仕事をやった場合には、水代は払わなければなりませんね、当然。たまたまこういう鵠戸沼土地改良区というものがあって、そうして残水を利用したらどうだということのそういう条件が君井町にはあっただけの話で、よそでやった場合には水代が当然問題になるでしょう、東京でやった場合には、水戸でやった場合には。今度の場合には水代というものは考慮に入れなくてもいいようなものなんですが。
○説明員(中野和仁君) ちょっと、失礼でございますが、先生の御質問の意味が……。
○大森創造君 東京でやった場合には——この工場が東京のどまん中の千代田区なんかに来るわけはないけれども、たとえばよその土地で段ボールの再生か何かこういう工場が誘致された場合には、水を買わにゃならぬでしょう。たまたま農林省認可のそういう土地改良区があったから水代というものが残水を利用するというだけの話であって、水代というものは当然一般的には会社の経営上大きな比重を占めるものじゃありませんか。
○説明員(中野和仁君) 一般論としては、先生のおっしゃいましたようなこともあり得ると思います。たとえば、ある場所に土地改良をこれからやる、それから工場もこれからそこへ建てると、両方に水が要る。それには工事費がたとえば一千万円なり一億かかる。それなら、水を土地改良区で一日三万トン使う、それから工場で二万トン使うということになりますれば、それにかかりました経費を両方で案分してやるということもあり得ると思います。ただ、この場合には、本来、土地改良区が先にできております。しかしながら、工場が来た場合に、たまたま土地改良区を流れております用水を使いましたあとは排水する水を出すようになっておるからこういうことになっておるのじゃないかと思います。
○大森創造君 そうしますと、水代というものはこの場合には特殊なものであって、一般的に水代を支払うというふうな性質のものじゃない、土地改良区の性質上。だけれども、あれやこれや勘案して五円に換算すると三億何がしになるのだが、そういうかたい計算ではなくて、持ちつ持たれつの関係だから。そこで、乙なる聯合紙器のほうが甲なる土地改良区のほうにこの契約言の各条項を履行してやることによって水代やその他の条件はあるだろう。一方、町にも税金が入るだろう。こういうことで相殺するような意味でこういう契約書の内容が盛られたものだと思うのですが、いかがですか。
○説明員(中野和仁君) どうも、その辺、私自身は当時のそういういきさつを存じませんので何とも申し上げられないわけでありますけれども、おそらく、ここで契約いたしまして、毎年年間百七十万円を維持管理費の一部として負担することにしまして、土地改良区の皆さんのポンプその他の維持費の軽減をはかったというふうに考えられるわけであります。
○大森創造君 そこで、百七十万円は、これは私は生きておると思うんです、この契約書は。こんなりっぱな契約書はないですよ。これは生きておると思うんですよ、私は。それというのは、この契約書の中に見ると書いてあるんですね。動力費の一部として百七十万円を——ここに響いてある。第六条の「(経費の負担)」という項に、「乙は——すなわち会社は——第三条各号に掲げる施設の新設及び補修等の経費は全額を負担する。」と、こう書いてある。そして、「一、」として、「乙は——会社は——甲が——甲というのは土地改良区ですね——管理する全施設の維持管理費の一部(動力費)として年額一百七十万円を負担し——ここまで丁寧に書いてある——毎年七・九・拾二月、甲に納入するものとする。」と書いてある。それを受けて、今度は特別会計で役場のほうから実際に支出している。これは議会やその他の町民に知らされない。町長と聯合紙器のほうの覚え書によってこのことが実施されている。それと符合するのです。百七十万とちゃんと書いてある。 ところで、問題だと思うのは、そういう背後関係を一切知らないのですね。議員は知らないと言っているんです。これは議決してしまいますよ、一般的な情勢として。 それなら、この点はいかがでしょう。ずっと百七十万円は支出している。三十六年度から三十七年、三十八年、三十九年、四十年度まで。ところが、ことしの予算の内示には百七十万が消えている。役場から支出しないようにしている。これはどういうふうに説明されますか。どういうことなんですか。ことしは役場から支出してないのだ。
○説明員(中野和仁君) 土地改良区の当初つくりましたこの予算書、四十一年度の収支予算雷でございますからことしの分でございますが、これには聯合紙器株式会社の契約金百七十万円ということで、雑収支で受け入れるということの予算を組んであります。それは、ことしだけこう書いたのじゃなくて、経理上といいますか、この収支予算書では、当初から聯合紙器から受け入れるということを書いて、年によりましては岩井町役場というようなことを書いた年もあるようでございます。もしいまの先生のお話のようにことしこういうことで役場のほうから金が参らないということになりますれば、土地改良区としましてはおそらく会社に請求をしていただくということにしなければこの契約が全うできないということになるわけであります。そこで、県庁ともわれわれ打ち合わせをしたわけでありますが、県の意向としましても、土地改良区に対しまして、契約のとおり聯合紙器あての請求受領するような支払い方法をとってもらうか、あるいは、いままでの経過がありまして新井町長と会社との契約によって費用負担を町が行なうということであれば、土地改良区と役場とでそういう契約をする。いずれにしましても、その辺を明確にいたすように指導したいというふうに考えております。
○大森創造君 明確にすると言ったって、私はおかしいと思うんだ。いまのお話によるというと、土地改良区のほうで、四十一年度はやっぱりいままでと同じように、受け入れば百七十万円にする。これは当然だと思うのだ、土地改良区としては。しかし、もらう相手が役場でなくなるのだな。これはお認めになるでしょう。いままでの私の説明によって今度は聯合紙器にくらがえするわけでしょう。
○説明員(中野和仁君) その辺は、書類上は、さっき申し上げましたように、初めからずっとそういうふうに書いてあるのです。ですけれども、実際は昨年までは全部役場からいただいている。おそらく、土地改良区としては、いままでの経緯があるから、役場でいただこうというつもりでおるのではないかと思います。ただし、そういう役場との関連が出てまいりますから、それは今後折衝の問題じゃないかと思います。ことし役場が払わないというふうには私どもまだ承知をしておりません。
○大森創造君 これは、私が調べたところでは、今年度の岩井町の役場の予算の内示書があったわけです。きょうは町会議員の方もおられるわけだ、ここに。これはいままでは役場で支出をしていたんですよ。だけれども、今度は金額が役場の予算にはないというわけだ。そこで、いまのあなたの御答弁によると、県のほうと連絡して云々明確にするというが、そうでないと思うんだ。これは重大問題だと思うんですよ。この百七十万円というものが役場から出すべきものであるのか。契約書の条項にちゃんと書いてあるんです。役場で持つべきでない、こういう告発状が出ているわけですね、御承知のとおり。そこで、速日、町民の方が国会や県会のほうにおいでになっておる。ことしは百七十万円を役場の予算書に計上しなかったのではなかろうかと私は思うんですよ。ことし計上しないものを何で三十六年からいままで出してきたか。ここらがどうもわからない、ぼくらには。お教えいただきたい。
○説明員(中野和仁君) どうも、役場が百七十万円計上するかしないかどうかは、私のほうでは何とも申し上げられないと思います。
○大森創造君 私の調査では、役場ではことしは計上しないということなんだね。そうすると、百七十万円というものは、役場で出すべきか聯合紙器で出すべきかといえば、本来は私は聯合紙器が持つべきであろうと思う。本来は。だから、ことし四十一年度から聯合紙器が出すのじゃなかろうかと私は想像するわけです、土地改良区のほうに。それならば、百七十万円というものを三十六年度からずっと役場が出している、こういうのはどう説明するか。これはどうもおかしいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(中野和仁君) 先ほど経過的にその当時のいきさつ等を私が申し上げましたときに、結局、いままでは、形式というのは非常におかしいかもしれませんが、この十三日の契約書によりますれば当然会社と土地改良区の問題だと思うのですが、その前の話なりあるいはそのあとの覚え書等によりまして実際は役場が払うということで、おそらく土地改良区も役場のほうも会社のほうも了解してずっと話が進んできたのではないかと思います。ことしになりましてあるいは役場のほうで当初は払わないというふうに——予算に載っておりますれば払うが、払う予算がないわけでありますから払えないということになるわけでありますが、ことしは払えないから、いままでのはどうかということになりますと、それは事実問題になるのじゃないかと思うのです。単にこの契約書が優先するとか、こちらが優先するとかいうようないろいろの考え方もあろうかと思いますが、どうも全部総合してみますと、私が申し上げましたように、実際は町民の方が知っておられたかどうかは別として、関係者の間ではそういうす解のもとで四十年度までは金が出た。四十一年度からはいろいろな事情から出せないということになりますれば、当然、土地改良区としましては、いままで町長がかわって払うということになっておったわけでありますから、町長も入れましておそらく会社と交渉しなければいかぬというふうに考えます。
○大森創造君 それではお伺いしますが、この契約書は私は生きていると思うんですよ。だから、本来の姿にかえって、いままでの措置が誤っていた、役場で支出したのが誤っておったのであって、聯合紙器と土地改良区との間にこれはがっちりした契約書があるのだから、契約書に基づいてこの百七十万円というものを本来の姿に戻して聯合紙器で払うべきそういう性質のものであったというふうに理解している。 そこで、その中にやっぱりこういうことが書いてある。十一条の二に、「乙は前項の事業を円滑に維持するため次の備品を常時整備しおくものとする。」として「(イ)サンドポンプ船一般、(ロ)ブルドーザー台」とある。これはこの契約の条項にこの部分はやはりよっているのだろうと思うんです、聯合紙器のほうが。というのは、いま申し上げた契約書の十一条にのっとって五百万円という金を三十七年の二月に負担付きの寄付として役場に出している、聯合紙器は。この事実はお調べになりましたか。
○説明員(松浦功君) 存じております。
○大森創造君 そうすると、話がややこしくなる、どうしても。こういう契約書の内容は、これに盛られたもろもろの条項は、これは町が責任を持つと、三日たってからやったんですね。さっきからの御説明によると、そうでしょう。この契約書は、ちゃんと甲乙ときめて、立会人がそれぞれ権威のある人が三人いて、そして「農林大臣」云々なんていうことも出てくる。ところが、この契約書をかわしながら、この内容のことは全部町が責任持つというふうな覚え書か契約書か誓約書かわからないけれども、町長なり、役場なりと聯合紙器のほうでできているんですね。そうすると、これは架空のものじゃないかというと、そうでもないらしいのは、いまの百七十万円にしてもそうだが、昭和三十七年度に、これに書いてあるように、サンドポンプ船とブルドーザーというものを、この契約書の十一条の条項にのっとって、聯合紙器が役場のほうに負担つきの寄付として五百万円出しておる。これはお認めになっておる、こちらは。そうすると、どういうことなのか、役場がいままで二千何百万円出したということは、本来、会社が、百七十万円を動力費として、サンドポンプ船の購入費も含めて、全部聯合紙器という会社がこれは持つべきではなかったかと私は想像するんです。そういう意味の、何というか、告発状が出ているんだね、会社に対して、金を返してくれという。いままでの問答でどうも私はわからないのだけれども、この契約書というものは架空のものであるとは私は思えない。いまの百七十万円をずっと出してきた。ことしになって方向転換しそうなんだ。これはあとでわかるでしょう、ここに町会議員の人がおられるわけですから。百七十万円は今度は聯合紙器のほうでこの契約書の条項にのっとって出すということで方向低換して、これはあと十日か二週間したらわかるでしょう。これはあなたのおっしゃるように、聯合紙器で出すようになるかわからない。それと同時に、五百万円というものは受け入れているというのだ。これは三十七年度に役場が受け入れている。そうすると、負担つきの寄付ということについては、自治省のほうにお伺いしますが、これは議決を要しましょう。
○説明員(松浦功君) この場合は五百万円でブルドーザーを買うということでございますから、指定つきの寄付といろことでございまして、自治法上は負担つきの寄付ということにはならないと思います。指定寄付ということに相なるかと思います。負担つきの寄付と申しますのは、土地を寄付するから、その上に何々を建てろと、寄付金をこえて財源を団体が付加をしてやらなければならないという場合を負担つきの寄付と言っております。したがって、指定寄付という観念で取り扱うべきものだと存じます。
○大森創造君 お教えいただきましてありがとうございましたけれども、五百万円というものは、そうすると、聯合紙器から事実上役場のほうに受け入れたということはお認めになっておりますか。
○説明員(松浦功君) はい。
○大森創造君 どういう形式でこれは受け入れたのでしょう。
○説明員(松浦功君) 昭和三十七年二月二十二日に聯合紙器の工場長からブルドーザー購入代金として五百万円の寄付を受けておるようでございます。
○大森創造君 だれがです。
○説明員(松浦功君) 町長が受けております。
○大森創造君 そうすると、それは役場の勘定の中に入っているものなんですね、議会の議決は得ないが。
○説明員(松浦功君) 当然歳入として五百万円は寄付金の中にあがっております。
○大森創造君 それは、次の年にあがったのですか、その年にあがったのですか。
○説明員(松浦功君) 歳入の取り扱いとしては、三十七年の歳入として入れております。
○大森創造君 私の考えでは、これは間違いかな、地方自治法の九十六条の一項八号に該当するものであって、議決を要するものと思ったのだけれども、それはあなたのほうの説明が正しいとしましょう、私よりもあなたのほうが専門家だから。 そこで、この五百万円でブルドーザーを買わなくていいのですか、指定つき何とかということになると。
○説明員(松浦功君) 指定つきの寄付というのは、負担つきの寄付というような厳格な法律条件のついたものではございません。したがって、五百万円を受け入れてそれを使う限りにおいては、歳出に計上していけば、法律上の問題は生じない、こう考えます。
○大森創造君 これはいつ受け入れて、そうしてこの金は一般予算の中に入れちゃっていいものですか、こういうものは。
○説明員(松浦功君) 一般論としてお答え申し上げますと、たとえば私が役場の関係の職員をいたしております。先生が当該町の住民であって、非常に篤志家であって、災害の非常に多いところだというので、ブルドーザーを一台買いなさいといって、一千万円の寄付金をちょうだいしたということになりますと、当然寄付金で歳入に一千万円をあげて、そうして一千万円のブルドーザー購入のための歳出を組む、そして、ブルドーザーを買う、これが常識的な措置に相なるわけでございます。
○大森創造君 その場合に、町のほうでブルドーザーを買わない場合はどうですか。それでも法律的には差しつかえないというわけですか。
○説明員(松浦功君) 法律的に純然と詰めてまいりますと、何々を買ってほしいというようなものは、寄付者の希望というふうに法律的に理解をされております。したがって、寄付した者の別のものを買うというようなことになれば、寄付した者の意思を無視したということに相なって、徳義的には問題を生ずるかと思いますが、法律的にはそういう意味で直ちに五百万円の寄付の受け入れが違法であったという形には私どもは相ならないのではないかと考えております。
○大森創造君 なるほどね。そこで、こういうものも警察の調査の段階で澄んだん明らかになってきたんですよ。いままで申し上げたことは全部知らされていないんです、私の調査した限りでは。土地の売買契約から始まってこの契約書もわからなかった。土地改良の代表の人などはおわかりになっていたでしょう。しかし、町会議員の方はおわかりにならなかった。それから繰り返すようですが、これから三日過ぎてこの内容の条項を町が一切負担を持つようなことも、衆議院の法務委員会からの段階で、それから社会党の議員が現地におもむいてだんだん明らかになったのが事実であって、一切これはつんぼさじきだと思うんですよ、現地では。そこで、これは、五百万円というものは、ブルドーザーを買ってなくても法律的にはさしつかえない、徳義上の問題ということですか。五百万円を一般予算の中に繰り入れちゃって。ところが、この契約書に書いてあるんですよ。「乙は前項の事業を円滑に維持するため次の備品を常時整備しおくものとする。(イ)サンドポンプ船一般、(ロ)ブルドーザー一台」、これに見合うものだろうと思うんです。
○説明員(松浦功君) 御指摘のように、私どもの調査によりましても、五百万円の寄付金を受け入れまして、ブルドーザーを購入いたしておりません。百八十万円のサンドポンプとそれに付帯する備品、合わせて約二百万円前後のものを購入いたしております。これには調査によりますればそれぞれ理由があるようでございまして、ブルドーザーはこの場合にあまり役に立たないということであったようでございます。 あとの三百万円はどうなっておるかと申しますると、概算三百万円の金は町の一般財源として使われておるということでございまして、これについて別に寄付者のほうからの文句も出ていないし、法律的にその効力がどうかということになりますれば、これは法律的には別に効力に影響はないというふうにお答えを申し上げざるを得ないと思います。
○大森創造君 そこで、そのブルドーザーはあまり必要がないので、サンドポンプ船を二百一万円で買ったということは私は認めますが、それでは、サンドポンプ船というものはだれの所有なんですか。
○説明員(松浦功君) 当然町有でございます。
○大森創造君 町有であるという事実は確かめましたか。
○説明員(松浦功君) 予算を通じて買いました以上、これが町有になることは当然のことでございます。ただ、具体的に——おそらく先生が御質問なさろうとしておられるのは、財産台帳に記載がないんじゃないかという問題等を含むかと思いますが、私ども調査をいたしましたところでは、このサンドポンプは岩井町の財産台帳には載っておりません。その点は私どもは自治法上の手落ちであるというふうにこの点は地方課を通じてすでに申しております。
○大森創造君 サンドポンプ船というものは、いままでの御説明の経過からして、当然町有であるべきものだというふうなお答えであろうと思うのです。現実には役場の財産台帳に載ってないということなんでしょう。そうでしょうね。載ってないということは、単なる手落ちでなくて、だれかの所有になっているんじゃありませんか。利根浚渫という会社の所有ではないんですか。
○説明員(松浦功君) このサンドポンプは町有でございます。財産台帳に載っていないものが町有でないということではないのでございまして、財産台帳に載っておる載っておらないにかかわらず、町有であることには間違いがないと思います。ただ、現実には、そのサンドポンプを聯合紙器に無償貸与し、聯合紙器がまた利根俊深有限会社に無償で貸与しておると、こういうことのようでございます。
○大森創造君 そこらがわからないのですがね。こうなんですよ。一方、役場の会計によるというと、サンドポンプ船の施設費負担金として百八十万円何がしが三十六年度に支出されている。三十七年度にはサンドポンプ船の施設費負担金として二十万三千六百十六円。合計して二百一万というものが役場から土地改良区のほうに対する助成金として計上されているんですよ。そうすると、役場の財産じゃないでしょう、これは。この金で買ったんだから。
○説明員(松浦功君) 私どもの調査によりますれば、二千二百八十万円の内訳では土地改良区に対する支出と聯合紙器に対する支出と、それから直接役場から支出したものに区分をされておりまして、直接支出したものとして百八十万一千円程度のサンドポンプ購入代金がきちんと調査の結果明らかになっております。したがって、土地改良区にポンプ代を支出したという事実は私どもの調査ではございません。
○大森創造君 これはそれではどう説明するんでしょうか。特別会計として議会の議決を得たものの中に、同じサンドポンプ船の施設費負担金として二回に分けて合計ぴったり金額が符合するような予算の議決がなされていて、その予算で議決された金額というものは、その金員は、これは鵠戸沼土地改良区の助成金として役場から支出されているんでしょう。もう一台サンドポンプを買ったということになりましょうかな。
○説明員(松浦功君) 地方課で役場の会計を全部調査をしていただいて報告してもらったものを手元に持っておりますが、これは直接役場が物品講入として支出しておるというものが二百万八千六百三十四円、おそらく数字は一致していると思います。二百万八千六百三十四円、これだけ報告になっております。
○大森創造君 私がいま申し上げましたように、その金額に一致するものが議会の議決を経て土地改良区に対する助成金としてサンドポンプの施設費云々というのでこれに載っておるわけですね。サンドポンプ船が二台でなければ、一台ならば、これは私は所有権は土地改良区であろうと思うのです、そのサンドポンプ船は。地方課を通じての町の調査、これではどうも私はこの岩井町の問題は、信用できる面もあるが、信用できない面もあると思うんだ。あなたのほうで直接調べないのでは、いままでの経緯にかんがみて。とても県の地方課などを通じては私は正確な答えは出てこないと思うんですよ。私はどうも符合しますからね、金額と。サンドポンプ船が二台なければおかしい。一台ならば、この議会で議決された金額によって土地改良区のほうにこの助成金を与えたのだから、土地改良区がサンドポンプ船を二百一万円で買ったものと理解しておるんです。役場の所有ではないと思うのですよ。地方課は誤りではなかろうかと思うのですが、いかがでしょう。
○説明員(松浦功君) 地方課から報告をいただきましたものは、いま申し上げましたような形式のものと、ただいま先生から御指摘をいただきました費目別のものとに分かれて、二様に報告書をとっておりますが、片一方のものと片一方のものとが先生のおっしゃるように符合をいたさない面がございますので、この点は至急調査をいたします。ただ、金額的には両方合わせましてぴっちり金額的には一致をいたしておりますので、どちらが誤りであろうと、二台あるということではない、この点はこの数字から明確に申し上げられるかと思います。
○大森創造君 もう昼下がりでございまして、私も長く質問したくはないが、納得しかねるんですよ、これは。これは二台のはずなんだが、一台であろうということならば、その一台は役場から支出をしたものによって土地改良区に対する助成金によって土地改良区が買ったと理解するんですよ。そうすると、あなたのほうが電話や文書で県の地方課を通じてやったこの文書は、どうも岩井町の性質からして信用できぬと思う。なぜかならば、これは町長が町民や町会のほうに知らさずに一連の契約をずっとやってきてしまったのですからね。私は、地方課の態度も少しおかしいのではなかろうかと思うんですよ。これはしっかり調査してくださいよ。二台でなければ一台だ。その一台は、役場から支出したものであって、結局改良区のほうの所有権のサンドポンプであろうと……。
○説明員(松浦功君) 私は、報告書の片一方のほうを見てお答えを申し上げておりました。直接役場で購入したものであれば、間違いなくこれは町有だということを申し上げました。しかし、先生が御指摘いただいたように、片一方の年度別のものにいたしますると、サンドポンプ船施設費負担金ということになっております。これがどこに出ておるかということを調べてみて、もし土地改良区に出ておるということになれば、補助金で出ておって、それで土地改良区が買っておるということになれば、今度はサンドポンプ船は土地改良区の所有だということにも相なりかねないわけでございます。その辺は、まことに申しわけございません、やや不十分な調査でございました点はおわびを申し上げます。この点は至急調査をいたします。
○大森創造君 その点などが明確にならないのはおかしいと思うんです、ぼくは。そこで、これは明確にしてほしいと思うのです。 それからその使用料などというものはどこへ払っているのか。
○説明員(松浦功君) 先ほど来申し上げておりますように、地方課の調査では、町有であって、それを会社に無償で貸与し、会社から利根俊深という有限会社に無償で貸与をしておるということでございます。
○大森創造君 その点は、あなたの答弁ではわからないですよ。きょうの段階はそういう報告があったというだけでしょう。そうですね。これだとしっかりきめつけるあれはないんでしょう。そういう報告を受けているというだけでしょう。
○説明員(松浦功君) 私どもは地方課というものを全面的に信用をいたしておりますので、地方課の報告によればということを申し上げることが悪かったのかも存じませんが、私ども少なくともそういうつもりで国会において御答弁を申し上げております。地方課は全面的に信用をいたしております。先生から御指摘をいただいて、私どもは理解不十分で、向こうからの報告が必ずしも明確でなかった部分について再調査はいたしますけれども、地方課の言い分は私どもとしては信用して国会においてお答えを申し上げておるつもりでございます。
○大森創造君 私の説明である程度御了解いただけたと思うのだが、岩井町の問題は非常にややこしい。工場誘致というものは相当含みのあるものであって、裏契約だとかいろいろあることは私は了承できるけれども、それにしてもあんまりややこしい。しかも、町会のほうにはからないで一方的に予算の支出がなされている。だから、まあ普通の場合ですと県の地方課を信用してそのままの報告でけっこうでしょうが、どうも私はそうでない向きがあるのではなかろうかと、そう思うんですよ。これはひとつあなたのほうで直接に調べてみてください。同時に、行管のほうから警察のほうからも私はお調べいただきたいと思う。 次にお伺いしますが、これは言うたかもしらぬが、百七十万円の動力費というものが方向転換しようとしている。これは基準があってしかるべきだと思うのだな、ぼくは。この予算書を議決をして、その都度議決をして、そして覚え書なり契約書というものは町長と聯合紙器の間に結ばれたということであれば、それに基づいてこれは出すべきである。それなのに、いままでは役場がずっとかわりにこれを出しているということ、これが私は間違いだと思うのです。これは契約書が生きているだろうと思うのです、私は。だから、今度は方向転換をして、役場で出すのが気恥ずかしいから、ことしから姿勢を変えて聯合紙器から出させようと、こういうふうに私は想像される。予算の内示書が出ているんだそうです、役場のほうで。それには四十一年度は載っていない。これはどっちが出すべきなんでしょうか。これはあななに聞いても無理かな。
○説明員(松浦功君) おそらく契約書の効力という点について私どもが云々を申し上げられる問題ではないと思いますが、かりに私見を申し上げますならば、先生がおっしゃられるように、本契約自体、すなわち聯合紙器と土地改良区にかわされた契約自体が生きていることは間違いない事実だと思います。これはおそらく間違いないと思いますが、その契約の義務履行の問題を覚え書によって肩がわりしておるということになると、両方の契約がかみ合って働いてくることになるんではなかろうか。したがって、先ほど農林省の部長からもお答えございましたように、もし町が今後百七十万円出さないということになりますと、あとの覚え書についても責任問題が当然生じてくることになるのではなかろうか。したがって、その覚え書を書きかえるということによって聯合紙器のほうから土地改良区に百七十万円が出るということになれば契約上何らおかしい点はないと、こういうことになろうかと思いますが、最終的には契約不履行ということで当事者間に争いが出た場合、どういう義務を負うているかということになれば、私どもがお答え申し上げてもどうにもならぬことは先生御承知のとおりでございます。最終的には裁判所の判断を待つよりしかたがない、このように考えております。
○大森創造君 そういうことに相なるかもしれないが、とにかくその契約書が生きているということなんです。その証拠は随所に出てくるわけです。そこで、不思議なのは、吉原三郎岩井町長はこの契約書の立会人なんですね。そこで判こを押しておいて、それから三日過ぎてからこの契約書の内容については町が責任を持つ、水については。こういうことが常識で考えられますかね。そういうことをしていいんでしょうか。
○説明員(松浦功君) 法律的にどうこうとおっしゃられても、ちょっとこの問題はお答え申し上げかねますが、常識的に申し上げますならば、立会人である町長がそこにおったのでございますから、その場で、こういう覚え書を聯合紙器と土地改良区の間に取りかわすけれども、聯合紙器の負担部分については町が肩がわりするのだということを同じ契約言の内容に書いて三者で契約をしたかっこうにして入れておくということが常識ではなかろうかと思います。
○大森創造君 そうすると、あなたのほうにお伺いするということは適当でないかもしれないが、昭和三十六年九月十三日に、甲、乙として立会人が三人いて、立会人の古原三郎氏が三日たってからこの契約書の条項は町のほうで責任を持つというそういう契約書をまた出しているということは、どうなんでしょうかな。どういうことなんです。こうなるとややこしくなっちゃう。この三日前に契約書をつくったけれども、その内容の条項は町のほうで責任を持つと、こうなるというと、どういうことなんでしょうね、これは。
○説明員(松浦功君) これは、法律的には私よくわかりませんけれども、常識的にはあり得ることではなかろうか。甲と乙とがある契約をして、その後の話し合いによって負担の部分を丙が乙にかわって負担をする、そういう契約が別途でき上がる、そういうことになりますと、契約は二つかみ合って丙が甲に対して負担をしてやる、こういうことに相なるのではなかろうか。そういう意味では私はあり得ることだと個人的には考えます。法律的な見解はこの問題について私どもよくわかりませんのでございます。
○大森創造君 あなたの説明は私よくわからないのだが、この契約書の条項は一切町が責任を持つということを立会人になった吉原三郎町長が三日たってからやるということは、どうなんでしょうか、事実できますか、そういうことは。
○説明員(松浦功君) できないとは私考えておりません。
○大森創造君 そうすると、どう理解するのがほんとうなんでしょう。
○説明員(松浦功君) 先ほど来申しておりますように、前の契約とあとの覚え書との関連ができて、前の契約が結果的には町が土地改良区に対して負担するのだというふうに読みかえられる結果になってくるのではないかということを申し上げておるわけでございます。
○大森創造君 そうすると、この契約書を破棄すべきではないでしょうかね。この契約言は、明らかに立会人を入れて、聯合紙器が直接に土地改良区のほうに、これこれの負担をしてやる、これこれの施設をしてやると言っているのでしょう。それを、三口たってから、いやこの条項は町のほうで責任を持つということならば、そのほうがまあ実質的な価値といいますか、有効性があるならば、これは私は破棄すべきじゃなかろうかと思うのだけれども、どうなんですか。ある面についてはこれを守り、ある画についてはこちらのほうのあとから契約したものを守る、こういうことなんでしょうか。
○説明員(松浦功君) 契約というものは、前のものであってもあとのものであっても守らなければならないもので、前の契約とあとの覚え書とが一緒になって責任が生じているのではなかろうかということを申し上げておるわけであります。ただ、先ほど先生も御指摘がございましたように、こういう形で行なうことが常識的かどうかということについては、先ほどもお答え申し上げたとおりでございまして、やはり三者の契約ではっきり町が持つということを書いておくことのほうが、よりいろいろと誤解を招くおそれのない措置であったというふうには考えております。
○大森創造君 私は納得しないんです、この点は。この契約書の内容に抵触するといえば、全部抵触するんですよ。そこで、この点は重要だと思うんですよ。これが骨抜きにされるような覚え書か契約書が三日過ぎてからできているのだから、これはお調べになる必要があると思うんだ。それを調べないというと、この問題を調査できないと思うんです。これはひとつ何とかして本委員会のほうに出していただきたいと思うんですよ。
○説明員(松浦功君) 先ほども申し上げましたように、捜査段階でありまして、衆議院のほうでも了解をいただいておりますので……。
○大森創造君 押し問答になってもしかたがないから、その次の問題を御質問しますが、私の感じでは、とにかくこういうことでは町会議員はわからないですよ、町民も。 そこで、今度は、何か吉原町長が聯合紙器から月に五万円ずつ、年間六十万円、四年間だから二百四十万もらっている、こういうものはどういうものなんでしょう、そのお金は。
○説明員(松浦功君) 岩井の町長が聯合紙器から五万円を受け取っておったのは、これは聯合紙器の顧問、それに対する報酬と顧問料ということのようでございます。これは地方課で参りまして古原さんにお会いをして聞いたところでは、こういうことが言われております。聯合紙器の本社が大阪にあるので、工場の幹部の勤務についてその状況等を非公式に社長に連絡する、労組対策について協力をする、事故があったときの調停、その三点について社長から顧問としての依頼を受けた、それに対する謝礼が五万円である、顧問料である、こういうことのようでございます。これは所得税の申告にも入れてあるようでございます。
○大森創造君 それは、町長であるがゆえに五万円もらっているのでしょうか、それとも、吉原三郎個人としてもらっているのでしょうか。
○説明員(松浦功君) 町長の資格と個人の資格を分けることがはたしてできるかどうか、その辺は私は非常に疑問でございますが、少なくとも法律的に考えました場合には、町長という形の顧問ということはあり得ないので、やはり個人と考えていただくべきではなかろうかと考えます。
○大森創造君 法律上はともかくとして、工場誘致をしたのは、吉原町長は個人ではないと思うんです、町長だからできたと思う。それから鵠戸沼土地改良区というものがたまたまあったから残水を取水するということもできたと思うんだ。その場合に、町長である人が五万円というものを会社のほうからもらうということはどういう意味なのか、私にはわからない。町ならばわかるんですよ。町長である吉原三郎が五万円ずつもらって二百四十万円の顧問料をちょうだいするということがわからない。
○説明員(松浦功君) 吉原三郎個人がただいま申し上げましたような任務を顧問として引き受けるという形において、会社から吉原三郎氏に対して五万円の顧問料を払う、こういう理解に立たざるを得ないのではないかと思います。
○大森創造君 それで、まだまだ私は不明なところがございます。申し上げましたように、私の感じでは、その契約書の関係がわからないんです。この契約書の内容を否定するようなものをこの契約書の立会人であるところの町長吉原三郎があとから三日たってから出した、その写しなどはあったでしょう。あなたのほうでそのことは入手しないと、どうしても調査は進められないんですよ。
○説明員(松浦功君) 私どもは手に入れております。
○大森創造君 手に入れているのですか。
○説明員(松浦功君) 入れております。
○大森創造君 それはひとつ私のほうにお出しいただけますね。
○説明員(松浦功君) 先ほども申し上げておりますように、捜査段階でございますので……。
○委員長(和泉覚君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(和泉覚君) 速記をつけて。
○大森創造君 それはちょうだいすることにいたします。 そこで、まあきょうは警察の方も全部おられないし、法務省の関係にも私はお聞きしたいと思うのだが、まだ私は納得できないところが多々ございます。この問題については、あなたのほうも、それから関係当局も、事実は事実として、私は工場誘致したことはけっこうだと思うし、いろいろな裏の問題もあるだろうと思う、含みもあるだろうと思うんです。それほど子供っぽいことは私はお尋ねしないが、やっぱり町民が多くの人がこの問題について疑惑を持っている現実を踏まえて、これはやっぱりいかなる圧力にも屈せずめげずに事実を明らかにしてほしいと思うのです。私も、問答をして納得すれば、さっと了解しますから。そんなにばかではありませんからね、私も。皆さん方から説明されるというと納得します。きょうの段階では納得しません、私は。地方課を通じていろいろと言っておりますけれども、それも確かに国会で答弁される側としては当然だろうと思いますけれども、私は地方課でなくて直接お調べになることを希望する。これは直接警察なり行管なり、その他の方面で……。
○説明員(松浦功君) 先生もよく御承知と思いますが、地方自治法上のたてまえとしては、これは管下の市町村の問題については知事に指導をお願いをして、その上でしかるべき措置を必要とする場合には自治省のほうに相談をしていただくというのがたてまえになっておりますので、本省がみずから出かけていって個々の町村の事実を調査をするということはお許しをいただきたいと思います。
○大森創造君 まあ関係者も全部そろっておりませんし、あとは次回に譲ります。
○委員長(和泉覚君) 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十六分散会