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52回国会参議院1966/10/11

法務委員会 閉会後第3号

発言数
91
登壇者
8
会派数
3
開催日
1966/10/11

会議録

和泉覚公明党

○委員長(和泉覚君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  本日は、検察及び裁判の運営等に関する調査を行ないます。稲葉君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 法務大臣が閣議でおくれるということなんで、順序を変更いたしまして、きわめて技術的なことで、むしろ資料の点を中心とした形で、在日の朝鮮人といいますか、韓国人といいますか、永住権の申請に関連をすることをお聞きしたいと思います。で、あまりこまかい点についての答えということになりますと、だらけてもいけませんから、そういう点については、場合によれば、あとで資料なら資料で出すという形でもけっこうだというふうに考えるわけです。  永住権の申請が法的地位が効力を発効してから現在までどの程度行なわれているか、こういう点について一応御説明を願いたいと思います。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 本年の一月十七日に発効いたしましてから本年九月末日現在までに申請を受けました永住の申請者の数は一万四千五十八名でございます。そのうち、すでに永住を許可して許可証の発送を終わったものの数は五千八百六名でございます。それから不許可となったものの数は百三十四名でございます。したがいまして、それを引き去りました残りが、目下申請ないし調査を終わったけれども発送に至っていないといった数でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 具体的な調査はどういうふうにしてこれをやるわけですか、どこに主眼を置いてやることになるんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 協定に永住の基本要件とされました、終戦前から引き続いて在日しているという点でございます。したがって、過去の最初の第一回から現在までのすべての登録の切りかえに際してその人が全部の登録を受けておるといった点を中心にしまして、全部受けておれば問題はございませんし、またそのうちどれか欠けているといった場合に、それが実際は日本に引き続いていたのだけれども何かの間違いで登録がされていなかったとか、あるいは名前が間違っていたとか、そういった点も若干調査が必要な場合がございますけれども、主として登録が全部引き続いて登録されているかどうかといった点に一番大きい調査の重点がございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それは登録ですけれども、あれですか、終戦前から引き続いて日本にいたということが条件になっているわけですね。その条件を調べるのは、具体的にはどういうふうにして調べるんですか。どうもそこら辺のところがはっきりしないんですが、これは入管のどこが中心となって、どういうふうに実際はやるんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 組織的の点では、私どものところに臨時に協定永住室というのをつくりまして、そこに約十名ほどの臨時に職員を集めまして、これが分担して調査をやっております。確かに、終戦直後と申しましても、第一回の登録が行なわれた昭和二十二年までの間には登録のない時代がございますので、また登録が開始された当初におきましても、当時の社会情勢などから非常に正確に在留の事実を確認するということは事実上不可能かもしれません。その当時確かに住んでいたということを証明するためには、たとえば配給通帳を持っているとか、そういうことが必要になってきますけれども、そういうものは必ずしも完備されておりませんし、何もいままでそういうものを各人が大事に持っているわけでもございませんので、実際問題としては、第一次の最初の登録が行なわれるまでの、終戦後からそれまでの間の本人がいたかいなかったかという点については、特にいなかったというような記録があれば別でありますが、そうでない限りはわれわれとしてはいたものと見ざるを得ないと思います。で、まあ方針としましては、その在留について何か不審があったような場合には、一々その者の住んでおります地域を管轄しております入国管理事務所に命じまして、事情を調査させております。調査と申しましても、たとえばこういう申請を受けたこういう人があるのだが、これが何年何月ごろ確かにどこにいたかどうかといった点を中心にして調べるわけでありますけれども、これもなかなかいまのように時期がたってしまいますと、そう簡単にわかるものでもございません。まあそういう範囲では、われわれとしては反証がなければ、確かにいたと本人が言う場合には、そう認めざるを得ないだろうと思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その調べるのは、入国管理局のどこがやるわけですか。これはあれですか、警備官とかもしくは調査官でしたっけ、ありましたね。この二つの仕事の違いがはっきりしないんですけれども、こういうのの調査をやるのは、これは警備官がやるわけですか、どうなっているんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 御承知のとおり、ごくわずかの入国管理事務所を除きましては、非常に入管の地方事務所は世帯が小そうございまして、厳密に申せば、警備官と審査官とで仕事を、こういった問題が起こったときに、その調査の仕事の分担というような問題をどちらにさせるかといったような点まで指示がむずかしいと思います。もちろん、入国警備官というのは違反調査を主とした任務でありますから、違反事実があるという場合には、警備官が中心になって調べておるわけでありますが、このような永住申請のあったような場合の調査は、そういった点は、不明な点を調査するという場合には、別に違反があったというわけではございませんので、当然入国審査官がやるわけであります。ただ審査官の数というものは、事務所によって非常に少ないところもございますので、そういうときには事実上警備官を使うところがあるかもしれませんが、それはあくまで違反調査という意味じゃなくて事実の調査というので、審査官のやる任務を補助的にやらせるという性質のように考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 この警備官と審査官ですね。これは片っ方は公安職になっておるのですが、片っ方はなってなくて、待遇の面で違いがあるわけですか。それが一つ。  それから、この永住権の申請についての調査は、これは審査官が中心となってやるのだと、それはこの永住権申請の条件を満たしておるかどうかということを中心にやるので、違反事実があるかないかということを中心に、それを主眼としてやるのではないのだと、こういうふうな意味に承知いたしてよろしいわけですか。ところが、実際には、その終戦前から引き続きいたかどうかということで、この二、三年がことに混乱状態のときがありますからよくわからないのがありますね。まあ実際そのときに一たん韓国に帰った人間もいるかもわかりませんよね。それがまた日本に帰ってきているのもありますけれども、いずれにいたしましても、その審査というのが、それが違反調査という形を中心として現実には行なわれているようにまあとられているのじゃないかと、こう思うのですがね。  前の、待遇の面がどう違うのかということと、実際の調査が審査官を中心として行なわれておるのかどうかということですね。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 私はこまかい数字を存じませんけれども、確かに警備官は公安職でありますので、俸給とか進級などについては審査官とは若干相違があるというふうに承知しております。  それから、第二段のお話でございますが、たとえば従来までに、永住の申請をした人を、在留の事実を調査している間で違反事実が発覚した件がございます。現在までに九名の人が出ております。これは終戦前からいたのではなくて戦後の不法入国者であるということが判明した人たちであります。こういう場合にはもちろんすぐ問題は違反調査に切りかえますので、当然警備官が調査の仕事の担当をいたします。しかし、その以外の事例は、全部は、これは本来入国審査官が当然正規業務としてやるわけでありますが、ただまあ御承知のとおり、いろいろ過去の、日本統治時代のいろいろな印象などが朝鮮の人の間には非常に強いようでありまして、こういった申請に対して一応の調査をしたような場合でも、昔の警察が過去の在留歴を調べ上げるといったような不安といいますか、疑いを持つ人が非常に多いようでありまして、たまたま私は具体的なケースとして入国警備官にその調査をやらしたというようなことを別に報告受けておりません。あるいは実際に具体的な、技術的な問題を、記録など調べるために人手がなくて警備官を使ったことがあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、そういうことで、何か昔の自分の経歴を調べ上げるとか、隠していることをあばこうとするとか、そういったような感じを持つ人があるかもしれませんけれども、それは実際にわれわれのやっていることがそういうことなのではないので、やはり昔からの官憲に対する不信感というか、猜疑心というか、そういうもののなごりではないかと思っております。もちろん地方に指示は常にいたしておりまして、これは違反調査をやるわけじゃないのだから、そういった印象を与えないように気をつけるようにということは申しておりますけれども、もちろん審査官に調査をさせるわけでありますが、場合によってその助手、補助的な意味で、警備官しかいないので、それを使うというようなこともあるかもしれません。あるいは過去やったかもしれませんけれども、それはくどいようでありますが、われわれとしてはあくまで違反調査としての警備官を使ったんじゃなくて、審査官の手がふさがっておるので、やむを得ず補助的に使ったというふうに考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その調査をするときに、入管の職員だけでは足りないからというので、一部の、まあ外国人と言っては語弊がありますけれども、いわゆる情報提供者を使うというか、積極的に使うのか、向こうから来るからそれに対してその情報を受け取るのかは別として、永住権申請にからんでおる場合と、からまない一般の密入国の場合の調査とありますけれども、そういう場合に、いわゆる第三者の密告というか、協力というか、そういうようなものを得ることが入管としては相当あるわけですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 密入国の場合には、ときどきいわゆる密告があるようであります。これは昔からそういう風習が非常に強いようでありまして、われわれとしても、そういった通報によって、それがあるいは個人的に言ってくる、役所にやってきてそういう違反事実を告げていく者もありますし、あるいは手紙などで入管に知らしてくるといった例もあります。しかし、この永住権申請の場合には、別にわれわれが何という人間が永住権申請をしているということを公表しているわけじゃありませんから、まあ密告とか通報ということはあまりないと思います。たまたま何かそれに関連してそういうことが行なわれたことがあるかもしれませんが、われわれとしては少なくともそういうものを事前に発表いたしませんから、したがってそういったものに基づいて調査をするとかいうことはないと思います。私は実は、協定永住でいろいろ事務を処理しております状況について、特異事項があったら常日ごろ報告しろと言っておりますが、別にそういった問題について特に報告を受けておりませんので、私はいまのところ承知しておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その密入国の場合に、通告するか、密告するか、そういう人に対して謝礼を出すわけでしょう。その出し方はどういうふうになっていて、どこにその根拠があるんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 出入管令の六十六条というのがございまして、そこに、六十二条一項の規定による提供があって、その通報によって強制退去が行なわれた場合には、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、通報者に対して五万円以下の金額を報償金として交付するというような規定がございます。これが根拠になっておるのでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これはわかればあれですし、わからなければあとでもいいんですけれども、具体的に、いやなことを聞いて恐縮ですけれども、どの程度いままで出しているんですか。何か一説によると、密告のレギュラーというとおかしいけれども、レギュラーみたいな密告者がいて、それが出して、そして何かだいぶもらっているという話もあるんですね。これ以上のことを、ぼくも知っておりますけれども、聞きませんけれども、どうもそういう点があって、あまり芳しくない言い方かもわかりませんが、どの程度あって、いままで幾らぐらい出しているんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 私は実はときどき支出の決裁があがってくるときに見るくらいでございまして、いまここに数字も何も持っておりません。さっそく調べまして、後刻書面で御報告いたします。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それから、不許可になった百三十四名ですね、この具体的な理由はどういうところにあるんですか。どんな類型がありますか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 戦後入国したということがはっきりしているのが百十七名ございます。それからその人の子供というのが十六名ございます。それで百三十三名でございます。あとの一名というのは、その者の父がすでに本国に帰国してしまった、日本を出国してしまったという例でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 この不許可になった人に対して、不許可になったということは通知しないのですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 不許可になったことは通知しております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 何か通知が来ないというか、許可するかどうかについて非常に長い時間かかるから、それで来ないというふうに考えるのかもしれませんね。許可になったのが五千八百六名で、受け付けが一万四千五十八名ですか。そうすると、約八千ぐらいですか、まだ未審査なわけですね。非常に長くかかるのですか、それでは。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 私も非常にあせっておりまして、実は関係のいろいろな向きからもっと早く許可をしてもらいたいという陳情も非常にございます。また、特に意識的に早くする必要はないにしても、そういつまでもかかえ込んでいるようなかっこうになってもぐあいが悪いので、常日ごろ早くやれということを言っております。係員も全力を尽くしてやっておりますが、やたらにずさんな調査も、資格もないのにいいかげんな調べで許可するわけにもいきませんので、一人一人について登録を全部チェックするということをやっておりますので、数が非常にたくさん残っておりまして申しわけないと思っておりますけれども、どうしても時間がかかる。常日ごろ督促はしております。今後ともどんどんやるように、調査のくふうなども考えさせておりますけれども、しかし、やはり一件一件慎重に調べなければいけないという点はないがしろにできないと思いますので、その点で一ぺんにさばいてしまうわけにはいかない、かなり時間のかかるのはやむを得ないと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 不許可の人も刑事事犯として立件しているのですか、あるいは出入国管理令という行政処分として処分するのですか、そういう形はどういうふうになっているのですか。これは非常に不安に思っているところなんですが。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 調査の結果不法入国ということが判明いたしますと、やはり行政処分の結果として当然立件せざるを得ないということになるだろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 立件という意味はどういう意味なんですか、刑事事件という意味ですか、強制退去という形の立件ということばもおかしいですが、そういう形になるのですか、現実には。何か九名がどうとか言われましたね、これはどういうことなんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 調査した結果九名、名前も全部ございますので、違反事実とあわせて提出いたします。大体いずれも戦後の不法入国であるということが、その時期も判明したようなケースでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは九名というのは具体的にどういうふうな取り扱いになっているのですか、いまの入管としては。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 不法入国の事実が判明しましたので、不法入国者として違反調査をしております。ただいずれも日本入国の時期が非常に古い人が多いわけでございまして、中にはたとえば平和条約発効以前の入国者もございます。そうしますと、こういう人は法的地位協定の際に出しました法務大臣の声明の中にあります一般永住の申請——その一応資格はあるわけでございまして、本人が特別在留を許可されたような場合には一般永住の申請も可能なわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その九名というのは違反調査の段階だという意味なんですか。どうも意味がはっきりしなかったのですがね。そうすると、百三十四名の中の九名を除いた者は不許可になって、これは別に行政処分なり刑事事件の対象にはしないのだ、こういうことですか。あるいは、その点についてはまだ未確定だと、こういうことなんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) この九名以外の者につきましては、ほとんど全部がすでに特別在留が許可されておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、永住を申請して不許可になった者であっても、いろいろな事情、特に大臣声明の趣旨というようなものを考慮してほとんど特別在留になっておる。それで、この九名の者については特別在留にするかしないかは、目下あれですか、考慮中だと、そういうふうなことに承ってよろしいわけですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) はい。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうなると、大臣声明の趣旨が、ぼくもちょっと資料を持ってこなかったのであれですけれども、協定永住とそれから一般永住というのはどういうのですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 入管令にあります永住は、協定永住と区別する意味で、一般永住と一般的に言っております。入管令上の永住でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 入管令の改正の問題が前々から言われておるわけですね。これは入管令というものが、翻訳だし、非常にわかりにくいところもあるし、いまの時勢に合わない点もあるということももちろん考えられるのですが、その入管令の改正の問題ですね、これは法律にするわけですね、正式に。法律にして、いまでも名前は令ですけれども実質は法律だけれども。これは外人登録令と一本にするのですか、そこら辺のところははっきりしていないのですか。具体的にどういう点とどういう点を改正するのかということをいまお聞きするのは無理かとも思うのですけれども、そういう意味でなくて、どういう点とどういう点が問題点になっているかというふうなことですね。だんだんだんだんやってきたらこういう点が問題になってきたのだ、こういう点なんかどうですかね。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) このポツダム政令で、それを法律としていまやっているわけでございますので、ていさいもよくございませんし、また過去十四、五年の間この入管令を実施した結果いろいろ矛盾といいますかぐあいの悪い点がたくさん出てまいりました。そういうものを修正する点を中心にして、昨年の夏あたりかなり具体的に改正点の積み上げをやったわけでありますが、ちょうど日韓協定ができて永住に関する特別法令などをつくることになりましたので、従来私のところで法令改正に専念しておりました辰巳参事官を、一時それを中止させまして永住のほうをやらしたものですから、その後ことしに入りましてからまたぼつぼつ本来の法改正の準備作業をやらせておるわけでございます。  第二の点でございますが、登録法と一体化するかどうか、これはいまのところ全然登録法と一緒にする意思はございません。法令改正をどの程度にするか、大改正か中改正か小改正かといったような点につきましても、われわれ現在の段階では大体小改正程度と思っております。  それで改正の要点はどういう点かということでございますが、これは実は目下それをいろいろ掘り下げておりまして、一週に一回くらいずつ局内の幹部が集まりまして、過去の仕事の実績から出されたいろいろな不合理な点とか改正を希望する点などをあげまして、それをみんなで議論するというような段階でございます。したがって、まだ条文化するとかあるいは法制局の意見を聞くというところまではいっておりません。あくまで部内の意見をまとめておる段階でございますが、一番はっきりしておる点は、一番われわれが現在のところ不都合を感じておるという点は、在留期間と在留の資格でございますか、資格と期間との関係が非常に機械的であって融通がきかないという点でございます。たとえば留学ということになりますと、最低一年ということになっております。そうすると、あと三カ月で卒業するからそれまで留学生としての資格を置いてもらいたいという希望があった場合でも、留学生の資格を与えると一年を与えるということになります。そうすると、それが不法在留のもとになったりします。そうすると、その場合に三カ月間に限って留学生としての資格を与えることはできないというような立場にございます。あるいは、極端な例でございますが、強制退去というような条項があって、その退去強制事由に当たった者はすべて退去強制になるわけでございまして、それが外交官もそれに当たる理屈になります。そういうような点をとにかくすぐ法文の上でも——たとえば外交官などというのはこれは入管令の適用外になる人間でございますから、そういう点もはっきりさせなければいけないし、それから期間につきましても、一年以下の留学生はあり得ないということも実情に適しないという点もあったりしまして、その辺を機械的に能率的に配合していくという点をわれわれ一番中心に考えておりまして、むしろ技術的な点であると思います。それ以外の点については、大きな方針であるとか要領であるとかという点につきましては、ほとんど変更は考えておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大体の目安はいつごろになるのですか。今度の通常国会だとか、その次の通常国会だとか……。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 実は私、昨年、非常に申しわけなかったのですが、この次の通常国会には必ず出すなどという答弁を申し上げて、はなはだ恐縮いたしております。情勢が変わりましたのでそういうことになりましたけれども、私どもの現在の考えでは、今度の通常国会にはちょっと間に合いそうもない。もしどうしても出せという御要望が強いという場合にも、だいぶ会期の先のほうになってあわてて出すというかっこうになりますと、こういう基本的な法令については、あくまで外国人の権利義務が非常に影響されますので慎重を期さなくちゃならぬと思います。そうしますと、いまの目安としては、来年の通常国会にはまだ一年ございますからそれまでには必ずできると思いますけれども、この次の通常国会はちょっと不可能だと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 入管令が改正されると、在日朝鮮人というか、韓国人というか、強制退去がいまよりも非常にきびしくなるのじゃないかというふうに考えておる人がいるわけですよね。これはあるいは勘ぐっているかもわからぬのですがね。そういうことを目的としてこの法律の改正をするわけじゃないと思いますが、結果としてはそこへいくようなかっこうになってきて、強制退去の手続が、いまのような複雑なというか、形じゃなくて、簡素化されてきて、強制退去が現実には行なわれやすくなるのではないかというふうなことが言われておるわけですけれども、こういう点はどうなんですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) やはり外国人といえども、日本に在留を許されておる以上は、日本人に準じた、それに非常に近い権利が保障されることは当然でございます。したがって、強制退去というような重大な問題について十分に保護を尽くす、その人権の保護を尽くすということも当然考えなければなりませんので、従来の強制退去の手続から著しくそれを簡素化して、外国人の追放を簡単に行なうようにするといったような改正は、法律の改正の場合の精神からいっても私は許されないことだろうと思います。そういう点において、今後とも具体的にいろいろ技術的な研究はやりますけれども、従来のような異議申し立ての機会等を与えて十分に本人の言い分も聞くといった方式については、私は非常に変更が行なわれるということはあり得ないし、またそういうことは許されないと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまの点はおっしゃるとおりだと思うし、そういうようなことはけっこうなんですけれども、何かそこら辺のところが非常に誤解やら心配やらして、日韓会談が妥結した以後における強制退去というものは非常にきびしくなってきている、あるいは違反調査が非常にきびしくなってきておる、それから入管令の改正になってくればさらにそれがきびしくなってくるのではないかということが非常に取りざたされているものですから、聞かなくていいことかもしれませんが、この機会に聞いておいたわけです。  それから、外国人登録の国籍欄の記載、韓国であるとか朝鮮であるとかいう記載がありましたね。あれはたしか一九五五年まででしたっけ、何年まででしたっけ、途中でも発表したわけですけれども、その後発表しなくなったわけですね。いまはどういうふうになっているのですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 最近の統計でございますが、一番新しいのがことしの六月末でございます。国籍欄に朝鮮と記載された人の数は三十三万四千百五十三、韓国と記載された数は二十五万四百七、総計五十八万四千五百六十ということになっております。ここにございますきょうつくってまいりました統計は、ことしの一月末から六月末までの毎月の月末の数字の異動がございます。大ざっぱに申しますと、大体一カ月に千人ぐらい朝鮮というのから韓国というのへ変わっていっているようでございます。千前後の数でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 資料はあとでいただきたいと思いますが、逆に韓国から朝鮮に変わっているのがいま少数でもあるのですか、どの程度ありますか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) 私うっかりして統計を持ってまいりませんですが、大体の数は、これは非常にでこぼこがございまして、一カ月に一人か二人というときもございます。二十人くらいまとまるときもございます。数はたしかことしの初めからいままで合わせて二、三十くらいだろうと思います。これは至急調べまして、資料として提出いたします。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それは、日韓会談が妥結して法的地位が効力を発生した後にどの程度あるかということを、朝鮮から韓国にはどのくらい、韓国から朝鮮へはどのくらいあるか、これはあとで資料でけっこうですから出していただきたいと思うのです。  それで、韓国から朝鮮に変わったののおもな理由というか、例といいますか、それはどういうのが多いですか。

八木正男法務省入国管理局長

○説明員(八木正男君) これは非常に多種でございまして、一がいには申せませんが、典型的な例は、本人の家族全部が朝鮮というふうに登録されておりまして、そのうちの一人だけが韓国となっていた。その事情を聞いてみると、届け出たときの事情などがよくわからないような場合などがありますが、たいていは人に頼んで手続をしてもらうという例が多いようであります。そのときに、頼まれた人が勘違いしたのか、あるいは受けつけたときの吏員が勘違いしたか、どっちかでございますが、いずれにしてもこういうのはどう考えても韓国というのはおかしいとわれわれは判定いたします。そういうような例が多いのでございます。  それから、市町村の窓口の係の者が、やはり何か錯覚というか、手違いで、かってに韓国というふうに書いてしまったというような例もときどきございます。そういうようなのは、いずれも、当時の事情をさかのぼって調べますと、関係者が何らかの申し立てをしておりまして、それに基づいて書きかえを実施しております。したがいまして、理屈は非常に雑多であって、一がいには申せないかと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 帰化ですね、これは民事局のあれだと思うんですけれども、おわかりでしたらどの程度ありますか、わからなければあとでいいですよ。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) 民事局の第五課長でございますが、この数は昨年の日韓協定発効以来九月まで調査してございますですが、昨年の十二月の十八日以降は百十四名、一月が二百五十六名、二月が三百三十八名、三月が三百四十一名、四月が二百十一名、五月が四百五十一名、六月が二百三十八名、七月が三百四十五名、八月が四百七十四名、九月が三百五十三名で、合計三千百二十一名というふうになっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 帰化のやり方を、この前何か、官報ですか、法務省のあれで見たら、帰化をやりやすくするために手続を簡素化したというようなことが出ていたんですけれども、それは具体的にはどうなんですか。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) そのようなことはございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 官報の付録のところに、帰化の手続は複雑だから市町村に対してもっと簡素化すべきだというようなことが法務省のあれに出ていたんですが、どういう意味ですか。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) それは、従来、帰化が少なかった終戦直後あるいは平和条約発効前におきましては、非常に書類が複雑に作成されておったわけです。そうしますと帰化の処理が非常にたいへんになりますので、調査は簡略化しませんけれども、つくります辞書 参芝人の調書みたいなものは簡略にしてもよろしい、こういう趣旨のことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大臣がおいでになるのは十一時半ですから、もうおいでになると思っておるんですが、官報を見ますと、帰化の欄で国籍が朝鮮と書いてあるんですね。あれは朝鮮戸籍令によったものだ、従前そういう形のものを書いてあるんですけれども、ところが法務省の入管の説明なんかによると、外国人登録証に書いてある国籍欄は韓国と書いてあるのは国籍とみなすというんでしょう。そうなってくれば、帰化の場合に国籍朝鮮と書くのはおかしいんで、外国人登録証に韓国とあるものは韓国と書くというのでないと筋が通らないと、こう思うんですが、そこら辺のところはどういうふうになっているんですか。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) 民事局の関係では戸籍の関係がございましたのですが、戸籍で従来朝鮮関係はみな朝鮮と表示してまいったわけでございます。したがいまして、今後韓国につきまして韓国という表示をするかどうか十分検討したいと思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そこのところは、民事局と入管というか、法務省として何か統一がとれていないんじゃないですか。韓国の国民登録証ですか、あれを持っている者は国籍として韓国人として取り扱うというんでしょう、入管ではそうでしょう、国籍欄の記載が韓国とあれば。そうすると、帰化した者は全部国籍欄の記載が韓国とある者でしょう。国籍欄の記載が朝鮮とある者は帰化を認めていないのでしょう。それははっきりしているんじゃないですか、どうですか。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) 国籍の問題につきましては、若干外国人登録と違う点があるように思います。その点が私のほうとして検討しているわけなんですけれども、国籍につきましては、帰化する場合に相手国の認定が非常に厳重になされなければならないわけで、ただ外国人登録の場合は、外国人であれば一応の登録ができるわけですけれども、その点か若干検討すべき点かと考えて、検討しているわけです。具体的に申しますと、相手国の国籍を日本に帰化することによって失うというようなたてまえになっておりませんと帰化は許されないということになりますので、その点が現在戸籍の取り扱いを改正した機会に検討しなければならないと思っているわけなんです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 まあ、日本が韓国をいつ承認したかということにもおそらく関連してくるわけだね。これは非常にむずかしい議論になってくるし、それから日韓条約が韓国の承認とどういう関係があるかということも問題になってくると思うのですけれども、いずれにしても国交が回復した後において帰化するときには韓国の国籍を失うということは、日本政府としては当然認めていることなんじゃないですか。だから国籍を韓国と書くのが正しいんじゃないかと思うんですがね。議論がありますよ、これは。そこら辺のところが、入管のほうでは、外国人登録証の韓国というのはこれは国籍なんだと、こう言っているわけでしょう。それで現実に外国人登録証の韓国とある者しか帰化を認めないんでしょう。帰化のときに外国人登録証というも−のを参考にするのでしょう。しないのですか。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) いたします。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 するでしょう。そのとき、韓国のほうの国籍でなければ認めないんでしょう。朝鮮と書いてある者の帰化を認めた例がありますか。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) 一応朝鮮人の場合は、従来の特殊性がありますので、朝鮮とありましても、国籍事務の関係では一応韓国民と推定してやっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いや、外国人登録証に国籍が朝鮮とあって、それをそのままにして帰化を認めた例がありますか。ほんとうですか、それ。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) 具体的に申し上げることはちょっとあれですが、私はあるように思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうなってくると、理論的にまた問題が起きてくるわけです。いろいろなむずかしい議論になってきますね。それでは、民事局で調べて、帰化のときに、外国人登録証の記載が朝鮮とあって、そのままの状態で日本に帰化を認めたことがあるのかないのか。それは韓国の国籍を持っていたと、それを離脱するんだということで日本への帰化を認めているわけでしょう。そういうわけでしょう。だから、具体的に外国人登録証に朝鮮と書いてあって、そのままの状態で日本に帰化を認めた例があるかないか。それはいまでなくてもいいから、よく調べてくれませんか。ぼくは、あるとなると、またおかしくなってくるんですがね。あるいはまた、考え方によってはおかしくないと、そのほうの行き方が正しいんだと、こうなれば、入管の考え方はおかしいということも出てくるのですね。そこで、非常に二つの考え方がいろいろむずかしく交錯してくるわけですね。これは国際私法のあれでなかなか解明できないむずかしい問題になってきますが、そこの具体的な事実関係をよく調べて、そうしてあとで資料として出していただきたいと思うのですがね。いまわかっていればいまでもけっこうですが、あとでもいいです。どっちでもいいですがね、どのくらいあるのかね。

田代有嗣法務省民事局第五課長

○説明員(田代有嗣君) この国籍の問題につきましては、離脱の関係もございまして、やはり統一的に解決しなければなりませんので、現在その点で検討しておりますので、またいずれ近いうちに十分検討して成案を得たいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 成案を得るのはいいのですけれども、これは別問題として、具体的な事実として、くどいようで恐縮ですけれども、外国人登録証の記載が朝鮮であってそのまま帰化を認めた例があるかないかということですね、それをあとで資料として出していただきたい、こういうわけです。一応入管関係の質問はこれで終わります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 法務大臣にお尋ねするわけですが、大臣が十月四日の刑事部長検事会同において訓示をされておるわけですね。その中で公務員による汚職その他の不正事犯についていろいろ訓示をされておるわけですが、具体的にどういうふうなことをお考えになってこの大臣訓示をなされたのかですね、ここら辺のところから最初にお伺いしたいと思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) この間の刑事部長検事の会同におきまして私が主力を置いて話した点は二点あるわけでございます。その一点は、公務員の汚職がこのごろ目について激しいという状態、これはおりに触れこの粛正の必要を唱えておるのでありまするが、この刑事部長でありまする検事諸君においては、その職務の遂行上特にこの二つの点にこの際留意されまして、公務員の汚職問題について厳正なる態度で臨まれ、不法行為をなす者についての検挙は、これは力をゆるめればすぐまた集まってくる、また力をだんだんとまた増してくるというような実勢にある状態でございます。ゆるむことなく、強むることなく、絶えず、暴力団の力を増すことのないように、あらゆる点からこれらに力を入れていってもらいたいという点を述べたわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 公務員の汚職その他を追及しなきゃならぬ、これはもうそのとおりでございますが、そういうことを訓示されるなら−−大臣に恐縮ですけれども、大臣のことを言うわけじゃございませんよ。政治家全体がいやしくも法律的にあるいは道義的に疑いを持たれるようなことで、政治姿勢が乱れておるような段階で、公務員にしっかりしろとかなんとか言ったところで、ぼくはそれはそれとして、どうも話は少しということになってくると思うわけですね。ですから、公務員の汚職だとかなんとか、不正事犯を徹底的にやれとかなんとか言うならば、当然政治家自身が姿勢を正し、いやしくも人から疑いを持たれるようなことのないようにしなければいけない、こういうようなことは当然のことだと、ぼくはこう思うのですけれども、その点について法務大臣としてはどういうふうにお考えなんでしょうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) お説のとおりでございます。私はまあ政治家の一員といたしまして、公務員の犯す罪をしっかり取り締まれと言う以上、政治家自身が恥しくないような行動をとらなければならないということは当然だと思います。でまあ、政治界いろいろな問題を言われるこのごろでございます。みんな総理をはじめ、何とかして政界の浄化といいますか、政界をきれいに、そうして公務員もみんな、どうか政治家が先頭に立ってわれわれに見習えと言えるような政治家にみんながなっていくようにという心持ちで、佐藤総理も絶えずそれを言っておるようでありまするし、そうありたいとあらゆる努力をいたしておるようであります。私もそうありたいと念じておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 政治家がわれわれに見ならえと言えるようにならなければいけないわけですが、どうも言えないような人がいるわけですよ。それも困ったものだとこう思うのですが、質問に入ります。  本店が東京渋谷の富ヶ谷二丁目二番十一号にあって、支店が台東区上野山下町二番地上野駅の構内にある株式会社「あきやま」、こういう食堂がございます。よく聞いていていただきたいと思うのです。この目的は、料理飲食、喫茶店の経営、みやげもの、たばこ、新聞、雑誌等の販売その他前各号に付帯する業務になっておりまして、この代表取締役が熊谷の秋山常男という人です。この人は熊谷の駅前で食堂をやっておって、荒舩さんの後援会滞日会の熊谷の事実上の責任者です。あそこに運輸大臣荒舩清十郎の就任祝賀のまん幕をずっとたらしておった人であります。この人が代表取締役。もう一人代表取締役がおられます。これは女の方です。名前は私は省略させていただきます。これ以上のことは申し上げるのははばかります。この会社は、三十九年の十月九日に事実上登記、仕事は前から始めておったようでございます。開店は三十七年十二月一日のようです。百七十八・三八平方メーターですか、約六十坪の店であります。これは最初は荒舩さんと秋山という人のどうも共同経営であったらしいのですね。ところが、荒舩さんが名前を消したのか、事実上の共同経営から抜いたのかどうかわかりませんが、別の女の方が一応代表取締役になってきておるわけです。これが上野駅にこういう食堂をいろいろやるに至ったのは前のことでございますから、ここでかれこれ言うべき筋合いのものではないと思います。その間どういうふうなことがあったのかは別でありますが、かれこれ言うべき筋合いのものではない。ところが、この食堂が非常にはやるわけであります。非常に売れるそうでございますので、そこを増築をしたいということの希望が出てまいりました。このこと自身も、決して私はどうこう言うべき筋合いのものではございません、個人の営業問題ですから。そこで、去年の二月に上野の駅に増築をしたいという要望を、これは口頭ですか出したようであります。というのは、食堂の隣が機関室でありますが、前のところが国鉄の資材の保管場になって、これがあいているわけであります。そこで、それを自分のほうで借りたいということを申し入れた。ところが駅側では、自分のほうの必要なことなので断わったということであります。これは地下一階に四つの食堂があります。地上一階に一つの食堂があって、五つの食堂がある。この会社は五番目に入った会社でありまして、これは権利金も不要であって、場所もいいというので、非常にもうかっているらしい。この家賃なども坪二千四百円ということであって、ちょっと問題があろうかと思いますが、これは国鉄とその会社との問題のことですから、かれこれ言うべき筋合いではないと思います。そこで、その保管場を貸してくれということを言って、断わられた。いま申し上げましたように、前にどうも共同経営だったらしいし、いまの代表取締役の男のほうの人は、荒舩さんの後援会の熊谷の事実上の責任者である、こういうことが言われておる。もう一人の代表取締役のことは私は知りません。ここでは申し上げませんが、そこで断わられた。荒舩さんが運輸大臣になって、自分の、駅の関係の所管でございまするから、この保管場を、自分の後援者が経営しておる——あるいは後援者以上のものかもしれませんが、いずれにしても経営をしておる、この食堂に貸してくれということを、これを国鉄の当局に運輸大臣が申し入れたらしいのであります。さすがの国鉄の総裁以下も、これには驚いて断わったようであります。九月十二日の参議院運輸委員会会議録第一号で、石田国鉄総裁は——これは深谷の駅に急行列車をとめることに関連しての質問でございますが、答弁をいたしておる。その中で、国鉄総裁はこういうように答弁をいたしております。ダイヤ編成の話が一応終わって、「実はこれまでに、これは新聞に出ておることでありまするが、もうすでに私のほうの今村常務が新聞に説明しておるのでありまするが、それまでに運輸大臣から四つか五つのいろいろ御希望があった。でもこれは国鉄としてははなはだ困るということで実はお断わりした。そこでそのあとに深谷の問題」云々と、こういうことになってまいります。「運輸大臣から四つか五つのいろいろ御希望があった。でもこれは国鉄としてははなはだ困るということで実はお断わりした。」、これは国鉄総裁の国会における答弁であります。このことからわかってまいりますことは、運輸大臣がとにかく四つか五つか自分の所管事項に関連をすることで国鉄に申し入れがあった。はなはだ困るというので断わった。はなはだ困るということは、その申し入れというものがいかに非常識なものであり、公務員としての職権の乱用−−これは特別公務員としての私は法律的に職権乱用になるということをここで断言するものではありません、道義的にはそういうふうにならざるを得ないのではないかと、こういうふうに思うわけですが、その一つに、この自分の後援者が経営をしておる上野駅の食堂、後援者以上のものになっているかもわからない、この食堂を拡張してくれということを頼んだら断われた、断わられたら、大臣が、自分の所管業務でありますから、個人の頼まれたことでございましょうが、所管に関連をして国鉄の当局者にこれを広げさしてやってくれということを頼んでおるわけです——と考えられる。こういうようなことがあって、一体、われわれに見ならえという大臣のことばがあったのですが、われわれに見ならえということが、一体何を見ならうのかわけがわからなくなってくる。大臣としては、職権を乱用して、自分の業務の範囲内のことで、いろいろ自分の後援者に公と私とを混同して利益をはかってやってもいい、むしろはかってやると、無理難題を国鉄の当局に出す、こういうようなことがあって、そういうものの考え方、そういう公私混同、ある意味における道義的な職権乱用、これらのことで一体公務員に対して、おまえたちしっかりやれ、厳正にやっていけ、人に疑いをかけられるようなことをやるなと、こう言ったところで、上に立つ人がこんなことをやっていて言ったってだめなわけですね。これは非常に私は残念に思うわけです。私は事実をこうだと断定をしておるものではないわけですけれども、この石田総裁の答弁からいっても、四つか五つのいろいろな御希望というものの具体的な内容をやはり明らかにしていくことが政治姿勢を正す一番大きなポイントであろうと、こういうふうに考えるわけです。  そこで、法務大臣にお尋ねをいたしたいのは、いま私が申し上げましたことは一つの例でございますが、それらを通じて、一体政治家というのは、ことに国務大臣が自己の所管業務に対して人の疑いをいやしくも受けるような、そういうことのないようにしなければいけないじゃないか、これはもう当然のことだと思いまするが、前にお答えになりましたことと関連をして、こういうふうなことについてどういうふうにお考えになるか、またこれに対して、今後、個人としてなり、あるいは同僚の国務大臣としてなり、自民党の事実上の実力者としてといいますか、そういうようなことから、この荒舩さんに事実を確かめるなり、あるいは確かめた結果として注意をするなり、あるいは総裁なり官房長官によく話すなり、いろいろな方法があろうと思いまするが、いま言ったことに関連をして、どういうようなお考えでどういうようにこれを処置をされるべきものであるというふうにお考えなのか、こういう点についてお考えをぜひお聞かせをお願いいたしたい、かように考えております。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) いまお話の中にもありましたように、こうだと断言はしないがとおっしゃったように、そのとおり、おっしゃったとおりの筋であるか、また方向はそれに似ておりましても運び方が違った行き方だったかもわかりませんし、事実がわからないのにわれわれがかってに批判すべきものではないと思いますから、これは批判は避けたいと思いますが、大体におきまして、これの問題を離れまして、大臣が所管事務でものを頼まれた場合はどうするかという問題として考えますならば、これは私どもにもあることでございます。知った人から頼まれることがございます。所管事務であるからというので、私が、これは所管事務だから知らぬといってはねるのはこっけいだと思います。これは取り上げて所管の局課に渡して、そして正しい判断をして正しい処置をしてもらうというように扱うのがこれは大事なことだと思っております。これが国民に対する責務でもあると、そういう意味において、自分の選挙区の人から所管の事務の問題で頼まれた問題がありましたら、これを取り上げて、それをこういう問題がありますがどうかできたらよろしくというので頼むことはあり得ることだと思います。それ以上に、いやいけないと言われても、どうでもこうでもそれをやってくれと、これはおれの票にかかわるのだから無理やりにやってくれというのだと、ちょっと進め過ぎる。それよりもっと進んでくると、あるいは罪になるかもしれぬというような段階になってくる。そういうところは非常にデリケートなことでございますが、心持ちとしては、自分の持っておる立場というものをみんなが考えて、そうしてまた国民全体の利益というものも絶えず頭に考えて便宜もはかってあげるという心持ちで扱っていかなくちゃならぬというふうに考えます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大臣が自分の所管業務について頼まれたら、それを全部タッチするなと、断われと、そういうことをぼくは言うつもりはございません。そんなことはちょっと筋があれですからね。ですけれども、問題は、自分の後援者なり何なりが関係をしておる営業ですわね。営業で、しかもそれが自分の、大臣の所管の業務の範囲内であるわけですわ。しかも、これは営業の利益の問題です。そういう問題にまで立ち入って運輸大臣として部下の国鉄に対してそれをやってやれと、こういうようなことを出すことが、一体はたして大臣として公私混同をしていないと言えるかどうかですね。ぼくはもうこのことでも非常識だと思うのですよ。だから、一般論というよりも、むしろいまのこの内容から見て、問題は非常に公私混同をしておる。しかも、もっとこの会社のあれをしていくと、ぼくはもっと違った面が出てくると思うのです。だけれども、ぼくはここでは言わないですよ。それはもう個人の問題ですからね。それは私は公の席で言うべき筋合いのものじゃない。誤解ができますから、変なものになりますからね。それはどういうふうにするのですか。いずれにいたしましても、この個人の自分の後援者が経営しておる、それの営業の利益をはかってやるために自分の職権を利用すると、こういう行き方ですわね。こういう行き方は、ぼくはもうどんなことがあってもすべきことではないと、こういうふうに考えるのですね。だから、石井さんの言われた一般論はいいわけですね。だから、大臣が自分の所管業務の中で、自分の後援者がやっていることに、その人の個人的な利益をはかるためにやるべき筋合いのことではなかろう、こう私は思うのですね。この点はどうでしょうね。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) それは、私がお答えの中の後段のほうに申したように、特権を、大臣の力を利用して無理にそれを押し通すというようなことがあってはこれはならないことであるということを申し上げておるわけであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 ぼくはこれはほんとは、別な機会に直接荒舩さんからお聞きするなり、国鉄総裁からお聞きするのが筋合いかもわかりませんけれども、四つか五つのいろいろ御希望があったのだが、国鉄としてははなはだ困るということで実はお断わりした、議事録に出ておるのです。「はなはだ困る」ということが、いかにこれが、四つか五つの問題が無理難題であったか——職権を利用した、かさに着た無理難題であったかということをよく物語っていると思うのですね。これは実によくないですよ。この人は、率直な話は、何といいますか、そう悪気がなくてやったのかわかりません。私はそういうふうに善意に解釈しますけれども、それにしてもどうもあまり芳しくない、こういうふうに考える。これはもう事実上の職権の乱用というか、法的な意味ではなくて、道義的な意味での職権の乱用にかかわる、こういうふうに思うわけです。この点については、これはあなたのほうでも、これは同僚ですからね、仲間として、事実関係を十分調べるなり何なりして、本人にこういうことがないように御注意を願いたい、こういうように私は思います。  もう一つですね、これはやはり、そういうふうな職権の乱用とは言いませんけれども、一般の人に対してえりを正せ、えりを正せと言っていながら、さっぱり自分自身がえりを正していない、公私を全く混同している。公私を混同するというところから、道義的な退廃が生まれてくるわけですね。一般の人は、何だ上のほうはあんなことをやっているじゃないか、それじゃ自分のほうだけこんなことをしたってだめじゃないかという気持ちになってくるわけです。  ソウルで経済閣僚会議があったわけですね。そのことは、もう閣僚として出席するのはあたりまえです。ところが、個人的に業者から頼まれて、その業者を二人、これはエスコート−−随伴者として正式に連れていっているわけですね。まあそのこと自身も、これはもう非常に大きな問題だと思うのです、綱紀粛正の上からいって。なぜこの二人の業者を連れていったかということ、この理由も前提があるのですよ。これはぼくはあれしませんがね。荒舩さんの弟さんの商取引の関係がある。それで頼まれて連れていったのかもしれませんけれども、いずれにしてもその二人の業者を連れていったそのことすらもう問題なわけですね。公の、公式の会議に、しかも随員という形で、それで飛行機の中でその二人を大臣に紹介しているのですね。別の大臣がおこったそうです、あまり不謹慎きわまると言って。それもあれなんですけれども、今度は向こうに行って、聞くところによりますと、閣僚会議の控え室にも出入りをさせておった、こういうようなことも言われておる。それで結局、国家の代表としての公式の国際会議にプライベートなものをからませるとは非常識きわまる、しょうがない男だと、こういうようなことを言って、同席したある大臣がおこっているわけですね、だれとは言いませんけれども。そういうようなことがあって、これはもの笑いになっているわけです、事実関係が。それで外国に、外交上の問題としても、これは問題なわけですね。入国査証が得にくいというので、自分の公の会議のエスコートとして行かせて、それで宴席にもこの業者は出ているというようなことが替われている。それ以上は私は申し上げませんが、こういうようなきわめて公私を混同して、何だか規律がめちゃくちゃな形でやってる。こういうことでは、国民はついてこないと思うのです。政治不信というものはますますつのってくるばかりだと、こう私は思うのです。これじゃいかぬと思うのです。これは自民党がどうだとか何だとかいうのじゃなくて、政治全体の不信というものを招くことになるわけです。これはいわゆる閣僚の中で、何らかの形でいまのこのソウルへ行くときある業者二人を連れていった話、その業者二人を何か閣僚会議の控え室にも出入りさせておったとか、いろんなこともあったわけですね。こういうような疑い、公私混同の非常識な行動、これが国を代表して公式に行く外国での会議に出席する大臣のなすべき筋合いのことではないと、こういうようなことも当然出てくるわけです。こういうようなこともいろいろあります。いずれにいたしましても、こういうふうな問題について、ぼくは、大臣が公務員に対してわれわれに見ならえと言うなら、——法務大臣は潔白ですからそういうことはありませんけれども、佐藤内閣の中にこういうような人がいるのでは私はいかぬと思う。失礼だけれども、大臣としてやってることが、ある一つの面から見てもどうも不適格だという印象を私は受けざるを得ないわけです。いずれにいたしましても、こういうようなことが行なわれておるというのは、非常に残念です。ですから、法務大臣としては——私はここで事実をこうだと申し上げまして、ぴしっと断定しているわけではありません。こういうふうな話がある、こういうふうなことが伝えられておる、だからそういうことについては、お互い同僚として、何らかの形で事実を十分確かめられて、事実だったら注意をして、こういうことのないようにするように、大臣としても私はお取り計らいのほどをお願いいたしたい、こういうふうに考えるわけです。私は決して人の非をあばくのを快しとしておりませんからこの程度で終わりますけれども、これだけでも、いま言ったような二つの事実があらわれておるわけです。四つか五つというのですから、もっとあるのです。いずれにしても、こういうようなあらわれている事実、言われている事実がありますから、よく本人に確かめて、場合によっては忠告するようにお願いしたい、私はこういうように思うわけです。その点についての大臣のお答えを願って、私はこれについての質問を、非常に簡単ですけれども終わらせていただきたい、こういうふうに考えます。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) ただいまのお話よくわかりました。私なりの考えでしかるべく努力したいと思います。     —————————————

和泉覚公明党

○委員長(和泉覚君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

和泉覚公明党

○委員長(和泉覚君) 速記を起こして。黒柳君。

黒柳明公明党

○黒柳明君 大臣の時間が限られている、こういうことでございますので、私も二、三の点を聞きまして質問を終わりたいと思います。  その前に、一問だけ刑事局の御意見を承りたいと思います。田中事件の捜査が事実上これ以上進まないのじゃないか、打ち切られるのではないか、こういうような一般の声がございます。先般も法務大臣は、このことについて、もし犯罪容疑があるならばどんどんそれに対しては追及をしていく、このような発言を承ったわけでござまいすが、いままで田中事件の捜査段階において相当時間をかけたと思うのですが、はたしてこの犯罪容疑がどの程度明らかにされたかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。

石原一彦法務省刑事局刑事課長

○説明員(石原一彦君) 東京地検からの報告によりますと、いわゆる田中事件につきましては、一応捜査を完了いたしまして、現在公訴維持のための準備中という報告を受けております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 先ほどの刑事部長検事の会同における法務大臣の訓示でございますが、政治家の腐敗、公務員の腐敗、その原因はどこにあるか、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 公務員の汚職というものが各方面、公務員の間にずっとあちらにも出、こちらにも出ておるというようなことは、まことに残念でございますが、これは道義地に落ちたということで残念がっているだけでは済まないことであると私は思っております。みんなの心持ちの上に、公務員というものが日本国民全体のすべての信頼を受けて、そうして公務に従事しているのだという心持ち、責任感が非常に薄いのじゃないかということ、そこからいろいろな問題が起こってくると思います。そういうふうな薄いものがどこからくるかということの質問がすぐ出てくると思うのでございます。政治がいまのような状態で、そうして公務員だけ正しきを求めても無理じゃないかという声、もっともだと私は思うのでございます。政治が日本の国のいろいろなもとであるということを考えましたならば、政治そのものが正しくりっぱに行なわれるということに力を入れていかないと、公務員そのものの粛正ということもほんとうにしっかり——しりをひっぱたいてしっかりやれと言っても、気合いがほんとうにかかるかどうかというとあやしいと言われても、私はそうじゃありませんと強くがんばれないというのがいまの政治の情勢じゃないかというようなことも考えるのであります。政治の筋を正す。公務員そのものもしっかりやってもらう。われわれ政治家は、政治家として毎日の行ないを澄ましていくということでなければならない。みんなが協力して励まし合っていくということ。そうして公務員にはひとつ強く求めていくというようにしなければならない、こういうふうに思っておるわけでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 確かに、大臣がおっしゃいますように、公務員の不正は土壌である政治の腐敗に通ずるものである、このように私も確信するわけですが、国民に対して、政治が腐敗している、こういう印象を与えるのであっては決してならないと思います。そのためにも法務省はき然たる態度で公、平なる捜査をすることが必要であると思うのですが、今回の田中彰治事件に対して何か国民はまだまだはっきりしていない、あいまいな印象を残したまんまではないかと、私はこのように感じるのですが、大臣はこの点に対していかにお考えでしょうか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 田中事件は、告訴を受けまして、直ちにこれと取っ組みまして、そうして懸命の努力をいたしておるわけでございます。そうして、これには何らの政治上の指図も圧迫もいたしておりません。私がよくこの席で申し上げまするように、刑事当局のしっかりした心がまえを支持し、その連中が正しく動いてくれることを確信しておるわけでございます。その連中のいま捜査途上にあるわけでございます。それには、私がこの辺でもう打ち切ったらどうだというようなことももちろん申すようなこともありませんし、今後ともそういう心持ちは一つも持っておりませんから、御安心願いたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 佐藤総理は入院中に、このような政界のありさまを心配されて、政党法についていろいろ構想を発表した。また各党もそれについての意見、あるいは各界ともいろいろな意見を発表しておりますですが、ともかく非常に政治が腐敗していると、これはもう万人の認めるところです。はたしてこの政党法の成否はともかくとして、法務大臣としてこのことに関して——いま乱れている公務員あるいは政界の腐敗、そのときにあたって総理が政党法についての構想を発表したわけです。法務大臣個人としてはどのような考えをお持ちでございましょうか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 総理が病中わざわざ病院から政党法についての構想を幹事長に話をし、その研究を命じたということは、私は非常にけっこうなことだと思っております。  病中にあっていろいろな問題を考えるとき、これから先の政治をどう持っていくかということを佐藤総理が考えた場合に、一番先に考えた問題は、いまの政治でいいのかと、いまの政治をよくするには、どうしたらいいかということ、そうやって頭に出てきたのが政党法その他の問題だったと思うのであります。この声をあげて、そうすると各方面からまたいろいろな声があがってくるでありましょう。そうやって政党並びにこれに属する政党人である、政治家でありまするわれわれが、これによって正しい方向にみんな力を合わせて向かっていく、そうして世の中の信用をかちうるような政治という方向が出てくればたいへんけっこうなことで、あらゆる努力を私もこれに傾倒いたしたいと思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 最後に、巣鴨拘置所の移転の問題ですが、都市開発の青梅の土地と交換するというような話でございますですが、この方針ですね、はたしてどの程度まで進展しているのかお伺いしたい。

勝尾鐐三法務大臣官房経理部長

○説明員(勝尾鐐三君) いわゆる巣鴨拘置所の移転問題でございますが、現在巣鴨あと地の評価をいたしまして、その評価額の範囲内におきまして、小菅並びに旭川、川越、岡山の刑務所の移転を実現すべく、現在事務的には評価の手続を鋭意進めているということでございます。それから、評価が出ました場合に、巣鴨の関係におきましては新都市開発センター、旭川、川越、岡山等につきましてはそれぞれ市当局との間に移転の契約をするわけでございますが、その契約の草案につきまして、現在、大蔵当局、さらに自治体、新都市開発等の間に、契約の内容につきまして鋭意意見の調整をはかり、なお一方巣鴨あと地の利用につきまして、全面的に公共的な利用ということを一応考えておりますので、それを都市計画法によって法律的にはっきりさせるということで、都市計画法にのっとる事業決定をする段階になっております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 その評価の見積もりの予定ですね、あるいは関係当局との相談の進行の予定、将来どのくらいの予定でそれが終了するようなことになるでしょうか。

勝尾鐐三法務大臣官房経理部長

○説明員(勝尾鐐三君) 当初私のほうでは、おおむね六十億前後という一応の見込みで予算の要求をいたしたわけでございます。現在あと地の利用の問題につきまして、一応敷地全面的に駐車場とバスターミナルをつくりまして、その上に公会堂あるいは修学旅行館あるいはビジネスホテルといった計画が示されているわけでございますが、その際に上層のほうに建てられますいわゆる営業的な要素を含んだ領分、これを一体評価の際にどのように反映させていくかということをいま最終的に詰めている段階でございます。

和泉覚公明党

○委員長(和泉覚君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会

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