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第52回国会参議院1966/07/19

法務委員会 第2号

発言数
61 件
登壇者
4 名
会派数
3
開催日
1966/07/19

会議録

和泉覚公明党

○委員長(和泉覚君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  本日は、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、法務行政に関する件について調査を行ないます。稲葉君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大臣にお尋ねしたいのですが、法務省関係で、松山刑務所でああいう事件があり、それから大阪の法務局の職員の不正事件があり、それから大阪の入国管理局でやはり同じような事件があって、そして逮捕されたり裁判になったりしているわけですね。これは、法務省というのは、法の番人で、そういうふうなことがあり得べからざることとしてこれはもう非常に信頼されているところですが、こういうふうな事件が相次いで法務省の中に起きておって非常に不名誉なことなんですが、この事件について、これは三つですけれども、統一して、どういうところに原因があって、今後どういうふうにしなければならないのか、あるいは、大臣としてどういうふうにこれらの問題についてお考えになっておられるか、こういうことを最初にお聞きをしたい、こう思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 今のお話のような事件が次々に起こっておりまして、まことに残念に思い、また恐縮に存じておる次第でございますが、こういう問題が起こってきた原因をよく探求いたしまして、そういうことが再び起こらないようにするにはどうしたらいいかということを私どもは考え、また、それを実行に移さなければならないということを考えるわけでございます。  第一は、綱紀が何となく弛緩しておる、それから来ておるということが当面これらの問題が起こってきたもとだと思うのであります。いまお話しのように、法の番人であるというような立場である法務省、その中へ勤めている者は、ほかの役所に勤めている者以上にみずからを持することがきびしくなくちゃならないわけであります。そういう中に問題が相次いで起こるということは、まことに申しわけないことでございます。一番は、綱紀の粛正にもっとみんなが法務関係の者が全体が一体となって、力を合わせ心を合わせましてこういうことの起こらないようにするように、この間から各種の会合を持つたびに私はこの問題を取り上げていろいろとみんなの注意を喚起いたしておるようなわけであります。  また、一方、いろいろわれわれが仕事をさしていく上におきまして、そういう人たちが仕事に安心して力を入れていくということには、物心両面から安心してやっていけるというような状態でなくちゃならぬということもまた考えなければならぬことでございます。はたしていろいろの仕事の上の待遇あるいは職場の設備等がこれでいいのかというようなことを考えますと、どうもまだまだ至らぬ面が非常に多いように私は思うのでございます。私、法務大臣となって一年間いろいろなことを見聞いたしてみますると、その点において改めなければならぬものがたくさんあるということを考えるのでございます。そういうような点にも力を入れて、働く者が他を顧みることのないような状態に一日も早く持っていくことができるようにいたしたいと、こういうふうに思っておるわけであります。  また、仕事をする者がお互いに協力し合っていくことは必要でございますが、悪いことをするのに協力し合っていくというようなことがあってはならないのでございまして、たとえば松山事件のような場合に、外からの誘惑、圧力がある場合には、中の者が一体となってこれに対抗する、また、ほかの場面においてのいろいろの誘惑があった場合には、お互いがそれを戒める、そうしてそういうことのないようにしていくようなことにみんなが力を合わしていくというようなことでこの問題がなくなるように、ほんとうにみんなが力を合わしていくというようにいたさなければならぬと、こういうふうに思って、みんなでこういう問題を取り上げては話をいたしておるようなわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 綱紀粛正はこれはもちろん必要なことですが、そのことだけで問題は解決しないわけです。これはもちろん重要なことなんですけれども、いま大臣があとで言われました待遇の面とか、非常に至らぬ面が多いというふうなお話があったわけです。これは、法務省関係では、労働組合がつくれるところとつくれないところとがありますし、つくれるところでもまあつくってないわけですから、そういう人たちのいろいろ待遇その他の声が率直に言って上のほうに届いていないうらみがあるのではないかと、こういうことも考えられるわけです。で、いま大臣が言われましたように、いろいろな面で至らぬ面が多いという点、こういう点について、いますぐここでという意味ではございませんが、具体的にいろいろ待遇その他の面についてもぜひ考慮を願って、そうした面からもこうした事件が再び起こらないようにしていただきたい、こういうことだけをきょうは要望をしておきまして、大臣に対する質問はこの点についてはこれで終わらせていただいて、それから法務行政の中での問題ですね、法務局関係の人員の増の問題その他の問題がありますから、その他のことについて少しくまたお尋ねしたいと思います。専門的なところは民事局長でけっこうです。大筋なところは必要に応じて大臣のほうからお答えを願いたい、こういうふうに思うわけです。  そこで、法務局関係ですが、これは事務量が非常にまあふえておるわけですね。これはいろいろ統計のとり方もあるかと思うのですが、十年間に五倍くらいふえておって、人員はその間十年間にまあ一五%とか一六%とか言っていますが、その程度しかふえておらないわけです。で、こういうふうな人員増の場合の科学的な基準のとり方がどうもはっきりしないのじゃないかと、こう考えられるのですがね。ということは、職員一人当たりが、たとえば甲号事件では年間どの程度持つのが基準量として考えられるのか、乙号の場合はどうなのか、乙号事件の、これはまああとで説明していただきますが、それを甲号に換算をした場合に、乙号何件で甲号一件というふうに事務量を考えるのかとか、こういう基準的なものはもう全体としてはっきりしておらないというと、ことしこれだけ人数があったと、それを来年はこれだけふやすのだというだけでは、基本的なものの基準がはっきりしない上に次から次へ組み立てられていってしまいますから、どうもぴんとこないのですね。そこら辺のところを、科学的な基準というか、それをどういうふうに見ているわけですか。職員一人当たりの仕事の量をどこら辺に押えるというのを基準として考えるのか、そこはどうなんですか、とり方は。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 法務局関係の増員をいたします際の基準となるような考え方でございますが、これは、従来、現状におきましてある一定の事務量の事件を与えられた職員の数で処理しているという現状に立脚いたしまして、将来の事務量の増加分をこなしていくのにどのくらいの人間が不足するかというふうな考え方から増員の要求をいたしているわけでございます。この場合問題になりますのは、ただいま御質問の、もともと一人当たりの負担量がどのくらいが相当かということが理屈の上では確かに基礎になってまいるわけでございます。これも、現実に現在の法務局の配置人員の範囲内で毎日の事件を処理するということになりますれば、明確に一人当たりの負担量というものも算出できるわけでございますけれども、まことに残念なことながら、法務局におきましては外部の応援者というものがかなり入っているわけでございます。そもそもそういう事態にならないようにすべきであるというふうに私どもは考えておりますけれども、いろいろの事情から事件の増加に見合うだけの増員が必ずしも十分には期待できない現況におきまして、ただいまのような部外者の応援というふうな形に追い込まれているというのが実情でございます。そこで、そうは申しましても、法務局の将来のあるべき姿を私ども想定いたしまして、それを基礎にいたしまして法務局の職員の配置ということを考えるべきであるということを年来考えてはいるわけでございますけれども、いろいろの事情によってそれは実現できないという残念な状況下に置かれているわけであります。  そこで、一人当たりの事務負担量でございますが、これは科学的に算出するということが非常に実はむずかしいわけであります。単純に申しますならば、年間の事件数を登記事務の従事職員の数で割って、それを一日平均の数字に直していけば一応現、実を基礎にした負担量というものは出てまいるわけでございます。しかし、これはあくまでも現実の事件を処理するための負担量にすぎないのでありまして、それが理想的な負担量であるかどうかということは、これはまた別問題であろうと思うわけであります。そこで、一人当たりの負担量をどの程度と見たらいいかということについて過去におきましても何回も実態調査もしてみましたし、いろいろなことをやってみたわけでございますが、自信を持って一人年間これだけ処理すれば最も理想的だという数字がなかなかつかみにくいわけでございます。と申しますのは、先ほど申しましたように、部外応援その他の事情がこれにからんでまいりますために、法務局のあるべき姿というものを描くということが非常にむずかしいことだということ、そこでやむなく年間の事件数と現在の従事職員の数、これをにらみながら増員の必要数を算出せざるを得ない、こういうことになるわけでございます。科学的に調査したいと思うわけではございますけれども、これも各登記所の実情によりましてそれぞれの格差もございます。東京の非常に忙しいところを基準にしていいのか、あるいはもう少し程度を下げて中小都市あたりを基準にして考えていいのかというふうな問題もあるわけでございます。必ずしも東京で出した資料をそのまま全国に共通のものというわけにもいかないだろうという感じもいたすわけでございまして、科学的にこういった事件の処理能力というものを分析して出すということは非常にむずかしいわけでございます。私どもとしましては、できるだけ法務局の将来のあり方というものを頭に描きながら、今後の増員の合理的な算出方法というものを考えてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その科学的な基準というものがないというか、なかなかむずかしいことは、これはよくわかるんですよね。そうすると、一体、その予算要求ですね、概算要求なり予算要求するときに、どういう基準で何人ふやすということをどうやってきめているのですか。そこら辺がはっきりしなくなりますね。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 予算要求いたしますときには、少なくとも一人当たりの事務負担量というものを出す必要がございます。これにつきましては、私どものほうでは、登記事務に専従しておる職員が大体どのくらいこなせるかということを一応の目安としてこれは出さざるを得ません。そういう意味で出しております数字が、一人二千四百件ぐらいであればだいじょうぶであろうというふうに見ております。これは一人当たり一件の事件の処理に要する時間を四十二、三分というふうに見まして、これはいろいろ登記所における実情を調べた結果、おおむねその程度のところが妥当だろうということを把握いたしまして、それを基礎にして出した数字でございます。これは甲号事件でございますが、乙号事件は、御承知のとおり、謄本の場合、抄本の場合、あるいは証明、閲覧と、いろいろございますが、それぞれによって所要時間また仕事の負担量というものが非常に違ってくるわけでございます。これを一律にその、基準を出すということは非常に困難なのでございますけれども、大体甲号一件に相当するものとしましては、乙号を全部おしなべて申しますと、七、八件くらいが甲号一件に相当するだろうというふうに考えまして予算の要求をいたしておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、事務量は、この前決算委員会で質問したときにも、過去十年間に五倍くらいふえていると。ちょっと数字は忘れましたが。そうして、人員は、十年間に——十年間でなかったか、一五%ふえたというこの前答弁でしたね。事務量のふえた割合と人員のふえた割合とは、これは表にするとどういうふうになっているのですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 事務量の増加と人員の増加の状況でございますが、昭和三十年を基礎といたしまして、三十年の件数なり人員を一〇〇といたしまして、その後の状況を申し上げますと、登記事件の甲号におきましては、昭和三十年で六百九十二万二千件でございます。これを一〇〇といたしますと、昭和三十五年に至りまして九百十三万六千件になっている。さらに、昭和四十年になりますと、千三百二十八万三千件でございます。ここで甲号事件が一九二%ということになるわけでございます。乙号の事件に至りますと、さらにそのふえ方が顕著なのでございまして、昭和三十年におきまして千五百七十六万八千件でございました。これを一〇〇といたしますと、昭和三十五年におきましては四千二百七十八万七千件でございます。昭和四十年に至りますと八千九百八十二万件となりまして、この増加の率は、昭和三十年に比べますと、五七〇%ということになるわけでございます。したがいまして、甲号、乙号合わせますと、大体四百四、五十%というところに落ちつくだろうと思います。  これに対しまして、人員の増加の状況でございますが、これは法務局の総定員は別といたしまして、登記に従事をいたしております職員の数を申し上げますと、昭和三十年におきましては六千八百七十七人でございまして、これを一〇〇といたしますと、昭和三十五年におきましては七千百二十人、昭和四十年におきましては七千八百十八人、四十一年度はこれがさらにふえておりまして七千八百九十三名ということになっております。したがいまして、四十一年度の従事職員を三十年度に比べますと、一一五になるわけでございます。四十年度の人員は一一四ということになっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、事務量が約五倍近くふえていて、人員は一五%くらいしかふえていない。そこで、現実の処理はどうしているのですか。部外応援がある程度はあるとして、部外応援がいいとか悪いとかこれは議論のあるところでしょうが、そうすると、結局それだけのところは職員の事務の負担ということになってくるのが一つと、それから現実にその登記のことを頼んだ国民の人がそれだけおくれてきて非常な迷惑をこうむっておるという結論がこれは数字から言っても出、ざるを得ないわけですね。  そこで、これはこの前大臣にもお尋ねをして要望しておいたのですが、いま言ったような数字から見て、大臣、これはだれが見ても、もっと人員増加をしなければ、とても国民の要望に沿わないし、職員の労働というものはこれはとても加重になってきて病人がどんどんふえてくるということになるわけですね。それで、予算折衝のときに一時間か二時間そこらの折衝ということでなくて、前々からこのことを大蔵省なり総理なりに石井さんのほうから十分お話しを願っておいて、人員の増をしっかり確保していただきたいわけですね。それでないというと、国民が非常に困るし、職員も困るわけですから、この点については、この前もちょっとお答えがございましたけれども、さらに積極的に取り組んでこの人員の増の問題の解決をはかりたいと、こういうことについての決意というかお考えを大臣からお聞かせ願いたいと思います。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 法務局関係の人員の非常に無理な状況にありますことは、この仕事をよくしていくためには、従来の建物の状態とか、建物の中の配置の状態とか、組織の上の器具の使い方とか、いろいろなものによって助かる部面が相当あると思うわけでございます。で、そういうふうな方面も力を入れたいつもりでございます。結局は、やはり人を増さなければならないというところに落ちつくものが相当なウェートを持っておるということはどうしても考えられるところでございます。この問題は、この前申し上げましたとおり、ぜひこれは力を入れてやりませんと、大事な仕事でございますので、かつ、これはみんな影響するところが、一日を争うような問題が二日も三日も四日もかかるような問題等もございまして、私は非常に気になっている問題でございますので、御説までもなく、特にこれは力を入れて話を進めていきたいと思うのであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それから、庁舎の計画ということで何か十カ年計画ができているのですか。その関係はどういうふうになって、現在どの程度進んでいるのですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 法務局の庁舎につきましては、経過年数の非常に長いもの、また、最近の事務量に応ずるだけの十分の余裕のないような庁舎、さらに、朽廃して使用にたえなくなっておる、修理もきかないというような庁舎がかなり多くなっておるわけでございます。何と申しましても、出張所だけでも約千一五百近い数がございますために、毎年の営繕予算におきましても、増員と並びまして法務局の営繕費を最大の重点事項としてお願いいたしておるわけでございますが、これも一挙にこれの解決をはかるということはできない実情にあるわけであります。そうは申しましても、いつまでも放置するわけにはこれはまいりません。特に地方の出張所の庁舎の改築ということにつきましては、特別に私どもも関心を持っておるわけであります。お話の登記研の庁舎の十年計画と申しますのは、昨年から始めた問題でございまして、全国の登記所のうち、特別に緊急を要するものと認められるものが三百三十六庁ございます。これを基礎にいたしまして、これを十年間で改築したいということがまず第一次の計画でございます。昨年と本年で約五十庁新営が行なわれることになっておるわけでございます。まだまだ三百三十六庁でございますので、庁数から申しますれば十分の二というふうにはまいらないわけでございますが、さしあたって私どもが急いでおりますのは、登記所の中でも特に規模の大きなところ、事件数の多いところ、国民に非常に利害関係の多く出るようなところ、そういうところをねらって最初の新営計画を推進するようにいたしております関係で、一庁当たりの予算単価も非常に多くなるものが数件ございます。したがいまして、庁数にいたしますと三百三十六庁の十分の二というわけにはちょっとまいらないわけでございますけれども、予算的には大体均衡がとれておるところへきておるわけであります。  今後の問題といたしましては、はたして現在の状況下におきまして、これを十年という期間で当初の予定どおり実施していくのがいいのか、あるいは、それともこれをさらに短縮いたしまして、もっと早くこの庁舎の改築の完成を期する必要があるのではないかということも考えておりまして、来年の予算の要求をいたしますときにもこの点についての検討をいたしまして、できますならば十年計画というのをもう少し促進するような措置も請じてみたいというふうに考えておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは、庁舎ではどういう書類を預かっているわけですか。預かっているというか、保管しているわけですか。登記の関係書類で、登記所というか、法務局で所管しておるというのは、どういう書類があるわけですか。国民の権利にとって必要などんものがあるわけですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) ただいま申し上げましたのは登記所でございます。したがいまして、登記関係の書類でございます。ただ、大きな登記所におきましては供託事務を扱っておるところもございます。これはごく少数でございますけれども、そういう登記所もございます。したがいまして、原則といたしましては登記関係の書類が大部分であるというふうに申し上げられると思うわけであります。登記関係の書類と申しますと、一番大事なのは、永久保存の登記簿でございます。登記簿のほかに、その登記の申請書、あるいはその他の付属地図というか、いろいろのものがございます。こういった書類を全部登記所の中に保管いたしておるわけでございます。その他に、ただいま申し上げましたように、供託を扱っておりますときには、供託関係の書類も預かっておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 永久保存の登記簿ですね、これは非常に重要なものなわけですけれども、老朽の庁舎のような場合に、火災にあった場合に、それが十分に火事になってもだいじょうぶだというような保証はあるんですか。ぼくらよく一人庁やなんか行って見て、倉庫みたいなところがありますけれども、その防火壁がどの程度あるのか、十分なことはぼくも知りませんけれども、火事になった場合に、その書類が焼けちゃうようなことが起きたらこれはたいへんな問題になると思うんですけれども、新しい庁舎の場合にはちゃんと防火設備とか何かは全部できているんですか。いわゆるいま言う老朽庁舎のような場合には、その点はどうなっているんですか。もし焼けちゃったら、たいへんなことになってくる。それが火事になってもだいじょうぶなんだという保証というか、そういうようなものがあるんですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 千五百ございます登記所の大部分は、これは昔ながらの倉庫でございまして、これは土蔵づくりのものが多いわけでございまして、明治年間からそういった倉庫で登記簿の保存をいたしてきたわけでございますけれども、庁舎全体の管理につきましても登記所の職員は非常に細心の注意を払ってやっておりますので、みずからの出火によって登記簿冊を焼いてしまったというようなことば耳にいたしておりませんが、類焼等によって焼けるということは、これはあり得るわけでございます。しかし、地方一帯の火災、水害というような場合はともかくといたしまして、一般の火災によって登記所だけが焼けるということはまずございません。それほど職員も十分注意をいたしております。しかし、土蔵であれば防火上だいじょうぶかとおっしゃいますと、これは遺憾ながらそうは申し上げられないわけでございます。中に防火壁を設けまして最小限度の措置は講じているものもございますけれども、それのみではこれは必ずしも十分ではございません。したがいまして、最近数年間におきまして登記所の改築をいたしますときには、少なくとも倉庫は鉄筋コンクリートなりブロックの耐火構造のものにするという方針で現在はやっております。それだけに予算の額も多くなるわけでございますけれども、往年の登記所とはだいぶその面では模様、様子が変わってまいっております。私どもも大事な簿冊をお預かりしております関係で、何としても登記所の施設だけは火災、水害、地震等にも耐え得る堅固なものをつくる必要があるというふうな考えで今後もやっていくつもりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そういう意味からも、もしそういう火事や何か起きて焼けてしまった後ではこれは間に会わないわけですから、十カ年計画というふうなものを、これはいろいろ予算の関係等もあるかもわかりませんけれども、できるだけ短縮した中でこれを進めるようにしないというと、国民が非常に大きな迷惑をこうむる危険性があるわけですね。ですから、大臣、こういう点についても、十カ年計画というものがあることはありますけれども、それをできるだけ短縮してやるように、大臣のほうからも総理や大蔵当局にこれはぜひ働きかけていただきたい、こう思うんですが、この点についてはいかがですか。

石井光次郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(石井光次郎君) これは、増員問題と裏表をなすような問題であると思うのであります。私、何カ所かの登記所を見まして、りっぱな保存所を設け、また、仕事場もたっぷりするようにということがいかに大事であるかということをしみじみと感じておるものでございます。これは、ぜひ前の増員の問題とあわせてよく検討いたしたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは、この前ちょっとお話ししたときにも、大臣が、たとえば刑務所の問題でも、ごらんになったのが福岡、広島のようないい刑務所——いいと言うと語弊がありますが、新らしくできたところで、法務局のどちらをごらんになったのか、私はそこまではお聞きいたしませんけれども、一人庁とか二人庁とか、小さな田舎の出張所があるわけですよね。そういうところをおそらくごらんになったのではないとぼくは思いますけれども、いずれにいたしましても、そういうところなんかが、何といいますか、早く設備しないと非常にあぶない点があるわけですから、これ以上のことはあまり内部のことになって干渉がましくなりますから申し上げませんけれども、こういう点についても十分御考慮を願いたいと、こう思います。  それで、この前、決算委員会で、だれでしたか営繕課長に聞いておったのを聞いておったのですが、あれは、法務局をつくるのに寄付を受けちゃいけないというあれがあって、三カ所か四カ所ですか寄付を受けたというような話がありましたけれども、だいぶ昔のことのように私聞いておったのですが、そのことをここでどうこうということではありませんけれども、あれは概略はどういうのですか。町村から寄付を得たというのですか、寄付を得ちゃいけないことになっているのですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 市町村財政の関係もございまして、国のほうが本来つくるべきものを市町村の負担でつくるということはなすべきでないという考え方に立ちまして、法務省としましては、これは市町村と言わず、個人と言わず、外部からの寄付は御遠慮すべきである、こういうことで先般の決算委員会のときの次官通達でございますか、これが出ておるわけでございます。これはかなり古い通達でございますけれども、その方針は現在も同じように維持されておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは聞きたくないんですけれども、何か法務省で全然金を出さないで、ほかのところが金を出して全部つくって、特につくってもらって、そこを借りてやっているところもあるんですね。場所の名前は言わなくていいですよ。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 市町村でつくりまして、それを借り上げておるというところがございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そういう行き方をとっているのですか、法務省全体として。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) これは私どもも決して好ましいこととは思っていないわけであります。市町村側からそういう申し出が現在もかなりあるわけでありまして、ぜひつくらしてもらいたい、こういう御希望があるわけであります。私どももその御希望は御好意としてこれはたいへんありがたいわけでございます。ありがたいのでございますけれども、われわれの立場からいたしますと、そういう寄付を受けるわけにはまいりません、多少日時は要しますけれども国費をもってつくりたいからということでお断わりするのでございますが、どうしてもといってもう非常に強く要望される向きがあるわけでございます。これは、私どものほうへも直接町村長さんあるいは議会の議長さんあたりが見えまして、ぜひ法務局の登記所をつくらしてもらいたいということをおっしゃるわけです。いろいろ現地の事情もあるだろうと思いますけれども、われわれの態度といたしましては、なるべくそれはお断わり申し上げるという方針で参っております。  しかし、もともと、登記所の庁舎というのは、市町村有の公有のものが非常に多いわけであります。全体の六〇%ぐらいは公有の庁舎になっております。こういう現状がいいか悪いかという根本問題もあるわけでございまして、できるだけ公有の庁舎あるいは民有の庁舎を国有のものに切りかえていこうという方針でおるわけでございますけれども、明治時代からの関係もございまして、地元の市町村といたしましては、ぜひ自分たちの手で登記所はつくらしてもらいたいというふうにおっしゃる向きもあるわけでございます。そういう関係で、ほかに何らの問題もなくて、ほんとうに市町村側の熱意でそういうふうにおっしゃるという場合であれば、これはもう例外的にそういう措置をとってきたということもあるわけであります。しかし、私どもの気持ちといたしましては、できるだけそれはもうお断わりする。遠くから上京して来られましていろいろ陳情されるのでございますけれども、先方のお気持ちは好意としてわれわれ受け取りますけれども、できるだけそういうふうにしていただかないようにという態度で現在はやっておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それは、市町村でつくって、国へ寄付するんですか、寄付はしないんですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 寄付はいたしません。あくまで市町村の財産といたしましてつくって、これは市町村民のためになるという観点からおつくりになるらしゅうございますが、それを国のほうで借り上げをするということになっております。寄付を受けたということではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そういう場合でも、それは、新しくつくるというのではなくて、改築する場合が多いんですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) さようでございます。従来ございまして、市町村が維持費をかけて修理もしてまいるわけでありますが、とても朽廃しておりますために、修理費をかけるぐらいならこの際大改築をしたほうがいいというふうなケースが多いわけであります。全く新設の登記所というのはございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、この前決算委員会で問題となったのは、何ですか、国のものをつくっているときに市町村から寄付を受けたという意味ですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 先般決算委員会で問題になりましたのは検察庁の庁舎でございます。法務局の庁舎ではございません。営繕課長がおりますので、あるいはお答えいたしてもよろしゅうございますが、法務局関係ではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 市町村がその庁舎を改築するなり何なりして、そうして国に貸すわけでしょう。そのときに、市町村は、あれじゃないですか、不動産業者からだいぶ寄付を受けるんですよね。これ以上言いませんけれどもね、ぼくは。市町村がつくってくれと言うんじゃない。むしろ不動産業者が、とにかく登記所を早くりっぱなものをつくってくれ。それでないと、事務が渋滞するわけでしょう。それで、つくってくれといって、それを不動産業者が市町村へ寄付をして、市町村も出すんでしょうけれども、それでりっぱなものをつくるんじゃないですか。そういうのもあるんですよね。まあいいですよ、これはこれ以上ぼくも聞きませんから。それだから、国は金を一銭も出さない。不動産業者から国が寄付を受けるんじゃないですけれども、市町村が寄付を受けて、そうして法務局をつくるというのは、どうも考え方によってはちょっと問題があるように思うんですがね。まあこれ以上のことはここで言いませんけれども、いずれにしてもそういうことは変則ですから、早く年次計画を短縮して、国は国自体としてこういう庁舎を新築するように進んでいってもらいたいと、こういうふうに思います。  それから、法務省としてはどういう態度をとっているんですか。よく合同庁舎ができるわけですね。そこで、検察庁と法務局とが一緒になっておる場合があるんですがね。それから公安調査庁なんかも一緒になっておるところがあるんですよ。ぼくは公安調査庁というのは大きらいだから、公安調査庁というものが合同庁舎に入るということは、公安調査庁というのは必要を認めないほうだから別ですけれども、そういうところと一緒に法務局が入っているというのも変なものなんですね。あれは方針としてはどういう方針をとっているんですか。できるだけ独立な庁舎をとりたいという行き方なんですか、そこまでははっきりしていないわけですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) これは、庁舎建設の事情によりましていろいろのケースがございます。したがいまして、全部画一的に合同庁舎にするとか、あるいは単独庁舎にするという方針ではございません。それぞれのケースに応じまして、合同庁舎が相当と認められる場合には合同庁舎をつくるという態度でやっておるわけでございます。確かに、法務局の業務とその他の法務省所管の組織との仕事の内容がかなり違いますので、そういった観点から合同庁舎が望ましくないという考え方もあるわけでございますけれども、しかし、これは建物の構造いかんによりましてはそういった心配もなくきわめて円滑に能率的に現在合同庁舎の運営をやっておるところもあるわけでございまして、一がいに合同庁舎が適当でないというわけにはいかない、だろうと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その合同庁舎の場合に、庁舎の管理は一体どこが受け持っているんですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 営繕課長がおりますけれども、私から申し上げますと、合同庁舎の場合に一番大きな人員それから面積を占めますのは、何と申しましても検察庁でございます。そういう関係で、検察庁が管理者になっておるのが多いわけであります。しかし、全部そうかといいますと、必ずしもそうではございません。地方の小さな合同庁舎の場合には、法務局が管理者になっておる場合もございます。それぞれいろいろの事情がございますので、建設に至りました経緯その他諸般の事情を考えましてその管理者をきめておるのが実情でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 庁舎の管理権が検察庁にあると、結局まあ実際面の運用からいって、法務局が合同庁舎の中に入ってしまうと、検察庁の下になると言うと語弊があるけれども、いろいろな面で検察庁の、何というか、まあ別に指揮を受けるわけじゃありませんけれども、何となく下に置かれたような職員の中の気分というものができてくるのじゃないですか。ちょうど、裁判所で地裁と家裁が一緒にありますと、地裁のほうに庁舎の管理権がありますから、家裁のほうがまるで付属物のように扱われて、中でうまくいかなかったりする例があるわけですけれども、いずれにいたしましても、これは仕事の内容が違うし、独立庁舎にするのが普通のたてまえだと、こういうふうに思うのですがね。いま宇都宮なんかでも問題になっているんですね。あれだけりっぱな法務局の庁舎ができているわけです。今度合同庁舎をつくるからそこへ入れ。こっちは入らないといってあれしていますけれども、法務局はやはり法務局としての独立庁舎のほうが法務局の権威を保てるという形になってくると思うんです。いわんや合同庁舎の中に拘置所まで入ってきて、拘置所なんか入っているところに片一方に法務局があるというのは変なもので、これは独立庁舎という形で進むのが正しい行き方じゃないかと、こう思うのですが、これはいま大体お答えがありましたからあれですが。  もう一つの問題は、臨時職員の定数化の問題で、これはこの前もだいぶ定数化は入ってはいるようなんですけれども、現在でもやはり約千二百七十名ですか、千三百名くらい近い人がいるわけですね。そうすると、何か人によると七、八年やっている人もあるのですか。賃金単価はどのくらいですか。五百円くらいですか、一日。こういう人は一般の職員とどういう点が違うんですか。たとえば保険の問題とか、いろいろありますね。待遇の問題でどういう点が違うのですか。現状はどうなっておりますか、臨時職員の問題は。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 法務局の賃金職員でございますが、これは日々雇用という形で制度的にはできておるものでございまして、ただ、毎日毎日その発令行為をするということはいたしませんで、たとえば一カ月間は特段の発令をしないでそのまま継続して雇用するというふうなやり方をいたしておるわけであります。これは、いろいろの仕事の性質によりまして定員職員でまかなう必要がない場合に、こういった賃金職員を入れまして法務局の特殊の作業に従事させておるというのが実情でございます。  人員にいたしますと、約千二百人現在おります。  賃金単価も年々上がっておりまして、昭和三十八年には平均単価四百十円でございました。三十九年に四百五十円、四十年に五百円、四十一年に五百五十円、こういうふうに上がってまいりました。これは予算単価でございますが、執行上の単価といたしましては、四十一年度におきまして平均単価五百五十円のところ、六百二十円から五百二十円の間でその勤務場所あるいは経験年数、年齢、学歴、そういったものを考慮いたしまして若干の差等をつけざるを得ないわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような実行計画によりまして本年度の貸金職員を採用いたしておるわけでございます。  この中には長期間にわたりまして在職しております職員もあるわけでありますが、千三百人のうち千人ちょっとこえるくらいの数の人は一年未満でございます。いろいろの事情によって年々その雇用が継続してまいりまして、数年間に及ぶというのもあるわけでございまして、まあ三年以上というのが二十九名ばかりあるわけであります。ただいまの七年、八年というのも、場合によりますとあるかもしれません。  こういった人たちの待遇は、先ほど申し上げましたように、賃金単価によりまして日々の賃金を払うわけでございますが、一年以上にわたりますときには、共済組合の組合員としての恩恵も受け得るわけでございます。一年以上になりますと、一般の定員職員と変わりのないような待遇を受け得る。ただ、賃金単価が必ずしも十分とは言えない向きもあろうかと思うのでありまして、そういった面では若干定員職員よりは不利になる場合もございますけれども、定員の職員として採用した場合と比較してみますと、それほど極端に不利益になるというほどのものではないと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その予算単価は五百五十円で、実際には六百二十円とか幾らとか払っておるという話がいまありましたね。それは、どういう予算上の操作をやるわけですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) これは、それぞれの庁の雇用の実情に応じまして、長期間ことに事務のたんのうな職員を貸金職員として雇用するというふうな場合におきましては、なるべく高い賃金を払おうということになっておるわけでございます。六百二十円から五百二十円まで百円の差がございます。これは平均単価が予算単価として五百五十円になっておるわけでございまして、大蔵省とも協議いたしましてただいま申し上げましたような基準で実行計画をつくっておるということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは初めから純粋な臨時職員という形で入ってくる人もあるかとも思うんですけれども、ちゃんと新聞に募集公告やなんかして募集して、試験か何か受けて入ってくるんでしょう。その募集公告なんか見るというと、「法務事務官に昇進の途あり」とかなんとか書いてありますね。だから、すぐ法務事務官にでもなれるつもりで入ってくる人も相当多いのではないですか。これは国家公務員の試験じゃないんで、そこの法務局だけでやる試験か何かで採用するんですか。それにしても、いずれにしても、受ける人は、ちゃんと新聞に公告なんか出て受けて入ってくるわけですから、法務事務官になれると思って入ってくる人がどうも多いらしいですね。  これは、だいぶこの四、五年間に五百名以上が定員化されておるわけですけれども、いまいる臨時職員の人をどういうふうにして今後定員化していくのかということが一つと、それからいまの単価ですね、これをどういうふうにして——いくら何でも、一日五百円で月に一万五千円でしょう。そして休むとくれないでしょう。日曜や何かはくれるのですか。いずれにしましてもそれではとてもやっていけないわけですから、賃金単価の引き上げということをどういうふうに考えるかということと、それから具体的にはどういう仕事をしているのですか。普通の職員とちっとも違わない仕事をしているのではないですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 定員化の点でございますが、採用時にあたりまして確かにお説のように将来定員職員になり得る道があるということを募集公告に掲載いたしまして広く適任者を募っておるという実例もあるわけであります。ただ、これは採用された臨時職員が当然にすべて定員職員になるという意味で書かれたものでないことは、あの公告の文言を見ましてもわかるわけでございまして、ただ、一般に応募する人がそう受け取るかどうかということは、これは問題でございます。そんなことを考えないで、きわめて素朴にながめますと、一度臨時職員で入ればもう当然に定員職員になれると思い込んで入ってこられる方もそれはないとは申し上げられません。しかし、法務局がそういうふうに公告いたしましたのも、雇用される人を当然に採用するというつもりでなかったことは、これは当然であろうと思うのでございます。まあそうは申しましても、一年、二年というふうに法務局の仕事をやってもらいまして、ほかの職員とも親しみもふえてまいりますし、仕事にもなれてまいりますと、新しく定員職員として新規の採用をいたしますよりは、やはり従来なれておる臨時職員の人を定員職員に組みかえていくということのほうが望ましいわけでございます。そこで、できるだけそういった人たちを定員の中に組み入れるように私どもも指導いたしておりますし、また、現地の法務局におきましてもそういう考えでやっておるわけであります。  ただ、これは、ある一定の年数が経過すれば当然に定員職員になれるものではございません。御承知のように、人事院の公務員試験を合格しなければなりませんし、合格しなくても、やむを得ない場合には人事院規則の八−一三の規定によりまして人事院の特別承認を得まして定員に組み入れていくという措置を談じておるわけでございます。過去五、六年間におきましても、試験で採用いたしました者が約二言二十人ぐらいでございます。また、人事院の承認によって選考採用いたしました者が五百四十人ぐらいございまして、合わせますと約七百六十人ぐらいの者が昭和四十年度までに定員に組み入れられておるわけでございます。この方針は今後も変えないつもりでございます。できるだけそういった人たちに定員職員になってもらって、法務局の仕事をなれたやり方でやってもらうことが能率のためにもよろしいわけでございまして、その態度で今後もやるつもりでございます。  それから賃金単価の問題でございますが、確かに平均単価五百五十円というのは安いということが言えようかと思うのでございます。しかし、かりにこれを定員職員に組み入れるといたしますと、行政職の(一)の八等級の一号が暫定手当を含めまして一万六千百六十円に現在なっております。そういたしますと、たとえば六百円の人が三十日勤務いたしますと一万八千円になるわけでありまして、一がいにこれが低いということは言えないだろうと思うのであります。もちろんこれは賃金職員の待遇のみではございませんで、国家公務員の全般の問題にもつながってまいるわけでありまして、定員職員との均衡を考えながら臨時職員の賃金単価というものがきめられておるというふうに私どもは考えておるわけでございます。まあ今後とも一般職員の給与ベースが上がることもこれは望ましいわけでございますが、同時に賃金職員の待遇の改善ということも十分に考えてまいりたいと思うわけでございます。  それから賃金職員の休暇でございますが、これはやはり扱いといたしましては定員職員と同じようにいたしております。  それから仕事の内容は、主としてこれは登記簿と台帳の一元化の仕事、その他、商業登記の移記作業、また、粗悪用紙の移記作業、そういった特殊の作業に従事さしておるのが大部分でございます。そのほかに、税通問題とか、あるいは農地報償の臨時の仕事、そういった関係のものがあるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いわゆる税通問題というのは曲から言われておるわけですけれども、これはどういう根拠からこれが始まったんですか。それと、年々予算がふえていますね。その予算のふえ方と、これに伴っての臨時職員というものは、これだけの臨時職員というものを雇ってやっているのですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 税通と言われておりますのは、正確に申しますと税務署通知ということばを簡略化いたしまして税通と申しております。この問題が起きましたのは、昭和三十六年の四月に、国税庁から、所得税の課税の資料にするために、所有権の移転登記があった場合に各登記所から税務署にそれを知らせていただきたい、こういう依頼があったわけでございます。当時は、予算措置も何もございません。官庁相互間の協力関係といたしましてこれを始めたわけでございます。三十七年も同様の事情で、予算措置はございませんでした。しかし、だんだんとその仕事の量もふえてまいりますし、また、片方では登記所の仕事も漸次増加いたしてまいります。こういった税務署関係の仕事を協力によってやるということもけっこうだと思いますけれども、片方では法務局の仕事もふえておるという現状をながめますときに、ただ法務局の職員だけでやるということは考えものではないかというので、国税庁と協議いたしまして、昭和三十八年度から国税庁の予算から支出委任を受けるようになったわけであります。三十八年度は八百九十三万四千円支出委任を受けております。その後、三十九年度になりますと一千八百七十二万円、四十年度は二千四百八十三万五千円、四十一年度は三千六十五万四千円と、だんだんと支出委任の金額もふえております。これは、賃金職員の単価の増、仕事の増加というふうなことを考慮いたしましてこの支出委任額が増大しているわけであります。  私どもの態度といたしましては、先ほど申し上げましたように、この問題は本来の法務局の業務でないことは申し上げるまでもないわけでございますが、役所同士の協力関係ということはこれはいずれの役所にもあるわけでございまして、国税庁からそういう依頼がございますれば、やはりこれには協力しなければならないという態度でやっておるわけであります。ただ、そうかと申しまして、これを無制限に全部登記所がその仕事をかぶってしまうというわけにもまいらないのでございます。ただいま申し上げましたように、支出委任を受けました予算の範囲内で私どものほうでは協力いたしましょう、こういう態度でやっておるわけであります。  考えようによりますと、これはよけいな仕事を法務局に加えておることでありますので、思い切ってみんなやめてしまったほうがいいのではないかという意見も一方ではあるわけであります。しかし、これをかりにやめたと仮定いたしました場合のことを私どもは考えてみなければならないわけであります。税務署のほうにおきましても、所有権移転の登記が行なわれたということを知る必要が職務上あるわけでございまして、もしも登記所のほうから通知をしないということになりますと、逆に税務署のほうから謄本の請求、あるいは閲覧の請求の形によって登記の実情を調査されるだろうと思うのでございます。これは当然法務局としても協力しなければならないわけでございますけれども、そういった謄抄本の請求、閲覧という形でやる場合と法務局のほうで通知の形で協力するのとどちらが手数が省けるかということも考えてみなければならないわけであります。税務署の通知の場合には、固定資産税の関係で登記所から市町村に通知することになっておりまして、これは現在の税法上そういうふうになっておるわけでありますが、この様式と大体一致するわけでございます。できるだけ登記所の負担を軽減いたしますために、複写紙を従来二枚使っておったところを三枚にして複写をとるという措置でまかなえるわけでございますので、登記所側の手数といたしましてはそれほど特に新しい仕事が加重されていくということにはならないわけでございます。そういたしますと、謄抄本の請求、閲覧という形で税務署側から調査される場合に比べますと、税務署通知で処理いたしましたほうが登記所職員の負担も軽くて済みますし、また、ただいまのようなやり方でございますれば、国税庁の予算の範囲内でわれわれは協力するという態度でございますので、いろいろの面を考えてみますと、現在のやり方のほうが無難であるというふうに考えておるわけでございます。一挙にこれを廃止する場合に、はたして法務局側としてその負担が軽減されるかということになりますと、これはむしろ逆になりはしないかという懸念が実はあるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その三千万円の予算で、税通だけで臨時職員を雇っているのは二百五十名ぐらいですか。ところが、それでまかない切れないから、結局、法務局の一般職員が税通の問題もやらざるを得なくなってくるんじゃないですか、現実には。国税庁からの予算の範囲内でまかなっているというなら、話はまた別かもしれませんがね。そのための臨時職員というのはまた雇っているわけでしょう。それでは足りないからというので、本来の職員がみんなこの仕事をやっているんじゃないですか、場所によっては。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 本来、この予算で雇用いたしました臨時職員がそのまま税通の仕事をやるべきでございます。しかし、登記所の職員の配置の関係で、むしろ本来の業務をやっておる定員職員のほうでこれを処理して、臨時職員にそのかわりの仕事をしてもらうというやり方をやったほうが能率的な場合もあるわけでございます。一がいにこれはどちらがいいということは申し上げにくいわけでありますけれども、それぞれの登記所の実情に応じてそこはやっていくべきだろうと考えております。  ただ、一般の職員に食い込みになるのではないかというお話でございます。これは、確かにそういった面も私どもは十分頭に置いて措置しなければならないわけであります。登記所の実態は、現在の配置人員で十分余裕があるところもございますし、またそうでなくて逆に本来の仕事だけでも負担が加重されて困っておるところもあるわけでありまして、そういった現在の配置人員の不均衡ということもございますので、一律に支出委任を受けた予算で雇用いたしました賃金職員のみがこの仕事に従事しているということは言えないわけでございます。全体といたしましては、この予算を公平に各庁に配分いたしまして協力関係にそごを来たさないように措置いたしておるわけであります。多少余裕のある登記所においては、税通の仕事に若干首を突っ込んでいくというふうなことも、これはないとは申し上げられません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 税通の関係の国税庁から来る予算ですね、三千六十五万円とかいうんですが、これは計数的な根拠はどこにあるんですか。どこからこういうふうな計数的な根拠のある予算が出てくるんですか。大ざっぱなんですか、これは。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 実は、これはまことに申しわけない話でございますけれども、私どものほうではこの予算の編成には関係いたしません。大蔵省と申しますか、国税庁の予算に計上されてしまう。したがいまして、次年度の予算を編成する際どの程度見込んでいくかということは国税庁だけで考えているわけでございまして、最終段階でこの辺でということで大蔵当局との話し合いがついたところでこの金額がきまるということだろうと思うのでございます。私どものほうから来年度はこうしてもらいたいということを言っておるわけではございません。予算で認められた範囲内でと申し上げざるを得ないのも実はそういうところにもそのいいがあるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 こういう数字が出てくるのは、何かやっぱりある程度計数的な根拠——これは何も数学と違うから、そういうわけじゃないでしょうけれども、たとえば所有権移転なら移転のあれが全国の法務局で何件ぐらいあるからどうだとかこうだとか、いろいろある程度のことはあるんでしょう。これはこっちでわからなければ、この次にこの問題は別の機会に国税庁にも来てもらって聞きますから、これはきょうでなくてもいいと思うんですけれどもね。そこら辺はまた別にしますか。  それからもう一つ、結局、これは、あれですか、大蔵省からそういうふうに言われて、これは拒絶するわけにいかない。大蔵省のある程度ごきげんをとっておかないと、法務省としてもあとでいろいろ予算折衝のときに不利になるんだと、俗に言えばね、そういうふうな考え方もあって、相手が大蔵省だからまあ断わり切れないというのが真実なんですか、ざっくばらんな話は。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) いえ、ざっくばらんな話ということでございますと、ざっくばらんに申し上げますが、そうではございません。これはもう純然たる協力関係でということでフランクにものを考えて私どもやっておるわけでございます。むしろ税務署に協力しておるのは登記所でございます。本来の税の徴収の場合には非常に手数をかけて税金を徴収するわけでございますけれども、登記の場合には、申請があればもう当然にそれだけの税収が入ってまいります。しかも、その登録税収入の全部を法務局に回してもらっているわけではございませんで、これはむしろサービスしておるのは法務局でございます、そういう金銭の面から申しますと。したがいまして、国税庁に別に私ども恩義を受けているわけではございませんし、また、大蔵省から押しつけられてこれをやっているというわけでもございません。われわれの態度といたしましても、予算の範囲内でございますよということを申し上げておるわけでございますから、そこのところはけじめをつけておるつもりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは予算の範囲内ではたしてやっておるかどうかという点が、これまたこまかい計数的な整理をしてみると、たとえば三千六十五万円でこの部面に雇っている臨時職員は二百五十名でしょう。そういうわけで、一人幾らぐらいになって、一日幾らになるとか、時間的にどうだとか、それから所有権移転の全体の件数はどのくらいあるとか、そういう形でこまかく計算していくと、はたしてこの予算で、この臨時職員だけが予算の範囲内でやっていますよという形でやっておられるのかどうか、これはもっとやっぱり検討しないと、そこら辺のところはわからないんじゃないかと、こう思うんですがね。これはまあ国税庁の方はきょうは来ていないんですが、あんまり大ざっぱなんですね、全体が。あなたの言われるように、予算の範囲内でやっておりますよ、本来の職務じゃないのだからそのほかのことはやっていませんよというのは、一つの見識なんですけれども、それがはたして具体的にどうなのかということはもう少しこれは分析して検討してみないと、あまり抽象論では何かわからないような気がするんで、これはまあぼくのほうでも分析してみます。  それからもう一つ、いまの問題に関連して、所有権移転登記の申請のときに売買の価格をきめますね。あれは、一体、だれがきめるのですか。変な質問ですけれどもね。当事者間で売買がかりにたとえば百万なら百万でもってあったとするでしょう。そうすると、法務局のほうでは、それは百万円と見ないのでしょう。見ない場合もありますね。六十万と見る場合も、八十万と見る場合もありますね。そこで、非常に大きなある意味における自由裁量権と言うと語弊がありますけれども、それが行なわれるわけですね、現実にね。それはだれがどうやってきめるのですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 登録税の課税標準価格の決定の問題でございますが、これはただいいかげんに当該の登記官がきめておるというわけではございませんで、それぞれの法務局におきまして土地の事情に応じて基準をつくっております。この基準と申しますのは、大体固定資産税の課税標準価格を基礎にいたしております。それに一定の倍率をかけております。その倍率のかけ方は、それぞれの土地の所在地によって違うわけでございますし、この地区では倍率を幾らにする、他の地区では幾らにするということで、それぞれの基準がきまっているわけでございます。私どもの指導といたしましても、登記官の恣意的な判断によって課税価格がきまるというのは、これは適切でございません。やはり統一的な課税標準価格というものを定めて、それによってやっていけということにいたしておるわけであります。これは一度きまりました課税標準価格というものが絶対に変更しないというものではございませんで、たとえば固定資産税の課税標準価格が変わりますければ、登録税のほうもそれに応じて変わっていくということは当然でございますけれども、各登記所の管内でそれぞれの事情によってただいま申し上げましたような方法で登録税の課税標準価格をきめておるわけでございます。これは当事者の売買価格とは一致いたしません。売買価格は、実際の時価よりも高いこともございましょうし、安いこともございます。しかし、登録税を課税するという立場から申しますならば、いま申し上げましたような一定の基準を設けて、それによって個々の土地の課税標準価格を決定しておる、こういう方法でやっておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 登記官が恣意的に決定しているということをぼくは決して言っているわけではないんで、誤解を招くといけませんが、そういう意味ではないんです。しかし、固定資産の評価なり一定の標準によって税金をかけるのは、これはいいと思うんですよね。実際の売買価格が標準よりも現実に安い売買価格であったとしても、そのことが立証されても、それは所有権移転の登記ですからね。その所有権移転の片っ方が売って金が入るわけですね。その価格に対して税金をかけるのでしょう。本来、筋から言えば、そこはどうなっているのですか。所有権移転登記なんだから、それは具体的な標準というのを離れて、いろいろな事情で安い場合もありますね。安い場合ならば、その価格に対して登録税がかかるのが本筋ではないのですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 売買価格と申しますか、売買によって得た代金に対して税金をかけるという考え方ではございませんで、土地の特価に対して登録税を課するということになっておるわけであります。不動産取得税等はその売買価格が基準になるわけでございますが、登録税の場合はそうでございませんで、物件の価格を基礎にいたしまして、その取引価格が幾らでございましょうとも、客観的に物件価格そのものを基準にいたしまして登録税を課しているということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、一定の基準というようなものは、だれがどうやってつくるのですか。どこへしまってあるのですか、それは。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) これは、ごく抽象的に先ほど申し上げたのでございますが、市町村でつくっております固定資産税の課税標準価格というものがございます。この連絡を受けまして、それをもとにして、登記所は登記所で地区別の土地の価格の高低等を調べまして、大体この地区は固定資産税の何倍ぐらいが相当だということを評価いたして、それに応じて地区別にその固定資産税と比べながら一定の基準をつくりまして、法務局長がそれを管内の登記研の登録税の課税標準価格の基準として通達いたしておると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 時間があれですから、これ以上この点はきょうは聞きませんけれども、どうもそこら辺のところが、何といいますか、一つの科学性というものがないような気もするし、また、それだけ法務局長の裁量権というか権限が大きくなって、法務局の権威が上がっているのかもしれませんが、そこのところはよくわからないのですが、固定資産税というものの持つ本質と、それに倍率か何かかけて不動産登録税をかけるところの標準にするという理屈がぼくはよくわからないんです。固定資産税の価格そのままそれを不動産登録税をかけるときの標準の価格とするというのなら話は別かもしれませんけれども、固定資産税をかけるときの、というか、固定資産税というものの持つ性格というのと、それから不動産登録税をとるときの標準になる価格というか、そういうふうなものと、一体どういう関係にあるのか、そこら辺のところが、ぼくは税法のことをゆっくり勉強しようとは思っていますが、なかなか研究していないのでちょっとはっきりのみ込めないんですがね。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 市町村の固定資産税でございますが、これは市町村の毎年の予算を組みますときの歳入歳出関係というものがやはり出発点になるだろうと思います。したがいまして、財政事情の豊かな市町村におきましては、いろいろの面での税収入がございますので、固定資産税にそれほど多くの負担を持っていく必要もない場合もあるわけでございます。そのようなところでは、比較的固定資産税が安くなるということもあり得るわけでございます。これは、その市町村の予算編成の事情にある程度左右され得る性質のものであろうと思うのでございます。ところが、法務局の登録税の課税標準価格は、これはその不動産の時価を基準にいたしまして、そういった政策的な配慮というものは加える余地がないわけでございます。したがいまして、固定資産税の課税標準価格がきまりましても、それが直ちにその不動産の時価をあらわす基準であるとは言い切れない面がございます。そこで、法務局といたしましては、これを修正いたしまして、一定の倍率をかけて登録税の課税標準価格をきめておるということになるわけでございます。これも過去において議論があったところでございます。こういった基準を求める際に、固定資産税の課税評準価格だけでいいか、それとも税務署でやっております相続税の課税標準価格も参考にしていいじゃないかという問題もあったわけでございます。しかし、相続税の場合よりはむしろ固定資産税でやったほうが法務局側の基準をつくる上に便利だというふうなこともございますし、また、それがむしろ実情に合っているというようなところもございまして、固定資産税を基礎にやっているというのが現在では多いわけであります。現地の法務局では、登録税の課税標準価格を定めますについて、各地方の税務署あるいは市町村の固定資産税係、そういったところと連絡をとりながら従来やってきたのでございまして、最近では相続税の課税標準価格を基礎としておるところはあまりないように承知いたしておるわけでございます。ほとんどが固定資産税の課税標準価格を基準にいたしておるようでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、実際の売買よりも低い価格で標準価格というものをきめて登録税をとった場合でも、あれですか、別にそれは脱税の問題は起きないわけですか。そうすると、ことばをかえて言うと、当事者は実際の売買価格を法務局に所有権移転登記のときに申請をする義務はないわけですか。

新谷正夫法務省民事局

○政府委員(新谷正夫君) 売買価格を登記の申請書には書きますが、これはそれに拘束されません。登記所側としましては、それを一応の参考にいたしますけれども、その価格には拘束されないで、ただいま申し上げたような基準によりまして課税標準価格をきめておるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまの点についてはどうもなかなかむずかしいというか、ちょっと私も納得できかねるところがありますけれども、これは税法の問題とかいろいろ問題があるのじゃないかと、こう思うのですがね。  それからきめ方ですよね、法務局長がどうやって実際問題としてきめるのかですね、どうもここら辺がよくわからないんです。なんか変なガリ版刷りみたいなものを持っていて机の引き出しにしまってあるのですが、それをちょっと出して見てやっておるようですね。そして、これを人には見せないでしょう。そうして、それが司法書士との間の折衝になるわけでしょう、大体。そして、あの司法書士は通りがいいとかなんとか盛んにやっておるわけですが、これは内輪話であれですけれども……。  いずれにしても、ちょっと問題が残っておるんですがね。特殊作業の問題だとか、いろいろ問題があります。特殊作業の問題とそれから部外応援の問題ですね、これらはまたこの次にお聞きしたいと、こう思います。それから今度はあれを持って来ますけれども、とにかく登記簿の謄本がもらったって読めないんですよね。法務局の人は非常に目がいいから読めるんでしょうけれども、ぼくらはとても読めないんですね。薄かったり、それから写らなかったり、もうどうにもしようがない。いわゆる粗悪用紙といいますか、とにかく登記簿謄本をもらったはいいけれども、読めなくて困っちゃうことが非常に多いですね。これらは現物なんか持ってくればすぐわかりますけれども。  いずれにいたしましても、部外応援の問題、特殊作業の問題、こういうふうな問題、あるいは税通の問題がまだ残っておりますから、これはいずれ日をあらためて質問をゆっくりすることにします。いま法務大臣も言われたように、人員の増の問題その他の問題に関連して前もって十分大蔵省なりなんなりとの間の折衝をしておいてもらって、そういうふうな問題の解決にこれは骨折ってもらいたい、こういうふうに考えて、きょうの私の質問を終わります。

和泉覚公明党

○委員長(和泉覚君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会

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