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52回国会参議院1966/10/13

文教委員会 閉会後第3号

発言数
169
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/10/13

会議録

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) ただいまから文教委員会 を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。去る十月 七日、中村喜四郎君が委員を辞任され、その補欠 として高橋文五郎君が選任されました。     —————————————

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 教育、文化及び学術に関する調査中、教職員の給与等に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府側より有田文部大臣、山手労働大臣、斎藤初等中等教育局長が出席をいたしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 最初に労働大臣にお伺いをいたします。  まず一番先に、労働大臣は教職員の賃金あるいは公務員賃金については直接の担当者ではないというふうにいろいろおっしゃるのですけれども、いまの政府の中で公務員賃金の関係閣僚会議というものがございまして、そのメンバーに入っておるわけでありますから、そのメンバーに入っておる労働大臣としての公務員賃金についての役割り、あるいは労働大臣としての所見といいますか、それを先に伺いたいと思います。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) ただいま鈴木委員からのお話でございますが、労働大臣といたしましては、できるだけ人事院の勧告の線に沿いまして決定をいたしたい、こういう考えでございます。ただ、この問題は財源を伴う案件でございまするので、大蔵大臣そのほかと十分協議をいたして決定をする必要かあるわけでございます。ただいま鋭意協議をしようとしておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 財源を伴う案件であるから大蔵大臣と協議しなければならない、このことはもうわかる。私がいまお伺いいたしますのは、大蔵大臣と協議するといいますか、俗に言う六人委員会に出る労働大臣としての基本的な立場があるだろうと思います。それを伺いたいわけです。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 労働省といたしましては、労働者諸君の立場も考慮いたしまして、できるだけ人事院勧告の線に沿うて実施を決定をいたしたい。こう考えるのでございまして、それが私の基本的な態度であります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこで、労働大臣の見解をひとつ先に伺っておきたい。この人事院の勧告の線を実現するように努力をする。この勧告を尊重する。あるいは尊重しない。いろいろな議論がある。そこで、人事院の勧告を尊重するという中身についてひとつ見解をお聞きいたしたいと思います。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 人事院の勧告の内容につきましては、いろいろ考え方があろうと思いますが、内容そのものについては動かさない考えでございます。ただ、従来の例からいたしましても、そういう内容のものをいつから実施をするかということは例年論議になったところでございます。いろいろ問題もあるわけでございます。内容につきましてはもちろん私は完全実施をいたしたい。同時に、時期についてもできるだけ改善をしてまいりたい。こう考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そこをはっきり伺いたいのですが、最初、大臣は財源のこともあるので大蔵大臣とも協議をして、できるだけ勧告の線が実現できるように努力をする立場をとっておる。これが基本的な立場だと、こういうことでありますから、そういたしますと、大蔵大臣のほうは財源の担当ではないわけです。したがって、かりに財源という問題が全体として問題となる場合にも、大蔵大臣としては一応財源の責任を持たずに六人委員会に出ることもできる、この場合、勧告を尊重するという立場はどういう立場をとるのか。つまり、まさかこういうことはないと思いますけれども、大蔵大臣に聞いて、できるだけ勧告に近いようにやってくれという、そういうことならもう最初から大蔵大臣にまかしたほうがいいと思いますが、少なくとも私はいま大臣がおっしゃったように労働者の生活を保護する。あるいは労働者の生活をできるだけ引き上げる。そういう労働行政の立場からの大臣としての出方は、最終的にはどこへいくかはみんなでまた相談をするということもありましょうけれども、少なくとも大臣としては、私は五月なら五月という勧告が出たら少なくともこの五月をやるべきだという、主張は大臣としてはする立場だと、こう思うのですけれども、そこはどうなんですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 先ほど御答弁を申し上げましたように、人事院の勧告を忠実に尊重するという立場で労働省としては大蔵大臣にも話し、六人委員会でも極力いろんなことを話しまして努力をするということでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 はっきり伺いたいのは、その努力をするという労働大臣の目標は五月からやれ、そういう勧告ですから、この五月からやるということで努力をする。こう解釈してよろしゅうございますか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 御承知のように勧告そのものにつきましては、五月実施とか、いろいろございまして、労働大臣としてはできるだけその線に沿うて話を進めていきたいと思いますが、現在の経済情勢そのほかのこともありまするし、従来のいきさつにかんがみましても、なかなかやっかいな点があろうと思いますから、一歩でも二歩でも前進をするという立場で努力をいましておるところでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 どうも私はよくわからぬですが、そこのところは、その出たあとの結末というのは、これは労働大臣一人、か責任を持つというわけにいきませんから、その結末については政府全体の責任ということは、これは私は別な考えを持ちます。しかし、少なくともこの給与関係閣僚としての労働大臣として、労働者の生活を引き上げる、あるいは労働者そのものが水準が引き上がっていくために努力をするという立場の労働大臣が、財政等の事情もあろうからということを最初にもう前提としてしまって、どこまでいけるのかという、そういう立場をとるというのはぼくはよくわからぬ。大蔵大臣と労働大臣と足して二で割るといまのような話があるいは出るかもしれません。私がいま伺っておるのは、大蔵大臣はここにまだ来ておりませんが、そうじゃなしに、大蔵大臣と話をする基本的な労働大臣の立場、さっき伺いました立場をはっきりしてもらいたいということ。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 労働大臣としては人事院の勧告を尊重するという考え方でいろいろいま話し合いをいたしておるところであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 尊重するという言い方がいろいろあるわけです。人事院が五月からやれという勧告をしておる。ところが、いままでの政府の例は、大体実施時期にこだわらぬで、その原形をくずさないということが尊重だという言い方をいたしますね。これは法手続上は別として、私が労働大臣に伺いたいのは、少なくともここ五、六年間は毎年給与が改定になっておるわけです。毎年給与が改定になっておりますから、要するに、ベースアップ分というのは一年分を指しておるわけですね。そういたしますと、一年間のベースアップ分が実施期日で切られたらどういうことになるのか。たとえば極端な話を申しますと、五月実施をやれと、こう言われるわけです。ところが、それが財源がないということになって、いまの、いままでの政府の論法を適用しますと、明年の四月からということも、その論法は成り立つわけです。あるいは、財源がなければ来年五月からということも成り立つかもしれません、その言い方は。そういたしますと、来年は来年でまた五月からの給与改定の勧告が出るような情勢ですから、おそらく人事院の勧告はゼロということになりましょう。そうなりませんか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 私はそういうふうには考えませんので、できるだけ人事院の勧告を忠実に政府が尊重をしていくという立場をとろうじゃないかということで労働大臣としては対処をいたしておるわけでございまして、いまお話のように非常にかけ離れた事態を招来することはないと考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私はことし、来年の五月にするだろうということは言っておるわけじゃありませんで、いまの議論のしかたが、いまのというよりも、これは労働大臣という——いまの労働大臣ということではありません、従来、政府が言ってきた言い方は、財源がない場合には、かりに十月から実施をしても、給与改定の原形をくずさなければ尊重したという言い方をしておったわけです。もしその言い方が正しいとすれば、極端な話をすれば、来年の五月からということにも、そういう言い方も成り立つわけです。その場合には、公務員に対するベースアップというのは実際はゼロになるわけです。そのことをお認めになるでしょう。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) いま鈴木さんのお話のように、来年の五月からというようなことならば、そういう事態にあるいはなろうかと思いますが、絶対にそういうことにはしないし、もっと前向きで対処をしていきたい。こういう決意でございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私がいま言いたいのは、労働大臣はやはりこういう点は検討してもらいたいと思っておるわけですよ。まさか来年の五月ということにはならないかもしれない。しかし、いままでの実績が、たとえばここに、私のほうに資料があるのですが、昭和三十五年には、これは公務員全体の平均ですが、一人当たり二千六百八十二円の増、これが勧告です。五月からやれという勧告です。ところがこれが十月実施になったために五カ月分というのは入らないわけです。しかし、もしもそのときに、昭和三十五年から今年までベース改定がないとすれば非常に被害は少ない。ところが昭和三十六年にまたベース改定になっておるのです。新しい給与になっておるのです。そのときも、人事院はこの五月からやれ、このときには平均で千七百九十七円、そういたしますと、三十五年の五月からやれというのを十月からやったことで公務員はもらうべき金が一万三千四百十円だけもらいかねたわけです。この分だけなしになったわけです。それに特に十月からということですから夏期手当、この分が二千六百八十二円、これももらうべき金がもらいかねた。つまり人事院の勧告が、その年度における手当をこれだけ増せといっておる夏期手当の分の二千六百八十二円というのは全然ゼロになっておる。原型をくずさないで尊重したというけれども、手当の分だけはゼロに取り上げてしまった。この金額を合計いたしますと、昭和三十五年では一人当たり一万六千九十二円になる。それをいままでの累計をいたしますと、四十年まで毎年毎年改定になっております。およそ毎年半分近くいまのようなもらうべき金がもらえないでおるのです。公務員の人たちは取り上げられたと言っておるのです。そういう金の合計が九万五千七百二十三円になる。およそ十万円です。だれの責任か知りませんけれども、三十五年の物価と今日の物価ではものすごく違いますから、生計指数もものすごく違っておるわけです。そうすると、もしそのときにもらうべき金をもらわないでいままでおって、帳じりは九万五千七百二十三円といっておるけれども、しかし実際の貨幣価値からいったら十二、三万ぐらいは公務員がもらうべき金がもらいかねた結果になる。だから、こういうことを私が申し上げるのは、勧告を尊重したと政府が言っておるけれども、尊重というのが一人当たりいままでの累計九万五千七百二十三円を政府がカットして尊重したということになります。つまり公務員労働者はこういうひどい目にあわされておるわけです。そのときに、またぞろことしも労働大臣までが、財政の問題もありますからというようなことをさっきから言われるようでは、どうも私どもは公務員の労働者の立場がなかろうと思うのです。やはり労働大臣としては、少なくとも敗れるかどうかは別としても、いまの労働行政という立場から見ても、あるいは過去のこういう行き方から見ても、労働大臣だけは最後まで五月一日を一日でも短縮してはいけないという主張を持ち込んでいくべきじゃないか。そういうつもりで大胆の基本的な立場を伺ったわけなんです。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 鈴木先生のお話よくわかります。私としては先ほど来申しておりますように、人事院勧告を十二分に尊重してこの問題を処理するように今日でも努力をいたしております。まあ初めああいうことを言いましたけれども、これはいろいろな事情があることをざっくばらんに言ったわけでございますけれども、労働大臣としては十二分に尊重するように主張をしてまいっております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 十二分に尊重をするということなんですが、さっき言いましたように、少ししつこいかもしれませんが、私が言う意味の尊重というのは、結果は六人集まれば六分の一しか責任持てないということになるかもしれませんけれども、あとは労働大臣の手腕がどの程度かということになりましょうから、労働大臣の手腕に相当期待をいたしますが、いまのように、いままで九万五千円何がし、おそらく計算はしませんけれども、いまの生計費等に換算をし直したら十二、三万だけは取り上げられておる。またことしもということになるとすると、これは容易なことじゃないし、尊重という言い方は、私はやっぱり半分だけしか給与がもらえないようなことになるなら、五割しか尊重しないということになると思う。そういうような尊重でないやり方、つまり公務員の労働基本権を取り上げて、団体交渉権までも取り上げて、それを大義名分にしていろいろなことをやっていることもありますから、これはあとで文部大臣等にもまた申し上げたいことなんですけれども、一方ではそういうことをしておいて、そして人事院の果たす役割りというものはまた他の都合によって抹殺をするということでは、これはたいへんなことになるわけです。そういう意味から、労働大臣に基本的な立場で奮闘してもらいたいということを私はこの際強く申し上げたいと思う。

小林武日本社会党

○小林武君 労働大臣にちょっと。いまの蒸し返しになるかもしれませんけれども、私は労働大臣の心境を伺うつもりは毛頭ない。心境はこれはだれでも同じです。十二分に尊重したいとか何とかいうことになるでしょう。そういうことを聞くんじゃなくて、これはもう鈴木委員の質問で尽くされたから、私が聞きたいのは、ひとつ具体的に聞きますが、勧告の時期が入ったのはあなた何年からだと思いますか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 三十五年からでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その勧告の時期の入った理由はどういうことでありますか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 公務員につきましてはいわゆるスト権や何かが法律上認められておりません。したがって、そういう状態の公務員に対しまして人事院という機関が設けられて、その時代その時代に対処いたしまして勧告を政府にし、その勧告を政府が実行するというたて支えで法秩序を守ろうということできておるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 いまのやつちょっとわかりませんが、勧告の実施時期の入ったことはそういうような簡単なものじゃないんですね。それまではどういうことになっていたかというと、勧告についてはなるべくすみやかにということだった。それが三十五年から五月実施ということが入ってきた、以降ずっと入っております。そうすると、私が先ほど来、鈴木委員とのやりとりを聞いておって、内容と時期というものは別じゃないんですよ。あなたそれを認めますかどうかということです。あなたは内容と時期と分けて言っておる。これは間違いだ。五月実施というものが入ったときにおいて、勧告というものの内容はいわゆる何%上げるとか何とかいうものと五月実施というこの二つが内容になっているんです。それは認めますか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 実施の時期につきましても、お説のようにベースアップをするわけでございますから、重要な一部分になっておることは事実かと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 そうすると、労働大臣にお尋ねいたしますが、十二分に尊重ということは、いわゆるいまあなたがおっしゃったように、実施の時期を含めたことの尊重、これが政府の言う尊重だと、こう理解してよろしいのですね。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) そういうことでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 たいへん明快にお答えいただいて……。  もう一つ労働大臣にはっきり確かめておきたいことがあるわけですが、ほかの大臣だというと、どうもあいまいなんです。あいまいだから妙な、何というのですか、談話が出たり、文部大臣は文書をもって違法行為なんとかということを出したりされる。これは違法行為のことを言う前に、やっぱりはっきりしておかなければいかぬと思うのですが、ちょっと新聞で、労働大臣が今度の公務員の統一行動に対して、これは違法であるという警告を出したというふうに伺っているのですが、これは事実ですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 出しました。

小林武日本社会党

○小林武君 いかなる理由でお出しになりましたか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 秋闘につきましては、公労協の関係だけでなしに、民間などを含めて大きく民間団体等もストをやるという態勢のように承っておりまして、そういう政治ストに対しましては法律の禁ずるところでございまするから、あとからいろいろごたごたを起こすようなことは好ましいことではございませんので 十分理解をして自重をしてもらいたい。こういう趣旨で警告を、談話を出しました。

小林武日本社会党

○小林武君 公務員とそれでは民間とが一緒の時期にやるからこれはぐあいが悪いと、こういう意味ですか。私の聞き方が悪いのかどうか知りませんけれども、私はそうでなくて、あなたが公務員の統一行動に対して、これは違法であるという警告を発したとすれば、その発した理由を明らかにしてもらいたい、こういうのです。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 公務員だけでなしに、民間労組につきましても、いわゆる政治ストについてはそれはだめだと、こういう趣旨でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 その政治ストというのはどういうことですか、もっと説明してください。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 御承知のように、憲法二十八条でしたか、あれによって団結権そのほか労働基本権と称せられるものが保障されておることは御承知のとおりであります。しかし、これは労使の間において、労働者の労働条件の改善とか、地位の向上などについていろいろ認められておるものでございます。それが民間の使用者側に対するのではなくて、政府を動かしてどうこうしようというようなストについては、これは政治ストと断ぜざるを得ない、かように考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 一つ、私、苦情を言わしてもらうと、これは表現上のことでかれこれ言うの悪いのですけれども、労働大臣が憲法二十八条の労働基本権と称せられるものなんということは言ってもらいたくないのです。これはほかの大臣が言うなら、まあいろいろな、大臣にも途中でやめるような大臣もいるのだから、それはまあかんべんするとしても、労働大臣がそういうことをぼくは言ってもらいたくない、称せられるものなんて。労働者の基本的権利の二十八条こそ、あなたの、とにかく労働大臣という職責を果たすための最も大事なことだと私は思うのですよ。それをあなたが、とにかく政府であろうが何であろうが、やっぱりはっきり胸に置いていただかないというと、たいへん私は不満でありますから、これはあなたのことばじりになるようなことで、あなたの本心でないならばかれこれ言いませんが、そういうようなものの言い方は決してしてもらいたくない。  そこで、本論でございますが、あれですか、そうすると、あなたの場合は、使用者以外の政府に対してと、こう言いましたから、そこをひとつ分けてみましょう。公務員は使用者は政府でしょう。それ以外の使用者というのはどこにありますか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) いま先ほどお話を申し上げましたように、民間団体を含めていろいろストが行なわれる、あるいは三公社五現業等についても同様なことが行なわれる決定が順次行なわれるようでございまして、したがって、そういう民間そのほかがストを行ないました場合にいろいろ善後措置をするというようなことでごてごてすることは、労働大臣として必ずしも好ましいことではないと考えまして、労働大臣談話を発表してそれらの諸君に自重してもらいたい、こういう趣旨でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 ちょっと政府委員に、あなたにお尋ねしたいのだが、そこのところのあれが少し私の理解があれですから、ことばをひとつ違う人に言ってもらうと少しわかると思いますが、あなたからひとつはっきり言ってください。

青木勇之助労働省労政局労働法規課長

○説明員(青木勇之助君) お答え申し上げます。去る十月十一日に労働大臣談話を発表いたしておりますが、その中身は、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、いわゆる労使間において処理できないような事項について要求を掲げて、その貫徹をはかるためにストライキを行なうということは憲法二十八条の保障する範囲外の行為である、労使関係法上の正当な行為とはいえないという趣旨をはっきりと談話でもって述べたわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 大臣のおっしゃることがいまの御説でわかりました。わかりましたから、これはひとつよけておきましょう。  ひとつ公務員のことについてやりましょう。公務員はそうすると、これはもう政府に要求するよりしかた、かない、人事院勧告は政府並びに国会にやるわけですから、頼みの綱は金を出すほうの政府だけ。国会といったところで野党のわれわれは出したい一心だけれども、そのほかの与党の方がどうなんかわからないが、いまのところ出したくないようにわれわれはお見受けしているわけです。それはさておいて、政府です、問題は。そこで、私はあなたにお伺いしたいのは、これはもう公務員としては要求はさんざんしてきたわけです。これはおわかりいただけると思う。ほんとうは人事院勧告の内容ではないわけです。それはおわかりいただけると思う。一律七千円要求、こういうことでさまざまな要求をそれぞれの公務員が要求した。ところが、それに対して人事院はいろいろな角度から検討して、労働者側は不満であったらしいけれども、勧告をやった。いま労働者の諸君は、地方公務員を含めて公務員労働者は何を言っておるかというと、その七千円の問題でいろいろいざこざ言っておらない。いろいろあるけれども、要は、人事院勧告というものがあなたの先ほどお認めになった内容——実施の時期を含めての内容が実施された場合においてはこれはやめてもよろしい、何も無理に戦わなければならないということは言っておらない。それがあれば文句を言わない。そこに来ていることはあなた御理解いただけると思う。そうすると。そういうことは一体無理なのかどうか、これは総理府の総務長官が来てからじっくり聞こうと思うが、文部大臣はそれは御理解されているから、お二人そろって私の納得のいくように御説明いただきたいと思うが、労働大臣は何といっても日本の労働行政のあれですから、だから、これはもう民間であろうが、官公庁関係であろうが、公企労関係であろうが、何でもかまわない、これについてやっぱりはっきりした労働行政の立場からの意見を述べてもらわなければならないという角度で申し上げるんですが、あなたが先ほど引き合いに出された憲法二十八条、この二十八条は公務員だけは適用を受けない人間なのかどうか。元来、国公法とか、地公法ができない前からの問題です。もとから一体そういう人間か一般に受ける——日本の国民全体が受けるところの二十八条のあれがない一体人間なのかどうか、そこからひとつ聞かせてもらいたい。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) いろいろだだいまのお話よくわかるのでありますが、公務員も適用を受けます。受けますが、ただ公共の福祉そのほかに関していろいろ問題があり、規制をされております関係でいろいろな問題があるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 たいへん私はその点もはっきりしておる、私もそう思っております。公務員というようなものは二十八条の適用外ということではこれはもう話が全然進まない。しかし、だれが考えても、これはもう労働大臣ばかりではなく、みんなそれはそうだと思う。二十八条のあれがあるけれども私は大いに不満です。私の考えから言えば不満だけれども、それは地方公務員法、国家公務員法があるからとあなたたちはおっしゃる、そのための代償機関として、労働基本権をとったから人事院が置かれたのでしょう、この点は間違いないですね、どうですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) そうでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 そうすると、その人事院勧告というのは適当に値切られていくことがいいのかどうか、値切られたら一体憲法違反にならないかどうか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) でございまするから、当然、人事院勧告は尊重すべきものである、こう考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたの先ほどの尊重というのは、実施の時期も含めてとおっしゃった。そうしたら、官公労働者がその勧告どおりやってもらいたい、やらなかった場合には一体どうなるかということは——何も違法じゃないんでしょう。あなたの論旨から言えば違法ではないというあれが出る、実施さえしてくれればいい。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 当然尊重さるべきものでございまするけれども、御承知のように、公務員は全体の奉仕者であるべきであるということで、別個の法律で公務員のストについては制限が加えられておるということでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 そこは労働大臣それは答えにならないんですよ。それはいましゃにむに何でもストライキをやるというんなら別ですが、人事院勧告どおりやってもらいたい、それをやらないというから、それじゃひとつ統一行動で抗議しようといっておるんです。そのことの違法性をいうならば、なぜ憲法二十八条の代償機関としてできたあれを政府は完全実施をやらないのかというんです。それを一体やらないでおいて違法呼ばわりできるのか。あなた、労働行政の大元締めとしてそういうやり方がいわゆる労働階級の立場を守る、正当な権利を守るということになるのかどうか、それを言ってもらいたい。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 先ほど来申し上げておりますように、私としては尊重をいたして対処したいと考えておりまするけれども、率直に言いまして国の財政上いろいろな問題に関連がありまするので、労働大臣だけでは決定できないということで六人委員会等が持たれておりまして、内閣全体としてこれを調整しよう、私は先ほど来申し上げておりまするように、人事院勧告を忠実に実施するという線で主張をいたしておるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 労働大臣わざわざ出てきていただいたから、私もあまりしつっこくやりたくない。やりたくないが、あなたの答弁というのは私はまともな答弁だと思っておりますよ。私は内心、さすが労働大臣であると、こう思っている。思っているけれども、最後のほうのところへ行ってぐあいが悪くなってきた。尊重しなければならぬというところまで——尊重というのは実施の時期を含めた尊重であるということは、これは実に筋の通った御答弁だと私も敬服する。ところが、そこまで行って、金がないからやれませんというのは、ちょっとぼくは問題があると思う。あなたは公務員だけを見ているわけじゃない。公企労の場合はどうですか。これは予算があるとかないとかいうことが言いわけになりますか。公企労の場合そんな扱いをしないでしょう。もっとも労働法上の公企労のあれは確かに違います。扱いを違わしていることもちゃんとわかっている。わかっているけれども、一体その法律に人事院の勧告をやらなくてもいいというようなことは何も書いてないんですからね。代償機関なんですからね。私はここのところだと思うんですよ、あなたたちがじっくりやらなければならぬのは。この代償機関としてのあれをやらないでおいて、一体違法呼ばわりするというのは何事だというのがぼくの考えです。そうではありませんか。金がないからというのは、そういうことが民間において行なわれたら、どうです。政府か金がないからというなら、民間の経営者も金がないからというのは幾らでも言えますよ、それは。そういうことで団体交渉できめたことを全然聞きませんということになると、あなたたちはどういう指導をやるんですか。その場合どういうことになりますかね。その点のお答えをはっきりいただきたいということを、もう一つは、こんな人事院ができてから、昭和三十五年ですか、それから、実施の時期を入れたのに一度もやらない。今度もやらぬということとなると、二十八条について労働者の基本的権利を認めないという代償機関はやめて、労働行政上はこれは、やはりまずいという結論じゃないかと思う。この点は労働行政の大元締めとしてのあれはどうですか、見解は。この二つをお聞きしておきたい。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 労働大臣としては、そういうことでございまして、非常に苦しいところでございますが、いま公務員制度審議会等にもその間の事情をよく検討してもらうようにお願いをし、いろいろ改善をしたほうがよろしいといういい案が出れば、それに従って政府もこの制度を改善をしていきましょうということで御研究を願っておるのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 そこはちょっと確かめておきますが、いい案というのは二つしかないですよ。いい案というのは、これは金がないからやれないということを内容にするという案も、あなたからいえばいい案になるかもしれない。もう一つは、金がないということは、これから再々出るんだから、もうこれはだめだから、やはりストライキ権を与えたほうがよろしい。ユネスコあたりでさえもそういうことについてははっきりしたものが出ている。ここにいる今村さんも御奮闘をなさったけれども、それは否決になった。それはあたりまえだ、世界の常識だから。そういうことを考えますと、そういうことの意味であなたはいい案をということをおっしゃるんでしょうな。いい案ということを、しろうとが何かいい案はないかというんじゃなく、労働大臣が言うんだから、ストライキ権をやはり与えるという、そういう案ですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 審議会において十分に、いろいろな方法があればお聞かせをいただきたいということで検討をしていただいておりますが、いまお話がございましたように、当初予算にベースアップの原資等を繰り入れる等のことをすることができるかどうか。また、そういうふうにすれは改善になるかどうかというような、いろいろなこと等もあるわけでございます。まあしかし、それにはそれなりにいろいろ予算編成全体について大蔵省の考え方もあるわけでございまして、いま審議会のほうで十二分に検討をして結論を出してもらうようにお願いをいたしておるところであります。

小林武日本社会党

○小林武君 一つだけ最後に確認をして、いろいろ、労働大臣わざわざおいでになってりっぱな御答弁をいただいたので、これで締めくくりたいと思いますが、それではこういうふうに、前の確認です。勧告の尊重ということは、実施の時期も含めたことをやらなければ尊重にならない、このことが一つ、あなたの答弁では。それから二十八条の代償機関としてできた——その理由は、二十八条の代償機関として、すなわち労働基本権を奪うことによってできた人事院勧告であるから、いまのように尊重しなければならないと思っている、こういう二つのことが内容であったと思うが、そういう御答弁があったということを確認してよろしいですね。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 大体いまのようなことで間違いないと思いますが、先ほど来申し上げておりまするように、これは国家財政全般にも関連をすることでございまして、労働大臣だけが持っておりまする考え方を全面的に適用するわけにはいかないということで、六者会談等を従来もずっとやってまいったわけでございまして、まあ、そういう国家財政全般からの制約、そのほかもあることを御承知願いたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 たいへんいいところまでいったと思うと、最後になってぐあいが悪くなる。これはとにかく労働大臣として労働行政の立場から言ったら、その前半の尊重ということ、それはよろしいでしょう。ただ、あなたがおっしゃりたいのは、国務大臣として、内閣の閣僚の一員として、労働大臣の主張が通らぬとか何とかというようなことはこれはあり得ることだから、それはかまわないんですよ。あなたがいかにがんばってもだめだということは認めるとしても、労働行政の主管大臣としてのあなたは、さっき言ったことは確認しますね、これはよろしいでしょう。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) さようでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 たいへんどうもありがとうございました。

小野明日本社会党

○小野明君 この勧告の問題ですが、新聞によりますと、この問題に対する閣議はあしたあるように書いてあるのですけれども、そのとおりですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) さようでございます。できれば、きょう午後にでもとっくり六人委員会を開催をしてもらいまして、協議をいたし、決定をすることができれば、明日の閣議にでもはかって本ぎまりにいたしたい、こういう考えであります。

小野明日本社会党

○小野明君 そうしますと、あらかた六人委員会の検討というものがされているわけですね。きょう午後にでも六人委員会の最終結論を出すと、こういうことをおっしゃるのですからね。従来の六人委員会の審議された経過、そういうものについて説明を願いたいと思います。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 御承知のように、正式な会合は二回、総理官邸で開催をいたし、そのつどいろいろ公表をいたしております。その後、大蔵大臣が御承知のようにIMFの総会、あるいは日加経済会議等に出席をいたしておりましたために、そして帰国をいたしましたのが御承知の十一日でございます。きょうは十三日でございまするから、できるだけ早く大蔵大臣とも話し合いをしたいと思っておりましたが、いろいろ事務的な検討は進めておりまするけれども、十二分に自分の頭に入れてからその六人委員会に臨みたい、こういうこと等もございまして、帰朝早々でございましたけれども、きょうその六人委員会を開催することにきめたわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 その六人委員会の結局まあ世話人といいますか、主宰者といいますか、それはどなたがおやりになるのですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) それは総理府総務長官が給与担当大臣でございまして、総務長官のところでいろいろ調整をすることになっております。

小野明日本社会党

○小野明君 現在までのこの六人委員会——大蔵大臣おりませんが、この六人委員会の出されておる結論といったものについてはまだ答弁がなかったように思うのですが、それはどうですか。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 大蔵大臣がIMFの総会に出発する前には全然具体的な結論を出しておりません。その後事務的にはいろいろ検討をしたと思いますが、六人委員会は開催をいたしておりませんし、具体的な結論を今日申し上げるような段階に至っておりません。

小野明日本社会党

○小野明君 これまでの六人委員会における労働大臣、あなたの発言、それからきょう開かれようとする最終的な結論の場におけるあなたの発言、先ほどからお聞きいたしますと、この勧告は十二分に尊重をいたしますと、こういうまあお話もあっておるようなんですが、従来の発言、きょうの発言、それをひとつ決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) 先ほど来お二方に御答弁を申し上げましたように、労働大臣としては人事院勧告を尊重するという線で六人委員会に臨み、そういう主張をいたしたい決意でおります。

小野明日本社会党

○小野明君 それは先ほど小林委員から尋ねられましたように、時期を含めてですね、完全実施ということで主張されてきたわけですね。はっきり言ってください。

山手滿男自由民主党労働大臣

○国務大臣(山手滿男君) さようでございます。尊重するというたてまえで主張をしてきたわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 先ほどからお聞きをしておりますと、どうも全体の財政事情、金がない、こういうお話もちらほら聞かれるわけですけれども、あなたはこれまでもそういう主張をされてきたし、今後も、きょうの六人委員会でもそういう主張をされるのですね。それでまあ金がないということはどなたも言われる。特にこういう主張は大蔵大臣ならわかるのですけれども、あなたが金がないというようなことを言われるのは私ども納得がいかぬ。で、過去この勧告が五、六回あっておりますけれども、公務員というのは、昭和三十六、七年あるいは八年、いわゆる池田さんのおやりになったあの時代、税収の伸びが三千億から四千億あったという岩戸景気の時代もやはり値切られてきておるわけですね。そういうことから、私ども金がないということは言わせない。やはりやる気がないと、こういうことを申し上げておきたいのですが、幸い大臣も完全実施ということで主張なさるそうでありますから、なおその主張を大蔵大臣の主張に負けないように貫いていただくことを要望して終わります。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 自治省から長野行政局長、鎌田参事官、内山給与課長が見えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 自治省の行政局長に伺います。公務員の賃金問題が、いまお聞きのように、相当一つの山にきているわけです。われわれはこれからあと特に教育職員の賃金については、文部大臣、それから総務長官等に責任ある立場でいろいろお伺いをするのですけれども、そこへいく前に最初に自治省のほうに伺っておきたいと思います。  それは、いまの教育職員の賃金、それから地方自治体職員の賃金を考えてみますと、何となしにいまの制度から置きざりにされているという感じがしてならない。たとえば教育職員の賃金で言いますと、大部分は地方公務員ですから、したがって、人事院の勧告の資料の調査にしても一、教育日表のほうは調査になっていない。教育職という地方公務員が特別な労働条件を持っておる。特別な職務内容を持っておる。しかし、その賃金は地方の人事委員会が独自にそういう調査をして、人事委員会としての勧告をする、こういうことをあまりやりません。勧告があっても、中央の人事院の勧告を右へならえになっているわけです。人事院に聞いてみても、どうも地方公務員のものですから、よくわからないというような言い方もたまに出ることもある。それから地方自治体の職員に対する給与にしても同様であります。ある市町村で人事委員会が自分の立場を、それこそ自分の立場に立ってその地域に見合った給与勧告をいたしましても、それがなかなかそのとおりに実現できない。いわゆる中央に、国家公務員に準ずるというところが非常に強く出てしまって、ほんとうの地方公務員の給与らしい給与というものか実現できないということもあるわけです。そういう意味では、いまの地方公務員の給与のあり方、現在の給与の決定のしかたにどこかこう捨て子にされている面がありはしないか、こういう点について自治省として検討したことがあるのかどうか。あるいは検討したとすれば、その見解をまず伺いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 給与決定の原則といいますか、それと国と地方との関係についてお尋ねでございますが、確かにお話のような感じと申しますか、そういう地方公務員の給与決定というものがどうしたって国のほうへ右へならえというようなかっこうになり過ぎて、地方自治体の独自の給与の決定というものが影が薄いといいますか、そういう感じがありはしないかということでございますが、お説のような感じも確かに一部にはいたすような気もいたします。ただしかし、御承知のことでございますが、やはり公務員の給与決定というものをひらに考えますと、国家公務員と地方公務員との間で労働条件なり何なりが違うという問題もございますが、一面また同種の公の行政に携わり、あるいはまた教育に携わるというような関係がございますから、その意味では、業務の種類なり性質なりというものが非常に類似しているということも当然言えるわけでございまして、現在の地方公務員法におきましても、したがいまして、職員の給与につきましては、生計費とか、国その他の地方公共団体の職員や民間事業の従覇者の給与その他の事情を考慮して決定しろというようなことになっておりますが、その点では、まあ私どもの考えといたしましては、国家公務員の給与をきめます際の考え方にも、やはり生計費なり他の民間給与なり、いろいろなものを考慮に入れて国家公務員の給与の決定というものが人事院において作業されまして行なわれるわけでございますので、ある意味では、実質的な内容というものが大体同じところにきておるということが言えるかと思うのであります。それから教育職員につきましても、国立の教育職員の種類とか、額というものを基準にしてきめるということをいっておりますのも、やはりそういう意味で、教育の内容その他について同種のものは非常に類似な関係に立つというようなことで、国のほうでそういう事情を考慮しながらきめたものと大体相似たもので考えていくというのが原則、たてまえになっておる、こういうことになっておると思うのであります。そこで、多少の違いとか、相当な違いとか、見方はいろいろあると思いますが、大きな給与決定の原則というものは、いま申し上げたような考え方でできておるものと考えております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これはあとで文部大臣にも一伺いたいのですが、いまのようなそういうお考えで、たとえば地方公務員の身分である教育職員の賃金を考えてもらうと一体どういうことになるのか。ちょっと行政局長に伺いたいのは、一般職の職員の給与に関する法律の第四条に、「各職員の受ける俸給は、その職務の複雑、困難及び責任の度に基き、且つ、勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤務条件を考慮したものでなければならない。」とありますね。そういたしますと、私どもの見解では、二十一歳になる学級担任の教員と、あるいは五十歳になる学級担任の教員と、この職務の複雑と困難、責任の度に基づいて、勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤務条件を考慮してどこに差がついていまの給与体系ができているのか。これについて何かお考えがあるならば伺いたい。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 教育公務員のことでございますので、あるいは私どもの受け取り方が適切でない場合もあるかと思いますが、先ほども申し上げましたように、教育公務員につきましては、やはり国の教育公務員と——まあ高等学校なり、小中学校、いろいろ学校の種類がございますけれども、教育の内容というものは、大体国のそういうものと、地方のそういう公立学校等のそういう教科内容なり、指導なりというものが大体相似ておるということが費えるというところから、現在の教育公務員特例法のように、国立学校の教育公務員の給与の種類なりその額を基準として給与の決定をするのだということになっておると思うのであります。そういう意味で、そういうことになれば、お話のとおり年齢差による違いとか、そういうものはどうなるのかというようなことも御指摘があったようでございますが、ただ、俸給をきめます際に、ここに書いてあります一般職の給与の法律その他におきましてもいろいろな条件を書いておりますが、と同時に、その基礎には生計費その他のものも考慮しておるということになっておるわけでございましょうから、そういうものも相含めまして、全体として釣り合いのとれたと申しますか、そういう給与決定が行なわれておると、こう考えておるのであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 これは人事院の勧告のしかたにも関係がありますから、ここでだけの議論にはならない。しかし、常識的に言って生計費等も勘案するからあの差が出ておるのだと、こうおっしゃるわけでしょう。しかし、給与法から言っても、二十一歳の者が学級担任をした場合と、五十歳の者が学級担任をした場合とで職務が複雑であったり、簡単であったりするはずがない。かりに生計費等が勘案されたにしても、それは勘案の上ですから、第四条の基本のほうはいまのようにできておるわけです。私はなぜこういうことを……、行政局長、聞いていますか、少しまじめにつき合ってもらわないと、私はまじめな気持ちなんですよ。最初に質問始めればうしろ向いておるし、また聞こうと思えば隣と雑談をしておるし、私は教師上がりだからそういう行儀の悪い生徒は気にかかってしょうがない。もう少しちゃんとしておってもらいたい。——それは人事院でも言っているのです。たとえば小中学校の教育職員というのは、ほとんど大部分は地方公務員、国教公務員というのは大学の付属だけですからね。ほとんどそれだけですから、これはもう地方公務員である教育職員の実態と条件が相当違うわけです。そういうことから実際は教育職についてはなかなか本質的な解明ができないんだということを言っておる。これは公式の場合では言っていませんけれども、そういう趣旨のことを私は何べんも聞いておる。そういうことから教育職員の給与というものについては、いまのような相当に法律との矛盾も出てくると思うのです。しかし、私はそれが実態に合うとか合わないとかいま言っているわけじゃありませんよ。これは別に考えなければならぬ面もある。それから地方自活体の職員にしても国家公務員にない職務というのがあるのですね、いろいろ。たとえば清掃職員なんというものがある。清掃を相当している職員というのは国家公務員にはないでしょう。そういうように国家公務員にないような職種の職員も国家公務員に右へならえというんですから、なかったり、あるいはほんの一部であったりする人たちが多くあり、他の職種の給与が基準になってきめられているわけです。それが一つある。ところが、これを救うにはどうすればいいかというと、やはり地方公務員である職員の賃金の場合に、いまの地方公務員法なり地方公務員の給与のシステムが完全に生かされなければならないと思うのですね。そこで私の感じでは、これも統計がありませんから感じを申し上げます。名都道府県の人事委員会が給与について勧告をしたその例は、これはふしぎなことにほとんど全部が人事院が勧告したことと同じなんです。それは岩手県で調査をされても、東京都で調査をしても、あるいは鹿児島県で調査をしても、出る結論は同じに出てくる。しかし、それはそれなりにまた何かの問題があるかもしれません。そういう形で出てきますから、地方自治体としてほんとうに検討すべき公務員の賃金が、検討から除外されているといいますか、私はだから捨て子にされているという言い方をするのですけれども、そういう面が非常にたくさんあるような気がする、こういうことについて自治省はどう考えておるのか、こういうことなんです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 地方公務員の給与につきましては、もちろん地方公務員でございますので、地方公共団体の人事委員会におきまして、国の人事院が行なっておりますと同じような給与に関する勧告をいたすわけでございます。御指摘がございましたが、その場合に人事院の場合とほとんど変わらない、全く同じようなものが行なわれておって、実質は同じということが、むしろ形式的なものになっているのじゃないだろうかというような御意見であったかと思いますが、現在の国と地方公務員との関係における給与決定の原則は、先ほど申し上げますように、国におきましていろいろな民間給与というものを調査いたしまして、それからそういうものとの関係におきまして、私はまあ国家公務員は全国に所在している、勤務しているわけでございますので、そういうものの観点から全国的に調査いたしまして、そうして給与水準の決定をいたすわけでございます。そういうことになりますと、地方公務員の場合におきましても、他の地方団体なり民間の給与というものとの均衡などを考慮して決定するということでございますので、大体実質が同じようなところにいくということは、これは傾向としては避けられないし、またそれは一つの自然の形ではないだろうかという気がいたします。ただしかしながら、たとえば鹿児島県というようなものだけを考えてみますというと、一体どういうことになるか、あるいはまた東北地方なら東北地方というものだけを考えてみますと、どうなるか、これはまたいろいろな決定のしかたというものがおのずから出てくるという場合もあるだろうと思います。そこまでの十分なことがはっきりとデーターとして出ているのかどうかということになりますと、まあ私どもも正直申しましてその点についてはなお検討する、調査その他の方法についても検討する余地もあるし、地方公務員の給与そのものの趨勢なり問題なりというものも常に考えていかなければならない面はあると思っておりますが、現在のところそういう意味で確かに検討する余地はあります。地方公共団体それぞれ独自の給与体系というものがあってもいいじゃないかという議論も出てくると思います。御指摘のございました清掃関係のような仕事が国にあるかということになれば、地方公務員の独自、独特といってもいいような職種だろうと思います。そういう場合は、実際の運営といたしましては、やはり公務員にそういうものがないような場合は、やはりそれぞれの労働の需給関係、あるいは労働の質なり労働力の確保というようないろいろな観点から、そこに準ずると申しましても多少の幅を持ちながら、特殊な事情を考慮しながら給与表をつくり、運用しておるようなかっこうは、実は当然出てくるものと思っております。ただ、いまの各地方団体の行ないますところの給与に関する勧告というようなものが、ほとんど人事院の勧告にならった形になっている、そういうことは御指摘のとおりでございます。その点についてはいろいろ考えなければならぬ面があると思いますが、申し上げますように、全体の基準としては国の公務員と地方公務員というのは大体合うような形になるということは、これは自然の形として認めざるを得ないところもあろうかと思うのであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 私がお伺いしようとしている意図は、どこの県がどうということを具体的にデータを出せとか、そういうことを言っているわけじゃないのです。あり方、そこで自然の形にそろうであろう、そのことは大体私もわかる、そんなに多く違うはずがないわけです。ですから違ったものを、別にどうしなければならぬということもない、ただ自治省として、かりにある市町村がこの人事院の勧告と違った給与体系をつくった場合、自治省は黙って認めるのか、いままではよく内簡とか、通達とか、わけのわかったようなわからないようなことでぎりぎりと抑えた例があるのです。ああいう形で地方を統制することをいまも考えているのか、あるいは大体自然にそろってくるというのは、これは自治省としてもどうこうということはないにしても、地方自流体で独自な給与体系をつくる、あるいは給与の支給の方法を考える、そういうことがあった場合は自治省としてはどう扱うのか、その辺を聞いておきたいわけです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 自治省として考えておりますことは、給与の決定、給与の水準というものが、そういう意味で国家公務員と地方公務員と大体同じような水準で、ものが考えられることは自然だと思います。また現在の地方公務員法その他、そういう給与決定の原則としておりますところのたてまえから申しまして、国家公務員に準じた地方公務員の給与のあり方というものが予定されておると思います。そういうことになっておるように思うのでありまして、そこで、それがあまりにもかけ離れた姿で個々の地方団体が給与の決定を行なうということが実際にあり得るかどうか、それが好ましいかどうか、これはいろいろ事情によっては検討しなければならぬわけでありますが、一般原則といたしましては、やはり国家公務員の給与水準と大体歩調の合ったものということを指導の一つの眼目にいたしておるわけでございます。そういう意味で、それとあまりにもかけ離れたようなものにつきましては、その事情を調査いたしまして、そうして適正な姿になるような指導をいたしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 ことばのやりとりをしていてもしようがないけれども、あまりにもかけ離れたという、常識的にあまりにもかけ離れているという場合は、これはさっきの局長の話で、自然の姿にそろうというのが大部分だ、そんなにあり得るわけではないですね。ただ、私がいま開いているのは、国家公務員よりも上回ってはならぬなどという通達なり、あるいはいままでよく内簡というものがあったのです。そういうような形で地方自治体を拘束する、統制するということは、そういうことをやるのかやらないのかということを聞きたいわけです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 私の申し上げておりますのは、元来、給与の水準というものは国家公務員と地方公務員とかけ離れて決定をされるべきはずのものじゃないのじゃないか、大体それに似通ったものになるはずのものだという考え方が一つありまして、それを中心にしてものを考えていくということはこれは当然のこと、また適切なことではないだろうかというふうに思うわけです。したがいまして、国家公務員の給与に準じた実質があるような地方公務員の給与決定がなされることが望ましいということを自治省としては基本の指導の考え方にいたしております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 話があいまいで、私が聞いているのは、それは結果としてはどういう傾向かということはほぼわかるのですが、しかし、地方自流体がどんな市町村でも、どんな府県でも全部国の基準どおりやらなければならぬということはないでしょう。ある地方自治体は、たとえば去年勧告よりも少し悪かったから、ことしはよくしてやろうということだってあるわけです。国家公務員は去年は九月からきめたけれども、ことしは五月からやろうという地方自治体だって出てくるわけです。そういう場合に、去年もあったでしょう、内簡とか通達で国家公務員から上回っちゃならぬというような趣旨の指導をしたということが自治省であったわけです。あったと思うのです。なければないでよろしいです。私は過去のことをいまどうこうするつもりはありません。ことしもやるつもりか、やらないつもりか、つまり内簡とか通達というものを出すつもりか、出さないつもりか、そのことを聞いておるわけです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 自治省としましては、給与改定につきましては国家公務員に準じた措置を行なうような指導をいたすつもりであります。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 準じたという意味は、上回ってはいかぬという意味ですか、大体どの程度以上違った場合には準じないということになるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) お話しのように、準ずるということ、かそのままぴったりかどうか、端的に言いまして、そういうことになれば、私どももぴったりだということは言い切ることはできないと思います。ただ、それではどこまで違えばどうなるかということになりますと、これは一般的に申し上げることはなかなか実際問題として困難でありまして、やはりケース・バイ・ケースで考えてみるということにならざるを得ないと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そういう言い方で、ケース・バイ・ケースということで、実際の場合にはもう規格統一みたいな通達で全部に出してしまうということがあり得るのです。そのことを私言っているのです。ですから準ずるつもりが、はなはだしくかけ離れる場合はと、局長はそういうことをおっしゃった。そうすると、国家の基準とどの程度に離れた場合ははなはだしくなるか、ここは私は重要なことだと思うのです。地方自治体の職員が心配していることは、非常に重要なことだと思うからはっきり聞きたいと言うのです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) まあ準ずるということが、ただ先ほど申し上げましたとおり、ぴったりそのとおりでなければならないということを申しておるわけではございません。また、職種その他につきましても、お話がございましたように、全く地方独自のような特殊なものもあるわけです。ただ、それがどの程度になればかけ離れたことになるかという問題になりますと、やはりこれはその地方団体のそれぞれのいままでの沿革なりいろいろございますし、そういうものとの関係におきまして個々に検討していくということで考えるよりほかしかたがないと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 どうもわからぬですね。個々に検討することはわかるわけです。個々に検討することはわかるけれども、ある一つの目安がなしに個々に検討するということはないでしょう、はなはだしくかけ離れた場合はぴったりとは思わないとおっしゃる、ぴったりとは思わないが、ぴったりでないとも思わないというような言い方ではあいまいでしょうがないです。だから、国家公務員に準ずる、いまの法律のたてまえは準ずるのですから、よろしいかもしれない、準ずるその中で、原型は準じながらも、中身については市町村は独自のくふうをしていくということもあり得ます。その場合に、自治省からそれはけしからぬという通達やあるいは内簡というものを出して指導するのか、趣旨としての自治省の考え方は一応賛成するという意味ではなしにわかるのです。方法としてそういう形で、いわゆる統制というような形で使うのかどうかということを聞いているのです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) どうも同じようなことを申し上げるようで恐縮でございますが、個々の地方団体におきまして、職員の年齢構成でありますとか、職種のあり方でありますとか、あるいはそういう意味での職員の給与との関係におきますところの個々の実態と申しますか、そういうものの状態というものはそれぞれ特殊な姿をとっておる、必ずしもぴしっと国と同じであるとか、そういうことになっていないわけです。また地方団体ごとに学歴なり、年齢なりいろんなもので構成が変わっております。そこで、そういうものとの関連におきましてものを考えてまいりませんと、単に形式的に画一的にぴったり同じというわけには必ずしもまいらない、実態に即さない結果になってまいりますのでそういうことになります。また、現に地方公共団体が用いておりますところの給料表あるいはその給料の運営のしかたにも、それぞれ国家公務員には準じておりますけれども、またそれぞれ特殊な条件によりまして特殊な運用をしておる場合があるわけでございます。これらはやはり、それだからといってそれが直ちに準じないということを申すことはなかなか困難であります。と申しますことは、そういう職員の配置の実態でございますとか、年齢構成でありますとか、学歴でありますとか、いろいろな要素がそれぞれのところで違うわけでございます。そういうことでございますので、一がいにどこまでになれば準じてないというようなことになるのかということは、これは一律一体にこれもまた申すわけにはなかなかいかない。したがって、私どもとしましては基準としては、目安はもちろん先ほどから申し上げておりますように国家公務員の水準というものを一つ基準にいたすということはここで出てくるわけでございますが、個々のそういう地方団体のあり方というものとの関連におきまして、その範囲内で基準というものを考えてみたいということで、結局ケース・バイ・ケースで考えていかなければ、基準というようなものを一律に考えることはなかなかできない、こういうことでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 あまりくどくなって申しわけないのでこの辺でやめますけれども、確認をしてもよろしいですね。——ケース・バイ・ケースで指導するという意味は、一律に国家公務員に準ずるというような内簡とか、通達では指導しない、それぞれの状況が違うのですから、それぞれの自治体と相談をしたりすることはある、そういう意味に確認してよろしいですね。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 原則としては国家公務員に準ずべきである、準ずる実態もあれば、当然準ずるべきであって、ただ、個々のケースについてどの辺までが準ずることか、準ずることにならないことかということになれば、これは個々に話していく、こういうことを申しております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 国家公務員に準ずるということは法律があるから、特に通達は出さなくてもいいわけですね。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 通達はやはり出します。国家公務員に準ずるということを明らかにするための通達は出します。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 おかしいじゃないですか。制度上、たてまえ上、地方公務員の給与は国家公務員に準ずるということはもうきまっておるでしょう。きまっておるなら一律の通達なり一律の内簡というものは必要ないわけです。いま局長がおっしゃったように、ケース・バイ・ケースでいろんな問題があるから、そこは指導することがある、これはまあ自治省と地方自治体ですから、決して一切ものを言っちゃいかぬなんということを私は言いやしませんよ。そういう場合があるにしても、たとえば国家公務員の賃金を基準とすべきである、準ずべきものであるなんということは、お互いにどこでも法律があるから、たてまえは知っているわけです。特にそれを通達として出すという意図は一体どういうことなのですか。そのことが受けるほうから言えば、やはりこれは自治省が地方自治体を拘束する、これは国家統制だ、地方自治の侵害だ、こういう受け方をするということなんですね。だから法律できまっているたてまえは全部わかっているわけですから、そのケース・バイ・ケースで、局長がさっきおっしゃったような、そういうふうにやられたらどうかということなんです。同じことを一律に通達を出すという意味は、どうもケース・バイ・ケースで特別の場合には指導するのですという言い方とは違うような気がする。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 先ほど来申し上げておりますのは、準ずるというものの、幅をどのように考えるのかというような点から申し上げているわけでございまして、給与改定がある、給与の勧告があるということでございますが、そこで国家公務員の給与というものに準ずるといたしましても、国家公務員の給与改定の内容なりその他というものを明らかにいたしまして、こういう姿、形というものが、今度の改定の内容だということも明らかにする必要がそれぞれの場合にある。そういうことによって国家公務員の給与水準と地方公務員の給与水準とが準ずるという場合の、一つの基本的な基準というものが出てくるのでありますので、そういう通達なり指導なりをするということは、これはどうも欠かせないことでございます。自治省としてはやはりそれは必要だと思っております。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 どうもくどいようですけれども、よくわからぬのですがね。いまそういうことですと、さっき申しましたように、地方自治体としては府県なら府県にしても人事委員会があるのですから、大部分の傾向としては同じものを出す傾向にあるとはいっても、一つの人事委員会が特異な研究をして、特異な勧告をする場合だってあるわけですね。そうすると、いまのような形で一律に通達として出すというたてまえをとると、一体、地方の人事委員会というものを自治省としてはどういうふうに認めているのか、どう見るのか、そこがちょっとわからなくなってくる。そうじゃなしに、地方の人事委員会が独自でいろいろな勧告をどんどんするでしょう、いまの地方自治法のあり方によって。そういう場合に、著しく違ったものはケース・バイ・ケースとして相談をするということになると、まだわからぬわけではないが、そういう制度とは関係なしに、一律にこれだと持っていくと、それが自治省のたてまえだみたいだに言われると、どうもいまの自治体のあり方がわからなくなる。それはどっちなのです。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 先ほど来申し上げておりますのは、あるいは十分でないかとも一思いますが、国家公務員の給与のあり方というものと地方公務員の給与のあり方というものは類似すべき性質を持っているわけでございます。給与の改定がございますたびに、国としての給与改定の内容というものを明らかにいたしまして、そうして準ずる一つの目標といいますか、めどと申しますか、そういうものを明らかにして指導をすることは、これはどうしても欠かせないことだと思う。もちろんお話のように人事委員会その他においていろんな特殊な研究がありまして、そうして多少異なった形式の勧告があるといたしましても、それは形式的にだけものを言うことが準ずるという、ぴったり合わすのが準ずるという意味じゃないということは、先ほど来申し上げたとおりでありますから、実質がそういうものをそこなわない、いわゆる準ずる範囲の問題になるかもしれませんが、そういうことで行なわれている限りにおきまして、それがとやかくと言われることは私はないだろうと思います。要するに、ケース・バイ・ケースでその準ずる内容というものは考えていかなければならない。ただしかしながら、国家公務員の給与の水準はこうであって、準ずるという場合の内容を明らかにして、そうしてそれの国の方針なり何なりというものを明らかにして指導をしていくということ、これはどうしても欠かせないことじゃないかと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 そうすると、私のほうはあるいは誤解しておったかもしれない。いまの内容を明らかにして指導するという意味は、国家公務員の給与がきまったら、国家公務員はこういうふうにきまったから、あるいは法のたてまえでは準ずるのだということはもちろんくっつくかもしれない、そういうものを示すという意味ですね。ほぼこれより上回ってはいかぬとか何とかというようなよけいなことはつけないということですね。そうして指導の方法はケース・バイ・ケースでまた指導することがある、そういうふうに解釈してよろしいですね。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 自治省といたしましても、法のたてまえ、法の考え方というものに即応いたしまして、特殊な事情のありません限りは、国家公務員の給与水準と地方公務員の給与水準とが合致すると申しますか、近いところにきまるということが望ましいということはこれは当然に、すでに申しているわけでございます。したがいまして、そういう意味の一般的な指導というものを、給与改定ごとに一般的に行なうということはどうしても出てまいるわけであります。ただし準ずる、準じないというような議論で、個々のケースについてその幅がどうなるかというようなことになってまいりますと、これは個々に、また別個にケース・バイ・ケースでものを考えていかなければならないということになると思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 くどいようだけれども、ここは少し大事なところですから念を押しておかなければいかぬのですがね。いま聞いた限りにおいては私はこう解釈したい。さっきも申しましたように、国家公務員の給与がきまった。そうして、これは法のたてまえ上は地方公務員がこれに準ずるということになっているから、それはもう国としてはさまったものは明らかにする必要がある、そのことはそれでわかりますね。それから特に準ずるということをつけ加えるか、つけ加えないか、その文句なのですけれども、これは制度上もうはっきりしているわけですから向こうも知っている。そういう趣旨にのっとってやれという程度のことはいいです。しかし、従来あったと聞いているいわゆる内簡とか通達とかいう意味で、これを一歩も出ちゃいかぬとか、あるいはこれより著しく違っちゃいかぬというようなものはやらない、そういうことなんですね。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 従来と私ども今回特に変わったやり方をしようというようなことを申し上げているわけではございません。従来どおりのやり方をやはり今回もやっていきたいということでございまして、従来のやり方そのものも、一般的な国家公務員の給与水準というものに準じて給与決定をすべきだということを繰り返し申しておるわけでございます。そしてその準ずるという具体的なケースについてどう判断するかということになれば、個々的に指導するということになっているわけでございます。今回、特に従来と変わって何かものを考えるとか、扱いを変えるということを考えているわけではございません。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 話が行き違っておるようなんですね、局長さんと私との。従来も内簡というのは全体に出したことはないわけですか。

長野士郎自治省行政局長

○説明員(長野士郎君) 内簡というようなものは、まだ正式に国のほうとして事柄がきまったわけではないけれども、事を準備するためには、なるべく急いで実質上の連絡をしておいたほうがいいという場合に行なわれる一種の扱いでございます。各省によってやり方が違うかもしれませんが、大体そういうやり方をいたしております。給与改定につきましても、従来あまりその例はないように思っておりますけれども、特に国のほうの準備がおくれて、地方としては時期が切迫しておるというような場合には内簡というようなものを出す場合がありますけれども、国のほうで事柄がきまった上で通達をしておるというようなことでございます。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 大体わかったような気もしますけれども、なおわからぬところもあるのですが、これはもう時間がだいぶ過ぎましたから、局長にこれは要望しておきますが、いまの局長が言ったようには必ずしも市町村はとっていない向きがあるのです。内簡というのがくると、これより一歩も出たら、また財政的にどうこうされるのじゃないかといったような、そんなような考え方のほうが先に立っておる市町村のほうがだいぶある。そういうことで、たとえば職員と当局との間に給与について話し合いをしても、こういう内簡がきておるからどうにもならぬというような答弁が非常にたくさん出ておる。だから、そういうことはいまの局長の御説明に関する限りは、そういう拘束をする意図はないわけですから、その辺について誤解されて、市町村の団体、地方自治団体が誤解されておる、それに変に拘束を受けてちじこまることがないような配慮をしてひとつやってもらいたい。このことをつけ加えておしまいにします。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 速記を起こして。

小林武日本社会党

○小林武君 文部大臣、順序が狂ったのでちょっとぐあい悪くなりましたけれども、初等中等局長名をもって都道府県教育長に出した文書、このことについて。争議行為が行なわれるということで文書が出された。そこで、きのう全国教育長の会議というのが開かれましたが、何をどんな目的で開かれたのかと言っても、何らわれわれに関係なければいいのですが、このことについて関係があったならば、文部省側からどういう一体、何といいますか、指導を行なったのか。それは文部大臣から伺いたい。斎藤さん、それは文部大臣が招集したんじゃないですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 事情を説明いたします。これは文部大臣が招集したものではありませんし、また、文部大臣も出席しておりませんので、私から答弁することをお許し願いたいと思います。  実は教育長協議会におきましては、日教組等が二十一日にストライキを行なうということで非常に重要な事態でございますので、いろいろ情報の交換、あるいはその他の連絡ということで教育長協議会として開きました。しかし、私どももまた教育長協議会を開いてもらうほうがいいと思ったのであります。そこで、その教育長協議会で議題になりましたことは三点ございます。第一点は、二十一日のストライキに関連すること。第二点は、たまたまユネスコの勧告の会議がございまして、今村審議官が帰ってまいりましたので、その事情を伝えてもらう。第三点は、先般、高等学校教育の多様化問題につきまして審議会で審議をいたしましたから、そのときの説明をしよう。この三点でございます。第一点につきましては、これは私どもとして、過般、十月一日付で私の名前をもちまして各府県教委を指導した趣旨を私自身が御説明いたしました。それが会議の内容でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 きのうの教育長会議のことはよくわかりましたが、そこで、争議行為のことで、ちょっと文部大臣にお聞きしたい。争議行為の否認ということは、争議行為を否認する、これは法律がそうなっている、その否認ということは、代償権というものがあって初めて否認したわけでしょう。そういうことになりますね。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) この問題はこの前にも申し上げたと思いますが、憲法二十八条の御質問がありまして、労働基本権が認められておることは事実ですね。しかし、労働基本権のみならず、国民の権利というものは公共の福祉のために制限されるということは、これはやむを得ない場合がある。ことに国家公務員はいわゆる国民、国家全体の奉仕者として公共の福祉のために勤務するものである。そういう性質から見まして、ある程度労働基本権が制約を受けるということはこれはやむを得ないことであります。したがいまして、それに基づいていわゆる地方公務員法を見ましても、国家公務員法を見ましても、御案内のとおりそれぞれ争議行為の禁止の規定があるわけであります。しかし、そればかりでやっておると、公務員の生活を擁護することに欠ける点がある、そこで、御承知のとおり人事院というものがあって、それで人事院が公平の立場からこれを勧告する、こういうたてまえになっておるのです。で、私の考えでは、先ほどもいろいろと御質疑がありましたように、人事院勧告を尊重しなくちゃならぬということは当然でございます。しかし、法律で禁止されておるということと、一方、尊重ということは、そこに私は多少の相違があると思う。禁止されておることを、争議行為をやるということは、まさにそれは法律違反なわけであります。尊重ということ、完全にこれを尊重するということがよりよいことであるということは私も考えるのです。しかし、それが完全に尊重されないからといって、それなら、その代償だから争議行為をやってもよろしいというような見解は立たない、かように私は考えるのであります。

小林武日本社会党

○小林武君 まことに奇妙な話だと私は思うのです。佐藤内閣というのは、一体そんなに法律の解釈をいかようにでもやるという、そういうきまりになっていますか。私は佐藤内閣の中で労働法の見解というのは、一体、一つでなけりゃならぬと思うんですよ。労働大臣がここに来て言ったことを文部大臣がひっくり返す、そんなあれどこにあるんですか、閣内の不統一ですよ。総辞職しなさいとまでは言わぬがね、これは問題が小さいから。おかしいじゃないですか。そういうやり方をやられるから、ぼくは労働大臣に念には念を押して聞いたのです。しかし、いまあなたは先を回ってだいぶ説明したから、後ほどまたやることにして、やっぱりあなたの立論には少し粗雑なところがあると思うのです。というのは、憲法上の公務員の公共の福祉とか、それから国民に対して奉仕するとか、そういうようなことを取り上げて、そして、公務員には争議権が否認されるのだという根拠のことを言われた、あなたは。そうでしょう。そのことを先にやっておいて、それで、かわいそうだから人事院を置いてやったなんて、そういうものじゃないんですよ。二十八条を否認する、二十八条の正当の権利を。そういう解釈であなたのほうでやったんだ。この法律に賛成とか反対とか——こんな法律はだらしないと思う。違憲的措置であると思っている。しかし、それはさておいて、とにかくこの法律というたてまえに立ってあなたたちがものを言っているんだから、その土俵でぼくはものを言っているんですよ。その土俵でものを言ってもですね、争議権を否認するということと、人事院をもってその代償機関としてそれによって労働者の権利を守るということは、これは同時に行なわれたことで、これは大体お情けでちょうだいしたという性格のものじゃない。何ぼ悪法でもそんなことは書いてないですよ。私はあなたにお尋ねしたいのだが、先ほどのことに入っていくのですが、公務員の生存権に対する人事院の保障措置というものがなければ、争議権の否認というのはこの法においてさえできないんですよ、これは憲法があるから。そうでしょう。二十八条の違憲でないということのあなたの法解釈は、公務員の生存権に対しては人事院の保障措置と関連してあるからそうでないんだと、こう言っている。違憲でありませんと、こういう学者の説に従っている。そうでしょう。そうした場合に、代償を欠いた場合にはどうなるんですか。代償を欠くということは一体どういうことなんだ。代償措置を欠くということをどうあなたたちは解釈している。私は労働者ですから、そのことについては、代償を欠くとはかくかくのことだという考え方を持っています。あなたたち気楽に考えているようだから、代償を欠くということはどういうことか、それを聞きたい。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 先ほど来、山手労働大臣への質疑の状況も、私この場でよく聞いておりました。山手労働大臣の言うことと私の言うこととはそんな大きな差はない、ことばのニュアンスの差はあるかもしれませんが。山手労働大臣も尊重ということは言いましたけれども、争議をやってもいいんだと、そういうことは決して申しておりません。で、私の申しますのは、これは、学説はなるほど小林君の言われるようにいろいろとあります、この問題については。それは私も認めます。しかし、最高裁の判決を見ますと——まあこれはわかっておるんでしょうが、私が先ほど申しましたように、国民の権利は公共の福祉のために制限されるのはやむを得ない、ことに、国家公務員は国家全体の奉仕者として公共の福祉のために勤務する職務の性質から、労働基本権の制限につき特別な取り扱いを受けることは当然であると、こういうことで最高裁の判決にうたっておるわけですね。そうしますと、まあ学説はいろいろありますけれども、われわれとして公権的に解釈するのは、やっぱり最高裁の判決を、私はこれに従った解釈をすべきだと考える。そこで、また一方、地方公務員法を見ましても三十七条に明らかです。国家公務員法を見ましても九十八条に明らか。これはすでに国会において議決された一つの法律なんですよ。でありますから、争議権を行使するということはこれは明らかに法律違反であることは、これは明瞭なんですよ。ところが、一方人事院の勧告、これは尊重したい、また尊重しなければならぬという気持ちはよくわかる。けれども、尊重しますが、完全実施しなければ争議をやってもよろしいと、こういう飛躍的の解釈はやっぱし避けなければならぬ。それで、政府としましては、できるだけ人事院の勧告を尊重したい、それは一ぱいです。ことに私は、教員というものはわれわれの中にあるんですから、何とかして教員の、ことに教員は尊敬される立場におきたい、地位に置きたい、こういう気持ちからいきまして、単に尊敬するばかりでなくて、将来は何とか教員の地位の向上と待遇の改善のためにいろいろの手を打ちたい、こういうところまで考えておるんですが、現在の段階におきましては——私少しものを正直に言うかもしれませんが、五月実施に努力いたしますと言うのはいとも簡単でございますが、大体の見通しとしまして、なるたけその線に近寄らしたいという気持ちは一ぱいでございますけれども、現実の問題としてそういうことが非常に不可能だと、これはまあ皆さんも御承知だと思う。さっきも言いましたように、五月実施に努力すると言えばこれは一分間で済むものかもしれませんし、また、大蔵大臣が帰らなくても、そういう態度がきまればすぐできる問題ですが、非常に財政的にも影響が大きいので、大蔵大臣の帰朝を待って今日まで慎重にかまえて、いまから大いに検討しようと、こういうことがございますから、その点は、私の見解はこういうことでございます。まあひとつ御了承願いたい。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたは私の質問したことに答えないのですよ。私が先ほど言っておるように、国家公務員法についても、地方公務員法についても、あんなものは悪法だと、こう言っておる。しかし、いまはその法律のいい悪いは言うのをやめましょうと、その話はとっておいて、ひとつ、あなたの土俵で——あなたが先ほど言った最高裁の判例というのは、政令二〇一号のときの判例でしょう。これは弘前の機関区か何かで起こった問題の判例じゃないですか、そうでしょう。その判例をあなたはたてにとって、そういう立場に立っているからあなたたちは違憲でないと、こう言っておるのでしょう。二十八条の労働者の基本的権利を取っても違憲でございません。ただし、取りっぱなし、じゃ違憲になるから、代償機関としての人事院を置いているから、これは違憲にならないのですと、こういう立場をとっているんでしょう。そうでないですか。あなたの判例の使いどころは違うんですよ。判例の使いどころは、二十八条の違憲問題という問題を論争する場合にはそういうことで議論する。いま、ぼくは、違憲問題をやっておってはとても時間がございませんから、また、それは争議行為とか何とか騒いでいるときに役に立たぬことですから、そこで、ひとつあなたの土俵の上に登っていってあなたにお尋ねすると、こういうのです。私はあなたの土俵の上に上がっても、いまあなたたちのやり方というのはきわめて論理的でないと思っているから言うのですよ。自信がある。それであなたにお尋ねしているのは、争議権の否認ということは、あなたたちとしては、公務員の生存権に対する人事院の保障措置がとられているからこれは合憲なんだと、こういうことを言っているんでしょう、そうでしょう。そういうことでありませんか。これは学説とか何とかということじゃなくて、だれが言ったってそうじゃないですか。一般法における労使対等の原則を前提として、労働協約の締結にかわるものを人事院というものによって処理しているんですよ。だからこれは特別法でしょう、労働法からいけば。そういうやり方をとっているんでしょう。だから、あなたたちはそういうたてまえに立った場合に、この代償権というものは一体どういうことになるのか。あなたたちが言うように代償が欠かれた場合にはどうなるのですか、こういうのです。そういうことをお尋ねするので、それを分けて、ひとつ代償を欠かれた場合というのはどんな場合があるんだと、こう聞いているんですよ。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) ちょっと補足して……。

小林武日本社会党

○小林武君 いや、それは大臣だ。大臣がそのことについて責任を負わないと、人の首を取ろうかいなんという根性を持っている人間が答えなきゃいかぬですよ。あんたが取るわけじゃない、文部大臣が首を取ろうというのだから。重大なことですよ。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) いま判例の話が出ましたから、その点について申し上げたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 それは大臣に言いなさい。あなた大臣を補佐する役目だから、大臣に言いなさい。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 最高裁の判例につきましては……。

小林武日本社会党

○小林武君 委員長、速記とめなさい。聞かぬものを何でやる。そんなことで押しつけられてたまるか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 小林委員、私の言うことを誤解せぬようにしてほしいですよ。

小林武日本社会党

○小林武君 いや、誤解はしないよ。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 憲法二十八条の判例を引いたのは、これはやっぱり新憲法で、何であろうと、こういう最高裁の判例がきておるんですね。これは、私は公のものとしては、公の場では、学説はともかくとして、これは私は守っていかなくちゃならぬと、こう思っておるのですよ。そこで、あなたのほうは法律出すのをいやがるけれども、現に地方公務員法も国家公務員法もあるんでしょう。これは国会で議決された法律なんです。

小林武日本社会党

○小林武君 法律のいい悪いを言っているんじゃない。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) いい悪いよりも、法律を守るということは、われわれ国民として……。

小林武日本社会党

○小林武君 だから、法律を守るけれども……。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) それはどういう場合であろうと、法律がある以上はやはり法律を守っていくのが、われわれ国民の態度じゃないか。そうでなければならぬ、まず、順法精神に生きるということが、非常に大事なことだ。ことに国家公務員、まあ地方公務員もそうですが、ことに教員の立場としては法律を守っていくという順法精神がないようなことでは、私は尊敬される教師の立場にならないと思うのですよ。それはひとつ、あなたも教員の先輩なんだから、そこを理解してもらって……。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたがあなたの土俵でものを言うということは、あなたのほうが国家公務員法なり地方公務員法の上に立ってものを言っているんだ。そこで、ぼくも国家公務員法、地方公務員法というものをたてまえにとって、そしてその上でひとつこれから議論しましょうというのだ。あなたのほうで争議行為がいけないと言ったら、争議行為をやらせないためにはこういう措置があるのだという、そのほうを守らなければいかぬでしょう、あなたのほうで。そうでないですか。私の言うのはそれなんです。あなたのほうで、争議行為だ、けしからぬ、こう言うなら、争議行為をやらないようなやり方をやれば、ここのところでは問題が起きてこない。そうでしょう。その中における、同じ法律の中にある人事院の問題については、あなたのほうであいまいなことを言っているのでしょう。順法精神でない。どのようにでも幅を広げて、いつやってもよろしいような話だ。さっきの鈴木君の質問じゃないけれども、例年五月にやってもいいような話になったところで、あなたのほうは尊重というようなことをいえる考え方に立って、それで問題をいっているのですよ。だから、ぼくはそういうことにならぬように、あなたのほうに伺いたいのはいま聞きたいのは、何かといったら、あなたのほうのたてまえは、争議権を否認するということは、公務員の生存権に対する人事院の保障措置というものがあるから否認しているんだ、こういうたてまえなんです。法律のたてまえはそうでしょう。そうでないですか、そうでしょうが。代償機関としての人事院を置いているから、一般法では労使対等の労働協約を結ぶような法律をつくっているのだけれども、特別法をつくって、そして人事院を設置することによって、おまえらの争議権というのは否認しているんだ。そうでしょう、この法律は。そうでないですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 憲法二十八条の労働者の団結権、団体交渉権との関連において、大臣はまず第一に御説明しているわけです。この憲法二十八条との関係では、憲法十五条に基づく公務員の性質からみて、団結権、団体交渉権が制約される。それを禁止されるということも、二十八条についての違憲の問題は生じないということを最高裁が言っているということを申しているわけであります。で、さらに今度は、公務員の処遇というものを考える場合に、いかなる立法政策として、その保証のために考えるかということで人事院もできており、人事委員会もできておる、こういうことでございますから、二十八条の関連では、大臣は、代償措置との関連ではなくて、十五条に基づく公務員の性格からみて、禁止されておるということが判例として確立されている、こういうことでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 何を言っているのですか、一体。あなた、そこで何を言っているのですか。そんな話なら、やってもらわないほうがいい。ぼくはそんなことを聞いているんじゃない。大臣にあなたが補足するなら、大臣がやりやすいように、横のほうに突っ走らぬように、ちゃんとレールの上にのせてやってもらわなければいかぬ。レールからはずれたやつをもう一ぺんひっくり返すようなことを言っておいて、そして議論を一体惑わすようなことを言ってもらいたくない。私が言っているのは、この法律というのは争議権を否認しているでしょう、労働者の争議権を。その争議権の否認ということは、結局、人事院を置くということによってこれは否認をとにかく補っているのでしょう。だから、これは労働法からいえば、一般法にないような特別法をつくっているのでしょう。そうじゃありませんか。そうでないかと、ぼくは聞いている。これは、そうでないという人があったら、これはもうよほどしっかり説明してもらわなければ、一時間二時間かかって説明してもらわなければいかぬと思う。大臣もこういうことがおわかりにならぬような大臣だと思っておらぬのです。長い間のいろいろな経歴からいって、大臣がこんなことを全然しろうとでおわかりにならぬと私は思っておらぬ。だから大臣、ぼくはあなたをいじめようとはごうも思っていない。逆にこっちがいじめられている、そうでしょう。だから、代償制度として置かれた、その代償ということ、この代償ということについて、この代償のあれが欠かれた、欠かれたということは、代償権を十分に行使しなかったという場合には、二様に解釈できるでしょう。二様といったら、私の考え方からいえば、人事院がとにかく幾ら勧告しても、勧告そのものが何ら公務員の争議権を奪ったことにかわるような機能を果たしていないということです。そういうことはありますよ。イギリスの教員組合は、とにかく委員会の決定が結論が出て、それが実施されたにもかかわらず、ストライキをやったことがある。それは勧告が悪かった。そういう場合と、もう一つは、誠意をもって実施しないという場合の二つあるでしょう。勧告はされた。今度の場合は、われわれ見ているというと、国家公務員、地方公務員ともに人事院勧告についてはとにかくやはり当を得てない、こう思っている。しかし、非常にとにかく、まあ何と言うか、譲りに譲って、文句は、言いたいことは山ほどある。しかしながら、政府が誠意をもって実施してくれれば、何もストライキをやるとか何とか言っているのじゃない。そうでしょう。その文句のあるあれでも、とにかくやってくれないというところに問題点がある。この前ぼくはよけいなことを言ったけれども、これはとにかくいままでやっておって、一回ぐらいやらないことであるならば、あるいは政府のいろいろな事情ということも考慮して下がるというようなこともあるかもしらん。三十五年以来、実施時期というもの、か出てから一ぺんもやっておらぬじゃないか、これじゃおこるのはあたりまえだろうということを、この間あなたに申し上げた。代償権を欠いた場合でも、一体、おまえら公務員というものは文句を言っちゃいかぬのだ、無抵抗でいつまでもいなさい、こう言う根拠がどこにあるのか、それを説明してもらいたいと、先ほどから言っているのです。あなたたちの言い方を見るというと、もうとにかく総理府の総務長官も、初等中等教育局長の斎藤正さんも、どれもどれも、争議行為はけしからん、けしからん、こう言っている。しかしながら、争議行為をけしからん、けしからんと言っているけれども、争議行為をやらせないようにするために、実施の時期を五月にやりますということについては、一言もとにかく誠意ある答えをしていない。それじゃ一方的に権利は奪われるわ、何ら代償機関は機能を果たしてくれぬわ、そんなことじゃだめです。斎藤君の意見というのは、あるいは公務員というのは憲法第二十八条の対象外だというようなことを主張するなら、これは大問題だ。そういうことをまさか言っているのじゃないだろう。対象内だけれども、公務員という立場の上に立って、これは争議権は与えられないのだという法律のたてまえでしょう。私は反対だけれども、そのたてまえに立って話をしようというのです。そのたてまえに立ってもやはりぐあいが悪いのじゃないか、こう言っているのです。どこでぐあいが悪いかといったら、ぼくは代償制度として置かれた人事院の言うことがさっぱり聞かれぬというところに問題がある。それを一体どう考えているか、こう言っているのです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 実は代償行為がどの程度実現されるかという点ではなくて、私が申し上げておりますのは、公務員の争議権が禁止されているゆえんのものは、これは公共の福祉という観点から法律または条例によってその職務と責任に応じて保障されるという、この引きかえの問題が中心だろうと思う。ですから、公務員に対して争議行為が禁止されるというために、その代償だけの意味ではなくて、この法令保障ということがやはり中心でございます。で、その点で争議行為の禁止というものと、それから人事院勧告の実施ということを引きかえて議論できないではないかということを申しているわけであります。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたもう一つ見てないからだめだ。あなたは憲法なんてものははな紙ぐらいに考えているらしいから。もっともある私立大学の学長が、憲法は詐欺の書であると、何かそういう文章を書いたのがあるから、文部省も大体似てきたのかと思うけれども、もっともあなたの話は法律や何かにあると言う。しかし、代償や何かを欠いた場合には憲法三十八条をどうするかというのです。法律にある、条例にあるというようなことを盛んに言ったところで、それじゃその代償の制度として置かれた人事院のやることが一つも聞かれぬのだったら、二十八条にある権利を取られたら一体労働者はどうなるかと、こうなりませんか。それを三百代言みたいな、三百代言ならいいけれども、三百代言よりまだ悪い議論をされては困る。そういうことじゃ困るでしょう。ぼくの言うことわかりませんかね。ぼくは文部大臣、ぼくの言うことわからぬかったらわからぬと言ってもらいたい。ぼくの言うことがわからぬならどこがわからぬと言ってもらいたい。ぼくは争議行為がいいと言ってけんかしているのじゃない。あなたの土俵でもって否認する立場に立ってもおかしいじゃないかと言っている。この法律には反対だ。反対だけれども、それを抜きにしていこうということだ。あなたたちの議論の立場に立ってもおかしいじゃないかとぼくは言っている。二十八条は斎藤君をして言わしめても、これは何も公務員はこの中からはずされているのじゃない。そうならば、そのはずされた、はずされるようにしたのは法律とか条例だ。その条例や法律が根拠を持っているのは何か。違憲になぜならぬかと言ったら、違憲にならない理由は人事院というものをもって、そういう代償制度を置いて、そうして公務員に対して保護することになっているのだ。特に給与等に関してはとにかく人事院は必ず責任を持ってやっている、こう言っている、そうならば代償制度について、代償の制度の人事院の機能の働かないようなこの政府のやり方について、一体われわれは、公務員はどうなるのだという疑問を持つのはあたりまえでしょう。ここらあたりわからぬかね。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 先ほどから申しておりますのは、先生が憲法二十八条に限って申しますからその関係を申しておるのでございまして、憲法二十八条のこの中には公務員は入りますけれども、それが民間企業と異なりまして、団体行動権の中心であります争議権というものを与えなくても、これは法例その他の保障によって勤務条件が保障されておるというような扱いを受けますならば、争議行為を禁止しましても二十八条との関係を生じない。違憲にはならないということを申しているわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたもようやくあれだな、ぼくがいままでやったことがわかったらしい。ぼくはそれを言っている。そうでしょう。先ほどからぼくが言っているのはそれなんです。それでだ、人事院があるからだと、こう言うでしょう、あなたは。そうしたら人事院の一体勧告というものが行なわれた場合に、いまだかつて一度もそれが実施されない。これはどういうことになるか、こう聞いている。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 私が申しますのは、くだいて申しますと、普通の私企業でありせば、給与の決定というのは労使の間の関係で自主的にきめる。そのために私企業におきましては団結権、団体行動権を完全に与えられている。ところが、公務員と申しますのは、これは職務と責任に応じまして、その性格から法律または条例によってこの勤務条件を保障されておるものであるから、そういう保障があれば、これは二十八条の違反にはならない、こういうことを申しておるわけであります。

小林武日本社会党

○小林武君 もう斎藤君の言うことはわかりました。文部大臣、斎藤君の言うことはわかりましたかね。ぼくは斎藤君の言うことをさっきからあなたのほうはそう言うんでしょうと聞いておる。それならば人事院が勧告したということについては、政府はまず実施しなければならぬですよ、最低。労働者の側からいえば、勧告についてとんでもない勧告をした場合には、これはやはり文句を言わなければならぬと、こういうことになるのだけれども、それはまず抜きにして、実施しなければ一体あれでしょう、保障されないことになりませんか。二十八条に持っておる権利はとられたわ、さっぱり人事院はその機能を果たしてくれないわとなったら、これは一体おかしいではないか。だから、そのことについてあれでしょう、特別の法律が、特別というか、労働法の一般法でなく、特別労働法といわれるようなものができておるんだと私は言っておる。そうでしょう。だから、その勧告を実施しない、あなたがさっき言うのには勧告は尊重するけれども、完全にそんなものはやらぬでもいいという式のものの考え方、これは私おかしいということの意味をあなたに問いただしたいと言っておるのですよ。内容的には聞く必要はない。あなたの言うことは十分わかっておる。あとは文部大臣が答えることです。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 私の申していることで、先生のお受け取りが違っておりますので、申し上げたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 だれが違った。……

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 私が申しますのは、これは給与の額、給与というそのものが法律や条例で住民なり国民をしてきまる、そういう保障があるので、そしてストライキ権を取り去っておっても二十八条の関係では違反にならないということを申しておるのでありまして、先生の御理解とは違います。

小林武日本社会党

○小林武君 それではちょっと斎藤君に聞きますが、あなたの言うのは人事院のは関係.かないということですか。

斎藤正文部省初等中等教育局長

○説明員(斎藤正君) 公務員についてそのいかなる代償的措置があるかということは、これは立法政策の問題でございまして、二十八条との直接の関連ではないと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 そういうことどこにあるのですか。文部大臣、あなたにひとつ聞きたい。ぼくの意見はさっきから述べておるから。そういうことですか、人事院なんというものはどうでもいいということですか、関係がないということですか。これは少しおかしな話だな。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 少しこれはこちらの言うこともすなおに聞いていただきたいと思うのですがね。さっき憲法の上においても労働権はあるけれども、それに公共の福祉の立場から公務員が制約を受けるということは論議せぬでも明らかですね。それから一方、公務員法も地方公務員法もあって明らかにそれが禁止されておることもこれは明らかですね。そこまではよろしい。それから人事院というものは、私も実は人事院ができるときには関与した一人なんです。あのときにどういう結末をつけたかというと、制度としてはこの公務員の立場を、生活権を擁護するためにこの制度をつくらなければならぬ。そこで一方は法律で禁止しておるけれども、人事院の勧告というものは、これは完全にこのとおり、人事院のきめたとおりにやれというところまではいっていないですよ。そして尊重しなければならぬということはわかりますよ。尊重ということと完全実施ということはイコールではないですよ。われわれは何とか尊重して完全実施に持っていきたいという気持ちは一ぱいあるのですよ。だからといって、完全実施にならないといって直ちにいまの法律を無視して争議行為をやってもよろしいというそういう解釈はとれないのですよ。それだから、あなたもよく研究しておられるでしょう、人事院のとき研究しておられると思いますが、そのときそういう議論も一部にあった。しかし、そういうことはできない。それだから勧告ということになって尊重と、こうなったのです。あるいはもしあなたの言うように、代償として完全実施せいというなら、人事院のきめたとおりにやるという、これに従わなければならぬということになるわけですよ。そこがいろんな立場から、勧告制度になって、これを尊重すると、こういうことになったのです。これはひとつ誤解のないように。これは大事なことですよ。こちらの言うことも素直に聞いていただきたい。

小林武日本社会党

○小林武君 それはあなたの言うことも聞いているから、あんなにつまらない法律でも法律である以上は尊重する立場であなたたちの言うことを認めながら質問しているのですよ。いまはあの法律のよしあしを討論しているのではない。あるということを認めて、その上に立って議論している。それでおかしいとこう言っている。そこで、あなたが言うように、あなたは成り立ちのときのことをよくおっしゃる。関係者だからよくわかっている。人事院勧告の実施状況の表を見るというと、とにかく三十四年まではこれ実施の時期というやつは書いてないのですよ。なるべくすみやかにという表現でいってある。だから、これについて労働者側からいろいろ要求が出て、そして結局どうなったかというと、三十五年の年から五月実施というものがこの中に書き込まれた。その経過というものをあなた認めなければいかぬのですよ。完全実施というのはあなたどういうことか、よくあなたと今度議論すれば、完全実施ということばはどういうことになるかということになるわけですよ。あなたの言うのは、完全実施というのは何%上げよとか何とか、中身に入っていろんなことを言う。そのほかに完全実施にはとにかくあれだ、実施の時期がない。その実施の時期を特別三十五年からつぎ込んだということは、これはなるべくすみやかにやればいいのだという考え方ではとにかくだめだ、こういうことで人事院がやり出したのですよ。そうなったらいまになって、その五月実施というものに対してやらぬでもいいのだというようなその考え方を持つということはですよ、これはちょっとどうですか、あなたのほうの見解としては正しいのですか、それは。労働大臣はとにかくその点では何と言っているかというと、それは時期的にも実施してもらいたいのだと、こう言っている。これがたてまえだと、こう言っている。文部大臣だけがそういう見解をとるのかどうかしらぬけれどもね、六人委員会というのはどういう委員会になっているか、全部は知らぬけれども、まあ六人委員会の中でも、聞くところによると、それはやっぱりほんとうはやるべきだということを言っている人もいる。そのほかに労働大臣以外にもいるらしい。金がなくてやれないのだから申しわけないのだよ。この間もあなたに言うとおり、そういうあれならこんな大きなあれを出す筋合いないのだ。まことに申しわけないが、どうぞ穏やかにお願いしたいというぐらいのことを書けばいい。断固、法に違反する、その者は処罰するということを書いて、そして先ほどの話を表面的に聞けば、教育長を集めたのではなくて、集まったのだということを言う。ぼくも内幕は知らないことはない。どういう仕組みになっているか、中に入ってみれば、いまや教育委員会はどういうことになっているかよく知っている。集めてとにかく教唆、扇動している。そうして一体、これは処罰のほうだけやるが、自分のほうの守るべきことは一つもやらぬということは、これはいかぬですよ。これは為政者のやることではない。そういうことになると、人事院勧告は政府にもやるかもしれないが、国会にもやっている。おれらがそのことについて主張する権利がある。受けとめてやるべきだということは言う理由がある。しかしだね、この間、人事院総裁そんなことを言ってすましていたけれども、書生論議ではありませんと言っていたけれども、野党が何ぼ言ってみたところで言論戦、言うだけの話で、やるのは政府なんだ。誠意を見せろと言ったら、やはりこれは政府しかない。だから、私は違法を責める前に、五月実施をやりなさい、こう言うのだ。それを言わずして、威圧的に争議行為は何だなんて言い方はおかしいのじゃないかと、こう言うのだ、ぼくの言い方は。これについて、あなた何か言い分ありますか。人事院にはずいぶん専門的な知識もお持ちのようだが、私を納得させるようなあれがあったら聞かしてもらいたい。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 完全実施は、もちろんこの期限といいますか、三十五年から五月一日が入った以上は、五月からあの内容を実施するのが完全実施でしょう。それは明らかですよ。しかし、私もさっき申しましたように、完全実施をどうしても政府がやらなくちゃならぬという義務をつけられてですよ、それをやらなければ争議行為をやってもよろしいというようなたてまえをとるならば、勧告じゃなくて、これはわれわれはそれに従うというのが、これはやるべしという決定権になるわけですね。そこが、人事院に決定権を持たして勧告という制度ができておるのは、そこに一方、法律で禁止されておるそのことと、それから尊重ということにはそこに差があるということがまあよく御理解できると思うのだけれども、それを一緒であると、こう割り切ってしまうところに、ここに私は意見の相違があって、幾らいっても平行線になる。そこがたてまえが違うということだけは十分理解して、その上に立って私進めていただきたいと思う。もちろん私といたしましては、いまのたとえば九月実施ということならそれで十分なんだなんて決して考えていません。何とかして文部大臣としては完全実施をやりたいということを、これは私は六人委員会の一人じゃありませんけれども、機会あるごとに、大蔵大臣あるいは関係の大臣に、何とかして完全実施ができるようにということは言っておりますが、どうなるかわかりませんが、かりに五月からの実施がなくても、これは完全実施にならなくてそれは非常に残念だけれども、さっき言いましたように、勧告の尊重というものと禁止というものはそこに明らかに相違があるということだけは、それはひとつ念頭に置いて、この問題についてひとつ御意見を言っていただきたい、こう思うのですよ。

小林武日本社会党

○小林武君 そういうことを言い出すというと、これはたいへんなことですがな。何かイギリスのあれはバーナム委員会ですか、あの委員会だって、あれは委員会だから勧告でしょう、イギリス人の教員のあれは。大体それで勧告どおりいっても実施されている。そうすると、とにかくいまの話を聞いているというと、人事院をつくったときには、とにかくどんな勧告がされようが、労働者としての公務員の生活を保障してやるというようなことは念頭になかった。それはもう念頭になくて、適当に処理できるものだ。それが、公務員が公務員独自のあれでやるわけじゃない。人事院というものは、民間の給与その他を全部調べて、公務員の給与についてこれは増してやらなければならないという、そういう資料が出たときに初めてこれは勧告する。そうでしょう。必要欠くべからざるものをここへ勧告するわけでしょう。決して、とにかく特別な措置なんてものはあるはずない。だから、先ほど来言っているように、その勧告についてはいつでも不満がある。勧告そのものに不満がある。だから、公務員の諸君は人事院というのはもうやめてもらいたい、やはり労働者が労働者の権利を持って労使対等の立場に立って、ひとつ賃金をきめるというやり方をしてもらいたいということは、これは多年の念願なんだ。しかしながら、そうは言うものの、やはり人事院があるのだから、それを尊重していこうということ、これはぼくは労働者としてはきわめて謙虚な立場に立ってやっていると思う。その人事院が勧告でございますからやらないのはあたりまえだと、こう言わぬばかりですよ、あなたのおっしゃった言い方は。そうでしょう、あなた。さっき鈴木委員が言ったように、一万何ぼ損するとか何とか言ったでしょう、勧告どおり実施されなかったら。これはもうとにかく公務員のその損失は、一人十万円に近いというようなことは、これは自治労の調査で出ている。十万円に近いということは三十五年から四十年までの集計で、そして九万五千七百二十三円と、こう書いてある。結局、勧告どおり実施されると九万五千七百二十三円プラスされて初めて民間とつり合ったというのは、これはさっきから何べんも言うけれども、それが合ってないということはよくわかっているけれども、それでも人事院のいうことについてそれを信じてもこれだけ一体損しているという、あなた団体交渉やってものをきめた場合、実施の期間と幾ら上げるかということが合併しなかったら、これは労働者の賃金の交渉にはならぬのですよ、そうは思いませんか。よし上げてやると、三年ほど待っておれというような、こういう、こんな団体交渉というのは世の中にないんですよ。一カ月どうするかというのだって、それは真剣な問題だ。これは皆さんだってそういう経験をお持ちだと思う、経営者側でね。そういう種類のものなんですよ。それをあなた気軽にそんなこと言われちゃ困る。しかし、ぼくらもまあわりあいにおとなしくものを考えれば、三十五年から相当行なわれてきた、しかし国の財政が非常にとにかくたいへんなときになってきて、一ぺんぐらい抜けたかというときなら、これは実施の時期をどうするというやり方でまあやられても、口ではあれしても腹の中ではこれはしかたがないわいというぐらいなことを思わぬでもない。しかし一度もやってない、一度も。とにかく人事院ができてからこらえ切れなくなって、三十五年にようやくいつ実施するかということをやってもらった。それから一度もやってないということは、十万円に近い金を労働者が損しているということは、これはどういうことですか。それをあなたがいまここであたりまえでしょうというようなことを、公務員が何とかというようなことを言うのはぼくは納得できませんな。完全実施をしなくてもいいんですなんという、そういうあれはとんでもない話だと私は思うんですよ。道義的責任だとか、政治的責任だとか、法律的責任だとかいろいろなことを言うかも知らぬけれども、一体このことはどうなんですか。道義だとか法律だとか何だとか、条例だとか何だとか、君ら少なくとも口に出すべき問題じゃないですよ。そういう考えならば、一つは値切ってやろうという主義に立って団体交渉をやらせればいいんですよ。筋が立たぬでしょう、どうですか。これは一体憲法二十八条にある労働基本権ととられるというのは、それは労働者にとっては大いに不安でありませんか、あなた。そう思いませんか。あなたたちの出した、政府の出した、関係者の出したものについてはもってのほかだと思っているんですよ。総理府総務長官のあれは前のほうに二行だけ、とにかく一生懸命にやっているが、完全実施はできませんというのをにおわしたのが二行、あとは全部、やったらやろう、やってやるぞ、そういうおどかし。こんな一体労働者対策が何年続く、こういうことですよ。あなたこれはあたりまえだと思いますか、大臣どうですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) あなたの言うとおり言えばまずそのとおりだけれども、私は決して教員の処遇がどっちでもいいというようなことはちっとも考えてない。少しでもよくしたいという熱情に燃えているのも事実です。それが五月から完全実施しない、おまえは教員のことは何にも考えてないとおっしゃいますが、そんな私はつもりはない、何とかして完全実施をしたいというその情熱、気持ちを持ってやっておる。けれども、さっき言いますように、完全実施、勧告と尊重ということ、だからといってこれが完全実施にならないからといって争議行為をやってもよろしいということを言わせようとするんだけれども、それは無理なんだ。これは明らかに法律に禁止されているということ、勧告を尊重ということ、そこはやっぱり争議行為ということは頭に入れていただきたいんであります。そして、できるだけ完全実施に近寄る努力をするというの、か私の立場なんです。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 関連。大臣、尊重尊重と言うでしょう。一体尊重という意味はどういう意味なのか。さっきから何べんも言っているが、たとえばこの人事院をつくったときに、完全にやらなければならないという項目を抜いた。これはやれない場合もあるということで抜いたのでしょう、やらないことをたてまえとしているのだから。やることをたてまえとしておるが、例外としてやらないこともあるという、そういう意味が尊重なのか。どっちがたてまえなんです。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 先ほども言いますように、内容的の面と時期の問題と両方ありますが、内容的なものはこれはもとより完全尊重です。いまおっしゃるのは時期の問題でしょう。時期が五月から、それなんでしょう。だからといって、内容を全然顧みないということになれば、これは全く尊重じゃないですよ。しかし、内容はそのまま置き、時期をできるだけ尊重する、五月に近からしめるということは、そういう態度でおるということは私は尊重だと思うのですよ。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 内容と時期とを切り離すという言い方をまた大臣してきたのでしょう。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 一緒だけれども……。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 一緒なら、時期はあとということはないでしょう。そういう議論が出るから、ぼくはさっき労働大臣に、大臣が内容とおっしゃる意味は、給与体系の原型という意味、その原型をうしろにずらしていけばベースアップ分というのはゼロになる。それでも内容を尊重したということになるんでしょう、あなたの言い方からすれば。給与が将来こうなるんですということになれば。だから、あなたの言う内容と時期という意味は、内容というのは時期と給与体系を言っている。内容というのは短形の縦と横をかけたものが面積だ。その面積がベースアップ分だ。それを縦のほうは尊重します。横のほうは金があったらどうでもものさしで伸縮自在でございますといったら、横がゼロになったら面積がゼロになる。横が半分になったら面積は半分になるのでしょう。そのことを、内容と時期とを切り離せば尊重するとかしないとかいう議論は、これは法律というものはいろいろと皆さん抜け穴をつくってあるから、つまり、大臣がきょう答弁できるように、人事院をつくったときは拘束されないということでつくってある。これは抜け穴です。趣旨からいったら尊重するということがたてまえです。そうでしょう。勧告どおり期日も含めたこれを実施するということがたてまえなんです。ただし、どう善意に法律を読んでみても、不測な事態があったりなんかする場合には完全にやらないこともできる。むしろそっちのほうを例外的に解釈するのが人事院のあり方の解釈なんでしょう。ところが実際は、さっきから何べんも蒸し返されているように、三十五年からやられて、三十五年から十月、十月、十月といつでもきている。それから九月からまた下がったから、九月、九月できている。これが、そういう大臣がおっしゃったような趣旨で努力をしたというふうにはだれも見られない。ただはき違えている。法律の抜け穴をたてにとって、例外を通常のような形にして議論をするということが、このことが通用するということが問題なんです。だから、あなたが尊重するとかしないとか言っているけれども、尊重という意味は、実施期日を含めた、いまのぼくが言った面積、これを完全に実施するというところがたてまえであって、どっかが欠けるということは例外である。ぼくはそう考えるのですけれども、大臣は、たてまえはやらなくてもいいという考え方を持っておるのか、その辺をまずはっきりしてから議論を進めたいと思う。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 時期が来年でもいいなんて言ったらこれは無視ですよ。私は十月から九月今日九月になっておりますね、一カ月それが前進したことはやっぱりそれだけ尊重がより強くなったこと、それが五月までいけば完全尊重になるのだけれども。だから、できるだけ五月に近づけるように努力するということは、私はその気持ちで一ぱいなんですよ。しかし、五月でなければこれは尊重じゃないんだ、こう言うことは私は少し行き過ぎだと思うのです。だから、尊重するということは努力する、尊重ということは。これは五月から完全にやるということは完全尊重ですけれども、尊重ということはもう少し幅があるんですね。といって、私はうしろ向きにいこうなんて言いませんよ。やっぱり五月に近づけるような前向きでいくというのが、これが尊重の態度だと思います。

鈴木力日本社会党

○鈴木力君 関連ですからもう一回だけ言いますけれども、ぼくが言っておることを、大臣のいまの気持ちでごまかしてもらっちゃ困る。尊重という意味をどう解釈しているかということが、小林委員がいま質問しておる公務員の行動との関連があるからぼくはこれを言っているわけです。法律には抜け道があるから抜けていいんだという言い方では困るから、だから言っているわけです。つまり、人事院の勧告を尊重しなければならないという意味は必ずしも完全に実施しなくてもいい意味だと大臣は再三そう言うでしょう。必ずしも実施しなくていいという意味は、それがたてまえなのか、そういう聞き方です、いま聞いておるのは。それをどっちかという、それでいいとか何とかいう議論とは違うのですよ。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) それが財政その他諸般の情勢から割り出して五月にやるのがあたりまえだという、そういう環境が出れば尊重は五月からやるのが当然ですよ、しかし、その他のいろんな制約といいますか、いろいろの条件がありますから、それらを総合していって完全に五月の実施にならなくても、私はやはり前向きでいくというのが尊重のたてまえだと、こういうふうに思います。

小林武日本社会党

○小林武君 あなたの意見はよくわかりました。よくわかったというのは、何を言おうとしているかということはよくわかった。しかし、それだというと、ちょっと佐藤内閣としては少しおかしいんじゃないかとぼくは思う。さっき何か憲法二十八条の問題で出たのですが、一体、憲法二十八条の労働者の、公務員の基本的な労働者の権利をとられるのは、そんなあやふやな代償機関でとられたんじゃたまらぬという気がしやせんか、どうですか。こんなあやふやなあなたの話だというと、尊重したいというのはやまやまだけれども、とにかくいろいろな情勢があって、なかなかできないのだ、前向きだけれども一歩も前進しないのだと言う、三十五年からいままで数えただけでも一歩も前進しておらない。私はそういうことについて、とにかく一歩も前進しないということはぼくはおかしいと思う。なぜ、一体できないならばできるようなやり方を講じないのかと思うのです。労働者に尊重させないような形でやらないのか、ぼくは、だから今度の問題でさっき文部大臣にぼくが争議をやられてもしかたがないと言わせようとしているというが、ぼくはそんなことを言わせようと汗をかいているわけじゃない、そうじゃない。少なくともあなた方に不合理なことを不合理として事実だけは認めておいてもらわなければならぬということだけです。あなたにそんなことを言ったところで、人事院総裁もよう言えぬことをあなたに言えといってもよう言えるものじゃない。しかし、不合理だということは、これは認めなければいかぬ、不合理だということ、その点を何ぼ弁解してもだめでしょう。三十五年から一団もやらない、それで労働者の基本的権利が一体とられているとはどういうわけですか、それは理屈に合わぬでしょう。そして今度処罰のほうだけ強調するから、ぼくはこの文相が、とにかく政府としても非常に実施したいけれども、問題があるんだ、金がなくて困っておるからどうぞひとつ自重してもらいたいぐらいのことをいうならば、まだこっちも考え直してもいいようなところがあるけれども、こうだといって、こっちのほうはやるならやってみろ式のことを書いておいておどかして、あらゆる手だてを講じて、しかも、小学校長会が全日程を半分だかにして急ぎ学校に帰って弾圧をやれというような式の仕組みをとっておいて、という話である、ぼくが聞くところによると。日程を変更したということを調べてごらんなさい。それを文部省は私は知りませんというかもしれない。そういうやり方をやって、そっちのほうだけはまことに手順よろしくいっている、そうしておいて、これは教員だけじゃない、ぼくは国家公務員も地方公務員も含めて言っているんです。それじゃあんまりひどくないかということなんです。それはもうあなたたちが何ぼおどかそうとしたってぼくはやめませんよ。やめたときにどうだというようなことを、やめますからどうだとか、やめてもらいたいと思うからどうだとか、そんなけちなことを言っておらない。おやりになるならやってみなさいということ。そのあとはあなたたちのやり方次第によってはこっちのやり方もあると考えているから、おやりになるならやりなさい。しかし、国会で勧告を受けて国会にも勧告しました——あたりまえですね、法律に書いてあるのだもの。勧告している限りにおいては、そういう不合理をわれわれとしてはなかなか黙視できないからいま議論している、あなたは一体そういうことについてどうですか、不合理だと思いませんか、おこるのがあたりまえだと思いませんか、どうですか。争議やるやつを認めてよろしい、けっこうだ、これがあたりまえだと思います。これが民間ならたいへんですよ。民間ならただですみませんよ、こんなことをやったら。どうですか、あなた、それはすましていられないでしょう。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 民間ならまさにそのとおりです。しかし、何回も言うがごとく、公務員は国民全体の奉仕者なんですね。そこに一つ制約があるということはひとつ頭に置いて話をしてもらわぬと……。公務員はこれは明らかに憲法にも書いてあるのですよ、国民全体の奉仕者として公共の福祉のために勤務する職務ですから、そこに争議とか何とかいうものはある程度制約されるということはしかたがないですよ。そこに頭を置いて、その上に立って——民間と同じように議論されますと、そこにどうしても食い違いが出てくる。だからといって、公務員の処遇はどちらでもいいんだと、そんなことは考えていませんよ。やはり公務員の処遇をよくするように努力するということは、私たち当然のことだと思います。そこに相違があるということはひとつ頭に置いて話をしてもらわぬとどうしてもこれはいけません。

小林武日本社会党

○小林武君 それは、ちょっと文部大臣、ぼくはそれを言っているんだ、あなたたちの土俵でものを言うということは、いわゆる奉仕者だから。ほんとうならば、民間ならたいへんだとあなたは認めた。認めたように、労使対等の立場で団体交渉をやって、労働基本権がほしいというのはそうなんだけれども、奉仕者だということでこの法律に書かれ、そしてたよりにするのは人事院勧告だ、こういうことでしょう、人事院勧告をたよりにしているけれども、一ぺんも実施してくれない。あなたは尊重したというけれども、一体十万円も損をしているということは何かといったら、その勧告というものはプラス十万円がなければ勧告の趣旨にあわないのですよ、そうでしょう、あなたにとっては十万円という金はたいした金ではないかもしらぬけれども、労働者にとっては十万円という金はたいへんですよ。幾ら上がるかということによって、子供を持っている者は、正月になったら子供にちょっと防寒具でも買ってやりたいとか、みんなそういうつつましやかな考え方を持っている、そういう考え方に立ってやっている者は、がまんしてがまんして人事院のあれにまかしている、それをあなたたちは、人事院勧告をとにかく三十五年以来一度もやらぬでおいて、そしてそのくらいのことはがまんしなさい、全体の奉仕者じゃありませんかということは、あまりにも芸がないとは思いませんか。ぼくはそういうあなたたちの逃げ方はいやだな。労働大臣のように、そうやるのがほんとうですけれども金ございませんと言ったほうがすっきりしていますよ、金ございませんと、そこまで言ったら、今度は処罰するとか何とかいうおどかしの文句を出さぬことですよ。しかし、あなたたちに処罰してくれないようにと私たち頼んでいるのじゃない、やるならやってみなさい、こう言っている、そんなことで筋が通るか、そんな筋の通らないことをこれからやっていくつもりか。あなたもとにかく労働大臣ではないけれども、国家公務員といえば、ここに並んでいる連中だって国家公務員だ。月給が上がればみんな一緒にごしょうばんにあずかるものばかりだ。そういう一体あれを考えませんか。あなたどうですか、私の言うことは間違いですか。あなた、どうも小林というやつは理解してくれない、こう考えますか。どうもぼくのほうが少し無理だとお考えになりますか。どっちですか。あなた、やはり無理だけれどもかんべんしてくれというぐらいのことを言ったならば、ぼくもだいぶやわらかくなるけれども、おまえのほうが引っ込んでくれなければ、おれのほうはどうもわからぬと言うのだったら、どうしても承知できない。どうですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) これはしかし、国民全体の奉仕者であるということはもう御理解十分願っておる、できておると思うのですけれどもね。だからといって、完全実施されないからといって、これは争議権をやってもよろしいということは、私はそこに飛躍があると思うのです。だから、人事院勧告をできるだけ完全に実施するように努力しなければならぬということは私もわかる。けれども、それが完全実施にならないからといって、それなら争議権をやってもよろしい、そうは飛躍ができない。そこにやっぱり公務員としての自重をしてほしいと思うわけですよ。そこはやっぱり公務員というものが、ことに教員というものは大切な仕事であって、そしてそれは尊敬される立場に置かなければならぬ、こういうような人が法律を犯すような争議をやってもらっては文部大臣としては困るのですよ。そういうようなことが起こらないように自重してもらうことを私は願っておるわけです。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣は、尊重し、五月の線に近づくように努力をする、こういうことを何回も言われるわけですが、先ほどのお話のように、いま出ているのは九月の線だ、これをなるべく五月に近づけるようにする、こういうお話ですけれども、何ですか、これが九月を動かないこともありますね。これはあり得る。大臣は、そういう事態も考えられるのですが、一体これからどういう具体的な努力をされようとしておるのですか。尊重するという説明から、お話から伺うと、これからどういう努力をされようとしているのですか。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) これは私は六人委員会の中でありませんけれども、やっぱり閣議におきましても、それぞれ関係大臣と出会う場合もあります。そういうときにはいつも、なるたけ完全実施に近い線が出ないものか、何とか出してくれよということは絶えず懇請といいますか、主張してきておるわけです。まあ微力でございますが、全面的に努力は払っておるつもりでございます。しかし、私は正直、見通しをさっき言うのですが、ほんとうのところは五月実施はいま非常に困難な状態で、大蔵大臣に言いましても、非常に財政上苦しい、こういうことを言っております。努力することと、結論がどうなるかということは、これは別問題でございますけれども、私としては何とかして完全実施さしたい、こう思っております。どういう結論が出るか、いまのところでは何とも断言できない。

小野明日本社会党

○小野明君 私がほしいのは、私は大臣が職を賭してがんばるからひとつ了承してくれ、これぐらいのことばがあれば、了解をせぬこともない。まあ途中でやめる大臣よりも、この問題のために、あなたが尊重するということばを実現するために、そのとおりにやるために職を賭しておれはがんばるのだ、そういうおことばがほしいと思うのですが、先ほどから伺っておりますと、どうもそういう点が伺われぬのですが、その辺をひとつもう一回お尋ねしたいと思うのです。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) 職を賭してということは、これは完全実施にならなければやめてしまえ、私が辞表を出すということなのか、それはわかりませんけれども、私としましては、職を賭してとかいうことは別としまして、なるたけ完全実施に持っていきたい。それから、単に私は教員というものは、これはやっぱり専門職的の色彩が非常に強いわけですね。だから、やっぱり教員に対する俸給表といいますか、そういう処遇はやはり特別に考える必要があるのじゃないか、そういう面に大いに検討を続けたい、こういう気持ちは持っておるのですよ。今回はそれがすぐ間に合いませんけれども、何とかしてそういうことをやって、そして教員がほんとうに尊敬される立場において日本の教育をいいように前進をさせたい、こういう気持ちをもってひとつよく検討をしていきたい。そういう気持ちを持っております。

小林武日本社会党

○小林武君 私は非常に不満なのは、文部省の場合、これはいま始まったことでもないと思いますけれども、教員を責めることだけ責めるのですよね。まあ敵視するといってもいいようなところがある。また、それにはそれなりの理由がありますといって開き直る人もないわけじゃない、だいぶいますけれども、それにしてもぼくは文部省というところはもっと教員の待遇の問題その他について真剣でなければならぬと思うのですよ。それには文部大臣も、これは文部省というような場所よりも、むしろもっと幅の広いところで活動されておった方だから、ぼくはわりあいに理解がいいと思って実は考えておるのですよ。たとえば、教員だからストライキをやらないのだ、やれないのだ、ストライキをやったらいけないのだとかいう、そういうものの言い方でも、実際もわかりのいい文部大臣が、だんだん文部省のほうに腰かける日数が多くなるとおかしくなるのじゃないか。こんなことは日本の教員ばかり見ないで、もっと国際的に見たらいいんですよ、ほんとうは。アメリカのNEAですが、あそこの教員のほとんど全部を握っている教育団体で、全体として労働組合員はほんの一握りしかいないようなところでも、昨年ですか一昨年ですか、ニューヨークという大都市の教員が投票をやってストライキ権を確立したことがある。そして教育委員会式のものが敗北したことがある。これはアメリカの大使館からぼくらのところに回してよこした。パンフレットに書いてあるのです。そして教育界はとにかく大きく今後転換するだろうと書いてあります。それは何も悪意では書いてなかったと思う。そういう一つのやっぱり動きというものが教育界に出たということがきわめて客観的に書いてあった。そのほかイギリスにしろ、先ほどから言うように、どこでもそういうようなことが行われる。それは賃金というものに対して、賃金をほしがるから教員でないということでもない。まともなとにかく賃金をとることによってだけ、私はほんとうのことを言って、教員は教典らしいことになると思うのですよ。これは議員であろうが役人であろうが、一般の労働者であろうが皆同じだと私は忍べ。そういうたてまえから立ったら、私はもっとこの問題について熱意がほしいのです、ほんとうのことを言って。ところがもうとにかく教員を敵視しているような考え方ですから、この文章を見たって、実に何というか、教員をどうやってやってやろうかというような、ほんとうはいまこれを出して、今度、教育委員会と教員、学校の中に入っていけば校長と管理職の問題がありますから、校長、教頭というようなこういうものと教員とが鋭く対立するというふうなそういう雰囲気をつくっても、これで日本の教育というものがよくいくかどうかということも文部大臣ひとつ私は考えてくれ、あなたは教育に対してその点あまりよく知らないということをいつかおっしゃったけれども、しかし、その新鮮なものの考え方で、世間一般を広く見たものの考え方で、教育の問題を処理してもらわぬと困る。先入観があったり、引っかかりでものを見たら逆に困る。だから、あなたに別に争議やるのはけっこうだと認めてくれというようなことは言っていない。しかし、あなたのほうでも、少なくとも不合理な点だけは認められる、それはさっきから言っておる。だから、とにかくどうなんですか。いま小野委員からも話が出たが、そんな職を賭して、大臣にせっかくなったのにやめろというような酷なことは言えぬけれども、あなた大臣として、教員はとにかくここまでせっぱ詰まった気持ちで来ている。これは私は今度の場合は絶対引かぬと思いますよ、それは。しかし、引かぬ理由は何かといったら、五月にさえ実施してくれればいつでもやめるというのだ。これは筋が通った話だと思う。何かぼくは自民党のある代議士さんに聞いたら、ベトナム戦争何とかというのをけしからぬとぼくに言うから、ベトナム戦争何だかしらぬが、五月実施早くしてみなさい、やってくれといったってあの連中はさっとそれで終わりになりますよ。だからやることをやればいいので、それをやらぬでおいて、こういうことをやるのはおかしいので、あなたは、ぼくがやっぱり不満なのは二つある。一つは、人事院というものがあって、人事院が勧告したのに、その勧告すらも認めないというのはやっぱりぐあいが悪いのだということを、それをあなたに言ってもらいたい。何も争議やることはけっこうですからやってくださいというようなことをあなた保証づけることはない。それを認めて、私はとにかく最大の努力を払って、とにかく二十一日は争議の起こらないような努力をいたしますというようなことぐらい言ってもらわないと——あなたどうですか、それを言わぬでおいて、やってみなさい、やっつけますよというのは文部大臣の政治的な発言ではない。そんなことを言うならだれだって言える。やるならやりなさい、権力を持っているからね、一応権力を持っておる者はそのくらいのことは言えましょう。しかし、それは筋が通らぬと思う。どうですか、とにかくひとつ第一弾はそれですよ。人事院勧告の完全実施というのは当然の考えだということですよ。  もう一つは、あなた、起こさぬようにとにかく二十一日までに頑張りますというぐらいなことは言いなさいよ。そうしない限りおかしいじゃないですか、労働大臣がそう言っているのだから。一番あなたの関係のあることを言わぬというのはおかしいですよ。

有田喜一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(有田喜一君) ともかく教員というものは非常に大事な職務ですから、法律を無視するようなストライキ、争議行為なんということはやめてほしい。これはもう私はやはり法治国家である以上は順法精神に生きてほしい。それから処遇の問題は、これは人事院のことをいいますけれども、私は教員の立場というのは、さっきいうように特別の専門職能ですから、それは別途考究したい。今回の問題は、これはひとつきまっておりますけれども、別途、地位の向上のできるようなことを検討したい、かように思っておるのです。

小林武日本社会党

○小林武君 なかなか、これいま総理府の総務長官こないとあれですから、総務長官来たときに、また総務長官とのかかわり合いで文部大臣にお尋ねすることもあるから、それを大体含んで、ここで何か休憩の話が出ておるようですから、それならばここらで切ってもらって、あとの質問者もあるようですから、休憩に入っていただきたい。

二木謙吾自由民主党

○委員長(二木謙吾君) 午前の委員会はこの程度とし、この間、暫時休憩いたします。    午後一時五十五分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

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